#穏やか貴族の休暇のすすめ
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fireflowerhanabi · 3 months ago
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Odayaka Kizoku no Kyuuka no Susume - Review
[Summary taken from TokyoPop]
When Lizel mysteriously finds himself in a city that bears odd similarities to his own but clearly isn't, he quickly comes to terms with the unlikely truth: this is an entirely different world. Even so, laid-back Lizel isn't the type to panic. He immediately sets out to learn more about this strange place, and to help him do so, hires a seasoned adventurer named Gil as his tour guide and protector.
Until he's able to find a way home, Lizel figures this is a perfect opportunity to explore a new way of life adventuring as part of a guild. After all, he's sure he'll go home eventually... might as well enjoy the otherworldly vacation for now!
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The Basic Premise: This slice of life, relatively low-stakes transmigration manga (originally a light novel) follows the adventures of Lizel and his adventuring companions as they tackle problems in this (to him) new world.
My Review: With charming characters and a clean and pleasing artstyle, this manga is great for a lighter read. Lizel is a "hidden boss" type of character -- while seemingly a bit out-of-touch and easygoing, he's got a lot of unanswered questions about his life before transmigrating and is frighteningly clever when he needs to be. Still, this manga's occasional political maneuvering plots don't detract from its main relaxing appeal.
Something else interesting about the story is that Lizel isn't from "modern Japan" or anything; instead, he's from an adjacent world (implied to be the future? maybe?), and his friends from his original world are putting in the work to get him back. I found this a refreshing take on the isekai genre, and appreciated the additional level of intrigue that it added to the story.
Another note: a lot of this manga is about "brotherhood" between Lizel and his hired bodyguard, Gil, amongst other characters. He acquires a group of men who admire and respect him not unlike a traditional isekai "harem," and there are those in the comments who are shocked it isn't tagged as BL. Indeed, it's not tagged as BL -- while there are hints, it never goes beyond what could be considered extremely close friendly intimacy. Regardless of whether romantic implications, I did enjoy the strong relationship between Gil and Lizel. They trust each other and play a stoic-ditzy duo that's fun to watch interact.
Overall: As advertised, this is a fairly standard relaxing "isekai" style manga, which maintains its overall pleasant atmosphere and surprisingly mildly interesting plot throughout. Its strengths lie in its pleasant art style and Lizel as a protagonist, who manages to walk the line between charmingly obtuse and scarily powerful very well, along with his bonds with his friends. Read if you'd like a lighthearted story with strong male friendships.
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noblesvacation · 4 months ago
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A GENTLE NOBLE'S VACATION RECOMMENDATION IS BEING AN ANIME!!
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avec-toi-1983 · 2 months ago
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I’m pretty late but Happy birthday Lizel!
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Have a double chapter!
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littleeyesofpallas · 12 days ago
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Odayaka Kizoku no Kyuuka no susume[穏やか貴族の休暇のすすめ。]
A MILD NOBLE'S VACATION SUGGESTION
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nullak · 1 year ago
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下書き
未送信ポスト
予約済み
身体的特徴や病気を揶揄しそうになったら子鬼化しかけることでなんらかを…
テセウスの胸、ヤバすぎる 逆おっぱいアーマーじゃん 狂うよ気が
男さんはツイッターが出会い系にされるのは嫌だ〜みたいな謎アピールーしていてる横で望み薄と思いながらもオタ恋みたいのに一縷の望みを託すグループだってあるわけじゃないですか
バイ寄りの宗教的ホモフォビアかつ自殺志願者だったので、純文は三島由紀夫と太宰を少々くらいしか逆に読んでない(別にそんなに読み込まなくても一人でヘラれるくらい素でメンヘラなので、逆にメンヘラ文化への造形は深くないし、ごく近年のナヨい偽ヘラを醜悪な紛い物と見做している)
『侮蔑語であるから差別ではない』『変えられる属性だから差別ではない』『何が差別なのかわかる/考えられるなら[侮蔑存在]にはならない』というのは全く偽だとは思う(ネトウヨではないしそうだったことはないが、今TERFはそういう存在として捉えられがち)
元々人間がやんわり嫌いだったけど、初音ミクで精通してしまったことによって非実在人間��で嫌いになってしまい、無意味にやたら自分を追い込み続け��いたというのがどうやら真相だったことが判明しつつあるが、アホすぎないか?
道徳価値と宗教価値みたいなことを考えたいなら素人があれするより研究家があれしているやつを読むわよ!
「真に中立的で正しい立場」みたいなのにあんまり興味なくて、というか、あまりにもバカバカしい馬鹿にコケにされても別に構わないくらい信仰のほうが大切だな、というのをやられてみて初めて理解できたからそういう形になってしまったという向きも足るといえばあり
医者は実際楽でも安定してもないとは思うが、コメディカルの下働きならまあまあ安定はしているかもしれない 奇妙に安定していることを申し訳なく常々思っているが…
愛について語るべく色々なことを無我夢中に並べたところ、色々なことをよく考えていてえらいと言われた(たぶんかわいい)
暗黒街の非道幹部だった頃に花売りの少女の身体を奪った罪を背負い続けるセージさん
職場交流、「阿波踊りは無理です…就業後集って練習とか…」で辞退して以降特に発生してない(そろそろアフターコロナの向きがこっちにも来ると飲み会位はあるのかしら)
のあ先輩まだ初回しか読んでないけど、ケータイのメアド押し付けられたことあったけど情緒が存在してなかったのでガン無視していたし、相手も狂っていたのでその件は特に触れないでガンガン話しかけてきた同級生のこと思い出した
のあ先輩みたいな動きをしてくる5,6歳下のフォロワー、サブカルでもあったのでホームレスの寝床で初性交するサブカルSM漫画などを勧めて来るので(本当にどうしてほしいの…?)とめちゃくちゃ心労していたし、「男女の友達だった頃が一番楽しかった」とかいう捨て台詞を吐いてブロックして去っていく
クレアノーズ姉とルスクォミーズ姉の確執から怒濤〜と思っていたけど、現在進行でもガンガン怒涛の展開が巻き起こりすぎ
科学的にやれば左翼になる、という説明には生物系・医療系で生きている人間としては全く賛同できないんだけど…(生物学においては二性しか存在しないものを人間だけ例外にして第三以降諸々の性が存在していることにしていることとか…)
オッペンハイマー主題歌、『我は死神、世���の破壊者なり』をうまい感じに入れてほしい(いつまでも公開されない感じなの、不穏〜とは思っている)
好きなフォロワーが何処で異性と乳繰り合ってようが俺と会ってくれないなら関係ないな、という感じでガン無視していたがそれは嫉妬を煽ろうとしての行為で、それに気が付かないでいるうちに愛想を尽かされて振られたという構図に3ヶ月後くらいに気がつくこととなる のあ先輩はそういう喜劇なんだって
エルフ、万年発情期の人間のオスを軽蔑しているかオークにお縄にされているかのどちらか、みたいなイメージはある(指輪物語だとちゃんと誇り高い森の賢者をやっているだろ…!)(いずれにせよ恋愛と生殖に興味がなくて絶滅寸前でもあまり驚くことではないような気がする)
皆さんにはのあ先輩みたいな女が5,6歳下で、しききりにガチャキャラの露出とかサドマゾとかLOについての話題を振ってくる状況を上手く捌けるかについて考えておいてほしい
嫌いな人にこそ同族嫌悪が出るんだよなみたいな話をすると、キリエライトさんとかはかなり嫌いな方で、あのキャラが文句なしの大人気キャラとみなされるのがオタクの皆さんと反りが合わないなあって…
あのプトレマイオスの門(バーティミアス)でお馴染みのプトレマイオスさん(知らないけど…多分ソロモン並の古代の知恵者なんでしょう)
子供が持てなかった自分達に突然息子ができる物語、アブラム(アブラハム)
タワマンママ友バトルロワイヤル
性的嗜好はバイである可能性が高いことを昨今検討するようになっているのだが、シスジェンダーとしての内面を強く持っているし「自分の性的指向を開陳しないことは抑圧への譲歩として非難されるべき」とか抜かすアライ気取りの三流左翼を筆舌に尽くしがたいほど憎む気持ちはある
食の好みを異様に押し付け合う風潮のことが凄く嫌いなのは、父親が母親に無理やり納豆を食べさせたら吐いたという話をなんかずっと自慢気にしているから(行為として異常なのを置くとしても、絆を象徴するエピソードとして自慢気に語るのはだいぶおかしいやん)
「魔族は人間のことを食料としか思っていない」的話題でいうと、水族館で生きて泳いでいる魚を見ながら美味しそうとか宣う人間全員サイコパスだと思っていた(調理済みの料理が美味しそうなのであって、生きて泳いでいる魚から食欲はそそられないし、水族館より料理店の生け簀に親しみがある)
���倒的覇権韓国ソシャゲであるブルアカコラボが話題を攫っている中、リンバスは自社コラボで寡黙なデカい男であるところのムルソーがすごい性的視線を向けられてすごいことになっていますからね(気が狂うよ)
けど「いつか故郷の花とか…見せたい…」とかほにゃほにゃいう距離感のヒンメルより「五十年後にはもっといい流星群観察スポットを教えてあげるよ」とやたら具体的な計画を口に出して律儀に実行したフリーレンさんのほうが律儀だろ くっつきたいなら手の打ちようあったやろがい
美少女オタクゲーが普通に苦手なことについて露悪的に表現すれば、美貌や年齢といった性的魅力を活かして異性に対して優位に経とうとする下劣な女が嫌いだからだな
スポーツを政治の話題だと捉えていたから、のあ先輩みたいな年下の女が【球場で女と女が飯を食う漫画】をやたら推しているのを怪訝な目で見ていたら全てが終わっていたんだよね
のあ先輩みたいな女、最終的に男がセクハラ手コキされる漫画を貼りながら男性器が勃起するのが悪いみたいな体で被害者みたいな言外メッセージを放ってくるようになったあと、ブロックしてくる
奇人のコミュニケーション、多分本人に自覚がないのではなく、かなりおかしいとは思うが自分はギリギリ正気を保っているという自負が何かをおかしくさせるうちに致命的な破滅が引き起こされるのだと思う
あのあと「自分も親の買ってきた天声人語の書き写しやってて〜」とかで答えてたのでやっぱり病人と病人のどつきあいだった気がしてきた
別のフォロワーだと(今でも月1くらいで浮上してツイステを褒めるか非難する)、「友情と恋情の違いってなんなの?」と聞いたら「知らないけど別々の名前が付いてるので別の概念だと思ってた」と言われたことある(友達見込みの男から性欲が出てきたので切ったりはするらしい)
のあ先輩みたいな歳下の女と「今日はマスクの箱の説明文を複写していました」「…なんでですか?」「なんででしょうね…」という通話をしたことがある(病人と病人のどつきあいだろ)
ブルアカ・視点人物・性別、女生徒が男教師に剥き出しの性欲で突っ込んできてるとしたら、直截に恐怖がすごく逃げ出したくなるので、同性故の安心感で寄りかかっていることにしてほしい(fgoも割とそうだった、【異性だから怖い/同性だと安心】の価値観を反転させるとなぜか収まりが良くなる現象)
趣味や仕事の選考、可処分時間の裁量、資金力や生活水準、家族仲、自己を構成するあらゆるものの中で自分の意志で選べぶもんなんかだいぶねーやんね
摂食嗜好も性的嗜好も外観選考も全部、宗教・政治・文化等の影響を受けた何らかの判断であることを絶対に避けようないやんけ
完全にすべてを思い出してきたけど、元々政治的発言とか考えとか、本当に一切したくないから貴族主義で選良に支配権を譲渡したい、というのが自分の本音だし、だからこその倫理や規範に対して攻撃的なまでに遵守して振る舞おうとするんだよな
イスラーム、自分からの距離が異質すぎて政治思想で左右分けした時にどちらになるのかあまり納得の行く説明が思いつかず、仏議会からの左右の定義の延長でやれば耶蘇教保守とは逆行するから左翼、と言われれば一応の納得はできる、しかし習慣や慣習を重視する思想は右だとも思うけども…
うおお寝所と職場を行き来するだけで精一杯でそのことを疑問に思う暇もない生活!になってきた(全然定時で上がれるし給金は十分だし自宅待機とはいえ土日も休めてるので言うほどの不満も特になし)
インディーズののあ先輩が仕事ができなかったり心愛さんが台本を書けなかったりするのを思うと、コハルちゃんが補習部なのは恩情なのかもしれない
スイカゲーム、職場のブラウザでまでやってる人がいるのでそれはそれは面白いのかもしれない(そこまでではなくない…?)
おおインターネット インターネット 広大なる虚無の海よ
インターネットの無限の創造性の前には小手先の設定など無力…
同性婚について考えてるとき、【素人で反対側】という自分の立ち位置は自覚しながら裁判所の判例やらWEBの国会図書館資料でみれるものを参照してこういう理屈があんのねとチェックしてるし、固く意見を持ちたいなら賛成派もイデオロギーや党派性に依らずそういうことをすべきだとは思う
和ファンタジーも中華ファンタジーも全然わからんな…と思いながら(結界師とかはまあちょっとはアニメやってんの見てたわね)
要素としてのオタクは誰でも持っているからこそ、オタクという存在の本質をどこに見るかで人が争うのであり、ある人は単にフィクションを受容することを指し、ある人は特にきしょいフィクションへの対応をさしてそういう、というような状況がある
愛、生きてるうちにはなんかどうにかしたいですみたいな感じになってきたな 万事それにしてたら全部詰んでしまうんじゃない…?
愛のことが普通に恥ずかしくなってきたけどそのうちなんとか��るといいなくらいになってきた なんとかなるわけないけど普通に恥ずかしい 恥ずかしくないわけがないだろ愛が
(でも一人も出ないってこともないだろ、社会的構築物としてのジェンダーと思い込み以外の、男女の差異を見込むことは妥当だろ)
女流棋士や女子奨励会生の存在から「男しか将棋を好きになったり強くなりたいと思ったりしない」というのは明確に誤りの主張だろ…と思って検索したら23年1月現在の女子奨励会生の人数は2人らしい
ゾルトラークはなんか…そういう方法で魔法を編めば(?)そこそこの魔術の性能があれば誰でもできるから対策されやすい(それでも80年かかる?)らしいけど、80年かかるんだから即時でコピーと対策されるわけじゃないだろみたいなところで話のややこしさを捏ねくり回してバトルに…(やめろやめろ!)
生活や食事や野球に関する話題を念入りに避けつつ、政治や宗教、信仰、希望、愛について一方的にまくし立て続ける奇人変人
けど短歌のオタクは性欲塗れでキショいはなんか共通見解になってそうな感じあるよ(短歌は短いので流行寿命のサイクルが早いよ)
友情と恋情の違いに惑い続ける
『怒りによる殺しに寄りかかろうとした木偶』、「敵意に、縋り付きましたね?」なのかな(『あの色無し』をあなたの大切な恩人呼ばわりできるようになったの、左腕になれた故の余裕)
栗の香の匂いならエロ小説読んでるとよくでてくるよね(金木犀の匂いとまるで関連のないツイート)
プレイヤーに媚びてくる女が嫌いなのでキリエライトさんはかなり嫌いだしブルアカのキャラは大体嫌い なんで美少女ゲームやろうとするんだよ(皆さんがやってらっしゃるから…話題についていきたいのか…?)
キキとララが月と同等のサイズだということは知っている(サンリオ最強キャラ激論ツイートでトピックになる系の話題なので)
「ディオに唇を奪われたエレナに泥水で口をすすいでほしいと思うのは、ジャンプ主要読者層である青少年男児の残酷な欲望の投影なんだょ…?」と言われると否定も肯定も難しくない?(どういう問いたて?)
アオイナンカイブ
史的イエスもパウロも原始教会もどうでも良くない?啓示と教会と聖典、全部理念上でも別に…
自分に媚びてくる女がマジで嫌い、もっというとコミュニケーションのうちに何らかの要求をしてくる人が嫌い
鵺のなんとか三女…
アニメで知ったようことを喋ってると本当にろくなことになりませんよ
世界が不安であるという気持ちと、もし世界が本当にこんな感じであるなら悪い近代国家が最強ってことにならない?→もしかして本当にそうなのか…? みたいな感じ
人間の三次元写真が根源的恐怖を呼び起こすので(着衣している方がよく考えたらさらに怖い)、あまり興味がない対象であれば問答無用でブロックしているが、R18漫画家が自分の作品に対してこのような対応な対応をされることがあるのであれば、悲しいという話をしており、どこかしこでぶつかり合うのだ
自分に理解できない価値のために躍起になっている集団の中で居させられるの、困惑する
人間の顔の形、本当によくわからない、それほど重要な差異があるものか理解できないし、本当のところ美的基準についてもかなり曖昧であるような気がしてきた(それでも自分のものが良くない方のものであろうことは理解できる)
あなたには適切に与えられていて、全てはつつがなく運営されている。市民は幸福です。今日も一日ご安全に。ありがとうございます。
西側秩序、大人気
愛と奉仕の時代、と書こうとしたら(インターネットだとメイドとかの系列のほうが強くなるよな…)と思い直すなどの一悶着があった
好きな人に嫌われたくないという気持ちが強くなってきたな
フリーレン、アニメを見てから答え合わせで漫画を見るとアニメのほうがだいぶ面白い!になる度合いがびっくりするくらいすごいのがすごい(漫画作画を貶したいわけではなくとも、それでも…)
聞き込みシーン・世紀末半裸パンクもすき
ダーウィンもなかなかいい加減な若者で、別に進化の法則をダーウィンが発見しなければならなかったという意味での必然性は特になかったと思う(でもダーウィンが発見しちゃったんだよなぁっていうのが積み重なりながら万物は流転する)
生物学も西側国際秩序もアリストテレスやキリスト教の文化の影響下にあるのだから、(一旦は、建前としても)キリスト教理解を根本において世界を理解しようというのは全く正道だと思っていたが、ある意味だと全然その通りだったし、その上で世界はテキストじゃないから理不尽や不合理があるんすよね
なんでヘタリアはありということになっているのだろうと思っていたが、意外となんでとかそういう事情だったわけではなく川が流れていただけだったらしい
出会って四光年、自分の感覚ではこういう一発芸って文芸というよりカラクリ細工のジャンルであって況してやSFでは別になくない…?よくできてるけど… だったので識者にSF認定されてるらしいの驚いたぜ
我がコミュ障になった理由の3割くらいが特撮などに影響されて変な一人称だったのが恥ずかしかったからだとされている(なぜ恥ずかしいような一人称を採択してそれを使うことを己に課す…?→子供はバカだから…?)
出不精だけど誰かに引きずり出されるのは嫌じゃないけどガチの出不精は人付き合いを無くしてしまいこっちからも誘いを行えない(自分はつまらなくてもいいけど相手につまらなくさせるのは気の毒だから)のでなんかどうしていいのかわからなくなる、のを仕組みで解決してほしい(ワガママ)
別に酔わないわけじゃないけど悪酔いはしたくないし悪酔いで痴態を晒すのだってヤだから自分は節度を気にしているが、ポワポワグラグラすること自体は好きだし学生飲みのときもそうだったしまーそういうのもあんまし参加しなかったから色々行ったわけではないのだが、行ったら楽しんでたんだよな
現職にはコロナのこともあって飲み会という文化はさっぱりないのだが、工場の時には少し歓迎会のようなものには出て、それはまあ楽しかった(自分からは会話に参加?とかはしなくても無礼講で騒いでらっしゃる皆さまを眺めること自体は好きなので)
「最近デパスの在庫の減りがやたら早いよね」という会話が会議でなされており、インターネットミームのせいでは…という連想が脳内を駆け巡ったが、インターネットミームに関する知識にやたら長じていることを開示するのは得策ではないので耐えた、という一幕があった
この仲でセックスしてないわけがない そういうつまらない断定がいくらのものを奪ってきたのかってのを言いたいわけ
(全てにおいて浅瀬でしかない立場から喋るとして)ヨアソビ先生へのファンとしては【メンヘラ系ボカロの系譜でやった人がポップなフィールドでやっとる様子が、嬉しい】みたいな感触で、売れとる様子に対しては【大衆に合わせられるのも技巧のうちなんじゃよ…】な後方彼氏面、ということになる
我が父、聖餐式で咀嚼音を立てているので毎度強いなと思っていた(けど聖餐式で使うパン、まあまあ音が鳴りそうな怪しさは出ている)(我は未洗礼なので食ったことない)(入れ歯がズレてきて怪しいとか、色々な不幸が重なっているときもある)
フィギュアはんだごての人が【フィギュアを壊すのって勿体なくないですか?】という質問に対して「『こんな高級なお肉食べられないな〜』って言いながらも食べちゃう感じですね」みたいな返答をしていたのが、心に残っている
『殺し合いをスポーツ観戦のように眺めるのは良くない』のであれば『スポーツ観戦を眺めるのは良くない』も別に導いといて不都合も不合理もないと思うのだが、オリンピックや野球を自分がするわけでもないのに訳知り顔で語ろうとするものは後を絶たなかった
テーブルゲームってむしろ物(金)を賭けないと盤外空気読みのスキルが物を言うのでただの現実の交渉能力みたいになっていくイメージ
ダンジョン飯くらい気軽に蘇る感覚遮断落とし穴を世界に刻み込んだ原作のエロ同人(感覚遮断落とし穴、触手は一般性癖のうちなのか…?が一番気にかかるけどXでそんなこと気にかけてい��もしゃーないね)
カルロ・ゼン先生はテロール先生までは別にどうでもいいけど、売国機関で悪意王国工作員を刹那的修道女、共和国の重鎮を二児の母みたいなアレで描き始めた時とか、下ネタや恋と戦争は正当化とかがキャラ商売の現エンタメ情勢では変なことになる気がした
「○○という選択肢をライフプランに組み込んでなかった」式のつぶやきに対する違和感は、実はライフプランという考え方の枠組みを徹底的に嫌悪していたからかもしれない、定命者が今見えている浅い考えや欲望のもとで計画なんざ仮組しても砂上の楼閣にしかならないだろという傲慢に対する嫌悪
鬱で限界になった時にそういうのに本当に嫌気が差しているのに絶えられなくなった、というカバーストーリーを用意するのもいいだろう
蟹が(夢占いで言うところの)母性の象徴で三島由紀夫が嫌っていたという話題が、なぜかやたらと流れてくる(そんなに流れてくるような話題じゃなくない…?)
この音楽を学校で教えるの反社会的だろみたいな話、言い出したら全部そんなもんかもしれんという気持ちはある(好きだったナオンとの距離感がなんかへんになったくらいで恋愛ソングばっか聞いてニチャニチャしてたら完全に愛想つかされて縁切られたみたいのどの年齢になってもありうるだろ、とか?)
初音ミク胸を盛るな論には参加したくねえなと思っていたのに肌が焦げめで太腿を爆盛したレースミクにだいぶネガティブな感情を引き起こされた回…(イアテムの投影呪術で気持ちよくなってる場合ではないだろ)
酒・無知・口説き・無邪気・運 などをいい感じに配合してなんか気楽に暮らしている人間、ズルくないか…? みたいな怒りがないといえば嘘になるね そういう嘘で誤魔化し誤魔化し繰り返すのを成熟と呼ぶのかもしれないが
マッチングアプリ、とりあえず四国関西圏で…でやったら高知の左端の人間とマッチングし、四国の対角線と対角線でなんとかなるようなことがあるかよという気持ちになったのでやめた(永遠にアイカツの話を振るなど、断らせるための理由を作らせるコツとかがわかったが、カス)
俺がXに流れてくる実写女性画像を憎んでいる理由→好きだった異性のフォロワーがあまりにも美人すぎてキョドっているうちに最悪の人間だと判断されてアカウントを抹消されたから
人間が自分のために身なりを整えてくれるという概念に耐えられなかったから初音ミクの髪色を見せられた時にどうしょうもない拒否反応が出て全てが破綻したんだよね
小児性愛者に対する人権侵害、前科者に対する就職制限どうのこうのの話題のほうがよほど重要だと思うけど、ネットの善人ども��犯罪前科者に対しては恐ろしいほど冷淡だから不思議なことだとは思わない(予備軍に対しても過剰防衛すぎるとは思うが、それとすら比べようがないほど前科者に非情)
30歳まで半年切ったとかそこら辺くらいで悟った気にでもならないとやってられないほど追い詰められているにゃるら先生、という見方もしようと思えばできる まあインターネットアンダーグラウンドヤク中の時点で文脈だいぶキツイよ
エクソシストが堕とせないという漫画のエクソシストが墜ちそうになっていると、面白い(わろてる場合か?)
近代ってあんまり宗教でてこなくてつまらなかったから…
自我が薄かった子供の頃にウケ狙いでよく考えずに行動したら迷惑をかけてしまい反省した、という思い出はあった(本当に自我が薄い!)
美人だって美人すぎると美人すぎて見分けがつかない(テレビにデルような芸能人に対してだいたいそのような印象を抱く)ので似た顔の人間が似た顔なので見分けが付けづらいというのは近縁種の花の見分けがつかないようなものだろ
ロベスピエールといえばイメージの殆どがあの童貞野郎でお馴染みの獅子の時代になってしまうが、獅子の時代を読んだことがないのは、どちらかというとまずいのではないか、とは思ってはいる(イノサンにも画面の端には写っていた)
【トリビアの泉】昼という漢字を丸で囲み触覚をつけると仮面ライダーっぽくなる。
ブルアカのキャラの性欲が怖い!!!
ワンクッション置く工夫
やっぱりほのおみずくさは近年作品の御三家から出るんやね…みたいなところにも性格の悪いオタクならネチネチ言えそうだとかも思った!(陰険って言ってるやつが一番陰険なんやぞ論法)
言わぬは花 君はその種子
顔がいいせいでまともに取り合ってもらえず何でも適当な話ばかりさせられてきた人というのも、その人なりの苦労を背負っているものなのだろう
どいつもこいつも胸がデカいな…でやや嫌になってトラロックさん以外顔しか見えないようにしているね
文学みたいな顔 fgoの都会デビューした文系の大学生みたいな顔の美女は好きなんだよなということを思ったけど、好きなのとなんかそれに傾向と奇妙さがあることを愛着を込めてバカにする言説は両立するんじゃない?しないの?
英文学だとミルトンの失楽園が永久に擦られ続けているとかいう話、本当なのか…?感
フリーレン世界の植生がどうこう言っているオタクにも輝くチャンスが…
【低賃金労働者としての移���受入れに賛成する人は《労働者の賃上げには反対》というのが筋】ですよね、【受け入れた移民を低賃金労働者として酷使  して、労働価値をデフレに引き止めよう】ということなのだから、という話に、確かにそうですねと思った
チェンソーマン二部もここから愛の悪魔と責任の悪魔がでてきて大盛り上がりするかもしれないし(磔刑クァンシの絵面とか、最近の展開ふつうにすき)
一ヶ月前に流行り病ってたヘルプでお越しになられることのあるセンパイ、まだ咳き込んだりしていたけど後遺症ってやつなのか?(いつになったら治るの…?)
本当の弱者バトルとかマジでどうでもいいけど、工場労働と一次産業と日本の飲食産業が大量のゴミを前提とした構造であることが許せないという気持ちはまあずっと持っているよ(資本主義でゴミの量にこだわることなんか【合理的じゃないよ(笑)】とかおっしゃりたいのかもしれませんがね)
運動家であればただそれだけである程度以上に敬意が払われるべきだし、そういう意味では、本当に唾棄されるべき主張と方法でしかない空白の人でも、ただ運動家であるという意味での尊敬だけは与えなければならない、これは、単に原則論としてそうすべきであるという論理上の拘りでしかないとしても
「なんかどっかで恋愛の末性経験してるので交際突入及び性交はええ感じにリードしてくれるが、真実の恋愛は経験してないのでなんか自分とやたらドギマギしてくれる」
こういう存在を恋愛相手に要求する無意識があるが、理想高すぎというか無茶なので冷静に考えてどうしたいんだよになりがち
處女にすごく価値がありそうなのがオタク誇張表現で、童貞を憎み恥じるのと同じくらい嫌っていたりどうでも良かったりするし、性交の有無を問題にふるならむしろ上手くてリードとかやってもらえりゃ万々歳とすら思う人もいるが、ここを意味不明に誤魔化しているため関係者全損が発生している
中道右派から極左になるかも、という変動はGPTでありえなくもなく揺れ動いたのだが、偶像の破壊ということに正義を見出してしまうところ、芸術とか形の遺るものが結局は幻影であるという信念に関しては譲ることができない考えなのだなあってね そして自然や地球環境が優越する価値だという確信
フィギュアをはんだごてで引き裂いていた頃からずっと疑問だったけれど、イコノクラスムに共感するし、タリバーンがバーミヤンの遺跡にやったことは蛮行ではなく正義の実行にしかやはり自分には思えないね、というのは絶対に変わらない信念なんだろうなと思う
フィギュア収集癖みたいなタイプのオタク性についてなにか共感したり逆に異常に反発したりするかもとか思わなくもなかったんですが、まあ普通 自分がそういう目覚め方にも別に向いてないんだろうなとも思う
何もわかってないくせに知ったような顔で語るだけで地上はこんなにも醜い場所に…
本物の女は「あたしってずっと一人なのかなぁ…」のようなわかりやすいことは聞いてこず、「貧乳が好きっつってくる男って世辞かロリコンしかおらんだろ」みたいな、本当にどう答えても爆発やんけみたいな地雷球ばかり投げてくる
本物の女というものは、自分は髪の毛を初音ミクみたいな色にしながらこっちにはお前は黒髪乙女と結婚しろみたいなことを言ってくるからね(誰だよ)(てめえも送ってきた写真のときは髪黒かったやんけ)
ナチスがいいことをしたのかに決着がついていても、二十一世紀日本の漁場管理、工場畜産、外国人技能実習生がいいことだったのかは200年300年経たないとわからないというのが歴史学なのでは
『火と煙がある』『象が暴れている』『悲劇の上演』などの存在や記述自体が何らかの価値判断を含み規制されるべきとは考えないのに『集団扇動技術』であれば存在・思考・反論自体が道徳問題・規制されるべき、と考えることは、奇妙ではないのか?
「陰謀論者にならないただ一つの方法は全ての現実をありのまま且つ正しく把握し続けること、それだけです…」みたいなことになってもそれはそれで無理なんだよな(いまだかつてそんな人間は賢者の中にも居なかっただろうに、いきなり全インターネット人をネオ賢者へ覚醒させろと…?)
しかるねこ ケモナー 性的視線 オタクチェンバーによる性欲称賛 手塚治虫ケモナー説の検証
人一人が環境チートデイみたいな真似をして一日自家用車で爆走しようがかわいらしいモータルの抵抗という風情しかないが、ウナギ絶滅を食べて応援みたいな冷笑露悪には真面目に怒ってしまうところがある(ダイレクトに種への危害を企図主張するもののほうが嫌)
膝枕シチュエーション、何…耳掻き、何…ということを思っていたが、ユディを膝枕して耳かきするカーイン予定だった幼馴染がいたとすればそれは素敵かもしれない…みたいなことを思っていた(現カーインは仕方のないやつだね)
離婚歴があり精神薄弱のために通院しているらしい、やたら懐いてくるぬいぐるみを大切にしている独身男性にフィギュアはんだごてブログを読ませてあげたら、やたら気味悪がられた上に職場の誰かと勘違いされて「コレで許してください」といいながらnoteに十万円振り込まれたことはある
野生生物から倫理や常識を演繹しようとすることの如何に愚かしいことか
【野生生物はレイプを行うからレイプは仕方がない】、という文章はどう考えても狂っているのにレイプを同性間性交に置き換えると仕方がないですら侮辱的で、【野生動物も同性間性交を行うことから分かる通り、同性間性交は《自然》な行為なのである】みたいなまるでおかしいことを人は思ってしまう
ペレケテンヌル諸々への信仰心が��い確率ギャンブラー、ややカヴァエル要素でぽわんとした気持ちになる
タイプ相性を受け攻めの固定として評価しているカップリングのオタクがいて笑ってしまった、別にリバありでもいいだろ…(ない方がいい島に住みたい人なんだろ!)
社会運動家とNPOの運営と工場労働者、一次産業労働者に敬意を払わない人間は滅んでほしいみたいな話を始めると最終的に(ていうか知り合いが畑とか持ってないから都会の人は傲慢になるんでしょ)みたいなことにムカつきだして地方VS都市の構図を俺の脳が召喚してしまい、終わる(やめろやめろ!)
"あらゆる詩人は「遅れてきた詩人」であり、先行者の影響の不安に晒されているのである。その影響の不安を乗り越えるためには、強く誤読することによって、その影響を批評的に打ち崩してゆく必要がある。そうでなければオリジナリティを獲得することができないだろう"
祈りが陰謀論を作るとか言われるとそんなん信じようともしてない自我を信心の根本に置こうとする近代社会の病理だろ みたいな気持ちになるわね
漁業資源で右往左往する大衆、本当に感じるから止めてほしい やはり人間は愚か…
交尾時に メスの性器を 破壊する(上の句)
『一夫多妻制さえ成立すれば、第二夫人でいいからあの人と結ばれることができるのに…』の情念に突き動かされてSNSで一夫多妻制賛成言説をもり立てようとしている人がいるなら、それは尊いことだとは思う(ポリアモリーやハーレムは実際色々キツそうだし、そういう人あまりいなさそうだと思う)
単純に友達がおらず、孤独なだけなのだが、インターネットで「友達がおらず、孤独だ」と発言したところでどれだけ信じてもらえるかとか、よくわからない距離感の人に距離を作ってしまわないかみたいなところで戸惑うことになるのだ
我が母がバレンタインをキリスト教に由来する行事だとも認識していなかった回、本当に好きすぎる(聖ウァレンティヌスがどうこう言っていた探偵漫画のキャラクターよりもアホでかわいいと思うよ)
実際反ウォークと現実主義は欧米でも俺の生きているうちに始まると思うけどアニメで湯だった日本人大衆の知性が現実に追いついて回せるのかは心配になってきたよ
この国では理性的存在者であるキリスト教徒や懐疑論者、科学主義者はマイノリティでノンポリや偶像崇拝者が大衆として主導権を握っていることは認識した方がいいしヤバいんだとは思う(自分の生きているうちの日本大衆の知的成熟の最盛期はテン年代だったという結果、割りと出そうな気がしてきた)
『左派ヒューマニスト(宗教、特に一神教原理主義に熱心に反対)』みたいな人物が何を基盤においてヒューマニズム(人道主義)を主張しているのかは気になる(人道主義は置く��せに人命・最優先の種差別の指摘に対しては『出たよキリスト教左派の潔癖症が』みたいな嘲笑の視線を向けがちだし)
別に疑似恋愛とかなんとかでもなく日常的に好きな声を好んで聞いていたら親近感が沸いてめちゃくちゃになってんねん(それはよく日常生活送れるなってくらい耐性なくない?)(現実人間は嫌いだから聞けば聞くほど嫌いになるって)(???)
異性の友達は欲しいけど恋愛イカレ女は嫌だ…俺はそれなりに恋愛イカレ男だけどイカレ男とイカレ女がくっつくの絶対ろくなことにならないから…(なんか知ってんの?)(何も知らないけど…流石に分かるじゃない…?)
「『優等男性様、私の妻を抱いてくださってありがとうございます』って言いながらきもちよーく敗北ちっちしましょうね♪」みたいなセリフ付き画像の界隈はある
毒音ミク、スプラトゥーンよりテイストなのでややアンテナが違うやつや…というテンションになったぜ(ストリートファッションは…半グレがすきじゃないのでもにょる)(半グレとヤクザの区別がつかないやつ、なんというか…ヤンキーとか見たことないのか…?)
天皇制の打倒、それより先にまず日本中に存在する野蛮で伝統的なアニミズム宗教施設を穏便に廃棄できるならあるいはという先の話で、普通の民衆が野蛮で呪術的なことを諦めるしかないのなら王制廃位も普通のやり方では無茶と考えるしかない(現実的に考えて)
キリスト教を基盤にした理性への執着等々こそがこの物質主義的世界を育んだのにアメリカや日本の愚民的大衆が我が世の春のように浮かれ騒ぐ様にムカつく気持ちは当然あるね、僻みっぽいキリギリスだのと罵られようが善人面などしてやるものか
印希の根源や不動の動者、アブラハム神聖四字、中華・原始諸民族の天概念及び太陽信仰までが理性的存在者に許しうる最低ラインで、土地神や多神教、精霊やアニミズム信仰を基幹にしたものは下位文化、のような信念はある(直感に基づく文化相対主義やらで偽善者ヅラの呑気者、許し難く怒りを感じる)
なんか微妙くらいの距離感の人と肩くんで俺たち友達だよなーッつって外しても元気に別の人にリトライ、みたいなことを平気でやれる感性、といってもその見てくれがどうだったとしても内心なんてわからねぇじゃないっすか
『君は愛されるため生まれた』が『愛されなくてもキミがいる』を倒す日がいつか来ることを信じて…
超恋愛と書いてここあと読む敗北射精音声のキャラ、その手があったか〜ってかなり感心するし、名字は雑魚神(Dlsite、永久淘汰機関)
実在人間が初音ミクの髪色���する(髪色のかつらを被る?)を目撃したら、奇妙で愉快だけどはしたないと思ってしまったの、一周回って常識改変感があまりにも強くて何度で反芻してもしみじみとした気持ちになるけど、どういう意図からそんな馬鹿馬鹿しい写真を投稿したのかは一切考えたくない
モテるやつじゃないとツラのいいやつと性交することができないの、別に自然の有り様であって差別とかであるはずもないし、性サービスに対する社会風潮のために金銭取引を手段としてそれを受けるためのハードルは男が圧倒的に低いのも男性有利である風潮だね
本当に現実的だけど割と高い値段で家庭用初音ミクやガイノイドがでてきたらどうする…?みたいなのはあるが、レンタルガイノイドみたいな風俗ができたらまあそれはいくと思う(今の風俗は…客の関係だろうと人間と金を介して関係を持つことがキモい…)
普通に考えて(哲学用語でいうところの『直感』に頼って)、友だちというかまあそれなりに親密な関係性を発展させた先として恋人とか結婚とかがあるのでは…?お見合い婚とかマッチングアプリとかなんか…そこまでして結婚?する必要があるのか…?みたいにならない…?
信仰はそれぞれとか言って軽いシンクレティズムみたいなのが一番いいホワワンを素朴に信じているうちに緩やかに道徳が死���だりこだわり強めの人間が反動とか言って極北まで走るようになってしまうんだろ、全然強くもない思想なのに相対的に変なこだわりがある人みたいに見られてしまんだろ的怒りが
俗流インターネットに流れる多神教寛容の嘘に逆張りしなかったらそもそもイコノクラスム野郎にならなくて済んだかもしれないことに沈痛な気持ちになりつつあるぜ それでもイコノクラスムへの執着を無駄だとは思いたくないけど
天体へ信仰を仮託するのは普遍性があるとしてもやはり最終的には普遍にして絶対の真理があってほしいよね な方向性から見ると太陽〜天系への信仰には普遍性があるし、道義的な発想の元として儒と耶蘇にゆるい共通性を見て、韓国は両方真面目そうに見えて羨ましい みたいな心持ち
はー下心上心
マスク先生の生殖の話題、意味不明で怖い
ゴッドマジカルパワーみたいなのが本当にあれば、まずインドこそがもっといい感じになってるだろ 人口だけ見ても分かるけど平均年齢とか寿命見てもインドやばいよ 現代にそんな数値なわけ無いだろって感じじゃん 偶像崇拝じゃあ救われるものも救われないの
正直AI対人間よりマスク対Xのほうが熱い(マスク、能力とやる気はやっぱりある人だと思うし、むしろマスクに見放されたときがここの終わりだと思うほうがまだ現実的だと思う)(最初に目をつけたカネモチがマスクだったことがマシなのかダメだったのかは、もう永遠にわからないだろうけど…)
自殺芸術、孤独に悩んでよりも心中(浄瑠璃)��かつてのメインストリームだったっぽい雰囲気があった気がする(モーリス・パンゲ)(江戸時代まで遡るの…?)
自分が美人であることにプライドのある人、美人であるという自分のカードを切って優位に立ちたいなら「俺は美人だぞ褒めろ!」ぐらいまで全部言語化しながら顔を晒したほうがいいですよ(インターネット男は不適切な相手のあからさまな外的魅力への言及はセクハラに当たると考えるため)
多少のリスクくらい男側がしょえっていうか、別にリスクじゃないし性交とか言ってる場合じゃないよ本当に、性欲なんてうっすい話だって生きてりゃわかるときが来るといいね、あの人にも
聖ウァレンティヌスが一人の実在の人物をモデルにしているかどうかが極めて曖昧でなんかアレなので(コナンの映画、京都で一葉さんと平次がニアミスしてて〜みたいな内容のやつは好きだけど幼馴染神話っぽくて…嫌っすね)(幼馴染神話をいい歳して信じてるのはダサい)
日本人、江戸時代がたまたま平和だっただけで別に戦国時代は超野蛮だし平民の出の秀吉は朝鮮出兵するしで魂は侍・神風・ヤクザの国なのになんか自分たちでは平和を愛してますみたいなツラをしているのが厚い
というか安易な多神教ageが分からんというのもあるし、島国日本はどちらかというと権力の根本にあるは暴力だろ サムライとかニンジャ、ハラキリや心中の国じゃん という発想はある
自慰しかしたくないから性交も生殖もそれを目的とした人間関係の構築も本当に気味が悪くて気持ちが悪い、性なんか抜きにした同性との純粋な関係構築をもっと進めるべきだった、正しい勘定とはおおよそこのようなものとして構築すべきなのだろうか
「悔しオナニーこそ本物の感情。悔しオナニーだけが本物の人生」かなりコレになってきた どうでもいいけど女性って性交相手や結婚相手の性経験は本当にどういう形で経歴を積んでいてほしいんだ
まとまりがなさすぎる!
鵺の狂骨、人外の命や時の価値観のスケールが違うぜ…のいい人外感が出ているので好き それでぬら孫の狂骨のこと思い出して捲っているけどぬら孫の鵺も強キャラなのでネタ元がダブると不便というかまあヒット作なんで意識してそうなってもいるんだろうが…みたいなことを考えて
面白くないやつには発言権がない大阪、狂人の国なのか…?(発言権がないまでいうとお前の被害妄想だろという気もするが…)
目の前の女性に性欲を抱いている男性が2時間何らかの知識やユーモアを喋ることはない、そんなことはないだろ(男性蔑視甚だしく怒りを感じる)
他者への単純な思いやり、みたいな感性こそが人間らしさ…!な程度の互助感情なんて動物でも当然持てるし動物の同性愛(同性求愛)が遺伝子配列の異常だろうがなんか表れ出た結果だろうがどうでもいいけど 正義の人��…決してホモフォビア墜ちしない!の世界観、浅くて幸せな馬鹿やね
人間の思惟が生物や種としてのエゴを用意に突破できるなどと思う人、むしろ無邪気で純粋で物知らずなんだろうな、という見下しは少し持ってしまうかもしれないわね 安楽椅子探偵 いいとこのお坊ちゃん お上りさん 四苦八苦
説得的な道徳作文を書いてせんせーに褒められるくらいのことで自分の道徳性に無邪気な肯定感を抱いてケラケラ笑ってられるような間抜けであったほうが確かに生きやすかったかもしれないけどね、やっぱり間抜けだと思いながら間抜けをやってんのは正しい人生じゃないだろ
にゃるら先生がいくらセックスしようがオタク友達を作ろうが大成功で若いメンヘラネット女の人気者になろうが世界への憎しみをやめられないの、ネット越しでは想像がつかないけど大変なことだと思う(ヤンキーに母親を奪われるのと嗅覚(付随する形での味覚等)の不調がすごく孤独を煽りそうではある)
市民の権利=投票権というよくわからない話が横行していた時代(囚人が物理的な事情で投票に参加できないこともあらゆる意味で無視していたよね)(まず俺は国民投票なんか形骸化した無意味な慣習としてしか見做してないという前提で書いてる)
一切の政治的言説をすべての場で放棄しつつ市民としての一票を投じることに政治参加能力のすべてをかける、みたいなのは普通に理も通らないしアホらしいとは思う(帰化してないからという理由で理性的存在者に政治参加権利がないとみなすのがまずおかしいし)
理性ある議論とかいう未だかつてどこかで存在したのかも怪しい概念を持ち出してまで我らがSNS・Xのことを馬鹿にしないでほしい(かつて存在したそれらしいものは不文律や忖度、その他諸々の忌まわしい慣習に支配されていたことを信じて疑わない目つき)
アブラハムの対立する世界宗教として仏教〜インド哲学〜道教を置くのもわからなくもないが、要するに修行の世界を目指すわけでしょ、修行の世界を目指すのならまずはツイッターとか止めていただきたいけど
別に仕事辞めてもいいと思いながらも国家資格を頼りに就職キメたら人手不足のせいでなんか呑気でも働けるか〜みたいな働き方をさせられて、本当によくわからないよ(親を満足させるために資格前提の仕事をしてるけど、別にスーパーやコンビニバイトでも別に良かったとは思う)
アカデミックな人文研究に英語が全くできないから挑戦することもなかったせいでよくわからなくなっている俺の国語へのプライド、一体どうなってしまうんだ…
概念を尊重しろみたいな言説、つまり何がいいたいのかよくわからないことが多い(俺の気に食わないことはするなってか?)
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attic07 · 2 years ago
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「穏やか貴族の休暇のすすめ。」のオンラインくじ【くじメイト】が2023年7月15日(土)までアニメイトオンラインショップで開催中です! #shorts
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yuures · 3 years ago
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weebsrus · 4 years ago
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Sneak peek at what we’re translating in addition to the manga!
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emilylikestennis · 5 years ago
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エンリケ後悔王子
※本テキストはPCでご覧頂いた場合雑誌風の縦書き表示となります。
先が見えない。行き詰まりのどん詰まりで我々は今抗ったり、受け容れたり、或いは諦めたりしている。想像した未来はもっと華やかで便利で、そうじゃないとしてもマトモだったはずなのに。
効率化を突き詰めればその先には『死』しかない。バンドは非効率の極みだ。その非効率を更に極め、自ら修羅の道を行く痴れ者たちことエミリーライクステニス。今回メンバー全員にインタヴューを敢行することにより、その哲学がヴェールを脱いだように思う。まずは唯一のオリジナルメンバーであるエンリケ後悔王子だ。
(聞き手:早瀬雅之)
友達もいないけど、いじめられるでもない。何もない。毎週ブックオフに行ってた
●まず生い立ちを訊こうかなと。
「出身は群馬の前橋っていう県庁所在地なんですけど」
●結構中心地というか栄えてる?
「いや、死んでますね(笑)。オリオン通り商店街っていうのが近所にあったんですけど、ブラックビスケッツが一体五万円の木彫りのブラビ像を売っていて、どうしても売れなかった最後の一体を買い取ったのがその商店街で。商店街の人が『この通りの名前もブラビ通り商店街にしましょう!』って言ってた(笑)。そんな街です」
●ええ…。今もその名前なの?
「多分…。僕が大学生くらいの時にその近くにモールが出来ちゃって、商店街は蹂躙されちゃったんですけど、そこに新星堂があってD☆SELDOMっていう安いオムニバスと、フリーペーパーを毎月取りに行ってた記憶が」
●ああ、出してたね。それが情報源みたいな。
「そうそう、音楽雑誌かそれ。タワレコは高崎に行かないとなかった。県庁は前橋なんですけど高崎の方が栄えているんですよね」
●何か栄えているイメージがあるよね。
「自分の思春期で結構(高崎に)持ってかれたかな。ヤマダ電機の本店とか」
●ライブハウスもclub FLEEZが高崎に移って。
「そうそう、G-freak factoryの根城でお馴染みの」
 ●家族構成はどんな感じ��った?
「祖父母と両親と姉と兄と…」
●三人兄弟?
「姉貴が九個上で兄貴が二つ上ですね。だから僕が小学生のうちに大学進学で家を出ていきました」
●何か姉弟仲が良いイメージがある。
「今でも年数回会うし、兄貴も姉貴もうみのてのライブ観に行ったことがあったはず(笑)」
●その節はどうも(笑)。
「洋楽を最初に教えてくれたのが姉貴で、後は兄貴とオルタナを掘ってたかな」
●なるほど。やっぱり上に兄弟いると強いというか影響受けるし、早熟になるというか。
「そうですね。一番最初は小学生の時に、姉貴がミスチルのファンクラブに入ってたので、当時出たDISCOVERYかな。あと深海をずっとカセットで聴いてた記憶が」
●いい入りなんじゃない?
「入門編としては(その二枚は)間違っているような(笑)。あとは兄貴がビーズが好きだったから聴いてましたね」
●じゃあ結構音楽には入っていきやすい環境だったんだね。
「両親は大学の合唱団か何かで知り合ったんだっけな。あとはクラシックが好きで。音楽番組を観てると「最近のは全然わかんねーな」って機嫌が悪くなるような感じの人でした」
●タチが悪いやつだ。
「かと言ってクラシックを強要するでもなかったですけどね」
 ●学校ではどんな感じだったの?
「小学校入るまではものすごく引っ込み思案で。それが小学校入ってからすごい、何か陽キャみたいになって」
●え?そうなの?
「文集のランキングに入ってる『面白い人』とか『将来有名になりそうな人』とかあらかた名を連ねてるんですよ。今じゃ考えられないんですけど(笑)」
●何でこうなってしまったんだ、みたいな(笑)。
「いわゆるクラスの中心人物だったんですよね。アクティブな。でも小五くらいからかな、今思うと些細なことですけど、自分の家庭が新しいガジェットに対してものすごい嫌悪感を出すというか。プレステとかアドバンス買ってくれないみたいな。それで段々みんなの話題についていけなくなって、翳りが見えてきた(笑)」
●(笑)。
「結局小学生の「面白い」「つまらない」の尺度って如何に話題を共有できるかがほとんどじゃないですか」
●そうだね。特にゲームとか。
「あと漫画、昨日のテレビ、流行りの音楽くらいか…。段々それについていけずに、スクールカーストが下がっていく(笑)」
●でも野球やってたし、運動なんかは出来る方だったの?
「小学生までは自分が主人公だったから(笑)。少年野球で打率六割くらいあったし。『ヒット打つの簡単じゃないですか?』とか言って調子に乗ってた」
●ムカつくなぁ(笑)。
「シングルヒットしか打てなかったんですけど。早熟だったのかな。当時は背も小さくて痩せてて。段々みんな身体が大きくなって。中学くらいだともう置いてかれちゃったみたいな」
●今の感じに段々近づいてきたね(笑)。
「中学くらいで陰と陽が逆転して陰の者に(笑)。タウ���&カントリーの黒い方になっちゃった」
●陰陽のマークね(笑)。部活はずっと野球?
「中学は野球で、高校も途中まで軟式をやってたけど「勝つぞお前ら!」みたいな顧問に代わって…。高校の軟式野球ってすごいヒエラルキーが低いんですよ」
●そうなの?
「甲子園もないし。甲子園決勝の一週間後に明石の球場で偽甲子園みたいなのをやってるけど、誰も気にしてないというか」
●硬式と軟式ってまったく別物?
「全然違う。硬式はボールがまず痛い」
●(笑)。
「練習が好きだったんですよ。でも試合は緊張するから嫌いで。それと硬式は甲子園を目指してレギュラー争いもそうだし、負けたらお終いみたいな…。野球は好きだけど、競争とかバトルしたくない、みたいな精神性でしたね」
●ああ、そうなんだ。
「こっちは楽しく野球やりたいのに、強要するなよ。って。その顧問は初心者をすごくないがしろにしていたし。それで辞めちゃった」
●勝ちたいよりも楽しみたかったんだね。高校のカーストは?
「中学で底辺で…。紅白戦でわざとデッドボール当てられたりするんですけど」
●イジメじゃん(笑)。
「『先輩、塁に出られてよかったッスね』みたいな。だからとにかく、輩とかしょうもないいじめっ子がいない進学校に行くしかないっていう強迫観念だけで勉強してました」
●その頃は頭はよかったんだ
「うん。学年で十番以内だった」
●おお、すごい。
「それで前橋高校っていう男子校の進学校に行って。そこはね、スクールカーストがなかったんですよ、何もない。いい大学行けるように自由にやれ。みたいな」
●グループがないの?
「いや、グループはあるしもちろんイケイケな奴もいましたけど、男子校なのでカーストを思い知らされる現場に遭遇しない。『あ、あいつ俺の好きな子と一緒に帰ってる…!!』みたいなシーンを見ないで済むというか。たぶん九割以上童貞だったはずですよ」
●男子校だとそういう劣等感は生まれにくいのかもね。
「そう、友達もいないけど、いじめられるでもなく。何もない。部活が終わったら自転車圏内にある三つのブックオフを毎週ローテーションするだけ。三週間後に行くと微妙にラインナップが変わってて。あとはツタヤで安い日に下北系を借りまくる日々」
●なるほど。
 ●話が戻るというか変わるけど、兄弟の影響とかありつつも、高校くらいは自分の意思で音楽を聴いてたの?
「そうですね。中学終わりくらいまで洋楽を聴いてなくて。兄貴がツェッペリンとかハードロックが好きで聴かせてきたんですけど、ハードロック伝説みたいなエピソードあるじゃないですか」
●はいはい。ありますね。
「オジーオズボーンがコウモリ食べたとか、ホテルでグルーピーと…とか。それがすごくカッコ悪く感じて」
●ああ、ロッククラシック的なエピソードが。
「『俺たち、ロックだぜ』みたいなのが嫌だったんですよ。でも中三の時に姉貴がWEEZERを『これ聴きやすいよ』って貸してくれて。それですごく衝撃を受けた。こんな冴えない人がバンドやってるんだ!みたいな」
●大味なロックバンドよりもうちょっとパーソナルなのが好みだった?等身大の。
「そうそう、等身大の。中学の野球部引退した後から邦楽のギターロックにハマりだしたんですよね。くるりから始まりモーサムとかシロップとか。ちょうどその頃全盛期だったんですよ。アジカン、アシッドマン、レミオロメンの御三家を筆頭に…」
●一番アツい時期だね。後に続けとたくさんのバンドが。
「あとアートスクールとバーガーナッズかな」
●UKプロジェクトとかQuipマガジン的な。下北が盛り上がってた頃だ。
「で、洋楽はWEEZERからオルタナとかシューゲイザーにハマっていった」
●今でもその辺りは好きだと思うんだけど。その時期に聴いていたものがバンドのルーツになってる?
「そうですねぇ、初めてやったバンドはNIRVANAのデモみたいな音質の、汚くて演奏が酷い感じだったような(笑)」
●ライブ初体験は?
「一番最初は中三の時に行ったゴーイングアンダーグラウンドかな」
●おお、意外。
「受験期にハートビートが出て、ずっと聴いてたんですよ。後は高校のとき、FLEEZにアートスクールとか観に行ってた。早瀬さんも行っていたとされる…」
●パラダイスロストのツアーだっけな。モーサムと。
「あと結成当初の秀吉が出ていた」
●意外と群馬はバンド大国だよね。
「当時はメロコアと青春パンクが強かったですね。で、陽キャがそういうのを聴いてるから逆張りで内省的なギターロックが好きだったのかも知れない。バンドに一切罪はなくても、銀杏とかが聴けなかった」
●ああ、自分が入っていく余地がないみたいな?
「そうですね」
●そこから大学に行くタイミングで上京?
「はい。東京じゃなくて横浜だったけど」
 橋本君に『こんなくだらないとこ、さっさと抜け出そうぜ』って言って軽音部を辞めた
●そういえば楽器っていつ始めたの?
「中学の選択授業で体育選んだのに手違いで音楽になっていて、ピアノも辞めちゃったしどうしよう。ってなって」
●ピアノやってたんだ。
「小一から小六までやったのに何も身につかなかったけど。ト音記号の場所しかわからない。コンクール用の曲をひたすら半年前から練習してやり過ごしてたと思う。で、その授業でどうしようかなと思っていたら、いとこで駅でギター弾いている子がいて、その人がギターを貸してくれて。ゆずの楽譜とともに(笑)」
●まったく(ゆずを通った)イメージない(笑)。
「それでその曲は簡単だから何となく発表も乗り切れて。でもある日家に帰ったら兄貴がギター弾いてて、既にFとか抑えられるんですよ。『俺が借りたのに!』って。すごくムカついて(笑)」
●ああ、利用されたみたいな。
「そう。それでロクに弾いてなかったけど、高校受験の直前にギターロック聴きだしたからエレキが欲しいってなって。親に受験終わったらい��よって言われたんです。そしたら兄貴が『絶対ベースを買うべき。エレキは俺の弾けばいいから。ベース弾ければ高校でバンド組むとき重宝されるぞ』って言うんですよね」
●そうかな…。
「そしたら受験真っただ中で最初に話したオリオン通りにある新星堂が潰れることになって、弾くのは受験終わってからって約束で閉店セールでベースを買ったんです。で、勉強しててこっちは弾けないのに兄貴が弾いてるんですよ(笑)」
●ズルい奴だな(笑)。
「結局自分が弾きたいから弟に買わせると」
●それで「ベースを買った方がいい」って力説してたんだ。
「そうなんですよ。で、兄貴が僕が高二のときに大学進学でエレキ持ってっちゃって。家にアコギとエレキベースだけがある状態(笑)」
●厳しいね。
「しょうがないからアートスクールのベースをずっと耳コピしてて。部屋を暗くしてコンポ爆音でヘッドフォンつないで、小さいアンプからベースを弾いてる。親からしたら心配ですよね。子供部屋から重低音だけが鳴っている」
●うちの息子は大丈夫かって(笑)。
「受験の時もそうだしいろいろと心配をかけましたね」
●大学はどうやって選んだの?
「結果論というか、もともと大学デビューしたくて関西の方の大学を目指してたんですけど、高校の先輩が行ってた大阪大学ってところを志望校にして。センター試験って会場が適当な高校に割り振られて受けるんですけど、なんと会場が自分の高校の自分のクラスだったんですよね」
●えーすごい偶然だね。
「そのホームグラウンドで何故か受験科目を間違えて(笑)」
●何で(笑)。
「一日目にロッカー開けて確認したら『あ、阪大受けられないじゃん』って。それでやる気がなくなって高校も行かずに、もうA判定のとこならどこでもいいやって思ったら国公立の前期も落ちて、たまたま後期で引っかかって、気づいたらビーズの稲葉の後輩になっていたと。進路が決まったのが三月の二十日過ぎだったと思う」
●めちゃくちゃギリギリだな。
「ロックコミューン(立命館の音楽サークル)に入りたかったですね。くるりを輩出したでお馴染みの」
●あとヨーグルトプゥね。
「そうそう(笑)」
 ●そこでエミリー結成したの?
「満を持して『バンドをやるぞ!』って軽音サークル入ったんですけど。上下関係が厳しくて。しかもみんなメタルのコピバンをやっている。学園祭になるとOBたちが集結してジューダスプリーストとかやってるみたいな(笑)」
●すごいサークルの良くない感じが出てるね。
「新入生はすぐバンドを組んで五月にお披露目ライブで一曲やらなきゃいけないんですけど、僕は何故かたまたま同じ大学に進学した高校の同級生三人とバンドを組んだんですね(笑)」
●意味ないじゃん(笑)。
「陰の者同士で(笑)。それで何かコピーしようとしたけど全員下手過ぎてコピー出来なかったんです。ドラムはドラムマニア上がりでベースとギターはほぼ初心者で。だからオリジナル曲をやることにしたんです。で、同時期に橋本君ていうサークルの同期のミクシィが炎上しちゃった子がいて。『軽音部は内輪ノリでクソ寒いカスの集まりだな』みたいなのが先輩に見つかって」
●うわ怖いなー。
「その子もお披露目ライブで頭脳警察みたいなオリジナル曲やって。すごいカッコいいんですけど、めちゃくちゃ物を投げられるんですよね。ライブ中に。その後何故か僕のバンドも物を投げられまして(笑)」
●すごい荒廃してるな(笑)。
「終わった後橋本君に『こんなくだらないとこ、さっさと抜け出そうぜ』って言って辞めましたね。で、他の音楽サークルにロバートジョンソン研究会っていうのがあったんですけど」
●なんだそりゃ(笑)。
「あんまり研究してる感じはなかったかな(笑)。まぁ、ブルースとかハードロックのコピーをする割と穏健派のサークルだったんですけど。新歓行ったら最後に名のあるOBみたいなのが袖からわらわら現れて、十人ぐらいで「いとしのレイラ」を弾いてるんですよ(笑)」
●それは、ダメだね(笑)。
「ここもダメだって(笑)。で、ある日ロック研究会っていうサークルが大学の路上でライブをやってて。JR ewingっていうノルウェーのハードコアバンドのカバー…その時はカバーって知らなかったんですけど。それを演奏してて、ドえらいカッコよかったんです。赦先輩の同級生たちだったんですけど。で、そこに入ろうと思ったら、『ここはサークルというか半年5000円でスタジオ利用権をバンド単位で買う人たちの集まりだから、まぁ好���にしなよ』みたいな」
●へー。
「当時赦先輩はすごい怖い先輩とスリーピースやってて、赦先輩も怖かったんですよね」
●ちょっとイメージと合わないね(笑)。
「そうですね。『後のバンドメンバーである』って漫画だったらナレーションがつく」
●『この時はまだ知る由もない』みたいな。
「(笑)」
  今日大学ですごい面白いことあったのに、ライブで今歌ってるの、めちゃくちゃ暗い歌詞だなぁコレ
●なかなかエミリー結成しないね…
「いや、その同級生とのバンドが大学一年の終わりくらいに解散しちゃって、遅いハードコアをやってたんですけど」
●遅いハードコア(笑)。
「で『よし、今度はシューゲイザーをやろう』ってエミリーライクステニスが結成された」
●シュー…ゲイザー?
「当初はギタボが自分で、ベースが女の子で、ドラムは残留して、あとギター兼フルートがいた」
●編成だけ聞くとそれっぽいね(笑)。
「そうなんですよ。で、新歓ライブをやったらフルートが『カッコ悪いことしたくないわ』って抜けちゃって」
●曲はオリジナル?
「全部自分が作ってましたね。で、スリーピースになっちゃって、ギター二本ないとキツいわって思って。当時僕とドラムがポストパンクにハマってたんで、じゃあそういうのをやろうってなって。それが2008年の夏くらいかなぁ」
●なるほど。バンド名はずっとエミリー?
「そう。でもその後ドラムがギャンブルにハマっちゃって」
●ああ、良くない方向に。
「どうしたんだよ、って家に行ったらスロットの筐体が置いてあって」
●もうダメだ。
「それで脱退して途方に暮れてたらバイト先にクロアチア人が入ってきて。『ドラム出来ます』って言うからあ、ちょうどいいじゃん!って。デヤンさんっていうんですけど」
●加入したの?
「うん。クロアチアン・パンク時代ですね」
●そんなのあるの?
「いや、わかんないです(笑)。で、その人がライブの前日に『もうすぐ子ども生まれるからライブ無理かも』ってメールがきて、マジかと思ってたら翌日普通にリハ来てるんですよ(笑)」
●(笑)。
「『赤ちゃん大丈夫?』って訊いたら『昨日生まれて今ガラスん中入ってるから大丈夫』って」
●ガラスん中(笑)。
「それがきっかけかわからないけど、家族の圧により2009年の春くらいに脱退して。その後ベースも辞めるってなって」
●とうとう一人に。
「そう、で、どうしようと思ったんだけど、サークルの一学年後輩に泉君っていう毎日JOJO広重のブログを読んでる子がいて」
●だいぶオルタナティブだな(笑)。
「その子にベースをやってもらって、あと二つ下の武井君って子がドラムに加入した」
●だいぶ変わったね。
「でもその頃の音楽性はポストパンクとニューウェーブみたいな感じのままですね。で、どこでライブやっていいかわからないから、横浜…中華街の近くのライブハウスに毎週出てた」
●あーあそこね。
「そう、あれは本当に時間の無駄だった」
●(笑)。
「ブッカーにすごいナメられてたんですよね。暇な大学生の穴埋めバンドって」
●学生のバンドっていうのはねぇ…。
「酷い時は『来週の水曜日出れる?』みたいな。で、『面白いイベントになりそうなんだ』って言うから出てみたらアコースティック・ナイトってイベントで(笑)」
●酷いな(笑)。ありがちですね。いや、ありがちじゃよくないんだけど。じゃあ横浜が多かったんだ?
「あと下北のいろんなところに、殊勝にもデモを送ってたんですよ。モザイクとか251とか、今思うとちょっと違うんだけど(笑)」
●カラーが違うね(笑)。でもちょっとずつ広げようとする気持ちが。
「あと当時MySpace全盛期で」
●流行ってたね。
「そこでモーションとグッドマンと…葉蔵さん(中学生棺桶、例のKのボーカル)が働いてた頃のバベルかな。誘ってもらって。『あ、あっちから誘ってもらえることあるんだ!?』みたいな」
●『音源を聴いて連絡しました』みたいなのね。
「そうそう。まぁ、いわゆる平日の条件で今思えばアレですけど、それでも嬉しかったですよね。だからその人たちの悪口は言えない」
●(笑)。見出してくれたから。
「別にそこから鳴かず飛ばずですけど(笑)」
●(笑)。でもそこで知り合ってまだ付き合いがあるバンドがいる。
「そうそう。だから初めてモーション出たときのブッキングは今でも覚えてて、クウチュウ戦(現Koochewsen)、ギター大学、プラハデパートっていう」
●すごいメンツだな(笑)。
「すごいですよね。で、クウチュウ戦なんて年下じゃないですか。なのに上手過ぎて。『え!?東京ってこんなにレベル高いの??』。もう、幽遊白書の魔界統一トーナメントみたいなモンですよ」
●こんなすごい奴らが何の野心も持たずに…っていうやつね(笑)。
「そう、雷禅の喧嘩仲間のくだりね。で、初めてバンド友達が出来たというか。otoriとかもかな」
●音楽性的にも共鳴出来て。
「同世代だし。そんな感じでやってたんですけど、ライブやった後めちゃくちゃテンション下がるんですよね。当時の音楽性が」
●自分たちの音楽性のせいで?
「そう、お葬式みたいな気持ちになるというか。早瀬さんは四人になってからしか観てないと思うんですけど。当時は歌詞も暗いし」
●今とは全然違うね。
「うん。リフとか再利用してるのはありますけどね。普段部室で泉君とムーの話とか未解決事件の話をいつもしてて、そういう瞬間はテンション高かったり楽しかったりするのに、ずっと暗いことを歌ってなきゃいけないのはしんどいなって」
●最初の部活の話と少し繋がってくるかもね。
「うん。あと暗いバンドをやっていると暗くなきゃいけないと思っていて。打ち上げはしちゃいけない。みたいな思い込みもあり(笑)」
●イメージに縛られ過ぎてる(笑)。
「でも『死にてぇ』とか歌ってた人が打ち上げで乾杯してたら違和感あるじゃないですか。そういう強迫観念で自家中毒になってしまったというか。『今日大学ですごい面白いことあったのに、ライブで今歌ってるの、めちゃくちゃ暗い歌詞だなぁコレ』って」
●過敏だったんだね。
「センシティブだったんですよ。グッドマン出ても(ブッキングの)鹿島さんにすごいディスられてたし」
●ダメ出しが。
「で、MCだけすごい褒められる(笑)。当時三曲くらいやると僕が小噺をして(笑)」
●面白エピソードみたいなのを。
「『この間バイト先で…』みたいな。今思うとああ、平日のモーションだなぁって思うんですけど(笑)」
●そうだね(笑)。
「でも『この後もカッコいいバンドばっかり出るんで最後まで楽しんでいってください』とかは言ったことないですよ」
●『名前だけでも覚えて帰ってください』みたいな奴ね。
「(笑)。そう、それも言ったことないです。で、だんだんしんどくなってきたんで、どうしようかなと。当時の曲作りが僕がリフを持っていって、泉君がめちゃくちゃにするみたいな感じでやっていて。ドラムの武井君はすごいいい奴なんですけど、当時から曲の展開が多くて、たまに展開を忘れて、止まっちゃうんですよドラムが(笑)。ドラムの音がなくなったその瞬間僕と泉君がキレて楽器を投げつけてしまう。そういうことをしてたら『正直もうしんどいッス』って言われて、本当に申し訳なかったなと思いますけど」
●行き詰ってるね…。
「当時二学年下に獣-ビースト-とT-DRAGONがいたんですよ。僕が四年生、泉君が三年生の時です。みんなロック研究会にいたからそれなりに話してたんですけど、T-DRAGONは当時ノイカシのシグマとよくわからないバンドをやってて、あんまりパっとしなくて。獣-ビースト-はもっと謎で、時折八時間くらいスタジオ抑えてるんですけど、一人で入ってて何やってるかよくわからないんですよ」
●怖いな(笑)。
「本人曰くテクノっぽいのを作ってたらしいんですけど、結局一度も日の目を見ることなく。で、見た目がセドリック(At the Drive-Inのボーカル)っぽいじゃないですか。当時今よりもセドリックっぽかった。それでT-DRAGONに武井君の代わりに叩いてってお願いしたら、ライブとか観に来てくれてたのもあり割と快諾してくれて。で、獣-ビースト-に『At the Drive-Inみたいなバンドをやることになったから。ボーカルやって。この日スタジオいるから』ってメール送って。返事がなかったんですけどちゃんとその日スタジオに来てくれて、漸く今の編成の原型が出来たんですよ」
●やっと今の形に!
「いやー長いですね。この時点で大学卒業する直前ですね」
  仕事に好きとか興味とか求めない方がいいな。土日休みならバンド出来るから
●就職とかはどうしたの?
「大学三年の秋くらいに『どうしよっかなぁ』って出版社とか何となく受けていて。で、僕はマルチタスク機能がものすごく低いんですよ。いろんな会社を同時に受けるみたいなのが出来なくて、一社受けてそこそこのところまで行って、落ちて、また別のところにエントリーして、みたいな」
●落ちるとゼロになっちゃう。
「そう。変に真面目なところがあるんですよ。面接で絶対「弊社が第一志望ですか?」って訊かれるんだからそこ以外受けちゃダメだよな。みたいに思っていた。あと某音楽雑誌の会社も受けたんですけど圧迫面接だったんで逆ギレして帰った」
●えー圧迫面接なんだ。
「エントリーシートに物凄い熱量をぶつけたんですよね。そしたら面接官に鼻で笑われたというか。『随分音楽が好きなんですね。ハハッ』みたいな。ライターの坂本真里子が好きだったんで受けたんですけど。まぁ入る価値のない会社ですね!って」
●すごいな。
「そういう感じで疲弊してきたからとりあえずモラトリアムを伸ばそうと、大学院行こうかなぁって思ったんですよね。そしたら親もそうだけど姉がすごい説教をして。うちの姉はすごい傾き者なんですよね(以下、傾き者エピソード)。で、大学院も行かない方がいいか、と。それでもう仕事に好きとか興味とか求めない方がいいな。土日休みならバンド出来るから。って今の会社に入ったんですよ」
●就職してからバンドとの両立はどうだった?
「難しいというか、当時僕が一番年上で唯一社会人だったからノルマとかスタジオ代全部負担してたんですよね。それがキツかったかな(笑)。たぶん2014年初頭くらいまで」
●結構最近までじゃん(笑)。
「獣-ビースト-とかT-DRAGONが就職するまでは基本的にあまり負担させないようにしようと。赦先輩も当時サポートだったし。でもグッドマンとモーションは本当に良くしてもらったから。あと両立と言うか…。僕大学を卒業する時に大学の近くに引っ越したんですよ」
●卒業するときに?
「意味がわからないんですけど。入った会社が家賃補助がないということに気づいて、極限まで安いところに住まなきゃって。本当にヤバい、タックルしたら崩れるような家。後にT-DRAGONもそこに住むんですけど」
●安いってどれくらいなの?
「えっとね、18000円」
●安すぎでしょ!!
「七畳+キッチン+風呂トイレ別でそれですからね。本当は20000円だったけど入るときに『大学院生です』って言ったら安くしてくれた(笑)」
●いいなぁ。
「いや全然良くない。ボロいなんてもんじゃないですよ。木造の長屋を三分割して三部屋になってるんですけど。築は…五十年くらいか���。で、風呂が外にあるんですよ」
●共用?
「いや、共用じゃなくて、もう一つのプレハブ長屋みたいなのがあって、それが三分割されてるんですよ」
●なるほど。
「で、その外風呂が、外からしか鍵がかからない(笑)」
●閉じ込めることしか出来ない(笑)。
「そう。で、大学が近いので土日のスタジオは大学でやってたんですよね。ライブは基本土日で。平日のライブの時は誰か後輩に楽器を託して…。無理やりやってましたね」
●その頃はもう割と東京のオルタナシーンに食い込んでる感じの。
「確かうみのてと対バンしたのが2012年初頭で」
●一月だった気がする。
「グッドマンでね。あれが転機っていうと大げさですけど」
●いわゆるライブハウスに良く来る人たちに知られた感じかもね。
「その頃はやたらトリプルファイヤーと対バンしてた気がする。2012年から今でも親交がある人と一緒にやり始めた」
●まだ2012年だ。
「長いですね。とりあえず赦先輩が入るまでの話をすればいいかなって…」
●いつだろ
「2013年の春くらいかな。で、2012年の春に泉君が大学院に進学するんですけど、関西に行っちゃったんですよね。もう続けられないねって。で、サークルのかなり下に内海君ていうスキンヘッドの子がいて、見た目がいいから誘った。それが失敗だった(笑)」
●まぁいろいろ、あったね(笑)。
「うん、いろいろあった(笑)。それでバンド辞めてもらって。赦先輩はしばらく連絡もとってなかったんですけど、サポートやってもらえませんか?ってお願いして。で、なし崩し的に正規メンバーになってもらった。現在に至る」
●赦さんが入ってだいぶ音楽性に幅が。
「内海君の頃までほとんど僕が考えてたんですけど、赦先輩が入って初めてスタジオで曲を練り上げる、みたいな。バンドっぽくなってきた」
●他のメンバーのエッセンスが入ってきて
「こういうフレーズはどうかな、とかイメージを膨らませたり」
●やっとバンドらしいエピソードに(笑)。
「そこまで辿り着くのに五年くらい要してる(笑)」
●そこからは今に至る。
「メンバーは変わらないけど、音楽性はだいぶ変わったかな。ハードコアが薄れて…何というかメタ的な曲が増えた」
●そうだね、ハードコアでもプログレでもない、何とも言えない。
「何とも言えない(笑)。演劇の要素だったり、曲の中にもう一曲あったりとか」
●はいはい。
「構ダンカンバカヤロー!を観て『あ、こういうのでもやっていいんだ』とかボーダーを再確認させてもらってますね」
●アウトとセーフの線引きを。
 ●バンドの成り立ちはこれくらいにして、曲のアイデアとかどういう時に考える?
「基本のリフは今でも僕が考えるんですけど、スタジオで試して、カッコいいだけだとボツになるんですよ(笑)」
●(笑)。
「後はコンセプトをみんなで固めて。リフのパーツを無数に作っておいて、当てはめる感じ。シチュエーションとか」
●コンセプトありきでそこから曲と歌詞?
「それがないと今は逆に作りづらいですね」
●歌詞は誰が?
「今はほとんど獣-ビースト-です。Brand-new suicides(エミリーの楽曲の中に登場する架空のバンド)の曲だけ僕ですね」
●そうなんだ(笑)。ライブの時の意識は変わってきてる?
「昔はカッコよく思われたいみたいなのが多少あったと思うんですけど、今はもうとにかく面白いかどうか、みたいな。『さぁ、消費しろ!』って。最悪『何も思い出せないけどとにかく楽しかった』でいいや。って。『よくわかんなかったけど面白かった』でいい」
●それはすごくいいことだと思う。
「『よくわかんないけど凄い』という方向だと絶対勝てないじゃないですか。グランカとかルロウズとか。最高峰に。そっちは無理だから、変化球で攻めるしかない」
●ライブ中ってどういうことを考えてる?
「なるべく仕事のことを考えないようにしている(笑)」
●(笑)。
「ハンターハンターのシャルナークのオートモードみたいな。あれに近い感じになると割といいライブが出来ますね。今何を弾いてるとか一切考えずに弾けるときがあって。逆に『このフレーズ難しいんだよな』とかふと思い出すと弾けなくなっちゃう」
●邪念が入ってくるとね。
「だからなるべくオートモードで弾くようにしたい」
●展開がすごく複雑だから身体が覚えるまですごく時間がかかりそうな印象があるけど。
「でも正直、曇ヶ原(エンリケ後悔王子が過去在籍していたプログレバンド)より全然覚えやすいですよ」
●マジか(笑)。
「曇ヶ原はA→B→フォントが違うA→フォントが違うBみたいな感じで繰り返しが多いけど微妙に違ってて。でもエミリーはとにかくAからZまで覚えるだけなので(笑)」
●なるほどね。
 ●平日はどういう生活をしてる?
「仕事に行って、帰って、疲れて寝る。みたいな(笑)。『無』でしかない」
●仕事終わった後に何かするって難しいよね。
「平日何も出来ない病なんですよ。かれこれ十年」
●音楽は聴いてる?
「精神的にキツいと音楽も聴かなくなるというか、耳馴染みがいいやつしか聴けない時がある」
●新しい物を受け入れる体力もない時はあるよね。
「昔のJ―POPとか、中高のとき聴いてたのとか」
●最近はどんなのを?
「ジャンル的にはユーロビートですかね」
●ええ!?
「あれって速いんですけど、リフ的にオイシイというか。ファミレスで言うとミックスグリル定食みたいな曲ばっかなんですよ。キラーリフてんこ盛りみたいな」
●詰め込んである感じで。
「これは意外とヒントがあるなと」
●なるほど。バンド的に取り入れるぞ!って意識で聴いてるの?
「サウンドは取り入れようがないので、和音のリフとかフレーズを参考にしている感じ。あとは昔J―POPとして聴いてた、例えばglobeとかSPEEDとか、それをCDで聴き返すとめちゃくちゃ発見がある。『この曲のバンドサウンドすごいな』とか『あ、あの曲のパロディーなんだ』みたいな」
●メロディーしか覚えてなかったけど、聴き返すとアレンジがすごい、みたいなのはあるよね。
「そうそう。小さい頃はマイラバの声は『すごい声だな』って。オーバーダビングの概念がないから(笑)。みんなホーミーみたいにああいう声を出せるんだと。ミスチルとかめちゃくちゃハモれてすごいなって(笑)」
●すごい技術だ(笑)。
  記録媒体として一番長持ちするのは石か壁画なんですよ。レガシーをね、遺したい
●バンドをやってもう結構な歴があるけど、やってなかったらどうなってた?
「うーん。土日関係ない仕事をしてたかなぁ。あの…中学の時の夢が『オリックスの球団職員になること』だったんですよ」
●球団職員なんだ(笑)。
「プレイヤーとしての限界は悟ってたので(笑)」
●裏方でもいいから野球に携わるという。
「もっと前は小説家とか、マンガ家とか。いわゆるキッズが憧れるクリエイティブ職になりたかったけど。バンドやってなかったら…。ちょっと想像つかないですね」
●例えば今の生活からバンドが何らかの理由でなくなったとして、今の仕事だけ続けてくのは気持ち的にしんどい?
「しんどいですね。実際今それに近い状況になっているけど…。表裏一体というか、それでバランスとってたんだなぁって。普段はバンドと野球とハリエンタルラジオだけで生活出来たらいいなって思ってたのに(笑)」
●なるほどね。
「仕事以外のコミュニケーションが欠乏してて、ストレスが溜まっていく。バンドメンバーって十年近く、今まで少なくとも二週間に一回は会ってたのに。その人たちに一ヵ月以上会わないのは違和感がすごくて」
●フラストレーションが溜まってる感じ?
「この間スカイプでバンド会議みたいなのをして『いやぁ、楽しいなぁ』って(笑)。普段赦先輩がスタジオ遅刻するとすごく嫌な対応をみんなでしてたのに(笑)」
●失って初めてわかる大切さみたいな。
「前よりも優しくなれるかも知れない(笑)」 
●今はこういう状況ですけど、また落ち着いた頃にこうしていきたいとかバンドである?
「昔の自分みたいな、基本的に陰の者に『楽しいなぁ。バンドやってみたい』とか思われたいですよね。以前モーションで話しかけてきた男の子が、二十歳くらいなんですけど。『僕もバンド組みたいです!』って言ってて、あ、嬉しいなって思って。その後コンパクトクラブで群馬に行ったときにその子がまたいて『僕、バンド組みました!』って嬉しそうに報告してくれたんですよ」
●普通にいい話だ(笑)。エミリーは水とかうちわとかいろんな形態でリリースしてるけど、今後こういうのを出したいとかある?
「そうですね。僕が考えていたのがダウンロードコード付土地なんですけど]
●(笑)。
「10万円くらいの離島の土地を買って、そこに看板とQRコードを貼って、辿り着きさえすればフリーでダウンロード出来るみたいな(笑)」
●なるほど。
「アドベンチャー型音源」
●面白いな(笑)
「石碑でもいいけど。記録媒体として一番長持ちするのは石か壁画なんですよね。だから最終的にはそれでリリースしたいんですよね。将来オーパーツみたいになるかも」
●遺跡として遺っていくかもね。
「レガシーをね、遺したい」
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yukinko22 · 5 years ago
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怪しいインビテーション・フロム彼方  夏休みに、知らない人に誘われて、知らない人たち5人と、知らない国の知らない場所を旅することになった。twitterで、今まで全く交流がなかった人から突然誘われたのだ。なぜ誘われたのかもわからないし、なぜ、自分がその誘いに応じたのかもわからない。  当時の私は、激務で有名な会社の、最も激務と噂される部署で働いていた。会社の机で眠り、近くのジムでシャワーを浴び、充血した目でエクセルを叩く。正月もゴールデンウィークもなかった。ウイグル旅行の誘いが届いたのは、そんな折だった。  メッセージが目に入るやいなや、発作的に行きたいと返事をしてしまったが、後になって疑念が湧いてきた。メッセージの主は、いったいどんな人なんだろう。私は当時、人と絡まない孤高のスタイルでtwitterをしていたのでDMがきたこと自体初めてだった。  とにかく、行くと言ってしまったのだから、休みをとらなければならない。その時点で夏休みを取得する予定はなかった。取得できるのかもわかっていなかった。 どうしてウイグルなんかに行くんですか  休暇取得を申し出る私に対し、職場のみんなはやさしかった。みんな忙しいのに、「仕事は引き取るから」「ゆっくり休んで」と言ってくれた。しかし、旅行の詳細を聞くと、同僚たちの善良な笑顔はさっと曇った。  彼らは問う。 「どうして、ハワイでもセブ島でもなく、ウイグルなのか」 「どうして、親しい友人や家族と行かないのか」  もっともな疑問だ。私は、どうして、気が合うかわからない人々と、楽しいかわからない場所に行こうとしているのだろう。自分にもわからない。どちらかといえば、こちらが問い返したいくらいだ。 「どうして私は、知らない人とウイグルに行くのでしょう?」  私は、夏休みまでに仕上げなければいけない書類の山を見つめた。 羽田からウルムチへ  早朝の羽田空港国際ターミナルで、私は疲れ果てていた。休暇を目前にひかえる中で押し寄せる仕事の波に飲み込まれ、家に帰れない日々が続いていたからだ。最終日も仕事が終わらず、徹夜で職場から直接空港に向かう羽目になった。  今回の旅行メンバーは、男性3人・女性3人。私以外は、大学時代のサークルを中心としたつながりのようだった。それだけ聞くと、「あいのり」や「テラスハウス」のような、青春の匂いただよう若い男女の旅行なのだが、グループからはそれをかき消す不穏なバイブスが満ち満ちていた。  なかでも完全におかしいのは、グループの中に「尊師」と「レーニン」を称する人物がいることだ。通常、「尊師」というのは、オウム真理教教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)を意味し、「レーニン」というのは、ロシア社会民主労働党の指導者であり、ソビエト連邦を建国した人物であるウラジミール・イリイチ・レーニンを意味する。  テロ、あるいは革命という形で、国家体制の転覆をめざした宗教的・政治的指導者が、なぜ一同に会しているのだろう。空港前で集合しているだけで、破壊活動防止法(通称・破防法)の適用対象団体となってしまいそうだ。  ともあれ、この時点で、今回の旅行が恋と友情の甘酸っぱい青春旅行になる可能性は限りなくゼロだ。麻原彰晃とウラジミール・レーニンが旅を通じて友情を深め、それがいつしか愛に変わる……。そんな突飛な話は、両者の思想的相違点を考慮すればおよそ考えられないだろう。  私は、国家転覆を試みる宗教家でもなければ、社会主義の革命的指導者でもない。どうしてこの旅に誘われたのだろう。ぷくぷくとふくらむ疑問と不安を乗せて、飛行機は羽田を旅立とうとしていた。 尊師とレーニン  羽田からウルムチへの長い移動中に分かったことがある。尊師は、工学の修士号を持つ知識人であり、特定の宗教とのつながりはないということだ。「尊師」というのは、極めて不謹慎なあだ名にすぎない。  では、旅の同行者にふさわしい安全な人物かというと、そんなことは決してなかった。尊師は、無邪気な下ネタをガンガン投下してくるという反社会的な性質を有していた。  例えば、北京の空港でのことだ。 「マーン・コーヒーだ!見てください!マーン・コーヒーですよ」  尊師は、北京空港内のオシャレなカフェチェーンを指差し、目をキラキラ輝かせて写真を撮りはじめた。そのとき、私は「どこにでもあるチェーン店になぜ興奮しているのだろう」と不思議だったのだが、後になって、それが低レベルすぎる下ネタであることに気がついた。もっと早く気づいてしかるべきだったのだが、工学の修士号を持つ知識人が、そんな知性ひかえめのジョークを言うとは思わなかったのだ。  他の同行者もまた、尊師の被害を受けていた。 尊師 「ちんマ!? ちんマ!?」 同行者「ちんマってなんですか?」 尊師 「ちんマというのは、ちんちんマッサージのことです」 同行者「……」  それ以来、その人は、尊師には何も質問しないと決めたという。  尊師が、大きな身体のうるさいお兄さんである一方、レーニンは、小柄でツインテール姿の、無口でちょっぴりエッチな美少女だった。  ちなみに、ちょっぴりエッチというのは、彼女が尊師の下ネタをときどき拾ってあげていたのを私が面白おかしく書き立てているだけだ。実際には、彼女は、渾身の下ネタをたびたびスルーされ、ときにはうるさいと一喝される尊師を気遣っていたのだと思う。  なので、正確には「レーニンは、小柄でツインテール姿の、無口で心優しい美少女」ということになる。それでいてソ連のコミンテルンを率いる革命的指導者であり思想家だなんて、今すぐアニメの主人公になれそうだ。  それにしても、尊師もレーニンも、私の凡庸な日常生活には絶対にあらわれないタイプのキャラクターだ。二人とも、普段は善良な労働者として社会に潜伏しているらしいので、本当は自分のまわりにもいるのかもしれないが、それを知るすべはない。 「ずいぶん遠いところにきちゃったなあ……」  あまりの非日常感にめまいがした。まだ、目的地にさえついていない。 謎の秘密結社・うどん部   新疆ウイグル自治区は、中国の最西部に位置しており、国境を接して南にはインドがあり、西にはカザフスタン・キルギス・タジキスタン・パキスタンが連なる。古くからシルクロードの要衝として栄え、ウイグル人・カザフ人などの多民族が住む、ムスリムが多い中央アジア文化圏だ。  今回の旅程は、新疆ウイグル自治区の玄関口であるウルムチを経由し、前半は電車でトルファン、カシュガルを巡り、後半は車でパキスタンとの国境であるタシュクルガンまで足を伸ばすというものだ。  羽田からウルムチまでの移動にまる一日かかるため、実質的な旅のスタートは二日めのトルファンからになる。隣の国のはずなのに、移動の体感的にはヨーロッパと同じくらい遠い。  私たちがトルファンに到着して最初に向かったのは、ウイグル料理店だった。 「やはり我々うどん部としては、まずはラグメンの調査からですよね」  旅行の主催者である女性は、ニコニコしながらそう言った。ラグメンとは、中央アジア全域で食べられている麺類で、うどんのような麺に、トマト味のソースがかかった食べ物だ。  なんでも、今回の旅行は「某大うどん部」という、大学のうどん愛好家サークルの卒業生を中心としたメンバーで構成されているらしい。旅の目的のひとつも、ラグメンを食べることで古代中国で生まれたうどんの起源を探ることにあるのだという。 「うどん部……?」  私は思わず考え込んでしまった。特にうどん好きというわけでもない自分が誘われた理由がわからないと感じたこともあるが、一番の理由は、今回のメンバーが「うどん部」という言葉がもつ牧歌的かつ平和的な響きからはおよそかけ離れた集団のように思えたからだ。  先程言及した「尊師」と「レーニン」が名前からして不穏なのはもちろんだが、他のメンバーたちの話題もとにかく不穏だった。 「前進チャンネル」の話 中核派Youtuberが、警視庁公安部のキャンピングカーを紹介したり、不当逮捕された同志の奪還を訴えたりしている番組の話。 北朝鮮脱北ノウハウの話 中国と北朝鮮の国境地帯に住んでいたことがあるうどん部員による、脱北ノウハウの話。北朝鮮脱北者が、国境近辺に住む中国人民を襲い、金品と身分証を奪いとることで中国人として生きようとするが、中国語が話せないことからバレてしまい、強制送還されるという救いのない事件が多発しているらしい。 スターリンに乾杯した話 「ヨ���」という名前のうどん部員が、スターリンの故郷であるジョージアを訪ねたところ、「ヨシ」は同志スターリンの名前だと歓迎され、「ヨシフ・スターリンに乾杯」と密造酒をすすめられた話。  一言でいうと、うどんは関係ない。  うどんは関係ない上に、思想的にかたよっている。うどんを愛する心に右も左もないと思うのだが、一体どういうサークル勧誘をすればこんなことになるのだろう。世界がもし100人のうどん愛好家の村だったら、中核派は0名、教祖も0名、スターリンの故郷を訪ねた人も0名になるのが普通だ。  今回の旅行メンバーはたった6人なのに、公安にマークされそうな発言をする人しかいない。思想・良心の自由が限りなく認められたコミュニティであるともいえるが、うどんを隠れ蓑とした何らかの過激な団体である可能性も捨てきれない。謎の秘密結社・うどん部だ。 「こうした旅行は、よく企画されるんですか?」  私は、うどん部の背景を探るべく、おそるおそる尋ねた。 「主催者さんは、旧ソ連圏に関する仕事をしているんです。その関係で、旧ソ連の珍しいエリアへの旅行をよく企画しますよ」 「でも、どういうわけか、たまに、その旅行に行った人たちが仕事や学校を辞めてしまうんですよ」 「この前の旅行では、社会主義国家によくある、労働を賛えるモニュメントをめぐっていたら、一緒に旅行していた学生の友人が『労働意欲が湧いてきた。学校はやめるぞ』と言って、突然中退してしまったんです」 「僕も仕事を辞めたしね」  社会主義国家を旅することで、反社会性が養われてしまうとは……。 「旧ソ連圏への旅行は、うどんとは関係あるんですか?」 「うどんとは関係ありません。ただ、うどん部員には、真っ赤な血が流れているんです」  これまでの話をまとめると、「うどん部」とは、うどんの絆で連帯し、ときに資本主義社会から人をドロップアウトさせる赤い集団ということになる。なにがなんだか、全くわからない。  主催者の女性は、旧ソ連圏に関する仕事をしているだけあって、中央アジア文化に詳しかった。彼女は、うどん部員らしい話題として、シルクロードにおける麺の広がりについて話をしてくれた。 「トルクメン人も、カザフ人も、ウズベク人も、友人たちは口を揃えてラグメンはウイグルが一番美味しいというんですよ」  全中央アジアの人民が認めるウイグルラグメンは、たしかにおいしかった。もちもちした手延べ麺の感触と、オイリーなソースに絡まるたっぷり野菜のバランスがよく、濃い味なのにいくらでも食べられてしまう。  特に、ニンニクでパンチを効かせたラグメンは癖になるおいしさで、そのジャンクかつ中毒性が高い味わいから、勝手に「ウイグルの二郎」と命名されていた。  内装も異国情緒が爆発していた。天井から階段までいたるところがタイルやステンドグラスで彩られている。細やかな幾何学模様を見ていると、確かに中央アジア文化圏に来たのだということを実感する。  中央アジアを旅行するたびに思うのだけれど、彼らの、あらゆる場所を「美」で埋め尽くそうとする情熱はすごい。衣服やクッションの細かな刺繍、木彫りのアラベスク、色とりどりのランタン……。よくみると、料理に使うボウルまで鮮やかな矢絣模様がついている。  私は、ステンドグラスが貼られた天井を見つめた。 「遠い場所に場所にきたんだ」  そう思ったが、どういうわけか実感がなかった。足元だけが、なんだかふわふわしている気がした。 砂漠は空中浮遊する尊師の夢をみるか  午後から本格的な観光がスタートした。最初に訪れたのは、交河城址という遺跡だ。紀元前2世紀頃に作られ、14世紀まで実際に街として使われてい要塞都市だ。地平線が見えそうなほど広い。  地面の上にレンガを重ねるのではなく地面を掘って街を作ったところに特徴があるらしいのだが、これだけの土地を彫り抜くなんて、想像もつかない労力だ。中国の圧倒的なマンパワーを感じる。  遺跡が広すぎる一方で観光客があまりいないため、とても静かだ。どこまでも続く風化した街並みを歩き、静謐な空気に触れ、かつては賑わっていたであろう都市の姿を想う……そんな触れ込みの場所なのだけれど、正直言って、そうしたロマンチックな思い出は一切残っていない。  なぜなら、悠久の大地を包む静寂を切り裂くように、尊師がマシンガントークを繰り広げていたからだ。麻原彰晃がおしゃべりだったのかは知らないが、少なくともウイグルの尊師は非常におしゃべりで、一人で優に5、6人分は話していた。観光中、常にニコニコ動画の弾幕が飛んでいるような状況であり、センチメンタルな旅情の入り込む隙はない。  尊師の話は、基本的にどれも「興味深いがどうでも良く、とにかく怪しい」内容で統一されている。 ・中国の深センで売られている「Android搭載のiPhone」の話 ・中国貴州省の山奥に住むラブドール仙人の話 ・中国の内陸部では旅行カバンの代わりに尿素袋が使われているという話 ・中國の伪日本製品に書かれている怪レい日本语が好きだという話……。  気がつくと、夕暮れ時になっていた。  乾いた大地は茜色に染められて、民族音楽の弾き語りが響く。旅行者としてのセンチメンタリズムが刺激され、私はこの地の長い歴史に思いを馳せる。しかし、次の瞬間には、そんなセンチメンタリズムを切り裂くように尊師の怪しい話が炸裂し、安易な旅情に回復不可能な一撃を加える。  たちまち、私の心の中で放映されていた「NHK特集 シルクロード」の映像は乱れ、テーマソングを奏でる喜多郎は、へなへなと地面にへたり込む。   砂漠で果敢にも空中浮遊を試み転落する尊師、唐突に尊師マーチを歌い始める尊師、中国の怪しいガジェット情報に詳しい尊師……。  トルファンでの私の思い出は、尊師色に染め上げられていった。 遊牧民が住む砂漠の街で不慮のノマドワーカーになる  まさかウイグルで徹夜をすることになるとは思わなかった。  観光を終えてホテルに戻った私を待っていたのは、職場から送られてくる容赦ないメールの数々だった。 「夏休み中恐縮ですが、添付の資料につき18時までにご確認お願いします」 「確認が終わるのは何時頃になるでしょうか」 「こちらも限界です、連絡ください」  休暇を申し出たときの「ゆっくり休んでください」はなんだったのか。そもそも、今日、日本は日曜だし明日は月曜で祝日のはずだ。私が旅行にでかけたのは土曜日なので、まだ夏休みは始まってさえいない。どうしてこんな惨状になっているのだろう。  ひとつ断っておきたいのは、私の職場の同僚たちは、基本的に優しく善良な人たちであるということだ。本当に仕事が回らなくなり、やむを得ずメールをしてきたのだろう。  今回の夏休みは「正月がなかったのはあまりにも気の毒だから」と上司が、わざわざチームに根回しをしてくれてようやく取得に至ったものだ。上司のただひとつの誤算は「現場に人が足りていない」という根本的な問題は、根回しでは決して解決しないということだ。  私はその夜、ホテル近くの雑貨店でレッドブルとコーヒーを買い込み、目を真っ赤にしてキーボードを叩き続けた。  空が白み、まばゆい朝日がきらきらと射しこむ時間になっても、私の仕事��終わらなかった。他の人々には私を置いて観光に行ってもらい、一人で仕事を続けた。そんな私を気遣って、尊師が食事を買ってきてくれた。  ようやく仕事が終わったのは、太陽が高くのぼり、熱された大地が蜃気楼で揺れるころだった。 鳥の声しかしない場所  午後、観光に出ていた他のメンバーと合流し、タクシーで訪れたトルファン郊外はのどかな場所だった。乾いた土地に葡萄溝やバラ園が広がっていて、木陰で商売をするスイカ売りやぶどう売りが、こちらにおいでと手招きをする。  ぶどうはいつも無料だった。一房分を買おうとするのだが、安すぎてお金を受け取ってもらえないのだ。口に含むと、雨の降らない土地で育つ果物特有の凝縮された甘みを感じる。  観光名所とされている遺跡にはだれもおらず、車の音も人の声もしない。絶え間なく響く鳥の声を聞き、強い光が地面に落とす影を見ていると、数時間前まで仕事に追われていたのが、遠い昔の記憶のように思えてくる。  静かな場所だった。太陽が眩しくて、あたまがぼんやりした。  ふと見ると、道端でビニール袋に入れられた羊の頭蓋骨が風化していた。その後も、私たちは、農地の側溝や休憩所のトイレ等、そこかしこで羊の頭蓋骨を見つけることとなる。この土地で暮らす人々には、お弁当がわりに羊の頭を持ってくる風習があるのだろうか。  私は、以前、イランのホームステイ先で「イランでは朝ごはんに羊の脳みそのスープを飲む」「日本でいうと、みそ汁的な存在」と言われたことを思い出した。「羊の頭がみそ汁の具として扱わている地域があるなら、お弁当がわりに羊の頭をぶらさげる人々がいても不思議はない」と思う。  私は、強い日差しから逃れ、木陰に座ってこの土地で暮らしてきた人々のことを思った。日本にはまだ神話の神様さえいなかった遠い昔に、砂漠のオアシスで暮らし、羊を飼い、ときには西瓜で喉を潤していたかもしれない人々のこと。彼らの聞いていた鳥の声と、私たちが聞いている鳥の声は同じだろうか。  夏の光にまみれてきらきらする西瓜の皮と、そばに落ちる暗い影を眺めていると無気力が押し寄せてきて、労働の意義も経済成長の意味もわからなくなった。  私はふと、今回の旅行について話したときの、同僚たちの反応を思い出した。 「どうしてウイグルなんかに行くんですか」  彼らの疑問は、要するに「その夏休みの使い方に、確かな価値はあるのか」という点に集約できる。たまの休みなのだから、確実に楽しく、気分良く過ごせる場所に行くべきだ。彼らはそういっていたのだろう。  同僚たちの疑問に対し、そのとき私は答えることができなかった。  職場の同僚たちは「この先、生き延びるにはどうすればいいか」という話をよくしていた。真夜中から始まる飲み会で、明け方の6時や7時まで話す人もいた。生き延びるとはなんだろう。  生産性が自分の人生を覆い尽くし、人間性がわかりやすい価値で塗りつぶされていくのを受け入れること。「使える」人とだけつるみ、評価されること。夏休みはハワイに行くこと。  生き延びるとは、きっとそういうことだった。  忙しいことには慣れていた。仕事に慣れてしばらくたったあるとき、もう必要がないからという理由で、少しずつ集めていたアンティークの食器や学生時代に好きだった小説を捨てた。重要なのは、「役割」を果たすことであり、社会の共通言語で話すことだと考えた。  でも、私は突然、久しぶりの夏休みを、確実に楽しい場所ではなく、楽しいかよくわからない場所で過ごしてみたくなったのだ。知らない人に誘われて、どういうわけか、そういう気持ちになったのだ。  農家のおばさんからもらって持て余していたぶどうを一粒、口に含んだ。日本のものとは全く違う、知らない味がした。 星降る夜行列車に乗って  疲れからか、やたらと物憂げな気持ちになっていたところに、尊師の「バ〜ニラ、バニラ高収入〜!」という歌声が響いてきて、現実にひきもどされた。そろそろ、この街を離れる時間だ。  それにしても、すっかり考え込んでしまった。私は、「うどん部の旅行に参加した人は社会からドロップアウトしがちである」という話を思い出した。  葡萄溝の木陰で、やたらとメランコリックな気持ちになったのも、この旅行の危険な効果だろうか。このままでは、謎の秘密結社・うどん部の陰謀の思う壺だ。  夜行列車で過ごした夜は、楽しかった。  トルファンのぶどうで作った珍しい白酒をたくさん飲んで、加熱する仕掛けが施されたインスタントの火鍋をつついた。  普段は飲まない強いお酒にはしゃぎすぎて寝てしまい、気がつくと真夜中だった。  夜行列車の窓から空を見上げると、満天の星空だった。肌寒い寝台で、毛布をだきしめながら、流れていく星空を見つめた。まばたきも、呼吸もできなかった。体中の神経が粟立ち、スパークした。  私は、冷凍されていた自分の人生が、急激に自分の身体に戻ってくるのを感じた。  もしかして、私は、生き延びることから遠ざかっているのだろうか。  このときの私はまだ、自分がその数カ月後、仕事を辞める運命にあることを知らなった。 (カシュガル編につづく) 補足とおしらせ  ウイグル旅行記は、長くなってしまったので数回に分けて書きます。今後の予定はこんな感じです。 ・ カシュガルで公安警察から"重点旅客"として熱烈歓迎されてしまった話 ・ ウイグルの果てでゾロアスター教の遺跡を探し、廃墟の温泉に入った話 ・ 突如の軍事パレード開始により限界帰国チャレンジを強いられた話 旅の写真は、twitter(@eli_elilema)にもあげているので、よかったら見てみてください。 ※ 尊師はとても良い人でした。
https://note.mu/elielilema/n/nb8baf42077cd
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noblesvacation · 2 months ago
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grabbing your shoulders what I need you to understand is that Lizel is extremely skilled at all the social skills and etiquette and political maneuvering, took to it like a duck to water, thrives in his environment as a busy noble
but what he WANTS is to be lazy and spoiled
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2ttf · 13 years ago
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Well I swore on a post it note that I’d post this fic when I finally got vol 8
And what’d you know. Guess what showed up in the mail this morning!! :D
Enjoy!
I’m feeling chaotic
Might post a snippet of a fic I’m writing and not respond for 48hours
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wasite · 2 years ago
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WASITE.store 2022/10/09 now OPEN 今日の海 10 て 月 9 く 日 を繰り返し「てくてく・・・」 今日は「散歩の日」!!! 普段何気なく使っているこの「散歩」って この言葉。 いい言葉じゃないですか〜? ウォーキングとも違う。 歩くことが目的じゃない。 ハイキング、うーん、違う! なんとも曖昧でいて柔らかく、 平穏を感じさせる、それが 「散歩」!! そもそも「散歩」は日本で どのように言葉となったか? もともとは中国の三国時代。 貴族の中で流行った「ドラッグ」! 滋養強壮とうたいながらも、 中華貴族「うぉー!体が熱いアルー!www」 と、いわゆる「毒」を服用。 その毒は散発しないと体に溜まって 害になるってんで、 "散"発のために"歩"くのが 「散歩」といわれ、これがルーツ。 つまり、ジャンキーのヤク抜きw だけじゃないけどねw 漢方でも薬の効きをよくするために歩く 「散歩」という用語があります。 さてそこに、ハードコア古代日本・室町時代。 禅僧が中国からこの散歩を輸入! ただ薬のなにがし〜じゃなくて、 ただ飯を食った後の「腹ごなし」に歩く。 これがジャパンの散歩のルーツ。 飯を食った禅僧がー 目的地を決めずー 自然と道を歩きー "道"を見出す。 禅僧「は!これは、悟りやんけ!」 と散歩を拡大解釈。 そこから禅僧が歩くと、 町の庶民や貴族たちは、 「おぉ、禅僧が『散歩』されとる!」 これが時代の最先端! そもそも、あてもなく、のんびりと、 時にダラダラと歩き回るなんて、 暇人=裕福じゃないとできない。 今日を必死に生きてる庶民は、 のんびり歩いていたら生きていけない。 散歩は選ばれし者しかできない。 散歩は上流階級のトレンディ! で、時代は流れ、 外国から新しい言葉が入り、 「プロムナード」フランス語で「散策」 これをあの"勝海舟"が 勝「そりゃ、きみ、日本でいう『散歩』だよ!」 と、散歩に新しい価値観を��ンストール!! プロムナードとは、 車の通らない遊歩道とかのことでもあり、 またそこを歩く行為の事。 また庭園や広場で行われていた演奏会も プロムナードという。 つまり、余暇に近い。 こうして散歩は時代とともに 意味を変え続け、これからも変わるかもしれない。 散歩は、どちらかっていうと、 「健康のため」 って意味合いが強いように感じます。 それもいいよね。 散歩の1歩には0.08円の医療費と同等の効果があると 研究調査結果が(たしか0.08、いや0.8円?) または新しいアイデアが閃く、 っていう理由で散歩をする人も。 古代ではアリストテレス! ドイツのガウス! 思想家のルソー! みんな散歩が大好き。 トトロ「あるこー、あるこー      わたっしはー 元気ー       あるくのー 大好きー」 元気じゃなくても歩いたほうがいい。 いや、むしろ元気じゃない人は歩けたら歩こう。 というのも、 ポケモンGOの話でもやったけど、 自閉症などで部屋から全く出れない小児患者が、 ポケモンGOの力で家から出て! ポケモン、ゲットの散歩道をエンジョイ! 治る! というハイテクと散歩のミックス療法。 最高じゃないですか。 また、音楽を歩きながら聞く、 といえば「ウォークマン」ですが、 最近はいろんなデバイスもあって イヤフォンも無線で耳からうどんみたいな感じ。 が、一部のコアな音楽フリークスは、 無線から再び有線に戻っていると 新たなムーブメント。 なぜ? ただ、音楽を聴いている、という体験を 他の人に邪魔されたくない。 というピュアな衝動。 無線だと音楽を聴いているのかわからず 他人に話しかけられたりする。 「それが嫌!!」 ってことで有線でイヤフォンの意味は 「話しかけんといて、いいとこやねん」 それが散歩しながらだと その通り、町、路地、様々なシチュエーションに 音楽から浸るようなピュアなエモい体験を得る。 まぁ、気持ちはわかる。 けど、周りはよく見て歩いてね。 散歩も散歩で、 家に無事帰るまでが散歩です。 街中、山道、いろんな道に、 ちゃんと迷わず帰れますようにって、 道にはお地蔵さん。 沖縄ってお地蔵さん、あんまいないよね。 そこで、北中城の安谷屋にある 「幸せ地蔵」!! 訪れると、不思議といい事が起きるんだって。 外国語で紹介されたりもするほどの 有名なパワースポット! ってことで、三連休中日。 お散歩 いってらっしゃい! というわけで、今日も ストーーーーーーップ!!!ロシア!!! では、今日も良い1日を! #WASITE #ワシテ (WASITE) https://www.instagram.com/p/CjepgHkPJdM/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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skf14 · 4 years ago
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12150006
軽快なメロディが音割れしていることにきっと全員気付いているはずなのに、誰も指摘しないまま、彼は毎日狂ったようにそれを吐き出し続けている。
時刻は朝の8時過ぎ。何に強制されたでもなく、大人しく2列に並ぶ現代の奴隷たち。いや、奴隷ども。資本主義に脳髄の奥まで犯されて、やりがいという名のザーメンで素晴らしき労働という子を孕まされた、意志を持たない哀れな生き物。何も食べていないのに胃が痛い。吐きそうだ、と、50円のミネラルウォーターを一口含んで、押し付けがましい潤いを乾く喉に押し込んだ。
10両目、4番目の扉の右側。
俺がいつも7:30に起きて、そこから10分、8チャンネルのニュースを見て、10分でシャワー、10分で歯磨きとドライヤー、8:04に自宅を出て、8:16に駅に到着。8:20発の無機質な箱に乗る、その最終的な立ち位置。扉の右側の一番前。黄色い線の内側でいい子でお待ちする俺は、今日もぼうっと、メトロが顔を覗かせるホームの端の暗闇を見つめていた。
昨日は名古屋で人が飛び込んだらしい。俺はそのニュースを、職場で開いたYahoo!のトップページで見かけた。群がる野次馬が身近で起きた遠い悲劇に涎を垂らして、リアルタイムで状況を伝える。
『リーマンが飛び込んだ』
『ブルーシートで見えないけど叫び声聞こえた』
『やばい目の前で飛び込んだ、血見えた』
『ハイ1限遅れた最悪なんだけど』
なんと楽しそうなこと。まるで世紀の事件に立ち会った勇敢なジャーナリスト気取り。実際は目の前で人が死ぬっていう非現実に興奮してる変態性欲の持ち主の癖に。全員死ね。お前らが死ね。そう思いながら俺は、���片になった男のことを思っていた。
電車に飛び込んで仕舞えば、生存の可能性は著しく低くなる。それが通過列車や、新幹線なら運が"悪く"ない限り、確実に死ぬ。悲惨な形を伴って。肉片がおよそ2〜5キロ圏内にまで吹き飛ぶこともあるらしい。当然、運転手には多大なトラウマを植え付け、鉄道職員は線路内の肉片を掻き集め、乗客は己の目の前で、もしくは己の足の下で、人の肉がミンチになる様を体感する。誰も幸せにならない自殺、とは皮肉めいていてよく表現された言葉だとつくづく思う。当人は、幸せなのだろうか。
あの轟音に、身体を傾け頭から突っ込む時、彼らは何を思うのだろう。走馬灯とやらが頭を駆け巡るのか、やはり動物の本能として恐怖が湧き上がるのか、それとも、解放される幸せでいっぱいなのか。幸福感を呼び起こす快楽物質が脳に溢れる様を夢想して、俺は絶頂にも近い快感を奥歯を噛み締めて堪えた。率直に浮かんだ「羨ましい」はきっと、俺が人として生きていたい限り絶対漏らしてはいけない、しかし限りなく本音に近い、5歳児のような素直な気持ち。
時刻は8:19。スマホの中でバカがネットニュースにしたり顔でコメントを飛ばして、それに応戦する暇な人間たち。わーわーわーわーうるせえな、くだらねえことでテメェの自尊心育ててないで働けゴミが。
時刻は8:20。腑抜けたチャイムの音。気怠そうな駅員のアナウンス。誰に罰されるわけでもないのに、俺の足はいつも黄色い線の内側に収まったまま、暗がりから顔を覗かせる鉄の箱を待ち侘びている。
俺は俯いて、視界に入った己のつま先にグッと力を込めた。無意識にするこの行為は、死への恐怖か。馬鹿らしい。いつだって、この箱の前に飛び込むことが何よりも幸せに近いと知っているはずなのに。
気が付けば山積みの仕事から逃げるように、帰りの電車に乗っていた。時刻は0:34。車内のアナウンス。この時間でこの場所、ということは終電だろう。二つ離れた椅子に座ったサラリーマンがだらりと頭を下げ、ビニール袋に向けて嘔吐している。饐えた臭いが漂ってきて貰いそうになるが、もう動く気力もない。死ね。クソ野郎が。そう心の中でぼやきながら、俺はただ音楽の音量を上げて外界を遮断する。耳が割れそうなその電子音は、一周回って心地いい。
周りから俺へ向けられる目は冷たく、会社に俺の居場所はない。同期、後輩はどんどん活躍し、華々しい功績を挙げて出世していく。無能な俺はただただ単純で煩雑な事務作業をし続けて、それすらも上手く回せない。ああ、今日はただエクセルの表作りと、資料整理、倉庫の整理に、古いシュレッダーに詰まった紙の掃除。それで金を貰う俺は、社会の寄生虫か?ただ生きるために何かにへばりついて必要な栄養素を啜る、なんて笑える。人が減った。顔を上げると降りる駅に着いていた。慌てて降りる俺を、乗ろうとしていた騒がしい酔っ払いの集団が睨んで、邪魔そうに避けた。何だその顔は。飲み歩いて遊んでた人間が、働いてた俺より偉いって言うのか。クソ。死ね。死んでくれ。社会が良くなるために、酸素の消費をやめてくれ。
コンビニで買うメニューすら、冒険するのをやめたのはいつからだろう。チンすれば食べられる簡単な温かい食事。あぁ、俺は今日も無意識に、これを買った。無意識に、生きることをやめられない。人のサガか、動物としての本能か、しかし本能をコントロールしてこその高等生物である人間が、本能のままに生きている時点で、矛盾しているのではないか。何故人は生きる?生きるとは?NHKは延々とどこか異国の映像を流し続けている。国民へ向けて現実逃避を推奨する国営放送、と思うと笑えてきて、俺は箸を止め、腹を抱えてしこたま笑った。あー、死のう。
そういえば、昔、俺がまだクソガキだった頃、「完全自殺マニュアル」なる代物の存在を知った。当然、本を変える金なんて持ってなかった俺は親の目を盗んで、図書館でそれを取り寄せ借りた。司書の本を渡す際の訝しむ顔がどうにも愉快で、俺は本を抱えてスキップしながら帰ったことを覚えている。
首吊り、失血死、服毒死、凍死、焼死、餓死...発売当時センセーショナルを巻き起こしたその自称「問題作」は、死にたいと思う人間に、いつでも死ねるからとりあえず保険として持っとけ、と言いたいがために書かれたような、そんな本だった。淡々と書かれた致死量、死ぬまでの時間、死に様、遺体の変化。俺は狂ったようにそれを読み、そして、己が死ぬ姿を夢想した。
農薬は消化器官が爛れ、即死することも出来ない為酷く苦しんで死ぬ地獄のような死に方。硫化水素で死んだ死体は緑に染まる。首吊りは体内に残った排泄物が全て流れ出て、舌や目玉が飛び出る。失血死には根気が必要で、手首をちょっと切ったくらいでは死ねない。市販の薬では致死量が多く未遂に終わることが多いが、バルビツール酸系睡眠薬など、医師から処方されるものであれば死に至ることも可能。など。
当然、俺が手に取った時には情報がかなり古くなっていて、バルビツール酸系の薬は大抵が発売禁止になっていたし、農薬で死ぬ人間など殆どいなくなっていたが、その情報は幼かった俺に、「死」を意識させるには十分な教材だった。道徳の授業よりも宗教の思想よりも、何よりも。
親戚が死んだ姿を見た時も、祖父がボケた姿を見た時も、同じ人間とは思えなかった俺はきっとどこか欠けてるんだろう。親戚の焼けた骨に、棺桶に入れていたメロンの緑色が張り付いていて、美味しそうだ。と思ったことを不意に思い出して、吹き出しそうになった。俺はいつからイカれてたんだ。
ずっと、後悔していたことがあった。
小学生の頃、精神を病んだ母親が山のように積まれた薬を並べながら、時折楽しそうに父親と電話をしていた。
その父親は、俺が物心ついた、4、5歳の頃に外に女を作って出て行った、DVアル中野郎だった。酒を飲んでは事あるごとに家にあるものを投げ、壊し、料理の入った皿を叩き割り、俺の玩具で母親の顔を殴打した。暗い部屋の中、料理が床に散乱する匂いと、やめてと懇願する母親の細い声と、人が人を殴る骨の鈍い音が、今も脳裏によぎることがある。あぁ、懐かしいな。プレゼントをやる、なんて言われて、酔っ払って帰ってきた父親に、使用済みのコンドームを投げられたこともあったっけ。「お前の弟か妹になり損ねた奴らだよ。」って笑ってたの、今思い返してもいいセンスだと思う。顔に張り付いた青臭いソレの感触、今でも覚えてる。
電話中は決まって俺は外に出され、狭いベランダから、母親の、俺には決して見せない嬉しそうな顔を見てた。母親から女になる母親を見ながら、カーテンのない剥き出しの部屋の明かりに集まる無数の羽虫が口に入らないように手で口を覆って、手足にまとわりつくそれらを地面のコンクリートになすりつけていた。あぁ、そうだ、違う、夏場だけカーテンをわざと開けてたんだ。集まった虫が翌朝死んでベランダを埋め尽くすところが好きで、それを俺に掃除させるのが好きな母親だった。記憶の改変は恐ろしい。
ある日、俺は電話の終わった母親に呼ばれた。隣へ座った俺に正座の母親はニコニコと嬉しそうに笑って、「お父さんが、帰ってきていいって言ってるの。三人で、幸せな家庭を作りましょう!貴方がいいって言ってくれるなら、お父さんのところに帰りましょう。」と言った。そう。言った。
俺は、父親が消えてからバランスが崩れて壊れかけた母親の、少女のように無垢なその笑顔が忘れられない。
「幸せな家庭」、家族、テレビで見るような、ドラマの中にあるような、犬を飼い、春には重箱のお弁当を持って花見に行き、夏には中庭に出したビニールプールで水遊びをし、夜には公園で花火をし、秋にはリンゴ狩り、栗拾い、焼き芋をして、落ち葉のベッドにダイブし、冬には雪の中を走り回って遊ぶ、俺はそんな無邪気な子供に焦がれていた。
脳内を数多の理想像が駆け巡って、俺は、母の手を掴み、「帰ろう。帰りたい。パパと一緒に暮らしたい。」そう言って、泣く母の萎びた頬と、唇にキスをした。
とち狂っていたとしか思えない。そもそも帰る、と言う表現が間違っている。思い描く理想だって、叶えられるはずがない。でもその時の馬鹿で愚鈍でイカれた俺は、母の見る視線��先に桃源郷があると信じて疑わなかったし、母と父に愛され、憧れていた家族ごっこが出来ることばかり考えて幸せに満ちていた。愚かで、どうしようもなく、可哀想な生き物だった。そして、二人きりで生きてきた数年間を糧に、母親が、俺を一番に愛し続けると信じていた。
母は、俺が最初で最後に信じた、人間だった。
父親の家は荒れ果てていた。酒に酔った父親が出迎え、母の髪を掴んで家の中に引き摺り込んだ瞬間、俺がただ都合の良い夢を見ていただけだと言うことに漸く、気が付いた。何もかも、遅過ぎた。
仕事も何もかも捨てほぼ無一文で父親の元へ戻った母親が顔を腫らしたまま引越し荷物の荷解きをする姿を見ながら、俺は積み上げた積み木が崩れるように、砂浜の城が波に攫われるように、壊れていく己の何かを感じていた。母は嬉しそうに、腫れた顔の写真を毎度俺に撮らせた。まるでそれが、今まで親にも、俺にも、誰にも与えられなかった唯一無二の愛だと言わんばかりに、母は携帯のレンズを覗き、画面越しに俺に蕩けた目線を送った。
人間は、学習する生き物である。それは人間だけでなく、猿や犬、猫であっても、多少の事は学習できるが、その伸び代に関しては人間が群を抜いている。母親は次第に父親に媚び、家政婦以下の存在に成り下がることによって己の居場所を守った。社会の全てにヘイトを募らせた父親も、そんな便利な道具の機嫌を損ねないよう、いや、違うな、目を覚まさせないように、最低限人間扱いをするようになった。
まあ当然の末路と言えるだろうな。共同戦線を組んだ彼らの矛先は俺に向いた。俺は保てていた人間としての地位を失い、犬に、家畜に成り下がった。名前を呼ばれることは無くなり、代わりについた俺の呼び名は「ゴキブリ」になった。家畜、どころか害虫か。産み落とした以上、世話をするほかないというのが人間の可哀想なところだ。
思い出したくもないのにその記憶を時折呼び起こす俺の出来の悪い脳を何度引き摺り出してやろうかと思ったか分からない。かの夢野久作が書いた「ドグラマグラ」に登場する狂った青年アンポンタン・ポカン氏の如く、脳髄を掴み出し、地面に叩きつけてやりたいと思ったことは数知れない。
父親に奉仕する母は獣のような雄叫びをあげて悦び、俺は夜な夜なその声に起こされた。媚びた、艶やかな、酷く情欲を煽るメスの声。俺は幾度となく吐き、性の全てを嫌悪した。子供じみた理由だと、今なら思う。何度、眠る父親の頭を金属バットで叩き割ろうと思ったか分からない。俺は本を読み漁り、飛び散る脳髄の色と、母の絶望と、断末魔を想像した。そう、この場において、いや、この世界において、俺の味方は誰もいなかった。
いつの間にかテレビ放送は休止されたらしい。画面端の表示は午前2時58分。当然か。騒がしかったテレビの中では、カラーバーがぬるぬると動きながら、耳障りな「ピー」という無慈悲な機械音を垂れ流している。テレビの心停止。は、まるでセンスがねえな死ね俺。
ずっと、後悔していた。誰にも言えず、その後悔すらまともに見ようとはしなかったが、今になって、思う。何度も、あの日の選択を後悔した。
あの日、俺がもし、Yesと言わなかったら。あの日の俺はただ、母親がそう言えば喜ぶと思って、幸せそうな母親の笑顔を壊したくなくて、...いや、違う。あれは、幸せそうな母親の笑顔じゃない、幸せそうな、メスの笑顔だ。それに気付けていたら。
叩かれても蹴られても、死んだフリを何度されても自殺未遂を繰り返されても、見知らぬ土地で置き去りにされても、俺はただ、母親に一番、愛されていたかった。父親がいない空間が永遠に続けばいい、そう今なら思えたのに、あの頃の俺は。
母親は結局、一人で生きていけない女だった。それだけだ。父親が、そして父親の持つ金が欲しかった。それだけだ。なんと醜い、それでいてなんと正しい、人間の姿だろう。俺は毎日、父親を崇めるよう強制された。頭を下げ、全てに礼を言い、「俺の身分ではこんなもの食べられない。貴方のおかげで食事が出来ている」と言ってから、部屋で一人飯を食った。誕生日、クリスマス、事あるごとに媚びさせられ、欲しくもないプレゼントを分け与えられた。そうしなきゃ殴られ蹴られ、罵倒される。穏便に全てを済ませるために、俺は心を捨てた。可哀想な生き物が、自己顕示欲を満たしたくて喚いている。そう思い続けた。
勉強も運動も何も出来なかった。努力する、と言う才能が元から欠けていた、可愛げのない子供だったと自負している俺が、ヒステリーを起こした母親に、「何か一つでもアンタが頑張ったことはないの!?」と激昂されて、震える声で「逆上がり、」と答えたことがあった。何度やっても出来なくて、悔しくて、冬の冷たい鉄棒を握って、豆が出来ても必死に一人で頑張った。結局、1、2回練習で成功しただけで、体育のテストでは出来ずに、クラスメイトに笑われた。体育の成績は1だった。母親は鼻で笑って、「そんなの頑張ったうちに入らないわ。だからアンタは何やっても無理、ダメなのよ。」とビールを煽って、俺の背後で賑やかな音を立てるテレビを見てケタケタと笑った。それ以降、目線が合うことはなかった。
気分が悪い。なぜ今日はこんなにも、過去を回顧しているんだろう。回り出した脳が止められない。不愉快だ。酷く。それでも今日は頑なに、過去を振り返らせたいらしい脳は、目の前の食べかけのコンビニ飯の輪郭をぼやけさせる。
俺が就職した時も、二人は何も言わなかった。ただただ俺は、父親の手口を真似て、母親の心を取り戻そうと、ありとあらゆるブランド物を買って与えた。高いものを与え、食わせ、いい気分にさせた。そうすれば喜ぶことを俺は知っていたから。この目で幾度となく見てきたから。二人で暮らしていた頃の赤貧さを心底憎んでいた母親を見ていたから。
俺は無邪気にもなった。あの頃の、学校の帰りにカマキリを捕まえて遊んだような、近所の犬に給食のコッペパンをあげて戯れていたような、そんな純粋無垢な無邪気さで、子供に戻った。もう右も左も分からない馬鹿なガキじゃない。今の俺で、あの頃をやり直そう。やり直せる。そう思った。
「そんなわけ、ねぇよなぁ。」
時刻は午前4時を回り、止まっていたテレビの心拍が再び脈動を始めた。残飯をビニール袋に入れて、眩しい光源を鬱陶しそうに睨んだ。画面の中では眠気と気怠さを見せないキリリとした顔の女子アナが深刻そうな顔で、巷で流行する感染症についての最新情報を垂れ流している。
結論から言えば、やり直せなかった。あの女の一番は、俺より金を稼いで、俺より肉体も精神も満たせる、あの男から変わることはなかった。理解がし難かった。何度殴られても生きる価値がない死ねと罵られても、それが愛なのか。
神がいるなら問いたい。それは愛なのか。愛とはもっと美しく、汚せない、崇高なものじゃないのか。神は言う。笑わせるな、お前だって分かっていないから、ひたすら媚びて愛を買おうとしたんだろう。ああ、そうだ。俺にはそれしかわからなかった。人がどうすれば喜ぶのか、人をどうすれば愛せるのか、歩み寄り、分り合い、感情をぶつけ合い、絆を作れるのか。人が人たるメカニズムが分からない。
言葉を尽くし、時間を尽くしても、本当の愛の前でそれらは塵と化すのを分かっていた。考えて、かんがえて、突き詰めて、俺は、自分が今人間として生きて、歩いて、食事をして、息をしている実感がまるで無い不思議な生き物になった。誰のせいでもない、最初からそうだっただけだ。
あなたは私の誇りよ、と言った女がいた。そいつは俺が幼い頃、俺じゃなく、俺の従兄弟を出来がいい、可愛い、と可愛がった老婆だった。なんでこんなこと、不意に思い出した?あぁ、そうだ、誕生日に見知らぬ番号からメッセージが来てて、それがあの老婆だと気付いたからだ。気持ちが悪い。俺が人に愛される才能がないように、俺も人を愛する才能がない。
風呂の水には雑菌がうんたらかんたら。学歴を盾に人を威圧するお偉いさんが講釈を垂れているこの番組は、朝4時半から始まる4チャンネルの情報番組。くだらない。クソどうでもいい。好みのぬるめのお湯に目の下あたりまで浸かった俺は、生きている証を確かめるように息を吐いた。ぼご、ぶくぶく、飛び散る乳白色が目に入って痛い。口から出た空気。無意識に鼻から吸う空気。呼吸。あぁ、あれだけ自分の傷抉って自慰しておいて、まだ生きようとしてんのか、この身体。どうしようもねえな。
どうせあと2時間と少ししか眠れない。髪を乾かすのも早々に、俺が唯一守られる場所、布団の中へと潜り込んで、無機質な部屋の白い天井を見上げた。
そういえば、首吊りって吊られなくても死ぬことが出来るんだっけ。そう。今日の朝だって思ったはずだ。黄色い線の外側、1メートル未満のその先に死がある。手を伸ばせばいつでも届く。ハサミもカッ��ーも、ガラスも屋上もガスも、見渡せば俺たちは死に囲まれて、誘惑に飲まれないように、生きているのかもしれない。いや、でも、いつだって全てに勝つのは何だ?恐怖か?確かに突っ込んでくるメトロは怖い。首にヒヤリとかかった縄も怖い。蛙みたく腹の膨れた女をトラックに轢かせて平らにしたいとも思うし、会話の出来ない人間は全員聾唖になって豚の餌にでもなればいいとも思う。苛立ち?分からない。何を感じ、生きるのか。
ああ、そういえば。
父親の頭をミンチの如く叩きのめしてやろうと思って金属バットを手に取った時、そんなくだらないことのためにこれから生��るのかと思うと馬鹿らしくなって、代わりに部屋のガラスを叩き割ってやめた。楽にしてやろうと母親を刺した時、こんなことのために俺は人生を捨てるのか、と我に返って、二度目に振り上げた手は静かに降ろした。
あの時の爽快感を、忘れたことはない。
あぁ、そうか、分かった。
死が隣を歩いていても、俺がそっち側に行かずに生きてる理由。そうだ。自由だ。ご飯が美味しいことを、夜が怖くないことを、寒い思いをせず眠れることを、他人に、人間に脅かされずに存在できることを、俺はこの一人の箱庭を手に入れてから、初めて知った。
誰かがいれば必ず、その誰かに沿った人間を作り上げた。喜ばせ、幸せにさせ、夢中にさせ、一番を欲した。満たされないと知りながら。それもそうだ。一番も、愛も、そんなものはこの世界には存在しない。ようやく分かった俺は、人間界の全てから解き放たれて、自由になった。爽快感。頭皮の毛穴がぞわぞわと爽やかになる感覚。今なら誰にだって何にだって、優しくなれる気がした。
そうか、俺はいつの間にか、人間として生きるのが、上手くなったんだ。異世界から来てごっこ遊びをしている気分だ。死は俺をそうさせてくれた。へらへらと、楽しく自由にゆらゆらふわふわ、人と人の合間を歩いてただ虚に生きて、蟠りは全部、言葉にして吐き出した。
遮光カーテンの隙間から薄明るい光が差す部屋の中、開いたスマホに並んだ無数の言葉の羅列。俺が紡いだ、物語たち。俺の、味方たち。みんなどこか、違うようで俺に似てる。皆合理的で、酷く不器用で、正しくて、可哀想で、幸せだ。皆正しく救われて終わる物語のみを書き続ける俺は、己をハッピーエンド作者だと声高に叫んで憚らない。
「俺、なんで生きてるんだっけ。」
そんなクソみたいな呟きを残して、目を閉じた。スマホはそばの机に放り投げて、目を閉じて、祈るのは明日の朝目が覚めずにそのまま冷たくなる、最上の夢。
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