#私はただ落ち着きのないジョニーを眺めていた。
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Why are they nodding at each other?
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映画『ゼロの未来』と『ラスベガスをやっつけろ』
Amazon Primeでテリー・ギリアム監督の映画『ゼロの未来』(2013)と『ラスベガスをやっつけろ』(1998)を見ました。
どちらも特に筋のある話ではない……というのかな、『ゼロの未来』は高度に管理された社会で社会を管理する「マネージメント」から「ゼロの定理」の証明を命じられた男と、その男の元へやってくる妙に色っぽい女や「マネージメント」の息子で天才コンピュータ技師の少年を描いた映画です。
主人公の男を演じるのはクリストフ・ヴァルツ。『イングロリアス・バスターズ』でドイツ人将校を演じていたあの役者ですね。
スキンヘッドでコワモテですが、内面は繊細なのかなーー彼は人生の意義を教えてくれる電話がかかってくるのをずっと待っています。『ゴドーを待ちながら』的な設定ですね。
彼は教会を改装して住んでいて、自分のことを「私」とは言わず、なぜか「我々」と言います。
変な映画でしょ。そうなんです、変な映画です。
パーティか何かで知り合い、その数日後男の元を訪れる謎の女を演じるのはメラニー・ティエリ。彼女はセクシーな看護婦のコスプレで男の元を訪れ、男に奇妙なモビルスーツのようなものを渡し、��これを着て私のサイトにアクセスしてちょうだい」と言います。
男がその通りにすると、二人はバーチャルな世界に飛び、南の島で幸せな時間を過ごすことができます。
えーっと、それからどうなるんだっけ。男は本気で恋に落ちますが、女は「マネージメント」から時給で(!)雇われた娼婦だということが明らかになります。
数日後、女は今度は地味な服を着て男のもとにやってきて、全てを告白し、一緒に街を出ようと言いますが、男はにべもなく追い返してしまいます。
えーっと、それから……男は天才コンピュータ技師の少年に言われるまま、二人で外に出て(男はずっと家でコンピュータ相手に仕事をしているので、外に出るのは数ヶ月ぶりです)、帰ってきたら少年が熱を出して、少年のボディガードの二人組が少年を連れて帰って、少年が強化したモビルスーツを男が着てネットにアクセスすると、突然「マネージメント」の中枢に飛んで、男が「マネージメント」に「なぜゼロ(無)を証明したいんだ」と問い詰めると「マネージメント」が「私はビジネスマンだ。ゼロ(無)はビジネスチャンスなんだ」と言って、男は錯乱して辺りにある機器を壊すけれど、機器はなぜか元通りになって……最後は男が南の島で沈みゆく夕陽を眺める……
うーん、なんなんでしょうね、これは。キライじゃないです。でも、好きかと言われると「うーん」と考え込んでしまいます。
それよりなにより途中「ワタシはこの映画を見たことがあるんじゃないか」という思いが頭に浮かんできたのが衝撃でした。
いや、すでに一度観た映画を気付かぬまま見ることは稀にあります。でも、見たら見たでそこからストーリーを思い出すものですが、この映画の場合全く思い出せません。そもそもストーリーらしいストーリーがないからでしょうか。
でもまあとにかく謎の女を演じるメラニー・ティエリが魅力的だったのでよしとします(女が魅力的に見える芝居・映画はいい芝居・映画だと私は硬く信じています)。
一方、同じテリー・ギリアム監督の『ラスベガスをやっつけろ』はどうだったかというと……
サイテーの映画でした。
主人公の二人、ジョニー・デップ演じるジャーナリストとベニチオ・デル・トロ演じる弁護士のコンビが、ラスベガスでただひたすらラリってバカなことをするだけ。
麻薬はダメだ、他人に迷惑をかけてはいけないなどとお堅いことを言うつもりはありませんが、いくらなんでもこれは度が過ぎています。
バーにいる客たちが突然全員爬虫類に姿を変えるところなぞ映像的には面白いのですが、クスリで��リってそう見えるだけというのは艶消しもいいところです。
実話に基づいた物語だそうですが、ホントにこんなジャーナリストがいたんでしょうか。一体どんな記事を書いてたんだろう。
テリー・ギリアムは何を思ってこんな映画を撮ったんだろう……
改めて考えると『未来世紀ブラジル』(1985)は文句なしの傑作ですし、『12モンキーズ』(1996)もいい映画でしたが、『ブラザーズグリム』(2005)も『ローズ・イン・タイドランド』(2005)も『Drパルナサスの鏡』(2009)も『ドン・キホーテ』(2018)も大したことのない映画でした。
私がテリー・ギリアムに過大な幻想を持っていただけなのでしょうか。
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この3日間は、いつ死のうか、いつだったら死ねるか、いつ を考えるのさえ疲れた、もう存在を消滅させたい、と思っていたが、今は、これからどうやって生きていくかを考えている、電車に陽の光が差していて嬉しい、やっぱりわたしは電車に乗るのが好きだな。晴れたのは神様からのお祝いだろうか、自分の容姿が好きじゃなくても自分の瞳は好きで、光が入るときらきらして美しいのだ、いつか、天照大神を祀る神社へ御参りに行きたい、ありがとうございましたと勝手に救われていたい。DeadLeaf , it's a small world , アポトーシス を永遠に繰り返す。今日は起きた瞬間からなんとなく赤の前が聴きたかったからその次は赤の前を何回も聴く。前の席に人が座るとやっぱり不安になるけれど、誰も見ていないから、と落ち着かせる、心臓が痛いけど気づかなかったことにする、姉から送られてきたお下がりのブルゾンは、「いいと思うよ」と認めてくれる姉が、わたしについていてくれるように感じさせる。大丈夫、お姉ちゃんが選んだセンスのいい服を着ているから。大丈夫。 今は、死にたいこの今日も昨日も一昨日もその前も、きっとわたしを支えてくれるのだろうなと思えている。実際今回も、深夜に雪を眺めていた中学生の私、学校を抜けて公園で泣いていた高校生の私、千と千尋の神隠しをずっと見ていた幼稚園の私がそばにいてくれた。記憶は揺るがない、記憶というより事実だ、そこにあった私がわたしと一緒に泣いてくれるから、わたしはこれでいいのだ。そこにないものを信じられる盲目な人間でよかった、夢を見られる人間でよかった、ほら、わたしはちゃんと忘れていない、あの頃からずっと、忘れていないんだよ、これからも、ずっと、ちゃんと。(2022-2-1 9:02)
陽がよくあたる場所を独り占めする。ここは廊下だけどあたたかい。中学生の頃、教室の大きなカーテンをくぐって日に当たるのが好きで、それを見た幼なじみの男の子に「猫みたいだね」って言われたことがあったな。今日のフランス語は当たらないから予習はしていない��家を出ただけで偉いからこれで十分。別れがつらいからもう出会いたくないと言っている人がいたがわたしは別れのつらさをあんまり知らないなと思った。 今日、友達に話したいこと、たく��んあった気がしたのに、友達がかわいくて、わたしなんかと一緒にいさせちゃいけないと思った、隣で歩いたり、一緒にご飯を買いに行ったり、そういうの、しちゃいけないと思った。病んでいる人間は無意識的に黒を選ぶといつかのドラマで聞いた、図らずとも今日のわたしは黒いブルゾンに黒いズボンに黒いブーツに黒髪。当分行けていない美容室、前髪が巻きを上手く保持できなくて目が隠れてしまう、好きだからこそ、大事だからこそ近づけないことってある、大事にしたいんだ。好きだからこそ離れるの、別れがつらいから出会わないのと似ている気がする。
乗降車ボタン(名前わかんないけど今わたしが名付けた)の素材が違うワンマンカーに乗る、いつもはプラスチックで硬いけれど今日はシリコン。今日は英語の授業がテストだったから早く上がって空いている電車に乗りたかった、のに、報告書を広報事務の先生に渡さなくてはいけないことを忘れており、いつも20分以上かかる駅までの道を16分で歩かなければいけなかった、案の定靴擦れをしたので絆創膏をこっそり貼る。テストで顎髭を生やしている海外の有名人(存命問わず)を書けと言われてブラッド・ピットとジョニー・デップを挙げたけれど綴りで撃沈。ジョニー・デップはnが抜けただけだったけどブラッド・ピットに至ってはブラッド・ピッ'ド' だと思ってた、ごめんなさい、ピットさん。まあちゃんと顎髭(beard)生えてたしいいや、もっと洋画を見よう、有名なやつも。なんか、彼に聞きたくなった、「ブラッド・ピッドってブラッド・ピットだったんだって!知ってた?!」 って。彼に聞きたい。これは恋か?
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林田の世界(初稿版)
第4話 カッコイイラップ
「うわー。これすごいですねー。どういう仕掛けで動いてるんですかぁ? 可愛いぃー。触ってもいいですぅ?」 猫らしきものと並んで立っている林田に俺は能天気な声で聞く。
今の俺は「休日にららぽーと豊洲にやってきたら大きな猫を見かけたので、遠目から写メるだけでは満足できず、直接話しかけにきたフレンドリーな人」という設定だ。 これで38回めのチャレンジ。
俺としてもそろそろゴーサインを出したいところだが、全ては林田の頑張りにかかっている。 頑張れ林田。猫ではない何かのために。 「この巨大猫ロボットNE-Co-NOW(ネーコゥナウ)は我々の団体が開発したスーパーアニマトロニクスという新技術を用いて、5,000年前に地上に存在した猫を再現したものです」 林田は口元にだけ笑みを浮かべ、殆ど息継ぎをせず、音程も変えずに話す。 「��、5,000年前の猫ってこんななんですか?」 俺は若干の警戒心と好奇心を混ぜ合わせた表情で尋ねる。 「我々の団体が明らかにした事実です。アメリカのシンポジウムでも発表されている確かなことなのですが、残念ながら日本では敵対勢力の妨害にあい」 機械音声のような平坦な林田の声が『敵対勢力』の部分で突然テンションが上がった時のジャパネットタカタ社長になる。てぇきったいぃ勢力っ! もちろん、これも俺の指導だ。 「この事実はもみ消されているのです。電通、博報堂、そしてNHKへの」 またしても『電通』、『博報堂』、『そしてNHK』の部分だけジャパネットタカタ社長になる。でぇんつー! はくほうどー! そしてえねっちけー! 「献金を我々の団体が拒否したための陰湿な嫌がらせです。我々の団体はこう言った嫌がらせにも負けず、こうして地道に人々と交流しているのです。巨大猫は5,000年前から存在し、今もどこかに存在し続けている。彼らは超高次元的存在、つまりはいわゆる高次元支配者、ハイルーラー達と交信できる電波塔的存在であるのだと、我々はお伝えしたいのです」 教えた通り、瞬きの数はできる限り抑えるようにしている。 油断するとディカプリオ皺を浮かべる奴の額も今は穏やか。 鼻から上には神経が通っていないと思えと散々注意したのがようやく実った。いい感じだ。眉と目はピクリともしない。 「10」という数字を時計回りに90度回転させたものを、2つ並べたら今の林田の目つきだ。 虚ろだ。実にいい虚ろさ。奴の目の中には無が広がっている。 「もしも世界の真実に興味があればすぐ側で我々の団体が主催するカルチャーセミナーを行っていますので、いかがですか。参加されている皆さん、全員、猫派でございますし。いつもは満席なので一般の方は参加できないのですが、ここでお会いしたのも何かの縁ですからちょっと本部にかけあってみますね。ちょっと待っててください」 「え、今からですか? すいません、今からはちょっと」 林田はスマホを取り出し、電話をかけるふりをする。本番では交通案内に電話するつもりだが、今はまだ練習だからそこはアテフリでいい。 「どうも。青年団豊洲支部班長の森田です。はいはい。そうです。今日のセミナーに飛び込みで1人入れますか?」 「すいません、あの」 俺が抗議の声を上げるふりをする。 林田は抗議の声を無視して話し続ける。そうそう。聞く耳は持たない。それでいい。 「そこを何とか。会場からすぐそばにいるんです。はい。はい。問題ありません。では参加費は私が立て替えておくということで。はい。��りがとうございます! ありがとうございます!」 林田はありがとうございますと大声で叫びながら激しくお辞儀をし、スマホを切るふりをする。 「おめでとうございます。セミナー参加、オッケーです。さぁ、ご一緒しましょう」 「いや、あの、ごめんなさい。結構です!」 「え、なんでですか? すぐ側なんですよ? あなたが参加したいっていうからわざわざ参加費立て替えたのに。なんで行かないとか言うんですか。あなたが行きたいって言ったんですよ」 そうだ。林田。 恩着せがましく。気の弱い人なら「私のせいなのかな?」と思ってしまうくらいの恩着せがましさで攻めて行こう。でも本当についてこられたら困るから、ギリギリの怪しさはキープ。ギリギリで怪しさをキープだ。 「言ってないです! やめてください! 本当に、本当に、そういう、宗教とか結構ですから!」 「宗教じゃないですよ。宗教なんかじゃないですよ。我々の団体はただのカルチャーセミナーです。基本的には無料の宗教法人ですが、この宗教って言うのはあくまでも便宜上でして、実際には素晴らしい思想に触れて、人々とささえあおうじゃないかと、つまりそういう意味での宗教ですから。あくまでも、名目上の問題であって、実際には宗教なんかじゃないんです。お料理教室とか、手芸教室とか、色々なセミナーを定期的に行っているんです。宗教ではないです。そういう団体ではありません。突然大声で宗教だなんだって、あなた失礼な人だ。いいですか、このスーパーアニマトロニクスを始め私たちの団体は様々な技術革新を援助している、画期的な、画期的な、団体なんです。芸能界にも我々の活動に参加してくれている賛同者が沢山いるんですよ。「ジュラシックパーク」に「アバター」、それに「クローバーフィールド」にも技術提供しているんです。エグザイルの何人かも我々のセミナーにはよく参加してくださっています。もちろん公にするとファンが押し寄せてしまって、本当に参加する資格のある方々が参加できなくなってしまうので、すべてクローズドイベントですが。それにロバート・ダウニーJrやシャロン・ストーン、ジョニー・デップ、スティーブン・スピルバーグ、ベネディクト・カンバーバッジも我々の一員なんですよ。そんな我々が宗教のわけないじゃないですか。我々は完全に健全で、完全に安全な、クリーンなセミナーです。今なら参加した方全員に食パン一斤、セミナー終了後のアンケートに答えてくださった方には暗いところで光るクリスチャン・ラッセンのポストカードをプレゼントしています。宗教ではありませんから。怪しい団体ではないですよ。とても健全なんです。猫好きの集まりです」 「もう結構です! 追いかけてこないでください!」 俺は林田から少し離れ、足踏みをする。 数秒の間、俺たちは無言で見つめあった。 林田は口だけが笑っていて、それ以外のパーツは麻痺しているように見える表情を崩さない。 さっき、ここまで来て表情を変えて不合格になったことを覚えているのだろう。 「……合格だ」 「うわー! やったー!」 「林田ー!」 林田��猫らしきものが揃って両手を天に突き立てるポーズをする。林田はともかくとして、猫らしきものは右前足を舐め舐めからの顔ゴシゴシ、左前足を舐め舐めからの顔ゴシゴシを繰り返していただけで、特に何もしてないんだけど。 「もうこのまま合格できないんじゃないかと……ホッとしたよぉ」 林田は身を前にかがめ、両膝に手をついて大きく息を吐く。 「頑張った甲斐あったよ、林田。『こいつにだけはついていっちゃいけない』『絶対に布団を買わされる』っていう空気がビンビンに伝わってきた。お前、そういう才能あると思う」 「ありがとう! ありがとう! 自分でも驚いてる! 自分の才能に驚いてる!」 林田は猫らしきものと両掌を軽く叩き合わせる、いわゆるセッセッセをしながら言った。仲良し。 「本番でもこの調子で行こう。あとこれ。忘れずに」 俺は電話台に置いておいたA4サイズの紙束−−タウンページくらいの厚み−−を手に取ると、その大体半分くらいを林田に渡した。 林田が俺が作り上げた「よくできた猫のロボットを餌に怪しげなカルチャーセミナーに人々を連れて行こうとする新興宗教の青年団の人・森田くん」の設定を飲み込むのに四苦八苦している間に−−森田くんの生い立ち、人間関係、大学で感じた孤独、幾つもの自己啓発セミナーを経て真理に目覚めた経緯など、設定は隙なく作り込んだ−−奴のパソコンを借りて作り上げた「何らかの新興宗教のチラシ」だ。「電波」「チラシ」「宗教」「やばい」などでググって出てきた画像を元に制作した。 何世代か前のインクジェットで出力したから、小さい文字や写真が絶妙に滲んでいる。それもまた味があっていいんじゃないだろうか。レーザープリンターでは出せない独特の風味だ。 「どうだ?」 林田はまじまじとチラシを見つめ、顔を上げる。満面の笑顔。 「キてると思う!」 俺たちは流川と花道を思わせるハイタッチを決めた。ヤマオーにだって勝てる。 「うぇーい!」と林田こと流川楓。 「うぇいうぇーい!」と俺こと桜木花道。 俺たちはペタンク以外の球技をしたことがない。
俺は「9.11はアメリカの自作自演!」タスキを、林田は「今こそ核兵器の積極的拡散を!」タスキをかける。ドンキホーテで買ってきたパーティ用の無地のタスキに油性マジックで��これだ」と思える文章を書き込んだものだ。『自作自演!』と『核兵器』は赤いマジックを使った。 なかなか際どい球を投げたという自覚はある。 2人ともスーツ。俺の服は林田に借りた。ちょっと袖が足りないし、ウエストがちょっときついけど、まぁ仕方ない。 万が一知り合いに遭遇するという可能性もあるので、俺も林田も髪���はぴっちりした七三分けで、伊達眼鏡装備だ。 「さあ、おまえもこれを付けるんだ」 俺は猫らしきものにもタスキをかける。こっちには「NHKは毒電波を出している!」の文字。 ギリギリの球を投げている自覚はある。 俺たちはお互いの姿を眺め、思わず吹き出す。 「これは、絶対に、絶対に、話しかけたくないな」 ぶほぉ、ぶほぉと吹き出しながら林田が言う。 「借りに「あ、猫のぬいぐるみだー」って近寄ってきたとしても、タスキの文字が見えたらもうそれ以上近づいてこないだろ。俺なら逃げるね」 絶対に、絶対に逃げる。関わりあいになっちゃいけない臭いしかしない。 「仮に近づいてきたとしても、このチラシを渡してセミナーに勧誘すれば絶対に逃げ出すね。間違いないね」 林田が頷く。 「よし。じゃぁ、無事に準備もできたし、そろそろ出かけよう。ここからららぽーとまで行って、そこからぐるーっと海岸周りを歩いて、そんで戻ってこような。まだ陽も明るいし、きっと気持ちいいぞ」 俺、林田、猫らしきものの順で一列に並び、俺たちは「サザエさん」のエンディングの磯野家みたいなノリで玄関へ進む。あれは家に入るけど、俺たちは家から出るんだ。 ドアノブを握った時、俺は振り返って林田と猫らしきものに厳しい声で言った。 「このドアを一歩くぐれば、俺たちは今の俺たちとは違う俺たちだ。俺と林田が考えた架空の宗教団体、宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会(ハイコズミックサイエンス・ハッピネス・リアライゼーション・カムカム)豊洲支部の青年団の団員と、宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会が制作した、「ものすごくよくできた猫のロボット」だ。わかったな! 大宇宙支配者達に栄光あれ!(ヤシュケマーナ・パパラポリシェ)」 俺は両手の親指と人差し指をくっつけて三角形を作り、それを胸の前に掲げる。架空の宗教、宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会の神聖な誓いの動作だ。俺が考えた。 あらゆる邪気を払い、魂を清める動作であると同時に、架空の教祖オールマザー・バステトへの忠誠を示す言葉でもある。架空の教祖オールマザー・バステトは林田が考えた。設定上では去年の今頃に昇天され、ハイルーラー達の御元に導かれたということになっている。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 林田が続く。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 俺が繰り返す。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 林田がまた繰り返す。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 俺が繰り返す。だんだん楽しくなってきた。そういえば最近、何かを大声で叫ぶことってなかったかもしれない。 「林田ーなーう林田林田!」 努力は認めよう。 俺たちは架空の教祖オールマザー・バステトへの忠誠の言葉を徐々に徐々に大きくなる声で叫びながら林田の部屋から飛び出した。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 宇宙への、教祖オールマザー・バステトへの、深宇宙にいるハイルーラーたちへの信仰心が、俺のテンションを上げてゆく。 光り輝く星々と、謎めいたダークマーターが俺たちに力を与えている! この世の真理は大宇宙科学幸福実現協議会に微笑むだろう! 4時間後。 ドアを開けて部屋に戻るなり、俺は浜辺に打ち上げられたクラゲと化して、その場に崩れ落ちた。 右脇腹の奥で肝臓が「やめてください。死んでしまいます」と金切り声をあげ、ふくらはぎは「やめてください。死んでしまいます」と啜り泣いている。耳の後ろに心臓が移動し、鼓動が響くたびに毛穴から汗が流れ出した。 頬に触れるひんやりしたフローリングが気持ちいい。このまま意識を失ってしまいたい。 猫らしきものが部屋に入るのを待ってからドアに鍵とチェーンをかけた林田は、それでもう体力を使い果たしたらしく俺に続いてクラゲになり、壁に背中を預けてズルズルと座り込んだ。 「林田、なうなうなう、なうなう林田なうなうなう」 猫らしきものはどっかで聞いたことのあるリズムでそういうと、林田と視線を合わせるように奴の前に膝をつき、前足の肉球を林田の顔面に押し付け始めた。顔に白粉を叩く女の人みたいな感じでポフポフと。 例のあくびの途中で一時停止したような笑顔を浮かべていたので、おそらくは奴なりに「お散歩楽しかったよ」的感謝を示しているのだろうが、林田は肉球を顔に押し付けられるたびに「おっふ」「おっふ」と苦しげに呻く。やめてやれ。 「なう」 お。やめてあげた。 猫らしきものは俺の方に顔を向け、膝立ちでこっちににじり寄ってくる。やめろ。こっちに来るな。膝で歩くな。 「林田」 人違いです。 立ち上がって奴から距離を取りたいが、もう呼吸するのですら精一杯なのだ。 「林田、なうなうなう、なうなう林田なうなうなう」 猫らしきものは床にくっついてない側の俺の顔を、先ほど林田にしたように肉球で叩き始めた。痛くはない。風船で叩かれている感じだ。痛くはないが、疲れているんだ。やめてくれ。 抗議の声を上げようとするも、その度に肉球が顔を打つので俺も先ほどの林田のように「おっふ」「おっふ」としか口にできない。何回めかの「おっふ」で俺は先ほどから猫らしきものが口遊んでいるのがキャリー・パミュパミュの「ウェイウェイ、ポンポンポン」ってやつだと気がついた。曲名は知らんけど、林田が好きな曲だ。 じゃぁやはり、これは猫らしきものなりの労いなんだろう。飼い主のお気に入りの歌とともに「よくやったじゃないかぁ」と肉球パフパフをしてくれているのかもしれない。 「なう」 「おっふ」 しかしやめていただきたいのだ。 やがて猫らしきものは深々と頷いてからリビングへと消えていった。 奴にしかわからない何かに納得し、奴にしかわからない何かを満足させたのだろう。しばらくするとテレビの音が聞こえてきた。 『エブリディ! エブリバディ! 楽しんじゃおうぜ、コカコーラ!』 俺が知らない間にリモコンまで使えるようになっていたようだ。チャンネルまで変えているのが音でわかる。
猫が去った後、電気もついていない薄暗い玄関廊下に俺と林田の荒れた呼吸音が響く。音だけ聴くとダースベーダーの呼吸音で作ったカノンみたいだ。 目を開けているのも辛くて、俺は目を閉じ、しばし、ダースベーダーカノンを耳で楽しむ。本当は全然楽しくなんかない。���だちょっとでも気を紛らわせないと辛いのだ。主にふくらはぎがパンパンに張っていて辛いのだ。
シュッ、シュッ、シュッー、シューココッ、シューココッ。 シュコーァッ。 シュッ、シュッ、シュッー、シューココッ、シューココッ。 シュコーァッ。 シューコ、シューッコッコッ、シュココッ、シュコーッコーッコッシュココッ、シューココッ、シューココッ。 シュコーァッ。
「お前」 ダースベーダーこと林田が弱々しく呻く。 「ググッとけよ、バカ」 ケツに何かが当たる。多分、林田が靴を投げつけてきたんだろう。やり返す体力も気力もない。そもそも林田の言うとり、今回は俺が悪い。 「実在するなんて思わなかった」 なんであるんだよ。 宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会。 「バカ、バカ、バーカ」 2つめ、3つめの靴が飛んできて、俺の背中や腰に当たる。林田も疲れているので力を込めて投げれないのだろう。痛くはない。 俺は「バーカ、バーカ」と俺を罵り続ける林田の声をBGMに、外で起きたことを回想する。どこで間違えたんだろうと後悔を噛み締めながら。 最初の2時間は計画通りだった。 遠くから写メを撮る人々はいたが、近づいてくる者は皆無。 たまに遠くから「きゃー! なにあれ、凄くなーい?」と若い女の子たちが走ってきたが、必ず途中でグループ内の警戒心の強い誰かがタスキに気がつき「うわっ! まじやばいって! あれやばいって! Uターン! Uターン!」と叫んで、方向転換していった。「東京コエー、東京マジコエー」と鳴く者もいた。 人々は俺たちを避けた。それはもう避けた。 「猫ちゃーん」と寄ってきた子供たちを、親御さんは「それはダメ! 絶対にダメ!」と叫びながら連れ戻した。まるで俺たちを目にしただけで、何らかの病気に感染するかのように。
俺たちは宗教に対する人々の偏見を目の当たりにした。 確かに。 確かに俺たちは猫らしきものをお散歩させるために、ちょっとアレな人たちを装った。 だが、ちょっとアレだからといって、ここまでの偏見と、嫌悪と、侮蔑の目で見られなければならないのだろうか? 俺はそう思った。 ちょっと普通とは考え方が違うだけで、ここまであからさまに侮蔑するとは何事だろうか。 例えば俺が丸坊主で、数珠を下げ、着物を着ていたとしたら、こんな風に反応しただろうか? あれだって変じゃないか。坊主にするとか、お数珠とか、変じゃないか。そんなことする必要ないのに。 何が違うっていうんだろう? 俺たち宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会は、宇宙は62のハイルーラーによって支配されており、地球の統治を担当しているのは31番めのハイルーラーである巨大な猫であると信じている。 気まぐれな猫である我らがハイルーラーは1999年の夏に姿を消してしまい、以来地球はハイルーラー不在の無法地帯と化してしまった。ハイルーラーが去ってから、地球に「真に新しいもの」は生まれなくなったのだ。 教祖のオールマザー・バステトことローラ・マクガナンがミネソタにある彼女の実家の納屋で天啓を授かったのはちょうどその時。 ハイルーラーの声を聞いた彼女は、気まぐれなハイルーラーの地球への帰還を願い、祈りを捧げる活動を開始。それが宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会の始まりだ。 極めて平和��宗教だ。血塗られた歴史もない。完全にクリーン。ただただ、星々を見上げてはハイルーラーの帰還を待っているだけ。 それなのになぜ、こんな目で見られなければならない! 筋が通らない! 血液型占いや星座占いの方がずっと悪質じゃないか! あれは人格を! 行動を! 運命を縛る! だが我々の宗教はハイルーラーの帰還によって、「真に新しいもの」が生まれなくなったこの世界を解放するという、いわば自由賛歌ではないか! ハイルーラーが全てを解放する! 俺たちの考えや信仰を理解してくれないのは構わないが、信仰の違いによって誰かを排斥したり、侮蔑したりするのは間違っている。そんなことはしてはいけないのだ! レイシスト! そう、こいつらはレイシスト! 理由もなく我々を差別する思想なき者たち! 大衆! 大衆という名の悪魔! 恥を知れ! 貴様らの偏見になど負けるものか! 大宇宙支配者達に栄光あれ! −−今になって冷静に思い返すと、俺は役作りを本格的にやりすぎたのだ。 宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会の教義や歴史は俺と林田で考えたのだが−−大部分は林田のアイディアだ。あいつ「ドクター・フー」大好きだから−−、俺はのめり込んでしまった。度を越してのめり込んだ。 俺は何かの振りをしているうちにどんどん何かっぽくなってしまって、最初から自分が何かであったような気持ちになってしまうところがある。 以前よく行く電気屋で店員に間違えられてオススメの大型テレビを聞かれた時も「俺も客ですよ」の一言が言えずに、予算や部屋のサイズやテレビの使用頻度を聞いた上でビエラをお薦めし、「アマゾンさんの方がお安いんですが、今週の木曜日はポイントアップデーですから20%キャッシュバックになります。だから今日は買わずに木曜日にもう一度いらしてください。今、担当者をお呼びして、品物を取り置きさせますので」とまで言った。お呼びした担当者は始終微妙な顔をしていた。 俺はごっこ遊びで本気のポテンシャルを発揮するタイプゆえ、ここから先の展開は起こるべくしておきた悲劇と言えなくもない。
俺は「そこまでしなくていいじゃん。結構恥ずかしいんだよ、俺」と渋る林田と、見るもの全てに興味を惹かれていて首をあっちこっちに向けている猫らしきものを連れて、混雑するららぽーと豊洲の中に入った。
そして俺たちは練り歩いた。 混雑するららぽーと豊洲のノースポートエリアを。 センターポートエリアを。 サウスポートエリアを。 シップ1を。 シップ2を。 シップ3を。 シップ4を。 1階を。 2階を。 3階を。 俺たちは肩で風を切って歩いた。 人々は俺たちを避けた。 右へ、左へ、避けた。 俺たちが歩けばそこに道ができた。
俺たちは横一列に広がった。 −−ドワナ・クローズマ・アーィ−−。 俺の脳内でエアロスミスが「アルマゲドン」の歌を歌っていた。 俺の脳内で俺は公開時に散々馬鹿にしていた「アルマゲドン」の、散々バカにしていたブルース・ウィリスになっていた。 オレンジの宇宙���。ガラスのヘルメット。地球を救うために宇宙へと飛び立つ英雄。 −−フンフンフフ、フフフン、フン、フフ、アイ・ミィスィー・ユー、フンフンフフフフフフーン−−。 脳内エアロスミスがぼんやりと歌い続けていた。俺はあの歌をサビしか知らないし、「アルマゲドン」もブルース・ウィリスと仲間たちが横一列になって歩いてくるシーンしか覚えてないのだから仕方ない。 −−ドワナ・クローズマ・アァァァァーィイイィィィ!−−。 歌がサビに差し掛かると、俺の脳内エアロスミスのボーカルは元気になった。 まちがいなく、俺は、俺たちは、俺たち宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会は、偏見という名の巨大隕石に立ち向かう、勇敢な男たちだった。 今思えば、ここはあのラップとギターが格好いいやつの方が場面的にはぴったりだったのかもしれない。曲名は知らない。ギターが格好良くて、ラップが格好いいやつだよ。 ダラララッダラララッタ! キュィーン! ダラララッダラララッタタッ! コ、コ、ニ・カッコイイ・ラップガ・カッコイイ・ラップガ・ハイルンダゼ、マジデ、メェーン! ギュイーン、ギュイーン。 ナンカ・カッコイイ・ラップガ・カッコイイ・ラップガ・ハイルンダゼ・マジデメェーン! 何回か繰り返してからの。 ウォーク・ズィス・ウェーィ! 合いの手! ウォーク・ズィス・ウェーィ! 合いの手! ウォーク・ズィス・ウェーィ! っていう。曲名は知らない。かっこいいやつだよ。エアロスミスの。壁突き破ってくるやつだよ。
とにかくエアロスミスみたいに俺は叫んだ。ABCマートの前で。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 林田も叫んだ。サンマルクカフェの前で。 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」 猫らしきものもの叫んだ。4DXでマッドマックスを再上映中の映画館の前で。 「林田ーなーう林田林田!」 努力は認めた。 俺はそういうの、ちゃんと評価するタイプだから。 警備員の「お客様、困ります」の声は、宗教の自由という言葉を連呼して押しつぶした。 俺はスターをとった後に坂道を滑り降り、道を上ってくるクリボーやノコノコを虐殺するマリオだった。 そういった調子こきマリオがどうなるか、俺は忘れていた。 スターマリオは坂道を下りきったところにある崖をジャンプし損ねて、スター状態のまま死ぬのだ。 スターマリオタイムが楽しすぎて、顔を真っ赤にして怒りに震えている7、8人の男女が俺たちを取り囲んでいるのに気がつくのが、少々遅れてしまったのは、そういうわけだ。俺はスターマリオ。彼らは坂道の後の崖。
彼らは本物の宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会豊洲支部であった。 「あなた達は勝手にうちの団体の名前を使って、一体何をやっているんですか! バカにしているんですか!」 リーダーらしき人は確かこんなことを言っていた。お怒りはごもっともだった。 「公安ですよ。こいつら公安の回し者です。俺たちを挑発して、先に手を出させようとしてるんです。その手には乗らないからな! 我々はお前達政府の陰謀には屈しない!」 腹心らしき人は確かこんなことを言っていた。彼はちょっと考えすぎのきらいがあった。 「こいつら、幸福の科学じゃないのか?」 後ろの方にいた誰かがこんなことを言っていた。幸福の科学に思わぬ流れ弾が飛んだ。俺は本当にごめんなさいって思った。 「とにかく、ちょっと一緒に来てもらえますか? 一体誰の差し金で、何の目的で、我々のことをバカにする真似を��たのか、説明してもらいます!」 「なう」 リーダーらしき人が俺の腕を掴もうと伸ばした手を、いつの間にか俺の隣に立っていた猫もどきがはたき落した。 リーダーらしき人は林田が猫ロボットを動かしたと思ったらしく、林田を睨みつけて「スイッチを切りなさい」と言い、もう一度俺に手を伸ばし−−。 「なう」 また叩き落とされた。 「ちょっと」と手を伸ばしては。 「なう」叩き落とされ。 「いい加減に」と手を伸ばしては。 「なう」叩き落とされ。 「しろって」と手を伸ばしては。 「なう」叩き落とされた。 「なう、なう、なう、なう、なう」 猫らしきものはポフンポフンと肉球でもってリーダーらしき人の腕を叩き続けた。 俺と林田は「おい、よせ」「これは俺たちが悪いパターンのやつだ」と奴を宥めようとしたが、奴は「なうなう」と言い続け、リーダーらしき人を叩き続けた。痛くはなさそうだったが、屈辱的だったろう。 林田が「やめろって。こういうのは謝れば済むんだから」とうっかり言ってしまったのが、決定打だったのだ。 今思い返しても、あれは林田の一番悪いところが濃縮された発言だったと思う。 林田はちょっとああいうとこある。 きっと自分の子供が悪いことをした時に「ほーら。他の人たちに怒られちゃうよー」と言って「他の人たち」の神経を逆なでするタイプの親になるだろうと俺は常々思っている。今から矯正可能だろうか。……無理だろうなぁ。アラサーだもんなぁ。そう簡単に性格変えられねぇよな。 リーダーらしき人がなんと叫んだのかは覚えていない。というか聞き取れなかった。不穏な響きではあった。というのも集団の空気が切り替わったからだ。単なる怒りから、攻撃態勢へと。 そういうわけで。 俺たちは走った。 青春映画のワンシーンみたいに。 先頭は猫もどき。続いて林田、ほぼ横並びで俺。 ららぽーとからガスの科学館まで。 そしてガスの科学館から国際展示場まで。 さらにそこからまた別ルートでららぽーとまで。 俺たちは走った。 宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会豊洲支部の人たちに追いかけられながら。
宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会豊洲支部の人たちは本気で怒っていた。 俺たちは本気でビビっていた。 「悪気があったわけじゃないんです」 「本当にすいませんでした」 「本当にすいませんでした」 「本当に、本当に、もうしませんから」 「あなたたちの気持ちは痛いほどよくわかります」 「宗教差別って本当に幼稚です」 「日本人は宗教に寛容だなんて大嘘ですよね」 そんなようなことを時々振り返りながら俺と林田は宗教法人・大宇宙科学幸福実現協議会豊洲支部の人たちに向かって叫んだが、帰ってきたのは罵声だけだった。 俺なりに彼らの辛い状況は理解していたというか、自分的にはむしろ俺は彼ら側だと思っていたので、彼らから 「ちくしょう! 少数派だと思ってバカにしやがって!」 「宗教相手なら何やってもいいと思っているんだろう!」 「大嫌いだ! 大嫌いだー!」 「いじめっ子ー! キリスト教や仏教はバカにしないくせに! 腰抜け!」 「Youtuberかニコ動のクソ実況者かまとめサイトか! どのクソ野郎だ! 新興宗教をからかって遊んでみたら人生オワタとでも書くつもりか! アフィ野郎!」 「面白いか! 俺たちを指差して笑って、それで面白いのか! 自分たちが同じことをされたらどんな気持ちか、考えろ!」 「俺たちも人間だ! 人間なんだ!」 「新興宗教と押し売り犯罪集団を同一視してんじゃねぇ!」 という言葉が投げつけられるたびに心が痛んだ。 言いにくい名前のお婆ちゃん魔女先生に戦いを挑まれたスネイプ先生の気持ちだった。 猫もどきは俺と林田の1メートルくらい前を、俺たちの方を向いて後ろ向きに走っていた。両手はだらっと下げたまま、足だけがミシン針みたいに激しく上下していた。あれっぽかった。アイリッシュダンス? っていうの? 下半身だけで踊るやつ。あれっぽかった。 そして笑顔だった。外で走れるのが楽しくてしょうがない感じだった。奴にとっては最高の散歩になったのだろう。 俺たちは1時間近くあっちこっちと走り回り、なんとか追っ手を巻いて、ようやくここへ戻ってきたのだ。もう当分ららぽーとには行けない。 「もうだめだ。動けない」 林田が呻く。 またしてもしばしのダースベーダー呼吸音のカノン。 それを破ったのは猫らしきものの足音だった。 目を開けると、2リットルサイズのコーラのペットボトルを両手で抱きしめるようにして奴は立っていた。 「なう」 奴は林田の前に歩いて行くと、ペットボトルの開け口を林田に向ける。 「なう」 どうやらキャップを開けて欲しいらしい。飲むんだ。コーラ。猫が。いや、猫じゃないけど。 「今、疲れてるから」 林田はかすれた声でそれだけ言う。猫らしきものの耳が少し倒れる。 猫らしきものはまた俺に顔を向ける。 「林田」 人違いです。 「なう」 猫らしきものは俺の方にもキャップを向ける。 「無理。疲れてんの。後にして」 猫らしきものの耳がまた倒れる。 「なーう」 奴はキャップをその尖った歯で噛み始めた。カッカッカッカッという軽い音が響く。奴は右から、左から、時にはペットボトルを持ち直したりもして、キャップを歯で開けようと試みたが、結局はどれも失敗した。 「林田」 吐き捨てるように猫らしきものは言い、ペットボトルを廊下に投げつけた。イライラすると物に当たるタイプのようだ。ペットボトルは軽くバウンドして、玄関の方に転がってゆく。衝撃で中身が泡立ったのが見えた。あれじゃぁ開けた時、大惨事になるな。 猫らしきものは俺たちに背中を向け、リビングへと消える。またテレビの音が聞こえる。 『エブリディ! エブリバディ! 楽しんじゃおうぜ、コカコーラ! 疲れた気持ちもスカッとふっとばせ!』 あぁ。あのコーラ、自分用じゃなくて俺たち用だったのか。 なんだ。あいつ、結構、気を使えるタイプなんじゃないか。 「なう」 猫らしきものがまた戻ってきた。 また何かを抱えている。コーラではないけど、大きさはそれくらい。 お醤油だ。お醤油のボトルだ。 猫らしきものは首を右に傾けて、歯でキャップをカッカッカッと弄る。 力を込めて捻らないといけないコーラのボトルとは違い、お醤油のキャップは簡単に開いた。 猫らしきもの、満面のスマイル。 「林田。なーうー」 まさかそれを俺たちに飲ませようとはしてないよな。コーラの代打をお醤油に務めさせようとはしてないよな。似てるのは色だけだぞ。
まさかだった。 猫らしきものは身動きが取れない林田の前まで歩いて行くと、「となりのトトロ」でカンタがサツキに傘を押し付けた時のように−−「ん!」「ん!」って��るあのシーン−−林田にお醤油を押し付けた。 林田は口を固く閉じ、首を横に振り続けた。 猫らしきものは「全く解せない」というようにお醤油と林田を交互に見た後で、お醤油のボトルを林田の頭の上で、ひっくり返した。 「ちょ、ま、待てよぉ」 木村拓哉の下手くそなモノマネみたいな林田の声は、お醤油の流れ落ちる音で止められた。もし林田が寿司だったらシャリが崩れて箸でつかめなくなるくらい、林田はお醤油でひたひたになった。 ただでさえ疲労困憊しているところに、この仕打ち。 林田は完全に打ちひしがれ、うつろな目で天井を見上げて「もー」とキョンキョンみたいな口調で言った。 お醤油の中身が半分になったところで猫らしきものは、勿論、俺を見た。 「林田」 人違いです。
ちょ、ま、ちょ、ちょ、待てよ。
もー。
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7月に入り、夏らしい映画がやってきました! そう、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』です! 『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』は、1〜3作目がちょうど大流行りしていた時期に夢中になって映画館へ観に行ったのを思いだします。 文化祭や体育祭で仮装するって時は、必ずジャックのコスプレしてる人が1人や2人いたもんです。 3作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』を観た瞬間、私の中で『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』は終わってしまったんですよね。 ウィルとエリザベスのカップルが大好きだったので、ラストで大号泣しつつも、どこかスッキリとした満足感のようなものがありました。 なので、シリーズの前作である『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は観に行かなかったんですよね。 ジャックとウィルとエリザベスのあの奇妙な関係性が好きだったというのも影響していたのかもしれません。 まだやるのか〜息が長いな〜とぼんやり新作のニュースをみていたら、なんと「オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイも再登場!」の文字が! これは行くしかない!と、かつての情熱が一気に��燃したのでした。
パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊(Pirates of the Caribbean:Dead men tell no tales)
監督 ヨアヒム・ローニング エスペン・サンドベリ 脚本 ジェフ・ナサンソン 出演者 ジョニー・デップ ハビエル・バルデム ブレントン・スウェイツ カヤ・スコデラリオ ジェフリー・ラッシュ オーランド・ブルーム キーラ・ナイトレイ 公開 2017年 製作国 アメリカ合衆国
あらすじ
かつてジャックと冒険を共にしたウィル・ターナーは、今や幽霊船フライング・ダッチマン号の船長として呪われた運命を生きている。 その息子ヘンリーは、父を救おうと海の伝説を調べつくし、呪いを解く力が伝説の秘宝にあることを突き止める。 勇気ある青年に成長したヘンリーは、英国軍の水兵となるが、いまだにはたどり着けずにいた。 ある日、船が危険な“魔の三角海域”近くを航行中、恐ろしい姿をした“海の死神”サラザールに襲われる。 “魔の三角海域”の呪いから我が身を解き放つため、伝説の海賊ジャック・スパロウと彼の持つを欲するサラザールは、同じくジャックを探すヘンリーをひとりだけ生かし、ジャックへの伝言を託した。 ほどなく船は遭難し、ヘンリーは、英国植民地セント・マーティン島に流れ着く。 そこでヘンリーが遭遇したのは、科学者ゆえに魔女の濡れ衣を着せられて追われている、美しい天文学者カリーナだった。 彼女は、まだ幼い頃に生き別れた父が残したガリレオ・ガリレイの日記に秘められた謎を解こうとしていた。 その謎とは、なんとにたどり着くための方法・・・。 だが彼女は、英国軍に捕らわれ、投獄されてしまう。(公式サイトより)
ディズニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』を原作とした、大人気アクションアドベンチャー。 本作はシリーズ第5弾にあたります。 監督を務めるのは、ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。 ハリウッドの大作映画を監督するのは初なんだそうです。 これからに期待ですね。 主演を務めるのはもちろんジョニー・デップ。 さらに今作は、オーランド・ブルームやキーラ・ナイトレイと、かつてのキャストが再登場することでも話題になりました。
最初の3作を観た人は絶対に観よう!!!
これは絶対昔好きだったって人は観に行くべき!!!!! 思い出補正もあるのでしょうが、かなり懐かしくて学生時代の時のようなテンションで楽しみました。 4作目を観ていなかったので、話がわかるか不安もあ���たのですが、大丈夫でした。 事前に4作目だけは簡単にあらすじをみておいたのですが、その程度で問題なかったです。 あらすじをみておいてよかったなと思ったのは、ブラックパール号がどうしてああなっていたのか、黒ひげの剣とはなんぞ?という部分だけでしたね。 これは本編ではそこまで重要なポイントではないので、前作の情報が全くなくてもなんとかなりそうです。 シリーズを今まで観たことがない!という人が楽しめるかというと、正直微妙なところですね。 メインキャラクターはほとんど昔からのお馴染みのメンバーですし、ストーリーに関しても過去作を観ていた方が本編の理解度は高まりそうです。 ジャックが相変わらずジャックで安心しました。 ジョニー・デップはほんとあの役ハマり役ですよね! というか久々に動いているジャックをみたけど、なんか歳をとった感じがしなかったなあ〜 メイクが濃いせいというのもあるんだろうけど、ジャックって改めてわけのわからん男だ(笑) そしてウィルとエリザベス。 冒頭からまさかウィルを出してくるとは! そしてラストの再会ですよ。 その前のシーンで大泣きしていたので、追い泣きしました(笑) エンドクレジット後のおまけには驚かされましたね〜! あの感じだと、続編は確実にありますよね。 新しい若いメンバーも登場したことだし(笑)、次回作が楽しみです。
呪いを解く宝を手に入れるために大海原へ!
ストーリーに関しては、1作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のようでしたね。 展開が似ている気がする・・・だからこそ懐かしい気持ちが湧き上がったのかもしれません。 今まではウィルとジャックのコンビでしたが、今度はウィルの息子・ヘンリーとジャックがコンビを組みます。 ヘンリーは幻の宝・ポセイドンの槍をみつければ、父であるウィルの呪いを解くことができると、そのありかを探し続けていました。 そしてポセイドンの槍を探している途中で、ジャックたちと出会います。 本編冒頭で早速現れるウィル。懐かしさが一気にこみ上げてきました。 あと、タイトルが出てくるまでの流れもめちゃくちゃかっこよかった!! 今回の敵であるサラザールが「Dead men tell no tales.」と言ってタイトルがバーン! 「Dead men tell no tales」はアメリカ版の副題になっています。 その時の字幕が「死人に口無しってことさ」と書いてあって、ああなるほどと納得。 この流れがかっこいいのでぜひ副題も「死人に口無し」にして欲しかったですが、まあ『パイレーツ・オブ・カリビアン/死人に口無し』ってタイトルじゃあキマらないですもんね・・・(笑) 今までのメンバーに新たなメンバーも加わって、冒険が始まる今作。 ジャックたちいつものメンバーは相変わらずで、安心感がすごいです(笑) ギブスやバルボッサなど、かつてのキャラクターが登場するたびにテンション上がってました。 シリーズの敵は、ほとんどジャックとの過去の確執のせいで彼に恨みを持っていますが、今作ももちろんジャックへの復讐のために大暴れしています。 今までの敵は海賊でしたが、今作は元スペイン軍のサラザール。 海賊を取り締まっていたところ、ジャックに一杯食わされて呪いをかけられて亡霊となってしまったのでした。 ヘンリーはポセイドンの槍をみつけて父親の呪いを解く、カリーナは顔も知らない父が残してくれた日記を頼りに父を探す、ジャックはブラックパール号を取り戻し、サラザールから逃げる。 それぞれの目的のために、敵ながらも共闘していくストーリー展開は、このシリーズの面白いところですね。 ディズニーらしい、ちょっぴりファンタジーの要素もありつつ、最初から最後までハラハラドキドキする王道冒険アドベンチャーでした。 そうだ、エンドクレジット後のおまけにも触れておきましょうか・・・ あのシルエット、もう完全にアイツじゃないですか!! ご丁寧にフジツボまで置いていきやがって!! ポセイドンの槍によってアイツも呪いが解けてしまったってことなんでしょうか。 次回作では敵になるのかな?楽しみだ〜!
みんなおかえり〜!
金庫から突然現れたジャック。 思わず笑ってしまいました。変わらないなあ。 よろよろした歩き方、酔っ払って呂律の回らない口。 ジャックって歳とらないのか? 決して2枚目じゃないし、卑怯な手を使うところもありますが、なんだかんだ憎めないし最後は頼りにしてしまうキャラクターですよね。 今作もそんなジャックらしさ全開で活躍しています。 ヘンリーとのコンビもいい感じでしたね! ヘンリーのことをバカにしながらも、サラザール一味に追われている時は彼を助けてあげたりと、実はいいヤツなジャック。 ラストで落ち込んでいるカリーナを励ますために、こっそりヘンリーにあの日記を渡しているジャックも最高でしたよ。 楽しみにしていたウィルとエリザベスの登場も本当に嬉しかったです。 ウィルは結構台詞あったけど、エリザベスが一言も喋らない!(笑) 何か一言ぐらい言ってくれ!! でもいいんだ、台詞がなくても、たった1分くらいしか出番がなくても・・・ 再会を喜ぶ熱いキッスを交わす2人を遠くから眺めるのは・・・ジャック! やっぱりこの3人が好きだなあ〜! そして今回のMVP、キャプテン・バルボッサ。 またしても父が子を想う気持ちに涙してしまいました。 ポセイドンの槍のありかを知っている、物語のキーパーソンであるカリーナ・スミス。 なんとカリーナは、バルボッサの娘だったのです!! バルボッサはカリーナに本当のことは言わなかったのですが、最後の最後でカリーナにバレてしまいます。 カリーナ「私はあなたの・・・」 バルボッサ「宝さ」 うわあああああああ〜〜〜〜バルボッサ〜〜〜〜! そしてバルボッサは、サラザールからカリーナを守るため、サラザールとともに海の中へ・・・ 私は大号泣(笑) あんなかっこいい退場の仕方ずるくないですか!? 宝って・・・宝って・・・ 海の中に落ちていく時の表情が、またなんとも言えない切なさがありました。 父親が子どものために犠牲になる流れは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で一度泣かされたのにもかかわらず、またしても泣いてしまいました。 最近のかっこいいおと��ちゃん推しはなんなんですかね! これでバルボッサはシリーズ卒���かあ。好きなキャラだったので残念だ。
シリーズの人気キャスト勢揃い!・・・あの人まで!?
主演のジョニー・デップを始め、シリーズではおなじみのキャストが大集結した本作。 やっぱりジャック・スパロウはジョニー・デップ以外にはできませんね! 最近ではプライベートで話題になることが多いですが、個性的な演技派役者であることは変わりないですしなんとか持ち直してほしいですね。 新顔のブレントン・スウェイツやカヤ・スコデラリオも、フレッシュでよかったですね! カリーナは潔くて男らしいキャラクターなのですが、カヤの凛々しい表情や動きがとてもマッチしてました。 敵役のサラザールを演じたのは、ハビエル・バルデム。 実は何度もポスターでみていたのに、彼が喋るまで気づきませんでした(笑) メイクがね、凝りすぎなんじゃないかな(笑) 彼のあの特徴的な声で、あれっハビエルじゃん!とようやく気づく私。 『007 スカイフォール』同様、悪い役が似合いますねえ。 大勢の豪華キャストの中でも特に楽しみにしていたのが、カメオ出演のポール・マッカートニー。 なんでも監督2人の提案を受けて、ジョニー・デップが直接ポールの携帯電話に連絡したんだとか。 さすがハリウッドだぜ。 肝心の出演シーンですが、メイクのせいで全然ポールってわからない!(笑) でもジャックの叔父役と事前に情報を得ていたので、すぐにポールだって気づけました。 カメオ出演って私の中では、ほんのちょっぴり顔を出すとか、どこにいたのか全くわからない、くらいのレベルだと思っていたのですが、めちゃくちゃ目立ってました。
ド派手なバトルシーン!
迫力満点の船上でのバトルシーンがみられるのも、『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』ならではですね。 大砲が飛び交ったり、舟と舟が激しくぶつかり合うシーンは、その迫力に引き込まれました。 どのバトルシーンも面白かったですが、特に本編後半の、ブラックパール号一味とメアリー号一味の戦いが1番派手で興奮しましたね! 容赦無くぶつかり合う舟と、大砲の派手な音。 そして互いに剣を振り回す。 大勢がワーワーやりながら派手に立ち回っているシーンは、自然とこちらも緊張感が増して見入っちゃいますね! ジャックとヘンリーが、命からがらサラザール一味から逃げ切るシーンも結構好きでした。 海の上では最強のサラザールたちをみると、いつ襲われてしまうかわからないギリギリ感がたまりませんね。 よくよく思い出してみると、バトルシーンだけでなく、全体的に派手な演出が多かったですね。 ジャックたちが銀行強盗するシーンや、ジャックとカリーナが処刑されそうになるシーンとか。 銀行強盗をしよう��金庫を盗んだシーンなんか、迫力ではなく派手さで言えば1番なシーンだったかもしれません。 あんなでっかい家ごと運べるわけなかろうよ!と思いつつも、まあ『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』だしなあと、妙に納得してしまうのでした。 ちゃんと中のお金がすっからかんになってしまったオチも、シリーズらしいコミカルな演出で良かったですね。
良かった点
・ファン向けの演出がたっぷり ・採算度外視の派手な演出 キャストやストーリーなど、今までのシリーズのファンにとっては大喜びな作品でしたね。 家だの船だのギロチンだのぶっ壊しまっくてて・・・ほんと最高!
悪かった点
・新しさがない ストーリ構成が、今までのシリーズに踏襲しすぎて新しい面白みはないかなと思いました。 リメイク版っぽいんですよね。 懐かしいなと思う部分もあるので悪いというよりは、もっと工夫してもよかったかなという惜しい気持ちですね。
まとめ
『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』らしさ全開の、6年ぶりの新作でした! 前作観てないしどうしようかなと悩みつつも、勢いで観に行ってみてよかったです! 昔の作品は観たことあるけど、1個前は観てないからどうしようかな〜と迷っている方、迷わず劇場に行きましょう! 懐かしいキャラクターたちにテンション上がること間違いなしです! ストーリーもなんとなく覚えていれば大丈夫です。 ド派手なバトルシーンの演出にも、ドキドキワクワクの2時間でした。
パイレーツ・オブ・カリビアン / 最後の海賊 オリジナル・サウンドトラック
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