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ibacompany · 6 years ago
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ディズニー流のキャッシュレスを実現 マジックバンドで夢の体験
「キャッシュレスでストレスフリーな滞在体験」を提供するのが⽶ディズニ ーワールドの「マジックバンド」だ。空港に着いた瞬間からホテルのチェッ クインやパーク内の⽀払いや予約まで、すべてがマジックバンドとスマート フォンで完結する。中国とは異なる形で未来のキャッシュレス社会を実現し ている。 ( 日経クロストレンド 2018.02掲載)   IBA代表取締役社長 Hitomi Iba(射場瞬) 
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※マジックバンドをタッチすることでファストパスの利⽤も可能 写真提供/The Walt Disney World Company
東京ディズニーリゾート(TDR)の新たなスマートフォン向けアプリが来場者の間で話題になっている。2018年7⽉に発表されたアプリで、紙のガイドマッ プや、ウェブ、アプリなどでばらばらに提供されていた情報や機能が、1つのア プリに集約されて便利になった。特に⼈気なのが、パーク内で販売されている グッズをスマートフォンで購⼊し、⾃宅へ配送できるサービスだ。パーク来場 当⽇にのみ購⼊可能で、パークに⾏った⼈だけが買える限定感がある。お⼟産 を購⼊する��めの時間も持ち帰りの荷物も減らせると好評だ。
⽇本のアプリも便利だが、世界中のディズニーパークの中で、圧倒的に便利 で快適とダントツに評価が⾼いのが、⽶フロリダのウォルト・ディズニー・ワ ールド・リゾート(WDW)で使われている「マジックバンド」だ。
WDWは世界最⼤級のテーマパーク。4つのパークと2つのウオーターパークを 有する。年間来場者数は東京ディズニーリゾートの2倍の約6000万⼈。その⼤半 が州外からの客で、多くは合計3万室以上ある27の直営・公式ホテル(やバケー ションクラブ)に1週間近く滞在し、パーク内で遊び回る。
パーク訪問前にファストパス予約
そうした夢の国の“住⺠”に、「キャッシュレスでストレスフリーな滞在体験」を提供するのが、Webサイトとマジックバンドが連動する「My Disney Experience」だ。13年に導⼊され、機能と使い勝⼿は毎年進化している。実際 にどんなストレスフリーな体験ができるのか。  
まずは、パークでの時間を⽬いっぱい楽しむための計画、予約機能だ。My Disney ExperienceのWebサイト上で、詳細なプランニングができる。ホテル、 レストランやショーの予約などに加えて、うれしいのがパーク訪問前にファス トパスの予約ができること。パーク内で予定が変われば、スマホで簡単に予約 の変更もできる。
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※ホテル・レストラン・ショーやアトラクションの予約など滞在中の事前プランニングができるMy Disney Experience
訪問者は各⾃、マジックバンドをホテルやパーク滞在中にずっと⼿⾸などに付けている。RFIDのチップが組み込まれており、これが各⾃の「デジタルID」 となり、Webサイト上で登録した予約情報、⼊⼒したクレジットカードなどの ⽀払い情報などと本⼈とを結びつける役割を果たす。
マジックバンドはパーク到着前に⾃宅へ郵送することもできる。事前に受け取っておくと、フロリダの空港に着いた瞬間から、ストレスフリーな体験が実現する。空港にある機械にマジックバンドをかざすだけで、そのままシャトルバスに乗ってパークへGo。空港から滞在ホテルへの荷物の移動の⼼配も要らな い。遊び終わってホテルの部屋に戻ると、荷物が待っていてくれる。
便利と好評なキャッシュレス払い
パークに到着したら⼊場ゲートにこのマジックバンドをタッチする。ファス トパスを予約した時間になったら乗り場に向かって、ゲート��前にある専⽤機 器にタッチ。ショーも、レストランも、ミッキーとのグリーティングも、Web サイトで予約をすればバンドを付けて向かうだけでいい。
スマホの電池切れや紛失にも対応している。パーク内のKIOSKという端末 で、⾃分の予約情報を確認できる。バンドさえあれば、パーク内を⼼配なくス ムーズに回れる。さらに、ホテルのキーにもなる。
こうした予約管理に加えて便利だと好評なのが、バンドを使ってのキャッシ ュレスな⽀払い機能である。パーク内、ホテル共に、レジにある端末をバンドでタッチすると⽀払い完了。パーク滞在中は現⾦もカードも全く持ち歩かなくていい。  
⼦連れにうれしい機能が、バンドごとに利⽤限度額を設定できること。⼦供 たちに各⾃のバンドを渡しても利⽤限度額が設定されているため、1⽇いくらまでという制限つきで、⾃由に買い物をさせられる。バンドをタッチしてポップコーンを買うなんて、⼦供たちにはまさに夢の体験だろう。
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※⼦供たちもキャッシュレスな買い物を体験できる
このマジックバンドは、ディズニーホテル滞在者や年間パス保有者には無料で提供される。⼀般の来場者も購⼊可能で、ファストパスを含めた予約機能などを使いたいために、マジックバンドを⼊⼿する来場者が圧倒的に多いようだ。  
価格は12.95ドルから。キャラクターなどがプリントされたものは22.99ドルで販売されており、コレクション性の⾼い限定デザインのものもディズニーファンには⼈気だ。Webサイト上で事前にカスタマイズした場合は、名前を印字したマジックバンドが届く。
来訪者の情報をリアルタイムにキャストへ  
導⼊から約5年が経過した現在、スタッフのサービスの向上にも使われ始めた。来訪者の情報をリアルタイムにキャストに提供して、カスタマイズした質の⾼いサービスを実現しようというのだ。実際に始まったサービスは、リピーターに「お帰りなさい」と声をかけるなど、まだシンプルで限定的だが、今後は「私の気持ちや好みを理解した夢の国ならではのサービス」が可能になるのだろう。
マジックバンドの情報から、来場者の好きなキャラクターや⼦供の誕⽣⽇、その⽇の滞在プランなどをキャストがリアルタイムに把握し、パーソナライズされた会話やサービスをする。そんな未来が到来すると予想される。
もう1つの進化は、ディズニーはあまり公にしていないが、パーク設計や商品開発にデータを活⽤する可能性だ。
来場者の⼤半が家族で、1週間程度をパークとホテルで過ごすディズニーワールドでは、位置や決済を含め、膨���なデータが収集できるはずだ。バンドから分かるデータは、滞在したホテルとその期間、パーク滞在時間に加えて、利⽤した店舗や通過ゲート、アトラクション、キャラクターとの交流などパーク内での⾏動と移動の詳細データだ。  
こうしたデータが、パークのゴミ箱の置き場所、化粧室への誘導など、魅⼒的で過ごしやすいパーク設計を考えるうえで、有効な情報になるだろう。
購買データも分析できる。購⼊したグッズや⾷べ物の種類や⾦額のデータと、⾏動データと属性データを掛け合わせれば、より顧客理解を深められ、商品開発に役⽴てることができる。こうしたリッチなデータを、消費財メーカーなどに販売することも検討できるかもしれない。
夢の国でのストレスフリー、キャッシュフリーな体験と仕組みが、今後さらなる発展を遂げるのか楽しみだ。それと同時に、⽇本でも普及が進むキャッシュレス決済サービスが、こうしたストレスフリーな体験を実現するものになってほしいと⼀消費者として願う。
※ この記事は 日経クロストレンド  編集部の許可を得て転載しています
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