#浮生半閑
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tran-anh · 2 months ago
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Flooat Studio x kamipaper UPCYCLED I Bookbinding Workshop - workshop
An upcycled bookbinding and weaving workshop in collaboration with Flooat Studio. Participants were welcomed into the space with a cup of healthy tea by Flooat Studio and Malaysian sweet treats by Sueperlicious. Participants then sifted through the collection of sweet wrappers that kamipaper had collected, to choose wrappers that they wanted to weave onto their mini notebook covers. Participants were also encouraged to bring wrappers that they would like to incorporate onto their covers, whether nostalgic or from their cultures. After weaving the selected wrappers onto their covers, we then made a mini coptic bound notebook together that the participants got to take home.
This collaboration came together as we wanted to have a workshop that could be therapeutic, meditative and to slow down especially as city life can be so fast moving. It was also a way to engage everyone to converse with their neighbours and have thoughtful conversations during the workshop.
It was the first time for me to showcase this workshop using upcycled sweet wrappers combined with coptic binding, thanking Flooat Studio for suggesting I teach a workshop like this and for being so encouraging and supportive during the preparation and actual workshop. Photo credits: kamipaper, Flooat Studio & Alison Hui.
May 2024
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kennak · 9 months ago
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ハイチ・ポルトープランス(CNN) ギャングが支配するカリブ海の島国ハイチの首都ポルトープランスにCNNの取材班が15日、ヘリコプターで到着した。数日にわたって治安面の手配を行い、何重にも及ぶ外交上の承認を経た上で現地入りが実現した。 先月訪れた時と比較して、ハイチの情勢は急激に悪化。窮地に陥ったアンリ首相は辞任を表明したが、誰がいつ後任に就くのかは不透明だ。暫定政権はいまだに設立しておらず、ケニア主導の国際部隊の派遣計画は宙に浮いた状態だ。 ポルトープランスの住民が外出することはめっきり減った。市内では連日ギャングと警察が戦闘を繰り広げ、煙が空に立ち上っている。静まり返った街路に、銃声が鳴り響く。通常は車両や物売りで埋め尽くされる大通りも閑散としている。 逃げる場所もほとんどない。市外へ続く道路はギャングに封鎖されている。港湾へのアクセスも同様だ。国際空港は業務を停止している。市内への物流も途絶えており、食料品店に食料は並ばず、ガソリンスタンドでも燃料は底をついている。病院では輸血用の血液が不足している。 15日夜、市内の丘陵地で銃声が聞こえた。そこから下った地点では警察が活動している。現場は悪名高きギャングのリーダーの縄張りに位置する。元警官でもあるこのリーダー、ジミー・シュリジエ氏は「バーベキュー」の通称でも知られる。 現状、ポルトープランスを脱出する手段は民間が稼働しているヘリコプターしかない。複数のパイロットがCNNの取材に明らかにしたところによれば、空路での脱出を依頼している住民は数百人。彼らは一握りの裕福な外国人や外交官で、民間のヘリコプターを利用できるだけの財力と人脈を持ち合わせた人々だ。現状、機体の座席は1人分で1万ドル(約150万円)を超えることもあるという。 過去数十年間で経済格差が深刻化したハイチでは、大半の国民が1日4ドル以下の生活を強いられている。
CNNが見たハイチ首都の混沌 脱出できるのは一握り、数百万人がギャングの支配下に(1/2) - CNN.co.jp
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yasuderland · 1 year ago
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「観覧車は不思議な乗り物だ。どこにも行けない。昨日から今日、今日から明日。変わらずに回り続けることがどれほど幸せか、今なら分かる。」
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最近の僕はもっぱら観劇三昧でして。オフがあれば様々な劇場に足を運んで大好きな演劇に触れているんやけど、ひとつの物語を見届けるたびにどうしてもまた役を通して言葉を交わしてみたくなるわけです。それは板の上だけでなく、もちろん映像の世��でも。また素敵なご縁がありますように、と願いながら演劇バカな僕は今日もお芝居のことを考えていたけれど、ふと誰かが作り上げる物語だけでなく、過去に自分が携わった作品に今改めて触れてみるのもいいかもしれないと思い立って。
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美しい街に隠された秘密。
U-NEXTさんでとってもお久しぶりに見てきました。閑静な高級住宅街で起こるひとつの悲しい事件。もう10年前の作品になるけど、僕の中でとても思い出深くて。ミステリーものに関わらせていただくことなんて、なかなかないからね。やっぱりこれだけ時間が経つと忘れてしまっていたことも多かったけど、1話を再生し始めてから何度眉を顰めたか分からない。家庭内暴力、それから隣人間でのトラブル、極めつきは仲間内でのいじめ。それがまぁ暗くて重くて胸糞でどす黒いこと!作中の僕は最初こそ何不自由なく笑顔で過ごしていたけれど、現実世界では大変失礼ながら絶対にご遠慮したいレベルです。すぐに引っ越します。細々とした描写が良い意味で嫌に生々しい。でもこの観覧車を一周したあと、またもう一周おかわりしようかな…と思うほど画作りと音楽が綺麗なのよね。過去にいただいた僕の役、当時よりも経験を積んだ今ではどんなふうに彼の人生を生きてあげられる���ろうって途中そんなことを考えながら観ていたりもしたけど、逆に今の僕では彼を演じてあげられないのかも。健気で純粋でどこか弱々しくも見える青年は、ただ大切な家族を信じて守ることに精一杯で。当時のまだ少し初々しさが残る僕が持ち得る全てをぶつけて体当たりで演じたからこそ、きっとそんな彼の言動に説得力と意味を持たせてあげられたのかな。そう考えたらどの役のどんな人生も、そのときの自分にしか演じられないものがあるんでしょうね。改めてこの作品は素晴らしいですよ。誰もが羨む、絵に描いたようなふたつの仲良し家族。それが些細なことの積み重ねで、原型を留めないほどにどちらも変わり果ててしまった。序盤、幸せだった過去と目を背けたくなるような今を交互に描いていくのがまた苦しくて綺麗で。過去も今もどこを切り取っても闇だらけというのは変わらないんやけどね。ボタンひとつ掛け違えれば、誰もが衝動に駆られて罪を犯してもおかしくない世界。この世に起こる犯罪の大半は、衝動的なものらしいから。考えさせられます。多くのサブスクサイトで配信されているわけではないけれど、もしも機会があれば是非。個人的に好きな登場人物は、石田ゆり子さん演じる僕の母親かな。いつでも完璧で優しくて、人間愛に満ちた非の打ち所がない人。実はそんな人こそきっかけひとつでぷつりと心が途切れてしまいそうなほど、底知れない弱さと苦しみを抱えていたりして。そんな母の人間味に溢れた最後の独白が好きです。どこか浮世離れした儚い雰囲気がより物悲しくさせる。観覧車を一周してようやく地上へ降りたあと、母の目にはどんな景色が広がっているのか。与えられることのないその先をつい深々と考えてしまうね。良い作品というのはどれだけの年月が経とうと色褪せませんな。と、こんなことを長々したためてしばらく下書きにつっこんでいたら、そんな僕を見ていたかのように今日からTVerさんで1話から5話まで1週間の無料配信が開始されていました。すごい。これ以上ないほどのタイミング。来週はきっと6話から最終話まで一気に配信されるはず。みなさま、秘密の目撃者になりましょう。どうぞよしなに。
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palakona · 2 years ago
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西池に入れず
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
どうも、こんにちは。5月7日(日)は、こしが池に行ってきました。予報では、所により激しく雨が降るということですし、風速4mなので、こしが池の屋根付桟橋は雨が吹き込むかな〜と思いました。なので、久しぶりに西池に行く気になって行ってみたのですが、考えることは皆同じで、西池の屋内釣り場は概ね満席…というか、厳密には10番台が2席ほど空いていましたが、声を掛けて荷物を退けてもらわなければ入れない。嫌がられるだろうな〜、やっぱ無理w。10番台付近から対岸を見ると、76番、77番が空いているように見えたので見に行きましたが、78番の方に「ここ空いてますか」と聞いてみると、素気無く「空いてません」と言われてしまいw西池を後にしました。最初は、西池に入れなかったら家に帰ってゆっくりしようかな〜と思ったが、こしが池に行く気になって経路検索してみると、たったの12分ぐらい。気分は西池で、西池は両うどん床釣りを始めてから釣れなくなったので、うどんを炊いておらずダンゴとグルテンしか持ってないが、ま、良いか。こしが池は雨が降ると、人気の3号桟橋は屋根がなくて閑散とするので7号桟橋(ダンゴエリア)も空いてるかも。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
こしが池に着くと、やっぱ車が少ない。中に入ると、5号桟橋はどっかのクラブの例会?4〜5人と毎日来ている常連のKMZさんで満席。だが、1号桟橋、6号桟橋は先客無し、2号桟橋、7号桟橋はそれぞれ1人だけ。今日は麩餌(ダンゴ)とグルテンしか持ってきてないので、選択の余地がなく、先客に「おはようございます」と声を掛けて、2022年2月からダンゴ可となっている7号桟橋に入りました。雨の吹き込みを心配したんですが、朝方は大丈夫でした。
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2023年5月、こしが池(堺市)iPhone11
(パラソルを出しているので、これはちょっと後の写真ですが)今日の竹竿は名竿師の7.3尺です。
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2023年5月、こしが池(堺市)iPhone11
浮子は北斗の11番。24cm。1430円。たぶん使うのは初めてかな?スレが外れると反動で浮子が屋根にカーンと当たるので、高価な浮子は壊れると痛いですw。汎用品でバラ売りしてるので、補充も容易そう。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
麩餌を最後に使ったのは、2月の茨木新池での段床釣りが最後。共ズラシの床釣りでは12月が最後。今日は久しぶりに「芯華」を練りました。2投目からフナの寄りを感じて、浮子がフワフワ動くので麩餌の集魚力に感動したがw、喰い魚信がでなくてなかなか釣れない(汗)。8時53分、やっと釣れました〜。ボウズ脱出!まだ5月というのにフナに赤い斑点が…紅斑病ですか?高水温期の水質悪化で出現する病気と聞いていたが。
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2023年5月、こしが池(堺市)iPhone11
雨が激しくなったので、屋根付桟橋でも少し雨が吹き込んでズボンが濡れそう。万力でパラソルをセットしました。3月26日にFさんと雨のこしが池に釣行した時も雨が吹き込んだが、パラソル用の万力を持ってなくて手に傘を持って釣りをしたw。Fさんは万力で桟橋にパラソルをセットしてスマートに釣っておられたんで、僕も大阪屋に万力を買いに行ったんだが、買っといて良かった。但し、パラソルがベルモント100で大きいのか、暑かった釣天狗池では風が吹いて不安定で使えなかったんですけどね。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
2枚目は9時35分。両眼が空きましたけど、なかなか釣れないね。隣の先客は、両うどん床釣りでコンスタントに釣っておられる。このフナも赤い斑点がありますね。
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2023年5月、こしが池(堺市)iPhone11
麩餌では2枚しか釣れず。池主の女将さんが食事の用意ができたと呼びにきました。遅い方が良いって言ってたんですけど、10時半ですw。食事の時間を聞いたのが催促と思われたんかな?こしが池に来る時は、いつもサンドイッチを買ってくるんですけど、今日は西池のつもりやったから買ってなかったのです。ラーメン300円。卵のトッピング付き。他にコンビニのパン1個。今日のお昼は安くついた。2号桟橋の二人組も食事に入ってきて、釣果は1枚と2枚らしい。常連さんがそんなもんなら、僕が2枚ってのも悪くないのでは?女将さんが二人組に「薬撒いたから釣れるで〜」と言っていたが、浮子が動くわりに喰わないのは薬浴の影響かな〜。某池でチョウ(ウオジラミ)がフナに付いている話を聞いたので、寄生虫かと思ったが、紅斑病の方かな?聞いてないのでわかりませんw。いずれにせよ���某池の話を教えてくれた人が「薬撒けって言ってるのに…」とぼやいていたのを考えると、こしが池はちゃんと薬を撒いて管理はしっかりしてそうです。そういえば、ここはジャミ対策もやってるので、ジャミがいてません。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
昼食後、「新べらグルテン」+「新べらグルテン底」のブレンドを試して2枚追加。50cc作ったこのブレンドでは2枚しか釣れず、「いもグルテン」を柔らかめで25cc作ってみたら、ポツポツと釣れ始めた。痩せたマブナばかりで赤い斑点があるので紅斑病かな?1枚だけヘラブナっぽい体高のあるフナが釣れてた。このフナも赤い斑点がありますね。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
豪雨w。話は前後するが、先客は半日1500円だったらしく、お昼で帰られたんだが、こしが池で2月10日に邂逅した段床さん(仮名)だった。一回しか会ってないし、朝の挨拶以外に会話が無くて気づかなかったんだが、段床さんも以前聞いたことをいくつか話したので、僕と気づいていないか忘れていたんだろう。段床さんは、今日は両うどん床釣りで12時まで16枚釣ったらしい。お話を聞いていると、昔、シマノジャパンカップの地区大会で準優勝し��全国大会に行ったことがあるらしい。で、マルキューのインストラクターを6年務めたとも。そんな凄腕やったんや…。段床さんが帰った時は、僕はちょうど「いもグルテン」に替えようとしてた時で4枚しか釣れてませんでしたわ。段床さん曰く、こしが池この時期はダンゴはイマイチで、ウドンとかグルテンかグルダンゴが良いらしい。僕がグルテンを使っていたので、「ダンゴの底釣り冬」と「わたグル」のブレンドを勧めてくださった。あと「野べらグルテン」も意外と釣れるとか。僕、使ってますw。段床さんに話しかけられた時、応対していると「グッ」と引っ張られて浮子がどっか行ったと思ったが、リリアンから外れたんではなくて高切れだった。あーあ…浮子が。話の途中、段床さんが、「あっ、浮子が浮いている」と言ったが、手前から3マス目ぐらいに浮子をつけたフナがいてるらしい。段床さんが帰ってから、事務所に「引っ掛けるもんあります?」と聞きに行くと、藻刈機をロープにつけたものを貸してくれたので、傘をさして見に行くと浮子のトップが1節だけ水面に出ている。ロープについた藻刈機を放り込むと、浮子が見えなくなったので、外したか…フナが驚いて逃げた?と思ったが、藻刈機はテグスを引っ掛けていた。無事回収w。
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2023年5月、こしが池(堺市)SONY α7+SELP1650
段床さんが帰った時は4枚しか釣れてなかったので、「つ抜け」は厳しいかと思ったが、「いもグルテン」単品は思いの外よく釣れて、15時で竿を納めたが14枚まで数を伸ばした。写真のフナは最後の1投で釣れた「上がりべら」です。このフナも紅斑病ですね。
ということで、5月7日はヘラブナ…じゃなくてフナ14枚でした。ヘラブナって言いにくいですねw。僕は釣れればフナでも良いんですけど。
では、また。
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oyasumimataatode · 4 months ago
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これは俺が大切にしていきたい、宝物みたいな記憶。
結構久しぶり?一ヶ月半ぶり。88の日に会って以来だから本当に約二ヶ月ぶりくらいにはなるところだったのか。前に会った時が汗だくすぎるのと治安が悪い俺の地元嫌すぎだろって気持ちと、俺ら可愛かったねっていう記憶と、久しぶりに会えて嬉しいっていう中でいろんな巻き込まれがあった月��なったから怒涛の2ヶ月近くの進みだった気がします。だからあんま実感ないような、時間の進み具合でした。汗だくだったのがほんの少し過ごしやすくなった今日この頃、やっとおれらは三回目のデートを果たせましたよっていう記憶。
蒙古タンメン食って見事腹の調子下してギリセーフな電車に飛び乗り、新幹線ではちょっとばたつきながらも隣の外人に腹立たしくなってまあまあ今からあいつに会うし俺は全てを許してやろうと優雅に昼寝すら決め込んでた。名古屋に近づくにつれめちゃくちゃ曇天じゃん!傘持ってきてねえのよ!って焦る俺を置いて約1年ぶりに乗った新幹線は6年ぶりに名古屋まで運んでくれました。6年前はイベントに行くためだけに行ったし夜も急いで夜行バスに飛び乗ったから、記憶が一ミリもないっていうのが本音。肝心の稜雅はお手伝いの仕事中だし、しゃあねえ時間潰してやるわ!って着いた先の薬局でソワソワし出す俺。何回会ってもこの先おまえ相手には緊張したりソワソワしたりするんだろうな、もちろんいい意味で。そろそろかなって待ってたら可愛い稜雅いわくおばあちゃんコスチュームで登場して笑った。嘘だよ、ほんとは可愛かったぞあのベスト。そして一つ言えなかったことが、悔しいくらいにショートカットが似合う。そして襟足触らせてもらったけどわしゃわしゃしててめっちゃ気持ちよかったなあ。おまえの住む場所である春田は、ものすごく閑静な住宅街でした。俺の住んでた場所にちょっと似てる。おまえのとなりできょろきょろして、この場所に生きてるんだって思ったあの瞬間、すごく愛しくてたまらなかったのは知らないだろう。ふふふ。
あの、一時間に2本しかねえなあなんて悪態ついてた時刻表もああやって待つ時間すら嬉しくて。この電車でいつも行ってる、って話を聞いた時、きっとこれから俺はその時間になるとおまえが無事電車乗れたかを考えるだろうし勝手に考える幸せが増えます。俺は、あの何気ない待ち時間が今回すごく愛しくなった。おまえのとなりで少し沈黙が流れるあの空気。辛くない沈黙と、ちょっとそわそわするきもちと。どうしようもなく愛しい、おまえといる時にしか絶対流れない時間がすごく愛しいと思いながら電車に飛び乗る瞬間が好きだ。そして金山は思ってたよりちゃんと都会でした、なめすぎです俺。ホテルでわちゃわちゃとこれ見れるね、あれ見れるね、なんて他愛もない話をしながらお前に連れられるがままスカイプロムナードに直行して、怪しい二人を前に眺めながら俺らもフラッシュ炊く?なんて話して。階を上がるごとにきらきら���た街並みが大きく広がっていって、最上階に上がった時の俺と稜雅の見る世界が広がる感じ。あれがたまらなく好きだった。馬鹿みたいな話しながら、写真撮りながら。たまに俺がおまえにぎゅっとしがみついたり。高いねえ、あれはなんだろう、なんて話をしながら、稜雅の家はあの辺かな、なんて。でもそんな話をしてる中でも、俺は景色の綺麗さよりも「おまえとこんな綺麗なものを同じ瞬間に隣で見れてる」って事実にちょっぴり感動して、嬉しくて、一人で心臓をぎゅっとさせて。たぶん、今まで見た夜景の中で俺が唯一忘れない景色になったんだろうなあ。あの空間でした会話も、夜景の景色も、匂いも、稜雅の声も。ぜんぶぜんぶ、おまえと見た景色が鮮明に記憶された。また行こうね、あそこは必ず。
土曜の浮かれた金山で食った肉、最高すぎ。あのハンバーグうますぎて忘れられてません。俺の家の横にもできないの?あれ。飯食ってる時も、お互いうまいねえって噛み締めて。しあわせで、たまんなくて。お腹いっぱいすぎるかもね〜って話した時も、そろそろ行こっかあってちょっとひっついて外に出るあの瞬間も、だいすきだ。ホテル戻っておまえの大好きなナオを眺めたり、俺に沸いたり、俺に沸いたり、俺に沸いたり。エビライマジで一緒に行きてえ!西日本も生で見たいし、俺ら兄弟も二人で見たいです。来年は必ずな、ってやくそくして、みなしょーとなら恋ぼんやり流して布団入って。俺の夢だった「好きな人と一緒に寝る」が叶えられちまって、あん時、死ぬほど嬉しくて。今までできなかったはぐも、甘えるのも、全部叶えられた。ぎゅっと握った手の温もりも、俺のことを責め立てるおまえのゆびも、体温も、俺の髪を「あついなあ」って掻き分けてくれる優しい指も、頬を摘んだり撫でたりする仕草も、俺が撫でてってすると必ずとんとんって優しく撫でてくれるのも、離れるとこらこらって強く引き寄せてくれるのも、お腹痛いっていうとさすってくれるのも、足を押さえ込む強引さも、声の低さも、この子はもうって言いながら時々頭をぎゅって抱えるようにしてくれるところも。全部泣きそうなくらい、愛おしい。俺のことが愛おしくてたまらないって手つきと、声。俺、あんなの向けられたの初めてだよ。好きな人に求められたいと思ったのも、あんな甘い時間も。俺の浮かれた脳内をそろそろ寝ようねって鎮めてくれてからちゃんと強く抱き込んで正面から抱きしめて、俺を包んで、寝る間際までずっと頭をとんとんって撫でてくれた。おまえの腕の中でこのまま生きていけたらなって、ひっそり泣きそう��なった俺。ぎゅっとして誤魔化した。朝が来なきゃいいのにな、ってちょっとだけ思いながら寝てました。……そろそろ長えから次の日の備忘録はまたそのうち。
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lostsidech · 1 year ago
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5: Stairway to Heaven
「はっ!?」
 会場が壊れた。まず望夢が体感的に感じたのは、『足場が無くなり、落ちる』だった。
 そもそも高さのある場所で戦っていたわけではない。なのでこれは五感に伝わるただの幻覚なのだと、望夢は間もなく理解した。
 眩暈がする。そのせいですぐに状況を計算できない。五感のバグのくせに、しっかり落ちて転んだ痛みがある。そして体を圧迫する重量感と、微かに��裏で鳴る異常事態のアラート。
 目を開ける。瓦礫の中に望夢は倒れ伏していた。
 悪夢のような光景が広がっていた。
 瓦礫が現れたり消えたり、ちかちかと景色を移り変わらせている。その途中で見覚えのある壁や岩、水流が出現してはくねり、視線を阻害する。ある場所では遊具のようなカラフルなキャラクターの顔が、ゴシック様の建築壁の中から突き出ている。
 半ば無意識で、自分の体を取り巻くように転がっていた瓦礫に、解析・解除を走らせた。ヴン、と音を立てて瓦礫が消える。
 この会場のためにセットされていた、ありとあらゆる仮想空間のストックが、暴走してこのありさまになっているのだと、しばらく見ていれば理解できた。
 自分の動きを邪魔していた周りの瓦礫が消えてしまえば、立ち上がることができる。おそるおそる、望夢は身体を立てるが、すぐに別のブロックが足元に出現して躓いた。
「でっ」
 足先を引っ掛けてまた転び、あやうく、そのブロックに膝を打ち付けそうになる。相当痛いだろう、とギュッと目を閉じたところで、ひらめく。この固形は仮想の感触だ。協会式のペタルがイルミナント意識点の持ち主に錯覚の圧力を与えているだけ。
 ペタルを込めなければ無視して動ける。協会式の仮想空間とはそういうものだ。日本の協会の演習場でもいつか瑠真とやったはずだ。
 とっさに脳を切り替える。望夢は元々協会式のペタル解釈には「合わせて」いるだけだ。大会のために常に協会式に合わせ、秘力を練り続ける方式を取っていたが、もう必要はない。
 ブロックにぶつかる前にイルミナント励起を解除。ぶつかったはずのブロックを膝がすり抜けた。そして少しだけもう一度、協会式ペタルを自身に込める。最後にクッション様に抵抗が生じ、転んだにも関わらずふわりと地面に手をつくことができた。
 何度か地面についた手を握ったり開いたりして、感覚を確かめてみる。
 この要領なら、多分このカオス空間の中も歩ける。
 望夢は見渡した。極彩色の景色に邪魔されているが、試合はどうなった 放送も音沙汰がないが、自分が聞こえていないだけなのか。点数はもう誰も見ていないのか
「……瑠真」
 それより何より、相方が何をしているのかが気になった。
 邪魔な障害物をすり抜け、迷路のような元アリーナを歩き始める。
 最も敵になるのが方向感覚だった。神経を研ぎ澄ましても、会場に存在するあらゆる出場者のペタルを吸い上げた仮想空間から、ペアのものだけを探すのは甚だ難し��。
 それでも歩き続ければ誰かとは遭遇するだろうと進んでいたとき、ふと五感の端に気配が引っかかった。
 ペアのペタルだけを探すのは難しい。そのはずだった。
「……瑠真」
 正確には。
 瑠真であるはずなのに瑠真ではない、瑠真のペタルをベースにしたような何か、を、感じる。
×××
 予期しなかった平衡感覚の混乱に、瑠真もまず尻餅を付き、ここがどこか見失うところから始まった。
「あ いたいた。いやぁ、君の場所は視認していたからすぐ来られたにせよ、このカオスは最悪だね」
 ──そこに聞こえてきたのは、考えうる限り最悪の声だった。
「は……」
 瑠真は咳き込みながら顔をあげる。これは……確か、望夢の先祖の。
 夏のヘリポートで聞いた、悪辣な少年の声だった。
 一度で覚えてやる義理はなかった。なのに覚えていたのは、それだけその声が身の毛もよだつトラウマのように耳朶に張り付いていたからだ。
 視界がぼやける。イルミナント意識点に過負荷が掛かっているのを感じる。会場にいたすべての異能者のペタルの残滓が増幅されて場を渦巻いている。感知系が苦手な瑠真にも明確だ。
 目を擦って、もう一度薄目を景色に向けたとき、その極彩色の光景の中に、黒服の少年が佇んでいた。
 初めて見る姿だ。子供が着るものとしては見慣れないお坊さんのような和服を着ている。
 だが、彼は背格好と顔立ちが──やはり望夢に、よく似ていた。
 高瀬誉。
 春姫の宿敵だ。なぜか蘇った幽霊なのだと聞いていた。
 だからだろうか。彼の輪郭は、まるで背後の仮想空間の景色の一部であるかのように、うごめき、刻一刻とブレている。
「待たせたね、悪魔のお迎えだよ、瑠真ちゃん」
 少年は、仄かに望夢より表情が薄く見える瞳をこちらに向けて、ことんと首を傾げた。
 瑠真はとっさに答えなかった。なぜこいつにこの状況で迎えられなければならない
「……何、これ」
 まずは周囲を示して、端的に尋ねた。
「試合中だったよね。アンタたちが何かしたの」
「うん。眺めてたら瑠真ちゃんが負けそうだったから、助けに来た」
 あっさりと、誉はそう言った。
「助けに こんな、試合無理やり壊して」
「だって、嫌だろ あんな大人の策略に乗せられるのなんか」
 誉は話しながら、瑠真の向かいに膝を折った。尻餅をついている瑠真に視線を合わせ、見つめてくる。そこはかとなくじっとりと嫌な感覚がし、瑠真はいざるように少し下がった。
「……まだやれた」
「どうだか」
 誉は首を振る。
「君は謀られたんだよ。極論、アメリカチームは君のことなんてどうでも良かった。日本の協会の邪魔をするのに良い釣り餌がそこに転がってただけ」
「アンタにそれを言われる��合いはない」
「あー、そういう反応かぁ。まあ、いいよ」
 瑠真が噛みつくと、誉は肩をすくめてみせた。
「君もだいぶ鍛えられたみたいだし。ここまでの話はカノへの義理立て。振られたら続けて口説くもんでもないや」
「何言ってるの」
「俺には俺の目的があるって話」
 ぽん、と誉が手を叩いた。そのとき、周囲の仮想物体から一斉に蔓のようなものが伸びて、瑠真を巻き取った。
「はっ」
「待ってね。ここから本題」
 誉は言うと、瑠真に向けて膝を摺ってにじり寄ってくる。
「それ、私関係あるの 美葉乃のこと」
「カノへの義理立ては終わったって言っただろ。俺はあの子とは関係なく君に用事があるの。いや君の体、いつの間にか大分高瀬式ナイズされてて助かるよ。干渉しやすい」
 瑠真は迫ってくる誉を目線で威嚇した。
「縛り上げて何が用事よ」
「なんだろうね。これを話すのは初めてかな」
 誉は傍に腰を下ろして微笑む。友人としてお近づきになりたいとでも言わんばかりの微笑みだった。
「俺は君を見つけたときから、カノとはまた違う理由で君に興味を持っていたんだ」
 その微笑みを、口調を、瑠真は吐き気がするほど憎らしく感じる。瑠真のペアが絶対にしない表情をした同じ顔。
「三月の協会戦。君は神名春姫の力を身に借りて戦ったね 俺はその時から、君を個人的に追っていた。カノを通してね」
「……」
 そんなこともあった。だが誉はそれをどこから見ていたのか。わざわざ相槌を打ってやる義理も、問い返すほどの好意もない。
 誉は瞳を三日月のように細めた。
「いやぁ、ちょっと閑話休題してからにしようかな 自己紹介ができなきゃ寂しいもの」
 瑠真は自己紹介など望んでいない。だが誉も勝手であるのは百も承知で話しているのだろう。少年はあぐらをかいた膝の上にひじをついた。
「俺、もう死んでるって話は春ちゃんか望夢くんから聞いてるよね だったらどうして成仏できなかったんだと思う 瑠真ちゃんって幽霊信じる」
「今、いるんだから、それしかないでしょ……どうしてなんて知るわけない」
「俺に未練があったんだよ、結局。この世界の行く先にね」
 瑠真の小声の反抗に構わず、誉はゆっくりと言った。
 手元に持った数珠を弄っている。虎の模様のような色をした数珠だ。
「いや、理論的には春ちゃんが流し込んだ不老の神の力が俺の肉体を消しても存在を維持したとか、色々言いようはあるかもしれない。だけど俺の目線からしたらそう。俺は長いこと、『無』と呼べる時間の中で俺の魂が輪廻できない理由を考えていた」
 話の、意味は分からない。ただ、幽霊でしかなかったはずの誉の重量感が目の前で膨らんでいくようで、怖気を��ぼえる。
「俺は殺される前、春ちゃんに少しだけ期待してた。旧弊した高瀬式が情報統制できる時代はとっくに終わってた。だからその後継を作るのはきっと俺たちとは違うものだって。
 だけどきっと俺も少し夢を見すぎていたんだろうね。彼女は結局、神さまであるよりも一人の女の子だった。俺は正直、それに失望してしまった。そうなるだろうと思ってたから、俺は高瀬式の精神が存続するよう望夢を残したんだけどね」
 誉は、瑠真の知らない長い時間をあまりに全て把握している。それが話術なのか、事実なのか。瑠真は、ブラックホールに浮かんでいるような錯覚にとらわれる。
「望夢の父親の篝は感知系がとにかく強くて、死人の俺と普通に話せた。だから俺はさっさと奥さん作って息子にも感知教育をするように言った。篝自身はちょっと古い男だったから、あまり春ちゃんと渡り合えそうにもなかったのだけど。生まれた息子は狙いどおり霊感が強かったから、俺はその霊感が薄れない子供の頃のうちに、ことあるごとに高瀬式の精神を囁きかけておいた。だから望夢の育て親は直球で俺みたいなもん」
「高瀬式の、精神……」
「俺はこの世界を自由にしたいのさ」
 誉はこともなげに言った。
「しがらみに囚われ、欲で傷つけ合い、己が正しいと思う者が殺し合う世界を救済したい」
「できるわけない。何カミサマみたいなこと言ってんのよ」
「俺、仏教徒だよ。そこはよろしく。西洋の神さまの考え方とはまた違うと思うな」
 瑠真に宗教の違いなどはわからない。ただ睨み返すと、誉はとん、と自身の胸を叩いた。
「とはいえ世界をより良くしたいという想いに貴賤はないからね。ヒイラギ会の子たちのことも普通に応援してる。『みんな望んだものが手に入って、みんなハッピー』」
「もっと無理よ。わかってて言ってるの? そんなの成り立たないでしょ」
「そう、でもだから君も聞いているだろう あの子達は、みんなを幸せにして、その瞬間世界を終わらせたいんだよ」
 誉はくつくつと笑う。それは朗らかで、子供の悪戯を愛おしむ祖父母のようにさえ見えた。
「死ぬ瞬間幸せだなんて、なんて幸福」
「……勝手に押し付けないでよ、そんな理想」
「ああ、そういうところが春ちゃんと相性いいのかね 俺は個人レベルで行える救済手段の一つだとは思うけどね。まあ、個人レベルじゃない視点でできることを、本当は神の力を持つ春ちゃんに望んでいたのだけど」
 瑠真の激高を、誉はこともなげにいなして頬杖をついた。
「ここで話題を戻って、ヒント。春ちゃんには『神の力』がある。俺は高瀬式の旧支配者。高瀬式が春ちゃんと仲良くなかったのは知ってるよね」
「……」
 瑠真はとっさに話題を辿った。何のヒントだ 内容は当然知っている。だから何だ。
「春ちゃんにある『神の力』。俺はそいつで殺されたから、分析サンプルは十分。やろうと思えば干渉操作す���ことができる。ただ今あの子の力は、半分うちのご当主の協会式能力維持に使われている。『契約』だね。春ちゃんの憎き高瀬式に首輪をつけて自分の支配下に置こうっていう、あの子なりの復讐」
 これも事実としては知っているが、それを誉がどう解釈しているかなどは知らない。春姫が私情で望夢を使っていることはなんとなく知っているつもりだった。
「その『契約』のデータもちゃんと手元にあるのさ。斎くんが頑張ってホムラグループに流してくれたからね。俺たちはそれをホムラグループから拾ってる。
 有り体に言えば、俺も同じ契約ができるってコト」
 誉はそう言った。
「……待ってよ」
 じわじわと、脳内で話が繋がり始める。世界を救済したい誉。望夢と春姫の間にある契約。
「何、する、気」
「それを今説明してるんだってば。俺は春ちゃんに神の力を渡して後悔した。その未練が俺をここまで生かした。望夢は俺の救世主になり得る視点を持っているけれど、今のところ春ちゃんの犬で、世界の上に立つ覚悟も持ってない」
 誉はひらりと手を挙げ、人差し指を立てた。講釈する優しい先輩のような口調だった。
「神を降ろすには、新たな神を産むのが一番いいと思うのさ」
 その指が瑠真に向く。
「なに……」
 息をつまらせる瑠真の、胸に誉の手が這う。びくりと全身を強張らせた瑠真の胸元に、誉の、霊体の手が、『入り込んだ』。
 本人も言うように仮想空間技術で作られているだけの体だ。痛いはずも、感触があるはずもない。なのになぜか生命の危機を感じる。触れられてはいけないものが触れている気がする。
「望夢は君のことが好きだからね。君が力を持てば、春ちゃんの時よりその制御に必死になるだろう。それが目的だから、別に俺は君自身のことはどうでもいいわけ。とはいえ俺を悪魔として生かしてくれたカノへの義理はあるしね それに、俺は人を一人使うなら、その心に敬意を払わないことは本意に反する」
 誉の声がガンガン響く。それが心理的効果なのか、既に何か異常が始まっているのか瑠真は理解できない。
「タイミングが今だったことにも必然性はあった。まずは君が治癒の能力を得たこと。その願望の根底にあるのが『戦える力がほしい』であったこと。俺はその気持ち、よくわかるよ。眼の前にある世界に触れられないのはもどかしいものな。君の場合それが戦いという概念だった。極めつけに今、とやかく言う大人はみんな太平洋の海の向こう」
 誉の手は、最早とっぷりと手首まで瑠真の胸に埋まっている。身体の中で熱が暴れ狂う。平衡感覚が上下左右どれもわからなくなっていく。
「君はとても、とても強くなるよ、瑠真ちゃん」
 誉の声が、まるで身体の繋がりから直接伝わるように聞こえる。
「壊れても、傷ついても戦い続けられるだけの力が手に入る」
 その言葉は。
 誉には伝えたことのない叫びのはずで。知っているのかなんて、今更問うのも馬鹿らしく。
 耳元��、吐きそうなほど望夢とよく似た甘い声が囁いた。
「君の願い、叶えてあげる。一緒に終わろうぜ」
 その日、フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク西部では崩落事故が起こり、ニューヨーク地下のメトロ路線まで会場の一部が落下した。
 偶然試合中でそこにいた少年が一人巻き込まれた他は、試合相手のアメリカチームも無事に引き上げ、現在は救助・捜索活動に当たっているそうだ。
 それ以降の瑠真の記憶はない。
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egosashes · 2 years ago
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【青宇】錯置
《錯置》青宇    copyright.2714
「幸而歲寒日暖,穿身而往,終有未失未忘。」
不小心被拖了下水,但是心嚮往與心傷彷彿都在一瞬之間,故寫此一篇紀念,但也僅此一篇。
為曾經雙眼中的波瀾,也為你們各自兩往的前景。
Alert: 作者是個悲觀妹子,接受曖昧發糖,但也認同自然的情感歸寂,畢竟過了這麼些年的歲月,已經很懂得戀慕其實不過是人生中枝微末節的一部分,如果不能接受的妹妹們,就別看了吧,別跟我一樣鬧心疼。
BGM: 不才-涉川。
別問為何現代文放古風歌,就是古風控的偏執而已。
01.
「生日會還辦,你來嗎?」
瞥著屏幕上刪刪減減的字眼,繞著的句子不超過十字,卻猶疑地未按下發送,來來回回過了十日,辦方催得緊了,馮建宇才想了再三,懶得再婆婆媽媽,眼一閉傳了出去。
等了等對方的回應,過去半會,發現還是那杠綠色的訊息條在底待著,便低下眼把手機揣進兜裡。
窗面折著炎夏烈烈的日光,亮得他眼有些酸乏,可能是近幾天日程太忙碌,沒什麼時間能夠歇歇。
這樣的事,他應也是一般的吧。
編導推了會議室的門進��,六、七個生眼、熟眼的工作人員一併圍在圓桌,他起身和他們一一點頭問好。
「熱死了,這夏天可真太難受了,誰幫忙把空調調冷點⋯⋯欸,宇哥你嘉賓名單到底確定了嗎?」
「啊⋯⋯這幾天忙沒趕著弄,剛才想起來。」自己乾著哈哈笑了兩聲。
監導的眉頭緊得彷彿能夾死隻蒼蠅,無奈的遞了個眼神給二編,意會了也打算言傳的二編馬上義不容辭地接下話荏,特尷尬地搓了搓手。
二編開口。「大宇是在等誰的回覆嗎⋯?」
馮建宇抬起眼睛看過去。「沒,就是剛剛才記得弄,不好意思啊。」
坦白地承認錯誤和道歉,反而令人難以再繼續追究,這團隊也是有幾次不錯的合作經驗的,便沒再揪著唸下去,開始了正兒八經的討論會議。
開會一路上都還是挺順利的,事前準備工作做得足,又彼此有些合作上的共識和默契,沒吵出什麼火花來,相當祥和地收了場。
團隊一眾欣慰,要知道開個這樣的會也是蠻難能可貴的,現在藝人不就比誰天馬行空、誰誰意見多又出張嘴,但畢竟馮建宇處女座的軸勁在工作上還是挺靠譜的,每次討論的方向言之有物,客氣又配合度高,就是嘉賓的名單拖了又拖,給得晚些。
但稍稍看過風向的助導想著,該約得不就是那一位嗎,票房熱的保證,不說別的,她自己也是期待的。
一時沒忍住便問了出口。「青哥來嗎?」話聲方擲地,就感覺自己的腳不知道被誰擠了一下。
馮建宇淡淡地笑了笑。「該來吧,但我也說不準。等會問問。」
隨後會議便草草地結束了,監導帶著一伙打算去舞台現場看看方才研議的方案是否可行,馮建宇坐在驟然清空的會議桌前望著手機屏幕發愣,黑漆漆地像面鏡子,再整個角度就可以看見自己沒睡飽的那張臉,有點憔悴。
他發誓等這會兒忙完,絕對要死扒著被窩三天三夜不露面。
經紀人取了車鑰匙過來,拍了拍他的頭。「別發愣,再不上車又得堵了,快起來吧。」
馮建宇悻悻然地應聲,與此同時,方才一直黑著的屏幕終於亮了。
「來。」
簡簡單單一個字,又感覺心底某處被陡然捏緊了一下。
02.
時日過得長了,也漸漸學習到如何節約時間,做了這行才知道,原來一天的二十四小時是可以這麼用的,把一天過得像四十八還七十二也是有可能的。
一天可能在高鐵、飛機上跨越南北,七八個小時錄過百遍的歌、重複的舞蹈,十個日夜拍完一齣劇。
只是時間越壓縮,卻沒覺著日子活得長些,反倒一晃眼,年歲就這樣虛翻了過去,周而復始的、未及回顧。
結束了地方行程,像具屍體般賴在飯店床上,眼睛霧得睜不開,馮建宇在黑著燈的房間眨了又眨,眼皮還是重得沉如千斤,又該闔上時,一聲提示音拉回了馮建宇的神智。
轉頭過去摸摸手機,屏幕上一行「睡了嗎」閃著光有點刺眼,調了下亮度又震了一次。
「有事想找你聊」
「什麼時候回北京」
馮建宇看了看,回覆。「明天早上」
「好 那去你家找你」
「嗯」
按掉手機,繼續閉眼往回躺,但翻了一下子,鬧鐘又響了該趕飛機了,馮建宇睡眼惺忪的從床上爬起,眼睛還是霧霧的,真的太累了,做個夢也這麼難醒,話說都這麼累了,就該連夢也別做。
雖是夏季,入夜的涼還是有些,一離開棉被的熱度感覺更是特別缺落落的,翻了個身下床,沒睡的那一側被空調吹得涼冰涼冰地,馮建宇搓了搓鼻子,鼻水似乎有點蠢蠢欲動,可別感冒了吧。
突然間就有那麼點想念身側還睡著一個人的時候,那張不精緻又偶爾有點燥熱的大床,他捂著一邊、他橫著一邊,搶著壓著彼此的被子,有時不知為何醒來都擠在一處額頭冒著汗,一睜眼就看見對方缺心眼的笑,罵咧咧的說睡相也特麼太奇葩,這麼大一張床,還能滾到他的身上去,蹭得他一身臭汗、噁心一把。
馮建宇從來笑著回給他兩記眼刀,可他沒說自己其實睡相是該怎麼老實就怎麼老實,也沒問出口半夜是誰一點一點的抽自己被子,讓人冷得往邊竄。
馮建宇摸了摸空蕩蕩的床半邊,怎麼過去了這些日子,還是沒改掉睡一側的習慣呢?
「沒刷牙別湊近對我說話,臭死人。」
「就臭死你,看我敢不敢今兒不刷就去拍戲。」
「你⋯⋯」
「聽說今兒個還拍吻戲呢,祝老爺唇齒留香~」
「沒見過你這麼噁心人的⋯⋯」
嬉笑間被來人搔住了癢癢肉,只好不爭氣的求饒,咧開嘴牙子,以示諂媚討好誠意。
那人卻越湊越近,近得下一步自己的呼吸似乎就得暫停。
「嗯,再聞一次,還是臭。」
「你就得瑟吧!」 有點欠的早晨,怎麼回想時卻不怎麼笑得出來呢?
03.
被龐雜壅塞的生活所壓縮的每分每秒,都是充實的,簡直就是充實得快不行了,爭分奪秒地捉緊任何補眠休息放鬆的機會。 這樣忙碌且疲憊的日子,相對而言,煩惱就變成了一件很奢侈的事了。 梳化時偶爾聽見助理們天南地北的談天,說著閨蜜男朋友女朋友如何如何、父母親戚還是隔壁鄰居怎麼怎麼地煩人,或者是困擾著哪個造型交不出件、上上個月替哪個藝人跑差的酬勞到現在還沒打進戶頭⋯⋯等等諸如此類瑣碎的交談。 因為馮建宇自己愛較真、熱心傾聽的個性,常常不知為何就變成了特召眾生的苦水桶,但他其實也樂在其中,畢竟聽聽八卦就能幫忙的善事不多嘛;時常他也會有那麼點羨慕,因他離那樣堂而皇之地表露自我情緒的時光已有些遠了,遠得亦忘了上次自己所煩惱的事情究竟是什麼?也根本沒那個心思空閑去做這些瞎想。 沒有煩惱,乍聽之下是很好的一件事,可是偶爾內心卻又有種無法言說、不能命名的,空落落的感受,一點一點,由外而內的將自己掏空。 就像此刻坐在前行車軌上,瞄著沿路倏忽即逝的風景,明明睏得不行,眼睛卻睜得雪亮,車速越快越馬不停蹄,越能感覺到一路所拋失的零碎片段,如此細小、難以述說。 「有那個精神勁就看看後半月要開拍的劇本吧,發啥愣呢。」沒等他傷春悲秋完幾個片刻,經紀人很盡責地將馮建宇拉回工作之中。 「噯、這不眼睛疼呢。」馮建宇打哈哈。 「那正好,��看這幕哭戲,紅眼睛適合培養情緒。」 遞過來的劇本邊角折著貼著密密麻麻的標記,這人就是嘴賤心軟,每每團隊會議或和自己討論出個什麼來時,嚷嚷著你字太醜,然後細心巴拉地替自己抄好筆記,令人省心不少,也多了對戲更深刻的思考,在詮釋時很是受用。 馮建宇認命地看著特意翻開的那一頁,瞅了會上頭的紀錄,紅字和螢光筆的痕跡縱橫排列,活像本高考學生的參考書,但雖然這幕他已經看了很多次了、也討論過很多遍了,卻仍然抓不太準那個情緒。 他新接的這齣古裝網路劇呢,角色是個武俠戲的標配男二,高冷、裝逼也真逼的閤主;武功高強、沉靜睿智、冷然傲岸、寡言淡情,這人從頭到尾都是一張波瀾不驚的面癱臉,台詞雖少,但缺了言語和表情的演出來強化,要如何展現出原劇情的張力及進一步塑造人物的層次,又何止是一個難字了得,是難得不行不行了。 不過也不失為一個精進自己的機會,且古裝和武俠一直都是自己所嚮往的憧憬。 其實角色面癱臉難演也就罷了,可偏偏找來共同策劃的新編劇是寫言情出身的熱門作家,劇本沒編過幾本,現言古言奇幻羅曼倒是賣得可贏了,因此劇本厚得跟小說似的,還動不動附註好幾來句並不用如此鉅細靡遺的心理活動。 諸如他似笑非笑地回眸一看,還是眼神冰冷如寒霜吹雪咻咻咻、偶爾又要有一雙如止水中閃爍著微不可見的火光的眼睛,接著身上穿的亦不能倖免,馮建宇掐指算了算,霸氣側漏的衣袂飄飄大概攏總出現了二十七次⋯⋯⋯到底是哪來的風啊? 這些都不計較,到底還算拿捏出了一個方向,只是唯一這最末的一場戲,怎麼演都覺得不順心。 這幕是在講閤主多年惺惺相惜的對手兼摯友將侯,在敗役後被俘身受重傷生死一線,他日夜兼程趕去營救時,卻只迎來一面蒼白的降旗,和草席裹起的冰冷屍體⋯⋯劇本上是這麼寫的: 「沈沅低下身於屍身旁不發一語。荒野上的風將他的鬢髮吹得有些凌亂,但他的身形卻紋絲未動地恍若靜止。沉默著好一會,沈沅站起身、抽出佩劍,將劍插入席邊的土壤之中,便負手離去。」 對這小說式敘述的劇本他已是見怪不怪,但卻覺得有點彆扭,彆扭的原因居然是前半部浮濫連篇的什麼眼神深幽眉梢一動薄唇緊抿等等,在這更應該大書特書的地方,卻突然有默契的通通消失不見,讓他有點難以適應的自個兒捉摸著面癱的心靈劇場,納悶求解他的心理陰影面積。 「我覺著吧,這兒肯定是殺氣騰騰的,看那將軍死得這麼蹊蹺,閤主必然是要去腥風血雨一場。」經紀人說的振振有辭。 「要去幹一場他幹麼丟劍,又不是蠢,這裡根本就是赤果果的表白啊,你死了就讓我的劍陪你一起,從此再沒有人值得讓閤主出劍了,所以我說這裡必須深情、必須絕望、必須生無可戀,要多悲慘有多悲慘,好讓妹子們齊齊噴淚。」化助妹子滿臉不屑的反駁經紀人,表情就像是在說你這不爭氣的東西敢情是沒談過戀愛吧。 「你以為在拍愛情小說啊?他們那是肝膽相照的哥們,江湖的英雄人物自然是要為兄弟拋頭顱灑熱血,劍丟了一把又沒啥,敢情他閣主還會缺硬體設備嗎?拜託妳眼睛的愛心泡泡收斂些好嘛,別總看見黑影就開槍。」經紀人不甘心的回嘴道。 「噯我說你這人怎麼說話的呢……」 「大宇老師你幫我評評理,他這麼說是不是過分了」 「行行行妳說過分就過分,總揪著這些沒完還要不要看劇本了」 「怎麼又我啦到底是誰先出的意見又不讓人說話……」 馮建宇無奈的擺了擺手示意休戰,殊不知卻只是將矛頭轉向了自己。 「……大宇老師你說吧!你覺得閣主是怎麼想的?」這最近才進工作室的化妝助理,剛從學校畢業沒多久,正是年輕氣盛的時候,每每跟人意見不合就要開座談會,非得討論到服氣才甘心的那個軸勁實在是挺有趣的,曾經不久以前的自己似乎也是差不離的,馮建宇想著,只是不知道什麼時候卻漸漸收了,遇事也很容易就過去了,甚至有時候也覺著,固執著一件事情,其實是挺累人的。 經紀人無奈地看了一眼馮建宇,示意自己已經盡力了。 「嗯……這太深刻的場面我也實在沒什麼頭緒,不如妳先講講妳的?」俗話說情緒最好的緩衝就是抒發,讓她講一講興許風頭就過了。 不點則已,一點則燃。化妝助理開始鉅細靡遺的為他們理一理這部劇裡的情感鋪陳,閣主與將候那點說不清道不明的小情愫、國仇家恨世代背景如何的影響、曾經的滄海到了如今多麼地難為水,根本是來了場旱季等等……言談發表之憤慨昂然,讓經紀人和馮建宇思想又到了新的一個懵度。 「聽妳這麼一講,我簡直就要懷疑自己演的是部愛情連續劇了。」馮建宇說。 「而且你最後還守了寡。」經紀人附和道,被馮建宇狠狠一瞪。 化助妹子又開始不樂意了,直逼著問馮建宇。「那老師你覺得要是你,這輩子最交心、深刻的朋友,若是遇上了同樣的處境,你丟下這把劍又是為什麼呢?」 馮建宇低眼默了片刻,訕訕笑道:「大概是想著上次對打的比數還沒拉平這人就先撤了,實在是虧慘了吧。」 北上的列車上,一路鬧笑哄哄地,為疲憊的路程增添了不少樂趣,也讓馮建宇心裡所丟落的聲音,那些忽弱忽大的喧囂,也逐漸地被覆蓋了過去。 『如果發生什麼事,我一定第一個擋在他的前面。』 『你懂什麼叫冥冥中注定的事嗎?』 『說了多少回,不讓你幹這個……』 在記憶中,最簡單的是回想,難的則是忘掉。
04. ​ 不更了,就這樣吧。 江湖有緣再見。 ​
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mamo-untitled-documents · 2 years ago
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耳に入る/全てのことは/メッセージ
最近は、みどりさんと桃子のことばかりを考えている。こういうとき、みどりさんだったらどうやって行動するだろう?桃子だったら?ちなみに、みどりさんと桃子というのは架空の人物で、私の心の住人である。ここまで書くと「…大丈夫そ?」と案じられそうだけれども、生まれてこれまで空想を栄養源として生きてきたのでおおよそ問題はありません。二人とも今の私にとって、とても大切な存在。ただし桃子は今、壁にぶつかっている。桃子がこれからどのようにその壁を乗り越えていくのかを見守っていきたい。
先日、ついにペーパードライバーズ講習を受けてきた。約10年ぶりの運転。かなり心配だったけれども、講師の方が的確なアドバイスをくださったので、心強かった。やはりはじめは、視線をどこに置いたらいいのかがわからない。そして、びっくりするほど体は素直で、視線や意識によってハンドルを自然と動かしてしまう。センターラインを見ていたら中央に寄りがちになり運転がフラフラしてしまう。左に走る自転車を気にしていたら、右寄りに走ってしまう。逆に、曲がる際に、「曲がる」ということしか意識していないと、うまく曲がれなかったり、曲がったのちの運転が不安定になる。そこで先生からは、「行きたい先を見ていない!」と言われた。あらゆる情報が視界に広がるから俯瞰して景色を見て、そこから必要ない情報は省いていって。そして行きたい先をしっかり見る。本気でそこに向かいたいと思う。でないと辿り着けない。センターラインを見るのは指標が欲しいから。でも情報の優先順位をつけると、行きたい先のよりもセンターラインの優先度は低いから意識しすぎない。ひとつひとつ言われたことに納得しながら90分みっちり運転したら最後には「かなりいい運転になりましたね」と褒めていただいた。運転、楽しい。もっと運転したい。
さて、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」の歌詞『目に映る 全てのことは メッセージ』よろしく、わたしは人の話や出来事から人生訓を見出しがちである。メタファー大好き。考えすぎ、と言われがちだが、ライフワークだから仕方がない。歩く訓示リサーチャーである。ということで、先の先生の言葉「行きたい先に本気で行きたいと思わないとダメです」「指標が欲しいからセンターラインを見る」という言葉に反応する。ありたい姿、行きたいところを想像せずに、信じずに、願わずにいたらそりゃ叶うもんも叶わんわな、と。ともすればゴールは漠然としか想像せず、その道すがらの苦労や道のりの険しさを勝手に想像して案じがち。手前のことに夢中になってしまう!しかも大体は不安が胸を占める。そして、大丈夫だよ、という指標が欲しくて占いを見まくる。全世界にウン万人いるであろう天秤座にむけて書かれたメッセージはどれほど自分の運勢に当てはまるのか?人間って意外と自分の状況に当てはまるところだけを抜き出して、都合よく解釈しがちなので、そりゃ「当たってる」と感じてしまうだろうが、そもそもはウン万人宛のメッセージ。わたし用にカスタマイズされているものではない。ってことはわかっているんだけどね〜読んじゃう、占い。閑話休題。とにもかくにも先生の言葉は、運転だけでなく人生においても痛いところを突かれたな〜と思いながら心にしまわせていただく。
そんなクレバーでお話の上手な先生、ここまでの話だと人格者の様であるが、運転の指導以外はとにかく私語が多い。よく喋る。先生の人生観から始まり、生徒の方々の赤裸々な恋愛事情(前日に指導した四十代初めの女性は不倫中で、彼とのセックスライフが楽しくて仕方がない。授業の後もラブホへ直行したらしい。ちなみに相手の男性は奥さん公認の上での不倫状態/若いイケメンの生徒はある程度財力もあるのになぜか3ヶ月頃に振られる。デートのたびに彼女のことを褒めまくるし自分の欠点がわからないと嘆く/東大教授のアメリカ赴任に伴う別れ話騒動)云々。しまいには「良い避妊方法知ってますか?相談を受けていて」と聞かれる。このあたりから下ネタ祭りが始まり男性は本能的にセクシーなものに反応しがち、というくだりで「確かに、かつて付き合ってた人も豊満なバストの人がいたら目で追っていました」と話したら、頷きながらも「でも僕は胸よりもお尻派だな」とコメントをいただく。そうですか。それは知りませんでした。かくかくしかじか、90分でだいぶ先生の周辺情報を仕入れてしまった。下ネタ大好き、浮いた話大好き、そのほか、奥さんは仕事人間で仕事以外に関心がない(生きる視野が狭い)、娘さんがいる、社会系YouTubeを結構見る。まるでかなり濃い深夜ラジオ(地下電波)を聴いているようだった。そして、先生の話はこうしてブログのネタにさせていただきました。勝手にすみません。でもこんな面白い出来事は書かずにはいられないよ。
ここまでくると、前半の人生訓は信じて良いものなのかしら〜とも感じられるけれども、的を得ているし、是々非々ということで、とりあえず良い考え方をいただきました、ということにしておこう。しかし相手を選んで話しているとは思うが、この時代ではかなりスレスレな内容である。何よりも生徒さんたちのキャラの濃さに驚く。
下ネタはあんまり聞きたくないけど、キャラの濃い人たちの話をもう少し聞きたいのでまた受講しようかと思う。高速実習の時に変な下ネタとか炸裂しないといいな。
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k1kawa · 2 years ago
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ考察④ キャラクター別考察その1 ヌードルスについて❶
 ここからキャラ別に色々考えていきます。初めは主人公ヌードルスから。
ご注意!
女性へのレイプといった暴力行為を話題に出しています
キャラクターをけちょんけちょんにしています
殺人に対する行動の早さを褒めてたり、主人公以前に筆者の倫理観もずれています
 ヌードルス、本名デイビッド・アーロンソンというキャラクターは私にとってかなり不思議に映ります。暴力的だし人を殺すし女性をレイプするし、最終的には密告によって意図ではないとはいえ友人たちを死に至らしめる……あれ、クズだな? でも嫌いになれないどころか実際に交流したら気に入ってしまうんだろうなぁと何となく思います。個人的にね。なのでその点を掘り下げていくのが議題その1 ということで。
・映画本編から推測するヌードルスのいいところ
 本編の初めの方で、阿片窟から中国系の店員に逃がされるシーンがあります。私は初見のとき「え、逃がしてくれるんだ?!」と思ったのを覚えています。だってはっきり言って、中国系の彼らにヌードルスを庇うメリットはありません。葬儀屋が彼を除いて全滅したのは新聞でニューヨーク中に広まったでしょうし、追われていることからヌードルスはもうニューヨークを出なければいけない。端的に述べてヌードルスはもう落ち目です。むしろ差し出して恩を売った方がいいです。私ならそうします(生き意地汚いの���)。じゃあ助ける理由とは? これはもう中国系の彼らにとってヌードルスには何らかの恩があった、という背景があったと考えていいでしょう。アメリカにおいて中国系はマイノリティで迫害に晒されていたのは言うまでもなく、さらに中国には恩を返すことこそ至上、という文化があります。そう考えると中国系店員たちの行動は何ら不自然ではないのです。
→ ヌードルスは人種で(少なくとも中国系は)人を虐げない
 次にモー。彼はヌードルスの居場所を吐いた張本人ですが、よく考えてください。吐く前にもうすでに痛々しいくらいボコボコにされています。音声解説でも「この映画で一番痛いシーン」と言っていましたね。モーが吐いたのはイヴが殺されたのを知り銃口を口に突きつけられたとき。つまり強く命の危険を感じたからです。拷問に耐えかねたのではなく、死にたくないので吐かざるを得なかったのです。私なら銃を突きつけられる前にゲロります(痛いの嫌なので)。ここでモーから、たとえ半殺しにされても仲間(ヌードルス)は売らないという熱い心が読み取れますね。
 そしてヌードルスがやってきます。たぶんさらば禁酒法パーティ以来の再会。すなわち他の仲間がヌードルスの密告のせいで死んだあと。ですがモーに彼を責める様子はありません(モーの立場と性格もあるのでしょうが)。たとえ向こうが「じゃあ俺共同基金もらって逃げるから」宣言してもです。モーはわかっているのです。ヌードルスが決して私利私欲のために仲間を売ったわけではないのだと。もちろんそう思わせる背景にはマックスが計画していた連邦準備銀行襲撃があったのでしょう。
→ 仲間から厚い信頼がある
 まだ青年期です。宣言通りヌードルスは共同基金をロッカーから頂戴しようとします。でも中身は古新聞。個人的な話ですが、初見のときこのシーンが何なのかまるでわからなかったのですよね。二周目で理解しました。だってヌードルスがあまりにも冷静なんですもん。100万ドルはあったはずの中身が古新聞にすり替わってる、わけがわからなすぎてもうちょっとわかりやすいくらい動揺してくれてもいいんじゃないか、と私は思いますがヌードルスはそんなの時間の無駄で、今は逃げなければ危ういと理解しているので冷静にニューヨークを発つのです。
 遡りますが、逃亡中モーの店に行ったヌードルスは、入った時点で追手がいるであろうと考え、確認もしていない敵を罠にはめて殺害。持ち前の機転と冷静さがもたらした結果です。
→ 冷静さを失わない
 35年ぶりの友人に随分厚かましいな、と思わせる老年期はとばして少年期に入ります。人の店でトイレタイム邪魔するわ料理はひっくり返させるわ傍若無人の少年ヌードルスくん。……老年期と合わせて考えると結構厚かましいなこの人。でも許してしまう魅力というか、茶目っ気があったんでしょうね。閑話休題。ここで登場する少年時代の仲間、パッツィーとコックアイ、そしてドミニク。前の二人の生年を鑑みて同年代と思われますが、どう見てもリーダーとして扱われているのはヌードルス。バグジーからの報酬で一ドルかカツアゲかを選ぶのも彼なのですよね。
 話を進めてアパートのシーン。「親父は祈るだけ。お袋は泣き通し。電気も止められた。家に帰る理由なんてない」という台詞があります。この発言からヌードルスの家族、アーロンソン家はかなり困窮している、ということがわかります。彼の言う両親の様子を鑑みるに、下手したらアーロンソン家の一番の稼ぎ頭は子どもであるはずのヌードルスだったという可能性も浮上します。13〜15才と推測できる子どもが家族を養うだけの稼ぎを得るには、それこそ非合法な仕事に手を出さざるを得ません。まあ割には楽しそうなので性には合っていたのでしょう。以上を踏まえてグループのリーダーを務め、おそらく家族を養っていた背景が垣間見られます。
→ 責任感があり、引っ張る力がある
 少しとんで、バグジーの支配に見切りをつけ新しい商売相手を探して営業中のヌードルスとマックスたち。彼らの売り込みポイントは、海に捨てた酒の回収方法。あらかじめ酒の入った箱にウキと塩をつけるというもの。マックスの発言からして発案したのはヌードルス。そもそもヌードルスというちょっと変わったあだ名には脳みそいっぱい詰まったやつ、つまり切れ者の意が込められています。原作の『The Hoods』のヌードルスも、進学しないのを校長に惜しまれるほど成績が優秀だったと描写されています。このあだ名が変わっていないのはそういうことなのでしょう。読書家の一面も見せていますしね。
→ あだ名になるほど頭がいい
 一端の稼ぎを得たヌードルスたち。我がもの顔で街を闊歩します。しかしそれも束の間、彼らはバグジーの強襲を受けました。その凶弾で犠牲になった一番の年少だったドミニク。傷ついた彼を、危険を顧みず陰に引っ張ったのはヌードルスでした(一番近かったのはあるでしょうが)。ドミニクはヌードルスの腕の中息を引き取ります。それでもなお少年たちの命を狙うバグジー。ここ、初見だと激情に駆られたヌードルスが怒りのままバグジーを刺した、という見方にどうしてもなりがちかと思われます。しかしこのシーンを一個のカットも見逃さず見ると、そうではないとわかります。バグジーがゆっくり歩き、それを注視するパッツィー。ですがバグジーは数歩戻り、不気味な笑みを見せます。それを見て逃げ出すパッツィー。この通り、ドミニクの次に��さいパッツィーをロックオンしたバグジー、という描写なのです。実際それに気づいたマックスが動き出しています。けれども一歩早く動き、パッツィーの危機を救ったのはヌードルスだったのです。といってもぶすぶす刺してる間に冷静さを失い、何も悪くない警官まで刺してしまいますが……。
→ いざという時は誰かのために動ける
 懲役12年を過ぎて青年期です! ここら辺は前のシーンで示されたヌードルスのいいとこの復習みたいなものなので読み飛ばしても無問題です。まず12年ぶりに顔を合わせたのにマックスだと一目でわかったこと。パッツィー、コックアイはマックスの一言が寄せられていましたが、ヌードルスの様子を見るに一目でわかったのでしょう。実際髪の色や体格がだいぶ変わったペギーのこともわかりました。もはやこれは記憶力はもちろん頭の回転が早いと言えますね。ヌードルスのあだ名は伊達じゃない。
 次にジョー始末のシーン。超個人的ですがここのヌードルスが私は一番好きです。あとの場面でわかりますが、ジョーが撃たれた時点でヌードルスは作戦の概要を知らないのです。戸惑った表情こそ見せましたが、一人逃げたとわかると彼は何も言わず銃を持って飛び出し、始末しました。聞かされていないのにこの機転の良さは素直に憧れます。その後のマックスへの説得も、シンプルながらも仲間を思う強さも伺わせます。
とりあえずここら辺でまとめますと、
・ヌードルスは人種で(少なくとも中国系は)人を虐げない
・仲間から厚い信頼がある
・冷静さを失わない
・責任感があり、引っ張る力がある
・あだ名になるほど頭がいい
・いざという時は誰かのために動ける
・機転が良い
・仲間思い
 といった感じです。いいやつに見えてきたな……? そんなことはないのでこれより「ここを直せヌードルス」の項目に移ろうと考えていましたが予想以上に長くなってしまいました。別に私ヌードルスくんのポジティブキャンペーンしようと思ってこの記事書き始めたわけじゃないのに……というわけで❷に続きます。
 
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smapwpgas · 2 years ago
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Q.それで結局何が悪いの? A.なんかもう全部
放サモってなんなんだろうな…という怒りと憎しみを越えた諦めから来る無力感に支配されてたけど 沈黙から学びが生まれることはないので自分の知る限りかつわかりやすいよう「LGBT向け」を公式自ら名乗ってることにちなんでとりあえず4つと+に分けてキレた。 誤った情報や適切ではない言葉選びなどが含まれていた場合は指摘を貰えれば反映します。
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最初から結論 以下の内容は「ゲームの内容をこう変えるべきだ」というよりも「もういい加減誰も信じてない嘘つくのやめたら?」という気持ちで書いていて、 辛辣な表現で悪いんだけど「女キャラ・ガリ体型・他諸々…いらん」(実際はもっと乱暴なものも含む色々な意見が出てるけどざっくりとわかりやすいものをピックアップ)みたいなことを言う人は 「(上辺で自称している『多様性を尊重したゲーム』という自称を)わかってない」のではなく逆に 「(自称が中身に釣り合っていなくて実際は『ゲイ向けに特化した上に極めて視野の狭いゲーム』なのを)わかってる」んじゃねえかな…という気持ち
L Q.それで結局何が悪いの? A.なんかもう全部
個人的な意見としては「最悪数が少なくても女キャラを作るだけ作って手抜きのまま放置ならまだマシ」だったんだけど 女キャラが片っ端から公式二次問わず男とつがいにされた上にそれに対してTwitterの公式ハッシュタグやwikiにいるような連中が バカの一つ覚えでタヨーセーカノーセーを言い訳にしてるのを見てると誠意の無さもいい加減にしろよという感情がモリモリと溢れ出てきましたね… 「アニメ化するなら主人公はタイプ2じゃないとダメだよね」(?????)(なんで?)(意味わからん)(信者を装ったアンチやめろ)と 「自由な愛」や「多様性」云々を同じ口で言ってる人が一人でもいるならファンコミュニティごと火に包まれる必要があるし、 女キャラ可愛いって言っただけで自分がヘテロ男扱いされたことは絶対に許さないと今でも思ってる。*
*https://privatter.net/p/3641425ここ参照
【掘り下げのコーナー】
「同性を愛す��自由」における男女間での不均衡 ちゃんと書くと長くなったので誇張してわかりやすく言うと、 今よりも男女の格差が顕著だった「男と結婚させて家と家をつなぐための手駒でしかない女が勉強したいだの立派な仕事で働きたいだなんてとんでもない」という時代では 男性は未婚を指さされることこそあれ独立できるけど女性はできず、その格差は小さくなっただけで今も続いていて、 おまけに「女性を愛する女性」を「異性愛という正義によって成敗して男根*の下に跪かせなければならない悪、もしくは未熟で不完全な存在」と 認識している連中は世界中に掃いて捨てるほどいるのに自称LGBT向けゲームまでそれに加担するなという話。
*性的指向の認知・脱スティグマ化・法律やサービスの対応などの不便の解消という目標だけを見た場合男女間で際立った差異はなくても、 今よりも男女の格差が顕著な「男だけが働き女は男に養われるしかない」という女性を自己決定権を持った一人の人間として認めない価値観かつ 同性愛(同性愛者)が「暴かれれば殺されることを心配しなければならない程ではないが、性的指向のような『どちらが正しい』という判断をされないを基準で認知される程の進歩もしていない」扱いの社会で当事者に向けられる目を男性と女性で比べた場合、 社会に順応している男性の同性愛は「男らしさ」規範の権力構造において「男らしさ(強い性欲)による逸脱」「まだ女を獲得せず遊びに耽っている」として下位に置かれるが、 一方で「男性と結婚させるための『もの』」である女性は所有者を拒絶する「度が過ぎた権利を求める」「生意気な」存在として扱われるということ。
**男根という言葉そのものが生殖器にすぎない陰茎を「生まれつきの男だけが持ちうる特権の象徴」に変換していることの意味も含めてあえてこの表現を使っています
♡怒りと憎しみのおまけ♡
コンバージョンセラピーについて 実態は知らないけど「俺のチンポで治してあげるよ〜グヒヒ」をする気にならないからなのか、 主に男性を対象に科学的に(ここ失笑ポイント)同性愛を「治してあげる」治療は未だに世界のあちこちで起こっていて、 中には拷問に等しい行為によって直接的・間接的に人を殺している場合もある。 って本とかニュースサイトに書いてあったから気になったら探して読んで(さっき失笑って言ったけど笑えないわこれ)
何が何でも自由と唱えるのは本末転倒 タヨーセーカノーセーを万能の言い訳として唱えるのは誤り。 ただしこの意味は「ジェンダー・アイデンティティやセクシュアリティの流動性は否定されるべき」ではなく 「流動性を多数派が少数派を弾圧し、萎縮させ、口を塞ぎ、最終的には″異常なもの″から″ノーマル″に改宗させる、もしくは改宗させられると主張するための武器として使うことは看過できない」ということ。 G Q.さすがにこれは大丈夫でしょ? A.そうでもない
まずは過去作を読み解く
※同人時代の作風をジャッジするわけではないしむしろ好きなんだけど 当時でも結構今見ると尚更同性愛嫌悪の内面化がすごくない!?ってなってしまうところはあるので にわかが口出ししてるわけではなくUFアペンドから追っかけてた人間の意見であることだけ理解して
同人時代 四畳半頻出表現である「(実際には「日本の伝統」に乗っかった文脈で盛り込まれているものもあるにも関わらず)ゲイ・アイデンティティを象徴する コミュニティや文化と接続することを拒否し、あくまでも同性に対して性欲や恋愛感情を抱く機能を持って生まれただけとすること」 という概念の説明を毎回すると冗長なので仮に「生理的ゲイセクシュアリティ」と呼びます。*
*実際に論じられている概念である「機会的同性愛」も参照するとよい
「コミュニティへの帰属を意味するアイデンティティ」としてのゲイセクシュアリティって過去作においてほぼ出てこないしぼんやりとしか描写されなかったよね???という疑問がまずあって、 ついでに出てきても陰と陽で言うと圧倒的に「陰」の性行為をするためだけの集まり(生理的ゲイセクシュアリティとしての欲望の捌け口)になっていて、 対極の「それ自体が性的興奮を目的としないからこそ商品価値としての『男らしさ』規範から逸脱する女性ジェンダーを想起させるようなネタも内輪のおふざけとして共有できる、もしくはそれ抜きでも普段の生活で言えないことを話すだけの『陽』のコミュニケーションの場」が出てこないよね? ってとこまで書いてなんか人の生い立ちに首突っ込んでる感じで申し訳なくなってきたな…という感じで田舎だからそれがリアルなのかもしれないけど、 言動から推測するに同人時代の作品の主人公は大抵同性愛者の権利を訴えるような活動に対しては賛同するよりも余計な波風を立てる連中として扱って顔をしかめるようなタイプじゃないかと思う。 当たり前みたいに性的指向を偽って結婚して子供作って…みたいな話するし。相手の迷惑も考えるべきでは?(クソリプ) あえて雑な表現をすると「敏感な人」と「鈍感な人」の「鈍感な人」しか出てこない世界の話という印象。 「ゲイとしてアイデンティティを自覚している連中は汚れてて邪悪だけど『偶然』男同士で愛し合ってしまっただけの自分たちの関係は清らかで純粋なもの」 という00年代に百合のオタクが嫌というほど苦しめられた「百合と『レズ』論争」のような非当事者目線の偏見ありきの傲慢なカテゴライズと同じようなことを当事者がやってしまっているという地獄。 実際お互いの合意が暗黙のうちでも取れている愛情や欲望のぶつけ合いではなく 連帯のためにホモフォビックな感情や表現を共有したがるホモソしぐさ*を挟んだわりと最悪な部類の♂♂表現も挙げればキリがないくらいあるし…
*「手を繋ぐ程度で留めるのが百合でキスをしたら『レズ』」とかいうアホの寝言。今やこんな言葉を投げつける場所もなくなってきている。
**ホモソーシャルしぐさの略。同性愛嫌悪や「男らしくない」ことを指差して嘲るような認識を共有して連帯意識を高めようとするみっともない行動のこと。
【関係あるつもりで書いたけど読み直したらあんま関係ないわのコーナー】
過去の価値観による同性愛の抑圧、逃げや裏切りとされるような行為が描かれる物語の「仕方なさ」は舞台となる時代の移り変わりとともに免責されなくなる、 という話で「『キャロル』*も2020年を舞台に同じことやったらただの浮気」って言おうとしたけどこれといって使う場所がなかった。
*パトリシア・ハイスミスが1952年に偽名で出版した小説″Price of Salt″およびその映画化。 貧乏なデパート店員のテレーズと女性を愛する女性であることを隠して裕福な夫に乞われるまま結婚した有閑マダム(死語)のキャロルが出会い意気投合。 旅行なんか行っちゃった末にしっぽりしたら普通にバレてキャロルは離婚、テレーズとも離れることになるが 手に職をつけて自立したことでなんかいい感じになって再び寄り添うという話。ロマンチックなムードのの話ではないが、 当時は同性愛者が悲劇的な結末を迎えない貴重な小説ということでゲイの男性からも熱い感想が寄せられたって文庫の解説に書いてあった。
F彼 F彼だと同人時代の作品と打って変わってメッセージは「自分の思いを『気持ち悪い』と笑い飛ばす同性愛嫌悪の同調圧力に屈するな」だから 「僕」側の生き方を当たり前としていた作風からアップデートしたんだなっての含めて当時は感動してたんだけど 放サモのコラボイベだと「自分の気持ちに素直になろう(キラキラ)」みたいに変に漂白された上に 「世界は自分の気持ち一つで変わる」みたいなメッセージになっててでもそれって穿った目で見ると 「世界のあり方に殺される心配がない黙ってさえいればそのまま生きていける社会的強者(になりすませる)クロゼットシスゲイ男性が 社会の方を変えようとしてる他のマイノリティの口を意図的であることを悟られずに塞ぐしぐさ」じゃないかな…という気持ち
放サモ 放サモはおそらく「セクシュアルマイノリティを包括的に扱う」というコンセプトでシステムやシナリオを組み立てるにあたって 全く本を読んだり当事者にヒアリングしたりせず「自分はゲイ当事者だからわかる」の一点張りだけで作ったせいで、 スルトがハーロットの自分語りに対して「それってあなたの感想ですよね」みたいなこと言ったアレとかから漂う 他者(主に女性関連)の生きづらさへの無関心さがモロに出たんだろうなって印象。 ウテナで例えると「心の中は自由」と言いながら学園に留まることを強制してるようなもんでしょって話でわかりやすいのが散々キレた海底都市*なんだなって…
*https://privatter.net/p/5516859ここでキレたから読んでね B Q.聞く必要ある? A.答える必要もない
「異性への欲求と同性への欲求が対等なバイセクシャリティ表現のお手本」みたいなものが特に思い浮かぶわけじゃないけど、 大体「性別を問わず恋愛できる」と言われるようなゲームは性別選択制・ヘテロ前提であることも込みで対象になるキャラの男女比はほぼ1:1に近いはず。 放サモに関しては今更数えるまでもないですよねというのと数が偏ってるにしても「男も女も大歓迎」みたいなスタンスも主人公には気配すらないどころか、 他のキャラもごくごく少数で基本としては「自分たちor清く正しいヘテロ様(ノンケフェチのために女キャラを雑にあてがわれた男)」みたいなノリでむしろ積極的に分断・分離したものとして扱ってる印象すらある。 というか普通に女キャラも好きな人が本人の性別問わず一番割食ってる気がするから100%ヘテロ自認の男性に至っては数少ない♀のケモに惹かれてないとやる理由ないんだよな…
T Q.T要素ある? A.ゼロではないんだけどこれを「ある」とは言いたくねえな
「『性自認』が選べる」はトランスインクルーシブではない(とシスジェンダー視点で思う)
※不勉強を通り越して無勉強だったんで知らなかったけど「性自認」という表現は「本人が言ってるだけ」みたいなイメージがつくのを避けるために使わない方が良いという話があった ※当事者じゃないので当然実際にトランスの人たちがゲームをプレイする際の選択の傾向は知らん(事前に調べたりしてなかったのは自分の落ち度)
主人公と自分の表現するジェンダーを一致させる、もしくは望んだ(シスジェンダーと別物として区別されない)姿になるのが目的なのであれば 男女で区切られたジェンダー・アイデンティティを持つ人にとっては他のゲームと同じく性別が選べるだけでいいはずで、 逆にトランス男性・女性であることをアイデンティティとして表現する選択肢を設けるのであれば、 必要なのは「性自認」が選択できることではなく主人公にその背景を盛り込めるようにすることなんじゃないかと思う。
公式サイトでは「男の娘」や「男装の麗人」という「本来の性別」とは異なる服装をしている設定と取れる表現がされていて、 カスタマイズできるのが「性自認」である以上、表現している性別と「性自認」が異なる設定は 「服装によって性別違和を解消するトランス男性・女性」でも「性別違和を抑圧して出生時に登録された性別として振る舞っているクロゼットのトランス男性・女性」でもなく 「シスジェンダーの異性装者」のみを指しているとしか解釈できないはず。 あと今更具体的に設定が盛り込まれたキャラを出したところで異性装者であるタローマティすら持て余してる作り手にかかれば ただのお飾りになるだろうしwikiの掲示板にいるような連中がキャラを指差して男!とか女!とかはしゃいでるのを見て舌打ちするのが見えてるからこれ以上クソの上塗りはやめてほしいという意味でどうでもいい。
ノンバイナリーに関しては一応「性自認」の選択肢が機能しているけど結局デザインがジェンダー規範ゴリッゴリの趣だから水着に突っ込みが入るのも当たり前だろだと思いました。 公式が言い出したことを鵜呑みにして突っ込みを入れた人たちはその意味では悪くないよ… というかアルクの水着では本人の意思で体を隠しているしナタは性別代名詞が出てきてないけど明らかに男女の型にはまることを拒��した服装できてるじゃん?
結論:言ってることとやってることが180度違う公式が100000000%悪い
おまけ
都合良く持ち出される「虹」モチーフ&プライドマンスに何かやれや問題 何かにつけ放サモで使われている虹のモチーフについてまさか説明いる人いる?と無駄に上から目線になっても意味がないので説明すると 「性(性的指向とジェンダー・アイデンティティ)の多様性の象徴」として広く使われているシンボルで、 6月はプライドマンスとしてイベントが開催されたり企業がロゴやアイコンをプライドフラッグの色にしたり虹をモチーフにした画像を投稿して支持や連帯を示している。
それではここでクエスチョン! 放サモのアプリとしての紹介とLWのコーポレートサイト以外でLGBTがどうこう言ってるの見たことある? 私はないです。 当然LGBTという言葉やプライドフラッグに頼らずに人の在り方の多様性を尊重することはできるけど、 そもそもこのゲームLGBT向けって言ってるけど 言ってる本人がゲイと自称ゲイではない♂ケモ好き男性と廃課金パフォーマンスのために金を出してくれる同性愛嫌悪と異性愛規範が大好きドヘテロ女性様以外の方を向いてないんだわ…
ゲイ、Aロマ踏みがち問題 やっほ~!LGBTQAのA*の人だよ!ヨロシク!
*ググれとだけ言いたかったけどこういうの知らない人wikiの掲示板にいるような連中はアホアホフィルターでトンデモ解釈しそうだから 「Aセクは性的な行為への欲求、Aロマは恋愛的な欲求というか相手にぶつけたい感情が湧き上がってこない人」ということだけ理解して後はググれ
そもそもが相容れないスタンス(恋愛ネタウザみたいなことをあんまり言うと逆にゲイを抑圧してしまうけどそこに目がいってないゲイが「恋をしたことのない人はいません」みたいなクソデカ言葉でAロマを踏みがち)だから バレイベは基本的に苦痛なのがある意味当たり前なんだけど最初のバレパニは「恋愛感情とグラデーションになっている憧れ」がメインテーマだったから楽しく読めた反面、 それ以降は疎外感がすごいから無条件になんでも持ち上げる人たちが言うような多様性があるなら少しはGGGG以外にも目を向けてもいいんじゃないですかね?
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chiefbelieverllama · 2 years ago
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咖啡種類 說說世界上知名的咖啡2
8.貴婦人咖啡
此種咖啡是由貴夫人蘭妮所發明。 咖啡溶入牛奶中的感覺,就像貴夫人雍容華貴的氣質。 原則上是以二分之一的咖啡加二分之一的牛奶混合起來喝的,但也可以隨個人喜好自行調整比例。 如果喜歡的話甚至不妨加入一兩滴白蘭地或威士卡增加香味。
9.維也納咖啡
維也納咖啡源於奧地利,是咖啡、鮮奶油和糖的組合。 喝的時候上面是濃香的冰奶油,中間有純正的咖啡,喝到底下,甜蜜的糖漿入口,可以享受充分三段式的變化口味。 做法:咖啡杯先以滾水燙過,再加入方糖或冰糖,倒入熱咖啡,后在咖啡面上加上已打好發泡的鮮奶油。 注意事項:咖啡應較平常飲用時稍濃,或買深培咖啡豆。
春藥 春藥效果 春藥副作用 春藥哪裡買 春藥是什麼 春藥成分 媚藥 乖乖水 春藥坊 催情迷幻催情 外用春藥 日本春藥 RUSH 壯陽助勃  老中醫
  10.越南咖啡
這是使用改良式越南壺,以滴漏式來萃取純正之越南咖啡豆。 而且越南咖啡豆之大特色是以特殊奶油烘焙而成,故會有濃郁的熱帶咖啡包裹著濃濃的奶油香味。
11.巧克力咖啡(Chocolate Coffee)
有人說巧克力和咖啡是天生的絕妙搭擋。 其特點就是在於巧克力溶入咖啡后���神奇味道,比各自單一入 口要細緻美妙,不僅可以調和咖啡的苦味,更可補充熱量。 現在,巧克力咖啡己成為歐洲人上山滑雪時愛的熱飲。
12.熱帶風格咖啡
熱咖啡中加入萊姆酒點燃,便可一方面向受到熱帶國家情調,一方面啜飲散發萊姆酒芳香的咖啡。 萊姆酒是以甘蔗中分析出來的蜜糖為原料所作成的蒸餾酒,其味道的醇原分重型、中型與輕型三種,此處是利用風味較淡的萊姆酒來調製。 將熱咖啡注入盛放砂糖的杯中,以便砂糖溶化后倒入萊姆酒與薄切的檸檬片,接著點燃,享受火焰所表現的情趣,當酒精燒完後便可啜飲散發萊姆芳香的咖啡。 由於萊姆酒要作為點火之用,因此必須輕輕倒在咖啡表面。 雖然能散發出火焰,但周圍光線若過於明亮,將會減少效果。 因此應與喝黃金咖啡般,將房間內的燈都關掉再點燃。
  13.冰咖啡
沖泡簡單容易的冰咖啡,擁有一種獨特的魅力,讓人無法抗拒。 方法很簡單:在沖泡咖啡注入沸騰是會後,還要在爐火上加熱幾次,這樣就可以使咖啡中的苦味消失。 還會有一種刺激的味道。 咖啡的顏色也會變深。 從而產生冰咖啡獨特的清爽風味。
14.歐雷咖啡
韓國奇力片  鱷魚增大軟膏  黑馬Dark Hors  美國BIG PENIS 孟婆湯  極樂水 Hulk綠巨人 RISE防爆玩家 英國Golden拳交 美國增大丸 黃金瑪卡 迷心醉 夢幻失身水
歐雷咖啡就是通常被人們用來作為早餐的法國式牛奶咖啡。 歐雷咖啡的沖泡法是以十公克的咖啡粉末,注入平常所需沸水份量的一半,在注入相同份量的熱牛奶。 若想如法國人般大量飲用,則按此比例增加份量即可。
  15.黑玫瑰咖啡
所謂黑玫瑰咖啡,便是旁邊裝飾一朵紅玫瑰的咖啡。 它具有一種能令人憶起豔麗美人的氣氛,也是適合作為正餐后的飲料。 吃完正餐回到起居室后,啜飲一杯帶有萊姆酒清爽氣味的黑玫瑰咖啡,將使你的休閑時間更具情調。 首先將冰塊置於杯中,接著倒入冰咖啡與糖汁拌勻,然後加入萊姆酒使浮於上層,再裝飾一朵深紅色玫瑰作為陪襯。 在注入萊姆酒實需緩慢進行,不可讓酒沉入底層,只要沿著杯緣輕輕注入,萊姆酒便能擴散浮於咖啡上層。 琥珀色的咖啡與萊姆酒互映,能形成一種迷人的色彩。
8.貴婦人咖啡
此種咖啡是由貴夫人蘭妮所發明。 咖啡溶入牛奶中的感覺,就像貴夫人雍容華貴的氣質。 原則上是以二分之一的咖啡加二分之一的牛奶混合起來喝的,但也可以隨個人喜好自行調整比例。 如果喜歡的話甚至不妨加入一兩滴白蘭地或威士卡增加香味。
9.維也納咖啡
維也納咖啡源於奧地利,是咖啡、鮮奶油和糖的組合。 喝的時候上面是濃香的冰奶油,中間有純正的咖啡,喝到底下,甜蜜的糖漿入口,可以享受充分三段式的變化口味。 做法:咖啡杯先以滾水燙過,再加入方糖或冰糖,倒入熱咖啡,后在咖啡面上加上已打好發泡的鮮奶油。 注意事項:咖啡應較平常飲用時稍濃,或買深培咖啡豆。
春藥 春藥效果 春藥副作用 春藥哪裡買 春藥是什麼 春藥成分 媚藥 乖乖水 春藥坊 催情迷幻催情 外用春藥 日本春藥 RUSH 壯陽助勃  老中醫
  10.越南咖啡
這是使用改良式越南壺,以滴漏式來萃取純正之越南咖啡豆。 而且越南咖啡豆之大特色是以特殊奶油烘焙而成,故會有濃郁的熱帶咖啡包裹著濃濃的奶油香味。
11.巧克力咖啡(Chocolate Coffee)
有人說巧克力和咖啡是天生的絕妙搭擋。 其特點就是在於巧克力溶入咖啡后的神奇味道,比各自單一入 口要細緻美妙,不僅可以調和咖啡的苦味,更可補充熱量。 現在,巧克力咖啡己成為歐洲人上山滑雪時愛的熱飲。
12.熱帶風格咖啡
熱咖啡中加入萊姆酒點燃,便可一方面向受到熱帶國家情調,一方面啜飲散發萊姆酒芳香的咖啡。 萊姆酒是以甘蔗中分析出來的蜜糖為原料所作成的蒸餾酒,其味道的醇原分重型、中型與輕型三種,此處是利用風味較淡的萊姆酒來調製。 將熱咖啡注入盛放砂糖的杯中,以便砂糖溶化后倒入萊姆酒與薄切的檸檬片,接著點燃,享受火焰所表現的情趣,當酒精燒完後便可啜飲散發萊姆芳香的咖啡。 由於萊姆酒要作為點火之用,因此必須輕輕倒在咖啡表面。 雖然能散發出火焰,但周圍光線若過於明亮,將會減少效果。 因此應與喝黃金咖啡般,將房間內的燈都關掉再點燃。
  13.冰咖啡
沖泡簡單容易的冰咖啡,擁有一種獨特的魅力,讓人無法抗拒。 方法很簡單:在沖泡咖啡注入沸騰是會後,還要在爐火上加熱幾次,這樣就可以使咖啡中的苦味消失。 還會有一種刺激的味道。 咖啡的顏色也會變深。 從而產生冰咖啡獨特的清爽風味。
14.歐雷咖啡
韓國奇力片  鱷魚增大軟膏  黑馬Dark Hors  美國BIG PENIS 孟婆湯  極樂水 Hulk綠巨人 RISE防爆玩家 英國Golden拳交 美國增大丸 黃金瑪卡 迷心醉 夢幻失身水
歐雷咖啡就是通常被人們用來作為早餐的法國式牛奶咖啡。 歐雷咖啡的沖泡法是以十公克的咖啡粉末,注入平常所需沸水份量的一半,在注入相同份量的熱牛奶。 若想如法國人般大量飲用,則按此比例增加份量即可。
  15.黑玫瑰咖啡
所謂黑玫瑰咖啡,便是旁邊裝飾一朵紅玫瑰的咖啡。 它具有一種能令人憶起豔麗美人的氣氛,也是適合作為正餐后的飲料。 吃完正餐回到起居室后,啜飲一杯帶有萊姆酒清爽氣味的黑玫瑰咖啡,將使你的休閑時間更具情調。 首先將冰塊置於杯中,接著倒入冰咖啡與糖汁拌勻,然後加入萊姆酒使浮於上層,再裝飾一朵深紅色玫瑰作為陪襯。 在注入萊姆酒實需緩慢進行,不可讓酒沉入底層,只要沿著杯緣輕輕注入,萊姆酒便能擴散浮於咖啡上層。 琥珀色的咖啡與萊姆酒互映,能形成一種迷人的色彩。
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tanchi98 · 2 years ago
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偷得浮生半日閑.... 雖然冇咗老婆餅食,但都有粒朱古力☺️(在 Artista Perfetto HK) https://www.instagram.com/p/CoG8cThv4ca/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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saritamix · 4 years ago
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気付いたら5月が過ぎ、6月も過ぎ、7月の半ばを迎えていた。tumblrに直接文章を書いて保存されずに全部消えてしまった経験から、ここにアップする文章は、1度iPhoneのメモ帳に書いてからコピペしている。書いては放置を繰り返しているので、最初に書いた内容が随分古い情報になっている。自分の備忘録だから別にどんな書き方をしたって良いはずなんだけど。上手い表現が見つからないことが多くて自分の語彙力のなさに苛立ってしまう。
5月は新しい部署に配属になり、引き継ぎなどで忙しかった。また慣れない業務に対する余裕のなさと、不妊治療に対する不安やストレスが重なりに重なっていた。夜は息がおかしくなるくらい泣いたり、抑うつ状態になっていたり、今思うとかなり荒れていたと思う。この気持ちのままもう仕事を続けるのは無理だ辞めたいと泣いては、いい歳して何甘えたことを言っているんだと自己嫌悪で連日苦しんでいた。
夫にはAIHを数回行いそれでもダメだったらIVFを行おうと考えていること、IVFになったら通院の増加と投薬の副作用により心身ともに苦しくなることから仕事を辞め資格の勉強をしつつ治療に専念したい旨を伝えた。夫は私が決めたことならいいよと嫌な顔をせず承諾してくれた。いつも表には出さないけれど夫は私に対する罪悪感が多少なりともあるのだと思う。夫に相談した翌日に新しい部署の全体MTGがあったので、MTG前に上長に退職したい旨を伝えた(前々からめちゃくちゃ私を使っていた若い女性営業マンで、気付いたら新しい部署の部長になっていた)。
家族と相談し治療のために退職したいと伝えたところ、『止めるつもりはないけれど再就職したらしばらくは産休育休を取るのは大変だし、病院から診断書を貰って傷病休職したらどうか?』と提案された。不妊治療は病気ではないので診断書を貰うのは難しいと伝えたところ、『こういうのを提案するのは良くないだろうけど精神科に行って診断書を貰うのはどうか?』とも言われた。
正直、傷病休職については一切考えておらず、続けるか辞めるかの2択しか自分にはなかったので、予想外の提案に戸惑ってしまった。仕事を辞めて再就職することに対する不安や無収入になることへの不安が完全には払拭できていなくて、できることなら今の会社で産休育休を取りたいと前々から考えていたから。とりあえずもう一度考えたい旨を伝え、退職したい話は一旦クローズした。
帰って夫に伝え、就業規則を読んでもう一度よく考えた。結論、現状は仕事を続けることにした。もし治療と仕事との両立で自分がどうしようもなくなったら休職を申し出る、ただ嘘をついて診断書を貰って休職はしない、それだったら自己都合として休職を申し出る、会社側から受け入れられなかったら潔く退職する。それが自分の中で出した納得のいく選択だった。
6月に入ると5月の忙しさがまるで嘘みたいに楽になった。前の部署の仕事を完全に手放したのが大きかったと思う。仕事に対して時間と気持ちの余裕が出たからか、夜に落ち込むことも前ほどはなくなり、精神が少しずつ安定していった。
治療の方はというとなかなか卵胞が育たず、通院が今までより少し多かった。薬も2段投与した。副作用で内膜が薄くなると聞いていたので不安だったけど、AIHの日を決める前日のエコーで先生に今の状態を聞いたところ、『この状態ならまぁ気にすることはないでしょう』という回答を貰ったのでひとまず安心した。
翌日は問題なくAIH1回目を終えた。色々事前には調べていたけれど、聞いていなかった予想外の痛みがあった。自分は痛みには強い人間だと信じていた分、実はそうでもなかったことに意味もなく落ち込んだ。このまま午後半休にしてしまおうか、と思いつつ帰宅しそのまま仕事をした。今周期ダメだったらまたこれをやるのか…とかなり憂鬱な気持ちになった(結局ダメだったのでまた7月もAIHをやるために準備をしているところ)。
翌週は自分の誕生日だった。意味もなく午後半休にして1人家でゆっくり過ごした。
何人かの友だちが誕生日おめでとう とメッセージを送ってくれた。多分社交辞令の人もいたと思うけれど、忙しい日常の中でわざわざ時間を割いて連絡してくれる優しさが嬉しかった(親と兄からは何も来なかったのが少し寂しかった)。
夫は忘れていたらしく、私から促されて初めておめでとうと言ってくれた(確か去年もそんな感じ)。落ち込む演技をニヤつきながらすると、帰りにケーキを買って帰ると約束してくれた。その日はチョコレートケーキ、その週の休日には私がしつこく所望した好きなパティスリーのホールケーキを買ってきてくれた。29歳だし誕生日で浮かれる年齢ではないけれど、人から祝って貰えるのは嬉しいことだと改めて思った。
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高校の友だちが 『誕生日プレゼントを渡したいから会おう』 と連絡をくれたので約3ヶ月ぶりくらいに会うことになった。いつも行かない珍しいお店に行こう、ということで恵比寿のカレー屋に行くことに決定した。私が電車遅延で約束の時間に遅れてしまったので、彼女が先に発券して駅の近くに戻ってくれていた。そのお店はそこそこ有名らしく発券後90分待ち(ディズニーランドのアトラクションかよ)だったので、お店から電話が来るまでカフェでお互いの近況報告をした。
彼女と私は今置かれている環境も仕事も全く違うけれど、お互いの欲しいもの・目指しているものが必ずしも努力だけで報われるとは限らない世界に足を突っ込んでいる という点に置いては同じだなと感じた。
色々話していたらあっという間に90分が過ぎ、お店に向かった。
駅から約15分ほど離れたお店は閑静な住宅街の一軒家の1階にあり、店内・店外に多くの猫モチーフの物に溢れていた(トイレだけでも10個以上あった)。カレーはとても美味しかったけれど、ここのオーナーは猫がよほど好きなんだろうな という印象が味よりも強く残った。
自分の好きな物を好きなだけ詰め込んで、それらに囲まれながら仕事をしたり日々を過ごしていけたらどんなに幸せなことだろう。自分の好きなものって何だったっけ?自分はこの先、どのように生きていきたいのだろう?
不安な日が多かったせいか好きとか楽しいとか未来に対する期待とか、そういうポジティブな感情を見失いかけていたのかもしれない。幸せでありたいからこそ、今を大切に考えて過ごさなきゃいけないのに��突発的に生まれるネガティブな感情はどうしようもないことだけど、不確定なナニかを延々と呪ったり嘆いたりし続けることは、その先の自分をただただ不幸にするだけだ。好きなことや楽しいことを考える方がよほど建設的で、そんな当たり前のことを忘れる人間にはなりたくない と自分を振り返るきっかけになった1日だった。
最後は 『すべて自分の意思決定だった』 と胸を張れる人生を送りたい。
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mmkkmkga · 5 years ago
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白石一文『僕のなかの壊れていない部分』4
性行為において男と女は愛情とはまったく異質な欲望によって結びついているだけの気がする。それを男女双方ともにそうした単純な正理メカニズムから巧妙に目をそらし、枝里子のように「見据えるだけでは何もわからない」などと理屈をこねて、無理やり愛情関係に接合させようとするのではないか。
長いセックスのあと、枝里子は気だるくなるという。僕も同じだ。そして僕は考える。この破廉恥な人を人とも思わぬ行為の先には一体何があるのだろうと。これは一体何なのだろうと。すると枝里子は言う。その気だるさを否定的に捉えてはならないのだと。そして、そんな暗く湿った後ろ向きの疑問に拘泥すると人間は生きる意欲を失ってしまうのだと。たしかにその通りかもしれないと僕も思う。だが、すぐさま、次の疑問が浮かんでくる。じゃあ、生きる意欲を失ったからと言って何があるのだと。僕が知りたいのは、意欲、慰め、ゆとり、安らぎといった感覚的なことではない。僕は枝里子と会うたびに、一緒に寝るたびに心の奥底でいつも彼女に向かって問いかけている。僕はきみとずっと一緒にいることで、一体どうなるのだろうかと。僕たちは二人でいることで、生きる意欲やゆとりや安らぎや慰めを超えて、生きること本体の深い意味にどこまで近づくことができるのだろうかと。きみはその点について僕にどのくらいの保証を与えてくれるのだろうかと。ー家庭を持ち、ずっと一緒に暮らしていきながら、僕たちは一体どこへ向かって行くんだい。きみにはその行く先がおぼろげにでも見えているのかい。もし見えているのなら面倒臭がらずにどうか教えて欲しい。実は僕にはよく見えないんだ。だから不安なんだ。恐ろしく不安なんだ。大きな海の真ん中で、僕たちの乗ったボートは本当にちっぽけだ。たしかにきみが言うように、空を見上げれば青い光が僕たちを包み込み、あたたかな風が吹いている。それでも、僕はどうしても忘れることができない。このボートの小ささや、そして何がこれから起こるか分からないこの海の存在を。さらにはいつの日か、必ずどちらかが先にこのボートから降りてしまうということを。これはきみが言うような選択の問題ではないんだ。選択する前の、もっと重要で根源的な問題なんだ。愛や憐みや労りといった人間的感情が入り込む余地のない、時間を超越した恐ろしく冷徹で無慈悲な問題なんだ。
女の体は宝物だ。体以外の女はいやなところばかりだ。だから、宝物のためにそのいやなことをどのくらい受け入れるかが、女と付き合うことなのだ。セックスは相手の女のことをモノだと思えばいくらでも上手くなる。そしてこっちが相手をモノだと思えば思うだけ、女はひっついてくる
平凡な家庭、平凡な生活、平凡な少女時代、どれもみんなうらやましい。だけど僕は、そういう平凡な幸福は怖いなーああ平凡ほど怖いものはないかもしれない。平凡は自分に張りついて離れないし。平凡な人間ほど自分を捨てることが難しいからねー大きな不幸は、その不幸に絶望した自分というものを捨て去ることを容易にするし、大きな幸福もまた、その幸福すぎる自身を投げ出したいという衝動を常に伴うものだ。実際、僕は子供の頃、心の底から別の家の子に生まれ変わりたかったよ。もう一度最初からやり直させて欲しいと幾度願ったか知れない。別の人間になりたくて、いまの自分でなくなることに何の未練もなかった。心底幸福な人もきっと同じだと思う。人間は幸福で腹いっぱいになったら、どういうわけかその幸福を惜しげもなく他人に捧げたくなるんだ。だけど、平凡な幸福はそうじゃない。平凡な幸福はいつまでも自分にしがみついて離れてくれない。そのうち腐り始めて、その本人を病気にする。平凡な幸福に浸っているかぎりは、人間は死ぬまで自分というものを変えられないし、捨てることができない。そしてそんな人間は他人の不幸に対して同情はできても決して共感はできないんだ。共感するためには、自分を捨てなきゃいけないから。相手を理解するってことは互いに愛し合ったり、一方的に同情したり、共に喜んだりすることじゃない。自分を捨ててその人間になりきるってことだ。平凡は、それをきっと不可能にしてしまう。きみはいつもわかり合いたいと言うし、人間同士の関係は互いに近づいていくためにあるんだと言う。だけど、僕はただ近づくだけじゃ人と人とは永遠に分かり合えないと思う。ほんとうに分り合いたいのなら、自分を完全に捨てて相手になりきらなきゃいけない。相手の眼や耳や鼻や口や皮膚をすべてを受���止め、相手の胸で呼吸し、相手の頭で考え、相手の心で感じないといけない。そうしたときに初めて人間は他人の幸福を引き寄せて自分自身のものにすることができる。だけど現実にはそんなことは誰にもできやしない。まして平凡な幸福にどっぷりと浸かっている人間にできるはずがないんだ。
<どうして自殺しないのだろう?>それは多分、自分に他人の命を奪う権利や資格がないように、自らの生命を奪う権利や資格もないからに過ぎないと僕には思える。ともすれば人は自分の力で生きていると錯覚しがちだが、そんな力は人間にはない。誕生それ自体が自分の意志や力とは無縁であり、生きているさなかはたしかに思えるその意志や力も、死の前では生まれたときと同様にまったく無力なのだ。要するに人間は、最初から最後まで、自分のことを何も決めることができない。であるなら、自分の生を勝手に終わらせる権利などあるはずもないし、他人の命を奪う権利もあるわけがない。人は生きているのではなく、ただ生きさせられているだけなのだ。それでも、新たな問いはさらに生まれてくるのだ。<どうして人間は新しい生命を生み出そうとするのか?>人間がただひとつ意志を発揮する場があるとすれば、他人の生を創造するということだと僕には思える。しかし、なぜそんなことを人間はやらかしてしまうのか、それが僕にはよく分からない。なぜなら、他人の生を生み出すということは、そのままその他人の死を生み出すことと等しいからだ。人を生むことは、その人を殺すことでもある。僕は触れるでも感じるでもなく、ただ知っていた。自分がいずれかは死んでしまうーという事実の底深い意味を捉えない人間は、必ずや自らを殺すか、他人を殺すかのどちらかを選択しなければならなくなってしまうのだ。この世界のただならぬ無慈悲さの正体は、ひとえにそうした選択を迫られてしまうことにある。そのいい例が女性たちだ。かあちゃんがそうだったように、ほのかの母親がそうだったように、思いつきで子供を作りたいと言いだした大西昭子がそうであるように、勝手に拓也を産んで、パクとの関係は半端なままに僕とつき合う朋美がそうであるように、僕を諏訪の実家に連行し、いずれは結婚へと進みたいと願っている枝里子がそうであるように、そして、生まれたわが子をいずれか四十三日で見知らぬ他人に預けてしまう母親たちがそうであるように、女性たちは我が身の欲望に取り憑かれて、自分を捨て去ることがどうしてもできない。彼女たたちは自身の死を閑却して、安直に他人の生を生み出しつづけている。(私の意見→むしろここまで理解している男性の方が圧倒的に母数は少ない、女の卵子だけで子供ができるのならばこう言った意見は正当だが、むしろ女はここまで理解した上で、それでも子供をうむという決断に至っている方が多いのではないだろうか。むしろ当事者であるのに、精子を女の膣に入れ込む当事者なのに、子どむを物理的に生むのが0100で女のため、ここまでの思考に至っていない男の方が一定数多い)子供を産むということが、その子をやがては死に至らしめる行為なのだと彼女たちは考えもしない。自分たちこそが正真正銘の殺人であることに、おそらく一瞬たりとも気づいたことがない。(私の意見→いや気づいているけど、そこまで考えてしまうと動物の繁栄に関わることだから意識的に無意識領域に飛ばしてるんじゃね?)
自分のことを恥ずかしいと思うその直人君を、直人君自身がちゃんと見つめているかぎり、ちっとも恥ずかしがることなんてないのよ。いずれは、直人君も直人君と別れてしまうときがきて、こうやって亡くなった大勢の人たちと混ざり合って、一陣の風になって吹き渡るんだよ。だったら、生きているうちに、できるだけ自分のことなんか忘れて、他人のことを考えられる人間になって欲しいって思う。この世界の何もかもが全部一緒だってお釈迦さまは教えて下さっているの。人間も動物も、そして石や花、空気もすべては一つに繋がった夢みたいなものなのよ。生まれる前も生きているときも、死んでしまってからも、きっと同じなんだろうなと私は思ってる。他人はきっと自分だし、自分はきっと他人で、これから生まれてくる人も自分だし、大昔に死んでしまった人も自分自身なのよ。まだ直人君には分からないだろうけど、石や草や虫や動物も、同じように自分なんだよ。ほんとはね、何も思い煩うことなんてないの。自分が苦しいと思えば苦しいし、楽しいと思えば楽しいの。この世界は、ただそうとしか言いようがないものなの。だから、私も直人君もいつかは死んでしまうけど、それはちっとも悲しいことじゃないし、悲しまなくてもいいの。たとえ私が死んでも直人君は生きてくれるし、直人君が死んでも他の人は生きていくでしょう。そう思えば何にも怖いことなんてないわ。だからこそ、自分を捨ててどんな人のことも大切に思ってあげたいって私は思う。別に直人君のことが私は特別に好きなわけじゃないんだよ。自分がそう信じているから親切にしてあげてるだけ。ぜんぜん感謝なんてしてくれなくていいの。私はただ自分のためにやっていて、それが結局、直人君のためにもなるだろうって勝手に思い込んでるだけなんだから。
(常岡一郎『人は何のために生れたのか』)それはすべての人を見ていますと、育っていきます。身も心も、年毎に育ちます。もし育たないものがあったら亡びます。死にます。死なないものは育っていくでしょう。だから、人は育つために生きさせられたと第一番に考えています。その育つためにはどうすればいいかを第二に考えてみます。育つためには相反する二つを組み合わせて調和をとることですね。空気を吸うたら、必ず次に吐き出す。真夜中もやめず、決して面倒くさがらず、必ず二つを調和させる。食うたら減らす。減ったら食う。起きて、寝る。寝たら起きる。これを元気よく、明るく、とどこおりなく、くり返し、調和させる。これが育つための日々の条件ではないでしょうか。人間の世の中も今日まで育ってきましたのは「生れて、死んで」「死んで、生れて」生死一如。幾度も生れかわって今日の姿まで育って来たと考えられています。こう考えるとすべてが相反する二つの対立と、これを見事に調和させるところに生れさせられて育つ道があるのではないでしょうか。どんな人間でも顔は全部、向こうむいた人ばかりでしょう。顔が自分の方を向いている人は一人もありませんね。向こう向きの人間と人間とがさし向かいになって語り合う、だから話がまとまる。どんな偉い人でも、かしこい人でも自分の顔を自分で見た人は一人もいない。やっと鏡で見て、そこに映ったかげを見て自分の顔を知ることができるに過ぎない。人の顔ならいつでも見えるが、自分の顔は死ぬまで見えない。そこで鏡が必要あるように、自分を知るために反省が必要であり、反省の鏡として宗教的教養がいるわけだと思います。この点をもっとわかりやすくたとえて申し上げましょう。だとえば、大根について申しましょう。大根よ、お前は何のために生れたのか、と聞いたら、私は「ためなしに」生れた。何の目的も決めず、自分の力もなく、全く生れさせられたのです。神の摂理によって生れさせられた。そうして、人間の丹精によって育てられましたと答えるでしょう。それでは何のために生まれさせられ、育てられて来たのだと考えるかと聞けば、多分、それは私を人間に食わせるために生れさせられ、人間はまた私を食うために育てたらしい。どうしてそんなことが言えるのか。それは、私の祖先、大根の一族は代々人間に食われて来た。私もやがて食われるだろう。私の子孫もすべて人間に食われるでしょう。だから、人間に食われるために生み出され、育てられて来たものだと思います、と答えるでしょう。そこで、大根が自分の方を向いて、自分の方の都合だけで考えるとします。俺の先祖も人間に食われた。俺もやがて食われる。子孫も食われる。思えば情けないことである。人間と大根の関係は倶に天を戴かない敵の間柄である。食いつ、食われつの間柄なら五分五分だが、食われてばっかりきた。全くなさけない。この祖先のうらみを晴らし、子孫の禍を絶つために俺が仇討ちしてやろうと考える。そこで物凄いニガ辛い大根になる。食った人間がまったくコリゴリするくらいにニガクなったら、確かに仇討ちはできる。しかしその後に来るものは「こんなニガ辛い大根は二度と作るべからず」となって子孫断絶の運命となる。自分の都合のみから割り出す考え方は亡び行く運命の道であると思います。これに反して、先方の都合のみをよく近いする。相手を生かす考え方をする。「もし人間の努力まごころがなかったら」大根は育たぬ。まったく人間の苦心努力の賜物である。だから、人間にどうして恩を報じようか。人間によろこびをいかにして与えることができるか。こう考えて非常にうまい大根になる。この場合、お家自慢の大根となる。その大根の種は大分県のおばさんに送る。埼玉県の従兄弟にも送る。といった調子で八方に送られる。別に願わず、求めずとも子孫繁栄の道に出る。生と死。吸うこと吐くこと。眠ると起きる。食うのと減ること。自分と他人。生かすことと生かされること。すべて二つの組み合わせでしょう。だから、人を生かす。相手を生かす。伸ばす。守る。ここに全身全霊をつくす修行、訓練が毎日の課業だと私は考えています。ここに私が胸を病んで、また救われた道があったと思っています。「人は何のために生れさせられたのであろうか」というお答えになるでしょうか。結局、自分の一日一日を全力をかたむけつくして自分を空にして相手にささげ、われまた育つ道だと信じますので一言申し上げました。
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lucestern · 5 years ago
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4か月ぶりに美術館行ったら泣いた
国立新美術館で開催中の企画展「古典×現代2020―時空を超える日本のアート 」に行ってきました。よかった…よかったよ… エモポイントを紹介していくわね…
【その1 展覧会がごぶさたすぎる】
さっきまで見ていた作品を視界の端に入れながら自分のペースで歩みを進めていくときの、ゆっくり麻酔が効いてくるような身体の感覚を久しぶりに味わって、それだけでクラクラしてしまった。 次の部屋に足を踏み入れたらまぶしい映像に目が眩むとか、部屋中に響き渡る音声とか、涙をこらえて上を向くと天井がすごく高くて吸い込まれそうになるとか… やたらと鑑賞ペースが合う同年代の人を妙に意識しちゃったり、注意するかしないかの瀬戸際で姿勢をピクピクさせてる監視員さんを見つけたり…
いくつもオンライン展示を見たけど、やっぱり身体性は代え難い。もう何もかもが懐かしくてほんとに嬉しかった!
展覧会全体で、直接的な形式の比較から、思想的な議論へと、だんだん複雑化していくグラデーションもとてもよくできていて、「やっぱり展覧会ってそのも���がひとつの体験を与える大きな作品だな」と感じられて好きでした◎
【その2 作り下ろし作品の尊さ】
どこかの美術館に所蔵されている作品だけでなくて、本展のコンセプトがあって初めて生まれた作品たちを前に、展覧会の作り手の人への敬意を感じずにはいられなった。 どうやって説得したんだろう、こんなに良いものが上がってくるまでどんなコミュニケーションがあったんだろう、完成した会場をいっしょに見てどう思っただろう…いろいろ想像して胸が熱くなった。 ああこの人たちは同じ時代に生きているんだ!と感じさせるというか、現役のアーティストさんの作品を展示する意義を直に伝えるすばらしいパワーにみなぎっていたな。
【その3 同じ眼】
はじめの「花鳥画×川内倫子」のセクションでは、たまにしか味わえない「自分のなかの感覚が刷新される」やつが来て興奮した。
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若冲はじめいろいろな花鳥画と、おなじく生命を撮った川内さんの写真が、対面で並べられてる展示室。 はじめに花や昆虫・赤ん坊などの写真を見てから、パッと振り返って日本画を見て本当にびっくりした。そこには絵師の「みずみずしく目の前の命を捉えたい!」というまっすぐな眼を感じたのよ… 今まではそういった日本画を見ると「細かく描けている」「リアルに描けている」「動き出しそうなのに装飾性もある」とかこねこね考えていたのだけど、一歩引いて「どういう眼で見つめて描いたのか」を意識したのは初めてだった。 そのパーンと開いた感覚に自分でも驚いて、また写真に戻って、往復をするうち、そして川内さんの「写真のない時代だったら自分は筆を執っただろうか」という一文を読むうち、すごく腑に落ちた。同じなんだもの。
これは写真展と日本画展を同じ日に梯子したとしても、そして2つの画像を並べてみても分からなかったかもしれない。背後に写真を見た自分の残像を感じながら、数百年前の日本画の前に立つことでしか得られなかった気づきだと思う。 そう分かった途端、「このペア展示、ただ事じゃないぞ…」と鳥肌が立ったのでした。
【その4 リスペクトとジェラシー】
棚田さんという彫刻家を初めて知った。お恥ずかしながら。 入口すぐの「想像するレリーフ」の木の質感や、ファンタジーな自分を客観視しているような、無表情な自画像(彫刻)なのにアイデアにあふれているのがありありと分かるような、そんな印象がすごく気に入って、すぐに虜になった。 部屋のテーマは「円空×棚田康司」。どちらもひとつひとつの作品がすごく良くて、棚田さんの少女像のナチュラルさや、円空の仏像の怒っているような満足しているような唯一無二の表情に魅入られながら、部屋を進む。 中盤くらいまで見ていくと、どちらの作品も、1本の木から削り出していて、背面は木のままで、無理に木目や裂け目に逆らわないところが似ているなと気づき出した。
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壁に展示されている棚田さんの文章(この展覧会でいちばんの名作!)を読むと、ほかのどのペアよりも敬愛と思い入れの強い組み合わせだったのだとすぐに分かる。 名声を求めず、権力に背を向けひたすらに彫り続けた円空と、数々の人を救ってきたその作品たちへの、「あなたは気づいていただろうか」というリズムで繰り返される、ミステリアスな天才への届かないラブコールに、思わず泣いてしまった。
そして「あなたは許してくれるだろうか」と円空のポリシーをリスペクトして作品を作ることへの、見てもらえることのない切なさや、どこかで彼を超越したいと願うプライドは、多くの人を入口からもう一度回らせる力があったと思う。 交互に入り組んで展示された2人の彫刻家の作品が立ち並ぶ空間の間を縫いながら歩くと、時を越えて交錯する思いにからめとられていくようで、本当に来てよかったと思った。
【閑話休題 ホラー体験のはなし】
見ちゃったんですよ。仏像がうなずくところ。
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建築家の田根さんが手がけた、まっくらな部屋の仏像展示。 2体の黄金の菩薩のまわりには上下・点滅をゆっくり繰り返す電球が吊り下げられていて、部屋には声明(読経の合唱みたいなやつ)が響いているというけっこう異質な部屋。 左右の灯りが沈んだり昇ったりするのは、まさにタイムラプスで太陽を観測��ているようで。声明の反響を合わさって、まるで菩薩様と自分だけが暗闇の中でタイムスリップしているような不思議な感覚になった。 ふっとすべてが完全に闇に包まれた後に、浮かび上がってくる金色の姿はさながら夢に現れたお告げのようですばらしかったんだけど…
そのあと…ちょっと動いたんよね…右の菩薩の首が左にこくっと…はにかむように…あたしゃ思わずヒッて声出してそそくさ出ちゃったよ…あれは何かの報せだったんだろうか…ちょっと…そんなお話でした…
���その5 やっぱりバカバカしいのが好き】
しりあがり寿ね。はいはい。見た見た。これだけ全部見たことあるわ、展示行ったしね、すみだの個展。――という感じで、北斎の部屋になった途端に呼吸をしだしたオタクだったのだけれど――甘かった。 全然新作のすばらし映像ありましたァ~~~~! とにかくよかった!ポップなクラシックのアレンジ、四畳半の画面から想像を超えて広がり行くアニメーション!北斎の遊び心が、踊りだし、あふれ出し、ミュージカルとなり、世界を巻き込み、空を飛び、爆発する…! 本気で遊んでおちゃらけるという徹底したテーマと、緩急のついたBGMや、桶で新体操をしたり八面相と踊ったりする小ネタの工夫も利いていて大笑顔でした。壁の形を利用したプロジェクションも見事だったし、拍手!
すきすきす~
という訳でとっても良い展示でした。皆川さんも仙厓も見れたし! https://kotengendai.exhibit.jp/
本当は五輪の時期に「きもの展」と合わせてみんなに見てもらいたかったであろう朝日さんの想いを想像するとそれだけで泣けてしまうけど…
入場制限で事前予約の展覧会、どのくらい密を避けて足を運べるかまだ不安だけど、ともあれ少し呼吸ができてうれしかったです。
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kkagneta2 · 5 years ago
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ボツ2
おっぱい、大食い。最後まで書いたけど胸糞なのでここに途中まで投稿してお蔵入り予定。
時: 午前8時05分
所: ○○中学正門前
身長: 標準的。155センチ程度。
衣服: 〇〇中学指定の制服。黒のセーラー。リボンの色より二年生と断定。
年齢: 中学二年生なので14、5。
持ち物: 右手に〇〇中学指定の鞄。左手にスマホを所持。
同行者: 友人1名。興味無しのため略。
背格好: やや細身か。冬服のため殆ど見えなかったが、スカートから覗く脚、そして周りの生徒と見比べるに、肩や腕も細いと思われる。腰回りもほっそりとしていると感じた。正確には引き締まっていると言うべきか。
顔: いと凛々し。小顔。頬は真白く、唇には薄い色付き。笑うと凄まじく整った歯が見え隠れする。この時髪をかき上げ血の色の鮮やかな耳が露出する。
髪: ボブ系統。ほぼストレートだが肩のあたりで丸くなる。色は黒、艶あり。
胸: 推定バスト98センチ、推定アンダーバスト62センチのK カップ。立ち止まることは無かったが、姿勢が良いのでほぼ正確かと思われる。しっかりとブラジャーに支えられていて、それほど揺れず。体格的に胸元が突出している印象を受ける。隣の友人と比べるとなお顕著である。制服のサイズがあっておらず、リボンが上を向き、裾が胸のために浮いていた。そのため、始終胸下に手を当てていた。揺れないのもそのせいであろう。制服と言えば、胸を無理に押し込んだかのように皺が伸び、脇下の縫い目が傷んでおり、肩甲骨の辺りにはブラジャーのホックが浮き出ている。されば制服は入学時に購入したものと思われ、胸は彼女が入学してから大きくなった可能性が大である。元来彼女のような肉体には脂肪が付きづらいはずなのだが、一年と半年を以てK カップにまで成長を遂げたところを見ると、期待はまずまずと言ったところか。要経過観察。名前は○○。胸ポケットに入れてあったボールペンが落ちたので拾ってあげたところ、「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀をされる。
  時: 午前10時28分
所: 〇〇駅構内
身長: 高い。170センチ強
衣服: 薄く色味がかった白、つまりクリーム色のファー付きコート。内には簡素なグリーンのニットを羽織る。首元に赤のマフラー。
年齢: 22、3。休み期間中の大学生かと思われる。
持ち物: キャリーバッグ。手提げのバッグ。
同行者: 友人2名。先輩1名。何れも女性。貧。
背格好: 体格が良いと言った他には特に無し。腕も見えず、脚も見えず、首も見えず。肩幅の広さ、腰つきの良さから水泳を営んでいると推定される。
顔: その背に似合わず童顔。人懐っこい。マフラーに顔を埋め、視線を下げ、常に同行者に向かって微笑む。愛嬌よし。
髪: ショート。これより水泳を営んでいると断定。色は茶、染め上げてはいるがつやつやと輝く。
胸: 推定バスト129センチ、推定アンダーバスト75センチのR カップ。冬である上に、胸元が目立たないよう全身を地味に作っており、某コーヒーショップにてコートを取っても、無地のニットのために膨らみが分かりづらかった。さらに、胸の落ち具合から小さく見せるブラジャーを着用しているかもしれない。そのため、推定カップはR カップより3、4カップは大きい可能性がある。コートを取った際、胸元が一層膨らんだように感じられた。机の上に胸が乗って、本人は気にしていないか、もしくは気づいていなかったが、柔らかさは至高のようである。他の男性客の腕が肩にぶつかって、驚いた際に胸で食べかけのドーナツを落とす。以降会話は彼女の胸に話題が移ったらしく、左右に居た友人二名が所構わず触れるようになり、両手を使って片胸片胸を突っついたり、揺らしたりして遊ぶ。「机まで揺れる」と言う声が聞こえてくる。「ちょっとやめてよ」と言いつつ顔は相変わらず微笑むでいる。しばらくして四人とも席を立って、地下鉄筋の方へ消えていく。童顔ゆえに顔より大きい胸は驚くに値するが、体格からして胸元に自然に収まっているのを見ると、やはりなるべくしてなったとしか思えず。
  時: 午後00時14分
所: 〇〇市〇〇にあるスーパー前
身長: 低い。150センチに満たない。
衣服: 所謂マタニティウェア。ゆっ��りとした紺のワンピースに濃い灰色のポンチョ。
年齢: 26、7
持ち物: 買い物袋。ベビーカー。
同行者: ベビーカーの中に赤ん坊が一人。女の子である。
背格好: 小柄。寸胴で、かつ脚も長くはあらず、そして手足が細く、脂肪が程よくついている。つまりは未成熟な体つき。身長以上に小さく見える。
顔: かなりの童顔。着るものが着るものであれば高校生にも見える。可愛いがやつれていて、目の下に隈あり。子供が可愛くて仕方ないのか、そちらを見ては微笑む。
髪: セミロングを後ろで一束。中々の癖毛であるかと思われるが、目のやつれ具合からして、もしかしたら本当はもっと綺麗なのかもしれない。髪色は黒。可愛らし。
胸: 推定バスト110センチ、推定アンダーバスト58センチのQ カップ。体格が小柄であるのでQ カップよりもずっと大きく見える。というより迫力がある。私が訪れた時は買い物袋をベビーカーに吊っている最中であった。ほどなくして赤ん坊が泣き出したので、胸に抱えてあやしたが、赤ん坊は泣き止まず。片胸と赤ん坊の大きさはほぼ同じくらいであっただろう。また、胸と赤ん坊とで腕は目一杯伸ばされていた。胸に抱いて「よしよし」と揺らすのはしばらく続いたが、赤ん坊が泣き止むことはなかった。そこで、座る場所を求めて公園へと向かおうと、一度ベビーカーへと戻そうとしたのであるが、一度胸に食らいついた赤ん坊は離さない。「さっきも飲んだじゃない」とため息をついて片手で危なっかしくベビーカーを引こうとする。「押しましょうか」と接近してみたところ、意外にもあっさりと「よろしくおねがいします」と言って、私にベビーカーを預けた。中には玩具が数種類あった。道から離れた日差しの良いベンチに腰掛け、ケープを取り出して肩にかけ、赤ん坊をその中へ入れる。それでもしばらくは駄々をこねていたであったが、母親が甘い声をかけているうちに大人しくなった。私が「お腹が空いてたんですね」と笑うと、「困ったことに、食いしん坊なんです。女の子なのに」と笑い返して赤ん坊をあやす。話を聞いていると、母親の母乳でなければ我慢がならないと言う。授乳が終わってケープを外した時、子供はすやすやと眠りについていた。「胸が大きくなりすぎて、上手く抱っこできなかったんです。大変助かりました。ありがとうございます」と分かれたが、その言葉を考えるに、妊娠してから一気に胸が大きくなったのであろう。授乳期を終えたときの反動が恐ろしい。むしろベビーカーの中に居た赤ん坊の方に興味を唆られる。
  時: 午後01時47分
所: 〇〇市市営の図書館。某書架。
身長: 標準的。158センチ程度。
衣服: 白のブラウスにブラウンのカーディガン。
年齢: 30前後か。
持ち物: 白のタブレット
同行者: 無し
背格好: 小太りである。全体的に肉がふっくらとついている。けれども目を煩わすような太り方ではない。豊かである。ただし、著しく尻が大きい。
顔: 目尻は美しいが、柔らかな頬に愛嬌があって、どちらかと言えば可愛らしい方の顔立ち。鼻がやや低く、口元はリップクリームで赤々と照りを帯びている。色白とは言えないが、光の加減かと思われる。眼鏡をかけており、リムの色は大人しい赤。非常によく似合う。
髪: ストレートなミディアムヘア。髪色は黒であるが、不思議なことに眼鏡の赤色とよく合い、前髪の垂れかかるのが美しい。
備考: 司書である。
胸: 推定バスト128センチ、推定アンダーバスト81センチのO カップ。本日の夜のお供にと本を物色中に、書架にて本を正していた。胸が喉の下辺りから流麗な曲線を描いて20センチほど突き出ているばかりでなく、縦にも大きく膨れており、体積としてはP カップ、Q カップ相当かもしれない。頭一つ分背が低いので上からも望めたのであるが、カーディガンで見え隠れする上部のボタンが取れかけていた。本を取る度に胸が突っかかって煩わしいのか、肩を揺すって胸の位置を直す。本棚に胸が当たるのは当然で、文庫本などはその上に乗せる。一つの書架を片付け終わった辺りで、適当に思いついたジャンルを訪ねて接近すると、如何にも人の良さそうな顔で案内をしてくれた。脚を踏み出す度に甲高い音が鳴るのは、恐らくブラジャーのせいかと思われる。歩き方が大胆で胸が揺れるのである。途中、階段を下りなければならないところでは、一層音が大きくなって、臍のあたりで抱えていた本を胸に押し付けて誤魔化していた。そのため、ブラジャーのストラップがズレたかと見え、書棚の方へ目を向けている隙に、大胆にも胸を持ち上げて直していた。なまめかしい人ではあるが、年が年なので望みは無い。
  時: 午後02時22分
所: 〇〇小学校校庭
身長: 140センチ前後か
衣服: 体操服
年齢: 10、11歳
持ち物: 特に無し
同行者: 友人数名
背格好: ほっそりとしなやかである。幼い。腕も脚もまだ少女特有の肉が付いている。今日見た中で最も昔の「彼女」に似ている体つきであったが、この女子児童は単に骨格が華奢なだけで、痩せ細った体ではない。健康的である。脚が長く、短足な男子の隣に立つと、股下が彼の腰と同位置に来る。
顔: あどけなさは言うまでもないが、目元口元共に上品。笑う時もクスクスと擽るような、品の良い笑い方をする。眼鏡はテンプルに赤色が混じった、基本色黒のアンダーリム。そのせいで甚だ可愛らしく見えるが、本来は甚く聡い顔立ちをしているかと推定される。が、全般的に可愛らしい。
髪: 腰まで届く黒髪。ほぼストレートだが若干の癖あり。また、若干茶色がかっているように見えた。髪の質がかなり良く、時折肩にかかったのを払う度に、雪のように舞う。
胸: 推定バスト81センチ、推定アンダーバスト48センチのI カップ。体育の授業中のことである。男子は球技を、���子はマラソンでもやらされていたのか、校庭を走っていた。身体自体は小柄であるから胸はそう大きくはないのだが、無邪気に走るから激しく揺れる。揺れるごとに体操服が捲れ上がって腹部が見えそうである。明らかに胸元だけサイズが合っていない。何度か裾を直しながら走った後、耐えかねて胸元を押さえつけていたのであるが、いよいよ先生の元へ駆け寄って校舎内へ入った。そして出てきてから再び走り初めたけれども、その後の胸の揺れは一層激しくなっていた。ブラジャーに何かあったのだろうと思われる。顔には余裕がありながら、走る速さがこれまでとは段違いに遅く、これまで一緒に走ってきた友人に追い抜かれる。結局、彼女は胸を抑えながら、周回遅れで走りを終えた。しかし可哀想なことに、息を整えていると友人に後ろから手で掬われて、そのまま揉みしだかれる。小学生の手には余る大きさである。寄せあげて、掬い上げて、体操服をしわくちゃにしながら堪能する。私にはそう見えただけで、実際にはじゃれついていただけであろうが、指が深く沈み込んでいる様は男子児童の視線を寄せるのに足る。なされるがままにされていた彼女は、そのうちに顔を真っ赤にして何かを言いつつ手をはたき落とし「今はダメ」と言い、以降はすっかり両腕を胸元で組んで、猫背になって拗ねてしまった。この生徒は要観察である。下校時に再び見えてみれば、制服下の胸はブラジャーは着けていないながら見事な球形を為している。先程の光景から張りも柔らかさも極上のものと想像される。名前は○○。名札の色から小学5年生だと断定。ここ一ヶ月の中で最も期待すべき逸材。
  時: 午後05時03分
所: 〇〇市〇〇町〇〇にある某コンビニ
身長: やや高い。163センチほど。
衣服: ○○の制服。
年齢: 17歳
持ち物: 特に書くべきにあらず
同行者: 無し
背格好: 標準的だがやや痩せ型。恐らくは着痩せするタイプである。一見してただの女子高生の体であるが、肩、腰つきともに十分な量の肉量がある。その代わり腕は細い。右手に絆創膏。
顔: あどけない。非常に可愛らしい顔。人柄の良さが顔と表情に出ていると言ったところ。眉は優しく、目はぱっちり。常に口が緩んで、白い頬に赤みが差す。が、どこか儚げである。分厚くない唇と優しい目が原因か。
髪: 後ろに一束したミディアムヘア。一種の清潔さを表すと共に、若干の田舎臭さあり。後ろ髪をまとめて一束にしているので、うなじから首元へかけての白い肌が露出。これが殊に綺麗であった。
備考: 高校生アルバイター
胸: 推定バスト118センチ、推定アンダーバスト68センチのP カップ。服が腰元で閉じられているので、高さ24センチほどの見事な山が形成されている。そのため余計に大きく感じられる。手を前で組む癖があるのか胸が二の腕によって盛り上がって、さらに大きく見える。レジ打ちを担当していた。面倒くさい支払い方法を聞いて接近。レジにて紙を用いて説明してくれるのであるが、胸元が邪魔で始終押さえつけながらでの説明となり、体を斜めにしての説明となり、終いには胸の先での説明となる。ブラジャーの跡あり。よほどカップが分厚いのか胸と下着との境目がはっきりと浮き出ている。この大きさでこのタイプのブラジャーは、1メーカーの1ブランドしかないため、懐かしさに浸る。大体分かりました、では後日よろしくおねがいしますと言うと、にこやかにありがとうございましたと言う。腕の細さと胸の大きさとが全くもって合っていない。腰つきとは大方合っている。顔があどけないところから、胸に関しては期待して良いのではないだろうか? それを知るには彼女の中学時代、ひいては小学時代を知る必要があるが、そこまで熱心に入れ込めるほど、魅力的ではない。
   本日も予が真に求むる者居らず、―――と最後に付け足した日記帳を、俺は俺が恐れを抱くまでに叫び声を上げながら床へと叩きつけ、足で幾度も踏みつけ、拾って壁に殴りつけ、力の限り二つに引き裂いて、背表紙だけになったそれをゴミ箱へ投げつけた。八畳の部屋の隅にある机の下に蹲り、自分の頭をその柱に打ちつけ、顎を気絶寸前まで殴り、彼女の残した下着、―――ブラジャーに顔を埋めて髪を掻き毟る。手元に残りたる最後の一枚の匂いに全身の力を抜かされて、一時は平静を取り戻すが、真暗な部屋に散乱した日記帳の残骸が肌へと触れるや、彼女の匂いは途端に、内蔵という内蔵を酸で溶かすが如く、血管という血管に煮えたぎった湯を巡らせるが如く、俺の体を蝕んでくる。衝動的にブラジャーから手を離して、壁に頭を、時折本当に気絶するまで、何度も何度も何度も打ちつけ、忌々しい日記帳を踏みしめて、机の上に置いてあるナイフを手にとる。以前は右足の脹脛(ふくらはぎ)を数え始めて26回切りつけた。今日はどこを虐めようかなどと考えていると、彼女の残したブラジャーが目につく。一転して俺のこころは、天にのぼるかのようにうっとりと、くもをただよっているかのようにふわふわと、あたたかく、はれやかになっていく。―――
―――あゝ、いいきもちだ。彼女にはさまれたときもこのような感じであった。俺の体は彼女の巨大な胸が作り出す谷間の中でもみくちゃにされ、手足さえ動かせないまま、顔だけが彼女の目を見据える。ガリガリに痩せ細って頬骨が浮き出てはいるが、元来が美しい顔立ちであるから、俺の目の前には確かにいつもと変わらない彼女が居る。我儘で、可愛くて、薄幸で、目立ちたがり屋で、その癖恥ずかしがり屋で、内気で、卑屈で、でも負けん気が強くて、甘えん坊で、癇癪持ちで、いつもいつもいつも俺の手を煩わせる。冷え切った手で俺の頬を撫でても、少しも気持ちよくは無い、この胸、この胸の谷間が冬の夜に丁度良いのだ。この熱い位に火照った肉の塊が、俺を天に昇らせるかの如き高揚感を與えるのだ。
だがそれは後年の事。床に広がったブラジャーを拾って、ベッド脇のランプの燈を点けて、ぶらぶらと下へと垂れるカップの布をじっくりと眺める。華奢で肉のつかない彼女のブラジャーだったのだから、サイドボーンからサイドボーンまでの距離は30センチ程もあれば良く、カップの幅も中指より少し長い程度の長さしかない。が、その深さと広さはそこらで見かけるブラジャーとは一線を画す。手を入れれば腕が消え、頭を入れればもう一つ分は余裕がある。記念すべき「初ブラ」だった。
それが何たることか! 今日、いや昨日、いや一昨日、いやこの一ヶ月、いやこの一年間、いや彼女が居なくなってから実に6年もの間、このブラジャーが合う女性には出会うどころか、見かけることも出来ないではないか。細ければサイズが足りず、サイズが足りればぶくぶくと肥え、年増の乳房では張りが足らず、ならばと小学生の後を付け回してはお巡りに声をかけられ、近所中の中高にて要注意人物の名をほしいままにし、飽きる迄北から南の女という女を見ても、彼女のような体格美貌の持ち主は居なかった。風俗嬢へすら肩入れをし、ネットで調子に乗る女どもにも媚びへつらった。
恭しくブラジャーを箱へと収めて床に散らばりたる日記帳の屑を見るや、またしても怒りの感情が迸ってくる。今日は左太腿の上をざっくりとやってやろうか。紙屑をさらに歯で引きちぎり、喉に流し込みながらそう思ったけれども、指を切る程度に留め、代わりに床を突き抜ける位力を入れて、硬い板の上に差す。今日書いた文面はその上にあった。
「なんで、なんで俺はあんなことを、……」
気がつけば奇声を上げつつ髪の毛を毟り取っていた。時計を見れば午後11時28分。点けっぱなしにしておいたパソコンの画面にはbroadcasting soon! という文字が浮かび上がって居る。忘れた訳では無かったが、その英単語二文字を見るだけで、怒りも何も今日の女どもも忘れ、急に血の巡りが頭から下半身へと下り、呼吸が激しくなる。まるで彼女を前にした時のようである。急いで駆けつけて音量を最大限まで上げて、画面に食い入ると、直にパッとある部屋が映し出され、俺の呼吸はさらに激しくなった。
部屋はここと同じ八畳ほど、ベッドが一台、机が一つ、………のみ。
机の上にはありきたりな文房具と、食器類が一式、それに錠剤がいくつか。ベッドの上には質の良さそうな寝具、端に一枚のショーツ、その横に犬用のリードが一つ。これはこれから現れる者が、謂わばご主人さまに可愛がられるために着けている首輪につながっているのである。そしてその横に、あゝ、彼女がまだ傍に居ればぜひこの手で着けて差し上げたい巨大なブラジャーが一つ、………。ダブルベッドをたった一枚で埋め尽くすほど大きく、分厚く、ストラップは太く、今は見えないが12段のホックがあり、2週間前から着けているらしいけれどもカップは痛み、刺繍は掠れ、ストラップは撚れ、もう何ヶ月も着たかのようである。
しばらく見えているのはそれだけだったが、程なくしてブラジャーが画面外へ消えて行き、ショーツが消えて行きして、ついに放送主が現れる。病的なまでに痩せ細って骨の浮き出る肩、肘、手首、足首、膝、太腿、それに反して美しくしなやかな指が見える。顔は残念ながら白い仮面で見えないが、見えたところで一瞬である。すぐさま画面の殆どは、中央に縦線の入った肌色の物体に埋められるのだから。その肌色の物体は彼女の胸元から生え、大きく前へ、横へと広がりながら腰元を覆い、開けっ広げになった脚の間を通って、床へとゆるやかにの垂れており、ベッドに腰掛けた主の、脚の一部分と、肩と、首を除いて、体の殆どを隠してしまっている。床に垂れた部分は、部分というにはおかしなくらい床に広がる。浮き出た静脈は仄かに青々として、見る者によっては不快を感ずるだろう。
言うまでもなく、女性の乳房である。主は何も言わずにただそこに佇むのみで、何も行動をしない。仮面を着けた顔も、たまに意外と艶のある黒髪が揺れるだけで動かないのであるが、極稀に乳房を抑える仕草をして、愛おしそうに撫でることがある。けれどもそれは本当に極稀で、一回の配信につき一度の頻度でしかなく、殆どの場合は、一時間もしたらベッドに倒れ込んで寝てしまうのである。
この配信を見つけてからというもの、俺の日中の行動は、その寝姿を見るための暇つぶしでしか無い。彼女そっくりな体つきに、彼女そっくりな胸の大きさ、―――しかもこちらの方が大きいかもしれない上に、彼女そっくりな寝相、………見れば見るほど彼女に似て来て、また奇声を発しそうになる。無言で、手元にあった本の背表紙で頭を打ちつけて落ち着きを取り戻し、画面を見ると、ゴロンとベッドから落ちてしまったその女の姿。彼女もよくやった寝相の悪さに、途端懐かしさが込み上げて来て、
「あゝ、こら、叶(かなえ)、寝るんだったらベッドの上で寝ないと、……。手伝ってやるからさっさと起きなさい」
と頬を叩いたつもりだが、空を切るのみで、消息不明となっている者の名前を呼んだだけ、羨ましさと虚しさが募ってしまった。
   幼馴染の叶が居なくなってから早6年、片時も忘れた事はないのであるが、隣に住んでいながら出会いは意外と遅いものであった。当時俺は11歳の小学5年生、物凄く寒かったのを思えば冬から春前であったろうか、俺の家は閑静な住宅街の中に突如として現れる豪邸で、建物よりも庭に意匠を凝らしたいという父上の意思で、洋館が一つと離れが一つ庭に面する形で建てられ、俺はその離れを子供部屋として与えられていた。球状の天井を持つその部屋は、本当に子供のために閉ざされた世界かのようだった。庭の垣根が高く、木に埋もれる形で建っているのであるから、内は兎も角、外からだとそもそも離れがあることすら分からない。音も完全に防音されていて、車が通りかかるのすら、微妙な振動でようやく分かるくらい外界から切り離されているのである。いつも学校から帰ると、俺はその部屋で母上と共に話をしたり、ごっこ遊びをしたり、宿題をしたりする。食事もそこで取って、風呂には本館の方へ向かう必要はあるけれども、学校に居る7、8時間を除けば一日の殆どをそこで過ごしていた。だから、近隣の様子なぞ目については居なかったし、そもそも父上から関わるなというお達しがあったのだから、あえて触れるわけにはいかない。学校も、近くにある公立校へは通わずに、ずっと私立の学校へ入れられたのだから、関わろうにも、友人と言える者も知り合いと言える者も、誰も居ないのである。
そんな生活の中でも、よく離れの2階にある窓から顔を突き出して、燦々と輝く陽に照らされて輝く街並みを眺めたものだった。今はすっかりしなくなってしまったけれども、木々の合間合間から見える街並みは殊に美しい。一家の住んでいる住宅街というのが、高台に建っているので、街並みとは言ってもずっと遠くまで、―――遥かその先にある海まで���見えるのである。
そう、やっぱり冬のことだ、あのしっとりとした美しさは夏や秋には無い。いつもどおり、俺はうっとりと椅子に凭れかかって街並みを眺めていたのであるが、ふとした瞬間から、女の子の声で、
「ねぇ、ねぇ、ねぇってば」
と誰かを呼びかける声がしきりに聞こえてきていたのだけれども、それが少し遠くから聞こえてくるものだから、まさか自分が呼ばれているとは思わず、無視していると、
「ねぇ!」
と一層激しい声が聞こえてくる。下を見てみると、同年代らしい女の子が、彼女の家の敷地内からこちらを不満そうに見つめてきている。
「僕ですか?」
「そう! 君!」
と満面の笑みを浮かべる。
この女の子が叶であることは言及する必要も無いかと思うが、なんと見窄らしい子だっただろう! 着ている物と言えば、姉のお下がりのよれよれになった召し物であったし、足元には汚らしいサンダルを履いていたし、髪は何らの手入れもされていなかったし、いや、そんな彼女の姿よりも、その家の古さ、ボロさ、貧しさは余りにも憐れである。流石に木造建築では無いものの、築20年や30年は越えていそうな家の壁は、すっかりと黒ずんで蜘蛛の巣が蔓延っており、屋根は黒いのが傷んで白くトゲトゲとしているし、庭? にある物干し竿は弓なりに曲がってしまっていて、痛みに傷んだ服やタオルが干されている。全体的に暗くて、不衛生で、手に触れるのも汚らわしい。広さ大きさは普通の一軒家程度だけれども、物がごちゃごちゃと置かれて居るのでかなり狭苦しく感じられ、俺は父上がどうして近隣の者と関わるなと言ったのか、なんとなく理解したのだった。目が合った上に、反応してしまったからには相手をしなくちゃいけないか、でも、できるだけ早く切り上げて本の続きでも読もう。―――俺は一瞬そう思ったが、ようようそう思えば思うほど、彼女に興味を抱いてしまい、小っ恥ずかしい感情がしきりに俺の心を唆していた。
それは一目惚れにも近い感情だっただろうと思う。というもの、その時の叶の外見は、着ているものが着ているものだけに見窄らしく見えただけで、顔立ちは悪くないどころかクラスに居る女子どもなぞよりずっと可愛いかった。いや、俺がそう感じただけで、実際は同じくらいかもしれないが、普段お嬢様と言うべき女の子に囲まれていた俺にとっては、ああいう儚い趣のある顔は、一種の新鮮さがあって、非常に魅力的に見える。どこか卑屈で、どこか苦心があって、しかしそれを押し隠すが如く笑う、………そういう健気な感じが俺の心を打ったと思って良い。また、体つきも普段見るお嬢様たちとは大きく変わっていた。彼女たちは美味しいものを美味しく頂いて、線の細い中にもふっくらとした柔らかさがあるのだが、叶はそうではない。栄養失調からの病気じみた痩せ方をしていて、ただ線が細いだけ、ただ貧相なだけで、腕や脚などは子供の俺が叩いても折れそうなほどに肉が付いておらず、手や足先は、肌が白いがために骨がそのまま見えているかのようである。兎に角貧相である。が、彼女にはただ一点、不自然なほど脂肪が蓄えられた箇所があった。
それはもちろん胸部である。叶は姉から譲り受けた服を着ているがために、袖や裾はだいぶ余らしていたのであるが、胸元だけはピンと張って、乳房と乳房の間には皺が出来ていて、むしろサイズが足りないように見える。恐らく裾を無理やり下に引っ張って、胸を押し込めたのか、下はダボダボと垂れているけれども、胸の上は変にきっちりしている。体の前で手をもじもじさせつつ、楽しげに体を揺らすので、胸があっちへ行ったり、こっちへ行ったりする。俺は最初、胸に詰め物をしているのであろうかと思われた。そう言えば、一昨日くらいにクラスの女子が、私の姉さんはこんなの! と言いつつ、体操服の胸元にソフトボールを入れてはしゃいでいたが、その姿がちょうどこの時の叶くらいであったから、自然にやっぱりこの年の女子は大きな胸に憧れるものなのだと納得したのである。だが、叶の胸は変に柔らかそうに見える。いや、それだけでなく、ソフトボールを入れたぐらいでは脇のあたりが空虚になって、はっきりと入れ物だと心づくが、彼女の体に描かれる、首元から始まって脇を通り、へその上部で終りを迎える曲線は、ひどく滑らかである。手が当たればそこを中心に丸く凹み、屈んで裾を払おうとすれば重そうに下で揺れる。
俺が女性の乳房なるものに目を奪われた初めての瞬間である。
それは物心ついた少年の心には余りにも蠱惑的だった。余りにも蠱惑的過ぎて、俺の体には背中をバットで殴られたような衝撃が走り、手が震え、肩が強張り、妙に臀部の辺りに力が入る。頭の中は真っ白で、少しずつ顔と耳たぶが赤くなっていくのが分かる。途端に彼女の胸から目が離せなくなり、じっと見るのはダメだと思って視線を上げると、さっきとは打って変わって潤いのある目がこちらを見てきている。微笑んでくる。その瞬間、徐々に赤くなって行っていた顔に、血が一気に上る感覚がし、また視線を下げると、そこにはこれまで見たことがない程の大きさの胸。胸。胸。………あゝ、なんと魅力的だったことか。
「こんにちは」
「うん、こんにちは。今日は寒いね」
彼女に挨拶されたので、俺はなんとか声を出したのだった。
「私は全然。むしろあったかいくらい」
「元気だなぁ」
「君が元気ないだけじゃないの」
「熱は無いんだけどね」
「ふふ」
と彼女は笑って、
「君どのクラスの子?」
「いや、たぶん知らないと思う。この辺の学校には通ってないから」
「どおりで学校じゃ、見ないと思った。何年生なの?」
彼女がこの時、俺を年下だと思っていたことは笑止。実際には同い年である。
「へぇ、あっちの学校はどうなの?」
「どうもこうもないよ。たぶん雰囲気なんかは変わんないと思う」
「そうなんだ」
と、そこでトラックが道端を通ったために、会話が区切れてしまって、早くも別れの雰囲気となった。
「ねぇ」
先に声をかけたのは彼女だった。
「うん?」
「またお話してくれない?」
少年はしばし悩んだ。近くの者とは関わるなと言う父上の言葉が頭にちらついて、それが殆ど彼女の家庭とは関わるなとの意味であることに、今更ながら気がついたのであったが、目の前に居る少女が目をうるませて、希望も無さげに手をもじもじと弄っているのを見ると、彼女の学校での扱われ方が目に見えてしまって仕方がなかった。そっと目を外すと、隣に住んでいなければ、多分一生関わること無く一生を終えるであろう貧しい家が目に飛び込んできて、だとすれば、良い育ちはしていないに違いはあるまい。だが、今言葉を交わした感じからすれば、意外にも言葉遣いはぞんざいではなく、笑い方もおっとりとしている。それに何より、自分がここまで心臓の鼓動がうるさいと思ったことはないのである。少年の心はこの時、「またお話したい」などというレベルではなく、彼女に近づきたい気持ちでいっぱいであった。近づいて、もっともっとお話をして、その体に触れて、夜のひと時をこのメルヘンチックな我が部屋で過ごせたら、どんなに素敵だろう。この窓から夜景を見て、手を取って、顔を突き合わして、行く行くは唇を重ねる、………あゝ、この部屋だけじゃない、綺麗に見繕って、二人で遊びに行くのも良い、いや、もはや二人きりでその場に居るだけでも僕の心は満足しそうだ。………実際にはこんなに沢山ことを考えた訳ではなかったけれども、しかしそういうことが、父上の言いつけから少年をすっかり遮断してしまった。つまりは、彼女の言葉に頷いたのである。
「もちろん。こうやって顔だしてたら、また話しかけてよ」
「ふふ、ありがとう。またね」
「またね。―――」
これが俺と叶の馴れ初めなのだが、それから俺たちは休みの日になると、窓を通じて10分20分もしない会話を楽しんだ。尤もそれは俺が父上と母上を怖がって、勉強しなくちゃいけないだとか、習い事があるとか、そういう理由をつけて早々に切り上げるからではあるけれども、もし何の後ろめたさも無かったら日が暮れても喋りあったに違いない。
「えー、……もう? 私はもっとお話してたい!」
「ごめんね。明日もこうやって外を眺めてあげるからさ」
その言葉に嘘はなく、俺は休日になれば、堪えきれない楽しみから朝食を終え、両親を煙に巻くや窓から顔を突き出していた。すると叶はいつも直ぐに家から出てきて、
「おはよう」
と痩せ細った顔に笑みを浮かべる。彼女もまた、楽しみで楽しみで仕方ないと言った風采なのである。
「おはよう。今日はいつにもまして早いね」
「ふふ」
会話の内容はありきたりなこと、―――例えば学校のこと、家のこと(彼女はあまり話したがらなかったが)、近くにある店のこと、近くにある交番がどうのこうのということ、近くにある家のおばさんが変人なことなど、強いて言えば、近所の人たちに関する話題が多かった。というのも、この住宅街に住んでいながら、今まで何も知らなかったので、俺の方からよく聞いたのが理由ではあるけれども、話に関係ないから述べる必要はあるまい。
それよりも、あんまり叶が早く出てくるので、いつのことだったか、聞いてみたことがあった。すると、彼女は心底意地の悪い笑顔で、
「私の部屋から丸見えなんだもん。そんなに楽しみ?」
と言うので、無性に恥ずかしさが込み上げてきたのは覚えている。どう返したのか忘れたが、その後の彼女の笑う様子が、強烈に頭に残っているのを考慮すれば、さらに恥ずかしい言い訳を放ったのは確かである。………
そんなある日のことであった。確か、叶と出会って一ヶ月経った日だったように思う。何でも学校が春の休み期間に入ったために、俺達は毎日顔を合わせていたのであるから多分そうで、非常に小っ恥ずかしい日々を送っていたのであるが、この日は俺しか俺の家には居ないのであった。それも朝一から深夜まで、何故だったのかは忘れてしまったが、両親も居なければ、ハウスキーパーも、確実に居ないのである。然れば初恋に目の暗んだ少年が悪巧みをするのも当然であろう。つまり俺はこの日、叶をこのメルヘンチックな離れに招待しようとしていたのである。
一種の期待を胸に抱きながら、いつもどおり窓から顔を突き出して、今や見慣れてしまった貧しい家の壁に視線を沿わせては、深呼吸で荒れそうになる息を整えようとする。一見、「いつもどおり」の光景だけれども、この時の俺はどうしても、初めての彼女をデートに誘うような心地よい緊張感ではない、恐ろしい罪悪感で押しつぶされそうだった。別に子供が同級生の女の子を連れてくることなど、親からしたら微笑ましい以外何者でもないかもしれない。が、これから呼ぶのは、父上が関わるなと言った、隣家の貧しい娘なのであるから、どうしても後々バレた時の事を考えると、喉が渇いて仕方ないのである。―――出来れば叶が今日に限って出てきてくれなければ、なんて思っても、それはそれで淋しくて死ぬ。まぁ、期待と緊張と罪悪感でいっぱいいっぱいだった少年の頭では、上手い具合に言い訳を考えることすら出来なかったのである。
「おはよう」
そうこうするうちに、いつの間にか外に出てきていた叶が声をかけてきた。一ヶ月のうちに、さらに胸が大きくなったのか、お下がりの服の袖はさらに長くなり、………というのは、服のサイズを大きくしないと胸が入らないからで、その肝心の胸の膨らみは今やバレーボール大に近くなりつつある。
で、俺は焦ることは何もないのに、挨拶を返すこともせずに誘うことにしたのであった。
「ねぇ」
「うん?」
「きょ、今日、僕の家にはだ、だれも居ないんだけど、………」
「え? うん、そうなの」
それから俺が叶を誘う言葉を出したのは、しばらくしてのことだったが、兎に角俺は彼女を頷かせて門の前まで来させることに成功して、庭を駆けている時に鳴った呼び鈴にギョッとしつつ、正門を開けると、さっきまでその気になっていた顔が、妙に神妙なので聞いてみると、
「なんか急に入って良いのか分からなくなっちゃった」
ともじもじしながら言う。それは引け目を感��ると言うべき恥であることは言うまでもないが、一度勢いづいた少年にはそれが分からず、不思議な顔をするだけであった。それよりも少年は歓喜の渦に心臓を打たせており、今日という今日を記憶に焼き付けようと必死になっていた。というのは、普段遠目から見下ろすだけであった少女が目の前に現れたからではあるけれども、その少女の姿というのが、想像よりもずっと可愛いような気がしただけでなく、意外と背丈がひょろ高いことや、意外と服は小綺麗に整えてあることや、手も脚も、痩せ細った中にも一種の妖艶さが滲み出ていることなど、様々な発見をしたからであった。特に、胸元の膨らみにはただただ威圧されるばかり。大きさは想像通りだったものの、いざ目の前に来られると迫力が段違い。試しに顔を近づけてこっそりと大きさを比べて見ると、自分の頭よりも大きいような感じがし、隣に並んでみると、彼女の胸元にはこんな大きな乳房が生えているのかと驚かれる。
「ちょっと、どうしたの」
と言われてハッとなって、叶の手を引きながら広大な庭を歩き始めたが、少年の目はやはり一歩一歩ふるふると揺れる彼女の乳房に釘付けであった。
庭の様子は今後必要ないから述べないが、一方はお坊ちゃん、一方は女中にもならない卑しい少女が手を取り合いながら、花々の芽の萌ゆる庭園を歩く様子は、或いは美しさがあるかもしれない。
離れについて、「や、やっぱり私帰るね」と言い出す叶を無理に押し込んで、鍵をかけると、一気に体中の力が抜けて行くような気がした。何となく庭を歩いているうちは、誰かに見られているかのようで、気が気でなかったのに、今となっては何と簡単なことだったであろう。とうとう成功した、成功してしまったのである、叶を一目見た瞬間に思い描いていた夢が、一つ叶ったのみならず、この心の底から沸き起こる高揚感はなんだろうか。期待? それとも単に興奮しているだけ? いや、恐らくは彼女が隣に居ること、手を触れようとすれば触れられる位置に居ること、つまり、彼女に近づいたという事実が、嬉しくて嬉しくて仕方がないのだ。そしてそれが、自分の住処で起こっている、………俺は多分この時気持ち悪いくらいに笑っていたように思ふ。頭は冷静に叶をもてなしているつもりでも、行動の一つ一つに抜けている箇所が、どうしても出てしまって、土足のまま上がろうとしたり、段差に足をひっかけて転けそうになったり、お茶を溢しそうになったり、最初からひどい有り様であったが、彼女は引け目を感じながらも笑って、
「ほんとにどうしたの、熱でも出てるんじゃ、………」
と心配さえもしてきて、その優しさもまた、俺には嬉しくて仕方がなくって、ますます惚けてしまったように思われる。が、それが出たのは昼前のことだったろう、あの時俺は、目の前ある叶の乳房が大きく重たく膨れ上がっているのに対し、それを支える身体が余り痩せすぎている、それもただ単に痩せているのではなくて、こうして間近で見てみると、骨格からして華奢であるので、身長はどっこいどっこいでも(―――当時の俺は背が低かったのである)、どこか小さく感じられるし、そのために、余計に体と胸元の膨らみとが釣り合っていない上に、胸が重いのか、ふらふらとして上半身が風で煽られているかの如く触れる時がある、それが緊張で体が強張っている今でも起こるので、段々と心配になってきて、
「す、すごい部屋、………」
ときちんと正座をしながら目を輝かす彼女が、今にも倒れてしまいそうに思われたのだった。しかし惚けた少年の頭では、ああ言えば失礼だろうか、こう言えば婉曲的に尋ねられるだろうか、などと言ったことは考えられない。ただ、この眼の前に居るかぁいい少女が、かぁいくってしょうがない。あれ? 叶ってこんなにかぁいかっただろうか? と、彼女の一挙一動がなんだか魅力的に見えて来て、手の甲を掻くのすらもかぁいくって、言葉が詰まり、今や何とか頭に浮き出てきた単語を並べるのみ、彼女を一人部屋に残して外で気持ちを落ち着けようにも、今ここに叶が居るのだと思えばすぐさま頬が燃え上がってくる。再び部屋に入れば入ればで、自分の思い描いていたのよりかぁいい少女が、きちんと正座をしながらも、未だに目をキラキラとさせ、口をぽかんと開けて部屋中を眺めている。そんなだから、一層少年の頭は惚けてしまった。同時に、胸の前で、乳房を押しつぶしながらしっかりと握られている両の手が目について、その細さ、そのか弱さに惹き込まれて無遠慮に、
「ねぇ、前々から気になってたんだけど、どうしてそんなに細いの? どうしてそんなに痩せてるの?」
と、彼女の正面に座りながら聞いた。
「あっ、うっ、……」
「ん? だって手とか僕が握っても折れそうだし」
「え、えとね?」
「うん」
「その、食べては居るんですけれど、………」
叶はここに来てからすっかり敬語である。
「食べても食べても、全然身につかなくって、………その、おっぱいだけが大きくなってしまってるの。だから、こんなにガリガリ。骨も脆いそう。………あはは、なんだか骸骨みたいだね」
「全然笑い事じゃないんだけど」
「うん、ありがとう。それだけでも嬉しいな」
とにっこりするので、
「もう」
とにっこりとして返すと、叶はすっかり普段の無邪気な顔に戻った。
「あ、でね、もちろんお母さんも心配してくれて、お金が無いのに、私のためにたくさんご飯を作ってくれててね、―――」
「たくさんって、どのくらい?」
「えっと、………」
と言葉に詰まるので、
「まぁ、別に笑わないからさ。言ってごらん?」
とたしなめた。すると返ってきた言葉は、俺の想像を軽く飛び越していたのだった。
毎日微妙に違うから昨日のだけと、はにかんだ叶の昨夜の夕食は、米を4合、味噌汁が鍋一杯、豆腐を3丁肉豆腐、その肉も牛肉1キロ、半分を肉豆腐へ、半分を焼いて、野菜はキャベツとレタスと半々に、鶏胸肉2枚、パスタ500グラム、………を食した後に寒天のデザートを丼に一杯、食パンを2斤、牛乳一リットルで流し込んだ、と、ご飯中は喉が乾いて仕方がないと言って、水もペットボトルで2本計4リットル飲んだ、いつもこれくらいだが、それでも食欲が収まらない時は、さらにご飯を何合か炊いて卵粥として食べるのだと言う。
笑わないとは言ったけれども、流石に苦笑も出来ずに唖然とするばかりで、俺は、スポーツ選手でも食べきれない食い物が、一体全体、目の前で顔を覆って恥ずかしがる少女のどこに入って、どこに消えたのか、想像をたくましくすることしか出来なかったが、そうしているうちに、今日の朝はねと、朝食までおっしゃる。それもまた米が4合に、やっぱり味噌汁を鍋一杯。そして、知り合いが店を構えているとか何とかでくれる蕎麦を、両手で二束、大鍋で茹でてざる蕎麦に、インスタントラーメンを2人前、水を2リットル。言い忘れてけどご飯は大きなおにぎりとして、中に色々と具材を入れて食う��言って、最後に、デザートとは言い難いが、デザートとしてシリアルを、やっぱり牛乳1リットルかけて食べる。その後パンがあればあるだけ食べる。水も何リットルか飲む。で、大体食事の時間は1時間半から2時間くらいで終わるけれども、お腹が空いていたら30分でもこれだけの量は平らげられるらしい。
「いやいやいやいや、………えっ?」
俺のそんな反応も当然であろう。ところで以上の事を言った本人は、言っちゃった、恥ずかしい、と言ったきり黙って俯いているが、益々見窄らしく、小さく見え、やはり可哀想でならなかった。
ポーン、と鳴って、時計が12時を示した。叶の告白から随分時間が経ったように思っていたら、もうそんな時間である。空腹を訴えかけている腹には悪いが、今ここで食事の話題を振れば恐ろしい結果になるかもしれない、一応自分の昼食は、父上が予め出前を取ってくれたのが、さっき届いたからあるし、母上が夕食もと、下拵えだけして行った料理の数々があるので、それを二人で分けて、一緒に食べる予定ではあったのだが、しかし先の話が本当だとすれば、とても量が足りない。だが、恐ろしい物は逆に見たくなるのが、人間の常である。俺は、叶がご飯を食べている様を見たくてたまらなかった。普段、外食は両親に連れられてのものだったけれども、幸い街を歩けばいくらでも食事処にはありつける。日本食屋に、寿司屋に、洋食屋に、喫茶店に、中華料理屋に、蕎麦屋饂飩屋鰻屋カレー屋、果ては創作料理屋まであるから、彼女をそこに連れて行ってみてはどうか。もちろん一軒と言わずに何軒も訪れて、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげてみてはどうだろうか? 俺はそんなことを思って、心の内で嫌な笑みを浮かべていたのであったが、偶然か必然か、その思いつきは叶の願いにぴったり沿うのであった。
「あはは、………やっぱり引いた?」
と叶がもじもじしながら言う。
「若干だけど、驚いただけだよ」
「ほんとに?」
「ほんとほんと」
「じゃ、じゃあ、もう一つ打ち明けるんだけどね、………あ、本当に引かないでよ」
「大丈夫だって、言ってごらん?」
と言って顔を緩めると、叶は一つ深呼吸してから、もじもじさせている手を見つめながら口を開くのであった。
「えとね、私、………実はそれだけ食べても全然たりなくて、ずっとお腹が空いてるの」
「今も?」
「今も。ほら、―――」
叶が服の裾をめくり上げると、そこにはべっこりと凹んでいる腹が丸見えになる。
「すっかり元通りになっちゃった。君と会うために外に出た時は、まだぼっこりしてたんだけど、………」
「お昼は?」
「え?」
「お昼。お昼ごはん。どうするの?」
「我慢かなぁ。いつもお昼ごはんは給食だから、全然平気だよ!」
この時、図らずも俺の画策と、彼女の願い、というよりは欲望が、同じ方向を向いたことに歓喜したのは言うまでもない。俺はこの後のことをあまり覚えていないが、遠慮する叶に向かって、
「ご飯一緒に食べよう!!」
と無理やり立たせて、取ってあった出前を彼女の目の前に差し出したのは、微かに記憶に残っている。彼女はそれをぺろりと平らげた。口に入れる量、噛むスピード、飲み込む速度、どれもが尋常ではなく、するすると彼女の胃袋の中へと消えていった。母上が下ごしらえして行った料理もまた、子供では食べきれないほどあったが、5分とかからなかった。こちらは食べにくいものばかりであったけれども、叶は水を大量に飲みつつ、喉へと流し込んで行く。それがテレビでよく見る大食い自慢のそれとは違って、コクコクと可愛らしく飲むものだから、俺はうっとりとして彼女の様子を見つめていた。食べ終わってから、俺は彼女の腹部に触れさせてもらった。その腹は、3人前、4人前の量の食事が入ったとは思えないほど平たく、ぐるぐると唸って、今まさに消化中だと思うと、またもや俺の背中はバットで殴られたかのような衝撃に見舞われてしまった。ちょうど、叶の乳房に目を奪われた時と同じような衝撃である。思わず耳を叶のヘソの辺りに押し付けて、たった今食べ物だったものが排泄物になろうとしている音を聞く。ゴロゴロと、血管を通る血のような音だった。
「まだ食べられる?」
「もちろん!」
叶は元気よく答えた。俺は彼女がケチャップで赤くなってしまった口を、手渡されたナプキンで綺麗に拭き終わるのを待って、
「じゃあ、行こうか」
と、財布と上着を取りながら聞いた。
「どこへ?」
「今日はお腹いっぱいになるまで食べさせてあげるよ」
俺の昼食夕食を軽く平らげた彼女は、今更遅いというのに遠慮をするのであった。「いや、私、もうお腹いっぱいで」とか、「お金持ってない」とか、「別にいいって、いいってば」とか、終いには「ごめん、ごめんなさい」と言って泣き出しそうにもなったり、なんとかなだめて離れから飛び出ても、動こうとしなかったり、自分の家に入ろうとする。「だ、大丈夫! 嘘! 嘘だから! 忘れて! もう食べられないから!」など、矛盾に満ちた言葉を放っていたのは覚えている。俺はそれをなんとかなだめて、気持ちが先行してしまって不機嫌になりつつも、最終的には弱々しい彼女の腰を抱きかかえるようにして引っ張って行った。
「ごめんね、ごめんね。ちょっとでいいからね。私よりも君がたくさん食べてね」
と食べることには堪忍したらしい叶が、物悲しそうにしたのは、確か家からまっすぐ歩いて、3つめの交差点を曲がって、広めの県道を西に沿ってしばらく行った所にある小綺麗な中華料理屋だっただろう。前にも述べたが、俺はこの日のことをあまり詳しく憶えていないのである。何故この中華料理屋に訪れたかと言えば、ようやく落ち着いた叶に何が食べたい? と聞くと、渋々、春巻きが食べたいとの答えが返ってきたからであるのだが、この店は昔も今も量が多いとの文句が聞こえてくる名店で、俺はよく、父上が天津飯一つすら苦しんで食べていたのを思い出すのである。とまぁ、そんな店であるのだから、そんな店にありがちな、所謂デカ盛りメニューなるものがあって、例えば丼物、―――麻婆丼だったり、炒飯だったり、それこそ天津飯だったり、そういうのはだいたい揃ってるし、酢豚とか、八宝菜の定食メニューもそれ専用の器すらあったりする。そしてそれを30分以内に食べきったら無料なので、これならお金を気にする彼女も安心してくれるだろうと、少年は考えた訳であったが、いざ入ってみて、奥の席へ通されて、
「この春巻きを10人前と、デカ盛りメニューの麻婆丼一つと、それと僕は、………エビチリ定食をご飯少なめでください!」
と注文すると、
「ぼ、僕? 冗談で言ってる?」
と、まず俺を見、そして叶を見して怪訝な顔をするのであった。
「冗談じゃないよ。ねぇ?」
と叶を見るが、彼女は静かに俯いている。
「ま、そういうことだから、お金は出すんだから、早く! 早く!」
「でもね、これはとっても量が多いんだよ?」
「うん、知ってる。だけど叶ちゃんが全部食べてくれるから、平気だよ」
「え、えぇ、………? この子が? 嘘おっしゃい」
そういう押し問答は10分乃至15分は続いたのであったが、とうとう店側が折れる形で、俺達の前には山になった春巻きと、山になった麻婆丼と、それ比べればすずめの涙程のエビチリが、テーブルの上に現れたのであった。俺も驚いたし、店員も驚いたし、何より他の客の驚きようと言ったら無い。奥の席だったから、人気はあまりないものの、写真を撮る者、頑張れよと冷やかしてくる者、わざわざ席を変わってくる者も居れば、自分たちも負けじとデカ盛りメニューを頼む者も居る。彼らの興味は殆どテーブルの上に置かれた理不尽な量の料理と、それに向かう華奢な少女であったが、妙に俺は良い気になって、ピースして写真に写ったり、冷やかして来た者を煽ったりして、相手をしたものだった。本当に、あの時の俺は、自分が一時の有名人になったかのような心持ちで、サインでも握手でもしてやろうかと思った。いや、そんなことよりも、もっと写真に撮って、もっと騒ぎ立てて、もっと人を集めてくれという気持ちであった。有頂天と言っても良い状態だった。が、ふと叶の方を見てみると矢張り俯いたままでいる。―――あゝ、こんなに騒がしかったら美味しいものも美味しくは無いだろうな、早く食べないと冷えてしまう、それに、自分もお腹が空いて仕方がない、そろそろ追っ払おうかしらん。叶の様子にいくらか冷静になった俺はそう思ったのであった。
「ごめんね、彼女、恥ずかしがり屋だから、ほら、あっち行ってて」
そう言うと、店主のハラハラした視線だけはどうすることも出来なかったが、皆次第に散り散りになった。叶もまた、周りに人が居なくなって安心したのか、顔を上げる。
「騒がしかったね」
「うん」
「まったく、野次馬はいつもこうだよ」
「うん」
「足りなかったら、もう一つ頼むことにしようか」
「あ、あの、………」
「うん?」
「いただきます」
この時の彼女の心境は、後になって聞いたことがある。たった一言、ああいう状況に慣れていなかったせいで、食べて良いのか分からなかった、と。実際には、中華店へ入る前から匂いに釣られて腹が減って死にそうになっていたところに、いざ目の前に好物の春巻きと、こってりとした匂いを漂わせている麻婆丼が現れて、遠慮も恥も何もかも忘れて食らいつきたかったのだそうである。事実、麻婆丼は物凄い勢いで彼女の口の中へと消えていった。
ところで麻婆丼は、後で聞けば10人分の具材を使っているのだと言う。重さで言えば8.7キロ、米は5合6合はつぎ込んで、女性の店員では持ち運べないので、男が抱えなければならない。時たま米の分量を誤って、餡のマーボーが指定分乗り切らない時があって、そういう時は乗り切らなかった餡だけ別の器に盛って出す。かつて挑戦した者はたくさんいるが、無事にただで食べられたのはこれまで1人か2人くらい��それも大柄な男ばかりで、女性はまだだと言う。
そんな麻婆丼が、11歳の、それも痩せ細った体つきの少女の口の中へ消えていくのである。休むこと無く蓮華を動かし、時折春巻きを箸に取っては、殆ど一口で飲み込むが如く胃の中へ流し込み、真剣ながらも幸せの滲み出た顔をしながら、水をグイグイ飲む。見れば、心配で様子を見に来ていた店主は、いつの間にか厨房に引っ込んで呆れ顔をしている。叶はそれにも気が付かずに黙々と口を動かして、喉が微かに動いたかと思ったら、蓮華を丼の中に差し込んで、幸せそうな顔で頬張る。あれよあれよという間にもう半分である。こういうのは後半になればなるほど勢いが落ちるものだのに、叶の食べるスピードは落ちないどころか、ますます早くなっていく。やがて蓮華では一口一口の大きさが物足りないと感じたのか、一緒に付いてきたスプーンで上から米もろとも抉って食べる。叶は普段から綺麗に食べることを心がけていて、大口を開けて食い物を口へ運んだとしても、それが決して醜くなく、逆に、実に美味そうで食欲が掻き立てられる。優雅で、美しい食べ方は、彼女が言うには、体の動かし方が重要なのだと、かつて教えてもらったことがある。気がついた時には、もう普通の麻婆丼と殆ど変わらない分量になっていた。一個もらうつもりだった春巻きは、………もう無かった。
俺は、叶の料理を食べている姿をついに見ることが出来て、ただただ感激だった。先程は恐ろしい勢いで食べたと言っても、量は大食いの者ならば簡単に平らげる程度しか無かったのである。それが今や10人前の巨大な麻婆丼を前にして、淡々と頬張っていき、残るは殆ど一口のみになっている。彼女はここに来てようやくペースが落ちたのだが、その顔つき、その手付き、その姿勢からして、腹が一杯になったのではなくて、あれほどあった麻婆丼がとうとうここまで無くなったので、急に名残惜しくなったのであろう。その証拠に、一口一口、よく噛み締めて食べている。俺は、またもや背中をバットで殴られたかのような衝撃に身を震わせてしまい、その様子をじっくりと穴が空くほどに見つめていたのであったが、汗もかかずに平然と、最後の豆腐に口をつける彼女を見て、とうとう食欲がさっぱり無くなってしまった。代わりに無性に苛立つような、体の内側が燃えるような、そんな堪えきれない欲が体の中心から沸き起こってきて、今までそんなに気にしてなかった、―――実際は気にしないようにしていた胸元の膨らみが、途端に何かを唆しているように思えて、もっともっと叶の食事風景を見ていたくなった。
「ごちそうさまでした」
と、声がしたので見てみると、澄ました顔で水を飲んでいらっしゃる。俺は慌てて、店主がテーブルの上に乗せて行ったタイマーを止めて時間を見てみた。
「16分39秒」
「えっ? 食べ終わった?」
「ほんまに?」
「本当に一人で食べたんだろうか。………」
気がつけば観客たちがぞろぞろと戻ってきていた。彼らの様子は、もうあんまりくだくだしくなるから書かないが、俺はまたしても注目を浴びている彼女を見て、ただならぬ喜びを感じたということは、一言申し上げておく必要がある。少年は輪の中心に居る少女の手を取るに飽き足らず、その体に抱きついて(―――何と柔らかかったことか!)、
「やったね叶ちゃん。やっぱり出来るじゃないか」
と歓声を放ち、
「ほら、ほら、この子はデカ盛りを16分で食べきったんだぞ。男ならそれくらいできなきゃ」
と、まるで我が手柄のように、奮闘中の大学生らしき男性客に言うのであった。俺の感性はまたしても有頂天に上り詰めて、多幸感で身がふわふわと浮いていた。隣で叶がはにかんで居るのを見ては、優越感で酔っ払ってしまいそうだった、いや、酔いに酔って、―――彼女の隣に居るのは僕なんだぞ。少年はそう叫んだつもりであるのだが、実際には心の中で叫んだだけなようである。俺がこの日の記憶をおぼろげにしか覚えていないのは、そんな感情に身も心も流されていたからなのである。………
騒ぎが収まってから、俺は半分近く残っていたエビチリを叶にあげた。もちろんぺろりと平らげた訳なのだが、しかしその後余りにも平然としてデザートの杏仁豆腐を食べているので、ひょっとしたら、………というよりは、やっぱりそうなんだなと思って、
「もしかしてさ、もう一回くらいいける余裕ある?」
「あ、………もちろん」
もちろんの部分は小声で言うのであった。そして小声のままその後に続けて、今体験した感じで言うと、もう一回あのデカ盛りを食べるどころか、さらにもう一回くらいは多分入ると思う。なんて言っても、まだ空腹感が拭えない。実のことを言えば、あれだけ店主が期待させてくるから楽しみだったのだけれども、いざ出てきてみれば、美味しかったものの、いつも食べてる分量より少なかったから、拍子抜けしてしまった、30分という時間制限も、頑張ったらさっきの麻婆丼2つ分でも達成できると思う。いや、たぶん余裕だと思う、出来ることならもう一回挑戦してみたいが、あの騒ぎを起こされた後だとやる気は起きないかなと言う。少年は彼女の食欲が未だに失せないことに、感謝さえしそうであった。なぜかと言って、この日の俺の願望は、彼女の食事姿を眺めること、そして、街にある食事処をはしごして、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること、―――この2つだったのである。しかし、前者は達成したからと言って、それが満足に値するかどうかは別な問題であって、既に願望が「彼女の食事姿を飽きるまで眺めること」となっていた当時の俺には、元々の望みなどどうでもよく、叶がお腹いっぱいになっちゃったなどと言う心配の方が、先に頭に上っていた。が、今の彼女の言葉を聞くに、彼女はまだまだ満足していない。腹で言えば、三分ほどしか胃袋を満たしていない。となれば、第二の願望である「彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること」を達成していない。然れば、僕が叶の食事風景を飽きるまで眺めるためにも、そして叶が満腹を感じるまでに食事を取るためにも、今日はこのまま延々と飯屋という飯屋を巡ってやろうではないか。そして、あのメルヘンチックな子供部屋で、二人で夜景を眺めようではないか。………斯くして三度、俺の願望と叶の欲とは一致してしまったのであった。
結局叶は、春巻きをもう一度10人前注文して幸せそうな顔で味わい、その間に俺は会計を済ましたのであったが、あっぱれと未だに称賛し続けている店主の計らいで杏仁豆腐分だけで済んでしまった。本当にあの体にあの量が入ってるとは信じられんとおっしゃっていたが、全くその通りであるので、店を出てから叶に断ってお腹に手を触れさせてもらったところ、ちょうど横隔膜の下辺りから股上までぽっこりと、あるところでは突き出ているようにして膨らんでいる。ここに8.7キロの麻婆丼と、春巻き20人前が入っているのである。ついでに水何リットルと、申し訳程度の定食が入っている。そう思うと、愛おしくなって手が勝手に動き初めてしまいそうになったけれども、人通りの多い道であるから、少年は軽く触れただけで、再び少女の手を引いて、街中を練り歩き出した。
それから家に帰るまでの出来事は、先の中華料理屋とだいたい似ているので詳しくは書かないが、何を食べたかぐらいは書いておこう。次に向かった店は近くにあったかつれつ屋で、ここで彼女は再びデカ盛りのカツ丼4.3キロを、今度は初めてと言うべき味に舌鼓をうちながらゆっくりと、しかしそれでも半額になる25分を6分24秒下回るペースで平らげ、次はカレーが食べたくなったと言って、1つ2つ角を曲がってよく知らないインドカレー屋に入り、ご飯を5回おかわり、ナンを10枚食べる。おぉ、すごい��ぇ、とインド人が片言の日本語で歓声を上げるので、叶はどう反応していいのか分からずに、むず痒そうな顔を浮かべていた。で、次はラーメン屋が目についたので、特盛のチャーシュー麺と特盛の豚骨、そして追加で餃子を頼んで、伸びたらいけない、伸びたらいけないと念仏のように唱えながら、汁まで飲み干す。この時既に、一体何キロの料理が彼女の腹に入っていたのか、考えるだけでも恐ろしいので数えはしないが、店を出た時に少々フラフラとするから心配してみたところ、
「いや、体が重いだけで、お腹はまだ大丈夫」
という答えが返ってくる。事実、その移動ついでにドーナツを10個買うと、うち9個は叶の胃袋へ、うち1個は俺の胃袋へと収まった。そして今度は洋食屋に行きたいとご所望であったから、先の中華料理屋の向かい側にある何とか言う店に入って、ナポリタン、―――のデカ盛りを頼んで無料となる19分17秒で完食す。とまあ、こんな感じで店をはしごした訳であったが、その洋食屋を後にしてようやく、ちょっと苦しくなってきたと言い出したので、シメとして喫茶店のジャンボパフェを食べることにした。彼女にしてみれば、どれだけ苦しくても甘いものだけはいくらでも腹に入れられるのだそうで、その言葉通り、パフェに乗っていたアイスが溶けるまでにバケツのような器は空になっていた。そして、喫茶店を出た時、叶は急に俺の体に凭れかかってきたのであった。
「あ、あ、………苦しい、………これがお腹一杯って感覚なんだね」
と、俺の背中に手を回してすっかり抱きついてくる。うっとりとして、今が幸せの絶頂であるような顔をこちらに向けたり、道の向かい側に向けたりする。人目もはばからず、今にもキスしそうで、その実ゴロンと寝転がってしまうのではないかと思われる身のこなし。心ここにあらずと言ったような様子。………彼女は今言った量の料理を食べて初めて、満腹感を感じられたのであった。―――あゝ、とうとう僕の願望と叶ちゃんとの欲望が、叶い、そして満たされたしまったのだ。見よ見よこの満足そうな顔を。ここまで幸せそうな顔を浮かべている者を皆は知っているか。―――少年も嬉しさに涙さえ出てくるのを感じながら、抱きついてくる少女のお腹に手を触れさせた。妊娠どころか人が一人入っているかのようにパンパンに張って、元の病的なまでに窪んでいた腹はもうどこにもなかった。胸元だけではなく、腹部にある布地もはちきれそうになっていた。思えばここに全てが詰まっているのである。今日食べた何十キロという食べ物が、………そう考えれば本来の彼女の体重の半分近くが、この腹に収まって、今まさに消化されているのである。少年と少女はついに唇を重ねるや、そっとお腹に耳をつけてその音を聞いてみると、じゅるじゅると時々水っぽい音を立てながら、しかしグウウウ、………! と言った音が、この往来の激しい道沿いにおいても聞こえてきて、この可愛らしい少女からこんな生々しい、胎児が聞くような音を立てているとは! 途端に、股間の辺りから妙な、濁流を決壊寸前の堤防で堰き止めているかのような、耐え難い感覚がして、少年は咄嗟に彼女から身を引いた。今度の今度は背中をバットで殴られたような衝撃ではなく、内側からぷくぷくと太って破裂してしまいそうな、死を感じるほどのねっとりとした何かだった。そしてそれは何故か叶の体、―――特に異様に膨らんだ胸元と腹を見るだけでも沸き起こってくるのであった。少年は恐怖で怯えきってしまった。この得体の知れない感覚が怖くて仕方なかった。目の前でふらふらとしている少女から逃げたくもなった。が、無情なことに、その少女はうっとりと近づいてきて、少年の体にすがりつくので、彼は逃げようにも逃げられず、為されるがままに、その痩せきってはいるけれども上半身の異様に膨れた体を抱いてやって、少女の希望ゆえにお腹を両手で支えながら帰路につくのであった。
「お母さんに何言われるか分からないから、楽になるまで遊んで」
離れに戻ってから、叶はそう言って俺の体に寄りかかってきた。道沿いでしてきた時はまだ遠慮があったらしく、俺はすっかり重くなった彼女の体を支えきれずにベッドに倒れてしまい、じっと見つめる格好になったのであるが、そのうちに堪えきれなくなって、どちらからともなく、
「あははは」
「あははは」
と笑い出した。
「ねぇねぇ」
「うん?」
「さっきキスしてきたでしょ」
「………うん」
俺はこっ恥ずかしくなって、素っ気なく答えた。
「もう一度しない?」
「………うん」
今度はしっかりと叶の顔を見つめながら答えた。
これで俺たちは二度目の接吻をした訳であるが、俺の手はその後、自然に彼女の胸に行った。この時、叶の方がベッドに大きく寝そべっていたので、俺の方が彼女より頭一つ下がった位置にあり、目の前で上下する乳房が気になったのかもしれない。俺の手が触れた時、彼女はピクリと体を震わせただけで、その熱っぽい顔はじっとこちらを向けていた。嫌がっている様子が見えないとなれば、少年は図に乗って、両手を突き出して乳房に触れるのであったが、それでも少女は何も言わない。思えば、少年が恋する少女の胸に手をかけた初めての時であった。やわらかく、あたたかく、頭ぐらい大きく、手を突っ込めばいくらでもズブズブと沈み込んでいき、寄せれば盛り上がり、揉めば指が飲み込まれ、掬い上げれば重く、少年はいつまででも触っていられそうな感じがした。と、その時気がついたことに、着ている物の感触として、女性にはあって然るべき重要な衣服の感覚が無いのである。
「ぶ、ぶ、ぶ、ぶらは、………?」
と少年は何度もどもりながら聞いた。
「高くって買えないの。………それに、おっぱいが大きすぎて店に行っても売ってないの。………」
と少女は儚げな表情を、赤らめた顔に浮かべる。
それきり、言葉は無かった。少年も少女も、大人にしか許されざる行為に、罪悪感と背徳感を感じて何も言い出せないのである。少年の方は、父上の言いつけに背くばかりか、この部屋に連れ込んで淫らな行為に及んでいるがため、少女の方は、相手が自分の手に届かない物持ちの息子であることから、果たしてこんなことをして良いのかと迷っているところに、突然の出来事舞い込んできたため。しかし両者とも、気が高揚して、場の雰囲気もそういうものでないから、止めるに止められない。そして、どうしてその行動を取ったのか分からないが、少年は少女に跨って下半身を曝け出し、少女もまた裾を捲って肩まで曝け出した。玉のような肌をしながらも、はちきれんばかりになったお腹に、少年はまず驚いた。驚いてグルグルと唸るそれを撫で擦り、次に仰向けになっているのにしっかりと上を向く、丸い乳房に目を奪われた。生で触った彼女の乳房は、服を通して触るよりも、何十倍も心地が良かった。少年は、少女の腹を押しつぶさないように、腰を浮かしながら、曝け出した物を乳房と乳房が作る谷間の間に据えた。と、同時に少女が頷いた。右手で左の乳房を取り、左手で右の乳房を取り、間に己の物を入れて、すっぽりと挟み込み、少年は腰を前後に振り始めた。―――少年が射精を憶えた初めての時であった。
叶の腹がほぼ元通りに収まったのは、日も暮れかかった頃であったろうか、彼女を無事家まで送って行き、すっかり寂しくなった部屋で、俺はその日を終えたのであるが、それからというもの、お話をするという日課は無くなって、代わりに、休みの日になると叶を引き連れて、街にある食事処を次々に訪れては大量に注文し、訪れてはテーブルを一杯にし、訪れては客を呼び寄せる。その度に彼女は幸せそうな顔を浮かべて料理を平らげ、満足そうな顔を浮かべて店を後にし、日の最後は必ずその体を俺に凭れさせる。彼女にとって嬉しかったのは、そうやっていくら食っても俺の懐が傷まないことで、というのは、だいたいどこの店にもデカ盛りを制限時間内に食べられれば無料になるとか、半額になるとか、そんなキャンペーンをやっているのだけれども、叶はその半分の時間で完食してしまうのである。「頑張ったら、別に2倍にしても時間内に食べられるよ」と言って、見事に成し遂げたこともあった。その店には以降出入り禁止になってしまったけれども、痛いのはそれくらいで、俺は俺の願望を、叶は叶の欲望を満たす日々を送ったのであった。
だが、叶を初めて連れて行ってから一ヶ月ほど経った時の事、父上に呼ばれて書斎へと向かうと、いつもは朗らかな父上が、パソコンの前で真剣な表情で睨んで来ていらっしゃった。俺は咄嗟に叶との行動が知れたのだなと感づいて、心臓をドキドキと打たせていると、
「まぁ、別に怒りはしないから、隣に来てくれ」
とおっしゃるので、すぐ傍にあった椅子に腰掛けて、父上が真剣に見ていたであろうパソコンの画面を見てみた。そこには家中に配置されている監視カメラの映像が映し出されていたのであったが、その映像をよく見てみると、若い少年と少女が手を繋いで庭を渡る様子と、端に俺が叶を連れ込んだ日の日付と時間が刻銘に刻まれているのである。俺は頭が真白になって、どういい訳をしたらいいのか、どうやれば許して頂けるのか、―――そういう言葉ばかりが浮かんで結局何も考えられなかったが、兎に角、叶と会っていたことが父上にバレた、それだけははっきりと分かった。
「この映像に思い当たる節はないか?」
無いと言っても、そこに写っている少年の顔は俺であるし、後ろ姿も俺であるし、背丈も俺であるし、況や叶をや。言い訳をしたところで、事実は事実である上に、父上に向かってこれ以上見苦しい姿を見せたくなかったし、嘘を言うなんて事は俺には出来ないので、正直に告白することにした。もちろん、彼女に一杯物を食べさせてたなんて言うべきではないから、ただ一言会っていたとだけ伝えることにした。
「ふむ、正直でよいよい。そんなとこだろう。いや、それにしても、いきなり自分の部屋に連れ込むとは」
と、一転して朗らかになったので、急に恥ずかしくなってきて、キュッと縮こまったのであった。
ところで俺がこの監視カメラを甘く見ていたのには、少しばかり理由がある。1つには、庭は木が生い茂っていて見通しが悪いこと、そしてもう1つには、子供部屋として使っている離れには設置していないこと、だから俺はあの日の朝、部屋にさえ連れ込んだらこちらのものと思っていたのであったが、それ以上の理由として、父上がその防犯カメラの映像をあまりチェックし給はないことが挙げられる。父上は抑止力としてカメラを設置していらっしゃるだけで、その映像を見ることは月に一回あるかないか、それもたまに半年間もすっぽ抜かすこともあれば、チェックをするのも適当に何日かを選んで、早送りをして見るだけというずさんさがあった。俺はしばしばその様子を眺める機会があったのだが、いまいち鮮明でない画面であるがゆえに、もはや人が居るかどうかが辛うじて分かる程度であった。だから、俺はあの時、叶を部屋に連れ込んだとしても、見つかるはずは無いと高をくくっていたのである。
で、子供が一人で家の中で何をしているのか気になった父上が、ひょんなことから防犯カメラの映像を、ぼんやり眺めていると、何者かと共に離れにまで入っていく事を確認し、それが何とも見窄らしい格好をした少女であるから、2、3回繰り返して見ているうちに、隣家の貧家の娘であることに気がついたのであろう。
俺はそれから、また真剣な顔つきになった父上に、たんまりと諭されてしまった。この住宅街は、その大半が一般庶民の暮らしている家で埋められているのであるが、とある一画にだけは物騒な人(に売られる)が住んでいる。不幸なことにこの家を建てる時に、上手い土地が無かったために、ある一つの家を挟んで、そこと向かい合わせになってしまった。それならば、せめて家の裏にして、木で生け垣を作って完璧に仲を隔ててしまおうと思って、お前の部屋からも分かる通り、風景は見えるようにだけしたのである。もちろん、それなら別に他の所に住めば良いではないかと思うかもしれないが、しかしこの地は俺が子供時代に何年か過ごしたことがある土地であって、そして、お前のお母さんの生まれ育った土地である。つまりは夫婦の思い出の地であって、(言葉を濁しながら、)つまりは俺もお前と同じ穴の狢であるから、近所に住む女の子を一人や二人呼んだところで何も言いはしない。が、裏にある地区だけはダメだ。別にそういう地区ではないが、何しろ物騒な噂ばかり聞く。で、彼女の家はそんな地区と我々とのちょうど境目に建っていて、一番可哀想な境遇を経ているのであるが、向���うから色々と入れ知恵されていると人はよく言う。もし問題が起これば面倒事になるかもしれないし、お前に怪我でもあったら良くない。実際、昔お前のお母さんの友人が、あの地区にいる人といざこざを起こした時に、上辺だけは丸く済んだけれども、その後に復讐として連れ去られそうになったことがあった。彼らは放っておくとどこまで非情なことをするの��分からない。だからあの言いつけはお前を心配してのことだったのだ。そもそも、俺はお前にはもっとふさわしい女性とお付き合いしてほしい。ほら、一人二人くらい学校で仲良くなった子は居るだろう。いたらぜひ言ってくれと、最終的には学校生活の話をするのであったが、父上は諭している途中ずっと真面目であった。俺はそれをふんふんと頷きながら、その実父上がそういうことを話てくれることが嬉しくて、内容はあまり耳に入ってなかった。ただ叶が可哀想なんだなと思うくらいで、始まった父上の詰りに、すっかり考えを逸らされてしまったのであったのだが、
「しかし、可愛い子だな。あんな家に住ませておくのがもったいない。転校して会えなくなる前に、分かれの挨拶くらいは許してやるから、やっておけよ」
と、突然父上が衝撃的な事を言ってのけるので、
「え? 転校?」
と聞き返してしまった。全く、転校するなどとは俺には初耳で、椅子の上でぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
「もう少ししたら、気晴らしに別荘の方で何年か過ごすからな、―――あゝ、そうそう本当に何年間かだぞ、一週間などではなくて。だからそのつもりでな」
俺はぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
それからは急に頭がぼんやりとしてしまって、引っ越しまでどう過ごしたのか憶えて居ない。ただ、最後に叶に会ったことだけは憶えていて、彼女は泣いていたように思う。ようやく自分が満足する量の食事を隔週ではあるけれども、取っている彼女の体つきは、微かに肉付きがよくなっているのだが矢張りガリガリに痩せ細っていた。逆に、胸元だけは一層膨らみ始めていて、その大きさはバレーボールよりも大きかった。俺は木陰に入って、最後にもう一度触らせてもらった。もうこれが最後だと思うと、お腹にも耳を当てた。朝食後直ぐに出てきたというその腹からは、矢張りゴロゴロと中で何かが蠢く音が聞こえてきた。そして泣いて泣いて仕方がない彼女と最後のキスをして、また会う約束を交わして、蕾を付け始めた桜の花を、雲の下にてあわれに見ながら袂を分かった。
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