#泰平ヨン
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「泰平ヨンの航星日記」、読み終えた。
レムはソラリスとインヴィンシブル(砂漠の惑星)しか読んだことがなかったので、かなりびっくりした。こういうコミカルな話も書くんだ…。
とはいえ、前半の「泰平ヨンの航星日記」と、後半の「地球の泰平ヨン」ではテイストが違ってまたびっくり。でも、後半の方が今まで自分が持っていたレムのイメージに近いのかも。
航星日記の方は冒頭に挙がっていたけど、ガリバー旅行記やほらふき男爵のような皮肉や風刺のこめられた冒険譚で、ところどころニヤニヤする感じだった。聖者になっちゃった神父さまの話とかすごかったな…。「絶対秩序自由制定機」も面白かった。これはそのうちAIになんでも「公平に」やってもらおうとしたらなるのかも。
地球の泰平ヨンの方は全体的にややダークな感じで、これはこれでかなり面白かった。ポーとか昔の怪奇小説っぽいのかも。 「鉄の箱」はボルヘスの円環の廃墟を思い出す感じ。「不死のたましい」は、偶然だけど最近読んだ「共同体なき死」や「死後を生きる生き方」なんかにもつながる死生観や輪廻転生にもつながる話で、オカルトっぽい感じはあるもののよかった。でも、最後の泰平ヨンの行動がとてもよかった。
いやー、レムはすごいな。とりあえず買ってある「火星からの来訪者」を読もう。あとはソラリス、インヴィンシブルと三部作になるという「エデン」が気になる。泰平ヨンも続きがあるようなので読んでみよう。読んでみようという本ばかりだ…。一冊読むとそこからまた色々読みたくなるんだよなあ…。
そういえばインヴィンシブルも読んだのにまとめてないな…。ゲームと合わせて書こうかなと思っていたけど、ゲームがやや微妙な感じで…。
「人びとはそれほど不死を渇望してはいませんよ」すこし間をおいて、私はつづけた。「ただ死にたくない、と思ってるだけです。人びとは生きることを望んでいる。足もとに地面を感じ、頭上に雲をながめ、他の人びとを愛し、いっしょに暮らして、お互いのことを考えることを望んでいる。これ以上なんにもない。これを超越して主張されたものは、すべてうそです。無意識のうそです。
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2023年12月26日に発売予定の翻訳書
12月26日(火)には22冊の翻訳書が発売予定です。 ただし、その中に井原西鶴『世間胸算用』の英訳が含まれています。
解(ほど)けていく国家
ミシェル・マルゲラーズ/著 ダニエル・タルタコウスキ/著 中山洋平/翻訳 尾玉剛士/翻訳
吉田書店
デカルト・エリザベト王女等の書簡集
フーシェ・ド・カレイユ/編集 山田弘明/翻訳
知泉書館
比較宗教学
エリック・J・シャープ/著 久保田浩/監修 江川純一/監修 シュルーター智子/監修・翻訳 藁科智恵/翻訳 渡邉頼陽/翻訳 小藤朋保/翻訳
国書刊行会
だれか、来る
ヨン・フォッセ/著 河合純枝/翻訳
白水社
This Scheming World : Classic Tales of Desire, Deception and Greed in Old Japan
Ihara Saikaku/著 Masanori Takatsuka/翻訳 David C. Stubbs/翻訳
チャールズ・イー・タトル出版
ガリバー
クロード・シモン/著 芳川泰久/翻訳
幻戯書房
この世界はどんな世界か? : パンデミックの現象学
ジュディス・バトラー/著 中山徹/翻訳
青土社
七十人訳ギリシア語聖書 箴言 付録・アリステアスの書簡
秦剛平/翻訳
青土社
誤解されても放っておく : もう「気にしすぎる」のは、やめることにした
キム・ダスル/著 カン・バンファ/翻訳
三笠書房
事例で学ぶ特徴量エンジニアリング
Sinan Ozdemir/著 田村広平/監修 大野真一朗/監修 砂長谷健/翻訳 土井健/翻訳 ほか
オライリー・ジャパン
礼節のコア・コンピテンシー ― ケアするすべての人へ
シンシア・M. クラーク/原著 手島恵/翻訳
日本看護協会出版会
戦争語彙集
オスタップ・スリヴィンスキー/著 ロバートキャンベル/翻訳
岩波書店
教養の生物学 第2版
A. Houtman/著 岡良隆/翻訳 岡敦子/翻訳
東京化学同人
マーリ・アルメイダの七つの月 上
シェハン・カルナティラカ/著 山北めぐみ/翻訳
河出書房新社
マーリ・アルメイダの七つの月 下
シェハン・カルナティラカ/著 山北めぐみ/翻訳
河出書房新社
〈きもち〉がいちばん好きなもの
ティナ・オジェヴィッツ/著 アレクサンドラ・ザヨンツ/イラスト 森絵都/翻訳
河出書房新社
それって本当?メディアリテラシーはじめよう : フェイクニュースとクリティカルシンキング
ジョイス・グラント/著 キャスリーン・マルコット/イラスト 片柳伊佐/翻訳
岩崎書店
レッドリスト・プラネット : 野生生物を守り、地球を救うために
アンナ・クレイボーン/著 大山泉/翻訳 千葉和義/監修
評論社
料理は子どもの遊びです
ミシェル・オリヴェ/著 猫沢エミ/翻訳
河出書房新社
中国の大戦略 : 覇権奪取へのロング・ゲーム
ラッシュ・ドーシ/著 村井浩紀/翻訳
日経BP 日本経済新聞出版
お尻の文化誌 : 人種、ファッション、科学、フィットネス、大衆文化
ヘザー・ラドケ/著 甲斐理恵子/翻訳
原書房
拒否戦略 : 中国覇権阻止への米国の防衛戦略
エルブリッジ・A・コルビー/著 塚本勝也/翻訳 押手順一/翻訳
日経BP 日本経済新聞出版
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『泰平ヨンの航星日記』★、 『泰平ヨンの回想記』、 『泰平ヨンの未来学会議』★ 、『泰平ヨンの現場検証』。 ★は〔改訳版〕がハヤカワ文庫で現在入手可。最新刊『地球の平和』
『泰平ヨンの回想記』と『泰平ヨンの現場検証』は、大学時代につくばで買い求めたらしいことが書皮からわかる。
#スタニスワフ・レム#泰平ヨン#SF#Japanese books#book design#Stanislaw Lem#Stanisław Lem#装幀#装丁#書皮#book cover#ハヤカワ文庫#国書刊行会#tichy ijon
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_ 「 #コングレス未来学会議 」2013年 フランス・イスラエル合作のSF映画 原作は #スタニスワフレム の 「 #泰平ヨンの未来学会議 」 実写とアニメを繫げるのは昔からよくあるけれど、 この映画に関してはなぜかあまり違和感がなく、 映像の中にのめり込んでしまいます。 特にCGがリアルだったという感じでもないし、 監督の作り方が上手だったのかなと思う。 アニメーションはヴィンテージ感満載。 仏陀とキリストが歩いていたり、 プレスリーやダーティーハリーが出たりと… ユニークで美しい映像に圧倒されます。 記憶に残るいい映画でした。 . . . #映画好きな人と繋がりたい #洋画好きな人と繋がりたい #おすすめ映画 #アニメーション映画 #SF映画 #アリフォルマン #ハーヴェイカイテル #ポールジアマッティ #コディスミットマクフィー #TheCongress #TheCongress2013 #AriFolman #RobinWright #HarveyKeitel #PaulGiamatti #DannyHuston https://www.instagram.com/p/CD3rI-QjqTo/?igshid=1ugqb63lhfmem
#コングレス未来学会議#スタニスワフレム#泰平ヨンの未来学会議#映画好きな人と繋がりたい#洋画好きな人と繋がりたい#おすすめ映画#アニメーション映画#sf映画#アリフォルマン#ハーヴェイカイテル#ポールジアマッティ#コディスミットマクフィー#thecongress#thecongress2013#arifolman#robinwright#harveykeitel#paulgiamatti#dannyhuston
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【メディア情報】review
※閲覧注意※
一部のレビューには、ネタバレの内容が含まれております。
※9/21更新
【リアルサウンド映画部】菊地成孔の『新感染 ファイナル・エクスプレス』評:国土が日本の半分の国。での「特急内ゾンビ映画」その息苦しいまでの息苦しさと上品な斬新さ
http://realsound.jp/movie/2017/09/post-107713.html
【映画com】ゾンビ映画の新境地へと観客を運ぶ、究極の特急サバイバルアクション
http://eiga.com/movie/86189/critic/
【シネマトゥデイ①】(映画短評/相馬 学)★★★★★ スリルもゾンビ映画スピリットも文句なし!https://www.cinematoday.jp/review/4198
【シネマトゥデイ②】(映画短評/なかざわひでゆき)★★★★★ 世界が熱狂する韓流ゾンビ映画は噂にたがわぬ傑作https://www.cinematoday.jp/review/4181
【シネマトゥデイ③】(映画短評/平沢 薫)★★★☆☆
正攻法のゾンビ映画の面白さもたっぷり https://www.cinematoday.jp/review/4177
【シネマトゥデイ④】(映画短評/くれい響)★★★★★
しゅっぱつしんこう!「ゾンビ特急釜山行」 http://www.cinematoday.jp/review/4179
【シネマトゥデイ⑤】(映画短評/清水 節)★★★★★
暴走ゾンビ列車に乗せて突っ走る、愛と絆と痛烈な社会批判。 http://www.cinematoday.jp/review/4234
【yahoo!ニュース 個人/紀平照幸】ゾンビ映画ファン必見!疾走する超特急の中でパンデミック発生!『新感染 ファイナル・エクスプレス』
https://news.yahoo.co.jp/byline/kihirateruyuki/20170827-00075008/
【yahoo!ニュース 個人/渥美志保】『新感染 ファイナル・エクスプレス』監督が教える「なぜゾンビは早く走れないのか?」
https://news.yahoo.co.jp/byline/atsumishiho/20170902-00075300/
【エンタメステーション】(原田泰造×コトブキツカサ対談)「泣けるゾンビ映画」と評判!『新感染 ファイナル・エクスプレス』で新感覚の恐怖を体験
https://entertainmentstation.jp/111726
【47NEWS】『新感染 ファイナル・エクスプレス』 高速鉄道の乗客がウイルス感染し次々に凶暴化!
http://www.47news.jp/topics/entertainment/2017/08/post_9657.php
【NYLON.jp】パニック映画にして感動の人間ドラマ『新感染 ファイナル・エクスプレス』
http://www.nylon.jp/cinema_312.html
【日経トレンディネット】ゾンビ映画『新感染』に感動した! 新幹線内でゾンビ増殖、心臓バクバクのパニック映画
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1031828/083100121/
【MANTANWEB】<新感染 ファイナル・エクスプレス>韓国の新幹線を舞台にした充実のサバイバルアクション
https://mantan-web.jp/article/20170831dog00m200008000c.html
【Moviewalker】そのおもしろさに“感染”した観客続出…地獄絵図と化したソウル発の高速鉄道から生き延びよ!
https://news.walkerplus.com/article/119275/
【T-SITE】新作映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観るべき3つの理由――この才能に嫉妬したい、“新たなる”ゾンビ映画の傑作
http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/36663848/?sc_cid=tcore_a99_n_adot_share_tw_36663848
【シネマコリア】『新感染 ファイナル・エクスプレス』 ~ゾンビ映画の「澄み切った絶望」という救済
http://cinemakorea.blog.fc2.com/blog-entry-211.html
【日刊サイゾー】自分ファースト、利益至上主義、弱者切り捨て!現代社会の縮図が走るゾンビ超特急『新感染』
http://www.cyzo.com/2017/08/post_34164_entry.html
【U-NOTE】韓国発・新パンデミック映画「新感染」は、どこがどう震撼させるのか?
http://u-note.me/note/47507648
【シネマズby松竹①】時速300kmで走る密室『新感染 ファイナル・エクスプレス』が涙する作品だったとは
https://cinema.ne.jp/recommend/shin-kansen2017071317/
【シネマズby松竹②】『新感染 ファイナル・エクスプレス』は韓国エンタメ映画の真骨頂!新世代のスター、コン・ユの存在感
https://cinema.ne.jp/recommend/shin-kansen2017082710/
【シネマズby松竹③】『新感染 ファイナル・エクスプレス』親子愛・夫婦愛・姉妹愛に劇場は感動の涙!
https://cinema.ne.jp/recommend/shin-kansen2017091216/
【シネマズby松竹④】『新感染』はジャンル映画の盲点を突きまくる、ゾンビ・感染物映画の新境地
https://cinema.ne.jp/recommend/shin-kansen2017092106-2/
【東京新聞】手に汗握るパニック 映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2017083102000204.html
【朝日新聞DIGITAL】(評・映画)「新感染 ファイナル・エクスプレス」ゾンビより怖い、人間のエゴ
http://www.asahi.com/articles/DA3S13102881.html
【週間女子PRIME】完成度高すぎなゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』3つの称賛ポイント
http://www.jprime.jp/articles/-/10503
【ホンシェルジュ】ゾンビ版『そして父になる』!カンヌで絶賛されたサバイバル人間ドラマ!
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/3995
【ハウコレ】『新感染ファイナル・エクスプレス』はホラーを越えた異色のワクワク・ゾンビ映画!
http://howcollect.jp/article/27618
【週刊実話】LiLICoオススメ「肉食シネマ」 ひと味違う、ゾンビパニック感動作!『新感染 ファイナル・エクスプレス』
http://wjn.jp/article/detail/7486762/
【ELLEONLINE】…いわゆるゾンビものでありながら、登場人物それぞれのドラマがしっかりと描かれ、彼らが必死に生き抜こうとする姿が感動的。
http://www.elle.co.jp/culture/news/cweek_17_0901
【Pouch】特急電車の中でゾンビに襲われて逃げられない感が苦しくなる! 大ピンチ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』なぜか後半泣けちゃいます【最新シネマ批評】
http://youpouch.com/2017/09/02/456749/
【dmenu映画①】韓国の庵野秀明、ついに日本上陸! ヨン・サンホ監督の3作品が怒濤の連続公開
https://movie.smt.docomo.ne.jp/article/1080817/
【dmenu映画②】高速鉄道内でゾンビが増殖!車両内サバイバルの“新感染”映画が描く内容の深さ
https://movie.smt.docomo.ne.jp/article/1080390/
【朝日新聞/小原篤のアニマゲ丼】ゾンビも列車も止まらない
http://www.asahi.com/articles/ASK806VPRK80UCVL01Y.html
【エキレビ!】ゾンビ映画の超新星『新感染 ファイナル・エクスプレス』は圧倒的にうまいシチュエーションで魅せる大傑作
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20170903/E1504359305406.html
【ciatr】韓国で誕生した「新感染」はゾンビパニック人情派!(あったけぇ……)
https://ciatr.jp/topics/307961
【Filmarks】密室ゾンビパニック『新感染 ファイナル・エクスプレス』は父親の成長を描いた感動作!
https://goo.gl/oKWKAQ
【ヒカリグラフ】最初にして最高の韓国ゾンビマスターピース
http://hikarigraph.com/y-odaka/eiga20170915/
【iRONNA】ゾンビ映画『新感染』で分かった「ジコチュー」韓国人のリアル
http://ironna.jp/article/7694?p=5
【ZakZak by夕刊フジ】【エンタなう】“極限状態”にアドレナリン出まくり! 韓流・ゾンビ嫌いも楽しめる「新感染 ファイナル・エクスプレス」
http://www.zakzak.co.jp/ent/news/170919/ent1709193153-n1.html
【with】めちゃめちゃ面白い『新感染 ファイナル・エクスプレス』の 韓流スター、コン・ユがステキ!!
http://withonline.jp/entertainment/6370
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スラップスティックのち悪夢のち悪夢、結局悪夢。ス��ニスワフ・レム 『泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕』Stanisław Lem “Kongres futurologiczny” を読んだら
スラップスティックのち悪夢のち悪夢、結局悪夢。スタニスワフ・レム 『泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕』Stanisław Lem “Kongres futurologiczny” を読んだら
レムというと『ソラリスの陽のもとに』“Solaris”や『砂漠の惑星』“Niezwyciężony”みたいな、渋くて堅い感じのものは読んだことありましたが、この『泰平ヨンの未来学会議』はかなり趣が違って、ドタバタブラックコメディのように始まり、しばらくそのテイストで進んでいきます(だんだん恐くなりますが)。
スタニスワフ・レム 『泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕』
コスタリカで開かれる未来学会議に出席することになった主人公の泰平ヨンですが、この世界ではテロが横行していて、会議会場のヒルトンホテルでも次々に騒動が起きて、人もバタバタ死んでいきます。そんな中、ヨンたち会議出席者は逃げもせず、たいして慌てるでもなく会議の準備を進めます。
『ソラリスの陽のもとに』はタルコフスキー監督で映画化されていますが、こっちはテリー・ギリアム作品みたいだな、と思って読んでいました(『未来世紀ブラジル』を思い出…
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「インヴィンシブル」、読み終えた。
本当は読んですぐ書こうと思っていたけど、バタバタしていたので結構忘れてしまった…。
元々「砂漠の惑星」というタイトルで昔出ていた本の新訳版。タイトルは元々「Niezwyciężony(英語だとInvincible)」だったので「インヴィンシブル」に変えたらしい。最後まで読むと、この「無敵」が色んな意味があって面白い。砂漠の惑星、もいいなと思ったけどやはりこれはインヴィンシブルが合うと思った。
その旧訳の砂漠の惑星は以前読んでいたけど、さっぱり忘れていたので普通に面白かった。レムといえばやはりソラリスだけど、ソラリスとはまた違う面白さがあった。解説でも触れられていたけど、女性が出てこないというのは大きく違うところかな。
で、この沼野充義さんの解説がすごく良かった。上に挙げた男しか出てこない話や、アーサー・クラークとの比較、ソラリスとの比較、逆方向への進化、ホロコーストとの関連についてなどなど、本編に迫るくらい面白かった。というか、本編と併せて読むとすごく面白い(解説だから当たり前か)。
このインヴィンシブルとソラリス、エデンが、レムのファーストコンタクト3部作と言われているようだけど、エデンは読んでいないので読んでみたい。
最近ちらほら"Not for me"という言葉を見かけるけど、レムがインヴィンシブルでもソラリスでも泰平ヨンでも、大きなテーマにしていることは、「人間(地球人)には理解できないし干渉もできない or してはいけないことがある、それらはわれわれのためにあるのではない」ということかなと思うと、Not for me(us?)が近いのかなと思ったりもした。
レムはもっと他の本も読みたいなあ。
ロアンは立ち上がったが、足はまだ少々ぐらついていた。いそいそと死者から奪ってきたヴェイル銃を後生大事にかかえた自分が急に滑稽に思えた。そればかりか、命なき形態のみが勝利し、生き残ることのできる、そして命あるいかなる眼も見るはずのなかった神秘の活動を執行し続ける、この完全なる死の国に、自分は必要のない存在なのだと感じた。一瞬前起こったことに、恐怖ではなく、圧倒的な感嘆の気持ちとともに、彼は参加していた。自分のこの気持ちを共有する能力はどんな学者にもないとわかっていた。だが、彼は今、彼らのもとに帰りたかった。行方知れずの者たちの全滅を告げる使者としてではなく、この惑星をそっとしておくことを要求する人間として。すべてのものが、あらゆる場所が、われわれのためにあるのではない――斜面をゆっくり下りながら、彼は思った。
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「エデン」、読み終えた。
インヴィンシブルの解説でも紹介されていたレムの「ファーストコンタクト3部作」のうち、読んでいなかった最後のもの。
いやー、こういう話とは! ソラリスともインヴィンシブルとも違う、ちょっと怖いようなグロいような、不思議な話だった。正直な所、ソラリスやインヴィンシブルよりも読みづらい小説だと思うけど、でも面白かったな。中盤の探索のパートが意味が分からないものの描写が続くのでややきつかった。
異星人のことが理解できない、という大元のテーマは同じだったと思うけど、エデンではよりはっきりと「地球の考え方を持ち込んではいけない」というメッセージが打ち出されていた。しかも結構何度も。善悪、援助、介入みたいなことも繰り返し出てきたし、理解できないものを自分の考えに無理矢理当てはめたり矯正したりしてはいけない、ということを強く言いたかったのかなあ。この感じはソラリスやインヴィンシブルにはあまりなかった気がする。 これは、宇宙人に限らず地球上の人間同士でも同じということなんだろうな。インヴィンシブルの解説でレムとホロコーストについて触れられていたのを読んだのもあり、「自分の考えを無理やり持ち込んではいけない」ということや、直接的に墓のシーンなど所々ホロコーストのイメージもありそうな気もした。
この小説は登場人物が主に六人出てくるけど、なぜか名前を使わず、コーディネーター、技師、物理学者、などなど役職名が使われていた。あまり人物にフォーカスさせたくないという意図なのかな…。 その登場人物の中に「ドクター(多分博士ではなく医者の意)」がいて、この人がなかなか面白かったんだけど、なぜか「インド夜想曲」に出てくる医者を思い出した。インドの人はレムは想定してなかったかもしれないけど、名前がないとこういう想像も働いて面白いかもしれない。いや、レムなら想定してるかな…。
これでファーストコンタクト三部作は読めたので、泰平ヨンの続きとか他のものも読みたいな。とりあえず、今はレム���一旦休憩して���ッド・チャンの「あなたの人生の物語」を読んでいる。自分的には残念だった映画「メッセージ」の原作だけど…これは全部読んだらまた別に書こう。
「おれたちが善であり、正しいとみなしているもののために奉仕するあらゆる介入は、そうした試みは、おそらく今日の探検のような結末を迎えるに違いないんだ。殲滅弾使用という結末だ。もちろん、正当防衛云々の弁解はいつでも用意できるが、援助のかわりに破滅をもたらすことになる。もうだいたいのところは分かったろう」
以下ネタバレ。
最後、まさかコンタクトできるとは思っていなかったのでびっくり。部分的というか限定的ではあったけど…。詳しくは分からなかったけど、エデンの「存在しないことになってる支配者」というのが謎だった。しかしこれだけ謎なものを考えられるのはほんとすごい…。
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今年読んで面白かった本まとめ。印象に残った文を添えて。特に順位とかはなく、読んだ順です。 ※リンク先はネタバレが多いです。
ゴーストランド / コリン・ディッキー
"私たちは死にきっていない者たちの間で生き、幽霊の都市に住んでいる。以前は意味も目的もあった建物が―家だけでなく、銀行や庁舎も―かつての意味をすっかり失い、それでもそこに残り、私たちに取り憑いている。可能な人はそこを立ち去り、新たな都市へ、まだ死者につきまとわれていないはずだと思う場所へ移動する。"
話の終わり / リディア・デイヴィス
"きちんと整理をつけたいとは思うのだが、私の頭の中はいつも混沌としている。一つの考えが別の考えに邪魔されたり、互いに矛盾していたりするうえに、記憶は往々にして捏造され、入れ替わり、省略され、混ざり合う。"
「美妙な死体」の物語 / レオノーラ・キャリントン
"時間を直線として考えるのは単なる偏見よ。だって何も直線でなくて、螺旋とか、折れ線、円とかなんでも私達が勝手に考えるような線も描けるんだから。時間というのは何か必ず始まりがあって終わりがあるものとして考え出されたものだもの。"
愛 / ウラジーミル・ソローキン
"・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・手が"
国書刊行会50年の歩み / 国書刊行会
"あれは煉獄の焔で焼かれた本だから、カバーは燃えちゃったんですよ。"
アライバル / ショーン・タン
※この本だけ文字がないので引用なし。
こんとんの居場所 / 山野辺太郎
"俺も人間だったから知っているつもりだけど、人間の体も心も、自分で思っているほど頑丈じゃないってことがある。すっかりくたびれ果てて、何もかも投げ出してしまいたくなることがあるかもしれない。ただ生きつづけているだけでもつらい、なんてことがないともかぎらない。そんなとき、この島のことを思い浮かべてほしい。こんな生きかただってあるんだ。"
平ら山を越えて / テリー・ビッスン
"おかしなことに、アパラチア山脈は消えてなくなったが、その幽霊が道路にとり憑いている。"
生きづらさ時代 / 菅野久美子
"それって、すごいことなんだよ。人生は、確かに悲惨なことが色々ある。だけど、その一つひとつの選択が今の自分に繋がっているってこと、まずはそれを認めてあげて欲しいよね。だって今、生きているんだから"
共同体なき死 / 真鍋厚
"わたしたちが生きている快適性追求の時代は、中身を伴わない「死の情報」だけが氾濫する一方��「死の現場」を生活空間から周到に排除したことによって、実像ではなく虚像による不条理と付き合わざるを得ない新しいフェーズに入っているのだ。"
※以下、なぜかリンクを直接貼れなくなってしまったので(10個が限界?)タイトルにリンクしてあります。
死後を生きる生き方 / 横尾忠則
"僕の場合は目の前に死がちらほらすると、逆に死に対する恐怖というのは、あんまりないなぁと思うんですね。苦しんだり、痛がったりして死ぬのは嫌だけれども、そうでなければ、まぁ、悪くないんじゃないかなぁと思うわけです。"
インヴィンシブル / スタニスワフ・レム
"すべてのものが、あらゆる場所が、われわれのためにあるのではない――斜面をゆっくり下りながら、彼は思った。"
泰平ヨンの航星日記 / スタニスワフ・レム
"「人びとはそれほど不死を渇望してはいませんよ」すこし間をおいて、私はつづけた。「ただ死にたくない、と思ってるだけです。人びとは生きることを望んでいる。足もとに地面を感じ、頭上に雲をながめ、他の人びとを愛し、いっしょに暮らして、お互いのことを考えることを望んでいる。これ以上なんにもない。これを超越して主張されたものは、すべてうそです。無意識のうそです。"
今年は去年ほど読めなかったなあ。最近になってやや読むようになってきたので、この感じで色々読んでいきたい。買ったのに読んでない本はたくさんあるし…。
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250 posts!
さっきの泰平ヨンが250ポスト目だったらしい(笑)。
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〈スタニスワフ・レム・コレクション〉第II期 第2回配本 『地球の平和』スタニスワフ・レム、拙訳、沼野充義 解説(国書刊行会)
レムの最後から二番目の小説にして、〈泰平ヨン〉シリーズ最終話。
半透明のカバーをはずすと下のようになります。
装訂:水戸部功
#stanislaw lem#スタニスワフ・レム#Stanisław Lem#Pokój na Ziemi#地球の平和#国書刊行会#Japanese books#books#SF#sci-fi#Polish literature#fantastyka#book design#書影#装幀#装丁#水戸部功
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ロシア語版『スタニスワフ・レム選集』各作品の扉にもI・M・センスキイの絵が入っている。ロシア語でエデンはЭденじゃなくてЭдемなのね、とか、ポーランド語原書では『航星日記』なのに日本語版タイトルに「泰平ヨンの」がついているのはロシア語からの重訳のせいか、などの知見を得た。
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あなたの本棚のかたつむり
か『隠し部屋を査察して』エリック・マコーマック
た『泰平ヨンの現場検証』スタニスワフ・レム
つ『創られた心』ジョナサン・ストラーン編
む『夢幻会社』J・G・バラード
り『竜のグリオールに絵を描いた男』ルーシャス・シェパード
文庫の海外SF&幻想文学で。
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#レムコレ 第Ⅱ期刊行を記念し手元のレム本を紹介。 Станислав Лем "Избранное"スタニスワフ・レム選集(Лениздат 1981)ロシア語訳:Дм. Брускин, А. Громова 装画:И. М. Сенский 『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』『泰平ヨンの航星日記』収録
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#レムコレ 第Ⅱ期刊行を記念し手元のレム本を紹介します。 『地球の平和』は〈泰平ヨン〉シリーズ最後の長篇。
Stanisław Lem "Pokój na Ziemi"(Gebethner i Ska 1992)
この本を訳していたら落丁があったため、急遽↓電書を買った。
Stanisław Lem "Pokój na Ziemi"(Publio/Biblioteka Gazety Wyborczej 2012)
#stanislaw lem#Stanisław Lem#Pokój na Ziemi#books#SF#sci-fi#Polish literature#スタニスワフ・レム#książki#装幀#装丁#書影#book design
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Lem "Dzienniki gwiazdowe" Sala gościnna Teatru Groteska クラクフ市東部、ノヴァフタで見かけたスタニスワフ・レム『(泰平ヨンの)航星日記』演劇のポスター。テアトル・グロテスカは子供向けのお芝居をする劇場。クラクフ市から予算が出ていてうらやましい。
#poland#cracow#polska#krakow#kraków#nowa huta#lem#stanislaw lem#stanisław lem#dzienniki gwiazdowe#teatr#poster#theatre#plakat#teatr groteska
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