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wangwill66 · 1 month ago
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游仙
H:清顧太清「人生行樂須及時,花外光陰去如矢。」「渺渺春波萬古閒,悠悠天地長如此。」吳蘭畹「人生若輕塵,為樂苦不早。」張印「一字算一淚,點點生珠光。」急市取靜,看古人之憂詩,讚嘆詩之美!20250404W5
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《卷一百八十八》[查看正文] [修改] [查看歷史]
《顧太清》
1 
顧太清,字子春,漢軍旗人。多羅貝勒奕繪側室。有《天游閣集》。
《游仙》
1 
層台起虛館,桂柱蘭為堂。微風從東來,吹動羅衣裳。翻階木芍藥,薜荔當門牆。揮杯發清興,絃歌誦詩草。繁星映戶牖,明月照兩廂。為樂及良時,光景孰云長。2 
縹緲十二樓,上有仙人居。左據青玉案,右擁鴻寶書。瓊瑤製危冠,芙蓉曳輕裾。歡笑粲玉齒,從容下丹除。俯察碧流水,清波戲朱魚。仰觀青天雲,舒卷任太虛。3 
巫山高巍巍,江水碧深杳。中有陽臺人,清容舒窈窕。翠袖倚朱闌,顏色常美好。我欲往從之,不見三青鳥。4 
層巖下斜日,雲霧生重陰。昏煙迷修渚,飛鳥投荒林。清宵佇涼月,開窗弄鳴琴。悠悠世中事,泠泠弦上音。
《清明雪後侍太夫人夫人游西山諸寺》
1 
三月山花尚未發,一春忽忽過清明。雲移列岫山無數,雪滿叢林樹有聲。怪石自成蹲虎勢,老松誰與臥龍名。晚晴碧澗添新水,歸路回看暮靄平。
《二十二日由白雲觀過天寧寺》
1 
遂過天寧寺,花香染客裾。蘚碑迷故事,風障護春蔬。野草濃於繡,遙山淡若虛。方今正望雨,宿麥及時鋤。2 
法源寺看海棠遇阮許雲姜許石珊枝錢李紉蘭即次壁刻錢百福老人詩韻贈之3 
籜石文章在,風流天下傳。即看詩句好,想見老人顛。繞座飛花雨,成陰蕩碧煙。禪房春晝靜,香接逆風前。4 
春老花盈樹,豐神借客傳。綠陰隨日轉,紅片任風顛。邂逅江南秀,檀欒法界煙。題詩寄同好,問訊綺窗前。
《游孔水用吳郡盧襄石刻詩韻》
1 
溪去山樓凡七里,平坦不煩折屐齒。下有泉源上石堂,萬佛妙相參差倚。青苔互古不見日,森森濃綠疑無始。龍泉古壁何年失,虎尾春冰豈可履。夕陰水鳥上漁梁,倒映山容碧灘陊。人生行樂須及時,花外光陰去如矢。開元殘碑嵌絕壁,幸得廬襄刻詩紀。出山一路又看山,二水合流成漫水。馬耳東風拂面香,鴛鴦屬玉驚人起。歸塗借問今何時,梨花桃花才結子。渺渺春波萬古閒,悠悠天地長如此。偕隱何辭挽鹿車,雲水遨游勝朝市。
《四十初度》
1 
百感中來不自由,思親此日淚空流。雁行隔歲無消息,詩卷經年富唱酬。過眼韶華成逝水,驚心人事等浮漚。那堪更憶兒時候,陳迹東風有夢不。2 
自先夫子薨逝後意不為詩冬窗檢點遺稿卷中詩多唱和觸目感懷結習難忘遂3 
賦數字非敢有所怨聊記予生之不幸也兼示釗初兩兒昏昏天欲雪,圍爐坐南榮。開卷讀遺編,痛極不成聲。況此衰病身,淚多眼不明。仙人自登仙,飄然歸玉京。有兒性癡頑,有女年尚嬰。斗粟與尺布,有所不能行。陋巷數椽屋,何異空谷情。嗚嗚兒女啼,哀哀搖心旌。幾欲殉泉下,此身不敢輕。賤妾豈自惜,為君教兒成。
《夏伊蘭》
1 夏伊蘭,字佩仙,錢塘人。諸生夏之盛女。有《吟紅閣詩鈔》。
《讀列女傳》
1 
我披《列女傳》,懷古心長悸。忠孝節義風,羅列類略備。閨閣垂師表,摹仿匪易易。幼讀《女孝經》,晨昏殊自媿。幸生賢女後,所學為何事。不見蓬戶女,書史未睹記。或投梭表潔,或奉匜養志。至性有餘師,殊途而一致。況綜三千年,供我精取棄。賢媛去今遙,精靈簡策寄。後先心印心,一一呼欲至。我輩工絮吟,聊以娛親意。大義重節孝,餘技通文藝。陶孟範猶存,曹龐型未墜。千秋仰止情,盥薇一編肄。
《憶祖姑母》
1 嚴親幼稚賴提攜,兩代深情一脈遺。骨肉已歸三尺土,恩勤猶記十年時。人天渺渺神何在,笑語依依願已虧。幾度繡窗勞翦鬌,伶俜憶昔苦無知。
《夜讀》
1 展卷坐深宵,竹陰趁清暇。引人書味長,佳境如啖蔗。女伴幸不來,憧擾片時謝。羅���向夕揮,放我涼風借。妙理耐鑽研,閨房當書舍。創獲珍珠船,寶貴真無價。蛩吟豆花籬,螢墮薔薇架。月解窺讀來,玲瓏穿樹罅。
《宗婉》
1 宗婉,字婉生,常熟人。山西同知蕭瓚、北河州判錦照母。有《夢湘樓稿》。
《漢宮瓦硯歌》
1 
千年古殿生蒿萊,瓦磯變化成良材。文房珍玩何足道,盛衰貴賤亦幻哉。誰人作硯供書契,云是帝鴻古遺制。琢玉奇珍祇飾觀,澄泥別樣誇新製。避雝風宇古樣鐫,合歡秋葉新題簽。小者文場便懷袖,大者椽筆揮雲煙。硯材百種此尤寡,陶質蒼然古而雅。問年神雀五鳳初,讬地長生未央下。當年立仗覆千官,此日抔泥出寒野。良工琢付識者藏,摩挲日久騰輝光。儲以水晶琉璃之寶匣,配以珊瑚翡翠之筆床。更聞此硯能發墨,濡染淋漓殊自得。凹處猶餘士蝕痕,中央已沒苔花色。君不見玉龍金鳳銅雀臺,於今無地無塵埃。又不見離宮別館三十六,望里莘莘走麋鹿。羨爾猶存曆劫身,芸窗珍重伴詞人。他時攜上通明殿,書遍吟毫五色新。2 
湘繭合稿刊成鐵雲妹婿貽餘以詩過蒙推許疊此奉酬3 
爭傳忠簡舊家門,虛譽何當眾口喧。閨裏秀方元不櫛,篇端伯氏敢居尊。棗梨略誌平生,棣萼同懷罔極恩。從此盡填諸缺陷,百年長爇瓣香溫。
《吳蘭畹》
1 吳蘭畹,字宛之,常熟人。宜興拔貢、浙江巡撫任道鎔室。有《灌香草堂初稿》。
《秋聲》
1 冷雨敲窗清夢溼,洞庭木落怒濤生。疏砧靜搗天邊月,羌笛愁聽塞外聲。漢上風雲寒彭角,江間波浪走蛟鯨。何須更作悲秋客,四壁蟲聲已不平。
《寒寺》
1 蕭疏楓葉護雲林,蘿壁荒涼朔氣侵。幾杵霜鐘驚客夢,一龕鐙火照禪心。西風鶴唳空壇冷,殘月烏啼曲徑深。雪滿山中無蠟屐,掩關寂寂夕陽沈。
《清明》
1 彈指光陰百六時,故鄉景物轉淒其。碧桃影裏停游騎,紅杏村中認酒旗。細雨樓臺飛燕子,春風簾幕囀鶯兒。不知此日關門柳,羌笛聲中餘幾枝。
《雨夜不寐》
1 風雨悲搖落,瀟瀟警客眠。愁心千里碎,孤夢五更懸。獨醒知何恨,餘哀轉自憐。縱橫鐙下淚,流不到重泉。
2 幽夢太無憑,傷心獨拊膺。沈陰壓樹黑,殘燼背鐙凝。地下魂應老,人間恨未勝。空餘遺象在,色笑痛難承。
《雜詠》
1 
俯首一長歎,仰首悟太清。萬物各有司,今古徒紛爭。嚴霜摧百草,松柏鬱空青。陰陽倏變化,風雨勵晦明。馥馥幽蘭姿,寒谷隱其馨。藹藹君子堂,蕭艾莫縱橫。豈無媚世容,所寶在榮名。2 
攬衣涉太行,搔首窮八荒。上有青青冥,下有壘壘岡。鴟鴞啼我前,虎豹嗔我旁。回風振山谷,旁徨摧中腸。欲舉苦無翼,神魂馳遠方。浩歌復長嘯,哀衷鑒彼蒼。萬古同一轍,何為自悲傷。3 
寒衾不能寐,靜夜援鳴琴。孤月皎中天,清風激素襟。玄鶴舞瑤階,丹鳳和遙岑。幽蘭與白雪,泠泠太古音。歌苦調自高,識者賞其忱。伯牙遇子期,千載契同心。茫茫此天地,曠世獨悲吟。4 
人生若輕塵,為樂苦不早。榮辱同一瞬,勞心徒懆懆。既無子晉術,又乏忘憂草。良辰豈云再,愁思令速老。志士寶其名,庸人工其巧。試問蕭艾姿,安知松筠抱。
《送別》
1 去去不可留,清淚沾胸臆。今夕斗酒歡,明日分南北。君行日以遠,我心日以惻。豈獨離別傷,轉念孤征寂。舉目童僕親,搔首骨肉隔。野店孤鐙青,輪蹄曉霜白。念此迫中腸,盡夜難安席。願言加餐飯,善保軀金石。
《多敏》
1 多敏,喜塔臘氏,字惠如,滿洲旗人。漕運總督松椿室,寶康母。有《逸蒨閣遺詩》。
《龍么妹歌》
1 弓刀小隊花如雪,英雄兒女真奇絕。良玉曾聞樂府篇,蘭珠爭誦人才筆。丁香小幄明春華,游龍使女出龍家。肌膚妒雪眉欺月,窈窕生香海外花。小姑獨處菱枝弱,姓字薰香護花葉。不將眉黛斗星妝,自有功名望南閣。絳袍斜罥丁香���,不喜珠華喜寶刀。書開祕笈親軍事,令下如山不動搖。日將騎射教姝麗,粉膩脂香三百騎。瘴地蠻天任指揮,雪劍霜矛精擊刺。昔年小醜生潢池,碧雞無聲金馬癡。名地夜陷官偷活,冷月宵熒鬼守尸。王師驛騎流星急,熊羆十萬分馳入。銅鼓邊城擁護勞,鐵券家聲宣慰襲。阿兄意氣如雷巔,連環雙槊黃金韉。錫封自號百蠻長,象犀遠貢元和年。龍么小妹金閨彥,姽嫿將軍經百戰。星舒猿臂竹枝弓,秋暈霜華楊葉箭。白蓮妖孽陣雲涼,髑髏夜泣天旁徨。羽書一紙星火急,檄催猺勇驅天狼。阿兄抱病經秋苦,阿妹從容請纓去。芙蓉舊部領蠻奴,彨虎兵符照勁旅。掃眉傅粉女兒營,沈沈刁斗春無聲。羽旗影颭鴛鴦疊,繡幕香園翡翠輕。永夜談兵翦青燭,龍娘妙計群酋服。白頭老將空咨嗟,蒼鶻游軍盡懾伏。猺中妖女何娉婷,嬌雲燄焰雄風腥。七聖刀飛古雪白,天魔神舞枯魂青。將軍血戰戰未已,娥眉報國誓以死。三千銅弩射無聲,八隊雲旗勢如駛。人龍馬虎踏營空,捷書早報甘泉宮。若從諸將論勛伐,屈指龍娘第一功。翩翩孝廉舊入幕,曾見猺仙話親故。綠字雙箋贈客詩,朱絲一角回文賦。當時佳話人傳揚,至今香塚煙水荒。歌成自酹梨花酒,蠻雲不語天茫茫。
《張夢龍》
1 
張夢龍,字靜齋,湘陰人。嘉慶辛未進士學尹女,衡山陳士源室,光緒癸未進士長治知縣毓光、同知毓昌、己丑進士翰林院編修漳州知府嘉言母。有《柏心堂遺稿》。
《燒詩》
1 
汨羅江上一女子,生來二十九年矣。文章牢落苦無成,滔滔歲月看流水。憶昔兒時喜讀書,操治簡策若蠶枲。先公經術壽日月,茫茫滄海失涯矣。自陳榛椇執中饋,墨守膏盲百不理。夫子論詩獨逴躒,蒼龍出沒天河裏。書窗諷詠��倡和,往往駑駘隨騄駬。貞松百歲連枝葉,庶幾文字共終始。豈知人事倏變遷,羸者未亡壯者死。黔婁先生終有謚��柳下大夫何須誄。孤兒頑稚須教誨,舊經重翻顙有泚。惟有詩稿不可讀,使我徒增忉怛耳。呼兒爇火摧燒之,長向九京伴才鬼。
《何桂珍》
1 何桂珍,字梅因,善化人。上虞廣西慶遠同知俞維藩室,光緒癸巳舉人、內閣侍讀俞壽滄母。有《枸櫞軒詩鈔》。
《醉歌行》
1 火雲騰空作紫絳,玉女素趺騎采虹。羿弓迕月嫦娥降,霞漿浮𧣴清腑臟。與我三夕斂衽讓,欲飲不飲卻羞量。飛瓊吹簫雙成唱,雪靨銀齒恣謔浪。天風忽吹氣晃盪,織女招手天河上。石室機張三萬丈,自言此工殊可愴。我欲從之窺帝仗,三辰七宿形模壯。王母嗔顧誰所謗,翻然一覺墮煙瘴。梧月在窗梅插帳,爐煙已燼俄蓬放。山城漏點櫓牙向,行人夜趁廣江漲。
《感事》
1 夜晏宣傳堯母門,明珠世界不黃昏。月擎瓊樹虛留影,草傍龍池盡沐恩。噦々鸞吹搖玉佩,飄飄鳳仗捧金根。侍中不覺宵寒重,新賜宮袍天語溫。天涯何處是邊州,多少羊頭關內侯。舊業未穿鴝鵒硯,新恩遍著鷫鹴裘。男錢散盡龐萌去,女樂頒來魏降留。休說當年豐鎬地,長空衰草陳雲浮。尺天寸地戴堯年,萬寶輸將來日邊。劉晏持籌寬甲帖,徐溫抗疏免丁錢。一籬松菊壺中隱,千畝桑麻夢亦仙。自是太平新氣象,厚生知有聖恩駢。繁華鏡裏讬生靈,岌岌長安世路冥。千市簪裾沈璧月,萬家樓閣落旗星。似聞置俎龍歸董,錯認乘軒鶴姓丁。聖代即今猶富庶,《豳風》秉願續《葩經》。
《徐咸安》
1 徐咸安,桐鄉人。烏程張鈞衡室。有《韞玉樓遺稿》。
《張印》
1 張印,字月潭,潼關人。山東巡撫澧中女,閩縣陝西布政使林壽圖繼室。有《繭窩遺詩》。
《贈荃女》
1 
昔賢故有言,四海皆弟兄。矧我與爾母,儼如娥與英。爾更育��我,寧無骨肉情。今爾年既長,加姘禮告成。相從逾十載,念此摧人腸。憶我初嫁時,爾年尚孩嬰。髮燥兩肩披,身高才几平。祖母僅有爾,視同掌珠擎。鄉音異南北,語意苦不明。我身方京爾,爾乃避道行。我手方招爾,爾乃秋波橫。我心時寒栗,恨難達我誠。幸爾日長大,視我如故常。晨知就我櫛,夜知就我床,飢知就我食,寒知就我裳。有時我入廚,未解作南烹。爾乃私謂我,斫魚當為羹。亦或逢節慶,未辦效閩妝。爾復私謂我,紅繩纏髻梁。中間生爾妹,未克爾扶將。祖母喚爾去,依依仍我傍。妹啼爾抱持,妹飢爾料量。須臾不舍我,誰謂非我生。祖母與我家,同出南軒張。雖則閩與秦,譜牒渺難詳。祖母恆顧我,無視我姑嫜。我生未有女,不如呼我娘。祖母誠愛我,亦由爾回翔。有時我外家,迎迓我歸寧。攜爾與爾妹,偕行登我堂。我母恆謂我,此女何娉婷。我兄亦愛爾,每來輒叮嚀。謂當善撫此,此真為我甥。爾貌實靜好,爾性實端貞。舅時課爾字,筆畫晰以清。亦或教爾讀,上口聲琅琅。爾父曩客陝,盡室胥留京。我時方小極,茶爐伴藥囊。爾能解我意,凡事為摒擋。去歲父書來,屬我即首程。祖母既老邁,我復體羸尫。沿途端賴爾,使我忘長征。爾父嘗謂我,擇婿當擇良。苟中乘龍選,何必拘故鄉。我本遠嫁女,感此增旁徨。忍以己不欲,乃使兒身當。昨父告我婿,安定安吳杭。祖為大中丞,父亦京曹郎。婿年方及冠,頭角頗崢嶸。近在國子監,讀書行成名。我願業已足,何事復淚滂。昨聞有書來,納采今秋涼。百年難共守,去去時吞聲。雖然我聞之,舅姑今在堂。隨時進甘旨,親手調羹湯。蘋蘩乃婦職,春秋妥烝嘗。下有二伯姊,貞明稱里坊。亦有弱弟一,風雨恆對床。宜念秭歸義,勿使荊樹戕。伉儷必以敬,乃覺恩愛長。有無俱黽勉,學業毋嬉荒。即或忤我意,舉案當益莊。間有小不適,亦當身退藏。人道貴謙抑,天道忌盛盈。毋自恃門第,毋自虧簪纓。勉矣曹大家,女誡實隄防。早���為人婦,從此去家庭。毋為嬌憨態,亦毋心悲傷。祖母今老矣,爾母身早亡。惟我與爾父,年亦非壯強。尤悔爾知免,誥誡我當詳。晶晶秋菊芳,馥馥丹桂香。樸質為此語,且置爾巾箱。一字算一淚,點點生珠光。
《除夕感懷》
1 
廿年作客黃金臺,有婿乘龍今歸來。忽念遠嫁向東越,蕭然忍對殘冬雪。此時我何憶,所憶母與兄。相望不相見,兩地難為情。況母今年七十高,兄謀甘旨官京曹。潼關有家歸不得,飢驅兩鬢霜華飄。憶甘奉姑宣南住,不歸旬日一把晤。往來數數將車迎,家常共話懽平生。不苦凍泥濺裙褲,但覺春風生戶庭。一日夫婿下樞直,手攜鹿尾稱上賜。急索篋中舊貂裘,命質香醪謀一醉。留兄共飲午窗前,此中風味殊新鮮。半酣呼人迎我母,省識此樂真稀有。可憐年事多未完,猶道今朝二十九。我職中饋時入廚,洗手亦復同圍爐。薄暮母去坐無語,始悟宵來已歲除。故鄉勝似他鄉遠,我今來秦反愁惘。亦有梅花插膽瓶,依然狂雪大如掌。當時兩家儼如一,今日一身難化兩。兒女守歲不思眠,事事上心猶昔曩。白雲飛處是京華,料母回頭同此想。吁嗟!好花不久妍,好月不常圓。身為既嫁女,骨肉安得長為歡。母今不歸我行去,天南地北相逢難,令人念此鬱鬱摧心肝。
《從軍行》
1 
昔聞從軍苦,今見從軍樂。從軍豈真樂,毋乃為殘虐。我有灶下媼,全家住近洛。飯罷袖手閒,為我談厓略。昨有潼關兵,新調來襄鄂。入市逢酒肆,牛羊恣大嚼。撒手出門去,佣保還諾諾。乘醉過青樓,應聲奏簫籥。幸蒙垂愛憐,臨行簪珥攫。一夕報賊來,遠近驚風鶴。彼聞翻大喜,距踊如雀躍。沿途有村店,藉口製草屩。毫無造物仁,儼同敝賦索。一人不如意,千百橫刀槊。民也告之官,縣官驚以愕。投刺謁主帥,主帥殊落寞。身家與性命,疇不兒郎讬。似此區區者,九牛一毛灼。掉頭更不言,反是縣官錯。翌日拔隊行,所在苦摽掠。有馬不芻秣,十匹���匹捉。有兵不肩荷,前車後車縛。時或值商賈,搜求罄其橐。鞭夫如鞭狗,彈人如彈鵲。一事稍阻撓,首級立時落。一級銀二錢,請賞向戎幕。嬌奼誰家女,亦既成婚約。寧馨誰家兒,繞項金鎖鑰。女馱馬上去,男繫民前鐸。夫婿躡迹追,爺娘望塵撲。看看十里外,日已西山薄。明早見積骸,狼藉填溝壑。家人哭之慟,捶胸更拊髆。保正為報營,營中方飲酌。粉黛排屏風,珠寶堆山嶽。開口未及說,身已貫木索。困置大旗邊,自分死鋒鍔。倏見縛雞來,認得羽毛駁。今供役盤飧,昨食我稻穛。須臾兵盡醉,相邀縱六博。盧雉信口呼,金錢信手摸。想見儻來物,源源不一涸。乘間逃生歸,思欲主帥籲。相距三百里,程途數日隔。男兒生胡為,恨不兵籍著。嗚呼彼軍人,此孽何可作。亦既客欺主,又復強凌弱。我聞湘澤間,近亦風聲惡。豈無兒在家,豈無女出閣。一旦有兵役,寧能免鼎鑊。天道信難知,作詩叩冥漠。
《病起》
1 衙鼓冬冬夜四更,空閨無籟斷人行。幾微花影月吞吐,三兩竹聲風送迎。鐙意做寒如許倦,藥煙遮夢有餘清。經旬病起渾閒事,眼見秋殘猛一驚。
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kei139-line · 1 year ago
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jeenaandow · 2 years ago
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holycollection1357-blog · 5 years ago
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skf14 · 5 years ago
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11022052
行き場を無くした蝿が目の前を横切って、そして壁にぴとり、と捕まったのを見て、最後にゴミを出した日を思い返し、いつだったかもう思い出せないことに気づいた。いつだっけ。あれは確か、月初の火曜日。今日は、何日。なんようび。あぁ、もう、2週間も経ってる。もはや何が腐っているのか分からない混沌とした腐臭も、人間の順応性の賜物で、まるで何も感じなくなっていた。
部屋のそこかしこから、ミチミチとビニール袋の山をかき分けているであろう鼠が這い回る肉肉しい音や、カサ、カササ、と止まっては走り、止まっては走り、宝の山を駆け回るゴキブリの足音が聞こえてくる。騒がしい部屋。いつから、気にならなくなったんだろう。いつから?今日は、いつ、ばかりを追いかけている気がする。なぜ?分からない。なぜ、人は考える?なぜ、人に、考えると言う機能が与えられた?子供の頃から積み重ねてきた神への質問は、もう月に届くほど重なっただろう。一枚一枚積んでいって、東京タワーを超えたあたりで僕は狂ったんだろうか。分からない。分からないのに考えるのは、なぜ?また一つ、質問が増えた。
結局神は無知なのだと、事実はそれに尽きるんだけど、それを認められないまま大きくなってしまったもんだから、消化出来ないなぜなぜどうしてが溜まって、丁度俺の足元でヘドロと化した昔の生ゴミのように、ゆたりのたりと停滞していた。
神が万能だと思い込んでしまう人間の心理はどこにあるんだろう。そもそも神とは。カーテンから漏れ入る太陽の光が不快で、僕は布団から出る手間と現実逃避を天秤に掛け、後者が勝ったことを知らされた。布団に頭まで潜りなおして、寝心地を整える。心地の良い肌触りを探して敷布団を撫でる手が何かごろっとした小さなものにいくつか触れて、あぁ...蝿の死骸。と合点が行き、床へと払い落とす。ぽとぽとと床に散らばっているであろう数多の死骸は、どう表せばいいんだろうか。また一つ、浮かぶ。
詩的な才能は皆無で、出来ることといえば世界を歪んだ形に当て嵌めて、上から見下ろし笑うことくらい。今日も口ずさむのは、敬愛する彼の、どこまでも自由な、愉快な歌。
「胃袋の、空つぽの鷲が、電線に、引つかゝつて死んだ、青いあおい空、」
「吹き降りの踏切で、人が轢死した、そのあくる日は、ステキな��天気、」
フヒ、フヒヒ、湧き上がるのは得体の知れない愉快さ。その愉快さは脳内で麻薬に変わり、現実から目を背け夢の世界へとトぶためのチケットになった。ゆめゆめ、夢の世界。何もかもがどうにでもなる、都合の良い、世界。世界って、なんだろう。ああ、僕の頭がもう少し良ければ。もう少し頭が良く、生まれていれば。全ては誰かの、何かのせいだ。
プゥン、ブゥヴン、と、羽音が時折布団の合間を縫って主張してくるから面白い。面白いことは好きだ。世界は全部面白い。あちこちに飛散して消えていきそうな思考やら自我やらが、その生命の足掻きで現実に引き戻される様を、不思議と不快には感じないらしかった。
自分のことが、全部他人事のようにも思う。それも面白い。あぁ面白い面白い。何が?
部屋を、片付けた方がいいのではないか、と思う。さすがにもう、そこかしこに放置したビニール袋から漂う悪臭も、慣れたと看過できる次元のそれじゃなくなってきた。部屋の掃除。部屋の片付け。うん。わかってる。必要であり、理由があり、合理的で、それは答えだ。
ただ部屋を片付ける、と言うのは、そもそもこの部屋は己の脳内と同じであるからして、片付ける、というのはとても、難しいことのように思う。片付かない脳を引っ提げて生きているのに、見える脳だけを片付ける、と言うのは、矛盾している、とも思う。僕は矛盾を愛せるが、愛せない部分もある。都合の良い人間だった。どこまでも、自分を守ることしか、能がない。先程から噛み始めた親指の爪がザクザクと割れて、ふやけて、透き通ってて綺麗。面白い。ここはどこの箱庭だろう。外には何が。ただの現実が。それなら別に、外に出なくても、僕は、この小さな王国の王でいたい。傍若無人に振る舞い、メロスを激怒させ、一晩で民を滅ぼすような自由を、欲している。なんて陳腐なストーリーだろう。反吐が出そう。
この小さな王国が、僕は好きで、嫌いだった。ここにいてしまえば、もう、他に行き場所がない、と嫌でも教えられる、ゴミ溜めのワンルームが憎かった。それでも僕は、休日をただただ布団の中で延々と過ごしながら、己の自尊心を卵のように温め、中身がとうに腐って死んでいることにも気づかずに、殻を破り元気に飛び出す姿を夢見ている。泣けるストーリー。
僕は正しい、と思う。それは、僕が正しくあるべきだと思うからで、正しさこそが絶対であり、ペンは剣よりも強し、正義は何よりも強し、であるからして、僕はずっと正しさだけを追い求めて、神格化すらしてきた。それはきっと、正しいこと以外信じられるものがなかったからで、感情や情緒やそん��理屈で解決できないことに散々振り回されてきたからなんだと思う。掘り下げていけばいくほど、己がただ狂う手伝いを自ら買って出ているような感覚に陥って、足元の布団がどんどんマントルに沈んでいって、没入してそのまま死ねたらいい、と、それもまた正しい、と判断せざるを得ない。
正論は時として武器になる。それは分かっていた。武器は無差別に人を傷つける。別に僕は自衛隊に反対しているどこかの胡散臭いアカじゃないが、善人が握っても悪人が握ってもナイフの刃は無惨に皮膚を切り裂き傷つける。だがしかし、柄を握ればそれは自分を守る盾になる。言葉だってそうだ。僕の言葉は、人を殺すことも生かすこともできる。認識はある、教養もある、でもその上に、絶対変わらない頂上に、正しいことが唯一尊重すべきことだ、という価値観がある限り、僕は孤独なままだ。
虐待され腹を空かせた子供がすれ違いざまに人を刺したからと言って、可哀想だからと笑って許す人間がどこにいる?孤独な介護の末に首を絞めてしまった息子は、泣いて謝れば無罪放免か?現実主義者に、感情論はよく理解が出来ない。分かりたいのに分からない苦痛を、皆は知らない。
ほっといてくれ、と思う。同時に、幸せになりたい、とも思う。とかくこの世は、僕にとってひどく住みにくい、地獄だと歳を取るたびに思うのは、きっと僕の中で思う「正しさ」を余りにも守らない人間がこの世界に溢れているからだ。与えられた自由の中で適度に振る舞えば良いものを、人間は、簡単に間違える。理由もなく、思考もせず、間違える。電車に並ぶ時は、点字ブロックの飛び出したところから均等に2列で適度な間を取って、横と波長を合わせながら静かに待ち、到着した電車の扉のサイド、あまり近すぎない箇所に待機し、降りるべき人間が全て降りたら乗り込み、奥に詰め、他者の迷惑にならない振る舞いをして、息を潜める。「電車に乗る」と言うただそれだけが出来ない猿以下の二足歩行しか能のないメクラ共が、見えない世界をスマートフォンで照らしながらヘラヘラと歩いている。闊歩している。まるでここは我々の星だと、我々が生態系の頂点に君臨している王だと言わんばかりに、大股で往来を闊歩している!これほど、恥ずかしいことはないだろう。正しいことを、理解できる脳が大部分の人間に備わっていながら、それをこなせない。たった簡単な、食事、歩行、呼吸、それが、何もかもが、間違いで溢れた世界に出ることが、僕に取っては耐え難い苦痛であった。
変わらないものが好きだ。砂糖の甘さも、端末に収められた音楽も、色も、窓ガラスも、行きつけのファーストフード店の椅子も机も、変わらない。変わらないことは、正しい。変わる理由があれば別だが。四角の机を直線一本で二つに切れば、台形、長方形、三角の机が2つ出来る。それは来るべき変化であり、起こるべき変化であり、その変化を僕は受け入れられる。切られた、と言う理由があるから、僕は受け入れられる。聞くたびに変わる歌の歌詞だとか、昨日笑っていた人が今日は怒って僕を殴る理由だとか、己の身体を傷つけて他人に怒られる理屈だとか、そんな変わりゆく有象無象に、僕は順応出来ない。理由を求め、理屈を求め、それが無いのに進んでいく世界に狂わされていく。僕は、狂っていく。狂っていくのを唯一止められるのは、「僕は正しい」という変わらない唯一無二の、そして絶対の価値観だけ。
正しさが幸せだと、そう思っていた。今でもそう思っていて、追い求めるべきは、正しさによって作られた、変わることのない、腐ることのない、水晶で作られた髑髏のオーパーツのような、数式で表せそうな完全だ。ガササ、どこかでいたずら鼠が崩したんだろう、ビニールが崩れて転がった音が聞こえた。現実が僕を呼ぶ。やめてくれ。何も見たくない。僕は、完全な幸せがあると、そればかり思って、今ここで何とか息をしているのに、そんなものないよ。の一言で迷わず僕は飛び降りられるくらい、もう、すがるものがない。
物語は変わらない。正しさをいくら追い求めても、僕以外には何の理解も得られない理屈の上に完璧な正しさを構築しても、それは正しいものとして、存在し続ける。ただのオナニーだ、と己を笑うことが出来ない。否、笑える。アハハ。お前、自分の書いた文章で自慰して、ニセモンの幸せに脳浸して、それで快楽物質出して涎垂らして眠るんだ。好きな人と会えた夢が覚めないでって願う女子中学生みたいに、夢見て。馬鹿じゃね?笑える。そう、笑える。面白い。面白ければ、もう大概のことは何でも許せる。人が死のうが、国が壊れようが、友達が僕を嫌おうが、目玉焼き定食に紛れ込んでた卵の殻を噛んだって、許せる。アハ、おもしろ。こらおもろいわ。なんて笑って、それでまた、意識は酸っぱい匂いが漂う、深呼吸したら嘔吐の応酬がある愛しきゴミ溜めに帰ってくる。ただいま、おかえり。僕の自我。捉えられたままの僕。
僕は嫌われていた。当然だろう。どこをどう見ても可愛げがなく、かといって頼れるわけでもなく、取り柄もないのに堅苦しく、そして酷く、嫌な人間だ。分かっている。分かっていた。わかっていたのに、正しさに支配された僕の脳は、改めることを正しくないと認識して、僕の首を真綿で締め上げる。それは正しいことだから、僕には、どうすることもできない。
あの日の選択は正しかったのか、正しくなかったのか、それは分からない。僕は僕の人生において、僕が納得出来る形で責任を取らなければならない。何かのせいにするのは、僕のポリシーに反する。僕が正しかった、正しい選択をした、それだけで僕は、皆に優しくなれた。はずだった。人はよく、分からない生き物だと、僕は思い続けて、きっと死ぬのだろう。もう嫌だと全てを投げて自由になってみても、寄り添ってくれるのが己の正しさだと気付くだけで、それは無駄な行為を理由もなく行なった、正しくないことに他ならない。
布団の中で、膝を抱えてみた。小さく小さく丸まって、僕の姿を遥か遠くの宇宙から見下ろしてみた。何だ、小さすぎて見えない。ミジンコよりも小さい。ちっぽけなこんな、指先でプチっと潰れる蛆虫みたいな柔らかい体の中に、押し込んだ固定観念に潰されそうになって、哀れ。もうやめたら?理屈振りかざして、他者に受け入れられない幸せこそが至高だって強がるの。やめられないよ。だって僕にとっての幸せは、他者の評価や介入を許さない、壊れることのない、それは精神的な結びつきだけではなく、物理的なエビデンスも兼ね備えた、計算によって生まれた彫刻のような、自由に咲いた向日葵の中に在ったフィボナッチ数列のような、幸せだ。見てみろ。僕が生み出した数多の世界を。どれが、他人に壊せる?いつか壊れるものを抱きしめることほど、無意味で非生産的なことはない。僕はただ、幸せに。
それは違う、と声が聞こえて、僕は、布団から慌てて顔を出した。つけっぱなしにしていたテレビの中で、熟した男女が言い争って、そして、絆されて、キスをして。僕は気持ちが悪くなって、昨日食べてそのまま机に放置していたカップラーメンの残り汁の中に、粘着く胃液を吐いた。
肯定されたかった。と、僕の中に蹲ったままの僕が言う。でも、それは正しくないことだ。他者に認められて初めて価値が生まれる価値観なんて、何の意味もない。危うい。認めた他者が手のひらを返せば崩れる可能性がある。100%しか、僕は愛せない。はずなのに。人の脳に欠陥があることを、なぜ脳科学者は発表しない?正しいが正しいと判別しない人間共を、なぜヒトラーは殺して回らなかった?もう何も、分からない。分からないと頭を抱えた僕の後ろに、立ちすくむ人間がいる。人間はポン、と肩を叩き、唇を耳へと寄せて、そして。
「大丈夫、だって僕は、いつだって正しくあるべきだと、そう思ってきただろう?僕は拙いところもあったが、それをやり遂げた。僕はずっと正しかった、そしてこれからも正しくあり続ける。正しさを認識し、それを守り続ける。これほどまで���幸せを追い求めた人間が他にいたか?皆、偽りの、いつ割れるか分からない風船が膨らむのを見て喜ぶノータリンなんだ。僕は違う。僕だけは、この世界の正解を見つけたんだ。大丈夫。僕は独りだけ、本当に幸せになれる。」
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kisekikobo · 7 years ago
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Onlineshopに新作を掲載しました!
水晶、イーグルアイ、ゴールドオブシディアン、タイガーアイ、ラベンダーアメジストの髑髏(どくろ)彫りです。
10、12、14mmの3サイズ(ラベンダーアメジストは2サイズ)があります。
ビーズ一粒と一連ブレスレットを掲載しています。
《どくろ》仏教において骸骨やどくろは「無常」を理解し、真理に到達することを助けてくれるシンボル的な存在で尊ばれています。
 ↓是非こちらからご覧ください
彫刻ビーズ&一連ブレスレットコーナー(新着順)
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isya00k · 8 years ago
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涼風に鳴る幽かの怪―肆
 ぽてぽてと短い肢で歩み寄ってきた猫は、猫と呼ぶには余りにずんぐりむっくりとしていた。  大きな鼻と球体と譬えてもいいようなまん丸とした体。猫と言うよりかこれは――豚だ。  二股に分かれた尻尾が猫らしさを感じさせるが、目つきの悪さと鼻のでかさがその印象を薄れさせる。長い尻尾を二本持った真っ白な豚がそこには存在していた。 (ぶ、ぶさいく……)  口から出かかった言葉を飲み込んでたまは視線を逸らす。先程、言葉を喋っていた。  言葉を……? 「ね、ねねねねねねね?」 「たま?」  正治と猫。  緋桐と猫。  交互に見直しても、猫の姿は変わらない。「なんじゃ、その小娘は」と大欠伸を漏らした豚のような猫にたまの表情は更に引き攣った。 「ね、ねねっ」 「そうじゃ、わしは猫じゃよ。豚なんかじゃありゃあせん」  豚でないことを驚いている訳じゃない。確かに第一印象は豚だが――でっぷりと太った様子がかわいいという言葉を発してあげれない自分が切なささえも感じるが、そうではない。  猫が。  猫が、喋ったのだ。 「ね、猫が、しゃ、喋っっっ!?」  外見に気取られている場合じゃない。猫は、普通��意思疎通を行ってきている。  指さし、思わず竦んで後退するたまに緋桐は首を傾ぐ。怪奇現状だ。狐のクオーターとか、陰陽師とか、蛇女とか、そういった事からすれば些細なことかもしれないが自分の『まともな人間回路』は未だ麻痺していなかった。 「そりゃあ、喋るわいな……」  困り顔の猫にたまは絶句した。 「猫が喋る事位あるだろう?」 (あるわけないでしょ! 妖怪『目付き悪い』め! まともだって信じてたのにっ)  たまの中にある正治は案外まともという幻想ががらがらと音を立てて崩れていく。  乱雑に置かれた埃だらけの椅子にへたりこみたまは頭を抱えた。……妖怪の世界では猫は普通に喋るし、狐は意地悪で……ああ、なんてことだろう。  埃だらけの古びた写真館。映像を映し出す事はない廃墟と化したその場所で猫は大欠伸を漏らし緋桐を見上げていた。 「その嬢ちゃんは『こちら側』の癖に胃弱じゃの。吃驚病で死んでしまうんでないかい」 「吃驚病なんてものがあればね」  びっくり病なんて謎の奇病の話に花を咲かせ始めた猫と狐。  不憫に思ったのか、そっと肩を叩いてくれた正治の表情は、いつもより優しく感じられた。 「……それで、こんな場所まで何の用じゃ? 八月朔日の坊の事はよぉく知っておるがの。  吃驚病のお嬢ちゃんは何じゃ? 見たところ、わしに会わせるために連れて来たんじゃあないじゃろうに」  二股の尻尾をゆらゆらと揺らしたでっぷりと太った猫は首を傾ぐ。  埃をある程度払って、懐から使い古された風呂敷を取り出した正治はたまをそちらに座る様に促し、猫の様子を見つめている。 「こちらはたま。幽霊退治の依頼人だ」 「奇抜な依頼人じゃの」  くあ、と大欠伸を見せた猫はその瞳に爛々とした色を乗せる。  含みある言い回しで緋桐を見上げた彼女――きっと、前説明通り彼女なのだろう――は短い前足で頭をかしかしと掻いた。 「わしは雪洞。可愛いかわいいお猫様じゃの」  ふりふりと尻尾を揺らした豚猫。たまはこの猫が猫語で喋って居てくれたらここまで驚くことはなかったのにと頭を抱えた。  ……猫語とは何なのか、彼女はよく知らないが。 「それで、何用かの。狐塚」 「ああ。君さぁ、政友会のオッサンのこと口説いた訳? 例のお役所から探されてるけどさ」  床に無遠慮に座り帽子を膝の上へと置いた緋桐は困ったような顔で頬を掻いた。  例のお役所と言うのが正治へと依頼を出したところなのだろう。緋桐と正治と過ごすようになってから政府には『例のお役所』と呼ばれる場所があり、妖怪たちと深い関係性にあるのだという。政友会のオッサンを口説いた結果が役所からの捜索命令と言うのは何ともおかしな話だ。 「……そうじゃの。適当に遊んだだけじゃ」  詰まらなさそうに雪洞は言う。その言葉に困った様に緋桐は大きな息を吐き出した。 「適当されても困るんだけどさぁ」 「狐塚がわしで困るなら楽しいわいなぁ。紛い物(おもちゃ)遊びは楽しむもんじゃ」  雪洞はちら、とたまを見遣る。その視線にたまと正治は顔を見合わせ小さく首を傾いだ。  玩具遊び……自分は雪洞にとって『緋桐』の玩具に思われているのだろうか。 「奇妙なお客人を玩具にするのは可哀そうじゃろうて」 「遊んでるわけじゃないさ」  猫の言葉に引っ掛かりを感じるのは自分だけではないと思いたい。たまが首を捻れば正治も同じようにじろりとたまを見つめてくる。  上から下まで、まるで値踏みするような視線は緋桐が向けて来たものにも似ていた。 「……な、なんですか?」 「いや、普通だ」 「そ、それ、馬鹿にしてるんですか……」  女の子なんですが、と唇を尖らせたたまに正治は慌てたように顔をあげ「すまない」とごにょごにょと呟く。  外見は十分大人びているが、こう言った所は初心な青年らしい。寧ろ、緋桐の方が『女性慣れ』している雰囲気を感じさせるのかもしれないが――謝られた以上、気にするのは野暮な話だ。 「余計なことは言わないでくれよ。大福餅」 「のう、狐。猫にお願いをするときは小馬鹿にするもんじゃないぞ」  凄んだ猫に緋桐は悪いねと小さく笑う。大福餅の呼び名は雪洞の外見にぴったりだった。  欠伸を噛み殺す猫の背をぽんぽんと叩いて何事かを耳元で囁く緋桐に猫は「なーお」と鳴いて見せた。 「ん、で、適当に遊んだだけだっていう役人はどうする? 雪洞はあっちに帰ったって言うかい?」 「そうじゃなあ……どうしたもんか」  向き直った緋桐に雪洞はわざとらしく首を傾ぐ。  尻尾をたしりと揺らした彼女はぱちぱちとわざとらしく瞬いて、その姿を美しい女性へと変えた。 「わし、美しいからのぅ」  ――確かに、美人だった。  腰まで垂らしたのは長い黒髪。瞳は猫の頃と同じく、鮮やかな水晶を思わせた。縁取った睫は長く、着崩された着物からわかる体のラインは柳の様に靭やかだ。 「化けると『人』が変わるよね」 「猫が変わるんじゃよ」  わざと残していたのか二股の尻尾がゆれている。化け猫と漸く同じ目線になったたまは女性としての敗北を感じた様に胸元に手を当て、大きく息を吐き出した。 「あ、あの……」  猫でないなら、会話だってできる。  ゆっくりと息を吐き出しながら声を発したたまの視線はあちらこちらに揺れ動く。 「雪洞さんは、適当にお役人さんと遊んだ? だけ、なんですか……?」 「妖怪と人間は生きる時計が違うわいね」  ぴしゃり、と言ってのけた雪洞にたまは「時計」と小さく呟いた。 「オレの外見と君の時間がずれていると感じてくれたら簡単じゃないかな、たまちゃん」  幼い緋桐の外見に、たまは何となく頷く。  妖怪は長く生きるのだという――それこそ、本物の妖怪であれば華やか��平安の世界で陰陽師たちと過ごしたものもいることだろう。緋桐の様な4分の1では影響も少ないのだろうが雪洞は本物の妖怪だ。何時から生きているのか……それを、時計の針の動きが違うのだと彼女は譬えた。 「わしは狐塚の所の『お嬢』とは違うわいね」 「ばあさんのことは言わないでくれないかな」  困った様に笑った緋桐はたまに「オレのおばあさんは本物のお狐なんだ」とだけ告げた。  雪洞は緋桐の祖母が幽世からひょこりと顔を出し、人間と出会い恋に落ちた事を物語の様にたまに言って聞かせた。 「初耳だな」と呟く正治は興味深そうに彼女の話を聞いている。狐と人間の恋は、儚いままで終わる事無く無事に成就し、半分だけ狐の力を受け継いだ子供を産み落とす――そうして、その娘から生まれ落ちたのが緋桐だというのだ。 「じゃ、じゃあ、雪洞さんだってお役人さんと上手くいって、子供ができて、その……幸せに」  ぼそぼそと呟くたまに雪洞は冷たく「上手くいくことが多い訳なかろうに」と発した。  冷たい一瞥にたまは小さく息を飲む。それは、良く分かっていた。  お役人による片恋の相手探し。相手が妖怪であることを知っているのに探してしまった――その彼の気持ちはどうなるのか。  恋に恋する乙女、たま。ぎゅ、と掌に力を込めて「でも、好き合ってるなら……」と声を震わせる。 「まあ、たまちゃん。妖怪にもいろいろあるんだよ」  宥める様に笑った緋桐の言葉に雪洞は小さく欠伸を漏らす。その仕草さえも何処か色香を感じさせるのだから頭の固い役人が彼女に揺れた気持ちも理解できる。 「妖怪以外にもいろいろあるじゃろうて。八月朔日の坊が六月一日のお嬢が持つはずの刀を持って居るのも色々の内じゃ」  雪洞の言葉に、表情を凍らせたのは正治だった。  あまり触れて欲しい所ではなかったのだろうか、腰に下げた刃に触れて、正治は表情を凍らせる。 「『くさか』のお嬢……?」 「ああ、六月一日っていうのは正治の家の本家に当たるおうちだよ。お嬢って言うのはそこの跡取り娘だね」  聞きなれない名前に首を傾げたたまへと緋桐は解説する。  六月一日家という由緒正しき陰陽師――本家は不幸にも男児に恵まれず、強い力を持っていた跡取り娘は男児として育てられていた経歴がある。  それはこのご時世なればよく聞く話であった。跡取りに恵まれなければ、養子をとるか婿取りを行い家を存続させていく。陰陽師の家ともなれば、婿や養子を選ぶのにも難しいという事か、それ故の待望の男児を頂く分家に『家宝』を授けたというのは何もおかしくはない。 「本家に生まれたのがお嬢で分家に生まれたのは望まれた男児となれば、そうもなるわいね。  ……そういえば、何処かの女郎蜘蛛の一族もそんな話を聞いたことがあるのぅ」 「女郎蜘蛛の話は知らんが、本家のお嬢を護るのも分家の役目だと聞いている。  その為の力として霊刀を頂くのは何も可笑しな事ではないだろう。いや、寧ろ……」  意地悪く言う雪洞に正治は唇を引き結ぶ。何処か���い辛いかのように彼は視線をうろつかせ、緋桐をちらりと見やった。  困ったときは狐頼りとでもいうように正治は「狐塚」と小さく呼ぶ。 「……まあ、ほら。本家のお嬢――『ていちゃん』は霊刀なんて必要ない位に強いからね」  助け舟を出したと言う風でもなく、何気なく緋桐は付け加えた。  誰にだって事情はあるのよね、とたまは僅かに納得し、美しい女の姿をした妖怪をじっと見つめた。 「でも……その、どうするの? お役人さん、探してるんでしょう?」  話が脱線し続けたが、たまは自分の目的を思い出したという様に三人へと向き直る。  一人は『色恋に首を突っ込むのも野暮だ』と言う様に眉を顰め、  一人は『わしゃ何も知らんわいね』と言う様に子供のようにふい、と視線を逸らした。  そして、残る一人はと言えば、 「ああ、それね。雪洞はお役人の事好きなの?」  直球を投げ入れることを厭わず悪戯っ子の様に笑って見せたのだった。  緋桐さん、と呼んだ声は僅かに震えた。このご時世だ。お家の事情で結婚相手も選べない、このご時世に惚れた腫れたで話をするのは野暮も野暮。 「惚れた腫れたで共に居られる関係でないと雪洞は言っただろう」 「人間同士ならお家の都合もあるだろうけど、オレ達は妖怪だし?」  慌てて口を挟んだ正治にも緋桐は何もおかしくはないと小さく首を傾いだ。  この状態の彼に何を言っても伝わらないと理解しているのか頭を抱えた正治は大きく息を吐き出す。 「……時計が、生きている時間が違うと言っていただろう」  妖怪がお家事情に縛られないとするならば――命の長さは理由にならないのか。  雪洞は長きを生きたことで普通の猫より妖怪へと変化した。その彼女はたまや正治が想像する以上に長きを過ごし、長きを生きる事となるだろう。 「もし、雪洞さんがお役人さんのことを、す、好き……でも。  夫婦になっても、その……何時かは死に別れてしまうんでしょう?」 「そうだね、きっとその時は来るだろうね」  妖怪と人間である以上は、そうなるのは当たり前だと緋桐は大きく頷いた。  その悲恋に胸ときめかすのはあくまで物語の中だけだ。袴をぎゅ、と握ったたまは胸中の思いをどう言葉にしたものかと正治をちらりと見つめた。 「お前は、どういいたいんだ? 狐塚」 「オレは雪洞次第だと思ってる。どうせ、お役人は勝手だよ。  妖怪は長い時間を生きていかなきゃいけない。人間はすぐに心移りするだろうけれどね」  妖怪と人間の違いは外見や住む場所だけではないのだと緋桐は言った。  長く生きる妖怪は、人間が一生のうちに感じる心の変化をゆっくりと刻んでいく。  役人の青年が今、雪洞に熱を上げたとして、明日には忘れてしまうかもしれない。  それでも、雪洞は彼のことを百年は思い続けることができるだろうと緋桐は言った。それ程に妖怪は長きを生き、心の揺らぎを少なく過ごしている。執念深い、と付け加える彼に雪洞は大きく頷いた。 「ここでわしがあやつと結ばれたとて、所詮はわしは妖怪じゃ。  あやつの気まぐれにわしが振り回されてやる道理はありゃあせん」 「……雪洞さんは、悲しい片思いのまま、ってこと?」  たまの言葉へと、「乙女なことを」と雪洞は小さく笑った。 「人間なんてそんなもんじゃ。何時かは大事な相手だって忘れてしまう。  大切な友の事も、何時の日か情を酌み交わした相手のこともじゃ」  尻尾がゆらりと揺れる。暗がりを照らした灯りの下で雪洞は『猫』のように笑って見せた。 「――一晩でいいんじゃ。わしに時間をおくれ。全く、人間はわしを惑わせる」  活動写真館を後にしたたまは妖怪と人間の違いを改めて考えていた。  正治と自分は『普通の人間』で、緋桐は4分の1が妖怪の血を含んでいる。  雪洞の言った『時計』を感じることがない自分たちが彼女の気持ちを大きく揺らがせたのは、あまりに無遠慮だったのではないかと思ってならない。 「たまちゃん、何考えてる?」  屋敷について、正治が茶の準備をしている最中に緋桐は何気なく問いかけた。  彼にとっては当たり前の妖怪と人間の違いは、たまにとっては新しい世界であり、全く知らなかったものだった。 「ねえ、緋桐さん。妖怪のこと……教えてもらってもいい?」 「君は、そうやって危ない橋を渡るのが好きなんだね」  からりと笑った緋桐は困った様に肩を竦める。  霊力のある正治が妖怪について学ぶのとは大きく違う――たまは、普通なのだ。 「オレが妖怪について教えてあげるのは簡単だよ。  雪洞の事、オレの事、正治の家の事……でもさ、それを知ったってたまちゃんは何もできない」 「何も」  何処か、突き放すかのようなニュアンスを含んだ言葉にたまは唇をきゅっと引き結んだ。  こういう時の緋桐の目がたまは嫌いだ。全てを見透かす様な色をしているから、何も言う事が出来なくなる。 「たまちゃんは優しくて頑張り屋だから、雪洞の為に何かできないかって思ってるのかもしれないね。  でもさ、今のたまちゃんには何かをすることはできないだろうからね。雪洞の答えを待とうよ」  ね、と笑った緋桐にたまは首をふるりと振った。  何もできないから、待って居ろ――自分たちが、彼女の心を揺さぶったのに?  そう思えば、ハイと頷くことができなくて、たまは唇をぎゅ、と引き結ぶ。髪にしっかりとつけていた椿の髪飾りを勢いよく机の上に置いてゆっくりと立ち上がった。 「緋桐さんの冷血漢」  たまちゃん、と制止する声を振り払い勢いよく屋敷を後にする。  夜の帝都の風が冷たかろうが、銀座が遠かろうが関係ない。  雪洞が一人で悩んでいるのだ。親身になって話を聞いて、彼女の力になってやりたい。  あの美しい女は、一人で泣いているのだろうか。  不細工な猫だと知っている役人は今宵も彼女のことを思っているのだろうか。  まるで、文学のような美しい恋物語が、たまの脳内では組み立てられていく――恋は、無常なものだから。  人々の間を擦り抜けて、走るたまを誰もが気に留めることはない。  未だ灯りの消えぬ帝都の街を行く馬車は夜会に向かうのか何処か楽し気だ。  誰の目にも見えていないかのように、走りながら雪洞の居た活動写真館へ向かうたまの足は『いつも』よりも軽く感じた。 (わたし、こんなに走れたの――?)  どうしてか、自由に足が動く感覚が妙に心地よい。  身体が羽の様にふわりと浮いているようにも感じられた。  土を踏みしめ、帝都の街を奔るたまは背後に奇妙な違和感を感じ始める。  周囲の灯りが次第に暗くなり、今まで明るかった��の背後も暗闇に囲まれ始める。 (……あれ?)  暗がりに手を伸ばせば、目の前を塞ぐ何かがそこにはある。  ぺたぺたと触れれば固い壁のようなものがあることにたまは気付いた。  戻るにも灯りは消えて、目の前には壁がある。少し横に進んでみようかとゆっくりと歩き出せば、その向こうには茫と輝く提燈が存在していた。  帝都の街には余りにも不似合な提燈の回廊は赤い鳥居の下で続いている。 「こんなところ、」  銀座へ向かう道に会ったかしらと小さく呟くたまは不安を感じ頭へと触れた。  勢いよく机に叩きつけてしまった緋桐からの贈り物。お守りの役割を持っていたと思われるそれ。 (きっと、お守りがないから変な物に化かされたんだわ……)  暗がりからの不安に息を飲みこみ、緋桐さんと名を呼ぼうと息を吸う。  ふと脳裏に過ったのは彼が告げた言葉だった。 『――たまちゃんは何もできない』  心の奥底から、何かがこみ上げる。  助けを呼んではいけない気がしてたまはゆっくりと灯りの方へと歩き出した。  灯りがある方向に行けば、きっと誰かがいる。そう思えば、緋桐がいなくったって自分にも何かできるのだという根拠のない自信が湧き上がってきた。 「大丈夫」  正治がいなくったって、自分は可愛い箱入り娘ではないのだから。 「大丈夫よ」  緋桐がいなくったって、妖怪に化かされたとしてもきっと、彼らは話せばどうにかなるはずだ。  次第に近づく灯りに心が落ち着く。そうだ、人間は話し合えば何とかなるはずだ。  聞こえた笛の音、微かな太鼓の音。灯りはゆらりゆらりと誘う様に揺れている。  その最中、たまの眼前でふわりふわりと幾つもの焔が揺れていた。 「ッ、」  それは青白く何かを燃やしたものだった。まるで花の様にその焔を散らし、たまが訪れたことを歓迎するように無数が点いて消えてを繰り返す。  勢いよくへたり込み、背後を見遣れど、その向こうに来た道は存在していなかった。  ガチガチガチと何処からか、大きな音が聞こえる。  まるで何かをぶつけたかのような。  ガチガチガチ……。 (……何……?)  赤い鳥居の向こう、白い何かが見える。  ガチガチ、  絶えず音鳴らすそれは、その白いものから聞こえるのだとたまはしっかりと認識した。 「ひ、」  その白いものが――人間の骸骨だという事を認識したのも、その瞬間であっただろうか。  巨大な骸骨が鳥居に手をかけ、歯を大きく鳴らしていた。空洞となった肋骨が風に揺らされ悲し気に鳴いている。  息を飲みこんだたまは、巨大なそれに気付かれることが無いようにゆっくりと下がろうとして『壁』に背を付けた。 「え……?」  今まで、そこには壁が無かった筈なのに。  言葉は出てこなかった。  髑髏はしっかりと『たまのことを見つめていた』のだから。  周囲に茫と焔が浮かび上がる。瞳が入っていたはずの空洞はたまのことを見下ろしている。 (あれは、何? 妖怪? ……なんの妖怪?)  脳は混乱していた。目の前にいるものが、何か――それを理解できないままにたまは緋桐さんと小さく名前を呼ぶ。  骸骨の腕はゆっくりとたまへと伸ばされる。  捕まればどこかに連れていかれてしまうのだろうか?  臓腑の詰まらない巨大な髑髏はその手で自分を握りつぶしてしまうのだろうか?  徐々に血の気が引いてくる感覚がする。下がろうにも後ろには道はなく、目の前には骸骨と妙な焔が存在している。 「緋桐さん、」  呼べど、愛らしく笑う狐はそこにはいない。 「正治さん」  不愛想な顔をした青年将校もここにはいない。  ――私が、悪かったんだわ。  無遠慮に口を挟もうとしたのは自分の方だった。  ――私が、悪かった。  お守りだと、普通の自分が妖怪の世界に足を踏み入れることは危険だと言われていたのに。  どうして髪飾りをはずしてしまったのか。  どうして、彼の言う事を聞けなかったのか。  じわりと涙が滲みだす。じりじりと近づく掌から逃げる様に背を壁へとぴたりとつけてたまは「緋桐さん」と呼んだ。 「女の子の夜歩きは危険だよ。簡単にあの世にご招待だ」  茫と浮かび上がった青白い焔は先程までのものとは違う。  青白く、何処か美しいそれを狐火と呼ぶのだとどこかで聞いた気がした。  金の結った髪に細い手足、意地の悪い言葉はもう聞きなれたもので。 「緋桐さん」と彼を呼んで顔を上げれば、そこにあったのは深い紅色の瞳だった。
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honyade · 6 years ago
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川口晴美 × 豊崎由美 × 広瀬大志「シン・ポエム 詩とサブカル」 「カッコよくなきゃ、ポエムじゃない!」(現代詩手帖)連載企画
難解? 混沌? 現代詩ってなんだかムズカシイ――。 いえいえ、実は詩は最強に「カッコいい」んです! 現代詩への鋭い問題提起でも話題になった、戦う書評家トヨザキ社長と、ホラー詩の旗手・広瀬大志の連載企画第三弾をトークライブでお届けします。
今回のテーマは「詩とサブカル」。 サブカル化する時代のなかで、現代詩はどう生きているのか? 詩とサブカルはどのように関わり、「カッコいい」表現を切り拓いているのか? 現代詩のサブカル第一人者・川口晴美をゲストに迎え、追求します。
豊崎由美と広瀬大志の考える詩とサブカルに共通するカッコよさとは? コミックやBLの要素を果敢に詩に取り入れ続ける川口晴美は何をどう見ているのか? マンガ、アニメ、映画、BL、ホラー、SF、ミステリー……、三者三様の視点から余すことなく語り尽くします! 詩のなかのサブカルから、サブカルのなかの詩、はたまた読者開拓のためのサブカル的手法まで……。 現代詩とサブカルをめぐる多様な新しい領域=「シン・ポエム」がいま姿をあらわす!?
前代未聞の現代詩トークライブ、どうぞお見逃しなく。
【出演者プロフィール】 豊崎由美(とよざき・ゆみ) 1961年生まれ。ライター、書評家。 著書に、『まるでダメ男じゃん!』(筑摩書房)、『石原慎太郎を読んでみた』(栗原裕一郎との共著、原書房)、「文学賞メッタ斬り!」シリーズ(大森望との共著、ちくま文庫)など多数。 近著に『「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(河出書房新社)がある。 「読んでいいとも!ガイブンの輪」を主宰。 ツイッターアカウントは@toyozakishatyou
広瀬大志(ひろせ・たいし) 1960年生まれ。詩人。 モダンンホラー詩の旗手として独自の世界を構築し、熱狂的な支持を集める。 詩集に『浄夜』(矢立出版)、『喉笛城』『ミステリーズ』『髑髏譜』『ハード・ポップス』『草虫観』『激しい黒』『魔笛』(以上、思潮社)など。 選詩集に現代詩文庫『広瀬大志詩集』(思潮社)。 ジョージ・A・ロメロと音楽をこよなく愛する。
川口晴美(かわぐち・はるみ) 1962年福井県小浜市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専攻卒業。 1985年に最初の詩集『水姫』。 以後『綺羅のバランス』(1989年)、『デルタ』(1991年)、『液晶区』(1993年)、『ガールフレンド』(1995年)、『ボーイハント』(1998年)、『EXIT.』(2001年)、『lives』(2002年)、『やわらかい檻』(2006年)、『半島の地図』(2009年、山本健吉文学賞)『Tiger is here. 』(2015年、高見順賞)。
【重要なお知らせ】 10月1日からの消費税率の引き上げに伴い、チケット価格を変更いたします。
9月30日までにチケット購入の場合… 前売1500円+ドリンク500円(共に税込)=2000円 当日2000円+ドリンク500円(共に税込)=2500円 ↓ 10月1日以降にチケット購入の場合… 前売1500円+ドリンク500円(共に税別)=2200円 当日2000円+ドリンク500円(共に税別)=2750円
くわしくはこちらのページをご覧ください。
10月1日0時より自動的に価格が切り替わりますので、ご参加のお客さまはお早めにお申し込みください。
時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場) 場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F ▼入場料 本文の注意書きをお読みください
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lovecrazysaladcollection · 6 years ago
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207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/17(日) 01:33:16.70 ID:Fr077Mvb0
»6  水晶のドクロって19世紀に作られたとか言われてるけど 誰も作ったことがないのが面白いよな 当てる光によって色が変わるってのも言及されてないし 謎が多いな
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/17(日) 01:36:05.73 ID:oF6XX8Lg0
»207 何世代にもわたって 砂で擦って造形するらしい 今も製作中の部族がいるらしいよ
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/17(日) 01:36:29.21 ID:sdbifjAm0
»207 下から照らすと目が光るとか知らなかった 水晶どくろってやすりで削れば当時でもできたって読んだ 300年くらいかかるらしいが
” -
未だ��明されない『オーパーツ』がスゴすぎてワロタwwwwwwww : 不思議.net
2008年4月、スミソニアン研究所で精密な調査が行われ、電子顕微鏡による精密な検査によって水晶髑髏の表面にはダイヤモンド研磨剤による切断跡が確認され、この髑髏が制作されたのは19世紀末以降であることが判明し、ベリーズの遺跡で発掘されたものではないと結論付けられた。事実、歯の部分やあごの取り付け部に金属ドリルによる加工痕があることが、以前の調査でも確認されている。
水晶髑髏 - Wikipedia
(via tknr)
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pgl25th · 8 years ago
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Chinese version of Fantabulous Adventure of M Hardoon Rotman
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(Illustration: Mapping Amethyst)
《上週情節提要》
 上週說到羅珊蒂跟著母親凱薩琳在展覽廳內,隨著參觀人群,審視著一件件展品。可是她不時地抬起頭,向上望著有五層樓高圓形穹頂的格子天花板。
凱薩琳問女兒見到什麼了?她知道女兒從小就顯示有特殊『心靈感應』的能力,故而問。
她亦抬起頭仔細搜尋著天花板,但見不到任何異樣。對凱薩琳來說,無論天花板上是否真有什麼問題,這卻並不是第一件,也不是唯一的一件『怪事』與這批中國玉器贈品牽連上關係!
 【一 小女孩頻頻抬頭上望】  (續 ─ 週二)
 在為展出而註解這批文物時,令凱薩琳煞費周章,加上時間倉促,未能容許她做更深入的研究,因此她在展示文物的註解籤記上,用了好多的問號。
這次的捐贈,館方收到了三十多件文物,凱薩琳初步檢視時便已發現,中國文物的來源,似乎涵蓋了數個古文明,若要逐個解析明白,再設法進行實地考察,恐怕得花幾年的時間,但薄鳳池堅持要於正式捐贈後的一個月內,就向巴黎市民公開展示出來。
凱薩琳跟裴聿美博物館的總策展,雅各·戴杜瓦博士(Dr. Jacques Tertois)仔細商量過後,定下一些規則,包括實際展出的項目,和展品註釋的重點等等。戴杜瓦博士更擬訂全面的教導和說明材料,用來訓練展覽期間新僱的臨時導覽人員。
戴杜瓦博士別出心裁的想出了這次特別展覽的名稱���『發現中國古代玉器科技的奧秘』,他指出,這些玉器的形狀,有的像現代的螺絲帽那樣,是中間有圓孔的小玉荳;有的是手掌大小,不規則形狀的齒輪玉片;有幾片半個手掌大小的玉環,環面有著迴旋或同心紋路;更有幾件類似中國的玉璋、玉圭、玉琮等,可是實際的外型,卻與已知出土的同類玉器樣式又稍有不同的變化。因此他大膽假設,這些玉器可不可能是某種大型儀器的組成零件?
他用了『發現』與『奧秘』兩個字,靈感除了得自薄鳳池本人的頭銜──『新科技發展公司』總裁(Président, Société de Technologie de Découverte),顯然更有敦促凱薩琳繼續深入研究的意思在內。
其實就算沒有戴杜瓦博士的敦促,凱薩琳也必須做深入並且額外的研究,這是因為贈品內不但有一小部分疑似瑪雅玉器的物件;瑪雅與中國的玉器之間本來就有十分類似處,只有其上所雕刻的圖案有些差別,但其中更有兩件,實在令她幾乎的完全束手無策!
第一件乃是一根玉琮,中國的玉琮一般都是小拇指粗細,外邊四方形,中央是貫通的圓孔,可是怪處便在這根玉琮竟有六邊,有中心圓軸,卻不是洞孔,而是實心的,更有食指般粗細。
第二件就更奇怪了,是一塊形狀不規則,大小正好手掌一握,紫色,疑似水晶般的物質。
兩物僅憑外表,難以判定何屬何從,她直覺感到兩物應與瑪雅神祕的水晶髑髏,有極密切的關係,但若要真正判定其質地為何,恐怕非得去找礦物學家的協助不可了。
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naturalmagickk · 5 years ago
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人は生まれてくる時に、どんな目的で生き、誰と結婚して、何歳まで生きるかなどは大体決めてくるようですが、
未来は確定しているわけではなく、変えることができるようです。
そこで、良い未来をつくるための常識として、次の11項目を掲げて説明しています。
 1) 大昔、地球上で人類は助け合っていた
今から約150万年前、人類の一番古い遺跡といわれているのはケニアのトオルカナ湖の近くから出てきた遺跡です。
その遺跡から分かるのは、殺し合いとか紛争などの形跡が一切無かったということです。
ところが、今から50万年ほど前から後の遺跡からは、人達が殺し合い、獲り合いをしていた形跡が出てきます。
 2) 人類は、かって高度な文化を持っていた
今の人間のレベルでは絶対につくれないようなものが地球に多く遺っています。
アステカの遺跡で発見された水晶髑髏、コロンビアで発見された黄金のスペースシャトル、ペルーで発見された世界各地の人々の胸像、
コスタリカの石球、バクダッドで発見された電池などの遺物です。
地球には過去、すばらしい文化があり、何回も天変地異や大破壊があって、それらの物をつくった人間や、
全ての生物が死滅するようなことがあったと考えるのが妥当と思われます。
 3) 地球には何回も、すべての生物が死滅するような天変地異や大破壊があった
過去35万年間に7回も地磁気がゼロか、ゼロに近くなったことが分かりました。(琵琶湖での地質調査)
シベリアのあたりで出土したマンモスの腹の中には、食べたばかりのものがそのまま残っている状態で掘り出されました。
それは6500万年前に、隕石が落ちたからだと言われていますが、少なくとも地球上が瞬間に凍りついたとしか考えられません。
そのようなことが過去、地球上では何回もあったはずです。
 4) 「ノアの箱舟伝説」は、事実である可能性が高い
トルコの東端とアルメニア、イランとの国境近くに「創世記」に登場するアララト山という山がそびえています。
そこには「旧約聖書」に出てくるノアの箱舟ではないかという遺跡が出土しました。
ノアの箱舟の大洪水は数千年前に起こったことだと考えられるのです。
 5) 一つの大いなる意思が地球や人類を動かしている
 6) 一万2~3千年前 地球に大天変地異があり、人類は原始人から出発し、ようやく現在のようになった
 7) 今の地球は地獄星、地球人は不良星人だ
 8) 近未来に地球人はまた原始人に戻るか、優良星人になるかの今は分岐点
 9) 日本人が中心になり、「百匹目の猿現象」を起こせば良い未来をつくれる確立は高い
10) いまから数年内が分岐点の決めての年。 過去を正しく知り、それらを肯定し、
   まず有意の人たちで良い未来づくりの「百匹目の猿現象」を起こそう
11) ポイントは、エゴ、科学、宗教、金銭にとらわれないこと
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robatani-sabku · 5 years ago
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テネブルーズ、装備更新
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 運営が変わり、イベントやら何やらがドドドンと来ていますが、相変わらず走り回ったり金策をしている毎日です。エリーイベントでは今年も家具を貰い忘れつつ(しまった)、レア魚を釣り続け。イベントで貰ったシャカトゥ箱から黒い浸食のイヤリングが二つも出たおかげで一気に財政は潤い(強化と悩みましたが足場固めで販売を選びました)……といいこと尽くし。ついでに延々成功しなかったダンデリオン鎌の真4も通りましたわーい。シャカトゥコインがそろそろ期限切れとのことで、慌てて交換してきた愚鈍鎧もわりあいすんなり真3まで行きました。
となると欲が出るのが人の心。一応今は胴と頭をヘラクレス真4にしているのですが……。 やっぱ目指したいですよね……、上。憧れのボス装備。実は空白期間が長いとはいえ、まだ一度も全身ボス装備をやったことが無いのです。一応抑圧されたボス装備が渡されているので、着替えは無料で出来る。が。しかししかし……。
目指すなら上を目指したい。なんならマスカンじゃなくてウルゴンにしたい。今のお財布ならば、マスカン真4を売り払えばウルゴン真3とグリフォン真3が買える。が、強化までは時間がかかるのでちょっと能力が下がる……。
悩んだ。悩んで悩んで悩んで悩んで。 悩みながら換金アイテムのドロップが上がる「アグリスの熱気」の解放イベントをやって思った。
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折角手に入れたあぶく銭は使うに限る――と。
これだから金がたまらないのですよね。そしてこうなった。
15億あったお金は一瞬マスカンを売って40億へと上がり、そしてウルゴン真3とグリフォン真3、その他水晶類を買ったり予約したりで5億へとさがりました。この後別キャラに4億持たせていたならば「船舶増築許可証:エフェリア貿易船」を買っておっけーなのですが。
持たせてたっけ。(現在カカシ中なので確認面倒なのですが多分持たせていなかったような) 持たせていなかった場合は一気に所持金1億まで下がります。ヤッタネ!(よくない)
交易はちょっとおやすみし金策用の釣りばかりしていたので。ラビニアの依頼も含めてまたコツコツやらないといけませんね……。あとボス装備を真4にしたい。
ギルドで行った星の墓場が非常に手ごわかったので、戦力強化をどうにかしたいところ。
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ついでにプレパケオンにしたので、テネブルーズのタトゥーを変えました。前のは画像が荒くてぼんやりとしか見えなかったので……。髑髏です髑髏。ふふふん。
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抑制されたボス装備はシャイに渡しました。これで狭間狩りがもう少し楽になるといいですね。
さて、お船を目指してゆるゆるとやっていきましょう。
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fuyunomorizukan · 6 years ago
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****海賊だぞ!!****
素材:石灰岩(国産)、水晶(モロッコ産)、紙(樹脂加工)、チェーンと金具(真鍮+純ロジウムコーティング)
キャラクター:黒猫耳ずきん(海賊旗持ち)
納品先:ränbuさん(大阪)
※2018年個展「夜になるまで隠れている」にて、「夜まで待てずに飛び出している」のカテゴリで出品。隠れるどころか大はしゃぎ。
※海賊旗は、髑髏マークではなく黒猫耳マークになっています。さらに、尻尾がいつもの猫尻尾ではなく、先の尖った悪魔の尾になっています(分かりづらい変化)
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shirokurobox · 7 years ago
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落日の欠片と瑠璃の鎹
ロイエンタール追悼。 一対のグラスとふたりが交わす約束の話。 (2016/12/16)
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 「グラス?」  「しばらく会えんからな。餞別だ。持っていけ」  包みをこちらに押し付けながら、少し首をかしげた拍子にゆれた親友の蜂蜜色の髪が星の雫のように美しく、活気のいいグレーの瞳が、目の前で柔らかに微笑むさまは、ロイエンタールには一番星の瞬きのように思えた。  ミッターマイヤーが、ロイエンタールに手渡した木箱のなかには、深紅のクロスに包まれた一対のロックグラスが収められていた。クリスタルガラスに上品なカットをほどこしたロックグラスは、手に馴染むほどよい重さで、飲み口の薄い硝子はそこに注がれた琥珀色の液体の口当たりをよくする。それはふたりが酒を飲みかわす間、幾度となく彼らの手のなかに収まり、酒を満たしていた杯で、共に過ごした時間の証ともいえるものであった。  イゼルローン要塞より発せられたヤン・ウェンリーの訃報を受けて、フェザーンへと征旅を引き返すこととなった帰路。ミッターマイヤーが宇宙艦隊司令長官として、一〇万隻の艦艇を統御し、皇帝ラインハルトと共に、途中旧同盟領へと立ち寄ることもなくフェザーンへと直行することになっている一方で、ロイエンタールは、統帥本部総長の任をとかれ、新領土総督としてあらたな印綬をおびてハイネセンへと、五二〇万の将兵を引き連れて旧同盟領へとむかうこととなっていた。  征旅を引き返すにあたり、病床にあったラインハルトの命をうけ、帝国軍の双璧たるふたりは全艦隊の列を整え、大本営の秩序を整備するなどそれぞれの軍務に忙しく、酒を飲みかわす暇などなかったが、ロイエンタールがハイネセンへむけて出立する前夜、ミッターマイヤーは、友との一時の別れを前に、ロイエンタールの顔を見に私室へ訪れたのだった。  帝国軍の双璧は、今回の征旅の帰路で別れることになっている。その餞別だと、ミッターマイヤーはロイエンタールに、離れていようとも共にあることの証に、ふたりで酒の飲みかわすたびに傍らにあったロックグラスを贈ったのだ。  ロイエンタールは、その金銀妖瞳で長く生死を共にした友人をながめやった。離れていようとも、なにも変わることはないと思えども、知りあってからいままで、この男が隣にいなかったことはなかった。幾多の戦場で肩をならべてきたのだ。これからはハイネセンとフェザーンと遠く離れることに多少の感傷をいだくのはいたしかたがないだろう。  木箱よりグラスをとりだし、手に馴染んだ重みにロイエンタールは目を細める。幾度となく互いの手のなかに収まっていたロックグラス。その酒杯を満たす琥珀色を思い出す。  ミッターマイヤーの白い肌が仄かな酔いに染まり、いつもよりグレーの瞳に宿る光が艶やかになる様も、アルコールに濡れる紅い果実のような唇も、しばらくは眺めることもできないのか。水晶のように透きとおった氷のなかに、ミッターマイヤーの鏡像が映りこみ、蜂蜜色と淡い光の粒が反射して、琥珀色の液体のなかで黄金を溶かしたようになる。それが己の手のなかで揺れるさまをみるのが楽しみだった。琥珀色の液体を喉に流し込む瞬間、親友の肌に触れるような錯覚を覚え、舌先にころがるなめらかさは、卿の唇に。酩酊をもたらす心地の良さは、卿のあたたかな指先の温度に似ているのだろう。卿の柔らかな蜂蜜色の髪に鼻先をうずめれば、鼻孔に立ちのぼるアルコールの香りのように芳しい香りがすることだろうと、幾度となく思ったことか。  だからこそ、そんな思いをアルコールに溶かし込んでは、ふいに浮き上がってこぬように��沈み込ませていた。叶わぬことだからこそ夢想する。それは愚かなことだと承知しているが、胸のなかで思うぐらいは許されるだろう。  ――――いや、そんな邪な思いを差し引いても、この友と酒を飲みかわすひと時は、なにものにも変え難いものであった。  それを暫くのあいだ持てぬというのは、寂しいものだと、グラスを眺めていたロイエンタールの顔に寂寞の思いがうかぶ。それはほんのわずかな変化ではあったが、異なる色を持つ両の目にみえた寂しさを、隣にいたこの男の親友は見逃さなかった。  この友も、俺と同じ気持ちでいてくれるのかと、ミッターマイヤーはその横顔を眺める。――――なにもこれが今生の別れではあるまい。いままでどれほどの生命の危機をのりこえ、再び酒を飲みかわしてきたことか。ふたりの間に漂う心寂しい空気を振り払うように、ミッターマイヤーは、屈託のない笑みを親友にむける。  「次に再会したときはこのグラスで飲みかわそうではないか」  「では、酒は俺が用意しよう。とびきりの上物を探しておく」  心から暫しの別れを惜しむ友とロイエンタールは再会の約束を交わす。  そのたったひとつの約束は、どんな煌びやかな光を放つ宝石よりも輝かしく美しいものに思え、再びこの杯で酒を飲みかわす日のことを思いながら、ミッターマイヤーの暖かな笑みの記憶とともに、ロイエンタールは、その約束を胸のなかの特等席へと大切に仕舞い込んだ。  叶えることのできない願いよりも、叶えることのできる約束のほうが、どれほど価値があることか。ミッターマイヤーと共に酒を飲みかわすことのできる関係を失うなど、思いもよらぬことだと、ロイエンタールは端整な口許に笑みを浮かべた。  この先も、無事にミッターマイヤーと酒を飲みかわすことができればいいのだが。ロイエンタールの青い瞳が別れを惜しみ、そして約束を思い、友への情愛に優しい光を灯した反面、新領土総督の任を受けることとなった経緯を思い返し、黒い瞳は鋭い光を走らせていた。  異なる光を宿すロイエンタールの双眸を目にしたミッターマイヤーは、掴みどころのない不安が胸郭に満ちるのを感じた。  陛下はよからぬ噂をお信じにならず、ロイエンタールにこの度の地位をお与えになったではないか。それはとりもなおさず、信用なさっているからこそではないか。何を心配する必要があろう。  胸に満ちた不安を振り払うようにミッターマイヤーは蜂蜜色の頭をふる。だが、それでも不安の尾が心臓に絡みついて、口に出して尋ねずにはいられなかった。知りあって以降、次に再会するあてもないままに別れるのはこれが初めてではないか。よからぬ影が卿のそばに漂っていることに、俺が不安を覚えぬわけではないのだぞ。  「ロイエンタール。また無事に会えるだろうな?」  ミッターマイヤーの名を呼ぶ声に滲む不安を、ロイエンタールは感じ取る。  先日、ロイエンタールに対して行われた審問が、ミッターマイヤーの思考に暗い影をおとし、思わずその不安に背中をおされるように問いかけてしまったのだ。完全には拭い去れない不安が熾火のようにミッターマイヤーの胸のなかで燻っている。あのヤン・ウェンリーも地球教の凶刃の前に倒れた。どこに災厄がひそんでいるかはわからない。暫く会うこともままならない友を、ミッターマイヤーが心配するのはやむおえないことだろう。  真っ直ぐな��がロイエンタールをみつめる。真摯に向けられる視線に含まれる不安は、先日の審問によるものだろう。心の底から心配をしてくれる相手がいるというのは悪くないものだとロイエンタールは思う。しかし、その不安を十分に拭ってやることができないのが残念だ。  不安げに見つめるミッターマイヤーに、ロイエンタールはふっと目を細めて笑う。  「なんだ。随分と別れがたそうにしているが、次に再会したときには奥方にするようにキスのひとつでもくれるのか?」  ミッターマイヤーの表情に滲んだ不安に気づかぬふりをして、ロイエンタールは、口の端をにやりとつり上げて笑う。  「な!? 馬鹿なことをいうな」  驚き慌てた表情を浮かべた親友の姿に、ロイエンタールは笑い声を零して、人の悪い笑みを浮かべていう。  「下士官たちのあいだで噂になっていたぞ。ミッターマイヤー元帥は愛妻家だと。そうだな。我が友にまさる妻思いの人間はいないだろう」  ロイエンタールのからかうような口調にミッターマイヤーはますます頬を赤く染めていく。怒りとも困惑ともつかない感情を装い膨らんだ頬は、薔薇の蕾のように赤くそまり、愛らしい。  「で、再会のキスはくれるのか」  ロイエンタールは、しなやかな指先で、「ここにキスしろ」とばかりに、己の唇を、とんとんと指さす。その仕草に、ミッターマイヤーのグレーの瞳に呆れが浮かび、肩をすくめて首をふった。  「妙な冗談をいってくれるな」  「冗談ではないのだがな?」  「本気なのか?」  ロイエンタールは、友にひどく真剣な視線をなげつける。その視線に含まれるものが、本気か冗談なのかを掴みきれず、ミッターマイヤーの眉が訝しげによる。真剣にミッターマイヤーを見つめるロイエンタールの瞳に、なんと答えていいものかと思案する色がミッターマイヤーの顔に浮かび、沈黙がふたりの間におとずれた。どちらも視線を逸らすことなく、見つめ合う。言葉を間違えば今にもふたりの関係が砕けてしまいそうな緊張感が漂っていたが、それは長くは続かなかった。ふいにロイエンタールの口許が耐えかねたように歪んだのを合図に、ふたりの間に漂っていた空気が柔らかなものにかわり、どちらともなくその口から笑い声が零れおちた。  「すまん、冗談だ」  「まったくだ」  零れたふたりの笑い声は穏やかに夜に溶けていく。ミッターマイヤーが感じた不安を、冗談にまぎらわせようとしたロイエンタールにむかって、困ったように頬をかく蜂蜜色の髪をした親友をみやり、ロイエンタールは右目の黒と左目の青に、それぞれにことなる感情を浮かべていた。  「卿の愛情はすべて奥方のものだ。俺などが掠め取る余地もないさ」  まるで眩しいものをみるかのようにロイエンタールは色の異なる目を細めて笑うが、笑みを浮かべた口から零れた言葉は、どこか真剣な色合いを帯びていて、ふたたびミッターマイヤーの眉をしかめさせた。  感情と理性が揺れ動く隙をついて零れ落ちたその言葉は本心か否か。それはロイエンタール自身にもわからない。指の隙間から零れ落ちる砂のように口から滑り出ていたのだ。  「ロイエンタール……」  「いや、妙なことをいったな。忘れてくれ」  ロイエンタールは手にしていたグラスを木箱に戻し、グラスの表面を大切なものに触れるように撫でた。その指先は酷く優しく、グラスをみつめるロイエンタールの視線はどこまでも愛おしいものをみるようで、この男でもこんな目をすることがあるのかと、ミッターマイヤーは驚いた。  まるで愛しいものを慈しむような目ではないか。いままで多くの時間を共に過ごし、数えつくせぬほど様々な表情をみてきたはずなのに、無償の愛を注ぐような、その表情から目が離せなくなる。ミッターマイヤーは思わず口を開き、ロイエンタールに「なぜ、そんな顔をするのだ」と問いかけたくなったが、ぐっと唇を引き締めて思いとどまり、その衝動を堪えた。  ――――問いかけてはならない。問いかけ、ロイエンタールが口にするこたえに俺は応じることができるのか?  酒杯を重ねるあいだに、ロイエンタールからむけられた熱を含んだ視線のなかに、酔い以外のものがまざっていなかったとは言い切れないではないか。それでも、互いに酔っているせいだと、口実を用意していた。それ故に踏み入ることのできない境界線上で、隣にたつことができるのだ。むけられる視線に含まれるその感情に明確な形があるかはわからないが、時折、愛しげに大切なものを眺めるようにむけられたロイエンタール視線に、俺自身が心地よさを覚えなかったとはいえない。  ロイエンタールが愛しげに眺める視線の、その感情をむけられた先になにがあるのか。俺はこたえることができぬというのに。身勝手に問いかけることはできないのだとミッターマイヤーは自らを戒める。  ロイエンタールから顔を背けるようにして、わずかに顔を伏せたミッターマイヤーを視界の端に捉えたロイエンタールは、困らせるつもりではなかったのだが、と苦笑をうかべた。  目の前にある一対のロックグラスを眺めならが、ロイエンタールはいう。  「目に見える形というのもよいものだな。これは卿が俺にくれる友諠の形だ。共に酒を飲める時間があるというのはいいものだ。はやくこれで卿と酒をのみたいものだな」  それはロイエンタールの偽ることのない本心だった。共に過ごすことができる時間があるという。それ以上なにを望むというのか。  珍しく素直なことをいう親友に、ミッターマイヤーは笑みをかえす。  「なに、しばらく会えんが、すぐに酒を飲みかわせるさ。陛下が全宇宙を統一なさるのはすぐのことだろう。そうなれば俺もそちらに行くこともできるだろうからな。そのときに新しい時代の到来と変わらぬ我らの友諠を誓って飲もうではないか」  「ああ、もちろんだとも。ハイネセンでまっている」  ふたりは互いに顔を見合わせて笑いあう。それは離れていようとも何もかわらないことを確かめるかのようであった。  「ではこのグラスは預かっておくとしよう」  「ああ、そうしてくれ」  ふたりのあいだに置かれた一対のロックグラスが、次に酒を満たすことになるのはいつのことだろうか。そう遠いことでなればいいのだが。  再会の日を心待ちにして目の前で嬉しそうに笑うミッターマイヤーの笑みを、ロイエンタールは、黒い右目と青い左目に焼き付けるようにみつめるのだった。
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 なんのてらいもなく笑うミッターマイヤーの笑みは、まるで陽の光のようにあたたかい。 暗く冷たい水に射し込む、暖かな光のそのもののような笑みに呼ばれるようにして、ロイエンタールが瞼を開くと、青と黒の瞳に艦橋の無機質な灰色の天井が映りこんだ。靄がかかったような意識は、身体に広がる痛みによって覚醒し、昏睡している間に自分が夢をみていたのだと気がつく。  意識を失っている間に見た夢は、友と再会の約束を交わした記憶。  夢の余韻がロイエンタールの意識に絡みついている。それはひどく懐かしく、恋しいものであった。  もう随分と昔に交わした約束のような気がする。今の俺に卿との約束を叶える資格はあるのだろうか。それでもその約束を叶えたいと願う自分は、なんと度し難いことか。  ――――最後にみる顔が親友の顔であるならば、それは充分に上出来な人生ではないか。  ロイエンタールの口許に自然とうかんだ微かな笑みは、自嘲のようでもあり、心の底より友との再会を待ち望むもののようでもあった。  旗艦トリスタンが跳躍した際に、ロイエンタールの左胸の傷口が破れ再び出血し、一時意識を失っていた。死の淵にいつ滑落してもおかしくない状態から、ロイエンタールが引き返してきたのは、ひとつの約束を思い出したからだ。  ロイエンタールは腕に繋がる輸血の管を一瞥して、何事もなかったかのように、指揮シートから身体をおこした。こちらの容体を不安げに見守る部下や軍医に、青ざめた顔色に不遜なまでに平静な笑みを浮かべ、すこし眠っていたようだなと嘯き、傍から部下を引き下がらせた。
 左胸の傷口にロイエンタールは手をあてる。そこに添えられた自身の手はまるで生きている者の血色ではなく、氷のように重く冷たい。  死の淵がすぐそこまで迫っている。冥府からの迎えが、いまかいまかと手ぐすねをひいて待っている。  手招きする白い髑髏の手を一瞥しながら、ロイエンタールは青ざめた顔に笑みをうかべる。死ぬことは恐ろしくはないが、約束を果たせぬのは、いささか心残りにはなるか。  惑星ハイネセンへ戻るまでに幾度となく昏睡し、その度に死者がくぐるべき門の前より追い返されている。左胸の傷の痛みも随分と身体に馴染んだものだ。身体の中心から末端まで広がっている痛みによって生きていることを感じる。それを感じなくなったとき俺は死のまえに跪くことになるのだろう。いまだ死と抱擁を交わすことをできずにいるのを思うと、俺はまだあと少し生きていていいようだ。だがそれもわずかなことだ。少しずつ、冥府の扉が開いていくのがこの目にみえる。  ――――だが、天上へと至る階段をのぼるにはまだ時間がある。  青ざめた顔に、青と黒の両眼に光を宿す。その光はすぐそばに死が控えている者の光ではなかった。ロイエンタールは、いつものごとく友との再会を待ち望むように笑みをうかべてみせる。  「再会の約束を果たそう。冥府の門をくぐるまでに、せめてそのぐらいの時間はあるだろう。 なに、疾風ウォルフの足ならば間に合うだろう。追いかけてこい、ミッターマイヤー。ハイネセンで待っている」
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 星々はどんなときでも変わらずに瞬いている。ロイエンタールと共に駆け抜けた幾多の戦場や惑星から、共に見上げた夜空もかわることなく星が瞬いていた。そして、ここハイネセンの夜空もまた同じだ。ロイエンタールが天上へと旅だったそのときも、紺碧の夜空には星が静かに瞬いていたことだろう。
 この戦いの最後はどちらかの死によって彩られるだろうという予感は、決定事項のようにつきまとい、そしてミッターマイヤーの目の前に現れた。  友の死は内戦が終結したことを意味し、ミッターマイヤーは皇帝に内乱終結の報告をせねばならず、即日、惑星ハイネセンを立ち、フェザーンへと戻らねばならない。出港準備に慌ただしくなるなか、少しの間、ワーレンに後をまかせて、ミッターマイヤーは別れを告げるため、友の亡骸が納められた柩の傍にいた。  薄暗い室内には、星のあかりが微かに射しこみ、死者が眠る硝子の柩を青く照らしている。薄青い光の欠片はまるで魂の欠片のように、柩の上にかけられた軍用ケープを撫でていた。それは親友の肩にミッターマイヤーがかけてやったものであった。  横たわるロイエンタールは、血で重く濡れた軍服も整えられていて、端正な顔立ちのせいか、まるで眠っているかのようだ。そこに残された表情には死の苦痛は感じられない。穏やかな顔をみせている友を前にして、誇り高いまま逝ったのだろうとミッターマイヤーは思う。  柩の傍らに、ふたつのグラスが置かれている。それはロイエンタールがミッターマイヤーを待ち続けた証だ。グラスのなかに注がれた琥珀色の液体は落日の欠片が溶け込んだかのようであった。  ミッターマイヤーがハイネセンの総督府に辿り着いたのは、ロイエンタールが天上へと旅だった二時間後のことだった。執務室のデスクのうえに置かれたふたつのグラスを見たとき、友が死の間際まで自分を待っていてくれたことを知った。  「……待っていてくれたのか」  間に合わなかった口惜しさに胸が軋み、「ずっと待っておいででした」と従卒の少年が悔しそうに涙を流す姿に、胸が鉛玉を飲み込んだかのように苦しくなった。再会の約束を果しえぬまま、彼は逝ってしまった。  知り合ってから一一年。幾つもの戦場を共にし、つねに隣にいた。その度に、幾度となく酒杯を交わしあってきたのだ。グラスに注がれたアルコールに、別れの際にした約束をロイエンタールがどれほど楽しみにしていたのか。それを窺い知るには十分だった。
 「皇帝をたのむ」といったロイエンタールの声が耳朶にこだまする。  ――――酷い男だ。卿のために悲しむ暇もくれんのだな。
 友の最後をみとることができなかった後悔が胸を焼くが、まだ涙を零すわけにはいかない。  一対のグラスの片方を手にとり、ミッターマイヤーは、友の最後の願いに誓うように、ロイエンタールが残していった酒に口をつけた。苦さが喉を焼いたのは、アルコールによるものか、それとも別の何かによるものか。  「さすがはロイエンタールだ。良い酒だ」  美酒の香気は時間がたってしまい薄れてはいたが、それでも良い酒であることがわかる。俺との再会を心待ちにして用意していてくれたのだろう。本当ならば、卿とふたりでこの酒を飲んでいたことだろう。最後に飲みかわしたときも、この先もかわらずにいられるものだと思っていた。死の使いが彼を連れ去るそのときまで、ロイエンタールは俺を待っていたというのに、約束を果たしてやることが叶わなかった。それが酷く口惜しい。  グラスの向こうにいるべき友にむけて、ミッターマイヤーは声をたてずに話しかけた。  「赤子とは存外、重たいものなのだな。卿はあの子を抱いてやったか?」  忘れ形見の乳飲み子は、親友によく似た瑠璃色の瞳をもっていて、友の面差しと瓜二つであった。ロイエンタールはあの子の命のぬくもりを知っただろうか。  こたえることのない親友の顔をみる。ロイエンタールにむけるミッターマイヤーの視線は穏やかで、愛しさに満ちたものであった。  ――――卿は、自分には人の親になる資格はないと言っていたが、あの子の行く末を思い、俺に託したではないか。それは卿が、あの子にあたえた愛情ではないのか。子を思う心のある人間は、充分に親になる資格を持っていたとはいえまいか。  物言わぬ友に、ミッターマイヤーは力なく微笑みかける。  いつものようにその形の良い口許を皮肉げに歪めて、俺の言葉に反論してこい、ロイエンタール。  家族や伴侶について語るとき、ロイエンタールは理解できぬものだと、俺の言葉に眉を顰め、金銀妖瞳に名状しがたい光を浮かべていた。それが彼の過去に基づくものであったとしても、俺はそれだけではないといってやりたかった。  ――――この話ばかりは、いつだって平行線だったな。俺は、俺が知っているものを卿に分けてやりたかった。それだけだった。  柩の傍らに残されたグラスに、ミッターマイヤーは切なげに目を細める。  はたせなかった約束は卿の息子と果たそう。あの子が成人したら、このグラスと卿が用意した酒で、オスカー・フォン・ロイエンタールとはどんな男であったか語ってやろう。  このグラスが、今度はあの子と卿を繋ぐものになればいい。あの子にとって卿との繋がりが何もなくなってしまうのは寂しいではないか。卿は俺に、あの子を託してくれた。それが俺とおまえとの繋がりになるように。星が変わらず瞬き続けるように、我らの繋がりは何も変わりはしまい。
 夜は静かにふけゆく。  失ったものの重さがのしかかる。  もう出立しなければならないというのに、俺は、卿の前で涙も零してやれない。  美しい貌は眠っているようで、閉ざされた瞼の下にある金銀妖瞳の輝きを思いだし、その両目が俺をみることがないのだと思い知る。  二度と開くことのない瞼。その下に眠る黒曜石と瑠璃の瞳はもう俺をみない。  酒を飲みかわすたびに、ロイエンタールからむけられた愛しげな視線と出会うことは二度とないのだ。  ――――酒を飲みかわすことは叶わなかったが、あのとき卿が口にしたもうひとつの願いを叶えてやろう。  「ほら、ロイエンタール。卿が望んだ口付けだ」  重ねた唇は吐息すら存在しない。時を止めた唇は、静かに俺の口付けを受け止めるだけだ。再会と、そして別れの口付けを交わし終え、ミッターマイヤーはロイエンタールの白く冷たい頬にぬくもりを分け与えるように優しく触れた。こんなふうに触れることは初めてのことだ。  目を覚まし、その唇が俺の名前を呼んでくれることをまっている。童話であるならば、目覚めの接吻でその瞼をあけることもあろうが、冷たい唇は何もこたえない。  最後まで我らの友諠は失われることなく存在した。それ故に、この唇がもっていた温度を俺はしらない。ただ、この凍てついた氷のような唇だけを覚えて、俺は生きていく。
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fuching99 · 8 years ago
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髑髏水晶ブレスレット https://www.fuching.co.jp/index.php?main_page=index#魔除け#お守り#開運#水晶#財運
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segantena-blog · 8 years ago
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【ペルソナ5】水晶髑髏に出会えないために目メメントス最深部から先に進めないクリスマスイブ 引用元: 911: 名無しさん@お... Source: ペルソナ5最強攻略まとめ
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