#未練の幽霊と怪物
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thecardswell · 2 years ago
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【TRPGルールブック】AIEN~鏡の呼ぶ声~
ゲームの概要
この冊子は、『AIEN(アイエン)~鏡の呼ぶ声~』のTRPGルールブックになります。
ジャンルは異世界ファンタジー。バトルロイヤルやマーダーミステリーと相性が良いですが、もっとライトな作品にも使用できます。
「死者を蘇らせることのできる鏡」を探す宝探しゲームです。
ルールブックはまずGMのみが閲覧し、ほかのプレイヤーと共有する内容を決定してください。
【ロール(役割)について】
TRPGは、一般的にGMとPCに分かれて遊びます。
・PC…プレイするキャラクターのこと。
・PL…PCを動かすプレイヤーのこと。『アイエン』では、PLに言及するようなシナリオはありません。
・GM…『アイエン』を創り、設置した神様のこと。また、そこに辿り着くためのヒント(ストーリー上では、「神」「天使」「悪魔」「空を見るもの」が神託に基づいて書いた)を書く人のこと。
【PCについて>キャラクター作成】
・PCは全員、『アイエン』を必要とする人にしてください。すなわち、「蘇らせたい相手(バックストーリー)」を用意してください。
・次に、種族を設定してください。
・属性と職業を設定してください。別ページの資料を参考にしてください。使える霊術は職業によって自動的に決まります。
・能力値を設定してください。能力値の和は同じになるようにすると良いでしょう。
・最後に、PCの開始位置を設定します。エリア上なら、どこでも構いません(但し最終的な決定権はGMにある)。
【PCについて>種族】
エカントには、さまざまなルーツを持つ多様な知的生命体が存在しています。ここではその一例を紹介します。
常人(ヒューマン)エカントで生まれ育った人間。「エルフ」を含む。地球人/異世界人(バラモン)地球、又はほかの世界から来た知的生命体のこと。神(スパ)GM(最高神)と��別に存在する八百万の神々。死者を蘇らせる力はない。天使(リャード��)迷い人の水先案内人。霊体を「在るべき場所」へ連れて行く役目。願いを叶える手助けも行う。肉体生成が可能。アウラレベルの高い者が転生するという噂も。悪魔(パート)「アイエン」の存在をそそのかし、争いを作ろうとする。肉体生成が可能。アウラレベルの低い者のなれの果てという噂もある。精霊(グレフ、シェル等)時空を超越できる種族。通常、目に見えない。気ままな性格。幽霊(ゴースト)生命が潰えたときに肉体を離れて漂う霊子の集まり。個人の記憶などが含まれているが、人格は存在しない。魂(アウラ)とは別物。獣人獣とヒトのハーフ。竜人ドラゴンとヒトのハーフ。魔人(サクラン)妖魔とヒトのハーフ、或いは知能を持った妖魔や植物・物質。ドラゴン異世界よりやって来た、知能を持つ伝説の爬虫類。長命で、1000年以上は生きる。竜人はドラゴンに最大の敬意を払う。イモートゥ「命を失ったもの」の総称。成長せず、腐敗するだけの肉体を持つ。人魚/魚人(メーメール)流体(砂漠含む)の中で生息する知的生命体。陸の上の生命体とほとんど接点がない。
【PCについて>属性】
 属性とは、万物すべてに宿るもので、全部で五種類見つかっています。
 それぞれに相性があり、絶対的に優れた属性と言うものはありません。
治/スハ(白) 汚れた生命を正し形勢を挽回させる治癒の能力
攻/テン(赤) 己の力のみを駆使し相手を捩じ伏せる攻撃の能力
防/カリン(緑) 結界を作りだし物理の一切の進入を阻む防衛の能力
精/ポル(紫) 己の思いを頼りに奇怪な術を巧みに操る精神の能力
速/トト(黄) 俊敏に動き相手の隙を見抜いた一撃を放つ疾速の能力
治は速に強い 
速の能力はどうしても相手のスキを見つけるのに少し時間がかかります。
その間に相手のダメージが治れば、勝つ見込みがないからです。
防は攻に強い
鉄壁ともいえる防御力はただ一方的に向かっていく攻撃にとって
どうすることもできないからです。
速は精に強い
精は霊力を必要とし強力なものの、非常に疲れやすい能力です。
相手に一発一発の攻撃をかわされては自身が疲れ果ててしまいます。
攻は治に強い
相手による非常に大きいダメージを身にす��ば
回復するまでもなく倒れてしまいます。
精は防に強い
防はあくまで物理的な防御のため、
霊力を使った不思議な力にまで応答が効かないためです。
【PCについて>職業】
人々は持って生まれた属性によって、ありとあらゆる職業に就きます。ここではその一例を紹介します。
医術師/ヒーラ人体の知識に秀で、霊子と人体の関係について熟知し、身体能力を極限まで生かす者。透視能力を持つ。特に己の身体能力を高める者を「仙士」と呼ぶ。吟遊詩人/アビ霊子を音楽に込めて操る術士。遠い相手に伝えることもできる。武術家/ファイフ武術や武道に長けた者。魔導士/チェンジャ霊子を波動や流体に変える者。また、ものや時間を操ることもできる。特に、死者を操る者をネクロマンサーと呼ぶ。防衛士/ガーディス霊子を固体に変え、それを極限まで開花させ巨大な建造物や障壁を作り出す者。召喚師/サモル異世界の者と契約を結び召喚を行う者。異界渡りとも呼ばれる。錬金術師/アルケミサー霊子を操り物質を作り変えたり創造したりする者のうち、薬品や生活必需品を生成する者。剣士/チェイサー剣術に長けた者。使役士/イドナー妖魔を飼育・使役することに長けた者。占星術師/アストロノミン星の進行は神からのメッセージだと言われており、星の進行を予測することで未来予知をする者。狩人/アウラゾル死者を霊術の炎で弔い、幽霊を地に還し、魂(アウラ)をいただく者。技術者/アートラト霊子を操り物質を作り変えたり創造したりする者のうち、特に芸術作品を生み出す者。空を見る者/ベス・ベベスト地底遺跡に住む部族。神託に基づいて生きる。外部には秘匿にされている。内部抗争が頻発しているらしい。
【PCについて>職業>職業別霊術例】
※霊術は、あくまで「現在分かっている効果」を示しています。
※霊術の内容はGMによって柔軟に変化します。
「霊術」とは、すべての物体に宿る「霊子(れいし/アウラ)」と呼ばれる微粒子を動かすことで起きる現象全般のことです。脳と関連があると言われており、意思でコントロールすることができる。うまく使いこなすには一定の訓練が必要。
・医術    ~~自らの意志で生命の汚れを正し傷を治す~~
治癒術     (対象の傷を治す)
毒懐      (金属を溶かす毒をいれたカプセルを霊力によって精製する)
注射液     (注射で相手のエネルギーを吸い取る また、それを仲間に分けることも可能)
聖癒術     (精霊を呼び起こし、陣の中にいる全ての生命体の傷を治す)
免疫強化    (同じ技のダメージ効果を軽減する)
輪廻転生    (��に忠誠心を植え付け、一定時間、仲間にする)
九死一生    (致命傷まで傷ついたものを多大な霊力を使って回復を行う)
・楽派術    ~~音楽の力で生きようとする思いを呼び起こす~~
ライカバー   (曲による治癒術。聞いた者の元気を呼び起こす)
目覚の音    (異常な状態に追い込まれた者の意識を覚ます)
速の韻文    (体の中にあるテンポを曲により早めることによって、曲を聞いた者の動作を素早くする)
涙の協奏曲   (技を使う者が悲しい気分でいればいるほど曲を聞くものの防御力を引き上げる)
自然の奏    (自然の場を利用し、音楽を奏でることによって、和やかなムードを生み出す)
リズミーション (この曲を聞いてるものは、体内の霊力が暴走し、曲のリズムによって攻撃ができたりできなかったりする)
疲劣初戻    (この曲を聴いたものの霊力を回復する)
合点演     (大部分の霊力を使い、自分と周りにいる味方の心を一つに結集させ、潜在能力をできる限り引き出す)
・直拳術    ~~一直線に自分の最大限の力を相手にぶつける~~
豪挙        (渾身のこぶしを相手にぶつける)
ステップアタック  (要クロ:戦いのリズムを読み取り、それに応じた攻撃を行う)
炎風轟       (豪拳が摩擦で炎の風を巻き起こす)
鎖のアクロバット  (様々な格闘技を使って、鎖のように華麗に連続攻撃を繋げる)
エクサキャノン   (自ら大砲の弾の如く相手に向かって猛突進する)
クインテット    (エクサキャノンを強化。五体を全て使い、エネルギーそのものを相手にぶつける)
隅落        (対象に触れたか触れてないかの位置で、相手を投げつける、混乱攻撃。エルテール体に対しても効く) 
・覇撃術    ~~遠く広い範囲に亘る波動を体で作り出す~~
風裂波       (その場から遠いところまで届く空気の波を起こす)
跳空覇       (衝撃波を地面にうちつけ、その反動で飛ぶ。滞空時間は十数秒ほど)
手腕魂       (遠い敵に向かって殴る振りをすると同時に勢いを絶やさない腕の魂が相手に向かって直進する)
ヒートストーム   (丹薬の霊力を使い、口から攻撃範囲の広い火波を起こす)
メタルディフ    (身構え、防御の姿勢をとる。攻撃によっては、体内に相手の攻撃を蓄積することも可能)
蜻蛉        (相手の体に自身の気を叩きつける。一定時間、相手の体力を削り続ける)
円々爆       (手を地面にたたきつけ、自分をも巻き込むほどの、地を這う強力な円状の爆風を起こす)
・守界術    ~~結界で相手の攻撃をとどめ、身を守る~~
プロディクト  (鋼のような見えないバリアを身に纏わせる)
��ディクト   (魔法攻撃に対してバリアを張る)
エリア・カット (ドアや出入り口など、部屋と部屋との狭い境界線に霊力で見えない壁を作る。自分と、自分と手をつないでいるものなら通行可能)
結界鉄壁    (自身の周りに結界を作り、その中にいるもの全てを守る)
水の波紋    (体内にある水気を使い、他の水気を呼び寄せる)
万象の守り   (何かしらの力をつかって、相手の攻撃を打ち消す)
ガードウォーカー(自在に動く一枚の壁を作り出す)
渦水晶     (相手の攻撃を吸い込み、いざとなったときに放出する)
禦弦      (霊力を多めに使い結界鉄壁をパワーアップさせる)
・遊華術    ~~魂の力を使い特殊な防衛を行う~~
ディレイ    (相手の時の流れを一瞬止める)
ラックフェイト (体内にある運気の流れを向上させる。幸運を願う魔法)
魂の宴     (短時間の間、一切の攻撃をうけつけない)
十六夜     (攻撃をしようとして攻撃をしない姿勢をとりつづけ、相手をイライラさせる)
十八番     (自分の技の使用霊力を抑える)
・招怪術    ~~別の次元にあるモノを呼び出し、自由自在に扱う~~
錬金    (材料を元に何かを作り出す)
輦輅    (巨大な車輪を二つ召喚する)
次元坑   (危険な空間へつなぐ穴を作り出す)
団扇    (一枚の扇子を精製し、様々な精を呼び起こす)
八悪魔尾招来(異次元からの使者を呼び出す)
扇状六花  (団扇にさらに霊力を注ぎ、扇子を武器とする攻撃を行う)
・魔攻術    ~~精神の力を直接形にし、攻撃をする~~
圧苦玉   (不均な重力を渦巻くボールを投げつける)
幻東幻西  (相手に一種の幻を見せる)
三昧真火  (水をかけても、火を塞いでもさらに燃え上がり、ところかまわず焼き尽くす炎を出す。孫悟空さえ苦戦したと言われている妖魔から受け継いだ技)
天空流   (丹薬の霊力物質を使い、口から出す風で相手の姿勢を崩す)
圧死砲   (圧苦玉より強い重力を渦巻くボールを千手で投げる)
一兆楼   (霊力を固めて半透明の棒状物質をつくり、二段階攻撃をする)
・剣術    ~~刃物を操り狙った獲物に致命傷を与える~~
吹矢    (小さな筒から針を吹いて、相手に刺す)
紙箱    (小さな紙風船の中にいろいろなものを忍ばせ、罠として仕掛ける)
飛剣法   (体に隠してある短剣、矢、クナイ等の刃物を素早く投げる)      
直刺刀   (長い刀が何体もの敵を一気に貫く)
酔睡針   (麻酔効果のある針を刺す。刺さった部分の神経は一種の睡眠状態になり、動かなくなる)
影武者   (自身が物凄いスピードで動き、それによる残像を実体化させ、��代わりとする。身代わりは基本的に本体と同じ動きをするが、それほど強くない)
虎威    (剣の魂を虎に似せ、力をこめて相手を切りつける)
炎熱熔   (「陽炎」使用後のみ可。  灼熱の炎と熱血の魂を武器に注ぎ、相手を切りつける)
飛燕    (颯爽と飛ぶ燕のように身を翻し、スキを突いた一撃を放つ)
小蝶    (体力を無駄に使わないよう、剣を巧みに使って身を守りながら、蝶のように敵の攻撃をかわす)
凝冷寒   (「夜氷」使用後のみ可。  鋭い氷と冷酷な態度を武器に纏わせ、相手の弱点を突く)
蛇流    (刀の先が蛇の頭のように分かれ、四方八方に散らばり、範囲攻撃を行う)
龍獄    (竜が自分の身体で相手をしめつけるように、剣を素早く相手の周辺に突きこむことで多々のスキをつくらせる)
相没刺中  (霊力の大部分を刀に注ぎ込み、相手の体に霊力で殺傷力が増した刃を直接たたきこむ)
・雲風術    ~~自らの精神を落ち着かせ、次の攻撃に備える~~
自然聴視  (自然の気から物事を予想する)
諸刃の剣  (攻撃のみ精神を集中させる)
陽炎    (刀に火の気を宿す)
夜氷    (刀に水の気を宿す)
影見    (味方、敵共に表情のない影を見ることによって、その場その場の流れをつかむ)
夕霧    (翻弄されたとき、霧の中を見分けるよう、精神を落ち着かす)
【PCについて>その他能力値について】
能力値は、ゲームを進めると変化することがあります。
▼「速」は、謎を解いた人が1上がります。
▼妖魔を倒すと、その妖魔の最も高い能力値と同じ能力値の値が1上がります。
但し、能力値を測るような技術は一般には浸透していません。
【PCについて>キャラクターシート】
以下のキャラクターシートを利用して、PCを創作してください。
ふりがな:性別:所持金:名前:種族:職業:年齢:第二職業:瞬発力:筋力:霊力:防御力:危険察知能力:毒耐性:生活能力:胆力:勘定能力:正面立ち絵:背面立ち絵:側面立ち絵:持ち物:性格:家族構成:バックストーリー:特別な霊術:備考:
【GMのロール】
 GMは、アイエンが隠されている場所を決め、そこへ導くためのヒントを4つ程度作って下さい。
 ヒントは暗号でも、問題でも、クイズでもかまいません。ヒントは好きなタイミングでPLに公表してください。
 また、「神」「天使」「悪魔」「空を見るもの」に対してのみ、直接ヒント(神託)を下すことが出来ます(1日(※現実世界の30分)に一回まで)。
【アイエンについて】
アイエンは、「冥界と繋がる入り口」であり、鏡です。
冥界より魂を連れ帰り、肉体とともに死者を蘇らせることが出来ると言われています。
蘇らせられるのは三千年に一人だけという伝承がありますが、真偽は定かではありません。
どのような見た目か、大きさなどはGMの自由です。
【霊力/霊術/霊子について】
「霊子(アウラ)」とは、全ての物体に宿る不思議な微粒子であり、場合によっては色のあるオーラをまとっています。「霊力」は霊子を使用したエネルギーや、それを使用する者のポテンシャルを表します。「霊術」は霊力を使った技術に名前を付け、伝授しやすいようにまとめられたものです。
【舞台】
舞台の名前は「エカント」。異世界です。
※地球の裏側にあり、地球の反対の質量を持つ物質「ミラーマター」によって構成された鏡の世界です。
※エカントと地球(異世界)を自由に行き来できるのは、「神」「天使」「悪魔」のみ。
陸地の大部分が烏瀉で覆われており、物質的にはあまり豊かではなく、貧困や争い、格差も多い。また地域差が大きい。大規模な「国家」と呼ばれるものは存在しないが、数々の豪族が権力を握っていたりする。
但し魔法に相当する「霊術」と呼ばれるものがあり、それを行使することで生活や文化が成り立っています。
 エカントすべてを網羅する地図はなく、未踏の地も多いです。
エカントには、さまざまな地域が存在します。ここでは幾つか例を挙げていきます。
セントラルシティ
エカント最大の都市。ありとあらゆる施設がある。
フィールド
妖魔が跋扈するフィールド。冒険者のランクによって、行けるエリアが変わる。
キャラバン
PCたちの旅団のアジト(ベースキャンプ)。※PCの旅団が複数ある場合は、その数だけベースキャンプが存在する。
光の遺跡
日光を受けると崩れてしまう、地下遺跡。
音の宮殿
聞くとどんな人でも発狂してしまうと言われる鐘が備えられている伝説の神殿。蜃気楼や、星の位置で現れたり、消えたりする。結界が張ってあり、鐘の鳴っている間しか出入りできない。
時の迷宮
時空がゆがんでいる迷宮。迷えば迷うほど、自分がどこの誰だか分からなくなるという。
鏡の神殿
「シュミセン」の最高峰にある、最高神を奉る神殿。「空を見るもの」が建立したと語っている。
北の森
霧に覆われた森。一度入ったら二度と出られないと言われている。
毒の森
最近まで美しい森だったが、有毒ガスが発生してしまい通行禁止になっている。ただ、耐性のある人たちは中で暮らしている模様。月に一度、毒が薄まる時期がある。
卵の村
ドラゴンが卵を産む場所にある集落。ドラゴンを神聖視している。ドラゴン以外にも妖魔との共生率が高い。
蟻地獄
砂漠の地下に広がるもうひとつの世界。さまざまな妖魔が生息している。
シュミセン
高傾斜の山々が連��る未踏の大地。神や魑魅魍魎が跋扈する。
ドルド地帯
エカントのなかでも特に荒涼としており、閉鎖的な民族の住んでいる地域です。
太陽の村
旅人を仮面を付けた踊りでもてなす村。陽気だが、喧嘩が多い。
地下鉄
地下鉄があります。どこに向かうのかはわかりません。行き先はGMが決めます。蟻の巣のように張り巡らされています。寝台列車もあります。
イクスプレミアム
竜人とその関係者しか入ることのできない街です。
時空のはざま
              冥界や天国、異世界を繋ぐ大河です。たくさんの彷徨える魂が旅をしています。
空の身許
「空を見るもの」の居住区。
修験者の源道
神々の住む修験道。選ばれた者のみが招かれ、試練を乗り越えれば特別な力を得ることができるとされる。
▽地球は、あなた(PL)の住んでいる「地球」のことではなく、エカントの裏側に存在する世界のことです。神の力の宿った「鏡」を介して行き来できます。地球にも妖怪やドラゴン、精霊は生息しています。
【ゲームの進行について】
基本的には、アイエンを一番最初に見つけた人の勝ちです。PC同士で殺し合って生き残った人がアイエンを見つけ出してもかまいませんし、別のゲームを作って競ってもかまいません。
相手を殺すためには、まず二人きりにならねばなりません。そして、能力値の合計が高い方が勝利。同等の場合は「瞬発」が高い方が勝ちます。
誰かがアイエンに辿り着いたら、もしくは全員離脱したらゲームエンドです。
但し、アイエンが偽物(罠)だったという展開もありですし、複数名のグループを勝者としてもかまいません。
【おまけ/妖魔について】
「フィールド」などの幾つかの地域(GMに任せます)では、「妖魔」と呼ばれる生物が出現します。
 彼らにもそれぞれ属性があり、もし旅団が妖魔と遭遇した場合は、その属性に対する弱点の属性を持つPCが勝利します。該当するPCが複数いる場合は、妖魔の持つ最も高いパラメーター(例えば「魔法攻撃」など)が高いほうのPC。
 どんな妖魔が出現するかは、GMの判断に任されます。
 なお、妖魔を捕獲あるいは懐かせ、使役してもかまいません。
 なお妖魔は食べられますが、もちろん毒のある者もいますし、特殊���調理が必要なこともあります。
 妖魔は知的生命体ではないので、「アウラ」はありません。
 妖魔から捕れる素材は高値で取引されるものもあります。
 次ページより、いくつか妖魔の例を提示しておきます。
ふりがな:べるふ属性:速名前:ベルフ瞬発力:15筋力:14霊力:13防御力:0危険察知能力:15毒耐性:3生活力:2胆力:20勘定能力:0備考:暗闇に住む狼。視覚能力がなく、嗅覚で餌を探知する。1匹いると100匹はいるとされる。ドロップアイテム��夜光毛皮、水晶
ふりがな:ふらっぷ属性:速名前:フラップ瞬発力:19筋力:0霊力:0防御力:2危険察知能力:17毒耐性:13生活力:5胆力:16勘定能力:3備考:砂漠を泳ぐエイ。季節によって住処を移動する習性があり、上に乗って移動する事も可能だが、毒を持っている。ドロップアイテム:毒針、鞣皮
ふりがな:はんれむ属性:防名前: ハンレム瞬発力:1筋力:12霊力:2防御力:21危険察知能力:3毒耐性:15生活力:0胆力:18勘定能力:0備考:人工生命体。無機物に霊力を乗せて動かす。使役者を必要とせず自動で動くハンレムもいる。霊力が尽きると砕けてしまう。ドロップアイテム:霊子のかけら、宝玉、苔むした岩ふりがな:ぶむあむ属性:精名前: ブムアム瞬発力:20筋力:20霊力:23防御力:20危険察知能力:30毒耐性:22生活力:2胆力:25勘定能力:30備考:かつてエカント全域を支配していた魔王であり、知能のある魔人。
  【おまけ/古代文字について】
古代言語は現代言語に比べて子音が多く、現在でも子音を多く発音するとお洒落というイメージがあります。また、さらに古代には表意文字が使われていた形跡があり、その一部をご紹介します。
アイエン、鏡、ドア
バスダ・フェグゼ
神(唯一神)・世界原理・霊子
幽霊
終わり
食べる、取り込む、乗り移る
ない、否定、ゼロ
【おまけ/天文について】
エカントでは、一日(PL時間30分)が経過するごとに星(シア)が巡り、星同士の繋がりによって季節や行ける場所通れる道が変化します。
特に考えずともストーリーの進行上問題ありませんが、GMは星の進行に基づいたパズルを作成してもかまいません。
星の軌道は次の画像を参照してください。
【おまけ/数字の表記方法】
一部の貴族や文献で使われている数字の表記方法があります。
【おまけ/お金について】
一部の大都市や貴族・商人の間では貨幣が使われています。貨幣は誰でも作ることができます。
シロン=白くて小さな貝殻(テツスの貝殻)を削り、霊力を纏わせたもの。野菜1個分くらいの価値。
ハウム=妖精の羽を削り、霊力を纏わせたもの。8シロンに相当します。
トトラ=ドラゴンの眼球を削り、霊力を纏わせたもの。64シロンに相当します。
カイトー=緑色の琥珀を削り、霊力を纏わせたもの。512シロンに相当します。
ドグロサウロン=金と銀を混ぜ合わせて固め、霊力を纏わせたもの。4096シロンに相当します。
シロンを表す文字
【おまけ/芸能・芸術・文化について】
剣舞…剣術は戦闘以外にも、芸術として受け入れられています。特に技術力を要する舞いは評価されるでしょう。
音楽…基本的にはPL世界で言うアラビア音階が主流です。楽器は弦楽器が最も多く、打楽器や笛なども愛用されています。もちろん楽団や旅芸人という者もいますし、音楽に霊力を乗せて攻撃したり動きを封じたり、回復させたり、身体強化したり、環境に影響を及ぼしたりする術もあります。但し、音楽にも星の進行を変えることはできません。
挨拶…挨拶は非接触が多く、文化圏によって差異がありますが、PL世界と変わりません。
季節…「バスダ・フェグゼ」の前後を2つに分け、それぞれ「ラフェグゼ」「ツフェグゼ」と呼んでいます。
言語…貴族~大都市の庶民間では主に表語文字が使われています。文字の読み書きができるのはごく一部ですが、集落によっては意思疎通に使う表音文字が存在している場合もあります。
食事…この世界には妖魔だけでなく、動物(霊力も知能もない生き物)もいます。主に食べられているのは米、牛肉、そして「フォッカス」と呼ばれる根菜です。
【おまけ/魂(アウラ)について】
「魂(アウラ)」とは、全ての生き物に宿る「尊厳」のことです。心臓に霧のようにまとわりついており、その色(アウラレベル)でその生き物の「価値」が分かると言われています。
(最低)紫→赤→黄→緑→白(最高)
但し死んで心臓を取り出さないとアウラを目視することは出来ないため、ふだんの生活ではあまり意識されませんが、人々の生活の意識に刷り込まれています。
レベルの高いアウラとその心臓は希少かつ美味であり、食した者の価値も向上させると言われているため、とても高額で取引されます。
ここで言う「価値」は、戦闘の経験だけではなく、知的生命体としての総合的な指針であり、これを人の絶対的な価値と考える者も少なくありません。但しどの色の心臓を食べても実際の能力値等に差が出たという研究結果は報告されていません。
【おまけ/宗教について】
ここでは、エカントの世界で主に信じられている物事についてご紹介します。
・神様
ほとんどの人が何かの神、あるいは精霊を信仰しています。それは信仰であり、友人関係でもあります。精霊や神々と人間は共存関係にあります。但し、最高神がどれかという論争は絶えないようです。
・アウラ
アウラは心臓にまとわりつくオーラです。誰が、なぜそんなものを作り出したのかはわかりませんが、絶対的な人間の価値として信じられています。色と関連付けられているため、高貴な色、下品な色というものがあり、髪の色などで差別される事があります。
・ブムアム
古代帝国を滅ぼしたとされる魔王「ブムアム」を神格化した宗教です。紫色を高貴な色として讃えています。
・アイエン
冥界を繋ぐ鏡「アイエン」を知る人は多いものの、場所を知っている人間はほとんどいません。多くの冒険者がこの死者をも蘇らせることのできる超越したアイテムに憧れています。また、研究者も数知れません。アイエンは鏡であるというのが通説ですが、生き物であると言う人や、実態はないと言う人もいるし、鏡の具体的な形も言い伝えによってまちまちです。
・天国/地獄/冥界
死んだ人間の幽霊が住む世界があるということは、広く信じられています。「ネクロマンサー」などは、その世界から幽霊を交霊させる術だと言われています。
・龍神
世界は龍が作ったと言われており、神龍を奉る宗教です。三千年に一度、神龍が産まれると言われており、その神龍の導きによってアイエンに辿り着くことが出来ると説く人々もいます。
・世界の裏側・鏡
自分たちの住む世界には、裏側の世界があると信じられています。それを冥界と捉えたり、異界と捉えたりしています。鏡は異世界に繋がる扉だと信じられており、鏡を神聖なものと考えている人は少なくありません。
・ホロスコープ
エカントでは空に浮かぶ星が「神の住処」であるとか「霊子の源流」であると考えられており、いずれにしても星を深く信仰する人は少なくありません。暦も星の進行によって決められており、星の位置によって様々な例祭が行われたり、卜占(未来予知)を行います。ちなみに、太陽の男神を「テンナ」、1つ目の月の女(或いは男)神を「カスマ」、2つ目の月の女神を「ルーラ」と呼んでいます。
世界樹
【おまけ/歴史】
エカントは基本的には統治は進んでおらず様々な民族が思い思いに暮らす世界ですが、一度巨大帝国が栄えていたことがあるようです。その王は「アイエン」の力で不老不死となり、今でもどこかで生きていると言われています。
【おまけ/エカントで流行りのボードゲームをひとつ紹介します。】
このゲームは「イルイラド(直訳すると奪合盤戯・俗に25シロンゲーム)」と呼ばれており、喧嘩の代わりによく使われます。まず、図のように1シロンなどの小さいものを配置し、それぞれ左右の先端にお互いの駒を置きます。そして「イルイラド!」と叫びながら同時に1マスずつ駒を進めながら、シロンを取ります。一度誰かが駒を置いた場所に再び駒を乗せることはできません。相手とかち合ったときにより多くシロンを持っていたほうが勝ちです。
【おまけ/アイテム例】
エカントで手に入るアイテムの例を一部紹介します。ほかにも自由に作ってかまいません。
霊丹薬霊力を押し固めた薬? 飲むと一時的に少しの思いで強大な霊力を発することができる。飲みすぎると霊力が暴走し、危険。ハ・ピーの実植物の霊力が自然に集中している果実。食べると無意識に楽しい思い出が次々と蘇る。サ・ドーの実上に同じ。食べると無意識に悲しい思い出が次々と蘇る。抗霊力板(通称コンパレート)霊力に反応しない唯一の物質でできた壁。ほとんどの町で利用されている。
【おまけ/調合・錬成について】
アルケミストやヒーラーは、さまざまなものを錬成・調合して生計を立てていますが、それ以外でも錬成は行えます。ここでは幾つかその例をご紹介します。
銀+賢者の石金勇気の花+優しさの花+知能の花+エリクサー賢者の石死体+賢者の石死者復活ネムの木+木炭麻酔香グラジリムの花+妖精の泉の水媚薬妖魔の生き血+妖魔のフン撒き餌天竺桃+五苓丹+妖精の雫+骨エリクサー薬草+復活草薬草の種粘土+硅石+ドラゴンの骨陶磁器鋼+妖魔の体液闇のナイフ鋼+銅防具
【おまけ/伝説・アイテムなど】
三種の神器
神の力が宿ると言われている剣��ナックル、杓を「三種の神器」と呼びます。また、神器の在処を示す「絵本」があると言われています。
勇気の花・優しさの花、知恵の花
伝説の花であり、三つを全て揃えて調合するとどんな苦悩も癒すことができると言われています。
神託のリュート
かつて繁栄していたと言われる古代文明の王が愛用していたリュート。
あとがき
このルールブックは、子供の頃友達(お茶碗)と遊んでいたオリジナルTRPGの世界観をまとめたものです。そのため当時友達(お茶碗)が書いてくれた文章などを一部使用しています。
また、ブレイブスト―リー、軒轅剣シリーズの影響を受けています。また、PVPゲーム形式は「テイルズウィーバー」の影響を受けています。
 何かあればお茶碗(@otutyawan)までどうぞ。
2023年4月15日改定
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sakiko427 · 4 years ago
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2021.6.23. 石橋静河 KAAT 大スタジオ 「未練の幽霊と怪物」 シテ/後シテ たまたま観劇直前にルッキズムへの怒りあふれるwezzyの記事を読んでたため、あの石橋静河さんを手放しで「美しい」と言ってしまうことに抵抗あったけど、 栗原類くんが淡々と語った後、舞台上にスッと現れた石橋さんがただ手をまっすぐ前に伸ばしただけで世界の水平線が生まれたかのような瞬間、 類くんが「もんじゅの白い壁も、夕焼けでピンク色に染まる」と言った直後にまさに夕焼けのような薄ピンク色のワンピースでフワリと現れた瞬間、 美しいという言葉以外で表せない…。 人が美を求めるのは、死から最も遠いものだからとどこかで読んだ気がするけど誰の言葉だったか思い出せない。 「自分以外の人間」を「演じる」という役者の仕事っていつもほんとーに不思議な仕事だと思うけど、今回はそれが人間ですらなく特定の人格ではない「概念」(ついえた夢への未練)で、演劇という芸術の奥深さを体験した。 能のフォーマットを使い、衣装と台詞と歌詞(謡)は現代の言葉、舞台装置はシンプルだったけど、構成は完全に能の舞台だった。そして特殊な照明によって舞台上の人たちは全員「影」が無かった。 謡の七尾旅人さんは完全に吟遊詩人と化してた。 歌も動きも即興性が高く、役者と囃子方と旅人さんのやり取りは常に極限までの緊張感で、手に汗握るけれどこちらは只じっと見ていることしかできない。 囃子方の内橋和久さんらのダクソフォンを中心とした様々な楽器による演奏は、時に耳をつんざく激しい音(まじで吃驚して椅子から落ちそうになった)が鳴り雷のようでも叫び声のようでもあった。 観光客という「その土地に直接関係のない傍観者」を演じる栗原類くんと太田信吾さんの徹底して冷静で朴訥とした物言いが、そのまま舞台を今この瞬間観ている観客の心情を写しているようでぞっとした。客席の全員が、いつのまにか観客という「傍観者」役��されてしまい、知らない内に芝居に取り込まれていた。 森山未來くんが舞台上に呼び出した「ザハ氏の造った国立競技場があり得たかもしれない未来」への未練は、そっくりそのまま今この日本で全国民が抱いてる「有り得たかもしれない安全で健康的な未来」への未練に繋がる。でももうそんな未来は来ないと多くの人が諦めてしまった重苦しい空気の中、この舞台を観ることの意味よ…。 片桐はいりさんの明るさと、現れただけで空気を一変させる強さが救いだった。 このような社会状況なので行かれなかった人も沢山いるし、WOWOWなどで放送されるといいな…と思いつつも、やはりあの「目の前で凄いことが起こっているのを大勢の人間が黙って見ている時間」の異様さは、生で舞台を体験しないと味わえないなと思った。でもその体験を、今まさに私たちはこの日本でしているのかも。 長々ととりとめもなく書いてしまった! 絵は、高速増殖炉「もんじゅ」へ思い馳せる人間の女性と、核燃料サイクル政策の亡霊を演じた石橋静河さんの記憶スケッチ。 #未練の幽霊と怪物 #未練の幽霊と怪物挫波敦賀 #石橋静河 #七尾旅人 #森山未來 #内橋和久 #岡田利規 #チェルフィッチュ #kaat神奈川芸術劇場 #ShizukaIshibashi #japaneseactress #drawing #art #illustration https://www.instagram.com/p/CQvb5o7HUxa/?utm_medium=tumblr
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hit0ame-blog · 3 years ago
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【あゝ、ヒーロー】の反省会
長すぎた。
ひとえにこれに尽きる。
5000字くらいに収めるつもりでした。なんなら3000字くらいで終わるのでは? と、本気で思っておりました。終わらなかった。
予想の4倍長くなっちまったし予想の6倍時間がかかってしまった……。
『キャラに勝手にシックスセンスのスキルを付与する』
……という設定はもともと7年くらい前にハマっていて二次創作もしていたチーム・バ○スタ○栄光というドラマに出てくるタキザワ先生につけるつもりのものでした。
人の命を助ける仕事に従事しているキャラの目に、もしも人の死を迎えにやってくる『何か』が見えていたら、何をしてどう感じるのか?
仕事ぶりは優秀で冷静な子だけど、初めてそれを目の当たりにした瞬間取り乱して、どうにもならないことだし万策尽きてしまった状態だけど、なんとか「連れて行かないでくれ!俺の患者なんだ!」って必死に懇願する所が見たい……。周りの人たちは彼の視えているものが見えないので「え……?」って戸惑うし、彼にしか見えない世界がそこにあんねん……。だけど彼には何も出来ない……人を助ける為の知識も技術もあるのに、どうにもならない現実がそこにはあって、遣る瀬無い気持ちになっている所をめちゃくちゃ見てみたい。
……という邪な想いを抱いたままけっきょく何も書かずに終わってしまいまして。
だけど設定自体は好きなのでいつしか別のキャラで書きたいなぁと思っていました。
ヒロアカにハマったことで『よし! あの時練っていたシックスセンスネタをここで使おう!』と決めたのですが、さてそれを誰に付与したものか🤔 と考えたところで、しんそーくんに行き着きました。
自分の個性の性質をちゃんと把握しつつ、腐らずに真っ直ぐに正しいことに使おうと思える彼の冷静さと善性、けれどもどうしても拭えない『恵まれた力を持った奴』への劣等感を抱いていた未だ若い精神を待つ彼なら、わしのこの碌でもない設定と上手いこと噛み合わせることが出来るのでは無かろうか?🤔
……という、しんそーくんにとっては非常に迷惑な考えのもと、数カ月間ダラダラと密かに妄想をしておりました。
幽霊ものとはいえ、人が死んじゃうし、そのことでしんそーくんが大変落ち込んでしまうお話なので、果たして気軽に書いて良いものかと悩みながら、もくりでこの設定のお話をちょろっとちださんにお話したら「良い!!」という有り難い反応を頂けて、気軽に書き始めることに至りました。ありがとうちださん……7年越しの願いが漸く形に出来た……。
満を持して筆をとったは良い物の、これがなかなか難しくてなぁ……。
��きたかった内容は主に
現場で救命中に『迎えに来たモノ』を目の当たりにしてしまったしんそーくんが、連れて行かないでくれとソレに懇願する
その後夜のラウンジで自分の無力さだとか、人の命を助けるとはこういうことだったのか、とか改めて思い知るしんそーくん
一緒にいる同級生に「アンタらはこういう世界に居たんだな」と言うしんそーくん
以上3点。
で、わしは相爆の女であるからして、ここに何とかしてカチャとザワ先生をぶっこんでやりたいと考えてコネコネと妄想しておりました。
軽い気持ちとはいえ、人の死の表現があるお話しになるので、そこはちゃんと誠実に表現せねばなるまいよ、と思って人の死の重たさを表現するに当たって『カチャのお料理スキル』を発動させて頂きました。
ご飯て、生きている生き物しか食べれないもんね。当たり前のことだけど、そんなの改めて思うことなんて中々無いわけだし。
一年の頃から拉致監禁やら大戦やら何やらで生死の境を潜り抜けてきたカチャが、そのことを『料理をして食う』という形でしんそーくんに教えてあげるなら自然かなと思いまして。人を助ける人間が、落ち込んでるとはいえ自暴自棄になんじゃねぇ、と伝えてやりたかった……。そしてそれをイマイチ表現し切れなかった気がするのが、今回の反省点の一つ……😂 
あと、カチャと現場を一緒にすることで2年時から編入してきたしんそーくんとの経験の差というものも表したかった。
カチャは才能マンで手先も器用で豪胆でもあるので、一緒に居たしんそーくんは余計に「俺なんも出来なかった……」って落ち込むだろうから、そこはB組の二人に上手いことフォローしてもらうことにしました。
B組と言えば、なぜしんそーくんをB組にしたかと言うと、ひとえにカチャのお迎えをしに来るザワ先生が見たかったからでした。だってわし……相爆の女だかr
でもそれだとしんそーくんとカチャのフォローのバランスが偏ってしまうと思い、急遽担任である僕らのブラキン先生\(^o^)/を召喚させて頂いた次第。
全力でしんそーくんを元気付けるブラドキング先生めっちゃ見たい……。お前は俺の可愛い生徒だ!!つってオンオン泣きながらブラキン先生に抱きしめられて「あわわ;;」ってなってるしんそーくんめっちゃ見たい……。
わしの腐女子的都合でしんそーくんをB組にしたからには、彼をキチンとB組の一員にしてあげなければ! という考えで、彼を元気付ける役目をケンドウさんとモノマくんにお願いしました。
委員長でありクラスメイトに姐御と親しまれ、尚且つあのモノマくんを諌めているケンドウさんが相手なら、しんそーくんも変に頑なにならずに自然に泣き続けられるのではと思いました。
あとモノマくんの暴走のストッパーとか話の進行役としても彼女が適任であろう、と。
モノマくんは、あの、ほら、彼、あんな感じだけどさ、ホラ、行動の方針が全て『B組愛』に振り切ってるからさ……。僕の大好きなB組の一員であるしんそーくんが困っている!ならば手を差し伸べるのが当然の義務さ!!っていう感じで全力でしんそーくんを励ましてくれそう。
って言うかしんそーくんとモノマくんの絡みが普通に見たい!!しんものしん美味しい!!っていう気概で書きました。とてもとても楽しかったです。
あとあれ、その、静かに喋るモノマくんも書きたかったの。
たぶんわし、結構だいぶモノマくんのことが好きなんだと思います😂
と、まぁ……書きたいキャラとかしんそーくんへのフォローとか推しCPを捩じ込むとか色々やった結果、
あの地獄のような長い話
が出来上がったというわけです……。
長くなるからね……せめて中弛みしないようにと細かいキャラの動きとかははた折ってきましたが、それでも飽きっぽい文章になってしまった……。
何度も読み返したくなる文章を目指してる身としては、これも反省するべき点で御座る……。
事件現場の所謂犯人である敵の詳細も本当はもっと細かく書いていましたが、文章力が無いのとわしの地頭の悪さが災いして、無駄に三日くらい悩んでしまい、結局全部ボツにしてああなりました😂
「一番怖い敵は信仰心を持った人間だ」って語るカチャとか書いていたのですが、それを突き詰めると本来の話と趣旨が変わっちまうってことに気付きました。3日経ってから😂
エンタメ的には最後まで怪奇現象のお話主体にすれば良かったのですが、しんそーくんのメンタルをフォローするあまり、最終的にはヒーロー観の話として締め括ってしまったのがあまりに自分的に残念でし��😭
最初に付けたタイトルでこうなることに気付けば良かったのに!ww って感じですね😂
もっと摩訶不思議で、不気味で夏の怪談話のようなお話にしたかった……。
せっかくちださんと怪奇現象に遭う相爆心良いよね!!って話で盛り上がってたのに、大変心残りで御座る😭
ただカチャがしんそーくんに「ダァアリン♡」って言うとこは個人的にお気に入りです😂
ザワ先生にも言ったことないことをしんそーくんに言って、当のしんそーくんが嫌そうにしてるっていうシーンは中々シュールで良かった。
怪奇現象シリーズ、次こそリベンジするぜ!!!
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cbcnet · 5 years ago
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ザハ もんじゅ
(via 「未練の幽霊と怪物」|KAAT 神奈川芸術劇場)
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mykokutim · 5 years ago
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橙田 弥国(とうだ やくに)
属性:炎 攻型怒涛
年齢:16
身長:168cm
武器:十文字槍
若い人がいない小さな国の国主。自分を育ててくれた国の恩返しの為、旅をしている。皆が明るく笑顔の国を目指して日々鍛錬中。辛くても笑顔でいれば、明るい気持ちになれると考え、笑顔を絶やさないようにしてる。
[大体の性格]
・笑顔を心情としていて、笑っていることが出来ればなんとかなる精神があります。辛い状況でも笑って元気を出します。
・諦めは悪い。諦めずにチャレンジし続けるタイプ
・自身が笑顔を信条にして動いているからこそ、周りにも明るく笑っていて欲しいと考えてる。
・周りから頼られると嬉しくて張り切るタイプ。大体のお願い事は笑顔で引き受けます。
・国主としての責任や務めを重く感じてはいるものの、他者優先な面が強いです。生きて恩返しをするという意識はあるものの、目の前で誰かを救う為に命を投げ打ってしまうタイプです。
・基本的には周りの意見を素直に聞きますが、自分が絶対こうすると決めたことに対しては頑固です。頑なさが出る時は、自身の国の為の行動であることが多い。それが正しいか過ちかは定かではなくても。
・性善説のような考えあり。他者を見た目で即疑う事はほとんどないです。
[弥国君の過去関連]
・弥国君が国主を務める夕凪の国は弥国君が産まれる少し前に流行病で若い人間が壊滅的に少なくなってしまった小さな国。
・そんな時に、国主の息子が���事生まれたという事で弥国君はとても愛されて育てられている。
・自分を大切に育ててくれた国への恩返しとして、皆を笑顔に出来る国作りを理想としている。
・弥国君の髪飾りは昔3つ(母親から貰った)あったが、幼い頃に戦場に向かう山吹と橘にお守りとして渡しています。
・小さな頃はよく、自分は戦場に出れない、弱いのに周りからこんなに寵愛されている価値なんてないだろうと拗ねてたりしてました。それを叱るのは橘さんで、慰めるのはヤマブキさん。
・周りが戦場に行って、1人取り残されるのを寂しがってました。
・弥国君の両親は弥国君が4歳の時に他界してます。なのでより立派な国主になろうと張り切ってる。両親についての記憶は曖昧。
・ヤマブキさんは親戚のおじさんみたいな感じ。橘さんはお目付け役なので少し厳しいところもあるが頼りになる近所のお兄ちゃんのように思ってる。
[弥国君の細かい設定]
・食いしん坊です。好物は阿国さんのおにぎり、柑橘類の果物、海鮮類、甘味。基本なんでもよく食べます。
・食べること以外の趣味は特になし。
強いて言うならば、強くなるための鍛練。
・政は得意ではないが、これも国の皆を笑顔にする為だと熱心に取り組んでます。
・軍内の鍛錬は、ヤマブキ>橘≧弥国君の順の強さ。弥国君は戦闘は感覚で戦う派。
ヤマブキさん、橘さんは頭の中で戦略を組み立てる派。橘さんが主な手合わせ相手。
・女の子との恋愛関連は鈍そう…というか今は国の為が強すぎて恋愛なんてやっていられない現状。フラグが立たない。
・国には歳下がほとんどいないため、歳下の子に頼られるとより張り切ります。
・幽霊や妖怪が苦手。肝試しですぐ叫んで倒れちゃうタイプ。影国さんの後ろに隠れる(体格が一番良いのと、平気そうだと思っているので)
・幽霊が苦手な理由としては、国が流行病に侵された際、やれ呪いだ、やれ祟りだなどという噂が行き交ったため。幼い頃のトラウマ的なもの。
・女の子に持ち上げられたり、女装させられたり何かと凹むことは多いですが、その分鍛錬等に身を入れてます。
・弥国君の髪型は以前は両側共に三つ編みでした。初陣で片側を切られて以来、願掛けのように伸ばしています。実は家臣の橘さんも髪を願掛けで伸ばしています。
・未熟者、成長途中の主人公タイプ、が基本イメージです。よく怪我をしますがすぐ前向きに鍛錬に励みます。
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theinformationmine · 4 years ago
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6月28日 夕方、チェルフィッチュの「#未練の幽霊と怪物 」の上演の幽霊 」をオンラインでみ��、とてもよかった。 座波(ザハ)と敦賀(もんじゅ)という、能の形式で書かれた戯曲の一部ずつ。 上演後アーカイブは公開されない。 テーブルの上に現れた人間はちっちゃかった。御伽噺みたいに、部屋のなかにちいさなこびとがやってきたようで、そいつがなにをいってるのか、どこからきたのか、どんな姿形でうごいているのか、興味がわいた。気がつくとそのちいさなこびとと、こびとがみている世界に、わたしの部屋ごとやんわり巻き込まれてた。 ゆめみたい、でも、戯曲のなかの幽霊があらわれる国立競技場や白木海岸とわたしのテーブルとちいさな白いパネルが置かれているテーブルと、それらがある場所はそうぞうできて、ゆめじゃない。 そうゆう場所にすくわれます (松本奈々子) https://www.instagram.com/p/CB-9WM7leCT/?utm_medium=tumblr
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2ttf · 13 years ago
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see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
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hi-majine · 6 years ago
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がまの油
 むかしは、縁日へまいりますと、いろんな見世物がでておりました。  ろくろっ首なんていうのがございました。  これは、若い娘が、三味線をひきながら唄を唄っておりますと、首が、ずーっとのびて、胴体からはなれてしまいますが、そのまま唄いつづけて、また、首がもとへおさまるというもので、ちょっとふしぎな見世物でございました。ところが、じっさいには、ふしぎでもなんでもなくて、首と胴体とはべつの人間で、首がのびるようにみえるのは、うしろの黒い幕のなかではしごにのぼっていくという、ごくくだらないもので、こんなものを、お金をとってみせていたわけで……  なかには、化け物屋敷なんてえのがあったもので、はいっていくと、水上に、色青ざめて、水にふくれた死体が浮いていて、それを、一羽のからすが、腹に乗って腸《はらわた》を食べているなんてえのにぶつかります。  これは、からすの羽をぬいて、とべないようにしておいて、人形の腹へ、魚の腸をいれて食べさせたものなのですが、たいへんに気味のわるいものでございました。土左衛門《どざえもん》のまわりをぐるりとまわって、せまい道にはいっていくと、むこうで幽霊が手まねきしております。幽霊だけあかるくして、ま��暗な道ですから、みんなが下をむきながら、そろりそろりとあるいていくと、とつぜん上から化け物があたまの上へ手をだす。道をまがると、獄門の首が、口をピクピクうごかしている。そのとなりは、はりつけになった血だらけの男女が、パクパクと首をうごかしているというように、つぎつぎに客をおどかすしかけになっておりました。そのくせ、看板には、 「度胸鍛練《どきようたんれん》化け物屋敷」なんてんで、お客さまに度胸を鍛練するためだなんて恩きせがましいことが書いてあったのですから、まことにどうも人を食ったもので……  そうかとおもうと、ずいぶん、人をばかにした見世物もございまして、「さあさあ、六尺の大いたちだよ」というんで、そんなに大きないたちがいるのかとおもってはいってみると、六尺の大きな板に血がついていたり、「目が三つあって、大きな歯が二枚ある化け物だよ」というから、どんな怪物がいるのかとのぞいてみると、下駄がおいてあるだけだったり、「さあさあ、いのちの親だよ。いのちの親だ」というので、どんなものかとおもってはいってみると、どんぶりにめしが山盛りになっていたりという、じつにいんちきなものだったのですから、まことにのんきなものでございました。  また、いろんな物売りが、人をあつめて、あれこれとはなしをしたり、口上をのべたりしておりましたが、なかでの大立物は、なんといっても、がまの油売りだったようで……これは、立師《たてし》といいまして、ああいうなかまでは、かなりはばのきいたもので、がまの干《ひ》からびたのを台の上へ乗せて、わきの箱のなかには、がまの膏薬《こうやく》がはいっております。はまぐりの貝がらがつみあげてあって、横をみると、なつめ(点茶用の茶入れ)があり、刀があるというぐあいで、黒紋つきの着物に、袴《はかま》をはき、白はちまき、白だすきなんていうかっこうで、がまの油売りの口上がはじまります。 「さあさ、お立ちあい、ご用とおいそぎのないかたは、ゆっくりと聞いておいで。遠目《とおめ》山越し笠のうち、ものの文色《あいろ》と理方《りかた》がわからぬ。山寺の鐘は、ごうごうと鳴るといえども、童児|来《きた》って鐘に撞木《しゆもく》をあてざれば、鐘が鳴るやら撞木が鳴るやら、とんとその音《ね》いろがわからぬが道理。だがお立ちあい、てまえ持ちいだしたるなつめのなかには、一寸八分の唐子《からこ》ぜんまいの人形。人形の細工人はあまたありといえども、京都にては守随《しゆずい》、大阪おもてにおいては竹田縫之助《たけだぬいのすけ》、近江《おうみ》の大掾藤原《だいじようふじわら》の朝臣《あそん》。てまえ持ちいだしたるは、近江のつもり細工。咽喉《のんど》には八枚の歯車をしかけ、背なかには十二枚のこはぜをしかけ、大道へなつめをすえおくときは、天の光りと地のしめりをうけ、陰陽��体して、なつめのふたをぱっととる。つかつかすすむが、虎の小ばしり、虎ばしり、すずめの小間《こま》どり、小間がえし、孔雀《くじやく》、霊鳥の舞い、人形の芸当は十二通りある。だが、しかし、お立ちあい、投げ銭やほうり銭はおことわりだ。てまえ、大道に未熟な渡世《とせい》をいたすといえど、投げ銭やほうり銭はもらわないよ。では、なにを稼業《かぎよう》にいたすかといえば、てまえ持ちいだしたるは、これにある蟇蝉噪四六《ひきせんそうしろく》のがまの油だ。そういうがまは、おれのうちの縁の下や流しの下にもいるというおかたがあるが、それは俗にいうおたまがえる、ひきがえるといって、薬力《やくりき》と効能のたしにはならん。てまえ持ちいだしたるは、四六のがまだ。四六、五六はどこでわかる。前足の指が四本、あと足の指が六本、これを名づけて四六のがま。このがまの棲《す》めるところは、これよりはるーか北にあたる、筑波山のふもとにて、おんばこというつゆ草を食らう。このがまのとれるのは、五月に八月に十月、これを名づけて五八十《ごはつそう》は四六のがまだ、お立ちあい。このがまの油をとるには、四方に鏡を立て、下に金網をしき、そのなかにがまを追いこむ。がまは、おのれのすがたが鏡にうつるのをみておのれとおどろき、たらーり、たらりと油汗をながす。これを下の金網にてすきとり、柳の小枝をもって、三七《さんしち》二十一日のあいだ、とろーり、とろりと煮つめたるがこのがまの油だ。赤いは辰砂椰子《しんしややしい》の油、てれめんてえかにまんてえか、金創《きんそう》には切り傷、効能は、出痔《でじ》、いぼ痔、はしり痔、よこね、がんがさ、そのほか、はれものいっさいに効《き》く。いつもは、一貝《ひとかい》で百文だが、こんにちは、ひろめのため、小貝をそえ、二《ふた》貝で百文だ。まあ、ちょっとお待ち。がまの油の効能はそればかりかというと、まだある。切れ物の切れ味をとめるという。てまえ持ちいだしたるは、鈍刀《どんとう》たりといえど、さきが斬れて、もとが斬れぬ、なかばが斬れぬというのではない。ごらんのとおり、ぬけば玉散る氷の刃《やいば》だ、お立ちあい。お目の前にて白紙を一枚切ってお目にかける。さ、一枚の紙が二枚に切れる。二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が十六枚、十六枚が三十二枚。春は三月落花のかたち、比良《ひら》の暮雪《ぼせつ》は雪ふりのかたちだ、お立ちあい。かほどに切れる業物《わざもの》でも、差《さし》うら差おもてへがまの油をぬるときは、白紙一枚容易に切れぬ。このとおり、たたいて切れない、ひいて切れない。ふきとるときはどうかというと、鉄の一寸板もまっ二つ。さわったばかりでこのくらい切れる。だがお立ちあい、こんな傷はなんの造作《ぞうさ》もない。がまの油をひとつつけるときは、痛みが去って血がぴたりととまる……」  というようなことをいって��っておりました。  この調子につられて、まわりにあつまった人たちが買ったもんですから、がまの油売りはたいへんにもうかりました。  これから見世をしまって、景気がいいってんで一ぱいやり、いい心持ちでふらふらやってくると、まだ人通りがあるし、時刻もはやいから、もう一商《ひとあきな》いしようと欲をだしたんですが、なにしろ酔っぱらってますんで、どうもうまくいきません。 「さあ、お立ちあい……ご用とおいそぎのかたは……いや、ご用とおいそぎでないかたは、ゆっくりと聞いておいで。いいかい……遠目山越し笠の……そと……いや、笠のうちだ……ものの文色と理方がわからない。山寺の鐘はこうこう……あれっ、口んなかからするめがでてきやがった。どうもするめは歯へはさまっていけねえや……さてお立ちあい、てまえ持ちいだしたるは、するめ……いや、するめではない……えーと……蟇蝉噪一六のがま…一六じゃなかった。そうそう、四六、四六のがまだ。四六、五六はどこでわかる。前足が二本で、あと足が八本だ……」 「なにいってやんでえ。八本ありゃあ、たこじゃあねえか」 「そのたこで一ぱいやって……いや、よけいなことをいいなさんな……このがまの棲めるところは、これからはるーか……東にあたる高尾山《たかおざん》のふもとで……」 「おいおい、いつもは、はるか北で、筑波山てえじゃあねえか」 「あっ、そうだったか。まあ、どっちでもかまわねえ。山にはちがいねえんだから……で、とにかくこれはがまだよ。そこでだ、このがまの油の効能は、金創には切り傷、出痔、いぼ痔、よこね、がんがさ、そのほか、はれものいっさいに効く。ああ、きくんだよ……いつもは二貝で百文だが、こんにちは、ひろめのために一貝だよ、お立ちあい」 「それじゃあ、あべこべじゃあねえか」 「まあ、だまってお聞き。がまの油の効能はまだある。切れ物の切れ味をとめるよ。てまえ持ちいだしたるは、鈍刀たりといえども……とにかくよく斬れるよ。お目の前にて白紙を切ってお目にかける……あーあ……」 「あくびなんかしてねえで、さっさとやれ!」 「いや、これは失礼……一枚が二枚になる。二枚が四枚……四枚が五枚……六枚……七枚……なに? よくわからねえ? そうだろう、おれにだってわからねえんだ。まあ、とにかくこまかに切れる。なあ、お立ちあい……春は八月、いや、三月、三月は弥生《やよい》で、比良の暮雪は雪ふりのかたちだ……なあ、きれいだろう? ……このくらい切れる業物でも、差うら差おもてへがまの油をひとつけつけるときは、白紙一枚容易に切れない。このとおり、ぱっと切れ味がとまる。さあ、この刀で、腕をこうたたいて切れない。どうだ、おどろいたか? なあ、お立ちあい、ひいて切れ……いや、えへん、えへん……お立ちあい、切れないはずなのに、切れちまったよ。どういうわけだろう?」 「そんなこと知るもんか」 「いや、おどろくことはない。このくらいの傷はなんの造作もない。さ、このとおり、がまの油をひとつけつければ、痛みが去って、血がぴたりと……とまらないな……うん、ひとつけでいけないときは、ふたつけつける。こうつければ、こんどはぴたりと……あれっ、まだとまらないね。切りすぎたかな……こりゃあ弱ったな。かくなる上は、しかたがないから、またつける。まだとまらないな。とまらなければ、いくらでもこうつける。こんどこそ、血がぴたりと……あれあれ、血がとまらないぞ、お立ちあい……」 「どうするんだ?」 「お立ちあいのうちに、血どめはないか?」
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itose01 · 5 years ago
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二人の好物がコロッケになった話
タイトルの通りです。二人のコロッケ好きという共通点、偶然なのかどちらかの布教なのか、色々なパターンが考えられますが、どちらも別に好物ではなかったというパターンをつらつら考えた結果です。ネタ被りあったらすみません。
 こんなに自分が奥手だったなんて、知らなかった。そういえば、まともに恋愛もしたことがないんだった。  そんな気づきを得たのは、ひとえに最近新しく部下になった3つも年下の少年のせいだった。  もう少し一緒にいたいな、と思ったとき。笑ってほしいな、と思ったとき、とりあえず模擬戦を申し込んでる。そう打ち明けたとき、先輩諸氏はちょっと見たことがないくらい絶望的な顔を晒した。  そんな気は、俺だってしていたんだ。ああ、これたぶん「一般的」ってやつじゃないなって。でも俺と出水で、二人とも「一般的」とはかけ離れた人間なんだから、別にこれでも良くない?   そう言い訳したら、「何が『俺と出水』だ」と諏訪さんに怒られた。「まだ『俺と出水』なんてくくれるような関係でもないくせに」というちょっと難しい言い回しで、風間��んに視線で助けを求めたら「付き合ってから言え、ってことだ」とどうでも良さそうに説明してくれた。  まあ、それは確かに。このままじゃ、たぶん「上司と部下」以上にはなれないんだろうな。ただ、強くて、一緒にいると楽しいだけの隊長になって、それじゃやっぱり満足できないと思ったから、俺は出水のこと好きなんだ。恋愛的な意味で。  でも実際のところ模擬戦に誘うのが一番出水が喜ぶんだけど、どうしたらいいんだろう。
 作戦室のソファで寝っ転がって私物のスマホをなにやらいじっている出水は、特に用事も無さそうで、ただなんとなく帰るのが億劫なんだろうなって見ていてわかった。そろそろ夕食時で、これを過ぎてしまえば任務もない未成年の隊員が本部をうろうろしているとあまり良い顔をされない時間帯になる。俺もいい加減帰るかと、腰をあげたところだった。 「出水」 「はーい?」  スマホからいとも簡単に目線をはずし、上向いて逆さまにこちらを見上げる。無防備に晒された喉元が真っ白で、手をのばしてくすぐってやりたくなった。もちろんそんなこと、しないけど。できないけど。 「俺、帰るけどお前は?」  一緒に帰るか、という一言には至らなかった。断られたら、寂しい家路になる。 「あれ、もうそんな時間ですか?」  握りしめたままだったスマホに目を向け、それからすっかり帰り支度を整えた俺をもう一度見て、「太刀川さんが帰るならかーえろ」と歌うみたいに言って立ち上がった。 なんだこいつ、かわいいな。  本人にとっては大したことないフレーズにまで(それこそ「カラスが鳴くから」レベルに意味がなくても)ちょっと嬉しくなる俺は本当に単純で簡単だった。  ろくに荷物もない高校生はすぐに身支度を整えて俺の隣に並ぶ。「さ、帰りましょ」と一緒に帰るのを当然のように言った。  互いの家の位置くらいは知っていた。行ったことはないけど。ボーダーの秘密の連絡通路を使って外に出て、それから500mくらい歩いたらもう俺たちの帰り道は別々になる。本部に近い方がいいや、と警戒区域の近くに部屋を借りたこと、特に後悔はないけど、こういう時ちょっと損した気分になる。もう少し遠ければ、出水とそれだけ歩けたのに。うちまで送るって言ったらちょっと過保護だろうか。でも、出水の家はわりと街の中心部に近くて賑やかなとこだし、高校生男子を送るほどの距離でもない。でもまがりなりにも部下だしな。そんな打算を頭で巡らせながら、出水と歩くほんの少しの距離。  古い商店街は、半分くらいシャッターが降りていて、店の明かりよりも古めかしいデザインの街頭の方が煌々と地面を照らしていた。時間も時間だけど、それより警戒区域に近いこの場所を嫌って店を閉じた人が多いからだろう。それでもなおこの場所にとどまろうという店主たちは逆に図太い人間が多い。同じように図太くこの辺りに住み続ける地元住民やボーダーの人間に、この商店街は重宝されていた。俺も生活用品の買い物はたいていここですませている。  この商店街を抜けたところが、俺と出水の帰り道の分岐点だった。出水と他愛のない話をするこの時間が名残惜しくて、だけど今更この状況で模擬戦に誘うこともできない。「家、寄ってく?」なんてちょっとまだ早い。そもそも人を呼べるようなーーしかも気になる相手を初めて呼ぶような、そんな状態の部屋じゃない。そろそろ洗濯しないと限界だな、と太刀川をして思わせる、そういう惨状だった。 「それで、二宮さんがー……」  二宮の話なんて全く頭に入って来なかったが、話しながら出水の歩調が自然と弱まるのはわかった。もう少しで分かれ道だ。  あー残念だな、でもまぁ、明日どうせ会うんだし。  そう思って、話の区切りがついたあたりでじゃあな、と別れる準備をした、その時。  唐突に思い出した。そういえば、こいつら明日からテスト週間じゃないか? 明日からしばらく大学生中心の編成になると、風間さんから編成表を受け取ったばかりだった。テスト週間だって構わず本部で遊んでる米屋と違って、出水は食堂で勉強していることはあっても隊室に来る頻度はぐっと下がる。それに今日見た編成の感じだと、俺の方が任務についていてほとんど本部の中にはいないだろう。そう思ったらつい、何も考えずに口が開いていた。 「ちょっと待て」  おつかれっしたー、と何の未練も無さそうに爪先を俺と別の方向に向けようとする出水の腕をつかむ。 「はい?」  といっても特に用事はないんだった。  あー、と無意味に誤魔化して、そうしてふっと鼻先をくすぐったのは、胃を刺激する油の匂い。身体に悪そうなものに、人は無条件で引きつけられる。食べ盛りの想い人を引き留めようとしている、俺みたいな人間は特に。 「──腹、空かね?」  出水は一瞬理解が追いつかなかったようだった。口をぽかりと開けて、だけどすぐににやりと笑って「空きました!」と腹に手を添えて良い返事。よしよし、と思惑通りの答えに満足する。  錆び付いたシャッターの降りた隣の洋品店に対して、その総菜屋は未だに裸電球が店頭で明々としていた。保温器のオレンジの光も相まって、商店街の終点にしては視覚的に賑やかだ。中を覗いてみるとさすがにこの時間にトレーの上に残っている品は普通のコロッケ一種類。ガラスケースの上には、段ボールに「半額!!」とマジックで大きく書かれた看板が立てかけられている。 「これでいい?」  指さして聞くと、「もちろん」と出水は目を細めて大きく一つ頷いた。 「おば��ゃん、コロッケ2個ちょうだい」  店の奥で隅っこに置かれた小さなテレビに目をやっていた総菜屋のおばちゃんは、そこで初めて俺たちに気が付いたように「はいはい」とリズミカルに言ってこちらにやってくる。 「あんたたち、ボーダーの子かい?」  にこにこ笑いかけられて、思わず大きく一つ頷けば、「いつもありがとね。お疲れさま!」とちょっとびっくりするくらい大きな声で言われて、形が崩れたコロッケをもう一つおまけしてくれた。 「わ、ありがとうございまーす!」  すかさず礼を言う出水は要領が良くて、俺も続けて「ありがとうございます」と頭を下げる。やっぱり年上だし、隊長だし、落ちついて聞こえるように意識して。  そのまま出水を見たら、ちょうど目があって思わずふたりで笑ってしまった。おばちゃんに労われたことも、コロッケをおまけしてもらったことも、出水と目があって、それから二人で笑えたことも、出水と二人で共有することが、一つずつ増えていくのが嬉しくておかしい。   「うわ、うまそ」  四つ辻の斜向かいにある小さな公園の、ブランコに腰掛けてビニール袋を広げると、むわっとかぐわしい油の匂いが広がった。 「ほら、落とすなよ」 「太刀川さん、おれのこと相当子どもだと思ってるよね」  拗ねるような台詞なのに、どこかくすぐったそうにするから、そうできるうちは思いっきり甘やかしてやりたくなる。それほど遠くない未来に、甘やかすだけで収まらなくなるだろうけど。  少し離れたブランコの間。コロッケの挟まれた紙包みを、手を伸ばして出水に差し出す。出来立てというわけではなかったけれど、しっかり保温されていたコロッケからは十分熱が伝わってきて、掌は熱かった。  受け取ろうとした出水の指先が袋に触れて、小さく「あつ、」と漏らしたのが、俺の手のことだと一瞬勘違いしそうになった。慌てて手を引こうとして、袋を取り落としかけたのを、出水が立ち上がって、俺の手ごと両手で掴んで事なきを得る。 「あ、ぶなー」  おれに落とすなって言っといて!って抗議されて、全然、年上の威厳なんて無くてちょっと情けないけど、全面的に俺が悪いから「すまん」と素直に謝る。出水は、 「うそうそ、おれも、ちょっとびっくりして、受け取りそこねちゃったから」 すみません、と、俺の手を両手で包んだまま、前髪の触れそうな至近距離で笑った。
 コロッケは魅惑の匂いに違わず、残り物とはいえ衣はさくさく、中はほくほく実にうまかった。コロッケってのは、作るのは面倒なわりに子どもにはさほど喜ばれないので、家庭で作るにはいまいちハードルが高いらしい。所謂「和食」が食卓に上ることが多かったうちでは、余計にコロッケが食事のメニューに取り入れられるのは稀だった。 「コロッケなんて、久しぶりに食べたかも」 「うちも。母さん油使うの嫌がるし、姉ちゃんも揚げ物ヤダっていうから」  母さんと姉ちゃんがそうなったらもう、おれと父さんの意見とかないも同然なんですよね、と出水は大げさに肩をすくめてみせた。 「久しぶりに食べると、こんなうまかったっけってなるよな」 「はい」  話しながら、その合間に出水は少しずつコロッケをかじっていく。コロッケはそれなりにボリュームがあったけど、俺の口なら三口くらいで食べ終えてしまえる。だけど出水の口だと、その三倍くらいかかりそうだった。まだできあがっていない薄い身体と同じように、薄い唇と真珠みたいな小さめの歯の向こうに少しずつコロッケがかじられて消えていく。早々に自分の分を食べ終えたおれはその様子をリスみたいだな、と思いながら見守っていた。  ようやく出水が一つ食べ終わったとこで、おまけにもらったもう一つを半分にして二人でわけた。ちょうどその時、商店街で唯一未だ明かりの点っていた例の総菜屋の明かりが消えて、残されたのはアーケードの上に掲げられている街灯だけになった。そこからも距離のあるこの公園はいっそう暗くなる。その薄暗がりの中で、出水の明るい髪色と白い肌が幽霊みたいに浮き上がって見えた。だけどその、幽霊みたいに色彩の薄い後輩が、俺の手元にあるコロッケの片割れをもぐもぐ小さな口で、機嫌良さそうに頬張っている。その姿にギャップがありすぎて、だけどこういうとこも好きだな、とひそかに思った。そんなことをぼんやり考えながら、自分の分を口に入れる。一口で食べてしまえるサイズだった。
 ようやく出水の試験期間が終わり、日常が戻ったその日の夜。やはりだらだらと居残っていた俺たちは、同じタイミングに本部を出て、俺はやっぱり進歩なく、出水を引き留める算段を頭の中でしていた。同じ手を使うのは、ちょっと芸がないかな、と思いつつ、それでも商店街を抜けるあたりで隣歩く出水を窺うように歩調を緩めるのを止められなかった。今日は昼飯、何食べてたっけ。国近の持ってきたおやつを、どのくらいつまんでた? 気分じゃないとか断られたら、しばらく立ち直れないかもしれない。 「太刀川さん」  そんなふうに頭を悩ませている俺の上着の袖を、出水が控えめに引っ張ってへらりと笑った。その人差し指が指さす先には、商店街の終着点、煌々と光を宿した例の総菜屋。 「お腹、減りません?」 「──減った、減ってる」 「こないだのお礼に、奢るから食ってきましょ」  ああ、ほんとうに、出水ほど俺のことをわかってるやつはいない。
「いいよ、俺上司だし、年上だし」 「いいからいいから、給料出たばっかだし、遠慮しないでください」  浮ついた声で言いながら出水の見ている保温ケースの中には前回よりも多く総菜が残っていた。コロッケに限らず、唐揚げやらメンチカツやらがいくらか残っている。店のおばちゃんに、「この間おまけしてくれたから」と出水は先に父親へのおみやげだと言って唐揚げを包んでもらっている。 「じゃあ、コロッケで」 「え、良いんですか? 遠慮してます?」  それも多少はあったけど、最初にお前と食べたコロッケの味が忘れられないからってのが本当のところだった。だけどそんなことうまく伝えられる気���しなかったから、「前食べたらうまかったからいいんだ」と肝心なところだけ���いて返した。 「ふーん、じゃおれもそうしよ。すみませーん、それとコロッケ2つ追加で。すぐ食べちゃうからパックじゃなくて紙でね」  出水の言葉に、総菜屋のおばちゃんは「仲良しでいいわね」なんて笑ってた。それから「また来てね」と。出水はそれに「はぁい」と、年上に甘える例のちょっと母音をのばすような発音でそう答えた。そうか、出水的にはまた次があるらしい。それなら今度はもうちょっと気軽に誘えるな、と俺は下心ばかりの頭で考えていた。これで模擬戦以外の手札が増えたぞ、と諏訪さんや風間さんに心の中で勝ち誇る。  それ以来、やっぱり諏訪さんに絶句されるくらい今度は馬鹿みたいに帰り道にその総菜屋に寄りまくった。もちろん、俺にも出水にもそれぞれの付き合いがあり、俺の会議が長引く時もあれば出水が同学年の連中とランク戦をして居残ることもあったから、そう毎日というわけでもない。だけど帰るタイミングが合った時には必ずと言っていいほどそこへ行き、二人でコロッケを頬張った。10回目くらいにあの気の良いおばちゃんが心配そうに他の総菜を薦めてくれた時にはちょっと申し訳なくなった。でもやっぱり、俺は出水と食べるときにはあの時と同じコロッケを食べたかった。
 それは、ちょうど15回目のコロッケを食べた頃だった。  広報用の雑誌に載せるから、とプロフィールの記入用紙が配られたのはもう少し前の記憶で、すっかり忘れ去られていたそれを出水が積み上がった資料の中から発掘してきたのだ。その資料こそ、俺が今苦しめられているレポートに使われるはずのもので、ちなみに集めるだけで満足して放置していたせいでまだほとんど目を通し切れていない。 「太刀川さん、これまだ提出してなかったんですか」  資料の整理を手伝ってくれていた出水が人差し指と親指でつまみ上げたアンケート用紙をヒラリと揺らす。 「バッカお前、今それどころじゃないだろ、明らかに」 「いやー、でもこれ今日締切ですけど」 「見なかったことにしろ」 「うわ、さすが隊長、模範解答」  出水の皮肉に応じる時間も惜しいほど、今はせっぱ詰まっている。特に考える必要もないくらい簡単なアンケートだが、だからこそ余計に意識を割くのがもったいない。その上締切を延ばしてくれとも言いにくい。  完全にキャパシティをオーバーしている自隊の隊長を後目に、出水は申し訳程度の資料の整理も終えて暇そうにソファに横たわっていた。他人事の顔で眠そうにこちらを眺めている。この様子じゃ自分の分はとっくに提出しているらしい。 「ああ、じゃあお前書いといてくれよ」 「えええ、無理でしょ」  単なる思いつきだが、それはなかなか良いアイデアに思えた。 「いや、いける。お前、俺のことならだいたい知ってるだろ」 「そりゃまあ、それなりに?」 「最後にチェックはするから。それで、もし間違いなかったらなんか奢ってやるよ」  お前が俺のことどれだけわかってるか、テスト。  一足先に学期末のテストを終わらせた高校生への恨みも込もっていたのだけど、その部分は通じなかったらしい。「奢る」の一語を聞いて出水は途端に目を輝かせた。 「マジすか。やります」  この変わり身の早さはいっそ気持ちがいい。勢いよく身を起こして用紙に向き合った出水は、時々悩むように首をひねりながら、それでも少しずつ空欄を埋めていった。  あの公園で、互いの話をさんざんした。他愛のない話ばかりだったから、「知ってるだろ」なんて嘯いておいて本当はどれだけ出水の記憶にとどまってるか定かじゃない。それでも、今出水が俺のことを思い出そうと思って、あの公園での時間を思い返してくれているなら、それはそれで嬉しかった。  レポートも徐々にだけど進んで、完成にはほど遠いものの見通しがつき始めた頃、「できました!」と高らかな宣言が上がった。  差し出されて目を通した記入用紙にはやや右上がりで角張った出水の筆跡で、見慣れた俺のプロフィールが書かれていた。  出水の字で「太刀川」って書かれてるのが、なんか良い。  内容とは関係ない部分に浮かれつつ、「好きなもの」の欄に目が止まる。 「うん?」 「違うとこ、ありました?」 「いや、お前この『コロッケ』って」 「え? 太刀川さん、好きでしょ」  あれだけ美味そうに食べてるんだから。  何を当たり前のことを、とでも言うように首を傾げた出水の髪がふわりと揺れる。 「うーん、ちょっと違うような違わないような」 「何それ」 「いや、好きじゃないわけじゃないんだけど」 「おれも『コロッケ』って書きましたよ。だからいいでしょ」 「何が『だから』なのか全くわからん。……でもまあ、良いよ。お前がそう言うなら」  そうか、お前も好物コロッケにしたのか。同じ物が好きって、しかもそれが公表されるってちょっと良いんじゃないかと頭の沸いたようなことが過ぎってしまった。諏訪さんたちに知られたら「小学生か!」とそれこそ詰られそうな甘酸っぱいことが。 「じゃあ、せいかい?」 「正解正解」  95点くらい。付け加えると、「何だよそれ!」と不服の声が上がる。  本当は、その項目に「出水公平」と冗談でも書いてくれれば満点をやってついでに花丸もつけて、いくら奢ってやったって良いくらいだったけど。それにはまだ少し言葉が足りない。15回コロッケを一緒に食べたって、それで伝わるほど甘くはないと知っている。  でも、出水が自分の好きなものに「コロッケ」と書いた理由の中に、俺と同じ気持ちが少しでもあるなら、16回目には伝えても良いかもしれない。  俺別に、コロッケが特別好きだったわけじゃないんだよ。普段わざわざ買って食べたりしないし。あの時食べたのだって半年ぶりくらいのレベル。それでも好物だってお前が思うくらい美味そうに見えたんだとしたら、別に理由があるんだよ。なあ、なんでかわかる?
*  *  *
 高校生は今日もやかましい。  食堂でうどんを食っている俺の背後から、耳に馴染んだ声が聞こえた。  「今日の1限の化学でさぁ、」なんて俺にはわからない学校生活の話をするのは確かに出水の声だった。どうやら俺には気がついていないようで、連れ立ってきた米屋たちとともに俺のいるテーブルから少し離れた席にガタガタと腰を下ろす音が聞こえた。ランク戦に夢中になって昼飯を逃した俺はともかく、昼食にも夕食にも半端な時間だ、任務前の腹ごしらえだろう。トレーをテーブルに置く音じゃなくて購買で買ったらしき物をビニール袋から取り出すガサガサという音が耳に入ってきた。  声をかけても良かったが、どうせこの後任務でも会うし高校生の会話に割って入るほどの用事もない。何より、太刀川隊にいる時の出水と高校生組で連んでいる時の出水には微妙な違いがあって、自分の前ではあまり見せない気軽さとか粗暴さとか、傍若無人さとか、そんなものを遠くから眺めるのが、俺はひそかに好きだった。 「ーーだから言ったじゃん、ぜってぇ無理だって」 「やーイケると思ったんだけどなぁ」  なんてだらだら続ける会話の合間にパッケージをあけて「あ、これ新作じゃん」なんて物色する声も聞こえる。興味が次から次へ移り変わって、肝心の会話の内容もおざなりになって取り留めがない。聞いてて飽きない。 「あ、アイス。いつの間に入れたんだよ。ずりぃ」 「ずるくねぇよ、お前も買えば良かったじゃん」 「あのコンビニ寒すぎて、アイスって気分にならなかったんだよな」 「そだっけ?」 「お前と違ってセンサイなの、おれは。年中半袖野郎にはわかんねーよ。でも、人が食べてんの見ると食いたくなるよな」 「こっち見んな、寄んな」 「ケチ」 「お前の一口でけぇんだもん」 「は、そんなことねぇよ」 「佐鳥いっつも泣いてんじゃん」 「人聞き悪いこと言うな」 「いや、マジで一気に半分くらい無くなんじゃん」 「そだっけ?」 「自覚ないの、タチわりぃ」 「うっせ。良いからよこせ」    一連の会話を聞くともなしに聞いていて、あれ? と思う。  俺自身が出水にねだられたことは無いが、出水の一口が大きいイメージは無かった。聞いてて、へぇそうなのか、なんて暢気に思っていたけど、ふと浮かんだ光景にぶわっと違和感が広がる。あいつはいっつもあの小さい口で、ちまちまとコロッケを啄んでいた。俺だったら三口で食べ終わってしまうようなサイズのそれを、時間をかけて、少しずつ。とっくに食べ終わった俺はいつもそれを眺めて待っていて、その分だけ一緒にいる時間が増えた。そう思っていたのに。  座る椅子がガタンと派手な音を立てるくらい、勢いよく振り返る。こちらを向いていた米屋の「あ、太刀川さん、ちっす」、なんて挨拶を意識の端っこで聞いて、だけどそのほとんどはただ一人、こちらを背にして座る、見慣れたふわふわの頭に向けられていた。そのふわふわ頭が、米屋の挨拶につられるようにこちらを振り向く。 「あれ、太刀川さん、そんなとこにいたの」  そんなふうにこっちの動揺なんて気がつきもしない出水も、さすがにこの沈黙と俺の視線を怪訝に思ったのか、自分たちの会話を反芻するように目線を上にあげ。そして「あ、」となんとも間抜けな声を漏らした。 「あは、バレちゃいました?」  悪戯が暴かれた子どもみたいに無邪気に笑う、三つ年下の高校生に問いつめたい。  お前の何が「バレた」って言うの。お前のその「ふり」の話? それともその先にある気持ちの話? 正直言って結局俺は何の確信も、まだできてない。言葉にしないと伝わらないって、自分でも反省したばっかりだ。だからはっきり言ってくれ。  何しろ恋愛初心者で、恋の駆け引きも手管も、何もわかっちゃいないんだから。  
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spiritworldcommunication · 6 years ago
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インターネットからの脱出
2018/4/25発行 ZINE"霊界通信 2018 S/S Issue"収録 by gandi
Escape from the Internet
ぼくが初めてインターネットに触れたのは15年ほど前のことだ。ちょうど21世紀になりたてくらいの頃だろうか。当時出来たての情報カリキュラムの授業での出来事だ。少し起動に時間のかかる箱型の機械のスイッチを入れると、テレビ型のモニターの向こう側から世界中のあらゆる情報が飛び込んでくる。その斬新さに、ぼくは舌を巻いた。しかもその情報がすべて生々しい。なにかがテレビとは明らかに違う。 ぼくはテレビが嫌いな子供だった。今でこそ落ち着いてきたものだが、当時のテレビの演出はとにかく過剰で、ギラギラした悪趣味なセットの前で空疎な会話をする芸能人たちの姿にはとにかくウンザリするばかりだった。人の車を壁にぶつけて壊して喜ぶようなノリにも全くついていけなかったし、ディレクターの指示で拉致同然に、突然半年間も海外を旅させるような嗜好にも「こんなことが許されるのか」と子供ながらに怒りを覚えた(たとえそれが口裏合わせ済みのことだったとしてもだ)。そしてそれらの行動に何一つ意味はない。彼らの行動原理は「ノリ」だけで、洞察に基づいたものがない。徹底的に空疎なのだ。 空疎なテレビの世界の中でも、群を抜いて空疎だったのはひな壇の芸人たちだった。彼らは空疎さという一点において洗練されつくしていた。「なんでやねん」と投げられる言葉に、タイミングよく再生される乾いた観客の笑い声。「なんでやねん」。彼らが本当にそう思っているのか、かなり疑わしかった。「なんでだよ?」でもその「なぜ」を正面切って考えようとする人間は、そこには一人もいないように見えた。 (※もっとも、その空疎さこそなんでも重苦しく考えたがる彼らの前の世代への意図的反抗なのだと分かったのは、ずっと後になってからの話だ) しかしインターネットは違った。誰もが手作りの簡素なホームページを作り、それぞれが勝手なことを論じていた。そこには「なんでやねん」というツッコミを入れる人間はいない。それゆえ誇大妄想としか思えないことを100ページ以上に渡って、延々と書き連ねているような人も少なくなかった。誇大妄想。 テレビだったら芸人の「なんでやねん!」の一言でかき消されたに違いない。しかし人の誇大妄想の中には、社会を抜本的に変革してしまうような考えがしばしば含まれている。たとえば革命家。革命家は周囲の冷笑を意に介さず、空気も読まずに延々と妄想を深め続ける。すると次第に感化される賛同者が出てくる。保守派からすれば狂人に思えない賛同者たちが。 息苦しい日々の中で、ぼくはインターネットに光を見出した。 ぼくはテレビと同じくらい学校の雰囲気というものが嫌いだったが、それは教室がテレビの相似形のように見えたからだ。 端っこの席で、目立たないが誰も思いつかないようなことを考えているヤツの考えは、いつだって声がデカくてノリがすべての野球部の声にかき消される。その身も蓋もない事実に、ぼくはホトホトウンザリしていた。この構造はずっと変わらないに違いない。きっと大学でもそう。社会に出てもそう。死ぬまでそう。いつか全部叩き壊す。そうでなければ刺し違える。そんな風に自分に何度も言い聞かせなければ、グレてしまっていただろう一少年に、インターネットはこっそりナイフを渡してくれたのだ。ぼくは友人たちへ 「テレビよりインターネットの方が全然面白いぞ」と触れ回った。友人たちは興奮するぼくの話を、肯定するでも否定するでもなく聴いてくれた。インターネットが面白いということは少しずつ広まり始めていた。 率直に言って、ぼくはインターネットの「世界中の情報がリアルタイムで入ってくる」という側面は、そこまで重要ではないのではないかと思う。それは既存のメディアでも出来ていたことなのだ。インターネットの本当にクリティカルな点は「人間の生々しい声が、誰にも検閲されないまま聞ける/言える」という点にある。それも平等にだ。どんなに虐げられていた者にも、数千円のスマートフォンさえあれば平等にその機会はやってくる。
誰がジャンクな記事を量産しているのか
だから生々しい声が聞こえなくなったら、そこでぼくのインターネットへの関心は尽きる。聞いたこともないような考えや、社会によって巧妙に隠された呼び声を聞くために、ぼくらは本を読みネットを見る。決して誰かが仕込んだ一般論を聞くためじゃない。ぼくは「失敗しない生き方をするための十の方法」なんて記事を見かけるたびにいつもウンザリしているが、こういう記事は一体誰が書いているのだろう?全く失敗しなかった人だろうか。それとも派手に失敗した人だろうか。 あまりに不思議に思って周囲にこぼしていたら、知人の大学生が書いていた。同級生やサークルの仲間も結構な割合でやっているという。 バイト感覚で家計の足しにしているのだそうだ。 1文字0.1円。2000文字程度の記事を10個仕上げて2000円貰うんです、と彼は言う。プロのライターが最低1文字3円からということを踏まえると信じられない値崩れだ(もっとも最近はプロの現場でも1文字1円というケースが珍しくなくなったが)。 そんな金額ならスーパーでレジ打ちした方がずっと効率がいいように思えるのだが、仲間内のパーティに出席できたり、就活のときネットメディアに関わっていたことが有利に働いたりと、色々とメリットはあるらしい。「ちょっとした承認欲求や仲間内で意識の高さを演出するために、」 場合によっては損得度外視で引き受けることもあるという。 しっかり見ていれば分かることだが、中には高校生が書いているケースもある。記事の最後に「この記事を書いた人」というツイッターリンクが付いていて、そこに行くと高校生だということが分かる。 なるほどこれらの記事は(誰もがうすうす気づいてはいるだろうが)プロではなく文章の素人がタダ同然で書いているものなのだ。インターネットの記事が人に見てもらえるようにするには、内容よりもグーグルのロボットから高い評価を受けるためだけにとにかくコストを抑え、量産することが大事だ。そして言うまで���ないことだが1文字0.1円では、一つ一つの記事に真剣に向き合う時間はない。 必然的にすでにインターネットに載っている文章をコピー&ペーストし、適当にリライトするという作業になる。もちろん直接取材や、図書館に行って原典を確認するなんてことはあり得ない(つまり、何かのきっかけで一度間違った情報がインターネットに掲載されると、永遠に誤情報がコピーされ続けるということになる)。著者は自分の考えを述べようにも、記事が問題としている内容に、真剣に向き合って考えているヒマはない。そもそも書かせている側が、著者に対して端から何も期待していないのだ。 こうした記事が、毎日数千、数万とインターネット上にアップされている。多くの場合は記事と見せかけた広告で、そうでなければ広告収入のために書かれたテキストだ。記事の書き方はこう。「ランキング形式のまとめ記事にしてください。まず1位と2位に、定番のA社とB社のアイスクリームを挙げます。そして3位くらいにクライアントさんのこの新作アイスクリームをランクインさせてください。1位だと広告だって思われてしまうので、3位くらいがよいでしょう。4位以降は適当でいいです」。もちろん、ぼくは必ずしも広告が悪いと言っているわけではない。問題は企業が、あたかも主流的意見であるかのような記事もどきを、ジャンクのように量産することにある。 ぼくらは日々これらの量産されたジャンク記事に囲まれて生活している。好もうと好まざろうと、スマートフォンにニュースアプリやツイッターをインストールしている限り、絶対に目にすることになる。グーグルで何かを検索しても、個人のサイトやブログにたどり着くケースは今や稀だ。インターネットの笑ってしまうような(しかしひょっとすると社会を揺るがすかもしれない)誇大妄想は、十年の月日をかけて、当たり障りのない一般論を装った、どこかの企業広告へとすり替えられたのだ。 こうしたゴミのような広告の山から逃れたい人はひょっとするとインスタグラムのような、社会性とあまり関係のないメディアだけを見るようになるのかもしれない。インスタグラムはアカウントのジャンク化を恐れて、拡散機能をあえて弱めにするなどの対策をしているようだ。だが言ってしまえば、それは騒がしい広告記事から耳を塞いだだけのことで、決して生々しい声を取り戻したというわけではない。 そしてこうしたジャンクな記事は、恐らくあと五年もしないうちに人工知能が書くことになるだろう。人工知能なら、もっとうまくやるに違いない。ビッグデータから得た集合的無意識──当たり障りのない一般論や、何かのきっかけでセレブが発言した、流行の考え方──を、それらしい言葉でまとめて無限に生産するのだ。しかしそれは、あの、テレビや雑誌といった旧メディアが作っていた空疎な時間と、一体何が違うというのか。
メリークリスマス!と言えないアメリカ
ジャンクな記事が生まれる要因は他にもある。世界的なポリティカル・コレクトネスの流行だ。ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)とは「 政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと(Wikipedia)」とある。 ポリティカル・コレクトネスの観点からすると、たとえば「看護婦」という言い回しは男性がその職業につけないイメージを与える可能性があるので間違っており、男女ともにイメージすることができる「看護士」と言い換えるべきということになる。同様に「保母」は「保育士」とすべきだし、「肌色」は人種的配慮に欠けるので「ペールオレンジ」に言い換えるべきとするのがポリティカル・コレクトネスの考え方だ。 この考え方は確かにある程度まで間違っていないように思えるのだが、少し考えると行き過ぎは文化を破壊しかねないということが安易に想像つく。例えば「メリークリスマス」という言葉は、宗教的配慮に欠けるという観点からすでにアメリカでは 「ハッピーホリデイズ」と言い換えられている。 クリスマス飾りににキリスト像やマリア像などを持ち込むのもご法度だ。十字架なんて問題外。宗教色を一切葬り去らねば、イスラム教徒や仏教徒に失礼じゃないか、というわけだ。そのうちクリスマスに赤色を使うのもNGになるかもしれない。赤はキリストの血を表すからだ。 しかしそのようなものを果たしてぼくらはクリスマスと言えるのだろうか。これは「政治的な正しさ」を盾にした、キリスト教文化への破壊行為ではないのだろうか。なぜポリティカル・コレクトネスの人たちはこんなに偏屈な考え方をするのだろう?これではまるでポリティカル・コレクトネス原理主義だ。ポリティカル・コレクトネス教以外のあらゆる宗教は絶対に認めないという原理主義的一神教だ。 たとえあなたが仏教徒だっとしても、笑顔で「メリークリスマス!」と言えばよいではないか。実際日本人はずっとそうだったのだ。キリスト教の人たちが宗教的に大事にしている行事ならば、わざわざそれに目くじらを立てることはない。むしろ「楽しそうだからぼくらも参加させてほしいのだが、仏教徒なんだけど構わないかね?」と言うのが本当の寛容ではないだろうか。それとも一神教徒の人たちには、そういう考え方は難しいのだろうか。 しかしポリティカル・コレクトネスの人々はそうは考えない。頑固に公の場でメリークリスマス!ということを許さない。「そんなに偏狭な態度をとっていれば、かえって息苦しい社会になってしまわないだろうか」「むしろ反動が起こって事態はよっぽど悪くならないだろうか」などと考えていたら、案の定バックラッシュがやってきた。2016年のアメリカ大統領選の時にドナルド・トランプ現大統領が「自分が大統領になったら再びメリークリスマスと言えるようにする」と公約したのだ。大統領選の結果はご覧の通りだ。トランプ大統領は、メリークリスマス!すら堂々と言えなくなってしまった息苦しい社会に不満を持つ人たちの支持を得て当選したのだ。 言うまでもなく、本来あらゆる文化的伝統行事は民族性や宗教性と密接に関わりあっているのであって、そこから宗教色を徹底して排除しようとすれば、ただの無味乾燥で無秩序な騒ぎになってしまう。宗教や民族にまつわる文化的行事が、現代的価値観からすれば理不尽としか言いようのないものを含んでいるのは当然のことだ。伝統行事は、むしろ常にその時代の価値観と全面的には折り合わなかったからこそ、時代が変わったからといって廃止されることはなく、時代を超えてずっと尊敬され続けてきたのだ。それを現代人の価値観にそぐわないからと言って安易に排除をしようとするのは、今の時代の価値観が未来永劫続くと考える現代人の傲慢であり、次の世代への想像力の欠如ではないだろうか。 日本よりはるかに多民族・多文化社会であるアメリカでポリティカル・コレクトネスの考え方が発展したということはある程度理解できなくもない。あまりに価値観が多様過ぎて、「寛容」や「思いやり」でカバーできる範囲をとっくに超えているのだ。ある人々にとって帽子を被ることが礼装であり、またある人々にとって帽子を脱ぐことが礼装である社会では、ポリティカル・コレクトネスがなければ一方的に少数派が追いやられるばかりなのかもしれない。だが、日本は全く状況が違う。常に周囲と価値観を合わせたがり、少数派になることを恐れがちな日本人は、アメリカとは性格が逆で、少数派が自ら少数派であることを捨て、自発的に多数派になりたがる傾向がある。そのような価値観だから世界的にも類をみない寡民族・寡文化社会になってしまったのだ。 有り体に言えば、我々の社会は空気を読むことが大好きだということだ。互いに周囲の顔色を見回して、自分が人とズレてはいないか、誰かが変わった考え方をしていないか、絶えず監視し続ける。今のインターネットは、テレビのような旧メディアと変わらない。これはもはや「ムラ」社会だ。特異な考え方は、誇大妄想が広がる前に「ツッコミ」をして「修正」する。これをポリティカル・コレクトネスの考え方が加勢する。今時の言葉で言えば「炎上」というのかもしれない。そして最後には「まとめ」として「総括」されるのだ(なるほど「総括」とはどこかで聞いたような言葉だ!)。 「炎上」は一見、正しい意見が間違った意見を修正する、社会の自己浄化作用のように見えなくもない。しかしその一方で、特異な発想の芽を潰していると言える。この調子だとそのうちわざと「ボケ」る者が出てきて、毎度お約束のように「炎上」させるようになるかもしれない。人と違うことが怖い私たちは、そうやって永遠に続く終わりのない日常に「お祭り」というリズムを作るのだ。やがて「ボケ」と「ツッコミ」は、「なんでやねん!」(=なぜなのか)という言葉本来の意味を失い、次第に儀礼化していくことだろう。その裏で、本当に特異な考えをする人の声はどんどん見えなくなっていく。社会は変化することなく終わらない日常となり、まるであのバラエティ番組のように、空虚な戯れが延々と続いていくのだ。
本物の共産主義社会が到来する
更に悪いことに、こうしたインターネットの記事たちは各ユーザーに合わせ最適化され、そのユーザーが関心を持っていそうなことばかりをサジェストするように出来ている。例えばあなたがあるニュースアプリでLGBTについての記事を読んだとしよう。そのアプリは次からLGBTについての話題で一杯になるのだ。するとあなたは思う。「今、社会はLGBTに相当な関心を持っているに違いない」。こうしてそれぞれが勝手に「北朝鮮問題が」「仮想通貨が」「アイドルが」「ネコ画像が」社会的関心事の中心であると考え始めるのだ。自分でフォローする人を選べるSNSはもっとひどい。「反安倍政権の世論が盛り上がっている」ように見える人と「安倍政権の高支持率が続いている」ように見える人のタイムラインは永遠に交わることがない。一体なんでこんなことが起こるのだろう。 本来、インターネットというプラットフォームは、「インターネットエクスプローラー」という名前が示す通り、欲しい情報を自分から「探検」することによって手に得るというツールだった。インターネット全体の記事が少ないときは、確かにそれで機能していた。欲しい情報に達するためには色んなページを回らなければならなかったし、必ずしも耳に聞こえのよくない情報も触れなければならなかったからだ。まさにそれは山あり谷ありの探検のようだった。今はどうだろう?ネットには異常な量の記事が溢れかえっている。ぼくらはそれを、到底すべて読み切ることはできない。こんな状況では、誰も冒険などしたがらないだろう。探さなくても、自分にとって気持ちのいい(都合のいい)当たり障りのない情報にすぐ触れることが出来るのだから。 こうした理由から、インターネットの記事が爆発的に増加することに反比例して、ぼくらが新しい世界に触れる体力は日に日に減っていっているように思われる。誰も好き好んで不都合な意見を聞きに行ったりはしない。大量の記事が出回ってあれもこれも読まなければならない中で、誰かの言葉と真剣に向き合う時間も多くはないだろう。ぼくらは気付かぬうちに少しずつ心の体力を奪われているのであって、自分を肯定してくれる安全・安心な言葉だけを聞き続けるようになっている。 そしてそんな世界すらももうすぐ終わる。もうすぐ人工知能がぼくらを真綿にくるんで、いびつな現実を視界から追いやってくれるに違いないからだ。近い将来、ぼくらは全く違う価値観の人と話して不愉快になることも、ほとんどなくなるだろう。アルゴリズムが話の合わなそうなフォロワーを、初めからミュートしておいてくれるからだ。イラストや音楽の才能のなさに思い悩むこともない。内輪のコミュニティの住人、いわゆる「界隈」と呼ばれる人々が、あなたを先生、先生とどこまでもチヤホヤしてくれるからだ(もっともそのアカウントの「中の人」が本物の人間であるという保証はどこにもないのだが)。当然恋人ができないと思い悩む必要もない。本物の人間よりずっと美しいホログラムと恋愛をするのは、今や普通のことだからだ。しかもその恋人は、あなたの過去の発言をデータベース化しているから、絶対にあなたの嫌がることを言わず、あなたが喜ぶことしかしないのだ。 さらに言おう。恐らく近い将来、人間は一切の仕事もする必要がなくなる。人工知能が自己発展する農場や工場を作り、自動運転カーで勝手に出荷してくれるからだ(驚くべきことに、アメリカのGM社はすでにこのシステムを運用し始めているという)。レジも無人だからバイトもいらない。経営も人工知能がビッグデータに基づいてやるのが一番効率的だ。 機械に職を奪われ、失業率は上がるのに生産力も上がり続けるから、先進諸国はベーシックインカム導入を余儀なくされるだろう。なんのことはない、共産主義社会の到来だ。それも前世紀の不完全な共産主義ではなく、マルクスが予見した本物の共産主義だ。ほとんどのことを機械に任せ、人はクリエイティブな仕事、もとい「趣味」しかしなくなるのだ。そのクリエイティブな「趣味」だって、本当に行われるのかどうか随分怪しいように思える。全てが満たされた世界で、クリエイションをしようと思う人間なんて本当にいるのだろうか。 まるで夢物語だが、そういう世界は必ず来る。それも数十年以内に。その世界では人間にどこまでも優しくて都合の良いコンピューターという名の天使が、寿命が来るまでぼくらを甘やかし続けるのだ──まるで真綿で首を絞めるように。そんな世界では、特異な意見も、ラディカルな発想も必要ない。誰一人不満がないので、そもそも社会が変革する必要がない。 怒りも悲しみもなく、誰一人傷つかない世界。そこで天使のような、あるいは幽霊のようなホログラムが、残り少なくなった人間たちに奉仕している。人間は恋愛対象に何かと面倒な同じ人間よりも人工知能を選ぶようになり、人口もどんどん減ってゆくだろう。
"BLACK IS BEAUTIFUL."
建築家であるぼくの父はもう80を超えているのだが、生まれつきの難聴で、ぼくが幼いころから話がなかなか通じなかった。どのくらい聞こえないかというと、ちょうど携帯電話の着信音が聞こえない、というくらいだ。大きな声で向き合って話すと半分くらい伝わる。ハッキリ言うと、身体障害者だ。 しかし父は一度も自分を障害者だと認めなかった。確実に貰えるはずの障害手帳も障害年金も、絶対に受け取らなかった。破産して、収入がゼロになり、家族の食い扶持を繋げなくなった時でさえだ。「なに、誰だってハンディキャップの一つや二つあるんだ、それをいちいち騒ぎ立てるなんてみっともないことだ」それが父の口癖だった。そして父は自分を「ツンボ」であると自称していた。「ツンボ」は差別用語だからやめなさい、といくら母が言っても「ツンボがツンボで何が悪い!」と絶対に聞かないのだ。 父の発言は無茶苦茶だ。第一、本当に障碍で苦しんでいる人に対するシンパシーがない。それに「ツンボ」なんて言ったら、ポリティカル・コレクトネスの人々からは避難轟々だろう。 だが、一方で父は障碍者に対して全く差別的ではなかった。車椅子で困っている人がいれば助けたし、その一方で車椅子でも態度が悪ければその場で怒鳴り合いの大喧嘩していた。外国人に対してもそうだ。父には中国人の友達がたくさんいた。酒が入れば毎回、歴史問題の議論で怒鳴り合いになるくせに、ずっと仲良しだった。二、三か月すると、何事もなかったかのようにまた飲んでいるのだ(そうしてまた喧嘩になるのだが)。 父は女性に対しての考え方も、世代から考えれば相当リベラルだった。あれだけ父権的なくせに、結婚当初、父が食べるまで食事に手をつけようとしなかった母に対して「そんな下らないこと今すぐやめろ」と叱りつけたのだという。家族の風呂に入る順番についてもそうだ。ぼくが生まれてからはいつも父と母は喧嘩ばかりしていたが、よく考えれば父と母はずっと対等だった。父はいつだって対等な喧嘩相手が欲しかったのかもしれない。 当時はわからなかったが、父が「ツンボ」を自称していた理由が、今ならなんとなく分かるような気がする。父はきっと「ツンボ」を忌避するのではなく、自分が「ツンボ」を格好いいものにしてやる、と考えたのではないだろうか。 この考え方はマルコムXの言う「 Black is beautiful. 」に似ている。かの有名なアメリカ黒人公民権運動の活動家だ。マルコムは、黒人は白人と平等、とは言わなかった。そうではなくて「"黒"こそ美しい」と言ったのだ。 話によると、幼いころは「ツンボ」のことで相当ひどくイジメられたらしい。しかし父は社会に同情を買うような態度を取りたいとは思わなかった。思うに父は「ツンボ」である自分が圧倒的に凄い建築を作ることによって「ひょっとしてツンボだったからこそ、この人はすごい建築家になれたのではないか?」と、人に思わせるような、価値観の転倒を引き起こそうと企んだのではないだろうか。 ポリティカル・コレクトネスの人たちにとっては「ツンボ」は永遠に良くないものであって、忌避されることはあっても、凄いものとして日の目をみることは未来永劫ない。果たしてそれで問題は本当に解決したと言えるのだろうか。「ツンボ」な自分を「ツンボ」と断言する父のやり方は、テレビではもちろん流せないし、インターネットだったら炎上間違いなしだ。けれどもぼくは、ハッキリ言ってテレビよりも、今のインターネットよりも、父のやり方は圧倒的に「クールなやり方だ」と感じてしまう。
インターネットからの脱出
しかしこのような「クールなやり方」は決してインターネットでは出来ないだろう。 ぼくらは薄々気づき始めているが、インターネットにはそのシステム自体に欠陥がある。リンクシステムが、情報のシェアを容易にしすぎたため、一人ひとりが考えることを放棄し始めたのだ。このような社会では父やマルコムXのような革命家気質の強力な個人はお呼びではない。むしろ自分では考えず、薄い情報をまき散らし続けるような人間(インフルエンサー)が影響力を持つ。集団主義の時代だ。多数派はポリティカル・コレクトネス一神教を盾に、他のあらゆるマイノリティが、自分の力で立ち上がろうとする膝を折ろうとする。「『黒は美しい』なんて言わなくていいの、黒も白もなく、みんな平等なの」と。それは「ブラックの血が流れていることに誇りを持つな」と言っているに等しいということに、彼らは気づかない。その考えは、ぼくには、すべての人間を根無し草にしようとしているようにすら思える。そうしてこのように作られた一見当たり障りのない「正論」が、「拡散」機能によって無限に増殖してゆくのだ。 抵抗する方法がある。全てのリンクを一度切ってしまえばいい。インターネットには「罪」もあるが、それ以上の「功」がある。インターネットは個人の発信したいという欲望を爆発させ、流通経路を用意し、個人が本をつくるハードルを劇的に下げた。だったらもう一��紙の本にすればいい。紙の本にはRTもシェアもない。ただ、一対一の読者と書き手がいるだけだ。書き手は読者に差し迫ってくる。逃げ場はどこにもない。RTして他人に共感を求めることはできない。目の前の相手と一対一で対峙するしかない。もしも読んでいて、本当に思うところがあるならば、自分で、自分なりのやり方で発信するしかない。やり方は文章でも動画でも音楽でもなんでもいい、ただ自分だけの力で、やり遂げるしかない。 ぼくはアナタと一対一で話したいのだ。隣の誰かに「ねーどう思う?」なんて聞いてほしくない。ぼくは今、他ならぬアナタと話しているのだ。(了)
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nancy-sy · 3 years ago
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受賞が続きますね
受賞が続きますね #三島由紀夫賞 #岸田國士戯曲賞 #鶴屋南北戯曲賞 #岡田利規 #朝日新聞 #ブロッコリーレボリューション #三月の5日間 #未練の幽霊と怪物
今朝の朝日新聞です。岡田利規さんのインタビュー記事が載っていました。 文中にある『三月の5日間』『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』はあたしの勤務先から刊行されています。ご興味のある方は是非どうぞ。 今回、三島由紀夫賞を受賞した『ブロッコリー・レボリューション』は単行本未刊なのですね。
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7x5coral35 · 3 years ago
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2020→2021
※昨年、恒例の振り返りをしようとして挫折した。これは一年後にあげる下書きの供養です
激動の一年間過ぎて振り返りづらい。 なんというか、九死に一生という感がある。ぎりぎり生き延びた。今も這這の体であることにはそんなに変わりない。 生き延びた分、確実に前進してはいる。ただちょっとした猶予ができただけで、それも別に潤沢ではけしてない。 ここから実はかなり繊細な舵取りが必要になるのではないかと思っている。難しい状況にあるがそこまで悲観してはいない。 できるかぎり愉快に気楽に生き延びて演劇をやり、人とよく出会い続けていこう。そういう意思は曇りなくあって、だからたぶん大丈夫だろう。引き続き、うっかり死なないように気をつけていくこと。
主な出来事
1 丸眼鏡でなくなる、転職に苦しむ、アムリタ新年会、猫が亡くなる、お布団に滑り込む 2 友人の結婚報告①、『「葉桜」をやってみる』をはじめる 3 就職が決まる、社会的存在としての手続きをたくさんする、リモート稽古への切り替え 4 人生初の正社員をやってみはじめる、お布団CCS/SCはじまる 5 飲み屋の概念の実験をはじめる 6 7 AKIRAにやっと出会う 8 今敏を追悼し続ける、照明を工作、野良盆踊り、遠足 9 アムリタ会議、海に行く①、NTSはじまる 10 残業芸人と化しはじめる、海に行く② 11 写真を撮ってもらう 12 『待つ』(どうぶつえん2021ver.)製作開始、焚火、鰤の会、残業が限界突破
※見たものを思い出そうとしたやつ
1 文化芸術基本法を読む会 おはようクラブ パラサイト 深夜寄席
2 わたしは光をにぎっている すばらしき映画音楽たち(アマプラ) 砂と水玉 深夜寄席 ARICA キオスク 形講義(内野さん、木下さん) ダムタイプ展示 losles展示 パブリックアドレス ナウシカ歌舞伎(上映) リーマントリロジー(上映) (つまらない邦画:アマプラ) TRICK劇場版(アマプラ) ��大な動物が暴れる映画(木挽)
3 天安門、恋人たち ナンバーガール無観客ライブ ナウシカ歌舞伎後半(上映) 東京塩麹配信ライブ オペラ神々の黄昏配信 レディ/バード(アマプラ) ポーラは嘘をついた 翔んで埼玉(アマプラ) (直前で中止になった演劇) 火口の二人
4 サカナクション配信ライブ 新生音楽配信ライブ ロロ配信 春風亭一之輔配信
5 FUROBAオンラインイベント 羽衣ライブ配信 電気グルーブDOMMUNE 外配信 南極料理人(アマプラ) サカナクション配信ライブ 結婚の奴読書会 Believe記録映像配信 12人の優しい日本人読み合わせ配信
6 末広亭夜席(ぺー、喬太郎) トノフォンリモートフェス配信 ソン・ランの響き BTF(木挽) ストリートライブ/ストリートビアー 未練の幽霊と怪物(配信)
7 アカタマ砂漠のドキュメンタリ(アマプラ) AKIRA 超絶縁体ⅱ 二階堂和美配信 吉祥寺シアターシンポジウム「歴史的苦境における劇場」
8 銀河鉄道の夜 トトロ(木挽) ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ PERFECT BLUE 羽衣「スモールアニマルキッスキッス」 千年女優
9 プレイタイム配信 パプリカ AKIRA パプリカ ストレンジシード配信(コトリ、デスロック、スペノ、平泳ぎ、世界劇場) 七里圭上映会
10 マッチ売りの少女 円盤録音 ストリートライブ/ストリートビア lacePicnik 給付金(配信) ニッポンチャチャチャ のんきなねえさん あなたの人生にあなたがいない 円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」
11 高田裕大展示「ここは地中」 バストリオ記録映像配信 ウォーターフォール② トロンプルイユ配信 ろしゃおへい戦記 大岩裕太展示バカンス ノスタルジア
12 パッパラパーク ある日、ピナが…配信 ダムタイプ2020配信
※読んだ本をおもいだそうとしたやつ さよならうどん博士 雪屋のロッソさん 巴里マカロンの謎 台湾生まれ日本語育ち(読み終わっていない) 結婚のやつ 砂丘律 ボルヘス・オラル(読み終わっていない) ついの棲みか(オンライン)
※すごく良かったものを思い出そうとしたやつ A子さんの恋人最終巻 タツミ蒸留所アブサン(ニガヨモギ) 羊の、餃子みたいな、生卵が、※四谷ひつじやでたべたやつ 鰤!※年末にお取り寄せした、高知の。さばく度に歓声があがった
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2gsahoko-intermission · 3 years ago
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2021年に見たものリスト
■:映画、□:演劇、▲:スクリーニング、☆:ドラマ
【映画・演劇・スクリーニング】
1月4日
■:『もう終わりにしよう』(Netflix)
▲:『Ratatouille』
1月9日
▲:『Lazarus』(New York Theatre Workshop)
1月12日
▲:『オーランドー』(Schaubühne)
1月13日
▲:『CAPSULE』
▲:『ESPRITUS』
▲:『Swingin’ the Dream』(以上、Under the Radar Fastival)
1月24日
▲:『スペードの女王』(MET)
1月29日
▲:『The Approach』(St.Ann’s Warehouse)
1月31日
▲:『投げられやすい石』(ハイバイ)
▲:『PASS OVER』(AmazonPrime)
2月1日
▲:『ハイディ・シュレックの討論会』(AmazonPrime)
2月14日
▲:『Roman Tragedies』(ITA)
2月15日
▲:『The Far Side of the Moon』
2月16日
▲:『1776』(コンサート版)
2月18日
▲:『ハンサード』(NTL)
2月19日
▲:『人類館』(AKN プロジェクト)
2月21日
▲:『COVID fan tutte』(The Opera Vision)
2月22日
▲:『Dancing Nation』(Sadler’s Welles)
2月28日
▲:『Queer the Ballet』
▲:『Public Domain』(Southwark Playhouse)
▲:『Gatsby - the Musical』
3月3日
▲:『戦火の馬』(NTL)
3月4日
▲:『HYMN』(Almeida)
3月6日
▲:『Brother』(Southwark Playhouse)
3月7日
▲:『The Sorcerer’s Apprentice』(Southwark Playhouse)
3月8日
▲:『再演 演劇史 (I)』(ITA)
3月14日
▲:『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから』(Netflix)
▲:『マ・レイニーのブラックボトム』(Netflix)
3月18日
□:『BARNUM』
3月20日
▲:『帰還不能点』(劇団チョコレートケーキ)
▲:『ドリアン・グレイの肖像』(What a Curve Up!)
3月22日
▲:『オイディプス』(ITA)
3月23日
■:『アンモナイトの目覚め』(試写)
4月17日
▲:『Lorax』(OV:In-Camera)
4月18日
□:『消えちゃう病とタイムバンカー』(中止)
4月21日
□:『GOYA』(中止)
4月26日
▲:『Cruise』(stream.theatre)
5月7日
■:『イン・ザ・ハイツ』(試写)
5月15日
▲:『サンセット大通り』(Curve)
5月22日
□:『終わりよければ全てよし』(彩の国さいたま芸術劇場)
5月30日
□:『メリリー・ウィー・ロール・アロング』(新国立劇場)
6月5日
□:『未練の幽霊と怪物』(KAAT)
6月20日
□:『インク』(劇団俳優座)
6月22日
□:『アウグストゥス - 尊厳ある者』『Cool Beast!!』(宝塚歌劇団)
6月29日
■:『アメリカン・ユートピア』
7月8日
□:『カルメン』(新国立劇場)
7月15日
□:『衛生〜リズム&バキューム』(赤坂ACTシアター)
7月17日
□:『カルメン』(新国立劇場)
8月11日
▲:『一九一一年』(劇団チョコレートケーキ)
8月13日
▲:『スポンジボブ ザ・ミュージカル』(ニコロデオン)
8月15日
▲:『南太平洋』(Chichester Festival Theatre)
8月19日
▲:『スポンジボブ ザ・ミュージカル』(ニコロデオン)
8月28日
▲:『The Bagdad Café』(Wise Children)
8月31日
▲:『5時から7時までのクレオ』(AmazonPrime)
9月9日
□:『湊横濱荒狗挽歌』(KAAT)
9月23日
■:『クーリエ 最高機密の運び屋』
■:『シャン・チー テン・リングスの伝説』
9月29日
■:『ディア・エヴァン・ハンセン』(試写)
10月5日
■:『トーベ』
■:『007 No Time to Die』
10月26日
□:『オリバー!』(シアター・オーブ)
10月30日
▲:『マクベス』(Almeida Theatre)
11月5日
■:『モーリタニアン 黒塗りの記録』
11月14日
■:『tick, tick…BOOM!』
11月23日
■:『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
11月30日
□:『蜘蛛女のキス』(東京芸術劇場)
▲:『嵐が丘』(Wise Children)
12月4日
▲:『人生は夢』(Lyceum Theatre)
12月22日
□:『キッド・ヴィクトリー』(浅草九劇)
12月27日
□:『vitalsigns』(サンモールスタジオ)
12月28日
▲:『フィスト・オブ・ノーススター 北斗の拳』(日生劇場)
12月31日
▲:『妖精の女王』(The Glyndebourne Festival Opera)
その他、配信ドラマ
・『GIRLS』(S1〜S6)
・『アメリカン・ゴッズ』(S1〜S3
・『エレメンタリー』(S1〜S3)
・『ブリティッシュ・ベイクオフ』(S1〜S6)
・『CRASHING』
・『The Politician』(S1〜S2)
・『都市を歩くように』
・『クイーンズ・ギャンビッド』
・『ルパン』(S1〜S2)
・『不動産ファミリー〜高級物件はお任せ』
・『エージェント物語』(S1〜S5)
・『The Chair』
・『Nadiya’s Time to Eat』
・『Nadiya Bakes』
・『SALT FAT ACID HEAT』
・『シェフのテーブル』(S1)
・『ブルックリン99』(S1〜S7)
展示
・《琳派と印象派》(アーティゾン美術館)
・《電線絵画展》(練馬区立美術館)
・《マーク・マンダースの不在》(国立現代美術館)
・《ボイス・パレルモ》(埼玉県立近代美術館)
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koudelkalightnovel · 7 years ago
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Collections of Hiroki Kikuta’s blog
1997年秋から1999年末まで携わった、 「クーデルカ」という仕事は、僕の人生の中で大きな意味を持つ。 嬉しかったこともあり、残念だったこともあり、しかし、制作に費やした二年間は、 無駄ではなかったと、今振り返って思う。 サクノス立ち上げに助力していただいた、元セガ副社長の故藤本敬三氏の思い出。 ロサンゼルスはウエストハリウッドでの夢のようなモーションキャプチャーセッション。 胸に浮かぶままに、語るべきことは尽きない。 ここでは、写真、設定資料、デザイン画を中心に、ゲーム制作のプロセスと、 その印象を綴っている。 クーデルカのための宣伝用イラストレーション/1998 岩原裕二 部分 このサイトは、1999年12月にプレイステーション向けホラーRPGとして発売されたゲーム「クーデルカ」のディレクター菊田裕樹が、制作資料の掲載や作品解説を目的として運営するものです。ゲームをプレイしてくれたユーザーが、より深くクーデルカの世界とその魅力に親しんでもらうために、僅かなりと助けになれれば幸いです。 --- 「クーデルカ」のモーションキャプチャーは、1999年1月、ロサンゼルスはサンタモニカにあるスタジオで収録された。技術面を担当したのはフューチャーライト。普段は「ゴジラ」等のハリウッド映画のSFXを担当している映像制作会社である。遡る1998年9月、僕はイベント系を担当する人員の不足から、それを全てモーションキャプチャーで賄うという構想を建てた。全体で見れば一時間をこえるイベントシーンを、手打ちのアニメーションとスクリプトで実現しようとすれば、5人がかりの仕事となる。しかも、一向に従来のRPGの域を出ない、面白みの無い方法だ。ゲームのドラマ部分を表現するために、効果的で、目新しくて、しかも大きな省力化になる方法として、モーションキャプチャーは画期的な試みだった。無論、問題はあった。技術的に不可能だというのだ。物語の性質上、最大4人を同時にキャプチャーし、併せて音声も収録する必要があったからだ。僕はまず、日本国内のスタジオで実験をし、手応えを掴んだ。その結果、モーションキャプチャーは十分に魅力的な効果を生み出すという確信を得た。しかし同時に、僕の要求する仕様は日本国内では実現不可能であるということも分かった。だが、そこで諦めてはクリエイターが廃る。幸い、以前「双界儀」の録音でお世話になったデイブレイク社の大竹氏が、海外のコーディネイターに詳しいというので、畑違いながら探してもらったら、ロスにそれらしい技術を持った連中が居るという。早速連絡を取り、俳優のオーディション方々会いに行った。ところが実際に会ってみると、彼等も僕が考えるような仕様でキャプチャーをしたことがなかった。4人を同時に、音声もいっしょに、しかも数分に及ぶ芝居をいっぺんに収録する。そんなの聞いたことがない。しかし驚いたことに、面白そうだから是非やってみょうと、彼等は言ったのだ。新しいことにチャレンジするのが嬉しくてしょうがないスタッフ達。こうして、この前代未聞の試みは実現したのである。 クーデルカを演じてくれたヴィヴィアンとエドワードを演じてくれたマイケル。100人程のアクターをオーディションした中から選んだ人達だ。アメリカのアクターの層は厚い。皆、良い作品に出演することを夢見て、演技の勉強をし、技術を身に付け、レストランなどで働きながらハリウッド近辺で暮らしている。アメリカでは基本的に、どのような有名な役者でも、名前だけで出演が決まることはない。必ずオーディションをして、その役に本当に相応しいかどうかを確かめられる。彼等は、役の大小に限らず、それを勝ち取ることに真摯で、また仕事に臨んでも出来るだけ良い結果を残そうとする姿勢を崩さない。 セッションに参加してくれたスタッフ達。フューチャーライト側から、モーションキャプチャーの陣頭指揮にあたってくれたダン・マイケルソンをはじめ、プログラマーのランディ、エンジニアのジョン。彼等は4日に及ぶセッションの中で起った、様々な問題に素早く対処してくれた。日本側から、クーデルカのモーションを担当した竹原君。IPG側から、わざわざこのコーディネイトのためにニューヨークから駆け付けてくれたポール。そして、サウンドエンジニアのキース。 写真中央、このセッションのディレクションを全て担当してくれた、IPGから参加のデビッド・ウォルドマン。彼は日本でビデオクリップのADをしていた経歴があり、日本語が話せたため、今回の仕事に適任として選ばれた。映像制作の現場でのノウハウや、その進行に関して、彼に学ぶところは大きかった。その後、ロスでムービーキャメラマンの学校に入り、本格的に映画制作を志しているらしい。左は、デビッドの女房役のADであるクレイグ。右に居るのは、9才のシャルロッテ役を演じてくれた12才のサラ・パクストン嬢。その可愛らしさで、スタジオの人気者だった。しかし、プロとしての意識は本物で、長台詞を覚え、慣れないキャプチ��ーに戸惑うこともなく、見事に演じてみせた。下の写真は、キャプチャーセッションに先立つ、リハーサルの時のもの。近くのホテルで部屋を借り、本番の時と同じように、全ての芝居をチェックする。この時キャラクターはどんな気持ちなのか、何を考えながら演じればいいのかを、ひとつひとつ、押さえていく。このシーンは、クーデルカとエドワードが、オグデンとベッシーにスープを振舞われるところ。中央に、いかにも人の良いおばさんを演じてくれた人の良いおばさん、デニス・ホワイト。 スタジオというよりは工場といった有り様だが、実際すぐ横にプロップを組み立てる工房があったりした。一応サウンドステージとして作られてはいるのだが、防音がしっかりしていないため、上空を飛ぶ軽飛行機の音がうるさくて、撮影が中断したのには参った。真中に置いてあるのは、ジェームズら3人が大聖堂に入る扉が開かなくて悪態をつくシーンのための大道具。例えば、扉を叩く芝居が欲しい時に、何もないのにそういう振りだけしても、リアリティーは生まれない。扉を叩く時には、そこに扉があるべきだ。下の写真は、ゴミの山に埋もれてひっそりと稼動しているSGIのONYX。これに限らず、驚くような機材が、ごく当たり前に使われているのをあちこちで見た。聞けばそれらは全て、レンタルなのだという。こういう所にも、日本との状況の違いを感じた。右は、連日に及ぶ深夜の撮影で疲れ果てて眠りこける僕。 2000/11/25 菊田裕樹 --- ヴォイニッチ文書 部分 Emigre Document 紀元前5000年をさかのぼる昔、ブリタニアには高度な巨石文明を持った民族が栄えていた。今も島のあちこちに残るドルメンやストーンサークルは、現代科学を持ってしても不可能と思われるほどの彼らの技術力を、我々に示している。彼らはケルト人が到来するまで、全世界でも最も進んだ文化と文明を持つ民族であった。エジプトでピラミッドが建築される遙かに昔。中国、バビロニア、イスラエル、どの文化圏よりももっと以前に、ブリタニア全土に分布する巨石遺構は建てられたのである。 その力の秘密は、彼らの持つ宗教にあった。彼らは大地より湧きいでる生命の秘密に手をかける術を知っていたのである。生と死を操り、不死や、あまつさえ死者の再生をも我がものにし、労働力としての人間ならざる怪物を生み出し、高度な文明を築き上げた。それは自然の持つ輪廻の法則そのものを御する行いであり、神の為す神秘に等しい。いや、彼らこそが原初の「神」だったのかもしれない。彼らはその「神を遙かに遡る世界の成り立ちの秘密」を、文字にして書き記すことはなかったが、その祭儀や術としてのノウハウは、ケルト社会のドルイド僧に引き継がれた。ドルイド僧は古代人の残した祭儀法を基盤に、自分たちなりの技術的アレンジを加え、古代人には及ばないまでも、天地の秘密を力に変換することを自らのものとした。 だが、彼らもまた、自分たちの慣習や宗教に関して書き残すことをしない。ケルト民族の在りように関して最初に言及したのは、まさにそこを征服せんとして兵を進めたユリウス・カエサルである。しかし、彼が紀元前50年頃に「ガリア戦記を」書き記す以前に、前4世紀頃ケルト民族と親交のあったアレクサンダー大王が、アレクサンドリアの大図書館に收めるべく、ドルイドの秘儀をギリシア語で文書化させていたのである。彩飾図版を交えて作成されたこの文献は、その任に当たった人物の名を取って「エミグレ文書」と名付けられた。 この文書は閲覧を禁じられた秘密の書として王宮の図書館に保管された後、戦禍を逃れて持ち出され、数世紀の間、各所を転々とする。その間にはキリスト教の成立やローマカトリックの隆盛などがあるが、6世紀に入り、アイルランドに様々な修道院が建設され、写本事業が盛んになった結果、イタリアの片田舎に忘れられていた「エミグレ文書」は、リンデスファーン島にある写本で名高い修道院に持ち込まれた。だが、ギリシア語に堪能でない彼らは、内容の美しさや彩飾の艶やかさに目を見張りこそすれ、文書の持つ本当の力に気づくことはなかった。 9世紀に入って、度重なるヴァイキングの来襲により、蔵書の保存に危機を感じた修道院は、重要な文献を各地に避難させ始める。アイルランド生まれで敬虔な信者であるヨアヒム・スコトゥスとダニエル・スコトゥスの兄弟は、大修道院長より「エミグレ文書」を託され、その内容に驚愕した兄ヨアヒムは弟ダニエルをウェールズの辺境にあると記される聖地へ赴かせ、自らは写本を携え、フランス王の元に庇護を願い出た。弟ダニエルは聖地で修道院を建て、祈りを捧げて一生を終わる。兄ヨアヒムは碩学として歴史に名を残すが、その死後、ローマ法王庁に写本を接収されてしまう。 キリスト教を脅かす力を持ったこの文書は、ローマ法王を恐怖させ、禁断の書物として誰にも閲覧を許すことなく、書庫の奥底にしまい込まれたが、13世紀になってその損傷の激しさから、新たな写本を作る必要が生じ、当時最高の知識人として名高かったフランチェスコ会修道士ロジャー・ベーコンにその任が与えられた。彼は10年にも渡ってフランスに幽閉され「エミグレ文書」を精確に複製することを強いられたが、その過程で文書の知識は彼の物となった。秘密を守るため彼をそのまま監禁し、二度と世に出すまいという法王庁の意図とは裏腹に、彼は密かに外部と連絡を取り、自らが解読した文書の示す聖地へ赴き、生命の秘密を探る試みに取りかかるべく、着々と準備を進めていた。 彼は、先にダニエル・スコトゥスが建てた修道院を改修し、実験施設となるべきゴシックの大聖堂を建築させた。そこで彼がどのような秘術を試みたのかは、記録に残っていないが、法王庁の手を逃れフランスを脱出した彼は、二度と姿を現すことはなかった。彼は、姿を消す前に、新たな一冊の写本を残している。エミグレ文書の記述を元に、ウェールズ語の暗号で書かれたその写本は、聖地の修道院に残されていたが、16世紀になってエドワード・ケリーとジョン・ディーによって発見され、新たな写本として書き直され、さらにローマの修道院を経て、20世紀になって古物商ヴォイニッチによって再発見され、ヴォイニッチ文書と名付けられて、現在エール大学のベイニック図書館で閲覧できる。 また、ロジャー・ベーコンによって複製された「エミグレ文書」写本(原典は破棄された)は19世紀までヴァチカン宮殿の奥深くに秘蔵されていたが、1890年頃何者かに盗み出され、以後その行方を知る者はいない。ダニエル・スコトゥスが建てた修道院は1536年の修道院廃止例の後、政治犯や重要犯罪人を拘留し処刑するための施設へと転用され、聖なる場所で多くの人命が闇に葬られた。 (設定資料より) 2000/10/25 菊田裕樹 --- 2000/10/25 Hiroki Kikuta Koudelka Iasant 1879年生~没年不詳。イギリスはウェールズの田舎、アバージノルウィンの寒村生まれのジプシー。幼い頃から強すぎる霊能力を持ち、様々な怪異を起こすため、呪われた存在としてジプシーの世界から追放される。1888年9才頃ロンドンで霊能力者ブラヴァツキー婦人に拾われ、秘蔵っ子として厚遇されるが91年婦人が他界すると共に、再び放浪の旅へ。普段は霊媒として失せ物を探したりして、糊口をしのいでいる。 年は若いが、世の中の事情を一通りわきまえたところがあり、良く言えば大人、悪くいえばすれっからし。普段はあまり明るい顔をせず、大体において不機嫌そうで態度が悪いが、時折女らしいところを見せる。差別される者や愛されない者に肩入れする傾向がある。自分を表現することが下手。 (登場人物設定資料より) Notes クーデルカという名前は、著明な写真家であるジョゼフ・クーデルカから採ったものだ。口にした時の不思議な響きと、民族や国籍を感じさせないところが気に入って、名字ではなく名前として使わせてもらった。手元の資料を見ると、キャラクターデザインの岩原裕二氏にコンペ用のスケッチを発注したのは1998年の3月26日だが、遡る2月10日の段階で、僕はゲーム全体の進行手順と、シナリオの箱書きを完成させていたし、キャラクターの心理設計も完全なものとなっていた。クーデルカはジプシーの出身である。彼らはインドをもっとも古い故郷とし、放浪に生きる人々で、自分たちのことを誇りを込めてロムと呼ぶ。それは人間という意味である。一般社会の人間たちとは隔絶され、自分たちの血縁関係の中だけで生きている彼らにとって、追放はもっとも苦しい罰となる。クーデルカはその特異な能力ゆえに、子供の身でジプシーを追われることになった。僕は彼女を、どこにも安住することを許されない、最も孤独な存在として設定した。平和で豊かな暮らしの中に、彼女の居場所は無い。呪われた魔物や幽霊が跋扈する���廃虚の暗闇の中にだけ、かろうじて自分を置くべき空間を見出せる。クーデルカは、そういう悲しい存在なのである。 岩原氏はこのプロジェクトのために、100枚にも及ぶキャラクタースケッチを描いた。クーデルカだけでも数十枚になるが、そのほとんどはポリゴンによるモデル化のための制約から来る衣装デザインの試行錯誤であり、キャラクターの本質部分に関しては、最初から完成形に近いものを掴んでくれていたようだ。また、氏にはゲームの制作に先行して角川書店の雑誌で漫画連載を始めてもらい、ゲーム設定の1年後のストーリーという立体的な構成で、物語の厚みと魅力を増すことに貢献してもらった。 クーデルカのポリゴンモデルは、当時広島のコンパイル社の倒産で行き先を捜していた渡辺伸次氏に、経済的に援助するということで東京に移り住んで制作してもらった。彼は同社の仲間とCGスタジオであるD3Dを設立した。そのころの彼等には全く実績が無かったが、見せてもらったプロモーションムービーのキャラクターの動きに並ならぬ情熱を感じ、彼等と一緒に新しいチャレンジをする気になったのである。しかし実際、キャラクターのモデリングは難航した。ゲームスタッフ側の無理解も大きな原因だったが、D3D側もクーデルカほど高いレベルのモデルを作るのは初めてとあって、試行錯誤のために何ヶ月も時間が必要になった。リテイクに次ぐリテイクの嵐。最終的には、僕自身が彼等の後ろに付いて、鼻をもう少し縮めてだの、唇をもう少し上げてだのと細かく指示を出し、なんとか納得のいくものに仕上がるまでに半年近くかかっている。 モーションキャプチャーにおいて声と演技を担当してもらったヴィヴィアン・バッティカ嬢は、米サンタモニカ・スタジオで行ったオーディションの中で、クールで独特の色気があり、抑えた芝居の出来る人として選定した。ただ可愛いだけではなく、クーデルカの持つ陰の部分を表現するためである。彼女自身まだ若く経験も浅いとはいえ、その熱意と努力は相当なもので、10分にも及ぶ長丁場の芝居、何十行もある長台詞を、たった数日で完全に頭に入れて撮影に臨む辺り、なるほどプロというものはこういうものかと感心させられた。度重なる技術的不備にも嫌な顔をすることなく、エドワード役のマイケル・ブラッドベリーと現場の雰囲気を明るく盛り上げてくれたことには、感謝の言葉もない。 2000/10/25 菊田裕樹 llustrated by Yuji Iwahara このページ内の全ての画像及び文章の著作権、版権、複製権、二次使用権は全てその正当な著作者、権利所持者に帰属します。よって、無断複製、無断転載を含め、著作権法に違反する形態でのあらゆる利用を禁止します。 All Rights Reserved 1997 1998 1999 2000. クーデルカは(株)サクノス・SNKの登録商標です。 All Rights Reserved (C)SACNOTH/SNK 1999 --- Nemeton Monastery イギリスはウェールズ地方。アバースワースにほど近い、海沿いの断崖に、人気もなく廃墟と見まごうようなネメトン修道院がある。ちょっとした公園ほどもあるその敷地の中には9世紀頃に建てられたと思われるロマネスク様式を色濃く残した修道僧の宿坊をはじめ、13世紀頃に建てられた飛び梁も美しいゴシックの大聖堂、会堂をかねた図書館、鐘つき堂、屠殺場を兼ねた炊事場、処刑台に使われた東屋、近代になって建てられた宿舎などが、全体を囲む壁と一体化して並んでいる。16世紀に修道会を禁ずる制令が発布されるのを待たずして寂れ、廃墟と化したこの場所は、17世紀に入って政治的な犯罪者や虜囚などを閉じこめたり処刑したりする目的に使用された。今でもどこかに地下牢が隠されているといわれている。近代になって、訪れる者も居なくなり、荒れるに任せていたのを、ある資産家が物好きにも買い取って移り住んだが、程なくして彼は姿を消し、後には様々な憶測と噂だけが残った。あるいは、財宝が隠されたまま埋もれているといい、あるいは、悪魔が彷徨っているといい。再び廃墟と化したこの修道院を訪れるのは、人目を避ける犯罪者や一攫千金目当ての食い詰め者だけだった。 (制作資料より抜粋) ネメトン修道院初期設計図/1998 松野泰三 1998年2月の段階で、ゲームの進行に伴う、マップ全体像の設計は、ほぼ出来上がっている。八棟の建物、地下道、墓地など、全部で100個見当の区画からなる構成で、イベントと連動して移動できる範囲が拡がっていく。実は、このような閉鎖された空間を舞台として設定したのは、単に演出的な意図によるものではなく、人的物理的制約による結果なのである。例えば、高度に訓練されたグラフィックスタッフが20人居るならば、一年間に500から600枚を超える背景画を制作することが可能だ。しかし、楽観的に考えても数人が限度と思われる人材確保の現状を前提にすると、およそ100マップ200~250画面が、用意できる背景数の上限と見なければならない。一般のRPGのように、ワールドマップがあって幾つもの街があって、などという仕様は、最初から無理。そこで、極めて限定された空間を設定し、それを有効に活用しつつ、様々な雰囲気のバリエーションを提供できるような仕掛けを考案した。それがホラーRPGという枠組みだったのである。 ネメトン修道院初期設計図/1998 松野泰三 ネメトン修道院を構成する建物群は、そのひとつひとつが、建てられた年代も、目的も異なるものである。各々の建築様式の違いは、ドラマの進行と相まって、ユーザーを飽きさせないための装置として機能する。扉を開けて新しい建物に入る度に、物語が次なる展開を迎えたことを実感してもらうために。微にいり細にわたり、緻密に作り上げることが、あたかも実際にそこに居るかのような臨場感を生む。そのために最も必要だったことは、実際の建築物を参考にすることであった。 ネメトン修道院初期設計図/1998 松野泰三 物語上でアバースワースとしたのは、アイルランド側の海岸にその場所を置きたかったからだが、98年8月にスタッフを伴って訪れた実際の取材は、ウェールズの下側に位置する観光地ペンブロークシャーを中心に行った。その一帯は、草原から突然に切り立った断崖が現れ、地平線の彼方まで続く、不思議な景観の土地である。その周辺に夥しい数の修道院や城跡が存在する。あるものは往時を偲ばせて健在だが、ほとんど廃虚と化した遺構も多い。セント・デイビッド教会は、中世そのままの姿で我々の目を楽しませてくれると同時に、石造りの聖堂が持つ、独特な雰囲気を理解するのに役立った。また、垂れ込めた雲と雨が作るどんよりとした暗い空気は、実際にその場に立ってみないとイメージできないものである。近辺の修道院の壁や石組みを大量に撮影して、3Dモデル用のテクスチャーとして使ったのも、大きく意味がある試みであった。 さて、ネメトン修道院の大聖堂はゴシック建築として作られているため、本当ならば、その常として側廊が無ければならない。ゴシック建築は荷重を分散する構造にすることで壁を薄くし、ステンドグラスの設置を実現しているからである。しかし、ゲーム仕様上の制約としてプリレンダリングのマップを考えた時に、多数の柱を立体的レイヤーとして配置することが困難であるために、内部を単純な箱型にせざるをえなかった。外側から見ると、飛び梁様の補強柱が一定間隔で取り付けられているが、現実の物として考えれば、全体の重量を支えるために、壁自体もさらに厚くせざるをえないと思われる。なお、大聖堂頂部の鐘突き堂は、そのものが飛び梁によって構成されている特殊な形式だが、これは架空の物ではなく、実際に存在するスタイルであることを付け加えておきたい。 2000/10/25 菊田裕樹 --- Library : クーデルカという物語 By 菊田 裕樹 – 2000年 3月 28日Posted in: Library, Library : ARTICLE    クーデルカという物語    2000年3月 公開    このサイトを御覧の方には僕の制作した    RPG「クーデルカ」を未プレイの向きも多いと思う。    手短に説明すると、19世紀のイギリスはウェールズの    片田舎にある今は廃墟同然と化したある修道院を舞台に、    クーデルカという19才のジプシーが出会う様々な    怪異をテーマにした、いわゆるモダンホラーと    呼ばれるジャンルに属するゲームである。    僕はこの作品のコンセプトに始まり、キャラクター設計、    マップ構成、シナリオ、ムービーや    モーションキャプチャーイベント部分の    ディレクション等など、様々な種類の仕事をした。    基本的な部分の組み立てには約3ヶ月ほど要しただろうか。    全部で100冊以上の本に眼を通したが、    物語の発想の土台となったのは、    「幽霊狩人カーナッキ」という本であった。    短編集で、主人公である怪奇現象研究家カーナッキが、    様々な「怪異」と「怪異に見えるもの」に遭遇し、    あるものは解決し、あるものは良く分からないまま    終わる(笑)という、味わいのあるホラー小説集だ。    興味のある方は是非一読されたい。    さて、僕が物語を組み上げる段階でこだわるところは、    歴史上の事実を曲げないということである。    実際に起こったとして、記録に残っている様々な事件を、    相互に関連付け、その隙間を虚構で埋めていくという    やりかたが僕は大好きだ。    同じ嘘をつくのでも、まったく根拠も無く考えるのと、    事実に基づいてその基盤を組み上げていくのとでは、    細かい部分でのリアリティーが違ってくる。    だから、クーデルカという物語には、    プレーヤー諸氏が考えているよりも、    ずっと多くの史実が含まれている。    エドワードやロジャーが実在の人物である事など、    歴史に興味のある方は、調べてみられるのも一興かと思う。    1898年は科学と迷信がせめぎあう世紀末の、    まさに移り変わる一瞬を捉えて興味深い時代である。    明ければすぐに1900年、近代科学文明の浸透の    象徴ともいうべき、パリ万博が開催される。    そしてそれこそが、僕がクーデルカの続編と    目論んでいた物語の舞台なのである。    ウェールズを描くために、ロンドンやペンブロークに    足を運んだのと同じように、僕はパリやベルギーに    取材をするつもりだった。    (パリ万博に出展されていた建物が、当時の    ベルギー王の要望で買い取られ、    ブリュッセルに現存するのだそうだ)    会場から郊外を結んで建設された地下鉄と、    そこで起こる怪異。エースネクスト誌連載中の    漫画版のエピソードを終えたクーデルカが、    拠ん所ない事情でパリを訪れ、地下に巣喰う    亡霊どもの争いに巻き込まれていく。    実はクーデルカの続編は、僕の頭の中では4作目まで    出来ている。第一部イギリス、第二部フランス・・・    とくれば、第三部はアメリカである。    時代は大きく跳んで、1973年アメリカはシカゴ。    主人公は、シカゴ大学で教鞭を取る文化人類学者、    クーデルカ・ロードメル。    クーデルカの娘アメリアが後に渡米して産んだ子供で、    つまりは孫だ。ベトナム戦争末期とあって、    帰還兵が持ち帰ってしまった悪霊が、    様々な殺人事件を引き起こすのを、まだ生きている    ロジャーの助けを借りて解きあかしていく。    (ちなみにロジャーはスーツを着て出てくる)(笑)    そして第四部は1984年奈良。    関西大学で教える友人の宗教学者の元を訪れたクーデルカは    何者かに命を狙われ、陰陽師や式神と戦う羽目になる。    奈良の巨石墳墓や京都の町並みが、    雰囲気造りに一役買うだろう。    残念なことに、今のところ僕がそれらの    続編を作る予定はないが、    小説のようなものであれば、書いてもいいかなあと思う。 Story of Koudelka : Library --- Haven: On Koudelka, you served as producer, writer, and composer. What were some of the goals you accomplished in taking on these various responsibilities? Were there ways in which the project could have been better realized? Hiroki Kikuta: Let me begin by saying, whenever you divide up responsibilities among a group of people concerning the judgments that get made on a project, the end quality is bound to suffer as a result. To keep the quality high and the schedule organized on a project, it's better for as few people as possible to be making key decisions, and for them to be communicating within the group with as few conflicts as possible. The ideal situation would be for but one director to be delegated the responsibility of expressing his or her creative vision. That said, for Koudelka, I was pursuing that degree of creative control. To prepare, in gaining an understanding of the game's setting, I read about one hundred books on English history, touching on periods from the Medieval era to around 1900. It proved useful in discovering relevant episodes which could be incorporated into the story. Having several events to ground the plot in a kind of historical reality, I then started building on that foundation with some fictional events. For example, the character of Edward is based on an actual Irish dramatist named Edward Plunkett, 18th Baron Dunsany, while the woman who writes a letter for Charlotte is based on Sophie Dorothea of Württemberg. Roger Bacon is, of course, a historically famous philosopher. Also, the incident on the Queen Alice really occurred and is recorded in the captain's log of the vessel. By filling out the gaps in those historical events with fictional incidents, such as the Emigre Document and reincarnation ritual, I aimed at providing a realistic basis to the imaginary aspects of the story. Before production, some members of our staff went on a trip to Whales to gather information and capture the genuine atmosphere of the place with our own eyes. We demanded extreme accuracy in providing the background details, and we even used motion capture technology to provide culturally appropriate body language for the characters, techniques advanced enough to compete with the standards of the Hollywood industry at that time. Those challenges, which were provided by the passion motivating that project, were the real essence of Koudelka. Koudelka, "Patience," music sample I remember that I was reading the critical biography of James Cameron, who was making Titanic at that time, on the airplane to England. I was overwhelmed by his tremendous efforts to capture those startling images. At that time, I realized that it is necessary for creative work to have a degree of obsessive passion involved. I hope that some degree of that conviction had a positive result on the end product. --- As soon as it is in the year 1900, the Paris World Expo is to be held as a symbol of the penetration of modern scientific civilization. And that is the stage of the story that I was thinking as a sequel to Kuderuka. In the same way that I went to London and Pembroke to draw Wales, I planned to cover Paris and Belgium. (It seems that the building which was exhibited in the Paris Expo is bought at the request of the King of Belgium at the time and exists in Brussels.) The subway built by connecting the suburbs from the venue and the monster occurring there. Kuderuka who finished the episode of the comic version in the series of Ace Next magazine visits Paris due to circumstances that are not based, and is caught up in the strife of ghosts who nest underground.    (The first line of the Paris Metro opened without ceremony on 19 July 1900,[4] during the World's Fair (Exposition Universelle - that is what is meant by subway) Actually, the sequel to Kudelka is made up to the 4th in my head. Part 1 England, Part 2 France · · ·     If you do, the third part is the United States. The era greatly jumped, in 1973 America was Chicago. The hero is a cultural anthropologist, Kurdelka Roadmel, who teaches at the University of Chicago. Kuderuka's daughter Amelia is a child who gave birth to the United States later, that is, it is a grandchild. With the end of the Vietnam War, the evil spirits brought back by the returning soldiers will solve various murder cases with the help of living Roger yet.     (By the way, Roger comes out wearing a suit) (lol) And the fourth part was Nara in 1984. Kurdelka who visited the origin of a religious scholar of a friend taught at Kansai University is targeted to someone, and it will be fought against the Yin Yang masters and the expression god.     The megalithic tomb of Nara and the townscape of Kyoto will contribute to the atmosphere building.     Unfortunately, for the moment I have no plans to make those sequels, but if it's like a novel, I wonder if I can write it. --- RocketBaby: At what age did you become interested in music? Hiroki Kikuta: When I was ten years old, I met up with the music of Emerson, Lake & Palmer. I had never heard such marvelous music before. It was quite an impact for me. A few months later I heard that Keith Emerson was using a particular instrument called MOOG synthesizer. RB: At what age did you start writing music? HK: When I was twelve years old, the Folk blues movement came over to Japan from America. I studied Acoustic Guitar and started to create an original song immediately. I wanted to be a singer/ songwriter... if I wasn't a terrible singer. Actually, Digital equipment opened up my potential as a music composer. Without a musical sequencer, I can't create any complicated tunes. When I first acquired a YAMAHA SY-77 synthesizer/sequencer, I felt as if I got a ticket to a different world. RB: Why did you start Sacnoth? HK: I had held many original ideas about video games and visual expression for a long time. The most important purpose is to create an entertainment. When I was searching for a way to achieve my dream, I met a dominant business advisor. He introduced me to the chairman of SNK. I told him about many pitfalls that every existing RPG had. I thought those were lacking a comprehensive insight and a integrative interpretation. It is a structural defect of game production. To resolve the problem, it is necessary to get the picture of each element of game creation at the same time. I have an ability to do that. I established a company SACNOTH and took up my position as CEO in order to produce a new horror RPG project, Koudelka. But unfortunately... Though I conceived a grand scheme to realize an innovative game system and visual expression, many old staffs from SQUARE were not able to accept real change without hesitation. I say that the person who will have no change is already dead. After termination of Koudelka project, I retired as CEO of SACNOTH. It was my choice. RB: As a composer how should music effect the game? As a developer how should the music effect the game? HK: A music composer wants to create a good tune with utter simplicity. But if you want to create a good game as a developer, it is not enough. Because good music does not necessarily fit a good game. The most important problem is adjustment of each of the elements. If the visual element exactly synchronizes with the musical element, a dramatic effect will be generated.. And I take it for granted that everybody wants to hear a good melody in the end. RB: What were your influences for Koudelka? HK: In the first instance, I designed all concepts and fundamental settings of the Koudelka's world. I gathered various graphic and text materials in London and Wales. I did character design, map design, event design, scenario writing, direction of computer graphics movie, direction of motion capture... I got involved with all of the integral parts of Koudelka except battle and game system. Especially, I had no influence in battle section. I still have a great regret. I wish I could have designed it. And a quick digression, I consulted many movies and books for Koudelka. A most impressive movie is The Name of the Rose (Jean Jacques Annaud 1986). I also read the original book which was written by Umberto Eco. It is a definitely masterpiece. If you want to know some origins of Koudelka's world, you may read Carnacki the Ghost Finder written by William Hope Hodgson and The Case of Charles Dexter Ward written by Howard Phillips Lovecraft. Many fantasy novels by Lord Dunsany (His his full name and title is Edward John Moreton Drax Plunkett 18th Lord Dunsany) are also important. If you want to know about visual origin of Koudelka, see photographs created by Bob Carlos Clarke and Jan Saudek and Holly Warburton. Those are extremely exciting works. RB: How did you manage to write, direct and compose the music for Koudelka? HK: Writing a scenario. Directing a CG movie. Composing a BGM. Each of those is no more than a single face of game creation. When I imagined the world of Koudelka, I figure graphic elements and story elements and sound elements all at once. Because, those are mingled with each other organically. So I think that It is rather easy to manage multiple affairs. RB: What was the easiest aspect of working on Koudelka? What was the hardest? HK: The easiest aspect is music composing. Because I can create a music by my lonesome. It makes me free and I feel comfort. Hardest aspect is behind-the-scenes maneuvering of power game in company organization. I am so tired to do that. Let's get something straight, I am not a buccaneer but rather a creator. All aspects about creation are really pleasant for me. RB: Why do you make music? Why do you make games? HK: Music composing is a natural behavior for me. Like breathing. I usually conceive a good melody and a harmony without suffering. So I have no reason to make music. I think that it is my vocation. Meanwhile, creating video game is not my vocation. It is my wish. I want to produce high quality entertainment in the future. When I write a story and a plot, I usually suffer by myself. Though it is very hard and thorny, I feel maximum accomplishment. RB: What inspires your melodies? HK: Many great works of famous composers and musicians inspire me. If I must respect only one person or group as a music composer(s), I will take Pink Floyd. RB: What are your hobbies and why? HK: Good question. Riding bicycles is my hobby. I also love my yellow Peugeot MTB made in France. I also have some fun playing with my cat. She is extremely pretty. RB: When did you begin working at Square? HK: I began work at Square in 1991. I was twenty seven years old. In those days, the production studio of Square was placed in Akasaka Tokyo. It was small and homey, different from now. I remember that Nobuo Uematsu and Kenji Ito interviewed me in their office. We talked about progressive rock music and famous guitar player Allan Holdsworth with each other. I created sound effects for Romancing Saga at the start of my career. A few of graphic staff worked with me to design a lot of novelty sounds. We worked hard in night and day. RB: How much freedom did you have making music at Square? HK: In a sense, I had perfect freedom. Because, the planning staff of Square put none of the assignments relevant to the menu of music work and schedule in my hand. Nobody explained to me about game detail which they were producing. I had to think and imagine what kind of music was needed for our game project. Changeover,changeover, and more changeover of specifications. It was difficult to foresee the final image of it. But I did. RB: What is favorite game that you worked on at Square and why? HK: May be Seiken Densetsu 2 (Secret of Mana). I think that it was a pretty good game except for the big BUG. The multi player system was extremely fresh and delightful. In the aspect of music, I was fully challenged in regard to sound expression using 8 voice PCM system of SNES hardware. Please see and hear the opening sequence of Seiken Densetsu 2. It is so simple but so lyrical, isn't it? I am really proud of my visual direction and music composition. RB: Did Nobuo Uematsu influence your work? HK: I think there is no influence from Nobuo Uematsu. I have never taken any lessons about composing game music. The style and the melody of my music are totally conceived by myself. Just the same, every staff composer at Square were free from influence of somebody else. Originality and personality were cheerished in our studio. It was the policy of Nobuo Uematsu. RB: What are the best and worst memories that you have of Square? HK: Hmmm... Best memory... it seems a trip to MANA island of Fiji republic. After a production of the game Secret of Mana, I and my friend decided to visit an island placed in South Pacific Ocean. We played skin diving everyday and watched some corals. Those were extremely beautiful. It looks like a blue heaven. I will never forget the view of the sunset from Mana's beaches. It is one of my treasures. By the way... Worst memory is a dissolution of the game team in which I was supposed to participate. I wanted to propose an innovative game system using music and sound effects. RB: Who is your favorite Square composer and why? HK: I recommend Jin Sakimoto (Hitoshi Sakimoto). His works are extremely dense. RB: One of our favorite soundtracks of yours is Soukaigi. The sound quality and styles are some the best for a game. HK: Soukaigi has many characters of sound. I designed it with different complex styles. House music meets real performance, fusion meets folk choirÖÖ It was an adventure for me. To tell you the truth, the style of music does not a matter. I don't dwell upon it. Though I put a high value on counterpoint it does not bind me. It is only a method. In the case of Soukaigi, I was mainly influenced by East European pops like Varttina. RB: Why did you leave Square? HK: I wanted to direct not only musical expression but also visual expression. And of course, I wanted to write a fine scenario which is different from existing one. I had felt a big complaint against those juvenile works. But unfortunately, I couldn't get a chance to take a part in those kind of production works in Square. I suffered terribly for a long time. After all is said, I left Square and established new company Sacnoth to achieve my idea. RB: Do you perform your music live? HK: If I have a chance to do that, I wish to play my music as a live performance. I didn't make an attempt to do that in Japan yet. Do you want to hear my music in front of your eyes, ya? RB: Who would you like to make music with? HK: Jin (Hitoshi) Sakimoto. Because, I could not collaborate with him on composing game music when we were hired together by Square. I respect him. Except for game music composer, I want to collaborate with Allan Holdsworth, a fusion guitar player. His music is a miracle. RB: How do you think game music compares to other genres of music? HK: I think that is similar to movie soundtracks. It is important to synchronize the music with visual element. It has an expressive purpose. If you want to create a game music, don't forget to construct it as an emotional device. RB: How will the next generation consoles allow you to express yourself as composer and game designer? HK: I feel a strong attraction to X-box and Game Cube. A big visual capability makes me hot. I have many ideas to display fascinating characters using real time computer graphics. They will sing and dance and talk with real emotion. Don't you want to play the Musical RPG on Network? I want to play it. RB: What would your advice be to people who: A. People who want to create game music. HK: Listen to as much music as you can. Don't confine yourself to your room. The genre of music is meaningless. If you want to find your treasure, you must challenge the common practice at any one time. B. People who want to create games. HK: Video games are not art. They are an entertainment. You must amuse your audience first instead of amusing yourself. I am always conscious of the feeling to accommodate someone with a fun service. Can you create a lot of gimmicks for the player? If you work so hard and push yourself enough, the day will come to collaborate in some way with me for sure. Let's think of a next game together. RB: What is in the future for Hiroki Kikuta? HK: I will be involved in some new game projects that are not directed by me. I will be a technical advisor. I will create computer graphics and sounds. But soon, I hope to form my studio and develop my own game project. So now I am looking for new investors around the globe. RocketBaby would like to thank Mr. Kikuta for chatting with us.
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gssydancereport · 4 years ago
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「未練の幽霊と怪物」観てきた。岡田利規・作&演出の能「挫波」「敦賀」を連続上演。演者の出入りの方角と順番、鳴り物と地謡の座る位置、音が入る箇所、繰り返しの台詞など総てが能の決まりごとに則り現代の問題を現代の言葉と衣裳と音楽で作った作品。能ならではの究極の擬人化、総合芸術だった。https://www.swarmapp.com/gssy1127/checkin/60dae8de51220536d19e48a7?s=TH8sWeJDvmAOSAxmgeFj5cBu4AI
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jushosaku · 4 years ago
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