#引き揃え糸の福袋
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各地句会報
花鳥誌 令和3年9月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
……………………………………………………………… 令和3年6月2日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
大日焼け少女は肩を焦がしけり 世詩明 廃村の家並にしかと花菖蒲 同 夏菊の白を重ねて供へけり ただし お寺より俗に貰はれゆく子猫 清女 永き日を半分横になる暮し 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月3日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
庭石の湿り程程梅雨に入り 英子 かびの香と回想満ちる棚の奥 さとみ 草茂る敵の如く鎌を研ぐ 都 旅を待つ衣裄に掛る夏衣 同 緑陰に五百羅漢の喜怒哀楽 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月3日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
潮の香を消して辣韭掘り進む 美智子 灯消し梅雨闇へ影戻しやる 都 たらちねの好みを供へ夏に入る 幸子 麦秋に溺れてしまふ道祖神 悦子 夾竹桃原爆ドームへのすがら 益恵 樟脳の匂ひの満てる更衣 立子 デイケアを戻り五月の海を見る すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月5日 零の会 坊城俊樹選 特選句
縄文の丘を辷りて瑠璃蜥蜴 要 夏蝶が堆積層をまた跨ぐ 荘吉 夏潮の遠くなりては貝塚に いづみ 縄文の貝の白きへ更衣 三郎 貝塚は朽ち捨てられし夏の月 いづみ 幾夏の土器を見つめてゐる博士 三郎 貝殻は貝の白骨南風吹く 千種 縄文へ吸ひこまれゆくサンドレス 三郎 ひんやりと手に縄文の蟻冷ゆる 順子 貝塚に遊ぶおさいは夏の草 和子
岡田順子選 特選句
沙羅散つて今日一日の甃 炳子 紙垂ととのふ祭迎への男たち 慶月 蛍を呼ぶ父の背の丸みかな 美紀 貝塚の地層の底へ実梅落つ 要 縄文へ吸ひこまれゆくサンドレス 三郎 蟻の塚大森貝塚をなせり 千種 貝塚の地層は夏へ湾曲す 俊樹 いつさいのやがては遺跡万緑裡 千種 貝塚を見て縄文の海は見えず 俊樹 夏潮の遠くなりては貝塚に いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月8日 萩花鳥句会
風車千個舞ふ如山法師 祐子 時鳥今年の声は椿谷 美恵子 そら豆の一粒さまの安居かな 健雄 梅雨の頃畳乾拭く母ありて 陽子 夏大根蔵王風土は辛味濃く ゆかり 梅雨晴や窓といふ窓開け放ち 克弘
……………………………………………………………… 令和3年6月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
花石榴越堂偲ぶ安養寺 令子 岩魚跳ね九頭竜峡は清々し 登美子 薔薇赤しいづれもクイーンエリザベス 紀子 黒猫を追へば石榴の花の家 登美子 石榴咲き娘の嫁ぐ日を迎ふ あけみ 白藤も犬も引越しクレーン来る 令子 金色に福井平野は麦の秋 同 存分に玉葱を干し一日終ふ 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月10日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
晴天のどこかに梅雨入りてふ翳り かづを 風に風ふれては光りゐる若葉 同 そぼふるに夢にたはむれ七変化 数幸 こは死地ぞ地中におはせ大蚯蚓 同 何処に落せし金色の蜥蜴の尾 雪 籐椅子に誰彼となく座して古り 清女 咲き初むる白は神慮か花菖蒲 希 水脈も無くたゞゆるゆると川梅雨入り 天空
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月12日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
海霧深き宗谷岬の霧笛鳴く 独舟 万緑の真ん中に座す母校かな のりこ 人だけが星に名をつけ夏の夜 同 熊鈴の響き藻岩の山開き 同 炎天の呼吸バッハの無伴奏 同 短夜や子の隠し持つ漫画本 同 リラ冷や恋は水色すみれ色 岬月 綿菓子に祭の顔の埋もりたる 同 蜘蛛の囲の瞬く星を織り込めり 同 ライラック百の乳房の香を放つ 雅春 祭り笛振り向けばストーンサークル 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月14日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
毛虫焼く時仏心の失ひし 英美子 逢ひたき人夢のなかまで蛍の夜 みす枝 涼しさや一重まぶたと長き指 上嶋昭子 冷奴時に聞こえぬふりをして 同 払つても払つても目まとひの道 清女 暑き日のパンク修理の盥水 三四郎 ハンモック少年期とはいくつ迄 上嶋昭子 向日葵を描けば顔を描きたし 世詩明 日焼けしてもうハンドルを握らぬ手 清女 菖蒲の湯米寿の四肢を撫で申す みす枝 タンポポの絮が迷つてゐる厨 清女 庭下駄の上に鎮座の蟇 上嶋昭子 灯台は天に伸びたり卯波寄す 同 紫陽花や手毬潤す山雨急 時江
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月12日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
靴箱に主無き靴や梅雨に入る ゆう子 句碑の辺の枝整ひて梅雨に入る 文英 翡翠の影を置かざる速さかな 三�� 焔立つ藁の焙りや初鰹 幸風 奥社まで会話の弾む夏木立 美枝子 名刹の鉄扉漆黒梅雨に入る 多美女 翡翠の集めし視線ごと水へ 秋尚 約束の果せぬままに梅雨に逝く 亜栄子 庭下駄を揃へし先に雪の下 多美女 下校の子約束多き柿の花 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
いささかの訳あり顔の残り鴨 雪 白牡丹暮れかねてゐる夕心 同 草抜きて抜きて終生草取女 みす枝 水鉄砲撃たれ喜ぶ爺と婆 同 日除帽目深に色白の女 英美子 席題の筆書き揺らす風薄暑 やす香 老眼鏡掛けたるままの大昼寝 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月16日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
父の日の父と呼ばれし人は我 世詩明 花石榴むかし空襲ありし寺 令子 高倉健見し昂ぶりに火取虫 清女 紫陽花や乾きしままの絵の具皿 啓子 夏服の四肢まだ白き鼓笛隊 泰俊 逃がさうと掌広げ見る蛍 同 梅雨晴や袋小路に広小路 数幸 首級無き武将の墓や落し文 雪 真砂女好き真砂女嫌ひの洗ひ髪 同 麦秋や焦げんばかりに村の墓 同 一向に代り映えせぬ更衣 同 振り向かず尺取虫でゐる間 同 尺蠖の測り切れざる己が影 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月20日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
森閑と森灯すかに黃釣船 貴薫 草螢出でよ遺跡の眠る丘 炳子 鉄柱に逆三角の蜘蛛の糸 幸子 御出現遺跡の森の青大将 久子 堂裏に十薬白を正しくす 斉 万緑に奔る兄弟紛れ込む 亜栄子 餓鬼大将ざりがに釣りに伴揃へ 三無 万緑や遺跡の底に笛の音 久子
栗林圭魚選 特選句
森林を活き活き燥ぐ父の日よ 文英 森閑と森灯すかに黃釣船 貴薫 青々と風を広げて今年竹 斉 ごぼごぼと水音に群れ半夏生 文英 あぢさゐに彩を注ぎて雨上がる 三無 吾子よりも大声出して蝲蛄を 眞理子 下闇の鳥の声まで吸ひ湿める 貴薫 あぢさゐの白を揃へて家並古る 斉 湿りたる山気に垂れる黄釣船 三無 雨上がり万緑爆ぜて闇匂ふ 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月21日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
尺取りの時に尺取り損ねたる 雪 空よりも暮れたる水に蛍かな 同 六月の鏡は蒼き肌うつし 昭女 紫蘇揉めば青虫ぬつと現れぬ 同 黒南風やハンフリーボガード名画座に 同 終りなき蟻の行列続きをり やすえ 植田もう高き鉄塔映らざる みす枝 ここいらが平家平と五月闇 一涓 もう蟻の列を���れたり龍之介 同 餌を待ちぎぎめく軒端燕の子 同 落人の末裔として見る蛍 同 蛍の源氏平家のもつれ飛ぶ 世詩明 背が曲り腰が曲りて汗をかく 同 蛍籠下げたる方が妹らし 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… なかみち句会(六月投句句会) 栗林圭魚選 特選句
床上げを数へる指に梅雨の月 聰 たまゆらに雲間を走る梅雨の月 怜 露天湯にほぐるる身体梅雨の月 三無 玄関に亡夫の夏帽そのままに 怜 つば裏に母の字残る夏帽子 美貴 家人留守蠅取蜘蛛と遊びけり 和魚 けんけんを見ててとねだる夏帽子 美貴 壁を這ふ蜘蛛ちらつきて寝つかれず 怜
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
早苗饗の一献は田に撒きにけり 愛 形代に指折り記す妹の年 志津子 東京に捨てきし女薔薇真つ赤 成子 神妙な名越の親子赤ふどし 久美子 東に青龍潜む涼しさよ 美穂 棄て畑を大きく背負ひ独活の花 さえこ 受話器持つ店主の片手蝿叩く 久美子 よりどころなき夜たぐりて麻蒲団 愛 その奥に神木聳ゆ御祓かな 伸子 toCoda(トウコーダ)のある三味の譜や夏暖簾 勝利 竹皮を脱ぎ業腹をふりきりし 睦子 藍浴衣横顔ばかり流す川 佐和 父の日の父と偲びぬ母のこと 喜和 長老に御祓を委ねゐし野川 洋子 蛍火のすいと消えたる黄泉の口 ひとみ 羅や下駄の音にも色のあり 喜和 岩に散る貝の化石や夏至正午 勝利 羅の少女さらつて小夜嵐 佐和
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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作者様の許可も得たので久々に筆をとってみました。 料理作成のミニイベっぽい感じのイメージで。 冷やし中華
「暑いわねぇ・・・」 「暑いですねェ・・・」
季節は夏。 本日もお日柄はよく、洗濯物どころか人間を干すつもりなのかと言いたくなるくらいに暑い。 太陽の恵みは過多のレベルまで達しており、最早地獄である。 あんまりな気温の上昇に、今日は島の探索も早々に切り上げて屋敷に戻って来た。 一向に下がる気配のない気温に、正解だったとつくづ��思う。
「大丈夫ですか、お二人とも。はい、麦茶です」 「ありがとう、崇」 「助かるわぁ。んぐっ・・・っかー!染みわたるわねぇ!」
居間で冴さんと共にぐったりしていると、崇が麦茶を持ってやってきた。 よく冷えたそれは瞬く間に体に染みわたっていく。 ああ、美味しい。 それにしても冴さん、ビールじゃないんだからその一言はどうなんだ。
「今日は特に暑いですね。出かけて行かれた皆さん、大丈夫でしょうか」 「大丈夫よぉ。暑さごときでくたばる連中じゃないわよ。そうでなくとも、意外とそういうとこに気を遣う奴らよ」
毎度の事だが冴さんのこの人物評は適当なんだか正確なんだかわからない。 でも、確かにあの3人が暑さという環境を舐めて行動する、という図は思い浮かばない。 いや、海堂さんは暑さでゆだってるところも容易に想像がつくけど。
「とはいえ、流石にこの暑さには本当に参りますね。食欲も失せそうで・・・」 「こういう時はさっぱりしたモン食べたいわねぇ。・・・例えば冷やし中華とか」 「あァ、いいですねェ・・・」
俺達の食欲はこの状況にぴったりの料理を連想させる。 うん、こんなに暑いんだ。さぞ美味しくいただけるだろう。
「冷やし中華・・・」
耳慣れぬ単語なのか、崇が不思議そうな顔でつぶやく。 あ、この流れ前にもあった。 そう思って冴さんを見ると、冴さんも同じことを思ったのかこちらと目が合う。
「裕ッ!」 「はい、作りましょう!今日の夕飯は冷やし中華!決定!」 「えっ、えっ!?」
困惑する崇をよそに、頭の中で必要な材料を羅列していく。 中華麺は三日月亭に行けばあるだろう。ラーメン出してるし。 卵はある、野菜類もある。 ハムは・・・あるのかな?無ければ蒸し鶏にしよう。 紅ショウガはこの前のお好み焼きの時の残りがある。 折角この島に居るんだ、具に海鮮を入れるのもアリかもしれない。 何はともあれ、一度三日月亭に買い物へ行かねば。
「いってらっしゃい、裕。ついでに私のおつかいもよろしく」 「って冴さん、何ナチュラルに俺に買い物に行かせようとしてるんですか」
食欲はあっても手伝うつもりは無いらしい。 この暑さでは外に出たくないのもわかるが。 というか自然な流れで自分の買い物も押し付けないでください。
「このピーカン晴れの中、女性に外で肌を曝せ��・・・?」
ニコニコと笑っていた冴さんの目がスッと開かれる。 暑いはずなのに、背筋にヒヤリとした感覚が走る。
「そうですねそんなことじょせいにいうなんてよくないですねいってきます」 「流石ね裕。そういう配慮ができる男はモテるわよ」
身の危険を感じた俺は即座に言葉を改める。 配慮を称賛されるが明らかに貴女に言わされた言葉なんですが。 ・・・いや、これ以上深く考えないようにしよう。 時折この人は人の思考を読んだかのようなエスパーじみたことを言ってくるし。 迂闊な思考は死を招きかねない。
「裕さん、おつかいなら僕が行ってきましょうか?」
俺の事を気遣ったのか、崇がおつかいを申し出てくる。 だからといって崇をこの炎天下の中一人でおつかいに行かせるのは気が引ける。
「あー・・・いや、そうだな。そしたら崇、俺の買い物に付き合ってくれるか?」 「はい!」
崇、本当にええ子や・・・。 後でどら焼きを買ってあげよう。 こうして俺達は冷やし中華の為、三日月亭へと向かったのであった。
「という訳で、中華麺を譲って欲しいんですが・・・」 「どういう訳かはわからんが中華麺はあるぞ。ラーメンでも作るのか?」
三日月亭に着いて店長に中華麺のことを聞くと、あっさりと返される。 そういえば島の製麺所に作ってもらったって言ってたっけ。 となると専用ラインもあるだろうしそれなりに在庫もあるだろう。
「いえ、崇に冷やし中華を食べさせてやろうと思って。麺の在庫どれくらいあります?」 「ほう、成程な。ちょっと待ってな、今確認してくる」
ウチの台所事情を考えると半端な量を用意するのは危険だ。 あの胃袋ブラックホール集団を舐めてはいけない。 1人で何玉消費するか分かったものじゃない。 折角だし千波や辰馬も呼びたいし。
「今用意できてこんなもんだな。・・・足りそうか?」
暫くして店長が裏から出てくる。 両手に抱えられたバットに乗っているのは麺、麺、そして麺。 ざっと見たところ50玉はあるだろうか。 結構な量ではあるが持って帰れない程ではない。 というか、これだけの量を持ってきて足りるかどうかの心配をしてくる店長も中々毒されている気がする。 いや、屋敷に配送している量、俺や崇が日頃三日月亭で購入していく食材の量を考えれば何もおかしくはないのだが。
「ええ、大丈夫かと。余るようならそれこそ夜食のラーメンにでもしますよ」 「らあめん?裕さん、それも内地の料理なんですか?」 「ああ。うどんとかそばに似た麺料理、って感じかな。そっちも今度作ろうな」 「はい!楽しみです!」
嬉しそうに、楽しそうに笑う崇を見て、口元が緩む。 本当に崇は可愛いなぁ。 いっぱい食べて大きくおなり。
「店長、他にも買うものがあって・・・。あ、ついでに麦茶貰えますか?」 「ほい、麦茶。買うものはリスト見せな。ふんふん・・・」
店長から麦茶を貰い、喉を潤す。 買い物メモを渡すと、店長はリストにあるものをひょいひょいと用意していく。
「しっかし冷やし中華、冷やし中華ねぇ・・・」 「ここはラーメン出してるのにやらないんですか?こう、始めました的な」 「出そうとしたことはあったんだが、具に悩んでな・・・」
クソ暑いこの季節、銭ゲバ親父が絶対売れるであろう冷やし中華を出していないのは疑問でもあったので聞いてみるがどこか渋い顔。 具に、悩む? 冷やし中華の具、ぱっと思いつくのはきゅうり、トマト、錦糸卵、ハム、カニカマ、きくらげ、紅ショウガあたりだろうか。 きゅうりやきくらげは兎も角、トマトは・・・うん、この島の特徴を考えると色合い的にアウトか。 それを考えると紅ショウガもダメか。 カニカマは・・・セーフか?アウトか?ダメだ、わからん。 卵は足がはやいからあまり使いたくないって言ってたっけ。 ハムは・・・内地から仕入れないといけないか? そもそもこの島の人、あまり肉類を好まないからなぁ。 ・・・うん、そう考えるとビックリするほど使えそうな具が無い。
「あー・・・うん、具の種類が・・・」 「だろ?だから断念したんだよ。冷やし中華始めましたって看板、出してみたかったんだがなぁ・・・」
出したかったんだ。 うーん、でもなんとかなりそうな問題でもありそうな気が。
「おい裕、もし良さげな具材の案あったら持ってこいや。それで出せそうならボーナスをくれてやろう」 「すぐ浮かぶもんでもないので、屋敷の人達にヒントでも貰いますかね。わかりました、アイデアが浮かんだら持ってきますよ」 「おう、頼むぜ。・・・よっ、と。こんなもんか。他に必要なもんはあるか?」
リストに載っていたものを全て確認し終わって会計を済ませる。 ついでにどら焼きを購入しておくのも忘れずに。
「・・・しかし、結構な量だぞ。お前ら2人で持って帰れるのか?」
目の前に築かれた買い物の山。 麺がそこそこの重量なのは勿論、冴さんのおつかいがかなりの重量を占めている。 酒瓶、結構重いしねぇ。 とはいえ、崇に重量のあるものを大量に持たせるわけにもいかない。 必然、俺が頑張らなければいけないわけで。
「あはは・・・頑張れば、なんとか?」 「すみません、僕がもっと持てれば・・・」 「気にするなって。崇のせいじゃないさ」
むしろ冴さんのせいだ。 とはいえ、ここで冴さんの文句を言ったって荷物が減るわけじゃない。 これは往復を覚悟しなければならないか。 そう思った時、店の入り口がガラリと開いた。
「こんにちはー」 「こんちゃー!」
元気よく挨拶しながら入って来たのは、辰馬と千波だった。これなら、なんとかなりそうな予感がする!
「で、冷やし中華の為の買い出しですか」 「冷やし中か?それって冷やしてる途中の料理ってことか?」
辰馬は神社のおつかいで、千波は屋敷に来る途中で辰馬に合流したらしく、2人揃って三日月亭にやってきたようだ。
「冷やし中華。何て言ったらいいのかな、麺をお皿に盛りつけて、その上に具を乗せた感じの料理、かな。ラーメンの別バージョンって感じ」 「なんでも内地の料理らしいですよ。裕さんが作ってくれる事になって」 「羅悪免の?へぇ~!なんか美味そうだな!」 「冷やし中華ッスか。夏ッスねぇ~。・・・コンビニの廃棄モノが懐かしいッス」
ニコニコ顔で語る崇に、無邪気に笑う千波。 辰馬は既に知っているのか夏を感じ取っている。 いるけど、さり気なく内地生活の闇をぶちこんでくるのはやめようか。
「2人も呼びに行く予定だったからここで会えて手間が省けたよ。夕飯、食いに来ないか?」 「いいのか!?俺も屋敷にこいつを届けに行くつもりだったしな!行く行く!」 「こいつ?」
嬉しそうに頷く千波が、水入りらしいバケツを掲げる。 中身を覗くと、ハサミを持った生物がうぞうぞと犇めいていた。
「これ、海老に・・・蟹か?」 「おう!ちいと多めに獲れたからおすそ分けって思ってな!」 「にしても結構な量だな。凄いな、千波」
おすそ分けは純粋にありがたいし、海老や蟹なら冷やし中華の具にしてもいいかもしれない。 辰馬も関心するように驚きながら千波の腕を称賛している。
「辰馬はどうだ?予定、大丈夫か?」 「ええ、喜んでお呼ばれさせてもらいますよ。後で一度神社に戻ってから向かいますよ」
辰馬もこちらの誘いを快く承諾してくれた。 と、地面に置かれた俺達のおつかいの品々をひょいと持ち上げた。
「え?一旦神社に帰るんじゃないのか?」 「持ってくの、手伝いますよ。この量、裕さん達だけじゃ大変でしょう?」
このさり気ないイケメンムーブ。 顔も良くて気遣いもできる。頭も良い。 天は二物を与えずどころか与え過ぎでは?
「それに、俺達見つけた時ちょっと期待してましたよね?」
・・・バレてた。 荷物持ち確保。うん、即座にその思考が出たのは認める。 飯食いに来るついでに手伝ってもらう気満々だった。
「ははは・・・」 「さ、行きましょうか。千波、それ持ってくれ」 「おう!行こうぜ崇!」 「はいっ!」
かくして、俺達は無事買い出しを終え、屋敷へと帰還することができたのだった。
「・・・さて、やりますか!」
屋敷に戻って来た後、買ってきたものを台所に置いて一息ついた後、俺は材料たちと向かい合う。 辰馬と千波は一旦家に戻ってから改めて来るそうだ。 屋敷の仕事に戻るという崇にどら焼きをご褒美として渡すのも忘れずに。 冴さんは夕飯前だというのに既に飲み始めている。 何かしらつまめるものを先に用意すべきか。 そう思いながら大き目の鍋に湯を沸かし、塩を一掴み。 冷やし中華の具にすることも考えて蟹と海老は茹でにする方向でいこう。 そう思いながらまずは蟹を一杯、裏返して沸騰した鍋へと投入。 立派な蟹が何杯もあるんだ、何本かの��と胴の部分をつまみで出しても問題ないだろう。 後で海堂さんに文句を言われそうではあるが。
「冴さん、はい。多くは無いですけど茹で蟹です。お酒だけじゃ体に悪いでしょう」 「あら、ありがとう。おっ、蟹味噌もあるわね、結構結構」
処理した茹で蟹を出すと冴さんはご満悦といった表情で杯を呷る。
「あ、そう言えば蟹用フォークとか無いですね。どうしましょう」 「え?いらないわよそんなの」
そう言って持ち上げた脚を半ば程の場所でポキリと折る。 片方を横にスライドさせると、蟹の身がするりと現れる。 冴さんは何も付けずにそのままぱくりといった。
「んー!最っ高!塩気も丁度いい塩梅よ、裕!」 「え、あ・・・はい」
蟹の身をちまちまと取っていた今までの俺は何だったんだ。 至福の表情を浮かべ、別の脚を取る冴さん。 またもやパキリと脚を折る。身を出す。 今度はそれを蟹味噌につけてためらいもせずに頬張る。 なんという贅沢。
「酒が進むわねー!冷やし中華も楽しみにしてるわよ!」 「お酒、程々にしといてくださいよ・・・」
蟹フォークの存在を完全否定された衝撃が抜けない。 あのちまちまほじくる感じも嫌いじゃないんだけどなぁ・・・。 何とも言えない気分のまま、俺は台所へと戻っていった。
「裕」 「おかえりなさい、洋一さん」
台所へ戻ると、勝手口が開きスッと大きな体が入ってくる。 洋一さんはその巨体と金髪ですぐに判別ができる。
「ああ、今戻った。・・・寅吉から、預かって来た。卵が余ってしまって貰ってくれ、との事だ」
洋一さんの持つ籠にはたくさんの鶏卵。 今朝寅吉さんの牧場で烏骨鶏達が産んだ新鮮な卵だろう。
「ついでに一羽持っていってくれ、と言われたのでな。今しがた絞めて血抜きをしている」 「おお・・・。ナイスタイミングですね」 「ふむ」 「今日は冷やし中華にしようと思いまして。ハムの代わりに蒸し鶏、この卵で錦糸卵もいけますね」 「何か手伝うことはあるか?」
洋一さんは優しい。 俺だけにではないけれど、何か自分にできそうな事があればすぐに手伝いを申し出てくれる。 頼り過ぎも良くないと思ってはいるが、今日は量が量だ。 遠慮なく甘えさせてもらおう。
「元々用意してた鶏肉も含めて蒸し鶏の方をお願いできますか?俺は錦糸卵をやっちゃうので」 「ああ。その足元のバケツは、蟹と海老か?」 「はい。これも具にしちゃおうかと。そろそろ千波が来るのでコイツは千波に任せようかと」 「わかった」
蒸し鶏の準備をする洋一さんを横目に、卵をボウルに割り入れる。 卵に砂糖、塩、酒の調味料を入れ、混ぜて卵液を作る。 フライパンに油を薄くひき、よく熱する。 温まったのを確認し、卵を少量入れ、フライパン全体に均一になるように流し拡げる。 卵液の底が固まったら火から下ろし��蓋をする。 すぐさま、濡れ布巾にフライパンを当てて熱を取り、1~2分そのまま放置。 表面にも火が通り、固まっていればOK。 後は細切りにするだけだ。
「裕ー!来たぜー!母ちゃんが渋皮煮持たせてくれた!」 「おー!食後に皆で頂こうか。千波、そいつら頼む」
何枚か卵を焼いていると、千波が合流。 一瞬、沙夜さんと聞いて照道さんの顔が頭を過ぎったが今は置いておこう。 蟹、海老は千波に任せる。 洋一さんの蒸し鶏もいい感じだ。 錦糸卵の準備が終わったので、次は麺を茹でるためのお湯を用意、と。
「お邪魔します。裕さん、これ、おじいさんからッス」 「いつも悪いなぁ。おお、いつにも増して立派なトマトだ・・・。こっちのきゅうりも長くて太いな。美味そうだ」
お湯を沸かしていると辰馬も合流。 どうやらおじいさんに野菜を持たされたらしく、他にもナスやトウモロコシ、ピーマンや・・・なんだこれ、ゴーヤ? ・・・相変わらず、あそこの畑の植生は凄まじいな。
「太くて、長くて、立派・・・」 「・・・辰馬?どうした、顔赤いぞ?調子悪いのか?」 「ッ!いえ!だ、大丈夫ッス!俺は健康です!」 「うおっ!?そ、そうか。・・・そしたら、きゅうりとトマト、細切りにしてもらえるか?」 「うすっ!」
急に顔を赤くする辰馬。 体調が悪いのか心配したが、そういうわけでもないらしい。 急に大声出すからびっくりしたぞ。 辰馬には野菜の処理をお願いする。
「裕さん。冷やし中華のタレ、どうするんですか?」 「酢醤油ベースとゴマベースと両方用意するよ。片っぽだけしか用意しない���文句が出そうだしな」 「ははは・・・」
辰馬が野菜を切っている間にタレの準備もしておく。 こちらは混ぜるだけでいいから楽だ。
「戻ったぜ~!」 「っせ!耳元で叫ぶなよ・・・」
と、玄関の方から勇魚さんと海堂さんの声が聞こえてくる。 ベストタイミングで帰ってきたようだ。 調理台の上に所せましと並ぶ具の数々。 きゅうり、トマト、錦糸卵、紅ショウガ、ほぐした蒸し鶏、茹で蟹、茹で海老。 具の準備は万全。実に豪勢だ。
「じゃあ後は麺を茹でるだけだな」
麺についた粉を払い、鍋へと投入。 白く細かい泡が立ち昇り、麺が湯の中を踊る。 吹きこぼれに気を付けつつ、茹で上がった麺を流水で冷やす。 冷えた麺を皿に盛りつけ、具をのせていけば完成だ。
「と、いう訳で。今日は冷やし中華です」 「おお、いいねえ!そうめんもいいが夏には冷やし中華が欲しいよな!」 「この島でよく中華麺なんか調達できたな、お前」
嬉しそうに笑う勇魚さんに、感嘆といった表情の海堂さん。 口角を上げつつ多少ドヤ顔をしてしまうのは見逃して欲しい。
「三日月亭でラーメン出してましたからね。店長に融通してもらいました。っと、話はそんなところにしていただきましょうか」
「いただきます!」
「うめえ!裕、これうめえぞ!冷やしちゅーか!」 「気に入ってくれて何よりだよ。崇はどうだ?」 「はい!とっても美味しいです!うどんともそうめんとも違う麺ですけど、美味しいです!野菜やエビ、カニ、お肉も、かかっているタレも!」 「海老、蟹入りの冷やし中華なんて豪勢よねェ。ほら崇、次はこっちのゴマダレかけてみなさい」 「はい!」
崇も千波も初めての冷やし中華を気に入ってくれたようだ。 千波はいつもより食べるペースが速いし、崇も冴さんに勧められるまま2杯目を準備している。
「うう、お屋敷に来るとこうして美味しいものにありつけるのは本当に有難いッス・・・」 「ふむ。やはり神社は粗食を是としているのか?」 「おじいさんはそうですね。兄さんは・・・そういうワケではないんですが、その、食べられるものを用意するなら自分で何とかするしかないというか、その・・・」 「ふむ・・・。大変だな」
辰馬は若干涙ぐみながら冷やし中華を啜っている。 そこに洋一さんが興味を示したのか神社での食生活を聞いている。 ・・・うん、そうだよね。藤馬さんの作った料理は・・・うん、あれだよね。 尻すぼみになっていく辰馬の声色に何かを察したのか、洋一さんも辰馬を労って黙ってしまった。 辰馬の為にも、今後神社におすそ分けする回数増やした方がいいかもしれないな。
「ふむ。卵麺ですか。様々な具を使い、彩り豊か、栄養のバランスも取るようにしている。成程、これは素晴らしいですね」
照道さんは一人納得しながら冷やし中華を分析している。 そうだ、具の話、照道さんなら何かいい案が出ないだろうか。
「店長、三日月亭でも冷やし中華出そうとしたらしいんですけど出せる具にちょっと問題があって悩んでて・・・」 「・・・ああ、成程」
のっている具を見て色々と察したのか、照道さんも一度箸を置く。 ふむ、と顎に手を当てる仕草が実に様になっている。
「緑はきゅうり、黄色は卵。そうですね、彩を考えるなら赤や黒のもの、といったところでしょうか。裕さん、内地ではこの冷やし中華という料理の具はどんなものを使うのですか?」 「うーん、自分が知っている範囲だときゅうり、トマト、錦糸卵、ハム、カニカマ、きくらげ、紅ショウガあたりですかね」 「まぁそこらへんがベーシックだわな。打波で言うとハムやきくらげは用意しづらいかもな」
照道さんと話していると、海堂さんが混じってくる。 普段の言動はアレだが意外と料理に精通しているらしく、この人の言を参考にして間違いはないだろう。
「そこら辺は鶏肉でもいいかなと。最悪、ツナでも。きくらげは・・・島の中探せば出てきそうな気もしますけど」 「バカ言え、野生のキノコなんざ危なくて使えるか。下手すりゃ死人が出るぞ、却下だ却下」 「ですよねぇ・・・」
ハムは見慣れないものだろうが、鶏肉は元々この島でも食べられているのか認知がある。 蒸し鶏ならば抵抗はないだろう。 きくらげに関しては、乾燥モノを内地から取り寄せるという手もあるけどコスト嵩むよな。 かといって探すのも・・・。 野生のキノコは、本当に危険すぎる有毒キノコもある。 カエンタケ、タマゴテングタケ、ドクツルタケの猛毒キノコ御三家は有名だろう。 可食のキノコによく似た有毒キノコもあって、誤食からの食中毒、最悪死亡、なんてケースもあり得る。 何よりキノコは未だに可食、不食、有毒と解明されていないものが数多い。 可食に似た新種の毒キノコが出てくる可能性だってあるのだ。 少なくともお店にそんなリスクは持ち込めない。
「海苔を散らす、というのはどうでしょうか。これならば島の者も抵抗はなく、黒も添えられる」 「そういやそうだな。海苔散らす冷やし中華もあったな」 「おお、確かに・・・」 「裕、悪いがおかわりいいか?」
そんな話をしながら、ああでもないこうでもないと話していると、勇魚さんがお皿を持ってきた。 あれ、さっきの2杯目かなり麺多めにしたんだけどもう食べきったのか。
「はい、ちょっと待っててくださいね」
勇魚さんのお皿を預かり、流しで軽く洗ってから麺と具を用意する。 まだ食べ足りなそうだったから麺はさっきと同じくらいの量で大丈夫だろう。 用意を終えて戻ると、俺達3人の話に勇魚さんも混じっていた。
「お待たせしました。はい、勇魚さん」 「おう、ありがとな。なぁ裕。冷やし中華の話、赤の彩って蟹や海老じゃダメなのか?」 「いやでもソレめっちゃコスト高い感じになりませんか?」 「そうか?この島の獲れ方考えるとそうでもねぇ気がするぜ?」 「あ・・・」
そうだ、そもそもこの島の漁業は盛んだし、季節も生息区域も何するものぞと多種多様なものが獲れまくる。 今日の海老や蟹だって元は千波からのおすそ分けだ。 むしろ確保は容易なのかもしれない。
「むしろその方が島の者は馴染みやすいかもしれませんね。赤の彩とはいえ、海皇からの恵みをいただくわけですから」 「色としてもトマトみたいに赤一色ってわけでもねえしな。いいんじゃねぇか?」
きゅうり、錦糸卵、蒸し鶏、蟹、海老、海苔。 うん、いい感じだ。 内地基準で見ると蟹と海老のせいでめっちゃ豪勢なお高い冷やし中華に見えるが。
「うん、これならいけそうですかね。皆さん、ありがとうございます!」
俺のお礼に皆軽く頷くと、食事を再開する。 照道さんお墨付きのこの案なら店長も文句はあるまい。 そんな感想を胸に抱きつつ、俺も再び麺を啜り始めるのだった。
「ごっそさん!裕、美味かったぜ!冷やしちゅーか!また食いてえ!」 「おう、お粗末様。わかったわかった、今度また作ってやるから」 「ホントか!約束だぞ!!」
食後、崇と一緒に流しで洗い物をしていると、千波が後ろから飛びついてくる。 お前もかなり食ってたと思ったけど食後によくそんな飛び跳ねられるな、お前。
「崇も、どうだった?冷やし中華」 「はい!とっても美味しかったです!その、具が沢山あって、色んな味が楽しめましたし、タレのおかげでどんどん食べてしまって・・・」
崇は少し恥ずかしそうに笑いながら洗い物を片付ける。 うん、次はラーメンだな。 生憎、麺��完食されてしまったのですぐにとはいかないが。 だが、逆に言えばチャーシュを仕込む時間ができたとも言える。 待ってろよ、崇。 兄ちゃんが美味いラーメン食わせてやっからな。 キャラが行方不明の決意をしつつ洗い物を終わらせ、台所を後にする。 さて、三日月亭用にレシピも纏めなきゃな。 島の人に受け入れられるといいんだけど。
後日、三日月亭の看板に一枚の張り紙が増えた。
「冷やし中華、始めました」
と。
実際、島の人にも好評で飛ぶように売れたらしい。 ボーナスもきっちり頂きました。
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鼠狩りの日
「イーリーン! また鼠だ! あいつらめ、また結界を破って入ってきた」
いきなりの叫��声に重心を崩し、重ねあげた本達が崩れ始めるのを手袋のはまった右手で必死に抑える。私の部屋に運ぶつもりだった本たちが、「陽の落ちる西方」からやってきた豪華な冊子がぐらりと揺れ、それらの内容をこの地で書き写した何巻もの巻物もまた落ちそうになる。勿論落とすわけにはいかない。書物は神聖な物、もっと分かりやすく言えば大事な物、更にざっくばらんにいえば私並みに貴重な物なので落としたりでもしたら何を言われるか分かったものじゃないということで。私は他の人に見られませんようにと願いながら顎も使って今にも腕から飛び出しそうな書物の群れを必死に抑え込む。
「イーリーン! いるのか、おい」
努力の甲斐あってかぐらつきは収まったが書物を落とさぬまま重心を取る為に苦心した結果変な格好になってしまっていた。細心の注意を払いながら姿勢を徐々に戻していく。声の主にはすまん、と思いながらもお前のせいで今こんなに苦労しているんだという憤りも感じ、もう一段上の理性が「そんなことを感じている場合か、また崩すぞ」と二つの感情を押さえつける。忙しい。
「黒斑指」「万巻記す」サラムの神殿は基本的に静かで日々の務めとして写本に熱中する神官や見習い達の羽ペンの音だけがかすかに響いているだけなのだが、鼠、という単語の残響に続いて、僅かに後方の写本室のほうから動揺の声が聞こえた気がするのは気のせいか。さぼるな。体勢をやっとこさなおした私は大書記のおわす部屋まで心持足を急いで向かう。鼠避けに飼われている猫たちはそんな私の様子を完全に無視し、何時もの様に丸くなっている。私はやつらに与える餌を減らした方がいいのでは、と思いながら歩いていく。青と黒の石で飾られた書庫の鍵が歩く音に合わせてがちゃりがちゃりと鳴っていた。
私はイーリーン。「黒斑指」サラムが神殿の神官長である大書記ニクヴァの愛弟子であり、「黒斑指」の愛を一身に受けた身であり、わけあって若くして書庫頭に選ばれた天才である。天才がなぜ書物を運んでいたかといえば、幾ら天才と言えども書物を飛ばしたり足を生やすことは出来ないからである。そういったのは魔術師達の術であり、この「都市」には古くからのいざこざのせいで本物の魔術師は殆どいないからだ。稀に魔術師の噂が入ってくるが、表向きには一応いないことになっているので私たちも習慣にならう。何故ならこの「都市」の主であるお方、「摂理の王」にして��影なき灰衣の主」は��物の力を盗み取り摂理に抗う魔術師の存在を良しとしないからだ。その為魔術師もおおっぴらにはこの「都市」には近づかない。ただどの世にも需要というものはあるため、魔術師の遠戚であるまじない師達はひっそりとしたたかにこの「都市」に住み着いている。かつては彼らが住まうまじない路地全てを「摂理の王」の神官達が焼き払おうとした。だがそこに住まうまじない師やら妖魔遣い、占い師に……とにかく胡散臭い奴ら全員が全力で抵抗したため都市が内戦状態に陥った過去もあり、今では互いに必要以上に関わらないというように決めている。それでも書物に記された昔よりかははるかに仲は良くなり、神殿が持ち上がったごたごたを解決する時にはまじない師の一人二人をしょうがなく雇うし、独自独歩の道を行きたがるまじない師達もまた時にはいやいやながらに神官の力を借りる。それでいて必要以上には交わらない。杯の中に入れた水と油の様に反発しながらも程よく同じ器の中で共存している。それがこの都市の暗黙のルールだった。
話が大いにずれた。
「黒斑指」の神殿はこの「都市」に存在する写本師や書記達の相元締めであり、それらの寄合所の役割も果たしていた。この「都市」にいきわたる様々な書物の大半は「黒斑指」のインク染みのある手の下で書かれており、正確な仕上がりと美しい装丁、東西南北種族も年代も問わずどのような言語でも仕上げてみせる幅の広さで有名であった。異国渡の書物のなかには金属の文字を連ねて印刷された物もあり、「都市」の中でも「工手」キキルクルの神殿では同じような技術で書物は作られている……のだが、神の加護を受けて人の速度を超えて正確に書き続ける「黒斑指」の信徒達にはかなわず、この地一体では活版印刷とやらの手法はまだ広がっていない。印刷の神が生まれたら激しい戦が起こりそうになるので一日も早く我が神が抜け目なく印刷の権能を手に入れてくれることを願うまでである。神官の一人である私も様々な書を、それこそ冊子も巻物も……何冊も作り上げてきた。様々な色のインクや書体で装飾し、絵を描き、神に捧げ、人々に伝え残す。いまは理由あって書庫の管理をすることになったが、私も暇を見つけてはゆっくりと自分用の小さな巻物を記している所である。あまりうまくは行かないが。
私が大書記の部屋に入ると、部屋の主であるニクヴァ師と彼の白猫が丸々太った巨大鼠の死骸を睨みつけているところだった。大書記の部屋は相変わらず沢山の白紙の巻物と様々な種類の紙、そして色とりどりのインクの瓶で溢れかえっており、整理整頓という単語も意味を成さないように見えた。普通の場所であったら乱雑の一言で片づけられ���大書記の部屋は、香に混じって香るインクの匂いと、大窓の上に備え付けられている斑入りの艶やかな石で作られた「均整のとれた手」の聖印のお蔭でか不思議な神秘性をたたえていている。白地に黒糸でびっしりと聖句を縫い込んだ(縫い込まれた聖句の量は階級を示している)長衣を来たニクヴァ師は遅かったという風にこちらを見たが、私が山と抱えた書物を見て何かを察したのか「そこに置いてくれ」という簡単な命令を発するだけにとどめた。私は喜んで今までの苦労の種であった書物を黒い石造りの机の上に置いた。
「あらまあ、大きい」
一息ついてから鼠を見る。いかにも鼠然とした顔立ちで、よく物を食べていたのか油でしっとりとした黒い毛におおわれている。子犬ほどの大きさのある鼠だが、貧民たちも恐れて食べないことで有名だ、というよりこの鼠は凶暴でしょっちゅう群れだって迂闊に下水路で寝ている人を喰う。
白猫が鼠の死骸に飛びかかろうとするたび、ニクヴァ師はそれを良く動く飾り房で制していた。猫はゆらゆら揺れる物に弱い。
「イーリーン、これで今月に入ってから五回目だ。まだ内結界に引っかかっていたからいいものを……本当に入ってこられたら大ごとだ」
「「螺旋の書庫を預かる者」の神殿からまた力を借りてきますか、師匠。あそこで出るピマー花のお茶は私の好物なんで喜んでいきますよ、ええ」
「お前はただで茶を飲める場所には嬉々としていく性質だなまったく。お前ほどの奴を使い走りにだすわけがあるか。これから一緒に結界直しだ、後「螺旋の書庫を預かる者」の所も鼠に襲われたそうだ」
私は好物である他人のいれてくれたお茶が立ち去って行ったことと、あまり気乗りする作業ではない結界修復から逃げる口実をうしなったことに対してぼんやりと思いをはせていた。天才でもどうしようもできないことはあるのだ。
「そんなあ」
「外見どうりの娘っ子みたいな反応を返すんだなお前も」
「だって結界作成でしょう! こんな寒い日に神殿の外をぐるりと回って延々と歌いながらペン持って聖句を書き続けるんですよ! 私は天才だけどそんなに徳のある人間じゃないからそんなぁ、とも言いたくなりますよ! 私はぬくぬくと書物と戯れられていればそれで充分なんです! 儀式や何やで人々に見られることに胸を張るほど虚栄心に満ちた人間ではないんです! ささやかな奉仕の喜びで充分なんです!」
「他の人に聞かれていたらひと騒動だぞ、イーリーン」
「いいんです! 元々書写の方が気性にあってるんです!」
私は勢い任せて喋り、むせる。側にあった冷え切った盃を手に取り、中に入っていた茶を飲み干す。
「ピマー茶ではないが適当な茶葉を見繕ってお茶を淹れよう。お前位だぞ世界広しと言えども大書記の茶を勝手に飲むような礼儀��らずは」
火鉢の上に薬缶を乗せながらニクヴァ師はふっくらとした顔に苦笑いを浮かべる。わたしは知ったことかと右手の手袋を弄った。
「多分書物に書かれていないだけで割といるんじゃないですか、この「都市」なら。神の数ほど神殿がありますし。下手したらそれ以上かも」
「なるほど、一理あるな」
ニクヴァ師と私の間に沈黙が流れ、やがてこぽこぽと薬缶の中の水が湯になる音を鳴らし始めた。
「都市」、正しい名を「あまたの神が住まう都」には、人々が想像しうる限りの神の社がある。
*
この「都市」では、というよりこの世界にある「若き神々の万神殿」では神々の間で様々な契約が結ばれている。重要な物からなんでそんな事まで決めたんだと言う物まで様々あるが、その一つの中に神は自分の司るもの以外にはあまり大っぴらに影響力を出すことができないという契約がある。「黒斑指」の権能は書物、特にこれから書かれる書物に対してであるが、その中に鼠からの書物の保護はない。「黒斑指」の妹神である「螺旋の書庫を預かる者」サラーシュにもまた、そのような権能はない。書物の保護という意味では「黒斑指」よりも多少は大きな力を持っていはいるが、本来の役目は世界から書物を集め保存すること。鼠という鼠を跳ね返す力もありそうなものだが、何故かその辺りを取ることは姉妹揃って忘れていたようだ。
鼠に対する一番強い支配力を持つのは「病と狂騒運ぶ盗人」、「鼠神」スリヴ。この世界の法則ではどのような神々であれ鼠に対する支配を行う力が強いのはその鼠の権能を持つ神のみであり、それをひっくり返すには他の神々が団結して敵対する神に対抗するか(もっともやり過ぎは戦争になり地上の法則に多々影響があるため禁止されているらしい。幻視者の書で読んだ)、誰かが権能を奪って新しい神になるしかない。もちろん後者の方がずっと難しい。
ならばスリヴを邪神として追い払えばいいではないかという意見もあろうが、この世の中から鼠という鼠を追い払うことが不可能であるように、この世の機構に組み込まれた神一柱を排することは不可能である。実際この「都市」でもスリヴの小神殿は存在する。もっとも鼠達をこの世に広げるという元々の物ではなく、毒気を抜きに抜かれてこの神殿に金を出せば鼠達が襲わないようにしようというというある種の盗賊寄合のような立ち位置で存在しているのだが。元々の教義を、全ての物を盗み取り災厄を世界に広げ乱痴気騒ぎに溺れようというものを掲げている神殿も地下に存在するという話もあるが、若き神々の歴史よりも古いこの都市の下水道は入り組んでいて、鼠達よりも詳しくその実態を知る者はいない。噂では下水道の奥の奥には地下に潜った半人半魔の人々の宮廷があるとか、ワニやら人を喰う粘体やら目玉を連ねたような化物が出るとかいう話もある。噂なのでへえ、というところだが全く恐ろしいことだ。
数日後、ニクヴァ師と私は「螺旋の書庫を預かる者」サラーシュの神官長、都市の下水を預かる「影ゆく水」アリアントの神官長、猫たちの恋人である「しなやかな尾」ガーツェの神官長、そしてまじない路地から連れてこられた細身の男と共に「黒斑指」神殿で額を寄せ合っていた。
「螺旋の書庫を預かる者」の神官長はきびきびとした印象を与える中年女性で「黒斑指」神殿の物とよく似た衣に色違いの帯を巻いていた。「影ゆく水」の神官長は精力溢れた真面目そうな若い男で青銅色の肌、首に青銅作りの鰻の飾りを付けており、水中でも動きやすそうなほぼ裸体に近い格好をしていた。一方「しなやかな尾」の神官長は老婆。猫が喜んで飛びついて来そうな色とりどりの房だらけの長衣を身に着けており実際こちらの猫達もじゃれついて来て一時期猫の行進がが始まっていた。細身の男は長毛の黒猫を連れており、猫遣いのシモドールと名乗った。いかにもまじない師らしく多種の護符をつけており、その中には猫を象った物が多数あった。
「螺旋の書庫を預かる者」の神官長は淡々と事実を述べるように
「こちらの結界に引っかかっていたのは今日までで九匹、例年よりも七匹多い計算になります」
そういってこめかみをトントンとたたいた。
「影ゆく水」の神官長が口を開く。よく引き締まった筋肉質の肉体が眩しく、また寒そうだった。
「年初めの祭りの影で、地下の「鼠神」の神官達が地上に這い出てきたという話がある。こちらも神官剣士を何人か派遣したが鼠ばかり、本体の足跡は見つからないままだ」
「うちの子供達も「影ゆく水」のと一緒に討伐に行ったのだけれど、大鼠の兵達と戦いになって。尻尾や目玉を沢山持ち帰ったけれど、半数が怪我をして。何匹かは鼠どもの胃に逆に入ってしまいましたよ」
「しなやかな尾」の神官長は老婦人然とした顔を僅かに曇らせ、まじない師シモドールの方にねえ、と視線をやった。どうやらこの二人は猫関連で繋がりがあるらしい。シモドールもうむ、とうなずく。ちなみにこの男を推薦してきたのも「しなやかな尾」の神官長であった。
「まじない路地の方でも鼠被害が多発している。今年の冬はねぐらの外に出ないつもりだったが……まったく。ところでお嬢さん、君がイーリーンか。噂はかねがね。あんたの存在はまじない路地でもちょっとした話題になったぜ」
「それはどうも」
礼儀を払うつもりは全くないらしく、近所の人に話しかけるかのようにシモドールは気楽に会話をしている。この男も一体何を知っているんだか。
まじない師というのは大体において礼儀知らずなので驚きはしないが、いったい彼らが唯一頭を下げるという「秘儀の女王」というのはどういった存在なのかと首をかしげそうになる。書物では読んだことはあるが、実態は分からない。人でありながら神に匹敵する力を持つ死なずの女。死なない人間というのは神ではないかと思われるが、彼女は神ではないので自由に世界の法則の間をぬって飛び回る。そんなことをうわの空でぼんやりと思っていてふと意識を地上に戻すと、
「鼠達をすべて倒し切るには力が足りん」
「計算上では完全な負け戦です。何故なら神官達が地下から鼠を次々と呼びよせているため」
「そこで私たちは考えましたよ。鼠を倒し切れないならば鼠飼いの方を倒せばいいとね」
「幸いうちには天才のイーリーンがいるし、補佐にまじない師も付けた」
四人の神官長たちはそれぞれに目配せしあう様に会話していた。これから相談が始まると思いきや既に結論は出ていたらしい。私は順繰りに神官長たちの顔を見た。
「四柱の名においてそなたに命ずる。隠れている「鼠神」の神官を皆殺しにせよ」
「まってどこに潜んでいるか分からないんですよ? そこからやるんですか!」
私は呻いた。そういうのは神官剣士の役割ではないのか。とはいえ、どのような祈祷を「鼠神」の神官どもが使ってくるかは分かったものではない。であれば私が行くのが確かにいいのだが。私は右手の手袋を弄った。
「なに、イーリーン、お前が天才である所以を存分に見せてくれると信じている」
ニクヴァ師が福々しい顔に満面の笑みを浮かべていた。他の三神官もそれぞれの顔にそれぞれらしい笑みを浮かべていた。
「探す分は俺がやろう。お嬢さん。猫達が殺されたとあってはねぐらに籠ってはられないからなぁ」
「でも、どうやって。「影ゆく水」の神殿剣士達も見つけられなかったじゃないですか。言っとくけど私たちだって占いは出来ますからね。文字に書物に猫に水、占い道具にはぴったりのものばかりだ、と分かるでしょう」
シモドールの方にうさんくさそうな顔を向ける。不満ばっかり言っている自分は目の前の三神官やまじない師にはかなりかっこ悪く見えるだろうな、だけど性分なのでしょうがないと思う。
「神々の占いは神々同士の争いで曇りやすいし――おっと失礼――大体感知されたくない側は対策をしているもんだ」
シモドールは白猫に秋波を送っている黒毛猫を抱き上げよしよしと撫でる。
「全くこの浮気者は……あいにく俺は占い師ではないが、猫と喋ることは得意でな。猫というのは鼠の居場所を大体知っているものだ」
そうして人とは思えない喉の鳴らし方をした。
「さあ、行くかお嬢さん。鼠狩りには最高の日とはいえんが、そもそも鼠狩りに最高の日というのは存在するかねえ」
「出るのが億劫じゃなくて寒すぎず暑すぎない日ですよ多分」
小声でぼやいた声は多分シモドールには聞こえていなかったと思う。
*
「ところでお嬢さん、あんたが神に触れられたってのは本当かね」
「本当じゃなければ幾ら天才であっても神官長同士の会合にこんな小娘が出ていくわけがないでしょう」
私は余計なことを詮索する男だな、と言いたげな顔を作りシモドールの顔横にカンテラを持ち上げた。眩しい、とシモドールが声をあげていい気味だと思う。
所は下水路、寒い風が足下をかすめていく。シモドールの猫たちの話では下水の地上に近い辺りの小部屋に隠し扉があり、その奥に鼠神信徒の隠れアジトがあるということだ。とはいえ話が全部すんなりいったわけではなく、シモドール曰く、全てを知る猫達の王に貢物をし、彼の機嫌を取るまで時間がかかったという。最終的には「しなやかな尾」の猫達と「黒斑指」の猫達全てが鼠達との戦争に力を貸す……という協定が結ばれたことによって教えてもらったのだ。下水という下水を知っているはずの「影ゆく水」の神官達の目が欺かれたというのはなにやってるんだ職務怠慢、という気もしないでもない。まあ、物事灯りの側が一番暗いというのは往々にしてありますが。
ともあれ我々が寒い冬の朝に完全装備で下水を歩き回っているのはそのような理由からである。私は裾の短い略式の神官服を身に着け、毛織りの外套を羽織り、その下にやはり毛織りのスカーフを何枚も巻いていた。シモドールはなんだかわからぬ様々な毛皮を縫い合わせた外套を身に着けており、足下の長靴も外套と同じ素材でできていた。まさか猫の毛皮ではなかろうなと私は嫌な想像をしながら左手でこっそりと触ったが、手触りは猫とは似ても似つかぬごわごわとしたものだった。
「その右にだけしている片手袋も何か関係あるのかね」
「私はずぼらでもおしゃれでもなくて実用主義者ですから」
はいともいいえとも答えずただ察せ、という風に答える。
私は幾重にもかけられた祝福の重みを感じながら寒さから逃れるように必死に足を動かしていた。シモドールはシモドールでまじない師仲間から様々なまじないをかけてもらっていたようだが、その中にどうやら寒さからの保護もあったようで寒さを気にせずすいすいと歩いている。私の方は水中歩行であったり、猫目であったり、二重の保護の聖句であったりをそれぞれの神官長から手ずからかけてもらっていたが、その中には生憎寒さからの保護はなく、「冷気の女神」の神殿も被害にあっていればよかったのにとふと思った。
シモドールが連れているのは二匹の猫。一匹は彼の相棒である黒毛猫。もう一匹は顔に茶色のぶちがある大猫で、こちらは「しなやかな尾」神殿筆頭のネズミ取りらしい。
「あんたが神の秘密を書で知ったってのは」
「まあ、天才ですから」
苛立つ声を露わにし、これ以上聞くなという風にシモドールの言葉を遮った。
それからあと私とシモドールの間に会話はなく、ひたすら淡々と猫が案内する後を追っていった。
*
薫香焚き染められた部屋の中、キイキイと響く鼠の声が石壁にこだまする。鼠鳴きは部屋にいる大鼠達の他にも灰色の鼠皮の外套を纏った人影達の口から発せられていた。車座になって座った人影達の腕には皆何かに噛みつかれたような刺青が施されている。これが「病と狂騒運ぶ盗人」、「鼠神」スリヴの神官達。上にいるよく太った同族の神官達とは違い、皆地下での生活でやせ細り目にはぎらぎらとした熱狂の光がある。口から零れる言葉は上代の物で今は喋る者は殆どいない。人影たちの中心には鼠に喰われてぼろぼろになった死骸があった。
『まだ上の神殿を襲うのは尚早であったのでは��
『なに』
『忌々しい地上の猫達が援軍を手に入れた』
『猫風情、我が君が地上を歩けば赤子の手をひねるが如きもの。裏切者の「鼠神」の偽神官を排して我らが「都市」の正当な主となるのだ』
『いや、迂闊な鼠達の一団が「黒斑指」の神殿によりにもよって足を踏み入れた』
『あの聖女のいる』
『「黒斑指」に愛された女のいる』
「……お嬢さん、意味は分かるか? 俺はさっぱりだ。猫の言葉なら分かるんだが」
私は隙間から漏れ聞こえる会話を最後の二行を意図的に抜かして小声で訳した。思うにあいつらは世界を手に入れるつもりらしいですよと。言語に関しては「黒斑指」の得意とするところ。聞いたことのない言葉、読んだことのない言葉を理解し我がものにする祈祷を使う位は朝飯前である。大当たりだ、行くぞ、とシモドールが短く声を上げ、扉を勢いよく開ける。その音に鼠鳴きをしていた「鼠神」の神官達が数拍遅れてこちらを見た。
「気を付けて、あいつら……誰だか知りたくもないですけど、親玉を呼んでるみたいです」
鼠鳴きの調子を聞き、シモドールにそう叫ぶ。シモドールは分かったと言いたげに喉を鳴らす。黒長毛の猫と顔ぶちの猫が同時に神官の一人に飛びかかり相手は喉から血を吹いて絶命する。シモドールが唱える声を変えると彼の足から延びる影の中から続々と猫達が現れた。黒、三毛、サビ、縞、曲がった尻尾に短い尻尾、様々な猫が。飛び回る猫達がひっかき噛みつき神官達を邪魔していくが、しかし所詮は小さな獣。不意打ち以外の方法では勝ち目はなく、一撃目以降は払われあしらわれている。
しかし、隙は出来た。
私は勢いよく右手袋を脱ぐ。私の白い手は手袋に隠されていた部分だけインクが飛び散ったような黒い斑でおおわれている。それを見たシモドールがはっと息を呑む。気にせず腰からさげた短剣を抜き、聖句を叫びながら指に傷をつけ、抜いた短剣をそのまま側の鼠に投げつけた。私の斑のある右手指から零れる血はインクのように漆黒で、それでいて輝きを放ち。垂れたと思いきやそのまま意志を持つかのように中空にに文字として記される。
神官達の鼠声が一瞬止まり、それから早くなった。
シモドールが「秘儀の女王」の裳裾にかけて、と叫んだ。何たることだと言いたかったらしい。
何もない中空に書かれたのは文字ならぬ文字、この世に存在するありとあらゆる鼠の概念であった。神官達の目の前で一人の姿が歪み、くしゃくしゃに丸めた紙のように小さくなっていく。儀式的な鼠鳴きは悲鳴に変わり、それからキイキイという鼠の鳴き声に変わる。目の前に居たのは一匹の鼠。彼らが聖獣とあがめる大鼠ではなく、庶民が賭け事に使うようなくりくりした目のハツカネズミであった。
私が記したのは万物を定める神々の文字。これぞ禁忌の技にして私が天才と言われる所以。ついでに書物作りから外されて書庫頭に任命されてしまった原因でもある。 ただの神官見習いであった私は、ある日誰とも知れぬ女神官から���写を頼まれた。その文字を読むことこそできなかったがここで出来ないと言ったら笑われると思って必死になって祈祷を続けて書き写し続けた。それが神々の文字であり、私に依頼してきた女神官が「黒斑指」そのものであったと知るのは後のこと。とにかく私は神々の文字に触れて覚えさせられてしまい、普通の神官見習いとしての生活は無残にも終わってしまったという次第。 神に触れられた奴が神官見習いでは格好がつかず、さりとて私が下手に物を書くと何が起こるか分かったものではない、というのが神殿の意向であり、私が書庫頭に転属になった原因である。私がひっそりと自分だけの本を作っていると聞いたらひっくり返るかもしれない。私も自分の日記を神々の文字で書くなんて非常識なことはしない。日々の徒然を書き記しているのであって、読み返すたびにお茶やら猫やら鼠やらが飛び出してくる魔書を作る気は毛頭ないのだ。
「次はどれがいい! ドブネズミ! クマネズミ! スナネズミ! タネズミ! 何でも変えてやる! 鼠が大好きなんでしょう、なら全員鼠にしてやる!」
残った鼠神の神官達は慌てて鼠鳴きのトーンを変えた。キイキイという音が悲痛な響きとなってこだまする。
「これが、天才イーリーンの、ぬくぬくとした冬の日を奪われた怒りだっ」
私は熱に浮かされたような気持ちで目の前に現れる大鼠達を神官達を小さく無害な鼠へと変えていく。ぬくぬくとした冬の日の恨みで慈悲をかけるつもりはなかった。そうでなくても慈悲をかけるつもりはない。「黒斑指」から押し付けられた件の文字群を使うのをやり過ぎれば人と神の境を決めた神々の契約を破ることになるが、今回は「若き神々の万神殿」から追われた神が……正確には行きすぎた禍神としての「鼠神」の側面が上に這い出てきたのだ。力をふるったところで何も文句を言われる筋合いはない。
最後の一人を一匹に変えるが鼠の鳴き声は止まらない。そのうち空中がぐにゃりと歪んだのを感じ、私はまたか、と顔を覆いたくなった。ぐにゃりと歪んだ空中からあまたの鼠の声が強く響いている。
「シモドール、走って逃げる!」
「お嬢さん、何が……」
歪んだ空中の先に何かを見たのか、シモドールは息を一瞬止め、それから今まで聞いたことのない音を喉から発した。猫達は鼠を追いかけるのを止めてシモドールの足下に駆け寄ってくる。シモドールはどうしたものか、と言いたげに僅かに悩み、それから「秘儀の女王」を罵り腰の短剣を抜く。一拍後鼠の鳴き声はさらに強くなり、鼠という鼠がこちらに向かってくる。これから来るものの先触れのように。
「お嬢さん。アレは……いや、何が来るのか分かっているんだな。あんたは逃げないんだな」
「両方ともはい、ですよ。「いや俺もここに残る」的余計なおせっかいしないでくれてそれだけは礼を言いますよ。あれは「鼠神」の影。これから先の戦いは、まじない師にも重すぎる」
シモドールは何か言おうとしたがもう一度鳴き声の元である歪んだ空中を見る。茫然としたような、絶望がないまぜになったような表情を浮かべ。
「畜生! 退路は確保しておくからな! あんたを絶対回収するからな! まったく、これじゃまるで俺が卑怯者の馬鹿みたいだ」
「無駄な英雄的自己犠牲を発揮しないのは十分馬鹿じゃないと思いますよ」
シモドールの手の中で短剣が光り輝き光の刃となる。一瞬鼠達がひるんだすきに、彼は部屋の外へと飛び出す。数拍後シモドールと彼の猫達が流れ出てきた鼠達と格闘する音が聞こえて来た。
*
それは鼠頭の人影であった。盗賊らしい灰色の革鎧を身に着け、手は半ば獣の物のようにねじ曲がり、何本もの細い尾がぴたんぴたんと地面を打っており、手には鼠尾を何本も束ねた鞭を持っていた。キイキイとした声でそれは私に話しかける。私は神気に打ちのめされそうになる。血の流れる指が鈍く痛む。
『「鼠神」スリヴの道を妨げるのは何者か。人の子風情が俺に敵うとでも思うたか』
神々の言語が直に耳に流れ込む。私の意識はその瞬間何者かとふと混じりあい、声の代わりに光が、すべての言葉の親が口から自然にこぼれ出る。いつもの感覚であり恍惚の中に一瞬のもう戻れなくなるのではないかという不安が湧きあがる。
『ここにいるは「黒斑指」サラムの憑代、私のいとし子、現世での筆先』
私は私でない声で喋る。止めてくれと軋む思いは神と交わる恍惚の中で消えていく。私の姿もまたサラムの姿へと変わっていくのが分かる。手にはすべてを記す羽ペンを、もう片手には尽きることない巻物を持ち、穏やかに微笑む貴婦人の姿に。憂いも喜びも広大で人の心が受け入れるには大きすぎる存在に。他人の入れるお茶が好きで万事に不満げなイーリーンの意識は消えていく。消されていく。恍惚の中で仮初の死を迎える。
『邪魔をするか、書記風情が』
『邪魔をしますよ。今ここであなたを止められるのは私しかいませんもの……あなたは契約を破って下に力を与え過ぎました。化身が地上を歩ける時間には限りがある。永遠にあなたが地上のスリヴ神殿を治めることは出来ません、禍神よ』
『しかし地上に降りる力を俺は得た。これからは鼠が地上を支配し、我が子らが満ち溢れるのだ』
『我らは契約によって人々の祈りに応え仕えるのが役目。人々はそのかわりに我らを祈る。地上にて支配するのは神ではなく人の、けものの、定めある命の子らの仕事』
『地上の人の子に力を分け与えた女が何を言う』
『我らが王神の命故に。あなたのように私利私欲のためではありませぬよ……この子を通して見てみる地上が、かつてを思い出させて楽しいことは否定しませぬが、人であったのはかつてのこと。神となった以上は神の法に従わねばなりません』
『ならば従わせてみせろ、すまし顔の女』
『ええ、従わせてみせますとも、鼠さん』
スリヴの細鞭が空を舞えば鼠頭の兵が次々と世界の向こう側から現れる。サラムの記した文字が光り輝く兵となってスリヴの兵を襲う。スリヴがサラムの手元を狙って鞭を鳴らせば、サラムは身を優雅にひるがえし、逆にその鞭をペンで絡め取り引きちぎる。
『私の武器が書のみと思いましたか?』
サラムと混ざり合っていた私の意識は、そこで完全に飲まれた。
*
どれくらい経っただろうか。戦いはどのようにして終わったのか。私以外動く者が誰もいなくなった部屋の中で、意識を取り戻す。暗く湿っぽくかび臭い部屋の感覚が一気に前進に襲い掛かる。生きているということは私はまだ生きていて、私のままであるということ。帰還の安堵で一杯になりながら、私はごろんと床に転がり天井をぼおっと見ていた。天井には水の染みがあり、儀式用の蝋燭が反射してぬらぬらとした光をところどころに浮かべている。このまままた気絶して天上へ逝ってしまえばこの世の難儀なこととは永遠におさらばできるだろう等という考えもよぎったが、どうもそうはいかないらしい。ひやりとした布が額に当てられ、血の流れる右手が素早く止血される。ぐにゃぐにゃとした生き物の群れが自分に寄り添っているのを感じる。
「まるで魔術師じゃないか、お嬢さん……神官さん、イーリーン」
シモドールは私が失血して倒れたんじゃないかと言いたげな顔で心配して見ている。呼び方から大分相手の信用を勝ち得たらしい。私の周囲には彼の呼び出した猫がなんだなんだと集まって来ているようで、外套に包まれていない部分を毛がくすぐって非常にこそばゆい。
「なにもかもが嫌になったらまじない路地にある俺の店に来い。高値で仕事をゆずってやる」
「私のこれは天上の摂理をそのまま地上にあらわしたもの。摂理の合間をぬってわけのわからぬものひねり出す魔術師とは逆です。後神から賜った力なのでそんなことをしたら取り上げられて天才が凡才に逆戻りですよ、安穏な神官生活とはおさらばですよ。今日でさえ敵が「鼠神」の地下神殿でなければ神官長達と別の方法を考えてたところなんですから。ああ眩暈がする」
「使いすぎるとどうなるんだ」
「良くて失血、悪くて……「摂理の王」から叱られるか、私が私でなくなるか。やりたくないですよそんなの」
「聖女として讃えられるとかそういうつもりもないのか。そうすれば安全にぬくぬくとした生活とやらが送れるだろうに」
「讃えられても面倒が増えるだけ、満たされるのは虚栄心だけですし。私は基本的に無欲な人間なんです。そもそも神官を選んだのも延々と一日中書物の側に居てご飯も食べられるから、という位ですし。納得しました? 幻滅しました?」
「納得した。確かに奇跡の力を受け取るのは大概無欲な人間だな」
「これでも一杯いじめられたんですよ? 神官だって私を見ればわかるように聖人だらけじゃないんです」
「自覚はあるんだな」
「ええ。流れ出す血が黒になった後、片手が「黒斑指」の右手と同じ斑入りの手になった後、魔術師の疑いまでかけられましたから。お前みたいな見習い神官が神の文字を知る���けがない。神から力を盗んだんだろうって。酷い話ですよ。こっちは安穏な神官生活を奪われて理不尽な目にあったのに。ま、それでも私は「黒斑指」のことは嫌いになりませんでしたよ。呪いはしましたけど。それに「黒斑指」の信徒はというか人間は一時期大嫌いになりましたけど。持ち上げるか叩くかの両極端だし……今でも嫌いかも」
どうせシモドールは聞いていないんだろうなと勝手に話を続ける。
「大書記のニクヴァ師が匿ってくれるまで、そして書庫から過去の奇跡の全てを洗い出して私のような下働きに神の力が宿ることがあるかという例を百ほど挙げてくれるまで、こっちは人間らしい扱いはされなかったんです」
同室の皆がある日を境に羨望か憎悪、もしくは関わっては面倒事に巻き込まれる存在のように私を扱いだしたのを思い出して顔が苦くゆがむ。人間の感情なんてそんなものだ。信じられるのは書物だけ。書物は書き変わらない。書き換えても痕は残る。
「皆私を「黒斑指」かその偽物として見ている。私を守る為に「黒斑指」御自らが降りてきて、皆を驚かしてからは後者はいなくなったけど私を「黒斑指」と見るむきはさらに強くなった。「黒斑指」そのひとも私を自分の憑代として使う……イーリーンは一体どこにいるんだか」
シモドールは私の涙涙の物語を聞いても甘ったるい同情の破片を浮かべず、重々しい表情のまま何度もうなずいて相槌を打っていた。下水の入り口で根掘り葉掘りと聞いてきた失礼なそぶりはそれで許してやろうかとなった。
因みに「黒斑指」が私に初めて降りて来た日はイーリーンの祭りとして記録に残されてしまった。そのせいで私は毎年寒い夜の中いつ終わるともしれない儀式に延々付き合わされる羽目になる。栄光なんて何の役にも立たない。
「ま、ニクヴァ師は今回みたいに私を都合よく利用はしますが、少なくともイーリーンとして見てくれましたからね。この世の中悪い人だけってわけじゃないことくらいは分ってますよ。天才ですし」
シモドールはしばらく私をまじまじと見て、
「イーリーン、あんたが自分を天才だというのはそのせいか」
「なんですか藪から棒に」
「いや、せめて自分自身を認めてもらいたいからじゃねえかなって勝手な推測を」
「不躾な人ですね! 当りですよっ! お詫びに何か下さい!」
「わかったわかった」
シモドールは倒れたままの私をよっこらせと起きあげる。恐らく「鼠神」の憑代であったのだろう巨大な鼠の死骸はシモドールの長毛猫に弄ばれていたが、やがて飽きたのか顔ぶちの猫の方に譲渡された。死骸に飽きた黒毛猫は私の側に駆けてきて、斑入りの手を優しく舐めはじめていた。そんな黒毛猫を傷口が穢れると言いながらシモドールは抱き上げる。
「なあ。うちに生まれたばかりの猫がいるんだが、一匹貰ってくれないか。こいつが猫の王との間に作って来たらしい由緒正しい猫だ……」
私はその申し出にとびついた。
お題:「本」「書物」(のは��でした)
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福袋 Happy Bag 販売中✨ お買い上げ頂いたお客様ありがとうございます💕 18日まで販売になってますが、早めに切り上げるかもです🙏 すみません。m(_ _)m 来週精査して決めたいと思います。間に合わない場合は年明けで良ければお受けできます(*^^*) minne、creema、ヤフーでも販売しています。新作作ってのお届けもしたいと思います♪お楽しみに💕 minneはクーポン19時から〜明日まで ヤフー店は15日が5の付く日 色々と見比べて楽しんでね💕 お写真2枚目3枚目は水色系好きな方にお送りした糸たち、いつも金額より入れ過ぎちゃいます(*´艸`*) #福袋 #HappyBag #happybag #kokoknit #kokoshop #引き揃え糸 #毛糸 #毛糸の福袋 #年内お届け #好きな雰囲気教えてね♪ https://www.instagram.com/p/CXYGeMqvfWL/?utm_medium=tumblr
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明日17日から始まるBASEさんからクーポンが出てます♪ #BASEさん太っ腹 福袋、最後1つずつ販売中♪ BASEさんのクーポンなので、作家様の作品も福袋にも使ってね💕 画像の注意書きを読んでね(*^^*) #BASE さんに感謝 #毛糸 #引き揃え糸 #編むための引き揃え糸 #オリジナル毛糸 #変わり糸 #糸作家 #紡ぎ糸 #手紡ぎ #編み物好き #羊毛好き https://www.instagram.com/p/CXjA9FtvLPS/?utm_medium=tumblr
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BASEさんよりクーポンが出ています♪ BLACK FRIDAY 10%off !! 26日12:00 ~ 29日23:59 まで 合わせまして、福袋の販売を開始しました♪お得にGetして下さいね♪(*´艸`*) ◆福袋は3種類 3000円(5000円分) 5000円(8000円分) 10000円(18000円分&送料無料) 福袋の発送は14~23日の間に行います。年内到着予定、ご希望でしたら年明けの配送も承ります。 その他クリスマスセットもお得にGet!!(*´艸`*) ◆orihime のネット編み付けバッグにご興味のある方はDMにてご連絡下さい。BASEにてお支払いで10%offにて受講出来ます(*´艸`*) ・ディプロマコース(認定講師コース) ・フリーレッスン(トート、ショルダー、Luxuryバーキン) #福袋 #クーポン #happybag #クリスマスプレゼント #お正月休み #引き揃え糸 #毛糸 #編み物好き #orihime #織姫 #ネット編み付けバッグ #認定講師 #ディプロマ #編物講師 #糸作家 #ブラックフライデー #blackfriday #お得 #セール #SALE https://www.instagram.com/p/CWuJIFgvZlh/?utm_medium=tumblr
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@ayucellomow さんが可愛い着ぐるみうさちゃんを作ってくれました(≧∀≦)💕 KoKoKnitを使ってくれています。(*´艸`*) 着ぐるみの下はどうなってるんだろう((o(´∀`)o))ワクワク ayucellomowさんありがとうございます♪これからも可愛い作品楽しみにしています💕 #kokoknitが生まれ変わりました #Repost @ayucellomow • • • • • • 着ぐるみうさ子 昨年末に#kokoshopさんの 糸の福袋を買いました。 Kokoshopさんは、 かわいい引き揃えの糸を 作っています。 沢山届いた素敵な糸達〜 引き揃えの糸は、 編むのが難しいから、 どんなあみぐるみ編もうか 悩んでいて、なかなか手を つけられずにいましたが、 この着ぐるみシリーズで 使ってみたらかわいいかも! と思い、ピンク系のふわっと した糸を選んで編んでみました。 やっぱり、普通の毛糸とは 違うかわいい仕上がりになり、 テンション上がります。😆 次はどの糸使ってみようか なやんじゃいますね。 #あみぐるみあおいさんの動画より #着ぐるみあみぐるみ#着ぐるみうさ子#kokoknit #kokoshop#引き揃え糸 https://www.instagram.com/p/CKyPcvInAEb/?igshid=w1wcdatzh7dp
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今年も福袋登場♪ とってもお得なので是非ご予約下さい♪ 販売期間18日まで、 発送は14~23日の間に発送作業予定です。ゆうパックなので日時指定受けられます♪ クリスマスプレゼントに 年末年始の楽しみに 年明けの楽しみに ご自分へのご褒美にもは💕 BASE 店にて予約販売中✨ プロフィールよりお入りください (*´∇`)ノ https://www.kokoshop.jp #福袋 #happybag #お楽しみ袋 #sale #お得情報 #kokoshop #kokoknit #編み物 #毛糸 #年末年始を楽しむ #編み物作家さんと繋がりたい #編み物好きさんと繋がりたい #編物素材 #引き揃え糸 #揃え紡ぎ #かせ糸 #コットン100 #年末大売り出し #みんな頑張れ #毛糸で癒されよう #変わった毛糸 #毛糸で楽しむ #編み物を楽しむ #世界にひとつ #変わり糸 #デザイン毛糸 #デザインヤーン #designyarn #yarn https://www.instagram.com/p/CIO9wlhnp3h/?igshid=1eqiq4kzpgonl
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6月の各地句会報
花鳥誌 令和元年9月号
坊城坊城選
栗林圭魚選 岡田順子選
平成31年6月1日 零の会 俊樹選
またちがふ汽笛をまぜて南風 光子 そのかみの灯台跡に風薫る 美紀 茶屋跡の礎石探りて夏の蝶 梓渕 ぶすぶすと蟻の穴あく御亭山 千種 夏鷺の立つや己の白影に 和子 潮匂ふ江戸も匂ふや南風吹く 悠紀子 将軍のお上がり場てふ石に黴 梓渕 黒南風やむかし鴨場の覗き穴 光子 船笛の長く息つぐ炎暑かな 慶月 余花ひ��つ遠い汽笛を淋しめる 順子
順子選 またちがふ汽笛をまぜて南風 光子 松這うて〳〵夏潮なほ遠し 俊樹 灯台跡しろつめ草の咲く丘に ラズリ 添へ木また三百年の木下闇 俊樹 緑蔭に空を忘れて佇めり 三郎 遊船の汽笛は路地に谺して 俊樹 松怒濤三百回の炎帝へ 同 黒南風やむかし鴨場の覗き穴 光子 青鷺を奮ひ翔たせし汽笛かな 俊樹 下闇や蹄の音聞く狩場跡 秋尚
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月5日 立待花鳥俳句会 俊樹選
出す文に蛍飛ぶ夜と記しにけり 世詩明 走り梅雨相合傘も小走りに 同 腕まくり静脈浮きて大日焼 同 油団敷く家族みんなで文鎮となる 信義
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月6日 うづら三日の月句会 俊樹選
青空へ一直線の梅雨じめり 柏葉 神の森樹齢いくばく楠若葉 都 夕牡丹走り書きなる女文字 同 竹林の風の騒ぎや梅雨の月 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月6日 花鳥さゞれ会 俊樹選
柳絮舞ふ余呉に天女の物語 越堂 舟音の海霧へ遠のく三国港 同 つぶやきが二人静の花となる 雪 吾は父似弟母似古茶新茶 同 雨呼びて得意顔なる雨蛙 かづを 高架下所在なげなり黒揚羽 数幸
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月7日 鳥取花鳥会 順子選
托卵を終へし声とも時鳥 益恵 わが影を日時計にして辣韭掘る 悦子 薄雲の静かに垂れて夏の葬 幹也 茅花流しとはほろほろと風崩る 都 ゆすらうめ幼き手にて三粒もぎ 萌 通学の列を見送り早苗伸び 佐代子 蟻曳くや獲物の翅を帆と上げて 美智子 なめくぢら鉢を除けられ白日に 史子 田植ゑすむ一村水に点り初め 栄子 蜑村の空いつぱいに小瑠璃鳴く すみ子 軒見上げ通る燕の子でありぬ 立子 山々の緑濃くなり鳥さわぐ 俊子 一群を庭に残せし十字花 和子 あぢさゐの彩に佇ちたる好紳士 幸子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月8日 枡形句会 圭魚選
薫風やくらやみ坂を下り来て 清子 客を待つ三和土に燻る蚊遣かな ゆう子 御朱印を拝す山門燕の子 清子 日の色に近づいてをる坂の枇杷 三無 早朝に舞ふ夏蝶や父忌日 多美女 ピアニカの漏れくる窓や四葩揺れ 亜栄子 剃り跡を風に晒すや業平忌 ゆう子 曇天を払ひ高きに熟るる枇杷 百合子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月10日 武生花鳥俳句会 俊樹選
散り際の香り持たざる朴の花 英美子 堂深く倶利伽羅不動五月闇 昭子 家持も��えきし峠時鳥 越堂 歴史秘む奈落を覗く夏帽子 みす枝 大夏木戦の地とて塚いくつ 一枝 夏暖簾透けて金魚と柳かな ミチ子 億年の弥陀の光の新樹かな 時江 夏立つや眼前のものみな青し 昭女 夏草に埋もれさうなるトタン屋根 同 勤行の木魚の音も梅雨じめり 文子 夏祭ヨーヨー釣りに軒を貸し 芳子 老鶯に深山幽谷てふ舞台 越堂 麦秋の尽きて黄昏照り返す 時江
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月10日 なかみち句会 圭魚選
釣堀や雲間に糸をたらしをり 聰 紫蘇の香や母の初恋さかな屋さん 美貴 やはらかく雨の青紫蘇色新た 秋尚 羽抜鳥去りし跡なるベンチかな 貴薫 羽脱鳥片足浮きて微動せず 美貴 釣堀や背広姿の竿を振る 和魚 釣堀や山陰ことばふと聞こゆ 美貴 赤紫蘇や多く語らぬ夫婦づれ 有有 釣堀に姿勢崩さぬ影ひとつ 秋尚 車窓より見し釣堀の背の気鬱 貴薫
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月11日 萩花鳥句会
未だいける免許の行方五月闇 健雄 巫女ととも松陰神社実梅捥ぐ 圭三 実梅落つ今は主のなき畑 克弘
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月12日 福井花鳥句会 俊樹選
羅や女ひしめき嫉妬めく 世詩明 青蘆や九頭龍河口船溜り 雪 母の見てゐる父と子の石鹸玉 同 平凡を嫌ひし昔草を引く 同 廻りたき風に廻れる風車
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月16日 伊藤柏翠俳句記念館水無月抄 俊樹選
夏炉焚き源氏の裔を誇り棲む 越堂 時鳥のかつて宿場の大藁屋 同 草茂る溺れさうなる辻地蔵 みす枝 蛍舞ふ万葉の歌描くごと 同 妹の魂かも窓に来る蛍 文子 峡深く五人家族のかがし立つ 英美子 振り返り振り返りして夏の道 富子 耳遠くなりたる父の日なりけり たゞし 黒南風や古着屋のジャズ響きをり 和子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月16日 風月句会 俊樹選
白服の女人ひそめるむじな池 千種 田植済みし田に入り浸る男あり 佑天 青嵐つひには雲を曳き出しぬ 千種 青嵐裏葉の白を巻き上げて 久子 そのほかの風鈴消して貝風鈴 千種 虎の尾の蝶はゆっくり翅休め ます江 蛍を待ちて子供の眠りけり 佑天 圭魚選 風荒し万緑万の容ちあり 千種 雨上がる蛍の水を濁らせて 慶月 十薬の大地乗つ取る勢ひかな 淸流 畦道の細りを跳んで捕虫網 野衣 牛蛙鳴き静まりし沼の昼 斉 青空へ色を競ひて立葵 秋尚 青鷺の谷戸を狭しと羽広げ 斉 風を呼ぶ植田の背丈揃ひをり 秋尚 青鷺の降り立つ谷戸の空蒼し 芙佐子 時鳥突と渡りぬ谷戸の空 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月21日 鯖江花鳥俳句會水無月抄 俊樹選
網戸して貧乏暮しつつぬけに たゞし 噴水の炎の如く伸びて来し 同 人の世の橋に集まる蛍かな 同 堂守の乏しき蚊やり焚きくれし 雪 跳び石を覆へる苔や梅雨深し 同 蛍飛ぶやはらかな闇縫ふやうに みす枝 燕来て大地忙しくなりにけり 信子 緑蔭に藩主の廟や大安寺 一涓 短夜や月光深く部屋の中 紀代美 坂道の片側汚す栗の花 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月27日 九州花鳥会 俊樹選
峰雲の崩るる辺り曾良の墓 寿美香 やはらかき光の帯や蛍川 孝子 城濠の浄土蓮の花浄土 豊子 更衣真水のやうなラオスの娘 喜和 緑蔭に会ふ幻影の大伴旅人 美穂 狛犬の影も老いゆく大暑かな 寿美香 蜻蛉生る水の冥さを脱ぐやうに 豊子 石になりきつて石抱く青蜥蜴 同 癌告知濡れしノートを破る夏 朝子 ぼた山の記憶のかたち川蜻蛉 かおり 先づ灯より現はれ出でし鵜飼舟 洋子 ががんぼや影絵のやうな暮らしして 光子 蛍火の奥に膨らむ母の影 かおり
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
さくら花鳥会 順子選
明易し始発電車は三国発 寿子 忘れ物取りに帰らう夕立晴 登美子 なめくぢり廊下に残す迷ひ道 あけみ 包み込むやうな大空花南瓜 実加 噴水やはしやぐ子の袖かめすたり 裕子 子等握る手に菓子袋御輿行く 紀子 紫陽花をバックに並ぶ車椅子 寿子
(順不同 特選句のみ掲載)
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1月の各地句会報
平成29年1月の特選句
坊城俊樹選
栗林圭魚選 栗林眞知子選 岡田順子選
平成29年1月4日
立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
あつかんや心にもなき嘘をつき 清風
初詣先づはらからの墓にかな 清女
裏白に一筋揃へる神馬藻 ただし
槌音に阿吽のリズム鍛冶始 越堂
凍空に北斗は痛きまで青し 越堂
酉年の初鴉とて追ふまじく 清女
初詣朱門の仁王憤怒せし 世詩明
手袋は皮より毛糸好きと云ふ 清女
負けるのは何時も爺婆絵双六 越堂
靴底を通す寒さや無人駅 誠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月5日
県民会館花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
布袋像狸の像に初句会 雪
手と足をぐんと伸して初湯かな 和子
寒行の傘と錫杖掛けてあり 天空
鶏の刻の声告ぐ初日の出 文子
去年今年九頭竜海へ出てゆけり 龍聲
元朝のきらきら光り水平線 千代子
初句会めでたき物に囲まれて 雪
新年に皆頼みたる齢かな 茂子
母に似し眉間の黒子初鏡 英美子
初鏡父似の頷をなでながら 千代子
ふもと路の鎮む家並や初茜 八重
よく笑ふ隣の部屋や初句会 雪
生き様も死に様も見し去年今年 和子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月6日
伊藤柏翠俳句記念館初句会抄
坊城俊樹選 特選句
牡丹雪海の暗さへ沈みけり 越堂
除雪車の雪壁硬く重かりし たゞし
水仙花風を覚悟の断崖に やす香
一滴の水より太る軒��柱 英美子
野仏に声をこぼして雁帰る スヱ子
神木にきざむ年輪去年今年 スヱ子
どんど燃ゆ煙が煙おし上げて かづを
悪口を叩かれたるか大嚔 世詩明
初鏡よくぞをみなに生れたる 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月6日
鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
年玉のたし算をして耳打ちす 俊子
残業や慰労と御慶交はす夜半 都
初獲物捕へて鳥と出交さむ 幸子
冬涛を眺めながらの味噌ラーメン 幹也
終着の鄙ぶる駅も松飾 和子
離郷後も雑煮は在の頃のまま 栄子
口移し祖母の部屋より手毬唄 逸子
法話聴く膝の冷え寄せ冬至寺 悦子
杖の歩で一巡できて初詣 史子
伴僧の連れにも見え寺年始 益恵
初弁天祈りの長し行商女 すみ子
しらたまのいのち戴く寒卵 美智子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月7日
零の会
坊城俊樹選 特選句
くれなゐの影の崩るる寒牡丹 秋尚
白を重ねて雪の名の冬牡丹 含香
切炭の尉むらさきに崩れけり 順子
昏きとこ華やいでゐて冬牡丹 あおい
水盤におもたくひらく冬牡丹 耿子
寒牡丹崩るるまへの息づかひ 美紀
寒牡丹白妙なれば窶れけり 要
嚶嚶と問答うつや枯蓮 順子
セザンヌを話す二人の寒牡丹 伊豫
五重塔背に水仙の伸びゆけり 含香
外を覘く姉妹のやうに冬牡丹 光子
恋の句を従へ寒牡丹真つ赤 要
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月9日
武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
初夢をみたとは妻に語るまじ 世詩明
枯菊を刈る枯菊を焚く為に 雪
布財布出すにもたつく着膨れて 昭女
梢より星の降り来る除夜詣 信子
狭庭なる樹霊へ年酒注ぎたる 八重
漉胼胝の掌を美しく誇らしく 越堂
初旅や切符検札乗ればすぐ 世詩明
篝火に影黒々と鍛冶始 信子
電線は撓り見下ろす寒鴉 英美子
めんどりが刻を告げたり初日の出 文子
荒波はたち水仙は香を放つ 英美子
瑞鳥を漉き込む和紙の賀状来る 昭子
木の葉髪君いたづらに歎くまじ 雪
五七五のみに埋もる初日記 清女
ねんねこの中に少しも眠くない目 昭女
宵空の凍つ半月の仏めく 八重
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月10日
萩花鳥句会
老ゆるとは楽しからずや去年今年 牛子
この壁に柱にいつもの初暦 小勇
初夢か中子師よりのお励まし 祐子
元日の三社詣りの晴れ渡り 七重
せりなづな口遊みつつ七種粥 美恵子
会はぬまま二十年目の賀状書く 健雄
世の母の祈りは等し去年今年 吉之
正月や色紫で祝ふ古稀 陽子
初旅は長府鴛鴦石畳 泰裕
初夢や白き乳房に溺れ行く 圭三
ゆつたりと俳誌繙く三日かな 克弘
平成29年1月10日
さくら花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
初句会俊樹先生息災に みえこ
寒星のしじまの下に昔語り 政隆
真夜中の自分労ふ初鏡 裕子
レコードといつもの椅子と去年今年 登美子
寒晴や見知らぬ鳥の賑やかし 寿子
初詣さくらまもりに福あれと 紀子
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林眞知子選 特選句
初笑友垣ありて数多度 登美子
水仙のねぢれ葉にあり地の息吹き みえこ
鎮守社にお神酒を供へ筆始 令子
寒昴人の生死も知らずして 令子
一人居の母の気を引く嫁が君 登美子
レコードといつもの椅子と去年今年 登美子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月12日
三日の月一月句会
坊城俊樹選 特選句
新春の輝きひろげ九頭竜に 牧羊
初鶏に目覚めしばしの静寂を 喜代子
初鏡化粧の順も神妙に 英子
床の間のたゞ一輪の淑気かな 都
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月13日
芦原花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
嶺北と呼ばれし国土初御空 寛子
右折禁止左折も禁止初詣 久美子
初鏡父似の筈が母の顔 よみ子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月14日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
初句会揃はぬ人を按じをり 亜栄子
しみじみと屠蘇酌む齢重ねけり 文英
多摩川の朝雲重く雪催ひ ゆう子
太箸を正しく握り賞めらるる ゆう子
離れ住む子の太箸を並べけり 白陶
年尾句碑整へられて年立てり 清子
福寿草玻璃戸越しなる日の豊か ゆう子
香の満ちて人日の粥病室に 百合子
声張りて母に賀状を読み聞かす 百合子
縮緬の酉頂きて初句会 瑞枝
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月15日
風月句会
坊城俊樹選 特選句
達磨ストーブ翳す手かつて大志あり 久子
古井戸のそこひに寒の水鈍く 耿子
あてもなく話す野道や女正月 貴薫
風琴に褪せし譜面や日脚伸ぶ 眞理子
幹黒き白梅にある男振り 三無
剥き出しの土を悲しと霜柱 千種
土間冴ゆる薬舗に千の小引出し 炳子
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
白煙のひとすぢ凍てし多摩川原 久子
夫恋の歌碑や野面の寒椿 炳子
日溜りに凭れ合ひたる霜柱 芙佐子
寒林の武蔵野振りを仰ぎけり 眞知子
春待つや黄色い電車走る町 和子
庚申塔辻に人無き寒さかな 炳子
潜みゐる獣の気配寒木立 眞理子
土間冴ゆる薬舗に千の小引出し 炳子
川底の石碧きまで凍てにけり 久子
臘梅の幼き色に野のにほひ 鯨
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月16日
なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
穏やかに空透き通る初詣 秋尚
持ち寄りていつもの四人女正月 清子
金箔の剥げし歳月屠 蘇重ね ゆう子
数の子をかむ音清し皓歯美し あき子
住み古りし里山なれど初景色 怜
一通りめくりて印す初暦 怜
風となほ遊びたき凧ひきもどす 三無
太箸をそへてかげ膳孫の部屋 陽子
山影を脱ぎし一点初日の出 秋尚
参道を太く真つ直ぐ初御空 秋尚
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月19日
花鳥さざれ会
坊城俊樹選 特選句
一羽翔ちつゞきて百の寒雀 龍聲
御仏も冬日眩しく在しけり 雪子
灯籠の火袋にある冬日かな 秋野風
初風呂にことりともせず夫長湯 雪
喉越しの寒九の水の棒のごと 越堂
寒紅や慕情を秘めて俳句して 千代子
傾ぎ癖つきし輪飾り納めけり 雪
御精舎の雪間雪間の仏たち 越堂
漁火の沖に点滅浮寝鳥 龍聲
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月21日
鯖江花鳥俳句会初句会抄
坊城俊樹選 特選句
虚子柏翠紙屋治兵衛の懐手 雪
着ぶくれて考へてゐる形見分け 雪
喜捨を受く片手拝みに寒行僧 雪
鮟鱇鍋三国小女郎物語 錦子
一村がひとつ火となりどんど燃ゆ 信子
悴みて遺言の文字ままならず みす枝
着ぶくれて十二単の日々なりし 一涓
侘助をまづ誉めそやし薬売り 一涓
奈落とも覚ゆ一夜さ雪起し 一涓
夜々育つ月凍て星の軋み合ふ 越堂
星一つ見つけて寒を覚えけり 越堂
大冬日山河互に光り合ふ 世詩明
木の葉髪なり教職を辞すことに 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月26日
みどりや花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
満身の力をこめて餅を割る 雪子
去年の月今年の月となり渡る 越堂
いぶし銀めける山河や雪月夜 越堂
懐に入れてやりたき冬の月 世詩明
初夢や奈落に落ちて静かなり 清風
追肥して大根畑を眠らしむ ただし
鰤起し雨師風伯を遊ばせて 世詩明
女正月冬将軍来ててんやわんや 輝一
堤ゆく人をみて居る雪見かな ただし
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月26日
九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
河童に寒の水掛く水天宮 志津子
対岸は湯煙の町寒卵 松本洋子
四温晴嫗かしまし繋ぎ着て 恭子
鳩と子に冬日ふくらむひとところ 秦洋子
丹田の声や発止と寒稽古 豊子
棒で掻き藁の奥から寒卵 勝利
明日登る山眼前に寒卵 千代
杣薬は寒九の水で流しこむ 佐和
寒林を抜けゆく声の透きとほる 千代
百歳の声なき声の初笑 佐和
大楠の根方に餅を焼く生活 松本洋子
雪椿落ちてしのぶの恋あらむ 秦洋子
初御空天を大きく飛行船 喜和
湖の綺羅褥に鴨の浮寝かな 松本洋子
懐にそつと仕舞へり寒卵 桂
昨日より今日ゆるやかに日脚伸ぶ 和子
酉年の鶏に貰ひ��寒卵 豊子
弓始まづ成人の矢が射抜き 佐和
寒行の声湧くがごと近づけり 千代
初春を笑窪幼き巫女神楽 かおり
朝食に古今無双の寒卵 遊佳
境内の矮鶏の高音や寒卵 喜和
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年1月29日
花鳥月例会
坊城俊樹選 特選句
嘘つきは鳥居の外で着膨れて いづみ
石垣の寒の残りを放ちけり 野衣
梅白し北面の武士今何処 炳子
嘴先へ赤き舌頭寒鴉 惠介
厳冬の戦跡の石そこにあり 炳子
悴みて百合を抱きて黒衣かな 眞知子
如何ともしがたき終の枯はちす 炳子
寒雀とは一斉に驚いて 要
神門に兵の幻凍ててをり 梓渕
衛士老いて一月の薄ら日に立つ 光子
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
鳥帰る動かぬ雲を標とし 和子
春近し慣れ親しみし市無くも 梓渕
虚子住みしあたりこの坂春隣 俊樹
明らかに昨日より今日冬ぬくし 淸流
水涸れて流れの向きの定まらず 炳子
清音に鳴く寒禽とバスを待つ 俊樹
軍犬の吠ゆ鉄の冷たさに 俊樹
伸びをする背すぢゆるみて春隣 野衣
太陽に真向きて梅の香に立ちぬ 政江
寒鴉翔つ一本を軋ませて 三無
(順不同 特選句のみ掲載)
平成28年10月8日
札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
追へば去り座すれば背赤とんぼ 晶子
重力に負けぬ胴上げ天高し 晶子
これからは我ままの径野菊晴 和加
上向けば口角上がる鰯雲 のりこ
案山子にも遊び心や雀来る 岬月
始発から乗つて来たのか秋の蠅 佳峰
ささら波水面をはしる萩と風 独舟
(順不同 特選句のみ掲載)
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