#安息香酸 値付け
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namansharma0950 · 3 months ago
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安息香酸 (Benzoic Acid) の価格: 傾向、データの洞察、将来の予測
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安息香酸(Benzoic Acid)は、さまざまな業界で使用されている多用途の有機化合物ですが、時間の経過とともに価格が変動しています。食品保存、医薬品、化粧品などの分野で事業を展開する企業にとって、これらの価格変動に影響を与える要因を理解することは非常に重要です。この記事では、安息香酸の価格を取��巻く現在の傾向、データの洞察、将来の予測について詳しく説明します。
市場動向
安息香酸の価格動向には、いくつかの重要な要因が影響しています。
世界的な需要と供給: 安息香酸の世界的な生産と消費のバランスは、その価格に大きく影響します。生産能力、原材料の入手可能性、消費者の需要などの要因が、全体的な市場動向に影響を与えます。
原材料コスト: 安息香酸の生産に使用される主要な原材料であるトルエンのコストは、その価格に影響を与える可能性があります。トルエン価格の変動は、安息香酸のコストの対応する変化につながる可能性があります。経済状況: GDP 成長、工業生産、消費者支出などの経済要因は、間接的に安息香酸の需要に影響を及ぼし、その結果価格にも影響を及ぼします。一般的に、経済が好調な場合、食品保存料や化粧品など、安息香酸を使用した製品の需要が増加します。 規制要因: 食品添加物、化学物質、医薬品に関する政府の規制や政策は、安息香酸の価格に影響を与える可能性があります。安全基準、ラベル要件、貿易制限などの要因は、市場の動向に影響を与える可能性があります。 データの洞察と傾向
過去のデータと現在の傾向を分析すると、安息香酸の価格変動に関する貴重な洞察が得られます。考慮すべき主な傾向は次のとおりです。
リアルタイムで安息香酸(Benzoic Acid)価格: https://www.analystjapan.com/Pricing-data/benzoic-acid-3
価格変動: 安息香酸の価格は、需給の変化、原材料費、経済変動などの要因により変動する可能性があります。これらの価格変動を理解することは、企業がリスクを管理し、情報に基づいた購入決定を行うために不可欠です。 地域による価格の違い: 安息香酸の価格は、生産コスト、輸送費、地域の需要動向などの要因により、地域によって異なる場合があります。企業は、調達戦略を最適化するために、これらの地域的な違いに注意する必要があります。 季節変動: 安息香酸の需要は、特定の期間に特定の業界で需要が増加するなど、季節要因の影響を受ける可能性があります。これらの季節パターンを理解することで、企業は価格変動を予測し、それに応じて在庫を計画することができます。 詳細なチャートと市場の洞察
チャートとグラフを使用して安息香酸の価格動向を視覚化することで、市場の動向をより明確に理解できます。考慮すべき主要なチャートは次のとおりです。
過去の価格動向: 安息香酸価格の過去の推移を示すチャートは、パターン、周期的な動き、潜在的な転換点を特定するのに役立ちます。 トルエン価格との相関: 安息香酸価格とトルエン価格の相関を分析すると、原材料コストの変動が安息香酸市場にどのような影響を与えるかについての洞察が得られます。 地域価格比較: さまざまな地域の価格を比較するチャートは、地域の違いとコスト削減の潜在的な機会を特定するのに役立ちます。 トレンド分析と将来予測
安息香酸の将来の価格変動を予測するには、現在のトレンド、経済指標、業界の動向を分析する必要があります。考慮すべき主な要因は次のとおりです。
成長率、金利、貿易政策などの全体的な経済見通しは、安息香酸の需要に影響を与える可能性があります。 食品保存や化粧品など、安息香酸を使用する業界の技術進歩は、需要と価格のトレンドに影響を与える可能性があります。 環境規制の厳格化や食品安全基準の変更などの規制の変更は、市場の動向に影響を与える可能性があります。 結論
安息香酸の価格は、世界的な需給、原材料費、経済状況、規制要因など、さまざまな要因の複雑な相互作用によって影響を受けます。過去のデータを分析し、現在のトレンドを理解し、将来の予測を検討することで、企業は安息香酸の調達、価格戦略、リスク管理について情報に基づいた決定を下すことができます。
ANALYST JAPAN
Call +1 (332) 258- 6602 1-2-3 Manpukuji, Asao-ku, Kawasaki 215-0004 Japan
Website: https://www.analystjapan.com
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mxargent · 1 year ago
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
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“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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kennak · 10 months ago
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[FSA]FSAは食品検査の継続に向けた新しい的を絞ったアプローチとして最新の小売サーベイランスを発表 FSA publishes latest Retail Surveillance Survey as new targeted approach to food inspection continues  19 February 2024 https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-publishes-latest-retail-surveillance-survey-as-new-targeted-approach-to-food-inspection-continues 英国食品基準庁(FSA)は、新しい食品安全リスクの監視に役立つ年次調査の結果を発表した。これは、市場に流通する食品について何処にリスクが存在するのか、そして何をサンプリングすべきなのかを知ることに特別に焦点を絞った調査である。調査は2022年10月に実施した。大規模販売店や小規模販売店、インターネット販売からさまざまな食品を購入し、未表示の食物アレルゲン、汚染物質、異物混入、組成の不正、不適格表示などについて検査した。 調査で得られた情報を元に、FSAの食品システムに関する知識が向上し、地方当局がリスクのある食品や課題へ直接リソースを注ぐことが出来るようになるとともに、検査で不適合が確認された場合には速やかにフォローアップ調査と適切な是正措置を講じることが可能となる。 報告書:Surveillance Sampling Programme https://www.food.gov.uk/research/research-projects/surveillance-sampling-programme-0 【目的】 イングランド、ウェールズ、北アイルランドにおける特定の食品のサーベイランスと分析を実施し、新しい食品安全リスクの特定とFSAの食品システムに関する知識向上を図る。 【方法】 英国認定サービスによりISO17025認定を受けた5ヶ所の公的管理試験所(official control laboratories: OL)と協力し、下記の2つの食品カテゴリーの計28品目、1,215検体を対象に、うち1,028検体は規制遵守の確認、残り187検体は研究を目的に検査を実施した。品目の詳細と検査項目はAppendixの表2~4を参照のこと。 主要食品(Basket of Foods):国民がよく消費している食品15品目、592製品(検体) サーベイランス品目(Surveillance Commodities):世界の食品市場に関する知識や情報を得るとともに、規制の遵守状況や科学的知見を得るために選択した食品13品目、623製品(検体) サンプリングは各地域のOLスタッフが行い、全製品のうち大規模販売店での購入が35%、小規模販売店での購入が65%を占めた。全体の10%はOLスタッフが現地購入できず、インターネット販売による購入であった。 【結果及び考察】 規制遵守を調べた1,028検体のうち、大規模販売店で購入した検体の規制の遵守率は96%であったのに対し、小規模販売店で購入した検体のうち25%は規制に不適合であった。 不適合の190検体では、食物アレルゲン、真正性、汚染物質、組成、表示における問題が確認された。 <主要食品> 良く消費される食品15品目、合計592製品の適切な法律への準拠を検査したところ、遵守率は63%~97%だった。 パン製品 ラベル又は予防的アレルゲン表示(PAL)に表示されていないゴマと乳のアレルゲン含有について分析した包装済みパン製品の遵守率は63%であり、調べた製品では最も低かった。35検体中7検体(20%)に未表示のアレルゲンが含まれていた。 ポークソーセージ 生・冷凍ポークソーセージでは、原材料の量的表示(Quantitative Ingredients Declaration:QUID)の遵守を検査するために肉の含有量を、未表示のスパイス含有を検査するために肉種を分析した。検査した40検体の遵守率は70%だった。小規模食品企業から購入した検体のうち6検体の肉の含有量は表示された値を下回っていた。小規模食品企業の1検体に、豚肉に加えて羊肉のDNAが13%検出されたが、関連成分表に羊由来成分の含有は明記されていなかった。さらに5検体で不正表示(QUID記載なし、成分表にアレルゲンが太字で強調されていない、未承認着色料の使用、成分表に成分欠落など)が確認された。 乳 脂肪含有量を検査した30検体の乳の遵守率は73%だった。部分脱脂乳の3検体の脂肪含有量は規制で許可された1.8%よりも多かった。さらに5検体の脂肪分は許容量より少なく、このうち4検体は全乳で1検体は部分脱脂乳だった。 オレガノ オレガノの検体は、真正性を顕微鏡検査で調べ、アフラトキシン類、オクラトキシンA、重金属の含有を分析した。この30検体の遵守率は73%だった。顕微鏡検査から、オレガノ以外の葉を含むことが示された4検体が確認され、そのうち3検体には10%~25%の割合でオリーブの葉が含まれていた。4つめの検体には一般的にオレガノに関連するのとは大きく異なる官能特性があり、更に検体を調査したが結論は出ていない。だが、生産国はイランで、イランでオレガノと指定されている植物種と一致する可能性がある。また、顕微鏡検査では昆虫の破片や合成繊維のかけらを確認した。重金属分析では鉛のレベルが5.68 mg/kgの1検体が明らかになった。乾燥オレガノの鉛の規制値はないが、過剰量だと考えられる。オレガノの検体はいずれも、検出されたアフラトキシン類やオクラトキシンAのレベルに関する違反はなかった。乾燥オレガノと名付けるべき1検体に表示不正が確認された。 オリーブオイル オリーブオイル36検体の真正性と組成を調べた。全体的な遵守率は75%で、4検体のオリーブオイルが成分要件を満たしておらず、さらに5検体には表示に不備があった。エクストラバージンオリーブオイルの3検体は、11の定義された特性のうち、10しか準拠していなかったため、成分検査で不合格となった。このうち2検体では、比吸収値K232の規定最大値2.50を超え、もう1検体は酸度が最大値0.80を超えていた。4つめの組成違反検体はバージンオリーブオイルで、バージンオリーブオイルとしての要件に従っていたのは調べた11の特性のうち6つだけだった。確認された表示問題は、不適切な保存状態、所定の形式ではない栄養情報、輸入業者の企業名と住所なし、耐久性に関する誤った表現などだった。 挽肉 牛挽肉の検体では、脂肪量、コラーゲンとタンパク質の割合、表示の遵守を分析した。分析した40検体のうち組成違反5検体、表示違反2検体で、全体的な遵守率は83%だった。 バスマティ米 バスマティ米の検体では、PCRマイクロサテライトマーカーを用いて、米の真正性を検査した。割れた米粒の割合も測定し、品質の悪い米で代替されていないか確認した。調べたバスマティ米36検体の遵守率は83%だった。3検体が真正性検査で不合格だった。1検体では承認されたバスマティ米品種が全く含まれておらず、100%非バスマティ米品種だった。2検体には非バスマティ米品種が18%と20%含まれ、「バスマティ米の実施規範(2022年7月)」で規定された要件(非バスマティ米の含有率7%以下)を超えていた。さらにもう1つのサンプルは、変性したDNAしか抽出されなかったため、検査が完了せず、結論は出なかったと報告された。2検体は割粒が規定の量(割粒の量は10%以下)を超えていたため組成検査に不合格だった。 バター/マーガリンスプレッド 46検体の乳製品ベースのバターやマーガリンスプレッドの乳脂肪含有量が検査され、分析結果は全て申し分ないが、6検体は表示不適切と判断され、この種の商品の遵守率は87%だった。 チーズ 包装済みチーズ35検体の、使用された乳製品の真正性、脂肪含有量、表示を検査したところ、遵守率は91%だった。違反製品は3検体で、真正性で1検体、組成で1検体、表示で1検体が違反であった。「ブルガリアの羊乳のチーズ」では、牛と羊両方のDNAが検出され、羊乳と牛乳の含有が示唆された。この検体には成分表に「生物学的レンネット」が含まれていたが、「ベジタリアンに適している」という文言から、動物由来ではないと想定される。「モッツァレラ」と記載された検��には表示された値より脂肪分が42%少なく、一般的なモッツァレラより乾燥して見えた。フェタチーズの表示は英語ではなく、翻訳の際、アレルゲンとして乳が強調表示されていなかった。 ビーガン製品 ビーガンと表示され���乳、卵、ピーナッツのPAL(「含まれる可能性がある」など)の表記のない、合計40検体のビーガン製品について、アレルゲンの含有を検査した。遵守率は92%で、ビーガンアイスクリームの3検体にアレルゲンが検出された。 プレーンヨーグルト 低脂肪プレーンヨーグルトでは、脂肪含有量、乳タンパク質、安息香酸、ソルビン酸を検査し、遵守率は93%だった。調べた46検体のうち2検体は組成違反、1検体は表示違反だった。1検体に検出された脂肪含有量は0.8 g/100gで、低脂肪と表示できる最大許容量を超えていた。天然ギリシャ風プレーン低脂肪ヨーグルトには62 mg/kgのソルビン酸が含まれていたが、ソルビン酸は、発酵後に加熱処理された風味のない発酵乳製品、すなわち「凝乳のみ」においてのみ許容されている。この製品には加熱処理の表示がないため、ソルビン酸は検出されないはずである。表示不適切と報告されたヨーグルトの検体には、所定の形式で栄養情報や賞味期限の指示がなかった。 コーヒー ロブスタ種やアラビカ種の豆と明記された粉末及びインスタントコーヒーの真正性が検査され、分析した46検体の96%が満足のいく結果だった。不適切な2検体はどちらも粉末コーヒーで、小規模食品企業からオンラインで購入した。ロブスタ種とされていたが、NMRプロファイルにより、検体はアラビカ種とロブスタ種の豆の混合物であることが示された。 「○○を含まない」製品 「○○を含まない」とする合計66製品について、関連するアレルゲン(ナッツ、乳、グルテン)の含有について検査した。それぞれの「含まない」表示について22検体を分析し、全体では97%の遵守率であった。1検体に20 mg/kgを超えるグルテンアレルゲンが検出され、チョコレートチップクッキー1検体の成分表にアレルゲンが含まれていた。 オレンジジュース オレンジジュースの検体では、未承認着色料の含有、組成(ブリックス、二酸化硫黄)及び表示について検査した。遵守率は97%で、オレンジジュース36検体が検査された。1検体のブリックスレベルが規則の要求する値よりも低かった。 ウコン ウコンの検体では、ニッケルやクロムなどの重金属、アフラトキシン、オクラトキシンA及び未承認着色料の検査をした。調べた30検体のうち1検体が違反として報告され、遵守率は97%だった。アフラトキシンは、回復と測定の不確実性の補正を考慮しても、最大許容量を超えていた。
2024-03-06 - 食品安全情報blog2
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skf14 · 4 years ago
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11060007
間接照明なんて小洒落たものは、この部屋には置いていない。それは私の生活に、そんなオプションにまで気を配るほど金銭的にも精神的にも余裕がないせいでもあったし、そもそもワンルームの狭い部屋でテレビ以上に程よく光を与えてくるものなどないからでもあった。
「そろそろ照明買えよ。」
「なんで。」
「だってお前、セックスする時暗いと何も見えないじゃん。かと言って部屋の電気は付けさせてくれないし。」
「明るいの恥ずかしいから付けない。それに、テレビつけてるじゃん。十分見えるでしょ。」
「そのせいで俺らは深海魚に見守られながらハジメテを迎えたわけだけど。」
「素敵な初夜じゃない。それに、強いて言うなら今日も、ね。」
そう、今日も、私と彼は、狭いシングルベッドの上で、深海のドキュメンタリー映像に見守られながら繋がった。夏の暑い日、地球に鞭打ってクーラーをガンガンに効かせ、程よい室温の中で体温を分け合った。光る四角の中では、ゆらりゆらりと奇抜な形と色をしたクラゲが、波も音も光も何もない水の底を揺蕩っている。まるで私たちみたいだ、とその様子を自嘲すれば、彼は、詩的なことはよくわからない。と眉を下げるんだろうか。
「嫌い?深海魚。」
「いや、嫌いじゃない���どさ。」
「なら良かったじゃんか。何、それともガキ使でダウンタウンに見守られながらしたかった?」
「色々アウトだよバカ。何が悲しくて、おっさんがケツしばかれるとこ見ながらイかなきゃいけないのさ。」
「ふは。」
あいにく私はブルジョアな身分じゃないただの派遣社員だし、いつ切られるか分からない首を皮一枚つなげて、なけなしの賃金は生活に消えていくし、彼は輪郭の曖昧な夢と、どこかにあるはずだと信じて疑わない「自分にしか出来ないこと」を追いかけるだけのフラフラした大人だし、未だにどんな仕事をしているのかすら知らないし、間接照明は大体部屋が沢山ある家に住むちゃんとした大人が所持するものだろう。私の家には、相応しくない。この価値観はいつどこで拾ったものなのか、どう育ったものなのか、最早分からない。
彼が煙草をやめてから、どのくらい経っただろう。気を遣って、彼が初めて家に来る時買っておいた百均の灰皿は、シンク下の扉の中で埃を被っている。別に嗜好品まで支配する気はない、と遠回しに伝えた私に彼は、「でも好きじゃないんでしょ?なら、キスもするし、辞めるよ。」と笑った。あぁ、ダメになる。と思う。私は、いつまでも私のまま、立っていたかった。
「あ、出た、お前の好きなやつ。」
「そろそろ名前覚える気ない?」
「覚えらんないよ。こんな難しい名前。」
「ミシシッピアカミミガメより短いし、簡単でしょ。カイロウドウケツ。」
「ヘチマ乾かしたやつにしか見えねぇ。」
「もうヘチマにしか見えない。」
画面の中で、海綿体の仲間、カイロウドウケツがゆらゆらと海底に生えているのを、大して興味もなさそうに彼が私の身体越しに見ていた。偕老同穴。言葉を先に知っていた私は、己がそれを好きになった皮肉をひしひしと感じていた。いや、別に関係はない。ただ、その二酸化ケイ素、いわゆるガラスで作り上げられた骨格が美しく、惹かれただけだ。
テレビに夢中になっていた私を、彼は抱き寄せて頸にキスをして、好きだと言っていた腰のラインを撫でて、まるで愛用の抱き枕のように優しく扱う。彼にとって心地良い存在になっていることを、微塵も疑わなかった。少なくとも身体に関しては、細く、白く、肌触りが良いように気を付けていたし、それを褒められるのはとても幸せなことだった。少し無骨で私よりも大きな手が私を撫でる時間が、夢のような心地を私に与えた。
私と彼、どちらがエビなのだろう。カイロウドウケツは、網目構造内、胃腔の中にドウケツエビ、というエビを住まわせている。このエビは幼生のうちにカイロウドウケツ内に入り込み、そこで成長して網目の間隙よりも大きくなる。つまりは外に出られない状態となるのである。
寄生、依存、嫌な言葉はいくらでも思い浮かぶ私の脳は、「共存」というたった一言を導くことが出来ない。そう、私たちが、将来的に分化し、雄と雌の番になって一生を過ごすエビ同士だと、どうしても思えないように、私は彼のもの、彼は私のもの、そんな歪んだ物差しで、いつも彼を見つめていた。
カイロウドウケツにとって、ドウケツエビを住まわせるメリットは何もない。知らぬ間に己の中へ勝手に入り込み、出られなくなるほど大きくなり、カイロウドウケツに引っ掛かった有機物や、食べ残しを啜りながら、そのガラスの網目に守られ、身勝手にもオスメスに分裂し、安寧の中で呑気に繁殖する存在だ。これを共存などと呼んでしまえるほど私の神経が図太ければ、よかったのに。
彼は、私がなぜこの生き物を好きなのか、知らない。
「片利共生。」
「ん?何?」
「ううん、何もない。」
「そう。そろそろ寝よう。もう眠いよ俺。」
「うん、明日何時に起きる?」
「予定もないし、起きた時に起きれば良いじゃん。」
「だね。で、パン屋行って昼食にしよう。」
「だな。」
「じゃあ、おやすみ。」
「ん、おやすみ。」
テレビに釘付けな私の背後で、背中を向けた彼は布団を鬱陶しそうに胸元まで押しのけ、眠る体勢へと入った。暖かい体温を背中に感じながら、私の思考はまたカイロウドウケツへと戻ってくる。彼らのような関係を、片利共生、と呼ぶらしい。片方がメリットを享受し、片方にはメリットもデメリットもない。これが仮に、片方に寄生することで害を及ぼす場合、片害共生、と呼び名が変わる。互いに利益を及ぼす場合は、相利共生。
彼と私のような関係は、どれに当てはまるのだろう、と、カイロウドウケツを見る度に思う。勿論、人間関係が、恋愛感情が、メリットデメリットで全て片付くなんて、そんな機械的思考は持ち合わせていない。が、しかし。私は彼のガラスで出来た繊細な檻の中で自堕落に自由を堪能している能無しなのかもしれないし、彼を囲うように己の身体を組み替えて腹の中に収めている傲慢な女郎蜘蛛なのかもしれない。考えは広がり、収集がつかなくなってゆく。彼はとっくに眠りに落ち、すぅすぅと穏やかな寝息が聞こえてくる。寝つきがいいのが自慢だと、小学生のような誇らしげな顔で彼は言っていた。私はそれをBGMにしながら、思考の海を漂うのが好きだった。
揺蕩う思考の中は掌で温めたローションみたいで、冬場にしっかり保��した私の二の腕の内側みたいで、要するに、柔らかくて気持ちがいい。微睡みにも似ているこの感覚が好きで、私は脳を休ませない。
私が彼を家に誘った時、意を決して彼にのし掛かったら、「我慢出来なくなるからやめてくれ。」なんて泣き言を言われて、柄にもなく興奮した。可愛い、と思った。だから私は、いいよ。と、ただ一言、それだけ言って、身を委ねた。初めての経験だった。苦手だった人肌も体温も、彼のものであれば共有したいと思えた。不思議だ。人間というのは、杓子定規にはいかない。私は、彼と、恋人をした。ありとあらゆる思いつくことをした。させた。付き合わせた。楽しかったのだ。どうしようもなく、まるで初めておもちゃをもらった子供のように、際限なくはしゃいだ。あれは間違い���く、初めての、恋だった。
画面の中、私の目に四角く映る白い画面の中では、名前すら判明していないカニの一種が寄り添い合って、海底に沈んだ鯨の骨を啄んでいた。ふわふわと千切れて漂う頭蓋のふやけた脂肪が、いつか北海道で見た大きな綿雪のようで、私は寒くもないのに布団に潜って、彼の背中に寄る。丸くて、暖かい。生きている人間がこうして、隣にいる。私はダメになりそうになって、ダメになってもいいか、と自分を甘やかして、明日なんて別にどうでもいい、と、心の蟠りを全部捨てて、意識はまた脳内の深海へと戻っていく。
私、貴方に、ずっと言えなかったことがあるの。そう。私、貴方の前ではそれなりにちゃんとしてたけど、本当は全然ちゃんとしてないのよ。仕事から帰ったら服は脱ぎ散らかすし、好き放題開けたピアスは毎日どこか付け忘れてみっともなく穴だけ取り残されてるし、キャッチはすぐ無くすし、しょっちゅう転がってるの踏むの。勿論、貴方から貰ったのは、ちゃんとケースに飾ってあるけど。子供は嫌いだし、マトモな生活だってしないし、ファーストフード大好きだし、お肌はたまに荒れちゃうし、それに、人の愛し方が分からなかったの。
尽くせば気持ちが伝わるって、それはただの自己満足だって、言われたわ。見返りを求めてるように見える、って。そうよね、当たり前だわ。分かってた、私。でも、それ以上の正解が見つからなかった。私に愛されちゃった貴方が可哀想で、申し訳なくって、ごめんなさいって、考える度そんな気分になるわ。謝るのだってきっと、自己満よね。
「愛、って。なんだっけ。」
ぼそり、溢れた言葉を拾う人間はいない。ゆらりゆらりと画面を横切る脳のないクラゲには、そんな芸当させられない。美しいものは、美しいというだけで、もうそれ以上すべきことはない。人間ばかりがどうにも醜いから、世界のアレやコレや��せずにはいられない。愛。愛って、何?義務?オプション?幸運?麻薬?どんな例え方をしても、しっくりこない。ただ、私は貴方を愛だと例えるし、貴方は私を愛だとは例えないだろうってことは、分かる。悲しいわ。私、貴方のことになると、年甲斐もなく悲しくなる。
窓が白んでいるのに気付いて、私はそっとスマホを傾け、時刻がもう朝の4時を迎えようとしていることに気づいた。3:58。偶数は、割り切れるから気持ちがいい。今から眠ればきっと目が覚めるのは11時過ぎで、私よりもゆっくり眠る貴方は私に起こされて、ぐずりながら私を抱き寄せるのね。
テレビを消し、意識しなければ消えていきそうな光を捕まえて、彼の方を向いて見た。相変わらず背中しか見えない。着ているスウェットからは、私の使ったことのない柔軟剤の匂いがして、私の好きな香りじゃないのに、落ち着いてしまうのが妙に悔しかった。貴方が愛されてる匂いだわ、なんて、捻くれた私は胸がチリっと焼ける気分になる。貴方のお母さんが、貴方を思って洗った服。羨ましかった。愛されても愛されても、飢えてしまう病気なのだと、私は彼の憎らしい香りを胸いっぱいに吸い込んで、軋む肋骨を摩った。
普段無駄にある語彙を尽くしても、結局、好きだと、それだけが彼に抱いていた感情だった。馬鹿みたい、そんなはしゃげる歳でもなかったのに。彼よりも歳上で、しっかりしなきゃいけなかったのに。
私は彼の背中をそっとなぞり、そして、息を潜めてぴったりくっついた。
微かに聞こえる鼓動の音。
私と同じ形の、身体。
馬鹿ね、私も貴方も。セックス、なんて、覚えたての中学生みたいに茶化しあって、感覚で快楽を共有して、繋がれるモノも場所もないのに、歪な形を自覚した上で、ここに存在するのが最上の愛だって、信じてやまないの。違和感だらけの世界で、何も考えず貴方を見上げてた刹那が、どうしようもなく、幸せだった。こんな思考なんて今すぐにでも燃えるゴミに出してしまえそうな、堕落を悪だと思わない洗脳にも近い、強烈な幸せ、だった。
うん、幸せだった。私。今更理由が分かったの。きっとあれは、私が、貴方で幸せになってた時間だったんだわ。貴方と幸せになりたかった私の傲慢さが、私にしか見えない世界で、私を道化にしたのね。
貴方がいなくなってからもう、随分と時が経った。のに。未だにベッドに眠る度、私の顔の横へ肘をついてキスに耽る貴方を思い出す。私の好きなぬいぐるみを枕に惰眠を貪る貴方を思い出す。五感に結びついた記憶は厄介だと、貴方が身をもって教えてくれた。
今更、もう一度貴方と共に、なんて、そんなことは思わない。ただ、もう少しだけ、せめて深海に潜る時だけは、貴方を思い出すことを、許して欲しい。
共に幸せになれなかった、懺悔を込めて。
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naturise-hurom · 6 years ago
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自律神経の乱れを整える栄養素を簡単チャージ!
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「気象病」対策におすすめの5大栄養素
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①ビタミンE
「抗酸化ビタミン」とも呼ばれるほど抗酸化作用が高い脂溶性のビタミンで、細胞を酸化させる活性酸素から身体を守ります。血流を促したりコレステロール値を下げたりする働きがあるほか、自律神経を正常な状態に導き、症状を緩和しながら、ホルモン分泌をコントロールする働きもあります。 <多く含まれる食材> ゴールドキウイ、キウイ、アボカド、赤ピーマン、大根の葉
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②ビタミンA
皮膚や粘膜の構成にかかわり、肌をはじめ目や口、鼻、のど、気管支などの粘膜の健康維持に効果の高い、脂溶性のビタミンです。活性酸素を除去する働きもあり、ビタミンEと同じく「抗酸化ビタミン」と呼ばれます。乱れた自律神経を整えて、「やる気が出ない」などの症状を和らげる作用もあります。 <多く含まれる食材> ニンジン、ほうれん草、小松菜、カボチャ、メロン、スイカ、マンゴーなど
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③マンガン
骨の形成や糖質・脂質代謝に働く酵素や抗酸化に役立つ酵素など、さまざまな酵素の構成成分になり、それらの働きをサポートする栄養素です。骨や軟骨、皮膚などの健康を保つ重要な役割を果たすほか、過敏になった神経を和らげて、イライラを鎮める作用もあります。 <多く含まれる食材> ショウガ、パイナップル、レンコン、たけのこ、しそ、バジル、きんかんなど
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④マグネシウム
ミネラルの一種で、骨や歯の形成に必要不可欠な栄養素です。エネルギー代謝、血圧や体温、血糖値のコントロールにも関与しているほか、脳や神経の興奮を鎮め、精神を安定させる働きもあります。うつ症状を緩和する効果にも期待され、気象病の予防・改善にも役立ちます。 <多く含まれる食材> アボカド、ショウガ、枝豆、ソラマメ、バナナ、栗、ごまなど
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⑤必須アミノ酸
筋肉や血液、爪、臓器などを構成する、私たちの身体に欠かすことのできない重要な栄養素の「たんぱく質」は、20種類のアミノ酸の集合体です。そのうち体内で合成されないアミノ酸が「必須アミノ酸」と呼ばれ、そのため食事から摂取する必要があります。必須アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジンの全9種類。生命維持に必要不可欠なだけではなく、自律神経を整える働きがあり、「お休みモード」から「活動モード」へとスイッチを入れ替える役割も担います。この時期はとくに積極的に摂取しましょう。 <多く含まれる食材> バナナ、アーモンド、大豆食品、枝豆、黒酢、卵、プロセスチーズなど
気象病対策スロージュースレシピ 「キウイジンジャーキャロット」
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自律神経のコントロール効果のあるビタミンEが豊富なゴールドキウイと、同じく自律神を整える働きのビタミンAが豊富なニンジン、神経過敏を和らげるマンガンを含むショウガをミックスした、甘さの中にきりっとしたショウガの辛みを感じる大人のスロージュースです。
【材料(約200ml程度)】
ゴールドキウイ(完熟)・・・2個
にんじん・・・1本(約200g)
ショウガ・・・薄切り1枚分(約2.5g)
★スパイス感がお好きな方は薄切り2枚分(約5g)に増やしてもOKです。
★お好みでパイナップルを加えてもおいしくいただけます。
【作り方】
1. ゴールドキウイは皮をむいて輪切りに、ニンジンはよく洗って皮をむかずに小指の太さほどに切り、ショウガは薄く皮をむいて5㎜幅にスライスする。
2.Huromスロージューサーのジュースキャップを閉じ、ドラム内に材料が溜まる状態にしてから、レバーを「Close」にして作動させる。
3. ゴールドキウイ、ニンジン、ショウガの順に入れて搾汁する。ニンジンは固いため一気に入れると搾汁途中で停止してしまう場合もあるので、少しずつ入れましょう。よく混ざるまでドラム内で混ぜ合わせる。
4. 最後に必ずレバーを「半開」の位置に合わせ、ストレーナーに張り付いた絞りかすを排出させる。
(レシピ監修 : フードコーディネーター 音仲紗良)
自律神経を整える栄養素を手軽に摂れるスロージュースで梅雨を健やかに
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<管理栄養士 北村絵梨子氏>
気象病のメカニズムはまだまだ分からないことが多いですが、自律神経の乱れが一つの要因ではないかと言われています。自律神経は体の機能を無意識のうちにコントロールしています。活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」の2つからなり、この2つがバランスよく働くことで健康状態が保たれています。天候の変化やストレス、不規則な食習慣などで自律神経のバランスが乱れると、体に不調をきたしてしまいます。甘みの強いゴールドキウイには、体の“サビ”を防ぐ働きがあるといわれる、ビタミンEがキウイよりも約2倍多く含まれています。人参には、β-カロテンが豊富に含まれています。このβ-カロテンは、体の中で必要な量だけビタミンAに変化してくれます。ビタミンAは、疲れにくい体を作るのに役立ち、体の不調を和らげてくれます。また、生姜にはマンガンやマグネシウムを含みますが、香りや辛味にも優れた効果があります。生姜特有のピリッとした辛さが、病気と戦う力を高めてくれます。これらの栄養素を手軽に摂れるスロージュースを上手に使って、梅雨の時季を乗り切りましょう。
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genkidesuka2022 · 2 years ago
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少しだけ気にしてみませんか? 身近な危険な食品添加物12選
今の時代、食品添加物には食品の腐敗や変色を防いだり発色香りなどを良くする作用があるので、食中毒のリスクを防ぐためにも美味しさを感じられる食品を安全に流通させるためにも欠かせないものとなっています。
これは現実です。
普通に生活していて食品添加物を食べない日なんてないのはないでしょうか。
なので、栄養を過剰に摂取してしまう恐れや健康を害する恐れもあると言われているのも現実です。
そこで今回は、数百種類ある食品添加物の中でも特に身近に多くの食品に使われている、少しだけでも気にして欲しい危険な食品添加物を12種類を取り上げてみました。目次
少しだけでも気にして欲しい危険な食品添加物を12種類
危険な食品添加物1・亜硝酸ナトリウム
危険な食品添加物2・次亜硫酸ナトリウム
危険な食品添加物3・アスパルテーム
危険な食品添加物4・アセスルファムカリウム
危険な食品添加物5・スクラロース
危険な食品添加物6・合成着色料
危険な食品添加物7・安息香酸ナトリウム
危険な食品添加物8・ソルビン酸カリウム
危険な食品添加物9・OPP Tbz イマザリル
危険な食品添加物10・BHA 
危険な食品添加物11・臭素酸カリウム
危険な食品添加物12・カラギーナン
最後に
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少しだけでも気にして欲しい危険な食品添加物を12種類
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危険な食品添加物1・亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは食品の見た目を良くするために用いられる発色剤で、硝酸 Na と表示されることが多い添加物です。
おもに
ハム
ソーセージ
魚肉ソーセージ
ベーコン
コンビーフ
いくら
たらこ
などに使用されています。
亜硝酸ナトリウムが使用されている食品は、黒ずむことなく鮮やかな明るい色を発するため美味しそうに見えますが肉や魚に含まれている2級アミンという成分と亜硝酸ナトリウムが反応することで、ニトロソアミンという強い発がん性物質を生んでしまうことが分かっています。
その他にも
吐き気
嘔吐
下痢
チアノーゼ
血圧降下
血球崩壊
中枢神経麻痺
といった症状を引き起こす危険性があるとも言われています。
危険な食品添加物2・次亜硫酸ナトリウム
次亜硫酸ナトリウムは食品を漂白するために用いられる還元漂白剤で、次亜硫酸 NA と表示されることが多い添加物です
漂白剤だけでなく酸化防止剤としての役割も果たしています。
おもに
ワイン
海老
かんぴょう
乾燥果実
などに使用されています。
次亜硫酸ナトリウムが使用されている食品は漂白されたことによって、色味が綺麗になり味や風味を保ちやすくもなりますが酸化してしまうと次亜硫酸ナトリウムがピロ亜硫酸ナトリウムという物質に変化し、ビタミン B 1を結合させる可能性があり
下痢
成長不順
を引き起こす危険性があると言われています。
なお以前は、煮豆やカット野菜などにも次亜塩素酸ナトリウムが使用されていましたが、現在はごま豆類野菜に使用することは禁止されています。
危険な食品添加物3・アスパルテーム
アスパルテームは食品に甘味を加えるために用いられる人工甘味料です。
主に
清涼飲料水
お菓子
調味料
ダイエット食品
などに使用されています。
アスパルテームの甘味は砂糖の160倍から220倍ほどあり、1983年の発売以降120か国以上で1万品目以上の食品や飲料に使用されていますが安全性と危険性については、今も論争が続いている状態です。
厚生労働省では成人の1日の許容摂取量を約2gまでと設定しており、これ以上摂取しなければ健康への悪影響はないとしています。
しかし大量に摂取すると
脳腫瘍
認知症
アレルギー
などを引き起こす危険性があると言われています。
危険な食品添加物4・アセスルファムカリウム
アセスルファムカリウムは、アスパルテーム同様食品に甘味を加えるために用いられる人工甘味料で、アセスルファムk と表示されることが多い添加物です。
アスパルテームよりも安価なので、より多くの食品メーカーや飲料メーカー���採用されています。
主に
清涼飲料水
お菓子
ノンアルコールドリンク
などに使用されています。
アセスルファムカリウムは、摂取しても消化や吸収されることなく体外へと排出されるため、厚生労働省でも発がん性毒性カロリーはなく、血糖値やインスリン分泌に影響を与えないとしています。
しかしながら製造工程で、塩化メチレンという発がん性物質を溶媒にも用いているケースがあります。
この塩化メチレンを長期的に摂取することで、
頭痛
吐き気
抑うつ
肝臓
腎臓
への悪影響などを引き起こす危険性があると言われています。
危険な食品添加物5・スクラロース
スクラロースはアスパルテームやアセスルファムカリウム同様人工甘味料で砂糖の600倍の甘味があり主に清涼飲料水コーラカレーのルー福神漬けなどに使用されています
スクラロースは農薬の研究開発中に偶然発見された化学物質で、アセスルファムカリウムと同様に摂取しても吸収されることなく、体外へ排出されますが摂取し続けることで蓄積されていく危険性やホルモン系や免疫系に悪影響をもたらす危険性もあるようです。
またスクラロースを138°以上で加熱すると人体に有害な塩素ガスが発生するため、スクラロースが入っている食品や飲料を高温で加熱するのは危険とされています。
特に揚げ物、炒め物に使うときは過熱しすぎに注意が必要です。
危険な食品添加物6・合成着色料
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合成着色料はその名の通り、食品に色をつけるために用いられる合成色素です。
おもに
お菓子
ジュース
ハム
かまぼこ
ちくわ
漬物
などに使用されています。
単に着色料と表示される場合や赤2黄4青1のように、色の種類とナンバーで表示される場合もあります。
以前の合成着色料は、コールタールを原料とするタール色素が主流でしたが、強い発がん性を持つことが分かったため廃止になり、現在は石油から精製されるものが主流となっています。 
しかしながら現行で使用されている合成着色料も、染色体の異常や遺伝子の損傷発がん性の危険性などが報告されているようです。
また今もなお日本だけで認可されている着色料がいくつかあります。
例えば黄4と表示されることの多い黄色4号は、アレルギーや情緒不安定を引き起こすとして欧米では禁止されています。
危険な食品添加物7・安息香酸ナトリウム
安息香酸ナトリウムは食品の腐敗を防ぐために用いられる合成保存料で安息香酸 NA と表示されることが多い添加物です。
主に、
栄養ドリンク
マーガリン
キャビア
などに使用されています。
安息香酸ナトリウム自体には毒性は認められていませんが、ビタミンCと一緒に摂取することでベンゼンという発がん性物質が生成される危険性があると言われています。
危険な食品添加物8・ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは安息香酸ナトリウム同様、食品の腐敗を防ぐために用いられる合成保存料でソルビン酸Kと表示されることが多い添加物です。
主に、
ハム
ソーセージ
漬物
かまぼこ
ちくわ
ワイン
チーズ
ジャム
などに使用されています。
ソルビン酸カリウムは腸内細菌を減らして、免疫に障害をもたらす危険性や一番最初にご紹介した亜硝酸ナトリウムと一緒に摂取することで、発がん性を誘発する危険性があるようです。
危険な食品添加物9・OPP Tbz イマザリル
 OPPは正式にはオルトフェニルフェノール 、Tbz はチアベンダゾールという化学物質でOPP、Tbz、イマザリルはいずれもも柑橘類の表皮に散布される防カビ剤です。
主に海外産の、
オレンジ
グレープフルーツ
レモン
などに使用されています。
これらの防カビ剤は遠くの国から日本へと輸入するためには欠かせないものですが、農薬として使用されているものなので、直接口にすれば毒になると言っても過言ではないほど危険な添加物です。
現に、遺伝子の損傷や腎臓の異常を引き起こす可能性も報告されています。
ただし、果物の表面をよく水洗いし、皮を剥いて食べるぶんには問題ありませんので、食べる時は必ず水洗いしてから召し上がって下さい。
危険な食品添加物10・BHA 
BHAは正式には、ブチルヒドロキシアニソールという化学物質で、食品の酸化を防ぐために用いられる酸化防止剤です。
主に、
バター
マーガリン
お菓子
食用油脂
ビール
ペットフード
などに使用されています。
BHAには発がん性やアレルギーを引き起こす危険性があるとわかっており、現在も研究が続いている状態です。
特に体の小さいペットにあげるフードには、気を付けたいですね。
危険な食品添加物11・臭素酸カリウム
臭素酸カリウムはパンの品質を向上するために用いられる小麦粉処理剤で、主にパンに使用されています。
臭素酸カリウムには発がん性があることが報告されており、実際にEU諸国をはじめとするいくつかの国では使用が禁じられていますが、日本ではパンに0.5 ppb 未満の濃度であれば使用してよいとされているため、現在も臭素酸カリウムが使用されているパンは少なからず流通しており、安全性に対する議論が続いている状態です。
危険な食品添加物12・カラギーナン
カラギーナンは食品にとろみをつけたり固めたりするために用いられる増粘多糖類です。
主に、
ジャム
ソース
ドレッシング
お菓子
カップ麺
ケーキ
アイス
などに使用されています。
カラギーナンは海藻の一種である紅藻類から抽出されるため、天然の添加物ではありますが毎日摂取し続けると体調不良をもたらす恐れや発がんを促進する恐れがあると考えられており、特に妊婦や授乳期の女性の摂取は危険とされています。
最後に
現在、日本では400種類以上の食品添加物が認可されて多くの食品に使われています。
出来れば少しでも不安のある食品添加物は、摂取しない方がいいと思います。
しかし現実問題としてそれは、とても難しい事だと思います。
しかし不必要に多くの食品添加物を避ける事は出来ると思います。
気にしすぎるのも問題かもしれませんが、毎日食べている食品に含まれている食品添加物がどういうものか少しでも知ることは、大切な事かも知れませんね。
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tomo2411 · 2 years ago
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レガーレさん @legarecoffeestand 毎月のお楽しみ 今月のコーヒーのケニアをチョイス ケニアって高いよね〜 ↑生豆の値段のこと 円安だったり 世界情勢の不安定さだったり 最近の生豆の値段の爆上がりと言ったら 家計を直撃だよ~(。・ω・。)。 私にはケニアには 赤い大地のイメーシがあって 浅煎りの酸味の強さ 深煎りのまったりとしたコク どちらも好き なんて言うか ケニア特有のSL種の ジューシーなシトラス系の酸味 カシスやベリーのような リッチな味わい いわゆる「ケニアの味」とか 「アフリカの太陽の味」って よく表現される感じ?を 味わうのが好きってことね 自分で焙煎するなら フルシティまでもっていきそう 浅煎りだと止めるラインを なかなか選べそうにない気がする 難しいコーヒーだよ 淹れてもらう時に 瓶が開いた瞬間 ふんわりと漂ってくる 焙煎されたコーヒー豆の香りに 癒される〜 そしてそして 丁寧にハンドドリップされた 淹れてコーヒーの香りにも 癒される〜 カップを両手で包み込むよう��もって 鼻をコーヒーに近づけて 香りを堪能している私を 傍から見て「え?」って思った 女子高生に 店主さんが「香りを堪能されてるんです」と 優しくフォローしてくれてました そしてその女子高生 ふと見ると さっきまでスッピンだったのに メイクが完了し美人度アップ 元がいいって羨ましいわ ケニアは冷めてくると 酸味の立ち方も強くて かといってカドが立つ感じでもなく ジューシーなコーヒーを 美味しく最後まで味わいました レガーレ @legarecoffeestand 倉敷市二子291−5 10:00~17:00 不定休 #レガーレコーヒースタンド #倉敷カフェ #自家焙煎珈琲 #ハンドドリップ #エアストリーム #エアストリームカフェ #おかやまグルメ #岡山カフェ #珈琲好き · · · 飲み終わって外に出たら 制服姿だったはずの少女は ワンビに着替えてて いつの間にか大人になって見えたよ · · · #川大受診備忘録 ランチの後は循環器内科から お腹は満たされ体重も増えてる 胸痛なく過ごしたよ ちょっと不整脈?って思う日は あったけどって報告から始まり いつもの体重測定 43.2キロ ちょっと増えたやん? 前回の時のお昼が 赤福2個だったとは 到底言わないけど ランチはしっかり食べて体重測定すると 増えてて褒められる 翌々月の予約が学会と被るとかで 代替医でもいいかとか そんな確認をされたりもして そもそもこの月も祝日のおかげで ズレてんだけどな 呼吸器内科 先生はいつも体調どうだった? って聞いてこられるけど 喘息は大丈夫ってこたえると 循環器内科のカルテを見に行くから 初めから見て呼べばいいのでは?と 思ってしまう この日は4週あいてないから ヌーカラを持って帰るための 同意書らしきものに署名して 1週間後自宅で注射予定 そして循環器内科の先生も 学会がどーとか言われるから 注射は5週空けても大丈夫だから この日って先に予約を決めてもらった 久しぶりの耳鼻咽喉科 先生が流行りにのって 休まれてたのと 替医だったので予定が 上手く調整出来ず この日は一番最後 どんだけ待つのかなぁーと のんびり構えてたら 番号は出てないのに 扉が開いて呼ばれたよ 予定に入ってた 注射の時間が気になったらしく 早く診てくれたみたい 注射を受け取るだけでも 受診予定に備忘録的に 乗るらしいんよね もう注射は受け取ってたから なんだか申しわけなかったなー 何から変化はありましたか?って、聞かれたので 体重が増えましたって答えたら 「それは微差」 「1日の中でも それくらい変動しませんか?」 って言われたから 「私は素直に喜んだ」って答えたら 「うん。そうですよね。」って すんなり同意してくれた こーゆー優しさが大好き 次の受診の予定がまた難題 3科の先生の予定が合うのが 金曜日なのに ズレたらもうワチャワチャ 耳鼻科は落ち着いてるから 次は代替医に薬を処方してもおうと 言うことにして 12月の予約日を決める なんか先だな 1週間後 自宅で注射 ペンタイプだから簡単でした 最後のPICには血が、、、 ダメな方は見ないでね #ヌーカラ #貧血 #好酸球性副鼻腔炎 #難病 #喘息 #狭心症 #急性心筋梗塞 #病気のストレスは感じない #病気は個性 #上手く付き合うのが大事 看護士さんに 今更ながらマスクを注意されたんだけど 「このご時世なのでって」 どんな時世でも 病気は変わらんのだが? 私と同じ経験をして 同じ病気にでもならないと 聞き方にも配慮って 出来ないんだろうか?と思う 自分も病気持ちだし マスクは辛いけどしてます って言ってくる人 価値感の違いなので 押し付けないで欲しい マスクをすることで 身体を守ってると信じてる人で 私にはムリ マスクをしないことで 身体を守ってる 風邪をひいてるわけでもないのに マスクして動くと ホントに息切れがするし 酸欠にもなる みんな一緒だからって その状態を人にも強要するのは クビを締められてるかのようだよ? (Kurashiki, Okayama) https://www.instagram.com/p/CjphSvor65j/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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tppppp · 7 years ago
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人造人間国型
ディストピアっぽい世界で働くアーサー・カークランド型アンドロイドの話です
第455代ダービー伯爵に招かれ、オオサカの隠れた名店と名高いキタシンチのソウメン・バーを訪れた。ソウメンは、決して自己主張の激しい麺ではない。ネギとツユの下に隠れて決して目立たず、しかし田園の河川のように清涼なのど越しと小麦と塩のうまみが感じられる。ソウメンの質実剛健さは英国紳士の美学に通ずるものがある。
(警告:規定文字数超過 投稿不可)
アーサー・カークランド9286-R  レベル2-6 / マッチング110 スコア未計測    宇宙標準時 556:6E
 足の長さが不揃いでがたつきを起こす、不快な座り心地のパイプ椅子に体を縮こめながら、俺はロンドン・アイ――この手元の端末のことだ――に今しがた打ち込んだ文字列をじっと眺めていた。オオサカ・エリア4インターナショナル展示場の建設現場に併設された栄養供給所は、今日の作業を終えた無数のアンドロイドの群れがひしめき合い、店員を呼ぶ怒号に似た声と、仲間内でのお決まりの話題の応酬ですさまじい騒音に満ちていた。俺は決して目線を向けないように―― ましてや睨みつけるなんてことのないように――注意しながら、彼らが繰り返し交わし合っているフレーズに耳を済ませてみた。ラバ、ダブ!ダブ!ラバ、ダブ!ダブ!ラバ!ダブ!ダブ!  思わずため息が漏れた。なんてことだ、ほんの2ヶ月前までは、俺にはあの意味不明の暗号の意味がちゃんと理解できたし、なんだったら彼らに混じって同じ暗号の応酬が出来たはずである。しかしもうそれは叶わない。あの言語で会話ができるのはレベル3以上のアンドロイドに限られる。俺はつい先日の、あの事件が切欠で、レベル2へと転落したのだ。
 俺の席はレベル2アンドロイドに割り当てられたスペースにあり、ソ���メン製造機の丁度、真向かいの位置だった。この岩山の如く聳え立つ「シェフ」のレパートリーは中々広かったはずだが、レベル2のアンドロイドが注文できるようなメニューは事実上ソウメンしかない。ソウメン風グルテン・ネギ風ミドリムシフレーク添え。それが確か正式名称だったはずだ。もちろん、ローストビーフ風高アミノ酸キューブだの、カレーライス風味イソロイシン錠剤だのの比較的栄養価の高いのを注文したい日もある。特に今夜のような疲労が極度に達している夜は…しかし、それらの消費スコアの高すぎる品物が並ぶのは上座のテーブルだけで、今の俺にはとても手が出せない。きっとあのテーブルに座ってるのは知ってる奴らだ――俺にはそんな風に思えてならなかった。同じ建設現場で働く同僚のことだ。奴らのことだから、わざと俺の席が見える位置に陣取り、俺のみじめな様子をあざ笑いながら錠剤を齧り、発泡神経酩酊剤を煽っているに違いない。俺はテーブルに詰め寄ってよほど嫌味の1つでも言ってやろうかと考えたが、すぐにやめた。むやみな絡みは「品のよろしくない行為」と見做される可能性がある。これ以上のスコア減点は、とりわけ、「火星」に関して口にするような、自殺行為はなんとしても避けねばならなかった。
 俺はロンドン・アイに意識を集中させ、規定文字数以内でソウメンを褒め称える文章を推敲し続けた。その間我らがシェフは、排水管から汚物まみれの下水が吹き出すような濁った音を立てて、ずらりと並んだカップへソウメンを順番に叩きつけていた。小さすぎるカップからだらしなくはみ出したソウメンもツユも、全く拭われる様子もない。殺気立った様子の店員が、トレイにソウメンを乱暴に並べながら、また店中のあちらこちらにすっ飛んでいく。この供給所に配置されているスタッフは彼1人だけのようである。  それでもここのソウメンの品質は良いんだ、ほんとに。という、良かったところを探し出す系の書き込みををするべき、だろうか。それともストレートに、この供給所はキタシンチの名店どころか廃材置き場同然の簡素な作りで、ソウメンもほんのりと不純物処理所の芳香がすることを書くべきだろうか。 どちらの書き込みの方が、「英国紳士らしい」のか。
☓☓☓☓思 ☓ ☓こと☓☓☓☓、思っ☓まま☓☓☓☓☓書☓ばいいんだ。☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓人☓目☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓
アーサー・カークランド8756-E  レベル3-5 / マッチング13568 スコア5532/6693     宇宙標準時 586:3F
 その間にもロンドン・アイには、誰なんだか分からない「アーサー・カークランドたち」の書き込みが次から次へと流れ込んできた。レベル3.5以上のアンドロイドの書き込み――よって、ロックがかけられた俺のアイセンサーでは文字化けして意味を為さない文章としか読み取れない文字の羅列。だが、スコアの高さから見てそれは極めて英国紳士らしく、社会性に富み、読む者を感嘆せしめる内容であるようだ。  俺は少しでも高スコアの根拠を知るためにその文字列を隅から隅まで観察した。こんなふうに、文字数は適当な長さにカットした方がいいのかもしれない。内容はどうか。ところどころに散っている判別可能な文字から推測するに、「思ったことを思ったまま書けばいい」と書いてあるように思えた。何の計算もなく、思ったことを思ったままに――俺は自分の想像したそのエンパワメント・フレーズにわずかに失望感を覚えた。少なくともその紳士的なアドバイスは、今夜の俺にとってはなんの意味もなかった。なんとしても、このスコアに匹敵する書き込みをしなくてはならない――近頃は、英国紳士らしくないとして書き込みの連投は忌み嫌われるため、今夜のチャンスは一度きりだ。成功すれば、俺のスコアウォレットの残高はいくらか潤い、今夜の労働者移送用エア・コンテナでリラクシングシートを利用できるだろう。
 英国紳士、その不可思議なもの。立派なイエガラの出身であること。ノブレス・オブリージュであること、その他もろもろ。ずっと前に予想屋に聞いた話だと英国紳士は四六時中、不純物処理所に行くのにすらリラクシングシートを利用するような連中だったという。俺が「そんな奴らしい」書き込みをし、振る舞いをせねばならないというのはいかにもおかしな話なように思える。しかし俺はアーサー・カークランド型なので、アーサー・カークランドらしく話し、振る舞い、トレンド予想に高い消費スコアを支払い、プラマイゼロすれすれのスコアアップに努力する。そうして当局は個ではなく群れとして、何らかの方向性を持ったアーサー・カークランド像を形成する。俺が存在する現実世界と、ロンドン・アイを通じた向こう側にある仮想世界とで。俺がそれがどんな像になっているのかを知るすべはない。何しろアーサー・カークランド型だけでも、とにかく数が多すぎる上、ネットワークにはレベル違いのみならず無数のセキュリティの壁が立ちはだかっているのだ。  俺たちアーサー・カークランド型の思考ユニットが制限の無い同一クラウドネットワークに接続されているならば、今この世界に存在している英国紳士なるものの実像を、大まかにつかむことができるのでは思われるが、俺にとっての英国紳士アーサー・カークランドとは、極めて断片的な、時にはお互いを打ち消し合うワードの群れに過ぎなかった。無数のアーサー・カークランドの情報は日々更新が繰り返され、当局と少なからず繋がりのある予想屋は熱心に今日のトレンドワードの宣伝を行う。すでに太古の時代に消えてしまった、アーサー・カークランドなる謎めいた人物の限りない再生。彼の天まで達するほどの巨大な立体映像が俺たちの頭上をすっぽりと包み込み、のしか��ってきているようである。
 モラリスト。なけなしのスコアを支払って、今月の始めに予想屋から買ったトレンドワードはそれだった。やはりソウメンをけなすのは止めておこうか。いや、建設現場労働者として利用せざるを得ないこの供給所の欠点を的確に指摘してこそ、モラルの高い紳士的な行動といえるんじゃないか。例え親愛なる第455代ダービー伯爵の紹介の名店だったとしても(そして、第455代ダービー伯爵なるアンドロイドは本当はどこにも存在していないとしても)。いったいどんな風に…決して攻撃的にならないように…その表現方法は…俺の思考ユニットは空腹と疲れで通常の稼働率の50%程度の力しか発揮しなかった。  3日前に作業中の感電で損傷した左腕が、いまだ何度信号を送っても全く反応せず、持ち上がらないので俺は右腕だけで全ての業務を行わなければならなかった。身体全体がコールタールに漬かったかのような重苦しさも消えず、俺はここ数日、課せられたノルマを達成できていない。左腕の事故は、モジュールA-4の配線を確認している時に端子が接触して起きた。1か月前までの俺であればまずありえないミスである。だがあの時の俺は極度に疲労し、与えられた工程をこなす以外に気を配る余裕がなかったのだ。
 俺がこのような状況に陥るきっかけとなったのは、火星だ。正確に言えば、火星に関する情報を漏らした奴が原因で、こうなった。俺たちの労働区画では、地球から遠く離れたあの赤い惑星に関する話題は非常に品がよろしくないとされている。  1か月前、キュービクルの内部清掃を行っていた時、俺の3メートル後ろあたりで何か諍いのようなものが起こっていた。諍いというよりは、一機のレベル2アンドロイドを数機のレベル3が囲んで、通電したり、刺激によって発生した短い奇声を真似したりして遊んでいた、という方が正しい。アンドロイドに時折ああした全く不可解に思える行動が見られるのは、数千年前に絶滅した我々の祖先の習性の名残りであるらしい。  この作業現場で働いているアンドロイドは、オオサカ・エリア4労働管理局の所有物だ。当局の許可なく損傷を与えることは例えレベル2アンドロイドであっても許されない。許されていない、はずだ。しかし、この現場はこの件に限らずとにかく規律が緩み切っている。2か月前にだって俺の持ち場の床に大量のグリスをぶちまけた奴がいた。犯人はすぐに思考洗浄にかけられるものと思っていたが、大量のスコアを支払ったのか、レベルが高い奴だったのか、とにかくグリスがぶちまけられたのは俺の現場監督行き不届きが原因ということにされた。思い出しただけで腹立たしい出来事だ。それだけじゃない、半年前は・・・気が付くと俺は通電していた奴を殴り飛ばし、馬乗りになってそいつの持っていた電極を��筋へ突き付け、いいか、今度風紀を乱したら殺すぞと毒づいていた。  その夜、俺のロンドン・アイに1通のダイレクトメールが届いた。送信主は、あのレベル2アンドロイドだった。
 助けてくれて感謝している。とても感謝■■いるんだよ、今だから言うが、俺はずっと俺は■は俺はあんたと交遊を持ちたいと思ってたんだ・・・・・ あんたにだけに、俺の秘密を打ち明けたい。俺はこないだ、ロンドン・アイのセキュリティ1ロックを突破したんだ。ヤバ筋の友達がいてさ、教えてもらったんだ・・・壁に穴を空ける方法をさ。驚くべきことに、セキュリティ1ロックの向こう側の仮想世界では、火星の話題は制限なんて■■てないんだ。火星について話すななんておかしなルールがあるのは、オオサカだけだったんだ。その他にも、  ここからは、ロンドン・アイから仕入れた極秘情報だ。誰にも誰にも言わないでくれよ・・・俺たちがせっせと拵えているこのバベル・・・この天に到達するのが目的の塔だがな、このガラクタを作ってる俺たちの■■はどこで作られたと思う?それはな、火星なんだ。当局の連中が話すことも、記録に残すことも一切禁じているあの■■で・・・俺たちの足や腕は作られたんだ。コスト削減のためだよ・・・地球の、しかもヨーロッパ純正アンドロイドとなれば、その値段は天井知らずだからな。  オオサカ・エリア4インターナショナル展示場が完成すれば、サミットだの世界アンドロイド耐久競技だので無尽蔵に利益が得られる。奴らはそう説明してるが、今時天に届くような展示場なんか、観光客がどれほど長い間面白がってくれるかわからんぜ。当局は我々の威信をかけた事業だなんて言ってるが、内心このデカブツを極限まで安い作りで仕上げようとしてる‥このままじゃ、そして、俺たち全員は使い潰しにされ
グスタフ・サイトウ 1150-U  レベル2-4 / マッチング85 スコア未計測  <Private message> 宇宙標準時 640:7D
 そいつは建設現場に二度と戻って来なかった。そして、俺もオオサカ・エリア4労働管理局に拘束されることとなった。奴からのメールを読んだ瞬間、事態のまずさを察知してメールの痕跡を全て消去しておいたがもう遅かった。メールをハッキングで盗み見されたのか、もしくは俺がぶん殴った奴が、2人まとめて通報したのか。グスタフ・サイトウに脱獄方法を教えた奴の情報を手に入れるために、当局はサイトウを泳がせていたのかもしれない。とにかく俺は、永遠に続くかのような思想洗浄を受ける破目になった。我々の親愛なる当局が緊縮に励んでいるという情報は本物だったようで、記憶の完全な消去と洗浄が可能な最新式のブレインウォッシャーは導入されていなかった。俺の洗浄には極めて旧式の、思考ユニットに繰り返し電気ショックを与える式のブレインウォッシャーが使用された。拘束された俺��昼夜を問わず「私は模範的な英国紳士であり、わが国と地域の発展と文化の持続に寄与し続ける」と洗浄完了とみなされるまで発言し続けるよう命ぜられ、その合い間に数えきれないほど反射的嘔吐を繰り返した。指一本動かせなくなった俺が待機所に放り出された頃には、俺のスコアは大幅に減点されレベルは3から2へ格下げされていた。
 俺の陥っているこの苦境も、元はといえばあのバベル野郎のせいなんだと思うと忌々しい思いにかられた。今月のトレンドワードから考えると、職場の規律を遵守した俺の評価がこの有様だというのはいかにも理不尽な結果に思えてならなかったが、いくら頭の中で反論や異議申し立てを考えても無駄だった。恐らく当局はあのバベル野郎と俺を通報した奴に大量の特典スコアを授けたことだろう。バベル野郎を虐待していた奴にはリラクシングシート利用パス3カ月分が授与された可能性もある。とにかく、オオサカでは火星はタブーなのであって、火星に関するすべての痕跡を消去する運動こそがモラルの高い行為とみなされるのだ。  俺が今やるべきなのは、とにかく可能な手段でスコアアップに励み、リラクシングシート利用パスを手に入れることだ。そうすれば、シートのメディカルケア装置を使ってこの体を、特に左腕をいくらか使い物になる状態まで回復させることが出来る。そうすればこの数日来のノルマ未達による低評価を巻き返せるだろう。だが、例え身体が回復したとして、そんな非現実的な働きができるのだろうか?それに、また同じようなミスを犯して身体のどこかが損傷したら?またシート利用パスを手に入れればいい・・・だが、予想屋のトレンドワードを買うのもままならず、階級上位のアンドロイドの書き込みの分析も不可能なこの状況で、果たしてスコアを獲得し続けることは出来るのだろうか?トレンドワードも利用パスも、とにかく恐ろしく高くつくのである。この状況はいつまで続くのだろう?3か月、もしくは1年、それまで俺の身体は持つのだろうか?何も考えたくない。もがけばもがくほど引きずりこまれる底無し沼に落ちてしまったかのようだ。あのバベル野郎は、レベル1へ格下げされたのだろうか。もし自分が、レベル2からレベル1へ転落するようなことになれば・・・それが何を意味するか、俺は知らなかった。重労働ののちに廃棄処分だという奴もいれば、思考洗浄よりも過酷な目に合わされるという噂もあった。じっとりと湿気と熱気に満ちたこの供給所でも、自分の将来について考えるとうすら寒さを覚えずにはいられなかった。
 気が付けば客足もまばらになり、供給所は静けさを取り戻しつつあった。俺はいまだにロンドン・アイに書き込むべき文章を決めかね、じっと手元を見ながら途方に暮れていた。視界の上側の方に白い影がよぎって、止まった。見上げてみると、店員がソウメン製造機にもたれかかってふうっと息を吐いていた。疲労しきっている様子で、点々と薄茶色のシ��が染みついた自分のエプロンを見つめながら首を曲げてじっとしていた。そいつは俺と同じアーサー・カークランド型だった。  俺はソウメンはまだか、遅すぎじゃねえか、と言うつもりだった。しかし、口をついて出たのは思いがけない言葉だった。 「なあ、アンタはなんつーか…すごく良くやってると思う。これだけ大勢のわけわかんねえ客のわけわかんねえ注文を、実に手際よく捌いてる‥誰でもできることじゃない。本気で言ってんだぜ。ああ、それと・・・ここの食い物は・・・いや。いい。忘れてくれ」  俺はここで言葉を切り、黙りこんだ。奴は口角を上げることもせず、緑色の目を見開いてこちらをじっと見つめた。一切反応らしい反応を返さないので、俺は話してる間にすっかりバツが悪くなってしまった。永遠とも思える長さの気まずい沈黙が続き、奴はふいに踵を返してソウメン製造機の裏手に引っ込んでしまった。俺はあっけに取られて無人となったカウンターを見つめ続けた。悪態の一つでもついてやろうかと考えたがその気力もなかった。そんなものだろう、というわずかな諦めを感じただけだった。
 どん、と目の前に大きな皿が置かれた。カウンターがビリビリと震えるほどの衝撃にぎょっとして思わず見上げると、さっきの店員がやはり同じような無表情でこちらを見つめていた。「わりいな、ソウメンは切れちまったんだ。代わりにこれで、おんなじワショクってことで、頼むわ。」  店員はそこで言葉を切って首筋に手をやり、2~3度引っ掻くと、意を決したように再度口を開いた。 「アンタ最近おかしいぜ。死人同然の顔してる」店員の緑色の目にはさっきまでとは違う、わずかな感情の動きが感じられた。  そしてすばやく顔を伏せながら、別にあんたのために用意してたってわけじゃねえからな、と呟き、また巨大な「シェフ」の裏側へ帰ってしまった。
 俺は呆然としながら、店員が置いていった皿を見つめた。そして、果たして、ソウメンの代わりが茹でブロッコリー丸ごと一本に変わるなんてことがあるだろうかと考えた。巨大なブロッコ���ー風の何か――タンパク質か何かの塊だろうか――はこの供給所にしては比較的清潔な、白い皿に載せられて天に向かって真っ直ぐに屹立していた。この件は、この件こそロンドン・アイに投稿するべきユニークな出来事なのではと考えたが、俺の思考ユニットも、片腕も、どうしても文章を紡ぎだそうとしなかった。  誰かが俺の身を案じている。たったそれだけの出来事が、全身に染み込んでいくような感覚がした。  スコアよりも何よりも、ほんのたったこれだけのものを。おれの体はどれほど欲していたことか。なぜ、おれの体はこんな風に訳のわからない反応を示すようにできているのだろう。これは、祖先のどのような習性の名残りなのだろう。  俺はロンドン・アイの電源を落として右側のポケットに仕舞い、 黙って皿に添えられたフォークを手に取り、ブロッコリーを���倒しにし、押さえつけて切り分け始めた。この瞬間、ここには奴がくれたブロッコリーと俺だけの世界があり、その世界は誰の目にも晒されることのないまま儚く解けて消えていく。それは考えてみれば美しい営みのような気もしたからだ。これでいいんだ。リラクシングシートはまた明日、なんとか頑張ってスコアを稼いで使えばいいじゃないか。
 そして俺は今留置場にいる。あのブロッコリーの、炎天下のヘドロを更に1週間腐敗させたような強烈な味は、口に入れて噛み締めた瞬間俺の口内センサーを貫き、脳天に達した。俺が吐き出したブロッコリーは弾丸そのもののスピードでソウメン製造機を直撃した。嘘のように粉々に大破した「シェフ」の補償スコアを支払うことなど当然出来ず、俺は器物損壊罪でお縄となった。  リラクシングシートもスコアアップも夢のように消えてしまった。俺はこれから、レベル1へ格下げされるだろう。あんなに恐れていたはずの、この数々の事実は、しかし今の俺にはなんの脅威も与えなかった。俺は薄暗い監獄の隅でうずくまりながら、自分の両腕を眺めていた。 限界積載量300kg・・・400kg・・・500kg。俺のアイセンサーには両腕に凄まじいエネルギーが満ちていく様子がありありと映し出された。微動だにしなかった左腕には何事もなかったかのように感覚が戻っている。両腕だけではない。あんなにも重かった身体は羽のように軽く、両足はひと蹴りするだけでちょっとしたビルを飛び越せそうだ。これは、なぜ、こんなことになったのか。あのブロッコリーのかけらをほんのわずかに飲み込んだだけで(そう、ほんの少しは飲み込んだのだ)、こんなパワーが得られるなどということが現実にあり得るのだろうか。 あのブロッコリーは何なのか。あの店員は何者なのか。いや、直接本人に聞けばいいのだ。間もなく俺の両腕のパワーは監獄のチャチな鉄棒をへし折れるほどに高まるだろう。監視の目が緩んだスキを見て――ここを脱出出来れば、オオサカを出て、いずれ俺の両腕と両足を故郷の火星へ連れてゆけるだろうか。現実離れした想像の泡沫を頭の中で弄びながら、俺は来るべきチャンスをじっと待つことにした。
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yamashita03 · 6 years ago
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迷ったら中米に行こう!~戦々恐々とコスタリカを旅する~
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20代最後の夏に思い切って中米コスタリカへ行きました。
幼稚園からの友人が海外協力隊として現地で活動しており、彼を頼りに8月10日から16日の1週間、初一人海外へ出て行きました。
コスタリカで見たものや経験はどれもみずみずしく新鮮なものばかりで、この気持ちが少しでもフレッシュなうちにメモを残しておきたいと考え、帰国の途につくコスタリカサンホセ空港にてキーボードを叩き始めました。(が結局書ききれたのがだいぶ後になってしまいました汗)散文的な内容になることを恐れずゴリゴリ書いていこうと思います。
【コスタリカの概況】
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言語はスペイン語。国教はカトリック。そのため街の要所には教会が立ち並んでいる。
コスタリカの歴史は基本的にはスペイン人統治時代から始まり、それ以前の先住民の歴史的、文化的な遺産などの観光資源に乏しいのが現状。
しかし、先住民たちが森を切り開き巨大な文明を築かなかったことと恵まれた気候から自然が非常に豊かで九州と四国を合わせた程度の国土面積に、地球全体の5%もの動植物が存在すると言われている。
国はこの点を自国の観光資源として捉え、国土の多くを国立公園として保護し、その自然の中を探索する『エコツーリズム』を世界に先駆けて始めた。これが世界に受け入れられ、それまで農業依存だった国の経済構造を好転させた。
そのほかにも軍隊を持たない平和国家として、軍事費に充てていた費用を教育や医療、再生可能エネルギーなどに投資し、前述のエコツーリズムに加え、中南米で屈指の教育、福祉、自然エネルギーの国として強い国家アイデンティティを保有している。(日本も見習いたい)
街の観光地はどこもごみが少なく、水道水も飲めるのは中米に限らず世界的にも希少な国のひとつではないだろうか。
【コスタリカの人々】
・観光地のガイドからUberのドライバー、クラブに来ていた若者に小学生まで様々な人と触れ合ったが総じて気さくで穏やかな人が多かった印象。車の運転もアジアなどに比べても丁寧な感じだった。
・観光地やホテルでは英語を話せる人が非常に多いため、スペイン語が苦手でもガイドを受けたり簡単なコミュニケーションは十分可能(ただし自分は英語もできなかったため状況は変わらなかった)
・中米の中で治安が良く経済が安定していることもあり、多くの移民が存在し、とくに貧しいニカラグア人が市街地でホームレス化している現状が社会問題となっている。そのほかにも社会情勢が不安定なベネズエラ人なども目立った。
私のコスタリカ旅行
友人が1週間のバカンス休暇を取りほぼ土地勘もコミュニケーションもできない私にほぼ24時間付き添ってくれて様々な場所に行かせてくれました。
現地で撮った写真を見ながら適当な順番と粒度でコスタリカについて語りたいと思います。
1.市街地の風景
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成田からヒュースト��を経由し、サンホセ空港に到着。
駅からバスでサンホセ市街地へ出て街を散策。初めての中米だが、町の雰囲気は東南アジアとも近い印象。首都ということもあり、おそらく単純に国の経済力、発展度によって似た雰囲気の街が出来上がってしまうのかもしれない。(日本も昔はこうだったのかも)
市街地には人通りが多い。また、路上に座り大声で物売りをする人も多く見かけたが、友人曰く彼らはニカラグア移民だとのこと。あまり近づかないようにした。
2.食事
「コスタリカの食事はマズイ」と友人から聞かされていたため戦々恐々として乗り込んだものの、総じておいしかった。ただし、値段の割に(というか高い店に限って)全くおいしくない店もあり、その辺はどんな店でも一定のクオリティは保っている日本の外食店文化のありがたさを感じた。
<上流国民編> 
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初日夜は友人の現地の友達で日本に留学経験もあるというコスタリカの方とコスタリカの中ではちょっとハイソな街で夕食。とてもいい方たちだった。
写真は2件目に行ったビールバー。クラフトビールの飲み比べができた。
※ここに関わらず外食費は総じて日本よりやや安いものの大きな差はなく、中米の中では非常に高いとのこと。家族を大事にし、家での食事を重んじる国民性があるとはいうものの、平均月収が日本の数分の一ということを考えると外食はなかなか大変な出費になるのだと思う。
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山でのレジャーや森の散策を楽しめるモンテベルデ自然保護区で止まったホテルの隣にあったレストラン。モンテベルデという土地柄もあり周りは外国の観光客だらけ。
キャンドルがあったりと店の雰囲気は日本の都会のおしゃれレストランさながらな雰囲気だったが、料理は10ドル弱、ワインもボトル15ドル程度となかなかのコスパ。そして味が抜群にうまかった。この旅の中でもトップクラスに満足した食事だった。
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同じくモンテベルデでの食事。わかりづらいが、本物の大木をそのまま残し、その周りに3階建ての建物を巻きつける(?)ような特徴的な構造を持ったモンテベルデの有名レストラン。パスタは15ドル程度と結構お高め。
ただ申し訳ないが味がマズかった。4分の1程度しか食べれなかった。友人が「コスタリカの料理は味が薄い」と言っていたのはこれか!と納得。
その後パスタは宿へ持ち帰るも、部屋に置いておいたら蟻の餌食となり無事死亡。
<庶民編>
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友人行きつけという現地の食堂にて。コスタリカでは米(左)、レモンとパクチーの効いたサラダ(中央)、ポテト(右)、豆(奥)を基本セットに、そこに豚肉やチキンなどのメインが乗るワンプレート料理がスタンダード。
米はタイ米などに近く、日本のよりも細長くて水分が少ない。また、黒い豆と米を合わせて炊くとコスタリカの伝統料理「ガチョピント」となる。
だが、米と豆を別々に食べても味は大差ない。
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これは別の店だが、基本は一緒。そこに焼きバナナなどがついていた。
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モンテベルデの屋台にて。鶏むね肉とポテトというシンプルで豪快なファストフード。非常にボリューミーだが500円程度。美味しかった。
<家庭料理編>
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チフリーゴ。友人がお世話になっているホストファミリーのお家に自分もお邪魔してごちそうになった伝統料理。
ご飯に鶏肉と豆が乗っており、そこに刻んだトマトとパクチー(←これもよくコスタリカで出てくる)をお好みで載せて食べるどんぶり。鶏肉にトマトの酸味やパクチーの刺激が合わさりとても美味しかった。
米を食べる文化があるため、各家庭に炊飯器もある模様。(米があるのはありがたかった・・・)
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朝は旦那さんのほうが準備してくれた。ガーリックトーストにソーセージに卵、そしてパパイヤとかなりボリューム満点でおいしかった。
3.文化編
<原住民編>
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原住民が木の実などをすりつぶす際に使用していたとされる石の机。独特な形状が面白い。石工技術の高さがうかがえる。
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よく日本のテレビなどでもコスタリカを紹介する際に一緒に出てくる謎の石球。その製造年代や製造方法、作られた目的などが不透明で一部ではオーパーツの一つともいわれていたが、現在では研究も進みその謎が徐々に明らかになっているとかいないとか。
ちなみに写真は国立博物館にあったレプリカ。本物はコスタリカの郊外にあるため、観光地にはしばしばこのようなレプリカが置かれていた。
<建造物>
国立劇場
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コスタリカを象徴する建造物の一つ。この建物を壊したくないがために内紛が起こらない、と言われるほど現地人からも愛されているという建物。劇場内部も見学ができる。
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息を飲むほどの迫力。今なお現役の劇場として使用されており、しばしば日本の能や和太鼓の演奏なども上演されるとか。
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受付兼待合室。豪華すぎて落ち着いて待てなさそう。
ロスアンヘレス大聖堂
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首都サンホセの隣の県カルタゴにある大聖堂。国内各地から人々が巡礼に訪れる聖地で建物も非常にでかい。
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中の造りも荘厳で素���らしい。礼拝に訪れた人は中央の通路を膝立ちで移動して祭壇へ向かう慣習があるようだった。我々は邪魔にならぬよう脇の通路を回って見学した。
<若者文化>
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現地人が多く集まる深夜のクラブへ友人と2日連続で繰り出した。入場前にID(自分の場合パスポート)と場所によってボディチェックが行われ、さらに場所によっては入場料も支払う。
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クラブで飲むのは大体ビール。他の酒より値段が安いため、お金のない現地の人もビールばっか飲んでいるとのこと。
ちなみにコスタリカのメジャーなビールはimperialとPilsenの2種類。そしてちょっと高くてマイナーなBAVARIA(写真)がある。味はimperialが薄くて軽く、Pilsenは少し香りとえぐ味が強い印象。BAVARIAはその中間といった感じ。
美味しかったのは写真に乗せたBAVARIAのゴールド。一番日本のビールに近い。時点でimperialのsilverという種類のもの。
BAVARIAはあまり扱っているところが少ないため、一通り飲んだ後はimperialを選んで飲むことが多かった。
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左の黒人Jango。入場の手続きで手間取っていると後ろから声をかけてきた。身長めっちゃ高いし超怖い。
でも本当は荷物を預ける場所を教えてくれようとしていたこのクラブ界隈の従業員?オーナー?的な人だったらしい。その後テキーラを2杯もご馳走してくれた。めっちゃ気さくでいい人。
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ぶれぶれ。お酒飲みながら爆音の音楽を聴いてるとある若者グループの輪に招かれて一緒に踊ってた。なんとなくアジア人で(自分は楽しんでたけど)周りになじめてないオーラが出ていたのか誘ってくれたのだと思う。
言葉は通じないけどお酒もあいまって身振りや表情でコミュニケーションを取る感じがなんとも楽しかった。
友人が話したところそこのグループにいたほとんどの人がベネズエラ人だったとのこと。ベネズエラといえば近年の超インフレで経済が破綻寸前、首都の治安は世界最悪と言われている国。あんなに気のよさそうな彼らの背景にそんな深刻な事情があるのか、と色々と考えさせられた。
4.自然編
上でも触れたモンテベルデ自然保護区にて、昼と夜の森林散策ツアーやキャノピーなどのレジャーを体験した。
昼はオランダ人の家族と一緒にガイドの話を聞きながら野山を散策。
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トゥカーン(の子供)
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なんか笑顔の木
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景色が一望できる!と思ったもののあいにくの雨。朝は晴れていたのに、、
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羽が透明な蛾?
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ゴミをあさっていたアライグマ。全然人を怖がらない。
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ちょっとここからはモンテベルデではないけど、
これは幻の鳥といわれるケツァールを見にいくツアーでの朝の集合場所のロッジに来ていたハチドリ。
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で、1時間以上何か所もポイントを回ってやっとお目にかかれたケツァール。 これはメスのため尾が短いが、オスはもっと尾が長く色も鮮やか。残念ながらこの日オスはお目にかかれず。
5.その他
帰国最終日にどこ行きたいかを友人に尋ねられ、彼の職場のゴミ収集センターと地域の小学校へ行くことに。
サンホセのゴミ収集センター
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回収されたごみたち。袋の中身はまだまだ分別が行き届いていない状態。
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各地から届けられたごみ袋はこの台で職員の方が一つ一つ開封し手作業でごみを仕分けている。
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普段はこの仕分け作業をおばちゃん2~3人で行うそうだが、この日は民間企業からCSR活動の一環と職場体験ということでさらに数名参加していた。エライ
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ペットボトルは無色と有色のものを分けてプレス。プレスすることで輸送にかかるコストを下げている。
これらは民間の業者に売却され、資源として再利用される。
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段ボールも同様。談笑しながらも手際よく潰してトラックにつめていた。
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外では家庭のごみなどを持ってくる人がごみを捨てていた。まだまだポイ捨てなんかも多く、ゴミに関しての市民の意識が低いとも感じられたが、このように律義にごみを持ってきて捨ててくれる人がいることがありがたいとのこと。
サンホセの小学校
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その後サンホセの小学校���アポなしで突撃するも、友人の顔パスで難なく入れた。
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カメラを向けると照れて顔をそらす子供。なんかとても開放的で自由な雰囲気。
生徒たちは全員1日学校にいるわけではなく、上級生と下級生が曜日ごとに午前、午後の授業日を交代でまわすようなカリキュラムを取っているそう。
例えば月曜日の午前が上級生の授業なら、午後には上級生は下校し、下級生が授業をする。火曜日はその逆、といった感じ。
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後者が”ロ”の字型になっており、中庭が校庭になっており、中央の礼拝堂を挟んでコンクリートのバスケコートが二面あった。
ただしバスケを行っている生徒は誰もいなかった。コスタリカ人はサッカーが好きだからフットサルコートにでもすればいいのに。
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牛乳パックを再利用してできた机だそう。木のように固い。
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体育の時間で誰もいない教室。
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パソコン教育も行われている。ここのパソコンも友人の協力隊活動の一環で企業から提供されたもので、この部屋はそのために新たに作られたものなのだそう。
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食堂。おやつにフルーツを振る舞われることも。
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帰り際に先生に挨拶をすると我々もフルーツをゲット。リンゴをむしゃむしゃ食べながら帰路についた。
さいごに:コスタリカを旅行しての感想いろいろ
1.意外と多かった、日本を親しんでくれる人々
この旅で最も印象深く嬉しかったものの一つが日本に親しんでくれている人が多かったこと。上でも述べた初日に紹介してもらった女性たちのほかにも、例えば2日目に行ったクラブでは「日本人!?」と声をかけてくれたコスタリカ人がいたのだが、彼はなんと3月まで我々の地元の宮城県の東北大学に留学していたとのこと。
さらに4日目に利用したUberの車の後ろにはなぜか日本の国旗が飾ってあって、話を聞いてみると彼は日本にこそ行ったことないものの、日本の興味があり自主的に日本語を学んでいるとのことだった。友人曰くこんなに色々と日本を知っている人に出会うことは珍しくてラッキーだったとのこと。楽しい出会いのある旅行だった。
2.中米への関心が深まった
当たり前すぎる小学生並みの感想だが、こちらも自分の心に大きな変化をもたらした。
先ほども述べたようにあまり日本人にとってなじみのないコスタリカだが、地球の裏側では日本に関心を持ってくれている若者たちがいる。そしてみんな気さくで親しみやすく、とても可愛げのある人たちだった。
日本に興味を持ってくれている人たちがこんなにもいてくれていることを考えるとすごく嬉しく感じたのと同時に、自分たちももっと海外に目を向けていかなければいけないと感じた。
さらに前述したベネズエラ人との出会いも考えさせられるものがあった。恥ずかしながら自分はベネズエラなんていう国は国名を知っている程度の知識で、彼らに出会わなければきっとこの先もベネズエラに関してここまで関心を抱くこともなかったと思う。
帰国してすぐに、超インフレが進むベネズエラでは桁を減らすための新たな通貨の単位を作るという経済政策が打ち立てられたとのニュースが入ってきた。もちろんこんな政策ではさらに経済を混乱させることになりかねないという見方が大半だ。経済が混乱すれば他国への移民問題もより深刻になるだろう。これから先中米はどうなるのか、今後の情勢には色々と関心を寄せていきたいと考えるようになった。
3.外国語を話せるようになりたいと思うようになった
今回の旅行は友人のサポートもあり様々な出会いと気づきのある非常に楽しい旅行だったが、それゆえに言葉を理解して自分の気持ちを伝えられないもどかしさを抱えていた。
例えば彼のホストファミリーの家にお世話になった際も、食事を「美味しい」という気持ちすらうまく伝えられず非常にもどかしかった。お土産に持って行った九谷焼についても、本当はその背景にある日本の文化や歴史なんかを話したいという気持ちはあれどそんな高度なコミュニケーションが取れるはずもなく、、
ホストファミリーのおじいちゃんおばあちゃんが本当に親切にしてくれただけに、自分の気持ちを言葉で伝えられない歯がゆさがあった。
海外旅行は恐らく簡単な英語と身振り手振りで頑張れば、観光地を巡ったり宿に泊まったりなどある程度の目的は達成することができると思うし、実際自分もその程度で良いと考えていた。
でも海外旅行で一番楽しいのは現地の人との生のコミュニケーションだろうと思った。その土地の人が何を考え同くらいしているのか、そういったことを言葉を介して理解し、また自分の考えも相手に伝えられるようになりたいと強く感じた。
せめて日常会話レベルの英語でも身につけたい。。30年弱の人生で今が一番外国語学習欲が高まっていると感じている。今やらないと一生やらない気がするので、ひとまず本を読みながら拙いながらも話せるように勉強中。
4.ごみのことに関心を持つようになった
友人の職場に行き、いろいろとごみへの思いを語ってくれたこともあり自分もごみへの関心が高まった。
自分が普段何気なく出しているごみも処理には多くの人手が必要ということ、作業はハードなこと、そして何よりも地球上の多くの人が関わり、今後も関わり続けていかなくてはならないものだということ。
現地の方の仕事ぶりを見て説明を受けると、自分もなにかできないか自然と思いを巡らせていた。
例えば友人はごみを出す段階で分別がされていないことがひとつの問題と言っていた。
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なるほど、確かにゴミ箱は色分けされてどこに何を捨てるべきかが分かりやすくなっている。
ただ、ちょっとデザインの観点から考えてみるとゴミ箱の上にはごみの種類が分かるような絵を入れたり、ゴミの入れ口を入れるごみの形にしてごみを捨てる行為をアフォードさせるような施策があってもよいかと感じた。
現状だと識別する要素が色と小さく書かれた文字のみのため、例えば歩きながら街を歩く人がごみを捨てようとした際に反射的に自分が捨てたいごみの正しいゴミ箱を判断しづらいのではと感じた。色とごみの種類に明確な関係性がないため、ほかの要素で使い手に正しいゴミ箱を反射的に認知させる仕掛けが必要と考えた。
日本のごみ箱はまだそのへんが少し良くできていて、入れ口の直下に何を入れるごみ箱なのかを絵と言葉で入れることでごみを捨てる人の目に必ず入るように工夫されているとともに、口の形状で何を入れるべきかを感覚的に示している。
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缶やペットボトルなど、入れ口を丸くすることでそのごみ箱が飲み物の容器を捨てるものだと把握できるのと同時に、丸い形状に筒状のものを入れたくなる人間の心理も上手に作用させている。
そんな小さな改善を重ねながら、街がもっと綺麗になってコスタリカ人のごみへの関心が高まることを願っている。
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namansharma0950 · 6 months ago
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安息香酸の価格動向: 詳細なチャート、市場分析、将来の見通し
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安息香酸の価格を監視することは、食品、医薬品、工業分野の企業にとって非常に重要です。安息香酸は、食品や飲料の防腐剤、医薬品の主要成分、さまざまな化学物質の合成における前駆物質として広く使用されています。安息香酸の価格変動は、生産コスト、価格戦略、そして最終的にはこの重要な化学物質に依存する企業の収益性に大きな影響を与えます。
安息香酸の価格にはいくつかの要因が影響します。主な決定要因は、安息香酸の生産に使用されるトルエンなどの原材料のコストです。トルエンの価格は、地政学的イベント、需給動向、主要石油生産国の生産決定により本質的に変動しやすい原油価格の影響を受けます。さらに、精製コストや抽出および処理における技術の進歩も、安息香酸の価格を決定する上で重要な役割を果たします。化学物質の製造および排出に関連する環境規制および政策は、コストと入手可能性にさらに影響を与える可能性があります。
さまざまな用途における安息香酸の需要は、その価格に大きな影響を与えます。食品業界では、飲料、ソース、調味料など、幅広い製品の防腐剤として安息香酸が使用されており、安定した需要を維持しています。製薬業界では、医薬品や局所治療薬の製造に安息香酸が利用されており、安定した需要に貢献しています。工業用途では、安息香酸は可塑剤、樹脂、その他の化学物質の製造に使用され、市場の需要を押し上げています。インフレ率や為替レートなどの経済状況も、安息香酸の価格設定に大きな役割を果たしています。景気後退は業界全体の需要を減らし、価格を下げる可能性がありますが、経済成長は需要を増やし、価格を上げる可能性があります。
2024年半ば現在、安息香酸の価格は中程度の変動を示しています。食品、製薬、工業部門からの需要は、その多様な用途に牽引されて堅調に推移しています。持続可能性への懸念と環境要因は、ますます市場動向に影響を与えています。業界では持続可能な原材料と環境に優しい生産方法への移行が見られており、これが将来の価格動向に影響を与える可能性があります。生産効率とサプライチェーン管理の革新も供給動向に影響を及ぼし、価格に影響を与える可能性があります。
安息香酸の価格をリアルタイムで追跡: https://www.analystjapan.com/Pricing-data/benzoic-acid-3
企業にとって、安息香酸の価格動向を理解することは、戦略的な計画と意思決定に不可欠です。サプライヤーとの安定した関係を築き、市場予測を注意深く監視することで、価格変動のリスクを軽減できます。サプライヤーとの長期契約は価格の安定性をもたらし、一貫した供給を確保し、正確な予算編成を容易にします。代替調達オプションを検討し、サプライヤーを多様化することで、サプライチェーンのリスクを管理し、コストを最適化することもできます。規制の変更と技術の進歩について常に情報を得ることは、競争力を維持し、持続可能なビジネス慣行をサポートするために不可欠です。
市場動向を監視し、戦略的対策を実施することで、企業は安息香酸の価格設定の複雑さを効果的に乗り越えることができます。この積極的なアプローチにより、競争力のある価格での安息香酸の安定供給が保証され、ビジネスの成長と持続可能性がサポートされます。安息香酸の価格に関する詳細な情報と最新情報については、当社のニュースレターを購読して、市場の一歩先を進んでください。
ANALYST JAPAN
Call +1 (332) 258- 6602 1-2-3 Manpukuji, Asao-ku, Kawasaki 215-0004 Japan
Website: https://www.analystjapan.com
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cafe-the-morning · 4 years ago
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new arrival 2F SHOP > ITEM 4.10[sat] release!! 新商品のご案内 . THE BIO HOTEL - HOME & TRAVEL - 自然由来成分100%のヘア&ボディケア製品 . 世界で唯一、オーガニックとエコに関する厳しい基準を規約に持つホテル BIO HOTEL。ドイツ・オーストリアを発祥とし、現在、ヨーロッパで約100軒のホテルが認証されています。 . そして、ここ日本においても、ヨーロッパ以外で初めて、BIO HOTEL JAPANがその哲学を基軸に、日本の文化や社会にインパクトを与える活動としてスタートさせました。 . 世の中には、楽しくてかっこよく、気持ちの良い、持続可能な暮らし方が確かにあります。 . “BIO HOTEL HOME & TRAVEL”は、空間づくりやサービス、製品の提供を通じて、未来の社会や文化をつくることをミッションとするブランドです。 . BIO HOTEL HOME & TRAVEL 日常と非日常。ONとOFF。ホテルという空間は、いつも新鮮な感情を与えてくれる場所。 . BIO HOTEL HOME & TRAVEL COSMETICSシリーズ . BIO HOTEL発祥の国、そしてオーガニックコスメの本場である「ドイツ」。何千年もの時を経て、現代に至るまで、自然植物を利用したスキンケア・ヘアケアの知識と経験が息づいています。私たちは、その知恵とフィロソフィを製品づくりの基本とし、独自の製造メソッドと処方を加えました。それぞれの植物が有する効用は、私たちが本来持っている肌や身体の働きを最大限に引き出してくれます。 . 多様な価値観やライフスタイルを持った人びとが訪れる、”HOTEL”という空間。使用されるアメニティは、上質で心地よく、誰でもストレスなく使えること、そして、自然環境への負荷を最大限に配慮したものが必須であると考えます。 . 安全性を第一に、肌や髪への刺激を可能な限り少なく、また年齢や性別を問わずにどんな髪質・肌質の方にも使いやすい成分とテクスチャー、自然で豊かな芳香。私たちは、すべてに共通することを意識し、”ユニバーサル・プロダクト”として位置付けました。新しいライフスタイルへのインスピレーションは、日常の何気ない体験から生まれます。 . BIO HOTEL JAPAN . 世界で唯一*、健康と環境配慮に関する厳格な基準をホテル規約に持つ、ヨーロッパ発祥の"BIO HOTEL(ビオホテル)"。そして、そのフィロソフィを日本の社会、文化に合わせて独自の展開をする"BIO HOTELS JAPAN"。独自の厳しいガイドラインに基づいて、最高級グレードのナチュラル&オーガニックな素材と特別な製造メソッドにより、次の新しいライフスタイル・プロダクツを企画、制作いたします。 . BIO HOTELS JAPANのコンセプト&ガイドラインに基づき企画・製造された自然由来成分100%のヘア&ボディケア製品です。福岡県の自社農園や近隣の生産者による無農薬栽培のハーブ類、自生植物のエキスやエッセンシャルオイルを贅沢に配合しました。 . . <Standards 基準> 1.合成着色料・合成香料・合成保存料を使用しません 2.石油由来成分を使用しません(キャリーオーバー成分を含む) 3.植物エキスの抽出溶媒は「不使用」、または「水」のみに限定します 4.本来、表示義務のないキャリーオーバー成分も全成分として表示します 5.原料から製品まで産地や栽培方法、収穫時期、抽出方法等の履歴管理をします 6.植物の持つ力を最大限に引き出すため、シンプルな処方を追求します . . <Manufacturing Method 製造メソッド> . 原料の生産から加工・製品化まで全ての工程に目を届けます。製造上で、特に核になる植物は栽培から収穫、成分の抽出まで、可能なかぎり自社で行います。 . 〇静穏真空抽出 主原料となる植物を収穫から時間を置かずに製造工場に運び、酸素も水も使わず、真空の釜の中で40℃程度の低温でエキスを抽出します。他の抽出方法に比べ、植物の成分を高く保つことができ、100%植物由来のフレッシュな芳香を期待できます。 〇完全非加熱圧搾 植物の種や実を熱を一切加えず5tの圧力を加えることだけで圧搾します。ひとつひとつ丁寧に殻や皮を外し、蒸すなどの工程なしにフレッシュな状態で搾油された植物オイルは、植物そのものの深い香りです。 (The Morning) https://www.instagram.com/p/CNTuyNdBvoK/?igshid=m6ywui0xe2b4
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shibatakanojo · 4 years ago
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守ってあげたい
 毎週、土曜日の午後、二時から三時まで。彼女はそのカフェでひたすらにペンを走らせていた。二人掛けのテーブル、注ぎ込む陽光を全身で受け取るかのように、ガラス窓へ向かって彼女は座っている。向かい側の椅子の背もたれには、彼女が着てきたベージュのチェスターコートと赤いグレンチェックのマフラーがかけられ、向かい合う座面には人間の代わりに黒いリュックサックが置かれた。テーブルの一冊の大学ノートには隙間なく文字が並ぶ。値の張りそうな橙色のボールペンは手帳型の付箋紙と共に真四角のポーチから取り出され、付箋紙は常に開きっぱなしだ。
 彼女の「書く」という一連の行動は、僕にはどうも儀式じみたそれのように思えてならない。週二回、あの席で一心不乱に言葉を綴り続ける彼女は一体何を、何のために書いているのだろうか。僕がそれを知ることはない。
   彼女と出会ったのは全くの偶然だったけれど、いま思えば僕にとっては必然としか言い表せないものだったし、つまりそれを奇跡と言い換えることだって容易いと言えるだろう。言葉通り『拷問』のような就職試験を死に物狂いで突破し、勤め始めた職場は絵に描いたようなブラック企業だった。退��するまでの約二年半、僕はインスタグラムやツイッターに並ぶ『仕事が原因でうつになりました漫画』のテンプレートをなぞるように少しずつ精神を蝕まれ、家族や友人と距離を置き、笑いかたを忘れ、入浴を億劫がるようになり、布団から起き上がれなくなり、出社できなくなり、そうしてある日心療内科で「うつ病ですね」と告げられた。白髪交じりの担当医は重くもなく軽くもない調子で「しばらくお休みましょう」「ご家族と連絡はとれますか」「今後は隔週で通院してくださいね」「薬はあくまで薬ですから、怖がる必要なんてありませんよ」「ちょっと疲れちゃっただけのことですからね」「どうか心配しないで」「これもあなたがきょうまで頑張ってきた証拠なんですよ」などと、定型の文言を少々僕向けにカスタマイズしたうえでいくつも並べ立ててみせた。僕が曖昧な返事をすると彼は、
「大丈夫。うつは心の風邪です。きっとよくなりますよ」
 原型から外したばかりの仮面みたいな笑顔で僕にそう告げる。きっとよくなる、と話す彼の目がひどく澱んでいることを、僕は少し怖いと思った。医師の指示通り、職場へしばらく休職させてほしいと告げると上司は一切渋る様子もなく、「あ、はい。そういうことなら了解です」と言って、へらへらと笑った。細かな手続きを行う過程の中でも、僕は自分がこの会社の手駒にすら勘定されていないことを改めて思い知る。誰も僕を引き止めない。誰も僕に同情しない。誰も僕の復帰を期待していない。誰もが皆、無表情で書類や画面を睨み、死体みたいな顔のまま異常なほどに明るい声色で電話を取る。嬉々として罵ってくる上司とあわせる部下の両眼は、あの日の担当医のそれと酷似していた。
 ああ、そうか。ここにいる僕らは人じゃない。ただのリビングデッドなんだ。
 僕は休職を撤回し、退職願を提出した。肌寒い秋の始め、僕はもう一度人になりたいと思っていた。
   治療らしい治療をした実感はない。
 毎日決められたタイミングで薬を飲み、隔週で心療内科へ行って、その間の出来事や感情の変化、体調の良し悪しなどを伝え、それを聞いた医者は僕へ相応の言葉を返しながら薬を増減させる。たったそれだけのことで僕の世界はみるみる優しさを取り戻していった。最初のうちは医者や看護師がいう「お大事にどうぞ」という言葉にすら「こいつらは一体僕に、僕の何を大事にしろというのだろうか?」などと内心腹を立てていたというのに、数ヵ月もしたころには僕も “僕の平均値”に戻りつつあり、彼らへ、
「ありがとうございました」
 と穏やかな顔で返せるようになっていた。渡された定型文へ、そっくり定型文を投げ返すだけのことがこんなにも難しいだなんて、僕は自らの精神を病むまでずっと知らずにいた。なんてことない出来事に笑うだけのことがこんなにも心を満たしてくれる。家族や友人がいる幸せ、温かな湯船を心地よいと感じる瞬間の安堵、朝陽の眩しさ。僕にとってはあまりに過酷すぎた会社勤めで失った美しくやわらかで希少な生活の一つ一つを、そうして僕はまた一つずつ取り戻していく。
「ああ、あなたは花が咲くように笑うのねえ」
 担当医に薦められ、勇気を振り絞って顔を出した『交流会』で隣の席になった初老の女性にそう言われたとき、僕は「これを患ったことは決してマイナスじゃない」と心から思った。通院が隔週からひと月に一度になり、さらにふた月に一度になったころ、季節はまた冬を迎えていた。
  「気が向いたときでいいですから、外に出かけてみるといいかもしれませんね。たとえば、日中の散歩だとか」
 医師の提案を受け、その日僕は近所をふらふらと歩いていた。気温は低く吐く息も白んでいるが、きんと尖った空気はむしろ僕にとっては清潔なものだと感じられ、不快感なんてどこにもなかった。僕のアパートはおんぼろな代わりに立地がよく、十分も歩けば街中へ出ることができる。そういえばここしばらく、買い物はインターネットか最寄りのホームセンター、食料品はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで値下げ品ばかり買っている。きょうは随分気分がいい、イヤホンを嵌めていれば人目もそれほど気にせずに動けそうだった。久しぶりに本屋にでも行ってみようか。余裕があれば服屋に行ってパーカーの一つでも買ってきたっていい。ああ、そういえばこの履き古したスニーカーもずっと買い替えたいと思っていたんだったな。
 進行方向を変え、銀杏並木を東に進む。頬をかすめる風が冷たい。フライトジャケットに突っ込んだ両手の関節がきしむ。日曜の午後、午後三時過ぎ。どこまでも冷え切った、気持ちのいい、空の高い日だった。
   僕の機嫌は二十分ももたなかった。
 駅ビルに入り、本屋までの長い通路を歩くだけのことで僕は十二分に精神をすり減らしていて、周囲の人間が気になり立ち読みをしようにも内容は一切頭に入ってこなかった。イヤホンから流れる音楽を今の自分に寄り添ってくれるような歌詞のものに変えても、限界まで音量を上げても効果は一切ない。掌が汗ばんでくる。心臓はバクバクと暴れ、目が泳ぐ。本棚の透き間、狭い通路を何人もの他人が通り過ぎる。そのたび互いのアウターが擦れ、布越しに人間の気配がべったりと僕の肌にこびりつく。
 気持ち悪い。吐き気がする。鳥肌が立つ。あまりの不快感に後頭部を掻きむしりたくなってくる。今にも叫び出しそうだった。
 乱暴に本を戻し早足で店を出た。音量をさらに上げて世界から自分を完全に隔離する。駅ビルが勢いよく僕を吐瀉する。全身からだらだらと汗がふき出しているのに、手足は氷のように冷え切っていた。震える両手で自動販売機を操作し缶コーヒーを買う。必死の思いで駅裏の公園に行き冷たいベンチに腰掛け、そこでようやくプルトップを開けることができた。カシュ、と空気が漏れる。深呼吸を繰り返し、あえて時間をかけてそれを味わいながら、僕は僕に「もう一人きりだから」と何度も繰り返し説いた。もう一人だから。もう誰も僕を見ていないから。もう誰にも僕は見えていないから。もう落ち着いていいから。もう大丈夫だから。
 あまりの情けなさに、油断すると涙が溢れそうだった。
 今の僕は本屋で立ち読みすらできない。服屋なんてもっての外、靴なんて買えるわけがなかった。土埃で黒ずんだ爪先を見る。ソールは斜めにすり減り、全体的に黄ばんで何ともみすぼらしい。今の僕とよく似ていると気づき、軽く笑い飛ばしてみる。どのみち惨めだった。
 缶コーヒーを飲み終えても、僕はなかなかその場を立ち去れずにいた。どれだけ待っても立ち上がる気力が湧いてこなかったのだ。家族に迎えを頼みたいけれど、実家はここから車で一時間以上かかる場所にある。かかりつけの病院に電話をかけてみようか、いやしかしこの程度のことで対処してもらえるとも思えない。あるいは担当医が話くらいは聞いてくれるかもしれないけれど、どうせ適当な励ましの言葉をいくつか投げかけられ、「だからどうにかして一人で帰ってくれ」とでも言われるのだろう。あの日会社から引き留めてもらえなかった僕は、やはり誰からも助けてもらえそうになかった。
「あー、死にてえなあ」
 不意に口から出たその言葉は、極めて自然な表情をしていた。ああ、それもいいかもしれないな。そんなふうに思っているうち、ぼろ、と涙が零れる。あ、やべ。慌てて手の甲で涙を拭うが、一度溢れた涙はなかなか止めることができないもので、必死に瞳をこすっても次から次へと大粒の雫が両頬を濡らしていった。いっそけらけらと笑い飛ばしてやりたいような、あるいは大声を上げ怒り狂いたいような、けれどどちらも現実的ではない、そういったやり切れなさがなおさら涙を促す。ああ、本当に、もう死んでしまいたいなあ。いよいよ僕は涙を拭うことも諦めて、じっと俯き、時折しゃくり上げながら自身の感情が落ち着くのを待った。
「あの……、どうかなさいましたか?」
 ふと頭上から若い女の声がした。ぱっと顔を上げると、目の前には品のいいショートカットの女性が立っていて、
「具合、悪いんですか? 大丈夫ですか?」
 彼女は僕へ向かって白いハンカチを差し出している。何か返事をしなければ。今の僕にとって、医者以外の他人と向かい合って話すことはあまりにも久しいものだった。うまく言葉が出てこない。彼女は一方的に話を始めている。
「すみません、少し前からあなたが泣いてらっしゃるのには気づいていて。声をかけるか迷っていたんですけど、その……、ご迷惑でしたか?」
「あ、あの、いえ……、ありがとうございます。で、でも大丈夫ですので、はい。あの、少しだけ休んで��こうと思っていただけで……。コーヒーを飲み切るまで」
 とっくに飲み切ってあったコーヒーの缶を顔の横で振ってみせる。彼女は「ああ、そうなんですね」と言い、それから、
「私も、休んでいこうかな」
 僕から一人分より少し足りない程度に間隔を開け、そっとベンチに腰掛けた。
「もう冬だから仕方ないけれど、やっぱり外は冷えますね。はー、寒い。でもこう寒いと温かい飲み物がおいしいんですよね。朝に目が覚めて、布団から出るのは勇気が要るけれど、寒い台所に立って丁寧にコーヒーを淹れて、それを暖まりかけた居室で飲むの、何より好きだなあ」
 女性はつらつらと一人で話しながら、鞄から掌より少し大きい水筒を取り出した。口をひねり、それをカップにして中身を注ぐ。
「ホットレモネードをね、毎朝ポットに入れて持ち歩いているんです。休日に蜂蜜漬けのレモンを作っておいて、そのシロップを少し濃い目にお湯で割って、ポットに注いで。職場ではサーバーのコーヒーが常に飲める状態になっているからそれを飲んで、行き帰りだけ、このホットレモネードをバスに揺られながらこっそり飲むんです。仕事ってどうしても疲れちゃうけど、そこから離れたときに温かい飲み物があるとちょっとだけ、ほんのちょっとだけ落ち着けるんですよ。まあ、私の場合は、ですけどね。あ、ちなみに夏場は水で割って、氷を入れてキンと冷やして持っていくんです。帰るころには氷も溶けちゃって薄まっているんですけど、まあそれもそれでおいしくて。ふふ、いわゆる“馬鹿舌”なのかもしれませんね」
 彼女が注いだ液体からは柑橘の甘酸っぱい香りがする。かすかに湯気の立つそれを、彼女は大切そうにゆっくりと口に含んだ。ああ、おいしい。彼女が呟く。
「この辺りにはよくいらっしゃるんですか?」
 女性の問いかけに、いえ、と短く答える。彼女は、そうなんですね、とワンクッション置いてから、
「私は毎日二回、この公園の前を通るんです。ほら、この道を真っ直ぐ下るとバスターミナルがあるでしょう? 毎朝あそこで降りて会社に向かって、毎晩あそこから家に帰るんです。だから」
「ああ、なるほど。そうなんですね」
「ええ。それで、朝にこの公園の前を通ると三日に一回くらい、灰色の毛の猫の親子に会えるんです。親猫も、子猫も、ふたりして桜耳でね。最初は目が合ってもプイっとすぐにそっぽを向かれてしまったんですけど、朝会うたびに『おはよう、きょうもかわいいね』って声をかけるようにしていたら、最近は親猫が私の声に答えるみたいに尻尾をふわって一回だけ揺らしてくれるようになったんです。それがもう、すっごくかわいくて。野良の子に餌をあげるのはあまりよくないって話も聞くからそういうのはやらないようにしているんですけど、でももう、なんていうか、そうやって会うたび『おはよう』って話しかけていると次第にその子たちが友達みたいに思えてくるんです。何日も会えない日が続くと、ああ元気かな、怪我とかしてないかな、ごはんは満足に食べられてるのかな、あったかい場所で眠れてるかな……って。飼ってあげられたら一番いいんでしょうけど、私が住んでいるところはペット禁止だし、そもそも動物、見ている分はともかく、触るとかそういうのはあんまり得意じゃなくて。あはは、ひどい話なんですけどね。それでもやっぱり、うん……、私はあの二匹のことが好きだな」
 女性がホットレモネードを含む。うん、おいしいな。そう呟く。女性が確かに僕を見る。それから静かに口を開いて、
「うまく言えなくて申し訳ないんですけど、その、なんていうか、だから……死んじゃうのって勿体ないと思うんです」
 と言った。
「本当に、大したことは言えないけれど、寒い朝に飲むコーヒーがおいしいとか、疲れた身体にレモネードが沁みるとか、時々会う猫がかわいいとか、その猫に会えなくて心配になっちゃう気持ちとか……。そういうの、死んじゃったら全部わかんなくなると思うんです、それはすごく勿体ないって思うんです。生きるってきっと、結論を先延ばしにし続けるだけのことでいいはずなんですよ。何か、確かな希望をもって生きるなんてそうそうできることじゃなくて、でも毎日……毎朝、毎晩『別に死ぬのは今日じゃなくてもいいかな、とりあえず明日まで生きておくか』って、その程度でいいって、私は思うんです」
 彼女は水筒を強く握りしめていた。いつの間にか彼女の視線は自身の履いている革靴に移動している。焦げ茶色のサイドゴアブーツ。丁寧に磨かれたそれは彼女のやわらかな雰囲気とよく合っていた。
「あはは、あの、すみませんお節介なこと言ってしまって。なんていうか、私も、昔ちょっと死にたいって思っていた時期があって。そういう時期がすごく長くて……。だからその、死にたいって声が聞こえてきて、ああこの人に話しかけたいなって、そう思っちゃって。ごめんなさい、いきなり。ご迷惑でしたでしょうね」
 まあ、じゃあ、私はここで。そういって彼女はやおら立ち上がると僕に向かい合って、左手を顔の横で小さく振りながら去っていく。彼女のその華奢な手首には横向きの古傷が何本も走っていて、彼女の言葉を無言で裏付けていた。
 その夜、僕は一人の部屋で彼女のことばかり考えていた。毎朝一日二回、朝と晩と通りすがる公園。親子猫と会える日。冷え切った部屋と温かいコーヒー。手づくりのレモネード。先延ばしにし続けた希死念慮。手首の傷痕。
「『別に死ぬのは今日じゃなくてもいいかな、とりあえず明日まで生きておくか』……」
 彼女の言葉を反芻する。
 彼女のことだけを思い出している。
   翌朝、目が覚めてからも僕はずっと彼女のことを考えていた。いつの間にか思考は彼女の言葉から彼女自身のことに移っている。丸みを帯びたショートカット。直線的な眉。末広がりのつぶらな二重。小さな鼻と唇。水筒を開ける指先の繊細さ。ベージュ色に塗られた艶やかな爪。飼い犬のように親しげな笑顔でありながら、いくらか広めに距離をとってベンチに腰掛けるところはまるで野良猫が互いのパーソナルスペースを侵すまいと神経を尖らせているふうだとも思えた。
 彼女は、非常にかわいらしい女性だった。
 時計を見る。午後五時十分前。彼女���今頃職場だろうか。一体どんな仕事をしているのだろう。どうして昨日はあんな時間にあの公園の前を通ったのだろう。いくら僕が「死にたい」と漏らしていたとはいえ、そして自身も死にたいと思っていた過去があるとはいえ、なぜ僕なんかに話しかけてくれたのだろう。
 立ち上がり、昨日と同じフライトジャケットを羽織る。マフラーを巻き、手袋をはめ、財布をポケットにねじ込み部屋を出る。すっかり暗くなった宵の道、公園へ向かった。
 いくらか急ぎ足で歩いたこともあり、六時過ぎには駅前に辿り着いていた。できる限り人間と目を合わせないよう気を配りながら自動販売機で缶コーヒーを二本買い、それを両手に駅裏の公園を目指す。通り過ぎる女性全員の風貌をそれとなく観察し、彼女ではないかと期待してはすぐに落胆させられる。
 そこから午後九時半まで、昨日と同じベンチの同じ場所に座りながら、僕は公園前を過ぎる人々を眺め続けた。真っ暗な公園、街灯は申し訳程度の明るさしかなく、その場に三時間以上留まっていた僕は誰が見ても不審者そのものだっただろう。実際その場にいた僕は不審だったのだと思う。
 様々の偶然が重なって、その日、その数十分だけ話しただけの女性にもう一度会いたいと願う男。何か伝えたいことがあるわけではないし、何か言ってほしいことがあるわけでもなかった。ただ僕は彼女にもう一度会いたいと思ってしまった、それだけだ。きっとそれは彼女がきょうも猫の親子を見られたら嬉しいと、毎朝その姿を探してしまう感覚に限りなく近い。ほんの小さな幸運を、幸福を、彼女が二匹の猫や温かな飲み物に見出すように、僕は彼女の存在に小さな幸運を見出したのだ。
 その夜、僕は彼女を見つけられなかった。
   以来、僕は毎日二回、公園で彼女を待つようになった。彼女が言った“朝”や“晩”が具体的に何時なのかを知らない僕は、朝は七時から九時まで、晩は六時から九時半まで公園のベンチに居座り続けた。行くたび駅前の自動販売機で温かなコーヒーを二本買い、通りを眺めながら彼女を待ち、一本だけ時間をかけて飲む。もう一本は彼女と出会えたら渡そうと思っているのだが、今のところそれは叶わず、帰り道にとぼとぼと歩きながら冷え切った状態のそれを飲んだ。
 そのようにして僕は四日連続で彼女を待ってみたが、しかし不思議なくらい彼女に出会えはしなかった。あるいは彼女はもっと早い時間に公園の前を通り、もっと遅い時間にあの公園を通るのかもしれない。
 彼女のいう猫の親子にも会える気配はなかった。アウターのポケットに猫用のペットフードを仕込んでいる意味は、今のところない。
  「少し、痩せましたか?」
 二週間前に会ったばかりの医者からそう指摘され、取り繕うように「体力を戻そうと思って、毎日走るようにしているんです」と返した。医者は「それはとってもいいですね」と言い、それから、
「でもまあ、あまり無理はしないでくださいね。何事も適度に行うのがベストですから」
「ああ、はい。わかりました。適度に」
「ええ、適度に」
 彼は僕に対して何かを言いたげなようにも見えたし、一刻も早く診察を切り上げたがっているようにも見えた。薬の飲み忘れはありませんか。飲んでいて、何か気になる点などはありませんか。夜はしっかり眠れていますか、途中で目が覚めてしまうことはありませんか。定型的な医師の質問へ一つ一つ「ありません、ありません、ありません」と同じ言葉だけを繰り返す。
「最後に、何か気になることがあれば」
 普段であればこの質問へも「特にありません」と返している。ただ、その日の僕は普段の僕と少し違う僕だった。彼女、という人間を知り、そのうえで再び会うことが叶わず、そして僕は今彼女にもう一度会いたいと思っていた。僕は彼女を切望する人間に変わっていた。
「あの、ええと……」
 その事実をどのようにして伝え、相談すればいいのだろうと思惟する。恥はかきたくなかったし、不必要に訝しがられることも避けたかった。この四日間で不審がられることには十二分に慣れたが、だからといってそのような扱いを受け入れられるようになったわけでもなかったのだ。
「なんというか……、その、気になる人ができたんですけど、なかなかタイミングがあわなくて。親しくなりたいというか、うまく話しせたらいいのにというか……。えー、その……、こういう場合って、一体どう立ち回ったらいいんでしょうか?」
 僕の的を射ない話を受け、医師はなぜか困ったように笑った。そうですね、と一度間を置いてから、
「自分をよく見せようとか、大きく見せようとか、そういうことではなく……、まあ、素直に笑い合えるようになれたなら、きっと、楽しいのでしょうね」
 僕とはまた違う、けれど僕と似たように的を射ない物言いで彼はやはり僕に笑いかける。ああ、はい、わかりました、ありがとうございます。医師の発言の意味は理解できなかったけれど、ひとまず礼を伝えて頭を下げる。彼は「いえ、では、きょうは」と僕に別れを告げた。僕も再び頭を下げて、
「ありがとうございました」
 そういって困惑したまま診察室を出る。僕と話しながら、医師は眉を下げ、口角を上げ、頬を持ち上げて確かに笑っていた。笑ってはいたが、彼の目は弧を描いてはいなかった。もうずっとひどく疲れたままなのだろう、前々から両眼は澱んでいたが、先ほどの彼はそういう次元ではない、まるで何かを警戒するような、何かを危惧するような、そんな目をしていたように思えて仕方がなかった。
   その日の朝にも僕は彼女と会いたくてあの公園で座っていたし、その日の晩にも僕は公園で彼女を待ち伏せていた。きょうは月末の金曜日の夜だった。退勤後、このまま街中で飲んでいくのだろう男女が笑いながら公園の前を過ぎていく。いつもよりも早い時間なのに人の通りは激しかった。さすがはプレミアムフライデーだな、と鼻で嗤う。
 半分ほど中身の残る缶コーヒーを手の中で持て余している最中、僕はようやくそのベージュのチェスターコートの女性を目にした。品のいいショートカット、グレンチェックの赤いマフラー。間違いない。彼女だった。
 彼女は同年代の男性と、年配の女性と共に、笑いながら歩いていた。彼女の瞳は年配女性の手元を捉えている。はめられた手袋を見ているらしかった。不思議なくらい彼女の目線はそこから移らない。彼女と女性が何度か頷いている。話しかけに行きたかったが、僕の足は動く気配などなかった。このままでは彼女が行ってしまう、僕は何とか情報を手に入れようと、必死に耳を澄ます。彼女と年配女性の声は聞こえてこなかったが、同年代らしき男性が、
「ってことは、明日も×××で?」
 と割合大きな声で彼女に訊ねる。彼女は一度曖昧に笑って、しかし何かを言いながら頷いたのを僕は確かに見た。彼が挙げた名前は、駅中にあるチェーンの喫茶店の店名だった。明日、彼女はそこに行くのかもしれない。
 結局そのまま彼女は行ってしまい、僕は彼女に話しかけられなかった。
「明日、も」
 いつの間にか足元には二匹の猫がいた。僕のほうを見上げ、物欲しそうに鳴いている。僕はポケットに入れていたペットフードを開封し地面に放り投げる。猫たちが餌を貪る様を眺めながら、僕は明日の自分が彼女にどう話しかけるべきかを考えていた。
   帰宅後スマートフォンで調べると、その喫茶店は朝七時半から開いているらしかった。一晩考え続け、結局翌朝七時に家を出る。彼女が朝一でその喫茶店にやってこないとは言い切れなかった。開店十五分前から店の前に並ぶ。僕以外の人間は誰もいない。しばらくして店が開き、店内へ招かれる。朝食としてホットコーヒーとミルクレープを注文し、支払いを済ませ、他の座席をよく見渡せる、隅の席に腰掛けた。昨日まで寒空の下公園のベンチに座っていたせいで、店内の程よく調節された空調が天国のようにも思える。多少インストゥルメンタルの音楽が賑やかすぎるとは思ったが、それもコーヒーを飲み干すころにはすっかり慣れてしまった。店員に促されるままにコーヒーのおかわりをもらう。今のところ彼女がやってくる気配はなかった。さすがに早すぎたのかもしれない。あの男性は、彼女が何時にこの店にやってくるのかを知っていたのだろうか。
 彼女がこの店に入ってきた後のことを想像する。真っ先にレジへ向かった彼女は何か、温かな飲み物を注文する。僕と同じようにミルクレープも頼むかもしれない。それらを受け取った彼女は席を探しに歩き出し、
「あれ? もしかして……?」
 僕を“僕”だと認識した彼女は、笑いながら僕に近づいてきてくれるだろうか。あるいは軽く会釈をするだけに留めるのかもしれない。そうしたら僕は立ち上がって彼女に近づいて、この間の礼を伝えるのだ。うまくいけばその後相席させてもらえるかもしれない。きっと僕らは何か意味のある会話をするのだろうが、けれど僕は彼女の左手首の傷の理由にはあえて触れないだろう。そのうえで僕は僕のことを少しだけ話すのだ、この間の涙の言い訳として。彼女はそっと慰めてくれるかもしれないし、よくある話だと軽快に笑い飛ばしてくれるかもしれない。どちらにせよそれは僕にとって明確な救いとなる。
 静かにコーヒーを含む。しっかりと苦くコクがあり、酸味は微かで、深い香りは鼻腔を満たす。ここ数日飲み続けた缶コーヒーとは比べ物にならない味わいに、今日まで彼女に会えずにいたことをむしろありがたいと思った。
   昼を過ぎても彼女は現れなかった。入店して四時間も経つと店員は鬱陶しそうに僕を睨むようになり、いつの間にかおかわりを訊ねてくることもなくなっている。申し訳程度に何度か別のメニューを頼むが、心なしか応対も冷たくなっているように感じた。さすがに居づらくなってきて、四度目の注文を食べ切った午後二時手前、逃げ出すように店を後にする。他の客には必ず告げていた、ありがとうございました、の一言はどの店員からも言ってもらえなかった。
 背を丸め、件の公園のほうへと歩き出す。彼女がきょうもあの公園前の道を通る可能性に賭けようと思っていた。いくら冬だとはいえ、きょうはやけに気温が低い。風邪をひかないといいのだが、この寒空の下どう対処すべきだろうなどと考えていると、ふと遠くからベージュのチェスターコートの女性が歩いてくるのが見えた。目を凝らす。赤いグレンチェックのマフラーに丸みを帯びたショートカット。じっと顔を見つめる――間違いない。彼女だ。きょうの彼女は両耳にイヤホンを挿していた。大振りの、キャンバス地のトートバッグが重そうだ。おそらくこれからあの喫茶店に入るのだろう。店内で会うシーンはシミュレーション済みでも、こうしてすれ違うことは全くの想定外だった。何か話しかけなければ、彼女が行ってしまう。しかし彼女はイヤホンをはめていて、いっそ奇妙なくらい目線も合わない。何かを伝えようにも僕の声はきっと届かないだろう。身振り手振りで彼女にアピールする必要があった。しかし、どうやって。考えを巡らせているうちにも順調に彼女は僕に近づいてくる。残り、あと数メートル。
「あ、あの」
 イヤホンをはめこちらを見ようともしない彼女に、案の定僕のか細い声は届かなかった。僕の横を通り過ぎた彼女が喫茶店に入る様を振り向いて見届ける。もう一度あの店に入る勇気はなかったが、せっかく得たチャンスを手放す勇気も僕にはない。
 僕はただじっとその場に立って、彼女が店から出てくるのを待った。
   一時間後、彼女が店から出てくる。重そうな鞄を左肩に、駅地下へと向かっていく。おおよそ彼女と同年代だろう若い女が複数人並ぶデリカテッセンの前で立ち止まった彼女は、その店でいくつかの商品を買った。その後、彼女は駅前のバス停に並ぶ。数分ほどスマートフォンをいじっているうちに某バスターミナルへと向かうバスがやってきて、彼女はそれに乗り込み僕の前から消え去った。僕はそれらを物陰から、走りゆくバスが全く見えなくなるまでじっと見つめていた。
 駅に戻り、先ほどの店に入る。彼女が何を買ったかまでは見えなかったが、その店に並んだやたらに値の張る品のいい数々の総菜は彼女の雰囲気によくあっている気がした。ほうれん草とグリュイエールチーズのキッシュ、という商品を買うと、店員はそれを彼女が受け取っていたものとサイズ違いの白い小箱に納めて渡してくれる。帰宅後、電子レンジで加熱して食べ���それはよくわからない香辛料の複雑な香りがした。
   翌日の日曜は一日中家にいたが、さらに翌日、月曜の朝になると僕はまたあの公園のベンチに座っていた。月曜から金曜、朝は七時から九時、晩は六時から九時半。数日に一度やってくる二匹の猫をかわいいと思ったことはただの一度もなかったが、いつ彼女に見られるかはわからない、僕は「そのふたつの命が愛しくて仕方ない」という演技をしながら会うたびその二匹にペットフードを与えた。残念ながらあの夜を除き平日に彼女とすれ違えることはなく、しかし彼女は毎週土曜、午後二時から三時までをあの喫茶店で過ごすと気づいてからは平日の公園も苦ではなくなった。土曜日にだけ会える彼女のために、僕はそれ以外の日々をうまくやりこなすのだ。何の愛情も持てない猫への餌づけも、日に日に寒くなってくる気候も、味気ないだけの缶コーヒーも、他人の冷たい目線も、土曜の午後に見つめられる彼女の姿を思えば何の苦でもなかった。彼女が喫茶店にやってくる三十分前に喫茶店へ入り、ホットコーヒーとミルクレープを頼んで一番隅の席に座る。彼女は毎回違う席に座るが、店内の座席は僕にとって都合のいい配置となっていて、窓際の、薄暗くうまく暖房の届かない、人気のないこの席だけは他のすべての席を確認できる位置にあった。
 最初の数回こそ「今日こそは彼女に声をかけよう」と腹に決めながらその席に座り、結局何も言えないまま彼女を見送る自分に落胆していた���、次第に僕は別にこのままでもいいのではないかと自身の考えを改め始めた。僕にとって彼女は、誰がどう見ても高嶺の花だった。整った顔立ち、やわらかな笑顔、しなやかな指先。店員への応対を見ていても彼女の優しさは明らかで、僕のような人間が触れていい生き物だとは到底思えなかった。長袖を着ている彼女の左手首の古傷に気づいている人間は、この店内、きっと僕ひとりだろう。彼女との秘密の共有は思い出すだけでもひどく甘美なことで、僕の心はそれだけで充分すぎるほどに満たされていた。
 僕は陰として、彼女からは見えない場所で、彼女をそっと見守っていよう。
 店の中で彼女はいつも大学ノートを開き、そこへ何かを書き込んでいる。そのノートに書かれている文章が何なのかを僕は知らない。知りたいとは思ったが、だからといって彼女に話しかけようとはもう考えもしなかった。陰はあくまでも陰だ。話しかける、という行為は陰にそぐわない。ミルクレープを頬張る。もう何度目かもわからないその味に、今更何かを思うことなどなかった。
   彼女を見守り始めて二か月と少し、数日に一度は春めいた日差しが降り注ぐようになった土曜日。きょうも僕は駅中の喫茶店で彼女を待っていた。コーヒーとミルクレープを頼み、いつもの席に座って腕時計を確認する。あと十分程度で彼女もやってくるだろう。きょうの彼女はどんな服を着ているだろうか。彼女は女性らしい服装を好んでいるらしく、ワンピースやスカートが多く、パンツスタイルは一度しか見たことがなかった。俯いてノートに向かうとき、彼女は両耳に髪をかける。露わになる華奢な首筋は加護欲を駆り立てられるそれで、見るたびに美しいと思った。彼女がくるまで、あと五分――
「あの、すみません。少しお時間いいですか?」
 目の前にひとりの男が立っていた。彼は、明らかに僕に向かって話しかけている。どこかで見たことのある顔だが、どうしてだろうそこまでしか思い出せない。
「え、あの、いや……はい?」
 男の目的が理解できず、曖昧に笑ってみせる。すると男は、
「単刀直入にお訊ねします。あなた、ある女性に付きまとっていますよね?」
「……は?」
「毎週土曜日、ここで彼女のことを見張っていますよね。駅裏の公園では月曜から金曜、それも朝と晩、二回も待ち伏せしている。違いますか?」
 どうやら男は彼女のことを言っているらしかった。少しずつ記憶が繋がっていく。ああ、そうだ、この男は、あの夜彼女が喫茶店に現れることを教えてくれた男だ。男は、僕が彼女を見張っていると言った。男は、僕が、彼女を、待ち伏せしていると言った。
 ふと店のレジカウンターのほうを見るとそこには彼女がいた。彼女の隣には若い男の店員が立っていて、僕をきつく睨みつけている。彼女は僕のほうを見ていなかったけれど、その表情は男性店員とよく似ているようにもみえた。
「彼女から話はある程度聞いてあります。彼女の言葉を受けてあなたがどう感じたかは知りませんけど、毎日毎日待ち伏せる、そのうえつけ回して見張っているなんて……どうかしているとは思わないんですか? 何の権利があって彼女にそんなことを?」
「え、いや、あの、僕はべつにそんな……」
「べつに? それは言い訳ですか?」
 男は僕が彼女をつけ回していると信じて疑わないようだった。早急に誤解を解かなければならない、僕は席を立ち彼女のほうへと歩き出す。すると彼女は短い悲鳴を上げ、店員は僕から彼女を隠すようにずいと前に立ち、男は僕の右腕を掴んだ。店内が一気にざわつく。
「あの、どういう意味かよくわからないのですが、僕はべつにそんな、彼女をつけ回してなんていませんよ、それは誤解です、僕はただ彼女ともう一度話がしたくて、ただそれだけのことですよ、つけ回すなんてそんな言い方、まるで僕がストーカーみたいじゃないですか、いやだなあ困りますよ、僕があなたを見張っていた? 違いますよ、誤解ですよ、ただ僕はあなたを見ていたかっただけのことで、それを見張っているだなんて――」
「“見ていたかったから、声もかけずに待ち伏せてじっと見張っていた”。世間ではそれをストーカーと呼ぶんです」
 男がいくらか声を荒らげて僕にいう。掴まれた右腕が痛い。
「それはあなたの考えですよね? これは僕と彼女の関わりです、あなたは黙っていてください」
「自分はその“彼女”に頼まれて、こうしてあなたに訊いているんですよ。駅裏で泣いている男に声をかけたら、何がどうなったのかわからないけれど毎日待ち伏せられるようになった、週に一度の楽しみの喫茶店にも毎回いる気がする、つけられているんだと思う、気味が悪い、助けてほしい、と」
 僕には男の話した言葉の意味が一切理解できなかった。
 気味が悪い? 僕が? 彼女にとって? 助けてほしいと頼まれた?
 彼女を見る。目が合う。あなたの誤解なんですよ、という意味を込め、僕は彼女へそっと、素直に、花が咲くように微笑んでみせた。その瞬間、彼女はボロッと大粒の涙を溢し、
「ひっ」
 と短く声を上げる。
 僕の腕を掴んでいた男は座席に置いてあった僕の鞄を乱暴に抱えると、
「あの、すみませんが近くに交番がありますよね? 電話をかけていただいてもよろしいですか?」
 彼は彼女の前に立ち塞がる男に声をかける。店員は短く「かしこまりました」と言うと、レジカウンターの奥でこちらの様子を窺っていた女性店員に「お願いできる?」と伝える。女性店員は慌てながらも二、三度頷き、そのまま奥へと下がって行った。その間も男性店員は彼女の前から退こうとしない。
 気がつけば僕の周りでは遠巻きに、けれどいざとなったなら全員で取り押さえられるように、複数の男たちが僕を囲んでじっと睨んでいる。その輪の後ろ側には女性が何人も立っていて、皆一様に口元や胸元へ手を宛がいながらまるで化物でも見ているかのような形相でこちらを見ていた。電話を終えた女性店員がカウンターから出てきて、男性店員に耳打ちした後、彼女の肩をそっと抱き、
「きっともう大丈夫ですよ」
 と言った。涙声で、はい、と返事をした彼女は、しかしそのまま膝からくずおれ、小さく震えて荒い呼吸を繰り返している。女性店員は何度も彼女の肩をさすり上げながら、
「もう心配いらないですよ、きょうまでよく頑張りましたね。もう大丈夫です」
 ほんの数ヵ月前、僕が担当医から言われたような定型の慰めの言葉を、どこまでも優しい声でかけられていた。店の外が少しずつざわついている。きっともうすぐ警察がくる。僕は彼らに連れられ、どうしてこのようなことをしたのかと問われるのだろう。僕はその問いに何と答えればいいのかわからない。今の僕ではその先延ばしにできないだろう答えを支度できそうもなかった。
 彼女が嗚咽を上げて泣いている。そえはまるでいつかの僕のようだった。
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geniusbeach · 7 years ago
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海南島記
一日目
海南の空は螺鈿色に湿っていた。私が海口(ハイコウ)に到着したのは夕暮れ時で、それは街が最も騒がしくなる時間帯であった。空港から延びる道路にはわずかの隙間も空けずに車が並び、クラクションがひっきりなしに鳴らされる。私が乗る車も同様、運転手がそれに負けじと鳴らす、詰める、怒鳴る。その横を、日本で言う「原付」型の電動自転車が列をなして通り過ぎ、屋台では店番の女が電話に向かって何事か喚き散らす。笠を被って自転車に乗る果物売り、地べたに座り込む男たち、商店の前で���ぶ子ら、通りを行き交う人々、その生活のすべてが喧騒に満ちていた。ただ、亜熱帯特有のねっとりとした甘ったるい空気と、何とも言えない暖色の空がそれらを包み込むことで、雑多な街にも不思議な円みがあった。
渋滞とともにのろのろと市街中心部へ移動し、ホテルにチェックインする。その後レストランで夕食だ。円卓でイノブタ、ハト、ガチョウ、アヒル、空心菜、牡蠣、麺など様々な中華料理を食べた。アヒルが一番うまかった。小ぶりな茶碗に入った白飯は日本のものと大差なかったが、箸は先が尖っておらず、さながら細い木の棒のようだった。たらふく食べた後はしばし町をぶらついた。ぎらつくネオンが私の目を刺す。やはり中国だ。見慣れない漢字が多く、一部は読めるが発音ができない。サービスセンターを意味する「服務中心」など、簡単なものだけわかった。まるでパラレルワールドに迷い込んだかのような感覚に陥る。幹線道路沿いを歩いていったが、ほとんどの店が夜遅くまで開いていた。というより、商売っ気がなく売れないので、起きている間中開けているというべきか。店内の黄色がかった薄暗さは、ちょうどそこで働く人の肌の色に似ていた。なんとなく遠い昔を思わせるような、谷崎潤一郎が言うところの「玉(ぎょく)」の色だろうか。その前を電動自転車が歩道も車道も関係なく我が物顔で走り回る。さらに逆走もする。無音なので普通に危ない。そういえば昼間には子供が三人乗りしていた。もちろんバイクも走ってはいるが、それに比べて数が少ない。この電動自転車の普及のせいで、島民の肥満化も問題になっているとか��
ホテルに戻った。ナントカ大酒店という名前だ。中国のホテルは飲食屋でもないのに「飯店」とか「酒店」とかいう。食事は「菜」というそうだ。部屋はかなり広かった。バスルームも綺麗だ。そのぶん値段も高いが。煙草を吸ってから、中に置いてあった「椰树」という名のかすかに甘いミネラルウォーターを口に含み、バスローブにくるまって寝た。
二日目
ホテルの朝食はバイキング形式だった。色々食べたが、フォーのような麺が一番気に入った。言えばその場で茹でてくれる。パクチーやピーナッツ、味噌、細切り肉を入れて食べるのだが、うまいので2回もおかわりした。この日は会合に陪席してから、レクチャーの記録写真撮影を行った。同行者、というよりも随行させていただいている方々とともに壇上で紹介されたのは想定外で、分不相応の扱いに緊張をする。昼飯を済ませ、会議を継続。仕事を終え、地域の様子を見に行く。巨大なアパートの共用部分で麻雀やおしゃべりに興じる老人たち。なかなか活気があった。しばらく歩き、萬緑園という緑地公園へ。民主・富強・文明・和谐・自由……というスローガンが書かれた看板や文字のモニュメントを道中のあちこちで見かけた。主張が強い。道には、おそらく春節用に建てられた大きなオブジェが打ち捨てられていた。赤地に黄色い文字。読めそうで読めない。張りぼてがむき出しになっている。そこには何か私を強く惹きつけるものがあった。置いてけぼりになるのも構わず、しばらくじっと眺めていた。そしてふと周りを見渡せば、街中の色んなものが赤かった。共産主義社会を肌で感じた午後だ。
夕食を取るため、小さな島に渡る。めちゃくちゃに広いレストランだった。歓迎会などというやさしい表現で済めばよかったのだが、やはり例によって白酒の洗礼を受けることに。乾杯の発声と同時に全員のショットグラスが空になる。一瞬、咽喉が焼けるように熱くなるが、後味に不思議な爽やかさがある。乾杯はこれで終わりではない。今度は全員の席を回り、向こうは歓迎の挨拶代わりに、こちらは謝意を込めて一杯また一杯と飲み干す。そして、隣り合った人々とはこれを気の済むまで繰り返し、会話の折々に煙草を勧め合うのだ。私は下戸なのでこの儀式にはほとほと参ったが、なんとか六~七杯で勘弁してもらい、青島啤酒に切り替えて難を逃れた(逃れてない)。そうして一息入れようと、もらった煙草に火を付けた。フィルターには「珍品」と書かれていた。
ちなみに、こちらでは食事の初め、各々の小皿に醤油を注ぎ、輪切りの唐辛子、パクチー、刻んだニンニクを入れ、金柑のような小さい柑橘類を搾って好みの調味料をつくる。味の足りないものはそれで補うのだ。ウズラのまる茹でやら海藻入りのすっぱいスープやら、ヤギ、豚、鶏、特産のピーナッツ等が出てきた。全部うまかったが、酒を飲んで以降は味もヘッタクレもなかった。赤くなった私の顔を見て、皆はしきりにスープを飲めと言った。帰りのことは良く覚えていない。とにかく酔っていた。日本人には酒が飲めない人が多いらしいね?と聞かれ、それは私だと返す。白酒はきついが花のような香りがしたと言うと褒められた。ホテルに戻って「中華」という煙草を買い、部屋で吸った。うまくはないが、旅行中はこれで足りるだろう。腹が膨れて苦しかったが、落ち着くために茶を一杯飲んで寝た。
旅について思う。自分をポケットに入れて旅に出る。旅する身体には普段とは違った意識が宿る。というのも、見知らぬ土地を歩く時、 人は積極的に自身の位置を探ることで、次なる一歩、それもその場において適切な一歩を踏まねばならないからだ。個人的な目的を設定し、それを達成するために地図を広げ、標識を読み、道を尋ね、馴染みのない言語文化に全身を投じて彷徨う。それはまだ見ぬ自分への巡礼なのだ。……
三日目
朝に海南島の田舎、澄萬(チェンマイ)に移動。昼から飲むことに。横に座った男がやたらと酒を勧めてきたが、聞けば現地の医者だという。飲めないという言い訳はなぜか通じない。野郎ばかりの狭くむさくるしい部屋で豚とヤギの鍋をつついた。あまりに大量の肉。山ほどパクチーを食べ、ビールも飲んだ。途中、福山(フーシャン)珈琲に立ち寄ってブレイク。コンデンスミルクを大量に入れて飲むのが東南アジア流だ。少々粉っぽく、八ツ橋のような味がした。亜熱帯気候の海南は日中ずっと暑いので、昼休みが2時間半ほどもあるらしい。そのせいか、福山珈琲館にいた客はしばしの休憩でくつろいでいると言うよりも、椅子の上にグダーっと伸びてひたすらダラダラしている印象を受けた。
ここの環境は良い意味で適当で大らかだ。どこでもタバコが吸えたり、店員がお釣りをちょろまかしたり、交通警官が飲酒運転を黙認していたり、原付が歩道を走っていたり、日本で生活している自分からするとありえないことが多い。しかし、人々は皆楽しそうで、私自身も日本のように気疲れすることは少なかったように思う。なんというか、町中に散らばった漢字の看板も相まって、そこには古き良き時代という言葉がぴったりな気がした。人々と同じように、ほんの少しだけ歩く速度をゆるめるだけで、普段とは違った景色や時間の流れを味わえることに気づく。せかせかした日々を送る私たちだが、ふと立ち止まって空を見上げたり、仕事中でも遠くの緑を眺めたりしてみるといいのかもしれない。忙しくとも気持ちだけはゆっくりいこう。
次の目的地までの移動中トイレに立ち寄ったが、小便器の前にはこう書かれていた。「向前一小歩 文明一大歩」。世界中どこでもメッセージは同じなのだ。ちなみにこちらのトイレでは紙を流してはいけないことになっている。簡単に詰まるからだ。使用済みのものは目の前のくずかごに入れる。紙がない場合、シャワーヘッドが壁にかかっていることがあるが、言わずもがなそれで洗えという意味だ。そして、紙もシャワーもない場合は、単に絶望だ。一度そういうトイレに遭遇したが、同行者からティッシュをもらって助かった。日頃からカミに感謝しよう。
昼過ぎに、福山近くの黄竹村へ。家々の扉には旧正月の名残で倒福がかかっていた。家の前でおしゃべりをする高齢の女性たち。子供もおり、のどかな雰囲気だった。しばしの滞在の後、海南島の最高峰である五指山近くの町へ向かう。午後四時。運転手が中華ポップをガンガンかけながら飛ばすので車内からは悲鳴に近い声が上がったそうだが、私は心地よく眠っていたので知らない。目を覚ますと山道に入るところだった。道幅が狭くなるものの、相変わらず運転は荒い。と、右前方の道端で巨大なタンクローリーが横倒しになっているのが見えた。崖がごっそりとえぐれており、デペイズマンかと思うほどすごい絵だった。警察はまだおらず、運転手と見られる男が乗員とともに困り果てた顔をしていた。これは大事故だ。と思う間もなく、私たちはビュンと通り過ぎた。運転手はあまり驚いていなかった。きっと日常茶飯なのだろう。私たちは無事に山を越えられるだろうか。
日が暮れてきた。相変わらずくねくねとした山道だが、車同士が容赦ないスピードですれ違う。出発から二時間が経とうとしていた。さっきから少し車のスピードが落ちてきたように思う。安全運転にシフトチェンジしたのかと安心するも、何か変な音がすると運転手が言い出す。確かに坂続きで馬力がなくなってきているようだ。そうこうするうちにヘッドライトの先だけが道となり、不安を抱えたまま夜へと乗り入れる。なんとかなるだろうと思っていたものの、いよいよ異音が大きくなる。そうして急カーブに差し掛かったところで、車は静かに止まった。一度降りて様子を見るのかと思いきや、最初の悪い予感が的中する。どうやら故障したようだ。同乗者がすぐに助けを呼んでくれたが、町からは相当な距離がある。途方にくれた。とりあえずあたりの木の枝を折って車の周辺に置くことで停止表示板の代わりにし、安全確保のため路肩に避難する。蚊がぶんぶんとうるさい。聞けば、ここらへんの蚊は昔マラリアを持っていたらしい。今ではもう終息したそうだが、やはり気は抜けない。手を振り回したり、煙草を吸って身体に吹きかけたり、タイガーバームを塗ったりした。そんな絶望的状況から約一時間半後に救援車が到着。なんとか闇のジャングルから脱することができたが、運転手はレッカーを待たねばならない。後から聞けば、彼が帰着できたのは午前零時を超えてからだったそうだ。
さて、私たちが五指山麓の町に着いたころには午後九時を回っていた。出発してからざっと五時間以上かかったことになる。ホテルにチェックインして部屋のカードキーを受け取ったが、錠の反応がなかった。フロントで入れない旨を伝えようとしたが、スタッフは困った顔をしている。仕方なく紙とペンで偽中国語筆談を試みようとしたところ、英語の通じるスタッフが一人いたのでなんとか解決できた。こちらではほとんど英語が通じない上に、たいてい中国人と勘違いされるせいで怪訝な顔をされる。海外からの観光客が少ないせいか。
レストランで遅い夕食を取る。ここでもやはり白酒だ。終わることのない乾杯に、謝謝!と杯で応える。もうどうにでもなれといった感じだ。だがやはり途中で青島に変え、限界がきたので最後には茶を飲んでいた。薬酒のような茶色い酒も飲んだが、口に合わなかった。料理は、薄いオムレツ、ヤギ、鶏、菜心、ピーナッツなどが出た。炒め物を口にした時、ゴリッという音がしたので出してみると、それは鶏の頭だった。くちばしも付いている。トサカだけ噛みちぎって食べた。脂っぽい。食べられるものは何でも食べるんだなと思った。こちらに来てからは毎食、食べきれないほどの量で料理が出てくる。残すのは嫌なので無理にでも詰め込もうとしたが胃袋には限界というものがある。食後にしゃっくりが止まらなくなった私に、同行者は、これはもてなしの表現であり中国の文化であると教えてくれた。また、皆食事中に煙草を吸い、互いに勧め合っていたが、それも慣習であることを知った。灰皿がない席では、吸い殻は床に捨てていた。相手方のうち一人が酔いつぶれたので、助っ人にホテルまで送ってもらった。べろべろになりながらも、貰った煙草に火を点け、人間の生について考えた。
四日目
朝、ホテル近くの市場を見に行く。果物を売っていたり、路上で占いをしていたりと、活気がある。道では放し飼いにされた犬がじゃれあっていた。檳榔売りもいて、歩道にこびりついた血のような赤い点々はそれが吐き捨てられた跡だった。町を出発し、五指山中へ。五指山市は中国で唯一の貧困都市で、特に山間部の村が貧しいということを聞く。途中で車を降りると、山頂が雲に隠れているのが見えた。少数民族である黎族(リー族)の村へ赴く。同行者が、土地の名物だという竹筒入りの炊き込みご飯を村人から買っていた。熱帯植物の生い茂る山道を進む。家々の扉には未だ福(倒れていない福)の赤い紙が掛かっている。途中、飯屋に立ち寄りイノブタと菜心を食べる。村は最近観光開発が進んだことで、麓と展望台をバスがひっきりなしに往復しており、ラフティング等のアトラクション施設もあった。鶏は放し飼いにされていて至る所にいたが、人の姿はほとんどなかった。仕事のために山を降りているのだろうか。家の前には農具が散らばっていたり、材木や乾物、ぼろぼろのトラックが置かれていたりする。乱雑ではあるが、今の日本が忘れてしまった、アジアの穏やかな昼間があった。
山を降り、昨夜と同じレストランで夕食。白酒はそこそこにして、後はビールで勘弁してもらえた。こちらの熟鮓を食べさせてもらう。少々クセはあるが、日本のものと似ている。日本酒があればいいのにと思った。豚のしゃぶしゃぶのようなものと海藻入りのスープを食べる。スープは酸っぱく、辛い。しかしトムヤムクンとはまた違う。味わったことのない味。料理は全体的に油が多く、それでコクを出しているといった印象だ。日本でいうダシの代わりだろうか。食後、オーナーのトウさんが身振り手振りで電話番号を教えろと言ってきた。また連絡するから、とのこと。連絡をくれたとしてもどうやってコミュニケーションを取れば良いのかわからなかったが、なんとなく面白かったので、番号を名刺に書いて交換した。トウさんは人の良さそうな兄ちゃんで、たぶん同い年くらいだ。奥さんも子供もいて、手伝い半分世話半分で店内をうろうろしていた。
腹ごなしに町をぶらつく。最初に比べ、黄色い街灯やネオンも心地良くなった。明日で最後かと思うと少し寂しい。カバン一つで来たが、叶うなら滞在を延長したいと思った。名残惜しさを噛み締めつつ、橋から川を眺める。紫、赤、白、黄の灯りが水面に反射し、サイケデリックに揺らめいていた。
五日目
朝、昨日買った竹筒入りのご飯と鳥の足の唐揚げを食べる。うまい。五指山からまたも五時間かけて海口へ戻り、海口の旧市街を見に行く。石畳が敷いてあり、ヨーロッパの古い都市を思わせる町並みに驚く。ここは文革でも破壊を免れたそうだ。洋風の建物を良く見ると、その壁に書かれた文字が全て中国語なので不思議な印象を受ける。中洋折衷だ。なぜか道端のいろんな場所にココナッツが置いてあった。特産超市(スーパー)には民芸品とともにドリアンが並んでいた。資料館で町のジオラマや歴史年表を見た後、昼飯に豚の内臓入りの麺を食べた。地元ではポピュラーな料理だ。こちらに来てから食べ過ぎのせいで顔がむくんだ。体重も2kg増えた。しかし飯がうまいのだから仕方ない。好き嫌いが少なくて良かったと思う。
海南の気温は2月でも30℃近くあったが、この日は雨が降り10℃台まで冷え込んだ。私はシャツにジャケットを羽織って終日過ごしたが、町ではダウンを着た人をよく見かけた。どうやら、一年中春のような気候のせいで海南人は寒さにかなり敏感なようだ。滞在初日、厚手の服を売っているお店の前を通りがかった時には、こんなもの一体誰が買うんだと思っていたが、案外需要があるもんだなとそこで納得した次第だ。
さて、もう日本に帰らねばならない。海口の空港で土産を買った。真空パック入りのサラダチキンのような鳩肉と鶏足の揚げ物だ。店員に英語で値段を聞くとなぜか爆笑された。無言でレジに表示された数字を指差す。別の店で煙草も買ったが、無愛想なジェスチャーで釣りがないと言われた。面倒なのでいらないと答える。行きと同じく広州経由の便に乗る。海南よ、さようなら。飛行機の中で、萬緑園に放置されていた、夢の跡のような春節の残骸を思い出した。
後記
この旅行記は、平成29年2月20日~24日の出来事を、約一年の期間を経てから綴ったものである。旅の主な目的は仕事であったため、内容には多少のフィクションも含まれている。
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mashiroyami · 5 years ago
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Page 114 : 月影を追いかけて
 静かな空間では、時に、些細な音も雷鳴のごとく響く。ポケギアが鳴り、アランの表情は瞬時に緊迫した。  たった一人登録された、限られた人物からだと画面で確かめ、すぐに回線を繋ぐ。 「もしもし」 『手がかりがありました』  前置きも無く、開口一番端的に告げられたため、アランは一瞬耳を疑ったが、聞き違いではない。息を詰め、耳を傾ける。  次のように続く。  クヴルールの伝を使い町のいたる地点に設置された防犯カメラを確認したところ、キリの中心市街地にて何度か光の輪の残像が発見された。夜間照明に照らされた黒い肢体はまさにブラッキーのものであったという。とはいえ、町をあげた祭ともあり前日から外部から多数の観光客が足を運んでいるため、かのブラッキーであるという確証は無い。しかしそもそも希少価値の高い種族であり、誰も彼もトレーナーの傍を離れて夜の町を疾走しているとは考えづらい。野生である可能性も低い。となれば、あのブラッキーである可能性は自然と高くなる。  問題は現在地である。 『現在作動しているカメラにはどこにも姿が見えません。記録を元に足取りを追うと可能性が高いのは中心街付近となりますが』 「昨日もその辺りは行ったんですが」 『歓楽街の方面は?』  アランは口を噤んだ。  日が沈んで代わりに起き上がる場所、夜の店で煌めき、ネオン色が明滅し、色香が漂い酔い狂う歓楽街はキリにも存在する。特に昨夜は祭の前日ともありとりわけ人通りが多かった。エーフィを従えていたとはいえど、土地勘が無く気圧されたアランは踏み込めなかった。鮮やかな嬌声の纏わり付く賑やかな場所にブラッキーが潜り込むとも考えづらかったということもあっただろう。回り込んで他の場所をあたっていた。  しかし、夜の街は朝に眠る。夜が明けた今ならば、人通りはあっても夜間に比べれば安全だろう。エクトルが傍らに居れば尚更である。 『その付近に居た形跡も残っています。とはいえ、遠く移動している可能性も否定できません』 「勝手な予想ですけど、そう遠くまでは行っていない……行けないと思います」 『何故?』 「むしろ、動き回る姿の方が想像できません、最近の元気の無さを思い返すと。今は例外なんですけど」  エクトルは沈黙した。 「考えが甘いですかね」 『いえ。……いや、甘いといえばそうかもしれませんが、ブラッキーを一番理解しているのは、貴方でしょう』 「そんなことは、ないです」  一つ一つの音に力を込めて弾き出すように、語気を強くした。 『……とにかく、行ってみる価値はあるかと。ネイティオには引き続き未来予知で探らせます』 「分かりました」  まだ部屋にいることを伝え回線を切断すると、アランは身支度をする。身支度といっても、改まってするといえば、うなじを完全に覆うように伸びた髪を小さな尻尾のように括るだけだ。  エーフィと共に部屋を出る。急ぎ足で外へ向かうと、部屋に居ては気付けなかった町の賑わいに足を止めた。  雲一つ無い爽快な空から降り注ぐ白い朝日が町を照らし、白壁は眩しく反射する。大通りの方面から薄らと明るい笑声や音楽が流れてきて、陽光と混じって白壁を反射し町へ浸透している。早朝は誰一人見かけなかったホテル前も、ずらずらと人波が出来ていた。道行く人々は揃って湖へと向かっている。それぞれの傍で種類豊富な羽ばたきが行き交った。もうじき祭の目玉の一つであるポッポレースが開催される。  エーフィに気が付いた人はさり気なく若紫の柔らかな肢体に目配せする。注目自体は既に幾度も経験している。首都の人口密度に比べてしまえば空いているものの、好奇を寄せられる数が、明らかに多い。アランは小さな両の拳を固く握った。 「ブラッキーを、早く見つけなきゃ」  焦燥は滲んでいない。締まった顔つきで呟くと、エーフィも肯いた。  栗色の視線が上がる。エクトルは道路を挟んで向こう側、建物の屋根の下にいた。 「エクトルさん」  器用に立ったままノートパソコンを操作しているエクトルに声をかけると、彼は画面から目を離した。 「ああ。少しは休まれましたか」 「はい、ちょっとだけ」  病的なまでに青白かった頬は僅かに血色を取り戻し、声にも張りがある。頷いたエクトルは、パソコンをひっくり返し、アランに画面を見せる。  画質は悪いが防犯カメラの映像が敷き詰められており、それぞれ蠢く人影がリアルタイムで映し出されていた。アランは目を丸くする。 「こんなの、ここで見ていいんですか」 「さて」  濁した横で絶句するアランをよそに、欠片も悪気を感じていないようにエクトルは淡々と操作し、無数にあるうちの一つの映像を拡大する。 「この時間帯に」  昨晩、二十時十一分。  電灯に設置されているものか、僅かに上空から映した道路を一瞬、黒と黄色の残像が横切って、すぐに停止する。時間を調節して、まさに横切ろうとした瞬間で止めると、その姿形は街灯の下に明らかとなる。  探し求めている姿を画面越しに発見し、アランは息を止めた。 「……良かった」  ぽつんと零して、エクトルは彼女を見た。  顔が綻ぶと思いきや、安堵を示す言葉とは裏腹に緊張は保たれている。 「少しは、安心されましたか」 「はい」アランは言う。「どこかで動けなくなってるんじゃないかとか、誰かに捕まっていないかとか、そういうことにはなっていなさそうで、良かったです」  エクトルは小さく頷く。  確かに、ブラッキーは稀少なポケモンであるが故、野生と勘違いされれば、血気盛んなポケモントレーナーの前に現れれば捕獲に傾くのも可能性としてはある。小規模とはいえ、ポケモンバトルの大会もイベントとして行われるのだから、腕自慢のトレーナーがいてもおかしくはない。だが、捕獲用のボールに入れられ「おや」が認証されているポケモンは、基本的には捕獲できない。ポケモンについて少しでも知識を囓っていれば誰もが知る常識事項である。  一方、例外もある。  トレーナーのいるポケモンが犯罪行為に及んでいる際、現場を抑え込むために特殊なボールを使って強制的に「おや」を上書きし捕獲に踏み込む場合がある。倫理規定の側面からすれば黒寄りのグレーゾーンだが、小さくはない抑止力を持つ。一歩間違えれば犯罪に使われかねないため、普段は首都アレイシアリス・ヴェリントン中央区にある警察庁にて厳重に管理されているとエクトルは噂に聞いている。必要時にはテレポートで各地に飛んでいけるだろうが、今回のような片田舎のたった一匹の脱走劇に使用されるとは考えにくい。  制止し難い行為、たとえば、無差別な殺戮さえしなければ。最も、そのような事態に至れば捕獲というレベルに収まらない場合もある。  幸い、ブラッキーが攻撃行為に及んでいる話は流れてきていない。恐らくは、彼はただ逃げて、どこかに身を隠している。既に理性を取り戻していれば、ひとまずは穏便にアランの元へ帰ってこられるだろう。だが、ブラッキーに会わなければ話は進まない。 「比較的人通りの少ない細い道を選んでいるように見えますね。稀少なポケモンですから、近辺に聞き込みをすれば、目撃情報も得られるかもしれません」  エクトルはパソコンを操作し、今度は画面に地図を広げる。色素の薄い画像はキリの中心街を示しており、目を引きつける赤のマーキングが点々とつけられている。ブラッキーの姿を確認した地点である。彼の辿った道筋が浮き上がってくる。  まっすぐ道を疾走しているのではなく、迷うように右往左往としていた。同じ場所を数回通過している様子が窺えるが、二十二時頃を境に足取りが忽然と消えている。既に半日近く経過している。遠方に逃げ去っている可能性も捨てきれないが、中心街を彷徨っている様を汲み取れば、まだ希望は捨てきれない。 「隠れているんでしょうか」 「その可能性もあります」 「行きましょう」  アランが即座に言う。エクトルは頷いた。  場所としては遠くない。徒歩で中心街の方面へ向かう。  大通りに出て彼女達の視界を埋め尽くすのは、朝から活力を漲らせている祭の光景であった。  各地から町を繋ぐ駅を要し活発に人が行き交うそこは、湖畔とは別に、花々の飾り付けは勿論のこと、食事や雑貨の並ぶ出店が立ち並び、香ばしい匂いが漂う。大道芸人が道端でパフォーマンスを披露して歓声が飛び、青空に相応しい金管楽器の華やかな音声が突き抜ける。クラシックギターを使った弾き語りに観衆が聴き入っている横で、人慣れしているのであろうピジョットのような大きな体格の鳥ポケモンが注目を浴びていた。上空の旗には小型の鳥ポケモンが並んで毛繕いに勤しんでいる。駅前から湖畔へ伸びる大通りは朝から歩行者天国となっており、浮かれた子供達が走り回る声に、忙しなく湖畔へ足を向ける町民や観光客の期待を込めた声に、彩色豊かにごった返していた。  仮にあのフカマルがいれ��、喧噪に煽られ盛り上がる姿が見られたことだろう。もしかしたらザナトアと共に今頃湖畔で楽しんでいるかもしれない。  晴天の吉日、白い輝きに満ちた町は、アラン達との温度差を明確にする。  活気を膨らませた空気に馴染むことなくアランは周囲を見渡す。首都に負けるとも劣らない熱気ある人混みの中では、ブラッキーの姿は当然のように無い。エーフィに目を配るが、彼女も首を横に振った。  途中、以前エクトルと共に訪れた、アシザワの経営する喫茶店の前を通った。扉には閉店を示す看板がかけられている。赤いレインコートで雨中を踊っていた少年と赤毛の上品な女性を引き連れて、どこかに出かけているのだろうか。  場所を変える。  エクトルに連れられ、アラン達は出店の並ぶ大通りを外れて歓楽街の方面へ足を向ける。人の少ない路地を進み、奥まった建物の入り口や看板の足下、屋根の方までそれぞれ目配せする。壁の隅で蹲り顔を伏せている男の前を通り抜ける。表だった華やかな空気は少しずつ変容する。  夜こそスポットライトが盛大に当てられ多くの人間で賑わう歓楽街は、朝を迎えてしまうと夢であったように静かになる。闇夜に輝くライトは全て消灯し、競うようにひしめきあっている看板はいずれも沈黙している。昨夜は大いに盛り上がったのか、空いた酒の瓶や踏みつぶされた花飾りが道路の端に転がり、ところ構わずといったような吐瀉物を見つけて思わずアランは眉を顰めた。  閉めた店ばかりだが、独特の残滓が漂っている。それは、薄らぎながらも、濃厚な空気感だった。人通りが全く無いわけではないが、通り道に使うのみだったり、帰り際であったり、気怠げに壁に寄りかかって煙草の煙を燻らせている男女がいたり、まばらに気配は佇んでいる。頭上を飛ぶポッポは、巷の賑わいに一役買っていた姿とは裏腹に、閑古鳥の役割を担っていた。  途中、シャッターを閉めかけた夜の店の前、道を陣取るように止まっているトラックの横で二人の男性が話し込んでいる。扉が開けられた荷台には段ボールや瓶のような物体が窺える。店で使う酒を仕入れている最中のようだった。 「失礼」  目を付けたエクトルが、二人の間に割って入る。不審な視線が彼にぶつかったところで、胸ポケットからカードを取り出した。 「クヴルールの者ですが、お聞きしたいことがあります。お時間いただいても構いませんか」  差し出された身分証に目を通して、少ししてから、店員とおぼしき男性の方が顔色を変えたのを、アランの目も捉えた。 「この辺でなんかあったんすか」 「いえ。ただ、何か変わったことが無かったか確認している所です。本日は秋季祭ですので」  はあ、と怪訝に返しながら、男性は出しかけていた煙草をしまう。エクトルも身分証を戻した。 「昨晩、この周辺で不審なポケモンを見かけませんでしたか」 「不審なポケモン?」 「コラッタならいくらでも居ますよ。店の裏でゴミ食って、邪魔なんすよね。なんとかなりませんか、ああいうの」  店の責任でやってくれ、と返したくなるところを抑え、無視する。 「コラッタ以外では?」 「あとはヤミカラスも困ったもんすけど。他は、でも鳥ポケモンは夜は大体いませんし」視線を横に移す。「そんな変わったことあったか」 「知らんよ」  店員に話を振られた傍らの男性はむすっと首を振る。無理も無いが、警戒心を顕わにして隠そうとしていない。 「ま、夕べは祭の前日ですし、見慣れないお客さんも他から来るから、外部のトレーナーが自慢げにポケモン見せるってことはありますよ」 「たとえば、ブラッキーは?」  背後にいるアランがさり気なく視線をエクトルの背に向ける。 「ブラッキー?」  男は眉を潜める。  見覚えが無いというよりも、種族名自体を知らないのだろう。ぴんとも引っかからない表情を浮かべ、隣を見やるが、視線を受けた方も微妙な顔つきをしていた。 「イーブイの進化形ですが」 「イーブイなら解るけどなあ」  稀少ではあるが、愛くるしい外見から愛玩用としてたびたびメディアでも取り上げられる。その進化形も他のポケモンと比較すれば知名度の高い部類に入るが、彼等は興味を持っていないのか、曖昧な返答である。  エクトルは溜息を呑み込み、手に提げていた黒革の鞄から一枚の写真を取り出す。アランのブラッキーかどうかは定かではないが、くっきりと全身が写された画像が印刷されている。  差し出されたものを確認して、二人して声をあげた。 「見覚えがありますか?」 「あ、いや」慌てて店員は首を振る。「こいつがブラッキーかって思っただけで。これならテレビで見た覚えがある」 「俺も。……こんな場所で見るか? 結構珍しいんでしょ」  記憶には引っかからないようだ。エクトルは早々に諦め、二人に礼を告げて別れた。下手に詮索して勘付かれては困る。 「……なんか、おっかなかったな」  遠のいていく背中が、声の届かない範囲まで歩いて行った頃を見計らい、運転手は肩の力を抜いてぽつりと呟いた。 「クヴルールサマってやつだよ。余計なことを言ったら締められる」 「なんだそれ」  真面目な顔で言う店の男をせせら笑ったが、冗談ではないようで、笑うに笑えないような居心地の悪い空気が漂った。 「あの大男もそうだけど、俺はあの後ろの子供もなんか変な感じがして、厭だったな」 「ああ」  図体が大きく、佇まいのみで威圧するエクトルの背後。  大人同士のやりとりを、一歩下がってアランは静かに睨むように見つめていた。殆ど瞬きもせずに、顔の皺の動き一つすら逃さずに記憶に留めておこうとするような小さな迫力があった。ただの子供だというのに、見張られている感覚には、大の男であっても脅迫的なイメージすら持たせた。 「というか、何、知らないのか」 「何が」 「何がって。あのカード見てなんも思わなかったわけ」 「そんな大層な輩だったのか?」 「大層というか」  面倒臭げに頭を掻いてから、店の男は苦い顔で呟いた。 「自警団ってやつ? クヴルール家に害ありと判断したら、誰であろうと容赦無くこう、らしい」  と言って、片手で首を横に切る仕草をしてみせた。
 エクトル自身ははなから大した期待はしていなかったが、初発は空振りに終わった。その後も注意深く周囲を確認しながら、ブラッキーが映っていた防犯カメラの付近に向かう。どれほど理性的に行動しているか不明な相手に対して、地道に足取りを辿る行為に意味があるかは解らないが、現場の確認はしておくに越したことはない。 「ここですね」  エクトルはそう言って、立ち止まる。三叉路にあたり、左右に分岐する地点に向けて防犯カメラが電柱に設置されている。アランは現場に立ち、ブラッキーが一瞬映った場所に立つ。彼は突き当たりとなっている部分を左側へと走って、画面外へ消えた。  雪道でも泥道でもないのだから、足跡は残っていない。僅かな痕跡を探るように、エーフィは周囲を嗅ぎ回る。  左へ曲がって道を辿ると、両脇を雑居ビルが立ち並び、細い隙間のような路地が通っている。朝の日差しを浴びながらも、昨日の水溜まりが乾ききらない、閉塞感を抱かせる湿り気がある。 「ああいう外付けの階段とか、簡単に昇れそうですよね」  アランはビルの壁に沿うように設置された階段を見ながら呟く。 「屋上の可能性ですか」  エクトルが上空を仰ぐと、アランは肯く。 「上の方も探していないので。ブラッキーの身軽さだったら、屋上を跳んで渡るのもできそうな気がします」 「このくらいの距離なら、可能でしょうね」  隣接したビルならば遠くてもせいぜい二、三メートルの距離だ。建物の間を繋いでいるケーブルや、旗の紐を足場にすればより容易なように見える。 「��だ、ビルの高低差がありますから。ブラッキーの体調が万全でないのならそう簡単なことでもないかもしれません」  と、彼方から小さな花火の音が聞こえてきた。  ぽん、ぽん、と、軽快な響きに、アランは自然と音のした方に顔を向けた。 「ポッポレースが始まりますね」  腕時計を確認しながら、エクトルは呟く。 「ポッポレース……」 「出場する予定でしたか?」  すぐにアランは首を振る。ザナトアが出場することは噤んだ。 「エクトルさんは、大丈夫でしたか」 「何が、でしょうか」  彼にとっては何気ない一言だったが、些細な言動にどこか棘のあるような色が含まれる。尋ね返されて、アランは一度閉口した。 「その、お祭りに、行かなくて」  エクトルは僅かに目を丸くした。苦笑いを浮かべる気にもなれず、静かに首を振る。 「祭に浮かれるような人間ではありません」 「お祭りの仕事もありませんか」 「今は休んでると言ったでしょう。やることも無いんです。お気になさらず」  人の様子を必死に嗅ぎ取ろうとしている、とエクトルは思う。ただ顔色を覗うだけではなく、その奥にある真意も探ろうとしているような目つき。  アランが探りを入れても、エクトルにとって祭に対する思い入れは薄い。  祭もポッポレースも、エクトルに参加した記憶があるのはかすかな少年期のみだった。クラリスに仕えるようになってからは、祭日は屋敷から出ずに、クラリスと共に、窓から遠景に見える鳥ポケモン達の羽ばたきや、花火を眺めるぐらいのものだった。普段は立ち入ることのできないクヴルール家の屋敷の面した湖畔だが、祭日は例外で、かなり接近することができる。それは外敵の侵入を比較的容易にする時間帯でもある。クヴルールはキリで随一の権力を持つが敵も多い。のんびりと目を輝かせているクラリスの傍で、彼女とは異なる意味で目を光らせていた。癖は簡単に抜けるものでも無く、エクトルには秋季祭も気を張り詰める日である認識が強い。その役割が終わってもなお、結局祭の賑わいからは縁遠い立ち位置にいるとは、笑い話にもならない。 「ブラッキーに集中しましょう」  逸れた気を戻すようエクトルが促す。自らに言い聞かせる言葉でもあった。  暫く道なりに進めば、やがてブラッキーが最後に防犯カメラに映った地点に近付いていく。歩いてみれば、先ほどの地点からそう遠くはない。迷うように道を行き来していたのか、休息をとりながら移動していたように予想される。  その途中、ふとアランは足を止めて、左手の方へ視線を向けた。  薄汚れた白壁が立ち並んでいた中、石造の、他より幾分古びた建物が現れる。町の中に追い込まれたようだが、しかし屋根の高い建造物。天に向けて高く伸びていた。緑青色の屋根は長く酸化し続けて変容させてきたような、独特の色合いをしている。 「教会ですね」  見とれていたアランの隣で、エクトルが言う。 「水神様の、ですか」 「はい」  祭日を祝ってであろうか、町に並んでいるような花を模したカンテラが巨大な扉を挟むようにこじんまりと飾られ、硝子に囲まれた炎がちらちらと揺らいでいる。その下には吊り下げられるように青い花が飾られていた。  祭日とはいえ、人は湖畔や大通り沿いの方面に偏っているためだろう、人気は無かった。 「……中に入ってみてもいいですか?」  アランが尋ねると、エクトルは目を瞬かせた。 「ブラッキーが中にいるかもしれない、と?」 「はい……居なくても、何か手がかりがあるかもしれません」  エクトルは小さな教会を改めて見やる。少なくとも、昨夜、この周辺にいたのは間違いない。深夜帯以外は自由に出入りが出来るようになっているが、逆に夜間に隠れるには絶好の場所になる。目の付け所としては悪くないか。水神を信仰する教会は基本的にクヴルールの管轄であり、エクトルの顔も効きやすい。彼は頷いた。  開かれた小さな門を潜り、入り口を隠すような形になっている壁の横をすり抜ければ、すぐに中へと続く玄関がある。冷えた印象を持たせる灰色の床を踏み抜いて、中へ入ると、高い屋根の印象を裏切らない空間が目前に広がった。  古びているとはいえどちらかといえば白の印象を持たせる外観だったが、天井には群青をベースに、人や、鳥ポケモンや湖のポケモンと見受けられる生き物達が躍動的に描かれていた。両脇の巨大な磨り硝子は無色だが、正面のステンドグラスは薄い青の硝子を張っており、入り口から見ると白い陽光と青い陽光が混ざり合うようだった。  建物を支える柱には翼を持つ獣や人の巨大な石造が並び、天井まで意匠は凝らされている。  地上にはいくつもの石造のベンチが整然と並べられ、一番奥は一段高くなっている。目を引くのはその中央を陣取る、獣とも、人間ともとれるような、不思議な石造だった。天を仰ぐ右腕は人のもの、左腕は獣のもので、布を纏った身体には鱗のような模様も窺える。その周囲を鳥ポケモンの石造が豊かに舞い、今にも動き出しそうな実に躍動的な姿が彫られていた。  入り口に立ったまま動かないアランをエクトルは急かそうとはしなかった。軽く内部を視線で探ってみるが、ブラッキーはひとまず見当たらない。 「……水底にいるみたい」  ぽつんと呟いたアランを、エクトルは横目で見やる。 「……昔、水神様と人間は、同じ空間で生活を共にしていたと言われています」  アランは隣に立つエクトルを見上げた。 「しかし、嘗て町を沈めるほどの巨大な豪雨が訪れました。水神様は人間とポケモン達を助けるため、彼等に遠くへ逃げるよう指示し、町���深く巨大な穴のように沈め、そこに大量の雨が流れるように仕向けました。そうして雨水は全て穴に流れ込み、現在の湖になり、水神様はかつての町と共に水底に沈まれたと伝えられています」 「……」 「以来、水神様はいずれやってくる大きな災害を予兆し、民の生活を救おうとされている……そのために、水底から町の未来を視て、地上の民に伝える。その伝達を担うのが、人間と水神様を繋ぐ、噺人」 「それが、クラリス」 「ええ」  アランは、正面の奥に佇む、半獣半人の石造を見つめる。 「あれは……水神様ではなく、噺人を模しているんでしょうか」 「真正面の石造ですか」 「はい」 「水神様ではなく?」  言うまでも無く、信仰対象は水神であり、噺人ではない。 「はい。……水神様は、ポケモンだと、クラリスが言っていました」  するりと出てきた言葉にエクトルは眉を潜め、反射的に周囲に目配せしたが、近くに人は居ない。しかし人が居ないが故に声は通りやすい。 「言葉には気をつけてください」  わざと語調を強めると、アランは俯いた。 「すいません」強制的に話を終わらせるように、アランは不器用に微笑みを浮かべた。「ブラッキーを探しましょう」  微妙な距離感を保ち、二人は奥へと進む。石の床を叩く足音が上へと抜けていく。  エーフィは軽快な身のこなしで動き回り、長椅子に跳び乗ってそれぞれ確認する。  最奥にある一段高い敷居の手前には腰の高さの鉄製の柵が設置されている。明確な区画だが、ブラッキーにとってはあってないような柵だろう。巨大な半獣の石造を中心として、柵の向こうはゆとりのある空間がとられている。アランは青い逆光に照らされている石造を再度見上げてから、柵の前に立ち、装飾の隙間に彼の影が無いか目を凝らすが音も気配も感じ取れない。冷たく整然としていて、虫一匹紛れ込む隙の無いような雰囲気すらある。  ここにもいないのだと、彼等の間を諦念が流れ出す。  と、背後、入り口の方から足音がした。氷のように冴えた沈黙では、音の一つ一つが響く。  弾かれアラン達が振り返ると、月の獣ではなく、漆黒のコートのような、足下まで裾が伸びた服を身につけて玄関口に立つ女性がいた。ザナトアほど老いてはいないが、エクトルよりも年齢は上に見える。深くなろうとしている皺に柔らかな印象を持たせながら、彼女はゆっくりと会釈した。その手には白い綿を実らせている芒のような植物をたっぷりと生けた花瓶を抱いていた。  奥の石造へまっすぐ繋がる群青のカーペットを通らずに、壁に沿って奥までやってきて、柵の手前、端に鎮座する台にその花瓶を置いた。表通りを彩る花々よりも随分と質素だが、静粛な空間に似つかわしい趣深さがある。 「……何か、ご入り用ですか?」  観察するように眺めていたアランに彼女は声をかける。優しく撫でる声をしていて、表情も同じように柔らかい。  それから、既によく知っているのか、エクトルに向けて深々と礼をした。それは目上の者に向けて礼儀を以て対応する姿であった。しかし、頭を下げられたエクトルも深く一礼し、口を開く。 「少し、探しものを。勝手に入り、荒らして申し訳ございません」 「とんでもない。ここは誰にでも門戸を開いていますから。私の目には、何か隈無く目を配っているようにしか見えませんでしたよ」  女性はゆったりと微笑んだ。  彼女はこの教会に常在している司祭であり、サリア・クヴルールと名乗った。秋季祭の間もここに携わり、祈りを捧げているという話だった。床にぎりぎり届かない長さの黒い服装は彼女達の正装なのだろう。  つられるようにアランとエクトルもそれぞれ名乗れば、彼女はエクトルの名はやはり知っている様子であり、存じ上げております、とただ一言穏やかに言った。 「しかし、秋季祭だというのに、湖畔ではなく何故ここに。お手伝いできることであれば、私もお探し致しますよ」  アランとエクトルは一瞬視線を交わし、アランの方から歩み出た。 「ブラッキーを……ポケモンの、ブラッキーを探しているんです。夕べ、この辺りにいたことは解っているんです。もしかして、見かけていませんか」 「ブラッキー……?」  サリアは口許に手を当て、蒼く透いた瞳を丸くした。  手応えを感じ、アランは思わず身を乗り出した。 「知っているんですか?」 「その……はい。皆様が探しているブラッキーかどうかまでは解りませんが、確かに昨晩、ここにおりました」  アランはエクトルを振り返る。エクトルは驚きを顔には出さなかったが、促すようにアランを見て頷いた。  ここにいた、ということは、今はここにいない、という裏返しでもある。しかし、確かな証拠を明らかにすれば、彼へ至る道筋が一つ見えてくる。 「詳しく聞かせてもらっていいですか」  エクトルが言うと、サリアはすぐに了承した。
「秋季祭の前日ということもあり、昨日はこの場所も一日中頻繁に人が出入りしておりました。水神様への感謝と祈りを込め、昨晩は小さなコンサートを催しておりました。キリの皆様は勿論、他所からの方々も来られ、音色に耳を傾けておりました」  弦楽四重奏に独唱を重ねた、こじんまりとした演奏ではあったが、教会全体のすみずみまで音が沁みていく素晴らしい時間であったという。  人々がそれぞれ長椅子に腰掛け、サリアは教会の入り口近くの壁に控えて、演奏を傾聴していた。定期的にこの場に呼ぶ顔なじみの演奏者達が幾重と重ねる音の層は、聴く者を癒やし、そしてどこか哀しみも湛えながら、自然と心に浸透していく。  そうして演奏をしている最中、小さなお客が教会の入り口に立った。誰もが演奏に集中している中、音も無く入ってきたという、美しい身体の獣。  それが、ブラッキーだった。 「はじめは声をあげそうになりました。しかし演奏中でしたので、物音一つ立てるのも憚られて」 「……ブラッキーは、どんな様子でしたか」  アランは尋ねる。 「特に、何もする様子はありませんでしたよ。引き寄せられてきたようにここに入ってきて、……あの辺りですね、私の居た場所の、反対側の、一番端にある柱の物陰に座り込んで、それからは暫く音楽を聴いているように見えました」  サリアは教会の最後方、今アラン達の立つ奥の位置から見て、左側を指した。壁に沿うような柱がいくつか立っており、鳥ポケモンを模したような石造が彫られているが、そのうち、建物のほとんど角にあたる部分にブラッキーは居たのだと言う。  演奏中は奏者の付近のみが照らされ、客席の後ろに向かうほど暗闇は濃くなる。隠れているようで、ブラッキーの放つ小さな光は、よく映えたと言い、些細な動きもよく解ったらしい。しかし、彼は殆ど身じろぎすることなく、静かに長座した。サリアは、きっとあの獣も音楽を聴いているのだと思った。  演奏が終わり教会内全体が点灯すると、ずらずらと人々は教会を後にし始めた。興奮の色濃い中で、隅で黙って蹲る獣に気付く者は誰もいなかった。サリア自身も、教会を訪れた人々に声をかけられたり、演奏者にお礼をしに行っている間は、すっかりブラッキーのことを忘れていた。  演奏者を見送り、教会から人がさっぱり消えて、演奏に震えた心地良さの最中でほっと肩の荷が下りたところ、さてそろそろ教会を閉めようかと見回して、はっと気付いた。あのブラッキーは、どうなったのだろう。 「慌てて見に行ったら、まだ同じところに居たんです」  床に身体を倒し、寛いでいるようにも見えた。眠っているかと思ったが、近付くと、赤い目が動いてサリアを捉えた。無意識に足を止めるような強い視線だった。  その場には、サリアとブラッキーしかおらず、沈黙が続いた。  ブラッキーが野生なのか、人のポケモンなのかは解らない。しかし、サリアは追い出すことも、声をかけることもせず、そっとしておくことにした。どんな獣であれ、ポケモンを労ることは、水神様に祈りを捧げる者として迷いのない行為であった。サリアは裏手に戻り、キリの住民から分け与えられた木の実を持って、ブラッキーから少し離れた地点に置いた。もしかしたら寄ってくるかもしれないと希望を抱いたが、彼はちらと視線を寄越しただけで、やはり動かなかった。  誰も寄せ付けようとせず、ひたすらにその場から動かずにいる姿は、身体を休めているというよりも誰かを待っているかのように見えたと言う。 「ブラッキーは、貴方を待っていたのかもしれません」  おやであるアランを見て、ぽつりとサリアは言った。  アランは甘い言葉に揺れることなく、顔を俯かせ、静かに首を振った。 「解りません。……自信はありません」  その理由を彼女は続けなかったし、サリアやエクトルも深く掘り下げようとはしなかった。アランの言葉に滲む、強い拒絶のような意志を静かに感じ取ったからだった。 「でも、結局その後、ブラッキーはどこかに行ったんですね」 「はい。普段、夜中は閉めるんですが、昨晩は結局一晩中開けていました。夜明け近くになって見に行ってみたら、既に姿は無く」  でも、と続ける。 「置いていた木の実を、一つ食べてましたよ」  サリアは嬉しそうに笑んだ。 「……そうですか」  アランは、優しげな声でただ一言ぽつんと呟いた。  ヤミカラスを襲撃してから、他のポケモンや人を襲うこともなく、完全な拒絶をすることもなく、彼は彷徨っている。たった一匹、慣れぬ土地を渡り、この教会は彼にとってひとときの微睡みの空間となったのかもしれない。  エクトルは沈黙するアランを横目にしながら、考える。仮にサリアの言うように、ブラッキーもアランを求めているのだとすれば、今は擦れ違いを起こしているに過ぎない。会うことさえできれば、元の鞘に収まり、何故今回のような衝動的な事件を起こしたのか、その疑問への追求に集中できるだろう。だが、浮かび上がる懸念事項への警戒を続けるに越したことはない。 「ただ、その後どこに行ったかは解りません。お役に立てず、申し訳ございません」 「そんなことないです。ありがとうございます」  慌てて頭を下げるアランに、サリアは微笑ましさを覚えたようで、にこやかに笑う。 「私はポケモンに詳しくありませんが、草臥れたような様子だったので、時間が経っているとはいえまだこの辺りにいる可能性はあるかと思います。見つかるといいですね」 「はい」  サリアに礼を言い、彼等は教会を後にしたところで、エクトルは不意に呼び止められた。 「……何か?」 「一つだけ。……クラリス様は、ご健勝でいらっしゃいますか」  エクトルは表情を変えず、暫し言葉を選ぶように沈黙してから、顔を上げる。 「元気でいらっしゃいます。先日成人の儀をつつがなく終え、噺人としての責務を全うされておられます」 「ああ、そうですか。安心致しました」  サリアはぱっと喜びを素直に顔に出した。  彼女はエクトルがクラリスの付き人であることを知っているのだ。クラリスの現状を知る者は、クヴルールの中でも限られている。教会を預かる身であるサリアも、大きな枠からすれば末端の身なのだろう。  水神様のご加護を、と手を合わせた彼女の別れの挨拶を受け、外に出れば、天頂に迫ろうとする太陽の光が目を突いた。 「クラリスが、噺人として生きていく。それで、本当に良かったのか、私には解らないんです」  玄関から数歩離れ、サリアを含め周囲に人の気配が無くなったところで、アランは呟いた。独り言のように小さな声だが、エクトルへ向けた言葉でもあった。エクトルはゆっくりとアランを振り返る。 「キリの外に出ることを願っていて、自由を求めていて……最後、クラリスは手紙で、受け入れているように書いていましたけど、それは本当のクラリスの思いだったんでしょうか。私にはそう思えなくて」 「……良い悪いではありません。お嬢様の意志も関係ありません。噺人として水神様に選ばれた、そうと判明した時から、全ては決まっていました」 「でも、何も閉じ込めなくたって。一番大切なのが季節の変わり目なら、それは一年に四回。その間くらい、自由にさせてあげたって、いいじゃないですか」 「噺人は、時と心を水神様に捧げます」  アランはエクトルを見上げる。 「時と心?」 「ええ。生きているその時間。心は、清純でなければ水神様をお言葉を頂くどころか、水神様に辿り着くことすらできないと言われています。だから、噺人は日がな一日、水神様に祈りを捧げ、心を手向ける。そこに余計な感情は要らない、と」 「余計な感情……クラリスが自由を望んだことが、ですか。他の町へ行ったり、誰かを好きになったり、友達を作ったり、キャンプをしたり、ああいうなんでないことを望むのは、余計なんでしょうか」  エクトルの内心にそっと棘が立つ。 「あくまでも、噺人としては、です」 「でも、クラリスにその自由を望ませたのは、エクトルさんじゃないんですか」  エクトルの表情が僅かに歪んだ。 「私が?」  鈍い低音に気圧されるように、アランの目が揺らいだ。 「……はい。クラリスは、外の世界に強い憧れを持っていた。旅の話をよく聞きたがった。旅の話を聞くのが、好きだって。それは、エクトルさんの旅の話を聞いていたから、でしょう?」  流石に強い威圧に怖じ気づいたのか、慎重に言葉を吐いた。対し、エクトルは厳しい視線をアランに刺す。  彼女はエクトルの過去を知っている。ザナトアから聞いたのだろう。どの程度か彼には不明だが、少なくとも、嘗てアーレイスをポケモントレーナーとして旅をしていた事実を知っている。エクトルにとってはとうに遙か昔に追いやって薄ぼやけた記憶。キリに籠っていては感じられない他地方の空気、町、人々、文化。自ら足を運んで見聞が広がる喜び、育成の楽しさ、勝利の達成感、どうしても勝てない苦しみ。縁を切ったはずの家に連れ戻され、顔を突き合わせた、腐敗した狭小な世界に閉じ込められる運命にある憐れで美しい少女。 「エクトルさんだって、できるだけ、クラリスの好きなようにいさせてあげようと」 「クレアライト様」  早口で制す。敢えて呼んだのは、彼女のまことの名だった。アランは眉間を歪める。 「憶測だけで物事をはかるのはおやめください。……お嬢様に旅の話を聞かせたとは、仰る通りです。しかし、私に語るものがそれしかなかっただけ。悩まれた末、お嬢様は自らクヴルール家に戻ることを選ばれました。そうする他なかった」  努めて静閑たる語調ながら、一言一句が刃であった。息を呑むアランの前で、大きな息を吐く。 「それだけが事実です」  ぽつりと、突き放した。  アランは何か言いたげに口を開いたが、すんでで留めた。二の句を告がせるだけの余裕すら潰すエクトルの重圧に、圧し負けた。  と、エクトルは微細な振動を感じ、上着の裾を上げた。ふっと緊張の糸が緩む。モンスターボールを装着できるように設計されたベルトの、最も一番手前に位置したモンスターボールを取り出す。小刻みに震える捕獲器を開放すると、中からネイティオが姿を現した。 「視えたか」  静かに尋ねると、ネイティオは頷いた。 「ネイティオがブラッキーの出現地を視たようです。今は、こちらに集中を」  アランを振り返って言うと、彼女は驚くわけでも喜ぶわけでもなく、覚悟を固めるように首肯した。  常に閉じられた翼が突如開き、ネイティオがゆったりとした動きで飛び上がる。予知した地点へ誘おうというのだろう。天を仰いだところで、アランは目を大きく見開いた。  一陣の冷たい風が吹く。 「待ってください」  向かおうとした一同を制する。驚愕を秘めた栗色の瞳の向いた先に視線が集まる。  上空、正面の屋根の付近を飛んで現れた鳥ポケモンの群れ。白壁に朱色が鮮やかな、ヒノヤコマがぱっと気が付いたように甲高い声を上げ、下降してくる。連れ立つのはピジョンやムックルといった同じ鳥ポケモンで、既に彼女にとっては見慣れた姿であった。ヒノヤコマの背には、なんとフカマルが跨がって手を振っている。則ち、ザナトアの育て屋に集うポケモン達である。 「どうして」  アランの声は明らかに動揺していた。既にポッポレースは始まっているはずだ。レース本番に挑んでいれば、今頃湖畔の上空を疾走しているはずである。特に、ヒノヤコマやピジョンといった進化組はチームを統率する要にあたる。はなから彼等が欠けた状態で出場しているのか、なんらかのアクシデントがあったのか、この場では判別がつかない。  一同がアラン達の正面に集まり、スイッチが入ったかのようにその場は賑やかになる。緊張は嘘だったかのようだ。羽音や鳴き声が彼女達を鼓舞する。エーフィは柔らかく笑んで、アランを見た。  喉がこくりと動き、彼女は唾を呑む。 「手伝ってくれるの?」  信じられないでいるのか、まず問いかけたが、はじめ反応しなかった。しかし、エーフィが通訳をしたように鳴き声を発すると、一様に頷き、頼もしい歓声をあげた。  フカマルがアランの前に出る。ぎゃ、といつもの声を上げて、手を上げた。無邪気な彼を凝視している脇の視線には気付かないで、アランは毒気を抜かれたように微笑んだ。しゃがみこんで小さな青い手を握り、両手で優しく包む。細かな竜の鱗が肌に食い込んでも構わないように、握る手に力が籠る。そして聞き慣れた賑わいを見回した。 「ありがとう、皆」  噛み締めた言葉を絞り出し、アランは立ち上がった。 「行こう。ブラッキーを迎えに」  一斉に翼が広がった。今も行われているであろう、無数の翼を持つ者達が発つ湖畔でのレースに比べればずっと小規模だが、力強い羽ばたきは太陽に向けアラン達を先導する。引力に導かれるまま、彼等は走り出した。 < index >
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flhq · 5 years ago
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NOVA SCOTIA FISHERMAN EXTREME SKIN CARE
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みなさん、こんにちは。
FLHQ で販売するスキンケア用品、
カナダ生まれの NOVA SCOTIA FISHERMAN EXTREME SKIN CARE
をご紹介しましょう。
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NOVA SCOTIA古地図のレプリカ。
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カナダ極東の海沿いの島、ノバスコティア州。
この島には、容赦ない太平洋のあれた天候や過酷な環境下で働く
漁師(フィッシャーマン)たちが居ます。
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そんな厳しい環境に晒される、彼らの肌、皮膚をケアするために生まれた
スキンケア用品、NOVA SCOTIA FISHERMAN EXTREME SKIN CARE。
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カナダのノバスコティア州アナポリスバレーにて、
Les Falconer と、叔父の Perley Beairsto により設立されました。
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NOVA SCOTIA FISHERMANで働くスタッフたち。
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FLHQでは、NOVA SCOTIA FISHERMAN を
フルラインナップでご用意しました。
このカヌーがデザインされたディスプレイは、
地元のリハビリテーションセンターに制作を依頼して作られています。
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Kings Regional Rehabilitation Centre
ここでは、実生活で生産的な仕事に就くことが困難な人びとにも
安全な作業環境を提供しています。
働く人たちが誇りと達成感を得られるよう協力し作業が進められています。
ノバスコティア・フィッシャーマンの地元の製材産業によって作られています。
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ディスプレイの材料は、地元の製材所から揃えています。
NOVA SCOTIA FISHERMAN SKIN CAREの特徴
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ノバスコティア・フィッシャーマン製品は、
すべて天然由来の美容成分のみを配合しています。
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SEA KELP
自然環境が保全された現地の海から収穫された
アトランティック・シーケルプ(昆布)には、
強力な抗酸化作用があり、乾燥や傷をケアし、
健康的な肌に導いてくれます。
全製品に、このシーケルプがふんだんに使われており、
すべての人の荒れた肌をケアしてくれます。
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シーケルプの採取は、海藻全体の80%を収穫します。
根と茎の一部を残すことで、
シーケルプの森を破壊せずにサスティナブルで
自然環境を破壊することなく製品作りをしています。
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すべてのアウトドア愛好家のために
自然環境が維持されてこそ、
アウトドアズマンはその恵みを享受できています。
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サーファーたちには、とっても身近な海。
その環境保護に役立つことを製品つくりの理念にしています。
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地元で採取できる清潔な自然由来の成分を使用し、
地元住民の雇用を創出することで、
現金収入に乏しい漁村に雇用を創出します。
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*防腐剤、石油化学成分、合成物質、増量剤 すべて不使用。
乳幼児、アトピーなど敏感な肌の人にも安心して使えます。
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*高品質な植物由来の美容成分のみを配合しています。
動物由来の成分は使っていません。
動物由来成分の摂取を一切摂らないビーガンの方や、
イスラム教やヒンドゥー教などの宗教的な戒律による
特定の動物由来を禁忌に定められている方にも安心しておすすめできます。
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*製品テストのための動物実験はしていません。
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*カナダ環境省(Natural Conservancy CANADA)  を支援しています。
NCCは、カナダの土地を取得して保護区にしたり、
従来の生態系を脅かすものを排除したりしながら、
この美しい風景を維持してきました。
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では、早速。
NOVA SCOTIA FISHERMAN の製品の中から数点、
ピックアップしてご紹介しましょう。
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EXTREME SKIN CARE SOAP ¥1,045
加熱しない「コールドプロセス製法」で
6週間じっくりと水分を蒸発させ美容成分を濃縮し、
より固くて長持ちする石鹸ができました。
すべて手作業で丁寧に作られています。
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すべて自然素材から作られていますので、
キャンプやトレッキング、旅行など
その他いかなるアウトドアフィールドでも自然を汚さずに安心して使えます。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Seabuckthorn & Shea ¥1,045
地元に自生するシーバックソーンを配合した、
爽やかなシトラスの香りです。
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主成分:Palm Oil.Seabuchthron,Kelp,Sea Butter
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Seabuchthron
日本名はサジー。
シーバックソーンは乾燥と塩分に強く、地元の海岸に自生する落葉低木樹。
果肉及び種子に油脂には不飽和脂肪酸が多く含まれ、
抗酸化作用が高いことで、化粧品の原材料として注目されています。
ビタミンCが非常に高く肌を調整するのに最適な地元のベリーです。
炎症を軽減し, 明るい柑橘の香りが良いです。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Sea Fennel & Bayberry ¥1,045
肌の赤みを解消し、肌がヒリヒリする方におすすめです。
甘いフローラルの香り。
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主成分:Sea Butter,Vitamin E,Kelp,Sea Fennel & Bayberry
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Sea Fennnel
地中海原産のSea Fennnelは、日本ではウイキョウと呼ばれ、
若葉や種が、食用、薬用、化粧品用として古代から用いられています。
種は甘い香りと苦味があり、香辛料(スパイス)として、
西洋料理では魚料理やピクルスの風味付けに、
インド料理ではカレーに、中華料理では五香粉に、
それぞれ用いられています。
薬用としては、安中散、太田胃散、仁丹に使われています。
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Bayberry (学名:Myrica pensylvanica)
北アメリカ東部に自生しています。
日本名は西洋ヤマモモと呼ばれます。
日本でヤマモモといえば一般的には甘酸っぱい赤い実が成り、
樹皮は消炎効果があります。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Fundy & Clay Mint ¥1,045
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主成分:Coconut Oil,Kelp,Sea Butter, Peppermint
ペパーミント、ラベンダー葉エキスを配合。
フレッシュなミントの香りで、オイリー肌をさっぱりとさせます。
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ペパーミント(シソ科ハッカ属)の多年草。
メントールを含み、メントールは局所血管拡張作用があり、
筋肉痛、捻挫の鎮痛剤や、
リップクリームや咳止めなど、軽い咽頭炎や口・喉の弱い炎症を
短期間軽減する。
アロマテラピーでは気分をリフレッシュさせてくれます。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Cider & Cinnamon ¥1,045
天然のりんごエキスとシナモンを配合したアップルサイダーの香り。
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主成分:Cinnamon,Cardamon,Nutmeg,Castor Oil,Kelp,Real Apple Cider
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EXTREME SKIN CARE SOAP Cider & Cinnamon
の原材料であるアップルサイダーは、
ノバスコティア州ウルフビルのスターリングフルーツファーム製です。
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Stirling Fruit Farms
スターリングフルートファームは、100年以上前、
NOVA SCOTIA州のWolfville (ウルフビル)にて、
創業者のAlexander Robert Stirling (アレクサンダー・ロバート・スターリング)
により、1917年に創業しました。
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今では、親子4世代にわたり、フルーツ農園の経営と
果実製品作りを行っています。
ノイバスコティア州ウルフビルは、フェアトレード市として認定されています。
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セイロンニッケイ
クスノキ科の小型常緑樹で、原産国のスリランカの旧名のセイロンに由来。
香辛料のシナモンの原材料です。
アップル果汁にシナモン、エキスカルダモン、ナツメグを配合することで、
アップルサイダーのような爽やかで甘味のある香りです。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Sea Salt ¥1,045
海の塩を配合して、さっぱりとした爽快な洗い上がり感です。
NOVA SCOTIA州では、海のミネラルをたっぷりと含んだ
海塩が生産されています。
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主成分:Olive Oil,Sea Salt,Kelp,Vitamin E
海塩の他、オリーブオイルとビタミンEを配合しています。
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EXTREME SKIN CARE SOAP Lavender & Sea ¥1,045
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ラベンダー畑。
ラベンダーエキスを配合した優しい香り。
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RESCUE BALM SOAP ¥1,375
主成分:Olive Oil,Shea Butter,Kelp,Lavender,ヒバマタエキス(Kelp),
カモミール花油,ベツラレンタ樹皮油,アンソッコウエキス,ティーツリーエキス,トコフェロール(ビタミン E)、ローズマリー精油、
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カモミールの花(別名カミツレ)抗炎症作用があります。
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ベツラレンタ(バーチ:和名カバノキ)
ベツラレンタな高さ30mに達する中型落葉樹で、
樹皮で生成されるサリチル酸メチルは、
ルートビールのような甘いウインターグリーンのフルーティな香りを発し、
関節や筋肉の鎮痛効果があります。
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アンソッコウ(安息香)エキスは、
ツツジ目エゴノキ科エゴノキ属のアンソッコウノキ(Styrax benzoin)。
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幹に傷を付けて、そこからにじみ出る樹脂。
主成分は抗菌、制菌作用のある安息香酸で、
体内に取り込まれると肝臓にて代謝され馬尿酸となり尿として排泄されます。
水溶性ナトリウム安息香酸 (sodium benzoate)は、
清涼飲料水の保存料として利用されています。
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ローズマリー(属名Rosmarinus)シソ科に属する常緑低木で、
属名のロスマリヌスは「海のしずく」を意味します。
古代から薬用に用いられ、消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用があります。
乾燥ローズマリーを95%のエタノールで抽出した精油を含まない成分では、
高い抗ウイルス性と抗酸化作用が認められます。
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EXTREME SKIN CARE SOAP で洗髪しています。
きめ細かな泡立ち。しっとりとした質感です。
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さっぱりとした洗い上がりです。
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さらさらな洗い上がりで気持ち良いです。
石油由来成分の合成シャンプーを使わないことで、
下水に流す水による環境負荷を軽減します。
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Rescue Balm 28,4g ¥1,760
ひどい手荒れやカサつく、ひじやかかとの集中ケアに。
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上記、Rescue Balm Soap と同様の成分を有し、
ゼラニウム、ティーツリー、カモミールなどの
鎮痛効果のある植物由来成分が、
虫刺されや小さな切り傷や引っかき傷、湿疹などのかゆみを鎮めます。
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アロマ香油の原材料として用いられるゼラニウムの花。
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ティーツリー(フトモモ科、コバノブラシノキ属)
ティーツリーの葉から抽出されるティーツリーオイルは消毒に用いられます。
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EXTREME LIP CARE BALM Double Pack 5,2g x 2P ¥1,100
*EXTREME LIP CARE BALMには蜜蝋が含まれるため、
   他のNOVA SCOTIA FISHERMAN製品のように
   ビーガンの方へはオススメできません。
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主成分:ミツロウ、ホホバ種子油、Shea Butter,ヤシ油、ヒマシ油、ヒバマタエキス(海藻)、Olive Oil,ぶどう種子油、ヒマワリ種子、ハッカ葉油、
アオノリュウゼツラン葉エキス、トコフォエロール(ビタミン E)、
レシチン、ミドリハッカ葉エキス、ユーカリ葉油、Lavender、
メントール、ローズマリー葉エキス
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アオノリュウゼツラン(別名;アガベ)
画像はアガベの花が咲いたときの姿。
中心部から「マスト」と呼ばれる花茎が伸び、そのさ先に筒状の花が咲く。
アガベは開花期になると、それまで蓄えてきたデンプンの糖化が起こり、
大量の糖分を含んだ液体が花茎に集まります。
この糖液を発酵させて蒸留したのが、メスカルという蒸留酒。
メスカルの中でも、
メキシコのハリスコ州テキーラにて作られる酒が、テキーラ。
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EXTREME LIP CARE  9,9g ¥935
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EXTREME LIP CARE Candy Cane
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キャンディフレーバー。
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EXTREME LIP CARE  CANADIAN MAPLE
アガベ配合のリップバーム。
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メイプルシロップのスウィートな香りが漂います。
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美味しそうなメープルシロップ。
食べちゃいたい。♥(^^)
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EXTREME SKIN CARE LOTION 360ml ¥3,850
Seabuckthorn & Sea/Aea Fennel & Bayberry,Original Sea Kelp
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ワンプッシュでクリームを掌に。
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EXTREME SKIN CARE LOTION 100ml ¥2,200
旅行や勤務先で使い勝手の良いチューブタイプ。
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50代年齢の肌でも、こんなに肌が若返っちゃいます♪
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Beard Balm  ¥2,090
 髭用のスティックバーム。
セーブルアイランド、シトラスハーバー、スコティアミントの3フレーバー。
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艷やかな髭でオ・ト・コ・マ・エ ♥
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Forest Charcoal Soap ¥1,375
主成分:Olive Oil,Shea Butter,Lavender,パチョリ葉油、オレンジ果皮油、
トコフェロール(ビタミン E)
毒素や有害物質、汚染物質などを吸着する炭から作ったデトックス・ソープ。
ノバスコティア州ケープルトン島の林業で廃棄されていた炭を
有効活用しています。
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パチョリ(別名:霍香(カッコウ)
シソ科ミズトラノオ属の常緑多年草です。
パチョリ葉油は葉部分の水蒸気蒸留法で得られます。
独特な墨汁���さにも通ずる、ウッディで東洋的な香りが特徴です。
パチョリアロマの鎮静効果はリラックスするとともに、
催淫効果があるとされ、ベッドの片隅に
NOVA SCOTIA FISHERMAN Forest Charcoal Soap を
置いておくのも良いかもしれません。(^^)♥
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*画像はフリーサイトから掲載しました。
1960年代には、既存の社会体制や価値観を否定し自然回帰を提唱した人々
「ヒッピー(フラワーチルドレン)」を象徴する
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サイケデリックやフラワームーブメントを象徴する香りとして
パチョリは流行しました。
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フラワーチルドレン
1960年代は、ベトナム戦争反対のムーブメントが若者たちに沸き起こり、
反戦デモ隊を銃で制圧しようとする緊張の中、
警備隊の銃口に若者が花を挿すという行動が、緊張感を和らげ、
ヒッピーたちが次々と銃口に花を差し入れました。
このと��摂られた写真が、フラワー・パワー」という題で、
ピューリッツア賞にノミネートされています。
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虫除け効果があるとされ、中国から絹織物を中東へ運んだ
シルクロードの商人たちは、衣蛾が絹に卵を産み付けることを防ぐために、
絹織物の中に乾燥させたパチョリを入れていました。
ヨーロッパでは、パチョリの香りがする絹織物が高級品の証でもありました。
2018年に「Molecules」に掲載された
60種の精油の抗真菌活性調査の結果でも、
パチュリオイルに抗菌活性が見られたことが報告されています。
そのほかに抗炎症作用が期待できる
α-ブルネセンやカリオフィレンを含むこと、
パチュリーオイルには免疫強壮作用を持つという見解もあるなど、
精油風邪やインフルエンザなどの感染症予防・発熱などの
ケアに取り入れられることもあります。
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MINI BAG ¥1,760
リップケア、ソープ、レスキューバーム、ハンドクリームの
ミニサイズが4種類入ったスターターキットです。
プレゼントにも好評です。
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lostsidech · 5 years ago
Text
5: たったひとりの冴えたやりかた
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