#姫著莪
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kachoushi · 4 months ago
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風月句会
2024年4月21日
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於:川崎市多摩市民館
坊城俊樹選 栗林圭魚選
坊城俊樹選 特選句
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坊城俊樹選 特選句
メタセコイアむんずと掴む春の雲 三無 今日も来て舞ひを見せたる春の蝶 ます江 佐保姫を見送る空の雲白く 軽象 蒲公英の真白き絮は飛ばず揺れ ます江 一山をより高くみせ桐の花 斉 僧一人花韮咲かす露地に消ゆ 久子 牡丹の重たく崩れかけてをり 秋尚 桜蘂降って大地に横たはる 斉 春草の足裏くすぐる田圃道 経彦 観音の御手のやさしく著莪の花 芙佐子 ゆっくりと翅を広げて蝶生まる 斉
坊城俊樹選 並選句
新緑のメタセコイアや奥の池 幸風 枡形の山にとよもす青葉木菟 幸風 つま黃蝶探しあぐねてゆく山路 芙佐子 隠沼をゆさぶってをり昼蛙 亜栄子 仏燈の炎の容紫木蓮 経彦 翠巒の多摩の横山鳥曇 幸風 園一歩谷の底より朝蛙 芙佐子 若葉萌ゆメタセコイアの空狭め 亜栄子 桐の花天に咲き初む濃紫 三無 春の空形にならぬ雲の行く れい 森に降るものに紛れて無辜の蜂 千種 尻太の母の塔座す松の蕊 亜栄子 母の塔ゆったりと聴く蛙ごゑ 幸風 一点に拘り熊ん蜂唸る 秋尚 メタセコイア若葉を幹の貫ける 千種 春光を掴まんとして母子像 芙佐子 蔦若葉地軸のづれを右巻きに 久子 門入れば微かに香りくる花と ます江 翠巒の水辺に集ひ蛙の子 文英 隠沼に蛙合戦きりもなし 芙佐子 若楓日の斑の騒ぐ年尾句碑 三無 山里に色を添えたり緋毛氈 れい 年尾句碑背よりささやく著莪の花 久子 小さき手にたんぽぽの絮欠けてをり 秋尚 子の乱す水の光が蝌蚪隠す 千種 囀の高さに森のよみがえる 斉
栗林圭魚選 特選句
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栗林圭魚選 特選句
新緑のメタセコイアや奥の池 幸風 僧一人花韮咲かす露地に消ゆ 久子 園一歩谷の底より朝蛙 芙佐子 蕨餅友の頬張る顔楽し れい 軽鴨の乱しゆきける蝌蚪の国 久子 桐の花天に咲き初む濃紫 三無 鶯に近づきたくて歩を進む 斉 小さき手にたんぽぽの絮欠けてをり 秋尚
栗林圭魚選 並選句
若楓木洩れ日透かす石の椅子 亜栄子 掌を膝にひろげ鶯聴きにける 久子 枡形の山にとよもす青葉木菟 幸風 空狭めメタセコイアの森若葉 三無 啼き声に止む鳴き声や森のどか 千種 牡丹の色美しと今にあり 文英 一山をより高くみせ桐の花 斉 佛燈の炎の容紫木蓮 経彦 翠巒の多摩の横山鳥曇 幸風 多摩晴れて蛙合戦興りけり 千種 牡丹の重たく崩れかけてをり 秋尚 若葉萌ゆメタセコイアの空狭め 亜栄子 SLに喜々と群がる遠足児  経彦 木洩れ日の濡れてゐるやう柿若葉 三無 やわらかに風をかはして若楓 秋尚 薄暑なる境内の歩の清清し 文英 観音の御手のやさしく著莪の花 芙佐子 年尾句碑著莪の明るさ忍ばるる ます江 園児らのS字の列を縫って蝶 経彦 一点に拘り熊ん蜂唸る 秋尚 子の指を器用に逃ぐるおたまじゃくし 三無 春光を掴まんとして母子像 芙佐子 ゆっくりと翅を広げて蝶生まる 斉 葉の影を薄く重ねて八重桜 秋尚 隠沼に蛙合戦きりもなし 芙佐子 若楓日の斑の騒ぐ年尾句碑 三無 枡形の空は朧や鳶の笛 経彦 大輪の牡丹風に頷きぬ 斉 里山の水揺るがせて蛙鳴けり 亜栄子
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niagara-heartly · 8 years ago
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姫射干。 Iris gracilipes. -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- #IrisGracilipes #FringedIris #Iris #Flower #EarlySummer #May #姫射干 #姫著莪 #ヒメシャガ #花 #初夏
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uyamt · 6 years ago
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姫射干/姫著莪(ひめしゃが) Iris gracilipes A. Gray
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ikebana-yt · 2 years ago
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姫路城
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今年度は姫路にお世話になります。
姫路といえば国宝ならびに世界遺産姫路城。 美しいお城です。 昔、この画角のジクソーパズル作ったのを思い出します。1000か2000ピースくらいの。
以前私はここから電車で20数分のところに住んでいました。 姫路にも御縁がありよく来たものです。 しかし唐突に関東に移住。折しも姫路城は平成の大修理中。
「私は完成を見る事なくこの地を去るのか……」
と、姫路市民でもなんでもないのに後髪ひかれつつ西の地を後にしました。 その後かなり経ってから姫路司所華展開催の折に再び姫路の地を踏む事になったのですが、京都の研修が終わってダッシュで新幹線に乗って華展を拝見し(ご飯食べて)そのまま新幹線で関東まで帰った強行軍。駅前の変遷に驚愕だけして当然お城など見る余裕もなく…… そしてコロナ禍で空白の2年。 長年の(?)願いがやっと叶い、完成形のお城を見る事ができました。
西の丸から入りました。 「どの角度から見ても美しいです」とばかりに、窓からは様々な角度の天守閣を見る事ができます。
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▼西の丸から天守閣方面へ向かう途中から見る天守閣
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▼天守閣に入る直前くらいの天守閣
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▼色々あって最上階まで上がって見た姫路市内。
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西の丸から天守閣最上階までかなり導線がきっちりしており、道中の紹介パネルもたくさんあってとても充実した拝観になります。 前に来た時はもっとあっさりしてた気がするのですが 、さすが世界遺産。
着いた時間が遅かったので閉場まで2時間強くらいしかなく全く時間が足りませんでした。広いし見どころも多いです。 まだまだ見たいと思います。 高いところが好きな煙となんとかなので昇りますよ。
▼著莪の花が綺麗でした!
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▼最後は変貌を遂げていた姫路駅前のところで一服。
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hiroro78-blog · 8 years ago
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2017.4.9 庭のシャガ(Fringed iris)姫著莪 #9vaga9 #9v9 #petal_perfection #blooming_petals
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kachoushi · 4 months ago
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月例会報告
2024年4月28日
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坊城俊樹選 岡田順子選
於:千代田区立九段生涯学習舘
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野遊や人みな小さき影の上 緋路 熊蜂の猛り消えゆく櫓門 炳子 ◎九段坂ゆるきよ若葉風吹けば はるか 靖国の柏手遠く残花なる 緋路 春愁や砲口晒す加農砲 月惑 ◎花桐のいつも遠くて十字架も 順子 惜春の城の鬼門に人と会ふ 炳子
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美しくたんぽぽの絮吹く人よ 和子 神苑の新樹の蔭に画架ひとつ 月惑 惜春の旅の鞄を野に置きて はるか 紫を神池に溶き花菖蒲 佑天 ◎行く春へ波となりゆく鯉の水 順子 花守となれぬ男が座す根元 和子 ◎躑躅燃ゆさびしき電話ボックスに 緋路 碑を拭ふ水かげろふの春やさし 軽象 蘖の伸びゆく早さ田安門 炳子
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◎次の世へ溺れてみたし著莪の海 晶文 暮の春鯉のつとりと泳ぎをり 佑天 ゆるり来て恋のボートはうららかに はるか ◎参道を夏めくあつぱつぱと出会ふ 政江 蝶去れば水かげろふの消えてゆく 順子 ◎買ひたくて買へずに帰る竹婦人 幸月 春の雨施設の母は無口らし 裕章 風光る赤子がくしやみするたびに 緋路 天を戴す城垣の反り四月尽 晶文
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美女に袖振る貴公子も青き踏む 幸月 ◎片方の軍手躑躅の上にあり 和子 若葉風軍犬軍馬の背にゆるく 月惑 水準点石に刻みて宮日永 慶月
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九段坂ゆるきよ若葉風吹けば はるか ◎宮城も素なる青空花うつぎ 晶文 惜春の城の鬼門に人と会ふ 炳子 美しくたんぽぽの絮吹く人よ 和子 ◎十字架を仰ぐ高さに桐の花 はるか 神苑の新樹の蔭に画架ひとつ 月惑 鉄線花AI朝のニュース読む 政江
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惜春の旅の鞄を野に置きて はるか ◎紫を神池に溶き花菖蒲 佑天 近衛兵碑に一叢の姫女苑 炳子 母再婚に父の復員昭和の日 幸月 樟若葉両の千木へと迫り来る 慶月 ◎躑躅燃ゆさびしき電話ボックスに 緋路 ◎愛するを捨てし嫗へ囀れ��� 俊樹 行く春を薄くをのこは化粧して 政江 惜春の情零戦に溢れたり 俊樹
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次の世へ溺れてみたし著莪の海 晶文 春行くとささやく風の声と坂を 伸子 くすぐつたき蝶々ふたりのあひだかな 和子 ◎柏手打つ昭和の人の昭和の日 伸子 干されては魂の抜けたる古浴衣 俊樹 ◎買ひたくて買へずに帰る竹婦人 幸月 上皇の為の牡丹は深紅なり 俊樹 十字架は空を押し上げ桐の花 政江 篝火の尽きて花片累々と 裕章
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リヤカーに奉仕の人の春落葉 佑天 ◎北斎の湾と思へば卯波寄す 俊樹 三叉路に凜と譲らず桐の花 音呼 野遊や人みな小さき影の上 緋路 古九谷は江戸の夏とや紛ひ物 俊樹 濠まもるしづかな覚悟姫女苑 晶文
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kachoushi · 4 months ago
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各地句会報
花鳥誌 令和6年7月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和6年4月4日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
受験の子送りてしばし黙す父母 喜代子 うつうつも待つこと楽し花便り さとみ 初桜幾歳月や句座��道 都 野遊びのノスタルジーを胸に秘め 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
野遊の一人は高きハイヒール はるか 春愁の長き耳垂れ犬来たる 光子 譲ること大嫌ひなの半仙戯 同 ボール蹴る子に一瞬の花吹雪 美紀 ぶらんこを替つてくれず漕ぐばかり 瑠璃 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 大使笑ふ南麻布の花の昼 佑天 花冷のベンチに花冷のお尻 緋路 群青の絵の具は春の水に溶け 同 教会の桜は透けるほど白く 小鳥
岡田順子選 特選句
花に息ととのへてゐる太極拳 光子 鞦韆の蹴り寄せてゐる桜色 三郎 純白の肌着吊られて花曇 同 皆遠き目をしてをれば桜かな 和子 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 子の声は残響となり連翹黄 同 花は散るべしと笛吹く裸体像 俊樹 春の野の児らしか知らぬものがたり 軽象 花すみれ遠くの空に戦闘機 美紀 春光の鳩はみどりの首見せに きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
夕日落つ別離の駅の古巣かな 朝子 冴返る齢八十骨の音 成子 仔犬抱き遅日の船を見送りぬ かおり 菜の花や千の􄼫棺より生るる 睦子 枝枝に声転がせて鳥交る たかし いつせいに揺るゝ吊革鳥帰る かおり 煙草屋は古巣残して店仕舞ひ 久美子 陽炎の消えて居座る陰陽師 美穂 地に古巣天に野鳥の窓があり 修二 我先に舫ひ綱解き鰆東風 たかし 朧月十二単衣に逢へさうな 同 しつけ糸解くおぼろ夜の京友禅 美穂 待つといふうれしさ人も桜にも 孝子 永遠の未完でありぬ桜かな たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月8日 なかみち句会
春の海ばかりの駅に途中下車 秋尚 つれづれに雨音聞いて日永かな 廸子 鎌倉や角曲がるたび春の海 三無 石楠花や参道狭し奥の宮 史空 お別れの日に石楠花の紅の濃く 貴薫 また元の話に戻る母日永 美貴 小刻みにきらめく春の海まどか のりこ 寺領にも石楠花紅く小糠雨 ます江 ………………………………………………………………
令和6年4月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
娘良し妻さらに良し春日傘 三四郎 母の忌を迎へし朝の春の雪 ただし 風光る千年超えし物語 みす枝 春浅し耳朶柔らかなイヤリング 世詩明 天空へ光を返す白木蓮 三四郎 愛猫に愚痴こぼしをり四月馬鹿 みす枝 初蝶の二つ行先定まらず 英美子 貝の紐噛んでひとりの春炬燵 昭子 ほろ酔ひを名妓支へて大石忌 同 校庭の鉄棒に触れ卒業す 時江 薔薇一本くれる夫ではなけれども 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月9日 萩花鳥会
春一番濁りし川の鯉めざめ 祐子 春愁の情緒一新晴衣着る 健雄 春の宵椿徳利の矢の根寿司 俊文 四月空総出で迎える娘の帰国 ゆかり 遊覧の舟に続くや花筏 明子 教科書に漢字で名前進級す 美恵子 ………………………………………………………………
令和6年4月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
山笑ふ���所巡りに􄼺の急き 宇太郎 一歩づつ眼下となつてゆく桜 美智子 渡船場に飯蛸釣りて島土産 宇太郎 桃咲いて捨て犬たちの誕生日 都 杖を曳き混じりて遊ぶ花筵 悦子 囀を総て抱へてゐる大樹 史子 初燕無音の青を切り分けて 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
としあつ忌修す爛漫卓の上 百合子 信濃路は薄紅に花杏 和代 里は今杏の花に溺れたる 白陶 想ひ出のとしあつ談義飛花落花 亜栄子 竹秋の風を聞かむと句碑に佇ち 三無 白寿なる母満開の花と散る 多美女 句碑古りて若さ溢るる花楓 文英 雨上り杏の花の山家かな 幸風 ふんはりと包みたる香の花通草 秋尚 白き卓都忘れの彩映えて 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
対岸に人の流れてゆく花見 あけみ 軽貨物春の泥付け走る町 紀子 犬ふぐり自転車の子は風のやう 裕子 烏ども引き連れてゐる田打ちかな 紀子 障子開け全て我が世の花見なり みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
余生をば貪る朝寝でありにけり かづを 一穢なき姿のままの落椿 同 落ちてなほ華やぎ続けゐる椿 同 春風に仰ぎて凜と左内像 同 板木打つ仕草秘かに春そこに 和子 朝寝して咎める人も無き自在 泰俊 春愁や錆びし火の見の鉄梯子 同 蛇穴を出づと云ふ世の一大事 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
咲き満ちし花に静けきある古刹 かづを 芽柳に縁なる風棲み初めし 同 沈丁の闇をつないでゆく香り 同 九頭竜に吐息とも見る春の雲 同 此の花に幾春���を共にせし 雪 花を見に一人で行ける所まで 同 春休み児ら自転車で飛び廻る 富子 鴬のしきりに啼く日啼かざる日 英美子 川幅を歪めて流る花筏 真喜栄 夜ざくらやいつも􄼴打つ寡婦暮し 世詩明 筍や十二単の皮を剥ぐ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
哀愁の容姿あらはに紫木蓮 数幸 徐に白を極めて花水木 千加江 流されて留まり忘る花筏 同 春場所やふるさと力士負け多し 令子 唐門の昔を語る桜かな 啓子 紫の夜空の中に桜散る 同 二人で見いつしか一人花の道 希子 仮の世にしては見事な花吹雪 泰俊 無住寺は無住寺のまま桜咲く 同 愛子忌やせめて初蝶見たること 雪 落椿踏まるるをもて瞑すべし 同 和尚来たかと散る花に酌まるるや 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月19日 さきたま花鳥句会
たまゆらの時を浮遊し石鹸玉 月惑 春愁や己を鼓舞し逝く句友 八草 花篝名残りの片のうらおもて 裕章 脱ぎ捨てし靴下にある花疲 紀花 掛茶屋へたどりつきたる花疲 孝江 花吹雪渋沢像の頭に肩に ふゆ子 腰痛の愚痴ふき飛ばす芝桜 としゑ 楤の芽の口にひろごる大地の香 康子 春炬燵夫の座椅子のたばこ臭 恵美子 藤棚の真中を風の通り抜け みのり 待ちかねた早朝よりの花見客 彩香 十字架の隣に読経山笑ふ 良江
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令和6年4月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
メタセコイアむんずと掴む春の雲 三無 今日も来て舞ひを見せたる春の蝶 ます江 佐保姫を見送る空の雲白く 軽象 蒲公英の真白き絮は飛ばず揺れ ます江 一山をより高くみせ桐の花 斉 僧一人花韮咲かす露地に消ゆ 久子 牡丹の重たく崩れかけてをり 秋尚 桜蘂降つて大地に横たはる 斉 春草の足裏くすぐる田圃道 経彦 観音の御手のやさしく著莪の花 芙佐子 ゆつくりと翅を広げて蝶生まる 斉
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
昨夜爪を切りたる指に草を引く 雪 十一面千手千眼像朧 同 瞑すべし柏翠踏みし落椿 同 この椿もんどり打つて落ちたるか 同 初蝶や昨日は森田愛子の忌 同 不器用を誰憚からず針供養 同 春愁や文箱に封じたる手紙 同 春愁や此の髪に手を置きし人 同 昭和人昔語らず花の下 昭子 本気度を探るお見合亀鳴けり 同 久々に手に取る修司五月来る 同 しなやかにそしてしたたか単帯 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kachoushi · 2 years ago
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各地句会報
花鳥誌 令和4年7月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年4月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
花の舞ふ五叉路に迷ふ女かな きみよ 蛇穴を出て街中に紛れたる 梓渕 大江戸も春や二の橋三の橋 荘吉 ハワイアンたらたら流れ逝く春ぞ いづみ 大銀杏とは崩れつつ芽吹くもの 光子 散る花も散らざる花も手に遠く 和子 春の地上へとエスカレーターエスカレーター 炳子 六本木ヒルズの方へ茎立ちぬ いづみ 小津映画ほどの間合や春の昼 美紀 春爛漫東洋英和女学院 梓渕
岡田順子選 特選句
女学館へとまやかしの蜃気楼 俊樹 道路鏡に真昼の空や鳥交る 炳子 花衣抱かれて泣く真昼かな 光子 花盛り帝都の地下を逝く列車 �� 骨董を異人売りをり春市場 季凜 花衣とて親鸞のわらぢ履き 千種 散る花も散らざる花も手に遠く 和子 開山堂椿は白に額は朱に 季凜 老酒の壺の箆跡風光る 和子 手のひらが日を受くやうに飛花落花 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月7日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
春光やコロコロコロと猫たはむ 喜代子 制服も夢も大きな一年生 由季子 ぶらんこや少し揺らぎて誰を待つ 同 遠い国桜咲くよな和みあれ さとみ 春灯や逝きし人宛文を書く 都 九頭竜に影を流して春の雲 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月7日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
鳥曇東尋坊に句碑幾つ 匠 日本海敦賀も能登も鳥曇 同 お精舎は花の宇宙となりにけり 笑 花見舟鳩も雀も乗りたかや 希 白猫も潜めし花の堤かな 天 空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月8日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
花の昼一本の棒の如く臥す 悦子 野遊やゴム動力機風に乗せ 宇太郎 落花また落花画布まだ白きまま 栄子 少女らに余る日溜り菫濃く 都 戻りにも居るふらここの独りぼち 栄子 風光る雲に届けと竹蜻蛉 宇太郎 しやぼん玉橋の上から彼の世まで 栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
陽子墓碑追慕にしばし桜舞ふ 文英 鶯の息継ぎ長きとしあつ忌 百合子 たえまなく組んでほぐれて花筏 ゆう子 ふらここや立ち去る子等に揺れ残る 多美女 ふらここの空へ空へと蹴る愁ひ 百合子 チューリップ南部鉄器の壺の中 節子 ぶらんこや引つ越す友と風をきり 三無 天からの風に舞ふ花としあつ忌 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
鄙里の相聞歌碑や青き踏む 時 江 干鰈の骨透きとほる越の町 ただし 思案橋ゴルフボールは朧にて 三四郎 仏生会寺の柱に凭れけり 世詩明 花吹雪手に掬ひても停まらず 同 うららかや猫と話すは妻のこゑ 三四郎 家刀自の納戸色てふ花衣 昭上嶋子 花吹雪しの字への字と風に乗る みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
遠足の列に割り込む仔犬かな 史空 縋るものあれば絡みて豆の花 三無 豆の花叱られるのはいつも姉 美貴 遠足や新任教師もみくちやに 三無 遠足の思ひ出母の味噌にぎり 貴薫 遠足やほんのり甘き玉子焼 美貴 春風に心放たれ一歩かな せつこ 遠足の列笛の音に伸び縮み 三無 豆の花剪定の音惜し気なく 有有 遠足の信号待ちの列乱れ ます江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
椿咲く日々つがひ鳥顔うづめ みえこ 高架下電車の音も東風に乗り 紀子 病床の闇を香らせ沈丁花 令子 満開の花や背景埋め尽くす 裕子 暮遅し残業の無き日の余裕 紀子 完璧に弾けぬピアノや花の雨 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月12日 萩花鳥句会
乱鶯や競ふ息吹に山びこに 祐子 啓蟄や地下で避難す命あり 健雄 霧かかる山なみのぞむ花見バス 恒雄 病む体不安ばかりや春の闇 ゆかり 先々のことは預けて花見かな 陽子 初蝶を追ふ子の網に花ひらり 美恵子
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令和4年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
初蝶と云ふ前触れも告げぬ使者 雪 猩々と云ふ程もなき花の色 同 落ちさうで落ちかねてゐる白椿 同 花筏墨絵のごとく流れゆく 和子 森羅万象春の息吹の謳歌あり 同 花影やひとりで修す愛子の忌 眞喜栄 寺町へ路地幾曲がり鐘朧 英美子 百千鳥今極楽と鳴き交す 玲子 入院の衣裳としたる花衣 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
桜蘂降る城攻めの骸積み 斉 メタセコイア芽吹きの森に小さくゐる 要 供養する人に緋牡丹浄土なる ます江 蒲公英をたどりたどりて母の塔 久 鬨上げて城山囲む芽吹きかな 兎生 たんぽぽに膨らむ丘や母子像 斉 桜蘂まみれの犬とすれ違ふ 久 山吹に肩抱かれて石仏 三無 新しき柔道着の児葱坊主 亜栄子 梵鐘は鳴らず蜜蜂ぶんぶんと 慶月 稲毛三郎春風抱きて丘に立つ 佑天 陽炎や乳白の塔膨らみぬ 久
栗林圭魚選 特選句
春林の足音ふつとたしかめり 幸子 そぞろ来て鶯を聞きノラを撫で 炳子 蒲公英をたどりたどりて母の塔 久 紅牡丹美しき重さを競ひたる 三無 切口を曝し菩提樹芽立ち初む 眞理子 城山の谷間隠れの遅桜 兎生
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月20日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
花馬酔木少年指で句をつくる 令子 洗ひ髪束ねるまでにまだ遠く 清女 花衣杉田久女に想ひ馳せ 同 越前の土の臭ひも筍の里 笑子 暮六つや花雪洞に灯も入りて 希子 ふらここに心残りの揺れてをり 雪 落椿踏むには淋し過ぎる白 同 涅槃図の嘆き洩れ来る荒格子 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
花仰ぎ空の蒼さを仰ぎけり 雪 初蝶と呼ばれ初蝶らしく飛ぶ 同 万葉の古歌の如くに散るさくら 同 目借時弁財天も琵琶重し 一涓 糸遊や虚子に中子師汀子師か 同 天金の蔵書ひもどく朧月 同 菜の花や浄土と思ふ茜雲 ただし 父の歳三倍生きて日脚伸ぶ 同 競ふごと囁くごとく木の芽吹く みす枝 若緑むくりむくりと故山かな 同 子を抱きてくるりくるりと花吹雪 洋子 鈍重か威厳か蟇動く 昭上嶋子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月24日 月例会 坊城俊樹選 特選句
姫女菀いつもどこかが欠けゐたる 和子 竜天に登る気配や神の池 幸風 蒲公英の絮の宇宙を壊しけり ���子 蠅生まる日をぎらぎらに絡ませて 光子 行春やゆつくりゆがむ田安門 千種 青き眼の鯉にまぶたや春の水 和子 招魂祭終へてふつくら大鳥居 三郎 亀の鳴く朝はほあんと白き月 炳子
岡田順子選 特選句
ものの影泛ぶ水面や春暮るる 三郎 著莪の雨ふり向けば立つ憲兵碑 和子 蝶生る斎庭に黒き翅濡れて 光子 金鳳花神宿るかに咲き満ちて はるか 春の鴨ひなたの石の色をして 光子 ラジオより小さき時報や囀れる 炳子 九段坂小さき登攀草芳し ゆう子 蓮巻葉かそけき光恃みとし はるか 二の丸は淡き襲の若葉かな 千種 石燈の幾柱立てば母の日に 慶月
栗林圭魚選 特選句
蓮巻葉かそけき光恃みとし はるか 春の鴨ひなたの石の色をして 光子 春陰や誰か在する橋懸 眞理子 水底の黙を脱ぎつつ蓮巻葉 順子 この坂は静謐な風ライラック 同 惜春の人へ神池水の音 政江 尚残花ありけり杜の静けさに 同
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令和4年4月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
長閑けしや纜ひと日軋みをり 志津子 永劫の城は動かず飛花落花 朝子 着て立ちてしつけ糸抜く花衣 佐和 大切なこと話せずに花あけび 光子 古代魚の飄々として春深し 久恵 海越えて来るやも知れぬ柳絮かな 愛 密漁区抜けだす船に雲の峰 佐和 演歌歌手の草履飛んだり花􄼪 美穂 青柳のたそがれの道夫を追ふ 朝子 亀鳴けりここが潮時じやんけんぽん ひとみ 三打目の筍傷に香を放つ 久恵 姿見に春の日射しのもうひとつ 桂 心空にして飛べさうな春の空 睦古賀子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kachoushi · 3 years ago
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各地句会報
花鳥誌 令和3年7月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和3年4月1日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
春彼岸阿弥陀背にして説法を 柏葉 母編みし毛糸のベスト解いて編む 由季子 解く帯に桜一片舞ひ落ちぬ 都   人に酔ひ酒にほろ酔ふ花の園 同  初蝶の行きつ戻りつ旅立ちぬ 同 
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月1日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
天蓋は万朶の桜愛子の忌 かづを 最古てふ天主や花の海に浮き 同  椿落つ秘めたる想ひ絶ち切れず 笑   花の寺御仏こぞりて笑み賜ふ 同  走り根の絡む老木の花淡く 希   鐘楼門栄華の花は盛りなり 同  初蝶の止まつてばかりゐる黄色 雪   ぽつたりと云ふ落ち様の肥後椿 清女 濠は今満月のもと花万朶 数幸 ねむたげな目をして地蔵花の寺 天空
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月3日 零の会 坊城俊樹選 特選句
花屑の起伏を流れたる音頭 要   あかんばうだらんと垂れて八重桜 いづみ カーブへと都電の軋む花の駅 眞理子 霾やホテルアスカのネオン消え 光子 白き指触れれば老いてゆく桜 順子 花山のお狐さんの花見酒 きみよ 風光る都電カーブに傾けば 光子 花追うてちんちん電車下町へ きみよ 丁字路に男惑へば花ふぶき 和子 貨車つづく花の昼なら長々と 和子 春惜しむやうに各駅停車かな いづみ 花衣花の音頭に揺れ止まず 慶月
岡田順子選 特選句
花屑の起伏を流れたる音頭 要   花吹雪その一瞬の神かくし 久   北病棟梟徘徊する深夜 公 世 山頂は花の冠雪なりしかな 俊樹 春昼の子爵の気配する館 きみよ 動くたび翠玉に化け春の蠅 小鳥 落つ花も落ちざる花も狐憑く 俊樹 お屋敷は棕櫚の置かれし復活祭 いづみ 山吹や古き稲荷に鬼女の謂 千種 都電行く花のレールを懇ろに 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月7日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
愛子忌や花の仏の目鼻だち 世詩明 陽炎や聖火近づく靴の音 ただし 尼様の逝かれて久し花の庵 清女 春愁や廊下に邪魔なすべり台 同  屋根の上猫を消し去る花吹雪 誠
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月9日 芦原花鳥句会 坊城俊樹選 特選句    塵芥浜に打ち寄す涅槃西風 よみ子 紅椿落ちしまゝなりいくへにも 寛子 朧の夜磨りて薙刀月なりぬ 依子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月9日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
亀鳴くや狸小路といふところ 清   子猫には知らぬ値札の差でありき 同  新しき街にもなれて朧月 同  いつの間に少女は乙女初蝶来 晶子 ほつとする出会ひに似たり蕗の薹 寛子 鮨屋出てちよいと歌碑まで啄木忌 のりこ 舞姫の余波の浜の桜貝 岬月 空海の学びし都霾れり 雅春 花は葉に大樹あくまで孤高なる 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月9日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
葱坊主砂丘の畑に海を見て 栄子 縮こまりゐしが色めき勿忘草 史子 妹の炊く釘煮の味や春の潮 佐代子 花曇貝殻拾ふ習はしに 幸子 チューリップ閉ぢて乗せゐる細き月 都   払暁の厨に水を撒く浅蜊 宇太郎 大手門潜り落花の畏まる 悦子 鞦韆や正面にある日本海 益恵 大土手に游がせ青き鯉幟 益恵 囀や赤子は喃語はなしかけ 和 子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月10日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
もこもこと花に潜りし虻の尻 三無 著莪咲くや十年祭のとしあつ師 文英 石楠花の色の溢れて空の青 同  虻戻る宙の一点違へずに 秋尚 野の草も木々も輝く寺うらら 瑞枝 影淡く残しほぐるる牡丹かな 秋尚 若楓日に透けて師の十年祭 文英 蜃気楼より戻りくる大漁旗 三無 手のひらに残花ひとひらとしあつ忌 同  花筏小鷺の暫し石の上 文英
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
笑ひ皺深き自画像山笑ふ 清女 ヘリコプター右往左往の霾ぐもり ただし 一輪の菜の花明り無人駅 英美子 二百羽の白鳥去りて水落とす さよ子 となりからグラタン届く蝶の昼 清女 黒々と土掘り起こす夫の春 錦子 お姉さんと呼ばれし母の古浴衣 清女 昭和史を読み継ぐ窓や冴返る 上嶋昭子 落花浴び二人の会話とめどなく 中山昭子 風光る子の背で踊るランドセル 英美子 霾れり外は砂塵の匂ひあり 中山昭子 日差し受け新樹ふくらみ山太る みす枝 牡丹の土くろぐろとごろごろと 信子 調停を終へて出で来る白日傘 上嶋昭子 四月馬鹿小さくなりし力こぶ 三四郎 豊麗といふ重さあり八重桜 上嶋昭子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
草団子つかまり立ちし子の笑ふ 実加 花の雲散りては隠れ鳥の群 あけみ 空色のファーストシューズ若草に 登美子 自転車で駆け抜けてみる花吹雪 紀子 花の下貨物列車がゆつくりと 同  リード張る犬の目の先青葉萌ゆ あけみ 草餅を炙るおばあの手の記憶 同  春の灯や見覚えのある泣きぼくろ 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月12日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
花万朶天守の高さ残し散る かづを 天主てふ高さ支へし花の雲 同  天帝の機嫌のよしや雲雀また 同  散る花に戦争語る皺深く みす枝 はじめての大地歩む児風光る 同  春愁や黒が似合ふと云ひし人 雪   鳥帰る古墳の山を越えて行く 千代子 涅槃図の嘆きの蛇の舌赤し ただし 葱坊主蝶遊ばせて三畝ほど 高畑和子 天に紅地に錆色の落椿 英美子 鯉幟青空支配してゐたる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月12日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
妻の座に一人占めなる春炬燵 世詩明 巣立鳥軒離れるに啼き叫ぶ 同  春水の池も小川も老舗宿 和子 風の中ゆつくり曲がる花筏 千加江 チューリップどんな空にも納まりて 同  吾が前にチューリップ揺れ百八色 昭子 児の描く屋根より高いチューリップ 啓子 春塵や踏台見ゆる古本屋 泰俊 義士祭や夕日の端に寺箒 同  黒髪の如くつらつら椿かな 雪
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月12日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
とりどりの緑の若葉森太る 三無 淡く透け風を誘ふ栃若葉 秋尚 初蝶は白でありけり水辺ゆく 和魚 地を漁る鳩嬉嬉として躑躅燃ゆ 三無 サッカーの声を散らして若葉風 怜   若芝を歩く足裏に気の満ちる 貴薫 東屋の池の水枯れ著莪の花 せつこ 傾きし午後の日集め山吹黄 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月13日 萩花鳥句会
秀吉を偲ぶ醍醐寺春の星 祐子 入寮す荷解きの窓春の月 美恵子 金の座の柔人生花吹雪く 健雄 明日発つ子に取り分ける桜鯛 陽子 春の月言葉少なに客送り ゆかり さくらさくら今は無人となりし駅 克弘
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
囀のやみておくつき土匂ふ ゆう子 鶯の声の滴の落つる句碑 三無 大空を抱きて長閑母の塔 亜栄子 法鼓鳴る終の牡丹のいよよなる 慶月 鯉幟岡本太郎の目がふたつ 千種 武士の如蘖ゆる城址かな 斉  
栗林圭魚選 特選句
年尾来よ陽子の墓へ虹架けて 俊樹 シーサーの睨みの門扉松の芯 亜栄子 初蝶来うすむらさきの影を追ひ 久   若楓威を持ちて守る年尾句碑 文英 葉の蔭に香り残して花通草 秋尚 春行くやおほよそおうてゐる時計 久   武士の如蘖ゆる城址かな 斉   枡形の山峡深く藤懸かる 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
令和3年4月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
うららかや女医に診られてゐる鼓動 一涓 グクと泣く鍬先に詫び畑を打つ 同  訪へば由利に左内に花吹雪 同  ことごとく合掌解きて紫木蓮 同  初蝶の黄のあまりにも濃ゆきこと 雪   雨上がり燕大きく十字切る 信子 天を指す指より甘茶光り落つ みす枝 化粧水顔を叩けば夏めきぬ 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
風光る帆を張る船は膨らみて 佐和 風光る紙飛行���の未知の空 久美子 胸もとへ闇はゆるやか花衣 佐和 風光る臍の緒ほろと母の手に 睦子 花屑を浮かべ流離の水となり 朝子 星月夜帰船に満ちし博多港 佐和 ゆるゆると緋鯉にゆらぐ春の雲 勝利 いつまでも止めぬ石蹴り風光る 久美子 花蘇枋久女多佳子のこゑ聞こゆ 美穂 風光り手押しポンプは水を吐く 洋子 空までも君と一緒の半仙戯 さえこ 炊出しに悪漢もゐて彼岸寺 喜和 かくれんぼいつかひとりの春の暮 ひとみ たちがみの天馬とまがふ仔馬生れ 千代
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 
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kachoushi · 4 years ago
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各地句会報
花鳥誌令和2年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
令和2年5月5日 さゞれ会
累々と墓黒々と落椿 雪   落椿踏むにつけても偲ぶ人 同   落椿女を踏むと云ふ男 同   表札に士族とありて武具飾る 匠   閻魔様に折り合ひつけて彼岸寺 同   夫逝きし白を極めるつつじかな 笑   満開に共に歩みし人のなく 雪子
(順不同) ………………………………………………………………
令和2年5月7日 うづら三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
葉桜の香り流るる足羽川 英子 夏近し手足やさしく風過ぐる 同   角砂糖白磁に溶けて街薄暑 都   遠き日にここで迷ひし麦の秋 同   一輪の余花に集まる日差しかな 同  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月11日 武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
髪止めに真珠一つぶ五月来る 上嶋昭子 喪のひとの手のひんやりと若葉どき 同   大砲のごとく筍置かれけり 信子 鉄塔の四脚も植田の中となる 同   楮漉く千年の里風光る 時江 金泥に波打つ裾野竹の秋 同   花吹雪殉国の人偲ばばや みす枝 月光に濡れて新樹の艶めけり 同   晴天に大きくうねる鯉幟 さよ子 青梅の落つる音してふと不安 同   大空を大きく沈む代田かな 錦子 バイブルに手をおく祈り風薫る ミチ子 草朧��はりと人の現れし 中山昭子 百匹の大河を跨ぐこひのぼり 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月12日 萩花鳥句会
城山を消して卯の花腐しかな 小勇 老いし猫病みて添ひ寝や明易し 祐子 夏めくや開襟シャツにスニーカー 美恵子 春昼や地上の雀おにごつこ 吉之 工夫してマスク文化は手縫ひから 健雄 ひと月半家籠る間に夏めきて 陽子 葉桜や四女は無事に嬰児を ゆかり 産土の原始の森の椎若葉 克弘
(順不同) ………………………………………………………………
令和2年5月12日 さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
黙々と祖母想ひ剥く夏蜜柑 裕子 釜の艶褒められもして夏炉守 寿子 鯖へしこ無口な兄が酔ふ夕べ 登美子 夏籠写経もひとり墨を磨る 令子 振り向けば囲まれてゐし遠蛙 紀子 海夕焼け劇画の如き雲なりし みえこ 父からの筍二本と帰路につく 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月13日 芦原花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
もこもこの優しき綿毛白木蓮 けんじ 紙風船薬の匂ひふくらませ 孝子 静かにもおでましならず雛の間 寛子 春の山眠り解くや獣道 依子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月13日 鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
島浦の永久なる茅花流しかな 栄子 叢雨の止みて香の立つ花楝 益恵 若布干す近寄る孫も追ひ払ひ すみ子 番傘に宿屋の太字夏の雨 幹也 柏手に滝音遠く加はれり 宇太郎 緑陰に臼置かれあり陣屋跡 都   東照宮深くに沈め夏あざみ 悦子 新緑を天蓋にして墓眠る 佐代子 若布干す並びし媼皆一糸 すみ子 鰻食ふ昔の川の匂ひして 幹也
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月16日 伊藤柏翠俳句記念館
坊城俊樹選 特選句
牡丹の芽ほぐるる音の有るや無し 雪   揺られざるまま揺られゐし糸桜 英美子 陸軍墓地裏山道や著莪の花 ただし ジョンウェイン様に御目もじ春の暮 和子 農小屋を開くこと待つ燕かな 富子 竹の秋一山を似て一寺なる 一仁 青葉風軍馬の像の駈けるごと みす枝 子供の日兜かぶせて大将に 同  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月21日 鯖江花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
初蝶に待たるる思ひして人に 雪   永き日や遅るにまかす置時計 同   濁世いま風を靡かせ薔薇香る 一涓 結ひ今も眼裏にあり植田見る 同   水口に水踊り入れ代掻きぬ みす枝 一面の黄金焦げゆく麦の秋 同   終夜月明るくて明け易し 直子 村眠る代田に星を溢れしめ 信子 荒島岳そつくり映す代田かな 昭子 花芯より崩るは哀し白牡丹 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月 零の会(投句のみ)
坊城俊樹選 特選句
茉莉花の月よりたたなづくかをり 光子 海ほほづき写真に遺る姉二人 炳子 天帝の夜へひとこゑや青葉木菟 順子 括られしままのふらここ雲流る 眞理子 薄暑かなひとはひとから遠ざかる 公世 チューリップみだらに割れて蕊黒し 和子 眉を引く八十八夜のバスルーム いづみ 白藤のゆさり青磁の大鉢に 眞理子 まつしろな水へ噴水落ち続け 千種 夕暮が燃え尽きてゐる薄暑かな 伊豫 吸ふ息を肺に満たして春惜む 小鳥 出棺を見送りに出る花の下 清流 列島をがらんどうなる薄暑来る 伊豫
岡田順子選 特選句
昼寝覚なんたる猫の目の蒼さ 公世 街一切消えてゆくなり春夕焼 和子 括られしままのふらここ雲流る 眞理子 スケボーの子に引つぱられ藤の花 小鳥 撫でてゐる馬は相棒ライラック 光子 こ煩い姉にまつかなアマリリス 三郎 塵芥車のうた角に消え街薄暑 小鳥 薔薇見えて噴水見えぬ席であり 千種 青といふ頑是なきもの子どもの日 公世 桜蕊降り頻る日のとしあつ忌 清流 俯いてからの青空姫女菀 慶月 股ぐらを通り抜けたる青嵐 伊豫 十字架の薄暑の胸となりしかな 俊樹 谷根千の古寺を過ぎりてつばくらめ 梓渕
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月 なかみち句会(投句のみ)
栗林圭魚選 特選句
一八の花に湧く風しなやかに 秋尚 摩崖仏仰ぎ見る目に若葉風 有有 幣揺らす五月の風や祝詞上ぐ 貴薫 青空へ姿勢正して緑立つ 秋尚 品書は心太のみ峠茶屋 美貴 矢車や音立てやをら廻りだし せつこ 紫に波打つ藤の幹猛る 怜   産土の杜ふくらませ楠若葉 同   若葉風兄に会ひたく無言館 あき子 豆桜富士山見ゆる峠道 ことこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月 風月句会(投句のみ)
坊城俊樹選 特選句
空つぽのブランコのまだ揺れてゐる 和子 薔薇咲かせ運命流しくる隣家 慶月 少年の拳にささる薔薇の棘 炳子 踏み切りに人疎らなる駅薄暑 慶月 狛犬は韓国風の宮薄暑 要   愁ひつつ神鈴振れば青葉風 政江 鏝跡の壁の屋敷と白薔薇と 慶月 青蔦の囲む窓よりランプの灯 政江 さざめきを洩らし薔薇園閉鎖中 眞理子 まどかなる月へまつたき白薔薇 千種
栗林圭魚選 特選句
大ぶりの豆大福や古茶を汲む 眞理子 湧き上がりつつ鎮れる新樹かな 要   富士塚の頂上よりの若楓 同   大空に連なるこゑの揚雲雀 幸風 鉄線の花に触れ去る影一つ 久子 揺るぎなき銅の鳥居や夏の蝶 亜栄子 グッピーと共に隠居や新茶汲む 亜栄子 蝦蛄剥きし指の痛みに白ワイン 要  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月 福井花鳥句会(投句のみ)
坊城俊樹選 特選句
黒髪の娘の洗ひ髪すぐ乾く 世詩明 一気呑みビールは咽を鳴らしけり 同   柏餅供へて偲ぶ吾子のこと 千代子 囚はれのごとき��なりて春は逝く 和子 四月尽人通り無きこの街に 同   菜園の中は蝶々の交叉点 千加江 吾子ら来ぬ牡丹咲けど亦散れど 昭子 深海の色の紫陽花贈り来る 同   自粛にてクロスワードす日永かな 令子 ひとひらの光となりて花は葉に 啓子 遠ざかる思ひ出ばかり花は葉に 同   ダム見えて無尽蔵なる蕗の径 よしのり リラ満ちて無人校舎の無表情 数幸 初蝶の黄の滴らんばかりなる 雪  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年5月 九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
フーコーの振り子の孤独五月闇 伸子 卯の花や仏の胸に彫る仏 成子 街薄暑時をきざまぬ花時計 豊子 紫陽花に薄水色の雨の降る 千代 弥陀仏の薄目の奥の楠若葉 さえこ 少年の孤独の前にかたつむり 朝子 来し方を肘の蛍と戻りけり 愛   潮の香の高きふるさと夏の月 洋子 花卯木垣に咲かせて尼の留守 初子 永仁の壺中に深し五月闇 喜和 夏の蝶天を破りて降り来たる 朝子 卯の花の乱れやすきを篭盛に 豊子 桜桃忌磁針はいつも揺れ迷ふ 伸子 アパートの小暗き窓や夕蛍 志津子 生き方を変へねばといふ夏来る 光子 籠りゐの春漸くに夏の立つ 由紀子 新樹燃ゆ薬五粒に生かされて 初子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kachoushi · 4 years ago
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花鳥月例会
2020年3月22日
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坊城俊樹選
岡田順子選 栗林圭魚選
坊城俊樹選 ■は特選句
マンホールの上に渦巻く桜かな 和子 時事を聴くラジオ桜の樹下に置く 順子 連隊碑くま���く包み花の雲 月惑 春風や旭日旗へとオカリナを 政江 ■流れ合ふ大気をなぞりつつ落花 小鳥 大鳥居黙して著莪も盛りなる 美智子 色眼鏡の青きレンズに散る桜 和子 五百年濠へ傾き大桜 千種 桜散る下に少女のやうに佇つ 秋尚 強東風に嬲られ黒き大鳥居 佑天 ■樹下一人もの喰ひをれば亀鳴けり 千種 春の闇深し樹木の洞うつろ 政江 ■草の香を脱ぎて胡蝶となりゆける 光子 靖国の日の丸煽る涅槃西風 要 初蝶や大山巖像の辺に 美智子 父母のあひだに細き卒業子 小鳥 ■風向計南に振れて春日傘 月惑 ■鷹鳩と化して人気のなき銀座 要 コレヒドール戦跡の石に花の影 公世 ひねもすの春を煙草屋饅頭屋 順子 ■桜咲けば頰膨らまし軍馬像 佑天 樹木葬考へてゐる日永かな 要 花筏幾度めぐりて神の池 月惑 まだ空に人になじまず囀れる 順子 二の丸にあをき海なす諸葛菜 千種 ■佐保姫の眠りし奥の茶室かな 小鳥 蟻穴を出てはしたたる樹脂黒し 和子 ■花の茶屋くちびるにカフェラテの泡 光子 落ちてゐることも忘れてゐる桜 清流 ■海行かば山行かば見送りし花 梓渕 恋文も卍も池に画く落花 順子 春落葉一陣禍々しき鳥居 要 神���の献木の元蠅生まる 眞理子 ■春水に映りて少女大人びる 千種 人生にいろいろ静かなる花見 梓渕 いましがた棺出てゆく紫木蓮 公世
岡田順子選 ■は特選句
大鳥居黙して著莪も盛りなる 美智子 連隊碑くまなく包み花の雲 月惑 流れ合ふ大気をなぞりつつ落花 小鳥 ■春風や旭日旗へとオカリナを 政江 そこいらの棒をタクトに春野ゆく 光子 花枝垂れしだれて濠を平かに 美智子 靖国や植樹の花の部隊名 月惑 ■樹下一人もの喰ひをれば亀鳴けり 千種 草の香を脱ぎて胡蝶となりゆける 光子 ■父母のあひだに細き卒業子 小鳥 花筏風の訪れゆるやかに 梓渕 ■風向計南に振れて春日傘 月惑 人の輪の中に花の輪標本木 月惑 樹木葬考へてゐる日永かな 要 ■風が出て花にいたづらして散らす 美智子 城門の部厚き扉朝桜 秋尚 蟻穴を出てはしたたる樹脂黒し 和子 ■花の茶屋くちびるにカフェラテの泡 光子 ■傾るるは濠の宿痾として桜 要 神池も花の浄土となりにけり 美智子 亡き父を連れまた同じ花に遭ふ 俊樹 海行かば山行かば見送りし花 梓渕 ■春落葉一陣禍々しき鳥居 要 生ひそめし萍かぞふ恋煩ひ 光子 北窓を開け疫病の町のぞむ 光子 蘖ゆる幹黒々と田安門 て津子
栗林圭魚選 ■は特選句
■北窓を開け疫病の町のぞむ 光子 ■蘖ゆる幹黒々と田安門 て津子 そつと来し花の九段に解く心 梓渕 ■連隊碑くまなく包み花の雲 月惑 大鳥居黙して著莪も盛りなる 美智子 春落葉音を重たくころがして 秋尚 花人となりオカリナを吹いてをり 順子 松羽目に散りゆく花の昼惜しむ て津子 花枝垂れしだれて濠を平かに 美智子 春昼の影太く濃く大鳥居 梓渕 靖国の日の丸煽る涅槃西風 要 ■草の香を脱ぎて胡蝶となりゆける 光子 父母のあひだに細き卒業子 小鳥 花筏風の訪れゆるやかに 梓渕 靖国の花に鎮もる能舞台 秋尚 幔幕の垂れ深くして落花止む 眞理子 漣に揺るる菜の花牛ヶ淵 て津子 ■ひねもすの春を煙草屋饅頭屋 順子 傾れ落つままに咲き満つ桜かな 眞理子 病室の師へ届けたき桜かな 政江 ■まだ空に人になじまず囀れる 順子 菊御紋散りゆく花に輝きぬ て津子 ■城門の部厚き扉朝桜 秋尚 花の茶屋くちびるにカフェラテの泡 光子 春塵の巨樹となりたる大鳥居 俊樹 神池も花の浄土となりにけり 美智子 散りさうに散りさうに花咲き継げる 千種 蝶低くあそばせてゐて庭真昼 光子 ■人影の小さき坂や鳥帰る 和子 零戦の閉ぢ籠められて花の中 佑天 春落葉掃きて手水舎新しく 小鳥 鯱の少しく錆や花の昼 美智子 生ひそめし萍かぞふ恋煩ひ 光子 池尻へ落花の流れゆるやかに 眞理子
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kachoushi · 7 years ago
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6月の各地句会報
平成29年6月の特選句
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 栗林眞知子選 岡田順子選
平成29年6月1日
三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
九頭竜の瀬音も春を惜むかに 牧羊
初蝶の二つ戯れ九頭竜に 牧羊
薫風や少し嗜む酒もまた 柏葉
友逝きしこの夕焼の麓かと 喜代子
葉桜や義理ある人の通夜にゆく 都
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月1日
県民会館花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
峠茶屋黒不動守り夏炉守り 越堂
朴散華一揆亡びし古戦場 越堂
黒南風や熊の出さうな峠道 和子
音もなく水光らせて蛇泳ぐ 信子
千尋の谿より湧いて橡の花 千代子
文明に少し遅れて更衣 和子
聖五月腰くねらせて観世音 昭子
十一面観音様も薄暑中 秋野風
新緑の濃淡抜けて来し風に 和子
柳絮とぶ余呉に天女の物語 昭子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月1日
零の会
坊城俊樹選 特選句
ペイントの匂ひの中に三尺寝 彰子
禅林の裏より風鈴の路地へ 小鳥
色町の奥へ薔薇など今様に 順子
朱夏の翳曳く纜の齢かな 三郎
能舞台裏のバイクの梅雨晴るる 三郎
白壁に白き日傘の過ぎるかな 和子
炎天や遊郭跡のてるばうず 彰子
旧道のいはくありげな石涼し 梓渕
鯨塚より風鄙び鬼百合へ 順子
黒南風の九間一尺てふ鯨 美紀
ががんぼはががんぼの影かもしれず 鯨
スケボーは梔子の香をかきわけて 含香
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月6日
さくら花鳥句会
栗林眞知子選 特選句
夏服や傷跡見ゆる膝小僧 登美子
老鶯の里山包みこみて鳴く 紀子
たまにはと母へもてなし新茶汲む 実加
バス待つ間立ちのみコーヒー夏に入る 令子
色褪せし湯飲みに新茶注ぐ母 登美子
万緑の足羽に神の在しけり 寿子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月9日
鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
彩雲を見てをりし間に消える虹 悦子
夏帽の鍔折りあげて沖を見る 美智子
辣韮切る高校生の清し顔 すみ子
読下す教室の声立葵 栄子
浜昼顔群れ海を向く人も向く 悦子
父の日に祝ふ最も合ふ帽子 立子
葉裏にも宿りし光柿若葉 都  
夫見取る夾竹桃の赤倦みつつ すみ子
夏霞湖は眠たさうな面 幸子
吾は朝茶月見草は紅さして 悦子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
花鳥花菖蒲俳句会
坊城俊樹選 特選句
花菖蒲平家訛の伝ふ村 千代子
万緑を湖に映してゐる夜明け 嘉子
畝毎に間合のありて花菖蒲 松陰
黒南風が廻す風車とさざ波と 清女
百畝に百の源氏名花菖蒲 越堂
追伸に骨接とあり梅雨じめり 孝子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
枇杷噛めばぽろりぽろりと種こぼれ 陽子
雲よりも風の兆しの入梅かな 百合子
入梅やスウプの湯気の揺蕩ひぬ ゆう子
子規庵の風を受けつつ梅雨に入る 和代
見納めてふ病院跡地姫女菀 三無
集まりし子等の中心かたつむり 百合子
堂裏のかそけき音や竹落葉 百合子
七七日終へてふる里梅雨に入る 多美女
でで虫の幼な螺旋の色にあり 文英
枇杷剥けば滴り伝ふ香の甘き ゆう子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
風月句会・花鳥月例句会合同句会
坊城俊樹選 特選句
奥山の闇の控へし夏椿 千種
梅雨空を背に黝き軒の鳩 野衣
紫陽花の触るる乳房や法の道 律子
徒花のひとつとてなく七変化 千種
木の蔭の深さを四葩あをき程 野衣
大樹いま青あぢさゐの海流れ 幸子
梅雨寒を溜め骨董の薬瓶 野衣
大棟をしのぐ千古の緑かな 炳子
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
飴色の籐椅子ひとつござれ市 芙佐子
鉄瓶の錆みがく香具師梅雨曇 政江
紫陽花に猫消えてゆく法の山 三無
黴の香にシャムの仏の笑まひかな 眞知子
紫陽花のまだ雨足らぬ色をして 秋尚
梅雨雲を法鼓打ち抜く連打して ゆう子
あぢさゐの藍濃し茎をたわませて 鯨
影引いて重たく揺るる濃紫陽花 秋尚
目も鼻もなき野仏の梅雨湿り 亜栄子
梅雨寒を溜め骨董の薬瓶 野衣
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月12日
武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
和紙のれんくぐれば揺れる風知草 昭子
病葉の吹き寄せられて休館日 ミチ子
免鳥も布良も村の名若布干す 雪
終電の棚に夏帽忘れあり 英美子
虫塚に蝶を放ちて虫供養 雪
夏館辞して通るや蓮如道 錦子
雲低く蛇の轢死に出会ひけり 昭女
黒南風や湖面に向きて大風車 錦子
風に消え水に消えさう糸とんぼ みす枝
無住寺の僧を恋しと蟇の啼く 文子
山長者跡と伝へて草茂る 文子
櫛一つさして浴衣のひととなる 昭女
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月12日
なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
著莪叢に導かれ来し古寺無住 和魚
胡蝶花林道入口示しをり エイ子
昼寝する犬の鼻面蟻渡る 美貴
蟻の曳くもの縦になり横になる 陽子
ぽんぽんぽん勝ち馬首を叩かれて 和魚
ダービーのウイニングラン空青し 和魚
ダービーの万の響動めき馬は待つ あき子
蟻の道槙の大樹を登りをり 秋尚
木漏れ日のとどきて美しき著莪の花 ます江
勝馬の息に乱れのなかりけり 秋尚
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月13日
萩花鳥句会
四五匹の生れてすぐの目高の子 牛子
天皇の見付けしナスオオギアヤメ 祐子
鵜舟まで設へくれし日田の宿 孝士
ほととぎす時々鳴きて杜若 七重
裏山にほととぎす聞く登り窯 美恵子
皇后の御給桑食み繭に入る 健雄
伴奏のごとき川あり蛍の夜 吉之
万緑に見え隠れして朱の鳥居 晴子
燕の子見守る家主も親心 泰裕
虫たちの楽園となる栗の花 圭三
光琳の屏風絵のごと燕子花 克弘
平成29年6月16日
伊藤柏翠俳句記念館
坊城俊樹選 特選句
緑蔭に銀河と名付く石一つ 雪
一ト木もて大緑蔭をなせる椎 雪 
石に又生々流転夏落葉 雪
鷺一羽思案顔して青田中 英美子
草笛の音色の違ふ兄弟 文子
青々とパン工場の蔦の這ふ 美智
閼伽桶の屋号探せる木下闇 一仁
かずら橋一人の身巾川涼し ただし
青山河石に坐れば山動く 世詩明
噴水の風の華燭はざんざ降り 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月17日
花鳥さざれ会
坊城俊樹選 特選句
青嵐微動だにせぬ観世音 秋野風
左手は犬の枕になる昼寝 清女
ががんぼの脚辛うじて踏ん張れる 雪
黒南風や精舎を昏め黒仏 秋野風
青空の下に五月の横たはる 龍聲
国神のかみさぶ庭の七変化 龍聲
黒雲の西をとざして麦を刈る 匠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月21日
福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
��夜干し空に水なき天の川 世詩明
滝壺へ身をのり出してエメラルド 嘉子
滝を見る人に交りて盲導犬 嘉子
続く水信じて落つる滝にかな 昭子
やまかがし鉢植の木となつてゐし 令子
白ゆりを顔のみのこし蓋を閉づ 令子
門灯に群れて乱舞の火取虫 よしのり
白糸の滝百条の水落す よしのり
風鈴に喜怒哀楽を聞くことも 龍聲
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月21日
鯖江花鳥俳句
坊城俊樹選 特選句
橋の上に今日も一人の蛍見る 雪
必殺の草矢一本あれば良し 雪
千畳敷てふ藩廟や夏木立 信子
葦切のひがな大河をほしいまま 一涓
蝿帳を捨てたり母の忌を終へて 一涓
篠笛の音も条々と梅雨に入る 一涓
月光に名残りとどめり甕の墓 ただし
滝壺の割れぬばかりに水落下 ただし
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月22日
みどりや花鳥俳句会
坊���俊樹選 特選句
満天の星に地上は夏灯 清風
唇なめて祭笛ふく男達 ただし
植田はや風に応へてをりにけり かづを
夕焼に祈らんミレーの絵の如く 越堂
美人画を抜けいでしごと花あやめ 越堂 
涼しさや百一歳の絵筆もて 清風
滴りの山の冷気や糸とんぼ 誠
石ころは地球の記憶夏の雨 誠
(順不同 特選句のみ掲載)
5月の句会(追記)
平成29年5月10日
立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
水底の天日暗し蝌蚪のひも 越堂
電工夫宙で呼び合ふ五月晴 ただし
花御堂四隅にたれて藤白し ただし
湖の風工房に入れ糸を取る 越堂
新糸の束は真珠の艶もてる 越堂
観世音祀り糸とる村十戸 越堂
どうしても草をひく気になれぬ日も 清女
青くさき思ひ出なりし夏は来ぬ 清風
馥郁と楠の薫るや青揚羽 誠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年5月13日
札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
前垂れを更衣して石地蔵 和加
たんぽぽやベンチに残る髪飾り 和加
異国なる沖を犯して烏賊火焚く 岬月
廃校にさくら静かに散りにけり 佳峰
百葉箱塗りなほされて夏めける 美江
書き込みの多き五月の農暦 親子
早起きの牛の寝そべる牧の夏 晶子
鉄骨のぐんぐん伸びて雲の峰 のりこ
初夏の森の彫刻まぶしげに 独舟
チューリップに歌ひかけをり女の子 寛子
(順不同 特選句のみ掲載)
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