#妖怪小屋の逆さ天狗
Explore tagged Tumblr posts
Photo
あ、頭に、血が…… #兵庫 #hyogo #福崎町 #fukusaki #辻川山公園 #妖怪小屋の逆さ天狗 #もち麦どら焼き #妖怪 #yokai (辻川山公園) https://www.instagram.com/p/CpT8T7vvOy5/?igshid=NGJjMDIxMWI=
0 notes
Text
俊樹五百句
虚子の「五百句」と対峙したい。虚子はそれを五十年ほども掛けたが、この作句期間は一週間に過ぎない。出来不出来以前にこの名著なる存在と対峙したかった。俳句の存在意義だけがこの試行錯誤の源である。短い人生である、我が愚行を是非批評して頂きたい。
坊城俊樹 令和4年8月
弔ひの夜に横たはる暑き襤褸 浮浪者の襤褸に星降る夜となりぬ 弔ひの夜の白服なる異形 弔ひの杖に樹海の町暑し 浮浪者の眠る窓とて朧なる 夏の灯のまたたき琴座鳴るといふ 幽霊や露台に支那の戦没者 幽霊の招く小路の風死せり 夏の路地女幽霊絢爛に 星の降る夜へ英雄の霊かぎろふ
国士無双あがる男へ星流れ 夏の夕遺族は骨を探索す 夏夕べ黒き連鎖の遺族たち 遺族らは夜より黒し星流れ 哀しさは真夏の盆へ地震きたる 地震の町に吠える家守の夜でありし 恋人も濡れる家守の夜となりし 母死して星も死すてふ家守の夜 家守らの目の爛々と星見上ぐ 家守らに昭和の記憶ありにけり
金色の家守は母の野望とも 父がつけし渾名の犬へ星流れ 大蛇の我が天井を護りたる 姫蛇の碑へと���夏の夜の夢 蛍火に意思といふものありにけり 山泣くも山笑へるも蛍へと 犬死して総理も死して蛍へと 一億の蛍の一つ死してをり ほうたるの火に照らされて万華鏡 ほうたるの乱舞を待てる半旗かな
火蛾ひとつ火焔の中を舞うてをり 蛍来る夜は両親へ星降る夜 死ぬ匂ひして晩年の蛍籠 怪しげな教会へ入る蜥蜴かな 万華鏡の色の蜥蜴や月を追ひ 猊下そは百歳に死し蜥蜴また 猊下死す百一の星流る夜を 猊下逝く蜥蜴は天の星仰ぐ 猊下逝く十の契りを夏の夜に 総理逝きしばらく夜の火蛾として
猊下逝く祇園の夏の夜の契り 星流る方へ杖つき神楽坂 夏の夜の三味の灯しは籠もらざる 懇ろに幽霊を待つ簾上げ いつも見てゐて見てゐない裸かな 貪りて夜の怨霊の裸とも 風通す裸の窓をすべて開け 恩讐もある傷跡の裸体とも カンバスに幾何模様なる裸体 日当たるとやはらかくなる裸体かな
陰翳の裸の体囁ける 因果なる裸体を褒めてゐて死せり 裸体なる女カオスの縮図とも 茅舎忌の我を白痴と思ふかな ヌードデッサンせんと孤高の茅舎の忌 茅舎忌といふ忌まはしき忌なりけり 俳壇に生けるも死ぬも茅舎の忌 茅舎忌の猿股を日に干してあり 金剛の露現今の茅舎ゐて 口唇に薬挿し入れる茅舎の忌
河童忌の屋根に墜ちたる龍之介 河童忌といふ祝祭のやうなもの 蚕豆に天使の翼ありにけり 蚕豆の妻の故郷はカタルーナ 蚕豆といふ処女作のやうなもの 蚕豆を剥き深緑やや遺憾 蚕豆の筋のあたりを背骨とも 蚕豆のやうな赤子を授かりし 蚕豆とは一卵性双生児 バンクシーの絵は白黒に夜の秋
我が瞳孔まもなく朽ちて夜の秋 丑三つのマンゴーゆつくり熟すなり 丑三つの蜘蛛透明な糸を吐く 斬られる待つ丑三つの熟柿かな 愚かなる夢の中なる熱帯夜 しづかなる女の舐める熱帯夜 黒蛇が白蛇を呑む熱帯夜 括れざる腰振る真夜の熱帯を 母さんが父さんを呑む熱帯夜 口唇を襞と思へる熱帯夜
熱帯夜朱き口唇とて腐臭 熱帯夜とはずぶ濡れの吾子の夢 峠路に幽霊を待つ月見草 裏切りの美人薄命月見草 月光やちやん付けで呼ぶ��法師 月見草火星より木星が好き 月見草路地の子やがてゐなくなる 星の降る夜はひとつきり月見草 月見草恐らく祖母は浮気した 新婚の路地の匂へる月見草
日覆を立てる穴とて深淵に 日覆のおほひて赤子腐敗せり ビルよりも高き日除けを立てにけり 男一人日除けを出でず老いにけり 裸族らし我が家の下の夫婦かな 裸にて人に逢ひたく皮を脱ぐ しづかなる蛇しづかなる自死をせり 蟻と蟻獄を出でたる如出逢ふ 灯の蟻といふ見当たらず羽蟻とす あの蛇を保育園へと見失ふ
青条揚羽より高き蝶のなき 金輪際黒筋揚羽見失ふ 黒揚羽より正装の男かな 瑠璃揚羽祖父の遺墨を飛び立てり 暑き電線暑き電線と出逢ふ とぐろ巻く蛇地境を管理せり 大いなる物の崩れががんぼの死 青き星流れて白き星流れず 蟷螂と格闘をして日記とす 暁に麦飯を食ふ祖父の髭
亡霊が炊いた麦飯吾れのため 麦飯の茶碗に描くただの柄 麦飯に卵二つの豪華さよ 麦飯を母は嫌がり父も嫌がり おばQを見て麦飯を食ふ至福 箸は茶で洗ふ麦飯たひらげて 麦飯を父は食はずにバタを食ふ 麦飯といふ軍縮のやうなもの 麦飯にのりたまかけて邪気かけて 仏教にあらず神道麦飯を食ふ
麦飯を御霊に捧ぐことならず 麦飯で鉄腕アトム見てをりぬ 昭和三十六年の麦飯豪華なり 麦飯といふ神道のやうなもの 瑠璃鳴くや御霊のやうな声溢れ 神域を歌へる瑠璃のすきとほる 殉職の御霊へ瑠璃の鳴きにけり 銃弾に斃るるときに瑠璃鳴けり 天照大神きて瑠璃鳴かせ 天辺の虹の上より瑠璃鳴けり
虚子とのみ彫られ���墓へ瑠璃鳴けり 坊城家六代目へと瑠璃鳴けり 勾玉の青のひとつは瑠璃の声 瑠璃何か喩へてみれば金剛に 夏燕折り返し来る消防署 三次元を四次元に斬る夏燕 生れ替るなら岳麓の夏燕 青空を巻き込んでゆく夏燕 夏燕鏡を斬りてさかしまに 天辺に仏来給ふ朴の花
朴の花白く翳りて懇ろに 朴の花の中に釈迦尊をらざりき 虎尾草に毛並のありて逆立ちて 虎尾草の揺れて待ちたる未通女かな 金輪際虎尾草と縁切ると言ふ 虎尾草の先くねくねと蠅を追ふ 梧桐に影といふもの濃かりけり 樹海めく梧桐たちに迷ひたる 梧桐を仰ぐ超高層仰ぐ 梧桐の葉とは天狗の団扇かな
梧桐やブランコは立ち漕ぎ続け 梧桐の翳に不良の煙草吸ふ 梧桐に青春である疵を彫り 梧桐の伐られ虚空の天となる 山笠の波動花鳥子より届く 山笠の句の勇壮な波動来る 山笠に恋といふものありにけり 博多つ子純情の夏なりしかな 山笠の日と生誕の日と隣る 純情の山笠に夢馳せてをり
山笠に天神颪とは来たり 金亀虫裏返りたる真夜の褥 黄金虫夜を引き摺りて灯へ入りぬ 灯に入手夜の帝国の黄金虫 羽蟻の夜玻璃にべたりと都市の闇 羽蟻翔ちお日様に溶けなくなりぬ 子を捨てし母は戻らぬ羽蟻の夜 羽蟻の夜金輪際の父は帰らぬ 羽蟻の夜弔問はなほつづきをり 茅舎忌の卍となりて日章旗
露の世へ消ゆる人あり茅舎の忌 茅舎忌の夜が流れてしまひたる 隻眼が見えなくなりぬ茅舎の忌 龍子の絵どこか稚拙な茅舎の忌 茅舎忌の流れ流れて星ゐない 吾妹子の胸やはらかき虎が雨 吾妹子の海へ尿する虎が雨 煙草屋もとうに死に絶え虎が雨 土用波恋愛はもう星屑に 岬越え来る土用波白々と
土用波いよよ怒濤となり崩れ 子が一人攫はれてゆく土用濤 土用濤灯台を越え来たりけり 元総理死にて土用の波濤へと 波怒濤土用の夜の人攫ひ 伝説の出水川とはこの小川 子を攫ひ妹を攫ひて出水川 出水川と記憶流れて悪夢とも 出水川恋の破綻も流しゆく 虚子塔に人来ぬ日なる最澄忌
最澄忌千日回峰終るころ 叡山は星の降る夜の最澄忌 叡山をさ迷ふ夜の最澄忌 最澄の忌の極楽の湯舟かな 最澄忌灯す頃の先斗町 祇園にて猊下と酌みし最澄忌 萍の隠沼として河童棲む 萍を髪に見立てて河童立つ 萍の茂り月光留めたる 妖精が腰掛けてゐる蛭蓆
丑三つの月光にある蛭蓆 優曇華へ星やさしくて月やさし 優曇華のいのち揺らぎて月を待つ 儚きは優曇華の茎なりしかな 優曇華にいのちあかりの灯せり 優曇華に神降臨すひとつづつ 母死して優曇華の情なしとせず 優曇華へ言葉少なき真夜の人 ケルン積む星降る夜となりしかな ケルン積む大岩壁と対峙して
ケルン積むひとつひとつに女の名 行李から恐らく祖父の登山帽 恋をして山登りして死に逝けり ロッククライミングの刹那あの夏を しづかなる人しづかな死夜の秋 夜の秋幽霊ももう寝静まり 恋をして失恋をして夜の秋 瞳の奥の闇へと星の流れゆく 星の降る中に月降る夜の秋 蟻ひとつ彷徨うてゐる夜の秋
死顔の威厳なるかな夜の秋 曾祖父も祖父も今宵は夜の秋 星ひとつ艶然とある夜の秋 夜の秋網膜剥離みたいな灯 羅を着て恋などに惑はされず 浴衣着て金魚の柄を泳がせて 羅を着て老いらくの恋をせむ 羅に序破急といふ恋のあり 妙齢は達磨柄なる浴衣着て 浴衣着て恋に窶れてしまひけり
祖父と祖母らし残像の藍浴衣 羅の包んでをりぬ裸体かな 羅の包み適はぬ恋をして 浴衣着て恋の乳房となりしかな 浴衣着て恋人と逢ふ浜の路地 羅を着て蝮酒召し上がる 浴衣の子星とおしやべりしてをりぬ 後ろ手に団扇はさんで恋浴衣 白兎波間に跳ねて卯波くる 人死して星の卯波となりしかな
卯波寄す森田愛子の臥所へと 九頭竜の卯波漣ほどのもの 夏の波真砂女の卯波とぞなりぬ 月光が卯波流してをりにけり 滴りの金銀の粒金剛に 滴りに輪廻転生ありにけり 滴りて岩壁となる日本海 東京スカイツリーの天辺滴りて 滴りて浅草線の三ノ輪駅 ゆつくりとしづかに歩む蛇ひとつ
蛇の夢見てその蛇を見てをらず 蛇酒といふ極楽の中に死す 滴りの岩壁を行く数学教師 滴りの後ろ姿の女体山 蛇女邪心となりて星流れ 蛇ふたつ絡んでをりぬ月光に 蛇絡みつつ愛欲の中にあり 権現の無数の蛇の降る社 炎帝の統べるままなる総理の死 炎帝へ斬首の鴉羽ばたけり
炎帝いま月の裏側焼きにけり 炎帝といふ今生の大宇宙 勲一等正一位なる墓灼けて 勲一等の軍馬の墓は緑蔭に 暗夜行路書きし墓とて茂り中 暑き固き墓石の如き絵画館 イザベラの墓に彫られし薔薇香る 銀杏並木の緑蔭もとんがりて 茂りてはいつも探せぬ乃木の墓 坊城は俊ばかり付く墓涼し
殉教の墓へマリアの南風吹く 寝棺そのものを横たへ夏の墓 緑なる線対称の銀杏かな 八月の面対称の絵画館 サンドレスとは青山のあつぱつぱ 青山の墓みな灼けて無言なる 夏日燦超高層といふ墓標 無機質の超高層を旱とも ソファーめく茂吉の墓へ夏蝶来 茂吉いま夏蝶となり利通へ
墓に挿す供華も明日より秋薔薇 秋の蝶クルスの墓を懇ろに 夏果てて石より重き絵画館 緑蔭のハチ公の墓何処なり ハチ公の供華はおそらく水羊羹 異国なる地下に眠りて薔薇の墓 夏の蝶マリアの指に触れてより 喪主だけが半袖で乗る霊柩車 蟬の音は聞かず真昼の野辺送り 蟬死して蝙蝠ばかり飛んでをり
蝙蝠は帰る逆さになるために 蝙蝠の裏切る音を聴いてゐる 蝙蝠も消え失せグリム童話の夜 めまとひはめまとひとして囁けり めまとひは無責任なる大家族 婆の眼の脂にめまとひ親しめり めまとひを払ふ多情の口を閉ぢ めまとひの中を葬列続くなり 朱烏夏の夜の夢覚めし頃 茅舎忌の月光ことに夢を食ふ
茅舎忌の���の音といふ哀しけれ 茅舎忌のシュミーズは幽霊の自慰 そこはかとなく隠微なる茅舎の忌 キリストと生きる男へ茅舎の忌 茅舎忌に金子みすずを読んでをり 白鼻心白夜の夢を見てをりぬ おぼこ今白夜の夢を見てをりぬ 白夜とは神の数だけありにけり 熊に似る男涙の炉辺話 雪女帰らず解けてしまひたき
金輪際なき眼光の鯖を食ふ 鯖を食ふ恋愛をした夢を見て 銀色に無限のありし鯖を��ふ 恩讐の臭みの鯖を食ふ女 鹿島灘あたり怒濤や鯖を食ふ 鯖を食ふ女臀部を揺らしつつ 鯖を食ふ潮の香りを煮てをりぬ 黒潮を炊いて鯖煮となりしかな 鯖食ひ男鯖食ひ女淫靡なる 鯖食うて惜別の情無しとせず
我が生の金輪際の虹に逢ふ 虹死して首都凡庸の空となる 奈落より虚子の墓へと虹の橋 蚊柱となりて青山墓地を舞ふ 吾妹子の子宮男の子を生みにけり 我が家より大いなる虹架かりけり 苔の花とは妖精の小さき眼 苔の花喋るぺちやくちやぺちやくちやと 苔の花海に流れてしまひさう 我が生も淋しからずや苔の花
大漁の夜の纜に苔の花 苔の花阿呆の黄色楽しくて 苔の花金輪際の生にあり 苔の花哀しくなれば咲いてをり 苔の花苔を大地として咲けり 苔の花の夜は近づく大宇宙 未熟児に産まれる人へ苔の花 そよぐことなき苔の花小さすぎ 流星と同じ色して苔の花 苔の花咲きて天動説となる
苔の花影といふものありにけり 囁きの夜に閉ぢたる苔の花 河童忌を星の吹雪と思ふなり 河童忌の蛇口ひねれば湧いてをり 河童忌に砂糖を舐める女あり 河童忌のしんがりの児は引き込まれ 河童忌にベートーベンを聴いてをり 河童忌を皇后陛下畏くも 河童忌の童は杓子定規かな 怒濤とし童押し寄せ河童の忌
滴りて山又山を濡らしをり 絵画館の壁の隙より滴れり 夏の水汲み元勲の墓��へと 滴りに栄枯盛衰ありにけり 滴りて富嶽をすこし潤せり 滴りに奈落といふは先のこと 滴りてゆつくり濡れてをりにけり 滴りて巌の命を疑はず 幻か滴る先に河童の子 滴りて四国三郎ありしかな
蟻ひとり穴ひとつあり佇みぬ 増上寺国葬にあり蟻ひとつ 群衆の蟻群衆の蟻に逢ふ 山蟻の威厳の黒に死してをり 黒蟻と赤蟻言葉交さざる 蟻ひとつ地下迷宮を出で来たる 蟻塚に蟻の声のみ充満す 蟻塚の掘りたての土匂ふなり 蟻地獄静謐といふ美しき あとづさりして身を隠す臆病に
岳麓へ行者道めく蟻の道 蛾の破片ゆらゆら運ぶ蟻の道 ビール飲む眉間に皺を寄せながら 麦酒飲むますます法螺を吹きながら 白魚のやうな指もて麦酒注ぐ 我が世とぞ思ふ望月の麦酒かな 麦酒のむいつか焼かれし喉仏 女ひとり化粧濃くして黒麦酒 蛇苺姉の我が儘永遠に 蛇苺庭に埋めし金魚へも
侯爵の墓の片隅蛇苺 蛇苺男鰥の庭の恋 山笠の西の便りを句に乗せて 博多つ子純情いまも山笠に 山笠の男だらけの怒濤なる 傀儡の関節錆びて夏の雨 白雨きて蛍光灯の切れかかり 関節はぎしぎし老ゆる夏の雨 飴玉が降る音のして夏の雨 連続の数珠の音して夏の雨
夏の雨身の内の獅子唸るなり 旋律はボブマーリーに似て夏の雨 戦後すぐ膣より産まれ夏の雨 白雨きてボサノバの雨合体す 白雨きてコーラの壜の女体めく おそらくは黄泉の国とて夏出水 夏出水遺品の遺書の何処へと 高貴なる神に押し寄せ夏出水 最果ての鵺の夜へも夏出水 土用波七里ヶ浜で祖父に抱かれ
土用波みたいな嬶の乳房かな 柏翠の療養所へと土用波 土用波森田愛子の身の内へ 土用波虚子と愛子の物語 髪洗ふ乳房の先を湿らせて 髪洗ふ妬み嫉妬を流すとか 女百態懇ろに髪洗ふ 髪洗ふ幼き頃の金盥 あんな女に嫉妬して髪洗ふ 犬洗ふ即ち犬の髪洗ふ
昼寝して夢の合戦破れたり 元首相撃たれし頃の大昼寝 夜よりも昼寝彼の世に近かりし 貪るは蛸か女体か昼寝覚 昼寝して夜には死んでをられたる 昼寝覚女百態消失す 昼寝覚地獄の釜を押し上げて 昼寝覚一年損をした気分 昼寝して虚子と話をして戻る 昼寝覚范文雀と別れ来て
蝙蝠の彼の世此の世と飛翔せり 蚊食鳥煙のやうなる蚊を追へり 蚊食鳥夕焼け小焼けの唄に乗り かはほりの逆さに夢を見る昼間 かはほりに迷子探してもらふ夕 蚊食鳥夜の女は出勤す かはほりは街の電波と交錯す 蚊食鳥幼稚園児はもう家へ 友人の納骨を終へ蚊食鳥 学習院初等科の上蚊食鳥
あぢさゐの萎れし夕べ蚊食鳥 かはほりと月と金星置きどころ 青林檎みたいな乳房持つ少女 青林檎囓る気もなく接吻す 青林檎真夏の夜の夢の中 昭和とはヌード写真と青林檎 麗人の口怖ろしく青林檎 漆黒の夜は青ざめて青林檎 青林檎堅しと思ふ瑪瑙より パテイーデュークショーを観ながら青林檎
青林檎がさつな漢の手に堕ちる 夏の夜の夢とはならず老いゆけり 夏の夜の罪ある墓標御影石 唇は濡れて真夏の夜の夢 夏の夜のネオンサインはジジと切れ 漆黒の真夏の夜の夢となり 入れ墨の夏の女を持て余し 金魚玉夜に入る頃の小宇宙 絢爛の金魚は恋をしてをりぬ 絶縁の夜に浮きたる金魚玉
和服着て振り袖を振る金魚かな 勲一等正二位の飼ふ金魚かな 飛魚の飛んで越え行く隠岐の島 隠れキリシタン飛魚となり戻りけり 飛魚の流刑の島を飛び越えて 炎帝に見つからぬやう昼に寝る 日輪が炎帝をまた拐かす 炎帝に翳といふものありにけり 白日夢とは炎帝が司る 炎帝が紛れ込んだり夢の中
盆栽といふ炎帝の置き土産 炎帝も銀河の裾の一部分 我が霊も炎帝となり銀河へと 観音の笑みて溽暑を遠ざけて 観音の炎暑の唇を赤しとも 陽炎へる陽子の墓や禁色に 墓の苔とて万緑の一部分 観音の胸乳あたりへ夏の蝶 五輪塔とは緑蔭のただの石 乾きたる稲毛氏の墓とて旱
一山の万緑なだれ年尾句碑 薔薇咲かせ流行り遅れの服を売る 昔から麦酒が好き��人の墓 蛍光灯切れかかりゆく夏の果 夏行くや皆んな貧しき灯して 人を待つ心にも似て夜の秋 涼しさの雨の粒とは淋しくて 街の灯の蒼く点りて夏の夜 灯して何読むでなき夜の秋 夜の秋義兄は生れ替りしや
涼しさの夜の灯の鈍色に 堕胎の子いつも走りて汗哀し 夏逝くや雨の音符の翳色に 夜の秋眼の衰への文字歪む 夜の秋炎集めて住む川原 夜の秋己れ空しく酒を飲む 涼しさの夜雨の音の蓄積す 涼しさは恨みに似たり灯を消せば 幽霊坂うすむらさきの夜の秋 幼稚園死んだ子が居る夜の秋
夜の秋やがて孤独の誕生日 蛍光灯切れかかりゆく死者の秋 老いてなほ秋めく恋の行方かな 新涼の飴の色とは濃紫 秋めきて失恋をする七回目 新涼の鏡に映す吾の死顔 頭痛して秋めく我の髑髏 新涼の驚き顔となりし天 新涼の犬に哀しき堕胎過去 八月の女ものものしく太り
0 notes
Text
憑屋よもやま話第四回『南雲一行』
というわけでよもやま話も第四回。南雲一行、具体的にはシノノメ、ミカヅキ他アヤカシ組、藍銅のお話です。
ネタバレにつき続きからどうぞ
猿鳶東雲について
当初は私が忍者という概念が好きだから忍者を出そう!という超適当なノリで生まれたヤツでした。それも軽薄な忍者が好き。いや堅物な忍者も好きですが、まあそこはそれ。そんな超短絡的な動機で、話に絡ませやすいように主人公とはマブダチってことにしておこう!と「自称」南雲仁の親友として登場と相成りました。この時点ではさほど彼の過去については詳しく考えていません。
その後話を詰めていく過程で、僧侶と忍者が友達ってどういう繋がり?っていうところから本編のあの流れで友だちになった、っていうところまで漕ぎ着けました。
南雲と出会った当初のシノノメは食うに困った親に売られ、生ける武器『鋼刃衆(※1)』の武器のうちの"一本"として活動していました。人権ゼロの鉄砲玉。そんな彼に与えられた任務の一つが、神楽宮暗殺の任務でした。政治的な実権こそ握らないものの、神楽宮は日ノ国でも強大な法力を持つ人物なんで命を狙う人間なんてゴマンといたわけです。そんな人らの鉄砲玉としてその時向かわされたのが名無しの少年。のちの猿鳶東雲だったわけです。
で、そこで出会った仁少年に「死んでもいいとかいうな」と叱責され、これまでの人生で躾けられたことはあれど叱られたことのないシノノメ少年はカルチャーショックを受けるわけです。しかもそのあと命を狙った相手には許されて逃され、ある意味で途方に暮れたわけです。失敗したから戻ったら死ぬしそれでいいと思っていたけど、命を粗末にするなと怒られ、その言葉が頭にこびりついて離れず、なぜだか戻ることが出来なかった。そこで彼の人生が変わりました。ちなみに仁少年が彼に怒ったのは、南雲に関するよもやま話でも書きましたが殆ど八つ当たりに近い動機なのですがまあシノノメ少年は知る由もありません。ある意味相手のことを思っての言葉よりも八つ当たりだからこそよかったのかも。
その後仁、キクリに再会し、名前を与えられ、彼らと普通の子供のように遊んで、そこで初めて彼は人間性を獲得しました。嬉しい、楽しいという感情をぼんやりながらも得て、そこからようやく猿鳶東雲という人間の人生が始まったわけです。
それからは紆余曲折あり忍の師朧月の銀狐(※本編SS・忍の心得に登場)に拾われて忍者としての道を歩み出します。現在のシノノメがおちゃらけたムードメーカーになっているのは師の影響が強いです。特に女好きになったあたりは。ただ、彼が身をおくこととなったコーガの里に来た当初は少年漫画のライバルキャラのようなクールボーイでした。何があったの?ちなみに現在のコーガの若き当主とはほぼ同期でマブの戦友だったりします。
ともあれ、修行時代に人格形成が行われ今に至ります。現在の性格になったのは関わった人の影響もありますが、仕事上関わった人間から人間性をトレースして『どのような振る舞いをすると効率よく相手を油断させることが出来、かつ周囲に溶け込めるか』を研究した結果でもあると思われます。とはいえ、打算で作り上げた人格も時間が経てば立派に彼の『性格』足り得るものになっている筈。
忍者になれたことは彼の人生としてはかなり大きな意義となりましたが、仕事柄汚れ仕事は多く、そのことで南雲やキクリに大して引け目が出来てしまっているところがあります。そのあたりがSS・ヒトゴロシの夜などで言及されている話。南雲やキクリ、出会った後はヨマなど、生まれ育ちの悲惨さもあり周囲の人々に対して無意識的に『自分よりも綺麗なもの』として認識しがちなところがあります。自分一人で汚れ役を買って出ようと考えるところがあるのはそのあたりが原因。そして軽蔑はされてもいいけれど相手に気負わせるのは嫌だ、というところにそういった部分を隠す理由があります。結果自分を軽視しがちなのも生まれに由来がありますが、ただこのあたりについては幼少期に南雲に叱られたこともあり何も考えなしに自分を犠牲にしようということはありません。手を汚すのは厭わないけれど、死ぬのは御免。何故なら仁ちゃんが怒るから。そんな感じ。
ちなみにシノノメが決め台詞として言っている、「音無し、香無し、名無し、その功天地造化の如し」の元ネタは「音も無く、匂いも無く、智名も無く、勇名も無し。その功、天地造化の如し」という言葉。万川集海という忍術書に書かれている言葉です。音も匂いもなく功績が残っても誰も知らない、名前も残らない。天がそうしたように思わせる…という意味だそうで。シノノメがこれを決め台詞にしてるのは師に教えられたのと、あと口に出すとカッチョイイからだけであって別にこれを言っている時はこれの意味するところを意識はしていないです。ただ、生き方はそれに沿うようにしてはいるそうですが。
デザイン関係の話をします。実は殆ど一発デザイン。ほぼ決定稿となったのがこちらです。
この頃はわりと全体的に頭身低めでデザインしていました。変更点は指ぬきグローブじゃなくなったところくらいかな?余談ですが巾着袋に入っているのは兵糧で、クナイや手裏剣などは服の内側に隠していたり忍術で召喚したりしています。
あと、髪~顔の作りに関しては猿鳶の『猿』を念頭に置いて猿っぽくしています。もみあげが内側に来ているところと、眉毛が末広がり���ところ。猿っぽくない?そうでもない…?垂れ目は趣味です。なんとなく、女ったらしは垂れ目にしろと遺伝子がそう囁く気がしています。
ちなみに初期配色案はこちら。
今よりちょっと胡散臭い気がします。ただ、南雲、ヨマともに紫要素の多い配色だったのでコイツまで紫にしたら色が偏るな…と考えてボツにした。…ような気がします。
あとこちらが幼年期のラ���。おまけに南雲氏も。立ち絵とはほとんど変わっていません。
※1)鋼刃衆…『人鍛冶師』という人を武器として作り変える刀工集団により『打たれた』人間武器の集団。心を殺し、刀として、或いは暗器として日夜誰かの命を奪うために生きるモノたち。起こりは憑屋より100年ちょっと前、日ノ国における戦国時代から。それなりに平和になって暫く経つ今でもその行いと技術は連綿と続いています。今なお日ノ国の各地で暗躍し、そして鉄砲玉の如く彼らは死んでいっています。何度か仕事をこなし、実績がついてそれなりに高価な『武器』になると武器としての銘が与えられます。それまでは名無し。シノノメはまだ銘が与えられる前の状態で南雲たちに出会ったわけです。
ミカヅキたちの話
超初期の南雲withアヤカシズ。つららがニーハイ履いてるとかビミョ~な変化がありますが基本コレから変わっていません。
まずミカヅキについてですが、アヤカシをお供に旅をするという話なわけでわかりやすく、こう、ピカチ●ウみたいなマスコットがほしいというところから生まれました。で、どんな妖怪を引き合いに出すかとなった時に、猫又あたりが一番ポピュラーでわかりやすいだろうと思ったのですが、猫又って属性、何…?となり単純な猫又にするのは没。その後少し妖怪について調べて、火車という存在に行き着きました。猫!火属性!実にわかりやすいじゃあありませんか。まあ実際の伝承の火車は死体を奪い去るというわりとおどろおどろしい存在ではありますが、ミカヅキはまだ仔猫なのでそのへんはご容赦を。南雲につかず、火車として大成していたらそういう方向に行っていたかもしれません。
実はミカヅキはこの最初の4体の中では一番南雲とは付き合いが浅いアヤカシです。それでも常に一緒にいるのはなんだかんだで一番馬が合うから。と、霊装時の相性がいいから。子供なので裏表がないところが南雲的に気に入ったのでしょう。ミカヅキの方も、南雲のツンデレ気質を理解しているのでなんとなく放っておけなくてついてきています。懐いているとも言う。
出会いはミカヅキの住処だったところを荒し回っていた大アヤカシを南雲が退治して云々、という感じ。
お次につらら。彼女はわかりやすくお色気要員と、わかりやすい妖怪要素を担っています。というか、初期4体��全体的にわかりやすさを優先して選定をしてはいますが。
彼が他に誰を想っていても南雲仁を愛している、愛に生きる乙女。とはいえ、別に南雲仁とは添い遂げられなくてもいいと思っています。誰かを想っている状態が楽しいから南雲に恋をしている感じ。両思いになると溶けてしまうさだめを持っているので一方的に片思いさせてくれる南雲だからこそ真っ直ぐ愛することが出来るというか。
SS・みんなの南雲でも描かれたことですが、つららはどうにも優しくて甘い女なので愛する人の哀しみを勝手に分かち合いがちな女性です。愛し合って自分が消えてしまったら、自分は満足だけれど相手はその喪失の哀しみを負わなければいけない、それはイヤ、だったら私を愛さないような人を愛そう、みたいな。勿論、南雲の心根の優しさもしっかりと理解してそこもきちんと、というかそこをメインに愛しています。
南雲との出会いは、昔惚れた男に騙されて見世物小屋に売り飛ばされ、見世物にされていたところを助けてもらったとかです。
ショウキチ。泥田坊という妖怪が元ネタです。微妙にマイナーなんだろうか。どうなんだろう。とにかく土属性のアヤカシをねらなきゃいけないから、わかりやすそうな妖怪を…と選んだのが泥田坊でした。デザイン的には記述にある特徴をマイルドに、デフォルメして描いただけで特に捻りはないです。
イズモの守護していた村の村民で、死後アヤカシとなってからは生前の恩義もあってイズモと交流を持っていました。南雲との関係もそこからで、4体の中では一番南雲と付き合いが長いアヤカシです。イズモ亡き後、南雲がスサノオへ行くまでは彼が面倒を見ていました。南雲からすればもうひとりのおじいちゃんみたいな感じです。親戚の喧しいおじいちゃん、の方が近いか。南雲がスサノオから旅立ち、憑屋として活動をはじめた折に再会。レギュラーメンバーとして南雲の助けとなるべく彼と契約をします。
コクリコ。みんな大好きヤタガラス。でも足は三本ない。とはいえ、この人鳥姿は省エネモードで鳥モードはちゃんと足が三本あったりするのではないでしょうか。今考えました。
鳥キャラは、まあ趣味ですね。趣味です。案外つららとはいいカップルというかコンビのような気がします。お七イベントのあたりとか。元はイズモの住んでいた山の住人で、イズモや南雲とは普通に近所付き合いのような間柄。イズモが生きていた頃はショウキチほど密な関わりはなく、イズモの死後に一人になった南雲の様子をチラチラ覗いてこっそり守っていたような感じです。同じ山に住むよしみというか、まあコクリコさんはいい鳥なので。南雲と契約したのはショウキチと同じルート。ちなみに第二幕で仲間にできる天狗のミカゲさんとは犬猿の仲という裏設定がありますが、そもそもヤタガラスと天狗の種族仲自体があまり良くなかったりします。鳥種問題。
ところで普段くっついてるミカヅキはともかく、他の3体や河童の平太とかは時々出てくるけど普段どうしてるの?という話ですが。作中で霊装図鑑として閲覧できる『霊帖』がまんま契約書とワープの座標指定を兼ねています。仲間になったアヤカシを霊帖に登録し、霊帖を通じて仲間にしているアヤカシに呼びかけると霊帖を標として遠く離れた場所にいるアヤカシが南雲の元へ来るためのワープポイント、『霊門』が発生します。それを通じて戦闘時などに彼らを呼び出して霊装しているわけです。これがあるから付け外しに1ターンずつかかるんだ!まあそれはこじつけですが。なので、普段は皆思い思いの場所でテキトーに気楽に生きてます。
ところで作中では合計26体のアヤカシを仲間にできるわけですが、何故今までも憑屋として活動していたのに初期アヤカシは4体なのか?という疑問があるかと思います。それは実は殆どのアヤカシに大して南雲が契約期間を設定しているからです。今回で言えば神楽宮からのお使いを終えるまで、というような感じで。というのも、人でないものとの契約を十も二十も記しまくった霊帖なるものを遺して死ぬなんてことがあったら悪用されないからです。あとは契約維持に多少なりとも霊力のコストがかかるから。恒常的に裂けるコストは基本10体までが限界です。なので、ほとんどのアヤカシは期間限定。考えてみれば最終幕なんて神霊レベルの存在を仲間にしまくっているわけですからコストは相当やばいことになっているはずです。そのコストを顧みず、自分の体を代償にしてまで契約しまくって逆に喰ってしまっているのがアザミですが。その結果がアレですよ、アレ。
藍銅について
和物と言えば落ち武者だろ!
彼の存在についてはこの短絡的な一言につきます。何故侍ではなく落ち武者だったのか、過去の自分に聞いてみたいところですね。そんな動機から誕生したのが作中屈指のピュアキャラ、藍銅くんでした。どうしてもござる口調の侍が出したかったというのも誕生の動機の一つです。
藍銅について言えば、これを話さず何を話すかというのが孔雀との因縁です。実は当初はここまで濃い関係性にする予定はなく、そもそも藍銅もシナリオでちょろっと出てきて霊装入りするだけのキャラの予定でした。が、ちょっとアブない人斬りキャラを出したい、というところから孔雀が生まれ、折角だから昔ライバルだったみたいな設定にしておこうと決めたが最後…でした。よもやこんなにアレな関係になるとは…。
孔雀を狂わせてしまったのは藍銅だけれど、彼には全くそんなつもりがあるはずもなく、また孔雀もそれを理解してもらおうとは思っていなかったので結局最後の最後まで和解することなく二度の別離となりました。おそらくこの二人は出会わないのが最善だっただろう、とは思��ますが、それを本人たちがそう思っているかは全く否。藍銅は切磋琢磨できるよき友人に恵まれた、と思っていますし、孔雀も自分に生きる指標を与えてくれたという点で、出会わない方がよかったなんて微塵も思っていません。孔雀のこのへんの思いに関しては次回あたりの彼のよもやま話で。
ともかく、他人から見たらどうであろうが彼らにとって最後は殺し合う仲になったとしてもそれまでの過程で得た優しい時間は得難いものだったのです。だからこそ、藍銅は二度目の決闘の終わりの時も孔雀の想いを理解したいと思っていましたが、まあ、無理でした、と。それでも今度は地獄で、と冗談のような口約束を遺された孔雀の刀に向かって出来るようになったあたり、理解は出来なくても死んだ後くらいは彼の望みに沿ってやろうと妥協は出来るようになったのではないでしょうか。
何が悪かったかと言えば、藍銅も孔雀も悪いことはなかった。いや孔雀はやったことは悪いですが、まあ双方個人自体には問題はなかったのです。ただ出会ってしまって、孔雀の方が心の釦を掛け違えて闇を深めて、一方藍銅は幼少期から全く変わらずに何一つ歪まずあまりにも真っ直ぐ正しく育ってしまって、そのコントラストが惨劇悲劇の引き金となったというか。このあたりのこと、具台的には孔雀の心の内に何があったのかはいずれ公開されるであろうスピンオフ『憑屋異譚蒼龍戦史』で詳しく物語として綴りたいと思います。彼だって藍銅と出会ってすぐに狂っちゃったわけじゃないんです、最初は普通に憧れてたんです本当だよ…。
ところで良心の塊のような藍銅という青���ですが、生き死にに関しては元々戦国時代の戦人であるためシビアです。とはいえ何もものを思わないというわけではなく、SS・ヒトゴロシの夜に語られた通り、守るために殺すことに関しては自分なりの信念と考えを持っています。人を殺した場数で言えばシノノメより多く、さらに正面切って正々堂々叩き切っているので、ある意味ではシノノメの大先輩というか。だからこそ、あのSSでシノノメを諭す役割に回っていたわけです。
ちなみに基本幽霊なので霊体ですが、満月に近い月の夜や南雲のような霊力が高い人物が近くにいる、黄泉比良坂洞のような霊力が満ちまくってる場所にいる、そもそも禍ツ夜が来ていて土地自体の霊力が高まっている、などなど条件がある程度揃っていれば数分~数十分ほどは実体化出来ます。実体化と言っても生者に対してだと藍銅が一方的に触れられるだけで、早い話がポルターガイストや心霊現象みたいな状態になります。肩が重い、みたいな。生者からは触れられません。一方相手が霊体やアヤカシのような霊力で体の殆どが構成されている存在、孔雀のようにめちゃ強い霊力で常に実体化しているような相手だと普通に干渉ができます。最終幕の孔雀戦ラストで彼を斬り伏せられたのもそのため。
二刀流についてですが、彼は礼儀正しい人間ですが蓋を開けば非常に脳筋なので、一本より二本の方が強いだろう!という単純な考えで二刀流で戦っています。とはいえ、本来二刀流は隙が出来やすいはずなのでそれで大成してしまったあたり、天賦の才能があったというか。一応刀一本でも戦えはしますが、本人としてはバランスが悪い気がするので二本の方が戦いやすいようです。
デザインの話です。
初期デザインがこちら。基本は今とほとんど変わりませんが、現デザインの方が全体的にスッとしています。動きやすそうといいますか。刀も手ぶらになりましたね。現在は戦闘時にヒュンッと出て来るという設定になっています。この頃は名前が未定で、端っこに「落ち武者」と書かれているのがシュールというかなんというか。
初期案全身図。袴がビラビラしていたり鉢巻があったり要所要所相違点が見受けられますが基本はさほど変わっていません。コテコテの侍を意識してデザインしています。THE・侍って感じの。右目の三本傷は孔雀につけられたものという設定ですが、最初期は「傷があったほうが落ち武者っぽい」というだけの理由で描かれており、孔雀につけられたというのは後付の設定です。
享年は25歳ですが、顔は美青年というよりは青年と少年の中間あたりで描いています。童顔というか、なんというか。私がこの手の顔を描くのが好きだというのもあります。ちなみに美しさイケメンぶりのベクトルは違いますが、アザミと並んで作中でトップクラスの美形の設定です。立ち振舞であまりそう見えないというのがミソで、黙って遠くを見据えていると非常に美形で絵になる、という想定です。アザミがマイナス方面の、人を拐かす美貌なら藍銅はプラス方面の、単純に人を惚れさせる類の美形という感じです。えーあの俳優さんカッコイー!みたいな。
以上、今回のよもやま話はなかなか長くなりました。次回はアザミ一行、というかあの問題児二人組に関して何か書こうかなという感じです。
よろしければ次回もお付き合いくださいませ。ではまた。
0 notes