#変態は自転車乗りにとって褒め言葉
Explore tagged Tumblr posts
Text
【Vlog】バスロマンを唐揚げにすることでしか得られない栄養、ビタミンB2【案件動画】
ご入学おめでとうございます。「ジェルボールを捻り潰す会」で名誉顧問を務めています、たぴおか太郎です。皆さんも洗剤に勝利しましょう。
36期の皆さんのほとんどは、この稽古日誌で初めてたぴおか太郎に遭遇していると思います。「名前しか聞いたことない」「子供の頃から憧れていた」「ゴンチャに帰ってほしい」等の声が聞こえてきますが、まずは恒例の自己紹介を行います。耳の中を「アタック抗菌EX」で洗浄し、森林浴を嗜みながら、謹んで拝聴してください。
〈広告〉「え!?私のような新参者でも!?🫢」2日間で脅威の-17kg!!今話題の「鉄火巻きを褒めて伸ばすだけ」のダイエット方法とは?きゅうり巻きでやると逆効果ってホント?→記事のリンクはこちら
はじめまして、私の名前はたぴおか太郎です。漢字で書くと「��飛織神太郎」です。これは入団当時から宣言しているのでそろそろ特許を出願しようと思います。全長は「ヤマザキ春のパン祭りで集めたシールを並べて貼った時の長さ」と言われています。しかし、「身長測る機械の、測る部分が自動で降りてくるタイプのやつ」の存在を大変憎んでいるため、正確な全長ではないとする学説もあります。性格は非常に温厚ですが、コンビニ弁当に入っているふにゃふにゃのレタスに遭遇すると命の危機を感じ、体毛を瞬時にエメラルドグリーン色に変化させます。これは「自分の方がみずみずしい、恥ずかしくないんか」と威嚇している説が濃厚です。キャッサバから進化した生物の中では珍しく自転車に乗ることができません。本人は「三輪車を2倍の速度で漕げれば問題ない」と考えているため、各界から称賛の声が相次いでいます。
いかがでしたでしょうか。たぴおか太郎の生態について深く知ることができたと思います。皆様もエメラルドグリーンのたぴおか太郎をみかけた際は、そっとレタスをシャキシャキに戻してあげてください。
⭐️おれたちはいつだって包丁を洗う時に切れちゃったスポンジのことを想ってる稽古日誌⭐️
・発声
・樽枝
・感情解放
・脚本別練習
もう稽古日誌なんて漢字4文字の固い名前で投稿するのやめちまおうぜ!!こんなことやめてさ!!もう一回みんなで好きな寿司ネタ書こう!!!!!
(前回好評だったためリバイバルします。自由に編集してサーモンの下に書き足してください。)
・サーモン‼️🐟
・タコ‼️🦑 ←イカじゃん
・イカ‼️🦐
・えんがわ‼️🍈
・ツナサラダ‼️🐳
・シャリ!! 🍚
ここで皆さんに一つTOTTEMO・OMOSHIROI・KUIZUを出したいと思います。ちいかわの副題って大体こういう感じの英語ですよね。
さて、私が稽古日誌を書くの、いつぶりだと思いますか?前回公演で書いて3ヶ月ぶりかな?もしかして新歓書き忘れちゃったかな??じゃあ秋公演の7ヶ月ぶりくらいかな!!答えは〜〜〜〜!!
〈広告〉鉄火巻きダイエットはもう古い!?🤯これからは「食パンの耳を太陽に掲げるだけ。」ご家庭のトーストでは得られない効果を徹底解説! 7枚切りの食パンの耳をいますぐ手に入れて!→記事のリンクはこちら
答えは1年ぶりです。嘘ではありません。最後に更新したのはおそらく「【ASMR】そういう時はとりあえずファブリーズ眺めといたらええねん.png」という1年前のやつです。ファブリーズを眺める前に稽古内容くらい投稿してほしいですね。
さて、皆様も疑問に思われたことでしょう。稽古日誌に物理的に彩りを添える流派を生み出したことから『鮮度ボトル界隈の革新人(かくしんちゅ)』とも称されるたぴおか太郎はなぜ、日誌を一年も投稿しなかったのでしょうか。今回 ZEROは特別に、地上波初・本人への独占インタビューを行い、その真相に迫りました。
お忙しい中貴重なお時間をいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
郎「はい、よろしくお願いします。」
単刀直入に伺いますが、なぜ一年も書けずにいたのですか?
郎「………ドラッグストア��.」
….ドラッグストア?
郎「私の稽古日誌には、ドラッグストアで売ってるものが頻出します….クイックルワイパー、スクラビングバブル、ファブリーズ、バスロマン、アタック抗菌EX….」
確かに…
郎「もうドラストから自立しなければならないという思いと、でもスクラビングバブルがこの世で一番おもしろいという思いが交錯し…..めちゃめちゃイップスになりました….もうこの世には『パンパース』ぐらいしか面白い言葉がないんだ….!!!助けてくれ….!!!!」
『……待ちなさい……..』
はっ…あなたは…….!??
神々しいクアッカワラビー!!?!??
(ここでライカをつける、壮大なBGを流す)
『……ポ………』
….ポ?
『…….マミーポコパンツ……..』
マミーポコパンツ!?!!?!!!!?!
郎「….すごい!!!めちゃめちゃ面白いぞ!!!!!」
……..あっ!!!!!!!
消えてる!!!!!!!
サァッ……..
(クアッカワラビー完全にハケ、ライカを消す)
郎「……ありがとう!!!俺、これからも頑張るよ!!!この世にあるオムツはパンパースだけじゃないんだ!!!マミーポコパンツも、メリーズパンツも、履かせるおむつムーニーマンも!!!みんなみんな抱きしめて生きていくんだ!!!!そうだろクアッカワラビー!!!!」
….きっと、クアッカワラビーも笑ってますね
郎「…そうだな!」
「よ〜〜し!!!稽古日誌書くぞ〜〜〜!!!!」
ちょっと〜書きすぎないでくださいね〜!
郎「わかってるって!ははは!」
(記者とたぴおか太郎、わちゃわちゃしながらハケ)
【キャスパ曲:Mrs. GREEN APPLE「青と夏」】
いや〜〜〜今回も壮大な物語が生まれましたね。まさかクアッカワラビー神の夢小説が始まるとは思いませんでした。クアッカワラビー神は、こうして迷える人々に手を差し伸べ、その代わり後払いでカスピ海ヨーグルトを請求することで生計を立てているそうです。皆様も家にカスピ海ヨーグルトを常備し、常にクアッカワラビー神に提供できるよう心がけてください。そして「マミーポコパンツもドラッグストアに売ってるよね」という心の中のツッコミは、捻り潰してください。
それでは、最後の挨拶をしたいと思います‼️今回も稽古日誌大暴れ界隈の一員として、無事にTop of the World〜頂の景色〜に到達することに成功しました‼️😁✨(大歓声)これも一重に皆様の応援のおかげだと、思ってます‼️✨でも‼️俺たちはまだまだここから、高みを目指していきます。(大歓声)こんなところで満足してちゃ、世界は絶対”獲れない”し、ここで立ち止まるなんて正直、マジでありえねぇって、そう思ってます。そうだよなみんな‼️‼️😁✨✨(大歓声)ついてきてくれるよな‼️‼️✨✨(大歓声)今年中にチャンネル登録者数350人突破することを目指して、毎日投稿はもちろんなんすけど‼️歌とか‼️ラップとか‼️これからも、まじ「激あちぃ」なって、思ってもらえるような動画作りやってくんで‼️‼️😄✨みなさん絶対チャンネル登録してください‼️‼️✨クラスLINEとかにも絶対送ったら、人気者なれるんで‼️‼️😄✨✨まじ自信しかねぇっす‼️‼️‼️✨✨絶対、高評価とかも‼️よろしくお願いします‼️‼️✨まじみんなの評価とか、全部見えてるし、低評価してくる”頂を知らない”連中に、絶対負けないように‼️‼️✨✨頑張っていくんで‼️‼️‼️✨✨(大歓声)これからも俺たち最強お笑い集団「たぴおか太郎」のこと、よろしくお願いします‼️‼️‼️‼️‼️‼️😄😄😄✨✨✨✨(大歓声)
それでは、次回の稽古日誌「【東京ドーム公演】キムワイプが力を合わせたらプラズマクラスターにもギリ勝てるはずだよね!ハム太郎!【漁師飯】」でお会いしましょう!!さようなら!!!!!!!!!!
2 notes
·
View notes
Quote
なああんた、あんたはゲーム脳って信じるか?ゲーム脳なんてインチキだ、って答えるだろうなあんたは。オレも信じちゃいない。それでもゲームで人間が狂っちまうことはある。あのときオレは復讐者になっていた。警告がてら、ちょっと思い出話に付き合ってくれ。何年か前にIngressってゲームが流行っただろ。青組と緑組にわかれて陣取りゲームやる、ポケゴーの元になったゲームだ。ポケゴーのジムやポケストップをIngressではポータルって呼ぶが、占拠したポータル同士を直線で繋ぎ合わせて三角形をつくると自分の色の陣地にできて、ヘッドフォンからは「素晴らしい成果です」とお褒めの言葉が流れてくる。シンプルに見えて奥の深いゲームだったからオレはやる気になって青色の三角をつくりはじめた。Ingressは誰かがポータルを占拠したり三角を作ったりするたびに行動ログが流れるから、オレの成果はすべてのエージェント(プレイヤー)に筒抜けになっている。はじめのうちは会社帰りに大きめの青い三角やきれいな三角をつくって帰宅し、風呂からあがってビールを飲みながらパソコンの画面で自分の成果を確かめてドヤ顔していた。遊べば遊ぶほど成果が可視化されて他のエージェントにそれを誇示できるゲーム。それがオレが遊びはじめた頃のIngressだった。エージェントレベルがA8になる頃には夜遅くまで近所をうろつきまわるようになった。他の娯楽はどうでもよくなってIngressだけ遊び続けた。ビールのかわりにプロテインを飲んで寝て、早朝からIngressをやった。ヘッドフォンからは絶え間なく「素晴らしい成果です」というお褒めの言葉が流れてきた。実際、最盛期の成果はほんとうに素晴らしくて自宅から会社までの約5kmが青色の三角で数珠つなぎになっていた。パソコン画面から眺めるとオレの成果は神龍のようなかたちに見えて、たくさんの青色の三角が龍のうろこのように輝いていた。緑組のエージェントが襲ってきてポータルを占拠するたびに青色のうろこが剥がれ落ちたが、そのたびオレは現地に向かってポータルを再占拠し青色のうろこを保守した。ここまでは良かった。オレがおかしくなっていったのはここからだ。そうやって半年ほど遊ぶうちに緑組のエージェントが2~3人で襲ってくるようになった。車に乗り合わせて襲ってきたり北側と南側から同時攻撃されて包囲されることもあった(Ingressは三角の内側では三角が作れないルールなので包囲されたらほとんど行動不能になる。だから当時は日本列島を丸ごと三角で包んで日本じゅうのエージェントを行動不能にするようなスーパープレイもあった)。緑組のエージェントのなかには、ニートなのか夜勤なのか昼間のうちにオレの自宅や会社のまわりを���色の三角で包囲してしまうやつがいた。オレはだんだんイライラしてきて夜中までIngressをやるようになった。物資が足りなくなったら隣町のファーム(武器などが補給しやすい状態のポータルが集まっている場所)に出かけて補給した。それでもオレの通勤圏内は少しずつ緑組優勢に変わっていった。たまに隣町の青組メンバーが遠征に来てくれたが焼石に水だった。頭がどうにかなりそうだった。いや、その頃には頭がどうにかなっていた。青色の三角を創造するIngressが終わって緑色の三角に復讐するIngressが始まった。緑色の三角を壊すたび全身に快感が走って、強い酒を飲んでいるみたいに胃が熱くなった。緑組のカップルが街全体を包み込む巨大三角を作ろうと暗躍しているのを邪魔しきった時には笑いがこらえきれなくなって、真夜中の公園のベンチでオレは笑い転げた。警察がいたら職務質問されていたと思う。それと当時のIngressにはガーディアンポータルという仕様があった。同じポータルを守り続けていると、日数におうじて銅→銀→金→プラチナ→オニキスの「ガーポメダル」が貰える。自宅や会社のまわりは緑組のエージェントがうようよしているのでオレは20㎞離れた山間部のポータルをいくつか占拠し、ガーポメダルが手に入るのを待っていた。ところがプラチナのメダルがもらえる直前の日、山間部のオレのポータルが全部焼かれてしまった。行動ログによれば、襲撃犯のひとりは例のニート野郎でもうひとりは山間部に近い地域で活動している知らないエージェントだった。生まれてから今までであんなに怒り狂ったことはなかった。オレは復讐を誓い襲撃犯たちのガーディアンポータル探しに夢中になった。それから色々あって奴らのガーディアンポータルをついに突き止めた。ニート野郎が占拠するポータルでいちばん息が長かったのは5㎞ほど向こうの神社の鳥居だったのですぐに遠征して焼き払った。もうひとりの知らないエージェントの最長ポータルは和歌山県の山中、登山道入口から5㎞ほど登った場所にあるお地蔵様で、これを一年近く守り続けている様子だった。ある土曜の早朝、オレは復讐するために和歌山県に出発した。新幹線と特急を乗り継いで近くの駅でレンタカーを借り、登山道に着く頃には霧雨が降りはじめたが頭に血がのぼっていたのでずんずん進んだ。今思えば危険な判断だったが当時は彼奴のガーディアンポータルを焼き尽くすことしか考えられなくなっていた。目標のお地蔵様に辿りついてバースターを撃ちまくるとガーディアンポータルはあっけなく占拠できた。ずぶ濡れになったままオレはゲラゲラ笑った。帰りの新幹線で寒気に襲われて高熱を出した。熱にうなされながら、あのお地蔵様をちゃんとお詣りしなかったから罰が当たったんだとか、とりとめのないことを考えていた。それからゲームのために和歌山県の山中まで出かけてずぶぬれになり、高熱にうなされながら帰る自分はどうかしていると思った。それで気持ちが醒めてきてオレのIngressは終わった。あんたにはこの話、バカみたいに思えるかもしれないな。だがあの頃の復讐心を思い出すとオレは今でも身体がざわつくしN社のゲームはもうやりたくない。ARが拡張するのは喜びや驚きだけじゃない。憎しみや復讐心だって拡張する。当時のオレはそれがわかっていなかったし、あんたの顔をみるに、あんたもわかってない様子だな。N社のゲーム、それからARには気をつけろ。あんたはあのときのオレみたいになっちゃ駄目だ。
Ingressでおかしくなって和歌山県の山中で正気を取り戻した話
1 note
·
View note
Text
真夏のピークが去った
と信じたいが、天気予報士はテレビで何も言っていない。うちの近所では、夕方5時のチャイムが鳴らない。日が暮れたら帰るシステムだ。だから夏に遊んでいると、気がつけば19:00寸前だったりした。でも早めに帰っても夕ご飯の準備はできていない。遊んでいた。
よく考えれば、あれは遊びではなかったなーと最近よく思う。ドッヂボールをしていると、新任の先生が怖くなるようなボールが飛んでいた。別に自分たちは楽しいからいいんだけど、その後にドッヂボールクラブが全国大会まで進出した。鉄棒の上を平均台のように歩く友人、登り棒をいかに早く登って下まで降りるかの競走。後者はみんな素手なので、降りるときに手を火傷する人物が多くいた。ある友人が、足だけである程度まで滑り降りて、そこで停止して棒を握り直して飛び降りる技術を発見した。鎖の網を上る遊具では、上の棒までタッチしてあとは飛び降りる。今の体では到底無理だが、子供だから割と平気。受け身を取る技術の天才がいて、着地の瞬間に前に転がるか、横に転がるかしていた。流石に柔道の受け身だと手をやっちまうのだ。
友人の身体能力が全体的にすごかった。仲良くしていた一人は、家まで帰って誰もいないと、雨樋とかを使って屋根まで登り、2階の鍵は常に開けているからちょっと待っててねー、で玄関登場。同じ場所に住んでいた友人は、引っ越してマンションの2階に居を構えていた。そこでやる遊びはエレベーターと階段を使った鬼ごっこ。エレベーターは目的階までのボタンを押して、壁際で様子を伺えば一瞬隙ができるので掻い潜れる。一方、鬼が増えるとエレベーターは不利で、到達階と思しきところに散らばられると難しい。だから自分は、エレベーターに入って三つぐらいボタンを押して、自分は安全な場所に静かに逃げる。撹乱装置、デコイである。その遊びの首謀者というのも、先ほどとは別の人物だが、樋を伝ってエントランスの屋根まで上がり、そこから2階まで上がるのだが、通常のマンションで一階層に駐車場がある場合の2階は2.5mぐらいの高さなので、相当である。で、こ���でやっていた遊びの最終形態も2階から飛び降りて受け身でなんとか。前向きに飛ぶときは前に転んで受け身である。
チャリに乗っていいと許可が出る。喜んで乗る。でも移動手段だけじゃもったいない。近所の公園の結構高い山を下る道をノーブレーキで頑張る。ある友人は、その山に設えてある1mないけれども階段とは言えない段差を自転車で降りる遊びをして、何度も骨折していた。
近所にショッピングモールができた。へー、行ってみるか。で5人ぐらいで行く。数回行ってももちろん買うものないし、じゃあここで鬼ごっこするか!となった。この人混み鬼ごっこが自分は無駄に上手で、ある程度のスピードで絶対に人にぶつからずに、あえて大柄な人の後ろに回ったりして、見失われたと気づいたらマネキンの影とかに隠れる。理性と本能の隙間で遊んだ。
でも、みんな人がいいというか、その小学校の誰からも褒められる全生徒の振る舞いは、横断待ちで車が止まってくれたら「ありがとうございました!」と大きな声で礼をする。今でも続いている。不審者への牽制とかではなく、すれ違えば「こんにちわー」だ。教室に変わった友人がいても、「お前めっちゃ面白いな!」で嫌味ではなく褒め言葉と笑いで受け入れる。箱に押し込めるのではなく、本人のいいところを褒める。だから、最近言ってる多様性って変なの、と思う。男女の他にカテゴリーが増えただけじゃん。全然本人の事情知らないじゃん。
普通に他の学校の生徒が遊びにきたりする。拒否すべきかどうかは、子供たちの合議制で、誰かが折衝に入って事情を聞いてみたり、平和裡に解決しようとする。
楽しかった。バカなことができるけど考えることは楽しくて優しい。
1 note
·
View note
Text
フーム
メインヒロインで、カービィと同じく全話皆勤賞である。
1話 ・「待ちなさいよ!ドクター・エスカルゴン!少しは聞いてやったら?」 ・「パパ!何とか言ってよ!」 ・「(カブーに対して)今こそ、あなたの叡智を必要としているのよ!」 ・「ま、魔獣!?つまり…私たちのプププランドは狙われてるってワケね。カービィ?」 ・「ちょっと待ってったら~!ちょっとアンタ?あなた誰なの?まさかかと思うけど…カービィ?」 ・「(カービィに対して)アンタ…飛べるの���(※アニメではほとんどホバリングしません)褒めることはないわ…助けようとしたのはこっちですからね。」 ・「アンタ~私たちに興味はないの?私は大臣の娘よ、フームってゆーの(カービィに自己紹介。この頃はキャラが定まってなかったのか少し高飛車である)。」 ・「デデデ大王!ここは絶対に通しませんからね!」 ・「(レン村長に対して)カービィは言葉は苦手よ?」 ・「(料理を皿ごと全部吸い込んだカービィに対して)アンタ!それが特技なの!?」 ・「カービィ、これは大事なことよ、きちんと答えて。」 ・「ソードにブレイド…。(カービィを探していると言われて)私たちもよ?」 ・「メタナイト卿。」 ・「カービィは最高!星の戦士だわ!」 ・「短いおつき合いだったわね…さようなら。早くいって!さすらいの旅があなたの定めでしょ?カービィー!さよならカービィ!」 ・「(星型宇宙艇が爆破されて)当分帰れそうもないわね。ここに住みたい?」
2話 ・「(巣からカービィを追い出すトッコリに対して)1人くらい住まわせてやれないのー!カービィにはおうちがなかったわね…。」 ・「それより村長婦人!頼みがあるの!カービィをここに住まわせてやれない?」 ・「お願いよ~コックカワサキ。デデデ大王はカービィを嫌がってるのよ…。」 ・「(カワサキに対して)ちょっと!悪いのはお客の方でしょ!」 ・「(サモに対して)彼には仕事とおうちがいるの。」 ・「(ガスに対して)確かに好奇心は強いけど、危険じゃないわ。」 ・「別の木…そういえばそうね!小屋を建てるのよ!皆でパーティできるくらい広いのを!」 ・「皆さんのご協力のおかげで、カービィのおうちが完成しました。今日はその披露パーティです。では、主賓のカービィ!(くす玉からカービィ登場)これで彼はププビレッジの住人です。では、ささやかなお祝いを。」 ・「何が出るかと思ったら(タダのレンガじゃん)。」 ・「カービィ!しっかりして!(ペシャンコになったカービィを揺さぶる)」 ・「そうだわ、カービィ!吸い込んで!」 ・「とにかく吸いこみ特訓よ!」 ・「邪魔したって無駄よ!カービィはプププランドに住むんですからね!」 ・「いろいろあったけどやっと完成したわ!これが新しいあなたのおうちよ!カービィ!」 ・「(トッコリの巣で寝るカービィに対して)せっかく作ってあげたのに、そんなところが良いの?」
3話 ・「ここにメタナイト卿が来なかった?実はね…今朝。カービィ宛のお手紙?メタナイト卿からよ!」 ・「カービィどの。わけあってソナタと戦わなくてはならぬ。戦士らしく挑戦を受けるがよい(メタナイトの果たし状の内容)。」 ・「カービィ…実は大事なことがあるの。今朝のことを話しておくわ。ブンと廊下を歩いていたときよ。メタナイト卿が、デデデの部屋へ向かっていくのを見たの。そして、私たち…大変なことを聞いたのよ!(デデデとメタナイトの会話について)」 ・「メタナイト卿!あなたとお話がしたかったの!あなたはカービィの理解者だと思っていたわ。」 ・「カービィ!力を見せて!あなたなら、メタナイトにだって負けっこない!」 ・「でもあなたはどちらでもない!(メタナイトに吸いこみが効かなかったときのツッコミ)」 ・「それ(メタナイトの秘策)を聞いても���かないわ なぜかあなたはカービィのヒミツを知ってる。でも、問題は(メタナイトが)彼の敵かどうかよ!」 ・「(カービィに対して)ダメよ!思うツボだわ…なんとか引き離さないと!」 ・「危機一髪だったわね!(お前が岩を落とすからでしょ…)」 ・「すぐそばでお騒がせしたわね、カブー。でもまさか…カービィがどうして生まれたか…そこまでは知らないでしょ?」 ・「(カブーの話を聞いて)それが星の戦士ってこと?」 ・「カービィ(バグジーを)吸い込んで!(メタナイトに本来吸い込むべきものを教えてもらって)カービィ!もう一度やって!敵ではなく「剣」を!」 ・「ありがと、カービィを立派なソード使いに鍛えてくれて。」 ・「カービィはナイトメアの生んだ失敗作?あなた(メタナイト)は何もかも知っているの?今に解いて見せるわ!カービィのヒミツを!」
4話 ・「私が何をしたって言うのよ!」 ・「トッコリ!またカービィに働かせて!」 ・「カービィいらっしゃい!あなた…自分のベッドを盗られた上に、あんなことさせられて悔しくないの?」 ・「(トッコリに対して)あっちいってなさい!あぁカービィはいいの…。話があるの…あなたの星の乗り物のことで。(トンボに夢中のカービィに対して)はぁ…ダメね…。何言ったって、あなたはお喋りしようとしないし。」 ・「(クラッコの雷攻撃を受けて)タダのイナズマじゃない…。魔獣よ!逃げてー!」 ・「空にいる敵では勝負にならないわね~。多分、アレを使うしかない。ブン、ここで待ってて!」 ・「偉大なカブー!また来たわ!」 ・「カービィが戦い終わったあと、また星の形になって…私の手に戻ったの…。ここに隠してはいけなかった?」 ・「メタナイト卿!あなたはカービィのことをどこまで知っているの?知っていることを全部話して!お願い!」 ・「クラッコ?」 ・「あのおバカな大王!それで、どこの悪党なの?そんなロクでもないもの売りつけるヤツは!ホーリー…ナイトメア?」 ・「あなた(メタナイト)も(星の)戦士の1人だったのね…。」 ・「あなたほどの人が、なぜ魔獣で遊ぶようなヤツ(デデデの家来)に…。」 ・「そうか!カービィは赤ん坊の戦士なんだ!」 ・「お願い!ワープスター!カービィのためにきて!」 ・「でも…この雲とどう戦うの?」 ・「あんなに大きい雲…吸いこみきれるの?あれがクラッコ…。」 ・「カービィ。ワープスターは私に任せてね。」
5話 ・「動物たちは互いに他の動物を必要としている。そして、他にも草や木の実なんかの植物を食べている。その植物たちは、太陽や地面から栄養を貰って、みんな他の生き物のためになって生きているの。生態系という概念は…(本の内容)聞いてるの?カービィ?」 ・「もう…トッコリ!アンタ鳥なんだから無精しないで飛んで探しなさいよ!何言ってんの!皆でピクニックに来たのに、迷子を置いてくつもり?」 ・「彼(カービィ)のおなかを覗いたことはないけど、多分ブラックホール状態よ。いくら食べても異次元空間にしまっておけるんだわ。」 ・「どうしてそう人騒がせなの!カービィ!今までずっとリンゴを食べてたのね!」 ・「とにかく、これでみんな揃った。今夜はここでキャンプよ。」 ・「うふふふ!カービィって結構怖いから(友達だって食べちゃうかもね)。」 ・「(ウィスピーウッズに対して)えへん、自己紹介します。私はパーム大臣の娘フームよ!会えて嬉しいわ、ウィスピーウッズ♪」 ・「カービィが食べたものよ!もしかしたらウィスピーのかも!待って!カービィは確かにウィスピーのリンゴも食べたわ!探せばあるかも!」 ・「皆さん!彼(デデデ)は環境の敵よ!」 ・「ウィスピーとカービィを返せー!」 ・「ウィスピーは命の元よ!どんなに恐ろしいことになるか。」 ・「あぁ…カービィ…あなたが食べた、ウィスピーのリンゴを見つけてくれたら…。」
6話 ・「わたしの村、ププビレッジはステキだ。変な王様が1人いるけど、それを別にすれば人々は暖かく、や・さ・し・いっと(フームのエッセイの内容)。」 ・「いいえ、これはエッセイ。要するに、思ったことを好きなように書いてるだけ。」 ・「(自身のノートを回転させて遊ぶカービィに対して)カービィやめて、そのノートはそんなことするためのモノじゃないのよ(マジレス)。村のことや、カービィのことがいろいろ書いてあるの。ちょっと読んでみようか。」 ・「私の村ププビレッジの野原では、子供たちが元気に遊んでいる。洗濯しながら噂話に花を咲かせるオカミさんたち。釣りをしながらお祭りを計画する男たち。そして、いつも居眠りしているカービィ。私は、こんな平和なププビレッジが大好きである。」 ・「イローのパパ、ハニーのママ、どうしたの?何か悪い予感がする…なにそれ?テ・レ・ビ?」 ・「テレビ放送って本気かしら?さぁ、(テレビは)いらないけど。」 ・「ひどい!これじゃ皆カービィをバカにするようになる!」 ・「何よこれ、初めから終わりまでデデデばかりじゃない!こんなのどこが面白いの?カービィ行きましょ。」 ・「なんてこと!大通りにひとっこ1人いないなんて!」 ・「読書家で教養あるキュリオ氏まで…。恥ずかしくないの!そんなカッコ悪い!あなたがこんなテレビに夢中なんてがっかり!(テレビぐらい見させてやれよ…)」 ・「そういえばブンのヤツ、お城に戻ったきり…まさか…あぁ…また悪い予感。」 ・「パパママ!皆で何興奮してるの?アニメって暴れるのがお好きなようね、バカみたい(※このアニメも戦闘描写が非常に多いため、ある意味メタ発言である)。これがデデデの企みだって分かんないの!」 ・「パパ!これは教育の問題よ!大臣として注意しなくていいの!?」 ・「あなた(メタナイト)までテレビに!この国はどうなっちゃうの!へぇ~、あなたらしくもなく楽天的��すこと。いい?このままほっといたら!」 ・「あれ?魔獣はどこ?確か…森の方向だと思ったけど…。もしかしたら…魔獣もデタラメ…?」 ・「何なの?みんな殺気立って。私も(カービィを)探してるんだけど…。魔獣!?でもいつものように静かよ?魔獣ってどこにいるの?(テレビなんて)あんなくだらないもの見ないわ~。」 ・「(テレビを観て)正義のデデデ大王が魔獣と戦ってるってワケね。」 ・「現実を見なさい!なーんにも起きてないでしょ?」 ・「まだ分からないの!これは作り事!イ・ン・チ・キ!」 ・「だからって(テレビが)本当とは限らないでしょ。調べるのよブン!」 ・「デデデ!いい加減にインチキはやめなさい!あなたの悪だくみを全部暴いてやるんだから!」 ・「あったまきた。カービィ!こうなったら何もかも吸いこみよ!」 ・「ブン、カメラを用意して。お待たせしました。テレビの前の皆さん。魔獣はこのようにおもちゃのトリックでした。デデデはここで皆を騙していたんです!カービィを追い出そうとして。それよりご感想は?こんなみっともないことがバレバレになって。」 ・「メタナイト卿に言った通り、やっぱり一時の流行だったみたい。それに、テレビのおかげで皆噂に振り回されて、騙されたりしなくなったし、あまり見続けるのは体に毒って分かったみたい。私はこんな平和なププビレッジが大好きである(フームのエッセイの内容)。」
7話 ・「(惨状を見て)何があったのかしら?怪奇現象かしら?パパ!何か分かった?そうね…科学的な証拠が必要だわ!」 ・「(巨大な羽を見て)なにこれー!」 ・「ダイナブレイドは目覚めた…。」 ・「でも、(カービィが食べた)証拠はないでしょ!」 ・「えぇ!カービィが連れ去られた!?(弟と一緒に)もうカービィったら~。」 ・「もしかして…これタマゴの殻じゃない?ダイナブレイドのタマゴじゃない?まさかカービィ食べたんじゃ…。そうか、それでダイナブレイドに復讐させるのが、デデデの狙いよ!カービィもカービィよ!ホントに食べちゃうなんて!」 ・「タマゴを食べたのがカービィだったら大変!」 ・「カービィ!今度は釣り?あなたはなんて意地汚いの?聞いてるの!?」 ・「遠くに逃げるのよ!」 ・「クーの言うことなら聞くんでしょ?」 ・「メタナイト卿!なんとかできない?(自分の責任は自分で取れと言われて)もう冷たいんだから~。」 ・「来て、ワープスター。」 ・「吸いこみよ!カービィ!」 ・「(カービィを)どうする気?あんな高いところから落とされたら助かりっこない…。」 ・「(カービィがタマゴを)食べたんじゃなかったの?ヒナを育てるなんて、偉いわ。」 ・「遅れてるわよトッコリ。タマゴならちゃーんと孵ってホラ、この通りヒナが。」 ・「カービィが(タマゴを)食べようとした?」 ・「ほんと、(カービィは)一度食べられた方がいいかもね。」 ・「カービィ!帰っておいで!皆で壊れたうちを直そうよー!」
8話 ・「プププランドは元々キャピィ族の土地ですもの。」 ・「ねぇキュリオさん。本当にここでプププランドの歴史が分かるの?」 ・「(キュリオの石器を見て)ホントォ!?ちょっと待って!���ーっと…これこれ!記念に撮っておきましょ!そのまま!はい笑ってー!あー!(ブンの落とし穴に落ちる)」 ・「ブン!カービィ!こらアンタたち!帰りなさーい!もう!いい加減にしなさーい!ん?(スコップに何か当たる)キュリオさん、この音は?」 ・「あなたたちも掘りなさい!カービィも!」 ・「これは…!石のお棺だわ。この場所に、プププ文明が残っていた証拠よ!ついに見つかったわ!早速みんなに知らせなきゃ!」 ・「キュリオさんが長年主張してきた仮説が証明されるワケ!」 ・「そりゃー自分たちのご先祖の遺跡ですものー。」 ・「原始キャピィ族のお棺が見つかったのよ!プププランドは誰のモノかこれではっきりするわ!」 ・「キュリオさん、どういうこと?古代プププ文明は原始キャピィ族が作ったんじゃないの?」 ・「そんなに落ちこまないで、キュリオさん。そりゃ…自分の学説とは違う結果になったのは残念でしょうけど…。キュリオさんいつも言ってたでしょ?もっとたくさんの人に、考古学の楽しみを知ってもらいたいって、あの発見は決して無駄じゃないわ!」 ・「キュリオさん、ちょっと!アレ(デデデストーン)は真っ赤な偽物よ!昨日の夜、キュリオさんがあそこに埋めたの!何故なの…何故なの!キュリオさん!嘘の発見のために、キュリオさんがこんなことを続けるなら、私はプププランドの皆に本当のことを話すわ!その写真は差し上げます、よく考えて下さい。」 ・「偽物はデデデ大王!あなたの方よ!キュリオさんの弱みにつけ込むなんて、あなたは王様失格よ!」 ・「欠片だわ!今キュリオさんのツルハシで砕けた欠片を吸い込んだのよ!」 ・「そうはさせないわ!ワープスター!力を貸してー!」 ・「キュリオさん、(デデデ達を)発掘してあげれば?」
9話 ・「(ロロロとラララに対して)追放ですって?そうよね…。あなたたちほど仲良しはいないものね。」 ・「ロロロとラララは私が小さいとき、パパ達がどこからか連れてきたハズでしょ?」 ・「(ロロロとラララの出自を誤魔化す親に対して)おとぎ話で誤魔化さないで!」 ・「上手くいったね。今のうちに元に戻してあげる!」 ・「カービィ!吸いこみよ!」 ・「ハッタリー!(トッコリとリックを戻すときの掛け声)」 ・「さぁ、今度こそあなたたちの番よ。」 ・「せっかく(ロロロとラララが)1つに戻れるチャンスだったのに…。」 ・「カービィ!分かってんの?あなた今度はロロロとラララに助けられたのよ。分かってないみたい…。」
10話 ・「(ブンの話すボルンの武勇伝に対して)それは嘘ね。」 ・「この国では昔っから戦争が一度も起きてないはずよ。この本(プププランドの歴史の教科書)に書いてあるもの。」 ・「ちょっとブンー!なんだか村が騒がしいけど、アンタたち何かしてない?」 ・「追いかけるんでしょ!私たちも連れてってください!」 ・「ごめんなさい!悪気はなかったんです!」 ・「ブン!大丈夫?ケガはない?」 ・「あ!待って!本当は署長さん、レンジャー部隊じゃなかったの。カービィ!あなたが行くのよ!ワープスターを呼ぶわ!」 ・「大変!(噴火で)ロープが切れちゃった!ロープはほかにないの!?」 ・「ワープスター!」
0 notes
Text
映画『キングダム エクソダス(脱出)』
Wowowでラース・フォン・トリアー監督のテレビドラマ『キングダム エクソダス(脱出)』(2022)を見ました。
『キングダム』シリーズの三作目にして完結編です。
ファーストシーズンが1994年、セカンドシーズンが1997年ですから、ファーストシーズンから数えて28年、セカンドシーズン��ら数えても25年が経っているわけです。
ヘルマー医師を演じたエルンスト・フーゴ・イエアゴーはすでに死去、ドルッセ夫人を演じたキルステン・ロルフェスの生死はわかりませんが、年齢を考えれば亡くなっていても不思議はありません。
前作の登場人物で続けて登場しているのは……リトル・ブラザーを産んだユディット、巨大化してビッグ・ブラザーと名前を変えた(?)リトル・ブラザー、ユディットの恋人でありことあるごとにヘルマーと対立していたクロウスホイかな。
ヘルマーの愛人であった女医や解剖用の遺体の首を切り取って持っていた医学生のモッゲも出ていますが、私の顔認識能力が低いこともあってすぐにはわかりませんでした。
物語は深夜、カレンという老婆がテレビで『キングダム』を見ているところから始まります。
カレンは「これじゃダメよ。こんなの中途半端よ」と言ってキングダム病院へ向かいます。我々視聴者の気持ちを代弁してくれたわけで、「よう言うた! 褒めてつかわす」ですね。
カレンは病院の警備員(なのかな)と話して中へ入れてもらおうとしますが、当然ながら入れてもらえません。警備員は「そういう人が来るのは久しぶりだ。ドラマのせいで病院の評判が落ちた。全てはフィクションでラース・フォン・トリアーの妄想なのに」と言います。
なるほど、そうきたか。そういう設定なんですね。
でもフクロウが飛んで(なぜ病院の中にフクロウがいるのかわかりませんが、いるのだから仕方ありません)不思議な力が働いたのか、回転扉が勝手に動き出し、カレンは病院内に入ることができます。
カレンは病院内をさまよううちに地下で何かの彫像を見つけます。ラストでも出てきますが、この彫像、一体何の彫像なんでしょう。よくわかりませんが、「エクソダスは両刃の刀なり」という文字が刻んであります。
気を失っているカレンを病院の職員ブルワー(だっけ)が見つけます。ブルワーはカレンを気に入ったのか病院のコンピュータをハッキングしている女性カレに頼んでカレンを夢遊病患者として入院させます。
カレンは実際、夢遊病患者であり、霊能力者でもあります。つまり前二作のドルッセ夫人の役回りで、ブルワーは夫人の息子の役回りというわけです。
前作では幽霊救急車、つまり病院に来ているはずなのに迎えに出るとどこにも姿がない救急車が出ていましたが、今作ではそれが幽霊ヘリコプターにバージョンアップ(?)されています。で、そのヘリコプターに乗って現れるのがヘルマー医師の息子ヘルマーJrです。
前二作同様に群像劇で、パソコンでトランプの一人遊びばかりしている院長や、冷凍のエンドウ豆を枕に昼寝をする習慣があるポントビタン医師長や、ポントピタンがエレベーターに乗るたびに現れ、ポントピタンに話しかけてく��車椅子の女性(これが前二作でヘルマーの愛人だった女医のようです)や、「警察に訴えてやろうか。それとも病院中のチョコレートを買い占めて食べさせてやろうか」というような変わった言葉使いをする医師ネイヴァー(彼は自分の目玉をスプーンでくり抜いて、また元通りに戻すという荒技ができます)などの人物も登場しますが、物語の軸になるのは、カレンの物語とヘルマーJrの物語です。
比較的シンプルでわかりやすいヘルマーJrの物語からいきましょう(あ、当然ながら以下ではネタバレしています。ご注意を)。
ヘルマーJrはことあるごとに「デンマーク人はクソだ」と言っていた父親に輪をかけてデンマーク嫌いのスウェーデン人ですが、父親の死の真相を知るためにキングダム病院に赴任して来ました。
そんな彼のあとをアンナという女医がずっとついてまわります。気があるのか……って誰でも思いますよね。ヘルマーJrもそう思って、執務室で二人きりのときに「お尻をぶってもいいかな?」というメールをアンナに送ります(お尻フェチなんでしょうか。本人が目の前にいるのになぜメールを送るのかわかりませんが、送るんだから仕方ありません)。
アンナはスカートを捲り上げて「右のお尻がいい? 左がいい?」と色っぽく言った後、態度を豹変させ「弁護士に訴えます」と言います。
困ったヘルマーJrは、病院内のトイレで開業している(!?)スウェーデン人の弁護士に相談しますが、弁護士はアンナの代理人でもある(?)ため「言われた通り示談に応じなさい」と言われてしまいます。
そんなことがあってもアンナはヘルマーJrにつきまとうのをやめません。あるときアンナはずっとズボンの前を手に持っています。病院用のズボンが大きすぎるので、持っていないと落ちてしまうのだそうです。
アンナとヘルマーJrは二人でエレベーターに乗り込みます。すると突然停電し、アンナは床にヘビがいると思って(なぜそう思ったのかわかりませんが、思ってしまったのだから仕方ありません)、一緒にいたヘルマーJrに抱きつきます。当然ズボンが落ちて、下半身は剥き出しになります。
その瞬間、電気がつきエレベータの扉が開きます。外にいるのはドラマ『キングダム』のファンで病院見学に来た観光客たちーー多くは日本人でみんなスマホで写真を撮ります(この辺り完全にコメディーです)。
恥をかいたアンナはヘルマーJrにレイプされたと弁護士に訴え、ヘルマーJrは再度賠償金を払う羽目になります。
キングダム病院にはスウェーデン人のコミュニティーがあります。ヘルマーJrはアンナの仲介で(アンナもスウェーデン人のようです)コミュニティーに参加します。
ヘルマーJrは、目玉を自由自在にくり抜くことができるネイヴァー医師と喧嘩になり一方的に殴られます。警察に訴えると息巻くヘルマーJrをポントピタンが宥め、伝統に従って内々で裁判を開くことになります。
「ひきがえる」、「阿片窟」から裁判長と陪審員がやってきます。この「ひきがえる」、「阿片窟」が何を意味するかは後で明らかになります。前二作にいた医師クロウスホイが歳をとって引退した医師たちをドアに「ひきがえる」と書かれた部屋に集めて、そこでアヘンを吸わせていたのです。
老いさらばえた裁判長は、「昔ある村で鍛冶屋が殺人を犯した。しかしその村には鍛冶屋は一人しかいない。鍛冶屋がいなくなると村は困ってしまう。村にはパン屋が二人いた。そこで裁判長は鍛冶屋の代わりにパン屋を死刑にした」という故事を持ち出し、ネイヴァーの有罪は明らかだが、ネイヴァーはナントカの専門家で一人しかいないから、代わりにヘルマーJrに罰を与えるという判決を出して、そのまま息を引き取ります(無茶苦茶な話ですが、この辺りはナンセンス・コメディーだと思ってください)。
そのためヘルマーJrは、木の枠で頭と両手を固定され、周囲をみんなが踊りながら尻を蹴り上げるというこれまた無茶苦茶な罰を受けることになります。
怒ったヘルマーJrは、スウェーデン人のコミュニティーに反乱を呼びかけます。名付けてバルバロッサ作戦ーーできるだけ仕事をサボって病院の業務に支障が出るようにするという作戦ですが、あまり効果はありません。
反乱にはやはり武器が必要だと言うヘルマーJrにアンナがピストルを差し出します。翌日、ヘルマーJrは神経外科の会議でポントピタンに銃を向けます。
そのタイミングでヘルマーJrのスマホにメールが来ます。「父ヘルマー・シニアはデンマーク人だった」というメールで、デンマーク嫌いのヘルマーJrからすれば非常にショッキングな情報ですが、ヘルマーJrはそのままポントピタンを撃ちます。
でも銃口からは水しか出て来ません。アンナが渡したピストルは本物そっくりの水鉄砲だったのです。
ヘルマーJrとアンナに前回と同じ刑罰ーー頭と両手を拘束されてみんなからお尻を蹴られる刑罰ーーが与えられた後、再度スウェーデン人コミュニティーの会合が開かれます。目玉を自由自在にくり抜けるネイヴァーが目玉を手に持って覗いています。
ヘルマーJrは病院のコンピュータをハッキングしている職員カレが腰に差している拳銃を抜き取り、ネイヴァーを撃ちます。今度は本物の拳銃だったらしく、弾はネイヴァーの眉間にあたり、ネイヴァーは死んでしまいますが、病院の伝統に従ってこれもまた内々に処理されることになります(おい、それでいいのか!?)。
ヘルマーJrはまた車椅子の女性から父親の墓の場所を聞き出し、墓を掘り返します。すると牛乳パックに入った父の遺骨が出てきます(なぜ遺灰が牛乳パックに入っているのかについての説明はありません。また、墓を掘り返したのが見つかったら「事件」になるはずですが、そうはなりません)。
牛乳パックは掃除夫が捨ててしまいゴミとして処理されてしまいますが、その前にアンナが別のパックとすり替えていました(なんというご都合主義!)。アンナは何もかも嫌になり病院を辞めてスウェーデンに帰ろうとしているヘルマーJrに牛乳パックを渡し、彼の車の助手席に強引に乗り込みます。
なんだやっぱり好きだったのかーーと言いたくなりますが、『キングダム』はもちろん恋愛ドラマではありません。ヘルマーJrの車はデンマークとスウェーデンを結ぶ橋を渡る途中、巨大な彫像(大きさは違いますが、最初に出てきた訳のわからない彫像です)に行く手を阻まれUターンを繰り返します。
ヘルマーJrはデンマークとスウェーデンのちょうど中間で車を停め、父親の遺灰の入った���乳パックを海に投げて「デンマークかスウェーデンかは海が決めればいい」と言います。
おお、なかなか感動的なシーンだーーと言いたくなりますが、『キングダム』はもちろん感動ドラマではありません。車に乗り込み発車させると、突如目の前に巨大な彫像が現れ、ヘルマーJrとアンナの乗った車は彫像に激突、大破します。
ふーっ疲れた。
ヘルマーJrの���語をまとめるだけでこんなに長くなるとは。
カレンの物語はもっと長くて複雑なんですが……
とりあえずここで一旦切ります。
追記: デンマークとスウェーデンってそんなに仲が悪いんでしょうか。 まあ隣国同士は仲が悪いというのはよくあることですが、ここまで露骨に描いて大丈夫なのでしょうか。 日本と韓国、日本と中国も仲がいいとは言えませんが、こんなこと日本のテレビドラマでやったら大騒ぎになるだろうと思います。
0 notes
Text
2023/9/17 「超人的な未来への飛躍」Vol.1 at下北沢近道の色々について
2023年の夏を終わらせに行った話です
先日は下北沢近道さんでのライブありがとうございました
ざっくり一言で言い表すとしたら
ヤバかった!
3才です
もう1週間以上経つのに未だに
「なぜ俺は下北沢に居ないんだ…?」
と思ってしまうのは、私だけでしょうか
悲しい時ー!
ライブの話をしましょう
ライブハウスで共演バンドさんのリハをちょこちょこ見ていましたが
リハから全員音でかい!!
アンプを2台鳴らす人、ギターが3人いるバンド、絶叫、残響、カメ参上
メンバー皆、ライブ前から「ヤバくね?笑」と顔を見合わせて焦っていました
マジで耳が持たないんじゃないかと思った…
トッパーのなるぎれさん
3月の仙台でのライブでもご一緒させて頂きました
今回はメンバーの方の体調不良により、部分的に3人で、部分的にサポートベーシストを迎えての出演でした
メンバーも口を揃えて言っていたけど、初手でフロアを湧かせてくれて
2番手のうちらは最高の状態でステージに立つことが出来ました
本当にありがとうございました…
後述のマレケーでもベースを弾いていた、サポートのねぎしさん
演奏は上手いしベースライン動きまくるしコーラスまでやってるし、
サポートの仕事量じゃねえ!と思いながら見ていましたが
なんとまだ10代の方なんですね。。。衝撃
10個も年の違う人と東京で同じステージに立つ
こんなこともあるものなのね
ありがとうございました
初めましての東京バンド①、くゆるさん
ヤバかった
何がヤバいって、ヤバいところ(?)
うちらの出番後、転換も終わって一息ついていたところ
地下の方から(バーカンが1F、ホールはB1F)ただならぬ雰囲気を察知し
マレケーのワイプくんと「くゆるもう始まってる?」と階段を駆け下りる最中
別の誰かがホールに入って開け放たれた扉の奥からとんでもない轟音が聞こえてきて
「もう始まってる!」と焦りながら現場に駆け付けたが最後
そこから私は「ヤバい」しか言葉を発せない病にかかってしまいました
編成はうちと同じくギター×3、ベース、ドラム
この絶対音がでかいことが確約されているバンドが奏でるシューゲイザー
何回昇天したか
最後の曲ではブラストビートまで飛び出して
どこまで僕を魅了するんだ��?
と思わずボディビル部になってしまうほどでした
ありがとうございました
初めましての東京バンド②、Zanjitsuさん
リハからマジで音がでかかった
スリーピースとは思えない音のでかさ
まだ若いだろうにライブ慣れ感、動きまくっている一方で丁寧な演奏
シャウトも交えながらも難なく高音も出ちゃうボーカルの安定度
一言で言い表せないくらい凄かったけど、シンプルにかっこいい!
ギターの弦が切れてしまっても気にせずそのまま次の曲も演奏し続けたところとか、かっけ~~~と見惚れてしまいました
余談ですが、この日は弦切れトラブルがライブ前・最中で頻発していました
うちは皆滞りなく演奏出来て良かったな…
話が逸れましたがとにかくかっこいい!
自然と体が動いて手を上げちゃってました
ありがとうございました
最後は今回の主催、Murray a cape
3月の仙台でも主催としてナーディを呼んで下さり、バンドとしての再始動のきっかけを授けて頂きました
メンバーがステージに立つや否や、会場からはこの時を待っていましたとばかりに歓声が飛び交い
素直に憧れ
このバンドに呼んでもらえたから俺達は今ここにいるんだなと
曲が始まるたびに湧き上がるフロアを見ながら
羨ましいなという気持ちと、負けたくないなあという気持ち
いつも心を奮い立たせてくれるバンドだなと思いました
このバンドのギターボーカルを俺の車に乗せて一緒にラーメン屋行ったこともあるんだぜ!
一方通行の道を逆走してたけど
ありがとうございました
そろそろうちのバンドの話していい?
いいよ
ありがとう
今回のセットリストは以下の通りです
1.Stay Lost
2.アメリカンブルーについて
3.モニカ
4.Niigata(新曲)
5.swim in codein
6.Farewell(新曲)
7.Kuregata
いっぱいやってんねえ!
前回の3月のライブと同じセトリにしたくないよね、でもあの曲もこの曲もやりたいよね…と思案した結果
前回のセトリに新曲を2つ加えて1つも引かないという態度だ
もちろん持ち時間の違いだったり新曲の尺の長さも踏まえての設定でしたが
手札を全て攻撃表示で召喚したような感じでした
モンスターカードばっかりじゃない
新曲は当然未発表かつアルバム(何年間作ってんだ)の収録曲になることもあり詳しくはお話ししませんが
東京は若者の街、下北沢のフレッシュな空間で
あの瞬間だけは、越後の田園風景が広がっていた
そんな曲・演奏が出来たんじゃないかな~と思います
今回、ちょっと想定外のこともあり、自分たちのライブの音源や映像が全然手元にないので
もし数秒のものでも録ってくれていた方がいらっしゃいましたら送って頂けると嬉しい���す…
前回のライブについてのまとめ記事を書いていなかったのであまり触れてこなかったんですけれど
5曲目にやったswim in codeinという曲は3月のライブで初披露したもので、僕が作詞・作編曲をしています
曲名については詳しく聞くな
お友達の皆はスペルの間違いについて触れるな
前回のライブでの音源がNerdy PixieのSound Cloudにアップされているのですが
2回あるギターソロはどちらも僕が弾いており
ドラムのリズム、ボーカルのキー設定、緩急のつけ方など
灰野さんの作る曲とは多かれ少なかれ違いがあるかな~と思っていますが
いかがだったでしょうかね
自分で作っておきながら歌うのもギター弾くのも難儀な曲でして…
自作曲だからって叫んだりハイトーンシャウト入れたりしてます
カートコバーンだってそんなもんじゃね
アディナイアー
閑話休題
今回のライブに際して懸念となっていたことが一つ
ライブまであと1週間!というところで喉風邪を引いてしまいまして
そこからは地獄のような日々でした
痰が絡んで咳が止まらず、声がかすれて歌うどころか喋るのもやっとな毎日
せっかく東京のライブが決まってもうすぐそこまで迫っているのに
この時を夢見ながら、今まで細々ながら皆で頑張ってきたのに…と
色んな考えが頭を駆け巡り、もっとああしとけばよかった、こうしとけばよかったと思っても後の祭り
全て自分の体調管理不足であることに変わりはない
でもあれこれ言っててももうライブの日は近づいているし
諦めたくない
とりあえず出来ることを何でもやってみました
男は度胸!
ライブまでの1週間、ルルを飲み続けたり
風邪薬にも久しぶりに手を出し、恐る恐る飲み続けたり
マツキヨのパープルショットプラスを症状に合わせて2種類買って試したり
数年ぶりに響声破笛丸を買って飲んだり(もう存在しないものと思ってた)
ハチミツののど飴を水のように舐め続けたり(?)
何でもやってみました
どれが効いたのかはよく分かんない!
そして迎えたライブ前日、ナーディ新潟組が東京に前乗りしてさっちゃんと合流し最後のスタジオに入るその日の朝!
全然治ってね~!w
正確には風邪を引いてからの1週間で一番調子が良かったんですが
声はカスカスのガラガラ、歌を歌えばひっくり返る
こんなんでライブとか大学生のイベントかよ
空しくはありましたが、は~ここまで来たらなるように��かなんねわという気持ち
東京へはレンタカー(タウンエース)を借りたのですが、まさかの喫煙可能車で(うれしー!)
ドラムのウツノさんを除くメンバー皆が喫煙者ということもあり、道中
灰野「あっ3才さんの前で煙草吸わない方がいいか…」
ぼく「あっ大丈夫です煙草やめられなかったんで」
そういうとこだぞ
やはり煙草を吸っていると痰が止まらなくなるらしい
おめえさっきからきたねえ話ばっかりだな!(カミナリ)
夜は皆で銭湯に行ったり(激熱すぎて2分も浸かれなかった)
さっちゃん邸で男5人が寝泊まりしたり(俺だけ気を遣ってもらってちゃんとしたベッドで寝た)
何も起きないはずがなく…
いざ迎えたライブ当日
僕の声の調子は
お越し下さった、共演して下さった皆様が感じた通りです
こんなに引っ張ったのに?
個人的にはやっぱ悔いしか残った!
でも演奏後、「歌上手かったです…」とお褒めの言葉を頂けたりもして
嬉しかったです
前回3月のライブも花粉症が酷くて、その日の音源を聞き返すたびにウワーッとなってしまって
今回こそは…と思っていただけに切なかったんですが
皆様のおかげで、本当に楽しいライブになりました
ライブまでの1週間、禁煙は出来なかったけど酒だけは本当に一滴も飲んでなくて
(灰野さんに「3才さんが酒飲まないってよっぽどだよね」と言われました)
演奏後すぐに飲んだ、ヴァイキングメタルバンドのMVで出てきそうなジョッキで飲んだビール
言語なんて形式化されたものではもう言い表せねえよ
ありがとうございました
総括
Nerdy Pixieは新潟県内よりは県外、こと関東方面にフォロワーが多いバンドと思っていて
さっちゃんもMCで言っていたけど、東京でライブしてくれ!という声をもう何年も前から頂いていて
その夢がやっと叶った日でした
場所は下北沢
昨今のバンドアニメでも注目されていたであろう街
そこでNerdy Pixieがライブできたということが本当に嬉しいし
一個人としても東京でライブすることは此度が初めてで、ひそかな願望でした
そんな夢を現実にしてくれたのは言わずもがな
Murray a capeの皆様
今のナーディはマレケーのおかげでライブが出来ているといっても過言ではありません
本当にありがとうございました
これからもぜひ、よろしくお願いします
そして何より、ライブを見に来て下さった皆様
Nerdy Pixieで予約取置をしてくださった皆様
本当に嬉しかったです
どのライブだってそうだけど
残念ながらその日来れなかった人達全員を一生後悔させる!!
そんなライブをこれからもやっていきたいです
まだまだこれからではありますが
Nerdy Pixieをこれからも、何卒よろしくお願い致します
ま��ライブハウスでお会いしましょう!
本当にありがとうございました!
せーの
裏日本!!!!!!
0 notes
Text
耳に入る/全てのことは/メッセージ
最近は、みどりさんと桃子のことばかりを考えている。こういうとき、みどりさんだったらどうやって行動するだろう?桃子だったら?ちなみに、みどりさんと桃子というのは架空の人物で、私の心の住人である。ここまで書くと「…大丈夫そ?」と案じられそうだけれども、生まれてこれまで空想を栄養源として生きてきたのでおおよそ問題はありません。二人とも今の私にとって、とても大切な存在。ただし桃子は今、壁にぶつかっている。桃子がこれからどのようにその壁を乗り越えていくのかを見守っていきたい。
先日、ついにペーパードライバーズ講習を受けてきた。約10年ぶりの運転。かなり心配だったけれども、講師の方が的確なアドバイスをくださったので、心強かった。やはりはじめは、視線をどこに置いたらいいのかがわからない。そして、びっくりするほど体は素直で、視線や意識によってハンドルを自然と動かしてしまう。センターラインを見ていたら中央に寄りがちになり運転がフラフラしてしまう。左に走る自転車を気にしていたら、右寄りに走ってしまう。逆に、曲がる際に、「曲がる」ということしか意識していないと、うまく曲がれなかったり、曲がったのちの運転が不安定になる。そこで先生からは、「行きたい先を見ていない!」と言われた。あらゆる情報が視界に広がるから俯瞰して景色を見て、そこから必要ない情報は省いていって。そして行きたい先をしっかり見る。本気でそこに向かいたいと思う。でないと辿り着けない。センターラインを見るのは指標が欲しいから。でも情報の優先順位をつけると、行きたい先のよりもセンターラインの優先度は低いから意識しすぎない。ひとつひとつ言われたことに納得しながら90分みっちり運転したら最後には「かなりいい運転になりましたね」と褒めていただいた。運転、楽しい。もっと運転したい。
さて、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」の歌詞『目に映る 全てのことは メッセージ』よろしく、わたしは人の話や出来事から人生訓を見出しがちである。メタファー大好き。考えすぎ、と言われがちだが、ライフワークだから仕方がない。歩く訓示リサーチャーである。���いうことで、先の先生の言葉「行きたい先に本気で行きたいと思わないとダメです」「指標が欲しいからセンターラインを見る」という言葉に反応する。ありたい���、行きたいところを想像せずに、信じずに、願わずにいたらそりゃ叶うもんも叶わんわな、と。ともすればゴールは漠然としか想像せず、その道すがらの苦労や道のりの険しさを勝手に想像して案じがち。手前のことに夢中になってしまう!しかも大体は不安が胸を占める。そして、大丈夫だよ、という指標が欲しくて占いを見まくる。全世界にウン万人いるであろう天秤座にむけて書かれたメッセージはどれほど自分の運勢に当てはまるのか?人間って意外と自分の状況に当てはまるところだけを抜き出して、都合よく解釈しがちなので、そりゃ「当たってる」と感じてしまうだろうが、そもそもはウン万人宛のメッセージ。わたし用にカスタマイズされているものではない。ってことはわかっているんだけどね〜読んじゃう、占い。閑話休題。とにもかくにも先生の言葉は、運転だけでなく人生においても痛いところを突かれたな〜と思いながら心にしまわせていただく。
そんなクレバーでお話の上手な先生、ここまでの話だと人格者の様であるが、運転の指導以外はとにかく私語が多い。よく喋る。先生の人生観から始まり、生徒の方々の赤裸々な恋愛事情(前日に指導した四十代初めの女性は不倫中で、彼とのセックスライフが楽しくて仕方がない。授業の後もラブホへ直行したらしい。ちなみに相手の男性は奥さん公認の上での不倫状態/若いイケメンの生徒はある程度財力もあるのになぜか3ヶ月頃に振られる。デートのたびに彼女のことを褒めまくるし自分の欠点がわからないと嘆く/東大教授のアメリカ赴任に伴う別れ話騒動)云々。しまいには「良い避妊方法知ってますか?相談を受けていて」と聞かれる。このあたりから下ネタ祭りが始まり男性は本能的にセクシーなものに反応しがち、というくだりで「確かに、かつて付き合ってた人も豊満なバストの人がいたら目で追っていました」と話したら、頷きながらも「でも僕は胸よりもお尻派だな」とコメントをいただく。そうですか。それは知りませんでした。かくかくしかじか、90分でだいぶ先生の周辺情報を仕入れてしまった。下ネタ大好き、浮いた話大好き、そのほか、奥さんは仕事人間で仕事以外に関心がない(生きる視野が狭い)、娘さんがいる、社会系YouTubeを結構見る。まるでかなり濃い深夜ラジオ(地下電波)を聴いているようだった。そして、先生の話はこうしてブログのネタにさせていただきました。勝手にすみません。でもこんな面白い出来事は書かずにはいられないよ。
ここまでくると、��半の人生訓は信じて良いものなのかしら〜とも感じられるけれども、的を得ているし、是々非々ということで、とりあえず良い考え方をいただきました、ということにしておこう。しかし相手を選んで話しているとは思うが、この時代ではかなりスレスレな内容である。何よりも生徒さんたちのキャラの濃さに驚く。
下ネタはあんまり聞きたくないけど、キャラの濃い人たちの話をもう少し聞きたいのでまた受講しようかと思う。高速実習の時に変な下ネタとか炸裂しないといいな。
0 notes
Text
遅れましたがあけましておめでとうございます🎍🌅🎍 1月1日はリペイントをした愛車で新年初ライド🎶╰( ^o^)╮ 西暦に合わせて2,021upしてきました⤴︎🚵♂️🎶 今年は事故とかせずに過ごしたいです😅 #roadbike #roadbi .. #ロードバイクJP
遅れましたがあけましておめでとうございます🎍🌅🎍 1月1日はリペイントをした愛車で新年初ライド🎶╰( ^o^)╮ 西暦に合わせて2,021upしてきました⤴︎🚵♂️🎶 今年は事故とかせずに過ごしたいです😅 #roadbike #roadbi .. #ロードバイクJP
@daichi_boma この投稿をInstagramで見る daichi-road(@daichi_boma)がシェアした投稿 遅れましたがあけましておめでとうございます🎍🌅🎍 1月1日はリペイントをした愛車で新年初ライド🎶╰( ^o^)╮ 西暦に合わせて2,021upしてきました⤴︎🚵♂️🎶 今年は事故とかせずに過ごしたいです😅 #roadbike #roadbike #roadbike_jp #roadbikelife #roadbikephotos #roadbikepics #roadbikes #ロードバイク好きな人と繋がりたい #ロードバイクのある風景 #カスタムペイント #リペイント #spraybike #ThePEAKES #ルーザー君 #坂バカ #ヒルクライム #変態は自転車乗りにとって褒め言葉 #勘違いしないでねw #BOMA #VIDELM
View On WordPress
#BOMA#roadbike#roadbike_jp#roadbikelife#roadbikephotos#roadbikepics#roadbikes#spraybike#ThePEAKES#VIDELM#カスタムペイント#ヒルクライム#リペイント#ルーザー君#ロードバイクのある風景#ロードバイク好きな人と繋がりたい#勘違いしないでねw#坂バカ#変態は自転車乗りにとって褒め言葉
1 note
·
View note
Text
リハビリ|入力と出力の間(32)
あと数日で今年度も終わりである。今度の木曜からは4月。新年度の始まりだ。コロナ禍で在外研究計画が泡と消えたサバティカル期間も終了し、大学での(オンラインが主だが)授業や業務も再始動する。発病から入院中の時期まで���振り返ったこの備忘録も、週1ペースでのアップは今回で最後。今後は月1ペースで退院後のリハビリ生活や折々の症状の変化について記録していこうと思っている。
週1ペースを締めくくる今回は、わたしが入院していた時の家人のことを振り返っておきたい。
急性期に入院中、脳が腫れて緊急手術になった際、父母と弟、連れ合いが皆、駆けつけてきてくれたことは記した。映画以外では泣いたことなど見たこともない弟が、後ろを向いて涙を拭っているのをストレッチャーで運ばれながら見た時は「弟が泣いてるよ〜」とびっくりした。弟の方は弟のほうで、「俺が泣いてるのを見たら、姉ちゃん、『自分は死ぬのかも』って不安になったかもしれない」と、焦っていたという。
大丈夫だ、弟よ。あの時は、脳がぱんぱんに腫れていたから、不安も感じなかった。「めずらしー、泣いているよ」と思っただけ。普段のビビりのわたしなら、弟が心配した通り激しく動揺したはずなのだが、腫れた脳はわたしに不安を感じさせなかった。『奇跡の脳』のジル・ボルト・テイラーが指摘したように、これも一種の脳の防衛反応だったのだろう。
料理人である弟が、回復期リハビリテーション病院にお手製カレーを持ってきてくれたことは記したが、急性期の病院にいる時にも豪華海鮮丼やお手製ふりかけやらを差し入れしてくれた。学生時代は剣道で全国大会に出場していたゴツい強面なのだが、実はおしゃべり好きで気が優しいのである。
いまは家の中でもヨチヨチ歩きになってしまっている父が、当時はまだなんとか電車に乗って歩けていたことも思い出す。父の足元の変化に、あれから4年近くが経つのだと時の流れを実感する。あの頃は、母と一緒に回復期リハビリテーションの下見までしてくれたのだった。
若い頃は人一倍好奇心旺盛なエンジニアで、自分の発明した商品に入れ込むあまり、経営していた工場を倒産させ、わたしたち一家が揃って夜逃げする原因をつくった思い込みの激しい父だが、昔から家族に対する愛情は暑苦しいほどだった。退院後には一時期、わたしと父は補助器具なしの状態でどっちが歩くのが「遅いか」自慢しあった。その後、歩くスピードはわたしのほうが断然早くなったが、父にもサポートカート(歩行を補助しながら買い物に行けるショッピング・カート)という強い味方が出来て、コロナ禍のいまも週に数回は足腰のために近所のコンビニに「遠征」している。
わたしが幼い頃は、そんな父のワガママぶりにも夫唱婦随でいた母だが、夜逃げの際に一家心中を口にする夫を叱咤激励したあたりから、時に猛然と強さを発揮し始めたような気がする(見た目は変わらずおっとりだが)。いまどき「良妻賢母」というのはフェミニズム的には問題のある規範的な言葉かもしれないが、わたしにとっての母はまさに「良妻賢母」のアイドル的存在。いまも自宅で年金の足しにと着物の着付けをしつつ、お客さんたちとも和気藹々、一緒にお茶会などに出かけるコミュ力の高さを発揮している。80歳を過ぎてもキビキビ元気に父と弟のいる実家の家事を取り仕切ってくれているのだから有り難い。チャレンジ精神旺盛で根気もあるから、スマホのLINEも出来るようになったし、アマゾンのタブレットでネット・ショッピングもしている。大したものである。
母は、わたしの入院中も頻繁にお見舞いに来てくれた。同じくお見舞いに来てくれたチロリちゃんと病室で何度か顔を合わせたこともあった。チロリちゃんは、娘さんの七五三や自身の講演などの際に母に着付けを頼んでくれたこともある。チロリちゃんの娘さんはわたしの母のことを「着物の先生」と呼んでくれている。そのチロリちゃんが、「ザジちゃんのお母さん、優しくて綺麗で羨ましい」などと褒めてくれ、わたしも母も「いやいや、そんなあ」と形だけ謙遜しつつ、内心大いに嬉しがっていた。
とまあ、ここまであけすけに書くほどに、わたしは自分がマザコンだと自覚しているが、それをあらためて感じたのが、お見舞いで一緒になった母とチロリちゃんが帰る時。二人が「じゃあね」「またね」と一緒にエレベーターに乗り込みつつ、チロリちゃんが「ザジちゃんのお母さんと一緒に帰れて嬉しいです」というのを聞いて、それはわたしに対するリップサービスでもあったろうに、「わたしのお母さんなのに〜」と思ってしまったのだ。3歳児でもあるまいに。「お母さんが取られちゃう〜」みたいな心の反応が起きたのである。50代のリッパな中年が、なんとも恥ずかしい。
いや、しかし絹さんと娘さん二人のやりとりを思い出せば、リッパな中年であっても、兄弟姉妹間であっても、「母の愛情」をめぐって嫉妬が起こるのは、存外フツーのことなのかもしれない。
そして、連れ合いについて。かれこれ15年近く一緒にいるが、今回の入院で普段は気付けない良いところをいろいろ発見することになった。急性期の入院中には、ほとんど毎日お見舞いに来てくれ、回復期の病院に転院してからも週に1−2度は顔を見せに来てくれた。実家に連れて行けば、食事の合間に食卓でスマホをいじる傍若無人さで、わたしを真っ青にさせた御仁なのだが、今回は感心した。なんというか、実に淡々と当たり前のように病院に足を運んでくれたのである。「お見舞いに来たよ!」という賑々しさがない。同業者だから、彼の仕事の大変さは理解できる。仕事の合間に、平日も休日もお見舞いに来るのは大変だったはずなのだが、「忙しい」とか「しんどい」という素振りや言葉は一切なかった。「この人、エライなあ」と尊敬したものだ。
��なみに、この備忘録のことは、気恥ずかしくて家人には言っていない。
2 notes
·
View notes
Text
エンリケ後悔王子
※本テキストはPCでご覧頂いた場合雑誌風の縦書き表示となります。
先が見えない。行き詰まりのどん詰まりで我々は今抗ったり、受け容れたり、或いは諦めたりしている。想像した未来はもっと華やかで便利で、そうじゃないとしてもマトモだったはずなのに。
効率化を突き詰めればその先には『死』しかない。バンドは非効率の極みだ。その非効率を更に極め、自ら修羅の道を行く痴れ者たちことエミリーライクステニス。今回メンバー全員にインタヴューを敢行することにより、その哲学がヴェールを脱いだように思う。まずは唯一のオリジナルメンバーであるエンリケ後悔王子だ。
(聞き手:早瀬雅之)
友達もいないけど、いじめられるでもない。何もない。毎週ブックオフに行ってた
●まず生い立ちを訊こうかなと。
「出身は群馬の前橋っていう県庁所在地なんですけど」
●結構中心地というか栄えてる?
「いや、死んでますね(笑)。オリオン通り商店街っていうのが近所にあったんですけど、ブラックビスケッツが一体五万円の木彫りのブラビ像を売っていて、どうしても売れなかった最後の一体を買い取ったのがその商店街で。商店街の人が『この通りの名前もブラビ通り商店街にしましょう!』って言ってた(笑)。そんな街です」
●ええ…。今もその名前なの?
「多分…。僕が大学生くらいの時にその近くにモールが出来ちゃって、商店街は蹂躙されちゃったんですけど、そこに新星堂があってD☆SELDOMっていう安いオムニバスと、フリーペーパーを毎月取りに行ってた記憶が」
●ああ、出してたね。それが情報源みたいな。
「そうそう、音楽雑誌かそれ。タワレコは高崎に行かないとなかった。県庁は前橋なんですけど高崎の方が栄えているんですよね」
●何か栄えているイメージがあるよね。
「自分の思春期で結構(高崎に)持ってかれたかな。ヤマダ電機の本店とか」
●ライブハウスもclub FLEEZが高崎に移って。
「そうそう、G-freak factoryの根城でお馴染みの」
●家族構成はどんな感じだった?
「祖父母と両親と姉と兄と…」
●三人兄弟?
「姉貴が九個上で兄貴が二つ上ですね。だから僕が小学生のうちに大学進学で家を出ていきました」
●何か姉弟仲が良いイメージがある。
「今でも年数回会うし、兄貴も姉貴もうみのてのライブ観に行ったことがあったはず(笑)」
●その節はどうも(笑)。
「洋楽を最初に教えてくれたのが姉貴で、後は兄貴とオルタナを掘ってたかな」
●なるほど。やっぱり上に兄弟いると強いというか影響受けるし、早熟になるというか。
「そうですね。一番最初は小学生の時に、姉貴がミスチルのファンクラブに入ってたので、当時出たDISCOVERYかな。あと深海をずっとカセットで聴いてた記憶が」
●いい入りなんじゃない?
「入門編としては(その二枚は)間違っているような(笑)。あとは兄貴がビーズが好きだったから聴いてましたね」
●��ゃあ結構音楽には入っていきやすい環境だったんだね。
「両親は大学の合唱団か何かで知り合ったんだっけな。あとはクラシックが好きで。音楽番組を観てると「最近のは全然わかんねーな」って機嫌が悪くなるような感じの人でした」
●タチが悪いやつだ。
「かと言ってクラシックを強要するでもなかったですけどね」
●学校ではどんな感じだったの?
「小学校入るまではものすごく引っ込み思案で。それが小学校入ってからすごい、何か陽キャみたいになって」
●え?そうなの?
「文集のランキングに入ってる『面白い人』とか『将来有名になりそうな人』とかあらかた名を連ねてるんですよ。今じゃ考えられないんですけど(笑)」
●何でこうなってしまったんだ、みたいな(笑)。
「いわゆるクラスの中心人物だったんですよね。アクティブな。でも小五くらいからかな、今思うと些細なことですけど、自分の家庭が新しいガジェットに対してものすごい嫌悪感を出すというか。プレステとかアドバンス買ってくれないみたいな。それで段々みんなの話題についていけなくなって、翳りが見えてきた(笑)」
●(笑)。
「結局小学生の「面白い」「つまらない」の尺度って如何に話題を共有できるかがほとんどじゃないですか」
●そうだね。特にゲームとか。
「あと漫画、昨日のテレビ、流行りの音楽くらいか…。段々それについていけずに、スクールカーストが下がっていく(笑)」
●でも野球やってたし、運動なんかは出来る方だったの?
「小学生までは自分が主人公だったから(笑)。少年野球で打率六割くらいあったし。『ヒット打つの簡単じゃないですか?』とか言って調子に乗ってた」
●ムカつくなぁ(笑)。
「シングルヒットしか打てなかったんですけど。早熟だったのかな。当時は背も小さくて痩せてて。段々みんな身体が大きくなって。中学くらいだともう置いてかれちゃったみたいな」
●今の感じに段々近づいてきたね(笑)。
「中学くらいで陰と陽が逆転して陰の者に(笑)。タウン&カントリーの黒い方になっちゃった」
●陰陽のマークね(笑)。部活はずっと野球?
「中学は野球で、高校も途中まで軟式をやってたけど「勝つぞお前ら!」みたいな顧問に代わって…。高校の軟式野球ってすごいヒエラルキーが低いんですよ」
●そうなの?
「甲子園もないし。甲子園決勝の一週間後に明石の球場で偽甲子園みたいなのをやってるけど、誰も気にしてないというか」
●硬式と軟式ってまったく別物?
「全然違う。硬式はボールがまず痛い」
●(笑)。
「練習が好きだったんですよ。でも試合は緊張するから嫌いで。それと硬式は甲子園を目指してレギュラー争いもそうだし、負けたらお終いみたいな…。野球は好きだけど、競争とかバトルしたくない、みたいな精神性でしたね」
●ああ、そうなんだ。
「こっちは楽しく野球やりたいのに、強要するなよ。って。その顧問は初心者を��ごくないがしろにしていたし。それで辞めちゃった」
●勝ちたいよりも楽しみたかったんだね。高校のカーストは?
「中学で底辺で…。紅白戦でわざとデッドボール当てられたりするんですけど」
●イジメじゃん(笑)。
「『先輩、塁に出られてよかったッスね』みたいな。だからとにかく、輩とかしょうもないいじめっ子がいない進学校に行くしかないっていう強迫観念だけで勉強してました」
●その頃は頭はよかったんだ
「うん。学年で十番以内だった」
●おお、すごい。
「それで前橋高校っていう男子校の進学校に行って。そこはね、スクールカーストがなかったんですよ、何もない。いい大学行けるように自由にやれ。みたいな」
●グループがないの?
「いや、グループはあるしもちろんイケイケな奴もいましたけど、男子校なのでカーストを思い知らされる現場に遭遇しない。『あ、あいつ俺の好きな子と一緒に帰ってる…!!』みたいなシーンを見ないで済むというか。たぶん九割以上童貞だったはずですよ」
●男子校だとそういう劣等感は生まれにくいのかもね。
「そう、友達もいないけど、いじめられるでもなく。何もない。部活が終わったら自転車圏内にある三つのブックオフを毎週ローテーションするだけ。三週間後に行くと微妙にラインナップが変わってて。あとはツタヤで安い日に下北系を借りまくる日々」
●なるほど。
●話が戻るというか変わるけど、兄弟の影響とかありつつも、高校くらいは自分の意思で音楽を聴いてたの?
「そうですね。中学終わりくらいまで洋楽を聴いてなくて。兄貴がツェッペリンとかハードロックが好きで聴かせてきたんですけど、ハードロック伝説みたいなエピソードあるじゃないですか」
●はいはい。ありますね。
「オジーオズボーンがコウモリ食べたとか、ホテルでグルーピーと…とか。それがすごくカッコ悪く感じて」
●ああ、ロッククラシック的なエピソードが。
「『俺たち、ロックだぜ』みたいなのが嫌だったんですよ。でも中三の時に姉貴がWEEZERを『これ聴きやすいよ』って貸してくれて。それですごく衝撃を受けた。こんな冴えない人がバンドやってるんだ!みたいな」
●大味なロックバンドよりもうちょっとパーソナルなのが好みだった?等身大の。
「そうそう、等身大の。中学の野球部引退した後から邦楽のギターロックにハマりだしたんですよね。くるりから始まりモーサムとかシロップとか。ちょうどその頃全盛期だったんですよ。アジカン、アシッドマン、レミオロメンの御三家を筆頭に…」
●一番アツい時期だね。後に続けとたくさんのバンドが。
「あとアートスクールとバーガーナッズかな」
●UKプロジェクトとかQuipマガジン的な。下北が盛り上がってた頃だ。
「で、洋楽はWEEZERからオルタナとかシューゲイザーにハマっていった」
●今でもその辺りは好きだと思うんだけど。その時期に聴いていたものがバンドのルーツになってる?
「そうですねぇ、初めてやったバンドはNIRVANAのデモみたいな音質の、汚��て演奏が酷い感じだったような(笑)」
●ライブ初体験は?
「一番最初は中三の時に行ったゴーイングアンダーグラウンドかな」
●おお、意外。
「受験期にハートビートが出て、ずっと聴いてたんですよ。後は高校のとき、FLEEZにアートスクールとか観に行ってた。早瀬さんも行っていたとされる…」
●パラダイスロストのツアーだっけな。モーサムと。
「あと結成当初の秀吉が出ていた」
●意外と群馬はバンド大国だよね。
「当時はメロコアと青春パンクが強かったですね。で、陽キャがそういうのを聴いてるから逆張りで内省的なギターロックが好きだったのかも知れない。バンドに一切罪はなくても、銀杏とかが聴けなかった」
●ああ、自分が入っていく余地がないみたいな?
「そうですね」
●そこから大学に行くタイミングで上京?
「はい。東京じゃなくて横浜だったけど」
橋本君に『こんなくだらないとこ、さっさと抜け出そうぜ』って言って軽音部を辞めた
●そういえば楽器っていつ始めたの?
「中学の選択授業で体育選んだのに手違いで音楽になっていて、ピアノも辞めちゃったしどうしよう。ってなって」
●ピアノやってたんだ。
「小一から小六までやったのに何も身につかなかったけど。ト音記号の場所しかわからない。コンクール用の曲をひたすら半年前から練習してやり過ごしてたと思う。で、その授業でどうしようかなと思っていたら、いとこで駅でギター弾いている子がいて、その人がギターを貸してくれて。ゆずの楽譜とともに(笑)」
●まったく(ゆずを通った)イメージない(笑)。
「それでその曲は簡単だから何となく発表も乗り切れて。でもある日家に帰ったら兄貴がギター弾いてて、既にFとか抑えられるんですよ。『俺が借りたのに!』って。すごくムカついて(笑)」
●ああ、利用されたみたいな。
「そう。それでロクに弾いてなかったけど、高校受験の直前にギターロック聴きだしたからエレキが欲しいってなって。親に受験終わったらいいよって言われたんです。そしたら兄貴が『絶対ベースを買うべき。エレキは俺の弾けばいいから。ベース弾ければ高校でバンド組むとき重宝されるぞ』って言うんですよね」
●そうかな…。
「そしたら受験真っただ中で最初に話したオリオン通りにある新星堂が潰れることになって、弾くのは受験終わってからって約束で閉店セールでベースを買ったんです。で、勉強しててこっちは弾けないのに兄貴が弾いてるんですよ(笑)」
●ズルい奴だな(笑)。
「結局自分が弾きたいから弟に買わせると」
●それで「ベースを買った方がいい」って力説してたんだ。
「そうなんですよ。で、兄貴が僕が高二のときに大学進学でエレキ持ってっちゃって。家にアコギとエレキベースだけがある状態(笑)」
●厳しいね。
「しょうがないからアートスクールのベースをずっと耳コピしてて。部屋を暗くしてコンポ爆音でヘッドフォンつないで、小さいアンプからベースを弾いてる。親からしたら心配ですよね。子供部屋から重低音だけが鳴っている」
●うちの息子は大丈夫かって(笑)。
「受験の時もそうだしいろいろと心配をかけましたね」
●大学はどうやって選んだの?
「結果論というか、もともと大学デビューしたくて関西の方の大学を目指してたんですけど、高校の先輩が行ってた大阪大学ってところを志望校にして。センター試験って会場が適当な高校に割り振られて受けるんですけど、なんと会場が自分の高校の自分のクラスだったんですよね」
●えーすごい偶然だね。
「そのホームグラウンドで何故か受験科目を間違えて(笑)」
●何で(笑)。
「一日目にロッカー開けて確認したら『あ、阪大受けられないじゃん』って。それでやる気がなくなって高校も行かずに、もうA判定のとこならどこでもいいやって思ったら国公立の前期も落ちて、たまたま後期で引っかかって、気づいたらビーズの稲葉の後輩になっていたと。進路が決まったのが三月の二十日過ぎだったと思う」
●めちゃくちゃギリギリだな。
「ロックコミューン(立命館の音楽サークル)に入りたかったですね。くるりを輩出したでお馴染みの」
●あとヨーグルトプゥね。
「そうそう(笑)」
●そこでエミリー結成したの?
「満を持して『バンドをやるぞ!』って軽音サークル入ったんですけど。上下関係が厳しくて。しかもみんなメタルのコピバンをやっている。学園祭になるとOBたちが集結してジューダスプリーストとかやってるみたいな(笑)」
●すごいサークルの良くない感じが出てるね。
「新入生はすぐバンドを組んで五月にお披露目ライブで一曲やらなきゃいけないんですけど、僕は何故かたまたま同じ大学に進学した高校の同級生三人とバンドを組んだんですね(笑)」
●意味ないじゃん(笑)。
「陰の者同士で(笑)。それで何かコピーしようとしたけど全員下手過ぎてコピー出来なかったんです。ドラムはドラムマニア上がりでベースとギターはほぼ初心者で。だからオリジナル曲をやることにしたんです。で、同時期に橋本君ていうサークルの同期のミクシィが炎上しちゃった子がいて。『軽音部は内輪ノリでクソ寒いカスの集まりだな』みたいなのが先輩に見つかって」
●うわ怖いなー。
「その子もお披露目ライブで頭脳警察みたいなオリジナル曲やって。すごいカッコいいんですけど、めちゃくちゃ物を投げられるんですよね。ライブ中に。その後何故か僕のバンドも物を投げられまして(笑)」
●すごい荒廃してるな(笑)。
「終わった後橋本君に『こんなくだらないとこ、さっさと抜け出そうぜ』って言って辞めましたね。で、他の音楽サークルにロバートジョンソン研究会っていうのがあったんですけど」
●なんだそりゃ(笑)。
「あんまり研究してる感じはなかったかな(笑)。まぁ、ブルースとかハードロックのコピーをする割と穏健派のサークルだったんですけど。新歓行ったら最後に名のあるOBみたいなのが袖からわらわら現れて、十人ぐらいで「いとしのレイラ」を弾いてるんですよ(笑)」
●それは、ダメだね(笑)。
「ここもダメだって(笑)。で、ある日ロック研究会っていうサークルが大学の路上でライブをやってて。JR ewingっていうノルウェーのハードコアバンドのカバー…その時はカバーって知らなかったんですけど。それを演奏してて、ドえらいカッコよかったんです。赦先輩の同級生たちだったんですけど。で、そこに入ろうと思ったら、『ここはサークルというか半年5000円でスタジオ利用権をバンド単位で買う人たちの集まりだから、まぁ好きにしなよ』みたいな」
●へー。
「当時赦先輩はすごい怖い先輩とスリーピースやってて、赦先輩も怖かったんですよね」
●ちょっとイメージと合わないね(笑)。
「そうですね。『後のバンドメンバーである』って漫画だったらナレーションがつく」
●『この時はまだ知る由もない』みたいな。
「(笑)」
今日大学ですごい面白いことあったのに、ライブで今歌ってるの、めちゃくちゃ暗い歌詞だなぁコレ
●なかなかエミリー結成しないね…
「いや、その同級生とのバンドが大学一年の終わりくらいに解散しちゃって、遅いハードコアをやってたんですけど」
●遅いハードコア(笑)。
「で『よし、今度はシューゲイザーをやろう』ってエミリーライクステニスが結成された」
●シュー…ゲイザー?
「当初はギタボが自分で、ベースが女の子で、ドラムは残留して、あとギター兼フルートがいた」
●編成だけ聞くとそれっぽいね(笑)。
「そうなんですよ。で、新歓ライブをやったらフルートが『カッコ悪いことしたくないわ』って抜けちゃって」
●曲はオリジナル?
「全部自分が作ってましたね。で、スリーピースになっちゃって、ギター二本ないとキツいわって思って。当時僕とドラムがポストパンクにハマってたんで、じゃあそういうのをやろうってなって。それが2008年の夏くらいかなぁ」
●なるほど。バンド名はずっとエミリー?
「そう。でもその後ドラムがギャンブルにハマっちゃって」
●ああ、良くない方向に。
「どうしたんだよ、って家に行ったらスロットの筐体が置いてあって」
●もうダメだ。
「それで脱退して途方に暮れてたらバイト先にクロアチア人が入ってきて。『ドラム出来ます』って言うからあ、ちょうどいいじゃん!って。デヤンさんっていうんですけど」
●加入したの?
「うん。クロアチアン・パンク時代ですね」
●そんなのあるの?
「いや、わかんないです(笑)。で、その人がライブの前日に『もうすぐ子ども生まれるからライブ無理かも』ってメールがきて、マジかと思ってたら翌日普通にリハ来てるんですよ(笑)」
●(笑)。
「『赤ちゃん大丈夫?』って訊いたら『昨日生まれて今ガラスん中入ってるから大丈夫』って」
●ガラスん中(笑)。
「それがきっかけかわからないけど、家族の圧により2009年の春くらいに脱退して。その後ベースも辞めるってなって」
●とうとう一人に。
「そう、で、どうしようと思ったんだけど、サークルの��学年後輩に泉君っていう毎日JOJO広重のブログを読んでる子がいて」
●だいぶオルタナティブだな(笑)。
「その子にベースをやってもらって、あと二つ下の武井君って子がドラムに加入した」
●だいぶ変わったね。
「でもその頃の音楽性はポストパンクとニューウェーブみたいな感じのままですね。で、どこでライブやっていいかわからないから、横浜…中華街の近くのライブハウスに毎週出てた」
●あーあそこね。
「そう、あれは本当に時間の無駄だった」
●(笑)。
「ブッカーにすごいナメられてたんですよね。暇な大学生の穴埋めバンドって」
●学生のバンドっていうのはねぇ…。
「酷い時は『来週の水曜日出れる?』みたいな。で、『面白いイベントになりそうなんだ』って言うから出てみたらアコースティック・ナイトってイベントで(笑)」
●酷いな(笑)。ありがちですね。いや、ありがちじゃよくないんだけど。じゃあ横浜が多かったんだ?
「あと下北のいろんなところに、殊勝にもデモを送ってたんですよ。モザイクとか251とか、今思うとちょっと違うんだけど(笑)」
●カラーが違うね(笑)。���もちょっとずつ広げようとする気持ちが。
「あと当時MySpace全盛期で」
●流行ってたね。
「そこでモーションとグッドマンと…葉蔵さん(中学生棺桶、例のKのボーカル)が働いてた頃のバベルかな。誘ってもらって。『あ、あっちから誘ってもらえることあるんだ!?』みたいな」
●『音源を聴いて連絡しました』みたいなのね。
「そうそう。まぁ、いわゆる平日の条件で今思えばアレですけど、それでも嬉しかったですよね。だからその人たちの悪口は言えない」
●(笑)。見出してくれたから。
「別にそこから鳴かず飛ばずですけど(笑)」
●(笑)。でもそこで知り合ってまだ付き合いがあるバンドがいる。
「そうそう。だから初めてモーション出たときのブッキングは今でも覚えてて、クウチュウ戦(現Koochewsen)、ギター大学、プラハデパートっていう」
●すごいメンツだな(笑)。
「すごいですよね。で、クウチュウ戦なんて年下じゃないですか。なのに上手過ぎて。『え!?東京ってこんなにレベル高いの??』。もう、幽遊白書の魔界統一トーナメントみたいなモンですよ」
●こんなすごい奴らが何の野心も持たずに…っていうやつね(笑)。
「そう、雷禅の喧嘩仲間のくだりね。で、初めてバンド友達が出来たというか。otoriとかもかな」
●音楽性的にも共鳴出来て。
「同世代だし。そんな感じでやってたんですけど、ライブやった後めちゃくちゃテンション下がるんですよね。当時の音楽性が」
●自分たちの音楽性のせいで?
「そう、お葬式みたいな気持ちになるというか。早瀬さんは四人になってからしか観てないと思うんですけど。当時は歌詞も暗いし」
●今とは全然違うね。
「うん。リフとか再利用してるのはありますけどね。普段部室で泉君とムーの話とか未解決事件の話をいつもしてて、そういう瞬間はテンション高かったり楽しかったりするのに、ずっと暗いことを歌ってなきゃいけないのはしんどいなって」
●最初の部活の話と少し繋がってくるかもね。
「うん。あと暗いバンドをやっていると暗くなきゃいけないと思っていて。打ち上げはしちゃいけない。みたいな思い込みもあり(笑)」
●イメージに縛られ過ぎてる(笑)。
「でも『死にてぇ』とか歌ってた人が打ち上げで乾杯してたら違和感あるじゃないですか。そういう強迫観念で自家中毒になってしまったというか。『今日大学ですごい面白いことあったのに、ライブで今歌ってるの、めちゃくちゃ暗い歌詞だなぁコレ』って」
●過敏だったんだね。
「センシティブだったんですよ。グッドマン出ても(ブッキングの)鹿島さんにすごいディスられてたし」
●ダメ出しが。
「で、MCだけすごい褒められる(笑)。当時三曲くらいやると僕が小噺をして(笑)」
●面白エピソードみたいなのを。
「『この間バイト先で…』みたいな。今思うとああ、平日のモーションだなぁって思うんですけど(笑)」
●そうだね(笑)。
「でも『この後もカッコいいバンドばっかり出るんで最後まで楽しんでいってください』とかは言ったことないですよ」
●『名前だけでも覚えて帰ってください』みたいな奴ね。
「(笑)。そう、それも言ったことないです。で、だんだんしんどくなってきたんで、どうしようかなと。当時の曲作りが僕がリフを持っていって、泉君がめちゃくちゃにするみたいな感じでやっていて。ドラムの武井君はすごいいい奴なんですけど、当時から曲の展開が多くて、たまに展開を忘れて、止まっちゃうんですよドラムが(笑)。ドラムの音がなくなったその瞬間僕と泉君がキレて楽器を投げつけてしまう。そういうことをしてたら『正直もうしんどいッス』って言われて、本当に申し訳なかったなと思いますけど」
●行き詰ってるね…。
「当時二学年下に獣-ビースト-とT-DRAGONがいたんですよ。僕が四年生、泉君が三年生の時です。みんなロック研究会にいたからそれなりに話してたんですけど、T-DRAGONは当時ノイカシのシグマとよくわからないバンドをやってて、あんまりパっとしなくて。獣-ビースト-はもっと謎で、時折八時間くらいスタジオ抑えてるんですけど、一人で入ってて何やってるかよくわからないんですよ」
●怖いな(笑)。
「本人曰くテクノっぽいのを作ってたらしいんですけど、結局一度も日の目を見ることなく。で、見た目がセドリック(At the Drive-Inのボーカル)っぽいじゃないですか。当時今よりもセドリックっぽかった。それでT-DRAGONに武井君の代わりに叩いてってお願いしたら、ライブとか観に来てくれてたのもあり割と快諾してくれて。で、獣-ビースト-に『At the Drive-Inみたいなバンドをやることになったから。ボーカルやって。この日スタジオいるから』ってメール送って。返事がなかったんですけどちゃんとその日スタジオに来てくれて、漸く今の編成の原型が出来たんですよ」
●やっと今の形に!
「いやー長いですね。この時点で大学卒業する直前ですね」
仕事に好きとか興味とか求めない方がいいな。土日休みならバンド出来るから
●就職とかはどうしたの?
「大学三年の秋くらいに『どうしよっかなぁ』って出版社とか何となく受けていて。で、僕はマルチタスク機能がものすごく低いんですよ。いろんな会社を同時に受けるみたいなのが出来なくて、一社受けてそこそこのところまで行って、落ちて、また別のところにエントリーして、みたいな」
●落ちるとゼロになっちゃう。
「そう。変に真面目なところがあるんですよ。面接で絶対「弊社が第一志望ですか?」って訊かれるんだからそこ以外受けちゃダメだよな。みたいに思っていた。あと某音楽雑誌の会社も受けたんですけど圧迫面接だったんで逆ギレして帰った」
●えー圧迫面接なんだ。
「エントリーシートに物凄い熱量をぶつけたんですよね。そしたら面接官に鼻で笑われたというか。『随分音楽が好きなんですね。ハハッ』みたいな。ライターの坂本真里子が好きだったんで受けたんですけど。まぁ入る価値のない会社ですね!って」
●すごいな。
「そういう感じで疲弊してきたからとりあえずモラトリアムを伸ばそうと、大学院行こうかなぁって思ったんですよね。そしたら親もそうだけど姉がすごい説教をして。うちの姉はすごい傾き者なんですよね(以下、傾き者エピソード)。で、大学院も行かない方がいいか、と。それでもう仕事に好きとか興味とか求めない方がいいな。土日休みならバンド出来るから。って今の会社に入ったんですよ」
●就職してからバンドとの両立はどうだった?
「難しいというか、当時僕が一番年上で唯一社会人だったからノルマとかスタジオ代全部負担してたんですよね。それがキツかったかな(笑)。たぶん2014年初頭くらいまで」
●結構最近までじゃん(笑)。
「獣-ビースト-とかT-DRAGONが就職するまでは基本的にあまり負担させないようにしようと。赦先輩も当時サポートだったし。でもグッドマンとモーションは本当に良くしてもらったから。あと両立と言うか…。僕大学を卒業する時に大学の近くに引っ越したんですよ」
●卒業するときに?
「意味がわからないんですけど。入った会社が家賃補助がないということに気づいて、極限まで安いところに住まなきゃって。本当にヤバい、タックルしたら崩れるような家。後にT-DRAGONもそこに住むんですけど」
●安いってどれくらいなの?
「えっとね、18000円」
●安すぎでしょ!!
「七畳+キッチン+風呂トイレ別でそれですからね。本当は20000円だったけど入るときに『大学院生です』って言ったら安くしてくれた(笑)」
●いいなぁ。
「いや全然良くない。ボロいなんてもんじゃないですよ。木造の長屋を三分割して三部屋になってるんですけど。築は…五十年くらいかな。で、風呂が外にあるんですよ」
●共用?
「いや、共用じゃなくて、もう一つのプレハブ長屋みたいなのがあって、それが三分割されてるんですよ」
●なるほど。
「で、その外風呂が、外からしか鍵がかからない(笑)」
●閉じ込めることしか出来ない(笑)。
「そう。で、大学が近いので土日のスタジオは大学でやってたんですよね。ライブは基本土日で。平日のライブの時は誰か後輩に楽器を託して…。無理やりやってましたね」
●その頃はもう割と東京のオルタナシーンに食い込んでる感じの。
「確かうみのてと対バンしたのが2012年初頭で」
●一月だった気がする。
「グッドマンでね。あれが転機っていうと大げさですけど」
●いわゆるライブハウスに良く来る人たちに知られた感じかもね。
「その頃はやたらトリプルファイヤーと対バンしてた気がする。2012年から今でも親交がある人と一緒にやり始めた」
●まだ2012年だ。
「長いですね。とりあえず赦先輩が入るまでの話をすればいいかなって…」
●いつだろ
「2013年の春くらいかな。で、2012年の春に泉君が大学院に進学するんですけど、関西に行っちゃったんですよね。もう続けられないねって。で、サークルのかなり下に内海君ていうスキンヘッドの子がいて、見た目がいいから誘った。それが失敗だった(笑)」
●まぁいろいろ、あったね(笑)。
「うん、いろいろあった(笑)。それでバンド辞めてもらって。赦先輩はしばらく連絡もとってなかったんですけど、サポートやってもらえませんか?ってお願いして。で、なし崩し的に正規メンバーになってもらった。現在に至る」
●赦さんが入ってだいぶ音楽性に幅が。
「内海君の頃までほとんど僕が考えてたんですけど、赦先輩が入って初めてスタジオで曲を練り上げる、みたいな。バンドっぽくなってきた」
●他のメンバーのエッセンスが入ってきて
「こういうフレーズはどうかな、とかイメージを膨らませたり」
●やっとバンドらしいエピソードに(笑)。
「そこまで辿り着くのに五年くらい要してる(笑)」
●そこからは今に至る。
「メンバーは変わらないけど、音楽性はだいぶ変わったかな。ハードコアが薄れて…何というかメタ的な曲が増えた」
●そうだね、ハードコアでもプログレでもない、何とも言えない。
「何とも言えない(笑)。演劇の要素だったり、曲の中にもう一曲あったりとか」
●はいはい。
「構ダンカンバカヤロー!を観て『あ、こういうのでもやっていいんだ』とかボーダーを再確認させてもらってますね」
●アウトとセーフの線引きを。
●バンドの成り立ちはこれ��らいにして、曲のアイデアとかどういう時に考える?
「基本のリフは今でも僕が考えるんですけど、スタジオで試して、カッコいいだけだとボツになるんですよ(笑)」
●(笑)。
「後はコンセプトをみんなで固めて。リフのパーツを無数に作っておいて、当てはめる感じ。シチュエーションとか」
●コンセプトありきでそこから曲と歌詞?
「それがないと今は逆に作りづらいですね」
●歌詞は誰が?
「今はほとんど獣-ビースト-です。Brand-new suicides(エミリーの楽曲の中に登場する架空のバンド)の曲だけ僕ですね」
●そうなんだ(笑)。ライブの時の意識は変わってきてる?
「昔はカッコよく思われたいみたいなのが多少あったと思うんですけど、今はもうとにかく面白いかどうか、みたいな。『さぁ、消費しろ!』って。最悪『何も思い出せないけどとにかく楽しかった』でいいや。って。『よくわかんなかったけど面白かった』でいい」
●それはすごくいいことだと思う。
「『よくわかんないけど凄い』という方向だと絶対勝てないじゃないですか。グランカとかルロウズとか。最高峰に。そっちは無理だから、変化球で攻めるしかない」
●ライブ中ってどういうことを考えてる?
「なるべく仕事のことを考えないようにしている(笑)」
●(笑)。
「ハンターハンターのシャルナークのオートモードみたいな。あれに近い感じになると割といいライブが出来ますね。今何を弾いてるとか一切考えずに弾けるときがあって。逆に『このフレーズ難しいんだよな』とかふと思い出すと弾けなくなっちゃう」
●邪念が入ってくるとね。
「だからなるべくオートモードで弾くようにしたい」
●展開がすごく複雑だから身体が覚えるまですごく時間がかかりそうな印象があるけど。
「でも正直、曇ヶ原(エンリケ後悔王子が過去在籍していたプログレバンド)より全然覚えやすいですよ」
●マジか(笑)。
「曇ヶ原はA→B→フォントが違うA→フォントが違うBみたいな感じで繰り返しが多いけど微妙に違ってて。でもエミリーはとにかくAからZまで覚えるだけなので(笑)」
●なるほどね。
●平日はどういう生活をしてる?
「仕事に行って、帰って、疲れて寝る。みたいな(笑)。『無』でしかない」
●仕事終わった後に何かするって難しいよね。
「平日何も出来ない病なんですよ。かれこれ十年」
●音楽は聴いてる?
「精神的にキツいと音楽も聴かなくなるというか、耳馴染みがいいやつしか聴けない時がある」
●新しい物を受け入れる体力もない時はあるよね。
「昔のJ―POPとか、中高のとき聴いてたのとか」
●最近はどんなのを?
「ジャンル的にはユーロビートですかね」
●ええ!?
「あれって速いんですけど、リフ的にオイシイというか。ファミレスで言うとミックスグリル定食みたいな曲ばっかなんですよ。キラーリフてんこ盛りみたいな」
●詰め込んである感じで。
「これは意外とヒントがあるなと」
●なるほど。バンド的に取り入れるぞ!って意識で聴いてるの?
「サウンドは取り入れようがないので、和音のリフとかフレーズを参考にしている感じ。あとは昔J―POPとして聴いてた、例えばglobeとかSPEEDとか、それをCDで聴き返すとめちゃくちゃ発見がある。『この曲のバンドサウンドすごいな』とか『あ、あの曲のパロディーなんだ』みたいな」
●メロディーしか覚えてなかったけど、聴き返すとアレンジがすごい、みたいなのはあるよね。
「そうそう。小さい頃はマイラバの声は『すごい声だな』って。オーバーダビングの概念がないから(笑)。みんなホーミーみたいにああいう声を出せるんだと。ミスチルとかめちゃくちゃハモれてすごいなって(笑)」
●すごい技術だ(笑)。
記録媒体として一番長持ちするのは石か壁画なんですよ。レガシーをね、遺したい
●バンドをやってもう結構な歴があるけど、やってなかったらどうなってた?
「うーん。土日関係ない仕事をしてたかなぁ。あの…中学の時の夢が『オリックスの球団職員になること』だったんですよ」
●球団職員なんだ(笑)。
「プレイヤーとしての限界は悟ってたので(笑)」
●裏方でもいいから野球に携わるという。
「もっと前は小説家とか、マンガ家とか。いわゆるキッズが憧れるクリエイティブ職になりたかったけど。バンドやってなかったら…。ちょっと想像つかないですね」
●例えば今の生活からバンドが何らかの理由でなくなったとして、今の仕事だけ続けてくのは気持ち的にしんどい?
「しんどいですね。実際今それに近い状況になっているけど…。表裏一体というか、それでバランスとってたんだなぁって。普段はバンドと野球とハリエンタルラジオだけで生活出来たらいいなって思ってたのに(笑)」
●なるほどね。
「仕事以外のコミュニケーションが欠乏してて、ストレスが溜まっていく。バンドメンバーって十年近く、今まで少なくとも二週間に一回は会ってたのに。その人たちに一ヵ月以上会わないのは違和感がすごくて」
●フラストレーションが溜まってる感じ?
「この間スカイプでバンド会議みたいなのをして『いやぁ、楽しいなぁ』って(笑)。普段赦先輩がスタジオ遅刻するとすごく嫌な対応をみんなでしてたのに(笑)」
●失って初めてわかる大切さみたいな。
「前よりも優しくなれるかも知れない(笑)」
●今はこういう状況ですけど、また落ち着いた頃にこうしていきたいとかバンドである?
「昔の自分みたいな、基本的に陰の者に『楽しいなぁ。バンドやってみたい』とか思われたいですよね。以前モーションで話しかけてきた男の子が、二十歳くらいなんですけど。『僕もバンド組みたいです!』って言ってて、あ、嬉しいなって思って。その後コンパクトクラブで群馬に行ったときにその子がまたいて『僕、バンド組みました!』って嬉しそうに報告してくれたんですよ」
●普通にいい話だ(笑)。エミリーは水とかうちわとかいろんな形態でリリースしてるけど、今後こういうのを出したいとかある?
「そうですね。僕が考えていたのがダウンロードコード付土地なんですけど]
●(笑)。
「10万円くらいの離島の土地を買って、そこに看板とQRコードを貼って、辿り着きさえすればフリーでダウンロード出来るみたいな(笑)」
●なるほど。
「アドベンチャー型音源」
●面白いな(笑)
「石碑でもいいけど。記録媒体として一番長持ちするのは石か壁画なんですよね。だから最終的にはそれでリリースしたいんですよね。将来オーパーツみたいになるかも」
●遺跡として遺っていくかもね。
「レガシーをね、遺したい」
5 notes
·
View notes
Text
勝生勇利は四回転フリップを二度跳ぶ
全日本選手権とロシア選手権は重なっており、ヴィクトルは勇利の試合に帯同できなかった。もしロシア選手権のほうがさきに開催されていたなら何を置いてでも飛んでいったのだが、とヴィクトルは悔しがった。 しかし、勇利の出来については何も心配していなかった。グランプリファイナルであれだけの演技ができたのだから、優勝はまちがいないだろう。四回転フリップなしでも勝てるけれど、勇利ならきっと入れてくるにちがいない。世界選手権であの構成を完成させるという意味では、よい練習になる。ヴィクトルはジャンプについては何も口出しせず、勇利の好きにさせるときめていた。 それにしても、彼は昨年、全日本選手権ではジャンプをすべて失敗したという。その演技を見たけれど、確かにひどいものだった。水準が低いというよりも、何か歯車が狂っているといった感じなのだ。けがをしているのでは、と心配されたのも無理はない。グランプリファイナルで惨敗し、直後の全日本選手権では失敗のうえに失敗を重ねる。見ているほうはたまらなかっただろうな、とヴィクトルは想像した。観察したところ、勇利のファンは、熱狂的といえる者が多い。ヴィクトルにも過激なファンはいるのだが、それとはまた性質のちがう──なんというか、「命がけ」といった様子で応援しているようなのだ。勇利は日本では頂点に立つような選手だけれど、世界的にずば抜けてすばらしいというほどではなかった。少なくとも昨季までは。もちろん、成績だけでこういうことははかれず、そのひとの持つものが大切なのだが、それにしてもあれほど熱心なファンがいるというのはすごい。勇利の魅力ははかりしれないのだな、とヴィクトルは思っていた。しかしそのファンたちも、いまは安心しているだろう。 ヴィクトルはロシア選手権に出場し、まずショートプログラムで一位という成績をおさめた。最高の演技とは言えないが、それほど悪くもない。 「まあこんなものかな。まだ本調子じゃないけど」 ヴィクトルがつぶやくと、ユーリが憎々しげな視線を向けてきた。 「さて、勇利は……」 ヴィクトルは勇利のショートプログラムを動画で確認した。そして仰天した。なんだこのジャンプは? 勇利は、まずトリプルアクセルで手をついた。四回転サルコウからのコンビネーションは、セカンドジャンプでオーバーターンした。最後の四回転フリップは転倒した。 「ちょっと……」 スピンやステップはよかった。しかし、いまの勝生勇利からは考えられない演技だった。昨季までの「技術点を失っても演技構成点で持ち返す」という法則にのっとったかたちだ。かろうじて一位となったけれど、二位とは僅差である。 「勇利!?」 何やってるんだ!? どこか痛めているのか!? ヴィクトルはすぐさま勇利に連絡を取った。 「あ、えっと、ヴィクトル、ショート一位おめでとう。すごいよ。かっこよかった。あの……」 「俺のことなんかどうでもいい!」 ヴィクトルは声を大きくした。 「けがしてるのか!?」 「してない……」 「あれっていったいどういうこと!?」 「え、えと、ただ調子が悪かっただけです……ごめんなさい……」 ヴィクトルは、動画を見ていて気がついたことを一気にまくしたてた。まったくもう、勇利は、ちょっと目を離すとこれだ! 「勇利、聞いてるのか!?」 「聞いてるよ、わかったよ。いまメモを取ってたんだよ」 「フリーは……」 「フリーは大丈夫だよ! ノーミスだよ! まかせて!」 「本当かな……」 「本当! 本当!」 「信じてるからね」 「うん!」 ヴィクトルは息をついた。勇利は強がりを言っているという感じではない。ショートプログラムの結果に落ちこんでいる様子もない。「やっちゃった……」くらいの気持ちなのだろう。まったく……。 フリースケーティングの滑走当日、ヴィクトルは勇利のことが気になって仕方なかった。演技前に電話をしたほうがよいだろうか、いやそのほうが気が散るか、と頭を悩ませる。 「おいヴィーチャ、落ち着け。そわそわするな。いまさらなんだ」 「勇利が心配なんだよ。もしかしたら泣いてるかもしれない。大丈夫かな」 「おまえな……」 「あぁあ、やっぱり付き添えばよかった」 「できるわけないだろうが」 ヴィクトルは優勝し、報道陣と観客に笑顔を振りまいたが、内心ではひやひやしていた。勇利はどうだっただろう。早く結果が見たい。ヴィクトルはホテルへ向かう車に乗りこむなり、携帯電話を取り出してニュース記事を調べた。勝生勇利、全日本選手権、優勝。 「よかった……」 持ち直したのだ。まったく心配させてくれる。ヴィクトルはほっと安堵し、演技の動画を再生した。隣にいたヤコフがディスプレイをのぞきこんでくる。ヴィクトルは得意になって胸を張った。ヤコフも俺の生徒のすべりが気になるんだな。そうだろうとも。なにしろ俺の勇利だからね! 「…………」 「……なんだこれは」 冒頭からあぜんとした。ちっとも持ち直していない。ジャンプの調子があまりにも悪い。 「カツキはどこか痛めとるのか?」 「痛めてない……」 「それでこれか?」 「勇利はそういう子なんだよ!」 さすがに昨季の「全ミス」をくり返してはいないけれど、本来の勇利からは程遠い演技だった。優勝できたのは、スケーティングのうつくしさのききめが強かったのと、ほかの選手も失敗をくり返したためだ。 「あー……」 ヴィクトルは頭を抱えた。勇利は落ちこんでいるだろうか。もしかしたら、がっかりしているというより、ヴィクトルがどんな説教を始めるかとそちらを気にしているかもしれない。まったくもう、難解な子だな。 「なんだ。とっとと電話して叱りつけんか」 ヤコフがあきれたように言った。 「ちょっと待ってちょっと。整理するから」 「おまえが動揺してどうする」 「ああもう。ああもう」 「四大陸とワールドの代表には選ばれたようだな」 「次四大陸か……。ヤコフ、俺行くからね」 「あの選手は、おまえがいなければまともにすべれない呪いにでもかかっとるのか?」 「今回はちがうんだ。今回はちがうんだ」 ヴィクトルは溜息をついてまぶたを閉ざした。そんな彼を横目でヤコフが観察している。 「……ヴィーチャ」 「なに? 俺いま忙しいんだけど」 「グランプリファイナルのショート、カツキはユーリと二十点以上の差がついたな」 「ああ、うん。それが?」 「おまえ、それで、優勝させるために何か具体的な提案をしたか?」 「…………」 ヴィクトルは閉じていた目を開けた。 「四回転を一本増やしていたが、あれはおまえの案か?」 「……いや、ちがう。勇利が自分の判断でそうした」 「おまえは演技前、カツキに何を言った?」 「……勇利なら優勝できると」 「ふん」 ヤコフが鼻を鳴らした。 「二十点以上の差をつけられていて、助言も与えずに、『優勝できる』か」 「…………」 ヴィクトルは、あのときはいろいろあって、と言おうとしてやめた。 「いいか、ヴィーチャ」 ヤコフがヴィクトルに指を突きつけ、キスアンドクライで説教するときのようにがみがみと言った。 「カツキがどれほど才能ある選手か知らんが、コーチがおまえなら、わしの生徒が負ける気はせん!」 ヴィクトルは瞬いた。 「ちゃんと四大陸で調整して立て直せ! わかったかヘボコーチ!」 四大陸選手権で再会した勇利は、落ち着いており、体調もよさそうで、問題は見当たらなかった。勇利は全日本選手権の成績をふがいないと感じているらしく、「今回は大丈夫だから」とヴィクトルに約束した。彼の瞳は勝ち気に強く輝いていたし、おどおどした態度はいっさいなかったので、ヴィクトルは安心した。 「オーケィ勇利。きみならできる。信じてるよ」 「うん。……ところでヴィクトル」 「なんだい?」 「……あ、会えてうれしいよ」 赤くなって視線をそらした勇利を見て、ヴィクトルは、俺の勇利がかわいい……と目元に手を当てた。 公式練習でも勇利は調子がよかった。すべてのジャンプがおもしろいようにきまっている。報道陣も、こぞって「勝生、すばらしい仕上がり」「四回転ジャンプすべて成功」と書き立てた。 「ヴィクトル聞いて! まるでヴィクトルみたいなジャンプって言われたんだよ!」 「そうか。もちろん明日はノーミスだね」 「ちょっと、またそうやって煽る……」 しかし、勇利はショートプログラム当日、公式練習での好調がうそのように失敗を重ねた。すべてのジャンプに減点がつき、かろうじてステップとスピンは最高評価だったものの、すばらしい練習とはまるで異なる内容だった。 「勇利……」 ヴィクトルはキスアンドクライで勇利を抱き寄せた。勇利が青い顔をしている。なぜだ、とヴィクトル自身混乱していた。あんなに調子がよかったのに。 得点は、グランプリファイナルで出したものよりも低かった。厳しいな、とヴィクトルは目をすがめた。ほかの選手も調子が出ないのか、さほど差はないが、順位は三位だった。 「何がいけなかったんだろう……」 勇利がつぶやいた。 「そういう日はある。練習で好調なのに、なぜか本番で降りられないことがね。練習がよすぎて、いつも気をつけている点がわからなくなるんだ」 ヴィクトルは翌日の公式練習後のインタビューで、「フリーは問題ないよ。ま、記録更新だね! 勇利が優勝して、金メダルにキスさせてくれるはずさ」と笑顔で語った。 「あのさ、ヴィクトル、ああいうのほんとやめてよ……」 その夜、ヴィクトルの腕枕でうとうとしながら、勇利がとろんとした口ぶりで抗議した。 「なんで? だって優勝するだろ?」 「したいけどさあ……記録更新とか……」 「俺の勇利ならやってくれるさ」 ヴィクトルは勇利の額にくちづけしてほほえんだ。 「不安かい?」 「んー……」 「俺の生徒だ。やるさ」 「……でもあんまり調子よくない……」 「調子なんか気にするな。きみはショートの前、絶好調だったのにあんなひどい演技をしたじゃないか」 「あのさあ……その言い方……」 「逆に言えば、不調でもいい演技ができるということだ」 「そうかなあ」 「そうだ」 ヴィクトルは勇利に頬ずりをし、目をほそめてほほえんだ。 「俺が言うんだからまちがいない」 「…………」 「だろ?」 勇利はゆっくりと瞬いた。彼も微笑を浮かべる。 「……うん」 勇利は���ィクトルの胸に甘えるようにすり寄った。 「ヴィクトルが言うんだから、まちがいないね……」 「そうだ」 勇利は間もなく寝息をたて始めた。緊張はしていないようだ。そう、ゆっくりやすむんだよ、たくさん寝るんだ、とヴィクトルは彼の髪をそっと撫でた。 勇利のためにできることはなんだろう。俺は彼のコーチなんだ。ヴィクトルは勇利のまぶたにくちびるを押し当てた。氷の上では誰もが孤独だ。ヴィクトルだって、そこへ出ていって助けてやることはできない。しかし、何もできないわけではない。勇利にとっていちばんよいことをしてやらなければ……。 観客席を見渡したヴィクトルは、日本人が多いな、と思った。勇利のために遠征してきたのだろう。さすが熱狂的ファンである。今日は勇利が優勝するところを見られるからね、とほほえんだ。勇利は六分間練習でも不安そうにしていた。 「勇利」 演技前、ヴィクトルは、フェンスを挟んで青い顔をしている勇利の手を握った。勇利が痛いくらいの力で握り返してくる。 「勇利、頼みがある」 ヴィクトルはささやいた。勇利は声をひそめ、なに、と答えた。 「いまからの四分��、きみの時間を俺にくれ」 勇利が目をみひらいた。 「俺だけに……」 ふたりは瞳の奥を熱心にみつめあった。ヴィクトルはほのかに微笑し、勇利のほうはぼうぜんとしていた。 「いいかい?」 「…………」 ヴィクトルが答えを迫った。勇利は一度瞬きすると、ふっと口元に笑みを漂わせ、ひとつうなずいて「わかった」と言った。 「ヴィクトルのために踊るよ」 彼は瞳をきらきらと輝かせ、身を乗り出して誓った。 「このフリー、ヴィクトルに捧げる」 ヴィクトルは手を持ち上げ、勇利の指輪にくちびるを押し当てた。勇利はまつげを伏せてそれを見ていた。 「いってきます」 スタートポジションにつき、勇利が大きく息をついた。それに合わせ、ヴィクトルも深呼吸した。ふたりの気持ちはひとつだった。 曲が始まった。ヴィクトルはもう、こぶしを握りしめていた。冒頭のコンビネーションジャンプ。それで勇利の調子がすべて伝わる。直前の六分間練習など関係ない。勇利は演技に入るまでわからないのだ。 フォアアウトスリーターン、足替え──勇利が跳んだ。四回転トゥループ、続けて二回転──。 ヴィクトルははっと息をのんだ。二本目が抜けた。単独ジャンプになってしまった。 ヴィクトルの頭がめまぐるしく計算し始めた。どこかでコンビネーションを入れなければならない。四回転トゥループはもう一本ある。あれに二本目をつけなければ減点される。勇利はちゃんと理解しているだろうか? ヴィクトルはスピンしている勇利をみつめた。落ち着いているように見える。さすがに勇利のスピンはうつくしい。そう、気持ちを切り替えて。単独にはなったけれど、ジャンプの質自体は悪くなかった。もう一本の四回転トゥループをコンビネーションにできれば問題ない。 次のジャンプは四回転サルコウだ。これは完璧にきまった。ヴィクトルはほっと息をついた。勇利は焦ってはいない。大丈夫だ。次はトリプルフリップ──。 ヴィクトルはその瞬間、あっと声にならない声を上げた。会場からも悲鳴が上がった。勇利はフリップジャンプを跳べなかった。踏み切りの瞬間、ジャンプの勢いそのままに転倒し、氷の上をすべってフェンスに叩きつけられたのだ。 「勇利!」 ヴィクトルの顔から血の気が引いた。かなりの速度が出ていた。転び方や打ち所が悪ければけがをしているだろう。一瞬のうちに、中断、病院、という単語が浮かんだ。 「ゆ、勇利──」 しかし勇利は両手をつき、顔を上げてすぐに立ち上がった。彼はスピードを取り戻すために一生懸命に漕ぐと、演技を再開して踊り始めた。観客席から応援の歓声が上がる。すぐにコレオグラフィックシークエンスだ。いつもの静かでうつくしい姿勢だが──。 大丈夫だろうか? ヴィクトルは気が気ではなかった。演技中は夢中になっているため、痛みのことなど考えられない。どこか悪くしていてもそのまま跳んでしまうだろう。ヴィクトルは目をこらした。勇利がおかしな動きをしていないか、足をかばったりしていないか、真剣に検分する。トリプルアクセル。普段と変わらず見事だ。問題ない。ヴィクトルは安堵した。しかし、すると今度はジャンプ構成がまた気になり始めた。このすぐあとに四回転トゥループなのだ。コンビネーションにしなければならない。勇利はわかっているだろうか? いまの転倒と激突で頭の中が真っ白になってしまっているかもしれない。 勇利──。 勇利が忙しく足を踏み替える。そして──。 「え……」 ヴィクトルは言葉を失った。トゥループではなかった。四回転フリップだ。 なぜだ!? ヴィクトルは愕然とした。なぜいまフリップを跳んだ。四回転フリップは最後に跳ぶ大技だ。審査員に演技の質の高さを印象づけるため、そのようにした。それをここで跳ぶとは。最後では体力がもたないと判断したのか。それならそれでいい。終わりに四回転トゥループと二回転トゥループのコンビネーションジャンプ。構わない。最後がコンビネーションだというのは、リカバリの余地がないためいささか不安だが──勇利がそれがいいときめたなら問題はない。しかし──。 ヴィクトルは落ち着かなかった。本当にそうだろうか? 勇利はそう考えているだろうか? 安全策を採ったのだろうか? あの勇利が? いつもぎりぎりのところを攻めて、それを向上心につな��る勇利が──? ひとつジャンプが抜けた。転倒して体力を失った。そのせいで変更している。それはわかる。だが、勇利はそういう切り替えをする選手だろうか? かえって挑戦したがるのではないだろうか? 転倒したため、ジャンプがひとつ消えているのだ。三回転フリップの得点が入らない。勇利は体力が尽きることより、失った点数を気にするのではないか? 『このフリー、ヴィクトルに捧げる』 「勇利」 ヴィクトルはつぶやいた。まさか……。 まさか勇利、四回転フリップを二本跳ぶつもりじゃ──。 ヴィクトルは思わず手すりを握りしめた。勇利の四回転フリップは完成しているとは言えない。入り方はすばらしいけれど、着氷が不安定なのだ。コンビネーションにできるかどうかわからない。もしできなければ、たとえ完璧なジャンプだったとしても減点される。 「勇利──」 勇利がジャンプを次々ときめてゆく。転倒や激突があったとは思えない、うつくしいジャンプだ。なめらかで明確、流れはじゅうぶん、高さも幅も申し分ない。これは加点がつく。しかし──しかし、四回転フリップをコンビネーションにするのは──。 さあ、ステップシークエンスだ。勇利の真価がもっとも発揮される要素である。世界一、唯一無二のステップ。勇利がしなやかに手を伸ばし、踏み出した。一瞬苦しそうな表情を見せたが、あの勝ち気なひかりを目に輝かせ、流れるように足をさばいた。 一度、勇利に尋ねたことがあった。うつくしいステップだと褒め、どうしてそんなふうにできるのかと訊いた。 「ヴィクトルだってこれくらいできるでしょ」 「確かに同じ動きはできる。しかし俺のステップと勇利のステップは別物だ。まるでちがう。勇利は勇利だけの音楽と流れを持っているんだよ。とくにこのフリーでは苦しいだろう。俺は体力を考慮せず、目いっぱい詰めこんで最高難度のステップにした」 「ああ、そうだよね。鬼ステップだよ。音楽がやわらかいからあんまりわかってもらえないけど」 「わかる人はわかってるさ。俺は終盤にあれを平然と踏む勇利を見て、いつも感心するんだ」 勇利は楽しそうに笑った。 「平然となんかしてないよ。ジャンプ跳びまくったあとだし、すでに足ががくがくだよ。このあとまだ四回転が控えてるって思うから体力を温存したいんだけど、それじゃみっともないものになるからね。いけるところまでいってる。もう、いつも崩れそうなんだよ。やすみたい! って思いながらやってるよ」 足ががくがく。温存したい。やすみたい。そんなふうにはとても見えない。勇利はうつくしく、高貴で、このうえもなく洗練されていた。彼にしかできない、清廉なステップシークエンスだ。 「勇利……」 ヴィクトルのくちびるがふるえた。最後のジャンプだ。ツイズル、足を変えて踏み出す、スリーターン、モホーク──。 『ヴィクトルのために踊るよ』 『このフリー、ヴィクトルに捧げる』 勇利は、俺のために──。 俺のために、跳ぶんだ。 ──勇利、おまえならできる。俺はおまえを信じる。 四回転フリップ。脅威的な幅と高さだ。最後にこのジャンプが跳べるなんて、いったいどうなっているのだ。そして──。 割れんばかりの拍手が起こった。勇利はふたつめのジャンプもまわりきり、ふわっと、まるで雲の上に降りるように着氷した。ヴィクトルは息苦しくなってフェンスにもたれかかった。最後のコンビネーションスピン。転ぶなよ、と思った。きみはたまに変なところで転倒するからな──。 勇利がヴィクトルのほうへ手を差し伸べる。ヴィクトルは笑った。勇利もかすかに口元を上げ、ほほえんだ。ヴィクトルの心臓がめちゃくちゃに打っていた。グランプリファイナルのときと同じくらい、はらはらし、どきどきした。自分の演技でこうなることはまずない。 観客は総立ちだ。スタンディングオベーションの中、勇利が丁寧に挨拶を済ませ、ふらふらしながら戻ってきた。リンクサイドに上がった瞬間、彼はヴィクトルに倒れかかった。ヴィクトルはしっかりと抱き止め、「心臓破裂したよ」とささやいた。 「ぼくも」 勇利が赤い顔で子どもみたいに笑った。ヴィクトルは彼を抱きしめ、頬を寄せてまぶたを閉じた。勇利……。 「大丈夫かい? どこも痛くない?」 キスアンドクライに座るなり、まずはそう尋ねた。勇利はきょとんとした表情で水を飲んでいる。 「なんで?」 「なんでって、転倒しただろう。フェンスにもぶつかった」 「ああ!」 勇利は目をまるくした。 「忘れてた」 「忘れてた? あんなに派手に転んだのに?」 「いや……あのときは、『やっちゃった!』って思ってびっくりしたんだけど、すぐにジャンプどうしようってそっちに頭がいっちゃって、そればっかりで……」 勇利は頬に手を当ててにこにこした。 「ていうかね、最初に二本目が抜けたじゃない? あそこでもう真っ白だったんだよね。大混乱。うわ、どこでつけたらいいの、なんだっけ、なんだっけ、ってなった」 「二本目の四回転トゥループでつければよかった」 「そう。で、あ、もう一本あるや、って思ってたら、転倒してずるーってすべっちゃってぶつかって、なに? なに? ってもうわけわかんないし」 「あれはどうしたんだ? 溝?」 「うん。氷の溝にはまった。そこからもう夢中だよ。こわかった。びっくりしたー」 こわがったりびっくりしたりしていたとは思えない明るさで勇利が笑った。頬は上気し、汗がこめかみを伝い、額には、髪がひとすじふたすじとこぼれ落ちている。両手で飲み物を持ってごく��くと飲む姿は、さっきまでの凛々しさからは想像もつかないほどかわいらしかった。 「でもヴィクトルが見ててくれてよかったあ」 勇利はおむすびのぬいぐるみを抱きしめ、笑顔で言った。 「ヴィクトルがいるから大丈夫、って思えたよ……」 ヴィクトルはたまらなくなり、勇利を無言で抱き寄せた。 「わあ、なに?」 「…………」 「ねえ、どうだった? あんまり点数よくないだろうね。ジャンプひとつ失ったし、あと、いろいろ急いでやったからせわしない感じだったかも……。でも、あの転倒以外はジャンプ失敗したっていう意識はないんだよ。だけど見てるほうからしたらひどい演技だったのかな……。不安」 「……フリップを二回跳ぶなんて無茶だ」 ヴィクトルはささやいた。勇利が無邪気に笑う。 「ぼくもそう思う」 「…………」 「でも、それしかないと思ったんだ。挽回するためにはそれしか……」 勇利はじっとヴィクトルをみつめた。ヴィクトルは無言で彼の手を握りしめた。 「……ものすごく、どきどきしたよ」 「うん」 「びっくりしたよ」 「ほんと? よかった」 勇利は花がほころぶように清楚に笑った。 「ごめんヴィクトル、ひどい得点かもしれない。金メダルは獲れないね、今回。でもどんな結果が出ても、ぼくは──」 そのとき、わっと歓声が上がった。成績が出たのだ。ふたりはそろってモニタを見た。勇利が目をまるくした。さすがに、グランプリファイナルで出した得点には及ばない。しかし、これまでの滑走者の中でもっとも高い点数だった。RK1、と表記された。 勇利がぽかんと口を開け、頬に手を当てた。彼はヴィクトルを見た。ヴィクトルは笑って勇利の肩を抱き寄せ、頬ずりをした。 「さすがは俺の勇利だ!」 ヴィクトルは勇利の頭を撫でまわし、額にくちびるを押し当てた。 「優勝だね」 「まだ残ってるよ。ほら、いちばんの強敵が」 「ああ、ジェンジェン?」 「JJだよ」 「いや……」 ヴィクトルはほほえんだ。 「彼はショートでミスをしている。あれだけ失敗を重ねた勇利とあまり得点差がない。フリーで勇利はジャンプひとつ失っているが、ほかはすべて加点されている。加えて、勇利のステップとスピンはレベル4だ。追いつけるかどうかはわからないよ。俺の見たところ、コンマ以下の差で勇利が勝つね」 勇利がヴィクトルをみつめた。ヴィクトルは得意げにおとがいを上げる。 「勇利、俺はおまえを信じた。いまも勇利が勝つって信じてるよ。勇利は俺を信じるかい?」 「…………」 勇利はヴィクトルにもたれかかった。彼は甘えるように額をこすりつけると、ヴィクトルに抱きついてささやいた。 「……信じるよ」 ヴィクトルの予言通り、勇利は表彰台の真ん中に立った。彼は金色のメダルを掲げ、頬を紅潮させて笑っていた。ヴィクトルは、なんて可憐な笑顔だろうと思った。 「勇利、服を脱いで」 「いいよ」 「だめだ。脱ぐんだ」 「いいってば。平気」 「いいから脱ぎなさい。言うことを聞かないとひんむくぞ!」 勇利は「うう……」と泣くまねをしながらジャージを脱ぎ、ベッドにうつぶせになった。ヴィクトルは、彼のしなやかでうつくしい裸身を眺めた。 「……あざになっている」 「ですよね……」 勇利はまくらに顔を押しつけ、ぐすぐすと鼻を鳴らした。ヴィクトルは溜息をついた。 「痛いだろう」 「うー……」 「なんで言わない」 「だって……」 「まったく……。歩くのは問題ないんだね」 「うん……」 ヴィクトルは勇利の答えにうなずいた。そうだろう。歩行ぶりはいたって普通だった。ただ、ヴィクトルがふれたとき、眉を寄せて目をほそめることが多かった。時間が経ち、内出血があらわれてきたのだ。 「エキシビションはできそう?」 「できるよ」 「…………」 「ひどい?」 勇利がおずおずと尋ねた。勇利の腰から腿にかけ、肌は痛々しく変色していた。 「まあね。ただの打撲だろうけど、明日は練習の前に病院だよ。一応検査だ」 「ふぁい……」 ヴィクトルは胸が痛くなった。これほどのあざができるのだから、相当なぶつかり方をしたのだろう。それでも彼はあれだけの演技をした。 「かわいそうに」 ヴィクトルはベッドに膝をつき、身をかがめて勇利の腰元にくちびるを寄せた。 「痛かっただろう……」 「ひゃっ」 勇利がびくっとふるえて振り返った。ヴィクトルは優しくほほえみかけ、もういちどそっとキスした。 「ヴィクトル……」 「えらかったね。よくがんばった」 「あの、くすぐったいよ……」 「痛いかい?」 「……ううん。痛くはない」 ヴィクトルは、色濃いあざにそっとくちびるを押し当てていった。勇利は息をつめてじっとしていた。 「勇利、俺はね……」 ヴィクトルはくちづけながら話した。 「ずっと考えていたんだ……。きみのファンは、どうしてあんなに熱狂的なのか……」 「え……?」 勇利が息を漏らした。 「ヴィクトルのファンのほうが熱狂的だと思うけど……」 「いや、そんなことはない。まあ、くらべられるものではないけれどね……、俺の見たところ、勇利のファンはかなりの熱意できみに思いを寄せている。勇利がわかっていないだけだ」 「そんなことは……」 「だってきみは、ファンサービスをまじめにするかい? どちらかといえばそっけないだろう? なのに彼女らや彼らは、気にせず熱心にきみを応援しているんだ。つめたくされるのがいい、なんていう人もいる。それも大勢」 「慣れちゃってるんじゃないかな……」 「みんながきみに望むのは、笑顔や優しい言葉じゃないんだ……」 「……何が言いたいの?」 ヴィクトルは黙ってキスを続けた。勇利はゆっくり呼吸している。だんだんと力が抜けて、ゆったりとくつろいでいるようだ。 「……もうひとつ気になっていた。勇利は全日本選手権で、どうしてあんな成績だったのか……」 「あ、あの……」 「金メダルは獲れた。しかし内容がよくない。勇利に似合わない成績だ。調子が悪いことは誰だってある。だが、それにしたって、いまの勇利からは考えられない。俺の知っている勇利とはあまりにちがっていた。昨季と同じく精神的な問題なのか? なぜだろう?」 「それは……、」 勇利は溜息をついた。 「……理由はないと思う」 ヴィクトルはほほえんだ。 「そうだ」 「え?」 「理由はない。勇利は理由もなく突然崩れるんだ」 「…………」 「もちろん、理由がある場合もあるけどね。もっとも、理由はないと言いつつ、精神的な何かが作用しているのかもしれない。きみ自身も気づかないところで。とにかく複雑なんだ。勇利はあぶなっかしいんだよ」 ヴィクトルは、あざの及んでいないところにもくちびるを押し当てた。勇利の呼吸は一定だ。 「ヤコフに怒られた。生徒ではなくコーチとして。俺は俺なりに勇利を押し上げようとした。そうしたらあんな転倒をする」 「あ、ごめ……」 「なのにあれほどの演技をして、俺をどきどきはらはらさせる。こんなにも幸福に、みちたりた気持ちにさせる。まったく、どっちが押し上げているのかわからないよ」 ヴィクトルは勇利をあおのかせた。足を捧げるように持ち上げ、傷だらけのそれに接吻する。 「この足で……」 「あ……」 「この膝で、この腿で、この腕で、この身体で……」 「ヴィクトル……」 「きみはしなやかに舞い、俺を魅了する……」 ヴィクトルは、勇利の白くきめこまかい練り絹のような素肌、いたるところにくちづけた。 「……生徒にふりまわされるコーチなんて聞いたことがない」 「ヴィクトル、ぼくは……」 「こんなに傷ついて……」 ヴィクトルは目を伏せた。 「……それでも、俺のために跳んでくれた」 勇利がまぶたを閉ざし、ふーっと長く息を吐く。 「……ありがとう、勇利」 ヴィクトルは勇利と額を合わせると、低く、熱愛をこめてささやいた。 「勇利の身体、すべてを愛しているよ」 「…………」 「どこもかしこもきみはうつくしい。そのこころも……」 そっとくちびるをふれあわせる。勇利が薄く目を開けた。その上品な、あどけない表情にヴィクトルは溜息をついた。 「あんなスケートは誰にもできない」 そっとてのひらを合わせ、指をからませる。勇利はせつない瞳でヴィクトルを見た。 「崇高なおまえを、俺は守るよ」 「…………」 「こうして傷ついたら、傷を癒すよ」 勇利が微笑を浮かべる。 「勇利、俺はきみのファンの気持ちがわかった」 「……そうなの?」 勇利がみずからのくちびるに指を当てた。ヴィクトルは優しく彼をみつめる。 「勇利、きみはね……」 くせになるんだ。 ヴィクトルはそう言って目を閉じ、鼻先をすり合わせた。 絶対王者には、期待と羨望が集まる。最高の喜びを与えられるのを誰もが望む。しかし勇利はちがう。彼は王者ではない。その日の彼がいいのか悪いのか、ふたを開けてみるまでわからない。勇利は人をどきどきさせるのだ。どんな彼を見せられるのか、誰も知らない。最高の演技をしたかと思えば、驚くような失敗をして崩れてしまう。しかし、いつもきらりとひかる魅力がある。守ってあげたくなったり、こころをかきみだされたり、ただ魅了されて言葉をなくしたり。見ている者は忙しい。しくじりをして落ちこむ彼に慕わしさを感じ、胸を痛める。頂点に立ち輝かしく笑う彼を、愛情をこめて抱きしめたくなる。目が離せない。 勇利、きみはいったい……、俺に何を……。 「きみは不思議なひとだね……」 ヴィクトルは勇利の全身に、あますところなくくちづけた。勇利はとろんとした顔つきで、夢見ごこちでされるがままになっていた。ヴィクトルは投げ出されていた彼の手を握り、指先にも接吻した。そして腰元をてのひらで押さえる。勇利は痛々しい痕さえも、うつくしく、神々しく見えるのだった。 「勇利、俺はね……、おまえに夢中で、もうすっかりとりこなんだ……」 勇利が頬をほんのりとさくら色に染めて、ふっと笑った。 「愛している」 ヴィクトルは彼の清楚な裸身を、壊れ物を扱うかのように優しく抱きしめ、溜息をついて耳元に約束した。 「俺のすべての力で、おまえのことを大切に守るよ」
5 notes
·
View notes
Photo
3月に入ってから御言葉で異性の罪、情の罪についてのお話があったので、なんとなく警戒していたのだけれど、やっぱりというか、案の定というか、異性から告白されるというイベントが発生した。
有料記事を読んでいる方は既にご存知の通り、信仰を持つとサタンが堕落させようと必死で信仰者に恋愛イベントを持ち込み出します。
今までモテと無縁だった人でも謎のモテ状態になる。異性の罪が一番重い罪だとサタンは知っているからです。
異性の罪と聞いて有料記事未読の方は何がなにやらだと思うんですけど、神様と疎通して恋人同士になることが本来人間にとっての「幸せ」というものなんだよという話であり、世の中の男女が上手く行かない原因の根本がこれなのです。
アダムとエバがまだ霊的に成長してないのに身体の関係を持ってしまって、人生が狂った。そして彼らは神様が人類の救いの為に立てた中心者でもあったので、人類の運命も狂った。それを聖書の中では木の実を食べたで表現している。ことを私はRaptさんのブログで初めて知りました。
まあ異性の罪についての詳しい話は有料記事をお読み頂くとして、今回どうやって告白イベントをクラッシュして乗り切っ���かを書き出し、分析して、自己反省していこうと思います。
告白されたのはコロナ休校で学校に通わなくてもよくなった休校中でした。
そう。私はつい最近まで通学していました。
その前はアルバイトをしていたのですが(アルバイトする前はポルターガイスト現象に見舞われたりしながら半ば世捨て人というか、ニートみたいな感じで、そもそも社会に参加してなかったんだけど、それは人によっては馴染みのない話だからまたの機会に)、
個性才能を発見したいというか、手に職をつけたほうがいいなとか…
いや本音を言うと、御言葉の中に電気的なことや工学的な話が出てくるから、それを理解できるようになりたいなという理由で学生になることにしたのでした。スマホの中身とか仕組みが分からないし、コンピュータやネットの概念が自分の中でフワッとしていたからです。
私はもともと小さい頃は図鑑を読んだり図工をしたりするのが好きで、小学校では本ばかり読んでいたし(バレエもやってたけど)、中学では美術をやって、高校は霊現象に見舞われてたから中退したけど美術部の先生には入部を誘われていた(寮生で門限とかもあったから入れなかったわけだけど…)所謂どっちかといえば文系人間であった。
でも今回通ったのは理系分野だったので、もう、それはそれは未知の世界だったわけなのですが、意外や意外、文系は設計などのモノ作りの世界に向いてるっぽい?
いや、単に神様がそう導いてくれただけの可能性のが強い?
入学試験の日に面接があって、面接官をやっていた先生たちが「女の人他にいないけど大丈夫ですか?」って訊いてきたので、「え?女の人だと困る事例が今までにあったのでしょうか?」って訊き返したら、「いやそういう話は特にないです」と返されたので、なんだそれは…どういう意図の会話だったのだ…?と疑問に思いました。
一応卒業生に女の人は何人かいるんだけど、学年飛び飛びで発生するからお互いに写真でしか知らない感じです。
最終学年の夏季休暇より前だったかに会社見学先で会った女性の先輩は、2人きりになった瞬間に「女の人1人だけだと大変ですよね…」って切り出してきたから何かあったんだと思う。
そして先生たちには相談できなかったんだと思う。女の人は、いや人は、「この人に相談したところで解決しない」とわかっている相手に相談したりなどしないからである。この先生たちはあまり頼りにならない存在だとみなされていたんだろうなと思う。
私も入学早々話しかけてきた男の人(クラスメイト)相手に頭痛と吐き気を覚えたことがあって、「授業内容に関わること意外で私に話しかけないでもらえますか?何故か頭痛がするんで」と素直に伝えたんですけど(読んでる人は笑ってもいいです)、「え?なんで?いろんな雑談するほうが楽しくない?」みたいにヘラヘラ食い下がってきたし、それから1年くらいはしつこかった。
本当に面倒臭かった。めっちゃ滅びを祈ってた。どうせサタンに主管されてた人だと思ったから。そう、彼が他のクラスメイトと話す内容は大変下品な下ネタか、目下年下の人間を見下す高圧的で卑劣なもので、あと無い学歴で高学歴マウントをとろうとする(たまにいるよねこういう謎の行為するやつ)などの老害行為とか、とにかくこの世の地獄のような思想を煮詰めた煮こごりみたいな人だった。
そんでその下品な男の人は1年くらいして、ようやく私のことを「最初から生理的に受け付けなかったし」と言って避けるように(無視するように?)なってくれた。私はそれまでずっと「好き嫌いという以前に、人として生理的に受け付けないので関わりたくないです」とめげずに伝え続けてきたので、その台詞はパクリでは?と思いながらも、あと最初からそう思ってくれて話しかけないでくれていたなら私も楽だったのに…とか相手の発言に矛盾を感じながらも喜びました。
今まであなたによって発生してしまった無駄な時間はなんだったんだろうな?あとあなたが勝手にメルカリに出品した私が制作したキーホルダーも返してくれると嬉しかったけどそれは返してくれないのな?(追記:返してもらえませんでした)まあいいよ悪人が離れてくれればそれで。この世の物品など平和な生活に比べたらなんてことないぜ。
そんなこんなで、私は紅一点ながらも下心を持った男の人には塩対応する部分をみんなに見せてきたので、その後謎アタックしてくる人や、謎アプローチしてくる人はいなくなりました。他の科の頭のおかしい人が名前を連呼しながら横を通過したりとかはあったけど、その他は概ね平和に過ごせたと思う。
男子生徒と女子生徒で態度変えるタイプの男の先生たちからは「人使いが荒い」と言われていたし、クラスメイトにも「まあ…あの人��クレイジーだから…」とか「誰よりも男らしい」とか言われていたので、まあ大丈夫だろう、みたいな。
まあ大丈夫じゃなかったことが今回発覚したんだけど。
突然の休校が決まったのはニュースで臨時休校が話題になってからずっと後で、その前は周りに建っている小中学校や高校が休みになる中うちの学校はというと、スカイプを使ってのんびり他校とロボットカーレース的なことをしていた。
会社によってはリモートワークの環境作りに四苦八苦していたようだけど、流石は電気系の先生が多めの学校というか、大会におけるスカイプ空間は学校の設備と先生たちの私物によってサクサク構築されていった。やっぱり最近売れてる自撮り用の小さいながらも高性能なカメラは便利そうである。結構高いみたいだし、海外製は当たりハズレもあるみたいだけど。
そんな感じでのんびり過ごしていたのに突然休校することになったのは周り(東京都の偉い人とか)の目を気にして焦ったからなのか?
ちなみに学校から感染者は1人も出ていないし、もちろんインフルすら出てない。
まあコロナはインフルなのでパンデミックの報道はデマなんだけど、学校は男の人ばかりであるせいかみんな基本的に不健康な生活を送っていたので、そういう暮らしを目にすることに私は若干辛みを感じていたので、休暇は素直に嬉しかったです。(なんで男の人は健康な食事にあそこまで無頓着なのだろうか?)
休暇だけど最終学年なので、つまりは卒業であり、ある意味クラスメイト達とはこの先恐らく二度と会わなくなることを意味します。
それでサタンも焦ったのでしょうか?今回は卒業制作を一緒に仕上げた人間から告白されたんですね。
学校最終日、私はいつものように普通に登校しました。
休校になることは突然知らされたので、荷物や教科書を全て持って帰らねばならなくなったこともあり、まあまあ驚きましたが、それ以上に驚いたのがその日はなんとなくカートをゴロゴロ引いて登校してきたので、スムーズに荷物が持って帰れるという偶然でした。(いや、神様は偶然はないと仰っていましたから神様が霊感で持たせて下さったのでしょう。よって私は神様に感謝しました)
それまでの授業ではラズパイでサーバを構築してHPを作る授業が行われていたのですが無事終わったので、持ち込んでたモニタをもって帰ろうと思ってカートを持ってってたんですね。そこで突然の休校です。
午前中は後輩に教室を明け渡す為に作業場を掃除したりして過ごして、午後は後輩たちのプレゼン大会が予定されていて、いつもより授業の始まる時間が遅かったので私は一旦家に帰ることにしました。あとなんか掃除中にヘアゴムが切れてしまってピンチで、そのへんにあった針金で留めていたので、家でまとめ直したかったというのもある。
やばいピンチだ…と針金で留め直してたとき、思い返せば今回告白してきた人が髪を下ろしたらどうなるのか的な質問をしてきて、「どうって、邪魔ですよね。作業するのに」と返したら「そっか」と笑っていたけど、なんか違和感を感じたやり取りだったのだけど、そういうことだったのかね?
思い返せば中学生の頃プールの授業のあとで髪を下ろして乾かしてたら、当時学校にいた私のことを観察する会的な謎の集団がわざわざそれを見にやってきたことがあった。だからそう、こういう髪に関することで注目してくる男の人はもうなんか駄目なんだと思う。そういうことだったのかも。
そんで家に帰ってから髪を留めて、なんとなくハンカチを新しいものに替えて、また学校へと出発しました。
ちなみに家に着いたとき、たまたま祖母が家にいて何故かご飯を炊いていて、「ちょうど出来たから食べていく?」っていうので、いつもはお昼ごはん食べないんだけどその日は食べてから出発したのでした(よってちょっと出遅れた)。いつもは一駅歩くのだけど、遅刻は嫌なので駅のホームで電車を待っていたら、若い女の人達が「〇〇駅ってどうやって行くんだっけ?」とワイワイ喋りながらスマホで乗り換え検索しながらこちらに向かってきた。でも〇〇駅は反対方向の電車に乗ってから乗り継がなければならないので声をかけてそれを伝えたら、ちょうど反対側に電車がくるところだったのもあり「ありがとうございます!」と言いながら彼女たちは駆け足でギリギリセーフで乗車していった。(そこで私は思った。ああそうか、それで私は家を出遅れたのかも。神様ありがとう!)
なので学校に着いた時刻はプレゼン予定時刻ギリギリだったんだけど、予定が押したみたいでまだ余裕であった。神様ありがとうございます。
後輩達は私達の学年より真面目な子達が多いので、プレゼンはとてもクオリティが高かった。んだけど中に仏教かぶれの人がいて若干むむってなった。仏教は悪魔崇拝だからです。まあネタ化されてたからガチではないのかもしれないけど。全ての神社仏閣が滅びますように。
最後はなんか、お別れの挨拶をそれぞれ述べて終了という流れになったんだけど、プレゼンを指導していた外部講師の方が今日で十数年に渡る講師活動を終えるとのことで泣きながら色々と思い出を語っていた。熱血タイプの先生なので涙が思いと一緒に溢れてしまったのだろうと思う。私達も突然で驚いたけど色々とタイミングが良すぎである。もういっそ今日が卒業式ってことで良いのではと思った。
お化粧が崩れるのも構わず泣いている先生を見ていて、「そういえば私何故か新しいハンカチ持ってきてたな」と思い出し、そのハンカチを渡した(この時新しいハンカチを持たせて下さったのは間違いなく神様だと思った)。
彼女は潔癖症なので未使用であることを伝えて渡した。「もう学校最後だから洗って返せない。どうしよう!」と言うので、「あげますよ」って言ったら、「洗わないでとっておこうかな(笑)」とか言いだしたので、潔癖症なのにご冗談をと思いながら「いや洗いましょう。何か繁殖しちゃうかもしれないじゃないですか」って返したら「コロナとか?」と笑われたので、私はその流れのまま「コロナはインフルエンザなんですよ」って話をした。
(私最近会う人会う人誰とでもコロナはインフルの話をしているけれど、まだ誰にも否定されたり拒絶されてない。Twitterの工作員とは随分反応が違うよね)
そんなこんなで授業もおわり、作業室で卒業制作で作ったマシンを班員と二人で動かしたりして遊んだ。校長先生を乗せる約束をしていたのにまだ乗せてなくて可愛そうだという話があったので、久々の起動に様子を見ながら発進させてたんだけど、校長を呼んで乗せてたらしばらく動いてマシンは死んだ。
FETが爆発したりしたわけじゃないから、多分ダイオードが死んだとかじゃん?という結論になったんだけど、調べないとわからん…わからんけどもう時間がないので、あとはもう後輩たちが好きにすれば良いんじゃん?ということになった。大掃除のときにモータドライバの同人誌を託したことだし(次回はデジタルアイソレータとか入れてみてほしい)。
校長先生や担任の先生たちとのお喋りも今日で最後か…というわけで、せっかくなのでコロナの画像がサンゴ礁の写真を加工した画像だった説や、タピオカヤクザの話や、蓮舫議員の闇のお婆ちゃん陳杏村の話をした。私は学級日誌でも毎度こんな話しか書いてなかったので先生たちも慣れていたのもあると思うんだけど、割とスムーズに受け入れてくれました。東京都からお金が出てパーツとか買ったりする学校だったけど、都知事をディスったところで咎める者は誰もいなかった。小池百合子はやはり都の職員からも嫌われているのではないか。
このまま興味を持って色々調べるようになってくれれば嬉しいのだがどうだろうか。調べてくれますように。
そして私の知らないところで同性に伝道されるなり、ネットで伝道されるなりすれば良いと思う。
先生たちには「忘れ物があったら取りにおいでね」と言われたけど、学校まではルート的に結構距離があるので、私は「思い出と一緒に置いていきますね」と答えた。そしたら「じゃあ思い出が欲しくなったらいつでも来て下さい」と返されてしまった。グヌヌ被せボケ…
最後まで一緒に残っていたもうひとりのクラスメイトは「あと2時間くらいお話していたいですね!」とか言っていた。勘弁してほしい。
死にかけのマシンはホールに飾られることとなった。
試作の小型機は班員が夜なべして書いたプログラムのお陰か元気に走ったので、最後に走らせて展示場に到着させた。
班員は小型機にゴリアテと名付けようとか言い出して、私はゴリアテ倒す派なので(ダビデの話参照)その場で反対したのだけれど、その後どうなったのかは分からない。今思えば何かの暗示であったのかもしれない。今回告白してきた人間はこの班員であるからである。
そんなこんなで帰りが遅くなってしまったのが良くなかったんじゃないかと今では思う。
校門を出たら外は真っ暗��った。冬だったので星がキラキラしていて大変綺麗で良かったんだけど「星が綺麗ですね…ってもう寝る時間じゃん!」と焦った。私は早く寝て早く起きて祈ったりしたいからです。
さてさよならするぜと班員に別れを告げるとき、私は特に台詞が思い浮かばなかったので、「とりあえず禁煙したら」と言った。彼は喫煙者だったからである。そしたら今までは絶対無理とか言っていたのに、今回は珍しく「禁煙外来に行こうと思う」と言い出した。
喫煙者が減ることは良いことだし、そのことは普通に嬉しかったので神様に感謝して、私は家に帰った。
その日は風が強くて、家の近所の庭的な広場に誰かのTシャツが落ちていたので、風向きから推測したマンションに届けに行った…のはいいものの、どこに置けばいいのか分からなかったから、そこら辺にいた住人らしき方に訊いて、エントランスに引っ掛けてきた。住人らしき方は見ず知らずの私にお礼まで言ってくれて、最近世間がピリピリしているというのに、優しく対応してくれてありがとうと思った。
それから1週間くらい経った頃だろうか。なんだか体が重かった。生理でも無いのに日中眠かった。
勉強したくても頭がモヤモヤするというか、お祈りの時間に起きられてもなんだか体が重かった。そういう日が数日続いた。
そんなある日、制作課題用に作ったSNSルームに置きっぱにしていたファイルをダウンロードしようとPCを立ち上げログインしたら、告白文が踊っていた。
いや、その前から就活どう?的な情報交換はしてた(私の就活はゆっくりでギリギリだったので先生やクラスメイトたちが私の代わりに心配していたというのもある)のだが、まさかこれを使って告白されることになるとは。そういう素振りを相手が見せたことがなかったので余計に驚いた。
読んだ瞬間はいつものごとく目眩と吐き気に襲われた。なぜ私は異性に好意を向けられたと認識した途端に吐き気と頭痛がしてくるんだろう?神様を信じるようになってからそうなるようになったのね。霊魂の苦しみが脳を通して肉体に伝わるからでしょうか?その仕組が知りたいのですががが。
ところで異性の罪は重罪なので、思わず「ブルータスお前もなの…?」と呟いてしまった。
霊魂は肉体と違って異性の罪によって、まるでウジやハエや汚物を飲まされているかのような地獄を味わうのだと、以前主が御言葉の中で仰っていました。
相手にこうして罪を犯させるような行動を私はどこかでしてしまっていたのだろうかとか、なんかそんな感じでショックを受けたついでにそのままブルータスについてググったら、なんと告白された日とカエサルが殺された日が同じ3月15日だったので思わず笑ってしまった。
よくイルミナティたちが日付にこだわって重要人物を殺したりするけど、確かその中に3月15日もあった気がする(そういうツイートを前に読んだ気がする)。
サタンが験担ぎして告白させたのかもしれんな。はっはっは…(真顔)
(そういえば志村けんが死にましたね。やっぱり小林麻央が海老蔵に生贄として殺されたみたいな感じで他殺なんでしょうか?)
告白文の内容は概ねこんな感じであった。
最終日にそちらから告白を受けたが(してないんですが?)、過去に色々あって二股かけて失敗しているのと(なんですと!?)、一緒に住んでる腐れ縁のルームメイトが人生に問題を抱えていてこれからも自分が助けになり支えていきたいので(誰のことだ?)、貴方の気持ちには応えたいが応えるわけにはいかないと思った。けれど前から可愛いと思っていたし称賛する気持ちは絶対に伝えたいと思っていたので今回告白に至ったと。その他、私と会うのを楽しみに学校に通っていたこと、可愛さにため息がとまらない(?)、私が小型機を操縦している様がキラキラして見えた(?)、ここ1週間ほど私のことを考えていた、買い物しに車を出して気付けば学校まで運転しておりそのまま夜空を眺め続けてしまった(重症では?)ことなどが書かれていた。
()は私の感想です。
そんで、うーん…?私そもそも告白してないけど?どういうこと???ってなった。
私としては、突然相手が目の前でサンドペーパーを敷きだしたと思ったらそのまま助走をつけて全裸で一気にスライディンクした挙げ句血まみれになりながら「どうもすみませんね…」とヨロヨロ退出していったような、こちらとしては見てはいけないものを見てしまったような、そんな気分である。
というか、1週間念を送られていたから具合が悪かったのかもしれないな…?
なんか頼もしいとか崇高とかいう文字も文章内に組み込まれていたので一応リスペクトしてくれてたっぽいことは分かるんだけど、恋愛フィルターを通してそう見えてただけだと思うと素直に受け取るわけにはいかないですよね。だって正気じゃないんだから。
校長先生が入学当初、学校の仲間は将来同じ分野の仕事仲間にもなるわけだから仲良くして情報交換していくといいよ的なアドバイスをお話してくれてた気がするんだけど、でもそこで相手に恋愛フィルターがかかっちゃったらさ、相手が間違ってるときに情が邪魔して相手を正論でコテンパンにしてあげられないわけだからもうその時点で良き仕事仲間とは言えないじゃん。
それに男の人って(弟もそうなんだけど)相手を褒めるときもそんないちいち褒めたりしないですよね。あっても一言で終わるじゃないですか。「スッゲ」「ヤベえ」「ウケんだけど」「流石ですな」「かっけえ」みたいな。だからこうやってリスペクトしてますよ感出して長文ぶつけてくるときは告白じゃなくとも下心があると疑った方が良いっぽい。よ。
可愛いに関してもよくわからなかったんだけど(私には可愛げがないという定評がある)、告白文を見るに、どうも頑張っていた姿がいじらしく見えたとかそういう意味での可愛いということであったらしい。ということは、男の人に比べたてまだまだ頼りない部分があったために可愛いに繋がってしまったのかもしれない。ネットで調べたところ庇護欲を掻き立てる女性はモテるらしいので、こいつは一人でもやっていけるなと思わせるキャリアウーマン的な女性にならないといかんなこれはと思ったし、反省した。
しかし腑に落ちないのが私が告白したことになっている部分なんだけど、どうも「星が綺麗ですね」と最終日に言ったことが告白と取られたらしいのね。
でも「月が綺麗ですね」は聞いたことがあるけど「星が綺麗ですね」はちょっと聞いたことがない。
それに夏目漱石が「月が綺麗ですね」と言ったという話はデマであることがわかっているし、それを告白に持ってくる現代っ子がどれくらいいるのかね?
わからん。
わからんので調べたら、出てくるわ出てくるわ…
ちょっとバリーエーション増やしすぎじゃない?
これじゃあ異性の前で景観を褒めてはいけないことにならないかい?
しかも「星が綺麗ですね」はタロットが元ネタだと?悪魔崇拝者共め…なんと迷惑な。(ちなみに占いもタロットも、悪魔崇拝からきた文化です)
なので私は告白してないのでそれは勘違いだし、一応漱石はデマだよと伝えた。
(あとうっかりここにたどり着いてこれを読んでる方で陰謀論よくわからない人向けにお知らせしとくと、夏目漱石の名前の由来はフリーメイソンなので、興味が湧いた方は調べてみて下さい。)
あとキラキラして見えるとかため息が止まらないとか深夜徘徊とか目に余る異常行動が気になったのでそっちも調べたんだけど、人は恋に落ちると脳内麻薬が出て、なんかそういう状態になるらしい。
というか、完全に病気だよね。
脳内麻薬で脳が酸欠になるらしい。煙草でも脳は酸欠状態になるっていうのに、お前さんはこのまま死ぬつもりか?
冷静になあれ。
とりあえずセロトニンが不足するとそういう情緒不安定状態になるらしいので、日光浴をおすすめしとい��。
そしてSNSからは重要ファイルをサルベージした後離脱した(Twitterにおけるブロックのようなものです)。
しかし業務用のSNSで告白って公私混同って感じで普通にルール違反だと思う。勘違いとは言え、気持ちに応えるわけにはいかないからと理性で踏み留まってくれたのは、有難いっちゃ有難いけれど、結果告白してしまったのでは無意味なのではないか。それは踏み留まれているとは言えないわけで。
恋は病気。
愛は理知。
冬の星が綺麗な理由は太陽が早く沈むから残照の影響が少なく湿度も低いためにその分光がこちらに届くから。
よって、さらばだブルータス。
というか以前「背中を押すのは友人の特権だ」とか発言してたような気がするのだけど、友達だと思ってくれていたのは嘘だったということか?
まあ私は私で男友達ですら御免だしこの先男とはプライベートで仲良くするつもり無いですって言ってたわけだけど、大事なことだからそれ2回くらい伝えたはずなんだけど、聞いてなかったのかねブルータスは。
ちなみに「ブルータスお前もか」は「月が綺麗ですね」と同じく言ってないのに言ったとされてる言葉の一つなのであった。綺麗にオチまでついてしまったのであった…
実はその後、学校に卒業書類貰いに行かなきゃいけない日があって、ちょっと憂鬱だったんだけど、エンカウントしないように祈って早めに登校したら、早めに書類もらえたし、早めに帰れたのでブルータスには会わずに済みました。
神様ありがとうございます!
あと水筒持ってくの忘れたんだけど何故か先生が自販機の飲み物奢ってくれるっていうのでお水を買ってもらえました。
先生ありがとうございました。
おしまい!
帰りが遅くなった最終日、家族が私の身を案じて祈ってくれていたそうである。私は本当に、神様に、みんなに助けられて生きてきたし、今もそうである。感謝します。どうかみんなの信仰生活も守られますように。
今サタンが絶賛大暴れしているそうなので、他の信仰者の方々もゲリラ告白をされたりしているのだろうか。どうか無事に撃退できますように。
あと恋の脳内麻薬は3年くらい出続けるらしいから3年は会わない方がいいっぽい。先生には悪いけど文化祭も行かないほうが良さそう。
異性の罪を犯したときに3年くらい期間を設ける話はもしや脳内麻薬にも関係しているのだろうか?まだまだ分からないことが沢山ありますね。
しかし思いがけずスムーズに荷物が持って帰れたり、知らない人が電車に間に合ったり、奇跡的なタイミングでハンカチを差し出せたからといってなんだっていうんだろう。神様にとって有益かというと、そうでもない。
結局学校は神様に意識を向けて生活し辛い空間だったことが証明されただけなんだと思う。卒業が早まってよかった。それこそ、神様に感謝すべきことだったのではないか。
唯一連絡手段が残された相手と縁が切れたことも、信仰生活を送るうえでとても有難いことであったと思います。ありがとうございました。
あと私は異性からの好意に気付かなさすぎであるということが発覚したので、これからもっと遠巻きにしてもらえるように頑張ろうと思いました。
そして恋愛コラム的なことが書かれているサイトって、全部占いへ誘導するようなものばかりで、この世の中に恋愛の文化を広めたのがサタンであることがよくわかる構図だなと思いました。
人間との恋愛は人間を幸せにはしません。不幸への入り口です。
占いは闇です。何も解決しません。
何事も神様に求めるべきです。神様に相談しましょう。
今回色々あった中で私にとって良かったことって、コロナはインフルだって話ができたことくらいじゃないでしょうか。もっとディープな話をスムーズに展開できるようになりたいですね。
反省!
こうして自分を省みる機会を与えて下さった神様とRaptさんに感謝します。どんなに神様が機会を与えて下さっても、Raptさんの宣布する御言葉がなければ理解できないし、悟れないからです。それから私の為に祈ってくれた方々にも感謝します。本当に命拾いしました。ありがとうございます。
コロナのデマが世界中の人々にバレますように。
あと最近初めて行った公園が心臓の形してる気がした。
そして電車の広告にあった有名テニスプレイヤーの顔がそっくりで、2人は血縁かもしれないと思った。
この春あちこち散歩したけれど、東京都民は都知事の言うことなんて心の底では信じていなくて、パンデミックは演出不足であるなと思った。
だって人がわんさか住んでる団地で1人も感染者出てないし、誰も死んでないし、噂好きなおばさまも誰かが死んだ噂すら聞かないって言ってるし、というか2月も3月も全然救急車来てないし(12月と1月は夜でもバンバン来てたのに。餅かな?)。
都民はみんな訝しがっている。
陽の光を浴びながら元気に遊ぶ子どもたちを見ながら散歩したけど、あれはあれで免疫力がアップしてインフルにかかりにくくなって良いのではないかと思った。
2 notes
·
View notes
Text
iFontMaker - Supported Glyphs
Latin//Alphabet// ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789 !"“”#$%&'‘’()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ Latin//Accent// ¡¢£€¤¥¦§¨©ª«¬®¯°±²³´µ¶·¸¹º»¼½¾¿ÀÁÂÃÄÅÆÇÈÉÊËÌÍÎÏÐÑÒÓÔÕÖ×ØÙÚÛÜÝÞßàáâãäåæçèéêëìíîïðñòóôõö÷øùúûüýþÿ Latin//Extension 1// ĀāĂ㥹ĆćĈĉĊċČčĎďĐđĒēĔĕĖėĘęĚěĜĝĞğĠġĢģĤĥĦħĨĩĪīĬĭĮįİıIJijĴĵĶķĸĹĺĻļĽľĿŀŁłŃńŅņŇňʼnŊŋŌōŎŏŐőŒœŔŕŖŗŘřŚśŜŝŞşŠšŢţŤťŦŧŨũŪūŬŭŮůŰűŲųŴŵŶŷŸŹźŻżŽžſfffiflffifflſtst Latin//Extension 2// ƀƁƂƃƄƅƆƇƈƉƊƋƌƍƎƏƐƑƒƓƔƕƖƗƘƙƚƛƜƝƞƟƠơƢƣƤƥƦƧƨƩƪƫƬƭƮƯưƱƲƳƴƵƶƷƸƹƺƻƼƽƾƿǀǁǂǃDŽDždžLJLjljNJNjnjǍǎǏǐǑǒǓǔǕǖǗǘǙǚǛǜǝǞǟǠǡǢǣǤǥǦǧǨǩǪǫǬǭǮǯǰDZDzdzǴǵǶǷǸǹǺǻǼǽǾǿ Symbols//Web// –—‚„†‡‰‹›•…′″‾⁄℘ℑℜ™ℵ←↑→↓↔↵⇐⇑⇒⇓⇔∀∂∃∅∇∈∉∋∏∑−∗√∝∞∠∧∨∩∪∫∴∼≅≈≠≡≤≥⊂⊃⊄⊆⊇⊕⊗⊥⋅⌈⌉⌊⌋〈〉◊♠♣♥♦ Symbols//Dingbat// ✁✂✃✄✆✇✈✉✌✍✎✏✐✑✒✓✔✕✖✗✘✙✚✛✜✝✞✟✠✡✢✣✤✥✦✧✩✪✫✬✭✮✯✰✱✲✳✴✵✶✷✸✹✺✻✼✽✾✿❀❁❂❃❄❅❆❇❈❉❊❋❍❏❐❑❒❖❘❙❚❛❜❝❞❡❢❣❤❥❦❧❨❩❪❫❬❭❮❯❰❱❲❳❴❵❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿➀➁➂➃➄➅➆➇➈➉➊➋➌➍➎➏➐➑➒➓➔➘➙➚➛➜➝➞➟➠➡➢➣➤➥➦➧➨➩➪➫➬➭➮➯➱➲➳➴➵➶➷➸➹➺➻➼➽➾ Japanese//かな// あいうえおかがきぎくぐけげこごさざしじすずせぜそぞただちぢつづてでとどなにぬねのはばぱひびぴふぶぷへべぺほぼぽまみむめもやゆよらりるれろわゐゑをんぁぃぅぇぉっゃゅょゎゔ゛゜ゝゞアイウエオカガキギクグケゲコゴサザシジスズセゼソゾタダチヂツヅテデトドナニヌネノハバパヒビピフブプヘベペホボポマミムメモヤユヨラリルレロワヰヱヲンァィゥェォッャュョヮヴヵヶヷヸヹヺヽヾ Japanese//小学一年// 一右雨円王音下火花貝学気九休玉金空月犬見五口校左三山子四糸字耳七車手十出女小上森人水正生青夕石赤千川先早草足村大男竹中虫町天田土二日入年白八百文木本名目立力林六 Japanese//小学二年// 引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春書少場色食心新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万明鳴毛門夜野友用曜来里理話 Japanese//小学三年// 悪安暗医委意育員院飲運泳駅央横屋温化荷開界階寒感漢館岸起期客究急級宮球去橋業曲局銀区苦具君係軽血決研県庫湖向幸港号根祭皿仕死使始指歯詩次事持式実写者主守取酒受州拾終習集住重宿所暑助昭消商章勝乗植申身神真深進世整昔全相送想息速族他打対待代第題炭短談着注柱丁帳調追定庭笛鉄転都度投豆島湯登等動童農波配倍箱畑発反坂板皮悲美鼻筆氷表秒病品負部服福物平返勉放味命面問役薬由油有遊予羊洋葉陽様落流旅両緑礼列練路和 Japanese//小学四年// 愛案以衣位囲胃印英栄塩億加果貨課芽改械害街各覚完官管関観願希季紀喜旗器機議求泣救給挙漁共協鏡競極訓軍郡径型景芸欠結建健験固功好候航康告差菜最材昨札刷殺察参産散残士氏史司試児治辞失借種周祝順初松笑唱焼象照賞臣信成省清静席積折節説浅戦選然争倉巣束側続卒孫帯隊達単置仲貯兆腸低底停的典伝徒努灯堂働特得毒熱念敗梅博飯飛費必票標不夫付府副粉兵別辺変便包法望牧末満未脈民無約勇要養浴利陸良料量輪類令冷例歴連老労録 Japanese//小学五〜六年// 圧移因永営衛易益液演応往桜恩可仮価河過賀快解格確額刊幹慣眼基寄規技義逆久旧居許境均禁句群経潔件券険検限現減故個護効厚耕鉱構興講混査再災妻採際在財罪雑酸賛支志枝師資飼示似識質舎謝授修述術準序招承証条状常情織職制性政勢精製税責績接設舌絶銭祖素総造像増則測属率損退貸態団断築張提程適敵統銅導徳独任燃能破犯判版比肥非備俵評貧布婦富武復複仏編弁保墓報豊防貿暴務夢迷綿輸余預容略留領異遺域宇映延沿我灰拡革閣割株干巻看簡危机貴揮疑吸供胸郷勤筋系敬警劇激穴絹権憲源厳己呼誤后孝皇紅降鋼刻穀骨困砂座済裁策冊蚕至私姿視詞誌磁射捨尺若樹収宗就衆従縦縮熟純処署諸除将傷障城蒸針仁垂推寸盛聖誠宣専泉洗染善奏窓創装層操蔵臓存尊宅担探誕段暖値宙忠著庁頂潮賃痛展討党糖届難乳認納脳派拝背肺俳班晩否批秘腹奮並陛閉片補暮宝訪亡忘棒枚幕密盟模訳郵優幼欲翌乱卵覧裏律臨朗論 Japanese//中学// 亜哀挨曖扱宛嵐依威為畏尉萎偉椅彙違維慰緯壱逸芋咽姻淫陰隠韻唄鬱畝浦詠影鋭疫悦越謁閲炎怨宴援煙猿鉛縁艶汚凹押旺欧殴翁奥憶臆虞乙俺卸穏佳苛架華菓渦嫁暇禍靴寡箇稼蚊牙瓦雅餓介戒怪拐悔皆塊楷潰壊懐諧劾崖涯慨蓋該概骸垣柿核殻郭較隔獲嚇穫岳顎掛括喝渇葛滑褐轄且釜鎌刈甘汗缶肝冠陥乾勘患貫喚堪換敢棺款閑勧寛歓監緩憾還環韓艦鑑含玩頑企伎忌奇祈軌既飢鬼亀幾棋棄毀畿輝騎宜偽欺儀戯擬犠菊吉喫詰却脚虐及丘朽臼糾嗅窮巨拒拠虚距御凶叫狂享況峡挟狭恐恭脅矯響驚仰暁凝巾斤菌琴僅緊錦謹襟吟駆惧愚偶遇隅串屈掘窟繰勲薫刑茎契恵啓掲渓蛍傾携継詣慶憬稽憩鶏迎鯨隙撃桁傑肩倹兼剣拳軒圏堅嫌献遣賢謙鍵繭顕懸幻玄弦舷股虎孤弧枯雇誇鼓錮顧互呉娯悟碁勾孔巧甲江坑抗攻更拘肯侯恒洪荒郊貢控梗喉慌硬絞項溝綱酵稿衡購乞拷剛傲豪克酷獄駒込頃昆恨婚痕紺魂墾懇沙唆詐鎖挫采砕宰栽彩斎債催塞歳載剤削柵索酢搾錯咲刹拶撮擦桟惨傘斬暫旨伺刺祉肢施恣脂紫嗣雌摯賜諮侍慈餌璽軸叱疾執湿嫉漆芝赦斜煮遮邪蛇酌釈爵寂朱狩殊珠腫趣寿呪需儒囚舟秀臭袖羞愁酬醜蹴襲汁充柔渋銃獣叔淑粛塾俊瞬旬巡盾准殉循潤遵庶緒如叙徐升召匠床抄肖尚昇沼宵症祥称渉紹訟掌晶焦硝粧詔奨詳彰憧衝償礁鐘丈冗浄剰畳壌嬢錠譲醸拭殖飾触嘱辱尻伸芯辛侵津唇娠振浸紳診寝慎審震薪刃尽迅甚陣尋腎須吹炊帥粋衰酔遂睡穂随髄枢崇据杉裾瀬是姓征斉牲凄逝婿誓請醒斥析脊隻惜戚跡籍拙窃摂仙占扇栓旋煎羨腺詮践箋潜遷薦繊鮮禅漸膳繕狙阻租措粗疎訴塑遡礎双壮荘捜挿桑掃曹曽爽喪痩葬僧遭槽踪燥霜騒藻憎贈即促捉俗賊遜汰妥唾堕惰駄耐怠胎泰堆袋逮替滞戴滝択沢卓拓託濯諾濁但脱奪棚誰丹旦胆淡嘆端綻鍛弾壇恥致遅痴稚緻畜逐蓄秩窒嫡抽衷酎鋳駐弔挑彫眺釣貼超跳徴嘲澄聴懲勅捗沈珍朕陳鎮椎墜塚漬坪爪鶴呈廷抵邸亭貞帝訂逓偵堤艇締諦泥摘滴溺迭哲徹撤添塡殿斗吐妬途渡塗賭奴怒到逃倒凍唐桃透悼盗陶塔搭棟痘筒稲踏謄藤闘騰洞胴瞳峠匿督篤凸突屯豚頓貪鈍曇丼那謎鍋軟尼弐匂虹尿妊忍寧捻粘悩濃把覇婆罵杯排廃輩培陪媒賠伯拍泊迫剝舶薄漠縛爆箸肌鉢髪伐抜罰閥氾帆汎伴畔般販斑搬煩頒範繁藩蛮盤妃彼披卑疲被扉碑罷避尾眉微膝肘匹泌姫漂苗描猫浜賓頻敏瓶扶怖附訃赴浮符普腐敷膚賦譜侮舞封伏幅覆払沸紛雰噴墳憤丙併柄塀幣弊蔽餅壁璧癖蔑偏遍哺捕舗募慕簿芳邦奉抱泡胞俸倣峰砲崩蜂飽褒縫乏忙坊妨房肪某冒剖紡傍帽貌膨謀頰朴睦僕墨撲没勃堀奔翻凡盆麻摩磨魔昧埋膜枕又抹慢漫魅岬蜜妙眠矛霧娘冥銘滅免麺茂妄盲耗猛網黙紋冶弥厄躍闇喩愉諭癒唯幽悠湧猶裕雄誘憂融与誉妖庸揚揺溶腰瘍踊窯擁謡抑沃翼拉裸羅雷頼絡酪辣濫藍欄吏痢履璃離慄柳竜粒隆硫侶虜慮了涼猟陵僚寮療瞭糧厘倫隣瑠涙累塁励戻鈴零霊隷齢麗暦劣烈裂恋廉錬呂炉賂露弄郎浪廊楼漏籠麓賄脇惑枠湾腕 Japanese//記号// ・ー~、。〃〄々〆〇〈〉《》「」『』【】〒〓〔〕〖〗〘〙〜〝〞〟〠〡〢〣〤〥〦〧〨〩〰〳〴〵〶 Greek & Coptic//Standard// ʹ͵ͺͻͼͽ;΄΅Ά·ΈΉΊΌΎΏΐΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩΪΫάέήίΰαβγδεζηθικλμνξοπρςστυφχψωϊϋόύώϐϑϒϓϔϕϖϚϜϞϠϢϣϤϥϦϧϨϩϪϫϬϭϮϯϰϱϲϳϴϵ϶ϷϸϹϺϻϼϽϾϿ Cyrillic//Standard// ЀЁЂЃЄЅІЇЈЉЊЋЌЍЎЏАБВГДЕЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯабвгдежзийклмнопрстуфхцчшщъыьэюяѐёђѓєѕіїјљњћќѝўџѢѣѤѥѦѧѨѩѪѫѬѭѰѱѲѳѴѵѶѷѸѹҌҍҐґҒғҖҗҘҙҚқҜҝҠҡҢңҤҥҪҫҬҭҮүҰұҲҳҴҵҶҷҸҹҺһҼҽҾҿӀӁӂӇӈӏӐӑӒӓӔӕӖӗӘәӚӛӜӝӞӟӠӡӢӣӤӥӦӧӨөӪӫӬӭӮӯӰӱӲӳӴӵӶӷӸӹӾӿ Thai//Standard// กขฃคฅฆงจฉชซฌญฎฏฐฑฒณดตถทธนบปผฝพฟภมยรฤลฦวศษสหฬอฮฯะัาำิีึืฺุู฿เแโใไๅๆ็่้๊๋์ํ๎๏๐๑๒๓๔๕๖๗๘๙๚๛
see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
#FAQ#ifontmaker2#Symbols#Dingbat#Cyrillic#Greek#Coptic#thai#character set#character sets#list#language
7 notes
·
View notes
Text
おっぱいビンタされる話
だった。超乳、怪力娘、ドM向け。
「ごめんなさい! ごめんなさい!!!」
「だーめ。最初に手を出して来たのは、おにいさんだったんだよ? うりうり、嬉しいでしょ」
と制服姿の女子高生が体を軽く揺らすと、男は絶叫して許しを乞うる。もう幾度となく繰り返されている光景だが、女の子の方はまだ許すつもりはないらしく、男の懸命な叫びには無頓着にさらにもう一歩詰め寄る。
「あああああああ!!! 折れる! 折れるううううう!!!」
「ふふっ、そんなに痛いなら出ればいいじゃん。私、まだ手も使ってないんだよ?」
と手をぷらぷら、ひらひら、……
しかし、その巨大な胸にかかる圧力は強烈。次第に男の体から、
バキバキ、メキャ、……
と嫌な音が響いてくる。
きっかけはこの憐れな男の出来心だった。今日も平凡な日常を終え、そのまま妻の待つ自宅へと帰宅するはずだった。
が、電車に乗ってきた女子高生は、そんな男の平凡な日常を壊すのに足りた。まだあどけなさの残る顔から歳の程はまだ15、16かと思われる。まだ中学生だと言われても不思議ではない。腕は細く、手はしなやか、背は高校生としては低く、眼鏡の奥に見える目はおっとりと、優しげな印象を見るものに与える。――男は、だから油断をした。油断をして、彼女の最も特徴的な部位である「胸」に目を奪われるや、手が自然に伸びていた。
彼女の胸、――つまり乳房は尋常なものではなかった。人を飲み込めそうなその魅惑的な塊は、前にも横にも1 メートル以上は飛び出し、下へは自身の足元にも達しようかというほどである。かつてZ カップと呼ばれていた大きさが普通になりつつある今の世の中でも、ここまで大きな乳房を持つ女性は両手で数える程度しか居ない。貧しい胸をした女性を貰い受けた男にとって、それは耐え難い色気に満ちた至高の宝玉のように見えた。風俗で晴らすことすら許されない妻への不満を、この気の弱そうな女子高生の乳房を揉むことで解消しようと考えた。一度、通りすがりに撫でるくらいならバレないと思った。
結果は言うまでも無かろう。乳房の横腹にそっと触れた男の手は、その後止ま��ことが無かった。どこまでもめり込むその途方もない気持ちよさ、感覚の無くなるくらい心地よい女の子の体温、ゴツゴツとしたブラジャーの感触。……気がつけば寝ぼけた子猫のように、手を開けたり締めたりして、女子高生の乳房を揉みしだいていた。
周りの乗客からの視線など、気にならなかった。乳房の持ち主が嫌悪感を持って見てきていることも、気にならなかった。男は天に上ったような心地であった。ただただ、この眼の前にある途方もない大きさの塊しか目に見えていなかった。
電車のアナウンスが聞こえて来た時にはもう遅かった。女子高生に掴まれた手を振り切って、男は電車から飛び降りようとしたようであったが、全くもってびくともせず、ギュウっと力を入れられるとうめき声を上げて、その場にうずくまる。
「一緒に降りましょ。わかってるよね」
と女子高生の声がかかり、この後どうなるか全てを理解した。男の頭の中には、まず駅員に突き出され、警察に引き渡され、万の言葉で叱責してくる妻の姿浮かんでいた。
――が、女の子の行動は男の予想からどんどん反していった。彼女は駅員室などには行かなかった。男の手首を���んだまま駅から出て、信号を渡り、およそ何百キロという塊を胸につけているとは思えないような軽快な足取りで、道を歩いていく。
「今日は暑いねー」
と呑気に言ってさえくる。
男は一転して朗らかな雰囲気にホッとすると、自分からもよく話しかけた。女子高生もそれに笑顔で応えた。周りから見れば良くないことをしているように見えただろうけれども、男にはそんなことどうでもよかった。途端に希望が湧いてきた。もしかすると、もしかするかもしれなかった。夕焼けの空はまだ浅黄色に、明るく二人を照らしていた。
男の夢はそこまでであった。女子高生の向かっている先は路地裏であった。人通りは少なく、陽の光は入ってこず、暗くじめじめとしたその路地裏は袋小路となっており、頼りない街頭に照らされた数々のガラクタが積み上げられている。
「逃げるなら今のうちだよ」
と手を離した女の子は言った。男は逃げなかった。まだ、もしかするともしかするかもしれないと言う、淡い希望が心の中に燻っていた。
「ふうん、そ」
――この言葉が地獄の始まりであった。
男は前方から何かとてつもなく重いものにぶつけられたかと思いきや、次の瞬間には宙を舞い、そして袋小路の壁に打ち付けられていた。それが女子高生によるおっぱいビンタだと理解する間もなく、男は髪の毛を掴まれこう言われた。
「ねっ、期待した? 期待してたでしょ? だってちょっと話しかけるだけで、すぐ調子に乗るんだもん。おにいさんのばーか。私が私のおっぱいを触った人を許すわけないじゃん」
男は本当の意味で、この後どうなるか全て理解した。背中の激痛で力の入らない手で髪の毛を掴んでいる女の子の手を退けようとしているけれども、全くもってびくともしない。それどころか自分の体どんどん宙に浮いていく感じがする。いくら暴れようとも女の子は全く意に介さず、ついには足が完全に浮き上がってしまう。
「よっわ」
若干背伸びをした女子高生は男を壁に叩きつけると、乳房をその体に押し付けた。男は彼女のおっぱいと壁の板挟みになる。一体その華車な体のどこにそんな力があるのか、全く体を動かせなかった。
これが軽い力加減だったならば、男は再び天国へ上ったことであろう。何せ、頭以外の全身が、女子高生の乳房に包まれているようなものなのだから。たとえ裸でなくとも、男がこれまでの人生で体験したどんな快楽よりも心地よかったに違いない。
だが、現実はそんなに甘くはなかった。男がもがいているうちにも、女の子どんどん圧迫し続け、辺りには男の叫び声と、不穏なミシミシと言う音が響くようになっていた。
そしてそれがずっと続いているのである。男はもはや絶叫するか、謝罪の言葉を叫ぶかしか出来ていない。女子高生の暖かい乳房と冷たい壁の板挟みになり、体が半分に薄くなったような心地さえしていた。
「ねぇねぇ、おにいさん、おにいさん」
と唐突にかけられた声は、男をこれほどまで圧迫しているとは思えないくらい可愛らしい。
「おにいさんがあんなに気持ちよさそうに揉んでたおっぱい、どう? 今も気持ちいーい?」
グイと顔を男の方へ近づけ、うっとりとした表情で雄叫びを上げる男を覗き込む。
「んー? なんてー? 感想が聞こえないなー。絶対に許さないんだから、もうごめんなさいはいいよ。聞き飽きた」
とさらに前へと進む。
「あはは、体中からバキバキ、って音がするね。それとも壁から聞こえてくるのかな。力が強いっていうのも考えものだよねー」
「があああああ!! やめて! やめてええぇぇ!!!」
「アハハハハ! いいよぉ、おにいさん、もっともっと!」
可愛らしい顔から可愛らしい声を発しているのに、かかる力は怪力。グググ、……! とせり上がった乳房はそのまま男の体をも持ち上げ、下からはブランブラン暴れまわる男の足が見える。
女子高生にとってこのくらいは容易いことであった。これまで何人の男の心を折ってきたか、思いつくだけでも20 回や30 回にもなる。小学生の時は力加減を知らず、喧嘩になった男子共を仲裁する時に、思いっきり突き飛ばしてしまって怪我をさせたことがあった。腕相撲をすれば、相手が何人であろうとも勝ってしまう。嫌々ながら参加した相撲大会は、相手を持ち上げて土俵の外へ持っていっていたらいつの間にか優勝していた。身体測定は、学校の器具が壊れるからと言って本気を出させてくれない。ハンドボール投げなぞは軽くやっても運動場のフェンスを大きく超えてしまう。ある時、転がってきた野球のボールをグニグニともてあそんでいたら、取りに来た野球部の人に大層驚いた声を上げられてしまった。中学の運動会の綱引きで、ついうっかり力を入れてしまって味方共々転がしてしまったこともある。つい先日も、思いっきり握ってみて、と貰い受けた砲丸をしょうことなしに軽く握ると、指の跡がついてしまった。
「だからさ、私おっぱいがちょっと大きいせいで、結構力持ちなんだよ! 例えば、……これとか!」
と、一旦男の拘束を緩めた女子高生は、側にあった太い鉄の棒を拾い上げる。
「ひぃっ!……」
「んーん? あ、もしかして殴られると思った? えへへー、残念。こうするんだよ」
と彼女はまだ板挟みになって動けない男の眼の前で、その鉄の棒を曲げた。
ぐにゃり、……ぐにゃぐにゃ、ギュウウウ、ぐにゃぐにゃ、………
鉄の棒が丸いボールに変わるのには、それほど時間はかからなかった。男は怯えた声をあげるしかなかった。笑顔で粘土のように鉄の棒を捏ね上げた女子高生が、丸くなった金属の塊を差し出している。それもかなり大きい。女子高生は軽く持っているようなものだが、元々あった鉄の棒の重さは15 キロほど。決して軽く持てるような代物ではない。
「どう? どう? すごいでしょ?」
と、女子高生は鉄球を手から滑り落とす。��スン! と音を立てて落ちるそれは、確かに金属のそれであった。
「でも、やっぱりおにいさんはこんなことよりおっぱいだよね。じゃあ、そろそろ準備体操は終わりにしよっか」
女子高生が信じられないことを言った。
「えっ?」
と、男が言う間に後ろへ後ずさり、倒れ込む彼をよそに制服に手をかける。
男が再び顔を上げた時には、彼女はすっかり上半身をはだけさせていた。たぷんと波打つ巨大な乳房が見えた。ほんのりと赤色を帯びた綺麗な乳輪が見えた。口に入らないほど大きな乳首が見えた。彼女の奥には巨大な山を作っている純白のブラジャーがそびえている。
男は女子高生の生肌を見て、興奮など出来なかった。先程まで自分の命を押しつぶそうとしてきた、巨大な双丘。……恐怖から体を震わせ、目を怯えさせ、嗜虐の喜びに満ち溢れた自分より遥か年下の女子高生を見上げる。思わず後ずさろうとしたが、後ろは壁で、足だけがずりずりと滑る。
「助けて、……」
自然にそんな言葉が口から漏れていた。心の底から怖かった。男にはこの女の子乳房が自分をぐちゃぐちゃにしてしまう調理器具のように見えていた。
「もう、そんなに怯えなくていいじゃん。私、このおっぱいには結構自信あるんだけど、そんなこと言われちゃうと傷ついちゃうな~、……」
女の子は先程落とした鉄球を鷲掴みにして拾い上げる。
「ひいいぃぃぃ、……」
「だから、こんなもので殴らないってば。そんなことしたら、おにいさんだとミンチになっちゃうよ? ま、これから近い状態にはなるかもしれないけど」
と、鉄球を谷間の中へ。
――ミチミチミチミチ!!
彼女が胸に両手をかけた瞬間、男にはそんな音が聞こえた。それはかつて鉄の棒だった金属の断末魔であった。深い深い谷間から、鈍く輝く薄い何かがもりもりと溢れてきて止まらなかった。
「んふっ、あつぅい。……」
女の子からはそれだけだった。
「あっ、……えっ?」
男からはそれだけだった。尤も彼はうめき声だけは常に上げていたが。
「次はおにいさんの番ね」
と薄い金属片をどこかへ放り投げて、女子高生は近寄ってきた。男の眼の前に立つと、あれほどのことをしたのに傷一つ無い谷間をゆっくりと開ける。これで入ってこなかった男は今までいない。
「おにいさん、いらっしゃ~い!」
先程重い大きな鉄球をプレス機のように潰してしまった、女の子の乳房。入れば一瞬で肉塊になってしまうだろう。だけれども男は吸い寄せられるようにして谷間の中へと進んで行った。どうしても、その魅惑的な脂肪の塊に抗えなかった。地を這って、一歩、……二歩、……三歩、――もう右も左も前もみずみずしい肌色に包まれる。見上げると、女子高生がこれほどないまでの笑顔でこちらを見下ろしてきている。大人しそうで気の弱そうな目は、しかし男を怯ませるのに足るほど、嗜虐的な愉悦に溢れていた。男はもはや屈服するしかなかった。乳房云々はおいて、この可愛らしい女子高生には何をしても勝てぬと悟ってしまった。体が勝手に祈りのポーズをとって、彼女の足元にすがりそうにさえなっていた。
「立って」
体にムチを打って立ち上がる。
「ひっ」
と喉から声が出てきた時には遅かった。両側から肌色の壁が迫ってくる。物心ついたときからずっとこうされたかったけれども、いざその時がくると怖くて仕方がなかった。
そして、その時は一瞬だった。
バチン!
と言う音とともに、男の体は顔を残して全て残らず、女子高生の乳房に挟まれる。
「ぎゃああああああああ!!!」
「みゆちゃん特製、人間のまるごとパイズリ~~」
「痛い! 痛い! 痛い!」
「んー?」
「出して出して出して!!!」
男は全身から伝わる激痛から逃れようと必死でもがいた。しかし、首から上だけが暴れまわるだけで、肝心の体は指の一つですら動きもしなかった。男の抵抗なぞ女子高生にとっては取るにも足らない。彼女は力が強すぎた。彼女にとって、男を潰すなんて蚊を潰すようなものなのである。彼女にとって、男とはパン! と叩けば絶命する儚い生命なのである。そしてその事実自体が彼女の性癖なのである。
「だーめ。自分から入ってきたのはおにいさんなんだよ? わかってる?」
「お願い! お願いします!! あがあああああ!!!」
「だめって言ってるじゃん。絶対にゆるさないんだから。――じゃ、そろそろパイズリらしく、おっぱい動かすねー!」
――と、男からしてみれば嘘のように軽い声が聞こえてきた。と、同時にその言葉通りグググ、……と乳房が持ち上がり、またしも男の足は宙に浮いてしまった。
「準備はいーい?」
「いやああああああああああああああ!!!!」
「そーれっ」
グニュっ!
「ぎゃああああああああ!!!」
「そーれっ」
ギニュっ!
「やめて!やめてえぇぇ!!」
「そーれっ」
グニュっ!
「あガガガあああ!!!」
「そーれっ」
グニュウウウゥゥ!!
「死ぬ! 死んじゃう! 死んじゃううううう!!」
「そーれっ」
と、三度グニャリグニャリと乳房を上下させたその時、
バキン!!
「うわぁ、……痛そうな音がしたね~。でもまだまだやっていくよ~? そーれっ」
明らかに骨の折れた音がしても、女子高生は止まらなかった。その後もそーれっ、そーれっ、そーれっ、と言う掛け声をかけつつ、男を全身丸ごとパイズリし続けた。
彼の悲痛な叫び声は、最初の方こそくぐもりつつも何回か聞こえてきたのだが、しばらくすると乳房に顔が埋まったため、漏れてもこなくなった。路地裏には女の子の、
「いっちに! いっちに! いっちに! ……」
と言う元気な声と、肌のこすれるさらさらとした音と��時おり谷間の中から聞こえてくる乾いた音のみが響いていた。男がどうなっているのかは、外からは分からない。ただ、あらぬ方向を向いた指が時々乳房の隙間から出てきていることから、無事でないことは確かである。だがまだ人の形を保っているだけ幸せかもしれない。……
結局、パイズリが終わったのは女子高生のスマホが着信音を鳴らせ始めたときであった。
「――うん、うん、わかった。でもちょっと遅れて行くからね」
100 キロ、200 キロ、……いや、もしかすると700 キロや800 キロあってもおかしくない乳房を、何度も何度も激しく動かしていながら、彼女は息すら上げていなかった。何事もなかったかのように、電話の相手と応対している。
「え? うん、そうだよ。今日もやってる。見たい?」
と、相手が見たいと言ったのか、女子高生はカメラを起動して、スマホを胸元へ向けた。
「おーい、おにいさん生きてるー? 大丈夫だよね、さっきからピクピク動いてるし」
と、谷間をまさぐって腕を見つけると、男を無理やり引っこ抜いた。
「どう? どう? 中々かっこいいでしょ? ……え? 好みじゃない? あ、そう。……ま、とにかく私は、この人をやらなきゃいけないから、1 時間くらい遅れます。またあとでね」
「おにいさーん? だいじょうぶですかー? 起きて起きて、早く続きしよっ」
通話を切った彼女はペシペシと男の顔を叩くのであるが、うめき声を上げるだけで目を開けてくれない。仕方なしに女子高生は男の体を地面に寝かせると、とりあえず休憩を取らせることにした。
「あーあ、すっかり暗くなっちゃった。……」
男を地面に寝かせてから10 分が経とうとしていた。彼らを照らすのはとうとう頼りない街灯一つだけになり、赤くほてった女子高生の顔がやんわりと映し出されている。彼女はまだ上半身をはだけさせたままであったが、男を痛めて続けていたせいで、全然寒くはないようであった。
「んぐ、……うあぁ。……」
「あ、お兄さん起きた?」
足でちょんちょんと顔を突っついてみる。
「ひっ! う、うわあああああ!!!!」
と、すごい勢いで後退してしまった。
「うえぇ、……ひっ、ひっ、ひっく、ひっ、……」
もう右の腕は上がらないのだろう、男は左手だけを顔の前に持ってきて、ボキボキに折れた指を眺めながら咽び泣いた。
「ひっ、ひっ、ごめんなさい、……ごめんなさい、……」
「だめだよおにいさん、まだだめ。でも少しお話しましょ?」
「うっ、うぐっ、うぇ、……」
「どうして私のおっぱいを触ろうとしたの? もしかして私が大人しそうとか、そういう理由?」
男は首を横に振った。
「じゃあ、なんで?」
「……ずっと憧れてたから。胸の小さな妻ではどうしても満たされなくて、……」
「ふーん。そんなに小さいの?」
「昔の基準でP カップしか、……」
「P カップ?! なにそれ小学生じゃん!!」
あはははは!! と、声を上げて笑う。およそ20年前、幻とまで言われるほどの巨乳は、今や小学生6年生の平均にも達していないのである。
しかし別に珍しくはない。男と同じ世代の女性は誰もがP カップ程度である。 子供と並ぶと、親の方が胸が小さい。 人類に何が起きたのかは分からないが、そういう社会になってしまった。
「なるほどね、そりゃ、触ってしまうわけだ。それで奥さんとはやってるの?」
ふるふると震えるように男は首を横に振った。P カップの乳房に欲情するなど、今の世の中小学生に欲情するようなもの。男はもはや妻の体を見て何も感じない、何も勃たない。
「はあ~、……意外と重たい理由だったわ~。……じゃあ、殺すのはやめにしようかな。なんか可哀想になってきちゃった。でも許した訳じゃないからね、最後のアレはやるよ」
「あ、アレ?」
「そう、アレ。――ふふ、でもおにいさんにとってはただのご褒美かもね」
と言って、女子高生は自身の乳房をゆっくりと持ち上げていく。
「あっ、あっ、あっ、それは、……」
「分かっちゃった? ちょうどおにいさんそこで這いつくばってるし、いいよね。手加減してあげるから、ちゃんと生きてるんだよ?」
――みゆちゃんのおっぱいハンマー! と、彼女は言った。
――ドーン!!! と、路地裏が揺れた。
「まだまだいくよ~」
ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン!
一体何回、女子高生は地面を揺らしたのだろう。乳房を持ち上げては落とし、持ち上げては落とし、持ち上げては落とし、持ち上げては落とし、……何十回と続くそれは、男にとっては百回にも二百回にも感じられたかもしれない。
「まだまだ~」
ドシン!ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン!
「ふふん、気持ちいい? 気持ちいでしょう?」
ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン!
「おっぱいが大好きで大好きで大好きでたまらないおにいさんに、私からのプレゼント!」
ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン! ドシン!
「終わり!」
――ドシン!!!
そうして、女子高生の懲罰は終わった。男がまだ生きてるのかは分からないが、首筋に手を当てた彼女がホッとしているところを見るに、心臓は動いているのであろう。そもそも普通ならば人の姿はそこには無い。彼女は痴漢をしてきたものをこうして、お望み通りおっぱいでミンチにしてあげているのである。機嫌が悪ければ最初に壁に押し当てた時点で、人は息をしなくなる。ちょっと良いと、全身パイズリの時点でやっと肉塊に変わる。もう少し良いと、最後のおっぱいハンマーで地面の染みと化す。今日は珍しく機嫌が良かったから、最後の最後まで生かしておいてやったが、今の時点まで生きをしているのは初めてである。
「ふふふふふふ、今日はあなたの奥さんに変わって私が天国を見せてあげる。本当に天国に行っちゃうかもしれないけれど、いいよね。本来ならもう死んでるし、あなたもそのくらいの覚悟で触って来たんだもんね」
女子高生はその後ブラジャーをつけ直して、制服を着た。その途中、どうやって男を持って帰ろうかと悩んだが、人を一人谷間に挟むことくらい訳のない彼女にとっては愚問と言うべき悩みであった。
5 notes
·
View notes
Text
遠近法の次は魚眼レンズ
24 年前に書いた文。じつは、北朝鮮から帰国当初に勢いで書いた文章。いま読むとこっぱずかしいが、記録なのでここに。 ------------------------------------------- 遠近法の次は魚眼レンズ ベルリンの壁も見た。すでにソ連ではゴルバチョフがグラスノスチを進めていたとはいえ、共産体制は崩壊せずそのままに軟着陸するかに思えた。よもや壁が崩壊するどころか、私の目の黒いうちは絶対に崩れまいと思った。ナチスという求心力を失い、豊かさの中に我を見失った西側。我を見失うまいと、強大なイデオロギーの壁の向こう側に自らを封じ込めた東側。壁をめぐらせるだけで、周囲との差異が際立って見える。壁を用いるのは、自我を保つ古典的な手段。ヒステリックに自由を叫ぶ壁の落書きは、だが壁の向こうがわで展開する狂信的な体制礼讃と、奇妙なシンメトリーを成していた。 むしろ、なじみある土地から浮遊させられ、自己を相対化されたおびただしい数の難民こそが、二十世紀の真の主役ではないか。 それは両ドイツを訪れた時に私を圧倒した膨大な心象の、小さな結晶のひとつだった。私がそれを見たのは、十代最後のまぶしい夏のことであった。 帰国した日本も、そうとう不自然に歪んでいた。 樹木が巨木に育つには、何百年とかかる。どうやら、自分が植えた樹が大きくなるのを、己の目で見たい、と思ってはいけないものらしい。それは自分の死後、成し遂げられる。同様に、私たちの世代では完了し得ないことでも、5世代後に日の目を見るのかもしれない。未来を事前に知ることがかなわぬ以上、展開も見通しもないまま、じっと耐えるのも必要なキャリアであろう。 だが、日本では誰もが性急に答に、すぐ飛びつこうとしていた。 ワールドニュースが簡単に手に入り、すぐにも世界を知ったつもりになってしまう国。受け売りは受け売りを超えることが出来ないと言うのに、やたらと評論ばかりが多い国。言葉も所詮は道具にすぎないというのに、かっこいい言葉に捕われている国。 「自分の言葉で喋れ」 と言われてみたところで、今度は自分の言葉で喋ると称して、自分になじみある言葉でばかり解釈してしまい、本質を見失う。しかも、言葉さえ知っていれば他を批判するのは簡単だというのに、人は他を批判したがるばかりか、批判の対象も玉虫色の言葉の影に隠れ、自在に趣旨を変化させて逃げ切ろうとする。 それもビジネスの一つの手段だというならよいが、それはビジネスマンの口から聞ける言葉であって、評論家の賢い口から出てきても不毛なだけ。 しかし、地球はまだまだ広い。 就職してから3年ないし4年毎に、精神的危機が訪れるという。それは、それまでの教育制度のおかげで、入学と卒業という、天から与えられる転機のサイクルに慣らされてしまっているからではないか。結局、自分の問題意識すら、自力でつかめない私たち。私たちの行動が、所詮、この国独特の教育体制によって刻印された様式美でしかないなら、個性を尊重した教育なんて存在するわけがない。せいぜい、自分で新しい様式美を構築するぐらいか。 「次の問いに答えなさい」 という質問ばかり与えられているうちに、いつのまにか我々は、宇宙のすべてに答があると思い込むようになり、性急に答に飛びつくようになった。答が不明瞭に思える時は、いらいらするようになった。こうして、全てを形に起こさないと満足しない現代人ばかりが、社会を動かすようになった。 無形の、あいまいなものを嫌がるようにしつけられ、気づかぬうちに己の思考自身が既に様式美となったのが、私たち共通一次世代。選択肢が無ければ答えすら思いつかない。形が無くては満足に思考することすら不可能。形無くして生きて行けないのなら、せめて自分を規定している形がどんなかたちをしているのか把握しておきたい。 何故なら、自分が自分である必然性は、どこにもないから。 無論、自分に生まれてしまった以上、自分を生きるしかないのも事実。だが、その真の意味を解している人間が、どれほどいることだろう。 様式美の中では視界も限られてしまう。曖昧模糊に見える大衆の中、紛れ込んでしまった自己の小ささ。でも消費に励めば、高嶺の自己実現も手に届きそう。流行という多数派閥にうずもれる安心と、複製がたくさん出回るというのに商品化された自己実現による差異化への試み。この二律背反を無批判で享受する私たち。 自己実現にはげむのは、決して悪いことではない。いや、むしろぐうたらな私より数倍も崇高な行動だ。 しかし、曖昧模糊とした大衆の中では、確固たる尺度がないから、己の分を知ることが出来ない。しかも近代科学のおかげで、答えを性急に求めたがるようしつけられ、確固たる尺度もないままでいることに神経が耐えられない。尺度がないと不安に駆り立てられ、尺度がないのを良い事に、ある者は言葉をたくさん仕入れ、検証される心配のない仮想領域ばかり語る評論家になることで、台頭しようとする。ある者は真面目に人生と期待に真っ正面から取り組み、取り組んだものの、自分の達成を測ることが出来ないが故に際限もない自己実現を迫られ、疲れ果ててしまう。 きっと相手は疲れ果てているだろうと察するからこそ、私は黙してしまう。 達成への強迫にまで肥大化してしまった自己実現至上主義。これを打破するには、どうしたらよいのか。自己実現の自己表現への転化も、一つの方法には違いない。オタクどもが、まさにそうだ。 私にあるのは、インプリンティングされた枠組みであり文脈であり、それをどこまで異化して眺めることができるかという分析力であり、自己を相対化してでもその分析をいとわない意志であり、ためらっている場合ではないという状況認識であり、自己を束縛する枠組みと付き合うことを考えることである。 さらに私には理解の種を蒔く努力と、発芽するまで待つ忍耐が加わる。そして時として全てを、めんどうだ、と言って放り投げてしまう。ついつい答を求めてしまうからいけないのだ。 だが世界には答が立派に用意されている国家が、今もなお存在する。 世界には奇跡のような版図が、今もなお、たくさん存在している。 そして私には、イデオロギーが生んだ分断国家を、もうひとつ、見る機会に恵まれた。 15万人が入るというスタジアムに案内された。 東京ドームもはだしで逃げ出すスタジアムの一角には、これまた十メートル四方以上もある巨大な故金日成主席の肖像画が掲げられていた。その真下で、やっと見分けられるくらい小さく見える一人の男性が、一生懸命に両手で旗を振っていた。彼の旗の一振りが合図となり、5万人の学生が繰り広げるマスゲームが、そのパターンが、一斉に変化する。場内には金日成の息子、金正日将軍を高らかにたたえる歌が、巨大なスピーカー群も割れんばかりの大音量となって轟き、響き渡っていた。 初日に見たマスゲームには、子供のように目がくらんだ。15万人のどよめきは、関西大震災の地鳴りと、そっくりだった。それにもまして15万人の完璧な静寂は、身震いが止まらない無気味さだった。まさしく天変地異に等しいスペクタクル。壮大な無形文化財。 だが、三日目ともなると、人間を愚弄した演出の数々に、私達は憤りのあまり言葉もなかった。ただ、軍隊のようにデジタルな割り切りのはっきりした直線的で明解な動きだけでなく、波動を多用したアナログなたおやかな曲線美も演出するあたり、共産主義も90年代に入ったということなのだろうか、などと、かろうじて理性で考えることができた。それほどまでに、マスゲームは衝撃的で異質な演出であった。寒気がするほどすばらしい完成度だったが、一人でできる踊りは、一つもなかった。 演じるの中には幼い小学生の姿もあった。1万人の小学生たちが、一糸乱れぬ国家的シュプレヒコールを展開する。 あなたがいなければ私たちもなく あなたがいなければ古里もない 金・正・日! 金・正・日! 金・正・日! 万歳! 万歳! 万歳! そして死せる前主席、金日成を懐かしむ一万人の小学生たちが右手を挙げて敬礼し、一斉に、無気味なほどそろったタイミングで、一斉に号泣する。その声が、ただ、霞のように、飛蚊の雲の音のように、スタジアムを満たすばかり。しかも、泣きじゃくりながらも、彼らの手足はきっちりそろって行進しているのだ。 むごたらしいまでの完成度の高さ。 虚飾を排したデザイン。しかも巨大な建築ばかり。どれもこれも刑務所のような外観をした、偉大な建築の数々。鮮烈な配色を嫌うのはまだしも、そこは全てが統制された殺風景。センスもダサい。広告は一切なく、その代わりこうこうと夜も電飾で輝く政治的プロパガンダの数々。半島は一つ。偉大なる指導者・金正日将軍、万歳! 偉大なる首領金日成主席、万歳! 栄光の朝鮮労働党、万歳! 我々は絶世の偉人、金日成主席の革命戦士だ! 我々は金日成主席の人間爆弾になろう! 金日成が死去してまだ一年たらず、その巨大な肖像画は国のあちこちで共和国人民たちを見まもる。 色あせた北朝鮮では、どんなラフな格好をしていても日本人は派手。そして人民たちは、根深いひとみしりによって、絶対に目をあわせようとは、しない。 だが、住んでみたいとは絶対に思わないにしろ、言われているほど、北朝鮮は異国でもなかった。 たとえ黙り込むにしても素朴な人々の反応。裏を読むことを全くしない、すなおな田舎の心理。恐らく最近まで、東京でもこうだったはずだ。私たちが子供のころの東京や京都。今の日本でも、外国人に対して慣れていなくて構えてしまう人々はたくさんいるだろう。意外にも両国は共通項が多い。 かつてタイでみかけたのは、はにかむ上目遣いの視線だった。水気を含んでしっとりとした空気もあいまって、それはとても東洋的なセクシーさをたたえていた。北朝鮮は少し違い、乾き切った大陸の荒野そのままに、表情も荒涼としていた。それは紛れも無く偏狭で過敏な郷土愛に満ちた、ひとみしりの視線。彼らは無口でぶっきらぼうだが、物心つく前に離ればなれになって忘れ去られたままの兄弟に出会った気になったのも事実。それは帰国子女の私が、それだけ、ひとみしりする日本人に肉迫して来たと言う、個人的に感慨深い事実でもあったのだが。 しかし偏狭で繊細な郷土愛は、時に凶暴な警戒心にも転化しうる。監視され尾行され警告まで受けるのは、何度経験しても、みぞおちが堅くしめつけられる。旅を終え帰国してきた直後、我々は自由世界に帰還できたという気のゆるみから、名古屋市内の道端にへたばってしまった。ツアー・バッジを外した時の解放感は、仕事から帰宅してネクタイをはずしスーツから私服に着替えたときの気分にもまさるというのが、自分でも笑えた。 今回は、たまたま無事に帰ってこれた。だが次回、同じことをしたら、果たして帰って来れるかは未知数。最後には帰ってこれても、彼らが我々を交流することなく観光旅行を続けさせてくれるかは、未知数。生命の危険と言うだけでなく、たとえ彼らが言うところの「帝国主義陣営」の抗議により釈放してくれたとしても、そもそも釈放されなければならない事態に陥ること自体、一観光客にとってどれほどシビアな状況か。シンガポールでは、フィリピン人のメイドが故国とは違う法律によって処刑された。北朝鮮刑法でのスパイ罪は、最低7年の強制労働と修正教化である。修正教化! 皇民化教育の再来、いや仕返しか、パロディか。あとで無事帰国できたとしても、あまりに大きな代償。今を思えば朝8時にホテルを出発し、夜10時以降にホテルに帰ると言うハード・スケジュールも、早朝から夜間に至るまで我々を管理しておきたいという意図があってのことではないか。単独行動を起こす時間を、極限まで無くしてしまいたいという狙いではないのか。郷土愛は、時に凶暴な警戒心に転化する。 それにしても彼らがお膳立てしてくれたコースは、往々にして哀しくさせた。古都、開城(ケソン)の遺跡展示がつまらなかったのは、単に展示が貧相であ��たというだけではない。安らかに眠るはずの遺跡をたたき起こし、今なお血気盛んな共産主義の偉大な歴史背景として演出する意図に満ちているからだ。封建支配に叛旗をひるがえす農民一揆の展示に力を注ぐあたり、どこまで思想は皮肉なものなのか。抗日英雄たちの霊廟も同様��抗日戦争は素直に受け止めるにせよ、それが個人崇拝に至るなら、興ざめである。 忘れた兄弟にめぐりあえた気分にしてくれる、偏狭で繊細な郷土愛のまなざし。だがそれは、時に相手が自分よりすぐれているか劣っているかでしか判断しない。 ただ、帰国したその時、かすかだが確固たる疎外感を感じたのも事実。何を体験したか、そのシビアさは実際に行った人間でないと分からない、というだけではない。 警告するにしても目をそらすにしても、彼らは我々が眼前にいることを、はっきり認めていた。帰国直後、名古屋の道端でへたばっていた我々を見ようともしない日本人の群れの中、我々は背景の景色の一部品でしかなかった。せいぜい、その他大勢。曖昧模糊とした大衆。 私たちは、監視され VIP 待遇まがいの特別警戒を食らうことに、あまりにも慣れてしまって、人から視線を浴びない事には自我を保てなくなってしまったのだろうか。寂しいような、しかしこれが、あるべき姿でもあるという実感なのか。 そして全体主義が海をはさんで隣接しているのも意識せず、眼前に我々が存在している実感も認めさせてくれぬまま、日本はどこへ行こうとしているのか? 尾行される緊張にみなぎった行動と、背後に広がるプロパガンダ。 出発前の私は正直言って興味本位だった。地球最後のワンダーランド。目の前に、現実に展開するスペクタクル。国家権力の壮大なパロディ。北朝鮮が半世紀も続いたのは驚異だが、大日本帝国とて四分の三世紀も続いたことを考えると、それは歴史の隙間としてあり得る数字なのかも知れない。哀しいのは、それがちょうど1世代まるごと飲み込む時間であること、その中で生まれ死する世代がいるということ、他を知らずに。 しかし大日本帝国には、大正デモクラシーというリベラルな一コマもあった。極端な管理社会は極端な自由放任同様、絶対に長続きし得ない。それは判断を放棄した社会であり、そもそも純粋な体制などあり得ない。北朝鮮は国家のパロディとしか思えなかった。 だが、それは北朝鮮を理解する入口でしかなかった。決して悪くない入口ではあったが、いつまでもそこにとどまることは、できなかった。 めくるめく圧政の中、極めてまじめに生きる素朴な人たちがいたからである。 姿勢正しい人々の、礼儀正しく、まっすぐな視線。なにごともけじめを大切にする礼節厚い人々。「一人の一生で終わる生物学的生命より、世代を越えて伝わる政治的生命に自己を捧げる」などと心底ほこらしげに語って聞かせる人々。暖衣飽食の人生よりも、歴史に名を残すことを重んじる気高い人々。曇りなき自己の純粋さを尊ぶ人々。管理することで初めて得られる安心。 恐らくは儒教精神に根ざしているであろう、それら感覚や価値観は、だが日本人にとっても少なからず馴染みあるはずであり、時に基本的なしつけだったりもする。欧米にもマスゲームはあり、軍隊式マーチングバンドが盛んであり、何よりも軍では自己犠牲が叩き込まれる。集合美、組織美は、東洋の特権ではない。そして管理は生活の保障を生む手段であり、それ自体は善し悪しではない。手段の一つに過ぎないはずの管理という言葉が日本では嫌がられるのは、非本質的な管理が多いからだ。 根底の発想はまるで異質に思えても、その上に立脚し構築し見せてくれる演出は、実に念入り。一挙手一投足にいたるまでが、彼らの高い理想と純粋な使命感に裏打ちされている。そして機械に頼らず生身の人間を大量に現場へ投入する人海戦術。この彼らの誇る究極のテクノロジーを駆使することで、むごたらしいまでに高い完成度をめざす。しかし、身の毛もよだつほどむごい向上心と全体主義が、じつは日本の高度成長期の滅私奉公会社人間と比べ、いかほどの違いがあるのだろう。街中をひるがえるイデオロギッシュなプロパガンダと、日本の吊り広告の中で物質文明の享楽に溺れる決まり文句の洪水と、いかほどの違いがあるのだろう。北朝鮮と日本とは、同じものの両極にいるに過ぎない。 マスゲームに参加した学生たちが退場するとき軒並み号泣するのは、演出によるものとはいえ、あながちこの社会で育った者なら、涙腺が金日成に感じるようにできているのかもしれない。 小学生たちは罪ない声で指導者たちを賛美しながら、一生懸命に踊りを踊ってくれる。褒めてあげれば、ほんとうに嬉しそうな顔をする。完全無欠の表情をつくってくれる優等生もいれば、本心から恥ずかしそうに嬉しい顔をする正直な子もいる。この年代なら、誰だって認められたいものだ。ネタがネタだっただけで、大人が嬉しがることを素直に実践する彼らに、罪も曇りもなかった。私たち観光客に授業参観させてくれたばかりか、雨をもろともせずに濡れながら純真に手を振って観光バスを追いかけて見送ってくれた小学校の子供たちの笑顔に、なんの罪も曇りもなかった。 その笑顔がこころを刺して痛かった。思わず泣けてきた。 それは私がなし得た、数少ない共感であった。彼らと私との、ダークだがれっきとした他者理解の成功例であった。北朝鮮と日本は、同じものの両極にいるのだ。 だがそれはダークだった。何も外の世界を知らず一生をまっとうできれば幸せという意見もあったが、それは、自分の価値観と使命感とを一点の曇りもなく疑わず猛烈に働きつづけ過労死するサラリーマンの一生を幸せというのと、同じかもしれない。そもそも、人民はそこまで意識できるよう教育されているのか。純粋な気持ちで子供たちが歌うのは、大政翼賛の歌。降りしきる雨に濡れながら私たちの観光バスを追いかけてくれた子供たちの背後には、校長先生だという太った中年女性が、部下に雨傘をささげさせ、かっぷくある手ぶら姿で微笑んでいた。北朝鮮では、すべてがパロディには違いなかった。しかしそれは、私たちの日常を実感として再検討させてくれる、極めてシリアスで重いパロディでもあった。 その明快さから、とかく遠近法こそが真実に忠実な画法とされがちだが、注意深ければ、視野は自分の眼を中心とする球面上に展開していることが分かるはず。だが、球面上に広がる視野を平坦な紙の上に転写すれば、それは見なれない像を結ぶ。 象徴的なまでに、すべてが単一の消失点へ収束する遠近法の技法、一点投射法。極めて単純明快、かつ熟練すれば複雑で柔らかな像を描くこともできる。だが、どこまで卓越しつづけても、遠近法は魚眼レンズのように発想の転換を迫ることはない。この国の数々の偉大なる建築を可能にせしめた一点投射法、その中心には、つねに金さん親子が燦然と輝いていたのだろう。だが、中米の先住民は世界最大のピラミッドを石で建設したが、ついぞ車輪を思いつかなかった。 人が意外な忘れものをしがちな存在なら、私たちもまた。 理解は、だがそこまでだった。桁外れの人みしりの向こうは熱烈な郷土愛で満ちていて、いったん心が融けると猛烈な勢いでお国自慢が始まる。出生にコンプレックスを持った田舎者が急に自信を持ち出したような、お国自慢。程度の問題かも知れないが、さすがに、かくも自尊心高く排他的な感情の奔流に、私はついていけなかった。吐露させることが理解への遠くて近い道と分かっていても、それは一方的に行われるコミュニケーションにさらされる苦痛であり、さらに偏狭な感覚から解放されたいという欲求との戦い。 アイデンティティーの名の下に、許されてしまっている我がままなヘゲモニー。南朝鮮との違いにヒステリックなまでにこだわる北韓。そんなに声を高くしないでも、北朝鮮は充分にユニークな国。共産主義(彼らは独自性を出そうとし金日成主義と呼ぶが)国家という名の儒教国家なんて、いまどきここにしかない。だのに自他の違いを徹底的に強調した舌の根も乾かぬうちに、今度は同じ民族だ、自主統一に向けて南北は一致団結しようと言い出す矛盾。 自他の差異は、じつはささやかなものでしかなく、ただそのわずかな差異すら人間には満足に乗り越えて相互理解できないばかりか、たとえ相互理解できる状況であっても、わずかな差異がありさえすれば、それは人間にとってこだわりがいのあるある差異なのか。それは、なじみある分析の筈だったか文化相対論を突き詰めたとき、今までに出会ったどの普遍論よりも広大な海原が姿を表わしたという点で、再発見に等しかった。 相対論は小気味良い思考道具であり、普遍論は桁外れに大きい。 彼らに国を憂うことが許されているのだろうか? それを私が憂うことは、主体を重んじる人々にとって、おせっかいな内政干渉になるのか? EU のように誰もが国境を自由に横断できるようになれば、なにもいま統一を急ぐこともないのか? だが、日本人である私が、他国の行く末を口にして良いのだろうか? 派遣に留まらない働きを発揮して下さった現地人ガイドさんには、是非とも訪日いただき、きれいなところもきたないところも、ぜんぶ案内してさしあげたい。何のトラブルもなく行き来できる日が、ほんとうに早く来てほしい。 しかし、ひとみしりは危険な警戒意識をも生み出す。たびたび尾行され、一時はフィルムまで没収された前科者の我々は、果たして再入国させてもらえるのだろうか。あるいは無事帰国させてもらえるのだろうか。その答は風の中。 '95年5月
2 notes
·
View notes
Link
事実を知らしめることが親善に
豊田有恒(作家)
愛国の一方で政府批判
このところ、韓国の反日が常軌を逸したものになっている。いわゆる従軍慰安婦の問題は、日本の巨大新聞が、その強大な影響力を行使した結果、世界中にまき散らされた虚構なのだが、いわば韓国との連携のもとで、拡大した側面も見逃せない。
明らかに、韓国は、変わってきている。なぜなのだろうか? 私は、1970年代の初頭から、韓国へ通い始め、韓国語も学び、多くの著書を上梓してきた。しばしば、親韓派と目されてもきた。弁解になるが、これには、理由がある。70年代の当時、例の巨悪の源泉である新聞社は、北朝鮮一辺倒だったのである。今日では考えられないことだが、北朝鮮を「地上の楽園」と美化し、相対的に韓国を独裁政権と規定し貶(おとし)めてきたのである。
私は、もともと、小説家であり、思想的な背景はない。韓国へ行くようになったきっかけは、小説の取材のためでしかなかった。韓国は、あの新聞社が報じるように、独裁政権の国だと思いこんでいた。これは、おおかたの日本人の当時の平均的な理解だったろう。なにしろ、良心的と目されていた大新聞が、北朝鮮への帰国事業などを後援し、後にノーベル賞を受賞する有名作家や、国際無銭旅行で大ベストセラーを出した評論家などが、すっかり賛同しているのだから、実際に韓国へも北朝鮮へも行ったことのない人間は、そうだと信じこむしかなかった。
しかし、韓国へ通ううちに、日本の報道が、おかしいのではないかと、うすうす思いはじめた。三十代はじめで若かったせいだろう、フットワークが良かったから、取材目的の古代遺跡のほかにも、あちこち歩きまわる。ディスコで知り合ったディスクジョッキーをやっているという同年輩の韓国人と意気投合したが、この男、どこでも政府批判ばかり口にする。こちらが、心配になって、周囲を見回したほどだった。日本では、KCIA(韓国中央情報部)の悪行ばかりが報道されていたから、言論の自由はないという先入観にとらわれていたが、こうした報道が、変ではないかと感じはじめた。
また、一方では、政府批判もするが、この男、愛国心を口にする。ディスクジョッキーという軟らかい職業の男が、愛国心を口にすることに、違和感も持ったが、やや羨ましくもあった。当時、日本のマスコミは、左翼デマゴーグに牛耳られていたから、愛国心などと言えば、右翼と間違われかねないような風潮が、蔓延していた。しかし、韓国では、こうした言説は、この男だけではなかった。あちこちで、北朝鮮に偏している日本の報道がおかしいとする、多くの韓国人の批判を耳にするようになった。また、必ず日本に追いついて見せるという、愛国心をむき出しにした意見にも接した。
韓国の実情紹介に誹謗中傷
韓国語が判るようになると、行動範囲も広がってくる。こうした韓国人が、KCIAに監視されているから、点数かせぎに愛国心を口にしていたわけではないと、だんだん判ってきた。バイク・カーマニアだったので、現代(ヒョンデ)自動車(チャドンチャ)や大林産業(テーリムサノプ)のショールームに足を運んで、韓国の自動車・バイク事情に関心を持ちはじめた。
日本で報道されるような「暗く抑圧された独裁国」といったイメージでないことが、しだいに判ってきた。日本で、しばしば誤解されていることだが、反日の激しさから、韓国人に険しいイメージを持つ日本人が多い。一面では当たっていないこともないが、日常の生身の韓国人は、妙になれなれしく陽気で人懐(ひとなつ)こい。
あの大新聞は、「暗く抑圧された独裁国」という疑似イベントを売りまくって、北朝鮮を美化し、韓国を貶める方向へ、日本国民をマインドコントロールしていたのだ。
韓国では、確かに日本より言論の自由が制限されていた。しかし、それは、金日成の個人崇拝による究極の独裁国家である北朝鮮と対峙するためであり、ある程度は強権政治を敷くしかなかったのである。当時、韓国では「誤判(オバン)」という表現が、しばしば使われていた。韓国国内が混乱していると見てとり、好機とばかりに北朝鮮が南進に踏み切るのではないかというわけだ。つまり、北朝鮮に誤判させないように、常に国内を安定させておかなければならなかったのだ。全ての韓国人が、ほん(・・)もの(・・)の(・)独裁国家である北朝鮮を恐れていたからだ。
こうした韓国の実情を、広く知らせたくなった。小説家という職業柄、書くメディアには、事欠かない。小説家の仕事ではないという躊躇(ためら)いもあったが、最初のノンフィクションとして「韓国の挑戦」(祥伝社)を上梓したのが、昭和53(78)年のことだった。書評では、これまでの日本の対韓認識を一変させたとまで、評された。当時の私には、巨悪と戦おうなどという大それた問題意識は、まったくなかった。
だが、ベストセラーにはなったもの��、あれこれ、雑音が耳に入ってきた。この問題が、当時のマスコミ界では、タブーになっていると知ったのは、発売されてからだった。つまり、ほんとうのことを言ってしまったため、このタブーに抵触した。期せずして、あの大新聞と言う虎の尾を踏んでしまったわけだ。
朴政権に買収されている―は、まだしも上品なほうで、韓国に愛人がいるとか、韓国成り金だとか、いろいろ悪罵を聞かされることになった。そこで、子供たちもつれて、一家5人で毎年夏休みに韓国へ遊びにいき、印税を使い果たした。
日韓のため尽くした金思燁氏
あの大新聞が主導して、日本人を親北朝鮮、反韓国という方向へ誘導していたわけだが、最近は、かつての報道姿勢が嘘だったかのように、あの大新聞は、北朝鮮を賛美するようなこともなくなり、いつのまにか北朝鮮への批判を、臆面もなく展開するようになった。
それどころか、70年代当時あれほど嫌っていたはずの韓国に過剰に感情移入し、悪いのは全て日本人式の報道姿勢で、虚構に基づく従軍(・・)慰安婦(・・・)なる疑似イベントを垂れ流す始末である。多分、従軍(・・)慰安婦(・・・)報道についても、いったん非を認めたものの、真剣に謝罪するつもりなどなく、なし崩し的に、鉄面皮を決め込んで、風当たりが収まるのを待っているのだろう。
実際、当時、私は、韓国人の魅力にハマってもいた。日本人のように、控え目でなく、陽気に自己主張する姿勢が、一度も宮仕えしたことのない私のような一匹オオカミの作家には、波長が合っていると錯覚したせいでもある。
当時、知り合った韓国人のなかには、私の終生の師と仰ぐ人も、少なくなかった。東国大学の金思燁(キムサヨプ)先生とは、シンポジウムの席で知り合った。日韓バイリンガルの世代的な体験から、「日本書紀」「万葉集」を韓国語に、「三国(サムグク)史記(サギ)」「三国遺事(サムグンニュサ)」を日本語へ翻訳され、日韓古代史の研究におおいに貢献され、また、東国大学に日本学研究所を設立され、初代所長として、日本研究を韓国に定着させた功績は、おおいに評価されるべきだろう。
金先生に招かれ、東国大学で講演したこともある。最初、韓国語で話しはじめたのだが、見るに見かねて、助け船を出してくださったのは、先生の優しさだった。私のほうも、日本人を知る方々が物故して、日本語スピーカーが減っていることに危惧を覚え、毎年、拙著も含めた文庫本を教材として日本学研究所へ寄贈し、日韓親善に努めたものである。金先生は、私のささやかな協力に、研究所からの表彰という栄誉で応えてくださった。ほんとうに尊敬できる立派な方だった。
また、在日の人では、作家の故・金(キム)達(ダル)寿(ス)さんとは、古代史の会を通じて、親しくしていただいた。「日本の中の朝鮮文化」は、十数巻にわたる大著だが、日本全国に足を運んで、いわばライフワークとして書かれる際、金さんが自分に課していたことが、ひとつだけあった。韓国・朝鮮人の書いたものは、絶対に引用しないことだった。韓国・朝鮮人の書いたものなら、例の剣道の起源の捏造のように、なんでも朝鮮半島から渡来したと、こじつける文献が、いくらでも見つかるだろう。
おそらく、金さんは、韓国・朝鮮人の書いた文章を引用したいという誘惑に駆られたこともあったにちがいない。しかし、日本人が書いたものしか引用しないと、いわば、痩せ我慢のように、心に決めていたのだ。
金達寿さんとは、酒を呑んだり、旅行したり、また拙著の解説をお願いしたりしたこともある。艶福家で豪快な人だった。
今に伝わらぬ統治のプラス面
時の政権を批判して、亡命同様に日本へ渡り、「コリア評論」を主宰されていた金三(キムサム)圭(ギュ)さんとも、知り合った。何度か、同誌をお手伝いした記憶がある。金さんは、東亜(トンア)日報(イルボ)の主筆の体験を生かして、当時は画期的だったクロス承認方式を提唱して、健筆を奮っておられた。南北朝鮮の対立状況を解消するため、中ソ(当時)が韓国を、日米が北朝鮮を、それぞれ承認することによって、平和を担保するというアイデアだった。
しかし、その後の経緯を考えれば、中露は韓国を承認したが、日米は、北朝鮮と国交を持たないままである。あの当時は、かの大新聞の陰謀で、日本では伏せられていたが、北朝鮮という史上かつてない独裁国家の実像と戦略が、今や全世界で周知のものとなったからである。
例の大新聞は、韓国を独裁国家と決めつけて、あれこれ捏造報道を繰り返したが、まもなく馬脚をあらわすことになった。あまり、褒められた話ではないのだが、不純な動機ながら、多くの日本男性が、韓国を訪れるようになり、本物の韓国を実際に目で見るようになったからだ。
今も変わらぬ売春大国は、当時から有名だったのだ。空港などでは、団体旅行の男たちが、昨夜の女がどうのこうのと、聞えよがしに話しているのは、同じ日本人として、気が引ける思いだった。当時は、日本世代の韓国人が健在だったから、日本語を理解できる。あまりの傍若無人さに、舌打ちをしながら、露骨に「ウェノム」だの「チョッパリ」だの、差別用語を口にしている韓国人も、珍しくなかった。こうした日本人は、韓国語が判らないから、差別用語で呼ばれても、判らないのだから、おめでたい話だ。
しかし、不純な動機から訪韓しようと、実際の韓国を見てくれば、韓国が制限付きながら、自由主義の国だと判る人が増えてくる。とうとう、例の大新聞も、疑似イベントのような韓国=独裁国家論を、引っ込めるしかなくなったようである。
免税店などでは、日本世代の年配の女性が、若い人に日本語を教えているケースもあった。何度か訪れ、親しくなると、世間話のようなこともするようになる。さる女性は、つい最近(当時)、女学校の同窓会を行なったところ、多くの同窓生が日本から駆けつけてくれたと、嬉しそうに話してくれた。
当時、女子の高等教育は、日本でも朝鮮でも、まだ途上だった。女学校は、いわば最高学歴で、いい家の子女しか、通えなかった。したがって、この方の同窓生は、かつてソウルに住んでいた日本人が多かったわけだ。いや、この方も、元日本人であり、内地か朝鮮かなどと、出自を気にすることなく、自由に青春を共にしていたのである。
多くの悲劇も誤解も矛盾もあったが、こうした日本統治時代のプラス面が、日本でも韓国でも、今の世代に正確に伝わっていないことが、日韓の最大の問題なのだろう。
良好になりつつあった日韓関係
70~80年代にか���て、韓国では、慰安婦も歴史認識も、話題にすら昇ったことはなかった。その後、韓国を独裁政権扱いする報道も影をひそめ、日韓関係は、良好な方向へ向かいはじめた。もちろん、一部では、反日もあるにはあったものの、顕在化しなかった。
むしろ、日本人のほうが、韓国への好感度を増していった。「冬のソナタ」のヒットの影響もあったろう。元のタイトルは「冬(キョウル)恋歌(・ヨンガ)」である。主役の裴(ペ)勇(ヨン)俊(ジュン)の魅力もあったろうが、誰が訳したのか、ソナタという言葉が効いたせいもあるだろう。
70年代、日本世代の免税店のおばさんたちは、男ばかり来ないで、女性にも韓国へきてもらいたいと、いつもぼやいていた。家内を同行すると、おおいに喜ばれた。当時、ビーズのハンドバッグ、螺鈿(らでん)の漆器、絞り染めの生地など、男には価値の判らない土産物が、韓国では安く買えたのである。時代は、様変わりして、多くの中年女性が、日本から韓国を訪れるようになった。
私も個人的に、日韓親善に尽くしてきたつもりである。東国大学以外にも、たまたま知り合いができた祥(サン)明女子(ミョンヨジャ)大学(テーハク)など、いくつかの大学へ、文庫本を教材として寄贈しつづけた。韓国の日本語スピーカーを減らさないためである。
また、本業に関して言えば、日韓の推理作家協会の交流プロジェクトが、行なわれた際には、おおいに働いたと自負している。韓国では、減ったとはいっても、日本語で案内してくれる作家に、事欠かない。しかし、日本では、「韓国の独裁政権、やっつけろ」式の景気のいいスローガンをぶち上げる作家は、たくさんいたものの、韓国語で案内できる作家が、ほとんどいなかった。「あれ(イッチョ)に(ゲ・)見えます(ポイヌン・)建物(コンムル)は(・ン)、国会(クッケ)議事堂(ウィサタン)で(・イ)ございます(ムニダ)」などと、東京観光ではバスガイドのようなことも、しなければならなかった。
90年代には、日本人の韓国に対する関心と、好感度も高まり、韓国人の日本への興味、関心も、増していった。サッカーW杯の共同開催に向けて、日韓関係は、新たなステージに向かうかに見えた。
日韓離反狙う慰安婦捏造報道
だが、ここで、あの大新聞は、またしても、その強大な権力を行使して、日韓離反の挙に出た。
1991年、いわゆる従軍慰安婦なる虚構が、報道されたのである。この巨大新聞は、現在では、いちおう虚妄だったことを認めてはいる。だが、軍隊相手の売春婦である慰安婦と、勤労動員で働いた挺身隊を、混同した報道に関しては、当時は事実関係の研究が進んでいなかったためと、弁解している。
しかし、年齢の離れた姉が、あのころ女学生で、勤労動員により中島飛行機の工場へ、自転車で通っていたのを、私ははっきり覚えている。もちろん、慰安婦とは、何の関係もない。ことは、姉の名誉とも関わってくる。
平成に入って早々のころには、あの新聞社にも、私と同世代の社員が、まだ現役でたくさん働いていたはずである。知らないはずがない。二十数年も訂正することなく、頬かぶりをしてきたのは、単なる誤報などではなく、あの大新聞が仕掛けた日韓離反策の一環で、意図的なものだからなのだろう。
日韓離反を図る大きな意思は、あの新聞の言論支配のもうひとつの柱として、吉田某なる人物による、済州(チェジュ)島(ド)における日本官憲の女狩りという、とんでもない虚構を付け加えることによって、さらに拡大していく。
しかし、その後の十数年は、この大新聞の企みは、まだ功を奏さなかった。日本では、韓国ブームが続いていたからである。これまで訪韓したことのない、中年婦人層が、韓国を訪れることが多くなり、韓流にはまった韓国語学習者も、増えていった。そればかりでなく、男性のなかにも、韓流ドラマにはまる人が多くなった。韓国の大河ドラマ「朱蒙(チュモン)」は、高句麗の開祖朱蒙を主人公とした作品だが、私の近くのDVD店では、新作が十巻入っても、即日借りだされるほどの人気だった。
朱蒙は、もともと「三国(サムグク)史記(サギ)」に記録される神話上の人物なのだが、それを強引に歴史ドラマ風に、仕立て上げるところが、まさに韓国人である。元ネタが僅かしかないので、古今東西のエンタテインメントから、使えそうな要素を、流用している。水戸黄門のような部分も、大奥のような部分もあるが、臆面もなく、受けそうな要素を投入しているから、たしかに面白いことは面白い。
また、韓国側も経済力の伸長と共に、訪日して実際の日本を肌で知る人々が増えてきてもいた。別府の大ホテルなど、経営危機に陥った苦境を、韓国からの観光客の増大で乗り切ったほどである。国際化というスローガンが、しばしばマスコミを賑わすが、お互い知り合う以外に、国際理解が進むことはない。
慰安婦と同構造の原発報道
だが、挺身隊=慰安婦という虚妄、済州島女狩りという捏造は、徐々にボディブローのように効いていった。韓国では、従軍慰安婦像なるものが、日本大使館の前に設置され、アメリカ各地へ飛び火していく。あの像は、新聞報道にあった12歳の少女として造られている。挺身隊=勤労動員には、中学生、女学生も動員されたから、その年齢の生徒たちも少なくなかったが、軍隊相手の慰安婦に、その年代の少女がいたという記録もないし、事実もなかった。
韓国では、挺身隊問題対策協議会という団体が、活動し続けている。あまりにも長ったらしいので、挺(チョン)対(テ)協(ヒョプ)と略している。あの大新聞が垂れ流した挺身隊=慰安婦という虚構を、そのまま踏襲しているわけだ。語るに落ちるとは、このことだろう。
事実関係が、はっきりしたのだから、あの新聞の責任で、韓国側に訂正を求めるのが、筋だろう。だが、あの新聞は、それをしない。それどころか、慰安婦の存在は事実だから、これまでの方針に変わりないという態度を、とりつづけている。
なぜ、こうなるのだろうか? 韓国の問題と離れるが、私も筆禍に遭ったことがある。あの新聞社は、取材も検証もしないで、記事を書くことが、はっきり判った。私が受けた筆禍など、些細なことだが、問題の根は、共通している。
私は、本業のSF小説の未来エネルギーとして、昭和30年代から、原子力に興味を持っていた。そして、日本中の原発と、建設予定地の全てを、取材した。当時、人気の「朝日ジャーナル」誌が、特集を組んだなかに、私の名前も、名誉なことに入れてあった。その特集とは、「わたしたち(原発反対派)を未開人と罵った識者十人」というものだった。もしかしたら、原発反対派を未開人と罵った粗雑な人間が、その十人の中に、いたのかもしれない。
しかし、私は、そういうことを言ったこともないし、書いたこともない。それどころか、立地点の住民の反対を尊重すべきだと、常日頃から主張してきた。また、すでに物故したが、反対派の大立者の高木仁三郎は、私の中学の同級生で、同じ大学に入った間柄であり、かれが反対意見を発表できないような事態になったら、私と意見が異なってはいても、かれの言論の自由を守ると宣言してきた。さらに、原発に反対する自由のない国は、原発を建造すべきではないと、何度も書いたことがある。
ことは、原発賛成、反対という問題ではない。こうした報道をするからには、私をふくめて、そこに記された十人が、そういう発言をしたかどうかを、取材確認する必要がある。
ところが、私には、まったく取材は来ていない。そこで、私は、雑誌「諸君」のページを借りて、当時人気だった筑紫哲也編集長宛てに、私が、いつ、どんなメディアで、そういう発言をしたかと、問い合わせた。もちろん、そんな発言など、あるわけがない。筑紫編集長の回答は、のらりくらりと、話題をすりかえることに終始した。
韓国人と〝あの新聞〟の共通点
つまり、あの大新聞は、取材も検証もしないで、主義主張に基づくフィクションを、報道の形を借りて、読者に垂れ流しているわけだ。原発などに賛成し、傲慢な発言をする非国民が、十人必要になった。そこで、関係ない人間もふくめて、誌上でさらし者にしたわけだ。つまり、原発推進めいた意見を、圧殺する方針だったのだろう。
いわゆる従軍慰安婦の報道と、まったく同様の構造である。
従軍慰安婦なるフィクションを、あたかも事実であるかのように、売りまくって読者を欺いた責任は、まさに重大である。しかも、日韓関係を破壊したばかりでなく、全世界にわたって日本の名誉を泥にまみれさせた罪科は、きわめて悪質である。
誤報ではなく、明らかに意図的な捏造である。この捏造が,韓国に飛び火すると、さらに拡大していく。その意味では、この大新聞の離反策に、うまうまと乗せられた韓国も、いわば被害者と言えるかもしれない。主義主張を真っ向から掲げて、事実の確認も検証もしない韓国の国民性と、あの新聞の社是(?)は似ているかもしれない。
私は、過去四十数年にわたって、韓国と関わってきた。最初、自宅ちかくの笹塚の小さな教室で、韓国語を学びはじめた一人に産経新聞の黒田勝弘さんがいる。あちらは、ソウル在住が長いから、私など到底及ばないネィティブスピーカーに近い語学力だが、スタートは一緒だった。
以後、折々に韓国関係の著書を上梓してきたわけだが、その都度、親韓派、嫌韓派などと、勝手に分類されてきた。例の大新聞もふくめて、日本のマスコミが北朝鮮に淫していたころは、日本のマスコミ批判とともに、韓国擁護の論陣を張り、顰蹙を買った。また、韓国の反日が、度を過ぎたと思えば、遠慮なく韓国批判を展開してきたつもりである。
国際親善には、王道はないから、知る以外に近道はないと考え、「日本人と韓国人、ここが大違い」(文藝春秋)「いま韓国人は、なにを考えているのか」(青春出版社)など、比較文化論ふうの著書もあり、口はばったい話だが、日本人の韓国理解に貢献してきたつもりである。
もちろん、私の独断と偏見に堕す危険があるから、多くのコリア・ウォッチャー仲間から、助言や意見も頂戴し、拙著の間違いも指摘された。
転向左翼の韓国利用
いわゆる韓国病にはまりかけていたとき、早大名誉教授の鳥羽欽一郎先生から、たしなめられた。「豊田さん、日本人と韓国人は、おたがい外国人なのだから、同じ視点に立つということはできませんよ」と、確か、こんなことを言われた。そのときは、むっとしたが、先生は、韓国にのめりこみすぎている私に、ブレーキをかけてくださったのだ。
70年代、韓国にまじめに取り組もうという日本人は、それほど多くはなかった。田中明氏のような大先達のほか、外交評論の大御所岡崎久彦氏にも、お目にかかり、励ましを頂戴したことがある。外務省在勤中で、本名をはばかったのか、「隣の国で考えたこと」を、長坂覚のペンネームで、早い時期に刊行されている。現在は、本名で再版されているから、入手可能な名著である。
また、産経新聞の柴田穂さんも、大先達の一人だった。韓国関係の会合で、何度か、お目にかかり、アドバイスを頂戴したこともある。なにしろ、中国政府に批判的な記事を書き、産経新聞が北京支局の閉鎖に追いこまれたとき、支局長として残務を整理し、従容として北京を退去された剛直な方である。支局閉鎖という事態を招いたのだから、本来なら責任重大なはずだが、言論の自由を守ることを優先したのである。
それに引き換え、当時あの大新聞は、中国べったりの記事を、垂れ流しつづけていた。この新聞社には、Aという名物特派員がいた。中国通をもって自任していたはいいが、他社の記者まで、このA特派員に、お伺いを立てるようになったという。どこまで書いたら、中国政府の逆鱗にふれるか、A特派員に、判断を仰ぎに来たのだ。早い話が、あの大新聞が、日本の中国報道を検閲していたことになる。
70年代、北朝鮮一辺倒だった日本の文化ジャーナリズムの世界で、一つの伝説があった。いわゆる進歩的文化人は、自分の名前だけ、ハングルで書けたというのである。申し合わせたのかもしれないし、あるいは、あの大新聞の関与があったのかもしれない。現在からは、信じられない話だが、ハングルで名前を書いてみせるだけで、朝鮮問題(?)の権威扱いされたそうである。
しかし、現在の日韓の確執を眺めると、妙なねじれ現象がある。竹島問題にしても、従軍(・・)慰安婦(・・・)にしても、韓国側と共同歩調を取っているのは、70~80年代、あれほど韓国を独裁国家扱いして、忌み嫌��ていた進歩的文化人なのである。節��もなにも、あったものではない。日本叩きに資する、あるいは、商売になると判ったら、かつて贔屓にした北朝鮮を見捨て、韓国に媚びるのだから、こういう世渡り上手と戦うのは、容易なことではない。
事実伝えることが真の親善に
翻って、現在の韓国である。反日は、狂気の沙汰の域に達している。これには、日本世代が現場から退き、あるいは物故したという事実が、おおいに関係している。私が、多くの教示を受けた方々は、もし存命なら、こんなことを言うと怒られるかもしれないが、日韓双方の美点を兼ね備えておられた。
もう一歩、踏み込んで言えば、日本の教育を受けた方々だった。立派な方というと、ややニュアンスがずれるが、韓国語でいう「アルンダウン・サラム」という方が多かった。こういう世代が亡くなり、反日が質量ともに、変わってしまった。まず、かれらが考える仮想の日本人に対して、際限なく敵意をむき出しにした、いわばバーチャル・リアリティの反日になっている。
日本では、韓国人は、険しいイメージでとらえられがちである。反日の激しさを見れば、間違いではないが、一面的に過ぎる。日頃の生身の韓国人は、お喋りで、陽気で、図々しいくらい人懐こい。日本人は、以心伝心を理想とする文化を生きているが、韓国人は、口にしたことが全てである。発信能力を磨かないと、生きていけない社会である。たとえ嘘でも、自分の主義主張を正面に掲げないと、たえず足をすくわれる危険に直面している。
そのため、国際的には、日本人より判りやすいと定評がある。よく見てもらえれば、日本人の誠意が通じるはずだが、韓国人のほうが声が大きいから、知らない人が聞くと本気にする、と言った程度には、説得力を持ってしまう。
大方の日本人の対韓姿勢は、「また、韓国人が騒いでおる。放っておくのが、大人の態度」といったものだろう。これが、日韓摩擦を拡大した主な原因のひとつである。日本からの反撃がないから、向こうは、さらに反日をエスカレートさせるのだ。
日本は、和の社会だとされる。これには、聖徳太子が引き合いに出されることが多いが、贔屓の引き倒しの面がある。有名な十七条憲法の第一条が、はきちがえられている。太子は、談合のような和を勧めているわけではない。あくまで論じてからと、なれあいを戒めている。
まさに韓国相手では、論じなければ駄目なのだ。相手は、合理的な議論が苦手だから、徹底して、論拠を上げて、言い負かすつもりで、追いつめなければ、非を認めない。一見、乱暴なようだが、反日が、高くつくという事実を、知らしめないかぎり、韓国の反日は、拡大するばかりで、絶対に解消しない。
現在の韓国は、日本世代がいなくなり、歯止めがかからなくなっている。さながら李朝時代の政争のような、権力闘争すら起こりはじめている。日本が、関わりを持つ以前の時代へ、先祖がえり(atavism)してしまった感がある。ここに乗じて、あの大新聞が、新たなテーマで反日の捏造を加えて、逆襲してくる畏れもある。いや、その萌芽は、すでに現れている。
私の「どの面下げての韓国人」(祥伝社)は、やや刺激的になるのを承知のうえで、出版社と協議して決めたタイトルである。さっそく、左翼弁護士が、噛みついてきた。ヘイトスピーチだというのである。しかし、ネットでは、すぐ反論されている。つまり読んでいないことを白状したようなものだというのである。なかには、あの本は韓国に同情しているのだ、とする感想もあった。こういう応援は、ありがたい。
私は、あるときは親韓派、あるときは嫌韓派というレッテルを、貼られてきた。私は、日本人であり、日本を愛している。その都度、批判すべきことは、日本であれ韓国であれ、批判してきたつもりである。
あの大新聞は、苦境を打破するため開き直って、韓国批判の本には、すべてヘイトスピーチだという烙印を押して、葬り去ろうというわけなのだろう。また、いわゆる従軍慰安婦の仕掛け人の元記者の就職先や自社に、脅迫があったという事実をもとに、言論の自由を盾にして、被害者の立場へ逃げこもうとしている。自分が、強大な権力をふりかざして、異なる言論を圧殺してきたことには、すっかり頬かぶりしている。
韓国には怒りを込めた反論を、あの大新聞には、厳しい追及の手を緩めてはならない。それが、ほんとうの日韓親善につながるからだ。
とよた・ありつね 昭和13年前橋市生まれ。父の医院を継ごうと医者をめざし、合格した東大を嫌い慶應大に入るも、目標が変わり武蔵大に入学。第1回日本SFコンテストなどに相次いで入賞して在学中の37年作家・シナリオライターとしてデビュー。手塚治虫のもとで「鉄腕アトム」のシナリオを二十数本担当。「スーパージェッタ―」「宇宙少年ソラン」の脚本も手掛ける。『倭王の末裔 小説・騎馬民族征服説』が46年にベストセラーとなる。47年東アジアの古代史を考える会創設に幹事として参画。50年「宇宙戦艦ヤマト」の企画原案、SF設定を担当。SF作家クラブ会長、島根県立大学教授などを歴任。63年オートバイ日本一周を達成。近著に『日本の原発技術が世界を変える』『どの面下げての韓国人』(ともに祥伝社新書)など。
※別冊正論23号「総復習『日韓併合』」 (日工ムック) より転載
3 notes
·
View notes