#四分位範囲
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eccjrtamuracho · 5 months ago
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ECCジュニア田村町教室、おいしいものは、食べられるときに食べておかなければならないと、つくづく思う中村です。 学生の頃には、焼き肉やケーキなどのメジャーどころは勿論、カレーなんかの食べ放題も行ってました。
もうね、無理。 食べられる量が年相応に減った。 脂っこいのとか、無理。 冷たいものとか、アルコールも、控えめ。
美味しいと思うものを適量食べれば満足というのは、なるほど、これが大人になるということなのかな、と。 ↑なんか違うw
さて、今日は珍しく、中学数学の話。 私、中学生の時は、全ての強化の中で一番数学が好きでした。 ↑英語じゃねえのかよwww
数学なんて大人になったら使わん!算数で十分! などと言う人もいます。
私は違うと思う。 数学ってね、論理的思考力を鍛えるための教科だと思っています。
…や、この辺りは語り始めると長くなるので、やめよかw
学校で学ぶ各教科の内容は、時代に合わせて変化しています。 机上の学問ではなく、社会に出てから使う能力の基礎、より実践的な内��がたくさん入ってきているんですよ。
これを、ただの「面倒くさい勉強」と子どもに思わせてしまうのは、本当にもったいない。 こんなに面白いんか!!と気づいてほしいなと、よく思います。
勉強とは、本来、好奇心から生まれる「知りたい!」を満たすための、面白いもの。 そして、社会で実際に使いながら、「それを使えることで自分の世界が広がる」という体験をし、さらに学びたい!と思うものなんです。
そんな楽しさ、生徒のみんなに知ってほしいなぁ。
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monthly-ambigram · 5 months ago
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2024-6月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「中華」です◆
今月は参加者の皆様に「中華」のお題でアンビグラムを制作していただいております。中華といえば漢字発祥の地。現代の蒼頡たちの宴をご覧ください。今月も逆さまな作字が集まっております。
ではまずはdouse氏から。
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「麻婆茄子」 回転型:douse氏
180°回転させても同じように麻婆茄子と読めるアンビグラムです。中華には「福到了」という福の字を上下逆さにひっくり返して貼るアンビグラム的な縁起物の風習がありますが 本作は麻婆茄子が無限に到来しそうな御目出度い回転字面になっています。対応解釈が最高ですね。この語句でこの文字組みが出来るのはきっとdouse氏だけでしょう。
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「酢豚」 回転型:peanuts氏
世界範囲で有名な中華料理の一つです。酢豚は日本で付けられた名称で 中華料理においては広東料理の「古老肉」や上海料理の「糖醋排骨」が該当するようです。本作は作字のデザインと対応解釈が高次で両立した理想的アンビグラムです。「乍/月」部分のギミックは美しくてかっこいいです。
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「酢豚」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
左右の鏡像図地で酢豚。作者いとうさとし氏はネガポ字(図地反転)の達人です。本作は真ん中から折りたたむとピッタリ嵌ります。まるでこの漢字がもとより嵌り合う構造を持っていたかのような自然さです。
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「回鍋肉」 図地反転鏡像型:douse氏
四川料理の一つ。本作は斜め鏡像の図地反転アンビグラムです。文字の組み方がテクニカルでブリリアントカットされたような光学的な装いが抜群にカッコいいです。
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「回鍋肉」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
上下の鏡像で図地反転になっている回鍋肉。日本語のアンビグラムは2022年に入ったころから飛躍的に進化発展した印象がありますが とくにネガポ字(図地反転)の進化は顕著で 英語圏でも作例はさほど多くないこのジャンルが日本ではたくさん作られるようになりました。それも本作の作者いとうさとし氏の尽力が大きいでしょう。
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「酸辣湯」 鏡像型:螺旋氏
中国料理のスープの一つで 酸味・辛味・香味が特徴。本作は斜めの鏡文字で組まれています。斜めの鏡像型は漢字のアンビグラム制作に向いた対応だと思います。うまく作ればアンビグラムだと見破られない作字が可能で 本作も「束」部分が自然で驚きます。
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「中華そば」 敷詰振動同一型:Jinanbou氏
発想が面白いです。「華」の字の中に異なる文字を幻視し抽出するその眼力には感服します。これは文字に隠された秘密のゲシュタルトを解析する行為でアンビグラム作りには欠かせないセンスです。
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「青椒肉絲」 重畳型:きいろいビタ氏
ピーマンと細切りにした肉などを炒めた中華料理。本作 重畳型は同じ図形で韻を踏み 青椒肉絲と読ませるアンビグラムです。そのまま亜細亜のどこかの国で商品のロゴとして使用されているのではと思えるほど完成度が高いレタリングです。 
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「杏仁豆腐(⿸广フ)」 旋回型:Σ氏
中国発祥のデザート。135°回転の旋回型アンビグラムです。「腐」の字が「广」の中に片仮名の「フ」を入れた略字になっているところが凄すぎます。この略字は実際にゲバ字(アジビラ文字)などで使用例があります。柔軟な発想ができる人のアンビグラムは読みやすいですが 本作は作者Σ氏のアンビグラムが優れている理由の一端が垣間見える好例です。
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「中華/北京/上海/広東/四川」 共存型(回転・鏡像):ラティエ氏
一般に四大中国料理と言われている4つの場所�� お題をプラスした多面相アンビグラム。なんと5パターンの変化が起こる作字なのです。北京/上海/広東/四川は回転型で 大きく表示された中華はその鏡像になっています。 多面相漢字アンビグラムの制作はある種「挑戦」ジャンルです。多面相を作ろうとするその発想や度胸だけでも凄いですし 本作はその挑戦に成功していると思います。
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「横浜中華街」 回転型:ぺんぺん草氏
東アジア最大の中華街を回転アンビグラムに。細かい説明は無用の傑作。この完璧な対応解釈をご覧ください。けしてアンビグラマビリティは高くない語句ですが冷静的確に作字されています。最高です。
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「神戸」 回転型: 「長崎」 鏡像型: 「横浜」 重畳型:.38氏
日本三大中華街。それぞれ趣向を凝らした楽しい対応解釈で可読性も充分高い設計です。 これは文字数寄にはたま��ない作字ですね。そのまま都市の紋章に使用してほしいナイスデザインです。
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「横浜中華街散策中隠処的拉麺店発見」 回転重畳型:超階乗氏
ブレードランナーに出てきても違和感のないサイバーパンクアンビグラムの名作。文字の各所に丼図案などが組み込まれていて そのおかげで回転重畳構造を把握しやすい親切設計です。回転重畳型とは ある図形の上に同じ図形をレイヤーで重ね、上に重ねた図形だけを規則正しく回転させて文字を形成するアンビグラムです。
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「西安」 回転型:うら紙氏
陝西省の省都で、旧名は長安というのは有名でしょう。 かっちりした輪郭でありながら墨のカスレを生かしたステキなタイポグラフィですね。アンビグラマビリティの高い語句ですが図案としてきれいにまとめるには作家の力が必要で、うら紙氏はその能力に長けています。
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「Qingdao/青島」 図地反転回転共存型:ヨウヘイ氏
青島(チンタオ)は中国有数の港湾都市・商工業都市・国際都市。 図地反転で漢字の隙間にアルファベットを見出そうとすると、青島は横画が多くて打ってつけの言葉なのですね。省略があっても読み取りやすい作品です。
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「シャンハイ」 旋回型:つーさま!氏
上海は中国で最高位の都市である直轄市の一つ。 五面相の旋回型。「シ/ン」の点の有無のみの差をどう表現するか難しいところですが、少し角度を変えるだけで違って見えてきますね。羽様の形状とグラデーションも読みやすさに一役買っています。すばらしい作品です。
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「万里の長城」 回転型:douse氏
中国にある城壁の遺跡。中国の象徴の一つでしょう。 回転中心の作り方が見事です。「の」が伸びているのも不自然に見えず、「長」の横画を切っているので「長」のバランスもよく見えます。「万/戈」の字画接続の切り替えが見事ですね。さすがの一作です。
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「麺/龍」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
どちらも中国を象徴するものでしょう。 自然に読めすぎて言うことがないですね。図地反転にピッタリすぎる組み合わせが今回のお題によって発掘されたと言えるかも知れません。一点、「龍」の上部の突き出した部分は作者も悔しいところだと想像しますが、それを差し引いても可読性最高の傑作です。
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「伝奇/でんき」 振動型:kawahar氏
中国の古典的な演劇である戯曲形式の1つ。 氏の得意な「読み漢」で一作。ぐにゃりとした書体が「ん/ム」の振動などにマ��チしていますね。読み漢はひらがなしか読めない人にも漢字が読めてしまう実用的な手法ですが、適用できる漢字は少なく本作のように限られた言葉だけです。
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「太極図」  図地反転回転型:lszk氏
「易」の生成論において陰陽思想と結合して宇宙の根源として重視された概念である「太極」を表した図。 中央の「極」に本家の陰陽魚太極図があしらわれています。太極図の円形を「太・図」にもあしらって統一感を出していますね。図と地が絡み合い逆転しながら文字を形成しているところが、陰と陽が互いに飲み込みあい無限に繰り返す太極の思想を表しているようです。
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「造書 研究」  回転共存型:意瞑字査印氏
「造書」を90°傾けると「研究」と読める対応です。造書とは文字を造るという意味。『蒼頡、鳥獣蹏迒の跡を見て分理の相別異すべきを知り、初めて書契を造る』 そのむかし蒼頡という人が鳥獣の足跡をヒントに漢字を発明した故事からの語句選択です。なるほどアンビグラム制作とは 新文字を発明する行為とも言えますね。
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「東夷/西戎」「南蛮/北狄」 回転共存型:兼吉共心堂氏
四つまとめて「四夷」、古代中国で中華に対して四方に居住していた異民族に対する総称。 筆文字の効果を生かした表現がすばらしいです。「夷/西」「虫/北」ではカスレにより字画の本数を増減させ、「南亦/狄」では墨垂れで字画密度差を克服しています。真似が難しいテクニックです。
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「東夷」「西戎」  重畳型: 「南蛮」「北狄」  振動型:lszk氏
「四夷」は「夷狄」あるいは「夷狄戎蛮」とも。 お誂え向きの言葉がきれいにそろ��ていたものですね。というのは簡単ですが読みやすく仕上げるのは難しい字形もあります。氏は知覚シフトのバランス感覚が抜群なので調整の妙もさることながらこの対応にも気付けるのでしょう。
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「劉備玄徳/関羽 張飛」 回転共存型:KSK ONE 氏
「蜀漢」を建国した劉備と、劉備に仕えた関羽・張飛。三国志の武将からのチョイス。 髭文字ならではのハネなど遊びの部分を生かした作字ですね。一文字目の「劉」が読みやすくすらすらと読みを捕まえることができます。関連する名前同士でうまく対応付けできるのが運命的ですね。
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「熊猫」 敷詰図地反転型:松茸氏
ジャイアントパンダのこと。 パンダの白黒は図地反転にもってこいの題材ですね。どうやって考え付くのかわからない図案が毎回驚異的で目を白黒させてしまいます。きちんと敷詰できるのか不安になりますがちゃんと隙間なく並びますので安心してください。
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「伊布」  旋回型:YФU氏
「イーブイ」の漢字表記。 久方ぶりに参加していただきました。言葉のチョイスも氏らしいですね。図形の長さを読みやすいところに調整するバランス感覚は健在です。
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「マオ」 交換式旋回型:ちくわああ氏
かいりきベア氏の楽曲名より。「猫」の意味もある中国語らしい言葉の響きです。 線種を変えているのでかわいらしい作字になっています。対応付く字画も分かりやすいですね。それでもうまく敷き詰めてみるのは骨が折れそうです。
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「西游记」 回転型:オルドビス紀氏
16世紀の中国の白話小説、繁体字では「西遊記」です。 簡体字をうまく活用しているのですね。「遊」よりも自然に回りますし、「記」よりも「西」との相性がよく一石二鳥です。「西・记」の右下がりのラインと「游」の右上がりのラインの視覚効果が心地よく作字として最高の仕上がりだと思います。
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「 不 此 君 我 / 当 今 災 偶 成 夕 已 為 / 時 日 患 因 長 渓 乗 異 / 声 爪 相 狂 嘯 山 軺 物 / 跡 牙 仍 疾 但 対 気 蓬 / 共 誰 不 成 成 明 勢 茅 / 相 敢 可 殊 嘷 月 豪 下 / 高 敵 逃 類 」 交換型:繋氏
「山月記」より。縦に読んでください。 7×4の組全体を縦横に交換するともう一方になるという超絶技巧です。「爪」(爪痕の装飾がにくいです��を基準にすると見つけやすいでしょう。じっくりご覧ください。
最後に私の作品を。
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「截拳道」 交換式旋回型:igatoxin
≪友よ水になれ≫で有名なブルース・リーの武術、截拳道(ジークンドー)から。
お題 中華 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「猫」です。長靴をはいた猫、シュレディンガーの猫、仕事猫、吾輩は猫である、猫男爵、猫目石、煮干し、マタタビ、夏への扉、蚤、百閒、注文の多い料理店、ハローキティ、ドラえもん、など 参加者が自由に 猫 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は6/30、発行は7/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー}   2月{TV}        3月{クイズ}        4月{健康}   5月{回文}    6月{本}               7月{神話}   8月{ジャングル} 9月{日本史}     10月{ヒーロー}     11月{ゲーム}         12月{時事}
2024年 1月{フリー}        2月{レトロ}   3月{うた}         4月{アニメ}    5月{遊園地}   6月{中華}
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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ari0921 · 1 year ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)12月2日(土曜日)
    通巻第8032号
イーロン・マスク vs 極左勢力の執拗な妨害工作
  Xへの広告出稿停止など、「見えない圧力」にめげず
*************************
 正論はつねに邪悪な勢力に拠って妨害される。
 日本の言論空間を比較するまでもないが、欧米でも酷いことになっている。
 ツィッターの左翼的偏向、とくにトランプのアカウント永久凍結などと言論弾圧にでた極左メディアのツィッターをイーロン・マスクが440億ドルで買収し、社名をXと変更した。快挙である。
 ネットにおける言論の自由が回復した。
 左翼の妨害と嫌がらせは、買収の直後から起きた。
バイデン陣営は、不愉快とし、パリの極左市長に至っては「下水道」と比喩してXとの契約を辞めたなどと発言し、巧みな世論操作に加わった。
 左翼勢力にとってはSNSでなれ流してきたフェイク情報や自分たちの出鱈目な論理の破産がばらされることが嫌なのだ。
 歌手のエルトン・ジョンがツイッターで利用をやめると表明し、ハリウッドの映画スターたちが追随した。エルトンは「最近、ツイッターの規約が変更され、誤情報が野放しにされるようになったからだ」と理由を説明した。
エルトンは左翼活動家でも有名である。ツィッターから離反する著名人が相次いだが、これは想定の範囲だった。著名人や企業のアカウントの「成り済まし」が横行した。
 攻勢に出た。
 イーロン・マスクはコロナウイルス対策を主導してきたファウチ大統領首席医療顧問への批判を開始した。11時間で80万件を超える「いいね」が付いた
 ロシアのメドベージェフ前大統領が、「米国で新たな南北戦争が起き、実業家イーロン・マスク氏が米大統領に当選する」とからかい半分の記事を投稿した。
 買収後、旧ツィッターの従業員は1300人に減った(買収前は約7500人)。左翼社員が一斉されたともいえる。新屋号をXとした。
 左翼が巧妙に企業を脅し、広告収入減が顕著になった。マスクはユダヤ人の権利保護団体によるものだとして、提訴を検討していると息巻いた。
 ▼舌禍事件がかさなった
マスクの舌禍事件が重なった。
台湾について中国の「不可分の一部」だと発言したため台湾外交部(外務省)報道官は「マスク氏は無分別に中国にこびへつらっている」と猛反発した。
マスクは台湾情勢に疎く、『台湾は香港のように特別自治区として平和的に統一すれば良い」など、無知をさらけだした。もっともテスラは台湾市場を相手にしていないから、中国の上海工場の位置が頭の中で計算されている。
七月にマスクは急遽訪中し、テスラの上海工場を視察した。波に乗る売れ行きなのに、増産計画を中国が認めないからだ。中国は愛国キャンペーンと称して補助金をつけ、BYDを支援している。遠回しにテスラの伸張を妨害しているのだ。
2023年10月、マスクはドイツの保守政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への投票を呼び掛けた。欧州の左翼メディアは、この保守政党を「極右」と難じてきた。
全欧の左翼がマスクを批判した。極左政党が独仏政治を動かしているが、保守がオランダ、イタリア、スロバキア、ポーランドで勝ち、フランスでも明日選挙となれば保守のルペン勝利が射程に入っている。欧米ともに左翼の衰退はあきらかな傾向なのである。
このタイミングでハマスのイスラエル奇襲、ホワイトハウスが乗り出して「イーロン・マスク氏が反ユダヤ主義を助長する「忌まわしい」行為をしている」と突如非難を始めた。
企業広告の隣にナチス・ドイツを称賛する投稿が掲載されていると���摘したこともあり、アップルなどが広告掲載を停止した。
11月27日にマスクはイスラエルへ飛んで、ネタニヤフ首相らと会談した。ネタニヤフは、ハマスの奇襲を受けた南部のキブツ(集団農場)の惨状現場にマスクを案内し、さらにXに「ハマスの人道に対する罪を間近で見せた」と投稿した。ヘルツォグ大統領もマスクと面会し、「反ユダヤ主義根絶に向け果たすべき「大きな役割」がある」と発言した。
イスラエルがいかにXを重視しているかの表れである。
帰国後、マスクは「反ユダヤ主義的な投稿に『同調』したことは申し訳ない。すべきではなかった」と述べた。
しかし他方では、騒ぎを受け��Xへの広告掲載を中止した企業を非難し、「掲載再開を望まない」と強気の表明をなした。「(左翼に『理解の深い』)企業の広告出稿はもともと期待していなかったのだから、痛くもかゆくもない。奴らは地獄へ落ちろ」と言い放った。
 さてマスクの本業はEVテスラである。
2021年販売実績が93万台、22年が136万台、2023年目標が180万台(中国のBYDは125万台)。24年は240万台としている。
とんとん拍子だったが、秋頃からEVの売れ行きが後退し、在庫が急増した。世界シェアトップはトヨタ、つぎがVW、三位が韓国の現代、四位にKIA、そのつぎが日産だが、中国EVのBYDが日産を超える勢いにあった。
 テスラの株価は23年1月3日に108ドル10セントと低迷していたが、7月17日に290ドル38セントとなった。イスラエル問題がおきた直後の11月30日にも240ドル08セントと比較的安定であり、時価総額でマスクが世界一の金持ちであることに変わりは無い。不安定要素が残るとすれば、Xの経営悪化だろう。
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1izx5a2j-blog · 10 months ago
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【出展】1/14(日)文学フリマ京都8(終了)
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【イベントは終了しました。お越しいただきました皆様、ありがとうございました!】
1月14日(日)に開催される「文学フリマ京都8」に、サークル「遥かの都 彼方の国」として出展いたします。
当サークルは【い-01】にて皆様をお待ちしております。
【開催情報】
イベント名:文学フリマ京都8 日時   :2024年1月14日(日) 11:00-16:00 場所   :京都市勧業館 みやこめっせ 1F第二��示場 入場料  :無料 内容   :文学作品展示即売会 主催   :文学フリマ事務局
会場へのアクセス、イベントの詳細は公式サイトにてご確認くださいませ。
【ブースのご案内】
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当サークルは【い-01】にて皆様をお待ちしております。
当サークルのWEBカタログ掲載ページはこちら https://c.bunfree.net/c/kyoto08/!/い/1
【頒布物のご案内】
◆ 刊行物 ◆
【初出】短篇集 挿文綴 散文拾
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「異界の民話」をテーマにした創作短編資料集。
『挿文綴』シリーズは長編連作『星めぐり常世草子』と世界観を同じくしていますが、独立した短編としてお楽しみいただけます。
通常は長編各巻の補助的位置付けで綴っておりますが、『散文拾』では本編の中で触れない範囲についての補足的なお話を集めております。
老天の縁起、ある舞姫の鬼、天から堕とされた魚、「みかへり」を求めた島の儀式。四篇の小さな絵と話を収録。
作品詳細はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/post/733319898484424704/
【新刊】星めぐり常世草子 巻の二 まよい星の巻
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仏教の外道の神「天部」を題材にした創作神話��当サークル刊行物の世界観の中心となる長編小説です。全四巻完結予定の連作、第二巻。
本年秋頃に続刊を刊行予定です。ぜひ今回のうちに先行巻をお楽しみください!
作品詳細はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/post/725047321413484544/
【新刊】短篇集 挿文綴 第二集
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「異界の民話」をテーマにした創作短編資料集。
『挿文綴』シリーズは長編連作『星めぐり常世草子』と世界観を同じくしていますが、独立した短編としてお楽しみいただけます。
長編連作「星めぐり常世草子」各巻の補助的役割を担うために編���した「断片的資料集」。冥界のまじない人形、いつか海へと還るものの詩、名前を奪う鬼の由来、迷いびとを迎える家、四篇の小さな絵と話を収録。
作品詳細はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/post/725047335588167680/
星めぐり常世草子 巻の一 星降ろしの巻
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幻想草子「星めぐり常世草子」シリーズの第一作目。 きらびやかな天部たちが語り明かす異界譚、そのはじまりの話。
こちらの和綴じ製本版は在庫が残り少なくなっております。 次回発注分からは無線綴じ製本に変更となります。
作品詳細はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/post/718157386061348864/
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上記刊行物に関しては一部を除き試し読みをご用意しております。ぜひご覧ください。
◆ 楽曲 ◆
Concept Soundtrack Vol.1 “The Star Hunter”
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当サークルの創作小説「星めぐり常世草子」シリーズのうち、巻の一「星降ろしの巻」から着想して作曲した楽曲CD。
作品詳細はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/post/718205267226001408/
◆ 雑貨 ◆
【初出】組替紙仏 ステッカーセット
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貼ってはがして組み替えて、遊べる仏像モチーフのステッカーセットです。
詳細 https://hrk385knt92.tumblr.com/post/738995189204631552/
【在庫僅少】【THE HANDS】観音御手フレークシール
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観音四十二臂より選り抜いた六つの持物を描き起こし、ポップな色付けのデザインを制作しました。レトロマッチ箱のようなパッケージに収めたフレークシールです。
毎回当サークル一番人気のグッズなのですが、現在印刷所の���係で追加が作れない状況です。
在庫3つのみとなりますがお持ちします。
グッズ詳細 https://hrk385knt92.tumblr.com/post/718158670888845312/
【創作イベント限定頒布】[THE HANDS]観音御手ウッドチャーム(小文付き)
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雑貨系デザインシリーズ【THE HANDS】のウッドチャームに、各モチーフから着想した短文小説を同封。創作系イベント限定バージョンです。 全6種、ランダム封入(購入時指定はできません)。
今回は白の袋に封入して頒布いたします。中身は同じです。
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こちらも在庫少なくなってきております。気になる方はぜひお求めくださいませ!
詳細 https://hrk385knt92.tumblr.com/post/718160429227065344/
その他、仏教美術×和レトロをモチーフにした紙雑貨、袋物などいくつか厳選して持ち込みます。
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なお、荷物容量の都合により全ての雑貨は持ち込みません。悪しからずご了承ください。
当サークルの制作雑貨一覧はこちら https://hrk385knt92.tumblr.com/tagged/goods
【おすすめフローチャート】
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創作物に興味はあるけれど、どれに手をつければいいかわからない… そんなあなたに、当サークルのおすすめ本をご紹介する診断チャートを作りました!
こちらからぜひお試しくださいませ https://1izx5a2j-blog.tumblr.com/post/728249576571682816/
【お支払いについて】
当サークルは現金払いのみのお取り扱いです。釣銭は不足のないよう充分にご用意しておりますが、できる限り小銭での金額ピッタリ払いにご協力ください。
もちろん、お持ちでない場合や1000円を超える会計の場合はこの限りではありません。
なお、大変申し訳ありませんが5000円札、万札のご利用は釣銭のご用意がなくお断りする場合がございます。
【通販のご案内】
当サークルでは一部作品につきましてデータ販売を行なっております。
→ 遥かの都 彼方の国 電脳舗
電脳舗取り扱い以外の各作品に関しては通販・委託販売予定は現時点でございません。
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patsatshit · 1 year ago
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今年の8月末日、短編小説と音源がセットになった『JAGUAR』というZINEを制作した。200冊限定ナンバリング入りで、現時点(10/13)での在庫が30冊程度となった。ところが4月にリリースした『ほんまのきもち』と違って、本作についての感想がほとんど聞こえてこない。もちろん直接口頭、あるいはソーシャルメディアのダイレクトメッセージで読後感を伝えて下さった方々は沢山いる。しかし書評と呼べるものは実はいまのところ皆無に等しい。批評することを躊躇わせる斥力のようなものが作品に内包されていたのかもしれないと密かに勘繰ってみたりした。虚しかった。そこで、である。敢えてこの場を借りて、稀有で貴重な『JAGUAR』評を紹介しようと思い立つ。当ブログへの転載を快諾してくれた評者の方々にはとても感謝している。ほんまにありがとう。早速おふたりの素晴らしいレビューを読んで頂きたいのだが、いましばらく当方の四方山話にお付き合い下さい。
まず最初に『JAGUAR』という物語がかれこれ10年以上も前に執筆していたものであるということを前提に、すでに読んで下さった方々には当時の僕の意識混濁っぷりが窺い知れる内容になっていると思う。ビルメンテナンス会社の営業職に就いて忙殺される日々、精神と肉体が泥のように疲弊していくなかで書き上げた小説。大袈裟でなく、このままでは生きるという行為を自ら手放してしまうのではないかという危うい精神状態だったが、幸運にも当時に知ることができた偉大な哲学者、思想家、精神科医たちの言葉に背中を押され、結果的に今日まで生きのびた。以下に引用した��著の言葉たちが『JAGUAR』と僕を根底から支え、励まし、作品を世に放つ機会を与えてくれた訳だ。特に大気を裂く稲妻のように強烈な『千のプラトー』は、書かれている内容がわかるわからないというスノッブな価値観を遥かに超越した位置から自分を叱咤激励してくれた。こんなにぶっ飛んだ内容の読み物は他にないし、未読の方は絶対、ぜぇぇったいに読んでほしい。
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小説は、自分の名も、自分が探しているものも、していることも、すべて忘れ、記憶喪失、運動失調症、緊張症となった登場人物、なすすべを知らない登場人物の冒険によって定義されてきた。(中略)。宮廷愛小説の騎士のすることといえば、自分の名前、自分がしていること、人が自分に言ったことを忘れることであり、どこに行くのか、誰に話しているのかも知らずに、たえず絶対的脱領土化の線を引き、またたえず道を失って立ち止まりブラック・ホールに転落することである。『千のプラトー』ドゥルーズ+ガタリ著
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各人は、他者の世界の中での一客体であるばかりではなく、自分の世界の中で自分の体験や構成や行為がそこから生じるところの、時空間における一つの場所でもある。人は自分自身の視点をもった自分自身の中心である。そしてわれわれが見つけたいと思っているのは、まさに、他人と共有する状況において各人がもつところのパースペクティヴである。『狂気と家族』R.D.レイン/A.エスターソン著
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私にはひとつ、ことばを≪見る≫という病気がある。ある風変わりな欲動があり、それは、願望がまちがった対象に向かうという点で倒錯的な欲動なのだが、そのせいで、本来なら単に聴くべきものが、私には一種の≪ヴィジョン≫として現れるのだ。(中略)。言語活動に関して、私は自分が幻視者で、また、のぞき見の倒錯者であるような気がしている。『彼自身によるロラン・バルト』ロラン・バルト著
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そして小説版『JAGUAR』と一蓮托生の身である特級呪物、音源版『JAGUAR』については、僕が最も敬愛する女性DJにその制作を依頼した。マルコムXの演説を逆再生��せたところから始まるMIXは、いくつかの世界線が交錯と混濁を繰り返し、正気と狂気の狭間を湿気をたっぷり含んだ低空飛行でかいくぐり、やがてひとつの景観ヘと辿り着くまでの過程をコラージュを交えた手法でドキュメントした、とんでもない内容に仕上がっている。揺るぎないベースライン、不意に降り注ぐ天啓となる言葉の数々、妖艶極まりない夜の気配、そして匂い。ぜひとも爆音で体験してほしい。以上のことをふまえて、OBATA LEO、moanyusky両名による書評をご覧下さい。
「JAGUAR」評① :評者OBATA LEO(ROLLER SKATE PARK作者)
土井政司の新作「JAGUAR」を読んだ。内容の理解云々以前にまず、地を這いずるような具体性の塊、描写に喰らった。自分が普段労せずざっくり物事を把握するための便利な道具として使っている言葉という同じものを使って、この作品はレンズのように細密にものを描き出す。ひとがきちんと見ずに済ませているような部分にまで光を当てる。そんな驚きもありつつ、やはり気になる。「JAGUAR」とは何なのか?
-「彼女は常に超越的な地位にあり、私たちとは隔たれた外部に位置している。そうであるにもかかわらず内部であるここにも存在しているのだからタチが悪い。絶えず外にいて内にあるもの、それがJAGUARだ。」最も端的にJAGUARについて書かれたこの部分を読んで、体内・体外の関係を想起した。普段「体内」と何気なく口にしているが、胃袋のように体には空洞がある。皮膚や粘膜などの体表に覆われて血液が流れている内部を体と呼ぶのだとしたら、その空洞は体に囲まれた「体外」ともいえて、私たちは体内に体外を抱えているという言い方もできるというわけで。それで繋がるのは、口腔内の歯の溝に落ちたタブレットを舌で触る場面である。「体内」でありながら自分では視認することのできない、舌で探るしかないその空間は確かに「体外」であるし、JAGUARもまた、己にとって内なるものでありながら断絶した他者でもあるような何かとして捉えられるのかもしれない。そんな線で読んでいくと、-「だが実際に私の目の前で何者かの手によって鍵の施錠は実行され、おまけに用心深くレバーハンドルを何度か動かしてしっかりと鍵がかかっていることを確認した。」という作品の��盤に出てくるこの部分で、文法的なエラーに感じる違和感は、そのまま私とJAGUARとの関係の違和感そのもののように思えてくる。得体の知れない何かに鍵をかけて、何食わぬ顔で電車に乗って仕事場へ行くなかでの体の軋み、のような何か。体といっても、いわゆる「(近代的な)身体」というキーワードで片付けるにはあまりに繊細な、大いにパーソナルな部分を含む体の感覚が、この作品にはあると思う。
出かけた「私」は、電車のなかで女性が着ている服のボーター柄の反転を目にするが、ここまで読み進めてくると、気持ちの良い幻惑に襲われはじめる。異常にディティールが詳しいのでそうと気づいていなかったが、やはりこのフィクションの中で起こる出来事たちは、出来事の形をとった何か夢やイメージのようなものだったのではないか。そして冒頭のリフレインまで突き当たると、この作品は初めから何についての話だったのだろうかと、今までひとつひとつ理解しながら読んできたはずの物語が全く違う相貌を携えているように見えてくる。そんなぐにゃんとした気持ちになるのは、良い小説を読む醍醐味のひとつだ。
「JAGUAR」評②:評者 moanyusky(音楽レーベルprivacy主催)
当たり前の様に無造作にある事で、それを見るか見ないか、それだけのことだと思います。土井政司の最新作「JAGUAR」を読みました。ここではJAGUARとなっていますが、人によってそれの名称は変わると思っています。よくわからぬ相手との対話や闘いがあるかどうかというところが、この作品の感じ方が分かれるところだと思っていて、私はどちらかといえば、その相手に困らされた事があったので、この作品を読んで、え!土井さんもやったんやとびっくりしました笑。ここは勘違いして欲しく無いところなのですが、人それぞれという言葉があるようにそれは一緒ではないのですが、構造はかなり近いと言ったような事でした説明がつかないわけですね。私は人の「想像」は人を殺しにかかるような死神として、隙があれば、それは現れるわけです。世の中ではアートであったり、想像力は良いように言われていますが、全くもってそれは何かが隠されているわけで、私は良かった試しが無いわけです。出来れば普通のルートで現代社会を楽しみたかったです。でも多分知っていくという事はそういう事なのかもしれない。想像力に悩まされてきた身としては、この作品は、別の場所で、それと闘って、きっちり答えが出ているというところ、しかも、10数年前の作品という事で、私は土井さんに出会って、色々な対話を交わして、初めて彼の濃厚な苦悩との生活に出会う事となったわけです。各人の時間軸が理解の範疇を超えて、重なり合って手を取ったのだと思っています。その時に置いてきぼりになってしまう、その真ん中で産まれゆく、刻まれた何かがずっとどこかで成長していたら、人は正気を保てるだろうかと思ってしまいます。誰かが入ったであろう、部屋のノブをあなたは回せるかどうか。私はそれには名前をつけなかったが、もう二度と会いたくないですし、いつまた来るのだろうと、恐れを感じます。彼は人が地面を無くした時に現れるように思います。浮遊した瞬間、命をもぎ取ろうとする。
でもそれはオカルト的なアレとか、スピリチュアル的なアレなんてものではないのですね。確実に自分、自分を構成する設計図の謎のようにも思え、それが薄らぐために生活をやり、音楽をやり、愛し合い、話し合い、何かを育てるのだと思います。現実社会で経験した摩擦は地面をはっきりさせ、そいつのいる世界から距離が出て、薄めてくれるように思うわけです。だからこそ。JAGUARの言葉を借りれば「痛みと不安から自分自身を取り返し、その自分に立ち止まるために語りを紡ぎ出す」。が救いの言葉となっているように思います。2部構成で出来上がる、この作品のバランス感覚は、人と創作の関係性をSFとして描いているように感じます。同じ場所にて語る事は嫌がられるかもしれませんが、私が映画を観に行った時に続々と子供たちが外へ出て行った宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」を出したタイミングと、土井政司がこれはいけると思ったタイミングで出されたJAGUAR。それは何もかもを抜きにして考えると、世の中の人たちに対して彼らは同じことを思っているのだと思います。今それを出さなければならなかった。その「灯り」の意味を考えなければならないのです。
〆はもちろんこの曲で!
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mxargent · 1 year ago
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲ��サシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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知人は仕事を辞め、地元に戻り農業大学に入り直して農業に従事している。今回ひっかかってないのでひとまずよかったとはいえ。。これは問題だ。。
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最悪悲惨だと思う。
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この手法、結構使っている方いらっしゃると思う。批判や攻撃など支障ある場合とそうでない場合で印象は変わってくると思う。前者だと自らの主張の正統性や有利にすすめる意図がみえたり(賛同かそうでないかでも 見方が分かれることも)、後者の場合は(ストローマン論法ではなくなるかもだが)周囲を和ませることも。だけど、前者っぽくても忠実(自然)で思いやりがあったりと、誰が彼がというのともまた違うかな。ちなみに自分は、前者.意味のある批判などの場合はストレートに書くことが多い。
ここに書くのも内容が混ざってしまうが、どういう反応すればよいか、返答に困るのではないかとも思った。ここに個人情報など書いても行政の方もチェックされているし、そういう話は控えている。自分には関係ない話だと思っていたけれど、というか自分はごちゃごちゃした話は、最初から考慮に入れてない。自分はそのあたりはわかっても突っ込まないタイプで。親切だと思うこともあれば、のだめカンタービレを思い出したり 対応が上手い(可愛らしく和むけれど精神年齢も高い...二面性があるよね)と感じる子もいる。(あちらの方は元よりだけど、もう1(2)人の方も自分のこと知ってるかも、というのは気のせいかもしれないけれど、足あとやテレパシーみたいなのがあって。道徳心にも感心したのだけど 他にも見習うべきところが、将来が楽しみでもあるよね。焦らずゆっくり見てあげた方がいいと思うね。あちらも多分行く機会あるかも。あと、一番有名な方(もいろいろ観たいけれど)より 先生もそちらの場所の方を高く評価していて。過剰な演出がなく優美で、東の(同じくらい有名な)場所も含め、特にお気に入りと言っていて。人間のためだけではないところもいいなぁと。あとそちらもだけど、片付けにハマっていた時に、美術館で合唱団のコンサート時にもらった資料が出てきたのだけど、その地方の風景に関する話が1ページにわたり書き連ねられてあって、東の都市と西側の国の近代思想が合流する場所という内容で位置的にも面白い場所だなぁと思ったね。アーティストといえばウジュピス共和国(屋根のない美術館とも言われる ブルージュもよかった)、最近は里山芸術祭とかも増えてきたね。あと避暑地としても人気な軽井沢や八ヶ岳の別荘(といっても新築が多いけれど)の資料もよく見るね。宮沢賢治の農民芸術概論(←kindleで無料で読めるみたい)を思い出したけれど、ちょうどこの間 二~四次元について考えていた。)そもそも、まわりくどい面倒なことは性分に合ってないから、そういう読み方をしない方の対応で...そういう読み方になるのかもだけど、無意識なものでそれとも違うかも...その方が自由でもいられる(といっても一番最初は真面目に質問と仮定形で対応した、思いやりと爆弾両方をかかえる気持ちで。...その辺見えたから、爆弾にしたのもひとつにはある。ただ その後が想定外で大失敗。その後の考えもだいたいわかるところはある。ドラマとか...スカイキャッスルとか面白かったね...では好きだけど、現実ではちょっと...というのがある。別系統にするゆとりはあったからね、それが原因ではなく、自分自身の問題でいろいろと。綺麗事よりも現実的な事柄で。困難なことがあろうと、生きている以上、元々幸福の中にいると考えているから...このあたりは震災など体験して価値観が変わった。そういう意味ではドラマでの不幸体験なども意味があるかも。...特に幸せみたいなのは求めてなくて、ある意味現実逃避みたいにも思えるし。普通に毎日 自分なりに充実できればそれでいいかなと。...単刀直入に用件から、自分のことならば入れないように、無礼自覚にそれまでの感謝も若干混じり)、これが自分のやり方。だけど、例えば そういうことで対応していたのだとすれば器が小さ過ぎやしないかと、見透かされると思うし。そういうことがないと考えていたから尊厳していたのだけれど。例えば 動かそうとしても、そういったことにはのらない。(こういったところは似ている。自分は無反応だけど逆対応で返す点は違うね。爆弾→雷事件以後 学んだところもあって。角が立たないのは年の功もあるか。...そちらの先生、自分が稚拙なだけです。すみません。同性愛、自分も共感できる部分(憧れといった感じ)などある。喧嘩売るより、そういえば自問.疑問形だったのだけど、何となく違う感じに、結果的には喧嘩売ったわけではないからどの解釈でも支障はないけれど。上から見られるのが苦手というだけであって、これは自分自身の問題、自分が年をとったからかもね。二次元キャラの方から三次元(平面から空間...多角的視点)的な。言葉が少ないと、抽象芸術のように自由度が増す。でも断定的表現は疑問。今までの体験も含め、三流に属する自分が大切にしているのは、程よい緊張感。相対する要素で真ん中という意味では似ているかもしれないね。アスリートなどの方も平常心を保つ(卓越したパフォーマンスの)ために、脱力と集中が不可欠とのこと。命の危険にさらされない限り、自分の意志ならば 何度失敗してもいいと思う。自分の人生を生きることが大切。というのは矛先わからないけれど 三次元の方から、ちなみに同性愛(というか名前はついてない)の件は君の話からね。自分は焦点のあて方に難しさを感じる、自分はリーダー的なことは向いてないなと。人が何と言おうと 自分は自分のペース可能な範囲内で普通に生きたい、それが自分。あと、普段は困難などをあえて感じさせず楽しませてくれるのが一流の人のようにも自分は思っている。何流であろうと死ぬ時はみんな同じのような気もするから、それぞれが自分なりに満足なり納得なりできればいいのではないかと。ちなみに人を好きになるのは何流でも無職の人のこともあって(ステータスの高い人は話は面白くても癒しが足りないことが多い)ワイルドよりも爽やか中性的雰囲気の方が好きで(だからあの内容は失礼に思えた。年齢は着目してなかった、女子力のとかもあったから。ちなみにルックス...だけというのはありえないけれど...からというのは本能に思っている。ちなみにSNSではルックスも本来着目してない。市政などの批判除いて気分転換や楽しむこと重視。インスタなどは視覚(聴覚)から入るけれど、最近は内容(思想や人生観、嗜好...など)気になって真面目に英文読んだり。)、好きという気持ちが原動力となるから自分から好きになる方が向いているんだ。その場合は無理してでも合わせようとしてしまう...無理できる時の方が意外と楽しくもある(けれど、逆に相手が楽しいとも限らない)...、といっても滅多にないし、今は自分のペースで現実的に検討からしている人がいるけれど。ちなみにワイルドが嫌いということではなく...人それぞれ好みはあっていいと思っているんだ...話の流れから、格好やお洒落で中性的ということではなく。例えば日本人だと道枝駿佑さん...ちなみに ヴァンパイアは苦手でマイハルなどの方ね。 なにわ男子のマイハル主題歌Iwish久々に聴いたのだけど、50代や92歳のファンの方もいるらしい。たしかに。まずは自分を大切にすることから 何かを大切にすることにつながっていくのかもしれないね。そこに年齢や性別なども関係ないのだなと。資格試験などの類や前者は減点方式になるけれど、人間関係においても加点方式の方が楽しいと思う、自分の場合わざわざ嫌いになることはなく、たいていはゼロから、好きにも嫌いにも属さない人の方が圧倒的に多い。...や平岡祐太さんはセンス悪いと思う?大沢たかおさん格好いいと思ったことはあったけれど、最近格好つけた感じになると微妙だったり。吉高由里子さんなんかは共演俳優を格好よく見せるなぁと思うこともあって。15日にもあったけれど 各々動きがとれなくなっても困るからね。中性的な癒し系女性も好きだね。三次元の方は(お説教も一方若干あるけれど)カウンセラーの才能もありそうな。君も頼りにしてたところあるんじゃないかと。実は、被害妄想.悲劇のヒロインきどりじゃん...って前半分思っていた自分とは全然違う。だけど、最後は 本当にその通りだなと思う。本当に、人によるかも考え過ぎもよくないかもけれど、自分にとって準備は重要に思う。それぞれペースがあると思うし。言葉は違ってもいろんなところでリンクしているね。結論、若干パクりになるけれど。金子みすゞさんのにもあるね「みんなちがって、みんないい」のかなと。(リーダーや権力者の人たちには悪用してほしくはないけれどね。)...極論まではいかないけれど、近いところが。ただ 今回に限っては、自分もつられて(というわけでもないが)こちら側含めず5(6)つ女性側2(3)くらい混ざっている。時間も大切、このあたりは意識している。...リーダーもチェックしてそう。...昔に比べるとそういう人少なからずいるかもね。主導権握るというよりも支配されるの苦手だったり。自分はどちらも特には持ってないかもだけど...最近は すべきことやしたいことが増えて急ぐものから選びとったり削ぎ落としている感じ 趣味とかいくつか我慢したり(純粋に一石何鳥にもなる趣味はいいね!)我慢というか、ノンビブラート唱法のレッスン(先生)を探していたのだけど近くになくて、時々個人で練習してる感じ。A0くらいのはレモン画翠などで購入していたけれど、それ以上B0とかはあまり見ないね。...いざ必要になる時もあるよね。今を積み重ねていく意志はあるけれど。確かに、外ばかりになると内がおろそかになることもあるね。教育系など、引き出したり人と接する仕事などによっても変わってきそうでもあるが。)分裂を引き起こすだけ。こういう場所では独立型。
真似してもうちょっと後だったような。今度は君の方から頑張った方がいいのではないかと。あの方との合流の話にしても、君が白紙に戻したり、一部寄り添えなくなったり、だけどきちんとされている方で状況(二次元の方は内容からしてこの背景知らないかもしれないけれど...縛られるのは本人であって、縛らないのは尊重や大切に思うからこそだということもあって...三次元の方のことはお互いご存知なようだね。検討の話も元々知っているから、気をつかってくれてたり あのような内容だったと思うんだ。)的に縛るのもよくないし...可愛くて素敵♡♡マイハル、生きている限り 何度あってもいいなと!さらに元気出ました!...約束(とも違うけれど)守れず 君ではなくあの方に心残り申し訳ないというか(自分から声をかけたのもあって)話が変化形で気になったりもするけれど(確か直接いった方がいいという話で終了したよね)、自分には関係がなく、最終的には君自身が決めていくことだと思うんだ。自分も真似したけれど、君の要領でさらに工程省くと(あと小麦粉ほとんど使わず...)見栄えは(色の組み合わせで変わる、カボチャとホウレン草などもありかなと)ほぼ変わらず(平らな正方形に近い)あっという間だった。
(全体が見えている人もいるが そうでない...その方がありがたいが...)自分側の人が読んでいるとわかると何だか気味が悪い。そういうのがわかると書かない方がいいなと思うし。自分は特に必要ないが何かある時は各々きちんと対話した方がいいと思った。
TVerでのサスペンス ドラマ再配信。内的世界。読書の時間はなかなかとれないがドラマは(注意散漫から精神統一、その他いろいろ)メンタルを整えてくれることを実感。気づきのヒントを与えていただきましたm(_ _)m
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strabin · 2 months ago
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⚓一等航海士5年目のメッセージの感想
肖像画を見た
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 あぁかっこいい……。イーちゃんの中の人ありがとう、こんなにかっこよく描いてくれて。素敵だ。やはりそのポーズが一番お似合いですね。人差し指は鼻の前ではなく下唇の下なのですね。今度からそう描くようにしたいなぁ。ゲーム内モデルよりも髪が長く上半身が細い。ちょっと悲しい。右の影はなんだろう。
⚓タトゥー関連
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 「タトゥー」がカギ括弧付きなのはなぜかしら。気になる。  もはや隠す必要はない、ってことは今まで隠してたのね。ボロ服が好きすぎて周知の事実・特段隠すものでもないと思っていました。  出航日のデザイン過程に書かれていた文からホセさんは元海賊だった説は濃厚だったけれど、たしかによく考えたら海賊のタトゥーがホセ自身の身体にある=ホセが生まれたときにはまだ海賊だった、あるいはそれ相応の身分だったってことだよなぁと。自分が知ってるキャラの範囲でだけだけど、幼少期のことが背景推理につぶさに描かれてはいないキャラ(ビクター、イソップ)はあとから掘り下げがあることもあるから楽しみなんだ。ホセさんはそれが今回だったのかしら。
 あと、「なんで(ボロ服以外では)ボボリンクだけ入れ墨や腕の傷が丸見えなんだろう」と思っていたけれど、説明文を見たら納得。定年生活つまりは今とは違う新しい生活のためなら、捨て去ることが確定である現時点の身分はもはや気にしなくてもいいからね。
 ホセさんには海賊としての身分と海上騎士としての身分という二つの異なる身分があるということですか、IDシステムの要件を満たしているような気がするんですがそれは……。来たら嬉しい。一抹の不安ならぬ一抹の嬉しさ。  もし仮に「催眠にかかる→時計が原点に戻る=海賊に戻る」だとしたら、海賊に戻ってしまったホセさんはウィラにそういう行為を図ったのかしら?なにをしたのか、いやなにかしたのか?ウィラが理性崩壊したとあるから殺害ではないと思うけどなんだろう……うぅんでも原点に戻ったはずのホセさんが自分の船として応答を要求したのは海上騎士をしていた頃のパルテノーペ号だから、原点≠海賊なのかもしれない?いやでもパルテノーペ号自体が海賊の頃から使っているとしたら……それとも女王公認の海賊?とはいえ私掠船は第五人格の舞台の頃には制度として��くなっていたような……わかりません。
 衣装の話に戻るけれど、ボボリンクと「疑」とフックキャプテンは海賊の身分に近い、あるいはそれに触れた衣装なんだろうなと思った。海賊って生きるためにやる人もいるからやっぱり幼い頃は生活苦を強いられていたのかもなぁとか考えてしまう。でもわかんないな。どうなんでしょう。海域通過後に良識を忘れた=その前はあった、つまり海賊時代もまだ良識ってやつはあったのかも���れないし。
⚓瞳
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 ボタン目なのに瞳って言われても難しいな。言われなきゃわからなかったや。催眠にかかったということですかね。素敵だ。好き。豪胆で勇敢な海上騎士」みたいな言葉が実装時の説明文にはあったような気がするけど、どっちかと言うとホセさんは恐怖するし不安も感じやすい(対父比)んだろうなぁという解釈は間違ってなさそう。
⚓時計と音楽
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 銀の光か。時計は金色だと思っていたけど銀色なのか。この文を見て肖像画を見たら、他キャラの肖像画と違ってこっちを向いているのがすごくいいなと思う。こっちを催眠にかけてきそう。
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 新しい夢境=幻覚(物事に対する感変え方を変えたうえでの像、ただし実物と同じか虚像かは問わない)だと私は解釈している。  「静寂」「静けさ」の言葉も良いなぁ。「嫌いなもの:音楽」の真逆。音があるとそれが雑音になって時計に集中できない=催眠に集中できない=抗不安効果を得られない、みたいなことなのかしらと思ったけど完全に妄想です。なぜホセさんは音楽嫌いなんですか?
⚓荘園と過去の妄想
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 あぁ湿気、湿気嬉しい(傘との対峙成分)。  前ツイートしたことがだいぶ要素として入ってて、なんだろう、そうよね、荘園はそういうところよね。  オーケアノスとかメリー曰くのシダ情報とか、ギリシャ神話とかホアキンパパとのあの文書とか諸々、地中海には何があるのでしょう。
私の妄想:
スペイン人の海賊として何か色々していた(生活のために仕方なく善悪観を常に見つめ直し罪悪感に苛まれながらしていたのか、それとも楽しんでいたのかは分からない)
こんな生活嫌だ!と足を洗いたくなり、手柄を挙げて新しい身分を得たい
背景推理1:何かをして無事新しい身分をget
背景推理3、4、6:悪夢のような海域で神も許さぬ罪を犯す+トラウマで驚夢症を発症(「疑」の説明文を見た感じ流血沙汰にはなっていると思う。仲間もいなくなっているし)
背景推理7:王室の「特殊任務」を任される(年代的に私掠船は無いかなぁと思う+メタいけど「王室が陰でえげつないことをしていた」という設定はリアルで社会的な批判を浴びそうだからイーちゃんがそう作るのかは微妙だなぁと思っている)(でも当時のイギリスはかの四文字で呼ばれているし……史実で王室が現代の倫理観ではまずいことに関わっていたのかで話が変わってくるかなぁ)
無常4年目:ヴィルヘルム・ラムに特殊任務、もしくは身分get前の海賊的行為(黒歴史)を知られ、それにつけこまれて「地中海のシダを取ってこい」と言われホアキンが協議書を締結させられる
ホアキンがホセを起こさず、行く先や目的、ヴィルヘルムとの協議書のことも知らせずに(もしくは忘れさせて?)出航
船は帰らず、ホセは身分を失う
⚓メッセージを読む
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 「海難事故」と言うよりヴィルヘルムが傘をゲットしたり実験するために仕向けた事件だと思うのですがそれは……。さておき。「夢を跨ぐような」って表現好きだなぁ。
 「眠りについてしまった海賊の血を呼び覚まし」  血液に流れる悪魔=海賊とほぼ明言するのは初だ。背景推理の最初と最後にある「良い夢を」、「目覚めよ」っていうセリフはこれかもなぁ。海賊であることを忘れて女王に仕える海上騎士としての身分と困難、それを乗り越えた先の名���を享受する一時の安息、甘い夢を、みたいな。
 記憶の中で書き換えられたあの海図とは?背景推理の何回も書き換えたアレのこと?そして終点ってなんですか?ホセさんが目指しているのはなんなんですか?  深海が帰るべき場所かもなって演説はジョークなんですか、それとも本気なんですか?本気だとしたら未来永劫天にも登れず暗い冷たい静かな海の底に住まわざるを得ないみたいな、そんな罪人みたいな自己認識をお持ちということなんですか……?さすがに私の主観が入り過ぎか。でもいくら船乗りでも海の底で死にたくはないと思うんだ、陸のほうが楽しいこといっぱいだろうし、キリスト教の考えでは天国に行きたいと願うのが一般的だろうし、そうできるために悪いことはしないで善行を積むし悪いことはしちゃいけないよみたいなそんなんじゃなかったっけ……?わかんないです。
 あと、全体を読んでみると今までずっと分からなかった背景推理3の「視線の外にあるのは悪魔の触角だ」みたいなのはやっぱり、海賊行為から足を洗いたいから悪行に目を向けないように頑張っているホセさんの意識を描いた文なのかなぁとかなんとか思った。  それから、出航日のデザイン過程で「海賊の頃のアレコレは今となっては笑い話でしかない」と語られているけれど、これは殺人や略奪などを昔の武勇伝として語るような品の悪い笑い(?)ではなくてかつての自分の低い地位を自嘲するような嗤いだったのかなぁとか思ったりした。
 驚夢症や傷についても情報が欲しいけれど、一旦今年はこれでお預けと言うことでしょうか。今後のために残しておく謎ということでしたら飲み込めます。
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hegotthesun · 3 months ago
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縄文時代
縄文時代の始期に関しては1万6000±850年前と考えられます。
終期は弥生文化の登場を契機としますが、地域差があり、紀元前数世紀~紀元前10世紀頃まで多くの議論があります。
東北の北部から北海道では、弥生文化が伝来した後も、縄文時代の生活様式が継承されました。それを続縄文時代と呼びます。
縄文人は体に刺青を掘る風習がありました。その刺青によって、どこの集落の出身か区別していたようです。
また、集落ごとにアクセサリーの流行もあり、身に着けている装飾品によっても部族の見分けがなされたようです。
縄文時代��らファッションの流行があったとは驚きを隠しきれません。
◆竪穴住居の作り方|富山市公式ウェブサイト
◆竪穴式住居模型を作っている木材|文化財課
このように縄文人は地べたに座ります。
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赤坂駅周辺の飲食店が立ち並ぶ雰囲気は、神戸三宮の生田新道と少し似通っております。これで北に山が見えれば神戸市内。
東京の都市開発は、まず山を平らに切り崩して整地し、その土砂で海を埋め立てて面積を増やしてから、地面をアスファルトで固めました。
一方の長崎や神戸などの西日本は、海から山までの平地の範囲が狭く、坂道をそのままアスファルトで固めたため、坂と階段の多い高齢者にとって住みにくい環境になってしまいました。
ヨーロッパの街並みはラウンドアバウト(環状交差点)を中心に、円形状に建物が整列され、一方のアメリカは地図を見て四角形に区分けしてビルディングが整列されました。
東京は江戸からの道幅や建物の向きに影響を受けて、建築物は大雑把な方向に並びます。また車道は幅が狭く少ないので、慢性的に交通渋滞が発生します。ここまで車が普及するとは、当時は誰も想像できなかったのでしょう。
新宿アルタ前の液晶画面は、ニューヨーク州のタイムズスクエアを参考に作られました。
神田川の流域は、井の頭公園まで縄文遺跡が多く残っています。井の頭の奥はもともと湧き水があり、そこを中心に縄文人の集落がありました。
実は東京の適当にも見える建物の配置は、この縄文遺跡や集落の痕跡が影響を及ぼしています。
いわば縄文時代から時を超えて構築された世界最大級の「縄文式都市」が東京の街並みと呼べるでしょう。
東京には八幡神社(神功皇后と応神天皇を祀る神社)が多いのですが、これは縄文時代からあった信仰の拠り所を経て、弥生時代につくられた社の名残りとされます。都市開発でも神社や寺院は簡単に移動できないので今も残り続けたのです。
明治時代にできた慶応や早稲田、青山などの大学は、未開発の土地を利用して建設されました。その中で東京大学の敷地内にて弥生式土器が初めて発掘されました。
このように東京は、縄文遺跡や弥生遺跡を多く残す由緒ある土地でもあります。
◆ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめての中沢新一。1 ◆ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめての中沢新一。2
ジャズに並び縄文時代はタモリさんの方が詳しいのでバトンタッチ。
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◆山手線の路線図は太極図|都市伝説
日本人のルーツ|DNAと言語
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現代の日本語は、縄文人の言語が土台とされます。
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日本語の単語は「キ(木)」「テ(手)」「イネ(稲)」など、母音と子音の組み合わせがシンプルで一つの単語が短いのが特徴です。
これは南方系・ポリネシア語に語感が近いとされます。
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ポリネシア人の先祖は、東南アジアのインドネシア諸島に住んでいました。インドネシア諸島は氷河期の頃までまとまった巨大な半島でした。ところが氷河期の終わりに、インドネシアは標高の高い所以外は水没しました。
人々はフィリピンや台湾、グアムやポリネシア諸島、日本列島など各地に散らばりました。
▼インドネシア・ジャワ島の馬形土器(1970年)
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▼馬形埴輪(古墳時代)
一方で日本語の文法は北方系だとされます。同じ文法の言語に「モンゴル語」「トルコ語」「韓国語」「満州語」などがあります。また近年の言語研究で、古代メソポタミア文明の「シュメール語」とも同じ文法だと判明しました。
つまり日本語は「単語は南方系、文法は北方系」という他の東アジアと比較して特異な言語体系と言えるでしょう。
縄文人と渡来人の混血比率|東アジア人の分岐と混血の歴史
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サムネイルは日本人と同じY染色体を持つアンダマン諸島オンゲ族の島民。日本人のDNAに含まれるY染色体(ハプログループD)は、縄文人に由来します。
縄文人と同じY染色体を持っているのは、日本列島全土に住む大和民族、北海道の��イヌ民族、沖縄の琉球民族、海外はチベット民族、アンダマン諸島の民族だけとのことです。
▼ハプログループの変遷
A アフリカ南部 B アフリカ南部~中部 C 西アジア、東南アジア、ユーラシア大陸から北米 [D] 日本列島、アフリカ北東部、西アジア、東南アジア E アフリカ、中東、南ヨーロッパ G ヨーロッパ、中東、北アフリカ H インド I ヨーロッパ・北欧 J 北アフリカ~アラビア半島、南ヨーロッパ L 中東、インド、地中海 N 北アジア、ヨーロッパ北東部・ロシア O 中国、東アジア~東南アジア P フィリピン、東南アジア Q 西南アジア、南北アメリカ先住民 R ヨーロッパ、中央アジア、インド
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縄文人と同じY染色体が日本やチベットにしか残らなかった理由は、高山に囲まれたチベット高原や、海に囲まれた日本列島は、他の部族の侵略を受けにくく民族交代が起こらなかったからだと指摘されています。
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↑Y染色体の分布図
国内で縄文人の遺伝子が最も多く残っているのは、北海道のアイヌ民族、次いで沖縄→東京→青森と並んでいることが分かります。
GoogleMapで紐解く古代日本人の起源|小名木善行
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▽内容の箇条書き ・日本人(縄文人)は海洋民族だった ・日本人の遺伝子の54%はフィリピン・マレーシア系
▽2万年前の海面は今より140m高い ・北海道と樺太~ロシア、九州と朝鮮半島、九州から沖縄にかけて陸続きだった ・東シナ海一帯は東東亜平野という広大な平原だった ・宝の原=高天原
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・琉球は「りゅうぐう」が由来 ・鎌倉時代中期に琉球王国が建国(古墳~飛鳥時代からすでに大和から沖縄に移住する倭人も居た) ・薩摩藩(鹿児島)の大隅国に国司がないのは、神武天皇の出生地=聖地だから。政策として聖地を治める国司はいないとされた。
動画を観た感じだと小名木氏は「高天原=沖縄説」支持派でしょうか。
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DNA解析の結果は、韓国と沖縄の中間が現代の本土日本人。「高天原=大陸説」も「高天原=沖縄説」も理に適っていると慮る次第です。
日本美術史①縄文土器
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▲縄文時代前期・中期・後期における縄文土器の変遷
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古代メソポタミア文明
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人類最古の文明とされる古代メソポタミア文明は紀元前4,000年頃に誕生しました。重要都市はイラク南部の都市ウルク。
暦は太陰太陽暦が使用され、紀元前3,000年紀に太陰太陽暦では1年が約11日短くなることが判明し、調整のために閏月が採用されました。六十進法は、メソポタミアで生まれ、現在も時間の単位に用いられます。
一週間を七日間としたのはシュメール時代からで、暦とともに占星術(後の天文学)も発達し、「カルデア人の智恵」と呼ばれました。
紀元前8,000年紀から西アジア一帯で簿記のための印として使われたトークンと呼ばれる道具が印章に変化し、さらに手で書いて絵文字化することで、紀元前3,200年頃にウルク市において最古の文字とされるウルク古拙文字が誕生しました。
このウルク古拙文字は、黄河文明の漢字や古代エジプトの壁画文字と同じく象形文字ですが、紀元前2,500年頃にこれを発展させた楔形文字が誕生。周辺諸民族も楔形文字を表音文字として借用し、紀元後1世紀頃まで西アジア諸国の言語を表すのに利用されました。
初期メソポタミアでは、南部のシュメール人たちは言語系統不明のシュメール語を使用し、北部のアッカド人はセム語族のアッカド語を使用していました。
『メソポタミア神話』
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ギルガメッシュは、古代メソポタミア文明シュメール初期王朝時代(紀元前2,600年頃)の王。多くの物語から構成される『メソポタミア神話』の中でも、とりわけ有名な英雄譚『ギルガメシュ叙事詩』の主人公として描かれました。
「全てのものを国の果てまで見��した」「全てを味わい全てを知った」「知恵を極めた」「深淵を覗き見た人」といった表現が文中でなされています。ウルク第一王朝の王ルガルバンダを父に、女神リマト・ニンスンを母に持ち、シュメールの最高神アヌ、主神エンリル、水と知恵の神エア(エンキ)から知恵を授かりました。その体は3分の2が神、3分の1が人間の半神半人。ギルガメッシュ王の時代より、神代から人間が主権を握る時代へ移り変わったとされます。
ギルガメッシュ王にとっての唯一無二の親友がエルキドゥです。ギルガメッシュ王が若かりし頃は、暴君として民を悩ませていました。そうして救いを求める民の声に応え、神が王を戒めるために遣わせたのがエルキドゥでした。
人の子に神の力を注がれたギルガメッシュと違い、エルキドゥは創造の女神アルルが粘土から生み出した存在。エルキドゥという名は、知恵の神エンキに由来しています。当初のエルキドゥは造られた命であり、人間らしい感情を持ち合わせていませんでした。生まれたばかりのエルキドゥは、人の感情や知性を持たない野獣的な性質で、姿形も全身に毛の生えた動物のようなものだったようです。
始めの頃は荒野や森で動物たちと共に寝起きする獣のような生活を送りながら、そこで動物たちを狩人から守っていたために、エルキドゥの噂はやがてギルガメッシュ王にまで届き、彼の存在に関心を寄せるようになりました。そこで王がエルキドゥのもとに向かわせたのが神聖娼婦のシャムハトという女性でした。
古代においては、人間の理性を妨げる欲求を解消する娼婦の役割は重要視され、神職としての娼婦という職もありました。彼女もまたその一人でした。
シャムハトはエルキドゥと共に過ごし、彼を慰めるのと同時に人間として必要な知識や振舞い方を教えました。二人が7日7晩を共に過ごした頃には、エルキドゥは見違えるほどに人間らしさを備えるようになりました。彼の外見は中性的な容姿ですが、これは恩人であるシャムハトの姿。粘土から生み出された性質から持つ変容の力で、彼女に似せた姿を取っているとされています。シャムハトはエルキドゥと過ごす中で、ギルガメッシュ王のことを彼に教え、エルキドゥも王に興味を惹かれていきます。
相手を強く勇敢な戦士と聞き及んでいた二人は、出会う前から互いに良き仲間になれるだろうという予感を抱き、出会いを心待ちにします。そしてエルキドゥの教育が終わる頃に、ギルガメッシュ王は彼を迎えるための宴を開くことにしました。シャムハトに導かれてエルキドゥは、初めてギルガメッシュの治める都市国家ウルクの地を踏み、王との出会いを果たします。
しかし、実際対面した王の第一印象は最悪のものでした。その暴君ぶりまでは聞かされていなかったエルキドゥは、自由気ままに権力をふるうギルガメッシュの姿に憤慨するあまり、その場で戦いとなってしまいます。神の祝福を受けた王ギルガメッシュと、神の力を注がれて造られたエルキドゥ。人外の力を持つ二人による凄まじい戦いが繰り広げられましたが、両者の力は拮抗しており、結局決着はつきませんでした。
誰も自分に敵うものはいないと思っていたギルガメッシュは、初めて自分と対等に渡り合えるエルキドゥを立派な戦士と讃え、エルキドゥもまた王の強さを認めました。全力をかけた戦いの末、二人の間には互いを認め合う深い友情が生まれたのです。
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■『Fate/Grand Order』ギルガメッシュ&エルキドゥ
女神イシュタル
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『メソポタミア神話』に登場する女神イシュタルは、太陽神シャマシュの妹で、愛と美の女神とされます。
世界の秩序を定める神エアは、それぞれの神に役割を与えましたが、イシュタルには何も与えませんでした。イシュタルは泣いてエアに懇願し、「女性としての美しさ」「滅亡させなくてもいいものを滅亡させる力」「創造しなくていいものを創造する力」を与えられました。これらの神性によりイシュタルは気まぐれで移り気のはげしい自由奔放な性格になりました。
イシュタルは欲しいものを手に入れるために手段を選ばず、馬を長距離走らせ泥水を飲ませたり、子供を生贄にする残忍な資質もありました。また、性愛の神でもあるイシュタルは、夫がいながら120人の愛人がおり、途切れることなく交代に愛人たちと性交渉を繰り広げることもありました。さらに自身と関係を断った男には酷い仕打ちを繰り返しました。
イシュタルはギルガメッシュにも惚れて求愛します。そうして多くの贈呈品を送りましたが、イシュタルと関係を持った男たちが悲運な最期を迎えると知っていたギルガメッシュはその誘いを断りました。それが原因になり、イシュタルはギルガメッシュに対して復讐を決行した話もあります。
冥府の女神エレシュキガル
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エレシュキガルは冥界の女神。前述のイシュタルの姉。
ある日、妹のイシュタルは思いつきでおめかしをして冥界に向かいましたが、事前に姉のエレシュキガルは冥界の前に七つの門を用意していました。イシュタルは通行の許可を得るために服を脱ぐ必要があると聞き、少しずつ服を脱ぎ捨てながら進み、七つの門を通過した頃には全裸になりました。
もともとイシュタルは、姉のエレシュキガルと非常に仲が悪く、そのまま怒りを買い一時的に冥界に幽閉されたエピソードがあります。
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ちなみにイシュタルに力を与えた神エア(エンキ)は『メソポタミア神話』に伝わる水・知恵・生命・魔術などを司る神。また、『バビロニア神話』では都市エリドゥの守護神。
1964年にイタリアの考古学者チームが紀元前3千年紀の都市エブラの一連の発掘調査を行い、大量の文書資料を発掘。さらにフランスの歴史学者により、エブラ人が『カナン神話』の主神エールの名を「イア(Ia)」に置き換えて呼ぶ傾向が発見されました。
語尾の「イア("Ia")」は「エア("Ea")」=アッカド語のエンキを西セム語的に発音したもの。セム語族の衰退とともに神イアフ("Iahu")も消えましたが、これは後に『旧約聖書』の唯一神「ヤハウェ」となった可能性が指摘されました。
ゴッドとアッラー
アラビア語の「アッラー」とは、英語の「ゴッド」に該当し、どちらも《ユダヤ教》『旧約聖書』の唯一神ヤハウェのことを指します。つまり《イスラム教》と《キリスト教》の信仰する神は同一なのです。
ではなぜ《イスラム教》と《キリスト教》が対立したのかというと、『旧約聖書』に記された「いつの日か人類を導くために現れる救世主・預言者」が《キリスト教》の教祖イエス・キリストか、はたまたキリスト没600年後に現れた《イスラム教》の教祖ムハンマドかで意見がわかれることに起因します。
イスラエルにある都市エルサレムは、上記の唯一神を信仰する《ユダヤ教》《キリスト教》《イスラム教》の聖地です。過去にこの聖地エルサレムを巡り、3つの宗派による戦が何度も繰り広げられました。
『新約聖書』におけるルシファーとは、「明けの明星」を指すラテン語であり、「光を掲げる者」という意味をもつ悪魔・堕天使の名。
《キリスト教》特に西方教会カトリック教やプロテスタントにおいて堕天使の長"サタン"の別名であり、魔王サタンの堕落前の天使としての呼称。人類の祖先アダムとイヴを、蛇の姿をかりて騙した張本人でもあり、人間を創造したともされます。
サタンの由来はヘブライ語の「satan」で、これは「敵対者」「反対」を意味し、アラビア圏では「シャイターン(悪魔)」と呼ばれています。
西洋でサタンは高位の悪魔の名称とされることもありますが、元々ルシファーは最高位の天使で、神に次ぐ二番目の存在だったとされます。神から最も愛された天使であり、唯一神の玉座の左側にいることが許されていました。しかし、ルシファーは神の座を欲し、自身のカリスマ性を利用して、賛同する天使達を集めてクーデター(謀叛)を企てます。そうしてルシファーの率いる反乱軍と、神の率いる大天使ミカエル軍との戦いが始まりました。
長期戦が続きましたが最終的にルシファーが敗北し、ルシファーと天使の三分の一は天から地獄に落とされ、ルシファーは悪魔の王「魔王サタン」になったとされます。
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▲ルシファーを成敗する天使ミカエル
ミカエルは《ユダヤ教》《キリスト教》《イスラム教》の天使。『 旧約聖書』ではイスラエルの守護天使とされ、『新約聖書:ヨハネの黙示録』ではルシファーとの闘いを指揮する高位の天使。
《キリスト教グノーシス主義》では「世界の創造神は悪」と断じるので、それに歯向い人類に知恵を与えたサタンは救世主として扱われます。知恵の実がもたらす「知恵」とは「善悪の知恵」であるとされます。「何が正義で、何が悪かを自分で定める能力」と考えられます。
ルシファーは『旧約聖書』にも登場する単語ですが、この時点では悪魔ではありません。上述の通り「光をもたらす者」の意で、聖書の「明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった」の「明けの明星」にあたる言葉です。
この節はバビロニア王国(現イラク周辺)の王が倒れたことの比喩です。《キリスト教》と《ユダヤ教》にとってバビロニアは聖地エルサレムの神殿を破壊し���大量のユダヤ人を強制移住させた怨敵なので、自然と「ルシファー=バビロニア王=神に背く悪魔」という解釈がなされました。
ちなみにイラクはアラビア語を公用語とするスンニ派アラブ人の住むイスラム教の国で、隣接するイランは白人の祖先シーア派のペルシャ人も住む中近東の国です。「アラビア語を公用語とするイスラム教徒の国」がアラブの定義なので、公用語がペルシア語のイランや、ヘブライ語のイスラエルは、精確にはアラブではなく中近東に区分されます。
《キリスト教》では、「神の真名(ヤハウェ)は口にするだけでも失礼にあたる」とされており、それゆえにゴッド(ゲルマン語のGott〈神〉に由来)と呼ばれます。
一方の神道では「神の名を口にするのは、言霊的に考えても良いことなので、積極的に心で念じたり声に発すべき」とされます。
古代日本と一神教では、プライバシーやデリカシー、及びハラスメントの考え方に大きな相違があるのでしょう。
『旧約聖書』
「降って止まない蛙」とは、『旧約聖書』出エジプト記8章2節モーゼの十災。奴隷としてイスラエル発祥のユダヤ人を迫害したエジプト王に、天罰として天からカエルを含めた十の災難を神が降らせたエピソード。カエルは罪と贖いの象徴でもあります。
まず始めにギリシア語で書かれたキリスト教『新約聖書』の前身となるユダヤ教『旧約聖書』はヘブライ語で書かれました。ユダヤ教徒は園児ほどの年齢から聖書で読み書きを覚えていたのだとか。
一方の日本は、江戸時代まで人口の5%だけしかいなかった公家・武家などの神道の上層部や商人しか読み書きを教わる機会が少なかったようです。
《隠れキリシタン》
隠れキリシタンとは、長崎において19世紀に禁教令が撤廃された後も、本来のカトリック教に復帰せず、独特の信仰形態を継承した人々のことです。
学術的には禁教期に仏教徒に見せかけ、ひそかにキリスト教を信仰した人々を潜伏キリシタンと呼び、明治時代に禁教が解けた後も信仰を続けた人々が隠れキリシタンとされます。
本来とは異なり、習俗にも影響された独自の信仰文化を形成し、その信仰は仏教や神道と同居していたようです。
長崎市の市章は、陰陽師の安部晴明や《ユダヤ教》のシンボルとして馴染み深い五芒星です。これは長崎が江戸時代から貿易を開始した5つの港の内のひとつであることを表しています。
平安時代の最先端科学だった《陰陽道》における五芒星は、陰陽師・安部晴明の紋。《陰陽道》の思想として、森羅万象は「陰」と「陽」の二気から生じ、木・火・土・金・水の五行から成り立つとされました。
「陰陽五行」は風水や東洋医学をはじめ、漢方・お灸・針・按摩や指圧などの手技療法・薬草茶などで病気を改善させる自然治癒を目的とした養成法にも用いられます。
陰陽師は、その陰陽と五行の変化を観察し、災厄を予期して人間界の吉凶を占い、地相風水を判断し、天体観測・占星・暦の作成をおこなう人々であり、律令制における中務省陰陽寮の官職でした。
陰陽説
この世の万物を陰と陽でとらえる陰陽説では、「太陽/月」「男/女」「奇数/偶数」「心/体」など対になるものが共存するとされます。そうしてこの陰陽のバランスを保つことが大事だと説かれています。
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▲太極図
陰と陽に優劣や善悪はありませんが、バランスが片方に偏るのは良くないとされます。
▽陰の気が強まりすぎると ・動きや発言が鈍り、心身ともに冷えて停滞 ・優柔不断になり自分で物事を決められない ・依存体質になる ・消極的で言いたいことを言えない ・泣き上戸で落ち込みやすい ・心配症で会話や行動のスピードが遅い ・冷え性、低血圧、貧血気味、寝起きが悪い
▽陽の気が強まりすぎると ・頭に血がのぼり、イライラしがち ・頑固で自己中心的になる ・協調性がなく、和を乱しがち ・イライラしやすく暴力的 ・快楽を追求 ・口数が多く、早口になる ・心拍数が高い、高血圧、のぼせやすい
《儒教》では「中庸」のバランスが理想とされます。中庸は陰にも陽にも偏らない状態とされ、孔子の著書『論語』の中に「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と書かれています。「考えが一つの立場に偏らず、過不足もなく、適当なバランスで行動できることは、最高の人徳である」という意味です。
『日本神話』では、女神アマテラスは太陽神(陽)で、その弟のツクヨミは夜を統べる月神(陰)ですが、本来の陰陽思想に基づくと「太陽=陽=男」「月=陰=女」になります。
これでは陰陽的に性別が反転していることになるので「実は天照大神は男神ではないのか」という説もありますが、太古は女性優位社会だった日本では最高神が女神でもふしぎではないのでしょう。
ヨーロッパの神話では、最高神は男神・父神になりますが、『日本神話』では「父神の娘(アマテラス)」や「父神の娘の旦那(オオクニヌシ)」になります。
これを解りやすいように『サザエさん』で例えると、父の"波平"ではなく、娘の"サザエさん"か、その旦那の"マスオさん"が世帯主になることを意味します。
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《カードキャプターさくら》に登場する"李小狼"(リ・シャオラン)の式服や、使用する羅針盤にも太極図が描かれています。
作中の重要人物クロウ・リードのモデルとなったのは、実在するイギリス人の近代魔術師兼占い師のアレイスター・クロウリーです。
彼は『稀代の魔術師』とも呼ばれ、父親はイギリス人、母親は中国人で、その影響により西洋魔術と東洋魔術の融合がなされました。
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後継者の"木之本桜"が使用する魔術の魔封陣に、英語と漢字が混在するのはそのためです。
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『北欧神話』
『北欧神話』主な登場神とアイテム ・オーディン - 主神、創造神の一柱で隻眼 ・グングニル - 主神オーディンの持つ槍 ・ヴァルキュリャ - 主神オーディンに仕える戦乙女 ・フレイ - 豊穣の神、数多い豊穣神の中で最も重要 ・ロキ - 奸計・悪意の神、オーディンの義兄弟 ・フェンリル - ロキの息子の巨大な狼
『北欧神話』の世界は、9つの世界が「世界樹ユグドラシル」により繋がる構造です。さらに3つの魔法の泉「ミーミルの泉」「ウルズの泉」「フヴェルゲルミル」に根を張りそこから水を汲み上げています。その一番下では「嘲笑する虐殺者」の黒竜ニーズヘッグがユグドラシルの3番目の根を齧っています。
▼第1層 ⑴ アース神族の世界「アースガルド」 ⑵ ヴァン神族の世界「ヴァナヘイム」 ⑶ エルフの世界「アルフヘイム」
▼第2層 ⑴ ドワーフや小人の世界「ニダヴェリール」 ⑵ 黒エルフの世界「スヴァルトアルフヘイム」 ⑶ 人間たちの世界「ミッドガルド」 ⑷ 巨人の世界「ヨトゥンヘイム」
▼第3層 ⑴ 炎の巨人スルトの住む灼熱の世界「ムスペルヘイム」 ⑵ 氷の巨人たちの世界「ニヴルヘイム(ヘルヘイム)」
『北欧神話』では、世界の終末が巫女の予言という形で書き記されています。フィンブルの冬と呼ばれる厳しい冬が訪れ、夏がなくなり3度の冬季が続き、人心は荒廃して各地で戦乱が頻発します。さらに光の神バルドルの死を契機に、神族と巨人族の間で最終戦争ラグナロクが勃発します。
ドイツや英国にあった『ゲルマン神話』の多くは、民話などに残滓を残すだけで文書化されることなく消滅しました。しかし北欧ではキリスト教化を受けながらも、9~12世紀に口承の詩という形で神話が保存されました。これが13世紀に詩集『サガ集』として書き起こされ、『北欧神話』の基礎となったのです。
『北欧神話』に登場するユグドラシルとは、世界を体現する世界樹のことです。アースガルズ、ミズガルズ、ヨトゥンヘイム、ヘルヘイムなどの「九つの世界」を内包する存在とされます。ロマン派歌劇の頂点ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』の冒頭では、運命の女神ノルンがワルキューレの岩の上で「一人の神が泉にやって来て、永遠の叡智を得た代償に片方の目を差し出しました。世界樹トネリコの木から枝を一本折り、その枝から槍の柄を作りました――」と歌います。
曜日のTuesdayは戦いの神テュールの日。Wednesdayは主神オーディンの日。Thursdayは雷(thunder)神トールの日。Fridayは愛と豊穣の女神フレイヤ(Freyja)の日。出典は『北欧神話』です。
これらの『北欧神話』は、ノース人の信仰に基づく神話であり『ゲルマン神話』の一種。ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランド、及びフェロー諸島に伝わっていた神話の総称です。しかしながら『フィンランド神話』とは別の系統だとされます。
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▲『ヴァルキリープロファイル(1999年)』~死の先を往く者たちに贈る福音書~
狛犬と狐と獅子とシーサーとスフィンクスと
狛犬の起源はペルシャやインドのライオンを象った像で、古代エジプトやメソポタミアでの神域を守護するライオンの像もその源流とされ、古代オリエント諸国では神や王位の守護神としてライオンを用いる流行があり、その好例がスフィンクス像です。
今も沖縄の民家にはシーサー(獅子)が対で置かれますが、公私混同ながらも民家自体が神社の構造になる発想に驚愕であります。沖縄人は本土人と同じく縄文人の子孫であり、古代エジプト文明や古代マヤ文明と同様に《太陽信仰》などの共通項も多いので、ただの偶然ではないと慮るしだいです。
農耕民族にとって《太陽信仰》は最も原初的な宗教の一つです。
《神道》になぞらえて《琉球神道》とも呼ばれる沖縄の信仰は、本州と共通項が多いことで知られます。
◆最高神 神道:アマテラス(最高神・太陽神・女神) 琉球神道:アマミキヨ(最高神・太陽神・女神)
◆天界の概念 神道:高天原 琉球神道:ニライカナイ
◆神職 神道:巫女、神主 琉球神道:巫女、ノロ、ユタ
ノロやユタは、東北の"イタコ"のような存在。ノロは血筋で任命される公務の巫女で、おもに長女が任命され、結婚も許されません。ユタは霊感が強いと名乗る民間による口寄せの巫女です。
《琉球神道》と《神道》の共通項が多いのは、本州と同じく縄文人の子孫であり、飛鳥時代に沖縄へ渡来した大和民族の支流だからと考えられます。
ハワイのラニカイ〈Lani(天国)-kai(海)〉
ハワイの高級住宅地カイルアに「ラニカイ」という美しいビーチがあります。地名の語源はハワイ語の「天国のような海〈Lani(天国)-Kai(海)〉」です。
このビーチ名は一帯をリゾート開発した米国の業者が「ハワイ語で『天国のように美しい海』と命名したい」と希望したことが発端ですが、ハワイ語の正しい文法では「Kai(海)-lani(天国)」なのに語順を誤り「Lani-kai」になったまま定着したとのことです。
古代エジプト文明
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紀元前3000年の古代エジプトでは、毎年起こるナイル川の氾濫を予測するために天文観測が行われ、太陽暦が作成されました。川の氾濫が収まった後、農地を元通り配分するため測量術、幾何学、天文学が発達しました。
古代エジプトでは元号と同じように「『王の名前』の統治何年」と歴史を記録しました。西暦に置き換えた際は学者によりずれが生じます。
"ファラオ"とは、神権を行使しエジプトを支配した皇帝を指す言葉で「太陽神ラーの子」を意味します。王を神格化するために名前の一部に神の名が含まれます。貴族階級は人口の1%ほどで土地を支配し、残りの99%は平民でした。
貴族の教育制度については、どの文献にも明確な記載はありませんが、数学・医学・建築などの体系的な教育システムが必要な分野が発展していたため、教育体制が整備されていたと考えられています。
文献から古代エジプトの教育内容に関する知識が垣間見れます。授業内容は学校の目的によって異なり、神殿付属校では宗教儀礼、宗教文学、葬祭の経典、経典の注解、神話物語などが授業内容で、一方の政府学校では、算数、幾何学、測量術、簿記、官庁の書類作成などが授業内容だったと推測されています。
古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」から派生した「原カナン文字」は、アラビア文字、ギリシア文字、ヘブライ文字、ラテン文字、キリル文字、ティフナグ文字、モンゴル文字、一説によるとパスパ文字を経由してハングルにいたるまで、世界で使用されるほとんどのアルファベットの起源とされます。
ヒエログリフは句読点がなく読みづらい言語の一つですが、横書き・縦書き・左右どちらからでも書けます。横書きの場合は、人が向いている方向と反対側から読みます。
𓁚𓅇𓆃𓆥𓈷𓍦𓀓𓀞𓀥𓀡𓀒𓃬𓍯 →
たとえば上記の場合は人物が左を向いているので左から右に読みます。
ヒエログリフは19世紀にようやく解読されました。ナポレオンのエジプト遠征で発見されたロゼッタストーンという3つの言語で同じ内容が併記された石碑が、古代エジプト言語の解読作業に劇的な進歩をもたらしたのです。
1日を24時間としたのも古代エジプトという説があり、数学は社会に応用するための実学とされ、課税調査や生産物の貯蔵と配分、現物支給の報酬の計算などに単位分数の計算「エジプト式分数」が多く用いられました。また、幾何学は耕地の測量や建設、天文学など理工学の発展にも寄与しました。
「0の概念」などの実社会と関連が薄い分野は発達せず、0の記号もなく偏りがあったようです。しかし「0の概念」は数学に影響を及ぼすので、実社会と関連性がないとは言い切れないと思います。
古代エジプトでも現代と同じく十進法を用いましたが、古代シュメールの影響により、時間のみ十二進法が利用されたことから24時間制(AM12時間・PM12時間)になりました。
「一日25時間あればいいのに」と言う人がいます。
24時間=1440分を25等分にすると、1時間=57分36秒の一日25時間制が成立します。
1440 ÷ 25 = 57.6
古代エジプトの音楽についての研究は、考古学者と音楽研究者の間に交流がなく未だ研究が進まないものの、銀製のトランペットに似た楽器やフルートのような楽器が出土しています。現代の西洋音楽の基礎となったという見解もあります。音階は掛け算・割り算・分数で割り出せるので、数学が発達していたなら音楽も発達していたと推測できます。
エジプト文明と並ぶ農耕文明のメソポタミア文明が、異民族の侵入を被り支配民族が移り変わったのと比べ、地理的に孤立した位置にあったエジプトは比較的治安が安定していました。
モンゴル帝国がアフリカまで侵略できなかった理由は、待ち受けていたエジプト軍に惨敗したからです。蒙古軍はそれまでに何度も強襲を繰り返していたので、その戦法が知れ渡っていたことや、騎馬による突撃は平原では通用したものの市街地戦では本領を発揮できなかったこと。また、上述の通り地理的に蒙古軍がエジプトの北東から攻めて来ることが分かっていたために侵略できなかったのでしょう。
インダス川文明
祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の���のごとし。 たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。 『平家物語』
▽『平家物語』現代語訳 祇園精舎の鐘の音には諸行無常、すなわちこの世の総ての現象は絶えず変化して行くものという響きがある。沙羅双樹の花の色は、どれだけ勢いが盛んな者も必ず衰えるという道理を表す。世に栄え得意になる者も、その繁栄は永久に続かず、春の夜の夢のようである。勢い盛んな猛き者もいつか滅び去り、まるで風に吹かれる塵と同じようである。
千年、続きますように
『君が代』の原文は藤原定家らが編纂《へんさん》した『古今和歌集第7巻(912年以前)』に記載されています。
「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」
現代語に訳すと「あなたは千代も八千代も長生きしてください。小さな砂利が悠久の年月を経て巌となり、さらにそれに苔が生えるほどまでも」という意味になります。
「わが君」とは、皇帝を指すだけではなく広義の意味も含むとされ、主君、両親、親族、配偶者、友人にも当てはまり、敬愛する人に向けた長寿を祝福する歌とされています。
日本では古来より《仏教》のように人は生まれ変わるものだと信じられていました。肉体は老い、死を迎えても、魂は再び人となってこの世に生まれる。つまり「さざれ石の巌となりて」は、「生まれ変わって何度でも」という意味として捉えられます。
忘れてならないのは、さざれ石は、小さな小石が結束して大きな岩石となるという点です。ひとつひとつは小さな小石でも、大きな力で団結したら、それは大きな「巌」となります。
つまりさざれ石は、「きみ=男女」の結束で生まれる子供らや、新たに親戚となる者たち、その総ての人々が固く協力し合うことの象徴でもあります。
そうして最後に『君が代』は、「苔のむすまで」と締めます。苔は冷えきったり、乾燥したところには生えません。濡れていて、水はけの良いところに生育します。
濡れたものと固いものがしっかりと結びついたところに苔は生えます。また、「苔のむす」のむすを漢字で書くと「生す」と書きます。
生すとは子供を養い育てると言う意味合いがあり、苔は永遠に存在するものではなく、その中で新しい生命が誕生し、古いものが死に土となり、徐々に広がりを見せるという子孫の繁栄を示しているというのです。
《神道》の中心にあるのは「生む」ことではなく、「育てる」ということ。「苔の生すまで」とは、古いものが土となり、新しいものを生み、育て繁栄させましょうという意味合いなのです。
すなわち「苔」とは、「きみ=男女」が、互いにしっかりと結びつき、一緒になって互いに協力し合い、時には笑い涙を流し、長い年月をかけて生育する。
男女の慈しみと協力を意味します。
「きみ」=成長した男女が 「代」=時代を超えて 「千代に八千代に」=千年も万年も、生まれ変わっても 「さざれ石の巌となりて」=結束して協力し合い 「苔のむすまで」=固い絆と信頼で結び付こう
以上のように『君が代』とは、人類の持ち得る愛情を高らかに謳い上げた「祝辞の歌」だと慮る次第であります。
釈迦
紀元前5世紀前後の北インドで釈迦(シャカ)族の王子として生まれた“釈迦”(後の仏陀)は、子供の頃に城下町で老い・病み・死にゆく者たちを見てこの世の無常を覚ったのだとか。
それ以来、思い悩み塞ぎ込むようになってしまった釈迦の将来を案じた国王は、釈迦が16歳になる頃に隣国の姫と結婚させた。
そうしてしばらくの間は平穏を取り戻したかのように見えた釈迦だったが、19歳の頃に息子が生まれてからまた何かを思い詰めたように表情に影が差し始めたのだった。
「人は老いるのを免れないのに、他人が老衰したのを見て考え込んでは嫌悪した。そう考える自分もまた老いゆくもので、その宿命は免れない。私はこのように『病』『死』を観察して、健康時における健康の意気はまったく消え失せてしまった。そうして生存時における生存の意気もまったく消え失せてしまった」 (中村元『ブッダ 釈尊の生涯』中村元選集第 11 巻、春秋社)
この世の総てのものは恒常な実体はなく縁起によって存在する。目に映るもの、形創られたもの《色》は、実体として存在せずに時々刻々と変化するものであり、不変なる実体は存在しない《空》。仏教の根本的考えは因果性《縁起》であり、その原因《因果》が失われたら、たちまち現象《色》は消え失せる。それが「色即是空」である。
《此》が有れば《彼》が有り、《此》が無ければ《彼》が無く、《此》が生ずれば《彼》が生じ、《此》が滅すれば《彼》が滅す。《見られる人》がいなければ《見る人》はなく、《読む人》がいなければ《書く人》はいない。
諸行無常、すなわちこの世の総ては移り変わるもので何一つ確かなものはなく、富や名声、愛する人の命も永久には続かない。
釈迦は29歳の頃に安逸な生活に留まらず、人生の真実を追求するために王子の地位を捨てて出家したのだった――
カルマ(業)
インド哲学《仏教》におけるカルマ(業)とは、行為や所作、意志による身心の活動や意志による生活を意味する語。仏教、及びインド発祥の宗教では、善悪の業を作ると因果の道理によってそれ相応の苦楽の報い、果報が発生するとされます。
インドには宗教と哲学の境界線がなく、またこれを東洋哲学とも呼びます。仏教はすべての結果について「偶然による事物の発生」「原因なく事物が突然、生じること」「神による創造を否定」し、その因果応報を説きます。
カルマの思想はインド発祥の宗教と道教において輪廻転生(生まれ変わり)と強く結びつく概念で、これらの説では善因善果、悪因悪果をもたらすとされます。
馬の耳に念仏
「馬の耳に念仏」とは、馬に念仏(お経)を唱えても馬の頭では理解に及ばないという意味合いの諺ですが、そもそも人間に生まれたところで坊さんに読経されたとしても、ほとんどの人類にとって理解不能なのが念仏なので「人類の知能は馬に等しい」という意味合いにも受け取れてしまうのではないでしょうか。
人類史において真っ先に文明が発展した国々の共通項として、"馬"を活用していたことが挙げられます。車のない時代では馬が車の役割を果たしていたからです。荷車を数頭の馬に牽引させれば馬車になり、それを戦場で応用すれば戦車にもなりました。つまり当時は車・電車・貨物車・戦車として馬は必須だったのです。
ちなみに日本では4世紀末頃に中国大陸より騎馬の風習が伝わって6世紀には広まり、武芸の一つとして「弓馬の術」が、鎌倉時代・室町時代以降に盛んになり諸流派を生みました。しかしながら、戦国時代・関ヶ原の戦いを経て江戸時代には戦のない世になり、数百年後には黒船が到来し、明治時代に政府は兵制の改革を行い、日本式馬術は採用せず洋式馬術が取り入れられました。
これにより古来より日本にあった馬術はほぼ廃れ、現在は一部の研究家が実践するに留まっており、時代劇や大河ドラマなどの乗馬シーンのほとんどは、🇬🇧ブリティッシュ(イギリス式)馬術か🇺🇸ウエスタン馬術が用いられます。
■暴れん坊将軍 第一話[公式]|YouTube
『暴れん坊将軍』は東映制作の時代劇シリーズ。江戸幕府の第八代将軍“徳川吉宗”が、身分を偽り貧乏旗本の三男坊“徳田 新之助”を名乗り、江戸庶民の暮らしに紛れ、交流を図りつつも、世にはびこる悪を斬る勧善懲悪ものです。
頭頂部の髪を抜き上げる「月代(さかやき)」は、本来はお武家様の髪型であり、江戸町民の男性全員が手入れの面倒な月代なのは不自然だと思われますが、現在の普及する時代劇はほとんどこの状態です。誰が本当にお武家様なのか第一印象ではよく判らない状況下にあると言えるでしょう。
ちなみに時代劇や大河ドラマで騎乗される大型馬のサラブレッドは、江戸時代までの日本に本来おらず、実際はポニーほどの大きさの馬に乗っていたようです。「丁髷」は韓国から渡来した髷の結い方とされますが、本当に韓国の貴族がこの髷の結い方だったのか疑問です。いずれにしても「辮髪(べんぱつ)」が原案なことは想像できます。また、多くの時代劇のチャンバラシーンで流れるBGMは西部劇風の曲ですが、当時の江戸にはヨーロッパ製の弦楽器やトランペットはありませんでした。
16進数
Google、Microsoft、Adobe等など世界を牽引する著名なIT企業におけるCEO(代表取締役社長)はインド系アメリカ人の方が多いようです。筆者の認識では「0の概念」や仏教発祥の地がインドであり、その他にも義務教育(算数)の学習が4歳から始まり、小学二年生の段階で20×20までの暗算を覚え、小学校を卒業するまでに三桁の掛け算の暗算を会得すると聞き及んでいます。インド人は関節のしわを用いて、片手で16まで数えられますが、それが16進数の礎になったようです。
16進数とは、0から9までの10個の数字と、AからFまでの6個のアルファベットを使って数値を表現する方法。16進数では一つの桁において0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C、D、E、Fと並ぶ16個の数値を扱うことが可能で「A」が10進数における「10」に相当し、「F」は同じく10進数の「15」に相当。「F」の次は位取りをして1桁上がり「10」となります。
日常生活では0から9までの10個の数字を使った10進数が主に使われますが、コンピュータでは2進数と並んで16進数を扱うことが多く、ASCIIコードや日本語の文字コード、色を示すカラーコード等は16進数を使用します。
16進数の3F7Bを10進数に変換すると4096×3+256×15+16×7+1×11=16251になります。また、10進数の12345を16進数に変換するには次のように計算します。
12345=4096×3(余り57) 57=256×0(余り57) 57=16×3(余り9) 9=1×9(余り0)
10進数の12345は、16進数では3039になりますが、わざわざこのような計算をしなくてもweb上には10進数と16進数の相互変換サイトがそこら辺に転がっているので、異なる進数間での変換が必要な際はそちらを利用すればいいでしょう。
■2進数、8進数、10進数、16進数相互変換ツール
その数値が16進数であることを示すために、3F7B(16)や0x3F7B、3F7Bh、&h3F7B、$3F7Bのように記述することもあります。なお、AからFまでの6個のアルファベットは小文字で表記してもいいとのこと。
プログラムや遺伝子は「1《有/優性遺伝子》」「0《無/劣性遺伝子》」の二進数で表記されることが往々にしてあります。インドが「0の概念」を発見していなければ、コンピュータのプログラム表記は今と大きく勝手が違っていたのかも知れません。
ちなみに世界中の人類が使用する数字(1, 2, 3)は、インド数学に起源を持つ「アラビア数字」です。
黄河文明
漢字は、古代四大文明の発祥で唯一現存する象形文字(古代エジプトの壁画文字等)であると同時に世界で最も数の多い字。日本の新聞や公共放送で使用される漢字の種類は約2,300字。香港の常用字は4,759字。台湾の義務教育(12年間)で習う常用国字標準字体表は4,808字。漢字は約75,000種類ほどあり、常用されない漢字を含むと10万種類以上はあるとされます。
漢字の字体一覧
簡体字 ◆使用地域:本土(北京・上海・四川)、シンガポール、マレーシア ◆例文:欢迎来到日本
1950年代の「文字改革」より制定された新しい字体で、これまで使われてきた「繁体字」をもとに偏や旁が簡略化され画数を減らした字体。北京や上海などの本土やシンガポールやマレーシアでも使用されます。
繁体字 ◆使用地域:香港、台湾 ◆例文:歡迎來到日本
本来の画数の多い字体で、日本の「旧��体」と同じつくりの字体。 民主主義・特別行政区の香港と台湾で使用されます。
旧字体
「學」「國」「爲」「屬」「鐵」「體」など、昭和初期まで使われた画数の多い漢字で、元々は上記の「繁体字」と同じつくりの字体です。
新字体
「学」「国」「為」「属」「鉄」「体」など、「旧字体(繁体字)」の画数を簡略化した漢字で今現在の日本で使用される字体。昭和24(1949)年に内閣が告示しました。
◇参考資料:当用漢字字体表|文化庁
日常的に新聞や公共放送などで使用する漢字は約2,300種類ほどにしぼられましたが、それ以外の漢字は「常用外漢字」として殊更に今も小説や詩などでは自由気儘に使用されます。
古代エジプトの壁画文字や黄河文明の漢字などの象形文字は「概念や物の数だけ字がある」ことになります。日本はG7(主要先進国)で唯一、お米が主食で生魚も食べますが、もし寿司職人になるために「鮭」「鯛」「鮪」「鯵」「鰹」「鮃」「魬」「鱒」「鯊」と寿司のネタを全て漢字で書く必要があるとなると多くの人が寿司職人の道を諦めてしてしまうのではないでしょうか。
いくら文化的な希少価値があるとは言え、ヒエログリフを使って授業内容をノートに写したり、ビジネスメールを書くとなると、非効率的で経済にも大打撃を与えかねません。
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▲古代エジプトの壁画文字「ヒエログリフ」
そこで韓国は早々に漢字を撤廃して「ハングル」を考案し、日本は平安時代に世界一画数の少ない漢字体系「ひらがな」を考案しました。
ひらがな
「ひらがな」は漢字の字体を簡略化したもので、「カタカナ」は漢字の字体を崩したものが多くなります。
〈ひらがな〉 安 → あ 以 → い 宇 → う 衣 → え 於 → お
カタカナ
〈カタカナ〉 阿 → ア(阿の左部分) 伊 → イ(伊の左部分) 宇 → ウ(宇の上の部分) 江 → エ(江の右部分) 於 → オ(於の左部分)
ハングル
「ハングルはひらがなのようなもの」とよく言われますが、精確にはローマ字に近い文字体系だと思われます。ひらがなは漢字と同じく当て字なので、字の作りで発音までは分かりませんが、ハングルはローマ字と同じく発音記号の組み合わせなので、字の作りから発音が分かるのでしょう。
日本語の活字やWeb記事が読みにくくなる原因は「スペースがない」ことに起因します。ブラウザ上の英文は「一つのスペル」を日本語の文章でいう「一文字」のように認識するので、二字~四字熟語の「右端折り返し」で頻発するような誤読の心配もありません。
英文の世界では、改行・段落が多いと目の左右の動きが増えて疲れやすくなる上に、活字ではページが増え、ブラウザ上ではスクロールが多くなるのであまり好まれないとのこと。しかしながら一行ごとの改行・段落が好まれない英文脈でも、単語ごとのスペースがなければ、どう読めばいいのか解せないただの記号の配列に見えてしまいます。
試しに、日本の活字やWeb記事のように、英文をスペースなしで書くと以下のようになります。
INTHEBEGINNINGWASTHEWORD,ANDTHEWORDWASWITHGOD.HEWASWITHGODINTHEBEGINNING.THROU GHHIMALLTHINGSWEREMADE;WITHOUTHIMNOTHINGWASMADETHATHASBEENMADE.INHIMWASLIFE,AND THATLIFEWASTHELIGHTOFALLMANKIND.THELIGHTSHINESINTHEDARKNESS,ANDTHEDARKNESSHASN OTOVERCOMEIT.THEREWASAMANSENTFROMGODWHOSENAMEWASJOHN.HECAMEASAWITHNESSTOTESTIF YCONCERNINGTHATLIGHT,SOTHATTHROUGHHIMALLMIGHTBELIEVE.HEHIMSELFWASNOTTHELIGHT; HECAMEONLYASAWITHNESSTOTHELIGHT.THETRUELIGHTTHATGIVESLIGHTTOEVERYONEWASCOMINGIN TOTHEWORLD.THETRUELIGHTTHATGIVESLIGHTTOEVERYONEWASCOMINGINTOTHEWORLD.HEWASINTH EWORLD,ANDTHOUGHTHEWORLDWASMADETHROUGHHIM,THEORLDDIDNOTRECOGNIZEHIM.HECAMETOT HATWHICHWASHISOWN,BUTHISOWNDIDNOTRECEIVEHIM.YETTOALLWHODIDRECEIVEHIM,TOTHOSEWHO BELIEVEDINHISNAME,HEGAVETHERIGHTTOBECOMECHILDRENOFGODCHILDRENBORNNOTOFNATURALD ESCENT,NOROFHUMANDECISIONORAHUSBAND'SWILL,BUTBORNOFGOD. BOOK43JOHN
��づれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。上達部、上人なども、あいなく目を側めつつ、「いとまばゆき人の御おぼえなり。唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」と、やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひたまふ。 (紫式部『源氏物語』)
たのもしき カミの しもべよ わが きょうかいに どんな ごようじゃな? (『ドラゴンクエスト』神父)
ひらがな・カタカナだけでも、ハングルのようにスペースと改行を使用すると劇的に文章が読みやすくなります。どうやら一行ごとに改行する文化は『芸能人の携帯向けブログ』が普及してからのようです。
ところで世界で最も普及している音楽配信サービスのBandcampでは、数年前まで日本語タイトルの曲をDLして解凍するとすべて文字化けする謎の現象が起こりました。IT技術者の「いい加減に文字化けした漢文じゃなくて英語タイトルをつけてくれ」という意図が込められているような気がしますが、今は日本語タイトルにも対応してくれたようです。国産の音楽専門SNSや販売サイトは普及しないので、海外のWebサービスを利用するしかありません。ちなみにBandcampに含まれる単語の頭文字から二文字をローマ字読みすると……。
縺ィゅ縺薙縺ァ莉ぅ蜑阪ゅぅソア縺ァ髻ウ讌スアウ驟堺ソ。繧オ繝シ繝薙ひ縺ョ律譛ャ隱槭ち繧、繝医Ν縺ョ譖イ繧奪L縺励※隗」蜃阪☆繧九→縺吶∋縺ヲ譁ぅヲマ?ュ怜喧縺代☆繧玖ュャ弱?迴セ雎。縺後≠アミ繧翫∪縺励◆縲ミズらアウ蝗スIT謚?陦楢???縲後>縺?刈貂帙↓譁?ュ怜喧縺代@縺滓シ「譁?ァr菴ラバソ繧上★闍ア隱槭ちガ繧ソバ、繝医Ν繧偵▽縺代※縺上l縲阪→縺?≧諢丞峙ミ縺瑚セシ繧√i繧後※縺?k繧医≧縺ェ豌励′縺励∪縺吶′縲∽サ翫?譌・ャ隱槭ち繧、繝医Ν縺ォ繧ょッセ蠢懊@縺ヲ縺上l縺溘 (文字化け)
まとめ
「陰/女性的/ひらがな/和歌/古今集/古事記」 「陽/男性的/漢字/漢詩/万葉集/日本書紀」
日本語は漢字で書いてもひらがなで書いても声に発すると同じ発音になります。
つまりわたしたちはほんしつてきにひらがなだけでいしそつうしているのです。
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▲縄文時代の暮らし
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考古学的な知見に立つと、壁画を描き、象形文字を創り、歴史と文藝を書き、数学で十二平均律や物理を演算し、さらに歌って踊れる文化的な動物は人類だけだと気付かされます。
識者によると、教会や神殿などの宗教施設の建築技術や『神話体系』の完成度で、その国の文化的なレベルが分かるのだとか。
まず文明が芽生え、文字が創られて書くのは国の歴史書と、王族のルーツや世界のはじまりについて、つまり『神話』になります。
それらを祀る神殿も、その時代の叡智や高級資材をフル導入するので、技術的な妥協が一切ないというわけです。
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chilchilmischie2 · 4 months ago
Text
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久々の朝飯後ブログ。
最後の投稿がどうやら2年前だったみたい。
せっかくだし1から仕切り直しとして、改めて自分で見返すぐらいの大喜利奮闘記を書いていこうと思う。
では早速 コガトナ2020へ参加しているので、その1回目の試合について書こう。と、いってもEvernoteに記録してあるものをほとんど貼り付けるだけ。
こんにちは、ミニ・ゴールドバーグさん(vsリンダマン戦)
断片的な知識で行われていた江戸時代のバレンタインデーの様子
久しぶり過ぎる投稿。まともに(?)投稿するのがいつ振りかは、もはや分からず。
2つのネタを出せるようだけど…
残り6日。
難点
・江戸時代にチョコなんてない!
・バレンタインデー感をチョコ抜きで出す?
・江戸時代という時代設定もネック。
・江戸時代の特徴的なものって何だろう?
・「断片的な知識」っていうのもボケ殺しワード!
・・・全部じゃん!
あと5日で考えなきゃなのか…
[案]
・お題のこれらの要素をすべて踏まえたアプローチを取る
・バレンタインデー���あるいはチョコレートに絞ったアプローチを取り、付加する感じで江戸時代っぽさを出す
・チョコがある前提で江戸時代を表現するアプローチ
・ほぼ無視。勢いでいっちゃう。
とりあえずネタ出しをガンガンやって、感覚を取り戻さなきゃとは思うけど…
長文でふざけてお茶濁すのはしたくない。
画像も送れるみたいだけど、長文と同じようにセコいこと考えちゃいそうだから、ちゃんと文で勝負しよう。
1、
「お、美味いなこれ」
「そうでしょ、今日バレンタインデーっていう日だから作ったの」
「何ていうのこれ?」
「プリン」
(会話調。オチまでが長い。チョコじゃなくて全く違うものっていうのはいいかも)
(1日置いて見返したらオチ自体も弱い気が)
あと4日です。
2、
「ばれんたいんでー」ってタイトルのプリン持った見返り美人図が見つかった
(やっぱり弱い!)
(でもなんかこのアプローチな気がする)
3、
よく分からんが、カカ夫って奴やりおるな
(江戸時代にカカオなんてないだろうから、カカオと聞いてカカ夫と誤認識。だから何?)
4、
通貨と勘違いされて、2年ぐらいチョコが流通していた記録がある
(教科書なんかで江戸時代の通貨制度が載っていたような。金貨と同じように、混ざり物が多いチョコは質が悪いのか)
(発想は好きな気がするけど、これ以上は展開しない感じ。あと多分そこまで拾われないでしょうね)
他人のブログなどで、発想法などを見てみる。言葉から出るイメージを基に考えるという手があるようだ。多分過去にやってるはずだけど。
バレンタインデー:
・男の子も女の子もドキドキするイベント
・そわそわして落ち着かない日
・でも「選ばれない」人からすれば悲壮感MAXな日
5、
その日はモテない徳川綱吉が「マジ生類憐みの令」発令してカップルを打ち首にしてた
(マジ生類憐みの令って響きが良いかなと思ったけど、上のだと扱い切れてないか。冗長な部分があるから、もうちょっと考え直せばいいのが出来るかな?)
(題意に沿ってない感も。やっぱり「断片的な知識でのやり取り」っていう部分がネック)
発想の起点をチョコにしよう
6、
板チョコ踏むのを戸惑ってるキリシタンも打ち首にされてた
板チョコと踏み絵の違いが分かんない役人が全国で見られた
板チョコにキリスト像彫ってるガチなキリシタン女子もいた
(踏み絵と板チョコはベタ?)
(これも表現の如何で良くなりそうだ。もうちょっと考えてみる?)
アルフォートが踏み絵に似てるけど。
7、キリスト像彫ってるやつを忍ばせたアルフォートを渡してる女がいた
(これいいかも。ちょい文を変えて候補に入れてみようか)
7^、
キリスト像がまざったアルフォートを渡す女もいた
6、7の発想を少し変えてみた。
8、
新任役人が用意したアルフォートに、「なんか違くない?」「踏んでいいやつだろそれ」と野次が飛んだ
(これが一番しっくりくる感じ。文体を整えたら候補にしよう)
★9、
用意したアルフォート、キリシタンがガンガン踏んでた
(ちょっとバカっぽくした)
あと3日!もう一個考えなきゃいけない。
ふと作っているネタの特徴が「読ませる」感じであることに気付いた。文章を読ませて、おもしろみを感じてもらう、そんな感じ。
一方で自分が点を入れるネタのことを思い浮かべると、高点を入れるものには突っ込みどころがあるものが多い気がする。
ので、そういったアプローチで作ってみよう。
今までに挙げた中だと「プリン」のやつか。
「いやいや、なんか変だよ!」と���わず言いたくなるようなネタ…
考えとこうか。
あと2日だ。
昨日なんやかんや言ってるけど、視点を変えて捉えてみる
包装紙に着目
10、
包装紙の上質さが和紙を衰退させた
(これはもう全く違うね)
11、
店で包んでくれた包装紙で折り鶴折った女の子の方が好感度が良かった
(長い)
ダメ。
ラッピングに着目
12、
ラッピングの試行錯誤で生まれたのが有田焼だった
(自分だったら2点入れるかも。割といい感じだけど、なんか弱い)
12を少し弄り回そう。
12^、
ラッピングの試行錯誤で女子が有田焼を開発してる
(これは票入れないや)
型に着目
13、
ハート型の有田焼作ってるバカがいた
(狙いは「これに溶かしたチョコ入れてハート型のチョコ!」っていうことなんだけど、「ハートの形した有田焼を渡す」ネタって思われそう)
14、
侍が鞘にチョコ流し込んでカカオソード作ってた
(カカオソード、チョコレートソード、カカオセイバー、チョコレートセイバー。全部一緒だわ。これも芽としては良い方かな?)
うーん、って感じ。
あと1日。
とりあえず1個だけ送った。
昨日の14を基に1個
15、
鞘にチョコ流し込んでバカだなと思ってたら、中にでかい柿の種も入ってた
(これバレンタインデー関係ねえじゃん)
今度は江戸時代の要素を取り入れて。
★16、
幕府からの外様大名へのチョコ、チョコじゃなかった
(おもしろいと思うけど、文字に書き起こすと伝わりづらいかな)
(「チョコじゃなかった」の部分を少し変えてみるか、あるいは副助詞や副詞を挿入するか。でもそうなるとインパクトが弱くなりそう)
(もう一つの問題としては題意に沿ってない。やっぱこのお題難しいよ)
16に「全然」「ですら」を挿入
16^、
幕府からの外様大名へのチョコ、全然チョコじゃなかった
16^^、
幕府からの外様大名へのチョコ、チョコですらなかった
(思い浮かんだ際は「ですら〜ない」の方が良いかなと思ったけど、読んだときは「全然〜ない」の方がしっくりくる感じ)
(元のやつと比べると、16^の方がいいかな。うーん。)
(そして題意に沿ってない問題は残る、と)
「全然〜ない」か、あるいは他の表現を見出すか。
16^^^、
幕府からの外様大名へのチョコ、もはやチョコじゃなかった
・・・分かんないや。
最終日に改めて見直せば良いかな?
投稿するなら16のやつかなー?他のアプローチでもっといいのが出れば、それで勝負してみるのもありだけど。
最終日!
多分そうなるだろうなとは思ってたけど、平日の疲れでダラっとしてしまう。頭もぼんやりだし、ここから新しいのを考える気になれないや。
改めて1から作ったのを見直して、良さげなものを投稿しよう。
12、16、16^のいずれかで勝負しようか。
決まった。
9と16でいってみる。
久しぶりにネタを考えるのちょっと疲れたけど、楽しかった。あとは勝ってくれれば重畳かな。
終わり。
それで結果は勝利。個人的には16が勝負手になるかと思っていたけど、その予想は外れてしまったみたい。次戦もすぐに始まるので、またスマホでEvernoteにネタを書き溜めなくてはいけない。出来れば次も勝ちたいな。
ひとまずはこんな感じで。追記があれば、また後で書き足そう。
[追記]
投稿内容の反省について。
1、文の構造が全く一緒だった。
結果に影響が出るかは分からないけど、差別化するようにしないと見栄えはよくないかも。
2、得票数が他の試合と比べて低い。
これはまあいつも通りな気がする。元々高点たたき出すようなネタ作りなんて出来ないし。とはいえ、時間ギリギリまで試行錯誤をすればまた変わっていたのかも。
3、表現がストレート過ぎたかも。
お題の関係上「チョコレート」の単語を使うなら、もう少し爆発力のあるものを出さないと、安直な感じになってしまう。今回は両方ともそれ。とはいえ、暈かし過ぎると何が言いたいのか分からないネタ��なるので、難しいところ。
[最後の追記] 今回の各試合での投票者数についての代表値とグラフを載せる。
平均値:129.52(分散:29.54 標準偏差:5.45)
最頻値:134
中央値:129(第一四分位数:126 第三四分位数:134 四分位範囲:8)
最大値(最も多い投票者数):141
最小値(最も少ない投票者数):114
範囲(最大値-最小値):27
ヒストグラムで見る投票者数(下図)
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度数は試合数を表す。
箱ひげ図で見る投票者数(下図)
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平均値と中央値がほぼ同値。
ヒストグラムでは(114以上119未満)といったような階級幅で分類したところ、(124以上129未満)と(129以上134未満)の階級で最大に。山の頂点が2つ出来て隣り合う形となった。
最大値は141で最小値は114。その差は27であった。ヒストグラムより、139人以上投票があった試合は2戦あり(投票者はそれぞれ140人と141人であった)、一方で最少投票者数の試合は114人の一つ、その他は最低119人以上が投票していることが分かった。
標準偏差がおよそ5,5であり、投票者数が124人から135人の試合は全体のおよそ64%であった。
試合によっては投票者が多い、あるいは少ないことが勝敗に影響を及ぼしたかもしれない。自分の試合について考えると、投票者数は122であり、これは全試合での投票者数でも下から数えて25%以内に入る。となると、他の試合に比べて投票者は少なく、また今回僅差で勝っていたので、もし仮に投票者があと5人多ければ、結果は違っていたのかもしれない。 結論:まぐれで勝ったのかも(がっかり)
以上!あれこれ書いて長くなっちゃった!
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moumiryo · 4 months ago
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関西四国旅行三日目最終日。
当初はまっすぐ帰る気で居ましたが、新神戸駅近くに観光地があるらしいとのことで行くことに。
神戸布引ハーブ園。ロープウェイではしゃいだり、ハーブ園で癒されたりとまったりさせてもらいました。
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園内のレストラン、折角だしと気軽に入ったら眺めの良い席に案内されて凄いものが出てきて「ひぇぇ」となってました。前菜スタンドに乗っている草花は全て食べられるとの事で、もぐもぐしておりましたが薔薇の蕾やカーネーションの様な塊部分がある花は噛んだ感触がなんとも言えない感じでした。他は普通に葉物野菜的な感じでいけました。美味しかったです!
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ハーブ園のガーデンを抜けて、そのままハイキングコースを下ると新神戸駅に到着できるらしかったので、ハイキングしてきました!2回分岐で誤ったルートを選んでしまったのでパンフレットの所要時間の約倍かかって降り切りました(笑)
いやぁ…、多分駅からハーブ園まで登る人少ないんでしょうね。ハーブ園から布引の滝まで全然ハイキングルートの地図とか案内が無くて…。分岐誤ったのはその区間で、人はいないし途中電波こなくてマップも見れなかったから結構不安でした。人とすれ違えた時の安心感よ。
滝は上流のダムが雨でオーバーフローしてる所為で、かなり激しく流れていて大迫力でした。坂がかなりキツイので、下りでしたが脚がかなり疲れました。駅から滝までだけなら気軽に見に行けると思いますし、多分登りの方が迷いにくいと思います。
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駅で一休みして帰路につきました。気になる所に行って、無理ない範囲で楽しんで、余裕を持って帰宅。勿体ないから沢山回りたいけど今の体力では限度が有るので、これ位が良い感じです。
疲れ切ってたのかロッカーからキャリーケース回収してないのに、新幹線の切符買って改札通ってしまったのはマジで寿命縮んだ。なんとかなったから良かったけど、うっかりに定評のあるわたし自身でもビックリしたよ。
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monthly-ambigram · 5 days ago
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2024-11月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「運」です◆
今月は参加者の皆様に「運」のお題でアンビグラムを制作していただいております。今月も見るだけで運気が上がりそうなアンビグラムが集まっておりますので、ごゆるりとご鑑賞ください。
今号も失礼ながら簡易的なコメントとさせていただいております。皆様のコメントがいただけますと幸いです。
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「運否天賦」鏡像型:化学氏
うんぷ(ぴ)てんぷ。幸運と不運は天に決められているということ。 字画の途切れと飾りによる切り替えが見事です。ステキなタイポグラフィです。
 
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「逆境/成功」 鏡像型:KSK ONE 氏
不運からつかむ幸運。 伸びやかなヒゲを生かした書体で強弱の付け方がが有効的です。遊びのある筆画でも読みやすくなっています。
 
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「ケガの功名」 回転型:てるだよ氏
「怪我の功名」とは、失敗や過ちなどから、偶然にも好結果が生まれること。 「ケガ」をカタカナにすることで字画密度がそろってうまく対応付けできるのですね。文字送りも適切です。
 
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「家相」 図地反転複合型: いとうさとし氏
家の配置や方角・間取りから、その家の吉凶を判断するもの。 「相」を優先で「家」の形状がかなり崩れていますが、しっかり読める範囲でおさまっているのが流石です。
 
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「運命の悪戯」  回転型(共存型):lszk氏
人知の及ばないものに弄ばれているかのような、奇妙な巡り合わせ。 作者らしい書体でうまいデフォルメですね。「の」は別字形の共存型で驚くべき形状です(cf.過去の例)。
 
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「運命の悪戯」 回転型(共存型):douse氏
この言葉でのネタかぶりは運命の悪戯か。 かっちりとした対応と作字。lszk氏の作との違いを見るのも楽しいです。「命/悪」で字画共有するため「の」を横に置いていますが表現の仕方がよいですね。
 
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「四柱推命/九星気学」 図地反転型: いとうさとし氏
四柱推命と九星気学は古代中国から伝わる占術で、陰陽五行説に基づく代表的な占い。四柱推命の方が九星気学よりも古い。 アンビグラマビリティが低そうなのに仕上げてしまう達人技。「学」は言葉の流れで読ませていますね。
 
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「12星座占い」 回転型:螺旋氏
別名「星占い」、西洋占星術を簡略化したもの。 ステキな書体での作字で星占いの書籍の表紙にしたくなるデザインですね。「星/占」の密度差の解決も見事です。
 
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「おみくじ/うらない」 図地反転型: いとうさとし氏
おみくじは運勢を全般的に占ってくれます。 この言葉同士で対応付けできる驚き。大きく崩れた「な」も流れでその文字に見えてきます。
 
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「いのり」 図地反転型亜種:kawahar氏
水晶玉に うんと いのりをこめる。 「図」と「地」のほかの領域もあるため純粋な図地反転ではないですがいくつか作例があるタイプの作品。バランスが良いですね。
 
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「地雷除去」 旋回型(×2):Jinanbou氏
マインスイーパーでよく起こる運命の2択。 低解像度のドット処理による作字が成功しており非常に読みやすいですね。
 
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「ボイジャー探査機のレコード盤」 回転敷詰同一型:繋氏
1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機に搭載されたレコード。地球外知的生命体や未来の人類が見つけて解読することを期待している。 とても魅力的な書体。どのように敷き詰められるのか、知的な皆さんによる解読を期待します。  
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「ビギナーズラック」 回転型:.38氏
初心者が往々にして得る幸運のこと 。 変わった位置につけた濁点と「ッ」の点々を中央に揃え、うまく対応付けています。楽しい作品。
 
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「ノーペアで、挑む所以」 回転型:T.A.氏
役がない状態でもブラフで勝負に挑む理由とは…… 読点が反対側で有効に生きています。半分だけの半濁点の形が良いですね。
 
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「単にラッキーなだけ」 回転型:無限氏
クッキークリッカーの隠し実績から。 クッキーのチョコチャンクが効果を発揮していますね。文字送りにも工夫があります。
 
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「配牌」  回転型:lszk氏
麻雀牌モチーフによる読み方の示唆だけではなく、閉領域の並びの中間をとると五筒に近くなっています。中央部の短いはらいの共有がぴったりです。
 
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「乱数調整」 回転型:ちくわああ氏
主にコンピュータゲームで擬似乱数の生成を調整すること。 「乱数」をはさむように「調整」がある、特殊な文字送り。プリント基板に合う書体が対応付けにマッチしていますね。「調整」の対応が気持ちいいです。
 
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「期待値」 回転重畳型:超階乗氏
平均値のこと(確率変数を含む関数の実現値に確率の重みをつけた加重平均)。 左下は顔のようなマークでしょうか。細かい線によって文字の特徴づけに成功しています。「期」は単体では読みにくそうですが「待」に引っ張られて読みやすくなっているようです。
 
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「四つ葉のクローバー」 回転型:douse氏
幸運のシンボル。 何処にも無駄がなく驚きました。手書きのマーカーペン風で少し字画を遊ばせているのがポイントでしょうか。
 
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「仕合せ」 回転型:peanuts氏
運命に従って巡り合わせた相手との出会い。 流れるような美しく伸びやかな作字がステキです。「仕/せ」の切り替えがキレイですね。
 
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「幸せ者(者)」 回転型:Σ氏
幸運な人のこと。 点付きの「者」にして手書き書体にするとぴったりはまるのですね。表現もとてもステキです。
 
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「海野十三/運の十さ」 振動型:兼吉共心堂氏
作家「うんのじゅうざ」が「運の十さ」にも読める。 「海野/運の」の対応が流石です。筆文字のポテンシャルを本作でも感じます。
 
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「「その男の云う事を聞くがよい。」」 鏡像型:結七氏
芥川龍之介の「運」からの引用。 略字の「亊・闻」を使っていますね。色を変えている部分はおしいですが、長文をうまく対応付けしていて素晴らしいです。
 
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「運動量保存則」 回転重畳型:かさかささぎ氏
外力が無視できるとき、物体系の運動量の和は保存される、という法則。 対応付けの発見と巧みな文字組によって実現された素晴らしい作品。字画の強弱も生きています。
 
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「等加速度直線運動」 図地反転鏡像型:つーさま!氏
加速度が一定かつ初期速度が加速度と平行か0で、変位が直線の運動。 どの文字も読めるようにするための調整が大変そうですが、やはり鏡像軸上の文字に注目です。
 
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「運ぶ」 回転型:douse氏
物をほかの場所に移すこと。 「運」単体でもアンビグラマビリティは高いのですが「運ぶ」にするとさらに回しやすいのですね。ぴったりです。
 
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「夕時を運べ」 鏡像フラクタル型:松茸氏
文字列生成で。 鳥とキラメキの図形が生きています。拡縮を絡めることで敷詰可能となる発見が素晴らしいです。
 
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「赤血球」 回転型:うら紙氏
赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素を運びます。 字画のカーブの具合が揃っていてまとまり感があります。共有のさせ方も見事です。
 
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「運搬」 旋回型:ラティエ氏
人や物を運び移すこと。 アンビグラマビリティの高い言葉ですね。ベルトコンベアの表現が楽しいです。 先行作との違いもご確認ください。
 
 
 
最後に私の作品を。
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「配送」 敷詰振動式複合型:igatoxin
物をくばり届けること。無事に届くかは運次第(?)
 
 
 
お題 運 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「時事」です。2024年を振り返り、時事ネタでアンビグラムを作ります。
締切は11/30、発行は12/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー}   2月{TV}        3月{クイズ}        4月{健康}   5月{回文}    6月{本}               7月{神話}   8月{ジャングル} 9月{日本史}     10月{ヒーロー}     11月{ゲーム}         12月{時事}
2024年 1月{フリー}        2月{レトロ}   3月{うた}         4月{アニメ}   5月{遊園地}      6月{中華}          7月{猫}     8月{夢} 9月{くりかえし}    10月{読書}          11月{運}   
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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asianewspickup · 4 months ago
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韓国の上半期貿易収支231億ドルの黒字ながら内需は…自営業者の個人貸出延滞金第1四半期11兆ウォン+家計債務も増大
今年上半期の貿易収支黒字規模が半導体輸出好調に支えられ、6年ぶりに最高値を達成した。輸出増大で企業は賑わうが、内需の松帯である自営業者らの事情は悪化である。自営業者が返済しなかった事業者ローン規模は今年第1四半期末基準で11兆ウォンに迫り、歴代最大を記録した。
産業通商資源部は今年上半期の貿易収支が231億ドルの黒字を記録したと1日明らかにした。 2018年上半期311億ドル以降、黒字規模が最も大きい。上半期基準では2021年以降3年ぶりに赤字を脱出した。
輸出実績と国際エネルギー価格安定税がかみ合った結果だ。上半期の全体輸出額のうち19.6%を占める半導体輸出額の伸びが代表的だ。毎月少なくは前年比35.7%から多くは66.7%まで輸出額が増えた。 15大主力輸出品目のうち、自動車、石油製品、石油化学、船舶なども輸出実績改善税が目立った。 5大有望消費財の中には化粧品や生活幼児用品、医薬品の輸出額が大きく増えた。一方、輸入額はガスと石炭輸入額が大幅に減少し、昨年上半期より10.0%も減少した。
反面、自営業者たちの暮らしはますますパクパクになっている。韓国銀行が国会行政安全委員会所属に加え、民主党養父南議員室に提出した「四半期別自営業者貸出現況」を見ると、第1四半期末基準の自営業者の全体金融圏個人事業者貸出延滞額(1ヶ月以上原理金延滞)は10兆8000億ウォンと集計された。昨年第4四半期の8兆4000億ウォンから3カ月ぶりに28.6%(2兆4000億ウォン)急増した。2009年関連統計作成以来最大の規模だ。延滞率も同じ期間1.30%から1.66%に上昇した。高金利��内需萎縮で融資を時折返済できない自営業者が急速に増えている。 [출처] - 국민일보 [원본링크] - https://www.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0020262365
 今年上半期の韓国貿易収支がけっこうの黒字だったことで、こぞって韓国メディアが報道してますが、中身を見るといつものように半導体と自動車。サムスン電子の第二四半期営業利益も増えているようだから、一般的なメモリも価格が上向きなんでしょうね。
ただし、輸出額に占める半導体や自動車の割合が高すぎて、EV景気やメモリ需要の変動でどうにでもなるものなので不安定な構造は変わらず。そして、サムスン、SK、現代自(&起亜)に集中しているので、利益が国内の景気に与える範囲も限定的。
さらに、黒字になった要因として輸入がかなり減った相対的なものでガスや石炭などエネルギーが大幅に減ったというのが気になるところ。国内景気が悪くて電気の消費量減ったんかな?とも思えますし。
韓国内自営業者の事業ローン、家計債務延滞金が急増
 韓国の第1四半期の自営業者事業ローンと個人債務の延滞金(1ヶ月延滞した分)で11兆ウォン弱。昨年末から2兆4千億ウォン(29%)の急増で、2009年統計開始以来最大。延滞率も急増で、国内景気がまったく振るわないのと高金利で自営業者が苦しんでる。
高金利状況と景気萎縮が持続し、借金を返済できない自営業者が増えている。コロナ19ファンデミック時期増えたローンを返済できずに廃業する場合も増えている。 1日、国会行政安全委員会所属に加え、民主党養父南議員が信用保証財団中央会で提出された資料によると、去る1~5月地域新報代位弁済額は1兆291億ウォンを記録した。昨年同期より74.1%急増した。代位弁済は小商工人が銀行から貸し出しを受けることができるように保証してくれた地域新報が小商工人貸付を代わりに返済したものだ。 代位弁済額は2021年4303億ウォンから2022年5076億ウォンに小幅増えたが昨年1兆7126億ウォンで爆増した。ローン返済時期が到来したが、銀行の借金を返済する余力を回復できなかった小商工人が多いという意味だ。韓国信用データの「第1四半期の小商工である経営指標」を見ると、小商工の平均売上高は4317万ウォンで、昨年同期より7.7%減、営業利益は915万ウォンで23.2%減少した。 [출처] - 국민일보 [원본링크] - https://www.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0020262345
 延滞率も延滞金も増えていて、当然、満期に返せず信用保証機関による代位弁済額も急増。21年→22年の1年間で700億ウォン増加で5千億ウォンだったのが23年の1年で3倍ですからね。とんでもない数字。
売上自体もしょぼい上に利益減少率が23%ってコストが爆増している状況が見えますね。水道光熱費や家賃、人件費といったコストが負担になっていて利益が減ってる以上、どうしても急に改善できる社会的要因が見えないのが辛い。
 45歳ぐらいにはほぼほぼ早期定年になる韓国で、年金や老後の福祉が貧しい韓国ではそれからの数十年を食べていくために退職金を原資に自営業を始める人が多いので、いくら厳しくても辞めるに辞められない自営業。だから、苦しくて閉業できる人はまだ幸せなのかも。
そういった閉業も第1四半期、閉業積立資金の支払いが18%ほど増えたというから状況は厳しい。
自営業者を含め、全体の家計融資保有者の融資返済負担もまた増えている。彼らの1人当たりの平均融資残高は9389万ウォンで、2022年第4四半期(9392万ウォン)水準に上がった。平均総負債原理金償還比率(DSR)は38.7%であった。借主が年収の約39%を貸し出し原理金の返済に使っているのだ。 3つ以上の金融機関で家計融資を受けた多重債務者の平均DSRも昨年第4四半期の58.2%から今年の第1四半期の58.8%にさらに高まった。多債務者の平均融資額は1億2401万ウォン水準だ。 [출처] - 국민일보 [원본링크] - https://www.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0020262345
 利益の約4割が借金の返済とは厳しい。さらに多重債務者になると6割近くを返済かぁ。平均融資額を見ても事業に投資したものがでかいだけにこの状況は簡単には変わらない。
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kimmurakamiyunyan · 5 months ago
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繋がれた部屋 1 /
 その物語で思い出すのは落ち葉だった。黄の色をした落ち葉だ。落ち葉は木々を裾野に持っている。また、木々は落ち葉を取り巻くように存在している。木々は地表を覆い森を形成した。森はその地になくてはならないものだ。例えば、円を描いたとして、外側と内側を望むことが円であるように。外側が森で、内側は黄の色をした落ち葉なのだ。落ち葉は、恐ろしく広大で、その範囲を俯瞰するのは難しい。取り囲む森の木々をよじ登ってみても意味をなさない。しかし、よほどの欠けを持たない限りは、円形であると考えて良さそうだ。
 落ち葉はいつしか消えてしまった巨木の跡である。消えてしまった巨木が散らした葉が、黄の色をとどめてその跡を示している。消えてしまった巨木は森のどの位置からでも、見上げればその姿を拝むことができた。しかし、その姿を探し求めれば、そこには黄の色をした落ち葉が忍び寄るのだった。見上げていたその姿が、いつしか消えてしまった巨木の残像だと悟るのに、そう時間はかからない。程なくして崇拝の対象となるが、時を経て数派に別れた宗派も、落ち葉を取り巻く木々のように、ただ平坦な森の様相となった。
 各々宗派が抱える教えは、森の様相を織りなすように世界をかたどった。それらを繋ぎ合わせれば、黄の色をした落ち葉は蓋だった。蓋は世界の中心で、世界の蓋だと言う。しかし、元来森を成し得ている外側と内側という平たい言説のもとに、それらは破壌する。そもそも世界という概念が、落ち葉を有する森では失われているのだ。世界という概念が失われてなお、黄の色をした落ち葉の教えは蓋として残った。蓋は閉じることと開くことをかたどり、巨木を表裏するものとして、内側と外側が示す言説をそのまま補完した。そのような四方向を経て落ち葉は存在する。それならば、巨木を残像にしているのは森の木々かもしれないと気づく。それが内側と外側であるのだと。
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落ち葉が地表を覆い尽くし、森の木々が一本たりとも消えてなくなると、巨木が現れる。確かそう聞いたと思ったが、もしかしたらそんなふうに想像しただけかもしれない。しかし、表側と同じく裏側には巨木があった。物語に先んじて、落ち葉は裏側からやってくるのではないかと考えたが、蓋は事実上閉じているので、落ち葉が通り抜けるのは不可能だ。落ち葉は残像となった巨木から今も散り続けている。それは表側のものであり、裏側のものではない。裏側も然りだ。巨木崇拝が盛んなころには、開いてはならない蓋としての位置付けを、蓋の裏側の巨木は担っていた。それは、畏敬ではあったが、同時に開閉への言及を阻んだ都合だった。蓋が開かれるとあっては宗派としての根幹が揺らぐ。また、閉じたままであっても理由は必要だった。
 森の住人の中には、裏側を旅した者が少なからずあった。そのような者たちによれば、開かずとも蓋は自ずと開いたと言う。そして、それは開くことのできない蓋という印象を与えた。転じて、時すれば蓋は開くと思わせたのだった。かくして、挑戦者が現れた。落ち葉の淵を見定め、瞑想に耽る者たちだ。瞑想の果てに、裏側を旅したという者もあった。しかし、巨木への言及がない。それはいささか不自然に思えた。まるで、裏側の巨木だけをつまんでどこかへ隠したみたいに。その不自然な印象は、そのまま物語の構成なのだろう。表裏する巨木の一方をつまんで、物語を渦のようにぐるぐる回転させるための。
 落ち葉の次に思い出すのは、物語の半ばを過ぎて現れる花だ。花は、蓮だったと思う。物語を聞きながら思い浮かべたのは、水辺に浮かぶ濃いピンク色をした花だった。花が咲くとき、ポンっと音がしていたから、まず間違いない。森の住人は、日々の生活の中で実によく蓮の花に出くわす。物語の後半に明かされることによれば、住人は各々蓮の花を抱えているのだ。そして、事あるごとに自分自身を蓮の花に置き換える。花の中は、覗くと過去もしくは未来がそこに見える。水鏡のように揺らぐ過去や未来は、置き換えの不完全性を意味した。しかし、完全であることを物語は求めていない。巨木の残像のように、不確かさは確かさを支え、同時に振り幅となる。その揺らぎの中で森の住人は健やかなのだ。
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その場面で面白かったのは、調律師のくだりだ。蓮の花は調律が可能である。それをするのが調律師だ。蓮の花の揺らぎを調律して、揺らぎのない過去または未来を見るのだ。一種のトランスだろうと解釈して聞いていたが、そうは書かれていない。森の住人は揺らがない過去や未来を象形的に見る。もともと揺らぎが少ない調律であればしばしば具体的な画を纏い象形し、もともとの揺らぎが大きければ具体性から程遠い象形として見ることになる。自分の過去や未来は自分自身であると当たり前のように感じていたので、過去や未来に直面するとは自分自身に直面するものと思った。しかし、そのようには書かれておらず、まるで自分が象形にでもなるようで興味深い。誰もに一つ蓮の花があり調律師がいるなら、是非に調律してもらい、過去や未来がどのように呈するか見たいものだ。具体的と束ねていた主体である自分自身が、時系列をはばかり象形しバラバラに存在する様を。
あと思い出されるのは森の図書館だ。平たい森にあってそこだけおうとつした場所に図書館という役割を持たせていた。それは物語の結びであるにも関わらず、物語のおまけのようだった。それで、この物語自体が物語としての入れ子なのだと気づいた。物語が図書館の本の一冊のように振る舞うのだ。それなら、蓋の裏側の巨木がつまみ取られていたのもわかる気がした。この物語で印象に残ったのはその三つで、その三つは物語を構成する箇所だった。黄の色をした落ち葉に四方向を持たせたのは物語を支えるためで、四方行を持たせた蓋の裏側の巨木をつまんで循環を与えた。蓮の花は森の住人の対抗軸として時間を刷新している。そうすることで物語自体を図書館の本の一冊と位置づけた。古い本には時折、そのような構成的技巧を目にすることがある。読者の目をかいくぐり、生き延びた物語に望みを委ね、行間を閉じたものだ。しかし、この本には隠そうという意図はなかった。りんごの芯を抜くように、蓋の裏側の巨木をつまみ取ることで隠したように見せかけたというほうが、物語の評にあたいする。
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terrahumanity · 8 months ago
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テラヒューマニティ・星海殉葬
0.
「なんて、エキゾチックなの」と母は言った。
���国風という言葉選びは、果たして正鵠を射たものなのか。判断しかねた俺は、沈黙を保つ。
部屋には、三人がいる。自分、母、そして一人の少女だ。
少女は、その外見に人類にはない色彩を持っていた。それは、彼女が異星種……つまり宇宙人の血を引いているということを示していた。
地球以外の星に知的生命は存在するか、という宇宙に関する問いは、新天地よりも、ゴールド以上の価値がある物質よりも、強く人を惹きつける命題の一つだった。その一方で、決して実在が確認されることもなく、専ら、フィクションの中だけの存在だと目されてきた過去がある。未解決問題、だったのだ。
今、その結論が目の前にあるという事実に、母は目を輝かせていた。
ひょっとすると、人は無意識レベルで宇宙人と出会うことを渇望していたのかもしれない。何せ、そうすることでしか、宇宙の知的生命のスタンダードを知ることなどできないのだ。
人は古来より、異人との接触によって、自身の性質や、自身の所属する集団の特徴を俯瞰してきた。他所の人と話をしている時、ふと「これは、うちだけのローカル・ルールらしい」と気づくみたいに、だ。これが何を意味しているかと言えば、人は宇宙人を見ることで、地球人らしさというものを、初めて自覚するだろうということだ。
いずれにせよ、宇宙開拓時代を迎えてから百年以上の月日が経った太陽系圏でも、地球人らしさというものは未だ存在しているらしい。
母の言葉は、その実在を証明するものだと言えた。
彼女を見て「自分とは異なる存在だ」と、確かにそう評したのだから。
1.
 小さなモニタを光点が滑る。世間では空間投影だの、網膜投影だのとモニタの流行は移り変わっているが、目の前にあるのは溜息が出るほど古いタイプの板だ。コクピットのシート右側からアームで支えられた、それは、機体が向きを微調整する度に慣性で軋んで揺れていた。
左舷スラスタの反応もやや鈍い。きっちり整備しているはずだが、これはもう、こいつが年寄りだからとしか言えないだろう。
両手のコントロール・スロットルを微細に動かして、今後こそ、光点をモニタの中心に。三次元レーダーで、飛来する目標物を正面に捉えた。
「FL1からFL2、及びFR1からFR2マニピュレータ展開」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。搭載された四対八本のマニピュレータのうち前面側四本で、捕棺網を展開した。ここまで異常無し。長めに息を漏らし、中ほどまで注意力を落とす。
手元のモニタから目を離し、前を見る。そう広くないコクピットの前面を、星空を映すメインモニタが占めている。
漆黒の宙に、星々が瞬いていた。目標物は、まだ視認可能範囲外にあるが、三次元レーダーで正面に捉えている限り、待っていれば、向こうからやって来るだろう。
俺は、棺を待っていた。チタニウムの棺だ。何の比喩でもない。
宇宙を漂う棺を、中型の作業ロボット……汎用船外作業用重機コバンザメに乗って、待っている。
 平らな面を上とした正三角錐に、楕円柱状の胴がくっついたようなロボットだ。コバンザメという俗称に反して、マニピュレータ四本で網を張る様子は、深海に漂うクラゲのように見えるかもしれない。
 こうして指定ポイントで網を展開し、彼方から飛んでくる棺をキャッチする。
それが、俺の仕事だった。人類が地球から宇宙に進出したばかりの頃、このような仕事が生まれることを、誰が想像しただろう。
「ダズン、聞こえていますか?」
 無線から、名を呼ぶ声がした。少女の声だ。
母船シーラカンスで留守番をしている同居人の声だった。
「どうした、シャル」と名前を呼ぶ。発音としてはシヤロに近い。
「どうしたということはありませんけど」
通信の向こうで、逡巡するような間が空く。別に騒がしくしている覚えもないが、静かな艦に残されて、やはり落ち着かなさを感じているのだろう。脳裏に、少女が、話題を選んでいる様が思い浮かんだ。輝くような金髪が目を引くハイティーンである。
「これってやっぱり、地球方向に飛んでいるんでしょうか」
 数瞬して、いつもの話題に行き着いた。これというのが、レーダーに映る光点……チタニウムの棺を指すことは明らかだ。
「多分な」
 第一に肉眼で地球が判別できる距離ではないし、シーラカンスにしろ、コバンザメにしろ、ヘリオスフィア規模の分解能を持つ絶対座標系の航路計なんて高級品は積まれていないので、確かめようもない。
だが、星海葬という性質上、恐らくそうなのだろうと思う。
星海葬。それは、人は地球に属し、地球に還るべきだという思想から生まれた、人が地球へ還るための儀式だ。
彼女はこれに、少しばかり疑問を持っているのだろう。
「何故、人は星海葬の魅力に囚われるのでしょう」
「……地球をルーツとする知的生命だからだろう」俺は答えた。
宇宙で死期を迎えた人間は、その魂が地球へ帰還することを望むという。
人類がまだ地球を主な生活圏としていた頃、地球上で死んだ人間が地球の生命に転生するという考え方は普通だった。実際、物質的に見ても、人が死んだ時、人体を構成する元素は別の地球上の物体へと姿を変えていくのだから、魂の循環という考え方は感覚的にイメージしやすかったはずだ。
しかし、地球を遠く離れた場所で人体が処分されれば、地球に還ることはない。その事実は、魂もまた、還れなくなるという自然な連想を生んだ。人類が地球を離れて活動するようになった時、転生という宗教概念は破綻したのだ。
実際、宇宙開拓初期における、地球の神々の凋落はシリアスな問題だったらしい。地球が宇宙に浮かぶ光点の一つに過ぎないと分かった時、たかだか半径六千三百キロの岩石塊の表面で謳われていた神々に何ができようか……と思うのも、無理からぬ話ではある。宇宙開発黎明期、ソ連の宇宙飛行士チトフもこう言ったという。「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と。
あるいは、いやだからこそというべきか──そう認めるからこそ、神の恩寵の届く星に還りたいという欲求は強まるばかりだったのだろう。
「そうまでして地球に還りたいのでしょうか」
「宇宙で死んだ人間の灰を、地球に持ち帰ることが禁止される程度には」
 それが一般的だった頃、いずれ地球は灰まみれになるのではと揶揄されていた。
地球行の宇宙貨物艦の荷に占める灰の割合は加速的な増加傾向にあった。宇宙規模で繁殖し始めた人類が、帰属意識と伝統と宗教心のままに灰を地球に送るようでは、当然そうなる。そして、今後も増えていくことを危惧した連邦により禁止された。当時は反発もあったというが、長期的に見て公益性は高く、今では妥当視されている。
 星海葬なるものが市民権を得たのは、その頃からと聞いていた。
 物質的な帰還が叶わぬ以上、魂だけは帰還できるように。人々はそう願いを込めて、地球へ向けて棺を打ち出すようになった。
「そうしたら、今度は金属資源の散逸だ、なんだという話になった」
広大な宇宙空間に棺という形で無作為に金属資源が散らばる傾向は、嬉しい事象ではない。単に資源の有無だけで言うなら、適当な地球型惑星から採掘し続ければいいわけだが、それを無駄にしていいかは別だ。
保安上の都合から見ても、意図的にデブリを増やす行為が推奨されるわけはなく、星海葬もまた、連邦によって禁じられる瀬戸際にあった。
「しかし、それは今でも行われています」
「そうだな」誰が見ているというわけでもないが、俺は頷いていた。「スペース・セクストンと呼ばれる団体が生まれ、星海葬をシステム化した」
 スペース・セクストンは、宇宙教なる宗教機関として星海葬を斡旋し、宇宙に流された棺を適切に回収する役目を公然と担うこととなった。
今では、星海葬は宇宙で最もポピュラーな葬儀だ。純粋な地球生まれの地球人がほとんどいなくなった現在でも、セクストンはしっかりと存続しており、多くのエージェントが所属している。
俺もその一人だ。改装した古い小型貨物艦船で、棺を回収している。
連絡艦、旅客艦、貨物艦、遺棄船漁りのスカベンジャー、宇宙海賊、軍艦。宙を往く船にもいろいろあるが、セクストン認可艦の辛気臭さは最高峰だろう。他人を乗せることもなく、華やかな客室もなく、積荷は棺で、一攫千金の夢もなく、争いもなく、地位も名誉もない。
「私がいるではないですか」
どこからか、口に出していたらしい。
不意に、そう言���れた。何故だか慰めるような言葉を投げ込まれ、俺は笑う。
2.
 コバンザメの狭いコクピットから這い上がり、シーラカンス艦内に戻ってきた。艦内の人工重力に気怠さを感じながら、ヘルメットを外し、後部右舷通路を歩く。流れで首元に手をやりかけて、直ぐに下ろした。
「やれやれ」と口の中で呟き、そのまま、棺を運び入れた格納庫へ向かう。
棺の回収が終わったら仕事が終わるかと言われれば、そうでもない。
 回収した棺自体は最終的にはセクストンの溶鉱炉で生まれ変わるわけだが、受け渡す前には、中身のチェックをする必要がある。
セクストンの仕事は総じて気乗りしないが、個人的に一番気乗りしない作業だ。人によっては、一番ワクワクするらしい。死者が生前愛した何某を棺に入れる……という風習は根強くあり、炉に入れると不純物になるからというような大義名分の下、懐に入れることが認められているからだ。
以前、少しばかり同業の集まりに参加する機会があったが、それで美味しい思いをしただとか、そういう話は聞く。俺はその説について賛同できないが、昨今の情勢は安定しているので、腐乱しているだの、欠損しているだの、そういう死体を目にすることは、あまりない。それだけが唯一の救いだ。
梯子を下りると、格納庫の前には黒いボディスーツに身を包む少女が待っていた。
彼女……シャルは、しなやかなボディスタイルを露わにする、いつも通りのスーツ姿である。宇宙での活動は今なお、決して安全ではないが、古典映画で見るようなモコモコとした着ぐるみは廃止されて久しい。今の主流は、生命維持デバイスと防護外骨格の展開機構が備わった汎用スペーススーツである。俺や、彼女が着ているそれだ。
彼女は手にしていた情報端末からこちらに視線を動かすと、壁から背中を離した。
「お帰りなさい、ダズン」
「ああ。どうも、異物反応があるらしいな」俺が言うと、彼女は頷いた。
棺をシーラカンスの搬入口に運び入れた時にアラートが鳴ったかと思うと、すぐにシャルから通信が来たのだ。棺の中に、何かがいる、と。
気が重くなる。
異物反応センサーは棺内をスキャンした結果、動体と熱源が確認された場合にアラートを出す。そういう意味では、しょうもない悪戯(例えば、熱を出して動くおもちゃが入っていたとか)の場合もある。
しかし、棺の中に、もしも生きている人間が入っていたら? 放っておけば、そのまま焼却されることになる。寝覚めは最悪だ。
「じゃあ、始めましょうか」
彼女は首元にあるパネルをトンと叩いた。そこには防護外骨格を着脱するためのパネルがあって、青く点灯する。シャクシャクと小気味のよい金属質の擦過音が響き、彼女の体表を、背中から包むようにアーマーが広がっていた。
防護外骨格は、背骨に沿って等間隔に配された六つの小さな突起パーツ内に圧縮格納されているため、展開する際には背面から広がるようなプロセスを踏む。
俺は、自身のアーマーを確認しながら、シャルの展開を待つと、格納庫のシャッターにアクセスした。
ブザーの音。大仰な開閉音。一瞬遅れて、照明が点灯する。
「また家族が増えるかもしれないですね」シャルはそう言いながら、格納庫に入った。
「それは、ゴメンだな」
そう返すと、彼女は苦笑した。
 俺たちは、いくらか積まれている棺たちを見ながら、最後に格納した棺の方……つまり、搬入口に近い方へと足を向けた。
棺は、基本的に幅二メートル、縦三メートルのサイズだ。その大きさの大部分は装甲/気密機構/保冷材/副葬品というように、遺体以外の要素に由来する。遺体を入れるスペースは必要以上に広くする理由もなく、人が最後の旅に出る船としては、適度なサイズとも言えるだろう。
見栄っ張りな富豪が、とてつもない大きさの棺で星海を往くこともあるが、そういう手合いはVIPなので、俺みたいな末端のエージェントが担当することはない。
これらの棺は、この後、金属製の外装部と内部の有機物フレームに分別される。外装は溶鉱炉へ、内容物は焼却炉へ投入されることになる。しかし、回収してすぐに炉に行くというような感傷的なスケジューリングは基本的に認められないため、回収された棺はこうして庫内で並べられて、その時を待っているのだ。
「これですね」「ああ」
 棺を挟んで、立ち止まる。
俺は腰の自衛用のハンド・レーザーウェポンを抜いた。マニュアルによれば、棺の中に異物反応がある時、それはセクストン・エージェントの脅威となる可能性もある。本人が死んでない場合。遺体が別のものにすり替わっている場合。遺体もあるが、別の生物が紛れ込んでいる場合。それぞれ事情は異なるが、どの場合でもレーザーウェポンによる対象の殺傷がベストプラクティスとなるケースは多い。結局のところ、棺の中にいるのは死んでいるはずの存在なのだから。死人に口なしだ。
向かい側に立ったシャルに目を向けた。
金色の髪に、金色の瞳。色白の肌。整った美貌は作り物めいている。彼女は、俺の視線に気づいて、こくりと頷いて見せた。
「……では開けよう」
 棺にアクセスし、アンロックコードを送信する。セクストンの関係者だけが取得できるコードだ。このロックの施錠もセクストンが司っているため、セクストンが開けられる棺は、セクストンが斡旋した正規の棺である、という証明ともなる。
 ピッという簡素な認証音。
何かの手続きを無視した葬儀ではないようだった。少なくとも今回は。
 スライド式のドアが開き始めて、冷気が漏れる。
「顔を近づけすぎないように」
腐敗を防ぐためにドライアイスが入っているのが通例だ。濃い二酸化炭素は一瞬で好気性生物の意識を刈る。別れを告げる遺族が棺に溜まった二酸化炭素を吸引して意識不明となり、そのまま死亡するケースは多い。
「……異物反応があるんですよね?」
「一応だ」確かに、棺内の空気成分自体に問題はない可能性は高い。紛れ込んでいる異物が生きているということは、逆説的に空気に問題ないとも取れる。
 いよいよ、ドアは完全に開いた。
初老の男性だ。体格はいい。髪は白髪交じり。確かに、生命反応が無いとしても、今にも動き出しそうではある。新鮮な死体だ。
「今のところ、異変は無い」
「そうですね」
 と言った舌の根も乾かないうちの話だった。視界の隅で、黒い何かが蠢く。
 瞬間的に、レーザーウェポンを向けて、スイッチする。青いエネルギー弾が瞬き、遺体の腕を焼いた。黒い何かは、素早く這い回っている。大きさは三、四十センチに達する。大型の齧歯類ないし、比較的小型の猫科。そう思い、いや、と否定する。
黒毛のずんぐりとした胴。手足には毛がなく、灰色で、不気味なほどに細長い。脳内の何にも該当しない生物だ。
そいつがガサゴソと棺の中を這う音は、耳障りで、嫌悪感を抱かせた。
「閉じろ!」俺は怒鳴っていた。
 シャルが頷くと、ガコンと力任せにドアが閉じた。だが、棺が閉じきる前に、そいつはもう、飛び出していた。
「ちっ……!」
目の端に映った影に、エネルギー弾を叩きこむ。
棺が積まれた庫内に火花が散った。だが、それだけだ。
当たろうはずがなかった。この倉庫には、棺があり、死角が多すぎる。
 俺は、そのクリーチャーを捕捉できていなかった。
 事実、そいつの鳴き声は背後から聞こえた。
「ダズン!」
 その声に振り向いた時、目の前にそいつが迫っていた。
黒い毛の中に、醜悪なまでに開いた口が見えた。口蓋が見えるほどだ。汚れのこびりついた不清潔な牙が、ずらりと二重に並んでいる。明瞭に見えた。それは紛れもなく、死の前にある体感時間の伸長体験のように思えた。
だが、幸い死ぬことはなかった。怪我をすることも。
透明な何かに弾かれたように、そのクリーチャーが吹き飛び、強かに、床に叩きつけられたからだ。
「捕えます」少女の声。そして、手のひらを、下から上に。握る仕草をする。
不可視の尾の如き力場が、クリーチャーを巻き上げた。
黒い毛が不自然に押さえられ、手足があらぬ方向に曲がっている。その様が、よく見えた。目の高さに浮かんでいる状態だからだ。その様はまるで、見えない蛇に巻き付かれて、全ての動きを封じられた哀れな被捕食者だった。いや、全てではない。活路を探しギョロつく眼球、手足の指はもがき、そしてその心臓は動いている。
 そいつは、潰されまいと懸命に爪を立てるが、抵抗は無駄だった。
彼女の力場には、痛覚も実体もない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在��つ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
「ふー」
 それが、彼女の……血統(ジーン・)加速者(アクセラレイテッド)、シャル・ラストテイルの異能だった。
彼女は、地球人と異星種との交配種だった。
異星種のサイキック遺伝子を継承し、研究施設で生まれた実験体である。それだけでも驚いたが、彼女はただの交配実験体ではない。血統加速……時空歪曲を利用した人為的な世代交代の加速による特定能力の選択的先鋭化実験……によって現代に生まれた、約五千年後の世代と推定される超能力者だった。
本来ならば、交配種に連なる者たちが五千年の月日の中で獲得する超強度サイコキネシスを、現代に持ち込む技術。それは、彼女に超越的な力と、絶対的な孤独を与えている。
「ありがとう。助かったよ、シャル」
 少女は前に出していた手を下ろした。クリーチャーは宙に捕えたままだ。力の尾は、彼女の手の動きに同期するものではないので、手を動かすのは、近くにいる俺に注意を促す意味が強い。
「これ、どうしますか?」彼女は言った。
「始末しよう」
 特に、他の選択肢はない。明確な対人凶暴性を発揮した危険生物だ。特に、生きたまま保護して提出するような義務もない。
 俺がレーザーウェポンを構える前に、彼女はこくりと頷いた。
「グギィ……ッ」
 なんとも耳に残る断末魔だった。尾が締まり、クリーチャーが弾けた。付近の棺に、床に、赤い血肉が飛び散る。
「……ああ、うん。ありがとう」
「ううん」彼女は顔色一つ変えず、軽く頭を振るう。
既に尾は消えていた。それ自体は間違いなく不可視だが、斥力の集合体なので、周囲の空気を押しのける。発生や消滅は空気の流れで何となく分かる。避けられるかと言われれば、俺には不可能だが、有無の変化くらいは分かるものだ。
「シャルは先に戻っていいぞ」
「ダズンは?」
「掃除だ。シャルも、興味あるか?」
 彼女が微妙な顔をするので、俺は笑った。
 彼女を見送り、改めて惨状を確認する。どんな寄生虫を持っているかも分からないクリーチャーだ。消毒も必要だろう。肉塊にくっついたままの眼球が、こちらを恨めしそうに見ていた。無論それは主観的な感想に過ぎず、それは既に絶命している。
3.
 片付けを終えて通路に出ると、そこは既に暗くになっていた。足元にはぼんやりと光る非常灯が、点々と続いている。夜になったらしい。
宇宙において昼夜という概念は希薄だが、人間の営みには、昼夜という概念が必要である。それは宇宙開発が進み、宇宙が一時的にいる場所ではなく、生活圏へと次第に変わっていくなかで、明確にルール化する必要が出た事柄だった。人は一時的に昼夜のない場所で過ごすことはできるが、それがずっととなれば話は異なる。
地球人は、地球上の環境に適応した地球生物種の一つであり、地球で生きていたからこそ、今の形になった。となれば、地球環境の一要素である昼夜が消滅した時、人はその異常にストレスを感じるし、その環境で世代を重ねるごとに、地球人ではない別の何かへと変貌していくことになるだろう。
人が人として種の形を保つための法。それは連邦により規定された照明制御規則として、宇宙船やコロニーで運用されている。ライフライン設備、防災上の事情により特別に規定された区画を除き、約十三時間の連続した活動タームにつき、十一時間の休息タームを設け、当該施設内共用部分の照明を規定光量まで落とさなくてはならない。
 このルールは制定以来、その制定理由の尤もさから重要視されており、少なくとも、民間モデルの宇宙船にはデフォルトで採用されている。当艦……シーラカンスも、もちろんそうだ。
 目が慣れて来たので、俺は非常灯の明かりを頼りに歩きだす。
別に、手動で点灯させることはできるが、最近は、そういうことはしない。同居人がいるからだろうか。自問しながら歩く。
しかし、そういう気遣いは、とりあえず今回は無駄だったらしい。
居住区画に入ると、明るい光が俺を出迎えた。
「お帰りなさい。シャワーにしますか? サンドにしますか? それとも練・り・餌?」
 目の前にシャルが立っていた。逆光のためか、不思議な圧がある。
 その右手には、トレーに乗ったサンドイッチが。左手には、銀の包装に包まれた手のひら大のパックが乗っていた。
「……なんの真似だ、それは」
 俺がトレーを受け取りながら横を抜けると、彼女は「同棲する地球人の男女は、古来より、このようなやりとりをしていたそうですよ」等と言った。
「そうか」と流した。俺も別に、地球生まれではない。だから、絶対に嘘とも言いきれないが、無論、本当とも思えない。あと、同棲ではなく同居が正しい。
「練り餌は違うんじゃないか」
 その名の通り、ペースト状であることが特徴の宇宙糧食だ。銀色の密閉されたパッケージに入っており、保存性に富む。もちろん、それは俗称であり、非常に長く厳とした公式名称も、公式略称もある。だが、その風情なさとネットリとした食感から、専ら溜息混じりに練り餌と呼ばれるのが常だ。
 談話スペースにある背の高いスツールに腰かけると、向かいにシャルが座る。
「確かに、これでは食の選択肢が被っていますしね」
 そう言いながら、彼女はその話題には大した興味も無いようだった。
「というより……起きてたんだな」
「先に消灯するのも申し訳ないなと思いまして」そう言いながら、手伝おうという方向にはいかないのが、彼女の意外と強かなところか。
 サンドイッチを口に入れる。
パサパサした合成パン。風味のない合成バター。ひたすら特徴のない辛味を放つ合成マスタード。コクがなく、平面的な合成マヨネーズ。脂っこいだけのベーコン。しんなりした食感の合成レタス。青臭さがオミットされ、味が単純化した合成トマト。フードプリンターが有機フィラメントから生み出す食材は、全てがオリジナルに劣る胡乱な複製物だが、それでも練り餌よりかはマシだった。
「美味しいですか?」彼女は言った。
「ああ」と俺は返す。
 それは、彼女を料理係として雇った時から、繰り返しているやり取りだった。
「……客観的に見て、美味しそうに食べているようには見えませんけど」
 確かに不味い。それは、シャルの料理の腕とは別の部分にある問題だ。すなわち、食材の限界である。
だが、スペースを取り、保存コストも嵩む天然食材の貯蔵には限度がある。仕入れても、一、二週間もすれば、また合成食材の生活になるだろう。中途半端に積むより、オフや寄港の楽しみにしておく方が���リハリになろうというものだ。
それに、彼女には、複雑な味わいの食材を上手く扱うことはできないだろう。
「手料理なのが重要らしいぞ」
目の前に料理があるなら、いつもの二倍幸せだ。それが手料理なら、さらに二倍。自分以外の手によるものなら、そのさらに二倍。つまり八倍の幸せだ。それは、父親の言葉だった。とても古い記憶の一つだ。父が、まだ明朗だった頃の。
尤も、その言葉の続きには「だが不味ければ零倍」というオチもあったが、言わぬが花という言葉の意味は知っているつもりだ。
「私も、少し、喉が渇きました」
 彼女は言った。どうでもよさそうな声色だ。
そのくせ、金の瞳は輝いていた。
「そうか」
 予想外ではなかった。力の尾は、彼女の体力を消耗させるからだ。
折よくサンドイッチを食べ終えた。
俺が立ち上がると、シャルも椅子を降りた。
 特に言葉は必要ない。それはすでにルーティーンとなっていたのだから。
「じゃあ、シャルも食事にするか」
 彼女は頷いた。シーラカンスには、それぞれに個室を用意してあるが、今日は二人で俺の部屋に入ることになった。
そこはこぢんまりとした部屋であり、備え付けのベッド、棚、情報端末だけが置かれており、古の単位で言えば、六畳ほどだ。これは、シャルの部屋でも同様だった。宇宙船の設計というものは、有限のスペースを活動空間/装置/リソースで取り合う陣取りゲームである。精神健康上の観点から、登録乗員に対する最小の居住区画容積と、人数分の個室の設計が遵守されているが、削減されやすいのは個室のサイズだった。
そんな狭い室内で、俺は汎用スペーススーツを脱ぎ始めた。といっても、大袈裟な話でもない。肩を抜いて、上半身を開けるだけだ。
 隣で、シャルもスーツに手をかける。
彼女の、白い肢体が露わになった。
金の髪、金の瞳、いっそ不自然なまでに整った美貌。華奢な首元には鎖骨がくぼみを作っており、乳房がふっくらと佇んでいた。薄い胴はしなやかに伸びており、まるで無意識下にある理想を彫像にしたようだ。
その途中、鳩尾辺りから、肌がすっと透け始めている。幾重もの白い半透明の表皮が覆うようになっており、その下にある、青い筋肉が見えていた。彼女の下半分は、シルエットこそ人間のようだが、異星種の特性を確実に受け継いでいる。
背中側はお尻のすぐ上までは人肌で、前後で変貌の境界は異なっていた。ただ、頭から肋骨の辺りまでが人間で、腹から下が異星種であるという意味では、一定のルールの下で明瞭に分かれている。
白いショーツだけになった彼女が、じっと、俺を見ていた。
ベッドサイドのパネルを操作して、光量を落とす。仰向けに寝転ぶと、シャルがゆっくりと俺の上に覆い被さって来た。まるで恋人同士がそうするみたいだったが、彼女の瞳に宿るのは愛だの肉欲だのではないようだった。
ゆっくりと俺に体重を預けてくる。青い筋肉が透ける下半身も、見た目の印象からは想像もできないほど熱い。彼女はそのまま、俺の首元へと唇を寄せてきた。俄かに、甘い香りが鼻腔を擽った。
そう思うのも束の間、じくりとした痛みが首に広がった。我慢できないほどではないが、気にせず無視しようというのも難しい、痛痒にも近い、鋭い感覚。しかしその感覚も、熱で曖昧なものへと変わっていく。牙で穴が開いているのか、血に濡れているのかも、はっきりとは分からなかった。
 ただ、こくんと、嚥下する音が響いた。その音は小さかったが、血が飲まれていることを自覚するのには十分だった。音は静かな部屋の中にあって、強く耳に残る。
彼女は血を飲んでいた。
彼女が引き継ぐ異星種の遺伝子がそうさせた。シャル・ラストテイルは、地球人と同じ方法で栄養補給をすることができない。内臓の作りが異なるからだ。彼女にとって食糧とは哺乳類の血であり、そのことが判明した時から、俺はこうして、彼女に血を飲ませていた。
俺は上半身を開けて。彼女は下着姿になって。
しかしそれは、儀式めいた行為だった。
やがて彼女が口を離すと、身体を起こした。
ぽたりぽたりと、赤い雫が落ちた。彼女の口元から滑り落ちた血がしずくになって俺の胸元に落ちた。
 首元に手を伸ばすが、そこに傷はない。傷が塞がった後みたいな滑らかな膨らみの感触が、指先に小さく残るだけだ。
 不思議なものだ。これは彼女が引き継ぐ吸血種の性質なのだろう。彼女たちは、ある種の麻酔成分と、血液の凝固を防ぐ成分を送り込む。多くの吸血生物と同様に、だ。それと同時に、牙を引き抜く時には傷跡の再生を促す。
尤も、彼女も最初からそれができていたわけではなかった。
彼女には、それを伝える親がいなかったからだ。
食事には、痛みと、今くらいでは済まない多くの出血を伴った。
彼女が自分の性質に気づき、慣れるまでは。
4.
 ぼたぼたと血が滴った。シーツに赤い染みが広がっていく。
 先ほどまで彼女が噛みついていた場所から、急速に痛みが広がっていた。
 俺は用意していたタオルで押さえて、開けていたスーツを着込んだ。その手首にあるコンソールで、ナノマシン統制プロトコルを小外傷整形モードにする。普段は待機状態で循環/代謝されている医療用ナノマシンが、傷を察知して人体の働きを補助することで、通常の何十倍もの自然治癒力を発揮できる。
「……ごめんなさい」と彼女は言った。
 その少女はシャル・ラストテイルと名乗った。美しい少女だ。正直なところ、彼女の口から謝罪の言葉が出ることにすら、俺は驚きを感じていた。
 彼女は殉葬者だった。
かつては別の意味もあったが、我々の業界では、捨て子という意味になる。
彼女は、俺が回収したチタニウムの棺の中で、深い眠りについていた。
 セクストンのライブラリによれば、そういった事案は稀にあるという。政治的な事情から、食糧事情……いわゆる口減らしまで。
宇宙開拓時代にもなって、望まれない境遇に生まれるケースというものは変わらずあるらしい。いずれにせよ、殉葬者らにとって、それは死んで元々の旅ではあるが、立ち会ったセクストンの匙加減次第では、生きる道が開かれることもある。
 彼女は、棺で、俺の船にやってきた。
そして、その前は「ヒト殺しだった」という。
 シーラカンスで目覚めた彼女の一言目は、それだった。
『二人の部屋は、ガラス張りの部屋。そこは白くて清潔で、狭くて、周囲にはいつも誰かがこちらを見ていた。食べる姿、寝る姿、彼らは何にでも興味があるようだった。時には血を奪われた。痛めつけられた。尾の力を見たがった。妹は、籠から出るには籠を壊すしかないと言った。だから、私はみんな殺して自由になった』
それは、彼女の観測する現実の話で、事実とは異なるかもしれない。
しかし、実際に超越的な力は彼女に宿っている。
それ故、彼女の事情も、また真なるものだと明らかだった。
俺は、その境遇から考えて、他人の痛みに対する常識レベルの配慮が欠けている可能性は決して低くないだろうと思っていたのだ。
「いや」と俺は少女に返していた。
何が「いや」なのだろう。俺は誤魔化すように続けた。
「だいぶん、体重は戻ったか?」
「……そうですね」と、シャルはスーツに包まれた自分の身体を、緩く抱く。
 そんな彼女の肢体は、俺の目にも、最初に見た時より幾分か健康そうに見えていた。
 シーラカンスで目覚めたばかりの彼女は、酷く痩せていた。生きていたのは、その身体に流れる異星種の血がもたらした強靭性の賜物だろう。
 俺はシャルを引き取ってから、違法な情報屋を少しばかり頼った。
 彼女は研究施設で生まれた実験体であり、地球人と異星種の交配実験体で、血統加速実験の被験者だった。試験管から生まれ、妹とされる存在とペアで生きてきた。そして妹と共に研究所を破壊し、外の世界へと飛び出した。一方は当局により身柄を確保されたが、もう一方は現在も行方不明である……。
それは推測だらけで、不確かで、そして馬鹿げたレポートだった。
だが、疑う必要があるだろうか。
彼女を棺から出して、ベッドに寝かせる前に、俺は外傷の有無を確認するために、その肢体を診る必要があった。その時から、彼女に人並み外れた事情があるだろうことは、明白だった。
 上半身は地球人で、下半身は異星種。
彼女の身体には、それがハッキリと形として表れていたのだから。
 シャル・ラストテイルは人ではない。
 不意に目の前に現れた異形様の少女に、驚きがなかったわけではなかった。
彼女が持つ力に恐れがなかったわけでもない。
宇宙開拓時代でも、人殺しは罪である。それでも、殺すことでしか救いが得られないこともある。実験のために生み出された彼女が、実験のない日々へと至る道を、殺し以外で掴む方法があったかは分からなかった。
そうして外の世界に出ても、彼女たちには行く当てというものが無かった。
だから、棺の中にいたのかもしれない。
星海を漂い、殉葬者としてセクストンを頼る。その切符は一枚しかなかった。死者を納める棺に、内側の取っ手は不要なのだから。
彼女は多くを殺め、最後には、妹の献身によって、ここに至った。
それが、彼女の生だった。
人には人の生があり、実験体には実験体の生があるとも言えるだろう。そして、それを逸脱するには、罪を犯し、死に、そして生まれ変わる必要があったのだとも、解釈できた。彼女と人の差は何かと問えば、生まれとしか言いようがないのだから。
 それは上手くいくだろう。
このまま地球人らしく振る舞うことを覚えれば、彼女は人の隣人になれる。
彼女は明らかに異星種の特徴を有しているが、人前で服を脱がなければ露見することはない特徴だ。人としての振る舞いを覚えれば、秘密は秘密のまま、人の輪に溶け込める可能性が残されている。
ただ、彼女の方は、そう思ってはいないようだった。
彼女の瞳には絶望があり、声は暗く、その立ち姿は、人間らしさからいっそ遠く空虚だった。
俺一人では、彼女をどうこうするのは難しいのかもしれなかった。
そう思ったのを、覚えている。
……。
「ありがとう、ダズン」
「ん、ああ……」
少しばかり、ぼうっとしていたらしい。
 すでに彼女はベッドを降り、床に落ちたスペーススーツに手を伸ばしていた。
 スーツと一体型となったショートブーツを揃えて、足を入れた。さらりと流れた金髪を少し押さえてから、彼女は足元でひと塊になっていたスーツに取り掛かる。脱ぎっぱなしにしていたそれを整えて、袖の位置を確かめると、ゆっくりと引き上げていく。丸まった背中に肩甲骨が浮かびあがり、揃えた脚を、ぴったりとした黒い布地が徐々に、包んでいった。
青い筋繊維が透ける白いヒップは、見た目の印象とは裏腹に、確かな女体の柔らかさを持っていた。スーツへと収まっていきながら、少し窮屈そうに形を変える。その肉感は、色彩を無視できうるほど艶めかしいものとして、目に映っていた。
実際、そこまでスーツを着ると、彼女は普通の……というには語弊のある美貌ではあるが……地球人の女性に見えた。
 だが、そのスーツの下の秘密は、無かったことにはならない。
その事実を忘れさせないために、彼女はその美しい裸身を晒し、俺の血を飲むのかもしれない。
5.
 汎用スペーススーツの上に羽織ったジャケットが、歩くのに合わせて揺れる。俺は腰までの黒い上着で、シャルはクロップド丈の白い上着。
 セクストンのオフィスに、俺たちは連れ立って入った。
 ホール���は、数人のエージェントの姿がある。目は合うが、顔見知りはいない。そこで、シャルが視線を集めていることに気付く。
「あまり離れるなよ」耳打ちすると、彼女は心得たように頷いた。
同じエージェントとは思いたくない素行の人間は多い。
 スペース・セクストンは、宗教団体と考える人もいるし、極めて物理的な、死体処理機関であるとも言える。いずれにせよ、地球人の勢力圏であるヘリオスフィア全域で星海葬を管理して��り、単一の組織が影響する範囲としては、連邦に次ぐ。人類の宇宙開拓の総指揮を執り、渉外にあっては人類の意思決定機関として働く連邦という機関に次ぐと聞けば、高尚な感はあるが、実際に所属する人間はぴんからきりまでだ。
 セクストンの人事は来るもの拒まず。それは、いい面もあり、悪い面もある。悪い面の一つが、末端ほど、何某崩れしかいないという点。良い面は、社会信用度ゼロの人間でも、エージェントとして生きていける点。つまりは、セーフネットとしての面。俺もその面には少しばかりの恩恵を得た身だった。
 シーラカンスは、荼毘炉に寄港していた。
ここしばらくの回収にひと段落がつき、一度、荷を下ろす必要があったからだ。
荼毘炉は、セクストンが経営する小さなコロニーの総称だ。ヘリオスフィア全域に点在しており、どこでも同じ機能を備えている。宇宙港、簡単な整備ドッグ、精錬プラント、遺体焼却炉、一時滞在用のホテル、エージェントを管理するオフィス、オフィスワーカーたちの居住区、マーケット、食糧生産プラント、小規模な歓楽街等があり、収容人数は場所によって異なるが、最小では数万ほど。
オフィスの窓口に近づくと、カウンターの向こうにいる男性は肘をついてこちらを見た。妙に若く、気怠そうな表情だが、小規模な荼毘炉オフィスの窓口係としては、やはり珍しくない。隣のシャルは何か言いたげにして、黙った。
「……納入ですかね?」
「ああ。艦名は、シーラカンス」
 情報端末を差し出す前に、食い気味にピピッという認証音がした。本当に確認しているのか怪しい速度だが、手続きは済んだ。
しばらく待っていれば、セクストンの分柩課が勝手にシーラカンスの体内に貯め込んだ棺を運び出し、代わりに連邦クレジットが口座に入る。
分柩課は、文字通り棺を分別する役目を担っている連中だ。金属として溶かして再利用する部分と、遺体を焼くための部分を分別し、炉に投じる準備をする。
「他に何か?」
「報告があるんだが」
 俺が言うと、彼は「はあ」と気の乗らない声。
「棺から、このくらいの獣が現れて、襲われたんだ」
 言いながら、両手でサイズを示していると、その係員はやっと俺の顔を見た。彼の瞳が初めて俺を映す。面倒くさそうに、鼻を鳴らした。
「防疫課は向こうだよ」
「怪我はしてない。そうじゃなくて、例えば、似たような報告は? ああいうのを棺に仕込むのは流行りだったりするのか? 何か情報は?」
「さあね」
 シャルがほとんど溜息のような、長い息をついた。
 やれやれ。        
オフィスを出て、メインストリート・ブロックに入る。通常のコロニーは、いくつかのモジュールの集合体である。いわゆる隔室型宇宙都市だ。屋内/屋外という概念は無いため、隔室型宇宙都市の全ては屋内だが、どの施設でもない接続用モジュールも存在しており、それらはストリート・ブロックと呼ばれている。
「やる気がなさすぎると思いませんか?」
「セクストンとは、結局、そういうものだ」
「それにしてもです」
「まあな……」と俺は空を見上げた。
空と言っても、天井の映し出された空だ。閉塞感を緩和しようとしているもので、その努力を考慮しないとすれば、モジュール単体のサイズは、さほどでもない。上方向だけで言うなら、三階建て以上のビルは入らない程度だ。
二人でメインストリート・ブロックを歩く。
宇宙都市内には当然のように空気があり、疑似重力によって、地球人にとって都合のいい環境が整えられている。宇宙都市というのは何型であれ、どこもそうだ。空気がなかったり、無重力だったりする環境は、人間種の正常な生育にとって都合が悪いのでコロニーとして認められない。
通りは晴天状態で、通行人はぼちぼちと行き交っていた。荼毘炉にはセクストンやその関係者しか近づかないが、閑散としているわけではない。エージェントにはそれなりの人数がおり、そしてそれぞれに家族がおり、空腹になれば、食欲を満たす必要があるからだ。昼時になって、人々の動きは活発だった。
「……仮想レストランですね」と彼女が言う。
「だな」
軒先から見える限り、どの店もそれなりに盛況なようだ。客がスツールに座り、虚空に向かって見えないフォークを繰っている様子が見えた。一見すると、少し滑稽なようにも見えるが、彼らには美味しそうな料理が視えていることだろう。
ミクスト・リアリティによる食事提供は、現代では一般化した光景だ。彼らは、網膜に投影されたホログラムを現実に重ね、レストランのネットワークとナノマシン統制プロトコルを連携することで、任意の味覚/食感データを脳内に再生している。
「入ります?」
「いや」
「私の作る料理より、あっちの方が美味しいのでは」
「そうかもな」
味覚/食感はデータで楽しみ、栄養補給は練り餌で済ませるというのは、コストパフォーマンスに優れた食の形式だ。データは買えばコピーペーストできるし、練り餌も完全栄養食として流通している。本来論で言えば、こうして店先にいる必要性もないのだが、友人と食事している、とか、外食している、といった事象自体にバリューがあるのだろう。会計時に渡される練り餌をそっちのけで、味覚の摂取と世間話に集中しているようだった。そして、店側としても、調理によってハイクラスな味と栄養を両立できる形に加工するのは、よりコストが必要となってしまう。
総じて、料理というものに、こだわりがある人というのは少ない。
 俺がそこに拘泥しているのは、親の教育の成果だろう。
 ふと、シャルを見ると、彼女は少しばかり面白くなさそうな顔をしていた。
「どうした」
「美味しくないけど、作れと言っています?」
「まあ、そうだ」
「あまりに悪びれもなく言いますね」
「不味いとは言ってない。プロの域には達してないというだけだ」
 自分からそう言うよう誘導したくせに、とは口にはしない。
 そもそも彼女は料理に関してはハンディキャップがある。
 彼女は地球人とは栄養補給方法が根本的に異なり、従って、人と同じ体系の味覚器官も持っていない。それでも、食べられるラインのものを作ることができるのは、分量の計算で味の着地地点をコントロールできうるからだ。
とはいっても、言うは易く行うは難しというもので、実際にそれをハズレなく遂行できるのは彼女自身の努力の結果であり、���が良かったという面も多分にあるだろう。
 それから、有機フィラメント食材の味が単純化されているという面も。辛いものは辛く、甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく、各食材の個体差や複雑な要素は、詳細には再現されていない。よって、甘いものと甘いものを合わせれば、もっと甘い……くらいの解像度でも、想定と大きくずれる味になりにくいらしい。
「でも、言うなれば、私もプロですよ」
「……」と黙る。彼女の良い分も尤もだった。
俺と彼女の間にあるのは、まさにそのサービスを供給する契約だ。
シャル・ラストテイルは料理係として雇った。
「別にいいだろう。雇い主がいいと言っているのだから」
 そういうと、彼女は「まあ……」と煮えきらない返答。
 噛みついてはみたものの、料理を今以上の仕上がりにすることが困難であることは分かっているだろう。そして、それが原因でクビにされても困るということも。
そもそも、何か仕事を……と言い出したのはシャルの方からだった。シーラカンスに乗っていたい。そして、乗るからにはクルーとしての仕事を熟さなければならないのだと、そう思ったのだろう。
 別に、捨てられて生きていけないということもないだろうに。彼女の容姿と能力を以てすれば、それなりの待遇を得られる可能性は高い。単に荷運びとして考えても、彼女の力は非常に有用だ。服の下がどうなっていようと運送に支障などない。
確かに血を飲むが、別に輸血パックでもいいとも言っていたし、実際、施設にいた頃はそうだったと本人も言っていた。
「あの……ダズン?」
 どこかに行こうとしていた思考が、その声で帰って来た。
 シャルは路地の方を指さしていた。そこにはフードを被った男がいて、こちらを見ていた。人通りの中から、自分たちを見ているのだと、何故か理解できる。彼は、そのまま、お辞儀をするような仕草をして、踵を返した。
「追おう」
「う、うん」
 路地に入る。どこの路地裏もそうであるように、表に入りきらずに溢れた猥雑さが溜まっている。勝手口に、室外機に、ゴミ箱に、非常階段。少し歩くと、フードの男が俺たちを待っていた。彼はフードを被っているばかりか、サングラスと、マスクを着けていた。これでは黒い肌を持つことしか分からない。この手の、身元グレーなメッセンジャーの正体を暴くことに何の意味もないが。
「誰かが、お前たちを狙っている」と男は告げた。
その誰かとは、恐らく、シャルの行方を捜す者たちだ。
しかも、多分、思っていたのとは違うタイプの。
脳裏に二つの声が響く。これまでバレなかったのに、という声と、それから、ずっとバレなければよかったのにという声だった。
6.
「どこに向かっているのか、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
 艦橋に響くシャルの声は、少し非難の色を帯びていた。シーラカンスくらい小型の宇宙船でも艦橋というものはあり、コクピットとは異なるものとして定義される。立派ではないが、そこには艦長の席があり、オペレーターの席がある。前方には、シアターのようなサイズのスクリーンがあって、最低限ながら、宇宙船��艦橋というものの体を成していた。
そして、スクリーンには航路図が表示されているが、今は、コンソールの向こうに立ったシャルが視界を塞いでいた。
「そうだな。別に、教えたくないということもなかった」
「なら、もっと早く言ってくれて、よかったじゃないですか」
 そう言われてから、どうにも気が急いていたのだなと、ついに初歩的な自己分析に達する。しかし、それを正直に言うのも憚られた。憚る理由の方は分からない。自己分析が足りないのかもしれないが、もはや手遅れだろう。思考を放棄する。
 荼毘炉を去ってから、すでに三日経っていた。そのことから、彼女の忍耐力は非常に高いといって差し支えないと言えた。
「ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ」
「月ですか」
「正確には月の裏側だが」
「……それ、どこから見た時の話ですか?」
「地球だ」
 シャルが「ふーん」と俺を見た。言いたいことは分かる。別に地球生まれというわけでもないくせに、というような顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「連邦の定義だ」
この連邦の定義というのが、重要なのだ。何しろ、ヒトが人類史の中で学習したものは、その大半が地球環境を前提に語られる。代表的なのは、暦や時間だ。地球から遠く離れた場所でも、太陽暦や地球時間は基準として大きな意味を持っている。宇宙開拓による混乱を避けるため、連邦が基準として定めたためだ。
そう言いながら、航路計をチェックする。ヘリオスフィア連邦��対航路計だ。
艦の進路と、進行中の航路との誤差を割り出し、必要があれば軌道修正する。航路線と呼ばれる、宇宙空間に便宜的に引かれた線との退屈な比較/修正作業だ。
それをしなければ、シーラカンスが宇宙を飛びまわることはできない。連邦の定義する航路線が一定範囲に無い場所では、航行できないとも言う。
 これは特にシーラカンスが旧式だからというわけでもなく、ほとんどの宇宙船は同じだ。相対座標系の航路計しか積んでいない。ヘリオスフィア内の艦は、どのみち、星々を最短経路で結んだ航路網に基づいて運航するものだ。航路線に関わらず自身の座標を知ることができるという絶対座標系の優位性を、航路網が充実しているヘリオスフィア内で感じることはない。道具は、それを役立てる機会のある船にこそ意味がある。例えば、ヘリオスフィア外を往く、連邦開拓局の艦とか。
「里帰りですか」と彼女は言った。
「そうだ」
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、月の裏に作られた都市だった。
 そして、俺の両親が住んでいる。
「半年ぶりくらいですね」
 言われてから、そうなるかと、表情には出さないままに自問した。
シャルと出会って、すぐ後に、一緒に訪れたことがあった。助言をもらいに、あるいは、そのまま実家に置いて行こうかと考えて。
その頃の俺は、シャルの扱いに迷っていた。どうにも、年頃の女の扱いが分からなかったというのもある。幼少から、周囲には女ばっかりだったはずなのに。長いセクストン生活が祟ったとでも言うのだろうか。
もちろん今も、分かってはいないが、仕事仲間だと思えば、何とかはなった。
俺がそう扱えば、こいつもそう応えてくれた。
「真顔で、えっと、日数でもカウントしているんですか?」
 もちろん違う。
「……月に行く理由は、あれが父からのメッセージだと思うからだ」
 心裡にある感慨のようなものについて、あえて彼女に告げる必要はなく、俺は話の流れを元に戻した。少女は思案顔。
「そうだとして、どうして、その……怪しいメッセンジャーを?」
 丁寧にオブラートに包んだ表現だ。コロニー内という安定環境下で目深にフードをしており、さらにサングラスとマスクで人相を隠している様を、不審ではなく、怪しいという範疇に留めておくのは理性的である以上に、少し面白くはあった。俺は一目で違法メッセンジャーの可能性を考えたが、彼女の目に、オブラートに包むことに足る何かが映っている可能性も皆無ではない。
「まず、普通に艦載通信システムが疎通できる距離ではないからだろう」
 あの荼毘炉と月は距離が離れていた。航路線上で、七単位以上だ。航路線単位は、航路上の中継となりうる惑星間の距離である……という規定であるから、実際の距離としては、かなりタイミングによる揺らぎが大きい。普通の艦載通信であれば、航路線上で一・五単位も疎通できればいい方だった。
「では、連邦公共通信を使うとか」
「それが普通だな」と俺も思う。時空歪曲を利用した超長距離通信だ。
地球人が実効支配できる宇宙規模は一日以内に通信が届く距離に依存し、宇宙開拓の速さは通信技術の発展速度と相関するだろう……という宇宙進出前の未来予測は尤もなものだった。そして、それを乗り越えたからこそ、人類に宇宙開拓時代が訪れたとも言う。現代では、お金さえ払えば、民間でも利用できる類のサービスだ。
それならば、七単位も一瞬ではある。
含みのある俺の返答に、彼女は議論を諦めたようだった。
「それは、会えば分かるという判断ですか?」
「そうだ」
 本当は、シャルの身柄を追う者には心当たりがある。父以外のイリーガルな存在が俺たちに警告を行った可能性もゼロではないが、あえてその可能性ではなく、父がグレーなメッセンジャーを用いた可能性を追求することについて、十分な説明ができる。
だが、それを口にするには時期尚早のようにも思えた。推測に過ぎず、何ら確信もない。父を訪ねようと決めたのは、確信を得るためとも言える。
「跳躍潜航に入る」
 会話を断ち切るように俺が告げると、彼女も黙って定位置に着いた。
7.
 到着には、それからさらに数日を要した。
ともあれ、延べ七単位分の超長距離移動が数日レベルの旅行で済むのは、跳躍潜航の恩恵と言えるだろう。これも、時空歪曲技術の進歩が地球人に齎したものだ。
そうして俺たちは、月の裏側最大の都市に降り立った。
 直径百キロ余りもある冷えた溶岩による湖。その岸に、巨大ドームに覆われた月面都市がある。月の都、ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ。宇宙開拓が始まって間もない頃、そこは新しいもの好きが集まる最先端の宇宙都市だった。地球から最も近く、遠い都市として人気となり、栄華を極めていたらしい。今となっては、偏屈の巣窟だ。
「相変わらず、継ぎ接ぎだらけですね」
「旧い宇宙都市の特徴だからな」
都市内部には、どこもかしこも、その施行年の新旧が年輪のように表れている。それが、時代遅れの天蓋型宇宙都市の特徴だった。
宇宙都市の寿命は決して長くない。外に空気が無いからだ。大気がない環境というのは、温度にも課題が生じる。月面では、昼夜で摂氏三百度近い温度差がある。そのような酷環境では、人工の殻の綻びが、そのまま人の死を意味する。安全基準は厳しく、経年劣化で問題が起こる前に改修することになる。ワイズマンズ・シーサイドスクエアだけでない。現存する天蓋型都市というものは、常に改修を続けている。全体のドームとしての機能を維持しながら、内装も外装も、だ。
 港からキャリヤーを乗り継ぎ、俺たちは、一際寂れた区画に降り立った。
 すん、と隣を歩く少女が小さく鼻を鳴らす。
「慣れないか」
「ええ、まあ」
人の生活の匂い以上に、都市工事用の重機による排気や、建材の加工時に生まれる粉塵、真新しい金属部品が放つ独特な臭いが、この都市の空気というものを構成している。俺にとっては慣れたものだが、彼女にとっては違うのだろう。
「この町は、やはり人の気配というものがありませんね」
「それなりに多く住んでいるはずだが」
「荼毘炉などよりも、むしろ陰気なほどです」
エアクリーナーも働いているが、健康への影響を軽微なレベルに抑える以上の効果を期待するのは難しい。この都市の空気で病にはならないが、別に快くもない。
だから、この都市には往来の人間というものがない。
人々はフィルターを通した無味無臭な空気を堪能するため、室内に籠っている。家同士を直接繋ぐ回廊文化ができるほどだ。高い天蓋に建ち並ぶビル群。その間を繋ぐチューブのシルエット。改修工事ですぐに書き換わる交通標識。道を往くのは、無人重機たちばかりだった。ビルは人々の生活の明かりを漏らすこともなく、暗いモノリスのように沈黙している。
かつて、このいかにも先鋭的な天蓋型宇宙都市を設計した天才たちも、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの人々がドームの強みを捨て、このようなゴースト・タウンを作り上げるとは考えていなかっただろう。
「俺の故郷なんだ。手加減してくれ」
 そう言うと、彼女はフームと頷いた。
ともあれ、ワイズマンズ・シーサイドスクエアが初期の宇宙開拓の失敗であったという点は明らかだった。この反省を活かして、以降の宇宙都市開発では、モジュール毎に安全な付け外しが可能な隔室型へと立ち戻っている。ここのように、ドームを維持するためにドームの改修を続けるような、財的にも住環境的にも高い負荷の生じる都市の在り方は、早々に否定されていた。
この都市の最大の悲劇は、宇宙開拓ペースが、多くの地球人の想定を遥かに上回っていた点にあるのだろう。ワイズマンズ・シーサイドスクエアが出来上がった後、連邦はその版図を爆発的に拡大し、すぐに多数の宇宙都市が出来上がった。かつてワイズマンズ・シーサイドスクエアに集まっていた人も、財も、果てなき宇宙に拡散したのだ。
流行に見放され、商業的な意義を失った田舎は、顧みられることなく廃れゆくはずだった。それでも未だワイズマンズ・シーサイドスクエアが存続しているのは、この都市を維持せんとする、血よりも濃い連帯があるから��。
「皆は、元気にしているでしょうか」
「恐らくな」
 角を曲がると、下品なネオンに彩られた店が姿を見せた。
 店の外観など、回廊が整備されたワイズマンズ・シーサイドスクエアにあっては、どうでもいいだろうに。いや、どうでもいいからこそ趣味に走れるのだと、父は言っていた気もする。看板には、裏月酒店の文字。
ホテル・リーユェンと呼んでもいい。食と性を満たすための店。それが、俺の実家とも言える場所だった。
 裏手に回って、勝手口のドアを開くと、ちょうど一人の女性と目が合った。彼女の手から、空の小型コンテナが落ちるのを、力の尾が掴んで、床に軟着陸させる。
「ダズン」とその女性は俺を呼んだ。恰幅のいい立ち姿。白髪交じりの、ざっくばらんなショートカット。目尻に小皺を作り、笑んだ。母だ。
「……父は?」
「上よ」
 彼女は頷いて、俺に近づいてきた。
「前より健康そうに見える」そう言って、両側から腕をパンパンと叩く。
「……だとしたら、シャルのお陰だ」
「ふうん」と母は薄く笑んだ。「それは、師である私のお陰とも言えるね」
そうかもしれないなと、俺は苦笑した。彼女が、シャルの料理の師だった。それと同時に、シャルをヒトとして教育したのも母だった。ヒト殺しであり、殉葬者であり、地球人ではなかったシャルを、今の彼女にしたのは母の功績だと言える。
 俺は、シャルを母に押し付けて、一人でエレベーターに乗った。
8.
 父の私室は、ビルの上階にある。月面都市の街並みを眺望するのにうってつけの場所だが、肝心の景色がよいというわけでもない。それだけが残念だった。ドームが気密性を失ってしまった時に備えて、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの建物には隔壁を閉じる機能が備わっている。裏月酒店のそれは開いているが、ここから見える建物のほとんどは完全に閉じていた。開いているとしても、中に火は灯っていない。この数年で多くの仲間を失ったと、父は言っていた。最後にこの景色を見た時のことだ。その時も、こうして向かい合って、俺はシャルをここに残して、去ろうとしていた。
 俺が部屋に入ると、父は応接用のソファに座って、俺を迎えた。
「来ると思っていた」
 父の声は、深い溜息混じりだった。まだ背筋はしゃんと伸びており、耄碌しているという雰囲気ではない。そのことに俺は、少しばかりの安堵を感じている。
 テーブルを挟んで向かいのソファに座り、父と相対する。
「訊きたいことも分かっているつもりだ。メッセージのことだろう」
 全くその通りだ、と頷く。
「私が送った」
「俺たちを狙う誰か、とは?」
 俺が聞くと、父は眉を顰めて逡巡するように顔を俯かせた。それから、一度は床まで落とした視線を、じっくりと俺の顔に戻す。
「あの娘の言っていたことは、嘘偽りではない」
「最初から、そこを疑ってなどいない」俺はそう断って左膝に肘をつく。「何を濁す必要がある?」
「分かるだろう。うちを継がず、家の力も借りずに、独力で生きる道を選んだお前になら。お前は、結局、聡明で正しい」
「……」
「確かに、この月の裏に未来はない」
 かつて俺がこの家を飛び出した時には、ついぞ認めなかった言葉だった。
 俺がセクストンとして生きることになった切欠となる口論、その結論だ。家業を継げと言う父と、このワイズマンズ・シーサイドスクエアに未来はないと言う俺。あの頃は一致しなかった意見が、ついに合意に至ったらしい。
十余年という月日は、父の考えが変わるのに十分な歳月だというのだろうか。
それとも、父が納得するまでに十年以上もかかったというべきか。
「だが、今は、あのままお前と縁を切っておけばよかったのにと思う。そのくらい、あの娘は危険だ」父は吐き捨てるように言った。
シャルと一緒にいることを選ぶのなら、裏月酒店に迷惑をかけないよう、縁を切れと言っているようにも聞こえた。
「危険? あの尾が?」
「馬鹿なことを言うな。あの娘には、理性がある」
その言葉に俺は頷いた。否定の余地もなかった。危険な力を持つだけで制御の利かない少女であるなら、俺はすでに死んでいてもおかしくはないだろう。
「だが、やはり、関わるべきではなかった」
「母は、そうは思ってないみたいだが」
「あいつもあいつだ」父は自身の胸元を指先で小突いた。「情が深すぎる」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、その維持を連邦から第三セクターの管理下に移譲されて久しい。現在その維持を担っているのは、まさにここに住む市民たちだ。この天蓋型宇宙都市の莫大な維持費を賄うため、市民は掟を作り、団結する必要があったはずだ。外貨を稼ぎ、都市に富を齎す。その一点で、都市はまとまっていた。幼い頃、父もその情とやらを大事にしていた。それは今や、呪いと化して、目の前の壮年の男を苛んでいるのだろうか。
「誰がお前たちを狙っているか、答えは明白だろう」
「……」
「お前が、今、考えていることを言ってみろ。ダズン」
「それは」と逡巡する。それに何の意味がある?
推論がお互いに一致していようと、それが事実であろうと、なかろうと、もう話は決裂しているように思えた。
 しかし、その推論を披露する前に、扉は開いていた。
 お盆にドリンクを載せ、女性が入って来た。彼女は、その女体のほとんどを見せつけるような、シースルーの挑発的なドレス姿だった。裏月酒店の女だろう。
「レイシィ」父が咎めるような声音で、その名前を呼んだ。レイシィと呼ばれた女性は肩を竦める。「奥様に頼まれたんです」
彼女はドリンクを二つ、ゆったりとした動きで差し出す。
一つは父の前に、一つは俺の前に。
 それから、俺に妖艶な笑みを向けて、囁く。
「お姫様をお連れしましたよ」
 彼女は再び扉が開いた。
 そこにはシャルが立っていた。薄藍のドレスを着こなしている。いわゆる、チャイナ・ドレスだ。薄い布地の下に、美しい曲線が浮かび上がっており、スリットから覗く脚は、白いタイツに覆われている。彼女の特徴的な下半身の彩りさえ、それを薄っすらと透けさせたタイツによって、艶めかしく活かされていた。
 幸い、シャルが俺に感想を求めるような言葉を告げることはなく、ただ彼女の視線がゆらゆらと俺の右耳と左耳の辺りを掠めるだけだった。
 二人はそのまま俺の両隣を挟むように座った。
今、俺たちは重要な話をしている。とは、言えなかった。邪魔をするな、とも。レイシィは兎も角としても、拳四つほど離れて控えめに座るシャルに対して無関係だから離席するよう告げるには無理があった。他ならぬ彼女の話だからだ。
母は、俺と父の話し合いが険悪なものになることを予見して、二人を送り込んだのだろうか。そうだとしたら、その効果は覿面だと言える。
父が立ち上がった。
「話は終わりだな」
「待ってくれ」
 腰を浮かせて、後を追おうとする。父が扉に手をかける前に。
 何かを告げようとして、その前に変化が起きた。
そこで再び、扉が開いたのだ。
 男が、父を押し退けて部屋に入って来た。
その大男ぶりと言ったら、そう低くもない扉を、上半身を傾げて通るほどだ。縦に大きいだけでなく、横幅もあり、筋骨隆々という言葉で評するのに相応しい。彼が入って来ただけで、部屋は狭くなり、その厳めしい顔を見るだけで、息が詰まるような錯覚を覚えた。
それからもう一人、その後について、女性が入って来る。先に入った男の後では小柄にも見えるが、その実、しっかりと身体を鍛えているようだった。ヒールを履いているが、その足運びには安定感があり、タイトスカートの稼働範囲をいっぱいに使った大きな歩幅で、ほとんど部屋の中ほどまで進入する。
二人は汎用スペーススーツの上から、黒いスーツを着ていた。
そして、腕には連邦捜査局の腕章を着けていた。
「貴様らは……」
 父の誰何に、その女性は小首を傾げた。結い上げた金髪が、肩を撫でて滑った。
「私は連邦捜査官、エスリ・シアンサス。彼は、部下のア・スモゥ」
 連邦捜査官。
 そうだ。
「連邦宇宙開拓秩序に基づいて、シャル・ラストテイルの身柄を拘束する」
 彼女たちこそが、シャル・ラストテイルを追っていた。
それは、全く意外ではない。
言うまでもなく、時間と空間は、世界の最重要ファクターである。時空歪曲は、宇宙開発においてブレイクスルーを引き起こす技術であり、超長距離通信や、跳躍潜航が生まれる端緒であった。そして、それにまつわる全ての研究は、連邦が主管している。全ては宇宙開拓秩序の為だ。
そして、宇宙開拓の先に、地球人と異星種の交流という大きなマイルストーンが想定されていたことは想像に難くない。地球上での開拓史ですら、開拓者と原住民の出会いというものは、あったのだから。
同時に、地球人と異星種が交わることが可能なのかという命題も存在している。
血統加速という技術には、それを測る意図があったのだろう。少なくとも、研究が始まって、間もない頃は。それがいつから能力開発の側面を持つようになったのか、あるいは、最初からそれを期待した交配実験だったのか……その委細にそれほどの興味はないが……いずれにせよ、その成果物であるシャルを追うのは、連邦だったのだ。
「よろしいですね?」
エスリ・シアンサスが、無造作にハンド・レーザーウェポンを抜いた。
9.
「お二人とも、逃げてください!」
 鋭い、レイシィの声。彼女の手には、どこからか取り出したハンド・レーザーウェポンが握られていた。
「あああ、馬鹿者が」頭をガシガシと掻き乱し、父も懐から銃を抜いていた。
 無論、俺も。
逃げる? それはいかにも考えられない選択肢だった。
「ナノマシン統制プロトコル、戦術モード!」
 俺と父の声が響く。汎用スペーススーツを着ていないシャルとレイシィを、背に隠した。ナノマシンがアドレナリンを合成���て、身体を戦闘モードへと切り替えていく。そのまま銃を構えながら、肩で首元のコンソールを圧迫した。
防護外骨格が、全身をアーマーのように包んでいく。その装甲展開の隙間を縫うかのような眼光の鋭さで、エスリ・シアンサスはトリガーを引いていた。
そして、それに応じる形で、室内に多数のレーザーバレットが飛び交う。
 エスリは、ア・スモゥの巨躯を盾にしていた。
 光弾を生身で受けたように見えた大男だが、恐るべきことに、些かも痛みを感じたようになかったし、その活動に支障が生じたようにも見えなかった。
「かぁああああああああ!」
 それどころか、エスリを守るために広げた腕をそのまま振り回し、こちらに飛びかかって来た。大男の体重の乗った振り下ろしを受けても、外骨格を破壊せしめることはないだろう。だが、そのまま拘束される愚は犯したくない。
 逃げるしかない。だが、後ろにはシャルもいる。
 迷いで、身体が硬直する。それは命取りになるような隙だった。
「……ダズン!」
 少女の声。
 ア・スモゥの巨躯が、何かにぶつかった。まるで室内でトラック同士が正面衝突を起こしたように、爆ぜるような空気の振動が巻き起こった。
力の尾だ。
不可視の尾の如き力場が、巨漢を受け止めた。
彼女の力場は、疾く奔り、破壊される心配もない。それは彼女の心のままに動く、自由自在の第三のカイナだった。
自分が把握する限り、その上限を感じさせないほど力強いものだ。
「う、ん!?」
だが、シャルは疑問と、そして苦しそうな声を漏らした。
「ん・ん・ん!!!」
拮抗し、しかしそれでも、尾を振りぬく。
 ア・スモゥは弾き飛ばされて、壁に背中から激突した。
 この一瞬、形勢は逆転した。
 エスリはそれを理解していた。タタタンと素早く部屋を走り、父とレイシィに狙われながら、レーザーバレットをやり過ごす。これで、位置関係が逆転した。今、俺たちの方が出入口に近くなっている。尤も、それは相手も承知している。
「ア・スモゥ、起きなさい!」
 エスリの声で、大男が起き上がった。まるで効いていないとでも言うのか。
そう思うが、彼は頭から流血していた。血が滴り、床を汚す。それでも、その歩みは止まらなかった。傷つかないわけではない。だが、歩みを止めるには至っていない。
「……もう一度……」シャルが言った。
俺は彼女の肩を掴んだ。
「ダズン、邪魔しないで!」いつになく悲痛な声に聞こえた。
いや、と俺は逡巡していた。レーザーウェポンが効かない相手に対して、結局、戦力として期待できるのは彼女の超常の力だ。だが、彼女に「ア・スモゥをぶちのめしてくれ」と願うのが本当に正しいことなのだろうか。
「このデカブツめが!」
 父がレーザーウェポンを乱射した。
その言葉に反し、エスリの方に向かって、だ。それは有効な目論見だった。大男はエスリを守るために歩みを止めざるを得なかった。
「お二人とも、逃げて!」
 レイシィが叫んだ。彼女の妖艶なドレスは何かに引っ掛けてボロ布のようになっており、父もすっかり埃で汚れている。ソファは破れ、テーブルは盾の如く立てられたままだ。ひび割れた床のタイル。へこんだ壁。部屋は、何もかもが滅茶苦茶だった。
 それらは全て、連邦捜査官の来訪により引き起こされた。
「いや……」
 俺がシャルを保護しようと考えたことが、この状況を招いたのだ。
そうであるのだとしたら。ヒトならざる存在であるシャルの扱いに困り、この都市に連れて帰ったことが間違いだったのだろうか。
あるいは、棺の中で深く眠っていたシャル・ラストテイルを、そのまま殺していればよかったというのだろうか。
 俺はシャルの腕を取って、走り出していた。
 表は、さすがに見張られているだろう。裏口から出た。ワイズマンズ・シーサイドスクエアの暗い路地裏が、今は有難い。
「とはいえ、どうする」
「逃げましょう」シャルが言った。「宇宙に」
「……まあ、そうなるか」
 だが、ここから港までは遠い。
 シャルが不意に俺の手を振り払った。
「どうした」
「では、急ぎましょうか」
「あ、ああ? そうだな」
 何だ、このやり取りは、と首を傾げた瞬間、俺はシャルに足払いされていた。
 視界がほぼ半回転する。
「は?」
そして気付くと、俺は、横抱きに抱え上げられていた。シャルに。
力の尾を使っているのだろう。不思議と、落とされそうだという不安感は無い。
「舌を噛まないでくださいね」
「何をするつもりだ、お前は」
 少女の金の瞳���、俺を見下ろしていた。その後ろに、星海を背景に黒いビルが浮かび上がっている。その壁面からガシャンと音がして、何かが弾けた。
「……来たぞ、シャル!」
 その言葉で、すっと滑るように横に避ける。
 先ほどまで俺たちがいた場所に、黒い塊が落ちて来た。タイルが砕ける。
 ア・スモゥだ。そしてその肩には、エスリが座っていた。
 俺たちは、そのまま見合っていた。
「……滑稽ですね」ぼそりと、エスリは呟いた。明らかに俺を見ていた。
「何だと、お前」
「貴方も、我々と同じですよ」
 彼女の目には、犯罪者を捕まえよう、みたいな色は無かった。
 哀れだとか、そういう心情がありありと浮かんでいるようだった。
 その手にあるハンド・レーザーウェポンが、ゆっくりとこちらを向いた。
「跳びます!」
 シャルが叫んだ。その瞬間、俺は、俺たちはワイズマンズ・シーサイドスクエアの空に投げ出されていた。飛んでいると言ってもいい。いや、跳躍と言うべきか。
ともかく、大気がうるさいくらいに耳元で荒んでいた。
「……追っては、来ないみたいですね」
「真似できるものなのか」
俺たちは、ゴースト・タウンを俯瞰する身にあった。
これを生身の人間に?
「分からないですけど」と彼女が呟いた。「彼も、血統加速者かもしれません。彼の拳は明らかに重かったですし」
 確かに、そのような節はあった。謎の頑強さは、レーザーバレットを受け止めることから、裏月酒店の最上階からの着地まで、ハッキリと示されていた。それを血統加速者の何らかの特質によるものだと仮定した場合、俺たちを追って跳躍できる可能性は何パーセントあったのだろう。
「……」
「全く的外れなのかもしれませんけど」
��俺は流れていく景色を見ながら、そうなんだろう、と思った。彼女が思うなら。
 次に、そうだとして、と考えた。血統加速者の連邦捜査官がいる。
 それは、血統加速者の力を連邦が利用しているということだ。
 そんな話は聞いたことがない。
 脳裏の誰かが警告する。一介のセクストンに過ぎない俺が、連邦の何を知っているのだと。俺は描きかけた邪推を掻き消して、あとはされるがままになった。
 一度の跳躍で港までは辿り着けないので、俺たちはもう既に何度か弾んでいた。
 全く苦に感じないのは、シャルが慎重に力場を操っているからだろう。
 途端に手持ち無沙汰となり、その顔を眺めてみた。
 以前に聞いたことがあるが、力の尾という念動は、野放図的にパワーを引き出すことよりも、精密に制御する方が大変なのだと言っていた。星海の下の彼女の顔は、眉を顰めて凛々しく歪んでいる。
彼女はもう、棺で目覚めた頃のままではないのかもしれない。
「……あの、そう見られると、集中力が乱れます」
「すまん」
10.
都市の出入口たる宇宙港は、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの中で最も活発な施設だった。ゴースト・タウンじみた都市の様子とは裏腹に、多数の宇宙船が普段からそこを利用している形跡がある。それは、この天蓋型宇宙都市の維持資金を稼ぐための選択肢に出稼ぎというものがあるからだろう。あるいは、資材の搬入である。
 シャルを連れて、運送業者側の通用口から港に入る。シーラカンスは輸送船の一種と言えるので、正当な入り方と言えるだろう。まあ、俺が運ぶのは棺だが。
いずれにせよ宇宙港の宇宙港の構造と、俺たちの進路は単純だ。このままターミナルビルを抜けて発着場に進入し、そこにあるシーラカンスに乗り込む必要がある。
 だが、シーラカンスの前には、連邦捜査官たちが詰めていた。
 それはそうだ。
「……見張ってますね」
「そうだな」
「艦まで着いたとして……かもしれませんけど」
彼女がそう言った理由は、よく分かった。物陰に隠れながらでも、はっきりとその理由は見えた。連邦の艦が、その巨体で離着陸用ゲートをブロックしている。これでは、宙に逃げることはできないだろう。
 俺はハンド・レーザーウェポンを抜いて、残弾を見た。
「……それでも行きますか?」
「それでも、だ」
 連邦捜査官は三人いた。ア・スモゥのように無茶をしてくることはなさそうだ。油断ならない雰囲気もない。有り体に言えば弛緩しており、エスリ・シアンサスのような真剣さがなかった。少なくとも彼女の部下には見えない。一人を撃って無効化する。もう一人は、力の尾が吹き飛ばしていた。
 異変に気付いた三人目が武器を構える。ライフル型だ。
 銃口がこちらに向く。シャルの方じゃなくて幸いというべきか。
 力の尾でレーザーバレットが防げるかというと、そうもいかない。
 力の尾は力場であって、物質的な特性はない。実弾ならば防げるが、レーザーバレットは防げないのだ。できるとしたら、マイクロブラックホールレベルの力場を生成し、空間ごと光弾の軌道を歪曲する方法だけだ。
だが、血統加速者であっても、できる事とできないことがある。つまるところ、彼女の出力では、レーザーウェポンを防ぐことはできない。
 身を盾にする。不運にも、光弾は装甲の間を抜けて、左肘を僅かに焼く。
 だが、二発目は来なかった。
 シャルが打ち倒したからだ。
「大丈夫ですか?」
「…………俺のセリフだが」
「私は後ろにいただけですから」
「違う。力を使いすぎじゃないのかってことだ」
 彼女は言われてから、ニコリと笑んだ。
「それこそ大丈夫です。普段から余分に飲んでいますし」
「お前……、……まあいい」
 とりあえず、平気ならいい。だが、溜息はついた。
「とはいえ、さすがに宇宙船サイズのものは」
「だろうな」俺は頷いた。「コバンザメ���使おう」
今もシーラカンスの船底にくっついているソレに、シャルはなるほどと頷いた。
コバンザメの逆正三角錐の頭には、船底のポートに接続するためのジョイントと乗降用のハッチが備わっている。これにより、艦の外部に連結した状態で運搬・必要に応じて稼働できる仕組みだ。船内に格納スペースを設けなくても配備可能な汎用船外作業用重機だとして、小型輸送艦の類では定番なのである。
 コバンザメのサイズは全高五メートルほど。シーラカンス自体のサイズとは比べるべくもない。ブロックを抜けることができるだろう。
 シーラカンスに乗り込み、コバンザメの搭乗ポートに向かう。
 その途中で、防護外骨格を格納した。
「ヘルメット、どうします?」
「要らん」コバンザメの気密性は十分安全とは言えないが、二人で乗り込もうという時には、邪魔にしかならないだろうからだ。
「言っておくが、狭いからな」
「まあ……そう……ですよね」
 床のハッチを開く。
コバンザメは船底にくっつくようになっているので、梯子を降りる格好だ。
今はワイズマンズ・シーサイドスクエアの重力下だから関係はないが、艦の装甲内には、艦載重力機関による疑似重力域の境界がある。宇宙空間では、そこを行き来する際に重力を感じることができた。例えて言えば、プールで水面に出たり入ったりするような感覚だ。だから梯子を降りる……つまりコバンザメに乗る……のは楽だが、梯子を上がる……つまりコバンザメを降りる……のは、しんどくなる。
「……よし、いいぞ」
 まず俺が座り、そこへシャルが降りて来る。脚の間に座らせる形で考えていたが、すぐにその計画は修正することになった。膝の上に座ってもらうしかない。二人乗りが想定されていない、狭いコクピットの中だ。スペースはギリギリだった。
「どこかに掴まってくれ」
「どこかって、どこにですか?」
「とりあえず、変なところを押したり引いたりはしないでくれ」
「それは、難しい注文ですね」シャルはそう言いながら、狭い機内で器用に身体を反転させた。そうしてそのまま、ぎゅっと俺に抱きついてきた。柔らかい肢体が、先ほどまでよりも克明に感じられる。
「……、……何をしているんだ……お前は」
「論理的に考えて、これが一番安全ではないですか?」
 そう、かもしれない。
 コバンザメの内部には様々なコンソールが並んでいて、どこを触れても何かを操作してしまいそうだった。論理的に考えて、触れる場所の選択肢はそう多くない。
「……このまま出発するからな?」
 どうぞ、と彼女は言った。
「システム起動」
 コンソールを小突く。
機体コンディションチェック、エネルギー残量チェック、ハッチ閉鎖、気密確認、分離準備。一つ一つ確認していると、不思議と落ち着いてきた。
 いつもと何ら変わらない。
 腕の中のシャルも、口を挟まず、邪魔をすることもなかった。
狭いコクピットの前面は、メインモニタになっている。
船底は床面より下に位置するから、ここからは港の下部構造が見えた。
「メインモニタよし」
それから、両手をコントロール・スロットルに置いてみた。
操縦には問題なさそうだ。
問題は、三次元レーダーモニタが使えないことだ。さすがにシャルを抱える形になっている現状では、アームを動かして見える位置に固定しておくというのも難しい。目視で何とかするしかないだろう。
「分離するぞ」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。
 ガクンと、重力に引かれてコバンザメが落ち始めた。耳元で、シャルが息を吸う音が聞こえた。
 スラスタを噴かす。
 重力と推力が均衡する。
「さっさと出よう」
 目論見通り、コバンザメの小さい機体ならば、連邦艦の進路妨害は何の障害にもならなかった。だが、何かしようとしていることはバレたらしい。
 メインモニタの左隅で、同系の汎用船外作業用重機のシルエットが動き出した。
連邦捜査局のそれだから、対重機用戦闘機と言うべきかもしれない。その腕には大口径のレーザー・キャノンが装着されている。
もっと言えば、その腕の大口径のレーザー・カノンはこちらに向いており、その銃口は既に瞬いていた。
「う、おお!?」
 メインモニタが青く輝く。即座に輝度補正が掛かるが、何も見えない。それから、強烈な横Gが掛かっている。どうやら、左に大きく移動しているらしい。被弾したわけではない。その証拠に、俺はまだ生きているし、シャルの熱も感じている。
 一瞬して、揺さぶられるような衝撃が全身を貫いた。衝撃アラート。機体コンディションの左半分が赤い。何が起こった?
考える前に、脳裏に閃きが起こった。左舷スラスタだ。
どうも調子が悪いと思っていたところだった。このタイミングで、ダメになったらしい。それで、バランスが崩れて左に滑ったのだ。いや、ダメになったお陰で、銃撃には当たらなかったと捉えるべきかもしれない。悪運だ。
 だが、左舷スラスタが使えない状態で、キャノンを装備した戦闘機から逃げおおせることができるかと聞かれると、それは疑問だった。
「……大丈夫ですか?」
「どうも、駄目そうだ」
 メインモニタが復活した。目の前に、戦闘機が近づいていた。
「貴方には、私がいるではないですか」
 お前は、勝利の女神か何か��のか?
 俺が問うと、彼女は笑った。
「私は、シーラカンスのクルーです」
 力の尾が、取りつこうと近づいてきた戦闘機を薙ぎ払う。
 そいつは、反射的にスラスタの出力を上げるが、それはわずかな抵抗だった。
彼女の力場には、物理的な隔たりも意味をなさない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
 それが、シャル・ラストテイルの異能だった。大型の宇宙船をどうこうはできなくとも、コバンザメと同程度のサイズならば、排除できうる。
「クルーとして迎えて、良かったでしょう」
「そう……らしいな」
 俺は苦笑して、コントロール・スロットルを握り直した。
「このまま港を出よう。手伝ってくれるか」
「ええ、もちろん」
11.
港を脱出した勢いで、月面を行く当てもなく、進む。
だが、それに限界があることは明らかだった。汎用船外作業用重機であるコバンザメには、宇宙空間を長距離航行できる能力はない。空気も燃料も数日は持つが、それだけだ。
「これから……どうするかな」
「もし行けるなら、月の表に行ってみたいです」
 彼女は言った。
 幸い、追手はない。今の時点では、と悲観的な補足をしておくべきだろうか。
「分かった」
 左舷スラスタは沈黙したままだ。
だが、急がないなら、それを補って進むことはできる。
 シャルの尾を借りる必要もない。
「行くか」
「はい」
 逃亡の終わりは、すぐそこに迫っているはずだった。
 その終着が、地球を臨む丘なら、それもいいのかもしれない。
 月の裏で生まれた俺には、地球への帰属意識なんて無いし、シャルにだって、そんなものはないのだろうけど。それでも。
 やがて、白い大地と黒い星海だけの世界に、青い星が現れた。
「……」
 随分と久しぶりに、しっかりと地球を見た気がした。
「なんで、こちら側に都市を作らなかったんでしょう」
もし、そうしていたら、いつでもこの美しい星を眺めることができる都市になったのに、と彼女は言った。
 そうかもしれない。もし月の都が、地球側にあったら。
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアの空には、青い星が浮かんでいただろう。
「地球人の月への興味は、美的なものに留まっていたんだろう」
「美的、ですか」
「夜空に浮かぶ月が綺麗なままであることは、地球人にとって一番重要だったんだ」
「地球人っていうのは、ロマンチシストなんですか?」
「俺は、現実的だったんだろうと思っている。綺麗な景色に意味を見出すというのは、一見、ロマンに見えるかもしれない。だが、綺麗な海を守ろう、綺麗な川を守ろう、綺麗な町にしましょう……宇宙開拓前時代の地球では、そういったスローガンの下、環境問題に取り組んでいたという。これは、ロマンだと思うか?」
「……いえ」
「対象への美意識を意識させるというのは、最も基本的な環境保護施策だ」
だから、ワイズマンズ・シーサイドスクエアは月の裏にある。
月の表では大規模開発をしない。それが、宇宙開拓時代に入るに先立って連邦が決めたルールだった。地球の総意だったのだ。
実際には、月は巨大だ。仮にワイズマンズ・シーサイドスクエアが表にあったとしても、地球から見れば、ひとかけらの黒い点にも見えないことだろう。しかし、一を許せば、それはいずれ千になり、億にもなるかもしれない。地球人には、地球でそれを証明してきた歴史があった。空き缶一つで直ちには環境が破壊されないからこそ、そこを意識することには意味がある。
「……詳しいですね」
 シャルが俺を見ていた。その表情には見覚えがある。別に、地球生まれというわけでもないくせに、という顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「父の影響だ」
父のする、地球の話が好きだった。
もっと言えば、海の話だ。地球の生命は海から生まれ、やがて生命は陸上を支配し、宙を目指し、ついには月に根差した。そんな、壮大な生命と人類の物語を聞くのが好きだった。
「そういう、気の利いたお話しをするタイプの方だったんですね」とシャルは言った。
「はは」
 彼女にとって、父は気難しい人間に見えたかもしれない。そもそも父は、あまり彼女と顔を合わせないようにしていたみたいだった。
シャルを可愛がっていたのは、母の方だった。
まるで娘が出来たみたいだと喜んでいたのを覚えている。そうして短い期間で、人形のようだったシャルを随分と表情豊かなヒトにしてみせたのだから感心する。そして、そんな母の様子を見ながら、父は深すぎる情を案じていたのだろうか。
父が、彼女は危険な存在だと言い、縁を切れと言ったことを思い出した。そうしないのなら、俺との縁を切るとすら言ってみせた。
 それでも、仲が悪かったというわけではない。良かったはずだ。
「……ただ、意見が合わないだけだ」俺は言った。「昔からそうだ。俺がセクストンになる前、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの将来について二人で話していた時もそうだった。でも議論での対立は、決して仲の良し悪しとは関係ないだろう?」
「……それは、希望ですか?」
「そうかもしれない」
 だが的外れとも思わなかった。土壇場で銃を抜いたからだ。
 父は、俺を連邦に突き出すことも、静観することもしなかった。そうすることもできたはずだ。事実、そうすると思っていた。
でも、抵抗を選んだのだ。
議論の上では、俺たちは対立していた。父はシャル��ことを危険視していた。俺と同じように、違法な情報収集手段を活用したかもしれない。父からすれば、自分や母を守るのに支障がない限りで、俺を守り、俺を守るのに支障がない範疇ならば、他人に手を貸してもいいとするのは当然の順位付けだ。
意固地になっているのは俺の方なのだろうか、と、ふと思った。
 じゃあ、シャルを見捨てれば良かったのか?
それも甚だ馬鹿らしい話だ。
 最初から確固とした理由があって彼女を助けたわけではない。敢えて言うなら、放り出すことを選ぶのには不快感があったからだ。そこには意外と同情も憐憫もなく、俺の考えの芯には、いつも俺自身がどう思うかが根差している。
 それは、そんなにダメなことなのだろうか。大したワケもなく人助けしてはならないという理由で、見捨てることを選ぶべきだと言うのなら。
これからがあれば、の話だが……俺は、これからも偽善だと言われるような行為をするだろう。コバンザメの狭い筒状のコクピットの中で、そう思った。
「暑くないか?」俺は言った。
「そ……うですね。空調、強くできないんですか?」
「やろうと思えばできるが、それだけバッテリーを食う」
 端的に返すと、沈黙があってから、彼女は小さく言った。
「それは、よくないですね」
 シャルも、終わりを理解しているのだろう。それが近づいていることも、それを早めることをしても、しんどいだけだとも。
空気も燃料も有限だし、コバンザメは故障しており、ワイズマンズ・シーサイドスクエアに残していった父や母や、裏月酒店の皆だって連邦に拘束されただろうし、俺たちが月の表に来ていることも、もう明らかになっているだろう。
 だから、俺たちの時間は、あと僅かしかないだろうと思う。
「次は、どうする?」と俺は聞いていた。
「次……ですか?」
「やりたいことはないのか?」
 しばし、沈黙に包まれた。それから、遠慮がちに声がした。
「最後に……貴方の、ダズンの血が飲みたいです」
「そんなことか」
 思えば、彼女はここまで何度も力の尾を行使していた。
 スーツの首元を開けてやる。
 シャルも、いつも通り、するりとスーツを脱ぐ。狭い機内の中、メインモニタいっぱいに広がる青い星を背景にして、彼女は白い肌を晒していた。
 窮屈そうに腰の辺りまでスーツを下ろして、綺麗な裸体を晒す。
「ダズン」
 唇が近づいてくる。首元にしっとりとした感触が触れた。
そのまま抱き合うようにして、俺たちは密着していた。隔てるものはなく、肢体の柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
じくりとした痛みが首に広がった。牙が首元を小さく穿つ感触だ。
それから、こくんと、嚥下する音がコクピットに響いた気がした。
「いっそ、全部飲んだっていいんだ」
 彼女が弾かれたように顔を離した。
 唇の端からつうと血が垂れて、酷く苦しそうな顔で、俺を睨んでいた。
「そんなこと、私は望んでいません」
「……そうだな」
「本当に分かってますか?」彼女が詰め寄ってきた。「私が何を望んでいるか」
「多分、分かっていないんだろう」
 俺が白状すると、彼女はそれほど気を悪くした様子もなく、しかし、あっさりと頷いた。気を悪くした様子もないというのは、希望的観測かもしれないが。
「私が、なんで、こうして脱ぐのかも?」
「分かっていない」
 分かっていないのだ。
以前からずっと、俺はただシャルの裸身を眺めていたわけではない。
予想してきた。そして、自分で、その予想が嘘くさいとも気づいていた。
 普段から一緒にいたら半人半異星種であることを忘れられそうだから、肌を見せているのだなんて、酷い、こじつけだ。
 それと伝える為だけなら、もっと相応しい手段があり、脱ぐ必要はない。
そもそも俺は、常から彼女がそうだと感じているのだ。外見や、力の尾は、その認識に直接的に関係ない。そもそも食べるものが違う。それに付随する、生活様式が異なる。彼女の振る舞いは、やはり純粋な地球人とは異なる。
 然るに、その問題をクリアできずして、彼女は人の輪の中に混ざることができない。
 俺は常にそう思っていて──彼女も理解しているだろう。だから、わざわざ肌を見せる必要などなく、お互いが違うことは、お互いが一番分かっている。
「私は別に、ヒトの輪の中で隣人として生きたいなんて、思ってないんです」彼女は自分に言い聞かせるようだった。それから、俺に伝えるよう、声を大きくした。「ただ、貴方と一緒が良いんです」
彼女はそう言った。
言われながら、俺は今、彼女にとても人間を感じている。
そのことに気付いた。
「……そうか」と、動揺から声が揺れないように努める。
「俺のことが好きだって言いたいのか?」
「そう……なのかもしれませんね」
そのような煮えきらない返事にさえ、生々しさがあり、つまり、血統加速者だとか、半分は宇宙人なのだとか、問題はそういうことではないのだった。
そういう思想に傾倒して、彼女の感情から逃げていたのは俺自身だ。
目の前にいる女性が、ずっと俺の情欲を引き出そうとしていたのだと気付いた。
今になって。
「ダズンは、どう思ってますか? 私のこと」
 どうだろう。
俺は、ついに戸惑いを隠そうとも思えず、逡巡していた。
 口を半端に開いて言葉を見失った俺を、シャルは真っ直ぐに見つめてくる。彼女は意��にも微笑を浮かべており、その身は青い地球を背負っていた。
指先に、何かが触れる。彼女の手だ。指先が絡み合い、その美しすぎる貌は間近に迫って来た。
「……どう、なんですか?」
彼女の掠れるような声が脳に染み、痺れるような錯覚を覚えた。
そうだな。
結局のところ、俺は彼女に情を持っていると思う。だが、それが友情なのか、愛情なのか、あるいは色情なのかというところを断ずるには、至れなかった。
単純な話ではなく、それは、渦巻いている。
混ざり合った青なのだ。
だが、あえて遠くからそれを眺めるとするならば。
絡み合った指先に力を入れると、彼女はそっと瞼を閉じていた。
テラヒューマニティ・星海殉葬(了)
2024.1.16 - 3.31 first draft(35k) 2024.4.8 update
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lostsidech · 10 months ago
Text
×××
「ごめん、そこ譲って!」
 瑠真とアンドリューが角から転がり出てきた。それでそのとき、望夢とシオンの間にあった緊迫と予期された動きは破壊された。
 シオンが距離を取り、英語でなにかアンドリューとやり取りする。アンドリューも言葉少なに返す。にやりと笑ったシオンが再び地形の影へと消えていった。瑠真は体勢を立て直すと同時、激しくアンドリューを狙撃するが、アンドリューは手に持っていたものを裏返した。
 地形カードだ。突然周囲が飛び石の水辺になり、滑る。バタバタとパネルが音を立てた。
 パネルを見て、目を疑う。いつの間にそれだけの点差がついていたのだ 地形変更はおよそ四度目だったが、ゴースト撃破数の桁が文字通り変わっていた。
  Japan Player: 0 Ghost: 4
 America Player: 0 Ghost: 30
 
「望夢、あいつカード狙いで動いてタイミング見て切って、ずっとこっちの邪魔狙い」
 すれ違いざまに瑠真が囁いた。
「ムカつくから本人トバそうとしてるんだけど、その間に雑魚ばっかり撃って稼いでる」
「……バトンタッチ」
「うん」
 ペアと視線が交錯する。
「私じゃジリ貧になる。音楽の解除はもうできる」
「ああ」
 一度目で解析は済んだ。曲が変わっても上辺が影響されるだけだ。根本の解除方法は変わらない。最初の分担に戻ったほうがいい。瑠真がいくら相手の音楽戦法の乗りこなしを覚えてもそれは相手のフィールドで踊っているだけだ。
 フィールド││物理的なフィールドカードも同時に思い出す。キングという苗字が似合いだ。音楽と地形を支配する青年。
 瑠真の言葉を改めて思う。
 フィールドカードを使うのは、本当に「こっちの邪魔」││撹乱のためか 彼は周囲に音楽を聞かせたいのだとシオンは言っていた。音楽と重ねて、全く別個の攪乱を行う意味とは
 望夢は離れていく瑠真の背中に、インカムを構えて語り掛けた。
「瑠真、できるだけ長引かせて」
「了解」
 特にためらいのない返事。言葉を交わすのと同時、それぞれが、今来たのと反対側に飛び出した。瑠真はシオンへ、望夢はアンドリューへ。
 アンドリューが狙うゴーストを、彼の発砲と同時に撃った。アンドリューが振り向く。こちらに注目が向く。
 まずはアンドリューを継続的に狙った。青年は小刻みにこちらの照準を避けながら移動を始めるが、撃ち返してはこない。
 望夢は気合を入れ直した。戦術解析なら得意分野。レーザーガンもペタル式のため、望夢の干渉操作系能力の範囲内だ。
 会場全体のペタル銃へ、そして周りのすべての状況に感覚を巡らす。自分自身の動きも感知のコントロール下に置くことで、照準を繊細に調整していく。
「……ああ、やっぱり狙ってるな。こいつでどうだ」
 そして、少し遠くにいたゴーストを二体ほど、連続して撃ち抜いた。
  Japan Player: 0 Ghost: 5
  USA Player: 0 Ghost: 30
 協会側のスコアパネルがパタパタ言う。アンドリューがまとめて点数を入れるときよりは、よほど控えめな数だ。
 なのに、アンドリューは先ほどより露骨に嫌な顔をした。自分が狙われたときより反応が大きい。こちらが彼のゴースト狩りの邪魔をしていると気づいたのだろう。
「いい反応」
 にやりとして銃を構え直す。
「もうちょっと、その顔見せてくれ」
 仮説更新。奴はプレイヤーを狙わない代わりに、ゴースト狩りをできるだけ意味あるものにする方策を練っている。では、その方策とは ゴーストは地形に紐づいたものだ。望夢は今度は地形を形成するペタルを探る。
 正直集中対象が多すぎて、地形のような広い範囲を対象にすると何がなんだか判断できない。だが、だからこそ浮かび上がってきたものがあった。
 地形に影響されない地点が会場内にいくつかある。
 その正体はすぐにわかる。カードの配置だ。
 カード台の周りはペタル流が止まっているのだ。理由は単純。物理的な感触を『ペタルで形作っている』各地系とは異なって、カードとカード台は実際に物理だ。であれば、それが完全に見えなくなるような地形セットは発生しない。どんな地形の変動が起こっても、そこだけペタルの地形には覆われない形になる。
 アンドリューは音楽とゴースト、そしてカードを使って、何をしたいのだ
 彼が向かっている先を見極める。カード台はその先にあるか 向かうならこれだろうという方向の台には当たりがつくが、アンドリューは真っ直ぐそこに向かっているわけではない。周囲のゴーストを狩りながら、不規則に回り道している。
「……、」
 不規則だろうか。──実は法則性があるのではないか。
 移動しながら望夢は途中でアンドリューを追うのを辞め、横道に飛び込んだ。その先には別のカード台がある。それを取って切ろうとしたとき、「ヘイボーイ」シオンの声が響いた。
 思わず首をすくめた望夢の頭の傍を通って、レーザー光が岩の形をした壁に当たる。
「うわっ」
 思わず身を隠す。近くをシオンと瑠真がそれぞれ走り去っていった。巻き添えを食らうところだった。通りすがりに見つけてこちらの邪魔をしたのだろう。
 その間にアンドリューが別のカード台に辿り着いたらしい。バタバタバタと、また点数パネルが捲れた。今度は火山口のような、殺風景な凹凸地形が開けた。
 そろそろ気がついていた。
 ���ンドリューが地形を組み替えるごとに、動く点数が大きくなっていく。
  Japan Player: 0 Ghost: 5
  USA Player: 0 Ghost: 62
 地形自体には元々、フレーバー程度の要素しかないはずだ。なのにこれだけ点数が変わるのは明らかに設計ミスではないか。あくまで地形による凹凸で、無理な位置になるエネミーの発生キャンセル分だけのはずだ。
 エネミー発生キャンセル──望夢は横切っていくゴーストを睨みつけた。
「よう、お前、消えたら何秒後に再生するんだっけ」
 撃つ。
 しばらく何も起きなかった。
 また瑠真とシオンが横切るのを危惧する空白のあとに、ぼこり、と同じ位置に煙霧の発生。それが人の形になり、ゴーストになって歩き去っていった。
「四秒……ってとこかな」
 あるいは。アンドリューが鳴らす音楽で言うと、八拍程度。
 望夢はインカムをつけた。直接の会話の邪魔になるからと仕舞っていたが、これは一応味方との通信に使える。
「瑠真」
『だぁ今集中してるとこなのぉーっ、何』
「俺たちが控室で見るより前から、地形バリエーションって公開されてた」
『はぁ』
 瑠真が怪訝な声をあげた。
『当たり前でしょ。あの説明映像、選手には開会前からずっと渡されてるわよ。くじ引きでここになっただけなんだから、当たり前でしょ』
 ビンゴ。
 角から飛び出してきたアンドリューと目が合った。今はカードは持っていない。再びゴースト狩りのターンだろう。
 アンドリューがあえて、撃てるゴーストを見逃すことがあることに、望夢は気がついていた。だから嫌がらせが効くのだ。
「仕掛け合戦なら俺も得意だぜ、バン���マン」
 どうせ通じない日本語で煽る。
 あとは、正しく盤面を読むだけだ。
×××
 幼少期、自分のいた場所にこんな立派な音響設備はなかった。タイラー・ドレイクはしみじみと思う。
 タイラーは、一九四八年生まれのありふれた男だった。
 実家はスラム。ジョンは路地裏で物心ついた。家賃を払う金がなく、そこにたむろしているホームレスの一員だったのだ。
 あるとき暮らしていた街は政府の掃討に遭い、「きれいに」された。当時の福祉施策で金を受け取った。路地裏を追い出され、代わりに立った公営住宅に押し込められたところでタイラーにも家族にも、お仕着せの生活は似合わなかった。
 ただ、スラム時代の路上で聞いていた、カセットの音をよく思い出していた。
 ある戦争で異能の存在を知った。
 悪名高い戦争だった。母国は国際条約を破って侵略し、化学兵器を用い、そのうえで明確な勝利を収めず撤退したというもの。国内でも反対の声が噴出し、平和活動というものが目に見えて動き始めた。
 しかしその頃ずっと現地にいたタイラーにとって、それらは実感のない話だ。代わりに覚えているのは、むせかえるような雨の匂い、土の感触、怒号、血の味。
 ゲリラ戦が行われていた時期だったのだ。そして民間の力を投入していた当時の敵対国には、まだ存在が表に出ること自体貴重だった、自然開花異能者がいた。
 少女だった。
 ピンク色のスカーフを腕に巻いて、静かな瞳で彼女はアメリカ兵を殺した。
 念動力使いだった。宙に固定された仲間の腕や足がおもちゃのように折られるのを確かにタイラーは見た。彼女の存在は恐慌を生んだ。初期作戦にはいなかった戦力として彼女は投入され、その正体を理解できる者はあまりに少なかったのだ。
 ある日、彼女を集中的に排除する作戦行動が取られた。
 他のゲリラ兵に何人撃たれても彼女に到達するという目標の下、たくさんの仲間が犠牲になった。少女は三方向からの追撃を受け、ついに念動力での対応をし切れずに斃れた。
「たすけて」
 その時、彼女を撃てるのはタイラーと隣の同僚だけだった。
 タイラーは彼女を撃てなかった。
 代わりに同僚が彼女を撃って終わらせた。
✕✕✕
「ニューヨーク一帯の防音設備がある建物」では広すぎる。翔成は調べ始めてすぐに、考えるまでもなくそのことに思い至った。
『ホムラグループの足の数でもダメなのか』
「正直言いますね おれ、下っ端なのでホムラグループに情報共有したとこで、全体を動かす力はありません」
 宝木隼二の純粋な疑問に、翔成は電話越しに白状した。他人事の高校生はそれを聞いて少し笑った。
『でも君のお嬢様のことだろ 動かせる人がいるでしょ』
「いー……そう言われたら一人、おれが頼んだら繋いでくれそうな人が思いつく……」
 ホムラグループで莉梨のお目付け役をしている青年を思い浮かべ、翔成はこっそりと溜息をついた。個人的に苦手なのだ。
 と、ふいに翔成のSMSの通知が響いた。
「お」
『情報更新』
 電話の向こうの宝木の声が弾む。その通り。現場で聞き込みを行っている帆村式の妖術師たちから、思念調査情報が送られてきていたのだ。誘拐時間と場所がわかったらしい。
 脅迫状が来るまでの時間を鑑みて、ほぼ間違いなくNYから出てはいない、という推論が述べられていた。目撃情報からして、NY中心を北上していった可能性が高いということだ。
 宝木のために読み上げかけて、覚えのある文字列に目が止まる。
「誘拐場所は││あ」
『何だ』
「協会のホテルの、リネン室だ。宝木さん、泊まってますよね」
 宝木が通話の向こうで唖然とした。
『なんでホムラグループのお嬢様がうちのホテルで攫われてるんだ 現地に先に来てたって言わなかったっけ うち、何か巻き込まれてる』
「い、いやぁそれが事情が複雑でして」
 リネン室、である理由も翔成は薄々察していた。半ばお忍び、半ば以上お遊びでメイド服を来ていた帆村莉梨の姿が思い浮かぶ。何を思ってか今朝もまたメイド服で協会補欠メンバーと合流しようとし、そこで不意を打たれたというわけだ。
 ホムラグループの既定の滞在場所であれば彼女の護衛はごまんといたはずだ。知っていた自分もホムラグループ内で怒られるような気がしてきて翔成は天を仰いだ。
「て、力抜けてる場合じゃない」
 慌てて連絡を読み返す。莉梨はおそらく意識を奪われた状態で、車で三〇分ほどの距離を北上させられ、どこかに監禁されてから脅迫状に接触した可能性が高いとのことだ。その監禁場所が、先ほど宝木が予測した通りに防音設備のある施設であるなら、探索範囲はホテルから十数km圏内に絞れる。
『まだ足で探すには広いな』
「うん。でも、だいぶマシにはなる。話してみる」
 正直聞いてもらえる気はしないながら、翔成は一度、宝木に断って電話を切る。
 代わりに繋ぐ対象は、ホムラグループ社員にして妖術師・児子操也。莉梨のことであれば、翔成が個人的に連絡をつけられる範囲で最も力を持っている。
 彼もまた莉梨に続いてアメリカにいるはずで、発信番号は国内宛てになった。
『なんだい、小姓くん』
 二コールですぐに電話に出た青年の声は、さすがに荒んでいた。彼が傍目にも入れ込んでいるお嬢様に無法者の手出しを許してしまったのだ。仕方がない。
 翔成はお疲れ様です、と挨拶もそこそこに本題に入った。初対面の記憶が最悪だっただけに、との会話は最低限にしたい。
「ええと、これは大変類推に類推を重ねた、ワトソンの提言なんですが……」
『何がワトソンだって』
「言葉の綾です」
 すぐに説明に入る。莉梨を誘拐する可能性があるのが、旧秘匿派だけではないこと。やり口からしてヒイラギ会シンパの一般人ではないかと思うこと。一般人であれば、ある程度の防音機能を持った設備は必須であるということ。
『……ふむ。妥当な線……と言ってあげなくはないけど、秘匿派に先立って潰す意味はあんまりないんだよね』
 相手の反応は色よいとは言いがたかった。
『俺たちってほら、組織的に嫌いじゃん、他の秘匿派』
「ですよねー……」
 予想通りだ。莉梨の捜索先が即座にNY秘匿派アジトに決定したのは、おそらく組織的な事情もある。これを理由にホムラグループが海外の秘匿派事情に頭を突っ込む動機。いざとなれば、寵愛しているお嬢様も切り捨てて利用する組織であると、翔成自身もよく知っていた。
「おれができる範囲で総当たりするので……せめて児子さんの声が届く範囲だけでも、人動かしてもらえたら」
 それでも食い下がる。こと話が帆村莉梨の身の安全におよぶのだ。翔成が児子を苦手だからとか、組織の都合があるからと、引き下がってはいられないのだ。
『や、君が動く必要はないんじゃない 興味あればエリアに移動しとくくらいでいい��』
 と、児子が突然言った。
「え でも、さっき組織は動かせないって」
『俺たちの組織はね』
 児子操也が含み笑いした。翔成がその意味合いを受け取れずにいるうちに、説明が続く。
『高瀬式には、君の一件で横槍入れられた貸しがあってね。秘匿派狩りなら協力するって。NYに来てるらしい分隊から連絡があったとこだよ。
 それなら、秘匿派狩りより、君のヒントをまとめて渡して、莉梨の発散を感知して辿らせたほうが早くない あの猟犬たち、鼻の良さが強みでしょ』
×××
 試合は合計一〇分以上続いていた。
 動き続けた身体はアドレナリンが出ているとはいえ疲労を訴えている。アンドリューが攪乱のために流す音楽は、傾向が分かっているとはいえ曲が変わるたびに望夢には負荷を与える。最初に瑠真に教えられた曲から数えて三曲目に突入し、そのたびに遠くにいる観客たちが湧いていた。やはりファン向けのライブの役割もあるのだろう。
 今のところ瑠真も自分も落ちていない。それが救いだった。
 会場の地形は洞窟のような、入り組んだ迷路じみたものに戻っていた。望夢がそういうカードを切ったのだ。視界が封じられるということもある。有利な地形カードを見つけ、保持して、アンドリューやシオンに狙われたタイミングで使う。それで持久戦に食い下がっている。
 それでも日本とアメリカの点差はまだ圧倒的にアメリカ優位だった。もはや日本チームは、アメリカ側の二人を落とすしか勝ちの目がない。残りの地形カードをかき集めてギリギリ間に合うかどうかという点数差だ。
 
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 制限時間は一五分。終了が刻々と近づいてくる。
 望夢としてはできれば、それらすべてを理解したうえで、手あたり次第の地形カードを積極的に切りたくはなかった。
『望夢』
 インカム越しに瑠真が叫んだ。
『アンドリュー、そっち向かってる』
「……サンキュー」
 望夢やアンドリューにとっては、視界が封じられる地形だが、瑠真やシオンにとっては違う。
 壁と壁の間や高いその稜線を身軽に駆け回る彼女たち身体強化系術師は、それぞれのチームの目としても活躍している。昔の瑠真なら時間を稼げ、見張りをやれと言ったら嫌がっただろうが、今の彼女は能力に貪欲だ。インカム越しに二つ返事で分担を聞いてくれた。
 最初こそ目になってもらわなくても、望夢が自分でアンドリュー自身の発散を感知して戦っていたが、今は、集中すべき対象が変わっている。それどころではない。
 壁の一つに身を隠す。アンドリューが気づかず通り過ぎていく。その行き先を思い浮かべた。全身の感覚でペタルを辿る。
「……あの台か」
 制限時間も、未使用カードの残り枚数も少ない。そろそろ勝負どころだ。
 試合時間、残り四分ほど。アンドリューが流していた前の曲が終わり、また曲が変わった。今までの曲と音の感じは変わらないが、静かな曲調のギターイントロ。遅いテンポ。
『さっきのバンドのボーカルの、ラストソング』
 瑠真が早押しのようにインカムで叫んだ。
『時間的にも最後だと思う。狙って組んでるのね』
「ありがとう」
 残り時間ぴったりまで流す気だ。そのつもりでセットリストを用意しているのだろう。
 望夢は迷路を構成するペタルを辿りながら、アンドリューの元へと走った。いくつかの曲がり角の先で、アンドリューが振り向く。その手はすでにカード台のボタンを押している。
 彼はこのフィールドの王者だ。切るたびに増えるフィールド切り替え時の点数は、もはや日本チームにとってはオーバーキルだ。残り少ない時間で、日本に逆転の目はもはやない。観客はそう思っているだろう。
 それでも席を立たないのは、純粋にアンドリューが鳴らし、シオンが踊るこのステージを楽しみにしているのだ。
 俺たちは誰にも注目されていない。
 ──そういう状況が望夢は得意だ。
 アンドリューの頭の周りを撃つ。背後にいたゴーストが弾けて消えた。アンドリューはもはや反応しなかった。別に必要のない小さな的の一つや二つ、望夢に書き換えられても仕方がないと思っているのだろう。
 立ち位置は丁度、アンドリューが壁に据え付けられたカード台を背に、望夢を見据えている形になっていた。こちらにはアンドリューとシオンの両方を狙って落とす程度しか抵抗の方法はない。狙われるとわかっていても、自身も狙うために迷路から飛び出さざるを得ない。
 間に合わない。この距離で間に合うわけがない。アンドリューの手が、開いた強化ガラスの間に入り込み、カードを取る。最後の図柄──真っ平に続く床面に何種類かの縦方向の足場だけが用意された、シンプルで見通しのいい地形。
 望夢との相性は最悪だ。
 曲はまだ続いている。痛々しげな訴えに似たボーカルが叫ぶ。そしてアンドリューはまだカードを切らなかった。こちらに銃口を向ける。とっさに避けようとしたとき、インカムの瑠真が何か言った。
『危ない』
「わかって──」
『違う、こっち』
 望夢が飛び出したばかりの岩場の上から、軽やかに金色の影が舞い降りた。シオンだ。
「お──」
「キミ、何するか怖いから」
 すれ違いながら彼女はそう言った。
「最後まで邪魔させてね」
 言いながら、彼女がまばたきする。瞬間、視界が狂った。何らかの光術を使われたのだ。
 反射で解除したとき、向かいの壁から瑠真が飛び出して、シオンを牽制した。シオンは舌をぺろりと出して再び路地に消え、瑠真もそれを追う。
 そこで気が付いた。銃がない。
「え」
 足元に望夢の銃が転がっている。……自分で取り落としたのだろう位置。
 本当に取り落としたのだ。おそらくシオンはこちらの銃の位置を錯覚で狂わせていった。完全に奪えば試合の根本ルールに差しさわり、ルール違反だ。こちらが勝手に手を放すよう、あるいはそこまで行かなくても少なくともアンドリューやシオン自身に銃口を向けられないよう、望夢の視界が銃を認識する位置を軽く前後させて混乱させてきたのだ。
「うわ」
 それ以上考える前に危機感が頬を叩いた。とっさに自分の銃の上に転がるように倒れたとき、アンドリューの放ったレーザーが背後の壁を打ち抜いて行った。
「Don’t you give up, boy」
 青年が何か言った。煽られていることはわかる。ギブアップと聞こえた。諦めろ。
 完全に座り込み、相手を見上げるだけの姿勢になった望夢に、アンドリューが一歩ずつ近づいてくる。
「It’s singing ”You Know You’re right”」
 どうせ望夢は答えないのだ。彼は世界に向けて話している。
「You are right, ah I know everybody says so.  We don’t deny.  But cannot live together, just like lovers in lyrics, you know  We are not hysteric lovers, just compete in game instead of quarrels.  That’s the slogan of this tournament and also what “they” said」
 背後には彼の稼いだ圧倒的な点数差のボードが見えている。
 もはや何を言われようと勝ち目がないことを印象づけるだけだ。彼はわかってて話している。曲が終わりに向けて盛り上がる。これは、演出だ。彼らが美しい勝利を収めるための。
「History is written by the victors」
 目の前で足が止まる。
「And today you are the loser」
 こちらに銃口を向けたまま。
 アンドリューは、軽やかな動作でカードを裏返す。
 最後の地形が発動する。小細工をする望夢には相性最悪で、そして観客からは最も見通しやすく演出性が高い、まっさらな平地。
 それによりまたスコアパネルが回る音が響き、アンドリューは曲の終わりとともに、最後に望夢を撃ち抜く。
 ││そのはずだった。それをアンドリューは企図していただろう。
 アンドリューが戸惑った。
 地形が変わる。灰色の壁がなくなり、周りが明るくなった気がする。それでもパネルが回る音が響かない。
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 さらに言うなら。
 この地形変化で開けた視界に、大量のゴーストが佇んでいる。いくつも、尋常じゃない数。最初にこれだけ同時発生はしていなかっただろう密度で。
 沈黙の中に、曲が最後の一節を響かせる。
「Why──」
 望夢は笑って、手元にもう一つだけ残っていたカードを裏返した。
「っ」
 青年が怯えたように身を引いた。
 当然のことだ。その瞬間、再び景色が変わったからだ。最初の地形と同じもの。高い壁とステップを持つ見通しの悪いものだ。観客席もシオンや瑠真の姿も見えなくなる。
 バタバタバタと、見えない視界の向こうで、スコアパネルが回った。言うまでもない。音を立てたのは、協会のパネルだ。
「What……」
「陣地を変えれば、発生エネミーの位置と回数が変わる」
 望夢は言いながら立ち上がった。アンドリューはこちらを狙う気概も失せている。
 なぜなら、そこはもう彼が敷いた演出の中ではないからだ。
「発生時に誰かのカードで地形変化により発生をキャンセルされたエネミーは、カードを切ったプレイヤーの手柄になる」
 使用済みのカードを放り投げる。どうせもう試合は終わる。
「地形はあらかじめ公開されてる。ゴーストの初期位置はランダムとは言うが、自分のペタルから出てるんだ。俺みたいに多少感知系が使えれば読める。お前はどう把握してたんだろうな。これはただの推測だけど、音楽の一部として発生テンポを見てたんじゃないかと思う」
 エネミー消滅から再発生まで四秒。あるいは八拍。
 曲によっても違うが、あるいは音楽というのは経過時間の秒単位の管理にも使える。
 誰かに撃たれるたびに、そして地形変化のたびにゴーストは消え、そして四秒後に再生する。次に自分が使う地形がわかっていれば、その地形上でキャンセルされる位置にゴーストを誘い込み、それらが揃ったタイミングでカードを切ればいい。彼らの移動ルートは単調な直線だ。法則性を掴めば、各地形で何秒後にどこにいるかの計算は比較的容易だ。
 アンドリューは最初から、手に入れた瞬間にはカードを使わず、保持していた。
 こちらの攪乱のためかと思ったが、おそらくゴースト位置が揃うのを待っていたのだ。
 最大の演出、それは影の人型もすべて消し去り、広いフィールドの真ん中で敵を撃ち抜くこと。計画を崩されたアンドリューは、青い顔で口を動かす。どうやって、という顔に見えた。
「得意だからだ。悪いな、姑息で」
 望夢が方針を決めてからの試合の間中、走り回りながらやっていたこと。アンドリューが撃ったゴーストを四秒後の再発生で再度撃ち、全てのゴーストの位置を四秒ずつずらすこと。
 結果、アンドリューが『必要な位置に揃えた』と思い込んで切った地形カードは、全て空振った。
 四秒後、望夢が彼の揃えた条件を乗っ取った。いや、正確にはさすがに全てのゴーストの位置を踏まえて乗っ取ったわけではない。望夢自身も同じ方法で、自分が最初に見た地形にゴーストを揃え続けていたのだ。偶然そのカードが手に入って助かった。
「俺はヒイラギ会式になったつもりなんか一度もない。真正面から、あんたの策に乗っからせてもらっただけだ」
 アンドリューに聞こえないことは承知だ。彼に聞こえなくても変わらない。この試合は全世界放映だ。
 ヒイラギ会が「己の心に従う」という、ある意味での「自分自身らしさ」を追求するのなら、望夢たち高瀬式というのはほとんど最も遠い世界解釈だろう。高瀬式の役割の最も重要な部分は、自身の解釈ではなく他者の解釈への介入だ。それぞれの世界認識を他人の言葉でしか語ることがない。それを世界に伝えなくてはならない。
 アメリカチームはパフォーマーだ。「夢を叶える」に重きを置いている。
 それを反対側から揺さぶって「打ち消す」のが望夢の勝ち筋だ。
 簡単なことだ。
 彼らが作った舞台に乗った上で、その夢の主役を乗っ取ればいい。
 舞台の真ん中で、望夢は自分のレーザー銃を拾い上げ、相手の額に突き付ける。
「覚えとけ」
 浅い息を吐きながら望夢は汗を拭った。動いたことというよりも緊張が極致を超えたことにより出たものだった。
「他人の夢のダシにされるほど安くない」
 遊んでいる場合ではない。望夢にこれができても、ペアにできるとは到底思えない。
 その瞬間、正々堂々とアメリカチームのパネルが片方、戦闘不能で落ちた。
 
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×××
「あいつら、銃持ってる」
 翔成が電話越しに言うと、宝木は『さすがアメリカ』と言った。
『どういうレベル 拳銃』
「それが……かなりゴツい武装ですよ。何人もいる。軍っぽい」
『民間軍事会社』
「そういうのもあるのか……」
 翔成はホムラグループ社員から送られてきた画像を見る。高瀬式が突き止めた誘拐犯の潜伏地の画像だった。
 高瀬式は秘匿派の警察という性質上、民間人には手出しができない。帆村莉梨の発散の報告と同時に、「他には異能の気配がない」ということを伝えてきた。その時点で高瀬式の出番は終わりだった。あとは直接お嬢様を攫われているホムラグループの問題だ。
 翔成は先に行動を始めていたこともあり、かなり近くに来ている。このままであれば突入隊に混ざれる位置にいる。
『陽動撹乱、君がやってみる 洗脳の基本だよ』
 先ほど連絡してきたホムラグループの青年は言った。
『まあ、もちろん君以外に十分、カバーできる戦力がある状態で、だけど』
 教育くらいの軽い口調だった。ホムラグループのお嬢様に付き添ってきただけのことはある、荒事慣れした青年である。
 自分がやるかどうかは置いておいて、とにかく翔成も現地に向かっていた。まずは最速で到着した妖術師が報告を寄越してきている。それによると、待機している武器持ちの見張りたちに害意はない。銃を持ってはいるが、テロ目的などの攻撃的な意志はない。であれば翔成も交ざっていい、というのが児子の判断で、そのため画像等の共有も受けているのだった。
 とはいえ自分一人ではあまり落ち着いていられる自信がない。まだ電話は切れなかった。
「……ん」
 翔成は電話を片耳に、画像の一部に目を留めた。
「なんかみんな、カメラとかスマホ手に持ってる」
『パフォーマンス目的 誘拐の助けが来たら配信したいとか』
「趣味わる……」
 辟易したが、無くはない気がする。ヒイラギ会の支援者ならヒイラギ会本体と似たようなことをするかもしれない。不意に思い出す。莉梨の「騙されないで」。
 あれはこういった話なのではないだろうか。うかつに踏み込むと不祥事にされかねない。
「……おれ、行かないほうがいいかな」
『翔成くんの歳なら、そうかもな……。もし本当に撮られるとしたら、顔が映る。親御さんが心配する』
 脳裏をぐるぐると予感が渦巻き始めた。
「もしかして、あいつらの目的、わかったかも……」
『え』
「莉梨さんが攫われた理由。『おれたち』じゃないですか」
 翔成は電話に力を込めた。
「何故莉梨さんなのかって……ヒイラギ会の関係者だとしたら、『おれたち』がヒイラギ会と対立してるのも知ってておかしくない」
『おびき出されてる』
「はい。それに……丹治さんが試合に出られなくなった理由、偶然だって話したじゃないですか。本当なら、莉梨さんを助けに行く人の中には『瑠真さんや高瀬もいておかしくなかった』」
『……』
 考え込むように宝木は黙った。
「あいつらがパフォーマンス目的でカメラ持ってるとして、映ったら一番まずいのはあいつらですよね。宝木さんの言うとおり、あいつらっておれと同じでただの学生だから。今までの事件も流されちゃってるんだったら、合わせて何て言われるかわからない」
『……とりあえず、来てないから良かったじゃないか』
「まあね だけど、たとえばこの誘拐犯がアメリカチームと連携取ってるとしたら」
 宝木が息を止める気配があった。
『アメリカを勝たせるために、日本を邪魔してるって』
「ちょっと違う。あいつらが莉梨さんを助けに向かったらそれを暴いて、不祥事にする。万一向かわなかったら会場で、協会の不祥事取りざたして暴く。そういう二段構えだとしたら」
『……君は、アメリカ代表チームが誘拐犯とグルだとか、そういう話をしてる?』
 翔成は少し黙った。
「そこまでは保留です。でも、どっちに転んでも損な状況に変わりはない」
 電話機を持つ手に力を込める。
「ともかく、『あいつら』が狙われてる可能性は全然ある。そうしたら、今どっちかっていうと奴らの本命は試合会場にある! やっぱりこのまま試合を続けさせるのは良くない。試合中はおれじゃ通信を取れません……誰かそれを教えて。運営に今の異常さを伝えて止めさせて」 
『できるかはわからない。この分じゃ大会ごとアメリカのグルだ。だけどオレが戻る。どこに何を言えばいいかくらいはわかってる』
 頼りになる高校生は決然と言った。翔成はまだ胸のざわめきを消すことができない。
「それに。おれの役目が、みんなの見落としてることを拾い上げる役目だとしたら……。これで終わりだと思えないのが怖い。試合が続いてること自体怖いよ。暴くだけじゃなくて、その先の目的があったら? そこにヒイラギ会が噛んでたら尚更だ」
 宝木に断って電話を切り、翔成はすぐに電話を児子にかけなおした。連続使用で熱くなった筐体が悲鳴のようにコール音を鳴らす。
『翔成くん?』
 児子が出た気配がある。翔成は息を急ききる。
「会場、会場が不安なんです! 今ってホムラグループも高瀬式も、パークから離れてる状態になってますよね? 誰かが仕掛けるなら手薄すぎる!」
『待って、順番に話して』
 児子は決して翔成に対して友好的な青年ではないが、この時ばかりは親切だった。翔成が混乱しているのを見て取るや、冷静な聞き手になって翔成の懸念を解きほぐしにかかる。
 翔成がひとしきり、会場で戦う二人の先輩への心配を吐き出したとき、児子は肯定した。
『間違っちゃいないと思うよ。手薄なのは困る。こちらの規模ももう概ね分かったところだしね。高瀬式の犬たちとうちの役に立てない警備要員は戻させよう。君の懸念がアタリでもハズレでも、どいつにとっても都合のいい偏りができるのは困る』
 ありがとうございます、と翔成は乱れた呼吸で感謝する。電話越しに児子が指示を飛ばしている声が聞こえる。さすがは莉梨のお目付け役だけあって、こうしたときの指揮系統ではかなり上に来るらしい。
 ──その声が、面白そうに「ちなみに」と言った。
『今から莉梨の救出なんだ』
「え」
 翔成は一瞬、自分がどこにいるべきなのか逡巡する。ホムラグループ警備隊や高瀬式、それに宝木がパークに戻ったのであれば、非力な翔成がいる理由はないのだろうか。
 見ろと言われた理由が気になった。目下の主である莉梨のこと。
『偵察ウサギを行かせたんだ。交代で出入りしてる敵グループの一人が捨てたタバコを使って、「感染」、連中にウサギのぬいぐるみが味方だと誤認させた。手紙を持たせて、嘘の二枚目の脅迫状を用意して、彼女にまた生存確認を仕込ませようという架空の任務を持たせてね』
 児子はすらすらと自身の妖術のからくりを語る。彼の妖術にいい思い出を持たない翔成は少々背筋を震わせる。
『脅迫状カッコ嘘が帰ってきて、無事に莉梨とコミュニケートできたよ。今から彼女が脱出するから、銃持ちの連中の攪乱、手伝ってくれ』
「おれが……」
『今日は戦力足りたらそうするって言っただろ。これもレッスンだよ。──ああそうだ』
 青年は愉しげに言った。
『俺、君の心配、結構当たると思ってるんだけど。探偵としてはヘタクソだと思うんだよなあ。論理性ないもの。
 多分ね、俺たちのお嬢様なら全部わかってるから、まあ脱出させられたら訊いてみようよ』
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