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#冬のブリッジ
honnakagawa · 2 years
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12月22日(木)open 12-18 暖かな陽射しが店内に差しこんでいます。 お日さま本当にありがたい。 しかし週末は大寒波がやってくるそうですね。 各地の皆さま、どうぞご安全にお過ごしくださいませ。 冬のブリッジ。 2016年のこの時期にウレシカ(@uresica)さんの窓辺でこの作品をご覧になっている方も多いかもしれませんね。 中川では廊下の突き当たりのミニシアターの上で輝いてます。 冬の澄んだ空気と、きよこさんの版画の煌めきは相性がよいです。 是非会いにいらしてくださいませ。
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gon-iii · 10 months
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冬夜の十字架
2010年、けやき坂連絡ブリッジあたり。
イルミネーションと共に灯る十字架。
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m12gatsu · 11 months
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無題
過日、中途覚醒の季節。未明に目覚めてスマホで時刻見ると、なんか大体いつも3:34。サンザシ、と寝ぼけた頭でそれを読み上げる。サンザシが何なのかよく知らないけど、たぶん山の木の実で、1センチくらいの小さな赤い粒が秋から冬にかけて密集して成る。味は酸っぱいけど、砂糖で煮詰めてジャムにしたりする。知らないけど。
近所のスーパーでトマトが一顆¥298もした。同じ値段ならYEBISUビール買うわ。トマトと卵の炒めものが作りたかっただけ。資本主義経済はかくもグロテスク。冷凍食品売り場の前で幼い姉弟が揉めていた。ジグザグがいい! と叫ぶ弟。お姉ちゃんは皮付きのやつがいい様子。じゃんけんしよう、と宥める母親。冷凍なんだし、両方買えばいいのにね。資本主義経済はかくも不条理。夕焼け空が大炎上してた。夜空が黒いのは焦げているから。
眼鏡を新調した。円いチタンフレームの軽い、山型ブリッジが瀟洒でいかしている。本読みは丸眼鏡を掛けるものだと大江健三郎がいっていた。柳田國男も折口信夫もサルトルもジョイスも丸眼鏡だった。
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aoishikaku · 4 months
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北海道へ行った。道内にお住まいの方から笑われそうだが、5月というのに飛行機から空港のターミナルへ架けられたブリッジが既にもう肌寒い。歩きながら片腕にかけたパーカーを羽織った。
前に北海道に来たのは高校生の時だったから、15年くらいの月日が流れている。札幌へ向かう電車の中で、どこまでも続く牧草地帯を眺めながら、最後に来た時から変わってないんだろうなとぼんやり考えていた。
家の数がにわかに増え始め、それらがビルに変わってゆく。札幌は大都会だった。それでいて風が強い。真冬の寒さの中を、パーカーのファスナーを上げて俯きながらホテルに向かった。
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札幌駅の時計。とても可愛くて、いつでも見られる札幌の人が少しうらやましい。
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fcgrblog · 11 months
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FREEDOM UNIVERSE " 秋 "
10月も終わりですね~。
いよいよ秋本番!!ってな感じになりましたので【 Freedom Universe 】 第3弾のご紹介をさせていただきます。
今回の基本モデルは、Rhino-4st.。
気になるお題は「秋」、そして『 紅葉(こうよう) 』です。
F.U. Rhino-4st. FT / 紅葉
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(これまでのおさらい)
・第1弾…テーマは「春」 モデル:Hydra LS-22F インレイ:桜 カラー:夜桜 記事はコチラ 👈 クリック
・第2弾…テーマは「夏」 モデル:Dulake-5st. インレイ:海 カラー:浅瀬から深海グラーデーション 記事はコチラ 👈 クリック
今回の企画を考えていた時は、まさか今年の夏がこんなに長いなんて思っていませんでしたので、ご紹介するのをちょっと躊躇しちゃっていました!
なんて、本当は文章を書くのが遅くて気が付いたら涼しくなってきただけなんですけどね(笑)。
実は今回のRhino-4の基本アイディアはコロナ禍で残念ながら開催されなかった " 2020年楽器フェア " に出展予定だった物を復活させたのですぐに決まったのですが、そこはやはり 【 Freedom Universe 】なので、当時のスペックから相当ブラッシュアップしてあります!
《 ネック 》
● ネック:インディアン・ローズウッド
ネック材はヘッドから丸々と、音響特性にも定評があるローズウッドにしてみました。
もちろん指板も、同一材を貼り合わせてありますよ~。
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● 指板インレイについて
今回も指板のインレイは、インレイワーク専門工房 『 OGAWA INLAY CRAFT 』 さんに入れてもらいました!!
・OGAWA INLAY CRAFTさんのオフィシャルウェブサイト 👉 https://ogawainlay.com/
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過去2回の【 Freedom Universe 】で、『 OGAWA INLAY CRAFT 』 さんには何度もデザインをやり直してもらったり等、ご迷惑をおかけした反省も踏まえて、今回は先にラフスケッチをお送りしてからご依頼させていただきました。
その後「 2023ハンドクラフトギターフェス 」で直接打ち合わせも出来たので、過去2回よりはスムーズには進みましたが、しかし!色々とわがまま放題なお願いもしてしまいました・・・スミマセン!!
僕:今回のテーマが「秋」と『 紅葉(こうよう) 』なので、もみじだけではなく銀杏等も入れて、色味も赤だけじゃなく黄色や緑、さらにはグラーデーションもかかっている葉っぱをフレイム(虎杢)のスタビライズドウッドでお願いします!
と、言いたい放題、わがまま放題なお願いにも関わらず、様々なトライアウトを経て仕上げて頂きました。
そして、インレイが入って出来上がったネックを見た瞬間に思った事は、「まるで絵画の様な仕上がり!美し過ぎるでしょ!!」でした。
杢目と相まったグラデーション、染色の濃淡を活用した紅葉や銀杏は気品溢れるカラフルな風合いを醸し、まさに「秋」のイメージにぴったりの仕上がりになりました!
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《 ボディ 》
● ボディトップ材:キルテッドメイプル
ボディトップはキルテッドメイプルですが、全面にキルテッドが入っている物ではなく1/3位バール部分がある、非常にレアな物を使いました。
でもね、この手の材料ってなかなか使いづらいんです…
個人的にはキルテッドの杢も深くてギラギラしてIるし、バールもバランス良く共存している感じの大きさだから結構好きなんですけど、木取りに関してはどっちを上にするとカッコ良い?とか悩む、作りて泣かせの材なのですが今回は敢えて使ってみました!
だって【 Freedom Universe 】だから!
そんなこんな悩みつつも仕上がってみたら、びっくりです。
ボディ上部のキルテッドからバールに変わっていく流れや、丁度ブリッジ搭載部をよけてバールが出ている等々、まるでこのベースの為に生まれた材料みたいな感じで、奇跡的に狙い通りとなりました!
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● ボディバック材:ホンジュラスマホガニー 1P
ボディバックは1ピースのホンジュラスマホガニーを、贅沢に使っています!
最初は2ピースの予定だったんですが、丁度いい感じの2ピース材がなかったので、イイ感じの1ピース材��しちゃいました。
だって【 Freedom Universe 】だから!!
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● カラー:紅葉グラデーション
ボディカラーは「紅葉」をイメージしたグラデーションカラーで仕上げてもらいました。
ボディの上から下へ向かうにつれ、キルテッドからバールへと変化してゆく流れが、ハラハラと地に舞い降りた紅葉を想像させ、カラーと相まってより一層「秋」を感じさせるアクセントになっています。
指板インレイとのマッチングもドンピシャリ!で、狙い通りカッコよく仕上がっていますね~。
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● ピックガード:アクリルクリア 1P "カスミ柄"
「秋+紅葉」と言えば「=旅」でしょう!ということで、弊社営業担当の小野から飛び出たピックガードのイメージ…
「古い感じの旅館にある、模様入り硝子窓」
…そんなリクエストにお応えするため、今回はピックガードもちょっと変わった素材を使っています。
一見クリア(透明)のピックガードじゃん?って思うかもしれませんが、実は表面がデコボコしていて光の当たり方で見た目も変わるんです!
そして、ちょっとだけピックガードがある所と無い所の見た目が違うところなんて、「古い旅館の窓ガラスから見える紅葉」な風景が浮かんでくるじゃないですか。
同じアクリルクリア素材でも単なる艶消しやちょっと黄色がかった物も試してみたのですが、イメージ的にこれに決まりました。
だって【 Freedom Universe 】だし、前から使ってみたかったので!!
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【 Freedom Universe 】だから!っていい言葉ですね~。
木工職人的には絶対カッコいい杢目なんだけど、材の状態で説明しても完成イメージが伝わらないし、伝えづらいし…とか、個人的には好きだけどこれはちょっとハードルが高いな~…、ていうような材料を使ってギターやベース作ってもいいんですよ(笑)。
もちろんカッコ悪くなったりとかしたら大問題なのでプレッシャーは相当ありますが、今の所は大丈夫かな・・・
てな感じで、今回も音に関しては弊社営業担当でベーシストでもある民谷にお願いしました。
《 インプレ 》
ネックグリップや指板R、フレット形状、そしてピックアップやプリアンプ等に関しましては、Rhino-4st.のデフォルト仕様 (Standard Style)ですので、その辺に関しましては割愛させていただきます。
自分らで企画しておいてこんなこと言うのもなんですが、一瞬試奏するのを躊躇うほどでした。
それほど眩く綺麗な楽器に仕上がりっています。
ボディ材にメイプル・トップ、ホンジュラスマホガニー・バック仕様のRhinoは今までも製作したことはありますので、何となく音のイメージはついたのですが、やはり今回のポイントはローズウッド・ネックでしょう。
基本的には暖かみのある中低域寄りの音ではありますが、このモデルはトップにメイプルを貼ることで程良いアタックを含ませ、そこにローズウッド・ネックによる低域をタイトに締めた分離感のあるトーンが、スピーディで細かいパッセージのベースラインでも音像にメリハリを持たせ、一音一音が「見える」ベース・サウンドとなっております。
一言で表しますと「強い音」のひとつに属するかと思います。
これがまたパッシブでも " グリグリ " くる音なので、「プリアンプは無くても良かったのでは?」なんて一瞬頭を過ぎりましたが、この上質で「強い」パッシブ・サウンドを活かし過度な色付けをせずに、様々な使用状況での外部機器や音場に準じたアジャストをする為の補正ツールとして、弊社オリジナルプリアンプの効き目は秀逸だと思いましたので、結果オーライでしょう。
 【 Freedom Universe 】だからって言うのもなんですが、今回もやはり才色兼備の逸品には間違いないと思います。
以上、試奏現場から民谷でした。
今回ご紹介した F.U. Rhino-4st. FT / 紅葉 はShop & Show Room 『 Universal Space 』 で試奏&ご購入可能ですので、是非弾いてみてください(ご来店にはご予約が必要です)!
弊社25周年Annive.期間は後ちょっとですが、まだまだネタはありますので頑張ります!
そして先にお伝えしときます!
次の【 Freedom Universe 】のお題は、「冬」です。
それ以外は内緒ですので、乞うご期待ください(笑)。
木工長:郷右近
新Shop & Show Room
『 Universal Space 』がオープンしました!!
https://global.fcgrtokyo.com/ja/universal-space.html
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nemosynth · 5 years
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<祝 こんにち的シンセ生誕六十周年 : Make Noise 0-Coast review> ●早くも長い前置き:こんにち的シンセの開祖とアナログシンセの二大潮流
こんにち的なシンセの開祖として有名なのは、アメリカのロバート・モーグ(Robert Moog)と、ドン・ブックラ(Don Buchla)。しかし歴史上、いちばん最初に電圧制御方式シンセをつくったのは、モーグでもなければブックラでもない。
それはドイツ人のハラルト・ボーデ(Harald Bode)であり、1960 年のことであった。かねてからボーデは、米国のオルガン・メーカーであるエスティ・オルガン(Estey Organ)社のために渡米して電子オルガンを開発していたのだが、そこで彼自身それまでの真空管ではなく新しく勃興してきたトランジスターに関心を持ち、それを利用した新概念の電子楽器を構想しはじめた。彼が考えたのは放送局や映画、レコーディングスタジオなどで活躍できるような、自由に音がつくれるあたらしい楽器である。 1960 年にボーデが創った最初のシンセ「Audio System Synthesizer」はすでにモジュラー構成になっていたものの、当時の電子音楽として流行していたテープの切り貼りによる「ミュージック・コンクレート」の影響を受け、オシレーターが無い代わりになんとオープンリールのテープレコーダーが音源回路として組み込まれていた。そしてそのテープから出る音をローパス・ハイパスどちらもできるフィルターやリング変調機、リバーブなどのモジュールで加工するようになっていた。その点ではアナログ方式のフレーズサンプリング・モジュラーシンセとも言えるであろう。
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彼の論文には、当時すでに存在していたリング=ブリッジ・モジュレーター(Ring-bridge Modulator)を使って2つ音の和と差の周波数を出すというどっかで聞いたような話や、リバーブレーション・ジェネレーター(Reverbration Generator)つまり残響生成装置でもって音を響かせる話などが解説されており、それら既存技術をコンポーネント化して組み合わせることで新コンセプトの楽器をつくったのである。
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ちなみに彼は史上初の VCO も開発したが、不思議にもモジュラーシンセには組み込んでいなかったふしがある。
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ともかく彼は自作のモジュラーシンセを AES ショーに持ち込み、デモを実施。その聴衆のなかに、そう、誰あろう、まだ若き学生にすぎなかったボブ・モーグの姿があった。 トランジスターという最先端テクノロジーがもたらす可能性とコンパクト性にすっかり魅了されたモーグは、このあと小さくも未来的な電子楽器としてテルミンの自作と販売に打ち込むようになる。
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やがて '60 年代前半、ボーデなどによる先行モジュールをヒントにモーグもブックラも自分なりに電圧制御型のオシレーター・モジュールを開発し、さまざまな他のモジュールも開発するようになった。そして、’64 年にはモーグがモジュラーシンセのプロトタイプを販売することに成功し、以来モジュラーシンセの開発と販売にいそしむようになった。’66 年にはブックラが自身では初めての商業ベースでのモジュラーシンセ販売を始め、その機種名はブックラ 100 シリーズと銘打たれた。二人はボーデなど数多くの先駆者たちの偉業の上に先駆者たちの双肩の上にならび立って、史上初のこんにち的なアナログシンセをつくりあげたのである。
この二人に 「どちらが先に最初のシンセをつくったのですか?」 と聞こうものなら、お互い相手を指差して 「あんたが先」 「あんたが先」 と言い合うくらい、どっちが最初にシンセをつくったのかもはや当の本人たちでもわからない。だからふたりとも同じころにシンセを開発したというのが結論。そして電圧制御式という画期的な方法論を編み出したのは、あくまでボーデ。
ちなみに冨田勲は moog IIIp とともにモーグ社へライセンス提供されていたボーデのリング変調機とフリケンシーシフターとを入手しており、アルバム「月の光」などからずっと使用している。
ロバート・モーグと、ドナルド・ブックラ。 ボブとドン。 この二人の設計思想には明確な違いがあり、特にそれはコントローラーにて顕著にあらわれることになる。そのまま二人はアナログシンセにおける二大潮流になっていった。 当時の合衆国において ・モーグは、東海岸のニューヨーク州に拠点を置き ・ブックラは、西海岸のサンフランシスコにいた そのためアナログシンセ業界では、たとえて言うなら「東海岸モーグ流派」と「西海岸ブックラ流派」とも言うべき、ふたつの潮流が存在することとなる。
東海岸モーグ流派すなわち一般的に言われる「イーストコースト・シンセシス(East Coast Synthesis)」は、いわゆる減算方式でありオシレーター/フィルター/アンプという音声信号経路をたどり、それへの変調要素として EG や LFO などを配置。豊富な倍音をもつ音源波形から倍音を削って音創りするという減算方式は、論理的でありできる音色の予想もつきやすい利点があった。 なによりもモーグ・シンセはおもに普通の音楽用キーボードによって演奏でき、それはそのほうが分かりやすく音創りもしやすく、ついでに売りやすいだろうと考えてのこと。
つまりモーグは従来的な音楽演奏を念頭においてすべてを設計したのである。このためモーグ・シンセにはじまる減算方式は、デジタル化されソフトウェア化されたこんにちにいたるまで絶大な人気があり、音楽シーンを席巻することになる。 それは合衆国の中でも歴史が古い東海岸ならではの伝統的なビジネスセンスでもあった。
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いっぽうそんな伝統なんかどこ吹く風、ネクタイ締めたビジネスなんかくそくらえ、ヒッピーと反戦とドラッグとカウンターカルチャーとラヴアンドピースだいぇーいにあけくれていた西海岸から出てきた西海岸ブックラ流派、一般的に「ウェストコースト・シンセシス(West Coast Synthesis)」と呼ばれる音源方式は、フルアナログなのにフィルターを持たず、アナログによる FM 変調やウェーヴシェイピング、ウェーヴフォールディングなどにより倍音を増やす方向で音創りするように設計されていた。三角波のように倍音が少ない音源波形からさまざまな変調をへて倍音を増やすというこのシンセシスは、減算方式では不可能な音やより複雑な倍音構成の音をつくることができた。
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さらにブックラのシンセは '66 年に発売した初号機 100 シリーズからの伝統として、トラッドな白鍵・黒鍵からなるキーボードを持たずまったくなんのコントローラも持たないか、あっても金属タッチパネルによるフルフラットな鍵盤などしかなかった。金属タッチパネル鍵盤はマイクロチューニングすら可能であったという。しかしその一方で、金属タッチパネル鍵盤は演奏者が鍵盤に触れる指などの面積や「触れる指先の汗による湿度などによっても音色が変わる」という都市伝説を生むほどに非常に繊細な表現を可能としつつ、かえってなかなか弾きこなすにもむずかしいものであった。 というか、はなから「弾きこなす」ということを想定していない。弾くという行為すら考えていない。そんな従来の楽器に隷属した発想なんて自由な電子楽器の進化をさまたげるものであり、言うなれば先祖返りだ!とブックラは考えていたのである。
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なのでコントローラーも従来とは違うぶっとんだものになり、演奏するにしても音を出しっぱなしにしてドローン音をたれ流し操作子をひねりまくって音色変化させるという手法が、かなりひんぱんにとられた。
ブックラはアナログシーケンサーの発明者でもあるが、それは当時の電子音楽として流行していた「ミュージック・コンクレート」をより容易に実現するフレーズ生成マシンとして開発したものであったというのも興味深い。とにかく楽器然としていない、楽器という既存のしがらみからの自由解放ばかりを考えていたのである。
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むろんモーグにも長大なリボンコントローラーがあったり、モジュラー用キーボードコントローラーにピッチのスケールを変える機能が付いていたりもした。しかしそれらは、キース・エマーソンのようなショーアップしたパフォーマンス以外ではあまり使われることなく、さらには minimoog の登場によって皆の記憶から吹っ飛んでしまった。 その minimoog は、あえて仕様を限定することでコンパクト化を実現、その明快さから一躍ヒット商品となり、対抗馬として ARP Odyssey が出るに至った。以来シンセは従来型の楽器的なアイデンティティに目覚め、その帰結として徐々にモジュラーから遠ざかっていくことになる。
いっぽうブックラは、'60 年代の当初からタッチパネル鍵盤やリボンコントローラー的なぶっちぎったものにこだわっていた。
結果ブックラのシンセは先進的すぎ、とんがりすぎて、音響実験室か前衛的でアヴァンギャルドな音楽にしか使われないことが多かった。
ブックラは異端児であった。
彼は「シンセサイザー」という言葉すら好きではなかった。合成器というその意味からは、どこかしら「既存のなにかを模倣するもの」というニュアンスが感じられたからだ。だから彼は、彼のシンセをシンセとひとくくりにしては呼ばず、単におのおのの機種名でのみ呼んだ。 事実、'82 年の米国版キーマガにおけるインタビュー記事にて彼はそう明言している。そればかりか東海岸モーグ流派が君臨しているシンセ業界は従前の楽器に従属しすぎであると、静かにだがはっきりと苦言すら呈している。
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けっきょくモーグは豊かな音色を創ることを第一に置き、ブックラは既存のしがらみにとらわれない電子音楽ならではの演奏をすることを第一に置いていたがために、二つの流派が誕生することになったと言っても過言ではない。
ちなみにこの二人は仲が良かったそうである。個人的感情と彼らがつくりだすもの、さらには市場経済や会社経営とはまた別の話ということであろう。それこそインタヴューでお互い相手を指して「あんたが最初」って言い合うくらいなのだから、ともにシンセあけぼのの時代をつくった当事者��して、底抜けにリスペクトしあう間柄にちがいない。
そしてブックラは細々とではあるが、とんがった西海岸流派のシンセをつくり、デジタルハードシンセが流行するとこれまた前衛的かつ実験的な感圧パッド方式の MIDI コントローラをつくり、そしてゼロ年代になって eurorack ブームが起きるとそれを機にまた変態なシンセをつくったり、往年の変態シンセを復刻させたりしている。 そのすべてにおいては鍵盤は装備されておらず、たとえそう見えても実はあいかわらず電極式タッチパネルであった。
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↑ 1972 年発売、Buchla music easel ↓ 現代復刻版、Buchla music easel
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また、西海岸ブックラ流派のシンセメーカーは、ブックラの他にも古くから Serge(サージ)などあり、そろいもそろって特殊なシンセを開発し、その結果いずれも細々とではあるが求道者のように息の長いシンセづくりをつづけてきた。
なお、海外では「西海岸ブックラ流派のシンセは、加算合成方式のシンセシスを採用している」と言われる事が多い。しかし加算合成(additive synthesis)といってもフーリエ級数を使ったサイン波倍音加算合成などとは違い、あくまで「倍音が少ない音源波形に倍音を増やす」という意味に過ぎないことに注意。
ところで、先ほど西海岸ブックラ流派のシンセシスでは、アナログによる FM、ウェーヴシェイピング、ウェーヴフォールディングなどによって音創りすると述べた。 アナログによる FM 変調はヤマハ DX で大ブレイクしたデジタル FM ほどには音が澄んでいないものの、原理上エイリアスノイズが出ないという特徴がある。 いっぽう、ウェーヴシェイピングは単調な音源波形ほど音楽的な音色変化をもたらす1対1の数学的な変換である。のちのデジタルシンセ時代においてコルグが 01/W を出したときに採用されたものの、PCM のように複雑かつ不規則な音源波形にかけるとただの汚いノイズにしかならないことが多かった。そのため、むしろ幾何学的な音源波形しか出さない原始的なアナログシンセに有利な手法であった。 さらにウェーヴフォールディングとは、ディストーションシンセシスの一種であり、ある波高から上ないし下の部分を極性が逆の方向へ折り返すことによって波形をひずませるシンセシスである。とはいえ単純なディスト―ションのように鋸歯状波を台形波にするような、ある振幅以上の波をシンプルにぶったぎるようなことはせず、どう波形を折り返すかが各シンセメーカーの腕のみせどころであった。
これら西海岸流派のシンセシスをすべて包括して、非線形シンセシス、ノンリニアシンセシスとも呼び、それはサイン波のような単純な波形から複雑な波形を生み出すものであった。そしてそれはモーグシンセなどによる線形シンセシス、あるいはリニアシンセサイザーをうたったローランド D-50 などとはコンセプトが異なるものであった。
デジタルシンセ時代に入ったあとのノンリニアシンセシスは、ウェーヴシェイパーを搭載したコルグ 01/W をはじめ、時たまマーケティング・タームとして浮上することがある。非常におおきくマクロに俯瞰すれば、ヤマハ DX シリーズは西海岸シンセシスの鬼子と言えなくもない。言わばものすごくバカ売れした、西海岸流派のミュータント。 ただ DX は FM 音源に特化したシンセなので、一般的には FM 変調の文脈で語られるものであり、ヤマハのエンジニアがブックラを手本にしたとは到底思えない。
余談ながら、とかくぶっとんだ発想の機種が多いブックラだが、じつは '70 年前後から活躍していたスザンヌ・チアーニ(Suzanne Ciani)は、なんとブックラ・シンセに触れてシンセ音楽に目覚めブックラを多用し、じつにたおやかな作風の美しいシンセ音楽アルバムも残していたりする。
彼女は日本で最初に評価され、日本からデビューアルバムを出し、そこから世界に躍り出たアーティストであった。その後彼女のブックラ・モジュラーの大半を盗まれてしまい、傷心からしばらくの年月にわたり、アコピのみのリサイタルを繰返していたという。 しかしやはりブックラでないとという思いから、今ふたたびブックラのモジュラーを駆使し、さまざまにアンビエントな作品をつむぎだし続けている。
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↑ スザンヌ・チアーニとドン・���ックラ
またブックラは、実はオランダ系アメリカ人であり、その名前はほんとうは「ブークラ」と読むらしい。しかし日本では「ブックラ」で定着し、アメリカでは「ブクラ」とか「バクラ」とか言われたりする。 オランダ系アメリカ人でありなおかつ名前の読み方に諸説あるという点においても、奇しくも彼はモーグと同じである。
●メーカー名
Make Noise
創業者トニー・ロランドー(Tony Rolando)は、自分へのプレゼントとして簡単なリングモジュレーターをつくってみた。彼はモーグで働いていたのだが、基板設計が楽しすぎてスピンナウト。しかしスキルはあってもそれを実証するポートフォリオもなく、誰も「あんた経験ないし」というので自作のモジュールをつくりはじめた。この簡単なリングモジュレーター「D-Mod」もそのひとつ。簡単だがダイオード型で、当時はそんなに見かけない個性的な音がするタイプ。それを 20 個つくり、2個は自分用、残り 18  個はお小遣い用に Matrixsynth サイトで、単価 99 ドルで売り出したところ、秒殺で完売。その音がすばらしいというのでネットで噂になり、Analog Haven の Shawn Cleary が、いきなり 50 個つくってくれと依頼。うれしい悲鳴で一冬ほど忙殺されてしまう始末。ここから彼は、電子楽器のガレージメーカーである Make Noise 社を創業することとなった。
2008 年に創業した同社はユーロラックブームに乗り、今まであまり誰もが手をつけてこなかった西海岸ブックラ流派シンセシスに深く影響を受け、さまざまな個性派モジュールを開発・発売する大手シンセメーカーとなり、ついには Shared System という名の 60 万円以上する巨大でモジュラーなフラッグシップシンセまでつくりあげた。
また全世界で3万台以上も売れたとも言われる関数ジェネレーター・ユーロラックモジュール Maths など、とにかく異端児な機種を数多く生み出してきた。
今ではユーロラックのモジュラーシンセ・ユーザーの大半が、なんらかの形で同社のモジュールを組み込んでいるくらい、同社は大きなメーカーになった。
前述のフラッグシップ・モジュラーシンセの Shared System だが、これは皆で同じ機種を共有=シェアしそれでさまざまな作品をつくろうという意味があり、特に著名アーティストへ提供しては一発録りの作品をつくってもらい、7インチアナログ盤レコードにして販売する Make Noise Records というレコード・レーベルまで立ち上げているところが、同社の当世風でおもしろいところでもある。
今となってはすっかり西海岸ブックラ流派における大手となった同社だが、その本社は今でも創業者ロランドーがもともと勤務していたモーグと同じ町にある。すなわち東海岸モーグ流派の総本山たる新生モーグ社とおなじく、アメリカは東部のノースカロライナ州アッシュヴィルにある。
また創業者のラストネームはよく日本ではローランドと呼ばれているが、つづり「Rolando」からするとロランドーのほうが正しい。
ところで現代のモジュラーシンセメーカーにおいて、西海岸ブックラ流派のメーカーは Buchla、Serge、この Make Noise の他にフランスの Mutable Instruments などがある。Mutable Instruments にいたっては、デジタル音源によるユーロラック・モジュールを盛んに開発・販売しており、物理モデリング・オシレーターモジュールなどもあったりする。
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●機種名
0-Coast 2016年1月発表、同年6月海外発売、7月国内発売。 海外売価 US$499、国内売価6万円前後。
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それまでユーロラック・モジュラーシンセをたくさんつくってきた Make Noise 社が、初めて出したテーブルトップ型のセミモジュラー・モノシンセ音源モジュール。 同社のフラッグシップたる Shared System を、ぐっと小さく凝縮したような仕様の機種だが、新開発の機能もいろいろある。薄い軽量コンパクトな金属ボディも場所を取らず、かつ頑丈でうれしい。
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機種名の最初の文字は「ゼロ」である。 機種名の読み方には: ・ゼロコースト ・ノーコースト ・オーコースト とあり、どれもが正解とされているものの、創業者社長ロランドー氏が「ノーコースト」と呼んでいるらしく、それがいちばん製品コンセプトに近いとされる。
・東海岸モーグ流派が「イーストコースト・シンセシス」。 ・西海岸ブックラ流派が「ウェストコースト・シンセシス」。 ・で、この機種はそのどちらでもないというので「ノーコースト・シンセシス(No Coast Synthesis)」ということらし��。
すなわちモーグとブックラというアナログシンセ二大パラダイムの、あいの子、とでも言いたいらしい。
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●音源方式
ノーコースト・シンセシス。 それは東海岸モーグ流派と西海岸ブックラ流派との特徴が入り乱れた、独自の音源方式。 しかもフルアナログかつディスクリート設計の、セミモジュラーシンセ。
セミモジュラーなので、音声信号系は以下の順番で内部結線されている。
音声信号系: ・VCO1基 ・オーバートーン(Overtone)セクション ・マルチプライ(Multiply)セクション ・バランス(Balance)セクション ・ダイナミクス(Dynamics)セクション
これに加えて以下の変調系コンポーネントが存在。
変調系: ・クロック出力/ランダム出力 ・電圧演算(Voltage Math)セクション ・スロープ(Slope)セクション → オーバートーンとマルチプライへ内部結線 ・コントゥアー(Contour)セクション → ダイナミクスへ内部結線
さらには、随所にパッチングするためのミニジャック端子が開いている。 MIDI IN 端子もあり、これもミニジャックで、5ピン端子との変換ケーブルが付属する。 むろん CV / Gate 駆動もでき、MIDI to CV / Gate コンバーターにもなる。 なお6本のパッチケーブルが付属する。さらに私の個体は日本代理店のキャンペーン品だったので5本のパッチケーブルが追加されて付属してきたが、それらは短くて短距離パッチングにしか使えないというところが、ご愛嬌。
●同時発音数
モノフォニック。 だが外部機器と組み合わせつつパッチングすれば裏ワザで2音ポリに、やりようによってはそれ以上のポリ数にできる。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
皆無。
●内蔵波形、プリセットの傾向
装備されている VCO が1基のみであり、そこからの音源波形は三角波と矩形波のみ。だが、裏ワザでパッチングすると最大合計4基のオシレーターや1基のノイズジェネレーターなどが創りだせる。裏ワザによって作り出されたオシレーターから出力される波形は、倍音構成をさまざまに連続変化させられる鋸歯状波や三角波、パルス波、さらにはより複雑な幾何学波形など。同じく裏ワザによるノイズジェネレーターは、ホワイトノイズからレッドノイズまで各種のノイズを連続して可変出力できる。 ウェーヴフォールドの演算上、鋸歯状波とパルス波は加工できないという特性があり、そのためかデフォルトでの VCO には搭載されていはいない。
音色メモリーが無いのでプリセットも無い。
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●エディットの自由度と可能性
見慣れないシンセシスなので、まずは内部結線されている音声信号経路の順番に各セクションを紹介する。
おおざっぱに概要説明するなら:
・まず VCO1基で三角波と矩形波とを出力 ・次にオーバートーンとマルチプライとによる2つのセクションで倍音増大 ・バランスセクションで基音と倍音とのミックス比を決定 ・ダイナミクスセクションで、それまでに生成した倍音の量を調節して出力
.....となる。
この内部結線されている様子は、フロントパネルにおいて金色の矢印で表現されているので分かりやすい。ただ、おおむねフロントパネルの左から右へと信号が流れるようになっているものの、この矢印線をたどるとラセンを描いて進むため、最初はめんくらうがひとたび覚えて慣れてしまえばモーマンタイ。
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まず最初に VCO からは三角波と矩形波との二つが同時に発生し、おのおの個別に並列で出力される。つまり音源波形は選択式では無く、両方の波形が同時に個別に出る。音源波形は下流のセクションへ内部結線されているだけでなく、三角波のみを出力する端子と、矩形波のみを出力する端子と、二つのパッチポイント端子が並んで存在するので、二つ同時に出力できる。
この VCO はトライアングルベースの VCO であり、すなわちまず三角波を生成し、それをアナログ回路で変形して矩形波を創りだしている。アナログシンセにはよくある形式であり、三角波に波形が近いサイン波を生み出しやすいことから澄んだ音色などを得意とする。 これに対するものとしてはソーベース(Saw base)すなわち鋸歯状波ベースのオシレーターというものもあるが、本機種では使用されていない。 なお VCO にはリニア FM 変調のキャリアとしても動作できるよう、モジュレーターとなる信号を入力できるパッチポイント端子が装備されている。
VCO からの音源波形は、まずオーバートーンというセクションへ送られる。 オーバートーンとは「倍音」を意味する英単語であり、よく使われるハーモニクスは整数次倍音を意味することが多い。このセクションでは音源波形に高次倍音を付加するため、音源波形はブライトな音に生まれ変わる。しかもノブひとつまわすだけで、波形が形の崩れたサイン波っぽいものから三角波を経て、そこから三角波の頂点にスパイクが伸び、やがてスパイクのみがパルス波として残るという、不思議な聴いたことも無い変化をする。 Dave Smith Instumrnts OB-6 などにある、音源波形が連続可変する VCO のように使うといい。
次に音声信号はマルチプライというセクションへ送られ、倍音が乗算的に増大する。 ノブをひねったときの音色変化はハードシンクに似て非なるもので、今までに聴いたことが無い斬新なもの。波形を見るとどうやらここでウェーヴフォールドを行っているらしい。
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なお、このオーバートーンとマルチプライとの二つのセクションは、今までの Make Noise 社からは出てこなかった新開発の機能であり、単独のユーロラック・モジュールとしての発売が期待されている。
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そこから音声信号は、バランスと呼ばれるセクションへ。 これは VCO から分流した三角波、それもオーバートーンもマルチプライもバイパスしてきたピュアな三角波と、オーバートーンやマルチプライで増加された倍音群とのミックスバランスを単一のノブで可変できる。ノブをひねれば丸い音から倍音豊かな音色まで変化するさまは、あたかも東海岸モーグ流派シンセにてローパスフィルターのカットオフを操作しているようでもあり、原理はまるで違うながらこのような倍音変化を生み出すあたり、東西どちらのシンセシスでもないところがノーコーストたるゆえんのひとつでもある。 むろんミックス比を変えているだけなのでレゾナンスは無い。それでも、もともとかなり奇抜な倍音群を制御できるので表現力もかなり大きい。
さらに音声信号はダイナミクスと呼ばれる最終セクションへ送り込まれる。 これは広義のローパスゲート(Low Pass Gate)であり、東海岸モーグ流派でいう VCF と VCA とを兼ね備えた働きをする。具体的には、ノブをひねると音量が下がると同時に倍音も減る。オーバートーンとマルチプライによって生成された倍音群を、ここで調節するのである。やはりレゾナンスこそ無いがこれは西海岸ブックラ流派に独特のセクションであり、現にローパスゲートを初めて開発したのはブックラであった。
ここで「広義の」ローパスゲートと書いたのには、わけがある。 すなわち狭義のローパスゲートはバクトロール(vactrol)と呼ばれる光学式アイソレーターを用いているが、0-Coast ではそれが意図的に使われていないからである。 バクトロールとは、LED とアナログ式の光センサーとで構成されたもので、LED で電気信号をいったん光信号に変え、それを光センサーで再び電気信号に戻す仕組みのもの。その構造上、信号のレスポンスに遅れが生じ、結果とんがったピークを持つ波形でも反応速度の遅延によりアタックがなまり、角がとれて丸い波形となる。 この挙動が、いわば倍音を削り取るローパスフィルターに似るのである。
しかも減衰時に周波数特性が刻々と変化することから、それが西海岸ブックラ流派シンセでは独特の味のある音色変化をもたらすものとして重宝された。実際には、まず往年のブックラ 292 ローパスゲートモジュールに使われ、こんにちでもその復刻版や他の西海岸流派シンセに使われている。そしてそのレスポンスの遅れと周波数特性のせいで、マリンバのようなディケイ感とピッチ感あるパーカッション音色や、撥弦楽器の音色などをつくるのを得意とし、特にボンゴを真似た音色は「ブックラ・ボンゴ」などと呼ばれたりもする。 
バクトロールにはいろんな種類があり、おのおの持ち味がことなるので、それもまたメーカーの腕のみせどころとなっている。
なおバクトロールはフォトカプラーとも呼ばれ、MIDI 端子を絶縁するのに使われてもいる。多数の MIDI シンセを直列に MIDI 接続したときに、反応に遅れが生じるのはこのフォトカプラーのせいなのだが、これが無いと MIDI 接続時に複数のシンセにまたがって回路がつながってしまい、余分な電流が流れてシンセ内部の電子回路を破壊しかねない。よってこれを防ぐべくフォトカプラーを使うよう MIDI 規格にてさだめ、安全のため不可欠な設計としているのである。すなわち光学式アイソレーターとして MIDI 端子を電気的に絶縁すべく、フォトカプラーが使われているのである。
しかし 0-Coast ではローパスゲートにバクトロールを使わず、あえて東海岸モーグ流派シンセと同じようにトランジスターで構成し、そのためまさに VCF と VCA とを合体させたような回路設計となり、反応速度も速くおかげで今どきのクラブ音楽などで重宝される立ち上がりがするどく終わりもスパッと切れるように歯切れ良い音色が創れるようになった。 バクトロールを排したローパスゲートを組み込んだのは、その西海岸ブックラ流派の伝統を考えると英断とも言える。Make Noise 社のとらわれなさ、発想の柔軟さを物語るところでもある。そしてここに採用されたトランジスターベースのローパスゲートもまた東西流派の合作とも言え、ノーコーストたるところなのであろう。
このローパスゲートによるダイナミクス・セクションを経て、音声信号は外へ出る。 出力端子はライン出力とヘッドフォン出力との両方に対応したミニジャックであり、モノラルだがステレオ・プラグにも対応している。 これに加えてもうひとつラインミキサー用の高レベル出力端子もあり、これは 10V の出力を出すので、ここに間違えてスピーカーやヘッドフォンをつながないように!!
以上が、音声信号系の各セクション。
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いっぽう変調系セクションとしては、まず最初にクロック出力とランダム出力とがある。 クロック出力にはテンポ入力端子とタップテンポ機能があり、さまざまなクロックソースになる。裏モードで MIDI 同期するよう設定も可能。 裏ワザとして、テンポ入力端子に可聴域の周波数をもった信号をぶちこむことでクロック出力をデジタル・パルス波オシレーターとして発振させることができる。 ランダム出力は S / H 波を出力し、その速さはクロック出力に同じ。 これも裏ワザとして S / H 波をパッチングで可聴域でぶんまわすと、さまざまなスペクトルを連続可変できるノイズジェネレーターになる。
次に電圧演算セクションがあり、これは特殊な2チャンネルミキサー。 チャンネル1はなにもせず単純にミックスされるが、チャンネル2には信号を増幅するアッテネーターと、その極性を反転させるインバーターとが共存して存在し、和製英語でいうアッテインバーター、英語ではアッテヌバーター(Attenuverter)と呼ばれる機能を有している。なんの入力も無い場合は、この設定がそのまま電圧オフセットとして機能する。 この電圧演算セクションは2つの CV をさまざまなあんばいに加算したり、2チャンネルのオーディオミキサーとして使えたり、いろいろ使いみちがあるセクションである。オーディオをインバーターで逆相にするのも面白いかもしれない。
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そしてスロープという画期的なセクションへ。 スロープは簡易 EG にも LFO にも、さらにはパッチング次第で他の存在にもなりうる、自由な CV ソース。 ライズ(Rise)すなわち上昇とフォール(Fall)すなわち下降の二つのノブがあり、これでアタックとディケイのみの EG にしたり、サイクル機能を使ってリピートさせて LFO に、それも可聴域までぶん回せて、なおかつ上昇鋸歯状波から三角波から下降鋸歯状波まで連続可変できる LFO としても使える。さらには指数関数から対数関数カーヴまで連続可変できるノブまであり、上に凸から下に凸までの曲線や直線など、さまざまな CV カーヴを連続可変して出力する。 
実はこれ、アナログの関数ジェネレーターであり、さらに言うと測定器の業界で「ファンクション・ジェネレーター」として知られる装置に由来する。ファンクションジェネレーターとは、おもに低周波領域の交流電流信号を出力する測定器用テストオシレーターであり、正弦波、鋸歯状波、矩形波などを出力する電気計測器。それは関数発生器とか、函数発生器とも呼ばれ、その「ファンクション・ジェネレーター」という名のまま、ユーロラック・モジュラーの世界に持ち込まれ、モジュール化されて販売されている。 そして Make Noise 社の人気機種にも Maths というユーロラック版ファンクションジェネレーターモジュールがあり、それを簡略化したようにつくったのが 0-Coast の Slope セクション。0-Coast は、この廉価版シンセにして関数ジェネレーターを装備しているところがが画期的であり、しかもわかりやすくパラメーターが構成されている。
裏ワザとして、スロープを VCO からパッチングすることでモロに可聴域で駆動すると第2の VCO となり、三角波や鋸歯状波まで連続可変させながら、しかも同じ波形でもパラメーターを変えることで倍音構成を連続可変させながら出力できる。これを外部からの独立した CV で周期を制御すれば、擬似的に2音ポリシンセにもなる。 あるいはパッチングによりスロープをサブオシとして発振させ、それを VCO のリニア FM 入力へパッチングすれば、アナログ回路による2オペの FM 音源になる。
言うなれば「LFO の音を聴く」というぞくぞくする行為。なかなか使いみちがある。
なおスロープは、倍音を増大させるオーバートーンとマルチプライとに内部結線され、ウェーヴフォールディング的な音色変化を自動的にもたらす。
変調系の最後にあるのがコントゥアーと呼ばれる、いわゆる ADSR 型の EG。名前もミニモーグなどの EG っぽい。しかしパラメーター構成はやや変則で、 ・オンセット(Onset)がアタック・ノブ ・次にサステイン・ノブ ・そしてディケイとリリースとを兼ね備えたディケイ・ノブ ・最後にカーヴをリニアから指数関数カーヴまで連続可変できるノブ となっている。 
出力される CV は東海岸モーグ流派の ADSR 型でありながら、パラメーター構成がやや変則的なところが東西どちらでもないノーコーストたるゆえんのひとつ。 なおコントゥアーは、ローパスゲートたるダイナミクスに内部結線されている。
これもまた裏ワザとして、パッチングにより可聴域で周期的にトリガーさせることで、自在に波形が可変するオシレーターとして発振させられる。つまり EG を可聴域で周期的にトリガーさせることでオシレーターにするという、常識破りなことが可能。ただしそのためには全体へのゲート入力へ可聴域の信号を突っ込む必要があり、音の出方がかなりややこしいことになるので、変態なお遊び向けかもしれない。
とはいえこれも言わば「EG の音を聴く」という、なんだか禁断のようで、ぞくぞくするワザ 笑。
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ここまでが各ブロックの紹介だが、これに加えさまざまなパッチングが可能なパッチンポイント端子が多数装備されている。 パッチポイント端子のサイズはミニジャック。モジュレーションマトリクス風に言えば、13 ソース・14 デスティネーションだが、各パッチポイントが非常にツボを得たところに設けられており、廉価でありながら普通に考えられる限界を余裕で超える、それどころか東海岸モーグ流派シンセでは想像もつかない、とんでもない裏ワザの宝庫である。 市販されているスタッカブル・ケーブルを使えば、単一のソースから複数のデスティネーションへパラったり、複数うソースから単一デスティネーションへ集約したりも可能。ただスタッカブルものはスタイリッシュだがちょっと高価なので、ミニジャックを分岐させるマルチプライヤーを使えば安価に済ませられる。
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パッチポイントには見慣れないものもあり、たとえば EOC(End of Cycle)というパッチポイントはスロープが1サイクル終わるごとに信号を発する。スロープをサイクルモードにすれば、第2のクロックソースとして使える。内蔵クロックが2つもあるシンセなんて、そうそうない。パッチングすればコントゥアーによるエンベロープカーヴでもって、クロック周期を時々刻々と変えることすらできる。だんだんスローダウンする逆ゴム球スーパーボール効果とかも可能。
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こういう見慣れない機能や見慣れないパッチポイントが多いこともあって、パッチングを含む音創りは試行錯誤の連続となり、取扱説明書だけでは分からないことも多く、手探りで音をつくりあげていく、まさにモーグモジュラーを手にしたばかりのころの冨田勲さんの苦労をしのび追体験することになるのが、またチャレンジングでいい。歴史は繰り返す。 特に私の個体は初期ロットのせいなのか、はたまたいい加減なアナログ回路のせいなのかわからないが、電圧演算セクションをはじめあちこちにて理解不能な挙動を示すことがたびたびあり、それらをまた理解したり経験則で把握したりしていくのも謎解きで楽しい。
前述の裏ワザシリーズをまとめれば、VCO 以外にもクロック出力、スロープ、コントゥア―、そしてランダム出力とで、合計4基のオシレーターと1基のノイズジェネレーターを創りだすことができるなど、すべてが電圧で制御されているだけに、柔軟なパッチシステムのおかげでシンセの固定観念をぶち破ってくれておもしろいことこの上ない。 そしてこれら4オシレーターをモノフォニックで駆動するも良し、外部 CV / Gate から個別駆動してポリフォニックだかパラフォニックだかにするのもいいだろう。工夫すればパッチング次第で FM のみならず、実はハードシンクもできるから、スペック上は1VCOシンセなのにとてもそうとは思えない幅広い音創りができる。
加えて隠しモードでアルペジエイターや2チャンネル同時受信もできてバイティンブラルになるのかという MIDI 設定、じつは隠れて存在する三角波 LFO と矩形波 LFO の設定などができるのだが、なんせ LCD や有機 EL のような文字表示板を持たないので、取扱説明書をじっくり読まないとまるでアクセスできないにひとしい。こればかりは非常に落差を感じる部分。さすがにメーカーも使いにくいと思ったか、本体の裏側にそのショートカットがびっしり印刷されている。
とはいえ、MIDI からベロシティ情報など特定のメッセージのみを取り出し CV 化できたりするので、抽出や反映の仕方によっては MIDI ネットワークの中で独自解釈とふるまいで音を出す、自由な存在にもなれる。
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随所に LED を使用したインジケーターが配置されており、どこがトリガーされているのかなど現状が一目で把握できる工夫がされているのは、たいへん分かりやすい。 しかも電圧の高さなどを LED の輝度で表現してくれるのが、また分かりやすい。スロープ・カーヴなどを LED の明るさによるフェードイン / フェードアウトなどで表してくれるため、視覚情報が多くて助かる。これは明らかにブックラ・シンセにあるのと同じ特徴。まるでシンセが生き物のように、それこそ呼吸したりしているように明滅するさまは見ていて飽きない。なかなか東海岸シンセでは,お目にかかれないアメニティ。
音創りしてみると、まじめな音色も出るが圧倒的にふまじめな音色が出ることが多く、Make Noise という社名にふさわしいだけでなく、なぜ西海岸ブックラ流派がメジャーになれなかったのかが分かる気がして笑える。レゾナンスが無いから王道のシンベやブラスなどは期待しないでね。 だが、じっくり取り組んでみれば、西海岸ブックラ流派ならではの変態音色のみならず音楽的な美しい音色も得られる。特にパーカッションや撥弦楽器のエミュレーションは、アナログシンセとは思えない自然なサウンドがすることがある。 おおざっぱに言えば、レゾナント・フィルターを持たず基本的には変調系で音創りするせいか、乾いた音がすることが多い。 王道のレゾナンススウィープができない代わりに、逆にすんげーぶっとい音による不思議なシンセベースもできる。トランアングルベースのシンセなだけあって、ややもすると基音が強調され音が非常に太くなる傾向にあるのである。
MIDI 駆動もできるが、CV / Gate 駆動するかあるいは音を出しっぱなしにしてドローン音を出し、それを操作子やパッチングでリアルタイムにどんどん音色変化させるのが、よくある使い方。クロック出力などをうまく使えば、外部コントローラ無しでシーケンスフレーズみたいなものも単独で自己完結してつくれる。まるで、ちょっとおだてればシンセが勝手に作曲して自由気ままに歌っているかのようだ。
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ネット上にて、タブラの音色と奏法とを設定とパッチングとだけでシミュレーションしている人がいた。フルアナログとは思えない非常にリアルな作品であった。 
またスーパーボールが跳ね飛ぶように、だんだん周期が短くなる連打音をつくる設定とパッチングとが紹介されており、これが普通のシンセにおいてモジュレーションマトリクスを使うと不自然な結果になったりするのだが、0-Coast では非常に自然なリアルな音がつくれるのもおもしろい。これは基本的には、クロック出力のテンポを、コントゥアーによって減衰カーヴにするようパッチングし、それに肉付けして音創りする。クロックテンポそのものを変調できるところが、さすがモジュラー。
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●拡張性
MIDI IN 端子装備。隠しモードで MIDI 同期するよう設定も可能。
CV / Gate 駆動可能。
MIDI to CV / Gate コンバーターにもなる。
知人に教えてもらったが、コルグのアナログシーケンサー SQ-1 を介すればステレオミニジャック・シールド1本で MIDI 接続できる。これを応用すると DAW からの同期信号を USB で SQ-1 へ送り、そこからステレオミニジャック・シールドによる MIDI で 0-Coast へ送れる。むろん SQ-1 で CV / Gate 変換して 0-Coast へ送ってもいい。
外部音声入力端子装備、ただし外部音声が通るのはバランスとダイナミクスの2ブロックのみ。パッチングで増やしたオシレーターをここにぶっこめば、単体でマルチオシレーターシンセになる。
なによりも各種パッチポイントで拡張性はほぼ無限にあると言って良い。
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●あなたにとっての長所
あまりにも世間に普及しすぎた東海岸モーグ流派のシンセでは想像もつかない独自の音色変化の世界。
薄型軽量コンパクトだが、ずっしりとした堅牢なメタルボディなのも良い。
パッチングで縦横無尽に音が創れる。さらに Dave Smith Instruments の PRO2と組合せれば、PRO2には CV / Gate 入出力が4系統もあるから相性抜群。
比較的に安価で入手しやすい。
AC アダプターが全世界電圧対応なだけでも驚きなのに、またプラグ形状が全世界対応できるようにプラグ変換アダプターがそろっているのも驚き。日本、米国、豪州、欧州大陸、英国とそろっている。
まるで映画「フィフス・エレメント」なんかに出てきそうなルックス、それも古代文字が書いてある石板みたいな感じでいい���
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●あなたにとっての短所
フォントが未来的というか古代文字みたいというか、はたまたエスノ文字みたいというか、とにかくパンキッシュなまでに変なフォントすぎて読みづらい、慣れが必要。これは Make Noise 社の全機種に言えることである。
AC アダプター駆動なのがめんどくさい上に断線がこわい。まぁここまで小型化、薄型化するためには、電源トランスを内蔵するわけにはいかなかったのだろうけれども。 
隠しモードのアルペジエイターや MIDI 設定は、取扱説明書が無いとほぼアクセスできず、インジケーターも限られているためなかなか使いにくい。
やっぱオーバートーンとマルチプライで外部音声を加工してみたかったなぁ、たぶんただの汚いノイズになるだけなんだろうけど。でも外部音声がバランスとダイナミクスでしか加工できないというのは、とんがった 0-Coast の中にあって、ここだけはちょっと珍しくトラッドな東海岸流ではないかと。 ただし転んでもただでは起きないのが 0-Coast のすげーところで、スロープやランダム出力などでバランスやダイナミクスへ変調するよう変態なパッチングすると、けっこう外部音声も楽しく加工できる。やはりアタマの柔軟性が問われるのが、この機種、まさに冨田勲御大状態。
まるでテロリストの爆弾みたいなルックス、これでは絶対に飛行機の中へ手荷物として入れられない、スーツケースに詰めて預けるしかない。そしてスーツケースごとどっかの空港でロストしてしまい、赤道直下サバンナのまぶしい太陽のもと着替えすらできないままぼーぜんとすることになるのである 笑
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●その他特記事項
アナログシンセにおける:
・東海岸モーグ流派こと、イーストコースト・シンセシス ・西海岸ブックラ流派こと、ウェストコースト・シンセシス
それらが誕生して以来、半世紀以上がたった。
ユーロラック規格を生み出したのはドイプファー社。Doepfer というつづりからすると「oe」はウムラウト記号の英語表記のはずなので、ほんとうはデュルプファーというか「Drpfer」みたいな発音のはず。 その Doepfer がユーロラック・モジュラーシンセ A-100 シリーズを作り始めたのが、'95年。YAMAHA DX7が、デジタルであることがクールという主張ですべてをなぎ倒してから、じつに干支が一周してからのこと。でも世間はワークステーションシンセ百花繚乱で、KORG TRINITY、Roland XP-50 などが次々とデビュー。なので「今どきモジュラーかよ」という酔狂なものあつかい。 そんな化石のようなモジュラーシンセにおいて、ゼロ年代あたりから急速に各社参入、おおきなブームとなって欧米で広がった。'10 年代には日本にもその波が押し寄せ、'15 年以降は大きなうねりとなって盛り上がっている。よもや私が生きているうちに再度モジュラーシンセが流行するとは。
日本では YMO やモーグの呪縛が強すぎるあまり、当初モジュラーシンセに走るのはおっさんが多かったのだが、ヨーロッパではアンダーグラウンドながらにアナログシンセ文化が根付いており、早くから若者が個性を出そうとしてモジュラーシンセに走ることが多かったらしい。 それにこたえるように、メーカー側もアナログばかりでなくサンプラーやモデリングといったデジタルモジュールなども出すようになってきた。
そして Doepfer が 2010 年ごろに出した Dark Energy 以来、モジュラーシンセメーカーが入門機として、あるいはプロのサブマシンとして、小型の一体型セミモジュラーシンセを出すようになってきた。特に 2015 年に発表されたモーグの mother-32 は、ユーロラック・フォーマットでありながら卓上型にも使える点もあり、なによりもあこがれのモーグのタンスをミニサイズで誰でも自分の机の上に再現できるかわいらしさもあって、そこいらじゅうのシンセヲタの自宅で見かけるようになった。 アプローチは違うが、フルアナログのコルグ MS-20 復刻シリーズやフルデジタルのローランド System-1m 音源モジュールのように、一体型のシンセをつくってきたメーカーが、より大きな拡張性をもとめて現代にセミモジュラーシンセを出してきた例もある。
こうして、コンパクトなセミモジュラーシンセは今やあたらしい種族として着々と増えつつある。 しかも MIDI 対応なだけでなく、ベロシティやホイールといった特定の MIDI メッセージのみをフィルタリングしてから CV ソースへと変換することで、既存のモジュールと違い、CV / Gate のパッチケーブルに埋没するだけでなく、MIDI ネットワークの中を器用に泳いで回る、指示待ちの音源モジュールでもない、MIDI マスターコントローラーでもない、第3のあたらしい自由な存在へと進化してきた。
自己完結した音のパフォーマンスが可能な音源モジュールという、あたらしいフォーマット。ユーロラックなどのモジュラーが近親でありながら、独自の唯我独尊な道を歩む単体シンセ。そして自分で勝手に歌も歌いだすばかりか、MIDI や CV / Gate ネットワークの中で勝手気ままにメッセージを解釈して泳ぎ回る、あたらしいタイプのシンセ。
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自由なモジュールという不思議なポジションをしめる、新生セミモジュラー。
これら現代のセミモジュラーハードシンセの中にあって、0-Coast は、あらたな境地を拓いた機種。すなわち非常に独特のシンセシスを搭載することで、個性派な変わり種となって他とは差別化してきた機種。
0-Coast はノーコースト・シンセシスを名乗ってはいるが、その実態はウェストコースト・シンセシスの色彩が濃い。たしかに東西両方のおいしいとこどりした感はあるが、もしほんとうにそうするなら、東海岸シンセシス最大の発明である VCF は必須。それまでの皆がオシレーターやアンプは設計できたのに、フィルターだけはボブ・モーグが着想し発明するまで誰も思いつかなかったからである。
モーグ最大の発明はフィルターにあると言って良い。だからこそモーグはラダーフィルターのみパテントをとった。のちにローランドが SH-3 で真似しようとして怒られて SH-3A に差し替えたという都市伝説が残る、あれである。実際、後発メーカーは VCF の回路を見破るのに苦労したという。
そんな伝家の宝刀たる VCF をあえて排除したところに、Make Noise 社が 0-Coast にどんな想いを込めたかが、透けて見える。 VCF というお約束事を採用していたのでは、凡百のシンセに埋没する。 いや、さらに彼らは西海岸シンセシスの復権を、もっと言うなら既存の楽器というしがらみからの解放を、しかも「シンセ=本来は自由な新概念の楽器」だったはずが、すっかり長年の歴史の重みと固定観念と様式美と水戸黄門ばりのお約束事にまみれて最後に印籠が出てこないと納得しない心理に埋没してしまっためんどくさい今のシンセを、今一度、自由な観点で、ゼロベースで再構築し設計しなおしたかったのだろう。
長きにわたる歴史の闇に沈んでいたウェストコースト・シンセシスに、スポットライトをあててきた Make Noise 社。その視線がフォーカスを結んだ焦点であるかのような寵児 0-Coast。
これは今までモーグを始祖とするイーストコースト・シンセシスにほぼ世界征服され、ひたすら日影の存在だったウェストコースト・シンセシスの逆襲であり、そしてまるでシーラカンスのよう人知れず細々と生きのびてきたその世界への、あたらしい入口である。すでにユーロラック世界では Make Noise の DPO と呼ばれるウェーヴフォールディングを使用した斬新なツイン・オシレーターモジュールが存在。それらの魅惑的な世界へ通じるあらたなる歓迎へのチケットが、0-Coast であろう。
ウェストコースト・シンセシスへの招待状 0-Coast  は、イーストコースト・シンセシスの決定版モーグ mother-32 の対極を行く存在であり、価格的にも好敵手と言っていい。フルアナログシンセでありながら VCF を持たず、非・減算方式で音創りする、しかもセミモジュラーなので配線も自由に変えられ、他のモジュラーシンセなどともつながる CV / Gate - MIDI ネットワークの中で、ひときわ異彩を放つ自由なシンセ。おまけに物理操作子で操作したりパッチングで音創りできるので、FM 変調するにしても、ヤマハ DX やソフトシンセと違って非常に直感的、というか肉感的。 
西海岸シンセシスを、世に知らしめた 0-Coast。
そんな 0-Coast は、自由さをもとめてあえてシーケンサーを搭載しなかったのだろうけれども、取扱説明書にまで KORG SQ-1 ステップ・シーケンサーとの相性の良さが例示されていると、案の定その後しばらくして KORG volca modular が登場。そこでは、ものすごく矮小なパッチケーブル・システムとステップ・シーケンサーとを採用することで、超絶ピコサイズのウェストコースト流ワークステーションシンセを実現するという、うまいぐあいなカタチに換骨奪胎されている。 こういうところは、さすがコルグ、抜け目ない 笑 まぁ、そんだけ西海岸シンセシスが広まるということであり、そんだけ西海岸が売れるネタになってきた、そこまで業界が成熟してきた、ということでもあるのでしょう。
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モジュラーシンセの逆襲と、あたらしい単体フォーマットへの革新。 ウェストコーストシンセシスの逆襲と、イーストコーストとの、そして現代エレクトロパンクな世界との「であいもん」。 セミモジュラーという分かりやすさ、薄い石版みたいな親しみやすさ。この小さなきっぷを手にして広大な宇宙へゴオだ。
そしてその宇宙は、かつてブックラが既存の楽器や既存のしがらみからの自由解放を宣言した果てしない宇宙であり、彼が見果てぬ夢をみた自由な音の表現。 そこに今、ブックラもモーグもボーデも笑いあって音の未来について語り合っていることであろう。
我々は彼らのチルドレンであり、そのミームを受け継ぐ者たちであり、私たちがつくる音は彼らと我々とのこだまがひびきあう姿であろう。
減算方式による膨大なシンセたちに飽きてきたら、あるいは既存のシンセのカタチに飽きてきたら、これは自分のアタマの柔軟性を試すまたとないチャンス。私もじつにひさびさにセミモジュラーハードシンセを入手したわけだが、もう目からウロコな日々。 そして西寄りとはいえ、東西どちらでもない自由で斬新でスタイルにとらわれないスタイリッシュなスタンスという逆説的な存在、それでいて敷居が低くてわかりやすい、とっつきやすい。それが 0-Coast。
ブックラとモーグとボーデの世界は、まだまだ展開しつづける。
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このレヴューは、2016 年9月 13 日に、mixi に上梓したものをもとに加筆補正した。 そのオリジナル版をアップした翌日、9月14日、奇しくもそのブックラが 79 歳で逝去。帰天した西海岸シンセシスの開祖に対し、かつてそのライバルであった東海岸シンセシスの開祖たるモーグ社員一同から、追悼メッセージが出た。あたたかい友情、21世紀ならではのあたらしい世界。
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すでにその十年以上前にボブ・モーグも帰天しており、これで、こんにち的シンセの創世を知ろうにも、もはや伝聞でしか知ることができなくなった。
それから3年半。ここにボーデが生み出した電圧制御式シンセ還暦を祝って、この取材結果を改訂版レヴューとして捧げる。
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Revision log;
Based on the original edition on mixi, posted on Sep.13th, 2016 First edition posted to Tumblr on Mar 15th 2020. 
* 画像は、筆者が撮影・作成したもの以外はすべて引用です。
Copyright (C) 2016-2021 by Nemo-Kuramaguchi, All Rights Reserved. 
14 notes · View notes
iwatamago · 4 years
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夏は冬より死の季節
夏が来る度手を合わせ皆が無事生き延びることができますようにとギリギリ唇を噛む。
去年は季節性ノイローゼになり、一昨年は脳卒中としか思えない症状の夏風邪に掛かり死の恐怖から錯乱して待合廊下でブリッジをし、その前は祖母が熱中症で入院した。
これがないと生き延びられぬと言っても過言じゃないヘビ印のクーリングパウダーはコロナ騒ぎのせいで今年は届かない。カタコトの詫び状が届いた。暑い。こないだ散髪へ行ったばかりなのにもう大変な姿になっている。薄毛で悩む人間が近くにあるのに世の中の不公平さに涙が滲む。
朝御飯を食べるのがつらくて栄養ドリンクを飲んで出勤。たぶん身体に悪い。お野菜栄養種別番付のどれの上位にもモロヘイヤがランクインしてることを知りモロヘイヤを買いたくさん食べる。スーパーでカツオに手を伸ばすと近くにいた老婆がいきなり私に身の上話を始める。気がつくと40分経っていた。昼で終わった仕事帰りに市民プールへ行き泳ぎもせず仰向けに浮かぶ。浸かった耳がポーとして白昼夢。よく見えない目を凝らして更衣室へ戻ると知らぬ間に反対側へ入っていて危うく犯罪者。人々の視線が集まる前に光の速さで元の更衣室へ戻る。痴人の哀。真っ赤になりながら運転。長押で懸垂の真似事をしてミシッと鳴って止める。戦ごっこで投石され口から流血。カブトムシよりカナヘビが好き。
なんだかだいぶ過去と今がごっちゃになってきた。今度からだが痺れたら運転などせずタクシーか救急車を呼ぼうね。
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buriedbornes · 5 years
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第34話 『旧き世に禍いあれ (2) - “ブラストフォート城塞"』 Catastrophe in the past chapter 2 - “Blastfort Citadel”
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 ブラストフォート城塞を見渡せば、『城』という華やかな言葉の印象とは遠い、石造りの堅牢な風貌は砦のそれと言っていいだろう。
 スヴェンはこの建造物も元は修道院だったと噂では聞いていた。ただ、城塞に研究所を設けた時には既に砦として使われていて、実際のところどうだったかは、皆目見当がつかない。むしろ験を担いだ誰かの作り話ではないかと考えていた。作り変えられた施設にしては、礼拝堂だったと見られる建物もなく、険しい斜面をわざわざ切り出して作られた来歴の割には、この地に作られた由来すら記録に残されていないのも疑念の余地がある点だった。
 城塞と名を冠しながらも、城壁の内側に市街はない。居並ぶのは兵舎や倉庫、そして厩舎などの背の低い軍用の建物で、全てが同じように暗い色をしていた。
 はぁと深い息を吐く。その息は白く、スヴェンは体をぶるりと震わせた。外套の襟を直し、足を早める。
 短い秋は瞬く間に過ぎ去り、もうすっかりと冬だ。視界に入る山岳はすっかりと白い雪に閉ざされている。ブラストフォートは年中気温が低く、1年の半分以上は雪に覆われている。
 この城塞は、トラエ、ラウニとソルデの三国間で起きた紛争の中心地となった。三国の国境線が交わる丁度中央地点で、思惑も戦線もぶつかり合った。互いの国へ進攻するに際しても、ここを通らず他二国に兵站を送るにはどうあってもリスクの高い迂回が生じる関係で、攻めるも守るも、話はまずこの城塞を手中にしてから、という事情もあった。この要塞を抑えた国が勝つと信じられ、激しい争奪戦が目下進行している。
 トラエがこの城塞を維持し続けられているのは、”軍神”ゴットフリートのおかげだ。不敗を誇るゴットフリートは、皇帝の厚い信望を受け、ブラストフォート城塞に陣を敷いた。ここを確実に堅持し続けることが、即ち勝利を意味する。武勲で比肩する者のいないゴットフリートが此度の采配を受けたのも、当然の帰結であり、疑いを示す者もいなかった。
 対するラウニやソルデもそれを理解していたからこそ、戦火はさらに激しくなって行った。トラエ無双の英雄が、史上最も堅牢を誇る城を守護している。つまり、ここを打ち崩したもの、あるいは守り抜いたものが、この戦争を制するに等しい。この三国戦争の顛末を決定づける、天下分け目の決戦地の様相を呈していった。
 ゴットフリートは戦場で一度もその膝を地面についたことはなかった。スヴェンが城に派遣されて3年、ブラストフォート城塞は今もトラエ帝国領のままだ。各地で名を馳せたどんな名だたる英雄が攻めてこようとも、この城塞を越えた者は未だかつていなかった。
(砦としての適切なつくりと、それを最大限に生かす武将……。理屈で言うは容易いが、それがこうして揃い立つと、これほどまでに守り抜けるものなのか)
 スヴェンは眼鏡のブリッジを押し上げて、先を急ぐ。その手は幾冊もの分厚い魔術書があった。
 激戦地とはいえ、兵糧が乏しくなるこの季節には大きな動きも見られなくなる。天候によってはなお一層、双方ともに大人しいものだ。攻めあぐねた敵軍に二面三面と包囲されながらも、ブラストフォート城塞はまるで平時のように静まり返っていた。
(ああ……どうしてうまく行かないのだ……)
 城塞の中にある研究室の扉を開ける。
 真っ暗な部屋を、たったひとつのランタンが照らしていた。本来はもっと採光がいい窓があったのだが、スヴェン自身が本棚で潰してしまっていた。外光は観測を伴う実験に不向きだ。
 城塞の中の、私の城。眼鏡を再度押し上げて、ふふと短く笑う。
「次はうまくやってみせる……この書こそ本物だ、今度こそ……吾輩が見つけるのだ」
 ぶつぶつと言葉を口の中で繰り返しながら、長い執務机の上に置かれていた書類や本を床にすべて落とし、新しい本を置いた。
 本棚やコートハンガーにかけられた外套、並んだ靴などは嫌と言うほど規則正しく、寸分のずれもないように置かれているというのに、余程気が高ぶっているのか、今は床に落ちた本たちを気にして直すそぶりもない。
 大きな椅子に腰かけて、その本を開いてページを手繰り始めた。
 世界を知るということに限りはあるのだろうか。スヴェンは幼い頃からずっと考えていた。世界を知るためにありとあらゆる本を読み解き、特例を受けて最高学府に進級したときも、当然のこと、以外には特に何も思わなかった。神童と呼ばれ、世界の知識を見る間に吸収し、未知の研究に邁進し、知性で遥かに劣る両親とは縁を切り、知こそが価値とする者達とこそ縁を深め、生きてきた。
 ――この世界は、一個の生命だ。
 そう悟ったのはいつのころだろう。それからスヴェンの関心は世界の表層を辿ることではなく、世界の成り立ちの根源を掴むことに移った。
 この感覚までも理解し共有できる者はさすがにいなかったが、スヴェンは気にすることはなかった。目的と到達点は明確だったからだ。
 世界が生まれた瞬間を見る。つまり、過去へ遡行しその瞬間を観測することが出来れば、世界が生命であり、巨大な有機体であり、何がどうやってそれを作り出したのかを証明できるのではないか、と考えた。菌類はそれぞれの菌根で膨大な情報網を作り上げることで知られている。ならば世界は? 世界と世界を構成する生命や物質との関係も、似たものではないのか?
 夢を見ていると言われた。気が狂ったとも。けれど、スヴェンは時間を移動することに執着し、トラエ皇帝はスヴェンの情熱に理解を示した。思えばこんな突拍子もない目的に意義を見出す皇帝というのもまた、妙ではあるとは思った。皇帝にもまた、過去に遡行する事で成し遂げたい、”過去に戻ってでもやり直したい何か”が、心中にあったのかも��れないが、それを聞き出す術をスヴェンは持たないし、スヴェン自身興味もなかった。少なくとも、時間遡行がもたらしうる皇家の安定、全ての危険を排し、あるいは時を超えて未来の悲劇を食い止め続けて、皇家そのものを永遠に君臨させる、という”表向きの”理由――そのために、皇帝はスヴェンを支援することを決定し、臣君達も、やや半信半疑ではありながらも、それを支持した。
「これだ」
 今日も皇帝に頼んでいた奇書が届けられた。
 スヴェンはブリッジを押し上げ、眼鏡の位置を直す。正常な観測のためには、眼球とレンズの距離は常に1.5cmを保たねばならない。立ち上がろうとして自分が先程叩き落した本を見やり、露骨に眉をしかめる。頭の中を整理し終えて一息ついたら、急に普段の几帳面さが顔を出した。手早くそれらを元あった場所へそそくさと戻して、室内を完璧に揃え、部屋の中心に立った。
「まず、魔石を用意して……」
 木箱に詰めてある魔石を取��出し、机に置く。魔石は貴重な資源である。研究には大量の魔石が不可欠だった。魔石なしには、相当な魔力量を消耗する実験を繰り返し行うことは出来ない。ブラストフォートは戦地だ。当然、魔術師部隊が使うために魔石も大量に集められていたが、落城までには湯水のごとく消費されていた魔石も、入城し防衛に転じてからは、ゴットフリートを中心とした白兵戦主体の迎撃戦において、これらが投入される機会も乏しく、結果余剰が出ていた。山と積まれた荷物を運び出すにも、労力がかかる。それならば、国内にいる魔石を必要とする人員が、逆にブラストフォートまで来れば良い。研究をする場所としては些か物騒な地ではあったが、自由にできる大量の魔石が得られる機会には代えがたかった。スヴェンは二つ返事で前線まで足を運んだ。研究には様々な代償がつきものだ。それを理解してくれる後ろ盾を得たスヴェンは、他の誰よりも恵まれていると言えるだろう。
 取り上げたいくつかの魔石の中から、更に質の良いものを選ぶ。一番大きいものはナリだけで中身は薄く、魔力自体は少ないようだ。ページをたぐる仕草に似た動作で、一粒ずつ指を触れては次の石に触れ、研ぎ澄ませた感覚で内容量を確認していく。最後に触れた人差し指ほどの魔石が最も密度が高く、多くの魔力を秘めていた。
「よし……よし……まずは一時間前に戻る……そうだ……」
 長い間研究し、様々な方法を用いたが、まだ成功させたことがない。
 スヴェンも焦り始めていた。戦火は年を追って激しさを増している。今は冬期で戦線が膠着しているが、雪が溶ける頃にはまた激化される。2国がこの城塞を攻め、帝国は防戦し続ける。魔石の余剰が出ているのも今だけだ。魔石の消費量も年々増え続け、そうなればいつ自分に回してもらえる分が枯渇するとも知れない。そう考えれば、時間は限られている事になる。一度でも成功させられれば、魔石を消耗する前の時間に何度でも戻って、ほぼ無限の実験を繰り返し、術式完成を確実なものにすることが出来る。それが理想であり、今の目標だ。勿論この方法は戻る人間の肉体時間の経過は加味されておらず、スヴェン本人の寿命の解決という課題が残ってはいるが、禁術に手を出せば、その辺りは時間遡行に比べれば造作もないだろうと見当がついていた。
 本のページを睨むように再度読み上げようとした時、パチン、と何かが弾ける音がした。ふぅっと風が頬を撫でる。
 音がした方向を振り向いて、スヴェンは動けなくなった。
 空間に大きな渦が現れたのだ。
 その渦に向かって風が吹き込んでいる。
「おお!」
 未知なる光景に弾んだ声を上げる。
 まず渦から出てきたのは、手だった。男の両の手が伸び、時空の切れ目をこじ開けて、その姿を現した。これから始めようとしていた実験によって、数分か数時間の未来から自分が戻ってきたのではないか。どうやら、今実験している術式は成功したのではないか。歓喜に身が打ち震える。
 単純な転移魔術など、スヴェンも何度も見たことがあるし、日常的に行使している。周辺空間に生じた歪の性質や姿の現れ方から、今目の前で行われているものは、通常のそれとは質が異なることは一目で判断できる。それは”理論上、時間遡行が成功すればこのような形で転移が成されるだろう”と想定した結果そのものだった。
「スヴェン博士か?」
 渦から現れた男に尋ねられ、スヴェンは驚いて身を竦めた。
 男は自分の身なりに気が付いたのか、ゴーグルの中の目を丸めて、被っていたマスクを外した。城塞の戦士たちよりも重装備だが、防寒具として見ても、防具として見ても、異様な姿をしていた。それはむしろ、ガスや毒に汚染された領域に立ち入る者が使う防護服に似ていた。
 男は軽く会釈した。
「僕はフィリップ。スヴェン博士で間違いありませんか?」
「いかにも、吾輩はスヴェンだが……」
 答えながら、興奮で何度もメガネを押し上げる。
「僕は未来から来た」
「おお、やはり! では、未来では時間移動の方法が確立されたのか! 素晴らしい! 素晴らしい!!」
 スヴェンは無邪気に飛び跳ねた。
 悲願だ。
 奇跡が目の前で起きたのだ。経緯こそまだ判然としないが、宿願が果たされたのだ。
「その方法が知りたいか?」
「ああ、無論だ。吾輩にとって、生涯をかけた研究の成果だ!」
「僕の生きる時代にはその技術は確立している」
 身の内から湧きあがる感動に震える。長い時間をかけた研究が実を結ぶのだ。喜ばない人間がいようものか。
 スヴェンはズレたメガネを何度も押し上げ、唇をペロリと舐めた。
「未来では、あなたの完成させた基礎を発展させ、実際に過去に飛ぶことが出来るようになった」
「そうか……そうか……! それで」
「研究資料はある。それを渡してもいい」
 フィリップと名乗った男は荷物からひとつの本を取り出して見せた。スヴェンは手を伸ばしたが、ぴたりと手を止める。
「……吾輩は、基礎を完成させた……?」
「ああ、そうだ」
「つまりは吾輩が術式を確立させたわけではないのだな」
 基礎を完成させた研究者が自分だとして、その先、実際に技術転用することは別の次元の話になるはずだ。魔術、火薬、物理……この世の全ての技術はそうして生み出されてきた。小さな研究の成果を種として多くの科学者が取り組み、発展的に理論を大成させていく。芽吹いたものを育てひとつの大樹とするにはそれだけの手間と時間と閃きが必要になる。
 今までもスヴェンは『時間遡行の第一発見者』『行使者』となるために、寝食を忘れ、周囲から気味悪がられるほど、研究に必死で取り組んできた。
 それでも時間が足りないと感じていた。その肌感覚は間違いではなかったのだ。
 目の前に提示された本は確かにスヴェンを求めた結果に導くだろう。
 だが、同時に自身の敗北を決定づけるのだ。己の力量だけではここには辿り着けなかったのだと、認めることとなる。
 フィリップは静かに逡巡するスヴェンを見ていたが、やがて、微笑みながら頷いた。
「これは’’真実’だ。研究者としての矜持はさておき、”真実”を知りたくはないか?」
 スヴェンはハッとして顔を上げた。
 真実。
 私は何のためにここまで進み続けてきたのか。
 彼が言っていることが正しく、自身で術式を完成することがなかったとしても、それは過程に過ぎない。私が目指していたものは、あくまで”真実”ではないのか?
「もしも、それをいただくと言ったら? 何が望みだ?」
 心のどこかで、素直にそれを受け取る事に呵責が生じていたのだろう。だから、それを受け取る事を、無意識に合理化したがっていたのかもしれない。未来から来た男に対価を返すことで、”真実”を受け取ってしまう自分に理由を与えようとしていた。
 予見した通りにスヴェンの瞳に灯った貪欲な光を見出して、フィリップはにやりと笑った。
「城塞内の警備情報をいただこう」
「警備の? 何故だ?」
「知らない方がいい。あなたには関係のないことだ」
「……そもそもお前は、何のためにここにいるのだ?」
「知れば、来たるべき未来のことも伝えねばならなくなる。必要以上に過去を変える事は避けたい……ただ、必要なものがあるとだけ。それを持ち帰る事だけなら、この時代の歴史には影響しない、それは保証しても良い」
 まるで台本があるかのように、フィリップは淀みなくスヴェンに語り掛ける。
 未来から来た。それは間違いないだろう。スヴェンが口外もしていなかったはずの、仮説段階の転移の様子そのものが目前に展開したことで、疑う気持ちなど寸分もなくなっていた。受け取った資料に目を通せば、そこからもまたフィリップが未来から来た事が真実であるという証拠を得る事もできるだろう。ただ、もう一声、フィリップが信頼に値するという、自身が”真実”を受け取る事に感じる呵責を打ち消すだけの理由を求めたかった。
「受け入れたいのは山々だが、警備情報をとなると難しい。未来から来た事が仮に真実でも、君がトラエ以外の人間であったならば、私の立場からすれば利敵行為に与しかねない事になる。理解してくれるか」
 スヴェンはこう言い放ちながら、内心で自嘲した。スヴェンは、フィリップがトラエの人間である事を証明してくれる事を期待していた。彼があらかじめ私の呵責を砕く準備までした上でここに来ていると、察しが付いていた。その上でこんな事を方便にするのは、戯曲を棒読みする姿を見透かされるようで、歯がゆかった。
 フィリップは答えをやはり用意していたようで、間髪入れずに分厚い上着のポケットから、ひとつのネックレスを取り出した。金色のネックレスは傷がつき、古いものだった。スヴェンはその取り出す様を見ながら、やはり見透かされていたのだと、思わず赤面した。
「開けてみてくれ」
 スヴェンはおずおずと受け取り、開いた。そして息を飲む。
「これは……!」
「一緒に映っているいる赤ん坊が僕だ」
 一目見て分かった。写真に写った男は、ゴットフリートだ。城塞の食堂で目にした、岩でも噛み砕きそうな厚い顎、豹を思わせる眼光、右頬と左こめかみに負った特徴的な傷跡。スヴェンの知るゴットフリートよりもかなり年を重ね、白髪や白髭を蓄えた風貌で笑っていた。
 ――未来だ……。
 スヴェンは、ごくりと息を飲んだ。
「あのゴットフリートが、人の親、果ては老人か……。戦場で死ぬような者ではないとは、思っていたが」
「祖父は一族の誇りだ」
「……分かった。警備情報を渡そう。だが、本当に面倒事は起こさないのか……?」
「表立っては何も起きないから、安心していただきたい。この時代には捨て置かれたものを、持ち帰るだけだ」
 スヴェンには、その言葉の意味まではわからなかった。
 その後の逡巡を見越したように、ゆっくりと研究書をスヴェンに差し出す。
「戻れる先は魔力の量に左右される。魔力を1点に集中すればいい。杖を使えばいいだろう」
「お……おお……」
「この本に詳しくまとめられている。運命は、未来は変わらない」
「本当に?」
「あなたが、あなたのために使うだけに留めれば、自ずとそうなるだろう」
 答えないスヴェンの胸に、ドンと本が叩きつけられる。
 その感触に、スヴェンの理性はぐらりとふらついた。
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 月が高く上ったのを見上げて、フィリップはゆっくりと山岳の斜面を進んだ。姿勢を低くし、音を立てないように。
(……不安はあったが、狙ったタイミングに戻れたな……)
 グレーテルと徹底的に城塞の歴史を調べた。
 激しい攻防戦から間がなく、その後しばらく戦闘がない、天候が落ち着いている時期。かつ、当日の天気が晴天で満月であること。
 いくら協力を得ることが出来て警備の状況が把握できていても、誰もいないはずの山の斜面で灯りを用いて、遠目にでも見つかる危険を冒すことは避けるべきだ。暦を遡り、目途をつけたのが今日この日だった。
 斜面には雪が積もっている。この積雪から数日、戦線に動きはなかったと記録されている。束の間の平和。だが、その直前には、この斜面で、たくさんの人と人が殺し合ったのだ。静寂に包まれた雪景色の中、あちこちに矢が突き刺さったまま放置されていた。戦闘の跡だ。
 左右を見渡してから、フィリップは一番近くの雪を掻いた。そこにも矢が刺さっている。
(……矢先の雪がほのかに赤い)
 山岳地の雪らしく、水を含まないさらさらとした雪で、払えば埋もれたものが簡単に姿を現す。
「……あった」
 雪の下には、傷の少ない兵士が眠るように倒れていた。
 念のため体を検めるが、四肢も無事で、背中に矢を受けた痕があるだけだ。専門外だが、転がした下の赤黒い土の色から察するに、死因は失血だろう。
 こんなに状態のいい屍体を見たのは、いつぶりか。
 ここはまさに、フィリップにとって宝の山だ。
 見渡す限り、無数の屍体が隠されている。先日攻め入ってきたが退路を断たれ、殲滅の憂き目にあったラウニの一個師団がこの斜面に眠っている。
 ざっと見積もっても数千から万を超すだろう。 この雪の下にある屍体さえあれば、それらは全て、二人が未来で戦うための手足となる。計り知れないほどの戦力だ。
 グレーテルも転送を待っているだろう。と言っても、未来で待つ彼女の方からしたら、突然数千の屍体が目前に現れるような形になるのかもしれないが。
 兵士を完全に雪の上に横たえてから、フィリップは術式を展開した。過去に遡行することに比べ、未来に送ることは難しくはない。状態が劣化しない静止した時空間に屍体を閉じ込める。そして、ある特定の時期に来たら、閉じた時空間から屍体を現実に表出させるように仕込んでおく。川の流れを下るように、時の流れに逆らわずに未来へ向かうのであれば、身を任せるだけで良い。逆に、流れに逆らって上流に向かおうとするには、莫大なエネルギーを要する。それが、時間遡行研究者たちがたどり着いた、ひとつの答えであった。
 遺体はぼぉっと青白い光に包まれて、ふっと消えた。
 成功だ。
 こうして閉じ込めた屍体全てが、グレーテルの元で姿を現すだろう。彼女も状態のよさとその数に感動するはずだ。周囲を見渡し、笑みが溢れる。
 屍体の数は多ければ多いだけいい。フィリップは近くの雪中を再び探り始めた。
「ん? なんだぁ?」
 突然降ってきた声に、フィリップはぴたりと動きを止めた。
 振り向けば、豪奢な装備に身を包む屈強そうな男が、首を傾げながらこちらを見ていた。ありえない。
「――……巡回はいないはずじゃ……」
 スヴェンから得た警備資料は棚から即座に取り出されたものであって、あの場で嘘を取り繕うためにあらかじめ用意できるようなものではなかったはずだ。
 だからこそ、その内容を信じたフィリップは夜を待って行動を開始したのだ。
「巡回なんざしてねえさ。散歩してただけだ」
 男は野太い声で言った。
「しっかし、誰だ、お前は。さっき屍体を掘り返してたよな?」
「……何のことだ」
「おいおい、しらばっくれても無駄だ。見てたぞ。目の前から消えたんだからな」
 失敗した。
 頭の中で思考が急回転を始める。どうやってこの場を切り抜ける? 取り繕うか、命を奪い口を封じるか、逃げるか?
「転送魔法か? それで屍体を運んで何しようってんだ」
「それは……」
 なにかうまい口実はないか、言葉を手繰ろうとするフィリップを待たずに、男は叫んだ。
「戦場泥棒は重罪だぜ!」
 雪をギュッと踏みしめる音を立てて、男はフィリップに飛び掛かる。
 やるしかないか。
 咄嗟に、重力歪曲《グラビティプレス》の術式を展開する。
 跳躍し上向いた兜の中の顔を、月明かりがはっきりと照らす。豹のような眼光がこちらを見据えていた。一瞬、フィリップの胸中に幼い日が去来した。
(――……ゴットフリート爺さん!)
 逃げなければならない。話も通じない。殺してはいけない。
 月明りを背に大きな影が落ちる。
 フィリップは咄嗟に術式を変じて、空間移動《テレポート》に切り替えた。短い距離であればすぐに展開して移れる。
 鈍い音を立てて、ゴットフリートが鞘から引き抜いた剣が雪に突き刺さる。さきほどまでフィリップが立っていた雪の跡は、衝撃で爆ぜて消え失せる。そのまま、目線を数歩先のフィリップに向ける。
「はっ、やっぱり転移か。ラウニの連中は知ったこっちゃねぇが、ここには俺の隊の奴も幾人か眠ってんだ…」
 雪から剣を振り上げるように引き抜き、巻き上げられた細かい雪がまるで煙幕のように広がる。視界が真っ白に染まる。
 フィリップは咄嗟に腕で顔を庇ったが、視界に影が過る。
(まずい!)
 二度目の転送が一瞬遅れ、避け切れなかった。ゴットフリートの剣先は肩から胸にかけて切り裂く。傷は浅いが痛みによろめく。
 雪の影から突きを繰り出したゴットフリートは、目をぎらりと輝かせる。
「魔術師相手は滅多にやれねえんだ。面白えな……!」
 まともにやり合ったら、殺される。
 運が悪すぎる。
 本気でやり合ったところで、ゴットフリートに勝てるわけもない。仮に勝てたとしても、祖父である彼を今この場で殺したら、未来から来た自分は一体どうなる? 前例がなく、全く予想がつかない。年老いてからも人の話を全く聞かなかったあの男が、戦場跡をうろつく怪しい男が語る”理由”なぞ、おとなしく聞いてくれるはずもない。殺さずに無力化出来るような術も持ち合わせてはいない。
 なんとかやり過ごして、逃げるしかない。
 再度テレポートをしようと身構えたフィリップに向かって、ゴットフリートが大きく踏み出そうとして、ぴたりと止まった。
「……なんだ? 臭ぇな……」
 眉をぐっと止せ険しい表情で辺りを見渡す。
 確かに何か匂いがする。嗅いだことのない匂いだ。
「屍体の臭いでもないな……なんの臭いだ……?」
 唐突に、その匂いが一層強くなった。
 屍体は確かに掘り返した。けれども、この気温で、雪の下にあった兵士の体は腐敗するはずがない。凍てつき、匂いもなかったはずだ。
 腐ったような、けれどももっと酷く脳を直接刺激するような……嗅いだことのないほど異臭。
「……うっ」
 胸が悪くなる。
 ゴットフリートも片手で鼻を抑えながら、周囲を見渡した。
 ふたりの視点が1点にとまった。打ち捨てられた盾だ。放り出されて地面に突き立ったままのそれが、奇妙な黒い靄に包まれている。
「おい、小僧、お前の術か、ありゃあ?」
 ゆらゆらと噴き出ていた黒い煙の密度が増す。
 フィリップは自分の背中が粟立つのを感じた。
 あれは、だめだ。
 理由はわからない。ただ、本能が叫ぶ。けれど、足が竦んで動かない。
 盾を包んでいた煙は次第に細くなり、盾と地面が成す角から勢いよく噴き出した。そして、その煙が見たこともない不気味な黒い猟犬の姿を取った。
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~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
旧き世に禍いあれ(3) - “猟犬の追尾”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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. 7CCR|Model:7175 side gore/half command sole|cow hide vachetta reverse guidi and rosellini/natural × Brizzi Suede/Dk.brown 2018年秋冬の新作はローカットのサイドゴアシューズ。こちらのモデルはツートンカラーになっており、甲の部分が、グイディのリバースレザー。ヒールの部分が、ジョンロブも使用しているブリッジ社のスエード。アウトソールも新作のハーフコマンドソール。前半分がコマンドソールになっている、オリジナルのソールです。 . ✔︎#7CCR ✔︎#7CorpusCumReverso ✔︎#madeinitaly ✔︎#sidegoreshoes ✔︎#shoes ✔︎#leathershoes ✔︎#guidiandrosellini ✔︎#guidi ✔︎#Brizzi ✔︎#halfcommandsole ✔︎#イタリア製 ✔︎#サイドゴア ✔︎#サイドゴアシューズ ✔︎#靴 ✔︎#グイディ ✔︎#グイディアンドロゼリーニ ✔︎#ブリッジ社 ✔︎#ジョンロブ ✔︎#ハーフコマンドソール #diaries #tsukuba #ibaraki #japan #ダイアリーズ #つくば #茨城 #日本 #セレクトショップ . diaries 〒305-0035 茨城県つくば市松代2-1-5 TEL:029-875-7754 12:00-20:00 (木曜定休・その他) https://diaries-shop.com (Diaries(セレクトショップ@つくば)) https://www.instagram.com/p/BptdgOinCFG/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=qj1d4d4w5s1o
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MAGAZINE - 2018.01.18
NEIL AND IRAIZAインタビュー
インタビュー、構成:与田太郎
2017年は90年代の音楽シーンをリードしてきたミュージシャン達が活動を再開したり、再結成ライブが行われた一年となった。そんな偶然のシンクロを喜んだ音楽ファンも多かったのではないだろうか。その2017年の年末、ニール・アンド・イライザの15年ぶりのアルバムが発売となった。松田岳二と堀江博久の二人もまたそれぞれに90年代以降の音楽シーンに様々な形で影響を与えてきたし、現在まで独自のスタンスで活動を続けている。彼らに共通しているのは自分の音楽を素直に追求してきたところだろう。そんな二人にこれまでの活動と新作について懐かしい話も交えながら聞いてみた。
ー鍵盤は子供の頃から習ってたんですか? 堀江:はい、5歳くらいの頃かな?ヤマハ音楽教室に通ってました。そこでエレクトーンを弾いたり、いろんな楽器に触れたりしていました。 ー入り口はクラシックということですか? 堀江:いや、クラシックは全く通っていなくて。歌謡曲、ポップスとかが多かったのかな。 ー堀江さんがミュージシャンとして活動を始めたのは92年ぐらいですか? 堀江:きっかけはなんだろう?大学が多摩美で、1年のときにザ・ピンチーズというR&B��バンドをギターの塚本功と作って。それが89年でした。 ーネタンダーズの。 堀江:そう。そこからずっとつながってる感じですね。ザ・ピンチーズは学内のバンドだったんで卒業で解散になるんですけど、その解散ライブを新宿ジャムでやったんです。それが92年ぐらいです。たぶん、その前にマーチ・オブ・ザ・モッズに出たんじゃないかな。それで黒田マナブさんに出会ってThe I-Spy(アイ・スパイ)に誘われるという。ザ・ピンチーズはふだんは八王子や国立で練習したり、ライブしたりしていたんだけど、都内にいくきっかけはモッズのイベントでしたね。
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新宿JAMでのピンチーズ解散ライブとMODS MAYDAY'92のフライヤー(1992)
ーなるほど。ちょうどクルーエル(Crue-L Records)やトランペット・トランペット(A Trumpet Trumpet Records)がスタートする時期ですね。 堀江:そう、クルーエルがコンピレーション・アルバム『Blow-Up』(1991)を出した頃なのかな。
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Blow-Up/ V.A(1991)
ー僕ともどこかですれ違ってますよね(笑)。 堀江:そうかもしれないですね。でも当時家が横浜で、都内に来てもライブが終わると車でそのまま帰ってましたから。あんまり長居をせずに帰ってた気がします。 ーちょうど下北沢のクラブ、ZOOがSLITS(スリッツ)に名前が変わった頃ですよね? 堀江:この頃のアイ・スパイはマナブさんに反抗して、彼以外のメンバーでSTUDIO APES(スタジオ・エイプス)というバンドを始めます。そのバンドがよくSLITSや渋谷公会堂の前にあったDJバー・インクスティックに出ていました。
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スタジオ・エイプス/ STUDIO APES(1994)
ーチャーベくんと会うのもこの頃ですか? 堀江:もう少し後だと思います。アイ・スパイは、当時インスト期で、サックスがいたり、エル・マロの柚木さん(柚木隆一郎)がゲストでトロンボーン吹いたりして、ウォーター・メロン・マンとか、ロニー・スミスのカバーとか、ジャズ・ファンクとかをやるバンドでした。
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DAGGER TO FOOL / El-malo(1993)
ーイギリスでアシッド・ジャズ、トーキン・ラウドが盛り上がる時期ですね。 堀江:そうです、92~93年です。エイプスでは、オリジナルの曲を作るようになって、僕も曲を書き始めて。ベースはキタダマキ、彼はその後、ホフ・ディランやSyrup 16gに参加します。パーカッションのおいちゃん(及川浩志)は、現サルサバンドのCENTRAL。その当時はエイプスと並行してアイゴン(會田茂一)とLOW IQ ICHIのACROBAT BUNCH(アクロバット・バンチ)のメンバーでもありました。僕もそこで鍵盤を弾いたりもしました。あと、小沢健二さんのバンドでもずっとプレイしていますね。ドラムのタクゾウ(和田卓造)さんは、数多くのモッズ・バンドを経て、今はWack Wack Rhythm Band(ワック・ワック・リズム・バンド)で叩いています。そういえばワック・ワックとの交流もこの頃からでした。そのうちギターを弾いていた山下くん(山下洋)が、Freedom Suite(フリーダム・スウィート)を立ち上げることになって、そこにいたメンバーがチャーベくん。
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ACROBAT BUNCH(1993)
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TOKYO SESSON/ WACK WACK RHYTHM BAND(1994)
ーSLITS周辺っていう感じですね。 堀江:チャーベくんは、SLITSの何かのイベントで初めて会ったか、存在を認識したと思うんです。クルーエルの瀧見さん(瀧見憲司)の『ラヴ・パレード』だったかな?ちょうど、瀧見さんとDJイベントをやっていた、フェイバリット・マリンの神田くん(神田朋樹)が93年にLIBRODISIA(リブロディジア)というソロ・プロジェクトを立ち上げて、エイプスでも神田くんがギターを弾くことになったりして、それで、クルーエルのみんなと近くなっていって。出会った順序がちょっとあやふやなんですけど(笑)。
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Got To Be Real/ LIBRODISIA(1993)
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LIBRODISIAとSTUDIO APESクアトロでのライブのフライヤー(1994)
ーNEIL AND IRAIZA(ニール・アンド・イライザ)はチャーベくんが堀江さんのデモを聴いて、形にしたいっていうことでスタートしたそうですね? 堀江:そうです。 ーそれが94年か95年? 堀江:たしか95年のフリーダム・スウィートのレコーディングの時だったような…、新宿御苑にあったバズーカ・スタジオの地下で。そこに神田くんとチャーベくんがいて、ミックスやってる間に「MIDDLE MAN」という20歳くらいに書いた1st『I♡NY』の2曲目に入ってる曲を聴かせたんですよ。
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Something In The Air /Freedom Suite(1995)
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MIDDLE MAN / NEIL AND IRAIZA 7inch(1996) ーそこからレコーディングをして、ニール・アンド・イライザが始まるんですね。ニールの活動がはじまってもキーボード・プレイヤーとしての活動も続いてましたよね? 堀江:そうですね、これは自分にとっては別腹というか、全く別の活動な感じで(笑)。初めて誘われたのは、プレイグスでした。その後GREAT3と出会うきっかけになります。93年かな?これはマナブさんがつなげてくれて、実は、ギター・ボーカルの深沼くん(深沼元昭)はニール・アンド・イライザの名付け親なんです。よく聞かれるんです、ニールがメインなのかキーボード・プレイヤーとしての活動がメインなのか。今でも、自分ではどちらかをあんまり意識し��ないんですけど。 ーコーネリアスは最初から参加してますよね? 堀江:はい、山下くんをはじめ、ワック・ワックのメンバーが参加していていいなって僕もやりたいと思って。当時ポリスターというレコード会社で働いていた、ドラマーでもある荒川くん(荒川康伸)が小山田くん(小山田圭吾)を連れてエイプスを見にきてくれて、その時に初めて会いました。たしか94年渋谷のクアトロでしたね。 ーフリッパーズ・ギターのライブは見てましたか? 堀江:それが、大学時代に塚本からバンド名は聞いたことはあったけど、どんな音楽をやっているのか知らなくて。コーネリアスは1stアルバムを出す前に、エイプスのおいちゃんが緑のロゴTシャツを着ていたことが、とても印象に残ってます。 ーニール・アンド・イライザはその後にはじまるんですよね? 堀江:そうですね。フリーダム・スウィートのレコーディングでアイデアが出て、チャーベくんと一緒に当時、渋谷の東急ハンズの近くにあった、ゼストというレコード屋にいたEscalator Records(エスカレーター・レコーズ)の仲くん(仲真史)にこういうアルバム作りたいんだけどって、デモが入ったカセット・テープを持って行ったのがきっかけです。それで、エスカレーターの『NEW ONE』(1996)のコンピレーションに収録された「MEDDLE」という曲を梅ケ丘のリンキー・ディンク・スタジオで録音して。これは、今でもずっとニールのレコーディングしてくれている及川さん(及川勉)にやってもらっています。
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I♡NY/  NEIL AND IRAIZA(1996)
ー今回のアルバムもそうですけど、ニール・アンド・イライザっていい意味でのサンプリング感がありますよね。作られた曲のルーツが見えるというか、完成に至るまでのいろんな音楽の断片が見えるというか。僕もお二人とほぼ同世代なので、80年代後半から90年代のヒップホップが出てきて、ハウスやテクノが盛り上がってロックがそれを取り入れるというのを目の当たりにしてきたので、いろんなものがミックスされている感覚に違和感がないんですよね。 堀江:そうですね、当時は、ほんと洋楽と邦楽ぐらいでザックリしてましたよね。世界に自分の音が届くなんてとか。 ーいま20代のミュージシャンが音楽を作ろうとすると中心となるスタイルを決めてスタートすると思うんですが、ニール・アンド・イライザはそういう感じがまったくなくて自由ですよね。そういう意味では60年代のポップスから90年代のサンプリングを使ったサウンドまで聞こえてくる、いろんなものがミックスされていて面白いですね。 堀江:たしかに世代的にそういう雑食な感覚があるんじゃないかと思いますね。でもニールをはじめた頃のことを思い出してみると、その時期に渋谷のゼスト周辺で流行っていた音楽や80年代のネオ・アコースティックを僕はほとんど通ってないんです。大学生の頃は、横浜の馬車道にあったディスク・ユニオンで働いていた現Target Earthの中上くん(中上マサオ)に教えてもらったり、ロックの名盤やファンク、それこそスライとか、黒いモノをよく聴いてたんです。
ー高校生ぐらいの時はどうでした? 堀江:高校のころは、フラワー・ムーブメントさらにルーツ・ミュージック中心で、横浜の地元で、高円寺に行く前の相澤純一郎(アイザワンダー)や和太鼓奏者のヒダノ修一に出会って、それこそブルースだったりファンクだったり。もちろんフーやキンクスなんかのモッドなバンド、それとローリング・ストーンズは昔から大好きでした。 ーそうですね、高校時代にジャムやクラッシュを聴くと必然的に60年代のフーやキンクスを聴きますね。音楽を聴く上で、そういう文脈みたいなものは堀江さんの世代には濃厚にありますね。ひとつ好きな音楽に出会うとその背景にある音楽も聴いてしまうという。 堀江:そうですね。でも80年代後半から90年代前半でも、僕はマンチェ・ブームからも、抜け落ちてるんです。 ー僕はそこが起点になってるんです(笑)。僕にとっては自分の世代のムーブメントという意識も強かったんですが、あれは一種の60年代リヴァイヴァルという側面もあったんだと思います。 堀江:たしかにあの時期ヴィーナス・ペーターの「EVERY PLANETS SON」(1992)とか何曲かびっくりした曲がありました。あと、80年代後半は、じゃがたらとフールズ、ゴッドあたりも聴いてましたね。 松田岳二登場 ーいま堀江さんにいろいろ聞いていたところです。 堀江:いろいろ時代があやふやになってて(笑)。僕たちが初めて出会ったのは下北沢ということは覚えてるんだけど。 松田:僕が最初に堀江くんを認識したのはSLITSか…、その前にワック・ワックが出てた代々木公園で行われていたフレンドシップという野外イベントのセッションは? 堀江:いや、あれは冬でしょ。焚き火したもん。会ったの夏じゃなかった? 松田:最初に話したのはSLITSだったのはよく覚えている。いや、そのまえにフリーダム・スウィートのリハに堀江くんが来たことがあって。 堀江:いや、そうだっけ。クルーエルのコンピレーション『HELLO YOUNG LOVERS』(1993)が出た後くらいじゃないかな?
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HELLO YOUNG LOVERS / V.A(1993)
松田:そうだっけ? 堀江:チャーベくんがゼストに入る前ぐらいだよ。 松田:当時僕は完全にお客さんでしたから。DJはやってたけど、バンドマンではなくて。ワック・ワックとかそういうのをよく見に行って、瀧見さんのDJに遊びに行って、火曜日に渋谷のクラブ、THE ROOMで瀧見さんと山下くんがパーティーを始めて、そこでパーカッションを叩くようになって、フリーダム・スウィートに参加するんです。
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ニール結成前の頃の堀江と松田。フリーダムスイートライブ 心斎橋クアトロ(1995)
ー今回ニール・アンド・イライザひさしぶりの新作を聴いて、ものすごく90年代を感じたし、また二人のルーツが響いてくると思ったんです。今年はフリッパーズの二人がそれぞれ活動を再開したり、ペニー・アーケードやブリッジの再結成ライブがあったり、偶然いろんなことが重なってるじゃないですか。そのタイミングでまた新作を作ろうと思ったのはどうしてなんですか? 松田:そうですね。いろんなこと思い出して、あーこんな感じだったなみたいな。今回ニールは、FRONTIER BACKYARD(フロンティア・バックヤード)とのツアーに誘われて東京、大阪、名古屋の3箇所回ったんですけど、ドラムがMAGIC DRUM&LOVEのきんちゃん、ベースがロイジプシーのおかんと、2人女の子だったんで新鮮でもありました。実は今回のフロンティアのツアーには1年ぐらい前から誘われてて、堀江くんがやれるなら僕はいいですよって言ってて、いつもの通りに。 堀江:それで僕も久しぶりにやろうと決めて。 松田:なんやかんや言っても1年に一回ぐらいは、やってたんです。でも今回また同じように、ただライブをやるのもどうかなって思っていて。どうせならライブの物販で売るだけでもいいから、CDを作ってみない?というのが最初のきっかけなんです。それで堀江くんに曲書いてくれって頼んで。あれはいつごろだっけ? 堀江:去年2017年のスペシャルズの来日ライブの時じゃなかった?夏前ぐらいかな。その時に作ろうってことになって3曲ぐらい作って。 松田:それが全部良かったんで、がんばって歌詞を書いて、でもなかなかイメージが固まんなくて。ある日、1曲仕上がって、これは“時間“がテーマだなって思って。それで1曲できたらスルスルって、それを投げ返して完成していったんです。 ー話を聞いてると今回は15年ぶりに作るぞ、的な気負いもなかったんですね。 松田&堀江:ないですね(笑)。 松田:で、3曲入りのシングルを作るイメージだったんですけど、堀江くんが2003年ぐらいにも何曲か作りかけの曲あるよって言われて、スタジオにデータがあるか確認したらあったんですよ。
ーそうか、もうプロツールスの時代だから残ってたんですね。 松田:そう!ギリギリで。それで3曲送られてきて、それに歌詞を付けることができたらアルバムにできるなって。不思議な流れでしたよ、発掘された3曲僕は全然覚えてなくて。堀江くん覚えてた? 堀江:僕は自分が書いた曲は覚えてるよ。 松田:僕は2003年以降キュビ・ファイブ(CUBISMO GRAFICO FIVE)になっていくので全然覚えてなくて。聴いたら、このスクラッチみたいな音はなんだ?みたいな(笑)。
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CINQ(four+one) / CUBISMO GRAFICO FIVE(2003)
ー今年は同世代のミュージシャンが元気だったじゃないですか?はからずもニール・アンド・イライザもシンクロして、しかも偶然。面白いですね。 松田:なんなんですかね?この感じ。 堀江:みんな時間に余裕ができたってことじゃない?久しぶりといえばこの前、ブリッジのライブでヒロちゃん(黒澤宏子)がドラムを叩くの見れてよかったな。 松田:雪解け(笑)? 堀江:それもあるね。ブリッジではステージで清水くん(清水ひろたか)もカジさん(カジヒデキ)も話してたね。(再結成は)みんなのタイミングがあったんだろうね。 ーブリッジはペニー・アーケードがライブをやるっていうこともきっかけなんだと思いますね。 松田:ペニー・アーケードはキリキリヴィラの再発がきっかけなんですか? ーそうなんですよ。最初はメンバーのみなさんも無理って感じだったんですけど。うれしかったですよ、ライブOKって聞いた時は(笑)。 松田:再発でも若い人にとっては新しい音楽ですもんね。 ーNOT WONKやCAR10聴いてる20代に20年前、30年前に日本にもこういう���ンドがいたんだって、伝えたいという思いもありましたから。海外ってそういう循環というか、過去と現在を繋げて音楽を聴く流れがあるじゃないですか?再発もとても多いし。 松田:そうですね、そんな中でもニールは特殊なんですよ。僕らは現役というか、堀江くんは凄いミュージシャンとしてずっと一線で活躍してるじゃないですか、世界各国に行くし、多分知られてないことまで含めると凄い活動量で。僕はこの辺の地下で形を変えながらでもなにかやっていたい方だし(笑)。その感覚があるからわりとすぐに動けたんじゃないでしょうか? ーしかも二人でリズム隊が固定されてないじゃないですか。それって二人がヒップホップが出てきて、ハウスが出てきた時代をリアル・タイムで見てきてることとも関係してるんじゃないでしょうか?サンプリング世代の登場をみてきたっていう。ニールの独特なエディット感ってそういうところからきてるような気がします。 松田:僕らもそこまで生ドラムにこだわるわけじゃないし。 堀江:たぶんニールを作った当時は、僕もチャーベくんも20代半ばで、経験したことがないことが多くて、でも、やりたいことがいっぱいあって、それが、90年代半ばのタイミングで、良かったんじゃないかな。どっちが歌うかジャンケンで決めたり(笑)。お互い同じタイミングでシンセを買ったり、平塚にあった、海の近くのフリースタジオ湘南というレコーディングスタジオで、さんざん朝まで遊び倒して楽しかったな。そんな感じで作ったのが1st『I♡NY』(1996)なんだよね。
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フリースタジオREC時(1997)
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フリースタジオ夏(1997)
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フリースタジオ冬(1997)
松田:そういう意味では90年代の音源は習作みたいな感じだよね、遊びながら練習してるみたいな。
ー楽しい時間ですよね。 堀江:もちろんその時期でも、僕は鍵盤弾きや作曲やアレンジャーとして、いろんなアーティストやバンドに参加したりしていて、それをニールの活動や自分のやりたいことと切り離しているつもりはないんだけど、同じ感覚でもなくて。思えば当時から自分の音楽活動が、周りから見て、捉えにくかったのかもしれませんね。チャーベくんはDJでもあったから、この当時も、いろんなアイデアが出てくるのは自然だったでしょ?
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JUILLET/ NEIL AND IRAIZA(1999)
松田:そうだね、ニールの時はこういうイメージでっていうのがあった。99年に堀江くんが書いた、カヒミさん(KAHIMI KARIE)とのデュエットの曲とか聴くと、ニールとはまた違うものになってて。堀江くんはニールの時はやっぱりニールって感じになる。人のところでやる時は、とても打点が高くて、ニールの時はもっとナチュラルでやさしくやってる感じで。
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One Thousand 20th Century Chairs/ KAHIMI KARIE(1999)
堀江:僕は不器用だと思っていたから、ニールをやってる時も決めつけてるつもりはなかったんだけど、いま振り返って思うと、漫画や小説の連載みたいに、ニールにはニールのイメージで、って決めつけていたかもね(笑)。他でやる時は相手に合わせたモードがあって、ニールはこれだよねっていう二人の特別な共通点があって。自分的にも特殊なんだね。ニールは。チャーベくんもそうでしょ? ーニールには特別柔らかい感じありますよね。 堀江:でもナメられると攻撃的だったり(笑)。自分の中ではマクドナルド・アンド・ジャイルスっていうキング・クリムゾンを母体に出てきたユニットがモデルとしてあって。これは、クリムゾンから派生したユニットなんだけど、ジャケットも含めすごくいいアルバムで。それで~アンド~っていうグループがいいなって。漠然と。ホール・アンド・オーツとかサイモン・アンド・ガーファンクルとかもあるけどね(笑)。同じ世代で、水と油みたいな人たちが一緒にやるっていうデコボコなスタイルが良かったんですよ、それぞれにないものが出会うっていう。 松田:趣味全然違いますからね(笑)、キング・クリムゾンとかほとんど聴いてないですから(笑)。 堀江:あんまり影響されあってないけど、面白いと思うきっかけがあるとできるよね。レゲエのラバーズを聴かせてもらったら面白かったとか、そういうの結構ある。 松田:たとえば、ロッド・スチュワートが在籍していたイギリスのバンド、フェイセスを好きな理由は堀江くんと僕では違うんですよ。 ー聴いてる部分が違うんでしょうね。 松田:僕がDJでフェイセスのブレイク・ビーツの曲かけてたら、堀江くんがすっとんできて「なんでこれかけてるの!」言ったことがあって。 堀江:「Bad 'n' Ruin」っていうスワンプの曲で。 松田:僕は踊れるビートとしてかけてて、時々そういうことあるよね。 堀江:それはずっと変わらないね。 ー90年代のトラットリアやクルーエル、エスカレーターの人たちってほんとにレコード中心で、貪欲なまでに音を求めていくじゃないですか。お2人もそうですね。渋谷系という言葉がいいか悪いかは別として音楽を求める姿勢は一貫してますね。 松田:癖なんじゃないですか。今となっては「あれっぽくしよう」って思ってもすぐできちゃうじゃないですか。 ーそうですね。今回の作品でも曲ごとにモデルがあるっていうよりも、1曲の中にいろんな曲あつまっていると思いました。ちょっとしたアレンジの断片にいろんな音楽が聞こえてくるというか。二人が聴いてきた膨大な量の音楽が自然に醸造されてるようなイメージです、若い時だとできなかったことじゃないですか? 松田: ニールのアルバム、4th『NEW SCHOOL』(2002)には、マッドネスの「アワ・ハウス」をモチーフにした「アワ・ハウジング」って曲があって、ふざけてるんですけど、曲として似てるけど別ものなんですよ。 堀江:ラトルズの発想だよね。 松田:そうラトルズ。 堀江:「アワ・ハウス」もそうだし、ファイン・ヤング・カニバルズの「She Drives Me Crazy 」のリフも引用してる。(笑)。 松田:そうなんですよ、曲の中で、わりとふざけ倒してきてて(笑)。だから今回の5th『Timeless Melodies』(2017)はあまりふざけてなくて、ニールの中でも正統派の作品です(笑)。
Timeless Melodies/ NEIL AND IRAIZA(2017)
ーテーマも時間ですし。 松田:ひさしぶりーって、聴く人もそういう感じで。懐かしいって思う人もいるだろうし。今回はデザインをやってくれた関山(関山雄太)が引っ張ってくれたこともあって。 ー彼は高校生の頃にニールのコピー・バンドをやってたんですよね、最高ですね。 松田:まだアルバムが形になってない時期に彼が最初に作ってきたビジュアルが時計で。それで二人で会って話して、代々木公園まで行って時計を撮影したんです。そういう新しい人が参加してくれたことも刺激になりました。 堀江:昔からニールが動く時はなにかアイデアやテーマが重要で、1stの『I♡NY』 (1996)とかは、女子高校生とジャンキーに喜んでもらえる、チープでどこかサイケデリックな作品を目指したり。もちろんオレンジのジャケット・デザインもそうだし、言葉だとかテーマだとか拾えるものを拾って、無理難題の思いつきで、ほんとまとめるのが大変なんだけど、いつもニールのやり方は変わらない。 松田:堀江くんの思いつきが無理難題であればあるほど面白いし。 堀江:その拾い方が15年経ったと思えないぐらい、これまで通りな感じで(笑)。でもまとめ方が早くなったんですね、それはお互い成長したというか。チャーベくんの、その返しが早くなったことで今回アルバムがツアーに間に合ったんです。 松田:歌詞とかも思いついたら忘れないようにして。8月ぐらいに千駄ヶ谷のkit galleryに行く途中、代々木公園でパソコンひらいて歌詞書きましたから(笑)。途中で堀江くんがバンドのメンバーをドラムとベースを女の子にしたいって言い出して、これも難しいぞーって(笑)。 堀江:夏にいきなり思いついて、相談して。 松田:堀江くんのミュージシャンの繋がりってけっこうなプロの世界じゃないですか。ニールではそれじゃない感じで、これは野良を拾ってこようって(笑)。それでかわいい二人を見つけて。僕は、今、ラーナーズでもマネージャーっぽく動いてるじゃないですか、そういう無理難題を形にしていくのが癖になってるみたいで。 ーオーガナイザーですよね。 堀江:ほんと無茶振りは昔からで。当時、仲くんに対してのほうが、レコーディングとか、より無理難題は多かったかもしれないけど(笑)。 松田:そうだねー。 堀江:1st『I♡NY』(1996)の売れ行きが良かったんで、次はパリでレコーディングしたい、とかあったね。 ーフランスまで行ったんですもんね。 堀江:機材もスタジオも現地で全部おさえて。 松田:僕がちょうどインドネシアのバリから帰ってきたとこで。 堀江:チャーベくん、次、パリにいかないって?ひらめいて(笑)。自分もパリって行ったことなかったし。
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パリREC HORIE(1997)
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パリREC CHABE(1997)
松田:ロンドンとかニューヨークじゃあ普通だからつまらないって堀江くんが言い出して。オレ、パリならロック的に勝てそうな気がするって(笑)、ムチャクチャな理由だなと(笑)。 堀江:そうそう、思い出した。ロンドンやニューヨークだと僕らもひるんでしまうけど、パリならロック的に勝てるんじゃないかって言ったね。それで、アンテナとか、クレプスキュールの多くのレコーディングを手がけたジル・マーティンをベルギーから呼んで、『ソフト・ロック』と『NO EXISTENCE CALL』の2曲を1週間でレコーディングして。
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パリREC(1997)
ーそれが実現できたっていうのも、いい時代ですね。 松田:そうですね、カジさんがシャルル・ドゴール空港からスタジオに直行してくれてコーラス入れてくれるとか。 堀江:それが96年。26~7歳のころですね。 松田:やっぱり仲くんがちゃんと受け止めてくれたんだなって、思いますね。ほんとムチャクチャだったんだって。普通そんな話無理じゃないですか。エスカレーター・レコーズってすごかったと思います。 ーほんとですね。 堀江:面白い時代でしたね。その後、今は無きニューヨークのレコード屋、OTHER MUSICに1st『I♡NY』が置かれて。 ーそれは国内盤を仕入れてくれたんですか? 堀江:そう、90年代終わり、当時マタドールがギター・ウルフやピチカート・ファイブ、コーネリアスを出したりして、日本の音楽が注目されたタイミングで。ニールもアザーのバイヤーの人が興味もってくれて。それを実際にニューヨークに行って自分で見つけた時はすごいことだと実感しました。 松田:それは嬉しいよね。 堀江:別に歌詞がどうとか、タイトルがとかでもなくて(笑)。2nd『ジョニー・マー?』(1997)とかも僕がまずタイトルを考えて。
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Johnny Marr?/  NEIL AND IRAIZA (1997)
松田:堀江くん、あの時ジョニー・マー知らなかったんですよ。スミス(THE SMITHS)を通ってなくて。「ジョニー・マーって誰?」って言ってて(笑)。それが面白くて。コーネリアスの97年の武道館の時にはじめてスミス聴いたんだよね? 堀江:そうそう。「ディス・チャーミングマン」を日本武道館で大音量で聴いた。
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NI各アルバムフライヤー
ー4th『NEW SCHOOL』(2002)のリリース後、なぜ活動が止まったんですか? 堀江:いや、ライブは毎年どこかでやってました。活動が止まるっていうより、それぞれが忙しくなったんじゃないかな。ラジオはやってたしね。 松田:インターネット・ラジオの“i-Radio killed radio star”というタイトルで。2008年ぐらいまでやってたかな。 堀江:今回の5th『TIMELESS MELODIES』に収録されている、後半の3曲は2003年ぐらいにスタジオで作業していて、なかなか形にならないので一度作業を止めて。そのあとコンピレーションに曲を提供とかはあったんですけど。そのあたりから、どんどんレコーディングから遠ざかっていったかな、そのあとも、2005年にフロンティアが東名阪のツアーに誘ってくれたりして。 松田:『NEO CLASSICAL』。そうだった。 堀江:お互い忙しくなって、チャーベくんもキュビズモを始めて。
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TOUT/ CUBISMO GRAFICO(1999)
松田:当時堀江くんが本当に忙しくて、ニールを待ってるといつになるかわからなくてキュビズモを始めたんです。むしろニールの存在がプレッシャーになっても嫌だったし、僕もなにかを始めないといけないって思って。 堀江:リミックスやCMもはじめたよね。 松田:堀江くん、くるりに参加したのは何年ぐらい? 堀江:あれは2004年だったかな。アンテナの武道館公演の頃。それからSINGER SONGERっていうCOCCOとくるりのバンドが動いて。その後もPupaからtheHIATUSに繋がって。キーボード・プレイヤーとしていろんなとこで演奏しながらも、バンドのメンバーとしてもアルバム作ってやるっていうのが2005年ぐらいから始まって、とてもバタバタしてた。
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ばらいろポップ/ SINGER SONGER(2005)
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Floating PUPA/ PUPA(2008)
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Trash We’d Love/ the HIATUS(2009)
ー堀江さんって難しいフロント・マンばかりとやってますね(笑)。 堀江:そうですね。たしかに制作している時、けっこう大変な時期もありました。でも、単なるプロジェクトとしてではなく、バンドとして自分の今まで持っていた最高な空気と感覚を普通にぶつけて、いいアルバムを作って。その中からヒット・ソングも生まれたし、結果うまくいったと思います。 ー『ウォーターボーイズ』のサントラをチャーベくんが手がけたのが2003年ぐらいですか? 松田:2001年です。
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ウォーターボーイズ - オリジナル・サウンドトラック/V.A(2001)
ーちょうどその時期からそれぞれに次のレベルの活動に入っていった時期なんですね。 松田:そうだね。 堀江:2004年から2013年ぐらいまでそういう時期でしたね。
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At Grand Gallery/ HORIE HIROHISA(2013)
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LEARNERS/ LEARNERS(2015)
ーお話しを聞いてると、2人が自然にやろうって思えるタイミングが今回やってきたっていう感じなんですね。しかもニール・アンド・イライザって音楽的にこういうモノっていうよりも、2人でやるとなってしまうモノという感じなんですね。2人の状態というか。 松田:それはありますね。 ーニール・アンド・イライザでの思い出深いことってありますか? 松田:最初の頃、僕はレコーディングがつらかったですね。昔なんでレコーディングが長かったじゃないですか、合宿とかで。仲くんがいて、ゲンちゃんっていうドラムがいて、もう男子校ノリでしたね。堀江くんはレコーディングになると結構ナーバスで、真剣になるんで。いつむちゃ振りがくるかと…。
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ジュイエREC時(1999)
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ジュイエREC時(1999)
ー合宿やりましたねー。 堀江:僕はやっぱりニールの音楽が、国内外問わずいろんな場所に届いたっていうのが嬉しかったですね。それで今でも大事に聴いてくれたり、最近でも映像作品や映画で流れたりとか。 ー海外の映画ですよね? 松田:ひとつはタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督です、今や世界的な監督なんですけど。 堀江:それとやっぱ、レコード屋に自分のアルバムが普通に置かれたことですかね。なんか大きな出来事がというより、小さな出会いやちょっとしたことがいつも続いてるっていうのがニールの面白いとこですね。
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On Tour (1997)
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15年ぶりのアルバム”TIMELESS MELODIES"を発表したNeil and Iraizaによるワンマンライブが決定!
FEELIN’ FELLOWS PRESENTS NEIL AND IRAIZA"TIMELESS MELODIES RELEASE SHOW” 2/13 新代田FEVER OPEN/START 19:30 ADV ¥3,000 (+1DRINK) DOOR ¥3,500 (+1DRINK) Live : NEIL AND IRAIZA DJ : HIDEKI KAJI
チケットはe+とFEVER店頭にて発売中
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blogworldstandard · 7 years
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程璧(チェン・ビー)「歩いても歩いても(歩履不停 / Ever Walking)」(プロデューサー:鈴木惣一朗)3/3発売
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3/3(土)日本版発売!
中国を代表するシンガーソングライター程璧(チェン・ビー)の5枚目となる最新アルバム「歩いても歩いても(歩履不停 / Ever Walking)」(プロデューサー:鈴木惣一朗)のCD盤と12インチLP盤の日本版発売が決定しました。
チェン・ビーの通算5枚目となるこのアルバムは、2017年冬から中国、台湾、シンガポール、マレーシアなどのアジア圏で順次発売され、いよいよ日本でも2018年3月3日に発売されます。
付録ブックレットには特典として中国語と日本語の全曲対訳歌詞も収録 。日本版限定収録曲有り。
【収録楽曲】
1 序(Prologue)
2 人生の意味(人生的意義/Meaning of Life)
3 静かな私(這是我安靜的樣子/When I'm Quiet)
4 海に行こう(去海邊/Going to the Beach)
5 木よ木(樹啊樹/Tree)
6 歩いても歩いても(步履不停/Ever Walking)
7 骨が白い刃になる(屍骨成為白色刀刃/White Blade from a Bone)
8 薄霧の鐘(薄霧晨鐘/Bell in the Light Fog)
9 夜の枯れ花(夜里凋落的花/Withered flowers of the night)※日本版限定収録
10 言わない秘密(不言的秘密/Untold Secret)
11 ナクモリヲ(自由/Freedom)
【プロフィール】 中国山東省生まれ。 北京大学(外国語学部日本語科、修士号)卒業。 中国を代表するシンガーソングライターとして、これまで中国で4枚のアルバムをリリース。谷川俊太郎や金子みすゞの詩を自ら訳して楽曲に取り入れた彼女の歌声は、中国と日本の文化を結ぶ架け橋となっている。2016年夏には初の日本ツアー(東京、沖縄)を行い、東京公演では青葉市子をゲストに招き、共演を果たす。
【アルバム詳細】
■タイトル:「歩いても歩いても(歩履不停 / Ever Walking)」 ■発売日:2018/03/03(土) ■CD盤 ・販売価格:2,500円(税別) ・型番:BRANCD003 ・JAN: 4582237840308
→購入する http://bridge-inc.net/?pid=127288964
■12インチLP盤 ・販売価格:3,500円(税別) ・型番:BRANCD003L ・JAN: 4582237840315
→購入する http://bridge-inc.net/?pid=127288982
■発売元:PANDA RECORD
http://panda-record.com/?p=828
■販売元:株式会社ブリッジ /ANNA PATIO株式会社
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fujimoto-h · 7 years
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ここであえての2016年の観賞記録と
2016年の映画観賞回数135回。
『クリード──チャンプを継ぐ男』(ライアン・クーゲラー) 『ジョン・ウィック』( チャド・スタエルスキー、 デヴィッド・リーチ) 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(オリヴァー・ヒルシュビーゲル) 『黄金のアデーレ──名画の帰還』(サイモン・カーティス) 『エール!』(エリック・ラルティゴ) 『白鯨との闘い』(ロン・ハワード) 『顔のないヒトラーたち』(ジュリオ・リッチャレッリ) 『シャーリー&ヒンダ──ウォール街を出禁になった二人』( ホバルト・ブストネス) 『Re:LIFE』(マーク・ローレンス) 『ムーン・ウォーカーズ』(アントワーヌ・バルドー=ジャケ)
『海賊じいちゃんの贈りもの』(アンディー・ハミルトン、 ガイ・ジェンキン) 『ローマに消えた男』(ロベルト・アンド) 『コードネームU.N.C.L.E.』(ガイ・リッチー) 『ブリキの太鼓』(フォルカー・シュレンドルフ) 『パリ3区の遺産相続人』(イスラエル・ホロヴィッツ) 『ストレイト・アウタ・コンプトン』(F・ゲイリー・グレイ)2回。 『ザ・シャウト──さまよえる幻響』(イエジー・スコリモフスキ) 『ブリッジ・オブ・スパイ』(スティーヴン・スピルバーグ) 『クリムゾン・ピーク』(ギレルモ・デル・トロ) 『PEACH──どんなことをしてほしいのぼくに』(坂西伊作)
『エージェント・ウルトラ』(ニマ・ヌリザデ) 『恋人たち』(橋口亮輔)2回。 『知らない、ふたり』(今泉力哉) 『バットマンVSスーパーマン』(ザック・スナイダー) 『ニューヨーク──眺めのいい部屋売ります』(リチャード・ロンクレイン) 『オデッセイ』(リドリー・スコット) 『不屈の男──アンブロークン』(アンジェリーナ・ジョリー) 『ひつじ村の兄弟』(グリームル・ハゥコーナルソン) 『最愛の子』(陳可辛) 『クーパー家の晩餐会』(ジェシー・ネルソン)
『ヘイトフル・エイト』(クエンティン・タランティーノ) 『キャロル』(トッド・ヘインズ) 『ズートピア』(バイロン・ハワード、 リッチ・ムーア) 『ポテチ』(中村義洋) 『奇跡』(是枝裕和) 『テラフォーマーズ』(三池崇史) 『弱虫ペダル Re:RIDE』(鍋島修) 『弱虫ペダル Re:ROAD』(鍋島修) 『劇場版 弱虫ペダル』(長沼範裕) 『殿、利息でござる!』(中村義洋)
『マッドマックス──怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー)5回。通算10回達成。 『海よりもまだ深く』(是枝裕和) 『ルーム』(レニー・アブラハムソン) 『これが私の人生設計』(リッカルド・ミラーニ) 『三等重役』(春原政久) 『フルートベール駅で』(ライアン・クーグラー) 『社長太平記』(松林宗恵) 『マネー・ショート──華麗なる大逆転』(アダム・マッケイ) 『リリーのすべて』(トム・フーパー) 『レヴェナント』(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
『駅前旅館』(豊田四郎) 『スポットライト──世紀のスクープ』(トム・マッカーシー) 『ミラクル・ニール!』(テリー・ジョーンズ) 『欲望』(ミケランジェロ・アントニオーニ) 『グランドフィナーレ』(パオロ・ソレンティーノ) 『アイアムアヒーロー』(佐藤信介) 『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』(クリス・マウカーベル) 『最高の花婿』(フィリップ・ドゥ・ショーヴロン) 『マクベス』(ジャスティン・カーゼル)2回。 『ヘイル、シーザー!』(ジョエル・コーエン · イーサン・コーエン)
『アイヒマン・ショー』(ポール・アンドリュー・ウィリアムズ) 『ハロルドが笑うその日まで』(グンナル・ヴィケネ) 『夏の夜の夢』(ジュリー・テイモア) 『コップ・カー』(ジョン・ワッツ) 『ボーダーライン』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ) 『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(マイケル・ムーア) 『デッドプール』(ティム・ミラー)2回。 『モヒカン故郷に帰る』(沖田修一) 『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也) 『君がくれたグッドライフ』(クリスチアン・チューベルト)
『団地』(阪本順治) 『ヒメアノ~ル』(吉田恵輔) 『アウトバーン』(エラン・クリーヴィー) 『ブルースブラザース』(ジョン・ランディス) 『トリプル9』(ジョン・ヒルコート) 『FAKE』(森達也) 『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』(プリンス、 アルバート・マグノリ) 『ミスター・ダイナマイト──ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』(アレックス・ギブニー) 『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー!!』(鈴木剛) 『クレイマー、クレイマー』(ロバート・ベントン)
『帰ってきたヒトラー』(デビッド・ベンド) 『日本で一番悪い奴ら』(白石和彌) 『トゥーヤングトゥーダイ!──若くして死ぬ』(宮藤官九郎) 『嫌な女』(黒木瞳) 『ふきげんな過去』(前田司郎) 『セトウツミ』(大森立嗣) 『超高速! 参勤交代リターンズ』(本木克英) 『マシュー・ボーン「ザ・カーマン」』(マシュー・ボーン、ロス・マクギボン) 『スーサイド・スクワッド』(デヴィッド・エアー) 『エクス・マキナ』(アレックス・ガーランド)
『フリーウェイ』(マシュー・ブライト) 『二ツ星の料理人』(ジョン・ウェルズ) 『教授のおかしな妄想殺人』(ウディ・アレン) 『ONCE──ダブリンの街角で』(ジョン・カーニー) 『シング・ストリート──未来へのうた』(ジョン・カーニー) 『王立宇宙軍──オネアミスの翼』(山賀博之) 『シン・ゴジラ』(庵野秀明、樋口真嗣)2回。 『裸足の季節』(ドゥニズ・ガムゼ・エルグヴァン) 『ロング・トレイル!』(ケン・クワピス) 『グッバイ、サマー』(ミシェル・ゴンドリー)
『ブルックリン』(ジョン・クローリー) 『後妻業の女』(鶴橋康夫) 『トランボ──ハリウッドに最も嫌われた男』(ジェイ・ローチ) 『ラスト・タンゴ』(ヘルマン・クラル) 『AMY エイミー』(アジフ・カパディア) 『グエムル──漢江の怪物』(ポン・ジュノ) 『フラワーショウ!』(ヴィヴィアン・デ・コルシィ) 『ストリート・オーケストラ』(セルジオ・マシャード) 『ニュースの真相』(ジェームズ・ヴァンダービルト) 『阿弖流為』(いのうえひでのり)
『怒り』(李相日) 『ジャニス──リトル・ガール・ブルー』(エイミー・バーグ) 『高慢と偏見とゾンビ』(バー・スティアーズ) 『オーバー・フェンス』(山下敦弘) 『リトル・ボーイ──小さなボクと戦争』(アレハンドロ・モンテベルデ) 『ハートビート』(マイケル・ダミアン)2回。 『神様の思し召し』(エドアルド・ファルコーネ ) 『THE BEATLES──EIGHT DAYS a week the touring yeas』(ロン・ハワード) 『永い言い訳』(西川美和) 『生きうつしのプリマ』(マルガレーテ・フォン・��ロッタ)
『はじまりはヒップホップ』(ブリン・エヴァンス) 『奇跡の教室──受け継ぐ者たちへ』(マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ロバート・ゼメキス) 『この世界の片隅に』(片渕須直)2回。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(ロバート・ゼメキス)
2016年の本読了冊数80冊。(同人誌は除く)
渡部直己『小説技術論』(河出書房新社) アレイヘム『牛乳屋テヴィエ』(岩波文庫) デーレンバック『鏡の物語』(ありな書房) ウォー『愛されたもの』(岩波文庫) いとうせいこう『鼻に挟み撃ち 他三編』(集英社) 畑山博『いつか汽笛を鳴らして』(文春文庫) ウォー『ご遺体』(光文社古典新訳文庫) 栗林佐知『はるかにてらせ』(未知谷) ドストエフスキー『地下室の手記』(新潮文庫) 川田順造『聲』(ちくま学芸文庫)
ブレヒト『アンティゴネ』(光文社古典新訳文庫) 藤野裕子『都市と暴動の民衆史』(有志舎) アリストパネース『蜂』(岩波文庫) 香山リカ『ヒューマンライツ』(ころから) 小野寺拓也『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」』(山川出版社) ベルンハルト『石灰工場』(早川書房) いとうせいこう=奥泉光+渡部直己『小説の聖典』(河出文庫) 春日太一=サンキュータツオ『俺たちのBL論』(河出書房新社) 大江健三郎=古井由吉『文学の淵を渡る』(新潮社) 岡和田晃『向井豊昭の闘争』(未来社)
岡本かの子『家霊』(ハルキ文庫) 岡和田晃=ウィンチェスター『アイヌ民族否定論に抗する』(河出書房新社) ドゥルーズ=ガタリ『カフカ』(法政大学出版局) 外岡秀俊『北帰行』(河出書房新社) オニール『言説のフィクション』(松柏社) アレン『間テクスト性』(研究社) スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房) スピヴァク『いくつもの声』(人文書院) バトラー『権力の心的な生』(月曜社) 『朝鮮近代文学選集3 短編小説集 小説家仇甫氏の一日 ほか十三編』(平凡社)
パク・ミンギュ『カステラ』(クレイン) バトラー『自分自身を説明すること』(月曜社) カダレ『夢宮殿』(東京創元社) バトラー『アンティゴネーの主張』(青土社) ベルンハルト『ある子供』(松籟社) ハン・ガン『菜食主義者』(クオン) 木村友祐『聖地Cs』(新潮社) 木村友祐『イサの氾濫』(未來社) いとうせいこう『想像ラジオ』(河出書房新社) 吉村萬壱『ボラード病』(文藝春秋)
フックス『フェミニズムはみんなのもの』(新水社) ムージル『愛の完成/静かなヴェロニカの誘惑』(岩波文庫) 赤司英一郎『思考のトルソー・文学でしか語られないもの』(法政大学出版局) 北島玲子『終りなき省察の行方』(上智大学出版) 時田郁子『ムージルと生命の樹』(松籟社) ムージル『愛の完成/静かなヴェロニカの誘惑』(岩波文庫) ムージル『三人の女/黒つぐみ』(岩波文庫) 古井由吉『ロベルト・ムージル』(岩波書店) ヴェル��シュ『帰ってきたヒトラー(上)』(河出文庫) ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー(下)』(河出文庫)
橋本陽介『日本語の謎を解く』(新潮選書) カルペンティエル『時との戦い』(国書刊行会) カルペンティエル『この世の王国』(水声社) カルペンティエル『追跡』(水声社) シェイクスピア『から騒ぎ』(ちくま文庫) シェイクスピア『冬物語』(ちくま文庫) カルペンティエル『エクエ・ヤンバ・オー』(関西大学出版局) カルペンティエル『失われた足跡』(集英社文庫) カルペンティエル『バロック協奏曲』(サンリオSF文庫) シェイクスピア『ヘンリー六世 全三部』(ちくま文庫)
シーラッハ『犯罪』(創元推理文庫) シーラッハ『罪悪』(創元推理文庫) シェイクスピア『じゃじゃ馬馴らし』(ちくま文庫) 松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮文庫) 温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社) ウルフ『灯台へ』(岩波文庫) シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』(ちくま文庫) カルペンティエル『光の世紀』(書肆風の薔薇) ソローキン『青い脂』(河出文庫) 寺尾隆吉『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書)
師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書) 温又柔『来福の家』(白水uブックス) 木村友祐『野良ビトたちの燃え上がる肖像』(新潮社) 木村友祐『イサの氾濫』(未來社) ブコウスキー『パルプ』(ちくま文庫) 町山智浩『最も危険なアメリカ映画』(集英社インターナショナル) 『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち』(青月社) カルペンティエル『方法異説』(水声社) 滝口悠生『死んでいない者』(文藝春秋) 崔実『ジニのパズル』(講談社)
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koinubooks · 7 years
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10月17日、Webを活用した紙の本の促進支援サービス「NetGalley」(ネットギャリー)を本格稼動した。書店員、図書館員、教育・報道関係者、ネットブロガーなどを対象に、発売前の書籍ゲラや見本本を電子書籍の形態で無料配布する。出版社によって承認された利用者は、仕入や予約のほか、記事やレビューを書く材料にできる。増売や書籍情報が広く社会に拡散されることが期待されている。 これまではKADOKAWA、幻冬舎、講談社、光文社、集英社、小学館、ディスカヴァー21の7社でテストしてきたが、本稼動にあたり、朝日新聞出版、イースト・プレス、秀和システム、主婦の友社、竹書房、トランスビュー、白泉社、PHP研究所、ブリッジ、マガジンハウスが加わり、計17社から作品の提供を受けることになった。本サイトはこちら。
【新文化】 - 出版デジタル機構、「NetGalley」を本格稼動
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こんにちは~!インプラントが上手な歯科で!!!! 今年の冬は雪もたくさん降りスノーボードやスキーなどレジャー活動をたくさんしますが、 たまに事故などで倒れたりぶつかって前歯を喪失して病院にいらっしゃる方がいらっしゃいます。 外見から、本当に重要な部分を占める前歯の歯が失われたら...本当に精神的に辛いですよね?^^ インプラントの場合人体に無害なチタンで作られた人工歯をあごの骨に植えて 本来の歯と同一した模様で作り歯の機能を回復させてくれる施術を指します。 以前に両側の歯にかけて進行していたブリッジとは異なり、他の歯を損傷させず、さらに丈夫で自然な歯を使用できるという様々な長所があります。 事故で大けがをしていらっしゃった前歯の場合食べ物の摂取、話す時、発音などの影響がありとても重要な部分ですが 前歯のインプラントの場合 不自然ではなく自然に完成するためには、分析を通じた正確な位置に植え付けをしなけ���ばならず、歯の大きさや形、色など全体的な調和まで考慮しなければなりません。 他のインプラントより少し複雑な手術といえます。 前歯専門歯科の安全な前歯専用インプラントを選択した方です。 誤った口腔管理や老化などで歯ぐきの退縮がある場合はどんなにきれいに補綴を作っても審美的によくないのでこのような場合は骨の移植などが同時に行われことができます。 手術の前に正確な診断は必須ですよね?^^ 前に述べたように、前歯インプラントは他のインプラントに比べて難易度が高く、補綴物も同様に、数の調和を考慮しなければならないために 手術経験が多く、各分野の専門医師らがいる病院で進めなければ、安全で満足のいく結果を得ることができます。 本院の場合、施術の経験が多い各分野の専門院長たちがいる為に完成度の高い、インプラント手術が可能です。 また、前歯専用のインプラントに安心して治療を受けられます。 《ブロッサム歯科》 住所:135-876、ソウル江南区宣陵路(カンナムグ・ソンヌンロ)94道12(三成洞(141-3)セウンタワー11階スマイルブロッサム歯科 韓国での病院探しは美容医療サービスKOMED https://lin.ee/bnFuuKe リンクをクリックしたら1:1の��ウンセリングが可能です!LINEリンクをクリックして友��追加してみてください! ----------------------- Line : @833vincy  Kakao : komed mail : [email protected] HP : https://www.komed.jp/ #歯科クリニック #セラミック #モデル #セラミック矯正  #歯医者 #歯科 #歯科クリニック #審美歯科 #矯正歯科 #インプラント #口腔外科 #メンテナンス #クリーニング #フッ素 #お口の健康 #歯科衛生士 #自由診療 #デンタルエステ #デンタルプランナー #痛くない治療 #口呼吸 #指しゃぶり #歯並び #歯科カウンセリング #顕微鏡治療 #矯正 (Seoul, Korea) https://www.instagram.com/p/B8I6KGCJYOo/?igshid=5k44w4054vr3
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liverpool-sportia · 5 years
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(英記事翻訳)欧州移籍市場、トップ5敗者ランキング
2019.9.2 Bleacher Report  
前編に当たる「欧州移籍市場、トップ5勝者ランキング」はこちら。
本日は記事の後編となる敗者ランキングを発表します。
敗者
五位 パリ・サン=ジェルマン
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PSGの夏の補強に関しては良い点も多々ある。ゴールキーパー(ケイラー・ナバス)、センターバック(アブドゥ・ディアロ)、セントラル・ミッドフィールド(イドリッサ・ゲイェ、アンデル・エレーラ、パブロ・サラビア)とフォワード(マウロ・イカルディ)を強化し期間を終えた。
表面的には成功である。
ネイマールも残留した、ただこれは賛否両論と言えるだろう。
なんとも後味の悪い離脱と選手マネジメント視点で現場に大きな負担を課せてしまった様に思える。2019/20シーズンの選手マネジメントは極端に難しくなったと考えられる。
イカルディは素晴らしいストライカーだ、真の9番。だが彼の周りに常に纏わりつくドラマがインテル離脱に繋がった。ザ・ガーディアンのバンディーニ氏曰く彼はシーズン中に40日間独断でチームを離れキャプテンシーを剥奪された過去をもつ。コンテがチームから売り払ったのも納得できる。
ネイマールの扱いに2年間苦戦しているPSGは似た様なマネジメントに支障を犯す選手を獲得してしまった。
その上にディアビー、ンクヌク、ノソキ、ウェア、ザグレ、一時期はPSGの将来を期待された5人の生え抜き選手を売却してしまった。
総合的に見ると今夏の仕事はPSGを究極の目標(UCL優勝)に近づけた訳でも笑顔を増やした訳でもなかった様だ。
四位 FCポルト
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FCポルトほど移籍市場でコンスタントに利益を出しているチームは少ない。そんな彼らを移籍敗者と呼ぶのは奇妙に感じる。
だが毎年結果を出せるチームはいない。彼らはエリオ・ミリトンとオリー・トーレスを良い金額で売却したがフェリペは安値で去りヘクター・エレラとヤシン・ブラヒミはフリーで去ってしまった。彼らは五人とも昨シーズンリーグ戦に最低25試合に出場している、この穴はとてつもなく大きい。
代役として加入したのが中島翔哉、ゼ・ルイス、ママドゥ・ロウム、マテウス・ウリベ、レンゾ・サラヴィアとイヴァン・マルカノだ。このうちの一人だけ(ロウム)が23歳以下で中島のみが売却ポテンシャルに自信を持てる選手だ。
ドラゴンズは昨シーズンと比べ弱体化し9月を迎えてしまった。しかも加入した選手は若くもなくヨーロッパの巨大クラブには魅力的な選手達でもない。
運よく若いタレントは育ってきておりロマーリオ・バロやファビオ・シウバはチームを助ける準備はできている。
三位 マンチェスター・ユナイテッド
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眉間にシワを寄せるくらいの巨額な移籍金がなければ今シーズン加入した3人に不満を寄せる理由はない。
ハリー・マグワイアとアーロン・ワン=ビサカは巨額のイングリッシュ税の対象となったが既にチームにインパクトを残している。ダン・ジェームスは高く見えない。4試合3ゴールのスタートを切った彼はバーゲン選手の領域に進んでいる。
問題点は加入した選手ではなくビジネスの全体像である。インvsアウトそしてスカッドの層の厚さである。
ルカクとサンチェスの離脱によりトップが浅く感じる。マーカス・ラシュフォードとアントニー・マルシャルの身体維持と安定的に結果を出す事が必要不可欠となった。二人とも特に後者には苦戦すると思われる。メーソン・グリーンウッドの成長にも期待が掛かる。
シーズン開幕から3戦、セントラルMFは常に苦戦しているがオーレ・グンナー・スールシャールには限られたオプションしかない。ネマニャ・マティッチの足は重く、フレッジは基本的に切り捨てられておりエレーラはPSGに移籍してしまった。
不要に選手を売却する事はなく、スールシャールのチーム文化を変えていく方針は真っ当だ。ただ移籍ウィンドウの目的は目標を達成できるスカッドを揃える事である。ユナイテッドはそれを達成したのであろうか?
二位 エスパニョーラ
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エスパニョーラの様なチームに取ってヨーロッパリーグに出場決定した夏は良く過ごせるはずだ。国際大会はチームの格を上げ本来加入できない様な選手を獲得するチャンスである。ファンは大きな期待を寄せスカッドは飛躍できる。
残念ながらペリキトスに取って真逆の夏となった。スターデフェンダー、マリオ・エルモソ、昨シーズンの耐久性の要はアトレティコ・マドリードに移籍しボルヤ・イグレシアス、昨シーズン17ゴール(チームの35%)決めたスターストライカーはレアル・ベティスに去って行った。
アーリーシーズンは彼らの離脱とヨーロッパリーグ予選でコンディションが悪くリーグ3戦で勝ち点1しか取れていない。昇格したグラナダにまでホームで3−0の敗北を決している。
ミッドフィールドの星であるマルク・ロカは残留したがこの段階では小さく思える。去年より弱いスカッドで試合数を多くこなさなければいけないエスパニョーラは厳しいシーズンを目の当たりにしている。
一位 チェルシー
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移籍加入できない罰則を受けているチェルシーに取ってこの移籍ウィンドウが厳しくなる事は間違いなかった。クラブレジェンドのフランク・ランパードが監督に就任しユース出身の若いタレントを輩出する努力は賞賛できる。
だが4試合で勝ち点5が証明する、彼らのスカッド強度は間違いなく後退した。エデン・アザールを売却しスターの代役を取れなかった事は凄まじく大きく響いている。
クリスチャン・プリシッチは冬に移籍を決めているのでこのランクの対象外となる。マティオ・コヴァチッチはスタンフォード・ブリッジでのレンタルを成功し完全移籍となった。彼らは二人とも優秀な選手だがブルーズファンにアザールの存在を忘れさせる事は出来ない。
罰則を受けていなかった場合チェルシーはセンターバック、レフトバック、ウィンガーとストライカーの補強をしてたと思われる。これらのポジションが浅く見える、量と質の両観点で。
前編に当たる「欧州移籍市場、トップ5勝者ランキング」はこちら。
オリジナル記事:https://bleacherreport.com/articles/2852053-br-football-ranks-top-5-winners-and-losers-of-the-transfer-window
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diaries-shop · 6 years
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. 7CCR|Model:7175 side gore/half command sole|cow hide vachetta reverse guidi and rosellini/black × Brizzi Suede/Dk.brown 2018年秋冬の新作はローカットのサイドゴアシューズ。こちらのモデルはツートンカラーになっており、甲の部分が、グイディのリバースレザー。ヒールの部分が、ジョンロブも使用しているブリッジ社のスエード。アウトソールも新作のハーフコマンドソール。前半分がコマンドソールになっている、オリジナルのソールです。 . ✔︎#7CCR ✔︎#7CorpusCumReverso ✔︎#madeinitaly ✔︎#sidegoreshoes ✔︎#shoes ✔︎#leathershoes ✔︎#guidiandrosellini ✔︎#guidi ✔︎#Brizzi ✔︎#halfcommandsole ✔︎#イタリア製 ✔︎#サイドゴア ✔︎#サイドゴアシューズ ✔︎#靴 ✔︎#グイディ ✔︎#グイディアンドロゼリーニ ✔︎#ブリッジ社 ✔︎#ジョンロブ ✔︎#ハーフコマンドソール #diaries #tsukuba #ibaraki #japan #ダイアリーズ #つくば #茨城 #日本 #セレクトショップ . diaries 〒305-0035 茨城県つくば市松代2-1-5 TEL:029-875-7754 12:00-20:00 (木曜定休・その他) https://diaries-shop.com (Diaries(セレクトショップ@つくば)) https://www.instagram.com/p/Bptb3KOH_IS/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=163tue815lm1h
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