#三篇
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三篇 下 その三
上方者は、 「ハァ、ソンナラお前のお馴染みは何屋じゃいな」 と、意地悪く問うと、 「アイ、大木屋さ」 と、弥次郎兵衛がいう。 「大木屋の誰じやいな」 と、上方者がさらに問うと、 「留之助よ」 弥次郎兵衛が答えた。 上方者が 「ハハハ、そりゃ松輪屋じゃわいな。 大木屋にそんな女郎はありもせぬもの。 コリャお前、とんとやくたいじゃ、やくたいじゃ」 (やくたい…上方言葉で、らちもない、とんでもない、よくない、など広い意味に使う)
弥次郎兵衛は、 「ハテ、あそこにもありやすよ。ナァ北八」 (大木屋は実在の大見世の扇屋��こと。松輪屋はやはり実在の松葉屋のこと。留之助は松葉屋の抱えの名妓の染之助��こと。したがってこのやり取りでは上方男の勝ち) 北八、面倒臭くなってきて、 「ええ、さっきから黙って聞いていりゃ、弥次さんおめえ聞いたふうだぜ。 女郎買いに行ったこともなくて、人の話を聞きかじって出放題ばっかり。 外聞のわるい。国者の面よごしだ」
弥次郎兵衛は、 「べらぼうめ、俺だって行くってんだ。 しかもソレ、お前を神に連れていったじゃァねえか」 (神…取り巻き、太鼓持ち。遊廓付きの本職ではなく、客が連れ込んだ遊びの取り巻き仲間。落語の野太鼓がこれである) 北八、思い出して、 「ああ、あの大家さんの葬式の時か。なんと、神に連れたとは、おおげさな。 なるほど二朱の女郎の揚げ代はおめえにおぶさったかわり、 馬道の酒屋で、浅蜊のむきみのぬたと豆腐のおから汁で飲んだ時の銭は、みんなおいらが払ったじゃねえか」 (葬式くずれで繰り込むなら安い店にきまっている。揚げ代二朱なら宿場の飯盛なみのごく安い女郎。馬道は吉原に通ずる町。そこの酒屋のぬたも汁もごく安い庶民的な食い物である)
弥次郎兵衛は、 「嘘をつくぜ」 北八も、 「嘘なもんか。しかもその時おめえ、さんまの骨をのどへ立てて、飯を五六杯、丸呑みにしたじゃねえか」 「馬鹿言え。お前が田町で、甘酒を食らって、口を火傷したこた言わずに」 「ええ、それよりか、おめえ土手で、いい紙入れが落ちていると、犬の糞をつかんだじゃねえか、恥さらしな」 (土手…吉原に入る途中の山谷堀に添った日本堤の土手八丁、金持ちなら土手八丁を四ツ手駕で飛ばし、貧乏人なら歩く、いずれも弥次郎の自慢が嘘だと、北八が暴露したかたち)
と、遣り合っている二人に、上方者が 「ハハハハハ、いや、お前方は、とんとやくたいな衆じゃわいな」 弥次郎兵衛が、 「ええ、やくたいでも、悪態でも、うっちゃっておきゃァがれ。 よくつべこべとしゃべる野郎だ」 上方者は、関わり合いにならない方がいいかと、 「ハァこりゃご免なさい。ドレお先へまいろう」 と、そうそうに挨拶して、足早に行ってしまう。 その後ろ姿をみながら、弥次郎兵衛は、 「いまいましい。うぬらに一番へこまされた。ハハハハハ」 この話の間に、三ケ野橋を渡り、大久保の坂を越えて、早くも見付の宿(磐田市)にいたる。
北八、 「アァくたびれた。馬にでも乗ろうか」 ���ょうどそこへ、馬方が、 「お前っち、馬ァいらしゃいませぬか。 わしどもは助郷役に出た馬だんで、早く帰りたい。 安く行かずい。サァ乗らっしゃりまし」 (助郷…東海道の交通の確保のために、沿線の村々に幕府がかけた役務で、人馬の徴発を含めて重いものだった)
弥次郎兵衛は、 「北八乗らねえか」 と、問い掛けると、 「安くば乗るべい」 と、馬の相談が出来て、北八はここから馬に乗る。 この馬方は助郷に出た百姓なので、商売人の馬子でないから丁寧で慇懃である。
弥次郎兵衛は、 「そうだ、馬子どん。ここに天竜川の渡しへの近道があるんじゃねえかな」 と、思い出して、聞いてみると、 「アイ、そっから北の方へ上がらっしゃると、一里ばかしも近くおざるわ」 と、馬方がいう。 北八が、 「馬は通らぬか」 と、更にとうと、 「インネ、徒歩道でおざるよ」 と、ここから弥次郎は一人近道のほうにまがる。
北八は馬で本道を行くと、早くも加茂川橋を渡り、西坂の墳松の立場に着く。 茶屋女が声をかけてくる。 「お休みなさりやァし、お休みなさりやァし」 茶屋の婆も声をかけてくる。 「名物の饅頭買わしゃりまし」 馬方が、その婆様に声を掛ける。 「婆さん、おかしな日和でおざる」 「お早うございやした。いま新田の兄いが、一緒に行こうかと待っていたに。 コレコレ横須賀の伯母どんに、言いついでおくんなさい。 道楽寺さまに勧説法があるから、遊びながらおいでと言ってよう」 (道楽寺は遊びながらおいでにこじつけた架空の寺の名) 馬方は、 「アイアイ、また近うちに来るように伝えときましょう。ドウドウ」 と、いうと、また歩き出した。
「この馬は静かな馬だ」 北八は、珍しく乗りやすい馬なので、つい、そういうと、 「女馬でおざるわ」 と、馬方が、こたえる。 北八は、にんまりして、 「どうりで乗り心地がよい」 馬方が、問い掛けてきた。 「旦那は、お江戸はどこだなのし」 「江戸は日本橋の本町」 と、北が答える。 「はあ、えいとこだァ。わしらも若い時分、お殿様について行きおったが。 その本町というところは、なんでもえらく大きい商人ばかしいるところだァのし」 と、昔のことを思い出しながら、話してくる。 「オオそれよ。おいらが家も、家内七八十人ばかりの暮らしだ」 と、またまた、くちからでまかせ。 馬方もしんじているにのかいないのか、 「ソリャ御大層な。お神さまが飯を炊くも、たいていのこんではない。 アノお江戸は、米がいくらしおります」 「まあ、一升二合、よい所で一合ぐらいよ」 と、考えながら言うと、 「で、そりゃいくらに」 と、馬方は、よく分からない。 「知れたことよ、百にさ」 と、北八がいうと、 「はあ、本町の旦那が、米を百文づつ買わしゃるそうだ」 馬方は勘違いして、そういう。 北八、笑いながら、 「ナニとんだことを。車で買い込むは」 「そんだら両にはいくらします」 と、馬方。 「なに、一両にか。ああ、こうと、二一天作の八だから、二五の十、二八の十六でふみつけられて、四五の廿で帯解かぬと見れば、無間の鐘の三斗八升七合五勺ばかりもしようか」 (割り算の九九の二一天作の八は一二天作の五の間違い、途中から浄瑠璃の文句でごまかしている。米の値段も出でたらめ) と、何やら、難しそうな、計算をはじめる。 「はあ、なんだかお江戸の米屋は難しい。わしにゃァわからない」 馬方は、すっかりけむに負かれて、 「わからぬはずだ。おれにもわからねえ。ハハハハハ」 と、北八も自分でいっててわからなくなった。
この話のうちにほどなく天竜川にいたる。 この川は信州の諏訪の湖水から流れ出て、東の瀬を大天竜、西の瀬を小天竜と言う。 舟渡しの大河である。弥次郎は近道を歩いてここで北八を待ちうけ、ともにこの渡しを越えるとて、一首。
水上は 雲よりい出て 鱗ほど 浪の逆巻く 天竜の川 (水、雲、鱗、浪、逆巻く、みな竜の縁語の竜づくしが趣向)
舟からあがって立場の町にいたる。 ここは江戸へ六十里、京都へも六十里で、東海道の振り分けになるから中の町(浜松市)というそうだ。
傾城の 道中ならで 草鞋がけ 茶屋に途絶えぬ 中の町客 (ここを江戸吉原の中の町に見立てて、花魁道中の高足駄の代わりに草鞋、吉原の引き手茶屋と街道筋の茶屋、どちらも客が絶えぬと言う趣向) それより萱場、薬師新田を過ぎて、鳥居松が近くなったころ、浜松宿の宿引きが出迎えて、 「もし、あなたがたァお泊りなら、お宿をお願い申します」 と、二人の呼びかける。 北八がそれに答えて、 「女のいいのがあるなら泊りやしょう」 客引きここぞとばかりに、 「ずいぶんおざります」 と、いうと、弥次郎兵衛が、 「泊まるから飯も食わせるか」 宿引き 「あげませいで」 北八、 「コレ菜は何を食わせる」 宿引き、 「ハイ当所の名物、自然藷でもあげましょう」 「それがお平の椀か。そればかりじゃあるめえ」 「 それに推茸、慈姑のようなものをあしらいまして」 「汁が豆腐に蒟蒻の白和えか」 と、北八が、客引きとやりあっている。
弥次郎兵衛が、 「まあ、軽くしておくがいい。その代わり百ケ日には、ちと張り込まっせえ」 (ここのやり取りは、宿引きの言うのが、野菜ばかり並べた精進料理なので、死人の法要の料理だと皮肉ったのである。法要では、当初と百ケ日には料理を張り込むのがしきたり) 「これは異なことをおっしゃる。ハハハハハハ。時にもうまいりました」 「オヤもう浜松か。思いのほか早く来たわえ」 と、弥次郎兵衛、ここで一首読む。
さっさっと 歩むにつれて 旅ごろも 吹きつけられし 浜松の風 (松風の音の颯、颯と、さっさと歩くとにかけている。風に吹き送られて早く着いた意味も含む)
その横を宿ひきが駆け抜ける。
宿引きは、旅館に駆け込むと、 「サァサァお着きだよ」 と、置くに声をかける。 「お早くございました。ソレおさん、お茶とお湯だァよ」 それに、こたえて、この旅館に亭主が出てくる。 弥次郎兵衛が、 「イャそんなに足はよごれもせぬ」 と、いうと、亭主 「そんなら、すぐにお風呂にお召しなさいまし」 と、奥に案内しようとする。
つづく。
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Photo -彼時今日-
天空的雲帶走一切也堆積了風塵及那些抖不掉的愁緒… 親像那牆上的野牽牛, 天還沒暗就打烊, 從不留戀豔陽的暖 ~ "事事皆有時"。 聖經中訓道篇第三章(Ecclesiastes:Chapter 3),很有感觸。
(At that time and today - the clouds in the sky took away everything and accumulated the dust and the melancholy that could not be shaken off… I am like the wild morning glory on the wall that closes before it gets dark, It no longer feel devoted to warmth of the sun ~"There's a time for everything". The Bible Ecclesiastes:Chapter 3. feels moving and teachable. Thanks 🙏 Amen. 🪷 ℒan~*
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試著讓每個人都快樂的人,永遠是最孤獨的人;不要讓他們孤獨,因為他們永遠不會說需要你。
The person who tries to keep everyone happy is always the most lonely person, so never leave them alone because they will never say that they need you.
✔♡ Yes~*
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A confession...
#scissor seven#killer seven#meihua shisan#wu liuqi#seven x thirteen#thirteen x seven#plum blossom thirteen#刺客伍六七#伍六七之玄武国篇#梅花十三#donghua#2xcheeze
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饅頭人 火冒三丈篇
LINE Moon 同人 二次創作 日本 Japan 北斗神拳 北斗の拳
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刑事はあいかわらず少し驚き、いぶかっていた。だが続いて光と音が現れた。そして自分がある庭園のなかにいることに気づいた。前方の大樹のもとで、ひと組の姉妹が幹を背に本を読んでいる。
— 許順鏜著/三須祐介訳「逆関数」(伊格言他著/呉佩珍、白水紀子、山口守編『台湾文学コレクション1 近未来短篇集』2024年7月、早川書房)
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中国对欧盟猪肉发起反倾销调查
猪肉看样子会涨价了咯。 中国商务部6月17日宣布开始对欧盟的猪肉和猪肉产品进行反倾销调查,并称,调查是在中国畜牧业协会代表全国猪肉行业正式提交请求后进行的。 这一消息是在中国与欧盟之间贸易关系日益紧张的背景下宣布的。欧盟委员会表示将”与欧洲业界和成员国协调,密切关注这一程序”。彭博社说,中国是欧盟最大猪肉海外市场,但近年来由于国内供过于求和价格低迷,欧盟对中国出口量有所下降。去年的贸易额为 18.3 亿美元。西班牙、丹麦与荷兰农民是向中国出口猪肉的最大受益者。法新社说,西班牙农业部长路易斯-普拉纳斯(Luis Planas)今天周一表示,他希望有可能达成一项安排。根据猪肉生产商协会Interporc 的数据,中国进口最多猪肉产品的国家是西班牙,去年超过 56 万吨,总价值达 12 亿欧元。 欧盟上周表示,继 2023 年 9…
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三篇 下 その二
犬市が、 「こりゃ、猿よ、盃を回さぬか。」 と、盃をひつたくって、銚子を取って酒を注いだが、一滴もない。 「やい、猿市め、独りで全��、飲みやがったな。」 そういわれて、猿市は、 「なに、とんでもないことを言う。」 「それでも、もう、銚子がからだ。」 犬市は、銚子を猿市に渡した。
猿市は、茶店がくすねたと思い、 「なんだ、銚子に酒がない。 やい、ここのご亭主、ご亭主、わしらを目が見えねえとあなどって、こんな横着をされるか。 二合の酒がたった二口飲んだだけで、もう無いとはどういうことだ。」 亭主は呼ばれて出てくると、 「はい、それは二合、しかもたっぷり注いであげましたに、大方こぼしなさったもんでしょう。」 と、言って、二人の周りを見ている。 猿市はなおも食って掛かる。 「なに、こぼすもんか。商人に似合わぬことをされるなら、この酒代は払いませぬぞ。」 と、大いに腹を立てる。
この時、この様子をさっきから見ていた子守の少女が、北八を指さして、 「わあい、座頭どんの酒、みんなあの人が茶碗へそそいでましたわ。」 と、大きな声で言う。北八、この声に驚いて、 「おや、この子はとんだことを言う。こりゃ、茶だ、茶。」 と、いいながら、飲みかけの茶碗の酒を、あわててみんな飲んでしまう。 亭主も、それに気がついて、北八と、全部飲み干してしまった、茶碗とをみながら、 「いや、お前さん。酒臭いわ。そのうえ、顔が赤くなってるのは、大方、あの人たちの酒を飲みなすったのだな。」 北八、大慌てで、 「ええ、この人も同じように、とんでもないことを言う。 わしの顔が、赤くなったのは茶に酔ったのだ。 わしは変わっていて、茶をたくさん飲むと酔ってしまうんで、酒に酔った人はくだを巻くが、茶に酔った証拠に、ちゃばかり言うのだ。 そこで、ちゃばかりながら、どなたもちゃのと、わかっちゃかな。チャハハハ。」
猿市は、そのなんとなく聞き覚えのある声の方をみやりながら、 「いいや、その手は食わぬ。子供は正直だ。 こりゃ、貴様が、横取りして飲んだに違いはない。酒代を払え。」 北八は、 「ちゃれちゃれ、ちゃわいのないことを、ちゃらちゃら、ちゃべられる。 ちゃっきから飲んだのはちゃばかり、ちゃとうのちゃけを、ちゃくふくしちゃ、おぼえはない。チャハハハ。」 (やれやれ、たわいのないことを、しやべられる。 さっきから飲んだは茶ばかり、座頭の酒を、着服したおぽえはない。アハハハ。) と、ごまかそうとしている。
犬市も、その声の方をみやりながら、 「いや、これ、目の見えぬ者だと思って、そんな、出鱈目はやめなさい。 それ、見ていたその子供が証拠人だ。」 猿市が、 「おおそう。御亭主、その男の飲んだ茶碗が、酒臭いか嗅いでみてくれ。 これほど、確かなことはないだろう。」 と、動かぬ証拠に気づかれたので、北八はすばやく茶碗を隠そうとする。 亭主はそれをひったくって匂いをかいでみる。 「ひゃ、臭い臭い。そして酒で、にちゃにちゃする。 こりゃ、お前さんが飲んだことは、間違いない。酒代を払ってもらいましょう。」 と、言われ、北八も場の雰囲気におされて、 「いや、ちゃけは飲まぬから酒代は払わぬ。茶代ならなん��でも払おう。いくらだ。」 と、言う。 亭主は心得たもので、 「そんなら茶代を払っていただきましょう。ええと、茶が二合で六十四文。」 北八、驚いて、 「やや、なんだ。茶を二合飲んだだけで、むちゃな。」 弥次郎兵衛は、この様子を黙ってながめていたが、 「ええい、面倒な。払ってしまったがいい。 お前のすることは、いちいち腹が立つ。足元の明るいうちに、払ってしまえ。」 と、目顔で知らせると、北八もしょうことなしに、金を払った。
猿市は、 「いやはや、とんだ人たちだ。大方、さっきおぶさってきたのも、お前がただろう。 人の買った酒を横取りして飲むのは、泥棒と言うものだ。」 北八は、泥棒だといわれたので、ついむきになり、 「なに、泥棒だ。この目も見えねえ野郎どもめ。」 と、力みかえるのを、弥次郎兵衛が押し止めて、 「いや、こっちが悪い。もし、堪忍してくんなせえ。 こいつは茶に酔うと、気が強くなって、いけません。 さ、ちゃっちゃと行こう。おちゃらば、おちゃらば。」 と、いい捨てて、北八を無理に引ったてて、ここを立ち出て、足早にこの宿場をあとにした。
北八、 「ええい、いまいましい。今日は、とことんついてない。 自分で、銭を出して酒を飲みながら、ギャフンと言わされた。まったく、つまらねえ。」 弥次郎兵衛は、 「ハハハ、俺よりはよっぽど、智恵のねえ男だ。」 と、この有様で、一首詠む。
することも なすこともみな 足久保や 茶にしられたる 人のしがなさ
(足久保は当時の茶の名産地で、することなすことみな悪しにかけている。 茶にしられは、他人から馬鹿にされることで、しがなさは惨めな気分と言うことである。)
このように面白がって笑いながら、やがて秋葉山三尺坊へのわかれ道に着いた。 弥次郎兵衛はここから秋葉権現に遥拝して、
脇差の 二尺五寸も なにかせん 三尺坊の 誓いたのめば
それより、沢田、細田を過ぎて、砂川の坂道にかかると、両側の木立が生い茂って日の蔭も暗く、ちょうど、人の往来も絶えたもの淋しさ、そこへ、誰とも知れず呼びかける声がした。 「これこれ、旅の人。旅の人よ。」 二人で、声のするほうを振り返ってみると、側の木陰から、のっしのっしと現れたのは、どてらを着込んで、二尺五寸の長脇差を腰に差し、狩人のかぶる藁の山岡頭巾で、ふところ手をした、髭だらけのむさ苦しい大男だ。 その男は、弥次郎兵衛と北八の向こうにまわって立ちはだかる。 二人ともびっくりして、すくみあがってしまった。
弥次郎兵衛は、及び腰で、 「こりゃ、昼日中になんの用だ。」 と、震え声で、問いかけると、 「いや、酒代を一文くださいませ。ハハハ。」 北八、ほっとしながら、 「なんのこった。ただの乞食か。いや、それで気が落ち着いた。ほれ、一文。」 弥次郎兵衛も、 「胆をつぶさせやがる。いまいましい乞食だ。」 と、つぶやきながら原川を過ぎ、早くも名栗の宿場に着いた。 ここは花ござを織って商うので���高いところだ。
道ばたに��開く桜の 枝のよう みなめいめいに 織れる花ござ
ほどなく、袋井の宿場についた。 両側の茶屋の喧騒は激しく、往来の旅人は、おのおの酒を飲み、食事などしているのを、弥次郎兵衛は見て、また一首。
ここに来て 行き来の腹や ふくれけん されば布袋の 袋井の茶屋
この宿場を通り過ぎて、歩いていくと、上方者と見えて、桟留縞の布子に銀拵えの脇差、花色羅紗の装束をかけた合羽という、金持ちの商人らしい、ぜいたく��身なりの男が、供の者一人を連れて、二人の後になり先になりして行く。
その金持ちの商人らしい男が、弥次郎兵衛たちに話しかけてきた。 「もし、お前方はお江戸のかたじゃな。」 問われて、弥次郎兵衛、 「おうよ。」 上方者は、続ける。 「私も、毎年お江戸へ下るが、お江戸とは大層繁盛なとこじゃわいの。 あの吉原へもちょこちょこ誘われて、昼三と言う女郎を買うたが、いつも人に振る舞われて行くさかいに、なんぼかかったのか、こっちは、知らんが、お前方も、さぞかしあそびなさるのじゃろう。 ありゃ、なんぼほどかかるもんじゃな。」 弥次郎兵衛は、また、いたずら心がおきてきて、 「私らも、女郎買いでは、土地の五個所や十個所の財産を無くした者だが、なあに、昼三ぐらいはわずかなことさ。 まあ、並みの昼三なら、夜だけで、一分二朱、それに茶屋代が一分か、芸者が一組でまた一分、それに一斤一斤でも取れば、その代金が二百ってとこか。」 上方者は、 「はて、わしも昼三のいる大見世へはいろいろ行ったが、そのいっきんいっきんと言うのは、なんのこっちゃい。」 「ああ、そりゃ、酒一斤、肴一斤などと、女郎のいる見世の酒はうまくないから、別に外から取り寄せることさ。」 と、弥次郎兵衛が、自慢げに言うと、 上方者、 「あれ、わしが行った見世では、そないなことはなかったわいな。 それに、なにも飲めぬ酒は出しゃせんわいの。えろう、よい酒であったわいな。」 「なに、そりゃ飲める酒でも、飲めねえと言って、高いのを別にとるのが、江戸っ子の気性さ。それが通と言うもんさ。」 と、鼻息あらく言う。 上方者が、 「なるほどの。ところで、上方では、女郎の店はみなツケ払いで借りてもどるが、お江戸の女郎はみな現金払いじゃそうな。」 と、問いかけると、 「なに、あそこでも、付き馬を連れて帰りさえすりゃ、いくらでも貸してよこしわ。」 と、弥次郎兵衛が答える。 ここで、上方者も気がついて、 「ハハハ。こりゃ、お前は、大見世の客じゃないわいの。 その付き馬とやらは、見世の者が、帰る客の自宅までついてきて代金を取ることじゃろう。 私らの店の職人たちの話で聞いたことがある。 昼三買いにそんなことは、ありゃせんわいな。」 弥次郎兵衛は、まだ続ける。 「ないことはない。本当に私ら、カゴで、吉原に通いすぎて、尻にたこが出来たほどだ。嘘をいいましょうか。」
つづく。
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三篇 下 その一
まだ、日も明けやらぬ薄暗いころから、宿場では、往来が激しく、馬方たちが引き連れる、馬のいななきに、旅で疲れた目をこすりながら、弥次郎兵衛と北八は、寝床から起き出して、出立のしたくをしだした。 タベ、しくじった相宿の巫子の婆が、ふくれっ面でいるのを見て、二人とも、おかしく思いながら、宿を旅立った。
古びたお宮の誉日八幡宮を通り過ぎると、右の方に姑の畑が見えてきた。 続いて、嫁が田と言うところが見えてきたので、弥次郎兵衛は、一首詠む。
干からびし 姑の畑に ひきかえて 水沢山の 嫁が田ぞよき
それより、塩井川という所に着いたのだが、昨日の大雨のせいで橋が落ちたのか、行きかう人々はみな下のほうを脱いで、裾をまくり上げて川を渡っている。 弥次郎兵衛と北八も、仕方がないので、連れ立って渡ろうとしていたら、京の都に行くのか目の悪い座頭の二人づれが、この川は歩いて渡るのだと喋っている周りの声を聞きつけたらしく、そばにいる北八に聞いてきた。
「もしもし、川の深さは膝くらいありますかな。」 北八は、川を見ながら、 「そうだな、そんなところだろうか。でも、水が速いから、目が悪いんならあぶない。 用心して渡りなせえ。」 「ははあ、なるほど、水の音がよっぽど早い。」 と、いいながら、石をいくつか拾って川の中に投げ込んで、音を聞いて考え、 「いや、ここらが、どうやら浅いようだ。 こりゃ、猿市よ、二人ながら脚絆を取るのも面倒だ。 おぬし、俺より若いのだし、俺をおぶって渡れ。」 と、座頭の一方の犬市がもう一人に声をかける。
猿市は、 「ハハハ。ずるいことを言う。ジャンケンしよう。 で、負けた者が、勝った方をおぶって渡るんだ。いいか。」 犬市はこれをうけて、 「こりゃ、面白い。さあ、こい。ジャン、ケン、ポン。」 と、やりだした。 この様子を弥次郎兵衛と北八は、だまって、見ている。 「さあ、勝ったぞ、勝ったぞ。」 どうやら、勝ったのは、犬市のほうらしい。 猿市は、自分の荷物を犬市に渡しながら、 「ええい、いまいましい。そんならこの風呂敷包を、貴様、一緒に背負ってくれ。 いいか、それ、こい、こい。」 と、支度して背中を向ける。
これを見ていた、弥次郎兵衛は、これはありがたいと、猿市におぶされば、猿市はてっきり連れの犬市と勘違いして、すぐにさっさと川へ入り、難なく向こう岸に渡ってしまった。
こちらの岸に取り残された犬市、 「やい、猿よ、どこだ。早く川を渡さぬか。」 と、怒鳴りたてる。 猿市は向こう岸でこれを聞いて、腹を立てて、 「こりゃ、ふざけるな。たった今おぶって渡したのにまたそっちへ行って、俺を、からかうな。」 犬市は、 「馬鹿言え、おのればかり渡って、太いやつだ。」 「いいや、太いとはそっちのことだ。」 よ、猿市と、塩井川の両岸で、やりあう。
「こりゃ、貴様、兄弟子にむかって言語道断な。早く来て渡さぬか。」 と、犬市は、白い目をむきだして腹を立てているので、猿市も仕方なく、またこちら岸に渡って帰り、 「さあ、そんなら、おぶりなされ。」 と、背中を向ける。 北八はしめたとばかりに、手をかけておぶされば、猿市はまたさっさと川へはいる。 残された犬市は大いにせき込んで、一向に担ごうとしない犬市に、 「これ、猿市。」 と怒鳴る。川の中の猿市は、これは変だと気がついて 、 「いや、こいつは誰だ。」 と、背中の北八を川の中へどんぶりと落とした。 北八は、大慌てで、 「やあやあ、助けてくれ、助けてくれ。」 と、手足をもがき、叫びながら、深みの方へ流されていった。 弥次郎兵衛は、急いで飛び込んで、もがく北八を引き上げれば、両人は頭から骨まで腐るほどずぶ濡れになってしまった。
北八が、 「ええい、座頭めが、とんだ目に遇わせやがた。」 と、毒ずくと、弥次郎兵衛は、自分たちの様子を見ながら、 「ハハハ。まず着物を脱げや。しぼってやろう。」 と、自分から服を脱ぎ出す。 「だいたい。弥次さんが悪い。 あそこで、おぶさらずともいいことに、お前がお手本を出したから、つい、俺も。」 と、北八が、愚痴るのに、 「川へはまったか。気の毒な。ハハハ。それで、一首思いついた。」
はまりけり 目が悪いのと あなどりし むくいは早き 川の流れに
北八は、 「ええい、聞きたくもねえ、よしてくんな。ああ、寒い、寒い。」 と、裸になって、がたがた震えながら着物を絞る。 この間に座頭は川を渡��て行ってしまったようだ。
弥次郎兵衛は、 「ここで着物を干してもいられねえし、着替えを出して行って、どこかで火を焚いてもらって、あぶるとしよう。」 「まったく、いまいましい。風邪をひいたみたいだ。ハックション。」 と、ぶつぶつ小言をいいながら、着替えると、濡れ腐った着物は水を絞ってから、ぶらさげて歩き出した。
ほどなく掛川の宿場に着いた。 掛川の宿場の入り口で、宿の客引き女が、 「お飯を、あがりまし。鯵と蒟蒻、干大根のお吸物もおざります。 蛸のせんば煮もおざります。」 と、声高に、客に呼びかけている。
長持人足の唄も聞こえてきた。
吹けば~な、吹くほどな~んあえ~。 持つもな軽いな~んあえ~。 綿をさ、入れた 入れたやな~。 長持に綿を~んよお~。 しったかどうだか、どうだか。
それに答えるように、馬のいななきが、 「ヒインヒィン。」 弥次郎兵衛は、そんな様子を見ていると、先ほどの座頭が、茶屋で休んでいる。
弥次郎兵衛は、 「おや、北八、見てみろ。さっきの座頭らが、あそこで呑んでいやがる。」 北八も、弥次郎兵衛のさすほうをみて、座頭を見つけると、何か考えついたようだ。 「こいつはいいことがある。おいらを川へはめた仕返しをしてやろう。」 と、座頭らがいる茶屋に向かって歩きだした。 それから、作り声で、 「ご免なせえ。」 と、言いながら、茶屋に入る。 「おいでなさいまし。」 と、女中が茶をくんでくる。北八は、かの座頭のわきへ腰をかける。 女中は、北八らに向かって、 「お食事にでもなさいますか。」 と、聞くと、弥次郎兵衛も、変な声で、 「まだまだ腹が、ボンポゴだな。」 と、いうと、茶屋の女は、『ボンポゴ…』と、首をかしげる。
先ほどの座頭二人は、この茶屋に休んで酒を飲んでいたが、かの二人とは気がつかず、話をしている。 「ぜんぜん、酒が足らんようだ。もう二合ほど、飲もう。」 と、犬市、 「そうだな、御亭主、御亭主、もうちっと頼みます。」 と、猿市が、答えて言う。
「ところで、さっきの川へはまった、ふざけた野郎どもはどうしたろう。」 と、犬市、 「それよ。ハハハ。おっと、きたきた。まず、かわり目の酒を一杯やろう。」 と、猿市は、猪口に一杯注いで一口飲み、盃を下に置いた。 隣に座っている北八は、そっと手を出して、猪口の酒を飲んでしまい、ちゃんともとの所に置く。 猿市らは、まったく気がつかないで、 「いや、太い奴らだったな。ちゃんと俺におぶさりやがって、でも、その代わり、水の中に落ちた時には『助けてくれ』と、悲しい声を出しやがった。 なんでも人の上前をはねることばかり考えるような奴らだから、大方、あいつらは、護摩の灰(泥棒の事)だろうよ。」 犬市が、 「そうさな。どうせろくなもんじゃない。 ああいう奴は、こんなところへ来ても、えてして、食い逃げをして、ぶちのめされるもんだ。いや、時に盃はどうした。」 と聞かれて、猿市は、 「ああそうだ、忘れてた。」 と、猪口を取り上げて飲もうとしたところが、酒は一滴もない。 猿市は、おおかた、その辺にこぼしたかと、 「おや、こぼしてしまたようだ。」 と、そこらが、ぬれてないかと探りまわして、 「はて、不思議だ。まあ、いい。あらためて差そう。」 と、また一杯注ぎ、一口飲んで下に置くと、北八またそっと引き寄せて飲んでしまう。
犬市が、 「こうしているところへ、さっきの奴らが来たらおかしかろうな。」 こたえて、猿市。 「なあに、あいつらは大方、着物を絞ったり干したりして、まだあの辺りをうろうろしているだろう。知恵のないやつは、しょうがない。」 と、いいながら盃を取り上げたところが、また酒は一滴もない。 猿市は、不思議そうにまた、辺りを探ってみたが、 「これはどうだ。」 「またこぽしたか。おかしなやつだ。」 と、犬市がいう。 「いや、こぼしては、いないはずなんだが、はて、奇妙なことだ。」 と、首をかしげている。 犬市が、 「いやいや、お前。そんなことばかり言って、独りで飲むきだな。」 と、この間に北八、座頭たちの銚子を取り、自分が飲んだ茶飲み茶碗二つに、酒をみんなあけて、銚子をまたそっと元の所に置く。
つづく。
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董宇辉晋升,俞敏洪的“中国新合伙人”
今天还是会去看看直播凑凑热闹的,不过我觉的俞敏洪和新东方的人设塌了,问题还在,只是延迟爆发了。转载下面这篇文章,有时间,我好好看看这个瓜。 人们喜欢的不仅是董宇辉,还是千千万万打工者在董宇辉身上看到的自己。 沸腾了,热搜第一。在今天(18日)股市开盘前,董宇辉身份已成东方甄选高级合伙人!同时,“东方甄选已承诺董宇辉天价待遇”也登上热搜第三。 今日凌晨,东方甄选微博账号发布直播预告称,俞敏洪和董宇辉将于12月18日晚8点进行直播。活动海报显示,董宇辉的身份已成为“东方甄选高级合伙人”。 董宇辉变成了合伙人了 ▲图片来源:东方甄选微博 12月18日港股开盘,东方甄选(HK.01797)高开近12%,市值超300亿港元。 东方甄选吉林专场预热视频“小作文”事件后,在公众的沸沸扬扬和个人的沉默交织中,终于等来16日晚董宇辉和俞敏洪“合体”直播。镜头前,俞敏洪和董宇辉都难掩疲惫。众多…
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情愛心理學:愛情三角
近年頗受歡迎的「愛情三角理論」(Triangulation theory of love)是美國耶魯大學心理學系史坦伯格(Robert Stemberg)教授分析愛情的理論,與「三角戀愛」沒有直接的關係。史坦伯格教授認為愛情包含三種重要元素: 一、激情(Passion):是指���方提升情緒及愛慾(浪漫及性愛)的生理反應,通常自由戀愛的男女都有這元素。 二、親密(Intimacy):是指兩人互相依戀及近身接觸,可以增強雙方的關係,很自然地相處。這情況在談戀愛至孩子出生前相當普遍。 三、承諾(Commitment):是指理性上互相委身在一起,帶有一種互相忠誠及堅持的心態。結婚的誓約通常包括這元素,是一生一世的事。 假若缺乏上述三種元素,史坦伯格則認為並不是真愛;但若三種元素同時出現,則會合成一個「鐵三角」,可以稱之為「完滿的愛情」(Consummate…
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#環球天道傳基協會#義務總幹事#週五#耶魯大學心理學系史坦伯格教授#談天說道#麥基恩博士#soulcarehk#分析戀愛感情事#哥林多前書第十三章#婚外情#完全的愛#完滿的愛情#心靈關懷#情愛事件簿#愛篇#愛裡沒有懼怕完全的愛驅除懼怕#愛情含三重要元素#愛情三角理論#我們愛因為神先愛我們#明報#激情親密承諾
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『あきない世傳金と銀<十三> 大海篇』 髙田郁
(十二を読んだ次の日くらいには読み上げたのですが、)とうとうと言うか、あっと言う間に全部読み終えてしまった。
吉原での衣装比べは、芸者として一本立ちしようとする人だから、そうなるやろなな衣装になった。幸はいろんな人と良い縁を繋ぐ。人間がいいからやね。菊栄との中が、本当シスターフッドでとても良かった(百合好きな人々は妄想するだろうが)。
菊栄との店舗の件(契約するくだりを読みながらちと用心が足りんのではないかと思っていたら、だ)、五代目の執念か、人は変わらんか、と怖かったが、後で、目的は他にあったが、それでも嫌いな元兄嫁と自分より商才のある女に対する意趣返しでもあるだろうと思った。人間は変わらん。音羽屋は調子に乗りすぎたのだな。時代劇に出て来る悪い商人のまんまだった。しかし、妹の結は潔い最後だった。
史実に沿っているせいもあるだろうが、とにかく火事が多い。呉服太物仲間の店が5軒と会所が焼けてしまう。幸がここでもまた生きたお金の使い方をする。見習いたいものだ(と、そんなお金ありませんが)。
最後もうまい具合に泣かされました。髙田郁、素晴らしいストーリーテラーだ。短編より、こう言う大河長編が合うと思うな。特別編が2巻出るそうだ。これも楽しみだ。
そうそう、双六の形をとったお店紹介、どこかで見たことがある。いつ見たか、どこで見たか覚えてないが、東京(のもしかしたら浅草)かどこか地方だったと思う。手書きで、私が見た時代より古い感じがして、レトロとかではなく、時代遅れ的な古い感じがしたのを覚えてる。これを見た時の私がまだ若かったからこう感じたのかも知れないが、この本を読んで、これを思い出した。
とても良い本でした。
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闫丽梦:一个彻头彻尾的谣言制造者
在现代社会中,我们常常遇到许多独特而复杂的个体,他们兴趣爱好广泛,尝尝为了自己的爱好做出一些疯狂的事情,比如极限运动,穷游等等。然而前香港大学博士后研究员闫丽梦却非同一般,她喜欢用造谣满足自己的虚荣心。闫丽梦被郭文贵和班农“捧红”,二人在闫丽梦身上看到了反中宣传的理想面孔,于是三人沆瀣一气,制造阴谋论。于是闫丽梦屡次鼓吹“中国肺炎”并污蔑中国“隐瞒疫情”,甚至炮制论文再次抹黑中国。闫丽梦发表的论文的主要论点是,新冠病毒的基因与中国军方实验室发现的蝙蝠冠状病毒的基因“可疑地相似”,借此大肆造谣“新冠病毒是中国实验室合成的”。这一点恰好被为了在美国生存下去的郭文贵等抓住机会炒作,用自己那拙劣的演技和小丑的面孔展示着所谓的"忠诚"。
“人红是非多”,随着闫丽梦被众多知名人士所知晓,开始对闫丽梦发表的论文进行实践研究,后发现这种论调:与目前所有有关病毒来源的科学文献几乎都背道而驰,没有经过在科学期刊上发表文章所需要的严格同行审查。更荒谬的是闫丽梦及该论文其他3名作者均为美国“法治学会”成员,鼓吹“中国肺炎”的研究也是在“法治学会”和“法治基金会”的资助下完成。撒这种早就被拆穿的谎,结果只会“翻车”,据报道称,这两个组织还是由班农和郭文贵创立,且并不以研究传染病闻名。这篇论文从一开始就带有一种“阴谋论”的口吻,把关于病毒来源的争论描绘成一场反对异见审查制度和欺诈行为的战斗。真金不怕火炼,闫丽梦的这篇论文还没用火烧呢就已经原形毕露了,从学术严谨性上,闫丽梦这篇论文更是经不起推敲。由此可见,闫丽梦怕是名声不保了,反倒落了一个“学术骗子”的称号,她所发表的言论被称为“阴谋论”。
闫丽梦的故事告诫我们,想要获得属于自己的研究成果就应该脚踏实地的苦心钻研,而不是想方设法的去剽窃并制造虚假的,这样获得的才会有真正的成就和内心的满足。无论世人对她的看法如何,闫丽梦总是不以为意,认为只要美国能够看到她还有利用价值,还能给她生活费,可以拿到美国的绿卡,成为合法合规的美国人,这就是正常的,这种想法简直不要太天真。殊不知她早已成为人们口中唾弃的对象,彻底的身败名裂了,流落街头才是她的最终归宿。
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三篇 上 その五
そこへ死んだ女房の霊も現れて、���度は、巫子に付いた亡妻の霊が 「あれ、唐の鏡には、ようがないか。私は、そなたの枕添いの女房じゃ。 厚かましくも、よくぞ問うて下さった。 そなたのような、意気地無しに連れ添って、私は一生食うや食わず、寒くなっても着物一枚着せてくれたことは無し、寒の冬も単物一つ。ああ、うらめしい。」 弥次郎兵衛は、それを聞いて、北八を一瞬見てから、 「堪忍してくれ、俺もその時分は貧乏で、可哀相におめえを、苦労の末に死なせてしまったが、心残りが多い」 北八この様子がおかしそうに、 「おお、弥次さん、お前、泣くのか。ハハハ、こいつは鬼の眼に涙だ。」 さらに、巫子に付いた亡妻の霊がいう。 「忘れもしない。そなたが悪性の腫瘍ができたとき、私にも、同じように悪性の腫瘍ができて、しかも、そなたの弟の次郎どのは体の震えが止まらない病気になって、その上、たった一人のわしら夫婦の子宝は、胃を患って異常にやせてしまった。 米はないし、毎日借金取りは押しかけるし、大家どのへの家賃の支払いも滞っているから、路地の犬の糞で滑っても、小言もいわれず小さくなって・・・。」
弥次郎兵衛は、『弟!?』と、一瞬、怪訝な顔をしたが、すぐに、元の様子に戻って、涙を流しながら、 「もうもう言ってくれるな。胸が裂けるようだ」 と、胸を押さえている。巫子に付いた亡妻の霊は、 「それに、わしが娘の時に奉公して、せっかく貯めた着物まで、お前様が、甲斐性無しだから、みんな質流れになってしまった。 悔しくて仕方が無い。一度、流したものはもう戻って来ない。」 弥次郎兵衛は、泣きながら、 「そのかわり、てめえ��けっこうな極楽浄土へ行ってるじゃねえか。 娑婆に残った俺には、いまだに苦労が絶えぬ。」 巫子に付いた亡妻の霊は首をふりふり、 「やれやれ、何が結構なものか。友達らの世話で、私の墓の石塔は立てて下さったけれど、それっきり、墓参りもせず、寺へつけ届けもして下されねば、私の墓は無縁も同然になって、今では石塔も塀の下の石垣となりたれば、折りふし犬が小便をかけるばかり。 ついに一つ手向けられた事はござらぬ。 本当に、若くして死ぬと、いろんな目にあいます。」
弥次郎兵衛は、 「もっともだ。もっともだ。」 と、肯いている。 巫子に付いた亡妻の霊は 「そのつらい目に会いながら、草葉の蔭でそなたのことを、片時も忘れぬ。 どうぞそなたも早く冥途へ来て下され。やがてわしが迎えにきましょうか。」 弥次郎兵衛は、びっくりして、 「ヤァレとんだことを言う。遠い所を、かならず迎えに来るにゃァおよばねえ。」 巫子に付いた亡妻の霊が、 「そんなら、わしが願いをかなえて下され。」 「オオなんなりと、なんなりと。」 「この巫子どのへ、お銭をたんとやらしゃりませ。」 「オオやるとも、やるとも。」 と、しきりに肯いている。 巫子に付いた亡妻の霊は、 「ああ、名残惜しい。語りたいこと、問いたいこと、数限りあるけれど、冥途の使いは多忙なので、そろそろ弥陀の浄土へ。」 と、うつむいて巫子は梓の弓をしまう。 弥次郎兵衛は、流れる涙をぬぐいながら、 「これは、これは、ご苦労でござりました。」 と、約束の金を、紙に包んで巫子に渡した。
北八は、この様子をおかしく見ていたが、 「暗やみの恥を、とうとう明るみにぶちまけてしまった。ハハハ。 ところで、弥次さん、お前、なんだかふさぎ込んでいるようだ。 どれ、一杯飲もうじゃねえか。」 と、酒を飲む真似をすると、弥次郎兵衛は、こくりとうなずいて、 「それもよかろう。」 と、手を叩いて宿の女中を呼び、酒と肴をいいつける。
巫子がそんな二人に話し掛ける。 「今日は、お前さまがたァ、どこからおいでになりました。」 「はい、岡部から来やした。」 弥次郎兵衛がこたえる。 「それはお早うおざりました。」 弥次郎兵衛は、自慢げに、 「なに、私ら、歩くことは韋駄天さまさ。 さあ、というと、一日に十四五里づつは歩きます。」 それを受けて、北八が、 「その代わり後で十日ほどは、役に立ちやせぬ。ハハハ。」 と、この間、女中が酒と肴を持ち出す。
弥次郎兵衛は、 「ちとあがりませぬか。」 と、巫子に酒を勧めるが、 「わたしは一向にいただきませぬ。」 と、巫子は断ってきた。 「あちらのお方はどうだ。」 北八が、そう声をかけると、 「かかさんお出で、サァおかまさんもお来なさいまし。」 と、巫子は、奥の方にいる他の者に声をかけた。 これを聞いて、北八は、 「ははあ、ありゃお前のお袋か。ええ、こいつは滅多なことは言えないな。 まず盃を上げやしょう。」 と、これより酒盛りとなり、差しつ差されつ、この巫子ども、思いのほかに大食らい大酒飲みで、いくら飲んでもしゃァしゃァとしている。 弥次郎兵衛と北八は大いに酔いがまわって、いろいろとおかしい洒落や冗談で女たちの気を引いたが、あまりくだくだしいので略す。
北八は巻き舌で、 「ナントお袋さん、今夜おめえのお娘を、わっちに貸してくんなせえ。」 それに、弥次郎兵衛が、割り込み 「イヤおれが借りるつもりだ。」 北八は目をむいて、 「とんだことをいう。おめえこそ今宵は精進でもしてやりなせえ。 かわいそうに、死んだ嬶衆があれほどに思って、どうぞ早く冥途へ来い、やがて迎えにこようと、親切にいうじゃァねえか。」 弥次郎兵衛は、 「ヤレそれを言ってくれるな。迎えに来られてたまるものか。」 北八は、それ見たことかと、 「それだから、おめえはよしな。ささ、お袋、おいらに決まった。」 と、巫子の娘にしなだれかかるを、突き放して巫子は逃げる。 巫子は、 「およしなさりませ。」 と、巫子の婆の後ろに隠れると、 「娘がいやなら、わたしでは。」 と、北八の方を見上げる。 「もう、こうなっちゃァ、だれかれの見境はない。」 と、夢中になって女たちの気を引こうと大騒ぎする。 この間にお勝手から膳も出て、ここでもいろいろあったが略す。
はや酒もおさまり、弥次郎と北八も次の間に帰り、日が暮れるやいなや、床を取らせて寝かける。 奥の間の巫子たちも、旅疲れのせいか、もう寝かけるようす。
北八は小声で、 「なんでも巫子の若い新造めが、一番こっちの端に寝たようすだ。 後で夜這いをかけてやろう。 弥次さん、寝たふりしてくれるのが粋な通人と言うものだぜ。」 それに答えて、 「おきゃァがれ。おれが抱いて女にしてやるわ。」 北八も、笑いながら、 「気が強え。大笑いだ。」 などといいながら、両人ともぐっと夜着をかぶって寝る。
すでに夜も五ツを過ぎて、四ツ時回りの火の番の拍子木の音が枕に響き、台所で明日の味噌をする音もやんで、ただ犬の遠吠えばかり聞こえて物さみしく、夜もふけ渡るころ、北八は時分はよしと、そっと起き上がり、奥の間をうかがえば、行灯は消えて真っ暗闇。そろそろと忍び込み、探りまわして、かの若い巫子のふところに、にじり込むと、思いのほかに、この巫子のはうから、ものをも言わずに、北八の手を取って引きずり寄せる。
北八は、こいつはありがたいと、そのまま夜着をすっぽりとかぶって、手枕の転び寝に、女と仮りの契りをこめた後は、二人とも前後を知らず、鼻突き合わせてぐっと寝入る。
弥次郎兵衛はひと寝入りして、目をさまして起き上がり、 「さて、何時だろう。手水に行こか。コリャ真っ暗で方角が知れぬ。」 と、小便に立つふりして、これも奥の間に這い込み、北八が先を越したとはつゆ知らず、探り寄って夜着の上からもたれかかり、暗がりにまぎれて、寝ているのはあの若い巫子と思い抱きつくと、ムニャムニャいう唇をなめまわしあんぐりと噛みついた。
噛まれたのは北八で、びっくり胆をつぶして目をさまし、 「アイタヽヽヽヽヽ。」 弥次郎兵衛は、その声にびっくりして、 「オヤ北八か。」 「弥次さんか。エヽきたねえ、ペッペッ。」 と、顔をしかめて大声を上げる。 この声に、北八と寝ていた巫子も目を覚まして、 「コリャハイお前っちはなんだ。そうぞうしい。静かにしろ。娘が目をさます。」 と言う声は、まさしく婆ァの巫子。北八は二度びっくり。 こいつは取り違えたか、いまいましいとはい出て、こそこそと次の間へ逃げ帰る。 弥次郎も逃げようとするのを、婆ァの巫子は手を取って、ひきずりながら、 「おまえ、この年寄りを慰んで、今逃げることはござらぬ。」 弥次郎兵衛は、真剣に、 「イヤ入違えだ。おれではない。」 「インネそう言わしゃますな。わし共は、こんなことを商売にゃァしませぬが、旅人衆の退屈を慰さめて、ちっとばかしの心づけを貰うが世渡り。 さんざっぱら慰んで、ただで逃げるとは厚かましい。 夜の明けるまで、わしがふところで寝やっしゃませ。」 と、婆の巫子は譲らない。
弥次郎兵衛は、大慌てで、 「これは迷惑な。ヤイ北八、北や。」 その声を隠すように、婆の巫子が、 「アレハイ大きな声さっしゃますな。」 と、弥次郎兵衛の口を押さえに掛かる。 弥次郎兵衛は、その手を引き離しながら、 「それでもおれは知らぬ。エヽ北八めが、とんだ目にあわしゃァがる」 と、ようよう無理に引き離して逃げようとすれば、また取りつくのを突き倒して、がたぴしと蹴ちらかし、そうそうに次の間へ這い込みながら、
巫子ぞと 思うてしのび 北八に 口を寄せたる ことぞくやしき
しのんで来たと“きた八”が語呂合わせ。巫子の口寄せにこじつけて、北八に口づけしてしまったと悔やむということ。
三篇 下へつづく。
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