#ハヤカワ・ミステリ文庫
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findareading · 6 months ago
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「なんの本? 何も考えずに読めるおもしろい本を探しているのよ。今後十年間は、ようやく医者になれてもそんな本を読んでいる暇なんてなさそうだから」エミリーは大きな笑みを浮かべ、ジェレミーはぎこちなく笑う。少し調子を狂わされている。立て直さなければならない。 「ああ、ホラー小説のアンソロジーだよ。心安らぐ現実逃避手段とは言えないね」
— アレイナ・アーカート著/青木創訳『解剖学者と殺人鬼』(2023年11月Kindle版、ハヤカワ・ミステリ文庫)
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joze1123 · 1 year ago
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ハヤカワ・ミステリ文庫より刊行の「詐欺師はもう嘘をつかない」装画を担当しました。
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ryotarox · 11 months ago
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 「なんで、そんな昔の話を読むの?」と、スペンサーは少年に尋ねられます。 「当時の人々の生活がどんなものだったか、知りたいのだ。読むことによって、六百年の隔たりをこえた継続感が得られる点が好きなんだ」 「おれは、人々の生活について知れば知るほど、人間のことがわかってくる。ある程度の概観がえられる。当時、自分にとってなんらかの価値があると思えるものを手に入れるために、人を殺したり、拷問にかけたり、苦しんだり、努力したり、悩んだ人々が大勢いた。今、彼らが死んで六百年たった。それはいったいどういうことなのか‥‥」
(ほぼ日の学校長だより - ほぼ日刊イトイ新聞から)
ロバート・B・パーカーの『初秋』(ハヤカワ・ミステリ文庫)です。1981年に原作が発表され、翌年すぐに日本語訳が刊行されます。両親から育児放棄(ネグレクト)された15歳の少年と、私立探偵スペンサーとのまっすぐな心の交流が描かれて、感銘を受けた作品です。
彼が読んでいたのは、バーバラ・タックマン(1912~1989)の『ア・ディスタント・ミラー』(1978年)という歴史書です。
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初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ) | ロバート・B. パーカー, 菊池 光 |本 | 通販 | Amazon
離婚した夫が連れ去った息子を取り戻してほしい。―スペンサーにとっては簡単な仕事だった。が、問題の少年、ポールは彼の心にわだかまりを残した。対立する両親の間で���け引きの材料に使われ、固く心を閉ざして何事にも関心を示さない少年。スペンサーは決心する。ポールを自立させるためには、一からすべてを学ばせるしかない。スペンサー流のトレーニングが始まる。―人生の生き方を何も知らぬ少年と、彼を見守るスペンサーの交流を描き、ハードボイルドの心を新たな局面で感動的に謳い上げた傑作。
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harima-ria · 2 days ago
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★2024年読書感想まとめ
 2024年に読んでおもしろかった本の感想集です。寝て起きると昨日のすべてを忘れてる……っつう繰り返しで日々一切が過ぎていくので、一年の記録をひとつにまとめとくのもいいかなと。以下ざっくばらんに順不同で。ちなみにNot 新刊、ほんとにただ読んだものの感想です。
◆◆小説◆◆
●アンナ・カヴァン『氷』(山田和子訳・ちくま文庫)  巨大な”氷”の進行によって全世界が滅亡の危機にさらされるなか、男はヒロインたる”少女”をどこまでも追い求める……。もっとゴリッゴリにスタイルに凝った幻想文学かと思って足踏みしてたのですが、こんなに動き動きの小説とは。意外なほど読みやすかったです。唐突に主人公の夢想(?)が挿入される語り口も最初は面食らったけどすぐに慣れたし。内容はウーン、暴力まみれの病みに病んだ恋愛小説という感じ? 構成の一貫性とかは疑問だったりしたんだけどそのへんはどうでもよく。後半尻上がりに面白くなっていくし色々吹っ飛ばす魅力があってかなり好きでした。  それと解説に書いてあった「スリップストリーム文学」というのがすなわち自分の読みたい小説群だなーという嬉しい発見もあり。つってもジャンル横断的な定義だから、該当するものを自分で探すのはムズいけどね。
●スタニスワフ・レム『惑星ソラリス』(沼野充義訳・ハヤカワ文庫)  何年も謎に包まれたままの海洋惑星に降り立った主人公が遭遇する怪��象の正体とは?……っていう超有名なSF。「実はこの海は生き物なんじゃね?」がオチだったらどうしよう……と思ってたけど杞憂、それは出発点に過ぎませんでした。途中に挟まる惑星ソラリスの(仮想)探険史の部分がすごく面白い。あとはこの小説のまとめ方はちょっと神がかってると思う……。自分はSFは全然明るくなく、ちょっと異様な感触みたいなものを求めてたまーに手に取るぐらいなのですが、その点この本はほんとにセンス・オブ・ワンダーを味わわせてくれて良かった……。SFオールタイムベスト1とかになるのもむべなるかなぁと。
●庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(新潮文庫)  東大紛争終息直後の1969年を舞台に、あれこれ思い悩む男子高校生の一日を描いた中編。自意識過剰気味の饒舌な一人称文体が特徴で、すごくユーモラスだけど主人公がかなりナヨナヨした人物にも見える……。でもその中から、外界の強烈な変化に対してありのままで居られない精神の揺れみたいなものが浮かび上がってくるところがおもしろくて、確かに青春小説の名作かも……と思いました。  リアルタイムにはどうだったか知らんけど、今の眼で見るといわゆる”1968年”以降の状況とか、70年代カウンターカルチャー的な空気の”乱暴さ”に対する、一見弱々しいけど切実な返歌って感じもしました。  もっとも読み終えてから、この小説をあえて政治的な色で塗るならいわゆる”保守反動”的な感性に分類されるのかなぁとかはちょっと思ったけど。しかし、リベラルにあらざれば人にあらずみたいな価値観こそ断然間違ってるしなぁなどと、ひとりで勝手に問答したりもしました(笑)。それに現実的にはそんな二分法で単純に分けられるもんでもないだろうし。なんとなく「その時代の作品」という感じなのかと思ってたけど、今読んでも全然おもしろかったです。
●フランツ・カフカ『審判』(池内紀訳・白水uブックス)  理由も分からないまま突然逮捕された主人公が、裁判の被告の立場にずーーーっと留め置かれるっていうお話。何ひとつ確かでないものに延々振り回され続ける理不尽が、ときに笑っちゃうほど面白く、逆に陰惨すぎるくだりもあったりして、総じて非常に好みでした。バカバカしいけどブラックな不条理ユーモア小説? カフカって自分が漠然と抱いてたイメージよりもずっと大胆で、わりとアホなことをあっけらかんと書いたりもするのねーという発見がありました。このお話には裁判的なものの外枠と手続きのみがあって、そこに「法」はないのでは? というふうに読んでたのですが……。終盤の「大聖堂にて」っていう章が凄かったです。
●スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』(野崎孝訳・新潮文庫)  ニューヨーク郊外に暮らすギャツビーという名の大富豪の生き方を、たまたま隣に住んだ青年が垣間見る、みたいなお話。ストーリーそのものはわりとベタだと思うんですけど、それを語る会話パートの書き方の巧さと、ドラマの合間の地の文が醸し出すほどよい叙情性がすばらしい。純粋ゆえの虚飾、虚飾ゆえの純粋さみたいな、テーマの核心部分にもちょっと飛躍があって面白いなーと。この短さの中に、アメリカっていう国の一断面をパチリと切り取ってる感じがするのもまた。ひとことで言うと絶品でした。英語圏小説のランキング上位に入ってるのもむべなるかなぁと。
●三島由紀夫『仮面の告白』(新潮文庫)  この人の長編はあんま肌に合わないかも……と思って敬遠してたのですが、初めて好きなものに出会えました。言わずと知れた一発目の代表作。同性にしか欲望を抱けない青年の葛藤を、韜晦まみれの絢爛たる文章で綴った青春小説。個人的には、いわゆる”ふつう”でない自分を露悪的に飾り立てるような自己陶酔を振りまきながら、でもそれは”ふつう”でない自分を守るための防御姿勢にすぎなくて、結局は苦々しい現実と向き合わざるを得ない……みたいな話として受け取りました。読み方合ってるのか分からんけど。前半が下地で、後半がその実践編(あるべきとされる自分との葛藤編)なのかな。特に後半のなんとも言えないみずみずしさとその帰結がよかったです。
●横溝正史『獄門島』(角川文庫)  初・横溝。瀬戸内海の小島で巻き起こる猟奇連続殺人事件に金田一耕介が挑む。事件の過程はわりとふつう……と思いながら読んでいきましたが結局かなりおもしろかったです。振り返ると1から10まで本格ミステリじゃなきゃ成立しないような物語だったなと思って。国内ミステリーベスト1になるのもむべなるかなぁと。
●筒井康隆『敵』(新潮文庫)  折り目正しく”余生”を送っている渡辺儀助の生活風景を描いた老境小説。章題が「朝食」「友人」「物置」などとなっていて、各章ではそのカテゴリーごとに儀助の暮らしが掘り下げられていき、その積み重なりから彼の老境が浮かび上がってくる、みたいな趣向。特に食生活に関する記述が多いのですが、自分がほとんど興味ないのもあって前半は正直重く……。しかし地盤が固まり「役者」が揃ってからの中盤以降がけっこう楽しく、終盤は圧巻! けっきょく御大はすごかった……。  的を射てるかは分からないけど、小説の語り口的にもかなりおもしろいことをやってるような。老主人公の生活が章ごとにあらゆる角度から掘り下げられていきますが、そこで語られてるのは「ここ数年の彼の生活のディティール」っていうフワッとした塊としての時間であって、実は小説内では「敵」関連以外ではほぼ全く時間が流れてないように思います。A→B→……→Zみたいに、出来事同士を順番につないでいくことでドラマを進行させていくのとは全然違う手法で物語を語っていて、しかもそれにかなーり成功しているような。もちろん類例はあるんでしょうけど、個人的にはとても新鮮な小説でした。
★★★総合しますと、いわゆる名作と言われてるものって確かによく出来たものが多い……っつうめっちゃくちゃふつうのことを思わされた年でした。というか単純に数を読めてないのよなぁ。
◆◆その他の本◆◆
●『石垣りん詩集』(ハルキ文庫)  石垣りんのテーマは、貧しさ、労働、生活の苦しみ、”女性”性、戦争、戦後の日本、生きること、殺すこと、食べること、それらもろもろに否応なく内在する「ここにあることの残酷さ」みたいなものかなと思いました。そうした感情を、ゴロッとした異物感のある黒いユーモアで表現している詩が自分は好き。婉曲的に表現された切実な慟哭という感じもします。特に「その夜」っていう、入院中の書き手が人生の孤独と疲労を歌う作品が凄かった……。こんなん泣いちゃうよ。  「詩」というジャンルに依然として親しめてないので、定期的に読んでいきたい。
●柳下毅一郎『興行師たちの映画史-エクスプロイテーション・フィルム全史-新装版』(青土社)  エクスプロイテーション=「搾取」。リュミエールやメリエスといった黎明期の作り手にとって、映画は緻密に作り込む「作品」ではなく興行のための「見せ物」に過ぎなかった――というところから説き起こして、観客の下世話な関心を狙って作られた早撮り・低予算・儲け第一主義映画の歴史をたどった本です。  取り上げられてるのはエキゾチズム(物珍しい異国の風景)、フェイク・ドキュメンタリー、魔術&奇術、��形、セックス、特定人種向け映画、画面外ギミック映画などなど。現代の一般的な価値観や、映画=「それ単体で完結した(芸術)作品」みたいに捉えるとどうなのよ? ってものばかりなのですが、あの手この手でお客の関心をかき立て、乏しい小遣いを搾り取ろうとする映像作家たちの商魂たくましい姿が垣間見られる楽しい本でした。  見せ物小屋的映画論というのはある意味もっとも俗悪でいかがわしい映画論だと思うんだけど、確かにそれって実写映画のもっとも本質的な部分ではあるかも、という気がしてしまう……。個人的には、画面外のギミックで客を呼び込んだウィリアム・キャッスルの非・純粋なる邪道映画のパートが特に楽しかったです。一点だけ、エクスプロイテーションという概念設定はちょっと範囲が広すぎるような気はしないでもなかった���なぁ。でもこれを元に、観られるものをちょこちょこ観ていきたい所存。
●氷室冴子『新版 いっぱしの女』(ちくま文庫)  『海がきこえる』などの少女小説で有名な作者が、ふだん思ったことを自由に書き綴ったエッセイ集という感じでしょうか。一見柔らかいけどその実めっちゃ鋭い切り口と、それを表現するしなやか~な筆運びに痺れました。1992年に出た本だけど、新版が出てる通り読み物として全然古びてないと思う。おすすめです。
●『精選女性随筆集 倉橋由美子』(小池真理子選・文春文庫)  この方のシニカルさと毒気がもともと好き、というのはあったのですが、とても良かったです。それでも最初のほうはあまりに歯に衣着せぬ攻撃性がなかなか……と思ったりもしたけど、中盤の文学論、特に大江健三郎、坂口安吾、三島由紀夫に触れたエッセイがなんともよくて。”内容はともかく独自の語り口を練り上げた文体作家として大江を読んでる”みたいなことを確か書いてたりして、言ってることが面白い。積んでる小説作品も読も~という気になりました。
●吉田裕『バタイユ 聖なるものから現在へ』(名古屋大学出版会)  すんごい時間かかったけどなんとか読めた本。フランスの怪しく魅力的な思想家、ジョルジュ・バタイユの思想を、彼自身の記述を中心に先行テキストや時代背景なども織り交ぜて分析し、一本の流れにまとめた総論本。〈禁止と違反〉とか〈聖なるもの〉とか、彼の提出したテーマが結局面白いというのがひとつと、それらを論じていく手つきの周到さ・丹念さがすごい。特に日記や著書のはしばしの記述から、バタイユが影響を受けた先人の哲学(へーゲル、ニーチェ、マルクスとか)や��時代の思想潮流(シュルレアリスム、コミュニズム、実存主義とか)の痕跡を読み取り、そこから彼自身のテーマの形成過程を立体化していくあたりは本当に息詰まるおもしろさ。重量級の本でしたがめっちゃよかったです。もっとも自分は肝心のバタイユ自身の本を『眼球譚』しか読んでないので、現状この本のイメージしか持ててないというのはあるんだけど。とりあえず『内的体験』と『エロティシズム』だけはどうにか読んでみるつもり。
◆◆マンガ◆◆
●ジョージ秋山『捨てがたき人々』(上下、幻冬舎文庫)  いろんな意味で深ーい鬱屈を抱えた狸穴勇介(まみあなーゆうすけ)という青年が、新興宗教の信者である岡辺京子という若い女性と出会ったことで始まる物語。性欲と金銭欲を筆頭に、あらゆる現世の欲望にまみれた救われぬ衆生たちの下世話で深刻な人間絵巻、といった感じでしょうか。ふつうに考えるとまぁそこまではいかんやろ……という境界を軽々と乗り越えてくる常軌を逸した展開がすごい。それと人間っつうのはホントにどうしようもない生き物だね~という気持ちにもさせられます。学生のときに買ったんだけど当時はつまらなくて挫折、自分にとってはあまりに読むのに早すぎたんだな……と今にして思いました。最序盤の伏線とかをきれいに回収し切ってはいないんだけど、この際そのへんはどうでもいいかなと。ここまで徹底的な方向へ流れていくならもう何も言えねえわ……って感じの終盤もすばらしい。  これが2024年に読んだものの中で一番面白かったです。
●小骨トモ『神様お願い』(webアクション)、『それでも天使のままで』(アクションコミックス)  両方とも短編集。子供のころや学生時代のイヤ~~~~~~~な記憶、それもおもに自分の弱さや性欲といった、一番目を向けたくない部分がどんどん脳裏によみがえってくる、えげつないけど得難いマンガでした。10代なんてまだまだ若いし人生これから! っていうのも本当だけど、それと同時に人生自体はとっくの昔に始まってて、けっこう多くのことは取り返しがつかないし人間の根っこの部分は歳食ってもそうそう変わりはしないっていう、しんどすぎるけど(自分にとっては)大切なことを思い出させてくれたところが何ともありがたかった……。お話の展開も総じてすんごいテクニカルな気がします。  それでも新刊の『天使』のほうが、『神様』よりほんのちょっとだけ優しさを感じる部分は多いかしら。
●吉田秋生『カリフォルニア物語』(全4巻、小学館文庫)  自分はおそらく���り手への愛とか感謝の念にはめっぽう乏しいほうで、何でも作品単体で��めて、あーでもないこーでもない、ワンワンギャンギャン吠え猛ってしまう人間なのですが、吉田秋生だけは例外。何でも好き。丸ごと好き。読めるだけで幸せ。どのへんが琴線に触れてるのか正直自分でも分からないのですが、気になる部分があっても好きがそれを上回ってしまう気持ちというのは幸せだなーと思ったりします。  これは最初の代表作に当たるのかな。ニューヨークを舞台に行き場のない若者たちを描いた群像劇。彼女の描く、イタミやすい少年少女が自分は好き……。舞台はニューヨークなのに題名がこれなのもスマートでイカしてる。  もっともファンみたいに書いたけど、実は『BANANA FISH』と『海街diary』っつう一番大きいふたつをまだ読んでません。買ってはあるんだけどなんかもったいなくて……。でも2025年中には読もうかな。
●高橋しん『最終兵器彼女』(全9巻、ビッグコミックス)  部屋の片隅に長ら~く積んである『セカイ系とは何か』をいよいよ読むべく、『イリヤ』ともども手元に揃えてやっと読了。結果、あらゆる方向に尖りまくった傑作じゃん! と思いました。世界の崩壊に対して主人公2人の恋愛という、圧倒的に超無力なモノを対峙させ、理屈ではなくエモーショナルの奔流として無理矢理! 成立させた名作という感じ。まぁこの2人にほとんど感情移入できないほど自分が歳取っちまってることは悲しみでしたが、いい意味でのぶっ壊れっぷりが面白く。  それと自分はこれを読みながら、たまたま以前読んでいた米澤穂信の某初期長編を思い出したり。世界は刻々と変化しているのに自分たちは無力な青春の中で何もできないでいる、みたいなこの感じって90年代から00年代の日本独自の感覚なんでしょうかね……。ちなみに『イリヤ』はまだ1巻しか倒してませんが読みます。今年中にはきっと読みます。読み切ることになっています。
●梶本レイカ『悪魔を憐れむ歌⑤』  4巻までで連載が打ち切りになってしまったマンガを、作者ご自身が5巻を自費出版して完結させた作品、だと思います。  舞台はさまざまな腐敗に揺れる北海道警察管区。人間の四肢を逆向きに曲げて殺害する、「箱折犯」と呼ばれる過去の猟奇殺人が突如再開され、そこからふたりの男のウロボロスめいた運命の輪がまわり始める……。  出版形態のためかは分からないですけど、最終5巻はこれまで以上に描写のタガが外れてる感じで、それがすごい楽しかったです。1巻の出だしからはこんなとこまでフッ飛んでくる話だとは思わなかった……。それでいて猟奇殺人ミステリーとしてもなるほどーと思うところもあって。この方はすごい前に『コオリオニ』っていうマンガも読んだのですが、主要キャラクターをとつぜん突っ放す感じがこわい。けど面白い。お疲れさまでした。
◆◆補足◆◆
 ・安部公房もちょろちょろ読んだり。今のところは、異常どころかめっちゃ理知的なアイデア作家という印象なんだけどこれが覆ることがあるやいなや。  ・『めくらやなぎと眠る女』というアニメ映画の予習をするついでに村上春樹の短編もちょこっと。ファンには超怒られそうですが、彼の小説ってパスタ茹でたりジャズを聴いたり昔の恋愛とか人間関係の失敗を感傷的に懐かしんだりといった、ザ・村上春樹なことをやってるときは…………なんだけど、その先で訳分からんことになる話がたまにあってそれがめっちゃ面白かったです。現状読んだものだと「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「納屋を焼く」が最高でした。できれば全作読んでみたい。  ・フランク・ハーバートの『デューン』シリーズも2個目まで。SFファンタジーの大家というイメージで読んだらメインで使う語り口(作劇法?)が超・会話劇なのが意外でした。
★★★これを書いている2025年1月現在はドスト先生の『悪霊』を読んでいます。が、全体の十分の一すぎてもまだ若者世代の話に入らないので投げ出しそう……。シニカル成分100%の語り口はけっこう好みなのですが。これを書いてたときの作者の精神状態やいかに?   2025年はもうちょい数をこなせたらいいなと思っています。ではー。
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nekotubuyaki-blog-blog · 10 days ago
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2024年の「おっ!」と思った本を思いつくままに(相当なもれはあるけれど)
2024年の「おっ!」と思った本を思いつくままに(相当なもれはあるけれど)
『その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選』(マリー・ルイーゼ・カシュニッツ著/酒寄進一訳/装画:村上早/装幀:岡本歌織/東京創元社/Kindle版) 『いずれすべては海の中に』(サラ・ピンスカー著/市田泉訳/竹書房文庫/Kindle版) 『11の物語』(パトリシア・ハイスミス著/小倉多加志訳/ハヤカワ・ミステリ文庫/Kindle版) 『失われたものたちの本〈失われたものたちの本〉シリーズ』(ジョン・コナリー著/田内志文訳/創元推理文庫/Kindle版) 『カモメに飛ぶことを教えた猫』(ルイス・セブルベダ著/河野万里子訳/白水uブックス/Kindle版) 『大いなる眠り 新訳版』(レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳/ハヤカワ・ミステリ文庫/Kindle版) 『P+D BOOKS 夜風の縺れ』(色川武大著/『夜風の縺れ』解題:木下弦/P+D BOOKS/小学館/‪Kindle版)‬ 『恐婚』(色川武大著/文春ウェブ文庫/文藝春秋/Kindle版) 『友は野末に─九つの短編─』(色川武大著/対談:嵐山光三郎/インタビュー:色川孝子/あとがき:色川孝子/新潮社/Kindle版) 『遠景・雀・復活 色川武大短篇集』(色川武大著/講談���文芸文庫/Kindle版) 『百』(色川武大著/川村二郎解説/新潮文庫/Kindle版) 『小さな部屋│明日泣く』(色川武大著/内藤誠解説/講談社文芸文庫) 『後藤明生・電子書籍コレクション 挟み撃ち』(後藤明生著/アーリーバード・ブックス/Kindle版) 『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『祈りの海』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『ひとりっ子』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/早川書房/Kindle版 『モナリザ・オーヴァドライヴ』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『カウント・ゼロ』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『ソラリス』(スタニスワフ・レム著/沼野充義訳/扉デザイン:岩郷重力+N.S/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『来世の記憶』(藤野可織著/装画:濱愛子/装丁:名久井直子/角川書店/Kindle版) 『ピエタとトランジ<完全版>』(藤野可織著/挿絵:松本次郎/講談社/Kindle版) 『青木きららのちょっとした冒険』(藤野可織著/講談社/Kindle版) 『芸者小夏』(舟橋聖一著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(川本直著/装幀:坂野公一+吉田友美+島﨑肇則(welle design)/装画:TANAKA AZUSA/河出書房新社) 『好色五人女』(井原西鶴著/田中貴子訳、解説/装画:望月通陽/光文社古典新訳文庫/Kindle版) 『アルマジロの手─宇能鴻一郎傑作短編集─』(宇能鴻一郎著/鵜飼哲夫解説/カバー装画:九鬼匡規「吸血娘 陰 晒」/新潮文庫/Kindle版) 『姫君を喰う話 宇能鴻一郎傑作短編集』(宇能鴻一郎著/篠田節子解説/新潮文庫/Kindle版) 『私説聊斎志異』(安岡章太郎著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『水車小屋のネネ』(津村記久子著/イラスト:北澤平祐/装幀:中嶋香織/毎日新聞出版/Kindle版) 『ベートーヴェン捏造』(かげはら史帆著/カバーイラスト・章扉イラスト:芳崎せいむ/柏書房/Kindle版) 『沢蟹まけると意志の力』(佐藤哲也著/Tamanoir/Kindle版) 『人喰い⭐︎頭の体操』(深掘骨著/表紙デザイン・ファイル作成:甲田イルミ/惑星と口笛ブックス/Kindle版) 『世紀末探偵神話 コズミック』(清涼院流水著/本文デザイン:熊谷博人/扉作成:小石沢昌宏/梗概構成:みずさわなぎさ/講談社/Kindle版) 『富士日記 上中下合本 新版』(武田百合子著/巻末エッセイ:武田泰淳、大岡昇平、しまおまほ、武田花/中公文庫/Kindle版)『西荻随筆』(坂口安吾著/青空文庫/Kindle版) 『鮎の宿』(阿川弘之著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『春の華客/旅恋い 山川方夫名作選』(山川方夫著/川本三郎解説/年譜・「人と作品」���上弘/講談社文芸文庫/Kindle版) 『P+D BOOKS 緑色のバス』(小沼丹著/小学館/Kindle版) 『ミス・ダニエルズの追想』(小沼丹著/巻末エッセイ:大島一彦/装幀:緒方修一/幻戯書房/銀河叢書) 『タマや』(金井美恵子著/講談社文庫) 『陽だまりの果て』(大濱普美子著/装画:武田史子「温室の図書館」(エッチング、アクアチント、二〇一七年)/装丁:大久保伸子/国書刊行会/Kindle版) 『まだ、うまく眠れない』(石田月美著/カバー画:beco+81/デザイン:観野良太/文春e-book/文藝春秋/Kindle版) 『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(藤永茂著/ちくま学芸文庫/筑摩eブックス/Kindle版) 『何かが空を飛んでいる』(稲生平太郎著/国書刊行会/Kindle版) 『バッタを倒すぜ アフリカで』(前野 ウルド 浩太郎著/装幀:アラン・チャン/光文社新書/Kindle版) 『美術の物語 ポケット版』(エルンスト・H・ゴンブリッチ著/田中正之著/天野衛、大西広、奥野皐、桐山宣雄、長谷川宏、長谷川摂子、林道郎、宮腰直人訳/河出書房新社) 『人間臨終図巻 上下巻』(山田風太郎著/徳間書店) 『世界神秘学事典』(荒俣宏編/平河出版社) 『地衣類、ミニマルな抵抗』(ヴァンサン・ゾンカ著/宮林寛訳/まえがき、カバー写真:大村嘉人/序文:エマヌエーレ・コッチャ/みすず書房) 図録『特別展 はにわ』(東京国立博物館、九州国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社編集) 図録『特別展「鳥 〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統〜」』(日本経済新聞社、日経サイエンス編集) 『バーナード嬢曰く 1-7巻』(施川ユウキ著/一迅社/電子書籍版) 『映像研には手を出すな!1-9』(大童澄瞳著/ビッグコミックス/小学館) 『志村貴子短編集 まじわる中央感情線』(志村貴子著/河出書房新社/電子書籍版) 『青い花 全8巻』(志村貴子著/太田出版) 『放浪息子 全15巻』(志村貴子著/エンターブレイン) 『サードガール 全8巻』(西村しのぶ著/小池書院) 『ファミリー! 全11巻』(渡辺多恵子著/フラワーコミックス/小学館/電子書籍版) 『一級建築士矩子の設計思考1-3』(鬼ノ仁著/日本文芸社/電子書籍版) 『えをかくふたり1 DRAWING BUDDY』(中村一般著/ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル/小学館/電子書籍版)
注)一部、再読を含みます
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shootron · 5 months ago
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(検察官の遺言 | 種類,ハヤカワ・ミステリ文庫 | ハヤカワ・オンラインから)
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honyakusho · 2 years ago
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2023年6月17日に発売予定の翻訳書
6月17日(土)に発売予定の翻訳書は1冊のみです。 ハヤカワ・ミステリ文庫の「メリカ探偵作家クラブ賞受賞シリーズ、衝撃の第一作」とのこと。おもしろそう。
血塗られた一月
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アラン・パークス/著 吉野弘人/翻訳
早川書房
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cota1982 · 2 years ago
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2023/03/28(26-p.31)
夕方、あまり保育園で寝てこなかった子ども氏(1歳)の愚図るのを寝かしつけてから、ポール・アダム『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』(Paul Adam, Paganini’s Ghost, 2009 / 青木悦子訳、創元推理文庫、2014)を読みおえる。謎解き��痴の僕でも犯人は何となく推測できてしまったし──クリスティを読んで少しは鍛えられているのだろうか──主人公ジャンニのヴァイオリン職人兼修復師としての特性は、一作目のほうがよりよく活かされていたようにおもう。とは云え歴史ミステリと宝探し的アドヴェンチャーはおもしろく、現代の若き天才ヴァイオリニストの物語も、パガニーニの足跡とうまく重ね合わされていて良かった。三作目も間をあけずに読もう。
夜にアガサ・クリスティー『ヒッコリー・ロードの殺人』(Agatha Christie, Hickory Dickory Dock, 1955 / 高橋豊訳、ハヤカワ・クリスティー文庫、2004)の冒頭を読む。ポアロの順番からいくと23冊目の『満潮に乗って』あるいは書かれた順で短篇の『ヘラクレスの冒険』を読むところだが、ドラマの放送が近づいているこちらを繰り上げてさきに読む。ここのところ田舎の貴族の話がつづいたが、今回は都会的な、若者の話だ。ドラマで良い味を出しているミス・レモンが出てくるのもうれしい。
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inae466 · 2 years ago
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江戸川乱歩絶賛の歴史ミステリー なんだけど、どうも乗り切れないまま終わってしまった。ラストはなかなかに...『時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)』ジョセフィン・テイ ☆2 https://t.co/ch42B4MlNq #booklog
— いなえしむろ (@inae466) Mar 2, 2023
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qsfrombooks · 6 years ago
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「ぼくは店をあけたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだきれいで、冷たくて、何もかもぴかぴかに光っていて、バーテンが鏡に向かって、ネクタイがまがっていないか、髪が乱れていないかを確かめている。酒のびんがきれいにならび、グラスが美しく光って、客を待っているバーテンがその晩の最初の一杯をふって、きれいなマットの上におき、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。それをゆっくり味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯──こんなすばらしいものはないぜ」
長いお別れ ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 7 / レイモンド・ チャンドラー,清水 俊二
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tumblr2011aterehwon · 4 years ago
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【誤】謎解きのための糖分補給        ⇩ 【正】糖分を取るための言い訳 #読んでいる本 #2分間ミステリ #ドナルドjソボル #ハヤカワ文庫 #読書 #休日の過ごし方 #短編小説 #ミステリー小説 #ミステリー小説好き #たった2ページなのに #あれれーおかしいぞー #が #見つけられない #名探偵への道のりはまだまだ長い https://www.instagram.com/p/CMnkxZysNP5/?igshid=vl3mc1dhobl4
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findareading · 1 year ago
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狭くてちらかった小さな店で、床から天井まで本がぎっしり並び、四、五人の立ち読みの客が新しい本のカバーにせっせと指紋をつけていたが、誰も彼らに注意を払わなかった。
— レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳『大いなる眠り』(2017年9月Kindle版、ハヤカワ・ミステリ文庫)
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ayanos-pl · 4 years ago
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本が届いた。昨日はいい日だった。 田中啓文『信長島の惨劇』(ハヤカワ時代ミステリ文庫) これは電書でいいかなと思ってたんだけど、帯につられて紙本を買ってしまいました。
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corsicadayo · 6 years ago
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⬆ジョー・イデ著『IQ2』(ハヤカワ・ミステリ文庫)装画描きました。
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no1000 · 6 years ago
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ハヤカワ・ミステリ文庫 ポール・アルテ「第4の扉」装画
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shootron · 6 months ago
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(闇夜に惑う二月 | 種類,ハヤカワ・ミステリ文庫 | ハヤカワ・オンラインから)
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