#ドラッグ最終出口-麻薬はやめられる!
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ドラッグ最終出口-麻薬はやめられる! 特集アスペクト17 アスペクト 表紙イラストレーション=國米豊彦
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【スマートジャンキーリポート7】
「なんか今日どこまでも��ケる気しねえ?」
前回、真面目に話したから今日は最高に馬鹿げた話だ。
甘いもの食べた後は塩っぱいもの食べたくなる。 それと一緒。
ジャンキーのくだらない話が嫌いな方は今すぐ戻ることをオススメする。
まあそんな人は一人もいないと思うけど。
当時の自分達は毎日大麻を吸って、週末は必ずケミカルを食べるというルーティンだった。
とはいえ平日も暇があったら食べていた。
自分は相変わらず無職だったので、親友の仕事に合わせて遊んでいた。
「ただいま」
「おかえりー。今日はなにする?」
「とりあえず焚いて焼肉でも行こうぜ」
「いいね、行こう」
家の近くに肉人という焼肉屋さんがあった。
家で大麻を吸ってからそこに行くのが週末の定番だった。
焚いてからの焼肉はとにかく美味しい。
思い出すと唾液が出てくる。
「お前ホルモンだと何が1番好き?」
「マルチョウ一択だろ」
「いや、ハラミも譲れないね」
「あーたしかにハラミも美味いな。てか今日何するよ?」
「実は今日コカイン取る約束してんだよね」
「まじ?ちょうど俺もやりたいと思ってたわ。てか人に聞こえる声で言うなよ」
「あーごめんごめん。じゃあ出ようぜ」
焼肉を食べ終えて自分達は店を後にした。
そして新大久保のホテルに向かった。
新大久保にはプッシャーとジャンキーしかいない異質なホテルがある。
今日やり取りするプッシャーは「パイセン」だ。
パイセンとは最初Twitterで知り合った。
当時自分たちは歌舞伎町にドラッグを取りに行く事が多かった。
パイセンも歌舞伎町がホームだったので共通の知り合いがたまたま何人かいた。
歌舞伎町の先輩だぞと自分で言っていたのでパイセンと呼んでいた。
パイセンは30代半ばで色が黒くガタイが良かった。
見た目は輩みたいな感じだ。
「俺は覚醒剤しか体が受け付けないんだ」
とパイセンは口癖のようにいつも言っていたのを覚えている。
覚醒剤一筋の硬派な覚醒剤愛好家だった。
そしてパイセンはドラッグの調達力に自信があった。
「俺より良い物を持っている人間はいねえ」
ガラスパイプから出る白い煙を燻らせながらいつもそう言っていた。
プッシャーがよく言うセリフだ。
パイセンは覚醒剤を炙りすぎて、いつも機関車トーマスのように白い煙で包まれていた。
顔が煙に包まれて見えないのだ。
「おうよく来たな。そろそろ覚醒剤吸うか?」
「いやー遠慮しときます。すいません」
「なんだよつれねぇなあ。てか今日はなんだっけ? ああ、コカインだよな。はいこれ」
「おお。今日はいつも持ってるのと違って塊ですね」
「今日のやつは間違いないと思うぜ」
渡されたのは固形のコカインだった。
混ぜものが入ったコカインはサラサラしていることが多い。
その日買ったものは見た目がチョークみたいでこれまで見た物とは違った。
話を聞くとパイセンの知り合いが密輸をやっているようで、メキシコからコンドームに入れたコカインを飲み込み日本に持ってきているというのだ。
胃の中に隠して密輸する手法は海外だと「コーク・ミュール」とも呼ばれる。
日本だとそのまま「飲み込み」とか言うかな。
パイセンの作り話かな、とかその時は思った。
その密輸の手法があることを後から知って作り話ではなかったみたいだ。
「吸ってみろよ」
コカインを机の上で崩して万札を丸める。
少し弾力がありモチッとしていて硬かった。
明らかにいつも見るものとは質感が違った。
例えるなら少し水分を含ませたチョークのような感じだ。
根気よく潰さないとうまく粉にならない。
念入りに潰して万札を丸め、吸い込んだ。
「いってきます」
2人同時にスーっと音を立てて吸った。
「どうだ?」
「あーなんか良い気がするけどまだ分かんないですね」
少し経つと鼻から喉にコカインが落ちてくる。
露骨に心臓の鼓動が早くなってきた。
視界もハッキリとしている。
ベッド横の照明がやけに明るい。
手に汗が握る。
体が軽くなる。
「やべ、顔面の感覚が無くなってきました」
コカインは麻酔なので上質なものだと顔の感覚が無くなり喋り辛くなってくる。
その日もらったものは間違いなく良いものだった。
おもむろに親友は部屋をウロウロし始めた。
効いている。
「どっか遊びに行きたい」
「いいよ。どこ行く?」
「たまには女遊びでもしてみねえ?」
「いいね」
自分達は普段女遊びをあまりしなかった。
女の子と遊ぶより2人で遊ぶほうが楽しかったからだ。
コカインを吸って良い状態になった自分達は女遊びをしようということになった。
でも普通の女遊びだとつまらない。
自分達はエンタメ重視だった。
エロがしたい訳ではなく2人で楽しい時間を共有したかった。
「最近アパホテルで外人が売春してるらしいぜ」
パイセンは言った。
興味津々だ。
最近大久保公園の援助交際が流行っているが、この話は5年くらい前なので当時そんなものは無かった。
「じゃあとりあえずアパホテル周辺に言ってみるか」
パイセンにお礼をして、上質なコカインを1gずつ握りし���新大久保のホテルを後にした。
そして西武新宿駅あたりでタクシーを降り、アパホテルに向かった。
「あいつらじゃね?」
今で言うトー横の周辺に外人女が集まっていた。
身長が高くヨーロッパ系に見えた。
容姿も悪くない。
後から聞くとオーストラリア人だったみたいだ。
「オニーサン」
来た。やはりこいつらだ。
「どしたの?」
{アソビマセンカ?」
「いいよ。いくら?」
「イチマンゴセンエン」
「おっけー。4人でいける?」
「4ピーッテコト?」
「別々でいいけど同じ部屋でやりたい」
「イイヨ」
簡単に交渉が済んだ。
自分達はあくまでエンタメ重視だ。
どうせやるなら一緒にやったほうが楽しい。
そしてアパホテルに案内された。
アパホテルは昔から無法地帯だ。
宿泊者以外でも簡単に入れる。
そして部屋に入った。
「てかコカイン好き?」
トイレで隠れて吸うのが面倒くさかったのでパケを出してストレートに聞いた。
その瞬間明らかに女達の目つきが変わった。
こいつらもコカインが好きだった。
とりあえず机に白いラインを引いて4人で吸った。
明らかに女達のテンションが上がり始めた。
はやくやろうぜと言わんばかりだ。
「お前どっちの女が良い?」
「どっちでもいい」
「じゃあじゃんけんで決めようか」
「じゃんけんぽん」
「女達のケツにコカイン引いて吸おうぜ」
「映画で見るやつね」
吸って行為を始めたその最中、おもむろに親友が外人の尻を叩き始めた。
親友はオーストラリア人の尻を左右交互にパンパン叩きながら
「ドラムやってるみてえだ」
コイツはとんだ大馬鹿野郎だ。
自分は行為の最中に笑って腹がつり息ができなくなった。
その後のことはあまりよく覚えてない。
いつも思い出すのは最高に楽しかったシーンだけが切り取られているもんだ。
後の記憶は取るに足らないシーンなんだろう。
映画と同じだ。
そして記憶には容量がある。
中途半端な記憶から忘れてしまうもんだ。
でも最悪のシーンは忘れちゃいけない。
その経験を教訓にしてその後生きていかなければいけない。
人生は続くから。
コカインは「イケる」ドラッグだ。
爽快感と万能感でなんでもできる気がする。
感情の高まる方向はMDMAと似た方向だが、系統が違う。
そしてコカインは瞬発力が高い。
ビールで例えるならプレミアムモルツではなくアサヒスーパードライだ。
切れ味が合って喉に来る。
伝わらないかもしれないけど吸ったことない人はそんな感じだと思ってはしい。
経験者は分かると思う。
この後、自分は酷いコカイン中毒に悩まされる。
数々のコカインを見過ぎたせいもあり、見ただけで質をある程度判断できる。
大口の��引の際に人に呼ばれ、数種類のコカインの中から一番質の良いものを選定する、コカインの目利きなんてこともやっていた。
色や形状や匂いにも色々種類がある。
コカインを語らせると長くなるのでまた今度にする。
薬物で得られる幸福感は線香花火の灯火のように儚い。
快楽主義はいずれ破滅を経験する。 それは遅かれ早かれ。
作為的に上げてしまったものは必ず下がる。 自分の居るべき位置を見極めることが大切だ。
この言葉の意味はいつか君にも分かると思う。
※この物語は全てフィクションです。
違法薬物の使用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。
Twitterではドラッグに関する役立つ知識を発信しています。是非フォローしてください。 https://twitter.com/sativadepakkaan
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【5話】 大麻を所持していたのにガサで見つからなかったときのレポ 【大麻取り締まられレポ】
警官が4人、玄関の前に立っている。恰幅のいいオラついた警官が「大麻取締法違反の容疑で、裁判所から捜索差押えの許可が出てるから。おら、動くな」などと言って、ガサ状を見せつけてくる。
僕はガサ状を突きつけられ、(仕事はクビになるだろうし、彼女にはフラれるだろうし、薬物は使えなくなるだろうし……)などと、一瞬のうちに様々な懸念が脳裏をよぎっていた。
僕はあからさまに狼狽していたが、途中から、狼狽している様を見られるのは不利だと思って、平静を装うことにした。しかし平静を装ってみせても、家の中にある大麻やLSDが見つかるかもしれない不安で、異常なほど動悸がし��いた。
(まず龍角散のど飴の袋の中にLSDがあるでしょ。それから、机の上に大麻バターがコーティングされたポップコーン…。あと、少しだけ残ってる大麻リキッドが床に転がってて、バッズはこの前吸いきったけど、おそらく床にカスが散らばってるな……)
僕は一旦落ち着いて、家の中にある“違法ドラッグの在り処”を思い出すと、所持している違法ドラッグがバレないように(なんとしても白を切ってやろう)と腹を決めた。
そうして、ついにガサがはじまった。4人の警官が、床に置きっぱなしの本や服を片っ端から拾い上げたり、冷蔵庫の中や押入れの中のものを引っ張り出したりして、家中を隈なく探している。
最初は、スマホを押収された。スマホの中には、証拠という証拠を残していないつもりだったが、値段だけ聞いたプッシャーとのやり取りがWickrに残っているのを思い出し、少し動揺した。
ちなみに、通信機器としてはPCやタブレットも持っていたが、オラついた警官が「これは押収しないでおいてやる」などと偉そうに言っていたので無事であった。
それから、手巻き煙草用のフィルター、巻紙が押収された。僕が「押収された物は、問題なければ返してもらえますよね?」と聞くと、オラついた警官に「大麻を吸うときに使ったものが返ってくるわけないだろう」などと理不尽なことを言われた。
巻紙はともかく、大麻を吸うときに煙草のフィルターを使ったことはないし、一般的にも煙草のフィルターが使われることは滅多にないので、心中でこれは不当な押収だと腹を立てていた。
続いて、机の上に放っていたモンキーパイプが押収される。モンキーパイプは任意同行の後に捨てたのだが、パイプくらいはいいだろうとタカをくくって再度購入していたのであった。
このパイプ自体に、大麻のカスが残っているということはなかったが、パイプの中にこびりついている焦げ付いた大麻を鑑定されたらマズいのではないかと勘ぐっていた。
そうこうしていると、女の警官が、LSDの入った龍角散の袋を外側からいじっていた。僕はなるべく龍角散を直視しないように気をつけながら、固唾をのんで見守っていた。
すると女の警官は、外側を触って硬いものしか入っていないことだけ確認し、単純に“大麻は”入っていないと判断したのか、あっさりとそのまま元の場所に置いていた。
LSDがバレずに済み、僕がひとまず安堵していると、今度はオラついた警官が床に落ちている大麻のカスを見つめていた。大麻のカスは目視で0.2gほどあり、証拠品としては充分な量があった。
ただ、大麻のカスは煙草のシャグとともに床に散らばっていたからか、オラついた警官は「汚えなあ。ちゃんと掃除しろよ?」などと余計なおせっかいを言うだけで、大麻があることには気づいていない様子だった。
僕はヘラヘラしながら「すいません…ずぼらなもんで」とか言って後頭部を掻いていたが、心中では警官のザルすぎる捜索をニタニタとせせら笑っていた。
しかし油断して顔をニタつかせていると、オラついた警官は、床に転がっている大麻リキッドを拾って「これは何に使うの?」などと聞いてきたので、僕は再び動悸が激しくなった。
僕は大麻リキッドについて聞かれた時のために、一応セリフを用意していたので、できるだけ自然体を装って「あーそれは煙草のリキッドです。ニコチンが入ってます」などと無理を承知でウソをついてみた。
すると、オラついた警官は「今どきはそういうのもあるのか」などとあっさり納得して、そのまま床に置いていた。
一応、“警察はガサ入れでどこまで差し押さえできるのか”について書いておきます(飛ばしていいやつ)。
警官が家宅捜索をする際には、原則としてガサ状が必要なのですが、このガサ状に“差押えるべきもの”として記載されていない物を差し押さえた場合、違法な捜索となる可能性があります。つまり今回のケースでは、大麻取締法違反の容疑に関する物しか差押えすることができなかったので、ニコチンリキッドと主張している物を差押えることは難しかったのです(そもそもTHCリキッドを知らなかったんでしょうけど)。
僕はあまりに上手く隠し通せていることに逆に不安になってきたが、オラついた警官が悔しそうに「ないなあ…」とつぶやいていたので、必死に探してこの��マであると確信し、胸をなでおろした。
すると、若い警官がオラついた警官にアピールするように、「ここの机ってまだ調べてないですよね? 調べます!」などと言って、大麻ポップコーンが置いてある机の上のものを、テキパキと確認しだした。
しかし、若い警官は動作がテキパキとしているだけで、肝心の大麻ポップコーンには目もくれていなかった。おそらく、エディブルという存在そのものを知らなかったのだと思う。
そうして、無事捜索が終わると、女の警官が「これから留置場に移送されるけど、留置場で使える現金とか、留置場で読みたい本とか、服も持っていけるからね」などと優しい口調で教えてきた。
僕は(大麻が見つからなくても、やっぱり逮捕はされるのか…)などと、いざ逮捕されることがわかると絶望感がすごかった。
僕は落胆しながらも、女の警官の助言通りに、衣服や本を見繕って、持っていたリュックが満杯になるまで詰め込んだ。衣服は、Tシャツとパンツを5枚程度とステテコ、本は当時ハマっていた村上龍の小説と、『催眠術のかけ方』上・中・下巻の3冊を選び、リュックに詰めた。
それから、女の警官に「処方されている薬はあるか」と尋ねられた。当時は、病院から処方されている薬はなかったのだが、僕は根っからの不眠症なので「睡眠薬を処方されています」と嘘をついておいた。
というのも、当時は大麻のおかげで眠れていたので、大麻がない環境、ましてや留置場の中ではなかなか眠ることができないだろうと咄嗟に判断したからである。
そうして、一通り事務的な問答が終わると、オラついた警官は「大麻成分を含有する植物片13.8gを吉岡さんと小林さん(プッシャーの本名)と共謀の上、みだりに所持した容疑で……」などと逮捕状の音読を始めた。
オラついた警官は逮捕状の音読を終えると、「両腕を前に出せ。そう」などと居丈高に言い、「逮捕時刻午前10時13分」などと言って、僕に手錠をかけた。手錠をかけられると、逮捕されたという実感がありありと湧いてくるので、手錠の効力を思い知らされる。
続けて、若い警官が手錠の繋ぎ目の輪の中に縄を通し、その縄を僕の腰に巻き付けると、犬を散歩させるリードのようにして、縄の先をしっかりと握った。
そうして、僕はそのリュックとともに警官に連行され、アパートの前に横付けされたパトカーに乗り込むのであった。
・
つづく
・
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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絶賛コメント到着!「孤高のカルト芸人」永野、映画監督・梅沢壮一ほか各界の著名人13名
「孤高のカルト芸人」永野さん、映画監督にして特殊メイクアーティストの梅沢壮一さん、YouTuberもっちゃんさん、カナダ在住のホラー映画・コミック評論家アダム・ジョン・シュマクさんなど、国境もジャンルも越えた各界の著名人13名による絶賛コメントが到着しました!!
※敬称略・順不同 ●永野/お笑い芸人 ありとあらゆるアイディアをぶち込んで、フェミニズムはおろか映画業界とオタク界隈とタランティーノと果ては監督自身までもが議論しながら最終的には観てる自分も議論に参加していた110分でした! 観賞後ジョン・ライドンが歌う「Anger is an energy」というフレーズが頭の中で鳴りました。上手い映画は世の中たくさんありますが、血がたぎってる映画にはなかなか出会えま��ん。監督の未来に幸あれ!
●梅沢壮一/映画監督 とんでもないエネルギー。とんでもない発想。 全編隅から隅まで余すところなく注がれた大久保監督から3人の女性への愛! その眼差しと情熱に感動する……。 ヤバっ!ボーッと感動してたらオレも彼女たちに殺されかけていた!! まったくとんでもない映画だ!!
●もっちゃん/YouTuber 最初から最後までアクセル全開の脳内麻薬作!! 互いに認め合い、補い合う3人の女の子たちが最高に可愛くて眩しかった。 誰にも、私という存在を搾取させない。
●アダム・ジョン・シュマク/ホラー映画・コミック評論家 『Cosmetic DNA』は日本のアンダーグラウンド・シネマの中で真に秀でた存在だ。大久保健也監督は、日本から飛び出す次なる「ビッグネーム」となるだろう!
●辻凪子/女優 攻めに攻めた表現に見え隠れする映画少年の顔。と思いきや、全てを裏切られてしまった。最低を最高に描く、これがファンタスティックか……!(驚愕してます。)
●塩田時敏/映画評論家 #MeTooスプラッターミュージカル!として、注目すべき若き才能だ。
●本田隆一/映画監督 観客の予想の斜め上いく感性でストーリーを自在に展開させ、聴かせたい音楽を爆音で流し、極彩色のエフェクトで味付け。B級趣味も全開に、監督のやりたいことを徹底的にやっていそうな、まさに正統派な自主映画だと思って観ていると、不意に社会性を持ったテーマが重厚に語られたりする。 そのアンバランスさも含めて、完成度の高い“怪作”だと思う。
●氏家譲寿(ナマニク)/文筆家 「そういうやり方があったか!!」と発見が連続のハイテンション映画。 ストレートにフェミニズム風刺と受け取ったら負けなような気がするので、すべてが実験と受け止めました。 切って繋いでが109分続くともはやドラッグ。今日は寝られないなぁ。
●カミヤマΔ(三角絞め)/映画ブロガー 女性蔑視全開のクソ野郎どもに天誅を下すべく、ひょんなことから友情を築いた女性3人組が勢いよく暴走するという、僕的に大好物なジャンルの作品でございました。映画自体もいろいろな意味で突っ走っていて、とにかく最後の展開はビックリしましたッ!
●田口敬太/映画監督 ショットの氾濫とめまぐるしいスピードの中に登場人物たちが溶け込んでいて総体で一つの画を見たような印象の映画でした。何よりも作品を作る情熱が伝わってきました。
●クレゴン太/俳優 17歳で感じた苦しみと殺意が蘇った。泣いていた。あの頃に出会いたかったよ、Cosmetic DNA。 逃げることなく、世の中と向き合って闘っているこの映画を支持したい。目を背けずに、男女関係なく、ひとりの人間として、僕も生きてる限り闘いたい。 愛があれば変わると信じてる。届くと信じてる。
●近藤珠理/女優 自分が女の子かどうかわからない、女の子で居ることが辛い。そんな可笑しな気持ちは認められず、ただ傷つけられてしまう「子ども」がいます。リズムに乗った哲学、愛らしい狂気が、悩みながら生きることを、強い女の子の存在を、おままごとみたいに軽快に、肯定してくれました。役者さん、スタッフさん、そして監督さん、素晴らしい映画をありがとうございます!
●オリバー・ゲオルグ/ハンブルク日本映画祭代表 大久保健也は、これまでインディーズ映画やMVの制作に携わってきた。その経歴は様々なエフェクトやカメラの構図など、『Cosmetic DNA』のスタイリッシュな映像の中にハッキリと現れている。 そしてショッキングな内容を綴った作品に、ユーモラスなトーンを与えているのは、これらの映像と大胆不敵に描かれたキャラクターの存在だろう。
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違法ドラッグの話
あまりにもちょっと、、、って意見をちらほら見るのでこちらで話します。
ドラッグを話題にした友人が居ますがその人個人に向けてではないです。しかし含まれています。
前提の身の上話がめちゃくちゃ長いです。はっきり言ってこういう事を改まったテンションで書く(話す)のは嫌いです。へらへらしながら喋りたい。
見たくなかったら戻ってください。きっと疲れたり嫌な気分になったりします。
私の父(実父ではなく妹の父で今の父でもない)は大麻所持で逮捕され、釈放金を払い保釈され執行猶予中に大麻と覚醒剤の所持で実刑を喰らいました。10年前位に出所しています。
その逮捕当時の話。
私は中学1年生でした。将来の夢はプロ野球選手。
野球に明け暮れ、毎日マンションの駐車場で素振りをしていて、よく管理人のおばちゃんに「今日も頑張ってるね!」とか「この間の試合どうだった?」とか聞かれていた。凄く優しい人だった。
父親が捕まった時、私は学校に行っていたから知らないのだけど、家宅捜査でマンションにパトカーが3台来たらしい。
近所は野次馬だらけになったとか。
私は父は出張に行ったからしばらく帰ってこないと聞いた。
翌日、いつもの様に素振りをしてたら管理人のおばちゃんに物凄い形相で「危ないから止めなさい!」と怒られた。愛の無いヘイトを含んだ怒られ方。
翌々日には駐車場に「野球禁止」と書かれた張り紙を沢山貼られ、いつもしていた挨拶も舌打ちで返された。
2つ隣の部屋に住んでた品の良いおばあちゃん。
手芸が好きで作ったちっちゃい動物の作品をよく幼い妹にプレゼントしてくれていた。
その人にもその日から無視された。
今まで優しくしてくれていた大人が急に同級生のイジメの様な態度になり、本当に悲しくて泣きながら母に相談したところ父が捕まりマンションにパトカーが来た話をされ、もちろんそんなところに住んでいる訳にもいかず引っ越しと転校がその後決まった。
関東大会を優勝して全国大会を2カ月後に控えていた野球チームも続けられなくなった。僕は4番でキャッチャー、チームの主軸だったのでそれがとても悔しかった。全国大会初戦は引っ越した先の浦安選抜。2-0で僕の元所属チームは負けた。
その試合を浦安選抜でも自分の元所属チームでも出場出来なくてただ観てるだけの悔しさは今でも忘れられない。チームメイト達は普段通りだったのに私だけボロボロ泣いていた。
転校は3校目だったので慣れていたけどまぁ普通に悲しかったな。「次の学期休み絶対会おうね!」って約束が実現しない事、もうわかっていたので言われて変な気分になったのを覚えています。
両親はその当時離婚はせず、父の地元を離れ、母の地元浦安に住み、環境を変えて一から家族をやり直そうと皆で誓った。しかし私が高1の夏、父親はまた捕まった。
父親の話をすると、薬を除けばとても素敵な人でした。友人、後輩から慕われ、仕事も真面目、心は熱く、口調は穏やかで、連れ子の私を娘と同じ様に可愛がってくれた。小5位かな?僕のボールが速くなって「手が痛いからもうキャッチボール出来ないよ」って笑って私に言ったそれまでは日が出てるうちに仕事が終わり家に帰ってくるといつもキャッチボールをしてくれた。
今でもたまに会ってるし、私は実父の記憶は無く、写真で去年初めて見た感じなので本当にその人が初めての父で、本当の父親と思っているんですけど、反面この人は僕ら家族や周囲の期待も信頼も責任も快楽や逃避の為に裏切った人、とも思っている。
長くなったが何が言いたいかというとドラッグには本人以外の被害者がいる。依存から抜���出すのが大変とかそんなこと��私からしたらそんな良くできた父でも、友でも、恋人でも知ったことではない。
僕らだって地獄を見るし、その人に何か出来なかったのか、救えなかったのかと考えて同じ様にドラッグと戦い、同じ様にしんどい思いをして、また裏切られる。
こちらが救いたくても彼らはドラッグでしか救われない。僕らには救えない。しかしドラッグは彼らを本当には救ってくれないのです。
薬物依存者だって大変だよ!責めるのは間違ってる!と主張する方々。
今回のタイミングは田代まさしの件からの発信だと思うので言っておきますが違法ドラッグと認可され処方箋でもらうお薬を一緒くたにするな。
違法ドラッグ依存者は救えないゴミで、あれは快楽と逃避を罪悪感の輪で繰り返す最低の薬だ。
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須賀川拓の瞳が捉えた紛争地を映し出す場面写真&30秒映像解禁
圧倒的なリアル。紛争地を徹底的に取材する、彼の瞳が捉えた「対岸の火事ではない」世界の現実
戦争が日常となってしまったウクライナの今 2022年、我々の記憶に新しく、今も最新の情報が日々届けられるロシアのウクライナ侵攻。戦争が続くウクライナで須賀川は、非人道的な兵器であるクラスター爆弾が降り注ぐ街や、そこに住む住人、またロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に現地取材。ロシアのプーチン大統領が「ネオナチからの解放作戦」と主張する“軍事作戦”が、紛れもない侵略・破壊行為であることを示す。 解禁された場面写真は、南部の要衝オデーサで街の様子が戦争によって一変しているさまを目のあたりにした瞬間の須賀川の表情のほか、前線から近いミコライウで巡航ミサイルによって攻撃されたとみられる建物に立ち尽くす姿や、ロシア軍が住宅街に撃ち込んだ非人道的兵器・クラスター爆弾のキャニスターを持ってくる兵士、また付近の道路に残るその子弾の痕跡なども含まれている。須賀川はこれらを詳細にレポートしながら「軍事的ターゲットではないことは明らかなんです」「人道的に使ってはならない兵器が撃ち込まれて人が亡くなっている」と、平和な日常が一瞬にして戦場と化す現実を我々に突きつけるのだ。
アメリカ軍が撤退し、タリバンが支配するアフガニスタンの今 昨年に続き今年夏、須賀川はアフガニスタンへ赴き、タリバンの支配下で女性の人権が抑圧される実態のほか、深刻化する貧困と蔓延するドラッグが作り出した「橋の下の地獄」の取材を敢行した。 解禁された写真は、昨年11月に訪れた際にタリバンのパトロール車両にテロ警戒のためヘルメット・防弾ベスト姿で乗り込み同行する姿や、今年夏に訪れた際に取材した「橋の下の地獄」に足を踏み入れ取材する須賀川を見ることができる。「(橋の下に住む人たちは)ここでの生活から抜け出せなくなっている」「タリバンでさえも麻薬中毒者を見ても見ぬふり。社会から断絶されてしまっている」とレポートする須賀川の言葉が印象的で、日本という安全な国で暮らす私達には想像もできない悲惨な現状を垣間見ることができる。
パレスチナ自治区ガザとイスラエルの終わりが見えない争いの被害者は―。
須賀川がJNN中東支局長に着任して、初めて取材に向ったのがガザ地区。以降、何度もガザに入って取材をしてきた須賀川だが、本作でも、イスラエルによって閉ざされたこの人口200万の「天井のない監獄」で、4人の子供と妻を空爆で失った男性の静かな慟哭に耳を傾ける。一方のイスラエルでは、ガザから無差別に放たれるロケット弾と迎撃ミサイルが空を行き交う異様な光景を伝えた上で、それぞれの当局者に攻撃の正当性を問い質す。
解禁された写真は、アパートが跡形も無くなった空爆現場や、その周辺で発見された爆弾の破片などを念入りに取材する須賀川の様子を映し出す。この映画は、愛する家族や住む場所を失ったガザ住民の悲痛な心の叫びに寄り添い、その痛々しいほどの現状を我々に伝えてくれる。
一体どれぐらいの日本人が現在、世界で進行中の紛争を身近にとらえているのだろうか。解禁された30秒映像では、「(一般住民が)戦争の狂気の受け皿になってしまっている」と語る須賀川の言葉から、無差別攻撃や民間人の巻き添え被害など「戦争犯罪」を非難する彼の強い姿勢を感じることができる。カメラがとらえた子供たちの姿も印象的で、その眼差しは日本に暮らす我々に、「戦争が日常化」しているという「非日常」をスクリーン越しに投げかけてくる。その圧倒的なリアルを体感できるドキュメンタリー映画『戦場記者』を、是非劇場でご覧いただき、今世界で起きている人道危機を自らの目で目撃してほしい。
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狼たちの処刑台 ※当blog映画ネタは基本ネタバレです
パッケージに惹かれて観てみた。
このタイトルと、堂々と銃を手に握り立つ親父がクールだなと。
でも、そこから想像していたような内容では無く
治安の悪い地域に暮らす住民のお話。
この治安の悪さが、ハッキリと伝わる冒頭シーン。
若者が道行くベビーカーを押す女性の傍をバイクで蛇行運転し
からかいながら発砲し、実際に女性を撃ち殺してしまう。
本当に撃つ気は無かった少年らは焦り、そこから逃げ出すが
慌てていた為、事故に遭うと言う展開だ。
さて、この映画の主人公のハリー・ブラウンは、堂々と麻薬売買などが
行われる治安の悪い地域に住んでいる。彼の家はマンションで、
通りではいつも組織化された若者らがたむろし、人を傷つけたり、
冒頭であった事件であったり、悪さばかりが行われている。
こいつらは既に人では無い、と言う程の性質の悪さで、見ていて
とっとと くたばらんかなと頭に来る。誰も今まで殺さなかったのが不思議だ。
で、主人公のハリーさんは、元海軍兵士で、現在は年老いた一人暮らし。
妻は入院中で、親友とパブでチェスをして過ごしている。
寝起きに吸引機みたいなのを使用してたような記憶が。
ある夜、妻の容態が急変し、ハリーは急いで病院へ向かおうとする。
でも、近道にたむろする不良少年達。その道は避けるしか無いと遠回り。
結局は妻の最期に間に合えず、看取る事が出来なかった。
彼の生活は完全な一人身となり、親友と過ごすだけが楽しみになる。
レンは通ってるパブのマスターに対し��警戒していたけど、ハリーは
彼は悪い人では無いと思っていて、レンに対し否定する。
最近、彼は、不良共が怖い、と、こぼす。奴らの嫌がらせに
危機感を募らせている彼は、護身用に古いナイフを忍ばせていた。
ハリーは警察へ相談しろと宥めるのだけど。
結局レンは、不良少年らに惨殺されてしまう。
どう考えても、お爺さんのハリーだけど、海軍だった経験が、
彼の決意を手助けする。ハリーは奴らに復讐を決め込んだと言うわけ。
いや、そうしてくれないと困る。このまま、警察は何の役にも立たず
ただ悔しく終って行くような話しなら途中で消していた。
ここまで思わせる憎たらしい最低な不良共の演技が凄いわ。
レンの死があり、女性の警察官がやって来るんだけど、
彼女はハリーにその事を伝えに来た時、彼を心配し、その後も治安問題と
直面しながら最後までハリーに対して目を向けていた。
その、彼女の上司の警官の服が異常にカッコ良かったのが印象的。
で、レンの事件で、首謀者と思われる犯人らの若者が警察の
事情聴取を受ける事になる。ここでこの若者らが、どうやってレンを
殺害したかは分からない。ただ、彼らの態度がまたムカッ腹。
特に主犯格のノエルって男が酷い。彼は自分の叔父が凄いと言う事を盾に
粋がってるから、もう、救いようが無い。結果的に何の罪にもならず釈放される。
一度復讐を決め込んだとは言え、見ているこっちはずっと不安。
だって、寝起きに吸引機みたいな物を必要としていたはずだったし、
元海軍とは言ったってお爺さんだ。本当に大丈夫かとひやひやするのが
終わりまで続いた。
まずは武器を手に入れるため、武器を撃ってる連中の下へいきなり押し掛ける。
そこには二人の売人と、ドラッグで死にかけそうになってる若い女性が一人、
ソファでへばっている。
ここでまた、商売を仕切ってる男の方が、めちゃめちゃ演技うまい。
爺さんの前でキマってて、その、何とも言えない『間』がリアル。絶妙だ。
ハリーはまず、彼らをここでぶっ殺し、人殺しに慣れてると言わんばかりに
死にかけの、その男に話しかけたりする。
くたばりかけてた女の子を病院へ連れて行き、自分は姿を消し
女の子が助かるように手を配る点はさすが民間人と言う感じ。
で、ちゃっかり頂いて来た武器を使って、レンの死の真相を知るため、
若者をさらい、椅子に縛りつけ、軽く拷問しながら、レンの死について尋ねる。
相手はビビってしまい、レンが殺される所を、携帯のムービーに録画していた
と白状し、使い方を説明してやり、ビデオを見せてやる。
レンの殺されるシーンがまた惨い。
何で、年寄りを襲うなんて考えが出てくるのか謎。
弄ばれる様に、からかい半分で殺されて行くレンの死の映像を見て
更に、ハリーさんの怒りは頂点へ。
てか、ハリーにこれだけ頑張らせなくちゃならない、と言う点がもう大問題。
本当にここの警察やらは何してんだろうか。
こんな所に住んだら、自宅に屈強なボディガードでも雇わないと無理では?
誰も助けてくれないと言ったって、自分じゃ勝てっこ無いし。
そんなこんなで、ざっと進めて行くと
少年らはハリーに追いこまれながらも、主犯格のノエルは何とか逃げ出す。
ハリーは無理するから心臓に負担がきて、追いかけたノエルを逃してしまう。
このノエル達の親とかは、警察へ対し暴動を起こす始末だし、駆け付けた
例の女性の警察と同僚が、その暴動に巻き込まれて車で事故してしまったり。
ハリーは復讐に向かおうとしていた足を止め、事故に巻き込まれた二人を
助けるため、二人を連れて、いつものパブに向かう。
マスターは、ハリーが二人を助けたいと言うのを了承した振りをして
奥の部屋へ。同僚の方は重態で、女性はまだそこまで酷い怪我ではない。
彼女は、ハリーが復讐している事を勘付いており、彼の腰に銃があるのに
気付いたことには何も言わず、ノエルの叔父がマスターであると告げる。
まさかの黒幕にビックリのハリーは、奥へ消えたマスターの元へ。
彼に銃を向けていると、奥からノエルが銃を向けて現れる展開。
銃を降ろせ、とマスターはノエルに戒め、こんな時に具合が悪くなってしまった
ハリーを手助けする振りをして銃を奪い取り、とっととノエルと共に
こいつらを始末しようと始めるわけ。やっとここで悪人らしい悪人が登場。
これまで憎たらしいガキばかりだっただけに、マスターの存在がシマる。
何もかも一気に商売と言う感じになる。
マスターはまず重態で身動き取れない警察の、鼻と口を塞いでじっと
死ぬのを待ち、ノエルに振り返る。「簡単だろ?」と、こう。
やりますな、悪人。このマスター、何で嫌いになれんのだろう。
で、ノエルがよっしゃと張りきり、女性を押し倒し首を絞めて殺そうとする。
もがき苦しむ彼女がまた本当に苦しそう。
その、ノエルの首に気持ち良く銃弾が放たれて、見ると、何とか
具合の悪い中ハリーが銃を手に撃った事が分かる。
マスターがぶち切れて、彼の元へ行き暴行を加えた挙句に消してやろうと
銃を向けたその時、女性が助けを呼んでいた警察達が店を包囲しており
マスターの身体に無数の赤い点が。それは彼を銃で狙ってる光で
ハリーは自分を殺せとマスターに言う。戸惑うマスターが撃とうとして
彼は撃たれて死んだ。
それから、ハリーは、自宅の通りを歩いていた。そこには誰もおらず
たった少し前まで若者らが占拠していたとは思え無いほど穏やかになってた。
と言う内容。
途中でも言った通り、最初から最後まで、ずっとハリーが心配でひやひや。
終わりが呆気無く感じる。
同じような地域が他にも腐るほどありそうと思えて、徹底した護衛の方法が
あれば良いのにとか、なんか色んな事を考えさせられる。
あのクソ共がきれいさっぱり消えた点に関しては百点満点だ。
自分の親友が殺されるとか有得ん。それも罪の意識も無く。
もっと酷い消し方を色々考えて実験しても良かったくらい。
ただ、もう親友は帰っては来ない。何と難しい映画だったでしょうか。
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最近、ソシオパス(社会病質者)という言葉が良く使われるようになった。サイコパスと同義語として使われているようだが、このふたつは若干の違いがある。 両者とも反社会性パーソナリティ障害なので、「他者のことをまったく考えない。人を巧みに操り利用する。法やルールを軽視し、罪の意識が乏しく衝動的な行動に走る傾向がある」という部分では似ている。 一般的に言われている大きな違いはサイコパシーは総じて先天性のものであり、ソシオパシーは後天性なものだというものだ。
他にもサイコパスの方が罪悪感の欠如が激しいとか、ソシオパスの方が、頭がよく魅力的な人物に見せるのがうまいとか、衝動的で行動に一貫性がないなどの違いはあるようだが、一般の人がどちらかを見分けるのは難しいのかもしれない。 サイコパスとソシオパス(社会病質者)の違いと共通点、危険性を検証(米研究) : カラパイア サイコパスか、ソシオパスかを判断するのは専門家で、罪を犯した彼らの心を開かせ、真実を聞き出すのは、訓練されたセラピストや臨床心理士の仕事だ。 海外掲示板で、実際にソシオパスやサイコパスの治療に関わったことのあるセラピストや臨床心理士などが、その体験談を投稿している。
1. すべてがでっちあげの殺人事件の真相
わたしをすっかり信頼してくれたあるソシオパス患者は、他の二人と一緒に拷問し半殺しにした相手のことについて話してくれた。 その事件はニュースになったのでわたしも知っていた。そのため、彼は刑務所に入ったのだが、彼は、被害者の体を何百回も切りつけたり、酸の風呂に入れたりといった拷問について事細かに説明した。 なぜ、こんなことをしたのかというと、この被害者が近所のダウン症の少女を暴行したので、その報いだという。 この男は、わたしたちの病棟に1ヶ月ほどいた。その間、退院したら自殺してやるとずっと脅されていた。 彼のことを知って数��間たち、信頼を得たところで、彼は暴行の話は実は嘘だったとわたしに明かした。 何年も前に言い争いがあって(おそらくドラッグ絡み)、単に被害者のことが嫌いだったから、理由をでっちあげてボコボコにしてやったのだと告白したのだ。 つまり、その患者は暴行事件があったと嘘をつき、ふたりの友人をそそのかして、ささいな言い争いをした相手を拉致、拷問した、ということだ。 彼は未成年として裁判にかけられたが、今度はそのふたりの友人を裏切った。首謀者は彼らのほうで、自分はそそのかされて言われるままに犯行に及んだまでだと主張したのだ。友人たちはまだ刑務所に入っている。
最悪なのは、この男が嘘の前提をふきこんで友人を操り、一緒になって恐ろしい犯罪を犯したということだ。さらに悪いのは、友人たちは塀の中なのに、彼は外にいて、こうした恐ろしいことを自にやり続けるだろうということだ。
2. 良い子を演じていた子の裏の顔
彼は昼はいい子どもなのに、夜になると里親の子どもをいじめて、それをわざわざビデオに録画していた。 昼間はいい子なので家族から愛されていて、なぜ、ジミーが大声をあげてそんなに暴れるのか、わからないと言っていた。ジミーとは彼の夜のいじめのターゲットで、言葉がよくしゃべれなかったので、いじめられていることを誰にも話すことができなかった。 ソシオパスはたいてい言葉が不自由な子どもには優しいが、ジミーだけは餌食になっていた。里親の前では、彼は模範的な十代のようにふるまっていたようだ。 ついにその虐待ビデオが明るみに出た。そして現在彼は拘置されている。ハンサムで魅力的なので、ビデオを見るまで誰も彼がそんな残酷な人間だとは信じなかった。 未成年ということもあって前科がつかないため、今後、多くの人の人生を破壊することになるかもしれない。 ソシオパスは自分を被害者に仕立てあげて逃げおおせ、あなたに助けを求める。同情して助けてあげたくなるが実は違う。 この子は自分の里親のやさしさにつけこみ、いかにも自分は弱者であるように見せかけ、女性を引き込んで苦しめたり、操ったりしていた。 本当に恐ろしいことだ。特にまわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
まわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
さらに始末に負えないのは、彼が自分の犠牲者を逆に加害者に仕立て上げたことだ。捕まらない限り、同じことをやり続けるだろう。
3. 人が苦しんでいる様を見て楽しむ
わたしは何人かのケアをしていたが、もっとも不穏な相手はこの軍人あがりだった。彼は2000年代始めにイラクにいて、任務で人を殺したことがある。彼はいつも少し人と距離をおいている感じがしたが、わたしに語った話は彼がまぎれもなくソシオパスであることを示していた。 彼はヤギを殺したことを事細かに話した。イラク現地の家族は生活の糧としてこの家���に頼っていたので、とくに咎められずに済んだからだという。 飢えたこどもたちがキャンディをめぐって争う場面を見ていた話もした。彼が地面に投げたキャンディに群がって、子どもたちが石を使って殺し合いをするのを見ていたというのだ。 あまりにひどいことなのに、彼は今は自由に生活している。 二番目の患者は、典型的なソシオパスだった。彼はドラッグ所持で捕まったが、その際に自分を数回刺し、警官も刺そうとした。非常に頭の切れる男だったが、凶暴だったせいか意図的に麻薬の売人としての人生を選んだ。 人殺しまではしなかったようだが、明らかにひどく残忍なやり方で人を虐待した。メチルアルコールを使って中毒者が苦しんでいく様子を楽しんでいた。 彼は痛みを感じない。いとも簡単に自らを傷つけて悲惨な犠牲者を演出する。そのことを証明するため、彼は私の前で自らの体にペンを刺した。彼の体に刺さったペンやあちこちに飛び散った血は本物だった。
これらの話は両方とも、複合的な面で恐ろしい。ヤギを殺すという最初の話はもちろん恐ろしいが、彼が現地の家族がヤギに頼って生きていることをわかっていて、意図的に殺したことがよけいに悪い。この男は事実上、子供を含めた現地の人々を餓死させようとしていたのだ。
4.恐怖で支配しようとする男
わたしは精神科病棟で5年間働いた。ぞっとするようなことをたくさん見てきたが、心底震えあがった患者は、ハンサムで魅力的な35歳の男だった。マークと呼ぶことにしよう。 わたしのユニットでは、強い自殺願望を看護師に話したりすると、1対1の監視下におかれる。つまり、自殺願望の強い患者ひとりにひとりのスタッフが割り当てられ、自傷行為をしないよう、四六時中、あらゆる場所で見張るのだ。 ある日、マークは平然と看護師のところへやってきて、自殺願望があるので個人的にスタッフをつけて欲しいと自ら申告した。 彼が嘘をついているのはわかっていても、看護師をひとりつけなくてはならない。わたしだけがそのとき対応可能だったので、担当した。マークに一緒に病棟まで歩いて欲しいと言われ、わたしは承諾した。 歩きながら、マークはわたしの好きな食べ物とか、休日の楽しみ方など、一見無意味な質問をした。わたしはいつもこうした情報を与えることに注意しているが、彼の質問は無害な気がした。 1時間ほど歩いていると、マークはわたしが他の人に対しても親身になって世話をしていると言いがかりをつけ始めた。 そしていきなりガラス窓に自分の頭を激しく打ちつけた。マークの顔から血が噴き出し、ガラスが彼の頭上に飛び散った。わたしたちは救急車で慌てて彼を救命部へ運んだ。 2日後、マークはすっかり回復して病棟に戻ってきた。わたしのところへやってきて、怖がらせてしまったことを謝罪し、ウィンクして去っていった。 マークがしたあの行為は、私の脳裏に恐怖を焼きつけることで、絶対的に服従させるためのものだと信じている���
この話のもっともぞっとするところは、ソシオパスの行動の裏にある意図だ。彼は自殺願望があると宣言して、わざとこの看護師を自分の担当にさせ、看護師の個人的なことを事細かに訊き出した。
それから、訊き出した詳細を利用して、もっともおぞましい方法で看護師にトラウマを与えた。その間じゅうずっと、非常に鋭い警告を発していたのだ。
5. 恐ろしい捕食者と対峙しているような底知れぬ恐怖
正直いって彼と同じ部屋にいると、恐怖に苛まれ、パニックになりそうになった。セラピストであるということは、クライアントとの間にかなり強い絆をつくりあげるということで、クライアントと向かい合う部屋の中には、共感と心を割って話す雰囲気がただようのが普通だ。 だがこの男とひとつ部屋の中にいると、まるで危険な捕食者と対峙してしまった、絶体絶命の小動物のような気分になった。 彼は自分の行動になんの良心の呵責も感じない人間だった。言葉の端々に相手を脅かすような言葉をこっそり挿入し、相手(わたし)が表面的に無反応なときは(内心では大いに反応していたが)、いくぶん困ったような様子を見せた。 彼の名前や顔立ちははっきり思い出せないが、外見はまったく普通で、実際問題のないタイプに見えた。でも、しばらく彼と話した後、空虚な思いばかりが残り、不穏な感じが否めなかった。 彼はわたしに対して、たまたま廊下の電気をつけっぱなしにしてしまったというようなことを認めるのと同じような調子で、家庭内暴力があったことをあっさり認めた。 しかも、自分のパートナーの前でだ。彼はこれまでその話を持ち出したことはなく、訓練を受けている者として、わたしが家庭内暴力のケースを扱うべきではなかった。 こうしたケースは経験のあるスペシャリストに問い合わせるのが普通だ。守秘という理由から、わたしには細かいところまで踏み込むことはできなかったが、あまりにあっけらかんと明かされた出来事に過剰に反応した。 彼は本当に話のついでにDVのことにふれ、"なんてこった、こんなことは話す価値さえない。どうしてこんな話を持ち出したのかな? むしろ自分のことについて話すつもりだったんだ。パートナーを絞め殺そうとした話よりもね" というような感じだった。彼は本当になにも気にしていなかった。 わたしはただうなずいて、平静を保っていたが、自分のノートにはばかでかい感嘆符!を書きなぐっていた。なんとかそのセッションは終わらせたが、すぐに監督者に彼の担当を別のカウンセラーに替えてもらうよう話した。 正直言って、その人物がそこにいる雰囲気だけでこんなに恐怖を感じたのは初めてだった。
6. 自殺殺人
彼ら2人は、ある人物と一緒に自殺するという契約をしたが、自分たちは実行せずにその人物だけが死に、生き残って病院に運ばれた。 彼らは罪の意識を痛感していると言い、それは本心のように思えたが、すべては演技だった。 病院にいる間、彼らは病棟で自殺願望のある別の入院患者を煽ってふたたび自殺の契約を結び、計画をたて、決行日まで決めていたのだ。 少なくとも3人と同様の契約を交わしたようで、彼らは精神病棟へ入れられることになった。だが、これは無防備な新たなターゲットを見つける彼らのやり方だった。 3度の自殺契約は、決行には至らなかったが、のちに家族から見返りが出されたことがわかった。 彼らはその後、またしても問題を起こしわたしたちの病棟に入院した。 最初の入院のときは不起訴だったが、彼らは極めて危険な人物であると感じていた。自殺契約をしながら、毎回自分たちだけ生き残る。既に警察の監視の対象になっていると思った。 わたしはそのうちのひとりを世話したが、実にまともな印象を受けた。かなり知能程度が高く、一見魅力的な人物という感じだった。 同僚のひとりは犯罪心理学者だが、プロの彼女でさえ彼らを止められなかった。彼らが病棟の誰かとまた自殺契約をしようとしているのを聞いたときは驚いた。 これまで人生でこんなに誰かと話すのが恐ろしいと思ったことはない今回の人物の二面性には心底動揺し、自分の臨床管理者とこのケースについて多くを話すようになった。
このふたりはある意味連続殺人犯だ。だが一番恐ろしいことは、彼らは実際には誰にも直接手を下していないということだ。無防備な人々をうまく操って、自殺に追い込み、犠牲者が死ぬとショックを受け、詳しいことはなにも知らないというふりをしたのだ。
7. 子犬をいとも簡単に虐待する子ども
反社会性パーソナリティ障害と診断されなくても、同じ基準を満たす成人前の子どもたちには、行動障害という診断が下されることが多い。 精神衛生関係の臨床医として働いているときに、6歳の息子を連れてきた両親と出会った。この子はとてもかわいらしくて穏やかに話す礼儀正しい子どもだったが、これまでのことをいろいろ質問すると、たびたび動物に対して虐待を行ったことを両親が明かした。 新たに飼ったメスの小犬の穴にほうきの柄をつっこんだというのだ。傷は深く、小犬は安楽死させなくてはならなくなったという。いまだに悪夢をみそうな話だった。
将来、怪物になるかもしれない子供を育てているのがわかったときのこの両親が、いったいどんな気持ちだったか、考えずにはいられない。
8. 自分は悪くない。すべてまわりのせい
住み込みで薬物中毒を改善するプログラムを実施する職場で働いている。ほとんどのクライアントの行動に腹をたてることはない。彼らは中毒の過渡期にあって、自己のため、家族のため、さまざまな理由で良くなろうと努力している。 有罪になった殺人犯もいるが、彼らは非常に後悔していて、真面目に更生に取り組んでいる。だが、反社会的人格障害だと思うある人物だけは別だった。彼について話そう。 受け入れ後、30分ほど話した後で、彼は自分よりも劣ると思った相手を巧みに操作する人間かもしれないと強く感じた。 彼は、わたしの言葉遣いやわたしのポーズを真似したり、雄弁にものを語り、非常にカリスマ性があった。だが、どこか浮世離れ���ていた。 もっと情報が必要だったので、わたしはメモをとりながら続けた。彼が更生プログラムを続けるうちに、それははっきりしてきた。 彼にとって、人間関係の破綻、ドラッグ中毒、無職、無責任など、すべては誰か、もしくはなにかのせいなのだ。 怒り狂って自分の弟を刺したことすら、弟が悪いのだと言う。真夜中に弟の車を盗んで運転したが、溝にはまってしまいそのまま車を放置した。そのことについて彼は嘘をつき、"うるさくガミガミ言われた"という理由で弟を刺した。 入所後は、他の患者や数人を除くスタッフを巧みに操っていた。 彼はわたしの個人的な患者だった。セッションの間、彼の話に矛盾点があったため、それに言及すると、とやっと彼は白状した。 実は彼はHIV+(わたしは気づいていた)だが、それを隠してパートナーとつきあい、ドラッグの針を共有したという。 さらに、彼はこのパートナーを薬づけにした。このパートナーにはメチル中毒の過去をもつ家族がいたが、パートナー自身は薬物を使ったことはなかった。彼はまわりのみんなが自分を信用するのが信じられないと言って笑った。他人がどうなってもまったく興味がないのだ。 彼はプログラムを素直に実行するふりをして、完全に治療を終え、今は社会に復帰している。彼はまだ若く、いつかもっと悪意ある行為に出るだろうと強く感じる。将来、彼が殺人を犯しても驚かないだろう。
9. 人の感情が理解できない15歳の少女
セラピストではないが、学生相手のカウンセリングをしている。その学生は15歳の聡明な女の子で、友だちも多くかわいらしいものが大好きだ。 彼女がわたしに話した内容が、あまりにも異常だった。わたしに診断を下す資格はないのだが、何らかの問題を抱えているかもしれない。 ・ボーイフレンドに関して 男の子とデートしたそうだが、彼に対してはなんの感情もないと言う。でも、彼は"役にたつ"し、彼女のためにいろいろやってくれるのでデートしているらしい。 でも彼は、彼女が何もしてあげないことにがっかりしているという。彼を悲しませたら気分が悪いのではないか、と言うと、彼女はこう答えた。 「いいえ。わたしが彼を悲しませているというなら、それは彼の問題だわ。どうしてわたしが彼の気持ちを気にしてやらなくちゃいけないの? 彼の感情をわたしが感じることはできないのに。わたしにはなんの関係もないわ。」 ボーイフレンドを利用していることについて罪悪感はないか、と訊くと、彼女はこう答えた。「いいえ。彼のほうからわたしにまとわりつき始めたのよ。彼がわたしのことを好きなのだから当然でしょ。ほかに彼になんの取り柄があるの? 」 ・友達の犬に関して 彼女の友だちの飼い犬が死んだ。彼女は全くなんとも思わなかったけれど、そうするべきだと思ったから同情するふりをしたという。 犬の死は友人の問題であって、なぜ悲しまなければならないのか、彼女は理解できなかったという。 ・作られた感情 先生のひとりが彼女の友だちに、彼女と距離をおくよう言ったという話を聞いた。その先生は彼女の表情は嘘で無理やり作っているもののように見えることに気づいたからだという。 彼女はどうしてこれが問題なのかわからずわたしに質問した。「みんな感情的な反応を偽っていないの? 誰かの言ったジョークに笑うふりを��るのはダメなの? 誰かが死んだと聞かされて、悲しむふりをしてはいけないの?本当の感情とか、共感ってなに?」 説明すると彼女はすっかり混乱して、わたしの言っていることはまったくわからない、まわりのみんなが感情や共感を偽っていない証拠はないと言った。 結局彼女は自分が正常で、まわりのみんながちょっとおかしいのだと断言して会話を終わらせた。 彼女の複数の知人は、彼女がソシオパスであることに気づき、彼女から去って行った。彼女は誰にも愛着を感じていないのでべつになんの支障もなく、自分にとって生活が楽になる便利な相手だけをキープしておけばいいと言った。 彼女は自分のイメージ、とくに話す言葉に気を遣っていた。同年代と話すときには、流行りの言葉を使ったりかわいらしいく見せる声色で話すよう気をつけていた。 それは15歳だからという理由だという。「だって15歳らしく話さなかったら変でしょう。ほかのみんなもわたしと同じように話すわ。わたしは若いのだから、若いようにふるまわなくちゃならないの」と言った。
10. 悪魔のような子どもの成功物語
行動にかなり問題があったり、精神的な問題を抱える12歳以下の子どもたちのための施設で働いていた。そのときわたしはまだ大学生だった。 反社会的人格障害(ASPD)と診断された子どももいたが、わたしはいつも小さな子供にそうしたレッテルをはるのはどうかと疑問視していた。 AP(仮名)もそう診断された子の1人である。6歳で入所してきたこの子はとてもかわいくて、良い子に見えた。 そこでスタッフは彼が本性を表わすのを待った。彼の品行方正なふるまいは8ヶ月も続いた。もはや彼がどうしてここに入れられたのかわからなくなるほどだ。 父親と一緒の写真はなく、母親は服役中だった。里親のところで問題を起こし、この施設にくることになった。最初の8ヶ月の間はまったく問題はなく、完璧な子どもだった。 だがある日、APは豹変した。わたしは子供たちを自転車に乗せてあげようと外に連れ出した。彼はドアから出るなり、裏庭に走っていって、子猫をつかまえ、その頭をぐしゃりとつぶした。 APの寝室は地下にあったが、地面の高さに窓があり、外が見えるようになっている。自分の部屋の窓から彼は子猫のたまり場があるのを知ったのだろう。 わたしはぞっとして、子どもたち全員を家の中に入れた。APは落ち着いた様子で施設のマネージャーに対して、わたしの言っていることはさっぱりわからないと話した。マネージャーがわたしに質問している間に困惑した顔をしていた。 わたしは外へ出て、死んだ子ネコを運んでこなくてはならなかった。APはそんなわたしを見て、ほくそ笑んでいた。 それが、まさか!の瞬間の始まりだった。APはよく過激な行動をし、それを抑制しなければならなかった。 一度つかまえると、30分ほど拘束しておく。この地点での止められないと、臨時の看護師が鎮静剤を打って落ち着かせる。APは針が好きで、一日一回注射してもらうのが目的で暴れるのだとさらりと言った。 またべつの事件では、あまりにも暴れるAPを、ふたりのスタッフがつきそって隔離エリアに連れていかなくてはならなくなった。 その途中、なにかが起こり(金属のドアに彼がはさまれたのだと思う)APは足をかなり切った。看護師が到着すると、APは自分の足の傷をさらにほじくって血だらけになりながら笑っていたという。さらにその血で壁に文字を書いていた。 ほとんどの子どもたちが病棟に��るときに、APには祖父母が面会に来た。ほかの子どもたちは羨ましがったが、APはわざと祖父母のことを無視するような態度をとり、後で面会者のいない子どもたちをなじった。 わたしが退職するとき、APはわたしを描いたという絵をくれた。典型的な子どもの絵だったが、口は×、目はぞんざいに描きなぐってあった。 どうしてそんな風に描いたのかを訊いてみると、APは"ぼくを見るときのあなたの目が気に入らないから、それにふさわしい目にした。ぼくが気に入らないないことを言うから、口もないんだ"と答えた。 今でも、行動障害や精神障害、疾病をもった問題のある子どもたちを相手に仕事をしているが、わたしは彼らを愛している。 これまで何百人というこどもたちと一緒に過ごしてきたが、いまだにAPのことを考える。わたしがあの施設を辞めてまもなく、7歳になったAPはもっと監視が厳しいところへ移された。 最後に彼の消息を聞いたのは、彼が施設の成功例になったということだ。 母親が出所して一緒に家に帰り、天使のような子どもになり、たまに施設に戻ってきては、どのように行動すべきか、ほかの子どもたちを激励するような話をしているという。 これが本当のことで、彼の治療が成功したと思いたい。だが、とても恐ろしい不気味な子どもだったので、わたしは半信半疑だ。 わたしはAPを中傷しようとしているのではない。彼は長期にわたって施設に入れられてケアを受けていた。"恐ろしい"というのは適切な言葉ではないかもしれないが、彼は明らかに病んでいた。
この話は多くの点で恐ろしい。この子はまだ6歳であるにもかかわらず、本当の自分を表わすのに8ヶ月も待つことができた。この年齢で自分をここまでコントロールできるのはすごい。
嘘をついたり、子ネコを殺したり、施設の子をいじめていながら、それでも、この子は成功物語の一例となったことがもしかしたら一番恐ろしいのかもしれない。
written by
konohazuku
/ edited by parumo
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芸能人とクスリ、売人から「シャブ漬け」にされる「知られざる手口」 11月16日、女優の沢尻エリカが警視庁に逮捕されたとの一報が日本列島を駆け巡った。合成麻薬のMDMAを所持していたとして、麻薬取締法違反容疑で逮捕された形である。11月6日には、覚せい剤を所持していた容疑で、元タレントの田代まさしが逮捕されたばかり。ここのところ有名人のドラッグ騒動が後を絶たないが、みずからの身をほろぼすクスリの罠にはまってしまうのはいったいなぜなのか――。「芸能人でも一般人でも変わらない。いつの間にかシャブ漬けにさせられて、離れられなくするんだ」と、あるドラッグ関係者は明かす。日本全体に蔓延するドラッグ中毒、そのヤバすぎる手口に迫った。 「クスリと女はワンセット」 11月6日、覚せい剤を所持していた容疑で、薬物事犯では通算5回目の逮捕となった田代まさし。筆者が田代に話を聞こうと直撃取材を試みたのは今から2年前、2017年10月のことだった。 当時も田代は薬物依存症患者の更生施設「ダルク」の職員として働いていたが、ある関係者からこんな情報が寄せられたためだ。 「田代がまたおかしくなった。あいつ、他のスタッフに対して急に見下すような態度を取るようになった。出勤時間もぜんぜん守らないし、わけのわからないことを口走ることもある。また警察にマークされているって話だよ」 その頃の田代といえば、二度目の懲役を終えて3年が経ち、ダルクの「広告塔」として全国各地のイベントや講演会に出演するなど、その業界では引っ張りだこの人気タレントになっていた。 やっかみ半分、面白半分のガセネタをつかまされた経験は何度もある。だが、その関係者はさらにこう続けた。 「どうやら田代が女と同棲しているらしいという噂があるんだ。まあ、女がデキたのはいいけど、薬物経験者から言わせてもらえば、クスリと女はワンセット。セックスをするとクスリが欲しくなるし、クスリをやれば女がほしくなる。快感は女のほうが100倍以上って言われるけど、人間は一度シャブセックスの味を知ったら最期、死ぬまで忘れられないんだ」 累犯者もクスリを入手できる 薬物依存から立ち直ろうとしている人物に証拠もなく「またやってるんですか」と聞くわけにはいかないし、まして薬物に関する質問ならば「ダルクを通して」となる。だが、女の話なら別だ。 万が一にも本人が認めれば、小ネタくらいになるだろう。そんな気持ちでダルクの施設前で田代の出勤を待ったのだ……。タレコミ通り、田代が姿を現したのは、出勤するはずの時刻から2時間以上経った昼前のこと。 「田代さん、恋人ができたそうですが」 問いかける筆者と目を合わせることなく、無言でダルクの事務所へ入っていく田代。その後ろ姿からは、芸能マスコミをいっさい受けつけない強い意志を感じたものだった。 当時の様子をまざまざと思い起こさせることになった今回の逮捕劇だが、田代のように何かと疑いの目を向けられる「累犯者」でも、違法薬物を入手できてしまう点に怖さがある。 官僚も人妻もクスリを買う時代 先の関係者が「クスリと女はワンセット」と語っていたように、身近なところでは、パパ活アプリをきっかけに覚醒剤の味を覚えるケースもある。 東京霞が関にある東京地方裁判所。ここでは毎日、何十件という薬物犯罪の裁判が行われているが、足しげく通う傍聴マニアの一人はこう語る。 「被告人は覚醒剤取締法違反(使用)に問われた20代の元会社員女性。食事だけで8000円とか1万円ももらえるパパ活アプリで小遣い稼ぎをしていたら、ある紳士から1回のセックスに5万円を提示され、ふたつ返事でOK。それが転落のきっかけでした」 世田谷の高級住宅街で売人と… その被告人女性はホテルで、男に「媚薬だから」と瓶入りのドリンクをすすめられる。「もしも睡眠薬だったら」という思いがよぎって一度は拒絶したが、男も一緒に服用することと、今後も定期的に高額なチップで会うことを条件に受け入れてしまう。 「セックスについてあまり多くを語りませんでしたが、そのうちパイプで吸引するようになって、ますますのめりこんでいったと証言していました。結果的に親や知人からも借金をしていたことから、シャブの上客になったのは明らか。ちなみに彼女にシャブをすすめた男は捕まっていないようでした」 #シャブセックス #田代まさし #沢尻エリカ https://www.instagram.com/p/CDNWY3zjL6n/?igshid=1u4frlljdgy6z
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【小説】JOKER 第一部
プロローグ
〈1〉
深夜零時。
ロレックスに目を落とした緒方進(おがたすすむ)はブリーフケースを手に、生ぬるい海風を受けながら水銀灯の明かりで照らされた新庄市郊外の公園に立っている。
海に面した絶好のデートスポットなのだが、残念な事に交通の便が悪い上に駐車場すらなく、昼間でも子供でさえロクに遊びに来る事が無い。
緒方の両隣りに二人、公園の入り口と四メートル道路に停めたベンツに運転手代わりが一人貼りついている。
全員原色のスーツに金ネックレスならプロ野球選手の夜遊びと言えない事も無いだろうが、広域指定暴力団矢沢組の組員は落ち着いたビジネススーツ��常だ。
そしてブリーフケースには二百万円分のメタンフェタミン――覚醒剤が入っている。
取り引き相手は調子に乗っている街の半グレ。
昔で言うストリートギャングだ。
半グレと言っても若者ではない。若い頃にやんちゃをしたがいいが足抜けに失敗し、ヤクザになる器量も無いチンピラだ。
麻薬が若者に蔓延している、というのは半分正解で半分間違いだ。
昨今の若造は非正規労働などで麻薬に金を渋るどころか、タバコにさえ金を落とさない。
麻薬を使っているのは女を薬で縛って風俗で働かせるか、末端の構成員を薬で縛り付けるかのどちらかだ。
スポーツ選手や芸能人は大金を落とすが、それは表沙汰にしない為の口止め料としての意味合いが強く、普通に流通している薬はそこまで高くない。
そんな価格設定をしたら麻薬依存症患者は年収五千万円以上に限られてしまうだろう。
そしてスポーツ選手や芸能人などの成り上がりはともかく、そんな高所得者は基本的に麻薬など嗜む事は無い。
麻薬というのは貧乏人を貧乏人に縛り付け、思うがままに操る道具なのだ。
緒方がそれでも月収に相当する額のブリーフケースの重みを感じていると、年甲斐もなくスウェットを来た男が軽のワゴンで公園に乗りつけた。
逆向きにかぶった野球帽はヤンキースなのに、スウェットはボストン大学という統一性の無い男の後ろに三人の若造が続く。
間違いなくアメリカのストリートギャングを意識しているが、残念ながらエミネムにもJAY-Zにも見えない。
オーバーサイズの服をだらしなく来た日本人だ。
「緒方さん、金持って来ました」
ヤンキース帽がポケットから雑に札束を出して見せる。
それでクールだと思っているのだからタチが悪い。
「ブツはある」
緒方が顎をしゃくると若い衆がヤンキース帽の札束を確認する。
帯どめしてある訳でもなく、おおよそでしか金額は分からない。
しかし、金額が違っていれば差額を血肉で支払う事になる事はヤンキース帽も理解しているだろう。
若い衆がざっと金を数えた所で、水銀灯の下にトレンチコートの男が忽然と姿を現した。
紫色のどぎついトレンチコートに西洋風のピエロのマスク。
「ハッピー、ハロウィーン」
おどけたような合成音声が響いた時、緒方は背筋から嫌な汗が滲むのを感じた。
遭遇するのは初めてだが、ヤクザや半グレをターゲットにしたハッピートリガーの噂は緒方も聞いた事がある。
トレンチコートに突っ込んだ手が引き抜かれた瞬間、銃声と共に足下と背後の遊具で火花が爆ぜる。
「緒方さん!」
若い衆の一人が銃を抜いてピエロ――ジョーカーに応戦しようとする。
ジョーカーのトレンチコートが開いて、内側から映画でしか見た事の無い���ョットガンより大振りな銃器――グレネードランチャーが姿を現す。
「ハロウィーン? 失敬、まだ五月だ」
ジョーカーのグレネードが火を噴くと同時に地面が爆発して公園に身体が投げ出される。
半グレがへっぴり腰で公園の外に出ようとした瞬間、ジョーカーのもう一方の手に自動小銃が握られていた。
「屋根よぉーり高い、鯉のーぼーりー」
自動小銃が瞬き、公園の出口付近に無数の弾丸がばら撒かれる。
隙を突いて緒方は裏手に停めたベンツに向かって走る。
初対面とはいえ、こんな火器を狂ったように撃ちまくる狂人を相手になどしていられない。
自動小銃が向きを変え、ベンツの防弾ガラスに傷が穿たれる。
それでも緒方がベンツに戻る間に、半グレの連中は軽のワゴンに向けて疾走している。
ジョーカーのグレネードがベンツに向けられる。
助手席に転がり込んだ緒方は叫んだ。
「出せ!」
猛スピードで走り出すベンツをジョーカーは追って来なかった。
緒方はあの猛烈な砲火の中、生き延びた事を奇跡のように感じていた。
〈2〉
午後八時。
没個性的なダークスーツに身を包んだ三浦清史郎(みうらきよしろう)は新庄市駅前にある新庄商店街の場末のバー『サイレントヴォイス』を訪れている。
新庄市は首都圏のベッドタウンとして栄えている太平洋に面した、人口八十万の町だ。
駅前の商店街では二百を超える店舗が活況を呈しており、湾岸という事もあり工場地帯も存在する。
耳に心地よいJAZZが流れる中、清史郎がショットを二杯開けた所でパリッとしたスーツを粋に着こなした慶田盛弁護士事務所の慶田盛敦(けだもりあつし)が現れた。
互いに若手と呼ばれる頃に知り合い、今では二十年の付き合いになる。
「待たせたようだな。今幾つか案件を抱えていてね」
慶田盛弁護士事務所は警察の冤罪事件を扱う事で、その道では知られている弁護士事務所だ。
日本では警察が立件した裁判では99%の確率で検察が勝利している。
その検察がでっち上げたものを、証拠を積み上げ無罪に、更には真犯人を警察に突き出して解決する。
それが慶田盛弁護士事務所の仕事であり、清史郎の三浦探偵事務所は裁判の為の情報である事件の調査依頼を受けている。
売れ筋である浮気調査などはしていない為、懐には常に隙間風が吹いている。
「最近はこっちも忙しくてね」
清四郎はスコッチを注文した慶田盛とグラスを合わせる。
『サイレントヴォイス』のマスターは、以前ヤクザに恐喝されていた所をジョーカーに扮して助けたという経緯がある。
もっとも通い続けて十五年だから隠す事もありはしない。
気のおけない古い友人のようなものだ。
「吉祥寺の死体遺棄事件の件は進展はあったのか?」
吉祥寺の死体遺棄事件とは、富山純也二十五才宅で、川上千尋二十二才が自傷行為で死んでいたというものだ。
死後二日後に近所の人間に通報された事から、警察は富山を死体遺棄事件の容疑者として逮捕。書類送検した。
富山は無罪を主張し、慶田盛弁護士事務所に泣きつき、慶田盛が三浦探偵事務所に調査を依頼したのだ。
「川上は富山と同棲していた。富山の証言では自傷行為など考えられない」
同棲していた富山が被害者の死亡時に出張で家を空けていた事はアリバイとして記録に残っている。
「それは本人から直接聞いている」
慶田盛の言葉に清史郎は頷く。
「川上は都内の建築会社で事務をしていたが、実は裏で足つぼマッサージをしていた。これは歩合給で明細書も無い手渡しだ。小遣い稼ぎには丁度良かったんだろう」
清史郎は店舗の写真を慶田盛に見せる。
富山も都内の広告代理店に勤務していたが収入はお世辞にも良いとは言えず、川上としては将来を考えても副収入が欲しかったという所だろう。
その辺りの事情はマッサージ店の同僚から聴取住みだ。
「富山は言っていなかった。どうやって調べたんだ」
慶田盛が驚いた様子で写真を手に取る。
「足で稼いだんだよ。で、マッサージ店には川上に執着している、大野正則という客がいた。この男は二十歳でコンビニでアルバイトをしていたが、その給料のほとんどをマッサージ店の指名につぎ込んでいる」
清史郎は大野と、彼がコンビニで働いている写真を見せる。
大野という男が川上に執着し、横恋慕していた事は他の店員からも話が聞けている。
「じゃあ、そいつがストーカー化して川上を殺したのか?」
やりきれないといった様子で慶田盛がスコッチに口をつける。
「このコンビニには別に野原椎名という二十五才のアルバイト店員がいる。この女は大野と交際していると公言しており、ストーカーの気質もあるようだ。大野は全面的に否定しているけどな」
清史郎は野原と、野原が大野を尾行している写真をカウンターに乗せる。
追っている者は追われている事は忘れがちなものだが、大野が川上を付け回し、その大野を野原が追い回していたという訳だ。
そして道ならぬ恋に破れた野原は凶行に出た。
「じゃあ、野原が大野と川上の関係を勘違いして……」
話を整理するようにして慶田盛が言う。
「川上の切創は手首と腕に集中している。これは自傷行為というより防御創だ。更に他に傷跡も無い事から自傷行為の常習という事も考えられない。仮に大野が殺したとするなら、体格差から刺殺になった事だろう。つまり傷跡から考えても同程度の体格の相手から切り付けられたと考えないと成立しないんだ」
警察から入手した傷跡の写真には古い傷跡は一つも無い。自傷行為が常習性を持つという事を考えれば自殺の線は消えたと考えていい。
「川上は外に助けを求めに出ようとは思わなかったのか?」
「手のひらも切られていたんだ。普通の神経ではドアノブを握る事もためられただろうし、本人も富山が帰ってくれば助かると思ったんだろう」
富山は残業や出張が多く、帰宅時間は一定していなかった。
富山が出張を被害者に伝えていなかった事も証言から明らかになっている。
清史郎は資料の束を慶田盛に渡す。
「毎度仕事が早くて助かるよ。これで検察の容疑を晴らして真犯人を起訴できる」
慶田盛が満足そうに言う。探偵業をしていて良かったと思える一瞬だ。
「で、娘の学費の件なんだが……」
清史郎は慶田盛に話を切り出す。
大学を卒業してすぐに結婚し、娘ができて半年と経たずに妻が離婚を申し出た。
不倫である事は分かっていたが、彼女の名誉の為に黙って養育費を受け入れた。
とはいえ、慶田盛弁護士事務所の依頼者の多くは金銭的に厳しい者が多く、その仕事を更に下請けする三浦探偵事務所の実入りはとても良いとは言えない。
一年で五十件の冤罪事件を解決した年もあったが、その年の収入でさえ四百万を少し上回る程度だったのだ。
テナント料と養育費を払ってしまえば食費もロクに残らない。
半ば商店街の好意で事務所を置かせてもらっていると言っても過言ではない。
そしてようやく養育費を払い終わったと思ったら、元嫁が娘の学費を請求して来たのだ。
慶田盛いわく法的には支払いの義務は無いとの事だが、娘を大学に進学させてやりたいという思いはある。
「示談にするのが一番じゃないか? 向こうも本気で学費を巻き上げられるなんて思ってない」
「敏腕弁護士が中途半端な事を言うじゃないか」
「君の元奥さんは金が欲しいだけで最初から娘を大学に行かそうなんて思っていない」
慶田盛の言葉に清史郎は石を飲んだような気分になる。
「私が支払うと言えば嫌でも大学に行かせなくてはならなくなるだろう」
元嫁に対する愛情など欠片も無いが、娘に対する愛情は残っている。
「そんな金が君のどこにあるって言うんだ。夕食を場末のバーボンで済ませる男の食生活がこれ以上荒むのは見るに堪えない」
慶田盛の言葉に清史郎はため息をつく。
確かに慶田盛の言う事に間違いは無い。
――あの女のせいで自分も娘も……――
ジョーカーとして稼いだ金を出せば解決可能だが、帳簿に乗らない金を出したなら国税局に乗り込まれる事になる。
結局私生活は何一つ変わっていないのだ。
「しばらくしたら仕事の量を増やすさ」
ジョーカーを演じ始めたのは与党と矢沢組が推し進める新庄市再開発計画を阻止する為だ。
その行方を占う知事選挙が四か月後に控えている。
「もう歳なんだ。いい加減町を騒がすハッピートリガーなんてやってられないだろう」
「これはそこいらの冤罪なんてモンとは次元が違う。新庄市に生きる人々の生活がかかっているんだ」
清史郎が言うと慶田盛が苦笑する。
「相変わらず正義感だけは人一倍だな」
「皮肉を言うならお前も大手の弁護士事務所に転職したらどうだ?」
清史郎の言葉に慶田盛が笑みを浮かべる。
「それこそ真っ平だ」
清史郎は笑みを交し合うとグラスの底に残ったバーボンを飲み干した。
慶田盛も自分も世間で言う所の真っ当な大人にはなりきれていないのだ。
〈3〉
今年で二十七才になる円山健司はマンションの部屋のボタンを適当に押していた。
『はい、どちら様ですか』
「amazon様からの御届け物です」
本物のamazonの箱を抱え、配達員の服装をしているのだから疑う者も無いだろう。
――注文客以外は――
マンションのオートロックをパスしようと思ったら、住人について行くのが一番手っ取り早い。
しかし、それ以上に手堅いのが郵便物の配達員になりすますという方法だ。
amazonであればほとんどと言って良い人間が利用しており、世帯主では無くてもファミリー向けマンションなら家族が注文している可能性もある。
そしてオートロックをパスしてしまえば、実際にその部屋にものを届ける必要など無いのだ。
健司はオートロックをパスすると非常階段で配達員の服装を箱に収め、ビジネススーツに身を包んだ。
どこに居ても違和感を感じさせないという点で、ビジネススーツはほぼ最強のアイテムと言える。
健司は時刻が二十二時になるのを待って、十四階の廊下にクリスマス用のランプを天井から垂れ下がるように飾り付けた。
全て両面テープで一瞬で剥がせるようにしてある。
更に待つ事一時間、程よく酔ったスーツ姿の男がエレベーターから出て来る。
健司は息を飲んで男の背後につけ、クリスマスの飾りつけを一斉に点灯させる。
男の胡乱な目と意識が飾り付けに向いた瞬間、健司は男の両足を抱えるようにして廊下から外に向かって放り出していた。
悲鳴を上げる間も無く、鈍い音が階下から響く。
八階以下なら死亡の確認も行うが、十四階で生きている事はまず無い。
飾り付けの一方を引っ張って仕掛けを回収し、箱に収めてエレベーターで悠々とマンションを後にする。
明日には会社員自殺の報が流れるかも知れないし、流れないかも知れない。
いずれにせよ、目的を果たした健司は『殺し屋』へと足を向けた。
『殺し屋』は歌舞伎町の風俗ビルの一室にある。
夜更かししてまで仕事をする気は無い為、殺し屋と書かれた看板の電源を入れ、のれんをかけるのは明日の朝九時になってからだ。
ボックス席が二つにカウンターが六脚。
お品書きには殺し方のメニューが書かれている。
客はその中から死因や死体の放置の有無などを選択し、健司は見積もりを出してターゲットを殺す。
ごくごくシンプルなビジネスだ。
今日のターゲットはヤクザに貸し渋りをした銀行の支店長で、死因は自殺で死体は放置で良いという事なので仕事としては楽なものだった。
とはいえ、調査に四日かけて二百万の報酬。
ヤクザが稼ぐ額に比べれば雀の涙だが、踏み倒される事を考えれば前払いでささやかに仕事をする方が余程いい。
殺し屋も楽な仕事ではないのだ。
〈4〉
渋谷のクラブ『クイーンメイブ』で、三浦清史郎は所在無げに立っていた。
本日のDJはKENこと前田健だ。
アップテンポのR&Bと若い男女の支配する空間で、中年の疲れたサラリーマンといった体の清史郎は明らかに浮いている。
健がボックスのVIP席を用意してくれているが、一人でそんな所に座っていても落ち着かないだけだ。
健のパフォーマンスが一段落した所で、清史郎は二十歳過ぎのTシャツにデニムのショートパンツといった服装の女性に声をかけられた。
「ジョーカー、何疲れてんの?」
「仕事とここの空気のダブルパンチだ」
声をかけて来たのは長い髪を茶色に染めた飯島加奈というコンビニの店員だ。
快活な女性で、見ている限り店長より仕事をテキパキとこなしているように見える。
仕事さえ違えば有能なのかも知れないが、このご時世では仕事があるだけでも儲けものだ。
「ノれば楽しいって」
加奈がしなやかな身体を動かしてダンスらしきものを踊って見せるが、清史郎には真似をする事もできそうにない。
「俺の頃、ダンスは学校の授業に無かったからな」
清史郎はカウンターでアーリータイムズを注文する。
酒屋ではボトルで買っても千円程度なのに、クラブではショットで四百円取られるのだから暴利もいい所だ。
「私の頃だって無かったってば」
加奈がカシスオレンジを注文しているとパフォーマンスを終えた健が近づいて来た。
「どォよ、俺のパフォーマンスはよ」
「毎度疲れるよ」
清史郎は肩を竦めて答える。
「釣れねぇ態度、クイーンはどうだった?」
健が加奈――クイーンに話題を振る。
「いいんじゃない? ここではナンバーワンなんでしょ?」
楽しんではいたが加奈もDJの良し悪しは良く分かっていないようだ。
「だろ? 俺、最高にクールだったよな?」
言って健がスクリュードライバーを注文する。
健だけは店舗でDJをしている為にドリンクが無料だ。
「センスがいいのは認めるけど、ここのクラブで一番でも他所で一番って事にはならないから」
ぴしゃりとした口調で加奈が言う。
「これだけで食っていけるとは思ってねぇよ」
悄然とした口調で健が肩を落とす。
DJを優先している為、不規則な生活の彼は普段は日雇いのバイトをしている。
全員が飲み物を手にした所でダンスフロアを横切ってボックス席に向かう。
「に、してもよジョーク、昨日のヤクザ連中のビビりっぷりは最高だったな」
楽しそうな口調で健が合皮のソファーに腰を下ろす。
「エースは機械いじってただけでしょ? 仕込みをしたのはあたしとジョーカーなんだから」
加奈が健――エースを叱責するような口調で言う。
「俺は俺で神経使ってんだって。第一お前らだけじゃWi-Fiのクラッキングもままならねぇだろ」
「その危険地帯にジョーカーが踏み込んで機材を仕掛けてるんじゃない」
清史郎はITに関しては門外漢だが、昔ながらの盗聴や盗撮、ピッキングといった技術は職業柄身につけている。
しかし、大手の情報企業と契約していない為、早いという利点は存在しない。
現在一般的な興信所は大手情報企業と契約しており、端末の通信履歴からクレジットの支払い履歴まで二十万円から六十万円でパッケージで購入している。
ETCの履歴まで買えるのだから、全て現金で賄い、更に携帯電話もスマートフォンも持たないので無ければ市民の生活は筒抜けだ。
だが、情報企業に頼るという事は、利害が密接に絡んでいる対象を調査できなくなるという事も意味している。
従って検察を敵に回している清史郎は情報企業を利用できないのだ。
その清史郎がジョーカーという仕事をするに当たって健をスカウトしたのは、単にDJは複雑な機材を器用に使っているという思い込みだけだった。
最初はヤクザに嫌がらせをするただの乱射魔演出という構想だったのだが、健のITスキルが想像以上に高く、健の元同級生で実務能力に長けた加奈が加わり、神出鬼没のハッピートリガー、ジョーカーが誕生する事になったのだ。
「そこはWINWINじゃね? 俺の真似は二人ともできないんだろ?」
勝ち誇った様子で健が笑みを浮かべる。
「現金回収したの私なんだからね」
封筒を手にした加奈が健に向かって言う。
昨夜のヤクザの取り引きでジョーカーが登場した時、どさくさに紛れて半グレの落とした金を拾ったのは加奈なのだ。
「で、幾らになったんだよ」
「がっつかないの。バラけてたので百十一万。ジョーカーが三十一万でいいって言ってるから四十万」
「あざーっす!」
健が笑顔で加奈から封筒を受け取る。
「に、してもボれぇよな。俺なんて一日工事現場で働いても七千円だぜ」
「私だって八時間みっちりシフト入って八千円行かないんだから。あんたは税金の天引きが無いだろうけど、私はガッツリ取られるんだから」
加奈が小さくため息をついて言う。
「私は確定申告で青息吐息だよ」
清史郎は苦笑を浮かべる。
本業の探偵は労力の割に儲かっているとは言い難い。
その中で臨時でも帳簿に乗らない収入があるのはありがたい事だった。
「ジョーク、辛気臭ぇ話は無しにしようぜ! 今日は俺のおごりだ」
健がバーテンにボトルを注文する。
――今日の所は好意に甘えておこう――
清史郎は明日から始まる地道な仕事に思いを馳せた。
第一章 殺し屋VSジョーカー
〈1〉
「まさかお前まで手玉に取られるとはな」
純和風の邸宅の四十畳ほどの上座から、矢沢組組長矢沢栄作の声が響く。
矢沢は東大出身で大手の組の金庫番をしていた経済ヤクザだったが、手腕を見込まれて盃を受けて新庄市を任された男だ。
大型カジノ施設と契約し、建設費用だけで二千億円を超える大規模開発事業に着手。
地域活性を謳ってケツモチをしている与党の知事を、市民公園を作ると言って与党の市長を当選させ、財務局を握って人口八十万��度の町である新庄市の経済活性としてカジノ施設を呼び込む段階まで運び込んだ。
しかし、新庄市には古くからの商店街があり、カジノ施設に一斉に反対。
この動きを野党が連合して支援した事で、矢沢組の工作虚しく市会議員選挙でまさかの野党大勝与党過半数割れとなった。
��こで組として商店街に圧力をかけ、一方で麻薬や売春で治安を悪化させて風紀を乱すという策に出た。
そこに商店街からの刺客のように出現したのがジョーカーだ。
従って、今回の取り引きでたかだか百万程度の損失を出した事は問題ではない。
手足となる半グレが震えあがり、商店街が盛り返してしまう事の方が問題なのだ。
ジョーカーは確実にドラッグか銃のある時にしか出現せず、空取り引きで警察を使って捕えようとしても決して出て来ない。
支配下にある警察でも公安とマル暴がジョーカーを追っているがかすりもしない。
「完全に俺の失態です」
緒方は畳に額をこすりつける。ジョーカーが来るかも知れないと備えていても、圧倒的な火力を見せられて対応できる組員など存在しなかった。
「お前で駄目なら誰が行っても同じだろう。幸いヤクは複数のルートでさばいている。一か所の取り引きが潰れたくらいでプランに変更は無い」
矢沢の言葉に緒方は頭を下げ続ける。
ジョーカーに遭遇すれば十中八九取引どころではなくなるし、組員の士気の低下につながるだろう。
しかも、ジョーカーの正体はまるで分らない。
ヤクザが取引の現場に発砲魔が現れたと被害届を出せば、警察と幾ら緊密な関係にあるとはいえジョーカー逮捕の前に麻薬取引や銃刀法で御用となる。
警察が味方と言っても、捜査させる理屈が見つからないのだ。
従って、科捜研を動かしてジョーカーを特定するという事もできない。
かと言って、ジョーカーらしき人物は大手の情報企業のデータベースにも存在しない。
そもそも個人が特定できていないのだから、企業から情報を購入しようが無い。
「カジノ施設反対派は金で分断しろ。一億二億なら建設の際に財務局の法で水増しできる」
矢沢の言葉を緒方は脳裏で反芻する。
これは緒方の裁量で動かして良いのが二億円程度という話だ。
商店街含め、新庄市でカジノ施設に反対している事業者は七百に上る。
二十万円づつ配ったところで効果は見込めないし、家業と住み慣れた町を捨てさせるには最低でも二千万は必要になり、十人買収したところで七百の事業者から見れば雀の涙だ。
二億という金をどう効果的に使うか。
麻薬の売買で風紀と治安を乱そうとしたところで、商店街が機能して失業者も少ないという環境にあっては大きな効果を見込めない。
警察は見逃してくれても市民に監視されているようなものなのだ。
――いつまでもこの状況を引き延ばす訳には行かない――
半年後の知事選で知事が敗れ、反対派の知事が誕生すればカジノ施設誘致契約が破談となり、二千億を超える金が利益ではなく損失として計上される事になるのだ。
それは矢沢組の滅亡を意味していた。
〈2〉
午前八時半。
『殺し屋』に出勤した健司は店舗の掃除を始める。
明るく綺麗な店舗は客商売の基本中の基本だ。
『殺し屋』を訪れる客は決して多くはないが、だからと言って手を抜いて良い理由にはならない。
風俗ビルの一室というどうにもならない立地上の限界はあるにせよ、一国一城の主として近隣の風俗店や飲食店と比較して店舗が清潔かつ快適であるという自負がある。
カウンターとボックス席を磨き上げ、店の前に出した看板の電源を入れて暖簾をかける。
健司はカウンターの中で客の訪れを待つ。
健司が『殺し屋』を始めたのは大学卒業から四か月が過ぎてからだ。
在籍中に内定を取る事ができず、無職のまま卒業を迎えて露頭に迷う事になった。
住んでいたアパートも追い出され、頼ったのは風俗嬢になった同級生。
働いているという店舗を訪れ、偶然奥のテナントが空いているのに気付いたのだ。
幸運な事に鍵は開いたままで、住む所の無かった健司はそのままそのテナントを利用する事にした。
しかし、いつまでも居座る訳にも行かず、就職する必要があったが卒業した後では求人がほとんど無かった。
そこでテナントを利用して自営業を始めようと考えたのだ。
偶然町で見かけた『冷やし中華はじめました』という張り紙をヒントに、テナントのドアに『殺し屋はじめました』というビラを貼ったのだ。
それまで人間を殺した事は一度もなかったが、どんな仕事にも初めては存在すると割り切った。
最初の客は風俗ビルで働く風俗嬢だった。
ターゲットはストーカー化した客。
苦労はしたものの、一か月で痕跡を残さずに殺す事に成功した。
以後、口コミで話題となり、多くの人が『殺し屋』を訪れるようになった。
依頼を二百もこなす頃にはだいぶ勝手が分かってきて効率的に殺す事ができるようになってきた。
四年が過ぎた今ではオプションサービスも充実させ、店もリフォームした。
今では年収一千万を超えている。
ヤクザに比べればささやかなものだが、悪事を働いているわけではないから商店主としてはこの不景気にあって良い方ではないかとも思っている。
健司がカウンターに立っていると、一人の客が暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお申しつけください」
言って冷茶を注いだグラスをカウンターに座ったビジネスマン風の男の前に出す。
男がお品書きを見て目を細める。
「殺しの注文というのは相手の氏名が分からないと無理なのか?」
「素行調査であれば興信所を使われるのが一番です。当店では速やかな仕事を心がけておりますので本業以外の仕事は見合わせております」
健司は男の様子を観察する。一見するとビジネスマンに見えるが、作り笑いに慣れていない、否、笑わない職業である事が見て取れる。
能面のような顔の裏に押し殺した暴力的な雰囲気は、警察か暴力団員かそれに近い者だろう。
「前金で二千万」
男がにこりともせずに言う。
「当店は誠実がモットーでございます。確実に殺せないターゲットをお引き受けする事はできません」
「それなら総理大臣でも殺せるのか?」
「名前と住所どころか一日のスケジュールまで手に入りますから、さほど難しく無いターゲットだと考えております。ただし知られている通り警備も厳重ですから時間も必要となり費用も高くなります」
健司が言うと男が低く唸る。
「総理大臣でも不可能ではないと?」
「もちろん、オーダーが首つり自殺などですと難しい案件にはなります」
「首つり自殺は難しいか……面白い事を言う」
男の口元に小さな笑みが浮かぶ。
「二千万はターゲットの調査費用という事でどうだ? 成功報酬は四千万」
健司は小さく息を飲む。
金払いがいい相手である事は確かだが、それだけの力の持ち主でもあるという事だ。
――失敗すれば命は無い――
しかし、ヤクザを敵に回せばテナントから追い出されるだけでは済まないだろう。
「繰り返しになりますが当店は殺し屋でして、興信所ではありません。ターゲットの補足は素人のようなものです。その二千万円でターゲットを補足されましたら確実に殺させていただきますが、二千万円を頂いてもターゲットを補足できるとは限りません」
「二千万を手に高跳びとは考えないのか?」
「飛んだ先で失業すれば同じ事です。地域の皆様に愛される店づくりが当店のモットーです」
健司の言葉に男が破顔する。
「俺は矢沢組の緒方。二千万はここに置いていく。ターゲットはジョーカーと言われている銃の乱射魔だ。俺はお前が気に入った」
言って冷茶を飲み干した緒方が席を立つ。
――これは大変な事になってしまった――
健司はジョーカーという謎の相手を探るために、出したばかりの看板と暖簾を引っ込めた。
〈3〉
午前五時。
健は薄汚れた作業服を着て、年季の入った肉体労働者の列に混じっている。
ホームレスも珍しくないが、ホームレスでもとび職になると一日に二万円以上稼いでホテルに泊まっていたりするから、定住しないのは税金対策といった事情が大きいだろう。
午前六時半、一台のワゴンが健の前に停車する。
「おい、若ぇの、乗れ」
「うぃっす」
筋肉隆々といった古参の肉体労働者に囲まれていると既にやる気が萎えてくる。
労働者ですし詰めのワゴンで移動する事小一時間、朝日が白々と空を照らす中健は自分には一生縁の無さそうな高級マンションの現場にいた。
現場監督のどうでもいいような話に続き、ラジオ体操をさせられる。
眠いだけならまだいい、ラジオ体操が終わってからが地獄だ。
「コンパネ運んで来い! トラック入れねぇじゃねぇか!」
自分に向けられた言葉と気付いた時には、組まされるらしい土工の目が険悪になっている。
男がコンパネと呼ばれる90cm×180cmの板を十枚程抱えて通用口に出ていく。
健の腕力では精一杯頑張った所で三枚だ。
この板を敷いてその上をトラックが走れるようにするのだが並べるだけでも容易ではない。
健はもともと運動神経が良い方ではない。
高校では情報科学部でLinuxを使用してITの全国コンテストで優秀賞を手にした生粋のインドア派だったのだ。
PCの扱いと音楽好きなのとでDJには一定の技術も知識もあったが、一般科目では赤点スレスレで奨学金がもらえるような成績でも無かった。
そんな中、PCを触れて音楽もできるDJという職種を選んだ。
しかし、一晩パフォーマンスをしても六千円程度にしかならないし、他にもDJはいるのだから毎日入る事などできはしない。
従って一人暮らしのワンルームの家賃を払っていく為には、DJの仕事を妨げない、時間にゆとりのある職業に就くしかなかった。
「チンタラ運んでんじゃねぇ! 三枚しか運ばねぇってタマついてやがんのか」
年配の作業員がヤニの混ざった唾を吐き捨てる。
健が運んだコンパネをトラックの通路に並べていると、いら立った様子の作業員が近づいて来る。
「シャベル持って付いて来い」
「シャベルってどこにあるんスか?」
「ふざけてんのか! テメェで見つけろ! 遅れたら承知しねぇからな」
健は屈辱にも似た気分に耐えながら、建設現場をうろついて乗ってきたワゴンでシャベルを見つける。
今日拾われた工務店はどうやらマンションの裏手に穴を掘っているらしい。
「ここに管通すんだからな、掘れたら石詰めだ」
幅は四十センチ程、深さは六十センチは掘らなくてはならない。
総延長は二十メートルにはなるだろう。
小型のユンボを使って欲しいが、既に他の管と入り組んでおり不可能らしい。
配管の順序が逆になるという事は設計ミスの可能性も高いだろう。
健はだるくなる腕を支えるようにして必至でシャベルで穴を掘る。
要領の良し悪しなど分からない。分かるのは掘らなければ怒号と罵声が飛んでくるという事だけだ。
昼過ぎに作業が終わったと思いきや、
「ネコでガラ片付けて来い」
「ネコって何っスか」
反射的に首を竦めながら健は尋ねる。
「手押しの一輪車だ! この使えねぇボンボンが……」
健は奥歯を噛みしめながらネコを探して歩きまわる。
ネコを見つけてもガラ運びという重労働が待っている。
健は暗澹とした気分で工事現場を歩き回る。
――俺だってジョーカーの一員だってのに――
〈4〉
「暑っつ~い! ったく、エースのヤツ今日は土建屋だなんて……」
加奈がマイナスドライバーで水銀灯にへばり付いたガムを剥がしながら言う。
ガムの中には火薬と小さな信管が仕込まれている。
「休みがお前だけだったんだから仕方ないだろう」
清史郎はシャベルで地面に埋まった火薬を穿りながら言う。
乱射魔ジョーカーには秘密がある。
それは実際にはモデルガンしか持っていないということだ。
そこで、予め花火で集めた火薬をセットしておき、ヤクザが商売をしようという所で爆破して妨害する訳だ。
モデルガンには赤外線カメラが搭載されており、Bluetoothで健の端末とつながっている。
清史郎が引き金を引くと同時に健が火薬にセットされた信管を反応させ、銃撃のように見せかけているというだけなのだ。
だからグレネードランチャーの爆発と言っても、実際には大きな花火が地面の下で爆発しているだけで殺傷能力など存在しない。
とはいえ、撃たなかった方向にも埋め込んだ火薬はあり、子供などがうっかり触って怪我をしてしまう可能性もある。
従ってジョーカーとしての仕事の後は必ず後始末が必要になるのだ。
「まぁ、ジョーカー一人に炎天下で作業させるわけにも行かないし。歳だし」
加奈の言葉に清史郎は苦笑する。
加奈と健は二十一歳だが、清史郎は四十五歳だ。
肉体的に無理のきかない歳という事は重々承知の上だ。
炎天下でひたすら火薬を撤去する事四時間。
仕事を終え、加奈と一緒にたこ焼き屋の店先で麦茶を飲む。
近年おおだこが当たり前になっているが、清史郎が行きつけにしている昔ながらのたこ焼きはピンポン玉より少し小さい程度で味も良く、言えば店のおばちゃんが麦茶を出してくれるというサービスがついてくる。
「おばちゃん、最近ヤクザはどうだい?」
清史郎は店主兼店員の初老の女性に声をかける。
「あんたに相談したらそれっきりだよ。派手なドンパチがあったみたいだけどね」
おばちゃんの言葉に清史郎は笑顔を返す。
警察や興信所に相談してもヤクザ絡みの事件は解決しないが、しがらみの無い三浦探偵事務所とジョーカーなら不可能も可能になるのだ。
商店街や商工会の中でも事情は不明だが、清史郎に依頼をすればヤクザが引っ込むという都市伝説めいた話が広がっている。
だが、あまりに知られ過ぎると清史郎がマークされ、ジョーカーを出現させられないという事になる。
従って三浦探偵事務所は慶田盛弁護士事務所とは緊密な関係にあるが、地元の商店街とは付かず離れずの関係を続けているのだ。
加奈と一緒にたこ焼きを食べているとスマートフォンが着信を告げる。
健が清史郎が仕掛けた無線wifiのクラックシステムで、ヤクザの新たな取引を察知したのだ。
――健が稼ぎたがるのも分かるがな――
火薬を調達し、設置し、身体を晒す身としては、ヤクザが本腰を入れない為にもジョーカーの出番は抑えておきたいところだった。
〈5〉
健司は朝のラッシュアワーで意図的に駆け込み乗車に失敗した。
健司に乗車を妨害された形のスーツ姿の男性が、苛立った様子で最前列に立つ。
山手線の次の列車が来るのは四分後だ。
健司はポケットからsimフリーのスマートフォンを取り出す。
simフリーではあるがsimも入れていなければ、個人情報にかかわる情報も一つとしてインストールしていない。
健司はスマートフォンを操作するフリをして考える。
ジョーカーは新庄市から出ていない。
矢沢組から健司の得た情報は散文的なものだった。
ヤクザが取引をしようとする、もしくは刀や銃で武装した状態で市民を脅そうとする。
ヤクザが警察に通報できない時に、狙ったようにジョーカーが出現している。
単純に考えて情報が筒抜けになっているという事だろう。
乱射魔と支離滅裂な口調という仮面が狂人を作り上げているが、警察を巧みに避けている事からもジョーカーが充分過ぎる程に理性的な人物である事が分かる。
相手は狂気の人間ではない。恐ろしい程の知能犯だ。
健司は矢沢組から入手したドライブレコーダーの映像を繰り返し『殺し屋』のカウンター内のPCで再生した。
ヤクザが出ていき、しばらくして銃火がひらめき、慌てふためいたヤクザが逃げてくる。
どの映像も流れは同じだ。ヤクザがドライブレコーダーを使っているというのは不思議なものだが、ヤクザも交通事故では警察の世話になりたくないという事だろう。
ジョーカーの紫のトレンチコートとピエロの仮面にはモデルが存在する。
アメコミ最高の悪役とも言えるバットマンに出てくるジョーカーだ。
相手の頭脳から推し量ってもそれくらいの事は分かってやっているのだろう。
敵を混乱させるという意味ではジョーカーは最高の仕事をしていると言っていい。
では、ジョーカーの行動にロジックは存在しないのだろうか。
その最大の理由は新庄市に活動を絞り、矢沢組と戦っているという点に存在するだろう。
ジョーカーの動機が判明すればその正体を絞り込めるはずだ。
健司の後ろに列ができ、周囲が人垣と言っても良い程になる。
ほとんどの人が急いでいるかスマートフォンを操作している。
毎日このような息苦しい思いをするのが分かっていて、どこの会社も出社時刻を一緒にしているのか謎だが、このような状況が起きる事で仕事を円滑に進められるのも事実だ。
駅のホームは渋谷のスクランブル交差点のように混雑しており、点在する監視カメラからも死角になっている。
列車が見えた所で健司はsimフリーのスマートフォンを線路に放り投げた。
「落ちましたよ」
健司の言葉に周囲の人間の視線が線路に落ちるスマートフォンにくぎ付けになる。
健司が乗車を邪魔した男が慌てた様子で胸ポケットに手を当てる。
健司はスマートフォンを拾おうとするかのように踏み出しながら、素早く男の背を押す。
男が線路に転がり落ちるのと列車が到着するのは同時だった。
ブレーキ音と悲鳴が駅のホームを支配する。
――これで今日もお客様を笑顔にできた――
健司は動揺を装いながら駅員の誘導に従って満足感と共にホームを後にした。
〈6〉
潮風が香る深夜の埠頭の倉庫街。
緒方は三十人の組員を伏せさせ、更に暴走族を張り込ませて取引に臨んだ。
捌くドラッグの金額は一千万。
ジョーカーが金を狙っているならこの好機を逃すはずが無い。
半グレの三団体の代表がベンツで乗り付け、ヘッドライトの光を背に向かってくる。
――どうするジョーカー――
傍から見ればこれ以上のカモは無いだろう。
しかし周囲には銃で武装した構成員と、それに数倍する人数の暴走族がいるのだ。
仮に強襲に成功したとしてもこの包囲網を抜け出る事は不可能だろう。
金をアタッシュケースに入れた男たちが近づいて来る。
ジョーカーは金を見せた時に最も多く出現する。
緒方はドラッグの詰まったスーツケースを手にヘッドライトに身を晒す。
「緒方さん、ご苦労様です」
半グレの代表のスーツ姿の男が言う。
アタッシュケースが開かれ、帯どめされた札束が姿を現す。
緒方もスーツケースを開いてロシア経由の最高級品を見せる。
と、緒方は場違いな程騒々しいエンジン音を聞きつけた。
『奢れるヤクザもコンバンハ』
拡声器の声と共に波を蹴ったボートが一直線に突っ込んでくる。
船首に立ったジョーカーが銃を抜いて問答無用で撃ち始める。
緒方の周囲で火花が散り、半グレが慌てた様子でアタッシュケースを取り落とす。
伏せていた緒方の部下がジョーカーに向かって応射を開始する。
ジョーカーがグレネードランチャーを構えて砲火を閃かせる。
ベンツの車体が火を噴いて浮き上がる。
倉庫街の至る所で爆発が起こり、火の手が上がる。
ただの撃ち合いなら警察も黙っているが、火災が発生したのでは消防が動き追って警察も出動を余儀なくされる。
ボートが埠頭の岸壁を掠め、ジョーカーが猛火の中を歩んでいく。
「今宵のコテツは鉛に飢えて、オイラの引き金も軽くなるゥ~」
相変わらずの意味不明な言葉でジョーカーが戦場となった埠頭を蹂躙する。
雄たけびを上げた半グレの一人が鉄パイプを振り上げてジョーカーに向かっていく。
鉄パイプの一撃を受けたジョーカーの動きが鈍る。
「あの世の旅も道連れ世は情け、痛いの痛いの焼死体」
ジョーカーが鉄パイプを奪い取って半グレを路上に蹴り飛ばす。
ジョーカーが怒り狂ったようにグレネードを乱射する。
緒方は炎で崩れ落ちる倉庫を避けて部下のベンツに向かって走る。
この乱射の中では同士討ちが危ぶまれるどころではない。
まずは消防がやって来る前に現場を離脱しなければならない。
取り残される組員や半グレには悪いが、矢沢組としても幹部が尻を蹴飛ばされたままブタ箱に入る訳には行かないのだ。
〈7〉
「……ッ」
清史郎は左腕を押さえたままボートの床に腰かけている。
夜の海から見えるのは照明で浮かび上がる工場の幻想的とも言える光景。
酔狂なカップルなら観光に来るのかも知れないが、現在の清史郎にその余裕は無い。
ボートが揺れる度に左腕が痛み、肩から背中までもが痛むように感じられる。
――腕を折られたか――
折れたと言っても粉砕骨折では無いだろう。
粉砕骨折なら幾ら警察OBの探偵から護身術を習っているとはいえ、鉄パイプを奪って蹴り飛ばす事などできてはいない。
問題なのは常識的に考えて鉄パイプを持った敵に対してなぜ発砲しなかったかという事だ。
客観的に見ればこれほど奇妙な事は無いだろう。
狂気の道化師、ジョーカーなのだからと見逃してくれる輩ばかりではないだろう。
「ジョーカー、大丈夫?」
気遣う様子で加奈が声をかけてくる。
「今回の作戦はリスクは織り込み済みだったんだ。鉛弾を食らわなかっただけでもいいってモンだ」
清史郎は虚勢を張って言う。
健が入手した情報は矢沢組が最も警��している取引、もしくはジョーカーをおびき出そうとしている作戦だった。
当然もっと楽なターゲットを探す事も可能。
しかし、健がこの難度の高い作戦にこだわり、清史郎もジョーカーの名を上げる為に乗ったのだ。
��ジョークには悪かったけど今日だけで六百万だぜ? 一人二百万ってすごくね?」
ボートを運転しながら健が言う。
百人以上が動員されている取引を強襲する為に海路を選んだのは正解だった。
通常は予め現場に潜んでいるが、今回はヤクザが張り込む事が分かっていた。
脱出の目途もたたないのに予め潜むという手段は使えない。
と、なれば相手が考えてもいない方向から強襲して、対応されるより早く逃げるという方法だ。
「アタッシュケース拾って来るのも命がけだったんだから。あんたは安全な所でPCたたいてるだけだからいいかもしれないけど」
加奈がボートでPCを操作していた健に向かって言う。
清史郎が派手に暴れている隙に半グレが落としたアタッシュケースを回収したのは加奈だ。
ヤクザが銃で応戦して来る中で拾ったのだから、生きた心地がしなかったのであろう事は想像に難くない。
「ジョークだって腕を切り落とされたとかじゃねぇんだし、保険証が使えねぇなら金あんだし海外で手術とかもアリじゃね?」
楽観的な口調で健が言う。確かに健の案もいいが致命的な欠陥がある。
「ジョーカーは左腕を殴られている。保険の記録に残らなくても俺が左腕をギプスで吊っていたら正体を宣伝してまわるのと同じことだ」
「あ、そうか」
「あ、そうかじゃないでしょ! だいたいあんたが怪我してるわけじゃないんだから」
加奈が虚を突かれた様子の健に向かって言う。
「腕は町の獣医に頼んで治してもらうよ。問題は探偵事務所の方だな」
町の獣医であれば顔なじみだし、保険の記録に残る事も無い。
「事務所はほとんど客来ねぇからOKじゃね?」
相変わらず楽観的な様子で健が言う。
「エースってば本当に失礼なんだから」
「本当の事だからいいんだけどな。でも選挙が近づいているからカジノ反対派の人たちが現職知事の裏情報を求めてくるかもしれない」
情報が盗まれたものなら裁判では証拠にならないが、盗み出して内部告発の形をとって匿名でばらまくという事は可能だ。
「与党の現職知事って矢沢組がカジノ呼ぶ為に当選させたんだろ?」
健の言葉に清史郎は頷く。
元々災害避難地域指定だった公園の指定を解除し財務省に許可を発行させ、企業が進出できるよう実際に動いたのは与党だ。
暴力団が本体か与党が本体かというのは、鶏と卵のパラドクスを解くに等しい。
「でも物的証拠が無い。音声データやメールは改ざん可能だから決定打にはなり得ない」
「手書きのサインの入った書類が無いと証拠にならないって訳ね」
加奈が話を要約して言う。
「それって探偵とかの仕事じゃねぇのか?」
健の言葉に清史郎は痛みを感じながらもため息をつく。
「私はその探偵なんだよ。儲かっていないだけで」
「とりあえず一人二百万入ったし、ジョーカーはひとまずお休みするしかないわよね」
加奈は状況を落ち着いて観察できているようだ。
「でもよ、選挙が終わって反対派が勝ったら出番も無いんじゃね?」
「そもそも反対派を勝たせる為に始めたんだよ。目的を忘れないでくれ」
商店街と探偵事務所を守る為のジョーカーなのだから脅威が消えれば戦う必要は無い。
もともと町を守る為の義賊として、健も同意して始めた事なのだ。
「あ~、キャデラックに乗りたかったぁ~」
船の縁に寄りかかって健が空に目を向ける。
「外車ディーラーで試乗でもすればいいでしょ」
「そういう事じゃねぇんだよ。こう、リッチな気分でパーッとやりたかったって言うかさ」
「気持ちは分からなくも無いけどさ、私らもともと何千円で一喜一憂してたんだからね」
「へぇ~い」
加奈に言われた健がため息をつく。
二人のやり取りを聞きながら清史郎は考える。腕を折られたジョーカーが休養すれば、不死身の化け物のようなイメージが揺らぐ事になる。
双方の総力戦の様相を呈した今回の戦いで、相手もジョーカーが手傷を負った事は分かっているはずだ。
――大人しく休養というわけには行かないか――
清史郎は加奈に目を向ける。
IT機器を素早く操作できない以上、空白期間にジョーカーを演じられるのは加奈だけだ。
〈8〉
ジョーカーは手傷を負った。
店内の観葉植物の葉を丁寧に拭いながら、健司は緒方からの情報の意味を考える。
圧倒的な火力を持ちながら、鉄パイプを手に向かって来る敵に対してジョーカーは無策と言っても良い状態だったのだ。
これはこれまで一人も死者を出していないというジョーカーの姿勢と符合する。
その後の乱射により埠頭は混沌と化し有益な情報は集まっていないが、ジョーカーが現金の入ったアタッシュケースだけを手に海に逃れた事は間違いない。
――ジョーカーは人を殺さないという前提で考えたら――
単純にヤクザを驚かせたいという、愉快犯の姿が浮かび上がる。
だが、愉快犯ならリスクの高いヤクザを狙う理由は少ない。
銃器を振り回さなくても、健司のような一般市民相手に全裸になって見せるだけで充分に他人を不快にする事ができる。
ヤクザに警察に通報できないという弱みがあったとしても、それ以上にリスクは大きいはずだ。
ヤクザに恨みがあるのだとしても、それならば落ちた金だけ拾うという点では実質的にダメージはほとんど与えられていない。
収入として考えているなら猶更ジョーカーの行動は不可解過ぎる。
愉快犯でありながらそれは副次的なものでしかなく、目的の為の手段に過ぎない。
だが、愉快犯である事を手段とする目的とは一体何だろうか。
――僕のような常識人では手が届かないと言うのだろうか――
健司は観葉植物の葉に霧吹きで水をかけながら考える。
矢沢組は一体誰に何をし、その結果ジョーカーを生み出したのだろうか。
健司は店内の照明を切り、暖簾と看板を店内にしまう。
店を出て新宿のチェーン店の居酒屋に向かう。
健司が一杯のビールと焼き鳥を二本腹に収めていると、三人の男が連れ立って店内に入ってきた。
健司は三人組がボックス席に入るのを確認してアタッシュケースを手にトイレに向かう。
三人組が毎回このチェーン店を使う事と、最初にビールを注文する事は分かっている。
健司はスーツを脱ぎネクタイを外してケースに収め、代わりにエプロンを身に着ける。
保冷剤で冷やしておいた缶に入ったビールを、同じく冷やしておいた100均で買ったグラスに注ぐ。
そのうち一つにはシアナミドを混入してある。
シアナミドは無色透明の抗酒剤で、副飲する事でアルコールアレルギー反応を引き起こす禁酒用の薬品。
一言で言えば一口飲む事で急性アルコール中毒症状を引き起こすのだ。
健司は三人の席におしぼりが置かれ、店員が去るのを待ってビールジョッキを手に席に向かう。
「お待たせしました」
健司はターゲットにシアナミドを混入したビールを手渡し、両手にビニールの手袋を嵌めてトイレの傍に潜む。
ややあって鍵をかけていないトイレに青ざめ、脂汗を流したターゲットの靴が覗いた。
健司は入れ替わるようにしてすれ違いながら様子を確認する。
シアナミドにより意識は朦朧としているようだ。
「介抱しますよ」
健司は男を抱きかかえるようにしてトイレのドアを後ろ手に閉じる。
男が便器に前のめりになって嘔吐する。
健司は男の頭を掴んで便器に押し込むと首の頸動脈にシャープペンシルを突き刺す。
男の首から血が噴き出すのに合わせてトイレの水を流す。
音消し水とはよく言ったものだ。
窒息��出血の双方で男が瞬く間に衰弱して行く。
相手がプロレスラーだろうとこの状態で健司に抗する事はできはしない。
健司は男の脈を取って死亡を確認するとエプロンとシャープペンシルを放置し、元通りスーツに身を包んで会計を済ませて店を出た。
殺害方法は分かっても誰が殺したのかは目撃されていない限り分からないだろう。
――小さな仕事でも手を抜かない事が顧客満足度につながるんだ――
第二章 二人目のジョーカー
〈1〉
「矢沢組のヤツら慎重になってやがんな。もう大口取引はしねぇらしい」
清史郎の耳には爆音と左程変わらない音が響いている、クイーンメイブのボックス席で健が言う。
清史郎は獣医に頼んでギブスなしで左腕を固定している。
診断は骨にヒビが入っているとの事で、二週間は安静にする必要があるらしい。
「そりゃ百人集めて失敗したなら、もう大口でジョーカーを誘おうなんて思わないでしょ」
言って加奈がカクテルで唇を湿らせる。
「一回の取引でせいぜい百万円。しかも街中でやってやがる」
健がラップトップを開いて矢沢組の予定表を表示させる。
「儲けが少ないからやらないって話にはしない約束でしょ?」
加奈が健に睨みをきかせる。前回の襲撃は加奈は反対だったのだ。
「でもよ、ジョークは骨折してるし、街中でグレネードはさすがにヤベェだろ」
カクテルをチビチビ飲みながら健が言う。
確かに街中では自動小銃がせいぜいといったところだ。
仮にグレネードを使ったとしても、見た目が派手なだけで破壊力が無い事が露呈する。
「自動小銃でも相手を驚かすような事はできるだろう。演出次第だ」
清史郎は頭を巡らせながら言う。
今となっては拳銃を抜いて撃つくらいではヤクザは驚かない。
下手をすれば一人二人射殺されても驚かないかも知れない。
と、なればどうやって驚かせるかが問題になってくる。
「演出って言うけど、ジョーカーは左手が使えないんでしょ?」
「そこだ。連中は俺が腕を怪我するのを見ている。ここで動きを止めればジョーカーというキャラクターの怪物性が損なわれてしまう。そこで今回は加奈にジョーカーを依頼したい」
清史郎の言葉に加奈が驚いたような表情を浮かべる。
「町の人たちがカジノに反対できているのは、ヤクザがジョーカーを恐れているという漠然として安心感があるからだ。ジョーカーが怪我で動けないとなったらヤクザを恐れて寝返る住人が出てくるかもしれない」
清史郎の言葉に加奈が思案顔になる。
「……そういう事なら……でも策はあるの? 私はジョーカーみたいに相手を脅せないよ?」
加奈の言葉に清史郎は頷く。
「喋るのはマイクで私が担当する。元々ボイスチェンジャーを使ってるからスピーカーから音を出してもヤクザには分からないだろう」
清史郎は矢沢組のリストの一つを指さす。
雑居ビルの屋上での取引。
金額は百万だが人が多く割かれている訳ではない。
そしていざとなれば清史郎も右腕一本で戦うのだ。
〈2〉
「ありがとうございました」
客の手に両手を添えるようにしてつり銭を渡す。
我ながら流れるような動作だと加奈は思っている。
品物は働き出してから一週間で覚えたし、二か月で発注も任されるようになった。
オーナーが発注していた頃に比べて売り上げは八%上昇している。
業者のパレットに乗った商品が運び込まれ、そこに緩慢な動作で大塚という中年女性が向かっていく。
大塚はこのコンビニに長く勤めているが、何をするにも動きが遅く、やる事が雑だ。
加奈は母子家庭ではあったが高校時代は生徒会長を務めていた。
生徒会の切り盛りでは過去最高の生徒会長だったという自負もある。
奨学金を借りて大学に入学したいと何度思った事か分からない。
しかし、その度に返済の目途が立たないという現実で踏みとどまった。
加奈が借りる金額では返済する頃には五十代。
キャリアウーマンとしてバリバリ働いて行けるならいいだろうが、男社会の中で目立っても左遷されるのがオチだ。
奨学金を諦め、近所のファミレスとコンビニの双方を天秤にかけた時、ファミレスの厨房は嫌だったし、発注のような頭を使う仕事がしたかった事からコンビニで働く事にした。
しかし、今現在、視線の先では大塚が商品を手前から、しかも違う棚に並べている。
新しい品物を後ろに、古い品物を前にしなければ賞味期限切れで廃棄になる。
それはコストとすら呼べるものではない。
注意した事は一度や二度ではないが、返ってくるのは「今時の若い子は」という恨みがましい言葉だけだ。
仕方なく業務の合間を縫って品物を並べなおす。
そうすると今度はレジに長蛇の列ができる。
大塚はバーコードの読み込みも遅ければ、テンキーの打ち込みもできない。
公共料金などの支払いも一々店長にやらせている。
店長は一体何の弱みがあってこの女を雇っているのか分からない。
それでも、このリスクを織り込んだ発注で収益を上げたのは自分の手腕だ。
「飯島くん、これじゃ困るよ。お客さんを待たせているじゃないか」
抜き打ちでやって来たマネージャーの言葉に加奈はため息をつきたくなる。
自分がレジにいればこのような現象は起きないのだ。
そして、レジにいれば大量の食品を廃棄しなくてはならなくなる。
「分かりました。棚の商品を並べなおしてもらえますか」
チクリと言い返し、立ち仕事で痛む足を引きずって加奈はレジに向かう。
こんな事をこの先何年続けて行けばいいと言うのか。
少なくとも大塚がクビにならない限りは、ただでさえハードなコンビニの仕事すらまともにこなす事ができないのだ。
――ジョーカーとしてならもう少し有能に働けるのに――
〈3〉
深夜、ビルの屋上に銃声が響き火花が散る。
ビルの給水塔の上で清史郎が見ている下で、四人の男たちが手にしたバッグを胸に抱える。
「迷えるヤクザよコンバンハァ!」
二階分高いビルの屋上から、ワイヤーを伝って自動小銃を乱射しながらジョーカーが降下して来る。
ヤクザの一人が屋内に逃れようとした所でジョーカーの自動小銃が火を噴いてドアを蜂の巣にする。
恐慌状態に陥ったヤクザの前に、床の上で一回転したジョーカーが立つ。
この辺りの動きは加奈の方が本家よりいいと言える。
ジョーカーの自動小銃が火を噴き、ヤクザたちの動きが止まる。
清史郎はありあわせの材料で作った分銅でヤクザの手からケースを叩き落す。
「金は天下の猿回しぃ~、回る回るよ目が回るぅ~」
床を滑ったケースがジョーカーの足元で止まる。
ジョーカーがケースを手に屋上のフェンスを乗り越える。
「それでは諸君ごきげんようそろ、面舵一杯腹八分目ぇ~」
ジョーカーがフェンスを乗り越えてビルの外に姿を消す姿をヤクザたちは茫然と眺めている。
加奈はほぼ完ぺきに、運動神経という面では清史郎以上にジョーカーを演じて見せた。
ヤクザたちがスマートフォンを取り出して連絡を取りながら屋内へと消えていく。
加奈は当初隣のビルの屋上に潜んでおり、ヤクザの取引するビルとの間にはワイヤーが取り付けてあった。
清史郎の合図で火薬を爆発させ、加奈は小型の滑車を使ってビルの屋上に降り立った。
予定通り混乱に乗じて清史郎がヤクザの金のアタッシュケースを叩き落し、それを回収した加奈は予め用意されていた脱出用のワイヤーで一目散に逃げ去ったという訳だ。
清史郎がヤクザの去っていった通用口を見ていると、二人のヤクザが姿を現した。
痕跡を確認するか、ジョーカーを追跡しようという考えかもしれない。
「イナイイイナイバウアアァァァァッ!」
万が一に備えてジョーカーに扮していた清史郎は、咄嗟の判断でショットガンを手にヤクザたちの前に飛び降りる。
銃声と共にドアを吹き飛ばす。
今度こそ恐慌状態に陥ったヤクザたちは階下へと消えていった。
〈4〉
健司は『殺し屋』のカウンターでグラスを磨きながら考える。
ヤクザは取引を分散させるという戦術を取ったが、ジョーカーは確実に一か所一か所を狙い撃ちにしている。
被害総額は大きくないのだろうが、心理的な影響は大きい。
――ここで敵の目的は明らかになったと言っていい――
これは心理戦なのだ。
矢沢組が恐れるに足りない存在だと思わせる為のデモンストレーションなのだ。
実際矢沢組の構成員たちも明日は我が身と必要以上に警戒しており、結果として街中での暴行などで警察に捕縛されるケースも散見し始めている。
警察もヤクザと事を構える事はしたくないだろうが、暴行は立派な犯罪だ。
矢沢組を弱体化、もしくは弱体化して見せている目的。
これは幾つかのケースが考えられる。
例えば同格の田畑組がシマを狙っているケース。
しかし、これでは全面戦争がしたいと言っているようなものであり、そうなれば別の第三の組が弱った二つの組を併合してしまうだろう。
更に言えば『本物』の銃器を使っているのだとしたら、これまでに過失で殺してしまった人間が居てもおかしくはないはずだ。
これまであれだけ派手に銃を乱射していて軽度のやけどくらいしか負傷者がいないというのは、空砲かモデルガンかのどちらかだろう。
そして犯人がヤクザであるなら、モデルガンなどという恥ずかしいものは持ち歩かないだろう。
第二の敵が政治結社だ。
現在矢沢組の推す現職与党の代議士が知事を務めている。
三か月後には知事選が予定されており、野党は連合して対立候補を立てている。
現在新庄市には土地の価値だけで二千億を超える空き地が存在し、そこに巨大カジノカジノを誘致するか、市民公園にするかで市民の世論が割れている。
カジノが実現すれば莫大な金額が動く事になり、矢沢組は軽く数百億は稼ぐ事になるだろう。
一方、野党が勝利してしまえば議会も野党に握られた事から市民公園が確定。
造園業者や、スタンド付きの運動公園を造る建築業者がいくらか儲かるにせよ、利権はほとんど存在しない事になる。
本来矢沢組こそが野党を攻撃しそうなものだが、野党のカルト的な集団ないし、狂信的な人間が矢沢組を狙っている可能性は否定できない。
しかし、カルトや狂信的な人間がここまで綿密な計画を練り、実行に移せるだろうか。
そこが政治結社を敵に想定した場合のボトルネックとなってくる。
第三の相手は想定が難しいがカジノに反対している市民だ。
市民の大半は再開発計画に興味を持っていないが、商店街や商工会は地場産業が脅かされるとして強硬に反対している。
矢沢組はこの商店街の切り崩しを行っていたのだが、その矢先にジョーカーが出現するようになり、商店街を攻略するどころではなくなってしまったのだ。
そう考えると、人のいい商店街の人々こそが実は矢沢組の最大の敵という事になる。
――商店街がジョーカーの可能性――
だが、それなら情報漏洩が少なからずあるはずだ。
――もし商店街の誰かがジョーカーで、他の人間は知らないのだとしたら――
ジョーカーは一方的に守るだけで損をしているように見えるが、最終的には商店街が守られるのだから自分の仕事も守る事になる。
――商店街の何物かが、か――
健司はPCで商店街の店舗の情報を検索する。ほとんどが個人事業主でHPもまともに作れているとは言い難い。
そんな中、健司は気になる存在を発見した。
――人権派弁護士、慶田盛敦――
直接の関与の有無は別にして、慶田盛が商店街や町を守ろうとするのはありそうな事だった。
〈5〉
「急な訪問で恐れ入ります。慶田盛先生の事務所は意外と質素なんですね」
新庄市の雑居ビルの一室を訪れた健司は慶田盛敦に向かって言う。
「君は……殺し屋との事だが……」
当惑した様子で慶田盛が応接用の合皮のソファーに腰かけて言う。
「屋号のようなものです。ただの飲食店ですよ。保健所で営業許可も取っています」
健司は爽やかな笑みを浮かべる。
「で、歌舞伎町の飲食店がここに一体何の相談なんだい?」
敏腕弁護士という割にはお人よしなのだろう、慶田盛が問うて来る。
「店が襲われたんです」
健司の言葉に慶田盛の視線が険しくなる。
「それは警察に訴えるべき案件なんじゃないのかい?」
「歌舞伎町で店が襲われた程度で警察が動くと思いますか?」
健司が言うと慶田盛が思案気な表情を浮かべる。
「相手に目星はついているのかい? 組関係だと厄介だぞ?」
歌舞伎町という事を意識しているのか慶田盛が言う。
「ピエロのマスクに紫のトレンチコート、銃撃で店は蜂の巣です」
慶田盛の表情が一瞬硬直する。
――慶田盛はジョーカーを知っている――
「最近はそういった愉快犯が流行っているようだね」
「慶田盛先生はご存知ないのですか? ジョーカーと呼ばれているようなのですが」
慶田盛の顔がポーカーフェイスに変わるが遅すぎだ。
今更表情を消した所で知っていると言っているようなものだ。
健司はさり気なくソファーの隙間に盗聴器を滑り込ませる。
「噂で聞いている程度だね。でも、弁護士だからといって探偵の真似事ができる訳じゃない」
「慶田盛先生は懇意にしている探偵などはおられないのですか?」
「古い付き合いの探偵はいるけどね。彼を紹介するにはそれなりの理由が必要だよ」
慶田盛が慎重に言葉を選ぶ。
「店が襲撃された以上の理由が、ですか?」
「僕はその破壊された店舗の写真すら見ていないんだよ? 被害実態が明らかではないのに探偵の手を煩わせると思うかい?」
「随分と庇われるんですね。逆に興味が湧いてきましたよ」
���司は切り上げどころと判断してソファーから立ち上がる。
「貴重なお時間を頂きありがとうございました」
健司は慶田盛と握手しながら唇の端が吊り上がりそうになるのを堪える。
――これで慶田盛が探偵に連絡を取ればその相手がジョーカーである可能性は高い――
〈6〉
「いやぁ~俺たちマジ凄くね? もうハリウッドレベルだって」
クイーンメイブのボックス席で健がいつものように能天気な口調で言う。
「たちじゃなくて身体張ってる私たちが凄いの」
「お前PCなんて触れないだろ」
健が加奈に言い返す。
「PCコンビニの使えてるし!」
「ンなの使えてるうちに入らねーよ。な、ジョーク」
健の言葉に清史郎は肩を竦める。加奈と比較すればPCを使える方だろうが、ITというレベルには程遠い。
ヤクザの事務所に仕掛けた盗聴器をBluetoothで飛ばしたり、WIFIでデータを引き抜いたりといった芸当は清史郎には不可能だ。
しかも従来の興信所の盗聴器探知は電波の周波数帯で探っている為、健のカスタムした機材を探知する事ができない。
健は新庄市のヤクザの誰よりも彼らの動きに詳しいと言っても過言ではないのだ。
その中から清史郎が獲物になりそうな案件を選び出し、加奈と下準備を行っているのだ。
「なぁ~んか納得行かない」
加奈が口をとがらせるが、こればかりは健の能力を素直に認めるしかない。
「エースの情報収集能力がなければ火薬を仕掛けにも行けないだろ」
「土建屋の癖に何かムカつく」
「土建屋じゃなくてDJだっつーの」
「DJで食ってる訳じゃないでしょ? なら土建屋じゃない」
「ンだとコラァ!」
声を荒げる健を清史郎は慌てて宥める。
手を挙げるような青年ではないが、つまらない事で耳目を引くのは得策ではない。
「俺は二人におんぶにだっこだ。二人がいなければジョーカーなんてやってられない。そうだろう?」
「私もジョーカーやったしね。やってないのはエースだけ」
「俺がいなかったら起爆できねぇじゃねぇか」
むっつりとした口調で健が言う。
「裏方の仕事があっての晴れ舞台って事もあるんだ。もっとも、舞台役者が良くなかったらどんなに裏方の仕事が良くても芝居にはならない」
清史郎の言葉に加奈がため息をつく。
「ジョーカー人間できてるわ」
「単に口の上手いオッサンってだけかもな」
健が悪童のような笑みを浮かべる。
「多分エースの言う通りだろう。で、いよいよ選挙まで三か月を切った訳だ。矢沢組だけじゃない、カジノ関連の企業が再開発計画に群がってきている」
清史郎は話を本来の筋道に戻す。
「それは分かるけどさ、ヤクザは脅せても民間企業はどうにもならないんじゃない?」
加奈の言葉に清史郎は頷く。
「そこは商店街と市民の手に委ねる。俺たちが考えなきゃいけないのは、矢沢組をあと三か月どう騙し抜くかって事なんだ」
最終的にカジノ施設を選ぶか、市民公園を選ぶかは市民の手に委ねられるべきだ。
ジョーカーはそこに介入しようとする矢沢組をけん制しているに過ぎない。
「一年以上見破られてねぇんだし、今更どうって事も無いんじゃね?」
健が楽観的な口調で言う。
「一年って言っても綱渡りだったじゃない。ジョーカーも怪我したんだし」
常に現場を見て来た加奈が健に向かって言う。
「人生にはスリルがつきものだろ」
「必要ないのにスリルをつける必要ないでしょ?」
「人生にはロマンが必要だよ。なぁ、ジョーカー」
「私の人生にはロマンらしいロマンは無かったよ」
明らかに会話を楽しんでいる健に清史郎は苦笑する。
「人生堅実が一番なの。あんたみたいのが一番ホームレスに近いんだから」
「お前だってコンビニ店員以外何ができるよ」
「ちょっとジョーカー、何とか言ってやってよ」
怒った様子の加奈が話を振ってくる。
「景気が良くなったら事務所で求人でも出すよ。それより今は仕事をやり抜く時だ」
清史郎の真剣な言葉に二人が頷く。
――後三か月――
この凸凹コンビと一緒に駆け抜けなければならない。
〈6〉
「ここの探偵事務所では人探しをしたりはしないんですか?」
健司は三浦探偵事務所の安普請の椅子に腰かけて、所長兼調査員の三浦清史郎と向かい合っている。
慶田盛は健司が面会した翌日に同じく新庄市に居を構えている三浦に連絡を取った。
探られている事を多少は警戒しているだろうが、昨日の今日で会いに来るとは思っていないだろう。
「今の所請け負ってはいないね。知っているかどうか知らないが、日本の年間行方不明者は二十万人。警察が民事だと言ってサジを投げるレベルだ。うち毎年六千人前後が死体で発見される。これが日本の行方不明の実情だ」
四十五歳、探偵というより疲れたサラリーマンを思わせる風貌だが、どこにでもなじめるという点ではこの風貌は役に立っている事だろう。
「携帯電話の通信記録を探ったりしないんですか?」
「そういう情報は大手の情報企業が握っているんだ。契約していなければ盗み出すしかないだろうし、それをすれば犯罪だ」
「企業が形はどうあれ本人の同意なしに情報を持っている事は犯罪ではないと」
「正当だと思えば契約している、と、答えたら君に私の考えは分かってもらえるかな」
清史郎はかなり真っ当な昔気質の探偵であるらしい。
三浦探偵事務所は商店街の噂では浮気調査などではパッとしないが、事件性のある案件だと警察を出し抜く腕前なのだと言う。
「独り言だと思って聞いてもらえればいいんですが、ジョーカーという男をご存知ではないですか?」
「知っているよ。少なくとも片手には余るほどね」
掴みどころのない口調で清史郎が言う。
――だが、他の商店街の人間はジョーカーと聞けば逆に動揺したものだ――
「ヤクザ相手にモデルガンを振り回す愉快犯。前金で一千万。正体が分かれば更に一千万」
健司はリュックサックから帯留めされた札束の入った紙袋を押し出す。
「これだけ流行らない事務所だ。一千万を受け取って私が雲隠れするとは考えないのかい?」
「見つけられなくても差し上げますよ」
健司は内心で清史郎がジョーカーであるとの確信を強めながら言う。
「そういう事であれば遠慮なく預かろう。所でジョーカーについてもう少し詳しく話を聞けないかな? さすがに名前だけでは調査にならない」
「僕もまた聞きでしか知らないんですが、ヤクザが武装しているか麻薬を所持している時に出現し、モデルガンを利用してあたかも本物のように見せかけて驚かせ、ヤクザが金を落としてい���ばそれを拾っていく。そういう話です。被害に遭っているのは主に矢沢組で、矢沢組は現職与党知事のケツモチをしている」
「つまり、君の推理が正しければ現職知事と利害関係にある人物が選挙で優位に立つべく矢沢組を攻撃している、攻撃しているように見せかけているという事だね?」
「そう、その人物の特定が難しいんですよ。ヤクザの情報を自分の家のPCのように自在に覗き見て、常に有利な状況でモデルガンによる脅迫を行っている」
そこが健司が最も解せない所だ。
この三浦清史郎という男は探偵としては優れているように察せられるが、ITに強いようには見えない。
情報を買っている訳でも無いのだとしたら、一体どのようにして情報を得ているのか。
更に情報を得たとしてそれを整理し、取捨選択する事も必要になる。
事務員の一人もいないこの事務所のどこに実務を取り仕切る人間がいるというのか。
自分はこの男の何かを見落としているとでも言うのだろうか。
「つまり、ジョーカーという人物にはハッカーとしての側面もあるという事だね?」
「そう考えないと辻��が合いません」
「では、ハッカーであり、モデルガンでヤクザを脅すジョーカーという愉快犯を特定してほしいという事だね」
「結論としてそういう事になるかと」
「プライバシーに踏み込むつもりはないが、そのジョーカーという人物の特定にどういった動機があるか聞かせてもらえるかな? 参考までにという事で構わないが」
「僕が矢沢組に依頼されたからですよ。でも僕の力だけでは見つけられそうに無い」
健司はチェスを指すかのような心境で言葉を選ぶ。
目の前の男がジョーカーである可能性は限りなく大きいのだ。
「君も探偵なのか?」
清史郎の言葉に健司は肩を竦めて名刺を差し出す。
「歌舞伎町で殺し屋を営んでおります円山健司と言います」
言った瞬間、清史郎の顔に何かグロテスクなものでも見たかのような表情が浮かぶ。
健司はその表情をこれまで嫌という程見てきたのだった。
第三章 殺し屋
〈1〉
清史郎は拙いとは知りつつ、円山健司を尾行していた。
尾行を知られたとしても、探偵が依頼者の事を知ろうとする事に問題は無い。
そもそもがジョーカーなどという得体の知れない人物を探せという無理難題なのだ。
例え自分がジョーカーであったとしてもだ。
電車を乗り継ぎSUICAのチャージマネーが尽きそうになった時、円山は新宿の歌舞伎町にある『殺し屋』という店舗に入っていった。
信じられない事だが、冗談でないとするなら殺人を生業とする人間が看板を出して店を営業しているのだ。
円山は自ら隠れるという事が無い。
本当に殺人が生業なのだとしたら、その手段に余程自信を持っているという事なのだろう。
清史郎は逡巡しながらも暖簾を潜る。
相手にその気があればビルに入った瞬間から監視カメラで自分を監視していても不思議ではないからだ。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお気軽にお申しつけ下さい」
円山が人が違ったような口調で声をかけてくる。
「さっき会ったばかりだろう? それよりこのお品書きというのは本当なのか?」
お品書きには殺人方法や死体を残すのか残さないのかなど様々なオプションサービスが書き込まれている。
「はい、迅速丁寧をモットーに確実にターゲットを殺させて頂いております」
「例えば、この絞殺で死体を残すというオプションにした場合、警察に犯人特定されやすいんじゃないのか?」
「企業秘密にはなりますが、TPOに応じて柔軟に対応させていただいております」
「ジョーカーはどうやって殺す事になっているんだ?」
「お客様の情報を開示する訳には行きませんが、強いて言うなら殺し方は問わないとの事です」
円山の言葉が事実なら矢沢組はなりふり構っていないという事だろう。
ジョーカーは確実に矢沢組に打撃を与えているのだ。
「じゃあ俺も注文したいんだが構わないか?」
「どのようなご注文でしょうか?」
爽やかな笑顔で円山が言う。
「ジョーカーをオプションサービスで九月三十一日に殺してほしい」
清史郎の言葉に円山の目が見開かれる。
「前金で一千万。不足なら五百万を追加する」
清史郎は受け取ったばかりの一千万をカウンターに乗せる。
「ジョーカー殺害日時の指定は確かにオプションで追加可能ですが……」
「ジョーカーを殺す日時の指定は矢沢組からは無かったんだろう?」
清史郎が言うと円山が顎に指を当てて思案気な表情を浮かべる。
「依頼が重複した事は初めてで、対応致しかねます」
「いや、重複していない。私が矢沢組の手先で、追加でオプションを申し込んでいるとしたならどうなんだ? 君は依頼主の事をどれだけ調査しているんだ?」
清史郎の言葉に円山の表情が曇る。
「お客様のプライバシーを優先して営業しております。業務上必要な情報は収集致しますが……」
「九月三十一日、ジョーカーは新庄市商店街の外れ、たこ焼き屋千夏の前に現れる」
清史郎の言葉に円山の表情が強張る。
「もしお客様がジョーカーだった場合……」
「自分を殺してくれという依頼はこれまでなかったのか?」
円山が何かを試すような視線を向けてくる。
「もちろん、そういった依頼もございました」
「なら問題は無いだろう?」
「……つまり、あなたは探偵としての任務を全うし、殺し屋に仕事を依頼しに来た。そういう事ですね」
「そういう事になるな」
清史郎が笑みを浮かべると円山の口元に笑みが浮かぶ。
「矢沢組がそれ以前の日時を指定して来たら?」
「それこそ二重契約は無効だと言えばいいだろう?」
「矢沢組がジョーカーの正体を教えろと言ってきたら?」
「ここは興信所ではないのだろう? それに私は九月三十一日にジョーカーが現れるとは言ったが、私がジョーカーだとは一言も言っていないぞ」
円山は殺しという商売にプライドを持っている。
そのプライドに反する行為はできないはずだ。
「了解しました。九月三十一日に現れるジョーカーを殺します。しかし、他に機会がある場合もありますので悪しからず」
円山が一千万の入った紙袋を掴んでカウンターの内側に置く。
これで円山の精神には一つのストッパーがかかった事になる。
後はいかに円山を寄せ付けないように立ち回れるかだ。
〈2〉
してやられた。
健司は先制に成功したつもりが、乗り込まれて悪条件を飲まされた事を今更ながらに実感していた。
三浦の期日を守れば選挙は終わってしまうだろう。
矢沢組は選挙で勝利する為にジョーカーを殺したいのだから、仮に殺せたとしても契約違反と言いかねない。
そもそも条件は問わないという話だったのだから構わないと言えば構わないのだが、ヤクザがそのような道理を飲むとは思えない。
――そもそも乗り気な仕事では無かったのだ――
とはいえ、呑気に構えていてはヤクザに消される事になる。
九月三十一日に殺せたとしても、それは報復の意味しか持たない。
そして九月には三十日までしか存在しない。
十月一日を無理やり九月三十一日と解釈できない事も無いが、完全に手玉に取られたとの感を禁じ得ない。
緒方が猶予として見るのは何週間だろうか。
幸い緒方は健司が三浦と接触した事を知らない。
まだジョーカーを探していると言えば時間稼ぎはできるだろう。
最悪二千万はドブに捨てたのだと言うくらいの器量は緒方にはあるだろう。
しかし、それでは殺し屋の看板に傷がつく。
創業四年、地道に仕事を続けて来た実績に泥がつくのだ。
――三浦清史郎を殺すか――
それを考えて健司は三浦の余裕が気にかかる。
三浦がジョーカー本人だというならそれで構わないだろう。
しかし、ただの連絡役だったり複数犯だったりした場合はどうなるだろうか。
ジョーカーは死んでも蘇る。
その事の方が矢沢組にとって脅威だろう。
ジョーカーのテンプレートが商店街で共有される事にでもなったら、矢沢組は人的物量的に無数のジョーカーに襲われて新庄市を撤退しなくてはならなくなるだろう。
その時、ジョーカーを殺せと依頼されたなら、一体何人を殺せばよいのか分からず、それだけの数を連続で殺せば証拠を残す事になりかねない。
そうなれば警察に捕らえられて全てが水の泡だ。
――そう、殺すのは三浦清史郎ではなくジョーカーである必要がある――
その為にはジョーカーの仕事の実態を掴まなくてはならない。
これまでのジョーカーの襲撃箇所と状況を再確認する。
ジョーカーは神出鬼没のように見えるが、確実な逃走経路のある場合以外は出現していない。
ジョーカーは矢沢組の取引の全てを俯瞰し、最も有利な形を作り出している。
と、なれば健司も事前に情報を収集しなくてはならない。
以前緒方が入店した時、店内のシステムでスマートフォンはクラックしてある。
緒方のスマートフォンを経由して矢沢組組長矢沢栄作の端末に潜入する。
ホストを掌握して矢沢の端末から矢沢組の取引データを吸い上げる。
半グレたちは無料WIFIに接続している者が多く、セキュリティも糞も無い。
健司は新庄市の地図を広げ三浦の心理を読もうとする。
正面切っての対決の後で、あの食わせ物が仕掛ける事は間違いないのだ。
〈3〉
始発電車で歌舞伎町を訪れた清史郎は街路を歩き回りながら、人通りの少ない場所や人目につかない場所にトランプのジョーカーのカードを置いていく。
『殺し屋』がテナントに入ったビルの前の壁にはスマートフォンと接続したラズベリーパイの監視カメラを設置した。
監視カメラの映像は近場の喫茶店でタブレット端末で見ようと思ったのだが、歌舞伎町には静かに端末を見る事のできるような喫茶店が見当たらなかった。
仕方なく新宿駅前のコーヒーの不味いチェーン店に足を向けた。
電波は良好、通勤前の客も訪れておりタブレット端末を見ていても不審には思われない。
スマートフォンを操作して朝のニュースをチェックするが、特に気になるような情報は無い。
八時二十四分、円山が風俗ビルにスーツ姿でやって来た。
一見地味なスーツ姿に見えるがバーバリーにリーガルのシューズといったいで立ちだ。
見る人間が見れば逆に趣味が良いと答えるだろう。
屋内の監視カメラを警戒して清史郎はビルには監視カメラを仕掛けていない。
九時きっかりにスーツ姿にアタッシュケース姿の円山がビルから出てくる。
清史郎は円山が新宿駅に向かったのを見て小走りに店を出る。
円山を捕捉し、充分に金をチャージしたSUICAで改札を潜る。
円山を尾行する事二十分、新庄駅で円山は列車を降りた。
チャージマネーで改札が通れて良かったと思える一瞬だ。
昔なら駅によっては乗り越し清算をしなくてはならないところだ。
円山は商店街を突っ切り、三浦探偵事務所にほど近い喫茶店に入っていく。
清史郎は更に離れた喫茶店で画像を喫茶店のものに切り替える。
商店街の店にはセキュリティの名目で三浦探偵事務所の監視カメラが取り付けられているのだ。
円山が注文するより早く、店員がコーヒーにトランプのジョーカーを添えて差し出している。
円山の表情が一瞬硬直する。
清史郎は商店街の店に予めジョーカーのカードを配り、前払いで商品を出すよう話をつけておいたのだ。
これで円山は自らが監視対象である事を知る。
コーヒーを飲み干した円山が喫茶店を出て周囲を見回す。
――追われる気分はどうだ、円山――
円山は午後六時になると歌舞伎町のビルに戻り、吉祥寺の自宅であるらしいマンションに帰宅した。
清史郎は吉祥寺界隈の店に金とトランプのジョーカーを配り、路地裏などにカードを仕掛けて帰路についた。
〈4〉
「って事は正体バレちまったのかよ」
相変わらず騒々しいクイーンメイブのボックス席で健が声を上げる。
「殺し屋って名刺出してる殺し屋って狂ってるとしか思えないけど」
「腕に余程の自信があるんだろう。今の日本じゃ老衰や自殺や病死や事故死以外の異常死が毎年十七万件発生しているんだ。死体なんかあった所で警察の手が回る状態じゃない」
「ジョークと話してて思うんだけどさ、警察って何してんだ?」
「総資産一億円以上の人間の事は守ってるだろうさ。後は交通違反の取り締まりだな」
清史郎は答える。実際警察が殺人や行方不明を事件化する基準は分からないのだ。
確かなのは毎年日本では殺人事件は百件前後しか起こってはならず、検挙率は96%を下回ってはならないという暗黙の了解があるという事だ。
「どっちみち最初から警察は味方じゃないでしょ。矢沢組が商店街に嫌がらせをしても見て見ぬふりだったんだし」
「だよな。俺たちジョーカーが正義の味方なんだ。そうだろ」
「多少稼がせてもらってるけどね」
健も加奈もジョーカーという仕事には少なからず誇りは持っている。
士気が高いという点では矢沢組と戦っていく上で大きなアドバンテージになるだろう。
殺し屋円山健司がジョーカーの核心に近づいたとは言っても、健と加奈まで特定している訳ではないのだ。
そして健のITを見て警戒していた為、あの新宿の風俗ビルにはスマートフォンも時計も持ち込んでいない。
顔は間違いなく撮影されているだろうが、顔認証は広範なエリアから自在に情報を引き抜けるようなものではない。
いつ、どのカメラに映っているのか分からなければどのカメラをハッキングすれば良いのか分からない。
本当の所は分からないが、公には警察でも店舗など個人のカメラの映像は捜査協力や令状で記録を閲覧しているのだ。
健のIT技術にした所でカメラを特定し、通信可能な距離で『物理接触』しない事にはデータを閲覧する事などできないのだ。
「円山って野郎の鼻を明かしてやろうぜ。こっちは天下御免のジョーカーなんだ」
「でもさ、ジョーカーを探り当てたって事は相当の切れ者なんじゃない? 殺し方だって一つや二つじゃないからこれまで捕まってないんでしょ?」
加奈が慎重論を述べる。この慎重さがチームの要になっていると言ってもいい。
「じゃあどうするってんだよ。まさか止めるとは言わねぇよな」
「多少趣向を変える必要はあるだろうな」
清史郎はカバンからジョーカーマスクをのぞかせる。
「マスク……一体何枚あんだ? 量産して成功すんのは北朝鮮のモロコシくらいだろ」
「そっか……これをこれまで被害に遭った半グレに匿名で送り付ければ……」
ITには弱くても頭の回転の早い加奈には分かったようだ。
「確実な取引情報を手にした本物の銃を持ったジョーカーが出現するんだ」
清史郎の言葉に健が唖然とした表情を浮かべる。
「さっすがジョーカー。でもよ、俺たちと鉢合わせにはならねぇのか?」
「一応発信機は取り付けてある。合成音声のスイッチを入れれば起動する仕組みだ」
「じゃあ信号がなかったら作戦決行って訳ね」
「それに送り付ける相手はこっちが選べるんだ。事前に動きを掴む事も難しくないだろう」
清史郎はこれまでの取引の状況から矢沢組に逆らいそうな半グレをリストアップしている。
表立って逆らう事はしないだろうが、ジョーカーとしてなら薬をガメるくらいの事はしかねない連中だ。
「でも、それって少ししたら矢沢組に露見するんじゃない?」
「ああ。でも矢沢組は確実に疑心暗鬼に陥るし、本物の銃弾が飛んでけが人でも出ればジョーカーに対して慎重にもなるだろう」
「最高にクールだぜジョーカー! ジョーカーが犯罪者だったら今頃大金持ちだぜ」
健の笑みに清史郎も笑みで答える。
「じゃあ今日の仕事もクールに決めましょ」
加奈の突き出した拳に三人の拳がぶつかる。
本家ジョーカーは最高のチームなのだ。
〈5〉
自宅まで嗅ぎつけられたとは。
午前七時、健司は朝食を食べようと吉祥寺の喫茶店に入った所で、ジョーカーのカードと対面する事となった。
もっとも、ずっと尾行されていたなら自宅が特定されるのは不思議でも何でもない。
一番の問題は探偵に四六時中張り込まれたらジョーカーどころではなく、他の仕事も一切できないという事だ。
動揺を押し隠し、それでも周囲を警戒しながら歌舞伎町の店舗に向かう。
ドアに挟んだ髪の毛が落ちた様子は無く、侵入者はいないようだ。
店内に入り、一通り掃除を終えると鋭利に削ったシャープペンシルをカウンターから取り出す。
殺しの方法はいくらでもある。
相手が尾行しているなら、人通りの少ない所に誘い込んで始末するという方法も取れるのだ。
健司は尾行のプロである三浦を警戒する事を止め、路地裏へと足を踏み入れる。
一定歩いた所で振り向き、シャープペンシルを引き抜く。
が、そこには三浦の影も形も無かった。
四六時中張り込んでいるという訳ではないという事だろうか。
健司が安堵しかけた瞬間、路上に落ちているトランプのカードに気付いた。
――ジョーカー!――
三浦はこちらの考えを見抜いて行動に出ているのだ。
と、言う事は人通りの少ない所は三浦本人に監視されない反面、ヤクザを監視しているような遠隔装置で監視している可能性が高いだろう。
――この僕が身動き一つ取れないと言うのか――
健司は拾い上げたトランプのジョーカーを握りつぶした。
〈6〉
深夜の路地裏、半沢芳樹はジョーカーマスクと紫色のどぎついトレンチコートに身を包んで、汗が出るほどにトカレフを握りしめている。
部下二人が矢沢組とヤクの取引をする事になっており、そこをジョーカーのフリをして襲撃するのだ。
成功すればタダでドラッグが手に入り、失敗してもジョーカーのせいだ。
うだつの上がらない半グレの四十代、ヤクザに昇格できる見込みも無い。
忠義を示せと言う方が無理というものだ。
視線の先には金を手にした部下の姿、ヘッドライトで周囲を照らす矢沢組のベンツがある。
部下が金を出し、組員がスーツケースを開いてドラッグを見せる。
半沢はそのドラッグを見ているだけで身体にアドレナリンが駆け回ったような気分になる。
「動くんじゃねぇ! こっちにヤクを寄越せ」
取引成立の寸前に半沢は銃を手に飛び出す。
矢沢組の構成員がスーツの内側から銃を抜く。
「金もヤクも俺のモンだっつってんだ!」
半沢は先制して引き金を引く。轟音が響き矢沢組の構成員が気圧されたように見える。
立て続けに引き金を引いて距離を詰める。
矢沢組の構成員が引き金を引き、半沢の頬を掠める。
ジョーカーの姿で出ていけば怯むと思っていたのだが、反撃は想定外だ。
それでもここが正念場と半沢は引き金を引く。
一発の弾丸が矢沢組の構成員の鎖骨の辺りを貫く。
凶悪な一瞥をくれて矢沢組の構成員たちが引き上げていく。
半沢は両手でヤクを掴んで高笑いする。
こんなにチョロい商売にこれまでどうして気付かなかったのだろう。
――ジョーカーを続ける限り俺は無敵だ――
〈7〉
事務所に次々に凶報が舞い込む中、矢沢組の緒方は状況の変化を理解していた。
ジョーカーの模倣犯は自然発生的に生まれたものではない。
本当に模倣する脳があるなら金や麻薬を要求する訳が無い。
と、すれば中身は町の半グレや暴走族と察しがつく。
とはいえ、数は厄介であり、ジョーカーの真似をすれば処刑だと言った所で本物のジョーカーもどこかにいるのだろうから半グレは高をくくって矢沢組の命令に従おうとはしないだろう。
そして更に厄介なのはちゃんとジョーカーを模倣できている者もいるという事だ。
ジョーカーを見たら撃てというのは簡単だが、半グレが連合して矢沢組に反旗を翻したら手足を失った矢沢組に抵抗する術は無い。
矢沢組は権力と金と麻薬は持っているが、マンパワーが多いという訳ではないのだ。
ジョーカーはその弱点を的確に突いて来たのだ。
「緒方、考えは無ぇか?」
電話越しの矢沢の言葉に緒方は頭を巡らせる。
「ジョーカーマスクに百万の懸賞金をかけてはいかがでしょう?」
マスクをつけている人間の罪を問わず、マスクを差し出せば百万やると言えばわざわざ危ない橋を渡ろうという連中は少なくなるだろう。
その上でジョーカーの撃滅を図ればいいのだ。
「その手は使えそうだな。問題はマスクがどれだけ出回っているかだが」
「数は多くないと考えます。そもそも同時多発的にジョーカーが出現したという事は、誰かが創意工夫して模倣されたのではなく、何者かが意図的に行ったと考える方が自然です」
言って緒方は組員たちに通達を出し、ついでに警察にも懸賞を知らせておく。
公権力が銃刀法で取り締まりを開始すれば半グレは震えあがってジョーカーの真似などしていられなくなるだろう。
〈8〉
健司は新庄市のホテルの床に落ちた髪の毛を拾いながら、事態の急変と自分の読みが正しかった事を知る。
三浦は健司に捕捉された事で作戦変更を余儀なくされた。
健司も身動きできなくなったが、それはお互い様なのだ。
そこで今回のジョーカー量産化計画を演出したのだろう。
しばらくの間町中にはジョーカーがあふれる事になる。
矢沢組が引き締めを行っているものの、偽ジョーカーの模倣犯も出現し本来の偽ジョーカーより多くのジョーカーが出現しているのが現状だ。
――でもこの狂騒はすぐに終わる――
健司は日が暮れるのを待ってアタッシュケースを手にホテルを出る。
三浦が四六時中張り付いている訳ではない事も分かっている。
いずれにせよ仕事を迅速に済ませれば証拠も残りはしないのだ。
深夜の人気の消え��オフィス街を歩きながら手に手術用のビニール手袋をはめる。
靴のサイズは自分の標準よりワンサイズ大きく、髪型は大きく変えていないが頭にはカツラをかぶっている。
一般で売られているカツラには、インドの仏教徒やヒンズー教徒が出家する時の髪の毛が使われている。
そして、インド人の髪の断面は日本人が楕円であるのに対し正円に近い。
仮に髪が現場に落ち、科捜研が調査したところで出てくるのは謎のインド人という事になるのだ。
健司は予定していた地点にたどり着くと、持ってきたボルトを電柱の穴に差して二・五メートル程の高さにまで登って電柱に寄り添うようにして立つ。
予定通りスポーツバッグを手にしたジョーカーが走ってくる。
中身は半沢という三下の半グレだ。
正面だけに注意を向け、自分の身長より上には注意が向いていないらしい。
健司はボルトに引っ掛けたテグスを引っ張る。
ジョーカーの首にテグスが食い込み、仰向けに倒れかかる。
アイスピックを手にした健司はジョーカーに圧し掛かるようにして飛び降りる。
アイスピックがジョーカーのマスクと頭蓋骨を貫き、脳を攪拌する。
健司はアイスピックをその場に放り捨てて、テグスもそのままに歩き去る。
アイスピックもテグスも殺人犯を特定する決定的な証拠とはなり得ない。
少し歩いた所で歩きやすい靴に履き替え、手袋を脱いでしまえば何一つ痕跡は残らない。
意識していたが三浦に行動を監視されていた様子は無い。
三浦はマスクをばらまいた事でジョーカー業を一定退いたのかも知れない。
それならそれで……
――ジョーカーを名乗れば問答無用の死が訪れる――
それでもジョーカーを続けられる者がいるだろうか。
健司の受けた依頼はジョーカーの殺害であって三浦清史郎の暗殺ではないのだ。
〈7〉
緒方は苦い気分で事務所でTVを見ている。
一週間で九人のジョーカーが殺され、四人のジョーカー、三人の組員が射殺された。
ワイドショーは死体にピエロのマスクをかぶせる愉快犯として報道している。
常識的に考えればそうなのだろう。
だが、現実にはジョーカーの模倣犯が跋扈し、殺し屋円山がジョーカーを殺しまくっているのだ。
この問題の裏が表ざたになれば矢沢組に捜査の手が伸びる。
組長が事情徴収という事にでもなれば、知事選敗北は必至だ。
この銃弾飛び交い殺し屋が闊歩する状況は、客観的に見れば矢沢組の内部抗争なのだ。
――やってくれたなジョーカー――
日用品を用いて鮮やかに殺しを遂行する健司に対する恐怖は広がっており、それなりの数のジョーカーマスクが届いてもいるが、それでも自分だけは大丈夫と考えるのが人間の性であるらしい。
「兄貴、県警本部長が来ています」
部下の言葉に緒方は舌打ちしたくなるのを堪える。
何人か人身御供に出す必要はあるだろうが、それでジョーカー問題が片付く訳でも無い。
今の新庄市はさながらギャングの蔓延る六十年代のニューヨークだ。
このネガティブイメージの中ではカジノ施設の誘致も集客の為だなどという言葉で誤魔化せない。
――だが、商店街も打撃を受けているはずだ――
緒方は次善の手を考えながら県警本部長を待たせてある応接室に向かう。
「緒方です。この度はお騒がせしております」
「いや、そうかしこまらんでくれたまえ。私がこうしておれるのも矢沢組あっての事だ」
県警本部長の茨木義男が本革張りのソファーから腰を上げて言う。
茨木は東大卒のキャリアで矢沢の後輩に当たり、同じゼミを受講していた間柄だ。
「殺人事件は起こせない。それが警察の不文律でしょう?」
「今回のカジノ施設建設は内閣肝いりでもあるんだよ。情報操作で反対派が工作しているように演出する事は可能だろうよ」
転んでもタダで起きないのが政治家やエリートというものであるらしい。
「つまりはカジノ施��反対派が、賛成派の人間を殺してピエロのマスクをつけていると?」
「そういう報道になっているだろう?」
茨木の言葉に緒方は唖然とする。
当事者としての立場で見ていた為に気付かなかったが、一般視聴者の目線で見るとそういう風に見えるのだ。
「で、私の在任中にこれだけの死者を出しているんだ。票は囲い込めているんだろうね」
「固定票は押さえております」
実際の所、矢沢組は内紛に近い状態で票を囲い込めるような状態ではない。
大手のチェーン店などでは本部通達で票の取り込みができているが、個人事業主は依然として反対の姿勢を崩していない。
――やる事成す事裏目に出る――
「死人は出る、カジノ施設はできないでは私の本庁復帰が危うくなるんだよ。その意味は分かっているだろうな」
「はい」
不満げな茨木に緒方は短く答える。
――県警本部長が殺害されれば流れが変わるかもな――
緒方は脳裏にあのとらえ所のない殺し屋の姿を思い描いた。
第四章 トリックスター
〈1〉
「最近俺たちが出てもヤクザもビビらねぇのな」
クイーンメイブのボックス席で健がぼやく。
本物の銃を撃つジョーカーもいれば、ジョーカーを狙い撃ちにする殺人鬼も存在する。
実際に死人も出ているのだから今更驚かす程度ではヤクザも怯みはしないだろう。
「銃で撃たれるって不安。前より遠慮なく撃たれてる感じ」
加奈が沈んだ様子でカクテルに口をつける。
「おいおい、私たちの本来の目的を忘れたんじゃないだろうな。私たちの目的はカジノ施設誘致の妨害だ。今の状況でカジノ施設がオープンしたとして誰がテナントに入るんだ? 暴力がこれだけ蔓延る状況を許した現職知事は窮地に立たされている。住民の安全と地域の活性に誠実に取り組む人物が取って代わらなければ市民が納得しない」
ショットのバーボンを口に運んで清史郎は言う。
「いや、確かにジョーカーの言う事は分かるんだけどさ、昔は良かったっつーか、実入りが少ないのは我慢するとしてもよ」
「私たちの本当の目的に近づいているんだから喜んでいいはずなんだけどね」
「選挙の公示まで三日、世襲できそうな人間がいない以上与党は今更候補者を変更できないし、現職のまま選挙を戦う事になる。野党には追及の材料が掃いて捨てるほどある。これで負けるようなら本当に世の中が腐りきってるってだけだ」
健と加奈の気持ちを察しながらも清史郎は言う。
「もう少しで全部終わっちまうんだよなぁ~。何か微妙だぜ」
「コンビニも忙しいって言えば忙しいんだけど、税金は取られるのに退職金も無いし年金のアテもないし」
健が仕事にやりがいを感じられないのも、加奈がお先真っ暗だと言うのも理解できる。
「そうは言っても九月三十一日にはジョーカーは死ぬんだ」
「してやられましたよ。九月に三十一日なんて無いじゃないですか」
ボックス席に当たり前のように現れた円山が言う。
「誰だテメェ!」
健が身を乗り出す。
「歌舞伎町で殺し屋を経営している円山健司と言います。ここが三浦さんの本当の事務所だったんですね」
「まさか一週間で九人も殺したのって……」
「やだなぁ~僕はもっと殺してますよ。警察だって報道内容には気を遣うんです」
涼しい表情でグラスを手にした円山がボックス席に座る。
「人殺しだってバラすぞ、テメェ」
健が円山に向かって噛みつきそうな声と表情を向ける。
「ご自由にどうぞ。何か一つでも証拠が存在するならね」
「で、その殺し屋さんがここに何の用?」
「いや、本家のジョーカーはどうしているのかと思ってね。偽物でもこれだけ殺せば本家も仮面を捨てるんじゃないかって思って」
「おたくの言う通りだ。こんな凄腕の殺し屋がいるならジョーカーなんてやるだけ損だ」
「本当にそう思っていますか? 本家はまだ何か隠し玉を持っているんじゃないかって思うんですけど」
「随分と余裕かましてんじゃねぇか。ジョークを殺ったらテメェを殺す」
「殺しはしたくないけどジョーカーを殺させる事は絶対にしない」
「人望があるんですね。いっそ事務所でこの二人を雇ったらどうです? 今より金回りはよくなるんじゃないですか?」
「殺し屋より儲かるとは思えないね」
「それはリスクを負っていますから」
「テメェは嫌味を言いに来たのか。悪いが俺たちはテメェになんざ負けねぇ」
頭に血の上った健が言う。
「そうそう、一つプレゼントがあるんです」
「あんたがくれるものなんてロクなものじゃないと思うんだけど」
「野党連合の候補を殺すように県警本部長から依頼を受けたんです」
笑顔で言った円山がグラスを空ける。
突然の事に健と加奈が硬直する。
選挙期間中に候補が殺されてしまったら票が分散して現職が有利となる。
どれだけ黒い噂があったとしてもだ。
「それは俺たちに守って見せろと言っているのか?」
「さぁ、気まぐれですよ。僕はこれでもあなたの事が嫌いではないんですよ」
言った円山が席を立って去っていく。
加奈と健が茫然とその背を見送る。
「私たちと候補者をまとめて葬るつもりか……」
清史郎は思案する。候補者を守る為に張り付けば二人まとめて殺される可能性がある。
しかし、候補者を放置しておけば間違いなく殺されるだろう。
具体的な殺人予告という訳ではなく、あったとしても警察はアテにはならない。
市民は自衛するしか無いのだ。
――どうする……――
「なぁ、ジョーク、どうすんだ?」
「あんたも少しは考えなさいよ」
「考えてるって。頭の中じゃあの野郎を三十回は殺してる」
非生産的な事を考えている健が言う。
「ジョーカー、私、どうしていいか……」
加奈は追い詰められた様子だ。
「こう��ったらお望み通りにしてやろう。ジョーカーの最期を見せてやるんだ」
清史郎は一抹の寂しさを感じながら笑みを浮かべて見せた。
円山を前にして取れる手は一つしか無いと言っていい。
――あの男はこの結果を望んでいたのだろうか――
〈2〉
『……皆さん、この町の惨状は突然起きたのでしょうか? その根幹には市の中央にある広大な県の土地があります。この土地は江戸時代に火災の延焼を避ける為に作られた防災の為の土地でした。しかし新庄市が栄えるに従い、土地の価格が上がり莫大な利益が生まれる事が分かってきました。ヤクザやギャング、財界の人間はその利権に群がっているんです。もし、彼らの思い通りにさせるなら彼らの存在を容認する事になります。二百年前の先人の知恵に従い、ここを防災を兼ねた市民公園にする事こそが行政の成すべき事です……』
夕暮れの新庄市の駅前で野党候補の峰山春香が声を上げる。
聴衆はさほど多くはないが商店街や青年団が集まって盛り上げようと四苦八苦している。
清史郎はオープンカーのハンドルを握りながらタイミングを計っている。
『ジョーカー、スタンバイOKよ』
イヤホンから加奈の声が聞こえてくる。
『警察は野党の候補に人は割いちゃいねぇ、殺るなら今だ』
健の声を受けて清史郎は紫のどぎついトレンチコートを羽織り、ピエロのマスクをかぶる。
「そこのお前……」
演説を警備していた警官が警棒を手に近づいて来る。
「制服ギャングも久しからず」
清史郎は銃を引き抜く。
警官の足元で火花が爆ぜる。
聴衆だけでなく、夕暮れの帰宅ラッシュの人々の足が止まる。
「綺麗ごとでマニィをロンダリィ! 俺はハッピーにトリガー、堅実な人生が諸行無常!」
清史郎は自動小銃を抜いて選挙カーに銃弾を浴びせかける。
銃声が響き至る所で火花が散る。
ガードマンに守られて逃れようとする峰山の背に向けて引き金を引く。
血を噴出させた野党候補が倒れる。
「こんな時には正露丸! キャベジンがあれば国士無双ゥ! ユンケル飲んだら夜金棒!」
峰山が選挙カーに運び込まれ、現場から離脱しようとする。
『ジョーク、サツが動いた。射殺してもいいって言ってやがる』
健の言葉に清史郎は生唾を飲む。想定してはいたが、想像以上に警察もなりふり構っていないらしい。
清史郎はオープンカーで選挙カーを追い、グレネードランチャーで後ろ半分を吹き飛ばす。
煙を上げた選挙カーが路肩で停止する。
清史郎は高笑いしながら選挙カーの脇をすり抜け、オープンカーで町を駆け抜ける。
無数のパトカーが清史郎のオープンカーを追う。
『ジョーク、法定速度は無視してくれ、俺がナビゲートしてんだし、今更ネズミ捕りが怖いって訳でもねぇだろ』
健のナビゲーションでパトカーを避けて清史郎は埠頭へと向かう。
銃声が響き、音速より早く飛んだ弾丸がオープンカーに襲い掛かる。
警察が矢沢組の懸賞を狙っている事は健のハッキングで知っている。
制止する警官の声と銃撃を受けながら、フルスロットルのまま岸壁から海上へと車体を躍らせる。
肩と背中に銃弾を受けた清史郎は冷たくなり始めた海の中へと沈んでいく。
清史郎が意識を失いかけた時、淀んだ海の中にウェットスーツに身を包んだ加奈が姿を現した。
〈3〉
警察が捜査した結果、海で手に入れる事ができたのは一台の盗難車とピエロの仮面と紫色のトレンチコートだけだった。
知事候補が襲撃された事もあり、今後清史郎がジョーカーの扮装をすれば正体が露見する可能性は極めて高くなるだろう。
――本家ジョーカーは死亡した――
健司は病院の廊下を歩きながらポケットの中のビニール手袋の感触を確かめる。
野党候補は銃創を負って病院に入院している。
実際には銃創など負っていないのだろうが、ジョーカーと候補が一芝居打つのだとしても病院は避けて通れない。
――悪いけど僕は殺しの依頼は完遂する――
健司は候補の部屋の前のボディガードの様子を観察する。
「すみません。新庄市後援会の青年団の円山と言います。先生はご無事でしょうか?」
「先生はご無事だ」
鉄面皮のボディガードが返答する。
「それを聞いて安心しました。一言無事をお祝い申し上げたいのですが構いませんか?」
「十分だ」
ボディガードの言葉に笑みを返して健司は一人部屋に足を踏み入れる。
両手にビニール手袋をはめ、小銭袋を握りこむ。
「やぁ、先生、ご無事なようで何よりです」
「無事なものか。ポリの弾丸を四発も食らったんだ」
そこで見た光景に健司は言葉を失った。
「お陰で選挙が終わるまで退院できそうにない」
三浦が笑みを向けてくる。
「バカな……あなたは……」
身を隠さなくてはならないはずだ。
治療す���為にも……。
――治療する為に候補に成りすましたと言うのか――
入院している間は世間の目は避けられる。
それでは候補はどこに消えたと言うのか。
「お前は野党候補を殺せというオーダーを受けたはずだ。今彼女は立候補しているが、生死不明で野党の統一候補ではない。今は慶田盛弁護士事務所で事務の手伝いはしているが選挙活動はしていない。それでもお前は殺すのか?」
健司は清史郎の言葉に笑いがこみあげてくるのを感じた。
「詭弁にも程がありますよ。ほとんど屁理屈じゃないですか」
「屁理屈でも君は依頼に忠実なんだろう? あと面会は手短に頼むよ。これでも歳でね、銃創って言うのは堪えるんだ」
銃創が堪えているのは本当らしい。
「それでも最後には候補は復活しなきゃならない」
「死んでいなければね」
カーテンの影から姿を現した女性がグレネードランチャーを構える。
「まさか……」
「ジョーカーは死んだ、ヒットマンは来た。これで充分だ。なぁ、ジョーク」
ラップトップコンピューターを小脇に抱えた青年が言う。
「ゲームオーバーだ」
清史郎が不敵な笑みを向けてくる。
健司は小銭袋を窓に投げつける。
砕けたガラスの破片を拾い上げて身構えながら退路を探る。
ガラスの破片で候補の命を絶つつもりだったが今三浦を殺した所で意味が無い。
今は割れた窓の外に逃れる隙さえあればいい。
女性の指がグレネードランチャーの引き金にかかる。
猛烈な爆音と閃光が室内に満ちる。
健司は窓の外に身体を躍らせた。
――これで知事候補が殺された事になるのか――
健司は地面を転がり、人目を避けながらバッグから出した白衣を羽織る。
――僕は最期までジョーカーに踊らされたって訳か――
敗北感より、どこか清々しさを感じながら健司は病院を後にした。
〈3〉
「慶田盛弁護士事務所では峰山候補を歓迎しますよ」
新庄市にある、冤罪に強いと噂の弁護士事務所で峰山春香は未だに自分の身に起きた事が信じられないでいる。
峰山が候補に決まったのは公示二日前、そこから慌ただしく野党の党首などと会談を交わし、選挙戦の流れになったのだが、その直後に慶田盛敦という弁護士が現れたのだ。
慶田盛の噂は峰山も聞いており、信頼できる人物であるとは感じていたが、話の内容は想像のはるか斜め上を行くものだった。
新庄市の乱射魔ジョーカーの本家は、冤罪事件の解決を主に行っている三浦探偵事務所の所長三浦清史郎だったのだ。
三浦は知事選を前に町に大量のジョーカーマスクをバラまいて一時的に身を引いた。
しかし、ジョーカーと野党知事候補は確実にターゲットを仕留める円山という男に命を狙われているのだ。
更には矢沢組がジョーカーに懸賞首をかけており、警察も生死を問わないという条件でジョーカーを狙っているという。
そこで三浦が出して来た案がジョーカーに候補者が襲われて入院、ジョーカーは警察に追われて死亡、更に候補者の運び込まれた市民病院に現れる円山を三浦が撃退するというものだったのだ。
三浦は警察に追われて手傷を負う事は間違いなく、それならば知事候補と入れ替わって入院してもゆっくりと治療ができる。
一方春香は慶田盛弁護士事務所で投票日三日前まで、事務職として短期採用される。
円山のターゲットは知事候補であり、事務員殺害ではなく、その一線を越えてこないのも円山という男なのだという事だった。
「何もかもが信じられないわ。生死不明で選挙戦を戦うなんて……」
「野党の党首が連日新庄入りするって話になったじゃないですか」
春香は慶田盛弁護士事務所の安普請の椅子に腰かける。
「それはいいとしても、いいえ、大きな借りを作る事になりますし……」
「市民に対して不誠実だと?」
春香の心中を察した慶田盛が言う。
「その通りよ。三日前に復活なんて話が良すぎるし」
「でも、実際問題あなたを救う手立ては他に無かった」
事務所の電話が鳴り、慶田盛が受話器を手に取る。
ボタンを押してスピーカーに切り替える。
「私だ。円山が知事候補殺害に現れたよ。こっちで見かけだけは派手な爆薬を爆発させて追い出した。これで知事はテロリストにまで襲われた事になるわけだ。しばらく身を隠さなきゃならない理由が増えたんじゃないか?」
「三浦さんですね? あなたが身体に銃創を負ったという話は聞いています。あなたはどうしてここまでやったんですか?」
「若い連中と付き合いがあると、柄にもない正義感なんてものも持つものなのさ」
三浦の言葉に春香はため息をつく。
実際の傷はどうあれ、体面上知事候補は集中治療室にかくまわれるだろう。
「市民病院が告発したらどうするつもり?」
「それは無いさ。与党の市長になってから予算を削減されて、市民病院では上から下まで味方しようなんてヤツはいないんだから」
慶田盛が肩を竦めて見せる。
「あと、仕事柄マスコミの相手をするのは苦手じゃないんだ」
「ああ、こいつは口先だけは有能だからな」
二人の言葉を聞いていた春香は苦笑する。
悪だくらみのような作戦だが、この二人にとってはこれは健全な正義のスポーツのようなものなのだ。
〈��〉
野党候補の入院先で爆破テロが起こった事で、与党候補に対する疑惑は大きなものとなった。
野党候補は生死の境を彷徨っていると報道されている。
清史郎は病院で何不自由なく治療生活を送っている。
のだが……。
「なぁ、ジョーク、ここで寝てるってのは何かの冗談だろ?」
「怪我してるのは事実なんだから無茶言わないの」
健と加奈は連日競うようにして病室を訪れている。
「お前ら、もうジョーカーの出番は無いんだぞ? 知事選も候補が無事を表明すれば一発で決まる。もうやる事は無いんだ」
清史郎が言うと健が叱られた犬のような表情を浮かべる。
「いやさジョーク、俺、土建屋辞めたんだ」
「私も……その、コンビニ辞めたんだ」
清史郎は二人の言葉に唖然とする。
このご時世に仕事を自ら捨ててどうしようと言うのか。
「ジョーク、儲からないっつってるけどよ、俺が手伝ったら何とかなんじゃね?」
「先に言わないでよ。採用するなら私の方が得なんだから。多分」
清史郎は額に手を当ててこみ上げてくる笑い声を抑える。
傷に響くが笑いたくなるのだから仕方がない。
「お前ら、馬鹿じゃないのか? こんなオッサンと組んだって心中するようなモンだろ」
「それでもいいくらい楽しかったんだよ」
「またスリル、くれるんでしょ?」
清史郎は笑い声をあげて身体を起こす。
傷が引きつるが痛みなど気にならない。
「資本金はお前らと合わせて裏金三千万円。社員は三人。一人はオッサン。ジョーカー探偵事務所とでもするか」
「何かダセェ。中年は変に英語にするから逆にカッコ悪いんだよ。三浦探偵事務所でいいだろ」
「中年のセンスが悪いのは今に始まった事じゃない」
清史郎は憮然として健に言い返す。
「じゃあ新しい門出に」
加奈がバッグからワインのボトルを取り出す。
若い二人は自分に老ける暇を与えてくれないらしい。
清史郎はコップに注がれたワインを掲げる。
「乾杯」
紙コップが音もなく打ち合わされ、新しい何かが動き始めた。
エピローグ
清史郎は健と加奈を引き連れて病院の廊下を歩いている。
向かいからスーツ姿の峰山春香が歩いてくる。
握手しようと峰山が手を差し出してくるのを無視して清史郎は右手を軽く上げる。
峰山が応じて右手を挙げてハイタッチすると、清史郎と峰山は入れ替わるように方向を変える。
清史郎の背後でフラッシュが瞬き、峰山が光とシャッター音に包まれる。
生死不明から無傷での生還。
これほどの宣伝も無いだろう。
ジョーカーはカジノ施設を阻止するというその使命を果たしたのだ。
選挙戦は野党党首が連日交代で訪れるという形で、野党が攻勢を強めていた。
そして投票日三日前に野党候補が無傷で出現。
暗殺者に狙われていた事を告げ、改めて支持を訴えた。
緒方は事務所で出来の悪すぎる茶番劇を見せられたような気分を味わっている。
ジョーカーという乱射魔が出現、殺し屋に依頼をしたらジョーカーの模倣犯が大量に出現。野党候補を狙ったら本家ジョーカーに命を狙われ、生死不明から一転蘇った。
市民の心理を考えるまでもなくこの選挙は完敗だ。
何処で何を間違えたのかなど分からない。
否、最初からこの町には矢沢組を受け入れない何かが存在していたのだ。
近々上層の組から矢沢更迭が告げられるだろう。
だが、緒方は矢沢にとって代わろうなどとは思わない。
――この町にはジョーカーという化け物が存在するのだから――
十月一日、健司はいつものように殺し屋のカウンターの内側にアルコールを吹きかけている。
もしも、九月に三十一日が存在しているならジョーカーが殺されてやると言っていた日。
新庄市では市民の支持を得た新知事の誕生でお祭り騒ぎらしい。
と、殺し屋の戸口に宅急便の配達員が現れた。
「殺し屋様ですか? Amazon様からのお届けものです」
記憶には無いが健司は笑顔で箱を受け取り、伝票にサインする。
ナイフで慎重に箱の封を開けるとそこにはピエロのマスクが収まっていた。
健司は口元に笑みが浮かぶのを感じた。
――確かにジョーカーは死んだ――
健司はその自然な笑みを機械的な笑みの後ろに隠し、カウンターを磨き始めた。
今日も新たな客がやって来るに違いないのだ。
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【スマートジャンキーリポート5】
「自由って何だと思う?」
それは時間があることだとか
働かなくていいことだとか
何かに縛られないことだとか
人から指図を受けないことだとか
そんなたわいもないことをワンルームの部屋で親友とよく話していた。
自分達は答えのない会話をするのが好きだった。
それは会話をするための会話であり、何か正解を求めていたわけではない。
人生を彷徨っていた自分達にはお似合いだった。
家では基本的には大麻を切らさないようにし、質の良さそうなものがあったら補充するというルールだった。
ただその日は残りが少なくなっていた。
せっかくの週末なのに残りの大麻が少ないのは大問題だ。
「そろそろ草無くなるけど、ヨコヤマに電話してみる?
「まだ仕事だから連絡しといてほしい」
「何個にしようか?」
「10個は欲しいよな、あとアレも聞いといてよ」
「オッケー」
早速ヨコヤマに電話をした。
いつもはワンコールで出るはずのヨコヤマがその日は出なかった。
「ヨコヤマ今日休みかも」
「まじか。とりあえずもうすぐ帰るよ」
「オッケー家で待ってるわ」
プッシャーの都合で大麻が引けないタイミングがたまにある。
自分達は末端購入者の癖にグルメな方だったので、変なところに注文して質の悪いものを取りたくなかった。
なので親友が帰宅してから身内を探し始めた。
とはいっても自分には大麻を吸う身内が親友しかいなかったので、親友が探してくれた。
「後輩が持ってるらしいから分けてもらおうぜ」
「それは助かるな」
「一緒に行こう。良いやつだから紹介するよ」
それから支度をして2人で五反田に向かった。
後輩の家は目黒川沿いのマンションだった。
部屋に入るとボングが置いてあった。
「ちーす。初めまして。よろしくです」
後輩は歳が2個下。
話を聞くと親友が大学生の時にキャッチのバイトをしていた後輩だそう。
少し不良っぽい感じだ。
後輩はガタイが良くて目つきが鋭かった。
部屋について��らひとまず3人で大麻を吸った。
「美味いねこれ」
「なんていう品種?」
「ガールスカウトクッキーってやつです」
「可愛い名前だ」
なんて話をしていた。
初めてのガールスカウトクッキーは焼き菓子のような、少し甘くて香ばしい味がした。
美味しかった。
「実は今日これも持ってて、欲しいですか?」
「なにそれ?」
銀色のアルミホイルに包まれたものを後輩は出してきた。
LSDだ。
巷ではアシッドや紙やマゲとも呼ばれる。
ヨコヤマからちょうど次はLSDを取ろうという話を2人でしていたところだった。
自分達は二つ返事で頂いた。
そして後輩とは別れて、タクシーに乗り込み家に帰った。
実はこの後輩は後々大麻栽培を手伝うことになる。
それはまた後の話。
家に帰り、アルミホイルを開けると小さな紙が入っていた。
何かの模様が描かれていたが、何の模様かは分からなかった。
※LSDを摂取する上でのセッティングについては、1話分丸々使って書きたい内容なので今回は摂取体験のみの話とさせていただきます。
※LSDは摂取する際の大事なセッティングや注意事項が多々あります。
それらを知った上で使わないと大変危険なドラッグです。
万人にオススメできるものではありません。
「唇の下に入れておくって言ってたよな」
これも舌下投与だった。
恐る恐る口の中に入れた。味はない。
紙を口に入れておくのは何か嫌な感じだ。
少し経つと紙がふやけてきて、飲み込んだ。
それから、1時間くらい経ったころだろうか。
iPhoneを確認すると文字が少し動いて見えずらい。
「なんか少し視界が歪んできたんだけど」
「だよな、壁が動いて見えてきてる」
「それに時間の感覚もおかしくなってきた」
「そういえば食べてからまだ1時間しか経ってないのか」
LSDの作用で最も一般的に知られている、幻覚や時間感覚の欠如が表れてきた。
俗に言う「曲がった」状態だ。
「ジョイント巻いて外にでも出てみようぜ」
外に出ると太陽がやけに眩しく感じた。
いつもと違って視界がおかしく感じる。
自分達はいつも通り世田谷公園へ向かった。
知っている道のりのはずなのに何故か初めて通る道かのように思えた。
「てか全然着かないんだけどなんで?」
そんなことを言いながら公園に向かっていた。
LSDは時間の感覚が麻痺する。
遠近感が分からず、摂取してから時間がどれくらい経過したかも分からない。
すごく不思議な感覚だった。
やっと公園に到着した。
「あーやっと着いたな、ちょっと歩いてみるか」
ふと木に目を向けると生きているように見える。
空がこころなしか自分たちを見守っている感じがする
風も心地よい音を奏でている。
芝生がやけにご機嫌なように感じる。
滑り台のキリンは楽しそうにしている。
遊具のパンダなんて確実にこちらを見ている。
目が合うと
「僕と遊ばないか?」
と誘われているようだった。
やや奇妙にも見えたので遊具はやめてとりあえず公園の中央にあるベンチに座った。
親友に目を向けると噴水を見ながら手すりにもたれ、動かなくなっていた。
「大丈夫かい?」
「大丈夫」
「お前さっきからずっと噴水見てるよ」
「おお、水飛沫から目離せなくなってた」
「たしかに水ってよく見るとすげーな。ずっと見てられる」
流れている水。
流されている水。
浮かんでくる水。
ぶつかっている水。
穏やかな水。
水にも色んな水があるんだなと感じた。
水には普段自分には見せない色んな表情があった。
水には
「柔軟に生きろ」
と教えられた気がした。
水も生きているのだ。
「そろそろジョイント吸って帰ろうぜ」
「そうだな」
「吸ったらまたすごいなこれ、そっちの調子はどう?」
「最高に決まってる」
ジョイントを吸うと頭が開けたような感覚があった。
最高以外の言葉が出てこなかった。
そして自分達は日も暮れてきたので帰ることにした。
最終的には帰る道がわからなくなってしまい、家の周りを何度も何度もぐるぐる回っていた。
ただそれさえ楽しかった。
いつもの公園に行っただけなのに、アマゾンの奥地にでも行ったかのような大冒険をした気分だった。
くだらない日常に大きな衝撃を与えてくれた。
LSDは普段気が付かないことを教えてくれる。
物事の見方が変わる。
ただ、LSDが教えてくれるのは
「ヒント」
だと思う。
だからLSDを接種して悟ったなんて言葉は使わない方がいい。 それは浅はかだと自分は思っている。 あくまでもLSDがくれるのはヒントだ。 そこから答えに辿り着けるかどうか、結局のところは自分次第だと心得ておいた方がいい。
自由とは 今聞かれたら、
「選択できること」
と答える。
自由な時間があることでも、働かなくていいことでもない。
選びたいものを選べる自分になることが自由だ。
自由に生きるためには選択肢を増やさなければいけない。
そのためには知識や経験を増やして自分の可能性を知る必要がある。
自分はLSDを経験して良かったと思っている。
あらゆるものが新鮮に感じた。
日常を退屈にしているのは誰でもない、自分自身だということに気づけた。
初めてのLSD体験は鬱蒼で窮屈で凝り固まった価値観をぶち壊してくれた。
※この物語は全てフィクションです。
違法薬物の使用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。
Twitterではドラッグに関する役立つ知識を発信しています。
是非フォローしてください。 https://twitter.com/sativadepakkaan
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【1話】 Twitterでプッシャーから大麻を引いたときのレポ 【大麻取り締まられレポ】
コロナが蔓延しだした3月頃のこと。
馴染みのプッシャーのANIにwickerを送って、明日の夜に大麻10gを5万で買う約束をつけた。
ANIとはだいぶ打ち解けた仲だったので、いつもは指定場所で引いていたのだけど、今回は特別に家の近くまで配達してもらえることになった。
翌日。遊びに来ていた友達の吉岡と、家で大麻を吸ってヘラヘラしながら待っていると、ANIからそろそろ着くと電話があった。
僕はANIと電話をしている最中に、「吉岡が引っ越したばかりなんで、なんか引っ越し祝いください」と試しに要求してみた。
するとANIは「はぁ? ったくしょうがねえなあ。なにがいいの?」などと、謎に聞き分けがよかったので、僕は���遠慮に「じゃあコカインがいいです」と言ってやった。
ANIは「バカお前。コカインいくらすると思ってんの? グラム2はすんだぞ」などとしみったれたことを言うので、
僕は「コカインやったことなくて、どうせならANIさんのとこのコカインでコカイン童貞捨ててみたいんですよねー」などとプッシャー心(?)をくすぐるようなことを言ってみせると、ANIはしぶしぶ承諾してくれた。
僕はANIのことを完全に舐めていたので、「僕も半年前にここに引っ越したばかりなんで、僕の分の引っ越し祝いもちゃんとお願いします」などと念押ししておいた。
それから「家の近くに、監視カメラがなくて人通りの少ない駐車場があるんで、そこに停めてください」と頼み電話を切ると、僕と吉岡は赤目のままニタニタしながら駐車場に向かった。
一応、Twitterで大麻を引くまでの経緯を書いておきます(飛ばしていいやつ)。
ANIがTwitterのプロフィール欄に載せていたwicker(wickerとは匿名性の高いLINEみたいなチャットアプリ)のIDを検索してチャットルームを作り、最初に自分のTwitterアカウントのスクショを撮って送り、警察のような怪しい人物じゃないことを証明する。
それから、いつどこで手押しが可能か、在庫はなにがあるか聞くと、時間と場所、メニュー表を提示してくるので、ほしいドラッグを言って時間と場所の都合をつける。あとは指定の金額を持ってその場所に行き、実際に対面でお金とドラッグを交換する。
ちなみに場所は指定される場合が多いが、プッシャーによっては配達もしてくれる。また最近は送金&郵送での取引が主流だが、取引のログを残したくない時やすぐにドラッグがほしい時には手押しが便利だとされる。
駐車場に向かう道中、僕と吉岡は内心ドキドキしていた。(ほんとに初めてのコカイン体験になるし、一体どうなっちゃうんだろう?)とちょっと不安に思っていた。
駐車場の近くまで行くと、駐車場に面した細い路地にANIの車が停まっていた。ANIの車はひと目でわかる。
黒のNOAHで、ナンバープレートや車体の下がLEDで青色に発色している。いかにもプッシャーの車という感じだ。
↑こんな感じの。
わざわざ目立つような車に乗るなよと思いつつ、運転席に乗っているANIにアイコンタクトを取って、「そこの駐車場に車を入れて」と口パクとジェスチャーで伝えると、
ANIは窓を開けて「そこの駐車場たけえんだよ。すぐ終わるから大丈夫」と自信ありげに言っていた。
(こんないかにもな車が薄暗い路地に路駐してたら怪しすぎるだろ)と思いつつも、貧乏根性が染み付いている僕は駐車場代を肩代わりしたくなかったので、しょうがなくそのまま車に乗ることにした。
ANIは頬がこけて目の下のくまがひどいハゲ気味の本田圭佑という感じの見て呉れで、いかにもジャンキーという印象を受ける。
いかにもな見て呉れの男がいかにもな車に乗って薬物売買をしているので、なんかの映画のキャラみたいでちょっとおもしろい。
僕は助手席に乗って、吉岡は後部座席に乗り込んだ。ANIは僕らが車に乗るなり、「おまえ家遠いんだよ。高速使って1時間半もかかったぞ」などと文句をたれていた。
僕はとにかく早く取引を済ませたかったので、ANIのぼやきをテキトーにあしらってから、「じゃあとりあえずこれ5万です」などと言って、ポケットに忍ばせていたお札を手渡す。
ANIは「おまえほんとは配達料取るんだからな。5万じゃきかねえぞ」などとぶつぶつ言いながら、後部座席に置いてあったクーラーボックスの中をごそごそと探って、大麻5gが入ったパケを2袋取り出し、僕に手渡す。
僕はヘラヘラとさーせんなどと言いながら、貰ったパケを開けて深く匂いを嗅ぐ。ANIの大麻はかなり質がいいので、匂いを嗅ぐだけでハイになった気分になる。既にハイではあるけど。
「はー。いい匂い。吉岡も嗅いでみる?」と後部座席にいる吉岡にパケを渡すと、吉岡も匂いを嗅いでご満悦の表情をしていた。
僕は大麻が入った2つのパケをポケットの両側にそれぞれ忍ばせると、「それはそうと引越し祝いありがとうございます」と例のコカインを催促した。
するとANIは「コカインはやらねえよ。つーか今日持ってねえし」などとほざいていた。
僕と吉岡は本当に初コカインに胸を膨らませていたので、心底がっかりした。ANIはその様子を汲み取ってか、「じゃあおれが今からスペシャルブレンドつくってやっから、それでいいだろ?」などと言い出した。
僕が「スペシャルブレンドってなんすか?」と聞くと、ANIは「1万円の価値はあるやつ」などと曖昧なことを言いながら、再びクーラーボックスの中をごそごそ探し出す。
クーラーボックスの中からは、錠剤が入ったパケや、液体が入った小さいボトル、空のカプセル、カプセルに粉を詰めるための器具、マイナスドライバーのような金属製の棒を取り出していた。
↑カプセルに粉を詰めるための器具
ANIは得意げにその金属製の棒を僕らに見せつけて、「これはロケットとかミサイルにも使われてる素材でできてるんだ。なんだと思う?」と聞いてきたが、吉岡が「ああチタンか」と即答していた。
ANIはきまりが悪そうに「…そうそう。チタンは鉄の2倍の強度があるんだ」などと言いながら、緑色のドクロの形をした錠剤をパケから取り出して、チタン棒で砕き始めた。
その錠剤を砕いて粉状にすると、次は黄色のドクロ型の錠剤を取り出し、砕いて粉状にする。そうして緑色の粉と黄色の粉を混ぜて2等分にし、手際よくカプセルに入れる。
僕は警察が来ないかヒヤヒヤしていた。もう車内に入ってから15分は経過している。もうブレンドとかどうでもいいから適当によこせと思いつつ苛立っていると、足元に3-4gほどの大麻が入ったパケが落ちているのに気がつ��た。
(あれ?ポケットから落っことしたのかな…)と自分のポケットを確認すると、確かに両側のポケットに大麻が入っている。じゃあこの大麻はなんなのだろう。
僕はANIに「なんか大麻落ちてるんですけど、なんすかこれ?」と聞くと、ANIは「は?知らねえよ。おまえが落っことしたやつじゃねーの?おれがそんなとこに大麻置いとくわけねーじゃん」などと、どうやら本当に知らない様子だった。
それを聞いて僕は、「あれー落としちゃったんすかねえ…」などとしらばっくれて、その大麻を頂戴(ネコババ)することにした。
それから、ANIは液体が入った小さいボトルを手に取り、その粉が入ったカプセルの中に2滴分ほど慎重に垂らしていた。
そうしてカプセルに蓋をすると、ANIは嬉しそうに、「これが特製の曲げ玉だ」とか言って、僕と吉岡にそれぞれカプセルを渡してきた。
僕は「これMDMAとLSDですよね? どれくらいの容量入れたんですか?」と聞くと、ANIは「いやー容量はわかんねえけど相当ぶち曲がるよ」などといい加減なことを言っていた。
多少不安ではあるが、たしかに悪くなさそうなカプセルだったので、礼を言ってポケットの中にカプセルを忍ばせた。
(ふぅ…なんとかミッションをクリアできた…)と安堵していると、ミラー越しにパトカーが来ているのが見えた。心臓が一気に縮みあがった。
.
つづく
.
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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明晰夢で感じた第六チャクラと明晰夢、現実と変わらないクオリティの世界への意識のシフト、そのためにチャクラの浄化によって低スペックPCからハイエンドPCな自分へのアップグレード!これが多次元地球論というお話
第六チャクラで明晰夢を見ている感覚
今日はちょっとおもしろい変化の話です
俺的独学のチャクラ感覚について前回まとめてます
体感で理解する独自のチャクラ理論
最近、なんか体と心の連動が上手く言ってない違和感が強くて、なんか違うんだよな〜( ゚д゚ )と少し横になってチャクラの浄化をしました
やり方は前にこちらの記事で書いてます
免疫力を上げる深い睡眠に入るコツを掴んだ話
今回は寝るつもりはなくて仮眠で横になっていたせいか・・第六チャクラに意識を集中してる時に、ふと雑念が混ざり最近遊んでたVRゲームを思い出してしまったのですよ
それがまさかあんな事になるなんて( ;∀;) Σ(゚Д゚)
夢の解像度アップ!?グラフィック8kゾンビ夢体験
最近どハマりしてプレイしてたVRゲームがこちら
※あえて怖い所から再生
海外ドラマウォーキングデッド好き……だからと言って、ウォーカーが徘徊するような恐怖の世界に入りたい訳では無い
普通はゾンビがいるなら行かなきゃいい……な所も生きるためには物資や食料を得るために行かなきゃ行けない
あえて死地に入っていく勇気を試される恐怖体感系VRなんですが、PSVRのゲーム自体は1080Pの解像度で本来の生身の目が捉えている現実よりも遥かに劣ります
VRゲームへ脳が適正する=低画質の世界に違和感を感じなくなった状態からゴーグルを脱げば、現実が高解像度のグラフィックすぎて、脳が酸素不足になり急激に眠気に襲われます
それでも遊んでしまうほど、中毒性というかVRの出来が良いんですよこれ(;´∀`)困った
そんな、ゲームの映像やVRシステム、体感系の操作感などが鮮明に記憶に刻まれた状態で、1~5チャクラの浄化&6に意識集中した仮眠の際に
体験記憶の映像がお昼寝白昼夢の明晰夢の中で 高解像に自動アップコンバートされました
明晰夢(自覚夢)という自分でクリエイトする空間において・・そのゾンビ世界観がリアルに再現されてしまったと想像してみてください
8kか12k相当と変わらない現実感あるグラフィック 味覚・嗅覚・触覚・聴覚・視覚の五感で感じる空間 ぐちゃっぬめっとしてそうな腐っているであろうオブジェクトの質感
現実の経験や体験から足りない部分を脳内自動補完され、ゲームの中のゾンビ世界の映像が……心から震えるほどに現実仕様にアップコンバートされていた
ゲームの中では軽々しく降っていた斧やバットも現実の重さでずっしり手ごたえ 両手で持って振りぬいたら簡単に息切れするゲームにはない呼吸の苦しさと鼓動のリアル
ゲーム内では意外と暗闇を照らしていた懐中電灯も 嘘だろ?!こんなに暗いの?!Σ(゚Д゚)とほとんど見えない
方角のわからない闇から迫り来る唸り声、と水浸しの下水を進んでくる足音 弱点はわかってる・・戦う覚悟を決めて腰のナイフを握りみがまえる
ゲーム内では手で頭をぐっとひきつけて、ナイフでトドメ・・だけど ライトで照らしたその姿……あれ!身長が大きすぎる?!Σ(゚Д゚ノ)ノ!あかーん!!
これは、引きつけたらそのまま噛まれてENDや!Σ(゚Д゚ノ)ノ!あかーん!!
って諦めた瞬間に、PCが処理落ちしたようにゾンビも景色も低解像度の粗削りなポリゴンみたいになって止まりました
その状態でもまだ目が覚めてないで明晰夢の中の状態だったので、例えるなら、ゲームのテストプレイをやめて裏方のデバッグモードに入った感じ?
そんで、あ、俺寝てたのか?!Σ(゚Д゚)と自覚夢だと気づかないほど、現実感が凄くて、冷静な判断が最初から最後までできなかった訳です
おそらく私の脳の処理がゾンビに襲われるという恐怖と感覚を切断したんでしょうね エヴァンゲリオンの初号機とパイロットの神経系を強制解除するように
実際は自分の意志で強制終了させたのか、それともGPUの処理能力が低くて処理落ちしたのか
そういえば、子供の頃から色んな夢体験してきたけど、痛みを感じる事や自分の死を体感する夢というのは見たことが無い
目覚めて時計を見るとわずか15分しか経ってなかった。ちなみに体感では3時間くらいに感じた訳で・・やっぱ人間の体って不思議(-ω-;)ウーン
この事から、いつもの確信をついた寝覚め閃きによる結論はこれ
夢はダウンロード 明晰夢はアップロード
【想像】はインスピレーション、どこからともなくやってくる しかし、それを形にするための【創造】は【現実の体験】によって再現される
明晰夢はその創造のワークスペースであり、自身の体験をアップロードして反映させる
自分だけのシミュレーション空間
逆に普段見る夢というのはダウンロード
しかし、夢は見た・・けど映像や瞬間、音など内容を覚えていない 断片的に覚えているが、全体像を完全に記憶して再現するのは難しい
これ、以下のように人間を生体コンピューターとして考えてみよう
ネットワーク帯域が悪い:ダウンロード回線が細い 低スペックパソコン :CPUの処理も悪く物理メモリも少ない
夢って断片化されて、前後の脈絡も登場人物もバラバラなランダムなケースが多い
そんな気がしませんか?
これを上記に当てはめて考えればストリーミング再生になります ストリーミングとは分割データを受信しながら再生を同時に行う仕組み
しかし、ダウンロードしながら再生するのにネット回線が遅いとカクカクしたり映像が飛びます。これにより音や映像の断片化が起き、前後脈絡のないシーンチェンジに感じるかもしれません
結果、全編ストリーミング再生が終わる前に目覚めてしまうため、分割ダウンロード済みの映像や音声しか覚えてないという訳です
個人的に夢ダウンロードの回線速度は第七チャクラの開きに関係してる気がします
またダウンロードした先の体のCPUもGPUもクソで情報処理が遅く、物理メモリもほとんど使えない低スペックな環境であれば
そもそもダウンロードする容量も足りないし、重くて再生もできないから夢も見れない
現実の出来事、忙しい毎日、寝ても覚めても明日の仕事や生活や将来の不安ばかりを考えている事に、脳の物理メモリのリソースを常に使用してて、夢や潜在意識からのメッセージを受信できない状態
これが夢を見たくても見れない人や見ても覚えてない状態と想定
そんな人でも、少なくとも夢を見るリソースくらいは作ろうよ! とできるのがチャクラの浄化 とわかりにく表現に聞こえるが
実際は
物理メモリの解放、メモリクリーン作業 ファイルの断片化の最適化、デフラグ作業
こういえば、なるほど!Σ(゚Д゚)と思うだろう
これをやるとやらないではまるっきりPCの状態が変わるというのはおわかりだと思います
人間も同じです
各チャクラの部位というのは、日常生活において使っていないようで使ってるし、汚れてないようでめちゃくちゃ汚れて、詰まったりして流れも悪くなったりしてる
けど、普通はそれに気づかない
本当はなんか調子悪いな・・という感覚こそが気づくための指標なのだが、天気のせいかな?変な物食べたかな?寝違えた?睡眠不足?等々
一般常識的な考え方や対処法に当てはめようとして、自分自身の体のサインに気づいてないだけ
本当は道具を使い終わったら手入れするように、車も定期点検でオイル漏れやオーバーホールなどのメンテナンスをするように、自分自身をコントロールしている重要なチャクラのメンテナンスをするだけでもだいぶ変わると思うので
チャクラの浄化 は意識して取り組んでみるといいと思います
ただ、夢を見る、夢日記をつけれるほど記憶できるリソースを確保できるのと、ほぼ現実と変わらない8Kや12K相当のクオリティの夢を見れるようになるは別です
私が今回、現実と変わらないクオリティの夢を見るようになったのは
例えるなら
低スペックPC程度のCPUやGPUだったものが 最先端VRもぬるぬる動くハイエンドPCに変わったようなもの
その理由はこれでしょう
物事の捉え方 意識のシフト/CPU&GPUのアップグレード
情報処理能力に必要なのはマルチタスクと描画能力 いかに多くの事を同時に処理して、明確に具現化するか
私は2018年の頃を境に、夢日記、明晰夢、夢の向こうの住人とのコンタクトを経験したり、不思議体験を経て、自分自身の内面と向き合う事をきっかけに物事の捉え方や考え方が変わり始め
���・と語ると長いので興味があれば夢日記カテゴリーと精神テクノロジーカテゴリーを読んでけれ(゚∀゚)アヒャ Σ(゚Д゚)ナゲタ
一個だけ、VRを体感した後の最初の変化の夢
2018年初夢診断 マトリックスな夢のメッセージ性が凄かった・・
この記事を書いた当時の私は・・現在の私が想定外なイレギュラーな存在になってるとは知る由もない(笑)ただ、内容を読み返したら、まさに今の自分の出現を予見していたかのような・・Σ(´∀`;)やっぱ夢のメッセージ性すげぇ
簡単にまとめれば、1つの情報から人が思いもしないような角度から物事を捉えて、それを明確にビジョン化して、情報を処理&描画する能力が高くなっていたが
ただ、最近は現実の事件、政治、ニュース、身内の為の新型コロナ対策、これから変わっていく日本、ストップ5G!などなど、とにかく持てる物理メモリのリソース全てを寝ても覚めてもフルに現実に使っていたために
寝起き閃き!(゚д゚)!はあるものの、映像も音も記憶に残ってません(笑)
どこかアカシックレコード的な図書館で、何かの情報を見てきたのかな?ってくらい、寝て起きたら頭の中に記事に仕上がったテキストデータだけ残ってる感じなので、起きたらすぐに携帯のメモに打ち込む事だいたい30分の日々(笑)
その現実に割いてたリソースが自分でやりたいと思ったVRゲームに移った事で、体感系の操作感と現実体験の脳の記憶をミックスして第六チャクラがアップコンバートし
解像度現実(8K/12K相当)のデータを、大容量高速通信ネットワーク帯域が拡張された第七チャクラを通して明晰夢空間にアップロード
結果、恐ろしいクオリティのホラー世界が出来上がった訳ですが(ノД`)・゜・
ここで・・そういう事か!と気づいたのは
こうやって新たな望む現実を創り出して、意識をその世界にシフトしていく という事
それが明晰夢という仕組みが備わっている理由だと考えれば、この世は肉体の体験をしに来ている場所という解釈の意味も通ります
痛みも苦しみも悲しみも喜びも楽しみも、自分の意識が求めているから起きる
自分の世界と言うのは、自分が見たいと思ったものでしか構成されない。そうやって現実で集めた体験を、現実と変わらないクオリティの夢という
新しい現実を自ら生み出して、それを夢だと気づかずに、「この世界はなんて素晴らしいのだろうか!ずっとここにいたい」
そういう気持ちになった時には、そこが新しい現実になっていく
これが多次元地球へのシフトって奴か!(゚д゚)ツクルノカ!
アセンションとか次元上昇というのは現実の中で起きる物理的なイベントじゃなく個人レベルで起きるのかもしれない
まとめ:自分自身のメンテナンスとアップグレード
ざっくりまとめます
第六チャクラの現実に割いてる物理メモリ・リソースを解放しろ!
チャクラ浄化して肉体のメンテナンスをしろ!
第七チャクラまで到達してネットワーク帯域を確保しろ!
物事を多角的に捉えて処理するマルチタスクできるようにCPUをアップグレード
情報からリアルビジョンを明確に描くためにGPUをアップグレード
自分が求める世界の理想像への想いを描け
要は「自分自身と向き合って、自分自身を高めろ!」というどっかで聞いた事があるような、ありふれた言葉なんですが
なんでそんな事を言うのか? という発言者の意図まで今までは考えた事もありませんでしたが
それが、人生のゴールに辿りつく唯一の道 という事かもしれません
人生とは、つまりはこの現実とは、作られた仮想空間です これについては、以前、うつしよ(現世)をカタカムナで読み解いた時に感じた事です
カタカムナで現世(うつしよ)を読み解いたらやっぱりVR説
ただ、出口がない訳じゃないんですね
ここは学び場、自分の人生設計・明晰夢でのクラフトに必要な体験を得る場所。本来は何の制約もなくそれぞれがワクワクする事を探究したい事を見つけるための場所
その体験から創造が生まれ、創造された世界へと意識はシフトして出ていく。出ていって終わりではなく、その先でまた同じように創造を繰り返して増える多次元世界
でもなぜ、そんな誰にも迷惑をかけないで己を高める知識が世の中に広まらないのか?どうして、オカルトや精神系の技法や自然界の意識を飛ばす系の植物の成分などを
毒物認定、違法な麻薬、脱法ドラッグなどと社会的なレッテルを貼って、それを実践する者、推奨する者を社会不適合者な害悪認定して遠ざけるのでしょうか?
それはつまり、答えを知ってるから
意識を外に出て行かせたくないのか、出た者が何かと接触する事を妨害する目的なのか・・いずれにせよ答えを知ってる者にとっては都合が悪い
だから、今まさにAI+5Gの社会において行おうとしている魂のデータ化の方向性
クラウドアップロードでサーバーに意識を永久封印 クラウドダウンロードで、肉体を乗っ取る
これを回避する方法のひとつが、意識のシフト 望む世界を自分で創造して、その世界へと意識を定着させる
私が自分で望んだ事が叶っていると感じるシンクロニシティが起きているのは、もしかしたら、少しずつ自分の望んだ事が反映された世界を創造して移動してるんでしょうね
漠然とファンタジーみたいな空想世界を創造しても、ここは現実感がないなとなれば意識が定着しないでただの夢で終わる
だから、あれ?望んだ事が叶ってないか?(;・∀・)というわずかな変化が起きた世界しかクリエイトできない(笑)
ただ、現実には存在しないゾンビが徘徊する世界ですら凄いクオリティで創れるようになった事を考えると、もっと具体的に、より良い世界を創造できるポテンシャルは得たという事かも
もし、これが誰かの脳内でのシミュレーションのひとつであり、集合的無意識で繋がっている世界70憶人の人たちの創り上げた創造の夢の中で
ほぼ全員が望む理想世界のようなものが出来上がれば同じ意識を持った人たちがいっきにまとめて意識のシフト!
・・ってやるためにはまず体のメンテナンス(;´∀`)イソガバマワレ
そのきっかけがチャクラの浄化 まずはそこから始めてみてください
今ではこんな事までできるようになっちゃってます(笑)
買えば一冊1000円~2000円するようなチャクラ浄化や精神系の知識の書物がよりどりみどり!Kindle Unlimited会員になれば追加料金なしで読み放題です
第七感で繋がる並行次元を楽しむために知っておく事
神覚 第八感 VRも並行次元も霊もなるほどな話
精神テクノロジー
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Crime and punishment ( in Japanese) 罪と罰 ソース:google photo 私たちはほとんど毎日聞いて、テレビのニュースでそれを見ます。それは、世界中のいたるところにある恐ろしい犯罪が日常的に行われていますが、ほとんどの場合、犯罪者は正義に陥ることはありません。 メキシコのドラッグシンジケートの指導者が逮捕されたとき、それは大きなニュースを作るが、まれに人々が薬物密輸がどのように継続し、誰がそれをやっているかを言及することはほとんどない。 ラテンアメリカの密輸業者が、北アメリカの市場にドラッグを持ち込む新しい方法に常に取り組んでいることが、彼らの主要な収入源であるため、私たちは皆知っています。 彼らは個人的な小さな飛行機を使って薬を飛ばし、どこかの地面に陸地に着陸させ、巨額の薬物を隠したり、国境の南にあるティフアナや他の部分から横断するために、トラックの虚偽の底を使用します。 彼らは高速ボートや潜水艦を使って薬を持ち込む。 これらの犯罪者は、ハイテク機器を購入して、ボーダや飛行機に装備して、沿岸警備隊や国境の代理人に近づくよう警告する莫大な資金を持っています。 彼らには通信機器とリスニング機器があり、警察の声を聞くことができ、捕まえを回避することができます。 彼らは国境のフェンスの下にトンネルを掘って薬を持ち込み、彼らは数千ドルのために命を危険にさらし、しばしば捕まえられるノワリを使う。 今日私は、人類が直面している薬物脅威だけでなく、世界中の国々に蔓延するあらゆる種類の犯罪について書いていきたいと思います。 犯罪者は、ネパールの村の無教養の女児を、インドの大都市で良い仕事を約束し、彼らが避難できないところから売春宿にすぐに売る。これは人身売買と呼ばれ、世界中で非常に大規模に起こっています。 彼らは戦争や抑圧や飢饉のために国を逃亡している絶望的な人々から巨額の金を奪い取って、仕事や新しい生活を送るためにヨーロッパに行きたいと思っています。 これらの人身売買業者は、救護服を着用していない靴を着て地中海のランペドゥーサ島やその他の島々に送りますが、船が転覆したときに何千人も死亡しました。 他の人たちは、イタリアやギリシャの海岸警備員によって救助され、ヨーロッパのキャンプに持ち込まれ、当局が何をするべきかを決定するまで何年も衰えている。 オーストラリアの海岸警備員によって傍受され、何年もオーストラリアを管理している遠隔地の刑務所収容所で長年失踪した人もいます。 それから、中東諸国から安全な国に逃げようとしている戦争難民があります。彼らはハンガリーやリトアニアのいくつかの国境を越えて彼らを密輸して、巨額の金を払ってすぐに彼らを捨てると約束している犯罪者によって犠牲にされています警察や国境警備隊のサイン。 バングラデシュ、パキスタン、その他の貧しい国々からの経済移民で、ヨーロッパでより良い生活を送るためには、偽の書類やパスポート、偽のビザを得るために密輸業者に莫大な金額を払っているので、繁栄し続けるビジネスです成長する。 人間の密輸業者は、ヨーロッパの新聞に魅力的で無実の広告を置いています。これは、セクレタリー・ジョブやゲスト・リレーションシップ・オフィサーの仕事を、若い、たいていはかわいい女性に提供し、中東の売春の生活の中でこれらの女性を逃れることのできない場所に閉じ込めます。 中国やベトナムでは、香港やマカオの売春で若い女性を募集しているので、工場やバーで雇用されていると思っている農村の貧しい女の子たちは、牡牛の奴隷として終わる。 国連の報道によると、この方法で何百万人も人身売買されており、犯罪者には数十億ドルの収入があります。 悲惨なのは、犠牲者が、ソマリア、リビア、シリアよりも良い生活を約束する国を見つけることが必死である貧しい人々であることが多いということです。なぜなら、船に乗って海を横断する絶望的な措置を取るからです。過程の中で。 多くの場合、赤ちゃんの体はイタリアやギリシャで漂着します。 いくつかの国では、当局は人身売買事業に腹を立て、密輸業者から金を稼ぐか、ドバイやアブダビで繁栄する売春に目を閉じ、不運な女性を悲惨な生活から救うためにほとんど何もしない彼らは彼らの必要性に応え、自分の女性を守るためにこれらの外国人女性が必要です。 そして、奴隷労働者と呼ばれる奴隷が、インドやパキスタンのレンガ工場で賃金を支払わずに仕事を余儀なくされているのは、彼らの両親が返済できなかった額を借りたからです。 これらの奴隷のうちのいくつかは、若くても10歳です。 これらの子供たちを時々救助するための努力がいくつかありますが、幸運な少数しかNGOや政府からの援助を得ていますが、無数の人々が奴隷制度の生活の中で暮らしています。 NGOは奴隷所有者や囚人による暴力に脅かされているので、恐れているだけでなく、そのような不利な状況に直面した場合には助けになる能力に限界がありますが、それでも彼らの仕事は賞賛されます。 人身売買され、売春宿を逃れたネパールの女性は今、村の女の子を助け、救助しています。 彼女は生計を立てるために貿易を学んでいる場所に避難所を開いていますが、問題の規模は大きすぎるため、女性1人だけは処理できません。 その後、絶滅の危機に瀕した動物、カンボジアのアンコールワットや他の寺院からの略奪された遺物、象牙密輸、エジプトや他の国々の墓地から荒廃した遺物、希少な生きている動物、鳥などの密輸の密輸業者非常に長いです。 それは、犯罪者がこのようにして多くの金を稼ぐために起こります。 もし彼らがしばらく捕まったら、彼らは罰金を払ってどこかの刑務所で数週間過ごしますが、結局彼らがどこにいたのかを取り上げます。 それはすべて運用コストの一部です。 イラク、シリア、アフガニスタンのテロリストは武装勢力のために薬を販売しているため、アヘンが摘出された大きな農場では養子縁組が栽培されている。 貧しい農家は彼らが唯一の収入源であると言って、彼らは養子縁組を続ける。 テロリストは地元知事やその他の人に報酬を支払うか、あるいは彼らの活動に干渉するならば、彼らを死に脅かす。 最近、ミャンマーと呼ばれる北部ビルマでは、戦争君主がケシの畑から巨額の資金を調達し、タイ、ベトナムなどに販売するのと同じ話です。 ベトナム当局者は、彼らが私有飛行機で輸入した薬品から多額の資金を調達し、米軍兵士に売却し、死亡胃腸管の体腔内で米国に貨物を輸送した。 私は、日本のヤクザやシチリアやアメリカのイタリアのマフィアは違法行為が知られており、ゴッドファーザーのような映画に表示されているので、マフィアのような犯罪組織が存在するとは言い難いあなたが懲罰を負っていないか、腐敗した役人と協力して、どちらの国で働いているのか想像することができます。 犯罪者が乗り越えるために使用するあらゆる種類の違法かつ偽の旅行書類の製造業が繁栄しています。 すべての国がeパスポートと国境を越えて人々をスキャンするデータベースを持っているわけではありませんので、これらは違法入国の裏口になります。 アムステルダムの通りを歩き、裸の女性が踊り、飲み物を提供するいくつかの日陰のナイトクラブで言葉を伝えれば、��なたは価格について考えることができる書類を手に入れることができるこれらのキャラクターのいくつかに会うでしょう。 映画ジャッカルの日に、暗殺者はそれらを作るのが非常に良好であり、彼の偽造パスポートを取得した後、仲間を殺す仲間から偽の文書を取得するために、ドイツのバイロイトに行きます。 その後、彼はド・ゴールを暗殺し、失敗し、警察の査察官によって死に至る。 これは私たちが住んでいる犯罪の世界です。毎日何百万人もの人々の生活に触れるため、犯罪から本当に安全な人はいません。 ほとんどの人は普通の生活を営む普通の人で、自分のビジネスに気を使う人はまともですが、まともな人はいません。 犯罪は早期に始まる 非常に貧しい人々が住むゲットーは、どこの犯罪者にとっても産卵地であるということは偶然ではありません。 それは、孤独な母親が洗濯している洗濯作業に苦労している壊れた家庭から始まり、彼女の不法な子供たちが悲惨な生活を送っているところから始まります。 彼らは学校を早期に中退し、近隣を恐怖させ、薬物を売ったり売春婦として女性を経営したりするギャングに参加する。 その後、ロックビル・バルボアのように打ち負かすことによって借りた人からの契約殺しや収入を含む、より高いレベルの犯罪に卒業する。 小売りの薬の販売は彼らにお金とファンシーな車と服をもたらします。 彼らはそれがどこかガリで死んで終わることを意味している場合でも、この生活に入るように、「 私たちは何を奪われず、 任意の手段によってそれを得るだろう 」感は、それらの間に強いです。 マフィアの人々は、犠牲者をラスベガスの近くの砂漠に連れて行き、墓地を掘って殺すシャベルを与えます。 それは、ビジネスの名のもとに、すべてとてもきれいに、専門的に行われます。 今アフリカの村に行き、犯罪性がなぜそんなに低いのかを見てみましょう。 アフリカでは、村は遠隔地で隔離されていることが多い。 マリのいくつかの村はとても遠いので、雨季には悪い道を通ってそこを旅することは難しいです。 この孤立は、すべての村人をお互いに近づけるため、彼らの祝福です。 彼らはお互いを知り、何とか結婚によって関係している。 選出された人である村長は最高ですし、尊敬されています。 すべての村の喧嘩は、正義の公平な制度が支配する村の評議会で選別されます。 村長でもある村評議会長は、特定の事実に基づいて決定を下し、人々が判決を受け入れ、平和が回復するようにする。 訪問者が木の下で待っている間に村長がそうするよう指示しない限り、外部者は誰にも受け入れられません。 注文が届くと、村人は突風を受け取り、きれいにし、それらの小屋を用意します。 女性たちはお湯を持ってきて、おもてなしの一環として、お湯を洗って準備します。 それだけで、��長は訪問者に訪問の理由を尋ねます。 畑からヤギやトウモロコシを盗むような卑劣な犯罪は、他の方法で罰金や賠償を課す可能性のあるチーフによって迅速に処罰されます。そのような活動を止める特定の措置を講じる村評議会の知識がなければ、誰も違法行為をすることはできません。 しかし、彼らの社会生活の中で最も興味深いものは、老人たちがすべての子供たちに注意を払って行動することです。 今、アメリカで誰かの子供を殴って、違法行為をしているところを見てみましょう。しかし、アフリカの農村の多くの国で、子供たちはうまく行動しており、両親は彼らの規律のために長老たちに感謝しています。 長老たちがそのような権力を持たず、村長と評議会がいない都市では事態が違って犯罪が繁栄します。 そうしたやり方で、バマコとダカールは、米国やヨーロッパのゲットーと何ら変わりはありません。そこには、刑事免責を受ける暴力団があります。 今、私たちはアジアに戻って、中産階級のコミュニティで人が孤立しているのを見て、隣人を知らないので、彼らに何が起こるか気にしません。 ヨーロッパや北米のようなもので、ほとんどの人が住む巨大な郊外が住民の間でこの隔離と孤独を育んでいます。 アジアの村落はまだまだニットではありますが、アフリカの村とはまったく異なります。 インド、パキスタン、バングラデシュには村があり、村の評議会は小規模な問題を規定し解決するが、彼らの部族的、文化的、宗教的規則にも縛られているので、村の評議会は聞いたことがない。パキスタンの侮辱罪やそのような犯罪の一部。 彼らは、北インドの村の若いレイプ犠牲者に、レイプの息子たちを告発することを敢えて裸にするよう命じた。 ここでの彼らの偏見やカーストに基づくバイアスは、彼らの部族の習慣や狂信的言論はもちろんではありません。 だから、村長がその人物や道徳観に基づいて村人たちによって選ばれたアフリカと同じではありません。 私は私の以前のブログで述べたように、村の評議会の多くの場合、不公正な判断は間違っ徒への不処罰を与えることは、この文脈で読んで価値があるかもしれないので、 カーストの偏見と呼ばれます。 ハイチでは、人々がどこかで迷惑行為をしたり、何らかの方法で罰せられるブードゥー教の司祭に行くところに勝つ社会的正義があります。 私たちは皆、ひどい犯罪で有罪判決を受けた場合、人をゾンビに変える方法を聞いてきました。 彼らはフグの魚からテトラドトキシンと呼ばれる毒を作り、何とかそれを管理するので、仲間は数日間死んでいるように見えるが、ゾンビのような状態で起きる。 他の国では、裁判制度が失敗した場合、部族評議会、村評議会、社会正義の村長がいます。 だから、最初の犯罪性は、薬物を盗んだり売ったりするような小さな方法で始まり、そこから上っていく。 そのような人々は、彼らが支持を得ていない家族や、両親にモデルの家や必要な世話を与える余裕がないところから来ます。 しかし、貧しいだけで私が以前に言及したように、犯罪性に向ける理由ではありません。 アフリカの村では、彼らは共同支援システムを持っており、人々はお互いを見ているので、貧しい人々はすべて犯罪者になるわけではありません。 彼らの社会は、宗教や部族の習慣によって影響を受ける特定の倫理基準や道徳的価値に基づいています。 人々が都市に移動してゲットーに住んでいるときには壊れてしまい、都市ではより多くの犯罪が発生し、農村では犯罪の増加が見られます。 罰: 多くの国で認められている裁判制度は、刑事処分を扱っています。また、弁護士を雇って訴訟を起こすにはあまりにも貧しく、小規模犯罪に対しては非常に長い懲役刑が科せられることがあります。 しばしば、一部の国では白人に有利な司法制度があり、同じ犯罪で黒人を罰することがあります。 米国では、納税者に多額の犠牲を払って200万人が刑務所で暮らし、毎年より多くの刑務所に収容される刑務所が増えていますが、その他の国では軽微な犯罪を行う人々には、麻薬リハビリセンターは、犯罪が薬物関連のものであれば、 怒りに陥った人が二度目のチャンスを得て、彼の間違いから学ぶので、リハビリテーションは投獄よりもうまくいくことが証明されています。 刑務所は、しばしば拘留されれば暴動を起こし、騒乱を起こす犯罪者を強硬にする。 他の国では、薬物プッシャーとユーザーは、法外で働く警察や自警団によって殺されますが、薬物使用者やプッシャーは、適切に装備されたデトックスセンターで正常にリハビリできます。 貧しい国は、そのような施設を持っていないか、または警察が殺害を余儀なくされるように、それを必要とするすべての人々を収容するのに十分ではありません。 警察は犯罪と戦うために、訓練、適切な装備、道徳的、倫理的基準、被告の権利に対する尊重、司法制度に対する尊敬と違反者に対する偏見を必要とするが、多くの国の警察は腐敗し、訓練が不十分であり、インドのようなシステムで、彼らがより低い階級の人々に劣っていると感じ、不当にそれらを扱う。 だからもう一度私は犯罪性の根本的な原因に戻ってきます。 基本的な家族価値の喪失、貧困家庭が提供できない道徳的・倫理的価値の喪失、まともな家の不足、手頃な教育制度の欠如、若者の犯罪行為を促進するゲットー生計まずギャングに参加して力を発揮し、そこで降りる。 私は、国家が経済的に成長するにつれて、彼らが中国でやっているように、社会の中で非常に貧しく疎外された人々の生活水準を上げることを願っています。 彼らは貧困から4億5,000万人を救済し、まともな住宅と雇用を彼らに提供しました。 それは彼らがすべての問題を解決したことを意味するものではありませんが、正しい方向に大きな一歩を踏み出しました。 民間人の銃の禁止は、犯罪の減少に重要な役割を果たしており、オーストラリアやインドではその方法がエミュレートされるようになっています。 私はハイチ人の戸籍制度が犯罪と戦うために多くの国で章を開くことを提案しているわけではありませんが、間違った行為者に対して迅速かつ強力な処罰を加えて貧困と犯罪を減らすために、 それまでは、私たちはすべて悪い人たちの慈悲に満ちています。
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【スマートジャンキーリポート4】
「お前となら何でもできる気がする」
親友と部屋で大麻を吸いながら「青い春」という映画を見ていた。
この映画は自分達が大学生の時に一緒に見たことのある映画だった。
松田龍平や高岡蒼佑が出演している青春映画だ。
「幸せなら手を叩こう」
と落書きの描かれた学校の屋上で柵の外に立って手を叩いた回数を競う"ベランダゲーム"を行い、失敗すると校庭に落ちてしまう。
という、道のない未来へ進みつつある不安定な不良達を描いた話。
当時自分は無職だった。
この時は24歳くらい。
会社からボーナスを貰ったタイミングで計画的に辞めた。
学生の時に水商売のスカウトをしていて、そのおかげか貯金もあった。
親友の仕事は広告関係で副業もやっていた。
ルームシェアなので生活費はあまりかからなかったし、ドラッグ遊びをやるくらいのお金の余裕はあった。
もしお金が無くなったらまた適当に考えればいいと思っていた。
この日は新宿のヨコヤマのところに行き、新しいドラッグを入手してきた。
パケに入った紫色の毒々しい色をした錠剤。
MDMAだ。
自分達はケミカルにも抵抗は無かった。
むしろ何故これまで入手しなかったのか不思議に思ったくらいだ。
後から調べたところ、その錠剤は、
「パープルマセラッティ」というMDMAだった。
MDMAを摂取し始めてからはよくEcstacy DataというサイトでMDMAのことを調べていた。
今このサイトはDrugs Dataという名前に変わっている。
まず最初にMDMAの注意点から。
・半分食べて1時間ほど様子を見る
・足りなかったらもう半分食べよう
・気分が悪くなったら動かず安静に
・空腹で食べると胃が悪くなる
・だが、強く効かせたいなら空腹がいい
・もっと強く効かせたかったら2〜3個食べよう
・ウィダーとキャベジンを飲んでから食べると胃のダメージが軽減される
・吐きたくなったら吐こう。吐いた後は調子が良くなる
・水分不足になること多々。たくさん水を飲め
・遊び終わったら風呂に入る。半身浴がいい
・寝る時は草と眠剤
少し多いけどこんなもんかな。
またセッティングとかは詳しく書く。
あとは死ぬ気で楽しもう。
ドラッグユーザーが周りにいなかった自分達はネットでドラッグの接種方法や作用や体験談などを調べていた。
MDMAの作用には多幸感と書いてあった。
よく分かんねえな、と思った記憶がある。
そしてその日はネットで拾った知識を元に空腹の状態で舌下投与をした。
舌下というのは下唇の中に入れてMDMAを溶かして吸収させるという方法。
今考えるととんでもない方法だ。
というのも、MDMAはめちゃくちゃ苦い。
この世にある経口摂取するものの中で、苦さのランキングがあれば三位以内には確実に入ると思う。
考えただけで憂鬱な気分になるくらい苦い。
化学薬品の味なんだろうけど、他には例え難いくらいだ。
しかもこの方法で接種すると下唇がただれることさえある。
「溶け切るまで我慢しろよ」
唇の中でMDMAが溶ける時間は地獄だった。
それでも我慢した。
MDMAをより強く効かせたかった。
溶け切ったあとは机の上にあったコーラを飲んで胃に流し込んだ。
飲み込んだ口の中はとても苦くて気持ち悪かった。
「クッッッソまずいなこれ」
「ちゃんと我慢した?」
「当たり前だろ」
30分くらい経ち、体がやけにフワフワとしてきた。
「ちょっと気分悪くなってきたからトイレ行ってくるわ」
親友はそう言ってトイレに行った。
MDMAを接種すると嘔吐することがよくある。
自分は吐き気はなかったが、体が熱くなり発汗してきた。
気持ち悪そうにしていた親友だが、トイレから戻るとケロッとした顔で戻ってきた。
「吐いた?水いっぱい飲んだ方がいいよ」
「全然大丈夫。めっちゃ元気になってきた」
「良かった」
「そろそろ動きたくなってきたな」
「外にでも出てみる?」
「いいね行こう」
ソファーから立つと浮遊感が凄かった。
本当に浮いているみたいだった。
そして自分達はいつも通りジョイントを巻いて世田谷公園に向かった。
体の感覚が普段と違い、上手く歩けなかった。
照明がやけに眩しい。
その日の公園はいつもとは違い、やけにキラキラしていた。
瞳孔が開いていた。
公園に着いたところで親友はジョイントに火をつけた。
「調子はどう?」
「めっちゃいいわ。お前は?」
「最高」
MDMAと大麻は相性が良い。
体が軽くなり、MDMAの作用が増幅されるような感じ。
そして何故か無限に吸えてしまう。
喉も痛くない。
味も普段より美味しく感じる。
そしてまたフラフラと2人で歩いた。
1〜2時間経つと効きがピークになり、目の焦点が合わなくなっていた。
これが俗に言う目ブレ。
2人で公園の遊具を片っ端から遊んでいった。
子供に戻ったような感覚がした。
ブランコに乗った時なんてMDMAの作用である、浮遊感と相まって空に吹っ飛ばされるんじゃないかと思った。
体が異常に軽かった。
空は星が綺麗で見上げると吸い込まれるような感覚がした。
最高だった。
一通り遊具で遊んだ後は疲れてしまったので、家に帰った。
部屋に戻ってからは大麻を吸って先ほど途中まで見た「青い春」のラストシーンを見た。
そのシーンを真似して手を叩く親友を見たら何故だか面白くなってゲラゲラ笑った。
気がついたら6時間くらい経っていた。MDMAの作用も収まってきた。
小さな錠剤にはたしかに幸せが詰まっていた。
初めてのMDMAは背中に羽が生えたみたいだった。
この頃、将来のことには無頓着だったしどうでもよかった。
今が楽しければ何でもいいと思っていた。
一才悲観はしていなかった。
親友と一緒なら何でもできると思っていたから。
確かにあの時の自分達には何でもできた。
MDMAの抜けは他には形容し難い、虚しいような、寂しいような感覚がする。
小学生の頃に夕方まで友達と遊んでから家に帰る時の、まだ遊びたいのに帰らないといけない感覚に似ていた。
この感覚はどことなく、人との別れを経験する時の感覚とも似ていて苦手だった。
※この物語は全てフィクションです。
違法薬物の使用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。
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