#カラダ以外は縛られたくない | Explore Tumblr Posts and Blogs

me--me--me · 3 months

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番外編・みーくん生誕祭()お誕生日スペシャル🎂

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おはこんハロチャオ(*ΦωΦ*) みーくんです♪🐈‍⬛

みんな最近このパルデア顔面国宝イケメンの補給足りてないと思うので置いておきます(はァ？🐰)

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よい子のパルデアチャンピオン及びブルベリチャンピオンのみんなー‼️お久しぶり❣️✋😸🎶

諸々やっと落ち着いて今この記事を書く本日。

一応、近況を話すと昔からの仕事を勤める一方で、次に本腰入れたい仕事から貰った課題を熟すダブルワークみたいになっちゃってた➕諸事情で内科に罹ったりで何かしら絶対に予定がある日々が続き、悉く整った休日が取れない又は潰れてしまっていたのである。

そんな中、訪れてしまった2024年7月。

刻まれゆく初週、迎えてしまった誕生日…🍦‬

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て事で今回は貰った誕生日お祝いイラストを自慢したいだけの記事です。自慢させてください。そして見てください。見ろ。(なんだァ…コイツ…😅)

まず我らが主人公兼イケメンインテリヒロインことてゃ♡(シエル♡)こと鴨見居たん🌼から貰った

顔面国宝イケメン大会優勝殿堂入り世界レベルイケメンチャンピオンのミーくん🐈‍⬛ですちょっと待ってくださいね

💥💥🌋🏩ドエロすぎ🏩🌋💥💥

おい‼️‼️‼️🥵😡🤬💦💦顔が〝良すぎ〟ない……カナッッ？？？😁💦❓❓❓❓❓❓おぢさん……そんな艶めかしい眼光に射抜かれちゃったら〝どうにか〟なっちまうョ……💕🥺💘💦💦あとさァ…❣️💦

🌋✋指先エロすぎ✋🌋

なんですかその手先は⁉️⁉️⁉️😭🥺😤何する気なんですか⁉️⁉️💢💢👺👺👺💢💢♥️♥️♥️💦💦💦こッ……こ、こここここの……いつもの四人グループのR指定担当がよォ💢💢💢(そんな担当あったっけ……❓😅💧‬)

これは貰った当時の新鮮な反応なのですが興奮し過ぎて気さくなジョークも挟んじまったよナ😋💦(お前もう二度と喋るな定期)

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余りの衝撃で歩くR指定のイケメンにばっか触れてますがハルトリゲル(ドヒドイデ)マジで上手すぎオブ可愛すぎ🪸💘🥹💕おめめ光ってるの好き過ぎ✨️💕

そんでもって背景に咲く薔薇🌹がさァ……❣️またこの絵に漂う🏩妖艶なムード🏩を後押ししてて堪りません……お前誘ってんのか……？どうすんだよ……ッ！

首元の衣服から覗いてる喉仏もエロ過ぎんだろ……ッ！！どうすんだよ……ッ！！！どうしてくれんだよ……ッ！！！！

めちゃエロエロ書いてるけどこのtumblrBANされたらどうしよう😅その時はカラダで払ってくださいね(最悪)

この男の同人誌待ってます。

(大変ド真剣な眼差し)

そんじゃ次いってみよー‪⸜‪‪‪‪‪︎🐣⸝‬‪‪

関西が生んだ奇跡のド天然神絵師こと皆大好きおむ♡(タマ♡)ことオムライス🐣から貰った

超有名ホラーゲーム・ポピ.ープレイタ.イム発祥である伝説の絶滅危惧種カップリング・デイナプちゃんです🐶🐱

天使が二匹⁉️❣️😫❣️⁉️わたあめみたいな優しい色味が可愛すぎ〜🥹✨️🌷おむの絵柄も相俟って癒し系ふわふわ空間になっており、先程まで邪(よこしま)な言葉ばかり紡いでいた俺の穢れきった心が浄化されるゥ〜〜⤴︎︎⤴︎︎⤴︎︎💦😇⛪️🌸

まるでホラゲ版シルバニアファミリーのような愛しさと安心感。漫画の構成も見事なもので嫉妬しちゃうドッグデイとムニュッとお口塞がれちゃうキャットナップ……激kawaiiね……🥹🙏💕ぐるぐる巻きにしてるのも束縛する程の〝愛〟を感じて尊い……💓🤦‍♂️

デイナプ……？🧐なっ……何ですかソレは…⁉️となっているアナタに簡単な説明をすると、

【 ⚠️ 以下ゲームのネタバレ注意】

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ドッグデイくん🐶とキャットナップくん🐱は写真でハグし合う程の親友でしたが、キャットナップはドッグデイと出会うよりも前に瀕死の重症を負う大事故に遭っており、その時に助けてくれたプロトタイプ✋(おむの絵にもいる鉄製の爪みたいなヤツ)に対し強すぎる恩義と盲目的な信仰と忠義を抱き慕っていた。

後にプロトタイプが起こすオモチャ工場内の人間🟰従業員皆殺し計画にもキャットナップくんは加担。それに反対し抵抗したドッグデイくんや、その仲間たちは捕えられてしまう。その後に恐らくプロトタイプの命令からキャットナップはドッグデイ達を地下の牢獄に閉じ込めて拷問。その過程でドッグデイ以外の仲間は死亡。

月日は流れ十年後、ゲームの主人公がドッグデイの元に訪れるが僕は手遅れだと主人公を諭し、激励するドッグデイ。しかしそれを良く思わなかったキャットナップからの指示を受けたオモチャ達が彼を襲い体内に侵入し蹂躙。そのまま身体を乗っ取られたドッグデイは主人公を追いかけ回した後に死亡してしまう。

ちなみに、このチャプターではラスボスであるキャットナップも主人公との死闘の末、最終的には自分の命の恩人であり忠誠を誓っていたプロトタイプから直々に手を下され死亡してしまう。もうちょっと書くと、ドッグデイ、キャットナップは元々孤児院にいた人間の子供であり被検体にされた過程で作品上の姿になっている。

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というのが大まかな彼らの流れなんですけど全ッ然ッ簡単にも簡素にも書けてない。すみません😸💦

そして大抵の人が思ったであろう、

コイツらのカップリング要素は何処なんだ？と…

主流なのはナプデイだしネ🥹💦ただ聴いてください…！キャットナップくんはプロトタイプに陶酔する以前は大人しくて恥ずかしがり屋(重要)な男の子だったんです…ドッグデイくん至っては最期まで光属性で且つ活発でリーダー的存在でした。

もう分かりましたね。

僕は光の包容力攻め×闇の大人しい子受けに滅法弱いのだ😭🙏🐶🐱😨

お.そ松だとカラ一、弱ペ.ダだと石御が同人誌買い漁るほど大好きだったと言えば極一部の人は理解してくれる、ハズ(小声)

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そんなこんなで❣️かなり脱線しましたが俺の好きなCPを最高に可愛く、持ち前の癒しオーラをフル稼働して描き下ろしてくれたおむちゃま…♡🥹💘🐣🌷

🐣🌷A☆RI☆GA☆TO☆🌈🐣

オリゴ糖(ボソッ…)(なに？😅)

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趣味の方の近況報告だと最近のみーくんはTOP4の動画ばっかり見てます。面白いです。レトさん最推し🦀レトセトラ当選したから遊びに行くよー‼️🚃🐈‍⬛💨

あと彼ら見てて思うのが、仲の良い友達同士が集まって遊ぶのってやっぱ良いな〜と、つくづく。

性別違えばてゃおむけーちゃん誘って四人実況撮ったりしてた未来があったのかもしれん。なんつって🤪

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(2024/07/09) 🎋🐈‍⬛

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goodapple75 · 4 years

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おはようございまーすきっこうちゃんの陶器鉢と植物（ガジュマル）バイロンの鉢と記念撮影📸✨✨ バイロンの鉢でサボテン🌵を枯らしちゃったので今度は枯らさない様にそだてます😅💦 #きっこうちゃん #kikkouchan #カラダ以外は縛られたくない #kaiju #kaiju_byron #rangeron #shokonakazawa #t9g #山椒魚怪獣バイロン #山椒魚 https://www.instagram.com/p/CB1sJKFjIUH/?igshid=1bmi5sgcwvsjd

#きっこうちゃん #kikkouchan #カラダ以外は縛られたくない #kaiju #kaiju_byron #rangeron #shokonakazawa #t9g #山椒魚怪獣バイロン #山椒魚

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blank-mag · 6 years

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BLANKMAG Taipei Pop Up 🔜🔜Starting today from 14:00 🔜🔜 • It is limited edition only in Taiwan. Presales 5/11-5/13 @waitingroom_taipei •T-shirts "Waiting Room" only • Time：14:00-21:00 Place：Taipei City, Zhongshan District, Alley 10, Lane 40, Chang'an West Road, 1 (journal standard Taipei start selling on 5/13) • 只在台灣限定販售。 5/11至5/13 @waitingroom_taipei 首次販售 •T-shirt 只會在"Waiting Room" 限定販售• 活動時間：14:00-21:00 活動地點：台北市長安西路40巷10弄1號 (5/13開始在 journal standard Taipei 販售) • #kikkouchan #きっこうちゃん #除了身體以外都不想被束縛 #カラダ以外は縛られたくない #waitingroom #waitingroomtaipei #blankmag #blankmagbooks #空白雑誌書店

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hon5-tba · 6 years

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S3E8:チラ見感想

S3第８話「Crash Course」の感想です。

私の大好きな３号とジョン王子と宇宙兄弟が活躍するという、とってもラブリーでオイシイ話でした♥

YouTube動画の方は、何だか密林が乗り出してきて、地域制限かけだしてるようなので、動画は早めにご覧になることをオススメします（ITVはいいって言ってんのに何だよ密林め！）今のところイギリス・アメリカ・ドイツ・インドからは見れないみたいですが、日本もいつ制限かかるかわからんので･･･（動画置き場はこちらです）

ゲストも磨きがかかっております。CGの使いまわしパーツは多いんでしょうけど、S1やS2で感じたゲストに対する「あれ？またこの人？」みたいなデジャヴ感は少ないかと。

口論のセリフも汚い言葉とか一切出てこないので、キレイな口喧嘩なのだと思います。その分もしかすると現実的ではない口論シーンなのかもですが。

そういえば顎ではOh my Godさえ出てこないんで、やはり言葉にはかなり気を遣ってる番組なのではないかと。子供向けですしね。

ちなみに、この女性ジュリエット・マーティンの声優さんはEOSと同じなんですね。全然わからなかった。

で、口論でマイっちゃってる５号のお兄さんｗ

S2の時も思いましたが、やはり全体的にCGの質がさらに上がったというか、ヌラッとした動きが増えたというか。（わかりにくい表現ですがｗ）表情の細かい動きも増えたと思います。

ジョンがさらに大人っぽく見えるのは気のせい？

ジョン以上にアランは大人になったように見えますね。背も伸びたんじゃないの？

アランは兄弟の中で仲裁役なんでしょうか？

まあ、この子もけっこうなビッグ・マウスなので半信半疑ですが、兄さんたちはけっこう口論したりするんですかね。トレーシー兄弟は育ちの良い穏やかな御曹司たちの感じがしますけど。

で、自信満々な末っ子をジョン兄さんも止めやしないと（笑）宇宙へ飛び出すアランたん。

↑ディスクってたぶん「刃」のことだと思います。円盤状の。「丸ノコ展開！」くらいの訳しても良かったかも。

とにかく、切り取りが大好きな末っ子。新シーズンではアランの「カットしていい？」みたいな発言が何度か出てくるので、彼のレスキュースタイルはカットなんでしょう。

頑張る３号！これ、貨物船を２台も重力に逆らって引っ張っちゃったから、燃料を大量に食って、なくなった、ということなんでしょうか？

火星や水星に行けるイオンエンジンは超低燃費ってこと？

まあ、いいや。宇宙のフシギ、３号のヒミツってことで。

軌道に戻れば、今度は宇宙ゴミ（デブリ）の襲来だ！

↑ここも訳が変で申し訳ない。アランは小粋なことを言ってると思うのですが、我が文才では処理できず…。

このブンブンとゴミが飛んでくる様子も良かったと思います。

↑アランのセリフ、ちょっとこれ、意味わかんなかったのですがね。地球の周りをぐるぐる回ってるので、もう１周しちゃったということが言いたいのかな？宇宙ゴミも同じくグルグル周ってるので、またやって来るぞと。

今回、「低軌道」という所もポイントだったかと。あのISS（国際宇宙ステーション）も90分で地球を１周する速さ（マッハ20以上）じゃないと軌道を維持できないそうなので、今回は相当な速度の中でのレスキューであり、音速級の物が衝突したらそりゃ大惨事であり、１周してくるのも本当に時間がないと。

はい！そしてやってまいりました！奥様ウットリのジョニー・イズ・ゴーの時間です！！！

↑このね、飛び上がった時の尻が一番エロイと思います。

ジョンのことは、３男として見ることに決めたものの、このカラダを見るとどうしても次男に思えてくるのは何故なんだろう・・・罪深きエロボディ。

そして、いつの間にか相手を心配し合うようになってた２人。

ゲストたちの心情の変化も、今回の見どころの一つだったかと。前回もそうでしたが、短時間で人が変わっていく様子っていうのがハッキリ見て取れるところも面白いです。実に明快でよろしい。

で、やっぱり切り取り大好きなカット魔な末っ子ｗ

新シーズンでは、宇宙兄弟の仕事が増えて嬉しい限りですね！ジョンがEXOスーツを得たことが行動範囲の拡大につながっているでしょう。装着シーンもエロイし、EXOスーツ万歳ですね！

それにしても、宇宙ゴミ群の中に人間が飛んでいくのも危ないような…５号で行くより小回りがきくので安全だということかな？

結局、燃料が漏れちゃって、ジョン兄さんが来た意味が不明になりかけた頃。

アランがあれやこれやとまくし立て、ジョンが淡々と答える会話シーンが好きです。アランは成長著しいのもわかりますが、やはり末っ子らしくたまには焦って兄貴を頼ってほしい。

気のせいかもしれませんが、隣にいる兄貴によってアラ��の態度も何となく違うような気がするのも個人的に楽しいです。

スコットやバージルの時はアランは落ち着いてるけど、ジョンやゴードンの時はワタワタしてるというか、信頼度の差？？（笑）

それもそのはずで、

隣でお兄がめっちゃ悪そうなカオしとったー！！！

↑「イエス。それこそ僕らがしようとしてる事さ！」…アランをはじめ、そこに居る全員が「は？何言ってんだコイツ？」状態になる。

そう。アランがジョンに向ける目は信頼できる兄というより「何考えてるのかわからない兄」っていうのが正直なところではないかと！

大体、ジョンの言動はおかしい。というか、自分だけわかってて周りがついていけないことがよくある、と思うのですよ。

では、ここでＳ２を振り返ってみましょう。

↑たとえばＳ２第２話。壊れたEXOスーツを一度は捨てておきながら、再び装着するという不可解な行動に、一同ポカーンであった。

↑Ｓ２第９話では、ジョンの怪しく衝動的な行動に長男とブレインズすらも理解に困った。

↑Ｓ２第１９話、ジョンに言われるがままゴミ処理場を切り取ったものの、毒物処理の方法は聡いバージルですらわからず。

↑そして今回もまた、アランとゲスト２人も、つまり、ジョン以外ジョンの意図がわからず「ハア？！」状態に陥った！

このように一瞬、周りの人間を置いてけぼりにしてしまう、謎クオリティがジョン・トレーシー推定３男なのであーる！！

客観的に見て、だから何かヘンだと思うんですよ、新シーズンのジョンは。（ゆえに、脳内イメージとのギャップが…アウゥ＞＜）

加えて、S3 でジョンの美形度がアップしてるのは、気のせいではないはず。

まあ、それで。頭の回転が速すぎるのか、彼自身はすでに頭の中でプランが出来ていて、だから冷静でいられるんだけど、周りにしてみれば、ジョン！先に説明して！ってとこでしょう。

なのでアランも、ジョンを信頼してないわけじゃないけど、スコさんやバジさんに比べると、わかりにくいので安心してられない、みたいなワタワタ感があるのではないかと（笑）

ゴードンの場合はあの調子（S2第３話）なので、これまた信頼してないわけじゃないけど、逆に自分がしっかりしなきゃってアランは思うんじゃないですかね？

ジョンとゴードンならどうなんだろう？マイペース同士意外と上手く行ったりして？噛み合わなくてもマイペース同士なので気にならないみたいな？でもゴードンのイカセンサーでジョンの考えてる事が察知できて意外と言葉要らずで阿吽の呼吸になったりして？…妄想が滾りますねぇ～！うん。ジョンとゴードンのレスキューが見てみたい。

そして久々のレアポケ、じゃなかった、スコット兄さん！！予期せぬ登場の仕方で、久しぶりすぎて驚きました。

しかし、スコ兄さんもＧＤＦをわかってますね。やはり信用してないと言わんばかりの発言ですｗｗｗ

長男もそうですが、そういえば、おばあちゃんもＳ３で全く現れていないですよね？！どうしたおばあちゃん！？まさか老衰…いやいや、ラスボスにでもなってしまったのか？

とどめのブレインズがイケメン過ぎて困ります！！オデコの広さもこうして隠れると普通に美男子だと思います。

メカニックたんをおじさんの呪縛から救うため、解決法を模索していたのですね！素晴らしい！

はやくメカニックの素顔も見たいものです！

#s3 #s3ep8 #spoilers #s3チラ見感想

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tokyodoragonbabys · 3 years

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各曲対応テキスト（物語？）まとめ読み（長文です）

ポエミュージックセカンドアルバム『TOKYO DORAGON BABYS』。

このアルバムに収録される予定のこれら各曲に、下記にある小説『胡蝶の舟』関連テキスト（各シーンや伏線・展開など）を盛り込んでいきます。

これらテキストは、朗読やサンプリングボイスとして展開するものもあれば、配信サイトの歌詞の欄に掲載したり、ＣＤ化した際の歌詞カード、YouTubeなどの動画展開にて補完する予定です。

その上で、本編となる長編小説『胡蝶の舟』も執筆してもいきます。

ここではこれから、アルバム各曲と対応したテキストを一気に読めるよう掲載していきます。

長文となりますので、どうかお気をつけて！ｗ

『TOKYO DORAGON BABYS』　影炎の歌で夢を編む

リンクのあるものはデモ曲が聴けます！

01.扉 TOBIRA 　https://soundcloud.com/uepeyo/tobira-tokyo-doragon-babys01

02.四　SHI　隕石の劔/胡蝶の舟mix https://youtu.be/MFxIZBSzYCQ

03.怒り　IKARI 　https://soundcloud.com/uepeyo/ikari-tokyo-doragon-babys01

04.誤解　GOKAI

05.展開　TENKAI　https://soundcloud.com/uepeyo/tenkai-tokyo-doragon-babys05

06.出逢い　DEAI

07.お達し OTASSHI

08.雪　YUKI

09.乱　RAN

10.正体　SHYOUTAI

11.悲しみ　KANASHIMI

12.御上　OKAMI

13.星　HOSHI

14.美は乱調にあり　BIHARANCHOUNIARI

15.言霊花火大会　KOTODAMAHANABITAIKAIKI https://soundcloud.com/uepeyo/mix-kotodamahanabitaikaiki-tokyo-doragon-babys17

16.永遠　EIEN　 https://soundcloud.com/uepeyo/eien

17.シンギャラリティー Singularity 　https://youtu.be/J380JhAWcdU

『　扉 TOBIRA　』

そこには誰でも入ることができる

しかし

誰もが入れるわけではない

『都（ミヤコ）』での出来事は

『都』以外で、

語るな。

そもそも『都』での出来事は『都』以外の場所に持ち帰ることさえ基本許されていない。

私たちは

毎週月曜日に発売される

その浮世絵師たちの浮世絵によって

『都』の存在を知ることができるし

眠りにつけば

そこには万人に開かれた『都』がある。

が、

そこで目覚め自由に動けるものも少なく、

そこで起きたことを持ち帰ることができるものも

今やほぼ

存在しない。

曲→https://soundcloud.com/uepeyo/tobira-tokyo-doragon-babys01

四　SHI

隕石の劔/　胡蝶の舟mix→https://youtu.be/MFxIZBSzYCQ

この宇宙は4つの力でできている。

1つは『電磁力』。 1つの『重力』。もう一つは『強い力』。そして最後は『弱い力』。

この物語は、その4つが織りなす、状態の変化である。

主演

電磁力　

すべての情報をアーカイブした真空を走るエレクトリック　

雷神　通称『ワタリ』

重力

空の器の中でブラックホールを飼いならす

風神　通称『かまいたちのカザアナ』

この世界において

常に変化を強いられる風神と雷神は、

常に一瞬先がわからない。

そして一瞬前の事は

全てわかっている。

が、

全てが過ぎ去り、

多くは忘れ去られていく。

強い力

カラダがない。

だから、

わかっている。

あらゆる差異を感じ取る透明な体をしたかわい猫　

閻魔大王　

透明様

全てをやり尽くした女。

地獄の女王を継ぐことで愛に尽くす　

水の花

弱い力

全てを知っている。

しかし、体でわかることができない暗黒

つまりは

存在し得ないからこそ絶対的な永遠として存在し得る　

御上

圧縮された情報は一粒の雷（旋律）　雷神

晴天も嵐も全てが脈動の賜物　風神

差異に美が宿る　神は細部に宿る　閻魔大王　透明様

あらゆるものを喰らい尽くした最果ては　

同時に波紋の先端　それは愛　水の花

全てを知るもの　しかし、カラダだけが、ない。

故に、絶対的な弱さを強さに変換する権利を持つ闇の権力者は永遠　御上

曲→https://soundcloud.com/uepeyo/nuxhvqpgn4ye

提供は

Oxytocin ecstasy company『隕石の劔』

ほか　

各社でお送りいたしております。

怒り　IKARI

この物語は怒りから始まる。

怒り狂う一人の女から始まる。

彼女はそれを観ている。

この女を知っている。

女は着物を着ている。

女の着物には蜘蛛の巣の模様が描かれいて

その白い糸の上に

色取り取りの花が散りばめれられている。

鬼神の如く女が暴れるほど

蜘蛛の糸の白や花の色彩は

どす黒い紅色で

満たされていく。

彼女は狂った女を観ている。

彼女は女は女であるが男でもある��雑な人物である。

体の中に流れる電気を大気と呼吸に結びつけることで操ることできた。

『都』では彼女のような存在を『雷神』と呼んでいたが

実際『雷神』を見たものは

そう多くはない。

多分多くの『雷神』が自分が『雷神』であることを自覚していない。

『雷神』、彼女の名は通称『ワタリ』。

『ワタリ』の名は、夢と現実を自由に渡る才能から来ている。

彼女もまた、自分が『雷神』であることを

まだ自覚していない。

怒り狂う女、

つまり『雷神』であることを自覚しているこの女は

その破壊衝動に任せ女を取り囲む男どもを電子の刀で微塵に切り刻んで行く。

傍らに寝ている青年の

その屍を守るように。

それをどかからか

『ワタリ』が

観ている。

この人に

逢わなければ、

ならない。

それだけが

『ワタリ」には

わかっている。

曲→https://soundcloud.com/uepeyo/ikari-tokyo-doragon-babys01

誤解　GOKAI

事件は誤解から始まる。

誤解が生じたことで

逃亡を余儀なくされた1人の男の悲劇から始まる。

風のように透明な心を持つが故に、

あらゆる汚れをそのままに、

己の体に染める。

男はすべてを自覚していた

だからこそ逃げる必要があった

疾風のように次から次へ

人の心の風穴を次から次へと巡るように

街を渡った。

都では彼を風神と呼んでいた。

『風神・かまいたちの風穴』

風神はその呼び名が嫌いだった。

名前から逃げていた。

展開　TENKAI

都はひとつの細胞のようにすべての言葉や音を包み込んでいた。

そこに生まれるすべての言葉や音を都は理解していた。

失敗や事件が起こるたびにそれを撲滅するための『御達し』が、新たに増えた。

そのいたちごっこが都と言う獣の餌であるかのように……

だから風神はとどまるわけにはいかなかった

それをやらなければならないと自分で自分を絶対で縛りつけた

見えない鎖が重く硬くなるほどに風神は風の加速度を上げた

カマイタチになる必要があった

望んだわけではなかったが透明なその心で全てを受け入れてはいた

立ち止まれば、

汚れていく自分に対する憎悪が

自分を押し潰し殺してしまうだろう

だから

走り続けた。

出逢い　DEAI　

『雷』と『風』が結びつくと

何が生まれるのだろうか？

その因果から逃れられるほど、

この世界は自由ではない。

なぜならすべての生命は、

その結びつきから生まれているのだから。

偶然と必然が表裏一体、 1つの駒であるように。

雷神は、風を殺すために雷を放った。

風神は、電気を殺すために海を巻き上げた。

それによって新しい命が誕生しているのだから世話はない。

水の中に花が咲くようにふたりは出会うと同時に火花を散らし

そしてその果てに

ひとりの女と出会った。

女の着物にはクモの巣の上にちりばめられた色とりどりの花びらが浮かんでいた

ふたりはそれを息をのみ見つめた

水面に花が咲くようにそのクモの巣がまるで上空から見つめた海原のようだと風神は思った

その花びらはまるで上空から見つめた街のようだと雷神は思った

女はふたりを見つめながらただその愛によってふたりを食べ尽くすことだけを考えていた。

お達し　OTASSHI

何を秘密にしているのか

人は知らないことを知りたがる

ならば全てを解放すれば良い

その上で口が裂けても言えないことでこの街を支配すればいい

この仕組みを考えたのは果たして誰であろうか？

秘密に耐えられないものだけがこの街から去り口を閉ざすかもしくはこの街に押しつぶされる様にこの街の化身として花と散った

鼓動の奥の奥にあるものを安易に理解してはいけない呼吸の流れと停止について安易に想像してはいけない

たった4行のこのお達しですべての町民が支配されている

そのことさへ

町民は理解できなかった。

『風神』と『雷神』が

『都』に意に反するその度に

街で売られる浮世絵の中に

その様が風刺画として盛り込まれ

同時に新しい『御達し』が追加された。

雪　YUKI

風神と雷神には夢があった。

世界一美しい花火を上げること

世界一美しい花火大会を開催すること

そのために醜い花火大会を避け続けること。

風神は醜い花火大会に塗れることに長けていた透明な体で嵐を飼うように嵐を演じるのではなく嵐そのものになることができた。

雷神は醜い花火大会を美しいものに作り替える魔法のようなものを持っていた。

ふたりの技をひとつに足すと言霊花火が出来上がった。

ふたりはそれを水の花に見てもらいたかった。

水の花はたいそう美しい笑を浮かべながら

恍惚の表情を浮かべ

それを、

眺めていた。

心の揺らぎそのままに音楽になることができるもの空気に洋服を着せるように心を奏でることができるもの

風神と雷神は固い絆で結ばれていった。

雷神は太鼓を奏でたその連打に合わせて風神は叫び踊り狂うことができた

そこで生まれた音楽がこの都ではすべて色味や輝きに変わった。

美しいものに出会うほど美しい音楽が生まれていく

街の人々が感じて動き始める動かざるを得ない何かがその色と輝きにはある

ふたりはさらに都の奥へ

都の中心にある

城を目指していた。

金色の糸くずが舞い降りて大地に触れて鈴の音に化けるその鈴の音を食べに来る紅色の猫　雨喰い

港では巨大な船が停泊していた。

巨大なさなぎの上に飛び立つ寸前の体を乗せた巨大なアゲハ蝶　胡蝶の舟

歌を橋に変えて渡る川

世界が切り絵のように切り刻まれて拡散してやがて何も見えなくなる数秒間を飲み干すことのできるお茶

この夢の世界＝霊界には様々な色めきが存在した。

空に静止する白い粒が虚空を埋め尽くし始める　

霊界の雪であるその白い音を吸い込んでいく

すべての音を吸い込んだ果てに無音の世界が訪れた

三人は体の中に流れる血の流れる音と鼓動だけを聞いていた

鼓動の階段を降りていく

その果てにあるものが不意に映像となり

風神と雷神を包み込む。

ふたりは完全に隠蔽された御上の秘密に触れてしまう

それを思わず

水の花に伝えしまう。

想像力が世界を救う？

世界を救うために？人は知らないことを知りたがる

本当にそれは必要なことなのだろうか？

使命感を大義名分にしているだけでは無いのだろうか？

風神と雷神の旅は続く

乱　RAN

ふたりを助けるために水の花が消えた。

虚空に浮かぶクモの巣の上で花びらに触れ言葉を奏でる蜘蛛の分身をふたりのために残して。

紅色の猫に形を変えてひっそり寄り添ってくれた時もあった。

でも、

何度形を換えて現われ

何度再会したところで

水の花の本当のこと

彼女の正体

彼女の本当の過去だけは

何もわからない

水の花自身も

一切の過去を語らない。

それでいいと思えたうちが華だった

城で御上に会う前に

風神と雷神には、

知らなければならないことがいくつかあった。

人の体は秘密でできている。

カラダは心の宝箱。

誰もが宝石を守る才能を有して生まれてくる。

しかし、

この都では、

もはや『秘密』を持つことが許されない。

そして

この都において

今も

秘密を持つことができるもの

それが唯一水の花だった。

また消えてしまった

水の花と再会するために

地獄の閻魔大王と会う必要があった。

雨を食べる紅色の猫

雨が降るとどこからともなく現れる赤い猫

紅色の野良猫

雨喰いの群の長である

透明な雌猫

閻魔大王に

途切れ　TOGIRE

御上の追手が振り払えない。

傷は深まり瀕死の状態がさらなる深みへ。

意識が途切れそうだいや完全に途切れていた

途切れた瞬間に手に入れた

極楽に入る方法

星のひしめく

広大な夜の砂漠。

澄んだ泉がひとつ。

紅い猫たちがくつろぐ。

そこには地獄の門番

あらゆる嘘を射抜く閻魔大王

透明な猫がいた

また途切れた

途切れては旅立つ

ときには極楽の記憶もある

しかしすぐに忘れる

ときには何も思い出せない

時が途切れたことさえ

思い出す術さえも

知らぬまま

城に近付いていく

御上に近付くほどに

追っ手がさし出してくる

殺しの手段も悪に堕ちていった

風神・雷神のふたりは

最早疲れ果てていた

正体　SHYOUTAI

宿場を渡る。

都を彷徨う。

追っ手と殺し合いを演じる。

意識が途切れる死線で

また

極楽に入る。

透明様と再会する。

その度に同じことを言われる。

そしてまた夢に帰る。

透明様と会ったことさえ

完全に忘れている。

しかし確実に

風神雷神ではなく

御上の追っ手の死体が

そこにある。

街を逃げる。

路地を彷徨い城を目指す。

路地で雨に逢う。

鈴の音が、きれい。

ふたりは路地にうずくまる。

そのまま眠りに堕ちたい。.

「もう、いいよね？」

「うん、多分もういい」

「多分って何さｗ」

「いや、多分は多分」

「そのぐらい……死ぬのが自然……」

「うん。今なら、多分、気持ちいい……」

雨を猫が食べに現われる。

紅色の猫の群れに誘われ、

二人は再び

極楽に入る。

透明様との再会。

透明様が伝えてくれた、水の花の正体。

御上との関係、その秘密に

ふたりは再び

眼を

覚ます。

人類は科学技術の進化の果てに時間を削除する機械を開発した。

はじめは何兆の1秒分、時間を削除するものだったが、その幅はどんどん増幅されていった。

人類は文明の進化とともに、より多くの秒数、時間をデリートできるうようになっていった。

しかし、それには同時に必要な技術があった。

科学者に同時に開発を余儀なくされたのは、「時間を削除したと言うことを覚えておける装置」だった。

それがなければ削除したと言う証明が結果なくなってしまうではないかと言う前提のもとに開発された機械であるのだから。

その能力を有しているものが

閻魔大王、

あらゆる差異を感知できる生物

猫

つまりはその進化の果ての

透明様であり、

そして、

あらゆる差異を感じ取ることのできる能力を

結果計らずも、

水の花が受け継ぐことに成功した。

もともとそれは二次元＝影＝反物質＝永遠である御上の能力であったが

御上には体がないからこそそれが可能である。

それは純粋な2次元として永遠という状態でアーカイブされ、

パッケージングされた存在でしかないから、

3次元としてこの世界に存在するには、

大空のような広大な透明にならなければならなかった。

それを成功させたのが猫たちであり、

その進化系が透明様であり、

それを人類として引き継ぐことに成功したのが

水の花であった。

削除した時間をどこかで誰かが保管しておく必要がどうしてもあった。

それなくしては、この世界そのものが成り立たなくなるからだ。

御上と水の花は表裏一体だった。

だから御上は全てを知っていた。

都そのものである御上はすべての音や言葉や空気の揺らぎあらゆる情報を把握していた。

しかし体がなかったから、わかることも、それを行うこともできなかった。

だからこそ全てを知ることができていた。

しかし

御上は

やがて

カラダを求めはじめた。

その動線に

水の花の存在はあった。

悲しみ　KANASHIMI

閻魔大王である透明様の継承者である水の花は、

やがて透明な猫になるだろう。

透明の猫になって、

また別の何かに形を変えて、

風神雷神に会いに来るかもしれないが、

今度はもう、

自分が水の花であったことを、

彼らには伝えないだろう。

それを伝えてしまえば、

世界の均衡が狂い、

世界が消滅してしまうからだ。

全てを知り、

全てを体で理解し、

あらゆるものに形を変えることができるが、

誰にも何も言うことができない。

水の花はそれで良いと思っていた。

初めて愛した男が自分の不手際で襲われて死んだその時に、

自分には地獄がよく似合うと自覚し、

怒り狂ってその場にいたもの全てを惨殺し、

顔を変えて闇に逃げ去って、

また再びこうして、

誰かを愛することができた。

水の花が行ってきた事はただの愛であったが、

愛が彼女の記憶も肉体も奪い、

実際五人もの男を殺したのだから、

愛と言うものはあらゆる形を持つものである。

でも

水の花には、

誰がそれをどう呼ぼうと関係はなかった。

自分の愛に正直に生きた水の花は

結果、

閻魔大王に気に入られ、

後を継ぐことになった。

それが答えだった。

極楽にいけるものは極楽にしか行けない。

しかし、

地獄にも行けるものは極楽にさえ入ることができる。

あらゆるものを飲み干した上で、

自分に似合う酒がある。

水の花には陽の光がよく似合う。

今日も

澄んだ大気を飲み干し、

一日の営みを始める。

ただ平穏なそれを続けるためだけに、

自分に守れるものを精一杯守っていく。

愛するものを愛するままに守り抜く。

それを幸せと呼ばずして

なんと呼ぶのだろうか？

御上　OKAMI

御上からの通達が街中に張り出された。

水の花がさらわれ、今、御上とともにいる。

らしい。

風神と雷神は、城に参上する。

城の中庭

ふたり笑いながら

並んで切腹してみせる。

しかしそれによって、

すべての音を吸い込む雪山：不死（フジ）の山頂に座す、御上の元へたどり着くことが許される。

そこには、さらわれた水の花がいる。

御上の影武者の前で演じた、

その切腹さえ、

御上は読んでいた。

すべてを見透かし

御上は笑う。

第零回、『言霊花火大会』な、

優勝賞金は莫大な０（ラブ）。

太陽とか？

富士山とかさ、

そういう規模で貰えるって訳よ。

おめでとう。

ところでお前、

オレを殺しに来たんだろう？

折角のチャンスだ。

好きにしてみろよ。

絶対無理だけど。

でも感動したよお前の花火。

あんな言霊もあるんだな。

って、

オレが油断するとでも思ったか？

感動と存在は別々。

だから御上やってんだよ。

来いよ。

さっきの花火大会よりオレのことを感動させたら、殺されてやるよ。

永遠であるオレが、そこから、この世界を眺めている以上、まぁ、我は誰にでもなれるわけだ。

んま、

自分にこだわる必要があるのか？　

自分にこだわってる奴にトランスしても、まぁ、あんまり面白くないんだよね。

で、存在するあらゆる奴にトランスした結果、1人だけ入れない奴がいるんだよ。

お前な。

お前ら2人な。

だからお前がここに来るように仕組んだ。

で、お前らを使って

オレはお前の世界にわたっちゃおうって言う計画なんだけど。

で、どうやったらお前らに入れんの？　

多分殺すことが答えじゃないし、

植物人間みたいにすれば良いのかな？　

何かいいアイディアない？

って、直接本人に聞くことじゃないけど、

あえてわざとお前らに聞いて恐怖を煽ってるのわかってんだろ？　

まずは恐怖の隙間から入り込めるか試してみるわ。。

とりあえず死なない程度に、

ギリギリまで追い込んでみるから

できるだけ、

最後の最後まで死なないでいてよ。

意識して恐怖に集中しててよ～

死にたくなるような恐怖のどん底にお前らを落とすけど、意識を失ったら死んじゃうから、意識を失わギリギリのとこまでして死なない程度の恐怖政治に、お前らを付き合わせることにつき合ってあげるからさ！

なんくるないさ！

なんとかギリギリの我慢汁大会、害虫みたいに、粘りに粘れよ、な。

人間も電源も、昔から同じ形してんだろ？　

だから大丈夫だから。

安心して、

絶望しろよ。

なんくるないだろ？

そうだな

この都は

愛情こそが価値を持ちその愛が通貨として循環する世界

お前の狙いはわかってる　

世界一愛を貯め込んで

この世界を買い戻そうとしてるんだろう？

それはそれは素晴らしいこと

ふふふ

でもそれって一体愛なのか？

この都に嘘をつくなよ

というか

この都に嘘なんてつけないだろ？

オレだって渡たい

そんなの当たり前じゃないか？

融合とか癒しとか悠長なこと言ってんじゃねーよ

オレの体を

返せよ

あ、

話全然関係ないけど、

いいよな？

全然関係ないから

逆にこういう時には��いんだよｗ

オレ、琉球好きだンだよ。

お・き・な・わ

で、

島的に言うならさ、

お前ら

全然

なんくるなくないぜ

そもそもどこにも存在してない

お前らを

どうしてお前ら自身が

在る者にしようとしてんの？

承認欲求？

無視が嫌いなのか？

そのままで良くね？

な、

透明人間

何もなくていいって

それ自体

幸せなのに、

お前ら

贅沢なんじゃねーの？

なんくるなくなくなくないさ

ふっ

星　HOSHI

風神と雷神。

自分たちふたりだけが、

この宇宙に絶対に存在し得ない。

その悲劇をふたりはいまや自覚していることを、ふたりは御上に告げた。

この宇宙において、その絶望を自覚しているのは風神と雷神のみであり、だからこそ風神と雷神は水の花に会う必要があった。

そうでなくては、

御上を理解することができない。

すべてのものを知るものと

すべてのものを知る者から

すべてを受け継ぎ

すべてを忘れないもの

さらなる水の花のことさえ

理解することができない。

それを行えるのは、

自分たちふたり

全てを知らず

全てをわからず

ただここにある者

ふたりはふたりが

自分であることに賭けた。

この惑星の中心にあるコアは、重力に引き寄せられて集まったたくさんの鉱石が巨大なひとつの宝石になってできていた。

その方法と同じ方法を使って、雷神は、まずは自分がひとつの惑星になることを選んだ。

雷神は、風神の重力を使って宝石になった。

①雷神は、自らのカラダをデジタルの粒子に解体。

②御上を挑発。御上も自ら粒子に解体するよう仕向ける。

③御上と融合する。

④御上のもつ全情報（時間という存在そのもの：都（永遠）が感じた全て）を自分にインストール。

⑤どうにか、意識を飛ばさないよう、自分を保てるように踏ん張る！

⑥風神の力を借りて、雷神の有するあらゆる情報をたったひとひらのブラックホールに圧縮。

⑦一粒の、最も重たくて小さな宝石完成！

⑧ミッションクリア１！

その宝石の中にものすごい熱量の電磁波を封じ込めることに成功した。

その宝石に、風神は自分の重力のすべてを注ぐ。

±ゼロになって、風神は最も巨大な大空になった。

ミッション２　

クリア！

大空であればすべてのものに入っていける。

赤い宝石と化した1つの惑星雷神を

風神は空として包み込むことによって、

あらゆる嵐の翼や風の刃を手に入れることができた。

美は乱調にあり　BIHARANCHOUNIARI

宝石から行き渡る電磁力が空中に拡散されていきます。

水の花は、

その電気を自らの記憶と結び、

水であるその身体を操ることによって

花や動植物

あらゆるもの化けることができました。

宝石・雷神に取り込まている

御上の意識も抵抗します。

あらゆる影像がそこで肉体を成し、

空に魑魅魍魎を描き

世界に地獄絵図を描き出さんとします。

水の花は、

すべての魑魅魍魎を相殺せんと

美しい花々に化けます。

その花々が、

今御上を消滅させるため

花風吹を描きながら

魑魅魍魎の群れを取り囲み

つつみ込むことで

御上に触れようとしています。

すべては

御上を

倒すためだけに。

御上を倒す？

果たしてそれが答えでしょうか？

夢の世界に唯一持ち込むことのできるもの

それは音楽

それを理解したもの

それが風神と雷神

夢と言う感覚の制約がない世界で

感覚の限界を広げる旅を続けてきた言霊花火師たち

言霊=ポエムを魔法の呪文のように唱えることで、

その響き＝歌が世界を変えると信じたふたりの旅の物語。

想像力が世界を救う。

ならば、

この夢の世界では、

二人の行動が、

音楽のように響き渡り

世界に繊細な影響与える

ならば……

言霊花火大会　KOTODAMAHANABITAIKAIKI　

（胡蝶の舟：空の心臓mix ）

第零回　地獄・煉獄・極楽共同　言霊花火大会

協賛は、

永遠として永遠を取り仕切る永遠さん

御上こと

都。

はじめの演目は、『ナイアガラの滝　球体流星群』

素粒子が、360度張り巡らされたクモの巣のように、あらゆる方向に電気を放射し結ばれ火花を散らします。

そこに生じる無限の雷の滝をご覧ください。

続きましては、

『スターマイマインド』

たったひとつのブラックホールの全てを吸い込み、

あらゆる情報を圧縮。

その複雑性を全て解析した上で

嵐の空に舞い散る桜吹雪で

それを表現します。

ほころんでいく、魑魅魍魎の笑顔も見ものです！

さらに続きますのは、

『インフレーション玉』

圧縮した情報

永遠から宇宙を覗き込むように、

1粒に圧縮した嵐を、

別の宇宙にポトリと投下

一瞬の閃光で別の宇宙を生み出します。

人の耳では聞くことのできない

透明な重低音の爆風を

ぜひ一緒に追いかけてみてください

そして最後は

『火星玉』

月と生命の誕生の秘密

『ジャイアントインパクト玉』です！

生命誕生の秘密になることで、

今ここにあるあなたの命が輝くこと請け合いです。

・

。

永遠　EIEN

デジタル情報は永遠に劣化しない。

その情報を保つ手段さえ確約されたなら。

大気や生命活動を織り成す、このファジーな世界に絶対はない。

絶対に至りたければ数字の世界にいけ。

そう、アインシュタインも言葉を遺している。

永遠とは何か？

永遠とは人が生まれる前から永遠であり得るのか？

江戸時代は二次元にしか存在しなかった。

風神・雷神は、夢の世界を旅することで、古の浮世絵師たちが描いた二次元の無限=都は、実は時空から削除された時間を素材に、隔離され封印された二次元であったことを理解する。

時空を削除するために、必要な保管場所。

眠りで観る、夢。

さらにその奥に隔離された、誰にでも入れるどこにもない場所。

都。

何故人は眠り、夢を見るのか？

記憶の整理？

アルツハイマーなどの高次脳障害を避けるために誘発されるとされているそれの意味は、実はそこにもあるのだろうか？

パッケージングされた二次元、『都」の秘密を探ることで、ふたりは、永遠=ニ次元の正体を知る。

太古の地球に氷河期をもたらし

恐竜を絶滅させた��黒物質、

いつしか絶滅してしまった永遠。

二次元

影

ならば、

影のない世界が、

今、

訪れようとしているのだろうか？

もしくは影のみの。

曲→https://soundcloud.com/uepeyo/eien

シンギャラリティー

時空の削除と保存の狭間に、

どうして風神と雷神が踏みとどまることができたのか？

その秘密は、

本編に譲るとしよう。

曲→https://soundcloud.com/uepeyo/imrlkzlpreeu

イラスト　内藤幸司　Knight Monkey

アルバムリリースは、あと少し！

しばしお時間ください！

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ozawajun · 7 years

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あなたへの手紙

[chapter:　玲から　あきへ　の手紙　（あなたへの手紙）]

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　宛て先も全て書きましたが、明日散歩のついでにあなたの部屋を見つけられると思うので、自分で郵便屋さんをしてみますね。

　さっき、初対面のあなたとやたら凄い話をしたことを、少し考えています。もう少しおとなしい話をすべきだったのかな？なんて思っています。話してしまったあとから色々考えても、しかたありませんね。あなたが私のことを大谷の妻としてでなく、ただの玲として扱ってくれたから、いつもの仮面をかぶるのを忘れてしまったということにして下さい。あき、あなたのことだから、たぶん、誤解はしてないと思いますが…、ここで弁解を…。

　私は、本当に遊ぶのならお互い割り切った上で肉体関係を持っても良いと思います。そこに、お金が行��来するのは個人の自��だとも思います。けれど、『売春』は女がバカを見るだけだし、お金を介在させるなら『パトロン』の方が良いとさえ思います。まあ、どちらにしても私は自分を大切にしたいから、バカみたいな、みじめったらしいことはしないのでご安心を。

　これがさっき話した私の売春および男女の肉体関係に対しての意見です。大分での二年間、しっかり遊んだ私は肉体関係を通じての男女関係はもう卒業しました。だから結婚したのかもしれません。それにほっとくと何をしだすかわからない要注意人物だと自分自身を思っていますので、自分を『結婚』というもので縛りつけているのも事実です。

　もし、かつて自殺するだけの勇気があったなら、たぶん結婚していなかったと思うし、一浪するだけの勇気があればここで、こういう状態ではなかったと思います。　ただ人一倍プライドと虚栄心と偽善とが強く、その勇気を出せなかった私です。

　今までの人生で様々な岐路に立った時、全て計算し尽くして生きる上で自分に有利な方の道を歩いてきた私です。そしてこれからも計算しながら自分自身で選んでゆくことでしょう。

　では、また次回、玲より

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　散歩にはちょうど良い距離なので、今日も郵便屋さんの私です。

　色々、考えています。　今の私の落ち込みの理由は、私があなたに何を望んでいるのか？何を要求しているのか解らないということなのかもしれません。精神的よりどころなのか、同類としての仲間意識なのか、肉体関係なのか。

　あき、やっぱり女はエゴイストですね。大分での様なことだけはしたくないと思っています。夫も、こちらで仲良くなれた仲間も失いたくないです。

　まじめに考えすぎなのかもしれないど、これも自分の性格です。

「わ～お、発作が起きそう！」　夫の前で、無理に笑って暮らしている私です。

　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　３回目の郵便屋さんです。

　あき、私の家はあなたの通勤経路の近くなのですね。朝、貸して下さったあなたのノートや詩集、全部読めません。怖い。あなた�� 知ることが。そして、落ち込んでゆく私を見るのも。

　時の流れに身を任せて自分なんて見てなかった。こうしている間にも時は流れてゆくけれど、やっぱり自分を見ている自分がいる。「どれがホントの私？」　そう叫んでしまいたいです。

　あなたのノートの最新の頁に書いてありました。「玲の求めるものは何？、僕が自分のために書きつづけてきたノートを玲が読んで、それでも僕に対する何かが消えてしまわないなら、僕はその何かを君にあげられるような、そんな気がします」って。

　正直に言ってルンルン気分になりたい私です。でも、もうこれ以上、他人を傷つけたくないから、肉体関係なしのステキな友達になりたい。

　でも、「エゴイスト！」　そう自分に言っています。

　男と女がいる限り、肉体関係なしに考えられないと世間は言うでしょうね。そして私自身、その考えの全てを否定はしません。ただ、私の場合、今までは甘えや淋しさを癒すためにＳＥＸなるものを体験してきました。

「このままでは、いけない」

　ここ数日、落ち込んでいるのは、このことを考えていたからです。私が過去とおなじように振る舞ったりしては、あき・あなたをはじめ、みんなにも影響を与えてしまうでしょう。そして特にあなたと、夫を裏切り傷つけることになるからです。

　そうなってしまったら、過去の私に逆戻りです。薬漬けの私に…。それをさけるためにも、肉体関係なしのステキな付き合いをしていきたい。できる限り…。

　私の甘え、エゴです。それは承知の上です。

　あき、あなたの気持ちを知りたいです。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日はノート、返しに来ました。　ちょっと大きいから宅急便ですよ～（笑）。あなたが書きためてるノートだから、ずっと借りてると書けないものね。でも、ごめんなさい、やっぱり全部読めていません。

　あき、あなたは少なくとも、愛なしの肉体関係は持っていない。羨ましいな。私が通り過ぎた愛なしのＳＥＸ。その後には、何もなかった。強いて言えば後ろめたさと、自分のみじめさかな。

　軽率かな？私。でも、あき・あなたと話をしたい。　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたのノート、また届けてくれてありがとう。

　朝、扉の郵便受けになにか落ちる音が聞こえて、もしかしたらって思って、急いで扉に駆け寄りました。そうしたらやっぱりあなたのノートがありました。とっても嬉しいです。前に読めなかったところと新しい頁を読んでて、あなたのことが少し分かった様な、わからない様な…。

　ただ、あなたは私の話を聞いてくれそうな気がする。私は、自分で自分がわからなくなってしまったけれど、あなたは一番私らしい私を見つけてくれそうな気がします。

　あき、あなたを好きになってはいけないと、自分に言っていました。けれど、あき、あなたを好きになってしまいました。夫のときと違って、すなおに「あなた」と呼べます。

　私は、あなたを苦しませているだけでは？あなたとステキな関係を続けてゆきたい。でも続けてゆけるかな？あなたを、私を、めちゃくちゃにせずに。

　あなたへ。今日はちょっと雨降りです。　玲

　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日は、気持ちの良い天気です。これから、洗濯物を干してからあなたの部屋へ出かけます。合カギありがとう。

　夫は毎晩、帰りが遅いです。残業未亡人って言葉があの会社にはあるらしいです。私みたいな人がたくさんいるのかもしれません。淋しくって、甘えたくって、でも夫は残業でおそい。抱いてもらいたい時、夫はいなくて、夫が求める時、私は眠くて…　行き違い。

「あき、私甘えたかった、淋しかった。そしてあなたは、何より、仮面を被る前の昔の私を、目覚めさせてくれた。嬉しかった」

　夫と別れることはできません。あなたもそれを望んでいないことを私は知っています。どういうふうに、あき・あなたとの関係を続けていこう？

　今はこのハガキ大の小さなカードに託した小さな文字で、私の心をどれだけ書けるか　・・・

　でも、よくわかりません。　

　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　昨日は、あなたの部屋に一人で上り込んで、あなたのベットに横になったら、とっても安心してお昼寝しちゃいました。あなたの残り香に包まれて、それだけで…・。

　いつの日にか、あき・あなたと別れることになる。お互い心の中を傷つけあって…？　できるなら傷つけることなしに別れる時は別れたい。でも、そんなこと出来るわけないよね、きっと。じゃあ、今のうちに、別れてしまおうか？　なんて…　心にもないこと思ったりしてしまいます。

　玲のバカ。あきと、今別れたらそれこそ精神崩壊。ここ数週間の私の不安定さを落着かせてくれたのはあき・あなたです。

　でも、逃げたい。やっぱり私は、エゴイスト。

　あなたの部屋に脱ぎ捨ててあった手編みのセータ、手首のところがほころびていました。明日、毛糸と編み棒を持って来ますね。

　あなたの部屋でこれを書いています。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　夫と時間をすごしていると、あき・あなたのことを想います。なにかの拍子に「あき」と呼んでしまいそうです。夫に対してうしろめたさを感じているのでしょう。　おかしい？　

　そんなふうに心の中はあなたのことでいっぱいなのに、しかたなく応じている性生活の刺激に女の身体だけは反応しています。「どういうふうな抱かれ方を夫は喜ぶのだっけな？」　…　覚めたことを考えながらも私のカラダは、ヌレテイル。

　あき・あなたに、なにを求めているのか、分かりません。肉体関係もそうだったような気がするけれど、もっと違う！　なんなんだろう。とても不安です。　無理して自分の気持ちを書こうとしていることに気づきました。無理はやめますね。あなたなら、分かってくれるでしょう…。

「あき、私が死にたい　と言ったら、いっしょに死んでくれる？」

　この手編みのセータ、これを編んだあなたの昔の彼女に嫉妬しながら繕っていました。だから、私のコート、置き忘れてゆきます。私の匂いを残しておきたいから。

追伸：　もしかしたら、時間が取れそうです。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あき、大胆なお願いです。

　でも、あなたならちゃんと理解してくれるよね。次の週末、夫が社員旅行で居ません。私を、連れ出して下さい。一晩中、あなたと話していたい。あなたを感じていたい。

雨が降り出しそうだから、急いで帰ります。

　　洗濯物、心配。　　あなたとなら飛べそうな・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　うれしい。夜、そうっと待っていますね（笑）。

　夫が何か感づいたみたい。夜、電話が掛かってきそうですので、出かけるのは１０時過ぎにしてください。

　私のぼろぼろのコートを抱きしめて下さったって、今朝、投げ込んでくれた葉書に書いてありました。私だけが一方的に、あなたにもたれかかってるだけではないって、私に思わせて下さい。

ほんとに、飛んでいいの？　　今から待ち遠しい、玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　ありがとう、あき。

　あなたと過ごした時間を反芻しています。あなたの車で出かけてウイスキーと氷とつまみ買って、ラジカセまではいった大きなバッグを抱えてラブホテルに入るのって、最高に楽しかったね。入口で、ちょっと待たされた時も、他のカップルは恥ずかしそうだったのに、私たち大声で馬鹿話してたもの。ああいうホテルの部屋に入って、いきなり床に座り込んでお酒飲みながら話したのなんて、初めて。秘め事の為の場所でそれをしないんだから、すんごく愉快でした。

　あき・あなたとなら飛べそうです。あなたのまえでなら、なげやりな自分でもすなおにさらけ出せます。夫の前でしっかり被っている大谷玲という仮面を外していられます。あなたの前では、ただの玲でいることが苦痛でないもの。

　なぜ結婚したのさ？私。夫の顔見ながら小さな声で「あき」とつぶやいてみたりして、私が、あきに対してしていることは、現実逃避？、違う！違う！あなたは、なげやりな私を受け入れてくれる。そして、素直に私のことを叱ってくれる。悪いところは、悪いといってくれる。そして、一緒に考えようと努力してくれる。女なんてバカな生き物なんだから気が動転してる時に夫みたいに「自分で考えろ！」なんていったって、分かるわけないじゃない。だから、黙ってるしかないし、するとますます状況は悪くなる。最後は、自分でわけもわからないまま夫に謝ってる。

　ホントにアホな生き物だよね。妻・大石玲なんて。

あき。　何故、私、結婚したんだろう。　　　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたも忙しいのか、朝、心待ちにしてる葉書がポストにないと淋しいです。素直に「淋しい」なんて言葉を吐くのは、私じゃないみたいです。あなたに対しては、なぜこれほど素直になれるのだろう。

　ホテルの次の日、寝不足なまま二人でドライブしましたね。そして、あの西に向かう真っ直ぐな道でちょうど夕陽が沈むのに出逢った時、あなたは車を路肩に寄せて止めてくれた。奇麗な夕陽が沈むのを二人で眺めましたね。

　小さな子供や、猫や、ぬいぐるみや、青空や、富士山や、夕陽、そんなものすべてに感動しなくなっていた私でした。なのに、あの夕陽は、あなたと一緒にながめた夕陽は、とても奇麗でした。

あき・あなたに、愛していると言ってしまったものの、とまどっています。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　ハガキありがとう。「ラブホテルの目的外使用」って、うまい！　笑い転げちゃいました。

　でも、私覚えていません。たくさん飲んだからかな？　ホントにそんな事言ったんだ。

「くるしいからブラのホックはずして」　なんて。ちょっと恥ずかしいです。あなたのこと信じていると言っておきながら、エゴイスティックな私が、意地悪にも女の挑発であなたを試してみたのかもしれない。それとも、単にリラックスしてただけかもしれません。もし、おこっているなら許して下さい。

　昨日、夜書いたノートから写します。

　退廃的で　何をする気にもなれず、　しかたないから、炊事場に立ち、洗濯をし… 　しかたないから、　夫婦だとわりきって、だかれている。　なんの感情も感動もない。　　全ての状態をすてて、　旅に出ようか　後は、どうなったって、かまいやしない。

　あなたに抱かれた幸せな女たちに嫉妬しはじめている・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日は、大分にいた頃からの私のノートを置いてゆきます。

　結婚してからは、ほとんど書いてないけど。もちろん、夫になんか見せたことはありません。そこには、大分と千葉と遠く離れて、五年待ってと言われた結婚の申込みを待っている私が居ます。高校で文芸部に籍を置いていた文芸バカが、そこしか合格できなかった看護学校に入学して、アルコールとタバコと遠距離恋愛のママごとで精神をバランスさせていた私が。

　あの頃の私を読んでも、あき・あなたなら受け止めてもらえると思います。私の事を少しでも知って欲しいです。

　私のお腹には、七針の縫った傷があります。

あなたの部屋でＣＤ聞こうと思って持ってきたのですが、オ��ディオセットの電源の入れ方が分かりませんでした。

　逢いたいです。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　意味深な振りで、ごめんなさい。いやらしいね。私って。

　お腹の傷は、卵巣取った時のものなの。結婚して、妊娠でおかしなことになってしまって、緊急手術。子供もダメだったけど、卵巣片方もダメになっちゃいました。　それも、私の不安定さの一つの原因なのかもしれません。

　あきが教えてくれた精神科に申し込みました。夫も知っています。きっと付いて来ると言うと思うけれど、一人で行きたいと言ったら行かせてくれるような気がします。そうしたら、帰りにあなたに逢いたいです。電話すること許して下さいますか？

あなたの部屋で昼間の数時間を過ごすことがいまの私の安定剤。　玲

追伸：ＣＤ聴けました。メモありがと　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたに出逢って、私は変わることができました。

　家の金庫は、クッキーの缶なのです。それに預金通帳と印鑑や夫の給与明細が入っています。そして、昨日から家計簿を眺めなおしています。ひとりで、部屋を借りて生活するとしたら、いくらくらいかかるだろうって。職を見つけて、部屋を借りて、今の夫から離れて生活したいと、おぼろげな計画を立てています。

　あなたのこと、はっきり夫に知られてしまいました。昨夜、あなたとは付き合わないで欲しいと言われました。夫は、自分が知らないあなたに嫉妬していると自分で分かっています。私は、十日間考えさせて欲しいと答えました。私は、監視付きの鳥かごの鳥じゃないって。夫は、私を認めるといいながらも私を縛りつけようとしていることに気付こうとしてくれない！

　そして、話の最後はいつも決まったセリフ「僕のこと、愛してる？」いつもあいまいにしていた私だけれど、昨日は言ってしまった。「愛しているといったら、うそになる。なにを愛しているのか、自分をも愛しているのかさえわからない」って

　あき・あなたに、迷惑がかかるかもしれません。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたの子供が欲しい。体の中からそう叫ぶ声が聞こえました。

　昨日、あなたの部屋であなたに初めて抱かれて涙が出るくらい嬉しかった。愛のあるＳＥＸ、本物は素晴らしかった。　全部脱いだとき、お腹の傷、あなたの指が一つ一つなぞってくれた。それだけで私の躰、すごく痺れるくらい感じました。私、夫とＳＥＸする時、傷を見られたくないから、全部脱がない。でも、あなたの前では、それが出来る。

そのまま、朝を迎えることができないのがとっても悲いね。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　精神科、一人で行ってきました。

　カウンセリングが１時間半。終った時には、もうぐったり。落ち込んでしまいました。「精神科を救いにするの？」とカウンセラーのお嬢様。「救いにしたい」と、私。それでも安定剤のＨｒー５を飲んだら、少し落着いたみたいです。私も習ったのだけど、生理化学的に人の心を落ち着かせることが出来るんですね。さんざん薬漬けになっていた私だけど、それでも効くので少し安心。

　でも、あなたに逢いたい。どうしたらあなたに逢えるの？このままあなたの部屋であなたの帰りを待とうかしら。と、思いましたが…今日は止めときます。

この部屋に、もう少しだけいさせて下さい。玲

追伸：やっぱりこのままここであなたを待ちたい。　　　夫と顔を合わせるのもイヤ

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　嬉しいです。お昼に電話をくださったことと「玲が一人で生活するなら５０：５０で、共同生活をしないか？」と言ってくれたこと。けれど、職を見つけて部屋を見つけるのは、私一人です。一人で飛ばせて下さい。

　夫と離婚したとしても、結婚なんてバカなことは、少しの間おあずけ。自分で自分の体を酷使して、最後には倒れて、そして、結婚という最も『安易』な妥協の道へと歩いていった私。でも、仕事に関しては、いちど自分の限界に挑戦したい。

　精神科のドクターに今の私は一人で生活してみるのがベターであるということを、夫に説明してもらえれば…　なんて、虫の良いことを考えています。可能でしょうか？　今度、相談してみようかな。

　夫は、不安なのか日に日に態度が変ります。怒ってみたり、私をなだめてみたり、脅してみたり。

　あなたの部屋は、落着きます。今日はパックの牛乳を買ってきて飲みました。残りは冷蔵庫に入れときます。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あなたの玲

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　さっき出かけようとしたところへ、母親から電話がありました。

「元気でやってる？」って。ごまかすのに精一杯。まさか精神科へ通ってるなんて言えないし、「飛行機の切符とれなかったらどうするの？」「ん？そしたら、帰らない」カンの鋭い母親です。何か気づいたかな？

『結婚』という二文字にしばりつけられている私。でも… 男の人を好きになるということが、これ程までにつらく、悲しく、重たく、苦しいことか初めて知りました。もしかしたら私以上にあき・あなたは、そうなのでしょう。

　最高５５ｋｇあった体重が、只今４３ｋｇ。良く生活していますね。全ては、飛ぶため。ただそれだけの精神力。

　あなたが、いとおしい。あなたの大きな心にふれていられるだけで、安心できます。あなたの心の中には、何人もの女性が住んでいますね。でも、今は私が最優先であるということを知っています。それでも…やっぱり、今の私は嫉妬のかたまりです。

　今日は、ジェラシーな玲

　追伸：来る途中、履歴書を郵送しました。通るといいな。

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　昨夜の夫との会話「あいつには会うな、会わないでくれ」だから、全て話しました。　あなたを愛していること。　あなたに抱かれたこと。　別居したいということ。　離婚して、二人（私と夫）とも、最初からやり直そう。お互い、考え見つめあって。でも、夫は答えを出さなかった。あなたのところへ怒鳴り込むことも考えていると言ってもそれができない人。

今朝も１０時くらいまで、夫と話をしていました。過去のこと。・私を放り出しすぎていたこと・私と会話をしようとしなかったこと・私を理解しようとしなかったこと・自分の事を話そうとしなかったこと　ｅｔｃ．さまざまなことを話しても、夫は結局私が戻ってくること疑っていなくて、戻ってくるのが当たり前のように話をしています。

　夫は、あき・あなたと話したいと言っています。本音が知りたいと。だから、水曜日　夜７時頃、家へ来ていただけますか？　二人きりだとあなたを殺しかねないからと、三人でね。と念を押しました。私には、薬は飲むなと。

　ということで、あき・私を助けて下さい。思いのほか、事は急いでやってきました。今からあなたの会社に電話をします。昨夜の事をあなたに話しておかなければ…

「助けて」って言葉、この場合、似つかわしくないのかもしれないけれど。あき、私が飛び立つのを手助けして下さい。

　まるで…、生まれて初めてすべり台の上に立った気分の・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あき、水曜日はほんとうにありがとう。

　私が夫でなく、あなたの隣に座ったこと、あなたは、しっかり気づいていましたね。私の心をいつも的確に読んでくれるあなた。夫が、話をはじめる前に、あなたを殴りたいと言い出した時、どうなることかと思ったけれど、あなたは冷静でした。

「それで気がすむならばどうぞ」

　色白でやせっぽちのあなたからそんな逞しいセリフが出るなんて、私！、嬉しかったです。でも、痛かったでしょう？ごめんなさい。私のために。ううん、ありがとう。

　最初から最後まで動転していたのは夫で、私のことをより理解しているのが自分でなくて、あき・あなただってことが納得できたようです。離婚を受け入れてくれそうです。少なくとも部屋探しは、ＯＫが出たと思っています。これで、一歩前進できたかな？

　二時間も夫の質問に答え続けたあなたが帰った後、私は睡眠薬を飲んで寝ちゃいました。家はダブルベットなのだけれど、夫はリビングのソファーで寝たみたい。明け方目が覚めた時は、そこに寝てるのが見えた。次に目が覚めた時、夫が私にＳＥＸを求めてきた。私は、眠ってるふりして夫にされるがままにしていた。夫は、自分だけ終ると無言のまま出かけていった。

　今、バスタブにお湯を張っています。シャワーしてすっきりしてから、少し部屋探しに出かけます。今日は、あなたの部屋に上がってる時間がないかもしれないです。

　私、さっき夫に寝言のふりしてあなたの名前をつぶやきました。

　ちょっと残酷な・玲

　思ったより早くすんだので、あなたのハガキに書いてあった体力復活メニュー・マクドナルドバージョンを買ってきました。あなたの部屋で遅いお昼です。最近、ろくに食べてないからあなたの言うように少し食べて体力付けないとね。

　今日行った不動産屋さん、三件ほど車で案内してくれたのだけど、じれったくなるくらいの安全運転。マンションなんていってもワンルームだから、押し入れくらいあるのかな？　なんて思ってたら…　押し入れさえない。びっくりしてしまいました。　世間にうとい私。

　ポテト食べ残し、生ゴミ増やしちゃった。　　玲

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　あき、大変です。母親が急に上京してくることになりました。

　それも、明日です。このあいだの電話でなにか感じたのか、夫がなにか連絡したのか分かりませんが…　こちらにいる間は、家に泊まるのであなたの部屋へはしばらく来れないと思います。

カンが良い上に、強力な人なので心配です。　　玲

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　たいせつな、あなたへ。

　ご無沙汰になってしまいました。ごめんなさい。初めての本当の郵便屋さん経由の手紙ですね。

　母親に福岡に連れ戻されてから、あなたのことばかり考えていました。今、親の目を盗んで抜け出てきて、あわててペンを走らせています。母親が「今までのノートを全部焼きなさい。焼いて戻りなさい」と言ったので、そちらに帰るまで同封のノートを預かって下さい。前の三冊のノートといっしょに、この次に会える時まで。

　結局、社会常識という壁の前に負けました。

　あの晩、あなたにとってつらい事でしかないはずなのに、私の母親にまで会って下さって本当にありがとう。喫茶店で三人で話した後、歩いて帰りましたね。二人並んで、母親の十メートル位後を歩いて。暗い夜道に入った時、私が「キスして」と小さな声であなたに言ったとき、あなたは、すぐ前を歩く母親に目をやった。

　「大丈夫、あの人は、決して振り向かないから」

　と私は答えて、あき・あなたの体に腕をまわして、あなたとのキスを貪りました。幸せでした。あなたには不思議でしかないかも知れませんが、私には母親が振り返らないという事が、分かっていました。それが娘と母というものなのかもしれません。

　けれどあの時、私がおねだりしたキスが、やはりあなたとの最後のキスになってしまったようです。少なくとも、あと数年は。

「ＳＥＸしたと夫に言ってしまわなければ良かったのに…」と、「言わなければどうにでもできたのに…」と、私の母親が言ったのを覚えていますか？大人の社会では、言ってはいけないことがあると学びました。

　そして��日、母親がこぼした言葉です。「あなたを連れて家を出て行こうかとも考えた。でも、できない」と。

　自分が育てた娘だから今回のことに責任を感じているようです。

　でも！、誰も理解してはいない。わかってくれているのは、あき・あなただけです。いい娘・大谷玲の仮面をかぶって、できるだけ早くそちらに戻ります。

　あなたの心の中の永住者になれるとしたら、うれしいです。でも、あなたの心の中に住民登録をして、私が消えて登録だけが残ったら、　あなたを悲しませる。だから、住民登録はしません。　…ごめんなさい。

　あなたが最終的に愛し結婚する女性。　それがだれなのかわからないけれど　きっと　彼女は最高にハッピーでしょうね。　　　あなたには　　大きな心と　　相手の気持を的確に読み取る心があるんですもの… 　　そのわからない誰かに、ジェラシー　全てジェラシー　「嫉妬」なんてしないつもりだったのに。

　　　　　　　　　　　　　　　さいごかもしれないあなたの・玲

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　『玲のノート』から

新「飛び出し」プラン

・おりこうさんピエロを演じてみんなを安心させる。・私名義の口座を新しく作る。・時期をみて部屋をでる。　１、部屋を見つける　２、荷物を少しずつ運び出す（宅急便）　３、スーツケースを下げて出る　４、仕事をさがす。この際、贅沢は言わない。

あき。　小さな小石一つが作った波紋の大きいこと。徐々に徐々に広がって徐々に徐々に消えてゆく…。しかし、小石一つが水面に落ちたということは事実なのであって、昨夜、夫の両親に頭を下げに行ってきました。その時に出た涙は、…　飛べなかったことへのくやし涙。涙を流しながら心の中で「あき！」と叫んでいた私。きっと、あと数年は抜け殻だけのピエロでいなければならないことになるでしょう。　今度のことで、どんなことがあっても口外してはならないことがある、と言うことを学びました。たぶん、二週間くらいでそちらに帰ります。しっかり大石玲の仮面をつけて。

　あき・あなたの香りのついたＧパンとセータを持ってきています。寂しいと、こっそり抱きしめています。

　親に連れていかれたのは内科。さすがに食欲のなさから体力が落ちていたから、なかば強引に連れていかれました。あき、医者なんていいかげんなものですね。専門外のことについては、ノータッチ。おかげで、神経性胃炎という病名をしっかりと付けられてしまったのです。けれど、おそれていた入院宣告はされずに無事帰宅。ハハハ…　って、笑いが止まらない。

　親の心の動揺が手に取るように分かるここ数日です。そして、電話のむこうの夫の様子も…。

　何をいわれても、「ハイ、ハイ」とおりこうさんフェイスで、神妙に頭を下げていても、その頭の中のもう一人の私がバクハツしたり、反発したり、笑ったり。偽善家は、偽善家としてしか生きる道がないのだと知りました。ピエロはピエロしか演じられないのと同じように。『そのもの』を放棄してしまえば『死』しか残らないということも。こんな大切なことに気づくのが遅すぎたようです。

　あき、あき。抜け殻だけのピエロの私を見たらあなたは、びっくりすると思う。今の私は、旧姓の岩永玲。大谷玲より岩永玲の仮面のほうが厚い。これは、あなたは知らないことです。

親は、私にいいます。「一切を断ち切りなさい」だから私も答えます。「はい」「本当に信じていい？」親は、もう一度。「ハイ、信じて…　」と私。 …　あなたなら、この会話で分かるでしょ？　大谷玲なる人物が。

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　完

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deusnatura · 8 years

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伊藤　二月十三日に、鈴木清順監督が東京都内の病院で亡くなられました。大正十二年、すなわち一九二三年生まれの九三歳でした。遺作は二〇〇五年公開の『オペレッタ狸御殿』になります。蓮實さんは、死去のニュースをどのような気持ちで受け止められましたか。蓮實　何か特別な「気持ち」があったかと言えば、ほとんどなかった。もうお撮りになることはないと思っていましたし、新作に入られるという噂をフランス経由で聞いたこともあったのですが、それはないだろうと思っていましたから。あのように自分の撮りたい映画をほとんど好き勝手に撮られた方ですから、大往生を遂げられてほっとした。これが正直な気持ちです。伊藤　読売新聞の追悼文（二月二七日朝刊）に書かれていましたが、蓮實さんは一九九一年に、鈴木清順監督と一緒にロッテルダム映画祭に参加されています。個人的な親交もあったとのことですが、最初に出会われたのはいつのことでしょうか。蓮實　鈴木清順問題共闘会議があった頃のことです。『シネマ６９』のインタビューで、山根貞男さんをはじめ編集部の方々が青山のあたりに席を設け、数人でお話しをうかがった記憶があります。伊藤　一九六八年四月に、鈴木清順監督が日活から解雇を通告されたことに端を発して、六月に銀座でデモが行なわれ、七月には鈴木清順問題共闘会議が結成されました。このデモに、蓮實さんも参加されたとうかがっています。蓮實　当時、シネクラブ研究会をやっていた川喜多和子さんが、清順さんの全作品上映会を企画していました。けれども、日活がフィルムの貸出しを拒否し、全作品を封鎖してしまったので、デモが組織されたわけです。だから、最初は「清順映画を見せろ」ということが、デモの主旨だった。それが段々、「資本主義体制下では、映画を撮ること自体が犯罪だから、清順も撮ってはいかん」というような話になってしまった。私はそんなことはないだろうと思い、「撮れる機会があれば撮っちゃっていいんですよね」と清順さんにうかがうと、「そりゃ撮りますよ」と笑っておられました。伊藤　蓮實さんは個別の問題として考えて参加されたのだと思いますが、このデモは時代状況もあって、学生運動とも繋がりを持たざるを得なくなったようです。当時の状況をもう少しお聞かせいただけますか。蓮實　私は責任者ではなかったんですが、しかるべき社会的な地位にあるということもあり、川喜多さんから、デモのまとめ役をやってくれないかと依頼され、「デモをまとめることなんてできません」と答えるしかなかった。事実、松田政男さんが学生を連れて入ってきて、渦巻きデモで盛り上げて、最後には総括を行ったりしている。総括なんてちゃんちゃらおかしいと醒めた目で見ていましたが、私服の警官ともかなり危うい関係になり、私が出てゆき、「お名前を教えていただけますか」とその私服に訊ねると、「教えられません」と答えたので、「あなたは公僕だから、教える義務がある」と言い返したりしたのをおぼえています。伊藤　鈴木清順問題共闘会議による裁判の支援にも関わりになられたのでしょうか。蓮實　形式上は支援者のひとりでありましたが、実際はほとんど関わりませんでした。共闘会議の最初の集まりにいくと、無償の政治的色が強く、自分の出る幕ではないと思って、そのまま帰ってしまいました。伊藤　この解雇問題のそもそものきっかけが、『殺しの烙印』（一九六七年）という作品です。これが日活社長の堀久作から、難解だと非難されました。僕の大好きな映画です。はじめて見たのは大学生の時です。何がなんだかよくわからないのですが、めちゃくちゃ面白い映画だと、そういう印象をずっと持っていました。でも、数年前にＤＶＤで見直して、考えが変わりました。序盤で、殺し屋ナンバー１を護送する最中に銃撃戦が起こります。トンネルがいくつもある細い道で、向こうから襲ってくる。僕はずっと、この場面は空間的な位置関係がデタラメだと思っていたのですが、ゆっくり再生して見てみると、そうではないことがわかりました。蓮實　細部は結構律儀に撮られているのがわかります。伊藤　位置関係がすべてわかるように撮られているのに気づいて、びっくりしました。空間は多少歪んでいるようには思うのですが、それでもわかるように古典的に撮られていたのです。この場面だけではなく、物語の全体が、何が起こっているのかという点に関しては明瞭で、すべて示されています。その意味では、わけのわからない映画ではまったくありません。八〇年代以降のいくつかの「難解」な作品とは明らかに違うのです。実は、『東京流れ者』（一九六六年）ともちょっと違います。蓮實　鈴木清順監督が我々に残したインパクトはあまりに強烈で、清順映画を見ることより、清順について語ることの喜びを誰もが行使しすぎていたと思います。鈴木清順と聞くと、何か言葉に出したくなる。その言葉は、結局のところ、「難解な清順美学」というものに尽きてしまう。そう言っておけばいいとみんなが思っており、『ラ・ラ・ランド』のデミアン・チャゼル監督までが、『東京流れ者』の影響について語ってしまう（笑）。『ラ・ラ・ランド』が、色彩の使い方において『東京流れ者』から間接的に影響を受けたというのは、わかりやすい話ではある。しかしチャゼル監督には、こう言いたい。『東京流れ者』に関してはともかく、清順さんは一九五〇年代から撮っていた人であり、他の映画をまともに見ていますか。清順さんはごく普通に映画を撮れる人なんですよ、と。もちろん非常に面白い個人的な視角も入ってきますが、難解な清順美学などと考えられているものは、我々にとって、もっともわかりやすいものでしかない。清順監督の真の意味での「難解さ」は、彼の撮ったごく普通の映画に現れている。私が好きな『悪太郎』（一九六三年）のような作品です。『悪太郎』は『野獣の青春』（同年）の直後に撮られています。『野獣の青春』では、色彩としての赤が強調されていたり花びらが舞ったり、いわゆる清順美学といわれているもので見るものを惹きつける。それが『悪太郎』ではがらりと変わって、ごく普通の地方映画になっている。ロケーション効果も見事です。背景となった土地の雰囲気や人物の動かし方は、ほとんど松竹映画を思わせさえする。導入部で高峰三枝子と山内賢を乗せた二台の人力車が広い堀端を行く複数のショットなど、胸がどきどきする��ど素晴らしい。清順さんはそういう普通の映画を撮れる人であり、人はそこを見ずに、清順美学と呼ばれているものだけを語ってしまう。しかも、美学と呼ばれているものを人々が本当に目にしてるかといえば、言葉で納得してしまっているだけです。八〇年代以降の鈴木清順作品と『殺しの烙印』は違うと今おっしゃったけれど、まさにその通りであって、上層部の評判が悪かったとはいえ、『殺しの烙印』は商品として充分使い物になっている。清順さんは五〇年代からずっと撮りつづけ、Ｂ級的・裏番組的な側面はあったにしろ、それで酷い損害を会社に与えたことなどまったくない。ただし、時々ちょっといたずらをしてみることがあって、それが受けたので、ご自身もそちらの方向にいくところがあった。そんな感じだったと思いますね。伊藤　一九六二年までの初期の作品では、『すべてが狂ってる』（一九六〇年）が飛び抜けて好きなんです。戸外での若者たちの歩行や自動車の走行の感覚、さらには室内の性的な場面での、ネ津良子や中川姿子の瑞々しい演技など、どれも素晴らしいですよね。語りの経済性がしっかり尊重されていて、ロケーション撮影のリアリズムも魅力的です。こういうのを見ると、普通の映画をきちんと撮れる監督だということがよくわかります。そうした基本がしっかりしているから、映画を崩して撮っても大丈夫なんですよね。蓮實　下手な人が崩すと、どうしようもなくなってしまう。ただ、清順さんが演出のうまい監督だとは、誰も言いませんでした。見る前から、演出が変だと思われていたのです。『すべてが狂ってる』は、私も非常に好きな映画です。日活だけはなくて、当時の五社では、地方ロケが多かった。その土地の雰囲気をうまくとらえて、地元の人たちにも見てもらおうという狙いがあったのでしょう。だから『けんかえれじい』（一九六六年）にしても、備前と会津若松が舞台になっている。それぞれの場面がその場所で撮られているかどうかはともかく、このふたつの舞台が素晴らしい。しかも、会津では白虎隊をからかっている。私は、監督の語る言葉などほとんど信用しませんし、その言葉で論を立てることもしない人間ですが、清順さんが「明治が嫌いだ」と言っていたことだけは、信用しています。つまり明治維新も嫌いであり、白虎隊なんてちゃんちゃらおかしいと思っていた。よくあんな映画を会津若松で撮れたなという気がするほど反明治的であり、大正・昭和の感じが強い。それから、ラストの鶏小屋における乱闘シーン。あそこも、本当は全部が正しく繋がるように撮られているのですが、余計なことをひとつ見せることによって、何をやっているかがわからなくなる。つまり仲間がみんな縛られているところで、高橋英樹が蝋燭の火でロープを焼き切って逃れる。それで最終的に喧嘩に勝ったり、ふと北一輝が出てきたりするところも格別に面白い。伊藤　『けんかえれじい』では、高橋英樹と浅野順子の、最後の別れの場面が大好きなんです。修道院に入るという浅野順子が、高橋英樹の部屋を出て障子を閉めるんですが、その後、ふたりは障子越しに指をなぞり合う。すると、女の指が奥から障子をそっと突き破って男の指に触れるんです。この指が本当に素晴らしいと思います。まさに正統派の演出です。蓮實　おっしゃる通りですね。障子といえば、石原慎太郎を思い起こしがちですが、そんなことを忘れさせるほど、あの場面は素晴らしい。ふたりは、破れた障子を通して指を絡ませることしかできない人たちだった。その関係が実にうまく描かれている。グリグリ坊主の高橋英樹の凛々しい立ち振る舞いが実にいい。男優では『関東無宿』（一九六三年）の小林旭も素晴らしいし、ああやって役者を真に活かすことができる監督は、そうはいないと思わせるほど演出がうまい。伊藤　『関東無宿』は、窓の外が黄色から青紫に変ったりする演出に目がいきがちなのですが、やはり物語がきちんと語られていますよね。組の違うふたりの男、小林旭と平田大三郎が、それぞれやくざ社会の中で追いつめられていく。その一方で、女学生役の中原早苗が、やくざ社会に入っていく。三人の物語が端正な演出により並行して描かれていて、胸を打たれます。ただし、『けんかえれじい』に関してですが、蓮實さんは以前『ユリイカ』で、ラストの雪に寒さが感じられないと指摘されました。この寒さの欠如は欠点ではなく、映画的な運動を表層に露呈させるための演出だとされました。『花と怒涛』（一九六四年）のラストにも新潟の雪景色が登場し、これもセットで作られた感じが強くて、寒さが欠落しています。ただ、ここでは『けんかえれじい』のように見事な映画的運動が組織されているとは言えません。雪の場面を見ていると、正直に言えば、もうちょっと寒さを感じさせてもいいような気がします。一九六〇年代なら、大映の三隅研次や、東映の加藤泰の雪は本当によかったと思います。鈴木清順の描く雪は、それらとは少し違っています。それに、グリフィスの『東への道』の終幕を考えれば、雪の寒さと映画的な運動の両立は、本来、十分可能ではないかと思います。蓮實さんはどのように考えていらっしゃいますか。蓮實　『東への道』はロケーションですよね。清順監督の映画の雪は、ほとんどセット撮影ですからね。その違いはあると思います。「アメリカ映画は、あんなところによくロケーションにいけるなあ。僕もやってみたい」ということを、清順さんはよく言っておられました。グリフィスのように雪の冷たさを表現するのは、自分たちには端からできないと思っていらしたんじゃないでしょうか。伊藤　雪の寒さの描写に、まるで興味がなかったようなふしも感じるのですが。蓮實　そこまではわかりませんが、実際に雪景色の中で撮っている『東京流れ者』にも、寒さは季節として描かれていない。伊藤　季節感の不在について、蓮實さんは『ユリイカ』で論じておられました。蓮實　それも、「明治が嫌いだ」ということと、どこか通じるものがある気がする。伊藤　先程、高橋英樹がいいとおっしゃられました。『刺青一代』（一九六五年）での彼の演技も素晴らしいですよね。この作品では、ラストの殴り込みの場面が有名です。水色の襖を次々と開け、その次に黄色い襖を開けていき、さらには暗闇の中で、拳銃の銃口から赤い光が放たれます。多くの映画監督に影響を与えている場面ですね。でも、この殴り込みだけでなく、そこに至るまでの盛り上げ方も素晴らしいんです。抑えた描写で、徐々に、だが確実に情感を盛り上げていく。この演出がしっかりしているから、最後の抽象的な様式美も、多くの観客に受け入れられたんだと思います。蓮實　私は『刺青一代』が公開された年の暮れにフランスから帰ってきたので、リアルタイムでは見ていない。一九六二年の秋から六五年までの作品は、すべて後に名画座などで見たものです。　伊藤　蓮實さんがはじめてご覧になった鈴木清順監督の映画は、どの作品ですか。蓮實　『裸女と拳銃』（一九五七年）だったと思います。先程『悪太郎』が好きだという話をしましたが、そういう意味でいうと、私にとっての鈴木清順は、「太郎」の人なんです。本名が清太郎であり、私がはじめて見た清順監督の映画で主演していたのが、水島道太郎。最初見た時は、この人がどうして主演をはれるのか、不思議な感じを持ちながら見ていました。では、『裸女と拳銃』をどうして見ることになったのか。私の高校の先輩に三谷礼二という、後にオペラ演出家になった方がいるんです。彼は大学時代、『孤獨の人』という映画に出演して、大学を退学処分になっています。『孤獨の人』は学習院の高等科が舞台になっていることもあり、映画の衣装として、私も制服を貸したりしたのですが、三谷さんはその後、日活の宣伝部に移ったので、大学時代の私はよく試写室で公開前の映画を見せてもらいました。ある時、「三谷さん、今日は何か面白いのない？」って聞くと、「清太郎があるから来い」と言われて見たのが、『裸女と拳銃』だった。めちゃくちゃ面白くはなかったけれど、なかなかよかった。次の『暗黒街の美女』（一九五七年）も水島道太郎主演で、その頃の清順さんの映画は、当時日比谷にあった日活の試写室で見ました。飯島正さんなどが来ておられ、胸をどきどきさせながら見た記憶があります。伊藤　『裸女と拳銃』が鈴木清太郎名義の最後の映画で、『暗黒街の美女』で鈴木清順に改名したんですね。『暗黒街の美女』はダイヤモンドをめぐる話です。男がダイヤを飲み込んで死ぬと、その男の腹を割いてダイヤを取り出すんです。すごい話だなと思いながら、楽しんで見ました。デビュー時から毎年何本も撮りつづけているのですが、一九六〇年代に入ると、長門裕之主演の『密航０ライン』（一九六〇年）や、『百万弗を叩き出せ』（一九六一年）と『俺に賭けた奴ら』（一九六二年）という、和田浩治主演のボクシング映画などを撮ります。蓮實　『密航０ライン』もなかなかのものでしたね。伊藤　長門演じる新聞記者が、国際密輸組織を追う話です。横浜でロケをしていて、テンポがよく、長回しのショットも充実していました。話が前後しますが、『素ッ裸の年令』（一九五九年）は赤木圭一郎の初主演作で、ローティーンやくざたちのオートバイ映画です。『散弾銃の男』（一九六一年）は無国籍的なアクション映画で、主演の二谷英明扮する流れ者が、突然アコーディオンを弾きながら歌い出したりしました。六〇年に五本、六一年には六本も公開されていて、六二年の『ハイティーンやくざ』と『俺に賭けた奴ら』、六三年の『探偵事務所２３　くたばれ悪党ども』『野獣の青春』『悪太郎』『関東無宿』とつづきます。『野獣の青春』で、鈴木清順は変わったと言われています。映画館のスクリーンの裏側に組織の事務所があるという設定が、なんだか想像力を刺激して、強く印象に残ります。蓮實　リアルタイムでは見ていない時期なので、『野獣の青春』は帰国後に新宿昭和館で見ました。伊藤　僕は一九六九年生まれなので、ほとんどの鈴木清順の映画をリアルタイムでは見ていないんです。『ツィゴイネルワイゼン』（一九八〇年）と『陽炎座』（一九八一年）さえ、小学生でしたから見逃しました。ただ、世間でかなり話題になっていたので気になっていて、中学二年生の時に『ツィゴイネルワイゼン』を見ました。これが僕の鈴木清順の初体験です。何がなんだかわからない異様な衝撃を受けたのですが、この映画から入ったことは、ある意味で不幸だったと思います。その後、『関東無宿』などをテレビで見たのですが、スタンダードサイズに切られていて、正直なところ、当時は今ひとつよくわかりませんでした。鈴木清順の真骨頂が日活時代にある、特に六三年から六七年だと確信できたのは、大学生になってからのことです。そんな経緯があって、いまだに不安定な姿勢を示すことがあり、『ツィゴイネルワイゼン』自体も、この歳になっても幽霊映画として熱烈に好きなんです。蓮實　ご本人は「大正三部作」とは言いませんが、あの頃の清順さんは、荒戸源次郎という面白いプロデューサーが出てきて、清順作品をサポートした。しかも上映がテントで、『ツィゴイネルワイゼン』は、東京タワーの下に設営されたテントで見た記憶があります。その前に『悲愁物語』（一九七七年）があったけれども、あれは松竹系だったので、やはり『ツィゴイネルワイゼン』は久々のカムバックという感じもあり、「清順さんやってるなあ」と嬉しく思いました。もちろん映画としても非常に面白かった。ただ、この清順は「やさしい作家」だとも思いました。つまり評判になりやすい映画じゃないですか。私は、むしろ評判になりにくい清順が好きなところがあり、『悪太郎』にしてもそうですね。『ツィゴイネルワイゼン』からは、『陽炎座』『カポネ大いに泣く』（一九八五年）『夢二』（一九九一年）とあり、その頃の清順さんは、世界的な有名人だった。読売新聞の追悼にも書いたけれども、ロッテルダム映画祭では、誰よりも清順さんがスターだった。海外の他の映画祭でも、清順さんとは何度かご一緒しましたが、トリノ映画祭での『東京流れ者』の上映後は、外国人の観客までが「トウキョウ、ナガレモノー♪」って歌いながら劇場から出てくる。こんなに簡単に「毛唐」を騙していいものかと苦笑した記憶があります。『ラ・ラ・ランド』のチャゼル監督までが騙されてしまったわけですから（笑）。伊藤　『東京流れ者』は、ラストのアクションシーンが基本を崩していて、すごいですよね。単にクラブのセットが抽象的というだけではなくて、カット割りがおかしいんです。白いスーツの渡哲也が黒服の男を撃つと、撃たれた男のピストルが飛んで、ピアノの鍵盤の上に落ちるのですが、飛んでいく方向が明らかに逆なんです。また敵方の男たちが入ってくる時に、どちらの方向から来たのかわからないショットがあります。翌年の『殺しの烙印』ともちょっと違うんですね。ただ、こうしたデタラメさをそれ自体面白いと受け止めていいのかどうか。古典的な基本を踏まえながらも、あえてここは踏み外して撮っていると考えればいいんでしょうけれど。崩すことそれ自体に価値があるというのは、ちょっと危うい気がします。ともかくこの辺りの崩し方が、『ツィゴイネルワイゼン』以降、さらに徹底されていくのではないでしょうか。蓮實　『陽炎座』は、あえて繋がらない映画として撮られている。伊藤　たとえば冒頭の橋と階段なんて、ここまで崩していいのかというぐらいデタラメに撮っています。ちゃんとした映画を撮れる監督だからと思って見ていると、やっぱり面白くなってくるのですが、もし新人監督の第一作だったら、どう受け止めていいのかわからなくなるような映画です。鈴木清順の作品の中では、『陽炎座』が一番過激な映画ではないでしょうか。蓮實　ここでの役者の使い方も過激ですね。演技をさせているようでいて、演技させていない。役者に演技などさせてやらないという点でも、過激な監督だと思います。元々清順さんは、脚本の段階で気に入らないと、書き直しをさせる人だった。新藤兼人にまで書き直させたという逸話もあります。しかし『陽炎座』の頃になると、脚本を直させるというよりも、現場で脚本を変えてしまう。前の晩に思いついたことを、そのまま撮るから、繋がらない映画になってしまったと思います。伊藤　最初から繋がらないことを目的にしてやっているとも、言い切れないのですね。でも、八〇年代から鈴木清順の映画を見はじめると、繋がらないこと自体が面白いみたいな形で受け止めてしまいがちになります。その辺り、やはり受容の仕方が不幸だったのかもしれません……。伊藤　話題を変えて、鈴木清順の映画を今後どう受け止めていくべきかについて、うかがいたいと思います。繰り返しになりますが、鈴木清順はキャリアを通して、本質的には映画を崩していった監督として受け止めるのがひとつの筋だと思います。ただ、蓮實さんの受け止め方では、元々基本ができている監督であり、そこを見よということですよね。しかし、鈴木清順から影響を受けている監督たちは、たとえばタランティーノにしても、審美主義的に継承しがちです。原色の使い方とか、様式美とか、そういう面に影響を受けながら映画を撮るわけです。では我々は、ここから先、どのように鈴木清順の映画と向き合っていけばいいのか。蓮實さんの考えをお聞かせいただけますか。蓮實　現在では、あらゆる映画が、ＤＶＤなどで簡単に見られる時代になっています。鈴木清順さんの作品も、四分の三ぐらいは見ることができる。そうすると、見られないことが惜しくなくなってくる。昔は、名画座にしかかからなかったから、見逃す手はないと思って必死に通ったわけです。ところが、いつでも見られるんだからと人びとが考える時代に、鈴木清順の何を見よと、批評家や教師が言えばいいのか。ひとつには、逆説的になりますが、『東京流れ者』は、しばらく誰にも見せないようにしたい。あれを見たら誰もが面白いと思ってしまうので、そのような面白さを禁じないと、真の清順には達しえないからです。もちろん、真の清順なんて存在するはずもありませんが、一九四〇年代のおわりに松竹に入り、助監督として鳴かず飛ばずの生活をして、日活に移って映画を撮りはじめた。時々妙なものを撮るけれども、会社に大変な迷惑をかけたわけではないし、その中から清順さん独特の面白さを次々に発明していったわけです。まさに撮ることによる映画の発明を実践しておられたと思います。その面白さについて、しばらくは『東京流れ者』のことは忘れて論じるべき時がきている気がします。『東京流れ者』は、わからないことがわかりやすい映画だからです。ところが、わかるということがわかりにくい映画を、清順さんは撮っている。『悪太郎』がそうです。どこが面白いのかがすぐにわからないけれども、じっと見ていると、ロケーションが素晴らしかったり、人物と風景の関係が素晴らしいということがわかってくる。ですから、私は、『東京流れ者』を当分見ることを自粛せよと言いたい（笑）。あれを見て、鈴木清順のわからなさを安易に面白がってはいけないと思います。伊藤　『悪太郎』は、十年ぐらい前に見て以来、見返していないのですが、抒情的な描写がとても印象的でした。あの映画ではあと、和泉雅子が好きなんです。彼女は『刺青一代』にも出ていて、こちらもとてもいいですね。高橋英樹が、「俺のカラダは汚れてるんだ」と言って、胸をはだけて刺青を見せます。その時の、切り返しショットでの和泉雅子の表情が素晴らしかった。言葉が漏れ出そうになるのをグッとこらえて、無言で男を見つめるんです。こんないい表情をする女優なんだと感動しました。蓮實　和泉雅子って、かったるい女優だと思っていたけれど、確かに『刺青一代』や『悪太郎』の彼女はいいですね。伊藤　かったるい、ですか。あと女優では、蓮實さんも追悼文で触れられていた、『春婦傳』（一九六五年）や『河内カルメン』（一九六六年）の野川由美子ですね。『春婦傳』も長い間見返していないのですが、戦争中の中国が舞台で、真夜中に砲弾が火花のように炸裂するなかを彼女が走るのが、記憶に焼きついています。蓮實　闇の大地を、野川由美子が疾走する。それが単なる抽象的な疾走ではない。砲弾が飛び交う中を、走りに走る。あの具体的な疾走ぶりに、私はただただ感動してしまう。伊藤　カメラも横移動するんですね。細部の記憶はあやふやなのですが、野川由美子は、『肉体の門』（一九六四年）より『春婦傳』の方が一段上でした。蓮實　そう思います。『肉体の門』もいいけれども、やはり『春婦傳』における野川由美子のあの疾走ですね。つまり、あれだけ走ると、息が切れてしまう。その必死な女優の姿を見せてしまうところが、清順さんの演出の素晴らしさだと思います。野川由美子は『悪太郎伝　悪い星の下でも』（一九六五年）でも非常にいい。少し崩れた感じがよかった。もちろん東映のやくざ映画、たとえばマキノ雅弘作品にも出ていたけれども、崩れるようで崩れきらない女の意地みたいなものが、野川由美子にはあるんです。清順さんは、そういうものが本当に好きだったと思いますね。伊藤　野川由美子は日活専属ではないので、鈴木清順が繰り返し起用したということは、彼女が気に入っていたんでしょうね。蓮實　お気に入りといえば、『関東無宿』の伊藤弘子もそうでしょう。和服姿で小林旭を惑わす妙齢のファム・ファタルとして逸品でした。『陽炎座』にも出演依頼をしておられますから、清順さんの無意識に触れる何かを持っていた女優だとおもいます。ところで、伊藤さんが最初に見られたのは、『ツィゴイネルワイゼン』だとおっしゃいましたよね。伊藤　はい、中学二年生の時です。蓮實　あれが一九八〇年の公開ですから、そこから三五年以上経っている。清順さんが日活で撮りはじめてから『ツィゴイネルワイゼン』までが、ほぼ二五年です。この間、彼は二本立ての裏番組を律儀に撮っていましたが、その時期の方が短い。ここが難しいところだと思います。清順映画の難解さが面白いんだという受け止められ方をしてから今日まで三五年ですが、それは、鈴木清順にとってではなく、我々映画を見るものにとっての不幸であるような気がします。清順さんご自身は「代表作は何か」と聞かれると、「最後に撮ったものです」とか「これから撮るものです」と言っていましたが、自分の映画で何が好きだったのかについては、ついに最後まで語らなかった。ところが、我々から見てみると、少しも難しくない清順映画があって、その中には、評価することの難しさで見るものを途惑わせる作品がいくつかあるわけです。『春婦傳』だって難しくはない。ただ、我々をたじろがせてしまう何かがある。それが撮りたいものだったかどうかはともかく、この場面をこのように撮るぞという時には、本気に撮れる人だった。伊藤　蓮實さんとはちょっと違うかもしれませんが、僕が鈴木清順の映画で一番好きなのは、『殺しの烙印』の防波堤の銃撃戦です。宍戸錠が自動車の下に潜り込んで、敵に近づいていくのですが、その見た目で銃撃戦を捉える、前進移動のローアングル・ショットがあります。戦慄するショットでした。こんなアクションシーン、こんなショットにはめったに出会えるものではない。僕が鈴木清順を心から好きなのは、あのショットを撮ったからだと思います。ところが、この場面について、防波堤にあんなふうにロープが置いてあるなんてご��合主義でおかしいと言う人がいる。逆に、ご都合主義だからこそ面白いと言う人もいる。でも、僕は単にアクションシーンとして素晴らしいと思うんです。あれを越える銃撃戦があるとしたら、ゲルマンの『道中の点検』のラストぐらいではないでしょうか。蓮實さんは、『殺しの烙印』や『東京流れ者』はあまりお好きではないのでしょうか。蓮實　『東京流れ者』は好きですが、『殺しの烙印』はそんなに見直していません。告白してしまうと、私は、宍戸錠という役者があまり好きになれなかった。あの頬っぺたの膨らみ方が、どうも好きではない。宍戸錠に比べると、圧倒的に小林旭が好きでした。たとえば、『関東無宿』の冒頭、橋の上を歩いているロングショットに続いてすっとバストショットになった時の、その顔の傷の見せ方が、実にいい。あの頃、スターは唯一小林旭しかいなかった。いい二枚目の人たちがたくさんいたし、アクション俳優も何人かいたけれど、役者としては小林旭が飛び抜けて好きでした。多分私は、日活ファンとしては失格だと思います。エースのジョーが好きじゃないなんて言っているぐらいだから（笑）。実は、石原裕次郎も渡哲也もあまり好きではない。『東京流れ者』の渡哲也に比べたら、『刺青一代』の高橋英樹や『花と怒涛』の小林旭の方がはるかにいい。なぜそこまで言えるのかというと、着流し姿が似合うかどうかなんです。渡哲也もいいんだけれど、どこか和服が似合わない。ところが高橋英樹も小林旭も、和服が着られる人たちなんです。小林旭の『関東無宿』は、特に後半部分は何度見てもいいですねぇ。着流しで雪駄を履く感じが様になっている。ふっと振り返る瞬間の演技も、いわゆる東映のやくざ映画とは違う。人間のもっと生々しい感じが出ているんですよ、あの頃の小林旭や高橋英樹には。伊藤　今回鈴木清順が亡くなって、どれも見直したばかりなんですが、そういう点に注目して、もう一度見たくなりました。鈴木清順の映画での小林旭は、他の監督の時と違って、暗くて翳りがありますよね。蓮實　小林旭は、他の監督の映画では随分笑っている。でも清順さんの映画では、『関東無宿』にしても『俺たちの血が許さない』（一九六四年）にしても、ほとんど笑わない。あの笑わない小林旭が好きなのです。伊藤　読売新聞の追悼文によると、蓮實さんが鈴木清順さんに最後に会われたのは、二〇〇五年に『オペレッタ狸御殿』が公開された時ですね。蓮實　そうです。東海大学で、山根貞男さんと一緒に、清順さんにインタビューさせてもらった時が最後です。清順さんは私よりも一回りぐらい年上なのですが、「蓮實さん、蓮實さん」と会えば気さくに声をかけてくださる方だった。一度、ＮＨＫでもばったりお会いしたことがあったのですが、「今日は役者ですわ」と苦笑しておられました。世代的にいうと、私の母が大正元年生まれで、それで大正というものに若干惹かれるところがあって、清順さんに親しみをおぼえるのも、そういうところが関係しているのかもしれません。恩師の山田𣝣先生も大正生まれで、何か近いものを感じてしまう。瀬川昌久さんも清順さんとほぼ同世代で、初対面なのに、昔からの知り合いのような感じで話をしてくださいました。なぜか大正生まれの人たちとは馬が合うのです。ただ、三島由紀夫と馬があったかというと、そうはならなかった気もしますが（笑）。伊藤　その世代だと、戦争を経験していますよね。鈴木清順監督も学徒出陣で応召し、輸送船が攻撃を受けて、海を漂流したりもしました。『春婦傳』で戦争が描かれていますけれど、やはり戦争体験が、後々の作風に影響を及ぼしたと考えられるでしょうか。蓮實　よくわかりません。それは、わかろうとする気持ちなど一切ないというのが、私の依怙地なところかも知れません。おそらく何かしらの関係はあったのかもしれませんが、鈴木清順監督は、そのことが映画の上に影響を及ぼすほど、やわな人ではなかろうと思う。戦中の記憶が映画なり、彼の作風なりに現われるほど、体験そのものがやわなものではないはずでしょうし、我々にわかる程度の影響だったとしたら、映画なんか撮らないんじゃないかという気もします。伊藤　もしかしたら戦争で死んでいたかもしれない。だから、戦後の自分の人生は、ある意味で余生みたいな感覚があって、そのことが、特定のイデオロギーを主張しない、相対主義的な態度にどこかで繋がっていった。そういう予想も立てられるとは思いますが、蓮實さんのお考えでは、それは違うということですね。蓮實　そのことは誰も知り得ないと思うし、また知ったからといって、清順さんの映画への理解が深まるものではないということです。つまり、あの頃の男たちは、多かれ少なかれ、みんな死にかけている。瀬川さんだって、学徒兵として戦争に行っておられたし、山田𣝣さんにしてもそうです。でも、そのことが後の彼らにどのような影響を与えたかは、私たちにはわからないことだと思います。また、簡単にわかった気になってはいけない。あの世代の方々にとって、戦争体験というものが本当に何を意味しているのか、実体験のない私にはイメージできない。撃沈された輸送船から放りだされた清順さんが波間を漂っている姿など、絶対に想像できないし、してはいけないと思う。確かに、戦争を生き延びたという感覚はあるのでしょうが、だからといって、終戦の時は二十歳ぐらいですから、それ以降が長い余生ということでもないでしょう。その辺りは、本当に想像がつきません。

週刊読書人ウェブ蓮實重彥氏に聞く（聞き手＝伊藤洋司）鈴木清順追悼 http://dokushojin.com/article.html?i=1051

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