#カスタマーサクセスの未来を創ろう
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teru4454 · 3 years ago
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奥田さんに紹介頂き、(奥田さん、ほっんとうにアザマス😊🙇‍♂️ ”カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」” を出版されている弘子さんが、日本に一時帰国の合間に、Inspired.Labに来てくれました! 弊社内イベントにオンライン登壇して頂いた事もあり、一方的に存じ上げていたのですが、今回初めてリアルで! 胸熱過ぎる!🤩 弘子さんが価値&市場創出を牽引されている、日本にカスタマーサクセスを根付かせ、日本企業を強くしていく取組みと、SAP女子プロジェクト含む、でじたる女子プロジェクトとは、きっと連携 & 女性の皆さんにとっても、日本企業にとっても、そこに関わる私たちにとっても、相乗でみんなにとって価値拡大出来るはず! と、沢山ディスカッションさせて頂きました! 来年あたり、具体的な取組み発表出来るのを目指したい!!!💪 弘子さん、引き続きどうぞよろしくお願いします!! そして、弊社社員にとって、超推薦図書!むしろバイブル?!と言っても過言ではない、弘子さん著書の ”カスタマーサスセスとは何か” Kindle版で持っていたのでが、弘子さんと会えるとの事で、実は四冊ポチっちゃいました! そして会って早々に、SAPの同僚の皆さん宛にサイン書いて頂いてしまった😆 一冊弘子さんに頂いたので、全部で5冊のサイン入り本あるのですが、役得で一冊は私が貰うので😝 四冊、SAPの同僚の皆さん向けに提供します! 僕の #自腹万歳 オゴリで!🙌😆 社長室長と配布(抽選?!)方法相談するので、同僚の皆さんお楽しみに😍 #カスタマーサクセス #サクセスラボ #カスタマーサクセスの未来を創ろう #女性活躍推進 #でじたる女子プロジェクト #でじたる女子活躍推進コンソーシアム #SAP女子プロジェクト #MAIA #SAP (Inspired.lab) https://www.instagram.com/p/CfIf_G0vKpO/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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tak4hir0 · 5 years ago
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「DXのラストワンマイルを埋めるプレイヤー」  DXに向けた企業の取り組みが進む中、これまで情報システム構築/運用を支援してきたシステムインテグレーター(以下、SIer)にも変革の波が訪れている。特にDXトレンドを考える上で不可欠な要素の一つがクラウドだ。中にはクラウドを活用しながら、従来型のSIerが提供できなかった高付加価値なサービスを提供する例も増えつつある。  そうした中でも、Salesforceを中心にしたマルチクラウド環境で「SIサービス」と「自社サービス」の2つを展開し、急成長を遂げているのがフレクトだ。2005年に設立され15年を迎える同社は、SalesforceのインプリメンテーションパートナーとしてあらゆるSIサービスの開発/運用を支援する一方で、Salesforceプラットフォーム上でリアルタイム車両管理システム「Cariot」を自社で開発し、セールスフォースが提供する業務アプリのマーケットプレースであるAppExchange上に展開/提供する新しいビジネススタイルを採っている。 フレクト 代表取締役 黒川幸治氏  SIサービスはいわゆる受託業務ではなく、アイデアの提案からアジャイル型でのシステム開発、継続的な保守運用までを手掛ける。自社サービスも、単なるパッケージ製品の売り切りビジネスではなく、SaaSで提供するサブスクリプション型ビジネスとして展開している。代表取締役の黒川幸治氏は、そんな同社の立ち位置を「DXのラストワンマイルを埋めるプレイヤー」と表現する。  「弊社の企業ビジョンは『あるべき未来をクラウドでカタチにする』こと。これからの時代に求められるヒト、モノ、コトを滑らかにつなぐデジタルサービスを提供していきたい。常に見据えているのは、サービスの先にある顧客の成功、カスタマーサクセスです。現在は、DXトレンドを背景に、IoT、モビリティ、AIなどの分野で新たなテクノロジーが数多く登場しているものの、顧客企業がそれらをうまく使いこなせていない状況です。弊社はそうした中で、ラストワンマイル――“顧客接点に関わる部分”にフォーカスし、カスタマーサクセスに向けて、クラウドの先端テクノロジーとデザインの実装まで包括的に提供しています」(黒川氏)  黒川氏は、「DXにおける重要なテーマは、“顧客体験をいかに高めていくか”にあります」��強調する。そこで顧客ニーズの変化に迅速に対応するためにクラウドを活用して俊敏性(アジリティ)を獲得し、さらにUI/UXを高いレベルで提案、実装することで体験価値を高めるというわけだ。当然ながら、そうした取り組みを実現する上では従来型のSIerのスタンスでは立ち行かない。  「言われたものを作るという時代は終わったと思っています。SIはアイデアの提案からものづくりまでを担うことが求められるようになってきた。もちろん経営環境変化が速い中、顧客企業のゴールを最初から理解するのは難しい時代になっていますし、そもそも正しいゴールを設定することも難しくなっている。そうした中でも状況変化に応じて顧客企業と共に正しいゴールを目指す、その方向をSIとして指し示すことが重要だと考えています」(黒川氏) セールスフォース パートナーとして事業を拡大  Salesforceを中心としたマルチクラウド環境を活用するフレクトだが、創業当初はWebアプリケーション開発が事業の柱だったという。クラウドインテグレーターへと舵を切った背景について、黒川氏は「技術革新の速さと、それに伴う技術の陳腐化に対応する必要があった」ことを挙げる。また、当時は「技術的な境界」を埋めることが難しく、ユーザーニーズに迅速、柔軟に応えにくくなっていたことも大きな理由だったという。  「例えば当時は、インフラとアプリで技術領域が分断されていて、一方の技術を一方で生かすことが難しいという事情がありました。また、アプリケーション開発とUI/UXなどのデザインについても境界がありました。そうした境界を埋めることがサービスのスピーディーな提供、さらには提供価値の向上につながります。その境界を埋めるのに適した技術がクラウドだったのです」(黒川氏)  クラウドプロバイダーとしてSalesforceを選択した理由は大きく3つあったという。1つ目は、フロント開発に強みを持つフレクトとの補完性が高かったこと。バックエンドにSalesforceを用いることで開発の俊敏性を高めるとともに、フロント開発にリソースを集中させて、強化することができた。2つ目は、エンジニア集団であり営業職が存在していなかったフレクトにとって、セールスフォースからの営業支援が大きな助けになったこと。具体的には、リードの獲得からアプリのセールスまで支援してくれることが魅力だった。3つ目は、他のクラウドサービスプロバイダーと比較して、アライアンスの体制がしっかりしていたこと。充実したパートナー制度があり、運用にも力が入っていて、先行するパートナーの成功事例も多数あったという。  「当時のわれわれの弱みの一つだったセールスやバックエンドでの実績を補完してくれ、強みであるフロント開発やデザインを伸ばすことができるのがSalesforceでした。クラウドインテグレーターへの変革とは事業自体のピボットでもあり、当初こそ苦労はしましたが、Salesforceをバックエンドの軸としてフロント開発に注力することで、HerokuやAmazon Web Services(AWS)を加えたマルチクラウド環境でのインテグレーションやデザインアプローチを活用した独特なポジションを作る��とができたのです」(黒川氏)  先の言葉のように、メリットは技術面だけにとどまらなかった。セールスフォース��営業支援力は、フレクトのマーケットそのものを大きく広げる一助にもなった。  「当時のわれわれではなかなか出会いの場がなかった大手ユーザー企業と仕事ができたり、Salesforceを活用した国内初のAI事例のような、先端テクノロジーを導入する現場に居合わせたりすることができました。リアルタイム車両管理システム『Cariot』(キャリオット)をSaaSで自社サービスとして開発、提供できたのも、Salesforceをプラットフォームに使い、パートナーに選択したからこそです。ビジネス機会の拡大も含めて、われわれ単独で実現することは難しかったと思います」(黒川氏) “共通解”と“個別解”を組み合わせて顧客接点を強化  セールスフォースのパートナーであることは、ビジネス面だけでなく、技術面でも大きな意味があった。取締役 COO(最高執行責任者)の大橋正興氏は「“共通解”と“個別解”を組み合わせることで、顧客接点を強化できるようになった」と説明する。共通解とはすなわちSalesforceの各種サービス、個別解とはフロントエンドを軸にフレクトが独自に開発する部分を指す。 フレクト 取締役 COO 大橋正興氏  「Salesforceなどのクラウド技術を共通解として利用することで、より付加価値の高い個別解の部分にリソースと時間を集中できるようになったのです。顧客にとって他社との差別化を図る部分は個別解です。そこにエンジニアのリソースを集中させ、すでにある使える技術はできるだけ使う――エンジニアがそうしたマナー、マインドで取り組むことで、われわれは付加価値の高いサービスを提供でき、顧客企業はサービスという顧客接点を強化できるのです。換言すれば、バックエンドでSalesforceというベストプラクティスを活用し、われわれは差別化領域となるフロントエンドで勝負するということです」(大橋氏)  こうした共通解と個別解の組み合わせは、エンジニアのキャリアやモチベーションにも大きく影響するという。特に、“バックエンドのベストプラクティス”であるSalesforceは、大規模企業の開発要件にマッチする傾向が強い。「自分が携わったサービスが、実際に社会で役立っている」ことにエンジニア自身が触れる機会が増えたのだという。例えば、建設機械をIoT化した大手建設会社のプロジェクトに、フレクトはアプリ開発パートナーとして参加した。建設現場で稼働する建設機械を見たエンジニアは、「自分の開発したアプリで社会貢献できた」と感じ入っていたという。  一方で、個別解にリソースを集中することは、エンジニア自身がスキルやノウハウを磨きやすくなるというメリットにつながっている。実際、現在のフレクト社内には、IoTやAI関連のシステム開発やデザインを突き詰めた社員が数多くいるという。 フレクトの社内  「エンジニアにとって未知の分野に取り組むことは大きな喜びです。共通解に力を割かずに未知の分野にチャレンジし続けられるので、大変ではありますが実現したときの喜びはおのずと大きくなります。こうした環境をSIerが一社単独で整えることは実に難しい。しかしセールスフォースのパートナーとなることで、それが実現できたのです。技術面から見て、このメリットは非常に大きいと思います」(大橋氏) テクノロジーの進化がビジネスの幅を広げる  ただ一方で、「Salesforceはプロプライエタリなサービスであり、オープンスタンダードではない」と思われている面もあるが、大橋氏はその見方は一面的だと指摘する。  「共通解とは、すなわち『大きく手を加えることなく、実現したいことができる』という意味です。手を加えない部分でオープンであるかどうかを問う意味はあまりありません。最も重要なのは『顧客にどんな価値を提供できるか』です。実際、フレクトにも顧客への価値提供にフォーカスしたいがために、Sales CloudやService Cloudなど高いレイヤーの技術を習得してカスタマーサクセスを追求しているエンジニアがいます。その一方でオープンソースソフトウェア(OSS)が好きなエンジニアは、下回りがSalesforceであろうとなかろうと関係なく、顧客の差別化要因になるところでオープンな技術を駆使しています」(大橋氏)  また、近年はSalesforceのコアな部分もオープンなマナーで実装できるように変化しつつある。オープンな技術を習得している開発者にとって、Salesforceを組み合わせて利用することが以前より容易になってきたという。大橋氏は、「顧客企業に価値を提供するために、既存のサービスをどう組み合わせていくかという点で、Salesforceは重要な選択肢になるのです」と、目的を見据えて手段を使いこなすことの大切さを改めて強調する。  そうしたセールスフォースとの出会いの中でピボットと拡大を繰り返してきたフレクトだが、パートナーとなった2009年からちょうど10年がたった2019年現在、売り上げは10倍に拡大した。セールスフォースとの出会いと、進化し続けるテクノロジーの吸収がビジネスの幅を広げ、共に育っていくという好循環を生んできたわけだ。  自社サービスとして展開しているCariotもビジネス面、技術面の両方で好循環を生んでいるという。クラウドインテグレーションで培った技術やノウハウはCariotのサービス改善に生かされ、Cariotで成果を挙げた技術はクラウドインテグレーション事業にフィードバックされる。さらに、セールスフォースが企業として取り組むSaaSビジネスを参考に、フレクトがCariotのSaaSビジネスを改善することもあるという。  「Cariotは現在170社に利用されています。お客さまからヒントをいただいて、自社サービスの改善に生かしたり、逆に自分たちが失敗した経験を基により良いサービスを提供したりということができています。Salesforceのコミュニティーにも積極的に参加し、技術やビジネスのヒントをつかむようにしています」(大橋氏) 「今日ない技術で明日戦う」にはどうすればよいか  このように、顧客企業に寄り添って2つの事業を運営しながら、Salesforceコミュニティーへの参加も積極的に行う中で、さまざまなものから学びを得る、お互いに学び合うという文化が醸成されてきたという。  「常に新しいテクノロジーが登場し続ける中、勉強会の実施やコミュニティーへの参加を会社としても奨励しています。経営環境変化が激しい中では、今持っている技術に満足せず、いかに新しい知識やスキルを習得し、活用するかという能力が重要です。例えば、エンジニアの採用においてもすでに持っている知識や技術より『知識欲があるか』『学習習慣があるか』『新しいことに関心があるか』『分からないことを聞けるか』という点を重視しています。育成においても、新しいことにチャレンジする姿勢を重視しています」(黒川氏)  これも前述のように、「差別化領域に注力できる」というメリットの大きな効用の一つといえるだろう。DXアクセラレーションプロ���ラムでは、複数のパートナーでチームを組成してプロジェクトに当たるケースもあるが、こうした学び合う、教え合う文化は、フレクトが他のパートナーと共同プロジェクトを実施したり、プライムとしてプロジェクトをリードしたりする際にも生かされているという。Salesforceでの業務経験がないエンジニアでも、お互いに学び合いながら、適材適所でブロジェクトを進行させていくわけだ。  「今日ない技術で明日戦うにはどうしたらいいか――教育も人事制度もパートナーとの関係も、そうした“常に新しい技術を取り入れ続ける”観点で設計しています。基本的な発想はマルチスキルをいかに養っていくかです。また、Salesforceを軸にマルチクラウドで展開することもポイントです。それによって、まだ残っている“境界”を見つけて埋めにいくことができる。それを地道にやってきたことで今があると思っています」(大橋氏)  フレクトは今後、どのようなビジョンのもとに新しい取り組みを展開していくのか。大橋氏は、「来年、再来年とさらに新しいことに取り組んでいきます。テクノロジーが進化すれば、新しいサービスを届けられるようになり、“顧客に届けられるハッピー”も変わってきます。僕らは一生懸命学んで、成果をシェアしていく。これからも社内のエンジニア同士はもちろん、顧客企業、セールスフォースと共に学び合って成長していきたいです」と話す。  黒川氏も「カスタマーサクセスが何より大事です」と改めて強調する。  「DXトレンドをキャッチアップしながら、常に顧客にとっての価値を考えていきます。場合によっては、その過程でビジネスモデルを切り替えることもあるかもしれません。顧客企業がどういう課題を抱え、何を目指そうとしているのか。顧客のことを知り、寄り添い、求められている価値を提供する――立ち戻る場所は常にそこです。これが、これからのSIerに求められるものでもあると思っています」(黒川氏)  セールスフォースは“カスタマーサクセスのプラットフォーム”として、フレクトと同じ目線で将来を見据える。新たなチャレンジに向けて、両社の取り組みはさらに加速しそうだ。 Copyright © ITmedia, Inc. 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awsexchage · 5 years ago
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クラウドサービス選定のカギは、契約後の評価〜機能・コストだけでなくサポートを重視すべき理由 https://ift.tt/2KTfsvo
2019年6月12〜14日、幕張メッセにて「AWS Summit Tokyo 2019」が開催されました。アマゾンウェブサービス (AWS) に関する情報交換や、コラボレーションを目的として行われるこのカンファレンスでは、140社以上の利用企業による先進事例セッションをはじめ、数々のイベントを実施。本パートでは、「Rackspace・KDDI・アイレットの強みを活かし、『世界標準のマネージドサービス』を日本へ」と題して、より高品質なクラウドサービスの提供に向けたビジョンを語ります。
多様なツール・サービスが点在する、混沌としたビジネス環境
後藤和貴氏(以下、後藤):これから、Rackspaceが解決する部分について説明していきたいと思います。みなさんも今日来ていただいて、いろんな会社のブースであったりとか、いろんなツールや発表をご覧になっていると思います。現在我々が置かれているのはこういう環境になっています。
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我々の取れる選択肢や使うべきツール、サービスというものが非常に多く点在しています。例えば下のほうはセキュリティの製品であったりとか、その次はキャリア・ネットワーク、さらにその上にはストレージであったりとかプライベート、パブリック。
そして、アプリケーションの実行環境も今は非常に多くなってきています。単なる普通のOSではなくてコンテナを使ったもの、コンテナをさらにオーケストレーションするための仕掛けみたいなものも入ってきたりもします。またその上で使うべきアプリケーションというものも、非常に多くなってきています。
WebにもWordPressをはじめとしたさまざまなツールがありますし、あとは娯楽のようなものだったり、Salesforceとか。そういったものを使わなければいけない、非常に混沌とした環境になっています。
ネガティブに言っているわけではないですが、AWSの1つのサービスをとってもこれだけのサービス群が存在しています。例えば昨年、AWSで言えば1,100以上の新しいアップデートがありました。こんな環境で、みなさんが置かれている自社の環境でそれをすべてサポートするのは非常に難しいと思います。
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また、サービスに関わらず、こんな環境になっているだろうという図��ちょっとご紹介したいと思います。一般的に従業員の方がどういうことをやっているかと言うと、これまでは自社の業務プロセスを作ったり、ツールを作ったりすることをトラディショナル、図ではTraditional ITと書いてありますけれども、従来型のITの場合はこんな環境でした。
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さらにそこから自社で専用のアプリケーションを作って、CRM、基幹系、バックエンドであればCRMかERPみたいなものを使う。そして、サプライヤーと連携させる。
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お客様向けにはEコマースのサイト、Webサーバーとブラウザのような関係でつなぐ環境。これまでのやり方でいくと、それぞれデータを蓄積する、データベースがそれぞれ存在するかたちになっていて、そういったデータからビジネス・インテリジェンス(BI)というものを使って、インサイトを見つけるような構図になっています。
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オンプレミス環境の企業も少なからず存在
我々もこれだけクラウドをやってきていますけれども、ほとんどのお客様にヒアリングをして驚くのが、まだオンプレミス環境に置かれている会社がけっこう多いということです。そうした環境では、実際の成果って何でしょうかとなると、ともかくコストを下げましょうとか、あとは稼働率(SLA)を上げていきましょうと。
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続けて、最適化していく部分に関して、インフラを変えていきましょう、アプリケーションを変えていきましょう。そして、やり方、業務とか使い方を変えていきましょうといった、わりと複雑な事業が絡んできます。
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最近のITは、こうした環境に対して流行りのスタイルというか、そこに対して生産性を上げていくとか、マシンラーニングでオートメーションなどを使って動かしていくこと。さらには、そこに対してマシンラーニングのAIを使ったインテリジェンスをほかのアプリケーションに展開していく。
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さらに、今まではお客様向けのサービスは、例えば簡単なWebサイトのようなものにしていましたけれども、そこがさらにバリエーションが多くなってきて、IoTであったりとか、APIベースでお客様に価値を提供するケースも増えてきています。
さらにその基盤はどう変わっているかと言うと、昨今のITのシステムではすべてのデータを共有するデータベースから、データを収集して分析して、そこからなにかを見つけ出すことが当たり前の世の中になっていますので、そういったツールを導入しています。
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さらにさまざまなアプリケーションが可能な領域として、オンプレミス以外でもパブリッククラウド、プライベートクラウド、そして、今後はほかにも一括して管理していく手段が必要になってきます。
コストを下げる視点から、ビジネスを拡大する視点へ
もう少し進んでいる会社の場合では、SaaSのサービスとそういった基盤を連携させることによって、さらなる機能を取り込んでいます。そうした会社の成果は、もちろんコスト削減もありますけれども、事業の拡大によって増えていく・減っていくといったフレキシビリティも非常に重要になってきます。
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その中でさらに成果を上げていくものというと、コストを下げるよりもビジネスを拡大することによってレベニューを増やしていく、というふうに視点が変わります。
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さらに最適化の方法ですけれども、ここではさまざまな環境を統合していくことが可能になりますので、ハイブリッドで得意なエリアを使っていくことが重要になってきます。さらにお客様はインフラの下の部分を気にして時間を使うことではなく、アプリケーションの改善やデータの管理、データの扱い方などに集中していくことでビジネスに専念してもらうことを可能にしていきます。
さらにその結果として、従業員やシステムはプロダクティビティ、生産性が上がったことによって、さらにビジネスが推進できるような環境にしていきます。「ナビゲート・オペレート・オプティマイズ」と書いてありますけれども、こうしたものをRackspaceはサービス・ツールを使って、プライベート・パブリックのクラウドにセッティング、お客様に利用いただき、ガイドしていくということを行っています。
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代わりに運用報酬をいただくことで、お客様はもっとビジネスに集中していただく。そして最後に、環境を含めてコストを最適化。ずっと改善をし続けることによってお客様のクラウドの上でのシステム、ビジネスを改善していく。そういったことを実現するような会社になっています。
Rackspaceが業界屈指の良質なサービスを提供できる理由
核となる項目としては、例えばサポート問い合わせや作業依頼とか、その他環境を一括で見られるようなポータルを提供する。そして、お客様もそれを同じように見られる。Rackspaceの作業をする人もお客様も一緒に同じデータを見られるようにしています。
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あとは、これまでの蓄積によって、例えばこうした動きをしているとおそらく将来問題が発生するという経験から、ダッシュボード内でアラートが出てきて、それに対してお客様ないしはRackspaceがアカウントでアクションを起こせるようなこともしています。
それを支えるバックグラウンドですね。先ほども出ましたけれども、AWSの資格保有者が1,000人いる。そして、ビジネスに特化しているメンバー、技術に特化しているメンバーがすでに全世界に3,000人以上も存在している。
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我々以上にですけれども、AWSのAPNのコンサルティングパートナー、そして数々のコンピテンシーを持つようなバックグラウンドがあり、お客様向けのサービスだけではなくて、AWS外の方からも評価を受けているというのが特徴的です。
まだ日本ではなかなかお客様はいないんですけれども、グローバルでお客様がいるのでちょっとだけサンプルを出してみます。こちらを見ていただくと、日本でも馴染みのあるお客様がいらっしゃると思います。ソニーさんとか、あとはこれはドミノピザですかね。そういったお客様がいます。
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どういったところで適応されるかという例を少しだけご紹介します。AWSの利用業界向けに、さまざまなガイドラインなどを出していますけれども、そうしたものをRackspaceとして、Johnson & Johnsonさんのマーケティングプラットフォームとか、そういったものをすべてAWSに載せるお手伝いをさせていただいています。
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実際に書かれている通り、データベースのマイグレーションであるとか、彼らのビジネスとしてはチャリティプログラムを通して、多くの寄付金が集められたことを1つの成功事例の指標としています。こうした例をこれから日本でもどんどん作っていきたいと思っています。
ここでゲストからメッセージをいただきたいと思います。1人目は、RackspaceのReinhardです。
(会場拍手)
Rackspaceの優れたサービスを日本市場に展開していきたい
Reinhard Waldinger氏(以下、Reinhard):RackspaceはもともとUSで起業しています。はじめは英語圏を中心にビジネスを展開していて、今はイギリス、香港、シンガポールなどの国に展開しています。
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Rackspaceは、Fanatical Experienceというワードを通じてお客様に価値を提供しています。あとはお客様の成長を支えるようなサービスを展開しています。
Rackspaceは、先ほどお話にあったように、クラウド・ジャーニー、デジタルトランスフォーメーションにおける、お客様のすべてのステップをサポートするためにさまざまなサービス、機能を提供しています。
Rackspaceは、この場にアイレットとKDDIと一緒に立てて、日本のお客様にこうしたサービスを提供していけることにすごく興奮しています。
みなさんと一緒にお客様をクラウド・ジャーニーに乗せていきたいと考えていますので、ぜひよろしくお願いします。
(会場拍手)
Gerard Brossard氏(以下、Gerard):こんにちは。Rackspaceのストラテジーをちょっと紹介させていただきます。
現在のお客様は、非常に複雑ですが機会に恵まれた環境にいます。Rackspaceは非常に良い立ち位置にいて、今の複雑な環境にいるお客様を、未来の良い環境へ連れて行くことができる会社だと思っています。
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インフラだけではなくてアプリケーション、そしてセキュリティデータ、デジタルトランスフォーメーションを推進するためにさまざまなことができると確信しています。
Rackspaceの持つFanatical Experience、サポート、そして私が説明したサービスを使って、日本の市場にサービスを展開していきたいと思います。
私も非常にこの機会をいただいて非常に興奮しています。日本市場に入っていくのが非常に楽しみなので、ぜひみなさんよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
クラウドの選び方は安さや機能よりも、契約後のサポートに注目すべき
後藤:藤井さん、よろしくお願いします。
藤井彰人氏(以下、藤井):KDDIの藤井です。KDDIは、アイレットと一緒にクラウド事業をやっています。
KDDIはご存知のとおり、いわゆるキャリアというポジショニングなので、通信の真ん中なんですけれども。IoTもそうですが、ネットワークサービスやクラウドサービスといったものは、通信とITの垣根がどんどん曖昧になってきていると思うんですよね。そのクラウドの部分を、通信を軸に捉えていきたいと考えています。
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これまでは、いわゆるハードウェアをやるIT屋さんがITを抱え���いたんですけれども、今後は「これから」と書いてある右側のスタイルになっていくことを想定して、KDDIはKDDIのグループ会社と一緒にさまざまな手を打ってきています。
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例えば、KDDI DIGITAL GATEという共創空間を作っていますし、アジャイル開発ではこの間Scrum Inc.というものを作り、スクラムの開発法とコーチングができるようになりました。
アイレットはまさにクラウドのインテグレーション、それからRackspaceでグローバルでベストなクラウドのインテグレーション、さらに日本国外でもそうしたことができるようになってきました。
昔は提案のときに一番安くて機能がいいものを選ぶのが決断のポイントだとすると、クラウドって、実は契約したあとのほうが大事なんですよね。どんどん技術が変わっていくし、機能も変わっていくし、アジャイルで開発して継続的なインテグレーションをしなきゃいけないので。どちらかと言うと、契約したあとの(サポートの)評判を聞いたほうがいいんですね。
そういう意味では、最近カスタマーサクセスとか流行ってるじゃないですか。そこの部分で必ずRackspaceの名前が出てくるんですよ。なので、KDDIとしてもアイレットと一緒にクラウドの部分を盛り上げていければなと思っています。後藤さん、よろしくお願いします。
後藤:よろしくお願いします。藤井さん、ありがとうございました。
(会場拍手)
ということで、今日は限られた時間ですので、まとめて終わりにしたいと思います。我々としては、今日お話したような課題を抱えている企業の方に対して、この3社でタッグを組んで、お客様に価値を提供していきたいと思っています。
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とくに大企業が課題としているような複雑で煩雑なシステムをこういったサービスを通じてより活性化していく、より改善していくことについて価値をご提供できればいいいいなと思っています。
さらに長くお付き合いすることによって、我々の価値も上がってくるし、お客様の価値も上がって行くようなかたちの成果をどんどん見せていきたいと思っています。これから作っていく話になりますけれども、みなさんぜひご期待いただければと思っています。これで私の講演は終わりたいと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)
提供:ログミー
August 20, 2019 at 12:53PM
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tak4hir0 · 5 years ago
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編集部注:この記事はfreeeのCEO、佐々木大輔氏による寄稿だ。佐々木氏はGoogleで日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括を経験した後、2012年7月にfreeeを設立。Google以前は博報堂、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズにて投資アナリストを経て、レコメンドエンジンのスタートアップALBERTにてCFOならびに新規レコメンドエンジンの開発を兼任した。freeeは「スモールビジネスが強くかっこよく活躍する社会」を目指し、「クラウド会計ソフト freee」などを提供する。 日本でもビジネスとして関心が高まるSaaS freeeを創業してから7年以上が経った。創業当時はまだSaaSビジネスをどう評価すべきか、何を指標として伸ばすのか、そのノウハウはまだ日本にはなかっただろう。僕自身は、Googleの頃にSaaSビジネスについては少しだけ馴染みはあったものの実際に事業として運営をするのは、ほぼほぼ、初めてであった。よって、多大なる試行錯誤、海外VCとのディスカッション、海外の記事の読み漁りなどを重ね、SaaSビジネスについて理解を深めてきた。 海外では、SaaSの草分けとも言えるSalesforceは2004年より上場しており、SaaSビジネスモデルについての世の中への理解促進の活動を繰り返してきた。そして今や米国に上場する主要SaaS企業のリストだけでもこれくらいの大きなリストになっており、ビジネスが理解されることで、ビジネスモデルへの大きな期待が集まっていることが良くわかる。 SaaSのビジネスノウハウにおいても海外が先行している。最近では日本のSaaS業界の人も多く訪れるようになったSaaStr Annualというイベント(以前はサンフランシスコ、今はサンノゼで開催されている)に僕も数年前に訪れたが、SaaSの主にビジネス面をテーマとしてこれほど大規模なカンファレンスが行われているということ自体に、この業界に対する日本と海外での注目度に圧倒的な差を感じた。 そして、ついにここ数年、日本��おいてもSaaSが大きく注目を集める領域となってきた。SaaS企業への投資は圧倒的に増えているし、今年は、Sansan、スマレジ、Chatwork、カオナビなどSaaS企業の上場などがあり、日本にもSaaS分野の上場企業が増えている。 SaaSはテクノロジー業界における総合格闘技 SaaSは「テクノロジー業界の総合格闘技」とも言える産業であると、僕は日々思っている。技術、プロダクト戦略、営業やマーケティング、カスタマーサクセス、事業計画やシミュレーション、組織づくり、ファイナンス、など、あらゆる力を駆使して初めて顧客への価値とビジネスに結びつくのだ。 技術やプロダクト戦略は当然ながら最も重要なピースだ。「クラウドでソフトウエアを提供すること」自体が価値になるわけではない。例えば、会計ソフトの文脈で言えば、クラウド型の会計ソフト自体はfreee以前からも存在していた。しかし、freeeの登場によって市場が大きく変わったのは、単に「会計ソフトをクラウド化する」というコンセプトで参入したのではなく、「会計帳簿づけを自動化する、会計だけでなく、業務全体を効率化する」というこれまでの会計ソフトで焦点があたっていなかった価値を提供することができたからだ。 営業、マーケティング、カスタマーサクセスも当然重要だ。後述するように、LTV(生涯価値)ベースで従来とは異なる管理が求められるし、販売する製品は日々進化していくものであるので、個別の機能をアピールして販売するのではなく、コンセプトを理解いただき販売することが重要である。そして、販売後も、実際に使われていないと解約となってしまいビジネス上の価値がないことも当然ながら課題である。自然と強い顧客目線が求められるのが、SaaSビジネスの面白い部分だ。 また、後述する通り、SaaSビジネスには成長投資が求められ、中長期的に価値を生み出し投資を回収していく。故に、まとまった資金を確保できないとビジネスは成立しづらい。資金調達力や資金余力がなければ、ビジネスを支えられない。実は、この点は日本においてSaaS産業の立ち上がりが遅れた大きな理由の一つでもあると僕は考えている。最近、SaaSに対するVC投資が活発であることは大きな追い風だ。 SaaSビジネスは、しっかりシミュレーションすれば、将来が非常に読みやすいという大きな特徴があるため事業計画も非常に重要だ。個人的には若いころにPEファンドで、キャッシュフローモデルなどをつくりまくる仕事などをした経験などは大きく活きたし、計画や分析をしっかりできる状態になっていないと、将来の読みやすさを武器にできない。 このように、技術やプロダクト戦略を中心として、ビジネスのあらゆる部分がこれまで以上にチャレンジングな側面を持ち、それらを持ち寄って噛み合っていないと成功しない、強い組織力と総合力の求められる面白い分野だと思う。 SaaSがつくるソフトウエアの未来と「評価できない」というボトルネック 「あらゆる人々がパソコンやスマホに限らず、さまざまなデバイスからソフトウェアを操作し、自分や自分のビジネスに関するデータを見る、AIがインサイトを届ける」ということは今後、ますます当たり前になっていくであろうし、その際に「クラウド化」や「SaaS化」は重要な前提条件だ。 ここ20年くらいの間は、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる人たちの中では、エクセルなどのスプレッドシートをいかに使いこなせるかは一つの重要なスキルであったが、ある程度の分析はスプレッドシートと格闘しなくとも、それこそスマートスピーカーに聞くだけで結果がでてくるようになっていくだろう。 SaaSはこのようなソフトウェアのパラダイム・シフトを牽引する産業であり、この産業が強いことは、そのマーケットのソフトウエア産業の実力値であるとも言える。SaaSビジネスが成長していくには、サービス提供とイノベーションをおこすために求められる様々な技術はもちろんのこと、ソフトウェアを育てる上で求められるビジネススキルや、それを取り巻く資本市場などのエコシステムが、そのマーケットにおいていかに充実しているか強く求められるためだ。 そういったエコシステムの形成において特に妨げとなる重要な事実は、会計ソフトの会社を経営する僕が言うのもおかしな話ではあるが、SaaSビジネスは、伝統的な決算書(すなわち会計上のP/Lやキャッシュフロー)からはなかなか正しくビジネスを評価できないこと、そして一般的に成長投資のための資金が必要という部分にある。 freeeは、会計や人事という、あまり業界を選ばないソフトウエアの領域で、個人事業主や小規模法人をターゲットとしたビジネスから急速に成長し、多額の資金調達も行い、今日では中堅規模の企業もターゲットとして販売活動に力を入れ、広い顧客セグメントを対象に急成長をしてきた。こんな経験を踏まえ、SaaSビジネスにおけるKPIを対象となる顧客セグメントの特性や僕たちの学びを交えながら解説していきたい。 SaaSで短期に会計上黒字化するには顧客を獲得しないのがベスト?! SaaSでは、決算書にある期間損益ではなく、ユニットエコノミクス(顧客1件あたりの経済性)を見ながら投資判断することが非常に重要である。なぜそれが重要なのかをまずは見てみよう。 サブスクリプションビジネスであるSaaSにおけるキャッシュインとキャッシュアウトは次のようになる。 青で表されるキャッシュインはすなわち、毎月SaaSビジネスが頂けるソフトウェア利用料から原価を引いたものである。SaaSの原価としては、一般的にサービス運用のための原価(サーバー運用やカスタマーサポート)などが含まれる。 赤で表されるキャッシュアウトは、顧客獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)である。CACは顧客1件を獲得するためにかかるマーケティングおよび営業コスト。マーケティング費用と営業およびマーケティングに関連する当月の人件費を当月の新規顧客獲得件数で割ったものである。 つまり、サブスクリプション型であるSaaSモデルの特徴は、このようにCACを何ヵ月もかけて取り返すというところにあり、新規顧客獲得は先行投資的な性質を持つのだ。 (簡便のため、キャッシュインとキャッシュアウトという言葉を使っているが、会計上の粗利と販管費の関係と基本的には同じ構造である。キャッシュ・フローに関しては、1年分などの利用料を前受する場合などもあり、さまざまなテクニックがあるが、会計上の収益構造は原則にこのような構造となる)。 では、顧客1件あたりのキャッシュフローが上記のようになっていたとして、毎月1件ずつ顧客を獲得するとどうなるか、それが次の図だ。 青のキャッシュインは、毎月顧客が増えるにつれ増えていく。オレンジのキャッシュアウトは、毎月1件の新規の顧客獲得なので固定で毎月80かかる。このとき、既存の顧客からのキャッシュインが新規顧客獲得のためのキャッシュインを超える8ヵ月目で、このビジネスは会計上(もしくはキャッシュフロー上)黒字化することになる。新規顧客獲得コストを既存顧客からの売上でまかなえるかどうか、これがSaaSにおける会計上の黒字化の意味するところである。 ここには一つの面白い示唆がある。つまり、SaaSにおいて会計上黒字化を達成する最短の方法は顧客獲得をしない、ということになる。それではどのように投資判断をするべきなのか、次のセクションにて考えていきたい。 その時点でのサブスクリプションの実力値を評価するARR サブスクリプションビジネスにおいて、いわゆる会計上の売上はトップラインを示す指標としては遅行指標である。オンプレのソフトウエアのようにライセンス販売の場合、販売時点で数年分の利用にかかる売上が会計上の売上として一括計上されるが、サブスクリプションの場合には利用月毎に売上が案分される。例えば、会計年度の最後の月に始まるサブスクリプション契約については、1か月分のSaaS利用料しか反映されないため、売上は期末時点でのSaaS企業の実力値を正しく評価できない遅行指標となる。 そのため、SaaSビジネスでは、その月の契約におけるその月のSaaS利用料の合計を年換算(12倍)した数値であるARR(Annual Recuring Revenue)をトップラインのKPIとしておき、その時点でのサブスクリプション契約の価値を評価する。 次のグラフは毎月ARRが5%成長する際のARRと会計上の売上の比較となる。 ARR成長のための3つの要素 ある期間におけるARRの成長は大きく3つに分けることができ、SaaSの事業計画を考えていく上では、大まかにはこの分解に則って考えるのが通常である。以下、それぞれについて解説するが、海外記事としてはこの SaaS Metrics 2.0がバイブルとも言える。 ①既存顧客の解約(Churn)によるARRの減少 ②新規顧客獲得によるARRの増加 ③既存顧客へのアップセルによるARRの増加 ①顧客に価値を届けられているのか:Churn Rate(解約率) SaaS企業は、顧客企業に見合った価値を提供できていないと容赦なく解約されてしまう。自分たちがしっかり顧客に価値を届けているかを白黒つけてモニタリングする指標として、Churn Rate(解約率)は重要な指標だ。 Churn Rate=当月の解約顧客数 / 前月末の顧客数 Month 0において、1000社の顧客がいたとして、月次のChurn Rateに応じてどれほど顧客が自然減してしまうかが次のグラフである。 このChurn Rateは通常は対象とする顧客が大きな企業であるほど低く、小さな企業や消費者であるほど高くなる傾向にある。 大きな企業がSaaS製品を利用する場合、適切な評価プロセスを通り、その企業のニーズにフィットするのかはしっかり検証されるし、導入に伴うデータ移行や各種設定、社内での運用ルール徹底などにコストがかかることもあり、大きな組織において頻繁にソフトウエアを変えることは得策ではない面がある。 一方、小さな会社では、SaaS導入自体のコストが低かったり、導入に際する評価プロセスが整っていないことも多く、導入後にフィットしない要因が見つかりやすい傾向にある。また、当然廃業の率も高まるため、一般的にChurn Rateは高めになる。 freeeでは、リリース後1年ほどは、このChurn Rateを一切見ていなかった。当時持っていたダッシュボードと言えば、課金の度に来るメール。解約の度にも来るようになっていたが、圧倒的に頻度は低かった。一年ほどすると、それなりに顧客基盤もできたので解約の絶対数が気になるようになった。そこで初めてChurn Rateを見るようになった。既存顧客基盤がまだ小さいときは解約数も絶対数では気になりにくいということだ。もちろん、もっと早く気づいておくべきだった。見るべきものは率だ。 新規顧客の獲得を一定とした場合、顧客ベースの増え方はChurn Rateによって大きく影響を受ける。Churn Rateが高いほど、顧客ベースの成長は当然スローダウンしていく。そのため、Churn Rateが高い場合、全体としてのARRの成長をするためには、より新規顧客の獲得を増加させたり、既存顧客からの売上拡大を増加させるなどの対応が必要となる。 コーホート別のChurn Rate Churn Rateを改善するために、アクショナブルな示唆を得るための最も一般的な分析は、コーホート別のChurn Rate、もしくは生存率の分析である。顧客の獲得月毎のコーホートに分けて、獲得時から時間が経つにつれどのような生存曲線を描いているかを見るものだ。 例えば、営業手法が悪ければChurn Rateは増加する。値引きなどのインセンティブを武器にアグレッシブな営業をした月のコーホートの生存率が低いというようなことから検出できる。 一般的に、Churn Rateは、最初の更新時などのマイルストンまでの間で最も高く、その後はそれよりも低い水準に落ち着く。最初の更新時までのChurnは、販売の仕方やコミュニケーションあるいは、導入における課題が原因である可能性が高い。一方で最初の更新時以降のChurnはプロダクトやサポート体制の実力値が数値に表れる。 Revenue churnという考え方 ここでまとめてきたように、Churn Rateを顧客ベースではなく、金額ベースで見る見方もある。顧客ベースのChurnがCustomer churnやLogo Churnと言われるのに対して、こちらはRevenue Churnと呼ばれる。顧客ベースも金額ベースもどちらも見るべき重要な指標であるが、Revenue Churnは複数の料金プランを持っていたり、顧客企業のなかで何ユーザーがIDを持っているかで料金が大きく変わるSaaS企業において、より重要性が高い。 ②新規顧客の獲得 一般的に急成長フェーズのSaaSにおける最も大きな成長ドライバーは新規顧客獲得からのARR増加である。前に触れている通り、新規顧客獲得は、会計上のP/Lには短期的にネガティブなインパクトがある。そのため新規顧客獲得に投資する判断のため、ユニットエコノミクス(顧客一件あたりの経済性)に着目するのが一般的である。このユニットエコノミクスを表す指標として、LTV/CAC(エルティーヴィートゥキャックとか呼ばれる)が非常に重要である。 顧客のLTV(生涯価値) 顧客1社あたりの生涯価値。(顧客の平均月額単価x粗利率)x平均ライフタイムで求められる。粗利率をかける、すなわち売上から原価分を除いて評価すべきである。ライフタイムは通常、平均ライフタイム(月)=1/(月次Churn Rate)で算出される。これは、同じChurn Rateが今のまま続いたら、この値に収束するという理論値である。 この計算手法は一般的には、LTVを過小評価する傾向にはある。なぜならば、コーホート別Churnの箇所で触れた通り、Churn Rateは契約の1年目などの初期段階でもっとも高い傾向にありがちであるからだ。つまり、製品利用後になんらかのミスフィット要因が見つかり、利用継続できないというケースが多く、一定期間安定利用が続いた顧客のみで見るとChurn Rateは相対的に低くなる傾向にある。一定期間利用した顧客の割合が高くなる(つまり、全顧客の中での新規顧客の割合が減る)につれ、Churn Rateは通常下がっていく傾向にあり、この傾向からのアップサイドは上記の計算式では捉えることができない。 SaaSの原価としては、一般的にサービス運用のための原価(サーバー運用やカスタマーサポート)などが含まれる。原価を抑えられればLTVはあがる。 グローバルレベルで見るとSaaSの上場企業の原価率は急成長フェーズで少しずつ原価率が下がってきて20〜30%程度に落ち着くことが多い。 freeeでは、当初原価率はあまり気にしていなかったし、それが正しいと今でも思っている。明確な指針として、AWSのサーバー代の節約のためのアクションをとる暇があったらユーザーのための開発をする、カスタマーサポートの原価を気にするよりは神対応をして一社でもハッピーカスタマーを増やすことの方が大事、としていた。原価率については、改善余地だけは大まかに認識しておいて、大きく資金調達をしてバーンレート(毎月失ってしまうキャッシュ額)が億単位になってから、向き合うでよいだろう。 LTV/CACへ着目した成長投資 このLTVがCACを上回るようであれば、顧客を獲得すればそのSaaS企業にとっては中長期的にプラスといえるので、可能な限り多くの新規顧客を獲得のための成長投資をすればよいというのがユニットエコノミクスの考え方だ。 ただし、実際にはSaaS企業は顧客獲得コスト(CAC)以外にも、プロダクト開発のための開発コスト(R&D)や、企業全般の管理コスト(G&A)を支払っている。そして、安定期には利益率を確保するという観点からも一般的には、LTV/CACが3以上で成長投資をすること望ましいとされている。 実際には、プロダクトマーケットフィットとGo-to-Marketがある程度確立するまでは、様々な試行錯誤が行われる。なので、新規プロダクトの投入時や新規セグメント参入時は、LTV/CACが低い状態でプロダクトの精緻化や販売手法の確立のための試行錯誤を続けることになる。この低LTV/CAC状態での投資が、ある意味SaaS業界における本来の先行投資とも言える。健全なLTV/CACにおける投資は健全なリターンの実現が見込める投資であり、成長投資である。 freeeの場合は、このLTV/CACは、Series Aの資金調達後、積極的にマーケティング投資をする中ですぐに見始めたメトリクスだった。Googleにて広告製品の中小企業向けのマーケティングをする中でも似たようなアプローチで投資判断をしていたことがきっかけであったが、当時はここまで広く使われている指標だと想像していなかった。LTVは原価を引いて算出するべき、といったことは、その後グローバル・スタンダードを学ぶ中で取り入れたことであった。 回収期間(Payback period) LTV/CACは、さらにライフタイムと回収期間(Payback Period)に分解することができる。 回収期間はCACを「平均月額単価から原価を引いたもの」で割ったものであり、月額利用料の何ヵ月分でCAC(顧客獲得費用)を取り返すかを表すものである。 この回収期間はダイレクトに成長に必要な資金に関連する指標で、短ければ短いほど、同じ成長をしたときに短い期間で会計上orキャッシュフロー上の黒字化を達成できる。回収期間によるキャッシュフローへのインパクト(R&D投資やG&A費用は考慮していない)は下記の図でわかりやすいだろう。 freeeでは、この回収期間の重要性については、すでに頭で理解したり海外の様々な記事などや投資家との議論を中心に見聞きしていたものの、実際に強く意識し始めたり、重要性を体感するようになったのは、はじめて上位のプランを追加してからであった。違う単価のプロダクトがあることにより、回収期間に差が出てくることから、そのインパクトを実感したものであった。 ③既存顧客へのアップセル(Revenue Expansion)とNet Revenue Retentionについて 既存顧客のアップグレードや、自社が提供する他のSaaS製品からの売上がRevenue Expansionの部分に該当する。一般的には顧客のエンゲージメントが取れた状態で営業やマーケティングができるため、この部分のARR獲得コストは新規顧客からのARR獲得コストに比べて低い構造にある。これがビジネス上のRevenue Expansionの魅力といえる。 大企業向けのSaaSなどの場合で既存顧客からの新規ARRの割合が高くない場合には、上記の新規顧客獲得のROIとしてLTV/CACを見るよりも、新規顧客も既存顧客も関係なく、売上1円あたりの獲得コストを見ていく方が実用性が高い場合もあるだろう。 Net Revenue Retention 近年注目される指標として、Net Revenue Retentionという指標がある。これは、あるコーホートからのある期間の売上が、その前期の売上の何%であったかという指標だ。同じコーホートだけを見るので、新規獲得は見ずに、Revenue ChurnとRevenue Expansionではどちらが大きいかを表すことになる。100%を超えていれば、Revenue ExpansionがRevenue Churnを上回り、100%以下であれば、Revenue ChurnがRevenue Expansionを上回るという構図だ。言い換えると、Net Revenue Retention が100%を上回れば、理論的には獲得した顧客からの売上が増え続けるということになる。 大企業向けで、組織の一部から使い初めて、その組織の中でどんどん広まっていくと売上が上がるという性質を持つようなSaaSの場合、特に Net Revenue Retention はよい数字になる(Atlassian、Zoom、SlackなどはNet Revenue Retentionの高い企業としてよく知られている)。 中小企業向けSaaSの場合には、アップセル余地がある程度限られるので、Net Revenue Retention が 100%を超えることは容易でないと言われるが、一方で、中小企業向けSaaSでは通常新規獲得の余地が非常に大きいという特性もある。 ユニットエコノミクスの代替指標 SaaSのユニットエコノミクスに関する指標は、上場企業であっても詳細に開示されていない場合も多い。その際に代替案として、Sales Efficiency という指標が多く用いられる。これは、(ある期間から翌期の間のネットでの売上成長額)/(その期間のセールス&マーケティングコスト)で表される。この指標のよいところは、成長において新規顧客獲得を重視するタイプのSaaSであっても既存顧客の売上拡大を重視するタイプのSaaSであっても、共通の尺度で図れるという簡便性がひとつである。もうひとつの利点として、現時点で日本のSaaS企業において、セールス&マーケティングコストとして切り出して開示しているケースはレアである(広告宣伝費だけが区分開示されていて、セールス&マーケティングに係る人件費等が含まれない)が、海外のSaaS企業であれば必ず開示している項目であるため、上場企業であればほぼ必ず比較可能な指標とな���ているという点だ。分子の売上成長額はサブスクリプション売上のみを利用するべきであろう。 R&D投資とG&Aコスト ここまでのLTV/CACというフレームでは、獲得コストの回収という観点で考えられているものの、実際にはSaaS企業は顧客獲得コスト(新規顧客獲得が中心の会社では、セールス&マーケティングコスト)に加えて、R&D投資やG&Aコストなどの費用をかけていることを加味していなかったが、事業計画という観点ではR&DやG&Aについても当然加味するべきである。これらを加味することで、顧客獲得コストの回収という意味で考えてきたキャッシュフロー上や会計上の黒字化はさらに時間がかかる傾向にあることに注意が必要である。 R&D投資 シード~アーリー期のスタートアップにおいては、R&D投資はボトムアップだけで決める(何を開発したくて、そのためにどれだけの投資が必要かで考える)ことが多い。財務面をしっかりと管理するようになると、売上のx%程度という基準を持っておくというのが一つの考え方になる。 海外SaaS企業で、ある程度成熟期にはいると売上の15%-40%くらいにおいている会社が多い。売上の成長率が高い段階では高めで、成長率が下がるにつれて開発投資の売上に対する比率も下がってくるというのが一般的だ。 freeeでも、開発投資の計画はどのようにつくるべきか非常になやんだ。常にやりたいことにはきりがないというのがスタートアップの本音であるが、かといって無限の投資をする訳にもいかない。そこで数年スパンで開発投資の対売上比率のゴールを決め、それをひとつの基準として考え始めるようにしたところ考えやすくなった。もちろん、そのようなターゲットに制約されずに考えるべきタイミングもあるだろう。 G&Aコスト G&Aコストは海外の上場SaaS企業の場合、売上の10%〜20%くらいの範囲となっている。こちらは主にコーポレート部門の人件費や経費だ。 成長投資のインパクト、どれだけの成長率を支えられるのか ここまで、ARRが増えるメカニズムとユニットエコノミクスについて議論をしてきたが、ユニットエコノミクスに加えて、キャッシュフローに大きなインパクトを与えるのは、冒頭でも振れている通り、売上成長率(特に新規顧客の成長率)である。   次のグラフは、次の3つのシナリオにおいて、どのような売上と営業利益をもたらすかを図示している。 シナリオ1:新規顧客からの売上が毎年200 シナリオ2:新規顧客からの売上が初年度300で毎年100ずつ増える シナリオ3:新規顧客からの売上が初年度300で毎年300ずつ増える すべてのシナリオにおいて、顧客獲得コストだけでなく、R&Dコスト、G&Aコストを売上に対して固定の割合で想定 ここから明らかになるのは、成長率が高ければ高いほど、赤字の期間が長くなるが長期的な売上や利益は圧倒的に大きくなるという構図である。だからこそ、SaaSで大成するには、ユニットメトリクスにより成長投資の質を担保した上で、将来の成長のために大きな投資をしていく必要があり、そのための資金調達環境があることが非常に重要なのだ。 salesforce.comは現在でもP/Lの利益よりは、成長率を中心においた戦略をとっており、継続的な成長を実現しているが、このように科学的に成長を管理し、そのような管理に基づき、積極投資を続けていくという考え方が根付いていくことは、今後の日本のソフトウエア産業の進化において、非常に重要なカギになっていくと考えられる。 最後に 以上、本稿ではSaaSビジネスモデルの特性、SaaSビジネスにおける主要KPI、SaaSビジネスにおける投資の考え方について、freeeの経験を踏まえつつ紹介してきた。今後、日本国内においてもSaaSビジネスはさらに活況を呈し、ソフトウェア産業の進化を担っていく上で、このビジネスモデル��ついての本質がより広く理解されていくことは非常に重要だと考えられる。本稿がその中での一助となれば、非常に嬉しく思う。 TechCrunch Japanの最新記事を購読しよう
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tak4hir0 · 5 years ago
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信念を曲げずに顧客を「導き」続ける、プロダクトアウト型のスタイル 大間私が営業担当としてSansanに入社した2010年頃は、「名刺は、個々で管理するもの。組織として、名刺管理にかける費用なんて0円だ」という考え方が当たり前でした。そんな状況のなかで「年間1,000万円を名刺管理に投資しましょう」と言っていたので、提案先からは「いやいや、本気で言ってるの?」と言われたこともありましたね(笑)。 取材冒頭、現在のSansanを取り巻く状況からは想像もできない当時の苦しかった状況を、CHRO・大間氏は明かした。名刺管理というサービスの市場そのものが存在していないに等しかった当時、名刺管理にコストをかける企業は、ほとんどなかったという。 大間それでも名刺管理の投資価値を説き続けてきた結果、徐々に市場が形成されていきました。当時のお客様の反応をそのまま受け取っていたら、すぐに撤退していたはず。「Sansanは、絶対に世界を良くするサービスなんだ」と、自分たちを信じ続けてきたからこそ、今があります。 資金繰りも苦しい創業初期、いくらスタートアップが「自分たちの目指す世界の実現」のために奮闘しているとはいえ、光の見えない闇夜をひたすらに駆け続ける恐ろしさは想像に難くない。彼らは、一体なぜそこまで自分たちのプロダクトを信じ続けられたのか。その答えは、彼らの思想にあった。 Sansan株式会社 CHRO 大間祐太氏 大間僕らは、常に顧客をリードしていかなければいけないと思っています。顧客自身は、自分たちの潜在的な課題を全て認識しているわけではないので、僕らがその解決のためにより良い方向へと導く、というつもりでやっています。ですから、基本的にはSansanメンバーは、顧客の要望だからといって、何の考えもなしにそのまま聞き入れることはありません。 もちろん、顧客のビジネスを強くするために提供しているサービスであるということが前提でありつつ、「自分たちが示す理想に共感してくれるお客様」を増やしていくことを、最も重視しているのです。 Sansanといえば、カスタマーサクセス部隊の優秀さが話題にのぼることも多い。そのイメージからか、顧客の「成功」のために伴走する形を連想しがちだ。しかし実態は、Appleやディズニーなど、破壊的イノベーションを起こしてきた企業と同様、プロダクトアウト型のスタイルで、顧客を「導く」べく事業を推進しているようだ。 同社は、サービスの価値がなかなか理解されないという状況に負けることなく、顧客自身も気付いていない潜在ニーズを読み取ってきた。自分たちを信じ続けた結果、現在では契約件数6,000件を突破(※)、法人向けクラウド名刺管理市場では約82%と圧倒的なシェアを誇るまでに成長している。 ※クラウド名刺管理サービス『Sansan』および名刺アプリ『Eight』の企業向けサービス『Eight 企業向けプレミアム』の合計契約数 ビジネスシーンでは“名刺一強”な理由一方で、「SNSが普及した今、名刺は必要ないのでは?」と、Sansanが展開する名刺管理サービスのスケーラビリティに疑問を抱く読者も少なくないだろう。 しかし大間氏によると、名刺とSNSには、決定的な隔たりがあるという。 大間SNSは社会に広く普及していますが、誰もがアカウントを持っているわけではありません。若い方でもSNSを一切やらない方はいますし、年代が上がるほど苦手意識を持っている方もいます。SNSを使いこなしている人ばかりの環境にいると、意外と気付きにくい部分だと思います。 一方で名刺は、ビジネスパーソンなら100%といえるほど保有しています。また、最新のビジネスプロフィールが記載されているので、常に正確な情報がそこにある。役職が変わったり、会社が変わったりしても、SNSに反映しない方は多数いますしね。 ただ疑問は、SNSの存在だけではない。そもそも名刺が「紙」ということ自体が、ネガティブな印象を生んでいる。「紙の名刺はそのうちなくなりそう。Sansanのビジネスチャンスもなくなってしまうのでは?」と率直にぶつけてみた。 すると、「たしかに、紙の名刺は廃れていく可能性が高い。だが、むしろ紙の名刺をなくしていくのがSansanの役割だ」と、大間氏は言う。 大間僕らが名刺交換にイノベーションを起こせるとしたら、まず相手は「紙」、自分は「デジタル」というように、デジタルと紙をミックスするような体験を創ることが必要だと思っています。 個人向けのEightではすでに、ユーザー同士ではもちろん、相手がEightを使ってない場合もデジタルで名刺交換ができる仕組みにトライしています。名刺交換という行為や、紙の名刺をどう変えていけるかについては、この先もチャレンジをしていくつもりです。数年後には、若手ビジネスパーソンから「昔は、ビジネスプロフィールを書いた厚紙を交換していたって、本当ですか?」と言われるような未来をイメージしていますね。 そもそもSansanが提供しているのは、紙の名刺をスキャンして情報管理するだけのサービスではありません。その先にある、名刺データの“活用”に重きを置いているんです。 名刺データで、キャリア支援すら可能。Sansanが見据える「イノベーション創発」ひとえに「名刺データの活用に重きを置いている」とは言うものの、旧来の厚紙を連想してしまう我々には、その活用イメージが湧かない。そんな筆者の曇る表情を察したのか、大間氏は具体的な事例を交えて語ってくれた。 大間既にSansanの導入企業へ提供をスタートしている「スマートレコメンデーション(β)」という機能があります。名刺交換履歴を分析することで、社内に蓄積された人脈の中から次に誰と会うべきかをAIがレコメンドしてくれる機能。「誰に会うかを考える」というビジネスの前段階に割く時間が減り、「会っていかに形にするかを考える」ことに集中できるようになります。 同氏は、「名刺を起点としたキャリア支援サービス」の可能性についても続ける。 大間今年から、Eightを活用したダイレクトリクルーティングソリューション『Eight Carrer Design』も提供開始しています。ユーザーは自分を必要としてくれる企業と、企業側は採用市場に出ていない潜在転職層と、それぞれ出会うことができる。アメリカでは主流となっているダイレクトリクルーティング、およびタレントプールの仕組みを取り入れ、双方にとってより効率的な採用活動を後押ししていきます。 どうやらSansanは、より名刺データの価値に向き合うことで、あらゆる角度からビジネスを支援する体制を整えているようだ。 そしてその想いは、会社のミッション「出会いからイノベーションを生み出す」に集約されているという。 大間イノベーションは、異なる2つのものがつながったときに生まれます。Sansanは、より多くの出会いをテクノロジーの力で後押しすることで、「イノベーションを創発する環境」を生み出したいんです。イノベーションのハブになれるようなプラットフォームを目指し、まだまだ進化を遂げていきます。 ミッションへの共感なんて、いらない?Sansanというフィールドを「使いこなしてほしい」しかし、ミッションについて熱く語った直後、大間氏は意外な言葉を発した。 「Sansanの社員は、必ずしもミッションだけに共感して入社しているわけではないんですよ」。 採用時に「会社のミッションにどれだけ共感しているのか」を重視する企業は多いが、Sansanの場合は、「そもそも、自分のやりたいことと企業のミッションが完全に合致している人なんて、ほとんどいないはず」と割り切っている。むしろ、自分自身の成長の場としてSansanを「使って」ほしいという。 大間先日入社したメンバーが、面談時に「子供に誇れる仕事をしたい。『かっこいい父親と思われたい』というのも動機のひとつだ」と話していました。 そのような志望動機も大歓迎ですよ。彼が自分の理想を叶えるために仕事に邁進すれば、結果的に会社の成果にもつながり、ミッションの実現にも近づく。極端に言えば、動機は何でもいいんです。会社の成長と、自己の成長を重ねてもらいたいということです。 実は大間氏自身も、ミッションへの共感だけを理由に入社したわけではない。以前勤めていた人材系の企業で、採用コンサルタントとして創業2年目のSansanを手伝うようになったのが、全てのはじまりだった。 大間前職で人材系の企業に勤めていた頃、当時のSansanに採用のコンサルとして入ったものの、全然人が採れなくて。そうしたら代表の寺田に「お前がSansanに入社して採用を手伝え」と言われたんです(笑)。ただ、当時は独立しようと考えていたので、オファーはお断りしました。 ジョインしたのは9年前。「市ヶ谷の古めかしいビル」にオフィスを構えていた時代だ。 大間その後、自分なりの理想を掲げて起業したのですが、2年目以降、頑張れば頑張るほど理想から遠のいていく。そんな状態が続きました。 なんとかしようという想いはあったが、前に進まない。そこから「別々の道に進んだほうが良いのでは?」と感じ、立ち上げに携わった会社を離れることを考えるようになりました。 その時、また寺田が声をかけてくれたんです。ただ、他にも数社からオファーをもらっていて、正直なところ当時のSansanの条件は良くなかった(笑)。もちろん、「人の出会いを加速��て世界を変えるんだ」と宣言していた寺田のことを、純粋にかっこいいとは思いましたが、入社の決め手にはなりませんでしたね。 それでも、大間氏は最終的にSansanを選んだ。「自分が理想とする組織づくりができそうだ」と感じたからだ。 大間当時、Sansanの社員は30名弱だったのですが、入社前に半数以上の人と飲みに行ったんです。営業、開発、役員ととにかくいろんな人と個別で飲みに行きました。すると全員がお互いのことを本当にリスペクトしていると気づいたんです。開発メンバー(現CTO)は営業メンバー(現営業部長)のことを「あいつ、めちゃくちゃかっこいいんだよね」と語り、その営業メンバー(現営業部長)は逆に「開発の〇〇さんは、本当に技術力がすごい。彼なくしてはこのプロダクトは成り立たない」と、それぞれが嬉しそうに語るんです。 自分が一緒に働くメンバーのことを誇らしげに語り合う彼らを見て、「自分はこういう会社をつくりたかったんだよな」と改めて気付いたんです。この会社が、50人、100人と大きくなっていても、お互いが誇り合えるような組織にしていきたい──そう思って入社を決めました。9年経った今も、その想いは変わっていません。 検索のGoogle、買い物のAmazon、そして“ビジネスのSansan”へ。上場で加速する、事業拡大とR&D2019年6月19日には、東証マザーズへ上場したSansan。節目を迎えたかのように思えるが、今後はどのような展開を見せるのか。 大間上場はゴールではなく、ミッションを実現するための通過点でしかないと考えています。事業成長を促進するための、「燃料投下」というイメージでしょうか。もちろん会社として大きなイベントであることに違いはありませんが、「改めて襟を正し、成長に向き合っていかなくては」という気持ちです。寺田も「登山でいうと、1合目にも到達していない」と語っています。山は登れば登るほど高くなっていくわけです。 Sansanは今後、新規事業開発や、M&Aといった手段も視野に入れているという。その先に見据えるのは、「ビジネスプラットフォーム化」だ。 大間Sansanを「あらゆるビジネスパーソンが最初に訪れる場所」にしたいんです。検索ならGoogle、動画を観るならYouTube、買い物するならAmazon──国内ビジネスシーンにおいて、こうした立ち位置のプラットフォームはない状況と認識しています。「ビジネスをするなら、まずはSansan」という立ち位置を獲得するために、よりスピードを上げて突き進みます。 Sansanは企業の全社員が利用するサービスで、Eightは個人のビジネスライフを通じて利用可能なサービスです。いずれも拡張性が高く、エコシステムの中心となり得る。しかし、そのようなプラットフォームになるためには、まだまだプロダクト面でも手付かずの領域が多くあります。 今後、より拡充していくために新規事業開発やM&Aも視野に入れていますし、事業拡大に伴い、社員も積極的に増やします。成果次第ではありますが、若手も新規事業立ち上げなど、どんどん要職に抜擢していくつもりです。実際に今でも、新卒3年目でシンガポール支社の立ち上げを行い、5年目の今は事業企画の副部長に就任しているメンバーもいますし、今後の展開を考えれば必然的に、事業の��枢を担うポジションは多く生まれていくでしょう。 ビジネスサイドのみならず、R&Dにも注力していく。Sansanは最先端のテクノロジーを積極的に採用しており、R&Dセンターである「DSOC(Data Strategy & Operation Center)」を保有。名刺読み取り技術の制度向上やオペレーションを担っており、Sansanの事業を支える根幹の組織といっていい。特にAI領域に注力しており、冒頭に紹介した「スマートレコメンデーション(β)」は、DSOCの研究成果の1つだ。 ビジネス、開発双方で新たな可能性を開拓し続けるSansan。上場しても「落ち着く」ような気配はまったく感じられない。 イノベーティブな仕事に関心が強ければ強いほど、前時代的なイメージがある「名刺管理」には興味を持ちにくいだろう。特に「名刺はアナログで、スケールするイメージが持てない」と感じるFastGrow読者は、多いのではないだろうか。しかし、そんなFastGrow読者こそ、Sansanと相性が良いのかもしれない。圧倒的なビジネス展開余地を持ったフェーズで、イノベーティブな仕事にチャレンジできる環境が用意されているのだから。
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