#むぎばあちゃんニット帽プレゼント
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ある画家の手記if.87 雪村絢視点 告白
朝起きてリビングに出てったら真澄さんのメモがあった。
”クリスマス明けには… って、どっかの物件でクリスマスならではのトラブルでもあったのかな。それとも真澄さんにもクリスマス一緒に過ごしたい相手とかがいたのかな。彼女とか…? 真澄さんにあんまりそういう可能��考えたことなかったかも。下手に詮索されても嫌だろうし、とか思ってせめて一緒に暮らすのに不自由で気狭な思いさせない範囲のことしかなるべく考えないようにしてた。そういう人の存在感を真澄さんの周りに感じたことなかったし。 俺は戸籍上は家族だし同居人だけど、もしかして真澄さんは俺がいるからここに恋人連れてこれないとか、あるかな… ないな、俺相手にそんな妙な気遣いしてたら同居生活なんてやってけないし。
というわけで俺も今日は出動する。クリスマス当日。俺は今は彼女いないけど。 昨日の夜に香澄から怒涛のラインがきた。 要約、「絢がくれた服いま開けて着てみたらすごく白い、街中で浮きそう、こんなの着たことない、着こなし自信ない、直人に変な顔されたらどうしよう」。 俺、「La,la-Ma chatoune. 落ち着きなよ、明日の朝そっちに行って全身チェックしてあげる。今夜はもう寝ること。服より目にくま作ってる方が直にぃは落ち込む♡」というわけ。 よっぽど慌てたのか香澄がうっかりベルギー国旗でそれ流してまこにも筒抜けになってたから、まこも来てくれることになった。全身のバランスとか体型に合ってるかとか色彩見るだけなら俺にもできるけど、流行とかは俺知らないからよかった。ベルギー国旗ってのは俺と香澄とまこのグループラインのとりあえずの名前。俺の髪はもう黒髪じゃないけど、三人の頭が並んだら髪の色がベルギーの国旗みたいだったから。
朝一番に香澄の部屋に訪ねてったら、香澄はいつものニット着てて、通されたソファの上に俺があげた服が綺麗に広げてぜんぶ並べられてた。なんか試行錯誤の跡を感じる。 直にぃとの待ち合わせの時間は11時くらいらしいから、全然まだのんびりしてられる。 まこはあとからゆっくり来るって行ってたから、俺と香澄はそれまで一緒にリビングの床でお昼寝した。香澄がかいじゅうを枕にして、俺は香澄のお腹を枕にして寝る。昨日もたくさん訳文作って頭使った、お腹すいた…
まこがインターホン鳴らした音で二人とも目が覚めた。香澄がモニター見ながら鍵を開ける。 まこは片腕に箱を抱えてた。 「お前らはもう食ったかもしれねえけど俺がまだ今年食ってないから」って、まこが開けた箱の中には、イチゴに囲まれて小さなサンタとトナカイと雪が積もった小屋が乗ってるかわいいケーキが入ってた。 「俺も食べていいの?」って聞いたら「おう。一人でぜんぶ食っていいって意味ではない」ってつっこまれた。 ちょうどお腹すいてたから電話でたくさん出前とって、まこが持ってきてくれたケーキはそのあとに取っておく。 「そんなに着こなし難しい服じゃなくね?」 「Ja-、フツーに順当に着ただけでかわいい感じになるように選んだんだけど。」 「か、かわいいかんじ…」 「白いけど仮装レベルの滑稽な感じではない」 「Non、クリスマスだし、ちょっとは非日常でいいじゃんね、直にぃのサンタになるつもりで着なよ。あっ 出前きた!」 次々運ばれてくる出前の朝食を三人で食べて、 この服着たら直にぃはテンション爆上げになるって香澄に念押しながら、香澄にいつものニット脱がせて、服着せてコートも着せて、持ってきた香水を手首とうなじに軽くふって髪に少しすりこんだ、帽子をいい感じの角度と深さにかぶせて髪の襟足を綺麗に出す。 「よし、ほぼ完成。」 もう待ち合わせの時間が近づいてたからそのまま香澄の背中を玄関まで押してく。 玄関先でずっと脱がないで被ってた真澄さんのニット帽を自分の頭からスポッと取ると、「Ta-da!」って帽子の中から手袋を取りだした。まこが持ってたかわいい指なし手袋みたいな手袋さがしたけどお店にはサイズがなかったから。香澄の手にそれを嵌める。 「Parfait,Parfaite!夜なべした甲斐があった」 「夜なべ?」 「時間なかったから。最初だけ真澄さんに教えてもらってそっから超巻きで俺が編んだ」 サイズぴったりでよかった。香澄は俺のお手製指なし手袋をじっと見ながらなんか照れてた。 はいはい今日はあざといくらいがちょうどいい、いってらっしゃい。って香澄を送り出す。マンションの合鍵を香澄から預かって、まこも一緒に見送る。 部屋に入ってベランダから下を見下ろすと香澄が出ていくのが豆粒みたいに小さく見えた。 のんびりしてたらちょっと時間ギリギリになっちゃって、香澄はサンタのケーキ食べる時間なかったから、せめてと思って出てくときにケーキに乗ってるイチゴ一個だけ香澄の口に押し込んどいた。
香澄が行っちゃってから、まこと俺で残りのケーキを食べることにした。 「包丁で綺麗に半分に切ったらサンタかトナカイか小屋のどれかは一刀両断を免れない」ってことで切り分けないで、ホールケーキを二人で無秩序にあちこちからフォークで食べ散らかしていく。 こういうのいいな、もうお腹いっぱい食べたあとだからちょっとずつ味わってゆっくり食べられる。 思い出して、ソファの上に放ってた自分のリュックの中から包みを取り出す。 「あげる」ってまこに差し出した。「クリスマスプレゼント」 あんまり予想してなかったのかまこはちょっとびっくりしたような顔してたけど、すぐに笑って「サン��ュ」って受け取ってくれた。 「実はちょっと前にもうこれ買ってた、お店で見つけて、まこに似てると思って」 「これってここで開けていいやつ?」 「いいよ~」 プレゼントのつもりじゃなかったけど状態は綺麗だったから、一度洗ってブラシかけて俺が自分でクリスマスっぽくラッピングした。ぬいぐるみ。 「なんだこれ?サメ?」 包みを解いて出してみながらまこはサメをいろんな角度から見てる。 「ぬいぐるみなんていつぶりだろ…ありがと」 一応喜んでくれたみたいだ、よかった。真澄さんに似合うもの選んでたらそっちにお金かかっちゃって、まこに他にももう一品買って添える余裕なくなっちゃったから。 向かい合って床に胡座かいて座ったまま、サメをボールがわりに二人で空中に投げあってバレーみたいなキャッチボールみたいなことしながら話す。 「これどこで買ったの」 「近くの駅ビルの中にかわいいお店があったよ。そこで真澄さん…今いっしょに住んでる人にも、キリンのぬいぐるみ買った。似てたから」 「そういやこの前もぬいぐるみ見てたな」 「うん、俺そういうの好きかも。男がかわいいものとか持ってたらめっちゃディスられるから無意識にこれまであんま見ないようにしてた気がする」 「前の家ではだろ? 今はその、ますみさんって人との生活はうまくいってんの」 「うん。…。俺もタフガイになりたい」 「はい?」 まこの投げたサメが変な方向に飛んでったから俺が体伸ばして拾う。サメに顎を乗せて床にダラダラ横になって転がりながら続ける。 「真澄さん、背が高くて体しっかりしてて大人の男って感じで超かっこいい。ガチムチって感じじゃないし意識してトレーニングしたり鍛えてるってわけでもないと思うけど。いざってときにバトれる体ってすごい憧れる…。」 「言ってることは分からんでもないっつーか、俺のスポーツやってるダチの中にも似たようなこと言ってたやつはいたな。ヤバい時にはじめっから武力行使ってわけじゃないにしても」 「最終手段として手元にあるだけで精神的余裕も持てるとかさ。わかんないけど…俺チビだしやせっぽちだしな~…」 床で体伸ばしてごろごろしてたらまこにサメで顔面ボスって叩かれた。サメがハリセンみたいな使い方されてる…。 「お前、それでチビって俺の身長ディスってんの?」 しら~っとした笑みでつっこまれて、一瞬頭が停止した。慌てて訂正する。 「そういう意味じゃないって!あの、俺んち、前の家のほう、みんな背が高くて、そういう家系?多分、まこ直にぃと会ったことある?あれくらい、直にぃと同じくらいあるのが普通って感じで、俺は家の中ではずっと伸び悩んだチビ扱いされてたっていうか、実際そういうのあると思う脚やけどしてからピタッと身長伸びるの止まったし、顔もなんか童顔だし、」「わかっ��わかった、そーいうことね」 俺が床で手足パタパタしながら矢継ぎ早に色々言ったら、まこはなにか察したっぽい顔で俺の言葉を制したあとで言った。 「そういうとこお前の今後の課題だからな」 課題…。 …そっか…火傷痕見られた時にも似たようなこと言われた 無意識でも自己卑下してたら誰かのこと知らない間に蔑んだり傷つけたりすることになるのか… 「………ごめん…。」 俯せになって顔伏せたまま五体投地みたいなかっこうで素直に謝ったら、サメで頭ぽふぽふ優しく叩かれた。 まこに今日はこの部屋に泊まるのかって聞かれたから、「真澄さんが出かけてるから帰ってくるの家で待ってたい」って言ったら、またサメで頭ぽふぽふ叩かれた。それで、まだ夕方くらいで日は高いけど今日はここで解散することになった。
まっすぐ家に帰ってから、お風呂はいって、夕飯を作る。 真澄さんの分どうしよう…今夜はまだ帰ってこないかもしれないけど、その時は俺が真澄さんの分も全部食えばいいや。掃除機みたいな胃袋に感謝。 帰る途中で買った材料でスポンジケーキを焼いた。生クリーム大量とかベタベタしてるかんじのは、俺が一人で食べることになった場合さすがに胸焼けしそうと思って、スポンジケーキに白い粉砂糖かけて、チョコで ” Un Noël d'amour et de douceur pour une personne que j'aime de tout mon coeur. Joyeux Noël “ って書いた。長い文章になったけど他になにもフルーツとか飾りとか乗ってないシンプルなケーキだから、本の一ページを切り取ってきたみたいでちょっとモダンでオシャレな感じになった。書体をクリスマスっぽく綺麗に丁寧に揃えたし。 あんまりフルーツとかあれこれ乗っけて味を豪華にしたら、食べないと意味ないものになっちゃうかもだしな。無理して食べなくても見てくれるだけでいいようにこんな感じにした。
夜になって、一人で夕食を食べ終えて、食器をキッチンで洗って拭いて仕舞う。真澄さんの分を容器に残して冷蔵庫に入れておく。 ケーキにはちょっとあいてるスペースに蝋燭を立ててみた。蝋燭たくさんもらったけど、誕生日じゃないんだし…と思って、考えた末に2本だけ立てた。俺と真澄さん。 ケーキには手をつけないで綺麗なまま、リビングのテーブルに蓋をかぶせて置いた。その横に上品なしっかりした作りの小箱を並べる。 小箱は真澄さんのクリスマスプレゼントに買った万年筆。俺が最初に借りたのを一本ほとんど占領してインク入れ替えながらずっと使ってるから。買うときに万年筆専門のお店に入って、ふと誠人さんが使ってたのと同じやつを見つけて値段見てみたら50万円した。やっぱあの人こっわいな…ペン一本に50万…。でももっと高いやつもごろごろあった。さすがにそこまでのは俺の所持金��ゃ買えないから、そこそこの、みたいなことになったけど、デザインは真澄さんに似合うと思う。書斎の書棚に使ってあるのと同じ種の木のボディだから。 暗い室内でキリンを抱いてリビングのソファに横になる。30分くらいしてから、今夜は一応ここで寝て待ってようと思って、寝室から毛布をひっぱってくる。空調つけてるけどこ��まま寝てたら風邪ひきそうだから。
まだ深夜までいかないくらいの時間に、鍵が開く音がして毛布から体を起こす。 キリン持ったままソファから立ち上がって玄関のほうをのぞいたら、真澄さんが片腕に女の子を抱えてた。 二人とも綺麗にフォーマルで揃えた格好してる。ていうかここまで全身キメてる真澄さん初めて見た。 妹さん…じゃないよな、ドレスの合わせ方そういう感じじゃないし…すごい年齢差と体格差あるけど、これってデート帰りか… 俺邪魔だな? あのケーキ二人にあげよう。ちょうどなんかそんな文言になってるし。 玄関に寄ってって出迎える。 「おかえりなさい。真澄さん、俺今夜どっか出かけてようか…?」 なんか安いラブホとかならクリスマスでも空いてるかも。一泊分くらいならまだお金あるし…急いで寝室整えなくちゃ、 「顔合わせなんだから出てっちゃ困るな」 顔合わせ? 「光さん。さっき結婚してきた」 ーーーーけ? けっこん……… 「…………」 頭が完全に止まってたら真澄さんが抱えてる女の子…ひかるさん?…の体を俺のほうに向けて、ひかるさんに向けて続けた 「息子の絢だよ、血は繋がって無いがね」 「「息子!!」」 同じワードでビビって俺と女の子が同時に大きな声出した 「うわびっくりした」 「むすこ!! 真澄にむすこがいた!」 女の子は真澄さんの腕から身を乗り出して俺を見ようとする。落ちそうになって真澄さんに抱え直されてた。…ボリュームのあるドレスの布に隠れて見えないけどもしかして足かどこか怪我してる…? 「俺息子だったんだ…」 ぽかんとしたまま呟いたら真澄さんは靴脱いで部屋に上がりながら言った。 「息ぴったりじゃねえか。心配なさそうだな」 …この場合って俺のポジションなんになるんだ…? 俺の方がたぶんこの子より歳上だから…いやそれでもこの子のほうが母親…? 妹みたいに接し…いや、真澄さんの奥さんだから…えーと… 俺、もうこの家でてかなきゃいけないのかな… 色々考えながらもリビングのテーブルからトレイごとケーキを持ち上げて、二人の目の前でパカッと蓋をとる。 「ぼくが心から愛しているひとに、愛と優しさのクリスマスを。メリークリスマス。…って意味。」 ケーキに書いたフランス語を読んだ。真澄さんは読めるけど、この子が読めるか分かんないから。 フランス人とか俺の素ならこれくらいの言い方は普通だけど真澄さんに向けてだったから、最悪ウケが狙えればいいくらいのつもりで書いた、奇しくもシチュエーションぴったりになったような。 真澄さんはケーキ見ながら「すごいね」ってひとりごとみたいに言ったと思ったら、こう 続けた、綺麗な発音で 「Dans vos livres, vous montrez que dans toute vie, me^me la plus mise'rable, il y a de quoi se re'jouir, de quoi rire, de quoi aimer.」 「ーーーー……」 目からぼたぼた涙でてきた なにかフランス語で返そうと思ったんだけど洒落た言葉なにも浮かばなかった 通じてなくていいと思ってたんだ、この人に ケーキとかも、こんなのは全部俺が一人で勝手にやってることなんだからって 万年筆も、キリンも、食事も、一つ一つの言葉も、俺が自分について語ることも、俺が自由に生きることも、この人のしたことがなにか報われるように この人の幸せを願いながらやってても 押しつけがましくならないように最低限のことしか言葉にしなかった 俺がただ好きで自由にやってることが恩返しになるからって 説明しなくてもバレてたかもしれない、それでも俺が言葉にしたらなにか返さなきゃいけなくなる だからいつも黙ってた 気遣いのつもりで 鬱陶しいやつだって思われそうなことを避けてた もういつ切り捨てられてもいいような向き合い方はできなかったから でもちゃんと通じてたし、受け取ってもらえてた 「なかないで」 真澄さんの腕の中から女の子が手を伸ばして俺の頭をそっと撫でてきた そのまま首に細い腕を回されてぎゅっと首元に抱きつかれる 小さな手が俺の背中をあやすみたいに撫でた 「さんにんで暮らそうね、あや」 真澄にいじめられたときはわたしが真澄をこらしめてあげる、って 真剣な顔して言われた 俺はいっぱい余ってた蝋燭の中から一本とってきて、ケーキに二本刺してたのの真ん中にもう一本足した
そのあと三本の蝋燭に俺がマッチで火を灯して、真澄さんにソファの上に降ろされたひかるさんがそれを吹き消した 俺とひかるさんはこっちにきた煙で咽せそうになって煙を避けながら笑った 真澄さんはキリンみたいに静かな優しい瞳で俺たちを見てた
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愛をもらっ��そうです。
タクシーから降り、目的の場所にたどり着いたときには、すっかりあたりは暗くなっていた。日本とはちがう差すような冷気を感じ、勇利はぎゅっと目を閉じてぶるっとふるえた。けれど、風はないし、雪も降っていないので、凍るほど寒いということはない。それは助かった。思い立って、考えなしにやってきてしまったけれど、吹雪だったら大変だった。勇利はほっと息をついた。 ニット帽をひっぱり、眼鏡が曇りそうだったのでマスクの位置を直す。しゃれたかたちの街路灯にもたれ、空を見上げた。星は見えない。雲が厚いんだな、とぼんやり考えた。 ここで待っていれば、ヴィクトルが通りかかるはずだった。ユーリに頼みこんで教えてもらったので、まちがいはない。今日はヴィクトルの誕生日だ。どうしても祝いたかった。自分の勝手な気持ちだけれど。だが、祝いたいというわりには、ろくな贈り物を持ってきていない。ぼくがプレゼントだよ、なんて冗談でも言えないし、ヴィクトルもあきれるだろう。どうしようかな、と勇利は溜息をついた。結局、祝いたいというより、ただヴィクトルに会いたかっただけなのかもしれない。 ふ、と息を吐いた。ヴィクトルはまだ帰ってこない。勇利はじっと待ち続けた。通り過ぎる人々が、不思議そうに勇利を見ている。迷子だと思われてるんだろうか、と勇利はどきどきした。おまわりさんが来ちゃったらどうしよう。 ユーリは、もうめんどうなのでヴィクトルの家を教える、と言った。しかし勇利のほうで断ったのだ。 「そんな私的なことは聞けないよ」 「はあ? おまえ、頭おかしいのか? 私的って、私的以上にあいつにべたべたされてやがるくせに、いまさらなんだよ」 「でも、そういうのはちがうじゃないか。ヴィクトルだって、教えてないはずなのにぼくがいきなり家の前で待ってたら気持ち悪いだろうし」 「おまえなあ……自覚あんのか?」 「なんの?」 とにかくそれは教えてくれなくていい、ヴィクトルと会える場所だけ、と頼みこんだ。もしヴィクトルがこの道を通らなかったら困るな、と考える。 会えたらなんて言おう。誕生日おめでとう。久しぶり。元気だった? ロシア選手権見たよ。金メダルおめでとうございます。やっぱりヴィクトルはかっこいい。ヴィクトルのスケートが好きだ。ぼくは、ぼくは……。 ヴィクトルはどんな顔をするだろう? びっくりして立ちすくむだろうか? うれしそうにあのすてきな笑顔を見せて「勇利!」と駆け寄ってくるだろうか。「本物?」なんて疑うかもしれない。会いたかったよ。また俺を驚かせたね。練習はちゃんとしてる? 俺もジャパンナショナル見たよ。あの演技はなんだ? 一からやり直しだね。いつ来たの? なんで来たの? わざわざロシアまでどうして? 「うわ……」 なんとなくいやな想像になってしまった。でも、もしかしたらこれが正しいのかもしれない。勇利はヴィクトルに会いたいと思って来たけれど、ヴィクトルも同じように感じてくれているとは限らない。普通、思いがけず──約束もなく訪ねられたりしたら、人は迷惑に思うものではないだろうか。ヴィクトルにはなんの連絡もしていない。前もって言えよ、と思われたらどうしよう? そもそも来るなよ。こっちは試合を終えたばかりで疲れてるんだぞ。それにすぐヨーロッパ選手権だ。おまえの相手をしてる暇なんてないんだよ。 「……ど、どうしよう」 勇利はじわっと汗がにじむのを感じた。いまごろになって、ヴィクトルが困惑し、不愉快そうにする可能性に思い至った。彼はずっととても優しかったけれど、それは勇利のコーチで、勇利の相手だけをしていたからだ。ヴィクトルはもう勇利だけの彼ではない。することもたくさんあるし、たいへん忙しい身だ。ここはロシアなのである。 か、帰ろうかな……。勇利は不安でいっぱいになった。たいした用事もないのにこんなところまで来て、って思われたらどうしよう。暇なやつだな、練習しろよ、とか。こんなところにまで来るな、あれだけコーチしてやったのにまだ���につきまとうつもりか、とか。 「う……」 ──落ち着け。ヴィクトルはそんなことは言わない。優しいんだから。勇利は胸にそっと手を当てた。しかし、言わなくても、こころの中では、やはりすこし迷惑に感じるかもしれない。おめでとうと述べるためだけに来た勇利のことを薄気味悪く思うかも。こいつほんとに俺のこと好きだな──なんて。 す、好きだけど、気持ち悪いと思われるのはいやだ。勇利はどきどきしてきた。ヴィクトルに会える喜びより、憂鬱のほうが大きくなった。それにしてもヴィクトルは遅い。今夜は帰ってこないのだろうか。もう別の道から帰宅してしまったのか。ロシア選手権が終わり、今日はエキシビションとバンケットだったはずである。深夜まではかからないだろうけれど、そのあと、誰かと会っているのかもしれない。考えてみれば、あのヴィクトルなのだ、誕生日に一緒に過ごす相手には事欠かないではないか。そのままホテルに泊まっているのだ、きっと。 ほ、ほんとに帰ろうかな……。勇利はそわそわと足踏みした。あと五分待って来なかったら帰ろう。そうしよう。ばかみたいだ。何しに来たんだろう……。 勇利は携帯電話を取り出し、時刻を示す数字をじっと見ていた。もっと速く過ぎればいいのに、と思った。やっぱり帰りたい。ああ、来たんだ……と不思議そうな顔をされることを想像するといたたまれない。ユーリには、結局忙しくて行けなかった、とうそをつこう。ヴィクトルに話さないでねと頼もう。今日のことは誰にも言わない。それがいい。 五分経った。勇利はほっと息をつき、バックパックをゆすり上げて歩き出した。深くうつむき、足元を見てもくもくと進む。雪、歩きにくいな。何をしに来たのだろう。視界がわずかにゆがんだ。こんなことで泣くなよ、と腹が立った。勝手に来て、勝手に落ちこんで、勝手に泣いて、本当にぼくって変なやつだ。 ふっと、鼻先になつかしい匂いが漂った。ヴィクトルの匂いだ、と思った瞬間、さらに目がうるんだ。鼻までおかしくなっちゃった……。 そのとき、すれちがった男の足音が止まった。 「……勇利?」 えっ……。 勇利は振り返った。ヴィクトルが、信じられないというような顔で、勇利を見ていた。 「あっ……」 勇利はうろたえた。うそ。いま? いま帰ってきたの? どうしよう。何も言うこと考えてないよ。えっと、えっと。 「ヴィ、ヴィクトル!」 とにかくとりつくろった。無理に笑顔をつくり、ヴィクトルに向きあう。 「久しぶり! っていっても二週間しか経ってないけどね。ロシア選手権見たよ。金メダルおめでとう!」 「勇利……どうして……」 「びっくりした? やったぁ。成功だね。あのね、どうしてもヴィクトルの誕生日を祝いたかったんだ。誕生日前には祝わないって言われたけど、当日ならいいんでしょ? 見てこれ!」 勇利は急いで全日本選手権のメダルを出すと、顔の横に掲げてにっこりした。 「金メダル! 今年は獲れたよ。ヴィクトルのおかげ。ありがとう」 「…………」 「四大陸もワールドも、代表に選ばれたよ。ワールド、覚悟しててよね!」 「…………」 「なんて、こんなのプレゼントにならないよね。わかってるって」 ヴィクトルは何も言わずにただ瞬いている。もう、何か言ってよ、と勇利はまた泣きたくなった。 「でもね、ぼくも忙しくて、ちゃんと選んでる余裕な��ったんだ。だからほら、これ!」 勇利は、自分のかぶっていたニット帽を外すと、それをヴィクトルにぎゅっとかぶせた。 「あはは、似合う」 「…………」 「ぼくが普段使ってるのと色ちがいだよー。ダサいから、ヴィクトルなら燃やしたくなることまちがいなし!」 勇利は指を振りたてて説明し、ぱちんと片目を閉じた。 「でもほら、ヴィクトル・ニキフォロフの新しい一面を引き出すためには必要だからね! そういうのも、案外いいんじゃないかと思うよ!」 「…………」 「なんちゃって……」 ヴィクトルはまだ黙っている。勇利はだんだんとこころが苦しくなってきた。 「あ、あの、じゃあ、それだけだから」 「え?」 「ヴィクトルにおめでとうって言いたかっただけなんだ。邪魔しちゃ悪いし、もう帰るよ」 「え……」 「このためだけにやってくるなんて、ぼくってわりとけなげでしょ? ヴィクトルはぼくのこと、つめたいとかつれないとかすぐ言うけど、そんなでもないんだよ。わかってくれた? あはは」 「勇利、」 「じゃあね! ユーロも応援してるから! さよなら!」 勇利はヴィクトルにくるりと背を向け、急いで歩き出した。来なければよかった、と思った。早く立ち去りたい。このあとどうしよう。何も考えていなかった。ホテルを取りたいけれどどこへ行けばいいのか。英語、通じるかな。タクシーの運転手にはなかなか理解してもらえなかった。でも、そんなことはどうでもいい。とにかくヴィクトルの前からいなくなりたい。ちょっと、もう、歩きにくいな本当に! この雪は……。 いきなり手首をつかまれた。勇利はびくっとして息を止めた。手を引かれ、振り向かされ、次の瞬間には抱きしめられていた。ヴィクトルに……。 「……帰すわけないだろ」 「…………」 「勇利はつめたい……」 ヴィクトルは溜息のような声でささやいた。 「なんてつれないんだ……ここまで来ておいて、すぐに帰ってしまうなんて……」 「…………」 勇利の目に涙がにじんだ。ヴィクトルの胸はあたたかく、腕は、勇利を抱きしめるためだけにあるようだった。 「だ、だってヴィクトルがなんにも言わないから……」 声がふるえた。 「迷惑だったのかと思って……」 「勇利のことを迷惑なんかに思うわけないだろ」 さらにきつく抱きすくめられる。 「びっくりして……うれしくて、まぼろしじゃないかと思った……」 「…………」 「しゃべったら消えてしまうんじゃないかと……」 ヴィクトルが勇利に頬ずりした。 「本物だ……」 「……うん」 「本物の勇利だ」 ヴィクトルが身体を離した。あ、もっと抱きしめて欲しいのに、と思った瞬間、くちびるが重なった。えっ、と勇利は仰天した。 キ、キスしてる……。なんで!? 一気に頭の中が混乱した。キスって。キスって。ちょっと待ってよ。意味わかんない。なんで? なんでなんでなんで? あっ、あれか! 中国大会のときと同じか! ぼくが驚かせたから、仕返ししてるのか! もう、ヴィクトルったら! 同じ手を二回使うなんてヴィクトルらしくない! ああ、でも、ぼくこうしてびっくりしてるから成功なのか。もう、ずるいよ。こういうのさ、びっくりしない人いる? これは反則だと思うんだけどなあ……。 勇利は目を閉じ、そんなことを考えていた。やがてヴィクトルはくちびるを離すと、くすっと笑い、もう一度ぎゅっと勇利を抱きしめてささやいた。 「いま失礼なこと考えてるだろ……」 「え?」 「おんなじ手で驚かせようとするなんてヴィクトルもたいしたことないな、とかなんとか……」 「えっ、えっ」 「言っておくけど」 ヴィクトルの声が低く、真剣になった。 「驚かせるためにしたんじゃないからね」 「えっ……」 ��勇利はヴィクトルを見上げ、おずおずと尋ねた。 「……じゃあ、どうして?」 ヴィクトルがふっと笑った。もうそれは、いつものヴィクトルのいたずらっぽい顔だった。 「したいからにきまってるだろ」 「あ……そうなんだ……」 したいんだ。ヴィクトル。キスしたいんだ。そういうのが趣味なのかな? 知らなかった。長谷津にいるときはそんなそぶり見せなかったのに……。 「またおかしなことを考えている」 「え……」 「まあいいよ。じっくり時間をかけて教えるつもりだから。さあおいで」 「えっ、どこ行くの?」 「どこって、家に帰るんだよ。ほらこっち」 「あの、ぼく……」 「帰さないと言っただろう。俺のところで一夜を明かす覚悟もないのにロシアまで来たのか?」 「ちょっと、言い方が誤解を招く!」 「さて、誤解かどうか」 「ヴィクトルってば!」 勇利はヴィクトルに手を引かれ、雪道を歩いていった。ちっとも歩きにくくなかった。ヴィクトルは楽しそうに笑っている。 「途中で車を降りてよかった。本当は家まで送ってもらうはずだったんだよ」 「あ、そうなんだ」 それはそうか。ヴィクトルが徒歩で移動する、というのはすこし不思議かもしれない。日本ではそれが当たり前だったから勝手にそういうものだと思いこんでしまった。ロシアではちがうだろう。 「勇利のことを考えたくてね……歩こうと思ったんだよ」 ヴィクトルがちらと勇利を見た。その色っぽい流し目に勇利はまっかになった。うつむいて黙りこんだら、ヴィクトルも沈黙した。しかし彼はふいに勇利を抱き寄せると、頬に優しくキスして「かわいい」とささやいた。 「え? は?」 「勇利がかわいい」 「…………」 大丈夫かな、このひと……。勇利はヴィクトルをじろじろ見た。 「ところで……」 ヴィクトルがくすっと笑った。 「さっき道端でキスしたね。あれ、撮られたかもしれない」 「えっ!」 「試合を終わらせて飛んできた生徒の愛、雪の中の逢瀬──なんて書き立てられたらどうする?」 「そ、そんなの……」 勇利は口ごもり、それからヴィクトルの頭を見た。勇利の贈ったニット帽がのっている。 「……そんなダサい帽子、ヴィクトルがかぶるわけないから、いくらでも言い訳できるよ」 「そう?」 ヴィクトルがふっと笑い、口元を上げた。勇利は瞬いた。 「勇利、食事は?」 「あ、べつにおなかは……。ヴィクトルのこと考えてたら胸がいっぱいで」 「かわいいことを言ってくれる。今夜は一緒に寝ようね」 「え、ソファでいいから……」 「何か言った?」 「あの、ソファでいいから」 「聞こえない」 「ソファで」 「勇利が寝るようなソファは燃やすしかないな」 「なに言ってるの!?」 家の中に入ると、ふわっとあたたかだった。うわあ、ヴィクトルの家、と勇利は緊張した。しかしヴィクトルは突っ立ったまま、中に進もうとしない。 「ヴィクトル?」 勇利は、やっぱりいきなり他人を家に入れるのは困るのかな、と思った。長谷津のヴィクトルの部屋は、特別散らかっているということもない、ごく綺麗なものだけれど、本当の自宅となるとちがうかもしれない。乱雑ではなくても、見られたくないものもあるだろう。──見られたくないものってなんだろう? ぼくだったら、ヴィクトルのポスターなんかはいきなり入ってこられたら困るものだったけど。 「ヴィクトル、あの、どうしたの? やっぱりぼくどこかへ行こうか? それとも待ってようか? 片づけるものが──」 勇利は言葉を切った。ヴィクトルがいきなり勇利を抱きすくめたからだ。強い力だった。 「ヴィ……ヴィクトル……?」 「勇利」 ヴィクトルはかすれた声で���んだ。さっきまでの陽気な様子とはまるでちがう、苦しそうな態度だった。 「どうしたの、ヴィクトル」 「うれしいんだ」 「え?」 「会えてうれしい」 ヴィクトルはそれきり、無言で勇利を抱きしめ、頬を寄せた。 「ヴィクトル……」 その夜、ふたりはヴィクトルの望み通り、ひとつのベッドでまくらを並べた。ヴィクトルは勇利のほうを向き、いとおしそうにじっとみつめる。勇利は気恥ずかしかった。 「うれしいのに胸が痛いというのは初めてだ」 ヴィクトルは物穏やかにささやいた。 「勇利は俺にいつも新しい感情を教えるね」 彼は勇利の髪をそっとかきわけ、額にくちびるを寄せて音をたてた。勇利はおおいに照れた。 「ヴィクトル……ぼくね、全日本選手権のエキシビションで、『離れずにそばにいて』をやったんだ」 「うん」 「ヴィクトルもロシア選手権のフリーで、あのプログラムをやったね」 「ああ」 「ぼくのエキシビションとヴィクトルのフリーの日、同じだった」 「……そうだったね」 「ぼく……」 勇利は目をほそめた。 「いまこの瞬間、ヴィクトルが同じプログラムをすべってる……って思いながら、踊ってたよ」 「…………」 「あのとき、確かにヴィクトルを感じた……」 ヴィクトルが瞬いた。勇利はほのかに微笑した。 「ヴィクトルは? ぼくを感じた?」 「勇利」 ヴィクトルがやわらかく呼んだ。勇利は瞬き、「なに?」と尋ねた。 「勇利、俺の家、どう思う?」 「え? ひろくて、あたたかくて、綺麗で……すてきなところだと思うよ」 「そうだ。俺もそう思う。ここにはなんでもそろっている。俺が便利だと思うものがいくらでもある。快適な暮らしをいとなめる」 「うん、ヴィクトルの家って感じ」 ヴィクトルは苦笑を浮かべた。 「でもね、勇利」 「うん」 「ここへ帰ってきたとき……、俺は、なんてくだらないところだろうと思ったよ」 「え?」 「ここには何もないと思った」 「え、だって……」 「なんでもあるけど何もない」 「そんな」 「俺が望むものは何も……」 ヴィクトルは勇利の手をそっと握ると、ほのかにほほえんでつぶやいた。 「何も、なかったよ……」 「…………」 「長谷津では、家に帰ったらマーマやパーパ、マリが迎えてくれた。オカエリって言ってくれた。たわいないことをたくさん話してくれた。俺に、今日はどうだった、って訊いてくれた。美味しいごはんが出てきた」 「……そうだね」 「早くお風呂入りなさいって言ってくれた。ほら、洗濯物持っていきなって渡してくれた。俺専用の館内着があって、俺専用のスリッパもあった」 「……うん」 「それに……」 ヴィクトルはじっと勇利をみつめた。 「あそこには、勇利がいた」 「…………」 「勇利がいつもそばにいた。何をしていても、勇利を感じることができた。俺が何か言えば、勇利が、なに、って返事をしてくれた。俺がばかなことを話したら、可笑しそうに笑ってくれた」 ヴィクトルの手が、きゅっと勇利の手を包みこんだ。 「……ここには何もないよ」 「…………」 「マッカチンもいない。ひとりぼっちだ」 「ヴィクトル……」 「もう、以前にここで暮らしていたときのような気持ちにはなれない」 勇利はヴィクトルの手をそっと握り返し、ほほえんだ。 「マッカチンはすぐにこっちに帰ってくるよ」 「そうだね」 「また一緒に暮らせる」 「勇利、あのね」 「うん」 「俺はロシアに戻ってきてから、ここは冷えきって、さびしい家だと思っていた。でも、いまは……」 ヴィクトルは静かに勇利を引き寄せ、溜息のような声で言った。 「とてもみたされているよ。しあわせだ……」 「…………」 勇利は赤くなった。ヴィクトルの体温が伝わってくる。 「……勇利�� 「ん……なに?」 「もうひとつ、誕生日プレゼントが欲しい」 「いいよ」 もともと、あんなもの、贈り物になると思っていなかった。ヴィクトルが欲しいものがあるならあげたい。 「本当にいい? 後悔するかもしれないよ」 「なに? 高いものなの?」 「すごく高価だね」 「ぼくに用意できるかなあ……ぼくそんなにお金持ちじゃないから……。分割でいけるやつ?」 ヴィクトルがくすっと笑った。 「勇利にしか用意できない、一括で欲しいものだ」 「えー、なんだろ。なぞなぞみたい」 勇利はにこにこ笑った。どんなに高価なものでも、ヴィクトルにならあげたいと思った。 「なに? 言ってみて。ううん、さきに返事をしておくね。いいよ。あげる。それはだめなんて言ったりしないから教えて。何が欲しいの?」 「勇利……」 ヴィクトルの腕に力がこもった。勇利も彼の背に手をまわし、そっと添えて抱きついた。 「愛してるよ……きみのこと」 「う、うん……」 勇利はどぎまぎした。そんな気恥ずかしそうな彼を見、ヴィクトルは優しく笑った。彼は勇利の耳にくちびるを近づけると、甘ったるくささやいた。 「勇利、うちは温泉はやってないんだ。だけど、ねえきみ、シーズンが終わったら……、」 四大陸選手権での再会を約束し、勇利は長谷津へ戻った。しばらく夢見ごこちだった。まるで婚約したかのような気持ちだ。ピチットから電話がかかってきたときも、ふわふわと浮かれていた。 「なに、勇利。めちゃくちゃ機嫌いいね」 「なんかねえ、婚約したみたいな気分なんだよ」 「なんで? ていうか、婚約ならもうとっくにしてるよね。いまさら何を言ってるのかな。そんなことより見た?」 「何を?」 「ヴィクトルのSNS」 「え」 勇利は通話を切ると、ヴィクトルがアップロードしたという写真を急いで見てみた。目にした瞬間、めまいをおぼえた。 『こんなにすばらしい誕生日は初めてだよ!』 あのごく地味なニット帽をかぶったヴィクトルが写っており、彼は片目を閉じて上機嫌だった。 『こんなのくれる子はひとりしかいないよね。俺の生徒、かわいいだろう?』 勇利がかぶれば野暮ったい帽子も、ヴィクトルが身につければ不思議とすてきに見えた。ヴィクトルの着こなしを舐めていた、と勇利は思った。いや、そんなことより。 もしあのときのキス写真が出たら、ヴィクトルだってばれちゃうじゃないか! 勇利はよほどヴィクトルに連絡して怒ってやろうかと思ったが、「シーズンが終わったら……」とささやいた優しくて甘い声を思い出すと、急に照れてしまってできなかった。 幸い、写真は出なかった。勇利はほっとしたけれど、いたたまれない気持ちだった。あんな帽子、燃やしたがると思ってたのに。ヴィクトルどうかしてる。ヴィクトルにあんなダサいもの贈って、って世界じゅうのファンに憎まれてたらどうしよう。 思い余った勇利は、ブランドの品物を取り扱う店に出かけていった。入るのはかなり勇気が必要だった。こんなところで買い物をしたことなんてない。ぼくが選んだら結局ダサくなるんじゃない? 意味なくない? と悩んだりもした。店員の言うままにきめようかとも思った。しかし、ひとつとても惹かれたものがあったので、これ、と自分で決定してしまった。それをたずさえて勇利は四大陸選手権におもむいた。 ホテルで再会したヴィクトルは黙って勇利を抱きしめ、「シーズンが終わったら」と約束したときと同じ甘ったるい声で「会いたかったよ」とささめいた。勇利はいっぺんにのぼせ上がってしまった。 「ヴィ、ヴィクトルあのね」 「なんだい?」 「これ……」 勇利はふるえる手でヴィクトルに包みを渡した。今度こそ、ダサい、こんなの燃やす、と言われてしまうかもしれない。でもちゃんとしたブランドだし……、いや、こういう好みはブランドなんて関係ないのだろうか……。 「誕生日プレゼント……」 「もうもらったよ。ふたつも」 「でも、ひとつはあんな帽子だし……」 ヴィクトルが包みをひらいた。勇利が贈ったのはネクタイだ。 「あ、あの、気に入るかどうかわからないけど」 勇利はまっかになった。 「あのさ、あの、あのね、それ、グランプリファイナルのときに着てたスーツに合わせたら、すごく似合うと思うんだ。ヴィクトルかっこいいと思うんだよ。絶対かっこいい」 熱心に言いつのる勇利をヴィクトルが見た。勇利はさらに赤くなった。 「それで……」 「勇利が選んだの?」 「そ、そう……」 どうしよう。やっぱりだめかな? 「店員さんに頼もうかと思ったけど。ヴィクトル・ニキフォロフに似合うのが欲しいんですって言おうかと思ったけど。でもぼくがそれ似合うって思ったんだ。ヴィクトル絶対似合うよ。絶対かっこいいよ。だ、だから……」 勇利は両手を握り合わせ、うつむいた。 「……よ、よかったら、どうかなって思って……」 「…………」 ヴィクトルは黙ってネクタイをベッドに置いた。彼は勇利を引き寄せると、突然力いっぱい抱きしめ、はしゃいだような声を上げた。 「幸い、あのスーツを持ってきているよ! ありがとう!」 「え?」 「俺のかっこよさをいちばんよくわかってるのは勇利だからね! よかった、勇利が選んでくれて」 「ヴィクトル……」 勇利はじっとヴィクトルをみつめた。ヴィクトルはうれしそうに笑い、こんなことを尋ねた。 「一括で支払った?」 「……あのね」 試合前、「勇利が結んでくれ」と頼まれて、どきどきしながら言われた通りにした。上着に腕を通したヴィクトルはほほえんで勇利を見、「似合うかい?」と気取って尋ねた。勇利はまっかになって頬に手を当てた。 「ヴィ、ヴィクトル……」 「どう?」 「……結婚したい」 ヴィクトルが笑い出した。 「するよ。当たり前だろ?」 試合後のインタビューのとき、ヴィクトルは勇利の演技を褒め称えたあと、得意げにネクタイを示して言った。 「これね、勇利がくれたんだ。『ネクタイを贈ることには、貴方にくびったけ、っていう意味があるんだよ』って言いながら結んでくれた。いまの俺、これまででいちばんかっこいいだろう? 勇利ってね、自分のネクタイはダサいのに、俺のは最高のを選ぶんだ。勇利は俺の誕生日に、試合直後なのにロシアに来て、ひと晩一緒にいてくれて、ダサいニット帽をくれて、最高の約束をしてくれて、金メダルを見せてくれた。この試合でも金メダルを獲って、そしてこの洗練されたネクタイまでくれたんだ。つまりね、勇利が俺にくれるいちばんすてきなものは、彼の愛だよ」
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念が届いたのか、きぬよちゃんが来ました。ワーイ!きぬよちゃんを困惑させたくはないので伝えはしないが、正直毎日来て欲しい。ラインナップをほぼ買い占める勢いで買った。飢えていたのだ。
浮かれて飛びついて、クリスマスセーターやサンタの帽子まで買ってしまった。陽気なパーティ野郎になる準備はできたわよ〜。もうクリスマスすぐなのね……早い……怖い…………。
今作、クリスマスがどういう形式なのか全く知らないけれども、デリーが「贈り物をラッピングの袋に包むのに忙しい」というような旨を?話していたような?気がするので、馬鹿正直にタヌキ商店でラッピングペーパーを買ってきた。
クリスマスで使わずとも、何かの折には役に立つはずだから……と自分を納得させた。経済を回す意味でも協力したい。
その辺に置いてきたから、雪でべしゃべしゃにならないといいな。
青色のセーター、そしてやや賑やか��柄でも似合うだろうなあと思ってプレゼントした。
お洋服のタイプと好みもマッチしたのか、想像以上に喜んでもらえて嬉しい。似合うよ。
赤い方はキャンベラにプレゼントした。いつまでも袖なしボーダーでは寒かろうと思ったのだ。エックスエルほどの興奮は無かったものの、彼女も満更でもなさそうだったので良かった☺️
贈り物を「ええ……」と困惑顔で受け取られたことはまだ無いので、もしかしたらスキルとして社交辞令を覚えている可能性がある。日本人の想像する社会人?
マキバスターがやたらとそばをウロウロしていたけれど、正直マキバスターには今の黒白ニットが何より似合うと思っている。私はギャルのオフショルダーニットが大好き!(何が見えている?)
そんなマキバスター、唐突に私を呼び止める。
こん……………な絵に描いたような優しいギャルいるかしら!?!
可愛いクリスマスリース🎄イベントを心待ちにする童心を忘れず、あたたかい心根のマキバスター……プレゼント、ちょっと多めにあげてほしい(サンタは贔屓をしないのでは?)
ええ……嬉しい……感謝の気持ちを込めて重めのラブレターを書こうかな……。
舞い上がって写真を撮ったら暗!加工をすれば良かった。
タコリーナちゃんが来てくれたことが嬉しくて、話しかける前に好きなだけ観察しては色々な角度から撮影する島民代表。お掃除してる!
かわいい〜〜♡まんまるの頭!足がたくさんある〜。リボンついてる〜。
女児みたいなゆめかわセーターを���こなしている。早く外に出ておいで〜
ご挨拶も早々に、今日も海に潜る。これで稼いでる感あるわね。
冬でも豊かな海の幸。美味しそ美味しそと、もうポケットより直に口に入れてしまいたいという勢いでシャコや甘エビをとっていたら、ひときわ逃げるのが速い影を発見する。
とにかくもう足が速い。大抵の影は潜ってから、ちょいと泳げば人間様の泳ぎとリーチの前に鷲掴みにされるというのに、全然距離が縮まらない!
そのくせ、こちらが止まると止まる……。
この!😠
ムキになって、五分くらい追いかけっこをする。恋人でもここまで本気かつ長く追いかけっこはしないが?負けず嫌いに火がついた。こいつは捕まえないと今夜眠れない。
そして、格闘の末!
なにこれ………………………知らない…………。
生き物???怖くて、横にあった携帯でちょちょっと調べたら、まさにこのままの形状。海綿体???網目の精密さが、集合体恐怖症のひとにはゾワ!ときそうな具合。
光っていて綺麗だけど、部屋に置くほどでも無いなあ……と売ったら5000ベルと高値!ぼろ儲けよ〜〜!
マイルで持ち物の幅を広げたので、枠いっぱいまで海の幸を捕まえると一度で五万は稼げる。べろべろに涎が出ちゃう!
冬の稼ぎ口は決まった。ラコスケに会うためにも、時間があれば毎日潜りたいところ。
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予備校のキヒョン先輩のお話8
・
・
12月24日🎄
「…よし」
玄関の全身鏡で今日の自分を見る。ミニョクがおととい選んでくれた緑のニット。後ろがちょっとながくなってるやつ。オシャレ。ミニョクが誕生日あげてなかったからって買ってくれた細めのブレスレット。オシャレ。
あとのコートとマフラーとパンツは普段と同じだけど、今日は新しいワックス買っちゃったし、髪のセットにはまあまあ自信がある。ふわふわ。オシャレ。今日の俺いいかんじ。
「いってきまーす」
外の空気が冷たくて肩がすくむ。ちょうど15時。せめてチャンギュニよりは早く待ち合わせ場所に着きたいけど自転車に乗ると髪が崩れるし、一時間も早く家を出た。というかミニョクのプレゼントで思い出したけど、俺クリスマス��レゼントとか買ってないじゃん。ヤバいな。
駅前に出ると昼間から道路沿いのイルミネーションがチカチカしていた。時計台の下に大きなツリーが出ていて、カップルが写真を撮ったりしている。
「こんちは」
「あ、おう…」
待ち合わせ場所に着くとチャンギュニがロングコートのポケットに手を突っ込んで立っていた。来るのはやいな…。
メガネはやっぱりしてなくて髪もきれいにセットしてあった。黒ベースの恰好だけど、ところどころに赤とか入っててクリスマスっぽい。かっこいい。
「かっこいいな」
「…え。ありがとうございます」
ちょっと戸惑いながら視線を外すチャンギュナ。やっぱり小動物っぽい。
「あの後、ウォノヒョンに会いましたか?」
「え?ああ…、あれから見てないかも」
ウォノヒョン、やめちゃったのかな。あの日、チャンギュナに問い詰められたあと、俺に「がんばってね」って言ってくれたウォノヒョン。その時の寂しそうな顔がまだ脳裏に焼き付いていた。
「ウォノヒョンが、俺にわざと上京を進めたんじゃないかって言ってたけど」
「はい」
「ウォノヒョンの一番最初の志望校は、今の俺の志望校と一緒だったんだ」
「えっ…」
「でも、ウォノヒョンはその時期にちょうど家のことでいろいろあって、奨学金背負ってあの高い学費払いながら一人暮らしすることはできなくて」
「…」
「進級したときに俺に言ってくれたんだ。才能があるのに、挑戦できるのに、しないのはもったいない。やりたいことが見つかったなら後悔してほしくないって。」
「そうだったんですね」
だからたぶん、進めてくれたことも、「がんばってね」の一言も、きっと
「すみません、俺、勝手に…」
俺の言葉でチャンギュニが申し訳なさそうに少しうつむく。俺は待ち合わせ早々暗くなった空気を慌てて戻すように笑った。
「大丈夫だよ!俺はお前のおかげでほんとに助かったよ」
「…ならよかったです」
チャンギュニが小さい口をちょっとだけ開いて笑った。そういえば笑った顔初めて見たかも。
「それに、キヒョ二ヒョンが辛そうにしてると…」
「ん?」
「すいません、、待たせて…」
チャンギュニの言葉が終らないうちに、(俺らの)主役が登場した。濃いブラウンのロングコートにマフラーぐるぐるにしてる。普段結んでる髪もおろしていて、下のほうがふわふわ巻いてあった。
「「かわい~…」」
「えっ…ありがとう…ございます…」
思わず心の声が漏れる。というか、今たぶんチャンギュニも心の声漏れてた気がする。
「あ、そういえば、鍋予約いっぱいでした。すいません。」
「まあイブだしな~。違う店探そう」
「じゃあとりあえず百貨店でもぶらぶらしてみますか」
「そうだね」
こうして、はたから見ても不自然であろう三人でのデートがはじまった。
百貨店の中は店も人もキラキラしていて目が痛いくらいだった。2年の頃はミニョクとヒョンウォンとたまに制服で着て「俺らもこういうところが早く似合うようになりて~」って騒いだけど、今年は忙しくて来てなかったな。
「みてこの置物、チャンギュンに似てるよ」
「え、俺?これ?おれ?」
なんか、仲いいな二人…雰囲気似てるし…二人ともロングコートだからかな…う~~俺もしゃべりたい。
「こっちはキヒョニヒョンに似てますよ」
チャンギュ二が指さす先にはこども用のぬいぐるみ屋さんに並ぶちっちゃいハムスター。
「え、俺あれ?!」
「はい」
「でもかわいいですよ先輩!」
「うん、かわいい」
「かわいいならいいけど…」
まあ、好きな人がにこにこしてるからいっか。と思いつつ、視界には一緒ににこにこしてるかっこいい後輩まで入ってきてさっきから心臓が痛い。俺もなんかしなきゃ。
「わあ~この帽子もこもこついててかわいい」
「どれ?」
「これです!」
指のほうを見るとニット帽が飾ってあった。俺は一番端の白いやつを取ってもこもこを整えながら横を見る。
「はい」
「え、自分でかぶれますよ先輩…!」
「いいから、はい!」
「…」
俺の胸くらいの位置にあるちっちゃい頭にニット帽をのせる。ニット帽、ナイス!
「あはは、かわいい~」
「ほ、ほんとですか?買おうかなあ」
帽子じゃなくてお前がな!という心の声を必死で飲み込む。
「ああ、ほんとだ。かわいい。」
振り向くとチャンギュニが殺意むきだしの目してる。クールなのかと思ってたけど意外と感情には素直らしい。
「お前もかぶってみな、かわいいよ」
「えっ俺は…」
「ほら!かわいい!」
バツの悪そうな顔するチャンギュニを見てふと我に返る。二人をペアルックにしてどうする俺…てか俺はさっきから子連れのママかよ…
「でもちょこっと高いからいいかなあ」
よかった。買われてたら絶対チャンギュニも買ってペアルックになってた。あぶねー。
「俺が買ってあげようか」
え!やめて!買ってあげないで!
「え、高いからいいよ!」
「…そう」
よし。ナイス判断。
不安だった百貨店をそこそこ楽しんで外に出る。気づいたらもう空は暗くなっていて、眩しいイルミネーションが一層雰囲気を増していた。
「大丈夫?寒くない?」
「はい!ありがとうございます!」
「俺は寒い」
「お前は知らねーよ」
とはいえ確かにちょっと冷えてきたな。俺はコートの中に入れておいたカイロを取り出す。
「はい、使って。チャンギュニも使いな。」
「わあ!ありがとうございます!あったかい」
「ありがとうございます」
「なんか先輩、お母さんみたいですね!」
「え?!」
え~~。俺またお母さんって言われてる…まあいいか、お母さんって、優しいものだし…悪い意味ではないよな…でも… 俺もしかして男として見られてないのかなあ。
「みて、なんかある」
「わ~すごいなにあれ!」
視線の方に目をやると汽車の形したイルミネーションの置物があった。乗って写真が撮れるらしく、ファミリーが並んでる。
「乗りたい!」
「乗りたい」
「子��もしかいないけど…」
「私は乗りたいです!」
「俺もです」
「そうですか…」
必然的にカ��ラ係になる俺。スマホを出してカメラモードにスライドさせると画面の中に嬉しそうな二人が写った。
「撮るよ~。はい、ちーず」
パシャ
「ありがとうございます!」
「あとで送ってください」
「うん、いいよー」
俺のスマホをのぞき込んでにこにこする二人。背景のイルミネーションまで超いい感じでだんだん自信が削られてくる。ああ、今日、俺負けるかも。
結局、クリスマスっぽい店はどこもいっぱいで、屋台の食べ物でお腹を満たすことになった。ソトクとおでんを両手にかかえて道沿いのベンチに座る。
「こんなんでよかったの?」
「はい、おいしいです!」
「キヒョニヒョン、俺の餃子もどうぞ」
「ありがとう」
「私も欲しい~」
むしゃくしゃしてチャンギュニがくれた餃子を口につっこむ。熱すぎて口から湯気が出る。
「あふいからきをふへて!」
めっちゃ口の中熱い、火出そう、うまくしゃべれてない俺だっさ
「…わかりました!」
横を見ると嬉しそうに餃子をふーふー冷ましてる小さい頭があって一瞬夢の中みたいな気持ちになる。向こうには「おいしいね」って言ってるチャンギュニの横顔が見えた。
俺がこの子を守りたい、特別になりたい、ってずっと思ってたけど、大切な人が幸せなら、もしかしてそばにいるのは俺じゃなくてもいいんじゃないかな。もしかして、俺の気持ちはずっとエゴだったんじゃないかな。チャンギュニなら、この子を大切にしてくれるんじゃないかな。
「ちょっと、トイレ」
「え?はい」
急に鼻がツンとして思わず立ち上がる。別にトイレなんて用事ないけど。唾を飲み込んで空を見上げると冷たい雲がゆっくり動いていた。雪、降んのかな。
「あ。ごめんね!大丈夫?」
上を見てたら小さいこどもにぶつかってしまった。小学校一年生くらい?手袋を片方しかはめてない。
「おにいちゃん、かなしいの?」
「えっ?」
「目からでる水はなみだっていって、かなしいときしかでないんだよ」
まっすぐな瞳で俺に涙について教えてくれる少年。
「そうなんだ、知らなかったなあ」
「アメ、あげるから、かなしくならないで」
手袋をつけていない方の小さな手にはいちご味のアメがのっかっていた。アメをとろうと触れた手は氷みたいに冷たかった。
「ありがとう。くれるの?」
「うん!」
「じゃあ、おにいちゃんもこれあげる」
俺はカバンから新しく買ったばかりの手袋を片方取り出して小さな手につけた。指がぶかぶかで使いづらそう。
「いいの?!」
「うん。あったかい?」
「うん!おにいちゃんかっこいいね!」
かっこいい?優しいじゃないのか?
「なんでかっこいいの?」
「やさしいひとはかっこいいんだって、おかあさんいってた!」
「あはは!そっか!」
俺、かっこいいんだ。そっか。
少年の言葉にまた泣きそうになるけど、悲しくなるなって言われたからにはぐっとこらえる。思わぬところで元気もらったな。
少年と別れて、むくむくと湯気の立つ屋台の間を抜くて行くとミニョクおススメのホットタピオカの店があった。買って行ったら二人喜ぶかも。
「すみません、これ三つください」
口の中にはまだアメが残��てるけど、とりあえず三つ注文する。目の前のカップルが嬉しそうにタピオカと写真を撮っていた。いいな、俺も、
「ミルクティー味三つのお客様~」
ポケットにつっこんでいた手を出してタピオカを受け取る。鼻に抜ける甘い香りが優し���った。
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スキマスイッチ TOUR2018“ALGOrhythm” 福岡サンパレスホール 2018年5月9日
なるたけネタバレ避けて、私の覚えている顛末を覚え書きしてみました。
最初の挨拶のとき、確かにいつもと��違う会場の熱気。
(。・ˇ_ˇ・。) 熱い歓迎だなぁ。でも、最後まで保つの??
ロングMC前の、少しの空白の時間。本当に声援の凄い会場。
(。・ˇ_ˇ・。) なにその、まだ元気あるアピール。
もう既にサプライズに怯えているかわいそうなおおはしくんw
(。・ˇ_ˇ・。) 自分で言うのも何ですけど、今日、僕誕生日なんですよ。だって!ほら、(会場指さしつつ)みんなも言っていいのかどうかわからん感じになってるから!
( ˙灬˙ )みんなも敵だからね。
(。・ˇ_ˇ・。)え、味方おらんの?
心底怯えて我々を見渡すおおはしくん気の毒wwwwいや、何も仕込まれてないから、安心して(?)
ここらへんで後ろのモニタにリムジンに乗る王子と執事の写真がずらっと並ぶ。
(。・ˇ_ˇ・。) 僕ら2日前から来ててね。
客席\えー!?/
(。・ˇ_ˇ・。) 色々あったんだよ!
(。・ˇ_ˇ・。) だって、朝から始まってるんですよ!!朝、ホテルからチャリンコで会場行けって言われて、そんなの無理だよって思いながら大通りまで行ったらリムジン停まってて、この格好の(といいつつ、後ろのモニタを指差す)しんたくん立ってて!王冠とマントつけさせられて、乗り込んだらシャンパンあって。しんたくんも一緒に乗るのかと思ったら助手席乗ったんだよ。
( ˙灬˙ )サポートの人だからね。
(。・ˇ_ˇ・。) ひとりでシャンパン飲んで。会場ついてもまだ続いてるんだよ!!(スタッフがお出迎えしている写真を二人で眺める)
(。・ˇ_ˇ・。)バンメンがハッピーバースデー演ってくれてね。でも、誰も歌う人いないから、自分で歌ったの!はっぴばーすでーとぅみーやりましたよ!
誰か歌ったげてwwwいつぞやの誕生日に近いライブでサブリーダーがステージでハッピーバースデートゥミーって歌ってたなぁって思った私。ボーカルの宿命ですか?w
(。・ˇ_ˇ・。) ケーキが出てきてね。○○(福岡で有名であろうパティスリーの名前を言ってた)のケーキだって言うんだけど、どうみてもクソ素人が作ったケーキなの!
クソ素人www
(。・ˇ_ˇ・。) ブルーベリーで40って書いてあって!もうひどいの!たくやとも書いてた!どう見ても売り物じゃないの!!!切れって言われても近づけないの。何が起こるかわからないから!誰も食べないんだよ。こんなにおっきいのに一人で食べろっていうの!あんな得体の知れないモノ食べる恐怖わかる???
(。・ˇ_ˇ・。) 誕生日がここ(福岡)だって聞いた時から、嫌な予感してたんだよ!キョードー西日本のしょーじさんって人がいて。スキマチームの天敵なんだけど。毎回、対決するんだけど。あ、対決という名のリクレーションなんだけどね。野球とかフットサル��かやるのね。それの罰ゲーム、ご飯が白ご飯だけとかなんだよ。おかずなしだよ!マジだからね。一度、みんなで電車移動させられたから。荷物も持ってね。
この流れでケーキの作者はしょーじさんなのかなぁ?と思いました。断言してたかな?
(。・ˇ_ˇ・。) この裏、できることなら見せてあげたいよ!(と、ステージの裏を指差す)風船だらけだから!!
(。・ˇ_ˇ・。) 他の会場ならね、普通に楽しみだったんだけど。(会場を指差しつつ)みんなとはずっと一緒にいたいんだけど。
何さらっと人たらしなセリフはくかなーwww
(。・ˇ_ˇ・。) 今日はメンバーともスタッフともさっさと離れたいんだよ!12時まで気が抜けないんだよ!帰りも王冠とマントつけさせられて帰るんだからな!!!
え、まじですか。というか、帰りに目撃しました、リムジンで王冠とマントつけて、窓から手を振りながら帰っていくおおはしくんをwww完全に罰ゲームだったwwww
(。・ˇ_ˇ・。) (舞台袖に向かって)プレゼント出せる???え?無理?版権??あ?出せる?ちょっと待ったら出る、そう。ちょっと待とう。
一旦、並んでいた王子の写真が消える。しばし待っていると、「人間ドック完全制覇!!」という文字がドーンと出る。白衣の人が聴診器首から下げてる感じの背景に毛筆文字。どうもチケットかなんかの写真。下の方にあらゆる検査項目を網羅!!って書いてあって右上に笑顔のおおはしくんの写真。
人間ドックwwww仙台から大阪まで引きずってた人間ドック!スタッフだいぶ気にしてたwwww
(。・ˇ_ˇ・。)忙しいアピールするわけじゃないですけど…ある日、ふとここオフですって日があったの。なんの休みかなーと思ってぼーっと過ごしたんですよ。そしたら、相方、一人で人間ドッグ行ってるんですよ?酷くないですか??言ってよー!それなら、めっちゃゆっくり過ごすか、一緒に健康診断行くかの2択じゃん!僕、めっちゃぼーっと過ごしちゃったんですよ!ぼーっとですよ!
まだ怒ってたんかいwwww
( ˙灬˙ )人間ドッグの様子はカメラ入りますから。
(。・ˇ_ˇ・。)見たいかー?
( ˙灬˙ )うえっ、うえって(胃カメラの様子を再現)
(。・ˇ_ˇ・。)あられもない姿でねぇ…。
このあたりの大橋くんは完全にしんたくんのピアノにもたれてました。
人間ドックの写真はこの辺で消えた。後どうなってたか覚えてないや…。
( ˙灬˙ )今日、一人でいること多かったよね。
(。・ˇ_ˇ・。)そりゃ、一人でいますよ!!何されるかわかんないもん!!!
いつも以上にゲラゲラ笑っているしんたくん。何か隠してるのはありあり。サプライズ怖いと言うおおはしくんを一生懸命なだめてる。辛抱強いお父さんww
(。・ˇ_ˇ・。) 歌ってるときだけはやめてね。僕だけ歌ってるとか嫌だからね!!
( ˙灬˙ )大丈夫、一人にしないから。
しんたくん、男前すぎるセリフwww
(。・ˇ_ˇ・。) ここも怖いんだよ!(スタンドマイクの前に立って、上を見上げ、そこを指差す)何か落ちてくるんじゃないかって。
マイクスタンドを動かすおおはしくん。
(。・ˇ_ˇ・。) コレ動かせるんだよ。
なにそのかわいさwwwwだいぶ下手まで動かして、完全に横を向いてしまう。
(。・ˇ_ˇ・。) みんな(バンメン)見ながらやる!!
( ˙灬˙ )新しいなぁ。
流石にそれはまずいと思ったのか、おずおずと元の位置にマイクスタンドを戻すおおはしくん。おおはしくんが下手に背中を向けているタイミングであきーむさん登場。スタンドの位置の確認。それに文字通り飛び上がったおおはしくん。あきーむさんもびっくり。気の毒www
(。・ˇ_ˇ・。) びっくりしたぁ!なんかされんのかと思った!
( ˙灬˙ )サプライズ的なね。
(。・ˇ_ˇ・。) プレゼントないの?最近しんたくんにあげてないなぁ。
( ˙灬˙ )最近やってないねぇ。
しんたくん、白々しいwwww去年もあげたって話聞いたけどwwwwwおおはしくんもまだそれ言うタイミングじゃなかったかって感じで話をサクサク進める。
(。・ˇ_ˇ・。) 昔はやってたんだけど、だんだんネタも尽きてきて。本当に欲しいものあげたいじゃない。昔は畳あげたりしたんだよ。畳二畳分!畳ってそのへんで買えないんだよね…ん、買えない…というか、ホームセンターとかで売ってないじゃない。だから、注文して。ステージに持ってきてもらって。しんたくんの好きなスコーンもあげたんだよ。あの時、街中のスコーンなくなりましたからね。
( ˙灬˙ )あの時、ものすごい口内炎になったからね。
口内炎www街中のスコーンなくなるとかなにいってんのw
(。・ˇ_ˇ・。) (舞台袖を覗き込む)え!なんでそこから撮影してるの!撮影ならあっち(機材席の方を指差す)でやればいいじゃん!!!絶対なんかあるじゃん!!
( ˙灬˙ )誰も信じられなくなってますけれども。
(。・ˇ_ˇ・。) 次の曲、行っていいの?
( ˙灬˙ )行っても行かなくても。
(。・ˇ_ˇ・。) えっ、行かないって選択肢があるの???え、まだだ大分あるぞ。
と、ここで足元の何かを指差す。どうやらセトリだった。
(。・ˇ_ˇ・。)セトリ全部言うぞ!
なんでや!!
そして、おおはしくはその印刷物をとりあげてひらひらさせる。緑色のラミネートされてる感じの板。絶対最前列の人見えてるよwwwwちょっとwwww
誰も信じられない様子のおおはしくん。アニキと浦さんの間の台に座ってしまう。
( ˙灬˙ )みんな、あなたのこと大好きだから。
(。・ˇ_ˇ・。) 大好きな人にやることじゃないんだよ!!
( ˙灬˙ )みんなの顔見て?(バンメンを見やる)大丈夫でしょ??
ここいらで流石にせっつくしんたくん。
(。・ˇ_ˇ・。)曲行った方がいいの?
( ˙灬˙ )うん、もうだいぶ喋ってるなーと思って。
(。・ˇ_ˇ・。)マジのやつか!
( ˙灬˙ )マジのやつです。
( ˙灬˙ )バンド紹介していいですか。
(。・ˇ_ˇ・。)……ば、バンド紹介ならしていいよ。
何その譲歩wバンド紹介の間、下手からバンメンを見張っていたおおはしくん。バンメンの紹介が終わって、しょうがないからセンターに戻ってきてしんたくんを指差し、「鍵盤、ときたしんたろう!」
( ˙灬˙ )ボーカルは…なんと!!おおはしたくや!
妙なため、やめてあげてwwwあなたのところのボーカルさん、怯えてるよwww
まだ信じられない様子ながらも次の曲が始まる。二曲は何事もなく終わる。そして、ロングMC後の三曲目。ソロ回しが始まった。
我らがラスボス本間さんの出番!!その音色はハッピーバースデー!モニタにみんなで歌いまし���う!っ���文字とともにハッピーバースデートゥ・ユーって文字が左から右へたくさん流れていく。勿論みんなで歌った。DEAR TAKUYAって最後に大きく出て。ハッピーバースデートゥ・ユー♪
大橋くん固まっちゃってるwwww
楽しすぎてこれ以降の流れをあまり覚えていませんw
( ˙灬˙ )みんなちゃんと歌えたでしょ。(モニタ指差しつつ)ここに出てたからね。
(。・ˇ_ˇ・。) え、僕が歌ってる間に?
いや、歌ってなかったね。ソロ回しを楽しそうに見てたよwww
ケーキがワゴンで運ばれてくる。ろうそく沢山。
( ˙灬˙ )運んできた人もいじってあげて。
(。・ˇ_ˇ・。) おお、まつむろ!
私も全然気づいてなくてごめんw
(。・ˇ_ˇ・。) そうそう、僕、バースデーTシャツ作ってもらったんですよ。
むろくんがそのTーシャツ着てて、みんなに見せてくれる。蝶ネクタイにジャケット羽織ってて正装してた。
( ˙灬˙ )売れ残ってるんだってね。
(。・ˇ_ˇ・。) え、そうなの?
むろ「ばっちばち残ってます」
ものっそい正しい関西イントネーションで言うんで凄い強烈に聴こえるばっちばちwww
結構長いことろうそくつけたまま喋ってたからハラハラしちゃった。
アニキのドラムロール、照明が落ちて、ろうそくの光におおはしくんだけが浮かび上がる。おおはしくんがろうそく吹き消す。流石ボーカル、一発!
ここでしんたくんが花束持ってきたのかな?遠目に赤い花束。白がワンポイント。
( ˙灬˙ )自分で花屋さん行って見繕ってきました。
受け取るおおはしくん、めっちゃ笑顔。
(。・ˇ_ˇ・。) センスいいね!
お花色んな角度から見てほんとに嬉しそう。
どのタイミングだったか、その花束をお客さんに分けようとして(多分本気?)、テープ剥がそうと頑張ってたけど、諦めた。
(。・ˇ_ˇ・。) 剥がれないや!
この時の口調が無邪気すぎて殺さるかと思いました…個人的に超ツボだった…。
( ˙灬˙ )花屋さんで選んでるときもカメラ回してたからね。いずれどこかで。
このやり取りを見ながらおっさんずラブかよ!と思っていた私。間違ってませんでしたwwwwまさかあんな動画があがるとはwおっさんずラブ公式に拾われてるしwww部長がはるたんにあげようとしたのは真っ赤なバラの花束でしたね…。
(。・ˇ_ˇ・。) プレゼントくれよ!
( ˙灬˙ )ありますとも!
おおはしくんの言い方の圧!wそして、ケーキワゴンのリネンをまくって中からプレゼントを取り出すしんたくん。そこか!そこに入ってたのか!w
( ˙灬˙ )あなたがほしがってたやつ。見たことあるでしょ?
(。・ˇ_ˇ・。) スボルメ!!
青い袋に金色系のリボンがかかってた、のかな。
(。・ˇ_ˇ・。) なにかなー?
何やら衣料品が出てくる。
(。・ˇ_ˇ・。) あ!ランニングウェア!
( ˙灬˙ )そう!始めたいって言ってたでしょ。
(。・ˇ_ˇ・。) しんたくんはまっちゃんとやってるよね。普段家の周りとかだと見慣れた風景だから….。ツアー先なら新鮮な気持ちで走れるかな?と思って。
ここでリーダーの顔がよぎったのは私だけじゃなかった。隣の志田ちゃんが「きたがわかな」ってつぶやいた。ああ、安定感wwww伝わらないけど書く。
(。・ˇ_ˇ・。) まだある…..。
更に奥を探るおおはしくん。
(。・ˇ_ˇ・。) あ!!!シューズ!!
会場「かわいー!」
( ˙灬˙ )���っちゃんと僕も色違いで揃えましたから。
(。・ˇ_ˇ・。) なに?チームみたいになれるの???
嬉しそうだなぁ(*´ω`*)
このプレゼント、広げてるのしんたくんのピアノの上ですからw同じ列の誰かが「小学生みたい..」ってつぶやいてて、心のなかで全力で頷いたw
(。・ˇ_ˇ・。)曲の途中だよね。喋っていいの?
( ˙灬˙ )ソロだから大丈夫。ソロ回しの途中だから。
おおおはしくんのソロだったのかwwwww
この間、ずっとステージに立っていたむろくん。
写真を撮ろうと言うことになり、むろくんがステージから写真撮って正面になるようにケーキを回転させる。
むろ「こっち向けましょう」
(。・ˇ_ˇ・。) 気が利くなぁ!
むろ「このために僕はここにいました」
そのためにいたのwww
(。・ˇ_ˇ・。) もっと後ろで撮って!
カメラマンさんに後ろに下がるように指示。みんな映りたいよね♡ここでさっきのハッピーバースデーって文字が流れていく画面になる。それに驚くおおはしくん。
(。・ˇ_ˇ・。) あ、なになに?あ、これで歌えってことだったの??え、ケーキもこれ凄いね!
今ここでケーキに反応w撮った写真を見たけれども、遠すぎて流石に自分は見つかりませんでした。一応写ってますが。
ケーキを下げることになる。
(。・ˇ_ˇ・。) え?食べないの?
むろ「箸とかないですから。持って帰るようにきつく言われてますから」
きつくww
(。・ˇ_ˇ・。) 切ってよ!!!
と、言われ、何故かチャッカマンを構えるむろくん。
(。・ˇ_ˇ・。) あっぶね!今箸のつもりでかまえただろ!
なんで箸ww
(。・ˇ_ˇ・。) 切っといてね!
むろ「やっときます」
しずしずとケーキを舞台袖に運んでいくむろくん。その背中に。
(。・ˇ_ˇ・。) まつむろまさや!
むろ「せいやです!」
ぱっと後ろ向いて真顔でつっこむむろくんwww最後笑顔で帰っていきました。
(。・ˇ_ˇ・。) 毎回、これやってるの!
うざいwww
(。・ˇ_ˇ・。) この上、ちょっと片付けようか。
ピアノの上をごそごそしだすおおはしくん。しんたくんは暖かく見守ってました。
え、おおはしくん、これ片付けられるの??なんで思ってごめんなさいwでも、思って正解。入ってた袋をたたんだな~と思ってたら、出てきたあきーむさんにその袋を渡した。もう一人スタッフの人出てきてたんだけど、それ以上は渡さず、二人を追い払うwwwそして、衣料品を重ね直してその上に花束おいた。不器用か!!!かわいい、もう、かわいいって言われたいんだろ!そうだろ!!!!
(。・ˇ_ˇ・。)曲の途中だよね?
( ˙灬˙ )大丈夫、入りも決まってるから。
(。・ˇ_ˇ・。)え、俺知らないよ!
( ˙灬˙ )15年のキャリアでこい!!
アニキのカウントで再びソロ回しから始まる。ピアノの上にはプレゼント、この曲こんなに面白かったのは初めてだよwwwww最後のアニキ、ソロ終わりに「おめでとーーー!」って叫んだ。愛だね☆
16曲目の石成さんの前に出てくるソロ、半分ぐらいハッピーバースデーでした♡かっこよかったー(*´ω`*)
本編ラス前のコメント。多分。
(。・ˇ_ˇ・。) いい曲作って、いいパフォーマンスして、元気でいなくちゃなって。こんな時が永遠に続けばいいなと思います。
(。・ˇ_ˇ・。)この仕事してなかったらこんなたくさんの人にお祝い歌ってもらうことなんて無いじゃないですか。時々、不思議になります。���前でこんな大きな声出すなんてなかなかないでしょう?こういう時、この仕事してて良かったと思います。
(。・ˇ_ˇ・。)今日はみんなからもらってばっかりだね!
満面の笑み。もうほんと人たらしなんだからっ。
(。・ˇ_ˇ・。)でも、こんなことばっかりしてるから、この業界頭おかしいって思われるんだよ!
健康でいなきゃって話を三回ぐらいしてたなぁ。不惑だもんねぇ…考えちゃうよね。
本編終わりで晴れ晴れと帰っていくおおはしくん。しんたくんなんかゆっくりしてるなーと思ったら、ピアノの上のプレゼントを集めだした。それを抱えて帰っていく。お父さんかwwwスタッフが慌てて受け取りに来てました。
アンコール明け
しんたくんはバースデーTシャツにグッズのニット帽。バンドメンバーはボーダーTシャツ。おおはしくん、出てこない。この間、しんたくんがバースデーTシャツ残ってるよ、買ってって話で繋いでました。ボーダー着てる人も多いけど、よく見たら別のボーダーだった!などなど。
そこへ、ウェアを身につけたおおはしくんが下手から走って現れる。かわいーーー!って歓声。でも、そのまま上手へ消えていく。え?かんしゃんかな?かんしゃん???そして、なかなか出てこない。
( ˙灬˙ )え?呼んでってこと?
客席から手拍子があがる。
もう一度下手から現れたおおはしくんは花束を掲げてました。なるほど。
自分の着てるウェアを見ながら、キラキラの笑顔のおおはしくん。
(。・ˇ_ˇ・。)ようやくみんなの気持ちが分かった。形から入るの大事だね!
( ˙灬˙ )そう、アゲてくの。
いやぁ、かわいいっす。このウエアでアンコール全部歌いましたから。アンコール一曲目にはまってたよねっ。パーカーかぶったりして嬉しそうだったなぁ。
途中で上着は脱いでたけど。暑かったんだね。中から出てきた黒のSVOLME Tシャツもかわい♡
アンコール二曲目であたしは打ちのめされてたんで、あんま後は覚えてません…うう。死ぬ。
(。・ˇ_ˇ・。) ケーキと花束は外においてあるので、記念に写真でも撮っていって下さい。
( ˙灬˙ )なんちゃら映え、映え。
玄関ホールにしょーじさんのケーキ写真と並べておいてあったけど、かなりの混雑。係員さんが殺気立っててもうしわけなかった(^_^;)まともな写真は撮れず….。無理です….。
最後の曲終わって、ピック投げて、しんたくんはタオル投げて、そして、帰っていく。しかし、おおはしくんは上着を忘れ��いた。しんたくんが気づいて、おおはしくんに渡す。おおはしくんはそれを投げようとして、やめて、それをぎゅっと大事そうに抱きしめた。なんだよっ!!最後の最後になにやってんだよ!!
福岡まで行って本当に良かった….。楽しかった。この機会をくれた家族に感謝です!!!
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むぎばあちゃんニット帽プレゼント ・ 昨日のストーリーにも載せていた むぎ店長が被っている、 むぎばあちゃん作ニット帽を 抽選で3名様にプレゼントしちゃいます✨️ ・ ・ *今回、抽選番号で抽選しますので、応募方法4番のコメントが追加になっています🙇♀️ ・ ・ 【応募方法】 1. このページをスクリーンショットして ご自身のインスタグラムにポストしてください。またはリポスト(リグラム)してください。 写真は何枚目でもokです。 (抽選後は応募のPOSTは削除していただいて大丈夫です!抽選までは掲載して置いてくださいね。) ・ 2. 写真に@zakkacandyのタグ付けをしてください。 ・ 3. ハッシュタグ「#むぎばあちゃんニット帽プレゼント」を入れてください。 ・ 4このページにコメントでご希望のカラーをご記入ください。 抽選番号をコメントへご返信させていただきます。 これでエントリーが完了です。 ・ ★新規フォロワー様も大歓迎です★ ・ ・ 【ご応募期間】 応募期間:1月12日(土)〜1月15日(火)まで 抽選・発送は1月21日頃になります。 ・ 【ご応募について】 ※フォロワー様限定です。 これからフォローして頂ける方も大丈夫です。 ※非公開の方はこちらから確認させていただくことができませんので プレゼント企画中は公開の設定にしてからご応募くださいませ。 (こちらから既にフォローさせていただいている方は大丈夫です) ※プレゼントアカウントの方はごめんなさい。 ※お届けは日本国内のみになります。 ※インスタグラムのプレゼント企画になります。 ・ ・ 沢山のご応募お待ちしております! ・ ・ 本店ショップへは @zakkacandy プロフィールからジャンプできます。 * 本店、yahooショッピング店→zakka-candy 楽天市場→ミルクローバー * www.zakka-candy.net #むぎ店長 #zakkacandy #milclover #ミルクローバー #プレゼント企画 #プレゼント #handmade #ハンドメイド #わんこ服 #ばあちゃんの編み物 #zakkacandyプレゼント #大阪ダックス #dachshundlove #dachshunds #닥스훈트 #可愛いワンコ #minidachshund #instadog #ダックスフンド #ダックスフント#ミニチュアダックス #わんこのニット帽 (雑貨*zakka-candy*) https://www.instagram.com/p/BsiHATWAKCf/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=zjweeerpcjmv
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1.11 わんわんわんの日 プレゼント企画 予告でごめんなさい! ばあちゃんのニット帽 ちょっと待っててくださいね🐶🐾 postは明日の予定です😊 ・ ・ 本日yahooショッピング店は何かとお得なゾロ目の日♪ ・ ・ ************** ばあちゃんのニット帽のオーダー、 販売につきまして まだ数ができていませんのでしばらくお待ちくださいませ🙇♀️ プレゼント企画とは別で、ある程度の数量が出来上がってから、せーのっ!で販売させていただきます。 **************** ・ ・ * * * 本店ショップへは @zakkacandy プロフィールからジャンプできます。 * 本店、yahooショッピング店→zakka-candy 楽天市場→ミルクローバー * www.zakka-candy.net #むぎ店長 #zakkacandy #milclover #ミルクローバー #プレゼント企画 #プレゼント #handmade #ハンドメイド #わんこ服 #ばあちゃんの編み物 #zakkacandyプレゼント #大阪ダックス #dachshundlove #dachshunds #닥스훈트 #可愛いワンコ #minidachshund #instadog #ダックスフンド #ダックスフント#ミニチュアダックス #わんこ帽子 (雑貨*zakka-candy*) https://www.instagram.com/p/BsftbeZgZE_/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1gj32fmimzr9o
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1.21 sun むぎ店長ニット帽抽選会♪ ・ 大変お待たせしました! むぎばあちゃんの気まぐれニット帽プレゼント抽選会をしました! むぎ店長かなり楽しんでました🐶😊 ・ 先のpostにいただいてるコメントにお返事がまだできてなくてごめんなさい🙇♀️ ・ お待ちいただいてると思いますので 先に発表させていただきます! ・ ・ 今回もガチャ玉で2回に分けて むぎ店長に選んでもらうやり方で 当選者様を決めさせていただきました😊 ・ ・ 残念ながら当選されなかった わんちゃん&パパさまorママさま ごめんなさい💦 また次回を楽しみにしていただけると嬉しいです。 ・ 当選されたわんちゃん& パパさまorママさま おめでとうございます! DMからお届け先をご連絡くださいませ😊 ・ ・ ・ * @zakkacandy * 本店→zakka-candy 楽天市場→ミルクローバー * www.zakka-candy.net #zakkacandy #milclover #ミルクローバー #dachshundlove #dachshunds #닥스훈트 #可愛いワンコ #minidachshund #instadog #instagood #west_dog_japan #mascotdog #ダックスフンド #ダックスフント#ミニチュアダックス#可愛い #ワンコ #わんこ #かわいいわんこ #ダックス大好き #うちの店長さん #看板犬 #dachshund #関西ダックス #大阪ダックス #プレゼント企画
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1.11 わんわんわんの日 インスタ フォロワー様限定プレゼント企画 ・ インスタのむぎ店長が被っていることでおなじみ きまぐればあちゃんのむぎニット帽を 5名様にプレゼント。 ・ ・ ①大きなネップが可愛い緑のニット帽 ②大きなネップが可愛い赤いニット帽 ③大きなネップにワッペンが付いたブルーグレーのニット帽 ④ベージュにニコちゃんワッペンのニット帽 ⑤ツーボンボンの赤いニット帽 ・ ・ サイズは約27cm〜 ①のみ約32cmで少しゆったりです 着用イメージはむぎ店長のモデル写真でご確認ください。 2番は撮影し忘れました🙇♀️ 1番の色違いです。 ・ ※むぎ店長試着済みのニット帽です。 予めご了承の上お申し込みください。 ・ 【応募方法】 1. こちらのページをスクリーンショットまたはリポスト(リグラム)してください。 2. 写真に@zakkacandyのタグ付けをしてください。 3. ハッシュタグ 「#むぎ店長ニット帽プレゼント」と入れてください。 ・ こちらから「いいね♥」を付けさせて頂きますと ご応募完了になります。 ・ 【ご応募期間】 本日1月11日(木)〜1月16日(火) ・ 【ご応募について】 ※お届けは日本国内のみになります。 ※フォロワー様限定です。 これからフォローして頂ける方も大丈夫です。 ※お一人様1点でお願いします。 ・ ・ 沢山おご応募お待ちしております! ・ ・ #zakkacandyプレゼント 本店ショップへは @zakkacandy プロフィールからジャンプできます。 * 本店→zakka-candy 楽天市場→ミルクローバー * www.zakka-candy.net #zakkacandy #milclover #ミルクローバー #プレゼント企画 #プレゼント #わんこニット帽
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