#じゅんは中性的だから女装も一��似合う.彼は本当に素晴らしい女装に見える. そのままキスしとけ.
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anyway where before i have to . h.
#じゅんは中性的だから女装も一番似合う.彼は本当に素晴らしい女装に見える. そのままキスしとけ.#そのままキスしとけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!#彼はずっとたまが好きやな????????#プリプリ手の中にね?分かるでしょう...#おれの頭が部殺してあるよ#病気になうさなきゃ🤪🤪🤪
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続・くのいちイリュージョン
1. 女性だけのイリュージョンチーム「コットンケーキ」に所属していたあたし、御崎芽瑠(みさきめる)がフリーのマジシャン、谷孝輔(たにこうすけ)と出会ったのはほんの4か月前のことだった。 恋人同士になり、専属のパートナーになって欲しいと頼まれた。 悩んだ末、あたしはコットンケーキを辞め、彼のアシスタントになって生きること��決めた。 2. 以前は撮影スタジオだったというフロアの半分に客席のソファとテーブルが並んでいる。 残り半分があたし達のステージだ。 ちらりと見たところ、客席は結婚式の披露宴みたいに着飾った人ばかりだった。 ここってものすごく高級なクラブなの? 「会員制の秘密クラブさ。会費は安くないらしいよ」 「すごいね」 「みんな俺たちを見に来てくれてるんだ。ドキドキするステージにしよう」 「うん!」 〇オープニング ステージが暗くなって、中央にスポットライトが一本当たった。 ゴーン。 鐘の音のSE(効果音)。 あたし一人で進み出た。 衣装は真っ赤な忍者の上衣、ショートパンツに網タイツとブーツ。覆面で顔を隠している。 身を屈めて爪先で小走り。ときおり物陰に隠れるようにして周囲を伺う。 あたしは敵地に侵入したくのいちだ。 絶対に見つからないよう、気配を殺して・・。 〇 スネアトラップの罠 がたんっ!! 大きな音がして、くのいちが消えた。 ピーッ、ピーッ! 呼び子が響き、ステージ全体が明るくなる。 くのいちは頭上高くに吊られていた。 片方の足を縄に絡められて、逆さになって激しくもがいている。 これは森で動物などを捕獲するために使うスネア・トラップという罠だ。 目立たないように張ったワイヤを引っ掛けると、縄の輪が足に掛かり、立ち木をしならせたバネの力で吊り上げられる。 「獲物がかかったか!」 黒装束の忍者が登場した。コースケだ。 長いマントを翻し、背中に太刀を背負っている。 黒忍者は逆さ吊りになったくのいちの手首を捕らえると、後ろ手に組ませて縄で縛り上げた。 さらに覆面を剥ぎ取って、その口に懐から出した白布を詰める。 「舌を噛んで自害されては困るからな」 にやりと笑うと、前髪を掴んで前後左右に振り回した。 ・・あたしは悔し気な表情を浮かべながら振り子のように揺れた。 揺れ幅が小さくなると、再び髪を掴んで揺らされた。 全体重を片足で受けているから長く続けると足首を痛めるけれど、そのために足首部分を分厚くしたブーツを履いているから耐えられる。 〇 逆さ吊りオリガミ 黒忍者は小さな箱を載せた台を押してくると、くのいちが揺れる真下に据えた。 一辺がわずか���0センチほどのサイコロ形の箱である。 その箱の蓋を開け、くのいちを吊るす縄を緩めてゆっくり降下させた。 くのいちの頭が箱に入り、続けて肩、胸、腰と沈んでゆく。 こんな小さな箱にどうやって人間の身体が入るのか不思議だった。 くのいちの膝まで箱に入ったところで、黒忍者は足首に絡んだ縄を解き、さらに左右のブーツを脱がせた。 網タイツだけになった脚を上から押し込んで箱の蓋を閉じる。 黒忍者は背中の太刀を抜くと、箱にぶすりと突き刺した。 すぐに抜いて別の角度で再び突き刺す。 これを何度も繰り返した後、黒忍者は箱の面を内側に折り込んで半分の大きさにした。 さらに折って小さくする。 箱をゲンコツほどの大きさまで折り畳むと、黒忍者はその台まで二つに畳んで運び去ってしまった。 〇 皮張り椅子からの出現 ステージが暗くなって、反対側に置いた皮張りの椅子にスポットライトが当たる。 黒忍者はその椅子に艶のある大きな黒布をふわりと被せた。 すぐに布を外すと、そこにくのいちが腰掛けていた。 縄で後ろ手に縛られ、白布の猿轡をされた姿は変わりがない。 黒忍者はその口から覗く布の端を摘むとずるずる引きだした。 咳き込むくのいち。 その首を両手で締め上げる。 くのいちは首を振りながら苦しみ、やがて動かなくなった。 ・・コースケの首絞めは容赦なしだ。 あたしは息を詰まらせ、ちょっぴり感じながら気絶する演技をする。 黒忍者はくのいちの頬を叩いて意識を失ったことを確認する。 大きなビニール袋を持ってくると、くのいちの上から被せ、袋の口を縛って床に転がした。 〇 透明袋のスパイク刺し 椅子が下げられて、キャスター付の薄い金属台が登場した。 金属台の広さは畳一枚分ほど。 黒忍者はくのいちを入れたビニール袋を金属台に乗せた。 袋の中ではくのいちが目を覚ましたようだ。 ・・あたしは身を捩ってもがくふりをする。 この後、後ろ手に縛られた縄を抜けてビニール袋から脱出するけれど、そのタイミングが難しいんだ。 コースケがアドリブで芸をすることもあるし。 痛! こらコースケっ、女の子を足で蹴るなぁ。 喜んじゃうじゃないか~!! 黒忍者がくのいちを袋の上から蹴って、くのいちが苦しむ。 その間に頭上から大きな器具が降りてきて、ビニール袋のすぐ上で停止した。 鉄板は金属台とほぼ同じ大きさで、100本以上の金属針(スパイク)が下向きに生えていた。 生け花に使う剣山(けんざん)を逆さにしたような形状である。 四隅に布ロープを掛けて吊るしているようだ。 もしロープが切れたら鉄板は落下して、鋭く尖ったスパイクがくのいちを貫くことになるだろう。 黒忍者は火のついた松明(たいまつ)を持つと、4本の布ロープに順に火を移した。 燃え上が��布ロープ。 透明な袋の中ではくのいちが必死に縄を解こうとしている。 4本あるロープの1本が燃え尽きて切れた。 鉄板は大きく揺れたが、まだ宙に浮いている。 反対側の1本も切れた。 鉄板がぐらりと傾き、それにつられて残りの2本が同時に切断された。 がちゃん!! 大きな音がして鉄板が落下した。 ちぎれたビニールの破片が舞い散る。 観客の誰もが息をのんでステージを見つめた。 金属台にスパイクが突き刺さっているが、そこに人影はなかった。 最後の瞬間まで、袋の中には確かにくのいちが閉じ込められていた。 いったいどうなっているのだろう? ステージが明るくなった。 黒忍者がマントを広げると、その陰からくのいちが現れた。 拍手の中、並んでお辞儀をする。 ・・やったね! コースケの目を見て微笑んだ。 コースケも笑ってあたしの頭を叩いてくれた。 3. 「じゃあ、お仕事うまくいったんですね!?」ノコが聞いた。 「まあね」 「いいなぁ、私も見たかったです」 「ダメよ。会員でないと入れないお店だから」 ノコはコットンケーキの後輩で、あたしとちょっと特別な関係にある女の子だ。 「・・だいたい片付きましたね」 「ありがとう、助かったわ」 「メルさんのことなら何でもお手伝いしますよ~♥」 ここはコースケのマンション。 彼の専属になって、あたしは前のアパートを引き払いコースケと一緒に住むことにした。 一緒と言っても、籍は入れない。ただの同棲だけどね。 ノコは引っ越し荷物の整理に手伝いに来てくれたのだった。 「お茶、入れるわ」 「お茶よりも・・」「何?」 「コースケさんはまだ帰らないんですよね?」 「うん。彼、ショーの打ち合わせで、戻るのは夜になるって」 「なら、触れ合いたいです、メルさんと」 「もう」 「えへへ」「うふふ」 あたし達はくすくす笑いながら着ているものを全部脱いで裸になった。 忍者の長いマントを互いの首に巻く。 マントは忍者装束が趣味のあたしがノコと一緒に過ごすときに必ず着けるアイテムだった。 「拘束してもらえますか?」 「ノコってマゾなの?」「はい、ドMです♥」 相変わらず素直ではっきり言う子。だから好きなんだけど。 ノコはマントの下で後ろに手を合わせ、あたしはその手首に手錠を掛けてあげた。 「ああ、これで私に自由はありませんよね」 後ろ手錠の具合を確かめるノコ。 その顎に指をかけて持ち上げた。そっと唇を合わせる。 キスの後、後ろから回した手で左右の胸を揉みしだく。 この子はあたしより小柄なくせに、おっぱいが大きくてふわふわ柔らかいんだ。 股間に手をやると、そこはもうしっとり濡れていた。 「はぁ・・ん」 カナリアみたいに可愛い声。 こんな声で鳴かれたら、あたしも濡れてくるじゃないの。 ソファに揃って倒れ込んだ。 乳首を甘噛みすると、ノコは全身をびくんと震わせた。 「・・俺がいない��きを狙って、何やってるの」 振り向くと、ドアが開いてコースケが立っていた。 4. 「コースケ! 帰るのは夜だって・・」 「のはずだったけど、早く済んだから帰ってきたの」 コースケは頭を掻きながら呆れたように言う。 「ま、こんなことになっているだろとは予想してたけどね」 「すみませーんっ、メルさんを食べようとしちゃって」ノコが謝った。 「俺は気にしないよ。それに食べようとしてたのはメルの方じゃないの?」 「・・」 あたしはノコの上から離れた。 赤くなっているのが自分で分かる。 二人の関係はコースケ公認だけど、彼の見ている前でこの子とエッチするほどあたしの心臓は強くない。 「わははは。メル、それじゃ欲求不満だろう?」 「ばか」 「楽しませてあげるよ。ノコちゃんもね」 「うわ~い」 そんな簡単に喜んじゃダメよ、ノコ。 コイツがこんな風に言うときは、だいたいロクでもない目に会うんだから。 コースケは皮張りの椅子を持ってきた。 それ、この間のステージで使った椅子。 「はい、メル。ここに座って、前に両手出して」 「この格好で?」「もちろん」 コースケはあたしを椅子に座らせると、前に出した両手首を縄で縛った。 さらに肘を折らせて手首の縄を首に巻いて括り付けた。 あたしは手を前で合わせたまま、下げられなくなった。 椅子ごと大きな黒布を被せられた。 「動いたら後でお仕置き。いいな?」「う、うん」
「さあノコちゃん、メルを好きにしていいよ」 「うわ~いっ」 後ろ手錠のノコが這って黒布の下に入り込んできた。
自分は膝立ちになると、あたしのマントの中に頭を挿し入れた。 ちゅう。 「きゃ」 おへその下を吸われた。そ、そんなに強く吸わなくても。 ノコの口は下へ下へと移動する。 あ、それ下の毛! 汚いよぉ。 「そろそろ諦めて足を開いてくださぁい、センパイ♥」 だ、だ、だっ、だめぇ。 両足の間にノコの肩が割り込んだ。 「はんっ!」 クリを吸われた。 「あ・・、あん、はぁん」 舌の先で転がされる。 「あ、あ、あああ」 我慢する気はすっかり失せた。 あたしは身を反り返らせて喘ぎ続ける。 「れろれろ。メルさんのおつゆ♥ 美味しいです」 「ば、ばか。そんなとこ、」 「噛みますよぉ。イっちゃってください」 「あ、やっ」 きゅん!! 衝撃が駆け抜けた。一瞬、意識が遠のく。 ノコの顔が上がってきて耳元で囁かれた。 「抱いてあげたいんですけど、手錠してるんでダメなんです。・・代わりにキスしますね♥」 「あぁっ!」「んんっ!」 ノコとあたし、両手を拘束された女同士がディープキスをする。 はあ、はあ。 肩で息をして、もう一度吸い合った。 ぱちぱちぱち。 「いいねぇ。堪能させてもらったよ」 のんびり拍手してからコースケが言った。 「はあ、はあ。コースケぇ。もう許して」 「そうだな。じゃ、そのままバニッシュしてよ」 「そ、そんな、無理」 「無理じゃないさ。それくらいできないとこの先困るぞ」 「きっとできます! メルさんなら」 もう、ノコまで無責任に。 「じゃ、いくぜ。・・ワン、ツウ、スリー!」 コースケは椅子全体を覆う黒布を両手で持って外した。 そこには後ろ手錠のノコだけが膝立ちで屈んでいた。 あたしが座っていた椅子の座面には、半透明の液体が広がって溜まっていた。 5. 翌日。 喫茶店に現れたサオリさんは以前より綺麗になっていた。 「待たせたかしら」「いえ、あたしも来たばかり」 「メルちゃん、何だか綺麗になってない?」 「あたしこそ、サオリさんが綺麗になったって思ったんですけど」 「え? あはは」「うふふ」 コットンケーキのリーダー、サオリさんと会うのはチームを辞めて以来だった。 あたしが円満に退所できたのはサオリさんが応援すると言ってくれたからで、あたしはとても感謝している。 「どうしてるの?」 「クラブで彼とイリュージョンのお仕事をやってます」 「そっか。頑張ってるのね」 「まだ続けてできるかどうかは分からないんですけど」 「コットンケーキだって最初はそうだったわ。・・それで、どこのお店?」 「それはまだちょっと、」 あたしは言葉をにごす。 秘密クラブで拷問イリュージョンやってます、なんてこの人には言えないよ。 サオリさんの目がきらりと光った。 「そう・・、詳しくは聞かないけど、いろいろなお店があるわ。危ない仕事はしないでね」 「無茶はしません。彼を信じて頑張ります」 「分かった」 サオリさんは笑って手を握ってくれた。 「じゃあ何も言わない! 自分の信じた道を進むのよ、メルちゃん」 「はい!」 6. 「くのいちの拷問とは考えたもんでんなぁ。客の評判は上々でしたで」 クラブのマネージャーが言った。 ガッチーと名乗る不思議な関西弁を喋るおじさんだった。 あたしとコースケは先週のステージの評価を聞きに来たのだった。 「来月も頼みますわ。それも好評やったら出演枠を毎週とる、ちゅうことで」 やった! あたしはコースケとガッツポーズをする。 「・・まぁ、できたら、できたらでよろしおまっけど、次は、もちょっと過激にしてくれたら、ええかもしれませんな」 「過激に、ですか?」コースケが聞く。 「過激に、ですわ。そちらのメルさんでしたか、可愛い顔やさかいグロな演出やったら喜ばれますわ。エロでもよろしいけど」 「分かりました、やります。まかせてください」 彼が胸を叩いた。 グロかエロって、あたしがやるんだよね。 コースケ、大丈夫? 安請け合いしちゃっても。 7. 東京から車で2時間の高原。 そこは小さな湖に面したキャンプ場だった。 次の出演が決まったお祝いに、あたしとコースケは二人でゆっくり過ごそうとやってきた。 キャンプなんて面倒くさいし汚れるからホテルがいいと言ったあたしに、大人気の絶景キャンプ場だから行こうと誘ったのはコースケだ。 「・・誰もいないじゃないの」 「あれ? おっかしいなぁ~。平日は空いてるのかなぁ~?」 「コースケ、知ってたんでしょ」 「わはははっ、まあいいじゃねーか」 「こんな寂しいところで二人だけなんて、どういうつもりよ!」 「誰もいなけりゃ、エッチし放題だぜ」 「え」 「ほら、今夜は晴れてるし、外でするってのはどう?」 これで喜ぶんだから、我ながら単純な女だと思う。 コースケはキャンプの料理も上手だった。 フライパンで焼いたピザとペンネ、チキンとキノコのホイル焼きを食べるとお腹いっぱいになった。 「マシュマロ、焼けたぜ」 「わ、食べるぅ」 パチパチ燃える火を前に並んで座っていると自然といい雰囲気になる。 あたしが身を寄せると彼が肩を抱いてくれたりして。 「キャンプも悪くないだろ?」 「うん、バカにしてごめんね。・・今度はノコも連れて来たいな」 「ああ、あの子なら喜ぶだろうね」 「見てっ。星がすごーい!」 「おお、まさに満天の星だ」 「こんなにたくさんの星見るの、初めてだよー」 見上げていると、頬に彼の手が添えられた。 顔を向けてキス。 「今日は優しいのね、コースケ」 「俺はいつでも優しいぜ?」「うそ」 「どう? 今なら何されてもいいって気分にならない?」 「そうね。・・いいよ、今なら」 「よっしゃ。じゃ、早速」 へ? コースケは立ち上がると暗がりの中を歩いていった。 もう、せっかくロマンチックな雰囲気だったのに。 バタン! あれは車のハッチバックの音。 「お待たせ~」 「何、そのキャリーケース」「見てな」 コースケはポケットから鍵を出すとキャリーケースの蓋を開けた。 大きな塊がごろんと転がり出た。 サージカルテープでぐるぐる巻きにされた布の袋だった。 テープを剥がして袋の口を開くと、中に膝を抱えて小さくなった女の子が入っていた。 「ノコ!!」 「えへへ。こんばんわぁ、メルさん」 「あんた、いつから」「えっと、朝からですぅ」 朝から? じゃ、あたし達がドライブして、ランチ食べて、コスモス園行って、それからえ~っと、ともかくいろいろしてる間、ずっと!? 「はいっ、頑張りましたぁ」 「水分補給も兼ねてカロリーゼリー持たせてたから問題ないぜ。トイレは無理だけど」 「私、漏らしたりしてませんよぉ。エライでしょ? ・・そろそろ限界ですけど」 「その袋は防水だよ。中でやっちゃって構わないって言っただろう?」 「女の子なのに、そんなことできませんっ。それに私、メルさんのためならボーコー炎になってもいいんです」 「そーいう問題じゃないでしょ!」 ともかくノコを袋から出して、トイレに行かせる。 ノコは裸で汗まみれだった。 「着るものあるの? それじゃ風邪引くわ」 「大丈夫です。メルさんに暖めてもらいますから」 「え? きゃっ」 やおらノコはあたしの服を脱がせ始めた。 「コースケ! 笑って見てないで何とかしてっ」 「俺、ノコちゃんの味方」「え~っ」 コースケは全裸になったあたしとノコを向かい合って密着させた。 反物のように巻いた布を出してくると、あたし達の首から下に巻き始めた。 とても薄くてゴムのように伸びる布だった。 きゅ、きゅ、きゅ。 弾力のある布が肌を絞め付ける。 き、気持ちいいじゃない。 「マミープレイに使う布だよ。メルはぎゅっと包まれるのが好きだろ? 性的な意味で」 「性的な意味は余計っ。・・否定、しないけど」 肩と肘、手首まで布に包まれる。 これ自力じゃ絶対に抜けられない。 「おっと、これを忘れてた」 あたしとノコの股間にU字形の器具が挿し込まれた。 「ちょっと重いから落ちないようにしっかり締めててね、ノコちゃん」 「はい!」 ノコ、何でそんな殊勝に応じるの。 やがて布はあたし達の膝から足首まで巻かれ、さらに二重、三重に巻かれた。 「口開けて、メル」「んっ」 コースケはあたしの口にハンドタオルを押し込んで上からガムテを貼った。 猿轡、あたしだけ!? 「よっしゃ、頭も巻くぞ」 あたし達は首から上も布を巻かれて一つの塊になった。 そのまま地面に転がされる。 「いいねぇ、女体ミイラ」 布の巻き具合とあたし達の呼吸を確認すると、コースケはおごそかに宣言する。 「二人揃ってイクまで放置。時間無制限」 えええ~っ!? 「俺は君らを肴にホットウイスキーでも飲んでるわ」 8. まったく動けなかった。 動けないけれど、女の子二人で肌を合わせて強く巻かれているのは気持ちよかった。 ちょっと息が苦しいのはノコの巨乳があたしの胸を圧迫するせい。 まあ仕方ないわね。 「メルさぁん♥」 耳元でノコが甘い声を出した。 あたし達は頬と頬を密着させた状態で固定されているから、この子の声は耳元で聞こえるんだ。 ぺろ。ぞくぞくぅ! 「んんっ、んんん~っ!!(ひぃっ、耳を舐めるな~!!)」 思わずのけ反ると、股間のU字器具が膣壁を刺激した。 「ひゃん!」「ん~っ!(ひゃんっ!)」。 あたしとノコは同時に悲鳴を上げる。 これ、うっかり力を入れるとヤバい・・。 ぶーんっ。 そのU字器具が振動を開始した。 「あぁ~んっ!!」「んんっ~ん!!!」 双頭バイブっ!? コースケめ、仕込んだなぁ!!! ノコがびくびく震え、同期してあたしもびくびく震えた。 膣(なか)で暴れるバイブは的確にGスポットを突いた。 耐えられずに下半身に力を入れると、それは刺激となって相手のGスポットに伝わる。 そしてさらに大きな刺激が返ってきて、こちらのGスポットをいっそう強く責めるのだった。 「はん! はん! はぁんっ!!!」「ん! ん! んん~んっ!!!」 コースケは双頭バイブのリモコンを気ままに操作した。 あたし達は震え、もがき、快感を増幅し合った。 イキそうになる前にバイブは停止して、その度に二人とも半狂乱になった。 疲れ果てたけれど、眠ることも休むこともできなかった。 あたしもノコも被虐の嵐の中をどこまでも堕ちた。 明け方近くになってコースケはようやくイクことを許してくれた。 ノコが声にならない声を上げて動かなくなり、それを見てあたしも安心して絶頂を迎え、そして意識を失った。 とても幸福だった。 ��ご飯の後、コースケが撮影した動画を見せてもらった。 スマホの画面の中で、あたし達を包んだミイラがまるで生き物のようにびくびく跳ねまわっていた。 9. クラブからさらに過激なネタと求められて、コースケは新しいイリュージョンを準備した。 機材の費用はクラブが出してくれるという。 続けて出演契約できたら、という条件だけどね。 「どう? いける?」「大丈夫、いけるよ」 あたしは新調したガラス箱に入って具合を確かめている。 クリスタルボックスに似ているけれど、幅と高さの内寸が50センチずつしかないから中で身を起こすことはできない。 高価な耐熱強化ガラスで作った箱だった。 絶対に成功させないといけないよね。 「じゃ、隠れて」「分かった」 あたしは底の扉を開けて、その下に滑り込んだ。 燃え盛る火の下でも安全に過ごせる隠れ場所。 「蓋、浮いてるぞ」「え、閉まってない?」 「太っただろ、メル」「失礼ねーっ。バストが大きくなったの!」 「そりゃあり得ねー」「言ったわねー。なら今夜確かめる?」「よし、徹底的に確かめてやる」 軽口を叩き合いながら、あたしは自分の位置を調整する。 「ごめん、一度押さえてくれる」「おっしゃ」 ぎゅ。かちゃり。 仰向けになったあたしを押さる天板が下がって、あたしはネタ場の空間にぴたりとはまり込んだ。 「どう?」「気持ちいい��� 「何だよそれ。・・浸ってないで、とっとと出てこい」 「もうちょっと」 「あのねぇ~」 それからあたし達は次のステージの構成を決めて、ネタの練習を続けた。 10. 次のショーの本番当日。 「ノコ、何であんたがここにいるのよ」 「えへへ。私も手伝いに来ました」 控室にはノコがいた。 コースケと同じ黒い忍者の装束で顔に覆面をしていた。 「あんたもコットンケーキ辞めさせられちゃうよ」 「大丈夫です。ちゃんと顔隠してやりますから」 「それでバレないほど甘くないと思うけど」 「やらせてやれよ。ノコちゃんも覚悟して来てるんだ」 コースケが言うなら、とあたしはノコのアシスタントを認めた。 アシスタントと言ってもノコは黒子で機材の出し入れなどを手伝う役だ。 「・・御崎メルさん、来客です。フロアへどうぞ」「あ、はい!」 来客? 客席に行くと、そこにはセクシーなイブニングドレスの女性が待っていた。 「サオリさん!! どうしてここに!?」 「コットンケーキのリーダーが秘密クラブのメンバーだったらいけない?」 「いけなくはないけど・・、驚きました」 「ショーのプログラムに『Kosuke & Meru』ってあって、もしやと思って来たらやっぱり貴女だったのね」 「知られちゃったんですね。恥ずかしいです」 「いいのわ。わたし、今日はすごく楽しみにしてるんだから」「?」 サオリさんは微笑んだ。今まで見たことのないくらい色っぽい微笑み方だった。 「ここでやるってことは、メルちゃん、きっと可哀想な目に会うんでしょ?」 「え」 「正直に言うとね、女の子が酷いことされるのが大好きなの。拷問されたり、無理矢理犯されたり」 「・・サオリさん、やっぱりSだったんですか」 コットンケーキ時代、サオリさんの指導がとても厳しかったのを思い出した。 あたし達後輩はいつも泣かされて、このドS!とか思ったものだった。 「うふふ。逆かもしれないわよ」 サオリさんは笑っている。 「ま、まさか、ドM!?」 「わたしのことはいいじゃない。ステージ、怪我しないよう頑張ってね!」 「・・はいっ」 控室に戻り、ノコに「サオリさんが来てる」と伝えた。 「ぎょぼ!」 何、その驚き方は。 11. 〇 緊縛木箱と性感責め スポットライトの中に黒忍者のコースケと黒子のノコが登場した。 テーブルを出して、その上に空の木箱を置いた。 すぐに木箱を持ち上げると、テーブルの上にはくのいちのあたしがうつ伏せになって縄で全身を縛られていた。 衣装は先月のステージと同じ赤い上衣にショートパンツと網タイツだけど、ブーツと覆面は着けていない。 その代わり最初から口に縄を噛ませて猿轡をされている。 緊縛はタネも仕掛けもない本物だった。 背中に捩じり上げてほぼ直角に交差させた両手首と二の腕、胸の上下を絞め上げる高手小手縛り。 両足は膝と足首を縛り、後ろに強く引かれて背中の縄に連結されている。 決して楽じゃないホッグタイの逆海老縛り。 ショーが始まる前からこの姿勢で木箱に仕込まれていたのである。 黒忍者はくのいちの足首の縄を首の方向へ強く引いた。 テーブルについた顎に体重がかかる。 さらにその状態で太ももの間に手が侵入し、突き当りの部分が激しく揉み込まれた。 ・・くっ! あたしは両目をぎゅっと閉じて恥辱に耐える。 きついけど、これはまだまだ序盤なんだ。 今度のショーではお客様の前で性的な責めを受ける。 コースケは本気で責め、あたしは本気で苦しみ本気で感じる。 二人で決めたシナリオだった。 やがて膝と足首の縄が解かれ、右足と左足を黒忍者と黒子が掴んで開かせた。 逆海老の後は180度に近い開脚。 黒忍者は苦無(くない:忍者が使う短刀)を持ち、先端をくのいちの股間に突き立てる。 ショートパンツが破れない程度に突くけれど、それでも確実に女の敏感な部分が責められている。 「ん、あああああ~っ!!」 ・・耐えられずに声が出た。 あたしは喘ぎながら身を震わせる。 完全に被虐モードだった。じっと忍ぶ力なんて残っていない。 スポットライトに照らされて光る粘液がテーブルを濡らす様子が客席からも見えたはずだ。 〇 鞭打ちレビテーション ぐったり動かなくなったくのいちに大きな布が被せられた。 テーブルの後ろに黒忍者が立ち、両手で持ち上げる仕草をすると、布に覆われたくのいちがゆっくり上昇した。 2メートルほどに高さに浮かんだところで、黒忍者は一本鞭を手にする。 振りかぶって布の上からくのいちを打つ。 ぴしり。「あっ!」 鞭の音と呻き声が聞こえた。 ぴしり。「んっ!」 ぴしり。「んんっ!」 ぴしり。「んあっ!」 ぴしり。「ああーっ!!」 5度目の鞭打ちで布がずれ落ちた。 ・・この鞭打ちにも一切タネがない。 布が被せられているとはいえ、あたしはコースケの鞭を本当に受けている。 絶対に逃げられない拷問。 「女の子が酷いことされるのが大好きなの。拷問されたり、無理矢理犯されたり・・」 さっき聞いたサオリさんの言葉が蘇った。 あたし、本当に酷いことされてる! 鞭で布が落ちると、そこには高手小手で縛られたくのいちが浮かんでいた。 黒忍者は両手を振ってテーブルの上にくのいちを降下させた。 もう一度布を被せ直して、再び浮上させる。 鞭打ちが再開された。 ぴしり。「あぁっ!」 ぴしり。「んん~っ!!」 黒忍者は鞭を置くと、宙に浮かぶ布の端を掴んで引き下ろした。 ばさっ。 そこにあったはずの女体は消えてなくなっていた。 〇 ミイラ短剣刺し ステージ全体が明るくなった。 隅の方に敷かれていた黒布がむくむく膨み、中からくのいちが立ち上がった。 猿轡は外れていたけれど、高手小手の緊縛はそのままだった。 その場から逃げようとするが、黒忍者が両手を合わせて呪文を唱えると、何かに固められたかのように動けなくなって黒子に捕らえられた。 黒忍者は反物のように巻いた布を持ってきた。 これはあのキャンプで使った薄くて弾力のある布だった。 その布をくのいちの頭から足先までぐるぐる巻きつけた。 薄手の布の下にはくのいちの顔が透けて見えていたけれど、何重も巻くうちに見なくなって、全体が白っぽいミイラになった。 くのいちのミイラは床に転がされた。 黒忍者は短剣を持って掲げる。刃渡り10センチほどの銀色の短剣だった。 やおらその短剣をミイラのお腹に突き刺した。 「きゃあっ!!」激しい悲鳴。 さらに3本の短剣を出して、胸の上下と顔面に刺す。 ミイラは1本1本刺される度に悲鳴を上げてびくびく跳ね、短剣を突き立てた箇所には真っ赤な染みが広がった。 〇 ガラスの棺 透明な箱が登場する。 細長い棺(ひつぎ)のような形状をしていて、人が入るとしたら横たわるしかない大き��だった。 黒忍者はミイラから短剣を抜き、肩に担いで棺の中に入れた。 黒子が蓋をして南京錠の鍵を掛ける。 黒忍者は松明(たいまつ)に火を点けた。 照明が消えて真っ暗になった。 ステージの明かりは黒忍者が持つ松明だけである。 黒忍者は棺のまわりを歩きながら、松明で棺の中を照らした。 すると、何と、棺のミイラが燃え始めた! その火は次第に大きくなって、棺の中いっぱいに燃え広がった。 わっ。観客がざわつく。 一瞬だけ、棺の中にくのいちが見えたのだ。 しかしすぐにその姿は炎の中に消えてなくなってしまった。 ・・ヤバい!! あたしは棺の底に背中をつけて隠し扉を開けようとしていた。 ガチで両手を縛られているから動かせるのは指先だけだった。 その指に、あるはずの扉のフックが掛からない。 見つからないっ、見つからないよ!! 網タイツの足がちりちり焼け始めた。 火が小さくなって静かに消えた。 やがて照明が点いてステージが明るくなる。 黒忍者と黒子が棺の前後を持ち、斜めに傾けて中身を客席に向けた。 皆が目をこらした。 棺の中は黒い粉が溜まっているだけで、その他は何も入っていなかった。 くのいちの女の子は灰になってしまったのだろうか? 黒忍者が客席の後方を指差す。 黒子がほっとしたように両手を叩いた。 そこにはくのいちが立っていた。 忍者の衣装は灰で黒くなり、網タイツは焼けて穴が開きその下は赤くただれていた。 ・・あたしはステージに向かって走っていった。 ふらふらしながら、どうにか倒れずにすんだ。 拍手の中、揃って頭を下げる。 うずうずした。 お客さんの前だけど、もう我慢できない! あたしはその場でコースケに抱きついた。 黒忍者とくのいちはそのまま長いキスをした。 12. 喫茶店。 あたしはサオリさんと向かい合って座っていた。 「怪我したって本当?」 「火傷しただけです。脚に痕が残りますけど」 「可哀想に・・」 「大丈夫です。イリュージョンするのに問題ありません」 生足を出すのはちょっと難しいけどね。 「クラブの仕事はどうするの?」 「続けます。ただ、出演は減らそうって彼と相談してます」 「それがいいかもね。クラブを辞めないのなら、わたしはメルちゃんが苦しむシーンをこれからも楽しめるし」 「サオリさん、それ酷いですよ」 「あはは。じゃあ、今度はわたしが苦しんでみましょうか」 「見たい! でもいいんですか? コットンケーキのリーダーがそんなことして」 「コットンケーキでやればいいんでしょ? 拷問イリュージョン」 「まさか本気で言ってませんよね?」 「半分本気よ。ノコちゃんもやりたいって言ってるしね。貴女達のネタ見て興奮してるみたい」 「ぎょぼ!! 知ってたんですか、あの子のこと」 「リーダーを舐めちゃダメよ。そのときはメルちゃんもゲストで参加してくれる?」 「はい!」 13. 椅子に座ったあたしにコースケが黒い布を被せた。 「さあ、皆さま、ここに黒布に包まれたくのいちが一人!」 あたしは布の下から両手を前に出してひらひら振ってみせる。 「はい!」 真上から頭を叩かれた。ぱすっ。 「おおっ」「きゃっ!」 驚きの声が聞こえる。 あたしの頭はぺたりと潰れて、肩の高さで平らになってしまったのだった。 ここは公園。 あたしとコースケは通行人の前でイリュージョンをしていた。 赤と黒の忍者装束。 ノコはスマホの撮影担当で、ときにはネタの手伝いもしてくれている。 動画サイトに上げた『Kosuke & Meru のニンジャ・イリュージョン』は少しずつ閲覧回数が増えて、ほんの少しだけど収益を出すようになってきた。 「では、最後のイリュージョン!」 コースケはあたしの身体に布を巻き始めた。 薄くて弾力のある布を何重にも巻いて、あたしをミイラにする。 全身をきゅっと締められる感覚。 その気持ちよさにきゅんと濡れてしまいそうだ。 コースケは別の大きな黒布をあたしの上に被せた。 「はい!」 その黒布はふわりと広がって地面に落ちた。 あれ? 黒布を上げると、そこにはミイラに巻いていた薄い布だけが解けて落ちていた。 中身の女性はどこに消えたの? おおーっ。パチパチ! 一斉に起こる拍手。 その音をあたしは地面に置いたトランクの中で聞く。 今日も大成功ねっ。 この後、あたしはトランクに入ったまま帰ることになる。 荷物になって運ばれるのは悪い気分じゃない。 今夜はノコも一緒に過ごすことになっているから、またきっと酷い目に会うだろう。 「・・酷い目に会う女の子が大好きなの」サオリさんのセリフ。 あたしも大好きです。 ほのかな性感と被虐感に満たされた。 狭いトランクの中で回収されるのを待ちながら、あたしは甘くトロトロした時間を過ごすのだった。
~ 登場人物紹介 ~ 御崎芽瑠(みさきめる):25才。コースケとイリュージョンの新しい仕事を始める。イリュージョンチーム「コットンケーキ」元メンバー。 谷孝輔(たにこうすけ):30才。フリーのマジシャン。メルの恋人。 ノコ : 22才。コットンケーキの現役メンバー。メルのペット。 サオリ : コットンケーキのリーダー。30台半ばくらい。 前作 でコースケに誘われたメルが彼と一緒に頑張るお話です。 布や袋を使うというお題で拷問イリュージョン。 短剣をぶすぶす刺したり、火で燃やしたり、女の子は最初から最後までずっと緊縛されているとか、いろいろ楽しませてもらいました。 無茶といえば無茶ですが、ここはメルちゃんの精神力がスゴイから可能ということにしておきましょうww。 この先コースケくんとメルちゃんは秘密クラブとユーチューバーの二足の草鞋(わらじ)で生きるのでしょうか。 それともどこかで名を売ってメジャーなイリュージョニストになるのでしょうか。 くのいちイリュージョンのお話はこれで終了しますが、機会があればいつか描いてあげたい気もします。 (お約束はしませんよ~) 挿絵の画像はいただきものです。 黒布の下には実際に女性が椅子に座っています。 2枚目は分かりにくいですが、椅子に座った女性に向かい合ってもう一人女性が膝立ちになっています。 ノコちゃんがメルを責めるシーンはこの写真に合わせて書かせていただきました。 それではまた、 ありがとうございました。 # このコロナ禍中、皆さまの健康とお仕事/商売が無事であるよう祈っております。
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俺のシュガーの話を聞いてくれ
やあ、久しぶりだね。いや、そうでもないか。先月世界選手権で会ったばかりだからね。でもなんだか、もうあれが遠い出来事のような気がするな。 ああ、ニュースを見たのかい? うん、いろいろ書かれてるみたいだね。SNSでも広まってるし。まあ、あまり気にしてないよ。俺はいま目の前で起こってることに夢中なんだ。 え? それはもちろん本気だよ。酔狂で日本にまで来てこんな騒ぎ起こすと思うかい? そうそう、マッカチンも連れてきたんだよ。もうマッカチン、彼とすっかり仲よしさ。 心配かい? でも彼、俺に直接頼んできたじゃないか。はは、まあそうだけどね。あの動画? うん、もちろん見たよ。そうだね……、そのあたりはご想像におまかせするよ。 とにかく俺はいま、毎日が充実してるんだ。明日はあれをやろう、あんなことを言ってみよう、こういうのはどうかな、っていろいろなことを考えるよ。頭の中が忙しくて、それを実行するのにも忙しくて、いくら時間があっても足りないんだ。楽しいよ。君も遊びに来る? なんてね。 そうそう、彼の家、本当に温泉やってるんだ。いや、疑ってたわけじゃないけどね。感動したよ。とてもひろくて気持ちがいいんだよ。泳げるくらいだよ。それにはちょっと浅いけど。美味しいごはんもたくさん出てくるし、楽園だよ。大丈夫、俺はそんなに太りやすいたちじゃないから。あはは、彼にはびっくりしたね。君もあの動画見たんだろう? 彼って昔からあんなふう? いくら君でもそこまでは知らないか。 これからは、君より俺が彼にくわしくなるんだからね。俺はいま、彼のことを知ろうと一生懸命なんだ。毎日発見があるよ。ただね、なんだか彼、俺にあんまり近づいてきてくれないんだよ。緊張してるみたいだ。お酒が入らないとだめなのかな。そういえば、あのバンケットまではほとんど話したこともなかったし。遠慮深い子なのかもね。 とりあえずここで彼とやっていくつもりさ。何も心配いらないよ。俺だっていい加減な気持ちで来たわけじゃない。グランプリファイナルでは彼を優勝させてみせるからね。彼、君に勝ったことないんだってね? 今季ようやくそれがくつがえされるわけだ。あはは、もちろん、君の演技のすばらしさは知ってるよ。わくわくするね。 彼の成長を楽しみにしててくれ。SNSに彼との写真も出していくつもりだから見てね。ではまた。 やあ、俺だよ。元気かい? そろそろプログラムも仕上がったころだろう? 君は勤勉だからな。彼のほうかい? ショートはできてるんだけどね。君がびっくりするようなやつ。フリーは行き詰まってるんだ。彼に曲を持っておいでって言ってるんだけど、なかなかきまらなくてね……。 彼って自信がない子だよね。そういう感じだろうとは思ってたけど、あまりにも程度がひどいからびっくりしてしまった。自信を持ってもらおうと助言したら、彼にものすごく怒られたんだよ。ちがうよ、変なことは言ってない。俺としてはまちがいのない���案のつもりだったんだよ。でも彼、激怒して俺のことをにらみつけたよ。普段控えめな彼が怒ると迫力があるね。いつも遠慮がちだから、気持ちをはっきり言ってくれるのはうれしいんだけど……。 え、そうかな? そんなことはないよ。元気だよ。……でもまあ、悩んではいるかもしれないな。彼、ここのところ、口を利いてくれないんだ。何を言っても無視されるんだよね。笑いごとじゃないよ。成長? それは成長かもしれないけど。俺としては仲よくなりたいんだよ。俺たちの信頼関係のほうを成長させたいよ。彼って昔からああも自信がない子なのかい? そうか……まあそうだろうね。どうしてだろう。あんなにいいスケートをすべるのにな。顔だってかわいらしいじゃないか。それは普段はごく地味だけど。スケートのときは凛々しくてすてきだろう? 本気になればすごいんだって、自分のことなのにわからないのかな? 自分について評価する装置が壊れてるんだろうね。俺が直してあげなくちゃ。 それはともかく、彼って恋人いたことないのかい? え? いや、まあ……そのあたりのことを言ったのは言ったけど。でも悪気があったわけじゃなくてね……。 彼って難しいね。なんだか思ってたのとちがうよ。彼自身も、いまの生活も。俺、いままでにないくらい毎日悩んで考えてるんだよ。……え? うん、じつは……楽しいよ。なんだかんだ言って楽しいよ。悩んで楽しいなんて、すてきなことだよね。こんな感覚、知らなかったな。いや、スケートでは経験したけど、誰かについて、なんてさ……。 まあ、やってみるよ。明日は彼を海に誘おうと思ってるんだ。ちゃんと話をするよ。ずっとそうしたいと考えてたんだよ。なにしろ彼は、俺といるとまだ緊張するみたいだからね。彼の言い分を聞いてみたいんだ。スケートやプログラムのことだけじゃなく、もっと、深いところをね。俺のこころは彼のことでいっぱいさ。 じゃあ、またね。 聞いてくれ。日本の地方大会に出場したんだけど。え? いや、俺がじゃないよ。勇利がだよ。当たり前だろ? つまらない冗談で話を遮らないでくれ。俺は彼のことを話したいんだから! そう、でね、おもしろかったんだよ。いろいろあったんだけど、まずはこれだ。 勇利、日本の後輩にかなり人気がある! ……いや、わかってるよ。勇利がここではトップだということは。知っていたさ。でもね、あんなに慕われているとは思わなかったんだよ。もう、みんなあからさまなファンなんだ。え? ああ、そうだね、俺にあこがれてる勇利みたいだよ。ここでは俺の立場に勇利がいるわけだ。男子選手は全員──といっても今回はほかに三人しかいなかったけど──でももっといてもその選手もみんなだと思うな──勇利にきらきらしたまなざしを向けているし、女子選手も、勇利は誰も彼も俺のファンだと思ってたみたいだけど、勇利が目当ての子もあきらかにいたね。わかってないんだからな、彼は。 とにかくすごいんだ。勇利が歩くとみんなみつめるんだ。俺は鼻が高かったよ。俺の生徒はこんなに愛されているんだってね。……え? うん、まあ……彼はいつもの調子だよ。ぜんぜんそんなこと頭になかったよ。逆にすごくないか? あんなにファンサービスしない選手、初めてだ。びっくりした。自分のことで手いっぱいっていうのもあったんだけど、もともとそういう性格なんだろうね。だいぶ勇利についてわかってきたから、驚きはした���のの、ちょっと納得もした。 それとね、もうひとつ。勇利ね、ぜんぜん俺の言うこと聞かないんだ! どうなってるんだろうね。コーチ命令を無視するんだよ。信じられない。君、そんなことしたことあるかい? え? 俺? 俺のことはいいじゃないか。……まあ、俺に似たんだと思うけどね。いいんだけど。でも俺はもともとそういう感じだろ? 想像がつくだろ? だけど勇利は勇利だよ? あの素直そうな子が俺の言ったことを無視するんだ。まったく……。……うん、実際はそれほど素直じゃないんだけどね。いや、素直なときもあるんだけど。俺の言うこと、はい、はい、って聞いてることもあるよ。かわいいよね。でもたまにものすごい反逆を起こすんだ。俺に激怒したときもそうだったけど……、今回のことでさらによくわかった。うん? そう、それもかわいいんだけどね。 そうそう、それと、初めて勇利と旅行したんだよ。旅行っていうか遠征なんだけど、ふたりで行動した。彼ね、移動中、寝てばっかりいるんだ。俺は退屈さ。俺も寝るんだが、彼のほうが必ずさきに起きて、次で降りるよ、とか言うわけだよ。しっかりしてるだろう? 俺の生徒だからね。初めての場所だったから、観光しようって言ったら、そんな暇ないって怒られた。まったく頭がかたいよ、うちの生徒。俺ひとりでうろうろして、キビダンゴっていうのを買ってホテルで食べたんだけど、勇利は食べられないから、俺のことをにらんでた。楽しかったな。 え? うん、上手くやってるよ。勇利っておもしろいよね。 やあ、いつも電話だから、こうして話すのは久しぶりだね。最初の日? あれは偶然だったんだよ。俺と勇利が食事をしてたらピチットが来て、チェレスティーノが来て、それから通訳のために……。俺はすぐ酔っ払っちゃったから。君が来たらおもしろかっただろうな。写真見た? いたら俺と一緒に脱いでたんじゃないの、君は。勇利も酒が入ってたらその仲間入りだったかもね。あはは。バンケットの再来だ。 あの話? 勇利とはしてないな、そういえば。毎日いろんなことが起こるから、過去について語っている時間がないんだ。いまについて話さなくちゃ。それに、勇利ってかなり自尊心が強いから、酔っ払ったときのことなんて言われたらまた怒るかもしれない。そう、自信がないのに自尊心がすごいんだよね。その矛盾らしきところがたまらない。かわいいよね。 フリーの前? あれはね……、あれは、うん、ひみつだ。そう見えた? でも彼、ちゃんと演技しただろう? すばらしかったよ。それはまあ、ミスもあったけどね。あのときは駐車場にいたんだよ。人目を避けたかったから。どうだい、コーチらしいだろう? ……なんて言っても、今回、俺は本当はコーチらしくなかったんだ。だめだった。俺もまだまだ未熟だね。ロシアを発つとき、ヤコフに、おまえにはコーチなんて無理だ、っ��言われたんだ。彼の気持ちがちょっとわかったな。 でも俺は無理だとは思わないよ。反対に、勇利のコーチは俺しかいないって思ったんだ。そう思えたのは勇利のおかげなんだけどね。彼ってすごいよ。すてきだよ。あんなふうに本音でぶつかられたのも、俺のことをどんなに信じてくれていたか伝わってきたのも、うれしかった。だってあんなこと、俺ならそうしてくれるって信じていなきゃ……俺が絶対に離れていかないって知っていなきゃ言えないからね……。あんなふうに信頼してくれていたのなら���勇利が怒るのも当たり前だ……。 だからひみつだって! 言わないよ。 とにかく、もっと勇利に寄り添って、守らなくちゃって思うんだ。勇利って強いけどもろくて、あぶなっかしくて、見ていられないことがあるんだよ。そういうところが魅力なんだけどね。なんでもしてあげたくなる。笑うかい? すこし前の俺なら絶対に言いそうにないだろう? でもね、勇利はそれを言わせる子なんだよ。わかるだろ? あはは、そうだね、のろけかな……。 じゃあもうひとつのろけるけど、勇利のエロス、すごかっただろう。セクシーだろ? ぞくぞくするだろ。俺が教えたんだよ。いい腕だろう? ……いや、彼には何もしてないよ。そういう意味じゃない。わかるだろう? そんなエロスじゃなかったじゃないか。うん、まあ、俺が教えたっていうのは言いすぎた。彼が自分で考えたんだ。俺はちょっと可能性を示しただけさ。それであんな清潔なエロスを見せつけてくるんだからすごいよね。ああいう楚々とした感じって、氷がびしょびしょになるようなエロスよりかえって官能的な気がするんだけどどう思う? おい、あきれた顔をしないでくれ。『君の好み』のひとことで片づけるな! まったく……。 何もしてないと言ってるだろう! 何も知らないところがいいんだ。それがたまらないんだ。だから好み好みと言わないでくれ! そろそろ部屋へ戻ろうかな。勇利が待っているし。え? いや、別々だよ。でも寝る前に話すから。 あ、そうそう。勇利の四回転フリップ、どうだった? 俺の勇利、よかっただろう? やあ、君か。いや、ちがうよ。身体は大丈夫だ。俺はね。うちのマッカチンがちょっと調子が悪かったものだから。でもそちらも問題ないんだ。いまは元気だよ。どうもありがとう。 勇利の演技、見てくれたのかい? そう……。なんて言えばいいのかわからないよ。俺を送り出すときは気丈だったんだけどね。でも、俺は不安がぬぐえなかったんだ。もう勇利のそばを離れないと……離れずにそばにいるときめていたのに。 失望なんかしてないよ。悪かったのは俺だ。俺がいけなかったんだ。どうすればよかったのかなんてわからないけど……、あれ以外どうにもできなかったんだけど、でも、俺は無力感に打ちのめされたよ。 ねえ、クリス。 俺は勇利を守りたいと言ったよね。君も、俺に守るものができたって言った。それなのにこのていたらくだよ。俺は勇利のコーチなのにね。 勇利のほうから言ってきたんだ。日本へ帰ってってね。彼は自信があったからそんなふうに言ったわけじゃないと思う。俺のためを思って言ったんだ。あの演技を見て……、ひとりでいるあいだ、泣いたんじゃないかと、苦しかったんじゃないかと、そう思うとたまらないよ。 ずっとずっと勇利に会いたかった。あんなにせつない時間は初めてだ。もう体験したくない。 勇利のことばかり考えていたんだ。そう言ったら、勇利もそうだって。俺のことを考えていたんだってさ。でもやっぱり、うれしいっていうよりせつないんだ。何なんだろうね、この気持ちは。初めてだよ。クリス、知ってるかい? 俺はね、いままで、勇利のことを考えたら、いろいろな可能性が表れてきたり、やりたいことが思い浮かんだり、想像力がいくらでも湧いてきて、楽しいことしかなかったんだ。悩んだことも多かったし、勇利って難しいなと困ったけど、それも楽しかったんだよ。 でもいまは、勇利のことを考えると苦しいよ。楽しいだけじゃない。だけど、どうしようもなくしあわせなんだ。こんなに胸がずきずきするのにどうしてだろう。こんなこと初めてで、よくわからないよ。勇利って不思議な子だね。最初から��うだったけど、いまはもっとそれを感じるよ。より深く……。 クリス、俺ね、引退まで勇利と一緒にいることにしたんだ。もちろん、勇利のコーチではずっと居続けるつもりだったんだけど、とにかく目の前のことばかりで、将来については話したことがなかった。だけどもう、楽しい楽しいばかりでいられる時期は終わったんだね。俺の気持ちも、勇利との仲も成熟して、さきへ進んだんだと思う。うん。俺は勇利が引退するまでそばにいるよ。そして……、できれば……。 勇利ね、いままで俺がいくら一緒に寝ようって言ってもいやだって聞いてくれなかったんだ。でも、彼がロシアから帰ってきた日は同じベッドで寝たよ。勇利をぎゅっと抱きしめて眠った。窮屈だったと思うよ。だけど彼は、ひとことも文句を言わなかった。彼のほうからも俺にしがみついてくれてね……、うれしかったなあ。 ただ、彼がいとおしい。 いまの俺は、それだけなんだ。 勇利は昼の便で帰ったよ。俺は夕方。ああ、戻ったら忙しくなりそうだなあ。なのに勇利はそばにいない。憂鬱だ。 クリス、やけにうれしそうだね。俺が競技復帰したから? はは、ありがとう。これからの俺はいままでとはぜんぜんちがうからね。覚悟していてくれよ。 勇利は来季からロシアに来るんだ。え、そう? そんな顔してるかな……。だって勇利が来るんだよ。いいだろ? うらやましい? ああ、それにしてもいろいろあったグランプリファイナルだった。バルセロナに来てからもう十年くらい経った気分だよ。うん? うん、まあ、ただひとつ言えることは……、勝生勇利ほど自分勝手な人間はいないってことだよ。……まあね。それでも俺は彼を手放せないんだ。笑うかい? え、どこがって……、うーん、難しい質問だな。……、……、……全部だよ。勇利のすべてだよ。何もかもがいとおしいんだよ。かわいいところも、儚いところも、強いところも、自分勝手なところもだよ。俺にももうどうしようもないんだ。感情を操縦できないのなんて初めてさ。──という気持ちをもう何百回も味わったからね。あきらめてるよ。それでいいんだ。だってあんなに魅力的な子、どこにもいないじゃないか。 この指輪は本気だよ。俺がこういうこと、冗談でする人間じゃないって知ってるだろ? 結婚指輪は俺が贈るつもり。 とりあえず、春までは遠く離れることになるんだ。つらいよ。いままで毎日一緒にいたからね。もう泣きそうさ。だけど、ロシアナショナルでまずは金メダルを獲らないとね。年末には一時的に日本へ帰るつもりなんだけど、そのときに金メダル以外のものを持って帰って「はい、勇利」って見せるの、あまりにもかっこう悪いだろう? 勇利に幻滅されてしまう。そんなヴィクトル・ニキフォロフ、絶対だめだ。さすがぼくのヴィクトル、って勇利が顔を輝かせてくれないと。もちろん俺個人としても金メダルが欲しいけど、彼を喜ばせたいんだ。 ロシアへ戻ったら、練習と、あと、勇利が来たときのことを考えて、たくさん行動しないとね。ああ、いろんな計画を立てなきゃ。どんなふうに勇利と暮らそうかなあ……。日本では勇利の家族も一緒で、とてもあたたかくて最高だったんだけど、今度はふたりきりだからね。いろいろとちがってくると思う。勇利にも最高だと思ってもらいたいな。あとは……とにかく勇利が……俺は勇利を……。 え? そんなにとろけきってる? そうかな。うーん……。 仕方ないだろう? だって俺、勇利を愛してるんだよ。 やあ! 元気かい!? 俺だよ! え? そう? じゃあもうすこし静かにしよう。悪いね、どうも浮かれているようだ。 とにかく、長い三ヶ月だったよ! でも過ぎ去ってしまえばさびしいな。長いとはいえ、勇利との生活を考えて、とても楽しい三ヶ月でもあったから。毎日電話してたんだよ。勇利の顔を見たくて、声を聞きたくてね。日本が夜っていうときにすることが多かったから、勇利、ずいぶん眠そうでね。かわいかったなあ……。寝惚けたとろんとした声で、びくとる、って呼ぶんだよ。はしゃいじゃうだろ? まあいいや。せっかく勇利が来たんだから、勇利が来てからの話をしよう。 ──え? どうして? 話すことたくさんあるぞ? 興味あるだろ? そう? それは残念だな。また時間のあるときに話を聞いてくれ。ん? 当分忙しいのかい? うそだろ? そうか……。 まあいい。俺だって勇利と愛をかわすのに忙しいからね。おっと、もう勇利がお風呂から出てくるころだ。一緒に入ろうって言ったのに、恥ずかしいのか断固拒否されちゃったよ。かわいいよね。 じゃあまた。──ゆうりーっ。 クリス、聞いてくれ。今日は真剣な相談なんだ。え? もちろん勇利のことだけど。なんで溜息をつくんだ? 俺には重大な話なんだ。まじめに聞いてくれ! じつは……、じつは、つい昨日のことなんだけど……。 勇利に……。 キ、キスしてしまった……。 ──え? なんで黙る? おーい、クリス。聞いてるかい? ああ、いるのか。急にしんとしないでくれよ。こっちは本気なんだぞ。 いや、それがね……、それまではそんな気なかったんだよ。もちろん勇利にキスしたいなっていうのは四六時中思っていたんだけど……、おい、なんだその溜息は! 二度目だぞ! 何がおかしい!? 勇利はあんなにかわいいんだ、キスしたくなって当然だろ!? ならないほうが変だ。自然の摂理を口にしたくらいで溜息とはどういう了見なんだ。 話がそれたな。とにかく、キスをする気はなかったんだ。そのときはね。だって勇利は洗濯物を畳んでいたんだ。こっちはあまり晴れる日がないから、勇利はそれが不満らしいんだけど、昨日はたまたまいい天気でね。機嫌よく洗濯をして、それを片づけていたっていうわけさ。俺も手伝った。そうやってうれしそうに働く勇利を見ていると、しあわせだなあと思って、どうしようもなく気持ちがときめいてね。勇利が振り向いて、「はいこれ。ヴィクトルの」って言ったとき、あまりのかわいさに、自然に──当たり前に身を乗り出して、勇利のくちびるにキスしてたんだ。勇利は──勇利はかたまっていた。大きな目をもっと大きくして……。彼は口元を押さえて、それから俺を見て、信じられないみたいに瞬いて、そしてうつむいた。俺は慌てちゃってね。勇利とキスできてこのうえなくうれしかったのに、勇利の反応で焦ってしまった。勇利、いやだったのかな、したくなかったのかな、と思ったら何も言えなくてね……。それでも声をかけようとしたら、勇利はいきなり立ち上がって、部屋へ走っていってしまった。俺は取り残された。 クリス、どう思う? 勇利は怒ったんだろうか? 今日? 今日の勇利は普通だった。いつも通りだったよ。でも、怒ってるからそうなんだろうか? だってうれしかったならもっと親しげになるよね? 頭に来てるからそっけないんだろうか。いや、そっけなかったかどうかはわからない。俺も混乱してるから、勇利がつめたいのか、優しいのか、判断がつかないんだ。──そんなこともわからないのかって、『そんなこと』じゃないだろう! すごく難しいことだぞ! 何を言ってるんだクリスは! とにかく、どうしたらいいかわからないんだ。助言をくれ。勇利は何を考えていると思う? 怒ってるのか? それともうれしすぎてそっけなくなってるんだろうか? 勇利ってわかりにくい子だからな。まったく理解できない。クリスなら勇利と付き合いも長いし、何か思うところがあるだろう? ──いや待ってくれ。俺にわからないことがクリスにわかるのか? なんだかおもしろくないな。どういうことだ。クリス、俺の勇利とそんなに仲がいいのか? ああ、わかった! いや、もう言わないから。なんでもない。なんでもないさ。ああ。で、どう思う? 本人にって……本人に訊けないからクリスに相談してるんじゃないか! 訊ければ苦労しないよ! なんで!? そんなのきまってるだろう! 訊けると思うのか!? 勇利にキスをして、逃げられたからって「なんで逃げたの?」「怒ってるの?」なんて! そんなこと気軽に尋ねられるわけないだろう! まったくクリスはわかってないな……。 キスだぞ、キス。キスをしてしまったんだ。あの純真な勇利にしてしまったんだ。──そうだ。勇利は純真なんだ。純情なんだ。いきなりキスされたら恥ずかしいにきまってるよね? もちろん逃げるさ。当然だな。え? 中国大会? あれとはまた意味がちがうんだよ! 考えてみたら、あれは勇利のファーストキスだった。あのときはいきなりしても、「そう?」なんて色っぽい声で言って平然としてたけど、つまり俺のことが好きだから平気っていうことなのかな。でも今回は黙ってしまった……どういうことだろう……俺が嫌いになったのか……? どうしようクリス! 勇利に嫌われたかもしれない! どうしたらいいんだ!? え? 俺は落ち着いてるよ!! いや……でも、勇利は純真だから、キスされたら逃げるんだよ。逃げてしまうんだ。中国大会のことは忘れよう。あれは別だ。けっしてかるい気持ちでしたわけじゃないが。……絶対にちがうよ? あのときだって俺は……。 俺は二度もふいうちで勇利にキスしてしまったわけだね。勇利、それであきれてるんだろうか。キスするのに許可もとらないなんて不誠実だと思われたのかもしれない。だらしないとか、下品とか。勇利に最低だってきめつけられていたらどうしよう。ああ、クリス、俺はどうしたらいいんだ! …………。 とりあえず、次にキスするときは許可を求めてみるよ。それでいいかな。いいよね? ほかに考えつかないよ。あと、キスのことは謝ったほうがいい? でもそうすると、したことを後悔してるみたいだな。そんなわけないんだ。そんなわけないんだ。ああ、もう……。 困ったなあ。 勇利に謝ってみたんだ。そうしたら、思った通り、「後悔してるの」って静かに尋ねられた。こころにぐさっとくる白くひらめくような目つきで見られてね。どきどきしたし、ぞくぞくしたよ。俺は、突然したことに対して謝ってるのであって、したこと自体については謝っていない、勇利とキスできてうれしかった、って一時間くらい説明した。勇利は黙って聞いていて、最後には納得してくれたよ。 彼が「そう」ってほほえんだから、俺はちょっと安心して、どうにか訊くことができた。「怒ってる?」って。勇利はもっと笑って、「怒ってないよ」って言った。その声がまた優しいんだ。もうかわいくてたまらないんだ。俺はどきどきしてしまって、でも同じ失敗はしたくないから、気持ちを引き締めて尋ねたんだ。「勇利、キスしていい?」って。そうしたら勇利は急に怒り出した。「そういうこと訊かないでよ! 恥ずかしいな!」。それで部屋に戻ってしまった。 どうしようクリス。また怒られた。いや、前のは怒ってなかったんだけど。でも今度こそ嫌われたかもしれない。キスしていいかって訊いてはいけなかったんだろうか。そういう規則があるのか? 初耳だ。きっと勇利の中だけの話だろうな。だけど俺がキスする相手は勇利だけだから、彼の規則なら俺の規則というわけだ。結局失敗した……。ほかにどんな規則があるんだろう。勇利って謎だから、もうさっぱりわからないよ。 クリス、どうしたらいいと思う? 今回は本当に勇利は怒ってるんだ。ゆるしてもらわなくちゃいけない。勇利に嫌われたくないんだ。クリスはもてるだろう? こういうときどうするべきだと思う? 意見を聞かせてくれ。クリス、聞いてるかい? クリス? 仲直りしたんだ。クリスがぜんぜん俺を助けてくれないから、自分で一生懸命考えたさ。どうすれば勇利は喜ぶのかなあって。勇利は俺のスケートが好きだから、ジャンプでもなんでもしてあげればそれでよさそうだけど──それとこれとは別! ってもっと怒られる可能性もあるけど──俺はそれじゃいやなんだ。これはスケートの話じゃない。勇利と俺の日常のことなんだ。なんでもスケートで解決するのはちがうだろう? それで、よくよく考えた結果、とりあえず花を買ってきた。勇利に似合う可憐な花だ。それと、うんと美味しいチョコレートを買った。見え透いた機嫌取り? いいだろうべつに! 勇利の機嫌を取りたいんだから! なに笑ってるんだ!? 俺が勇利の機嫌を取りたがったらおかしいのか!? もうものすごく緊張したよ。じろっと見られて、「こんなのでぼくの機嫌が直ると思ってるの」ってつめたく言われたらどうしようってね。どきどきしながら勇利に花を渡して、チョコレートも渡して、ごめんって言おうとした。でも彼はそこで不思議そうに俺を見上げたんだ。大きな目が愛らしくてね……瞳がチョコレートの色なんだ。甘そうで、美味しそうで……。かわいくて仕方なかったよ。俺は気づいたらまた勇利にキスしてて、そして自然に言っていた。好きだよ、って。勇利はきょとんとした。 そこで俺は我に返ったさ。ああ、またやってしまった、って思った。そうしたら勇利は笑って、ぼくも、って答えた。そして、これなに、って。ぼくにくれるのって。お詫びだよって言った。勇利はもうちっとも怒ってなかった。さっきのヴィクトルの顔おもしろかったからゆるしてあげる、だって。俺はようやくどうすべきだったのかわかったよ。好きだって言えばよかったんだ。クリスもおぼえておくといいよ。好きな子ができたら、いきなりキスしたくなるけど、そういうときはちゃんと好きだって気持ちを伝えなきゃいけないよ。 勇利はチョコレートを見て、食べていいの、って俺に訊いた。いいよって言ったけど、たくさん食べたらあとで困るから、ひとつだけってひとつぶ食べた。もうひとつつまんで俺にくれた。勇利の指が俺のくちびるにふれてさ……、それで俺はたまらなくなって……、抱きしめて……。 おっと、これ以上は言えないな! いくらクリスが相手でも言えないな! 勇利とふたりだけのひみつなんだ! 勇利のくちびるはチョコレートの味がして、甘かったよ! クリス、聞いてくれ……俺、勇利を愛してるんだ……。え? そんなことわかってる? いいから黙って聞いてくれ! 勇利はかわいい。どうしようもなくかわいい。一緒にいるだけでみたされて、胸がうずいて、たまらなくなる。そうするとキスしたくなる。あれからはね、キスも自然にできるようになった。勇利は恥ずかしがり屋だからすぐ赤くなるけどね。でも彼もちょっとずつ慣れて、顔を近づけたら緊張ぎみにだけど目を閉じてくれるようになった。そのキスを待ってる表情がかわいくて……俺はどきどきして興奮して……。 ……先日のことなんだが……。 そうしてキスしてしあわせにひたっているとき、あまりにも気持ちがいいものだから、俺はとんでもないことを口走ってしまったんだ。いま考えると勇利に嫌われなかったのが不思議なくらいだ。ひどかった。もっと誠実でいなければならなかったのに。俺は勇利の愛の奴隷だから、自分が操縦できないんだ。 なんて言ったかって? きまってるだろう。「セックスしたい」って言ったんだ。 俺は自分が自分じゃないような気がしたよ。なに笑ってるんだ? 俺がこんなに悩んでるのに! 勇利の反応? 恥ずかしがるどころじゃなかったよ。ぽかんとしてた。何を言われたのかわからなかったんだろうな。俺はごまかそうとした。いまのはなんでもないんだ。気にしないでくれ。そんなことより明日どこ行く? そんなことを言って話をそらそうとした。口をひらいたときに出てきた言葉はこれだ。 おまえを抱きたいんだ。 さすがに勇利も意味がわかったらしい。まっかになってうつむいた。絶対に嫌われたと思った。たぶんあのときの俺は性欲丸出しで相当まずかったと思う。不潔とか、けがらわしいとか、そんなふうに言われる、とうろたえた。勇利はささやいた。「ちょっとだけ時間が欲しい」。 驚くだろう? それはつまり、時間が経てばしてもいいっていうことじゃないか? 俺は勢いこんでその通りに尋ねた。うるさい。鼻息はそんなに荒くなかったさ! 「……たぶん」。勇利はちいさくうなずいた。こころの準備がしたいって。それから三日、勇利はセックスについては何も言わなかった。四日目の夜、俺の部屋へ来て彼は言った。いいよ、って。 かわいいだろう!? セックスを決心するのに、俺の勇利は三日という時間を要するんだ! かわいいだろう!? かわいいだろう!? 三日のあいだ何を考えていたんだろうな!? とにかく俺は舞い上がった。いますぐでもいいのかって訊いた。勇利はいいって……。俺は勇利にキスして、それで……いやそのあたりは言わない。ひみつだ。いくらクリスが聞きたがったって教えてあげないよ。え? どうでもいい? どうでもいいわけないだろ、俺と勇利のセックスだぞ! とにかくいろいろした。まあ、服に手を入れたり。さわったり。キスしたり。それで、服を脱がせようとした。ところが手がふるえてできないんだ。ボタンが外れないんだよ。……クリス。なんで笑う。何が可笑しいんだ!? 真剣に聞いてくれ! 俺は焦った。やっきになってはずそうとした。でもできない。勇利にばかだと思われる。けど、急げば急ぐほど指先がもつれるんだ。とうとう勇利は俺の手にふれた。彼は言った。自分で脱ぐよ。俺は自分に絶望した。がっかりしたよ。落ちこんだら勇利がキスしてくれた。天使だろう? 勇利は俺に背中を向けて服を脱いだ。指がもつれないのかって訊いたら、もつれるって。難しいねって、ちょっと振り返って恥ずかしそうに笑うんだ。どうしてやろうかと思った。彼は上のほうのボタンだけ外して、あとはひっぱって頭から抜いた。それでまあ、下も脱がせて、いろいろして……、このあたりもないしょだが……。 結論から言おう。できなかった。たたなかったわけじゃない。そうじゃない。逆に反応しすぎてまずかったくらいだ。だがそのあたりは問題じゃない。なんていうのかな、あまりに緊張してしまって、俺が勇利の身体をじょうずに扱ってあげられなかったというか……。ずっと手がふるえていて、頭の中が真っ白で、気持ちばかりが、その……。 クリス! 何を笑ってるんだ!? おい、聞いてるのか!? 死にそうな声になってるぞ! 言っておくが、べつに俺から「できない」と泣きついたわけじゃない。ただ、俺が焦ってるのを見て、勇利が優しく、「今日はここまでにしてくれる?」って言ったんだ。「ぼく緊張してこれ以上できそうにないから」って。俺がぜんぜんだめなのに気がついて、だからといって俺を責めるでもなく、自分のせいにしてくれたんだ。優しいだろう? 俺の勇利……。 あのまましていても、最後までできたことはできたと思う。でも、なんていうか……仕切り直したほうがいいのは確かにその通りだった。とにかく俺はどきどきして、自分が何をしているのかよくわからなかったから。不器用だった。勇利を抱きたいって、気持ちばかりが空回りしてね……。勇利は察してくれたんだ。みっともないことをするくらいなら中断したほうがいいと思う。だからそれはよかった。よかったんだが……。 ねえクリス。勇利は俺を、とんでもないへたくそだと思ったんじゃないだろうか。 その通りだろって……、そうだけど、仕方ないだろう! 愛してる子とするのなんて初めてなんだから! おかしくもなる! ただ、勇利にあきれられるのはいやだ! それだけはいやだ! 勇利? いや……怒ってなんかいなかったよ。翌日も普通だった。笑ってた。またちゃんとしようね、だってさ。かわいすぎる。いや、でも、それとへたくそと思う気持ちはちがうだろう。とりあえずヴィクトルはセックスへたくそなんだな、っていう知識は勇利の頭の中に入ったはずだ。つらいよ、クリス。 どうしたらいいと思う? 勇利に気持ちいいと思ってもらいたいんだ。……まあ、そうだけど。次にちゃんとするしかないんだけど。でも、次も同じことになったらどうしよう。俺、裸の勇利にふれようとすると、どきどきして、変になっちゃうんだよ。俺が俺じゃなくなるんだ。勇利は初めてだから、いろいろ教えてあげたいのに……。勇利も最初、ヴィクトル、ぼく何も知らないから教えてね、ってけなげに言ってたんだ。俺は、もちろんだよ、って答えた。なのに俺が教えられたことと言えば、ヴィクトル・ニキフォロフはセックスがへただという事実だけだ……。 さっきからなに笑ってる!? こっちは深刻なんだぞ! ああもう……。 自分がこんなにみっともない男だとは思わなかったよ。こんなのは初めてだ。勇利は俺をどんどん変えてしまう。おそろしい魔性だな。かわいい顔してとんでもないよ。 クリス……、まだ笑ってるのか? そんなに笑うなら、もう電話してやらないからな! やあ、クリス。え? わかるかい? うん、そう……、ふふふ……、すごく……すごくね、アメイジングだったんだよ! もう最高! え? これから用事がある? そんなこと言わずにまあ聞いてくれ。俺の勇利のかわいげが度を超しているという話なんだ。勇利はかわいくて、可憐で、すてきで……、俺は勇利を愛してるんだよ。 おい! 俺のセックスがへただとかそういう話はいいんだよ! あのときは緊張してたんだ! 世界一愛してる子が相手だとそうなるものなんだよ! それが宇宙の真理、世のことわりなんだ! クリスは知らないのか!? 本当の愛を知らない男なんだな、君は! そうだろう! なに笑ってる? まあそんなことはいい。え? ああ、うん……。しばらくは勇利に何もできなかったよ……だってまた同じことになったらいやだからね。二度目のほうがいやだよ。最初はまだ言い訳ができるけど、くり返しとなると……。またかよ、って勇利に思われたくない。いや、勇利はおしとやかで優しいから、そんな攻撃的なことは思わないさ。それはわかってる。勇利が言うのは変なことだけだ。でも、俺の精神的な問題なんだよ。わかるだろう? 勇利を愛してるんだ。おかしな失敗をしたくない。 そういうわけで、俺はしばらく勇利に何もしなかった。勇利は自分の部屋にベッドを持ってるから、そっちで寝たりしていたよ。でもね……、ある日、俺が寝ていたら、彼は俺のベッドに突然もぐりこんできたんだ。するするってね。俺がびっくりしてたら、勇利はいたずらっぽく笑って、一緒に寝ていい? って。だめなわけないじゃないか。いいよ、って答えた。すると勇利はうれしそうにうなずいて目を閉じた。そのままただふたりで寝たよ。どきどきしたなあ。セックスとは別の意味でどきどきした。あまずっぱくてね……。すてきな夜だったよ。 次の日はね、もう最初から、俺の寝室で勇利が待っていた。お風呂から上がって部屋へ行ったら、にこにこしながら勇利がベッドに寝てたんだ。だめ? って言うから、やっぱりそのときも、いいよって答えた。俺は勇利と眠れるのがうれしかった。でも、二日も何もしないままじゃ、男としてどうなんだろうという気もした。勇利とただ眠るのもすてきだけど……。 そしたら、勇利が言ったんだ。ヴィクトル、何もしなくていいよ、って。一瞬焦ったよ。勇利はもう俺としたくないか、それとも、俺がもうしたくないと思ってるときめつけてそんなふうに言ってるのかって。彼は続けてこう言った。ヴィクトル、まだぼくのこと抱きたいと思ってくれてる? 俺は答えた。もちろんさ。じゃあ、いつかしてね。勇利はほほえんだ。ぼくはいつでもいいからね。 クリス……、このときの俺の気持ちがわかるか? 気が狂いそうだったよ。正直、もう痛いほどたってた。え? うるさいな。真実なんだ。あんなに下半身がおかしくなったことはないよ。いや、まあ、勇利を抱こうとした最初の夜もそんな感じだったけどね。でも、それを踏まえての勇利のせりふで、その勇利のせりふを踏まえての俺だったから、やっぱりそれ以上なのかな。 もう我慢できなくなって言っちゃったよ。じゃあいますぐ。勇利は驚いたみたいだけど、すぐににっこり笑って、うん、だって。この、うん、っていう言い方が最高だったんだ。いちずで、けなげで、清楚でね……、もう、俺の勇利、って感じで……。 このあとはひみつだ。深く愛しあって結ばれた、とだけ言っておくよ。じつはね……、それからもう何度もしてるんだけど、そのたびに勇利はかわいくなって……初々しくなって……そういうことを知ったら普通、人は変わるものだと思うんだが……勇利は……いや、変わってるんだよ。変わってるんだけど……、……上手く言えない……。そんなことは俺だけがわかっていればいいね! そういうわけで、俺と勇利は愛しあっているんだ。クリス、いろいろ心配かけたね。安心したかい? 今度、俺たちの愛の城に遊びに来てくれよ。歓迎するよ。クリスも早くいい人をみつけるんだよ。俺にとっての勇利、勇利にとっての俺のような誰かがクリスにも寄り添ってくれることを祈っているよ。え? もうかけてくるな? なんで? やあ、クリス。聞いて聞いて。聞いてくれ。……なんでそんな声出す? もう用事はないだろうって? あるよ。どうしてないって思うんだ? え? 勇利と喧嘩? してないよ。いや、ちいさな喧嘩はするけどね。勇利は喧嘩のときもかわいいっていうか……、なんだ、クリスが言い出したんじゃないか。訊いておいて何なんだ。 とにかく俺と勇利は順調だよ。だから聞いて欲しいんだ。 セックスはたびたびしてる。俺はいつも勇利のことを考えて、こころから尽くしてるんだ。勇利のためになることならなんでもしたいんだよ。でも、自分本位にならないように気をつけてる。勇利はうぶで清純だから、俺が普通と思ったことや、いいと思ったことも、彼にとっては未知でこわいことかもしれないからね。ひとつひとつ確認してやってるんだ。……もうへたくそじゃないって? うるさいな。勇利は最初から、俺がへたくそだなんて思ってなかったそうだよ。気を��ってるわけじゃない! 勇利はうそなんかつかないぞ! でね、とにかく俺は勇利のためにいろいろしたくてがんばってるものだから、気になってたんだよ。何がって感想が。どうだったんだろうって。気持ちよかったかな? いつも考えてた。でも勇利は恥ずかしがり屋だからなかなか言ってくれないし。 俺? 俺はいつも最高だよ。すごく気持ちいいよ。でもね……、でも……。 いや、そうじゃない。問題はない。ただ俺は……、俺は、自分が汚れてるような気がしてね……。何を驚いてる? 昨日も一緒に寝たんだ。それで、勇利といろいろして……あれこれと彼に尽くして、愛しあって、それで終わって、ふうっと息をついた。俺は完璧にみたされていて、にこにこしてたんだ。勇利、気持ちよかったねって言おうとした。そうしたら、それよりちょっとだけ早く勇利が口をひらいたんだ。そして言った。 ヴィクトル、しあわせだったね。 ……しあわせだったね、だよ? 俺が気持ちいいなんて言おうとしたときに、勇利はしあわせだったと言ったんだ。初めての彼の感想……。勇利は俺との行為に幸福を感じてくれていたわけだ。たまらなくうれしかったよ。でも、同時に……、身体のことしか考えてない俺って何なんだと思ったさ。いや、しあわせじゃないわけじゃない。このうえなく幸福だよ。天にも昇るここちだ。だが、俺の口をついて出そうになったのは、気持ちよかった、という言葉だった。 クリス……、勇利に身体目当てだと思われてたらどうしよう? いつも言ってるんだよ、俺。勇利に。最中は『気持ちいいね』、終わったときは『気持ちよかったね』って。毎回毎回言ってる。気持ちよかったよ、ってキスして伝えてる。勇利はどう受け取っただろう。だって、つまり彼は、最中は『しあわせだ』、終わったら『しあわせだったなあ』と思ってるわけだろ。気持ちいい気持ちいいって連発してる俺は何なんだ。セックスのことしか頭にない男みたいじゃないか? 勇利にけがらわしいって思われていたらどうしよう。そのことで勇利に何か言われたことはないけど。気持ちいいってあまり言わないほうがいいのかな。だって気持ちいいんだ。口からつい出ちゃうんだよ。だけど勇利が俺のこと、ただのセックス男って思ったら……。ああ、でも、勇利、俺とするのしあわせなんだな。いつもそう思いながら抱かれてるんだな。それってすてきだね。すごくうれしいな。……だけど、俺が気持ちいいことしか考えてないって思われたら……。 ちょっと昨日から堂々めぐりなんだよ。クリス、どう思う? 俺、やりたいだけの男に見えるかい? そうじゃないんだよ。そうじゃないんだ。ただ、あんなに気持ちいいのは初めてだから……、俺は勇利におぼれてるから……だから……つい言ってしまう……。 あ、勇利が呼んでる。行かなきゃ。じゃあねクリス! また! 「いったいいつまでかけてくるつもりだ?」 電話を切ったクリストフは深い溜息をつき、ヴィクトルがこんなにおしゃべりな男だなんて知らなかった、とひとりこぼした。何をこう話すことがあるのだか。……いや、まあ、何をというか勇利のことだが。 あの超然と構えた、なにごとにも動じない男が、勇利のたったひとこと、たったひとつの行動でこんなにも動揺したり喜んだりするとは思わなかった。可笑しい。本当にあのヴィクトルだろうか、とクリストフはしばしば考えたりするのである。 そもそも、言っていることが妙ではないか。冷静に思案すればわかるようなことばかりでヴィクトルは悩んでいる。クリストフから見ればあきれるような、おかしなことで彼は真剣に思いわずらい、どう思うと相談を持ちかけ、勇利にどんなふうに受け取られただろうとうれしそうに苦しんでいるのである。まったくまともな判断ので��ない状態だ。ヴィクトルがこんなにぽんこつだなんて。 「愛ってのはすごいもんだね」 クリストフは窓辺に立ち、グラスを手にして、つめたい飲み物を飲んだ。 「ヴィクトル……、いま君が報告してきたその楽しそうな悩みはね……、同じことなんだよ」 クリストフの足元に愛猫がやってきた。クリストフはほほえんで優しく撫でてやった。 「君の『気持ちいい』も、勇利の『しあわせだった』も……、同じ意味なんだ」 つまりね、君たちは、お互いに「愛してる」と言っているわけだ。 「ばかばかしいから、教えてあげないけどね」
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魔女の霊薬 種村季弘
十六世紀ドイツの画家ハンス・バルドゥングス・グリーンに、「魔女たち」と題して、数人の魔女が恍惚状態で飛翔したり、そのための準備をしているらしい場景を描いた一幅の銅板画がある。後方に水平に浮遊している老婆が片方の手に尖の二股状になった杖を持ち、もう一方の手で、なかば浮き上った若い娘の腰を抱えて何処(いずこ)かへ拉し去ろうとしている。前景右手には、片手にもうもうと煙を上げる魔香の器を掲げて今にも地を離れんばかりのエクスタシーに浸っている女がいる。
注目すべきはしかし、それよりさらに前景左手の女である。彼女は左の手に何やら呪文のようなものを記入した紙片を持ち、もう一方の手を股間に押入して(後方にぐつぐつ煮えている釜から取り出したものであろう)塗膏(ぬりあぶら)らしきものを陰部に塗布しているのである。呪文と見えたのは、あるいは塗膏の製法または用法を書きとめた処方箋でもあろうか。仔細に見ると、この銅版画は映画的な連続場面で構成されていて、最前景の塗膏を塗布している魔女が遠景に退くのにつれて、徐々にエクスタシーに陥りながら催眠状態で飛翔する(もしくは飛行感覚に襲われる)過程を刻明に記述していることがわかる。
バルドゥングス・グリーンばかりではない。ゴヤも(「サバトへの道」)、アントワーヌ・ヴィルツもレオノール・フィニーも、古来魔女を描いたほとんどの画家が、箒にまたがって空中を飛行する魔女を描いた。魔女は飛ぶのである。しかも股間にあやしげな塗膏をなすり込むことによって。これこそが悪名高い「魔女の塗膏」であった。
ところで、一体、魔女の塗膏の成分はどんなものだったのだろうか。血やグロテスクな小動物のような、さまざまの呪術的成分を混じてはいるけれども、主成分はおおむね幻覚剤的な薬用植物であったようだ。ゲッチンゲン大学の精神病理学学者H・ロイナー教授は魔女の塗膏の成分を分析して、混合されたアルカロイドの種類をおよそ五種に大別した。
一、 イヌホオズキ属のアトロパ・べラドンナから抽出されるアトロビン。
二、 ヒヨスから抽出したヒヨスキアミン。
三、 トリカブトのアコニチン。
四、 ダトゥラ・ストニモニウムから取ったスコポラミン。
五、 オランダぱせりからのアフォディシアクム。
これらの各成分から醸し出される効果はまず深い昏睡状態であり、ついで、しばしば性的に儀式化された夢幻的幻視、飛行体験などである。おそらく媚薬(アフロディシアクム)として常用されたオランダぱせりは性的狂宴効果を高めたであろう。魔女審問の記録(十六、七世紀)には、実際におこなわれたものか、それともたんなる幻覚であったの定めではないか、ソドミー、ぺデラスティー、近親相姦のような倒錯性愛の告白がいた���ところに見られる。告白された淫行のなかには悪魔の肛門接吻(アナル・キス)のように入社儀式化されているものもあった。アコニチンによる動悸不全はおそらく飛翔からの失墜感覚を惹起した。またベラドンナによる幻覚は、はげしく舞踊と結びつくと運動性の不安――すなわち飛行感覚を喚起する。睡眠への堕落、性的興奮、飛行感覚は、こうして各成分の作用の時差によって交互に複雑に出没する消長を遂げるものにちがいない。
使用法は、右のアルカロイド抽出物の混合液を煮つめたものに、新生児の血や脂、煤などを加えて軟膏状にこしらえたものを、太腿の内側、肩の窪み、女陰のまわりなどにすり込むのである。さて、細工は流々、はたして所期の効果が得られるであろうか。
現代の学者で魔女の塗膏を実際に当時の処方通りに造って人体実験をしてみた人がいる。自然魔術と汎知論、あるいはパラケルスス研究やシュレジア地方の伝説採集の研究で高名な民俗学者ウィルーエーリッヒ・ポイケルト教授である。一九六〇年、ポイケルトと知人のある法律家は、十七世紀の魔女の塗膏を処方通りに復元して、こころみに自分の額と肩の窪みにすり込んでみた。成分はベラドンナ、ヒヨス、朝鮮朝顔、その他の毒性植物を混合したものであった。まもなく二人はけだるい疲労に襲われ、ついで一種の陶酔状態で朦朧となり、それから深い昏睡状態に陥った。目がさめたのようやく二十四時間後で、かなりの頭痛を覚え、口腔からからに渇き切っていた。二人はそれから、時を移さずにぞれぞれ別個に「体験」を記述した。結果はほとんど口裏を合わせたように一致し、しかも、三百年前、異端審問官の拷問によって無理矢理吐き出させられた魔女たちの告白とおどろくべき一致を示したのである。
「私たちの長時間睡眠のなか��体験されたものは、無限の空間へのファンタスティックな飛翔、顔というよりはいやらしい醜面をぶら下げている、さまざまな生き物囲まれたグロテスクな祭り、原始的な地獄めぐり、深い失墜、悪魔の冒険などであった。」(ポイケルト『部屋のなかの悪魔の亡霊』)
してみると十六、七世紀の魔女たちの証言はかならずしも根も葉もない虚構ではなかったのである。一五二五年に『異端審問書』を書いたバルトロメウス・デ・スピナは、当時の有名な医者ぺルガモのアウグストゥス・デ・トゥレが、その家の女中が部屋のなかで素裸になり意識を失って死んだように床に倒れているのを発見した委細を記録している。翌朝、正気に戻ったところを尋ねてみると、彼女は「旅に出ていた」と答えたという。どうやら塗膏を使用したのである。ルネッサンス・イタリアの自然科学学者ヒエロニムス・カルダーヌス(カルダーノ)も旅の幻覚を伴う塗膏の話を書いている。
「それは、おどろくべき事物の数々を見させる効力と作用を有しているとされ……大部分は快楽の家、縁なす行楽地、素晴らしい大宴会、種々様々のきらびやかな衣装を着飾った美しい若者たち、王侯、貴顕の士、要するに人の心を呪縛し魅するありとあらゆるものを目に見させ、ために人びとはてっきりこれらの気晴らしや快楽を享楽し娯しんでいると錯覚さえする。彼らはしかし、一方では、悪魔、鳥、牢獄、荒野だの、絞首吏や拷問刑吏の醜怪な姿だの、とかをも眼にするのであって……そのため非常に遠い奇妙な国を旅行したような気がするほどである。」
おそらく現代の幻覚剤による「旅(トリップ)」と同じような、未知の空間への旅行が体験されたのであろう。ヒエロニムス・ボッシュの「千年王国」の天国と地獄を一またぎするような、至福と恐怖がこもごも登場するその旅の旅行の体験の内実は、「ビート族のベヨーテ生活」の至福共同体が「ある敷居を境に苦痛の闇へと転落し、そこからヒップスター生活が犯罪の世界へ繋っていく」(ワイリー・サイファー)ところまで、現代の幻覚剤体験そっくりだったようだ。
幻覚剤文明が現代の特産物ではないように、魔女の塗膏もキリスト教的中世独特の薬物ではなかった。それは古代ローマにも、それ以前の蒼古たる地中海文明的なかにも、明らかに存在していた。ただ、またしてもその意味が違っていたのだ。キリスト教的中世の魔女の塗膏が忌むべき禁止の対象であったのにひきかえ、そこでは同じものが驚異の対象だった���らである。
もっとも著名な例は、アプレイウスの『黄金の驢馬』の主人公ルキウスが魔女���いた小婢フォティスの導き屋根裏の小部屋の扉の隙間ごしに覗き見るパンフォレエの変身であろう。ミロオの妻パンフォレエは人眼に隠されて塗膏を身体中に塗り、鳥に変身して夜な夜な恋する男のもとへの飛んでゆく。
「見るとパンフォレエは最初にすっかり着ていた着物を脱いでしまうと、とある筐(はこ)を開いて中からいくつもの小箱を取り出し、その一つの蓋を取り去って、その中に入った塗膏をつまみ取ると、長いこと掌でこねつけておりましたが、そのうち爪先から頭髪のさままでからだじゅうにそれを塗りたくりました。そいでいろいろ何かこそこそ燭台に向ってつぶやいてから、手足を小刻みにぶるぶると震わせるのでした。すると、体のゆるやかに揺れうごくにつれて柔かい軟毛(にこげ)がだんだんと生え出し、しっかりした二つの翼までが延び出て、鼻は曲って硬くなり、爪はみな鉤状に変わって、パンフォレエは木菟(みみずく)になり変わったのです。
そうして低い啼き声を立てると、まず様子を吟味するように少しずつ地面から飛び上がるうち、次第に高く上がってゆくと見るまに、いっぱい羽根をひろげて、外へ飛んでってしまいました。」(呉茂一訳)
この場合にもパンフォレエの羽化登仙的な至福感は事の一面を物語っているにすぎない。同じ塗膏をフォティスから手に入れたルキウスは、同じようにそれを身体中に塗りたくりながら鳥とは似もつかぬ鈍重な驢馬に変身してしまう。それは天上的なものの失墜した果ての、道化た、暗い、醜悪な実相である。以後、彼はヒエロニムス・カルダーヌスのいわゆる「非常に遠い奇妙な国」の間をさまざまの魔物や物の怪に囲まれながらさまよいつづけなくてはならない。天上の飛翔は、一転、暗い冥府の旅に変るのである。
さて、このように両極的な作用を及ぼす『黄金の驢馬』の魔女の塗膏の成分は、一体どのようなものだったのであろうか。フォティスはこれらの驚異が「小さな、つまらない野草のおかげで」成就すると説明している。「茴香(ういきょう)をちょっぴり桂の葉をそえ、泉の水に浸したものを身に浴びるとか、飲むとかするだけ」でよく、また変身の解毒剤には「薔薇の花」を食べればよい。これ以上の説明がないので詳細は不明であるが、塗膏が茴香や桂の葉を含むいくつかの野草から合成されたことだけはたしかである。
ローマ文学史上、アプレイウス(一二三頃~一九〇年?)が登場するのは白銀時代も終焉してからのことであった。すでにこの頃、オリエントの異教はローマに流入して熱病のような猛威をふるっていた。しかし魔女の薬草はこれより早く、すでに黄金時代から重要な文学的トポスとしてしばしば詩文学の上に登場している。さいわい、ゲオルク・ルックという学者が黄金時代の四人の詩人に焦点をしぼって、『ローマ文学における魔女と魔法』について論じているので、これを参照しながらローマにおける魔女の塗膏の繁昌とその源泉をしばらく訪ねてみよう。
アプレイウスのパンフォレエが「恋いこがれた男」のもとに飛んでいくために鳥に変身したように、塗膏の効果の主たる目的の一つは明らかに愛の魔法であった。正確にはむしろ愛の錬金術というべきかもしれない。なぜから塗膏は、別れた男女をふたたび合一させたり、げんに夫婦である男女を分離させてその一方をよこしまにも他の男や女に結びつけようとする、分離と結合のための触媒の役を果たしたからだ。それゆえに塗膏の使い手反しばしばローマの悪場所である売淫の街区スブーラに巣食う百戦錬磨の取り持ち女たちであった。
盛期黄金時代の詩人ウェルギリウス(前七十~十九年)の『牧歌』第八に、ダフニスに恋をして捨てられた女が魔法で男を呼び返そうと逸話が見える。ふつうから職業的な魔女の家を訪うべきところであるが、この女(そもそも『牧歌』第八のこの箇所は、牧人ダモンとアルフェシボエウスが歌くらべをして、アルフェシボエウスが魔法を実演してみせるためにその女にじかになり変わり、彼女の声、言葉、状態を直接に演じているので、女は無名である)は女奴隷のアマリリスを助手に使い、かつて大妖術使いのモエリスから伝授された霊薬の製法を駆使して、みずから愛の魔法を演じてみせる。はじめに彼女はアマリリスを呼び寄せてつぎのように命じる。
「水を持ってきて、そこの祭壇をやわらかい紐でお結び。それから強い野草と匂いのきつい乳香を燃やすのだよ、そうすれば情夫(あのひと)の狂った気持を魔法の供物(くもつ)で惑わしてやれるのだから。足りたいのはあと魔法の呪文だけ。――街から家へ、私の呪文よ、ダフニスを連れ戻しておくれ。」
祭壇に結び紐、野草、呪文といった魔法が早くもあらわれている。「やわらかい紐」はおそらく羊毛の紐で、羊毛の紐には霊的呪縛力があると信じられていた。紐の結び方は、まず不実な相手の肖像画の首のすわりにそれぞれ三色(黒、白、赤)に彩った三本の紐をかけ、この画を祭壇のまわりに三度めぐらせる。「三つの異なる色を三つの結び目でひとつに結ぶかいい、アマリリス、結びつけさえすればいいのだよ、アマリリス、そしてお言い、〈私の愛の絆(きずな)を結ぶ〉と。」
三の数がしきりに重用されるのは、「神は奇数をおよろこびになる」からである。したがって「愛の絆」云々の畳句(ルフラン)も三x三の九回唱えられる。紐の三色のうち黒は冥府の色で、赤と白は悪を予防する保護色であり、黒を中心にしていわば施術者を庇護してくれる。こうして呪縛――結合(katadesis)が完了し、ダフニスは空間を立ち越えて施術者につながれてしまう。しかし魔法はこれで終わりではない。無気味な呪いの人形の焚刑がこれにつづく。
「粘土が火で固くなるように、蠟が同じ火にあった溶けるように、ダフニスは愛のために私のところにやってくる。供物の碾(ひ)き粉を徹き、もろい月桂樹を瀝青で燃やすがいい。悪いダフニスが私を燃やし、私はこの月桂樹の枝と私のダフニスを燃やす。」
呪いの人形はホスティウスの『諷刺詩篇』第一巻八「魔女とかかし」にも登場するが、ここでは魔女は「毛制と蠟制の二つの像をもっていた」(鈴木一郎訳)とあって、はっきり人体を模している。しかしウェルギリウスでは粘土や蠟をダフニスの姿に似せて捏ねておく必要はなかった。男の名前や不実を意味する符号が粘土や蠟に刻み込まれていたかもしれないが、顔形を模造するまでもなく、施術者の女がこれこれの呪物によってダフニスを意味し、それが相手だと考えればよかったのである。粘土は火のなかで固くなり、蠟は軟らかくなる。ゲオルク・ルックの注解によると、粘土は女の(相手にたいして硬化する)憎悪の固さをあらわし、蠟は彼女にたいしてふたたび軟化するであろう男の気持をあらわしている。異解では、粘土が固くなるのは、彼女から離れて他の情婦に移ったダフニスの気持を憎むべきコイ恋仇にたいして固くさせるの意である。同時に投げ込まれる月桂樹は願いの筋の吉凶を知らせてくれる。月桂樹がバチバチ爆(は)ぜて燃えれば願いはかない、燃えつきが悪ければさらに瀝青を注いで火を熾(おこ)らせるのである。
だが、つぎつぎにおこなわれる魔法にもかかわらず吉兆は一向にあらわれない。そこで女は、ダフニスが「担保」としてのこしていった衣服を閾(しきい)の下に埋めて地下の神々の裁きを乞う。「ダフニスは私にこの担保の借りがあるのだ」と。事態はこれでも好転しないので、女はアマリリスに先程燃えていた火の冷めた灰を河に持っていって投げ捨てるように命じる。その場合、灰を運んだらそれを「頭越しに」河に捨て、そちらの方を見ないで帰ってこなくてはならない。そうしないと悪霊がかえって施術者の側に憑(つ)いてしまうおそれがあるからである。かくて灰は流れに運ばれて「ダフニスを襲うであろう」。
この箇所では、女はダフニスへ呪縛をひとたび放棄して、呪いの灰で彼を襲うためにふたたび相手から分離している。「結合(カタデシス)の後にかりそめの「分離(アポリシス)」がつづくのである。この分離は恒久的なものではない。最後の結合手段として効果甚大な薬草(野草)が控えているのを女は知っている。しかしその力はあまりにも強大で、まかりまちがえば周囲に致命的な影響を及ぼす。そのために、一瞬、女は最後の切札を出すべきかどうかを逡巡する。するとこの瞬間、一度冷たくなった灰がふたたびめらめらと燃え上って祭壇を焦がしはじめる。
「これは吉兆だ!明らかにこれは何事かを意味している。――これを信じるべきなのか。それとも恋する女が魔法の夢にまどわされているのか。止まれ、わが呪文よ、止まれ。ダフニスはすでに都(みやこ)から帰りつつある。」
強烈な薬草を用いるまでもなく愛の魔法は成就する。しかし抜かずに終わった伝家の宝刀を彼女は依然として持ってはいるのである。それほどのようなものか。
「黒海沿岸で採集されたこの薬草と毒草は、モエリスがみずから私にくれたもので――それは黒海地方に多生している、しばしば私は、モエリスがこれを使って狼に変身して森のなかに姿を隠したり、深い墓穴から霊魂を喚び戻したり、穀物をよその土地に移したりするのを見た。」
薬草は単純な野草ではなく、特に「黒海地方に多生する」と明示されている。ホラティウスも初期の『エポーディ』のなかで、「毒薬の国イオルコスとヒべリアからきた毒薬」について語っている。ヒべリアは現代のグルジア共和国で、黒海地方に属する。黒海という地方は当然コルキス生まれの大魔女メデアを連想させるにちがいない。実際、詩人たちが邪悪な薬物の出所として念頭に浮かべているのはメデアその人なのである。メデアの壮大な魔法を活写した『転身物語』のオウィディウスはいうまでもなくティブルスも、「キルケ―か持ち、メデアが持っているあらゆる毒薬、デッサリアの地に生れたあらゆる薬草、欲情にたける雌馬の女陰からしたたる粘液」(『『哀歌』』と列挙する。オウィディウスのメデアは龍に打ちまたがってデッサリアに飛び、そこから薬草を採ってくる。すなわち薬草の特産地として、黒海沿岸とデッサリアといういずれ劣らぬ不気味な地方がいちじるしく強調されるのだが、これが何を意味するかについてはのちに述べたいと思う。
さて、ウェルギスウスの述べているモエリスの薬草の三つの応用例のうち、一は人狼変身、二は死者を喚起する降霊術(ネクロマンシ―)、三は穀物の生殖力の転移にそれぞれ関わる。人狼変身の話は後代(紀元一世紀)の『サテュリコン』の「トリマルキオーの饗宴」にも出てくるが、人狼信仰はおそらく神話時代に遡る起源を有している。ところがで、ロイナー教授は神話学者ランケ・グレイヴスらの説を援用して、オリュムボス神の飲食物たるアルブロジア(神々の食物)やネクタール(神々の美酒)が右のごとき幻覚性の薬物そのものではなかったとしても、そのエッセンス多量に混じていたにちがいないと推定する。ディオニュソス祭儀のメーナードたちの狂乱もこれと無関係ではない。
アルブロジアややネクタールを飲食する権限を独占している神々は、おそらく有史以前の聖なる王や女王たち(その前身はシャーマンであろう)であった。彼らの王朝が没落した後、それは、閉鎖的結社的なエレウシス密議やオルフェウス密議の秘密の要素となり、ディオニュソス祭儀とも結びついだ。密議の参加者たちは密議の席で共食した飲物や食物を絶対に口外してはならなかった。そうすることによって忘れ難い一連のヴィジョンが体験され、その類推的延長の上に超越的世界における不死と永生が約束されたからである。
ディオニュソス祭儀のメーナードたちの狂乱は、内的には飛翔感覚や性的興奮を伴い、外面的にはさながら狼のような凶暴を示したものにちがいない。彼女たちは髪をふり乱しながら国中を進行し、家畜や子供をずたずたに引き裂き、酒や薬物入りのピールに酔って「インドに旅行してきた」ことをひけらかした。してみると、見知らぬ士兵や妖術使いの人狼変身は、密議的な幻覚共同体が崩壊した後、秘密から疎外された個人や小集団が犯罪の形で表出せざるを得なかった聖なる薬物体験であったとおぼしいのである。
メーナードの末裔のように残酷な魔女たちは、先にふれたホラティウスの『エポーディ』にも登場してくる。数人の魔女が良家の子供を誘拐してきて、地面に首だけが出るように生き埋めにし、御馳走が山盛りの血を眼の前において(口元まで皿がきていても手が使えないので食べられないのだ)凄まじい飢えの修羅場をながながとたのしみ、はては生きたままの身体から骨髄と生き肝をちぎりとり、これを煮つめて媚薬をつくる。
「髪に、さてはまた蓬髪乱れる頭に、小さな蝮どもを絡ませながら、カニディアはコルキスの焔のなかにつぎのものを投ぜよと命じた。墓場から引き抜いてきた野生のいちじくの樹、死者の樹なる糸杉の木材、いやらしい蟇の血に塗られた卵、夜鳥ストリックスの羽根、毒草の国イオルコスとヒべリアからきた野草、飢えた牝犬の口からもぎとってきた骨を。」
これに子供の生き巻肝を加えれば魔女の霊薬は完成する。怖ろしい魔女カニディアのつくる媚薬は、ウェルギリウス作品の場合と同様、ある不実な男を呪縛するためである。しかし不思議なことに、カニディアの媚薬は予期したような効果を発揮しない。男の名はヴァールス、「老いぼれの漁色家」である。いましも彼は「私の手がこれ以上完璧には調和することのない塗膏(ポマード)を塗られ」て、魔窟スプーラの犬に吠えつかれ、人びとの物笑いの種になっているはずであるのに、これはどうしたことであろう。彼はこともなげに街をうろついて夜の冒険に出かけている。やがてカニディアは「(自分より)さらに秘密に通じた魔女」が彼の背後にいて、その呪文が自分の塗膏の効果を台なしにしていることをさとる。「もっと強力な薬を、そのもっと強力なやつをお前��ら取り上げてやる」。こうして毒物と解毒剤が互いにきそいながら老ヴァールスを板はさみにしてしまうわけた。
それはちょうど、十八世紀毒殺魔ド・ブランヴィリエ侯爵夫人が夫の侯爵を亡き者にしようと毒を盛ると、度重なる毒殺の発覚をおそれた相棒のサント・クロアが解毒剤をあたえ、毒と解毒のシーソーゲームのなかで中途半端な廃人となった侯爵が、宙ぶらりんな生かさず殺さずの、世にも恐ろしい余生を送ったのとそっくりであった。
ヴァールスというのが誰をモデルにした人物ではっきりしない。しかしホラティウスの知人であることはたしかで、詩人ははっきりとヴァールスの肩を持ち、かつカニディアを憎んでいる。一方カニディアは、詩人の庇護者マェーケーナスがローマの無縁墓地エスクィリーナエの丘を自分の庭園に造りなおした際、この旧墓地に出没した魔女である。ホラティウスは「汝、マドロスや旅商人どもにあまた愛された女」と侮蔑しているので、前身は港町の娼婦かいかがわしい取り持ち女の類であろう。一説には、本名をグラティディアと称してナポリで美顔用塗膏を商っていた実在の女であるともいう。
ホラティウスは何故かこの女を心底から憎悪していた。開明的なエピキュリアンであったホラティウスはむろん魔法を真に受けていたわけではないが、不倶戴天の敵カニティアの脅威は身をもって知っていたらしい。カニディアは詩人に執拗に呪いをかけた。『エポーディ』前半ではカニディアを揶揄していた詩人も、第十七歌あたりではさすかに音(ね)を上げて魔女に降参してしまう(「やめろ、やめてくれ!私は効き目のある術に降服する!」)カニディアとホラティウスの間には直接の色情的怨恨はないのに、何故こうも執拗に呪詛し憎悪し合うのであろう。目下の論題から離れるので無用の詮索ではあるが、講和主義として敗北してから「黄金の中庸」を看板に韜晦してきたホラティウスの、政敵にたいする潜在的な不安が魔女カニディアの姿に結実したのだとすれば含意は深長である。
ところで、先に私は、老ヴァールスがより秘密に通じた別の魔女から対抗秘薬を調達し、カニディアの塗膏から身を護った経緯を述べたが、正確にはこれは逆である。漁色家ヴァールスは老いかけた精力を挽回するために(別の)魔女に催淫剤を依頼し、そのお蔭で老齢にもかかわらず夜な夜なスプーラに出没することができたのであった。一方、カニディアの塗膏は通常の媚薬とに逆に、この好色な遊び人を性的不能に陥らせる麻痺的な減退剤であったにちがいない。なぜなら「老漁色家がスプーラに犬に吠えつかれ、人びとの物笑いの種になる」効果を狙った薬物は、相手を���街における無用の徒である不能者に仕立てるための、底意地の悪い精力減退の薬にほかならないだろうからである。この不能不毛化させる魔法は、ウェルギリウスのいう「第三の魔法」である穀物の生殖力の転移盗奪の法にも通じている。
ローマ最古の法文書である十二銅表律は、隣人の耕地の収穫物を荒廃させる災いの魔法を重罰をもって禁じている。罰は犯罪を前提としているので、すでに当時から他人の畑の生産力を涸渇させ、(あまつさえ)これを我田引水しておのが腹を肥やす魔法が実践されていたのであった。本来神と自然の摂理のみが按配すべき穀物の作不作が人為の魔法によって操作されるのなら、同じことは人間的自然である肉体の活力の、特に性的エネルギーの増減についても通用するはずである。
ホラティウスがカニディアに蒙ったの呪い魔法は、老ヴァールスのような精力衰弱のそれぞれではなかったが、肉体のすみやかな老化という脅威であった。彼の髪は急速に白くなり、仕事は日々困難になりまさり、一瞬として息を吐くひまもなくなるであろうというのが、カニディアの呪いに籠めた脅迫であった。事実、ホラティウスは年齢より早く白髪が目立ち始めていたが、それがカニディアの魔法のたまものという証拠はなく、むしろ詩人は生来の病身にもかかわらず健康を維持し、日々の仕事も快適に楽しんでいた。彼はカニディアの悪意を感得してはいたが、魔法そのものはそれほど本気で信じていたわけではなかった。
ウェルギリウスやホラティウスの同時代の詩人プロベルティウス(前四十八?~十九年)も魔女の呪いを蒙ったことがある。プロベルティウスの受けた呪いは、まさに彼の男性としての能力の荒廃の脅威であった。敵なる魔女はその名もアカンティスといい、魔法をあやつると同時にやはり男女の仲を斡旋する取り持ち女でもあった。そもそもおらゆる種類の自然と蔑視してその正常な運行を人為的に左右しようとするプロメテウス的瀆神行為である魔法を、とりわけ肉体のの領域において一手に引き受けていたのは、先にも述べたように、当時スブーラに巣食っていた卑賤な薬草売りの魔女やあやしげな取り持ち女だった。ホラティウスの『エポーディ』のいちじるしい影響下にある『哀歌』のなかで、プロペルティウスはほとんどホラティウスをそのまま踏襲しながら唱っている。
「彼女(アカンティス)はつれないヒッポリュトスをアプロディーテーにたいして和ませるすべをすら心得ているのだ、水入らずの愛の絆にたいする最悪の災いの鳥であるこの女性。彼女はベネローベをさえ、その夫の知らせなどおかまいなしに、淫蕩なアンティノースとめあわせることだろう。彼女がその気になれば、磁石はもはや鉄を牽引せず、鳥はその小鳥たちの巣のなかで継母(ままはは)となる。すなわち彼女がポルタ・コリナの野草を掘り出したならば、固く結ばれていたものはすべて流れる水に溶け去るのだ。彼女は大胆にも月に呪文をかけ、月をおのが掟に従わせ、夜な夜なその肉体を狼の姿に隠す。醒めている夫の眼を環形でくらませるために、彼女は処女の雌鳥どもの眼を爪でくり抜く。彼女は魔女たちと結託して私の男性の能力を去勢させようとし、私に害をあたえようものと子持ちの雌馬の欲情の愛液を集めた。」
アカンティスはエロチックな引力(共感)と斥力(反感)の結合(カタデシス)と分離(アポリシス)の両極原理を基盤とする錬金術的性愛術を自在に操るのである。思うがままに貞淑ペネローペを淫蕩なアンティノース靡かせ、冷たいヒッポリュトスにアプロディーテーにたいする熱烈な情欲をかきたてる。彼女は自然の法則を嘲笑し、リビトーの流れをあちらからこちらへと変えたり、涸らしたり、増量させたりすることさえできる。共夫の女をよこしまな道楽者に取り持つように頼まれれば、不運な男の眼を鳥の眼をくり抜くようにくらませ、あまつさえ他人の畑の作物を枯らすようにしてそのリビドーを荒廃させ、不能の夫から強壮薬で男性的魅力をいやが上に引き立たせられた道楽者の方へと女の浮いた心を誘導していく。共感の法則をたくみに使い分けて、愛し合う男女を別れさせたり、嫌われた相手を手元にたぐり寄せたりするのである。
もっとも、このときにこそ魔女アカンティスを憎々しげた呪詛しているプロベルティウスであるが、彼自身、若年の頃は靡かぬ片恋の人「キンティア情(なさけ)を買うために「キタイアの女の魔法の呪文によって星辰や河の軌道を転ずることができ」、「わが主なる女(ひと)の心を変えて、彼女の貌(かんばせ)を私のそれよりも蒼ざめさせる」魔女の性愛術に帰依したことがあったのである。
アカンティスの魔法の中心にあるのも「ボルタ・コリナの野草」である。黒海やコーカサス地方の野草ではなく、市郊外の入手しやすい野草に頼ったのは輸入品が高価だったからであろう。いずれにせよ、この野草を投ずることによって、星の運行、河川の流れ、男女の情愛、磁力や母子愛まで、自然の正常な摂理は突然ばらばらに分解し、崩壊した積木の神殿を魔女の家に組み立てなおすように、別種の構成原理の手に委ねられる。
端的にいえば、この瞬間に世界は昼の側から夜の側に逆転し、世界原理の主宰者が神と宗教から悪魔(もしくは魔霊(デーモン)と魔法に交替する。あるいは天地創造の原活力たる火が神の手からプロメテウスに簒奪される、といってもいい。このように、あらゆる魔法使いは自然の法則を嘲笑するプロメテウスにほかならないのである。
「宗教的人間の態度は、祈る人、懺悔する人の態度であり、魔法使いの態度は主人と支配者の態度である。信仰篤い人間は祈りのなかで彼の神々に自分の優位を感じさせ、呪文によって神々を屈服させる。ある意味で魔法使いは神々の上に立っている。なぜなら彼は、神々がそれに従わなければならないと呼びかけと誓言とを知っており、かつ服従させられた神々の怒りから身を護る予防策に精通しているからである。」(ゲオルタ・ルック)
ローマの詩人たちは���教詩人というよりはむしろ世故に通じたエピキュリアンであった。彼らは神々の側に立って魔法使いや魔女をきびしく紏弾したわけではない。そうかといって、あまたの魔女の姿を描いたにもせよ、彼らは悪魔崇拝に首までどっぷりと浸って秘教的な暗黒詩を書いたのでもない。
詩人たちが魔法にたいしてあいまいな態度をとりつづけたのは、彼ら自身と魔法使いたちとの間に存在した隠微な抗争のためであった。彼らは宗教の側に立って魔法を攻撃することこそあえてしなかったが、彼らなりに魔法を嘲弄もしくは嫉妬していた。なぜなら魔法が万事を解決してしまえば、彼らの持駒である言葉の救済力という白い魔術の出番がなくなってしまうからである。「歌(カルメーン)の原義は「魔法の歌」、「魔術的呪文」であった。「詩作(ポイエーテス)」もまた言葉の自然状態の組み変えというプロメテウス的行為である。それゆえに詩人もまた「傲慢(ヒュブリス)」の罪によってみずからはコーカサスの山巓にさらされながら地上の人びとに慰藉を授ける。プロベルティウスの言葉の医術についての確信は反語的である。
私は離ればなれにさせられた恋人たちをふたたび合一させることができ、
主(ぬし)なる女(ひと)の抗う扉を開くことができる。
私は他人(ひと)の生々しい悲哀を癒すことができるが、
私の言葉のなかにはいささかの薬剤もない。
さてウェルギスウスのモエリスが演じた薬草による三つの魔法のうち、まだ死者降霊術のみが言及されていない。死者召喚の秘法に関しては、すでにホメーロスの『オヂュッセイア』第十一巻に「招魂」の章がある。そこでオヂュッセウスに地下に一キュービット四方の穴を掘り、乳、蜜、酒、水、大麦の粉などを播いてから黒い牧羊の喉を切ってその血を穴に注ぎ、死者たちの魂を喚び戻す。古代人にとって死者は存在から消滅するのではなく、冥府や月世界に移行するのであるから、冥府の主であるハーデスやペルセポネイアに祈願して時間を逆流させることができれば、死者は当然地下世界から地上に還帰するはずなのである。地下的なものの秘密の結実である薬草がこの喚び戻しに重要な役割を駆使するのである。オウィディウスはいう。「彼女は黴び朽ちた墓の底から汝の父祖や祖先を引き出し、大いなる祈りによって大地と岩石とを割る。」
死者召喚が発端と終末、死と生と逆転であるとすれば、死から生への大逆流の一環として若返りの魔法が考えられる。老年から幼年への(自然的に不可逆的な)若返りはいわば死者再臨の模型である。オウィディウスは『転身物語』のなかで大魔女メデアがアエソンに施したおどろくべき若返りの秘法を絢爛たる筆にのせて活写している。
しかもここでメデアの魔法の要となっているのも「魔法の霊薬」である。まずメデアは翼のある龍にの首に牽かれた車を呼び出し、これにのり込んでテッサリアの野に飛び、あまたの薬草を採集する。それから奇怪な薬の調合にかかる。
「かの女��、髪の毛をバックスの巫女のようにふりみだして、炎のもえている祭壇のまわりをぐるぐるまわり、こまかに割った炬火(たいまつ)を溝のなかの黒々として血にひたし、ふたつの祭壇の炎でその炬火に火をつけ、こうして火で三度、さらに硫黄で三度老人(アエソン)のからだを清めた。そのあいだに、火にかけた青銅のなかでは、魔法の霊薬が煮えたぎり、白い泡をたててふきこぼれていた。かの女は、ハエモニア(テッサリアの古名)で刈りとってきた草の根や種子や花や激烈な草汁をそのなかに煮こみ、さらに、極東の国からとりよせた 取り寄せた小石や、オケアヌスの引潮に洗われた砂をまぜ、これに満月の夜にあつめた露、鷲木菟(わしみみずく)の肉といまわしいその翼、おのれを狼のすがたに変えることができるといわれる人狼の臓腑をくわえ、その上にキニュプスの流れに住む水蛇のうすい鱗皮と、九代を生きながらえた鴉の嘴と頭を入れてことをわすれなかった。」(田中秀夫・前田敬作訳)
前代の詩人たちの精読者であったオウィディウスは、ここにウェルギリウスやホラティウスやプロペルティウスの伝えた魔女の秘薬のあらゆる要素を投げ入れ、ほとんど完璧なごった煮を調製しているのである。さて、メデアの最後に橄欖樹の枯枝でこの液体をかきまわすと、老いた枯枝はみるみるうちに縁に返って豊かな薬をつけ、ふきこぼれた液がふれた地面はたちまち若やいだ春の地肌に変り、花が咲き、やわらかい草が萌え出た。メデアはすぐさま剣を抜いて老人の喉に孔をあける。流れる出る古い血の後に薬液を注ぎ込むと、瀕死のアエソンの白い鬚や髪はたちまち真黒になり、老醜の皺は消えて四十年前の姿になり変わった。
メデアが龍にのって薬草を探しにいくデッサリア地方は、都の郊外のように手近ではないが、さりとて彼女の故郷の黒海沿岸(コルキス)やコーカサスのような遠方でもない。しかしこころみに地図を広げてみると、エーゲ海から黒海に入るダーダネルス海峡を通じて、薬草の特産地たる黒海東端のコルキス、ヒべリア、コーカサスは水路から意外にも指呼の間にある。事実、アルタゴナウタエたちはテッサリアのパガサエの港からアルゴ号を仕立ててコルキスの金羊毛皮を探しに出立した。テッサリアと黒海沿岸地方に古くから深い関係が成立していたであろうことは、この一事からも容易推測される。ちなみにロイナー教授の野生幻覚剤分布表によると、魔女の塗膏の歴史的原生地は「中央ヨーロッパ全土」とされている。
おそらく中央ヨーロッパ奥地から地中海沿岸地帯にかけて、かつて強大な母神信仰が栄えていたのであった。この地下的(クトーニッシュ)母神崇拝の宗教はやがてアポロン的宗教に打倒され、輝かしいギリシア世界の表面からは駆逐された。とはいえ跡形もなく消滅したわけではなく、勝利を占めた若いアポロン信仰は古い地中海宗教の多くの要素を受け入れた。たとえばデルポイの神託を授けるアポロン神殿の巫女ピュッティアは、大地の裂け目の上にすわって地中からくる母の指示を受信する。ピュティアという名称そのものがすでに前ギリシア的宗教における地下的なものの化身たるピュトンの蛇との関連を暗示している。
若い宗教に征服された前代の宗教は、一転、魔法となるのがつねであった。のが常であった。同様に魔女たちは、かつてこの冥府的な大母神信仰の由緒正しい女司祭若巫女だったのであろう。しばしば魔女が引合いに出すテッサリアやコルキスのような土地は、メデアのような大女司祭が君臨していた聖地だったのであろう。したがってローマの詩人たちがその作品のなかに描いたアカンティスやカニディアのような魔女は、没落した大母神崇拝教団の巫女の、いまは往古の栄えある祭儀に参加するすべもなく孤立して巷をさまよい、賤業に口糊する、頽落したなれの果ての身にちがいない。彼女たちが時折り口にした霊薬の甘味は、プルーストにおけるマドレーヌの喚起的美味とひとしく、それが神餞として共食された往時の、栄光ある、だがいまは沈んで久しい世界の天上的な至福の思い出を、一瞬ざまざと想起させてくれたかもしれない。
魔女の塗膏や霊薬は、それ自体としても、むろん後の悪魔礼拝と切っても切れない密接なつながりがある。しかしそれよりも重要なのは、魔女を女司祭に戴いていた前ギリシア的地中海宗教が若い宗教に敗北したとき、そこにアポロン信仰が定位されたことである。いいかえれば、このとき以来、崇拝の対象は女性神(大母神)から男性神アポロンに変ったのだ。
アポロン的宗教の男性神崇拝は、当然のことながらキリストを受け入れる基礎を用意した。ここからキリストの倒錯像サタンの成立まではわずか一歩である。アポロンとキリストが男性でなかったならば、悪魔もまたついに男性ではなかったであろう。若い男性神に打倒された母神へのなつかしい郷愁は、アポロンやキリストへの憎悪の化身である第二の男性神を必然的に招来せしめた。この怨恨と憎悪に黒々と塗り込められた黒い男は、ときにはサタンとして、ときにはロマンティックな悪魔主義者として、ときには超人や天才として、時代とともに変転する自己表現をとげた。 いみじくも聖侯爵の「悪魔主義」について語りながら、「天才は母の国にではなく、魔女の国に棲む」と語ったのはG・R・ホッケである。私が右に述べてきたのもサタンの棲もう風土たる「魔女の国」のくさぐさの追憶であった。
出自《悪魔礼拝》
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【S/D】アダム 前半
ぴくしぶに投稿した「呪われたディーンとサムとジョン」の続編です~
平和に暮らしてたサムディーンとアダムに色んな意味で審判の日がやってくるという話になりそうです。今回は女体化ナシ。
憧れの作家様であるのりさんから続編の希望をいただきまして、喜び勇んで書��ましたもの。ご期待に沿えるか非常に不安ですが心を込めて捧げます。。
18000字くらい。後半アップしたらまとめてぴくしぶに投稿しようと思ってます。
~1~
アダムの住む牧師館には腕利きの庭師がいる。彼はアダムが学校から帰宅するころになると、たいてい自分が植えたモクレンの木の下で横たわっている。牧師を教会に迎えに行ったあとで(彼は一流の運転手でもある)、午前中にやり残していた庭仕事をあらかた片づけ、泥を払った手袋を腹の上に置いて、片腕を目の上に、もう片方の腕をまくらにして、草のシーツの上に長い脚を投げ出して昼休憩をとるのが、彼のスタイルだ。 バスを降りて、中にいる友達に手を振り、アダムはバス停から牧師館への近道の丘を駆け登った。背負っていた鞄を肩から外しながら、石垣の鉄門を開くと、むせかえるような草花の匂いが彼を迎える。 夏の終わりの牧師館はまだまだ緑が氾濫している。そのほとんどが元から自生していた野草だ。庭師が英国式の造園本ばかり愛読しているせいで、よく手入れはされていても、どの植物も必要以上に刈り込まれたりせず自然の向きに生かされている。 セント・ジョージの古い牧師館は、主人であるジム牧師の住まいにふさわしい、こじんまりとして清楚とした佇まいだ。広々とした庭は、歴代の牧師にもてあまされ、アダム達が住むようになる前は森の一部と化していたそうだけど、今では違う。情熱にあふれる庭師の手よって、小さなあずまやが建てられ、裏の森から流れてくる小川には、野ウサギなら悠々と渡れる石橋まで渡されている。春にはバラがアーチを作り、夏にはタチアオイが天を目指して咲き誇る。毎年九月末のアダムの誕生日が過ぎれば、この庭は鮮やかなオレンジ色に染まる。モクレンの木には電飾が巻かれ、石垣の上には中身をくりぬかれたカボチャがたくさん並べられて、鉄門には蹄鉄と骸骨が吊るされる。そしてもちろん、庭師と彼に愛された庭が一年でもっとも輝くのはクリスマスだ。清貧の枠を出ないいじらしい装飾と、丁寧な庭仕事が何のきっかけから���SNSで話題になり、十数年前までは幽霊屋敷とまで噂されていた田舎町の牧師館は、季節ごとに観光客が覗きに立ち寄る、いまや地元のホットスポットの一つとなっている。 ジム牧師はあまり歓迎していなかった。そりゃそうだ、アダムだって、自分の住まいを好き勝手に覗き込まれるのは好きじゃない。だけど誰がディーン・ウィンチェスターに「庭をきれいにするのをやめろ」なんて言える? 彼は最高の庭師で、ドライバーで、整備士であり、掃除夫で、キッチンの王でもある。その肩書のどれか一つでも奪えば、彼はがっかりするだろう。彼をがっかりさせるくらいなら多少のプライバシー侵害に目をつぶるくらい、なんでもなかった。きっとジム牧師もそう思っている。 いつもの場所にディーンの足がなくて、アダムはあずまやの中をのぞいた。ベンチの上に使い古されたカップが二組残されているのを見て、唇がにやりと上を向く。 ディーンは弟のサムをあずまやに引き込むのが好きだった。アダムでさえ、天井の梁に頭をぶつけないために、座っていても背中を丸めないといけないのに、サムが入ればまるでキングコングか、不思議の国のアリスだ。 実際にサムがあずまやの中に入ることはめったにないけれど、ディーンは弟をからかうためだけに、彼が館に訪れれば”正式なお茶セット”をあずやまの中に用意する。つまりこれがあるということは、サムが館に来ているということだ。 サムがいるならちょうど良かった。アダムは今月で一六歳になる。誕生日に友人の家に泊まらないかと誘われていて、今日ディーンに許可をもらう予定だった。どうせディーンに聞いても彼はサムに連絡するだろうから、二人が家にいるならまとめて説得するチャンスだ。 昔は使用人の出入りに使っていた裏口から入る。そこから続く二間がディーンとアダムの小さな住まいだ。入ってすぐにキッチンとダイニングがあり、四人掛けのソファを中央に置いてリビングスペースと分けている。廊下の片側がバスルームで、もう片側がアダムの寝室だ(ディーンはリビングで寝起きしている)。アダムは二人を探したが、声はするけれど姿はない。声は廊下の奥から聞こえた。奥のドアから先は主館になり、主キッチンや応接室、二階にジム牧師の私室がある。どうやら応接室にいるらしく、アダムは主館に向かった。 応接室といっても仰々しいわけでなく、ただ小難しい本が詰め込まれた本棚と、椅子とテーブルがあるだけの部屋だ(そしてよくそこは、ジム牧師が連れてきた”迷える子羊”のお悩み相談室になっている)。ディーンは「百年前の空気のにおいがする」と嫌がって、掃除する用事以外ではそこに近づかない。サムは客だけど、応接室に通すような間柄ではないし、二人がそこで何を話しているのか、アダムは興味をそそられた。 「おまえがそういうふうに頑固だから親父だって……」 ディーンの声。少しいら立っている。 「僕だって? 僕が何だよ、言ってみろ。問題は僕じゃなく親父の自分勝手さと、それを助長させてるディーンのやり方だろ!」 こっちはサム。明らかに怒っている。珍しく、怒鳴っていると表現してもいい。 「おれはただ、親父が心配で」 「だから僕に内緒で悪魔退治をしたって? 狩りはやめろって言ったのに!」 「親父がきくかよ」 「僕はあんたに言ったんだ、あんたに頼んだんだよ! せっかくここで平穏に暮らせるのに、どうして自分から危険に身をさらす。アダムだっているのに……」 「アダムのためだよ。わかってるだろ。黄色い目の悪魔はおれたち家族の災いだ。奴を倒すまでは安心できない、だから……」 「それが間違いなんだ。親父の常套句だったよな、これは必要なことだ、僕らの安全のためだ、母さんの復讐のためだ……」 サムの声が震えているのに気づいて、アダムはとても驚いた。サムはいつだって、穏やかで理性的な話し方をする。皮肉を言うときだってにこやかだ(だから余計に辛辣に聞こえるときがある)。感情が高ぶって声を震わせるサムなど、アダムの記憶に存在しない。 サムはその調子で続けた。「……復讐なんて間違ってる。関わるべきじゃなかったんだ、本当に子どものことを思うなら。あんただってそうだ、アダムがいるのに、僕の制止もきかないで親父の狩りに付き合って……」 「サム……もう狩りは終わったんだ。黄色い目の悪魔は倒した。おれたちは勝った……」 「で、今度は親父探しの旅に出るのか? アダムと僕を置いて?」 アダムの息を飲む音がヒュっと廊下に響いた。扉の奥でサムとディーンが顔を合わせるシーンが目に浮かんで、一歩後ずさる。ちょうどその分開いた扉の向こうに、唇を引き結んだ顔のディーンが現れた。 「盗み聞きか。お行儀が悪いぞ」 「声が大きすぎるんだ。それに、僕の話をしてた」 アダムは体裁を整えるために手のひらで腿を撫でて、それからディーンの横にいるサムに挨拶した。「いらっしゃい、サム」 「やあ、アダム」 サムは苦労してほほ笑んだという表情で頷いた。それでアダムはたまらなくなって問い詰めた。「ダッド、どこかに行っちゃうの? 遠くに狩りに出かけるってこと? 何の話をしてたの?」 サムとディーンは、さっきアダムが想像したとおりに目を合わせた。言い争っていた二人の動きがシンクロするのを、今さら驚いたりしない。二人はとにかく仲がいい。アダムの父親はディーンだけど、クラスメイトにはサムとディーンがゲイカップルで、アダムは彼らの養子だと思ってるやつもいる。それでいくと、サムはダウンタウンに住んでいるわけだから、二人は別居していることになる。別居中で子持ちのゲイカップルの片方が牧師館に住んでいるというのは、すごくクールな誤解だとアダムは面白がっている。 そういう誤解をされてしまうくらい距離の近い兄弟は、アイコンタクト中に何の了解をしたのか、同じような表情になってアダムを見つめた。 「ディーンはどこにも行かないよ、アダム」 安心させるようにサムがいう。 「そうだ、今はな」 ディーンの不穏な肯定にサムが眉をひそめた。「ずっとだ」 二人はまた見つめあったが、今度のアイコンタクトでは相互理解は得られていなさそうだった。 「オーケイ、まだ話し合いを続けたほうがよさそうだね」 アダムは一旦引き返すことにした。彼自身だって、ときたま彼らが兄弟でなく、夫婦みたいに感じることがある。牧師館に住んでいると、様々な問題をかかえた夫婦を目にする機会が多く与えられる。その中で彼が学んだことは、”夫婦喧嘩にかかわるな”。 「待てよ、何か話があったんじゃないのか?」 ディーンが引き留める。アダムは肩をすくめた。「そうだよ、お願いがあったんだ。だけど今はやめとく」 「僕の言ったことを守ってるのか?」 サムが本当の笑みを浮かべて言った。彼の笑顔はアダムの緊張を少しほぐした。「ああ、サムが言ったんだ、願い事をする時は絶対に叶えられるタイミングを見極めてからにしろって」 ディーンがため息する。「まったく似たもの親子だな――」 誰かが息をのんだ。 ディーンはアダムの横をすり抜けて、そのまま外へ駆けだしてしまった。「ディーン!」 サムが追いかける。だけど開かれたままの裏口のドアに手をかけたサムは、それから先まで兄を追おうとはしなかった。 アダムはまだ、廊下の奥に立ち尽くしていた。 サムが振り返ってこちらを見た。アダムは、兄のディーンとはあまり似ていない――どちらかといえば自分のそれとよく似ている――彼のシャープな頬の線を凝視してつぶやいた。 「サムが――僕の父親なの?」 サムはとても苦しそうな顔をした。
アダムはディーン・ウィンチェスターの品行方正とはいえない過去の産物で、彼とディーンの最初の出会いはディーンの愛車の後部座席だった。恋人に去られ、置き土産をもらった彼は途方にくれたが、遊び人であっても無責任な男ではなかったから、父親としての責務を放棄しなかった。幸い、彼には兄思いの賢い弟がいた。彼ら兄弟はアダムを連れて子育てに最適の環境に住まいを移した。彼らが幼少のころに世話になったジム牧師を頼ったのだ。ディーンは田舎町の牧師館でハウスキーパーとして働きながらアダムを育てた。弟のサムは大学に通いながら一緒に暮らした。やがてサムはロースクールを卒業し、ダウンタウンに住居と事務所を構える弁護士になった。ディーンは相変わらず教区の仕事をしていて、いまや地元で愛される名物男だ。 それがアダムの知る自分たち家族の歴史であり現実だった。ディーンは今でも女に色目を使うけど、アダムがいるときに館を空けたことは一度もない。休日には(厳密には休日ではなくても)釣りに連れて行ってくれるし、テントが欲しいと言えばその夜のうちに子供部屋がキャンプ場になった。運転を教えてくれたのは十二歳のときだった。ある夜アダムはこっそりインパラに乗って運転を間違い、沼に突っ込んだ。ディーンは愛車を沈めた息子を一切責めなかった。アダムの鎖骨が治るまで側にいてくれて、退院するとすぐサムと重機の力を借りてインパラを沼から引き上げた。それから一年かけて二人でコツコツ整備した。復活したインパラの最初の運転を任されたのはアダムだった。……ドラマに出てくるように模範的ではないけれど、彼は素晴らしい父親で、疑いようもなく自分を愛している。サムもそうだ。サムは理想的な叔父さんだった。小さい頃はいつでも側で話を聞いてくれて、成長してからはディーンが教えてくれないことを教えてくれた。ディーンは喧嘩で相手の鼻を先に折る方法を教えてくれたけど、サムは鼻を折っても過剰防衛にならない立ち回りを教えてくれた。最高のコンビだ。時々、自分を捨てた母親はどんな女だったんだろうと想像することはあるけど、ディーンやサムに聞いてまで知りたいと思ったことはないのは、彼らがアダムの最高の”両親”だからだ。 でも、今まで疑ったこともなかった。サムのほうが自分の父親だなんて。 気が付けば夜になっていた。サムの表情を見てそれが真実だと理解したアダムは、自分の寝室に逃げ込んで鍵をかけた。しばらくサムが「開けてくれ、アダム、話をしよう」という声をベッドの中で聞いていたけど、ジム牧師までやってきたので我慢できなくなって、ヘッドフォンを大音量にしてシーツを被った。 いつの間にか眠ってしまったようだ。ヘッドフォンは寝ているあいだに床に落ちていて、今はフクロウの声しか聞こえない。静まった館の中に一人きりにされたんじゃないかという不安がアダムを襲った。 寝室のドアをそっと開ける。リビングに明かりがあることにほっとした。ディーンは帰っているんだ。僕を置いてどこかへ行ったりしない。 リビングにはジム牧師とサムもいた。それだけの大人の男がいると小さな部屋がいっそう狭く感じられて、アダムは一瞬身がすくんだ。 サムと牧師は二人掛けのダイニングテーブルに、ディーンは自分が寝床にもしているソファに座っていた。アダムが姿を現すと、ディーンは幽鬼みたいにフラっと立ち上がって、静まり返った異様な雰囲気に動けなくなったアダムにゆっくり近づき、彼を抱きしめた。 ディーンの体は冷たかった。 「急に出て行ったりして、ごめんな」 「……本当なんだ、サムが僕の父親で、ダッドが伯父さん?」 ディーンが息を吸い込むのを感じる。ジム牧師がサムに頷くのが見えた。サムも頷いたように見えたけど、俯いただけのようだった。顔を上げないサムに代わって、ジム牧師がアダムに言った。「そうだ。サムは――サムはまだ、十六歳だった。父親になる準備ができていなかった。それで兄さんのディーンの子ということにして、ここで一緒に育てたんだ」 アダムは俯いたサムの仕���にムカムカした。なんで僕から顔をそむける? 父親なら立ち上がって抱きしめてくれたっていいだろ? 今のディーンのように。 アダムはディーンの腕を振り払って、サムの前に立った。 「準備が出来ていなかったって、そんなの言い訳だ。あ、あんたは僕をディーンに押し付けて、自分は大学に行って、弁護士になって――”準備”する時間は山ほどあったじゃないか。どうして今まで騙してた!」 サムが動かないのでアダムの苛立ちは高まった。気づいた時には彼の胸倉をつかんで引っ張っていた――アダムにもう少し上背と力があって、サムの背があと一フィート低かったら、彼の尻を椅子から浮かせることに成功したかもしれない――その後にアダムがやりたかったことが、彼を投げ飛ばすことにしろ、頬を殴りつけることにしろ、現実はドラマのようにはいかなかった。 サムは視線を落としたまま、大人しく顔を仰け反らせた。「アダム!」 ――ジム牧師の制止する声が聞こえる。彼が椅子を蹴って立ち上がる音も。 サムの体を引き倒すのは不可能だったし、差し出された頬も、殴りつけるのには距離があった。引っ込みのつかない状況にアダムの意気が少しくじかれた時、サムが重い口を開いた。 「――信じられなかったんだ……」 「……え?」 「信じたかったけど、信じられなかった。アダムが僕の子どもなんて――」 その言葉にアダムはショックを受け、サムから離れてよろよろと後ずさった。ディーンが動いて背中を支えてくれる。 「サム」 「僕が父親ならいいとずっと思ってた。でもそうじゃないかもしれない。後になってそうじゃないって分かったら僕は立ち直れない。死んだほうがましだ」 「サム!」 ディーンはアダムを退けてサムの側に駆け寄った。足元にひざまずいて、また俯いた彼の顔を覗き込む。いきなり支えをなくしたアダムは壁に背中を激突させたけど、誰も彼を気にしなかった。アダム自身も、背中の痛みより目の前で繰り広げられるホームドラマの続きのほうが気になった。 「お前の子だって言っただろ!」 ディーンは言った。「アダムはお前の子どもだ! そう言ったじゃねえか」 「……どうして兄貴にわかるんだよ?」 「わかるからだよ!」 苦悩の表れた顔を覆おうとする手を握って遮り、ディーンは強く言い切った。「おれにはわかってる! おまえはおれを信じればいいんだ。アダムはおまえの子だ!」 サムはディーンの手を固く握りしめた。「……僕は……アダムを愛してる」 「知ってるよ」 「ごめん、ディーン」 「いいんだ、ほら、来いよ」 サムが兄の肩にかぶさるように抱きつくシーンを、アダムはいささか茫然としながら見つめた。 「なんだよ? なんでダッドに謝るんだ」 ジム牧師が無言で彼の肩に手を乗せた。
~2~
ジム牧師の容赦ない視線はサムの心を痛めつけた。それでも長年心に重く圧し掛かっていた疑念と不安が一掃されたようで、サムは幸せだった。 「アダムに真実を話す絶好の機会だったのに」 ジム牧師はねちねちと続けた。「嘘にさらなる嘘を重ねて子どもをだますなんて、許しがたい罪だ。君たちはこのまま永遠に秘密にしておけると思っているのかね。いつかしっぺ返しを食らう時が来る」 「牧師のあんたが言うと身に染みるよ」 ディーンが言う。「神父様、私は罪を犯しました。これが初めての告解です……」 「私は牧師だ。しかし告解をしたいというならいつでもどうぞ」 「遠慮しとくよ。あんたには長生きしてほしいからね」 「君の告解で心臓発作を起こすとでも思うのか? 私の経験を甘くみないでくれ」 サムは、軽口を叩きあう兄と牧師の声を聞きながら、にやけてしまわないよう口元を引き締めるのに必死だった。 あのあと、なぜか気の抜けてしまった感じのアダムは、それ以上の説明やサムの釈明を求めようとせず、ディーンの焼いたパイを食べて自室に戻っていった。もちろん、明日またきちんと話をしようとサムは言った――アダムの返事はドアを閉める音だったけれど、彼が本当に心を閉ざしていないことはサムにはわかる。大人たち三人は、ディーンの冷蔵庫からバドワイザーを取り、主館のダイニングに移動した。 ディーンがはっきりとアダムの出生について明言したのは、ディーン自身が何といおうとあれが初めてだった。アダムが生まれた時でさえ、ディーンはサムに「おれたちの子だ」と言ったけれど、「おまえの子だ」とは言わなかった。サムのような言葉を生業にする人間にとって、その違いは致命的だ。 呪いによって女になったディーンと最初にセックスしたのはジョンだ。そのあとサムもディーンを抱いたけれど、緊張して何をしたかろくに覚えていないし、はっきりいってちゃんとやれたのかも怪しかった。そういう疑念が最初に芽生えてしまうと、何度も思い返すうちに妄想は肥大していく。アダムが自分の子どもであってほしかった。それが真実だと心底思う時期もあれば、彼は親父とディーンの子どもで、自分はのけ者なんだと思い込む時期もあった。��まいには考えることも疲れてしまって、最近は上面の役割を本気で演じることで平穏を保っていた。ディーンはシングルファーザー。自分は彼を健気に支えるよくできた弟。アダムは父親と同じくらい、僕を慕っている。悪くないシナリオだし、間違いなく真実よりもアダムにやさしい。 一生表に出さないはずの秘密と苦悩は、ディーンが口を滑らせたことで一部が解き放たれた。アダムを納得させるためのストーリーを新たに考えなくてはならなくなったとはいえ、サムの心は軽くなった。今ならスキップしながら裏庭を一周するくらいできる。昼間、ジム牧師の客が見ている中でやってもいい。楽勝だ。 「とはいえ、問題はジョンだ」 ジム牧師は無残にもサムの浮足立った踵に一撃を入れた。サムが喉の奥で唸る横で、隣に座ったディーンがバドワイザーを飲み下して頷く。「アダムを一人にしたくないけど、親父が心配だ。でもサムがここに泊ってくれれば問題は解決」 「ちょっと待てよ。どういう意味だ?」 サムは兄を見て言った。「一人で探しに行くつもりなのか? 冗談だろ、こんな状況で? 今ディーンが出て行ったりしたら、それこそアダムが傷つくよ」 「こんな状況って、アダムはわりと冷静だったろ。そりゃそうだ、肝が据わってんだよ、血筋だな」 開き直ったようにディーンが言うのに、サムは目眩がした。「そもそも、親父が行方不明になることなんて、しょっちゅうじゃないか。そのうちメールでも寄越すさ。どこそこで狩りっぽい事件を見つけたってさ。そして兄貴は呼び出されるまま親父と一緒に魔物狩りに……」 「言ったろ、サム、もう狩りは終わったんだ」 ディーンは静かに言った。「マムの仇は打った。目的を果たしたのに、親父が今姿を消すのは……おかしい」 サムは唇を引き結んだ。さっきまでにやけないよう苦労していたのに、今や微笑みのかけらも見いだせない。 アダムを産んだディーンに一世一代の告白まがいの説得をして、ジョンから遠ざけジム牧師のもとに身を寄せた。子どもを安全に育てるために狩りから遠ざかろうというサムの説得は、しばらくのあいだディーンを長閑な田舎町に留めることに成功した。けれどサムの知らないところで彼とジョンは連絡を取り合っていたらしい(それがわかったときは、アダムはジョン��子だと確信して死にそうになった)。アダムがある程度成長すると、ディーンは時々ジョンの狩りに同行するようになった。サムは何度も止めてほしいと頼んだけれど、そのたびにのらりくらりと交わされた。殴りあいの喧嘩に発展しないためには、常にサムのほうが折れるしかなかった。 アザゼルという悪魔の件も、話をきくとどうやら事の中心人物はサムであるはずなのに、彼自身が知ったのはごく最近だった。 「ディーン、それは……本当なのか。黄色い目の悪魔は……確実に倒したのか?」 ジム牧師が尋ねた。 ディーンは瓶を置いて、宣誓するようにテーブルに両手を乗せた。「やつは死んだ。地獄に送り返したんじゃない。確実に死んだ。親父が手に入れた、悪魔を殺せる銃弾でやつを撃った。やつの体はまるで中で爆発が起こったように光って――それからその光が消えた」 ディーンは誰ともなく頷いた。「ああ、あのクソ野郎は死んだ」 「神よ、感謝します」 ジム牧師が十字を切る。 「その黄色い目の悪魔の目的は、人間を悪魔化させて悪魔の軍団の将軍に仕立て上げることだったろ? ――正確には僕を」 サムは言った。「親父がやつの狙いを見抜いて、阻止するためにしてきたことには、僕も感謝しているよ。親父が――親父とディーンが――やり遂げてくれなきゃ、僕はどうなっていたか。できればもっと早く事情を教えてくれて、僕にも参加させてほしかったけど。悪夢や原因不明のポルタ―ガイストで狂人になる前に教えてくれたのはよかったけどね」 意地の悪い言い方だと自覚しつつ、サムはぼやいた。しかしディーンの反応はサムの予想を上回った。 「まだ悪夢を見るのか?」 椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がったディーンは、弟の頬を両手でつかんでぐいっと上を向かせた。「超能力も出現するのか? どんなだ? 具体的に言え!」 「お、落ち着けって」 キスできそうなほど近くにある兄の顔にサムはたじろいだ。穴が開きそうなくらい見つめられて心臓が音を立て始める。目じりに消えない皺がいくつか刻まれたとはいえ、兄の容姿は若いころと変わらず飛びぬけている。 最後にこの顔に吸い付いたのはいつだったろう? ずいぶん前だった気がする。この半年は難しい案件ばかり抱えていて、館に来られなかったし、館でいい感じのムードになっても、アダムがいるときは触れられないから、覚えている限り最後は――なんてことだ、一昨年のクリスマス。泊まりに来ていたサムを置いて、ディーンがアダムと牧師を教会に送ろうと準備をしていた時、二人を車に乗せたディーンが忘れ物をしたと言って中に戻ってきた――サムは主館のダイニングにいて――そう、ここだ――ダイニングの入口にはヤドリギが飾られていた――戸口に立ったディーンが僕を呼んで――今みたいに頬をつかんで引き寄せて、彼のほうからキスをしてきた。 キスがしたいな。今すぐ。 そんなロマンチックなサムの高まりも、ディーンの平手打ちで霧となって消えた。「おいサム! ぼーっとしてんじゃねえ、答えろ! まだ悪夢を見てんのかよ眠り姫!」 「痛い! 何すんだいきなり!」 「いいから言え! 悪夢を見るのか? サイキックパワーも?」 「ないよ!」 乱暴な兄の腕を払いのけ、サムは椅子に座り直してシャツの胸元を正した。「……全くないとは言えないけど、僕だって漫然と生きてきたわけじゃない。パワーを抑えるコツを学んだよ。僕はまともだ」 「そういう問題じゃねえ」 ディーンは厳しい顔を崩さない。「最後に悪夢を見たのはいつだ? 昨夜はどうだった? その前は?」 「そんなにしょっちゅう見るもんじゃないよ!」 「ディーン、どうした。何がそんなに不安だ」 ジム牧師が穏やかに切り込んだ。ディーンはテーブルの周りを歩き始めた。 「ディーン?」 「親父はこう思ってた。サムのサイキックは悪魔の血によるものだ。成長すればするほどそれは完成されていく。だけど大元の悪魔を殺せばそれはなくなるはずだって」 「親父は正しいかも」 サムは肩をすくめる。「やつを倒したのは……四日前? まだそれしか経ってないだろ? 僕は四日間、悪夢は見てない。パワーは消えたのかも」 「サイキックはどうだ」 ジム牧師。「サム、パワーを抑えているんだろ? 消えたならもう抑える必要はない。解き放ってみなさい」 サムはためらった。「簡単にいうけど、何年もかけてルールを築いてきたんだ……蛇口を捻るだけで解放できるわけじゃないよ」 「やってみろ」 ディーンは言って、また隣に座った。「やってみろ。おれがついててやる」 サムは真剣な――真摯といってもいい――表情のディーンを見つめ、瞬きをした。まぶしすぎて直視できなかったわけではないけど――とにかく、ディーンはサムの運命の人なのだ。少なくともサムが性に目覚めた十二歳の明け方からそう定められている。その運命の人はめったにサムにやさしい言葉をかけてくれない。サムは本当は、恋人には砂糖のようにべったべたに甘やかされたいし、自分もそんなふうに愛したい。だけどそもそもディーンは兄で恋人ではないし、彼に甘やかされたい、甘えさせたいと言えば殴られて冷水をかけられるか、もっと悪くすれば聖水をかけた銀のナイフで刺される。 ”おれがついててやる”というのは滅多にない兄の甘やかしである。サムは存分に堪能することにした。じゃあ、遠慮なく。サムは目をつむって息を吐いた。隣に兄の体温を感じる。手を伸ばして、彼の手を取る。一瞬だけびくっと小さく抵抗したが、あとは大人しくサムの手に握られたままになった。 「こんなことを言って白けさせたくないし、君たちをジャッジする気はみじんもないんだが」 ジム牧師が淡々と言う。「どうかお願いだから、私の前で私の信仰心を試すようなことはしないでほしい」 ディーンが低い声でしどろもどろに言い訳するのを聞きながら、サムはゆっくりと呼吸を深くして瞑想状態に入った。瞑想はサムの人間らしく生きる上での必需スキルだが、何が起きても守ってくれると確信できる人が側についていない限り、人前でやる行為ではない。 ディーンの手を握っていれば、不可能なことなど何もないように思えた。ジェイソン・ボーヒーズが正義漢の強い不遇のヒーローだと陪審員に信じさせることすら容易な気がする。 瞑想に入るにはコツが必要だ。サムは二十代の前半に始めてからすぐにコツをつかんだ。そうでなければとっくに廃人になっていた。ディーンと共に静かにアダムを養育するための最初の数年間はサムにとって楽園でもあったけれど、同時に地獄だった。幼いころに発芽した不穏な力が年々増しているのを自覚したからだ。予知夢めいた悪夢で不眠症になり、いつ起こるかわからないポルタ―ガイストにびくついて、心も体も疲れ果てていた。このままだと衰弱死する自分を正確に予想したサムは、将来のディーンとのラブラブな生活のためにどうにかしてその力を制御する方法を求めた。それが瞑想だった。 深い瞑想に入ったサムの前にバスタブが現われる。赤茶けた真鍮のバスタブだ。冷たい水で満たされている。サムは力の高まりを感じると、このバスタブの中に入る自分をイメージしてその力を制御してきた。バスタブにつま先をかけただけで制御できることもある。水死体のように全身を沈めても、マグマのような力が水を沸騰させることもあった。だけどたいていはうまくやってきた。 サムはバスタブの側に立って、十年以上彼を守ってきた冷たい水を見下ろした。現実世界で自分と手をつないでいるディーンを思いながら、その水を抜いていく。 「僕は無防備だ」 サムはまだ瞑想に入ったまま、つ��やいた。「どうすればいい?」 「サイキックパワーがなくなった感じはするか?」 ディーン。サムはゆっくりと首を振る。「よくわからない。自分じゃ何も変わったように感じない」 「試してみよう」 ジム牧師が言う。「不安定だった時の君は、身の周りの物を浮かしていた。君自身が気づいていないこともあったけどね。この部屋にはたくさんの物がある。どれかを浮かせてごらん」 サムはうなった。「やろうと思って出来ることじゃ……」 「出来なけりゃそれでいいんだ」 ディーンの声があまりにも真剣なので、サムは自分自身に失望してしまった。何となく、自分には”出来てしまう”ような気がしたからだ。適当に黙り込んで、「出来ないよ」と言ってしまうことはできるけれど、一時しのぎの誤魔化しに何の意味もないことはわかっていた。 息を吸い込んで喉の奥で止める。体中の毛が静電気で逆立つような感覚がして、キッチンの吊り下げ電球がチカチカと明滅する。 サムは目を閉じていたから、物が浮いたかはわからなかった。目を開けたときに見えた、二人の表情がすべてを物語っていた。 「……アザゼルは死んでないのか」 青ざめて茫然としたディーンがささやいた。「い、いや、そんなはずがねえ。格の上下はともかく、前にも悪魔を殺したことはある。やつが死んだのは確実だ。でも、じゃあ、なんで……」 「ジョンの仮説が間違っていたんだろう」 同じように青ざめていはいるが、もう少し冷静なジム牧師が続けた。「サムの力はアザゼルの生死とは関係がない。完全に独立したものということだ」 「アザゼルの計画はどうなる?」 そう言うやいなや、ディーンの顔から完全に色が消えた。人形のように凍り付いてしまった兄の、握ったままの手を、サムはおそるおそる両手で包み込む。 「ディーン? ディーン、どうしたんだ?」 「……親父を探さないと」 ディーンはつぶやいた。サムは何か嫌な予感がして、バスタブの水がないことに不安を覚えた。 「ディーン、親父の行方を心配する理由、他にもあるんだろ? 悪魔を倒す前に何かあったのか?」 「……黄色い目のクソ野郎は、”俺たちはもう次の計画にシフトしている”って言ったんだ――親父に向かって、”お前の運命は変わらない”とも。負け惜しみの断末魔だと思ってあんまり気にしなかった」 凍り付いたままの表情で、サムを見たディーンの目は心底怯えていた。いつだって強気の姿勢を崩さない兄の変わりように、サムはショックを受けたけれど、プライドがムクムクと大きくなっていくのも感じた。ディーンが怖がってる? OK、問題ないよ、僕がついてる。 「俺たち? ”俺たち”と言ったのか? アザゼルは」 ジム牧師が確認する。ディーンは黙ってうなずいた。牧師は参ったというように両手で胸を押さえ、椅子の背にもたれた。「私もジョンも、アザゼルがこの計画のトップだと思っていた。計画に関与している悪魔でやつと同格の者が少なくとももう一人いるということか」 「なあ、そもそも、その悪魔の計画って、穴だらけだと思わない?」 サムはシリアスな空気に穴を開けようと頑張ってみた。「僕を悪魔将軍にしたかったら、なんでさっさと浚って洗脳するなりしなかった? 確かに何度か危ない目にはあったけど、奴らが本気で僕を引き入れたがったようには思えない」 「それは、親父が先回りしてやつらを追い払ってたからだ。悪魔よけのまじないも彫ってやったろ。それにおまえは実際、何度か浚われかけた。小さいころやたら親切なアパートの管理人がいただろ、あいつは悪魔だった。おまえに優しくして仲間にしようとしてたんだ。親父が殺したけど」 「本当に悪魔だったことを祈るよ」 サムは冗談半分で言ったけれど、二人が少しも笑っていないので咳をしてごまかした。 「あのさ、こういう可能性はないかな――僕はフェイク。最初からそうだったのかはわからないけど、もっと大きな計画の目くらましに僕を使っていたとか」 「それはありうる」 ジム牧師が頷く。「今言えるのは、なんだってありえるということだ。アザゼルが死んだにせよ、ディーンが聞いた最後の言葉を断末魔だと切って捨てるわけにはいかないな。ジョンの運命とやらも気になるし――やはり彼に話を聞くしかないな。彼を探さないと」 サムもそれには同意してもよかった。ただし、そのためにディーンが当てのない旅に出るというのは納得致しかねた。 はっきり言って、ジョンのことは尊敬している部分もあるし、愛してないわけではないけれど、次に会うのが彼のハンター式の葬式の場でも構わないと思っている。そりゃ死ぬまでは無事で生きていてほしいし、たまに電話で声を聞くのはいい。だけど実際会うのはごめんこうむりたい。間違いなく些細な意見の違いが言い争いに発展するし、どちらかが胸倉でも掴めば、双方アダムよりも体格もよければ負けん気も強いので、殴り合いになること必至だ。殴り合いで勝っても負けても、ディーンは悲しむ。自分がディーンを悲しませた罪悪感と、親父もまたディーンを悲しませることが出来るのだという、ひねくれた嫉妬心で、真鍮のバスタブも変形するかもしれない。 「ディーンが親父を探しに行くなら、僕も一緒に行く」 ディーンはまだどこか茫然としていたけれど、サムの言葉に正気を取り戻したようだった。「馬鹿いえ、アダムを一人にしておけないって言っただろ。どうせ仕事サボるならここにいてアダムを守ってろ」 「仕事はいつやめてもいいんだ。アダムのことも守る。でもディーンを一人で行かせない」 「言ってることめちゃくちゃだぞ……。おれは一人でも大丈夫だ、いつだってそうだったろ」 「いつだって狩りは親父と一緒だったし、最後に一人で買い物と婦人クラブに参加する以外で町の外に出かけたのはいつだった? 五年前か、十年前? あんたは一人に慣れてない。危険すぎるよ、論外だ」 ディーンは目を丸くして、サムに握られていた手を振りほどいた。「ハア? 何言ってんだ、正気か? だいたいおまえが何を知っているんだよ、この半年、うちに寄り付きもしなかったくせに!」 「寄り付かなかったなんて、そんなことない! たまたま仕事が忙しかっただけで……」 「あーあー、そうですか、仕事ね。弁護士様だもんな。狩りとは比べ物にならないスバラシイ仕事だもんな。おまえ最低だぞ、たまに来て文句だけ言って帰るなんてそういうの世間だとモラハラ男っていうんだぞ」 「なんッ……!」 サムは腰を上げてディーンを見下ろした。わざとらしく吊り上げられた眉の曲線は普段なら鑑賞すべき代物だが、今はただムカつくだけだ。「あのな、だいたい僕を館から追い出したのはディーンだろ、僕はここから通勤するって言ったのに、こんな狭い家にいつまでも居座られちゃ迷惑だとか、いつまでもママの家に住むなんて意気地がないとか言ってまだ就職先も決まってないうちに僕を追い出したくせに!」 「狭い家ですまないね」 二人の言い合いが始まったとたん、目を反らして存在感を消したジム牧師がつぶやく。 「アダムがジュニアに上がるのに、いつまでも男二人がくっついて暮らしてたら変じゃねえか! 弁護士のサラリーならいい家に住めるだろ!」 「まだ見習いだったし、それにいい家なんか欲しくなかった! ディーンとアダムの側にいればそれで……!」 サムは熱くなってしまった自分を抑えるために、瞑想に入るときのように深く呼吸をした。天を仰いで目を閉じる。 クソッ、よくない兆候だぞ。バスタブに水はもうないんだ。ジム牧師の前で痴話げんかっぽいやり取りをしたあげく、彼の館の窓ガラスを悪魔の血由来のパワーで割ってみろ。目も当てられない。 何度か呼吸を繰り返し、落ち着いてからサムは続ける。 「……どんな小さい家だろうが一緒がよかった。……だけど、あの頃はちょうど、一番力が暴走しやすい時期で僕は不安定だった。アダムに危害が及ばないかそれが不安だった……だから、今ならディーンの気持ちもわかる……」 「――待てよ、おれがおまえの力がアダムに危険だと思って追い出したと思うのか?」 サムが何も言わないと、ディーンはため息をついて彼の腕をつかんだ。「どうしておまえは話を複雑にしやがる。おれがおまえをここから出したかったのは……」 その時、またキッチンの電球が明滅した。サムは目を開いて前を向いた。ディーンを見下ろすと困惑とほんの少しの警戒の混じった表情をしている。腕を組んで成り行きを見守ってくれていたジム牧師も、同じような表情だ。 「いや」 サムは言った。「僕じゃない」 電球がイヤな音を立て始め、そして破裂した。三人とも即座にその場に屈み込み、テーブルの下に逃げ込む。そうしているうちに、キッチンのあらゆるものが振動し始めた。キッチンだけでない、三人がいるダイニングも、廊下も、牧師館全体が。 「地震か!?」 ディーンが叫ぶ。壁掛け棚の保存食品が雪崩のように床に落ちてきた。「クソっ! サム! おまえじゃないんだったら――」 ディーンの悪態も最後まで聞くことは出来なかった。耳鳴りのような高音が響き渡り、三人とも両手で耳をふさいで床をもんどり打つので忙しくなったからだ。それでもディーンが腹ばいで扉のほうへ移動しようとするのをサムは見た。アダムの無事を確かめに行くつもりだ。 サムは自分が行くといってディーンを止めようとしたけれど、そうする前にダイニングの扉が勢いよく開かれた。外で雷鳴のような轟音が響き渡り、同じタイミングでパジャマ姿のアダムがテーブルの下に転がり込んでくる。 「無事だったか!」 ディーンが自分の懐に彼を抱え込もうとする。アダムは混乱して叫びまくっている。「地震だ! 地震! みんな早く外に逃げなきゃ!」 「ディーン? これはやばいぞ……」 ジム牧師も叫ぶ。「これは自然現象じゃない……!」 すさまじい衝撃と音、それと光がダイニングを襲った。霰のように砕け散ったガラスが部屋中に飛散し、サムたち四人はただうずくまって身を守ることしか出来ない。夜風が館の中に入り込んでくる。そしておそらくみんなが感じたことだ――それ以外の”何か”��。 耳鳴りと振動が止んで、サムは頭を守っていた腕をゆっくりと下ろした。テーブルの下から這い出ようとするディーンの手を引っ張ったあと、アダムにも手を貸す。ジム牧師はディーンが抱えて起こした。そして立ち上がった四人は、ダイニングとキッチンの戸口に立つ男の影を見つける。 「何者だ。侵入者よ、名を名乗れ」 館の主であるジム牧師が、魔物にも人間にも通じる誰何をする。 男は顔を上げた。暗がりに月明かりが差し込み、姿が露わになる。サムはその背に一瞬巨大な羽のような影が見えた気がした。しかし次の瞬間には消えていて、戸口には痩せた中年の男の姿があるだけだった。 男は片手に大きな荷物を持っていた。 「もう一度問う。お前の名を名乗れ」 「牧師よ、警戒は必要ない。私の名はカスティエル。おまえと同じ偉大なる御方に遣える者」 男は見かけと同じように、あまり覇気の感じられない声で言った。「――そして、そこの男、ディーン・ウィンチェスターの誉れ高き守護天使だ」 サムの耳に、今度こそはっきりとバサバサという翼が風を切る音が聞こえた。 「何言ってんだ?」 名指しされたディーンは、困惑したような、怒ったような声を出���。「ただの変質者なら、見逃してやるからさっさと出て行け。名前と電話番号は控えさせてもらうぞ、あとできっちり弁償してもらうからな。でも人間じゃないなら――」 「ディーン、彼は天使だ」 「――ハンターと牧師が相手だぶっ殺してやる……って、サム? は?」 「彼は天使だよ。翼が見えた。それに自分で天使だって言った」 「じゃあ僕はアメ���カ大統領」 アダムが言って、目を回してからすぐに謝罪する。「ごめん。黙る。みんなが正気になるまで」 「その通りだ。サム・ウィンチェスター。私は君の守護天使ではないが、君のことはよく知っている」 男は手にした荷物を引きずりながらこちらに歩み寄ってきた。母猫のようにアダムを抱き込んで庇うディーンは、警戒心むきだしの態度で怒鳴る。「おい、それ以上近寄るんじゃねえ!」 「大丈夫、これを渡すだけだ。自分で命を絶とうとしていたので気を失わせた。彼にはまだ生きていてもらいたい」 「ジョン!」 最初にその”荷物”の正体に気づいたのはジム牧師だった。荷物――もとい意識のないジョン・ウィンチェスターは、砕けたガラスが散らばった床の上に仰向けに転がった。 「親父……!」 ディーンはアダムを離してジョンの側に跪いた。倒れ込むような勢いに、サムの胸はぎゅっと締め上がる。彼はアダムを抱き寄せた。アダムは抵抗しなかった。ディーンを見つめながらサムの腕を強く握りしめた。 「親父、親父……! なんで……おい、クソ野郎、親父に何をしたんだ。目を覚まさねえ」 「そのままのほうがいい。また死のうとするかもしれない。彼には君たちの説得が必要だが、事情を知らないとそれも出来ないだろう」 男はテーブルの前まで進み出て、「座って話をしないか」と言った。しばらくの白けた静寂のあと、アダムが代表して言った。「あんたのケツはガラスが刺さってもノーダメージなの?」 男は発言の意図がわからないようだった。小首をかしげたあと、ようやく「ああ」と頷いた。それから先の光景はまさに夢のようだった――男の両目が青白く輝き、両腕が指揮者のように天を向く。すると、床に落ちたガラスや小物が一斉に浮き上がり、逆再生されたように、それぞれ元にあった場所へ戻っていった。 ガラスの最後のひと欠が、パズルのピースのように窓枠にハマる。レースのカーテンがさらりと揺れ、傾いたテーブルの脚が元の高さになる。 そしてすべてがほんの十五分前の、静かで緊迫した夜のダイニングルームに戻ったあと、男――カスティエルは言った。 「私のケツはノーダメージだ」
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「オタクと推しに関するちょっと変わったアンケート」を実施しました
ご機嫌麗しゅう、オタクの皆様。
今回は、オタクの部屋の壁事情やCD事情、推しカプ事情まで割りかし幅広くアンケートを実施しましたァ
なお、画像がフルで表示されないことがたまにあるので、Tumblrアプリで見ていただくか、一度このブログのホームに戻ってみてくださいㅜㅜㅜㅜ (何を何度やってもこれは直らなかったので諦めますスマソ、、、)
▼アンケート内訳
【実施期間】4月上旬
【回答件数】183件 (いつもありがとうございます!!)
【実施方法】グーグルフォーム上のアンケートに回答 私のツイッターと、このTumblrブログで呼びかけ
いつもご協力本当にありがとうございますㅜㅜ
▼基礎情報
【お好きなアーティストに関して】
いつものようにいつものごとく今までと大きな差はありません〜!
【ホーム画面やロック画面はなんですか?】
約90%の方が「推しの画像もしくは推しグルの画像」という回答です。
で、この右の方のカラフルゾーンは何かと言うと、 (デフォルト画像の方は約4%)
自分で撮った写真
「間食をやめろ、痩せろ!!!」って書いてます
好きなモデルの子
ラインフレンズ(ロック画面はサリー、ホーム画面はブラウン)
オルチャンカップル
ゲーム���アニメの推しのイラスト
好きな日本の俳優さん
いかにもオタしているのは苦手なので、ロックは推しの一部分で自己満足。ホームはシックな壁紙。モノトーンで統一している
プリクラ
好きな韓国のブロガー
デフォルト設定の方も結構いるんですね。
ベッキョンとかはiPhoneのデフォルト地球じゃなかったでしたっけ? (ゲーム配信のやつでそれが出てからめっちゃベクペンさんが地球にしてた気がする)
「間食をやめろ!痩せろ!」の画像の効果のほどを聞きたいですね、、
私はプリンセススホちゃんのライブフォトがロック画面で、ホーム画面はSMTチリのスホさんセルカです〜 (昔ディズニーオタクだった時からよく動画をライブフォトにしてました)
▼推しに関する質問
【普段、推しのことをなんと呼んでいますか?】
ハムスター(キム・ソクジン)
セフン、オセフン、セフンちゃん、バブ、ピヨマンネ
リアチンの前ではシウミン、EXOペンの前ではシウちゃん(EXOキムミンソク)
フルネーム、ジョンデ、みん彼、チェンチェン(キムジョンデ)
150件以上ある中から、面白いものを抽出しました!
推しが10人ほどいらっしゃる方がいましてですね、すごい大変そうですね、、、
やはりみなさん際立って変な呼び方はせずに、あだ名や本名の方が多いですね〜
「オッパ呼び」が案外いないんですよね、時代なのかな、、でも長いもんね、、
私は ミノ(SHINee)→チェミノ(尊さが飽和した時はチェミノ様) スホ(EXO)→スホさん、スホ美、スホちゃん、スホ様
まあそんなに際立った呼び方はしないですかね〜
【推しの熱愛が発覚したらどうしますか?】
じっくりコトコト考える、と見せかけてめちゃめちゃ騒ぐと思う、、
Twitterを見なくなる。ペン卒しそうになりつつもしないと思いますが、相当病みますね
応援するという素晴らしいファンになりたいが器が足りないのか素直に応援できる気がしないので、めちゃくちゃショックを受けます。推しの熱愛を受け入れる器量もなければ推しの熱愛の悲しさに学校をズル休みする度胸もないので泣き腫らした目で学校に行くことになります。あとは時間が解決するのを待ちます。時間ラヴ 推しが2人いるのでその時間はもう一人の方にのめり込むでしょう
号泣からの怒りへと変わり、たぶん部屋から出ない。そしてペン卒かな、、、、
諦めません。泣きながらでもずっと好きでいます( ˃_˂ഃ )
仕方ねぇ!!!と思いながら泣く
完全に離れることは出来ないけど2推しに逃げます(笑)
隠して欲しいけど、恋愛は自由
相手が恋愛禁止じゃなければok
本人が認めない限り信じない
現場には行かない
プライベートなので特にどうとも思わない。お幸せに
職業がアイドルなだけで人間だから仕方ない。
前の推しも彼女居ましたし、匂わせてたので免疫がつきました。
別に大丈夫です(追い続けます)!
おぉ!ってなる笑
嫉妬とかは別になし��
多少は寂しいと思うが、幸せになって欲しいと思う。同時に、相手の方の無事を祈る。
恋愛してることで出る色気があるし、普通の男の子らしく過ごしてほしいから発覚しても応援するけど、匂わせとか自分から種まくのはダサいからやめてほしいし結婚まで隠す方がオンオフしっかり感あって好き。
熱愛報道はセジュン公開恋愛の時だと思うので応援します🥰🥰🥰この世にセフンちゃんに近づく女はいらねえ😌
セジュンのインパクト
一応、「無理ィ〜〜派」と「まあ、いいかな派」に分けてみましたが、どうですかね。
私はどちらかと言えば無理かな、、、10年後はオッケーでしょうけど、今は無理です、、、
推しが複数いる場合は、違う推しに逃げるという手もアリですね🙌
チェミノの場合は「家庭を築きたい」っていつだかのインタビューで言ってましたから、ある程度覚悟はしています、、
まあ、、、、ね、、、、うん、、、、、
【アイドルの熱愛、賛成ですか?反対ですか?】
圧倒的「どちらでもない」
まあ多分、「どちらでもない」というよりは「その時になってみないと分からない」ってことなんじゃないですかね、、、
いくら想像していても、実際にそのニュースを目の当たりにしないと、どう考えるかなんてわかりませんよね、、
【アイドルの恋愛に関して、意見を教えてください】
沢山のファンを幸せにするアイドルなのにそれを1人の女だけを幸せにするから 熱愛でたら「〇〇(ファンの名称)愛してるよ〜」とかライブで言ってたお前はなんなんだってなる
アイドルだって1人の人間だ、というのは重々承知だけど、やっぱりいわゆる普通の会社員とかよりはお金も貰ってるだろうし、自分がなりたくてなった職業なんだから、恋愛するなとは言わないけどバレるなとは思う
私はリアコ野郎なのでシンプルに失恋するからです。
表向きでは「推しには幸せになって欲しいから!!」などと言いますが、実際凹む&引きずる、、ので、どちらでもない、、
アイドルも人間なので仕方ないかなって思ってます。逆に推しの恋愛が発覚して追うのやめる中途半端なヲタクになりたくないから
アイドルという職についてファンの前に姿を見せてる以上は隠してほしい。
言い方は汚いが、推しという商品にお金を出して夢を見させてもらっているから、、。
恋愛は誰でもするものだけど、たくさんのファンがいる前であからさまに(ペアルックとか)されるのがすごく嫌ですし、人生かけて推してるので反対ですね。まぁ、嫉妬もありますね。
アイドルと言えど人間ですし、それなりの年齢にもなれば恋愛するのは至極普通だと思います。ただ、アイドルはファンに夢を見せる仕事かなって思うので公言は結婚するまで控えてほしいなって思ってます。
先程の「推しの恋愛に関する質問」とは少しだけ角度を変えて、アイドル全般の恋愛に関してお聞きしてみました。
確かに、恋愛が発覚する前と後では「愛してるよ〜!」の言葉への反応が変わりますよね、、、
「誰に向かって言ってんの??」みたいな感じですよね、、、
私は、表向きには「幸せになってね😢」みたいな感じになりそうですが、実際は普通に泣くと思います、、
昔、ディズニーでめちゃめちゃ好きだったキャストさんが日本のキャストを辞めた時も、表向きは静かに見送って、家で軽く泣いてました、、、、
【部屋にポスターなどの韓流グッズは飾っていますか?】
おお〜〜〜〜〜〜
4人に3人が飾ってる、、、、、、!!
で、ここからはお馴染みの分岐が始まりま〜〜す🙌
▼「部屋にグッズを飾っている」方への質問
【どのくらいのレベルで飾っていますか?】
「飾っている」と言っても、様々なレベルがありますよね。
壁イズどこ?壁、オディエヨ?な方はそこまでいらっしゃらないんですね、意外でした。
壁や机に、、軽くスローガンとかポスターって感じですか?
私の部屋は、まあ一応壁の存在は分かる、、、というレベルですので、「壁はある程度見えるレベル」ですかね。
メインで飾ってるのは、ポスターよりも雑誌な気がします! (ハンガーで飾るやーつです、お得意のやつ)
【お気に入りのグッズを教えてください】
テムちゃまぴよぴよトレカ🐣
TEMPOのソロポスターですね、買った時に付いてくるやつだけどたのるのビジュアル最&高
なんだかんだ言ってアルバムです〜中身が本当に濃いし、写真もいっぱいあって宝物ですね ライブのことを思い出せるライブの時のグッズとかもいいと思うけど結局はアルバムに落ち着きます〜
セサミストリートとコラボしたSHINeeのぬいぐるみ
ペンライト。自分がライブなどに実際に参加できてなくても、しっかり応援している気持ちになれるし、参加しているなら、ペンライトを使った各グループのパフォーマンスが楽しめるから。
文房具類。学生なので基本持ち歩くし使えるから。
BT21のクッション
ソウルでのソロコンのグッズのバッグ
ぬいぐるみ、ピンバッジ、バッグ、全て宝物です。
ネームタグ
トレカ
ぬいぐるみとブランケット
マスターさん作成のカレンダー
絵師さん作成のアクキーとか
なんか今多分涙腺がおかしいというか、心身ともに変な感じなのでちょっと感動する、、、、(どこで?)
思い出の詰まったグッズってい���ですね、アルバムも中身の写真を何回も見たり、トレカ引いた時の思い出があったり色んな意味で中身が濃いですよね。
ここ半年くらいリリースラッシュでトレカ祭りだった気がします、去年のTEMPO期やLOVE SHOT期にソワソワしてトレカ引いたのもいい思い出ですし、エリシオンドットのトレカが不良品で何週間も交換を待ったのも今ではいい思い出です (言ってもエリシオンドットは2ヶ月前とかの話だけどww)
ペンライトもいいですね、様々な現場の思い出を一番共有しているグッズだと思います〜 (EXOのペンライトをゴッツゴツにデコりすぎてゴッツゴツな気がしてきた、、、、)
【イチオシのグッズの飾り方を教えてください】
カップホルダーをピラミ��ドの形にツムツム、、
写真の周りに電球をつける
推しを祀るように飾る笑
天井近くに細いLEDライトをピン!って張ってそこにポスカをクリップで止めるとめちゃくちゃ可愛くて推しがいつも以上に幻想的になります、、!
雑誌を、上一点、下二点で針の部分が長い画鋲で雑誌を挟むと壁に飾れる
自分が1番いる場所から必ず目が合うところに飾る
トレカファイルポケット、ポスターは、画鋲ではなく、ポスター用の粘着のやつで貼る!
ネット?みたいな金属のを壁に固定してフックとかにスローガン引っ掛けて団扇引っ掛けてってゆうありありなかんじです(^^;
ダイソーとかに売ってる白い編み編み??みたいなのにうちわとかスローガンとか鈍器とか飾ってます
壁に磁石をつけてポスターを磁石で貼る
大きすぎて重たいポスターを壁に飾る時は、ポスターの上部分にテープを2.3箇所、テープでポスターを挟むように貼って(ポスターからテープが少し出るように)、少し出ていたテープのところに画鋲を刺してぶら下げる!ポスターの裏の別の場所に丸めたテープを貼ればさらに強度上がります!
ポスターフレームは高いし地震などで落ちたら危ないのでタワレコさんのポスター用のクリアファイルは便利で使いやすいと思います。店舗でしか買えないみたいで持ち帰りが大変でしたけど。
ピンバッジはキャンドゥのお薬ホルダーに刺して壁に吊るしています。
美術館などで買ったポストカードと一緒に似たような素材の推しの写真やトレカを飾るとお洒落に見える気がします💓
壁掛けCDプレイヤー(グッズの飾り方じゃないけどCD入れとくとオシャレ
スローガンはヒモにクリップを通してそれで挟み、ヒモの両端を輪にして画ビョウで壁に刺す!
トレカを硬質ケースに入れまくらの下に、、、ふふふ
最後の人、もはや飾るとかの次元じゃない
電球で推しを照らすのめっちゃええやん、、、と思って自分の部屋を思い出したら去年からやってた、、、
私は安定のハンガー飾りが好きです〜
右の方にある棚は先日突然崩れ落ちました、、、
ここのゾーンは今は、キムジュンミョンコーナーになりました (スローガンが大量に来たのでㅎㅎ)
最近は、ダイソーなどの百均でよく売っている白いアミアミに色々と引っ掛ける方を多く見かける気がします!
私は大学生のころに、白いアミアミにディズニーグッズを飾ってましたが、もうアミアミは捨てちゃいました、、あみあみ、、
壁掛けのCDプレーヤーは私も持ってます!
https://www.qoo10.jp/su/428600851/Q128905311
これですね!昔買った時は4000円くらいだった気がするんですが、価格が高騰したんですかねえ、、おしゃれでいいですよね〜〜
この質問を作った際、みなさんのお部屋の写真を送って頂く項目を作ろうか悩みましたが、「若い男女の部屋の写真を無数に収集した罪」に問われそうだったのでやめました
▼「部屋にグッズを飾っていない」方への質問
【部屋にグッズを飾っていない理由に関して教えてください】
以前は飾っていたが年齢的に控えるべきかなと思ったため。
家族に見られたら、何この男としつこく聞かれそうだから。
推しを飾りつつ理想の部屋に模様替えするのは大学受験終わってバイトして時間・経済的ゆとりができてからにしたいから。
父が嫌韓なので、あと母から壁に画鋲を刺すなと言われたのもありますね笑
ポスター貼るとそれ見て1人で照れてしまうから
部屋が汚いので、綺麗にしてから飾りたい。
景観が崩れるのと、かっこよすぎてどれ貼ったがいいかわかんないからです
劣化が嫌だからです。せっかく買ったのに袋からも出せず、そのまま筒のまま、部屋の隅っこに立て掛けられてます。
控えるべき時が来ますかね、、おほほ、、
私はインテリアのこだわりがかなり強い方なので、月に一回は必ず部屋の中の様子を見直します、それで納得がいくまで内装を変えるんです、、今は満足しているので、しばらくは変えないでしょうが、いつかはポスターを外す時が来るんですかね、、
あと、ご家族に喫煙者がいらっしゃる方もいたようで、それは確かに飾れないかもな、、と思いました
【マスターさんが作成したグッズは買ったことありますか?】
あまりいらっしゃらないかな?と思ったら、以外にも半数以上の方が購入経験があるようで驚きました!
飾らなくても欲しくなるグッズはたくさんありますからね〜
【部屋にグッズを飾りたいと思いますか?】
飾りたいけど飾れない、、、、、という方が多いですよね、、
みなさんのお部屋が素敵な部屋になるように祈っております🙏
▼推しとオタクに関する質問
【一回のカムバで複数の形態が出た場合、どのように買いますか?】
右の方のザッってなってるところは、「ジャケが好みなら買う」「その時の経済状況によりけり」といった感じでした。
私は迷わず全形態派です
【一回のカムバで仮に3形態出た場合、何枚ほど買いますか?】
圧倒的に3枚が多い〜〜〜〜!!!!
でも1枚も多い〜〜〜〜〜!!
右上のザッってなってるところは、その時の状況やビジュによるって感じでした〜
私は迷わず全形態派です(二回目)
【いわゆる、アイドルのカップリングに関してどう思いますか?】
みんなも好きなのね〜〜〜〜!!!!!!!!!!
一回選択肢の設定で自動的に「その他」が追加されてて慌てて消しましたけど、こんな意見もあるよというのも見ておいてもらえると、、!
▼アイドルのカップリングに関して肯定派の方
(※得意でない方は読み飛ばしてください🙌)
【推しカプを教えてください】
セジュン(EXO)
ギュウク(Super Junior)
テテジン(BTS)
ニョルチェン(EXO)が激アツです(パチンコみたいに言うな)
EXO→チャンベク(チャニョル×ベクヒョン)、セジュン(スホ×セフン)
ホシウォヌ(SEVENTEEN)
シウチェン(EXO)
ウントゥク(SUPER JUNIOR)
スホチェン(EXO) ベクチェン(EXO)
ソラブー(SEVENTEEN) チャイナ(SEVENTEEN) ドヨンテイル(NCT)
クサズ 防弾少年団
BTS.グテ、ヤンコチ、グクミン、ちゃん兄弟、グクジン、グクナム
2min (SHINee)
にょるしう
クサムズ→monsta x
しうふん(EXO)、つみん、じょんてむ(SHINee)
ジンチム(BTS)チャンベク(EXO)ジングク(BTS)
バンタン→sope、sin ぴに→ウギュ
セジュン(EXO)
セジュン、ベクドあたりが好きです!(笑)(EXOです)
BTS→グクミン
セブチ→ギュホシ 、シュアホシ
EXO:ふんべく、かいちぇん、どちぇん、にょるかい
SEVENTEEN:ほしうぉぬ、そらぶー
BTS→SOPE
PENTAGON→ユトキノ
SEVENTEEN→ぎゅはお
ルウミン(EXO)
チェンヨル(EXO)
BTS→SIN(ジン、ユンギ)
レイド(EXO)、今はいないけどキス(東方神起)
グクミン、ソプ(bts)
ベクド(EXO)
exo→セジュン、チャンベク、ルーミン
BTOB ソンジェ&チャンソプ
EXO シウミン&ギョンス
RedVelvet ジョイ&アイリーンorイェリ
バンタン⇒クオズ、ソプ、クサズ
EXOのセジュン、ベクド、ニョルド
EXO チャンベク、ニョルセ、セジュン、ビーグルライン、ニョルド
EXOは9人でわちゃわちゃしてて、、
アストロ
ムンビン×ウヌ→ビヌ、石鹸
とりあえずムンビンくんが楽しかったらなんでもいいのでどの組み合わせも大好きですwzの?
チャンベク、ルーミン、セカイ(EXO)
カイテム(EXOとSHINee)
オンジョン(SHINee) カイド(EXO)
EXO、スホド チャンベク カイフン シウルゥ レイチェン クリタオ(セジュンisリアルになってきてますが私は安定のスホドがいいですㅜ)
BTS グクミン(グク ジミン)
twice サイダー(ダヒョンサナ)
ダチェ(ダヒョンチェヨン)
ITZY リアイェジ
レイチェン、ヨルセ、セジュン、あとチャニョルが報われない?一方的に重すぎるカプ(EXO)
なっっっっが
個人的に、「アラ、そんな組み合わせもアリね、、!」って思うものやセジュンを集めました(本当にお前、、そういうとこやで、、)
最後の「チャニョル」が報われない重すぎカプってなにそれ最高なのでは!?もっと詳しく
【推しカプができた経緯や良いところを教えてください】
◎セジュン《経緯》→なんで成人男性二人で裸でインスタライブしてるの.......?→えっ、、このお顔の良いお兄さん達距離近くない、、?えっ、ライブでキスしたの、?えっ、えっえっえっ?!(沼落ち)
《良い所》距離感、、お互い大好きなところ、、お互いが必要なところ、、(ファンクラブと違って)公式が仕事してくれるところ🥺
◎ギュウク《経緯》→わーーーキュヒョンがちゃんと目の奥から笑ってる〜😭本当に楽しいんだね、よかったネ、、ウギたん距離近い〜〜姫〜〜カワイイ〜〜→キュヒョン加入当時エピを聞いた後、お酒飲みながら泣いて辛いと話すキュヒョンのお話をリョウクが聞いてあげたと聞いて、、
《良い所》→王子と姫。どちらも歌が上手い、、ユニットが同じ(ごめんね兄さん.......)
まずはSHINeeから。推しがジョンだからっていうのもありますが、キーくんとジョンの絡みが最高すぎる。すごく2人仲良いんだなって伝わってくる。もちろんみんな仲良いし絆は固いですが!いや実際SHINee全カップルが素晴らしいのだけど。でもジョンキーはカップルいや夫婦ですよ。可愛いの極み。
次バンタン。推しがジンさんで全ての絡み最高だけどユンギさんとの絡みは本当最高。砂糖なジンニムと塩なユンギ。相性抜群。最&高です。
そしてwanna one。リンリンペンですけどウリマンネがジフンペンなの可愛いかよ最高。きゅぶもまるもたまには会わせてやってください。
レイチェン→レイさんが年上なのにフワフワしすぎなのを見守るジョンデが好き。あと最近のだとジョンデのソロ応援してるレイさん、、
ヨルセ→2人とも背中が男らしくてむっちゃ顔が彫刻と思いきや、少女チャニョルとバブいセフンちゃんっていうギャップが好き。
セジュン→セフンちゃんの年上キラーがここぞとばかりに発揮されてる。すーさん結局折れてあげるとことか、弟への接し方ではなく、わがまま彼女への接し方。
自分的にはチャンベクは親友みが強い青春感があるので、やっぱり1番ガチなのセジュン、、って思ってます。
グクが2016年にやりたいことは?って聞かれた時にヤンコチ商売って答えて、ユンギが一緒にやりましょうってなって、それからヤンコチとかヤンコチ兄弟って呼ばれるようになりました!
Twitterのあるアカウントの方がきっかけでルームメイトだと知り、二人の絡みを見てめちゃくちゃ好みでした。いやもうテレパシーっていうか!!二人には見えない何かがあるのではないかって感じなんですよ!老夫婦のような言葉のいらない信頼関係!!これは長年ルームメイトとして付き合ってきたからでしょう!!!また、ユンギさんのツンデレ具合というか、本当はヒョンのこと大好きでたまらないのについ塩対応してしまう……THEツンデレなんですよ…またジンくんの方はゆんぎさんのこと自分のペットのモモンガのようでちっさくてかわいいと思ってるんです!あとグループ内でジンくんはゆんぎさんの唯一のヒョンであるところも素晴らしい。ユンギヤと呼べるのはジンくんだけだし、ゆんぎさんがヒョンと呼べるのはジンくんだけ……ということで右はゆんぎさんなんです!これは他のcpではならず、ユンギ右でジン左は珍しいのですが、何故かしっくりくるんですよ…親父ギャグをいって笑い合っている姿!!二人が見つめあっているだけで私は幸せなんです。ジンシュガ最高!!!!!!
同年代の2人だからこそ、分かること、同じ高校だったからこそお互いわかる事があって、それを声に出さなくても、言葉にしなくてもわかる絆、心の繋がりにキュンときたんです。辛い時、お互い助け合ってここまで来たっていうことが途中からバンタンを知った私でも何か生意気かもしれないけどわかるような気がします。テヒョンの隣にはいつもジミンがいた。ジミンの隣にはいつもテヒョンがいた。楽しい時は一緒に笑って。悲しい時、悔しい時は一緒に泣いて。心配な時は励まして。悩みがある時は、静かに聞いて、そばにいて。そして、幸せな時は幸せを2人でわけあって喜んで。そうやってお互いを大事に思ってて、本当に重要な存在なんだなって思ってすごく感動しました。テヒョンがいなかったら、今のジミンはいなかったかもしれない。ジミンがいなかったら、今のテヒョンはいなかったかもしれない。それだけ絆の深い、愛の深い2人に出会えて、私はほんとに幸せだと思えるくらいこの2人が大好きです。
いつも、タリョラの時や、ライブの時、YouTubeの動画、Vライブ、色んなところでイチャイチャしているのを見ていて微笑ましく、可愛すぎると思って、調べていたらもっと好きが増して推しカプになりました(><)
ショヌウォノ、ソラブーはガチすぎて、、、あの、、、幸せになってください、、、という感情。
ニョルド、チャンベクはどちらかというと友情が強め。でもチャンベクはニコイチ感あるし、ニョルドは安心感がある。ただどちらもチャニョルの愛が強めで強火。そこが良い。
セジュンのリアルガチさに腐女子化が進んだセジュン早く結婚しろくださいお互い服やアイテムを共有しあってる所さりげなく恋人繋ぎしてしまいには一つのベッドでイチャコラしだす所(サダリ参照)1日必ず1時間はお話してから眠りにつく所アドレスにすぅちゃんは「俺のセフン」セフンは「愛するすほヒョン」って登録してる所リアルガチすぎて熱愛の心配オプソヨな所
いい所:①なんの遠慮もなくご飯を奢ってもらうジョングクとまんざらでもないユンギ「この間ジョングクとご飯に行ったんだけど、ご飯終わって、ジョングクが何か言おうとしたから、ああ「ヒョン、いつも払ってもらってるんで僕が払います」って言うのかと思ったら「ヒョン、ご馳走様でーす」って言ったんだよコイツ」(ユンギ談)(ちなみにニヤニヤしながら)②ユンギを見る時のジョングクが小動物を見て興味津々な子供そのものな所③ユンギがなんだかんだ言ってジョングク大好きで甘々に甘やかすことろヤンコチラヴ!!!!!!
オンジョンは歌声の調和と信頼関係が素敵だから。カイドは、カイと一緒にいるギョンスが一番お兄ちゃんぽく見えてかわいいから。見ていてかわいい。(腐女子ではありません)
良 :オタからも非オタから見ても彼らはガチでした。ファッションホモのような面もなくいつでもどこでもイチャコラしてていい加減にしろよこの野郎💕ビジネスホモなら彼らのプロ意識の高さに全オタクが泣きます。容姿よし性格よし、すべてにおいて不可がなく、互いに甘やかしたい、甘やかされたいの利害が一致していて一言で表すならホモの最高峰。又の名をホモ界のアダムとイブ。そう私は呼んでいます。経緯:ツイッターの動画と、金髪スホさんと黒髪セフンちゃんの足を触ってカミングアウトしろよ!って言われる番組からどハマりした気がします。それより前からかもしれないです💦💦
セジュンは推しのすほさんがセフンにベッタリなので、すほさんを見ているとそのままセフンがくっついてきますね(笑)その流れで自然とセジュンが好きです(笑)良い所は容赦なくイチャつくところです。ベクドは友達のような兄弟のような、そんな空気感と圧倒的なお互いの信頼関係がたまりません。
年下のベッキョンがわんこ属性で年上のシウミンが猫属性なところ。ベッキョンがシウミンにちょっかいかけたがりで可愛いと思ってるしシウミンもそんなベッキョンのことを可愛いと思っている事実
ゆんクンのジンくんへのヒョン呼びに��えたのと2人の世界観に萌えたこと
番組内やプライベートなどです!特にレイチェンは結婚してらっし���るので((違))信頼関係が素晴らしくて素晴らしくて☺️
たまたまメンバー内カップルの話読んでハマっていた(Twitterとかで普通にそういう話が流れてきた開放的な時代)その後他のグルでゴリゴリの腐女子に生産されて今に至ります。
そぷ→2人の関係性が好き。文字に表したらそこがないぐらい好き。
ユトキノ→ゆうとのデレデレ具合といいじのちゃんのヒョン感が好き。
ぎゅはお→はおがいつも見せない毒舌な部分がだだ漏れで好き。
熱く語ります。最初はチャニョルとギョンス君とのニョルド派だったけど他のメンバーの時には感じられない独特な空気感と雰囲気、お互いを信じ切っている目に見えない絆、相手がベッキョンだからこそのギョンス君を知ってしまってから沼一直線です。何と言ってもベッキョンの"ギョンスはEXOの宝物"発言がベクドちゃんの関係性を表しているんじゃないかなって、、。EXO内で一番静かなギョンス君と一番うるさいベッキョン。正反対なのに二人共お互い気が合うって言うし休みの日は旅行したいって言うし(実際した)。お互いにない部分を理解して尊敬し合ってるんじゃないかなって腐女子は毎日妄想してます。下の話をすると、いわゆる、ボーイズラズこ要素を含め理解した上で ベクド です。
ホプミン→明るいふたりの絡みが大好き。
クサズ→ある、ホソクのミッション動画
ジンミン→2人のハグが見てて気持ちいい、可愛い
グクミン→ガチめに出来てそう。ホントのカップルみたいでお似合い
オタクーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!自由に喋らすと話が長いーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私これなんか言ったほうがいいですか?え?
シッパー同士を秘密裏にマッチングさせたろか???アア????????
はい、読み飛ばし勢はここまでね、フフ。
なお、カップリングに関して否定的な方のご意見がすっごく少なくてですね、、まあ、いいことなのか悪いことなのか、、
でも、おおっぴらに話すと推しに悪いよ、というテイストでした。
オタク、しっかりしろ
▼最後の質問コーナー
【オタクで良かったことはなんですか?】
心の救済どころがある、友達ができた🙌
オンニと一緒にライブにいけること♡
友達が増えた(静岡住みだけど愛媛住みの子が東京に来たときに新大久保案内するくらいの仲にはなれました)
今までこれといった趣味が無かったが、推しグルを追う事が趣味になったので生きる楽しみが増えた。
⚪︎おめめたまと出会わせて貰えました👀🌸⚪︎自分にかけるお金は減ったものの、圧倒的なQOLの向上⚪︎推しがかっこよすぎる.......ㅠㅠ
基本一人でライブに行くので、知らない人に話しかけたりそのまま仲良くなったりと、コミュニケーション能力が高まりました。
あと、おしゃれや化粧を覚えたのは当時の推しのおかげなので感謝しています。
どんなに気分が落ちていても推しを見れば自然と心が癒されます、これが一番オタクでよかったことですかね!찬열오빠 감사합니다!!!!!
韓国語を少しながら覚え始めてること
普通に趣味がないより人生が充実しています。それに同じ仲間と仲良くなれるのが楽しいです。
暇な時、推しを考えていれば時間を潰せる。
普通に暮らしてこんなに沢山一喜一憂して気持ちが動くことはない。推しの幸せが自分の幸せになること。知り合うはずのない世代、職業、色んな方とお友達になれる。
ライブやイベントを励みに毎日頑張れるし、嫌な事や辛い毎日でも推しグルの姿や歌でほんまに元気貰える。
人脈が広がった💖
ホテルや交通機関の予約だったり、スケジュール管理だったり、人生勉強ができたこと。嫌なことがあってもオタ活してると励みになること。
いろんな分野に詳しくなれました。韓国だけでなくいろんなところでオタクをしてきましたが、知識と感性だけは豊かになりましたね……。
シンプルに人生が楽しくなりました。写真1つで嫌なことを忘れさせてくれる存在(推し)ができ、カムバやライブなど日常にワクワクが加えられ、共通の趣味を通じて友達も増えました。また彼らの音楽や歌詞に助けられて辛いことも乗り越えられました。
大手さんの受け売りになってしまうんですけど、推しがいなくても生きていけるけど推しがいた方が何億倍も毎日が幸せなんです。
一部、またまたやってしまった、、、、(笑)
私もこちらの世界に来て、様々なオタクと仲良くなりましたが、本当に人生楽しいです〜〜!!
スケジュール管理上手くなりますねwwそれは分かりますww
オタク、良いことしかないじゃん、、、、、、
【オタクとして生きている中で遭遇したトラブルに関して】
これは色々と見ていて、別記事にしたほうがいいなと感じましたので、次回まとめます〜!
書いてくださった方々、ありがとうございました🙌
▼最後に
ご意見ご要望のところ、いつもちゃんと全部読んでます〜!
ありがとうございます><
アンケートの要望なども今後の参考に致しますネ!
幸いなことに、以前少しだけお話した韓国語のサービスをようやく動かし始められそうで、来月にはおそらく今までみなさんにご協力頂いていた分、お返し出来るようなものを発表出来ると思います🙌 (その時は多くの期待と関心をお願いします🙏www)
ですので、しばらくはその準備に入りますので、アンケートはお休みさせてください🙏
その代わりと言ってはなんですが、みなさんが日頃疑問に思っていることや欲しいサービスに関していつでも私に送れるアンケートフォームを開設したので、お暇な時に送ってくださいな!記事にしたり、もしくは本当にそのサービスを作るかもしれません〜!
https://forms.gle/9mCJc1PPZATgMXhB8
↑ここにお願いします!
てなわけで、次は多分オタク問題の話か、チベシレポなんじゃないかな〜
実はこれを書いている間に軽く風邪を引いたり、違う仕事をしたりと、かなり間にいろいろ入ったので、変なこと書いてるかも、、?うーん、書いてたらどうしよう、、、
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パーシャルタイムトラベル 時空の果てに
2017年7月20日(火)
興味半分で宝塚オンラインチケットをポチポチとして偶然取れた前楽。ありがたやありがたや。初めてのバウホール公演でした。 どこから入場するのかもよく知らず、どんな規模なのかも分からず行ったけど、大劇場の隣にあんなにこじんまりとしたホールがあるとは。こりゃ人気スターが公演するとなったらチケット普通には取れんわな。という座席数で、ステキな空間でした。トイレがキレイだった。(そこかい)
演出はハリーこと正塚晴彦先生。去年、雪組のケイレブハントは見逃してしまっていたので生で作品を観るのは初めて。映像は宙組のメランコリック・ジゴロだけ。イメージ的には男役の美学を大切にされていて、独特の世界観のある方なのだろう…とそんな感じ。そういえば、以前駐車場を出られるところに鉢合わせて譲っていただいたことがあるわ。あの時はありがとうございました。やたらとカッコいい車に乗っておられた覚えが。
主演はずんちゃんこと桜木みなとさん。私が宙組を観るようになった時にはすでに若手期待のホープとして大活躍なので、わりと早い段階から知っていた男役さん。バウ2度目の主演というコトで、前回の「相続人の肖像」は未見なんだけど、今回この「パーシャル〜(長い)」観て、���作も見たくなった!ずんちゃんすごい!というのが率直な感想。 いやね、正直なところ、バウ2度目の主演を射止められた時は「なんで2回も…1回分けてくれたらいいのに…!」と思って落胆したし、そんな気分もあり、見に行く気も起こっていなかったのです。でも、この前の「王妃の館/VIVA FESTA!」を観て戸川くん超かわいかったし、歌上手いし、ずんちゃんファンのお知り合いもいるし、どんなもんか見てみよかな。と興味がわいてポチポチするに至りました。
うん、参った。ずんちゃんすごい。あっぱれです。 今回の一番感じたのは「破綻が無いという安心感」 そうなんだよな。歌が「え?」とか芝居が「…ん?」っていうのがあると冷めてしまうし、一番あってはならないところだという自分のこだわりを再確認。冷めると「あ、あの人はステキな男役さんだな」とか「今のあの仕草は素敵だったな」とか、後からならいくらでも考えればいいけど、その瞬間にはいらぬことを考えて物語が入って来なくなってしまう。いろいろ観ていくと良い意味で目は肥えるのかもしれないけれど、せめて観ている間は純粋にその世界にどっぷり入り込みたいなというのがやっぱりあって・・・ 今回はそういう冷める瞬間がなかったというのが終演後一発目に感じたこと。スッと物語の中に入り、1幕が終わり、2幕のフィナーレまで楽しむことが出来ました。きっとこれは演出やキャスティングなんかも大いに関係があることだと思うので、ポスターが出た時点でまだ脚本迷ってるんじゃないか…みたいな心配もあったみたいだけどこう仕上がって良かったね。作品によく合った25名だったんだろうね。なんて思う次第です。
お話としては、タイムトラベルもの。現代と中世をいったりきたり。 現代はというと、スマホを使うような現代です。(王妃の館でも感じたけど小道具でスマホが出て来るというのが時代だな〜と思います) 映像ならいろんなCG駆使して表現出来るけど舞台上で表現するというのはとても難しいんだろうな。どんな表現するんだろうなという興味もあって。基本パターンは「カーン!」と鐘のような音がなったらクルクルと回転する背景の明かりと共にジャンがめまいに襲われ横たわり、その間に周りのセットや人が入れ替わる…だったけど、一発目はストロボで周りの通行人が逆再生の動きをする中でジャンだけ進むみたいな”ザ☆巻き戻し”だった(あれ好き) その他には(すごくいいところで)床板が中央からパカっと割れて上下に引き裂かれるパターンとか、飽きないようになっていて自然に観られた気がします。現代と中世と装置の配置は大きく変わらないけど、扉の開け閉めと電飾のあるなしで分かりやすくなっていたのが印象的でした。バウって基本こういう感じなのでしょうか。他の作品も観てみたいな。
第一幕が結構充実の構成で、第二幕はわりとあっさり。時間の問題とかもあるんだろうけど(これもバウだから?)ちょっと後半が若干やっつけ気味で「え?あ!そういう終わり!?」っていう伏線ちょっと残った感はあったけど、まぁいっか。タイムスリップして最終的にスリップ先で落ち着くパターンに出会ったのは初めてかもしれません。 ある意味現代的というか、もしそういう道(タイムスリップしてその先で人生を送る)があればそっちを迷わず選択する若者ってきっと大勢いるだろうなと(笑)正塚先生はずんちゃんに『いかにも今の時代にいそうな”若い男”の雰囲気』をみていたようで、まさにハマ���役。特に熱い夢とか希望に満ち溢れているワケではなくどこか自分の生き様を憂いている少し寂しい若者。 上手く言えないけど現代感(しかも日本ではなく海外)が秀逸で、海外ドラマを見ているようでした。正塚先生の色なのかしら。 そのジャンがタイムトラベルを経て”運命の人”に出会い、奔走するにつれて成長していく過程もこれも自然かつ現代的で、見ていて違和感はありませんでした。シャーロットじゃなくてテスが運命の人だと気付いた時の切り替えの早さにはビビったけど現代っ子だから許すよもう(笑)歌良し、踊り良し、演技良し。破綻の無いずんちゃんの役者としての魅力がこの作品にはよく合っていてとても良かった!良い役に出会えてよかったね!最後のキスが超ロマンチックだったでしょ…ブーケ持ってる両手を上にあげて封じてましたな…
まどかちゃん(星風まどか)のテスの現代感もすごく良かった。ナウオンとかスカステで見る、ちょっと控えめな”ええとこのお嬢さん”感ではなく、本当にその辺にいそうな素朴な女子でした。
一方で、侍女のテスは絵に描いたような真面目侍女。だけど、ジャンには次第に女性として心を開いて行くのが見えました。タイムトラベルの都合上ジャンと会えない時期があるので「会えない時間が愛育てるのさ」的な距離の縮まり方していたところもありましたが、それはこういう話だからいいです(笑)にしても、芝居心のある娘役さんだなと思いました。
リシャールとピエールの二役のもえこ(瑠風輝)。今回、多分2番手的ポジションなんだろうという感じでしたが、脇を固める組長・副組長やその他の上級生の濃さもあり、それほど目立つポジションではなかったかなと。まあ、でもまだ新公学年だよね。まだまだこれから。でも、ジャンの友人で半端ギャングのリシャールとシャーロットの恋人でテスとは幼なじみのピエール、全然違うお役を演じ分けていて芸達者な方だなと思いました。
行く前から評判の良かったららちゃん(遥羽らら)といえば全ツのシルヴィアのイメージでしたが、今回はまた全ッ然違うお役。なんなら真逆で、ちょっとおバカ系で猪突猛進。しおらしさの欠片もないキャラクター(笑)一番今回笑いを起こしたのは彼女でした。ほんの一時、侍女テスを差し置いてジャンのお相手になるわけですが、ららちゃんとまどかちゃんのお役のコントラストがはっきりと出ていて、見ていてとっても楽しかったです。話題のまどかがららをぶん投げるシーンは衝撃的でしたよ。ジャンの名前をくどくどと言うところなんかもセンスの良さを感じたし。ちょっと滑舌あやしいのもあれはきっとキャラですよね??途中、テスが「てしゅ」になってたのが可愛かったです。 シャーロットは現代では街の女3。「◯◯(名前)よ」と”シャーロット”によく似た名前を言っていたけど忘れちゃった。いいキャラでした(笑)海外ドラマに出て来るちょっと変わったマイペース女子みがありました。こちらでも笑いを誘い、本当に芸達者。もえこ&らら恐ろしい同期コンビですな!
フレッシュな若手が大活躍する一方で、みんな大好き宙組アダルティーズ(?)も大活躍ですよ。ホントに濃かった。 すっしぃさん(寿つかさ組長)は現代ではテスの叔父シルヴァン、中世では侯爵モンタギュー。どちらもお茶目なおじさま。若手の組子の主演作品でこそあれど、組長がしっかりと楽しんで演じられているお姿は見ていてとても気持ちがいいです。最後の群舞のキレがマジで恐ろしい。 あおいさん(美風舞良副組長)は現代はサラ。割と寡黙なアパルトマンの住人で中世はモンタギュー侯爵夫人。田舎の貴族感と、シャーロットの母感が好きでした。なんか本当にこの組長副組長がいるから、若いノリでウェーイと終わらなくて済むんだろうな。深みを出してくれる存在ですね。
きゃのんさん(花音舞)2作続けておばあちゃん。でも、この間の岩波さんとは違って外国のおばあちゃん。少ーしギャグもはさんだりしてて岩波さん以上にお茶目なおばあちゃまでした。かと思ったら中世ではご夫人とかされてて大忙し!りんきら(凛城きら)ライセンスおたくの大家さんとちょっとインチキくさい預言者。独特の味を持った個性のある方。おじ役に磨きがかかってるし、ダンスの程よく力の抜けた感じとかが結構好きだったりします。あとはありさちゃん(瀬音リサ)。なんというか、都会的な洗練された感じをまとっておられますよね。勝手に宙組で最も芸能人ぽい人に認定しているのですが。ホットパンツにソバージュ似合い過ぎだし、クールビューティーありさ最高でした。本当はもっと調香師イザベル活躍して欲しかったけど・・・ジャンとテスの後ろをもの寂しげに歌いながら歩き去って行く姿を私は忘れない!
あとは、ゆみちゃん(桜音れい)や、りおくん(星月梨旺)がしっかりと脇を固めていて、ちょい役でも存在感を放つのがさすが上級生。一幕冒頭大活躍だったゆうこ(朝央れん)のサミュエル。デカいけど頼りなーい感じがなかなかいい味出てました。コメディエンヌタイプの方なのかしら??ずんちゃんと同期コンビで絡んでいる姿が見られて嬉しかったです。むっく(里咲しぐれさん)もちゃんと見たのは初���ったのですが、大人っぽいお役とかが合いそうな方ですね。あちゃぴな(朝日奈蒼)やりりこ(潤奈すばる)、わんた(希峰かなた)、こってぃ(鷹翔千空)などなど、新人公演で活躍中の若手もちゃんと見られたのも収穫。まぁ様コンでも下級生チェックが出来たし、ますます宙組が楽しめそうな予感がしています。
こんなに滔々と感想がどっさり書けるとは。 見る気がわかなかったと言ってごめんなさい。バウホール公演の良さを存分に味わって帰ってきました。そして何よりずんちゃんの魅力を存分に感じて帰ってきました。真ん中力ってこういうことなのかな。スターってこういうコトなのかな。路線ってこれか。ってもう感じずにはいられませんでした。 大劇場の本公演とは比べようがないのかもしれないけど、本公演よりも普通に良かったです。満足感が全然違います。
またしても宝塚を学んでしまった…こりゃもう引き返せないな。引き返す気ないけどね。
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