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oms-works · 9 years
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最近、スターウォーズ/フォースの覚醒・トレイラー(予告編)の音楽について youtube上で物議を呼んでいる動画。
なかなか面白いんですがねw
確かにこの youtubeのような、 最近のトレンドを踏襲した予定調和な音付けしたものはよく見受けられます。
がしかし、はて??、 「スターウォーズ/フォースの覚醒」のトレイラーは全バージョン確認しているつもりなのですが、パーカッションもドンドコ入ってませんし決してこのようなチープな感じではありません。
このような音楽付けのバージョンが他に存在しているのでしょうか???
今どきの「SF・アクション」ジャンルの音楽って全部こういう感じだから、もっとこうジョンウィリアムズさんみたいな音楽になったらきっと素敵だよね、っていう話でもちょっと違う気がするんです。
また最後のほうに、このような音付けを提案する、というような趣旨だと思いますが、動画へのリンクが現れます。
が、、いやー、、、全然よくないですww、映像のテンポと合ってないですし。。音楽云々ではなく映像と合っているかどうかという話。
これで一般大衆の気持ちが上がるとは思えません。
余談になりますが、どちらかというと懸念したのはやはり映像に「エイブラムス節」が入っているところでしょうか。けっして嫌いではないし面白い作品になっていると想像しますが、ルーカスさんの世界を期待して観るのは間違いなのかもしれませんね。
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話を戻してこの動画は面白いし真実だとは思いますが、しかしある一つの側面を見ただけで、その他のトレイラーや本編の音楽的傾向、全体を決めつけてはいけません。
まず、これまでのSF作品の中で「スターウォーズ」は「別格」であるという事、またジョン・ウィリアムズも現在の作曲家の中においては、これまた別格だという事を念頭に置いておかなければなりません。 関連グッズなどを含めビジネス的にもこれほど成功したシリーズは他にないでしょう。 世界中のファンの想いやスターウォーズはこうあるべきだ、という風潮など、何かにつけて特別なんですね。 当然音楽もそうなるのだと思います。
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インディーズを含めて世界中では年間、膨大な数の映画が制作されています。(具体的な数は把握しておりませんが、、)それに伴い膨大な数のトレイラーが世に披露される事になります。 その中でも私たちの目に届くものというのは、世界各国の配給会社・バイヤー達によって選考・厳選され通過してきた作品のものです。
年間1000本近いトレイラー(同じ映画の別バージョンを含む)を観ますが、基本的にはどのトレイラーも良く出来ていて本編に興味を惹かれるものも数多く、中には芸術的な傑作と言えるほどのものもあります。 まぁトレイラーが傑作だからといって、イコール作品が傑作とは限りませんが。。。
映画には大中小なりそれなりの予算の規模がありますが、当然お金をかけて作り上げたらそれでおしまいじゃなく、それを回収して収益を上げて尚且つ、次の作品のための原資も確保しなければなりません。 その為に様々なプロモーション・宣伝活動が行われますが、何よりもまず重要視されるのがトレイラーです。このトレイラーの出来如何で、興行収入が大きく左右されると言われています。
なのでトレイラーは何が何でも良く見せる必要があります。大規模な予算のものは尚更です。 そのトレイラーを観た人の足を映画館に向かわせたり、DVDを購入させたり、ネットで配信ボタンをポチッとさせたりしなければなりません。
そんな重要なトレイラーの音楽付けにおいて何を判断基準にするかというと、それはもう”前例”しかないんですね。 特にアクション大作もので顕著にあらわれていて、即ち、大ヒットした映画の音楽とその映画に人々を惹きつけるきっかけとなったトレイラーの音楽を、形を変えて再現するという事なんです。
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トレイラーの音楽というのは以下にあげる3つの手法で付けられていて、
・その映画の本編の音楽から編集して付ける(その時点で音楽が出来ていれば) ・そのトレイラー用に新たに音楽を制作する。 ・とにかくその作品にマッチする音楽を、既存の様々な音源から引っ張ってきて編集して付ける。 (何の関連性もない過去の映画のサウンドトラックの音楽が付けられている事も良くあります)
このいずれかの手法、もしくは手法をミックスして行われている分けです。 大抵アクション大作ものとなるとチラ見せしたい場面が多いのでしょうが、場面転換が激しいのもあって、上記の手段を併用してあの手この手状態です。
この話題の動画主は「アクション・SF大作」ものにおける昨今の音楽の傾向を言っているのでしょう。 そして「こんな風に簡単に、安易につくられている」とも。 大雑把に言うと、パーカッション「ドンドコドコドコ」ストリングス刻み「ザクザク」ブラス「バーン」って。
「ドンドコ・ザクザク・バーン」
だとしても、、、
いいじゃない別に! 嫌いじゃありません!
めちゃめちゃ好きなワケでもありませんw
実際、これ以上何が出てくるのかと思うほど使い尽くされてきたこの手法で、未だに「こんなバリエーションもあったか!」という事も少なくありません。また当然ですが、全てがこの動画のように簡単に作られているワケではありません。
しかし重要な事は、この音楽的傾向は主に「アクション・SF」ジャンルにみられる最近のある一方向の傾向に過ぎない、という事です。 シネコンなどではアクション大作のトレイラーが優先的に流れますし、ネット上でもリンクや広告が多かったり、また音もでかめ?でインパクト強めに作られているので、印象として残るのも無理はありません。
「ドンドコ・ザクザク・バーン」じゃない「アクション・SF」も結構あるんですけどね。 いずれにしても、この「トレンド」がいつまでも続くわけでもないし、必ずバッシングされるのがトレンドの宿命でもあるのです。
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一方で
私がよく閲覧している新着トレイラーサイト(週に2、3度更新される)で披露される「SF・アクション 」ジャンルのものは、大体15〜20本に一本のペース、といったところでしょうか。 ので、「その他」のジャンルのほうが圧倒的に多いのですが、トレイラーの音楽の内容や付け方はもちろん本編の音楽の素晴らしいものはたくさんあるんですね。 オーセンティックな手法によるものがほとんどで、その中にちょっとモダンなものを感じたりテクノロジーが見えたり、まだまだこちらのほうが主流であると見てます。
現にアカデミー賞作曲賞にノミネートされるもののほとんどが、このオーセンティックな手法をベースにしたものです。 この動画のように恰も、昨今の全ての映画音楽が古典へのリスペクトが足らない、というような表現はどうかと、、、
補足しておきますが、今どきの「SF・アクション 」を数多く手がけている作曲家達がオーセンティックな技術やセンスを持ち合わせていないかというと、そうじゃないんですよね。
この動画主が「スターウォーズ愛」から言っている事はよく分かりますが、大抵において昨今のSF・アクション大作もので、ジョン・ウィリアムズのような音楽、もしくは古典的な手法で音楽を付けるのは無理があると思うんです。(ハリーポッターのような作品は別ですよ) 例えばトランスフォーマーの音楽をジョン・ウィリアムズが担当するなんて、あり得ないでしょ!
「スターウォーズ」は特別なんです。普通のSF映画ではありません。 だって、「スペース・オペラ」なんですから!
yujiro okazaki / oms-works.com
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oms-works · 9 years
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ライセンスのサブスクリプション化の動きに関して
今年に入ってAVIDは「ProTools 12」を発表すると同時に、ライセンスにサブスクリプション方式を導入する事を発表。オプションで月間・年間・永久のライセンス選択が可能となっていて、スコア作成ソフト「sibelius」に関しても導入が決定しています。
そして満を持して、ソフトウェア音源デベロッパーのパイオニアの一つである「EastWest」が、サブスクリプションライセンスを発表しました。
eastwest composers cloud http://www.soundsonline.com/composercloud
これにはちょっと驚いたのですが、私としてはこのような動きを歓迎しています。メーカーとしてもこれまで取り込めなかった、コスト面が理由で導入を躊躇していた潜在的なユーザーを発掘出来るのではないでしょうか。
近頃ではソフトウェア音源をダウンロードで購入する機会が増えてきており、手軽に意中のライブラリを手にする事が可能となりましたが、その反面リスクも生じています。
デベロッパーがトライアル版(機能限定、期間限定)を用意しているケースを除いてほとんどの場合、デベロッパー、ディストリビューター側が公開しているデモ音源、デモムービーが、購入に至るまでの判断材料となります。しかしながら、巧妙に作り込まれたデモンストレーションムービーに触発されて購入したものの、結局ほとんど使わなかった(使えなかった)という経験をした人は多いはずです。
この事は、そのライブラリのクォリティーが良いか悪いかという事を論点にするべきではなく、それを使用する個人個人の(音楽)制作アプローチの違いからくる問題であって、メーカーとしてもすべてのニーズに合わせたデモを作るというのは不可能な話ですね。
そこで、これまでフラストレーションをためてきたユーザー達にとっても朗報なサブスクリプションの動き。
とりあえず月間ライセンスで試したのち、本当に必要であればフルライセンスで購入すればよいのです。仮に「必要なライブラリーが1つもなかった」という結果になっても、eastwest composers cloudの場合、30$(現在約3600円)の損失で済むのですから。また、ライブラリを使用するにあたって「今進行中のプロジェクトでは必要だが、先々必要になるとは考えにくい」という場合においても有益なシステムですね。
バーチャルインストゥルメントのカテゴリーにおいて、サブスクリプション導入の先陣をきったEastWest。 他のデベロッパーの追従を期待しつつ、その動向を注視していきたいと思います。
yujiro okazaki / oms-works.com
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oms-works · 9 years
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ソフトウェア・オーケストラ音源についてのカクカクシカジカ..前編
今日ではバーチャルでオーケストラを再現する手段として、プロ・アマ問わず、WIN or MAC上においてソフトウェア・オーケストラ音源を使用する事が一般的となっています。このオーケストラ音源についてはこの数年で急速に発展してきましたが、この先々も現時点では想像だにしなかった革新的モデルが次々とリリースされていくに違いありません。
一連のソフトウェア音源が発展してく道のりの初期段階では依然ハードウェアサンプラー、PCM音源が主流でした。当時大多数のDAWユーザーにとってソフトウェアベースのオーケストラ音源と言えば、「高価」で「大容量」、しかもそれらをフルオーケストラの形で本格的に導入する為には、マシンの性能、メモリ、HDDのグレード及びストリーミングスピードなどハードウェアに関するハードルをクリアする事が必須となり、更にハードウェアに投資せざるを得ない、という印象だったでしょう。
Hollywoodなどにおけるfilmscore制作などの現場ではいち早く最先端のソフトウェア、テクノロジーを導入すると共に、ハイスペックなマシンをマシンルームに数台から数十台並べたシステムを構築し、ハード的なトラブ ルで制作行程(スケジュール)に支障をきたす事のないよう常にメンテナンスとバックアップを並行させながらの運用となるわけですが、しかしこのような環境はhollywood映画のようなバジェットの大きい制作現場に限られたケースであり、バジェットの小さい(というか一般的な)制作現場や、ましてや作曲家など個人での本格的な導入はリスクが大きすぎるというのが現状であったかと思います。
しかしながら近年、マシン性能の目覚ましい進歩とともにストレージの大容量・高速かつ低価格化 が進み、更にはSSDやThanderboltなどの新しいテクノロジーが登場し、個人レベルでのハイクォリティー・バ ーチャルフルオーケストラシステムが比較的容易に導入可能となりました。しかもそれらが小型・軽量・静音化され ている点についても見逃せません。設置スペースの問題やマシンの騒音・放熱といった、クリエーターにとっては 常に悩まされてきた問題も大幅に改善されてきているのです。
2006年にvienna symphonic library社から登場したソフトウェア「vienna ensemble」。2009年、その「vienna ensemble」からアップグレード された「vienna ensemble pro」の登場により、CPUパワーの効率的利用・分散化が容易になり、各種DAW上で扱う上で問題となっていた「メモリの壁」が取り払われ、よりストレスの少ない環境構築が実現可能となりました。
※ クリプトン・サイト http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=34980 サウンドウーノ http://www.sounduno.com/?p=720
これらのハード・ソフトウェアの進歩はバーチャルオーケストレーションの分野にだけではなく、あらゆるジャンルの音楽制作に恩恵を与えたのではありますが、通常セットアップしなければならないインストゥルメントトラック数が多いのに重ねてそのサンプルが大容量である事や、より緻密にコントロール情報を各インストゥルメントに送り、音色を変化させなければならないケースが多々ある事、等々考慮すると、バーチャルオーケストレーションの分野が受けた恩恵は他のジャンルに増してより大きいでしょう。
作曲家にとって思いついたアイディアが比較的安易に再現出来るという点において、リアルなオーケストレーションについての探究心やその再現力、対応力を奪う側面があるという意見もありますが、昨今の柔軟な対応とそのスピードを求められる様々なフィルムプロダクションの現場において、そのメリットは計り知れません。いまやこれらのツール は全編生オーケストラ録音のケースにおいても、プリプロダクションからポストプロダクションに渡るworkflowに欠かせないツールとなっています。
続く
yujiro okazaki / oms-works.com
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oms-works · 9 years
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制作総指揮としては久々の、M. Night Shyamalan(M・ナイト・シャマラン)による作品。(2013年の「after earth」では脚本・監督。制作総指揮はウィル・スミス)
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が流行の始まりと言われる「POV方式」による作品で、日本では「主観ショット」「視点ショット」と呼ばれるそうです。TRAILERを観た限りでは「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの撮り方に近いですね。 音楽に関して言えば、シャマラン自身の制作作品においてはジェームス・ニュートン・ハワードと長年タッグを組んでいたのですが、今回はどうなんでしょう??
しかしこういう類いのものって、あまり音楽がないほうが(background musicを抑えたほうが)恐怖が引き立つんですよね。。
yujiro okazaki / oms-works.com
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oms-works · 9 years
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トルストイの晩年を描いた映画「The Last Station(邦題:終着駅 トルストイ最後の旅)」(英・独・露合作)マイケル・ホフマン監督 2010年アカデミー賞、主演女優賞&助演男優賞ノミネート作品。そのfilmscoreからのタイトル曲で「The Last Station」。音楽はロシアの作曲家、Sergey Yevtushenko(セルゲイ・エフトシェンコ)。
映像の音は、恐らくスタジオルーム内において2TRハンディレコーダーで収録、若くはビデオレコーダの音声トラックのもの等と思われますが、なんとも言えない臨場感があって、正規のsoundtrack盤のものよりこちらのヴァージョン(と言っていいのかどうか、、)のほうが好み。。
yujiro okazaki / oms-works.com
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