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《 虎渓三笑の家と 》無事に終了しました!
無事に展示が終了しました。 5日間あっという間でしたが、とても充実した時間となりました。お越しくださったみなさま、そして気にかけてくださったみなさま、ありがとうございました。
今回 展示と引っ越しが重なったこと、また生活ユニットを結成してから5年ほど経つことから、生活を再考するような展示内容をつくろうと決めました。 どのように展示を組み立てようか、そもそも生活を展示するというのは成り立つのか、かなり悩みつつの制作でした。しかし実際にomomさんの空間に置いてみると、作品が思っていた以上に自然に存在してくれました。omomさんだからこその、作品と場の関係性があったように思います。
来てくださった方が、ご自身の暮らしや過去を思い出しつつ向き合ってくれたのかな、と、感想をお聞きしていると感じます。 作品展示というものから少しはみ出して、なにかになっていたら嬉しいです。
そして今後へのヒントや要望(!)もいただいており、大変有り難いです…!
マイペースに取り組んでいく所存です。引きつづき よろしくお願いいたします。
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【虎渓三笑の家と】2024.10
写真・音を中心とした作品展示と、当tumblrの投稿を再構成した新作ZINEを販売します。そのほか既刊も持っていく予定です。
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《虎渓三笑の家と》 2024/10/02 - 06 12:00-19:00
会場 : 二階の展示室omom さま(都営新宿線 東大島駅 大島口 徒歩10分)
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会期中は会場か、作品の邪魔にならないよう付近をうろついているかもしれません。 instagramのDMでお呼びいただけましたら、会場に戻ります。 お知合いの方でなくても、用事がなくとも、お気軽にお声掛けください。
そのほか、instagramにはもみのきの活動を始めた経緯などを掲載しております。よろしければご覧ください。
もみのきについて|展示詳細|タイトルについて|DMを置かせて頂いたスペースさま
また、もみのきスタンプカード兼名刺をお持ちの方はご提示ください。スタンプを追加いたします。
当日持ってくるのを忘れてしまった場合もお声がけください。シールをお渡しします!
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久しぶりにイヤホンで音楽を聴いた。今朝は音楽を聴こうと思って、あえて持ち出したのだった。 この頃は耳に栓をするばかりで、イヤホンを使うことも、意識的に音楽を聴くことも、外で音楽を聴くのも久しぶりだった。 耳の間近で音が鳴っているのに視界が開けていくような感覚を、あらためて不思議に思った。
その日は臨時で仕事が入っていたため、日の出前から会話録本の書き起こし作業をしていた。 録音では ある映画の話をしており、その注釈部分がうまくまとまらず、手掛かりになればと主題歌かなにかを聴こうとしたのだった。 それが この人の発表したはじめての歌かと思えば、かなり前から歌っているのだと知る。最近も新しいアルバムを発表している。 たまに利用する音楽ストリーミングサービスで、流れるままに聴いた。
この曲はガムランの音がしたと思えば「TOKYO」と聴こえ、気になって題を見ると『FISHANDCHIPS』というし、 その後のブリッジは中国的な五音音階で構成されている。繰り返される「話をしよう」 国境のないゲーム内の仮想空間のような印象で、しかし歌詞に耳を傾けると、脳内に浮遊する特別な思い入れもない微かな記憶たちがちらつく。 浮ついたので、現代人らしくsnsで共有するなどしてみる。 こうして音楽に出会う感覚がとても懐かしく思え、なんだか足取りが軽くなって、昼飯はテラス席で食べた。
距離感を見誤ったスズメがパンくずを拾っていくのを眺めながら、細切な人参の挟まったパンを食い、すぐ冷めてえぐみの出た珈琲をすする。 大きな道路を挟んだむこうにいる誰かが、首元のチェーンネックレスで陽光を弾き返す。まぶしさに少しくらつく。 屋外でゆっくり瞬きをすると、視界に薄水色のフィルターが掛かる。おそらく紫外線が関係しているが、原理はよく知らない。 一瞬 膝に砂利が食い込んだ幼少の痛みを思い出す。青い背景に滲む血はいっそう赤く見える。
小脇に抱えられた白い犬が、席取りのために椅子に括りつけられる。犬はしゃぶしゃぶいいながら出された水を飲んだ。 日向と日陰の温度差がはげしい本日。台所洗剤の空き容器が、彼の水筒の代わりのようだ。水の揺らめきを含んだ薄緑の影を落とす。 気を抜いて つきそうになる立膝をかるくこらえて、尻の点検をしてくる蟻を退散させる。 隣の客の紙ナプキンを飛ばす風に吹かれながら、排気で汚れた空気を吸い込んで伸びをした。
英訳は気がむいたら加える
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喫茶店で珈琲かなにかを飲みつつ友人と話していた。ふと友人が立ち上がり、頭痛がするのではやめに帰ると言ったのでそこそこに別れの挨拶を交わして見送った。言ってくれて良かったけれど、これは夢の話だから実際のその人なら気を遣って言い出せなさそうだ、と思いながら起きた。
父と母と共についたテーブルの下には、蜂の巣があった。父は怯えて身体を硬くし、目を瞑って座り込んだ。父の上着の右側に蜂が何匹もついたので、上着を払うよう何度も呼びかけたが、父は蹲ったまま動けなかった。母は立ちすくんでいた。父の肩に触れようとしたがわたし自身も蜂が恐ろしく手が出せなかった。父が何かに怯えるのを初めて見たことを、脳裏でぼんやりと考えていた。
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いまのところの墨 図形 椅子 時刻 マグ 飛行機の窓
ぼんやりしたとき手のひらを眺める癖や、 床に三角座りをするときの視線の落ちるところ、 湯船で伸ばす足の先に、それらは点在している。
my body is now dotted with tattoos. a semicircular diagram, a rocking chair in my room, at a certain time, myfavorite mug, an airplane window. my habit of looking at the palm of my hand when I am in a daze, or where my gaze falls when I sit on the floor in a triangular position, my instep when I stretch them out in the bathtub, they exist like landmarks along the flow of my movements.
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あの花はどこへいった を歌いながら、短い坂を下ってトンネルをくぐる 半分死に近づいたような空間 死にかけの歪んだ鳩 首のところできゅっと巻き込まれている アリや何やらがわらわらついてく 工事現場のような 色味のない雑然な景色に不気味さと高揚を感じるが 知人といるので、変なところに入ってしまったね、と謝りつつ引き返す
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ぼんやりする午前2時から4時のあいだ、体温の染み付いた寝具が身体にまとわりつくため居間に撤退する。といういつもの流れをやる。 あなぐらのような明かりのなか、三角座りのまま水槽の底に沈むような気で、文字の通り「落ち込む」 自分の輪郭を一旦手放せるこうした時間がなければ、ここまで正気をたもちつづけるのは難しかったかもしれない。 空が白むと、先ほどまで手元にあった仄暗い考えが宙に浮き、光に透けて見えなくなる。 自分の心配事たちは、おそらく明るい色をしている。
茶と珈琲を同時に煎れる。なんて贅沢、と こうするたびに思う。珈琲は自分用に1杯だけ。 共用の茶は ある程度の量をつくるために同じ動きを何回もしなくてはならないのが面倒でおもしろい。 ガラスのジャグに、同居人が大容量で買ってきたルイボスティーのパックを2,3個まとめ入れ、沸かした湯を注ぐ。 色が染み出してきたら、それをさらに2ℓのペットボトルに漏斗で注ぎ込む。 その際いきおいあまってパックが漏斗の中に落ち、跳ね返ってきた湯により右手を火傷する。 大体ここまでがいつもの流れで、茶ができあがる頃には台所が水浸しになっている。
こうした朝は、仕事をよそに散歩に出てもいいなと思いつつ、結局やらないことが常である。 現にいまは静か��熱を発するmacにこうして文章を刻んでいる。 外からはスズメの鳴き声と、始発電車にレールが軋む音、トラックと電気自動車の走行音、人間の咳払い。 水をやる植物はもういない。鉢の中には栄養たっぷりの乾いた土が、なにを育てるでもなくベランダに残されている。 もう5月だがタートルネックを着て、帰ってきた猫と 見つからないままの猫のことを考えている。唾液で濡れていた下顎の骨の感触。
透明な鞘のようなものが、年々 言葉や思考に絡みついていくような気がする。嬉しくはない。 ただこれを自ら剥いていけばいいのかというと、それも果たしてどうなのだろうか、とも思う。 あるべくしてある殻、外界との関係で生まれる殻なのかもしれないし。ただ、これがあると少しだけ息がしづらい。 胸を張り、斜め45度を見上げる。新しくなったエアコンが朝日を浴びて影をつくる。 おのれの濡れていない下顎をさする。珈琲を飲んだ息が鼻から抜けていく。
Between 2:00 and 4:00 a.m. when I am in a daze, I retreat to the living room because the bedclothes, soaked with body heat, cling to my body. I do the usual routine. In the cave like light, I feel as if I were sinking to the bottom of an aquarium while sitting in a triangular position, literally "falling" into it. Without this time to let go of the contours of myself, it would have been difficult to maintain my sanity. As the sky turns white, the dark thoughts that had been at hand earlier float in the air, obscured by the light. Perhaps my worries are brightly colored.
making tea and coffee at the same time. What a luxury, I think every time I do this. I make only one cup of coffee for myself. The shared tea is interesting in that I have to make the same movement several times in order to make a certain amount of tea. In a glass jug, I put a couple of packets of rooibos tea that my roommate bought in large quantities and pour boiling water into it. When the color starts to seep out, I pour it into a 2L plastic bottle with a funnel. The packs fall into the funnel, and the hot water bounces back and burns my right hand. By the time the tea is ready, the kitchen is flooded with water.
On mornings like this, I think about going out for a walk, but I usually don't end up doing so. I'm currently typing on my quietly get hot mac. From outside, sparrows chirp, rails creak on the first train, trucks and electric cars run, and people cough. There are no more plants to water. The dry, nutrient-rich soil in the pots is left on the balcony with nothing to grow in it. It's May, but I'm wearing a turtleneck and thinking about the cat that came home and remains undiscovered. The feel of a bone in the mandible, wet with saliva.
The transparent sheath that, year after year, seems to entwine itself around my words, my thoughts. not welcome it. I wonder if I should just peel it off myself, but I also wonder if that is really possible. It is a shell that has to be there, a shell that is created in relation to the outside world. However, it is a little difficult to breathe with this shell. I stretch out my chest and look up at an angle of 45 degrees. The new air conditioner casts a shadow in the morning sun. I rub my wet lower jaw. My coffee breath escapes through my nose.
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《 文学フリマ東京38 》無事に終了しました!
ご来場いただいた方、気にかけていただいた方、 この度は、どうもありがとうございました! 過去2回と比べて、今年は時間の流れがとても早く感じられました。 会話録の新刊も○△□すべて完売しまして、昨日までの不安や努力が報われたように思えました。 ご購入いただいたみなさま、本当にありがとうございます。 「これからの読み物が増えた!」「次回も楽しみにしています」「おなじ町内に住んでいる感じがする」「前回も来ました!」「snsで見ています」 あたたかいお言葉をたくさんいただけたことで、 しみじみ感じ入るとともに、ひとに読んでいただけているのだと、あらためて気の引き締まる思いもいたしました。 船を漕ぎながらの帰路… (体力をつけなきゃなと思いつつ) いただいた言葉を糧に 今後もやっていこうと思いました。 まだまだ至らない部分もございますが、 引き続き もみのきを、どうぞよろしくお願いいたします…!
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【文学フリマ東京38】 2024.05.19 sun 12:00-17:00
今週末、もみのきは文学フリマ東京に参加いたします。
もみのき会話録zineの既刊・新刊のほか、各々の作品を出品予定です。
イベント詳細▷ https://bunfree.net/event/tokyo38/
カテゴリ / ノンフィクション その他
ブース / 第一展示場 Z-29
入場料 / 1,000円 〈入場チケットについてはこちら〉
もみのきのwebカタログ▷ https://c.bunfree.net/c/tokyo38/h1/Z/29
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ご都合により ご来場できない場合、
もみのきイベント2回目以降の方は、作品のお取り置きも可能です!
snsにてお声かけください。
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今回から色々とルールがあたらしくなったとのことです。
もみのきは前回とおなじく第一展示場で、入り口からまっすぐ、正面 突き当たりの壁沿いのスペースになります。
この頃は毎日 寒暖差が激しいですね。体調と相談しつつお楽しみくださいませ。
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鏡に覆いをかける。
何度も乗り換えを間違える日だった。正しい方向の電車にようやく乗れたはずだが自信がない。入り口の上に設置された小さなディスプレイを眺めていると、小さな子がこちらへ来て隣に座った。一緒に絵を描こうと誘われる。保護者はどこにいるのだろうと訝りつつ、相手をしてやろうと思い手持ちのクロッキー帳を開く。クロッキー帳はほとんどのページが人間の歯に関するドローイングで埋まっていた。二股に分かれた白い根をもつもの、研磨されたように滑らかな形をしたもの、それらが柔らかい肉に刺さっているようす。自分の絵に間違いないが、描いた覚えはなかった。
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92 4 6 111 68 58618 81091 14 46 67 68 13 2 0 0 0 2 9 2 1 13 14 0 0 0 6 9 2 2 13 16 6 4 2 8 11 2 3 1 2 3 1 11 14 63 46 97 4 1 1 3 1 2 1 5 68 1 11 14 63 46 67 1 3 1 68 1432506904220021 plus my socks often get holes heel. after a healthy lunch, smoke a cigarette to make it ±0 健康的な昼食のあとに、煙草で±0にする そして靴下は、かかとに穴が開くばかり
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中心に吹き抜けのある美術館で、長いこと彫刻群を見ていた。長くいすぎて、どこへ向かえば出られるのか忘れてしまった。鑑賞者は他にもいるけれど皆いつのまにか入れ替わるので、出入り口を閉じられているわけではないようだ。吹き抜けの天井にある窓から入る柔らかい光のおかげで居心地は良いので、それほど焦りはしなかった。 ふと、階下でインターホンの音が鳴っているのに気が付いた。スタッフはいないのだろうか、いるはずの者の不在を強調するように度々鳴り続く。あまりに鳴り止まないので、もしかしたら私が応答するしかないのではないかと感じた。それにこの音を追いかければ、出入り口も思い出せるはずだ。 音のする方を探していたら、階下への階段を見つけた。大きな古時計が塞ぐように立てかけられているからわからなかったのだ。時計を慎重にどかし、階段を下りる。予想したより長く地下まで続いているようで、なかなか終わりは見えない。深い赤のカーペット敷きがいつのまにか剥き出しのコンクリートになり、次第に灯はなくなって暗闇に包まれた。地上の音は遠のいて、聞こえるのは自分の足音だけになった。それでもいつかは出られずはずだから、そのまま下り続けた。
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知らない妖怪がいる。飛ぶ妖怪?つよいパワーの妖怪? 夜にご飯の代わりにお菓子を作ろうとして、怖くなったらどうするの? there is a yokai I don't know. a flying yokai? or a strong power yokai? what happens when I try to make sweets at night instead of meal and get scared?
コアラ、ありがとうねー、待っててくれて。 わたし、寝てなかったんだ。聴いてたんだ。 thank you, koala, for waiting for me. I wasn't sleeping. I was listening.
あんた誰?パパ?ママ? who are you? daddy? mommy?
問題は、嘘ついていないのに病気になったこと。 (香辛料を噛みつぶし、鼻の頭に汗を掻く) 注射を打ったら治った。 the problem is, I wasn't lying and I got sick. ―chews down spices, sweats on the bridge of zem nose― I got a shot and I'm cured.
このスープって、美味しいねー。コーンスープ。鍋でつくってるでしょ? 鍋で、コーン入れて、あっためて、お皿に入れたら完成でしょ? this soup is so good! corn soup, you make it in a pot, right? you put the corn in the pot, heat it up, put it in a dish, and it's done, right?
ママ、これ���ールだ!もらっていこう。 mom! here's a sticker! I'll take it.
冬ってのは寒いんじゃないの?はいはい。 あとで4枚に、に、に、に、無理。痛〜 (上着を着れずにのたうちまわる。周囲にぶつかる) isn't winter cold? yeah, ok, ok. I'll get you four more, ni, ni, ni, ni, ni… I can't. Ouch! ―ze can't put on zir jacket, and ze's flailing around. bumping into people around zem―
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足をのばすと、足先が毛布の端から忍びよる冷気に触れて、再び縮こまる。そうしていれば、外気の存在に気づかずに済む。
ポケットからイヤホンが伸びて、足首のあたりで遊んでいる。階段を昇ると一段ごとにコンクリートにあたってリズムを刻むが、気づかず歩いている。頭の中で鳴りひびく音楽しか耳に入っていない。
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西日のやわらかく入る和室で、男児である自分は、右太腿の広範囲にフジツボが密集しているのを目撃する。膝上あたりから付根にかけ、徐々に殻が大きな群れとなる。胸はわるいが視線を逸らし難く、薄目のまま、肉の部分をすこしだけさすり、自身の脚であることを確認する。
電話をしなくてはならないのだった。居間へ力なく向かう。右足がぎこちない。この世の終わりについて、その時が来るのを知っている老年の男がいる。彼に話を聞かなければならない。友人とともに聞いたような気がするが、それが誰だか思い出せない。大人たちはなにも信じていないので、このことについてわざわざ教える必要はない。しかし果たして電話をしたところで、なにになるのだったか。思い出せない。なにも思い出すことができないので、受話器を手に取ることができないまま、固定電話の前で立ち尽くす。
視界がずっと橙で、西日がどうしてこんなに強いのか分からなかった。もう世界は終わったのかもしれない。この家には、誰か帰ってくるのだったか、いつからひとりでいるのか。居間には電気が通っていて、暑くも寒くもなくて、ひとりでいるのはつまらないが、特別怖いわけでもない。
In a room where the afternoon sun softly enters, I who am a boy witness a wide range of barnacles on his right thigh. From the top of the knee to the base of the leg, the shell gradually forms a large mass.It makes me sick to look at it, but it is hard to avert my gaze from such a thing. with half-opened eyes, I saw gingerly rub the flesh to confirm that it is his leg.
I remembered I had to make a phone call. I headed weakly to the living room. My right leg is awkward. There is an old man who knows about the end of the world is coming. We must talk to him. I think I heard it with a friend, but I can't remember who it was.Adults don't believe in anything, so don't bother teaching them about this. But what was the mean of the phone call? I can't remember too.Unable to recall anything, I stand in front of the landline phone, unable to pick up the receiver.
My vision was orange all the time and I couldn't understand why the sun was so strong in the west. Maybe the world had already ended.Who was supposed to come back to this house and how long have I been alone? The living room has electricity, it is neither hot nor cold, and being alone is boring, but not particularly scary.
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知らないはずの馴染みの場所。
近所の住宅街にひっそりとある、茶や食事を提供する店。薄水色の外壁で、縦に細い一軒家。細い鉄製の柵の周囲には植物がわさわさと這っている。入り口は半地下にあり、低い段差のコンクリートの階段を何段か降りて入るようだ。まだ入れたことはない。
海へとつながる川に架かる橋。橋の真ん中あたりに立つと、穏やかな浜辺にゴロゴロ転がる岩、そして廃墟となった城のようなホテル群が見える。近くに祖母の家があり、訪れるときは景色よりも祖母のことが気に掛かる。
閉店したスーパーの2階にあった小さな洋服店。ガーリーさがありつつ大人でも着やすい、目に優しい色の服が並ぶ。フローリングに古い木が敷き詰められ、ローファーで歩くといい音が鳴った。そこでアルバイトをしている同年代と友達になって、いつも何も買わずにだべっていた。すぐ外は真っ白な蛍光灯のスーパーの衣料品売り場で、この一画だけが電球の光で薄暗く異質だった、どこか垢抜けないのには変わりなかったが。店は狭いのに分厚い麻布で区切られた試着室は妙に広くて、閉店が決まった頃などは友人とそこに長いことしゃがみこんで話をした。縦長の全身鏡の後ろにアンティーク調の女の子の人形が置かれていたが、いつも目を合わせないように頑張っていた。
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冷水を浴びたあとに、さっきまで何も感じていなかった室温にあたたかさを感じる時間。あれが結構、好きだ。寒さに急におそわれると、不本意ながら夏を恋しく思う。そろそろカーペットを引きずり出し、ぶかぶかのパーカーに身を包む時期だ。 the time after a cold water bath when I feel warmth in the room temperature where I didn't feel anything earlier. I quite like that. when feels like fall is around the corner, we unwillingly miss summer. It's time to pulled out the carpet and slip into my baggy hoodies.
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