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LIB EP
LILI LIMIT
2018.02.07 Ki/oon Music
COLORS
GET UP
ENCLOSE
FEEL IT
初回仕様はアンビバレンスジャケット仕様
LILI LIMIT /// 牧野純平 vocal / 土器大洋 guitar / 黒瀬莉世 bass / ��水美日 keyboard / 丸谷誠治 drums
all songs lyrics by 牧野純平
music by 牧野純平 [M1,4] / 土器大洋 [M2,3]
produced by LILI LIMIT
2016年にメジャーデビューし、 同年に1stアルバム『a.k.a』を発表した後、 2017年には4曲入り『LAST SUPPER EP』をリリースしたのみで、 今作は約7ヶ月ぶりの新作ということになる。
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デビューEPである『LIVING ROOM EP』からこの仕様のEPは今回で3作目であり、 牧野は『LIVING ROOM EP』を ”住”、 『LAST SUPPER EP』を “食”、 この『LIB EP』を “衣” とした “衣食住3部作” と位置付けている。
今回先行配信シングルなどはなく、 ラジオで全曲先行解禁という大胆な施策がなされていたのでそこですべて聴くことができたが、 メジャーデビュー以降のこれまでの彼らの音楽性の流れを考えると、 少々驚きがあった。 「A Short Film」 や 「Kitchen」 あたりを聴いてもらえばわかるのだが、 ポップで優しさを持った歌詞��バンドサウンドにエレクトロな要素が加わるといった音像だったわけで、 今回の内省的ともいえる言葉の内容や、 クールでエレクトロ要素が強いトラックが前面に押し出されている。
ただしこの変化は前作EP『LAST SUPPER EP』に収められている 「ERAION」 や、 その後行われた『Archive』というツアーからも感じとれる、 なんとなく活動を追っていれば 「そのまま進んだんだな」 という印象である。
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歌はもちろん歌詞や一部の作曲は主に牧野が手がけている一方、 多くの作曲や音作りはギタリストの土器が行なっている。 以前から凝ったトラックには驚かされていたが、 飽くまでも上物として鋭いギターの音がアクセントとして存在していたので、 今作のギターの削りようはまた意外なものであった。(こういうギタリストが舵をとる変化は近年のねごとにも感じるが、 ツアーで対バンしたことや同じレーベルということもあるのだろうか。)
何しろポップでキャッチーともいえた前作までの流れやバンド自体の印象とは正反対のものであり、 こういう作品を(しかもメジャーで)発表するということが挑戦のように思える。 1st『a.k.a』は素晴らしい名盤であり、 ミュージシャンやその筋の評論家から評価されてはいたが、 リスナーには十分に届いたとはいえない気がしていた。 今作がどう広まっていくのか、 結果はどうであれ興味深い。
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warbear
warbear
2017.12.06 SME Records
車に乗って
Idea01
墓場の蝶
ウォールフラワー
トレインは光へと向かう
Lights
罪の国
ダイアモンド
掴めない
わからないんだ
灰の下から
1991
21
落ちていく (BONUS TRACK)
all songs written and produced by 尾崎雄貴
warbear /// 尾崎雄貴
尾崎雄貴のソロプロジェクト“warbear”の1stアルバム。Galileo Galileiとして最後の音源である 「車輪の軸」 が収録されたベストアルバムからは約1年半ぶりのリリースとなる。フィジカルリリースはCD1形態と完全生産限定盤アナログレコードの展開となった。
先行してM-6 「Lights」 、M-9 「掴めない」 がラジオオンエアが解禁され、そのうち 「Lights」 はミュージックビデオが制作されている。
バンド活動の遍歴については前述のベストアルバムの感想にて書いているので割愛させていただくが、今作はバンドの音楽に近づけようとも遠ざけようとも “意識” をせずに作り、レベールに対しても “これが出せないなら僕とやらなくていい” というほど(語弊を恐れずにいうと)自由な制作が感じとられる。
この自由さというのは、実際には彼がシーンとは離れたところで戦っているという事実から感じ取れらるものであり、決して明るい場所で��ないとしても沈まずに、眩しい光を放つレコードとなっている所以なのであろう。
全てが早熟だったと形容されるバンド活動を経て、彼はまだ26歳である。〈もうすこしだけ 夢みさせてくれよ〉と歌い、新たな 「車に乗って」 どんな大きく広い道を進むのか、見届けていきたい。
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PINK
土岐麻子
2017.01.25 (CD) / 2017.11.03 (LP) rhythm zone
City Lights
PINK
Valentine
Fancy Time
脂肪 [music by G.RINA]
Rain Dancer
Blue Moon
Fried Noodles [music by G.RINA]
SPUR
Peppermint Town
all songs words by 土岐麻子 music and arrangement by トオミヨウ (上記以外)
sound produced by トオミヨウ
produced by 土岐麻子
2015年7月リリースの『Bittersweet』から1年半ぶりのフルアルバム。レコードの日対象商品として、前作に続きアナログ化され、11月3日に発売された。
今作では以前からアルバム曲のプロデュースで参加していたトオミヨウが全面プロデュースで入っており、彼女が長く称してきたシティポップの中でも今作は全体的にこれまで以上にエレクトロな作風が感じられる。
土岐麻子の声を活かしたオープニング 「City Lights」 からいきなりハイライトのひとつである表題曲 「PINK」 に流れ込む。幾つかの視点から切り取った都会の灯りや風景、心情をフレッシュで多幸感のあるトラックの上で歌い上げる。
この後も前作までにも多く登場していた街の中にあるポジティヴ、ネガティヴ両面から見た愛を歌った楽曲や、そんな女性の生きている色(=PINK)を感じる詞がカラフルで心地よいサウンドに乗り、心に入り込んでくる。
この半年後には土岐本人がセレクトしたベスト盤『HIGHLIGHT - The Very Best of Toki Asako -』がリリースになっており、収録された新曲は2曲ともトオミヨウのプロデュースによるものであり、ここでも今作の延長が楽しめた気がした。
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Colors
Beck
2017.10.11 Hostess Entertainment / 2017.10.13 Capitol (US)
Colors
Seventh Heaven
I’m So Free
Dear Life
No Distraction
Dreams
Wow
Up All Night
Square One
Fix Me
produced by Beck Hansen, Greg Kurstin
日本盤は世界発売の2日前に先行発売。輸入アナログ盤は通常レッドヴァイナルの他、45回転2枚組豪華ブックレットのデラックス盤、イエロークリアヴァイナルのインディーレコードショップ限定盤、ホワイトヴァイナルの日本&アメリカBarnes & Noble限定盤、輸入カセットも同時発売。
2014年にリリースされ、グラミーベストアルバムなど3部門を受賞した『Morning Phase』から約3年ぶりのアルバム。個人的には前作から聴き始め、シングル楽曲であった 「Dreams」 で深く聴くようになった。
今作はAdeleやSia、最近ではLiam GallagherやFoo Fightersらの新譜を手がけたGreg Kurstinがプロデュースで参加。Gregは2002年のアルバム『Sea Change』のツアーに参加した経験もあり、Beckとは関わりが続いていた。
雨のあとの虹と日差しのような、好評を得た前作『Morning Phase』とは打って変わり、明��かにポップに振り切った楽曲が並んでいる。“様々な色を感じる”と歌う 「Colors」 が全体像を表すような、それぞれのカラーを持った珠玉の楽曲が彩る、肩の力を抜きながらもパワフルなアルバムである。
プロデューサーの手腕に依るところもありそうではあるが、ロックバンドよりもヒップホップやシンガーの勢いがあるアメリカの今に接近したサウンドメイキングになっていながら、ハードなダンスミュージックよりも聴きやすくBeckらしいフックも要所に感じ取れるところもバランスがちょうど良い。
日本武道館と新木場コーストにて行われた来日公演も大盛況で、名実ともにここまで長きに渡り愛されるスターの新作を聴いていられるのは幸せなことであると感じた。
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NO MORE MUSIC
OKAMOTO’S
2017.08.02 Ariola Japan / Sony Music Labels Inc.
90′S TOKYO BOYS [words by オカモトショウ music by オカモトショウ, オカモトコウキ]
BEDROOM [words and music by オカモトショウ]
BROTHER [words and music by オカモトショウ arranged by OKAMOTO’S, NAOKI (LOVE PSYCHEDELICO)]
NEKO [words and music by オカモトショウ]
Cold Summer [words by オカモトショウ music by オカモトショウ, オカモトレイジ arranged by オカモトレイジ, OKAMOTO’S]
NO MORE MUSIC [words and music by オカモトショウ]
WENDY [words and music by オカモトコウキ arranged by 堂島孝平, OKAMOTO’S]
時差 [words and music by オカモトコウキ]
SAVE ME [words and music by オカモトショウ, オカモトコウキ]
Star Light [words and music by オカモトコウキ]
OKAMOTO’S /// オカモトショウ vocal / オカモトコウキ guitar / ハマ・オカモト bass / オカモトレイジ drums
produced by OKAMOTO’S [M-3 NAOKI (LOVE PSYCHEDELICO), M-7 堂島孝平]
完全生産限定盤アナログレコード同日発売、初回生産限定盤はレコーディングドキュメンタリーを収録したDVD封入
2015年9月リリースの『OPERA』から約2年ぶり、7枚目となるフルアルバム。2016年6月にリリースしたシングル表題曲「BROTHER」12月にリリースしたEPより「NEKO」を収録している。
タイトルの直訳は〈もう音楽はいらない〉。この衝���的なコピーが届いたとき、どんな作品になっているのだろうと胸を躍らせていたのだが、12インチサイズのブックレットに書かれている“音楽、必要ですか?”という文字。これはM5「NO MORE MUSIC」の歌詞の内容とリンクしているものだという考察が聴き進めていくと明るみに現れる。
2016年12月のミニアルバム『BL-EP』からその雰囲気を伺わせていたファンクをはじめとするブラックミュージックに接近した音楽性をもつリードトラック「90′S TOKYO BOYS」から、これまでの彼らの作品とはまたさらに一線を画す風格が漂ってくる。オカモトショウのラップが展開する「NEKO」、オカモトレイジが編曲にクレジットされ、彼のヒップホップへの造詣がふんだんに活かされる「Cold Summer」レコードでいうB面、後半にかけてメインボーカルもとりながら勢いを増すオカモトコウキの作曲力、そして全編に渡って冴える、この音楽性が見事に発揮されるハマ・オカモトのベース。最強で安心の布陣で最高を鳴らしている。
サブスクリプションサービスが頭角を現したことにより、配信というスタイルが主流になりつつある音楽鑑賞で、これ以上どんな音楽が求められるのかというM5の“Anybody’s what’re you listening to now?”、アルバムの最後のフレーズであるM10の“みんなどこに行ったんだろう?”という問いかけがアルバムのタイトルとの大きな繋がりが見えてくる。
音楽に対してこれほどまで真摯な人間はなかなかいないという、相当な音楽ラバーの4人が集まったバンドが鳴らす音は、まさに年代問わずといった感じで、古いものから新しいもの、いまシーンでメインストリームになりつつある音楽性まで様々であるが、歌っていることは間違いなく今、この現代に歌われるべきものであり、そのことがこの作品がいかに––––この2017年において––––マスターピースかということを語るのには不可欠な議題であるのだ。
ここまで深く考えてしまったが、こんな気難しいことを考えなくても、各楽曲の幅も広く、この作品は通しで聴くだけでも心地よく響いてくる、今後聴き続けられる素晴らしい最高傑作となりそうだ。実際そういう作品にこそ実は考えさせられるものがあるのかもしれない。
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光源
Base Ball Bear
2017.04.12 EMI Records / UNIVERSAL MUSIC LLC
すべては君のせいで
逆バタフライ・エフェクト
Low way
(LIKE A) TRANSFER GIRL
寛解
SHINE
リアリティーズ
Daring
初回生産限定盤にはツアードキュメントと”COUNTDOWN JAPAN 16/17”のライブ映像を収録したDVD付き
all songs written and arranged by 小出祐介
co-produced by 玉井健二 (agehasprings)
Base Ball Bear /// 小出祐介 vocal, guitar / 関根史織 bass, chorus / 堀之内大介 drums, chorus
6thフルアルバム『C2』から約1年5ヶ月ぶりとなる7thフルアルバム。デビューミニアルバムである『GIRL FRIEND』から11年後の同日発売となった。まず、こうして新譜が届き、こういった形で感想を述べることができていることが既に感慨深い。
今作に関しては、これまで以上に、前情報を入れずに聴く場合もとても楽しめるものになっているだろう。ただ、ここで前作までとは大きく異なる点がいくつかあり、ここは説明を加えておくと、今作から結成当初からのメンバーであったギタリスト・湯浅将平が2016年3月にバンドを脱退し、3人体制となって初めて制作されたフルアルバムである。これまでバンドは”メンバー4人以外の音を使わない”という制約を課しながら彼らだけの音楽を作ってきたが、今回の脱退を機に、その鎧を脱いで新鮮な空気に触れた。実際、今作を聴くとイントロから煌びやかなエレクトリックピアノ、シンセサイザーといったシーケンサーを用いた音が彼らの生音とともに鳴っている。
こういう背景を排して一聴しても、単純に2017年のロックアルバムとして強く光る1枚だと思えるはずだ。1曲目の“すべては君のせいで”から、前作の流れも汲むファンクミュージック的なアレンジから、“Low way”や“寛解”など、エレピのアクセントが引き立ったり、ドラマチックな展開が強く輝く“Daring”まで、実に幅広く、とても聴きごたえのある全8曲であ���。
歌詞に関しては帯にも示されている通り“2周目の〈青春〉”がテーマになっており、こちらも前作で少しずつ現れていた流れを大きく反映させたものと考えることができる。急に若々しさを取り戻したい訳では毛頭なく、むしろこの現在地点から眺める、今作のもうひとつのテーマである〈パラレルワールド〉にも似た、青春の風景に円熟味を感じる。
今作では小出祐介の作家性も大きな役割を果たしており、複雑な構成や物語の風景や情景などが顕著に光が当たっており、視点/視座をテーマにシーンや世間に対するカウンター的な文章を展開していた前作(ただし先述のとおり前作の中でも「不思議な夜」や「どうしよう」では今作の片鱗も伺わせていた)よりも、鮮やかに、美しく描かれていることが感じ取れる。
事が起きた2016年3月の時点で、彼らは“まだやりたいことがある”と表明した。今作を作り上げたことでまたバンドが始まったかのような新鮮さがあり、先述したとおりデビュー日の発売ということもあり、今作が2度目、2周目のデビューなのではないかと感じることができた。これでもう、安心できる再スタートを切れた。
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ETERNALBEAT
ねごと
2016.11.09 Ki/oon Music
01 ETERNALBEAT [words by 蒼山幸子 music by 蒼山幸子, 沙田瑞紀]
02 アシンメトリ [words by 蒼山幸子 music by 沙田瑞紀, 蒼山幸子]
03 シグナル [words by 蒼山幸子 music by 澤村小夜子, 蒼山幸子, 沙田瑞紀]
04 mellow [words by 蒼山幸子 music by 蒼山幸子, 沙田瑞紀]
05 君の夢 [words and music by 沙田瑞紀]
06 DESTINY [words by 蒼山幸子 music by 沙田瑞紀, 蒼山幸子]
07 cross motion [words and music by 沙田瑞紀]
08 holy night [words by 藤咲佑, 沙田瑞紀 music by 沙田瑞紀]
09 Ribbon [words by 澤村小夜子 music by 蒼山幸子, 澤村小夜子, 沙田瑞紀]
10 PLANET [words by 蒼山幸子 music by 蒼山幸子, 沙田瑞紀]
11 凛夜 [words and music by 澤村小夜子, 沙田瑞紀]
初回生産限定盤には2013年リリースの「シンクロマニカ」以降のシングルのカップリングに収録されてきたものに初収録も含む沙田瑞紀リミックス集CDと、ミュージックビデオとメイキングを収めたDVDの3枚組。
ねごと /// 蒼山幸子 vocal, keyboards / 沙田瑞紀 guitar / 藤咲佑 bass / 澤村小夜子 drums
arranged by ねごと[all songs], 中野雅之 [M1], 益子樹 [M2]
sound produced by 中野雅之 [M2,3], 益子樹 [M7,8], ねごと[M1,4-6,9-11]
total produced by ねごと
2015年3月の3rdアルバム『VISION』から約2年ぶりとなる4thアルバム。前作の直後にシングル「DESTINY」をリリースし、そこから1年半後の「アシンメトリ e.p.」から3ヶ月でのリリースとなった。
前作『VISION』がロックアルバムであり、その流れで発表された「DESTINY」も収録されているが、この雰囲気とは大幅な方向転換がなされている。先行EP収録の「アシンメトリ」を一聴すれば分かるとおり、エレクトロ強化でダンサブルな音楽性に一気に変わっている。これはリリースが空いた1年半の間でのライブ、特に2016年の2マンツアーあたりから、の中で起きた変化であり、前作でロックサウンドを突き詰めた後どうするかという試行錯誤のうちにバンドがこのモードに進んでいったとされている。
M1「ETERNALBEAT」を聴けばわかるが、エレクトロの要素が強くなっているということだが、幸子の鍵盤が活躍、と思いきや、主要トラックメイカーである瑞紀が打ち込みで上物を作り、佑は数曲でシンセベースを弾き、小夜子はリズムパッドを多用するというように、バンドの根本から再構築していった。
EPの時点でこの方向でのアルバムはどんなものになるのかと不安に感じることも少々あったが、期待以上にそれぞれの楽曲の完成度が高く、ほとんどの楽曲が3、4分台であるということもあって、綺麗にまとまっている印象。大作の風格があった前作のような雰囲気があるわけでは無いが、日常さらに人生のどこかで鳴っているアルバムのような気がする。
楽曲制作も、歌詞を始め幸子以外のメンバーが手がけることが多くなり、表現の幅が広がっている。アルバムのラストというポジションに小夜子と瑞紀が手がけた「凛夜」が配置されたこともクレジットで確認した時は意外に感じたが、アルバムの中でもひときわ違った優しい色を放ちながらアルバムが終わり、もう一度「ETERNALBEAT」 を鳴らした時にしっくりくる。
“ねごと”というバンド名の意味の一つして「夢の中でならどんな音楽でも鳴らせる」という意思がある。「VISION」というタイトルがついた前作で彼女たちが手にした自在な発想から、この作品が生まれるのは時間がかかったにしても必然だったのかもしれない。
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師走です。2016年も終わりに差し掛かったところですが、ここでありがちな企画をさせていただこうと思います。
今年は、ここ数年で水面下に存在していた、様々な要素を取り込んだ(その取り込み方も様々な)アーティストが今年は(悪い言い方ですが)ぐちゃぐちゃに溢れかえり、とても面白くなった1年であったように思います。
一方で、ここでも数回取り上げましたが、今年頭からガリレオガリレイの活動終了や、Base Ball Bearから湯浅将平が脱退するなど、衝撃的な出来事が続き、他にも脱退や解散などが日常的によくニュースになっていたなと感じます。
それでは、2016年のベストミュージックに触れていきたいと思うのですが、今回は洋楽を数枚しかチェックできなかったということもあり、邦楽のみの企画となります。
BEST ALBUMS 2016
振り返るのはベストアルバム5作品とそのレビュー。対象は今年リリースされた日本のアルバム作品です。また、このランキングをそのまま音楽だいすきクラブの集計にも投稿します。
1. Galileo Galilei『Sea and The Darkness』
バンド終了とともに発表されたラストアルバム。終了の理由について尾崎雄貴はこのアルバムを聴いてほしいと語ったが、歌詞を読むと様々な想像が膨らんでくる。これまでのどの作品とも異なったアプローチにして最高傑作、人生に入り込んでくる暖かな名盤をもって、最高に格好良いバンドの終わり方を示してくれた。
2. LILI LIMIT『a.k.a』
新しい流れを感じさせる鮮度の高い空気をまといながら今年キューンからデビューした新人5人組。今年アルバムを出すのは2枚目で、今作はメジャー1stフルアルバムとは思えない完成度の高さが光る13曲。優しさと狂気が唄い合う無重力ポップと称されるこれまでにない輝きを放つ、彼らこそここから大きくなってほしい。
3. NICO Touches the Walls『勇気も愛もないなんて』
5枚目のフルアルバム。現在の邦楽ロックシーン的には派手になりすぎてしまうものをそぎ落とし、溢れているロックバンドのなかでもひとつ距離をおけた作品。そのあと発表された今年のシングル作品からもその流れが伺えて、これから群から離れた存在になっていくのだろうか、非常に楽しみである。
4. tacica『HEAD ROOMS』
メンバー脱退も経て長い時間をかけて制作された前作『LOCUS』からわずか10ヶ月で届いた今作。そういう経緯もあってか、”勢い”だとか”熱”とかの言葉が似合うポジティブな衝動が鳴っている。
5. 雨のパレード『New generation』
ビクターからのメジャーデビューアルバム。半分以上がインディーズ時代からの代表曲で構成されているが、自己紹介の1枚目として、とてもクオリティが高い。1曲目で歌うように、彼らの波が広がって時代をきっと、変えるはずだ。
アーティスト名からアーティストごとのレビュー集、タイトルからその作品のレビューに飛びます(雨のパレードを除く)。
BEST SONGS 2016
そして、楽曲部門として今年リリースされた楽曲単位でのランキングです。YouTubeに公式音源があるものを選んでいます。こちらはカウントダウン方式です。
10. OKAMOTO’S 「BROTHER」
2016年6月1日リリース [ music video ]
9. NICO Touches the Walls 「ストラト」
2016年5月3日リリース [ music video (short ver.) ]
8. スピッツ 「みなと」
2016年4月27日リリース [ music video ]
7. FOLKS 「クロマキードーナッツ」
2016年6月1日リリース [ music video ]
6. Balloon at Dawn 「三月」
2016年12月21日リリース [ music video ]
5. LILI LIMIT 「Living Room」
2016年7月13日リリース [ music video ]
4. tacica 「サイロ」
2016年4月6日リリース(2015年11月25日配信先行リリース)[ music video ]
3. Galileo Galilei 「車輪の軸」
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2016年6月1日リリース [ lyric video ]
2. 雨のパレード 「Tokyo」
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2016年1月27日リリース [ music video ]
1. ねごと 「アシンメトリ」
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2016年10月19日リリース [ music video ]
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アシンメトリ e.p.
ねごと
2016.11.09 Ki/oon Music
01 アシンメトリ [words by 蒼山幸子 music by 沙田瑞紀, 蒼山幸子]
02 holy night [words by 藤咲佑, 沙田瑞紀 music by 沙田瑞紀]
03 天使か悪魔か [words by 蒼山幸子 music by 蒼山幸子, 沙田瑞紀]
04 school out [words and music by 沙田瑞紀]
初回生産限定盤には昨年11月にデビュー5周年を記念し行われたねごとオンリーのフェスの模様のダイジェスト&メンバーインタビューを約1時間収録したDVDを封入。
ねごと /// 蒼山幸子 vocal, keyboards / 沙田瑞紀 guitar / 藤咲佑 bass / 澤村小夜子 drums
arranged by ねごと[all songs], 中野雅之 [M1], 益子樹 [M2]
sound produced by 中野雅之 [M1], 益子樹 [M2], ねごと[M3,4]
total produced by ねごと
楽曲のリリースは昨年6月のシングル『DESTINY』以来1年5ヶ月ぶり。今作はEPという扱いになっているが、2011年リリースの『メルシールーe.p.』から数えて2作目となっている。今作の発表から先行して「アシンメトリ」や「holy night」のタイアップについての情報が解禁されていたが、新たなモードを示すためか両A面シングルとはいかず4曲の新曲を収録した今作の形態となった。
前作アルバム『VISION』リリースからわずかでのリリースであり、比較的アルバムの雰囲気の延長線上にあった「DESTINY」とは大きくモードが異なる4曲が収められている。BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之をサウンドプロデューサーに迎えた「アシンメトリ」は、制作が強力な布陣ということもあって非常にインパクトの強いダンスミュージックに仕上がっている。
ROVOの益子樹を迎えた藤咲と沙田が曲を書いた「holy night」は今作の4曲の中ではバンドサウンドが鳴っているほうだが、沙田のボーカルパートが存在していたり、これまでのねごととは違うアプローチが感じられる。蒼山が書いた「天使か悪魔か」は今作の中で比較的ねごとらしさがある楽曲で、これまでにもあった電子音を使った楽曲と並べて聴いても違和感がない。
違和感という言葉を使ったが、決して変化に戸惑うわけではなく、これまでねごとはエレクトロな要素も持ち合わせていたこともあり、その面の強化が顕著な作品が届いた、という印象である。”ねごと”という夢の中でどんな音でも鳴らせるというバンド名の意思も感じられる。これからも変わることを恐れず、存分に自分たちの音を鳴らして欲しい。それが彼女たちの魅力である。
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a.k.a
LILI LIMIT
2016.10.26 Ki/oon Music
01 A Short Film
02 Wink, Blink
03 Kitchen
04 Observe
05 On The Knees
06 Suite Room
07 Neighborhood
08 Space L
09 Living Room
10 A Few Incisive Mornings
11 Space R
12 Naked
13 Self Portrait
初回生産限定盤はミュージックビデオとスタジオセッション収録のDVD封入/ボックス&トランプ封入仕様
LILI LIMIT /// 牧野純平 vocal / 土器大洋 guitar / 黒瀬莉世 bass / 志水美日 keyboard / 丸谷誠治 drums
all songs lyrics by 牧野純平
all songs music by 牧野純平, 土器大洋[M1,M7,M9~10,M13] / 土器大洋[M2~6,M11~12] / 牧野純平[M8]
produced by LILI LIMIT
7月にキューンからメジャーデビューした山口→福岡出身の5人組。7月に発売したのはEPで、キューンのいつも通りの新人の動きからするとシングルを切ってからアルバムというイメージだったが今回はデビューから3ヶ月でフルアルバム発売となった。というのもすでに2015年から全国流通盤を発売しており、話題が広がっていたということもあったのだろう。
3月にデビューした雨のパレードは1stフルアルバムにインディーズの既発曲も収録していたが、LILI LIMITは今作ではデビュー盤から「Living Room」と「Kitchen」の2曲が収録となった。リード曲として「A Short Film」のミュージックビデオも制作されている。
前述だが、昨年の1stアルバム『Etudes』、今年1月の2ndアルバム『#apieceofcake』が発売されてるとはいえ、メジャー1stフルアルバムがこの完成度なのはあまりにも本当にこれからが楽しみ、という出来である。あまりに楽しみすぎて最後に書くような文章をここに書いてしまったが、それくらいの良曲集となっている。
リード曲として先行公開されていた「A Short Film」から心地いい幕開けを迎えるこの作品は、タイトルに込められた意味の通り彼らの集大成のようなバラエティに富み、「Self Portrait」で締めくくる壮大でドラマチックな展開がされている。
牧野は発売前に『LIVING ROOM EP』の根元となっている曲を集めたと語っていたが、“新築のRC”、“ユニットバス”、“普通の暮らし”といった日常的に近く感じることのできるフレーズがところどころに仕掛けられている牧野の歌詞と歌に、強いメロディが鳴るギターやベース、手数の多いドラムといった生楽器と合わさるギーボードや女声コーラスのカラフル���音色。これだけ要素が多いのに決してうるさく感じさせない土器のサウンドメイキングが光っている。
今回、作詞はすべて牧野純平、作曲はほとんどが土器大洋または牧野と土器の共作となっているが、牧野が作曲も担当しているM8の「Space L」と土器がトラックを作ったM11「Space R」を比べて聴くと、“L”ではシンプルな音の中で牧野の作る楽曲の良さも際立ち、“R”では土器の音作りの面白さもより際立って感じることができる。
キューンの新人ということで、今後1年以内はシングルを多く切るなど大きな動きが期待できるが、彼らに関してはこれからもメジャーということにこだわらずに自由な制作を楽しみにしたい。
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ORB
Rei
2016.09.21 Rainy Records/SPACE SHOWER MUSIC
1 Pay Day
2 COCOA
3 Oo-Long-Cha
4 Route 246
5 The Day (I Fell In Love With You)
6 Polpetta
7 Keep On Driving
all songs written and produced by Rei
昨年2月、11月とリリースされた『BLU』、『UNO』と続くトリロジー最終章となる作品。今作の盤面に表記されているが、”BLUNORBLU...”とアルファベットでしりとりが成立している。彼女を知ったのはまさに『UNO』のタイミングで「JUMP」のビデオをYoutubeで観たこと。この時点でギターうますぎるとなんとなく注目していたのだが、今年9月になって公開された「COCOA」がとても良く、これはアルバムを注目しなくてはと思っていたところ、このアルバムにBase Ball Bearの関根史織が参加しているとのこと。これはすごいなと手に取った。
やはり彼女について特筆したいことは、超越したギターテクニックとブルースの流れをくむセンス。リードトラック「COCOA」はイントロからギターの音色とファンキーなフレーズにやられる。
歌詞に関しては、ニューヨークで幼少期を過ごしたこともあり、流暢な英語と日本語��織り交ぜたユニークなものとなっている。ここでもリード曲「COCOA」で説明すると、これはドリンク、ココアの歌ではなく、歌詞に出てくる”「ここは」Heaven”という部分から取ったもので、ここの瞬間を楽しみたいという意味がある。
同じミニアルバムの中でかなり多種多様な楽曲が詰め込まれており、今作から注目される機会が増えそうな予感もする。調べてみるとまだ23歳。これからが楽しみというのはこういうことをいうのかもしれない。
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LIVING ROOM EP
LILI LIMIT
2016.07.13 Ki/oon Music
1 Living Room
2 Kitchen
3 Unit Bath
4 Bed Room
初回生産限定盤は写真家・伊丹豪とのコラボレーションフォトブックが封入
LILI LIMIT /// 牧野純平 vocal / 土器大洋 guitar / 黒瀬莉世 bass / 志水美日 keyboard / 丸谷誠治 drums
all songs lyrics by 牧野純平
all songs music by 牧野純平, 土器大洋[M1] / 土器大洋[M2,3] / 牧野純平[M4]
produced by LILI LIMIT
山口・福岡出身男女5人組バンドのキューンからのメジャーデビュー盤。同年1月にはインディーズ最後の作品としてミニアルバム『#apieceofcake』を発表しており、そのあと3月には初の東京ワンマン、5月にメジャーデビュー発表と、着々と2016年の早い段階で話題を生んできたLILI LIMITが、キューン���らの新人としてデビューするということで、久しぶりに新しいバンドを聴いてみた。
このEP作品のタイトルは『LIVING ROOM EP』。リードトラックの「Living Room」を中心として、「Kitchen」、「Unit Bath」、「Bed Room」というタイトルの楽曲が続き、すべてが部屋の名称、つまりこのEPに収録される4曲でひとつの家を作るようなコンセプトとなっている。前作の収録曲「seta gaya」がわかりやすいが、ボーカル牧野の詞は日常感や生活感が感じられる言葉が多く登場するが、今作のコンセプトは実に彼ららしいものといえそうだ。
表題曲「Living Room」のイントロからの開放感や、ミュージックビデオからわかるように、メジャーデビューという意識もあったのであろう、とても開けた印象が全体的にある。この3ヶ月後に早くもメジャー1stにして初めてのフルアルバムがドロップされるが、今作と同時期に制作された曲が多く入っているという。このEPの根元がどうなっていたのか、非常に楽しみである。
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特集 Base Ball Bear 2016年上半期のできごと
初の試みとして、特集記事を書いてみることにしました。
第一回のトピックは「Base Ball Bear」。ご存知今年の上半期の個人的重大ニュースは、このバンドのことについての発表と“Galileo Galilei活動終了”の二つである。後者について思うことは2枚のディスクレビュー(ラストアルバム・ベスト)で触れているのでそちらも読んでもらえればと思うが、Base Ball Bearについては新譜を出していないということ、大きな発表があったこと、発表の直後の公演を目撃したこと���まさに本日7月1日の発表のことなど、一度まとめておきたかった。よって今回特集記事という形をとらせていただきます。ライブレポートを含む構成ですから、かなり長くなると思われますので、時間があるときに読んでいただければ。
8/16更新:旧譜回顧として、『C』から『二十九歳』までのBase Ball Bearのフルアルバム7枚を順次投稿しております…1st『C』/2nd『十七歳』/3rd『(WHAT IS THE) LOVE & POP?』/3.5th『CYPRESS GIRLS』/3.5th『DETECTIVE BOYS』/4th『新呼吸』/5th『二十九歳』
あらかじめ:時間軸を意識した構成にするため、公式の発表通りの順ではないこと、また敬称を略することをご了承いただきたいです。
ボーカリスト小出祐介が出演中の番組や公式ツイッターなどによると、今年の早い段階から次の作品に向けて作業を進めていた。ドラマー堀之内大介の公式ツイッターにも、ギタリスト湯浅将平と自宅のスタジオに入っている様子が2月初旬に投稿される。
僕を含めファンは次の作品を楽しみにしていた2月中旬、湯浅将平が普段通りの制作をする予定だったスタジオに突如現れなくなる。そして第三者(公式の発表でも明らかにされていない)を通じて湯浅将平が「今後Base Ball Bearとしての活動を続けることができない」という意思表示がされる。
本人との直接の話し合いを試みたものの叶わず、直後にイベント出演とライブツアーが決まっていた彼らは、すべて予定の日程で行うべく、サポートギタリストを迎えて敢行することとなった。この時点から、のちにツアーのサポートをすることになる、湯浅と親交があるフルカワユタカにもオファーを出していた。
大きな発表の伏線があらわになった2月26日。翌日に行われるチャットモンチー企画のフェスに出演することが決まっていた彼らから、湯浅将平について、“体調不良”で出演できない事が発表された。ファンの間では心配する声や、サポートとして参加する石毛輝氏(the telephones)との演奏を物珍しく感じながら、4人のメンバー以外で演奏する事への動揺もあった。
イベントも終わり、3月5日からは昨年発表のアルバム『C2』を携えた全国ツアーが控えていた。そしてその直前の3月2日、夕方ごろ。Base Ball Bearを知るすべての人を動揺させた発表がされる。Base Ball Bearからギタリストの湯浅将平が脱退するという発表だ。前述の意思表示のことが発表され、事務所とレーベル、そしてバンドメンバー3人は今後4人のBase Ball Bearとしての活動が困難だと判断した。
元々無口な事が知られていたこともあり、一部媒体では失踪という記述もあり、動揺と同時に心配も起こった。また、発表での文章のなかでベーシスト関根史織が記している「4人で演奏するということを何より大切にしたいと思っていました」という彼らのしきたりが崩れることが何よりも不安だった。
しかし、ツアー初日は3日後に迫っている。普通ならこのツアーは中止になるであろう。しかし彼らは急である事にかかわらずサポートとしてフルカワユタカを迎え敢行する事となった。僕は初めてのBase Ball Bearのライブを名古屋で目撃する予定で、1ヶ月後ということだったが、この日参加したファンの心情は今までと大きく違い、不安がとても大きかったのだろうと考える事ができる。
「この4人が、この4人だけがBase Ball Bear」という小出祐介の言葉が、覆ることすら考えた事はなかった。他のバンドが悲しい脱退の発表をする中、彼らに関してそれはないと信じていた。正直この気持ちでライブを観に行くのは不安でしかなかった。
Base Ball Bear ��10th&15th Anniversary” Tour「LIVE BY THE C2」2016.4.2 at DIAMOND HALL
Base Ball Bearの決意を目撃した
結成15周年、メジャーデビュー10周年というアニバーサリーイヤーに行われるツアーとあって、メンバーにとっても、ファンにとっても、普段のライブとは違った心持ちで臨んだ事が容易に想像できる。ただし、この心情は期待というより、不安の方が多くを占めていただろう。
なぜならこのツアーの直前に“ギタリスト湯浅将平が脱退”というニュースが発表されたからだ。一人も欠ける事ができない“4人だけがBase Ball Bear”というフロントマン小出祐介の言葉が崩れてしまうことには誰もが心配を抱えていたであろう。
今回ツアーには湯浅と親交があった事務所の先輩にあたるフルカワユタカがサポートとして迎えられた。いよいよ本編が始まると、1曲目は最新アルバム『C2』から一曲目「「それって、for 誰?」part.1」。もちろんだが、素晴らしい楽曲と演奏を繰り広げる彼らに、僕の心配は薄れていったように思える。小出祐介のとなりに立つギタリストは以前までライブDVDで観ていた湯浅将平の姿ではないが、フルカワ氏はしっかりと曲の世界観を伝えてくれる。
2曲目の「不思議な夜」のイントロが始まった時にはすでに涙腺がやられていた。フルカワユタカ氏に、Base Ball Bearに、「ライブしてくれてありがとう」という感謝の気持ちが芽生えてきた。
今回のアルバム『C2』は以前ディスクレビューに記したが、今までとは違うアプローチを展開したアルバムで、ベーシスト関根史織の技能が最高に活かされたアクトだった。彼女がメインボーカルを担当する「美しいのさ」では、普段のおじさん具合からは想像がつかないほど極めて美麗な歌声を響かせた。
中盤の「曖してる」では小出のカッティングとギターソロ、そして関根のメロディアスなベースラインが活躍し、会場もシングル代表曲級の盛り上がりをみせる。“ああ、この人たちアルバムめっちゃしっかり聴いてるな”と思い少し感動する。普段見ていたライブ映像と比べて堀之内はとても強い表情でドラムを叩いていた。本人も言及していた気合を感じた。
アルバム収録曲の合間に「神々LOOKS YOU」「short hair」といった過去の代表曲も、3人体制となったBase Ball Bearとして、全体としてはアルバムの収録曲をほぼ全て、一曲一曲演奏する。
終盤にさしかかると、代表曲「changes」のイントロが鳴る。昨年まで湯浅によって演奏されいたフレーズだ。“changes さぁ、変わってく 失うものもある/でもいいんです ひとつ頷き、駆け出す/さぁ、…”という歌詞は彼らの決意そのもの。“変わり続ける君を、変わらず見て”いく決意も自分の中で生まれる。
アンコールは3人だけで登場。「「それって、for 誰?」part.2」で“地獄を超えてゆく”決意を歌い、ラストの「The End」では15年に及ぶBase Ball Bearのこれまでに終わりを告げ、緞帳の奥の明るいスタートラインを高らかに歌いこの公演は終わった。
開演前までに感じていた不安を、感謝と感動に変えた彼らBase Ball Bearに、僕はどこまでもついてゆきます。
4月30日に行われた、ツアーファイナルでもある企画ライブ『日比谷ノンフィクションⅤ』には、これまでサポートを務めたフルカワユタカ、石毛輝にくわえ、田渕ひさ子(LAMA, ex.ナンバーガール)、ハヤシ(POLYSICS)という豪華面々を迎えライブを終える。そのあとも不安をよそに続々と決まるイベントにサポートを迎えながら出演。
「今年中にアルバムを出す」という小出祐介の宣言を楽しみにしている日々の中、まさに本日完全版ベストアルバムと、日比谷ノンフィクションⅤの映像化が発表された。
同発で二作リリースとなるが、『増補改訂完全版「バンドBのベスト」』は、2013年2月に発売されたベスト盤『バンドBのベスト』に、この後に発表された7曲を追加収録し、「祭りのあと」を田渕ひさ子を迎えリテイクした3人体制で初となる音源を収録している。逆に個人的には前作と収録内容を追加だけでなく多少変えてほしかった部分もある。買うけど。
気になるのが初回限定盤の特典である『映像版「バンドBについて」第三巻』である。“福”音声の有無だ。彼らの映像作品の醍醐味で、数々の伝説を残してきた“福”音声だが、収録曲はすべて4人のBase Ball Bearのもの。「そんなに好きじゃなかった」をはじめとして、もちろん湯浅は映っている。これを笑いながら3人で見ている音声が収録されてほしいし、それもできる気がするんだけどどうなのか。
あと個人的に嬉しいのがついにBase Ball Bearのライブ映像がBlu-ray化されること。『日比谷ノンフィクションⅤ』の豪華演出が映像化されるのは嬉しくて仕方がない。これも“福”音声化希望!である。
ここ数日、3人でスタジオに入りながら新曲の制作も進めているようで、「今年中にアルバム」が叶うのを期待しておきたい。
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車輪の軸
Galileo Galilei
2016.06.15 SME Records
DISC1
1 管制塔
2 ハマナスの花
3 夏空
4 四ツ葉さがしの旅人
5 僕から君へ
6 青い栞
7 さよならフロンティア [music by 尾崎雄貴, 佐孝仁司]
8 明日へ [music by 尾崎雄貴, 岩井郁人]
9 サークルゲーム [music by Galileo Galilei]
10 恋の寿命
11 嵐のあとで
12 クライマー
13 車輪の軸
14 FLAT / livetune adding Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei) [music by kz]
15 Trigger / Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei) [music by 菅野よう子]
16 同級生 / 押尾コータロー with Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei) [music by 押尾コータロー]
DISC2
1 ハローグッバイ
2 稚内
3 SIREN
4 Imaginary Friends [music by Galileo Galilei]
5 老人と海 [music by Galileo Galilei]
6 夢に唄えば [music by Galileo Galilei]
7 潮の扉 [music by Galileo Galilei, POP ETC]
8 Birthday [music by Galileo Galilei, POP ETC]
9 サニーデイハッピーエンド [music by Galileo Galilei, POP ETC]
10 バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 (Yuuki Ozaki ver.) [music by Galileo Galilei, POP ETC]
11 親愛なるきみへ [music by Galileo Galilei, POP ETC]
12 ゴースト
13 鳥と鳥
14 青い血
15 Sea and The Darkness Ⅱ [music by 尾崎雄貴, 尾崎和樹]
Galileo Galilei /// 尾崎雄貴 vocal,guitar / 佐孝仁司 bass / 尾崎和樹 drums
all lyrics and music by 尾崎雄貴 [expect above]
10月の日本武道館公演をもって活動を終了することを発表したGalileo Galileiの最初で最後のベストアルバム。元は今年の1月、4thアルバム『Sea and The Darkness』の発売直前に、この4thアルバムとそのリリースツアーをもって活動を終了という発表であったが、ツアーを回っているうちに“もう一本だけガリレオガリレイの集大成としてのライブがしたい”という尾崎雄貴の意思によりライストライブとして日本武道館公演が決定した。今作については“自分たち、支えてくれたスタッフ、ファンのみんなにとって記念になるようなものを残したかった”とコメントしている。
2枚組となっており、これまでのシングル曲を中心とした1枚目と、ファンの声も取り入れつつメンバーが選曲した2枚目という構成となっている。初回生産限定盤のDVDにはこれまで発表したすべてのミュージックビデオと、撮り下ろしのスタジオセッションの映像が収録されている。
2010年デビューの彼らだが、アルバムごとに異なったアプローチをしており、こうして最初から最近のものまで並べて聞くと非常に面白い。例えば、デビュー当時から1st『パレード』までのギターポップ色の強い音楽性、自らスタジオを作りベッドルームレコーディングに挑戦しインディーな影響を色濃く受けたエレクトロ要素が強い2nd『PORTAL』、メンバーの脱退を経てライブなどではこれまでと異なった新しいスタイルを模索することになった『Baby, It’s Cold Outside』、POP ETCのクリストファー・チュウをプロデュースに迎え制作され、邦楽と洋楽の垣根を超えた独自の展開を見せた3rd『ALARMS』、エレクトロな要素を後退させ、もう一度日本のロックミュージックを意識して制作された『See More Glass』、暗闇を歌いながらも音楽ジャンルとしてガリレオガリレイという旗を立てたかのようなラストアルバム『Sea and The Darkness』…と、すべて挙げてしまったが、長いようで短い(本来ならもっと時間をかけて起こる変化が6年で起きている)歴史を辿ることができる。
最後の新曲として収録されている「車輪の軸」は、そんなガリレオガリレイの歴史を総括しつつ、明るく別れを告げる個人的にとても気に入っている曲。ミニアルバム『See More Glass』にAimerをゲストボーカルに迎えて収録されている「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」のライブでしか聴くことのできなかった尾崎雄��ボーカルバージョン(アレンジも手が加えられている)が収録されているのも好印象。
“育て飽きた花”や“見飽きた手品”を愛せなくなった彼らが、それぞれこれからどのような音楽を届けてくれるのか。まずは日本武道館公演を待とう。
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HEAD ROOMS
tacica
2016.04.06 SME Records
1 go by
2 夜明け前
3 発熱
4 Butterfly Lock
5 咆哮の唄
6 ヒカリトカゲ
7 フラクタル
8 acaci-a
9 ONE
10 サイロ
11 NWM
tacica /// 猪狩翔一 vocal,guitar / 小西悠太 bass (support drums 鈴木浩之)
all lyrics and music by 猪狩翔一 [& 小西悠太(M-9)]
produced by tacica, 湯浅篤
前作『LOCUS』から10ヶ月でのリリースとなる本作。2015年11月発表の配信シングル「サイロ」、今年2月発売のシングル「発熱」といった2曲の先行シングルを含む11曲入りで、完全生産限定盤は前作と同じで7インチジャケット仕様+Tシャツ付属という仕様。
前作がすごく良かった印象があって、これまでの活動のスタンス的にも、こんなにも短期間でアルバムがリリースされると思っておらず驚いたが、2014年のドラマー脱退以来、前作のリリースの後も、アルバムのツアーをしたあと、ライブDVDの発売、「サイロ」リリース、東名阪ライブ企画「三大博物館」と、コンスタントな活動を続けているようで、曲をどんどん作っていった結果、この間隔でのリリースとなったようだ。
配信リリースの「サイロ」は割と前作のイメージにも近かった印象だが、今年になって発表された「発熱」は最近にはないエネルギッシュな印象を受けた。今作は全体���通してほとんどの曲が3分台かそれ以下で終わる曲で、そういった雰囲気があるなと感じた。
このリリースからイベントやフェスなどに参加し、少し間を空けてツアーが開催されるということで、新作が発表されるのは来年以降かとも思われるが、まだまだ楽しみである。
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勇気も愛もないなんて
NICO Touches the Walls
2016.03.16 Ki/oon Music
1 フィロローグ
2 天地ガエシ
3 まっすぐなうた
4 エーキューライセンス
5 ブギウギルティ
6 ローハイド
7 ウソツキ
8 TOKYO Dreamer
9 渦と渦
10 ニワカ雨ニモ負ケズ
11 勇気も愛もないなんて
NICO Touches the Walls /// 光村龍哉 vocal,guitar / 古村大介 guitar / 坂倉心悟 bass / 対馬祥太郎 drums
all songs lyrics and music by 光村龍哉 [& 対馬祥太郎(M-10)]
M-1~5,8~9,11 produced by NICO Touches the Walls & 浅野尚志
M-6,10 produced by NICO Touches the Walls & 岡野ハジメ
M-7 produced by NICO Touches the Walls
前作『Shout to the Walls!』から約3年ぶりの6thフルアルバム。2014年にベストアルバム、2015年にアコースティックアルバムを挟んでの今作。前作を発表してすぐにリリースした「ニワカ雨ニモ負ケズ」からシングル曲は6曲入っており、6曲すべてがアルバム用のミックスとなっている。
アルバムタイトルやジャケットなど、インパクトが大きいが、いざCDを回してみると、1曲目「フィロローグ」のイントロにてさらなる衝撃を受ける。ヴォーカル光村のコーラスのみのイントロであるのだが、声を重ねまくっている。30人分の声とのことで、ここから4人の音(ベースに関しては序盤はシンセベースを使っている)が加わっていくという展開。新曲が少ないなとも思ったがこのようにしてそれぞれの新曲ひとつひとつの印象が強く、聴いてて飽きない。
“勇気も愛もない”というタイトルの持つ少し暗い印象とは裏腹に、これまでにないほど明るいアルバムとなっていると同時に、これまでのどの作品にも形容し難い内容となっており、彼らのさらなる新しい側面が垣間見えた。ラストのタイトルトラック「勇気も愛もないなんて」まで11曲、どの曲もかなり作りこまれており、3年という時間はただのブランクではなかったと確信できる。実際、去年のアコースティックアルバムで楽曲そのものについて意識したことを機に彼らは楽曲について悩んだ結果が今作を生んだことのように思う。
大阪城ホールでの公演を控えた彼らは、さらなる新曲も今作から2カ月足らずで発表する。置いて行かれないように彼らの音楽に食らいついていきたいと思う。
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New generation
雨のパレード
2016.3.2 SPEEDSTAR RECORDS / Victor Entertainment
1 epoch
2 Tokyo
3 Movement
4 Focus
5 breaking dawn
6 novi Orbis
7 new place
8 10-9
9 yuragi meguru kimino nakano sore
10 encore
11 Noctiluca
12 Dear J&A
13 Petrichor
雨のパレード /// 福永浩平 vocal / 山崎康介 guitar / 是永亮祐 bass / 大澤実音穂 drums
all songs lyrics and music by 福永浩平
produced by 雨のパレード
九州出身の4人組、ビクターからのメジャーデビュー盤とな��。この前には2014年、2015年に1枚ずつ残響レコードよりミニアルバムをリリースしているが、フルアルバムは初となる。今作の収録曲にはこのミニアルバムや今作の直前にリリースされたシングルからの新録を含む既発曲を7曲収録している。
アルバムに“New generation”、1曲目に“epoch”といたタイトルが付いていることからも読み取れるが、新しい世代で音楽を創り出していくというような意思が漂っている、1枚を通してそんな印象がある。
音の作りに関しても新しい流れを感じさせる新鮮さがある。ただし彼らは打ち込みを使用しない、ライブも含め生音だけで演奏するというこだわりも持っていて、そこで個性もしっかりと活きてきている。
今作がメジャーデビュー作品ということで、今後の動きには十分に期待出来る。今作はインディーズからの既発曲も多かったが、正真正銘、勝負の2ndに早くも注目したい。
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