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新鳥栖~肥前麓の異相区分セクション
長崎本線 肥前麓き電区分所の二日市方面と佐賀方面とを区分するセクション。
き電区分所から西側に少し離れたところにある。上の写真は上り線 (手前側の線路) の異相セクション。写真の右寄りに赤スラッシュの架線死区間標識。
き電区分所と異相セクションの位置関係
上り線と下り線それぞれのセクションもまた、別々に位置している。2011年に二日市方に新鳥栖駅が新設されたことと関係がありそうだけれど、文献は調べていない。
上り線 セクションインシュレータ拡大
セクションの「向こう側」で、佐賀方面上りの正き電線 PF が電車線とつながる。
こっちはさらに西側に行った下り線 (奥側の線路) の異相セクション。写真左のほうに架線死区間標識。セクションインシュレータは、奥の白い建屋とちょうどかぶる位置にある……。
スライダ金具部。すっかり羽根のあるタイプしか見かけなくなった。
佐賀方面下りの PF が電車線とつながる。
き電区分所前の引き出し口の配線をよく見ると、過去に配線のつなぎ替えを行ったのか、ところどころ古いスリーブ金具が残されている。これも経緯が気になる。
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JR 九州 肥前麓き電区分所
1976年の長崎本線電化���業時に新設された、長崎本線のき電区分所。新鳥栖-肥前麓間。
鳥栖で鹿児島本線と分かれてから最初に通過する、大型のき電設備 (っていう表現は合っているのかな)。
同時期に大部分が AT 電化された長崎本線・佐世保線のなかでは唯一、BT き電用に設置されたき電区分所だ。
長崎本線、佐世保線々区経営改善について - (社) 鉄道電化協会 電気鉄道 No.307 27巻 12号 pp.4 より「長崎本線 (鳥栖・長崎),佐世保線 (肥前山口・佐世保間) き電系統図」をもとに現状を考慮して作成。肥前浜方面の系統は省略。
長崎本線は電化される際、BT き電である鹿児島本線との接続を考慮して、鳥栖分岐から当き電区分所をまたいだ佐賀変電所までの区間を BT 電化とし、当き電区分所が制御する区間では鹿児島本線・長崎本線いずれの方向からもき電を確保できるようにした。
正門の銘板は「『キ』電区分所」。
引き出し (引き込み) は左側 (東側) から「二日市上り」「NF」「佐賀上り」「二日市下り」「NF」「佐賀下り」の配列。電車線が正き電線 PF として引き出される。負き電線 NF は上り線・下り線のそれぞれで共通。
所内の構成、の想像図。
AT や HMCR が配置されている AT き電のそれとくらべると、とてもシンプル。
二日市上りの構成。引き出し口から断路器、計器用変圧器 VT の順。断路器と VT の間から分かれて避雷器がある。VT の接地側は右側の佐賀下りの VT とともに NF につながる。
断路器は3回路用のようで、NF の相もがいしが長い。もとは三相用だったりするのだろうか(?)
二日市下りのみ VT の代わりに所内変圧器 OT が入っている。VT で取れるメトリックは OT を使って取っているのだろう。たぶん。
NF につながっているブッシングは非接地を想定しているのか PF 側と長さが同じ。
OT1 は欠番か と思っていたら、こんなところにあった。なるほど高圧配電を電源に。
4系統ぶんの PF は奥の2台の断路器と、手前の3台のガス遮断器 GCB につながる。ここでき電回路の切り替えを行うと見える。
二日市方面の PF は、上り下りとも区分所の目の前で電車線に接続。
いっぽうの佐賀方面は区分所を出てから西 (写真では右) へ延びる。異相セクションは区分所の西側にあるので。
* * *
巣の主は留守だったみたいだ。
参考資料など
石塚 紘明、吉川 清一: 長崎本線、佐世保線々区経営改善について - (社) 鉄道電化協会 電気鉄道 No.307 27巻 12号 pp.2-6 (1973)
石塚 紘明、吉川 清一: 長崎・佐世保線の電化計画について - (株) 電気車研究会 電気車の科学 Vol.27 No.3 pp.20-22 (1974)
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電化廃止後の諫早変電所 き電機器が撤去された
長崎本線の変電所のひとつ、諫早変電所は、2022年9月に電化廃止された肥前浜~長崎の区間にある唯一の変電所だ。廃止後に現地を訪れ、どうなってるのか見てみた。2024.2.23 更新。
さらに読��
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JR 九州高橋分岐線
東多久武雄線 から分岐し、JR 九州 高橋変電所 へ至る九州電力送配電の送電線。66kV, 1回線。
起点となる真新しい外観の 東多久武雄線 58-1 号、いわゆる「のいち番号」の分岐鉄塔だ。
分岐のとなりの鉄塔では、分岐鉄塔の新設により電線が引き上げ状態となったため、懸垂がいし装置に垂直荷重を与えて安定させるためと思えるカウンタウエイトが取り付けられている (2枚目では右側の鉄塔)。
分岐点付近から高橋変電所方向を望む。手前から1号、引き下ろしの2号、その奥に見えているのは4号。
1号鉄塔。
2号鉄塔。ここでいったん地中線となる。この先は住宅街があるから、高圧線下地ができるのを避けるためだろう。
住宅街と国道を渡った「向こう側」でふたたび架空線にもどる。この引き上げ (引き下ろし) の鉄構 (鉄塔) に3号の数字が振られている。
4号 - 5号 で佐世保線をまたぎ――
5号鉄塔を最終として高橋変電所と連系する。
取材は2022年3月。このときが工事完成前後だったみたいだ。
* * *
おまけ。自転車横断帯が単独で車道を横切っていた。この地域の交通事情をよく伝えるものだと思う。
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肥前山口き電区分所 (旧) の所内機器が撤去された
肥前山口き電区分所は佐世保線の複線化による機能強化で敷地面積が確保できなくなったことから、2022年9月のダイヤ改正をもって現在の江北駅構内の旧施設から、場所を長崎・佐世保方に移した新施設に役割を引き継いだ。
旧施設の所内の機器はその後しばらくのあいだ残されていたが、2023年6月に見にいったところ撤去されていた。
撤去後の全景。
撤去前2022年11月の状態。ガス遮断器 GCB や HMCR 装置を構成する機器があり、上空に所内母線も残っている。
コンクリート架台を残し、据え付けられていた機器は撤去された。
肥前山口き電区分所の旧施設は、1976年の長崎・佐世保線の電化開業時に建設されて以降、46年のあいだ稼働してきた。
電化の計画時、長崎線と佐世保線の分岐点であるこの場所には変電所を設置する案も検討されたようだが、ところは有明粘土層と呼ばれる地質が白石付近で地下 20m に達する軟弱地盤地域であるから、これを避けた地点に佐賀変電所と三間坂変電所が置かれた。
鉄道電化協会「電鉄用支持物設計に関する研究」 pp.70 より、肥前山口周辺の軟弱地盤の分布。
構内側
2023.6 旧施設を江北駅構内側から見たようす。ここには以前、き電区分所から引き出した き電線を各方面に分配するためのヤグラが建っていた。
撤去前・新施設へ切り換え前の2022年8月。写真中央に、平面図で見るとほぼ正方形のヤグラがある。このヤグラは10月~11月の間に撤去されたみたいだ。
Google Maps の空中写真は2023年12月時点でまだ撤去前。撤去後に撮影されたもので置き換わるのは時間の問題だろう。
* * *
おまけ: 引き出し口の き電線の変遷。一部の表現は推測と説明の簡単のために実際と異なる。
切り換えに際し、旧施設の引き出し口のき電線は2022年の春先から
1. 原状 2. 短絡設備を設置 (切替前) 3. 旧施設を短絡設備で短絡 & 旧施設を切り離し (切替) 4. 短絡用断路器を切り離し 5. 完全なスルー構造
という移り変わりをしている。
参考: 佐世保線複線化と変電施設の変化
3.~4. の変化を撮っていた。
2022年9月の新施設への切替直後の旧施設前のようす。マーカで示したところに「佐賀方面上り」~「三間坂方面」を短絡する断路器がある。
ほぼ同じ視点の2022年10月のようす。断路器は残ってはいるけれど、そこに接続されていたき電線どうしは右上のあたりで直結されている。
このような「あとかたづけ」が現在も長崎・佐世保線の至るところで行われているはずだ。
参考資料など
稲留 勝智、白木 彰悟、吉住 明、本岡 賢大: 佐世保線複線化事業について - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道と電気技術 Vol.33 No.8 pp.30-33 (2022)
石塚 紘明、吉川 清一: 長崎・佐世保線の電化計画について - (株) 電気車研究会 電気車の科学 Vol.27 No.3 pp.20-22 (1974)
電鉄用支持物設計基準委員会: 長崎・佐世保線軟弱地盤における電車線路支持物の検討 - (社) 鉄道電化協会 電鉄用支持物設計に関する研究 pp.68-95 (1973)
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長崎線の AT ポスト巡見 (2) 肥前飯田 - 肥前山口
前回からのつづき。
肥前飯田き電区分所
→ JR九州 肥前飯田き電区分所
長崎方面 (左) と、肥前山口方面 (右) の AT。
* * *
AT ではないけれど、肥前飯田のひとつ博多方の肥前七浦の駅構内には電圧降下補償のための SVC ポストがある。
肥前七浦からさらに1駅博多方の肥前浜から電化存続区間。
肥前鹿島
肥前浜 ~ 長崎の電化廃止後のいま、長崎線電化区間の末端 AT になっている。
ここから肥前浜の電化末端までの区間は AT き電線こそ張られている (残されている) ものの、電流を AT き電線に吸い上げる AT がないから、意味のない電線になっている。気がする。
肥前浜に移設されるのか、それとも AT き電線が撤去されるのか、今後の動向が気になる1基。
肥前山口 (長崎線 肥前飯田方面)
→ 江北~肥前白石のATポスト
現在は使われていない。まもなく撤去されるだろうか (もしくはすでに撤去されただろうか)。
肥前山口き電区分所に付属する き電回路末端の AT にあたるとみられるが、き電区分所構内からはみ出た駅間に位置していた。
肥前山口き電区分所は現在は新しい施設に移設されていて (後述)、新施設ではこの AT に相当する長崎線の AT は敷地内に収容されるようになった。
肥前山口き電区分所
→ JR九州 肥前山口き電区分所 → JR九州 肥前山口き電区分所 (新)
佐世保線の複線化と高橋変電所の新設にともなって き電系統と高圧配電系統が増加したため、敷地面積の関係から旧施設よりも長崎・佐世保方に移設された。
前述したとおり長崎線 肥前飯田方面の AT は き電区分所から離れた江北 ~ 肥前白石の駅間に設備されていたが、新施設への移設にともなって敷地内に置かれるようになった。
長崎線「肥前鹿島方面」の AT。
なお佐賀方面の AT 2基 (上下線) は、旧施設時代から き電区分所の敷地内に置かれている。
肥前山口き電区分所の移設前の旧施設は現在、所内の機器がすべて撤去されている。
参考資料など
稲留 勝智、白木 彰悟、吉住 明、本岡 賢大: 佐世保線複線化事業について - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道と電気技術 Vol.33 No.8 pp.30-33 (2022)
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長崎線の AT ポスト巡見 (1) 長崎 - 肥前大浦
長崎本線の江北 (旧: 肥前山口) から長崎までの区間はすべて AT き電だ。
AT き電は電車線と、電車線に並行して張られた AT き電線との間を単巻変圧器 AT で結び、AT 巻線の中間点をレールに接続して単相3線回路を構成する。AT は通常は数 km ~ 十数 km の間隔をおいて設置されている。
長崎本線のこの区間の AT は変電所・き電区分所を含めて9か所に点在する。2022年9月の 肥前浜 - 長崎 の電化廃止より後に見にいったので、この記事の AT は撮影時点ですべて通電していない。
長崎
長崎駅の手前の留置線の脇、高架上にある。
高架をくぐる国道の側道から AT き電線 AF と電車線 TF の端子を確認できる。
線路の反対側から AF の本線→ AT への分岐が見える。AF 本線はこの写真のすぐ背後 (長崎側) で終端している。
* * *
高架線への付け替え前までは、宝町公園の近くにあった:
現川
現川駅東側のトンネル坑口からすぐの場所。
AT 本体は「現川橋りょう」の下。写真の背後には「現川川」がある。
AF と TF の引き出しは AT よりもさらに坑口側にいったところ。
ところは高低差のある地勢なので、近くの高い土地から遮音壁の中の AT が見える。
諫早変電所
→ JR九州 諫早変電所
肥前長田
長里
この付近だけ、撮影時点で架線の撤去が始まっていた。TF を支えていた LP がいしがなくなり、片腕が手持ち無沙汰になった腕金。
塀の中の AT と、1本だけ取り残された AF。
肥前大浦
引き出し点に架線流れを防ぐためのアンチクリーパーがある。
つづく
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JR東日本とプロテリアルが開発した新型トロリ線はどこが新型なのか考えた
とくに結論とか出さない考察。
先日、JR東日本とプロテリアルが新型トロリ線を開発し、埼京線に導入するという報道があった。
JR東日本とプロテリアルが「新型トロリ線」を共同開発 埼京線一部区間へ試験導入 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル https://tetsudo-ch.com/12886428.html
プロテリアルのリリース https://www.proterial.com/press/2023/pdf/20230524jp.pdf
JR東日本のリリース https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230524_ho01.pdf
プロテリアルのリリースから概要を一部引用:
従来、在来線のトロリ線は、銅を主材にスズを添加した「銅スズ合金トロリ線」を使用してきました。今回、スズに加えて新たにインジウムを添加し、現行品に比べて耐引張荷重を約25%強化した新型トロリ線を開発しました。
銅・スズ・インジウム合金のトロリ線はプロテリアルの前身の日立金属が GT-SnN として開発し、2004年から在来線で導入されている [1]。 そのため、インジウムを添加したこと自体は「新型」というわけではないと思う (ただし、今回の新型はこの GT-SnN を改良したものの可能性は高そう)。
じゃあどこが新型なのかというのが気になるところで、考えられるのは「耐引張荷重を約25%強化」という数字と、「摩耗管理用の溝」の2つだろう (「新型トロリ線���あることを識別する溝」をもって「新型」とはさすがに言わなくない…?)。
JREEA「鉄道電気産業史」に収録されているトロリ線の特性表によれば、GT-SnN110 の「引張荷重 (kN)」は 48.0 とあり、これは同表の GT-Sn110 の 40.2 に対しておよそ 20% 高い [2]。
(社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道電気産業史 pp.34 から引用
この数字と くだんのリリースの「耐引張荷重」が指すもの同じとすれば、さらに 5% 引張荷重を増加し 25% としたことが「新型」ということかもしれない。
また、特許公報を探すとJR東日本と日立金属の共同出願で摩耗管理にかかるコストを減らすことを目的としたトロリ線に関する特許があった。
特開2021-059248 「トロリ線」 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2021-059248/B9B9775E3D819FD6AF995678EE15851D719A2FBA9C90DAD60F4A4B55D1D439EA/11/ja
出願人、要約、図にある形状からみて、今回のリリースのもので間違いなさそうだ。
検知��入りトロリ線を使わず、線材の形状を工夫することでトロリ線の摩耗を判別しやすくするしくみは、JR西日本が山陽新幹線で導入している MF (Measure Free) トロリ線でも採用されている [3]。 いっぽう、JR東日本とプロテリアルのトロリ線は、検測車が走行しない場所で人の目で判別することが前提で、さらに異なる高さ位置に溝を設けることで偏摩耗が生じる場所でも摩耗管理がしやすくなっている。 この部分ははっきりと「新型」でありそうだ。
参考資料など
日立金属 (株): 新技術・製品���介 高強度・高導電性みぞ付トロリ線(GT-SNN)/検知線入り高強度・高導電性トロリ線(GT-SNNP) - (社) 日本鉄道電気技術協会 - 鉄道と電気技術 平成26年7月 第25巻 第7号 pp.79 (2014)
4.トロリ線の変遷 - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道電気産業史 pp.34 (2014)
久保 喜昭、髙内勝雄、有田幸司: 講座 鉄道事業者の電車線路設備 (11) - (社) 日本鉄道電気技術協会 - 鉄道と電気技術 2020年7月 第31巻 第7号 pp.85 (2020)
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永尾~三間坂の異相区分セクション
三間坂変電所の佐賀方面と佐世保方面を区分するデッドセクション。
変電所から 1.2 km ほど佐世保方向に離れたところにある。 国道と農道に挟まれていて、観察に難儀することはまずない。
羽根つきタイプのスライダ金具。
正き電線 TF と電車線はセクションインシュレータのすぐ佐世保側で接続。
デッドセクションを通過する817系。
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JR九州 三間坂変電所
佐世保線の交流き電変電所。運開は長崎本線と佐世保線��電化開業した1976年。永尾-三間坂間。
受電: 九州電力送配電 66kV 1回線 き電: 交流20kV 60Hz, AT方式
通常時のき電区間は当変電所から末端の佐世保駅およびハウステンボス駅まで。高橋変電所の運開前までは、肥前山口き電区分所までの区間にき電していた。現在は1つのき電区間のみにき電するため、スコットトランスの片座のみが投入されていて、三相側からはおそらく不平衡負荷になってる (参考: 佐世保線複線化と変電施設の変化)。
末端変電所にあたるため、当変電所が脱落したときに延長き電するためのスイッチング設備がある。ただし、長崎線の諫早変電所とちがい、電圧降下対策の直列コンデンサ設備はない。延長き電をおこなう佐賀変電所 (2023年現在は高橋変電所) から末端の佐世保までの距離が、長崎までのそれとくらべて短いからだろう (佐賀SS-長崎 102.2 km; 佐賀SS-佐世保 66.2 km)。
線路と山の��いだの狭隘な土地につくられた変電所。
正面の国道からアクセスするための踏切がある。その名前は「変電所通路」踏切。
正門。銘板はついてるけれど、文字がほとんど消えてしまってる。
踏切の遮断器にあたる昇降式のチェーンは手動みたいだ。警報器は鳴ってたかどうだったっけ。
1回線の JR九州三間坂分岐線 で九電送配 武雄伊万里線 に連系。
受電電圧は諫早変電所と同じく完成当初110kVで、のちに66kVに降圧された。そのため、がいしが66kVのそれとくらべちょっと長い。線名札はなんと「国鉄三間坂分岐線」。
左の受電側から断路器、遮断器、ただのSPがいし、計器用変圧変流器MOF、避雷器。遮断器はGCBだろうか。
避雷器を経て右側のスコットトランスへ。
スコットトランス。ATき電だから 3φ66kV / 1φ44kV *2 くらいのはず。容量不明。
その先は電圧降下補償用の直列コンデンサ。正面のキュービクルは保護装置で、その裏に2台のコンデンサ本体が隠れてる。
保護装置の銘板。は、光量不足でうまく撮れなかった……。おそらく諫早変電所のものと同タイプだろう。
保護装置の裏の直列コンデンサを回り込んで見たところ。まん中のカマボコが生えてる機器がそれ。
M座のAF相に割り込んであるみたいだ。延長き電のときはこのM座出力で佐賀や長崎方面まで長距離き電するためと思える。となりに高橋SSができた今は、不要になった設備かもしれない。
直列コンデンサのさらにうしろにあるのは、たぶん高圧配電線用変圧器 (中央右寄りに円筒形のコンサベータが見えてる) と、そこに分岐するための断路器や遮断器群。M座・T座の各TF・AFから分岐→断路器→遮断器と介して高配用変圧器に引き込んでいるようだ。
高配用変圧器の両脇には進相コンデンサが置いてある。
直列コンデンサのとなりに配置されてるVTのような機器。M座のTF-AF間に接続されてるみたいだ。き電用断路器を開いているときにTF-AF間電圧を測るためのものと見えるけれど、詳しい使途不明。
き電用断路器その1。スコットトランス (M座は直列コンデンサ) と き電用遮断器のあいだ。
その右はき電用遮断器 (GCBだろうか) につづき、計器用変圧器VT。VTはM座・T座それぞれのTF-AF間電圧、すなわち き電電圧を測るものだろう。
き電用断路器その2。VTとATのあいだ。
引き出し口手前。左がM座「佐賀・諫早方面」、右がT座「佐世保方面」。手前の2台の筐体は、それぞれのTF-AF間に並列接続された単巻変圧器AT。
上記写真の中央にあった断路器は、佐賀・諫早方面と、佐世保方面のTF・AFを短絡して延長き電をおこなうための断路器と思える。その左の筐体は所内変圧器OTだろうか、佐世保方面のTFとPW間に接続されてる。
諫早変電所とちがい、延長き電設備に電圧降下補償用の直列コンデンサ設備は付属しない。当変電所の停電時に延長き電をおこなう隣接変電所からの距離が遠くないためと思える。
佐賀・諫早方面の引き出し。左からATき電線AF、保護線PW、トロリ線TF。PWはT字状に分岐して両方面に伸びる。TFは目の前の電車線に接続している。
視野を右に移すと佐世保方面の引き出し。左がTF、右がAF。
佐世保方面のTFは、佐世保方に 1.2 km ほど離れた異相区分セクションの先で電車線に接続している。
所内の構成を表現するとこんな感じだろうか。正確な見取り図じゃない。
2022.9ダイヤ改正後の片方面き電
2022年9月、長崎本線と佐世保線のダイヤ改正により高橋変電所が運開になった。この際、き電区分所などを挟まずに隣接する関係になった三間坂変電所は、M座「佐賀・諫早方面」の き電用断路器が開かれ、T座の佐世保方面だけに き電を行う片方面き電となった。
2022年7月の き電用断路器 (その1) の状態。M座・T座ともに閉じている。
2022年9月22日の状態。手前側の2基・M座の断路器が開放された。
き電回路をかんたんに図示するとこんな感じだろう。高橋~三間坂のあいだのき電区間は両変電所で共有されるため、どちらかの変電所が片方面き電をおこなう必要がある。この場合、片座を切った変電所は、三相側にとっては不平衡負荷になるはず。
参考資料など
石塚 紘明、吉川 清一: 長崎本線、佐世保線々区経営改善について - (社) 鉄道電化協会 電気鉄道 No.307 27巻 12号 pp.2-6 (1973)
長崎本線,佐世保線電化完成!! - (株) 鉄道現業社 鉄道電気 1976.7 pp.1-2 (1976)
稲留 勝智、白水 義人: JR九州八代変電所の始まりと変遷 / 6.2 九州電力の降圧化 - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道と電気技術 Vol.24 No.8 pp.43-46 (2013)
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西諌早~喜々津の異相区分セクション
長崎本線 諫早変電所のM座/T座を区分するデッドセクション。
位置は諫早変電所の真ん前。複線区間だけど、上下線の系統は同じ。
諫早変電所のき電線引き出し口。ひだりから「長崎方面」AF、保護線を挟んでTF、「肥前飯田方面」TF、AF。
セクションインシュレータと、き電線の接続状況。変電所の目の前にあって、電車線とATき電線が同じ位置で区分されてる教科書的なつくりがいい。
TとAFを着色した図。
残念だけれど、撮影日時点でこのセクションを通る車両は気動車だけになってた。
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電化廃止後の諫早変電所 き電機器が撤去された
長崎本線の変電所のひとつ、諫早変電所は、2022年9月に電化廃止された肥前浜~長崎の区間にある唯一の変電所だ。廃止後に現地を訪れ、どうなってるのか見てみた。2024.2.23 更新。
2022.11.27
この日の時点で変電所としては廃止されてるかと思ってたけれど、そうでもないようだった。
三相受電部分。左端の断路器が閉路してることから、まだ「生きてる」可能性が高そうだ。遮断器の状態を見たかったけれど、機器配置の関係で確認できなかった。
変電所として廃止されてない(とすれば、)理由はこれだろうか。変電所内の高圧配電のキュービクルのうち、右の「信号長崎方面 (旧線)」の盤が通電を示してる。
電化された線区の信号高配はしばしば、電鉄変電所を電源にしてることがある。この場合、き電が止まったとしても、高配の電源あるいは信号電源そのものをほかの電源に移行するまで変電所は廃止できない。
ほか2つは左から「信号肥前飯田方面」「信号長崎方面 (新線)」。
ストレージを漁ったら、電化廃止前の2022年5月の取材で撮った高配キュービクルの写真があった。
新線の盤はこの時点ですでに使われてない(?)みたいだ。なんで。
肥前飯田方面はどうしたんだろう。ほかの電源に切り替えたのかもしれないし、肥前飯田き電区分所などから給電されてる可能性もあると思う。
き電のほうはM座、T座とも断路器が切られてるのを確認。
2つの異相区分セクション。見た感じはそのまま。
この日の取材で、引き出し口のプレートが変電所東側の踏切あたりから見えるのを知った。
「長崎方面」と「肥前飯田方面」だったか。
高圧配電の引き出し。
長崎側から「長崎方面2号線」「長崎方面1号線」「肥前飯田方面」。といいつつ、櫓には肥前飯田方面しか配線されてない。
おそらく、長崎側に線路を横切る高架道路があとから作られた関係で、別の場所から立ち上がるようにしたとか、そんなとこだろう。
2024.2.4
1年以上あいてしまった。この日 変電所を見にいったところ、スコットトランスを除いてき電機器が撤去されていた。
左の白い建屋がスコットトランス。その手前にあった き電関係の所内機器がなくなってる。
参考に、電化廃止前の 2022.5 に撮影のほぼ同じ構図。
ここには以前、線路リアクタンス補償用の直列コンデンサと、佐賀方面、長崎方面につながる断路器があった。
三相側 R, S, T を残し、M座とT座が開放されたスコットトランスの端子。
き電用遮断器、計器用変圧器、断路器、単巻き変圧器ATがあった。
き電引き出し口の手前。延長き電用ATコンデンサATSCと、その保護装置が2組あった。
諫早変電所の電鉄変電所としての機能部分は、ここにきてほとんど撤去された。
三相側の断路器は閉路していて、まだ生きている。
高圧配電キュービクルの右の盤「信号長崎方面 (旧線)」が相変わらず通電している。スコットトランスの高圧配電出力が、まだこれに使われているのだろうか。
以前撮影した位置の道路は、舗装のため通行止めだった。
高配のために特高系統と連系している、ぜいたくな設備。いつまでありつづけるだろうか。
変電所前の異相区分セクション。 電車線に大きな変化はみられず。架線死区間標は撤去された。
* * *
参考資料など
15. 信号電源の要件 / 15.2.1 信号高圧の配電線 - (社) 日本鉄道電気技術協会 信号技術委員会 鉄道信号システムの構築に関わる指針 pp.148-150 (2016)
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江北~肥前白石のATポスト
ATき電回路のき電区分所にはふつう、き電回路の末端に位置するATが置かれている。
移設前の肥前山口き電区分所は「肥前飯田方面」のみ、末端ATにあたるものが所内に置かれていなかった。そのためか、現在の江北駅から肥前白石の駅間に末端ATと思えるATポストがある。
田園地帯のまん中。移設前の肥前山口SPからは、ほぼ2km。
左の塀の中にAT、右のキュービクルは故障点標定装置。正式な施設名を確認できる銘板とかは見当たらなかった。
2022年10月現在、肥前山口き電区分所は移設され、移設後の施設ではこれに相当する「肥前鹿島方面」のATが所内に置かれるようになった。そのため、このATポストは用途が廃止されたようで、結線が切られてる。
ATのブッシングからトロリ線、ATき電線につながる配線がない。ATき電線に残ってる分岐スリーブから、撤去された配線をうかがい知れる。
過去のストリートビュー画像を見るに、こんなふうにつながってたんだろう。
参考資料など
変電・饋電(き電)・通信のもろもろ: 1151. JR九州 佐世保線・長崎本線 佐賀変電所 位置の特異性と肥前山口き電区分所の特殊なき電区分 (2021)
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肥前浜の架線終端
長崎本線 肥前浜 - 長崎 の電化設備撤去のため、肥前浜駅の長崎側には架線終端標識と、絶縁用のがいしが追加された。
終端標識は3つ。各番線ごとに付けたんだろう。ダイヤ改正日の2022年9月23日��ら、取材した10月23日のあいだに設置されたものと思える。
ぽっちーさんの情報によれば、10月1日にはすでに終端標が付いてたみたいだ。
望遠すると
奥のほうで本線の電車線にがいしが挿入されてるのが見える。
肥前浜を長崎方に出た直後の「清水川踏切」のそば。
右側が本線で、左側は1番線の電車線の続き。トロリ線にもがいしが使われていて、物理的にパンタグラフが通過できなくなってる。ここが肥前山口SPで分岐したき電回路の末端ということだろう。
ATき電線AFと保護線PWの終端は、電車線より50mくらい佐賀側にある。
柱の最上部に引き留められたAF。次の径間とつながるためのジャンパ線がない。
その下、滑車式テンションバランサのちょい上でPWも切られてる。
真新しいテンションバランサ。と、その下に準備されてるがいしと金物。ここに電車線の引���留めを移すんだろう。
新しく引き留め柱になる電化柱に追加された支線。AFはつい先日、支線に張力を移行したのかな。
肥前浜でき電回路を切ると、肥前山口SPからここまでのき電区間は肥前竜王 - 肥前鹿島にあるATが末端ATになるから、現状ここまでAFがきてる意味はない気がする。けれど、わざわざここに引き留め設備をつくったってことは、このあと何か動きがあるのかもわからない。
パンタグラフを上げた電車は、ここより向こう側にはもう進めない。
その後: 2022.11.20
架線終端標識の長崎側に、2基のばね式テンションバランサが増設された。 架線自体に変化はないみたいだ。
その後: 2022.11.27
追加された2基のばね式テンションバランサに、1番線、3番線の架線が引き留められた。
これらは以前、清水川踏切よりも長崎側に滑車式バランサで引き留められてたもの。引き留め位置をまえより佐賀側に移した形だ。
長崎方にのびる電車線は、本線である2番線の架線だけになった。
* * *
おまけ。肥前浜には駅ピアノがある。地元のかたによれば、駅舎が開いてればいつでも弾けるらしい。これいいね。
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佐世保線複線化と変電施設の変化
2022年9月23日、佐世保線は西九州新幹線開業にともなう秋ダイヤ改正で、新幹線に接続する列車の増発に対応し、変電設備の切替が行われた。 (正確には、僕が切替前の状態を確認した8月25日から、切替を確認した9月22日までの間に実施されたみたいだ)
切替の前後で変化があった設備をいくつか見てきたので、この記事にまとめておこうと思う。
複線化にともない大きな変更が入った設備は、長崎線との分岐点にある肥前山口き電区分所と、その隣の高橋変電所だ。前者は新旧切替による移設、後者は新設で、その切替を短時間で済ま��るためと思える短絡設備などが設けられた。
切替前後のき電系統 (推測)
武雄温泉周りと肥前山口 (江北) 周りの2つにわけて見ていく。
[武雄温泉駅周辺]
高橋駅の裏手に新設された高橋変電所は、切替前まではき電回路から切り離されていた。また、引き出し口の配線は断路器で短絡されていた。そのため、三間坂変電所-肥前山口き電区分所間で、ひとつのき電区分になっていたものと思える。
切替後、複線化された高橋-大町間は高橋変電所からの上下線分割き電になった。また、三間坂変電所のM座「佐賀・諫早方面」のき電用断路器が開かれ、同き電区間も高橋変電所からのき電に変わったみたいだ。
三間坂SS-高橋SS間は変電所が隣接する関係になるから、いずれかの変電所の少なくとも片座を切って運転する必要がある。三間坂変電所はいま、三相側にとって不平衡負荷として運転されてる。はず。
[肥前山口 (江北) 駅周辺]
肥前山口き電区分所は、肥前山口駅構内にある旧施設とは別に、長崎線との分岐点に近い地点に新施設が建設された。新設された断路器などによって、切替の前は新施設を短絡、切替後は旧施設を短絡という処置が行われたみたいだ (参照: 肥前山口き電区分所 / 新施設と現施設の関係, 肥前山口き電区分所 / 旧施設の短絡設備)。
肥前山口駅構内は、従来から任意の電源による上下線一括き電だった。切替後もこれは変わらず、佐賀変電所-肥前山口き電区分所間の上り・下りのいずれかから構内にき電されるようだ。22日の取材では、上り線の系統と接続されてるようすだった。
旧施設の「肥前飯田方面」の正き電線TF・ATき電線AFは切替後、一部が新施設の「佐賀方面下り」と「肥前鹿島方面」に転用された。これについては、過去の記事で予想したとおりと思える (参照: 肥前山口き電区分所 / 新施設と現施設の関係)。
* * *
以降は、現地で切り替えられた状態を確認したときの記録を西から順に写真で載せていく。「切替後」と書いてる写真は、すべて2022.9.22に撮影したもの。
三間坂変電所
M座、佐賀・諫早方面の断路器が開かれ、同変電所からのき電が止められた。
切替前、2022.7時点。写真まん中あたりで、2組4基のき電用断路器が前後にならんでる。手前2基が「佐賀・諫早方面」、奥2基が「佐世保方面」。
切替後。手前側が開路。
高橋変電所
三相側の遮断器が閉じられ、運用が開始されたようだ。
切替前、2022.3時点の三相側断路器。開いてる。
切替後。三相断路器が閉じられ、変圧器からの励磁音 (いわゆる60Hzの音) も聞こえてた。
き電側の断路器も閉じていて、電車線路にき電してるのがうかがえる。
高橋変電所の前にある、変電所を短絡する断路器。2022.7時点では閉路状態だったものが開放されてる。
肥前山口き電区分所 (新)
引き出し口につづく配線が接続され、運用が開始されたみたいだ。
切替前、2022.7時点。ATと引き出し口を結ぶ配線がくるっと折り返されてて、き電回路から切り離されてるのが見える。
切替後。切り離してあった配線が接続された。
新施設の前に設けられた2基の短絡用断路器。それぞれ、「佐賀方面上り」「高橋方面上り」間のTF・AFを結ぶ。切替前の2022.7時点で閉路状態。
切替後、2基とも開放を確認。
肥前山口き電区分所 (旧)
新施設とは逆に、引き出し口~区分所の配線を切断されて、その手前が短絡されてる。用途としてはすでに廃止されたみたいだ。ひっきりなしに聞こえていた所内のATの励磁音と思える音も、切替後は聞こえなくなってた。
切替前、2022.8時点。
切替後。点線で示したジャンパ線が撤去され、き電回路から切り離されたのが見える。
その上には、旧施設を短絡する「わたり線」が設けられてるのが確認できる。たぶん「佐賀方面下り」「肥前飯田方面」間のTF・AFを結ぶもの。
このわたり線も、以前は準備工事にとどまっていたものが、切替に際して接続がなされたみたいだ。
2基設けられた旧施設の短絡用断路器。「佐賀方面上り」「三間坂方面」間担当と思われ。切替前の2022.8時点でいずれも開放。
切替後。2基とも閉路。
肥前山口駅構内に設けられた、佐賀変電所方の上り線~駅構内を結ぶ断路器。切替前の2022.8時点で開放。
切替後に閉じられた。
ちなみに駅構内系統は従来、下り線系統でのき電が定位だったみたいだけれど、切替後は上り線系統でのき電になった。と思う。
* * *
おまけ。複線化から変電設備変更・切替までのGIF。
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肥前七浦の静止形無効電力補償装置
長崎本線の肥前七浦の駅構内には、長距離き電による電圧降下を補償するための静止形無効電力補償装置 : SVC がある。1993年に設置された。
肥前七浦駅は肥前飯田き電区分所から佐賀方に2駅と、き電回路的にはほど近い場所にある。SVCは同じ設備容量なら、変電所よりき電区分所に置いたほうが補償効果が大きいみたいだ。
SVCは駅舎よこ、線路に向かって���手の広場の奥にある。
銘板とかはなく、正式な施設名は確認できない。「肥前七浦SVCポスト」とかでいいのかな。
肥前七浦のSVCは、複数段のコンデンサをサイリスタスイッチで投入する thyristor switched capacitor : TSC 方式だ。この方式は、電車線電圧が特定のしきい値 (17kVとか) を下回るのをトリガにして数群の進相コンデンサを段階的にき電回路に接続し、電圧降下に対する無効電力を供給することで電圧補償をおこなう。
回路図は現地の状況と他所のSVCの資料を参考にして、いくらかの推測を入れてつくってある。とくに制御まわりはおおざっぱに書いてるので、あくまで目安に見てもらいたく。
構内に入場すれば、跨線橋から俯瞰できる。
左の線路側からトロリ線TF、ATき電線AFが施設内に引き込まれる。そこから断路器、避雷器、計器用変圧器VT、ガス遮断器GCB、40kV/5kV変圧器、コンデンサバンク、サイリスタスイッチと機器が配置・接続されてる。
電車線路からTFとAFを「T分岐」で引き込んで、3連の断路器に接続してある。まぎらわしいけれど、空が背景で見やすい上の2本は高圧配電線で、TF・AFはその下の、奥の工場の屋根と被る位置に写ってる。
3連の断路器の内訳は「TF」「NW」「AF」。NWは negative wire とか neutral wire とか、そのへんのアクロニムだろう。
NWは地中のトラフから立ち上がり、断路器を介して保安器とVTの負極につながってるみたいだ。トラフの先は確かめようがない。たぶんレール (インピーダンスボンド中性点?) じゃないかと思う。
TFとAFは避雷器を経て右のGCBに接続。VTにはTFがGCBの接点から分岐してつないである。
計器用変圧器。TF-R間に接続されて、き電電圧を��出してると思える。
GCB。最初の回路図には書いてない。
指月電機製の40kV/5kV変圧器。2次側2系統で、1系統5MVA。
最大250Aを流す電線と、最大1000Aを流す電線。右は直流のき電線を思わせる太さだ。交流だけど。
変圧器の上に載ってる小さな筐体。2次側のu-v間と0Vらしきところに接続。VTとかだろうか。
進相コンデンサも指月電機。銘板はかすれが激しくてほとんど読み取れない…。
三菱電機製のサイリスタスイッチと制御盤。
サイリスタ制御盤の裏では、そこそこ大きい駆動音を立てて冷却設備が動いてる。半導体だからね。
変圧器~サイリスタスイッチの接続状況。2系統ある変圧器の2次側は、それぞれコンデンサとサイリスタスイッチを直列に結んで、2つのコンデンサバンクを構成してるのが見える。
Twitter で k-tn さんに指摘されて気づいたけど、変圧器の横割り構造のコンサベータってあんまり見かけない気がする。
電車線路との接続状況。接続点がホームにかかってて見やすい。
TF-電車線の接続と、
AF-ATき電線の接続。
電力会社の配電線からの受電設備がある。サイリスタの冷却装置の電源とかだろう。
変圧器の「60Hzの音」が聞こえてくる待合室からの眺め。とてもいやされる空間。
参考資料など
変電・饋電(き電)・通信のもろもろ: 1151. JR九州 佐世保線・長崎本線 佐賀変電所 位置の特異性と肥前山口き電区分所の特殊なき電区分 (2021)
変電・饋電(き電)・通信のもろもろ: 911. 東北巡検その六 JR東日本 大曲き電区分所(ATき電) (2019)
長柄 一夫: JR九州の無効電力補償装置 - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道と電気技術 Vol.4 No.6 pp.33-36 (1993)
井上 隆、芳川 潔: 山陽新幹線の静止型無効電力補償装置 - (社) 日本鉄道電気技術協会 鉄道と電気技術 Vol.4 No.6 pp.19-20 (1993)
無効電力補償装置・電力変換装置 - (社) 日本鉄道電気技術協会 き電・変電技術変遷史 pp.197-206 (2012)
石塚 紘明、吉川 清一: 長崎本線、佐世保線々区経営改善について - (社) 鉄道電化協会 電気鉄道 No.307 27巻 12号 pp.2-6 (1973)
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肥前飯田~多良の異相区分セクション
肥前飯田き電区分所の肥前山口方面と諫早方面の境界のデッドセクション。
き電区分所から肥前山口・佐賀方にしばらくいったところ、伊福川の河口を渡る鉄橋のそばにある。橋台の連絡先張り紙には「伊福川橋りょう」って書いてあった。
拡大。羽根付きタイプのデッドセクション。
き電区分所からの TF-電車線 接続状況。
切り通しの「向こう側」の踏切から見た構図。ここで振り返れば、肥前飯田き電区分所が見える。
セクションを通過する817系
と、車内からの展望。上とは反対向きの電車から撮ったやつだけど。
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