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2023年の歌
いなくなるわたしの無彩色がこの電信柱と同じだったら
トンネルをくぐると痣が消え都民感情にやや親しみが涌く
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(二千五百万年前はオナガザル上科とヒト上科が分岐したころ)
二千五百万年前のサルの尾に「総意」と書いたレシートを巻く
春でないので光らない雀茶の山へ吹く風 みかんこれ、黴?
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二千五百万年前はオナガザル上科とヒト上科が分岐したころ
二千五百万年前のサルの尾に「総意」と書いたレシートを巻く
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2022年の歌
アジアゾウ差し向けポンジュースで以て持て成す吾を雪降った日へ
ホンビノス貝の歯ざわりロープウェイの空へぶ厚い貝殻が降る
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二行目の恋矢が闘争を呼ぶので天丼いまから食うのでを呼ぶ
チョウチョチョウチョ踊りをいっしょに踊るうちチョウチョ口吻が空を揉む
肌を焼く七月をまず傘で避け教習所の送迎車が遅い
不適当な名残惜しみをコンニャクにしたら10時のおやつにつま���
HITACHIのドラムの加減によってパジャマ毎回表情(かお)が異なる
特急が停まらない駅停まる駅停まる駅のポーズはこうです
ハクテンゴケ清掃係に胡座かく甲へでんこうせっか食らわす
泥除けがピンクでパカパカした頃の逆上がりに萌え渡る薄藍
暗示降る「明日は上手くいかない」とドライマンゴーヨーグルト漬け
ピンポンパールの腹に入るヤギの数の一の位はゼロです
落ちる現実感を拾い上げよう。タモなどあればいいのかしらん。
もういやだやめたいここはどこなのにマインスイーパ無限野をいく
チューリップ畑あまりに人間の行いだったために遊ぶ手
ストレートバナナ寝ているケースなりラックなり知らないで寝ている
眠剤を飲んで布団で小暴れす古い木材駄菓子の都合
一個人ポイントを食い潰し果て「たぶんルリアリ」としかいえない
捕まえたルリアリ見逃したルリアリ潰したルリアリ逃したルリアリ
眠れもしないのに目ヤニだけ増える目ヤニが作られて明けていく
朝が来るだけでやわらぐ絶望と夜毎 かなしみの泥を掻く
そこにいたのはわたしではなかったし「明日」は入眠には使えない
無欠たるナナホシを見た燦然と苦く美味しくないと輝く
(ルリチュウレンジはかんたんに手に載る)
指の毛にブン!と伝わる羽ばたきだ浮かないような加減が出来て
(アオドウガネはしばらくしてから手を少しだけ噛んだ)
手のひらを噛む口が噛む不審さは解れたろうかぬるい地面の
羽化不全ナナホシが指から発って平気に生きているようだった
そのようにすることにした、必要は知れない、傾いてもいいらしい
甲虫のおばけは硬さを現世に遺した音をさせるだろうか
フタイロカミキリモドキを検索し(人間社会をはなれ)てみてね
美容院の軒先の造花に蛹化不全の鱗翅のミイラ
雨宿るヒョウモンチョウの空を揉む口吻は楽しい、とは違う?
カマキリの嫌悪の心地わたくしがももに迫って「めんつゆ」と言う
ムシヒキアブのはあ?というかお 首もとに口もとのモジャモジャが至れば
盂蘭盆のショウリョウバッタの腿節の先が今世でこんなに刺だ
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#CD短歌夏フェス2022 参加作品・テーマ:昆虫のかたち・挿絵なし注釈なし端書あり・文字のみver.・2022/08/06
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或る昼のしろく透く肌背のライン幼カマキリの艶そよめいて
無欠たるナナホシを見た燦然と苦く美味しくないと輝く
ルリチュウレンジはかんたんに手に載る
指の毛にブン!と伝わる羽ばたきだ浮かないような加減が出来て
アオドウガネはしばらくしてから手を少しだけ噛んだ
手のひらを噛む口が噛む不審さは解れたろうかぬるい地面の
羽化不全ナナホシが指から発って平気に生きているようだった
やわらかなショウリョウバッタの幼虫が庭にいっぱいいて眠ってる
浴室で蚊が死んでいき横たえた長い六つの脚を眺める
そのようにすることにした、必要は知れない、傾いてもいいらしい
甲虫のおばけは硬さを現世に遺した音をさせるだろうか
フタイロカミキリモドキを検索し(人間社会をはなれ)てみてね
美容院の軒先の造花に蛹化不全の鱗翅のミイラ
雨宿るヒョウモンチョウの空を揉む口吻は楽しい、とは違う?
カマキリの嫌悪の心地わたくしがももに迫って「めんつゆ」と言う
ムシヒキアブのはあ?というかお 首もとに口もとのモジャモジャが至れば
盂蘭盆のショウリョウバッタの腿節の先が今世でこんなに刺だ
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