Don’t play what’s there, play what’s not there. Don’t play what you know, play what you don’t know. I have to change, It’s like a curse.
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The Sidewinder(1964) Lee Morgan
このアルバムを抜きにリー・モーガンは語れない。1964年にビルボードのアルバム・チャートで最高25位にランクされた作品。タイトル曲は同シングル・チャートで最高81位にランクされた。25位と81位、大したことないじゃんと思う人もいるだろうが、いまも昔もジャズがチャート入りすれば、それ自体が事件なのである。 タイトル曲はTVの悪漢キャラクターをヒントに書いたリー・モーガンのオリジナル・ブルース。ただし伝統的なブルースとは趣が違っていて、8ビートで演奏する歯切れのいいブルース。これが受けた。その後ジャズのリズムはどんどん複雑になっていくが、当時としては4ビートでなく8ビートでジャズを演奏するのは斬新だった。それで従来のジャズと区別するために、��の種のジャズはジャズ・ロックと呼ばれるようになった。ジョー・ヘンダーソンとの2管クインテットによるごきげんな演奏。リー・モーガンの最高傑作ではないかもしれないが、間違いなく最も売れたアルバム。
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Open Sesame(1960) Freddie Hubbard
1960年録音のフレディ・ハバードの『Open Sesame』は単なる名盤ではない。歴史が変わる瞬間をとらえた作品なのだ。それまで無名だったこのトランペット奏者は、まだ駆け出しの頃だった。ピアニストのマッコイ・タイナーしかり(彼はこのすぐ後ジョン・コルトレーンとの運命的な出会いを迎える)。実際、このレコーディング時点で一番有名だったのは、ベースのサム・ジョーンズであり、彼がその後キャノンボール・アダレイやオスカー・ピーターソンと競演していったのに対し、ハバードとタイナーはこの作品の後にジャズ界の大物となっていったのである。本来ならテナー・サックスのティナ・ブルックスもそうなるべきであったのだが、この優秀なプレイヤー(今作の「But Beautiful」でのプレイは秀逸)は正当な評価を得ることなく、1974年に42才の若さでひっそりとこの世を去っていった。ハバード作の「Hub's Nub」やブルックス作のタイトル曲2テイク、そして「Gypsy Blue」は素晴らしく、今作のハイライトのひとつ。忘れてならないのは、ドラマーのクリフォード・ジャービス。ブレイキーに心酔していたこの若者と、ルディ・バン・ゲルダーの完璧なエンジニアリングは今作に欠かせない存在。このアルバムを聴けば元気にもなるし、うっとりとした気分にもなる。
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Explorations(1961) Bill Evans
ビバップ~ハード・バップ時代のジャズ・ピアノは、右手でメロディを弾き、左手でコードを押さえるバド・パウエルのスタイルが基本形だった。しかし、ビル・エヴァンスは両手を自在に使い、マイルスが夢中になったモード・ジャズをピアノに移植、それまで聴かれなかったような斬新な演奏を行った。また、パウエル型のトリオでは、ベーシストとドラマーは主役のピアニストをサポートする脇役にすぎなかったが、59年に結成したエヴァンスのトリオ(ベースはスコット・ラファロ、ドラムスはポール・モチアン)は、3者が対等の関係でインタープレイを行った。エヴァンスのトリオは、何もかもが新しかった。その最初の成果を記録した作品が59年録音の『ポートレイト・イン・ジャズ』。本作は同じコンセプトによる61年の作品で、「ナーディス」「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」といった人気曲も演奏しており、エヴァンス・トリオのすばらしさを満喫できる名作だ。3人が互いのアイディアを交換しながら進めていく緊密な演奏が、スリリングであり感動的。
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Moanin'(1958) Art Blakey
誰もが口ずさんだといわれるアート・ブレイキーの代表的名盤。ファンキージャズといえばまず真っ先に思い浮かべるのが『モーニン』だろう。ボビー・ティモンズのペンによるこの曲は、アメリカ、ヨーロッパ、日本など全世界中でヒットした。モダンジャズ黄金時代を象徴する名曲で、日本におけるジャズ���ームの火つけ役ともなった。 この曲は幾度となく演奏されているが、最良のヴァージョンはやはりここに収められた最初の録音だ。本アルバムのメンバーはリー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)で、1958年10月30日に録音された。モダンジャズきっての「黒い」面々を擁した、ファンキージャズの至極ともいうべき演奏を展開。ハードバップ入門者はまず聴くべきアルバムだろう。
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Cool Struttin'(1958) Sonny Clark
スリット入りのタイト・スカートを履いたキャリア・ウーマンらしき女性がさっそうとマンハッタンを闊歩しているジャケットもカッコいいが、演奏もこれまた最高にカッコいい。ジャズに限らず音楽には、その時代の空気を真空パックして後世に伝えるタイム・カプセル的効用があるが、1958年録音の本作を聴くと、即座にあの時代にタイム・スリップできる。なにしろこのアルバムには、これぞハード・バップ、これぞファンキー・ジャズといった空気が充満しているのだ。 なにがいいといって、まずソニー・クラークのオリジナルが泣かせる。覚えやすいメロディのタイトル曲で聴く者の心をぐっとつかみ、マイナー・ムードの<2>でダメ押し。この2段攻撃はすこぶる強力で、あっという間にその世界に引き込まれてしまう。アート・ファーマー&ジャッキー・マクリーンをフロントとする2管クインテットは、ハード・バップ時代の王道といえる編成。そして、そのマクリーンの泣きのアルトが情感たっぷりで、これまた素晴らしい。
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Somethin' Else(1958) Cannonball Adderley
ジャズの人気盤としてはトップ・クラスにランクされる屈指の名盤。マイルス・バンド時代のキャノンボールは1958年から59年にかけて、『マイルストーンズ』『ポーギーとベス』『カインド・オブ・ブルー』といったマイルスの諸作に参加したが、本作はまさにそうした時代の録音。契約上の関係でキャノンボールのリーダー名義になっているが、実質上のリーダーはマイルスだったといわれる。 確かにアルバムのハイライトはマイルスの絶妙なミュート・プレイが冴える<1>。この曲はジャズのレパートリーとしては間違いなくベスト3に入る人気曲だが、それもすべて本作におけるマイルスの名演ゆえ。だからこの1曲を聴くために買っても絶対に後悔はしないはず。 リズム・セクションが腕達者ぞろい(ハンク・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、アート・ブレイキー)という点も魅力だ。ジャズって難しそうと思っている人がいたら、まずこのアルバムから聴くことをすすめる。そしてこのアルバムを聴いてつまらないと思ったら、ジャズとは縁がなかったということ。
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Blue Train(1957) John Coltrane
コルトレーンのリーダー作は、ブルーノートには1枚しかない。それが本作である。リー・モーガン&カーティス・フラーとの3管編成でのびのび、かつエネルギッシュに吹いている名作だ。ケニー・ドリュー、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズというリズム・セクションの顔ぶれも申し分ない。録音は57年。セロニアス・モンクとの交流を経て、コルトレーンが急成長を遂げた時代の演奏だけに、そのプレイは自信に満ちあふれ堂々としている。マイルス時代はともかく、コルトレーンのリーダー作にはどこか求道者的な色彩がつきまとう。だがこれは例外的な作品で、ファンキー・ムード満点、解放感いっぱいのハード・バップ・ジャズだ。重い戦車が疾走するようなコルトレーンの重厚なテナー、ブリリアントなリー・モーガンのトランペット・ソロ、もうすばらしいとしかいいようがない。大げさでなく、このアルバムを聴いていると、ジャズ・ファンでよかったとつくづく思う。これほど満足感を味わえるアルバムもめずらしい。
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Go(1962) Dexter Gordon
15年間におよぶことになるヨーロッパ滞在へ向かう直前の1962年8月、威風堂々たるデクスター・ゴードンはブルーノート・レーベルのために2枚のレコードを吹きこんだ。それがこの名作と、その2日後に録音された『A Swingin' Affair』だ。広く知られているとおり、本作はゴードン自らが最高傑作と認めている。(その理由が知りたければ)答えはいたって簡単だ。ゆるぎない確信とバランス感覚にあふれたゴードンは、おいそれとは真似できない優美な切れ味をこめて、優しく雄大なサックスの音を響かせているのだ。矢継ぎばやに交えるユーモアは、曲にぴったりはまっているように聞こえる。ビートの効いた音楽のバックで奏でるときはいつも物悲しげだが、決して曲に乗り遅れたりはしない。とてつもない音色を響かせながらも、曲そのものやリスナーを圧倒することは決してない。それに、どんなテンポでも急がない。選曲はいつもどおり型破りで、大きくて愛らしい熊のようなたくましい胸のそばにいだいているのは知られざるバラードだ。優雅でファンキーなピアニストのソニー・クラーク、ブッチ・ウォーレン、ビリー・ヒギンズというリズムセクション陣とは、おたがいの持ち味を殺しあうことなく生かしあっている。
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Dippin'(1960) Hank Mobley
ハンク・モブレイは典型的なB級テナー奏者である。この場合のB級というのは誉め言葉なので、誤解しないように。つまりソニー・ロリンズやジョン・コルトレーンのようなA級テナー奏者ではないものの、ファンにこよなく愛されている好ましいミュージシャン、とでもいった意味合いなのだ。そしてモブレイといえば『ディッピン』、『ディッピン』といえば「リカード・ボサノヴァ」といわれるくらいで、65年に録音したこのアルバムは<2>によってジャズ喫茶の人気盤になった。ちなみにこの曲、イーディ・ゴーメのヒット曲「ザ・ギフト」と同一曲である。ビートルズ旋風が吹き荒れていた時代、日本のジャズ喫茶では毎日この曲が鳴っていた。モブレイのオリジナルであるオープニング曲はいわゆるジャズ・ロック調のノリの演奏だし、ビリー・ヒギンズとのフォー・バースがエキサイティングな<3>はハード・バップ調、最後はゆったりとしたバラードという具合に、さまざまな角度からモブレイのプレイを楽しめる代表作だ。リー・モーガンの参加も魅力。
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Soul Station(1960) Hank Mobley
この1960年のセッションは、ブルーノート・レーベルにおけるクインテットの定番を打ち破った。モブレーのテナーサックスを引き立てているのは、図らずも当時最高の組み合わせとなったリズムセクションだ。そのピアノのウィントン・ケリーとベースのポール・チェンバースとはマイルス・デイヴィス・バンドの常連として共演していたし、爆発的なドラミングを見せるアート・ブレイキーとは創設時のジャズ・メッセンジャーズで組んだことがあり、本作でも息の合ったところを見せている。ブルーノートは「基本に忠実な」ジャズを生みだすことで名高いが、そのコンセプトにモブレー以上にぴったりのアーティストはいないだろう。モブレーは、ほとんど人目を引くことのないその職人肌の集中力と堅実さでもくもくと音楽を作りだしたのだ。そして、飛びきりロマンチックなアーティスト、彼の世代で最も才能豊かなサックス奏者のひとりとして、独創的な美しいメロディーとひたむきで緊張感に満ちたリズムを溶け合わせた。なかでも、タイトル曲の流れるようブルースはモブレーの芸術性をしめす絶好の見本だ。このセッションは、単に称賛に値すると言うだけでは、まだまだ誉めたりない。
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Midnight Blue(1967) Kenny Burrell
ケニー・バレルの魅力は、そのブルージーなギター・プレイにある。といっても、それは真っ黒な感じではなくて、どこか都会的で洗練された感じのアーバン・ブルース。だからバレルが最高に輝いているのはブルースを弾いている時だ。アルバムでいうと、本作がまさにそれ。オープニングの<1>が始まった瞬間、思わず鳥肌が立つ。4曲目のタイトル曲にさしかかると恍惚の境地。そしておなじみの<6>になると、もうどうにでもしてくれと叫びたくなる。とにかく本作はブルースのオン・パレード。しかもスローありミディアムあり、あの手この手で楽しませてくれる。単にブルースをやっているというだけでなく、それぞれの曲に表情があり、泣かせるメロディばかりなので満腹感を味わえる。ブルージーなギターと相性がいいのはオルガンとサックスというのが相場だが、本作ではスタンリー・タレンタインのテナー・サックスが、これまた持ち味を発揮したソウルフルな演奏で、ジーンと胸に染みる。
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Idle Moments(1967) Grant Green
魅惑的なタイトル曲のためだけでも、このCDはぜひ手元に置きたい。15分間の夢のような情景がピアニストのデューク・ピアソンによって描き出される。この曲には、テナーサックスのジョー・ヘンダーソンとヴィブラフォンのボビー・ハッチャーソンのうっとりするようなソロもフィーチャー。ギターのグラント・グリーンのシングルノート・メロディーがこの曲の緊張感を高めている。このアンサンブルがグラントのオリジナル曲、「Jean de Fleur」(邦題「ジャン・ド・フルール」)をきびきびしたテンポで演奏する一方、ジョン・ルイスのカバー曲、「Django」(邦題「ジャンゴ」)にはルイス独特のぞくっとするようなクールさがにじみ出ている。
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