yuiohata

[yuiohata]

真鶸

あの金曜日から数ヶ月後。

あいつも上京して近所に住み始めた。

あいつはクリーニング屋でバイトをしたり、よくわかんないウォーターサーバーの営業をしたり、かと思えばいきなり、マイブラのGeek!のレコードを買ってきてマヒワちゃん！！！と目をキラキラさせて帰ってきたこともあった。そんなお金どっから沸いてきたんだよ。なんて聞かないけどさ、聞けないけどさ。

休日が被ると昼過ぎまで寝て、ちょっとだけ遠い河川敷に行くのがお決まりだった。

帰りにコンビニで飲み物を買って、浮いたお金は旅行費にまわそう、と歩けるとこまで歩いて帰る。そしたら家についてたりする。

金ローは必ず2人で観るのが暗黙の了解で。

そんな毎日を重ねる事であたしは、

あたしの奥の、まだずっと奥の方で、あの時かけ間違えられたボタンが正しい位置と手を繋ぐ音に耳を傾けている。今も昔もこの先もずっと。

身勝手すぎる考察をあの時の三ツ矢サイダーが溶かしてくれないかな、もう遅いよな。

炭酸なんてとうに抜けて、ただの甘ったるい水になってるよな。

何もしてあげられなかった、

何も出来なかった。

そんな自分が惨めで、あのクソ田舎から逃げるように此処にきた。何も出来なかった自分がいるあの町から。

真相は缶詰の中。

大人になっても開けられない。

ううん、開けさせてくれない。

そして多分それらが開いたとしても、

あたしはきっと注げない。

あいつの涙をみたのはあの日が最初で、きっと最後だ。

ピアッサーを握るあたしの手は、まだちいちゃかった震えるあいつの手みたいだった。

あいつのお母さんが死んだ。

だから今のあいつには私しかいないわけで。

つまり、

あたしにもあいつしかいないわけで。

"マヒワちゃん。"

そう呼ぶあいつの声は安心するのだ。

サイダーを注ぐ音みたいに。

"あぶないから。"

と、優しく微笑むお母さんみたいに。

研究対象の少年のことを思う

彼は、超能力に目覚めたならば、解放されるのだろうか? しかし、すぐに考えるのをやめる。どうせ、あたしはまたずっと、この疑問を持ち続けるだけなのだ。ただずっと。

昼休憩のチャイムが鳴って、私たちは屋上へ向かう。あたしは 廊下の自動販売機でいつものように三ツ矢サイダーを買う。 屋上に着くと、さっそく煙草に火を点けた白カラスさんと湖底 さんのそれぞれの煙の香りが、風とともに流れていた。

たまに夜中にあいつがひとりで泣いてること、爪を噛む癖、左腕の傷跡。

お母さんの命日は必ず地元に帰る事。

ぜんぶしってる、解ってるよ。

ぜんぶしってた、解ってたんだよ。

でも触れない。触れなかったから。

宙を見ながら、三ツ矢サイダーのふたを ひねる。

昨日の夜、寝たフリをした私に

今にも消えちゃいそうな声でアイツが言った

"マヒワちゃんは強いね。"

しゅわしゅわじゅわあああ

青い空に、白い煙が薄くなりながらたちのぼり、雲と混ざる。

あいつのどこにも触れなかったのは

自由を奪いたくなかったから、

奪える強さなんてあたしにはないから。

キョーミのないフリを続けた。

あたしの親があたしにしたみたいに

あいつにも自由でいてほしかったから

あいつも、あたしも、少年も。

ここにいる人みんなそう

この籠の中で自由を求めてる

だれかの肩に縋りながら。混ざりながら。

そうやってまた、

あたしは明日の自由を願うんだろうな。

あいつの自由を願うんだろうな。

口の中から喉に広がる

なんだかいつもより炭酸が強い気がして

思わず顔を顰めた

しゅわしゅわじゅわあああ

心地のいい感覚、

真っ白な白衣と真っ白な靴。

あたしは、自由でいたいから。

いちばんよわいあたしでいい。

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理想と現実が交錯するこの世の中で私が息を吐く意味をずっと疑問に思っていた

こんなはずじゃなかった、そう呟いたはずなのに心の奥の片隅では、まあどうせこんなもんか、って不貞腐れてる

青空の向こうに孤独な夜が隠れていて、孤独な夜の後には憂鬱な朝が待ち構えてて

夏がくると冬が恋しい、冬になると夏が恋しい

錆びた線路、２４時間営業

人工知能、人間失格

金麦をストローで飲むパーマのおばさん

雑なブレーキ、緩や��な下り坂

ホームの蕎麦屋、駅近物件、人身事故

疑問はきっとこれからもずっと解けない気がする

新しいスニーカーをおろす度に私は人間でよかったと心から感じるし。

カレーライスの一口目がこの世で1番最強な瞬間だということも知ってる

あの日聴いた音楽がくれた感情を私はいつまでも握っていたい

[yuiohata]

雨の音だけに耳を傾けて眠ろうとする夜に限って

自分のお腹の音が邪魔をしてきて気づけば

"冷蔵庫に何が残っていたかな。"

そんなことを考えちゃうんです

『頭にホチキスの芯、ぶっ刺された気分。』

7歳の女の子が放った言葉のセンスに

「今の、めっちゃ良い！！」と

変態カメラマンみたいな口調で反応してしまった、まじでいかしてたなあれ。

フィルムカメラとか、こちとら買うお金もない

高1からずっと写ルンですなんです、

なんでです？

現像するお金も惜しいんです。

スチャダラパーがしそうでしない言い回しを挟みつつ東京に来て3度目の秋を迎えます

しょーもな

竹原ピストルの"東京一年生"を

上京したあの日とまったく同じ、ではないけれど似たような気分で聴けてる

やっぱ彼は最強だ、色褪せないのです

聴いた時の、衝撃も感情も

真空パックアーティストだわ、もはや。何回も救って頂いてます

そんなこんなで東京三年生。

バイトなんて辞められるわけもなく、まあ見込みもなく。

絶対半年後には辞めてやる、辞めてるはずなんだと、半分祈りながらタイムカード切ることに対してタイムカードを切りたいっす

2日続けて家にちっちゃい蜘蛛がでて、ゴキブリスプレーで逝ってもらったんだけど

次の日インスタで、

"幸せな事が起��る前兆"

みたいな投稿が流れてきて、見たら

"③部屋に蜘蛛がでる"って書いてあったのね。

蜘蛛ごめんなさい、とも思ったんだけど、

それ以上にインスタ開いてから真っ先にその投稿タップしてた自分にも気づいて、なんか複雑でしたわ、笑

9月から、何本か。

ひとつひとつ丁寧に、真摯に

めちゃくちゃ楽しんで、めちゃくちゃ吸収して

向き合えたらいいなー

頑張ります！とかそうゆうのちょっと苦手で

自信ないです、の方がしっくり来るんですけど

選んで頂いたからには最大限で闘います。

くらいの意気込みです。

p.s.

友達から

『Men I Trust 今回も最高だね。』って

ってLINEがきてて、

聴いたら今回も最高でした。

2021.09.03