Tumgik
you-myendgame · 1 year
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そして続きを今では書けないの……なのでもうじきのハロウィンの記念にあげときますので、どうぞドヒの人に届けーっ!!!
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you-myendgame · 1 year
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[ハロウィンの夕暮れ、ヒナイチは幼い頃に迷い込んだ森に再び足を踏み入れた。森を抜けて、薄紫色の夕暮れに咲くひまわり畑の遊園地でヒナイチは男の子に出会う。でもなんだか初対面とは思えなくて、彼女はつい遅い時間まで一緒に遊んでしまった]
という264死の数年後設定
「わあ、どうしたんだ急に?」
彼のひらひらの白い胸元のフリル、紅いベストの上で紫に煌めくアメジストのブローチ、くるぶしまで届く長い黒いマント。そのマントの裾が土埃で汚れるのも厭わずに跪く姿は、吸血鬼というよりもまるで王子様みたいだ。
「…………また会える?」
そっとヒナイチの目を覗き込んで薄く笑む黒の王子様の口元に、小さな牙が白く見え隠れする。
「ああ、良いぞ?」
この子はどうしてそんな簡単な事を、難しい宿題を解けない時みたいな顔して聞くのだろう。
彼が浮かべている笑みは、『やれやれ、これは到底叶わない』と初めから諦めてかかっている気がする。そんな事あるものか、明日の夕方にでも、学校帰りに会う約束をすれば良いだけじゃないか。待ち合わせ場所はどこがいいだろう。
(うん?この男の子は、この辺りの小学校に通っているのだろうか?)
おじいさんがこの子を喜ばす為だけにこんな、びっくり箱をひっくり返したみたいな大掛かりなハロウィンパーティーを開くくらいだから、きっと凄いお金持ちのおうちの子には違いない。そしてお金持ちの子ばかり通う、遠い学校に電車で通っているのかも知れない。そういう難しい学校に通う子はさらに塾なんかにも通って、物凄く難しい宿題が毎日たくさん出るのかも知れない。
もしほんとにそんな生活なら、すぐに遊ぶ約束をするのは難しいだろう。新しい友達とまた会えるか、不安になるのも仕方ないだろうけど。
「……ほんとうに?」
ヒナイチの答えを聞いた男の子は口の端の笑みをぎゅううっと大きく吊り上げて、それでもまだヒナイチの前から立ち上がりはしなかった。そして、今までより低めの静かな声で、ゆっくりと話し出した。
「…………ヒナイチくん、君にお願いがあります。」
それはもう真剣な、夏休み最後の日に友達に宿題を写させて欲しいと頼むような声だったので、ヒナイチも思わずお菓子の袋の上で居住まいを正した。
「……うん。」
男の子はかしずくように煉瓦の道に片膝をついて、黒いお城のシルエットを背に、真摯な眼差しで自分を見上げている。
(なんだろう、こういうのを、どこかで見たことがあるな)
ヒナイチはふわふわ広がる自分のチュールスカートに目を落とした。
「どうか私の……」
(あっそうだ、これはこの間テレビで見たディズニーの映画の、結婚の申し込みの場面に似ている)
映画の中では青空の下、お城を背景にした白いフロックコートの王子様が、金髪のお姫様にプロポーズをしていた。
それならハロウィンの今夜、オレンジ色のランプに浮かぶ黒いお城の城下町。私はお菓子の玉座に座る赤毛の魔女で、彼は青い顔の吸血鬼の王子様だ。
「城で……」
(……あっしまった、今、何と言っていた??)
空想に浸っていた所為で、ヒナイチは彼の台詞を聞き逃した。男の子は言葉を続けた。
「来月の、私の誕生パーティに出席して欲しいのだけど、いかがでしょうか?」
「誕生パーティ?……それは、ええっと。うーん、どうなんだろう?」
ヒナイチはぐるりと周りを見渡して、夜を煌々と照らす遊園地の景色を眺めてみた。
初対面の男の子のうちに、いきなり遊びに行ってしまっても良いのだろうか?礼儀正しくしないといけないと道場で言われているし、まずはお母さんに相談してみないといけない。
あっ!
遊ぶのに夢中ですっかり忘れていたが、ここは一体どこなのだろう!?
森を抜けて、薄紫色の夕暮れに咲くひまわり畑の遊園地で初めて会った男の子。でもなんだか初対面とは思えなくて、ついこんな遅い時間まで一緒に遊んでしまったけど。今何時なんだろう、兄さんはきっと心配している。
「…………もう帰らないと。」
「えっ!?」
ぽそりとこぼしたヒナイチの呟きに、男の子が素っ頓狂な声をあげた。ヒナイチがどきっとしてまた彼に目を戻すと、男の��はしょんぼりと耳を萎れさせて俯いていた。
「帰っちゃうんだね……招待客はみんな、暫くうちに滞在すると聞いていたんだけど、君は違うんだね……」
眉までもへの字型に項垂れた男の子に、ヒナイチはとても気の毒な気分になった。
「うわっ!な、泣かないでくれ!」
「……あっそうだ!お父様にお願いして、君の家まで送ってあげよう!」
パッと顔を上げた男の子の表情は早替わり、今度は泣き出しそうだった目を輝かせて、とびきり悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「お父様に乗せて貰えれば、おうちまでひとっ飛びで帰れるからね!」
「えっ!?乗せてとは車の事だろうか?それはご迷惑だろう、ありがたいが遠慮させて……」
お菓子袋から立ち上がりかけたヒナイチの肩を男の子は両手で押し戻して、小さな牙をちらっと光らせて笑った。
「ここで待ってて、お父様を呼んでくるから!」
言った瞬間、背を向けた小さな身体は思いがけず俊敏な動きで走り出した。そしてヒナイチが呼び止める間も無く、彼はきらきら廻るメリーゴーランドとティーカップの間をマントをたなびかせて走り抜け、夜の中にすっかり見えなくなってしまった。
……ううむ、出来れば家に電話をかけさせて欲しかったんだが、頼み損ねてしまった。しかし、あの男の子がお父さんに頼んでみてくれたところで、初対面の女の子を家に送ってくれだなんて聞いてもらえるはずがない。すぐ戻って来るだろうから、頼んで兄さんに電話をさせてもらおう。遊園地の所在地をはっきり教えてもらえれば、多分兄さんの方が車で迎えに来てくれる。
ヒナイチは袋の上に大人しく座って、男の子の帰りを待つことにした。
「ヘロー、楽しんでる?」
しばらく待っていると、遥か頭上から太い声が落ちてきて、ヒナイチは肩越しに振り向いた。菓子袋の後ろにはいつの間にか、それはそれは高い背の、吸血鬼マントの外国人のおじいさんが立ってヒナイチを見下ろしていた。
「あっおじいさん!」
ヒナイチは腰掛けていたお菓子袋から降りて、おじいさんの前できちんと頭を下げて挨拶した。うんと見上げた男の人の後ろには既に夜の帳が下りて、ちらちら星が瞬いていた。
「もちろん楽しんでいる!こんな楽しい遊園地は初めてだ。自分のうちの、こんな近くに遊園地があったなんて、どうして知らなかったんだろう。」
お母さんもお父さんも兄さんも、誰もここを知らないんだろうか?今まで、学校の友達も道場でも、この遊園地の噂を誰かが話すのを聞いた事がない。
「ここ、今日出来上がったばっかり。」
このおじいさんの返答は、ヒナイチの想定外だった。
「え?そうなのか!?そうか、それなら誰も行ったことが無いのは当たり前だな!……だけど、こんな大きな遊園地なら、出来上がる前にちょっとくらい噂になっていてもおかしく無いのだが……?今日みたいな1番初めの日なんか、もっと沢山の人がいっぱい集まるのではないだろうか?どうしてこんなに遊びに来る人が少ないんだろう?どの乗り物も凄く面白いのに、並ばなくても何回もすぐに乗れるから不思議だ!」
ぐるりと遊園地を見渡して、ヒナイチは改めて広さと明るさ、その見た目も奇想天外なアトラクションに感嘆した。前にお母さんに連れられて行った新装開店のスーパーは広くて、あまりの人だかりに呑まれてうっかりお母さんの手を離してしまった。はぐれて店内をウロウロするうちに、店員から渡された開店記念の風船がペンギン顔のプリントだったのを、ヒナイチは決して忘れはしない。(その後気をうしなって倒れるまで叫んで走り続け、お店の人に迷惑をかけたから、お母さんに物凄く怒られたのだ)
「ここは、私の一族のハロウィンパーティー会場。今日の招待客は、一族の者だけ。」
片言気味の日本語でおじいさんが話す内容を、ヒナイチはゆっくり頭の中で噛み砕いた。
「うん?んん??それは、おじいさんの家族でこの遊園地を貸し切っているという事なのか?ハロウィンパーティーの為に!?」
な、なんて凄いお金持ちなんだ。園内ですれ違う大人が全員吸血鬼マントだったのは、親戚みんなでお揃いの衣装を着ていたからなんだな。
おじいさんは近くの観覧車から遠くジェットコースターと、順に指差していきながら話した。
「あれ全部、皆を喜ばせようと思って、急いで一日がかりで作った。」
おじいさんの示す遊具には“HAPPY HALLOWEEN”や
“TRICK OR TREAT” とか緑や紫に光る絵の具で描かれたノボリが垂れていたり、園内の至る所にカボチャのランタンやガイコツが吊り下がっていたから、その飾りつけに一日中かかったという意味なのだろう。
規模こそこじんまりした遊園地だが、たった一日でこれだけ華やかなパーティーの用意が出来るのは凄いと思う。
「作るのは面白かったろうな!」
「オブコース。みんな喜んで遊んでいた。あの子が大喜びではしゃぐのを見たお父さんなんか、お母さんが泣いて喜ぶと言って、写真を撮りながらえんえん泣いていた!」
ここ一番の真剣な声色のおじいさんの問いかけに、ヒナイチが屈託ない笑顔で応じると、おじいさんは目を瞑って静かにこくりこくり頷いた。
「グレイト。ところで、一人?」
「うん、あの子はお父さんを探すと言って、走って行った。そうだ、おじいさん……あの子に、今度開く誕生日パーティーに来ないかと誘われたんだが、私は行っても構わないのだろうか?」
おじいさんは、じっと私を見てから首を横に振った。
「ウーン、城に呼ぶには、まだチョット早い。」
「あっ、うん……!そ、それはそうだろう、初対面の子をおうちに呼ぶのは、流石に早すぎるな!」
ヒナイチは視線をずらして、どもりながら答えた。こんな質問をして、礼儀知らずと思われただろう。恥ずかしくて顔が火照る。でも男の子の家をちょっと見てみたかったのはヒミツにしておく。
「ええと、おじいさん。あの子はお父さんに、私をうちまで送ってくれるよう頼みに行ってくれたんだ。でも初対面の私を送ってくれるはずはないし、家族に迎えを頼みたいから電話をかけさせて貰えないだろうか。それから……。」
景品で当たった、とてつもなく馬鹿でかいお菓子袋をヒナイチは未練たっぷりに眺めた。
「残念だけど、うちの車にはこれだけの量のお菓子は載せられないから、少しだけ貰って残りは置いて帰らなければならない。申し訳ないのだがおじいさん、この袋はここに残していく……」
あまり洋菓子は得意でないヒナイチも、おせんべい派のうちではまず出てこない珍しいお菓子の味が気になった。ハロウィンカラーの派手な包紙の下には、どんなお菓子が隠されているのだろう。何よりあの子が作るのを手伝ったお菓子って、どれの事だろう。
ヒナイチはぱんぱんにはち切れたお菓子袋の���元にしゃがんで、緩んでいた紐を全部解いた。袋からお菓子がぽろぽろとこぼれるのを拾い、被っている魔女のとんがり帽子を脱いで、袋がわりに詰め始めた。しかし、楽しげな色のキャンディーや可愛いラッピングのマドレーヌなど、帽子に全部詰めるにはあまりに種類が豊富で、ヒナイチは大変な誘惑と戦うことになった。
「ううむ、どうしよう、どれも美味しそうで気になってしまう……うわっ何だこの変な形のクッキーは?ネコなのか?シマウマ?」
吸血鬼マントのおじいさんは暫くの間、帽子に入れたお菓子を袋に戻したりまた選り出したり悩み続けるヒナイチを見下ろしていた。やがて、彼はぽそりとたずねた。
「全部ほしくない?」
一つ一つお菓子を手にとって吟味を繰り返すヒナイチは、おじいさんが自分のぴったり真後ろに回ってきたのに気が付いていなかった。
「実を言えば欲しいけれど、うちの車には載せ切らないし、そうだ、考えたら他所の人にこんなにお菓子を貰ったらお母さんに怒られてしまう!あれっ?」
「ぜんぶ持って帰りなさい。私が送る。」
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you-myendgame · 1 year
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さあ、やっちゃイケナイ事を今わざとやっちゃうよ。
ゴメンこの絵を描かれた方、お名前は存じませんが(多分あの人だとの噂は知ってます)94のドヒのイラストめっちゃ好きです。ついイメージでSS書きました……が、書き上げられなかった……あくまでこの絵に対するファンレターとして書いたので、お目汚しにご本人に読んで欲しい……。解釈違いなら下げるから言って……。
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you-myendgame · 2 years
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you-myendgame · 2 years
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数年前、pixivを漁っていた時にたまたま見つけた大手絵馬さんの美しい絵がきっかけで、大変面白い漫画にハマったのよ。
私はそれはそれはその同人の方の絵に惚れ込み、原作の漫画のめちゃくちゃ面白いのに沼り、これ程何かに楽しませてもらうのは一体何年ぶりかっていう素晴らしい時間を過ごさせて頂いたのよ。
何年ぶりかで書いた同人SSをTwitterで流したら、憧れの絵馬さんにフォロバしてもらえて天にも昇る気持ちだったのよ。
その時の嬉しい喜びと楽しい漫画で、私はさらに2次小説書いたり同人読んだりして、面白おかしく過ごしていたのよ。
最後、何となく妙な居心地の悪さを感じていたのもあって尻窄みにTwitterのアカウント消してしまったけど……。
数年経って、その漫画がアニメ化の折に読んだ本誌の漫画が推してたカプの昔話だったもんだからすっかり再熱して、またアカウント作ったりしたのよ。
数年前はなかったと思うけど、その漫画やサークルについての5ちゃんねるとか読んでみたわけよ。
そしたら、数年の間にジャンル内のいろんなことが分かってて、当時何が周りで起きていたかやっと分かったのよ。
数年前から悩んでいたことが、全部ネットの書き込みで解決していくのは不思議な感覚だったが……なんだかとても納得できた。
まあ、あくまで人の噂で、事実と違う事も書いてあるとは思うけど、私としては目から鱗なのだ。
数年前の書きかけの小説とか、原作の方で解釈違ってるから今更書き上げられないんだけど、思い出小箱的に置いとく場所にtumblr使おうと思うわけよ。
もしかしたらあの人の目に留まるかも知れんし。
いや、ほんとは目に入って欲しいんだけどな。
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