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PEDRO ROSA / Midnight Alvorada
ムッとするような熱帯の空気、しかし穏やかで柔らかな肌触り。こういう音のアイデンティティーというのは、やはりそういう場所で生まれついた人間にしか容易に表出し得るものではない。それこそはその人の音楽的ルーツの根幹ではないかと思う。
Pedro Rosa(ペドロ・ホーザ)はSão Paulo出身のシンガー・ソングライターで現在はスペインで活動しているという。本作は彼のデビュー作品なのだそうだ。
音楽的にはサンバやボサノヴァのエッセンスよりは、ノルデステ(時にはセルタネージャ)の音楽の方向性が多少濃色いのだけど、軽やかなギターのサウンドや爽やかなコーラスが、曲によっては色彩感の渦巻くアレンジメントが、その音を洗練されたものにしている。
Mônica Salmaso(モニカ・サウマーゾ)やVanessa Moreno(ヴァネッサ・モレーノ)もゲストで1曲ずつ参加していて、彼女達らしい個性を美しい歌声でこのアルバムに添えている。そしてPedro Rosa本人の歌声が実に良い、柔らかい。
先日当会の企画で「Isso é verão! - 夏に聴く音楽」という記事をアップしましたが、本作も間違いなくその一枚足り得るのでは?
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QINHONES / Centelha2
Qinhones(キニョーネス)ってだれ?って思っていたのですが、そうかQinhoが改名したのですか。知らなかったです。で、これは来たんじゃないですかね。何が来たってベスト候補の1枚ですよ。
ポルトガル語を解しない僕にはもちろん分からないのですが、本作はかなり社会的なメッセージが強いのだそうです。まあしかしメッセージはわからなくともこの音楽の素晴らしさはわかるので、それはそれで良いのだと思います。もちろんメッセージが理解できればもっと良いのですけれど。
プロデューサーにAlberto Cntinentino(アルベルト・コンチネンチーノ)を迎えた本作、クラビネット、ウーリッツアー、そしてシンセやホーンセクションを絡めて、ダンサブルなディスコナンバーもあり、時にファンキーにソウルフルに、時にジャジーに洗練を極めたメロウなサウンドが超弩級の格好良さ。そして甘くジェントルで端正なQinhonesの歌声に、スイートなコーラスが絡んで極上の気持ち良さに。ヘビロテ確実の素晴らしいアルバムです!
日本盤には先行配信されたEP - Gotaの4曲も収録されているそうです(" Parafuso”が絶品です)。
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TAGUA TAGUA / Tanto
Tagua Tagua(タグア・タグア)は、Felipe Puperi(フェリペ・プペリ)のユニットでサンパウロを拠点に2017年に結成されたそうです。本作は2枚目のアルバムとのことですが、ゆるい楽園感とでも言うべき非常に心地よい音像です。サンパウロの郊外で録音されたと言う本作、基本的にはブラジリアン・ニュー・ソウルといって良いと思います。過去のソウル・ミュージックをリスペクトしながら、全編にわたり美しいストリングスやオーケストレーションを加え、ギターやシンセなどによるサウンドは、サイケデリックでヴィンテージでいて未来志向でもあります。優しくインティメイトなな旋律と、囁くように柔らかく少し気怠いヘタウマなヴォーカルを中心に、甘く心地よい音を構築しています。これからの季節にこのサウンド、メチャクチャ気持ちいいと思いますよ。
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ADRIANA CALCANHOTTO / Errant
個人的な感想としては、 "O micróbio do Samba"以来久しぶりにグッときたAdriana(アドリアーナ・カルカニョット)のアルバムかもしれません。もちろんその間のアルバムだって素晴らしいですよ。でも今回は特にグッときたんです。カッコいいんです。そうです。この音の作りの先進性は、 "O micróbio do Samba"に感じたそれです。そこの参加していたDavi Moraes(ダヴィ・モラエス:g., produce)、Alberto Continentino(アルベルト・コンチネンチーノ:p., b.)、Domenico Lancellotti(ドメニコ・ランセロッチ:dr., perc.)を迎えて、一歩先を行く精緻なサウンドを今回も聴かせてくれます。さまざまな伝統的ブラジル音楽の形態を保持しながらも、それを昇華して彼女ならではの新しいブラジル音楽として表現しています。ホーンやエレクトロニカも加えて、さらには実験性を維持しながら、しかしその旋律や歌声は紛れもなく彼女のものであり、ブラジルを代表するシンガー・ソングライターであり続けています。今年を代表する一枚です。
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MÔNICA SALMASO & ANDRÉ MEHMARI / Milton
これ昨年8月に配信開始されたアルバムなので、もう随分時間が経ってしまいました。はい、もちろんリリースされていたのは知っていましたし、聴いてもいたのですが、申し訳ありません。実は全くピンと来なかったのです。MônicaもAndréも我々の主催で山形でも公演を行なっていただいた大好きなアーティストだけにそれはないって思い直してもう一度聴いてみたところ、なんだやはり良いじゃないですか。本作はこの二人によるMilton Nascimento集。Mitonの80歳に寄せてリリースされたものです。Andréのピアノが本作ではかなりクラシカルで、それが最初入り込めない理由だったのですが、まあ聴き直しても確かにそうではあるものの、それ以上にとても自由自在、天衣無縫ですね。Miltonの歌は大地の匂いがして、それに加えてミナスの教会音楽的な響きを感じる、骨太のものですが、この二人の演奏はまた違っていて、Mônicaの歌の妖精的な神秘性と、Andréのピアノのスケールの大きな煌びやかなタッチとによって、また違った方向性で宗教的な空気感を感じさせるMilton集といって良いのではないでしょうか。
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VANESSA MORENO / Solar
Vanessa Moreno(ヴァネッサ・モレーノ)のニュー・アルバム。今回はかなり方向性を変えてきましたね。それがもうすごくかっこいい。本作はキーボードにFelipe Viegas、ドラムにRenato Galv Santos、そしてベースに注目のMichael Pipoquinhaという潔いトリオ編成。Michael Pipoquinhaのベースがこのアルバムの強烈なアクセントになっています。Dani Gurgel、Guilherme Arantes、Chico Cesar、Lenine、そしてベースのMichael Pipoquinhaなどとの共作を含む楽曲は、メランコリックでブラジル的哀愁もありますが、サウンドとしてはこのメンバーの特徴にフィットしたかなりジャズ的アプローチによるものです。とにかく1曲目「Solar」から猛烈にかっこいいのです。彼ら��演奏と、Vanessaの高い歌唱���術、抑揚があって的確な表現力とで、疾走感のある素晴らしいアルバムに。Vanessaはほんと歌が上手いですね。最後は娘Alice Moreno Marosticaとの愛らしいデュエットで締めくくり。これ今年のベスト、決定。ジャケ写もアフロヘアーにスーツ、そしてう○こ座りがいけてます。
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TUNICO / S.T.
これはまた1曲目“Galope”から°えらくかっこいいではありませんか。さすがFar Out Recordingsはこういうブラジル音楽の中でも、特別にかっこいい音を届けてくれますね。Tunicoはリオ生まれのギタリスト/サックス奏者。本作は彼のデビュー・アルバムです。この人、素直にいって全く知りませんでした。完全に独学で楽器を習得し、リオのライブハウスやストリート等で演奏して腕を磨いたのだそうです。まあ率直にいってすご〜〜く「新しい」ことを演ってるというわけではないかもしれませんが、みんな好きだと思いますよ、こういう音楽性は。とても心地よいブラジリアン・ジャズというだけで僕的には大好物です。リオの腕利きのアーティスト達とのアンサンブルはどえらくかっこいいです。
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RUBEL / As Palavras, Vol.1 & 2
弦のアンサンブルから甘いコーラスへと繋がる1曲目から、ゆったりとした2曲目のサンバへ、ここまでの流れでですでに完全に魅入られてしまいました。なんて泣かせる音楽なのだろうかと、久々に胸を鷲掴みにされるようなブラジル音楽です。Rubel(フーベル)はリオで活動するシンガー・ソングライター。残念ながら僕は1stは聴いていないのですが、2作目は素晴らしい作品でした。本作は3rdアルバムですね。語るようなRubelの朴訥な歌声、それに寄り添うコーラス、ブラジルらしいタイトに躍動するリズム、弦や管のダイナミックなアンサンブル、そしてスウィートなメロディー。Luiz Gonzagaの2曲カバー以外は全曲自作(共作もあります)。さまざまな伝統的なブラジル音楽を幅広く取り上げつつ、さらにソウル、ヒップホップ、ファンキ、ジャズ、あるいはフォークなど多様な音楽とのミクスチャーを実に自然に彼の音楽として醸成したアルバムです。ゲストにMilton Nascimento、Tim Bernardes、Luedji Luna、Linikerなどが参加。ますますそのごった煮的音楽の洗練度を深化させた、これはひょっとして大傑作ではないかぁ?
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FREDERICO HELIODORO / The Weight of the News
このアルバムと直接関係ないけれど、ご存知の通りFrederico Heliodoro(フレデリコ・エリオドーロ)はミナスのシンガー・ソングライター、Affonsinhoの息子。来日して山形でも公演する話もあった。結局それは実現しなかったけど、その息子はミナス新世代を代表するベーシストであり、今や八面六臂の大活躍で。便利な性格の僕はそれだけでFrederico Heliodoroを心情的に応援している。
しかし僕なんかが応援しなくてもFrederico Heliodoroはもはや、新世代ミナスを代表する音楽家の一人だ。Antonio Loureiroをはじめ、新世代ミナスの作品はもちろん、Kurt RosenwinkelのCaipiやLouis Coleのツアーにも参加し、もはやミナスを飛び越えてブラジルの次世代を担うベーシスト/シンガー・ソングライターと言って良い。
本作も素晴らしい。参加メンバーは、Antonio Loureiro (perc., dr., p.)、Thiago Rabello (dr.)、Felipe Continentino (dr.)、Louis Cole (dr.)、Pedro Martins (g.)、Kurt Rosenwinkel (g.)、Aaron Parks (p.)など。
複雑に入り組んだスリリングでスペーシーなサウンドは、音の洪水的ではあっても、独特のポップ感覚や彼の手による親しみやすいメロディー、そして父親譲りの柔らかい歌声とで、ミナス的な浮遊感や陽だまり的感覚も横溢する、極めてユニークで高度でありながら、とても親密な音楽でもあります。
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ANNA SETTON / O futuro é mais bonito
Anna Settonの新作とあれば、これはすぐに聴かなければならない。だって好きなんだから。以前紹介した前作、前前作もよかったけれど本作ももちろん素晴らしい。
彼女はサン・パウロ出身のシンガー・ソングライター。ブラジルの多くの優れた女性シンガーの中でも、そのエレガントな存在感は秀でていると思う。
本作はドイツのレーベルからリリースされたもので、基本的に声とギターによる前作とは違って、バンドサウンドを基本としている。そしてヘシーフェでの録音ということで、Juliano Holanda、Igor de Calvalhoなども創作に参加して、Tr.1などの北東部風味もあり、今までのBossa Nova〜MPB路線を中心とした音楽から、リズムやテイストの面で明らかに幅が広がっている。しかし基本的に洗練された、優雅で穏やかな彼女のフェミニンな歌声の魅力には全く変わりがない。
お叱りを受けることを覚悟で書いてしまいますが、「エレガント」という言葉は、やはり音楽だけでなくて、所作振る舞いや容姿の美しさという部分も無視できないのは、認めざるを得ません。ごめんなさい。
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NARA PINHEIRO / Tempo de Vendaval
このNara Pinheiroというフルート奏者/シンガー・ソングライターの名前を、僕はこのアルバムで初めて認知しました。ミナス・ジェライス州で活動する彼女の、本作はデビュー・アルバムとのことです。
彼女の少しベールを纏ったような飾り気のない素直な歌声に(率直なところ上手い歌い手ではないけれど)、彼女自身を中心に書かれたドラマチックな曲。そして淡い色彩の波動を感じるようなサウンドは、時に複雑で躍動するリズムをアクセントに、ミナス的洗練に溢れています。
ミナス新世代のもはや中心的アーティストとして大活躍中のAntonio Loureiroがプロデュース、編曲、ドラム、パーカッション、ピアノ、シンセサイザー、ギター、ベースなどで全面的に本作をバックアップ。またMarcio Guelberのseteも彼女に寄り添うような素晴らしいサポートを見せています。ミナス新世代にまた新しい才能が登場しました。要注目です。
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ROBERTA SÁ / Sambasá
僕はなんと、いまだに彼女のファースト・アルバム(Braseiro)の信者なので、素直に言いますとこの色々おっぴろげのジャケットにはちょっと戸惑っていて、若干引いている部分もあります(笑)。
今作も"Sambasá"というぐらいだから、その通りのサンバ集です。それもパゴーヂから連なる現行のサンバに真正面から、悪く言えば特に捻りはなく、しかし実に自然に迷いのない正統的なサンバです。サンバは彼女にとってやはりその音楽の方向性として最も重要なものであることは間違いありません。僕はどちらかというとまだサンバのみになりきっていない、初期のサウンドの方に未練があります。でも、これはこれで素晴らしいアルバムなので、ジジイの戯言としてどうか聞き逃してください。
変わらないのはそのピュアでイノセントで素直な癖のない��声。これだけは全く変化がなく、その柔らかさと新鮮さも失なわれていません。動画はZeca Pagodinhoを迎えた"Pago Pra Ver"。サンバの歌い手として堂々としていながら、彼女らしいフェミニンな魅力が損なわれていません。ちなみに彼女、現在妊娠中のようでありまして、幸福感の中での至福のサンバ集です。
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LETIERES LEITE QUINTETO / O Enigma Lexeu
2021年10月27日に61歳で新型コロナウイルス感染症により亡くなったマエストロ、故レチエレス・レイチ(Letieres Leite:作編曲家/管楽器奏者)が残した、自身のカルテットによる2019年のアルバム。これ、本当に素晴らしい作品です。
メンバーはレチエレスの他、・Luizinho do Jêje:perc., sound effect・Marcelo Galter: piano, Rhodes, Wurlitzer, Minimoog, Roland RS-202・Ldson Galter: bass・Tito Oliveira: drums, perc.
基本的な方向性はジャズなのだけれど、この演奏を極めて特異なものにしているのはリズム。物凄い強大なエネルギーを蓄えていながら、それを抑えつつ複雑なリズムを刻んでいる、そんな秘められた圧倒的なパワーが迫力として感じられ、このアルバムの独自性を担保しています。
その意味でLuizinho do Jêje(ルイジーニョ・ド・ジェージ)の存在が非常に大きい。バイーアの伝統的なカンドンブレを体現するそのリズムにより、��だのジャズではない別次元の音楽に昇華されている。
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FABIANO DO NASCIMENTO & ITIBERE ZWARG COLLECTIVE / Rio Bonito
白状しちゃいますけど、僕は実はこの人(Fabiano do Nascimento)を、それほどシャカリキに追い求めているようなファンではないのです。例によってちょっとすご〜〜くピンとくる感じが今までのアルバムになかったんです。もちろん僕の鈍さゆえですけど。ところがですね、この作品は来たんです。こういう音楽の人なんだって改めて聴き入っています。本作はそのFabiano do NascimentoとHermeto Pascoalのグループのベーシスト/作曲家、Itibere Zwargによるコレクティヴとのコラボによる作品です。Fabianoの自宅があるロサンゼルスと、このアルバムに参加したミュージシャンが多く住む、リオ・デ・ジャネイロの南の町、リオ・ボニートで録音されたそうです。Fabianoの曲とギター・プレイを中心に、Itibere Zwargが、彼らしい複雑かつ密林的なアレンジを施しています。ヴァイオ��ン、フルート、チェロ、パーカッション、フリューゲルホルン等による色彩感あふれる美しいサウンドは、時にスリリングで実験性も感じさせますが、リズム面での軽やかなアプローチが全体的な繊細さを支えていますね。ドラマチックな叙情性を表現しつつも、決して重たくさせ過ぎない洗練を感じさせるアルバムです。
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ANTONIO ADOLFO / Octet and Originals
Antonio Adolfoは1947年生まれだから、もう75歳。70年代のBrazcaとしてのアルバムや"Feito em Casa"、"Viralata"などのメロウでファンキーな人気盤を始めに、それ以降も常に洗練された音楽を作り続けています。 本作は、Antonio Adolfo (p)、 Jesse Sadoc (tp)、Danilo Sinna (alto sax.)、Marcelo Martins (woodwinds)、Rafael Rocha (tromb)、Jorge Helder (b)、Rafael Barata (dr)、 Ricardo Silveira (g)という素晴らしいメンバーによるオクテット編成で、自身の曲を演奏したBrasilian Jazzの逸品です。
このアルバムの魅力は何と言っても洒脱にして、柔らかい色彩感で熟成されたアレンジメントです。ほんと趣味がいいなぁ〜〜って、彼の音楽にはいつもため息が出ます。
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yamabra disk: RENATO MOTHA E PATRICIA LOBATO / Cateiro vol.1
Renato MothaとPatrica Lobatoのニュー・アルバムです。Cateiroとは自然を愛でる詩作を残したAlberto Cateiroというポルトガルの詩人の名前です。実はこのAlberto Caeiroは、今世紀最大のポルトガル語詩人と言われるFernando Pessoa(フェルナンド・ペソア)の異名です。
ヘナートとパトリシアは、過去にFernando Pessoaの詩に曲をつけた「Dois Em Pessoa」というアルバムを2作リリースしていますが、本作は同じ詩人の別名での詩集を題材として取り組んでいるというわけです。このシリーズは3作までリリースされることが既に決定しているようです。 以前山形を訪れた彼らと話しているときに、「僕たちの自宅には小さな滝があるんだ」と話していましたが、確かに動画の後方に小さな滝がみえています。なんとも贅沢な庭(というより森?)ではありませんか。
自然を愛する詩人の作品を取り上げた本作は、恵まれた土地に住む彼らならではの美意識の賜物であり、自然の中で日常的に過ごし、物事を深く静かに考える豊かな時間が音楽として表現されています。ぜひのんびりと、できれば自然の中で聴いていただきたい美しい作品です。
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RAFAEL MARTINI / Martelo
ミナス新世代の兄貴分的存在と言って良いでしょう。ピアニスト/作編曲家のRafael Martini(ハファエル・マルチニ)のニュー・アルバムです。今や新世代ミナスのダイナミズムを代表するマエストロと言って良いでしょう。
参加メンバーは、Antonio Loureiro、Felipe Continentino、Joana Queiroz、Luka Milanovic、Felipe José、そして本作のキー・パーソンPedro Durães(エレクトロニカ)などミナスの才能たちが結集しています。
僕は最近年のせいか、あまりアグレッシブな音楽を体が求めないのですが、彼の音楽はとにかく異常に質が高い。実にエンテロピーが高いというか、音の密度が高い音楽です。だから流されるように、圧におされてついつい聴いてしまうのです(笑)。
プログレッシブで、壮大にしてドラマチック。エレクトロニカも絡めた緊迫感あふれるヴァイタルなアンサンブル。そしてタイトに躍動する複雑なリズム。これくらい自身の求めるところに厳しい、変な言い方だけど立派な音楽は、他に見つけ難いのではないでしょうか。
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