「地域を越え、国際的に活躍できる演出家の発掘と養成」をコンセプトにした、利賀演劇人コンクールのWebサイトです。
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2020年度の演劇人コンクールについて
少しずつ形を変えながら、ここ数年は7月前後に利賀で実施してきた「利賀演劇人コンクール」について、20年を一つの区切りとし、今年度から新しく豊岡の地で「演劇人コンクール」としてスタートすることとなりました。
詳細は「演劇人コンクール」のWebサイトをご覧ください。
https://engekijin-concours.tumblr.com/
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利賀演出家コンクール・利賀演劇人コンクール 歴代受賞者
利賀演出家コンクール(2000〜2007年)、利賀演劇人コンクール(2008〜2019年)の歴代受賞者の記録です。
【利賀演出家コンクール】 ■2000年 最優秀演出家賞:ペーター・ゲスナー(北九州) 優秀演出家賞:外輪能隆(大阪)
■2001年 最優秀演出家賞:関美能留(千葉) 優秀演出家賞:平松れい子(東京)
■2002年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞:久世直之(東京)、西悟志(東京)
■2003年 最優秀演出家賞:中島諒人(東京) 優秀演出家賞:小島邦彦(神奈川)
■2004年 最優秀演出家賞:仲田恭子(東京) 優秀演出家賞:億土点(東京)、こしばきこう(北海道)、長堀博士(東京)
■2005年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞:三浦基(京都)『かもめ』、山田恵理香(福岡)『悪魔を呼び出す遍歴学生』
■2006年 最優秀演出家賞:神里雄大(神奈川)『しっぽをつかまれた欲望』 優秀演出家賞:長野和文(東京)『犬神家』
■2007年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞:石井幸一(千葉)『熊野』、岡田圓(東京)『雨月物語・蛇性の婬』
【利賀演劇人コンクール】 ■2008年 最優秀演劇人賞:川渕優子(東京)『Little Eyolf―ちいさなエイヨルフ―』出演 優秀演劇人賞:梅田大三(静岡)『セチュアンの善人』出演 羽布(長野)『がれき嬢』作・演出・出演
■2009年 最優秀演劇人賞:該当者無し 優秀演劇人賞:志賀亮史(茨城)『授業』演出 鬼頭理沙(東京)『HANJO』出演 前島謙一(千葉)『象』出演 村上厚二(茨城)『授業』出演 渡辺敬彦(東京)『椅子』出演
■2010年 受賞者:該当者無し
■2011年 最優秀演劇人賞:該当者無し 優秀演劇人賞:山口浩章(京都)『紙風船』演出 牛水里美(東京)『紙風船』出演 チェ・ヘミ(東京)『授業』出演
■2012年 最優秀演劇人賞:該当者無し 優秀演劇人賞:寂光根隅的父(愛知)『しあわせな日々』演出 夏井孝裕(東京)『胎内』演出 奨励賞:秋葉由麻(愛知)『しあわせな日々』出演 あごうさとし(京都)『しあわせな日々』
観客賞:寂光根隅的父『しあわせな日々』
■2013年 最優秀演劇人賞:該当者無し 優秀演劇人賞:島貴之(東京)(『紙風船』演出) 奨励賞:堀川炎(東京)『冒した者』演出 中込遊里(東京)『桜の園』演出 村井雄チーム(東京)『マクベス』のスタッフワーク
観客賞 1位:堀川炎『冒した者』 2位:中込遊里『桜の園』 3位:島貴之『紙風船』 岸本佳子『冒した者』 ※同票
■2014年 最優秀演劇人賞:該当者無し 優秀演劇人賞:該当者無し 奨励賞:中込遊里(東京)『弱法師』演出 荻原永璃(東京)『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』演出 カゲヤマ気象台(東京)『ハムレット』(演出・出演)の実験精神に対し 原田直樹チーム(東京)『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』の俳優のアンサンブルに対し 大橋可也チーム(東京)『バーサよりよろしく』のステージングに対し
観客賞 1位:寺戸隆之『マッチ売りの少女』 2位:中込遊里『弱法師』 3位:原田直樹『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』
■2015年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞 一席(副賞50万円):山口茜『財産没収』 優秀演出家賞 二席(副賞20万円):早坂彩『イワーノフ』 奨励賞:長堀博士『イワーノフ』の俳優を含めた集団の継続性に対し 石坂雷雨『斬られの仙太』の演出家としての将来性に対し 久野那美『財産没収』の言語に対する細やかな取り組みに対し
観客賞 1位:早坂彩『イワーノフ』 石坂雷雨『斬られの仙太』 ※同票 3位:山口茜『財産没収』
■2016年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞 一席(副賞50万円):萩原雄太『しあわせな日々(第2幕)』 優秀演出家賞 二席(副賞30万円):渡部剛己『班女』 奨励賞:藤岡武洋『お國と五平』俳優三名の演技を含む作品の一体感を評価して
観客賞 1位:三浦雨林『ハムレット』 2位:渡部剛己『班女』 3位:萩原雄太『しあわせな日々(第2幕)』
■2017年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞 一席(副賞80万円):松村翔子『青い鳥』 優秀演出家賞 二席(副賞50万円):岩澤哲野『青い鳥』 優秀演出家賞 三席(副賞30万円):Ash『青い鳥』 奨励賞(副賞20万円): 朝日山裕子と雲の劇団雨蛙『熊野』 岩舞台を活かしたエネルギッシュな演出と集団での取り組みを評価して 鈴木陽代(Ash『青い鳥』出演) 演出家の世界を体現する演技を評価して
観客賞 1位:金世一『熊野』 2位:松村翔子『青い鳥』 3位:朝日山裕子『熊野』
■2018年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞(副賞80万円):福永武史『弱法師』 野村眞人『冒した者』 ※上演順 奨励賞(副賞40万円):村社祐太朗『屋上庭園』
観客賞 1位:野村眞人『冒した者』 2位:本坊由華子『令嬢ジュリー』 3位:福永武史『弱法師』 4位:波田野淳紘『弱法師』
■2019年 最優秀演出家賞:該当者無し 優秀演出家賞 一席(副賞70万円):中村大地(『桜の園』) 優秀演出家賞 二席(副賞20万円):小野彩加 中澤陽(『熊』) 奨励賞(副賞10万円):本田椋(中村大地『桜の園』出演)
観客賞 中村大地:『桜の園』
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蔦森皓祐『日本演劇の文脈の中でのチェーホフ』
コンクール終了から三週間後、審査員を務めていただいた蔦森皓祐さんが急逝された。ここ数年、俳優の立場からの審査をお願いしてきた。厳しい講評をしても、東京に戻ってからその演出家の公演に出向くなど、本当に演劇を愛し若い才能を愛した方だった。あらためて哀悼の意を表したい。
平田オリザ
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コンクール終了後、今年の上演審査を受け蔦森皓祐さんが執筆されていた文章を掲載いたします。
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日本演劇の文脈の中でのチェーホフ
日本近代劇の流れについて調べてみようと思う。 一般に「新劇」の名で知られる特殊な西洋指向の強い近代劇への道を本当の意味で切り開き、それを発展させたのは坪内逍遥率いる文芸協会。そして後には小山内薫の築地小劇場(1924年設立)である。この新劇は新派・新国劇といった比較的新しい演劇のみならず、歌舞伎・能・狂言といった古い演劇からの断絶をやってのけた演劇である。新劇は明治維新以降の日本の文化・社会のあらゆるものと同様、演劇という分野において、ヨーロッパを吸収し、あるいは模倣しようとしてきた長い努力の頂点に位置するものであるとみなすことができるかもしれない。新劇人が熱烈な信仰の対象とした当時のヨーロッパの演劇状況を考え併せると、リアリズム演劇の教義がすべて鵜呑みにされたのも至極当然の成行きであった。 新劇人がどれほど熱烈に西洋の規範を支持していたかは、新劇の偉大なる創始者である小山内薫についてのエピソードに示されている。彼はモスクワ芸術座でスタニスラフスキーが『桜の園』を演出するのを直接見るためにロシアに渡り、我々の目には驚異的ともみえる精密さで、この偉大なる師匠が言ったこと、やったことをもらさず細かくメモした。そして帰国後、直ちに築地小劇場で『桜の園』のリハーサルを始め、自分があらゆる細部にわたって再現しようとしたのである。 小山内薫にとってチェーホフとイプセンが聖典であったとすれば、彼の最も重要な弟子であった千田是也はより前衛的な演劇、とりわけドイツ表現主義に目を向け、最終的にブレヒトを師と選ぶようになった。投獄から開放された千田是也は戦後大きな新劇劇団の一つである俳優座の中心人物としてあらわれ、1945年、全ての主要新劇団による合同公演『桜の園』の表現に大きく尽力し、この作品は戦後日本の演劇の希望に満ちた再生をあらわすこととなった。 最後に重要な点はもう一つある。新劇は俳優の存在論的アイデンティティーについての独自の演劇美学を確立することができなかった。新劇人は劇作家によって与えられる、書かれた言葉が最も重要であるという考えを一度も疑わず、著者の権威によって台本に埋め込まれた意味を取り出し、舞台上に提示することが俳優・演出家の努めの全てである、という考えを当然のこととしていた。俳優は、普通の世界の生き生きとした等身大の現実を模倣し再現しようとしさえすればいいのだという、リアリズムのあまりに単純化された模倣教義に、新劇は素朴に寄りかかっていたのである。
1960年代後半に暴力的な小劇場運動が爆発したのは、こうした新劇の現状に反対してのことであった。この革命的運動に参加した有名な劇団をいくつかあげると、上演のためにたてたテントの色によって「紅テント」と呼ばれた唐十郎の「状況劇場」。同様にその仮設劇場の色ゆえに「黒テント」と呼ばれた佐藤信の「演劇センター68/69」などがある。「天井桟敷」の寺山修司の活動もまた注目すべきであった。しかしなかでも、最も禁欲的で厳格かつ体系的な劇団であったのは、おそらく鈴木忠志率いる、「早稲田小劇場」(現SCOT)であろう。鈴木は、一つの社会的制度としての新劇に潜在意識的に埋め込まれた政治的、道徳的偽善を容赦なく露呈させた。
蔦森皓祐
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「利賀演劇人コンクール2019」最終上演審査 総評
「利賀演劇人コンクール2019 最終上演審査」の総評の公開と、来年度のコンクールについて、お知らせです。
少しずつ形を変えながら、ここ数年は7月前後に利賀で実施してきた「利賀演劇人コンクール」について、20年を一つの区切りとし、来年度は別の形での開催を検討しております。 今後も様々な面で利賀との繋がりは継続しますが、7月の利賀芸術公演での上演審査という形では行わない予定です。
詳細が決まりましたら、こちらのWebサイトでもお知らせいたします。
以下、7月に行われた「利賀演劇人コンクール2019 最終上演審査」の総評です。
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異なる能力を併せ持つ
平田オリザ
まず審査委員長として、審査の過程全体を報告します。 今年は、利賀村でシアターオリンピックスが開催される都合上、例年とは審査の過程を変更し、こまばアゴラ劇場で予選、利賀で本審査という変則的な形となりました。 課題戯曲を、あらかじめ決められた俳優を使って短時間で仕上げる予選と、チェーホフ戯曲の中から自分で上演戯曲を選定し、じっくり稽古をして臨む本選という二方向の審査になりました。私個人は、ここで必要とされる二つの能力は、二つながらに演出家には必要なものだと考えます。この二つを切り分けて審査できた今年の方法も、ある種の意義があったのではないかと思います。 今年の本審査は、例年と違って二団体でしたので、まず審査員五名の挙手によって選考を開始しました。この段階で、四対一で中村さんの『桜の園』が票を集めました。 その後、審査に入り、まず、この時点で、今年も最優秀演出家賞は出さずに優秀演出家賞を二名とすることとし、その内容について議論をしました。 小野さん、中澤さんの作品は、その意欲や才能は高く評価するが、今回の上演に関しては、演出家の意図がほとんど実現されていないという意見が大半でした。 中村さんの作品は逆に、テキストレジのうまさは評価するが、俳優の身体と発話のコントロールがなされていないに等しく、これを演出の仕事として評価していいのかという厳しい指摘もありました。 ここでいったん、奨励賞を出すかどうかを議論し、本田椋(『桜の園』出演)の存在感のある演技を評価する声が多く上がりました。 全体としては、予選、本選とした結果、残念ながら両作品とも別々のベクトルで利賀という空間に敗北した印象がありました。このような個性的な空間で、自分の実力を発揮できるのは容易なことではありません。自分のスタイルを失わず、しかし新しい空間に合わせて柔軟性のある演出を行うこと。また、自分のスタイルを貫きながらコンクールのプレッシャーに耐えること。これらもまた、現実的に演出家に求められる能力の一つかと思います。
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総評
宮城聰
芸術家として生きていこうとする場合、進む方向は大きく分けて2通りあるでしょう。ひとつは、既に存在している物差しの上でどれだけ高くまで登れるか、に挑む道。もうひとつは、まだだれもやっていないこと、この世に存在しないことを形にしようとする道。 後者だけを「芸術家」と呼ぶ、という考え方もあるようですが、僕自身はそうは思いません。 どちらも同じくらい険しい道でしょう。ただ、ここでは後者についてすこし考えてみたいと思います。利賀演劇人コンクールに参加される方々の多くは後者を選んだ人でしょうから。
自分以外に誰もやっていないこと、をやろうとして作品をつくってゆくとき、まず最初にぶつかるのは「これはもうすでに、誰かがやっているのではないか?」という疑念でしょう。絵画とか小説とか音楽とか映画とかのように、形が残って(その複製もいちおう可能で)、しかも言語を超えての享受が可能なジャンルでは、「こういうことをやっている人がすでにいるかどうか」は調べることができます。しかし舞台芸術の場合は、すこし前までは動画もほとんど残りませんでしたし、他言語での舞台を調べることもなかなかに困難です。さらに言えば、その場に立ち会わなければどういう舞台だったのかがよくわからない、ということも演劇の特徴です。 「だからこそ、誰かが前にやっているんじゃないかなんてことは気にせずにつくりた���ものをつくればいいんだよ」、というアドバイスもあり得るわけですが、しかしつくり手の中にいったん「これって、もうすでにやられているんじゃないか?」という疑念が巣食ってしまったら、それを払拭しないまま全エネルギーを傾注することは難しいし、上記の事情でその疑念を払拭することも簡単ではありません。 ではどうすればいいのか。 たぶん近代以降の世界中の演劇人がこの難問に立ち向かってきたのだろうと思います。日本では、少し前までは、日本語話者だけを観客と想定することによって安易にこの問いから逃れられた面もありますが、いまやそんなことも不可能になりました。(商業的な興行に関しては話が別ですが。) 僕自身もここに「どうすればいいのか」の解答を披瀝することはできないのですが、ひとつ指摘しておきたいことはあります。それは、「まだだれもやっていないこと、この世に存在しないことを形にする」という芸術の定義は、実は「形が残って(その複製もいちおう可能で)、しかも言語を超えての享受が可能な」ものを前提としているのであって、演劇の要素のうち戯曲のみを取り上げるならその定義も可能なのですが、演劇を全体として扱うならむしろ「言語も風土も生活習慣も違うのに、同じ問題を抱えているんだなあ、同じ希望をいだいているんだなあ、人間ってこういう生き物なんだなあ」という種類の感動をどれだけ深くシェアできるかがその作品の「芸術性」を決める、ということです。 もし演劇や舞台芸術を、戯曲のみを扱うときのようなフレームで捉えてしまうと、「これって、もうすでにやられているんじゃないか?」という疑念に落ち込まない一番はっきりした道は、「自分のことを語る」という作戦だということになります。「自分のこと」を突き詰めてゆけば、ある線を越えるとたしかに「他の誰とも違う」と言いうるようになりますから。でも、とうぜん、この作戦では観客の広がりを欠きます。そして、観客の広がりを獲得するためには、職人技的な巧みさ(多くは台本の「筆力」)を用いざるを得なくなるでしょう。そして「筆力」への依存を進めてゆくと、実は舞台芸術ではなく小説のほうが適した乗り物だということに気づくことになるでしょう。
というわけで僕は「自分のことを語る」という道を選ばずにどこまでやれるものか、に挑んでほしいと思っている次第です。そして、今回の利賀演劇人コンクール最終上演審査に臨まれた二組は、ともに、そこに挑んでいる頼もしい人々でした。彼らにこそ「次代を担って」ほしいと感じました。
あ、そうそう、「人間って、おんなじだ」という感動をシェアできる点が特徴である演劇においても、もちろん「独創性」は重要です。「おんなじだ!」と観客が発見してくれるためには、観客にとって「見慣れない」滑走路が必要だからです。新鮮さを感じない道筋をたどっていると感じると、人は、しまいまで、今まで知っていることしか認識できないものではないでしょうか?
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においが欲しい
中島諒人
違うタイプの二作品でした。『熊』はミニマムで抽象的、『桜の園』はにぎやかな具象というコントラストでした。 『熊』は、美術作品のようなアプローチ。テクストは分断され、意味のない記号のように扱われます。断片化したセリフなので、物語は知っている人にしかわかりません。空間の作り方は印象的。劇場後方の引き戸が開け放たれているので、7月の利賀の山のみずみずしさが舞台空間に侵入してきます。梅雨の終わりの緑の清新さと、植物の生々しい生命力の両方を感じさせて、作り手の美意識を強く感じさせました。空間やテクストの無機的静けさ、端正さに対して、俳優の古賀さんの演技が、何ともおもしろい力を舞台に与えました。演技は記号的で反復も多く、ともすれば飽きてしまいそうなのですが、彼の魅力で、空間ともバランスをとりながら、劇の時間を支えていました。演出の二人と俳優が、作品に対してイメージの共有があり、それぞれの役割意識をもちながら共同作業を行なっていると感じました。 ただ、それが『熊』という作品とどうつながるのか。『熊』の中の何を演劇的な魅力と感じたか。それが方法とどうマッチしたか。上演の一番背骨となる部分が不明であることが残念でした。今後、視覚的美意識と演劇的な空間・時間構築の意識が発展的に統合されることに期待します。 『桜の園』は、端的に言うなら、そつなくきれいに作った作品。1時間という上演時間の枠の中で、物語を上手にすくい上げたことは評価できるし、古いタンスを象徴的に使いながら日本の古民家に場のイメージを置き換えたのも成功していました。ただ残念ながらそこで止まっている印象。少し厳しい言い方をすると、うまい役者を集めて、パッパッと交通整理して三日で作ったような感じ。四日目以降の掘り下げの痕が見えない。演劇を演劇にしていくのは、いわばこの四日目以降の作業です。また、変貌していく世界に適応できない女主人ラネーフスカヤの少女性への着目は適切だと思うのですが、地主的な放埓さの提示がない中で少女性のみを見せられると、女主人がただの子どもに見えてしまい、劇世界を支える柱が機能していない。その中で、ロパーヒンを演じた本田さんの演技が、商人的欲望と崩壊するラネーフスカヤの世界への愛惜の念を、抑制された演技の中に両立させて、たいへん魅力的でした。 多くの難点を書きましたが、『桜の園』という大作の魅力を1時間という枠、そして利賀山房という空間��中で(一定程度とはいえ)成功していたことは間違いなく、演出家としての今後に期待を持たせるものでした。 二作品に共通した点もあります。両方ともすっきりしてクリーンでした。それは一見悪いことではないのですが、テクストの深いところ、人間のドロドロした部分に触ろうとしていないのではないかと感じました。視覚的に美しいことは大歓迎ですが、におうような関係を作ることが、演劇を作る上では一番大切なことです。
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普遍性と固有性
相馬千秋
チェーホフの戯曲は、19世紀末のロシアという固有の時代・場所を生きた人間たちを描いたものだが、時代と地域を越えて上演され続けてきたことによって、人類が共有する普遍的な価値となった。その普遍的な物語を、21世紀の日本、しかも利賀村という極めて固有の時間・場所に、俳優の固有の身体を借りて置き直すこと。それが今回の本コンクールに課された課題であった。古典戯曲の演出とは、その普遍性と固有性の配分をある意図をもって調整すること、別の言い方をすれば、上演のドラマトゥルギーを構築する「戦略」を決めることである。優れた上演では、チェーホフの戯曲の持つ普遍性と、演出家が持ち込む固有性が拮抗し、こうでしかありえないような必然性を伴って立ち現れてくるはずだ。そのような観点から観た時、今回利賀山房で上演された2つの作品は、好対照をなしていた。普遍性と固有性の配分に関する戦略が、実に真逆だったからである。 『熊』の演出を手がけた小野彩加と中澤陽の二人は、冒頭、ともにグレーのスタイリッシュなコスチュームに身を包んだ姿で登場し、おもむろに利賀山房の舞台上の扉を開けた。そこにはパッと、繁茂する緑が四角に切り取られたタブローのように立ち上がってくる。すると急斜面に繁茂する樹木がもそもそ動き、レインコート姿の不審者が緑の額縁舞台の中に侵入してきた。レインコートを脱いだり、水を口にくわえたり、それを四つん這いになり吐き出して葉っぱを加えたり。その行為を介添えするグレーの二人は終始無言だが、黒子というには強い存在感があり、堂々と、明確な意思を持って舞台上に「演出」を配置していく。俳優の一連の奇妙な動きは、「熊」という戯曲をある程度知る人間にとっては、テキストから汲み上げられた象徴的な所作であることが理解できる。またセリフも、一つの戯曲の上演としてはあまりに断片的で(3人の登場人物のセリフが一人の俳優の口から抑揚なく発話される)、戯曲の筋も構造もすべて解体され、全体から抽出された数行のセリフだけが、極めて抽象化された緩慢な身振りとともに空間に吐き出されていく。要するに小野と中澤が試みたのは、『熊』という戯曲のエッセンスを大胆に抽出して利賀山房の空間に配置しなおす行為であり、戯曲の上演というよりは、一種の詩的かつ抽象化された空間と身体の「振り付け」なのだ。私個人は、この大胆な「振り付け」が生み出す、奇妙な時間の流れや、閉鎖された空間が徐々に開放され組み替えられていく移ろいを、心地よく楽しむことができた。 だが問題は、それは果たして「戯曲の演出」なのかという問いである。言い方を変えれば、『熊』という戯曲を知らない人にとってはまったく意味不明な所作とセリフが連続するこのパフォーマンスは、『熊』という戯曲の上演として成立しうるのか、という問いである。もちろん演出家は明確な意図をもって、巨大なリスクを覚悟の上でこの極北の演出を試みたのだろうが、その効果は審査員をふくめたほとんどの観客には伝わっていなかった。これが「チェーホフ戯曲『熊』にインスパイアーされた身体と空間の振付/パフォーマンス作品」であったら評価は異なるだろうが、「戯曲の上演」という今回の課題に対しては、彼ら自身が選んだ固有性に傾きすぎた結果、戯曲の普遍性が全く伝わらないという事態に陥っていたように思う。 次の日の中村大地による『桜の園』は、同じく利賀山房を使い、前述の小野・中澤とは実に好対照の上演となった。そのまま上演すれば3時間はかかる戯曲を1時間に圧縮するため、上演台本は過不足なく編集され、一人二役も含め7名の俳優たちに11の役が振り分けられていた。登場人物の性別や年齢が俳優のそれとは一致しない部分も含め、チェーホフが120年前に書いたセリフは、十分に私の耳に、心に染み入ってきた。社会に翻弄される者達が、その変化に戸惑い、抵抗し、諦め、受け入れ、失われたものに想いを馳せる時の悲哀と滑稽さ。その普遍性が空気のように伝わってくる。演劇という方法/メディアがこれだけ多様化・相対化された今日、そのシンプルな選択は、決して容易な選択ではない。19世紀末のロシアで書かれたチェーホフの言葉が120年後の利賀山房でもその普遍性を失うことなくしっかりと響いたことは、中村の演出家としての基本的力量を証明するもののように思われた。と同時に、これが中村の演出するチェーホフである、という逆のベクトルで舞台を見た時、何か特筆できることがあっただろうかという疑問も生まれた。この戯曲が生まれて120年間の演劇史の中で、無数に試みられてきた『桜の園』の上演史の中で、中村の視点からしか生まれ得なかった『桜の園』とはなんだったのだろうか。その固有性として中村が選んだものが「日本の古い一軒家にあるただ広い仏間」(演出ノート)とするだけでは、やはり物足りなさを感じてしまう。このコンクールでの上演のために集められた俳優一人ひとりは魅力的だったが、その役と演技の距離感がバラバラで、「中村大地が演出する、世界でたったひとつの『桜の園』」という固有性に集団的に到達するには、まだまだ演出的にやるべきことがあるように感じた。 今回、好対照の二つの上演が同じ会場で行われたことで、双方のとった戦略がクリアに際立ち、それゆえ、それぞれの良さだけでなく、不足の部分をも浮かび上がらせる結果となったが、正直に言えば、私の中で両者への評価は同点だった。そもそも二つの全く対照的な芸術的態度の表明に優劣はつけられないという感覚もある。それでも優劣をつけるのがコンクールという制度であるならば、この利賀演劇人コンクールというフレームが要請する条件、すなわち「戯曲を演出する」という課題への応答力という観点から評価するのが、私なりの態度表明であろう。従って、最終審査では中村に一票を投じた。 とはいえ、その両者の演出家、舞台芸術家としての力量は、このコンクールのフレームだけで測れるものでもない。演劇の普遍性に真っ向から向き合い、「いま、ここ」に生きる表現者としてその固有性を追求していく胆力、腕力を鍛えることで、この二組の演出家はきっともっと私たちがまだ経験していない感覚や世界との関係を提示してくれるはずだ。今回、そのことを確認できただけでも、利賀にきた甲斐があったと思っている。
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利賀演劇人コンクール2019・最終上演審査/舞台写真


『熊』 作:ア��トン・チェーホフ 演出:小野彩加 中澤陽 訳:神西清 7月6日(土)14:00 利賀山房
出演:古賀友樹
衣裳:日高俊 衣裳協力:HIDAKA、イッテンストア


『桜の園』 作:アントン・チェーホフ 演出:中村大地(屋根裏ハイツ) 訳:浦雅春 7月7日(日)13:00 利賀山房
出演:寺田凜 浅井浩介 村岡佳奈 和田華子 足立靖明 山下璃子 本田椋
舞台美術:大沢佐智子 照明:西邑太郎 衣装:原田つむぎ 舞台監督:松岡努 制作部:柴田久嗣、三澤一弥、渡邉時生
全作品 撮影:利賀演劇人コンクール事務局
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「利賀演劇人コンクール2019」最終上演審査 審査結果発表
利賀演劇人コンクール2019の最終上演審査が7月7日(日)に、無事、終了いたしました。 最終審査会の結���、以下の通り、最優秀演出家賞は該当者無し、優秀演出家賞2組と奨励賞1名の授賞を決定いたしました。 また「観客賞」は、観客からの投票を集計した結果、以下の通り決定いたしました。
▶最優秀演出家賞 該当者無し
▶優秀演出家賞 優秀演出家賞 一席(副賞70万円):中村大地(『桜の園』) 優秀演出家賞 二席(副賞20万円):小野彩加 中澤陽(『熊』)
▶奨励賞(副賞10万円) 本田椋(中村大地『桜の園』出演)
▶観客賞 中村大地:『桜の園』
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審査の過程と結果をご報告いたします。
今年は、利賀村でシアター・オリンピックスが開催される都合上、例年とは審査の過程を変更し、こまばアゴラ劇場で予選、利賀で本審査となりました。 課題戯曲を決められた俳優を使って短時間で仕上げる予選と、チェーホフ戯曲の中から自分で上演戯曲を選定し、じっくり稽古をして臨む本選という形になりました。私個人は、ここで必要とされる二つの能力は、二つながらに演出家には必要なものだと考えます。この二つを切り分けて審査できた今年の方法も、ある種の意義があったのではないかと思います。
今年の本審査は、例年と違って二団体でしたので、まず審査員五名の挙手によって選考を開始しました。この段階で、四対一で中村さんの『桜の園』が票を集めました。 その後、審査に入り、まず、この時点で、今年も最優秀演出家賞は出さずに優秀演出家賞を二名とすることとし、その内容について議論をしました。
小野さん、中澤さんの作品は、その意欲や才能は高く評価するが、今回の上演に関しては、演出家の意図がほとんど実現されていないという意見が大半でした。 中村さんの作品は逆に、テキストレジのうまさは評価するが、俳優の身体と発話のコントロールがなされていないに等しく、これを演出の仕事として評価していいのかという厳しい指摘もありました。 ここでいったん、奨励賞を出すかどうかを議論し、本田椋(『桜の園』出演)の存在感のある演技を評価する声が多く上がりました。 結果としては、上記のような賞金の配分を、今回の審査の結果と受け止めていただければと思います。
各審査員の講評は追って公開いたします。コンクール参加者はそれぞれの講評を真摯に受け止め、今後の活動の参考にしていただければ幸いです。 来年度の演劇人コンクールは、例年に近い時期・形態での開催を予定しています。ぜひ、多くの演劇人の参加を期待します。
(公財)舞台芸術財団演劇人会議 理事 審査委員長 平田オリザ
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「利賀演劇人コンクール2019」第一次上演審査 総評
「利賀演劇人コンクール2019」第一次上演審査の総評を公開いたしました。
7月6日(土)、7月7日(日)に利賀芸術公園・利賀山房にて、最終上演審査が行われます。 審査委員長の平田オリザと、相馬千秋氏には最終上演審査も引き続き審査を行っていただきます。
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■平田オリザ
審査委員長として、まず審査の過程を簡単に報告します。 今年度は、あくまで利賀の演劇人コンクールの予選という位置づけで一日目、二日目を別々に審査しました。図らずも、両日とも一位、二位が僅差であり、時間ギリギリまで討論が続きました。 審査は、まず全員が一位、二位、三位と順位をつけて投票を行い、点数に換算しました。両日とも一位、二位が僅差だったので、話し合いの末、再度、投票。また、配点に傾斜をつけるなどしてみましたが結果は変わらず、最終的に話し合いの末、予選通過者を決定しました。 最後に受賞か否かの決め手となった理由については、各審査員がお書きいただいていると思います。 共通していたのは、戯曲の抜粋を演出するという審査形式の特徴から、抜き出された部分についての演出のみを主に見るのか、作品全体の解釈や批評性に重きを置くのかが議論になり、そこが評価の分かれた点だったかと思います。
一日目 最後まで中村さんと島村さんで票が分かれました。最終的に、中村さんの方が戯曲の持つ不気味さをより強く示せていた点が、評価のポイントになったかと思います。中村さんの作品がもっとも、「このあとも見たい」と思わせたと言い換えてもいいかもしれません。 中谷さんは、丁寧な演出で戯曲の全体像をよく現していました。暖炉の使い方など好感が持てる演出でしたが、その分コンセプトの打ち出しが弱いという指摘もありました。 中嶋さんは逆に、遊び心満載の演出でした。ただ、前半の遊びの時間がいかにも長い。後半の展開が面白いのですが、時間配分のコントロールが必要と感じました。 中村さんの長所は先に書いたとおりです。ただし、台詞の抑制が弱く、俳優の生理に頼っている部分が多く見えてしまったかと思います。 こしばさんは、全体にバランスのとれた演出でしたが、やはりこの方法論を実現するためには、俳優への一定の訓練なりが必要なのだろうなと感じました。俳優に負荷をかけるために課された動きが、日常的な動きとあまり区別が付かないように思いました。 島村さんの作品は俳優の個性を生かし、二十分という上演時間の中で観客を飽きさせないという点では、もっとも工夫の行き届いた作品であったと思います。ただ、小道具などの細かい工夫が空回りの部分もあり深みに欠けるという指摘も多くありました。
二日目 小野さん、中澤さんのコンビと、三浦さんで最後までもめました。また神田さんも高い評価を集めました。 また、戯曲の特徴から、多くの演出家が男性(兄)を狂気やコミュニケーション障害のように捉えて演出をしていた点も問題になりました。果たして、その選択肢しかなかったのかということです。 神田さんの作品は、特にその点が問題となりました。しかしながら、二日間で発話のタイミングなどを細かくコントロールし、上演を実現させた点は高く評価されていいと思います。 小野さん、中澤さんの作品は、もっとも抑制がとれ完成度の高いものでした。しかしながら、たとえば冒頭の上袖での会話の時間が長すぎるなど、観客に対する意識を欠いた部分もあったかと思います。この点は審査の過程でも評価が分かれた部分でした。また、俳優の発話に無駄な抑揚が入るなど、言葉との取り組みが弱い部分が散見されました。 三浦さんの作品は、言葉への取り組みがもっとも丁寧で、多くの審査員が好感を持つ作りでした。その分、戯曲に対する批評性に欠けるという指摘も多くありました。 松浦さんの舞台は、作品の世界を最も的確に表現していました。旧仮名遣いをそのまま発音するといった試みも面白かったのですが、その割に他の部分の言葉に対する扱いが弱くバランスを欠く印象になってしまいました。 酒井さんの作品は、俳優の身体を動かすことでそこから生じる関係を模索しているように感じました。しかし、二日間という時間の制約の中では、それが十分に機能しているようには見えませんでした。 以上、私の見解と審査の過程が混在する記述になりましたが、あまりに激論だったので、どれが自分の意見であったか不分明になってしまいました。ご容赦ください。
* * * * *
■相馬千秋
同一の戯曲を、同一の空間で、同一の条件下で競う。俳優を選ぶことは許されないし、映像や音楽も使用不可。稽古時間も2日間と限定されている。この徹底した制限の中で「演出」を競うことは、必然的に、審査する側にも参加する側にも「演出とは何か」ということを突きつけてくる。
演出家が自ら戯曲も俳優も選ばず、場所も視覚的効果も選ばないとき、それでも「演出」に可能なのは、戯曲に書かれた言葉とそれを発する俳優の身体から、空間と、時間と、関係性を編み上げていくことだろう。その結果として、そこに書かれた戯曲や物語の「外」を、観客の想像力の中に立ちあげることが可能なはずだ。そのような評価軸で見たとき、私は、初日は中村大地、2日目は小野彩加と中澤陽を積極的に評価した。利賀でのさらなる上演が楽しみだ。
* * * * *
■野村政之
利賀演劇人コンクールに、私はこれまで、上演チームの一員として、また、運営側の事務局として関わってきました。最初に参加したのが初回の2000年、最後に事務局として関わったのが5年前になります。この間に、コンクールの形も、上演団体の傾向も変化してきたと思いますが、私なりに、これまでの利賀演出家コンクール、利賀演劇人コンクールが大事にしてきたと思うことを念頭に、審査に携わりました。 審査を終えてから振り返ると、全般的に、戯曲に対する演出家からの働きかけが弱かったと思います。既存の戯曲を自分たち、あるいは観客と関係づけるために、主題の捉え方やその具現化の方法に、もう少し作戦や着想が必要だったのではないか。 前半の『マッチ売りの少女』上演において、私が好感を持ったのは島村和秀さんの演出でした。「なぜ今この戯曲を上演するのか」という点で、無視され忘却される少女を軸に面白い上演になっていたように感じたからです。同時に不要と思える演出もあり、僅差で推し切れませんでしたが、今後を楽しみにしています。 後半の『温室の前』のほうは、非常に選ぶのが難しかったです。「どのように戯曲を読んだのか」上演からうまく受け取ることができなかったためだと思います。 結果、利賀での最終上演審査には、前半から中村大地さん、後半から小野彩加さん・中澤陽さんを選出しました。若手にあってすでに意欲的な活動を行っている2組です。利賀の空間を味方につける、芯のある作品を持っていっていただけたらと思います。そして、この経験を活かして飛躍してください。
* * * * *
■柳美里
わたしは、岸田國士『温室の前』の上演作品では、三浦雨林さん(隣屋/青年団)と神田真直さん(劇団なかゆび)を推し、別役実『マッチ売りの少女』の上演作品では、中村大地さん(屋根裏ハイツ)を推した。
三浦雨林さんの『温室の前』では、登場人物が三人とも途方に暮れているようだった。 人が言葉を話すということは、種が発芽し、葉が開き、茎が伸びていくような自然な出来事なのではない。いくら体の中に言葉の種があり、思いの水が注がれても、声として姿を現わすことが出来ない。それは、とても苦しいことだ。自分の言葉や言葉に表し切れない思いを、どう受け取られるかわからない相手に話し掛けて、声で相手に触れるということは、とても怖いことだ。 三浦さんは、その苦しさと恐怖を、見事に演出していた。 「口に出しては云ひませんけれど、やつぱり寂しいんでせう」「誰か来なかつたかな」「僕達は、お客さんのもてなし方を忘れてるかも知れません」「いろんなことが、ごつちやになつて……」「今日は、なんだか、いろんなことが新しく始まるやうな日だよ。今日まで、世間から離れて、たつた二人つきりで送つて来た暗い生活の中へ、思いがけなく、同時に、二人まで、華やかな――さうだ――、二人の華やかな友達が訪れて来るんだ。来たと云つてもいい。あいつは、きつと来るよ」 岸田國士が二人の兄妹の台詞として表している、新しい人間関係を警戒しながらも強く求めている願望が妄想となって滑り出していく瞬間を、三浦雨林さんは切実なさみしさと共に体感させてくれた。 わたしは、内的な密度を持った芝居に仕上げられていたと思うのだが、他の審査員の賛同を得られず、残念だった。
神田真直さん。 兄が花の名前を叫びながら、妹と客の女友だちにコピー用紙を投げつける冒頭部分と、兄と女友だちが妹を挟んで見合ったり追い駆けっこをするシーンは、動作の繰り返しがしつこかった。しかし、兄が妹の後ろに隠れ、妹に耳打ちして女友だちに言葉を伝える腹話術のような間接話法は、とても面白く、このコンクールの十作品の中でいちばん笑った。なによりも、神田真直さんは、佐山和泉さん、緑川史絵さん、串尾一輝さんの俳優としての力を存分に引き出していた。俳優をカプセルのようにくるんでしまう岸田國士の台詞を、三人の俳優たちに卵の殻のようにつつき割らせた演出は魅力的だったが、空間の中に時間を見る、あるいは時間の中に空間を見る力が足りなかったように感じられ、推し通すことが出来なかった。
中村大地さんは、初老の夫婦が弁解のように言い立てる「善良にして模範的な、しかも無害な市民」だという虚構に、「マッチ売りの少女」という虚構を静かに引き合わせた。しかし、その静けさの中で、夫婦の平和な現在は、恥辱に満ちた過去を持つ女の蜘蛛の糸のような視線によって徐々に呪縛されていく――。中村さんの演出では、声という声が耳という裂け目から人の奥底へと吸い込まれていく落とし穴のような沈黙が配置され、その沈黙には確かな風圧があった。 ラストシーンで、女は立ってはいけないお茶会のテーブルに立つ。そして、二本の脚で揺れる大地に立っているかのような不安定な足踏みを繰り返しながら、「マッチ売りの少女」を物語る。 観客であるわたしは、物語に係留されながら宙吊りにされていく引き裂かれるカタルシスを味わうことが出来た。 中村大地さんは、利賀でチェーホフの『桜の園』を上演するそうだ。彼ならば、大切なものを失う時にのみ感じる生の手触りと、その時間意識を表現できるのではないか、と大変期待している。
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SCHEDULE
▶利賀演劇人コンクール2019 最終上演審査 上演日程
■7月6日(土)14:00 利賀山房 『熊』 作:アントン・チェーホフ 演出:小野彩加 中澤陽 訳:神西清
■7月7日(日)13:00 利賀山房 『桜の園』 作:アントン・チェーホフ 演出:中村大地(屋根裏ハイツ) 訳:浦雅春
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参加パス/お問い合わせ
■参加パス(全日程観劇可) 予約・当日共 2,000円 ご予約はメールにて承ります。 お申込みアドレス: [email protected] ※件名を「参加パス予約」、本文にお名前、ご来場予定日、ご連絡先をご記入ください。
■お問い合わせ (公財)舞台芸術財団演劇人会議 利賀演劇人コンクール係 [email protected]
東京/TEL:03-3445-8010 利賀/TEL:0763-68-2356 〒939-2513 富山県南砺市利賀村上百瀬48
主催:文化庁、公益財団法人 舞台芸術財団演劇人会議 共催:公益財団法人 富山県文化振興財団 後援:富山県、南砺市 委託「2019年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
利賀演劇人コンクール Facebookページ http://www.facebook.com/togaconcour 舞台芸術財団演劇人会議 Twitter http://twitter.com/JPAF_official
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会場アクセス/宿泊情報
【会場アクセス】
■JR利用の場合
・JR高山本線越中八尾駅より南砺市営バスで利賀芸術公園下車(約1時間)
・JR北陸新幹線新高岡駅・あいの風とやま鉄道高岡駅より加越能バス(庄川町行・小牧堰堤行)で井波下車(約50分)、旧井波駅より南砺市営バスで利賀芸術公園下車(約1時間)
・JR金沢駅西口(金沢港口)2番のりばから加越能バス南砺金沢線で井波下車(約75分)、旧井波駅より南砺市営バスで利賀芸術公園下車(約1時間)
■飛行機利用の場合
・富山空港よりタクシーで約1時間
・富山空港より富山駅直行バスで富山駅下車(約30分)、JR高山本線で越中八尾駅下車、南砺市営バスで利賀芸術公園下車(約1時間)
■自動車利用の場合
・北陸自動車道:砺波IC・富山ICより約1時間(約35km)
・東海北陸自動車道:五箇山ICより約1時間(約32㎞)
〈南砺市営バス 時刻表〉 ◎JR越中八尾駅→利賀芸術公園 10:15→11:07 / 16:47→17:39 ◎利賀芸術公園→JR越中八尾駅 7:28→8:12 / 14:51→15:45 ◎旧井波駅→利賀芸術公園 10:15→11:07 / 16:47→17:39 ◎利賀芸術公園→旧井波駅 7:18→8:12 / 14:51→15:45
»利賀芸術公園 Google Map
【宿泊】
■民��・ホテルのご案内 お問い合わせ 0763-68-2527 南砺市商工会利賀村事務所(平日9:00-17:00) http://www.shokoren-toyama.or.jp/~toga/stay.html
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利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」結果発表
利賀演劇人コンクール2019の第一次上演審査が終了いたしました。 上演審査の結果、以下の通り、最終上演審査進出者を決定いたしました。 また「観客賞」は、観客からの投票を集計した結果、以下の通り決定いたしました。
【前半】 最終上演審査進出者:中村大地(屋根裏ハイツ) 観客賞1位(同票):中村大地(屋根裏ハイツ)・中嶋さと(FOURTEEN PLUS 14+)
【後半】 最終上演審査進出者:小野彩加 中澤陽 観客賞1位:酒井一途
7月、利賀山房にて上記2組による最終上演審査を実施いたします。
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利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」課題戯曲公開
利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」の課題戯曲を公開いたしました。
・前半[5月1日(水・祝)、2日(木・祝)] 別役実『マッチ売りの少女』より抜粋
・後半[5月3日(金・祝)、4日(土・祝)] 岸田國士『温室の前』より抜粋
本企画の上演審査はこまばアゴラ劇場支援会員・演劇人会議会員のみが観覧できます。 詳細はこまばアゴラ劇場Webサイトの公演情報をご覧ください。 http://www.komaba-agora.com/play/8694
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利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」出演俳優公開
利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」について、出演俳優などの情報が公開されました。 http://www.komaba-agora.com/play/8694
俳優はコンクール主催者側が指定する組み合わせの中から、前半・後半それぞれの1日目の朝に抽選で決定いたします。
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利賀演劇人コンクール2019 「第一次上演審査」参加者決定
利賀演劇人コンクール2019「第一次上演審査」の参加者が決まりました。
<第一次上演審査 参加者> ・前半[5月1日(水・祝)、2日(木・祝)] こしばきこう(劇団 風蝕異人街) 島村和秀(情熱のフラミンゴ) 中嶋さと(FOURTEEN PLUS 14+) 中谷和代(ソノノチ) 中村大地(屋根裏ハイツ)
・後半[5月3日(金・祝)、4日(土・祝)] 小野彩加 中澤陽 神田真直(劇団なかゆび) 酒井一途 松浦友(演劇ユニットYOU企画) 三浦雨林(隣屋/青年団)
全国から多数のご応募、ありがとうございました。
こまばアゴラ劇場で行われる「第一次上演審査」にて、7月に利賀で行われる「最終上演審査」に進む2組が選出されます。 (前半から1組、後半から1組の計2組。)
現在、第一次上演審査の上演部分は、下記のスケジュールを予定しております。 (第一次上演審査は演劇人会議会員・こまばアゴラ劇場支援会員のみが観覧できます。)
前半[5月2日(木・祝)15:30開演] 後半[5月4日(土・祝)15:30開演]
後日、詳細を公開いたします。
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最終上演審査・審査員決定!
最終上演審査の審査員が決定いたしました。
【最終上演審査 審査員】(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 蔦森皓祐(俳優・SCOT所属) 中島諒人(演出家・鳥の劇場芸術監督) 平田オリザ(舞台芸術財団演劇人会議理事・青年団主宰・こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家) 宮城聰(演出家・SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
応募締切は3月11日(月)必着です。 全国の演劇人の皆様からのご応募、お待ちしております。
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利賀演劇人コンクール2019、参加団体を募集します。
今年20年目を迎える利賀演劇人コンクールが新しくリニューアルします。 昨年、スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」と連動し、5月頭にこまばアゴラ劇場で「第一次上演審査」を行い、7月一週目に利賀で「最終上演審査」を実施いたします。
■第一次上演審査(最大10名) 会場:こまばアゴラ劇場 演出家が身一つで参加、一週間前に発表される課題戯曲の演出に青年団の俳優とともに挑む形となります。
■最終上演審査(2組) 会場:利賀山房 演出家が自身の座組を率いて、課題戯曲(アントン・チェーホフ作品)を利賀山房で上演する形となります。 2015年に実施した「利賀山房を時間によって2団体でシェアする形」で最終上演審査を行います。
「最終上演審査」の進出者には、利賀での上演のための舞台制作費補助を含む形で「賞金100万円×2組」を授与。 更に「最終上演審査」も賞金100万円とし、全体で賞金総額300万円のコンクールとして開催することとなりました。
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★応募を希望する方は、下記より応募用紙をダウンロードし、必要事項を記入の上、ご提出ください。
□応募用紙(Microsoft Word形式)
□応募用紙(PDF形式)
■応募書類の宛先:
・郵送 〒153-0041 目黒区駒場1-11-13 利賀演劇人コンクール事務局
・メール [email protected]
■応募〆切 2019年3月11日(月)必着
※3月13日(水)を目処に、ご応募いただいた全員にメールにて書類の受取連絡を行います。 メールが届かない場合は、事務局までご連絡ください。
※書類選考の過程に関するお問合せには応じられません。ご了承ください。
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■応募資格
・過去に上演歴があり、今後演出家として継続的に活動していく意思のある者。(年齢制限なし)
・第一次上演審査を通過した場合、7月に利賀で行われる最終上演審査での上演が可能な方。 (第一次上演審査の賞金に含む形で舞台制作費補助あり。)
■審査員(3月1日情報更新)
・第一次上演審査 審査員(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク) 平田オリザ(舞台芸術財団演劇人会議理事・青年団主宰・こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家) 柳美里(劇作家・小説家)
・最終上演審査 審査員(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 蔦森皓祐(俳優・SCOT所属) 中島諒人(演出家・鳥の劇場芸術監督) 平田オリザ(舞台芸術財団演劇人会議理事・青年団主宰・こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家) 宮城聰(演出家・SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
■応募・審査の流れ
書類審査 3月11日(月)応募〆切(必着) 提出された参加申込書・「最終上演審査」の演出プラン・映像資料などに基づいて審査を行います。過去の劇評など、これまでの活動の実績も参考とします。 この審査では、「第一次上演審査」への参加資格を得る合格者を選考します。
3月下旬 書類審査結果発表:「第一次上演審査」進出者最大10名選出
第一次上演審査(最大10名) ・前半5名:5月1日(水・祝)、2日(木・祝) 課題戯曲の演出(コンクール主催者側が指定する俳優との稽古) 上演
・後半5名:5月3日(金・祝)、4日(土・祝) 課題戯曲の演出(コンクール主催者側が指定する俳優との稽古) 上演
最終上演審査進出者2名選出
最終上演審査会場下見(各団体最大5名) 事務局が指定した日程での実施(交通費支給)
最終上演審査 期間:7月3日(水)から7月8日(月)を予定。(移動日等を含む。上演は7月6日(土)・7日(日)の内1日。) 場所:富山県利賀芸術公園 利賀山房
■賞
・第一次上演審査 最終上演審査進出者2名に対し、それぞれ賞金100万円(利賀での上演のための舞台制作費補助を含む)。
・最終上演審査 最優秀演出家賞 および 奨励賞 賞金総額100万円 観客賞
この他、利賀芸術公園でのレジデンス制作/フランス・ジュヌビリエ国立演劇センターとの交換プログラムへの参加/BeSeTo演劇祭・静岡県舞台芸術センター(SPAC)・鳥の劇場・こまばアゴラ劇場等、国内外の劇場プログラムでの上演、舞台芸術フェスティバルへの参加などの支援を行います。
■課題戯曲
・第一次上演審査 コンクール一週間前に発表 古典戯曲から一部抜粋(※2月17日更新)
上演時間は、20分以内とする。(時間に収まらない場合は選考対象になりません) 上演にあたり、テキストレジを行うことができる。台詞の変更・加筆は不可。 コンクール上演用の新たな翻訳は不可。 上演は、日本語で行う。
・最終上演審査 アントン・チェーホフ作品
応募者は、アントン・チェーホフの戯曲より1作品を選択し、作品を演出・構成していただきます。 上演時間は、60分以内とする。(時間に収まらない場合は選考対象になりません) 上演にあたり、戯曲の一部抜粋あるいはテキストレジを行うことができる。台詞の変更・加筆は不可。 複数の作品の構成・コラージュ等は不可。 コンクール上演用の新たな翻訳は不可。 上演は、日本語で行う。
■第一次上演審査について
【注意事項】 ・大道具の使用については、箱馬と椅子と平台が利用できます。釘打ちは不可とします。 大道具の設置・撤去のための時間については、それぞれ10分以内とします。
・地方からの参加者への公平を期すため、衣装・小道具については、参加演出家が用意することを不可とします。 衣装は俳優の普段着で動きやすい服装とし、小道具はコンクール事務局が用意したもののみ利用可能とします。
・照明は全演出家共通で地明かりのみとします。開演・終演時の暗転のタイミングは指定可能です。 その他の音響・照明は一切利用できません。
【宿泊補助】 首都圏以外の地域からお越しの方には、宿泊補助をいたします。 ご希望の方はその旨を応募用紙にご記入ください。 詳細については書類審査後にコンクール事務局からご連絡します。
■最終上演審査について
【参加条件・人数】 当財団の責任において宿泊・食事を提供する人数、および仕込み、リハーサル、上演に参加できる人数の上限は15名。 宿泊場所は、男女別の相部屋となります。
【上演する劇場について】 上演審査は、利賀芸術公園内の劇場・利賀山房で行います。利賀芸術公園の劇場群は、鈴木忠志と建築家磯崎新の共同作業により創られた強い個性をもった空間です。また今回、2015年に実施した「利賀山房を時間によって2団体でシェアする形」で最終上演審査を実施します。これらの空間の特徴・様々な制限を考慮した作品上演を望みます。
【仕込み・バラシについて】 上演にあたっては、提出されたプランをもとに、参加演出家(または照明、音響等の担当者)と劇場スタッフが事前に打合せを行い、最終的にプランを確定します(2団体のシェアにあたって、コンクール側で設定したプランによる「基本仕込み」を予定しております)。 「基本仕込み」以外の仕込み・バラシは、設定された時間内で、作業の全てを参加者側のスタッフが行います(劇場スタッフが仕込みを手伝うことはできません)。上演中は、劇場スタッフが立ち会いますが、照明、音響のきっかけ(キュー)や操作など、作品の演出にかかわる作業については、参加者側のスタッフで行ってください。
【利賀山房の会場使用時間・2団体のシェアについて】 ・4泊5日のスケジュールを予定しております。 ・会場使用時間:4日間で約20時間を予定。 ・3日目にゲネ、4日目に上演審査となります。 ・小屋入り中は1日毎にバラシを行い、もう一団体とシェアする形となります。 ・会場使用時間以外の稽古用に、利賀山房とは別会場で稽古場を提供。
【注意事項】 利賀山房は合掌造りを劇場に改造した建物です。火気は種類を問わず使用できません。スモークマシーンの使用も不可となります。 復帰に影響が出るような演出・使用はできませんので、その点も考慮した上で演出プランをご検討ください。 利賀演劇人コンクールでは、課題戯曲を読み解き、利賀の上演環境と向き合いながら、優れた作品を上演していただくことを第一にしています。言い換えれば、コンクールの公平性と利賀の上演環境を傷つけないことを前提に、上演団体からの要望には可能な限り柔軟に対応しています。
演出プランの検討にあたって、会場の図面が必要な場合は事務局までお問い合わせください。
利賀演劇人コンクール事務局 [email protected]
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■応募書類
所定の用紙に必要事項を明記の上、下記に記載のメールアドレスまたは住所までお送りください。
【必ず提出】 1.参加申込書(4枚セット) 2.審査対象作品の演出プラン(2000字以内・A4横書・書式自由[スケッチなど含む])
3.映像資料 演出作品1作品の映像データを、youtubeに限定公開もしくは公開してください。その上で、URL及び特に観て貰いたい3分間を応募用紙にご記入ください。 映像データのない方は、それに代わる資料をメールに添付または郵送でお送りください。
【可能な限り提出】 4.劇評(コピー可)や、過去の公演チラシ(3公演分程度)等の資料
*提出資料は返却できませんので、あらかじめご了承下さい。 *映像資料を郵送する場合は、事前にファイナライズやデータの確認等をお願いします。
■応募締切 2019年3月11日(月)必着
■応募書類の宛先:
・郵送 〒153-0041 目黒区駒場1-11-13 利賀演劇人コンクール事務局
・メール [email protected]
※3月13日(水)を目処に、ご応募いただいた全員にメールにて書類の受取連絡を行います。 メールが届かない場合は、事務局までご連絡ください。
※書類選考の過程に関するお問合せには応じられません。ご了承ください。
■お問合せ 利賀演劇人コンクール事務局 [email protected]
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〈利賀演劇人コンクール〉について
舞台芸術財団演劇人会議は、2000年から2007年までの「利賀演出家コンクール」、2008年からの「利賀演劇人コンクール」において、数々の才能を発掘、支援してきました。「地域を越え、国際的に活躍できる演出家の発掘と養成」をコンセプトに、今年は昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」と連動し、一部内容をリニューアルして開催します。
●演出力によるコンペティション
演出家を受賞対象とします。演出家の知的構想力・造型力が求められるのはもちろん、それが俳優・スタッフとの共同作業により実現されていることが望まれます。また、優れた俳優・スタッフの仕事に対しては奨励賞として表彰します。
●受賞者への継続的な支援
コンクールでの授賞を、受賞者のその後の演劇活動のプロセスの中で捉え、2~3年間の期間を念頭に継続的に支援していきます。具体的には、 ・利賀芸術公園でのレジデンス制作 ・フランス・ジュヌビリエ国立演劇センターとの交換プログラムへの参加 ・BeSeTo演劇祭・静岡県舞台芸術センター(SPAC)・鳥の劇場・こまばアゴラ劇場等、国内外の劇場プログラムでの上演、舞台芸術フェスティバルへの参加
このほか、利賀に集う演劇人とのネットワーク、有形無形の協力関係のなかで、創作と制作の両面にわたり、受賞者のその後の活動に相応しい支援を検討していきます。 今日、舞台芸術のあり方はますます多様化し、その可能性も広がっています。自由な発想力、課題戯曲への的確な取り組み、演技・スタッフワークの創造性を生かした上演により、演劇の可能性を押し拡げるような、優れた作品が上演されることを願ってやみません。
(公財)舞台芸術財団演劇人会議
■富山県利賀芸術公園 1976年から鈴木忠志が活動拠点としたことから演劇の国際的な拠点として発展。合掌造りを改造した劇場、古代ギリシアに原型を求めた野外劇場のほか、宿泊施設、レストハウスなどからなる舞台芸術のための専門施設。1982年には日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催、同時に磯崎新設計による野外劇場が建設された。その後も劇場の新設・整備が進み、「利賀サマーアーツプログラム」、「SCOTサマー・シーズン」など現在まで様々な公演が行われている。 http://www.togapk.net/
■利賀演出家コンクール/利賀演劇人コンクール 2000年から、舞台芸術財団演劇人会議の主催により、利賀の夏のプログラムとして行われている。これまで、ペーター・ゲスナー(うずめ劇場)、関美能留(三条会)、中島諒人(鳥の劇場)、神里雄大(岡崎藝術座)、仲田恭子(空間アート協会ひかり)ほか現在でも国内外で活躍している演出家が最優秀演出家賞を受賞、若手演出家・演劇人の登竜門となっている。
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第一次上演審査・審査員決定!
第一次上演審査の審査員が決定いたしました。
【第一次上演審査審査員】(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク) 平田オリザ(舞台芸術財団演劇人会議理事・青年団主宰・こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家) 柳美里(劇作家・小説家)
最終上演審査の審査員についても、近日中に発表いたします。
※第一次上演審査の課題戯曲について 募集概要の発表時、第一次上演審査の課題戯曲について、昨年の「こまばアゴラ演出家コンクール」と同様「古典戯曲から一部抜粋」と掲載しておりましたが、審査委員長の平田オリザと事務局側で「最終上演審査��課題戯曲(アントン・チェーホフ作品)とのバランス」等も考慮し、古典戯曲に限らず課題戯曲を設定することとなりました。 第一次上演審査の課題戯曲は、当初の予定通り「第一次上演審査の一週間前」に発表いたします。
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