#sklt02
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karasuya-hompo · 7 years ago
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Skyrim:ガイコツさんの冒険16.5
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 昨日は一日中雨だったが、今朝はよく晴れていた。外で作業をするのにうってつけである。  晴れた日の光のもとで見てみると、なかなか立派な橋だ。私自身にとっても、岸に行くのに中洲までだけ足を濡らせばいいというのはありがたい。  さて、中洲の金床は昨夜さっさと撤去してしまったため、私はさっそくリバーウッドに渡り、改めて自前の金床を作るための用意をした。  しかし、小屋も小さいが、それが建っている場所も、島というよりは中洲で、実に小さな敷地だ。あれこれと置くようなスペースはないに等しい。  吟味した上で、とりあえず金床は火の傍のほうが良かろうし、鉱石などは、どうせ収納の大きさなど関係ないのだから、その傍に袋でも置けばいいだろうと結論した。
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 これなら邪魔にもならないし、使い勝手もいい。  何故か砥石だけは最初からあったから、こうなると防具を補強するための作業台もほしくなるが、残念ながらあれだけの大きさのものを置くスペースはどう見ても存在しない。まあいいだろう。鍛冶屋はたいていの町にある。なにも自宅ですべてこなす必要もあるまい。  それにしても、アルヴォアの言っていたことは本当だろうか。  ホワイトランの正門脇に不思議な扉があり、その中には、こんな具合に自由に設置できる様々なものが用意されているという。そこには何種類ものテーブルや椅子、タペストリーや敷物の他、大きなものでは橋や塔のようなものまであるらしい。正確にはそれを呼び出すための召喚の巻物だそうだが……。  半信半疑ながら私は、この機会に見に行ってみることにした。  我ながらこの小さな小屋は、必要なものはすべて揃っているとはいえ、少し殺風景なのも否めない。それに、塔や建物まで呼び出せるなら、あの中洲の代わりになる小さな島はムリなのだろうか?  勝手に川の中に中洲を作るのもどうかとは思うが、橋が突然現れるような世界なのだから、それくらいではなにも問題ないのではなかろうか。
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 ともあれホワイトランに向かい、正門を入ったすぐ右へ脇のほうへ回り込む、というアルヴォアのうろ覚えに従って見てみると、そこに大きな扉があった。  中はがらんとしているが立派な建物で、入り口の左右にはいくつかの収納箱が並んでいた。  そしてその中には、驚くほど様々な巻物がおさめられていた。  家具や収納、キャンプ用品だけでなく、明かりや壁、垂れ幕、そして本当に建物の一部などが呼び出せるのである。  しかし……あの場所に塔など立てては周囲との調和もなにもあったものではないし、私がほしいのは、小さな中洲のようなものだ。  あいにくとそれはなかったが、床になるものはあったので、試しに持っていくことにした。
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 他には、ドゥーマー風の様々な家具や、これは……布巾だろうか? こんな模様の入ったものであれば、主婦などが喜びそうである。
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 それに、今まで見たことのないような色と模様のベッドもあった。私は使いたいと思わないが、こういった派手な家具で室内を統一するのが好きな人もいそうである。  各地の要塞へテレポートできるという謎のドアまであったが、……こんなものを使って本当に大丈夫なのだろうか。私は利用したいと思わないが、スカイリム中を常に飛び回るような冒険者であれば、便利なのだろう。  いくつか気になったものを引き出して荷物に仕舞いこむ。壁を飾るもの、収納、明かりなどだ。  そうして家に引き返すと、私はさっそくあれこれ試してみることにした。
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 焚き火と調理鍋の前に座れるようにしてみたが……鍋をいじるときに座るならともかく、何事もないのに座っているには少し似合わないような気がする。
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 それよりはここだろうか。天気のいい今日のような日に、こうして腰掛けていると気持ちがいい。
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 逆側もいい感じだ。これで釣りでもできれば言うことはない。  それにしてもあの橋……私が数日でかけている間にできたにしては、立派なものだ。一瞬で建物まで呼び出せるような道具を使っている私が言うのも変だろうが。
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 ……たしかに敷地は増やしたいが、これは違う。思ったよりずっと綺麗だし、重なるように置けば継ぎ目が分からないように接合されて実に見事なものの、この景色の中では明らかに違和感がある。  残念だがこれは、街の中など、もっと相応しい場所がある。
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 テーブルは、小さな島、中洲のせいで傾いてしまう。  家の中の小窓は、椅子の正面からはズレているしとても小さいので、外にテーブルセットでも置ければいいと思ったのだが、平地がないこの中州では、違和感を忘れないかぎりには無理だった。諦めよう。
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 それなら屋根を敷物で覆えば少しは雨が防げるか、せめて防いだ気分になれるだろうかと思ったが、そ��そもが穴だらけの屋根なので、まっすぐ敷かれてくれない。  平らにしようと設置用の道具をいじっていると、穴から落ちてしまうのだからどうしようもない。
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 島のようなものが作れるなら、そこに置いたら屋根代わりになるだろうかと持ってきたものである。地面に設置してもこの高さだ。これは塔そのものと一対で使うものなのだろう。  しかも、きっちり接合するためには、寸前の狂いもなく同じ地点に置かないといけないのではないだろうか。はたしてそんなことができるのかどうか……。  私は、複数の業者のこういった道具を使っていると混乱することもあり、Potable Toolsから、より種類の豊富なこちら、ANA Interior Editorに替えることにしたのだが、思った場所に設置するのには非常に骨が折れるのだ。……骨しかないこの体で骨が折れたらどうなるか、などとくだらないことが今頭をよぎったが、それはさておき。  今まで使っていた金庫やポーチを置き換えようとして、設置用の道具を出した瞬間に跳ねて裏返ってしまったり、向きの調整がうまくいかない、思った位置にいかないと何度も何度もやり直した。  面白そうだからと持ってきたものの中には、「これとこれは、同じ地点に設置して起動してください」というものもあったが、無理である。最初に置いたものを起動すれば、後に置こうとしたものはそもそも、その設置物の「内部」に置かないといけなくなってしまう。よって、あらかじめ二つ置いてから起動するしかないのだが、完璧にぴったり重ねることなど、どうかんばっても無理だった。上に置こうとしたもののせいで、下に置いてあるマーカーが動いてしまうのだからどうしようもない。  少なくとも私のようにこの世界の中にいて、道具を掴み、自力でずりずりと動かすようなやり方ではほぼ不可能なのではないだろうか。  それとも、私が知らないだけでもっと良い設置の仕方、動かし方があるのだろうか。
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 また、松明をかける金具があったので、家の外につけたらどうだろうかと思ったものの、これは壁に固定されず、設置用の道具が落ちてきてしまう。これはおそらく、壁につけるものであるのに関わらず「設置物を起動する」タイプであるのが間違いなので、一種の不具合なのだろう。
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 ……家よりも立派なサイズの馬屋だ。島を作れればの話ではあったが、そのうえで馬屋がもっと小さくて、いい感じに設置できるなら、ここに鍛冶設備を置くのもいいかと思ったのだが。
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 彩りを加えるのもいいかもしれないと思ったものの、壁にめり込んでしまう。  家の外側に飾りをつけてみたりもしたが、鹿の頭のトロフィーだけで十分に感じてしまった。
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 地面が傾いているため、どうしても斜めになってしまう金床を何度も置き直している内に、真夜中になっていた。ちらちらと雪まで舞っている。 (注:ちなみに、PTのほうは自動的に水平に置かれるため、足が浮くかあるいは土にめり込むようになる。ANAは設置用アイテムの向きや傾きが反映されるため、置いた場所、起動した瞬間の傾きがそのまま反映される。しかも金床は、設置用小道具よりかなり奥に出現するため、SSの場所で妥協がいくまでに20個くらい破壊しているw)  結局私のしたことは、もともとあった金床、金庫(飲料入れ)、ポーチ(錬金台の上の素材入れ)をPTのものと入れ替えることと、ベッドサイドに小さなサイドテーブルを置くこと、家の両脇の岩の上に座れるようにすることくらいだった。
 こうしていろいろと置いてはどけてを繰り返していて、私はつくづくと思った。  私はこの小さな小屋、本当に小さくて質素で、ともすると粗末なこの家を、本当に気に入っているのだと。  人によっては、戸口にリースがあったほうがいいと感じるだろう。ここに椅子を置いてもいいと思うだろう。しかし私はどうやら、この質素さが心から気に入っているらしい。だから、彩りや飾りをと思ったところで、実際に飾ってみるとしっくりこなかった。  もちろん、これならと思えるものをまだ試していないだけかもしれないから、これからもなにか思いついたら試してみようとは思う。  しかし今は、この小さな家にいくつかの必要なものを、邪魔にならない程度に追加して、それで満足している。作業台や付呪台なら、慌てなくてもリバーウッドやホワイトランに行ったついででいいし、むしろ、それを理由に村の人たちの顔を見に行くのも楽しみになる。  ―――生前の私は、どんな家に住んでいたのだろうか。やはりこういった、小さな小屋のような場所だったのだろうか。そういったことはまだなにも思い出せない��今の私は、かつての私とどれくらい同じで、どれくらい違うのだろう。  そんなことは考えても仕方がなない。  サイドテーブルになにを置くかなどはおいおい考えるとして、今夜はもう寝なければ。
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 そういえば、昼に裏手でいろいろと試していたとき、水中に古い遺跡の跡のようなものを見つけた。入り口などはない、ただの残骸だ。こんなものがあるとは今までまったく気付いていなかった。  あいにく、水中では召喚という行動そのものができないので無理なのだが、ここに宝箱を隠せても面白いと思ってしまった。とはいえ、物好きな冒険者ならばもぐって宝探しもするだろうか。
 ……さすがに眠くなってきた。  明日は特に予定もないし、少し寝坊するとしようか……。
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karasuya-hompo · 7 years ago
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Skyrim:ガイコツさんの冒険16
 翌朝は少し早めに起きた。  少しは歩き慣れたホワイトランやリバーウッドの近くとは勝手が違う。道に迷うこともあるだろうと思うと、あまり遅くまでは寝ていられなかったのだ。  しかし夢も見ずに眠ったおかげか目覚めは爽快だった。天気がよければいいがと思いながら部屋を出ると、宿の女将はひどく顔色が悪かった。  聞けば、ここのところドーンスターの人々は、ほとんど例外なく悪夢に悩まされているという。昨日、マーラの司祭だというダークエルフが人々を宥めていたのは、それに関してのことらしい。不思議と旅人には影響がないそうで、女将はそれがせめてもの幸いだと言って、力ない笑顔を見せてくれた。  私がもう少しこのあたりの土地に慣れていれば、いくらかの力になれるかもしれないと思っただろう。しかし、少しなりとも見知った場所から離れているせいか、「では私が」とは言い出せなかった。我ながら不甲斐ないものだ。  だがもし―――誰かが早く解決してくれるに越したことはないが、もしまた私が訪れるときにまだこの悪夢が続いているようであれば、なにかできることはないか考えてみるとしよう。
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 出発前に今一度町の様子を見て回ろうとして、妙な男を見つけた。暁のなんとやらはどうでもいいが、何故この北国の、しかもその中でも北にある場所で、裸なんだろうか……。これは絶対に関わらないほうがいい気がする。  声をかけられたのは聞こえないふりをして、私はそそくさと町の入り口へ向かった。  昨日も思ったことだが、このあたりの道はうっすらと積もった雪のせいで非常に見分けづらい��獣道なのか街道なのかすら覚束なく、私は案内板を見落とさないよう、かなりゆっくり馬を歩ませた。
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 土地に慣れない私のような者には、ところどころに立つこの案内板が心強い。  ホワイトランを示す板はずいぶん古びており、ドーンスターなどの名前はまだ新しいところを見ると、小さな町のものは後になって追加されたのだろう。(mod)  ともあれ、途中まではウィンドヘルムに向かう道と同じということは、どこかで南下する道に分かれるのだろう。
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 争いのあった砦は、さすがに今日はもう静かだった。だがそこかしこに死体が転がったままで、事後処理はまだ済んでいないらしい。  通り抜けても大丈夫なのか心配だったが、止められることはなかった。  この戦争が我が事であればなにかを考えるべきなのだろう。しかし今の私にはどうしても他人事だ。そのためか、痛ましいとは思うが憤りは感じない。感じるとすれば、できるだけ関わりたくない、巻き込まれたらどうしようかという不安くらいだ。  当事者、少なくともスカイリムに生まれ育った者であれば、国の行く末や戦争の成り行き、どちらに味方するかはもっと身近な、重大な問題なのだろう。それはリバーウッドのような小さな村でも時折感じることがある。  戦火が大きくならなければよいのだが。
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 無事に雪道を抜けて南へ向かい、ホワイトランの城塞が見えてきたところで、突然、3頭ものクマに襲われた。いったいなにが起こったのか、それは分からない。彼等の巣でも知らずに刺激してしまったのだろうか? だが私は道を逸れてはいないはずだ。  考えても仕方がない。私は怯えて暴れる馬から飛び降りると、応戦することにした。
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 これくらい大型の野生動物となると、並の賊よりもはるかに手強い。しかし私には、生前に培った戦闘経験がある。それが、血肉をなくしたこの身にもまだ強く残っているようだ。  無傷でとはいかないがまずは一頭。
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 そして二頭目。  三頭目は、仲間を殺された怒りなのかしぶとかったが、これも大過なく仕留めることができた。  怖がって離れていた馬も戻ってくる。召喚している以上生身、あるいは本物ではないはずだか、行動はどこまでも普通の馬たちと同じようだ。  事情は分からないが、殺してしまったものは仕方がない。捨て置くよりは、せめて活用してやることが野生に対する供養だろう。私は3頭からそれぞれに毛皮や爪、肉をいだたくと、持ちきれない分は馬の鞍にくくりつけた。  家に戻る前に、ホワイトランで荷物を整理してこよう。
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 ホワイトランに立ち寄ったとしても、まだ時刻は昼だ。このまま家に帰っても時間を持て余しそうだと思った私は、ふと見た山のほうでも探検してこようと決めた。洞窟の一つや二つはありそうである。
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 ホワイトランに着いた頃には雨になっていた。  心なしか、町に草花が増えている気がする。(modを変更したためである) こう天気が悪くなければ、明るくて活気のある町だ。こんなふうに彩りが増すのも嬉しい。雨ではなんとなくくすんで見えてしまうが、きっと晴れた日の昼間であればきれいだろう。今度ゆっくりと町を歩きまわってみるとしよう。  ともあれ、まずは荷物の整理だ。  鍛冶屋と、そして雑貨店に寄って武具や小道具などを処分すると、ようやく軽くなった。  気がつけば野菜や草花、薬などといったこまごましたものが増え、そのせいで思いがけず かさばっていたらしい。持ち歩ける荷物を少し増やすような便利なバッグはないだろうかと思ったが、こういった不自由も楽しみと言えば楽しみかもしれない。
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 ベレソアの雑貨店を出ると、途端に激しい雨の音が耳を覆った。店主と少しばかり無駄話をしている間に雨脚が強くなったようだ。  この雨の中を探検というのもどうかとは思ったが、では他になにをして過ごすかとなると、なにもない。手に入れてきた本を読むなりすることで時が過ぎるならいいのに、不思議とまったく時間が経過しないのだから困る。晴れているなら魚釣りもいい。私の家���ら、裏手に腰でも下ろせばそれで良さそうだ。しかし釣り道具はあるのに釣りはできないとは……。(筆者の叫び:TES6ではぜひぜひぜひ~~~っ!!)  雨と言っても、それで凍える体でもないことだ。視界が悪いことだけが気がかりだが、昼の内、しかもこの近郊ならば開けてもいるし大丈夫だろう。  ホワイトランを出て、醸造所の前を通って橋を渡り、山に向かう。
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 思ったとおり、洞窟はあった。ご多分に漏れず山賊つきだ。幸い、このあたりの山賊は装備も整っておらず、下っ端は特に他愛もない。  それにしても、思ったより生活感があって驚いた。住み着いて長いのだろう。これだけホワイトランに近いというのに、衛兵たちはなにもしないのだろうか?
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 見張りを倒して中に入った途端、私はぎょっとした。すぐそこに、男が一人腰掛けていたからだ。  しかし彼は私の存在に気がつくと、そこにいるのは誰かと誰何したついでに別人の名前を呼んだ。どうやら彼は目が見えないらしい。  であれば物音や気配にも敏感で、それで相手を感じ分けるくらいのことをする者もいそうだが、盲目になって日が浅いのかもしれない。私が曖昧に「そうだ」と答えると、少しも疑う様子もなく、呼ばれているから早く上に行けと言った。
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 男の前には本が一冊あった。盲目の男が読む本? 怪訝な顔をされたが、そっとページを開いてみると、中は真っ白だった。  読めないのだから、なにか書いてあっても無駄なのは分かる。だが、であれば本そのものが不要だろうに、何故白紙の本など置いているのだろうか。まだ目が見えていた頃、読書家だったのかもしれない。読めずとも心が、本の手触りや存在を求める、そんなこともあるだろう。  彼も賊の仲間ではあるが、盲目で、私を敵だと思っていない者を殺すのは忍びない。私はこの男のことは後に残し、洞窟を奥へと進んだ。  強くはないが、10人近い数はいた。腕に自信はいくらか出てきたとはいえ、乱戦は得策ではない。弓と隠密の稽古も兼ねて、できるだけ数を減らしつつ進んでみる。
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 だいぶ慣れてきた。あの小屋に残されていた素朴なこの弓も、いくらかは手に馴染んできたようだ。
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 彼等は狼を手懐けて番犬代わりにしようとしていたようだ。私がなにげなく引いた鎖がその檻の扉を開けるものだったせいで、女山賊は狼に噛み殺さた。この山賊たちは自業自得だが、捕まえられ、ろくに食い物も与えられず飢えていた狼は憐れだ。さすがに2人、3人と仕留めるほど強くもなく、傍にいた男に殺されたらしい。  もし生きていても、残念ながら私も飢えた狼にとってはただの獲物だ。私にできることといえば、やはりその死を無駄にしないことくらいである。  幾人かの山賊を退けて洞窟の中を登っていくと、やがて外に出た。  そこに見晴らしの良い展望台のようになっていて、ホワイトランの丘陵地帯が一望できた。晴れていればなかなかの眺望だっただろう。  無論、私にはそれを眺める暇はない。そこにいた山賊のリーダーらしき男は、私を見るなり剣を抜いて襲いかかってきた。  半裸のようだった手下たちとは違い、その男は鋼鉄の鎧に身を固めていた。さすがに弱くはない。  だが、苦戦することもなかった。
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(筆者より:突然のゴア失礼……柵の間際だったためこんなドアップにw)
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 つい刎ね飛ばした首が低い柵の向こうへ落ち、崖を転がり落ちるかと思えば、岩場にとどまってこちらを向いた。苦痛よりも驚きを感じたまま時が止まったかのような表情だ。  テーブルにあった日記を読むかぎり―――マメな山賊だ―――、このあたりを通る旅人や商人を頻繁に襲っていたらしい。しかしドラゴン騒動のせいで衛兵が引き上げてきて、稼ぎにくくなったとボヤいている。  懐が厳しくなると、こういった連中は簡単に仲間割れする。彼等も反乱する者がいて、ある者は出ていき、ある者は殺されたらしい。  私にとっては、数が減っていたのはただ幸いだというだけだ。真っ当に働いて暮らしている者から強奪して生きるような連中に、同情の余地はない。
 崖からそのまま降り��れないこともなさそうだったが、雨とあっては足元も滑りやすい。私は中へと引き返し―――あの盲目の男はどうするべきかと悩んだ。  生まれつきの盲人や、長年そうして生きてきた者であれば、一人になろうとどうとでも生きていくだろう。彼等にはもうそれが「当たり前」だ。だがこの男はどうなのだろうか。仲間の助けがなくては生きられないとしたら、私がこのまま出て行った後、彼はどうする、どうなるのか。  さりとて彼もまた賊の一味なら、あれこれと助けてやる必要もないように思う。  迷った私は、声をかけることにした。それでもし彼が、一人になっては仕方もないから、これからはたとえ物乞いでもして、人様の情けにすがって慎ましく生きていくと言うのであれば、見逃しもしたし、手近な町、ホワイトランかリバーウッドにでも連れて行ってやるのもやぶさかではなかった。  だが結局は、私は一人で洞窟を出た。そういうことだ。  リバーウッドへ向かう曲がりくねった丘の道は、雨ともなるとほとんど見通しがきかない。篠突く雨とは、こういったものをさすのだろうか。
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 そうして村に渡る橋を越えたとき、白い雨の向こうに私は、見慣れないものを見たような気がして馬を止めた。  ほんの僅かに……対岸に見える褐色のあれは、屋根? それともテントだろうか?(注:橋の屋根のすぐ脇に2つ見えてます)
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 なんなのだろうと思って製材所の脇から対岸に向かうと、そこには以前なかった家があった。どうやらこれもまた、現れては消える不思議の一つらしい。  しかも家の前には、こんな雨だというのに女の子が一人、所在無げに腰掛けている。  いったいどうしたのかと尋ねると、家の鍵を犬がおもちゃにし、どこかへ持って行ってしまったという。(注:というミニクエストつきの家mod)  Kobeという名のその犬は、牛のいるところで遊んでくるらしい。探しに行こうとした少女だったが、この雨のせいでどうしようかと迷っているうちに、私が来たようだ。  リバーウッドで牛といえば……製材所の女主であるジャルデュルの家にいなかっただろうか。
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 そう思って彼女の家の前庭に行くと、いつもこのへんをうろついているこの家の飼い犬とは別の一匹が、軒下に座っていた。そしてその足元にきらりと、雨空の僅かな光を弾いて、金色の鍵が落ちていた。  私はそれを手に入れて戻り、少女に渡した。(注:無論 実際には渡せません。そのまま家に入って自分のものにしましょう)  そうして私はリバーウッドに係留した小舟を使い、ようやく我が家へと戻ってきた。
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 降りしきる雨とはいえ、やはり我が家はいい。大きな街の賑わいや人混みよりも、私にはこの小さな小屋が本当に性に合っているようだ。  ……が、やがて思いがけないものを見つけた。
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 い、いつの間に橋がかかったのだろう? 私の家の前、薪割り台のあった小さな中洲に、左右の岸から橋がかかっていたのだ。(mod。今まで使っていた橋modの代わりに、それの他に2つほど複合したものを入れた。SSは中洲から小屋のほうを見てる)  幸い、私が置いた金床や収納箱はそのままだったが……いや、もとからここは私の私有地でもなんでもなく、勝手に使っていただけなのだからいいのだが……こうなっては、ここに私物を置いておくのはよしたほうがいい。  とりあえず、鉱物やインゴットは回収し、いったんどこかへ仕舞っておくしかあるまい。明日はまた収納についてでも考えるとしようか。
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 スカイリムの東をぐるりと回ってきたが、その間に手に入れたニンジンはほんの12本だ。こんなありふれた野菜が、これほど希少だとは思いもしなかった。
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 雑多なものを整理していてふと手に触れたこの奇妙な玉、そういえば、ブリークフォール墓地で見つけて以来ずっとほったらかしだが、これはなんなのだろうか。重いわけでもないし、何故か手放せないのでいつも荷物に入っているが……。  手に入れたとき、なにやらあれこれ頭のなかに語りかけられたが……たしかメリディアと言っていたろうか。メリディアならば、デイドラではあるが、我々にとって特に危険というわけではない。少なくとも、生者にとっては。しかし私の場合はどうなのだろう。デイドラから見れば、私が実際には死んでいるということが分かるのではないか? だとすれば私は、メリディアの忌み嫌うアンデッドなのだから、とてもかのデイドラのところになど行けそうもないし、行きたくもない。  邪魔にはならないが、さてどうしようか……。
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 そんなことを思いつつ、チーズスープと鹿肉のグリル、ノルドハチミツ酒で一息つく。気がつけば22時を回り、いい時間だ。  明日はとりあえず、金床などをこの近くに置けないか考えてみるとしよう。 
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karasuya-hompo · 7 years ago
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Skyrim:ガイコツさんの冒険16.8
(筆者注:この話は、こちらの不動産案内の終盤から続いています。内容としては、ストーリーのつなぎと、ANAで最終的に追加したものの紹介って感じでw)
 ジェインと白髪のエルフ(そういえば名前を聞かず終いだ)と別れた後、私はただ漫然と家の中の椅子に腰掛けて過ごした。なにかを考えていたというほども考えてはおらず、本当にただぼんやりと半日、どころか一日を過ごしたと言っていい。ともすると、初めて吸収したドラゴンソウルとやらのせいかもしれない。  なんとなく眠って起き、そういったことを考えられるようになったのは、翌日の昼頃だった。  私はどうしようかと迷った。  ドラゴンボーンについて調べてみたほうがいいだろうとは思う。しかし、調べる必要はあるのだろうか?  私がかつて何者であったにせよ、今の私は、今の私だ。たとえそれが骸骨の体で動き回っているという異様な状態だったとしても、私自身、思考や感性は人間と変わりない。であればなにも、過去の私がどうであったか、などということに囚われることはないのではないだろうか。  私は急に、自分の過去を知りたくないような心持ちになっていた。それが何故かを考えられるほども頭が働かず、私は半ば現実逃避のように、家の周りを黙々といじって過ごした。
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 人工物を置くと違和感があるのならと、試しに持ってきていた花を家の周りに植えてみた。
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 虫を寄せることもできるというので、蝶が来るようにもしてみた。(注:窓の下には、本来 花がないし、蝶も飛んでいない)
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 そしてふと、我ながら似合わないことをしているような気がして自嘲し、家の中で一服する。(注:サイドテーブルに本と酒瓶。ベッドの端に腰掛けマーカーを置くと、ベッドに座ることもできる。調べる位置でもちろん寝ることも可能なまま)
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 気がつけばもう夕暮れ時で、窓から見た空が鮮やかな色に染まっている。(注:窓枠にろうそく、窓の前のテーブルには手帳型の本と手紙、カップを置いている。しかも手紙はたまたま"サム"からのメモだったw)
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 私はどうすればいいのだろうか。そんな、墓場から目覚めたときにも考えたような、根本的な問いに舞い戻る。  そうだ。こんな異常な有り様は、まさに普通ではない。人間だったときと変わりないように暮らしてはいたが、それでいいのだろうか。私はもっと、何故���き返ったのか、何故スケルトンなのか、それには目的があるのかないのか、真剣に考えなければならないのではないだろうか。  そしてその手がかりの一つは、ドラゴンボーン―――なのかどうかは、正直に言って分からない。  なんにせよ、と私は、呼吸などしていないのに溜め息をつく。考えても始まらないなら、やること、できることで考えるしかない。  私の選択肢は大きく二つだ。  明日からも何事もなく、この近辺を思いつくままに散策し、探訪するか。  それとも、ドラゴンボーンについて調べる、という目的をもって行動するか。  どちらがいいのだろうと考えたとき、心惹かれるのは、無目的なその日暮らしのほうだった。そうして何事もない人間のように、目先のことと少しだけ先のことだけ考えて気楽に過ごせれば、心地好いだろう。  しかしそれではきっと私は、また何日かして「本当にこれでいいのだろうか」と考えるに違いない。  つまり私は、何故か気が進まないものの、ドラゴンボーンについて調べたほうが良いということだ。
 そう決めてしまえば、億劫さは残ったものの、明日の計画を立てるのに苦労はしなかった。  ドラゴンの出現がそう珍しくはなくなった今のスカイリムで、しかもドラゴンボーンというのが一人ではないなら、ジェインのような者が他にもいるはずであるし、その数がそれなりに多いのならば、彼等について知っている者も少なくないはずだ。  それなら調べ物の常道として、手近なところから聞き込みを開始すればいいだろう。リバーウッド、それからホワイトランだ。リバーウッドはともかく、ホワイトランには首長がいる。彼等は領主として、ドラゴンの出現とその被害に無関心ではあるまい。突然訪れて会ってくれるかどうかは分からないが、とりあえず行ってみることはできる。  それなら明日は、少し遅めに起きてリバーウッドで人々の話を聞き、手がかりがないようであればホワイトランで同じことをしてみよう。首長かその側近にでも会えれば、なんらかの緒くらいは得られるように思う。そうすればそこからまた、次の糸を手繰ればいい。
 それにしても私は、過去を知りたいと思っていたはずなのにどうして、いつの間に、それが億劫になってしまったのだろうか。  それともそれは、”ドラゴンボーン”というものにでも関わりがあるのか。だから私は急に知りたくないと感じるようになったのだろうか。  だとすればその過去、あるいはドラゴンボーンというものは、私にとって歓迎できないものなのかもしれない。だから知りたくないと感じるのか。  だとしても、都合よく忘れてしまえる性分でもないようだ。  どこかですっぱりと思い切って、熱心に調べる心境にでもなれればラクなのだが。  そんなことを思いながら私は、だいぶ早いものの床につくことにした。
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