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Lyon

ローマとフランスの合いの子、リヨン。
The church of Saint-Pierre (2006)

リオン近郊、Firminyにあるコルビジェの教会。 教会を家型で表現し、礼拝堂を屋根の中に収める。建物は並木道から続く丘の上に位置し、ぐるっとまわってエントランスへ至る。大きく上層と下層の二層からなり、それぞれ別の機能が対応する。上層は人工の、下層は周囲の丘と一体化したランドスケープでロンシャンよりも積極的に自然が意識されている。

礼拝堂内部では、東側から小さな穴を通して採光する。金属の輪に反射した線のような光は角の無い内壁を繊細に流れる。トップライト2つは南を向き、西に対しては1つのサイドライトをつける。


屋根の側面には雨樋がつけられ、雨が流れる様子をダイナミックに表現する。さらに、そこから光を反射させて礼拝堂内部へ採光をする。大人数のアクセスはブリッジからなされ、礼拝堂とは別のボリュームとして表現される。
光の流れ、水の流れ、大地の流れ、人の流れ、そういった流れにかたちを与える作業のようにも見える。付近には彼設計のスタジアムと文化施設が建つ。



ラトゥーレット修道院 (1957)

森を背後に丘の上に建ち、並木道を抜けて丘の上方からアクセスする。ファサードからも機能別に別の要素が与えられていることがよく分かる。礼拝堂の窓の無いボックス、寝室を含む二重のザラザラした水平線、集会室や食堂のリズミカルな縦線、廊下の水平な点線、廊下の終点を示すコンクリートの飾り。



構成としては中庭型だが、礼拝堂は他のボリュームから分離されている。コの字型のそれぞれの棟から動線が伸びていて、中庭で出会い、礼拝堂へ向かうが天井高さが操作されたアクセス、床の高低差が操作されたアクセス、螺旋階段でのアクセスとそれぞれ別の顔を持つ。


礼拝堂は背が高く、光の少ない箱。だが、付属の礼拝堂は明るく照らされていて、色彩の面に反射させて色をつける。廊下はコンクリートの柱がリズミカルに陰影を作り、窓はヒューマンスケールに分割され、窓ではなくパネルが開く。見えない状態から見える状態への変化で、体験としては劇的。




リオン市街

街は山の麓の旧市街、ローヌとソーヌに挟まれた中洲の中世市街、川の東側の新市街の3つに区分することができ、中洲の先端は振興開発地となっている。山の上には大聖堂と古代の劇場が控え、街を背景とした観劇を楽しむことができる。
ローマの植民都市であったリヨンは、ローマ帝国的な都市的なダイナミックさとフランス的な都市の住みこなし方が重なっているように思える。からっからと乾燥してはいるものの、河川沿いには樹木が植えられてアクティビティーが集まっている。都市の景観は様々に変化し、橋からは斜面に沿って建つ家屋が重層して見えたり、都市の軸線上から不意に山麓の大聖堂が見え隠れする。丘の上にはいくつものテラスや大階段が設けられ、劇場的な効果がもたらされる。




オペラ座 (1993改修)


古代ローマ劇場







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