#X-MENファイナルディシジョン
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SDC映画の部屋「X-MEN III ファイナルディシジョン(2006)」
ジーン・グレイがアルカリ湖の戦いでX-MENの仲間を救うために湖に沈んだ後、彼女の喪失に苦悩するX-MENたち。その頃、ミュータントを「治療」する画期的な治療薬「キュア」が開発され、アメリカ政府は、治療を希望するすべてのミュータントに「キュア」を提供することを発表する。これをミュータント存在の否定と考えたマグニートー率いるブラザーフッドは猛反発し、「キュア」の廃絶を図るため、世界に向けて宣戦布告する… 邦題の「ファイナルディシジョン」は「最終決断」みたいな意味、原題の「The Last Stand」は「最後の防御線」みたいな意味、いずれもこの三部作の「解決編」を謳っているタイトルだが、一作目・二作目とメガホンをとったブライアン・シンガー監督は、あろうことかマーヴェルと対立するDCコミックスの代表選手「スーパーマン」のリブートを監督するために降板。代わりに「ラッシュ・アワー(1998)」などを撮ったブレット・ラトナー監督が抜擢された。ラトナー監督はミュージック・ビデオ出身の若手監督で、前二作のコンセプトを尊重した上で、���手な立ち回りや効果的な絵作りを徹底し、SFアクション巨編としての「X-MEN」三部作フィナーレを見事に完成させた。このため、シンガー監督が通底させていた「差別するもの・差別されるもの」という教条主義が薄まったことは否めない。そのためかどうか分からないが、前作まで物語を牽引してきた影の主役マグニートーは脇へ下がって、本作品では「ダーク・フェニックス」と化したジーン・グレイがスポットライトを浴びている。
もともとグレイは、プロフェッサーに匹敵するテレパス能力とマグニートーに匹敵するテレキネシス能力を持ち、自分の中に潜む強大な力の源を制御しきれずにいたが、マグニートーとプロフェッサーXの協力により邪悪な人格を精神の奥底に眠らせることで「恵まれし子らの学園」へと迎え入れられた経緯がある(本作の冒頭で説明されている)。ほぼフルパワーを得たグレイは狡猾で残忍、そして魅力的なヴィランとして、父親代わりでもある二人を退けたあとはアルカトラズ島で破壊のかぎりを尽くす。その描写はまさに史上最強の超能力者の貫禄に溢れている。まるでリミッターの切れたロード・レオンみたいだ(「超人ロック」のキャラクターね)。その怪物そしてかつて愛した女性に、非力なウルヴァリンがどう立ち向かったのか、は敢えて記さないが、強大なミュータントのあまりに人間的な悲劇に思わず涙腺が緩んでしまったのは私だけではあるまい。 本シリーズでは、それぞれに特色ある能力を持つミュータントの造形も素晴らしいが、それぞれに説明可能な考証を与えているところはSF映画の基本をしっかり押さえている(そこが同じマーヴェルでも「ファンタスティック・フォー」と違うところ)。彼らはそれぞれ、出来ることと出来ないことがあって、それが長所であり短所にもなっている。超能力者でありながら、彼らはいかにも不完全な人間らしいのだ。そんな人間ドラマの掉尾として本作は見事な大団円を示してくれたと思う。
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①『X-MEN:フューチャー&パスト』 ②『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』 ③『LOGAN/ローガン』 ④『X-MEN2』 ⑤『X-MEN』 ⑥『X-MEN:アポカリプス』 ⑦『ウルヴァリン:SAMURAI』 ⑧『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』 ⑨『X-MEN:ダーク・フェニックス』 ⑩『X-MEN ファイナルディシジョン』 https://t.co/MydSWWYe6S minowa_ http://twitter.com/minowa_/status/1150368214083239938
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