#P.L.トラヴァース
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roomofsdc · 3 years ago
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SDC映画の部屋「ウォルト・ディズニーの約束(2014)」
20世紀初頭のオーストラリア、陽光降り注ぎ花が咲き乱れる美しい街を、銀行家のゴフ一家は荷物を抱えて引越しの最中だ。陽気に家族を元気づけ、新しい街での暮らしの希望を語る父親トラヴァース・ゴフ(コリン・ファレル)と娘たちだが、母親のマーガレット(ルース・ウィルソン)の顔色は浮かない。長女のヘレンと妹たちは父親のお伽噺に目を輝かせている。時代は変わってロンドンに暮らすヘレン。いまは小説家パメラ・L・トラヴァースとして生計を立てているが、最初のベストセラー以来ヒットにめぐまれず経済的に行き詰まった彼女は、エージェントから提示されている自作の映画化に踏み切らざるを得なくなる。愛する作品の行く末を心配するトラヴァースは、映画会社に対して自分が製作の監修に携わることを条件にし、結果として彼女は渋々ロサンジェルスに赴くことになるが… ディズニーの名作ミュージカル映画「メリー・ポピンズ(1964)」の誕生秘話を、原作「メアリー・ポピンズ」を書いたP・L・トラヴァースを主人公として描いた伝記映画。公開当時はキャロル・ルイスやジェイムズ・M・バリーなどイギリスの作家を主人公とした伝記映画がブームになっていたが、本作品の原案は10年以上塩漬けにされていたドキュメンタリーにあるらしい。トラヴァースの伝記というよりは、映画「メリー・ポピンズ」を主たる題材に選ぶ以上、ディズニーの版権を得なければならないことが最大のネックだったようだ。当初、主役のキャスティングにはメリル・ストリープが考えられていたそうだが頓挫、結果としてエマ・トンプソンがイギリス人らしい小説家を見事に演じきっている。かたやウォルト・ディズニー役には最初からトム・ハンクスが決まっていたそうで、(あまり好きな俳優ではないが)まさにウォルトだったらこういう振る舞いをしただろう、という程の適役となっており、安心して鑑賞することができる。また主役をとりまく助演陣、トラヴァースのロサンジェルスでの専属運転手を演じたポール・ジアマッティ、ロバート・シャーマンを演じたB・J・ノヴァクらも、トラヴァースに振り回されながらも彼女に敬愛の念を隠さない魅力的な役柄を好演。ほんの一瞬だがジュリー・アンドリュースやディック・ヴァン・ダイクのそっくりさんも登場して、ファン心理をくすぐられる。 一応、ディズニーの全面協力によって制作された映画ではあるが、あちこちにディズニーへの皮肉が散りばめられているのは心地よい。なかでも、ハリウッドのホテルに投宿するトラヴァースを迎えるのは部屋いっぱいに飾られたディズニーアニメのぬいぐるみたち。ベッドの上に鎮座するプーさんの大きなぬいぐるみを見ながらトラヴァースは「Oh、 poor、 poor、 Milne...」と嘆息しすべてのぬいぐるみをクローゼットに押し込むシーンはお気に入りだ(ちなみにミルンが「Winnie the Pooh」の映像化をディズニーに許諾したのは、1961年とのこと)。 日差しが眩しいくらいに明るいオーストラリア、それはトラヴァース自身の純粋に幸せだった時代であると同時に父親を病で喪ったトラウマに満ちた時代の象徴でもある。暗くじめじめしたロンドンの風景から、ロサンジェルスの太陽が目映い風景、そして再び暗いロンドンの風景への転換は、彼女の心理状態を如実に象徴している。その中で最後に彼女が下す選択は(史実上明白とはいえ)切なくて、そして暖かく心に響いてくる。本作品の原題は「Saving Mr Banks」で、映画=バンクス氏(「メリー・ポピンズ」で一家の父親である銀行員の役名)を救い、かつて娘が救い得なかった父親をもう一度救おうとする暗喩になっている。これを「ウォルト・ディズニーの約束」としちゃうあたりは如何なものかと思うのだけれど、ラスト近くでオリジナル映画でバンクス氏がひとり公園を歩く後ろ姿が引用されるのだが、このシーンを観て無性に「メリー・ポピンズ」を見直したくなった。実際、その翌年に名画祭で上映された「メリー・ポピンズ」を観て、このシーンで落涙してしまったことからも、ディズニーの巧妙な戦略だったのか���と深読みをしている(そんな訳はない)。
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honyade · 6 years ago
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(2月26日まで開催中)安野光雅 「あ!絵本?」シリーズ(朝日出版社)世界の少年少女文学装画・挿絵展
期日: 2019年1月18日(金)~ 2019年2月26日(火)まで 時間: 10時〜20時 場所: 教文館6階ナルニアホール 主催: 教文館 ナルニア国
※イベント開催のため展示をご覧いただけない時間がございます。 詳しくはお問い合わせください。
2019年最初のフェアは児童文学の古典的名作を新たによみがえらせた安野光雅さんの挿絵作品をお楽しみいただきます。ローラ・インガルス・ワイルダーの「大きな森の小さな家」を、安野さん自身が翻訳まで手がけられた『小さな家のローラ』、モンゴメリの傑作『赤毛のアン』(岸田衿子・訳)、詩人・谷川俊太郎さんの名訳でよみがえったジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』。そして新年に刊行されるP.L.トラヴァースの『メアリ・ポピンズ』(岸田衿子・訳)――物語に新たな魅力がプラスされた安野版古典名作シリーズの展覧会です。 協力:朝日出版社
【ナルニアホールの展示】 『小さな家のローラ』 『赤毛のアン』 『あしながおじさん』 『メアリ・ポピンズ』より
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bamfas · 6 years ago
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ディズニーが贈る極上のミュージカル映画!『メリー・ポピンズ リターンズ』MovieNEX、6/5(水)発売&デジタル配信開始!
ディズニーが贈る極上のミュージカル映画 わたしにできないことはない。魔法で最高のハッピーを
『メリー・ポピンズ』製作55周年!前作とのセットも発売!!
 製作55周年を迎えたディズニーの名作『メリー・ポピンズ』の20年後を描いた続編『メリー・ポピンズ リターンズ』を、6月5日(水)にMovieNEXで発売、デジタル配信を開始いたします。さらに、4K UHD MovieNEX、そして、パッケージに特別なアートを使用した、前作『メリー・ポピンズ』とのセット商品『メリー・ポピンズ:2ムービー・コレクション(数量限定)』も発売、ブルーレイとDVDのレンタルも開始いたします!
 『メリー・ポピンズ』は、ウォルト・ディズニーがP.L.トラヴァースの小説「メアリー・ポピンズ」のそのキャラクターに惚れ込み、同作を基に映画化し1964年に劇場公開しました。実写とアニメーションが織り交ぜられた革新的な映…
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