[コラム]音ゲー曲を作りたい音ゲーマーに告げる、”音ゲー曲”を作るな!
※今回の記事は、初めて曲を作ってみたいという方よりも、
「なんとなく曲は作れるようになったけどどうすればレベルアップするか分からない」という人や、「もっと色んな人に自分の楽曲に注目してほしい」と思っている人向けだと思います。 わからない単語はググるといいでしょう。
[1章] 音ゲー曲を作りたい音ゲーマーに告げる、音ゲー曲を作ろうとするな!
……いきなり何言ってるんですかね、この人は。
ってみなさんお思いでしょうが、一言でいうと
「まずは既存ジャンルを作れ」という話です。すなわち、今回の話の肝は
「曲を作るうえでのプロセス」
にあります。もちろんどのように曲を作るのも自由なのですが、音ゲー曲を作るためにはじめから音ゲー曲を目指すといろいろな場所で落とし穴があります。ではまず、どのような落とし穴があるかを見ていきましょう。
音ゲーに必要な要素と、曲の構成上必要な要素は結構異なる
当たり前ですが音ゲーは曲のリズムに合わせてタイミングよく���ーないし入力デバイスを操作することでゲームとして成り立っています。具体的にはメロディを構成する音色・リズム隊・ベースあたりが重要視されるでしょう。
確かに最低限それらがあれば曲として成り立つのですが、一般的に親しまれている各ジャンルの構成には必要なものが抜け落ちている可能性があります。それはオケであったり、リフであったり、ハモりであったり、グルーヴであったり様々なので、中々「これが抜けがち」と言語化しにくい問題です。
その解決方法としては、「ジャンルを最初から決めてそのジャンルについて数曲聴き込み、共通項を見つける」ことが考えられます。その共通項を自分の楽曲を組み込めるようにしましょう。音ゲーとして拾う音よりも、そういったジャンルごとの共通項のほうが大事だったりします。マジで。
最初から音ゲー曲を作るより既存ジャンルの楽曲を音ゲーに寄せるほうが楽
おそらく作曲の一番最初はメロディ、コードもしくはリズムのいずれかを骨組みとして決めることですが、その骨組みに対して肉付けする作業はある程度自身の中で標準化しておくべきです。メロディ最初の人はそのメロディに合うコードおよびノリを作るし、コード進行最初の人は次にメロディを作るでしょう。
そういった
「骨組みの決定」→「肉付けの作業」の方法を自身の中で決めておいて、
かつ「既存のジャンルを参考にする」ことを決めておけば、理論上はどのジャンルでも作曲できます。
(ほんまか?)
音ゲーに必要な要素(音数の追加・アドリブや難所といった”おかず”の追加)はその後でいくらでもどうにかなります。
ジャンルに必要な要素の構成と音ゲーに必要な要素の構成を同時に練り上げるのは最初のうちは無謀です。
一般的な作曲は「アレンジ」→「ミックス」(→「リハモ」)→「マスタリング」ですが、音ゲー曲を作る際のプロセスとしては
「骨組みの決定」→「アレンジ(肉付け)」→「構成の決定」→「アレンジ(おかずや音ゲー要素の追加)」→「ミックス」(→「リハモ(ここでも音ゲー要素の追加)」)→「マスタリング」
という流れになるでしょう。 最初の肉付けアレンジの時点で音ゲー要素をモリモリ組み込むのは楽しいですが、反面曲全体としての崩壊が懸念されます。
いずれにしても、曲全体としての構成はある程度はじめに考えておきましょう。一般的なAメロ・Bメロなどのモチーフは8小節・16小節ですが、それを半分で構成するなどが考えられます。
「自分の曲は既存のジャンルに当てはまらないんだ」という謎の言い訳
記事の趣旨とはそれるので詳しくは割愛しますが、「自分は音ゲーとしてのオリジナリティを重視している」という謎の理由で既存ジャンルを参考にしないことがよくあると思います。当人の自由だし否定することが目的でもないのですが、そもそも論として「4分の4拍子」だったり「メロ+ドラム+ベース」の構成だったり「Aメロ+Bメロ+サビ」の構成だったりする時点で、もはやその楽曲は広義の任意ジャンルに当てはめられるものでしょう。ジャンルは「人が心地よい・良いと感じる要素の抽出と再構築」からなっているので、せっかくのその型を使わない手はないでしょう。いわゆる”オリジナリティ”を推すのは既存ジャンルを追求したあとでも遅くないでしょう。
根本的なレベルアップ方法としては、耳コピを推奨します。
耳コピをすることでより自分の好きなジャンル・作りたいジャンルへの理解度が高まることでしょう。
長々と書きましたが、結局言いたいのは「音ゲー曲を音ゲー曲たらしめる要素ばかり追求してても良い音ゲー曲は作れないよ」ということです。「ニンニクとヤサイとアブラをマシマシしたガツンとしたラーメンを自作しようとして、スープの煮込みが適当だったら何も美味しくないラーメンができるぞ」とか、そういったところです。
[2章]構成を大事にしよう
楽曲のアレンジ・ミックスの際、構成をしっかり作り上げることはすごく大事です。
音ゲー曲を作ろうとする初心者~中級者にありがちなことですが、何かしらの構成が抜けていることで楽曲が惜しいことになることが多いです。ここで指摘する構成とは以下の2点です
展開の構成
各音域の構成
展開の構成
唐突な話ですが、人間は不規則な音を雑音と感じます。(工事現場・他人の話し声など) 一方で、規則的すぎる音もまた好みません。(時計の針の音や換気扇の音など) 人間にとって心地良い音は、「規則性の中に一部”不規則”が混じった音」です。(シンコペーションとして知られます。) この不規則性、もしくは飛び道具には様々な種類があり、短期的には「金物のアクセント、ビブラートやモジュレーション」だったり、中期的には「ビートの変化や、フィルインや、セカンダリードミナントを始めとする借用和音や、対位法を基調した棲み分けとハモり」だっり、長期的には「ビルドアップからのドロップといったパート構成や、転調」だったりします。
各構成変化の細かい話はそういった他の方の記事に任せるとして、展開がずっと同じだとどうしても曲全体としてみたときに平坦な印象を受けてしまいます。一例にはなりますが、以下のような点で展開を面白くできないか試してみましょう。
前半と後半でリズムをちょっと変えられないか?
金物でリズムにアクセントを加えられないか?
聴かせたいメロにアーティキュレーション・エクスプレッションをかけることで存在感を高められないか?
聴かせたいメロを強調するために削られる音・パートはないか?
ハモりを工夫することでよりメロを際立たせられないか?(一般的な3度だけでなく、場所によってはシンプルな5度を使ったり、エスニックさが強調される4度を使ったり。)
盛り上がらせたい箇所をより際立たせるために削られるモチーフはないか?
コード進行に変化をつけることで意外性を追加できないか?
パッドやオケなどにグリッチを加えてリズム感を強調できないか?
PAN振り・リバーブ等で空間的な広がり・メリハリをもたせられないか?(一部パートではあえてCLOSEにするなど)
音ゲーとしての深さ・作り込みを意識しすぎて、曲の一部における静寂さ、シンプルさが犠牲になっていないか?(作り込みの深さとキャッチーさはそこまで関連してない。)
あとは自分で好きな楽曲を聴き込んで、どういう展開により不規則性をもたせているか研究してみましょう!
各音域の構成
前章の「既存ジャンルに基づいた肉付けを行う」、前節の「展開の構成を構築する」ことと並行での話 (特に最初段階のアレンジ時点) になりますが、各音域の役割には十分注意しておいたほうが良いでしょう。
以下、私の楽曲における構築例です。
40~60Hz キックの芯(何も考えずにとりあえず45Hzあたりをエンハウンスさせで芯を太くする。最初から808Kickのようなシンプルな波形を軸にするのもアリ。)
40~60Hz サブベースの芯(KICKとのピークを分ける(HardStyleキックならちゃんとKICKをルートに合わせる!)、サイドチェインをかけるなどしてぶつからないようにする。ベースミュージックのルートにF~A(~Ab)が使われがちなのは周波数的にちゃんと意味がある)
60~120Hz ベースのメイン帯域
100~400Hz タムなどのパーカッション、ブラス系音色、コントラバス・チェロ系、低音パッドなど(初心者はここがスカスカになりがち)
400~800Hz メロディの基音(メロに指定したシンセの音がなんか浮いているなあと言うときはこの辺の帯域で十分鳴っていない。ピアノロールをそのまま1oct下げるか、他の音色を試してみよう。)
600~1.5Hz メロディの倍音(いわゆる”艶”)、打楽器、中音パッド、弦楽器など(この帯域はごちゃごちゃしがち。EQでごっそり削る選択肢も視野にいれる。)
1~3kHz 高音パッド、弦楽器、打楽器の空気部分など (このあたりはラウ���ネスの都合上人間の耳がうるさいと感じやすいため注意。とくにグロッケン・ベル音といったキンキンし得る音色はボリュームを間違えると悲惨なことになる。 ダイナミクスを失わない程度にコンプをかけるか、そもそも主音として聴かせない。)
4~10kHz 高音パッド、金物、様々な楽曲の倍音、シンセ(ここもごちゃごちゃしやすい。特にシンセの音で他の音色が潰されやすい。バンドコンプやサイドチェインによる処理をすると丁寧。)
10kHz~ 個人的には成り行き。(もちろんマスタリング前のミックス段階で大きくなっていないように注視するが、ここを調整するというよりは、他の帯域に注意してミックスしていれば自然といい感じに収まるはず。(ここが混雑であれば金物の使用方法、リバーブの使用方法などに問題がある可能性。))
初心者にありがちなこととして、ドラム・ベース・メロ・金物ではどうしても充填できない200~500Hzがスカスカになりがちだったりします。
根本的なレベルアップ方法としては、耳コピを推奨します。
耳コピはメロディ・コードを紐解くための相対音感を鍛える効果が絶大ですが、それだけではなく「耳コピして各パートを再現したけどなんか自分の方はスカスカだな。何が足りないんだろう?」といったように、構成面でも役に立つでしょう。
以上長くはなりましたが、自身の楽曲をレベルアップさせるうえでのヒントになれば幸いです。みんなで曲を作ってハッピーになりましょう。
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Wow, we lost a legend in the industry. The creator of @roland_us and ultimately the man behind every rap record that used the #808kick in their shit! RIP
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