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#7月はまたまたちぷねぇちゃんに高知連れてってもらいます
kinemekoudon · 2 years
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【8話】 弁護士に言われたとおり取調べで黙秘してみたときのレポ・前編 【大麻取り締まられレポ】
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前回のあらすじ 僕とプッシャーと友人の3人で、共謀の上に大麻を所持した容疑で捕まった僕は、接見で当番弁護士に「50パーの確率で不起訴を狙える」と言われていた。
僕は「どういう理屈で50パーなんでしょうか?」と弁護士に尋ねると、弁護士は「共謀の罪での逮捕は、他の方が自白してしまうケースが多いんです」と答える。
僕は「一緒に捕まった2人は自白しないと思うので、大丈夫だと思います」などと言うと、弁護士は「ところが、いざ捕まってみると喋っちゃうんですよ、これが。そういうケースを何件も見てきましたから」と恐ろしいことを言うので、僕は少し勘ぐって黙りこくる。
弁護士は続けて「むしろ、ほとんどの人が喋っちゃいます。黙秘を続けられる人はサイコパスみたいなひとしかいませんね」と笑いながら言う。僕が「まぁ…2人はサイコパスっぽい感じはあります」と応えると、弁護士は「そうですか。いずれにせよ、不起訴を狙うのであれば、現段階では2人を信用するしかないですからね」と身も蓋もないことを言う。
しかし弁護士は、僕が気落ちしているのを見てか「まあ、売人の車で大麻が見つかっていて、持ち主が判明していないという状況ですから、このままいけば、犯行の主体を立証できず、証拠不十分のために不起訴となる可能性は高いでしょう」などと僕に期待を持たせてくれた。
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それから1時間ほど、弁護士に今後の対策について色々と教えて貰った。ただ、僕がやるべきことは、黙秘と署名押印拒否ということであった。不起訴を狙うにあたって、黙秘は自分の利益にはならないが、不利益にもならない。また、調書の署名押印を拒否すれば、調書を証拠資料として使用することを防ぐことができるのである。
また弁護士は、国選弁護人として就いてくれることになり、僕が黙秘を続けるメンタルを保てるよう、頻繁に接見に来てくれると言うので、とても心強い味方がついてくれたと思った。
※このときに弁護士に貰った「取調べをウケる心がまえ」というプリントがよく出来ていたので、pdfのURLを貼っておきます。
接見を終えると、消灯・就寝時間の21時が過ぎ、22時をまわっていた。場内は暗くなっていたが、監視のため蛍光灯がついており、居室内も天井の蛍光灯3本中1本だけ明かりがついていた。
居室に戻ると、留置官が「今日は5番の布団敷いといたから。あと寝る前の薬あるから、このコップに水入れてきて」などと言うので、僕は洗面で水を入れ、鉄格子の前に行く。留置官は配膳口を開き、僕に手を出すように言って、薬の包装シートのプラスチック部分を押して、中の薬でアルミ部分を破り、僕の手の上に直接薬を落とす。
僕はマイスリーとデパスを飲むのは久しぶりだったので、少しわくわくしていた。僕は薬を水で流し込み、コップを留置官に返すと、布団の中に入り込む。布団は非常に粗末なもので、敷き布団はこれぞ煎餅布団といった具合に入れ綿の少ない薄く固い布団で、掛け布団は薄い割に重く、ちりちりしていて触り心地の悪い毛布であった。
寝具は粗末、天井の蛍光灯は眩しい、加えて隣室からはいびきが聞こえるので、この環境で寝るのは、睡眠に神経質な僕には難しいことであったが、こんなこともあろうかと、あらかじめ睡眠薬をゲットしておいたのである。
薬を飲んでから、1分ほどでデパスが効いてきて、強ばった筋肉が弛緩し、あらゆる不安が和らいでくるので、(今日は本当に長い一日だったけど、未体験のことばかりで結構おもしろかったな…)などと天井を見つめながら前向きな回想をしていた。
さらに10分ほど経つとマイスリーが効いてきて、眠たくなってくると同時に、思考が少し加速し、個人的におもしろい発想が連続して生成されているように感じるので、結構楽しい。そうして自分の思考にニヤけたり感心したりしていると、次第に意識が遠のき、いつの間にか眠っていた。
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――逮捕から2日目。朝、起床時間とされる6時30分の10分前に目が覚めた。6時30分になると、消えていた蛍光灯が点灯するとともに、留置官が「起床―!」と大声を出して、まだ眠っている収容者を起こす。
布団を畳み、右隣の居���のベトナム人と入れ違いで布団置き場に布団を置いてから居室に戻ると、配膳口にブラシと雑巾の入った桶が置かれており、トイレと洗面を掃除するように指示をされた。
トイレと洗面はステンレス製で、水垢や尿石もなく清潔であったが、パフォーマンスとして掃除をし、ブラシと雑巾を桶に入れて配膳口に戻した。留置官がその桶を回収すると、今度は扉を開けて掃除機を渡し、床を掃除するように指示をしてきた。床は誰かの抜け毛が多く落ちていたので、割と丁寧に掃除機をかけておいた。
掃除機をかけている間、留置官が配膳口にタオルと石鹸、コップに歯ブラシと歯磨き粉を置いていたので、僕は掃除機を留置官に返してから、洗面で歯を磨き、顔を洗った。
タオルなどを抱え、鉄格子の前で待機していると、昨日左隣の居室でいびきをかきながら寝ていた、ガタイがよく目がギョロリとした50代くらいのヒゲの男が、ロッカーに向かう際にこちらを見てきた。
ギョロ目の男は僕と目が合うと、30度くらい頭を下げて「こんにちは!」と大声で挨拶してきたので、僕は少し萎縮して「あ、ちわ…」とぼそぼそした声で挨拶を返しておいた。ギョロ目の男は続いて、僕の右隣の居室にいるベトナム人にもかしこまって大声で挨拶をしていた。
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↑ギョロ目の男は清原を老けさせてもう少し色白にさせた感じ
ロッカーにタオル等をしまい、自分の居室に戻ると、すぐに朝食の支度が始まった。今回の朝食は、コンビニ弁当のようなプラスチック製の容器の中に、白米、きゅうりの漬物少々、マカロニサラダ少々、千切りされたたくあん少々に、メインのおかずとして野菜の入った薄く丸い形をした小さい天ぷら1つが入っている質素なものであった。
朝食を終えると、時刻は7時15分だった。本を読めるのは8時かららしく、仕方がないので文字通りゴロゴロしていると、「点呼開始―ッ!」という爆音が留置場内に響き渡った。
点呼の合図からすぐに、遠くの方で「第6号室!27番!」という大きなかけ声の後、「ハイ!」という収容者の声が聞こえ、「以上1名!」という大声の後、4人の留置官が「「「「おはようございます!」」」」と大声で挨拶をし、隣の居室へ移っていく。
それから、留置官らは僕の居室の前に立ち、「第2号室!5番!」と大声を出すので、僕は寝っ転がりながら「あい」と応えると、居室の後ろの小窓の前に立っていた暗い色のレンズの眼鏡をかけたヤクザ風の留置官が「座れぇ!!」と大声で怒鳴ってくる。
僕はまぬけ面で「はい?」と言ってみると、ヤクザ風の留置官は「座れ!座って返事しろ!」と大声で指図してくるので、僕は仕方なしに上体を起こし、「はーい」と間の抜けた返事をする。
しかし留置官からのリアクションはなく、3秒ほど無音の空間になる。僕は少し戸惑った感じで「はい…」と言い直すと、留置官は「以上1名!」「「「「おはようございます!」」」」と大声を出し、次の居室へ移っていく。僕は彼らを人間らしくふるまっているNPCだと思う。
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7時30分になり、“運動”の時間になる。この運動の時間とは、留置場の敷地内にある屋根のない狭い��所に出られるというだけの時間である。また運動場では、貸し出しの爪切りや電動ひげ剃りを借りることもできる。
僕はなんとなく日差しを浴びたかったので、運動場で伸びをしていると、隣の居室にいる若いベトナム人が「何で捕まりましたか?」と急に話しかけてきた。僕は「ああ。大麻持ってたのが見つかったんだよね」と応えると、ベトナム人は「ハハ。日本人はだいたいドラッグです。若い人は大麻ですね」と言う。
僕は「そうなんだ。よく知ってるね。ここに来て結構経つの?」と聞くと、ベトナム人は「6ヶ月います」と言うので、僕は驚いて「何をしたらそんなに拘留されるの?」と聞くと、ベトナム人は「ビザが切れて不法滞在で捕まりましたが、コロナのせいで入管は人がいっぱいですから、入管が空くまでここで待機させられています」と言う。
僕は「へえ。それは不憫だなあ。辛くない?」と聞くと、ベトナム人は「もう辛くないです。ここに来て日本語が少し上手くなりました」と言う。話を聞くと、ベトナム人はこれを機に、留置場内で積極的に日本人と喋り、日本語を上達させようとしていたらしい。立派だ。
また、運動の時間が終わる寸前に、左隣の居室にいるギョロ目のじじいとも少しだけ会話をした。ギョロ目のじじいは、僕とベトナム人の会話を聞いていたようで、「おう、5番は大麻か。おれは覚醒剤だよ。よろしく」と言いながら、僕と握手をして去って行った。
つづく
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
#フィクション#エッセイ#大麻#大麻取り締まられレポ
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iafshop · 1 year
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いのち、ばんざい。
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いのち、ばんざい。
作家名:和田聡文 会期:2023年7月27日(木)~8月20日(日) 時間:16:00-22:00 休廊日:7月31日(月)、8月7日(月)、12日(土)~16日(水) 料金:入場無料 場所:IAF SHOP* 福岡市中央区薬院3-7-19 2F TEL:090-5475-5326(佐藤) http://iafshop.tumblr.com/
=================== 本展に関する4つの動画がyoutubeにて公開されています。
いのち、ばんざい。 https://www.youtube.com/watch?v=A6Nv8syTENs
プランクトンダンス https://www.youtube.com/watch?v=ZyDdtBkHNnk
よるのかんだた うっすらと排除される「おっさん」という属性について https://www.youtube.com/watch?v=V5GnpN0LLtU
louper digger looper https://www.youtube.com/watch?v=lFFif7LwFtw ===================
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色々、五月蠅いね。
だけど、あたしは、
ポリネシアの血族。海に浮かぶ島々の者。
8人産んでも2子しか生きて残せなかった祖霊の末の子。
だけど、あたしは、
一度は魔法使いになり、
高校卒業13年目にして、
やっとこさ同級生の妻と再会し、
今は青年の一人の息子の親になった、
「うっすら嫌われる中高年のおっさん」。
だからこそ、あたしはブリジット・バルドーの側に立つよ。
あたしは、どうせ「色々分かっていないおっさん」だから、
おっさん臭いことしか思い付かないし。
ならば、いっそ、「おっさん臭さ」を引き受けて、
すごくベタに「天」と「人」と「地」のお話しをする。
「いのち、ばんざい。」
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■ 天(伴天連さんの話):
「挑戦」って言葉を知ってるかい?
この島国と伴天連(バテレン)の話だよ。
最初の「挑戦」は戦国時代。「第一次挑戦」ってやつさ。
大海原を渡ってやって来たんだ。揉み手、摺り足、赤ら顔で。
でも、銃器の販売やら、人身売買やら、
伴天連同士のもめ事やら、色々あって、
お前ら、帰れって、叩き返しちゃった。
次の「挑戦」は幕末から維新。「第二次挑戦」ってやつさ。
真っ黒い船に乗って、煙モクモク、やって来たんだ。
漢字やめれ、アップデートしろ、神社、仏像打ち壊せとか、
色々やり過ぎて、嫌われて。案外、不人気。
パァとはしなかったね。
「俺らも案外とすげえ」とか逆に調子に乗られちゃうし。
近々の「挑戦」は大戦直後。「第三次挑戦」ってやつさ。
美しい、大きな銀色の飛行機でやって来た彼は、
コーンパイプをぷかぷか。
欧米様にはかなわねぇ。マッカーサー格好良いとか。
伴天連さん達、大チャンス。
天皇さんに聖書の講義したり、農業国に変えちゃうぞ、とか、
亜米利加さん、大盛り上がり。
でも、まあ、隣の半島やら、東の側やら、
ゴタゴタ、ピカピカ、どかんどかんで、
余裕無くなって、締め付け中途半端。
で、この島国のアップデート人口は1%程度。
しょぼいかぎり。
で、今。
「次にファシズムがやってくるとき、
 彼らは、「反ファシズム」を掲げてやってくるだろう。」
と、「ディミトロフなんとか」が言ったとか何とか言うけど、
四回目の「挑戦」は、どんな顔をして来るのかな?
もう来てるのかしらん?
「ソドムの街を火と硫黄で焼き払う」の、逆で来るのかな?
「産めよ、増えよ、地に満ちよ。」の、逆で来るのかな?
「天父神」、「長兄たる救世主」の、逆で来るのかな?
虹の橋を渡って来るのかな?「第四次挑戦」ってやつが。
ブロガー納言と、レディコミ式部と、
元祖バ美肉おじさん紀貫之と、古典BL信玄公と、
カルーセルと、明宏と、ピーターと、
おすぎとピーコと、デラックスと、マングローブと、
天宇受賣命と、阿国と、弥次喜多と、
全裸監督、村西とおると、
エロ屋/小説家/ニュースアンカー、紗倉まなと、
オスカルと、ジルベールと、
バンコランとひばりくんのこの島に。
また、来るのかな?
生まれて、まぐわって、子らにつなげる
我らの原罪を問うために。
でも、また来ても言い返すよ。あたしは。
あたしは、人間だし、生きてるし、おっさんだから。
「いのち、ばんざい。」
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■ 人(カンダタさんの話):
「カンダタ」のお話って、知ってる?
お馬ぱかぱか、愛馬の「カンタカ」君じゃないよ。
芥川龍之介くん初めての児童文学
「蜘蛛の糸」のあいつだよ。
地獄と極楽の間で宙ぶらりんのお友達。
でもさあ、この話、なんか変。
違和感マシマシ。
この話の「釈迦さん」、なんか上から目線。
切羽詰まって、焦って、失敗しちゃったカンダタさんに対し、
「浅ましい」とか「ヤレヤレ愚民は。。。」感、丸出し。
しょうがないじゃん。カンダタさんは。
生まれからして元々余裕なんかないんだし。
「糸切れちゃう!登ってこないでー!」とか、
そりゃー、言いたくなるよ。安全問題だし。
なのに、何、その、ちょっと一本釣りうまく行かなかったら、
飽きちゃって、テキトーに放り出しちゃう、投げやり感。
お腹空かせた虎さんに、我が身ぽーんと投げ出す、
釈迦牟尼本来のキャラじゃないよね。。。
大体、自分は涼しい顔して、快適な場所に居て、
面白そうな奴だけ、一本釣りとか、
衆生を救おうって気概が無いよね。
福祉事業をなめてんの?
現場に飛び込んで行って、問題解決せんのかーい!
我が身ポーンと行かんかーい!!
大体、カンダタ以外の奴らはみんな、
亡者、すなわち、アウトオブ眼中。
目覚めて、アップデートした奴にだけ、
極楽から「救済」の手を差しのべるとか、
キリスト教終末論の「携挙(けいきょ)」かよ。
救ってやるのは伴天連だけで、
ハルマゲドンで亡者/異教徒は一掃かよ。
「選民思想」臭え。
手に似合わない「水掻き」なんかを付けてでも、
なんとかして、なんとかして、漏らさず衆生を救おうってな、
大乗レスキュー「阿弥陀如来」の気概はどこ行った?
で、さあ。
このへんちくりんな違和感の話を妻にしたら、
理系にして日本文学オタクの我が妻も、
「あたしもヘンだと思ってた」とのこと。
でね。。。調べてみたの。ちょっとググって、wikiにて。
そしたらさぁー。パクリだって。
ドイツ生まれアメリカ籍の作家ポール・ケーラスの著作
『カルマ』収録の「The Spider-Web」が元ネタだって。
タイトルまんまじゃん。。。。しかも、この『カルマ』、
「本場モンの仏教説話を紹介」ってな本なんだけど、
「The Spider-Web」については「創作」だって。
本物に創作混ぜ混ぜ、仏教説話の捏造じゃん。
パクリとか知らんかったわー。龍之介やらかすなー。
バチモンの仏教説話とか知らんかったわー。
ポール、やらかしおったなー。
そりゃー。「ヘン」だわな。釈迦のキャラじゃないわなー。
仏じゃないじゃん。偽仏じゃん。仏罰モンだわー。
「自分ばかり地獄からぬけ出そうとするとか、
 無慈悲だわー。浅間しいわー。」とか、
「蓮の華の何とも云えない好い匂い」の
爽やかな極楽の風に吹かれて、のほほんしてる
偽仏のてめぇこそ、文句言える立場??
「どうでも良いわー。平等に地獄に落ちればー。」
とか、なにその「タワマン文学」。
「瞑想」じゃなくて、「マインドフルネス」、
「ヨガ」じゃなくて、「ピラティス」とか、
言い出すんじゃないの?
あらまー!「カッコイイ消費者」ですことっ!!
「丁寧な暮らし」ねっっ!!!
美しい、大きな銀色の摩天楼から見下ろしてる
虚業の小金持ちみたい。
カンダタ君もさあ、
タワマン野郎に「いいね!」とか声かけられて、
「一歩抜け出すチャンス!!」とか
調子に乗るの止めようよ。。
良いことないって。。
あいつらさあ、ペットか番犬探しているだけだから。
カワイソウな順か、カワイイ順に声掛けてるだけだから。
カワイソウな奴に餌やると「徳」を積めるし。
「徳」=「信用」=「クレジット」=「通貨」だから、
儲かんのよ。「カワイソウなペット」を飼うと。
大体、地獄って、年季を勤め上げると、
生前よりちょっとは良いステージに行けるし、
学校みたいなもんじゃん。
周りにいる奴らもカンダタ君と似たようなもんで、
みんな生前、色々苦労してるし、
タワマン野郎よりずっと共感できるじゃん。
鬼だって学校の先生みたいなもんで、
死なないように注意して、君を鍛えてくれてるだけで、
ちゃんと良く見てくれてんじゃん、君のこと。
ウエメセのタワマン野郎よりずっと。
ヘンな上昇志向に捕らわれて、痛い目見るより、
実直に自分の手で、地に足付いたコトをしようよ。
そうだ。友達を作りなよ。愛する人を作りな。
出来たら家族になって、子供を育てなよ。
老いて子供がもう無理なら、若い者を応援しなよ。
虚業で浮いてるタワマンの偽仏よりずっと良いよ。
地に足を付けて生きるってことだよ。
だから、「ぢごく」で結構。大「地」の「極」み。
だから、おっちゃんは叫ぶよ。
「いのち、ばんざい。」
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■ 地(生き物の話):
やあ、こんにちわ。僕らの名前は「オピストコンタ」。
「尻尾が後ろ」って意味だよ。
人間の精子みたいな形なんだ。
キノコとか、ツボカビとかの菌類と、
人間とか、魚やミミズ、トンボなんかの多細胞の動物を
ザックリ含んだフレンズさ。
襟鞭毛虫なんかのちっこい奴らも僕らの仲間さ。
世の中、僕ら「オピストコンタ」だけじゃなくって、
色んなフレンズがいるよ。
土の中にも、蓮のお池の中にも、地べたの上にも。
「真核生物」に限っても色々いるよ。
「オピストコンタ」の兄弟分「アメーバ動物」
草花や樹木とかを含むフレンズの「アーケプラスチダ」
昆布とか珪藻とかのフレンズの「ストラメノパイル」
ゾウリムシとかのお友達「アルベオラータ」
有孔虫、放散虫のフレンズ「リザリア」
ミドリムシとか光合成する奴もいる「エクスカバータ」
「クリプト植物」とか「ハプト植物」とか「太陽虫」
「真核」じゃなくて、「原核」だけど、細菌も色々。
シアノバクテリア(藍藻)とかを含むフレンズ。
美しい、大きな銀色の鏡胴を持つ顕微鏡で、
小さな水滴に閉じ込められた彼らを、上から覗き込むと、
色んなフレンズが、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、してて、
本当に、本当に、面白いよ。例えば、
放置しちゃった植木鉢の雑草の中。
劣化したプランターの壁面。
ジメジメ湿った苔の上。
蓮のお池の水の中。
只の水溜まり。
蟻の行列。
蝸牛。
藻。
蝶や蛾。
ダンゴ虫。
マルトビムシ。
苔の子実体の森の中。
くるくる回るミズヒラタムシ。
慌てて席取りをするクラミドモナス。
巨大なミジンコの屍骸を喰らう原生動物。
ほとんどが単細胞で、小さくて、単純なはずの生き物が、
くるくる踊ったり、パクパク食べたり、
ぶつかってビックリしたり、キョロキョロあちこち覗き込んだり、
居場所を見つけたり、喧嘩したり、慌てて逃げまどったり。
多細胞生物ではなく、ただの「群体」に過ぎないのに、
喧嘩せずにお互いしっかり体をつないで、
くるくるくるくる泳ぐ、ヒゲマワリ(ボルボックス)やシヌラ。
動物じゃないと思っていたら、
意外とクネクネ、クルクル、活発に動く、シアノバクテリア。
小舟みたいに、スイスイ走り回る、小さな小さな珪藻たち。
独立した多細胞生物のはずなのに、
まるで一個の生き物のように合体してしまうイトヒメウズムシ。
それに、なにより面白いのは、
ご先祖の「古細菌」から、ずっと昔に枝分かれして、
お互い全然違う見た目や、違う生き方をしている
遠く離れたフレンズたちのはずなのに、
みんな、みんな、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ぶつかり合ったり、喧嘩したり、身を寄せ合ったり、協力したり、
まぐわり、接合して、次世代を作ったりすること。
知ってる?生物の世界において、
「成体(アダルト)」とは、「生殖可能となった個体」という意味。
子供を作るのが「おとな」なのさ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと違う話をするよ。「シン・ウルトラマン」って映画の話。
その映画の中で、ウルトラマンは、頭の先からつま先まで、
均質な物体で出来た、微細構造を持たない完全体とされる。
「一にして全、全にして一」な完全な個体。ほぼ神。
当然、マンガ「はたらく細胞」みたいに
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、協力し合う、
たくさんの細胞を持つ「多細胞生物」ではない。
理念、思想の固まり、孤高で単一の「思念体」。
外宇宙から来た、美しい、大きな銀色の飛行体。
よって、本質的に「個と個の(細胞)間の協力」は、
その身体自身に内在せず、
「バディー(仲間)」の意味がまったく分からない。
(映画では、故郷は「光の星」。国家は無い。)
(彼は人類と同種のものから進化した存在。)
彼は弥勒菩薩の様に完全な美(統一感)の化身だが、
無関係の子供を助けて死んだ男のことが分からない。
進化の最果てに居る彼には、「仲間」の意味が思い出せない。
遠い未来に来迎する弥勒菩薩の様なポーズをとって、
死んだ男の姿を掌に、森の中で悩み続ける。
覚えていたが、今は忘却した何かを思い出そうとして。
強くて、全知で、大きくて、けれど孤高のウルトラマンには、
起動してしまったゼットンを止める術が分からない。
なのに、弱くて、無知で、小さくて、愚かな人間たちは、
ぶつかり合ったり、協力したり、怒ったり、信じあったり、
ドキドキしたり、お尻パンパン気合を入れたり、
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ゼットンを止める解決策を見つけ出す。
上から目線の外星人たちには出来なかったことを、
小さな「はたらく細胞」みたいな人間たちが成し遂げる。
VRゴーグルを付けての独り言、虚空に手をブンブン、
滑稽で、とっても格好悪いけれど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ずっとずっと昔に進化の枝分かれをする前から、その後も、
地べたに這いつくばって生きる「いのち」の本質は、
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ぶつかり合ったり、喧嘩したり、食べ合ったり、
身を寄せ合ったり、協力したり、
まぐわって、子供を作ったり、育てたりしながら、
「なんとか必死に次につなげ続けること」なんだろう。
人間も明確に動物だし、生き物だし、「いのち」。
だから、おっさんは、勇気を出して、ベタなこと言うよ。
わたしは、一人の息子の父親だから。
ショーペンハウアーとか、シオランとか、ベネターとか、
そんな馬鹿どもの言うこと知るか。五月蠅い。
「いのち、ばんざい。」
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nemosynth · 2 years
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episode 2 - CASIO CZ-101
史上初の民生機デジタル・シンセとして一人勝ちしていたYAMAHA DXシリーズ。勝ち誇るその牙城への最初の 挑戦者として立ちはだかったのは、だが意外なことに既存のシンセ・メーカーではなかった。
♬     ♬     ♬
創業者たち、その名も“樫尾さん”という苗字の四兄弟に由来するメーカー“CASIO”。1970年代からハイテクな電 子計算機やコンピューターを開発製造販売し、そしてG-SHOCKなど腕時計関連で名機を輩出させたことで有名。
1979年あたり、既にYAMAHAは小型でプリセット音色のみを搭載した電子楽器“ポータブル・キーボード”を発 売予定であることをNAMM Showでアナウンスしていた。ご家庭向けにエレクトーンを小型化したような文脈で考 えていたらしく、むろん販路は正しく楽器屋さん。その予告通り初代ポータサウンドことPS-1(鍵盤Fスケール2 オクターブ半)、PS-2(同3オクターブ)、PS-3(同3オクターブ半)の三羽ガラスが発売されたのが 1980年。 だがその出鼻をくじくかのように、CASIOは初代カシオトーン“CT-201 Casiotone”を、同年1月に発売したの である。しかも販路は電気屋さん! はなから楽器を相手にしていないエンタメ志向。
世の中アナログ・シンセしかなく、ましてや翌年にその王者ROLAND Jupiter-8が出るなんて誰も知らなかった 1980年1月、なんとCT-201は既にデジタル音源を搭載。計算機メーカーが楽器を作るだなんて無謀なことをと誰もが笑ったというが、なにしろ“デジタルはカシオ”(というCMが当時ありました)。デジタル・テクノロジーが可 能にせしなんぴとたりとも追いつけない価格破壊と優れた仕様と楽しい性能で、あっというまに低価格のご家庭用 お楽しみ電子楽器ファミリー向けプリセット型キーボードという世界を築き上げ、ゲーム・チェンジャーとなった ことは周知の通り。
1980年にして既にデジタル・シンセシスを搭載したCT-201。8音ポリ4オクターブ49鍵、ベロシティには対応 せず音色エディットも不可。その代わりプリセット29音色(YAMAHA初代ポータサウンドは4音色のみ)。スピー カーを内蔵しているので音も出る自己完結型の電子鍵盤楽器。9万7千円は高いと思われるであろうが、当時のシ ンセはアナログ・シンセばっかでポリシンセと言えば何十万円、モノシンセでも10万円前後というときに、ホー ム・マーケットへ向けて電子ピアノでもオルガンでもシンセサイザーでもない8ボイス・キーボードが、しかも飛 びきりの安価で殴り込んでくるとは誰も予想だにしなかったのである。
「電卓屋」とバカにされたCASIOには、だからこそ大きな武器があった。デジタル技術と生産技術である。
当時CASIOのデジタル技術は、YAMAHAより���5年は先をゆくものであったという。そして絶対に売れるものを徹底的に量産する。それも安定してクオリティをキープしつつ、ありえない低価格で桁外れな数で大量生産。ここで忘れていけないのは、“数撃ちゃ当たる”とよく言われるが、“数撃ちゃハズレはもっと増える”のである。ハズレ撲滅! 花形の設計開発エンジニアたちがヒーロー・インタビューに応える影で、撃って撃って撃ちまくれの檄 (ゲキ) が飛ぶ中、ハズレ撲滅のためいかに製造/資材調達/品質管理の現場の皆さんが頑張っておられるか、それは美しきにっぽんのものづくり。不良率低減の5文字こそが工業立国メイド・イン・ジャパンの生命線。卓越したプロダクション・テクノロジー、イギリス英語ではインダストリアル・テクノロジー。廉価版デジ タル音源キーボードをしかも圧倒的な台数で作るというのは、実は電卓屋CASIOが電子楽器をして量産品にまで押 し上げし歴史的メルクマールですらあった。
庶民の味方カシオトーンはあっという間に新しい市場を開き、すぐさま自動伴奏機能が付いてファミリー向けの 定番となり、光ナビゲーションはもちろん、バーコードを楽譜の代わりに読み込むバーコード・リーダー搭載モデ ルまで出現、この痛快なる常識破りっぷりが大ウケ。音色やリズム・パターンのバリエーション急拡大。YAMAHA ポータサウンドと一騎打ち。
そして“子音母音方式”とも呼ばれたカシオトーンの音源方式は、その名の通り子音と母音、つまりアタック・ト ランジェントと持続音部分という2つの音色をまさに部分音合成するものであった。カシオトーンはその後のデジ タル・シンセのあり方すらをも予見させる迫力に満ちた先駆者でもあったのである。ROMに言わばエンジニア様直 筆の手描き波形まで仕込んだらしいから、すごいねぇ。
そのCASIOが家庭用キーボードからさらに一歩踏み出し、プロ用シンセを手掛ける初めとなった、いわばパイロ ット・モデルのような機種がようやくここで紹介するCZ-101。ときに1984年11月。
♬     ♬     ♬
MIDIが誕生すると同時にYAMAHA DX7が発売され、あっという間にアナログ・シンセが過去の遺物として片付 けられてしまってから1年。カシオが突如として発売した同社初のシンセCZ-101。それはDXへの最初のチャレン ジャー、デジタル・シンセ対抗馬、YAMAHAにしてみれば“またお前か!”と言いたかったやも。ミニ鍵49鍵とい うかわいいフォーマット。エンド・ピンも付いてダサかっこいい肩掛けもできる。そのポップで直線的な80'sデザ インは立花ハジメによるもの。のちのポップなカラーリングになった上位機種たちに比べれば、CZ-101のそれはま だまだ地味。だが既にDXとは全くテイストの異なる外観に、CASIOがYAMAHAの対抗馬となる片鱗が見えてい た。
だがいくらカシオトーンで成功していたとはいえ、さらにそこからいきなりヲタでニッチなデジタル・シンセへ と跳躍するには、持ち前の大量生産技術だけにとどまらないCASIOなりの勝算があったはずである。
まず計算機メーカーだったカシオは、その中枢となるデジタル演算を行うICチップなんぞいくらでもNECや日立 などから買うことができる大口の大得意様であった。というのも電子楽器のために特化したICを作るとなると、仕 様が特殊であるだけでなく計算機などと比べても圧倒的に販売台数が少なく採算割れするため、作ってすらもらえ ない。だが電卓屋カシオは既にチップ・メーカーからすれば御大尽さまご贔屓さま、むしろどんどんチップ・メー カーの方からさまざまな売り込みがあったはず。事実CZ-101には他社に作ってもらったICがたくさん搭載され、そ れでもって音源回路となした。電卓屋カシオ面目躍如!
また徹底してコスト・ダウンすべく鍵盤におもりやスプリングなど付けることもなく、鍵盤下に敷いたゴム・ス イッチそのものにいきなり鍵盤を載っけて直接支えさせ、ぷにゅぷにゅ言わすことで鍵盤の反発力を生じさせてい る! すなわちYAMAHAのように楽器屋さんとしてのプライドと歴史からタッチ・センスにこだわるのではなく、 逆転の発想でタッチ・センスを省くことでしがらみから解放され、画期的にコスト・ダウンして斬り込んできたの である。しかも打鍵の強弱に左右されないおかげで、誰が弾いても一定のクオリティとなるを担保。旧態依然とし た楽器にとらわれない、計算機メーカーならではの自由な発想であろう。
さらにカシオトーンに欠かせない自動伴奏機能からヒントを得たのであろう、マルチ音源化。そしてお得意のミニ鍵でもって設計リスクの小さなパイロット機種となし、かくしてCZ-101はCASIO初の量産型シンセとして、しかもアナログ・シンセではなくいきなりのデジタル・シンセとして飛び出した。
「Xの次はZだ!」
デジタルYAMAHAへの挑戦状を最初にたたきつけた思わぬ伏兵、CASIO CZシリ��ズ。ラインナップ急拡大。しかもヤマハDX9の失敗を見て、19万8千円がタッチ・センスなし機種として許される上限価格と見極めたのであろう、フラッグシップ・モデルCZ-5000とCZ-1とが、共に19万8千円で誕生。楽曲制作かプレイヤー志向かの二者 択一。史上2番目の民生機デジタルは、だがタッチ・センス無きビンテージ・アナログの戦略を踏襲しつつ、それ を画期的にデジタルで換骨奪胎して提示してみせた知恵者であった。
同じことは、カシオ独自のPD音源(Phase Distortion Synthesis)にも言える。FM音源と同じく位相変調方式 であり、サイン波の代わりにコサイン波を使うことでYAMAHAにシバかれた音源方式。だが、傍目にはただのデジ タル化された減算方式にしか見えぬ。DCO→DCW→DCAというフローに隠されたモジュレーターとキャリア。 DCWに至ってはDigital Controlled Waveという名の謎のモジュール。計33種類に達する音源波形なるものがもた らす音の多彩さは、とてもアナログ・シンセの比でない。レゾナント波形もあるばかりか、パルス波1波/サイン 波1波/ノコギリ波1波の3つが交互に出現するという、キテレツな波形もある。
そればかりでない。CASIOの鋭さは、アナログであればカットオフとEGデプスに分化しているパラメーターを一 つにまとめた合理化センスにもある。前例主義や様式美なお作法に対し、ちゃんと注意を払って革新しているので ある。トドメはYAMAHAですら採用しなかった8ステップのエンベロープ・ジェネレーターを、しかも音程、音色、音量の3ブロック個別に持つことで、アタック・トランジェントすらをもEGで自作できるというぜいたくさと 柔軟さを誇ったこと。すなわちトランペットを吹くときに唇が震えるリップ・ノイズ、撥弦楽器の弦のビビリなど など、のちのサンプルのような鏡写しでは無いにしても、キッチュながらリアルな独自のキャラを持つに至った。 アナログな音も、デジタルな音も、サンプラーのような音までもが出る万能シンセ! それがこんなちっちゃいボ ディで乾電池で駆動までできる! シンセ界のスイス・アーミー・ナイフのような機種、それが驚きの隠し玉CZ- 101。
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かくして音創りしやすい減算方式にしか見えないのに、新しい音がするところにデジタルが切り拓く未来があっ た。しかもサンプラーではなくシンセであり、PCMでもないが故、かえって自由に音創りできたところはシンセの 本分をよくとらえている。リング変調やノイズ変調まであり、CZシリーズ上位機種に至ってはぜいたくな三相コー ラスを備えるなど、画期的コスパも発揮。
なお、DCOという言葉が使われているが、本来DCOとはピッチのみをデジタル制御させたアナログ・オシレータ ーを意味する。だがCASIOが言うDCOとは実はDCOではなく、フル・デジタル・オシレーターであり、すなわち DOとも言うべきもの。この混同が、他のDCOシンセをしてVCO原理主義者アナログ・シンセ警察から“音が薄 い”などと因縁を付けられる要因になったやも。よもやクラブ・ミュージックにおいてCZの音が“デジタルなのにあ ったかい”などと重宝されることになろうとは、一体誰が思い描けたことであろう。
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一連のCZシリーズを展開する傍ら、CASIOは史上初の16ビット・サンプリング・シンセFZ-1、高橋幸宏のタイ コの音を搭載した言わばシグネチャー・モデルみたいなサンプリング・リズムマシンRZ-1、同じく幸宏が開発にか かわったデジタル・ドラム・セットDZ、音符マークが付いたボタンまで搭載し分かりやすい単体シーケンサーSZ- 1、なんとMIDIスルー・ボックスTB-1に至るまで、一気に電子楽器ラインナップを広げた。CZ-101から4年後には 次世代モデル、それもフルモジュラーなiPD音源(interactive Phase Distortion Synthesis)搭載デジタル・シ ンセVZ-1や、同音源を搭載したギター・シンセPGシリーズまで投入。
さらにはアドバイザーだった冨田勲のために和製Synclavier的な巨大ワークステーション・システム“Cosmo Synthesizer”も制作している。これはCZ-101に先行する極めて大規模な実験機種であり、MS-DOSマシンを中核 とし、PD音源モジュール8基、サンプラー音源モジュール2基が組み込まれたラック・タワーがそびえ、波形も音 色もシーケンスも専用PCエディターで編集し制御するのであった。それを冨田勲さんはメディアアート・イベン ト“アルス・エレクトロニカ”の一環としてオーストリアはリンツのドナウ河畔で開かれた超巨大立体音響野外コン サートに使った。CZシリーズが別名“コスモ・シンセサイザー”と称されるのは、これに由来する。
最初にMIDI規格を立ち上げたときにはかんでいなかったCASIOが、さりげなくCZを4パート・マルチティンバ ー仕様にしてきたことも先を見越した鋭さであろう。MIDI制定にカシオは関与してこなかったのに、それでいてそ の本質を見抜いた慧眼(けいがん)はやはり初めからデジタルに強いメーカーならでは。先述のCZ-5000はマルチ 音源であることを利用し、KORG M1に先駆けたワークステーション・シンセとなった。このマルチティンバーを生 かした進化形には SD音源(Spectrum Dynamics Synthesis)を搭載したシンセHZシリーズからHTシリーズへ と進化した“自動伴奏シンセ”まであった。
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史上初のデジタル・シンセとして一人勝ちしていたYAMAHA DXシリーズ。勝ち誇るその牙城への最初の挑戦者 として立ちはだかったのは、だが意外なことに既存のシンセ・メーカーではなかった。YAMAHAに挑み、その好敵 手となったのは実は門外漢だったはずのCASIOであった。
得意のデジタル・テクノロジーでもってシンセ界に殴り込んできたカシオ。他社がデジタル化に乗り遅れうろた えているときに、逆にしょっぱなからデジタルで斬り込んできたCASIO。楽しく音楽するためには、必ずしもシン セは楽器でなくてもいいと見抜いていたCASIO。楽器たるしがらみにこだわったYAMAHAとは真逆に、楽器メーカ ーでは無いからこそお気楽に楽しめる別な楽器の世界があると知っていたCASIO。優れたプロダクション・テクノ ロジーでもって親しみやすさ分かりやすさを命題としたCASIO。お高くとまった楽器にきっついブローをかました CASIOは、その実フレンドリーな庶民の味方であった。
外様だったはずのCASIOが暗に掲げたのは、楽器の民主化であった。いや、外様だったからこそ楽器の民主化を 掲げたのであろう。CASIOが実現したのは既存メーカーがなし得なかった価格破壊だけでない。CZを踏まえて登場 した自動伴奏シンセを、だっさいなどと思うことなかれ。弾くのがややこしい伴奏もノー・プロブレム、マルチテ ィンバー音源とマルチトラック・シーケンサーとの組み合わせでもって、そうとは感じさせることなく機械が人間 を自然にアシスト。
人と機械との親密でフレンドリーで幸せな関係、それを理屈抜きで分かりやすく提示する。アトムやドラえもん がいる日本ならではの、機械が人間と共存する理想的な関係。いずれたどりつくであろうその未来はAI vs 人間で はない。AI が勝つのでも人間が勝つのでも無い。ポジティブな“ウィズ AI”。そんな未来に至ることになろう一歩 二歩を、エンタメ楽器ならではの切り口で分かりやすく平べったく描いたのが、市民感覚CASIOの楽器であった。 つまりそれは、楽器であることを棄ててもまだ楽器、おつむのおカタい楽器に一石を投じる新しい楽器の産声であ った。
CASIOは、えらい!
(2021年9月21日Sound&Recording公式サイト初出)
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461081138 · 1 year
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20230723
arihiro_CHAN:@Ryota_Fujimaki 行きたい… でも2連休の後だから休めない…😭 [https://twitter.com/arihiro_CHAN/status/1683085639452086272] arihiro_CHAN:@eimu_asuma @Ryota_Fujimaki 見たいですよね~ [https://twitter.com/arihiro_CHAN/status/1683077642562736128] takashin4412:@Ryota_Fujimaki 高校生からすると、3月9日の人?というイメージで、あまりロック感ないだろうけど、ライブの方ではロック寄りのセトリをお願いします。 高校生にも、「この人の曲って、3月9日以外にもカッコいい曲あるんだ〜」と思ってもらえるように。 [https://twitter.com/takashin4412/status/1683000070927716352] hiroko_fujimaki:@Ryota_Fujimaki 急なお知らせにビックリしました❗️ アマチュアバンド選手権に先輩アーティストとしてゲスト出演ということですね‼️ 観に行けたらいいな~と思います🎶 [https://twitter.com/hiroko_fujimaki/status/1682997769697624065] a_kie_1123:@Ryota_Fujimaki 楽しみです~✨後でゆっくり聞きます📻️✌️ [https://twitter.com/a_kie_1123/status/1682992145429585920] eimu_asuma:@arihiro_CHAN @Ryota_Fujimaki それな!それな!です! フットサルしてるとこみたい! ゴリゴリドリブルする亮太くん超見たいですw FC動画で良いのでー [https://twitter.com/eimu_asuma/status/1682975364942016512] hikarurainbow:FM藤巻 FM FUJI 2023/7/23(日) 12:00-13:00 radiko.jp/share/?t=20230… #radiko #藤巻亮太 #FM藤巻 #人気アーティストトーク #音楽との出会いが楽しめる 来週、川嶋あいさんゲスト @kawashimaai @Ryota_Fujimaki [https://twitter.com/hikarurainbow/status/1682969739457613824] maoricocyan1:@Ryota_Fujimaki 『フィラメント』の制作秘話がたくさん聞けて楽しかったです😊 Mt.FUJIMAKI が楽しみです♫ [https://twitter.com/maoricocyan1/status/1682966457012084738] hiroko_fujimaki:@Ryota_Fujimaki 今日も収録直後の動画ありがとうございます❗️ ソングバーズさんとの色々なお話(フットサルで亮太さんの体力がガチなこととか笑)はとても楽しく、「フィラメント」制作についてのお話も大変興味深く聴かせていただきました🎵 来週は川嶋あいさんがゲストとのこと。 楽しいお話を楽しみにしています🎶 [https://twitter.com/hiroko_fujimaki/status/1682965625084481536] arihiro_CHAN:@Ryota_Fujimaki フットサルの練習をたまに公開してほしいなぁ~ 動画でもいいですよ? 上野くんや寿くんや亮太くんのフットサルの様子を覗いてみたいです 今日はソングバーズとの番組楽しかったです♪ [https://twitter.com/arihiro_CHAN/status/1682965116382515200] EkuCm7RlB4uQba1:@Ryota_Fujimaki フィラメントの制作秘話が聞けて嬉しかったです🎵 上野くんの健康法スゴいですね🤗 グルテンフリーやチベット体操!!! 私も、たんぱく質をなるべく摂取しながら糖質は抑えるようにしながらストレッチも頑張ってます🙂 [https://twitter.com/EkuCm7RlB4uQba1/status/1682964673447223296] arihiro_CHAN:@Ryota_Fujimaki いろんな話が聴けてとても楽しかったです♪ ソングバーズは皆さんと亮太くんの関係がとてもいい感じで、聴いててほっこりしました🤭 Mt.FUJIMAKIが楽しみです♪ [https://twitter.com/arihiro_CHAN/status/1682962752195948544] 3254_shukufuku:@Ryota_Fujimaki @TheSongbards いぇいいぇーい🙌🏻🙌🏻 #TheSongbards  #FMFUJI [https://twitter.com/3254_shukufuku/status/1682949910570860544] arihiro_CHAN:@Ryota_Fujimaki The songbardsの皆さんとのお話楽しみにしています どんな話が聴けるのかなぁ🙄 写真嬉しいです! [https://twitter.com/arihiro_CHAN/status/1682936941992636417] hiroko_fujimaki:@Ryota_Fujimaki ついにThe Songbardsさんゲストの回ですね❗️ 今回も盛り沢山な内容、たっぷり聴けるのを楽しみにしています‼️😊🎶 [https://twitter.com/hiroko_fujimaki/status/1682935641510912000] EkuCm7RlB4uQba1:@Ryota_Fujimaki わぁー🥰The Songbardsの皆さんとの写真めちゃめちゃ素敵です🤗 フィラメントの制作秘話も楽しみにしてます🎵 [https://twitter.com/EkuCm7RlB4uQba1/status/1682934632558501889]
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dara122fs · 2 years
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2022年NHK杯備忘録
行って参りましたさっぽこNHK杯2022。
現地で見た印象と、録画確認して感じたこと等、ちょこちょこと備忘録として書き残しておきます。アイスダンスのみになります。
個人的に感じたことであって、そうは感じませんでしたよという意見もあって当然だと思ってます。こんな感想もあるんだなと思っていただければと思います。
Rhythm Dance
ココちゃん🇯🇵
フライングした方向と逆方向に回転するツイズル面白いデザイン!1stツイズルの手のfeature、同じグループのfeatureだけど美里ちゃんは右手が頭の上、ティムくんは両手同じ高さで2人で位置を変えてるのですね。なるほど。PSt前のストップはお互いに相手に体重もう少し預けたらもっと素敵になりそうかもしれない。CuLiは美里様降臨✨リフトスキルほんと凄い…!素晴らしいアピールでした👏🏻
ピリハラちゃんとアンナちゃんのマジカル衣装さん🇫🇮
2ndツイズルちょいツイズレしても回転するの大事ですね(2人共にレベル4)!3rdの回転終えてピシッとポージング取るので印象が良い。アグレッシブな折原さんに目が行きがちだけども、ユホくんもラテンキャラクター素敵に演じております。…と見てたら、隣のポニテさんが激しく踊るもんですから、目が行っちゃいますねぇふふふ☺️最後までエネルギッシュで見てて楽しい💖最後の戴冠フィニッシュも好きです👑
ルナレオちゃん🇨🇳
シントンさん🇨🇳を思い出す衣装のカラーであります。「リンクにショッキングピンクが映えています(実況)」ええ本当に。ルナちゃんの腰の動き、ラテンダンスとっても研究したんだろうなぁというのが伺えます。まだシーズン1試合目でまだまだルナレオちゃんの本領発揮とは言えなかったかもしれないけれど、きっと滑り込んできたら印象ガラッと変わりそう。きっと化ける。
ウォルフコスティンさんジェフリー🇺🇸
ジェフリーの2ndツイズルの最後の1回転怪しいかなと思ったらLevel3。いいんだちゃんと回って回転したもの。ウォルフコスティンさんが大きく速く動こうという意識が見えるChRS。その分ジェフリー大変だーまじ頑張れ。チャーリー先生の要求よ。MiStは元気いっぱいで良かったし表情も素敵だったです。
かなだいちゃん🇯🇵
ズエワ先生からの「着なさい」の圧が聞こえてきそうな衣装ちぇんじ。音を拾いまくるChRS…!動きを止めるスキル2人共に高いので形がビシッと決まるのも魅力ですねぇ…!GOEもモリモリ。MiSt前のストップまで踊って盛り上げているところ、若干曲が余ってる印象にも見えなくもないのでPStの後そのままMiStに入ってCan you handle this?でストップ振付入れるのも有りな気もする(リンク足りなくなるな)。RoLiはしっかりレベル取れてるので、あとはポジション取るまでのスピードと回転速度で(GOEのpostive feature取ってもらって)加点もっと取れるように出来るといいなと思います。期待故に鬼なこと言ってます。
ジェーニャジョフレー🇫🇷
アジア圏のコンペ初?時差調整が大変だった様です。ChRS終えてからずっとジョフレーがホールドしてPStに入る、なんて素敵なんだ…!ストップして入ってもフローの中でPStが始まっていてとても自然に移行していった感。MiSt2人の距離感近くて良い。ジェーニャちゃんの周り彷徨くジョフレーの図好きですねぇ…!今シーズンからIAMと協力していく形を取って、色々吸収していってる過程にいるんでしょうね。
アリソール🇱🇹
カッコつけの天才サウリウス・アンブルレヴィチウス👉🏻✨脚を振り上げるだけで、指を指すだけで、ジャケット(?)を旗めかせるだけでなんともキザに仕上がる男。ChRS個人的にとっても好きです!2人で踊るのとっても楽しいんです私たち!というのがとっても見てる側に伝わってくる2人です。北京オリンピック出場叶わなかったけれどアリソールでいることを選択した2人。応援してるよう!
キャロラインマイコー🇺🇸
気を抜くとマイコー兄者のフリーレッグを見てたらプログラムが終わってしまう。それ程に素晴らしいフリーレッグの持ち主であります。ゆっっっくりキャロラインちゃんがぐるっと回転するCuLi、チェンジオブポーズや入りや出の特徴を求められる中で速い動きになりがちなリフト、そのアプローチが面白い。音楽にも合ってます。ひぷほぷ得意だけどラテンは得意な方ではないのかなとも思いますが、工夫が見えます。
ロロちゃんソレンセンくん🇨🇦
ヒイイイイイ登場からカッコ良いいいいい…!最初のエレメントまでのプログラムの導入でのロロちゃんの体の預け方がたまらんのです。彼らが登場すると一気にナイトモードになります。うっとり見てたら急にツイズルが現れるので焦ります。準備動作が行方不明。コンガになるとロロ様がキレキレで踊るのでソレンセンくん応援モードに入ります。頑張ったぞう!
チョックさんベイツくん🇺🇸
ウォームアップからとってもよく滑ってたベイツくん。クネクネと最初のポーズ取るのいいですねぇ。ツイズルのレベルも加点も取れてるけれど彼らのベストではない気もします。MiStのタッチからツイズル若干遅れたの勿体無い。CuLiは天才✨普段どれだけ素晴らしいカップルか知ってるだけにちょっと元気を感じられなかった部分もあって、そんな中でも魅せる凄さもあったと思います。
Free Dance
ウォルフコスティン&ジェフリー🇺🇸
最初の方にOFTやDiSt入れて6つ目のエレメントでロングリフト→7つ目でRoLiの構成ってシニアデビューのカップルにとって体力大変すぎませんか?リフト3連続だよ!脚に疲れが出てない間にステップ踏んでレベル取ろう構成なのかもしれないけど。コレオエレメンツはレベル関係ないけれどGOE勝負なので疲れてる時にきっついだろうなエレメンツじゃないかしら。先生が体力おばけなので鬼要求です。彼らは今まで滑ってこなかったタイプの選曲をしていて、速いテンポで踊る&滑るの課題を先生方から出されているのかもしれない。色んなプログラムに挑戦する経験はきっと今後に活きてくる筈。
ピリハラちゃん🧜‍♀️🇫🇮
美しいセイレーンが囁いて船人ユホくんを海に誘ってきます🧜‍♀️個人的ベストオブChAJはダイアゴナルの軌道で波が寄せてきてセイレーンの姿が見える、そんな情景が浮かびます。歌声に魅了されてだんだんと渦に巻き込まれていくDSp。これはやばいやつだと対抗するChSt、ここでのぷちっとリフトが襲いかかるセイレーンの体現。ツイズルの後の波の音とブクブク、気を失って海に引き摺り込まれるユホくんでしょうか🌊ChSlの獲物を手にしてニヤッと微笑むセイレーン🧜‍♀️最後は船人の心臓を抉り取り食べてしまう🫀全てがTell the Storyの素晴らしい作品です。終始セイレーンが怖かった…(褒めてます)。狙われたら終わり。
ココちゃん🇯🇵
曲調が変わってからのパートが特に好きです。こっちでOFT入れるんだ〜!映画音楽を使って"ダンス"のプログラムに取り組んでいるんだなというのが見えると思います。ChSt面白い。腕の動き等揃いきって見えない部分も確かにありますが、まだ11月。細部調整したらプログラムがぐっと完成されていくと思います。レベルやGOE取きれなかった部分はむしろ伸び代。StaLiもしっかり降りれたら加点が並ぶエレメントです。
ルナレオちゃん🇨🇳
FDがバッドマンと知って思いっきり期待しましたね!レオくんの衣装はレオくんだから着れるんだ🦇OFTの伸びはこのGでは際立って見えました。CuLiがとんでもないとんでもない!ポジション取る時跳んでる&一瞬でバランス取ってポーズキープするスキルが必要。凄すぎる。夜の闇に登場するキャットウーマンですね🌃RDも FDもまだ滑り込めてないのかな、という印象ではありますがプログラムは面白いものを作ってきているのでシーズン後半が楽しみです。
ジェーニャジョフレー🇫🇷
なんて3拍子が似合うんだ…!ギヨームくん、見抜いて振付したんでしょうか流石であります。RoLiはイーグルdeお姫様抱っこから入ってくのらぶりー(しかしとんでもない速度)。ジョフレーは要所要所で目線が上の方向いてて好感が持てます。彼らからパフォーマンスの情報量が増えてきて目が忙しくなりました。脳内処理が追いつかないですよ!
かなだいちゃん🇯🇵
最速仮面剥ぎ取りエレメント。ここで髙橋くん首を反対側にぐわんと動かすの流石ですねぇ…!そしてファントムの求愛ChSt。ズエワ先生のロマンが炸裂している。無茶を言うとOFTはもっと狂気じみてほしい気もするFeel itとHear it。キスからグワワワワと歌い上げるボーカルに合わせて動きが大きくなったところでのDiSt若干少しペースダウンしちゃった印象もありました。最後のゆっくり上がっていくChLiからのフィニッシュ。舞台で輝くクリスティーヌと彼女を求めて手を伸ばすファントム。クリスティーヌへの想いが見えますねぇ。このファントムさんはきっと繊細で心優しい気がします。だからこそ葛藤するのかもしれない。
アリソール🇱🇹
冒頭の腕。なんでこんなに揃うんだ…!OFTはダイアゴナルの形状でものすっごく進みます。まだ11月なのに体がこんなにキレキレなのか。MiStのホールドがとても明確。ChStで2人の間に軸作ってお互い反る動きとかエレメンツ間のトランジションのクリエイティブが最高でした!今回見て一気にお気に入りプログラムです。
キャロラインマイコー🇺🇸
キリアンホールドからのOFT、まぁなんて素敵なんでしょう!RoLiとピアノの音が仲良しすぎる。進行方向と逆方向に降ろすCuLiと思いきやの実はChLi。ときめきのワルツホールドでクッルクルするChSt💗昨シーズンのFDから一転、敢えてスタンダードなダンスプログラムに取り組んできたんだなと感じます。そんな中でも独創的な工夫へのプライド。MIDAへの移籍について自分たちはよりスピードが求められていることにも触れていた2人。まだまだ成長していきたいという姿勢が見えます。きっとまた強くなるでしょう。
チョックさんベイツくん🇺🇸
ポーッとしてたらエレメントが終わっているChAJ。火の精神と空気の精神、火と風と互いに補う関係性というコンセプトの様なのですが、エレメンツそれぞれクオリティがとても高いけれどプログラムにハイライトがない気もするかな。何かのきっかけで化けそうでもあるのだけど。そしてチョックさんのコンディションが上がりきらなかったかもしれません。キャッチーなプログラムが続いたのでここで異なるアプローチに取り組む姿勢は素晴らしいと思います。美しい音楽で綺麗に滑ることもできたと思う。新しい方向に向かうことはベテランだからこそ勇気がいること。
ロロちゃんソレンセンくん🇨🇦
対峙からの交錯スタート。わたしの脚を掴みなさいとばかりに伸ばすフリーレッグまでがカッコよい1stツイズル後のコンタクトです。この2人のリフトデザインは一体どうやって創り出されるのか。見たことないようなデザインがえぶりたいむ斬新です。ロングリフトの減点は前にもあったのでそろそろ気をつけなければいけないかもしれない。ChStロロロロロちゃん様…!にロックオンしてたらソレンセンくんが前に出てきてそんなにお膝付いて、あなたのお膝が心配です。ChSlの頭スライド、(ロロちゃんは脳震盪の経験もありますし、)何度見ても怖いです。最後の2つのエメレンツが心臓に悪いのとカッコ良いのとシーソーゲーム。でも優勝はとっても嬉しいおめでとう!
めちゃくちゃ楽しかった2022年NHK杯inさっぽこでありました!選手のみなさん素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。まだまだみなさんブラッシュアップしてプログラムはどんどん進化していくと思いますし、また次にパフォーマンス見れることを楽しみにしています。
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woostenginemeals · 6 years
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・ 先週末はK&Rdesignさんでの移動食堂に、足元悪い中もいらして下さったみなさまありがとうございました。 ・ 長いお休みを頂き、なまり気味の身体でしたが みなさまの美味しいお顔とお声を頂いて、お料理を通して心身共に会話出来ることに感激しまくってました。 ・ 私にはお料理しか取り柄がないし、やっぱりお料理大好きです。 褒められると伸びるタイプなので、お口に合いましたらぜひぜひ褒めてやってください。 ・ ・ 震災の被害で大変だったのにも関わらずキッチンを貸して下さり、お客様へインフォメーションしてくださった @k_r_design りえさん いつもお誘いくださる @tipura_studio ちなつ姉ちゃん ありがとうございました。 ・ ・ #展示は7/1までお休みなく続きます #7月はまたまたちぷねぇちゃんに高知連れてってもらいます
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ponpompom · 4 years
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2020年ベスト映画
長い文章を人目にさらすのが
だいぶ久々だなぁと思いながらいざ書くぞ!
2020年。終わってもう10日以上!?はやぁ…。
コロナですっかり現場がなくなり、ライブは配信、イベントも配信。
友達に気軽に会いに行くのも難しくて
zoom飲みなんてしてみたりして。
というような情勢で、今までより楽しんだのが映画だった。それも映画館で観るやつ。
ということで配信で見たのは今回のランキングから外しています。
振り返ってみれば2020年のはじめとおわりに好きなやつが固まっててなんか面白い。
ではいきます!
10、mid90s
スティーヴィー(主人公の男の子)がちっちゃすぎて本当にあんた、ワルになれるのか!?と見守る形になってしまった・・・
二番弟子の子に嫉妬されちゃってウワー!みたいなのはとてもわかるというか思春期の感情って感じ。グループのリーダー、レイはかっこいいよね・・・。
ラストシーンがめっちゃエモくてよかった。全体的な雰囲気が好き!という映画。
9、魔女見習いをさがして
おジャ魔女世代なので観ないと〜!と思って観たら思った以上におジャ魔女世代向けというか
昔夢中になったものに支えられて生きてる人たちの話で新しい切り口〜!となった。
百田夏菜子さんめっちゃ声優上手い。
あと男はみんなおんぷちゃんがすき。
わたしは推しとかいう概念あんまりなかったなぁ〜と思いながら観てたらそういえばはづきちゃん好きだったなと思い出した。
8、アルプススタンドのはしの方
地元の高校が舞台演劇でやって話題になった作品…をまた映画にしたもの。
高校生の演劇!���たしの星…!とか思い出しつつ鑑賞。
高校球児たちや、華やかな人達とはまた違う
はしの方、にいる人たちのお話。
なのでグラウンドは一切映らず(それが舞台装置だから演劇っぽくて良いのだが)
自分は完全にこっち側だなぁと思いつつみたけど
わたしよりガンガンに青春してた、いいわね…
7、劇場版鬼滅の刃 無限列車編
鬼滅の刃、アニメ化して配信中くらいから観てました…そんでハマって原作電子書籍で集めてって、本誌追いついて最終回までハラハラしながら読んだタイプの人ですので映画楽しみにしてた!
煉獄さんの話はほんと漫画でも泣いたけどアニメになると余計泣けたよね…。
炭治郎の芯を作った人だよ。尊敬だよ。
正直話題になりすぎて今さら特にいうことない。でも好きな作品だった。こんなに忠実にアニメ化してくれたらワニ先生も嬉しいよね。
アホみたいに上映してた時期の、朝7時30分〜の回で観たのが良い思い出。
こんな朝から映画ってやってくれるんだね…
6、ブックスマート
結構ゲラゲラ笑える。なんのかんの全員いいやつで幸せになった〜。
 ハリポタの組み分けの話、アメリカでもするんだ!イケてるひとたちでもするんだ!わー!ってめっちゃテンションが上がった…。
ネタが多すぎて話が絞れねぇな…。
主人公の女の子たちがいわゆる陰キャ(死語?)ではあるが、頭が良くて自分に自信があるのでめっちゃ褒め合いをするところがとても良い。仲の良さ伝わる。
あと、ジェンダー的なことも、当たり前に描いていてそこに大して主題を置いてなくてたまたま「そうなの」というだけ、という雰囲気が最近の映画だなあとなった。
5、羅小黒戦記
シャオヘイかわいいよ…無限さまかっこいいよ…。
画面がずっと美しいしかわいいしアクションもすごいし、ありがてぇ〜って感じで笑顔になった。
話が好き!というよりは画面が好きだ!!!という映画。
アニメでもなかなか珍しいかもしれない…。絵柄が大好き!動きが大好き!
早く配信とか始まって欲しい。何か作業しながら流していたい。
 以下、観た当時の気持ちのまま書いた感想をそのまま貼り付けちゃうので、
ネタバレが多く含まれますのでご注意ください…あといちいち長いのが多いと思うけど…。
(ていうほどこれ読んでくれる人いるのかは不明)
 4、殺さない彼と死なない彼女
※これは2019年の映画だけど私の初見が2020年だったので
話題になる前はいつものしょうもないデートムービーかよと思っていました(ほんとごめん)
でも、そうではなかった。びっくりするほど真っ直ぐ心に届く映画でした。
 こんな口調で東京の高校生たちはしゃべるのか!?うそやん?というちょっと芝居かかった口調も最初は違和感があったがだんだん癖になる。
3つのお話が平行してるようでいてちょっとずれてる構成もよかった。ラスト付近でつながっていくところがオムニバスの楽しいところ。
 ・きゃぴ子と地味子のお話
きゃぴ子が一番好きなのは地味子なんだから二人が付き合えば全部解決しないか?と思わされるいい百合だった…。
でも女同士で好きあってても、そういう好きじゃない場合の方が多いからな。男の人にしか埋められない心の穴があるんだろうか。
かわいい子のことをやっかむ人たち、まあそらいるんだろうけど、かわいいことは素晴らしい才能だし、勝てないなあと思うし。
きゃぴ子に素直にかわいいって言い続ける地味子もかわいいよ。
 ・八千代と撫子のお話
一途に好きって言い続ける撫子(原作では君が代ちゃんなんだな)がめちゃくちゃかわいい。
通話録音しようとするシーンがめちゃ好き。
好き好き言われる側としては、なんでそんなに好きなんかわからなくなるよね、わかる。
そして、八千代が撫子を好きになったって伝えたら、その関係が壊れるんじゃないかって心配する気持ちもめちゃわかる。
しかし撫子はそこで八千代君に飽きちゃう女じゃなかった、よかった・・。ハッピーエンドで。トラウマを癒してくれる女神だったよね…。
 ・小坂と鹿野のお話
口が悪すぎるけど、お互い絶対好きじゃん素直になれよ!!!と思い続けてたらまあ、そう来たか…。
原作を全く知らずに臨んだので、まあどっちか死んじゃうんだろうなとは思った、思ってたけど、ほんとにどっちも死なないでほしくなる。
なな、生きて。ってそれちゃんと対面で言いなさいよ…。で泣く。
夢の世界がだいぶ救いがあったけど、なんで彼は殺されないといけないんかまったく不条理すぎて殺人鬼はほんとにお前が死ねって思ったな…。
鹿野が小坂のクローゼットで服を抱きしめるところとかほんと無理だった泣いた…。幸せになってほしかった。
 最後に、あなたについていきたいって言ってた鹿野が、小坂を追い抜く演出がマジでよかったです…。(映画オリジナルなんだね)
時系列のずれにも伏線があったんだね。撫子を慰めれるほど元気になってえらい。
 観終わったときメイクがほぼ落ちてました。観れてよかった。悲しいけど暖かいものが残る作品。
※後日原作も読んだけど同じところで泣いちゃってびっくりしたよね。涙腺にダイレクトよ。
 3、ジョジョ・ラビット
ラストシーンでちょっとずつ我慢していた涙が我慢できなくなってボロボロ泣いてしまった、。
結構デリケートな話なのに、思ったより軽やか、序盤はこれ大丈夫なのとか思いつつ。
「ハイルヒットラー!」の応酬とか茶化してやってるもんね・・・
でも戦争と国の思想の刷り込み、差別の恐ろしさはしっかり伝わってくる。
男女差別もバリバリにあるし、弱い者には価値がないっていうのを空気から伝えてきて、しんどい・・。
エルサが隠れている部屋が見つかった時はこれはアレじゃん(ネタバレ防止)
とかとても思ってしまった。隠れ家のモチーフかぶり・・・。
ユダヤ人ってゲシュタポにバレそうになったところが本当に冷や冷やした、絶対に気づかれないでほしい…と祈るように見ていた。
そして見逃してくれるキャプテン.Kが。
フィンケルと同性愛をはぐくんでる(全然明言されてないけどおそらく・空気で、と他感想でも拝見)し、
おそらく表では隠していたけど同性愛もナチスは迫害対象だったらしいしナチズムには反対してたんだろうな、
というのがラスト近辺でもわかる。かっこよくていい男だった。
で、お母さん、ロージーもめちゃくちゃいい女。あんな美女かつ賢い、なのにお母さんって、設定がよすぎ。
そしてお母さんが亡くなってしまったことをあんな形で知るのしんどすぎるし、そこで靴ひもを結ぼうとするけど結べないジョジョ・・・
がラストでエルサの靴ひもを結んであげる。で成長を演出する。ってそんなんグッとくるに決まってるじゃないですか。
極めつけのダンスもね。人は自由になると踊りたくなるのか。音楽が髄所に効いてる映画だったしなぁ。
以下、思ったこと箇条書き
・ヨーキーもいい役。冷静でほんとに10歳なの!?柔軟。と思う。ジョジョにいい友達がいてよかった
・お腹の中で蝶が舞うような。をちゃんとイメージから表しているシーンよかった、かわいい。
・アドルフ・ヒトラー役は監督!?て後で知ってびっくりした。何でもできるんだね・・・。あの感じがでています。
・飢えてるときウサギ食べるのか!?と思ったけど食べませんでしたね・・・
・戦争中のわりにラスト以外は暮らし向きとしてはそれをほんのりとしか感じない、ドイツって結構戦時中も普通の暮らしができてる方だったのかな・・・(史実良く知らないけど)
※めちゃ余談だけど、最近読んだ「戦争は女の顔をしていない」(漫画版)という作品において敵国の女性兵がドイツ人女性がベランダでコーヒーを飲んでいるところを行軍中に見かけて、そんな優雅なことが戦時中もあるなんて!とびっくりしてしまう。みたいなエピソードがあって、それを思い出した。
2、朝が来る
辻村美月さんの作品が元々好きってのもあるけど。
知り合いの映画好きの人たちか絶賛するのわかった。
こんなリアリティある演技合戦が観られるとは…。
例えば施設のギャルや新聞販売所のギャル。
本物連れてきたのかってくらいいそうだったしマジで同一人物かと思った。
 あとやっぱ蒔田彩珠さんの吸引力がすごい。
人を惹きつける魅力。ボサボサの金髪になっても魅力が失われない。
死んじゃわなくて本当よかった。警察来た時死んだわ…って思ってしまったし。
ちびたん、いい子に育ててもらえてよかったね…幸せになってくれ。
 1、パラサイト
…めちゃくちゃ面白かった、面白いって一言で言っちゃうだけじゃダメな気がするけど
ネタバレ禁止ならもうとにかく観てよ~!(PG-12…ひっかかる…じゃなければ)というしかないな
序盤1時間くらいは本当にエンタメで、キンプリの映画みてるんかなくらい声に出して笑うの我慢した、キム家は演技がうますぎるし、
パク家は騙されやす過ぎる。(ダソンには気付かれてたかもしれないが)
ヨンギョ(奥さん)のびっくりし方とか、大げさなんだけどほんとにこういう人いそうなんだよな…。て思っちゃう。
とはいえ、ちゃんと仕事はしてるんだよな、キム一家。
雇用されるかされないかは、技能とか技術じゃなくて「人のつながり」「コネ」ていうのが、
今の社会なんだね始まりがアレだったので…。ギジョン(ジェシカ)がどんな授業してたかは謎だけど。
普通に家政婦の仕事とかハードだと思う、おいしいものが食べれそうなのはいいけどさ…。
ギウ(ケビン)は紹介してくれたお友達のこと一瞬で裏切っていて笑った、でもその友達が紹介しなければあんなラストにはならなかったんやなあ…。
パク家がキャンプに行った時に好き放題していたときまではまあ悪いんだけどほんとに爽快だった、たんのしかっただろうなって。
そっからの急激な展開!もう面白いのにさらにそれが深まる…というか別のベクトルに行くっていう。
富裕層(高台)と貧困層(半地下)だけじゃなく、そしてまた更に下(地下)があるっていうね、
二人分食べるんだよねってドンイクが言ってたのはそういうことでしたか!伏線回収がいっぱい…。
そして本当の意味でパラサイトしていたのはムングァンの夫でした…。面白い…
そこでのいざこざからはだいぶとドロドロした展開に。北朝鮮ジョークがいっぱい…韓国映画なんだな…普段観ないから新鮮。
ちょいちょい日本語に近い単語が聞こえてきておもしろいよね。お隣なのに何にも知らんよね…。
・・脱線した、それでパク家も帰ってくるって言うね!大雨なんだから予測しときなさい!
ここでもでてくる「切り干し大根のようなにおい(貧困層のにおい?)」の話があとであんな形で引き金になるなんて。
そっから脱出までもかなり息が詰まった…。家政婦、死ななくてよかった…て思ってたのに亡くなりそう…助けられなかった夫の声がもう。
そしてキム家がやっと出られたと思ったら、(ここで高台から階段で降りていくカメラワークがめちゃくちゃ象徴的���まさかの洪水で家が水没。
何かを掬い上げないといけない中でギテクがチュンスク(元砲丸投げの選手だったみたい)のメダルをひっつかむのに、
妻への愛情と過去の栄光にすがる、みたいな切なさを感じでグッと来てしまった、
そして暴発する半地下のトイレのふたを無理矢理閉めて一服するギジョンのかーっこいいこと。名シーン。
次の日に、あの惨劇が起きる。
結局純粋な悪者がいないんだよね、一番かわいそうなのはドンイクさんよ、なーんも悪いことしてないのにね…。
金持ちをヤなやつとして描くのはもうほんとに古いんだろうよ、下層の洪水被害のことなんて息子の誕生日をめいっぱい祝うことに比べたら全然大事じゃない、そらそうよね。
私にもお金持ちの友達いるけど、彼らマジでいい奴だから、「金は性格のしわを伸ばすアイロン」は本当のことだと思う。
苦労せずその地位を得てるってこともないんだろうけど、心の余裕ってやつは段違いなんだろうな、いいな…。
それはめちゃくちゃ思った。
ラストシーン(モールス信号ってあんな長い手紙かけるんか、すごいや…。)
父の手紙を解読してお金持ちになって父親を助けるって言ったギウの決意に嘘はないんだろうけど、韓国の社会構造ではそれは本当に夢であり、ノープランなのと同じなのかもしれない…。というラストが何とも言えなかった。
 以上!!長いな!!!いつも自分のためだけに書いているから大変独りよがりな文章かと思いますが・もし読んでもらえた人がいるならありがとうございます。
今年もコロナはおさまる気配ないのでなんのかんの映画に行ってしまう気がする。
習慣てすごいよね。良い映画に出会えると良いなあ。
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thyele · 4 years
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2020年7月17日
赤坂CLUB TENJIKUさん「【※※本日解禁※※】 2020年7月22日(水) 魚住英里奈 単独公演 『 生生きるしい 』 赤坂 CLUB TENJIKU OPEN18:00 / START19:00 限定20名 要予約3000円(D代別) ◇予約メール◇ [email protected] ①予約名 ②本名(カナ) ③電話番号  ※必ずご記入ください。」 https://twitter.com/clubtenjiku/status/1283390854141374464
赤坂CLUB TENJIKUさん「・新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者リストを作成します。 ・複数枚購入される場合も、各自のお名前・連絡先をご記入ください。 ・連絡先はトラブル発生時(感染者発生など)のみに利用し、保管は1ヶ月と致します。 ・また当日はマスク着用、検温、アルコール消毒などご協力をお願いします。」 https://twitter.com/clubtenjiku/status/1283390856624402432
少年の叫びさん「少年の叫び2020 2020/8/9(日)渋谷LOFT9 開場/開演:14:30/15:00 出演:内藤重人 feat.世古美月 小豆原一朗/大島健夫/阿部浩二 nene/アサトアキラ/伊藤晋穀/aro 魚住英里奈/寺治爽子/成宮アイコ/内藤重人 Ticket 3000yen(+ORDER) 予約Mail [email protected] (ご予約40名様を上限に致します)」 https://twitter.com/boyscry2020/status/1283355650391601153
魚住 英里奈さん「措置措置入院 / 魚住英里奈 ようこそ"都合のいい"天国へ?」 https://twitter.com/erina_chas/status/1283770978422583298
High bridgeさん「」 https://twitter.com/highbridge_530/status/1283768459306795010
lucy+peter=esolagotoさん「あと一息! カフェインを!!! カフェインをください!!!」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1283678080930729985
lucy+peter=esolagotoさん「今夜7.25の配信ライブのチケット発売開始です! 激レアなステージ、御見逃しなきよう御願い致します🔥」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1283680844700200960
Kenji Kondoさん「宜しくお願い致します!^_^👍」 https://twitter.com/kenji_kondo/status/1283713431896350720
lucy+peter=esolagotoさん「一言も云ってないです!www …ですが御質問等、御待ちしております♪」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1283741052730396672
町田 The Play Houseさん「2020.7.25@町田ThePlayHouse Kenji Kondo presents 【Don't fall asleep around us!】 配信チケット本日発売! https://t.co/SlLdObEvfQ こちらからご購入ください。クレジット決済のみとなります。 配信スタート19:30〜 ※完全無観客配信ライブとなります。」 https://twitter.com/the_play_house/status/1283703367223504896
平野耕太さん「おれティラミス食った ティラミス栄養ある たくさんたくさんある」 https://twitter.com/hiranokohta/status/1283744380986126342
キリ(luin/…。【サイレンス】)さん「お酒びったびたのティラミスが食べたい(。-_-。)」 https://twitter.com/kiri_drums/status/1283754208634626049
lucy+peter=esolagotoさん「此方の曲 ほんと素晴らしいです 新宿駅を使う方には特に聴いて欲しいです。笑 歌唱力・演奏力が映え メロディも秀逸な曲でありながら 最後には何故か腹筋が崩壊してしまう曲です。笑 因みに自分は間奏の 「おっ、            かぁぁぁぁ」で崩壊しました。笑 絵空事讃歌好きは是非!」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1283788841346674688
Sakura 櫻澤泰徳 Yasunori Sakurazawaさん「Tシャツ即日完売ありがとうございます。 早速増産手配をしました。 マスクの追加販売は今月末になります。 お待たせして申し訳ありません。」 https://twitter.com/sakurazawa/status/1283695232249282562
Eins:Vierさん「リハ!♪ いつだって、合わすのは楽しい。どんな大舞台であってもはじまりはここから。そしてもっと言えば、ひとりひとりの心から。 僕たち止まる 行き場もなく 裏切りを捨て 憎しみも捨てここで 僕たちは歩く 行き先もなく 憐れみを抱き 願いを持ちあすへと 〜Staying and Walking〜」 https://twitter.com/EinsVier_news/status/1283668493481598978
cali≠gari_officialさん「【チケット追加受付(先着)のお知らせ】 7/28@渋谷WWW X cali≠gari×deadman 「死刑台のエレベーター〜ザ・ビギニング〜」 未入金分が発生した為、先着にて若干枚数を販売致します。 ■詳細はコチラ↓※熟読の上お申込下さい。」 https://twitter.com/caligari_offici/status/1283718019072634880
KINGRYOさん「泣ける(;ω;) cafe LaidBackさんから夏仕様のマスクとビール券が届きました。 暖かくて優しい気持ちになりました! マスターと真知子さんにもの凄く会いたくなりました✨ 感謝!!!」 https://twitter.com/kingryoworld/status/1283721675024949253
KINGRYOさん「皆様からお預かりした義援金を本日を振り込んできました KING一同と名前を書きたかったのですが郵便局員さんに上手く伝わらず僕の名前になってしまってスイマセン🙇‍♂️ 色々と考えて赤い羽根共同募金さんにしました。 被災された皆様が一日も早く日常を取り戻せますように✨」 https://twitter.com/kingryoworld/status/1283727557666279424
KING OFFICIALさん「【内容の変更】 「ODD-BOWZ VS KING」 KINGは、全員、予約取り直しといたします。 よろしくお願いいたします 予約 7月18日22:00~ 詳細 https://t.co/ptZt0ggwRa 8.7配信 https://t.co/STsPA4JA5s 8.8配信 https://t.co/FMSmYs9b0u 8.9配信 ※お目当ての記入お願いします」 https://twitter.com/KINGOFFICIAL114/status/1283762819058429954
こもだまり/昭和精吾事務所さん「本日、松本稽古さんと初稽古! キュートかつ爆発力もあるかた💥 リクエストするとレスポンス早いし、非常に楽しい時間でした。 楽しんでくれたなら嬉しいです。 ベースが出来てるから遊べる。宝物もっと掘り当てましょう! 辻真梨乃さん、梶原航さんをよくご存知とか。去年の公演写真見てください…!」 https://twitter.com/mari_air/status/1283733140112936961
こもだまり/昭和精吾事務所さん「岡田静さんと初稽古。一発目の声がよかったので「あ、いける」って思いました。反応ある人にはついつい細かい注文をしてしまうけど、ハキハキ対応してくれるいい稽古でした!たのしみ。 ソーシャルディスタンスツーショなので、間にシロを挟んで強力にガード🐩 #ステホtheatre #stayhome一人芝居」 https://twitter.com/mari_air/status/1283734208620359680
湖原芽生さん「廻天百眼/劇場本公演【不思議の国のアリス・オブザデッド】 CD &DVDが7/8にディスクユニオン、タワレコ、ヴィレヴァン高円寺店で発売されました‼︎ 7/22(水)には、池袋手刀にてワンマンライブ「マッドネスパーティー」が❣️ 🥕🐇⛵🐛🧂️🍼💎👑❤️🥼🧟💣🐝🐦🎩🥁🍾🕰❣️」 https://twitter.com/Meinokoto_/status/1282514315195478016
【貴族】Mörishige【KIZO-CLIMAX TOGETHER】さん「ポケットから落としたiPhoneを目の前で車に踏み潰された俺のニューウェーブさは最初から分かっていた。」 https://twitter.com/KIZOKU_0927/status/1283747083598491649
FOXPILL CULTさん「2020年6月2日 池袋手刀 『The Man Who Fell to Neo Tokyo』 無観客配信ライブ① -NEVER SOLD OUT- 撮影:荒川れいこ(zoisite)」 https://twitter.com/FOXPILLCULT/status/1283759184572383233
FOXPILL CULTさん「2020年6月2日 池袋手刀 『The Man Who Fell to Neo Tokyo』 無観客配信ライブ② -NEVER SOLD OUT- 撮影:荒川れいこ(zoisite)」 https://twitter.com/FOXPILLCULT/status/1283759883095994368
FOXPILL CULTさん「2020年6月2日 池袋手刀 『The Man Who Fell to Neo Tokyo』 無観客配信ライブ④(番外編) -NEVER SOLD OUT- ※沢山のお差し入れを��にありがとうございました!!!!! 撮影:荒川れいこ(zoisite)」 https://twitter.com/FOXPILLCULT/status/1283760467320508417
FOXPILL CULTさん「2020年6月2日 池袋手刀 『The Man Who Fell to Neo Tokyo』 無観客配信ライブ③ -NEVER SOLD OUT- 撮影:荒川れいこ(zoisite)」 https://twitter.com/FOXPILLCULT/status/1283760064222789635
西邑卓哲(FOXPILL CULT) Takaaki Ni⚡︎himura❄️さん「2020年6月2日 池袋手刀 『The Man Who Fell to Neo Tokyo』 無観客配信ライブ -NEVER SOLD OUT- 撮影:荒川れいこ(zoisite)」 https://twitter.com/takaaki_FOXPILL/status/1283765531649077248
ふなもと健祐さん「豚キムチ定食ですかね。 #Peing #質問箱」 https://twitter.com/funamoch1/status/1283766625838092288
ふなもと健祐さん「おはようございます!! 今日も雨! 頭痛!! イェア!!!!」 https://twitter.com/funamoch1/status/1283936602507456513
ふなもと健祐さん「あ、連日バファリンさんのお世話になってます。」 https://twitter.com/funamoch1/status/1283937061850906630
ふなもと健祐さん「気付かないで消される、まで含めてバンクシーのアートやろ。 風刺きいてるやん。」 https://twitter.com/funamoch1/status/1283940350394896384
エレクトレコードさん「<拡散希望>入場制限があるためご予約はお早めに当方までMDにてお知らせ下サイませ。(^^) 8月23日(日)■「B.D.3」@下北沢CLUB Que 出演:アレルギー/割礼/REAL BIRTHDAY/マリア観音(木幡東介/平野勇/伊藤明子/a_kira) 開場18時/開演18時半 前売3500円/当日4000円(各1D別)」 https://twitter.com/erectrecord/status/1283739003552841728
CROW MUSICさん「夏の恒例イベント今年も開催・・・ ◆8/12(水)~8/13(木)心斎橋SHOVEL アルケミオールナイト主催 「仏恐」-其の四- 22:30/23:00¥3700/¥4200(D別) ※未成年入場不可・入場時にIDチェック有! ◆7/19(日)よりイープラスで発売→ バンド予約有り ※8/13(木)AM4:30終演予定」 https://twitter.com/CROWMUSIC_JAPAN/status/1283674605018681344
舜 NEiNフルアルバム発売中さん「8/8、8/9、名古屋・大阪…🎸 弾きます_(:3 」∠)_ 無事開催できますように🙇‍♂️」 https://twitter.com/shun_thefuzzbox/status/1283767762674872321
杉本善徳さん「お久しぶりです、夜中にスミマセン。 質問なんですが、11/29の鉄ぱいぷレーベル22周年記念「田澤孝介&杉本善徳 Dinner Show( https://t.co/brkmj565ct )」ですが、 買い損じたとか、やっぱり参加したいとか何らかの理由で、もし二次募集をするなら参加するよって人、どれくらいいますか?」 https://twitter.com/ys1126/status/1283798873501126657
Köziさん「二十二世紀ピーキー」 https://twitter.com/Kzi_official/status/1283792181455552513
crap dolly 黒川優一さん「福島のスポーツジム「MIRAIZ BODY」のムービーを制作しました🎥 今回は私はノータッチで依織さんが担当しました。頼れる仲間です。GJです。」 https://twitter.com/yuri_silence/status/1283717874528354304
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NoGoD 団長さん「皆で拡散して広げてくれぇぇ🤘」 https://twitter.com/danchonogod/status/1283682652554276864
DEATHROさん「Today is 37th Birthday of Makoto Kawamata.HBD🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎂🎂🎂」 https://twitter.com/deathro_com/status/1283892695979573248
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「おはようございます! 何故か宴会の夢を見た。 最初は楽しく呑んでたのだが、最終的に先輩に怒られて目が覚めるというなんとも言えない夢でした。笑 今日は寒いね〜 早くコロナ以前のようにライブも宴会もできるよになるとええな。 怒られたくはないけど。笑」 https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1283935210480955392
金髪豚野郎K助(偽殿下)さん「鳥(鷹か鷲)につかまって空飛ぶ夢と 「テンガ(使ったことない)の販売は終了しました」って文字が脳内にいきなり表示される夢と クレイジーホラーな夢と 土いっぱいのトンパックを片手で担いで10トンダンプに積む夢と ファックス持ってるのに中学校からボロボロの中古の電話を「ファックス支給で文字数…」 https://twitter.com/goldenpigdrumer/status/1283936022775005185
niguさん「不覚にもパソコンのフォントサイズを2上げた。(まだ老眼ではない) おはようございます(`・ω・´)ノ」 https://twitter.com/nigu_chang/status/1283937895485562886
deadman_officialさん「20200716 @池袋手刀」 https://twitter.com/deadmanofficia2/status/1283945245240000512
Billboard JAPANさん「乃木坂46の新曲「Route 246」配信決定、秋元康×小室哲哉が10年ぶりタッグ」 https://twitter.com/Billboard_JAPAN/status/1283561167181328384
安藤正基🍤⑧巻発売中!さん「トレンドの「鬼まんじゅう」とはこういう食べ物です」 https://twitter.com/aichidoughnut/status/1283541188721561601
CNET Japanさん「「Gmail」が刷新、コラボレーションのハブに--Slackやマイクロソフトに対抗」 https://twitter.com/cnet_japan/status/1283576340231237633
日本経済新聞 電子版さん「大和証券グループ本社が、社内診療所の診察をオンライン(Teamsを想定)で受診可能に。在宅勤務・テレワークの拡大に対応し、新型コロナウイルスの感染予防にもつなげます。#日経イブニングスクープ」 https://twitter.com/nikkei/status/1283695426605113344
S-yuna-S(遊汝)さん「そもそも検査が少ない‼️って諸外国と比べて騒いでたじゃん、感染者数が増えてるっていうけど、そもそも検査してなかったんだから単純に比較出来ますか?、陽性率をまず出して欲しいね。不安をあおるメディアじゃなく注意換気するメディアをのぞむ!」 https://twitter.com/rinomotoyuna/status/1283668960731258881
【貴族】Mörishige【KIZO-CLIMAX TOGETHER】さん「平和的デモに対してもコレ? 車椅子を警官達がぞんざいに扱って本人から遠ざけるところ、何度見ても許せない。これはこの人にとって大切な足だぞ?職務以前に、どういう倫理観で生きてるんだよ。」 https://twitter.com/KIZOKU_0927/status/1283806253131591681
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xf-2 · 6 years
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8月4日、俳優の津川雅彦さんが心不全で78歳の人生の幕を閉じた。約3か月前の4月27日、妻で女優の朝丘雪路さん(本名・加藤雪江)がこの世を去ったばかりだった。朝丘さんはアルツハイマー型認知症を患い、2009年から別居していた夫の津川雅彦さん(78)が3年ほど前から同居し、介護をしていた。津川さんは、45年間連れ添った朝丘さんに対し、生前「娘を産んでくれたことを含め、すべてに感謝です」と語っていた。女優の道に進んだ長女の真由子さん(44)が、家族3人で過ごした日々を語る。 (出典:文藝春秋2018年7月号 インタビューは2018年5月23日に行われました)
◆ ◆ ◆
「眠れる美女」のように
 母の死がこれほど突然に訪れるとは思ってもみませんでした。
 母を看てくれているお手伝いさんから「少し様子がおかしい」と電話をもらったのは、お昼頃、仕事先へ向かおうと自宅で準備しているときでした。心配ですぐに車で5分ほどの実家へ駆けつけました。
 母はベッドのなかで、すやすや眠っているように見えました。寝息のようにスースーと息が聞こえ、いまにも目を開きそうです。私は「ママ! ママ!」と何度も呼びかけました。
 お手伝いさんの話では、朝はいつもの様子でしたが、しばらくして声をかけると反応がなかったそうで、あわてて仕事で外出していた父と私に連絡したとのことでした。
 父から、とにかくお医者さんに連絡をとるように言われましたので、主治医に連絡をとりました。
 あまりに急なことで私は気が動転し、「本当にこのまま亡くなってしまうのかな」と不安でいっぱいでした。父も初めは驚いた様子でしたが、今思うともう覚悟していたのでしょう。母の様子を見て安らかに逝かせてあげようと思っているようでした。母を心配しながらも私のことも気づかい支えてくれた父はすごいなと思いました。
 私たちの声や思いは母の意識にきっと届いていたと思います。母はおとぎ話の「眠れる森の美女」のように目を覚ますことなく眠ったまま、夕方に静かに息をひきとりました。
 自宅で家族に看取られたのは理想的な最期だったのかもしれません。私たちに苦しむ姿を見せなかった母は、本当に家族孝行だと思います。
母との最後の会話
 最後に母と話したのは、その1週間前でした。部屋に入って「ママ元気? 真由子だよ」と言ったら、初めは「ん?」という顔でこちらを見ていましたが、私だとわかったら「頑張ってる?」といつも通りの会話になりました。
「うん、一生懸命頑張ってるよ」
「そう、ありがとうね」
「ありがとうって、何もしてないよ(笑)」
 そんな会話を交わしながら、母の部屋で30分ほど一緒に過ごしたのが最後でした。
 家族と近親者だけで葬儀を済ませ、納骨を終えたら、ようやく落ち着き、これから母の居ない世の中を父と2人で力を合わせて生きていかなきゃと思えるようになりました。父の意向でみなさんにお知らせしたのはその頃です。すると、母のことを知る方々からたくさんの電話やメールをいただき、母が亡くなった日のことを伝えるたびに、「ママは死んだんだよ、ママは死んだんだよ」と自分に言い聞かせるようで悲しみがあふれてきました。
仕事が命だった
 母と私は、親子というより姉妹のような関係でした。私がまだ小さい頃から、母は家にいることが少なく、長期の舞台公演などがあれば、1カ月ほど留守にすることも当たり前でした。幼い私がお母さんは通いで来る人なんだと思い、玄関で「ママ、また遊びに来てね」と見送った話は、母から何度も聞かされました。たまのお休みで自宅にいるときには、母は悲しそうな顔をしていました。「ママ、どうしたの?」と尋ねたら、「ママ、お休みになっちゃった。何したらいいのかわからないの」と言われました。母はそれぐらい仕事が命でした。
 反対に父のほうは、休みになると「真由子、どこ行きたい?」といろいろなところへ遊びに連れて行ってくれました。授業参観や運動会などの学校行事もすべて父が来てくれて、いまでも旅行に行くと、父と一緒にお風呂に入るほど、私はパパっ子に育ちました。
 私は子供の頃、将来の夢を依かれると「3食昼寝つきのお母さん!」と答えていました。学校帰りに友だちの家へ行くと、お母さんがおやつを作って待っていてくれるのが羨ましくて、「こういうお母さんになりたい」と思ったからです。それからしばらくして私は「お手伝いさんになりたい」と思っていました。家では、お手伝いさんといつも一緒でしたから、自分も大人になったら、お料理やアイロンがけをして、誰かのお世話をしたいと思っていたからです。
 高校生になるころには、私の夢はスチュワーデスに変わっていました。アメリカンスクールに通っていた私は英語が得意だったので、英語を活かせて誰かのお世話が出来る仕事に就きたかったからです。20代に入ると、父が経営していたおもちゃを販売する会社「グランパパ」を手伝いながら、スチュワーデスになりたいという夢を膨らませていました。ところが、父に相談すると「万が一、事故が起きたら確実に死ぬような仕事はダメだ」と反対されてしまいました。
「女優をやってみない?」
 ガックリきて、自分には何もやることがないと悩んでいたとき、母に突然「ちょっと、女優をやってみない?」と言われました。女優なんて、1度も考えたことがなかったから「それはイヤ」と答えたら、「食わず嫌いはダメよ」という言葉が返ってきました。「パパとママの仕事を頭ごなしに嫌いって言うのは良くないわ。1回やって味見してみなきゃ。嫌ならやめればいいんだから」。
 そういわれて、私は25歳で母が座長を務める舞台に出演することになりました。自分で舞台に立ってみると、父と母はこんなに素晴らしい仕事をずっとつづけてきたんだと初めて実感しました。自分の演技で客席から笑い声やすすり泣きが聞こえ拍手が起こる。これはすごい仕事だと、母のいうことがわかった気がしました。
 ただ、あとになって「あれはママの策略だったのかな」とも思います。お客様の反応が直接見えない映画やテレビの仕事が最初だったら、芝居の面白さをすぐに実感できなかったかもしれないからです。
父、津川雅彦が舞台で母を起用した理由
 母自身も舞台を愛していました。私が子どもの頃は、父が演出、母が主演、伯父の長門裕之さんが相手役という舞台をよく観ました。感動の涙を流した場面は、いまでも思い出すと鳥肌が立つほど鮮明に覚えています。舞台に立っているときの母は本当にすごかった。父は同じ役者として、母を尊敬していました。父は私が女優の道に進んでから、よくこう話していました。
「舞台の花道で芝居をするのは本当に難しい。普通の役者は間が持たないから、一発決めて、さっと引っ込む。でも、(二代目)中村鴈治郎さんと雪江だけは花道で30分も客席を沸かせられるんだ」
 父が自分の演出する舞台に必ず主演女優として母を起用したのは単純に身内だからではないと思います。
「台本を渡して、最初に稽古で立ったときの兄貴(長門裕之)と雪江の芝居はすごいんだ。あの2人は天才だよ」
 そう言って、伯父と母を絶賛していました。私も両親と同じ道に進んで、その感覚がわかるようになりました。舞台の上で大先輩の女優として母に接し、そのすごさを体感するようになったからです。
家でも浮世離れしていた
 そのような舞台での顔とは別に、母はテレビの世界では、“浮世離れしたお嬢様”“天然ボケ”のキャラでした。例えば、家事が一切できないとか、結婚するまでお金を払って買い物をしたことがないとか。私がデビュー後に母と料理番組に出たときは、結婚後、初めて包丁を握ったと話題になりました。
 そんな“世間知らず”になったのは、母の父・日本画家の伊東深水が母を溺愛して、深窓の令嬢として育てたからです。父はよく「雪江が何もできないのは伊東深水のせい」だと文句を言いましたが、結婚する時に「雪江は何もしなくていい、女優だけをやってくれていればいいんだよ」と言ったそうです。
 母と私で「クイズ$ミリオネア」に出場したときには、こんなことがありました。第1問は「都道府県の都はいくつ?」。私は「1つ」と答えを言いました。直後、ファイナルアンサーと言われると、母が絶妙なタイミングで「でも、京都もあるわよ」と耳元でささやきました。そういわれると、私も急に自信がなくなり、2人であたふたと相談するうちに再度司会のみのもんたさんにファイナルアンサーを求められました。思い切って「1つ!」と答え、「正解」の一言が返ってきた瞬間、母は大はしゃぎ、私は感極まってうれし涙を流してしまいました。みのさんからは「第1問でここまで盛り上がったのは、あなたたちぐらいですよ」と言われました。帰宅すると、番組を観ていた父から「みっともないから、もうクイズ番組には出るな」と2人で叱られましたが、いまとなってはいい思い出です。
「卒婚」と報じられた別居の真相
 父と母が別々の家に住むようになったのは2009年のことです。当時の芸能ニュースでは、熟年夫婦が円満に別れる「卒婚」だといわれましたが、父と母は不仲になったから別居したわけではありません。
 きっかけは父が経営する「グランパパ」が経営難に陥り、6億円以上の負債を返すために私が生まれ育ち、父と母が住んでいた家を売却せざるをえなくなったことです。その家は母の持ち物でしたから、父はそのことを今でも悔やんでいます。そのとき私はすでに実家を出て1人暮らしをしていましたが、父と母は新たに住まいを探さなければならなくなりました。しかし、父と母は物持ちなので、2人が同居し、快適に過ごせるような一軒家を探すのは容易ではありませんでした。そこで別々の家を借りて、別居することにしたのです。長年住んだ家と別れることになり、悲しんでいるかと思ったら、母は「雪江、1人暮らし初めて。ちょっと大人になれるかしら」とウキウキしていました。以前から父と母の生活スタイルは仕事上別々でしたから、部屋の住所が変更されただけのようなもので、実質的な変化はありませんでした。
コンビニをホテルのクロークと勘違い
 1人暮らしをしている時、スーパーやコンビニに1度も行ったことのない母は、マンションの1階にあるスーパーに行きたくなると「真由子、今日うちにご飯食べに来る?」と電話をかけてきました。「うちね、1階に24時間の大きな冷蔵庫があるの」といって、とても楽しそうでした。
 一緒にコンビニに行く際には、まず2つあるレジの片方のカウンターにコートを預けます。ホテルなどのクロークと勘違いしているのです。それから売り場を回って、「あの、すいません、これちょうだい」と商品を指さすと店員さんが母に気づき、カゴを持って来てくれたので、私が「コンビニではカゴは自分で持って買い物をするんだよ」と注意しました。すると「重たくて、ママ、あんなの自分で持てない」。万事がこんな調子でした。
 母が「もっと遊びなさいよ」と父に言った話や父が合コンしていることは、よく知られていますが、父と母は若い俳優さんや女優さんたちとよくご飯を食べに行っていました。両親とも私が不勉強に思えるほど、最新の情報をキャッチしていて「いま、これが流行ってるんだぞ」「あんた、そんなことも知らないの?」と言われることがたびたびありました。そのような刺激があって、父も母もずっと若々しく、格好よくいられたのだと思います。それで元気でいてくれるなら、むしろ心配が減って、いいことだと私は思っていました。父も母もお互いがイキイキしていることを誇らしく思っていたことでしょう。
「私のことも忘れちゃうのかも」
 母が認知症の診断を受けたのは2013年のことです。そのことは本人には知らせませんでした。
 母が若い頃から話し相手の名前を間違えるのは日常茶飯事で、娘の私と話しているのに「ねぇ、ヤマちゃん」と運転手さんの名前で呼んだり、外出先で仕事関係の方に出会って、ひとしきり話して別れてから「いまの誰?」と尋ねてきたりすることは、しょっちゅうでした。そのようなキャラクターですから、いつから認知症になったのか、家族にもわからないところがありました。
 私は身近に認知症の人がいなかったので、映画などで観た知識で「そのうち私のことも忘れちゃうのかも」と不安になりました。ですから、元気なうちにできるだけのことをしてあげたいと、私が母のところへ通って、なるべく一緒に過ごすようにしました。近所へ散歩がてらショッピングをしたり、食事や温泉に出かけたり。いま振り返っても、母との思い出は最後の5年間が一番多いような気がします。
家族でつくった最後の舞台
 母にとって最後の舞台になったのは、2014年の時代劇ミュージカル「花や…蝶や…」でした。これは私がプロデュースした舞台です。
 認知症になって、母が大好きな仕事をもうできなくなるかもしれない、と思ったら、胸が締めつけられました。娘として何かしてあげたくなり、もう1度だけ舞台に立たせてあげたいと思ったのです。
 父に相談すると「気持ちはわかる。でも、雪江が舞台に立つなら座長になるからね。万が一、何かあったら他人様に迷惑をかける。家族の思いだけで、やらせるのは役者として無責任すぎる」と反対されました。そのとおりだと思ったとき、妙案が浮かびました。「じゃあ、私がプロデュースをすればできるんじゃないか」と考えたのです。その提案には父も賛成してくれました。
 私は脚本の脚色、演出、振り付け、出演とすべてを担当し、深水流の家元でもある母の日本舞踊を活かして「ウエスト・サイド・ストーリー」の時代劇版にしようと決めました。そして父に「私が演出、ママが主演だから、ナレーションで出ていただけないでしょうか?」とお願いしました。こうして家族3人で1つの舞台を作ることになったのです。
母から来たクレーム
 私も母に万が一のことがあってはいけないと、演出には細心の注意を払いました。しかし舞台に立った母は、病気の影響も78歳の年齢も感じさせないどころか、女優のプライドを最後まで持ちつづけていました。芝居の冒頭で、母が花魁道中を演じる場面があり、転んで骨折でもされたら大変だからと高下駄はやめて、小道具さんに厚めの草履をお願いしました。すると、母から直接クレームがきました。
「先生、わたし女優です。草履ではなく高下駄でお願いします」
「朝丘さん、大変失礼しました。すぐに高下駄をご用意します」
 そう言って高下駄を用意すると、母は難なく履いて、凜とした姿で花魁道中をこなしました。帰りの車でも「あんたね、馬鹿にするんじゃないわよ」と怒っているので、「ほら、年齢も年齢だから、娘としては心配でしょ」となだめると、「そんなおばあちゃんじゃないから」とぷりぷりしていました。体に負担がかからないような振り付けにしていたら、目一杯に踊る振り付けに変更させられ、演出家としてはタジタジでした。
 セリフのほうも、途中で「あら?」と思うことはありましたが、ベテランらしく自分なりの言い方でうまくごまかしていました。80歳近くになれば、セリフ覚えが悪くなるのは誰にでもあることです。
 不思議なもので、日常生活で、もの忘れが目立つようになっても、母は芝居や歌になると驚くほど記憶は、はっきりしていました。昔覚えたジャズの英語の歌は、一言一句漏らさず覚えていました。
「花や…蝶や…」は結果として母の最後の舞台になりましたが、母は亡くなるまで再び舞台に上がる日を楽しみにしていたと思います。「花や…蝶や…」の公演が終わった後も「先生、次はいつ?」と尋ねられましたから。
病状が進んで、母は「姉」から「妹」になった
 別居していた父と母が3年ほど前からまた一緒に暮らすようになったのは、母の病状が進んだためです。父が心配して「すぐ会えるように、お前の近くに引っ越そう」と広い家を見つけて、母と一緒に住むことになりました。
 わが家には昔から「おはよう」や「おかえり」の挨拶でキスをする習慣があって、父と母の間にはまたその習慣が復活しました。父と暮らすようになって母は明るくなり、新婚時代に戻ったような初々しさまで感じられました。
 母の場合は病状が進んだといっても、大きく変わったのは、恥ずかしがり屋さんになったことくらいでしょうか。食欲は旺盛で、特にあんこの和菓子などはよく食べていました。甘いものを買ってきて一緒に食べようとすると、私の前にある同じお菓子をじっと見つめているので「これが食べたいの?」と差し出すとパクパクッと食べて、さらに自分のも食べてしまう。「それ私にくれないの?」と言うと、「これはおいしいからダメ」と返してくる。子どもに戻った感じでした。私にとって以前の母は姉のようでしたが、病気になってからは妹のようでした。母の現役時代に比べたら、本当に多くの時間を過ごすことができて幸せでした。最後にしっかりと母親をやってくれました(笑)。
「また女優になりたい」
 母は病気が進んでからも、不意に「明日のスケジュールはどうなってるの?」と尋ねることがありました。「明日もお休みよ」と答えると、「えー、休み多すぎよ」と不満そうでした。ふと見ると、踊りの手ぶりを工夫していることもありました。母は最後まで女優として、女優人生の千穐楽の幕を下ろすことができたんだと思います。
「ママ死んでもね、生まれ変わったらまた女優になりたいの」
 母は昔からよくそう話していました。いまごろは、新しい女優人生の初日を迎えるための準備をしていると思います。
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hksi6 · 2 years
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2022/8/30
・火曜日。今日は短く。
・夢の話。シャバドゥバダシャバダドゥバドゥバシャバドゥバビ……♪という音楽にのせて空を飛ぶ夢を見た。すごい!きれい〜!って飛んでたら街のはずれの高台みたいなとこまできて、それも越えて飛んで行ったら、急に出てきた一彩に(?)「よかった。やっと出荷できたね!」って言われる、ちいかわの不気味回みたいな夢でした。街を出ていくことを出荷というな……😂
・午後に匿名ラジオのイベントのアーカイブを流しながら梱包作業をしていた。匿ラのイベントめちゃくちゃよかったね〜となりながら、なかなか集中できた。早く円盤がほしい。部屋が暑かった……久しぶりに切ったり貼ったりできて楽しかった!!
・ピコ通販、前使った時は匿名じゃなかったので匿名サービスを使うのは今回が初めて。かんたん匿名転送は7月にリリースされたサービスみたいだから、調べても使ってる人があんまりでてこなくて…。流れ自体は結構簡単ではあるんだけど、一回事務局に送らないといけないから、お届けまでに時間がかかってしまう。どうか無事に事務局に着きますように…。
・ひいあい書くぞ〜と思っていながら、あんまり書けていない。
・スケジュール連絡待ちなので完全にモラトリアムの期間を過ごしている。
・話をぷらいべったーにあげてついったーでお知らせする形は割といいかも!あってるかも!と思っていたけど、ついったーのアルゴリズムが変わったからツイートしてもそもそも間引きされてタイムラインに表示されないかも。最初はそんなに信じてなかったけど、いろんな人が言ってるし自分でも体感としてあるので本当にアルゴリズム変わっちゃったんだな……お知らせとかするのめちゃくちゃ無意味になってるかもしれない……。早く元に戻してぇ〜。
・リツイートの表示がおかしい不具合?はなおったのかな。
・そんなこんなで……今日の晩ご飯はかき揚げつくりました。玉ねぎ、ネギ、かにかま、大葉のかき揚げ、志麻さんのレシピ。めちゃくちゃおいしかったです。
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atsushi-life-like · 2 years
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【ありがとうございました!イセリナ@ポテキ】
2022年8月23日「イセリナ story:47」@大阪POTATO KIDにお越しの皆さま、急な告知にもかかわらず、お越しいただいてありがとうございました! ほんとにね、急遽、決まりまして。POTATO KIDさんのご厚意でライブができました。マスターに感謝です。 「ねぇ、大阪遊びに行こうよ」ってね、ま、何事も勢いとノリですから、「じゃ、行く」って(笑)ラーさんも来てくれて、ライブも華やかになりました。ありがとうね! 曲目は 1.儚くも、空を仰げば 2.アラス! 3.怪物たちの見る夢 4.…じゃないか 5.隠し事 =プチイタツキタイム= 6.パークハウス701 in 1985(長渕剛)/アツシ 7.Blowin’ in the wind(Bob Dylan)/ラーさん 8.ひまわりの約束(秦基博)/アツシ 9.ぷかぷか(西岡恭蔵)/ラーさん === 10.エースパイロット 11.ラッキーマン 12.ルルル 13.Is This Life? アンコール 14.わがままYOU&ME とあいなりました。ラーさんのディラン、歌いいよね!カバーアルバム、あと5年後に作るかもって!僕はなのに来てくれた方々に感謝を込めて、「ひまわりの約束」3度目の正直?ラーさんに歌はいい!けどコード間違ってるよって、、まだまだ修行が必要だね(笑)その前に、ブッチーファンの方がいたので、僕の大好きな曲を。歌詞が、いいんだよなぁ。 アンコールまでいただいて、僕もラーさんもとても楽しい夜になりました。ありがとうございます。 また大阪に行きますね!詳細は決まっていませんが、10月4日に大阪大きな輪でライブします。よかったらご予定空けておいてくださいね! ライブ情報 ☆2022年8月27日(土) 「イタツキ! 8th stage」 場所 下北沢Music Island O 開場 18時30分 開演 19時00分 料金 3500円(ドリンク代別) 出演 イタツキメンバーズ:        ・ケンパチ先生        ・新井ラーメン健        ・Life-Likeアツシ        ・タカタタイスケ        ・松本智也        ・ツトムくん ☆2022年9月10日(土曜日) 場所 高崎SLOW TIME cafe 「イセリナ story:45 高崎で会いましょう、今度こそ!」 開場 19時00分 開演 19時30分 料金 3500円(ドリンク代別) 出演 Life-Like サポートメンバー: ギター 新井ラーメン健 パーカッション 松本智也 ☆2022年9月24日(土曜日) 場所 下北沢Music Island O 「イセリナ story:46」 開場 18時30分 開演 19時00分 料金 3500円(ドリンク代別) 出演 Juniper Berry/Life-Like ※ご予約はHP、SNSのDM、メッセージから受け付けています。お気軽にご連絡くださいね! ☆ ライブ動画配信:7月22日開催「イセリナ story:44 下北沢で会いましょう」(一部編集バージョン)@下北沢Music Island O https://twitcasting.tv/f:3622586334494105/shopcart/166118 期間:8月24日20時から2週間 料金:3000円
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isawa-nkb · 6 years
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平成の音楽を振り返る回、を振り返る
Twitterで散々告知していた、「軽音サークルOB(と現役)が集まって、『平成(OO年)といえばコレ』な曲を各々30曲ほど持ち寄り、平成を彩った名曲を振り返ることで平成という時代を総括する会」の第一回を、先日8/11の夜に執り行いました。その時に流した曲のリストが出来上がったので、会の模様を録音していた駄弁りデータを参照しつつ、ぼく視点で改めてコメントをつけてこの会の様子を残したいと思います。 一応ブログ末に録音したmp3を詰めた泥箱のリンクを貼るつもりではいますが、 会議が6時間を超える長丁場になってしまったのでさすがにそれを全部聞く暇人はこの世に存在しないだろうということで、文章にまとめた方がまだ追体験しやすいだろう、というのがこのブログ執筆の目的です。 録音データの書き起こし、というわけではないですが、脱線や菓子の受け渡しみたいな雑音が入ってるよりはむしろこの方がいいかと。勿論このブログ形式にしてしまうことで、筆者のバイアスがかなりかかってしまうことは重々承知してはいますが。
というわけで今回集まったメンバーから紹介。 ・ぷれしお 今回の首謀者。ブリットポップやシューゲイザーが専門ながら、J-popをほとんど網羅している平成の申し子。今回は「平成各年のオリコンシングルチャートTOP100を参照しつつ」「取り上げるのは1アーティスト1曲で被らないように」30曲を持ち込み、個人の思い出ではなく売上データからの分析的な検証を試みます。 ・まえぴ ぷれしおの同期。高校時代はジャズピアノを、大学軽音サークルではベースに持ち替えて精力的に活動したマルチプレイヤー。今回は「これぞ平成」な懐メロを多数用意してくれました。 ・伊38 筆者。賑やかし役。このブログに辿り着く人ならぼくの趣味はわかってると思うので割愛しますが、基本的に「他の人が持ってこなさそうな曲」をセレクト。このブログ内での「平成の語り」はぼく視点によるものなので文責はぼくにありコメントはぼく宛でお願いします。 ・各方面 軽音サークルの大先輩。筆者より10歳くらい上なのかな……? 今回は各年にハマった音楽を「表プレイリスト」「裏プレイリスト」にまとめ、交互に触れていくことで時代を多角的に検証します。年長者として、10代の多感な時期を平成と共に過ごした年代としての語り口に期待。 ・かっしー 軽音サークルの後輩。筆者より4歳くらい下。激動の平成音楽シーンにおいて数歳の差でいかに音楽体験が異なるのか。年少者からの視点が必要だとして今回参加。
この5人でお送りします。そして出来上がったプレイリストがこちら。 https://twitter.com/Plesio_/status/1028826230232047616 https://twitter.com/Plesio_/status/1028826235890102272
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わかりづらいですが、一人が一気にプレゼンすると平成30年を一息に駆け抜けてしまうので、「平成をだいたい10年ごとに分け、それぞれの年代で自身が聞いていた曲を5人がそれぞれプレゼン、それを3セット」という形式を今回採用しました。つまり上記プレイリストで誰がどの曲を持ち込んだかは結構ばらけています。その辺はぼくのこれからの語りで解説・補完していければと。
それでは前置きが大変長くなりました、適宜コメントをつけつつ、各曲を紹介し平成を振り返る回を振り返りたいと思います。
 第一部、平成初期(平成元年~10年くらい) まずは主催ぷれしおから10曲ほど。開幕はプリプリのダイアモンド。昭和じゃねえんだコレ、と思うのはぼくがまだ生まれてないからか。開幕にふさわしい明るいナンバー。 たまのさよなら人類。平成2年売上トップ10てマジ? 小田和正。ドラマから有名ですからね。 浜田省吾。「平成4年は売上トップにビッグネームが並ぶので、(彼の課したレギュレーション上)被りを避けるために」とのこと。 ZARDは平成初期では外せないですね。というか某番組のおかげで今も通用してますし。 ミスチルからはイノセントワールド。この後もスマッシュヒットが続きますが、その後のヒット曲の紹介のためにここでミスチルのカードを切ることに。しかしこれ「百万枚売れるメロが書けた!」と桜井が言うだけありますね、ラスサビからの畳みかける歌詞もエモ。 B'zもここで紹介。しかしこのLOVE PHANTOMイントロ長いな。当時は色々余裕があったというか。そして4つ打ち。と言いつつ現代の4つ打ちとはノリも扱いも違うけど。ちなみにB'zの松本氏はその時々の最新のギターの音色で録音するので、B'zファンを呼んで30年分振り返るだけで平成のギターの音色の変遷がわかるのでは感も。詳しい人を呼びたい。 SPITZ「空も飛べるはず」。これ以降ずっと何かしらの曲でランキングに居座り続けるモンスターバンド。ちなみに会ではデモ版「めざめ」を流していました。「君と出会えた奇跡が」を「君と出会えた痛みが」に変えるだけで歌詞の意味がぜんぶ変わるという、スピッツがいかに歌詞を大切に考えてるかという好例。 Kinki Kids「硝子の少年」。「20年経っても歌えるから」とごり押ししつつちゃんとスマッシュヒットを叩き出す作曲・山下達郎もすげえし、山下達郎の曲というプレッシャーを跳ね返して歌い上げたキンキもすげえ。 そしてGLAY「誘惑」。この10年で出てくるミュージシャンは平成をずっと席巻し続けるあたり、平成初期10年間がいかに強かったかわかりますね。というわけでぷれしお第一ターン終了。
次はまえぴのターン。一曲目は平成元年1月11日リリースという、滑りこみで平成な美空ひばり「川の流れのように」。平成の幕開けというよりは、これで昭和が幕を下ろしたといった方がいいでしょうか。ちなみに美空ひばりは同年に亡くなっているそうで、最晩年にこのテイクをCDに吹き込める美空ひばりもバケモノだなぁという……。 BE MY BABY。つい最近流行ったけど。初出はそりゃ平成だよなと。 おどるポンポコリン。そりゃ我々世代聞いてない人間いないよなぁ……。実際B.B.クイーンズはBeingの凄腕ミュージシャンを集めて出来たバンドなので演奏がすごいんですよね。 めざせポケモンマスター。説明不要。 チャゲアス「On Your Mark」。チャゲアスから敢えてこれを持って来るという。 MISIA、「Everything」。歌うっま……。先日のフジロックでの名演も記憶に新しく。20年以上通用し続けた歌唱力……。 残テ。ヱヴァはついに平成の間に幕を下ろせなかったね……しかしこのスネアやバスドラ、メタルというかハードロック的処理の音ではないかという。 ウルフルズ。優勝。バンザイ。しかし平成初期のポップス、重心が高いというかウワモノ勝負みたいなサウンド。キックやベースの低音が決め手になっていくにはまだまだ時間がかかります。 もののけ姫。平成ジブリといえば外せない。 あ、リストから漏れてますがここで安室奈美恵「Can you celebrate?」が流れました。平成を振り返る回をやろうと言い出したきっかけは最近話題になってた安室奈美恵からだったりします。 そして1999年、椎名林檎「丸の内サディスティック」でまえぴの第一ターンは終了。20年経っても軽音サークルのスタンダードであり続ける椎名林檎嬢の強さ……。
さてお次は不肖わたくし伊38のターン。Spookey Ruben「These days are old」タイトルではピンとこないかと思いますがYoutubeで10秒再生すれば「これぞ平成」とわかるかと。 小松未歩「氷の上に立つように」、倉木麻衣「Secret of my heart」。というかコナンのOPEDを30年分振り返るだけで平成を振り返られるんじゃないか? アニソンつながりで「月灯りふんわり落ちてくる夜」 小川七生 。オラはにんきものと迷ったけど、色々あったクレしんEDの中で唯一、かつ強烈に覚えてるのはコレ。 ポケットビスケッツ・ブラックビスケッツをそれぞれ。バラエティ番組の一企画として生まれたバンドだけど、今聞いても全然聞けるくらいオケが面白いし、千秋とビビアン・スーがべらぼうに歌うまいので企画バンドの枠を超えてると思う。実際ゴールデンタイム発でヒットチャートを動かそうというわけだから金かかってるんだろうけど。つまりは当時は色んな余裕があったんだなという。 ジュディマリ「そばかす」。ぼくリアルタイムではないんですが。YUKIの歌とTAKUYAのギターが圧倒的で未だに軽音サークルでコピーされるあたりね。 あと最後、一曲分枠が余ったので1999年RSRのブッチャーズを軽く流しておきました。というわけで次の方へ。
大先輩各方面氏。1989年はガンヘッドのテーマから開幕。そして1989年裏リストはBoredoms。これ持ってくるのか。 米米CLUB「浪漫飛行」。これも平成なんすね……で裏がHANATARASH。さっきボアダムス流したじゃないすか……ちなみに選外に人間椅子、ビョークの幼少期ジャズアルバムなど。 「SAY YES」チャゲアス再登場。歌うまいしメロがつよい。そして裏はマイブラとニルヴァーナ。1991年の選外としてはレッチリも。 1992年は「それが大事」大事マンブラザーズと、裏リスト「戦え! 何を!? 人生を!」筋肉少女帯。筋少も代表曲に困るバンドですが今回はこちら。 「EZ DO DANCE」。キンプリ、というかプリリズからリバイバルしてましたしね。そしてその年に裏で鳴っていたのがレディへ「Creep」。ちなみに翌年表プレイリストもTRF連チャンで「BOY MEETS GIRL」。 1995年、黒夢「SEE YOU」。90年代V系を持ってくるのはリアルタイム世代じゃないと……。裏リストはBjork「Hyperballad」。 電気グルーヴ「誰だ!」そしてBloodthirsty Butchers「二月」。ちなみに1996年はLUNA SEA「STYLE」X JAPAN「DAHLIA」 L'Arc〜en〜Ciel 「True」とV系の重要シングルが立て続けに出た年という。 1997年、Cornelius「Star fruits surf rider」、裏に池田亮司「+/-」。テクノ(?)な選曲。 1998年、HIDEの死んだ年ということで「ever free」。裏リストはまたBoredomsで「Super You」。選外にBoom Boom SatellitesとかSystem of a downの1stとか、ゆら帝「3x3x3」など重要盤が並ぶ。ちなみにリストでは先に出てましたが、Boa「Duvet」もこの年。
10年振り返ったのでここでプレゼンテーター交代、後輩のかっしーのターン。ただし平成初期は生まれて間もない(!)ので、当時見ていたアニメから「ニャースのうた」(クソ名曲)、おじゃる丸「詠人」(北島三郎なんだね……)を流して終了。生まれたときにはポケモンが存在していた世代……。
 というわけで第二ターム。プレゼンテーターは一周してぷれしおに回り、平成11~20年のヒット曲を俯瞰するターン。 1999年、宇多田ヒカル「Automatic」。説明不要。ちなみに会では岡村靖幸によるトリビュート版を流していました。 福山雅治「桜坂」。ちなみにこの年サザンの「TSUNAMI」も出てましたが、 サザンからは翌年の「波乗りジョニー」をチョイス。しかし桑田佳祐もつよいボーカリストですよねぇ。 「ピクミン愛のうた」。ゲームキューブってこの年だっけ……。 そしてSMAP「世界に一つだけの花」。クソ流行りましたねぇ。槇原敬之最大のヒット作というべきか。 ラルク「自由への招待」。イントロのドラムパターンが印象的だからとセレクト。 トラジ・ハイジ「ファンタスティポ」。堂本剛の歌がめちゃくちゃ上手い。 TOKIO「宙船」。会では中島みゆきのテイクを流していました。このように平成中期はジャニーズがかなり時代を持っていくチャートになっているとのこと。 「千の風になって」。クラシックでチャート入りしたのはこれと平原綾香「Jupiter」くらいなはず。 「羞恥心」。まぁ流行りましたからね……。ぼくはTwitterでさんざ言ってますがJ-popを殺したのは島田紳助とヘキサゴンだと思っています。実際この後年にはAKBが出てくるので、J-popの印象が変化するきっかけと言えなくもないという。
そしてまえぴにバトンタッチ。日立グループこの木なんの木はいいとして。 グランツーリスモより「Moon Over The Castle」。T-Square安藤まさひろ。まえぴが一番最初にやったテレビゲームだから、とのチョイス。そういや平成となるとゲーソンとともに過ごした人間とか呼んでみたい。 そしてレースゲームつながりで、リッジレーサー4より「Urban Fragments」。アイマス以前のナムコのゲーム音楽はつよい。 一青窈「ハナミズキ」。流れてたなぁそういや。 「知恵と勇気だ! メダロット」。ポケモン出したからには出さないわけにはいかないよなぁ。筆者は普通にコロコロ派でしたがメダロットとかサイボーグクロちゃんとかはアニメ見てた気がします。覚えてないけど。 Do As Infinity「冒険者たち」。そういやこの時代、女性ボーカルとトラックメイカーの野郎、みたいなユニット多かったですよね、デイアフタートゥモローとかガールネクストドアとか。そーいや遠ーい昔どっかで、「ガールネクストドアはテレビ主導・Mステ主導で流行りを生み出せるかどうかの最後の実験だった」という言説を読んだ気がします、実際ガルネクはイマイチぱっとしないで消えたような。時代の流行りとテレビ(と時代の変化)の関係も詳しい人に語ってもらいたい。 ちょっと時代遡って、「渚にまつわるエトセトラ」、「ハッチポッチファミリー」。ハッチポッチのインチキ洋楽カバー聞き直したい。 森山直太朗「さくら(独唱)」。そういや平成中期はバラードも結構ヒット曲多かったですね。Youtube前の時代なんで90秒で掴む、みたいなこともなかったですし。 というわけでヘラクレスオオカブト……じゃなくて「カブトムシ」aikoでまえぴの第二ターン終了。
というわけで伊38第二ターンですが、ぼくも平成10~20年は小中学生だったのでまだテレビっ子で音楽にも目覚めてない時代なんですね。 スキマスイッチ「全力少年」。当時はズームイン朝で若手ミュージシャンをプッシュする謎のコーナーがあったんですよね。そういう余裕があった時代ってわけですが、スキマスイッチは頑張ってましたね。雨宮天の「奏」は神。 続いてもズームイン朝枠で、nobodyknows+「ココロオドル」。ニコ動でも不動のMAD素材。というか映える声のMCを贅沢に5人も抱え、トラックも面白いし、ヒップホップブームの今再評価に値するのでは。今も活動してるか知らないけど。 矢井田瞳「My Sweet Darlin'」。どこで聞いたんだっけ…… 奥井亜紀「Wind Climbing~風にあそばれて」。グルグル見てたはずなのに全然覚えてない…… 塊魂を流そうと思ってサントラ借りたら入ってなかったので仕方なく流した「塊オンザスウィング」。松崎しげるも歌うまいな……。 ここまで誰も流してなかったので「Butter-Fly」かけときました。「カサブタ」と迷った。 申し訳程度ですが菅野よう子も流さなきゃなぁ。ということで「Tank!」を。というか菅野よう子詳しい人に菅野よう子クロニクル解説とかしてもらっても平成振り返れそう。ていうか誰も「プラチナ」流してねえじゃねえか今回。筆者はCCさくら見てないのになんでオタクになったんだろう。 FLOW「DAYS」。エウレカも見てないのになんでオタクになったんだろう俺。 「リライト」も「メリッサ」と迷った。 最後は岡崎律子のために割いた枠で、メロキュア「Agape」を流して伊38第二ターン終了です。メロキュアもリアルタイムじゃ聞いてないんですけどね。なんでオタクになったんだろう俺。
というわけで各方面氏。この辺から表リストと裏リストの境が曖昧になってくる気が。 1999年。Mad Capsule Market「MIDI SURF」、Merzbow「Electric for ICC」。選外にハイスタなど。 Radiohead、KidAより「Everything in its right place」。エイフェックスツインが「ダサい」と一蹴したとかなんとか。裏は大友良英率いるGround Zero。 Daft Punk「One More Time」。が出た年にデビューしたのがDCPRG。選外はOwls、Ghost and votka、レイハラカミ、ASA-CHANG&巡礼などなど。 2002年「Num-ami-dabutz」ナンバガ。裏はオウテカ。 Prefuse73「The End Of Biters」。裏はチルボドの4thより「Needled 24/7」。 2004年のアジカンからは「振動覚」というチョイス。裏は想い出波止場「触媒」。 選外にSquarepusher「Ultravisitor」、アジカン「ソルファ」、フジファブリック・ZAZEN BOYS・東京事変それぞれの1st 。ザゼンと事変が同い年って。 Bloc Party「Like Eating Glass」。裏は吉田達也率いる高円寺百景「Rattims Friezz」。 NATSUMEN「Whole lotta summer」、裏は日本エモ界の隠し玉・倉地久美夫「あつい日本」。 そしてここでヤスタカをセレクト。Capsule「Starry Sky」。ヤスタカのキックは2007年には完成してたということですね。裏は大槻ケンヂと絶望少女達「人として軸がぶれている」。 andymori「Everything is my guitar」。裏にgroup_inou「Coming out」。同年は9mm「Vampire」、相対性理論「シフォン主義」が出て第二次バンドブームでもある年。というわけでこれで1999-2008の10年間の(偏った)振り返り。かっしーへバトンタッチ。
1999年でもまだ1桁年齢のかっしーのターン。やっぱその辺の時代での音楽体験はアニメやテレビからが主に。 松本梨香「OK!」、クレしん「ダメダメのうた」。既に出た「めざせポケモンマスター」、「月灯りふんわり落ちてくる夜」に対して、同じアニメでも入り口が違うというジェネレーションギャップ…… 「カービィ☆マーチ」。筆者は実は当時好きじゃなかったんですが今ヤバいアニメとして再評価されてますね。もっかい見直したいなぁ。 そしてもう一つポケモンから、そもそもルビー・サファイア世代(!!)ということで「アドバンス・アドベンチャー」。筆者、逆に知らない曲だ…… ナルトより「悲しみをやさしさに」little by little。オアシスフォロワー。 ロードオブメジャー「心絵」。CCさくらじゃないんだね……。 「青春アミーゴ」。めちゃくちゃ流行ったなぁ。 その流れでKAT-TUN「Real Face」。ホント当時破竹の勢いだった。 嵐「Love so sweet」。やっぱ平成中期はジャニーズ外せない。 GReeeeN「キセキ」。流行ったなぁ…………というわけで第二ターム全員終了。怒涛の平成晩期へ続きます。
 というわけで平成21年~からの音楽。まずは例によってぷれしお氏によるヒットチャート分析リストから。 2009発売、2010にヒットしたゴールデンボンバー「女々しくて」。 そしてきゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」。Capsule、Perfumeで実験を重ねたヤスタカの結晶。 進撃の巨人より「紅蓮の弓矢」Linked Horizon。まぁ紅白出てたしなぁ。 SEKAI NO OWARI「Dragon Night」。この辺からキックがえぐくなってくる。 BUMP OF CHICKEN「Hello World!」。EDのUNIZON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」と並んで名曲。 星野源「恋」。売上基準のリスト故触れないわけにはいかない。 そして小沢健二「流動体について」。なんか熟練戦士たちが復活してきたみたいなリストになってますね。 というわけで趣味をなるべく排して売り上げ参照したぷれしおの俯瞰リストは終了。余り枠は彼の趣味を。 ゆらゆら帝国「昆虫ロック」。ゆら帝は全部マストなのだけど、1stからこちらの選曲。 the brilliant green「冷たい花」。1998年。というかまんまOasis。彼らはBlurのカバーとかしてるし生粋のブリットポップの民。 アイドルからはBABY METAL「ギミチョコ」。というわけでAKBにまみれたランキングからうまいこと外した選曲をしてくれました。
続きましてまえぴ第三ターン。 「マツケンサンバ2」からスタート。あったなぁ……。 「群青日和」。説明不要。 「メルト」。Supercell。ついにボカロが出てきた。 「恋のマイアヒ」。そう、平成といえばおもしろフラッシュ倉庫を外すわけにはいかないんですよ……。日本で唯一オリコンチャートに食い込んだルーマニアの曲。 ゆず「栄光の架橋」。ちらっと書きましたがバラードが流行りましたよね平成中期。 「最初から今まで」冬のソナタ、流行ったねぇ……。韓流ブームも触れないわけにはいかないよなぁと。 というわけで少女時代「Mr TAXI」。日本の市場をアテにして日本語を歌いだす韓流アイドルたち。そういや会が終わった後にエクストラコンテンツとして「江南スタイル」流しました。 相対性理論「LOVEずっきゅん」。やくしまるえつこ、平成晩期の女性ボーカリストのスタイルとして触れないわけにはいかないですよね……これ以降ウィスパーボイス女性ボーカリストがぐんと増えた印象。しかし相対性理論のキモはバックバンドのシンプルかつクソ上手い演奏でもあります。というか真部のコード進行とかもかなり独特な���で詳しい人にみっちり解説してほしい。 ここで今まで誰も触れなかったAKB48「ヘビーローテーション」。 そして最後、まえぴ曰く「平成に始まり、平成で終わったジャンル」こと”””青春パンク”””からガガガDXを。確かにメロコアはともかくとして、ゴイステから始まった青春パンクはもはやフォロワーもいないし、創始者の峯田和伸自身が石原さとみとキスするような俳優になってしまったという点からも、青春パンクはジャンルとして終わってしまったと言って差し支えないと思われる。実際ゴイステの曲とかは平成のノスタルジーを抱えた平成の人間じゃないと書けないというのは間違いない。ここ詳しい人に語ってほしいですね。というわけでまえぴのターン終了。
さて伊38の第三ターンです。一番書きたかったパートゆえ、少々長くなりますがご容赦を。 BUMP OF CHICKENから「グングニル」。第一・第二ターンではテレビ経由の曲を紹介した伊38ですが、それに対して(当時)絶対にテレビに出なかったバンプは、いうなれば「オルタナティブ」でした。まぁ僕がバンプを知ったのは中学の先輩だったか、おもしろフラッシュ倉庫だったか、あるいはその両方だったか覚えてませんが。 その流れでピロウズ「ハイブリッドレインボウ」。「テレビに出ない」どころか「永遠のブレイク寸前」たるピロウズは本当にオルタナティブだった。 そのオルタナティブという枠に、「ロックンロールは鳴りやまないっ」神聖かまってちゃんを。そして先日映画「恋は雨上がりのように」主題歌に採用された同バンドの曲「フロントメモリー」。 ただ映画主題歌版は、女性ボーカリストを呼び、亀田誠二がリアレンジしたもので、非常に聞きやすくなっているというか、の子自身のポップセンス・メロディセンスが非常によくわかる構成になっている。しかし「フロントメモリー」の神聖かまってちゃん本家版、それもYoutubeのPVテイクはどうかというと、ピアノが何やってるかもわからないし、高音がきついし音も悪い、非常に「聞きづらい」ものになっている。しかし”””それこそが神聖かまってちゃんだった”””というか、「そもそもポップな人間だったの子だが、売れるため・認知してもらうため・ニコ動で頭一つ出るために、敢えて尖ったことをしていた」、それはよく知られる神聖かまってちゃんの破天荒なエピソードだったり、そして音源そのものの粗さ・聞きづらさ・尖った音質であったのではないか。あるいは、ニコ動という”場”がそもそも、そういったパンクで破天荒な振る舞いを要求するような場だったのではないか、それこそがニコ動文化だったのではないか。という仮説を立てられないだろうか。ここはもっとニコ動にどっぷり浸かっていた人間にコメントをお願いしたい。 さてニコ動からボカロ文化をぼくからもほんの少々。「初音ミクの消失」。初音ミク登場当時に生まれた「機械のボーカリストが人間に勝てる部分とはどこか?」という問いに対しての安直な回答として「人間には歌唱不可能な超高速詠唱」が生まれた、その元祖の曲だと思う。これがヒトリエとかミイラズみたいな、後年の高速ラップ邦楽に逆輸入される流れになった。 もう一つ、「般若心経ポップ」から始まる一連のムーヴメントを。同曲が流行った際に、製作者がボーカル音源を配布したために「般若心経ブーム」が起こり、「般若心経ロック」やら「般若心経シューゲイザー」など、ありとあらゆるジャンルの般若心経が生まれた。この般若心経タグを巡っていろんな音楽ジャンルを知った、なんて人間もいただろうし、これに限らず「初音ミクが歌ってさえいればどんなジャンルでも聞ける」というリスナーは沢山いたと思われる。これは(にせものさんの言葉を借りれば)”””ガワの文化”””というか、初音ミク以前・以後でも「V系なら・アイドルなら・好きな声優なら、どんなジャンルの音楽でも聞ける」という、ある意味逆にボーダーレスな音楽趣味を持つ日本人の特殊な音楽観に繋げて語ることができると思われる。この辺も詳しい人たちと議論してみたいところ。 さてニコ動文化はこのくらいにしてぼくの高校時代からの邦ロック趣味変遷に戻ります。9mm parabellum bullet「The World」、あるいは「Discommunication」。バンプ狂いだった自分が衝撃を受けたテクニカル・バンド・ブーム。 そして凛として時雨。今回は「ハカイヨノユメ」。発売日にこれ買って、CDプレイヤーに入れた瞬間に吹っ飛んだ思い出の曲です。しかし、パワーコードとオクターブ奏法さえできればバンプ・エルレ・アジカンがコピーできたぼく世代に対して9mm・時雨・ホルモンが出てきたほんの数代下のバンドマンたちとは技術的に大きな隔たりがあるのが未だにコンプレックスです。 そしてこの辺をきっかけに残響レコードにハマっていく伊38。ハイスイノナサ「平熱の街」、そして「鏡面の波」。残響レコードの中でも最先端に尖っていたハイスイノナサがアニソンに接続したとき、得も言われぬ感慨にふけった思い出があります。 さて最後に、こうやってニコ動や残響レコードを経由してアンダーグラウンドに潜っていったぼくが辿り着いたのがネットレーベル文化。その中から未だ伝説的扱いをされている「HanazawaEP」より「恋愛サーキュレーション(Shoegaze arrange)」。ニコ動とはまた違う、宅録ミュージシャンの発表の場というものは刺激的でした。というわけで永遠の名曲「ヴァイオリンケースの夢を見る」を流してぼくの最終ターン終了。ケンセイオガタさんはやく公式円盤出してください。
さあ各方面氏。残業にまみれた暗黒期から抜け出したという平成晩期を振り返っていただきます。 2009年、モーモールルギャバン「Pop! 烏龍ハイ」、そして裏リストといいつつポップな、Neco眠る「猫がニャ~って、犬がワンッ!」。実際この辺からアンダーグラウンドですらポップになってくるという。同年の選外はNuito、TTNG「Animals」、サカナクション「シンシロ」、相対性理論「ハイファイ新書」など。 2010、七尾旅人「Search Boy」、神聖かまってちゃん「ロックンロールは鳴りやまないっ」。 2011年、the cabs「キェルツェの螺旋」、TTNG「Adventure」。超絶技巧ギターバンド2つが並ぶすげぇ年だ。 そして震災を経た2012年からは、LOSTAGE「Blue」、そして裏は面影ラッキーホール「おかあさんといっしょう」。震災を経て日本人は何を歌ったか?、に対してこの二つはとりわけ振り切れてますね…… KANA-BOON「1,2,Step To You」。に対して裏はうみのて「もはや平和ではない」。笑っていいともさえ終わってしまった今、もはや平和ではない日本でこの曲はある種象徴のように鳴り響く。 の翌年、Wienners「Video Girl」。言わずと知れたでんぱ組のコンポーザー。の裏で生まれていたのはD'Angelo And the Vanguard「エイント・ザット・イージー」。 2015年。ceroより「Summer Soul」一切の音すべてが必然のもとに鳴らされた 大傑作Obscure Ride。 に対してChon「Splash」。これまた妥協の一切ないサウンド。好対照な年。 MUSIC FROM THE MARS「Seaside, Seaside」。そしてこの辺から裏リストというより同率一位という感じになってくる。この年の裏選曲はOdol「逃げてしまおう」。 2017年、ものんくる「ここにしかないって言って」。 この辺りで各方面氏は菊池成孔のラジオを聞き始め、その影響で裏選曲としてジャズドミュニスターズ「革命」。 2018年。tricot「potage」。しばらく見てないうちに一皮どころか二皮くらい剥けたトリコ。ドラマーの交代らへんから音楽性が更なる深化を見せ、世界ツアーで得た経験値を完璧に開花させた名曲。そして裏選曲にCRCK/LCKS「No Goodbye」。ポップスといいつつ非常に複雑で難易度の高い音源をリリースする注目の音楽集団。を流して最終ターン終了。 そして番外編として「 BEAMS 40周年記念プロジェクト『TOKYO CULTURE STORY 今夜はブギー・バック(smooth rap)』MV」。平成を振り返る回、これさえ流せばよかったんじゃねえの?
というわけにいかないということで、大トリのかっしー。 宇多田ヒカルの再登場、キングダムハーツより「光」。平成において宇多田ヒカルは説明不要ながら何度でも取り上げたい。 AKB48「ポニーテールとシュシュ」。彼はハマった世代。そりゃそうか。 BUMP OF CHICKENから「ゼロ」。FF零式の主題歌。同じバンプでも入り口が全然違う……。 そして放課後ティータイムから「U&I」。曰くこれがなかったら彼は軽音サークルに入ってなかったという。実際当時は相当勢いがあったし、サークルでのコピバンも沢山あった。けいおんが与えた影響はやはり計り知れないと思う、もっと詳しく掘り下げてもよかったかもしれない。 UNIZON SQUARE GARDEN「流星のスコール」。ぼくがユニゾンの1stを聞いたときには「これで下北系の音楽は終わったな」と思ったのだけど、ユニゾンは以後どんどん音楽性の進化を深め、アニソンとも接続してファン層広げつつ、しかし核の「ユニゾンぽさ」を消して失わず、器用なだけのバンドとは違って非常に強度のあるバンドとして邁進していったなという印象。 Champagne「Starrrrrrrr」。ドロスでなくシャンペインが好きとのこと。しかしこの辺の音楽をバンド音楽ネイティブとして聞いてきた年齢層ズルいなぁ。 アジカン「ソラニン」。彼が軽音サークルに入って初めて演奏した曲だからとの選曲。アジカン何曲か上がったけど全然被らないな…… KANA-BOON「さくらのうた」。これきっかけにギターを猛練習するようになったとのこと。ちなみにKANA-BOONはこの曲がウケたのをきっかけに4つ打ちをやり始めて音楽性が変わっていったというが、この曲自体はそこまで4つ打ちを全面に押し出してるわけではないという。 Base Ball Bear「Perfect Blue」こちらも自身が組んだコピバンから。ベボベも取り上げる時期によって全然違うけど、こちらは非常にポップな時代。 そしてthe cabs「anschluss」。ぼくからはなんも言うことはありません。KEYTALKは殺す。 最後はtricot。Potageをかけるつもりだったが挙げられてしまったので「Wabi-Sabi」を。しかしどうやってバンドで合わせられるんだtricot。しかし、懐古的・郷愁的になりそうだった「平成を振り返る」というコンセプトの中で、最後にtricotやCRCK/LCKSといった「最新を更新し続けるバンド」の名前が挙がったのは、非常に前向きな最後でよろしかったのではないでしょうか。
というわけで以上、録音を聞きながらざっと書いてみました。ぼくのパートだけ長くなってしまったのは本当に申し訳ないですが、いずれにせよここまで読んでいていただき、長々とありがとうございました。 「あの曲がない、やり直し」などは今後の開催の際の参考にさせていただきたいのでお気軽にコメントを残してもらえればと思います。次回は9月頭に身内で、また何もかも未定ですが都内でも似たようなことをやれたらと思うので、直談判殴り込みの際はぼくのTwitter垢へリプかDMを。お待ちしております。
というわけで今回の駄弁りの録音です。平成のノスタルジアに浸りたい暇で暇で仕方ない方は適当に聞いてみてくださいまし。 https://www.dropbox.com/sh/rtbrnot2r26eyqx/AADxdHGXuJmtUx8TgYqYQ7x6a?dl=0
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nemosynth · 5 years
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<デジタルシンセ戦国記 III ; KORG DW-8000>
●メーカー名
KORG
●機種名
DW-8000 Programmable Digital Waveform Synthesizer
61 鍵、ベロシティ・アフタータッチ対応 '85年発表、定価 198,000円
ご覧のとおり、サブタイトル的に「音色メモリー可能なデジタル波形シンセ」という意味の英語で銘打たれているが、ちょっとでもデジタルと言いたかった、つまりデジタルであると言えることが時代の最先端であった当事の世相というか、時代の流れに必死で追いつこうとしていたメーカーの意地のような気持ちが感じられる。
コルグ DW シリーズは ・2基のデジタルオシレーター ・1基のアナログフィルター(VCF) ・1基のアナログアンプ(VCA) による減算方式シンセであり、当時このようにオシレーターのみデジタルな機種は「デジアナシンセ」とか「ハイブリッドシンセ」と呼ばれた。
しかし当時のコルグは、あくまでデジタルであることを前面に押し出すことで、これを最先端の技術をもちいた一種のデジタルシンセ的存在として言いたかったらしい。そんなわけで、この時、倒産しかかっていたコルグの悲壮感を汲み取って、この「デジタルシンセ戦国記」に、ご登場いただく。
ちなみに時代は変わるもので、26 年が経過した 2011 年1月に発表された KRONOS の HD-1 では、デジタルシンセ用アイコンとして DW が、アナログシンセ用アイコンとして 800DV が、おのおのカラー表示されるようになっている。
●音源方式
D.W.G.S 音源 Digital Wave Generator System の略。
これだけでは、ただ「デジタル音源ですよ」と言っているだけで、あまり分からない。ai音源(advanced integrated:M1、Tシリーズ)、HI音源(Hyper Integrated:TRITON「トライトン」シリーズ)も、単に「はげしく集積しました」って言っているだけですよね。
現実の音をフーリエ解析し、その倍音構成を整数次倍音でのみ再合成。ここから1波のみ取り出し、音源波形としてプリセットし、あとはユーザーが通常の減算方式しかもアナログ回路で処理する。コルグが初めてつくったデジタルオシレーターであり「現実から得たデジタル音をアナログによる減算方式で処理する」という発想は、いうなれば現在のハイブリッドシンセの先がけでもある。
なお、DW-8000 における音源波形は、オクターヴごとにマルチサンプリングされたものがベースであったといわれる。
80年代終わりごろになると、DWGS 音源や PCM 音源は、まとめてウェーヴ・メモリー方式、あるいはウェーヴ・テーブル方式などと呼ばれた。ただしウェーヴ・テーブル方式とは、狭義では PPG-Waldorf が始めた「波形アニメ」的な方式を指すので注意。初代 DW-6000 では8種類あった音源波形も、DW-8000 では 16 種類に増えた。
●同時発音数
8音。
このころは、まだヤマハ DX を除けば最高でも6音ポリのシンセが多かったので、8音というのは微妙にアドバンテージがあった。コルグ Poly-800 なんか実は VCF が1基しかないパラフォニックで「ウソはっぴゃく」とまで言われたのに、それでも8音パラフォで「きゅっきゅっぱ」というコスパに、全世界の少年少女が乱舞したのである。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
デジタルによる、ステレオ・モジュレーションディレイ1系統。
最大 512msec。独自の LFO を搭載しているので、モジュレーションかけてコーラスにもフランジャーにもなる原始的なマルチエフェクトとして、コルグは見ていた。デジタルであるということが、ここでも時代の先端を示すものであった。 とはいえ同社の名機 Polysix の、演歌ばりに泣きの入ったコーラス回路などとは、くらべものにならないくらい地味な効き味。ま、京都の薄味みたいなもんで、素材の味を大切にしはるわけどすな、はい京都生まれです私w
●内蔵波形、プリセットの傾向
16種。
普通のサイン波や鋸歯状波なども搭載。それ以外の波形は、現実の音を元にしてはいるので、ややリアルではある。しかし整数次倍音でのみ再現しているため、どこか音が甘い。しかも単に1波ループであるため、VCF / VCAエンベロープをかけないかぎり無表情なまでに一定の波形。つまり、PCM シンセのような、音源波形を出力しただけで完パケの音になるような便利さ安直さは、ない。
波形の元ネタは、生ピ、ベース、サックス、ディストーションギターなどあり、ただし前述のように生き生きとした PCM 波形ではないため、あくまで無表情な1波ループである。
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時代なのは、DX エレピを元にしたと思われる波形があることで、たしかによく特徴が出ているが、やはり正弦波合成による1波ループのため、これをそのまま使ってもせいぜい DX エレピの劣化コピーみたいにしかならず、うまく独自の味付けを考えて音創りするほうが良い。
金属ベルを元にした波形などは、非常におもしろく、DX エレピとはまた違った実に情感ゆたかなエレピ、それも DW-8000 でしか出ないエレピにしたり、金属的なパッドにして輝く雲のように演出させたりと、いろいろと使いみちがある。
鋸歯状波などはベーシックな波形のはずだが、やはり DW-8000 ならではの個性があり、はやりの JUNO-106 のような涼しげなストリングスにはならず、どことなく中域に倍音が密っぽいというか、なんとなく暑苦しい音になるのも、プログレにファンが多いコルグならでは、か。
波形メモリーには、256k bit ×4個のチップを使っているそうで、すなわち1メガビット、ということになる。仮にサンプリング周波数が8bit とすると、128 キロバイトの波形容量ということになるが、1波サイクルしか保存していないはずなので、これでも充分であろう。オクターヴごとにさりげなくマルチサンプルされているという噂があるが、聴いているぶんにはスプリットポイントが分からない。
8バンク×8音色= 64 音色メモリー。すべて上書き可能。 プリローデッド音色がどんなであったかは、すべて私の音色となってしまった今となっては知るすべがないが、Polysix のすごいやつを期待すると 「なんやしらんけどヤマハみたいな整った音やな。コルグにしては、ちょっと細いんちゃう?」 という感触をもつかも。
しかも最後はアナログのフィルターとアンプを通るので、どっかダイナミックレンジも狭く、S / N も色あせた、それでいて渋い音になる。
液晶表示による文字表示機能が無く、7セグ LED 数字表示しかないので、音色名も当然ない。しかし意外に簡単につかいこなせる。むしろ「下手にバイオリンなどという名前をつけますと、そのイメージにひきずられて、自由な発想ができません」とまで開き直っていた当時のコルグの恐るべき哲学(いや、ごもっとも!)と、なぜかオプションの MEX-8000(後述)取説に付属してついていた紙1枚だけのプリセット音色一覧表しかも音色に名前つきおまけにネーミングセンスがハズしているという謎の存在とが、過渡期の混沌ぶりをしのばせる。
●エディットの自由度と可能性
パラメーターの解像度は粗い。これはその後しばらくのコルグ製シンセすべてに言える事で、限界値が低いことや、解像度が粗い事もあって、実は緻密なエディットができない。しかしカタログを見ると「デジタルを越えた美しい音」とある。シンセはスペックではなく、実際に出てくる音でこそ勝負が決まる。これがコルグらしいこだわりであるとともに、私のような音色フェチには、ちょーっと寂しいというか「もーちょっと口あけてほしいなぁ」と言いたくなるところでもあり、その一方でカタログ通り美しい音にシビれ、その頑固一徹さに敬服するところでもある。
2 Osc. → 1VCF → 1VCA と、いたってシンプルな構造だが、残念ながら PWM やリング変調、クロス変調、ハードシンクなどのオシレーター変調は一切無い。そのぶん、倍音が豊富な��源波形の組合せとツインオシレーターでのピッチインターバルなどに、命をかけることになる。これが結構おもしろい。双子のメインオシレーターとは別個に、ホワイトノイズジェネレータを搭載しているのも良い。
スプリットやレイヤーは不可能、むろんマルチティンバー駆動も不可。ただし私が毎回はずさないユニゾンモードは、ちゃんとついていて、倍音の多い音源波形で本領発揮。コルグに独特の、異様にキツいフォルマントをもったディストーション系リード・サウンドは、このあたりから頭角を現してきたように思う。 さらに、ポリフォニック・ポルタメントを実現すべく、普通のローテーション・アサインの他に各ボイスを積み重ねる発音方式も用意されているのは、時代。
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VCF は、VCA とともにコルグ独自設計のチップ NJM2049 により実現されている。Polysix まではラダー型の SSM2044 だったが、Poly-800 からは、この独自設計の Quad OTA VCF チップに交代。マイナーな DW にあって、アナログ回路部分はさらにスルーされるきらいがあるが、どうしてなかなかまろやかに効く。しかも DWGS 音源によるデジタルオシレーターの音も、この VCF を通すことでアナログらしく色あせてくぐもった感じになり、ダイナミックレンジも狭くなってかえってレトロで良い、味わいぶかい。
このチップは、この次の DSS-1 / DSM-1 でも採用され、サンプリングした音がおもしろいほど変化するところを聴いてもわかるとおり、隠れた名器である。そしてヴィンテ・コルグ時代最後のアナログフィルターであり、アナログ世代最後の音へのこだわりの結晶となった。
ちなみに DW-8000 は8ボイスなので、このチップが8個搭載されているが、Poly-800 では1個しか搭載されないパラフォニック・シンセだったため、前述のとおり当時から「ウソはっぴゃく」と言われるも、誰もそんなこと気にせず、もうあこがれのシンセが手に入るただそれだけですでに嬉しかった。
EG が、フィルターとアンプとに個別にあるのも、当時としてはすばらしい。しかも、ADSR より1点多い ADSSR 方式(Attack、Decay、Slope、Sustain、Release)を初めて採用。上下反転させれば、ちょっとした複雑なアタック・トランジェントも演出できた。当時コルグが、これを誇らし気に DEG すなわち、でぃぢたるえんべろーぷじぇねれぃたぁ、と呼んでいたのが、これまた時代。どこまでも「デジタルシンセ」と言いたかったコルグの悲哀。しかも、極端に遅いエンベロープを組むと、階段状の音色変化が露呈してしまうのがご愛嬌。
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またピッチ EG の原型として、アタック時に自動的にベンドアップ / ダウンさせる機能だけがあった。極端に高い音程から、極端に短い一瞬で落下するようにかけると、例えばスラップベースのアタックにて「キュッ!!」と弦っぽい感触が得られてリアル。
画期的なのが、コルグとしては初めてキーベロシティとアフタータッチとの両方に対応していることで、豊かな倍音の音源波形、多ポイントの EG、オシレーターのピッチインターバルなど合わせて、じつは表現力は多彩である。先述の情感豊かなベル波形エレピの音などは、ほんとうに良い音なので、持っている人はぜひぜひ試行錯誤してみて下さい! ネモ秘伝の作りかたを、以下の通り大公開!
『15番の金属波形と13番の波形とを使用。 VCF-EG は、アタックに鋭いピークをつくってから、ゆっくり減衰するように設定。つまりディケイまでをほとんど一瞬で終わらせ、そこからスロープを使ってゆっくりとしたセカンド・ディケイを演出する。ベロシティによる VCF の開閉具合と、この「コツ」っていう VCF のアタックでのピークとの調整が、ほんとうに微妙だが、デジタルなので安心の再現性 笑。エンヤの光輝くピチカートにセカンド・ディケイをくっつけた、くらいに聞こえるほうが良い。強いキータッチで DX ベルを彷佛とさせつつも、上品に倍音を抑えれれば完璧。弦をつまびいているようなデリケートさを兼ね備えた、素朴だが極上のエレピを耳にしたとき、「えー、これ当時はアナログシンセに分類されてたのー?w」と貴方が思うこと請けあい。 ついでに蛇足ながらアタックがカカっと2回聴こえるように内蔵ディレイをひかえめなレベルで設定してみると、さらにアタックが特徴的に思えて効果的。』
あとコーラスギターの音をつくると、バンジョーの明るい風味ありつつも古いギターのように甘いといおうか、デヴィッド・シルヴィアンの曲で使えそうな感じに飴色な夕暮れな感じがでて、なんとも不可思議なギターになって最高。これも手の内をちょろっと明かすと:
『音源波形には6番と10番を使い、VCF カットオフはこもらせ、レゾナンスは少し上げ気味に、フィルター EG デプスは軽く減衰がわかる程度にする。ベロシティでカットオフが大きく反応するように。』
未だにこの2音色を超える音色は、手にしていない。
フロントパネルは、Poly-61 以来の悪しき伝統で、たった1本のデータエントリー・スライダーを除いてツマミを一切排除した設計。この為、昨今のリアルタイムぐりんぐりんには、とうてい向かない。はっきり言って操作性は悪い。 しかし、のちの DS-8 や M1 に始まるワークステーションに受継がれたパフォーマンス・パラメーターと言う機能があり、DW-8000 では任意の1パラメーターのみを、スライダーにアサインしておける。任意の、というところがポイントで、応用すれば MIDI チャンネルすら演奏中にスライダー1本で変えれるため、マルチ音源をスレイヴにするときいい。ここまで出来るのは、DW-8000 くらいなものであろう。
また音色切替のために十の位だけを止めておくバンクホールド機能が、はやくもついていたが、DW-8000 ではこれをエディット中にパラメーター・ナンバー選択時にも使えるのが、気が効いている。フィルター関連は 30 番台、VCF EG は 40 番台、VCA EG は 50 番台、ディレイは 70 番台というふうに、パラメーターがわかりやすく配置されているので、バンクホールドも役立つのだ。
その場かぎりのアルペジエイターも搭載していて、打鍵した順番を忠実にリピート再生してくれるモードには拍手! 最大 64 ステップの簡易シーケンサーとして使えるので、内蔵ディレイと組合わせれば、工夫次第でいくらでも複雑なパターンを演出できた。しかも MIDI 同期可能! このおかげで、「音源波形も面白いし、実質的にはコルグ初のワークステーションなんちゃうのん?」と言いたくなるくらいの実力があった。Poly-800 には、ほんとにシーケンサーがありましたね。
音はどうか? どちらかと言えばカマボコ型には違いない。しかし、自作した音色を聞きかえしても、DWGS ならではの、つまりフォルマントが半端にはっきりした正体不明な音が多い。とはいえ Polysix のような、VCO の出力が過大で VCF 内部でクリップしているような、中域の太い乱暴さはない。無理なく音がでている感じがする。そしてアナログにしては、はんぱに明瞭な音がする。
しかも最後はアナログのフィルターとアンプを通るので、不思議に S/N もダイナミックレンジもちょっとくぐもったアナログシンセの音になる。CZ が VA っぽいなら、DW はアナログっぽいというか半端にデジタル半端にアナログな音色になる。あたりまえながら、デジタルシンセをアナログのフィルターバンクに通した雰囲気。
元の音源波形の由来を、とことん無視して音を作ると面白いが、それでも半端に軽く、半端に明瞭で、半端に太く、結局なにで作ったのか分からない音になるところが、実は一番の特徴。正体不明ながらに個性的で、じつは私がなによりも好きなところでもあった。
●拡張性
あるはずがない。
しかし偉いもんで、あったのである。MEX-8000 という弁当箱のようなサイズと形の周辺機器があり、これがなんとシステム・エクスクルーシヴをためこんで吐き出すだけの、RAM ボックス(!)であった。256 音色までストックできたが、データサイズが小さいので転送時間は一瞬で済む。64 音色バンク単位で送受するので、1音色だけロードとかは不可。おまけに、なんの表示もしない味もそっけもない弁当箱である。私も愛用していたが、どこになにをセーヴしたか、とんと思い出せないまま愛用。しかもバックアップ電池が必要で、これがまた乾電池であった。これを外すとえらいことになるので、AC アダプターが必須。
なお、この MEX-8000 は、DW-8000、DW-6000、Poly-800、Poly-800II、DVP-1 で使うことができ、相手となる機種を切り替えるには、本体にあるディップスイッチを使う。
DVP-1 って、変なヴォコーダー兼ピッチシフター兼ヒューマンボイス5音ポリ音源モジュールで、じつはおもろかった。
DW-8000 はコルグ最初期の MIDI シンセのひとつなので、Sys-Ex で音色をバルクダンプするにも、1音色ずつしかセーヴ / ロードできない。一括で送受信するには、いちいちプログラムチェンジを送信し、その上で1音色ずつデータセーヴリクエストなどを送信しないとデータを吐かないので、普通のバルクライブラリアンでは対応できないことがほとんど。
よって、むしろカセットテープ・インターフェイス内蔵であることを生かし、そこから出る音声データを DAW などで wav ファイルにでもするほうが、実は手軽だったりする!
●あなたにとっての長所
アナログでもデジタルでもない「これ何で作った?」という���うな正体不明の音色が、なによりもおもしろい。そして比較的簡単におもしろい音がたくさんつくれて、しかもタッチセンスにより表情がつくところが、また良い。VCF と VCA を通るためか、アナログっぽく S/N も悪いダイナミックレンジも狭いが、それがかえって渋い渋い渋ーい音色になるんですけどね。
私が手にした機材では、もっともつきあいが長かった。さんざん使いたおしたので、120 パーセント使いこなしました、と胸はって言える。
●あなたにとっての短所
今となっては、PCM シンセの方が多芸で音も多彩。さらに DW は、パラメーターの解像度は粗い、鍵盤のタッチも悪い、MIDI 受信したときのレスポンスの遅さは逸品。
せめて片方のオシレーターの直後にアンプ・エンベロープが独自に装備されていたら、もっと使い勝手が良かっただろう。これを克服するには第二オシレーターのピッチを極端に上げて倍音群として扱い、VCF-EG でその倍音群が一瞬だけ目立って聴こえるよう時間軸上のピークを作り、なおかつピーク部以外を削り取ってしまう事で、あたかも VCF-EG で第二オシレーターの音量まで制御しているかに見せる方法があった。見ろ。文句言うだけじゃなくて、ちゃん使いこなしているだろう!
●その他特記事項
中古でもあまり人気がないらしい。PCM ほどは明解な音がせず、かといってアナログにしては整った音がする上に、なんせのっぺりフェイスのせいで、リアルタイムで操作しにくいとなると、中途半端な印象をもたれるのだろう。確かに出音は、軽めのアナログっぽくもある。
発売当時も人気が無かった。なんといっても正真正銘フルデジタルの DX が、人気絶頂だったのだから、無理もない。
そもそも DW-8000 は、ヤマハ DX7によってどうしようもなく劣勢に立たされたコルグが、それでもなんとかして生き残りをかけて開発した機種である。
81年:Polysix 発売、24 万8千円、VCO ×1基、6音ポリ 82年:Poly-61 発売、17 万9千円、DCO ×2基、6音ポリ 83年:ヤマハ DX7 発売、24 万8千円、フルデジタル、16 音ポリ 84年:DW-6000 発売、18 万4千円、ハイブリッドシンセ、6音ポリ 85年:DW-8000 発売、19 万8千円、ハイブリッドシンセ、8音ポリ
Polysix といい Poly-61 といい、発売したての新製品が、たった1年か2年で、それこそもう回復不能なまでに時代遅れになってしまうなど、いったい誰が予想しえたであろう。
だが、それがために DX7対策として開発された DW-8000 は、なかなか完成せず、焦ったコルグは「ぜがひでも早急にデジタルシンセを!」ということで、急きょ、DW-6000 を開発し、先にデビューさせた。
両者をくらべると、こうなる:
DW-6000 ・’84 年 12 月発売 ・18 万4千円 ・6音ポリ ・6種類の音源波形 ・アフタータッチのみ対応 ・コーラスのみ内蔵 ・CPU×2基
DW-8000 ・’85 年9月発売 ・19 万8千円 ・8音ポリ ・16 種類の音源波形 ・ベロシティとアフタータッチとに対応 ・モジュレーションディレイ内蔵 ・CPU×1基
すなわち、定石通り CPU を1基だけで DW-8000 の開発を進めていたが、どうにも開発が遅すぎるというので、後から DW-6000 の開発が始まり、CPU を贅沢に2つも投入することで、重たいままの未熟なソフトウェアでも走るように、とにかくなんとしてでもマッハでデジタルシンセを発売し、世のトレンドに乗り遅れまいとしたのであった。
そんな悲壮な機種 DW-6000 は、当然ながら中つぎもいいところで、デビューして1年たたずに DW-8000 にバトンタッチすることになってしまう。だいたいユーザーはそんな事情を知る由もないから、せっかくお金貯めて買った DW-6000 が、一年たたずして後継機種に引き継がれるというアゴがはずれそうな事態に。
今から見れば、DW-6000 も Poly-61 も、なかなかいい音がする。 しかし、ヤマハ DX シリーズが破竹の勢いで新機種を投入し、鉄壁のラインナップを広げ、DX9という失敗作が出てもぜんぜんへっちゃらなくらい売れまくっていた当時。そうこうしているうちに、カシオという思わぬ新規参入メーカーがあらわれ、お得意のデジタル技術でもって賢い安い CZ シリーズを、これまたラインナップ展開させて売れまくる。時代はすっかりデジタル。フルデジタルでなければ遅れている、とみなされた世の中。その双頭をなすXとZに食い込まんとしたWは、フルデジタルになりきれず、MIDI 対応も中途半端で、それでもなお「デジタル」と言いたかった DW シリーズなのであった。
だが、そんな必死のぱっちの努力もむなしく、頼みの綱 DW-8000 が売れなかったせいもあってコルグは倒産しかかり、遂にヤマハの子会社となった。チップの設計をヤマハに委託したことで、しっぽを掴まれてしまったのだという説もある。
無念。
しかし繰返しになるが、DW シリーズの音色は個性的であるだけでなく、正体不明ですらある。まじめな楽器シミュレーションをめざして作られている以上、気品のある音もつくれて、しかも「これ何?」と言わせる謎めいた感じがする。元来シンセは、正体不明な音がするから面白いのであって、既存の楽器と同じ音がしては、いかんのでは無かったか? 他人と同じアナログではしっくりこない諸兄には、実は DW、うってつけかもしれん。中途半端な太さと輪郭をかねそなえたユニゾンモードでのスラップベースの音とか、そのうちにブレイクせんやろか? TX81Z と重ねると、またおもろかったりすんねんけどなぁ。
事実、海外では DW-8000 や音源モジュール版 EX-8000 を、Sys-Ex でもって外部制御することで、DW の固定観念をくつがえすぐりんぐりんのアナログな操作と音色変化とを実現している人がいたりする。
ジョー・サヴィヌルは prophet-5 を売って DW-8000 を購入したという、いま思えば奇特な方である。一時期のキース・エマーソンは、DW-8000 のラック版 EX-8000 を数台(ちなみに、まぎらわしい EX-800 という機種もあり Poly-800 の据置型モジュールである。これも使ったらしい)、Kurzweil K250、Oberheim Matrix-12、YAMAHA TX816 など、そうそうたる面々と重ねて図太いブラスの音を出していた。Emerson Lake & Powell のアルバムを聴けば、その咆哮に出会える。
そう、DX7よりも DW-8000 のほうがブラスやストリングスなどの音色は分厚いことは、すでにこの当時、誰もが知っていたのである。
その後も DWGS 音源の開発は進み、同社初のサンプラー DSS-1 は、DW-8000 の構造をそのままに音源波形をサンプリングに解放した、まさに DW-9000 とも言うべき構造になっていた。そしてコルグから DSS-1 用に発売されたサンプルライブラリーの中に、しっかりと DWGS で合成した半シンセ波形の数々も、おさめられていた。なんせ1波ループなので、メモリーもディスクスペースも消費しないのが良い。
Tumblr media
やがて DW シリーズの設計思想は、今度こそ何度めかの正直として社運をかけて開発された M1 にて、遂にフルデジタルの減算方式しかも二系統駆動可能となって具現化した。その音源波形には、DW-8000  に搭載されていた DWGS 波形の大半である 14 種類が移植され、さらに9種類が新規追加、DW を越える合計 23 種類もの DWGS 波形が、あまたの PCM 波などとともに収録され、結果、M1 の音源波形は 144 種類に達した。かくもぎゅうぎゅうに音色資産を充填された M1 は、待望のフルデジタルシンセというだけでなく、ワークステーションシンセという名の開祖となり、コルグ決死の起死回生満塁ホームランを放ち、たった一機種で十万台以上も売れるという前代未聞の快挙を成し遂げ、コルグがヤマハから株を大量に買い戻すための救世主となった。
XとZという双璧の時代からコルグを救うはずだったWは、ひっくりかえってMとなり、もう一度ひっくりかえって、まさにワークステーションのWとなって、コルグどころか楽器業界まるごとトレンドを変えることになる。 そして今、もはやXもZも現存しない。
その後も数々のコルグ機種に伝統芸能のごとく搭載されつづけた DWGS 波形、最新機種にまで搭載されているのも興味深い。
最後に、DW-8000 そのものは、なにかと不運なシンセだが、ここで初めて搭載された機能は、DWGS 音源のほかにも数多い。 例えば多ポイント EG や、MIDI 同期アルペジエイター、内蔵デジタルエフェクト、タッチセンス、パフォーマンス・パラメーター、原始的なコンペア表示などなど。いずれも未熟とはいえ、その後のコルグ・シンセを形成するに必要不可欠なものばかり。中にはポリフォニック・ポルタメントのように、その後、ひさしくコルグから聴けなくなったものすらある。パラメーターの解像度は粗いが、かたくなに出音の個性にこだわった頑固さにはただただリスペクトし合掌するばかり。人によっては、これが最後のコルグらしい音のするシンセだと言う人すらいる。そして何よりも、全体に貫かれた分かりやすさと親しみやすさへの配慮。まさしく現代コルグ・ワークステーションの原点となった機種であり、永遠にコルグ中興の祖の、そのまた礎となった名機と言えよう。
聴け! 未来のコルグへの胎動は、ここにあり!
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skf14 · 4 years
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10280135-4
「鴻神と貴女たちの関係は私の知るところではありませんが、少なくとも彼は、事件発生から貴女を気にかけ、事件解決に奔走していた、と言うことだけは、分かっていただけると幸いです。」
「あの、吉沢さん。」
護衛の警察官に声をかけ、去ろうとする吉沢警部を呼び止めた私は、一つだけ、引っ掛かっていた事を質問した。
「篠宮、今病室に入っていった彼を、最初にお知りになったのは、いつですか。」
「そうですね、私の記憶が正しければ、あれはもう、10年以上前、12年ほど前じゃなかったかな。」
「ありがとうございます。」
去って行った男、吉沢に、「鴻神が犯人確保の際に刺されて、今治療中だ。」と言われた時、真っ先に思い出したのは、最後、鴻神から篠宮へ電話をさせた時のことだった。
鴻神は私に、「万が一自分が怪我したと知っても、篠宮には知らせるな。絶対病院に来させるな。」と釘を刺した。理由を聞いてもはぐらかすばかりで、心底嫌な奴だと、その時は嫌悪感しか抱いていなかった。実際鴻神は無茶をするタイプではなかったし、サヨナラを告げてから定期的に伝えていた彼についての連絡は滞りなく、事務的なやり取りだけで終わっていた。鴻神が黙っていた可能性も否定できないが。
私は結局、篠宮に連絡した。なぜか。問われると、明確な答えはない。ただ、知らせるべきだと、思った。それについて鴻神に怒られたところで別に、何の支障もない。
当然、血相を変えた彼は仕事帰りの私を拾ってから病院に直行した。出会ってからそれなりの年月が経ったが、彼の取り乱す姿を初めて見た。
「2年ぶり、か。」
鴻神は、18歳の私を覚えているだろうか。24歳になった私を見て、どう思うんだろう。扉の向こうは沈黙を貫いていて、何も分からない。私はそっとドアに手をかけ、扉を開いた。
「こ、鴻神、さん、」
彼女からの知らせに、頭が真っ白になった。僕と彼の間に死、と言う言葉が浮かんで、むしろ警察官でありながら、今までその匂いを感じさせずに来たことの方が凄いのかもしれない、と他人事のように思う。
ベッドで横たわる彼に声を掛けても、勿論反応はない。目を閉じ、静かに眠るその頭には包帯が巻かれており、彼1人が眠る病室にはぷん、と薬の匂いと、そして微かな血の匂いがする。
口元に手を翳せば、微かに空気が動くのを感じて安堵した。当然か。当然なんだろうが、安心する。
もう、何年顔を見ていなかっただろう。連絡すらもろくに取れないまま、彼は一体どこで、何を。僕はそばに置いてあった椅子に腰掛け、彼のいつもに増して白くなった顔をそっと撫で、そして、力なく投げ出されていた手を握った。
「鴻神さん、」
その瞬間、ザ、ザ、と、どこかからノイズが聞こえた気がして、顔を顰めた。何だ、今の感覚は。すん、と無意識に鼻を鳴らして何かの香りを探す。漂っていたのは、ほんの微かな、これは、甘苦い、特徴的な何かの匂い。僕はこの香りを、どこかで確かに、知っている。のに、思い出せない。どこだ。朧げすぎて、面影を追うことすら出来ない。
「この、匂い、どこかで...」
ベッドサイドの白熱電球が照らす部屋で、手を握り、無事を祈る姿を、僕は、どこかで、確かに、見た。
『燎、』
ノイズの向こう側で、僕を呼ぶのは、誰だ。分からない。ベッドに預けた頭に、暖かな、何かの感触がする。抗えない眠気に誘われるようにして、そっと、落ちる瞼。
ナイフが腹に刺さる瞬間がスローモーションのように見えた時、後ろ手に庇って抱きしめた子供にせめて何も見えないよう、スーツの前を掻き抱いて犯人の首に蹴りを入れた。肉体派ではないものの、我ながら良い動きをした、と思う。気を失いぶっ倒れた犯人を見下ろし、女の子の手を引いて婦警へ引き継ぎ、女の子が俺に手を振って、そして、姿が見えなくなった瞬間、意識がブラックアウトした。
左手が暖かい何かに包まれていた。だからこそ見せた、幸せな夢だったんだろうか。ゆるり、と開いた目に映った世界は、薄暗く、味気のない世界だ。腹が重い。何故。軋む身体を極力動かさないよう首だけを曲げると、ここにいるはずのない男が、俺の手を握り、微睡んでいる。これも、夢なのだろうか。
「......この、匂い、」
ぼそぼそと呟く声に、嫌な予感がじわじわと正解になっていく予感がして、俺は昔なかなか眠らない彼を寝かしつけていた時のように名を呼び、頭を撫でた。頼む。起きてくれるな。
「.........燎、」
ぎゅっ、と手を握り直した彼、篠宮が穏やかな寝息を立てはじめ、俺は状況把握と、考え得る最悪の展開を想定した。あぁ、ついていない。よりによって今日の相棒は、吉沢だ。こういう時の勘は、嫌というほど当たってしまう。
あまりに静かで、心配になった私はそっと扉を開き、部屋の中へと歩み寄った。酷く血生臭い。ベッドの脇、彼が布団に突っ伏すように頭を下げている。安心して、寝てしまったのだろうか。
肝心の鴻神は、と顔を覗き込む。と、瞼をゆっくり開いて、私の目を覗き込み、そして、空っぽの真っ黒な目に、じわじわと生気が満ちていく。ああ、この男、随分と乾いている。
周りに漂っていた黒いシャボン玉も随分と数が増えて、何か違和感が、と、私は漸く気付いた。部屋に漂うむせ返るほどの血の匂いが現実の血液じゃなく、鴻神を縛り付けるように巻き付いていた有刺鉄線が食い込み、身体中から流れ続けている、私にだけ見える深紅によるものだと。湧き上がるこの感情の名前は何なのだろう、嫌悪でも、憎悪でも、恐怖でもない。
「あ、なた...」
「...俺、言うたよな。来さすな、て。」
「......」
「......ちょっと、上着、内ポケット、取ってくれへんか。」
不思議と、篠宮を起こそう、とは思わなかった。きっと目覚めて軽口を叩き合う事を誰よりも待ち望んでいたのは篠宮だったはずなのに、どうしてだろう。眠る篠宮を避けるようにぼこりぼこりと現れては破れる黒いシャボン玉にも、不思議とあの頃のような怒りが、湧かなかった。
傍の椅子に折り畳まれて掛けられていた鴻神のスーツは随分と彼の血を浴びたらしい。腹側の黒い裏地が一段とどす黒く染まっていた。持ち上げた時に香ったのは、あの日鴻神が吸っていた、独特な煙草のフレーバー。内ポケットを探ると、小さな、ガラスの何かが指先に触れた。取り出すと、それは掌に収まるほど小さな、長方形の小瓶だった。装飾も何もないシンプルな鈍色の液体が容器の7割ほどを満たしていた。
なんて、哀しい色。私は、未だかつて彼の周りに、彩度の高い色を見つけられていない。
「...これ、?」
「おん、」
怪我人に対して強く当たるほど、私はもう子供じゃない。小瓶の蓋を外して自由な左手にそっと置いてやれば、彼はそれをしゅっ、と、篠宮に降り注ぐように何度か放って、そして、私に目配せした。私は少しだけそれを眺めた後、鴻神から瓶を受け取り元あった場所に戻した。数秒経ってふわりと香ったのは、私の目に映った色は。一言で表すなら。喪失感。
「...これ、貴方の香水?どうして突然、振り撒いたの。」
「タバコ臭いの、好かんやろ。」
「嘘ついても、バレるの忘れた?」
目の前の男が耄碌したのか弱っているのか、判別は出来なかった。ただ吐き出される真っ黒になりきれていないマダラ模様のシャボン玉を見ると無性に喉を掻きむしりたくなるような焦燥感に駆られてしまうから、私は目を伏せ、すやすやと眠る篠宮を見下ろした。
「久しぶりね。」
「せやな。」
「もう、あれから2年経ったわ。...少しは、大人になったかしら。私も、貴方も。」
「なぁ、もう、帰ってもろてええかな。」
抑揚のない声。天井をただ見つめる、真っ黒な瞳。鴻神の感情は読めない。ナハハ、と耳障りなほど明るく笑う鴻神は、彼を守る鎧だったのかもしれない。6年前の私は彼を、見ていたのだろうか。どこまで、見ていたのだろうか。
「...分かったわ。ただ、無事だってことくらいちゃんと自分の口で伝えて。」
「ん、分かった。」
「...篠宮さん、篠宮さん。起きて。」
「ん......あれ、僕、寝ちゃって、た、?」
肩をゆすると流石に気付いたのか、寝ぼけ眼を擦りながら顔を起こした篠宮を見て、"鴻神さん"はへらり、と笑い、繋がったままの手を挙げて、ゆらゆらと揺らした。
「篠宮ァ。」
「こっ、こ、鴻神さん!!目、覚ましたの!?」
「覚ましたも、何もお前、刺されたとこ、枕にされとったら、誰でも起きるやん。」
「えっ!?ご、ごめんなさい...痛む?大丈夫?」
「かすり傷やから、明日には、もう退院や。」
「そうなの?本当?」
「...えぇ。さっき鴻神さんの上司の方が来られて、そう言ってたわ。」
「よかったぁ......」
平然と出てきた嘘に素直に騙された篠宮に、罪悪感が少しだけ湧き出てすぐに消えた。嘘が全て悪い、なんて、子供の考えだ。鴻神は繋がった手をさりげなく離し、私と篠宮を見て、糸目を細めて笑う。
「おおきにな、二人とも。」
「ん?鴻神さん、...あ、僕の香水、まだ使ってくれてたんだ。嬉しい。無くなったらまた作るから、教えてね。」
「ほら、帰りましょう。篠宮さん。」
「え、あ、うん。鴻神さん、ちゃんとご飯食べてね、無理しちゃダメだよ、」
「オカンか。はいよ、気ぃつけて、帰りや。」
「...お大事に。」
そして私は翌日、また鴻神の元へと出向いた。会社へは有給を出した。当日の朝に言い出すなんて、と小言を言われたが、知人が入院した。といえば流石に人の心があるのか、気にせず休め、と嫌々言った上司に口ばかりの感謝を述べた。
病室の前、見張りの警察官に止められ、吉沢の名前を出したら、簡単な身体検査をされた後あっさり通された。恐らくあの警部の計らいが何かしらあったんだろう。警察官、つくづく敵に回したくない相手だ。昔はあれほど無能だと、嫌っていたのに。
ベッドを少し起こして、寝そべった鴻神は静かに外を眺めていた。呼び掛けるとくるり振り向いて、彼が動くたび香る、錆びた鉄の匂い。
「鴻神さん。」
「......ナハハ、自分、暇やなぁ。」
「別に私は来るな、って言われてないわ。そうよね。」
「可愛子ちゃんが厳ついオカンになってもうたなぁ。」
病院の下のコンビニで買ってきた大量のロリポップを袋ごとがさりと雑に机へと置いて、私は昨日篠宮が座っていた椅子へと座った。昨日と変わらず白い顔に、昔と変わらないへらへらと軽い笑顔を貼り付けた鴻神は寝たまま袋の中から飴をいくつか取り出し、葡萄味のそれを私に手渡した。自身はイチゴミルク味を選んだらしい。部屋に甘ったるい乳の香りが漂う。
「本当は煙草にしようとしたんだけど、貴方の吸っていた銘柄探しても、コンビニに無かったわ。私詳しくないから、分からなくて。」
「あぁ。ポールモールなぁ、もう日本やと、廃盤やねん。飴ちゃん好きやし、嬉しいよ。」
「知ってるわ。あの時も、私に渡したのは葡萄味だった。」
「そーやったかなぁ。」
さすがにバリバリ噛み砕いて食べるのは無理なのだろう、静かにそれを舐める姿に違和感を感じて少し笑えば、鴻神は驚いた表情で私を見た後、ふいっと目を背けて窓の外へと顔を向けた。
「...どこから話せば、貴方は話してくれるのかしら。」
「そもそも自分、男と二人っきりで会うてええの。」
「...そう、貴方、いつも私の名前を呼ばなかったわ。私も一度も名乗ってない。」
「そうやったっけ。」
「昨日、貴方の携帯に電話したら、吉沢警部が出たの。私驚いたわ。『塚本澪さんですか、』なんて、いきなり言われるんだもの。」
鴻神は分かっていたのだろう、恐ろしく察しのいい男だ。表情を変えることもなく飴に歯を立て、カツカツと鳴らしながらぼそり、悪態を吐いた。
「...あのポンコツ爺、」
「...どうして、教えてくれなかったの。」
「誰が捕まえても、犯人がどうなっても、あの頃の自分には、気休めにもならんかったやろ。」
「...それは、そうだけど。」
「そんな中で、歩み寄ったところで、ただの自己満足や。」
言っても無駄だと、軽くはぐらかされるたび、適当に返されるたび、思っていた。それが積もり積もった上での決別だった。でも、彼は、もしかしたら誰よりも、至極単純な何かが、欲しかったのかもしれない。一回り上の大人が、こんなにも遠い。
「篠宮さんが遭った事故、新聞の写真には、確かに彼が"乗っていた"大破した車が映ってた。事故があったことも、彼の記憶が消えたことも、嘘じゃない。」
「何を今更、」
「彼は、"事故現場に偶然居合わせた鴻神さんが助けてくれた"って言ってたわ。」
「......」
「その事故は、車3台が絡む大きな事故だった。記事によれば、その3台は、崖下に落ちた大型車、ガードレールに突っ込んで運転席が潰れた軽、そして大破した普通車。写真に映った大破した普通車から溢れた、煙草の吸い殻が道路に散らばってたの。」
「誰かが吸うてたんちゃうの。」
「名前は伏せられていたけど、軽にはクリスチャンの夫婦と女の子が乗ってた、と書いてあったわ。そして、普通車には、男性が二人。」
「.........」
「事故を担当した警察官を探して、話を聞いたわ。捜査情報だからってほとんど教えてもらえなかったけど、でも、一つだけ、教えてもらったの。散らばってた煙草が、ポールモールだって。」
そして昨日の吉沢の発言が、私の中で燻っていた疑惑を、確信へと変えた。それに、何よりも、彼と過ごしてきた時間が、答えだった。悔しいけれど、でも。
「篠宮さんは優しいわ。どんな時も他人の心を慮ることの出来る、優しい人よ。だからこそ、私に応えよう、としてくれた。それは分かってた。嘘はなかったし、彼だって、ちゃんと私を見て、私を大切にしてくれてた。」
「そんなら、なんで、今更...」
「彼はずっと、何かを探してた。私にも見えない、彼にも分からない、でも確かに、私を通して何かを探してた。上手く言えない、けど、今なら分かる。」
「やめよう、なぁ。この話、もうええやんか、」
「...忘れられた側だけが、辛いと思ってる?鴻神さん。」
人の核心を突くのは、あまり得意じゃない。と、その時私は初めて身に染みて思った。人を壊しかねない、と、恐怖すら覚えた。鴻神は私の言葉を聞いた瞬間飴をガリッ、と噛み締めて、そして、窓に向けていた視線を私へと向けた。その目は、迷子の子供のようにふらふらと戸惑い揺れる不安定を表していて、無作法に手を伸ばしたことを少しばかり、後悔すらさせた。あの掴みどころのない、いつでも平静を保っていた男が、こんなにも簡単に揺れるのか。私が開いたのは迷宮からの出口なのか、もしくは、パンドラの箱だったのか、分からない。が、後者だとすれば、一欠片の希望が残っていて欲しい、と、無責任にも祈ってしまった。
鴻神の手は腹に掛かった布団を痛いほど強く掴んでいて、指の先は白くなっている。その気持ちは、私には計り知れない。そうやって、私も、そして彼の周りの人々も、彼を、一人にしてきたのだろうか。そっと、何の意図も込めずに手を重ねた。彼は俯き、混ざらない異なる温度の共存する手を見下ろしていた。
「私は、篠宮さんのおかげで、大切な記憶を取り戻すことが出来た。報いたい、恩を返したい。そう思ってきた。記憶がないまま、思い出せないまま過ごす苦しさは、きっと同じじゃないけど、少しは、分かる。」
「...やめてくれ、」
「もう十分すぎるほど、彼は、私を救ってくれた。真っ暗だった世界に、一筋だけでも光をくれた。彼も、貴方も、私にとって英雄だった。だから...」
「もういい!...もう、いいんだ。このままで、君と燎が、幸せであれば俺は、」
ぱん、と小気味良い音が響いた、と認識したのは、すでに手が動いてからのことだった。昼下がりの明るい病室に、重たい沈黙が広がる。じんじんと脈動する己の右掌が、痛い。手も、心も、痛い。その痛みは私自身のものではなく、目の前の彼の痛みだと、そう思えた。
「もう、黒いシャボン玉吐くの、やめてよ。本当は、気付いてるんでしょ。鴻神さん。ねぇ。私、自力で沢山調べたの。篠宮さんの大学に、時々迎えにきていた男の人がいたことも、篠宮さんが、憧れてる人がいる、って警察官を目指していたことも、事故に遭った普通車の中に、ペアの指輪があったことも、全部、知ってるの、」
「......よう、調べたなぁ、警察向いてんちゃう?」
この期に及んで茶化そうとするその薄っぺらい顔が無性に腹が立つ。諦めこそが最善だと信じてやまないその姿はむしろ、宗教に近いとすら思う。私は目の前の男を真っ直ぐ見つめ、まとまらない言葉をそのまま吐き出す。
「私は人に見えないものが見える分、人が察するべき言葉の裏の意味とか、表情を曇らせた理由とか、そういうものが見えてなかった。だから、篠宮さんと出会って、貴方と出会ってから、見続けた。」
「......」
「ねぇ、鴻神さん。きっと貴方は、自分ごと忘れてしまった篠宮さんを、もう一度幸せにしよう、って、思ったんでしょ。だから真実を隠して、空白の期間に目を伏せて、やり直させたの?」
「...そんな、大層なもんとちゃうよ、ただの、エゴや。」
「そうね。...消えた4年分の記憶の中の篠宮さんは、ずっと、貴方を探してる。扉に外から鍵がかけられたことなんて知らずに、ずっと、日の目が当たる日を待って出口を探してるはずよ。だって...貴方が会いたいように、きっと、篠宮さんも、貴方に会いたいって、思ってる。」
上手く言葉が出てこない自分がもどかしく、それでも、私は口を止めてはいけないと、ただ、心から溢れ出るそのままを話し続けた。鴻神は俯いたまま、その表情は見えない。
「貴方が過去を捨てる、ってことは、篠宮さんの過去も同じように捨てる、ってことになるんじゃないの。篠宮さんを、捨てないで。」
「......何が、正解なんか、自分でもよう、分からんくてなぁ。でも、正しい道に、誘うことが最善やと、そう考えて、色々してたんやけど、俺、格好悪いなぁ。全部バレてもうた。なはは、」
ぽた、ぽた、と布団にシミが落ちて模様が生まれる。裏腹にどこか肩の荷が降りたようなその声に、私はなんだか泣きそうになって、確かに私は篠宮さんが好きで、恩を返したい、とずっと思っていたけど、幸せになってほしい、と、目の前の男がエゴだと自嘲したその願いを、同じように抱いていた。篠宮の、漠然とした何かを追い求める焦燥感を、鴻神の、ぱちんぱちんと弾けては砂のようにサラサラと消えていく黒いシャボン玉を、全部抱きしめたくなる。
「...それに、篠宮さん、昨日帰ってからずっと、色んな銘柄の煙草買い込んで、店に篭りっきりよ。どうしてだと思う?」
「.........はぁ...」
「病院に来させるな、っていうのは、事故の時と同じ状況になって、記憶が戻るのを避けたかったからでしょ。貴方も案外間抜けね。」
「皆まで言わんといてくれ、人払いする前に、意識飛んだんや。」
「靄のかかった幸せなんて、誰も望んでない。全て見た後に自分で選ぶ道を、幸せって呼ぶんだって、私は母に教わったわ。」
鞄から小箱を取り出して鴻神の手に乗せると、鴻神はすん、と柄にもなく鼻をすすって、その箱を不思議そうに眺めたあと、何も言わない私に察して蓋を開け、そして、いつもの嘘臭い笑顔じゃない、綻ぶような笑みを見せた。
あの日、ビルの上から降ってきた、Rのイニシャルを刻んだネックレス。裏に小さく刻まれた、「r to r」の文字。あの時の私が今ここにいたとしても、私の選択を、正しいと言うだろう。
「彼が先に見つけるか、貴方がその傷治して押しかけるか、どっちが先かしらね。」
「......ありがとう、澪ちゃん。」
ふふん、と得意げに笑ったはずの声は出ないまま、鴻神の手が、私の頬をそっとなぞって、しっとり濡れたその感触に、あぁ、私、泣いてるのか。と気付く。悲しいのか。いや、違う。寂しいのか。それも違う。ただ、彼らが、あるべき形を取り戻すことが、嬉しいんだ。
「...こちらこそ。私の家族を殺した犯人を、捕まえてくれて、ありがとう。篠宮さんを、助けてくれてありがとう。私は大丈夫よ。未来がどうなったって、過去も今も全部抱きしめて、私として生きていける。」
それが、篠宮さんに貰った、私の宝物だから。あの薄紅の香水瓶は、結局中身を使い切って、満たされることのないまま家族の遺影の隣に並べて置かれている。
話している最中何度か鳴っていたスマートフォンの画面をチラリと確認すると、数十分前にSNSメッセージが連続で届いていた。
『澪ちゃん!ごめん!僕ちょっと、鴻神さんのところに行ってくる!』
『間に合うかな、もう退院してるかも、でも、会いに行かないといけないんだ。』
『もし、全部片付いたら、僕の話を聞いてくれないかな。』
『無くしてたものが、見つかったんだ。』
私はそっと画面を閉じ、目の前の、まっさらになった鴻神の肩を叩き、情けない顔を笑ってやった。
「ほら、しゃんとして。鴻神誄。めそめそしてるのは貴方らしくないわ。どんな過去が帰ってきたとしても目一杯抱き締めて、もう離しちゃダメよ。」
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mioraynolds16 · 4 years
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最近この世の中生き苦しいなーって考えちゃうことがある。
こないだ学校で先生と美味しいお寿司屋さんの話してて"○○美味しいですよ〜"って言っただけなのに
そこは子供が行くとこじゃないわ〜とか半分キレられたり
英語の先生におすすめの映画教えたら
それ結構大人の観るやつですね〜って嫌味言われたり。
家の門限は7時。遊ぶ時は相手のこと親に話さなきゃいけない。
わたしはいま16歳。
NetflixでR15の作品だって観ることができる。
少し高い回らないお寿司屋さんにも連れて行って貰える。
少し空が暗くなったって1人で帰って来れる。
先生や親って16歳をどう見てるの?
大人でも無いし子供でも無い、
わたしは自分でも16歳がよく分からない。
いま、ひたすら自分を見つけながら必死に生きてる。高校生してる。
1年前は中学生、学校帰りも寄り道なんてそんなせずに学校終わったら家に帰ってた、
今は学校終わってその日の気分と余裕で友達とそのままどっか行く。どこでもいい。ただただお腹空いてるから空腹紛らわすために水をがぼがぼ飲みながら少し離れた街まで行く。
1年前はお小遣い、全て休日の遊びに使ってた。
今はほとんど貯めてる。貯めようとはしていない。ただ高校生になると周りのみんなが自分の体型を気にする。それを見てたら痩せなきゃって思う。4月はママが毎日お弁当作ってくれてたけど部活生の弟と同じだから勿論毎日食べてたら太る。ママには申し訳無いけど最近は昼は水とカロリーメイトでしのぐ。Netflix観ながらちびちび食べたら空腹なんて紛れる。だから無駄に食費かからなくなって気づいたらすぐ貯まる。
1年前はトラブルがあったとき、泣いて先生に話してた。
今は1人で考えることが多くなった。誰かに話したくないわけじゃない、ただ高校生になって今まで以上に誰にも話せないこととか デリケートな部分も出てきたから。夜に部屋のライトを消してイヤホンでボリュームガンガンにしてEd Sheeranとかのエモーショナルな曲聴いたら涙出てきて 家族にバレないように声殺して泣いて、そしたら次の日は半分どーでもよくなってる。
1年前は好きな男の子は2個上のプロスケーターだった。彼が今は恋愛よりも自分の夢を叶えたいって言ってたからずーっと友達以上恋人未満だった。遠距離だったし 奥手な人だったから 片思いで終わった。
今は特に彼氏を求めてるわけでもない。欲しくないわけでもない。ただ今はの自分に精一杯で正直余裕が無い。こないだ男の子にご飯誘われた。別の子に映画にも誘われた。でもなんだろう、先を考えすぎちゃうのかなあ。ギリギリまで悩んで結局両方断ってしまった。
こーやって書いてみたら色々あるけどほんとに1年前と比べて色んなことが変わった。
考え方、立場、友達、欲、360°変わった。
悪くは捉えてない。だってこれが16歳なんだもん。
あ、これめちゃくちゃいいじゃんって思ってとっさに買っても3日経てば飽きちゃう、
へぇー、これあの子が言ってたサプリかー、試してみよー、なんとなく周りに流されやすい、
学校の課題多すぎる、テスト?え?1問目から分からなくてイライラするんですけど?
帰り道に綺麗な夕日みて
日本って平和だなーってしみじみ思う日もあれば
メロンパンをボロボロこぼしながら食べて歩きしてる大学生みるだけで、自転車の人が避けてくれなかっただけで、挨拶したつもりが返ってこなかっただけで、すごくすごくすーっっごくイライラする日もある。
うん、これが16歳。わたしが思う16歳だと思う。
感情的で、良い意味でも悪い意味でも周りに流されやすくて、1年前と変わらないはずの日々にも感動したり時にはイライラしたり、それでも常に"自分"探しをしてる。
そうそう、中学のときだったかなー、社会の先生が話してたんだけど (食料自給率の話ね、)
例えとして天ぷらそばの話しててさ、
天ぷらそばって日本の発祥じゃん、
なのに実際は 海老もほとんどはインドネシア産とか天ぷらの衣に使われる小麦粉もアメリカ産が多かったり、そば粉は中国産、醤油とかの原料の大豆だってアメリカ産多いよね、
つまり、自分の国の誇るべき食べ物も名前だけであって原料は海外に頼っているということ。
これ、いまのわたしたち16歳と重なると思うんだよねー。
自分の目指してるものもある程度あって、こうなりたい、あんな風になりたいって、そーやって周りにインスピレーション受けながら自分を見つけたいんだけど、見つけようとはしてるんだけど
でも、全てをつくりあげることは不可能であって結局は人の真似したり、人のいい所取りをしちゃうところ。
でも、これ、悪くないと思う。
だって、あくまで今は自分探しの旅の途中なんだから。
ほんとに些細なことにイライラしちゃって
後から原因忘れちゃうようなことに頭使いすぎて疲れちゃって
色んなこと溜めすぎて すぐSNSに"死にたいww"とか書き込む、それで満足。
でも逆に、
ほんとに些細なことにこの上ないくらいの感動感じたり
時には、"後回し"することが自分の為になったり、
SNSで名前も居所もお互い知らない人に話聞いて貰ってなんか心が吹っ切れたり、
だから、話戻るけど
"天ぷらそば"みたいにわたしたちって他に頼ったり身を任せたりするのも全然アリだと思う。
だって、天ぷらそばだってそーやって輸入に頼りながらも日本のトラディショナルとして上手くやってるじゃん!?
大人が何と言おうと、時に自分の立場が分からなくなって淋しくなっても 大丈夫!わたしはいつも自分に言い聞かせてるよ。
自分探しの旅っていつがゴールなんだろう。
まー、分からないけど常に今の自分最強!って思えるように、20歳になって世間では大人っていう肩書きが付いても わたしは自分探しを続けるつもり。
You guys should go and love yourself❤️
with too much so much love✨
みんな、自分を愛してね❤️
溢れるほどの愛を✨
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sogautsuki · 5 years
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【アンソロジー】大富豪×ゴージャスラブ
 たっ、大変ご無沙汰な更新となってしまいましたぁっ!  平成から令和に変わったどころか、最終エントリーが2018年て……。年すら明けてませんでしたね。大変失礼いたしました。  えーと、この約7ヶ月で色々なことがありましたが、お陰様で健やかに過ごさせていただいております。  ここ最近のビッグイベントはやっぱり「オペラ座の恋人」全6巻の刊行でしょうか。  (ごく一部分の)共著者として、3ヶ月連続2冊ずつの刊行というお祭り騒ぎを楽しませていただきました。あとちゃっかり全巻をサイン付きで献本を貰いました。うへへ。  そして、どうしてもサイン本は首都圏に集中しがちなので、それを補填する意味である企画をこっそり練り練りしております。詳細が決まり次第、改めてお知らせいたしますのでもう少々お待ち下さいませー!
 そして本題です!(遅)  7月4日にオパール文庫さまより刊行されます『極甘エロスなアンソロジー3 大富豪×ゴージャスラブ』に参加させていただきましたっ!
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【オパール文庫公式サイトより】 高級ファッションブランドの美しき御曹司、 強引でセクシーな石油王、 年下スイート系男子な富豪画家、 王子系凄腕トレーダー……
ゴージャスな男たちと、とことんエロスなアンソロジー!
 そして、蘇我は誰担当かといいますと……。
 高級ファッションブランドの美しき御曹司 ←これ。
 書籍紹介ではトップですが、書籍の掲載順ではアンカーです。なんでだ。  ちなみにタイトルは『麗しのフランス人御曹司に甘やかされて』という、非常に直球なものを編集部に付けていただきましたw
 初の外国人ヒーローになったというか、諸々の経緯はこんな感じでした。
担当編集さん(以下、編):今度のアンソロなんですが、ヒーローが大富豪という設定でお願いします! 蘇我(以下、蘇):えっと、オパール文庫さんのヒーローって基本お金持ちじゃ……? 編:それをもっとゴージャスにした感じで!! 蘇:う、りょ……了解しました。
 すぐさま某経済誌の長者番付を開いたのは言うまでもありません。  でも番付上位って、IT系社長(シンデレララブで書いた)とか、不動産王(大統領を書けと?)とかになっちゃうんですよねぇ……。  うーむ、と悩んだ挙げ句、これならどうだ!と決めたのが今回のヒーロー氏でございます。  貫禄たっぷり大人なヒーロー氏ですが、実は健気で可愛いところがあるんですよふふふ……。そこは是非、書籍の中でお楽しみ下さいませっ!  今回の表紙(イメージイラスト)は駒城ミチヲ先生、そして蘇我の扉絵は炎かりよ先生が描いて下さいました!  表紙絵を見せていただいた時はですね、えっ、ちょっ、またヒーローだけですか!!ってなったのはナイショですよー。  表紙はあくまでイメージなので、実際のヒーロー&ヒロインは扉絵の方でご確認下さいませ。  もうね、扉絵はね、再現度が高すぎて震えましたよ!いくらビジュアルを指定してあるとはいえ、えっ、ここまでイメージ通りに描いてもらえるってあるの!?という驚きでいっぱいでした。  いやもう、ほんっと炎先生には感謝でいっぱいでございます……尊い。  扉絵の「先」を想像するとニヤニヤしちゃう構図になっていますので、是非手にとっていただければ嬉しいです!
 ……と、約7ヶ月ぶりのエントリーのくせに長々と失礼いたしました。
 しかしあれですね。  アンソロジー→単行本→アンソロジーと来ていますので、このパターンでいくと……?
 では、これで失礼します!(満面の笑み)
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