#鳴蟇村
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gebo4482 · 7 months ago
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鳴蟇村 / NARIBIKIMURA
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kachoushi · 1 year ago
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各地句会報
花鳥誌 令和5年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年7月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
あぢさいや錆ゆくときもずぶ濡れて 光子 雨に白く汚されてゐる木下闇 緋路 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 見覚えのビルはもう無くサルビアに いづみ 夏草のつぶやくやうな雨であり 和子 鉄条網梅雨の蝶さへ寄せつけず 同 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 飛石をぬらと光らせ五月雨 久 その人は梅雨に沈みながら来る 順子 五月闇不穏な波の来るといふ はるか
岡田順子選 特選句
列車音遠ざかるとき浜万年青 はるか 庭石は梅雨のものとて黄泉のもの 俊樹 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 雨の日の桔􄼷のうしろすがたかな 美紀 萱草のそびらに恩賜なりし闇 光子 潮入りのみづは昔や通し鴨 いづみ 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 瞬ける雨粒蜘蛛の囲の銀河 緋路 雨に白く汚されてゐる木下闇 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月1日 色��句会 坊城俊樹選 特選句
鹿の子啼く隠れの島に入日濃く 修二 たはむれの莨にむせし桜桃忌 久美子 寂しさを下から崩すかき氷 朝子 茉莉花の別れ際こそ濃く匂ふ 美穂 不如帰久女の夢と虚子の夢 修二 首の無きマネキン五体暑き日に 愛 蟬生る瓦礫の闇の深きより かおり ひまはりの花と育ちて銃を手に 朝子 バレエ団の窓へブーゲンビリア満つ 愛 蔓薔薇をアーチに育て隠居せる 光子 うつし世のものみな歪み金魚玉 かおり バス停のバスまで覆ふ夏木かな 勝利 梅雨空にジャングルジムがひつそりと 修二 襖絵の孔雀の吐息寺炎暑 勝利 君嫁して香を失へり花蜜柑 たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
らつぱ隊香り奏でる百合の花 さとみ 風鈴が相づちを打つ独り言 都 香水に縁の無き身や琥珀色 同 身ほとりの置き所無き土用の入り 同 滴りの奥にまします石仏 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
黒塀や蔵してをりし八重葎 宇太郎 ふりかへる砂丘の海の線は夏 同 葛切や玻璃にスプンの当る音 同 夏草の中の林道下りけり 同 ソーダ水斜めに建ちし喫茶店 同 向ひ風麦藁帽を光背に 同 白服を吊りたる明日の再会に 悦子 浜昼顔一船置きし沖を恋ふ 同 白南風旅の鞄をコロコロと 美智子 足跡や巡礼のごと砂灼けて 栄子 紫陽花やうた詠むくらし悔もなく すみ子 玫瑰の咲くや砂丘の果の路 益恵 躊躇なく風紋踏んで白い靴 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
早苗饗や手足を伸ばす露天の湯 幸風 はらからや薄れゆく過去心太 百合子 一品を後からたのむ心太 秋尚 青楓雄々しく抱ける年尾句碑 三無 天草の歯ごたへ確と心太 文英 朝顔に護符つけ市の始まりぬ 幸子 朝顔のつぼみ数へて市を待つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
西日射す鏡に海女の手櫛かな 昭子 兜山古墳を包む大夕焼 ただし 良き事の有りや無しやの今朝の蜘蛛 信子 信州に梅雨のかけらの雨が降る 三四郎 石も又涼しきものの一つかな 昭子 香水や周囲の心独り���め みす枝 梅雨寒や口を預けて歯科の椅子 信子 うなだれて少年の行く片かげり 昭子 僧逝きて久しき寺の夏椿 英美子 猛暑日や万物すべて眩しめり みす枝 天近き牧牛の背や雲の峰 時江 コップ酒あふる屋台の日焼顔 英美子 サングラス外し母乳を呑ませをり みす枝 かぶと虫好きな力士の名をつけて 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
芋焼酎醸す香りの満つる街 三無 団扇さし出かける孫の下駄の音 ことこ それぞれが里の焼酎持ち寄りて あき子 老媼の団扇頷きつつ動く 和魚 児に送る団扇の風のやはらかく ます江 店先で配る団扇の風かすか ことこ 泡盛の味覚えたりこの良き日 同 団扇手に風のざわめき聞く夕べ 廸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
沖縄の鳳梨乾いた喉癒す 裕子 青空や収穫の日の夏野菜 光子 夕暮れは車窓全開青田風 紀子 貝釦一つ無くした夏の暮 登美子 まだ聴けるカセットテープ夏深し 同 雲の峰送電線は遥かなり 令子 夕焼に路面電車が揺れてゐる 裕子 鐘を撞く寺は山上雲の峰 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 萩花鳥会
透き通る海は自慢よ海開き 祐子 救助士の臀筋たくまし海開き 健雄 夏草や一対すべて青の海 俊文 生ビール久方ぶりや子とディナー ゆかり 引く波に砂山崩る海開き 恒雄 天の川点滅飛機の渡りゆく 美惠子
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令和5年7月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
羅を纏ひしものの身の一つ 世詩明 天国も地獄も自在孟蘭盆会 同 風の盆男踊りの笠深く 幹子 盆の供華華やいでゐる村の墓地 同 ギヤマンの風鈴揺れる蔵の街 嘉和 古団扇思ひ出の新しき 雪 縁側に男冥利の裸かな みす枝 ナツメロを口ずさみつつ草を引く 富子 蓮開く様自力とも他力とも やす香 神主の大きな墓を洗ひけり ただし 在りし日のままに夏帽吊し置く 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
田舎家の土間のだんまり朝曇 要 炎帝の遣はす鴉黒く群れ 千種 会釈する日傘に顔をなほ深く 同 夫恋ひの歌碑を見てより秋近し 炳子 飴色に枯れ空蟬の垂れ下がる 久子 古民家の故郷の匂ひ壁に黴 経彦 三猿の酔ふ草いきれ庚申塔 眞理子 古民家の茅屋根匂ふ炎天下 三無
栗林圭魚選 特選句
蓮花の水面の余白空の青 亜栄子 カラフルな浮輪乗り合ふ市民バス 久 じやぶじやぶと揃ひのティーシャツ水遊び 三無 咲き足せる泰山木の真白かな 秋尚 森少し膨らませをり蟬しぐれ 慶月 水音に誘はれつつ灼くる道 眞理子 惜しげなく涼しさ放つ水車小屋 要 ひとときの静謐滝に対峙して 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
マッカーサーパイプ咥へてアロハシャツ 千加江 遠雷や織部の茶碗非対称 泰俊 二業地に一の糸鳴る夜涼かな 同 悠久の光り湛へて滴れり 同 青田風満目にして夕仕度 清女 脱ぎ様のまことしやかに蛇の衣 雪 退屈をもて余しゐる古団扇 同 洗ひ髪訪ふ人も無く待つ人も 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月21日 さきたま花鳥句会
沢蟹の渡る瀬石に日の名残り 月惑 空蟬や辞書に挟まる紙兜 八草 家眠る厨にひとりバナナ剥く 裕章 山の水集め男滝の帯となる 紀花 どら猫にまさる濁声夏の風邪 孝江 炎天に心字の池面雲動く ふゆ子 打水や土の匂ひの風生まる 康子 行くほどに街路華やぐ百日紅 恵美子 睡蓮の葉を震はせて鯉の道 みのり 八の字を書きて茅の輪を潜りけり 彩香 誘蛾灯今は無人の故郷駅 静子 枇杷熟るる眷属訃報また一人 良江
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令和5年7月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
半夏生何処が嫌ひと云はれても 雪 蛇にまで嫌はれさうな蛇苺 同 何処をどう突いてみても蟇 同 お隣りは今はの際と虎が雨 一涓 師の友は文教場址合歓の花 同 守宮まづ招き入れくれ舎入門 同 忘れじの人今も尚蛍の夜 同 入道雲天下制する勢あり みす枝 藍浴衣片方だけにピアスして 昭子 サングラス外して妻は母となる ��詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
空蟬や地中の記憶あるらしく 要 靖国の坂みんみんの急くに急く 昌文 炎天に零戦仰角三十度 佑天 鳥居へとまぬがれがたき炎天を はるか その日近付き靖国の灼けてをり 慶月 みんみんの高鳴く魂の声として はるか
岡田順子選 特選句
熱き骨ぽきぽきたたみ日からかさ 眞理子 真白な祢宜の出て来し木下闇 政江 笛の音の遠くに生まれ夏の果 光子 零戦を撮る少年の夏休み 慶月 下乗せし老女紅濃く夏詣 同 英霊に七日の魂の蟬時雨 政江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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gebo4482 · 5 months ago
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鳴蟇村 ローンチトレーラー
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kachoushi · 1 year ago
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各地句会報
花鳥誌 令和5年9月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年6月1日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
草取れば天と地しばし離される さとみ 沙羅咲きて山辺の寺の祈りかな 都 神官の白から白へ更衣 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月2日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
読み辛き崩し字祖父の夏見舞 宇太郎 滝飛沫祈りて石を積む人へ 栄子 担当医替る緊張なめくぢり 悦子 青葉木菟声を聞きしは一ト夜のみ 史子 黒を着て山法師てふ花の下 すみ子 砂丘拍動遅滞なく卯浪立つ 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月3日 零の会 坊城俊樹選 特選句
病院の跡へ南風の吹き抜ける 季凜 梅雨の石積むもののふの墓暗く はるか 十薬とは屍を小さく包む花 和子 もののふの山が鳴るなり青葉風 はるか いとけなき蜘蛛も浄土を知りつくし 順子 菩提寺は城を見上ぐや男梅雨 慶月 ナースらの谺を追うて枇杷熟るる 順子 階段をのぼるつま先街出水 小鳥 青梅雨のしづくすべてが弥陀のもの 光子 罠であり結界であり蜘蛛の糸 同
岡田順子選 特選句
墓守のアパート三棟蕗の雨 風頭 眼をうすく瞑る菩薩の単衣とも 俊樹 アトリエへ傾るる大樹枇杷たわわ 眞理子 真夜中の泰山木の花は鳥 いづみ 青梅雨のしづくすべてが弥陀のもの 光子 昼顔は雨の列車にゆらされて きみよ 行き先を告げよ泰山木咲けば 和子 夏菊や南無遍照と一家臣 慶月 梅雨出水過ぎて正気を歩きをり いづみ 青梅雨の真黒き句碑が街映す 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月3日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
点ほどの人の生涯芝青し 朝子 青芝にまろぶフレンチブルドッグ たかし 海亀の孵化高精細の大画面 勝利 水郷の蛍のなかに嫁ぎゆく 孝子 子供の日クレーンは空へ置き去りに 久美子 特攻の話し聞く夜の蛍かな たかし 日輪は地球の裏に蛍の夜 睦子 青芝を犯す少年のスパイク 同 黴の中遺されしもの錆てゆく 美穂 舞ふものゝ影をも流し梅雨の川 かおり 袋ごと枇杷をもげよと檀太郎 睦子 亡き父のジャズ沁み込みし籐寝椅子 たかし  ハーレムの少年 青芝にいのちの次のスニーカー 修二
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月5日 花鳥さざれ会
少年の少女の昔あめんぼう 雪 ふる里の水の匂ひにあめんぼう 同 風みどり故山の空を吹きわたる かづを あめんぼう映れる雲に乗りゐたり 同 水馬水のゑくぼに乗り遊ぶ 泰 俊 名刹に雨を誘ふや水馬 同 売家札とれて漏るる灯蚊喰鳥 清 女 強かに生きて卒寿の髪洗ふ 同 緑陰に栄華の茶室古りしまま 希 落武者の子孫が育て花菖蒲 千代子
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令和5年6月7日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
紅薔薇や三國廓址の思案橋 世詩明 更衣恋に破れて捨てがたし 同 水芭蕉分水嶺の聖なる地 同 夏帽子振つて道草してゐる子 清女 鳴く顔が見たくて覗く蛙の田 同 読み終へし一書皐月の朝まだき 同 鋏手に赤き手袋バラ真赤 ただし 浦人の少年継げる仏舞 同 欲捨てて今日も元気蜆汁 輝一 紫の色をしまずや花蘇枋 同 一番星遠ち近ち蛙鳴きはじむ 洋子 手折りたる酸葉噛みつつ歌ひつつ 同 自転車を押してつつじの坂上る 誠 飛魚の羽ばたき飛べる船の旅 同 風薫る慶讃法要京の厨子 幸只
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月10日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
富士見えて多摩横山に風薫る 白陶 朽ちし色残し泰山木咲ける 秋尚 風薫るポニーテールの娘の声に 幸子 日々育つ杏とエール送り合ふ 恭子 夜も更けてたれが来たかと梅実落つ 幸子 余白には梅雨空映す年尾句碑 三無 記念樹の落���し実梅も大切に 百合子 観音の指の先より風薫る 幸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
浴衣着て父似母似の姉妹 清女 香水のひそかな滴人悼む 昭子 髪洗ふ心のしこり解くやうに みす枝 白鷺の孤高に凛と夏の川 清女 梅雨じめりしたる座敷に香を焚き 英美子 知らぬ間に仲直りして冷奴 昭子 夏場所や砂つかぶりに令婦人 清女 明易や只管打坐してより朝餉 同 蟇が啼く月夜の山に谺して 三四郎 白��袋の静かな運び仏舞 ただし 梅雨しとど鐘の音色も湿りたる みす枝 答へ��くなきこともあり紫蘇をもむ 昭子 本題に触れず香水帰りゆく 同 水面にゑくぼ次次梅雨に入る みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月12日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
ためらはずどくだみ束ねバルコニー 和魚 釣堀の揺るる空見てゐるひと日 秋尚 何も手に付かぬひと日や五月雨るる 秋尚 どくだみの清潔な白映す句碑 三無 十薬の匂ひの勝る生家門 聰 どくだみの苞白々と闇に浮く 和魚 五月雨にふくらんでゐる山の湖 怜
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
目を染めて麦の秋へとなりにけり 光子 短夜の夢も短き目覚めかな 文子 子の植うる早苗の列の右曲がり 登美子 バースデーソングと夏至の雨響く 実加 羅の受付嬢はちよと年増 みえこ 色街の女を照らす梅雨の月 登美子 五月雨真青な傘を買ひにけり あけみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月13日 萩花鳥会
車椅子頼りの暮し梅雨籠り 祐子 革ジャンに沁みた青春黴生ふる 健雄 玉ねぎの丸々太る五月晴 俊文 亡き夫の捨てられきれぬ黴ごろも ゆかり 雨蛙降り出す庭で鳴き交はす 恒雄 星々に瞬きかへし舞ふ螢 美惠子
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令和5年6月16日 さきたま花鳥句会
大胆に愚痴を透かして青暖簾 月惑 紫陽花や小走りに行く深帽子 八草 まな板も這ふらし夜のなめくじら 裕章 夕まぐれ菖蒲田の白消し忘れ 紀花 屋敷林青葉闇なる母屋かな 孝江 鐘供養梵鐘の文字踊りけり ふゆ子 漣の葉裏に返る新樹光 とし江 花手水薄暑の息をととのへり 康子 風薫るいまだ目覚めぬ眠り猫 みのり 花菖蒲雨に花びら少し垂れ 彩香 短夜や二日続けて妣の夢 静子 耳かきの小さな鈴の音初夏の夜 良江
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令和5年6月17日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
登山者が供華に挿し行く地蔵尊 やす香 蟬一つ鳴かぬ光秀忌を修す ただし 桃色の若き日の夢籐寝椅子 みす枝 村百戸梅雨のしとどに濡れそぼつ 同 空き箱に色褪せし文梅雨湿り やす香 西瓜買ふ水の重さの確かなり 同 薫風や見上ぐるだけの勅使門 真喜栄 そよぐには重たき鞠や濃紫陽花 同 花菖蒲咲かせ半農半漁村 千代子 日の暮れて障子明りに女影 世詩明 香水の女に勝てぬ男かな 同 早苗饗や上座に座る村の長 同 春深し遊び心の雲一つ 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
蜻蛉生る山影ふかきむじな池 芙佐子 むじな池梅雨闇の棲むところかな 要 朝まだき甘き匂ひの蛍川 千種 田の隅の捨苗萎れゆく日差し 芙佐子 大方は夏草となる畑かな 秋尚 過疎村に農大生の田植笠 経彦 行き止る道に誘ふ夏の蝶 久 蚯蚓死すむじな池への岐れ道 千種 捩花の螺旋階段傾ぎをり 斉 道をしへ夜は蛍の思ひのまま 炳子 故郷の水田へ草矢打つやうに 要
栗林圭魚選 特選句
蜻蛉生る山影ふかきむじな池 芙佐子 六月の谷戸のすみずみ水の音 三無 蚯蚓死すむじな池への岐れ道 千種 虎尾草より風生まれをり流れをり 久 どんよりと新樹映して濁り池 要 源五郎さ走る田水光らせて 久子 桑の実や落ちては甘く土を染め 三無 万緑の中の水音澄みてをり ます江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月21日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
故里の百年の家花石榴 啓子 巣作りの青鷺歌ふ高らかに 千加江 母に詫び言はねばならぬ梅雨の入り 昭子 幹太くなりたる樹々の夏の午後 雪子 衣替へして胸に白すがすがし 同 梅雨の灯に猫の遺影と娘の遺影 清女 寝返りを打ちても一人梅雨の月 同 枇杷啜るこつんころりと種二つ 希子 女子高生混じる一人に黒日傘 数幸 観世音御ンみそなはす蛇の衣 雪 観音に六百年の山清水 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
あめんぼうてふ名に滑る他は無し 雪 九十二の更衣とはこんなもの 同 白鷺のいよいよ白き青田かな 同 蛇の衣こんな綺麗に脱がずとも 同 落椿描ける女人曼荼羅図 同 殉国の遺影と父の日を終へり 一涓 青春に戻りて妻と茱萸を捥ぐ 同 門川の闇を動かす蛍舞ふ みす枝 母の日の花は枯れても捨てきれず やすえ 一番星あちこち蛙鳴きはじむ 洋子 草矢打つ程の親しき仲でなし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年6月25日 花鳥月例会 坊城俊樹選 特選句
紫陽花や伐らねば夜の重くなる 要 打水はインド料理の香をのせて はるか 炎帝の満を持したる神の池 要 炎天へ柏手打てば蹌踉ひし 順子 靖国は蒼くなりけりサングラス 緋路 雨蛙虫呑みてすぐ元の顔 裕章 サングラス胸にひつかけ登場す 光子 魂となる裸電球祭待つ はるか
岡田順子選 特選句
押し寄せる蓮のひとつに蓮の花 俊樹 紫陽花や伐らねば夜の重くなる 要 凡人てふ自由たふとし半夏生草 昌文 蓮原の沖に宮城あるといふ 光子 内堀の夏草刈られ街宣車 要 混ざり合ふ手水と汗の掌 緋路 祭の準備指揮をとる大鳥居 みもざ 水馬ふたつの天のあはひゆく 裕章
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
蛍狩り娘の掌のがれて星となる 世詩明 更衣恋の火種を残しけり 同 少年を仰いでをりぬ青蛙 昭子 うまいとも言つて��れぬが菜飯炊く 同 子よりまづ泳ぎ出したり鯉幟 一涓 夏暖簾廊下に作る風の道 紀代美 喉鳴らし母乳呑む児や若葉風 みす枝 目に見えぬものを脱ぎたり更衣 洋子 青鷺が抜き足差し足田を進む やすえ 一院のかつて尼寺白牡丹 雪 蝸牛角を突いてゐる女 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kachoushi · 2 years ago
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星辰選集
花鳥誌 令和5年3月号
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令和4年12月号の掲載句より再選
坊城俊樹選
この星辰選集は、私が各月の掲載句の中で、雑詠選・撰集選・さいかち集の成績などに関係なく、改めて俳句としての価値が優れていると判断したものを再度選句したものです。 言わば、その号における珠玉の俳句ということになります。
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驟雨去りかまつか終焉の炎 荒木 絹江 燕の巣少し汚して帰りたる 髙木 和子 河口から虹屋へつづく月の道 早川 笑子 もののけに素顔見られぬやう踊る 緒方 愛 穴を出し蚯蚓一糸も纏はざる 村上 雪 オフィーリアの哀しみ閉ぢぬ秋灯下 大久保 樹 地獄煉獄ダンテの本に知る文月 蒼井 音呼
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凝視せるひまはり万の無表情 藤枝 昌文 星飛んで青��浮かみし耶蘇の岬 天野 かおり 朱の鳥居行けば戻れぬゑのこぐさ 栗原 和子 ひまはりを剪り残照に立ち尽くす 尾田 美智子 尻に火の付きたるねずみ花火かな 内田 たけし 狼も獺も絶え星月夜 村山 要 ロック終へ耳鳴りのして今日の月 荒川 静
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蟇もうすぐ雨の降り始む 小川 みゆき 缶蹴つて隠れしところ蛍草 村山 弥生 石棺の異教の紋へ秋澄めり 渡辺 光子 星座絵にひと太刀入れて流れ星 鈴木 月惑 学校に行かぬ子と見る後の月 関 とし江 モノクロの記憶に曼珠沙華まつ赤 沢井 真弓 水澄むや雲もいつしか溶けてをり 比嘉 幸子
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新豆腐水の重さの掌に 佐藤 ゆう子 帰りには秋灯になり橋渡る 渡辺 幸子 院号の金字悠悠秋彼岸 岡田 順子 小鳥来る恋の足りない西銀座 葛生 みもざ 敗戦忌闇屋パンパン進駐軍 有馬 幸月 ぶらぶらと曲がりくねつた花野道 高山 ���草 逆点の悔し涙の大日焼け 富田 みな子
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念仏は享保の口伝地蔵盆 吉田 志津子 水澄むや塔たをやかに崩れたる 小林 含香 葛原の中より河の始まりぬ 中里 三句 高き枝にでで虫秋を見てをるか 山川 ます江 亡き母の描く物憂げな秋海棠 柴田 貴薫 ハッブルが内から覗く天の川 野田 勝利
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kachoushi · 3 years ago
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各地句会報
花鳥誌 令和4年4月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
……………………………………………………………… 令和3年11月と12月 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
御会式太鼓の響き寺小春 ただし 神々し雪の白山神還る 同 一夜にて大樹痩せるや神渡し 輝一 近松忌マスクの下の紅濃ゆく 清女 近松忌重ね重ねて木の葉髪 同 冬銀河せせらぐ音の聞こゆ宿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月5日 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
煩悩の奥に仄めく除夜の鐘 世詩明 冬めけるものの一つに乱れ髪 同 越前の水仙海岸風岬 同 風立つや母は幼くなりにけり 同 篝火の参道険し除夜詣 ただし 初夢や虎が千里を駆けめぐる 同 枯菊の土の堅さの極まりて 同 雨降りし雲間に鳩や雀どち 清女 鐘の音に百五十人初諷経 同 皸の手に教本の修行僧 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月6日 うづら三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
幼き日姉妹一律お年玉 由季子 初明り古希半ばにも皓々と 同 人混みに雑念ばかり初詣 さとみ 初仕事揃ひそろりと店の番 同 のど飴を一つふふみて冬の道 都 恐ろしや今宵の予報雪女郎 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 枡形句会
栗林圭魚選 特選句
二人居の軋む廊下や寒に入る 百合子 冬の鳥餌ある小枝あやまたず 美枝子 減りてまた増える家族や雑煮椀 三無 鉦の音に紅濃ゆく照る実万両 同 母偲ぶ味に近づく雑煮かな 瑞枝 二日目は妻の故郷の雑煮かな 秋尚 初句会目出度き菓子も添へられて 和代 寒の入り俯きて歩す寺の猫 美枝子 初句会遥か中子師としあつ師 ゆう子 寒雀陽子の墓碑に集ひ来ぬ 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 零の会
坊城俊樹選 特選句
人日の真昼ひとりの神谷バー 久 ロック座��淑気まみれの昼の闇 順子 頰垂れし観音の背の冬日かな 小鳥 おとつひの雪の骸を蹴り上ぐる 久 並ぶ列間口小さく冬灯し 三郎 今半の香り留めて鳥総松 三郎 喰積に飽きて六区の立飲みに はるか
岡田順子選 特選句
寒手水鉢に中村萬之助 佑天 厳寒の六区を歩く有頂天 小鳥 寒鴉きて鴟尾の屋根歌ふなり 俊樹 白息の俥夫は晴着の女引く きみよ 松過ぎのすき焼屋へと別嬪も 俊樹 恵方より白き鳥舞ふ隅田川 はるか 観音へ祈りあえかに雪女郎 眞理子 人日の真昼ひとりの神谷バー 久
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
寒雀空をすぼめて帰りけり 世詩明 初詣磴の􄼪にある情け みす枝 雪が来て滑る都の大騒ぎ 三四郎 難解な軸の字にある淑気かな 上嶋昭子 駅伝の歩幅の広し息白し みす枝 どんど火に古き句帳を投げ入るる 信子 去年今年零時貫く目出たさよ 三四郎 鍛冶始主従の音に跳ぶ火花 みす枝 凍蝶に動くもの皆影を曳く ただし 菓子屋の灯交番の灯やクリスマス 上嶋昭子 寝正月すればと夫に言はれても 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
寒暁や鳥の鳴く声透き通る 史空 薔薇色の富士燦然と初御空 美貴 初雪や音も気配も葉に積もる 迪子 初刷や届きし記事に暗き影 エイ子 大鳥居仰ぎ淑気の只中に 三無 梢より初日の温みとどきをり ます江 若水を存分に汲み気の溢る 貴薫 ひとり居のくぐもる声や初電話 美貴 方寸の一人の居にも初日満つ 怜 デイの朝御慶の挨拶一としきり 怜
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月11日 萩花鳥句会
回遊の初鯉に餌を恵みけり 祐子 元気かとやはらかき筆初便 美恵子 越すや直ぐ離縁家庭の寒灯下 健雄 初寅や父の辿りしけもの道 吉之 元旦や厨に火入れす男の手 陽子 虎年の吾と息子と年迎ふ ゆかり 初便みんな余生のことばかり 克弘
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令和4年1月13日 花鳥さゞれ会
坊城俊樹選 特選句
旅終へし如く置く筆去年今年 雪 様々な寒さ重ねてゐる故山 かづを 若衆も花札も古り小正月 匠 神慮秘し清しかりける初鴉 数幸 此の出刃で鱈をさばきし妣のこと 清女 碧空に白雲一つ淑気満つ 啓子 境内を静に浄め寒の雨 希 雪傘にかくれし女薄化粧 天空 合掌し春待つ石の仏たち 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
一切のスイッチを押し初仕事 登美子 ラッセル車がうがう唸る午前五時 裕子 弾初の駅のピアノの美��しけり 登美子 冬の日の部屋深くまで届くかな 紀子 旭日と餅花ゆらぐ床として 令子 初旅を終へていつもの歩幅かな 登美子 初御空いろんな鳥の生き生きと 光子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
初雪や朝刊だけの靴の跡 悦子 霜の刃を踏みてナースの夜勤明 悦子 知らぬ間に上座にゐたり嫁が君 益恵 雪しまくぐつと地軸を傾がせて 都 盤屈の松に響かせ初太鼓 宇太郎 押し車引きつ若菜を摘みにけり すみ子 寒鴉降りて野の黙深くなる 美智子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月16日 風月句会
坊城俊樹選 特選句
寒菊を供へよその名隠すまで 和子 逆光の毛帽子二人戻り来る 和子 寒晴の少しづつ伸ぶ女坂 慶月 寒菊の色とりどりを抱く地蔵 和子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 歪なるまま土を上げ霜柱 貴薫 綿虫を連れて一山参りたる 和子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 ゆつくりと天を目指してゐる冬芽 久 おほどかに傾ぐ石仏冬ぬくし 和子 悴める指先包む手のありて 貴薫 蝋梅の香に絡まれて石仏 三無 満目の凍て山陰の黝し 千種
栗林圭魚選 特選句
梅探る退くに退けざる道となり 千種 何もない空に富士嵌め寒の晴 秋尚 つと掴む霜の手摺りや昇り坂 久子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 綿虫を連れて一山参りたる 和子 笹鳴や我が影長く落す坂 久子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 城跡のことども語る榾火守 兎生
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月19日 福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
児雷也の蟇踏んまへし飾り凧 雪 水仙がお負けに付いてゐやうとは 同 初夢に一喝されし声の主 同 大晦日夫の長湯につき合はず 和子 どんどの火大切なもの燃やしをり 令子 生涯を黒子に徹し去年今年 清女 お降りに笏谷石の青極む 笑子 家族にも姿勢正して御慶述ぶ 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月 九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
吾に触るる汝は盲や冬の蝶 桂 鬼太郎も旅人なりし冬銀河 喜和 モンローの丸き唇寒の紅 吉田睦子 凍蝶を包む此の世の光かな ひとみ 産院へ陽は柔らかく小豆粥 かおり 古井戸に凍蝶の空あると云ふ 同 寒月の野良となりたる猫の上 光子 誰が鳴らす阿蘇の谷間に鐘冴ゆる 千代 初鴉黒きを誇り羽撃けり 同 初旅や臣虚子の碑に見えんと 古賀睦子 日に怒り月に吼えたる冬の海 同 寒卵神の光のごと生る 同 寒夕焼的なき海に石を投ぐ 由紀子 避雷針の光寒鴉の孤高 勝利 スカーフに包む土耳古の冬日差 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月30日 花鳥月例会
坊城俊樹選 特選句
百屯の鳥居は冬を支へきる 月惑 鰹木に千木に淑気��名残かな 要 冬ざるる空に父待つ母子像 て津子 十字架もアンテナも春待つ空に 要 日溜まりにふくらむ少女竜の玉 順子 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子 冬帝と交はらぬまま鳥空へ 和子
岡田順子選 特選句
鰹木に千木に淑気の名残かな 要 さまざまな蓮を弔ふ枯蓮 俊樹 靖国へ旅の名残の雪沓で はるか 煮凝を仕込むひとりのミサの夜 俊樹 弟はいちごの絵なり凧揚ぐる 千種 薄氷を纏へば錦鯉となり 俊樹 水仙を手向けて若き友送り 美明 冬帝と交はらぬまま鳥空へ 和子
栗林圭魚選 特選句
枯蓮の水の深きへビル刺さる 千種 竜の玉探る物欲しさうな指 千種 凍濠のみしりともせぬ渕昏し 俊樹 寒鯉や神池の底に穢れなく 月惑 裏庭の秘め事めける梅見かな 千種 リノリウムの廊下濡らしてゐる冬灯 和子 寒卵子金の口より醤油さす 千種 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子
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kachoushi · 3 years ago
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各地句会報
花鳥誌 令和3年9月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
……………………………………………………………… 令和3年6月2日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
大日焼け少女は肩を焦がしけり 世詩明 廃村の家並にしかと花菖蒲 同 夏菊の白を重ねて供へけり ただし お寺より俗に貰はれゆく子猫 清女 永き日を半分横になる暮し 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月3日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
庭石の湿り程程梅雨に入り 英子 かびの香と回想満ちる棚の奥 さとみ 草茂る敵の如く鎌を研ぐ 都   旅を待つ衣裄に掛る夏衣 同  緑陰に五百羅漢の喜怒哀楽 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月3日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
潮の香を消して辣韭掘り進む 美智子 灯消し梅雨闇へ影戻しやる 都   たらちねの好みを供へ夏に入る 幸子 麦秋に溺れてしまふ道祖神 悦子 夾竹桃原爆ドームへのすがら 益恵 樟脳の匂ひの満てる更衣 立子 デイケアを戻り五月の海を見る すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月5日 零の会 坊城俊樹選 特選句
縄文の丘を辷りて瑠璃蜥蜴 要   夏蝶が堆積層をまた跨ぐ 荘吉 夏潮の遠くなりては貝塚に いづみ 縄文の貝の白きへ更衣 三郎 貝塚は朽ち捨てられし夏の月 いづみ 幾夏の土器を見つめてゐる博士 三郎 貝殻は貝の白骨南風吹く 千種 縄文へ吸ひこまれゆくサンドレス 三郎 ひんやりと手に縄文の蟻冷ゆる 順子 貝塚に遊ぶおさいは夏の草 和子
岡田順子選 特選句
沙羅散つて今日一日の甃 炳子 紙垂ととのふ祭迎への男たち 慶月 蛍を呼ぶ父の背の丸みかな 美紀 貝塚の地層の底へ実梅落つ 要   縄文へ吸ひこまれゆくサンドレス 三郎 蟻の塚大森貝塚をなせり 千種 貝塚の地層は夏へ湾曲す 俊樹 いつさいのやがては遺跡万緑裡 千種 貝塚を見て縄文の海は見えず 俊樹 夏潮の遠くなりては貝塚に いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月8日 萩花鳥句会
風車千個舞ふ如山法師 祐子 時鳥今年の声は椿谷 美恵子 そら豆の一粒さまの安居かな 健雄 梅雨の頃畳乾拭く母ありて 陽子 夏大根蔵王風土は辛味濃く ゆかり 梅雨晴や窓といふ窓開け放ち 克弘
……………………………………………………………… 令和3年6月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
花石榴越堂偲ぶ安養寺 令子 岩魚跳ね九頭竜峡は清々し 登美子 薔薇赤しいづれもクイーンエリザベス 紀子 ��猫を追へば石榴の花の家 登美子 石榴咲き娘の嫁ぐ日を迎ふ あけみ 白藤も犬も引越しクレーン来る 令子 金色に福井平野は麦の秋 同  存分に玉葱を干し一日終ふ 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月10日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
晴天のどこかに梅雨入りてふ翳り かづを 風に風ふれては光りゐる若葉 同  そぼふるに夢にたはむれ七変化 数幸 こは死地ぞ地中におはせ大蚯蚓 同  何処に落せし金色の蜥蜴の尾 雪   籐椅子に誰彼となく座して古り 清女 咲き初むる白は神慮か花菖蒲 希   水脈も無くたゞゆるゆると川梅雨入り 天空
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月12日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
海霧深き宗谷岬の霧笛鳴く 独舟 万緑の真ん中に座す母校かな のりこ 人だけが星に名をつけ夏の夜 同  熊鈴の響き藻岩の山開き 同  炎天の呼吸バッハの無伴奏 同  短夜や子の隠し持つ漫画本 同  リラ冷や恋は水色すみれ色 岬月 綿菓子に祭の顔の埋もりたる 同  蜘蛛の囲の瞬く星を織り込めり 同  ライラック百の乳房の香を放つ 雅春 祭り笛振り向けばストーンサークル 同 
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月14日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
毛虫焼く時仏心の失ひし 英美子 逢ひたき人夢のなかまで蛍の夜 みす枝 涼しさや一重まぶたと長き指 上嶋昭子 冷奴時に聞こえぬふりをして 同  払つても払つても目まとひの道 清女 暑き日のパンク修理の盥水 三四郎 ハンモック少年期とはいくつ迄 上嶋昭子 向日葵を描けば顔を描きたし 世詩明 日焼けしてもうハンドルを握らぬ手 清女 菖蒲の湯米寿の四肢を撫で申す みす枝 タンポポの絮が迷つてゐる厨 清女 庭下駄の上に鎮座の蟇 上嶋昭子 灯台は天に伸びたり卯波寄す 同  紫陽花や手毬潤す山雨急 時江
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月12日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
靴箱に主無き靴や梅雨に入る ゆう子 句碑の辺の枝整ひて梅雨に入る 文英 翡翠の影を置かざる速さかな 三無 焔立つ藁の焙りや初鰹 幸風 奥社まで会話の弾む夏木立 美枝子 名刹の鉄扉漆黒梅雨に入る 多美女 翡翠の集めし視線ごと水へ 秋尚 約束の果せぬままに梅雨に逝く 亜栄子 庭下駄を揃へし先に雪の下 多美女 下校の子約束多き柿の花 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
いささかの訳あり顔の残り鴨 雪   白牡丹暮れかねてゐる夕心 同  草抜きて抜きて終生草取女 みす枝 水鉄砲撃たれ喜ぶ爺と婆 同  日除帽目深に色白の女 英美子 席題の筆書き揺らす風薄暑 やす香 老眼鏡掛けたるままの大昼寝 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月16日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
父の日の父と呼ばれし人は我 世詩明 花石榴むかし空襲ありし寺 令子 高倉健見し昂ぶりに火取虫 清女 紫陽花や乾きしままの絵の具皿 啓子 夏服の四肢まだ白き鼓笛隊 泰俊 逃がさうと掌広げ見る蛍 同  梅雨晴や袋小路に広小路 数幸 首級無き武将の墓や落し文 雪   真砂女好き真砂女嫌ひの洗ひ髪 同  麦秋や焦げんばかりに村の墓 同  一向に代り映えせぬ更衣 同  振り向かず尺取虫でゐる間 同  尺蠖の測り切れざる己が影 同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月20日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
森閑と森灯すかに黃釣船 貴薫 草螢出でよ遺跡の眠る丘 炳子 鉄柱に逆三角の蜘蛛の糸 幸子 御出現遺跡の森の青大将 久子 堂裏に十薬白を正しくす 斉   万緑に奔る兄弟紛れ込む 亜栄子 餓鬼大将ざりがに釣りに伴揃へ 三無 万緑や遺跡の底に笛の音 久子
栗林圭魚選 特選句
森林を活き活き燥ぐ父の日よ 文英 森閑と森灯すかに黃釣船 貴薫 青々と風を広げて今年竹 斉   ごぼごぼと水音に群れ半夏生 文英 あぢさゐに彩を注ぎて雨上がる 三無 吾子よりも大声出して蝲蛄を 眞理子 下闇の鳥の声まで吸ひ湿める 貴薫 あぢさゐの白を揃へて家並古る 斉   湿りたる山気に垂れる黄釣船 三無 雨上がり万緑爆ぜて闇匂ふ 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和3年6月21日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
尺取りの時に尺取り損ねたる 雪   空よりも暮れたる水に蛍かな 同  六月の鏡は蒼き肌うつし 昭女 紫蘇揉めば青虫ぬつと現れぬ 同  黒南風やハンフリーボガード名画座に 同  終りなき蟻の行列続きをり やすえ 植田もう高き鉄塔映らざる みす枝 ここいらが平家平と五月闇 一涓 もう蟻の列を逸れたり龍之介 同  餌を待ちぎぎめく軒端燕の子 同  落人の末裔として見る蛍 同  蛍の源氏平家のもつれ飛ぶ 世詩明 背が曲り腰が曲りて汗をかく 同  蛍籠下げたる方が妹らし  同
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… なかみち句会(六月投句句会) 栗林圭魚選 特選句
床上げを数へる指に梅雨の月 聰   たまゆらに雲間を走る梅雨の月 怜   露天湯にほぐるる身体梅雨の月 三無 玄関に亡夫の夏帽そのままに 怜   つば裏に母の字残る夏帽子 美貴 家人留守蠅取蜘蛛と遊びけり 和魚 けんけんを見ててとねだる夏帽子 美貴 壁を這ふ蜘蛛ちらつきて寝つかれず 怜
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
早苗饗の一献は田に撒きにけり 愛   形代に指折り記す妹の年 志津子 東京に捨てきし女薔薇真つ赤 成子 神妙な名越の親子赤ふどし 久美子 東に青龍潜む涼しさよ 美穂 棄て畑を大きく背負ひ独活の花 さえこ 受話器持つ店主の片手蝿叩く 久美子 よりどころなき夜たぐりて麻蒲団 愛   その奥に神木聳ゆ御祓かな 伸子 toCoda(トウコーダ)のある三味の譜や夏暖簾 勝利 竹皮を脱ぎ業腹をふりきりし 睦子 藍浴衣横顔ばかり流す川 佐和 父の日の父と偲びぬ母のこと 喜和 長老に御祓を委ねゐし野川 洋子 蛍火のすいと消えたる黄泉の口 ひとみ 羅や下駄の音にも色のあり 喜和 岩に散る貝の化石や夏至正午 勝利 羅の少女さらつて小夜嵐 佐和
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kachoushi · 4 years ago
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星辰選集
花鳥誌 令和3年2月号
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令和2年11月号の掲載句より再選
坊城俊樹選
この星辰選集は、私が各月の掲載句の中で、雑詠選・撰集選・さいかち集の成績などに関係なく、改めて俳句としての価値が優れていると判断したものを再度選句したものです。 言わば、その号における珠玉の俳句ということになります。
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雲の峰青山墓地に崩れけり 辻 梓渕 蘭鋳の知らずや己が短尾を 四宮 慶月 華やぎて雨師へ崩るる蓮の花 山﨑 久子 三業地に名残の格子夏の潮 松宮 一仁 荒梅雨や卓に歳時記歎異抄 鮫島 成子 芭蕉葉の風音白し被爆の忌 安原 さえこ 先生と啞蟬残し山門去る 田丸 千種 瑠璃揚羽の躍る青空の無疵 荒木 絹江
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薄闇にラジオときには蚊遣香 岡田 順子 大薬缶でこぼこのまま麦茶煮る 山田 あき子 七島を沖に並べて昼寝かな 平山 きみよ 向日葵の貌貌貌の地平線さ 関 とし江 また生きてまた万緑の中に入る 白水 朝子 薔薇刻む石のクルスの影涼し 松井 秋尚 心太うつかり心ひらきけり 上嶋 昭子 万緑の重さに息を吐きにけり 村山 弥生
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ほのめきて玉ところげし青時雨 赤川 誓城 めまとひといふ執念に負けてをり 猪俣 北洞 空蟬の破られし背に光満つ 一倉 小鳥 垂直に炎天の威の襲ひ来る 小川 笙力 靖国の生れ育ちの蟻の列 大江 三郎 絵日傘を回す数ほど想ひをり 野田 勝利 ひぐらしの梢より闇の降りてくる 佐藤 ゆう子 目に見えぬ大きな敵や霊迎ふ 荒舩 青嶺
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蜩やひつかき傷のある頁 小林 含香 昂りもせず深深と秋の蟬 渡辺 彰子 隧道の闇つんざきて蟬生る 天野 かおり ハンカチの過去旧姓のイニシャル 岡田 圭子 大の字に畳三枚昼寝人 遠藤 松翠 ありつたけの雨ぶちまけて梅雨明くる 宮城島 正子 送火やふるさとの闇ゆれやまず 続木 一雄 見つからぬ言葉を探し星月夜 平野 緑
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司会者は被爆四世長崎忌 吉田 志津子 窓越しの守宮に臍のありさうな 緒方 愛 児の口に残る暑さと噛めぬ肉 牟礼 鯨 手花火の玉ぽつたりと地の闇へ 比嘉 幸子 白金の森はどこまで蟇の鳴く 津野 おさむ 八月の真昼いづくも無音なる 今井 美佐 十方の悲喜交々や蟬時雨 岩佐 季凜 零標灼け一鳥を止まらせず 馬場 省吾
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大男ぐつたり倒れ大昼寝 多田 みす枝 海底を天国と云ふあはび海女 進士 里昇 入道雲空に津波のある如し 石月 朋子 追はれ来て秋の影へと秋の蝶 中里 三句 冥界の王へ琴座の涼しき音 横田 美佐子 国蝶の翅のむらさき夏に濡れ 下野 美智子 秋暑し鼓膜の底の救急車 戸澤 晶子 サングラス男の眼窩闇深し 古賀 睦子
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生れしばし赤銅色の夏の月 杉原 久美子 八月の床下に来る獣の香 水野 よみ子 あんぱんの餡より続く蟻の道 大村 八重子 告げぬまま香水びんの澱となり 竹下 雅子 発つ駅も終着駅も合歓咲けり 吉田 都 藻の花やここは街中汚れ川 近藤 教幸 八月を口にせぬまま別れけり 渡辺 幸子 八月の日差に町は硬く立つ 鍜治屋 都
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kachoushi · 8 years ago
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3月の各地句会報
平成29年3月の特選句
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 栗林眞知子選 岡田順子選
平成29年3月1日
立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
母君と眠る谷倉や実朝忌 越堂
猫塚の文字新しや春日影 輝一
悲しみの大火の空を鳥帰る ただし
夕月を背負ひ北帰の雁の棹 越堂
恋猫の四股ふんばつて突進す 清風
わたつみへ吸ひ込まれゆく牡丹雪 越堂
冴返るレッサーパンダ大脱走 誠
置炬燵妻の無言の座とならん 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月2日
三月の月花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
呆気なく素気なく今日東風訪ひ来 牧羊
東風吹くや物音耳に吹き溜り 英子
病む兄に花見約束して別れ 喜代子
椿落つ華やぐ所避けて行く 喜代子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月2日
県民会館花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
蟇穴を出でて天下を伺へる 越堂
水底の蝌蚪の墨痕淋漓たる 龍聲
啓蟄と思ひつ蟻を掃いてをり 清女
歌詠みで武士で僧侶で西行忌 千代子
白梅の蕾百花に魁けて 龍聲
越前の雛に越後の雛あられ 雪
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月3日
鳥取花鳥会(三月三日)
岡田順子選 特選句
春泥の轍の伸びて果樹手入 栄子
芽柳や百羽の鳩の影曳いて 悦子
予備校の窓を洗ひて大試験 都
残る雪三角形に三叉路よ 美智子
気を入るる薄焼卵雛支度 悦子
湖平ら二つ三つ四つ春の島 美智子
あまりにも軽き遺品の紙雛 立子
ふる里は単線の駅糸柳 逸子
咲くやうに朝焼写し春氷 都
春の雪百葉箱へ蛇行あと 悦子
湖北路のそれでも木の芽吹く便り 幹也
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月4日
零の会
坊城俊樹選 特選句
啓蟄の大地守りて地蔵尊 はるか
大椿見上げゆらゆら狂女めく 八之助
仏らはまなこを閉ぢて草芳し 光子
囀に観音様は指丸め 三郎
頂はぬかるんでゐる春の山 鯨
木蓮の充つをくらやみ坂として 鯨
白鷺は吹かれ花屑は流れて 要
蓬摘む野にもののふの悲話を聞く はるか
廃院の跡なだらかに春野なる 佑天
さへづりは枝を漢らは地を揺する 光子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月7日
さくら花鳥句会
栗林眞知子選 特選句
病んでなほふふふと笑む子涅槃西風 登美子
春めくや電車通れば喜ぶ子 裕子
歩む背に遠く小さく春の月 政隆
三つ編みをはらりと解き卒業す 登美子
花冷や猫背になりてペダル踏む あけみ
手のひらに小さきほくろ春の雪 登美子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月10日
芦原花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
霾天を抜けて現れ一輌車 よみ子
春泥や靴跡残る磧石 よみ子
抽出しに香木の香や涅槃西風 よみ子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月13日
武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
手を振りて見送る埴輪鳥雲に 越堂
ものの芽に明るき雨のあがりけり 昭子
雛まつりわれを幼くしたりけり 世詩明
足下はすでに暮れをり犬ふぐり ミチ子
黄塵や日輪ほのと暈かむり 昭子
毛並良く恋の猫とも思はれず 雪
鳰一羽もぐりて湖の真つ平 英美子
団欒を覗いて去りぬ雪女 昭女
田の凹み一尺四方蝌蚪の国 のぶ子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月13日
なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
元気でとはにかむ笑みと卒業す 秋尚
日直の名前残して卒業す 有有
卒園の言葉並んで聞く瞳 秋尚
香のぎゆつと搗き込まれ行く蓬餅 有有
溢れ出す葉裏の白や蓬籠 有有
卒業歌ぼんやり聞こゆ守衛室 美貴
蓬摘む一人は水に沿ひてなほ 陽子
引鴨や送り出す波荒荒し 有有
引鴨やはるかへ胸を膨らます 有有
鴨引ける川音も無く輝きぬ 貴薫
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月14日
萩花鳥句会
芽柳や人恋ひそめし頃なりき 牛子
海の色沖より変る春しぐれ 小勇
焼きたてのサザエ頰張る娘の優し 祐子
水温む汀の鴫の小走りに 孝士
廊下には少しくたびれシクラメン 七重
落椿並べじやうずと手をたたき 美恵子
芽柳の窓にランタン中華街 健雄
親もまた成長したり卒業す 吉之
九十の母の手を引き春湯船 ゆかり
胸元で眠るみどり子柳の芽 圭三
平成29年3月15日
福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
土筆坊上等兵の墓の前 世詩明
青き踏む校舎は山の頂に 昭子
里川の子鴨引きつれ鴨帰る 啓子
啓蟄の穴に差しこむ日の光 よしのり
万葉の歌碑を唱和し青き踏む 松陰
これ以上出来ぬ朝寝と云ふをして 雪 
一枚の虚空を春の月飛べり 龍聲
白山を遠く枯野に置き忘れ 龍聲
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月16日
柏翠俳句記念館句会
坊城俊樹選 特選句
春の水式部七橋くぐりけり 雪
色々の声使ひ分け猫の恋 雪
雨音といふ長閑さのある故山 かづを
うらうらと故山は笑ひ初めにけり かづを
鴛鴦の色鮮やかに吊し雛 ただし
ちやんちやんこ鞄に詰めて入院す 阿希
洗濯を干す沖縄の春空へ やす香
恋猫の人にも媚態見せて鳴く 霞牛
笑ふ山映して湖も笑ひたる 霞牛
白煙が黒煙上げるどんど焼 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月18日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
小流れに鉄路添ひをり水草生ふ 百合子
木漏れ日に揺るる色あり水草生ふ ゆう子
若鮎の影目で追へぬ疾さかな ゆう子
落椿廃墟となりし団地かな 白陶
閼伽桶の水ひかり春揺らめけり 三無
遡る小鮎の光水に溶け 清子
沈丁花馨し主の亡き門扉 ゆう子
のどけしやぼんやりと富士空に浮き 三無
岸に声さまざま過ぎて水草生ふ ゆう子
がうがうと天空の鳴る東風の森 三無
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月19日
風月句会
坊城俊樹選 特選句
武士へ彼岸卒塔婆の新しく 眞知子
淡き小さき菫に恃む年尾句碑 眞知子
三椏や真言を聞く鞠であり ゆう子
散り来るは残し掃かるる彼岸寺 圭魚
病院の跡やはらかに春の土 佑天
供花なくば彼岸の墓のまた欠けて 眞知子
霾や擬宝珠の上に指の跡 野衣
栗林圭魚選 特選句
彼岸寺仏足石も磨かれて 清子
寄せ墓に落ちて寄らざる赤椿 俊樹
淡き小さき菫に恃む年尾句碑 眞知子
白木蓮風をとらへて鳶高く 清子
はにかみてふくらみすぎるしやぼん玉 千種
貝寄風の一会も句碑の縁なる 炳子
走り根の武張る城跡初桜 千種
一画に残りし句碑や鳥雲に 炳子
奥多摩も富士も都心も遠霞 三無
大寺の甍の空へ辛夷散る 久子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月21日
鯖江花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
着膨れて仕事少しもはかどらず 錦子
日野川の流れ溜りに残り鴨 錦子
二十人僧の衣擦れ施餓鬼寺 信子
雛納め逡巡の機そのままに 昭子
名を書きし白き杖あり涅槃寺 ただし
一山に百の古墳や草おぼろ 越堂
藪椿古墳へたどる獣径 越堂
黒髪を包めり絹のマフラーに 雪
鳶の輪の一円相や村の春 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月23日
みどりや花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
ランドセル走れば春の音連れて 清風
不器用に生きる女の四月馬鹿 秋子
堰の色ゆるぎそめたる水温む ただし
渓流の川原に拾ふ落し角 誠  
菜の花の村に生れて村に逝く 世詩明
釈迦牟尼の前でマリンバ涅槃寺 ただし
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月23日
九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
さげもんを潜り少女の雛化粧 勝利
月あかり目に薄墨の雛の衣 朝子
灯りなき雛としばし雨の音 朝子
ふつふつと芽の滾り立つ音の中 桂
���飾る浅蜊の雛もひつそりと 遊佳
川風にぺんぺん草の鳴りさうで 久美子
さげもんの天の川行く雛の舟 勝利
桜爛漫大音響を奏でつつ 桂
店番も置かず名代の土雛 郁子
若き日の私と飾る土雛 洋子
一山は花のねむりの西行忌 喜和
攻窯の炎の勢ふ余寒かな 佐和
家毎に小橋と汲ん場風光る 由紀子
ありつたけ灯して朧夜のフェリー 洋子
くつ箱に男の子の入れし紙雛 友子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月25日
花鳥さざれ会
坊城俊樹選 特選句
寺あれば花の一樹や西行忌 匠
啓蟄の池にも及びささ濁り 越堂
金泥のいたく錆びたる雛屏風 雪
つくばひの水も温むと覚えたる 雪
春蘭の花芽まさぐりゐる漢 越堂
亀鳴くや無口な女傍らに 天空
啓蟄や土の蠢く音を聴く 千代子
法城は七間四面鳥の恋 龍聲
制服に気合を入れて入学す 和子
春の夜や和尚の作るあみだくじ 匠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年3月26日
花鳥月例会
坊城俊樹選 特選句
襟足に産毛を残し卒業す 鯨
母の像にも遠慮なく春の雨 淸流
花冷えて造花そこそこ褪せてをり 三句
花の雨垂るるにまかす大鳥居 眞理子
萌え立つにあらず木の芽の烟るほど 斉
零戦機には届かざる花便り 炳子
国歌鳴り肉薄きより椿落つ 鯨
花菜雨鳥居を重く滴らせ 小鳥
春雨にすつぽり濡るる下乗札 て津子
春陰の窓積み上ぐる雑居ビル 千種
花の枝の触れて地面は濡れにけり 鯨
リボンシトロン飲む口元や花ぐもり 和子
一灯の洩るる水亭花衣 炳子
疎は疎なるままに柳の空染めて 千種
砂利道の靴音去りぬ白椿 政江
涅槃西風ならば海軍カレーの日 俊樹
竜骨の如く枝垂れて花朧 要  
白鳩にいささかの自負招魂祭 炳子
花ミモザ鎖して白百合幼稚園 要  
(順不同 特選句のみ掲載)
1月・2月の句会(追記)
平成29年1月14日
札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
寒の月映して水の動かざる 佳峰
聞き慣れし振り子の音も寒の内 佳峰
虎落笛父の声あり母の声 佳峰
訪ねたき人には逢へず雪をんな 佳峰
ただいまの声はそれぞれ大晦日 のりこ
ぢいちやんの声穏やかに暖炉の火 のりこ
連なりし鳥居貫く寒さかな のりこ
みな口をとがらせてゐるおでんかな のりこ
滑止め砂の撒かれし恵方道 親子
ひとつだけ星を残して初御空 みよ子
ひげそりのあとなでてみる初鏡 清
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年2月10日
芦原花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
星生れて獣は目覚め猫の恋 よみ子
深酒や七草粥に母やさし 孝子
立春大吉ランドセル背に揺れ よみ子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年2月18日
札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
お転婆の手橇おとうと二人載せ 和加
節分や涙をかくす鬼も居て 和加
でこぼこのざらざら愉し雪解道 和加
流氷を操り海を動かせる 岬月
安全の手旗振りゐる雪達磨 岬月
春寒の活字楽しきこと探す 寛子
雪降るや針止まりゐし古時計 寛子
猫の居ぬ座布団だけの冬の部屋 みよ子
何となく中途半端な二月かな みよ子
推敲の窓に近寄る余寒かな 独舟
薄氷にボール落とせば皆喝采 晶子
大人には見えぬ高さの氷柱かな のりこ
(順不同 特選句のみ掲載)
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kachoushi · 7 years ago
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6月の各地句会報
平成29年6月の特選句
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 栗林眞知子選 岡田順子選
平成29年6月1日
三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
九頭竜の瀬音も春を惜むかに 牧羊
初蝶の二つ戯れ九頭竜に 牧羊
薫風や少し嗜む酒もまた 柏葉
友逝きしこの夕焼の麓かと 喜代子
葉桜や義理ある人の通夜にゆく 都
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月1日
県民会館花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
峠茶屋黒不動守り夏炉守り 越堂
朴散華一揆亡びし古戦場 越堂
黒南風や熊の出さうな峠道 和子
音もなく水光らせて蛇泳ぐ 信子
千尋の谿より湧いて橡の花 千代子
文明に少し遅れて更衣 和子
聖五月腰くねらせて観世音 昭子
十一面観音様も薄暑中 秋野風
新緑の濃淡抜けて来し風に 和子
柳絮とぶ余呉に天女の物語 昭子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月1日
零の会
坊城俊樹選 特選句
ペイントの匂ひの中に三尺寝 彰子
禅林の裏より風鈴の路地へ 小鳥
色町の奥へ薔薇など今様に 順子
朱夏の翳曳く纜の齢かな 三郎
能舞台裏のバイクの梅雨晴るる 三郎
白壁に白き日傘の過ぎるかな 和子
炎天や遊郭跡のてるばうず 彰子
旧道のいはくありげな石涼し 梓渕
鯨塚より風鄙び鬼百合へ 順子
黒南風の九間一尺てふ鯨 美紀
ががんぼはががんぼの影かもしれず 鯨
スケボーは梔子の香をかきわけて 含香
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月6日
さくら花鳥句会
栗林眞知子選 特選句
夏服や傷跡見ゆる膝小僧 登美子
老鶯の里山包みこみて鳴く 紀子
たまにはと母へもてなし新茶汲む 実加
バス待つ間立ちのみコーヒー夏に入る 令子
色褪せし湯飲みに新茶注ぐ母 登美子
万緑の足羽に神の在しけり 寿子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月9日
鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
彩雲を見てをりし間に消える虹 悦子
夏帽の鍔折りあげて沖を見る 美智子
辣韮切る高校生の清し顔 すみ子
読下す教室の声立葵 栄子
浜昼顔群れ海を向く人も向く 悦子
父の日に祝ふ最も��ふ帽子 立子
葉裏にも宿りし光柿若葉 都  
夫見取る夾竹桃の赤倦みつつ すみ子
夏霞湖は眠たさうな面 幸子
吾は朝茶月見草は紅さして 悦子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
花鳥花菖蒲俳句会
坊城俊樹選 特選句
花菖蒲平家訛の伝ふ村 千代子
万緑を湖に映してゐる夜明け 嘉子
畝毎に間合のありて花菖蒲 松陰
黒南風が廻す風車とさざ波と 清女
百畝に百の源氏名花菖蒲 越堂
追伸に骨接とあり梅雨じめり 孝子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
枇杷噛めばぽろりぽろりと種こぼれ 陽子
雲よりも風の兆しの入梅かな 百合子
入梅やスウプの湯気の揺蕩ひぬ ゆう子
子規庵の風を受けつつ梅雨に入る 和代
見納めてふ病院跡地姫女菀 三無
集まりし子等の中心かたつむり 百合子
堂裏のかそけき音や竹落葉 百合子
七七日終へてふる里梅雨に入る 多美女
でで虫の幼な螺旋の色にあり 文英
枇杷剥けば滴り伝ふ香の甘き ゆう子
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月10日
風月句会・花鳥月例句会合同句会
坊城俊樹選 特選句
奥山の闇の控へし夏椿 千種
梅雨空を背に黝き軒の鳩 野衣
紫陽花の触るる乳房や法の道 律子
徒花のひとつとてなく七変化 千種
木の蔭の深さを四葩あをき程 野衣
大樹いま青あぢさゐの海流れ 幸子
梅雨寒を溜め骨董の薬瓶 野衣
大棟をしのぐ千古の緑かな 炳子
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
飴色の籐椅子ひとつござれ市 芙佐子
鉄瓶の錆みがく香具師梅雨曇 政江
紫陽花に猫消えてゆく法の山 三無
黴の香にシャムの仏の笑まひかな 眞知子
紫陽花のまだ雨足らぬ色をして 秋尚
梅雨雲を法鼓打ち抜く連打して ゆう子
あぢさゐの藍濃し茎をたわませて 鯨
影引いて重たく揺るる濃紫陽花 秋尚
目も鼻もなき野仏の梅雨湿り 亜栄子
梅雨寒を溜め骨董の薬瓶 野衣
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月12日
武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
和紙のれんくぐれば揺れる風知草 昭子
病葉の吹き寄せられて休館日 ミチ子
免鳥も布良も村の名若布干す 雪
終電の棚に夏帽忘れあり 英美子
虫塚に蝶を放ちて虫供養 雪
夏館辞して通るや蓮如道 錦子
雲低く蛇の轢死に出会ひけり 昭女
黒南風や湖面に向きて大風車 錦子
風に消え水に消えさう糸とんぼ みす枝
無住寺の僧を恋しと蟇の啼く 文子
山長者跡と伝へて草茂る 文子
櫛一つさして浴衣のひととなる 昭女
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月12日
なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
著莪叢に導かれ来し古寺無住 和魚
胡蝶花林道入口示しをり エイ子
昼寝する犬の鼻面蟻渡る 美貴
蟻の曳くもの縦になり横になる 陽子
ぽんぽんぽん勝ち馬首を叩かれて 和魚
ダービーのウイニングラン空青し 和魚
ダービーの万の響動めき馬は待つ あき子
蟻の道槙の大樹を登りをり 秋尚
木漏れ日のとどきて美しき著莪の花 ます江
勝馬の息に乱れのなかりけり 秋尚
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月13日
萩花鳥句会
四五匹の生れてすぐの目高の子 牛子
天皇の見付けしナスオオギアヤメ 祐子
鵜舟まで設へくれし日田の宿 孝士
ほととぎす時々鳴きて杜若 七重
裏山にほととぎす聞く登り窯 美恵子
皇后の御給桑食み繭に入る 健雄
伴奏のごとき川あり蛍の夜 吉之
万緑に見え隠れして朱の鳥居 晴子
燕の子見守る家主も親心 泰裕
虫たちの楽園となる栗の花 圭三
光琳の屏風絵のごと燕子花 克弘
平成29年6月16日
伊藤柏翠俳句記念館
坊城俊樹選 特選句
緑蔭に銀河と名付く石一つ 雪
一ト木もて大緑蔭をなせる椎 雪 
石に又生々流転夏落葉 雪
鷺一羽思案顔して青田中 英美子
草笛の音色の違ふ兄弟 文子
青々とパン工場の蔦の這ふ 美智
閼伽桶の屋号探せる木下闇 一仁
かずら橋一人の身巾川涼し ただし
青山河石に坐れば山動く 世詩明
噴水の風の華燭はざんざ降り 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月17日
花鳥さざれ会
坊城俊樹選 特選句
青嵐微動だにせぬ観世音 秋野風
左手は犬の枕になる昼寝 清女
ががんぼの脚辛うじて踏ん張れる 雪
黒南風や精舎を昏め黒仏 秋野風
青空の下に五月の横たはる 龍聲
国神のかみさぶ庭の七変化 龍聲
黒雲の西をとざして麦を刈る 匠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月21日
福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
梅夜干し空に水なき天の川 世詩明
滝壺へ身をのり出してエメラルド 嘉子
滝を見る人に交りて盲導犬 嘉子
続く水信じて落つる滝にかな 昭子
やまかがし鉢植の木となつてゐし 令子
白ゆりを顔のみのこし蓋を閉づ 令子
門灯に群れて乱舞の火取虫 よしのり
白糸の滝百条の水落す よしのり
風鈴に喜怒哀楽を聞くことも 龍聲
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月21日
鯖江花鳥俳句
坊城俊樹選 特選句
橋の上に今日も一人の蛍見る 雪
必殺の草矢一本あれば良し 雪
千畳敷てふ藩廟や夏木立 信子
葦切のひがな大河をほしいまま 一涓
蝿帳を捨てたり母の忌を終へて 一涓
篠笛の音も条々と梅雨に入る 一涓
月光に名残りとどめり甕の墓 ただし
滝壺の割れぬばかりに水落下 ただし
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年6月22日
みどりや花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
満天の星に地上は夏灯 清風
唇なめて祭笛ふく男達 ただし
植田はや風に応へてをりにけり かづを
夕焼に祈らんミレーの絵の如く 越堂
美人画を抜けいでしごと花あやめ 越堂 
涼しさや百一���の絵筆もて 清風
滴りの山の冷気や糸とんぼ 誠
石ころは地球の記憶夏の雨 誠
(順不同 特選句のみ掲載)
5月の句会(追記)
平成29年5月10日
立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
水底の天日暗し蝌蚪のひも 越堂
電工夫宙で呼び合ふ五月晴 ただし
花御堂四隅にたれて藤白し ただし
湖の風工房に入れ糸を取る 越堂
新糸の束は真珠の艶もてる 越堂
観世音祀り糸とる村十戸 越堂
どうしても草をひく気になれぬ日も 清女
青くさき思ひ出なりし夏は来ぬ 清風
馥郁と楠の薫るや青揚羽 誠
(順不同 特選句のみ掲載)
平成29年5月13日
札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
前垂れを更衣して石地蔵 和加
たんぽぽやベンチに残る髪飾り 和加
異国なる沖を犯して烏賊火焚く 岬月
廃校にさくら静かに散りにけり 佳峰
百葉箱塗りなほされて夏めける 美江
書き込みの多き五月の農暦 親子
早起きの牛の寝そべる牧の夏 晶子
鉄骨のぐんぐん伸びて雲の峰 のりこ
初夏の森の彫刻まぶしげに 独舟
チューリップに歌ひかけをり女の子 寛子
(順不同 特選句のみ掲載)
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