#養清堂画廊
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[展覧会のお知らせ] 東北の蕾Ⅷ 画廊企画 野瀬昌樹 金子美早紀 相馬祐子 真栄城理子 和田豊樹 小野寺唯 養清堂画廊@YoseidoGallery 2/27〜3/4 11:00〜18:00(最終日15:30) 先週に続き、ピュシスNEXTⅡより選抜展に参加となりました。 初日午後から在廊予定です。 よろしくお願い致します。 #art #printmaking #prints #hanga #銅版画 #木版画 #版画 #芸術 #養清堂画廊 #展覧会 #展覧会情報 #銀座 #アート #アート好きと繋がりたい (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CpG0wTxS2BL/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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今日は銀座でギャラリー巡り ・ #養清堂画廊 にて #續山茂樹 氏を含む木版画展 ・ 家に飾れそうっていう点では 細長い「水底より 21」が 良かったかな ・ 正方形の「黄土」もね (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CLgwfA5pkB4/?igshid=1bqjyr4olkuss
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各地句会報
花鳥誌 令和3年5月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和3年2月3日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
帯の色白と黒との寒稽古 世詩明 初夢や逆夢にして安堵せり 同 受話器より来る熱燗の酔ひつぷり 清女 もう雪も落ちついたかとココア飲む 同 湯のたぎる薬罐の音の冬支度 誠 ゆつくりとガラスを滑る霙かな 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月4日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
寒の明け空の青さのどこまでも 柏葉 雪の舞ふ上へ下へと北陸路 喜代子 寒戻り雄島は浪に翻弄す 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
祈る人白く光らせ春の寺 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 饅頭屋の幟ぱたぱた春疾風 美智子 嬰児へ春の揺籃なりしかな 順子 寒紅や鏡の中の女たち きみよ 春を描く赤で縁取る黄土色 千種 ギャルソンのベストの在庫春埃 荘吉 バーの椅子冬日も遊ぶ道具街 荘吉 春潮のかをる手をもて貝洗ふ 順子 ペンダントはづして春の風邪に寝る 光子 黄泉の国へとラビリンスめく雪間 眞理子 オキーフとゴッホの黄なる春の蝶 伊豫 ロマノフ朝��る早春のため息 慶月 仲見世の半分閉ぢて亀鳴けり 梓渕
岡田順子選 特選句
江戸つ子へ黄水仙咲く格子窓 光子 春の日の跳ねたりしつつ神田川 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 吾輩は道具街の猫日脚伸ぶ 荘吉 春浅き野へと黄衣の遊行僧 慶月 花瓶売れざり春の日を黄昏れて 俊樹 笊は受く春の日差や道具街 季凛 菜の花や主のゐない家に棲み 伊豫 大方は縁なき道具街うらら 秋尚 隠れ耶蘇語る窓辺の余寒かな はるか 遣り手婆春画を鬻ぎつつ春眠 俊樹 黄塵万丈浅草に人沸き出す 梓渕 産土の海光を背に絵踏せり 光子 生国を刻みし墓へ梅香る 慶月 祈る人白く光らせ春の寺 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
散歩みち犬に吠えられ日脚伸ぶ 三四郎 子等はしやぐ声の大作雪だるま みす枝 寝るだけに戻りし部屋の虎落笛 ただし 初詣巫女の化粧の濃かりけり 世詩明 贔屓目にみても毛皮の似合はざる 上嶋昭子 大氷柱剣のごとく堂宇守る 時江 崖の上に耐へて咲きたる水仙花 久子 神杉に裂けし傷あり斑雪 時江 風花の散華の中を柩ゆく 信子 湯たんぽを母の温もる如く抱く さよ子 廃屋の雪の声きく真暗がり ただし 嚏して饒舌の人黙りけり 三四郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月9日 萩花鳥句会
住所録ゐぬ人ばかり春時雨 祐子 降り立てばカルスト台地草萌ゆる 美恵子 春まだ来産卵仕掛ける川漁師 健雄 春時雨ビニール傘に裂け目あり 吉之 下萌えて平幕力士の賜杯かな 陽子 雪雫八分音符と四分音符 ゆかり 微睡の草木起こせし春時雨 明子 面接の練習の声寒明くる 克弘
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令和3年2月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
護摩焚きの煙の深き節分会 あけみ 節分や子の夢に出る方相氏 登美子 節分や炒豆撒いて稽古終ふ 令子 車窓には雪しろの山々続く あけみ 大雪も奮闘えち鉄動き出す 紀子 野兎の駈けし跡あり野辺深し 同 ひらがなの娘の手紙春隣 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
白杖の突けば凍土鼓動して 都 磯竈海女と蜑との声太く 益恵 獣園の柵に並ぶ子草青む ��子 春の雪店はいつものビートルズ 佐代子 日脚伸ぶ明るき方へ人も鳥も 都 寒木瓜の棘の交差に交差して 悦子 白髭を撫で庭を掃く春隣 幸子 寒月へ町定位置に静もりて 都 春雷や酒供はりて力士像 宇太郎 さよならと筆置く音に落椿 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月13日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
人生は借り物かしら春一番 修子 日の永き台所にて聖書読む 同 永く生きすぎた気もして春の風 同 どの家も砦のやうに雪積みて 寛子 街路樹の上に余寒の空低し 同 針供養叔母は短気でお人好し のりこ 掌に一滴春の化粧水 岬月
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
ひたすらに鶴は鶴とし凍つるのみ 雪 寒鴉申し合はせしごと啼かず 同 観念をしたる如くに大枯木 同 温石に温石と云ふ石の貌 同 薄氷や着物をつまみ避け乍ら 千代子 深々と音消し積もる真夜の雪 同 春炬燵くの字しの字の混み合へり みす枝 ランドセルに筆箱入れて春を待つ 同 銀の波揺らし川辺の猫柳 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
薄氷の割れて漂ひ重ね合ひ 千加江 数独に挑んで老の春を待つ 清女 節分や柱時計がつと止る 啓子 薄氷を張り尽したる法の池 泰俊 鴬や何か賑やかなる甍 同 凍て鶴として人の世を凍つるのみ 雪 華やかに古りし虹屋の桐火桶 同 凍て様も金輪際や檻の鶴 同 人の世の枷を解かれし古火桶 同 寒鴉啼くを忘れてゐはせぬか 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月19日 さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
冴え返る言葉の綾に躓きて 雪 勿体なや冬籠りにも厭きしとは 同 乾杯の種の尽きたるちやんちやんこ 同 うららかや犬が好みの猫まんま 清女 虹屋へと二月礼者の関西弁 千代子 水仙の花に折鶴遊ばせり 希 路地裏を斜めに走るうかれ猫 啓子 水尾も無く流れのまゝの鴨滑る 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
飄々とした人の訃や冬の果 佑天 学舎の武張りて遠く春の富士 圭魚 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 シスターの病むや余寒の廊長し 和子 手の皺の翳は目立ちて春を待つ ます江 存分に椿の落ちて椿寺 佑天 堂裏の日溜り豊か落椿 圭魚
栗林圭魚選 特選句
よき喫茶閉ぢし通りの余寒かな 慶月 磐座の裳裾にこぞる蕗の薹 幸風 菰踏めば春泥ぬると動きたる 三無 朝光の瀬音そびらに蘆の角 幸風 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 寺領ひっそり孕猫つとのそりゆく 文英 細波の煌めき尖る浅き春 斉 シスターの病むや余寒の廊長し 和子 春みかづき童話の色の夜の街 和子 春光や眉毛一本づつ描く 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
二度三度黙の呼び鈴冴返る 一涓 遠き日の武原はんの風花す 同 雪掻きて掻きて怨嗟を紛らせり 同 佐保姫来式部の像の辺りより 同 古里ぞ遠海鳴りも温石も 雪 其の頃はへつつひ二つ竈猫 同 お駄賃は袋のお菓子春の風 上嶋昭子 アプレゲールと言はれし卒寿日向ぼこ 同 春一番絵馬カタカタと恋の宮 信子 夕焼けを少し暈して春の色 紀代美 春着着しより梵妻の顔となる 中山昭子 水仙や少女一心勉学す みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
東風に扉を開けよ羽衣なびくまで 美穂 面影のちよと夫似なる古ひひな 千代 波音のままに揺蕩ふ若布かな 桂 大津絵の鬼の飛び出す春の雷 喜和 梟の吾を呼びたる父祖の山 千代 遠き目でみる耶蘇浦の若布船 かおり 薄氷を踏むもふまぬも人の道 睦子 冬灯しらじら明けの裏酒場 勝利 恋猫の敗れ幣履のごとく消ゆ 伸子 その沖は霞み衣桁の陣羽織 由紀子 寂しらの汀に寄する若布かな 久美子 浮かみくる七色の泡春の池 愛 集落を貫く碧き雪解川 由紀子 タンデムで若布を買ひに島日和 美穂 結ひ髪のほろほろ解けて絵踏かな かおり 紙漉の若き水ほどよく躍る 佐和 蹼に薄氷つきしまま歩む 睦子 星辰の恵みに育つ若布かな 美穂
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
なかみち句会(投句のみ) 栗林圭魚選 特選句
探梅の坂より駅を見渡せり 貴薫 焼山の命の早さ確かめり ます江 風尖りをれど遠山霞みをり 怜 枝影の網目ぼんやり春の土 秋尚 受診日や梅林抜けて隣り駅 せつこ 料峭の森覚ましゆく水の音 三無 野焼見る怪しくはやる気持あり あき子 日を浴びて胸張る如し犬ふぐり せつこ 青海苔を採って沖には白い波 史空 梅林や古木の幹に力あり 迪子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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【 日記 】
水温む、春霞の頃。 山では妙な虚無僧を見たり、間一髪で倒木から逃れたり、青い人魂を見たりする、怪しい季節だ。 半ば酔ったような気分で、ぼんやりと、改めて芸術のことを思う。その末端の末端の末端にいる、無力な自分のことは棚上げして。 特定のイデオロギーや特定の正義によって染まらない、そういう規範では説明できない美しさ(魂のようなもの)を表現しうるもの、また共有しあえる可能性のあるものが、芸術だと思うしそうあって欲しい。芸術(という語もいまいちしっくりこないのだけど)にはたぶん理不尽な所があって、言ってしまえば、成果物の最終形態、��来、見た目が全てだと思う。全てとは言わずとも、かなめだ。作者がどんな人物であろうと、また、正論や社会的なメッセージ(性)を付していようがいまいが、魅力のあるものはあるし、ないものはない。もちろんそれを見て評価するのは個々人なのだけど。だからこそ、力のある作品は、使われようによっては危険なものとなる。 ...ちょっと偉そうに書いてしまった。春霞のせいだ。
3-4月 とりわけ作品の好きな、版画の先輩方の個展が続々だ。共通項はモノクロームばかりではなく、歩いている道は違っても、見ている先は近いような世界。画のみならず、ライフスタイルも素敵で、書かれる文章がまたとても魅力の方々だ。舞踏的というか、官能的というか、音楽的というか。
最初は作品から入って惹きこまれた美術家の方々と、今では直に交流させて頂いているなんて、数年前までは想像だにしなかった。奇跡的にありがたいことで、たまに泣けてくる。 全部観に行きたいなあ。 むむ…
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「筆塚稔尚 Toshihisa FUDEZUKA 展」 2022年 3月14日(月)- 26日(土) 11:00-17:00(最終日-15:30) 日祝休 at 養清堂画廊 東京都中央区銀座5-5-15 03-3571-1312 www.facebook.com/yoseido www.instagram.com/abe.yoseido/
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「若月陽子 展」 2022年 4月1日(金)- 5月29日(日) 9:00-17:00(最終日-16:00)月曜休 at 碧南市哲学たいけん村 無我苑 愛知県碧南市坂口町3丁目100番地 0566-41-8522
2022年 4月9日(土)- 23日(土) 11:00-18:00(最終日-17:00)日月休 at Gallery A.C.S 名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F 052-232-0828 galleryacs.amebaownd.com
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「柄澤齊 -夜間飛行- 」 2022年 4月2日(土)- 17日(日) 12:00-19:00(日祝-18:00、最終日-17:00) 月火休 at Gallery LIBRAIRIE 6(シス書店) 東京都渋谷区恵比寿南1–12-2 南ビル3F 03-6452-3345 http://librairie6.com/
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弱虫ヒーロー
「ぼくがヒーローになるよ」 どんくささが災いし幼稚園でいじめられて涙で顔をぐしゃぐしゃにしていた私に突然彼女はそう言って手を差し伸べた。 私達にとってヒーローとは日曜の朝にテレビで放送される戦隊物のイメージだった。毎週悪者が出てきて、町を荒らして、人の平和を脅かす。その脅威に立ち向かう戦士達。最終的に爽快な展開になって、子供はみんな憧れて、変身グッズを身に着けてヒーロー気分で跳ね回る。 その時、園内に植えられた巨大な木の陰で私は隠れて泣いていた。室内でおりがみを折ったりおままごとをするのが好きなのに、おそとで遊ぶのも大切だからと先生に連��出されて、やりたくもないおにごっこに巻き込まれて、案の定さっさと鬼にされて、でも誰に追いつくこともできなくて、からかわれてばかりで、とてもいやな気分になって、悔しさとか惨めさとかに苛まれてしくしくと泣いていた。 私のことなんて忘れて違う遊びに切り替えたから、誰も私を探しには来ず、思う存分泣くことができた。唯一やってきたのが、彼女だった。きらきらとした木漏れ日が当たって、彼女を含めたあらゆる景色がきれいだった。 「まもってくれる?」 私が問いかけると、男の子みたいに髪を短くした彼女は自信満々といったように歯を見せた。 「まかせろよ」 小指が重なり、絡まる。指切りげんまんが交わされて、私たちの間には秘密が生まれた。 それから彼女は私にくっついてくれた。正しくは、私が彼女にくっついていた。 彼女は男の子に負けない体格の良さをしていた。幼児における男女差なんてそんなものだ。彼女は四月生まれで同学年だと一番成長しているはずで、私は翌年三月の早生まれで比較的小さい子供だった。四月生まれと三月生まれではあらゆる点で差が生じる。 彼女は負けん気が強くて、男の子にも果敢に挑んでいった。女の子たちは彼女のことを慕っていた。私は金魚の糞みたいなもので誰の視界にもうまく入らなかっただろうけど、とにもかくにも彼女が味方してくれているだけで私は随分と助けられた。 しかし、その年の三月に彼女は急に園を去ることになった。親の転勤が理由だった。 私にとって世界の終わりと同様だった。 うそつき、と言った。自分勝手に。まもってくれるって、言ったのに。私はあの日、彼女と約束を交わした日よりもずっとかなしい涙を流しながら、彼女にそんなこころない言葉をかけてしまった。ごめん。彼女は本当につらそうに謝った。私もとてもつらかった。彼女と離れることも、彼女が離れてしまった後のことも、あらゆることが不安でつらかった。 それから彼女はこの町を去って、私と彼女の秘密は遠く細く引き延ばされてぷつんと切れてしまった。
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時が経過し、私は地元の公立中学に入学することになった。 私服登校だった小学校と違い、真新しくてぱりぱりしてて固い生地の、制服に袖を通す。私立や少女漫画みたいに可愛いチェックスカートも赤いリボンも無い、ただの紺無地のプリーツスカートにブレザー、リボンもネクタイも無し。ちょっと不満だったけど、身につけてみるとそれだけでお姉さんになったみたいで嬉しくなった。お母さんもお父さんもいたく喜んでくれて、入学式に臨む。 何校かの小学校の学区が複合しているので、��の小学校の友達は勿論、他の小学校の子もたくさん入学してくることになる。幼稚園では手痛くいじめられたが、小学校でなんとか少し持ち直し、友達もできた。中学校はどうか、クラスでうまくやっていけるか、部活はどうするか、勉強は大丈夫か、だとか期待と不安がぐるぐると回転している。 一年三組に組み込まれ、教室の後ろから父母に見守れながら私達は一人ずつ自己紹介をしていった。私はたいてい一番最初の出席番号になる「会澤真実」で、この一番最初という位置にどれほど振り回されてきたか分からない。会澤苗字のお父さんをどれだけ恨んだことか。 先生に呼ばれて、席を立ち上がる。最初がみんなにとっても肝心だということはよくわかる。みんなの視線が集まって、負けそうになる。やばい、吐きそうだ。知っている子を咄嗟に探す。真ん中あたりに小学校の友人がいて、あの子が傍にいてくれたらどれだけ心強かっただろうと思いながらも、彼女が小さく手を振ってくれたのを見てほっとして、なんとか私は噛まずに自己紹介を始める。名前と、出身校と、抱負。無難に終わらせて、ぱらぱらと拍手が起こる。 しばらくは多大な緊張がずっと糸を引いていて、意識が他の子たちの方に向かなかった。じくじくと鳴る心臓がやがて収まってきたころには、さ行までやってきていた。 「清水律」と聞いて、私はふと顔を上げた。どこかで聞き覚えのある音並びだった。立ち上がったのは学ランを纏った、中くらいの背の男子だった。中性的な顔つきで、どちらかというとイケメンな部類に入るような感じがする。しみずりつ、と心の中で繰り返す。なんだろう、このデジャヴ。 淡々と続いていた自己紹介に衝撃が走ったのは、そんな彼が発した次の言葉だった。 「ぼくは性別は女ですが、心は男なので、学校にお願いして男子として生活することにさせていただきました。よろしくお願いします」 教室に薄い困惑が広がった。 そして私は思い至った。どうしてこんなに大事なひとの名前を忘れていたのだろう。 昔、約束を交わした、私にとっての正義のヒーロー。 「りっちゃん」だ。
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「りっちゃん」 つつがなく入学初日を終えて、静かな興奮と動揺の残る教室で、りっちゃんの周りの子たちがいなくなったのを見計らって私は思いきって話しかけた。 りっちゃんはやっぱり学ランを着て、普通の男子とおなじような雰囲気をしている。でもさっき一緒にいた子達は女子だった。多分、同じ小学校の子たちで、友達なのだろう。なんで、とか、聞こえたから、たぶん彼女達もりっちゃんが男子の格好をしていることに驚いたのだろう。心が男だというくらいだから小学校でもボーイッシュな格好をしていたのかもしれないが、女子と男子で明確に���た目が区分される中学校でまで学ランを着てくるとは誰も予想していなかったように窺えた。 はじめりっちゃんは目をぱちくりと瞬かせたけど、ふわっと笑った。 「久しぶり。やっぱりまみちゃんだったんだ」 「うん」 私はどきどきした。なんだかずっと落ち着いた声色に思う。男子は少しずつ声変わりしつつある人も出てきているけれど、りっちゃんは当然ながら男らしい野太い声ではない。むしろ澄んでいる印象があった。なんだか大人っぽい。 「最初名前を聞いて、似てるなあって思ったんだ。思い違いだったら恥ずかしかったんだけどさ」 「私も……いや、最初は、その、名前を聞いてもなかなか思い出せなかったんだけど、りっちゃんが男子の格好をしてますって言った時に、思い出した」 「めっちゃ事細かに教えてくれるじゃん。てか、りっちゃんって懐かしいな」 私はちょっと慌てた。そうか、りっちゃんはりっちゃんだけど、男子として生きているんだとしたら、ちゃん付けは嫌かもしれない。 「小学校ではどう呼ばれていたの?」 「律が多いな。それか清水。こういうのだから、ちゃんとかくんとかややこしくて、呼び捨てが多かったんだ。でも呼びやすいようにしてくれればいいよ。別にりっちゃんでも。男でもちゃん付けのニックネームってあるしさ」 この余裕はどこから生まれてくるんだろう。私はたった少しだけの時間でりっちゃんはやっぱりすごい子なのだと思った。すごいね、と何気なく言うと、りっちゃんは首を傾げた。 「何が?」 「いや、いろんなことが。幼稚園の頃より落ち着いてるし、大人びて見える」 「幼稚園の頃よりは成長してたいわ。流石に」 「そっそうだよね。ごめん」 「いいよ謝らなくたって。まみちゃんはなんか、ちょっときょどきょどした雰囲気は残ってるね。懐かしい」 きょどきょど、という言い方がちょっと可愛いけど、多分良く言われているわけじゃない。 「でも、さっきの自己紹介とかさ、一番で緊張するだろうにちゃんとしててかっこよかったよ」 クラスの子たちに嘗められたりいじめられたりしないようにするには第一印象が何よりも重要だ。りっちゃんにそう言われると、たぶん割と大丈夫だったのだろうとわかり、ほっとする。 「すっごく、あがっちゃったけど」 「うん、緊張感は伝わってきた。女の子はそのくらいの方が可愛らしくていいよ」 りっちゃんはさばさばと笑う。けれど、どうしてもその言い方に引っかかってしまう。 「……あの、りっちゃんの、心は男っていうのは」 思ったよりすらすらと会話が進んだので、私は決意して尋ねてみることにした。 「ああ」りっちゃんはなんてことないように学ランの襟元を摘まむ。「言った通り。いろいろ迷って親や先生方ともよく相談したんだけど、ぼくは自分で着るならブレザーとスカートより学ランとズボン派だっていうだけ」 でも、まみちゃんの制服姿はとても似合ってる、とさらっと褒めてきた。はぐらかされたのだと解った。私は頬がちょっと熱くなるのを感じながら、辛うじて、りっちゃんも学ラン似合ってる、と返した。本当に似合っていた。私もそうだけど、制服に着せられている子ばっかりな中で、りっちゃんはそのぴしっとした制服の頑なさがりっちゃん自身にフ��ットしていた。 「そうか? 良かった」 ほっと肩の力が少し抜けたのを見て、ああ、涼やかな顔をしてるりっちゃんも緊張してたのだと知る。 「小学校の友達にもちゃんと言ってなかったからさ。皆びっくりしてて。でも、なんとかなるか。堂々としてればいいよな」 「うん」 私は素直に頷いた。 それから簡単に会話を交わして別れた。また明日、と言い合って。 また明日。反芻する。また明日、りっちゃんに会えるのだ。同じ教室で。幼稚園の頃と少し形は違うけれど、あの時永遠の別れみたいにたくさん泣いたのに、奇跡が起こって再会できた。そう考えるとなんだか嬉しくてたまらなくなった。 私は大きくなったりっちゃんの素振りや言葉を思い返す。 先生、だけではなく先生方とつける。果たして、小学校の時、そんな風にさらっと言える人は周りにいただろうか。中学一年生なんて、制服で無理矢理ラベリングされただけで、中身はまだ殆ど小学生みたいなものだ。その些細な気遣いのような言葉の選び方に、私は今のりっちゃんの人間性を垣間見たような気がした。
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りっちゃんの噂は教室を超えて一年生全体に広がった。 面白半分に様子を見に来る野次馬根性の人もたくさんいた。初めのうちは私の席は入り口から一番近かったので、廊下にたむろしているりっちゃん目当ての人たちの声がよく聞こえた。どれ? あれあれ、あの座ってるやつ、へー、みたいな、好奇心だけが剥き出しになってる言葉が殆どだった。その中には、りっちゃんの元小の子たちもいて、小学校の時もやっぱり男子っぽさはあって、男子にまじってサッカーをしたり、誰にも負けないくらい足が速かったり、その一方で女子ともYouTubeの話をしたり恋バナをしたりしていたらしい、という情報を横耳で仕入れた。 要はクラスの中心人物として立っていた。あれだけ大人っぽかったら、確かに自然と中心になりそうだ。悪い意味ではなく「違う」感じがする。私とは全然違うし、皆とも違う。彼女は少し、違う。あれ、彼女っていうべきなのかな、それとも彼っていうべきなのかな。 たぶん、私が抱いているそういう戸惑いをみんなが持っていた。 そんな皆の戸惑いは素知らぬふうで、りっちゃんは「男子」として中学生活を送っていた。男女一緒くたの陸上部に��部して、毎日放課後に校庭でランニングしているのを見かける。私は小学校の友達に誘われて美術部に入った。絵なんて全然上手じゃないし好きじゃないけど、何かしらの部活には入っておいた方が友達ができると思ったからだ。友達はいるぶんだけ安心する。 実際、美術部は先輩後輩の上下関係も薄くて気が楽だった。プロみたいにびっくりするほど上手い先輩もいれば、幽霊部員もざらにいる。アニメっぽい絵を描いて騒いでる人もいれば、静かに一人で模型造りに没頭している人もいる。みんなそれぞれで自由にしていて、地味さが私にちょうど良かった。新しい友達もできた。 私とりっちゃんは全然違う世界の人だな、というのは、部活に入ってしばらくしてから実感するようになった。 初めのうちはちょくちょくタイミングを見計らって話したけれど、それぞれ友達ができたし、瞬く間に忙しくなった。小学校よりもずっと授業のスピードが早いし宿題は大変。塾に行っている子は更に塾の宿題や授業もあるのだから大変だ。私はらくちんな部類のはずなのに、目眩が起こりそうだった。 それでもたまに話す機会があった。委員会が同じだったからだ。園芸委員会である。だいたいこういう類は人気が無い。毎日の水やりが面倒臭いし花壇いじりは汚れるからだ。私のような地味な人間には似合うが、りっちゃんが立候補するのは意外だった。曰く、植物って癒やされるから、らしい。 校舎に沿うようにして花壇が設けられており、クラス毎に区分されている。定期的に全学年で集会があって、植える花の種類を決める。大体決まり切っているので、すぐに終わる。そして土いじりをして苗を植えて、水やりをする。水やりは曜日を決めて交代でしているので、りっちゃんとゆっくり隣で話すのは土いじりをするときくらいだ。だから、私はそんなに植物が元々好きだったわけじゃないけれど、この時間が結構好きだ。 「暑くなってきたよなあ」 とりっちゃんは腕まくりをして苗を植えながら言った。りっちゃんの腕はあんまり骨張っていないけれど、陸上部の走り込むようになって黒くなりつつあって、健康的な肌をしていた。 「そうだね。そろそろ衣替えだよね」 既に男子は学ランを脱いで、女子はブレザーを脱いでいる。女子はベストを羽織っているひともいるけれど、本格的に暑くなってきたら半袖に切り替わる。 「やだなあ」 りっちゃんは軽い感じで苦笑し、お、みみず、と言って、指先でうねうねうごめくみみずを摘まんだ。私は思わず顔を顰める。 「ええ、きもちわる」 「みみずっていいやつなんだよ。みみずのいる土は栄養分たっぷりってこと。だからここに植えた苗はきれいな花が咲く」 「知ってるけど」私は口を尖らせる。「きもちわるいものはきもちわるい」 「それは仕方ないな」 りっちゃんはおかしそうに笑い、みみずを元の土に返してやる。 「りっちゃんは家でもこういう園芸とか、するの?」 結局私は慣れている「りっちゃん」呼びを続けているけれど、クラスでそういうのは私だけだった。ただ、普段周りがいる中でそう呼ぶのはなんか恥ずかしいし、りっちゃんもちょっと嫌かもしれないから、「清水くん」と使い分けている。 「たまにね。母さんが庭いじり好きだから。雑草取りとかよくやるよ。暑くなるといくら取っても草ぼーぼーになるから、それも嫌だな。嫌いじゃないんだけどさ。植物って何も言わないし、無心になれるというか」 「ふうん」 「まみちゃんはこういうのやらない?」 「全然。うち、マンションだし。でも、委員会でやるようになってちょっと好きになった」 「いいね。まみちゃんはきっと綺麗な花を咲かせる」 「綺麗な花?」 「植物は人の感情を反映させるという噂がある」 りっちゃんは基本的には大人っぽくて男子らしさ��確かにあるのだけれど、時々こういう可愛らしいというかロマンチックなことを言う。 「だからおれはいっつも雑な咲かせ方をする」 入学時には「ぼく」を使っていたけれど、五月頃には「おれ」と言うようになった。 「私も自信ない」 「じゃあ三組はみんなより変な花が咲くかもな」 二人して笑った。りっちゃんの冗談は心地良い明るさがあって、話していて楽しい。
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最初の明らかな違和は、やはりというかなんというか、プールの授業だった。 暑くなってプール開きが示されて、教室にはいろんな声が沸き立った。女子の中には水着姿になるのが嫌だという子もいたし、男子は大体嬉しそうだった。でも三組には他の教室に無い疑問が浮かんでいただろう。 清水律はどうするのだろう。 りっちゃんは普段男子の格好をしているけれど、身体は女だ。だから、当たり前だけど、上半身はだかになる男子の水着姿はたいへんなことになる。かといって、女子のスクール水着を着たら、それはそれでなんだかおかしい感じがする。 トイレは男女共有のバリアフリースペースを使って凌いでいるけれど、こればかりはどうしようもない。陽の下に明らかになってしまうことなのだ。 結論からすると、りっちゃんは一切のプールの授業を休んだ。休んで、レポートを提出した。 プールを休む子は他にもいる。女子も結構休んだりする。女子には生理がある。体育の先生に直接生理だという理由を伝えるのは嫌だけど、お腹が痛いとか言ったら大体通じて休める。明らかに生理休みが長すぎる子は流石に指摘されて、しぶしぶ出たりするけれど。 一方でりっちゃんはずっと休んだ。それを不満げに見ている子もいた。レポートで済むなんて楽だよね、と嫌みったらしく言う子もいる。そんなの、仕方ないじゃんと思うのだけれど。りっちゃんだって休みたくて休んでいるわけじゃないのだ。たぶん。 そういえば、りっちゃんは生理はどうしているのだろう。あんまりにデリカシーが無いから訊けないけど。 生理に限らず、中学生の時期は男女で大きく身体が分かれていく。 女子の生理は小学生高学年から中学生にかけて初潮がやってきて、身体は丸みをおびて、胸がすこしずつ大きくなっていく。男子は、あんまりよくわからないけれど、声変わりして、ちょっとひげが出てきたりする。身体も大きくなってくる。女子も身長はよく伸びるし私も春から夏にかけて二センチくらい伸びたけど、男子は女子の比じゃないという。特に中学校で凄まじい勢いで伸びていって、ごはんの量も半端じゃない。エネルギーの塊、みたいな感じ。 りっちゃんは男子だけど、女子だ。身体は、女子なのだ。 衣替えになって、りっちゃんはひとり長袖のシャツをしていた。私はなんとなくその理由を察した。半袖のシャツは長袖のシャツよりも生地が薄くて、透けやすい。りっちゃんの胸は薄いけれど、たぶん多少は膨らんでいて、ブラだってしている。キャミソールとかタンクトップを上に着て、女子もブラが透けないように気をつけるけれど、りっちゃんはそのものを隠そうとしているのではないか。本人には訊けないけれど。 そういったことが違和感が表面化してきたのは、夏休みが近くなった頃だった。 花壇に植えた向日葵の背��高くなって、もうじき花開こうという頃である。 他愛も無いからかいのつもりだったのだろう。座って次の授業の準備をしていたりっちゃんの背中を、男子の指が上から下へなぞった。 そうしようとしているのを、私は教室の後ろ側から、美術部の友達で一番仲が良いさきちゃんと会話しながら見ていた。やばい、と直感していた。男子達がそわそわしていて、なにかをりっちゃんに向けてしようとしていると解った。それがなんなのかまでは、会話まで聞こえていなかったから見当がつかなかったけれど、感じの悪いことであることには間違いないと思った。 そしてその指がりっちゃんのきれいな背筋を辿った時、私は思わず息を詰める。 男子が大きな声で、ブラしてる、と興奮なんだか卑下なんだか、宣言した。 りっちゃんは驚いて彼を振り返っていた。その男子のグループは手を叩いて笑っていた。やっぱり「してる」んだ、と謎を解き明かして、ものすごくおかしいことみたいにめちゃくちゃ笑っていた。一連の行為は三組みんなの耳に入っていただろう。 私は凄まじくその男子のことを嫌悪したけれど、りっちゃんの次の行動に、驚いた。 あの大人びて、いつも穏やかなりっちゃんが、手を上げた。 がたんと椅子を勢い良く倒して、触れた手をひらひらと揺らしている男子に、殴りかかろうとした。 その顔は、遠くにいても、ものすごく冷たくて、恐ろしかった。怒りというものは振り切れてしまうと烈しい色ではなくもっと静かな色をしているのかもしれないと知った。 りっちゃんの怒りの拳はからぶった。 がん、と固い音。 降り下げられた先は、机だった。木の板が割れるんじゃないかと錯覚するほどの強い音だった。いよいよ教室中の空気が氷点下に下がった。窓の外の油蝉の声がやたらとよく聞こえて、虚しいほどだった。 「……ごめん」 脅える男子を前に俯くりっちゃんはそう呟いて、教室を出て行った。 静まりかえった教室だったが、りっちゃんがいなくなったことでどよめきが起こり始めた。間もなくチャイムが鳴って、先生が入ってきた途端、教室の異様な雰囲気を感じ取って目を丸くする。 「あれ、清水くんは?」 先生がそう言った。なんでそんな蒸し返すようなことをわざわざ尋ねるの、と、先生はなんにも悪くないのに私は強く思った。 「保健室です」 最前列にいる委員長がそう言って適当にやりすごした。 結局りっちゃんはその後教室に戻ってこなかった。翌日の学校を休んで週末を挟み、月曜からはまた学校にきた。私はほっと胸を撫で下ろした。りっちゃんはいつもと同じ涼しげな顔をして挨拶をした。クラスの反応はそれぞれだった。私みたいに安心していつも通りみたいな挨拶を返す子もいれば、ぎこちない子もやっぱりいて、そしてひそひそ話をする子もいた。 嫌な予感がした。 しかし、幸いというのかなんなのか、間もなく一学期が終わろうとしていた。 私は、夏休みを挟んで、この事件が生み出したこわばりが薄まることを、切に願った。
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夏休み。 美術部は自由登校だ。一応コンクールはあるけれど、締め切りにさえ間に合えばあとはどう��っていい。 私はそれでも学校に来ていた。絵はそんなに好きじゃなかったけど、塾も無いし、やることがあんまりなかったから、なんとなく向日葵に水やりをしにきた。ひんやりとクーラーがよく利いた美術室で一休みしている間に、静まりかえった校舎にブラスバンドの練習している音が響く。同じ学校なのに、普段のせわしなさが無くて異世界みたいだった。こののんびりとした静けさは、いいな、と思う。ずっとこのくらい優しい時間が流れていればいい。 私はスケッチブックを脇に、ペンケースを片手に、花壇の方へ向かった。途中で青のじょうろを手に取り、水を入れる。日光に当てられているせいか最初は熱湯が出てきて驚いた。こんなに熱くては向日葵の根に悪そうで、充分冷たくなってからたっぷりと補給する。 たぷんたぷんと重たく跳ねる水。ときどきはみ出して、乾いた校庭にしみをつくる。 花壇側は影がほとんど無かったが、花壇の後ろの数段の階段部分、つまり一階の教室に直接通じる部分はぎりぎり黒い影になっていた。花壇から校庭側に目を向ければ入道雲が光り輝く夏の青空が広がり、とんでもない直射日光の下で運動部が練習している。サッカー部と、それに陸上部もいる。思わずりっちゃんを探したけれど、見当たらなくてちょっと残念だった。りっちゃんは高跳びをやるようになっていていた。助走をつけた直後の一瞬の筋肉の収縮と跳ね返り、そして跳んだ瞬間の弛緩した雰囲気、全身をバネにしてポールを越える刹那に懸ける感じが、きれいで、りっちゃんにぴったりだった。私はこっそり練習を遠目に見かけてスケッチブックに描いてみたけれど、あまりに下手すぎてお蔵入りだ。人体は難しい。 そうしてぽんやりと歩いて行くと、三組の花壇の前には思わぬ先客がいた。 「りっちゃん?」 声をあげると、りっちゃんが顔をあげた。その手には緑のじょうろを携えていた。 「あ、おはよう」 あまりに普通に挨拶された。慌てて挨拶を返す。 「すごい。夏休みなのに水やりしにきたのか。あ、部活か。美術部って夏休みもあるんだな」 りっちゃんはスケッチブックに視線を遣った。その中にはりっちゃんの跳ぶ瞬間を描いた下手くそな絵もあるので、慌てて後ろ手に隠した。 「りっちゃんこそ。というか、りっちゃんの方こそ部活は?」 まさに、陸上部がすぐそこで練習に励んでいる。えいえい、おー、だとか、かけ声を出しながら、走り込みをしている。 真夏のまばゆい陽に照らされて、りっちゃんは少しさみしげに笑った。りっちゃんに特有の大人っぽさに切なさが加わって、私はたったそれだけで胸が摑まれた。 「辞めたんだ」 咄嗟に、耳を疑った。 蝉の声がじんと大きくなる。 「辞めた?」 「ああ」 「陸上部を?」 「ああ」 私は信じられなくて、一瞬目の前がくらっとした。 真面目に頑張っていて、りっちゃんは楽しそうだった。身体を動かすのが好きで、小学校でだってスポーツが得意��男子にも負けなかったくらいだったという。足だって速かったという。実際、りっちゃんの足は速い。体育で私はそれをまざまざと見て、本当に、本当の男子にも負けていなくて、びっくりしたし、かっこよかった。 「なんで?」 蝉が近くでうるさく鳴いて、風を掻き回している。 「言わなきゃ駄目?」 りっちゃんは薄く笑った。なんでもあけっぴろげにしてくれるりっちゃんが見せた小さな拒絶だった。ショックを受けていると、りっちゃんは嘘だよ、と撤回した。 「陸上って、まあ、スポーツって全般的にそうだけど、男女で種目が分かれてるだろ」 「……うん」 どんくさいくせに、私はもうなんだか道筋が見えて、理由を訊いた自分がいかに無知で馬鹿か自覚することになった。 「どっちがいいのか、結構揉めてさ。そりゃ、身体は女子だから、身体を考えると女子になる。でもおれは男子でいたいから、男子で出場したいんだけど、なかなかそうはいかないんだとさ。ほら、戸籍とか学校の登録では女だから。おれ、格好が男なだけなんだよな。それに、やっぱり先輩とか見てるとそのうち絶対本物の男子とは差が出てくるんだよな。それってどうしようもないことだしさ。今はおれの方が成績良くても、そのうちあいつらは軽々と俺ができないバーを越えていくようになる。てか、今、おれが高く跳べるとか、速く走れるっていうのも、どうもあんまり良くないみたいでさ。実力主義って言って割り切れたらいいんだけど、どうもそういうわけにはいかないらしい。運動部って上下関係厳しいしさ。腫れ物扱いっていうかさ。なんかあらゆることが面倒臭くなって、そもそもおれの存在自体が面倒臭いんだって気付いて、辞めちゃった」 一気に言い切って、あはは、とりっちゃんは空虚に笑い飛ばした。あまりに中身が無い笑い方だった。 私は自分が立っている地面の堅さを意識しなければ、自分が立っているかどうかの認識すら危うかった。 「おれも美術部に入ろうかなあ」 などと、絶対に本心からではないことを言った。 「絵が下手でもやれる?」 りっちゃんの顔がにじむ。 「壊滅的に下手だから、美術部は流石に無理か」 また、からからと笑った。あはは、からから、表面だけの心にもない笑い方。 「……まみちゃん」 りっちゃんが驚いた顔をして、近付いてくる。 「なんで泣いてるんだ?」 私はまたたいた。いっぱいになった瞳から、堪えきれず涙が溢れて頬を伝った。 「ええ、どうした。なんかおれまずいこと言った?」 慌てて引き笑いをするりっちゃんの顔をしっかりと見ることができない。私は咄嗟に首を横に振り、嗚咽した。ほんとに、なんで泣いてるんだろ。私がどうして泣いているのだろう。 水の入ったじょうろが指から滑り落ちた。水が派手に跳ねて、じょうろは横倒れになって、乾いた地面に水溜まりが広がっていく。 空いた手で私は涙を拭く。肌で拭ったところで全然止まらなくて、スカートのポケットを探る。そうして今日に限ってハンカチを忘れたことに気が付いた。美術室に戻れば鞄の中にタオルがあるけれど、戻る余裕が無かった。私はじっと静かに泣いた。 やがて、りっちゃんから、黙って、青いハンカチが差し出された。 綺麗な無地のハンカチ。私は最初断ろうとしたけど、りっちゃんは自然なそぶりでそのハンカチで私の頬を拭った。このさりげなく出来てしまうりっちゃんの大人びた優しさが、いいところだ。やわらかな綿の生地が触れて、群青のしみが広がっていく。私は諦めて受け取り、自分で目頭に当てた。ついでに鼻水まで出てきて、ハンカチは申し訳ないくらい私の涙と鼻水をたっぷり吸い込んでしまった。りっちゃんは何も言わなかった。静かに待ってくれた。私は、頭が真っ白になりながら、頭のどこかで、この二人向かい合っている状況が誰の目にも入らなければいいと思った。りっちゃんも、私も、ややこしいなにかに巻き込まれないように。でも、隣のグラウンドではたくさんの生徒がいる。校舎内ではブラスバンド部が練習している。こんなところ、誰の目にも触れない方が無理だ。こんな時までそんなことを考える私は、最低だ。 「思い過ごしかもしれないけど」 私の嗚咽がピークを迎えてやや落ち着いてきた頃、りっちゃんは静かに滑り込むように呟く。 「まみちゃんが考えているよりおれは平気だから、大丈夫だよ」 嘘だ。 私は充血した目をハンカチから覗かせて、りっちゃんの顔を見上げた。女性的でも男性的でもある、きれいなりっちゃんの顔。りっちゃんは笑っていた。愛想笑いだった。 ほら、やっぱり嘘だよ。 「りっちゃんらしくないよ」 私はどう言ったらいいのか解らなくて、ようやく絞り出したのは、その言葉だった。 りっちゃんの顔が冷める。 「おれらしいって、なに?」 思わず息を止める。私はりっちゃんの冷たい双眸を凝視した。笑った仮面を剥がした、静かで、恐い、りっちゃんの表情。冷たい怒りを拳というかたちに変換して振り上げた、あの教室での鮮烈な映像が過った。 ぬるい風が強く吹いて、軽くなったじょうろがかたんと音を立てる。 りっちゃんは我に返ったように表情を変えた。ありありと後悔が浮かんでいる。 「ごめん」 そう口早に謝って、りっちゃんは俯いた。 「ヒーロー失格だな」 りっちゃんは呟いて、その場を去った。私の後ろの方へ足音が遠ざかっていって、やがて消えた。 蝉の声と、ブラスバンドの音と、運動部のかけ声、それにあまりにも重たい沈黙だけが残った。 なんてことを言ってしまったのだろうと、烈しい後悔に襲われてももう遅い。りっちゃんのハンカチで顔を覆ってうじうじと座り込んだ。私、小さい頃と何も変わっていない。うそつき、と心ないことを言ってりっちゃんを困らせたあの頃と、なんにも変わっていない。 他のクラスより堂々と高々と咲き誇った向日葵がふらふらと揺れていた。高い分、風によく煽られてしまうのだった。 それから私は何度か向日葵に水やりをしに来たけれど、りっちゃんと会うことはなかった。向日葵はだんだんとくたびれて、重たい頭でっかちな花の部分をもたげて、急速に枯れていった。
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二学期がやってきた。 りっちゃんは一人でいることが多くなっていた。 腫れ物、とまでは言わないにしても、なんとなくクラスのみんながりっちゃんに対してよそよそしくなっていた。夏休みを跨いでも、りっちゃんのちょっとした特異性の受け入れ方を迷っていた。勿論、普通に話しかける子もいる。私も、すれちがった時に挨拶はするし、園芸委員会で一緒になると普通に喋る。りっちゃんは夏休みの出来事が無かったことみたいに、自然に喋ってくれた。私にはうまく出来ない芸当だ。でも、私はそのりっちゃんの優しさに甘えて、何も言わずに��堵して会話した。 私はりっちゃんにずっと甘えている。幼稚園の頃からずっと。 苦しんでいるりっちゃんを前にしても、それでも透明人間みたいに、クラスのはじっこの方で、りっちゃんの背中を見ている。そして秘密の会議みたいな園芸委員会の時間だけ喋って特別感に浸ってる。りっちゃんのことを分かっているような気で、でも分かっていない。 残暑が厳しい中、次なる行事である運動会に向けて学校は動き出していた。 運動会は、学年種目、すなわち学年毎のクラス対抗の種目と、個人種目、すなわちクラス毎で定められた枠の人数で個人が立候補して争う種目と、二種類ある。そして応援合戦があって、これは三年生が主体となってダンスをする。 りっちゃんは基本的に男子なので、種目も男子の枠で出場するし、応援合戦でも男子として出る。 りっちゃんの噂は高学年にも伝わっているらしく、合同練習をするようになって、少し奇異な視線が向けられる。先輩たちも最初は迷ったようだが、男子の列にりっちゃんは加わった。りっちゃんはなんでもないように振る舞っている。 私は身体を動かすのがとにかく苦手なので、運動会なんて休みたいくらいだった。でも普段からそうして休むわけにはいかないので参加する。横一列になってみんなでよーいどん、なのでそこから置いていかれてはみ出さないようにすることで精一杯だった。 あと運動会まで一週間、というところで、園芸委員会では向日葵を根こそぎ捨てて、パンジーやビオラを植えた。ベタだけれど、寒い冬でも花を咲かせるという力強い品種らしい。それぞれのクラスに割り当てられた花の色はカラフルだった。とはいえまだどれも蕾なので、実際に咲いたらどうなるのか考えるとわくわくした。 スコップを土に突き立て、掘り起こす。りっちゃんと話し合いながら、三列になるように均等な間をつくり苗を植え替えていく。 「でも、冬になる頃にはもう園芸委員も終わってるな」 りっちゃんの言葉で気付いた。委員会は上期と下期で分かれるので、りっちゃんとのこうした共同作業ができる時間はもうすぐ終わるのだ。上期で委員会をした人は、下期では役職無しになる。そうしたら、私はほとんどりっちゃんと話せなくなるかもしれない。それは、寂しい。 私は、ふと、りっちゃんのことを好きなのだろうか、と考えた。 あまり深く考えたことが無かった。りっちゃんのことは好きだ。確かに好きだけれど、恋愛的な好きなのだろうか。尊敬してるし、かっこいいとも思う。顔だって素敵だ。特にやわらかく笑んだ顔を見ると心があたたかくなる。 クラスには、付き合ってるとか、そういう噂話も回ってくる。私は、りっちゃんと付き合いたいだろうか。付き合ったら、園芸委員という理由なんて無しにりっちゃんと一緒にいたとしても、なにもおかしなことはないだろうか。 でも、付き合うということは、りっちゃんは彼氏になるのだろうか。それとも、彼女? 私は女だから、彼女というのもなんだかおかしい気もする。女の子同士で付き合うこともあるというのは漫画で知っているけれど、実際自分にあててみると、どうなのだろう。男子に興味が無いわけではないのだけれど、男子といるよりも、りっちゃんといる方が楽しいし落ち着くし、心地が良い。というか、りっちゃんは、男子だし、でも、女子だし。 ううん。 考えるほどに分からなくなってしまう。 それに、りっちゃんと付き合うということは、りっちゃんも私を好きだということとイコールになる。 りっちゃんが私を好きかと言うと、それは自信が無い。私がりっちゃんを好きになる可能性はあっても、りっちゃんが私を好きになる可能性は、限りなく低い。どんくさいし、泣き虫だし、クラスの中で釘が飛び出ないように透明であろうとして、みんなのなかにいることに必死で、りっちゃんみたいにちょっと変わった部分を堂々としていられるような勇気も自信も無い。つまり、りっちゃんが私を好きになることは、無い。 そう至って、浮かんだ桃色の案が破裂した。 うん、無いな。 私はりっちゃんのファンみたいなものなのだ。推しなのだ。だから、りっちゃんの幸せを願っているし、りっちゃんが苦しんでいると途轍もなく悲しくなる。りっちゃんが優しく接してくれることに甘えているけれど、それ以上を求めるのは烏滸がましい。だから、園芸委員を期に離れてようやく普通になるんだ。きっと。 「何を頷いてるんだ?」 「ひょおおええ」 手を止めて自分の思考に没頭していた私に、りっちゃんが恐る恐る話しかけてきて、思わず奇声をあげた。りっちゃんはぶふっと笑った。しかも止まらなくて、ずっと笑い続けて、涙まで出して、お腹を抱えている。 「そこまで笑わなくてもいいじゃん!」 「だって、なに? ひょおおええって」 あっはははは。私は耳まで熱くなっていたけれど、一方で、りっちゃんがこうして思いっきり笑っている姿を見たのは随分と久しぶりだったから、胸がぽかぽかと温かくなった。恥ずかしいけど、まあいいや。私もつられて笑った。三組の花壇で二人して、げらげらと笑っていた。 翌日の朝。 私は水やりをしに少し早起きして登校した。 じょうろに水をためる。朝の暑さは真夏になると収まりつつあって、蛇口から出る水もすぐに冷たいものになった。たぷんたぷん、揺れる水の重みを片手に感じながら、私は花壇に向かった。 そこで、昏い現実を目の当たりにすることになる。 三組の花壇だけ、無残に掘り起こされていた。りっちゃんと一緒に丹念に植えたパンジーもビオラもぼろぼろに引きちぎられて、ぐちゃぐちゃに踏み荒らされて、原型を留めていなかった。 私はしばらく目の前の現実を受け入れられなくて、呆然と立ち尽くした。 なんだろう、これは。 誰かによる、暴力的な、意図的な、明確な悪意であることは確かだ。 蕾だけが投げ出されて、散らばっている。 葉も根もばらばらだ。 土はおかしなでこぼこができていて、靴の跡も窺える。 なんだろう、これは。 なんでだろう、これは。 りっちゃんと笑った、昨日の光景が浮かんだ。手を土で汚して、話し合って、ひとつひとつ苗を植えていった大切な時間や記憶が、汚い靴で踏み抜かれていく。 足が浮かんでるみたいだ。 なんで。 あまりに悲しくて言葉が出なかった。 りっちゃんにこの花壇を見てほしくなかったけれど、私の力ではどうにもできなかった。
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おとこおんな���とりっちゃんについて誰かが言った。 園芸を揶揄してか、みみずりつ、と誰かが呟いて笑った。 クラスがなんだかおかしな方に向かっていた。 夏に傾いていた頃、背中のおうとつに指を当てられてからかわれたりっちゃんは、拳を上げた。 でも、もうりっちゃんは何も言わなくなっていた。 静かに、本を読んだり、次の授業に向けて教科書を開いたりしていた。 根暗でどよんとした空気を漂わせているわけじゃない。りっちゃんは��つだって背筋を伸ばして、堂々と座っている。だけど、その背中が寂しげに見えたのは、私の感情的なフィルターを通した光景だろうか。 さきちゃんをはじめとした友達は、りっちゃんの話題に触れなかった。彼女たちには私とりっちゃんが実は幼稚園が一緒だという話をしていたからか、むしろあんまり近付かないように警告した。私は知っている。私とりっちゃんのことが、影で噂されていること。私からは直接見えない、LINE等で噂されていること。私と一緒にいてくれる友人達はそれが勘違いであることをちゃんと解っているけれど、下手なことはするな、と暗に伝えているのだった。LINEのことを教えてくれたのもさきちゃんだった。それを聞いた時、正直私はぞっとした。 私は透明人間で、釘が飛び出ないように、必死だった。それは、幼稚園時代のようにいじめられることがとても恐いからだ。人の、無意識であろうと意識的であろうと、異端だと判断したときの容赦のなさは恐い。その恐怖に再び晒されてしまったらと考えただけで足が竦んでしまう。 りっちゃんは、女子だけど、男子であるという、りっちゃんそのものであることで、釘が飛び出てしまっていて、打たれつつある。 りっちゃん。 私は心で話しかける。 心で言ったところで、りっちゃんにはなんにも伝わらないのに。 りっちゃん。 私、どうしよう。
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運動会を翌日に控えて、ダンスの最終練習に向けて、みんな衣装に着替えていた。一年三組は赤組なので、赤を基調として、体操服に布を張り付けたり、はちまきを手首に巻いて回転したときに動きが派手になるように工夫がなされている。女子はスカートを思いっきり短くする。長いとちょっとかっこわるいからだ。一年生はみんな膝下に伸ばしているので、普段はできないびっくりするような短さにそれぞれ色めきだっていた。私はちょっと恥ずかしかった。下に短パンを履いているからマシだけど。 男子はズボンはそのままだ。上は女子と対照的になるようなデザインになっている。 私はりっちゃんをちらりと見やった。りっちゃんは窓際の席で、机に腰を軽く乗せて、ぼんやりと教室を眺めているようだった。 「清水さあ」 窓際でたむろしているうちの男子の一人が言った。りっちゃんの視線が動く。 「本当はスカート履きたいんじゃないの?」 「は?」 りっちゃんが反抗を見せる。りっちゃんは最近おとなしいが、怒ると恐いことは皆知っている。 だけど、りっちゃんは教室の中で圧倒的にマイノリティで、りっちゃんの特異性を釘として打とうとしている誰かと、無言で見守る生徒達という多数からしてみれば、りっちゃんがいくら怒ろうとも、孤独だった。 「だって、女子のことちらちら見てさあ、本当はあっちが良かったって思ってんじゃねえの。ダンスも、競技も」 「馬鹿じゃねえの。お前らこそ短いスカートの女子に興奮してるくせに」 りっちゃんが吐き捨てる。いつになく顕著に苛立ちを発して、なんだかおかしいくらいだ。男子は一瞬息を詰まらせた。その隙にりっちゃんはその場を立つ。 「また逃げるのか? 図星だからだろ」 りっちゃんは無視する。無視すんな、という声も全部、無視して、教室を出た。 「サイテー、なに言ってんの?」 男子にも物怖じせずに話す派手めの女子が言う。その子も、本気で言っているというよりも、面白が��ているように見えた。 「本気じゃねえよ。ああいう風にされると、冷めるよな」 「冗談が通じない清水さん」 あはは、と笑った。 不快だ。とにかく全てが不快だ。 「真実、大丈夫?」 隣でさきちゃんが声をかけてくれる。私はどうやら相当青い顔をしていたらしい。いつのまにか拳を握りしめすぎて、伸びた爪で皮膚を浅く抉って、じわりと血が滲んでいた。 ダンスの全体練習では、先輩の厳しい目もあるから、みんな従順に励む。私もなんとか振り付けを覚えて、人並みに踊れるようになった。軽快でポップな曲に合わせてステップを踏む。腕を振る、回す。先輩から指示が飛んで、修正する。三年生はこれが最後だから、やりきって満足する思い出が必要なのだ。その情熱にあてられて、三学年跨いでみんな頑張る。 りっちゃんは私の斜め前の方にいる。いつも通りの凜々しい涼しい顔で、日光に当てられて、白い顔でたくさん汗を散らしていた。 しかし、ダンスの通し練習の一回目が終わった時だ。みんなのびのびと小休止をして、屋上から全体をコーチしている先輩の指示を待っていると、りっちゃんが急に座り込んだ。 こんなことでバテるような人ではない。よろしくない雰囲気がする。後ろにいる男子が恐る恐る声をかけると、りっちゃんは首を横に振った。大丈夫、だと言っているように見えた。大丈夫という単語から連鎖して、夏休みに目の当たりにしたりっちゃんの「大丈夫」を思い出した。りっちゃんの大丈夫は、本当は、大丈夫じゃないかもしれない。 「会澤さん?」 後ろの子が、驚いたように声をあげた。急に私が列を外れたからだ。 私はりっちゃんに駆け寄った。 みんなから飛び出るという私の感覚でとりわけ恐ろしいことをしていると自覚していた。けれど、りっちゃんが苦しんでいるのを分かっていながら見て見ぬふりをするのはもっとしんどかった。 「清水くん」 こういう時でも、私は使い分ける。 「……まみちゃん?」 りっちゃんはぼそりと呟いて、私を見上げた。まばゆい太陽に照らされるりっちゃんの顔は、白いというより、病的なまでに青ざめていた。 戸惑う周囲を置いて、私はりっちゃんに顔を寄せる。 「どうしたの、急に座り込んで」 「大丈夫……」 ああ。ほら、やっぱり、大丈夫と言っていたのだ。私の観察眼もたまにはちゃんと的を射る。 「大丈夫じゃないよ。顔が青い……汗もすごい。熱中症とか?」 私が言うが、りっちゃんは頑なに口を暫く閉ざしていた。 「今日、暑いし。ちょっと休もう。通し練習一回終わったし、体調不良ならしょうがないよ」 「駄目だ。本当、大丈夫だから。もう一回、通しが終わったらちゃんと休む」 りっちゃんのいいところは真面目なところだ。でも、悪いところでもあるのかもしれない。 「本当のこと言って」 私が強く言うと、りっちゃんは私を見た。 周りが私たちに注目しているのが、よくわかった。視線を集めていて居心地が悪い。見ないでよ。りっちゃんが更に言いづらくなるでしょう。 暫く沈黙が続いたが、りっちゃんは諦めたように項垂れ、ぼそりと何かを呟いた。 「え?」 聞き取れずに聞き返す。こういうところが私はどんくさい。 耳を近付けた先で、りっちゃんはもう一度同じことを呟いた。お腹が痛い、と。 瞬時にいろいろと察した。だからりっちゃんは言えなかったのだ。それは本当の男子だ��たら起こりえないことだった。でも、結構辛い。酷いとげろげろ吐くくらい、途轍もない痛みを伴って立っていることも辛くなる。 三年生の先輩が流石におかしいと気付いて、駆け寄ってきてくれた。 「先輩。清水くん、ちょっと体調が悪くて踊れなさそうなので、保健室に連れて行きます」 「え、大丈夫?」 先輩が慌てた。大丈夫、とは便利な言葉だ。 「すみません。ダンスを抜けて……」 「いいよ。通しは一回終わったし。ちゃんと休んで」 溌剌とした優しさに弱々しくなったりっちゃんは頷いた。 男子の見た目をしたりっちゃんと、女子の私が一緒に、身体を密接にひっつけているのは周囲からするとどう映るだろう。気にしない、というわけにはいかない。私は気にしいだし、りっちゃんもなんだかんだ和を重んじる人だ。重んじるがゆえに、自分を犠牲にする、強くて同時に弱い優しさがあるのだ。清水律という名に恥じない、清らかな水のように凜としていて、自分を厳しく律する生き方をしている。 りっちゃんは私の肩を借りて、ゆっくりとダンスの列を外れた。背後がやや騒然としているのが背中から感じ取れるが、気にしている場合ではなかった。どうせ、距離を置いてしまえば、聞こえなくなるし見えなくなる。 でも、私達は一年三組という閉じた空間での運命共同体だ。 後先考えずに行動した後、どうなるのかは分からない。 「ありがとう」 りっちゃんは、力の抜けた声で呟いた。 「ううん。良かった、言ってくれて」 「ごめんな」 「謝らなくていいよ」 むしろ、私の方がずっと、りっちゃんには謝らなければならなかったのだ。 私はずっとりっちゃんに甘えて、りっちゃんに助けてもらって、素敵なことを受け取ってきた。 りっちゃんが苦しんでいるのなら、私が助けてあげられることがもしあるのだとしたら、今度は助けてあげたい。 乾いた校庭からひんやりとした校舎に戻り、りっちゃんを保健室に連れて行く。その前にトイレに行くべきか尋ねたが、首を横に振った。 保健室の先生に事情を説明した。りっちゃんの口からはなかなか直接的に言えないと思うので、私がそれとなく伝えて、ベッドに寝かせてもらった。 急いで教室に戻り、常備している鎮痛剤と水筒を持って保健室に戻った。そしてりっちゃんのベッドに駆け寄る。 りっちゃんの顔は歪んでいて、いつも伸びている背筋を曲げて、くるまった。よくここまで頑張ったのだと感心してしまう。でも、りっちゃんは頑張るしかなかったのだ。負けたくなかったのだ。昔から負けん気が強かった。それはりっちゃんの人間性で、どれだけ大人っぽくて、言葉遣いが丁寧で、優しくて、男子の格好をしていても、根っこは変わっていないのだ。でも、その人間性ゆえに、りっちゃんは苦しんでいるのかもしれなかった。 鎮痛剤と水筒を枕元に起き、私は項垂れる。 「りっちゃん」 ぽつんと呟いた。 「何もしてあげられなくて、ごめんね」 ここで泣くのは違うから堪えた。 「苦しかったらちゃんと言ってね。女子とか男子とかそんなの関係なく、私、りっちゃんのことが好きだから、りっちゃんにはいっぱい笑っていてほしい」 りっちゃんは何も言わなかった。 肩が震えているように見えたので、私はカーテンを閉めた。 ダンスは二回目の通し練習に入っていた。私は外に出て、遠くから眺める。私とりっちゃんの穴は目立つかもしれないけれど、私達がいなくても、整然と全体は動いている。それは思ったよりきれいな光景だった。きっと屋上から見たらよりきれいなのだろう。同じ動きをしてチー��として創り出す巨大な作品。それは素敵なことだ。それはそれで、本当に素敵なことなのだ。 通し練習が終わってから、私は勇気を出して列に戻った。またいろんな人の視線が集まった。興味だとか、戸惑いだとか、不安だとか、ないまぜになっているだろう。一身に受け止めると息が詰まりそうになる。自己紹介の緊張と同じだ。注目を浴びるのが苦手だから、注目されないように慎重に周りの目を窺ってきた。それが私の生きるための術だった。りっちゃんを助ける行為は私の信条を外れる。それはとても恐ろしいことだった。けれど、後ろめたさがなりを潜めて、少しだけ強くなれたような、そんな気がした。 「清水くん、大丈夫そう?」 さきちゃんが心配そうに声をかけてくれる。 「うん。とりあえず保健室で寝てる」 「そっか」さきちゃんは安堵の表情を浮かべる。「真実は、平気?」 「うん。平気」 私は穏やかに頷いた。りっちゃんの大人びた静けさのある笑顔を真似するように頷いた。
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ダンス練習が終わり、一年三組に熱っぽいざわめきが押し込まれる。最後に蒸気する先輩が活を入れに教室までやってきて、先輩が「優勝するぞー!」と叫ぶと、全員で「おー!」と青春百パーセントな眩しいやりとりがなされた。私も折角練習したのだから、どうせなら優勝したい。でもそれよりりっちゃんが気になった。 先輩が教室を後にするところで、りっちゃんとたまたま鉢合わせた。 「あっきみ、平気? 元気になった?」 教室の空気が若干変容する。 「あ、大丈夫です。おかげで元気になりました。ごめんなさい、練習中断して」 「平気平気。明日は出れそう?」 「はい」 りっちゃんの肩を先輩が叩く。りっちゃんは恐縮げに頭を下げ、教室に戻る。 汗は引き、顔色も戻っていて私はひとまずほっとした。 何も無かったように、りっちゃんは自分の席に戻る。和を乱さないように、平然とした表情で男子の列に戻る。でも、今や、マイノリティのりっちゃんは、一致団結した教室のはみだしものと認識されているのだろう。 担任の先生もりっちゃんに声をかけ、終礼を進める。最後にさようならと声を揃えると、教室の空気は弛緩した。運動会前日らしい緊張と興奮に、ちょっと変な空気がまだ残っている。 りっちゃんが、勢い良く踏み出した。 なんとなくみんな、視線��寄せた。りっちゃんは良くも悪くも目立つ。 先程ダンスの練習直前にいじってきた男子の集団の前に立つ。私は緊張した。また殴りかかるのではないかと恐くなる。けれどりっちゃんは冷静で、いつも以上に凜としていた。 「おれ、明日も出るから」 はっきりと宣言する。 「男としてダンスもするし、競技もする。それだけだから」 特別叫んだわけでもない。しかし、りっちゃんのまっすぐとした声は、生徒の間をするする通り抜けて教室中にきちんと響いた。 りっちゃんの正義。ヒーローのような正義。敵に立ち向かう正義。それは時にあまりにもまっすぐで誠実で、人の気に入らない部分も刺激してしまうのかもしれない。でも、りっちゃんは、自分に根ざしている心を偽ることも、馬鹿にされることも、許せないのだ。 「……当たり前だろ」 静かな威圧にやられて、相手はしどろもどろになる。なあ、と言い合う。ま���でりっちゃんが空気の読めないイタいやつみたいに。 りっちゃんは翻し、たまたまその正面に位置した私と目が合った。りっちゃんは微笑んだ。ぼろぼろになってしまった花壇でいつも見せてくれる、優しい、りっちゃんらしい笑顔だ。私は嬉しくなって、笑い返した。 でも、私はとても耳がいいので、次の言葉を逃さなかった。 「おとこおんな」 大衆の前で羞恥を晒されたことに耐えかねたのか、ぼそりとりっちゃんの背後で彼は言った。 真顔になったりっちゃんが振り返ろうとした。振り返りきらなかったのは、りっちゃんの正面で突然走り出した存在がいたからだ。 つまり、私だ。 「ふざけんな!!」 私は叫んだ。彼等に掴みかかる勢いだったが、さきちゃん達と、そしてりっちゃんが慌てて身体に腕を絡ませて止めていた。 「ふざけんな……っふざけんな!! りっちゃんは、りっちゃんはねえ……! あたしらなんかよりよっぽど、大人で! 自分に正直なだけで! それでも自分を律して、自分を犠牲にして! それをあたしたちが、馬鹿にする権利なんて!! どこにも!! ないんだから!! ふっざけんな!!」 「まみちゃん、落ち着いて!」 「真実-! どうどうどう!」 正面にいる男子は完全にたじろいでいた。むしろ引いていた。 私はいつのまにか涙と鼻水をまき散らしながら、その後もなんか言ってた気がするけど、何も覚えていない。記憶が吹っ飛ぶくらい、私の思考回路はぶち切れてしまったらしい。
*
運動会は、優勝しなかった。ダンスも優勝しなかった。 先輩達は号泣し「うちらは赤組が一番だと思ってるから! 赤組最高!」とやはり青春まっしぐらの文句を高らかに言い放ち、拍手喝采が湧き上がり、不思議な感動のうちに幕を閉じた。 声援で盛り上がったグラウンドは、しんと静まりかえって、夕陽色が全面に広がっている。 今日は部活も全部休みだ。それぞれのクラスで打ち上げが予定されている。私もりっちゃんも出る予定だったけど、こっそり抜けた。ああいった事件の直後なので流石に無理と判断した。不器用な私たちよりずっと器用なさきちゃん達が計らってくれた。 運動会の最中はスポーツが創り出す団結感によって、りっちゃんを馬鹿にした男子も、派手な女子グループも、たくさんの傍観組も、私の大切な友人も、りっちゃんも、私も、頑張った。全体として赤組は優勝しなかったが、一年三組は学年競技で一位になった。男女問わず、みんな手を叩いて喜んだ。 私は身体を動かすことは苦手だけれど、こういうのもたまにはいいかもしれない。細かい価値観の違いだとか、性別だとか、性格だとか、身体の特徴やかたちだとかそういった、それぞれで生じる違いや個性を超えて、一つの目標めがけて力を合わせることは。 りっちゃんは個人でも活躍した。決まっていたことではあるが、クラスで一番足が速いので、メドレーリレーに出場し、二位でバトンを受け取った後、辞めてしまった陸上部の仲間だった黄組の男子生徒に迫り、デッドヒートを繰り広げ、ぎりぎりで追い抜いた。その瞬間の盛り上がりようといったら、りっちゃんの纏っていた仄暗さを吹き飛ばすものだった。みんな調子がいいんだ。それはそうとして、りっちゃんは��っこいい。やはり、りっちゃんは自分を消すように着席しているよりも、太陽の下で輝いているヒーローみたいな立ち位置がよく似合う。 だけど、明日からの日常はどうなるかわからない。 今日と明日は違う。 でも私達はたぶんそんなに暗い顔をしていない。 きれいに整えた花壇の前で、手を叩く。 「いつかやりたいと思ってたけど、ようやくできたなあ」 りっちゃんは満足げに笑った。花壇を踏み潰された事件は実に陰湿でショッキングだったし、結局誰の仕業かは判明していない。あのパンジーやビオラは戻ってこないけど、一応、元通りだ。 「運動会の後に花壇をきれいにしたいなんて、りっちゃんもよくやるよね」 「ずっと心残りだったんだ。でもそれどころじゃなかったから」 「そうだね」 あらゆることがとりあえず一つの区切りを迎えたのだと思う。りっちゃんは気持ちの良い表情をしていた。 「またパンジーとビオラの苗、頼んで用意してもらうか」 「せっかくだから、違うのでもいいかも」 「なんかあるかな。調べてみるか。でも、三組だけ違うのもなんか変じゃない? こういうのは統一感があってもいいと思うんだよな」 「たまにはいいよ」 一年のくせに生意気だと言われるかもしれない。でも本当に通るかどうかなんて分からないんだから、言うだけ言ってみるのも手だろう。 「でも、園芸委員、もうちょっとしたら終わっちゃうんだよね」 「継続で立候補したらいいんじゃない? やりたいって言ったら別に誰も止めないだろ。他の子で園芸委員やりたいって奴がいたら別だけど、いないだろうし」 「いないだろうねえ」 私は土まみれになった手を見やる。汚いけれど、健康的な手だ。 「おれもその方がちょうどいいな。まみちゃんと一緒だし」 「えっ」私は大きな声をあげる。「また私と一緒でいいの?」 「え? うん」りっちゃんは目を瞬かせる。「え?」 なんだか変な沈黙が訪れる。 りっちゃんは怪訝な表情を浮かべているが、何か変なことを言っただろうか。 でも、一緒がいいと言ってくれるのは素直に嬉しいので、私は何も考えずにぽわんと笑みを零した。 「そっかあ。りっちゃんと後期も委員会一緒なら、楽しいね」 「……うん。そうだな」 りっちゃんは相変わらずちょっと挙動不審だけれど、まあいいか、とやがて大きな息を吐いた。 遠くでかすれ声のようなひぐらしが鳴っている。向日葵は枯れて、とうに夏は過ぎたと思っていたのに、まだ蝉は鳴いているのだと驚く。だけどじきにこの声も聞こえなくなるだろう。 「まみちゃん、垢抜けたというか」私を見ながら、しみじみとりっちゃんは言う。「さっぱりしたな」 「誰かさんの影響かな」 「誰だろうなあ」 「誰だろうねえ」 ふふ、と笑い合った。なんだか幸せである。 「でも、殴るのはやめた方がいいな。ああいうのは、どんだけ相手がくだらない挑発をしていたとしても、先に手出した方が悪者になるんだ。それに殴った方は結構痛い」 「りっちゃん、痛そうだったもんね」 夏休み前の、りっちゃん暴力未遂事件である。 「あれはまじ、やばいぐらい痛かった。今までで断トツ。おれがあの時逃げたのは、痛すぎて、そして恥ずかしすぎたからだから。廊下に出てから、ちょっと泣いた」 「うそー」 「ほんと。まみちゃんも一回机殴ってみたら? まじで痛いから」 「やだよ」 しかし、振り返ってみるとなんと暴力的な園芸委員だろうか。実際���とんでもないおまけが付いてきた。 おとなしいやつほど怒らせると恐い。私とりっちゃんが一年三組に植え付けた強迫観念の一つである。園芸委員の二人は、そのおっとりとした穏やかな響きの肩書きとは裏腹に、暴力的なレッテルが追加されることになった。自分達の正義というか本能というか、挑発に乗った愚かさというか、そういったものが生んだので、名誉といったらいいのか不名誉といったらいいのか微妙なところである。先生も親も驚いた。多分、運動会が過ぎて、明日以降のどこかで話があるだろう。 これで、三組に渦巻く嫌な空気が吹き飛べばいいのだけれど。 少なくとも、直接的な影響がでなければまずはそれでいい。裏で何を言われてようと、遠く離れていれば気にするほどのことではない。 「さて、これからどうする?」 「うーん」 なんとなくこの大切な時間が終わってしまうのが寂しくてごまかす。 私は、一つ提案した。りっちゃんは嫌そうな顔をしたが、受け入れてくれた。 「なんかポーズをした方がいいのか?」 「いらないいらない」 私はおかしくて笑い、スケッチブックを捲り、鉛筆を立てる。 真剣な目つきで、ただ、花壇裏の階段に座るりっちゃんの横からの姿を写生した。 無自覚のうちに自分を律するりっちゃんは、リラックスした空気であっても肩の力が抜けていても背筋がきれいだ。ちょうどいい鼻の高さ、中性的な顔つき、長い白シャツとズボンの下が女性的でも、りっちゃんを形作る雰囲気は男性的で、どちらも兼ね備えるりっちゃんは普通と少し違って、素敵だ。でもきっと、みんなそれぞれ少しずつ違う。たまたまりっちゃんが目に見えやすいだけで。 強い夕陽に照らされて儚げな横顔。暗くなって見えなくなる前に、私は真剣に紙に写し取る。この瞬間を完全に切り取ることはできなくても、この瞬間を、私の目が捉えるこの瞬間を、できるだけ忠実に切り取りたい。 拙くても、私は一生懸命鉛筆を走らせる。 「ちょっと喋っていい?」 「うん。でも動かないで」 「厳しい」 りっちゃんは笑う。ぎこちなかった真顔よりこっちの方がいいな。私は消しゴムで口許を修正し、微笑みを与える。うん、りっちゃんらしい。 「おれ、幼稚園の頃、いじめられて泣いているまみちゃんを見て、守らなきゃって思って、ヒーローになるって言ったの。覚えてる?」 「もちろん」 明るい記憶ではなく、むしろ掘り起こされたくない部分でもあるが、りっちゃんに助けてもらったことは何にも代え難い私の希望だった。指切りまでして、約束を交わしたことを、よく覚えている。 「りっちゃんは、私のヒーローだった」 「うん。そうなりたいと思っていた。でも、実はまみちゃんもヒーローだったんだな」 「私が?」 咄嗟に素っ頓狂な声をあげて、手を止めそうになるが耐える。しかし、ふらふらと明らかに動揺した線になってしまう。 「おれ、結構きつかったんだわ。いろんなこと。男子として生きてみようと思ったのはいいけど、親がまず困る。親はきっと、おれのブレザーとスカートの晴れ姿を見たかったんだ。前例が無いせいで先生方も困惑してるし、みんながどう受け止めるべきか困っているのも解ったし。気持ち悪いものが気持ち悪いのは、しょうがないじゃん。単純なことかと思ってたら、おれだけの問題じゃない���だなってよく解って、でも、おれはおれであることからは逃れられないから、そことのギャップも、地味ないたずらも、苦しかったんだ」 「うん」 「昨日、ダンス練習して、一日目だったからやばいかもなーとは考えていたんだ。でも、もうこれ自体もさ、おれがどうあがいても女子っていう証拠で、覆せなくて、それがむかつくやら苛立つやら悔しいやら、でもどうしようもないから隠すしかない。でも、あの時は耐えられなかったな。最近あんまり寝れてなかったし」 「……そっか」 大人びたりっちゃんを創る、本当のりっちゃんが話しているのだ。私は余計な邪魔をせず、相槌に専念しつつ、絵を完成へ近付ける。 「身体の変化にはあらがえないと実感したけど、まみちゃんが助けてくれて、本当に助かったんだ。それに、その後まみちゃんが取り乱したのも、びっくりしたけど、この子は味方でいてくれるんだって」 りっちゃんが振り返る。私は、動かないで、と言わなかった。 「ありがとう」 夕陽を逆光にして、りっちゃんはきれいに笑った。本当に嬉しそうに笑った。 私は鉛筆を止めて、呆然とした。そしてまた号泣していた。 「いやいやいや、だからなんで泣くんだよ」 「わかんない」 りっちゃんは戸惑いというよりもおかしく笑った。私は鞄からタオルを取りだそうとして、青いハンカチが目に入った。あれから良い機会が全然無くて、返せずにずっと鞄に入れっぱなしにしていたのだ。私は泣きながらとりあえず返そうとする。 「いや、それで拭きなよ」冷静なりっちゃんは呆れる。「そのうち返してくれればいいし」 運動会の汗をたっぷり吸い込んだタオルよりもずっと清潔なハンカチに、また沁みができた。申し訳なさやらなんやらが積み込まれた、重たいハンカチになっていく。 「泣き虫だなあ」 りっちゃんは苦笑する。 「泣き虫だし、いつまでも、りっちゃんに甘えてばっかりで、弱虫で……だからずっとりっちゃんが苦しんでるの知ってたのに、見て見ぬふりして……全然、私、ヒーローなんかじゃない」 私はぽつんぽつんと涙ぐみながら言う。りっちゃんは首を横に振った。 「そんなことない。みんな弱虫だ。おれもそう」 「りっちゃんは、すごいから、私なんかと全然違って」 「すごくない。おれはまみちゃんの方が���っぽどすごいと思う。嘘をつく方がよっぽど楽なことだってあるじゃん。ちょっとはみだすことって、本当に大変で、勇気がいることだから。その一歩が一番大変だ。だから、真実ちゃんはすごいし、おれのヒーローだよ」 「うええ……」 身に余る言葉ばかりたくさん浴びて、私は写生どころではなくなってしまった。微笑むりっちゃんを写した拙い絵に、涙が一粒落ちる。 「うわっすげえ。この短時間で? めっちゃ上手いな。ちょっと気にしすぎなくらい人のこと見てるもんな。絵の才能あるんじゃないか?」 りっちゃんはスケッチブックを私の膝上からあっさり引き抜いた。 「他のも見せてよ」 了承を得る前に、まったく悪気が無い手さばきでりっちゃんは過去のページを捲る。 涙が瞬時に止まった。真顔になり、さっと血の気が引く。 その中には、こっそり、隠し撮りならぬ隠し描きした��りっちゃんの高跳びをする瞬間の写生画が入っているのだ。 「や、やめてーーーーー!!」
透明人間だった私に、輪郭が描かれ、あざやかな色が塗られて���く。
了
「弱虫ヒーロー」 三題噺お題:世界の終わり、嘘をつく、指切りげんまん
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* Photographer MIKI *
奈良県美術人協会会員。 主に奈良で行われる伝統行事の写真を撮っています。
とある小さな村の祭りで「来てくれてありがとう」と声を掛けて頂き、今までの自分の撮影スタイルに疑問を感じました。伝統を伝える、そして見て下さった人に何か感じて頂けるような写真を1枚でも多く撮りたいと思っています。 そして、何かお役に立てれば光栄です☆
*-- マスコミ --* 生駒市広報誌「いこまち」(2017年2月号)に掲載して頂きました♪♪ 毎日新聞「やまと人模様」(2015年3月3日)に掲載して頂きました♪
*-- 活動内容 --* (敬称略) ★2024年 ・奈良県美術人協会写真部会員展(奈良市美術館 7/2~7) ・奈良県美術人協会展(奈良市美術館 6/19~23) ・「月刊奈良(3月号)」奈良の春景色 梅と桜めぐり 写真提供 ・「祈りの回廊」2024年春夏号 表紙写真提供 ・奈良旅手帖2024 写真提供
★2023年 ・融通念仏宗布教師会WEBサイト「融通歳時記」写真提供(2023年7月~2024年6月) ・「奈良県中小企業団体中央会」会報誌(2023年4・5月号~2024年2・3月号) 表紙写真提供 ・月刊奈良3月号 明日香村いちご狩り特集 撮影 ・奈良県美術人協会展(2/1~5) ・奈良旅手帖2023 写真提供
★2022年 ・奈良県美術人協会写真部会員展(7/20~24) ・融通念仏宗布教師会WEBサイト「融通歳時記」写真提供(2022年7月~2023年6月) ・奈良県美術人協会展(5/18~22) ・「奈良県中小企業団体中央会」会報誌(2022年4・5月号~2023年2・3月号) 表紙写真提供 ・海龍王寺 十一面観音春季特別開帳ポスター 雪柳写真提供 ・奈良旅手帖2022 ★2021年 ・「行基の喜光寺1300年」(京阪奈情報教育出版)仏舎利殿撮影 ・大倭印刷 カレンダー写真提供 ・「奈良県中小企業団体中央会」会報誌(2021年4・5月号~2022年2・3月号) 表紙写真提供 ・月刊大和路ならら4月号 「大和の古道・街道ある記」村屋神社代々神楽写真提供 ・奈良観光情報誌『ならり』Vol.30春夏号 東大寺十七夜写真提供 ・奈良、旅もくらしも【花暦】 写真提供 ・奈良旅手帖2021 ・鹿鳴園 修二会写真展示(2020年12月17日~2021年3月15日) ★2020年 ・大倭印刷 カレンダー写真提供 ・なら燈花会 公式撮影 ・月刊大和路ならら6月号 巻頭【大和逍遥】 ・「奈良県中小企業団体中央会」会報誌(2020年4・5月号~2021年2・3月号) 表紙写真提供 ・奈良観光情報誌『ならり』Vol.28春夏号(表紙・かき氷特集撮影担当/東大寺十七夜写真提供) ・KCNまがじん2020年3月(海龍王寺・雪柳写真5点) ・奈良旅手帖2020 ★2019年 ・全国小学校道徳教育研究会 第55回奈良大会 表紙写真提供 ・大倭印刷 カレンダー写真提供 ・「祈りの回廊」2019年秋冬版表紙 表紙写真提供 ・万葉あ~と展(犬養万葉記念館・2019/7/26~8/4) ・フォトジェニック展2019(大阪・京都・兵庫) ・「奈良県中小企業団体中央会」会報誌(2019年4・5月号~2020年2・3月号) 表紙写真提供 ・奈良県美術人協会展(5/15~19) ・奈良ひとまち大学 トップ画像(2019年4月~2020年3月) 写真提供 ・海龍王寺 十一面観音春季特別開帳ポスター ・登大路ホテル奈良 トップページ写真<修二会・尻つけ松明> 写真提供 ・奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり<大立山まつり2019> 公式撮影 ・登大路ホテル奈良 【綴る奈良Vol.21】螺鈿のいろどり 奈良漆器 北村家の漆芸 ・奈良旅手帖2019 ★2018年 ・登大路ホテル奈良 【綴る奈良Vol.20】究極の筆記用品 奈良墨 松壽堂 ・登大路ホテル奈良 【綴る奈良vol.19】土と対話する 赤膚焼 大塩正人窯 ・大倭印刷 カレンダー写真提供 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展(10/27~12/16) ・登大路ホテル奈良 【綴る奈良vol.17】宝山寺と参道をあるく 聖天厄除大根炊き写真提供 ・登大路ホテル奈良 【綴る奈良vol.16】日本清酒発祥の地 奈良 写真提供 ・第9回安堵町ふれあい盆踊り大会 公式撮影 ・登大路ホテル 【綴る奈良vol.13】古都奈良の文化財―世界遺産20年― 元興寺地蔵会写真提供 ・なら燈花会 公式撮影 ・奈良県美術人協会写真部会員展(2018/7/18~22) ・登大路ホテル 【綴る奈良vol.10】夏の東大寺を楽しむ 写真提供 ・奈良県美術人協会展(2018/5/16~20) ・平城宮跡歴史公園開園記念イベント撮影(3/24) ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・登大路ホテル 【綴る奈良vol.3】東大寺二月堂修二会(しゅにえ)/ お水取り 写真提供 ・登大路ホテル 【綴る奈良vol.2】若草山焼き 写真提供 ・奈良旅手帖2018 ★2017年 ・大倭印刷カレンダー写真提供 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・奈良西大寺展(あべのハルカス開催)法要・イベント撮影 ・「アステイオン 86号」(2017年5月18日発売)題目立(奈良市上深川) ・奈良県美術人協会展(2017/5/17~21) ・なら歳時記〜それぞれの春〜(2017/2/1~28) ・なら瑠璃絵 公式撮影 ★2016年 ・「月刊事業構想」12月号 奈良県十津川村特集 ・大倭印刷カレンダー写真提供 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・葛城アートフェア出展 ・祈りの回廊 大神神社観月祭・砂掛け祭り写真提供 ・奈良県美術人協会写真部展示会(8/16~21) ・なら歳時記・夏〜奈良写真家9人展〜(8/1~31) ・奈良県美術人協会展(5/18~22) ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・旅さらら(飛鳥・橿原観光ガイドブック) ・「大宮通りジャーナル 第4号」表紙・奈良元気もんプロジェクト様写真提供 ・祈りの回廊 砂掛け祭り写真提供 ・奈良旅手帖2016 ★2015年 ・大倭印刷カレンダー写真提供 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・「大宮通りジャーナル 第3号」表紙・燈花会写真提供 ・なら燈花会 公式撮影 ・くるりかつらぎ・飛鳥・吉野大峯+十津川・桜井宇陀・大和高原(西日本出版社) ・ならびたり(生駒あさみ著) ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・奈良旅手帖2015 ★2014年 ・1300年のこころ見つけました(奈良県観光キャンペーン) おん祭 ・1300年のこころ見つけました(奈良県観光キャンペーン) 春日大社年間祭事 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・平城京ふぉと&うぉーく 11月15日開催しました。 ・なら燈花会 公式撮影 ・「JAPANSQUARE」(JR西日本・ナビバード共同運営)奈良特集 ・「JAPANSQUARE」(JR西日本・ナビバード共同運営)お水取り特集 ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・なら瑠璃絵写真集(写真・編集制作) ・奈良県発行「なら記紀・万葉名所図会 - 古事記神様・人物入門編 - 」 ・奈良旅手帖2014 ★2013年 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・近鉄奈良駅電子掲示板 東大寺修二会写真提供 ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・奈良旅手帖2013 ★2012年 ・奈良県立民俗博物館「私がとらえた大和の民俗」写真展 ・なら瑠璃絵 公式撮影 ・「知れば知るほど奈良はおもしろい 2012年冬号」表紙・巻頭・ポスター ・「まほろびすと(奈良情報季刊誌)」表紙・巻頭・歳事 ★2011年 ・なら燈花会 公式撮影 ★2010年 ・平城遷都1300年祭(フィナーレ) 公式撮影 など *敬称略させて頂いております。 *個人の方や企業様からの撮影実績は掲載しておりません。
Hi ! I introduce Japanese culture & traditions by my photos. Especially in Nara & Kyoto. My wish is to make friends,especially with people who are interested in Japan, but I welcome absolutely anyone and everyone(*^^*)
Please feel free to contact me through Twitter. https://twitter.com/happy_pix Thanks.
*-- 書籍 --* ・「くるりかつらぎ・飛鳥・吉野大峯+十津川・桜井宇陀・大和高原」写真多数掲載 ・「行基の喜光寺1300年 (京阪奈情報教育出版)���仏舎利殿撮影
*-- 雑貨販売お知らせ --* 鹿タオルハンカチ販売中♪ 鹿マスキングテープ販売中♪ 鹿クリアファイル(2種類)販売中♪ 鹿ポストカード(8~12種類)を季節に合わせて森奈良漬店様>にて販売中♪
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明るい工場
ソヴェト同盟の南にロストフという都会がある。ドン川という大きい河に沿って、花の沢山咲いた綺麗な街が、新しい労働者住宅やクラブの間にとおっている。私は七月のある朝、ドイツからソヴェト同盟へやって来たドイツの労働者見学団といっしょにホテルを出て、ドン国営煙草工場見学に出かけた。ロストフはウクライナ共和国の主都で、附近にはソヴェト第一の大国営農場「ギガント」があった。丁度素晴らしい「トラクター」や「コンバイン」をつかって麦の収穫を終ったばかりのところである。ドイツからの労働者見学団の若い男女たちは、その収穫の壮大な仕事ぶりを見てきたばかりなので、片言のロシア語やあやしげな英語で(私にドイツ語がわからないから)さかんにその見事な様子について私に話してきかせる。私がロストフへきていたのもその「ギガント」を見るためなのである。
「ギガント」で見たことはまた別のときに話すとして、その朝ドン煙草工場で見たことを、わたしはみなさんに聞いて貰いたいと思う。
少しダラダラ坂になった通りを行くと、右側に煉瓦の大きい工場が現れた。がっしりとした門にソヴェト同盟の国標、鎚と鎌をぶっちがえにしたものを麦束でとりかこんだ標がかかげてあり、その上に、ドン国立煙草工場と金字で書いてある。門衛がいるが、一向意地わるそうでもないし、うたぐり深い目つきもしていない。
「受付はどこでしょう」
と私がきいたら『プラウダ』(全ソ共産党の機関新聞)をよみかけていたままの手をうごかして、
「ずっと真直入って行くと右側に二つ戸がある、先の方のドアですよ」
と教えてくれた。礼を云って歩き出したら
「お前さん、どこからかね?」
「日本から来たんです」
「ふーむ。そりゃ結構だ。——わかりましたか、ホレそこを真直行って……」
ともう一遍教えてくれた。
入ってゆくと廊下で、左側には「賃銀支払金庫」「保険貯金」などと札の下った窓口が並んでいる。右側に戸がなるほど二つある。奥の方には「工場委員会」「コムソモール・ヤチェイカ」と札が出ている。みなさんも知っているとおり、ソヴェト同盟では工場を男女労働者自身で経営している。工場の大衆から選挙された工場委員会があって、その委員会がいくつかの専門部に分れている。例えば技術詮衡部(この技術詮衡部で働くものの腕によって賃銀をきめ、また工場全体の技術が向上するよう指導してゆく)衛生部(工場中の衛生全部に責任を負い、托児所、診療所、食堂、水のみ所などの問題を片づけてゆく)その他重要な生産計画部、文化部などがあって、どんな大工場の管理者でもこの工場委員会の決定に従って行動しなければならないようになっている。ブルジョア・地主の工場のように、社長、重役とか主任とか監督とか、威張って搾るばかりが仕事の者は、ソヴェト同盟の工場のどこの隅をさがしてもいない。もう一つのコムソモール・ヤチェイカというのは、共産青年同盟細胞という意味である。(どの工場でも相当人数のあるところではきっと共産党の細胞と労働組合の地区委員会が部屋をもって活動しているのが普通である。)
私は二つめの戸を入って行って、そこに書きものをしている若い婦人労働者に、
「今日は」
と云った。
「私は日本からきたんですが、これをみて下さい」
紹介の手紙を出した。その婦人労働者は手紙をよみ終ると、
「素ばらしいわ! よく来ました。でも、一寸待って下さいよ、いま文化委員のひとがいないから五分ばかり待って下さい」
やがて、赤い布で凜々しく髪を包んだ二十二三のこれも元気な婦人労働者が、何冊もの本を小脇にかかえて入って来た。
「——図書室の本が、まだモスクワから届かないんだってさ。手紙をやりましょうね」
「お客さんよ」
その文化委員の婦人労働者は手紙を見ると、黙って私の方へ手をさし出し、きつく、情をこめて握手をした。
「——みんな見せますよ、見てお国の婦人労働者に話してやって下さい、ね。ソヴェト同盟ではわたしたちがどんなに生活するようになったか」
ドン国営煙草工場は生産高がソヴェト同盟一二を争うほどあり、労働者は全体で千何百人かいる。仕事の性質上婦人が多いので、ここの衛生委員は特別に歯科の診療所を工場内に設けた。小ざっぱりとした白い壁の小部屋で、ピカピカ清潔な医療道具がガラス箱の内に揃っている。白い上っぱりを着た医者が一人の女の患者を扱っているところだった。
「女はどうしても姙娠やお産で歯をわるくするのです。ところが働きながら歯医者へ通うことは時間の都合で不便だから、とうとうわたし達は工場へ歯科診療所をこしらえることにしたんです。二年計画でやったんです。みんなよろこんでいますよ。——わたしたちは誰しも早く婆さんになってしまいたくはないものね」
私も一緒に笑ったが、ふと思いついてきいた。
「——でも、時間はどうなんです?——つまり仕事の間にここへやってきて治療して貰うらしいけれど、その時間は、やっぱり八時間の労働時間にくり入れられるんでしょうか」
「そうですとも。丈夫な体になっていなければ立派な働きもできないわけじゃありませんか。わたしたちには工場も健康も大切です、どちらも自分のものだもの。……そうでしょう?」
わたしはこの言葉をきいて、体が熱くなるような感じにうたれた。革命まではロシアの工場でも、日本の工場と同じようなひどい条件で女が搾られていたのである。
ドン国立煙草工場には自慢の托児所があり二百七十人ぐらいの子供の世話をやいている。私が行ったとき、托児所の庭の青々と��った夏の楡の樹の下にやや年かさの女が三つばかりの男の子を抱き、金髪の若々しい母親が白い服を着せた生れたばかりの赤児を抱いて、静かに談笑しながら休んでいた。話して見ると、何と愉快なことだろう。この二人の年齢のちがう母親たちは、互いに母と娘とで、二人ながらこの「デゲテ」工場に働いている婦人労働者なのであった。
「わたしはもう自分の末の子を二人ともここで育てて貰ったんですよ。……今度は私の娘が初めての子供をつれて来る番になったわけです。……わたし達の生活はすっかりここにあるんです……ねえオーリャ……」
案内してくれる文化委員は、工場学校の方へ歩き出しながら話に告げた。
「あの二人は模範的な母親たちですよ。お母さんの方は代議員だし、オーリャは党員候補です」
ソヴェト同盟の工場では五人に一人ぐらいの割合で婦人労働者の間から代議員というのを選んでいる。これは党員ではないが、ソヴェト同盟がプロレタリア・農民の国であり、社会主義の社会を建設してゆき、益々富み、階級のない社会とするためには、どういう風に働かなければならないかということを理解し、実践する婦人労働者を皆が選んで、職場でのあらゆることについての相談役、世話役、説明役となって貰うのである。ソヴェト同盟が搾り専門の社長、重役を工場から追っぱらったと同時に、監督とか世話役とか天くだりの役員を廃絶し、みんなが順ぐり互の仕事を監督し合い、技術を向上するよう励まし合ってゆくプロレタリアらしいやりかたが、この代議員というものに現われている。
一旦、托児所を出て往来を横切ると特別な工場学校の小門があって、十五六歳の少年少女がそこを活溌に出入している。入ったところの広場で一つの組が丁度体操をやっている。十七八人の男女の工場学校の生徒が六列に並んで、一人の生徒の指揮につれて手を動かし、足をあげ、時々、
ホ! ホ! エハーッ!
エハーッ!
とかけ声をかけ、笑いながらやっている。広場の奥の大きい厩か納屋だったらしい建物があって、そこが、今はすっかり清潔に修繕されて、運動具置場になっている。「懸垂」などもそこにおかれている。
教室へ入って行って見ると、仕事着を着た男女生徒が、旋盤に向って注意深く作業練習をしているところである。ひろい窓から日光が一杯さしている教室中は森として、機械の音だけが響いている。もう白い髪をした指導者が一人一人の側によって仕事ぶりを親切に眺めていたがやがて壁にかかっている時計を見上げると、
「さア子供達、腰かけた!」
と響のよい年よりの声で云った。生徒たちは仕事机の下にバネじかけでしまってある腰かけを引き出し、一斉に腰かけて、作業をつづけている。
「工場学校では、若い生徒の体が健康に成長するように、三十分起立して作業すると、十五分は腰かけて仕事をする規則なのです」ソヴェトの世の中になってこそ、ほんとに若い男女の勤労者の幸福はくるのだ。つよくそう思わずにいられなかった。私は���イツでも、堂々としたジーメンスの工場を見たが、その工場の内に働く者の幸福を高めるための技術を養う工場学校があり、しかも十八歳までは六時間労働、十六歳以下は四時間と、ちゃんと法律によって定め、その賃銀の払われる労働時間のうちに教育のための時間を半分ずつ算入しているところなどは、どこにもなかった。五ヵ年計画では、その上もっと素晴らしい計画が実行されようとしている。これまでは、ソヴェト同盟でも、青年少年の男女労働者のとる賃銀は大人より幾分低かった。日本やアメリカなどの若い労働者のように、半額などということはないが、それでもいくらかやすかったのを、今度は、六時間労働でも、大人なみ八時間労働とまったく同じ賃銀を払うということである。男の子も女の子も十六七になれば、食べるものも着るものも大人なみである。本だって沢山よみたいし、運動もしたい。ソヴェト同盟には工場図書館、スポーツ・サークルが発達していて、大体無料でいろいろのことができるが、食物、衣服はまだ無料とはゆかない。若い男や女の勤労者が、真に健康に、立派に階級の前衛として育つために、ソヴェト同盟では、男女青年労働者の待遇の徹底的改善を決定したのである。
その教室を出て、もう一つの教室へ行くと、そこでは若い生徒ではない、もう四十五十の小父さん小母さんが十人ばかり、むきな顔をして代数の勉強をやっていた。職場で働いているが、こういう人々はもっと自分の技術を高めて、ソヴェト同盟が最も必要としている技師になり、皆の役に立とうと、若がえって健気な勉強をやっているのである。
わたしは、工場を見ているうちに一歩一歩と、水浴びでもした後のようにいきいきと爽やかな気分になった。「未来は我らのものである」という強い確信は、こうしてソヴェトの労働生活の現実的な建設によって一つ一つ実現されつつあるのだ。希望と勇気にみたされ、わたしは並木道の下を更に工場クラブの方へ行った。
〔一九三二年九・十月〕
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同居男児に暴行ペルー人の女起訴|NHK 三重県のニュース
感染者
【24日19時現在】県内の感染者 累計45人
44人目:伊勢市に住む60代の保育園調理師の女性
45人目:松阪市に住む40代の消防職員の男性
県の緊急事態措置
▼生活の維持に必要な場合を除く県内外への移動の自粛
▼特に大型連休期間中における移動の自粛▼海外渡航の自粛
▼接待を伴う飲食店や遊興施設などへの外出自粛
▼県外から三重県への移動自粛の呼びかけ
▼3密(密閉・密集・密接)回避と人と人との一定の距離の確保
▼咳エチケットや石けんによる手洗いなど基本的な感染予防の徹底
休業要請
期間:5月6日まで 対象地域:三重県全域
協力事業者には「協力金」として1事業者あたり一律50万円支給
休業要請 対象
【遊興施設】▼ナイトクラブ▼キャバレー▼ダンスホール▼バー
▼風俗店▼ネットカフェ▼漫画喫茶▼カラオケボックス
▼ライブハウス▼競艇などの場外発売所▼ゲームセンター
【運動遊技施設】▼体育館▼水泳場▼ボウリング場
▼スポーツクラブなどの運動施設▼��ージャン店▼パチンコ店
【劇場・集会展示施設】▼劇場▼映画館▼集会場▼公会堂▼展示場
【文教施設など】▼大学や専門学校などの教育施設▼自動車教習場
▼学習塾(床面積100㎡以下・感染予防対策をした場合を除く)
【博物館など】▼博物館▼美術館▼図書館
【商業施設】▼生活必需品以外の小売り関係の店舗やサービス業
(床面積100㎡以下・感染予防対策をした場合を除く)
休業要請相談窓口
℡)059-224-2335・23日以降 9時~17時(土日祝日含む)
要請 対象外
【社会福祉施設等】▼保育所▼学童クラブなど▼介護福祉サービス
【生活必需物資販売施設】▼食料品売場▼コンビニエンスストア
▼百貨店・ホームセンター・スーパーなどの生活必需品売場
【食事提供施設】▼居酒屋を含む飲食店▼喫茶店
営業時間は朝5時~夜8時までの間の短縮営業を要請
酒類の提供は夜7時まで(宅配・テイクアウトサービスは除く)
【宿泊施設・交通機関】▼ホテル▼バス▼タクシー▼レンタカー
▼鉄道▼船舶▼航空機▼宅配などの物流サービス▼工場▼作業場
【金融機関・官公署】▼銀行▼証券会社▼保険代理店▼官公署
【そのほか】▼メディア▼葬儀場▼銭湯▼質屋▼獣医▼理美容
▼ランドリー▼ごみ処理関係
宿泊施設への対応
「宿泊予約延期協力金」 観光地を抱える三重県独自の協力金
大型連休の期間中に県外から多くの予約あり 感染拡大のおそれ
大型連休中に予約の延期やキャンセルを行った事業者対象
1人あたり6000円・1施設あたり最大12万円を支給
鈴木知事は「大型連休中の県境を越える移動自粛をお願いしたい」
知事のメッセージ
▼3つの密の徹底的な回避▼感染拡大が続く地域への移動の自粛
▼人との接触機会の低減など 「できる限りの感染拡大阻止を」
“ご自身と大切な人の命を守るため”県民に改めて協力を要請
県対策本部会議
16日に初めて感染者が死亡 感染拡大の進行が深刻という認識
感染症指定医療機関含む一般病棟でも100床の受け入れ可能に
医療調整本部
感染者が入院可能な病床数を把握 医療機関との連絡や調整を担う
軽症者への対応:県の宿泊施設を活用する方向で調整中
相談窓口
▼どこに相談したらよいかわからない方はこちらへ
・三重県薬務感染症対策課 059-224-2339(専用回線)9時~21時
▼新型コロナウイルス感染症に関する相談はこちらへ
・桑名保健所 0594-24-3625 9時~21時(土日・祝日も対応)
・四日市市保健所059-352-0594 9時~21時(土日・祝日も対応)
・鈴鹿保健所 059-382-8672 9時~21時(土日・祝日も対応)
・津保健所 059-223-5184 9時~21時(土日・祝日も対応)
・松阪保健所 0598-50-0531 9時~21時(土日・祝日も対応)
・伊勢保健所 0596-27-5137 9時~21時(土日・祝日も対応)
・伊賀保健所 0595-24-8070 9時~21時(土日・祝日も対応)
・尾鷲保健所 0597-23-3428 9時~21時(土日・祝日も対応)
・熊野保健所 0597-89-6115 9時~21時(土日・祝日も対応)
【外国人相談会】感染拡大による休業や解雇 生活支援など
【外国人相談会】英語・ポルトガル語など11の言語で受付 無料
【外国人相談会】5月3日 5月17日 6月7日 6月21日
【外国人相談会】5日前までに予約 080-3300-8077
三重県労働相談室
新型コロナウイルス感染症に関連する労働相談の窓口
期間:4月11日~6月27日(毎週土曜日)時間:13時~17時
電話:059-213-8290 または 059-224-3110
内定取り消し相談
【三重労働局】新入社員の内定取り消しなどの相談窓口
感染拡大で内定取り消しや入社時期の繰り下げが相次いでいるため
【三重労働局】相談窓口▼059-229-9591
法務局 人権相談
個人への偏見や人権侵害・誹謗中傷・DV・児童虐待などへの相談
▼みんなの人権100番 0570-003-110
▼子どもの人権100番 0120-007-110
▼女性の人権ホットライン 0570-070-810
運転免許証
▼運転免許 更新業務 22日から当面休止
▼高齢者講習(70歳以上)と認知機能検査(75歳以上)当面休止
▼有効期間3か月延長が可能 対象を7月31日まで拡大
延長申請:運転免許センターや警察署の窓口で受け付け
延長申請:感染拡大を防ぐためできるだけ郵送による手続きを
延長申請:詳しい手続きは県警察本部のホームページで
▼免許更新の問い合わせ:運転免許センター ℡・059-229-1212
臨時休校
【5月6日まで】県立高校と特別支援学校
【5月6日まで】▼桑名市▼いなべ市▼四日市市▼伊賀市▼津市
【5月6日まで】▼松阪市▼伊勢市▼鳥羽市▼志摩市▼尾鷲市
【5月6日まで】▼熊野市▼鈴鹿市▼亀山市▼名張市
【5月6日まで】▼木曽岬町▼東員町▼朝日町▼川越町▼菰野町
【5月6日まで】▼明和町▼玉城町▼度会町▼南伊勢町▼大紀町
【5月6日まで】▼多気町▼大台町▼紀北町▼御浜町▼紀宝町
学童保育
【津市】一部閉所 開所施設では自粛要請の上で最低限の受け入れ
【桑名市】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【木曽岬町】全施設で受け入れ 【いなべ市】全施設で受け入れ
【東員町】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【四日市市】一部で閉所検討 他は自粛要請の上で最低限の受入れ
【鈴鹿市】全施設で受け入れ
【菰野町】一部閉所 開所施設では自粛要請の上で最低限の受入れ
【川越町】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【亀山市】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【熊野市】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【御浜町】全施設で受け入れ
【松阪市】一部閉所 開所施設では自粛要請の上で最低限の受入れ
【多気町】全施設 自粛要請の上で受け入れ
【明和町】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【大台町】1施設のみ受け入れ
【伊賀市】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【名張市】全施設で受け入れ 時間は施設によって異なる
【尾鷲市】全施設で受け入れ 【紀北町】全施設で受け入れ
【伊勢市】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【鳥羽市】全施設で受け入れ 【志摩市】全施設で受け入れ
【玉城町】全施設休所中 希望があれば受け入れ実施
【南伊勢町】全施設で受け入れ
【大紀町】全施設 自粛要請の上で最低限の受け入れ
児童館
【津市】5月6日まで利用停止
【桑名市】5月6日まで 自粛要請の上で最低限の受け入れ
【四日市市】5月6日まで利用停止
【鈴鹿市】5月6日まで利用停止 【川越町】5月6日まで利用停止
【亀山市】5月6日まで利用停止 【熊野市】休館中 再開未定
【松阪市】5月6日まで利用停止 【明和町】5月6日まで利用停止
【伊賀市】5月6日まで利用停止 【名張市】5月6日まで利用停止
【伊勢市】5月6日まで利用停止 【玉城町】5月6日まで利用停止
【大紀町】5月6日まで 自粛要請の上で最低限の受け入れ
伊勢市の対応
鈴木市長:大型連休中の伊勢市への訪問を自粛するよう呼びかけ
【閉鎖】伊勢神宮近くの市管理の駐車場6か所:4月25日~5月6日
時間短縮
【伊勢神宮】参拝時間:4月25日から6時~15時 当面の間
【伊勢神宮】一般や団体向けの祈とうも当面の間停止
県営公園
【閉鎖】熊野灘臨海公園 25日から 三浦・道瀬地区
【閉鎖】熊野灘臨海公園 25日から 城ノ浜地区 大白地区
【閉鎖】熊野灘臨海公園 29日から 片上池地区
遊具使用禁止▼四日市市の北勢中央公園▼鈴鹿市の鈴鹿青少年の森
遊具使用禁止▼亀山市の亀山サンシャインパーク
遊具使用禁止▼明和町の大仏山公園 いずれも4月25日から
5月6日まで休館
▼いなべ市大安図書館▼藤原図書館▼北勢図書館(返却ポスト可)
▼ふるさと多度文学館▼桑名市立中央図書館▼長島輪中図書館
▼木曽岬町立図書館 ▼川越町あいあいセンター図書館
▼四日市市立図書館 ▼四日市市立あさけプラザ図書館
▼四日市市立楠交流会館図書室 ▼津図書館 ▼津市美杉図書室
▼河芸図書館 ▼芸濃図書館 ▼美里図書館
▼津市久居ふるさと文学館・ふれあい図書館
▼津市安濃図書館▼きらめき図書館▼一志図書館▼うぐいす図書館
▼鈴鹿市立図書館▼鈴鹿市立図書館江島分館▼伊勢市立伊勢図書館
▼伊勢市立小俣図書館 ▼鳥羽市立図書館 ▼志摩市立図書館
▼志摩図書館 ▼磯部図書館 ▼大王図書館 ▼浜島図書館
▼度会町中央公民館図書室 ▼度会町地域交流センター図書室
▼多気町立図書館(返却ポスト利用可)
▼多気町立勢和図書館(返却ポスト利用可 予約本は連絡の上貸出
▼みなみいせ図書館(返却ポスト利用可 予約本は連絡の上貸出)
▼なんとうふれあい図書館(返却ポスト利用可)
▼名張市立図書館(返却ポスト利用可)
▼尾鷲市立図書館(返却ポスト利用可)
▼紀宝町立鵜殿図書館(返却ポスト利用可)
▼熊野市立図書館(市内の人は貸出可・要問合せ)
5/10まで休館
▼伊賀市島ケ原図書室
5/11まで休館
▼三重県立図書館(電話予約による貸出サービス・23日から中止)
▼伊賀市上野図書館 ▼いがまち図書室 ▼阿山図書室
▼伊賀市大山田図書室 ▼青山図書室 ▼明和町立図書館
6月1日まで休館
▼菰野町図書館 ▼あさひライブラリー
当面の間休館
▼員弁図書館(返却ポスト利用可)
▼東員町立図書館(返却ポスト利用可 予約本は連絡の上で貸出)
▼紀北町紀伊長島図書館(返却ポスト利用可)
▼紀北町海山図書館▼紀北町児童図書館(返却ポスト利用可)
学習室と行事休止
▼亀山市立図書館
図書館行事休止
▼亀山市関図書室▼松阪図書館▼嬉野図書館
公共図書館
▼玉城町図書館 当面の間 休館(返却ポスト利用可)
▼大台町立図書館 4月28日~5月6日休館(それまで貸出返却のみ)
鉄道
【計画通り運行】▼JR東海▼近鉄▼三岐鉄道▼養老鉄道
【計画通り運行】▼伊賀鉄道▼伊勢鉄道▼四日市あすなろう鉄道
バス
▼三重交通 29日から22時台以降に出発する路線バス 全便運休
▼三重交通 高速バス・特急バス 当面の間 一部���休や減便
船舶 運休
▼「津エアポートライン」5月6日まで
船舶 減便
▼「伊勢湾フェリー」4月25日から通常の半分の1日8便に減便
イベント中止
▼三重県高校総体(5月) ▼七里御浜鯉のぼり(5月)
▼高柳の夜店(6月) ▼丸山千枚田の虫おくり(6月)
▼伊勢神宮奉納全国花火大会(7月)
▼オープンウォータースイミング三重オープン(7月)
▼熊野大花火大会(8月)▼大四日市まつり(8月)
▼四日市花火大会(9月)
臨時休業・休館
【5月20日まで】▼ミキモト真珠島
【5月13日まで】▼志摩スペイン村
【5月13日まで】▼志摩マリンランド
【5月11日まで】▼県総合博物館▼県立美術館▼県立図書館
【5月11日まで】▼石水博物館(津市)
【5月11日まで】▼斎宮歴史博物館(明和町)
【5月11日まで】▼三重県立熊野古道センター(尾鷲市)
【5月11日まで】▼鈴鹿サーキット モートピア
【5月10日まで】▼伊賀流忍者博物館など伊賀市の観光
【5月10日まで】尾鷲市観光釣協会に加盟の渡船店
【5月10日まで】尾鷲・輪内渡船組合に加盟の渡船店
【5月7日まで】▼四日市公害と環境未来館▼県立みえこどもの城
【5月6日まで】▼御在所ロープウエイ・観光リフト
【5月6日まで】▼三重交通グループ「スポーツの杜伊勢」
【5月6日まで】▼松阪球場▼ライフル射撃場(津市)
【5月6日まで】▼県営サンアリーナ(伊勢市)▼三重テラス
【5月6日まで】▼大黒屋光太夫記念館など鈴鹿市内の10の文化施設
【5月6日まで】▼鳥羽水族館▼伊勢シーパラダイス
【5月6日まで】▼おやつタウン▼「おかげ横丁」50店舗
【5月6日まで】▼鳥羽市立海の博物館
【5月6日まで】▼道の駅 紀宝町ウミガメ公園
【5月6日まで】▼三重画廊(4月24日から)展覧会は8月に延期
【5月6日まで】▼「かんぽの宿鳥羽」日帰りの利用は5月10日まで
【再開未定】▼伊勢忍者キングダム
【再開未定】▼六華苑(桑名市)▼テーマパーク「なばなの里」
【再開未定】▼ナガシマスパーランド▼長島温泉 湯あみの島
【再開未定】▼アウトレットモール「ジャズドリーム長島」
【再開未定】▼和菓子の老舗「赤福」すべての店舗
▼四日市ドームなど四日市市内の28の運動施設 5月6日まで
▼AGF体育館など鈴鹿市内の3つの運動施設 5月6日まで
公共スポーツ施設
【津市】全施設5月6日まで利用中止 サオリーナ5月10日まで休館
【桑名市】全施設 5月6日まで利用中止
【木曽岬町】全施設 5月6日まで利用中止
【いなべ市】全施設 5月6日まで利用中止
【東員町】全施設 当面の間利用中止
【四日市市】全施設 5月6日まで利用中止
【鈴鹿市】全施設 5月6日まで利用中止
【菰野町】全施設 5月31日まで利用中止
【川越町】全施設 5月7日まで利用中止
【亀山市】全施設 5月6日まで利用中止
【熊野市】屋内施設5月6日まで利用中止 屋外施設市民のみ利用可
【御浜町】全施設 5月6日まで利用中止
【松阪市】屋内施設 5月6日まで利用中止 屋外は検討中
【多気町】全施設 5月6日まで利用中止
【明和町】全施設 5月10日まで利用中止
【大台町】全施設 5月6日まで利用中止
【伊賀市】全施設5月10日まで新規予約受付中止 予約済み自粛要請
【名張市】全施設 5月6日まで利用中止
【尾鷲市】全施設 5月6日まで利用中止
【紀北町】全施設 当面の間利用中止
【伊勢市】全施設 5月6日まで利用中止
【鳥羽市】全施設 5月6日まで利用中止
【志摩市】原則 5月6日まで利用中止
【玉城町】全施設 当面の間利用中止
【南伊勢町】全施設 5月6日まで利用中止
【大紀町】全施設 5月6日まで利用中止
【5月6日まで利用中止】スポーツの杜鈴鹿・スポーツの杜伊勢
【5月6日まで利用中止】県営松阪球場・県営ライフル射撃場
パチンコ店 休業
4月25日~5月6日 県内にある118店舗すべて
駐車場 閉鎖
【津市】御殿場海岸近くの2か所の駐車場 5月6日まで
【川越町】高松海岸近くの3か所の駐車場 4月25日~5月6日まで
大型連休中に潮干狩り客が集まるのを防ぐため
御殿場海岸などでは9軒ある海の家も4月27日以降すべて休業予定
映画館
【休館】▼イオンシネマ県内全館 ▼109シネマズ県内全館
【休館】▼進富座(伊勢市)
百貨店・スーパー
【売り場縮小】近鉄百貨店四日市店 食品売り場のみ営業 10~18時
【売り場縮小】松菱 食品売り場のみ営業 10時~18時(5月6日まで)
【営業時間短縮】ぎゅーとら 20時まで(~5月6日)
【営業時間短縮】オークワ 22時まで 県内20店舗
【営業時間短縮】アピタ・ピアゴ 20時まで(~5月6日)
【通常営業】▼スーパーサンシ▼ベリー▼一号館
【通常営業】▼イオン・マックスバリュ▼マルヤス
外食
▼コメダホールディングス 一部の店舗で休業
▼壱番屋 営業時間を短縮 ▼吉野家 通常通り営業
▼松屋 通常通り営業 ▼すき家・なか卯 通常通り営業
同じ情報の掲載先
津放送局の公式サイト(HP)やデータ放送でもご覧いただけます
緊急事態宣言
▼期間は5月6日まで ▼不要不急の外出や移動の自粛を求める
東海3県休業要請
〈遊興施設〉▼ナイトクラブ ▼バー ▼風俗店 ▼個室ビデオ店
▼ネットカフェ ▼漫画喫茶 ▼カラオケボックス ▼ライブハウス
▼競馬・競輪・競艇などの場外発売所
〈運動施設・遊技施設〉▼体育館 ▼水泳場 ▼ボウリング場
▼スポーツクラブ▼マージャン店▼パチンコ店▼ゲームセンター等
〈劇場・集会展示施設など〉▼劇場 ▼観覧場 ▼映画館 ▼演芸場
▼集会場 ▼公会堂 ▼展示場
〈大学など〉▼大学や専門学校などの教育施設
▼自動車教習所▼学習塾(床面積100㎡以下を除く)
〈博物館など〉▼博物館 ▼美術館 ▼図書館
〈商業施設〉▼生活必需以外の小売関係の店舗
東海3県・対象外
〈社会福祉施設など〉▼保育所 ▼学童クラブなど
▼介護福祉サービス
〈医療施設など〉▼病院 ▼薬局
〈生活必需物資販売施設〉▼食料品売場 ▼コンビニエンスストア
▼百貨店・ホームセンター・スーパーマーケットなどの
生活必需品売場
〈食事提供施設〉▼居酒屋を含む飲食店・料理店・喫茶店
営業時間は 朝5時~夜8時までの短縮営業を要請
酒類の提供は 夜7時までとすることを要請
〈宿泊施設・交通機関など〉▼ホテル ▼バス ▼タクシー
▼レンタカー ▼鉄道 ▼船舶 ▼航空機 ▼宅配などの物流サービス
〈工場など〉▼工場 ▼作業場
〈金融機関・官公署など〉▼銀行 ▼官公署など
〈そのほか〉▼メディア ▼葬儀場 ▼銭湯 ▼質屋 ▼獣医
▼理美容 ▼ランドリー ▼ごみ処理関係
愛知県
▼愛知県独自に東京などと同様の休業要請
休業要請の期間は5月6日まで 対象地域は愛知県全域
▼要請に応じた地元の中小事業者に「協力金」一律50万円支給
▼申請の受け付けは 5月中旬から開始
▼理容室 5月6日まで休業で「休業協力金」最大20万円支給
▼美容室 5月6日まで休業で「休業協力金」最大20万円支給
休業相談窓口
▼休業要請の実施にあわせて 相談窓口を開設
開設の時間は 土日や祝日も含めた毎日の午前9時~午後5時
電話番号 052-954-7453
メールでも受け付け
sodan-corona@pref.aichi.lg.jp
労働相談窓口
▼愛知労働局 事業主や労働者からの相談を受け付け
電話番号 052-972-0266
平日の午前9時半~午後5時まで
自治体独自の支援
<愛知>▼小牧市 保育園や児童クラブの利用自粛に協力している
保護者に「自粛協力金」を支給
保育園児1人あたり1万円 児童クラブ利用1人あたり5000円
支給要件や申請方法は今後検討
▼小牧市 飲食店の経営支援のため上限15万円の補助金を支給
すべての家庭の水道の基本料金を半年間免除
▼小牧市 18歳までの子どもに5000円分の図書カード配布
75歳以上の人に1人1万円ずつ支給
▼小牧市 市民グループがマスクを手作りし福祉施設などに
寄付する活動に対して 5万円から20万円の助成金を交付
▼一宮市 休業に協力し 県の「協力金」の対象外の
昼間営業の喫茶店や理美容などの事業者に10万円の協力金
▼一宮市 家庭学習のための通信費や教材費などとして
子どものいる家庭を対象に 小中学生1人あたり5000円を支給
▼一宮市 学校給食費が免除されている世帯に対し
昼食費として子ども1人あたり9600円を支給
▼刈谷市 水道の基本料金と下水道の基本使用料を
5月の請求分から4か月分免除
▼犬山市 休業に協力し 県の「協力金」の対象外の
中小企業や個人事業主に15万円を支給
▼豊山町 町立保育園の保育料などを5月末まで無償化
町が運営する「放課後児童クラブ」の利用料を5月末まで無償に
▼東海市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
▼蒲郡市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
▼豊橋市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
県の要請より遅れて���業した理美容の事業者に5万円の協力金
▼新城市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
県の要請より遅れて休業した理美容の事業者に10万円の協力金
▼田原市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
▼武豊町 県の要請より遅れて休業した事業者に20万円の協力金
▼岩倉市 県の要請より遅れて休業した事業者に10万円の協力金
▼豊川市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
▼豊川市 感染拡大の影響で内定取り消しや解雇された人を
臨時職員として5人程度採用することに
雇用期間は6月~来年3月末 応募締め切りは5月15日
▼西尾市 水道の基本料金を6月の請求分から半年間無料
▼西尾市 県の協力金を受けていない宿泊施設
1施設あたり25万円の補助金を支給
▼岡崎市 水道の基本料金を7月の請求分から半年間80%減額
▼岡崎市 市立小中学校の給食費 給食再開後から9月まで無償
▼岡崎市 保育園・幼稚園・こども園などの3歳~5歳の給食費
宣言解除後9月まで無償
▼岡崎市 県の要請より遅れて休業した事業者に25万円の協力金
▼東浦町 児童扶養手当を受給している児童に1万円を給付
岐阜県
▼岐阜県全域を対象に 休業要請 5月6日まで
▼要請に協力した事業者には 「協力金」一律50万円支給
▼羽島市 感染拡大の影響で仕事を失った人などを
来年3月末までの非常勤職員として募集(5月8日まで)
▼瑞穂市 テイクアウトなど始める飲食店に経費補助の制度
使い捨て容器や箸など 7万円を限度に補助
▼関市 子育て世帯に地域で使える商品券を支給
対象は中学3年生以下の子どもがいる世帯
子ども1人あたり2万円分
ひとり親で児童扶養手当受給世帯 1世帯あたり最大3万円分
三重県
▼三重県全域を対象に 休業要請 5月6日まで
▼要請に協力した事業者には 「協力金」一律50万円支給
▼旅館やホテルは対象外だが 営業休止や営業規模の縮小を理由に
大型連休中の予約を延期・キャンセルした事業者を対象に
「宿泊予約延期協力金」
1人当たり6000円 1施設当たり最大12万円支給
▼休業要請相談窓口 電話番号059-224-2335
土日祝日を含む午前9時~午後5時まで
愛知・休校休園
〈県立高校〉5月末まで休校期間延長
〈県内市町村の小中学校〉5月末まで休校期間延長を要請
▼〈5月31日まで休校〉名古屋市 碧南市 刈谷市 知立市 高浜市
▼〈5月31日まで休校〉一宮市 岡崎市 豊田市 安城市 西尾市
▼〈5月31日まで休校〉みよし市 尾張旭市 長久手市 豊明市
▼〈5月31日まで休校〉日進市 大府市 瀬戸市 春日井市 小牧市
▼〈5月31日まで休校〉豊橋市 稲沢市 弥富市 愛西市 岩倉市
▼〈5月31日まで休校〉北名古屋市 清須市 江南市 津島市
▼〈5月31日まで休校〉半田市 常滑市 知多市 新城市 田原市
▼〈5月31日まで休校〉東浦町 東栄町 武豊町 幸田町 美浜町
▼〈5月31日まで休校〉扶桑町 蟹江町 豊山町 設楽町 阿久比町
▼〈5月31日まで休校〉南知多町 大口町 大治町 豊根村 飛島村
▼〈5月29日まで休校〉あま市
〈特別支援学校〉5月末まで休校期間延長
〈市立幼稚園〉5月末まで休園
〈保育園〉一律に休園などは求めない
しかし 家庭保育が可能な場合 保護者に登園の自粛を呼びかける
保育希望の家庭には 希望日時などを文書で提出してもらう方針
休校休園の助成金
▼子どもの世話のために休んだ保護者の賃金を補償する制度始まる
申請先は「学校等休業助成金・支援金受付センター」
0120-60-3999 午前9時~午後9時 土日祝日可
DV相談
全国共通のDV相談窓口 「DV相談+」が設置
電話での相談 全国共通0120-279-889
当面午前9時~午後9時まで 4月29日から24時間受け付け
メールやSNSでも相談を受け付け
https://soudanplus.jp/
<愛知県>「愛知県女性相談センター」で電話相談を受け付け
番号052-962-2527 平日は午前9時~午後9時まで
土日は午前9時~午後4時まで
<名古屋市>「名古屋市配偶者暴力相談支援センター」で受け付け
番号052-351-5388 平日午前10時~午後5時まで
児童虐待相談
<NPO>児童虐待防止に取り組む「CAPNA」で受け付け
番号052-232-0624 月曜~土曜 午前11時~午後2時
がいこくじんむけ
Consultation services for
foreigners
▼ 名古屋国際センター
Nagoya International Center
TEL 052ー581-0100
https://www.nic-nagoya.or.jp/
▼あいち多文化共生センター
Aichi Multicultural Center
TEL 052-961-7902
▼愛知労働局
Aichi Labour Bureau
TEL 052-972-0253
▼ 名古屋外国人雇用サービスセンター
Nagoya Employment Service
Center for Foreigners
TEL 052-855-3770
▼豊橋市国際交流協会
Toyohashi International
Association
ポルトガル語 TEL 080-3635-0783
英語・タガログ語 TEL 090-1860-0783
公共料金
▼電気料金・ガス料金
大手電力会社と大手ガス会社 料金の支払い期限を1か月延長対応
詳しくは契約している電力会社やガス会社に確認
▼電話料金 NTT・KDDI・ソフトバンクの通信大手3社
2月末以降の支払いとなっている携帯電話や固定電話の料金
5月末まで支払期限を延長
愛知・運転免許
▼運転免許 更新業務 当面休止
▼有効期間の3か月延長が可能
対象は有効期間が今年7月31日までの人
▼免許証再発行 記載事項の変更 失効手続きは通常通り
鉄道
▼JR東海 東海道新幹線 「のぞみ」の臨時列車を運休
東海道新幹線 運行本数を1日あたり2割程度減らす方針
JR東海 在来線は計画通り運行
▼近鉄・名鉄 平常通り運行予定
名鉄の特急列車「ミュースカイ」の土日・祝日のダイヤ
5月2日から当面 1日11本運休
▼名古屋市営地下鉄 当面の間 深夜の運行を一部縮小
▼特別な要請を受けた場合 運行計画が変わる可能性も
バス
▼<愛知> 名鉄バスの路線バス
岡崎・知立・津島・一宮・春日井・蒲郡の営業所管内
4月27日~5月10日まで全線で休日ダイヤで運行
高速バスは現在 一部を運休 さらに減便する可能性も
▼ジェイアール東海バス 高速バスを一部運休
▼名古屋市営バス 当面 深夜バスなど一部を運休
観光地をまわるルートバス「メーグル」は当面 運休
▼豊鉄バス 5月6日まで 一般の路線バスすべて土日祝日ダイヤに
タクシー
▼つばめタクシーグループ 通常の半分ほどの台数で運行
▼名鉄グループのタクシー各社
名古屋市内で運行する会社は 夜の時間帯 通常の半分の台数で運行
西三河地域を中心に運行する会社は 通常の半分の台数で運行
名鉄岡崎タクシー 豊鉄タクシー 台数を減らして運行
▼尾張地方中心の運行会社 通常の半分以下の台数で運行
▼知多半島中心の運行会社は夜の時間帯 台数を減らして運行
▼名古屋近鉄タクシー 台数を減らして運行
航空
フジドリームエアラインズ 28日~5月17日まで 全路線運休
フェリー
▼伊勢湾フェリー 当面の間 伊良湖発と鳥羽発の便
それぞれ1日4便ずつに減便
金融機関
▼原則 全店舗で平常通り営業
▼ATM 原則 平常通り稼働(休業する商業施設に設置除く)
▼十六銀行 愛知・岐阜の個人の資産運用相談などに特化した店舗
土日・祝日の営業取りやめ
▼名古屋銀行 一部店舗で窓口対応を短縮
午前9時~午前11時半 午後0時半~午後3時に短縮
▼中京銀行 全店舗で窓口対応を短縮
午前9時~午前11時半 午後0時半~午後3時に短縮
▼愛知銀行 全店舗で窓口対応を短縮
午前9時~午前11時半 午後0時半~午後3時に短縮
▼大垣共立銀行 一部店舗で営業時間を短縮
▼東海3県・多くの金融機関 資金繰りなどの相談に応じる
5月2日~6日 一部店舗の窓口開設
区役所
▼<愛知> 名古屋市内に22ある区役所や支所
窓口業務を通常通り行う予定
住民票の写しや戸籍に関する証明書などの請求は 郵送も可能
名古屋国税局
▼<東海3県> 納付の猶予制度やその申請方法について電話相談
電話番号 052-968-5118
平日 午前9時から午後5時まで受け付け
デパート
▼<愛知>松坂屋 食料品売り場を除き当面 臨時休業
名古屋店・豊田店食料品売り場は
平日は午前10時~午後6時まで営業
4月の土・日は食料品売り場も休業
▼タカシマヤゲートタワーモール 当面 臨時休業
ジェイアール名古屋タカシマヤ 食料品売り場を除き当面 臨時休業
食料品売り場は午前10時~午後6時まで営業
▼三越 栄店・星ヶ丘店 食料品売り場を除き5月6日まで臨時休業
食料品売り場は午前11時~午後7時まで営業
栄店 4月26日 5月2日・3日についてはすべて休業
▼名鉄百貨店 食料品売り場を除き当面 臨時休業
本店の食料品売り場 平日は午前11時~午後7時まで営業
4月26日 5月2日・3日は休業
一宮店の食料品売り場 平日は午前11時~午後7時まで営業
4月26日 5月2日・3日は午前11時~午後6時まで
レストランフロア 本店は休業
レストランフロア 一宮店は午前11時~午後3時まで営業
▼西武岡崎店 当面 臨時休業
食料品売り場は午前10時~午後6時まで営業
▼<岐阜> 岐阜高島屋 食料品売り場を除き当面 休業
食料品売り場は 午後5時まで営業
▼<三重> 近鉄百貨店 四日市店は臨時休業
食料品売り場は 午前10時~午後6時まで営業
▼松菱 5月6日まで 1階と地下食品売り場のみ営業
午前10時~午後6時まで
スーパー
▼アピタ・ピアゴ 東海3県の全店舗 5月6日まで午後8時閉店
▼ユニーとドン・キホーテ共同店舗
愛知・岐阜の一店舗を除き全ての店舗で 閉店時間を早める
▼イオン 東海3県の一部の店舗で
食品以外の売り場の閉店を1時間短縮
▼マックスバリュ 原則 全店舗で通常通り営業
▼イオンモール 食料品などを扱うスーパーは原則 通常通り営業
専門店エリアは臨時休業
▼スーパー・ドラッグストア・ホームセンターを展開するバロー
一部店舗で閉店時刻を1時間程度早める
▼ヤマナカ・フランテ 全店舗で午後8時もしくは午後9時で閉店
5月6日まで
▼オークワ 岐阜県内の全店舗で営業時間を短縮
愛知・三重の一部店舗で営業時間を短縮
▼フィール 愛知県内の全店舗で通常通り営業
▼アオキスーパー 全店舗で通常営業(商業施設内の一部店舗除く)
▼ヨシヅヤ 全店舗で通常通り営業
▼コープあいち 5月6日まで営業時間を午後7時まで短縮
(一部店舗を除く)
▼コープぎふ 5月6日まで全店舗で営業時間を午後7時まで短縮
宅配は通常通り実施
ドラッグストア
▼スギ薬局 一部店舗で 営業時間を短縮
コンビニ
▼セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソン
<愛知>原則として通常通り営業
各店舗の状況に応じ休業や営業時間短縮する場合も
商業施設
▼<愛知> 名古屋パルコ 当面 臨時休業
▼大名古屋ビルヂング 商業ゾーン一部店舗を除き臨時休業
クリニックは営業
▼日進市 プライムツリー赤池
専門店などが入る商業ゾーンは 一部店舗を除き臨時休業
食品スーパーは 営業時間を午後8時までに短縮
▼ミッドランドスクエア 当面 臨時休業
▼ららぽーと名古屋みなとアクルス
食品スーパーなどを除いて 臨時休業
▼サカエチカ 一部店舗で営業時間短縮・臨時休業
▼セントラルパーク 当面 一部店舗を除き休業
▼栄森の地下街 5月6日まで一部店舗を除き休業
▼エスカ 5月6日まで一部店舗を除き休業
▼ユニモール 5月6日まで一部店舗を除き休業
▼メイチカ 5月6日まで一部店舗を除き休業
▼<岐阜> モレラ岐阜 5月6日まで休業
ドラッグストアや食品を扱う一部店舗は 時間を短縮して営業
▼マーサ21 5月6日まで休業
主に食料品を取り扱う店舗は時間短縮して営業 イオンは通常営業
▼カラフルタウン岐阜 5月6日まで 原則として全館を休館
施設内のイトーヨーカドーやクリニックなどは営業
▼イオンモール各務原 主に食料品を取り扱う店舗は
当面 午前10時~午後8時まで営業 施設内のイオンは通常営業
▼マーゴ 映画館など一部店舗で5月6日まで休業
食品や医療品を取り扱う店舗 閉店時間を早めて午後7時まで営業
本館とスポーツ館の専門店 5月6日まで 臨時休業
一部の店舗は営業 イオンは通常営業
▼アクアウォーク大垣 5月6日まで 時間を短縮して営業
一部 臨時休業する店舗も
▼土岐プレミアム・アウトレット 当面 休業
▼大垣市の 「アル・プラザ鶴見」 食料品売り場は通常通り営業
一部店舗では臨時休業または営業時間を短縮
ファストフード
▼マクドナルド <愛知・岐阜>店内での飲食 取りやめ
持ち帰りやドライブスルーは通常の閉店時間まで
<三重>店舗の状況に応じて 休業や営業時間の短縮や
店内飲食の取りやめなどを検討
▼ケンタッキーフライドチキン
<愛知>全店舗で原則 夜8時までに営業時間を短縮
入居する商業施設の状況によって 休業する店舗も
コーヒーチェーン
▼スターバックスコーヒー <愛知・岐阜>原則全店舗で休業
<三重>午後7時まで テイクアウトのみの対応
▼ドトールコーヒー <愛知>直営店舗を休業
フランチャイズ店は店舗ごとに 営業時間を短縮などの対応を協議
ファミレス
▼ガスト・ジョナサンなど展開のすかいらーくホールディングス
<東海3県> 原則 午後8時までに閉店
▼サイゼリヤ <東海3県>一部の店舗で臨時休業
その他の店舗は原則 午後8時まで営業
▼ロイヤルホストや天丼てんやなどのロイヤルホールディングス
<東海3県>ロイヤルホスト 午後8時まで営業
29日~5月6日まで 店内での飲食提供を休��� 持ち帰りのみ
外食
▼サガミホールディングス
<愛知> 県内の店舗 営業時間を午後8時までに短縮
▼木曽路グループ <東海3県> 木曽路 一部店舗を臨時休業
休業しない店舗についても 営業時間を短縮
居酒屋の素材屋 ランチ営業のみ 夜の営業は当面とりやめ
グループのほかの飲食店も営業時間の短縮を検討
▼スガキコシステムズ <東海3県> 一部店舗を臨時休業
休業しない店舗についても 営業時間を短縮
▼コメダホールディングス 愛知県や三重県の一部店舗で休業
▼壱番屋〈東海3県〉午後8時までに閉店
一部店舗では 持ち帰りと宅配のみ 午後8時以降も取り扱う
牛丼チェーン
▼吉野家 <東海3県> 店内飲食は 朝5時~夜8時まで
それ以外の時間は 持ち帰りや宅配 酒の提供は午後7時まで
▼すき家・なか卯 <東海3県> 店内は朝5時~夜8時まで
それ以外の時間は 持ち帰りや宅配 酒の提供は取りやめ
▼松屋 <東海3県> 店内飲食は 朝5時~夜8時まで
それ以外の時間は 持ち帰りや宅配 酒の提供は午後7時まで
公共施設など
▼<愛知> 名古屋港水族館 5月11日まで休館
▼竹島水族館 5月6日まで休館
▼名古屋市科学館・名古屋市博物館
5月11日以降も 当面 臨時休館
▼名古屋市の鶴舞中央図書館と各区の図書館
5月11日以降も当面 臨時休館
▼愛知県図書館 6月1日まで休館
▼犬山城 5月31日まで閉城
▼愛知県体育館 5月31日まで休館
▼愛知県武道館 6月1日まで休館
▼愛知県美術館 5月7日まで休館
▼瀬戸市の愛知県陶磁美術館 6月1日まで休館
▼常滑市のAichiSkyExpo 5月6日まで休館
▼長久手市の愛・地球博記念公園の主な施設 6月1日まで休館
▼豊橋市総合動植物公園 「のんほいパーク」 全面休園
▼<三重>伊勢神宮 当面 参拝時間短縮 午前6時~午後3時まで
テーマパーク
▼<愛知> レゴランド・ジャパン 当面 臨時休園
再開時期については 今後の国や県の対応を踏まえ慎重に判断
▼リニア・鉄道館 臨時休館をさらに延長 再開時期は未定
▼豊山町の あいち航空ミュージアム 5月31日まで休館
▼安城市のデンパーク 5月7日まで臨時休園
▼西尾市の愛知こどもの国 6月1日まで休園
▼弥富市の海南こどもの国 6月1日まで休園
▼美浜町の南知多ビーチランドと南知多おもちゃ王国
5月6日まで臨時休園
出入国管理局
▼名古屋出入国在留管理局 通常通り開庁予定 面会は停止
Nagoya Immigration Services Bureau will be open
as usual except for a part.
source https://uyscuti.biz/2020/04/26/31811/
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[展覧会のお知らせ] こちらにも出品致します!新作3点です。 毎年のピュシス展も今年からピュシスNEXTとして新たにスタートします。 初日はインスタライブもやりますので是非ご視聴ください。 @abe.yoseido with @make_repost ・・・ 【ピュシスNEXT1 -版の表現者たち-】 2022.2/21-26 Yoseido Gallery 2 F あるがあく・磯貝さとみ・大森弘之・金子美早紀・齋藤僚太・相馬祐子・武智なつ子・野瀬昌樹・畠山美樹・平野有花・古林玲美・真栄城理子・ヤジマユキエ・下山明花・松江仁美・木村美咲・小野寺唯・原田綾乃・伊東柾孝・彭江楠・ 中村桂子・結城泰介・若月公平 #ピュシス #若月公平 #yoseidogallery #Yoseidoギャラリー #東北芸術工科大学版画コース #hanga #版画 #養清堂画廊 #中村桂子 #結城泰介 #あるがあく #大森弘之 #金子美早紀 #齋藤僚太 #相馬祐子 #野瀬昌樹 #畠山美樹 #平野有花 #真栄城理子 #木村美咲 #小野寺唯 #伊藤柾孝 #磯貝さとみ #武智なつ子 #古林玲美 #ヤジマユキエ #下山明花 #松江仁美 #原田綾乃 #彭江楠 (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CZ3wjfBP9dh/?utm_medium=tumblr
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知人が奄美大島に行って夏ですねとか海ですねとか言ってて妬ましさのあまりプロポーズしに行くぞ畜生とか思ってたんですけど、どこかでなにかがねじ曲がって、南の島には女子中学生がいて都会で疲れた人が行くと癒やしてくれるという都市伝説を思い出しまして、妄想がさらに発展して止まらなくなったのでなんか書いておきます。なお資料はウィキペのみなのであまり深く突っ込まないでいただけると幸いです。さすがに1記事で15000字越えはちょっと頭おかしいかなと思いました。なおまだ完成してません。気が向いたら続き書きます。
俺の名は田中(仮名)。東京の都心で働く仕事に疲れた会社員である。年齢は27歳であり、年収は550万程度であり、結婚はしておらず、彼女とかはいない。いたことがない。まあ首尾よく社員としてそこそこの企業に潜り込めたはよかったが、なんかもう疲れた。どのへんに疲れたかというと、仕事をすることになんの意味も感じられないあたりである。金を稼ぐ。自分を養う。ではその自分はそんなに大事な存在なのかというと、けっこうどうでもいい。最近ベルトがちょっときつくなってきたわりと死んだ目をした独身のアラサーなどこんなに真剣に養ってやる必要がどこにあるのだろうか。 そう思った俺は発作的に会社をやめることにした。やめるにあたってはけっこういろいろあったのだが、なんかもうすべてがめんどくさいので「故郷の親が危なくて」で押し切った。まあこの時代、先のことを考えておかないと、いざとなったときに社会復帰できないという恐怖がないではなかったが、いざとなれば実家に戻ってフリーターでもやりゃいいやくらいの気分しかなかった。どうせ自分ひとりを食わせればそれで充分なのである。まあ親が帰ってこいとやかましいのは事実であるし。 というわけで、必要な手続きすべてを終えた帰り、ドトールに入って、その場でスマホで航空券の予約をした。夏とはいえお盆も過ぎて八月も終盤となると、格安航空券も取り放題である。出発はあさってということになった。
「あづい……」 実のところ、南の島とかに来てもやることはなんにもないのである。空港から島いちばんの都会までは、直行のバスがある。昼下がりの南の島は、圧倒的な直射日光の下、静まり返っていた。いや、車はけっこう通るんだけど。 印象といっても、特になにかあるわけではない。いってみれば、市街地である。大きな違いといえば、建物が平均的に低いせいか空が広く思える。あと道端にも南国っぽい木が平然といることだろうか。それ以外は、見慣れないチェーンながらもコンビニもあるし、ファミレスもある。なんなら筆文字で看板書いた「こだわってます」的な雰囲気を醸し出したラーメン屋もある。 「でも、まあ……」 俺は目を細めて空を見上げた。 空が青い。この青さは、いっそばかげている。いくらお盆は過ぎたとはいえ、しょせん日本は高温多湿、さらにこの島は降水量がやたら多いことでも知られている。豪雨災害なんかでもよく名前が挙がる島だ。いまも空にはおそらくぼんやりと水蒸気がかかっているのだろうが、そういうことは抜きにして、純度の高い青空だと思った。絵に描いたような入道雲なんて、いったい何年ぶりで見たんだろう。東京で、あるいは関東地方で見れないということもないと思うのだが、海というのは、自分とは違う民族の半裸族が闊歩する恐怖の場所、みたいな価値観の自分では、あまり見ることはなかった。 そして空気だ。 俺には年の離れた妹がいる。その妹というのがけっこう重度の喘息持ちで、東京都内に入るとてきめんに発作を起こす。そばにそういう存在があると、空気の汚れにはかなり敏感になる。かすかな潮の香りは、都会のそれのように淀んだ感じはまったくなく、どこまでも清々しい。 どこからか子供の笑い声がする。どうやら空を見て呆然と口を開けていた俺を見て笑ったものらしい。わりと気まずい。 なので、目の前にある、なんか筆文字で「一生懸命営業中」みたいなこと書いてあるラーメン屋に入った。 「らっしゃい!」 おっちゃんの威勢のいい挨拶に迎えられた。あとエアコンのものすごい冷気。壁面には鹿児島とんこつラーメン的なことが書いてある。ふだん家系しか食わない俺ではあるが、わざわざこんな場所まで来て家系にこだわる理由はない。それに鹿児島はラーメン激戦区でやたらレベルが高いという話を聞いたことがある。 「チャーシュー麺で」 「麺と脂は」 え、選べるんだ? にしてもだ。 こういうところに来るときっと方言すごいんだろうなーとか思ってたのだが、おっちゃんの言語は別にふつうだった。ただ、イントネーションのことごとくが俺からするとおかしい。 「お兄さん、観光かい」 おかしい。圧倒的におかしい。まったく聞き慣れないイントネーションである。なんならいっそのこと異国情緒感じるレベルである。つーかおっさんの顔すごい濃い。 「まあ観光のー、人はーすぐぅわかるからねー」 な、なんとか俺のこの違和感を感じ取ってほしい。 「なんか、あるんですか。その、観光名所とか」 「うーん……地元の人間にはよくわからんな。だいたいほら、観光の人はまず鶏飯食べに行くでしょ。わざわざラーメン食べに来る人は珍しいよ」 そう言いながら、大島紬記念館、金作原生林、などとぽつぽつと観光名所らしきものを列挙してくれた。 「あそーそー。うちの姪っ子がさ」 とつぜん身内話が始まった。 なにごとかと思って身構えると、ラーメンの丼が出てきた。ものすごい腰の折られかたである。 出てきたラーメンは、白濁したスープでいかにも豚骨風。そこに大量のネギ、豚バラっぽいチャーシュー。れんげはカウンターに立ててあるから、それを使ってスープをすくって飲む。 「うわ、うっま」 思わず声に出た。 豚骨の臭みはある。あるのだがコクがやばい。そしてコクがあるのにあっさりとスープが喉を通る。 「いや、うまいっす」 「ありがとう。都会の人なんかもっとうまいラーメン屋いくらでも知ってるだろうに」 謙遜も甚だしい。固めの細麺はスープとの相性もばっちりであり、なによりチャーシューがやばい。なにこのやわらかさ。しばらくは俺が麺をすする音だけが店内に響く。 「あ、それでな。うちの姪っ子が」 「はいはい」 ラーメンに夢中なので話半分にしか聞いていない。 「あの、ほら、MPS? ボランティア?ってのやってて」 なんの略だろう。ボランティア……まさかNPOじゃねえよな……。 「土日に、地元の中学生が観光案内するっつー、なに、その企画みたいなのあんのよ。社会勉強みたいなもんかね」 「はあ」 「行くとこ決まってないなら、そういうの、どうかね」 まあ子供のやることなんだから、素人同然なんだがね、などと付け加えながら、なんかこう、某いらすとが有名ないらすと屋さんの絵とかワードとか使ったような素朴な味わいのA4のチラシをいただく。出現!創英角ポップ!! 「ごちそーさんでした」 「あぃやとーざいゃした!!」 代金900円を払いつつ、元気のいい声に送られて店を出る。 そしてまた灼熱の地獄である。エアコン効きすぎの店内で食ってたせいか、汗ひとつかいていなかったものが、ここに来てどっと汗が出た。喫煙者の俺としては一服したいところだったが、あいにく見える範囲に吸えそうなところはない。もっとも自転車のじーちゃんめっちゃタバコ吹かしながらふらふら走ってるけど。あれいいのか。 裏道では人もあまり通らないことであるし、ガードレールなんぞに腰掛けて、もらったチラシを見る。 地名はよくわからない。が、市街地からはそこそこ距離があるようだ。 少し考えてから、スマホの検索ウィンドウに「レンタルバイク」と入力する。結果、1件ヒット。 とりあえずの行動方針が決まった。あとはスマホの電源を切ればいい。もう、俺を束縛するものは、なにもない。
「ああああああああ……きーえるひこーきぐもー……」 バカみたいに声が出る。 海辺の道やばい。夏の空気突っ切って原付で走るのまじやばい。もうこれはほぼセックスといっていい。夏とセックス。セックス。煮詰まった独身男の思考はろくな方向に向かわない。ここには女性はいない。 気分いいなんてもんじゃない。 そもそも原付なんてものに乗るのが学生以来だから、もう10年近くだ。最初はおそるおそるアクセルを回していたものの、慣れてきたらコツを思い出した。そして市街地を出ると車の数は激減する。幅の広い二車線道路、路面状態も良好。車も少ない。そんな海辺の道を風を切って走ってたら国歌のひとつも口をついて出そうになるというものだ。いや、出てた。 もう、やばいの。濃密な緑色と、そこから飛び出しように生えているバナナみたいな木。エメラルドグリーンの海。スクーターで曲がるにはちょうどいいカーブで少し内陸に入ると、山のあたりでは切通しがある。その切通しを抜けると、また眼下には海が広がる。海に飛び込むようにまっすぐ下りていく道路。 とうの昔に営業をやめたような食堂めいた建物があって、その前に、こちらはぴかぴかの例の赤い自販機がある。ラーメン食ってからなにも飲んでいなかったので、そこにスクーターを横付けにして、飲み物など買う。 携帯灰皿は持参しているし、これだけ人がいないのなら、まあ一服くらいしても文句は言われないだろう。スクーターのシートに横向きに腰掛けて、海を見ながらタバコに火をつける。目線の高さに、海がある。とても近い。 チラシに目を通す。「わたしたちが、ご案内します!」という文字と、制服姿の女の子のイラスト。学校やPTAの名前も並んでいる。ぶっちゃけ最初に「姪っ子の中学生がご案内」という文字列を聞いたときには、迂闊に乗ったらそのまま交番に連れていかれる系のやつかと思ったが、地域ぐるみともなれば、そういうこともないのだろう。それにまあ、中学生といってもかならずしも女子が出てくるとも限らない。つーか年齢関係なく女子と名がつくものは苦手なので、積極的に避けていきたいスタイル。 どのみち予定なんか決まってない。なんなら帰りの切符の手配すらしてない。だとしたら、なりゆきで行動を決めてしまってもいいわけだ。なぜなら俺は自由なのだから。 ……などと言いつつ、やはり連絡が入ってないかどうか不安になって、スマホの電源を入れてしまうのは現代人の悲しい習性である。 「……」 着信6件。 え。 めったに見ない数字を見て呆然としていると、すぐにスマホが震えた。 「はい?」 『お兄ちゃん!?』 「え、ええ、ああ、おう!?」 切羽詰まった声にスマホを取り落としそうになった。 電話は、妹からだった。 『いったいいまどこにいるの!? 連絡しようと思ったらつながらないし、会社に電話したらやめたっていうし、心配したんだからね!?』 「あ、ああ、すまん……」 『法に触れるようなことはしてないんだよね!?』 「安心しろ。そんな度胸はない。つーかおまえは自分の兄をなんだと思ってるんだ……」 『ロリコン』 「ちげーよ!」 二次限定だし。 『シスコン』 「そっちはもっと違う」 『死ね!』 なんでいきなりキレるんだよ……。 「つーか用事なんだよ」 『お母さんが、週末には帰って来いって』 「あ、無理。いま俺、南国の島」 『どういうこと……』 「アローハー」 『うっざ……。ていうか、ちゃんと説明してよ……なにやってんのお兄ちゃん』 「あーうん、まあ……」 確かに実家への連絡を忘れていたのは俺の落ち度だった。ここまでの事情をかいつまんで説明する。が、やめた動機については、自分でも曖昧すぎてうまく説明できない。 『……なんか、よくわかんないけどさ』 妹が電話の向こうで深々とため息をつく。 『実家、戻ってきてもお兄ちゃんの居場所なんてないからね』 「そんなんわかってるよ。ただでさえ敷居高いんだし」 実家に戻るのは、あくまで最終手段である。 『……』 「なんだよ」 『お兄ちゃんのバカ!』 電話が切れた。 意味がわからない。 思春期? 17歳にもなって思春期はねーよな……。 「でもまあ……」 俺はスマホをポケットにねじ込む。 なんか少し、ほっとした気がする。遠く離れた南の島で、聞き慣れた声を聞く。ここもまた、日常と地続きである。考えてみれば、なんだか俺は無理にはしゃいでいた気もする。 そりゃまあ、特に問題なく勤めていた会社をやめて、不安がないといったら嘘になるのだ。不安をごまかすいちばんよい方法はなんであるか。 そりゃ、不安���んて存在しないんだと、なかったことにしてしまうのがいいに決まっている。 また、スマホが震えた。LINEの着信である。 妹さまからだ。 『バカ!』 と書いてあった。だからなんなんだよおまえは。
目的地はまでは40キロほど。車だと1時間弱の道のりだが、スクーターだともう少しかかる。通年で営業している民宿があるようだったから、予約の電話を入れる。今日は金曜だから少し不安はあったが、問題なく予約できた。そして電話越しに聞くとイントネーションの不思議さは決定的である。 現地に着いたのは夕方の5時。 そこには、ちょっと冗談のような光景が広がっていた。 海岸線ぎりぎりのあたりを、緩やかなカーブを描いて貫く、真新しい舗装の道路。その海岸線まで山が迫っていて、わずかな平地に家が一列に建ち並んでいる。どこまでも続く石塀と、低くて黒ずんた屋根の平屋建て。海側にはさほど高くない堤防があり、堤防の向こうには、真っ白な砂浜が広がっている。その向こうには、こんな時間だというのに真昼の輝きを失わない、透明度の高い海が、どこまでも、本当に見渡す限りどこまでも広がっていた。 「おあー……」 堤防に座った俺は、なぞの呻きをあげた。 海を抱くように、両側に長く岬が伸びている。その岬が太陽の光を遮り、海を二色に分けていた。透明度の高い海は、光の乱反射で、なんの色ともいえない複雑な色味を呈していた。ただ、圧倒的で、きれいだった。日差しはかなりやわらいでいて、海から吹く微風がここちよい。 「夏だわ……」 正しい夏。本当の夏。 学生のころに思うぞんぶん夏を楽しまなかった、楽しめなかった人間は、すぐにそういうことを言い出す。それが幻想だということを百も承知でだ。 なんだ、あるじゃん、ここに。 これが本物でなくて、いったいなんだというのだろう。 宿さえ予約していなければ、ここでこのまま眠ってしまいたいくらいだった。 大学を卒業して、働きはじめて、長期休暇は混雑がいやだからどこにも行かず、冷静に考えてみれば、俺をそこまで束縛するものはなにもなかったかもしれないのに、それでもなにもせず。穴蔵みたいなワンルームで腐っていく。そんな妄想をいつもしていた。 飛行機に乗って、ここにたどりつくまで、半日も経っていない。 俺はいったいなんのために、なにに束縛されていたのだろう。 背後に人家さえなければ、俺は力の限り、大声で海に向かって叫んでいたと思う。それくらい、なにかの箍が外れたと思った。 てゆうか、その人家のほうに人影がある。数人が集まって、俺のほうを指差してなんか言ってるのが見える。 あ、これ知ってる。たぶん不審者扱いだよね。 俺は堤防から身軽に飛び降りたつもりで運動不足の下半身がしたたかなダメージを受けたのを感じつつ、道路の反対側にいる人たちに手を振った。小走りで走ったつもりになりつつ重力をその身で感じながら、道路を横切りつつ、声をかける。 「すいませーん、よしだ旅館ってこのへんですかー?」 警戒もあらわにしていた人たちが、その名前を聞いて、お互いの顔を見合わす。構成メンバーは、ばーちゃん一人、中年のおばちゃん二人、あと中学生くらいの女の子が一人である。 「まあまあ、それじゃあなたが予約の方ですか?」 「はい。って、え? じゃあ��なたが」 「はい。よしだ旅館の女将です」 よかった……名乗ってよかった……これから世話になる民宿の女将に不審者扱いされかけてた……。
民宿ってのは初めて泊まった。あんまりプライベートが確保できなさそうなイメージだったが、まあだいたいそのとおり。食事は食堂というよりほとんど居間みたいなところで、経営している家族と一緒に食べる。メンツは、さっきの女将と、その旦那さん(やっぱり顔が濃い)。あと、さっき一緒にいた中学生の子は、ここの子だったらしい。そんで宿泊客は俺だけ。 つーかやばいのはメシ。魚介類まじやばかった。俺は本来あまり海鮮は好きじゃないのだが、好き嫌い無関係にうまいものはうまいのだと今日知った。女将さんいわく「急だったから大したものは用意できなかった」とのことだったけど、あれが大したものじゃないのだとしたら、大したものはいったいなにが出てくるんだ。想像がつかない。黒糖焼酎なるものを生まれてはじめて飲んだ。もともと酒は強いほうではないし、飲むとしてもチューハイくらいである。とうぜんストレートやロックはきつかった。そこで出てきたお湯割りってやつが、意外なくらいうまかった。クセはあるのだが、なんというか、まろやかで、香ばしい感じがする。 というわけで俺はいま、自分の部屋としてあてがわれた6畳間でひっくりかえっている。食い過ぎである。飲み過ぎというほどではないが、めったにないこと酔った。 時間は7時半。驚くべきことに、窓の外の海は、まだぼんやりと夕暮れの名残がある。窓を開けると、意外なくらい涼しい風と、奇妙な虫の声が聞こえてきた。あれはセミ……なんだろうか? 俺の知ってるセミと違う……なんかこう、セミ?的な。電子音っぽい……。 そして潮騒の音がここまで届く。 ときおり、車のエンジン音がして、セミが鳴きやむ。車が通り過ぎると、またセミの声。それ以外は、本当の無音である。 と、思いきや、なにか太鼓のような音が響いてきた。闇夜を揺るがすくらいの大音量だ。それに続いて、民謡の節回しが聞こえる。かなりの人数で歌っているのだろうか、太鼓に負けないくらいの音量である。メロディとしては、沖縄の民謡というよりは、俺が知っているふつうの「民謡」に近い。ただ、メロディが実に陽気だ。太鼓のリズムはどんどん速くなっていき、それに応じて歌も高揚していく。 ほとんど、異国に来たような気分だった。 俺は、呆然と、その響くような音楽を聞いていた。 ぎし、と背後で音がした。 思わず振り向く。 その音そのものには心当たりがあった。というより、古い木造家屋で育った人間なら、その音は馴染みが深いものだろう。 廊下へと続く襖は開けっ放しだった。そこに、ぎくりとした顔で立ち止まっている少女がいる。食事のときも見かけた、この宿の娘さんだった。 部屋の蛍光灯に照らされたその顔は、よく日焼けしていて、ぽかんと開いた口から覗く歯が、やけに白く見えた。 「あ、ども」 曖昧に挨拶をする。 ぺこりと、娘さんは首だけを曲げた。そのまま立ち去ろうとするのを、なんとなく呼び止めてしまった。 「あの、音楽って」 娘さんは振り返る。 「いま鳴ってる、太鼓の音、あれ、なに?」 体ごとこちらに向き直すと、つまらなさそうに答えた。 「八月踊り」 こちらがまったく理解してないのを察してくれたのか、ぽつぽつと続けた。 「八月に、踊る」 「ああ、うん……」 「ごはん食べたり」 「うん」 「お酒飲んだり」 「うん」 「屋根に上ったり」 「……うん?」 「なんか、お祭り」 「そ、そうなんだ……」 ぺこっと頭を下げて、娘さんは床を軋ませながら走り去る。 なんか、ぜんっぜんわかんねーな……。 ちなみに、この宿の娘さんがなぜこの廊下を通っていたかは、酔いが覚めてめっちゃトイレ行きたくなったら判明した。そうよね……古い木造家屋ってトイレっていちばん奥まってる場所にあるもんな……。
朝は、起こさなくてもいいと伝えてあった。 が、自然に6時くらいに目が覚める。つーか暑い!! エアコンなしでもあんがい寝れるもんだなーとは思ったけど、朝になったらこの日差しである。太陽まじ容赦ねえ。 セットしてあったスマホのアラームも意味がなかった。ちなみにスマホだが、驚くべきことに、こんな海辺の小さな漁村であるにもかかわらず、ちゃんと電波は来る。そしていつ届いたのだろう、妹からは「実家にはもう、お兄ちゃんの居場所なんてないんだからねっ」というツンデレのようなメールが入っていた。なんのキャラを演じてるんだろう……いや待て、もともとそういう傾向あったような気がする……。 その後、軽く調べてみた。 八月祭りというのはなんちゃらペディア様ほかを参照すると、鹿児島から沖縄にかけてよく行われる祭りであるらしい。動画もあったので確認してみたが、まさに昨日聞こえてきたアレである。BPMは最終的には相当のレベルまで上がる。日本の民謡のようだといったが、ものによっては指笛なんかも入っていて、そのへんはやはり沖縄の雰囲気を感じる。このあたりでは旧暦の8月、つまり9月の末から10月の頭にかけておこなわれることが多いようだった。 朝食は8時からとのことだったので、顔を洗って、周囲を軽く散歩してから宿に戻る。 食堂には女将だけがいて、食事は俺のぶんだけが用意されていた。どうということのない旅館朝食メニューだが、中央にどっかーっとなんか巨大な白身魚の焼いたやつが置いてある。あと娘さんがテーブルの反対側に用意されている。別に俺のためじゃないからこれは関係ないか。あいかわらずむすっとしてるのでちょっと気まずい。 「この魚……なんですか?」 「ん? アオマツだよ」 「ほー」 聞いてもわからん。すぐにでもウィキペ先生に聞きたくなるが、まああとでいい。 そんでまあ、うまい。白身魚っていうと、すぐにぼろぼろとなるような印象があるんだけど、噛みごたえがしっかりしていて、旨味すごいある。必死に食ってると汗が出てくる。家のなかは意外なくらいに涼しくはあるのだが、しょせんは夏である。南国である。ちなみにこの食堂、エアコンあるんだよね……なんでつけてくれないんだろう……。 なんとか食い切ると、女将さんが麦茶を持ってきてくれ。礼を言ってコップを持つと、手を思わず引っ込めるほどキンッキンに冷えている。飲むと体からすーっと熱さが抜けていく感じがする。なお娘さんはプリンをちまちまと食っている。こればかりには日本全国どこでも同じ、例の底の穴がプッチンするとプリンが出てくるやつだ。 「お客さん、今日は?」 「いや、特に予定ないです」 宿はいちおう2泊取ってある。つまり、今日一日はまるごとフリータイムである。 「じゃあさ」 女将さんが、娘さんの肩に手を置いた。 「今日は、この子がガイドやるから」 「はい?」 「だから、ボランティア」 「……え?」
実はもらったチラシは、昨日の夜に女将さんに渡してあった。わざわざ書くまでもないだろうと思ったのは、もう実質的にその制度は廃止になっていたからだ。 「田舎の人間はねえ、こういうのぱーっとやりたがるんだけど、反響がないとすぐに放り出すんだよー」 まあ田舎に限らずそんなもんであろう。 俺としては、別にそれ目当てで来たわけではない。単にきっかけに過ぎない。女将さんもその話はそれで切り上げてしまったので、まあそういうもんだろうと思っていた。 そんで、なぜかいま、炎天下、俺は宿の娘さんと二人で立っていた。 この子、ちっこい。中学生にしてもちっこい。さらに日焼けした肌と、わりとてきとーに短く切った髪と、アディダスとか書かれたどうでもいいTシャツにハーパンで子供っぽさ役満である。どうかすると小学生に見える。虫取り網似合いそう。俺と並ぶとほぼ親子である。 ……親子ならまだしも、犯罪臭漂ってねえよな? 親子と言い切るにはちょっと微妙な感じだ。俺が27歳。この子が中学生。お兄ちゃんでギリギリ行けるでしょうか。 奇妙な電子音っぽい鳴き声のセミが鳴いている。潮騒の音と、背後の山が風でざわめくかすかな音。圧力すら感じる直射日光。ここは静かだ。すっげえ間がもたねえ。 「あ、あのさ、その、俺、別にひとりでかまわないし、女将さんにそう言ってくるから」 「……」 娘さんは首を横に振った。 「お母さん、怒ると怖いから」 「あー」 うん……なんか断れない雰囲気あるっていうか、押し強そうだしね……。 「おじさん」 「……」 「……おじさん」 「……俺?」 「うん」 俺は思わず娘さんをガン見した。 つむじ見えた。 ……ですよね。ええ。うん。いいんだけど別に。わかってるから。これくらいの年の子から見たら俺もうおっさんですよね……。でもなあ、同期のなかじゃ比較的童顔で通ってるんだけどなあ……。 「おじさん、どこ行くの?」 「どこって……え、それはガイドさんが案内してくれるのでは?」 「だって、観光しないし」 「ですよねー。あと俺は27歳です」 「……?」 「27歳は、世間的にはおじさんかなー?」 「うん」 「あーうん。そうですか……。ちなみに君は……えっと……」 「中2」 「まじで!?」 言った瞬間、抗議の視線が飛んできた。踏んじゃいけないもの踏んだらしい。まあデリカシーのなさには自覚がある。まあ自覚あったところで治るものでもないんですけどね! ともあれ、場の空気はもっと悪くなった。 「んー、じゃあさ、とりあえずふだんよく行くところとか案内してよ。こっちはなにも知らないし、こんな場所まで来たの初めてだから、なに見たって退屈しないし」 「私がつまんない」 「いや、そこは折れようよ……」 「……」 娘さんは、ちょっと考えたあと、学校、店、海、おじさんち、むらかみさん、などの単語を挙げた。後半ちょっとよくわからないな。 「ほんとに、こんなんでいいの?」 「なんでもいいって。ほら、君だって別に来たくて来てる��けじゃないし、俺も無理させてるようで気が引けるし、ちゃっちゃと済まして、やることやったよーってお母さんに報告すればいいじゃん」 「別に、いやなわけじゃない」 ふてくされた顔で言った。あ、いちおうそういう建前を言う感覚はあるんだ。 娘さんが歩き出す。俺もそのあとをついていく。 ゴオオと空気を切り裂くような重低音が響いてきた。思わず空を仰ぐと、かなり低い空を飛ぶ飛行機が見えた。その金属質のボディと、轟音と、夏の空とは、なぜか調和しているように見える。
人っ子ひとり通らない海沿いの道を淡々と歩く。セミの声となんかよくわからんけどとにかくやかましい鳥の声。ときたま通りかかる車の音以外はほんとうに自然の音しかない。こんな場所を知らない人間と二人で歩いていると、現実感みたいなものが失われてくる。あと娘さん、歩くペース速い……。 ふくらはぎが痛くなってきたのを自覚しつつ、俺は娘さんに話しかけた。 「そういえば、名前聞いてなかった」 「……?」 娘さんは振り返った。振り返って、不思議そうな顔をした。 「おじさん、足遅いの?」 「……ハハハハおじさんだからね」 いま気づいたけど、人に言われるより自分で名乗るほうがグッサリ来るなこれ……。 「もうちょっとゆっくりしたほうがいい?」 気遣われました。ありがとうございます。死にたい。 そうは言ってもこの直射日光、けっこう来るものがある。気温そのものは、たとえば東京都心の昼下がりなんかと比較すると、そこまでやばくはない。なにしろここでは心地よい風が吹く。ただ日差しな。直射日光ってのがここまで人体にダメージ与えるものだとは思ってなかった。 「暑いの?」 「暑い。つーか君、よく平気だね」 「だって、10月くらいまでずっとこんな感じだし」 「南の島やべー。あーコンビニとかないのかな」 タオルとか飲み物とかすっげー欲しい……。 「あるよ。町に」 「歩いていける範囲には……」 「ない。お父さんの車で30分くらい。お母さんだと20分」 女将さん、やばい。そもそもさっき地図見たときに、ここまで1時間弱って出てた気がするんですが。どこかほかの場所にコンビニがあることを祈ろう。 タオル欲しい。あと飲み物欲しい。まじで熱中症心配になってきた。 「自販機とかは?」 「あと10分とか、15分くらい」 「おー……」 がんばろう。行軍再開である。 「あ、よしだ」 「……え?」 「名前。よしだ」 「ああうん。よしだ旅館の娘さんだもんね……」 なんだろう、名字呼びしたほうがいいんだろうか。 俺にペースをあわせると退屈なものらしく、歩道の縁を歩いたり飛び降りたりしている娘さんに呼びかけてみた。 「よしださん」 「ぅえー」 露骨にいやな顔をされた。 「どう呼ぼうか」 「梨衣でいいよ」 果物の梨に、衣類の衣で、りえ。そう説明してくれた。 「梨衣ちゃん」 「……」 梨衣ちゃんとやらの動きが落ち着かなくなった。もじもじとあっち見たりこっち見たりしたあげくに、 「ちゃんとか、恥ずかしい」 ぷい、と視線を逸した。 やだなに、かわいいこのいきもの……。 まあそういえばこの梨衣ちゃんとやら、あまりに素材そのまんまなものでうっかりスルーしてたが、けっこうかわいいのである。髪の毛はバサバサだし、日焼けしまくりだし、眉毛はしっかり主張してるんだけど、目元とかぱっちりしてて、わりとアイドル顔っぽい感じである。ただし80年代くらいの。でもまーかわいいものはかわいい。そういや女将さんからして、鄙には稀な、といってはアレかもしれないが、まあちょっと目を引く感じの美人さんではある。 「なんとかそれで慣れてください。俺も呼び捨てとか気がひけるんで……」 「……なんかやだ」 「まあ、観光客だから。すぐいなくなるから」 「……」 唇をとがらせて黙り込む。いちおー承諾と受け取っていいんだろうか。
歩くこと15分ほど。 道路は海沿いから内陸に入っていた。この見るからに山だらけの島で、内陸に入るということは、つまり上り坂ということである。トンネルなんかも潜った。すでに路肩に車道はない。とはいえ、道はあいかわらずの高規格で、車もめったに通らないから、不安はない。でも人家まったくない。なんとかヤマネコとか出てきて食われそう。やっぱ怖い。 問題は俺の体力である。つーかさすがに30分ばかり歩いた程度でここまでバテるとは思ってなかった……。 もうだめだ。 そう弱音を吐きそうになったときに、先を進んでいた梨衣ちゃんが呼びかけた。 「おじさん、自販機」 「おお……」 よろよろと前のめりに速度を上げる。 山側を大きく削りこんで、車の10台は止められそうな砂利敷きのスペースがあった。そのいちばん奥に、例の真っ赤な自販機が1台、ぽつんと立っている。そしてそのワキにプラスチック製のベンチが5台くらいずらずらと並んでいる。なんだこのシュールな光景。 「す、すぽど……」 500円玉ぶちこんで、アクエリアスのボタンを連打。ガコンと音がして出てきたペットボトルを速攻で取り上げて一気飲み。 「ぷっはーーーー生き返るわーーーー」 もちろん梨衣ちゃんが物欲しそうにこちらを見ている。 「梨衣ちゃんは? なに飲む?」 「え、いいの?」 「そりゃまあ、ガイド代払うわけでもなし、飲み物くらいは……」 「じゃ、じゃあ……」 梨衣ちゃんは、周囲を窺うようにしてから、こっそりと言った。 「コーラ、飲んでいい?」 「? いいんじゃない? 真っ赤な自販機のアレだし」 ぱーっと梨衣ちゃんの表情が明るくなる。怪訝に思いながら自販機に200円を投入。梨衣ちゃんが、祈りでも込めるようにボタンを押す。 黒い液体の入ったボトルを見て、感動の表情を浮かべる。 「……コーラ、そんなに好きなの?」 「えっと……飲んだことない」 「え」 なにこれ。若者のコーラ離れ? 「お母さんが、骨溶けるからって……。でもお父さん、いっつも飲んでるし」 女将さん……まじか……いつの時代の話だよ。 まあ飲みすぎていいもんではないだろうが、よそから来た人間がこっそり飲ませるくらいはいいだろう。 「お母さんには、内緒だからね」 真剣な顔で梨衣ちゃんが言った。 ウッ。かわいい……。 俺は、追加でアクエリを買って、ベンチにどっかと腰掛ける。梨衣ちゃんがちょっと距離を開けて、ベンチに座る。神妙な顔でキャップを開ける。すると、コーラ最初の儀式が始まった。 「あわっ、あわっ、あわすごいっ」 ベンチにペットボトルを置いて、飛び退る。泡はじきに収まる。梨衣ちゃんは、おそるおそる近寄って、俺を見上げて不安げに聞く。 「爆発しない?」 なんかもう、純朴そうな日焼け少女がそんな顔でこんなこと言ったら反則である。 コーラで汚れたぶん、もうちょっと俺の近くに座る。べたべたするのか、指で支えるようにして両手でペットボトルを持って、慎重に飲む。 「ぴりぴりする」 「炭酸だからね」 「変な味」 舌をべっと出す。動作のいちいちがかわいいなこの子。 「でも、ちょっとおいしい」 「それはよかった」 コーラ初体験の梨衣ちゃんが全部を飲み終えるまでは時間がかかるだろう。俺としても、ちょっとは休憩していきたい。水分が体に浸透してきたのか、疲れは相当にましになっている。 風が、心地よかった。 BGMは、あいかわらず謎の鳴き声のセミがメインである。昨日調べたところによると、オオシマゼミというやつらしい。このへんになると、聞き慣れたニイニイゼミだとかクマゼミの声も聞こえる。時間帯とか棲み分けとかあると思うんだけど、なんかごっちゃになって鳴いている。 ベンチにもたれかかって空を仰ぐと、あいもかわらずの容赦なしの青空である。 夏休みって、こんな感じだろうか。 子供のころ、夏休みって、なにをやってただろう。個々の記憶はあるのだが、全体のイメージは漠然としている。40日もあるあの長大な休み。あの膨大な休みは俺の記憶のどこに消えたのだろう。ただ、気分だけは残っていたらしい。こんな年になって、俺の上に夏休みが降ってくる。この瞬間が永遠に続くような錯覚を覚えた。 「おじさん、東京から来たの?」 ちびちびとコーラを舐めるように飲んでいた梨衣ちゃんが言った。 「あー、うん」 「東京って、原宿?」 把握が雑だった。 「原宿にオフィスはあんまりないなー」 「秋葉原?」 どうやら知ってる地名を言ってるだけのようである。 どうやって東京を説明しよう。 「えーと、そうだな、東京は、この島よりちょっと狭い」 「ふーん?」 「で、そこにここの200倍くらいの人が住んでる」 「にひゃくばい……」 よくわからなくなったようだ。 「そうだなー、島全部が、あの町みたいなのでべったりと埋め尽くされてて、もっとビルとかたくさんあって、人間がいる感じ」 「……」 小さく首をかしげる。 「じゃあ、どこで泳ぐの?」 「うーん……泳がねーなー」 「じゃあ、夏はなにしてるの?」 「……ゲームとか? あと……なんだろ……」 なんだろう。 いわれてみれば、俺はなにをしていたのだろう。 いったいあの町で、俺以外にも無数の人間がいるあの町で、俺は、何者だったのだろう。 「わかんねーなー」 俺は苦笑してみせた。 あまりに強い直射日光は、人から思考能力を奪う。濃い緑のにおいが、それを肯定する。おまえはちっぽけだと、大したことのないものなんだと、大きくて深い声を浴びせてくる。それを一緒に聞いているのが、たとえば将来を誓いあった女性でもなく、親友でもなく、昨日会ったばかりの見知らぬ女子中学生だというこの状況が、少しおもしろかった。少なくともここでは俺は俺以外ではありえない。なぜなら、ほかに人間がいないのだから。 「さてと」 ゴミ箱めがけて空のペットボトルを放り投げる。数メートルの距離だったが、見事に命中。目を見開いた梨衣ちゃんが真似をする。これも命中。俺��対してちょっとドヤ顔をしてみせる。やだかわいい……。
「学校」 道は海沿いに戻っていて、ちょっと��た集落に差し掛かっていた。目の前の鉄筋コンクリート2階建てのごつい建物。どんな台風が来てもびくともしなさそうな重厚さがあるが、あちこちひび割れて補修の跡もある。そして敷地をぐるりと取り囲む石垣。この場所では、学校すら石垣のなかである。 梨衣ちゃんはすたすたと校門を通って敷地内に入る。俺はもちろん立ち止まる。 「おじさん?」 「部外者とか、まずいでしょ」 「? 別にいいと思うけど」 「あとで見つかって文句とか言われない?」 「なんで? おじさんうちのお客さんだよ」 すごいなー。ゆるいなー。地域全体がそうだってことは絶対にないと思う。単にこの子が警戒心ないだけなんじゃないだろうか。 地域で開放されているのかなんなのか、玄関も開きっぱなしである。梨衣ちゃんは自分の下駄箱とおぼしきところまで行き、とぼとぼと帰ってきた。 「うわばき、うちだった」 「あー、夏休みだからね……」 来客用とおぼしきスリッパを2つ持ってくる。 「ほんとにいいのかな……」 スリッパのひんやりとした感触。床の素材は、これリノリウムってやつじゃないだろうか。この妙に光沢ある感じと、ちょっとやわらかい感触。 民宿でも思ったのだが、室内はほんとうに過ごしやすい。廊下をぺたぺたと歩いていくと、梨衣ちゃんが教室の扉を開けた。 「ここが、私の教室」
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[展覧会のお知らせ] こちらの展覧会に出品します! よろしくお願い致します。 ここからしばらく展覧会が続きます…! #Repost @abe.yoseido with @make_repost ・・・ 【Selected Artists - Original Art Works 版画作家によるオリジナル作品展】 2/14-26 Yoseido Gallery 1F エントランススペース 若月公平・あるがあく・大森弘之・金子美早紀・齋藤僚太・相馬祐子・野瀬昌樹・畠山美樹・平野有花・真栄城理子・木村美咲・小野寺 唯・伊藤柾孝 #ピュシス #若月公平 #yoseidogallery #Yoseidoギャラリー #東北芸術工科大学版画コース #hanga #版画 #originalartwork #養清堂画廊 #あるがあく #大森弘之 #金子美早紀 #齋藤僚太 #相馬祐子 #野瀬昌樹 #畠山美樹 #平野有花 #真栄城理子 #木村美咲 #小野寺唯 #伊藤柾孝 (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CZ3vQ2YPk1G/?utm_medium=tumblr
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[展覧会のお知らせ②] 版画コラージュと水彩で制作したオリジナル作品の新作を2点出品いたします! こちらもよろしくお願いいたします🙇♀️ 涼をたのしむ 養清堂画廊 1階エントランススペース 7/20(水)〜8/27(土) (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CgCBkPYPrNq/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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[展覧会のお知らせ] ピュシスNEXTの最初の会場はこちら 養清堂画廊 2/21〜26 11:00〜17:00(最終日15:30) 初日はインスタライブもあります! (養清堂画廊) https://www.instagram.com/p/CaM8lFiPZzg/?utm_medium=tumblr
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