#青いニット
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リネンリリーのニット
リネンの細い糸をリリヤン状に編んで糸にした。 漂白されていないリネンは、やわらかで 生成りという言葉の素朴で優しい響きをしみじみと思い出す。
ニットコート ¥79,200 インナー ¥26,400 パンツ ¥50,600*5月上旬
こちらのシリーズは、ババグーリとヨーガンレール+ババグーリの店舗限定商品です。 ※一部オンラインショップでも取り扱い予定です。 <ババグーリ店舗> ババグーリ 清澄本店 ババグーリ 松屋銀座 ババグーリ 新宿伊勢丹 ババグーリ 吉祥寺東急 ババグーリ 横浜高島屋 ババグーリ京都
<ヨーガンレール+ババグーリ店舗> ヨーガンレール+ババグーリ 青山 @jurgenlehl_babaghuri_aoyama ヨーガンレール+ババグーリ 帯広 ヨーガンレール+ババグーリ 仙台 ヨーガンレール+ババグーリ 東京大丸 ヨーガンレール+ババグーリ 岐阜 ヨーガンレール+ババグーリ 心斎橋大丸 ヨーガンレール+ババグーリ 博多
Photograph by Kei Hompo Hair and Make up by Yoko Sasaura
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題詠100首 2024
「短歌は奴隷の韻律」と喝破した小野十三郎の短歌否定論を読んだあとで、それでもここに戻ってきてしまうのは、やはりこの詩型が好きだからなのかもしれない。
五十嵐きよみさん主宰の「題詠100首」に参加しました。ありがとうございました
2024-001:言 言ひかけたそのくちびるをくちびるでふさげば夜はすみれのにほひ
2024-002:置 置く露の消ぬべきものと思へどもなほなつかしき鬢のほつれ毛
2024-003:果 白鳥のゆくへ知らずもさびしさの果てなんくにへ飛び去りぬらむ
2024-004:吸 くちづけは甘き陶酔蜜を吸ふみつばちににて飽くことのなき
2024-005:大切 大切なものこそ目にはさやかなれこの目この肩このふくらはぎ
2024-006:差 差しみづするやうにして息をつぐ逢瀬のまへの胸の高鳴り
2024-007:拭 足拭ふそのくるぶしの白さゆゑねむれぬ夜をすぐしてけりな
2024-008:すっかり もうすっかり秋なのですね江ノ電に待ち合はすれば日影のながく
2024-009:可 不可分のふたりなりけりかんづめの鰯のやうに身を寄せあつて
2024-010:携 天の川白しと言ひて仰ぎみつ手を携へて川わたるとき
2024-011:記 ツンドクをツンドラと読みまちがへてガリア戦記に雪のふりつむ
2024-012:ショック あの夏の藤の木かげをおもひいづルドルフ・ショックのあまき歌ごゑ
2024-013:屈 身を屈め砂に字を書く主イエスは赦したまふやこのふかなさけ
2024-014:外国 マラケシュへ脱出したしサフランとなつめの香る外国(とつくに)の果て
2024-015:見 あひ見てののちのおもひはすみれいろ日の出のまへのひさかたの空
2024-016:叡 あさぼらけ比叡のやまにたつ霧のふかくぞひとを思ひそめてし
2024-017:いとこ 豆好きの子の記念日につくりおくかぼちやとあづきいとこ煮にして
2024-018:窮 窮鼠にも朝は来るらし鎧戸のすきまより洩るひかりひとすぢ
2024-019:高 抱きあげて高いたかいをするたびにはじけるやうにわらひたりけり
2024-020:夢中 青春は夢中のうちにすぎさりぬめざめていまは白き秋風
2024-021:腰 ���骨の上に手をおき抱きよせる サルサのリズム 波うつ体
2024-022:シェア イヤフォンをシェアしてバッハ聴きをりぬ予定日すぎて子を待ちながら
2024-023:曳 ひかり曳くものこそなべてかなしけれ流るる星もほたるのむれも
2024-024:裏側 いかにせんうかがひしれぬものありて人のこころは月の裏側
2024-025:散 知られじな夜もすがら吹く木枯らしに散るもみぢ葉のつもる思ひを
2024-026:頁 世界史の頁を閉ぢて夢見をり講義のをはりとこの世のをはり
2024-027:おでん 二日めのおでんのやうにしみてくるやさしく気づかふあなたのことば
2024-028:辞 言霊の幸ふ国に聞き飽きる 美辞も麗句も誹謗も揶揄も
2024-029:金曜 泣きぼくろつついておこすとなりの子金曜五限睡魔のきはみ
2024-030:丈 つり革にとどく背丈となりし子の腋窩の白く夏さりにけり
2024-031:けじめ ひるよるのけじめもつかぬ薄明かりいのちの果てのけしきとぞ見る
2024-032:織 経糸も緯糸もなき鳥たちの声の織りもの聞けども飽かぬ
2024-033:制 制限字数こえてあふるるわが思ひたぎつ早瀬となりにけるかも
2024-034:感想 「感想を十四字以内で述べなさい」「あいたいときにあなたはいない」
2024-035:台 灯台のやうに照らせよぬばたまの無明の闇におよぐこの身を
2024-036:拙 目をとぢてなにおもふらん古拙なる笑みをうかぶる半跏思惟像
2024-037:ゴジラ 清涼水ささげまつらん着ぐるみをぬいでくつろぐゴジラのひとに
2024-038:点 夕されば宵宮に灯の点されて稲穂をわたる風かぐはしき
2024-039:セブン 響きあふセブンスコードやはらかくスイスロマンドかんげんがくだん
2024-040:罪 罪深きものと知りつつやめられぬ午前零時のキッシュロレーヌ
2024-041:田畑 とり入れををへし田畑に雀らのさわぐを聞けば秋更けにけり
2024-042:耐 陣痛に耐ふるつまの手にぎりをり痛みを分かつすべあらなくに
2024-043:虫 別れきて秋の夜長をなきとほす虫の息にもなりにけるかな
2024-044:やきもち 黒い怒りもしづまるでせうやきもちにきなこまぶして頬張るならば
2024-045:桁 花ごろも衣桁にかけて待ち遠し色とりどりに咲きみつる春
2024-046:翻訳 ふさふさのしつぽを立ててあゆみ去るねこのことばの翻訳もがな
2024-047:接 おたがひの足音のみを聞いてをり話の接ぎ穂見つからぬまま
2024-048:紐 「結んでよ後ろの紐を」��らはなる背中見せつつ言ひたまひける
2024-049:コロナ かろやかに走り抜けたり太陽のコロナのやうに髪なびかせて
2024-050:倍 この仕打ち受けても七の七十倍赦しなさいと命ぜらるるや
2024-051:齢 少女らのもはや倦みたる遊具あり遊具にもまた適齢期あり
2024-052:圧力 ゆつくりと圧力かけて皺のばすアイロン台に湯気は立ちつつ
2024-053:柄 春の夢見させてください花柄のスカートのうへに膝まくらして
2024-054:朧 朧なる記憶の底にきこゆなり赤子のわれを呼ぶ祖母のこゑ
2024-055:データ データなぞ改竄するのが前提といふひとあれば美しくない国
2024-056:紋 わがうたにいまだ紋章なきことも恥ぢずこよひも豆腐が旨い
2024-057:抑 「好きといふきもちは抑へられなくて」読みかへす午後ひざしうつろに
2024-058:反対 環状線反対まはりに乗せられてはじまりしわが大阪時代
2024-059:稿 ブルックナー第八初稿で祝ひたり生誕二百周年の宵
2024-060:ユーロ ふらんすはあまりに遠し「赤と黒」原書にはがすユーロの値札
2024-061:老 生ましめしのちのよふけのしづもりに老助産師のたばこくゆらす
2024-062:嘘つき どうせならうつとりさせて狂はせる目覚ましい嘘つきなさいませ
2024-063:写 ちちははの結婚写真色あせてアルバム白く夏は来たりぬ
2024-064:素敵 はにかんでものいふときの片頬にゑくぼをきざむ笑顔が素敵
2024-065:家 家ひとつこぼちて三つ家を建つなんのふしぎもなしとはいへど
2024-066:しかし 焼き魚ほぐしつついふもしかしてわたし妊娠してゐるかしら
2024-067:許 胸許にきつつなれにしスカーフあり柩のひとの息あるごとく
2024-068:蓋 きみがため抜山蓋世のますらをも恋のとりことなりにけらしな
2024-069:ポテト ベークドポテトふたつにわればふうはりと湯気立ちのぼるバター落して
2024-070:乱 黒髪の乱れも知らずうちふして幾何証明にゆきなやむ吾子
2024-071:材料 材料はグラム単位ではかりませう恋の女神にささぐるお菓子
2024-072:没 ひそやかにゐなくなりたし没年齢しられぬままに墓標もなしに
2024-073:提 下駄ならしなつまつりよりかへりきぬゆかたの子らは金魚を提げて
2024-074:うかつ 「もうすこし一緒にゐたいな」うかつにもつぶやきしゆゑ底なしの��
2024-075:埒 ひとり舞ふほかにすべなしもろびとの大縄跳びの埒外なれば
2024-076:第 しんしんと肺蒼きまでしみとほるかなしみふかき第二楽章
2024-077:オルガン オルガンの裏にひかへてふいご踏み風を送りし労苦を思ふ
2024-078:杯 願はくはおなじ杯よりのみほさん媚薬なりとも毒薬なりとも
2024-079:遺 「きらひなのさういふところ」といはれたり不貞寝して聞く遺愛寺の鐘
2024-080:なかば ランウェイに踏みだすやうなあひびきはのぞみとおそれ相なかばして
2024-081:蓮 さきゆきは見通さずともしろたへの酢蓮を食めばこころはなやぐ
2024-082:統一 姿見のまへでくるりとひとまはり「青で統一秋色コーデ」
2024-083:楼 春高楼の花のうたげはまぼろしか廃墟の城を照らす月かげ
2024-084:脱 管弦のとよもすホール脱けだせばしんとしづもる明きフォアイエ
2024-085:ブレーキ ブレーキのきかぬくるまかすこしづつあなたの方にかたむくこころ
2024-086:冥 冥府よりプロセルピナはもどりたり野の緑もえ春のおとづれ
2024-087:華やか 華やかに開幕ベルは鳴りしかどせりふおぼえずお化粧もまだ
2024-088:候 姸を競ふ花嫁候補に目もくれず選びたまふは桐壺の姫
2024-089:亀 わたつみの底の浄土の住みごこちいかにと問ひぬ青海亀に
2024-090:苗 十年後ジャスミンティーの再会は苗字かはりて人の子の母
2024-091:喪 青き花好みたまひしひとなれば青き旗もて喪章となしつ
2024-092:休日 窓ごしに別れを告げる新幹線休日なんてあつといふ間ね
2024-093:蜜 乳と蜜ながるるところといはれたるカナンの地いま血潮ながるる
2024-094:ニット 置きわすれられしニットのセーターに顔うづむればにほひなつかし
2024-095:祈 祈るやうに手をあはせたりめづらしき蝶見つけしと馳せきたりけり
2024-096:献 妻あての訳者の献辞見返しにあり「罪と罰」古書あがなへば
2024-097:たくさん ひとつぶのあかい木の実をかみしめるあしたまたたくさんとぶために
2024-098:格 格変化となへつつ夜ぞふけにけるロシヤ語講師の赤き唇
2024-099:注 ちらぬまま朽ち果ててゆくあぢさゐのはなのをはりにふり注ぐ雨
2024-100:思 さめやらぬ夢のほとりに置く露のかわくまもなくもの思ふころ
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環境感受性捗る自閉症スペクトラムTVで冬タイヤcmの雪景色映るとHSS型HSP的にも過興奮性高覚醒。冬の冷たい空気や朝陽と青空に輝く綿帽子雪,幼い頃タイムスリップし自閉的ファンタジー没入も。大人の発達障害アスペルガー/自閉スペクトラム症ASDのA型作業所通所用ニットの東雲色トラックジャケット購入
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Dear M
今から三ヶ月前に同時に仕事や恋人を失った時に支えてくれたのは、Tumblrで知り合ってかれこれ五年話していた愛奈だった。
その愛奈に先日会うことが出来た。
ここに書こうとは思ってなかったけれど、愛奈が望んだので綴っておく。
降りるはずのインターを一つ過ぎて愛奈に連絡した。
アパート近くの変な名前のラーメン屋が待ち合わせ場所だった。
カーナビの到着予定時刻は約束より五分過ぎた時間。
愛奈の顔を見たのは今から五年前くらいか。まだ十代だった。そのイメージだけが頭にあってどんな女性なっているのか見当もつかなかった。
長閑な農道の中にあるセブンイレブンで気を落ち着けるために緑茶を買った。
マウスウォッシュで口をすすぎ、お気に入りのナイルの庭を首筋や足首につけた。
約束の場所に到着してすぐにLINEを送った。すぐに今から向かうと連絡があった。
間もなく道路の向こう側からスラリとした女性が歩いてきた。白いニットに黒のスカート。肩まで伸びた黒い髪。すぐに愛奈とわかった。
運転席に座ったまま、どうしていいかわからなくなった。どんな言葉をかけたらいいのか、どんな表情をしたらいいのか。
とりあえず降りることにして運転席のドアを開けたタイミングで愛奈が助手席のドアを開けてあららとなった。
愛奈と向き合い顔を見た。昔見た写真とは随分と変わり、大人の女性になっている。例えるなら吉高由里子や和久井映見、笑うとYUIや橋本愛に似た雰囲気で和服が似合いそうだという印象を受けた。
この辺りは何を話したのか記憶にないが、地元の名産や実家で作った米、お守りなんかを渡した。そのお土産があまりにも多かったからアパートの近くで待ち合わせていた。
荷物を置きに一度���屋へ戻る愛奈の後ろ姿を見ながら素敵な人になったなとしみじみした。
車で繁華街へ向かう。夜市があってそこに行こうと約束していた。
車内では昨日の飲み会の話を聞いて青春だななんて羨ましくなった。愛奈は大学生だ。
「電話で聞くのと声若干違う」
「確かに」
助手席側の窓から西陽が射し込む。
「いい時間ですね」
「そうだね、着いたらちょうど薄暮でお酒が美味しいんじゃないかな」
緊張していた。助手席に座る愛奈の横顔をほとんど見れなかったのを今では後悔している。それとカーオーディオから流れる曲がたまたまTaylorSwiftの「DearJohn」とかバラードばかりだったのがちょっと恥ずかしかった。
俺が泊まるホテルにチェックインしてから夜市へ向かった。川沿いの道を愛奈と歩く。
「この街を歩くのは初めてですか?」
「そうだな、中学生の時に歩いて以来だから十五年くらいぶり」
「そっか研修で来たって言ってましたね」
「いい街だね。住みたいくらい」
「私ももっと住んでてもいいかなって思う」
マンションの間をすり抜けていくと目の前に夜市の旗が掲げられていて、大勢の人で賑わっていた。
「まずは食べたい物に目星つけて端まで歩こうか」
「途中でビール買いましょ」
「いいね」
焼鳥、海鮮焼き、日本酒、スイーツなど様々な店が並んでいる。人は多いが決して歩けないわけじゃない。
「彼に夜市行くって言ったらいいなって言ってました」
「今度連れてきたらいいよ」
「でも彼人混み苦手なんですよね」
「それじゃあダメか」
「そういう私も苦手なんですけどね」
「俺も得意ではないな」
ビールを売ってる店を見つけて並ぶ。
ふんわりした泡が美味しそうな生ビールだ。
生憎座る場所が空いてなかったので立って乾杯した。
「はじめまして」
「はじめまして」
二口で半分くらいまで飲んだ俺を見て愛奈は笑っていた。好きな銘柄ではなかったけれどここ何年かで一番美味しい生ビールだった。
色々と歩いて海鮮焼きを買って食べることにした。
何となく愛奈の前を歩いたのは横に並んで歩くのが照れくさかったのと、俺が横にいることで愛奈の価値が落ちてしまうじゃないかと思ったからだ。それくらい愛奈の姿は美しさとミステリアスさがあって、もし知らない間柄でどこか別の街ですれ違っていたらきっと振り返ってその後ろ姿を目で追ってしまっただろう。
親子連れの横の席がちょうど空いており、了承を得て座った。
Tumblrの人の話なんかをして海鮮焼きを食べる。
イカ焼きに苦戦してタレを服にこぼしそうになる愛奈を心配なようなちょっと可笑しいような気持ちで見ていた。
「ビールもう一杯飲んだら帰ります」
「えっ?」
虚をつかれたような気持ちになった。
「そう言わずにどこかお店行こうよ」
「週報書かなきゃいけなくて…」
「まあな、今朝まで友達と飲んでたんだもんね」
無理矢理そう納得させる。
何か嫌なことでもしていたのだろうか。もしくは俺のルックスやらファッションが想像と違っていたから早く帰りたいのかとも考え、次のビールを買いに行った愛奈の背中を見ながら天を仰いだ。
ビールを飲みながら残っていたホタテを食べた。手がタレだらけになっているのを見て愛奈がハンカチを渡してきた。
「いいよ、せっかくのハンカチが汚れる」
「裏側ならいいですよ。見えないし」
「なんかごめんな」
お言葉に甘えて手を拭いた。十一匹のねこの刺繍があった。
「かわいいね」
「お気に入りです。書店で買ったんですよ」
ハンカチを返す。
「口にもついてます」
そう言うとそのハンカチで俺の口の横を拭った。
ほんの数秒の出来事なのにその瞬間は鮮明に残っている。
「なんか子供みたいだな。かっこ悪いね」
「男の人はいつまでも子供ですから」
愛奈の底知れぬ母性は本当に罪だ。年甲斐無く甘えてしまいたくなる。かれこれ五年も話しているからどんなバイトをしてどんな男と交際しているのかほとんど知っている。だから同い年の女の子達とは一線を画すくらい魅力的な人になったんだな。
夜市を後にする。空は確実に夜に近づいているがまだ青が見えている。
駅の方向に向かいながら二人してトイレに行きたくなり場所を探した。
「この街のトイレなら任せてください」
そう言う愛奈の後ろをついて行った。
二人とも限界に近づいていたから小走りでテナントが多数入る建物に入った。
終わるとお土産コーナーを見ながらコンビニに入った。
玄米茶と愛奈が吸ってる赤いマルボロを買った。
「そこの角で吸いましょう」
「そうしよか」
玄米茶を一口飲んでアメリカンスピリットに火を点ける。愛奈はライターを持っていなかったのでその後に俺が点けた。
「今日はありがとう」
「こちらこそたくさん貰ってしまって」
「いいんだよ。命の恩人なんだから」
「いやいや」
「これで思い残す事はない。いつ死んでもいい」
「そんな事言わないで。悲しい」
「最近思うんだ。生きてる価値あるのかなってさ」
「じゃあ飲みながら人生語りましょ」
愛奈の言葉に驚く。
「帰らなくていいの?」
「いいです。お話しましょ」
なんか泣き落とししたみたいでかっこ悪いなと思った。愛奈の時間を奪っていくみたいで罪悪感も湧いた。でもそれを超えるくらい愛奈ともっと飲みたい話したいというエゴがあった。
「そうか。ありがとう。愛奈ちゃんと一緒に行きたい店があるんだ��
「どこですか?」
「バーなんだけどさ」
「バーあまり行ったことないから行きましょ」
煙草を吸いながらバーを目指す。
途中で車に轢かれそうになると腕を引っ張ってくれた。
「いいんだよ、俺なんか轢かれたって」
「ダメですよ。死んだら悲しいですから死なないで」
「でもさ、よく思うんだよね。交通事故なら賠償金とかでお金残せるしさ」
「それは私も思うときあります」
そんな話をしていたら店についた。
俺が持っていた玄米茶を愛奈が自分の鞄に入れてくれた。
明るめな店内のカウンターに横並びで座る。
愛奈はモヒート、俺はモスコミュールをオーダーして乾杯。
「私、親の老後見たくないんです」
「そうなんだ」
「前に言いましたっけ?産まなきゃよかったって言われた事」
「うん、覚えているよ。それならそう思うのも不思議じゃない」
「計画性ないんですうちの親。お金無いのに産んで。三人も。それでたくさん奨学金背負わせるなんて親としてどうかなって思うんです」
「そう思うのは自然だな」
「だから私、子供産みたくない。苦労させたり嫌な気持ちにさせたくないから」
「でも愛奈ちゃんはそうさせないと思うけどな」
「育てられる自信ないです」
「そっか。でもそう思うのは愛奈ちゃんの人生を振り返ってみたら自然だよ。それでいいと思うし、理解してくれる人はたくさんいるよ」
「結婚しないと思いますよ」
「それはわからないよ。これからさ、その気持ちを超える人が出てくるかもしれないし」
モスコミュールを飲み干した。
もし自分が同じことを親から言われたとしたらと思う怖くなった。そんな中で愛奈は自分の力でそれを乗り越えて立派に生きている。愛奈を抱きしめたくなった。ただただ抱きしめてもう大丈夫だって言いたかった。
愛奈からマルボロを一本もらう。久々に吸った赤マルは苦みが程々で後味が美味かった。そこで知ったのは赤マルは二種類あって、俺が渡したのはタールが高い方で、愛奈は普段低い方を吸っているらしい。
「あの棚の右から二番目のお酒知ってます?」
「知らないな」
「友達が好きで美味しいらしい」
「読んでみよか」
スコッチだった。
ソーダ割りで飲むと中々美味しかったけれど、元々カクテル用のウイスキーとして作られただけあって、もうワンパンチ欲しい味だった。
三杯目は俺はヨコハマというカクテル、愛奈は和梨のダイキリをオーダーした。
「俺もさ、親を看取らなきゃいけないプレッシャーがあって辛いんだ」
「一人っ子ですもんね」
「出来た親でさ。ほとんどのことを叶えてくれた」
「すごいですね」
「ほんとすごい人だよ。だから期待に応えなきゃって思うとさ。色々しんどくなるんだ」
ヨコハマを一口飲む。ウオッカとジンの二つを混ぜるカクテルだからぐっとくる。愛奈に一口飲ませると「酒って感じです」と感想を述べた。茹で落花生がメニューにあったのでオーダーする。愛奈は食感が苦手だったようだ。愛奈はダイキリについてきた梨を一口食べ俺にくれた。甘くて美味い梨だった。次にオーダーしたのは愛奈はシャインマスカットを使ったウオッカマティーニ。俺はサイドカー。
「ゴリラいるじゃないですか」
「実習先の人ね」
「ほんといいなって思う。優しいし人のこと良く見てるしたくさん食べるし」
「既婚者じゃ無きゃね」
「そうなの。でも奥さん可愛かった」
「たぶん可愛いだろうな」
「一緒にいれはいるほどいいなって気持ち強くなる」
「叶うとか叶わないとかそんな事はどうでもいいから今の時間楽しめたらいいね」
「頑張ります。お局怖いけど。でも最近機嫌いいからいいや」
シャインマスカット一粒を俺に寄越す。繊維質の食べ物があまり好きではないらしい。サイドカーを飲ませると美味しいと言った。
「サイドカーに犬って映画知ってる?」
「知らないです」
「すごくいい映画だよ。小説原作なんだけれど」
愛奈がスマホをいじる。
「Huluで見れるんだ」
「そうなんだ。便利やな」
「今度見よう」
その後は愛奈の好きな小説の話をした。加藤千恵って読んだことなかったなと思いながら話を聞いていた。
「次なんだけどさ」
「はい」
「ピアノがあるバーに行きたいんだ」
「行きましょ。その後ラーメン食べて帰るんだ」
「いいね、そうしよう」
店を出てると少しだけ肌寒くなっていた。
ピアノのあるバーに向かって歩いていく。
「バーに入るの初めてでした」
「そうなんだ。前の彼とは来なかったの?」
「入るのに緊張するとこには行かなかったんです」
「最初は緊張するもんな。慣れればいいんだけど」
「あっちの方にあるビストロにもやっと入ったくらいだから」
「そうなんだ。でもいいもんでしょ」
「すごくよかったです」
「そうだ」
「どうしました?」
財布から千円札を数枚出して愛奈に渡した。
「タクシー代、忘れないうちに渡しておくよ」
「えっ、いらないですよ」
「遅くまで付き合わせてしまったし」
「いいですって」
「いや、受け取って。今日は本当にありがとうね」
愛奈のポケットに押し込んだ。
「すみません。ありがとうございます」
「ほんと愛奈ちゃんには救われっぱなしだよ。だからこれくらいはさせてよ」
そうこうしてるとピアノバーの前についた。
少しだけ緊張したが意を決して入る。
店内は混雑していたが運良くピアノが横にある席に座れた。さっきまでは横に座っていた愛奈と向かい合わせで座った。目を合わせるのが照れくさくなるなと思った。
「リクエストしてもいいみたいだよ」
「えー、いいな。弾いてもらいたい」
「何かあるの?」
「一時期、月光にハマってて」
「いいね」
「でも何楽章か忘れちゃった。ちょっと聞いてもいいですか?」
「いいよ」
愛奈がイヤホンを繋げて聞いている。
その間に俺は「Desperado」をリクエストした。
「一でした」
「そっか、次に言っておくよ」
Desperadoが流れる。
愛奈も知っていたみたいで俺が勧めたピニャコラーダを飲みながら聞いている。柔らかくて優しい表情が美しく貴かった。
「これはさ恋愛の曲っぽいけどポーカーで負けた曲なんだ」
「えー」
愛奈が笑う。
次にピアニストの方に愛奈のリクエストを伝えた。
始まると今にも泣きそうなくらいに感動している愛奈がそこにいた。スマホを向けてその時間を記録している。その時の顔は少女のよう、昔見た愛奈の写真に少し似ていた。
お酒が進んでいく。
カウンター席のおじさまがビリー・ジョエルをリクエストしている。ストレンジャーやHONESTYが流れている。
会話は愛奈の男友達の瀬名くんの話題に。
「今度ドライブに連れてってくれるんですよ」
「ロードスターに乗ってるみたい」
「オープンカーか。この時期はまだ気持ちいいね」
「天気の良い日見ておくねって」
「いい子やね。その子と付き合っちゃえば?」
「でもね、絶対彼女いるんですよ。いつも濁してくるけど」
「そっか」
「沼っちゃう男子ですよね」
「じゃあさ、俺と付き合って」
「仮にも彼氏いるんですよ」
「冗談だよ。俺は君に似合わない」
もっと若くて横浜流星みたいなルックスで何か才能があって自分に自信があったらもっとアピールしたかもしれない。そう、愛奈に合うのはそれくらい優れている人で、愛奈を大切に包み込むことが出来る余裕がある人に違いないからだ。
「あの曲聴きたい」
「なに?」
「秒速の曲」
「One More Time?」
「それ!」
「じゃあ頼んでおくよ」
ピアニストの方にお願いするとすぐに弾いてくれた。愛奈は感激してこのときは本当にその強い眼差しが少し濡れていたように見えた。
タバコに火を点ける。愛奈をちらちらと見ながら吸うタバコはいつもより目に染みる。
ダービーフィズを一口飲む。久々に飲んだがやはり美味しい。
「すごく嬉しかった」
「よかったよ」
最後の酒に選んだのは愛奈はシシリアンキス、俺はXYG。
そのオーダーを聞いていたピアニストの方はGet Wildを弾いてくれて俺は笑った。
「これさ、シティハンターで出てくるんだよ」
愛奈はもちろん知らなかった。男の子の映画だからね。
「ボズ・スキャッグス弾いてほしいんですけど」
近くの席の女性が弾いているピアニストに声をかけたがちょっと待ってと制止された。女性がトイレに入った間に俺はこの隙にと一曲リクエストした。
愛の讃歌。
愛奈も知っていた。
タバコも吸わず、氷だけになった酒で口を濡らし、聞いていた。少しだけ目頭が熱くなった。
曲が終わるとお酒が届く。
「渋いお酒飲まれますね。さっきのダービーフィズとか」
マスターから声をかけられた。ダービーフィズの泡がいいよねと話した。
ピアニストにさっきの女性が話しかけている。
「ボズ・スキャッグスをお願いします」
「曲はなにがいいですか?」
「曲名がわからなくて…」
「それならウィー・アー・オール・アローンを聞きたいです」
俺が言った。すると二人ともそれがいいとなって弾いてくれた。
訳詞には二つの解釈がある。
僕ら二人だけ。なのか、僕らはみな一人なのか。
今だけは前者��いさせてほしいと思った。
「ピアニストの人が弾いてて気持ちいい曲ってなんなんだろう」
愛奈が言う。
「確かに気になるね。聞いてみるよ」
ピアニストの方に聞く。
「その時で変わります。上手くできたなって思えば気持ちいいですから」
なるほどなと二人で頷いた。
最後のリクエストに「ザ・ローズ」をお願いした。
ピアニストの方も好きな曲らしい。
「気持ちよく弾けるように頑張りますよ」
この曲は愛奈も知っていた。
オールディーズの有名な曲だ。
気持ちよさそうに弾くピアニストと聴き惚れる愛奈を見ながら最後の一口を飲み干した。
後半はあまり愛奈と話をした記憶がない。二人ともピアノの音色に癒やされながら静かに酒を飲み、少しだけぽつりぽつりと会話をする。そんな落ち着いたやり取りが出来る関係っていいなと思った。
会計をする。
お釣りを全て、といっても少額だがピアニストの方に渡してもらった。
財布の中身が増えている気がした。
愛奈に聞くと何もしてないらしい。
「きっと財布の中でお金が生まれたんですよ」
そういうことにしてピアノバーを出た。出る直前に流れていた曲はドライフラワーでちょっとだけ不釣り合いで笑えた。
愛奈がラーメン屋を案内してくれるが場所が少し分かりにくくて何とかたどり着いた。
ビールを少し飲みながら餃子を食べているとラーメンが届いた。
二人して黙々と食べた。美味かった。
「大盛りにしてもよかった」
「私もう食べられないからあげますよ」
愛奈が麺をくれた。それを全て食べてビールを飲み干す。
二人で一頻り飲んだあとに餃子をつまみながらビールを飲み、ラーメンを一緒に食べてくれる女性は出会った事なかったかもしれない。
会計前にトイレに行きたくなって財布とカードを愛奈に渡して払っておいてほしいとお願いした。
戻るとテーブルに忘れていた眼鏡を俺に渡しながら
「使い方わからなくて自分で払っちゃいました」
「えっ、ああ、ごめん。現金渡すよ」
「いらないですよ。たくさんご馳走になったんでこれくらいはさせてください」
何度かやり取りしたが甘えることにした。
愛奈には甘えてばっかりだ。
店を出て大通りに向かう。
タクシーをつかまえようと。すぐにつかまった。
「このタクシー割引使えるんですよ」
「ありがとうね、また会おう」
「はい!」
タクシーを見送った。夜の大通りをすーっと去っていった。
ホテルへの帰り道。コンビニでお茶と赤マルを買った。久々に吸って美味しかったからだ。お茶は愛奈の鞄に預けたまま忘れていた。
赤マルに火を点ける。
やたらと煙が目にしみる。夜空を見上げたら明るい繁華街にも関わらずいくつか星が見えた。
生きていてよかった。
それくらい楽しくて美しい夜だった。
また愛奈に会いたいと思った。次はいつ会えるだろう。そんな事を考えながらホテルのベッドに倒れ込む。
「死んだら悲しいですから死なないで」
今日何度か言われた愛奈の言葉がリフレインしている。
本当に素敵な人だ。あんなに幼くてどうしようもない人と恋に落ちてたのに上手に成長した。
あんなに気遣いできて疲れないのかなって思う。
少し心配だ。
愛奈を写した写真を見返す。ブレてる写真ばかりで下手さが目立つが二枚ほどいい写真があった。
大切にしなきゃならない人がこの世にはいる。
間違いなくそれは彼女である。
これは一夜の記録と愛奈への恋文だ。
なんてね
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2023年8月26日
【新入荷・新本】
A Magazine Curated By Sacai, A Magazine Curated By, 2023
Softcover. 200 pages. 230 x 295 mm. Color, black and white.
価格:6,600円(税込)
/
『A Magazine Curated By』は、sacaiの創設者兼デザイナー、阿部千登勢を第25号のゲストキュレーターとして迎える。
家族や友人、アーティスティック・コラボレーター、ファッションブランドなど、作者と親しい様々な面々に寄稿を呼びかけ、200ページに渡り文化的かつ創造的なコンテンツを展開する。
ウルトラマリンブルーが彩る先駆的なイメージを表現したカバーと、英語・日本語の両方でコンテンツを紹介する本誌は、 #sacaiTHEpeople を��いて東京からロサンゼルスまで国際色豊かに見せるポートレートシリーズから、シェフ、工業デザイナー、建築家、アーティスト、ライター、ビジネスアナリストによるコミッション・プロジェクトまで、sacaiの背景にあるそのコミュニティとハイ・コンセプトの世界に迫る。ミニマリスト建築やアップサイクル工業デザインといった物質的な問題から、CGI製品やAI(人工知能)によるファッションルポといった無体の可能性まで、阿部はsacaiのコラボレーション精神を、ハイブリッドや「安心と裏切り」というブランドの柱に様々な方法でアプローチする、きわめて現代的なドキュメントへと注ぎ込んでいる。
主な収録内容:sacaiの著名な友人やコミュニティが私物コレクションを身にまとい、一流のフォトグラファーたちによって彼らの本拠地で撮影された国際的なポートフォリオのページでは、ラシダ・ジョーンズ(Rashida Jones)、忽那汐里、エディソン・チャン(Edison Chen)、チン・シューペイ(秦舒培 / Qin Shupei)、ドクター・ウー(Dr Woo)、窪塚洋介、ミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)、カール・テンプラー(Karl Templer)、サラ・アンデルマン(Sarah Andelman)、ザ・ルーツのブラック・ソートことタリク・トロッター(Tariq ‘Black Thought’ Trotter)などの著名人が登場。
カール・テンプラーがスタイリングを担当し、ファッションフォトグラファーのクレイグ・マクディーン(Craig McDean)がオーストラリア人モデルのジュリア・ノビス(Julia Nobis)をニューヨークの街中で撮影。2023年秋冬コレクションとカルティエ(Cartier)、阿部千登勢により誕生した限定ジュエリーコレクション CARTIER TRINITY FOR CHITOSE ABE of sacaiをフィーチャーし、写真家エドワード・マイブリッジ(Eadweard Muybridge)にインスパイアされたファッションストーリー。
アート、建築の話題を中心とした東京発のインディペンデントマガジン『TOO MUCH Magazine』とのコラボレーションでは、sacai の旗艦店 sacai Aoyamaの大規模な改装をそれぞれ手がけた日本の著名な建築家、藤本壮介と関祐介への詳細なインタビューを通じて、sacaiと建築とのつながりを探る。
アメリカ人コンセプチュアル・アーティスト、ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner)へのオマージュとしてキュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)との新たなインタビューと、ウェイナーとの歴史的な対談を収録。ウェイナーとは、 sacai の2018年春夏メンズ・コレクションでコラボレーションを果たしている。
「食」のストーリーの三部作『saCOOKBOOK』では、京都の老舗和菓子屋である とらや、ミシュラン二つ星シェフ成澤由浩、ニューヨーク・ブロンクスを拠点にする3人組のフードコレクティブ・ゲットー・ガストロ(Ghetto Gastro)が本号のために制作した、コンセプトと料理で構成されている。
巻頭では、阿部千登勢とsacaiのクリエイティブ・アドバイザーを務める源馬大輔に、東京を拠点にするカウンセラー、ジョセフィン・クレイトン(Josephine Creighton)が前代未聞のインタビューを実施。2人のクリエイティブ・コラボレーションを心理学の観点からアプローチする。
ハーバード・ビジネス・スクールの大学院生ショーン・ホーヴァス(Shawn Horvath)とステファニー・フェイ(Stephanie Fei)が実施した、ナイキとのアパレル&フットウェアのコラボレーションの進化に関する詳細なビジネスケーススタディと市場分析も掲載。
ダンスとファッションの世界を融合させ、数々の受賞歴を持つビートダンサーのソラキ(The D Soraki)が、カーハート(Carhartt WIP)やモンクレール(Moncler)とのコラボレーションを含むsacaiのボリューム感のあるデザインを身にまとい、東京・新宿のストリートで踊る姿をフォトグラファー、ROLLSWYZEが撮影している。
また、本書には、イギリス人ファッションフォトグラファー、クレイグ・マクディーンによるプリントが1枚差し込まれている。
コントリビューター: 鈴木親、クレイグ・マクディーン、源馬大輔、ダニエル・アーノルド、ドクター・ウー、エディソン・チャン、ゲルチョップ、ゲットー・ガストロ、ハンク・ウィリス・トーマス、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、ジャック・ピアソン、ジャン・トゥイトゥ、ホアキン・ラギンジ、カール・テンパー、内藤カツ、キース・オシロ、川谷光平、ローレンス・ウェイナー、マーヴィン・ルーヴェイ、ミシェル・ゴベール、ヌーア・ウヌ・スタジオ、パブロ・ズレト・ザール、ピクゾー、ラシダ・ジョーンズ、ROLLSWYZE 、ローリー・ファン・ミリンゲン、サラ・アンデルマン、忽那汐里、秦舒培、藤本壮介、ホンマタカシ、ブラック・ソートことタリク・トロッター、ソラキ、とらや、ヴィンス・アウン、辻村慶人、成澤由浩、窪塚洋介、関祐介 他
sacai: ハイブリッドの発想を組み込み、ニットと繊細な織素材など、対照的なテクスチャーのファブリックを組み合わせ、パターンを再解釈し、予想外のフォルムとシルエットに洋服を変化させる。コレクションがフェミニンな様相を呈する一方、阿部の関心は、独特でありながら普遍的、そして革新的で実験的な服作りに傾倒し続けている。自身をとりまく日々の生活や、周囲の人々を観察することからインスピレーションを受け作られるコレクションは、ベーシックでクラシカルなアイテムを崩し変化させながら、独特のエレガンスを放つ。ある特定の機会だけでなく、様々なシーンにおいて成立するアイテムに仕上がっている。
2009年春夏よりsacaiのメンズコレクションをスタート。ウィメンズコレクションと同様の哲学とアプローチに基づいて、綿密さとさりげないエレガンスを併せ持つ、定番アイテムを展開する。
2009年10月より、パリファッションウィークでウィメンズコレクションのショーをスタート。現在はウィメンズ、メンズともに各シーズンの最新コレクションをパリで発表している。
2011年9月に東京・南青山に初の旗艦店をオープン。阿部は、自然と人工物、外と内、新しいものと古いものなど、相反する要素を統合した作品で知られる建築家、藤本壮介に強く共感し、タッグを組んだ。2022年に改装され、2023年4月、日本人建築デザイナーの関祐介による新たなコンセプトでリニューアルオープン。
sacaiは、東京以外でも、香港、北京、ソウルに店舗を展開し、世界各地のセレクトショップや百貨店などで取り扱われている。
(twelvebooksによる本書紹介文)
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[CREATION Project 2015]
art direction & design: Naoko Fukuoka 福岡南央子_woolen charity project @g8_gallery 2015
【177人のクリエイターと福島伊達市のニットメーカーによるマフラー&ブランケット 伊達ニッティング】
〈戦で区切る面 青の中の四角 黒点の冷たさ 分け合う直径〉
「全国有数のニットの産地として栄えてきた福島県伊達市。ここで45年にわたりニットの製造業を営む大三とともに、オリジナルのマフラーとブランケットをつくります。ニットの販売収益金は被災地の子どもたちを支援するために寄付させていただきます。」
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突然ですが嫁が可愛すぎる件について報告させてください。
見て!これ!「のあちゃんがツイートしてくれてたので載せました」が嬉しすぎてすーぐスクショした。可愛い。あーあ、またそうやって可愛さで私を射抜いてくるんだ。そんで嫁愛が溢れてこれから先も毎日結婚させちゃうんだ。「好きになってね」の言葉通りまんまと今以上に好きが増して嫁沼から一生出られなくなればいいんだよね?っていう、1回やってみたかったヒス構文。できてる?てことで青色ニット、アームウォーマーと似た洋服着た写真でツーショ作りました。嫁らぶー。
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2/24
性の歴史四巻の読書会をした。メンバーがオーディオ通で、色々教えて貰って、結局その後一人で秋葉のeイヤホンに行った。とりあえずゼンハイザーとAKGを比べたら、と言われたのでそうしたけど、機種によっていろいろ差があるし、よく分からない。とりあえず自分がそれなりに低音を求めていることと、そうは言ってもサックスとかエレピとかもちゃんと伸びて欲しいという欲張りなことはわかった。
埒が明かないので店員に聞く。ソムリエみたいな感じでいろいろ教えてくれると言われていたので、そうした。どんなものをお探しですか?と聞かれたのでよく分からないと返した。どんなアーティストを聞きますか?と言われたので、スティーリーダンとかですね、と返したら、なるほど、じゃあR&Bとか洋楽とかも聞かれるんですね、だったらこれが……という感じで、三つぐらいおすすめしてもらう。
とりあえず試聴用のプレイリストを作ってきたので、それを聞き比べる。キース・ジャレット、スティーリーダン、ラリーカールトン、プーランク、マイケルマクドナルド、キリンジ、あとスヌープも入れた。
いろいろあって、低音がとにかく唸ってるvmodaのlp2というやつと、有名らしいゼンハイザーのHD599に絞る。vmodaの方はベースが聞き取りやすくていいんだけど、サックスとかが埋もれる。ゼンハイザーはバランスがいい。どの音域もそれなりに歯切れがいいので、聞きやすい。スネアがいい感じ。AjaよりはGauchoのほうが映える感じで、Hey nineteenとかはかなりいい。やっぱりGauchoっていろいろ異質で、ものすごいミネラルたっぷり硬水を飲んでいる感じ。
教えてくれたお兄さんがゼンハイザー信者を���称していたので、ゼンハイザーにした。お兄さんはどんな音楽聞くんですか、と聞いたら、まあなんでもですね、実は音大出身なんですよ、とかなんとか。ニット帽にダボダボのカーゴパンツで、いかにもスケボーやってますという感じなんだけど、ニット帽から耳が申し訳なさそうに半分ぐらい出ていてかわいい。で、新品が売り切れていて、状態のいい中古があると言われたのでそっちにした。定価は21000ぐらいだけど、中古で13900で買えた。エントリーモデルでこんなものなら安い。いい買い物した。
AORとかクロスオーバーとかフュージョンとかブルー・アイド・ソウルとかソフトロックとかとかジャンルはなんでもいいけど、ドゥービー・ブラザーズとかボズ・スキャッグスとかこのへんがいいなと思うのは父親の影響かもなと思ったりする。父親はあんまりロックロックしたものを聞かないから、僕もそうならなかったんだと思う。父親は高中正義とかプリズムとかそのへんのライブによく行ってたらしい。基本的にスムースなものが好きなんだと思う。
80年代周辺のスタジオミュージシャンから有名になったアーティストって、結構スティーリーダンに参加してたりして、すごかったんだなとおもう。ラリーカールトンのRoom335とか、Pegのコードを借りているし、というのはSong to soulという番組でやってたのをそのまま引用。
おじさんくさい趣味と言われそうだけど、若者に向けた音楽というのはどこか聞きづらさがあって、ずっと逃げてきた。あまり青春とか昨今のSNS疲れとかそういうのに同一化できない部分がある。うつを主題にする、というのも共感しずらいし、ヒップホップのワルさチキンレースみたいなのもあまりよくわからない。職人的なものには共感する。職人的なアイロニーというのはいい。でも、一生懸命それらを聞こうとしてる。まだ22歳なのかもう22歳なのかはよく分からないけど。シティポップは全然嫌いじゃない。ソウルフルな方が好き。シティポップを素直にいいと言ってるのはダサいと思うから、もうそれは逆張り族の宿命ということで。
とにかく最初に偏見をもっていろいろ聴く人間だから、あまり量を聞くことに向いていない。読書もそう。その分偏見を裏切られた時の学びはものすごく大きいけど。なにごとも偏見が先にある。生まれるよりも先に偏見だけ持っていたんだと思う。人を信頼しないというより、とにかく偏見をもって人と接するということなんだと思う。
ティーンに向けた曲、というのを聞いてこなかった、のかしら。銀魂のOPはずっと聞いてた。これはハイティーン向けか。うーん、あと、ポケモンのBGMとか聞いてた。これは小学生向けだ。結局ちゃんと聞いてたのはノーナ・リーヴスだし、音楽遍歴にはあまり一般性がない。ファンクとかR&Bとか、どち��かというとブラックミュージックの系譜があるのはそうだとおもう。あ、でもボカロは聞いてた。カゲプロとか好きだったな。うーん、アニソンは聞いてた。これはティーン向けなのか……?ティーン向けか。
いい買い物をした。(さっそくゼンハイザーでGauchoを聞きながら)
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なんとなく、着の身着のままで外に出て薬局に行った。
薬局で僕が買った商品は一つしかなかった。レジ袋を省略するのは薬局でもそうで、その少ない商品を見て店員さんは袋の必要の有無を聞くことすらしなかった。マスクのたくさん入った少し大きめの箱だったにも関わらずだ。僕はその目立つ箱を手につかんだまま薬局を出て家路へと急いだ。
風が強かった、花粉が舞っていそうだ。
なんとなく目の前にヴェールがかかったようであり、春らしい眠さを感じているのだと思った。多分、春は花粉が多く飛んでおり、それによって横になることで鼻が詰まりやすく、日本人全体の睡眠の質が落ちる、それが春眠暁を覚えずの由来なのではないか、と、そんな空想をしながら、この眠気をどうにかしたいと思った。
そこにコーヒーのチェーン店があった。
コーヒーには御存知の通りカフェインが含まれており、若い頃にはその効果をあまり感じなかったが、最近その恩恵と害を強く感じるようになった。しかし今この瞬間のこの自分の体調には必要なのだと、そういう確信があった。それで、最小の一杯を飲むことにした。
レジの人はとても「にこやか」で、そのにこやかさをアイデンティティにしているようなそんな皺が目元に備わっており、僕はその人が若い頃に「あなたの笑顔はとても素敵ね」と言われているところを想像した。その人に一番小さく、そして大きさに伴った値段のコーヒーを頼むと、にこやかにお会計の手段を聞かれ、いつもの電子決済サービスを告げ、コーヒーを受け取って、砂糖を取り、植物性油脂のポーションを取り、そして席を探した。
レジから窓際へと店をぐるり、右から左へと見渡した。店は程よく混んでいたが、窓際の席がずらりとあいている。どこかの一団の客が陣取り、そして去っていったあとなのかなと思った。コロナよけのシールドとシールドの間にコーヒーを慎重に、マスクの箱を乱暴に置き席についてすぐに気づいた。その日当たりのとても良い席はただ単に暑かったのだ。上着を脱ぎたかったが・・・上着を脱ぐとその下に着ていた長袖のタートルネックのシャツはなんとなく肌着みたいに見えるような気がした。なぜか?少し僕には袖が短いからだ。着の身着のままで出てきたことを後悔したが、別に日陰の席に移ればそれで済むことだった。
そこでふと友達が「田舎ではスーツなんかだれも着ない」という話をしていたことを思い出し、田舎で暮らしてたらこんな事気にする人はいないんだろうな、となんとなく想像し、そして、いや、田舎は周りみんなが知り合いである可能性が高くてむしろそんな格好できないのかなとか、なんかややこしいことを考えた。田舎では多分、そのスーツ以外の服にも細かくチェックが入り・・・Tシャツだって肌着だ、長袖Tみたいなものでは?いや、これはババシャツならぬ、ジジシャツだ!
窓から見える向かいの木がまだ裸で寒々しかった、あの木にはいずれ綺麗な花が咲く事を知っている。そして空は春の青さがあったし、日差しもその気配を十分感じた。
僕はジジシャツを隠すために日陰の席に移り、コーヒーを飲み始めた。薄いコーヒーだ、いや違う、いつも飲んでいるコーヒーが濃いのだ。もう本当に味覚がだめになってしまったのかな、いや亜鉛を摂れよ、などということを思いながらコーヒーを飲んだ。砂糖は一つ、ミルクは入れる。コーヒーに砂糖を入れずに人工甘味料を入れる人は、そのカロリーを知っているのかな、とか、ブラウンシュガーをありがたがって選ぶ人もいるけど、ブラウンシュガーって精製された純粋な糖に、サトウキビの茎、虫の死骸、ゴミ、そういうものでできたもので、確かにキビとかの風味が少しあるけど、コーヒーに入れてもわかるのかな・・・みたいな意地悪なことを思った。
それでふと左に見える鏡を見ると・・・ひどい格好だった。外に出ちゃいけない格好だなと思った。それは自分の存在を空気みたいに感じている証拠だ。髪型も少し変で・・・明後日もう少し短めにしてもらおう。誰も自分を見ていないだろう、そういう気持ちでないとできない格好だった。髭も剃ってない。しかし、右の方にある鏡を見たら少しまともだった。つまり、左側の髪型が・・・おかしいことは確かだった。だから右端の席に座っちゃだめなんだよ・・・左側は日ナタでジジシャツだけど。
こんな服装は本当に良くないと思った、上着を脱げないし。そういうことがあったその服は一式まるごと捨てたくなる。でもそれはやめろと自分に対して思った。そうして捨てられる服は確率的によく着ている服で便利な服であることが多いからだ。捨てるならあの青紫のキラキラした金属片の入ったふわふわのニットだろ?着たか?などと思った。
ま、バカバカしいな。この店内にいる誰かに気に入られたいか?この店内にいるどんな女性とでも結婚できるとして、外見的に誰としたい?あたりを見回す、誰も、全然だ。とここまで思って、バカじゃない?何様のつもりだよ!と自戒して、じゃぁ、やっぱり服を気にするべきなの?みたいなことを考えて、髪を少し手で触って整えたような気になって、���カバカしくてそれについて考えるのをやめることにした。
コーヒーを飲みながら「人はなぜ自殺するのか」の続きを読む。詩的な部分で・・・僕はなんとなくミッドサマーの最初の方で死ぬお姉さんのことを思い出した。この本の話はまた別の機会に。
コーヒーを飲み終わって外に出た。風はまだ冷たかった。コーヒーの効果を感じながら歩いた。
家に帰ってきて、外に出る用事も特になかったが服を着替え、鏡の前に立ち、メガネをクイッとして、それからその日の仕事をした。
僕は本当にややこしいことを毎秒置きに考えて生きているが、人間そんなもんだと思っている。
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2022年に京都に見に行ったブライアン・イーノの77 Millionは2006年にラフォーレ原宿に見に行ったものの最新作だった。
2006年、ラフォーレのミュージアムにまだブラウン管のモニタが積まれていて、音楽を聴きながら目を閉じて開けるとふんわりと映像が変わって、見つめたままでも見ていなくてもいつまでもそこにいられた感覚を今でも覚えている。
2022年の夏に新幹線に乗って、私の嫌いな政治家が銃撃されたニュースを後ろの座席の人たちの会話から知り、そのニュースをあまり見ないで美術館やお寺でぼんやりとしていられることを良かったと思った。
2022年夏のブライアン・イーノは音響がもっと良くなっていて、人がごろごろ転がっていて、ソファに溶けて時間を忘れるような場所だった。
※
2009年の国立新美術で見た野口里佳さんの写真は光に満ちていて、変な鳥がいて、ふんわりと心が遠くへ行ったのを覚えている。
2022年の都写美で見た写真も、映像も、世界の秘密をこっそり耳打ちして��れるような楽しさがあった。まだ撮りたいものに満ちている世界。
※
2004年に青山で川内倫子さんの写真を見た。「AILA」に収められている写真は徹夜明けの頭に真っ直ぐに届いて、たかれたフラッシュが艶やかな命を吹き込んでくれた。
2022年にオペラシティで見たM/Eでの光はおだやかで、展示空間のつくりがドラマティックだった。
※
2009年に鶴岡八幡宮そばの神奈川県近代美術館 鎌倉で見た内藤礼さんの「すべて動物は 世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」は、既に古くなっていた建物にそっと豆電球を灯し、布を置き、赤ちゃんの両足を地上に下ろした大きさの白い薄い紙が積まれ、風が吹くとテグスが揺れていた。池のほとりの欄干に水が満たされている。
2023年の葉山の海のそばで、またニコニコしたイサムノグチの彫刻と出会い、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」を見た。
2009年にはまだ登場していなかった、小さな白いニット帽。その子のためにあるような小さい部屋は、私たちが展示室に入ってきた細長い入り口と大きな窓が同じ形でミニチュアになっている。
天井から吊るされたテグスには透明なビーズが連なり、海の上の太陽が細く照らしている。
人が静かに歩くと薄く白い風船が揺れ、イサムノグチに似たニコニコしたボタンが2つ、壁で微笑んでいる。窓からの光を鏡が受けて、照らし返す。窓辺のガラス瓶は曲面になるほどの水で満たされている。空が光に満ちていて、海が照らし返すようにずっと満ち満ちていている。
ちいさなものがポツンポツンと置かれ、それを見つめようとする私たちもゆっくりとそっと動く。雲と太陽の傾きで部屋の色が変わるのがわかる。
私たちがまだ生きていて、作家もまだ生きていて、同じ光を見つめるために作られた場所。
何年も前から好きなもののことをまだ好きで、作家それぞれの人もまだ生きていて、まだ私も生き延びていて、じっと見つめたり耳を澄ませたりし続けている。
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【日記】
一気に寒くなった。 暖かさに惑わされ咲いてしまった河津桜がなんだかいじらしい。ようやく背中を押されて服の入れ替えをする。といっても、持ち服が少ないので、奥の冬物と手前の夏物を入れ替えるだけですが笑。Tシャツからいきなりニットだ。
・
ここしばらく作業中BGMは、午前中メンデルスゾーン、午後はミセス、と��うちぐはぐな感じ笑。メンデルスゾーンは、訳あって個人的にちょっと憶えなきゃならない曲があるため。まっこんとハナが寄って来てにゃあにゃあ鳴く。波長に何か感じるのかな? 弦も、声も?
・
"えっさかほいさ 猫にバイオリン 牝牛が月を飛び越えた 仔犬がそれ見て大笑い お皿はスプーンとかけおちしたのさ"
だったかな ちょっとうろ憶えだけど…
"ミルクよバターになーあっとくれ はやくーバターになっとくれーー ピーター待ってる門のそば ピーター待ってるバターケーキをー♪"
母が長年やっている合唱団で そんなのを歌っていたこともあったっけ。 マザーグース訳詩が 思い出と絡んで印象に残っている。 谷川俊太郎さん、 ついに惜別か…
今から10年ほど前、辻征夫さんの詩がらみのお仕事をさせて頂いたおりに、葉月ホールハウスのトークイベントを始め、シマウマ書房さんや詩人の八木幹夫さんを介して二度ほどお会いしたことがある。ある時は、東京の下町の昔ながらの食堂で。ふつうに電車で来られた。大変小柄で、庶民的な雰囲気もありながら、佇まいはしゅっとして上品で、第一印象はなぜか、無着・世親の、無着像。貴重な、ありがたい接点でした。
・
子どもの頃家にあった『いちねんせい』『ことばあそびうた』『わらべうた』『これはのみのぴこ』… 母が若い頃、ぽえむぱろうるという店で買った、南桂子装画の初版詩集『うつむく青年』、私が書店員時代に社割で買った『あさ』、友人知人から頂いた訳詩集色々、最近の絵本『ぼく』… 絵本的なものが多いけど、ちょこちょこ手元に。
とりたてて、深く読み込んだことはない。でも思い返してみれば、いつも身近にさりげなく在って、ふとした瞬間よみがえったり、日常に寄り添ってくれるようなことば。小難しいことは言わず、ご機嫌とらずに済む(笑)詩の世界で、ことばっていいな面白いな、と思わせてくれる、唯一無二の方だった、のかもしれない。
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ボーダー柄ニットセーターなど追加
ご来店お買い物ありがとうございます^ ^
本日も13時〜20時までの営業
体調が優れない方はご来店をお控えください
本日はボーダー柄ニットセーターなど
追加しておりますので、ご紹介☆
AMERICAN EAGLE OUTFITTERS
中国製
赤×グレーカラーのマルチ幅で濃淡などオシャレなボーダー柄ビッグサイズのニットセーター
女性や小柄な男性がゆるりと着ても良い感じ
メンズXXLサイズ
是非♪♪
CISON
国内モノ
白×紫×黒カラーの印象的な配色が目をひくマルチ幅ボーダー柄が素敵なニットセーター
アクリルとウール混合のニット
メンズMサイズくらい
是非♪♪
LORD ALBERT
国内モノ
グレー×茶色×青色カラーが間違いないマルチ幅のボーダー柄ヘンリーネックニットセーター
アメカジなボトムに良く合うかと
メンズMサイズ
是非♪♪
「〜Monkey Minds 3rd Anniversary〜猿会」
DAY1 / 11月15日(金)21時OPEN 音溶にて
Special Guest DJ /
CONOMARK
DJ /
ISHII (猿会/KUHKAN)
GEEEE (福中屋records)
katsho
HODAKA (猿会/Pabulo)
decoration /
PYON
wine /
麻とき
photo /
陽暉
DAY2 / 11月16日(土)21時OPEN 音溶にて
Special Guest DJ /
African Acid Is The Future (Berlin)
DJ /
Neo
Kodai
Kono Gen
MU
decoration /
PYON
wine /
麻とき
photo /
陽暉
bar de espa ña Cntral と PePPs on the table でも関連イベントとしてfoodやshopの出店あり
お時間ご都合の合う方、是非♪♪
それでは本日も元気に営業致します
よろにくです^ ^
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可愛いの足し算 - BANSAN "Waffle Jersey Wave Line Skirt"
こんばんは。
・
ついさっき、外に出てみると、18時前だと言うのにすっかり辺りは薄暗くなり、ひんやりとした冷気に思わず肩をすくめてしまった。
先日のニュースでは、今日から気温がグッと下がるなんて伝えるから、朝から張り切ってレザージャケットを羽織ってみた。
店を出る頃は、ファスナーを上げて、秋の冷気を感じながら帰るのだろう。
ちょっと遠回りをして、秋の空気を楽しんで帰りたいものだ。
・
さて、本題の前にまずは明日からの営業予定のお知らせだ。
【10/21(月) 〜 10/27(日) 営業予定】
10/21 (月) 15:00〜20:00 ※
10/22 (火) 15:00〜20:00 ※
10/23 (水) お休み
10/24 (木) 13:00〜20:00
10/25 (金) お休み ※
10/26 (土) 13:00〜20:00
10/27 (日) 13:00〜20:00
※ 10/21(月)と10/22(火)は15時からの営業となります。
※ 10/25(金)は出張のためお休みを頂きます。
それでは本題へ。
今日は、"BANSAN"から届いたスカートをピックさせてもらえればと思っている。
・
僕が今季の"BANSAN"に感じた印象。
一言で言うなら”懐かしい”。
これから入荷予定のニットカーディガンなんて、特に懐かしさを感じてしまうようなアイテムだったりするのだけど、紹介するスカートやその他のアイテムからも”懐かしさ”を感じることができた。
・
どんな部分に懐かしさを感じたのか。
そして、どんな魅力があるのか。
そちらをお伝えさせてもらえればと思っている。
BANSAN : Waffle Jersey Wave Line Skirt (BLUE) ¥29,700 (tax in) sold out
BANSAN : Waffle Jersey Wave Line Skirt (BLACK) ¥29,700 (tax in)
BANSAN : Waffle Jersey Wave Line Skirt (BEIGE) ¥29,700 (tax in)
波打つテープ。
オリジナルモチーフがプリントされた素材の切り替え。
遊びに満ちているけど、装いにも取り入れやすい。
そんなイチオシのスカートになる。
・
ベースはワッフル素材と呼ばれる素材を用いており、心地よいし、ストレスを感じさせない素材だ。
僕のイメージだけど、ワッフル素材って結構カジュアルな印象を与えがちだ。
確かにこのスカートも、部分的に切り取るとカジュアルな一面も感じられるのだけど、その他のデザインと出会うことで、可愛いが優る。
つまり、心地が良く、ラフな素材なのに、可愛い。
だから気持ちよく着用ができる、特別な1着になるのだ。
左右2本づつ。
合計4本の縦に施された波打つテープ。
・
ワッフル素材のみになってしまうと、カジュアルさが優り、少しやぼったい印象になってしまいそうだが、こういったちょっと癖のあるテープを配置することで、可愛らしい雰囲気を楽しんでいただける。
一方、裾は"BANSAN"を象徴するオリジナルモチーフをプリントした素材に切り替えられている。
軽やかな素材を使うことで、スカートの見た目もフワリとしたような、軽やかな印象を与えてくれる。
また、個人的に素敵だなぁなんて思うことは、ただオリジナルモチーフをプリントしただけではなくて、色味のグラデーションやチェック柄も取り入れることで、柄に柄、柄に色など、一層注目を集めるようなインパクトも楽しんでいただける。
・
スカートを主役にしたような装いはもちろんだけど、着丈の長い羽織やコート、ワンピースの裾からちらっと見せるような合わせ方をしても、しっかりと存在感を放つ1着だ。
他のアイテムをシンプルにしても、スカートのおかげで装いを楽しめる。
そんな1着になるのだ。
さて、今月頭に当店は9年目に入った。
気がつけばあっという間のことで、今でもたかだか5年前くらいのように感じる。
"BANSAN"との出会いは、お店を始める前に遡る。
何となく、ネットでいろんなブランドをスクロールしながら眺めていると、パッと目を引くブランドがあった。
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強烈な柄。
大胆な刺繍ワーク。
印象的なニット。
オリエントなムードが漂う雰囲気。
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最近"BANSAN"を知ったという方からすると、ちょっとイメージがつかないくらいに強烈なインパクトを残すブランドで、思わずその画像をクリックし、じっくりと眺めたことを思い出す。
その数ヶ月後、東京のとある大きな展示会に足を運んだ日のこと。
予定も終わったので、帰ろうかなんて思って出口へ向かって歩いていると、パッと目に飛び込んできたブランドがあった。
それが"BANSAN"だ。
「あっ。この間見たやつ。」
数百も参加するような大きな展示会で、まさか出会うことができるとは思ってもいなかった。
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まあ、つまり、僕は"BANSAN"というブランドと縁があったのだろう。
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9年という月日の流れの中で、変化ももちろんあったと思う。
とはいえ、この間、ずっと変わらず、着用した時にクスッとなるような仕掛けがあったり、装った時に気持ちを高めてくれるようなデザインがあったり。
根本的な部分は変わっていない。
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でも、今シーズンは、僕の中で、そんな出会った頃の"BANSAN"に近いような、印象を受けたシーズンだ。
そして、このスカートにも確かにそれは感じられる。
織柄にプリントに刺繍。
とにかく、盛りに盛ったようなアイテムも多かった。
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デザインは引き算も大切だ。
確かにそれも理解はできる。
とはいえ、そんな引き算なんて知ったことかと言わんばかりに、色んな仕掛けを1着に施して、楽しい気持ちにさせてくれる。
そして、それが目に見える部分に配されていたのだ。
その潔さに清々しさを感じ、装う喜びであったり、楽しさを存分に感じることができる。
今思うと、僕が惹きつけられたのは、そんな部分だったのかもしれない。
癖のある、でも可愛らしい波打つテープ。
柄に柄を重ね、さらに色のグラデーションまでつけたプリント柄。
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このスカートには、そんな"BANSAN"の可愛いが、足し算のように積み重なり、そして、それは足し算で得られる「和」を超えた仕上がりになった1着なのだ。
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今から半年前。
桜も散り、街の木々が徐々に青くなり始めた頃に、今シーズンの展示会にお邪魔した。
展示会で服を見ながら、お話を伺っていると、「可愛いに素直になれた」というお話をしてくれた。
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店頭に届いたスカートを眺めながら、このスカートの魅力や可愛いをどう伝えようか。
そんなことを考えていると、その時の言葉が頭をよぎった。
「可愛い」を素直に足すことで生まれた1着。
そんなスカートを装いに取り入れて、楽しい気持ちで一日を過ごしてもらえると嬉しく思う。
それでは次回もお楽しみに。
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あののANN0 2023.10.10
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でさ、ano は、何気なく、そんな、猫🐱の、耳つき、ニット帽を、かぶってたと、思うんだけどさ、これはさ、つまり、アヤメ期🐱の、到来を、予測というか、示唆【しさ】してたと、思うんだよ。
そういやさ、俺が、東横線の、祐天寺と、学芸大学の、ちょうど、中間地点にある、世田谷区下馬の、ギリマンションに、俺と、元嫁ヘレンは、一緒に、住んでたんだよ。オレンジ🟠色の、建物の、一応は、マンションなんだよ。でさ、ある日、ヘレンと、一緒に、祐天寺駅の、近くを、二人で、歩いてたらさ、リヤカーひいて、豆腐を、売ってる、痩せて、背の高い、青年がさ、豆腐を、売ってたんだよ。リヤカーに、積んで。でさ、その青年に、ヘレンは、俺の隣で、恋心を、抱いたことがさ、その、ヘレンの、豆腐屋を、みてる目つきで、あと、その時の、ヘレンの、リアクションみて、わかったんだよ。俺は。でさ、今、なんで、この記事を、書こうと、思ったきっかけはさ、そのときさ、その青年、笛を吹きながら、豆腐の、詰まった、リヤカーを、ひいてたんだよ。で、たった今さ、その時の、笛の音色が、聴こえたからなんだよ。今、俺、家に、いるんだけど。
で、そう、その、祐天寺駅近くで、笛吹きながら、豆腐を、リヤカーで、引いてた青年はさ、幽靈ということが、さっき、わかったからなんだよ。で、うちの、今年、亡くなった、母親♿の、実家はさ、個人経営の、豆腐屋の、娘、なんだよ。
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「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」展
大阪市立東洋陶磁美術館で、リニューアルオープン記念特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」を見る。惹句にあるように“オールスター・珠玉の約380件(国宝2件、重要文化財13件含む)”が揃った、なんとも贅沢な特別展である。全面的に撮影可能。無料のアプリをダウンロードすれば音声ガイドも聞ける(書き起こしもあって文字でも読める)。
また、美術館の公式サイトでは収蔵品画像オープンデータが公開されており、この展覧会に出品されている作品も参照することができる。さらに、公開されている画像は“当館への申請が必要なく、自由にダウンロード、複製、再配布することができます。例えば出版物やウェブサイトへの掲載、講演会等でのスクリーンへの投影、テレビ番組での放送、販売商品への印刷など、営利・非営利に関わらず利用が可能です”とのこと。でも、公式画像は美しいけれども展覧会の臨場感(?)が出ないので、いつもどおり自分で撮ったしょぼいスマホ写真を載せることにする。
展示は全部で13のパートに分かれており、それぞれに格好良さげなタイトルがついている。
1 「天下無敵(てんかむてき)-ザ・ベストMOCOコレクション」
この展示室では陶磁器と六田知弘の写真作品《壁の記憶》との取り合わせが楽しめる。《壁の記憶》は写真家が世界各地で撮った壁の写真のシリーズのようである。展示風景はたとえばこんな感じ。
このようにコーディネートされており、意外性もあってなかなかよかった。上の赤い写真作品の壁はベネチア(イタリア)、下の白っぽいのはサンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)。
展示室から展示室へと移動する途中に特別あつらえらしい展示ケースがあり、国宝の油滴天目が鎮座していた。たしかに美しいが、正直なところ自分の好みではあまりなく、油滴天目なら以前別の美術館で見た別のもの(もっと油滴が細かくて繊細に光る感じ)のほうが好みだったなあと思い出すなどした。
2 「翡色幽玄(ひしょくゆうげん)-安宅コレクション韓国陶磁」
青磁好きにはたまらない展示室。あれもこれも全部青磁、もちろんクオリティも高い。
3 「粉青尚白(ふんせいしょうはく)-安宅コレクション韓国陶磁」
下の写真の3点は日本では三島とか三島手と呼ばれるタイプの焼き物。三島は朝鮮半島製のほうが日本のより圧倒的に良い出来で、とても好き。
そして次の3点は粉引の瓶。日本の茶人などの間で好まれたタイプで、たしかに良い風情である。
4 「清廉美白(せいれんびはく)-安宅コレクション韓国陶磁」
《青花 草花文 面取瓶》。日本では「秋草手」と呼ばれる文様。面取の具合も文様も端正で美しい。
《白磁 角杯》。遊牧民族が酒などを飲むのに用いていた角の形の杯を模したもの。王室用の白磁らしく、品がある。
ロビーの展示ケースにあった、ルーシー・リー《青ニット線文鉢》。
これもロビーにあった、《青花 虎鵲文 壺》。18世紀後半、朝鮮時代の作。ここに描かれた虎が美術館のキャラクターに採用されて「mocoちゃん」と呼ばれることになった。MOCOは美術館の英語名の略である。
6 「優艶質朴(ゆうえんしつぼく)-李秉昌コレクション韓国陶磁」
《青磁象嵌 雲鶴文 椀》。象嵌技法にすぐれた一品。釉薬の貫入がまったくないのも特徴。
《白磁鉄地 壺》。下半分はちょっと見には焼き締めのようだがそうではなく、鉄絵具を塗ったもの。16世紀朝鮮時代の作だが不思議と現代的に見え、たとえば「ルーシー・リー(あるいは誰か他の現代の陶芸家)の作品だよ」などと言われたらつい信じてしまいそうである。無理を承知で言うならこれはうちにも欲しい。
6 「陶魂無比(とうこんむひ)-日本陶磁コレクション」
中国や朝鮮半島の優品を見てしまうと、日本の焼き物は正直かなり見劣りしてしまう。悪くないものはあるのだが、ほうっと溜め息をついたりつくづく感心しながら眺めるようなものはなかなかない(好みの問題かもしれないが)。そんな中で自分の目に留まったのはこれ。料理が映えそうなデザインで、実際に使ってみたいと思った。
7 「陶花爛漫(とうからんまん)-李秉昌コレクション中国陶磁」
このパートに展示してある作品は、古いものだと新石器時代ごろまで遡る。中国文明の先進ぶりを目の当たりにして恐れ入る。この下の美しい白磁の杯も、さすがに紀元前とまではいかないが隋の時代(7世紀)の作。高台に釉薬が溜まって緑がかって見えるのもチャームポイント。
8 「喜土愛楽(きどあいらく)-現代陶芸コレクション」
現代の作家の作品がロビーにいくつか並んでいた。下の写真は金子潤《2フィート・トール・ダンゴ》。ガラス張りのロビーだが、作品の背後には薄手のシェードが掛けてあった。
9 「明器幽遠(めいきゆうえん)-安宅コレクション中国陶磁」
MOCOのヴィーナスこと《加彩 婦女俑》。自分がお目にかかるのはこれで2度目である。360度回転する展示台にお乗りあそばされている。
こんなふうに回っておられる。
後ろ姿のなんと優美なことか。
《黒釉刻花 牡丹文 梅瓶》。白化粧をした上に黒釉をかけ、黒釉を削り落として文様を表現する技法(掻落し)で作られたもの。掻落しで自分の好みに合うものはあまり多くないのだが、これは堂々とした存在感でひときわ目を引いた。
《木葉天目 茶碗》。本物の木の葉(桑の枯葉)を焼き付けて作られた天目茶碗。加賀藩前田家伝来とのこと。
10 「天青無窮(てんせいむきゅう)-安宅コレクション中国陶磁」
点数は少ないが、うっとり眺めてしまうようなものばかり集めた特別な室。
《青磁 水仙盆》。これは以前この美術館を訪れた際にも見たので、またお会いできましたねと声をかけたくなった。宋の時代に宮廷用の青磁を生産していた汝窯の逸品。美しいが、これよりもっと素晴らしいのがこの世に存在している(台湾の故宮博物院が持っている)というのもまたすごい。
国宝《飛青磁 花生》。自分のスマホ写真では到底うまく色を再現できないのが残念。
この特別な展示室では自然光による採光がなされているのが大きなポイント。青磁の微妙な色合いをよく見ることができるとされる。
11 「皇帝万歳(こうていばんざい)-安宅コレクション中国陶磁」
中国の皇帝の身辺を彩るにふさわしい、文様が華やかだったり色鮮やかだったりする作品の多い室。
《釉裏紅 牡丹文 盤》。銅顔料が使われており、たまたま中央部の牡丹の花のところだけ赤っぽく濃いめに発色したというのがおもしろい。
抹茶色が特徴的な《茶葉末釉 双耳方形瓶》。茶葉末釉は個人的にそれほど好きな色ではないのだが、これはとても出来が良いように見えて印象に残った。
12 「百鼻繚乱(ひゃくびりょうらん)-沖正一郎コレクション鼻煙壺」
いわゆる嗅ぎタバコ入れが勢ぞろい。下の写真はほんの一部である。
この虫づくしのはどこか現代的な感じがする。とてもいい。虫好きな人がこぞって欲しがるのではないか。自分も欲しい。
13 「泥土不滅(でいどふめつ)-現代陶芸コレクション」
現代の陶芸作家の作品がいくつか展示されていた。これは星野曉《表層・深層》。
併設のカフェには「陶片クッキー」なるメニューがある。これは注文せざるを得ない。作家がひとつずつ彩色(アイシング)を施しているというから凝っている。ふたつとも涼しげな色合いなのは、もしかして夏だから? 海や水辺をイメージしたとか? 別の季節にも行ってクッキーの色合いを確かめてみたい。なお、味のほうはいまいち口��合わなかった……惜しい。
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