#錦帯橋花火大会
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山口県錦帯橋で船上花火大会を楽しむ!
船上なので花火撮影ができませんが、美味しいお酒と料理を食べているのでカメラを触る余裕はありませんよね。
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めっちゃ近い打ち上げやった #花火 #花火大会 #打上花火 #錦帯橋 #錦帯橋花火大会 #岩国 #山口 #꽃불 #꽃불대회 #일본 #야마구치 #이와쿠니 #긴타이쿄 (錦帯橋) https://www.instagram.com/p/B0tFEkGgQr9/?igshid=1v0myhjmuy25m
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パパとママとぼく♡ はるくん、とーっても上手に髪切れたね♡ฅ(・ω・ฅ) パパもさらにカッコよく👨なりました🌟 ママも来週おまちしてます(*´罒`*) #見つめ合う2人👩❤️💋👩 今日は #錦帯橋花火大会 ご予約は電話またはLINEから→ 0827-28-6727 LINE🆔mughairで検索▷友達追加 #岩国市 #美容院 #美容室 #山口県 #MUGhair #mughair #マグヘアー #マツエク #eyelash #まつげエクステ #hairsalon #まつ毛 #もってけ #ヘアサロン (MUGhair)
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ざこば・鶴瓶らくごのご お題一覧 1992年 1 過労死・つくし・小錦の脂肪 2 一年生・時短・ニューハーフ 3 レントゲン・混浴・アニマル 4 ゴールデンウイーク・JFK・セクハラ 5 暴走族・かさぶた・バーコード 6 タイガース・母の日・入れ墨 7 目借り時・風呂桶・よだれ 8 しびれ・歯抜け・未婚の娘 9 ヘルニア・目ばちこ・フォークボール 10 造幣局・社員割引・オリンピック 11 父の日・猥褻・丁髷 12 ピエロ・ナメクジ・深爪 13 ミスユニバース・特許・虫さされ 14 魔法使いサリー・祇園祭・円形脱毛症 15 サザエさん・ジャンケン・バーゲンセール 16 ト音記号・北方領土・干瓢 17 妊婦体操・蚊帳・ビヤガーデン 18 身代わり・車だん吉・プラネタリウム 19 床づれ・追っかけ・男の涙 20 海月・肩パット・鶏冠 21 放送禁止用語・お年寄り・ピンポンパン 22 おかま・芋掘り・大人げない 23 復活・憧れ・食い逃げ 24 蒲鉾・風は旅人・半尻 25 泉ピン子・ヘルメット・クリーニング 26 美人姉妹・河童・合格 27 スカート捲り・ケツカッチン・秋の虫 28 チンパンジー・フォークダンス・いなりずし 29 稲刈り・小麦粉・フランス人 30 日本シリーズ・鶴瓶・落葉 31 クロスカウンター・学園祭・タクシー 32 付け睫毛・褌ペアー誕生・ツアーコンダクター 33 泣きみそ・ボーナス一括払い・ぎゅうぎゅう詰め 34 静電気・孝行娘・ホノルルマラソン 35 暴れん坊将軍・モスラ・久留米餅 1993年 36 栗きんとん・鶴・朝丸 37 成人式・ヤクルトミルミル・まんまんちゃんあん 38 夫婦善哉・歯磨き粉・夜更かし 39 金の鯱・オーディション・チャリティーオークション 40 ひ孫・いかりや��介・掃除機 41 北京原人・お味噌汁・雪祭り 42 視力検査・フレアースカート・美術館めぐり 43 矢鴨・植毛・うまいもんはうまい 44 卒業式・美人・転た寝 45 らくごのご・浅蜊の酒蒸し・ハットリ君 46 コレラ・さぶいぼ・お花見 47 パンツ泥棒・オキシドール・上岡龍太郎 48 番台・ボランティア・健忘症 49 長嶋監督・割引債・厄年 50 指パッチン・葉桜・ポールマッカートニー 51 同級生・竹輪・ホモ 52 破れた靴下・海上コンテナ・日本庭園 53 シルバーシート・十二単衣・筍 54 ぶんぷく茶釜・結納・横山ノック 55 睡眠不足・紫陽花・厄介者 56 平成教育委員会・有給休暇・馬耳東風 57 生欠伸・枕・短気は損気 58 雨蛙・脱税・右肩脱臼 59 鮪・教育実習・嘘つき 60 天の川・女子短期大学・冷やし中華 61 東京特許許可局・落雷・蚊とり線香 62 真夜中の屁・プロポーズ・水戸黄門諸国漫遊 63 五条坂陶器祭・空中庭園・雷 64 目玉親父・恐竜・熱帯夜 65 深夜徘徊・パンツ・宮参り 66 美少女戦士セーラームーン・盆踊り・素麺つゆ 67 水浴び・丸坊主・早口言葉 68 桃栗三年柿八年・中耳炎・網タイツ 69 釣瓶落とし・サゲ・一卵性双生児 70 台風の目・幸・ラグビー 71 年下の男の子・宝くじ・松茸狩り 72 関西弁・肉まんあんまん・盗塁王 73 新婚初夜・サボテン・高みの見物 74 パナコランで肩こらん・秋鯖・知恵 75 禁煙・お茶どすがな・銀幕 76 ラクロス・姥捨山・就職浪人 77 掛軸・瀬戸大橋・二回目 78 海外留学・逆児・マスターズトーナメント 79 バットマン・戴帽式・フライングスポーツシューター 80 法螺貝・コロッケ・ウルグアイラウンド 81 明治大正昭和平成・武士道・チゲ鍋 1994年 82 アイルトンセナ・正月特番・蟹鋤 83 豚キムチ・過疎対策・安物買いの銭失い 84 合格祈願・パーソナルコンピューター・年女 85 一途・血便・太鼓橋 86 告白・ラ��メン定食・鬼は外、福は内 87 カラー軍手・放火・卸売市場 88 パピヨン・所得税減税・幕間 89 二十四・Jリーグ・大雪 90 動物苛め・下市温泉秋津荘・ボンタンアメ 91 雪見酒・アメダス・六十歳 92 座蒲団・蛸焼・引越し 93 米寿の祝・外人さん・コチョコチョ 94 談合・太極拳・花便り 95 猫の盛り・二日酔・タイ米 96 赤切符・キューピー・入社式 97 リストラ・龍神伝説・空巣 98 人間喞筒・版画・単身赴任 99 コッペン・定年退職・ハンドボール 100 百回記念・扇子・唐辛子 101 ビクターの手拭い・カーネーション・鉄腕アトム 102 自転車泥棒・見猿言わ猿聞か猿・トマト 103 紫陽花寺・豚骨スープ・阪神優勝 104 三角定規・黒帯・泥棒根性 105 横浜銀蝿・他人のふり・安産祈願 106 月下美人・フィラデルフィア・大山椒魚 107 鯨・親知らず・ピンクの蝿叩き 108 蛍狩・玉子丼・ウィンブルドン 109 西部劇・トップレス・レバー 110 流し素麺・目高の交尾・向日葵 111 河童の皿・コロンビア・内定通知 112 防災頭巾・電気按摩・双子 113 河内音頭・跡取り息子・蛸焼パーティ 114 骨髄バンク・銀杏並木・芋名月 115 秋桜・ぁ結婚式・電動の車椅子 116 運動会・松茸御飯・石焼芋 117 サンデーズサンのカキフライ・休日出勤・ウーパールーパー 118 浮石・カクテル・彼氏募集中 119 涙の解剖実習・就職難・釣瓶落し 120 ノーベル賞・めちゃ旨・台風1号 121 大草原・食い込みパンツ・歯科技工士 122 助けてドラえもん・米沢牛・寿貧乏 123 祭・借金・パンチ佐藤引退 124 山乃芋・泥鰌掬い・吊し柿 125 不合格通知・九州場所・ピラミッドパワー 126 紅葉渋滞・再チャレンジ・日本の伝統 127 臨時収入・邪魔者・大掃除 128 アラファト議長・正月映画封切り・ピンクのモーツァルト 1995年 129 御節・達磨ストーブ・再就職 130 晴着・新春シャンソンショー・瞼の母 131 家政婦・卒業論文・酔っ払い 132 姦し娘・如月・使い捨て��炉 133 立春・インドネシア・大正琴全国大会 134 卒業旅行・招待状・引っ手繰り 135 モンブラン・和製英語・和風吸血鬼 136 確定申告・侘助・青春時代 137 点字ブロック・新入社員・玉筋魚の新子 138 祭と女で三十年・櫻咲く・御神酒徳利 139 茶髪・緊張と緩和・来なかったお父さん 140 痔・恋女房・月の法善寺横丁 141 ひばり館・阿亀鸚哥・染み 142 初めてのチュー・豆御飯・鶴瓶の女たらし 143 アデランス・いてまえだへん(いてまえ打線)・クラス替え 144 長男の嫁・足痺れ・銅鑼焼 145 新知事・つるや食堂・南無阿弥陀仏 146 もぐりん・五月病・石楠花の花 147 音痴・赤いちゃんちゃんこ・野崎詣り 148 酒は百薬の長・お地蔵さん・可愛いベイビー 149 山菜取り・絶好調・ポラロイドカメラ 150 お父さんありがとう・舟歌・一日一善 151 出発進行・夢をかたちに・ピンセット 152 ホタテマン・深夜放送・FMラジオ 153 アトピッ子・結婚披露宴の二次会・おさげ 154 初産・紫陽花の花・川藤出さんかい 155 ビーチバレー・轆轤首・上方芸能 156 ワイキキデート・鹿煎餅・一家団欒 157 但空・高所恐怖症・合唱コンクール 158 中村監督・水着の跡・進め落語少年 159 通信教育・遠距離恋愛・ダイエット 160 華麗なる変身・遠赤ブレスレット・夏の火遊び 161 親子二代・垢擦り・筏下り 162 鮪漁船・新築祝・入れ歯 163 泣き虫、笑い虫・甚兵衛鮫・新妻参上 164 オペラ座の怪人・トルネード・ハイオクガソリン 165 小手面胴・裏のお婆ちゃん・ガングリオン 166 栗拾い・天国と地獄・芋雑炊 167 夜汽車・鳩饅頭・スシ食いねぇ! 168 長便所・大ファン・腓返り 169 美人勢揃い・雨戸・大江健三郎 170 親守・巻き舌・結婚おめでとう 171 乳首・ポン酢・ファッションショー 172 仮装パーティー・ぎっくり腰・夜更し 173 ギブス・当選発表・ちゃった祭 174 超氷河期・平等院・猪鹿蝶 175 コーラス・靴泥棒・胃拡張 176 誕生日・闘病生活・心機一転 177 毒蜘蛛・国際結婚・世間体 1996年 178 シナ婆ちゃん・有給休暇・免停 179 三姉妹・バリ・総辞職 180 家庭菜園・ピンクレディーメドレー・国家試験 181 ほっけ・欠陥商品・黒タイツ 182 内股・シャッターチャンス・金剛登山 183 嘘つき娘・再出発・神学部 184 金柑・恋の奴隷・ミッキーマウス 185 露天風呂・部員募集・ぞろ目 186 でんでん太鼓・ちゃんこ鍋・脳腫瘍 187 夢心地・旅の母・ペアウオッチ 188 (不明につき空欄) 189 福寿草・和気藹々・社交ダンス 190 奢り・貧乏・男便所 191 八十四歳・奥さんパワー・初心忘るべからず 192 お花見・無駄毛・プラチナ 193 粒揃い・高野山・十分の一 194 おぃ鬼太郎・シュークリーム・小室哲哉 195 くさい足・オリーブ・いやいや 196 ダイエットテープ・北京故宮展・細雪 197 若い季節・自動両替機・糞ころがし 198 おやじのパソコン・なみはや国体・紙婚式 199 降灰袋・ハンブルグ・乳首マッサージ 200 雪見酒・臭い足・貧乏・タイ米・コチョコチョ・雷・明治大正昭和平成・上岡龍太郎・お茶どすがな・トップレス(総集編、10題リレー落語) 201 夫婦喧嘩・川下り・取越し苦労 202 横綱・占い研究部・日本のへそ 203 マオカラー・海の日・息継ぎ 204 カモメール・モアイ・子供の事情 205 ありがとさん・文武両道・梅雨明け 206 団扇・ボーナス定期・芸の道 207 宅配・入道雲・草叢 208 回転木馬・大文字・献血 209 寝茣蓙・メロンパン・初孫 210 方向音痴・家鴨・非売品 211 年金生活・女子高生・ロングブーツ 212 エキストラ・デカンショ祭・トイレトレーニング 213 行けず後家・オーロラ・瓜二つ 214 金婚式・月光仮面・ロックンローラー 215 孫・有頂天・狸 216 雪女・携帯電話・交代制勤務 217 赤いバスローブ・スイミング・おでこ 218 参勤交代・ケーブルカー・七人兄弟 219 秋雨前線・腹八分・シルバーシート 220 関東煮・年賀葉書・学童保育 221 バンコク・七五三・鼻血 222 ホルモン焼き・男襦袢・学園祭
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%96%E3%81%93%E3%81%B0%E3%83%BB%E9%B6%B4%E7%93%B6%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%94%E3%81%AE%E3%81%94
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各地句会報
花鳥誌 令和2年11月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和2年8月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
青山へ八月の雲のし上がる 和子 魂も今蝶と化すてふ墓所の百合 眞理子 雲の峰青山墓地に崩れけり 梓渕 薄闇にラジオときには蚊遣香 順子 蚊取線香みだらに燃えてゐたりけり 公世 からつぽの鳥籠吊つて婆の朱夏 光子 空蟬の破られし背に光満つ 小鳥 白き糸濡れてをりけり空蟬に 和子
岡田順子選 特選句
黒揚羽ぬかづく人へ入れ替はる 要 槙剪つて明るき墓所や雲の峰 梓渕 揚羽来る墓に朽ちたる名刺受 俊樹 草いきれよりマリア仏の上半身 光子 かき氷ひとつに父と娘かな 同 からつぽの鳥籠吊つて婆の朱夏 同 神愛し薔薇を愛せし寝墓とも 俊樹 蟬時雨彼を一瞬隠しをり 久
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月6日 うづら三日の月(八月六日) 坊城俊樹選 特選句
秋の夜の澄みし青空何処までも 柏葉 土用干し守る着物に仕付け糸 さとみ 墓参り避けたつもりも鉢合せ 同 天筆に願ひを込めて星祭 都 留守居して語る人なき盆の月 同 七夕や一つを願ひ糸結ぶ 同 客帰り独り帯解く夜半の秋 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月7日 鳥取花鳥会(八月七日) 岡田順子選 特選句
友の墓訪ふも吾のみ原爆忌 益恵 蟬の穴被爆の眼窩に似て静か 都 八月や浜辺に白き船並び すみ子 抽出しにしまふ西日や能事足る 悦子 蜩の破調に夜明け整へり 宇太郎 油照お濠の亀は泥を負ひ 都 雲の峰サーファー起てば動き出す 益恵 帰り行く友や日傘をまはしつつ 幸子
(順不同特選句のみ掲載) ……………………………………………………………… 令和2年8月7日 さゞざれ会 坊城俊樹選 特選句
昨夜の色閉ざしてをりし月見草 かづを 蟬しぐれ故山に溢れをりにけり 同 故山より風渡りくる施餓鬼寺 同 月見草夢に終りしことばかり 雪 炎天下大きくきしみバス停まる 和子 法堂に集ふ百僧蟬しぐれ 笑 暮六つや���堂伽藍の蟬しぐれ 希 ���の背に負はれて逃げし終戦日 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月8日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
病院の小児病棟星祭 清 ぐづる子を放り入れたる踊の輪 晶子 銀河から金平糖のお裾分け のりこ 魔法めく夜店にかざしみる指輪 岬月 老僧の盆経朗朗たる気迫 同 とび出しもはみ出しもゐる砂日傘 同 搗ち割の角なめらかや蕎麦焼酎 慧子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
やはらかな色に隠元大揃へ 秋尚 ひと頻り法師蟬鳴き風起る 同 空蟬の登る姿勢を崩さずに 同 音の無き蒼茫怖し星月夜 ゆう子 新盆の信女の墓碑の径細し 三無 星月夜野辺山走る小海線 幸風 蜩や夕餉のお菜鉢ふたつ ゆう子 鬼灯の色乾きたる寺の畑 秋尚 隠元の色鮮やかにバターソティー 瑞枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
墓洗ふ母の育てし供華を持ち 信子 サングラス粋なる人と恐き人 みす枝 裸電球に照らされてゐる地蔵盆 上嶋昭子 日もすがら響動もす鐘や盂蘭盆会 時 江 丸き笊丸く並べて梅を干す 信 子 蟬時雨つり橋の子の声消され 中山昭子 神々の光さづかる大御祓 ただし 星祭壺にさしたる笹の竹 錦子 野も山も深く沈みて星月夜 みす枝 蟻の列ラベルのボレロまだつづく 上嶋昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月11日 萩花鳥句会
秋風や万里の長城行きし旅 祐子 少し愚痴呟きながら墓洗ふ 美恵子 新盆に帰る家なき仏たち 健雄 弟と母住む故郷鰯雲 ゆかり 庭仕事合間に西瓜ご馳走に 克弘
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月14日 さくら花鳥句会 岡田順子選 特選句
田舎道兜虫売る小屋に遇ふ みえこ 迫真の演技の子役夏芝居 登美子 幼な子も数珠握りたり墓参 実加 イヤホンを片耳づつに星月夜 登美子 晴天にシーツ洗ふや原爆忌 実加 永遠に在り続くかに花氷 紀子 蜩を聞きつつ帰り仕度の子 裕子 野の花を供へて母の展墓かな 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月17日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
サングラスかけて犬にも恐がられ 英美子 酒呑まぬ父はお洒落でパナマ帽 千代子 終ならん声を聞き入る秋の蟬 かづを 秋の雲落暉に燃えて消えにけり 同 ギヤマンに盛られ清しき夏料理 みす枝 口紅の朱の沁み出る��暑かな 同 遺骨待つただそれだけの盂蘭盆会 同 無人駅帰省子ホームまで送る 世詩明 羅の女の視野に万華鏡 同 帰省子の戻る車窓に掌を重ね 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月19日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
黒髪で顔を隠され西瓜食ぶ 世詩明 口紅が熟れた西瓜を齧りつく 同 九頭竜の流れおだやか終戦日 千代子 海凪いで沖行く船に盆の月 同 流行りもの一つ身につけ生御魂 同 終戦日一男優の死すと云ふ 同 炎天や路面電車の軋み来る 美代 これ以上青くなれざる青蛙 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月21日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
手枕で昼寝をしたる沈金師 世詩明 虫干や母の袂に恋の文 みす枝 小恙を顔に出さじと踊りの輪 一涓 肉魚を下げて八月大名来 同 虫の世に火取虫とし果つ定め 雪 白と云ふ哀しき色の盆灯篭 同 赤と云ふ色は淋しや盆灯篭 同 煎餅屋ののれんの奥の扇風機 上嶋昭子 捩花のねぢれる時に媚少し 同 美しきことに飽きられ水中花 同 物干の続く町並夜は秋 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月10日 なかみち句会(八月十日) 栗林圭魚選 特選句
芭蕉葉に道草を食ふ風ありて 三無 恒例の枝豆届き安堵かな エイ子 海沿ひの蕎麦屋の遠く秋暑し 貴薫 裏庭に風探しけり夕残暑 和 魚 枝豆や父の遺影と酌む忌日 三無 ゆらゆらと芭蕉広葉の青き翳 同 家事とても遣る気奪はれ残暑かな せつこ 公園の要一本大芭蕉 怜 影広げ海辺の宿の芭蕉かな せつこ 枝豆の彩りとなり皿の上 ます江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年8月 九州花鳥会(投句のみ) 坊城俊樹選 特選句
双手上げ銀漢しづく待ちにけり さえこ 天の川渡る媚薬を飲んでより 伸子 黒日傘ひらりと海へ消えにけり 朝子 ゆくりなく女と生まれ天の川 美穂 盆の月透き通るまで踊りけり 愛 その先は有耶無耶なりし道をしへ 伸子 天の川の端より天の川仰ぐ ひとみ 星よりも暗き島の灯月見草 豊子 走馬灯曼陀羅の闇廻しけり 喜和 蟬の殻蹴りし少年黙り込む かおり 天の川尾は聖堂の十字(クルス)まで 志津子 病窓よりビアガーデンの見えるらし 順子 水をくれムンクの叫び原爆忌 喜和 色鳥来ルドビコ踏みし甃 寿美香 難しく考へる鶏���の襞 伸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………
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木の枝がじゃまだけど #錦川水の祭典 #花火大会 #花火 (錦帯橋 (岩国)) https://www.instagram.com/p/B0vxUcJhP0g/?igshid=t4nga2qm6bai
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みつが出ていく朝で、春の「春」の記憶は幕を閉じている。その日、ちょうど神奈神社の境内では庭の桜が盛りの最後を迎えようとしていた。
一七になった女中の黒髪に桜の花びらが張り付いていた。別れの挨拶をしたみつの笑顔と一緒になって、それはお化粧の一部のように見えた。綺麗な人だったのだな、と春は思う。顔立ちがというよりも、その笑い方とか、門扉をくぐって駅に向かう、その後ろ姿とか。 何かを、その道がなんであれ、この道で生きていく、と決めた人はこんなふうに見えるのだろう。春は目を細めてその背中を見送った。 「あのね」 老宮司が首を傾げて言った。勤めの宮司もみつには世話になっていたので挨拶に来ていたのだ。 老人は庭の季節呆け桜に手を当てていた。すっかり葉と萎れ花が混じって不愛想になった老木に並び、宮司のしかめ面も一緒に木の皮みたいに見えた。 「桜って、花だけで咲くんじゃないんですわ。幹や枝の見えない中にね、こう、燃えるような紅色が流れているから花が薄く染まるって、私ら内々でよく言う。ほら、光に透かすとね、枝の先が桜色に見えるでしょう」 老人のありがちな説教がはじまる、と春は肩をすくめた。母の清子は音もなく先に背を向けてその場を離れていた。このあと言うことを聞く一二歳の春を捕まえて、御陵(ごりょう)の宮司は話をするのだ。だから春ちゃんや、見えないところでもきちんと勉強しなさい……要らないと思う手習いもきっちり練習しなさい…… けれど御陵老人は気難しげに眉根を寄せたままだった。 「ふつう、その色が染め物なんかにいちばん強く出るのがね、開花前の三月あたりなんだよ。花の終わった後にこんなに紅が残るかねえ」 薄い青空にふわっと風の光が散った。 その中で揺れた枝葉の影が確かに桜色をしていた気がして春は目をしばたいた。 庭の季節呆け桜はただでさえ花期が長いうえに、どうやらまだどこかで咲く気があるらしい――そういうことだろうか。 京に新しい季節が来る。一二歳の春を戸惑いにつつんで。 × 神奈神社の例祭は九月に行われる。 表立って人を呼ぶことのない内々の祭りで、神奈と御陵の巫女・宮司両家の関係者と、一部の周辺有力者などを招いて儀式を行い、喫食するだけのものだ。この準備は毎年度三月の打ち合わせにはじまり、たっぷり半年をかけて構築されていく。春は夏から少しずつ大人たちの組む準備の日取りの中に組み込まれはじめる。例年のことでもう身体は覚えてしまっているが、祭りの目玉になる舞を行うのは春の役目なのだ。 弔花(とむらいばな)、あるいは弔花祭(ちょうかさい)。古くにあった大災害を鎮めるために執り行われたのだという古い儀式で、今も年に一度、京の都の平穏を祈念して繰り返される。 主儀式では巫女である春が神刀を用いて原初の風景を再現するくだりがある。��の袋鞘から白刃を解き放ち、楽に合わせて短く舞い踊って膝をつく。足元に刀を置いて死を表現し、すでに散っていった命をとむらい、災いが鎮まることを祈る。巫女はかつてこうして舞いを捧げ、今ではもう名前の廃れてしまった土地の神さまの力を借りたのだそうだ。その功徳を引き継ぐために後から建てられたのが神奈神社。春たちは彼女の子孫にあたる。 刀は最初の巫女が用いたものの模造ではあるけれど、しっかりと白銀の輝きを放っている真剣で、儀式の模擬引き継ぎがはじまった当時六歳であった春にはたいそう恐ろしく見えた。それも一二歳の春からするとほとんど両手の中に重心の収まってしまう小さな懐刀である。 春と清子の夏は弔花の準備で慌ただしくやってきて、慌ただしく過ぎていく。 「春さま、どこに」 「ちょっと知りたいことがあるの」 御陵の若い衆を振り向いて春は声を張り上げた。石造りの古蔵では屋根を叩く雨音が大きく反響する。ええ、と聞き返されたがそれ以上説明はしなかった。奥の梯子に陣取って片端から保存されている書物を開き始める。 梅雨ごろ、周辺の神社とのやり取りがあるとかで蔵が開放されて、ひらめいたのだ。今年は弔花の詳細を自分で調べたい。毎年祭りの当日に定型で繰り返される説明は聞き飽きて暗唱できるほどになったけれど、蔵にある資料の数からいえば、いかに大火で焼けたといってももう少し詳細な祭りの来歴が残っていておかしくないだろう。神奈神社の関係者にはもう何代もお世辞にも学があるとは言えなかった。どちらかというとそのせいで記録を読み解く力が失われ、神奈神社の歴史は消えたのではなかろうか。 とにかく資料を探すこと、精査し、穴を正確に掴むこと――あらゆる学術の根本としてなつめに(どちらかというと翳島に)叩き込まれた基本はいつの間にか春の身体の動きにも根付いている。 春はひとつ己に課した。――この課題を一人で解けるかどうか、自分を試そう。甘えてばかりの勉強だって楽しかったけれど、春はそのままではいたくなかった。一人で答えを探して――納得できるものを、何かひとつ掴んだら、そこで仲間たちに会いに行こう。 雨の降る六月は研究向きの環境だった。 春はすぐに没頭した。石蔵の瓦屋根を雨粒が跳ねるようにずっと叩いていた。雨どいの細い筒越しにちょろちょろと心地よい音が流れていた。 雨が降り、また翌日も雨が降り、深い青のあじさいが咲いた。 煤けた表紙を湿気にうねらせたぼろぼろの資料は比較的すぐに積み上がってい��た。神奈神社の建立初期の神職たちが残した書き付けを、また聞きではあろうがまとめた記録帳が見つかったのだ――当時の京都には大きな「なゐ」があった。つまり地震だ。その平定を行った女性が神奈神社の最初の巫女になった。身分は農民だったので正確な名前は残っていない。 春はすこし微笑む。春がその巫女の子孫であるなら、迷える時代の農民の出であるとしたら、それは春の憧れの人と同じだ。 平安の都といえば、文治の大地震だろうか――授業で読まされた方丈記の知識をもとに、別の歴史書をぱらぱら捲ってみる。神奈神社の建立をうつした走り書きと文治の記述とは、被害区域や死者の規模が食い違っていた。おそらくもうすこし小さな地震だ。そうだろうな、と春は思う。それだけ悪名高い厄災を正式に治めていたら神奈神社にはもう少しちゃんとした記録や伝説が残っていてもいいはずだ。あるいは政官とのつながりとか。 そして、神の名前はなんだったのか。巫女が舞いを捧げ、地震を宥めたという土地の神。 春はそれが知りたかった。 祭神が特殊な「姫」という呼び名だけで呼ばれ、神話に系列化されていないことが神奈神社の社格がたいへん低い理由でもある。神奈家にお金がないのもある意味そのせいだ。 それを知ることができたら――その思いは、己の育った家に向いていると同時に、ずっと寄り添ってきてくれたぬくもりにも向いている。 粉屋の教室に行く時間がほとんど取れなくなっていた。あるいはどこか自然に足が遠くなっていた。自分で調べ物に没頭しはじめると、どこかで意地を張って。 (姫さま、わたしが、ね、一人でものを為すことができたら) 今年の弔花には、ひとつ問題がある。 (わたしをわがまま娘ではなく、巫女として、あなたに並び立つ友だちとして認めてくれるかしら) 姫の声が聞けることだけが取り柄だった不出来な巫女が、四月に姫と喧嘩したきり、一度もその身体に姫を降ろしていないことだ。 × ちいさい頃、春が今のような儀式前の期間中にわあわあ泣いたことがあった。 「姫さま、姫さま、お母さまは春のことが嫌いなの」 『これこれ、何を言う。急にどうした、春』 姫さまがふわりと降りてきて春をぬくもりに包んだ。春は触ることのできないけはいに縋り付いてしゃくりあげた。 「春はね、とても頑張っているのだけど、お母さまは一度も褒めてくれないの。黙ってわたしを見ているだけなの。お母さまは春のことが嫌いなのかな。春なんかいなければよかったって思ってるのかな」 『そうではない』 そう囁いて、春の手を握るようにあたためてくれた姫さまがいなければ、春はきっと、今のようには生きていかれなかったと思う。 『おぬしが、立派になるはずと信じておるのじゃ。ここで褒めるよりもずっと、もっと先の立派なおぬしの姿を見つめておるのじゃ』 あのぬくもりを、春は、思い出したい。 × 梅雨明けが近づき、あじさいは色あせた赤に移っていった。 小雨の空に晴れ間が覗くようになり、古蔵を叩く雨音もどちらかといえば不規則な水音に変わりつつあった。 午前にあった舞の打ち合わせ明けに昼食をとって、眠たい時間をうつらうつらと古書に埋もれる。大事な資料に頭をぶつけそうになって何度かはっと目を覚ました。神奈家の記録は古いほうからだいぶ後代まで見尽くしてしまった。あとは春たちにも比較的近代の記憶としてなじみ深い時代の記録だけだ。当初の来歴を知るには手づまりになってきた感がある。 記載の作法なのか祭神は常に婉曲的に表現されて直截に名前を呼ばれたりはしていない。 いけないいけないと頭を振って、休憩を取るために腰をあげた。 根を��めすぎるより、適度な休息と甘味が学問の効率を上げるものなのだ。気を逸らした瞬間に妙案が浮かぶこともある。セレンディピティといって、昔セイロンの王子たちが探し物の天才で、いつでも探すのをやめた瞬間に大事なものを発見することにちなんでいる。これもなつめ(と翳島)の教えだ。 空がだいぶ明るくなっていた。高い小窓から見上げるついでに、座りっぱなしで痛くなった腰に手をあてた。雨上がりの匂いのする七月の空気が心地よい。 そのまま背筋をそらして身体を解したとき、机代わりにしていた棚の端に肘を引っ掛けた。 「わっ!?」 振り向いて目を見開いた。押してしまったのは積んだ書物の山だった。大事な資料が順番に崩れて床の上に落下していく。 とっさに両腕をさしのべて床の上に身を投げ出した。ときに己の心身よりも先人の知を重んじる見習い学問者としての性であった。 ばさばさと倒れた春の上に残りの古紙の山が積み重なった。知の結晶を守れた気はあんまりしなかった。 「っつう……」 むしろどちらかといえば自身の体重で押しつぶしてしまった気がする。本の上で後悔に震えながら呻く。一人で何かをやろうとしても、春はまたこれだ。いつだってそそっかしくて、熱中するとまわりが見えなくて。身体を起こすと辺りの紙片がぱらぱらと落ちる。春自身も舞い散った埃でけほけほと咳き込んだ。 どだい、こんなへっぽこ巫女ひとりで一〇〇〇年の神社の謎を解こうなんて、無理な話だったのかもしれない。笑い話のような状況と相反して心境が曇り始めた。涙ぐみながら春は本や冊子を拾い上げひとつひとつ頁を伸ばす。 そのひとつを手に取ってふと動きをとめた。 昔願いをこめて神社に贈られたという詩歌のいくつかが厚紙に綴られている。 セレンディピティ。 春は破れかけの古紙をつまみ上げて窓の光にずっと翳していた。 × 古書の包みを抱え��三条の昼下がりに繰り出した頃、晴れ間はいつしかじりつく日差しに変わって鮮やかな初夏の様相を呈していた。 藍の絽単衣に紅花柄の白い帯。春にしては珍しい落ち着いた色の着物だ。なんとなく気が締まって〝多少の背伸び〟のつもりで装った。でもやっぱり落ち着かなくて頭の後ろにこどもっぽいリボンを結んでいる。粉屋をあけていた期間はひと月にもなるかもしれない。春があけているからといって神奈神社に来るような人たちでもないから、顔を見せるのはほんとうに久しぶりだ。 少しは大きくなったように見えるかしら。見た目はそうそう変わらないんだけど。ちょっとつま先立ちで背筋を伸ばして、どきどきしながら三条の門を叩く。 「あ」 というのがその春に対する最初の出迎えだった。 麻見冬子であった。両手で携えていた帳面をぱたんと閉じた。 その手元から帳面に挟んでいたらしい紙の切れ端がいくつか滑り落ちて床に散った。春はとっさに拒絶めいたものを感じてしまって戸口で立ち尽くした。冬子は春と逆に彼女にしてはめずらしい稚気のある格好をしていた。というか冬子の夏服姿を初めて見た。橙の鮮やかな縞単衣。 心の中に一瞬うそ寒い風が吹き抜けた。 冬子とは春の終わりに橋げたですれ違ってからまだきちんと話をしていない。――姫さまと話さなくなってから。 あのあと何度かここに来たときにことごとく冬子はいなかったから、なんとなく彼女はここから自然に剥離して引退でもしたかのような気でいた。 「……冬さん」 意識的に気持ちを解凍するつもりで春は口を開いた。一方的に気まずくなったってしょうがない。ひと月会わなかったのは当たり前だけど春の勝手だ。 「なつめさんたちは?」 「あぁ、うん」冬子は粉屋の日陰でひとつふたつ瞬きした。「出てる」 ひと言。春は何が何やらわからない妙な心地になって唇を結んだ。 冬子はもとから決して口数の多いほうではない。けれどたった三文字で表されたその呟きが、冬子となつめたちの思わぬ近さを示しているように思われたのだ。 「わたし……」 でも、春は、冬子に意地を張るために来たわけではない。 ここで黙り込んでしまったら、あるいはいっそ「じゃあいいです」なんて背を向けてしまったら、春はきっと姫さまと喧嘩した頃と一緒だ。春は姫さまや、春が認めてほしいたくさんの友人たちにきちんと顔を向けたい。 冬子だって友人の一人だ。なつめが認めた春たちの仲間なのだから。 春は改めて息を吸った。決意の表明だった。 「わたし、聞いてほしいんです。大事な発見をしました。まだ仮説ですが。この発見の確実性を、誰かに聞いて判断してほしいんです」 冬さんは賢い女性だから、となつめが言ったのを思い出している。 冬子がなつめの言うような賢い人であるのなら、春の思いついたことだって理解して、一緒に考えてくれるだろう。ぴりっと心の中を複雑な思いが駆け抜けた。冬子と学問的な話をしたことは春はほとんどない。 冬子は粉屋の日陰から黙って見ている。 思いを押し流すように、先手を打って喋った。 「わたしの家、神奈神社、は冬さんも、話にくらいは知っていますよね。麻見さんの家に比べたら噂にもならない田舎者で恥ずかしいのだけど……わたしが自分の家の『姫さま』と一緒に暮らしてきたのも、なつめさんたちから聞いてるはず」 息継ぎをする。己の言うことにどきどきしている。 「その姫さまの正体が、ずっとわからなかった。なつめさんたちも一緒に、それを調べようってずっと言ってて」 持ってきた包みをあけて、書物を取り出した。それはかつて有力な参拝者たちから神奈神社に贈られた歌を複製した、重たい和綴じ本だった。ここまで持ってくるのにも少しそわそわしたけれど、たぶん神奈神社ではもともとこの手の記録のたぐいがあまり丁寧に扱われていない。 春は机の端に本をどんと開いた。古い墨と埃の混じりあった匂いが頁の間から立ち昇って鼻腔に触れた。 「『佐保姫の秋も統べたるかむながら花も紅葉も錦とおもへば』」 読み上げた。 「佐保姫」 季節の「春」の神さまである。 もとは確か奈良の佐保山の神格だったはずだ。しかし佐保山が桜の名所であったことから桜や春霞を司る神となった。芽吹きの季節を象徴する女性神としての佐保姫は、歌集などに織り込まれて全国で登場する。 その姿は一般に薄い衣をまとった若い女性だ。 「『春の』神さまなんです……ふつうは秋の歌に歌いません。この歌、時代表記は江戸の文政、時節は神無月になっています。この頃はまだ神奈神社に伝承がきちんと残っていたのかもしれません。かむながらというのは神無月と響きを掛けているのでしょう。それと、神奈神社とも」 秋に災害を鎮めたという神奈神社とも。 心臓が高鳴っていた。神奈家の神木は桜の花だ。秋にも咲くことがあるという季節呆け桜――実際に咲いたら、特に災害の後の哀れな人民の前に咲いたら、彼らはこぞって自分たちの生き抜くための伝承を、その花に与えたがるだろう。 春はだから、己の姫を、佐保姫と定めて考えてみたのだ。 佐保姫の秋も統べたるかむながら、花も紅葉も錦とおもへば。 解題をしてみよう。春も齧る程度なら古文が読める。春の神であるはずの佐保姫が、秋の季節をも統べている。それが神無月、神奈の神の意志なのだ。桜も紅葉も、山を飾る錦という意味では、神さまも同じだと考えているから。 由来はどうだろうか。南やまとの国から来た、平穏の象徴のような春の神。神奈の最初の巫女が、そのお姫さまに世の平定を託したのだとしたら。 (素敵じゃないか) それは、とても素敵な空想だ。胸の中で入り混じった桜と紅葉の風景が咲く。ふわっと風の匂いが重なって匂い、春の心を遠くに運んでいく。 「私さ」 冬子が口を挟んだ。冷静な声だった。 春は粉屋に引き戻された。 また遠くに意識が飛んでいた。悪癖だ。慌てて応じて頷く。 冬子はちょっと困ったような眉をして姿勢を正して���た。粉屋は夏の日陰を落としていた。 「そういう研究とかなんかは全然わかんないって、前に言ったよね」 春は咳払いをして体裁を繕った。説明を足そうかと思ったのだが、冬子は迷惑そうだ。 「あの。でも、じゃあ、どうして今……何をしてたんですか」 春の目がうろうろと動いた。床に滑り落ちていた走り書きの紙を見る。冬子が最初に取り落としたものだ。いくつかの図案と英字が筆写されている。なつめが昔読んでいたはずのなんとかっていう科学者の本。 冬子はこれを読んでいたのじゃないのだろうか。自分で勉強するために…… 冬子が身を乗り出して春の視界を遮った。 その死角越しに、素早い手つきで紙片を拾い集めて懐に仕舞った。一瞬の動作だった。春がきょとんとしていると、切れ長の目が無表情に春を見据えた。 聞かないで、と言わんばかりの。 なぜかさっきよりもずっと、拒むみたいに。 「一つ、私に言うことができるなら」 意図して表情を消したみたいなその話し方で、春は思わずたじろいだ。 「わからないけれど、その歌一個で決めちゃいけないんじゃない。ほかに根拠があるならいいんだけど」 春は口をつぐんだ。そもそも今日は指摘をもらいにきたのであり、そういう助言はむしろ歓迎のはずなのだ。なのに傷ついたのは、気づいていなかったことを指摘されたから以上に、冬子がそれを言ったという驚きのせいだった。 だって、冬子はいままで、調査や考察について意見を求めても、ほとんどまとまった考えを述べることはなく過ごしてきたのに。なつめの本で勉強をして、春のいないあいだにずっと詳しくなったのだろうか。 「どういう意味で……」 「私にはその歌、必ずしも神格についてのものだって思えなかったけれど。神奈神社って確か、変な時期に咲く桜があったでしょ? たまたまその年の秋頃に咲いて、綺麗だなってだけの歌かもしれないじゃない。佐保姫なんてほぼ、枕詞みたいなものだし」 「でも……」 春は眉を寄せる。神社に納める歌に、そうそう祭神と違う神の名前を含めて詠むだろうか。 冬子は続けて、首を振った。 「そうじゃなくても、神さまの名前や正体って、時代とともに変わっていくことがよくあるでしょ。私、別に春の思いつきを否定してはいないのよ。だけど、順番が逆かもしれないのではない? 当時もすでに神奈神社の神格はわからない状態になっていた。そこに桜が秋に咲いたから、きっと佐保姫だ、って歌われたとしても、理屈は通る。私が無学なだけ?」 春もそこまで言われて気が付いた。庭の神木は確か樹齢が一〇〇年と言われていたはずだ――神奈神社が建立された一〇〇〇年近い昔から、ではない。 だとすると、むしろあの樹は、この歌が詠まれたあと、後付けで神木になったとしてもおかしくない。 一〇〇年前、文政……。突然、手の中に携えた古い本が心象として重く、価値として軽く思われはじめた。そういえば春の部屋にある掛け軸だって文政のものだった。あのときは遠い昔のことだと思ったのに。 たった、一〇〇〇年のうちの一〇〇年。同じ時間をあと九回延長しなければ姫さまの「最初」には届かない。 心にずっと空いたままの空洞に、びゅんと歴史の風が吹き抜けたような気がした。 春にはまだ……届かない。 「そんな」 冬子が端正な顔をふとしかめた。 「そんなに思い詰めることかな。色々頑張ってまで」 その独り言に春は刺された気がしてぱっと顔を上げた。 「冬さんは」 思わず言い返しかけてあまりに刺々しい言葉になりかけたのですぐに呑み込んだ。冬さんはお家とずっと喧嘩してるからそんなことが言えるんだ。そんな意地悪を言いかけたのだ。 でも、冬子だって意地悪だ。春にとって姫さまはずっと家族で最愛の友人だったのだ。彼女を知りたい、また戻ってきてほしい気持ちは、外からじゃきっとわからない。 はしたない言葉を頭から掻き消す。代わりに春は別のことを言う。 「冬さんだったらどうやって探しますか。正解を。求めている謎の向こうを」 冬子は諦めたように鼻から細い息を吐いた。そのまま長いこと沈黙していた。 「私はね」 低い声で、 「何かをそんなに、知りたいと思うことがないから。知りたかった頃に、戻りたいことはあっても」 その手の中で、かさりと紙が音を立てる。 目を伏せた春は、その意味を考えた。冬子は前にもおとなになんてなりたくなかったって言った。そうやってまるで春との間に断絶があるみたいに振舞って、春を突き放す冬子のことが春はやっぱり好きになれない。もちろん冬子は年上の綺麗な女の人だけど、仲良くしたいと思うくらいには身近で生活している人なのに。 風呂敷を包み直すために手にとった。春にとっては意味のある発見だった。けれど、一を知って満足してはいけないのだと冬子は言う。正解が別の場所にあるのだとすれば、まだ突き止めるために探さなくてはならない。 無力感を振り払って力を込めたとき、冬子はもう一言言い足した。 「誉」 最初、その音が何を示すものなのか、春姫は聞き流しかけた。 それからはっと顔を上げた。 「誉?」 ほまれ? あの……僧服の少年の誉か? 他に思いつかなかった��けれどあまりに唐突だ。 「誉なら、もっと手がかりを知ってるかもしれない」 冬子はそう続けた。 なぜ冬子から、今、ここで、その名前が出る? 「冬さん……も、知り合いなんですか」 も、と付け足したのはなつめと翳島の顔が浮かんだからだ。春が知らないうちに仲間たちの内にあった共通観念としての少年。姫さまだって彼の名前を口にした。いつだってあの黒い影が春の近くについてまわる。 冬子は黙って宙を睨んで、小さな声で呟いた。 「春は、知らないでしょう」 何を。 「神奈神社は、高瀬川の警察ともともと関係がある」 不安がすうっと胸中を過ぎった。 ちょうど窓から差す夏の光に雲が覆いかぶさって粉屋の中も一瞬暗くなった。春は目線を合わせてくれない冬子の横顔を見つめながら当惑して呟いた。 「関係って……?」 「知らないわよ、私だって。みんなが言うの���聞いていただけ」 神奈神社は、高瀬川の警察ともともと関係がある。春にとってそれはひどく不穏な言葉だ。だから姫さまも誉のことを知っていたのだろうか? 誉が姫さまに語りかけることができたのも……? 冬子は両目を眇めて、先を続けた。明らかに意図を持って、抑揚を消したような言い方で。 「高瀬川に言えないから、まだ神奈神社にも黙っておこうとか。なつめ君が」 なつめ。 が、そう言ったって。 春は奇妙な感触が込み上げるのを胸のあたりを押さえて我慢した。 「なつめさんは」 震える声で。 「何かをわたしに、隠しているんですか……?」 誉と春に、関係があるということを。 ゆっくりと雲が動いて雲間から目も眩むような陽光が降り注いだ。春の中に遠く一年前の姫さまの声がよみがえってまたたいた。あやつ、何か隠しておろう。気に入らぬ…… 冬子が頷いた。 「うん」 一言。 裏の勝手口ががらがらと開いて、少年たちの笑い声がいっせいに響いてきた。 春は後ずさって、とっさに自分の風呂敷をつかむとそのまま後ろの扉を飛び出した。粉屋の見えないところまで離れたのは、ほとんど無意識だった。 息せききって橋の欄干に縋りつき、ようやく汗だくで顔をあげたとき、春の眼に柱の銀のプレートが写った。 高瀬川だ。
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1月の各地句会報
平成31年1月の特選句
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
平成31年1月5日 零の会 坊城俊樹選 特選句
撫で牛の肌やはらかく東風を待つ 三郎 表札のひとつ源氏名寒椿 和子 隅田川五日の空の太くあり 梓渕 春襲ゆくや雪吊傾けて 千種 神鏡は淑気半分だけ映す 小鳥 花街をちよと曲りぬ恵方みち 瑠璃 見番で小腰屈める御慶かな 佑天 都鳥水かげろふを羽ごろもに 順子 吾妻橋おきやんに渡り春隣 あおい 墨堤や昼の芸妓のちやんちやんこ はるか 墨堤に寒声聞こえさうなれど 荘吉
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
老並び炬燵に入り昔話 俊子 太箸や煮豆ぷつくり光りゐる 都 電飾のアーチをくぐる聖夜の子 佐代子 元旦や乳呑む嬰に添寝して 幹也 寛ぎて蠟梅の香に読む俳誌 和子 寒雀押し合ひ並びひとつ枝 栄子 雪ちらちら卜占の灯は路地の奥 悦子 弓始静かに揃ふ中学生 史子 初詣三拝までは拍手せず 益恵 冬蝶やちりぢり風の音のして 立子 新元号掲げるを待ち春を待つ すみ子 花束のやうに抱かるゝ春著の子 美智子
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月8日 萩花鳥句会
両の掌に包んでみたし寒雀 牛子 カレンダー一枚残す寒さかな 小勇 光耀す水仙絨毯咲き乱る 祐子 初糶やマグロがなんと三億円 孝士 紅をさし句帳新たに初句会 美恵子 冬ざるる娑婆のふた文字なぜ女 健雄 円相の軸へ見入りて初茶会 圭三 寒雀ひだまりに又一羽きて 克弘
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平成31年1月8日 さくら花鳥初句会 坊城俊樹選 特選句
鉛筆を削り過ぎたり初句会 あけみ 霙降り夜はしけるらしとつぶやく 政江 初明り読経の母を包みけり 登美子 手袋の中に包んでゐる一句 晁史 白き雲破魔矢求めん古希迎へ みえこ
(順不同 特選句のみ掲載)
岡田順子選 特選句
大粒を絞り三国の時雨かな 晁史 初明り読経の母を包みけり 登美子 孫ひこに雑煮申告させる婆 令子
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月10日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
一月の二十四日で白寿なる 柏葉 九頭竜の波もやさしく初明り 英子 青天の続く日和や福寿草 由季子 雲水の衿足白し寒修行 都
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月12日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
七種のそろはぬ粥で出勤す 多美女 初句会何時もの顔ぶれ何よりも 教子 初雪や黒衣の濡るる女坂 三無 平成を閉ぢる参賀や列長し 和代 風花やはるか山稜望む町 ゆう子 除夜零時風の匂ひの新たなり 美枝子 硝子戸の落書うかび日脚伸ぶ 多美女 風花や落つることなく所在なく 多美女 日脚伸ぶ五時のメロディ聞く畑 三無 初日の出重なる屋根の間より 恭子
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月17日 伊藤柏翠俳句記念館初句会 坊城俊樹選 特選句
凍蝶の哀れに羽の美しき 雪 名前まだ決らぬ子にもお年玉 雪 地鴉も寒に入るれば寒鴉 英美子 この人の手と足となり福寿草 英美子 冬帝の久しく見えず越の国 和子 初風呂や男子二人の逞しき ただし 背負籠にも両手にも野水仙 富子 山茶花の散るに占ふ来る来ない 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月19日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
鳩たたす虚子の一軸床の春 みす枝 凍星のかむさつてゐる杣の宿 みす枝 法の剣ふり十人の寒行僧 昭子 寒垢離の十人の僧阿修羅めき 昭子 地に触れず風花光となり消ゆる 越堂 吉書掲げ千年杉を越えゆけり 越堂 美しく重ねし齢吉書にも 一涓 住職も胡坐で過す三日かな 一涓 山の神田の神きませ大どんど 信子 寒鯉やのたりのたりと水遊び 直子 出初式三国湊に三国鳶 雪 冬薔薇活けられてより息づかひ 世詩明
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月20日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
枯れるだけ枯れし枯野の大欅 三無 光りつつ溢れつつ噴き水の春 炳子 寒林に指輪がひとつ落ちてゐた 野衣 猿を見て猿に見られてゐる寒さ 淸流
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
大寒のゆるびし池の杭の影 久子 大枯野生きる力の水の音 三無 梅早し水音高き弁財天 千種 紅白梅風の結び目解きたる 三無 金縷梅の残る葉陰に咲き初むる 秋尚 白鳥の忽と野太き声放つ 炳子 遠き枝の蔭まつらはせ冬の幹 野衣 何処となく色滲み初む枯柳 秋尚
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月21日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
急患の途切れぬままに初明り 美貴 書初や生れし曾孫の名太く濃く あき子 的を射る音清清し弓始 せつこ 鍋底の焦げあきらめて初湯かな 美貴 一人とて少しおしやれをして三日 怜 氏神へ自転車並べ初詣 秋尚 産土神おまはりさんも初詣 あき子 小鉤かけやうやう終はる初鏡 有有
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月24日 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
初明り秘仏めざむる厨子の内 千代 初鏡余生の紅を仄と刷く 郁子 沖へゆく水脈は七色初明り かおり 凍雲や老ゆる団地の重機音 同 風呂敷のほどな日だまり寒雀 豊子 下脹れの母似でありし初鏡 志津子 詩碑に打つ地酒匂へる初明り 阿佐美 牡丹焚く花神の火色美しく 孝子 マフラーに埋るる坊主頭かな 睦子(吉田) 初明り一際千木の反りにけり さえこ 冬の雨入口狭き映画館 ひとみ 切株に樹齢の余力冬日濃し 朝子 ハモニカの葬送曲やしぐれ虹 志津子 マネキンの薄き唇久女の忌 寿美香 初夢や君に寄り添ひ飛行船 ちぐさ 唱ふごと寒九の水を飲み干せり 志津子 埋火や叶はぬ夢は美しき 睦子(古賀)
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月27日 花鳥月例会 坊城俊樹選 特選句
冬日見下ろせる睫毛へ水陽炎 野衣 百年を喋らぬ寒の大鳥居 梓渕 石垣の押しつ押されつ春を待つ 梓渕 寒の手をほどかず衛士の仁王立ち 晁史 冬晴れやあつぱれな日の丸立ちぬ 和子 俯いて臘梅の香を濡らしけり 斉 寒鯉の塊水面ゆらめきて 政江 冬麗あれは先生かしらねえ 公世
(順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
寒禽の高音千鳥ヶ淵の黙 政江 寒鯉を沈め石組み乾く池 要 枯蘆の池に白々沈む影 炳子 大寒や太くひびある能舞台 和子 水鳥に水面の光ついて来る 光子 老木の風に委ねし冬芽かな ゆう子 冬帝のまさをに空の涯白し 俊樹
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成31年1月28日 さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
神の火をどんどに移し焰たつ 希 朝まだき遺影在す部屋初明り 希 ほうほうと訪ひゆく黒衣寒修行 笑 帯少し高目と思ふ初鏡 雪子 もらひたる毛糸帽子や地蔵尊 松陰 寒紅や男のやうな土性骨 千代子 ウィッグをつける稽古や初鏡 清女
(順不同 特選句のみ掲載)
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平成30年12月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
��日の裏手より見る武家かな 昭女 北風やミルクココアの吹きこぼれ 昭女 共白髪つつくは二人おでんかな 世詩明 まつすぐに降る初雪の重さかな ミチ子 晩鐘の陰にこもりて時雨寺 越堂 背中の子寝落ちて重し一茶の忌 昭女 秋深し永久に思惟の観世音 雪 牡丹苑千の冬芽の膨らめる 越堂 霙降る石に一瞬白きもの 錦子 身に入みぬ雷火に失せし一古塔 雪 おでん酒女を酔はすつもりらし 世詩明 還らざるもの秋の風のみならず 雪 前を行く人の背にある師走かな 信子
(順不同 特選句のみ掲載)
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