#花巻ファミリー
Explore tagged Tumblr posts
butaimatome · 2 years ago
Text
『塚娘役・花瑛ちほ率いる 関西金髪旗揚げ公演 花巻ファミリー (作・演出:江古田のガールズ 山崎洋平) 上演決定 』についてまとめてみた
<概要> 元宝塚娘役の花瑛ちほが率いる関西金髪という劇団が、初の公演「花巻ファミリー」を江古田のガールズの山崎洋平の演出で上演することが決定しました。公演期間は2023年5月10日から14日まで、東京都中央区の築地本願寺ブディストホールで開催されます。チケットはカンフェティで販売中です。本公演はシリアスで悲劇的な物語を描き、内田莉紗、岡田帆乃佳、南翔太、フェルナンデス直行など豪華なキャストが出演します。関西金髪は、全てのハラスメントがない環境を作り、役者やスタッフへの適切な報酬を支払うことで、高品質かつ満足度の高い舞台を提供することを目指しています。 <まとめ> 元宝塚娘役の花瑛ちほが率いる劇団「関西金髪」が初の公演「花巻ファミリー」を上演することが決定した。 公演期間は2023年5月10日から14日まで、築地本願寺ブディストホールで行われる。 作・演出は江古田のガールズの山崎洋平さんが…
Tumblr media
View On WordPress
0 notes
sarachiyomi · 9 months ago
Text
■キャラクターデザイン
スクウェア・エニックス「ヘブンズコード・ブレイカーズ」 MAGES.「WAVE!!」 エイベックス・ピクチャーズ 映画&TVアニメ「WAVE!!〜サーフィンやっぺ!〜」 GMOライブゲームス 「REALIVE!〜帝都神楽舞隊〜」 TAITO ソーシャルゲーム「クリムゾン クラン」時東千明、英穂澄 セブンイレブン 「安室奈美恵公認キャラクターemina」 アニプレックス ソーシャルゲーム「バンドやろうぜ!」OSIRIS、ダンテ DMMゲームス 「一血卍傑」キイチホウゲン サイバード ソーシャルゲーム「マジカルデイズ」 ムービック「キラボシチューン」 東北新社 ファミリー劇場「声優男子ですが…?」七人の妖 J.C.STAFF TVアニメーション「Lostrage incited WIXOSS」 COMFORT PSVita専用ソフト「POSSESSION MAGENTA」 COMFORT PSP専用ソフト「アルカナ・ファミリア2」 COMFORT PSP専用ソフト「アルカナ・ファミリア〜幽霊船の魔術師〜」 COMFORT PSP専用ソフト「アルカナ・ファミリア〜フェスタ・レガーロ!〜」 COMFORT PSP専用ソフト「アルカナ・ファミリア」 フリュー PSP専用ソフト「文明開花 葵座異聞録」 サンライズ「OGA 鬼ごっこロワイアル」 D3PUBLISHER INC. PS2専用ソフト「DEAR My SUN!! 〜ムスコ育成狂奏曲〜」
■イラスト ワーナーブラザース 「Harry Potter 公式グッズイラスト」 ���ーナーブラザース 「Fantastic Beasts 公式グッズイラスト」 Yoster 「アークナイツEN 2周年記念イラスト」 Yoster 「アークナイツEN フォロワー25万人突破記念」 Yoster 「アークナイツEN フォロワー30万人突破記念」 Tencent Games 「白夜極光 PRイラスト」 Tencent Games 「白夜極光 ホワイトデーイラスト」
カバー「ホロスターズ」ホワイトデーイラスト セブンイレブン 「WE ♡ NAMIE HANABI SHOW 2023」eminaイラスト セブンイレブン 「WE ♡ NAMIE HANABI SHOW 2021」eminaイラスト セブンイレブン 2018年オリジナルクリスマスケーキ、CM eminaイラスト セブンイレブン 2019年沖縄フェア eminaイラスト セブンイレブン 2020年 eminaイラスト ディライトワークス Fate/Grand Order 2016年ホワイトデー概念礼装「センセイとボク」 ディライトワークス Fate/Grand Order 2017年ホワイトデー概念礼装「アウトレイジ」 ディライトワークス Fate/Grand Order 2018年概念礼装「サンセット・ジャム」 ディライトワークス Fate/Grand Order AnimeJapan 2019 グッズイラスト
Cygames 「ドラガリアロスト」カードイラスト 東北新社 ファミリー劇場「声優男子ですが…?」上村祐翔、梅原祐一郎、河本啓佑、小林裕介、白井悠介、本城雄太郎、山本和臣SDイラスト スクウェア・エニックス 「LORD of VERMILION」イド、天草四朗貞時 スクウェア・エニックス 「ミリオンアーサー」モードレッド、エクストラアーサー、エクストラ妖精
スクウェア・エニックス デュラララ!アンソロジー「デュララブ!」イラスト MAGES. 「禁断生ラジオ」江口拓也、西山宏太朗イラスト
KADOKAWA 「VIVA TALES OF MAGAZINE」テイルズオブヴェスペリア トリビュートイラスト KADOKAWA 「カナメとハルキー」MVイラスト コーエーテクモ 「金色のコルダ スターライトオーケストラ PRイラスト」 サイドランチ 「コミックイラスト素材集 キャラクターのためのブラシ&テクスチャ」カバーイラスト サイゲームス 「ドラガリアロスト」イラスト2枚 KONAMI 「戦国コレクション」 「フーパーズ」ジャケットイラスト 「山崎郁三郎」バースデーイラスト その他
■小説イラスト SBクリエイティブ GAノベル「悪役令嬢と悪役令息が出会って恋に落ちたなら」1〜4巻 スターツ出版株式会社 ベリーズ文庫「捨てられ無能皇女なのに冷酷皇帝が別れてくれません!」 小学館 ガガガ文庫「双血の墓碑銘」全3巻 集英社 ダッシュエックス文庫「ブラッディ・ウェポンズ」全2巻 講談社 「スターダストパレード」 角川書店 ビーンズ文庫「藤陵学院の花嫁」全3巻 エンターブレイン B’s-LOG文庫「イノセント・スター」全2巻 中央公論新社 c★novels 「ダブルバインド」 フロンティアワークス フィリア文庫「アルカナ・ファミリア」全3巻 アスキーメディアワークス 電撃文庫「カミオロシ」全2巻 アスキーメディアワークス 電撃文庫「平安鬼姫草��〜神ながら神さびせすと〜」 富士見��房 富士見ファンタジア文庫「カナクのキセキ」全5巻 プランタン出版 プラチナ・アリス文庫「魔女っ子サラリーマン」 一迅社 一迅社文庫アイリス「革命皇女 doll★llod」 一迅社 一迅社文庫アイリス「時計塔の怪盗〜黒き救いの御手〜」全2巻
■漫画 KADOKAWA 「ヒのカグツチ」全3巻
KADOKAWA 「サマーウォーズ公式アンソロジー」漫画 メディアファクトリー 「シュタインズ・ゲート」全3巻 講談社 「マーメイドボーイズ」全3巻 朝日新聞出版 週刊マンガ日本史 「安倍晴明」
8 notes · View notes
nekotubuyaki-blog-blog · 2 months ago
Text
2024年の「おっ!」と思った本を思いつくままに(相当なもれはあるけれど)
2024年の「おっ!」と思った本を思いつくままに(相当なもれはあるけれど)
『その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選』(マリー・ルイーゼ・カシュニッツ著/酒寄進一訳/装画:村上早/装幀:岡本歌織/東京創元社/Kindle版) 『いずれすべては海の中に』(サラ・ピンスカー著/市田泉訳/竹書房文庫/Kindle版) 『11の物語』(パトリシア・ハイスミス著/小倉多加志訳/ハヤカワ・ミステリ文庫/Kindle版) 『失われたものたちの本〈失われたものたちの本〉シリーズ』(ジョン・コナリー著/田内志文訳/創元推理文庫/Kindle版) 『カモメに飛ぶことを教えた猫』(ルイス・セブルベダ著/河野万里子訳/白水uブックス/Kindle版) 『大いなる眠り 新訳版』(レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳/ハヤカワ・ミステリ文庫/Kindle版) 『P+D BOOKS 夜風の縺れ』(色川武大著/『夜風の縺れ』解題:木下弦/P+D BOOKS/小学館/‪Kindle版)‬ 『恐婚』(色川武大著/文春ウェブ文庫/文藝春秋/Kindle版) 『友は野末に─九つの短編─』(色川武大著/対談:嵐山光三郎/インタビュー:色川孝子/あとがき:色川孝子/新潮社/Kindle版) 『遠景・雀・復活 色川武大短篇集』(色川武大著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『百』(色川武大著/川村二郎解説/新潮文庫/Kindle版) 『小さな部屋│明日泣く』(色川武大著/内藤誠解説/講談社文芸文庫) 『後藤明生・電子書籍コレクション 挟み撃ち』(後藤明生著/アーリーバード・ブックス/Kindle版) 『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『祈りの海』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『ひとりっ子』(グレッグ・イーガン著/山岸真編、訳/早川書房/Kindle版 『モナリザ・オーヴァドライヴ』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『カウント・ゼロ』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン著/黒丸尚訳/ハヤカワSF文庫/早川書房/Kindle版) 『ソラリス』(スタニスワフ・レム著/沼野充義訳/扉デザイン:岩郷重力+N.S/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『来世の記憶』(藤野可織著/装画:濱愛子/装丁:名久井直子/角川書店/Kindle版) 『ピエタとトランジ<完全版>』(藤野可織著/挿絵:松本次郎/講談社/Kindle版) 『青木きららのちょっとした冒険』(藤野可織著/講談社/Kindle版) 『芸者小夏』(舟橋聖一著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『���ュリアン・バトラーの真実の生涯』(川本直著/装幀:坂野公一+吉田友美+島﨑肇則(welle design)/装画:TANAKA AZUSA/河出書房新社) 『好色五人女』(井原西鶴著/田中貴子訳、解説/装画:望月通陽/光文社古典新訳文庫/Kindle版) 『アルマジロの手─宇能鴻一郎傑作短編集─』(宇能鴻一郎著/鵜飼哲夫解説/カバー装画:九鬼匡規「吸血娘 陰 晒」/新潮文庫/Kindle版) 『姫君を喰う話 宇能鴻一郎傑作短編集』(宇能鴻一郎著/篠田節子解説/新潮文庫/Kindle版) 『私説聊斎志異』(安岡章太郎著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『水車小屋のネネ』(津村記久子著/イラスト:北澤平祐/装幀:中嶋香織/毎日新聞出版/Kindle版) 『ベートーヴェン捏造』(かげはら史帆著/カバーイラスト・章扉イラスト:芳崎せいむ/柏書房/Kindle版) 『沢蟹まけると意志の力』(佐藤哲也著/Tamanoir/Kindle版) 『人喰い⭐︎頭の体操』(深掘骨著/表紙デザイン・ファイル作成:甲田イルミ/惑星と口笛ブックス/Kindle版) 『世紀末探偵神話 コズミック』(清涼院流水著/本文デザイン:熊谷博人/扉作成:小石沢昌宏/梗概構成:みずさわなぎさ/講談社/Kindle版) 『富士日記 上中下合本 新版』(武田百合子著/巻末エッセイ:武田泰淳、大岡昇平、しまおまほ、武田花/中公文庫/Kindle版)『西荻随筆』(坂口安吾著/青空文庫/Kindle版) 『鮎の宿』(阿川弘之著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『春の華客/旅恋い 山川方夫名作選』(山川方夫著/川本三郎解説/年譜・「人と作品」坂上弘/講談社文芸文庫/Kindle版) 『P+D BOOKS 緑色のバス』(小沼丹著/小学館/Kindle版) 『ミス・ダニエルズの追想』(小沼丹著/巻末エッセイ:大島一彦/装幀:緒方修一/幻戯書房/銀河叢書) 『タマや』(金井美恵子著/講談社文庫) 『陽だまりの果て』(大濱普美子著/装画:武田史子「温室の図書館」(エッチング、アクアチント、二〇一七年)/装丁:大久保伸子/国書刊行会/Kindle版) 『まだ、うまく眠れない』(石田月美著/カバー画:beco+81/デザイン:観野良太/文春e-book/文藝春秋/Kindle版) 『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(藤永茂著/ちくま学芸文庫/筑摩eブックス/Kindle版) 『何かが空を飛んでいる』(稲生平太郎著/国書刊行会/Kindle版) 『バッタを倒すぜ アフリカで』(前野 ウルド 浩太郎著/装幀:アラン・チャン/光文社新書/Kindle版) 『美術の物語 ポケット版』(エルンスト・H・ゴンブリッチ著/田中正之著/天野衛、大西広、奥野皐、桐山宣雄、長谷川宏、長谷川摂子、林道郎、宮腰直人訳/河出書房新社) 『人間臨終図巻 上下巻』(山田風太郎著/徳間書店) 『世界神秘学事典』(荒俣宏編/平河出版社) 『地衣類、ミニマルな抵抗』(ヴァンサン・ゾンカ著/宮林寛訳/まえがき、カバー写真:大村嘉人/序文:エマヌエーレ・コッチャ/みすず書房) 図録『特別展 はにわ』(東京国立博物館、九州国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社編集) 図録『特別展「鳥 〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統〜」』(日本経済新聞社、日経サイエンス編集) 『バーナード嬢曰く 1-7巻』(施川ユウキ著/一迅社/電子書籍版) 『映像研には手を出すな!1-9』(大童澄瞳著/ビッグコミックス/小学館) 『志村貴子短編集 まじわる中央感情線』(志村貴子著/河出書房新社/電子書籍版) 『青い花 全8巻』(志村貴子著/太田出版) 『放浪息子 全15巻』(志村貴子著/エンターブレイン) 『サードガール 全8巻』(西村しのぶ著/小池書院) 『ファミリー! 全11巻』(渡辺多恵子著/フラワーコミックス/小学館/電子書籍版) 『一級建築士矩子の設計思考1-3』(鬼ノ仁著/日本文芸社/電子書籍版) 『えをかくふたり1 DRAWING BUDDY』(中村一般著/ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル/小学館/電子書籍版)
注)一部、再読を含みます
1 note · View note
ayaka0715 · 11 months ago
Text
昨日から新学期が始まりましたけど、
クラス替え・新しい担任先生がきっと楽しんでいるだろう。
因みにあたしの母校で3年生だけだから寂しくなっていますが、最後まで頑張るように。
〔5/12の同窓会でココにきます!〕
今月は気をつけて https://ameblo.jp/kurushige/entry-12831208362.html
あと、詐欺もね。
https://dawaan.com/instagram-bo-fraud/
https://youtube.com/playlist?list=PLeXkmsAZiHBuQgYgcX_INTkdxaS0E-0M0&feature=shared
マンスリーベストナイン2024.4の発表日は阿部サダヲさんの誕生日2日前
🐉2024.3.23,26から4.19の候補⇨🥇になったらマンスリーベストナインアワード2024の候補となります。
ニュース
STARTO所属アーティストのライブは明後日ですが、
13年前に旧��創業者の事務所から離れ離れとなった元#heysayjump の#森本龍太郎氏は4/7の最後ライブで終幕 〔因みに前日でバースデーメッセージがあったとおもいました。〕
#名探偵コナン 
映画#大泉洋 さん
林家木久扇さんの後任は
#立川晴の輔 さん〔笑点〕
浜田ファミリー
#sixtones ,#木村カエラ
#supereight 改名・
20周年のフェ���開催決定
佐々木蔵之介 さんは
ドラマのポスターがいい感じ
あと、#亀梨和也 さん〔上様〕👍
#jo1・豆ちゃんの始球式
花巻東高・中央大卒の西舘君は本拠地の初勝利!〔巨人〕
サトテルは練習しなければ
ヤクルトスワローズ戦は3連勝ならず、明日から広島カープ戦で本拠地の初勝利を。〔阪神〕
#高橋海人,ドーピツ,#虎に翼 
and more....
 
抜き打ちチェックはInstagramで廃止し、スレッズで専念していきます。
〔SNSのパトロールがある為〕
更新クリア条件
2023.11.3から2024.4の期間中まで
〔失格は〜2023.11.2〕
都合があれば変更する場合にもございます
インスタの調子が悪い〔#インスタ不具合 の〕時は
アップデート〔バージョン〕か再起動しましょう
出来なかったら
AndroidからiPhoneに変えましょう
 
また見たい方には👍
2度と見たくない方には👎
を押してください。
知らない人はフォローしないように。
皆様、ご視聴をいただきありがとうございます。
今月中で
Amebablog・Instagram・tiktok・youtubeを続きますのでどうぞお付き合いください。
まだ更新していない人はお早めにね。
 
〔〕ヒント有り
#佐々木蔵之介 💙🐎
#西島秀俊 🖤🍩
#阿部サダヲ 🧡⚾️
#堺雅人 ❤️🦌
#戸次重幸 💜🤖
#片岡愛之助 💖🍓
#kinkikids 💙🎸❤️✝️
もし、よかったらYouTube チャンネルを登録してね。
また見たい方には👍
2度と見たくない方には👎
を押してください。
知らない人はフォローしないように。
現在のInstagram は監督委員会 から違反されていますが、期限切れになると送れなくなるからご勘弁を。
あと、フォローバッグはストーカーの可能性があるから拒否させていただきます。〔フォローをする時は承認必要です。※無言禁止〕
これからも見守る。 扇動行為 破壊活動防止法 tictok instagram 謝罪 
危険なので死語扱い・文句を言ったり、
Instagram以外な写真は載せてしないでね。
インスタ不具合
#誹謗中傷  拘禁刑 ←#炎上 
#アカウント削除
#セックス依存症〔2022年度から18歳以上の新成人制度→人物画〕
 
現在
旧SmileUP 社の救援,ウクライナ、トルコ、パレスチナのガザ地区、石川県能登地方・台湾東部の#支援・医療期間 を行っております。
 
馬鹿なx・Instagram
あと、SNS詐欺・迷惑行為・犯罪行為は絶対しないで。
皆様へのクリエイター達に感謝してあげています。
あと、threads はInstagramと一緒に連携を。
https://www.threads.net/@sinoeto
神藤彩佳🐼💙
0 notes
ichinichi-okure · 1 year ago
Text
Tumblr media
2024.1.27sat_tokyo
Tumblr media Tumblr media
カーシェアを久しぶりに利用した。 宿泊施設として。 駐車場から出さない車の借り方もあるのだと、知った。 自宅も店もあり、その2階には事務所兼倉庫として借りた部屋もあり、普段はゴロっとシエスタさながらイタリアンなおれが。 東京で暮らし働くには、よくできたシチュエーションをお持ちのようだが、決して儲けてそうしてるわけでなく、成り行きでやけに安い家賃やほぼ無料でそういったスペースを一時的借りられている。以前(移転前のアリク)もそういう持主曖昧な領域を出し抜けにゲットする体質のようだ体質ではない。抜け目ないのだ。 にしても、そうだおれはラッキーボーイ(いやオールドガイか)だ。憑いてる。あ、いや、着いてる。ん?どこに。突いてる。なにを?あ、えと。運がついてる。の、ツイテルて漢字なんだ?調べた。付いてる。みたい。付着的なものだ。じゃあ、着いてるもいいか。運到着。ようこそ。待ってました。 話を戻す。戻らないかも。 そう、おれは��イテル(ノットツインテール)。 デザインと広告という観点で取り組むアリクの未来。お金も集めちゃおう!という謎プロジェクトが昨春より起こり、この1月27日に終結したのだ。ホワイトなぜに…。
実装実験とは、だれも例えてないが、当事者でありながら客観的に捉えた自分からすると、この一年足らずに及ぶ時間はそうだったなぁ、と振り返る。いや、振り返れてなんかいない。 ともあれそんな長く大きな波にライドしたサーフは、綺麗なスープ(白波)となり、わたしを岸へ送り届けた(サーファーではない。カッコいい例えしたかっただけ)。 アリク開業時よりきっての常連であり友人が持つ、桑沢デザイン研究所のクラス。 その生徒が、アリクをアウターブランディングするという課題が献上された。 これは、とてつもなくデカいギフトだという予感と不安。 減るものでもなくなるものでもない、むしろ成長していく、そんな気配がパナかった。 リアルにクエスト。ドラゴンも驚く、時は兎年のことだった…。 いいから話を進めろ!進めるべきだ!そうだ! 上記の提案に思わず即答しそうになったが、とどまり然るべき人に相談をして、そのギフトをいただきクエストは始まった。 リアルアリククエストだ。アリクエだ。 この経緯を500回は説明したが、結局尺を短くした解説はできなかった。当事者なのに。 素材か。素材だからか。自分の事だが、他人が考えるという事からか。 エヴァンゲリオンでいうと、おれが… 話をつづけます。 … 下北にできたホープヒル(希望丘)、ボーナストラックは、近年わたしをワクワクさせてくれている。 刺激的なのに牧歌的だ。落ち着く。 旧アリクの在った60年前建立のアーケードを模したかのような商業施設が、コロナの入口にできた。いろんな意味で驚きだったし、以降わたしを魅了しつづけている。 そこを利用させてもらって通行人の紳士淑女老若男女、犬猫鳥虫らを巻き添えにしたアリク祭り“デ”は、行われた。
Tumblr media
この企画は、生徒らの取組む画題の最後に出した答えのひとつであって、あくまで打ち上げ花火をあげるものではない。 (ほか提案された・アリク図鑑・アリク人生ゲーム・コの字カウンターの復活 などがあった) それぞれの仕掛けは、新旧アリク既知未知問わず、これからのアリクの周知を高めるものだ。絶句だ。 催事=祭事は、企画を学生、主催をアリクとしたカタチで創りあげられた。 なかなかに複雑な部分はあったが、彼らの勢いを受けるに相応しい人選とコンテンツづくりで、自分は普段の裁量ではし得ないものを詰め込んだ。 結果は、筆舌し難いものとなった。 それを経た二日後。 整理しきれぬほどの情報の渦は、不思議と静かにどこかに身を潜めた。 いまここに綴ろうとするまでは。 当日とそこに及んだ膨大なセッションは、砂塵の彼方。時折、あああれはこういう事だったのか、まだ答えは先になりそうだ…という性質のものが数多あり、見上げた空に貼り付く星たちがそれか、とセンチに思い込ませるくらいしかできない。 そんな今だ。 祭り当日。 ありがとうを200回は言ったし、その数の倍は、褒められたし、よくわからないけど、おめでとうも100回くらい言われた。 150年ぶりという、10年にゼロをひとつ足した盛り経年表現の再会も何件か。 複数に渡り、偶然の繋がりとバッタリについての報告。 犬や子供がときどき身を寄せてきて戯れ付いてきた。 与えられたマネーを散財する即ちキャッチ&リリース!だから※貧乏なんだよ!的祭りは、おだやかなムードを終始保ちながら、瞬き一億回くらいしてるうちに終わった。 ※募金で運営した。詳しく知りたい方は、20分ください。説明します。
Tumblr media Tumblr media
幻(て、成り立ちなんだろ。糸みたいのに刀みたいの。どっちも一部抜けてる…)みたいな一日だった。
地方からたくさんの演者や、飲食提供の為に仲間を呼んだ。 それはこのアリク10年を象徴するに相応しいタイミングだと思ったし、こんな事二度できないとも思ったので、盛大に我儘を告げた。その大半は、なんも特別な様子もなく、快諾してくれた。 あれ?いつもそうしてたのか?おれ。てくらいサラッと。 図々しさと馴れ馴れしさでここまで来たかも、いや、はっきりとそのように人に言われた事は一度や二度じゃない。その積み重ねが、この景色をつくったのなら、おれは過去のおれに礼を言うね。やってんな!おまへ❗️て。やらかしてんな‼️おまへ。ジャイアンかよ、細身の、て。 そんな地方のみんなの駐車場や宿について、先に述べたボーナス部屋(ノットトラック)や、近所に住む常連のお宅をお借りして、複数人の手配を済ませていた。 ぬかりなく、抜け目なく図々しくおれらしく。 予期せずと打ち上げの流れとなり、深夜一時を過ぎて解散となり、帰路につく。
Tumblr media
遅くなったことを詫びる電話をいれるが、不通。 そうだ。氏はさっき(祭り)泥酔していた。不安は的中したのだ。 必然的に、宿はアリク二階の小さな部屋だけとなり、遠路はるばるのアーティストらを雑魚寝の合宿スタイルお見舞いしてしまった。一人は、予見し車中泊を名乗りでた。みんな優しく受け入れてくれた。 さて、おれも、と帰宅すると。 遠路から宿泊のファミリーが、寝床を埋めていた。 そうだった。 … 宿屋はわたしの住むあたりにない。 頼れる人を起こすのには忍びない時間だ。
漫画喫茶ほか思い付かず… あ、車中泊。なるほど。
わたしは最寄りのカーシェアを予約して仮眠するという選択にいきつけた。
それぞれにとっての一日が、どのように感ぜられようものであったとして、人は床に就く。 みんなは今ごろそれぞれの地点で、おやすみなさいだな。おつかれみんな。ありがとうね。一人一人の顔は浮かばないけど、一日が大雑把に面でプレスしてくる。 また会おう。 床に就き 運の尽きがみえたころ わたしの元に辿り着いた運たちも それぞれ離散して 星空へと還っていった
月はアホみたいに眩しく照らしてきて 散る星たちの姿はよくみえなかった
風は地面に伏して  枯葉がカサカサ笑ってた
わたしは倒しきれぬシートに身を預け 意識を失うように眠りについた
-プロフィール- 廣岡好和 ヨッシー 45歳 世田谷 自営業・硴(かき)屋 アリク店主 @ariku2014
1 note · View note
unicodesign · 2 years ago
Text
日帰り甲武信ヶ岳山行
甲州、武州、信州、3県にまたがる日本百名山甲武信ヶ岳。
西沢渓谷にアクセスして登り始め、毛木平におりて、川上村の梓山からバス停で小海線信濃川上駅に出るルート。
201���年の7月に一度このコースいきましたが、長い登りと、千曲川の源流を経て川沿いをくだる気持ち良さと、最後の1時間、延々と続く川上村のレタス畑を歩くキツさが、印象的かつ面白く、もう一度行ってみたいと思っていました。
バスの混雑を心配したものの、まだシーズンには早いのか塩山からのバスも立っている人はいない程度、乾徳山入口でほとんどの人がおりてしまい、西沢渓谷に到着したのは、私たちともう一人だけ。ちと不安がつのる。
Tumblr media
前回と同じく徳ちゃん新道をゆく。
Tumblr media
前回は、まだ山に目覚めておらず注目していなかったシャクナゲの群生。
Tumblr media
まだ硬そうなツボミ。
Tumblr media
それでも日当たりの良いところは色づいているものも。
Tumblr media
そして過酷な登り。
Tumblr media
近丸新道との分岐点。標高1869m。戸渡尾根へ進みます。
Tumblr media
高度を上げても続くシャクナゲ。咲いたらきっとシャクナゲトンネル、下調べ不足でやや早かったが、咲いたところを見たい。でもまた登るのか・・・・
Tumblr media
かわいい花がチラホラと。朝ドラの気分で近づいてみる、まさにバイカオウレン。
Tumblr media
2100mを超えたあたりで雪。しばし登るも、くだりになってチェーンスパイクを装着。
Tumblr media
雁坂峠からの合流地点。
Tumblr media
木賊山(とくさやま)の三角点。
Tumblr media
甲武信ヶ岳あらわる。もう一山。
Tumblr media
鞍部におりて甲武信小屋、お手洗いを借りて一息つく。
Tumblr media
最後の上りは岩岩でした。
Tumblr media
ついたー。
Tumblr media
なんと綺麗に八ヶ岳。
Tumblr media
白峰三山から仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳と連なる南アルプスの稜線ですが、仙丈ケ岳を隠しているのが金峰山。五條岩のとんがりまでくっきり見えました。
Tumblr media
時間勝負の山行なので、名残おしいがくだります。雪の中。
Tumblr media
このまま行けば金峰山までいけるのか。
Tumblr media
標高2160m、千曲川水源を経て進む。
Tumblr media
だんだんと流れが太くなってきて、
Tumblr media
標高2000mまでくるとこんなに立派に。
Tumblr media
登りで40分くらい巻いていたはずが、頂上でのんびりしたか、くだりで気をぬいたか、時計をみたら15分巻までおしていたので、やや焦り走る。そういえば、前回も走った。
おっと、鹿ファミリー。カメラ目線。
Tumblr media
だいぶ巻き返して、毛木平間近。
Tumblr media
毛木平を通過、ネコノメソウがたくさん咲いていた。
Tumblr media
そして川上村のレタス畑ロードに。あの感動的なレタス畑の風景にもまだ早かった。
Tumblr media
延々歩いて、ようやく梓山の集落が見えてきました。
Tumblr media
まだ桜がきれいでした。
Tumblr media
16:48梓山バス停に到着。無事下山いたしました。17時半のバスに乗り信濃川上駅へ。駅が新しくなっていて驚きました。
Tumblr media
2018年の信濃川上駅。
Tumblr media
2度目の甲武信ヶ岳、楽しかった。公共交通で行くのは、綿密な下調べが必要だったり、時間との勝負だったり難儀ではあるけれど、縦走ができるのが良いです。
次はどこに登ろうか、鳳凰三山も行ってみたい、行きの電車の中でお隣に座ったご婦人は、大菩薩から奥多摩まで歩くと言っていました。山地図ばかり見てしまいます。
0 notes
nouskjp · 2 years ago
Text
百十郎の会@日本の酒と肴このじ いってきました
Tumblr media
2022-12-04 にくるっぷ(更新停止)に投稿した雑記の転記です。
豊洲駅にお立ち寄りの飲酒クズ、1000ベロじゃなくて今日��贅沢に旨い日本の酒と豊洲市場の肴で贅沢に呑むぞ3000ベロだ!な場合におすすめスポットがららぽーと豊洲3にできました。居酒屋あるけど角打ちが少ない豊洲民的にはたまらん飲酒クズスポットです。
KISSYO SELECT 豊洲店  併設角打ち 日本の酒と肴 このじ https://jizake-ya.com/ https://www.instagram.com/kissyoselect_tokyotoyosu/
くるっぷ政治的な話題禁止なのがすばらしいので住民として思うところは割愛しますが、移転のゴタゴタのアレに巻き込まれた豊洲民です。ワスレテナイヨ……。とにかく市場は移転してきましたので、あんな胸糞な思い我々にさせたのだから旨い酒と肴出せオラー!!と飲食店街にも移転後行ってきました。
築地とちがって観光スポット少なめですが、豊洲市場の飲食店街もあるにはある。ただ寿司と刺身は飲食店街これだけ出せばそりゃ旨かろうよという観光地お値段です。そして超高級な肴にこれはさすがに不釣り合いなのではという庶民的なお酒がでてきます。常連さんは知らんけども一見さんの私ではそうでした。一度記念にいったらいいかなが豊洲市場の飲食店街でした。
豊洲市場近いんだし一人で贅沢にたまにはのみたいという需要にこのじはマッチです。おもいっきり角打ちなので人の目気になる人には向かないかも。あと、レストラン街一画の角打ちなので、ひとり静かに呑むは向きません。家族連れの飲食店が向かいにありますので。旨い酒と肴があればそういうの気にしない人向けです。
平日夜は角打ち好きの飲酒クズにバレつつあるので満席も多いです。公式インスタ等に店内風景の写真あるのですが、ファミリー層が多いららぽーと豊洲一角にオープンな角打ちですので目立つことは目立つ。ただ人の目があるので困った酔っぱらい客に絡まれる率は低く治安は良いです。女性の一人客も安心な感じでした。
あと花札で会計よきですよね。去年閉店した住吉酒販 (東京ミッドタウン日比谷店)もこの会計方法でした。酔っぱらいは小銭を出せない。そして今流行りのキャッシュレス決済も面倒。記念撮影以外は酔っぱらいモードなので携帯を弄りたくないです。QRコードからの注文推奨ですが、声かけて注文も対応してくれます。
私のグタグタレポートより、豊洲民御用達の地域ブログとよすと見た方が良いと思います。
豊洲に酒屋の角打ち KISSYO SELECT 東京豊洲店、ふらっと飲める&買える!国産だけを揃えた酒屋 https://toyosu.tokyo/gourmet/kissyo-select-tokyo-toyosu-konoji/
こちらで昨日12/3日 第1回蔵元を囲んでお酒を愉しむ会 岐阜百十郎の会がありました。会費5000円とちょっとお高めかなと思ったのですが奮発して参加。 百十郎の蔵元 株式会社 林本店 http://www.eiichi.co.jp/
私のグダグダレポートよりわかりやすいとよすとさんのおしらせ 豊洲の角打ち「このじ」、“蔵元を囲んでお酒を愉しむ会”を開催へ 第1回は岐阜・百十郎の会 https://toyosu.tokyo/event/konoji-hyakujuro/
蔵元のご当主のトークと旨い酒と肴で最高でした。告知チラシでは百十郎7種でしたが8種ありました。写真の他に刺身(とよすとさんのブログ参照)&焼き魚は鯖、シメにしらす丼と干し芋も出てきました!
こちらででてくる刺身の鮪は勿論旨いですが茹で蛸が滅茶苦茶旨い。あまりに旨いので聞いたら豊洲市場唯一の昔ながらの塩揉み・釜ゆでの拘りの茹で蛸専門店から仕入れられてるとのこと。店名教えてもらったけど忘れました。後日ググってででてきたのがここだけなのでたぶんここかと思われますがちがったらスマンです(酔っぱらいの記憶あやふやモード)https://tsukiji-daimasa.com/
鯖も脂がのって皮パリパリで旨い。乾き物だけでなく調理したおつまみもでてくるのがこのじはほんとよきです。
Tumblr media
Tumblr media
お弁当に入ってるつまみセットはほぼこのじででてるつまみでしたが、塩辛がいつもとちがってました。永遠に飲めるやつなので、チビチビやってたら酒とつまみの配分間違えました。
ちょっとお高めかな?と思いましたが、この手のイベントおかわり有料が多いと思うのですが、在庫あるかぎり飲み放題でした。そしてお燗まででてきました!ここのお燗はホント美味しく今回イベントで赤面&時代のお燗でてきましたが美味しかったです。食中酒のお燗も旨いが熟成酒のお燗も旨いです。これからの季節お燗もよきですね。
酒は教えられた側から忘れていくタイプです。酔っ払ってるのだからしかたがない。店員さんにこの旨いつまみに会う酒もってきて。なんでも呑めますといって、旨い酒がでてきたら楽しいタイプです。なのでバイトさんが多い居酒屋とかは単なる厄介客なのであまりいきません。なのでこういうイベントは大好きです。楽しかったー!
今後もあるようで、第2回目は獺祭でプレミアム酒が色々でるみたいです。獺祭のように上品でクリアなお酒より、食中酒のが好きなのと、次回は万単位のお酒がでまくるので会費は15000円らしく、さすがに富豪イベントで場違いだわと私は次回はパスですが、5000円台のちょっと奮発すれば行けるイベントがあったらまた参加したいです!
いや、おかわりしまくってただの酔っぱらいでした。昨日。コロナ前はこういうイベント多かったのですが、ここ数年自粛続きで私の行動範囲内では少なかったので、昨日は久々に楽しかったです。
0 notes
viandnyl · 3 years ago
Text
#002-CL
Tumblr media
CL
17歳にして、K-POPシーンに降臨したレジェンド・グ���ープ2NE1のフロントウーマンとして爆発的人気を獲得。2016年にソロ活動に乗り出し、2019年「People’s Choice Award」で“最もインスパイアされるアジア人女性”を受賞、本年はファッション界最大の祭典「MET GALA」にK-POP女性アーティストとして初参加。この冬、待望のソロデビュー作『ALPHA』でシーンへの帰還を果たした。
Instagram:@chaelincl
女王の帰還。アジアンディーバとして圧倒的プロップスを獲得するCLが、本年ついにカムバックを果たし、世界へ向け高らかにその存在を誇示した。VI/NYLでは、コロナ禍にあったこのビッグニュースを盛り上げるべく、リモータブルに独占フォトセッションを敢行。シーンへ凱旋帰還を果たした女王の、ここだけのスペシャルな撮り下ろしとインタビューを収録する。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
 世界にセンセーションを巻き起こしたK-POPムーブメントの中でも、ひときわ存在感を放っていたガールズユニット2NE1。“ガールクラッシュ”という言葉・定義が浸透する随分前、まだ女性に対する偏見やディスアドバンテージも残っていた2009年にデビューし、そのファッション性の高さやエッジの効いたサウンドメイクで、韓国や日本はもちろんアメリカからヨーロッパまで、インターナショナルなスケールでフリークスを拡大していた。  制服で均一に整えられたかわいらしさや、過剰にボディコンなセクシーさでもなく、あくまで、いちアーティストとして権利拡大を主張するその姿勢は、ことアジアにおいては特に稀有な出来事だった。そのレジェンド的存在である2NE1のリーダーがCLだ。2016年のグループ解散後、アメリカに渡りソロとしての活動をスタート。水面下で着実にスキルアップと制作を重ね、2019年にはミニアルバム『In The Name Of Love』をリリース、 2020年には独立レーベル「Very Cherry」を発表し本格的な再始動を予感させた。そして2021年夏、満を持して『ALPHA』プロジェクトを投下、この冬自身初のソロアルバムをついに完成させた。  2NE1としてのデビュー2年前(2007年)にソロデビューを果たしていたCLは、ここまで実にキャリア13年。タフでインディペンデントな象徴として君臨した彼女が、初となるソロアルバム『ALPHA』の完成をどう捉えているのか、心境を語ってくれた。 「自分の様々なパフォーマンス、全てのクリエイティブ、映像に触れてくれた人たちに私が思い描く通りのインスピレーションを伝えたい。今はただそのことに全力を注ぎ込んでいます。父はいつも「大きなことのために小さな一歩、小さなことのために大きな夢を持たなければならない」と言ってくれました。今は��の『ALPHA』の完成について、そんな風にフォーカスしています」
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
 完成の喜びを真摯に喜びつつもふつふつとたぎらせる想い、さらなる境地へと邁進せんとする強い意志。一世を風靡しながらも、決して楽な道のりではなかったであろうここまでの13年間は、様々な変化を繰り返した年月だったのではないか。 「私たちはみんな変わる。みんな成長していく。変化という言葉��正しいかわからないけれど、私たちは経験から学び間違いなく成長していく。そう、この13年間、私も変化し成長してきました……もしそうじゃなかったら困っちゃいますね。さらに大きな視点や別の観点から振り返ると、本当に変化だらけでした。2NE1からソロになって、K-POPだけの世界からツアーで世界中を飛び回るようになり、新しい人と出会い、音楽だけでなくファッションも一緒に作り上げていくようになったり、そんな様々なレイヤーが折り重なってる。そして今ようやく、私は独立したアーティストとして、自分のレーベルからファーストアルバムを出しています。これこそが最も大きな変化です」  先行して公開された「SPICY」では、気鋭プロデューサーBaauerとSokodomoによるハイパーポップ×トラップのような激しいサウンドに、自身を刺激的なソースに例えた緩急自在なフロウとセルフボースティングで、改めて自らのアイデンティティーを高らかに示した。本人役で出演した『マルコヴィッチの穴』や『二十日鼠と人間』でも知られる演技派・ベテランハリウッド俳優John Malkovichが、冒頭のモノローグで参加したのも話題に。 「彼は私にとって多くの意味を持つ人。メンターという表現が適切かわからないけど、私にとって彼はただただJohn Malkovichという存在。彼の共有してくれる話は共感することが多く、学ぶこともたくさんあり、とても気に入っています。私がアメリカに一人で滞在するときは、いつも面倒をみてくれるんです。彼のファミリーも歓迎してくれるし、とても親しくさせてもらっています。本当にありがたいし恵まれていることですよね」  同曲は「THE BADDEST FEMALE」「Hello Bitches」などの系譜を継ぐ、女性であることやアジアンであること、コリアンであること、偏見にさらされることもあったであろう自身のアイデンティティを、その代表として堂々と歌い上げる真骨頂のような楽曲。 「「The Baddest Female」から「Hello Bitches」へ辿り着く過程、これはGZBのアンセム(女性賛歌)なの。常に私はGZBとして代表であり続ける。それは自分が常にCLであるということ。「Hello Bitches」のセカンドバースには文化的なエッセンスがたくさん溶け込んでいたけれど、新作の「SPICY」では、さらにたくましく、強いアジア人女性像が色濃く表現されています。そうしたエレメントが私を進化させ、より溶け込ませていくんです(※GZBは韓国語の発音の英語表記で女性の���。ひいてはCL自身のアイデンティティーを指している)。自分に誇りを持ち、自分を受け入れ、そして良いお手本になれたらと。自分自身のことやライフストーリーを音楽にして伝える。当然ながら韓国人女性として表現しています」
Tumblr media Tumblr media
一方、昨年時点でリリースしていた「HWA」では、韓国では馴染み深い“ムクゲノ花が咲きました”というフレーズを引用。全米で戦う上で、改めてコリアンとしてのプライドも強く誇示。(※ムクゲノ花が咲きました=日本の“だるまさんがころんだ”) 「これが私のファーストソングであり、アーティストとして独立した時のファーストシングルでした。「In The Name of Love」プロジェクト後、インディペンデントアーティストとして自分を紹介するための曲にしたかったんです。この曲にはたくさんのレイヤーがあるけど、端的に言えば「Everyone freeze!! I'm back!!」てこと。そして韓国の伝統的な遊びを世界中に紹介したいと思い、この曲に「ムクゲノ花が咲きました」を取り入れました。内容的には「Don't try me!!」 (逆説的な挑発/自分がイケているということの誇示)」   正直ミュージシャン、アーティストのみならず、他のジャンルを見ても、ここまでアジア人女性���してガールズエンパワーメントを貫く存在はいないのではないか、と思う反面、その重責にさいなまれてしまうのではないかという杞憂さえ浮かんでしまう。 「責任は感じないようにしています。それよりもっとお互いを高め合えるような……そういう感じになれたらと。みんなにそう伝わってくれるなら、私にとってのエネルギーとモチベーションになります。そうですね、なんていうか私だけがやっているのではなく、一緒に刺激し合えたらと思いますね」  とっくに達観した境地に辿り着いていて、その覚悟さえもポジティブなバイブスに満ちている。なんて頼もしいんだ。その音楽性の発露はどこから生まれてくるのか。 「私が伝えたいストーリーやメッセージから始まります。多くの場合、普段の生活やフェーズを通過する過程の中における自分との対話の中から生まれます。自分自身に向き合い恐れに立ち向かう。それこそがフェーズ。『ALPHA』はまさに、それらのストーリーやメッセージが内在する問題を克服することがテーマです」  ヒップホップ、アジアン、フィメール、そしてエンタメ。そうしたカテゴリーでの可能性全ての希望となり得る新たなリーダーとも言えるのではないか。でも決して強いだけではない、内包された儚い人間味の部分にも多くの共感が集まるのだ。
Tumblr media
「私はパワフルな楽曲を歌うけれど、それだけが自分の持ち味ではないんです。もちろん色んな側面があります。「SPICY」が“私”の唯一のキャラクターではなく、『ALPHA』にもアーティストとしての“CL”がいます。今では、このCLと素顔のChaelinが上手くバランスを取っています。もちろんメディアに映し出されることは様々ですが、そういうものと戦わずしてバランスを取る方法を見つけたんです」  生身の自分自身も尊重しながら、アーティストとしての女王CLとしての強さもしなやかに併せ持つ。理想と現実のギャップに葛藤するのではなく、どう立ち向かい乗り越えるのか。CLはそれを示してくれている。 「人は誰しもそう(ギャップに葛藤する)だと思います。『ALPHA』は実際そういうテーマで、恐れることに直面したとき、どうやって克服するかをテーマにしています。恐怖を乗り越えるために経験した色々な感情についての私自身のストーリー。恐怖を感じ向き合うことから始まる。誰にでもそういう時はあるし、そこからどうやって克服し、何を生み出すかが重要なの。『ALPHA』はそのためのもの。このアルバムが、その感情を乗り越えるきっかけになれば嬉しいです。今、CLとChaelinは同じくらいの時間を過ごしてきました。ようやくバランスを見つけることができたんです」
Tumblr media
Q  音楽を始めたきっかけは? A  ダンスがきっかけです。ダンスが好きで、自然と音楽を聴くようになりました。一緒に歌ったり踊ったり。つまりダンスから始まったということですね。
Q  幼い頃の自分にアドバイスするなら? A  特にアドバイスはないけど自分を信じて、ただ生きていく!
Q  音楽がなければ何をしていたと思いますか? A  考えたこともないですね。もし音楽以外でやりたいことがあれば間違いなくやっていたと思います(笑)
Q  制作のインスピレーションはどこから受けていますか? A  映像的な意味でいえば、パフォーミングがすごく重要な要素です。映像や舞台の演出を考えるときは、自分の姿をイメージしてパフォーミングやダンスを構成し、そこにファッションや他のビジュアルなどを加えていきます。
Tumblr media Tumblr media
Q  イライラしているとき、余裕がないときはどう解消する? A  まず、そういう経験をするのは当たり前だと自分に言い聞かせます。あとは体を鍛える! 走ったり、エクササイズしたり、踊ったり。そういう日は体を動かすのが好きです。
Q  最近ハマっているものは? A  正直なところ、今は時間がなくてそういうことからはかなり遠ざかってしまっています……。
Q  今年買ったお気に入りの物は?(日用品、家電なんでもOK) A  実は、新しいシーズンに入ると新しい下着を買うのが大好きなんです。
Q  最近ハマっているアーティストは? A  自分自身!
Q  初めて購入した曲(アーティスト)は? A  Lauryn Hill
Tumblr media
PHOTOGRAPHY : NICK WALKER† STYLING : ALESSANDRO FRANCALANCI† HAIR : SAMI KNIQHT† MAKEUP : SANG JEON TEXT : SADANORI UTSUNOMIYA
*This interview was conducted on VI/NYL #002, which published on Dec.30th, 2021. 
*All photos are courtesy of the artists.
■VI/NYL
Instagram
Twitter
Linktree
2 notes · View notes
4komasusume · 3 years ago
Text
人はエロスと共にあり――後藤羽矢子『お嬢様の痴的好奇心』
 今回は後藤羽矢子さんの作品を紹介します。
Tumblr media
 お嬢さまの痴的好奇心 (1) (バンブーコミックス 4コマセレクション)
posted with AmaQuick at 2021.09.04
後藤羽矢子(著) 竹書房 (2019-07-05)
Amazon.co.jpで詳細を見る
 こちらの作品は電子書籍のみの販売です。ジャンルはエロコメ。エロに関してかなり踏み込んでいるので、紙媒体のファミリー4コマでは厳しいかなという内容になっています。
  まずは作者の後藤羽矢子さんとエロコメジャンルについて。デビューは成年向け雑誌「COMICパピポ」で数年後にまんがライフで連載を開始した「どきどき姉弟ライフ」が嚆矢となり4コマジャンルへと活動を広げていきました。4コマ誌などの一般誌で連載しながら成年向け、ティーンズラブなども並行して作品を発表し続けて、これら双方のハイブリット作品であるエロコメも多数発表してきました。「あそこの処方箋」、「アソコのプロジェクト」、「となりのエロチカちゃん」、「女王様の卵」、「保険医・栢山美冴の相談室 KOIする科学」(この作品のみ成年マーク付き)などです。これらの作品はエロコメですが、かなり情報を調べて作られています。ディープなエロネタを追求しているところに後藤羽矢子さんの矜持を感じます。ちなみに最後の「保険医・栢山美冴の相談室 KOIする科学」は保健医が生徒の性の悩みを解決していくというスタイルで、「アスクミ先生に聞いてみた」、現在連載中の続編「もっとアスクミ先生に聞いてみた」の原型になっています。「お嬢様の痴的好奇心」にはアスクミ先生とのコラボ回もありますよ。
 次にエロコメについて。まんまエロスを主題にしたコメディやギャグです。この先駆者であり大家でもある漫画家といえば永井豪さん。初期のハレンチ学園やけっこう仮面など多数発表しています。80年代に入り一気に花開きます。有名作品だと「まいっちんぐマチコ先生」、「Oh! 透明人間」、「いけないルナ先生」などです。少年誌に掲載されメインの対象が未成年であることから女性のヌード描写などはあってもセックスには至りません(青年誌や新聞掲載だとセックスまで描いた作品もあります)。90年代の有害図書追放運動で下火になりますが、このセックスに至らないエロという流れで現在まで綿々と続いています。ラブコメと相性がいいので現在はラブコメの中にエロコメ要素がある作品が多いでしょうか。 エロコメは基本的に男性読者をターゲットにしている作品ですので、「お嬢様の恥的好奇心」のようにエロそのものを深堀りするスタイルで男女ともターゲットにしているのは珍しいと思います。
 後藤羽矢子さんとエロコメの話をしましたので、本題の「お嬢様の恥的好奇心」について語りたいと思います。電子版のみの発売でこの7月に完結巻である3巻が発売されました。校則の厳しい女子高に通うお嬢様の西蓮寺卯月は箱入り娘です。 ネット環境に触れることなく高校生まで来てしまったために自分の欲する知識の取得が思うようにいきません。好奇心旺盛な卯月は知識欲を満たすためにアクティブに活動していくのです。で、好奇心の向かう先はエロ方面、中学男子レベルときているから色々波紋を呼ぶのです。ちなみに五感から察するに卯月は疼きとかけているのでしょう。
  1話目で卯月が調べる言葉が「イラマ」イラマチオのことです。
Tumblr media
 ネットで調べれば数秒で判明することを、メモを取りながら人に直接聞くことで知ろうとします。この大胆な行動は自分がされたらどんな対応を取るだろうかと悩みますね。卯月は内なる自分の好奇心に従い行動しますが、いわゆる良識というものを持つ人は大いに戸惑います。友人ができてネットで調べることが可能になっても、卯月は実地で知識を得ようとする姿勢は変わりません。とはいえお嬢様である卯月がアクティブにエロ探求をしてもおのずと限界があります。そこでもう一人重要キャラクターを配置しています。
Tumblr media
   卯月母に彼女のボディガードを命じられた日下部。この作品で要となるキャラクターです。男性、大人、理知的そしてツッコミ役。これらの属性を付与することで、卯月のぶっ飛んだ行動のフォローとエロ疑問への解決までの流れがスムーズにいくようになっています。変装ができるとか動物が操れるとかレアスキルがあるのですが、彼のボディガードとしての真骨頂は体を張って卯月の疑問に答えることです。
Tumblr media
 精子を顕微鏡で観察したいという卯月に自らサンプルを提供します。これ以外にも卯月の後始末をする貧乏くじを引くこととなるキャラですが、彼がいることにより男性の性についての話の持っていき方がスムーズに行くのです。
  卯月が興味を持つエロに関する事はイラマチオから始まりコンドーム、男性器の包皮、Gスポット、河原に落ちているエロ本を探索、女性器の名称と中学男子が知りたいと思うエロ知識。女子高校生の下着、月経、処女膜、ティーンズラブ作品、陰毛の手入れ、女の子のオナニー事情、タンポンの使い方と女性視点からの疑問。熱海秘宝館、精子を顕微鏡で観察する、ずいき汁、スケベ椅子、カブトムシの交尾の観察、痴漢裁判、春画、緊縛、性風俗の種類などディープで専門性のある情報の追求。エロ知識と言っても取り上げる範囲はかなり広いです。
  このように女子高生がエロ知識の好奇心を満たすエロコメなのですが、実は作品自体はエロくありません。リビドーを刺激する作品ではなく、タイトル通り読者の好奇心を満たす作品となっています。
例えば次の4コマは女性器の名称に関する回です。
Tumblr media
 卯月が色々ある女性器の名称を連呼しますが、エロさはありません。コメディであることと事実の積み重ねによる説得力で知的好奇心を刺激する方向に舵を切っているからです。あえて伏せ字にせずそのまま表記しているところも、単に女性器の名前の一つであるという意思を感じます。そもそも伏せ字にするのは法で規制されているわけでなく出版社の自主規制の一つですからね。また先に語ったように日下部というキャラは理知的属性を付与されていて、卯月とその友人達にリビドーを向けることがありません。卯月たちが男性のエロ視線にさらされないというの大きいと思います。ディープなエロ知識を扱いながら作品自体は非常にドライなのです。
  人生において正面から取り上げて考えることの少ないエロ知識をコメディタッチにして巧みに描いています。なんとなく知っていたエロ知識の奥深さを知ることができるのです。多くの人にとってエロと人生は切っても切れない関係。異性に関するエロ知識を知ることは刺激的でもあります。エロは恥ずかしい事というベールで隠され、抑え込まれてきた知的好奇心を大いに満たす作品です。
   ここから先はちょっと余談を。少し前にツイッター上で萌え4コマの原点は「あずまんが大王」というのが流れてきて、当時を知る自分は「あずまんが大王だけじゃないよな」と思ったわけです。最初に紹介した後藤羽矢子さんの「どきどき姉弟ライフ」も「あずまんが大王」と同じく1999年連載開始です。後藤羽矢子さんは成年向けジャンルの女の子の可愛さをファミリー4コマに取り入れた一人です。きらら系に代表される萌え4コマへ至る潮流の一つを作った人と思っています。
 そして今回「お嬢様の痴的好奇心」を取り上げようと思った時、エロコメ、艶笑4コマも萌えジャンル形成に一役買っていたと考えました。1990年代にぶんか社を中心に活動していた水田恐竜さん、デビュー当時女子大生漫画家として夜の情報番組にも取り上げられた荻野眞弓さん、ヤングアニマルで「ももいろシスターズ」を連載していたももせたまみさん。竹書房や集英社でヒット作を出したさんりようこさんも90年代にぶんか社で艶笑4コマを手がけていました。エロコメ、艶笑4コマが萌え4コマに与えた影響も結構あるのではないかと思い至った次第です。特に水田恐竜さんは萌え4コマへ至る潮流に対し大きな影響があったのではないでしょうか。記憶の中の水田恐竜さんのエロコメ4コマは、吾妻ひでおさんのエッセンスのあるギャグが光っていました。1990年代のぶんか社を中心とした艶笑4コマはきらら系につながる萌え4コマの潮流の一つであるという私的見解でした。もうこの辺りをちゃんと研究している人がいますかね?
(量産型砂ネズミ)
     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
画像出典 竹書房 「お嬢様の恥的好奇心」1巻 P8,P5 同2巻 P46 掲載順
5 notes · View notes
longway4nothing · 6 years ago
Photo
Tumblr media Tumblr media
(1)エポキシパテ
盛って髪型を変えるのに使用。速乾タイプと高密度タイプがあって、今回は後者を使用、ほぼ丸1日放置すれば十分固まった。盛る→乾かす→カッター・やすりで削る→削り過ぎる→盛り直す・・・の繰り返し。失敗しても再度盛ってやり直せるのがありがたい。
(2) ラッカースプレー
使用したのはブライトマイカレッド。某有名車のボディカラーらしい。お蔭様でメタルカラー気味だったので塗りたてはテカテカだった。元のカラーを完全に落とさないまま塗りだしたので、10回以上は重ね塗りした気が・・・。
(3) 塗装用クリップ
ネットで「割り箸に目玉クリップをガムテで固定すればいい」と書いてあったのでそれで済ませた。十分過ぎた。2本でギリギリだったので、4本くらいあってもいいかも。
(4) 塗装用クリップ立て
ネットで(以下略)ダンボールを3センチ幅くらいに切って小口を揃えて両面テープで貼り合わせただけ。意外と何とかなった。
(5) つや消しラッカー
髪塗装後に塗布。前髪パーツの仕上がりがやや甘いのでまた後日振り直そうと思う。
(6) 綿棒(三角)
既存のフェイスペイントを落としたり、面相筆でのせたアクリル絵の具を細かく落とすのに便利だった。ちなみに色は除光液で落とした(材質的にあまり良くないらしい)
(7) マークセッター
フェイスプリント貼付け用。デカールを柔らかくして曲面に沿いやすくするための液らしい。が、インクジェット用シールで作る自家製デカールは薄っぺらいので柔らかくなりすぎる=破れやすくなる気がしないでもないけど、ちょっっっっっっとだけ位置修正できる、ような気がした。たぶん有効活用できてない。
(8) 背景ボード
原作のキャプチャ眺めながらイラレで描いて印刷して厚紙に貼る。これ描いたあとに公式設定資料集が来てデザインが全部載ってたのでもっと早く欲しかったー!と思った。
>>> mission complete!
Tumblr media
本当はまとめ本に写真を載せようとも思ったんですが、一応販売も考えていたのでそうなると立体造形物の著作権がドえらい大変なんだ・・・と云うことに写真撮ってから気が付いたので、それなら自分で撮った写真を描くなら・・・と云う苦肉の策(なのか?)ちょいちょい現物からもじって遊べたので楽しかったです。
以下、制作記録のぷらいべったーです(ログイン限定公開)
【ね○どろ改造】うちのナナさんがかわいい https://privatter.net/p/3996060
【ね○どろ改造】うちのハチさんだってがんばった https://privatter.net/p/4024700
【きゅぽろいど】司令官の制服など https://privatter.net/p/4071886
【ね○どろ改造+どーる】ハチさん進捗ダメです https://privatter.net/p/4085312
【きゅぽろいど】管理官制服 https://privatter.net/p/4182283
引き続き、ねんど○いどどーる素体で衣装作製中です。
*******
以下、気が向いたら書き足すあとがきコメント・19/10/17~
(最終更新日 2019.11.19)
【本体デザイン】
ハチさんナナさんそれぞれの髪の色を元にして基礎の2色を決定。
水色はJISカラー名で云うと『勿忘草色』。ワスレナグサの花言葉とかからするとちょっと司令官にしちゃ気障かなぁと思いつつ、良い色だったので採用。
ピンク色の方はJISカラー名カラー名『鴇色』。この名前を見たときに、「鴇(トキ)の漢字に『七』って入ってる!完璧~!!」と思ったけどよく見たら『匕』だったって云うね。でも良い色だったので採用。
ほか、表紙や中表紙のタイトル帯や線の角度が87度、破線の実線と間隔がそれぞれ8mm・7mm、本文のノンブル(頁数)の数字も分かりにくいけど8は勿忘草色、7は鴇色にしてある。頁の起点?の関係で、通常は7のつく頁と8のつく頁は背中合わせ(表裏)になるけど、78頁と87頁のみ2色が隣り合わせになるのが個人的にお気に入り。そこまで考えてなかったけど総数100頁にして良かったな~。
反省点としてはノドの部分の斜線はちょっと蛇足だったかなと・・・割と見える位置まで配置してしまった。無線綴じだとどのくらい埋まるものなのか参考にしたかったけどこれはやりすぎた。本文や表紙の紙を薄くしたらもう少し開くかなぁ。
表紙用の紙が標準でつや消し選べるのうれしいな~ってぐらいつや消し加工好き。ちょろっとキズが付きやすいものの、触り心地がとても好き。紙厚は裏抜けとか湿気による反りとかを考慮して少し厚めのものを選んだけど、ちょっとこれはめくりにくかったなぁ。無線綴じむずかしい。あと印刷見本見たときに分かってたのでやや青みが強い色味になるな~と思って色補正したけど、それでも・・・Yが足りないと云うかMが濁るなぁと云う印象。でもそもそも載せてる絵自体が統一されたパレットとか使ってないのでバッチリな色味のとこもあったり、あとモノトーンはとてもいい感じ。
【2頁】
記念すべきハチナナ1枚目。某アニメ誌の設定資料か公式サイトとにらめっこしながら描いたのでハチさんの目元の描き方が設定集に比較的忠実な感じ。
女性キャラのダメージ描写にあまり痛々しいのは描きたくないので(見るのも苦手)某探偵団で学んだ(たぶん)タイツ破損。男性キャラは美形だろうとなんだろうと流血でも鼻血でも構わないんですけど、ハチさんは額あたりの骨が出てるので顔面流血だな!と思ってたら後に公式で出てきたのでひっくり返った思い出。
(19.11.19追記)勢いがあるときに描いてるので線画がアナログ。なので紙の面積に限界があって変な位置で画面切れてます。
【3頁】
監督+中の人的にハチナナだけでも十分グレ○ガみが強かったのに新ナナさんまで・・・でも糸目キャラ大好きなので大歓迎です。新ナナさんも固有の呼称がほしかったなぁ。
【4頁】
回想シーンしんどい・・・ってなりながら描いた。海外の方のコメントで「ム○シとコジ□ーみたい」とあって 確 か に ! ってなった。8割ロン毛のせいですやん。初期設定のリサイクルだったようですが、回想シーンで大破したフランクスに駆け寄った時の髪の乱し具合は大変良かった・・・。
【5頁】
幼少期までカバーしてくださった公式に感謝しかない。こういう被検体で温室育ちのコドモたちが性差を意識するより以前にコロコロしてる様子はとても好き。小さいときから人懐っこそうなナナさんに、クール・・・と云うか感情の起伏の薄そうなハチさんが絡まれてるといい。
【6頁】
大事なシーンをギャグ��落とし込む大罪(茶飯事)でもこれくらい元気あってくれたら、もう何の心配もないよなぁって。
【7頁】
ナナさんの成長過程。ハチさん(とたぶんフランクス博士)はずっと見てきたんだなぁと思うと感慨深い。
【8頁】
理由は不明だけども何かラノベの表紙みたいだな(加工が)と思った。ハチさんは感情が無い(薄い)分し���っとこういうことしそう。
てか9′αくんがイチゴちゃんに賞賛(敬愛)のキスしてたから、ゼロツーをはじめ9′sクラスは知ってるものだったんだろうか、キス。
【9頁】
最終話前に描いた、その時はまさか傷跡は残っても失明するとは思わなかったので跡が残ったら箔が付くな~としか思ってなかった・・・。しかし正直1行目とアニキスタイル以外は即席で考えたので今川ファミリーが2つも紛れ込む結果に(笑)
【10頁】
冬コート好き!あと女性のパンツスタイルいいよね!!っていう勢いで描いた。後に見た設定資料ではコートの下にスカートの裾が見えなかったけど、コートの下は通常の制服なんだろうか・・・もしくは厚手のワンピース形式とか・・・?あと本編ではしてなかったけど資料にあった白手袋も、いいよな・・・。
【11頁】
最終話視聴後に、これからの明るい未来を思って描いた。自分でも気に入っていて、Tumblrでもリアクションが多かったので嬉しかった。本に掲載した分はトリミングはちょろっと違う。
(以下19.11.19追記)
【12頁】
幼少期までカ以下略。ナナさんは子どもの面倒みるの好きそうなのでちびハチくん(←『くん』付け呼び違和感あるけど仕方ない)めっちゃ可愛がりそう。ハチさんはどうかな・・・と思ったけど最終話でもちびっ子に手を引かれてたので、ナナちゃんみたいな好奇心旺盛そうな子なら無表情でも物怖じせずに引っ掻き回しそうだし、子どもとはいえなんせ(将来の)ナナさんなので無下にもできないハチさん、と云う図。
【13頁】
隣り合ってることが多くなったけど、ハチはちょっとぐらい意識してるのかな?って云うナナさんの素朴な疑問とイタズラ心。たぶん顔に出てないだけでハチさんはそばに居てくれるだけで安心できるしうれしいんだと思う。但し無表情。
【14頁】
円盤特典のドラマCDネタ。ゼロツーちゃんマジGJの巻。ハチさんがメンタル的にもフィジカル的にも弱るのは珍しいので色んな意味ですばらしい台本でした・・・。個人的には口にぶっ込まれた時にmgmg云ってるとこで、ああアレやソレやで急に口を塞がれたらこんな反応するんだな・・・ってニマニマしてました。
【15頁】
同じく円盤特典の設定資料集から、(少なくとも都市部エレベーターから)ミストルティンまでの距離ものっすごい遠くない?!と思ったツッコミ。ミツココ結婚式(未遂)の時に、ハチさんが9′sの介入を受けて駆け込んできたシーンで、あの常に冷静で物静かな司令官も焦って走ることあるんか・・・!と思ったんですが、いわゆるナナ&ハチの部屋が都市側の地下にあるとすれば、都市上部にあるミストルティンまでの移動手段がエレベーター+徒歩しか無さそうなので、軍用車?で乗り込んできたαくんたちに追い付けたってのは相当な速さでないと無理な気が・・・。同時期にナナさんを匿ったりもしてるので、その苦労を思うと泣きそう。
3 notes · View notes
amebreak-bootleg-archive · 2 years ago
Text
2013/12/06 SMITH-CN “Kids To Big” Interview
「高級ブランドが欲しいとか、良いトコに住みたいっていう思考ではないですね、最近は。やっぱもっと自分のことを知ってもらいたいっていうのがデカイですね。夢っていうより目標って感じですけど。前までは夢だったことが今、夢の中だな、って思うし、今が夢の中だとしたらどうする、って考えたら、目標を実行していかないとな、って。俺はまだ、今がスタートを切ったと思ってて、『KIDS TO BIG』でやっとジャブを打てたって心境なんで、期待しててほしいです」
 SMITH-CNは、好事家の間では以前からかなりのラップ巧者として認識されていたと思うが、R-RATED RECORDSとサインしての一枚目となる「KIDS TO BIG」を聴くと、その天性のラップ巧者振りがR-RATEDという環境を得たことにより、更に洗練されてきたことに気付かされる。これまでは自分のフッド:茨城県守谷市といった、ローカルな環境で黙々と磨いてきたそのスキルが、地元以外で新たな環境を得たことでついに本格的に開花したように思う。今作を聴くと、クリエイティヴ的な刺激を得られる新たな仲間/ライヴァルを作り続けることが、ラッパーにとってどれだけ重要なことかというのを痛感させられる。    今作でCNが歌っていることの多くは、フッドから名を上げようとするいちラップ・キッズの“夢”であり、それは前作「yumenokakera ~PIECE OF DREAM~」と同じと言えば同じだ。だが、前作がタイトル通りCNの「“夢”の断片」だったとするなら、今作はその断片がひと塊になりつつあるという、彼を取り巻くポジティヴな状況が反映されている。彼がフッド・スターとして故郷に錦を飾るのは、そう遠い未来ではないかもしれない。 インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)  
■前作から3年というブランクは決して短くない期間だと思うけど、どんな感じで動いてた? 「地元でのライヴや、イヴェントをひたすら打って、東京とか地方で有名なラッパーを呼んだりとか、そういう活動をひたすらしてましたね」   ■土浦GOLDでやってるパーティだね。 「自分が全面にやってるわけではないですけど、BACKYARDのクルーでやってて、今でも持続させてやってますね。年末にもANARCHYとGAZZILAと俺のリリース・パーティをやります。(地元の熱気は)前より増してきていると感じてますね。街を歩いてても前より中高生とかに声かけられるようになったし。R-RATED入ってからの方が確実に声をかけられることが増えました」   ■やはりこの3年間でCN君にとって一番大きい出来事はR-RATEDに加入したことだと思うんだけど。R-RATEDとの出会いはどんな感じだったの? 「最初は、DELIさんのソロ・ツアーでESSENCIALとしてサイドで全国を���らせてもらったときに京都に行って、喋ったり観たりしたのが最初ですかね。ちょうどR-RATEDが始まった頃だと思います。なので、前から顔見知りではあったんですよね」   ■まさかその頃は、自分がR-RATEDからアルバムを出すなんて想像していなかったと思うけど、実際にR-RATEDに加入したのはどういうきっかけで? 「『24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』が出た後に(CNは“FOLLOW ME”で参加)、自分が『PURPLE TAPE』っていうミックステープを出した頃だった気がしますね。RYUZO君から留守電が入ってて、『大事な話がある』って。一発でピーンと来たすけど(笑)。雑誌かなんかで、既にGAZZILAを出すのが決まっているっていうのを読んでたんですよね。それ以外は誰なんだろ?って思ってたら自分だった(笑)」   ■RYUZO君はCN君のどういうところが気に入ったんですか? RYUZO「え、ラップ上手いじゃないですか、だって。カッコ良いし、人間的にも合うし。俺らがやったらもっとヤバくなる、っていう自信はありましたね」   ■DELIさん率いるTEAM 44 BLOXにも参加していたけど、あれはいろんな人が参加していたからクルーというより……。 「企画、って感じでしたよね」   ■で、BACKYARDがあって。 「BACKYARDはどっちかというと毎日一緒にいる地元の幼馴染みって感じですね」   ■だから、CN君は常に何かしらのクルーと一緒に動いているっていう印象なんだけど、新たにR-RATEDというクルーが出来たわけで。R-RATEDは、これまで自分が関わってきたクルーとどういった部分が違う? 「今まで関わってきた人たちは音楽メインって感じでしたね。R-RATEDは、もちろん音楽が前提の上で、その他全ての時間も一緒にいる感じで、今までのが“クルー”だったとしたら、R-RATEDは“ファミリー”に近いですね」  
■前作リリース時のインタビューを読み返してたんだけど、あのときは3ヶ月くらいで作ったって言ってて。今回は、R-RATEDに加入して2年ぐらいかかってるわけだよね? 「去年の4月くらいから録り始めてたんですよ。一曲録って2ヶ月ストップとか、そういうのを繰り返してたんで、実質何ヶ月だったかはちょっと分からないですね。作り始めの段階で、全体のイメージは見えてたんで、それを早く形にして伝えたい、っていう意味での焦りはありましたね」   ■じゃあ、アルバム全体として伝えたいと思ったことは? 「前作『yumenokakera ~PIECE OF DREAM~』の持続でありつつ、より具体的に分かりやすくしたいと思いましたね。前より言葉を伝わりやすく言ってるつもりだし、もっと内容をしっかり作ろうっていうのは意識しました。前作の頃は、聴こえとか響きを意識しすぎちゃってて、リリックの量を減らしたり増やしたりとかで、フロウばっかり優先していましたね。フロウ7:リリック3ぐらいの割合で、半々ではなかったです。今回はリリックの方が強いかもしれないですね」   ■今作はジャケも素晴らしいよね。色使いの感じも今のUSのHIP HOPの流行りとリンクしていて。前作はそこまでUSのラップとリンクしている感じではなかったと思うけど、今回はそういう意識は強かった? 「単純に今、HIP HOPがまた面白いですね。自分の中でもヘッズ感がまた出て来て。新しいヤツがバンバン出て来るじゃないですか。FLATBUSH ZOMBIESとかA$APとか。そこら辺はやっぱり影響されてるんですかね?前のときは、『より自分』って感じでしたからね。R-RATEDに入って、確実にクラブに行く回数が増えたんです。そこで体感しているモノが自然に反映されてる感じもあるかもしれないですね」   ■確かに、僕がCN君とちゃんと話したのは前作リリース時の取材だったんだけど、それ以降、東京のクラブで会うことがめちゃくちゃ増えたよね(笑)。 「そうですよね。R-RATEDに入ったことで、アルバム制作期間もみんなと同じ空気を体感してましたね。京都行くこともスゲェ増えたし」   ■地元から出て、外の空気を以前より感じることになったっていうのはやっぱり今作のモードに影響してそうだよね。 「ある���思いますね。遊び場がクラブになると、自分の中でも楽しいモノを提供したいって思いにもなりますし」   ■全体として、確実に今作の方が明るいしね。 「言われるっすね。ライヴ周ることが最初から頭にあったかもしれないですね。ライヴ周っていっぱい曲やりまくるって考えて作った、“現場向け”なアルバムかもしれないです」   ■だから、もしかしたら前作の方が「守谷っぽい」のかもしれないよね。地元にいるからこそのフラストレーションとか憂鬱な感じが前作で表現されていたの対して、今作ではそこからちょっと開放されたのかな、って。 「ちょっとビッグマウスしてやろうかな、っていうのはありましたね。デカイこと言える場所でしょ、って思ったんで、メンタル的にもちょっと変わったのかもしれないです。だから、自分的にはアツイ場所に加入できたと思ってるんで。他の誰もがマネできることじゃないから、そこは堂々と胸張って言いたいモードに入ってたかもしれないです。『俺は特別だ』みたいな感じって、ラッパーっぽいっちゃぽいし、自分っぽい。R-RATEDは不良ばっかりなんで(笑)、なのに俺が選ばれたっていうのは、ラップだけで自分でミラクル起こしたって本気で思うんで、そこは自信に繋がりますよね。より自分の理想とするラッパー像に近づいてると思うっす」   ■前作はSEEDA君がA&Rを担当して、彼を通じてトラックを集めてたけど、今作はどうやってトラックを選んでいった? 「I-DeAとかZIPSIESとかは自分も仲良い人たちなんで、お願いして作ってもらいましたけど、他の海外勢とかは、R-RATEDに届いたモノを聴いて選びましたね」   ■つまり、「CN用」というより、常にR-RATEDにストックされているビートから、ってことか。そういう環境も今までと違うんじゃない? 「そうかもしれないですね。確かに、そういう環境も良いですね。トラックに恵まれてますね」   ■“STUPID KID”ではCN君の子供の頃の話が歌われてるけど、あの曲を聴くと、なかなかのクソガキだったみたいだね(笑)。 「ハハハ、クソガキだったと思いますね。覚えてる範囲ではああいうことしかないんで、クソガキとしか言いようがないと思います」   ■不良とはまた違うんだけどね。でもこの曲の良いのは、3rdヴァースでHIP HOPに目覚めたときのことを歌ってて。 「小6ぐらいですかね。その頃にはメロコアとかHIP HOPのCDが兄貴の部屋にあって、BLACK SHEEPとかCYPRESS HILL、RAKIMとかを初めて聴いたんですよね。『なんだこりゃ』みたいな。で、耳に入ったのがCYPRESS HILLだったっていう」   ■そこもガイダンスだよなー。その中からピンと来たのがCYPRESS HILLっていう(笑)。 「そうなんですよね。印象に残ったのがCYPRESS HILLで。全然、何のこと歌ってるかも分からなかったですからね。なんか黒くカッコ良く感じたんですよね」   ■で、15~6歳からラッパーを志すようになるんだよね。 「中3の終わりとか、そんなんだったと思います。最初は全然ラッパーになりたいと思ってなくて、日本語ラップもほとんど聴いてなかったし。で、中3で友達の聴いてたBUDDHA BRAND聴かせてもらって、自分もやってみようって」   ■今作は、USラップの流れともリンクしている感じがして、すごくタイムリーな感じがするんだよね。アメリカでも、所謂“ストーナー・ラップ”と呼ばれるWIZ KHALIFAみたいな人たちがチャートでも成功しているわけで、それこそ“I'M SORRY LADY”とかも、WIZのアルバムに入ってるようなキャッチーな曲みたいな印象を受けたんだけど。 「分かるっすか。そういうイメージでやってます(笑)。スモーキーで温もり感のある感じが出せればいいかな、って」   ■今、刺激を受けてるUSラッパーは? 「PUSHA-Tは結構ヤラれてるっすね。最近のHIP HOPはめっちゃ面白いと思いますね。ラップの仕方がここ数年でガラッと変わったのかな、って思いますね。BPMから全部だと思うんですけど、ちょっと前だとギャングスタ・ラップ的なのが大部分を占めてたと思うんですけど、最近はアートもギャングスタも全部ひっくるめてHIP HOPというか、とことんメチャメチャでぶっ飛んでるのがHIP HOPだって感じてます。ギャングスタ・ラップもヒッピー的なラップも全部出来るヤツが最新なのかな、って。ラップの仕方/ハメ方とか、最近まるっきり変わったな、って。MEEK MILL辺りが全面に出始めたぐらいから、ハネハネ・ラップが好きになっちゃって。前みたいな『一個残し』フロウみたいな間のある感じからガラッと変わった気がしますね」   ■DIPLOMATS的な後乗りのラップから、一気にオンビートなラップになったよね。 「そうそう、確実にオンなんですよ。チルな曲でもオンなラップの曲が向こうではチャートとかに入ってる」   ■CN君自身のラップも、初期の頃は特に“間”の人だったよね。 「そうですね。だから、このアルバムでガラッと変わったと思います」   ■今作の聴感上の大きな変化って、声とかそういう部分より、リズム面だよね。 「そうですね。そこの意識は確実に変わりました」   ■そういうラップをすることによってリリックの書き方も変わったりした? 「伝えたいことは一緒なんですけど、リリックの文字数とか全然変わってくるんで、(文字数は)増えますね。でも、この方がやりやすいし、日本語に合ってるのかな、って。KOHHとかもオンなラップだし、日本でも違和感を感じないし、オンビートなラップは日本語で合うのかもしれないです。かつてはイナタいと思われてたオンなラップが」   ■あと、前作と比べて、テンションの振れ幅とそこのコントロールの仕方が変わったのかな?って。 「出来るだけ曲毎に被らないようにしましたね。イメージが伝わりやすいビートも選んだつもりだし。そこは分かりやすくしたかもしれないです」   ■やっぱりCN君のラップは、声質とフロウがあまりに特徴的だから……。 「ホントっすか(笑)?自分では分かんないんですよね。『そこまで言うか?』っていう。向こうのヤツ���だったらザラにいると思うんですけどね」   ■いや、向こうのラッパーだと確かにいるんだけど、日本語ラップで見るとやっぱ際立つな、って。でも、特徴的故に、「それだけ」のラッパーに陥ってしまう危険性もあると思うんだけど、そこを自分なりにコントロールする術を身につけたのかな、って。 「そうですね。みんな絶対、煙たい感じばっかで来ると思ってただろうし、そういう曲も絶対入っちゃうんですけど、だからこそそれ以外の部分も絶対入れたいな、って。ひとつのイメージだけにならないように振り幅を広げようっていうのは意識してました。一曲一曲、人格が違うぐらいの感じにした方が面白いと思ったし。結構、自分が普段聴く曲って、煙たい感じの曲よりラヴ・ソングとかの方が多くて(笑)」   ■意外とメロディアスな感じが好きだったりするの? 「しますね。R&Bとか全然好きですし」   ■アルバムでもKEYSHIA COLEとか言ってるしね。CN君の中で、自分がラップする上でのコツとかポイントに置いてることはある? 「自分、無音でも結構リリック書くんですよ。頭の中で、キーは違ってもラップの間とかは考えられるんです」   ■いざトラックに載せてみるとハマらない部分も出て来ると思うんだけど、そこの修正も結構簡単に出来るタイプ? 「自然に出来ちゃいますね。イメージ通りにいったことはないかもしれないけど、化学反応が起きるんですよね」   ■持ち上げるつもりはないけど、それってやっぱ才能なんだろうな……才能と言わないまでも、ラップ・センスに秀でてるというか。 「どうにかなるんだろうなって、どんなビートを聴いても思っちゃいますね。変なこだわりを持っていないのかもしれないですね」   ■それはやっぱり“声”があるからだと思うんだ。どんなラップをしてもCN君だって分かるっていう。今回は、技巧面でも聴きドコロが多いけど、3rdヴァースで必ずオチを入れていく感じとか、構成面でも工夫してるな、って。フリーキーになりすぎないように構成もしっかり考えてるな、って。 「みんなよく自分のラップのことを“フリーキー”って言うんですけど、意外に俺のラップって“王道”なんですよね。そこは注目してもらいたいところなんですけど、誰かのラップと自分のラップを照らし合わせてくれると分かると思います。フリーキーなところでライムしてるつもりもないですし」 RYUZO「韻の踏み方は結構正統派なんだけど、フロウしてるねんな。俺も、『どこが上手いんだろ?』って思って聴いてみたけど、韻のハメ方は正統で、フロウがフリーキー」   ■CN君にとっての“王道”ってどの辺り? 「そうなっちゃいますよね(笑)。俺の中ではNASが王道で、JAY-Zがフリーキーなんですよね。NAS、Dr.DRE、EMINEMあたりは、俺の中で王道ラップって感じがするんですよね。自分たちの間を持っていて、浮き沈みなく自然な感じでフリーキーさを出せている」  
■CN君が自然と王道な感じが出せるラッパーだっていうのは、昔から僕も思ってて。最初にESSENCIALのライヴ観たとき「REDMANみたいな動きする人だな」って思ったのを憶えてる(笑)。日本人のラッパーで、そういうB・ボーイ然とした動きを自然に出来る人って、いそうでそういないと思うし。 「ライヴ中は、結構本気で自分に酔ってる感じですかね。ステージに上がると『目立ってナンボでしょ』って心から思っちゃってるんで、それが体に出てるかもしれないです」   ■普段会うと結構大人しいんだけど、ライヴだとガラッと変わるよね。 「人格変わっちゃうっぽいっすね。そのために普段はこんな感じでローなのかな、って。ライヴが躁で、普段が鬱みたいな。バランス取るためだと思いますね」   ■前作では“KIDS' RETURN”って曲があって、今作もアルバム・タイトルが「KIDS TO BIG」で。“KIDS”って言葉はCN君の中で重要な意味がある言葉なの? 「やっぱり、ガキの頃に影響を受けた思いとかがいまだに抜けなくて、その思い��自分の人生の中でのトラウマでもあるし、全てなのかな、って。『その思いから逃げたら全部ダメでしょ』みたいな、まっすぐそこばっか見ちゃってるっていうのはありますね」   ■“KIDS”って言葉と共に“DREAM”って言葉も多いよね。 「俺の今のところの人生のテーマですね。パッと考えたり思い出す時期っていうのがガキの頃なんですよね」   ■“STUPID KID”でも子供の頃について歌ってるけど、その頃の記憶は鮮明なんだ。 「断片的ですけど、やっぱ多いですよね。HIP HOPとの出会いとか、友達としたこととか、今の友達との出会いとか、全部が重なってる気がして。一番濃かったな、って」   ■その頃抱いた夢を今も追ってるってことだよね。 「多分そうなんだと思います。その頃に何故か『もうコレしかねぇ』って思い込んじゃってるまま成長しちゃってて。だから、アルバム・タイトルの通りで、子供のまま成長してる感じ」   ■昔の“DREAM”が、「叶えたいんだけどどうしたらいいか分からない」状態だったとしたら、今はもっと開けているよね。 「かなり開けてますね。前は、支えてくれているのがBACKYARDっていう“後ろ”だけだったと思うんですよ。それが、R-RATEDに入って“横”が増えたな、って。自分ひとりじゃないっていうのが確信できたし、そういう意味ではモティヴェーションもアップしているんで、リリックもちょっとビッグになってるのかもしれないですね。単純に、自分が『ヤバイ』って思っている人が俺のことを『ヤバイ』って言ってくれるから、ヤバイっしょ、って単純に思うっす」   ■アルバム最後の曲“LETTER”は、タイトル通り家族に宛てた手紙という感じの曲で、アルバムでも一番エモーショナルな曲だよね。この曲では、CN君が若い頃に家を飛び出したことも歌われているけど、家を飛び出したからこそ、BACKYARDやR-RATEDという“ファミリー”を大事に思っているのかな、って。 「それもあるっすね。確実に家族より友達との方がいる時間が長いんで。この曲を作ったのは、以前自分が体調崩したときに『伝えたいことは伝える内に伝えといた方がいいのかな』って思って。一瞬、目が見えなくなるぐらいになったんです、結構やらかしちゃって。俺、親が歳いってからの子だから、ふたりとも70歳近いんです。だから、こういうのはなるべく早く形に出来たらいいな、って。体壊して入院したときに、久し振りに会ったら『やっぱ向こうも老いたな』って思ったし、そのときの���ヤモヤを通じて、どうしてラップをしてるんだって思ったら『人に伝えたいからだ』って心から思ったんです。まだ、堂々と胸張って家に帰れる状態ではないですけどね」   ■この曲は親に聴かせたの? 「聴かせてないです。CDが出てることも言ってないですね。それも、自然に届けばいいな、って」   ■時が解決する、ぐらいな。 「キザなことをやってます(笑)。それくらいのことやらないと向こうも食らわないし、食らわせないと認めてくれないと思うし。でも、みんなそういう部分はあると思ったんですよね。自分は“代弁者”にもなりたいと思ってるんで。自分のラップは自分の話だけだとは思ってないんです。きっと共感してくれるヤツがいる、って思いでラップしてるんで、俺みたいな状況のヤツもいると思うし」   ■“SMALL CITY TO BIG DREAMIN'”と“TRIP CITY”は、それぞれ意味合いは違うけど地元:守谷について歌ってる曲だよね。前作でもそうだったけど、「地元から這い上がる」っていうのがラッパーとしてのテーマのひとつだよね。今の地元はどんな感じなの?“TRIP CITY”とか聴くとスゲェ荒んでるな、とか思っちゃうんだけど(笑)。 「まあ、荒んでるのは俺らの周りだけかもしれないです(笑)。駅周りとかはキレイですけど、一歩離れると両側田んぼしかなくて『どこ、ここ?』って感じなんで。昔から住んでる俺らからしたらあまりキレイになったとは思わないし。“TRIP CITY”は、地元でくすぶってるヤツらに向けたディス・ソング的な感じですよ(笑)」   ■「何やってるんだ」的な。でも、それはCN君の今の状況があるから歌えるようになったことなんだろうね。“STILL守谷”っていうのは今でもCN君にとっては重要だったりする? 「“STILL守谷”っていうか“STILL茨城”ですね。周りの街にもホーミーが多いんで」   ■今となってはちょくちょく東京に来ることも多いけど、それでも今も茨城に住み続けているわけだよね。 「東京は、来れる距離なんで来ちゃってるっすけど、ずっとそこ(東京)でみんなといるつもりもなく、毎回必ずお土産を持って帰るぐらいの気持ちで東京に来てますね。でも、ベースがあるっていうのは自分的には良いかな、って思いますね。やっぱり安心するし」   ■ESSENCIALやBACKYARDの現状はどんな感じ? 「BACKYARDとしてはミックステープを作ってたり、OINGO & DAXもミックステープ作ってて、SNIPE(ESSENCIAL)もアルバム制作してるって言ってましたね。みんな個々に動いてる感じですね。そこはあまり変わってないですね。でも、BACKYARDはアルバム的なモノを作ろうと思ってます」   ■ESSENCIALは今後どうしていくの? 「解散はしてないですけど、活動休止中ですね(笑)。全然仲悪いとかじゃないんですけど、色々とプライヴェートな、男と男の約束的な」   ■さっき、R-RATEDを“ファミリー”と位置付けていたし、同時にライヴァル意識はある? 「あるっすね。ANARCHYの『DGKA』とかも、フリーでやられちゃったりとかすると『次こっちどうするんだよ』みたいに考えちゃいますね(笑)。こっちも面白いモン出さないとな、とか思いますし、スゲェ良い環境にいるって、リアルに思うっすね」   ■“DREAM IN THE DREAM”は、正に夢オチな曲だけど、ここでは夢の中で思っているCN君の“夢”��歌われてるよね。今後についてはどう考えてる? 「高級ブランドが欲しいとか、良いトコに住みたいっていう思考ではないですね、最近は。やっぱもっと自分のことを知ってもらいたいっていうのがデカイですね。夢っていうより目標って感じですけど。前までは夢だったことが今、夢の中だな、って思うし、今が夢の中だとしたらどうする、って考えたら、目標を実行していかないとな、って。何かのキッカケで爆発するんじゃねぇかな、って自分の中でも思ってて、何かのきっかけでヘタしたらHIP HOP、凄いことになるんじゃねえかな、って思ってるんで、今はひたすら伝えていくことを考えてます。俺はまだ、今がスタートを切ったと思ってて、『KIDS TO BIG』でやっとジャブを打てたって心境なんで、期待しててほしいです」
0 notes
cosmicc-blues · 4 years ago
Text
2021/8/9
朝、窓のガタンッと揺れる音で目が覚める。台風一過で風がとても強いよう。観葉植物に水やりをして、方々に連絡を入れる。今日は花火の時間までMさんと夏の甲子園を観ようかと思ったけれど、なんと関西方面は大雨で全試合が順延になっている、こっちはこんなにも晴れているのに。
午後イチ、ベトナム屋台でつけビーフン。水で冷やしたつるつるのビーフンをクセのあるつけ汁に浸してちゅるちゅる食べる。いったん帰ろうと思ったけれど、道の途中でTの職場を覗いてみようと思い立つ。出入口や窓が開いていて、何人か働いているひとが見えながらTの姿は見えず。せっかくだから、そのまま歩いて映画館に向かう。新藤兼人の『銀心中』。映画が終わると、ちょうどMさんから連絡がきていて、それならいっしょに行きましょうとなる。Mさんが支度しているあいだに古本屋をめぐる。フローベールのエジプト紀行、こんなのあったんだ。ぱらぱらとページをめくってみると、即座に本を慈しみながら閉じたくなるような文章、これをすぐさま買い求める。
駅前の喫煙所でMさんと待ち合わせ。信号待ちをしていると、おたがいの姿を目視して目と目で挨拶を交わす。主に野球のはなしをしながら電車を乗り継いで大移動。数年ぶりに再会するSのはなしにもなり、Sがよく「RRとMさんは(夏に)日影を歩く資格がないよ」って言っていたことを思い出す。どんなに夏好きで、もっと暑く(熱く)なれよって言っていても日影を歩く権利くらいあるよって下らない問答を何度もバカみたいに繰り返したっけ。Sは連休で長野の親友に会いに行っていたらしく、その帰りにちょうどM駅で降ろされる予定だったみたいで色々とグッド・タイミングすぎる。一度だけ会ったことのある長野の親友、ふたりがほんとうに楽しそうにじゃれている姿は鮮明に憶えているのに名前がどうしても思い出せない。Sが遠吠えさんって呼ばれていたのは憶えている。Sもその親友をさん付けで呼んでいて、なんでそんな意味不明な呼び方をしなきゃいけないのか、その訳は当時もいまも身に沁みてよくわかるような気がする。
M駅に到着、改札内で乗り越しのチャージをしようとするとき、改札外に見慣れたシルエットが見えて、あ、あれだ、とすぐに認める。Mさんもチャージが済んで、あそこ、あそこ、あそこにいるよーと案内する。何の変哲もないふつうの再会、腕に包帯がぐるぐる巻きで相変わらずだなぁと思う、はしゃぎすぎてっていうかナチュラルに怪我したらしい。ひとまず駅の喫煙所に向かう。Sからタバコをもらう。西友で花火を買いながら近況報告をしてRの迎えを待つ。当時は無職超会議の主力メンバーだったのに、いまや有職どころか三人とも何故かちゃんとした役職を与えられていて失笑、こんなはずじゃなかったのにー。
Rが迎えにきて、公園でRと風船爆弾バトル。圧倒的な勝利を収めてNちゃんとRの家に向かう。向かっている最中にばけたんで濃い青色がでる。お邪魔しまーす、NちゃんとRの家が素敵すぎて感激する、ファミリーって感じがする。写真やカレンダーや手紙のひとつびとつに目をとめながら愛が具現化しているなぁと思う。Nちゃんの電子ドラムを叩かせてもらう。すんごい久しぶりだから(10年ぶりくらい?)、ちゃんと叩けるかなぁ、と不安に思っていたら、案外ふつうに叩ける。自転車とかと同じでいちど憶えてしまえば、からだはそれを忘れないらしい。Rもうにゃうにゃとアコギを弾きはじめる。ふつうのビートに飽きてきて、アフリカの部族みたいなドラムを叩く。テーブルのところではSを中心に生い立ちのはなしになっていて、SとRが中卒のはなしで盛り上がっている。まさか中卒盛り上がりを現実に拝めるとは! それ以外にもSとRには他にもけっこう共通点がありそうだなぁと思う。Rとドラムとギターを交換したり、ギターに飽きてまたドラムを叩いたりしているうちにギターが三日さんに渡る。いつもはアンプに繋がないエレキで弾いているからニュアンスが掴み切れなかったけれど、三日さんやっぱりギターどん引きするぐらい上手い、とくに右手の使い方が凄すぎる……。SとNちゃんはずっとふたりで話し込んでいる。
Tの到着する時間が近づいてきて、Rとチャリで駅まで迎えに行く。階段の踊り場でセミが暴れている。自転車って久しぶりに乗ると楽しい! 改札前でTを待ち受け、RやSのはなしをしながら100均に向かう道すがら財布を拾う。5、6千えん入っている。免許証を見ると、誕生日がちょうどTとじぶんの間の18日でロイヤルストレートフラッシュみたいになる。くっそ~、こんな忙しいときに財布なんて落とすなよ~と毒づきながら、でも、誰も財布の中身を取ろうとしないのエラいよねと言うと、Tが「えーー、そんな考えもあたまにチラつくけどー、Kちゃんに書かれちゃうからなーー、〈ティーが財布を盗む〉って」大爆笑。100均でバケツとチャッカマンを買い、Rが交番に財布を届けにいって、じぶんたちは先に河原へ行くことになる。2台の自転車はパンクしているのと、していないのがあって、パンクしていないほうをRに譲ろうとすると、Tがいいよいいよ私がこれ乗ってくからってパンクしていないほうの自転車に跨る。だんだんと事情の理解が追い付いてきて、あれ、もしかして最低なことしてる? って言いながらも、けっきょくRはパンクしているほうの自転車で交番に向かう。Tは自転車を漕ぎながらサドルが低いことに文句を垂れる。最高だなぁと思いながら、何となくその意味不明ぶりを理解しながら、なんでそんなにサドル高くするの、だって、足ついてないし転んでたじゃん。ちがうんだってー、足がつかなくてもスマートな乗り方ってものがあるのーっと下らない問答をする。そういうところがとくに���好きだ。Rは自ら率先して財布届けに行ったし、ぜったい中身とってるよね~とか、これまたどっちでもいい下らないことをはなしながら河原に向かう。
河原にはすでにNちゃんたちがいて、先にコンビニで買い出し。初対面のSとT、TがSにひとにはMさんと呼ばせてますって言っていて流石だな~と思う。いっぽうでSが両手で抱えている花火セットのことも。河原にもどってくるとRが仰向けに寝転んでいる。らしいなぁと思う。みんな、もぐもぐおにぎりとか唐揚げ棒を食べているから、フライングして一発目の花火に点火、懐かしい音、懐かしい匂い、あの夏の感触。花火が手放しに楽しいことなんか過去にあったかなぁ、バカみたいに楽しいは楽しいけども、それよりも切ない気持ちが上まわる。みんなも徐々に点火しはじめる。Tがいきなり、いちばん好きだという線香花火を私はこれが好きー��とやりはじめようとするから、待て待て待てーーそれはいちばん最後だと食い止める。Mさんがピーズに線香花火の曲あったよねって。大好きな曲だから、すぐさま、ジャジャッジャーンとギターの弾き真似をして、わざわざこんなちっぽけな僕らも死んでしまうのさって踊りながら歌いはじめる。河原を歌い踊りながらフラフラしていたら、Mさんが半笑いでさいごには誰かがいないんだよねって言う。そんなMさんはじぶんでは花火をやらず、みんなの花火の様子を眺めている。Rが聖火ランナーみたいに花火を掲げて河原を猛ダッシュ、みんな大笑い。Nちゃんは両手に三本も四本も花火を持って欲張りスタイルで火花を散らす。チャッカマンはひとつしかないから、おたがいの花火で火を点火し合う。こういうことをみんな普通に知ってやっていて、それはきっと過去の花火で学んだことなんだろう、どんな花火の記憶があるんだろうと、そんなことをちょびっとだけ考える。ばけたんで濃い青色がでる、本日2回目。それまで一度も花火に触れなかったMさんが満を持して据え置き型のでかい花火を準備しはじめる。でかい花火はじぶんでやるんだ……。バチバチバチッと大きな音を囃し立てながら炸裂する花火、強風で煙があっという間に風下に流されてゆく。それを機にでかい花火セットのほうにも手が付けられはじめる。スーパースターって花火をやってみたら、名前のわりにかなりしょぼくてガッカリする。Rがタコ踊りって花火を点火する、これはなかなか趣向が利いていて面白い。あっという間に全ての花火をやり尽くして、さいごにみんな小っちゃくなって線香花火をやる。
TがNちゃんとRの家を見たいと言い、家に寄ってから帰ることになる。Mさんはあす朝が早いから先に帰る。バイバーイ。いまいちど部屋をひと通り見てまわり、NちゃんとRが駅まで送ってくれる。パイナップルラーメンのはなしになり、Tがあのお店のパイナップルラーメンはニセモノだと言い張る。じゃあ、ホンモノはどこにあるの? と尋ねると、ホンモノはじぶんで作ったという。パイナップルをくり貫いて、それを器にして、ココナッツのスープを南国っぽく青の着色料で染めたうんぬんの説明。でも、すごい不味そうだなぁ、ペペロンチーノの件もあるし、不味かったでしょ? と聞くと、素直に不味かったと認める、大笑い。改札のところでバイバイ。NちゃんもRもとてもいい笑顔。階段を上りながら、ふたりきりになったふたりはどんなふうになるんだろうと想像する。まったく想像ができない。
TとSと電車に揺られながら、それぞれの喧嘩のこととか別れのことを話す。Tのエピソードをきいて、このひとはほんとうに気高くて尊い生き物だなぁと思う。SにそういえばNも会いたがってたよーと伝える。どんなひとなんだろう、でも、きっと素敵なひとなんだろうな。Tが私はNちゃんと正反対なんでしょーー、Nちゃんは天使みたいだから、そしたら私は堕天使じゃん! いや、そんなつもりはないだけどーと弁解しながら、堕天使もありだなぁと思う。Tも、まぁワルだから仕方ないかーーと妙に納得している。
0 notes
lovecrazysaladcollection · 5 years ago
Text
(2008.11.11)依然として話題に事欠かない小室哲哉問題について ttp://https://ift.tt/3gGVuTB 私は以前小室の関係する会社にいたのですが、小室がどうしてこんな複雑怪奇なことになったのかというのは意外に知られていません。そこで私の知っていることをお知らせします。これを読み取っていただけると今の流れが見えてくるはずです。   1.すべてのはじまりは1992年    小室氏が世に出たのは1980年代、TM NETWORKとしてです。TM時代はそのマネジメントをタイムマシンという事務所が行っていました。ここは元々、ジュンとネネなどを手がけた松村慶子という女性が社長のJ&K音楽出版という会社が母体で、ここの社員に小室らの同級生青木貴善がおり、彼がTMのデビューにあたり、自分の会社の一部門から出発してマネジメントをしていました。    このJ&Kはさらに母体があり、元は業界の老舗 小澤音楽事務所です。TMが売れるようになった後も、ヒット曲の権利などを全て事務所に吸い上げられ、給料も安く抑えられていたために小室は次第に事務所に対して不満を抱きます。    そこでTM NETWORKが92年に活動休止するタイミングで彼は事務所から独立します。そしてこの独立のきっかけとなったのが、先日会見で「とてもお世話になった」と語ったavexの松浦です。当時は貸しレコード屋がやっと自社でCDを出せるようになった程度の弱小新興レコード会社でしたが、小室の才能はもっと開花すべきと彼と二人三脚で活動。trfを立ち上げます。    avexは当時、レイブブームを仕掛け、東京ドームを一日ジュリアナにしてしまうイベントなどで話題を集めていました。この流れには様々な山師の力が働きますが、ここで集まってきた取り巻きがそのまま小室という御輿を担いで小室ブームを作るのです。    小室が事務所を離れ、急におかしな連中とつるんでいくことは業界でも問題視されていましたし、元の事務所絡みでも圧力はありました。が、この時に小室を守ったのが後にソニーレコードの社長になり、プレステ事業にも深くかかわった丸山茂雄氏です。    小室のためにソニー内に事務所を作り、スタッフを集結させて小室のマネジメントをしたのです。Kさんというマネージャーが担当しましたが、彼は複数のレコード会社や 様々なタイアップなど多岐に渡る小室プロジェクトをまとめて手腕を発揮しました。ところが・・     2.1996年頂点の中で崩壊はじまる。    trf、アムロなど小室プロデュースの���金時代が到来し、頂点を極めた頃、その影に隠れ、ついにKさんは小室のフォローで限界に達します。”噂されていた件のもみ消し”などで疲れ切ってしまったらしいです。Kさんがいなくなったあと、小室の手綱を握れる人間もいなくなり、とうとう小室はソニーのマネジメントから離れます。    その頃、小室にはavexはもちろん、電通など各社から取り巻きが集まっており、彼らが代わって小室プロジェクトを仕切るようになります。各社の社内に小室プロダクションが設立されるようになり、さらに小室自身もそれら取り巻きのアドバイスに従い、節税対策という意味も込めて、自分のアシスタント達による制作部門、当時大金を突っ込んでいたwebサイト部門など自分にかかわるプロジェクトごとにたくさんの会社を作ります。tkなんたらとついた会社が一時は20~30ありました。    で、それらをまとめて管理するホールディングスというか、管理会社があればよかったのですが、元々全てが資本関係にあるわけでもなく、むしろ小室をダシに金を儲けたい人達が自分の利益だけを目的に作った会社なのでむしろ内部で足の引っ張り合いになり、そのうちにブームも失速。集まっていた連中も少しずつ引き上げていきました。    で、この時点で小室に関する権利やマネジメントがすでにぐちゃぐちゃで複数にわたるシステムになっていたのはおわかりいただけたと思います。   そして・・
2000年 Rojamショック。小室が作った会社の中でも最も多額の投資になった香港のRojamが事実上崩壊します。この会社はマードックと電通の一部に載せられてアジア進出だ~!といい気にさせられて小室と小室ファミリーの一部が出資し、アジアでの音楽ビジネスを夢見て作った会社でした。    特に小室は90年から取り巻きにおだてられ、これからは「ネットで音楽配信」と言いだしていたので、それをこの会社でやろうと多額のシステム開発費などを投資していました。ところが多額の開発費をとったB社はそれを完成することなく破綻。実はこのへんにリキッドオーディオとかが絡んでたりします。暴力団が関与した案件です。    この失敗で大きな損失を出した小室は一転窮地に追い込まれますが、当時はまだ多少は売れる曲も出していたし、印税の額も大きかったのでなんとかそれでしのいでいました。しかしいよいよこれは不味いという状況に追い込まれ、また複雑になった過去の関係を整理したいと吉本の先代の会長に泣きついて吉本入りしたわけです。    吉本やavex 松浦は小室の資産を整理し、一部買い上げもし、相当な労力を使ってなんとか小室の再生を目指しましたが、2004年頃には増え続ける借金と本人の創作意欲低下でヒットも出ず、どうにもならない状況となり、いよいよ見切りをつけました。    そしてそのあとどうしようもなくなった小室は、いよいよ報道されているような詐欺にまで手を出すようになったのです・・・。    基本的には本人が悪い部分もありますが、業界人達が比較的小室に同情的で、取り巻きが悪いといっているのは、そうしたハゲタカ達のことをある程度知っているからに他なりません。    ちなみに逮捕される直前の涙ぐましいエピソードをご披露しましょう。   1.小室が去年秋葉のメイド喫茶をプロデュースした というニュースが流れました。が、あれは小室はまったく関知しておらず、例の二重契約状態だった事務所のうちの一社が勝手にやったことだったそうです。これに限らず、世に出ている小室が絡んだとされるものでも、こうした小室関連企業と称するとこが勝手にやっていたケースが多かったようで当然本人にはまったくお金がはいりません。   2.去年の12月にTMNETWORKとしては久々のアルバム「SPEEDWAY」が発売されました。このアルバム、なぜか3曲もインストゥルメンタル、つまり歌なしの曲があります。なぜかといえば、これは小室の自宅、例の赤坂のマンション内にあるスタジオでレコーディングされたのですが、実はレコーディングの制作中にそれらの機材を売り払わねばならない状況となってしまい、結局ボーカル入れが出来なかったので、そのままインストとして仕上げて発売してしまったそうです(笑)。    もちろん表向きにはそんなことを言ってませんが、商売道具も手放さなければならない程逼迫していたということですね。
” - [mixi] TM NETWORK/TMN | 小室さんの逮捕について (via yuco) 2008-11-13 (via gkojay) 2009-10-02 (via gkojay) (via misteraor) (via b-bender-tele, yuco-blog-blog)
1 note · View note
sakura-whirlwind-blog · 5 years ago
Text
【小説】JOKER 第一部
プロローグ
  〈1〉
  深夜零時。
ロレックスに目を落とした緒方進(おがたすすむ)はブリーフケースを手に、生ぬるい海風を受けながら水銀灯の明かりで照らされた新庄市郊外の公園に立っている。
海に面した絶好のデートスポットなのだが、残念な事に交通の便が悪い上に駐車場すらなく、昼間でも子供でさえロクに遊びに来る事が無い。
緒方の両隣りに二人、公園の入り口と四メートル道路に停めたベンツに運転手代わりが一人貼りついている。
全員原色のスーツに金ネックレスならプロ野球選手の夜遊びと言えない事も無いだろうが、広域指定暴力団矢沢組の組員は落ち着いたビジネススーツが常だ。
そしてブリーフケースには二百万円分のメタンフェタミン――覚醒剤が入っている。
取り引き相手は調子に乗っている街の半グレ。
昔で言うストリートギャングだ。
半グレと言っても若者ではない。若い頃にやんちゃをしたがいいが足抜けに失敗し、ヤクザになる器量も無いチンピラだ。
 麻薬が若者に蔓延している、というのは半分正解で半分間違いだ。
 昨今の若造は非正規労働などで麻薬に金を渋るどころか、タバコにさえ金を落とさない。
 麻薬を使っているのは女を薬で縛って風俗で働かせるか、末端の構成員を薬で縛り付けるかのどちらかだ。
 スポーツ選手や芸能人は大金を落とすが、それは表沙汰にしない為の口止め料��しての意味合いが強く、普通に流通している薬はそこまで高くない。
 そんな価格設定をしたら麻薬依存症患者は年収五千万円以上に限られてしまうだろう。
 そしてスポーツ選手や芸能人などの成り上がりはともかく、そんな高所得者は基本的に麻薬など嗜む事は無い。
 麻薬というのは貧乏人を貧乏人に縛り付け、思うがままに操る道具なのだ。
 緒方がそれでも月収に相当する額のブリーフケースの重みを感じていると、年甲斐もなくスウェットを来た男が軽のワゴンで公園に乗りつけた。
 逆向きにかぶった野球帽はヤンキースなのに、スウェットはボストン大学という統一性の無い男の後ろに三人の若造が続く。
 間違いなくアメリカのストリートギャングを意識しているが、残念ながらエミネムにもJAY-Zにも見えない。
 オーバーサイズの服をだらしなく来た日本人だ。
「緒方さん、金持って来ました」
 ヤンキース帽がポケットから雑に札束を出して見せる。
 それでクールだと思っているのだからタチが悪い。
「ブツはある」
 緒方が顎をしゃくると若い衆がヤンキース帽の札束を確認する。
 帯どめしてある訳でもなく、おおよそでしか金額は分からない。
 しかし、金額が違っていれば差額を血肉で支払う事になる事はヤンキース帽も理解しているだろう。
 若い衆がざっと金を数えた所で、水銀灯の下にトレンチコートの男が忽然と姿を現した。
 紫色のどぎついトレンチコートに西洋風のピエロのマスク。
「ハッピー、ハロウィーン」
 おどけたような合成音声が響いた時、緒方は背筋から嫌な汗が滲むのを感じた。
 遭遇するのは初めてだが、ヤクザや半グレをターゲットにしたハッピートリガーの噂は緒方も聞いた事がある。
 トレンチコートに突っ込んだ手が引き抜かれた瞬間、銃声と共に足下と背後の遊具で火花が爆ぜる。
「緒方さん!」
 若い衆の一人が銃を抜いてピエロ――ジョーカーに応戦しようとする。
 ジョーカーのトレンチコートが開いて、内側から映画でしか見た事の無いショットガンより大振りな銃器――グレネードランチャーが姿を現す。
「ハロウィーン? 失敬、まだ五月だ」
 ジョーカーのグレネードが火を噴くと同時に地面が爆発して公園に身体が投げ出される。
 半グレがへっぴり腰で公園の外に出ようとした瞬間、ジョーカーのもう一方の手に自動小銃が握られていた。
「屋根よぉーり高い、鯉のーぼーりー」
 自動小銃が瞬き、公園の出口付近に無数の弾丸がばら撒かれる。
 隙を突いて緒方は裏手に停めたベンツに向かって走る。
 初対面とはいえ、こんな火器を狂ったように撃ちまくる狂人を相手になどしていられない。
 自動小銃が向きを変え、ベンツの防弾ガラスに傷が穿たれる。
 それでも緒方がベンツに戻る間に、半グレの連中は軽のワゴンに向けて疾走している。
 ジョーカーのグレネードがベンツに向けられる。
 助手席に転がり込んだ緒方は叫んだ。
「出せ!」
 猛スピードで走り出すベンツをジョーカーは追って来なかった。
 緒方はあの猛烈な砲火の中、生き延びた事を奇跡のように感じていた。
  〈2〉
   午後八時。
 没個性的なダークスーツに身を包んだ三浦清史郎(みうらきよしろう)は新庄市駅前にある新庄商店街の場末のバー『サイレントヴォイス』を訪れている。
 新庄市は首都圏のベッドタウンとして栄えている太平洋に面した、人口八十万の町だ。
 駅前の商店街では二百を超える店舗が活況を呈しており、湾岸という事もあり工場地帯も存在する。
 耳に心地よいJAZZが流れる中、清史郎がショットを二杯開けた所でパリッとしたスーツを粋に着こなした慶田盛弁護士事務所の慶田盛敦(けだもりあつし)が現れた。
 互いに若手と呼ばれる頃に知り合い、今では二十年の付き合いになる。
「待たせたようだな。今幾つか案件を抱えていてね」
 慶田盛弁護士事務所は警察の冤罪事件を扱う事で、その道では知られている弁護士事務所だ。
 日本では警察が立件した裁判では99%の確率で検察が勝利している。
その検察がでっち上げたものを、証拠を積み上げ無罪に、更には真犯人を警察に突き出して解決する。
 それが慶田盛弁護士事務所の仕事であり、清史郎の三浦探偵事務所は裁判の為の情報である事件の調査依頼を受けている。
 売れ筋である浮気調査などはしていない為、懐には常に隙間風が吹いている。
「最近はこっちも忙しくてね」
 清四郎はスコッチを注文した慶田盛とグラスを合わせる。
 『サイレントヴォイス』のマスターは、以前ヤクザに恐喝されていた所をジョーカーに扮して助けたという経緯がある。
 もっとも通い続けて十五年だから隠す事もありはしない。
 気のおけない古い友人のようなものだ。
「吉祥寺の死体遺棄事件の件は進展はあったのか?」
 吉祥寺の死体遺棄事件とは、富山純也二十五才宅で、川上千尋二十二才が自傷行為で死んでいたというものだ。
 死後二日後に近所の人間に通報された事から、警察は富山を死体遺棄事件の容疑者として逮捕。書類送検した。
 富山は無罪を主張し、慶田盛弁護士事務所に泣きつき、慶田盛が三浦探偵事務所に調査を依頼したのだ。
「川上は富山と同棲していた。富山の証言では自傷行為など考えられない」
 同棲していた富山が被害者の死亡時に出張で家を空けていた事はアリバイとして記録に残っている。
「それは本人から直接聞いている」
 慶田盛の言葉に清史郎は頷く。
「川上は都内の建築会社で事務をしていたが、実は裏で足つぼマッサージをしていた。これは歩合給で明細書も無い手渡しだ。小遣い稼ぎには丁度良かったんだろう」
 清史郎は店舗の写真を慶田盛に見せる。
 富山も都内の広告代理店に勤務していたが収入はお世辞にも良いとは言えず、川上としては将来を考えても副収入が欲しかったという所だろう。
 その辺りの事情はマッサージ店の同僚から聴取住みだ。
「富山は言っていなかった。どうやって調べたんだ」
 慶田盛が驚いた様子で写真を手に取る。
「足で稼いだんだよ。で、マッサージ店には川上に執着している、大野正則という客がいた。この男は二十歳でコンビニでアルバイトをしていたが、その給料のほとんどをマッサージ店の指名につぎ込んでいる」
 清史郎は大野と、彼がコンビニで働いている写真を見せる。
 大野という男が川上に執着し、横恋慕していた事は他の店員からも話が聞けている。
「じゃあ、そいつがストーカー化して川上を殺したのか?」
 やりきれないといった様子で慶田盛がスコッチに口をつける。
「このコンビニには別に野原椎名という二十五才のアルバイト店員がいる。この女は大野と交際していると公言しており、ストーカーの気質もあるようだ。大野は全面的に否定しているけどな」
 清史郎は野原と、野原が大野を尾行している写真をカウンターに乗せる。
 追っている者は追われている事は忘れがちなものだが、大野が川上を付け回し、その大野を野原が追い回していたという訳だ。
 そして道ならぬ恋に破れた野原は凶行に出た。
「じゃあ、野原が大野と川上の関係を勘違いして……」
 話を整理するようにして慶田盛が言う。
「川上の切創は手首と腕に集中している。これは自傷行為というより防御創だ。更に他に傷跡も無い事から自傷行為の常習という事も考えられない。仮に大野が殺したとするなら、体格差から刺殺になった事だろう。つまり傷跡から考えても同程度の体格の相手から切り付けられたと考えないと成立しないんだ」
 警察から入手した傷跡の写真には古い傷跡は一つも無い。自傷行為が常習性を持つという事を考えれば自殺の線は消えたと考えていい。
「川上は外に助けを求めに出ようとは思わなかったのか?」
「手のひらも切られていたんだ。普通の神経ではドアノブを握る事もためられただろうし、本人も富山が帰ってくれば助かると思ったんだろう」
 富山は残業や出張が多く、帰宅時間は一定していなかった。
 富山が出張を被害者に伝えていなかった事も証言から明らかになっている。
 清史郎は資料の束を慶田盛に渡す。
「毎度仕事が早くて助かるよ。これで検察の容疑を晴らして真犯人を起訴できる」 
 慶田盛が満足そうに言う。探偵業をしていて良かったと思える一瞬だ。
「で、娘の学費の件なんだが……」
 清史郎は慶田盛に話を切り出す。
 大学を卒業してすぐに結婚し、娘ができて半年と経たずに妻が離婚を申し出た。
 不倫である事は分かっていたが、彼女の名誉の為に黙って養育費を受け入れた。
 とはいえ、慶田盛弁護士事務所の依頼者の多くは金銭的に厳しい者が多く、その仕事を更に下請けする三浦探偵事務所の実入りはとても良いとは言えない。
 一年で五十件の冤罪事件を解決した年もあったが、その年の収入でさえ四百万を少し上回る程度だったのだ。
 ��ナント料と養育費を払ってしまえば食費もロクに残らない。
 半ば商店街の好意で事務所を置かせてもらっていると言っても過言ではない。
 そしてようやく養育費を払い終わったと思ったら、元嫁が娘の学費を請求して来たのだ。
 慶田盛いわく法的には支払いの義務は無いとの事だが、娘を大学に進学させてやりたいという思いはある。
「示談にするのが一番じゃないか? 向こうも本気で学費を巻き上げられるなんて思ってない」
「敏腕弁護士が中途半端な事を言うじゃないか」
「君の元奥さんは金が欲しいだけで最初から娘を大学に行かそうなんて思っていない」
 慶田盛の言葉に清史郎は石を飲んだような気分になる。
「私が支払うと言えば嫌でも大学に行かせなくてはならなくなるだろう」
 元嫁に対する愛情など欠片も無いが、娘に対する愛情は残っている。
「そんな金が君のどこにあるって言うんだ。夕食を場末のバーボンで済ませる男の食生活がこれ以上荒むのは見るに堪えない」
 慶田盛の言葉に清史郎はため息をつく。
 確かに慶田盛の言う事に間違いは無い。
 ――あの女のせいで自分も娘も……――
 ジョーカーとして稼いだ金を出せば解決可能だが、帳簿に乗らない金を出したなら国税局に乗り込まれる事になる。
 結局私生活は何一つ変わっていないのだ。
「しばらくしたら仕事の量を増やすさ」
 ジョーカーを演じ始めたのは与党と矢沢組が推し進める新庄市再開発計画を阻止する為だ。
 その行方を占う知事選挙が四か月後に控えている。
「もう歳なんだ。いい加減町を騒がすハッピートリガーなんてやってられないだろう」
「これはそこいらの冤罪なんてモンとは次元が違う。新庄市に生きる人々の生活がかかっているんだ」
 清史郎が言うと慶田盛が苦笑する。
「相変わらず正義感だけは人一倍だな」
「皮肉を言うならお前も大手の弁護士事務所に転職したらどうだ?」
 清史郎の言葉に慶田盛が笑みを浮かべる。
「それこそ真っ平だ」
 清史郎は笑みを交し合うとグラスの底に残ったバーボンを飲み干した。
 慶田盛も自分も世間で言う所の真っ当な大人にはなりきれていないのだ。
  〈3〉
   今年で二十七才になる円山健司はマンションの部屋のボタンを適当に押していた。
『はい、どちら様ですか』
「amazon様からの御届け物です」
 本物のamazonの箱を抱え、配達員の服装をしているのだから疑う者も無いだろう。
 ――注文客以外は――
 マンションのオートロックをパスしようと思ったら、住人について行くのが一番手っ取り早い。
 しかし、それ以上に手堅いのが郵便物の配達員になりすますという方法だ。
 amazonであればほとんどと言って良い人間が利用しており、世帯主では無くてもファミリー向けマンションなら家族が注文している可能性もある。
 そしてオートロックをパスしてしまえば、実際にその部屋にものを届ける必要など無いのだ。
 健司はオートロックをパスすると非常階段で配達員の服装を箱に収め、ビジネススーツに身を包んだ。
 どこに居ても違和感を感じさせないという点で、ビジネススーツはほぼ最強のアイテムと言える。
 健司は時刻が二十二時になるのを待って、十四階の廊下にクリスマス用のランプを天井から垂れ下がるように飾り付けた。
 全て両面テープで一瞬で剥がせるようにしてある。
 更に待つ事一時間、程よく酔ったスーツ姿の男がエレベーターから出て来る。
 健司は息を飲んで男の背後につけ、クリスマスの飾りつけを一斉に点灯させる。
 男の胡乱な目と意識が飾り付けに向いた瞬間、健司は男の両足を抱えるようにして廊下から外に向かって放り出していた。
 悲鳴を上げる間も無く、鈍い音が階下から響く。
 八階以下なら死亡の確認も行うが、十四階で生きている事はまず無い。
 飾り付けの一方を引っ張って仕掛けを回収し、箱に収めてエレベーターで悠々とマンションを後にする。
 明日には会社員自殺の報が流れるかも知れないし、流れないかも知れない。
 いずれにせよ、目的を果たした健司は『殺し屋』へと足を向けた。
 『殺し屋』は歌舞伎町の風俗ビルの一室にある。
 夜更かししてまで仕事をする気は無い為、殺し屋と書かれた看板の電源を入れ、のれんをかけるのは明日の朝九時になってからだ。
 ボックス席が二つにカウンターが六脚。
 お品書きには殺し方のメニューが書かれている。
 客はその中から死因や死体の放置の有無などを選択し、健司は見積もりを出してターゲットを殺す。
 ごくごくシンプルなビジネスだ。
 今日のターゲットはヤクザに貸し渋りをした銀行の支店長で、死因は自殺で死体は放置で良いという事なので仕事としては楽なものだった。
 とはいえ、調査に四日かけて二百万の報酬。
 ヤクザが稼ぐ額に比べれば雀の涙だが、踏み倒される事を考えれば前払いでささやかに仕事をする方が余程いい。
 殺し屋も楽な仕事ではないのだ。
  〈4〉
   渋谷のクラブ『クイーンメイブ』で、三浦清史郎は所在無げに立っていた。
 本日のDJはKENこと前田健だ。
 アップテンポのR&Bと若い男女の支配する空間で、中年の疲れたサラリーマンといった体の清史郎は明らかに浮いている。
 健がボックスのVIP席を用意してくれているが、一人でそんな所に座っていても落ち着かないだけだ。
 健のパフォーマンスが一段落した所で、清史郎は二十歳過ぎのTシャツにデニムのショートパンツといった服装の女性に声をかけられた。
「ジョーカー、何疲れてんの?」
「仕事とここの空気のダブルパンチだ」
 声をかけて来たのは長い髪を茶色に染めた飯島加奈というコンビニの店員だ。
 快活な女性で、見ている限り店長より仕事をテキパキとこなしているように見える。
 仕事さえ違えば有能なのかも知れないが、このご時世では仕事があるだけでも儲けものだ。
「ノれば楽しいって」
 加奈がしなやかな身体を動かしてダンスらしきものを踊って見せるが、清史郎には真似をする事もできそうにない。
「俺の頃、ダンスは学校の授業に無かったからな」
 清史郎はカウンターでアーリータイムズを注文する。
 酒屋ではボトルで買っても千円程度なのに、クラブではショットで四百円取られるのだから暴利もいい所だ。
「私の頃だって無かったってば」
 加奈がカシスオレンジを注文しているとパフォーマンスを終えた健が近づいて来た。
「どォよ、俺のパフォーマンスはよ」
「毎度疲れるよ」
 清史郎は肩を竦めて答える。
「釣れねぇ態度、クイーンはどうだった?」
 健が加奈――クイーンに話題を振る。
「いいんじゃない? ここではナンバーワンなんでしょ?」
 楽しんではいたが加奈もDJの良し悪しは良く分かっていないようだ。
「だろ? 俺、最高にクールだったよな?」
 言って健がスクリュードライバーを注文する。
 健だけは店舗でDJをしている為にドリンクが無料だ。
「センスがいいのは認めるけど、ここのクラブで一番でも他所で一番って事にはならないから」
 ぴしゃりとした口調で加奈が言う。
「これだけで食っていけるとは思ってねぇよ」 
 悄然とした口調で健が肩を落とす。
 DJを優先している為、不規則な生活の彼は普段は日雇いのバイトをしている。
 全員が飲み物を手にした所でダンスフロアを横切ってボックス席に向かう。
「に、してもよジョーク、昨日のヤクザ連中のビビりっぷりは最高だったな」
 楽しそうな口調で健が合皮のソファーに腰を下ろす。
「エースは機械いじってただけでしょ? 仕込みをしたのはあたしとジョーカーなんだから」
 加奈が健――エースを叱責するような口調で言う。
「俺は俺で神経使ってんだって。第一お前らだけじゃWi-Fiのクラッキングもままならねぇだろ」
「その危険地帯にジョーカーが踏み込んで機材を仕掛けてるんじゃない」
 清史郎はITに関しては門外漢だが、昔ながらの盗聴や盗撮、ピッキングといった技術は職業柄身につけている。
 しかし、大手の情報企業と契約していない為、早いという利点は存在しない。
 現在一般的な興信所は大手情報企業と契約しており、端末の通信履歴からクレジットの支払い履歴まで二十万円から六十万円でパッケージで購入している。
 ETCの履歴まで買えるのだから、全て現金で賄い、更に携帯電話もスマートフォンも持たないので無ければ市民の生活は筒抜けだ。
 だが、情報企業に頼るという事は、利害が密接に絡んでいる対象を調査できなくなるという事も意味している。
 従って検察を敵に回している清史郎は情報企業を利用できないのだ。
 その清史郎がジョーカーという仕事をするに当たって健をスカウトしたのは、単にDJは複雑な機材を器用に使っているという思い込みだけだった。
 最初はヤクザに嫌がらせをするただの乱射魔演出という構想だったのだが、健のITスキルが想像以上に高く、健の元同級生で実務能力に長けた加奈が加わり、神出鬼没のハッピートリガー、ジョーカーが誕生する事になったのだ。
「そこはWINWINじゃね? 俺の真似は二人ともできないんだろ?」
 勝��誇った様子で健が笑みを浮かべる。
「現金回収したの私なんだからね」
 封筒を手にした加奈が健に向かって言う。
昨夜のヤクザの取り引きでジョーカーが登場した時、どさくさに紛れて半グレの落とした金を拾ったのは加奈なのだ。
「で、幾らになったんだよ」
「がっつかないの。バラけてたので百十一万。ジョーカーが三十一万でいいって言ってるから四十万」
「あざーっす!」
 健が笑顔で加奈から封筒を受け取る。
「に、してもボれぇよな。俺なんて一日工事現場で働いても七千円だぜ」
「私だって八時間みっちりシフト入って八千円行かないんだから。あんたは税金の天引きが無いだろうけど、私はガッツリ取られるんだから」
 加奈が小さくため息をついて言う。
「私は確定申告で青息吐息だよ」
 清史郎は苦笑を浮かべる。
 本業の探偵は労力の割に儲かっているとは言い難い。
 その中で臨時でも帳簿に乗らない収入があるのはありがたい事だった。
「ジョーク、辛気臭ぇ話は無しにしようぜ! 今日は俺のおごりだ」
 健がバーテンにボトルを注文する。
 ――今日の所は好意に甘えておこう――
 清史郎は明日から始まる地道な仕事に思いを馳せた。
   第一章 殺し屋VSジョーカー 
  〈1〉
  「まさかお前まで手玉に取られるとはな」
 純和風の邸宅の四十畳ほどの上座から、矢沢組組長矢沢栄作の声が響く。
 矢沢は東大出身で大手の組の金庫番をしていた経済ヤクザだったが、手腕を見込まれて盃を受けて新庄市を任された男だ。
 大型カジノ施設と契約し、建設費用だけで二千億円を超える大規模開発事業に着手。
 地域活性を謳ってケツモチをしている与党の知事を、市民公園を作ると言って与党の市長を当選させ、財務局を握って人口八十万程度の町である新庄市の経済活性としてカジノ施設を呼び込む段階まで運び込んだ。
 しかし、新庄市には古くからの商店街があり、カジノ施設に一斉に反対。
 この動きを野党が連合して支援した事で、矢沢組の工作虚しく市会議員選挙でまさかの野党大勝与党過半数割れとなった。
 そこで組として商店街に圧力をかけ、一方で麻薬や売春で治安を悪化させて風紀を乱すという策に出た。
 そこに商店街からの刺客のように出現したのがジョーカーだ。
 従って、今回の取り引きでたかだか百万程度の損失を出した事は問題ではない。
 手足となる半グレが震えあがり、商店街が盛り返してしまう事の方が問題なのだ。
 ジョーカーは確実にドラッグか銃のある時にしか出現せず、空取り引きで警察を使って捕えようとしても決して出て来ない。
 支配下にある警察でも公安とマル暴がジョーカーを追っているがかすりもしない。
「完全に俺の失態です」
 緒方は畳に額をこすりつける。ジョーカーが来るかも知れないと備えていても、圧倒的な火力を見せられて対応できる組員など存在しなかった。
「お前で駄目なら誰が行っても同じだろう。幸いヤクは複数のルートでさばいている。一か所の取り引きが潰れたくらいでプランに変更は無い」
 矢沢の言葉に緒方は頭を下げ続ける。
 ジョーカーに遭遇すれば十中八九取引どころではなくなるし、組員の士気の低下につながるだろう。
 しかも、ジョーカーの正体はまるで分らない。
 ヤクザが取引の現場に発砲魔が現れたと被害届を出せば、警察と幾ら緊密な関係にあるとはいえジョーカー逮捕の前に麻薬取引や銃刀法で御用となる。
 警察が味方と言っても、捜査させる理屈が見つからないのだ。
 従って、科捜研を動かしてジョーカーを特定するという事もできない。
 かと言って、ジョーカーらしき人物は大手の情報企業のデータベースにも存在しない。
 そもそも個人が特定できていないのだから、企業から情報を購入しようが無い。
「カジノ施設反対派は金で分断しろ。一億二億なら建設の際に財務局の法で水増しできる」
 矢沢の言葉を緒方は脳裏で反芻する。
 これは緒方の裁量で動かして良いのが二億円程度という話だ。
 商店街含め、新庄市でカジノ施設に反対している事業者は七百に上る。
 二十万円づつ配ったところで効果は見込めないし、家業と住み慣れた町を捨てさせるには最低でも二千万は必要になり、十人買収したところで七百の事業者から見れば雀の涙だ。
 二億という金をどう効果的に使うか。
 麻薬の売買で風紀と治安を乱そうとしたところで、商店街が機能して失業者も少ないという環境にあっては大きな効果を見込めない。
 警察は見逃してくれても市民に監視されているようなものなのだ。
 ――いつまでもこの状況を引き延ばす訳には行かない――
 半年後の知事選で知事が敗れ、反対派の知事が誕生すればカジノ施設誘致契約が破談となり、二千億を超える金が利益ではなく損失として計上される事になるのだ。
 それは矢沢組の滅亡を意味していた。 
 
 〈2〉
   午前八時半。
 『殺し屋』に出勤した健司は店舗の掃除を始める。
 明るく綺麗な店舗は客商売の基本中の基本だ。
 『殺し屋』を訪れる客は決して多くはないが、だからと言って手を抜いて良い理由にはならない。
 風俗ビルの一室というどうにもならない立地上の限界はあるにせよ、一国一城の主として近隣の風俗店や飲食店と比較して店舗が清潔かつ快適であるという自負がある。
 カウンターとボックス席を磨き上げ、店の前に出した看板の電源を入れて暖簾をかける。
 健司はカウンターの中で客の訪れを待つ。
 健司が『殺し屋』を始めたのは大学卒業から四か月が過ぎてからだ。
 在籍中に内定を取る事ができず、無職のまま卒業を迎えて露頭に迷う事になった。
 住んでいたアパートも追い出され、頼ったのは風俗嬢になった同級生。
 働いているという店舗を訪れ、偶然奥のテナントが空いているのに気付いたのだ。
 幸運な事に鍵は開いたままで、住む所の無かった健司はそのままそのテナントを利用する事にした。
 しかし、いつまでも居座る訳にも行かず、就職する必要があったが卒業した後では求人がほとんど無かった。
 そこでテナントを利用して自営業を始めようと考えたのだ。
 偶然町で見かけた『冷やし中華はじめました』という張り紙をヒントに、テナントのドアに『殺し屋はじめました』というビラを貼ったのだ。
 それまで人間を殺した事は一度もなかったが、どんな仕事にも初めては存在すると割り切った。
 最初の客は風俗ビルで働く風俗嬢だった。
 ターゲットはストーカー化した客。
 苦労はしたものの、一か月で痕跡を残さずに殺す事に成功した。
 以後、口コミで話題となり、多くの人が『殺し屋』を訪れるようになった。
 依頼を二百もこなす頃にはだいぶ勝手が分かってきて効率的に殺す事ができるようになってきた。
 四年が過ぎた今ではオプションサービスも充実させ、店もリフォームした。
 今では年収一千万を超えている。
 ヤクザに比べればささやかなものだが、悪事を働いているわけではないから商店主としてはこの不景気にあって良い方ではないかとも思っている。
 健司がカウンターに立っていると、一人の客が暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお申しつけください」
 言って冷茶を注いだグラスをカウンターに座ったビジネスマン風の男の前に出す。
 男がお品書きを見て目を細める。
「殺しの注文というのは相手の氏名が分からないと無理なのか?」
「素行調査であれば興信所を使われるのが一番です。当店では速やかな仕事を心がけておりますので本業以外の仕事は見合わせております」
 健司は男の様子を観察する。一見するとビジネスマンに見えるが、作り笑いに慣れていない、否、笑わない職業である事が見て取れる。
 能面のような顔の裏に押し殺した暴力的な雰囲気は、警察か暴力団員かそれに近い者だろう。
「前金で二千万」
 男がにこりともせずに言う。
「当店は誠実がモットーでございます。確実に殺せないターゲットをお引き受けする事はできません」
「それなら総理大臣でも殺せるのか?」
「名前と住所どころか一日のスケジュールまで手に入りますから、さほど難しく無いターゲットだと考えております。ただし知られている通り警備も厳重ですから時間も必要となり費用も高くなります」
 健司が言うと男が低く唸る。
「総理大臣でも不可能ではないと?」
「もちろん、オーダーが首つり自殺などですと難しい案件にはなります」
「首つり自殺は難しいか……面白い事を言う」
 男の口元に小さな笑みが浮かぶ。
「二千万はターゲットの調査費用という事でどうだ? 成功報酬は四千万」
 健司は小さく息を飲む。
 金払いがいい相手である事は確かだが、それだけの力の持ち主でもあるという事だ。
 ――失敗すれば命は無い――
 しかし、ヤクザを敵に回せばテナントから追い出されるだけでは済まないだろう。
「繰り返しになりますが当店は殺し屋でして、興信所ではありません。ターゲットの補足は素人のようなものです。その二千万円でターゲットを補足されましたら確実に殺させていただきますが、二千万円を頂いてもターゲットを補足できるとは限りません」
「二千万を手に高跳びとは考えないのか?」
「飛んだ先で失業すれば同じ事です。地域の皆様に愛される店づくりが当店のモットーで��」
 健司の言葉に男が破顔する。
「俺は矢沢組の緒方。二千万はここに置いていく。ターゲットはジョーカーと言われている銃の乱射魔だ。俺はお前が気に入った」
 言って冷茶を飲み干した緒方が席を立つ。
 ――これは大変な事になってしまった――
 健司はジョーカーという謎の相手を探るために、出したばかりの看板と暖簾を引っ込めた。
  〈3〉
   午前五時。
 健は薄汚れた作業服を着て、年季の入った肉体労働者の列に混じっている。
 ホームレスも珍しくないが、ホームレスでもとび職になると一日に二万円以上稼いでホテルに泊まっていたりするから、定住しないのは税金対策といった事情が大きいだろう。
 午前六時半、一台のワゴンが健の前に停車する。
「おい、若ぇの、乗れ」
「うぃっす」
 筋肉隆々といった古参の肉体労働者に囲まれていると既にやる気が萎えてくる。
 労働者ですし詰めのワゴンで移動する事小一時間、朝日が白々と空を照らす中健は自分には一生縁の無さそうな高級マンションの現場にいた。 
 現場監督のどうでもいいような話に続き、ラジオ体操をさせられる。
 眠いだけならまだいい、ラジオ体操が終わってからが地獄だ。
「コンパネ運んで来い! トラック入れねぇじゃねぇか!」
 自分に向けられた言葉と気付いた時には、組まされるらしい土工の目が険悪になっている。
 男がコンパネと呼ばれる90cm×180cmの板を十枚程抱えて通用口に出ていく。
 健の腕力では精一杯頑張った所で三枚だ。
 この板を敷いてその上をトラックが走れるようにするのだが並べるだけでも容易ではない。
 健はもともと運動神経が良い方ではない。
 高校では情報科学部でLinuxを使用してITの全国コンテストで優秀賞を手にした生粋のインドア派だったのだ。
 PCの扱いと音楽好きなのとでDJには一定の技術も知識もあったが、一般科目では赤点スレスレで奨学金がもらえるような成績でも無かった。
 そんな中、PCを触れて音楽もできるDJという職種を選んだ。
 しかし、一晩パフォーマンスをしても六千円程度にしかならないし、他にもDJはいるのだから毎日入る事などできはしない。
 従って一人暮らしのワンルームの家賃を払っていく為には、DJの仕事を妨げない、時間にゆとりのある職業に就くしかなかった。
「チンタラ運んでんじゃねぇ! 三枚しか運���ねぇってタマついてやがんのか」
 年配の作業員がヤニの混ざった唾を吐き捨てる。
 健が運んだコンパネをトラックの通路に並べていると、いら立った様子の作業員が近づいて来る。
「シャベル持って付いて来い」
「シャベルってどこにあるんスか?」
「ふざけてんのか! テメェで見つけろ! 遅れたら承知しねぇからな」
 健は屈辱にも似た気分に耐えながら、建設現場をうろついて乗ってきたワゴンでシャベルを見つける。
 今日拾われた工務店はどうやらマンションの裏手に穴を掘っているらしい。
「ここに管通すんだからな、掘れたら石詰めだ」
 幅は四十センチ程、深さは六十センチは掘らなくてはならない。
 総延長は二十メートルにはなるだろう。
 小型のユンボを使って欲しいが、既に他の管と入り組んでおり不可能らしい。
 配管の順序が逆になるという事は設計ミスの可能性も高いだろう。
 健はだるくなる腕を支えるようにして必至でシャベルで穴を掘る。
 要領の良し悪しなど分からない。分かるのは掘らなければ怒号と罵声が飛んでくるという事だけだ。
 昼過ぎに作業が終わったと思いきや、
「ネコでガラ片付けて来い」
「ネコって何っスか」
 反射的に首を竦めながら健は尋ねる。
「手押しの一輪車だ! この使えねぇボンボンが……」
 健は奥歯を噛みしめながらネコを探して歩きまわる。
 ネコを見つけてもガラ運びという重労働が待っている。
 健は暗澹とした気分で工事現場を歩き回る。
 ――俺だってジョーカーの一員だってのに―― 
  〈4〉
  「暑っつ~い! ったく、エースのヤツ今日は土建屋だなんて……」
 加奈がマイナスドライバーで水銀灯にへばり付いたガムを剥がしながら言う。
 ガムの中には火薬と小さな信管が仕込まれている。
「休みがお前だけだったんだから仕方ないだろう」
 清史郎はシャベルで地面に埋まった火薬を穿りながら言う。 
 乱射魔ジョーカーには秘密がある。
 それは実際にはモデルガンしか持っていないということだ。
 そこで、予め花火で集めた火薬をセットしておき、ヤクザが商売をしようという所で爆破して妨害する訳だ。
 モデルガンには赤外線カメラが搭載されており、Bluetoothで健の端末とつながっている。
 清史郎が引き金を引くと同時に健が火薬にセットされた信管を反応させ、銃撃のように見せかけているというだけなのだ。
 だからグレネードランチャーの爆発と言っても、実際には大きな花火が地面の下で爆発しているだけで殺傷能力など存在しない。
 とはいえ、撃たなかった方向にも埋め込んだ火薬はあり、子供などがうっかり触って怪我をしてしまう可能性もある。
 従ってジョーカーとしての仕事の後は必ず後始末が必要になるのだ。
「まぁ、ジョーカー一人に炎天下で作業させるわけにも行かないし。歳だし」
 加奈の言葉に清史郎は苦笑する。
 加奈と健は二十一歳だが、清史郎は四十五歳だ。
 肉体的に無理のきかない歳という事は重々承知の上だ。
 炎天下でひたすら火薬を撤去する事四時間。
 仕事を終え、加奈と一緒にたこ焼き屋の店先で麦茶を飲む。
 近年おおだこが当たり前になっているが、清史郎が行きつけにしている昔ながらのたこ焼きはピンポン玉より少し小さい程度で味も良く、言えば店のおばちゃんが麦茶を出してくれるというサービスがついてくる。
「おばちゃん、最近ヤクザはどうだい?」
 清史郎は店主兼店員の初老の女性に声をかける。
「あんたに相談したらそれっきりだよ。派手なドンパチがあったみたいだけどね」
 おばちゃんの言葉に清史郎は笑顔を返す。
 警察や興信所に相談してもヤクザ絡みの事件は解決しないが、しがらみの無い三浦探偵事務所とジョーカーなら不可能も可能になるのだ。 
 商店街や商工会の中でも事情は不明だが、清史郎に依頼をすればヤクザが引っ込むという都市伝説めいた話が広がっている。
 だが、あまりに知られ過ぎると清史郎がマークされ、ジョーカーを出現させられないという事になる。
 従って三浦探偵事務所は慶田盛弁護士事務所とは緊密な関係にあるが、地元の商店街とは付かず離れずの関係を続けているのだ。
 加奈と一緒にたこ焼きを食べているとスマートフォンが着信を告げる。
 健が清史郎が仕掛けた無線wifiのクラックシステムで、ヤクザの新たな取引を察知したのだ。
 ――健が稼ぎたがるのも分かるがな――
 火薬を調達し、設置し、身体を晒す身としては、ヤクザが本腰を入れない為にもジョーカーの出番は抑えておきたいところだった。
  〈5〉
   健司は朝のラッシュアワーで意図的に駆け込み乗車に失敗した。
 健司に乗車を妨害された形のスーツ姿の男性が、苛立った様子で最前列に立つ。
 山手線の次の列車が来るのは四分後だ。
 健司はポケットからsimフリーのスマートフォンを取り出す。
 simフリーではあるがsimも入れていなければ、個人情報にかかわる情報も一つとしてインストールしていない。
 健司はスマートフォンを操作するフリをして考える。
 ジョーカーは新庄市から出ていない。
 矢沢組から健司の得た情報は散文的なものだった。
 ヤクザが取引をしようとする、もしくは刀や銃で武装した状態で市民を脅そうとする。
 ヤクザが警察に通報できない時に、狙ったようにジョーカーが出現している。
 単純に考えて情報が筒抜けになっているという事だろう。
 乱射魔と支離滅裂な口調という仮面が狂人を作り上げているが、警察を巧みに避けている事からもジョーカーが充分過ぎる程に理性的な人物である事が分かる。
 相手は狂気の人間ではない。恐ろしい程の知能犯だ。
 健司は矢沢組から入手したドライブレコーダーの映像を繰り返し『殺し屋』のカウンター内のPCで再生した。
 ヤクザが出ていき、しばらくして銃火がひらめき、慌てふためいたヤクザが逃げてくる。
 どの映像も流れは同じだ。ヤクザがドライブレコーダーを使っているというのは不思議なものだが、ヤクザも交通事故では警察の世話になりたくないという事だろう。
 ジョーカーの紫のトレンチコートとピエロの仮面にはモデルが存在する。
 アメコミ最高の悪役とも言えるバットマンに出てくるジョーカーだ。
 相手の頭脳から推し量ってもそれくらいの事は分かってやっているのだろう。
 敵を混乱させるという意味ではジョーカーは最高の仕事をしていると言っていい。
 では、ジョーカーの行動にロジックは存在しないのだろうか。
 その最大の理由は新庄市に活動を絞り、矢沢組と戦っているという点に存在するだろう。
 ジョーカーの動機が判明すればその正体を絞り込めるはずだ。
 健司の後ろに列ができ、周囲が人垣と言っても良い程になる。
 ほとんどの人が急いでいるかスマートフォンを操作している。
 毎日このような息苦しい思いをするのが分かっていて、どこの会社も出社時刻を一緒にしているのか謎だが、このような状況が起きる事で仕事を円滑に進められるのも事実だ。
 駅のホームは渋谷のスクランブル交差点のように混雑しており、点在する監視カメラからも死角になっている。
 列車が���えた所で健司はsimフリーのスマートフォンを線路に放り投げた。
「落ちましたよ」
 健司の言葉に周囲の人間の視線が線路に落ちるスマートフォンにくぎ付けになる。
 健司が乗車を邪魔した男が慌てた様子で胸ポケットに手を当てる。
 健司はスマートフォンを拾おうとするかのように踏み出しながら、素早く男の背を押す。
 男が線路に転がり落ちるのと列車が到着するのは同時だった。
 ブレーキ音と悲鳴が駅のホームを支配する。
 ――これで今日もお客様を笑顔にできた――
 健司は動揺を装いながら駅員の誘導に従って満足感と共にホームを後にした。
  〈6〉
   潮風が香る深夜の埠頭の倉庫街。
 緒方は三十人の組員を伏せさせ、更に暴走族を張り込ませて取引に臨んだ。
 捌くドラッグの金額は一千万。
 ジョーカーが金を狙っているならこの好機を逃すはずが無い。
 半グレの三団体の代表がベンツで乗り付け、ヘッドライトの光を背に向かってくる。
 ――どうするジョーカー――
 傍から見ればこれ以上のカモは無いだろう。
 しかし周囲には銃で武装した構成員と、それに数倍する人数の暴走族がいるのだ。
 仮に強襲に成功したとしてもこの包囲網を抜け出る事は不可能だろう。
 金をアタッシュケースに入れた男たちが近づいて来る。
 ジョーカーは金を見せた時に最も多く出現する。
 緒方はドラッグの詰まったスーツケースを手にヘッドライトに身を晒す。
「緒方さん、ご苦労様です」
 半グレの代表のスーツ姿の男が言う。
 アタッシュケースが開かれ、帯どめされた札束が姿を現す。
 緒方もスーツケースを開いてロシア経由の最高級品を見せる。
 と、緒方は場違いな程騒々しいエンジン音を聞きつけた。
『奢れるヤクザもコンバンハ』
 拡声器の声と共に波を蹴ったボートが一直線に突っ込んでくる。
 船首に立ったジョーカーが銃を抜いて問答無用で撃ち始める。
 緒方の周囲で火花が散り、半グレが慌てた様子でアタッシュケースを取り落とす。
 伏せていた緒方の部下がジョーカーに向かって応射を開始する。
 ジョーカーがグレネードランチャーを構えて砲火を閃かせる。
 ベンツの車体が火を噴いて浮き上がる。
 倉庫街の至る所で爆発が起こり、火の手が上がる。
 ただの撃ち合いなら警察も黙っているが、火災が発生したのでは消防が動き追って警察も出動を余儀なくされる。
 ボートが埠頭の岸壁を掠め、ジョーカーが猛火の中を歩んでいく。
「今宵のコテツは鉛に飢えて、オイラの引き金も軽くなるゥ~」
 相変わらずの意味不明な言葉でジョーカーが戦場となった埠頭を蹂躙する。
 雄たけびを上げた半グレの一人が鉄パイプを振り上げてジョーカーに向かっていく。
 鉄パイプの一撃を受けたジョーカーの動きが鈍る。
「あの世の旅も道連れ世は情け、痛いの痛いの焼死体」
 ジョーカーが鉄パイプを奪い取って半グレを路上に蹴り飛ばす。
 ジョーカーが怒り狂ったようにグレネードを乱射する。
 緒方は炎で崩れ落ちる倉庫を避けて部下のベンツに向かって走る。
 この乱射の中では同士討ちが危ぶまれるどころではない。
 まずは消防がやって来る前に現場を離脱しなければならない。
 取り残される組員や半グレには悪いが、矢沢組としても幹部が尻を蹴飛ばされたままブタ箱に入る訳には行かないのだ。
  〈7〉 
 
 
「……ッ」
 清史郎は左腕を押さえたままボートの床に腰かけている。
 夜の海から見えるのは照明で浮かび上がる工場の幻想的とも言える光景。
 酔狂なカップルなら観光に来るのかも知れないが、現在の清史郎にその余裕は無い。
 ボートが揺れる度に左腕が痛み、肩から背中までもが痛むように感じられる。
 ――腕を折られたか――
 折れたと言っても粉砕骨折では無いだろう。
 粉砕骨折なら幾ら警察OBの探偵から護身術を習っているとはいえ、鉄パイプを奪って蹴り飛ばす事などできてはいない。
 問題なのは常識的に考えて鉄パイプを持った敵に対してなぜ発砲しなかったかという事だ。
 客観的に見ればこれほど奇妙な事は無いだろう。
 狂気の道化師、ジョーカーなのだからと見逃してくれる輩ばかりではないだろう。
「ジョーカー、大丈夫?」
 気遣う様子で加奈が声をかけてくる。
「今回の作戦はリスクは織り込み済みだったんだ。鉛弾を食らわなかっただけでもいいってモンだ」
 清史郎は虚勢を張って言う。
 健が入手した情報は矢沢組が最も警戒している取引、もしくはジョーカーをおびき出そうとしている作戦だった。
 当然もっと楽なターゲットを探す事も可能。
 しかし、健がこの難度の高い作戦にこだわり、清史郎もジョーカーの名を上げる為に乗ったのだ。
「ジョークには悪かったけど今日だけで六百万だぜ? 一人二百万ってすごくね?」
 ボートを運転しながら健が言う。
 百人以上が動員されている取引を強襲する為に海路を選んだのは正解だった。
 通常は予め現場に潜んでいるが、今回はヤクザが張り込む事が分かっていた。
 脱出の目途もたたないのに予め潜むという手段は使えない。
 と、なれば相手が考えてもいない方向から強襲して、対応されるより早く逃げるという方法だ。
「アタッシュケース拾って来るのも命がけだったんだから。あんたは安全な所でPCたたいてるだけだからいいかもしれないけど」
 加奈がボートでPCを操作していた健に向かって言う。
 清史郎が派手に暴れている隙に半グレが落としたアタッシュケースを回収したのは加奈だ。
 ヤクザが銃で応戦して来る中で拾ったのだから、生きた心地がしなかったのであろう事は想像に難くない。
「ジョークだって腕を切り落とされたとかじゃねぇんだし、保険証が使えねぇなら金あんだし海外で手術とかもアリじゃね?」
 楽観的な口調で健が言う。確かに健の案もいいが致命的な欠陥がある。
「ジョーカーは左腕を殴られている。保険の記録に残らなくても俺が左腕をギプスで吊っていたら正体を宣伝してまわるのと同じことだ」
「あ、そうか」
「あ、そうかじゃないでしょ! だいたいあんたが怪我してるわけじゃないんだから」
 加奈が虚を突かれた様子の健に向かって言う。
「腕は町の獣医に頼んで治してもらうよ。問題は探偵事務所の方だな」
 町の獣医であれば顔なじみだし、保険の記録に残る事も無い。
「事務所はほとんど客来ねぇからOKじゃね?」
 相変わらず楽観的な様子で健が言う。
「エースってば本当に失礼なんだから」
「本当の事だからいいんだけどな。でも選挙が近づいているからカジノ反対派の人たちが現職知事の裏情報を求めてくるかもしれない」
 情報が盗まれたものなら裁判では証拠にならないが、盗み出して内部告発の形をとって匿名でばらまくという事は可能だ。
「与党の現職知事って矢沢組がカジノ呼ぶ為に当選させたんだろ?」
 健の言葉に清史郎は頷く。
 元々災害避難地域指定だった公園の指定を解除し財務省に許可を発行させ、企業が進出できるよう実際に動いたのは与党だ。
 暴力団が本体か与党が本体かというのは、鶏と卵のパラドクスを解くに等しい。 
「でも物的証拠が無い。音声データやメールは改ざん可能だから決定打にはなり得ない」
「手書きのサインの入った書類が無いと証拠にならないって訳ね」
 加奈が話を要約して言う。
「それって探偵とかの仕事じゃねぇのか?」
 健の言葉に清史郎は痛みを感じながらもため息をつく。
「私はその探偵なんだよ。儲かっていないだけで」
「とりあえず一人二百万入ったし、ジョーカーはひとまずお休みするしかないわよね」
 加奈は状況を落ち着いて観察できているようだ。
「でもよ、選挙が終わって反対派が勝ったら出番も無いんじゃね?」
「そもそも反対派を勝たせる為に始めたんだよ。目的を忘れないでくれ」
 商店街と探偵事務所を守る為のジョーカーなのだから脅威が消えれば戦う必要は無い。
 もともと町を守る為の義賊として、健も同意して始めた事なのだ。
「あ~、キャデラックに乗りたかったぁ~」
 船の縁に寄りかかって健が空に目を向ける。
「外車ディーラーで試乗でもすればいいでしょ」
「そういう事じゃねぇんだよ。こう、リッチな気分でパーッとやりたかったって言うかさ」
「気持ちは分からなくも無いけどさ、私らもともと何千円で一喜一憂してたんだからね」
「へぇ~い」
 加奈に言われた健がため息をつく。
 二人のやり取りを聞きながら清史郎は考える。腕を折られたジョーカーが休養すれば、不死身の化け物のようなイメージが揺らぐ事になる。
 双方の総力戦の様相を呈した今回の戦いで、相手もジョーカーが手傷を負った事は分かっているはずだ。
 ――大人しく休養というわけには行かないか――
 清史郎は加奈に目を向ける。
 IT機器を素早く操作できない以上、空白期間にジョーカーを演じられるのは加奈だけだ。 
  〈8〉
   ジョーカーは手傷を負った。
 店内の観葉植物の葉を丁寧に拭いながら、健司は緒方からの情報の意味を考える。
 圧倒的な火力を持ちながら、鉄パイプを手に向かって来る敵に対してジョーカーは無策と言っても良い状態だったのだ。
 これはこれまで一人も死者を出していないというジョーカーの姿勢と符合する。
 その後の乱射により埠頭は混沌と化し有益な情報は集まっていないが、ジョーカーが現金の入ったアタッシュケースだけを手に海に逃れた事は間違いない。
 ――ジョーカーは人を殺さないという前提で考えたら――
 単純にヤクザを驚かせたいという、愉快犯の姿が浮かび上がる。
 だが、愉快犯ならリスクの高いヤクザを狙う理由は少ない。
 銃器を振り回さなくても、健司のような一般市民相手に全裸になって見せるだけで充分に他人を不快にする事ができる。
 ヤクザに警察に通報できないという弱みがあったとしても、それ以上にリスクは大きいはずだ。
 ヤクザに恨みがあるのだとしても、それならば落ちた金だけ拾うという点では実質的にダメージはほとんど与えられていない。
 収入として考えているなら猶更ジョーカーの行動は不可解過ぎる。
 愉快犯でありながらそれは副次的なものでしかなく、目的の為の手段に過ぎない。
 だが、愉快犯である事を手段とする目的とは一体何だろうか。
 ――僕のような常識人では手が届かないと言うのだろうか――
 健司は観葉植物の葉に霧吹きで水をかけながら考える。
 矢沢組は一体誰に何をし、その結果ジョーカーを生み出したのだろうか。
 健司は店内の照明を切り、暖簾と看板を店内にしまう。
 店を出て新宿のチェーン店の居酒屋に向かう。
 健司が一杯のビールと焼き鳥を二本腹に収めていると、三人の男が連れ立って店内に入ってきた。
 健司は三人組がボックス席に入るのを確認してアタッシュケースを手にトイレに向かう。
 三人組が毎回このチェーン店を使う事と、最初にビールを注文する事は分かっている。
 健司はスーツを脱ぎネクタイを外してケースに収め、代わりにエプロンを身に着ける。
 保冷剤で冷やしておいた缶に入ったビールを、同じく冷やしておいた100均で買ったグラスに注ぐ。
 そのうち一つにはシアナミドを混入してある。
 シアナミドは無色透明の抗酒剤で、副飲する事でアルコールアレルギー反応を引き起こす禁酒用の薬品。
 一言で言えば一口飲む事で急性アルコール中毒症状を引き起こすのだ。
 健司は三人の席におしぼりが置かれ、店員が去るのを待ってビールジョッキを手に席に向かう。
「お待たせしました」
 健司はターゲットにシアナミドを混入したビールを手渡し、両手にビニールの手袋を嵌めてトイレの傍に潜む。
 ややあって鍵をかけていないトイレに青ざめ、脂汗を流したターゲットの靴が覗いた。
 健司は入れ替わるようにしてすれ違いながら様子を確認する。
 シアナミドにより意識は朦朧としているようだ。
「介抱しますよ」
 健司は男を抱きかかえるようにしてトイレのドアを後ろ手に閉じる。
 男が便器に前のめりになって嘔吐する。
 健司は男の頭を掴んで便器に押し込むと首の頸動脈にシャープペンシルを突き刺す。
 男の首から血が噴き出すのに合わせてトイレの水を流す。
 音消し水とはよく言ったものだ。
 窒息と出血の双方で男が瞬く間に衰弱して行く。
 相手がプロレスラーだろうとこの状態で健司に抗する事はできはしない。
 健司は男の脈を取って死亡を確認するとエプロンとシャープペンシルを放置し、元通りスーツに身を包んで会計を済ませて店を出た。
 殺害方法は分かっても誰が殺したのかは目撃されていない限り分からないだろう。
 ――小さな仕事でも手を抜かない事が顧客満足度につながるんだ―― 
  第二章 二人目のジョーカー 
  〈1〉
  「矢沢組のヤツら慎重になってやがんな。もう大口取引はしねぇらしい」
 清史郎の耳には爆音と左程変わらない音が響いている、クイーンメイブのボックス席で健が言う。
 清史郎は獣医に頼んでギブスなしで左腕を固定している。
 診断は骨にヒビが入っているとの事で、二週間は安静にする必要があるらしい。
「そりゃ百人集めて失敗したなら、もう大口でジョーカーを誘おうなんて思わないでしょ」
 言って加奈がカクテルで唇を湿らせる。 
「一回の取引でせいぜい百万円。しかも街中でやってやがる」
 健がラップトップを開いて矢沢組の予定表を表示させる。 
「儲けが少ないからやらないって話にはしない約束でしょ?」
 加奈が健に睨みをきかせる。前回の襲撃は加奈は反対だったのだ。
「でもよ、ジョークは骨折してるし、街中でグレネードはさすがにヤベェだろ」
 カクテルをチビチビ飲みながら健が言う。
 確かに街中では自動小銃がせいぜいといったところだ。
 仮にグレネードを使ったとしても、見た目が派手なだけで破壊力が無い事が露呈する。
「自動小銃でも相手を驚かすような事はできるだろう。演出次第だ」
 清史郎は頭を巡らせながら言う。
 今となっては拳銃を抜いて撃つくらいではヤクザは驚かない。
 下手をすれば一人二人射殺されても驚かないかも知れない。
 と、なればどうやって驚かせるかが問題になってくる。
「演出って言うけど、ジョーカーは左手が使えないんでしょ?」
「そこだ。連中は俺が腕を怪我するのを見ている。ここで動きを止めればジョーカーというキャラクターの怪物性が損なわれてしまう。そこで今回は加奈にジョーカーを依頼したい」
 清史郎の言葉に加奈が驚いたような表情を浮かべる。
「町の人たちがカジノに反対できているのは、ヤクザがジョーカーを恐れているという漠然として安心感があるからだ。ジョーカーが怪我で動けないとなったらヤクザを恐れて寝返る住人が出てくるかもしれない」
 清史郎の言葉に加奈が思案顔になる。
「……そういう事なら……でも策はあるの? 私はジョーカーみたいに相手を脅せないよ?」
 加奈の言葉に清史郎は頷く。
「喋るのはマイクで私が担当する。元々ボイスチェンジャーを使ってるからスピーカーから音を出してもヤクザには分からないだろう」
 清史郎は矢沢組のリストの一つを指さす。
 雑居ビルの屋上での取引。
 金額は百万だが人が多く割かれている訳ではない。
 そしていざとなれば清史郎も右腕一本で戦うのだ。
  〈2〉
  「ありがとうございました」
 客の手に両手を添えるようにしてつり銭を渡す。 
 我ながら流れるような動作だと加奈は思っている。
 品物は働き出してから一週間で覚えたし、二か月で発注も任されるようになった。
 オーナーが発注していた頃に比べて売り上げは八%上昇している。
 業者のパレットに乗った商品が運び込まれ、そこに緩慢な動作で大塚という中年女性が向かっていく。
 大塚はこのコンビニに長く勤めているが、何をするにも動きが遅く、やる事が雑だ。
 加奈は母子家庭ではあったが高校時代は生徒会長を務めていた。
 生徒会の切り盛りでは過去最高の生徒会長だったという自負もある。
 奨学金を借りて大学に入学したいと何度思った事か分からない。
 しかし、その度に返済の目途が立たないという現実で踏みとどまった。
 加奈が借りる金額では返済する頃には五十代。
 キャリアウーマンとしてバリバリ働いて行けるならいいだろうが、男社会の中で目立っても左遷されるのがオチだ。
 奨学金を諦め、近所のファミレスとコンビニの双方を天秤にかけた時、ファミレスの厨房は嫌だったし、発注のような頭を使う仕事がしたかった事からコンビニで働く事にした。
 しかし、今現在、視線の先では大塚が商品を手前から、しかも違う棚に並べている。
 新しい品物を後ろに、古い品物を前にしなければ賞味期限切れで廃棄になる。
 それはコストとすら呼べるものではない。
 注意した事は一度や二度ではないが、返ってくるのは「今時の若い子は」という恨みがましい言葉だけだ。
 仕方なく業務の合間を縫って品物を並べなおす。
 そうすると今度はレジに長蛇の列ができる。
 大塚はバーコードの読み込みも遅ければ、テンキーの打ち込みもできない。
 公共料金などの支払いも一々店長にやらせている。
 店長は一体何の弱みがあってこの女を雇っているのか分からない。
 それでも、このリスクを織り込んだ発注で収益を上げたのは自分の手腕だ。
「飯島くん、これじゃ困るよ。お客さんを待たせているじゃないか」
 抜き打ちでやって来たマネージャーの言葉に加奈はため息をつきたくなる。
 自分がレジにいればこのような現象は起きないのだ。
 そして、レジにいれば大量の食品を廃棄しなくてはならなくなる。
「分かりました。棚の商品を並べなおしてもらえますか」
 チクリと言い返し、立ち仕事で痛む足を引きずって加奈はレジに向かう。
 こんな事をこの先何年続けて行けばいいと言うのか。
 少なくとも大塚がクビにならない限りは、ただでさえハードなコンビニの仕事すらまともにこなす事ができないのだ。 
 ――ジョーカーとしてならもう少し有能に働けるのに―― 
 
 〈3〉
   深夜、ビルの屋上に銃声が響き火花が散る。
 ビルの給水塔の上で清史郎が見ている下で、四人の男たちが手にしたバッグを胸に抱える。
「迷えるヤクザよコンバンハァ!」
 二階分高いビルの屋上から、ワイヤーを伝って自動小銃を乱射しながらジョーカーが降下して来る。
 ヤクザの一人が屋内に逃れようとした所でジョーカーの自動小銃が火を噴いてドアを蜂の巣にする。
 恐慌状態に陥ったヤクザの前に、床の上で一回転したジョーカーが立つ。
 この辺りの動きは加奈の方が本家よりいいと言える。
ジョーカーの自動小銃が火を噴き、ヤクザたちの動きが止まる。
清史郎はありあわせの材料で作った分銅でヤクザの手からケースを叩き落す。
「金は天下の猿回しぃ~、回る回るよ目が回るぅ~」
 床を滑ったケースがジョーカーの足元で止まる。
 ジョーカーがケースを手に屋上のフェンスを乗り越える。
「それでは諸君ごきげんようそろ、面舵一杯腹八分目ぇ~」
 ジョーカーがフェンスを乗り越えてビルの外に姿を消す姿をヤクザたちは茫然と眺めている。
 加奈はほぼ完ぺきに、運動神経という面では清史郎以上にジョーカーを演じて見せた。
 ヤクザたちがスマートフォンを取り出して連絡を取りながら屋内へと消えていく。
 加奈は当初隣のビルの屋上に潜んでおり、ヤクザの取引するビルとの間にはワイヤーが取り付けてあった。
 清史郎の合図で火薬を爆発させ、加奈は小型の滑車を使ってビルの屋上に降り立った。
 予定通り混乱に乗じて清史郎がヤクザの金のアタッシュケースを叩き落し、それを回収した加奈は予め用意されていた脱出用のワイヤーで一目散に逃げ去ったという訳だ。
 清史郎がヤクザの去っていった通用口を見ていると、二人のヤクザが姿を現した。
 痕跡を確認するか、ジョーカーを追跡しようという考えかもしれない。
「イナイイイナイバウアアァァァァッ!」
 万が一に備えてジョーカーに扮していた清史郎は、咄嗟の判断でショットガンを手にヤクザたちの前に飛び降りる。
 銃声と共にドアを吹き飛ばす。
 今度こそ恐慌状態に陥ったヤクザたちは階下へと消えていった。
  〈4〉
   健司は『殺し屋』のカウンターでグラスを磨きながら考える。
 ヤクザは取引を分散させるという戦術を取ったが、ジョーカーは確実に一か所一か所を狙い撃ちにしている。
 被害総額は大きくないのだろうが、心理的な影響は大きい。
 ――ここで敵の目的は明らかになったと言っていい――
 これは心理戦なのだ。
 矢沢組が恐れるに足りない存在だと思わせる為のデモンストレーションなのだ。
 実際矢沢組の構成員たちも明日は我が身と必要以上に警戒しており、結果として街中での暴行などで警察に捕縛されるケースも散見し始めている。
 警察もヤクザと事を構える事はしたくないだろうが、暴行は立派な犯罪だ。
 矢沢組を弱体化、もしくは弱体化して見せている目的。
 これは幾つかのケースが考えられる。
 例えば同格の田畑組がシマを狙っているケース。
 しかし、これでは全面戦争がしたいと言っているようなものであり、そうなれば別の第三の組が弱った二つの組を併合してしまうだろう。
 更に言えば『本物』の銃器を使っているのだとしたら、これまでに過失で殺してしまった人間が居てもおかしくはないはずだ。
 これまであれだけ派手に銃を乱射していて軽度のやけどくらいしか負傷者がいないというのは、空砲かモデルガンかのどちらかだろう。
 そして犯人がヤクザであるなら、モデルガンなどという恥ずかしいものは持ち歩かないだろう。
 第二の敵が政治結社だ。
 現在矢沢組の推す現職与党の代議士が知事を務めている。
 三か月後には知事選が予定されており、野党は連合して対立候補を立てている。
 現在新庄市には土地の価値だけで二千億を超える空き地が存在し、そこに巨大カジノカジノを誘致するか、市民公園にするかで市民の世論が割れている。
 カジノが実現すれば莫大な金額が動く事になり、矢沢組は軽く数百億は稼ぐ事になるだろう。
 一方、野党が勝利してしまえば議会も野党に握られた事から市民公園が確定。
 造園業者や、スタンド付きの運動公園を造る建築業者がいくらか儲かるにせよ、利権はほとんど存在しない事になる。
 本来矢沢組こそが野党を攻撃しそうなものだが、野党のカルト的な集団ないし、狂信的な人間が矢沢組を狙っている可能性は否定できない。
 しかし、カルトや狂信的な人間がここまで綿密な計画を練り、実行に移せるだろうか。
 そこが政治結社を敵に想定した場合のボトルネックとなってくる。
 第三の相手は想定が難しいがカジノに反対している市民だ。
 市民の大半は再開発計画に興味を持っていないが、商店街や商工会は地場産業が脅かされるとして強硬に反対している。
 矢沢組はこの商店街の切り崩しを行っていたのだが、その矢先にジョーカーが出現するようになり、商店街を攻略するどころではなくなってしまったのだ。
 そう考えると、人のいい商店街の人々こそが実は矢沢組の最大の敵という事になる。
 ――商店街がジョーカーの可能性――
 だが、それなら情報漏洩が少なからずあるはずだ。
 ――もし商店街の誰かがジョーカーで、他の人間は知らないのだとしたら――
 ジョーカーは一方的に守るだけで損をしているように見えるが、最終的には商店街が守られるのだから自分の仕事も守る事になる。
 ――商店街の何物かが、か――
 健司はPCで商店街の店舗の情報を検索する。ほとんどが個人事業主でHPもまともに作れているとは言い難い。
 そんな中、健司は気になる存在を発見した。
 ――人権派弁護士、慶田盛敦――
 直接の関与の有無は別にして、慶田盛が商店街や町を守ろうとするのはありそうな事だった。
  〈5〉
  「急な訪問で恐れ入ります。慶田盛先生の事務所は意外と質素なんですね」
 新庄市の雑居ビルの一室を訪れた健司は慶田盛敦に向かって言う。
「君は……殺し屋との事だが……」
 当惑した様子で慶田盛が応接用の合皮のソファーに腰かけて言う。
「屋号のようなものです。ただの飲食店ですよ。保健所で営業許可も取っています」
 健司は爽やかな笑みを浮かべる。
「で、歌舞伎町の飲食店がここに一体何の相談なんだい?」
 敏腕弁護士という割にはお人よしなのだろう、慶田盛が問うて来る。
「店が襲われたんです」
 健司の言葉に慶田盛の視線が険しくなる。
「それは警察に訴えるべき案件なんじゃないのかい?」
「歌舞伎町で店が襲われた程度で警察が動くと思いますか?」
 健司が言うと慶田盛が思案気な表情を浮かべる。
「相手に目星はついているのかい? 組関係だと厄介だぞ?」
 歌舞伎町という事を意識しているのか慶田盛が言う。
「ピエロのマスクに紫のトレンチコート、銃撃で店は蜂の巣です」
 慶田盛の表情が一瞬硬直する。
 ――慶田盛はジョーカーを知っている――
「最近はそういった愉快犯が流行っているようだね」
「慶田盛先生はご存知ないのですか? ジョーカーと呼ばれているようなのですが」
 慶田盛の顔がポーカーフェイスに変わるが遅すぎだ。
 今更表情を消した所で知っていると言っているようなものだ。
 健司はさり気なくソファーの隙間に盗聴器を滑り込ませる。
「噂で聞いている程度だね。でも、弁護士だからといって探偵の真似事ができる訳じゃない」
「慶田盛先生は懇意にしている探偵などはおられないのですか?」
「古い付き合いの探偵はいるけどね。彼を紹介するにはそれなりの理由が必要だよ」
 慶田盛が慎重に言葉を選ぶ。
「店が襲撃された以上の理由が、ですか?」
「僕はその破壊された店舗の写真すら見ていないんだよ? 被害実態が明らかではないのに探偵の手を煩わせると思うかい?」
「随分と庇われるんですね。逆に興味が湧いてきましたよ」
 健司は切り上げどころと判断してソファーから立ち上がる。
「貴重なお時間を頂きありがとうございました」
 健司は慶田盛と握手しながら唇の端が吊り上がりそうになるのを堪える。
 ――これで慶田盛が探偵に連絡を取ればその相手がジョーカーである可能性は高い―― 
 
 〈6〉
  「いやぁ~俺たちマジ凄くね? もうハリウッドレベルだって」
 クイーンメイブのボックス席で健がいつものように能天気な口調で言う。 
「たちじゃなくて身体張ってる私たちが凄いの」
「お前PCなんて触れないだろ」
 健が加奈に言い返す。
「PCコンビニの使えてるし!」
「ンなの使えてるうちに入らねーよ。な、ジョーク」
 健の言葉に清史郎は肩を竦める。加奈と比較すればPCを使える方だろうが、ITというレベルには程遠い。
 ヤクザの事務所に仕掛けた盗聴器をBluetoothで飛ばしたり、WIFIでデータを引き抜いたりといった芸当は清史郎には不可能だ。
 しかも従来の興信所の盗聴器探知は電波の周波数帯で探っている為、健のカスタムした機材を探知する事ができない。
 健は新庄市のヤクザの誰よりも彼らの動きに詳しいと言っても過言ではないのだ。
 その中から清史郎が獲物になりそうな案件を選び出し、加奈と下準備を行っているのだ。
「なぁ~んか納得行かない」
 加奈が口をとがらせるが、こればかりは健の能力を素直に認めるしかない。
「エースの情報収集能力がなければ火薬を仕掛けにも行けないだろ」
「土建屋の癖に何かムカつく」 
「土建屋じゃなくてDJだっつーの」
「DJで食ってる訳じゃないでしょ? なら土建屋じゃない」
「ンだとコラァ!」
 声を荒げる健を清史郎は慌てて宥める。
 手を挙げるような青年ではないが、つまらない事で耳目を引くのは得策ではない。
「俺は二人におんぶにだっこだ。二人がいなければジョーカーなんてやってられない。そうだろう?」
「私もジョーカーやったしね。やってないのはエースだけ」
「俺がいなかったら起爆できねぇじゃねぇか」
 むっつりとした口調で健が言う。
「裏方の仕事があっての晴れ舞台って事もあるんだ。もっとも、舞台役者が良くなかったらどんなに裏方の仕事が良くても芝居にはならない」
 清史郎の言葉に加奈がため息をつく。
「ジョーカー人間できてるわ」
「単に口の上手いオッサンってだけかもな」
 健が悪童のような笑みを浮かべる。
「多分エースの言う通りだろう。で、いよいよ選挙まで三か月を切った訳だ。矢沢組だけじゃない、カジノ関連の企業が再開発計画に群がってきている」
 清史郎は話を本来の筋道に戻す。
「それは分かるけどさ、ヤクザは脅せても民間企業はどうにもならないんじゃない?」
 加奈の言葉に清史郎は頷く。
「そこは商店街と市民の手に委ねる。俺たちが考えなきゃいけないのは、矢沢組をあと三か月どう騙し抜くかって事なんだ」
 最終的にカジノ施設を選ぶか、市民公園を選ぶかは市民の手に委ねられるべきだ。
 ジョーカーはそこに介入しようとする矢沢組をけん制しているに過ぎない。
「一年以上見破られてねぇんだし、今更どうって事も無いんじゃね?」
 健が楽観的な口調で言う。
「一年って言っても綱渡りだったじゃない。ジョーカーも怪我したんだし」
 常に現場を見て来た加奈が健に向かって言う。
「人生にはスリルがつきものだろ」
「必要ないのにスリルをつける必要ないでしょ?」
「人生にはロマンが必要だよ。なぁ、ジョーカー」
「私の人生にはロマンらしいロマンは無かったよ」
 明らかに会話を楽しんでいる健に清史郎は苦笑する。
「人生堅実が一番なの。あんたみたいのが一番ホームレスに近いんだから」
「お前だってコンビニ店員以外何ができるよ」
「ちょっとジョーカー、何とか言ってやってよ」
 怒った様子の加奈が話を振ってくる。
「景気が良くなったら事務所で求人でも出すよ。それより今は仕事をやり抜く時だ」
 清史郎の真剣な言葉��二人が頷く。
 ――後三か月――
 この凸凹コンビと一緒に駆け抜けなければならない。
 
 〈6〉 
  「ここの探偵事務所では人探しをしたりはしないんですか?」
 健司は三浦探偵事務所の安普請の椅子に腰かけて、所長兼調査員の三浦清史郎と向かい合っている。
 慶田盛は健司が面会した翌日に同じく新庄市に居を構えている三浦に連絡を取った。
 探られている事を多少は警戒しているだろうが、昨日の今日で会いに来るとは思っていないだろう。
「今の所請け負ってはいないね。知っているかどうか知らないが、日本の年間行方不明者は二十万人。警察が民事だと言ってサジを投げるレベルだ。うち毎年六千人前後が死体で発見される。これが日本の行方不明の実情だ」
 四十五歳、探偵というより疲れたサラリーマンを思わせる風貌だが、どこにでもなじめるという点ではこの風貌は役に立っている事だろう。
「携帯電話の通信記録を探ったりしないんですか?」
「そういう情報は大手の情報企業が握っているんだ。契約していなければ盗み出すしかないだろうし、それをすれば犯罪だ」
「企業が形はどうあれ本人の同意なしに情報を持っている事は犯罪ではないと」
「正当だと思えば契約している、と、答えたら君に私の考えは分かってもらえるかな」
 清史郎はかなり真っ当な昔気質の探偵であるらしい。
 三浦探偵事務所は商店街の噂では浮気調査などではパッとしないが、事件性のある案件だと警察を出し抜く腕前なのだと言う。
「独り言だと思って聞いてもらえればいいんですが、ジョーカーという男をご存知ではないですか?」
「知っているよ。少なくとも片手には余るほどね」
 掴みどころのない口調で清史郎が言う。
 ――だが、他の商店街の人間はジョーカーと聞けば逆に動揺したものだ――
「ヤクザ相手にモデルガンを振り回す愉快犯。前金で一千万。正体が分かれば更に一千万」
 健司はリュックサックから帯留めされた札束の入った紙袋を押し出す。
「これだけ流行らない事務所だ。一千万を受け取って私が雲隠れするとは考えないのかい?」
「見つけられなくても差し上げますよ」
 健司は内心で清史郎がジョーカーであるとの確信を強めながら言う。
「そういう事であれば遠慮なく預かろう。所でジョーカーについてもう少し詳しく話を聞けないかな? さすがに名前だけでは調査にならない」
「僕もまた聞きでしか知らないんですが、ヤクザが武装しているか麻薬を所持している時に出現し、モデルガンを利用してあたかも本物のように見せかけて驚かせ、ヤクザが金を落としていけばそれを拾っていく。そういう話です。被害に遭っているのは主に矢沢組で、矢沢組は現職与党知事のケツモチをしている」
「つまり、君の推理が正しければ現職知事と利害関係にある人物が選挙で優位に立つべく矢沢組を攻撃している、攻撃しているように見せかけているという事だね?」
「そう、その人物の特定が難しいんですよ。ヤクザの情報を自分の家のPCのように自在に覗き見て、常に有利な状況でモデルガンによる脅迫を行っている」
 そこが健司が最も解せない所だ。
 この三浦清史郎という男は探偵としては優れているように察せられるが、ITに強いようには見えない。
 情報を買っている訳でも無いのだとしたら、一体どのようにして情報を得ているのか。
 更に情報を得たとしてそれを整理し、取捨選択する事も必要になる。
 事務員の一人もいないこの事務所のどこに実務を取り仕切る人間がいるというのか。
 自分はこの男の何かを見落としているとでも言うのだろうか。
「つまり、ジョーカーという人物にはハッカーとしての側面もあるという事だね?」
「そう考えないと辻褄が合いません」
「では、ハッカーであり、モデルガンでヤクザを脅すジョーカーという愉快犯を特定してほしいという事だね」
「結論としてそういう事になるかと」
「プライバシーに踏み込むつもりはないが、そのジョーカーという人物の特定にどういった動機があるか聞かせてもらえるかな? 参考までにという事で構わないが」
「僕が矢沢組に依頼されたからですよ。でも僕の力だけでは見つけられそうに無い」
 健司はチェスを指すかのような心境で言葉を選ぶ。
 目の前の男がジョーカーである可能性は限りなく大きいのだ。
「君も探偵なのか?」
 清史郎の言葉に健司は肩を竦めて名刺を差し出す。
「歌舞伎町で殺し屋を営んでおります円山健司と言います」
 言った瞬間、清史郎の顔に何かグロテスクなものでも見たかのような表情が浮かぶ。
 健司はその表情をこれまで嫌という程見てきたのだった。
  第三章       殺し屋
  〈1〉
   清史郎は拙いとは知りつつ、円山健司を尾行していた。
 尾行を知られたとしても、探偵が依頼者の事を知ろうとする事に問題は無い。
 そもそもがジョーカーなどという得体の知れない人物を探せという無理難題なのだ。
 例え自分がジョーカーであったとしてもだ。
 電車を乗り継ぎSUICAのチャージマネーが尽きそうになった時、円山は新宿の歌舞伎町にある『殺し屋』という店舗に入っていった。
 信じられない事だが、冗談でないとするなら殺人を生業とする人間が看板を出して店を営業しているのだ。
 円山は自ら隠れるという事が無い。
 本当に殺人が生業なのだとしたら、その手段に余程自信を持っているという事なのだろう。
 清史郎は逡巡しながらも暖簾を潜る。
 相手にその気があればビルに入った瞬間から監視カメラで自分を監視していても不思議ではないからだ。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお気軽にお申しつけ下さい」
 円山が人が違ったような口調で声をかけてくる。
「さっき会ったばかりだ���う? それよりこのお品書きというのは本当なのか?」
 お品書きには殺人方法や死体を残すのか残さないのかなど様々なオプションサービスが書き込まれている。
「はい、迅速丁寧をモットーに確実にターゲットを殺させて頂いております」
「例えば、この絞殺で死体を残すというオプションにした場合、警察に犯人特定されやすいんじゃないのか?」
「企業秘密にはなりますが、TPOに応じて柔軟に対応させていただいております」
「ジョーカーはどうやって殺す事になっているんだ?」
「お客様の情報を開示する訳には行きませんが、強いて言うなら殺し方は問わないとの事です」
 円山の言葉が事実なら矢沢組はなりふり構っていないという事だろう。
 ジョーカーは確実に矢沢組に打撃を与えているのだ。
「じゃあ俺も注文したいんだが構わないか?」
「どのようなご注文でしょうか?」
 爽やかな笑顔で円山が言う。
「ジョーカーをオプションサービスで九月三十一日に殺してほしい」
 清史郎の言葉に円山の目が見開かれる。
「前金で一千万。不足なら五百万を追加する」
 清史郎は受け取ったばかりの一千万をカウンターに乗せる。
「ジョーカー殺害日時の指定は確かにオプションで追加可能ですが……」
「ジョーカーを殺す日時の指定は矢沢組からは無かったんだろう?」
 清史郎が言うと円山が顎に指を当てて思案気な表情を浮かべる。
「依頼が重複した事は初めてで、対応致しかねます」
「いや、重複していない。私が矢沢組の手先で、追加でオプションを申し込んでいるとしたならどうなんだ? 君は依頼主の事をどれだけ調査しているんだ?」
 清史郎の言葉に円山の表情が曇る。
「お客様のプライバシーを優先して営業しております。業務上必要な情報は収集致しますが……」
「九月三十一日、ジョーカーは新庄市商店街の外れ、たこ焼き屋千夏の前に現れる」
 清史郎の言葉に円山の表情が強張る。
「もしお客様がジョーカーだった場合……」
「自分を殺してくれという依頼はこれまでなかったのか?」
 円山が何かを試すような視線を向けてくる。
「もちろん、そういった依頼もございました」
「なら問題は無いだろう?」
「……つまり、あなたは探偵としての任務を全うし、殺し屋に仕事を依頼しに来た。そういう事ですね」
「そういう事になるな」
 清史郎が笑みを浮かべると円山の口元に笑みが浮かぶ。
「矢沢組がそれ以前の日時を指定して来たら?」
「それこそ二重契約は無効だと言えばいいだろう?」
「矢沢組がジョーカーの正体を教えろと言ってきたら?」
「ここは興信所ではないのだろう? それに私は九月三十一日にジョーカーが現れるとは言ったが、私がジョーカーだとは一言も言っていないぞ」
 円山は殺しという商売にプライドを持っている。
 そのプライドに反する行為はできないはずだ。
「了解しました。九月三十一日に現れるジョーカーを殺します。しかし、他に機会がある場合もありますので悪しからず」
 円山が一千万の入った紙袋を掴んでカウンターの内側に置く。
 これで円山の精神には一つのストッパーがかかった事になる。
 後はいかに円山を寄せ付けないように立ち回れるかだ。
  〈2〉
  
 してやられた。
 健司は先制に成功したつもりが、乗り込まれて悪条件を飲まされた事を今更ながらに実感していた。
 三浦の期日を守れば選挙は終わってしまうだろう。
 矢沢組は選挙で勝利する為にジョーカーを殺したいのだから、仮に殺せたとしても契約違反と言いかねない。
 そもそも条件は問わないという話だったのだから構わないと言えば構わないのだが、ヤクザがそのような道理を飲むとは思えない。
――そもそも乗り気な仕事では無かったのだ――
 とはいえ、呑気に構えていてはヤクザに消される事になる。
 九月三十一日に殺せたとしても、それは報復の意味しか持たない。
 そして九月には三十日までしか存在しない。
 十月一日を無理やり九月三十一日と解釈できない事も無いが、完全に手玉に取られたとの感を禁じ得ない。
 緒方が猶予として見るのは何週間だろうか。
 幸い緒方は健司が三浦と接触した事を知らない。
 まだジョーカーを探していると言えば時間稼ぎはできるだろう。
 最悪二千万はドブに捨てたのだと言うくらいの器量は緒方にはあるだろう。
 しかし、それでは殺し屋の看板に傷がつく。
 創業四年、地道に仕事を続けて来た実績に泥がつくのだ。
――三浦清史郎を殺すか――
 それを考えて健司は三浦の余裕が気にかかる。
 三浦がジョーカー本人だというならそれで構わないだろう。
 しかし、ただの連絡役だったり複数犯だったりした場合はどうなるだろうか。
 ジョーカーは死んでも蘇る。
 その事の方が矢沢組にとって脅威だろう。
 ジョーカーのテンプレートが商店街で共有される事にでもなったら、矢沢組は人的物量的に無数のジョーカーに襲われて新庄市を撤退しなくてはならなくなるだろう。
 その時、ジョーカーを殺せと依頼��れたなら、一体何人を殺せばよいのか分からず、それだけの数を連続で殺せば証拠を残す事になりかねない。 
 そうなれば警察に捕らえられて全てが水の泡だ。
――そう、殺すのは三浦清史郎ではなくジョーカーである必要がある――
 その為にはジョーカーの仕事の実態を掴まなくてはならない。
 これまでのジョーカーの襲撃箇所と状況を再確認する。
 ジョーカーは神出鬼没のように見えるが、確実な逃走経路のある場合以外は出現していない。
 ジョーカーは矢沢組の取引の全てを俯瞰し、最も有利な形を作り出している。
 と、なれば健司も事前に情報を収集しなくてはならない。
 以前緒方が入店した時、店内のシステムでスマートフォンはクラックしてある。
 緒方のスマートフォンを経由して矢沢組組長矢沢栄作の端末に潜入する。
 ホストを掌握して矢沢の端末から矢沢組の取引データを吸い上げる。
 半グレたちは無料WIFIに接続している者が多く、セキュリティも糞も無い。
 健司は新庄市の地図を広げ三浦の心理を読もうとする。
 正面切っての対決の後で、あの食わせ物が仕掛ける事は間違いないのだ。
  〈3〉
  始発電車で歌舞伎町を訪れた清史郎は街路を歩き回りながら、人通りの少ない場所や人目につかない場所にトランプのジョーカーのカードを置いていく。
『殺し屋』がテナントに入ったビルの前の壁にはスマートフォンと接続したラズベリーパイの監視カメラを設置した。 
 監視カメラの映像は近場の喫茶店でタブレット端末で見ようと思ったのだが、歌舞伎町には静かに端末を見る事のできるような喫茶店が見当たらなかった。
 仕方なく新宿駅前のコーヒーの不味いチェーン店に足を向けた。
 電波は良好、通勤前の客も訪れておりタブレット端末を見ていても不審には思われない。
 スマートフォンを操作して朝のニュースをチェックするが、特に気になるような情報は無い。
 八時二十四分、円山が風俗ビルにスーツ姿でやって来た。
 一見地味なスーツ姿に見えるがバーバリーにリーガルのシューズといったいで立ちだ。
 見る人間が見れば逆に趣味が良いと答えるだろう。
 屋内の監視カメラを警戒して清史郎はビルには監視カメラを仕掛けていない。
 九時きっかりにスーツ姿にアタッシュケース姿の円山がビルから出てくる。
 清史郎は円山が新宿駅に向かったのを見て小走りに店を出る。
 円山を捕捉し、充分に金をチャージしたSUICAで改札を潜る。
 円山を尾行する事二十分、新庄駅で円山は列車を降りた。
 チャージマネーで改札が通れて良かったと思える一瞬だ。
 昔なら駅によっては乗り越し清算をしなくてはならないところだ。
 円山は商店街を突っ切り、三浦探偵事務所にほど近い喫茶店に入っていく。
 清史郎は更に離れた喫茶店で画像を喫茶店のものに切り替える。
 商店街の店にはセキュリティの名目で三浦探偵事務所の監視カメラが取り付けられているのだ。
 円山が注文するより早く、店員がコーヒーにトランプのジョーカーを添えて差し出している。
 円山の表情が一瞬硬直する。
 清史郎は商店街の店に予めジョーカーのカードを配り、前払いで商品を出すよう話をつけておいたのだ。
 これで円山は自らが監視対象である事を知る。
 コーヒーを飲み干した円山が喫茶店を出て周囲を見回す。
 ――追われる気分はどうだ、円山――
 円山は午後六時になると歌舞伎町のビルに戻り、吉祥寺の自宅であるらしいマンションに帰宅した。
 清史郎は吉祥寺界隈の店に金とトランプのジョーカーを配り、路地裏などにカードを仕掛けて帰路についた。
  〈4〉
  「って事は正体バレちまったのかよ」
 相変わらず騒々しいクイーンメイブのボックス席で健が声を上げる。
「殺し屋って名刺出してる殺し屋って狂ってるとしか思えないけど」
「腕に余程の自信があるんだろう。今の日本じゃ老衰や自殺や病死や事故死以外の異常死が毎年十七万件発生しているんだ。死体なんかあった所で警察の手が回る状態じゃない」
「ジョークと話してて思うんだけどさ、警察って何してんだ?」
「総資産一億円以上の人間の事は守ってるだろうさ。後は交通違反の取り締まりだな」
 清史郎は答える。実際警察が殺人や行方不明を事件化する基準は分からないのだ。
 確かなのは毎年日本では殺人事件は百件前後しか起こってはならず、検挙率は96%を下回ってはならないという暗黙の了解があるという事だ。
「どっちみち最初から警察は味方じゃないでしょ。矢沢組が商店街に嫌がらせをしても見て見ぬふりだったんだし」
「だよな。俺たちジョーカーが正義の味方なんだ。そうだろ」
「多少稼がせてもらってるけどね」
 健も加奈もジョーカーという仕事には少なからず誇りは持っている。
 士気が高いという点では矢沢組と戦っていく上で大きなアドバンテージになるだろう。
 殺し屋円山健司がジョーカーの核心に近づいたとは言っても、健と加奈まで特定している訳ではないのだ。
 そして健のITを見て警戒していた為、あの新宿の風俗ビルにはスマートフォンも時計も持ち込んでいない。
 顔は間違いなく撮影されているだろうが、顔認証は広範なエリアから自在に情報を引き抜けるようなものではない。
 いつ、どのカメラに映っているのか分からなければどのカメラをハッキングすれば良いのか分からない。
本当の所は分からないが、公には警察でも店舗など個人のカメラの映像は捜査協力や令状で記録を閲覧しているのだ。
健のIT技術にした所でカメラを特定し、通信可能な距離で『物理接触』しない事にはデータを閲覧する事などできないのだ。
「円山って野郎の鼻を明かしてやろうぜ。こっちは天下御免のジョーカーなんだ」
「でもさ、ジョーカーを探り当てたって事は相当の切れ者なんじゃない? 殺し方だって一つや二つじゃないからこれまで捕まってないんでしょ?」
 加奈が慎重論を述べる。この慎重さがチームの要になっていると言ってもいい。
「じゃあどうするってんだよ。まさか止めるとは言わねぇよな」
「多少趣向を変える必要はあるだろうな」
 清史郎はカバンからジョーカーマスクをのぞかせる。
「マスク……一体何枚あんだ? 量産して成功すんのは北朝鮮のモロコシくらいだろ」
「そっか……これをこれまで被害に遭った半グレに匿名で送り付ければ……」
 ITには弱くても頭の回転の早い加奈には分かったようだ。
「確実な取引情報を手にした本物の銃を持ったジョーカーが出現するんだ」 
 清史郎の言葉に健が唖然とした表情を浮かべる。
「さっすがジョーカー。でもよ、俺たちと鉢合わせにはならねぇのか?」
「一応発信機は取り付けてある。合成音声のスイッチを入れれば起動する仕組みだ」
「じゃあ信号がなかったら作戦決行って訳ね」
「それに送り付ける相手はこっちが選べるんだ。事前に動きを掴む事も難しくないだろう」
 清史郎はこれまでの取引の状況から矢沢組に逆らいそうな半グレをリストアップしている。
 表立って逆らう事はしないだろうが、ジョーカーとしてなら薬をガメるくらいの事はしかねない連中だ。
「でも、それって少ししたら矢沢組に露見するんじゃない?」
「ああ。でも矢沢組は確実に疑心暗鬼に陥るし、本物の銃弾が飛んでけが人でも出ればジョーカーに対して慎重にもなるだろう」
「最高にクールだぜジョーカー! ジョーカーが犯罪者だったら今頃大金持ちだぜ」
 健の笑みに清史郎も笑みで答える。
「じゃあ今日の仕事もクールに決めましょ」
 加奈の突き出した拳に三人の拳がぶつかる。
 本家ジョーカーは最高のチームなのだ。
  〈5〉
   自宅まで嗅ぎつけられたとは。
 午前七時、健司は朝食を食べようと吉祥寺の喫茶店に入った所で、ジョーカーのカードと対面する事となった。
 もっとも、ずっと尾行されていたなら自宅が特定されるのは不思議でも何でもない。
 一番の問題は探偵に四六時中張り込まれたらジョーカーどころではなく、他の仕事も一切できないという事だ。
 動揺を押し隠し、それでも周囲を警戒しながら歌舞伎町の店舗に向かう。
 ドアに挟んだ髪の毛が落ちた様子は無く、侵入者はいないようだ。
 店内に入り、一通り掃除を終えると鋭利に削ったシャープペンシルをカウンターから取り出す。
 殺しの方法はいくらでもある。
 相手が尾行しているなら、人通りの少ない所に誘い込んで始末するという方法も取れるのだ。
 健司は尾行のプロである三浦を警戒する事を止め、路地裏へと足を踏み入れる。
 一定歩いた所で振り向き、シャープペンシルを引き抜く。
 が、そこには三浦の影も形も無かった。
 四六時中張り込んでいるという訳ではないという事だろうか。
 健司が安堵しかけた瞬間、路上に落ちているトランプのカードに気付いた。
 ――ジョーカー!――
 三浦はこちらの考えを見抜いて行動に出ているのだ。
 と、言う事は人通りの少ない所は三浦本人に監視されない反面、ヤクザを監視しているような遠隔装置で監視している可能性が高いだろう。
 ――この僕が身動き一つ取れないと言うのか――
 健司は拾い上げたトランプのジョーカーを握りつぶした。
  
〈6〉
  
 深夜の路地裏、半沢芳樹はジョーカーマスクと紫色のどぎついトレンチコートに身を包んで、汗が出るほどにトカレフを握りしめている。
 部下二人が矢沢組とヤクの取引をする事になっており、そこをジョーカーのフリをして襲撃するのだ。
 成功すればタダでドラッグが手に入り、失敗してもジョーカーのせいだ。
 うだつの上がらない半グレの四十代、ヤクザに昇格できる見込みも無い。
 忠義を示せと言う方が無理というものだ。
 視線の先には金を手にした部下の姿、ヘッドライトで周囲を照らす矢沢組のベンツがある。
 部下が金を出し、組員がスーツケースを開いてドラッグを見せる。
 半沢はそのドラッグを見ているだけで身体にアドレナリンが駆け回ったような気分になる。
「動くんじゃねぇ! こっちにヤクを寄越せ」
 取引成立の寸前に半沢は銃を手に飛び出す。
 矢沢組の構成員がスーツの内側から銃を抜く。
「金もヤクも俺のモンだっつってんだ!」
 半沢は先制して引き金を引く。轟音が響き矢沢組の構成員が気圧されたように見える。
 立て続けに引き金を引いて距離を詰める。
 矢沢組の構成員が引き金を引き、半沢の頬を掠める。
 ジョーカーの姿で出ていけば怯むと思っていたのだが、反撃は想定外だ。
 それでもここが正念場と半沢は引き金を引く。
 一発の弾丸が矢沢組の構成員の鎖骨の辺りを貫く。
 凶悪な一瞥をくれて矢沢組の構成員たちが引き上げていく。
 半沢は両手でヤクを掴んで高笑いする。
 こんなにチョロい商売にこれまでどうして気付かなかったのだろう。
 ――ジョーカーを続ける限り俺は無敵だ――
  〈7〉
   事務所に次々に凶報が舞い込む中、矢沢組の緒方は状況の変化を理解していた。
 ジョーカーの模倣犯は自然発生的に生まれたものではない。
 本当に模倣する脳があるなら金や麻薬を要求する訳が無い。
 と、すれば中身は町の半グレや暴走族と察しがつく。
 とはいえ、数は厄介であり、ジョーカーの真似をすれば処刑だと言った所で本物のジョーカーもどこかにいるのだろうから半グレは高をくくって矢沢組の命令に従おうとはしないだろう。
 そして更に厄介なのはちゃんとジョーカーを模倣できている者もいるという事だ。
 ジョーカーを見たら撃てというのは簡単だが、半グレが連合して矢沢組に反旗を翻したら手足を失った矢沢組に抵抗する術は無い。
 矢沢組は権力と金と麻薬は持っているが、マンパワーが多いという訳ではないのだ。
 ジョーカーはその弱点を的確に突いて来たのだ。
「緒方、考えは無ぇか?」
 電話越しの矢沢の言葉に緒方は頭を巡らせる。
「ジョーカーマスクに百万の懸賞金をかけてはいかがでしょう?」
 マスクをつけている人間の罪を問わず、マスクを差し出せば百万やると言えばわざわざ危ない橋を渡ろうという連中は少なくなるだろう。
 その上でジョーカーの撃滅を図ればいいのだ。
「その手は使えそうだな。問題はマスクがどれだけ出回っているかだが」
「数は多くないと考えます。そもそも同時多発的にジョーカーが出現したという事は、誰かが創意工夫して模倣されたのではなく、何者かが意図的に行ったと考える方が自然です」
 言って緒方は組員たちに通達を出し、ついでに警察にも懸賞を知らせておく。
 公権力が銃刀法で取り締まりを開始すれば半グレは震えあがってジョーカーの真似などしていられなくなるだろう。
  〈8〉 
 
  健司は新庄市のホテルの床に落ちた髪の毛を拾いながら、事態の急変と自分の読みが正しかった事を知る。
 三浦は健司に捕捉された事で作戦変更を余儀なくされた。
 健司も身動きできなくなったが、それはお互い様なのだ。
 そこで今回のジョーカー量産化計画を演出したのだろう。
 しばらくの間町中にはジョーカーがあふれる事になる。
 矢沢組が引き締めを行っているものの、偽ジョーカーの模倣犯も出現し本来の偽ジョーカーより多くのジョーカーが出現しているのが現状だ。
 ――でもこの狂騒はすぐに終わる――
 健司は日が暮れるのを待ってアタッシュケースを手にホテルを出る。
 三浦が四六時中張り付いている訳ではない事も分かっている。
 いずれにせよ仕事を迅速に済ませれば証拠も残りはしないのだ。
 深夜の人気の消えたオフィス街を歩きながら手に手術用のビニール手袋をはめる。
 靴のサイズは自分の標準よりワンサイズ大きく、髪型は大きく変えていないが頭にはカツラをかぶっている。
 一般で売られているカツラには、インドの仏教徒やヒンズー教徒が出家する時の髪の毛が使われている。
 そして、インド人の髪の断面は日本人が楕円であるのに対し正円に近い。
 仮に髪が現場に落ち、科捜研が調査したところで出てくるのは謎のインド人という事になるのだ。
 健司は予定していた地点にたどり着くと、持ってきたボルトを電柱の穴に差して二・五メートル程の高さにまで登って電柱に寄り添うようにして立つ。
 予定通りスポーツバッグを手にしたジョーカーが走ってくる。
 中身は半沢という三下の半グレだ。
 正面だけに注意を向け、自分の身長より上には注意が向いていないらしい。
 健司はボルトに引っ掛けたテグスを引っ張る。
 ジョーカーの首にテグスが食い込み、仰向けに倒れかかる。
 アイスピックを手にした健司はジョーカーに圧し掛かるようにして飛び降りる。
 アイスピックがジョーカーのマスクと頭蓋骨を貫き、脳を攪拌する。
 健司はアイスピックをその場に放り捨てて、テグスもそのままに歩き去る。
 アイスピックもテグスも殺人犯を特定する決定的な証拠とはなり得ない。
 少し歩いた所で歩きやすい靴に履き替え、手袋を脱いでしまえば何一つ痕跡は残らない。
 意識していたが三浦に行動を監視されていた様子は無い。
 三浦はマスクをばらまいた事でジョーカー業を一定退いたのかも知れない。
 それならそれで……
 ――ジョーカーを名乗れば問答無用の死が訪れる――
 それでもジョーカーを続けられる者がいるだろうか。
 健司の受けた依頼はジョーカーの殺害であって三浦清史郎の暗殺ではないのだ。
  〈7〉
   緒方は苦い気分で事務所でTVを見ている。
 一週間で九人のジョーカーが殺され、四人のジョーカー、三人の組員が射殺された。
 ワイドショーは死体にピエロのマスクをかぶせる愉快犯として報道している。
 常識的に考えればそうなのだろう。
 だが、現実にはジョーカーの模倣犯が跋扈し、殺し屋円山がジョーカーを殺しまくっているのだ。
 この問題の裏が表ざたになれば矢沢組に捜査の手が伸びる。
 組長が事情徴収という事にでもなれば、知事選敗北は必至だ。
 この銃弾飛び交い殺し屋が闊歩する状況は、客観的に見れば矢沢組の内部抗争なのだ。
 ――やってくれたなジョーカー――
 日用品を用いて鮮やかに殺しを遂行する健司に対する恐怖は広がっており、それなりの数のジョーカーマスクが届いてもいるが、それでも自分だけは大丈夫と考えるのが人間の性であるらしい。
「兄貴、県警本部長が来ています」
 部下の言葉に緒方は舌打ちしたくなるのを堪える。
 何人か人身御供に出す必要はあるだろうが、それで���ョーカー問題が片付く訳でも無い。
 今の新庄市はさながらギャングの蔓延る六十年代のニューヨークだ。
 このネガティブイメージの中ではカジノ施設の誘致も集客の為だなどという言葉で誤魔化せない。
 ――だが、商店街も打撃を受けているはずだ――
 緒方は次善の手を考えながら県警本部長を待たせてある応接室に向かう。
「緒方です。この度はお騒がせしております」
「いや、そうかしこまらんでくれたまえ。私がこうしておれるのも矢沢組あっての事だ」
 県警本部長の茨木義男が本革張りのソファーから腰を上げて言う。
 茨木は東大卒のキャリアで矢沢の後輩に当たり、同じゼミを受講していた間柄だ。
「殺人事件は起こせない。それが警察の不文律でしょう?」
「今回のカジノ施設建設は内閣肝いりでもあるんだよ。情報操作で反対派が工作しているように演出する事は可能だろうよ」
 転んでもタダで起きないのが政治家やエリートというものであるらしい。
「つまりはカジノ施設反対派が、賛成派の人間を殺してピエロのマスクをつけていると?」
「そういう報道になっているだろう?」
 茨木の言葉に緒方は唖然とする。
 当事者としての立場で見ていた為に気付かなかったが、一般視聴者の目線で見るとそういう風に見えるのだ。
「で、私の在任中にこれだけの死者を出しているんだ。票は囲い込めているんだろうね」
「固定票は押さえております」
 実際の所、矢沢組は内紛に近い状態で票を囲い込めるような状態ではない。
 大手のチェーン店などでは本部通達で票の取り込みができているが、個人事業主は依然として反対の姿勢を崩していない。
 ――やる事成す事裏目に出る―― 
「死人は出る、カジノ施設はできないでは私の本庁復帰が危うくなるんだよ。その意味は分かっているだろうな」
「はい」
 不満げな茨木に緒方は短く答える。
 ――県警本部長が殺害されれば流れが変わるかもな――
 緒方は脳裏にあのとらえ所のない殺し屋の姿を思い描いた。
  第四章       トリックスター
  〈1〉
  「最近俺たちが出てもヤクザもビビらねぇのな」
 クイーンメイブのボックス席で健がぼやく。
 本物の銃を撃つジョーカーもいれば、ジョーカーを狙い撃ちにする殺人鬼も存在する。
 実際に死人も出ているのだから今更驚かす程度ではヤクザも怯みはしないだろう。
「銃で撃たれるって不安。前より遠慮なく撃たれてる感じ」
 加奈が沈んだ様子でカクテルに口をつける。
「おいおい、私たちの本来の目的を忘れたんじゃないだろうな。私たちの目的はカジノ施設誘致の妨害だ。今の状況でカジノ施設がオープンしたとして誰がテナントに入るんだ? 暴力がこれだけ蔓延る状況を許した現職知事は窮地に立たされている。住民の安全と地域の活性に誠実に取り組む人物が取って代わらなければ市民が納得しない」
 ショットのバーボンを口に運んで清史郎は言う。
「いや、確かにジョーカーの言う事は分かるんだけどさ、昔は良かったっつーか、実入りが少ないのは我慢するとしてもよ」
「私たちの本当の目的に近づいているんだから喜んでいいはずなんだけどね」
「選挙の公示まで三日、世襲できそうな人間がいない以上与党は今更候補者を変更できないし、現職のまま選挙を戦う事になる。野党には追及の材料が掃いて捨てるほどある。これで負けるようなら本当に世の中が腐りきってるってだけだ」
 健と加奈の気持ちを察しながらも清史郎は言う。
「もう少しで全部終わっちまうんだよなぁ~。何か微妙だぜ」
「コンビニも忙しいって言えば忙しいんだけど、税金は取られるのに退職金も無いし年金のアテもないし」
 健が仕事にやりがいを感じられないのも、加奈がお先真っ暗だと言うのも理解できる。
「そうは言っても九月三十一日にはジョーカーは死ぬんだ」
「してやられましたよ。九月に三十一日なんて無いじゃないですか」
 ボックス席に当たり前のように現れた円山が言う。
「誰だテメェ!」
 健が身を乗り出す。
「歌舞伎町で殺し屋を経営している円山健司と言います。ここが三浦さんの本当の事務所だったんですね」
「まさか一週間で九人も殺したのって……」
「やだなぁ~僕はもっと殺してますよ。警察だって報道内容には気を遣うんです」
 涼しい表情でグラスを手にした円山がボックス席に座る。
「人殺しだってバラすぞ、テメェ」
 健が円山に向かって噛みつきそうな声と表情を向ける。
「ご自由にどうぞ。何か一つでも証拠が存在するならね」
「で、その殺し屋さんがここに何の用?」
「いや、本家のジョーカーはどうしているのかと思ってね。偽物でもこれだけ殺せば本家も仮面を捨てるんじゃないかって思って」
「おたくの言う通りだ。こんな凄腕の殺し屋がいるならジョーカーなんてやるだけ損だ」
「本当にそう思っていますか? 本家はまだ何か隠し玉を持っているんじゃないかって思うんですけど」
「随分と余裕かましてんじゃねぇか。ジョークを殺ったらテメェを殺す」
「殺しはしたくないけどジョーカーを殺させる事は絶対にしない」
「人望があるんですね。いっそ事務所でこの二人を雇ったらどうです? 今より金回りはよくなるんじゃないですか?」
「殺し屋より儲かるとは思えないね」
「それはリスクを負っていますから」
「テメェは嫌味を言いに来たのか。悪いが俺たちはテメェになんざ負けねぇ」 
 頭に血の上った健が言う。
「そうそう、一つプレゼントがあるんです」
「あんたがくれるものなんてロクなものじゃないと思うんだけど」
「野党連合の候補を殺すように県警本部長から依頼を受けたんです」
 笑顔で言った円山がグラスを空ける。
 突然の事に健と加奈が硬直する。
 選挙期間中に候補が殺されてしまったら票が分散して現職が有利となる。
 どれだけ黒い噂があったとしてもだ。
「それは俺たちに守って見せろと言っているのか?」
「さぁ、気まぐれですよ。僕はこれでもあなたの事が嫌いではないんですよ」
 言った円山が席を立って去っていく。
 加奈と健が茫然とその背を見送る。
「私たちと候補者をまとめて葬るつもりか……」
 清史郎は思案する。候補者を守る為に張り付けば二人まとめて殺される可能性がある。
 しかし、候補者を放置しておけば間違いなく殺されるだろう。
 具体的な殺人予告という訳ではなく、あったとしても警察はアテにはならない。 
 市民は自衛するしか無いのだ。
――どうする……―― 
「なぁ、ジョーク、どうすんだ?」
「あんたも少しは考えなさいよ」
「考えてるって。頭の中じゃあの野郎を三十回は殺してる」
 非生産的な事を考えている健が言う。 
「ジョーカー、私、どうしていいか……」
 加奈は追い詰められた様子だ。
「こうなったらお望み通りにしてやろう。ジョーカーの最期を見せてやるんだ」
 清史郎は一抹の寂しさを感じながら笑みを浮かべて見せた。
 円山を前にして取れる手は一つしか無いと言っていい。
 ――あの男はこの結果を望んでいたのだろうか――
  〈2〉
  『……皆さん、この町の惨状は突然起きたのでしょうか? その根幹には市の中央にある広大な県の土地があります。この土地は江戸時代に火災の延焼を避ける為に作られた防災の為の土地でした。しかし新庄市が栄えるに従い、土地の価格が上がり莫大な利益が生まれる事が分かってきました。ヤクザやギャング、財界の人間はその利権に群がっているんです。もし、彼らの思い通りにさせるなら彼らの存在を容認する事になります。二百年前の先人の知恵に従い、ここを防災を兼ねた市民公園にする事こそが行政の成すべき事です……』
 夕暮れの新庄市の駅前で野党候補の峰山春香が声を上げる。
 聴衆はさほど多くはないが商店街や青年団が集まって盛り上げようと四苦八苦している。
 清史郎はオープンカーのハンドルを握りながらタイミングを計っている。
『ジョーカー、スタンバイOKよ』
 イヤホンから加奈の声が聞こえてくる。
『警察は野党の候補に人は割いちゃいねぇ、殺るなら今だ』
 健の声を受けて清史郎は紫のどぎついトレンチコートを羽織り、ピエロのマスクをかぶる。
「そこのお前……」
 演説を警備していた警官が警棒を手に近づいて来る。
「制服ギャングも久しからず」
 清史郎は銃を引き抜く。
 警官の足元で火花が爆ぜる。
 聴衆だけでなく、夕暮れの帰宅ラッシュの人々の足が止まる。
「綺麗ごとでマニィをロンダリィ! 俺はハッピーにトリガー、堅実な人生が諸行無常!」
 清史郎は自動小銃を抜いて選挙カーに銃弾を浴びせかける。
 銃声が響き至る所で火花が散る。
 ガードマンに守られて逃れようとする峰山の背に向けて引き金を引く。
 血を噴出させた野党候補が倒れる。
「こんな時には正露丸! キャベジンがあれば国士無双ゥ! ユンケル飲んだら夜金棒!」
 峰山が選挙カーに運び込まれ、現場から離脱しようとする。
『ジョーク、サツが動いた。射殺してもいいって言ってやがる』
 健の言葉に清史郎は生唾を飲む。想定してはいたが、想像以上に警察もなりふり構っていないらしい。
 清史郎はオープンカーで選挙カーを追い、グレネードランチャーで後ろ半分を吹き飛ばす。
 煙を上げた選挙カーが路肩で停止する。
 清史郎は高笑いしながら選挙カーの脇をすり抜け、オープンカーで町を駆け抜ける。
 無数のパトカーが清史郎のオープンカーを追う。
『ジョーク、法定速度は無視してくれ、俺がナビゲートしてんだし、今更ネズミ捕りが怖いって訳でもねぇだろ』
 健のナビゲーションでパトカーを避けて清史郎は埠頭へと向かう。
 銃声が響き、音速より早く飛んだ弾丸がオープンカーに襲い掛かる。
 警察が矢沢組の懸賞を狙っている事は健のハッキングで知っている。
 制止する警官の声と銃撃を受けながら、フルスロットルのまま岸壁から海上へと車体を躍らせる。
 肩と背中に銃弾を受けた清史郎は冷たくなり始めた海の中へと沈んでいく。
 清史郎が意識を失いかけた時、淀んだ海の中にウェットスーツに身を包んだ加奈が姿を現した。
 
 
 〈3〉
   警察が捜査した結果、海で手に入れる事ができたのは一台の盗難車とピエロの仮面と紫色のトレンチコートだけだった。
 知事候補が襲撃された事もあり、今後清史郎がジョーカーの扮装をすれば正体が露見する可能性は極めて高くなるだろう。
 ――本家ジョーカーは死亡した――
 健司は病院の廊下を歩きながらポケットの中のビニール手袋の感触を確かめる。
 野党候補は銃創を負って病院に入院している。
 実際には銃創など負っていないのだろうが、ジョーカーと候補が一芝居打���のだとしても病院は避けて通れない。
 ――悪いけど僕は殺しの依頼は完遂する――
 健司は候補の部屋の前のボディガードの様子を観察する。
「すみません。新庄市後援会の青年団の円山と言います。先生はご無事でしょうか?」
「先生はご無事だ」
 鉄面皮のボディガードが返答する。
「それを聞いて安心しました。一言無事をお祝い申し上げたいのですが構いませんか?」
「十分だ」
 ボディガードの言葉に笑みを返して健司は一人部屋に足を踏み入れる。
 両手にビニール手袋をはめ、小銭袋を握りこむ。
「やぁ、先生、ご無事なようで何よりです」
「無事なものか。ポリの弾丸を四発も食らったんだ」
 そこで見た光景に健司は言葉を失った。
「お陰で選挙が終わるまで退院できそうにない」
 三浦が笑みを向けてくる。
「バカな……あなたは……」
 身を隠さなくてはならないはずだ。
 治療する為にも……。
 ――治療する為に候補に成りすましたと言うのか――
 入院している間は世間の目は避けられる。
 それでは候補はどこに消えたと言うのか。
「お前は野党候補を殺せというオーダーを受けたはずだ。今彼女は立候補しているが、生死不明で野党の統一候補ではない。今は慶田盛弁護士事務所で事務の手伝いはしているが選挙活動はしていない。それでもお前は殺すのか?」
 健司は清史郎の言葉に笑いがこみあげてくるのを感じた。
「詭弁にも程がありますよ。ほとんど屁理屈じゃないですか」
「屁理屈でも君は依頼に忠実なんだろう? あと面会は手短に頼むよ。これでも歳でね、銃創って言うのは堪えるんだ」 
 銃創が堪えているのは本当らしい。
「それでも最後には候補は復活しなきゃならない」
「死んでいなければね」
 カーテンの影から姿を現した女性がグレネードランチャーを構える。
「まさか……」
「ジョーカーは死んだ、ヒットマンは来た。これで充分だ。なぁ、ジョーク」
 ラップトップコンピューターを小脇に抱えた青年が言う。
「ゲームオーバーだ」
 清史郎が不敵な笑みを向けてくる。
 健司は小銭袋を窓に投げつける。
 砕けたガラスの破片を拾い上げて身構えながら退路を探る。
 ガラスの破片で候補の命を絶つつもりだったが今三浦を殺した所で意味が無い。
 今は割れた窓の外に逃れる隙さえあればいい。
 女性の指がグレネードランチャーの引き金にかかる。
 猛烈な爆音と閃光が室内に満ちる。
 健司は窓の外に身体を躍らせた。
 ――これで知事候補が殺された事になるのか――
 健司は地面を転がり、人目を避けながらバッグから出した白衣を羽織る。
 ――僕は最期までジョーカーに踊らされたって訳か――
 敗北感より、どこか清々しさを感じながら健司は病院を後にした。
  〈3〉
  「慶田盛弁護士事務所では峰山候補を歓迎しますよ」
 新庄市にある、冤罪に強いと噂の弁護士事務所で峰山春香は未だに自分の身に起きた事が信じられないでいる。
 峰山が候補に決まったのは公示二日前、そこから慌ただしく野党の党首などと会談を交わし、選挙戦の流れになったのだが、その直後に慶田盛敦という弁護士が現れたのだ。
 慶田盛の噂は峰山も聞いており、信頼できる人物であるとは感じていたが、話の内容は想像のはるか斜め上を行くものだった。
 新庄市の乱射魔ジョーカーの本家は、冤罪事件の解決を主に行っている三浦探偵事務所の所長三浦清史郎だったのだ。
 三浦は知事選を前に町に大量のジョーカーマスクをバラまいて一時的に身を引いた。
 しかし、ジョーカーと野党知事候補は確実にターゲットを仕留める円山という男に命を狙われている���だ。
 更には矢沢組がジョーカーに懸賞首をかけており、警察も生死を問わないという条件でジョーカーを狙っているという。
 そこで三浦が出して来た案がジョーカーに候補者が襲われて入院、ジョーカーは警察に追われて死亡、更に候補者の運び込まれた市民病院に現れる円山を三浦が撃退するというものだったのだ。
 三浦は警察に追われて手傷を負う事は間違いなく、それならば知事候補と入れ替わって入院してもゆっくりと治療ができる。
 一方春香は慶田盛弁護士事務所で投票日三日前まで、事務職として短期採用される。
 円山のターゲットは知事候補であり、事務員殺害ではなく、その一線を越えてこないのも円山という男なのだという事だった。
「何もかもが信じられないわ。生死不明で選挙戦を戦うなんて……」
「野党の党首が連日新庄入りするって話になったじゃないですか」
 春香は慶田盛弁護士事務所の安普請の椅子に腰かける。
「それはいいとしても、いいえ、大きな借りを作る事になりますし……」
「市民に対して不誠実だと?」
 春香の心中を察した慶田盛が言う。
「その通りよ。三日前に復活なんて話が良すぎるし」
「でも、実際問題あなたを救う手立ては他に無かった」
 事務所の電話が鳴り、慶田盛が受話器を手に取る。
 ボタンを押してスピーカーに切り替える。
「私だ。円山が知事候補殺害に現れたよ。こっちで見かけだけは派手な爆薬を爆発させて追い出した。これで知事はテロリストにまで襲われた事になるわけだ。しばらく身を隠さなきゃならない理由が増えたんじゃないか?」
「三浦さんですね? あなたが身体に銃創を負ったという話は聞いています。あなたはどうしてここまでやったんですか?」
「若い連中と付き合いがあると、柄にもない正義感なんてものも持つものなのさ」
 三浦の言葉に春香はため息をつく。
 実際の傷はどうあれ、体面上知事候補は集中治療室にかくまわれるだろう。
「市民病院が告発したらどうするつもり?」
「それは無いさ。与党の市長になってから予算を削減されて、市民病院では上から下まで味方しようなんてヤツはいないんだから」
 慶田盛が肩を竦めて見せる。
「あと、仕事柄マスコミの相手をするのは苦手じゃないんだ」
「ああ、こいつは口先だけは有能だからな」
 二人の言葉を聞いていた春香は苦笑する。
 悪だくらみのような作戦だが、この二人にとってはこれは健全な正義のスポーツのようなものなのだ。
 
 〈4〉
   野党候補の入院先で爆破テロが起こった事で、与党候補に対する疑惑は大きなものとなった。
 野党候補は生死の境を彷徨っていると報道されている。
 清史郎は病院で何不自由なく治療生活を送っている。
 のだが……。
「なぁ、ジョーク、ここで寝てるってのは何かの冗談だろ?」
「怪我してるのは事実なんだから無茶言わないの」
 健と加奈は連日競うようにして病室を訪れている。
「お前ら、もうジョーカーの出番は無いんだぞ? 知事選も候補が無事を表明すれば一発で決まる。もうやる事は無いんだ」
 清史郎が言うと健が叱られた犬のような表情を浮かべる。
「いやさジョーク、俺、土建屋辞めたんだ」
「私も……その、コンビニ辞めたんだ」
 清史郎は二人の言葉に唖然とする。
 このご時世に仕事を自ら捨ててどうしようと言うのか。
「ジョーク、儲からないっつってるけどよ、俺が手伝ったら何とかなんじゃね?」
「先に言わないでよ。採用するなら私の方が得なんだから。多分」
 清史郎は額に手を当ててこみ上げてくる笑い声を抑える。
 傷に響くが笑いたくなるのだから仕方がない。
「お前ら、馬鹿じゃないのか? こんなオッサンと組んだって心中するようなモンだろ」
「それでもいいくらい楽しかったんだよ」
「またスリル、くれるんでしょ?」
 清史郎は笑い声をあげて身体を起こす。
 傷が引きつるが痛みなど気にならない。
「資本金はお前らと合わせて裏金三千万円。社員は三人。一人はオッサン。ジョーカー探偵事務所とでもするか」
「何かダセェ。中年は変に英語にするから逆にカッコ悪いんだよ。三浦探偵事務所でいいだろ」
「中年のセンスが悪いのは今に始まった事じゃない」
 清史郎は憮然として健に言い返す。
「じゃあ新しい門出に」
 加奈がバッグからワインのボトルを取り出す。
 若い二人は自分に老ける暇を与えてくれないらしい。
 清史郎はコップに注がれたワインを掲げる。
「乾杯」
 紙コップが音もなく打ち合わされ、新しい何かが動き始めた。
  エピローグ
   清史郎は健と加奈を引き連れて病院の廊下を歩いている。
 向かいからスーツ姿の峰山春香が歩いてくる。
 握手しようと峰山が手を差し出してくるのを無視して清史郎は右手を軽く上げる。
 峰山が応じて右手を挙げてハイタッチすると、清史郎と峰山は入れ替わるように方向を変える。
 清史郎の背後でフラッシュが瞬き、峰山が光とシャッター音に包まれる。
 生死不明から無傷での生還。
 これほどの宣伝も無いだろう。
 ジョーカーはカジノ施設を阻止するというその使命を果たしたのだ。
   選挙戦は野党党首が連日交代で訪れるという形で、野党が攻勢を強めていた。
 そして投票日三日前に野党候補が無傷で出現。
 暗殺者に狙われていた事を告げ、改めて支持を訴えた。
 緒方は事務所で出来の悪すぎる茶番劇を見せられたような気分を味わっている。
 ジョーカーという乱射魔が出現、殺し屋に依頼をしたらジョーカーの模倣犯が大量に出現。野党候補を狙ったら本家ジョーカーに命を狙われ、生死不明から一転蘇った。
 市民の心理を考えるまでもなくこの選挙は完敗だ。
 何処で何を間違えたのかなど分からない。
 否、最初からこの町には矢沢組を受け入れない何かが存在していたのだ。
 近々上層の組から矢沢更迭が告げられるだろう。
 だが、緒方は矢沢にとって代わろうなどとは思わない。
 ――この町にはジョーカーという化け物が存在するのだから――
   十月一日、健司はいつものように殺し屋のカウンターの内側にアルコールを吹きかけている。
 もしも、九月に三十一日が存在しているならジョーカーが殺されてやると言っていた日。
 新庄市では市民の支持を得た新知事の誕生でお祭り騒ぎらしい。
 と、殺し屋の戸口に宅急便の配達員が現れた。
「殺し屋様ですか? Amazon様からのお届けものです」
 記憶には無いが健司は笑顔で箱を受け取り、伝票にサインする。
 ナイフで慎重に箱の封を開けるとそこにはピエロのマスクが収まっていた。
 健司は口元に笑みが浮かぶのを感じた。
 ――確かにジョーカーは死んだ――
 健司はその自然な笑みを機械的な笑みの後ろに隠し、カウンターを磨き始めた。
 今日も新たな客がやって来るに違いないのだ。 
0 notes
tolot-info · 6 years ago
Text
イギリス発の大人気アニメ『ペッパピッグ』のコラボフォトブック第二弾! こぶたの姉弟ペッパとジョージが色柄違いで表紙に登場
TOLOTは、アニメキャラクター『Peppa Pig』(ペッパピッグ)コラボのフォトブック第二弾を2019年6月20日(木)に発売いたします。新デザインは、姉のペッパと弟のジョージそれぞれのパターン柄を色違いで用意しました。 ※2021年6月20日(日)までの期間限定です。
Tumblr media
『ペッパピッグ』はイギリス発の大人気アニメーション。日本では現在、テレビ東京系列、ディズニー・チャンネル、ディズニー・ジュニアで放送、Hulu、Netflixで配信されています。可愛いこぶたの女の子ペッパピッグと、弟のジョージピッグ、パパ、ママの4匹家族が繰り広げる日常を描いた作品。愛らしい見た目と心温まる内容で、日本でもファンを獲得中です。
第一弾の表紙はペッパピッグファミリーが登場しています。今回の第二弾はこぶたの姉弟ペッパとジョージが主役!写真を入れられる表紙を採用し、ペッパとジョージが大好きなモノをモチーフにしてデザインしました。巻頭ページには、後からコメントを書き込めるメモ欄が自動で1ページ入ります。
『ペッパピッグ』フォトブック商品ラインナップ第二弾
落ち着いたモーブ系ピンク「ペッパピッグ ペッパ」
ペッパの習い事はバレエ。楽しく踊るペッパがいっぱいの表紙です。旬のモーブ(紫)系のピンク色で、可愛さの中に甘さを抑えています。巻頭のメモ欄は、花柄の背景の中央に大きくハート型をデザインしました。
こぶたのピンク色が際立つターコイズグリーン「ペッパピッグ ジョージ」
寝るときも一緒!宝物の緑色のダイナソーで遊ぶジョージの表紙です。ダイナソーの緑色をベースに青みを加えた明るめのターコイズグリーンが目を惹きます。ダイナソーがたくさん描かれた背景のメモ欄中央は、大きな星型をデザインしました。
好評発売中!フォトブック第一弾のデザイン
ペッパピッグ一家が勢揃いの写真入り表紙「ペッパピッグ ファミリー」
アニメで描かれる物語のように、些細でも大切な日常の写真をまとめるときに使いたいデザイン。巻頭のメモ欄は雲の柄部分を空白にして、書き込めるスペースにしています。
▼詳細はこちら https://blog.tolot.com/2019/06/peppapig.html ※作成はスマホアプリのみ
0 notes
4komasusume · 2 years ago
Text
推し活コメディー、ドラマもあるぞ!――あしや稚浩『先輩に推されて仕事になりません!』
 今回紹介するのはまんがホームで連載中の「先輩に推されて仕事になりません!」です。ワイド4コマ形式で紙版はB6サイズ。最近はファミリー4コマ作品はA5版でなくB6版のサイズで出版されることも多くなってきましたね。
Tumblr media
先輩に推されて仕事になりません! 1巻 (まんがタイムコミックス)
posted with AmaQuick at 2022.10.04
あしや稚浩(著) 芳文社 (2022-09-07)
Amazon.co.jpで詳細を見る
 ここ数年で「推し」という言葉が日常的に使われるようになりました。その対象も2次元から3次元まで多岐に渡っています。この作品は「推し」をテーマにしたコメディーとなっています。
 推す対象というものは自分の琴線にふれ人に勧めたいほどの存在ですが、この作品ではちょっとちがいます。
Tumblr media
 スーパーの休憩室で社員の花村さん(25歳のいい女)がアルバイトの瀬谷くん(悩み多き青少年)に「今日からおまえを推しにする」という宣言から始まります。その存在にハマった結果推しになるのではなく、推しにしてからハマり倒すという順序が逆の発言。瀬谷くんのツッコミと共に、花村さんというキャラクターが埒外であること、作品がコメディーであることの2点が1ページ目でわかります。推しの概念を逆手に取ったつかみは最高ですね。
 彼氏を作るより推しを作ることで生きがいを見つける花村さんが、「推し」というものに対しどんな感情を向けているか見てみましょう。
Tumblr media
 正統派推しへのススメです。ここまでされたら青春真っ盛りの男子としては恋愛感情があるのか気にしてしまいますが、速攻芽を摘むストロングスタイル。このテンポの良さはコメディーとしても良い効果を出していますが、花村さんの埒外な性格を同時に表現しています。
 一方推しの感情を向けられる瀬谷くんは花村さんへ対する容赦ないツッコミを入れるキャラですが、高校生にしてかなりの苦労人です。瀬谷くんは留年して2度めの高校2年を送っています。成績が悪かったとか病気になったとかではなく、お父さんがリストラになり学費が払えなくなったという自分自身では対応のしようがない理由です。少しでも親の負担を減らすことができればとバイトに励んでいます。このバックボーンがあるので花村さんに対するきついツッコミもキャラ的に許されるし、後々瀬谷くん自身のドラマを生み出すことになるのです。
 花村さんの埒外キャラクターと瀬谷くんの苦学生のバックボーン。それをテンポよくコメディーで回すことで強く印象に残る作品に仕上げています。
 
 花村さんは仕事中に瀬谷くんへの推し活をするダメ人間です。推し対象である瀬谷くんにツッコまれ叱られる日々を過ごしています。
Tumblr media
 ディスプレイに自筆の瀬谷くんのイラストをつけるくらい序の口です。
Tumblr media
 テスト期間で瀬谷くんが1週間バイトを休むと聞いた花村さんの反応。まず推すことありきで瀬谷くんをターゲットにしたのに、ここまで感情移入できるのかという驚きです。
 こんな花村さんですがただのダメ人間でないところを要所要所で見せてくれます。理不尽クレームをつけ返品要求をする客に対してうまく対応できない瀬谷くんのピンチに花村さんは割って入ります。
Tumblr media
 推し活にうつつを抜かす花村さんではなく社員として理不尽なクレーマーに頭を下げながら毅然とした対応を取る。社会人としての責任を果たす姿は花村さんというキャラクターにメリハリを付けてくれます。
Tumblr media
 このシーンは留年したため学年が別れてしまったかつてのクラスメイトに忸怩たる感情を抱いている瀬谷くんに鉄拳制裁込みの熱いアドバイスです。推しに対するいつもの姿勢は残しつつ、鬱屈した感情を抱える少年に大人として相対する真摯な態度が見て取れます。花村さんが挙げた推しへの三箇条のうち、壱「推しを応援し」は瀬谷くんに対して前向きな変化を与えているのです。瀬谷くん視点から見ると悪ふざけにしか見えない花村さんの推し活が、彼の硬直した人生をほぐしているのです。コメディーと同時にこれをやってくれる手腕がみごとの一言です。
 先に述べましたが瀬谷くんは留年というバックボーンがあります。親のリストラによる留年という自分の意志ではどうにもならない運命にさらされている瀬谷くんには一本筋の通ったドラマを見ることができるのです。留年という呪縛からの解放。2つのエピソードにより瀬谷くんの視野が広がっていくドラマが描かれています。一つは年下の同級生たちとのわだかまりの解消。もう一つは先に触れた一学年上になってしまった同級生との関係です。
Tumblr media Tumblr media
 前者は一つ年上の瀬谷くんに隔意を抱いている同級生たちの考えを、後者は留年という状態に引け目を感じている瀬谷くんの気持ちを花村さんが解放しています。留年という呪縛から解放するには、他者から見た瀬谷くんと他者を見る瀬谷くんの双方を解決して初めて達成されるのです。花村さんにより瀬谷くんの気持ちが解放されるドラマはカタルシスがあります。
 職場のバイトの子を推し活対象にするというコメディーの中で笑わせながら主人公の一人にスポットを当てたドラマを見せてくる。コメディー8、ドラマ2ぐらいの割合で読後の爽快感を与えてくれる作品です。
   ー----------------------------
画像出展 芳文社「先輩に推されて仕事にな���ません!」 1巻 P3,P5,P18,P88,P26,P110,P54,P109 掲載順
1 note · View note