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#珍々亭
xf-2 · 11 months
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自民党の谷垣禎一元総裁(78)の自宅を訪ね、岸田文雄内閣の支持率がなぜ上がらないのか、一杯やりながら率直に質問をぶつけてみた。岸田首相の外交面の成果は、知らぬ間に立ち消えになってはいませんか。
「確かにね。今回のウクライナ戦争で存在感が高まっているグローバルサウス(新興国・途上国)の取り込みなどは、日本の強みを生かしてよくやっている。彼らの一部には、西側の先進国に『あいつらは今も上から目線だ』と腹を立てている国が多い。事実上の『一強』となった米国や植民地支配の過去を抱える英仏に対し、『西側リベラリズムのおごり』と批判する国さえある。その中で、日本は独自のODA(政府開発援助)を駆使して努力を重ね、『欧州はうんざりするが、日本は違う』と評価も集めた。首相はここをうまくすくい、西側とつなぐ役割を果たしている」
ただ、今後はこの外交でも、首相にとって厳しい難局面が待つと説く。
「この戦争が終わったとき、どう新しい国際秩序を作っていくのかが焦点となる。そこでは、日本がすごく損な立場になるわけにはいかない。日本は必ず、それなりの地位を占めなければならない。国内では国民生活に目配りしながら、対外的にはこの難題に挑まなければならない。岸田さんに限らず、自分が首相になりたいと狙っている人にとっても、答えを出すのは簡単ではないはずだ」
テーブルには『野菜の揚げびたし』が登場した。パプリカとカボチャ、なすを素揚げして、甘辛いマリネ液にしっかりしみこませている。香ばしい夏野菜の香りと甘さが、冷えた久保田によく会う。
谷垣さんが「水内さんは産経新聞だからこっちが好きかな」といいながら、テーブルには白い陶器に「中華民国立法院」と書かれた蒸留酒「白酒(バイジュウ)がやってきた。テーブルには、「中華人民共和国」と書かれた「貴州芽台酒」も登場。「酒に国境はありませんよ」と酒巻俊介カメラマンが笑ったが、私はなんとなく中華民国を注ぐ。
食卓には、台湾からいただいたという白酒も登場した=東京都世田谷区の自宅(酒巻俊介撮影) 食卓には、台湾からいただいたという白酒も登場した=東京都世田谷区の自宅(酒巻俊介撮影) 谷垣さんに「一気に飲み干すんですよ」と言われたが、アルコール度数は50度! しかし、独特の香ばしい匂いがさわやかだ。昨年、谷垣さんのインタビュー連載を担当し、今回同席した豊田真由美記者は「食道の位置が分かる」とむせながら飲んでいる。
「この前、フランスのマクロン大統領がNATO(北大西洋条約機構)の東京事務所開設に反対したでしょ。私は心理がよくわかるんですよ」
谷垣さんが語りだした。 「海洋国家の道を選ぶか、大陸のつながりを大切にするか。各国が個別の事情を抱えていますよね。英国は海洋国家の道を選び、EU(欧州連合)から抜けた。残った独仏を中心とするEUはどうするか。陸続きの中国に経済などの利益を全部取られては大変だ。中国とうまく付き合いつつ、必然的に、カザフスタンなど中国の周辺国とも協力する。フランスがNATO日本事務所に反応した背景は、ここまで見なければならないと思うんです」
谷垣さんも白酒をなめる。
「日本もずっと、2つの選択を迫られていたでしょう。海洋国家としてアングロサクソンと組むか、大陸につながるところと組むか。日本では明治以降、右翼を中心に、中国や韓国と組んで欧州に踏みにじられない大義の旗を立てろという議論があった。しかし、当時は日英同盟を選び、今は日米同盟。アングロサクソンと組む流れを継いでいる」
「韓国も、似たような選択を迫られてきましたよね。北朝鮮との関係強化を図った文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は、日本でいえば、沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設にブレーキをかけた鳩山由紀夫元首相の言動に近いと思っているんですよ。韓国では『北と南の連携を強くしていこう』という訴えが国民の喝采を浴びる面もあるでしょう。ただ、今の時代に文政権みたいな道をとるとあまりに支離滅裂になる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が誕生したのは、日本にとっても本当によかった‥、ああ、すっかりいい気になってペラペラしゃべっているなあ」
谷垣さんが車いすを少し動かしながら話題を変えた。
「最近は新聞を読みながら、私と同世代の方の回顧録をよく読むんですよ。私たちの世代は一体何を残したか-と考えながらね」
谷垣さんは昭和20年生まれだ。
「例えば歌手の加藤登紀子さん。読売新聞で連載していたが、彼女は私の1歳年上で、東大の五月蔡でシャンソンの『赤い風船』を歌っているのを聞いたことがあります。彼女と政治的立場は大きく異なりますが、同じ時代の空気を吸ってきた。もう1人挙げれば、ピアニストの山下洋輔さん。彼は麻布高校の先輩で、文化祭でピアノを弾いていたのを覚えている。ジャズという日本でまだ珍しかったやり方に挑んでいた」
「もう1人、倉本聰さん。彼は喫茶店でアベックのすぐ横に座り、会話をじっくりと聞きながらシナリオを練ってきた。テレビをどう活用するのか、一生懸命考えてきたんですね。戦後日本の可能性を開くためさまざま頑張ってきた」
「逆にいえば、そうそうたる大会社に行き、少し前まで『半導体は日本だ』と頑張った友人がいた。しかし、今は見る影もない-。俺たちの世代は何をやってきたんだろう。私とすべてジャンルは異なるが、この年になって、じっくり考えるんですよ」
日本酒のグラスを手に語る自民党の谷垣禎一元総裁=東京都世田谷区の自宅(酒巻俊介撮影) 日本酒のグラスを手に語る自民党の谷垣禎一元総裁=東京都世田谷区の自宅(酒巻俊介撮影) 少し遠い目をする谷垣さん。自らも、政治の中枢で時代を動かしてきたじゃないですか。
「自分のやってきたことはこんな副作用を生んでいたのかと考えるものばかりですよ。自分の思った通りになったことは絶対ない。ほとんど、予期しないことが起きている。例えば難民の問題。私は議員になりたての頃、自民党法務部会の副部会長としてこの問題に取り組みました。当時は無制限に外国人を入れるととんでもないという議論があり、入国には『職業訓練』という形を取り入れたが、今から思えば、物の見方が足りなかったと自省することが多い。『こんなこと考えもしなかった』という問題が次々と起きてね」
もう一例として挙げたのが、女性の社会進出の遅れだ。
「私は昭和20年生まれだから、現行憲法の『男女同権』は素晴らしいと教わった。しかしその私が何をやってきたかといえば、政治家の傍らで、家事は全部女房に押しつけた。家事はやってみると結構大変ですよ。こんなこと言ったら、あの世の女房に怒られるかもしれないが、専業主婦じゃない人が家事に取り組むのは大変だ。今は働く女性が圧倒的に増えたでしょ。亭主と女房がどっちも働いているのに、家事は女房だというんじゃね。子育てしながら政治に携わる上川陽子外相や加藤鮎子こども担当相は相当優秀ですよ」
子供2人を育てる豊田記者が「家事をしない人と結婚できませんよ」と合いの手を入れる。
「でも、少子化対策って、政府の政策でこなせるものなんですかね」
シャッターを切っていた酒巻俊介カメラマンが尋ねた。(聞き手 水内茂幸)
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hidekigogo · 2 years
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昨晩、1月26日に久しぶりに蒲田駅東口のたの平亭刺し身専門店へ。 珍しく仕事が早く終わったのと比較的てんないが空いていたので入って三田。 穴子の頭煮は甘辛く穴子の頭を煮魚風に似てあるもので味付けよく、少々筋肉質な頭の肉もおもしろい。 穴子は肝ポン酢もあったのでオーダー。 それと地だこ、いわし刺し身。いわしはたたき風になっていたのが少々残念。 ドリンクは黒ホッピー、グラスがプラ製になったのね。名前書かれたから使い捨てなんだろうね。個人的にはやはりガラスのジョッキで飲みたいわ。 #たの平亭刺身専門店 #蒲田 #蒲田立ち飲み #立ち飲み #穴子の頭煮 #穴子肝ポン酢 #いわし刺し身 #地だこ #congereel (たの平亭 刺身専門店) https://www.instagram.com/p/Cn6zRqfy83p/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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navetin · 2 years
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■東京国立博物館 創立150年記念 特別展 『国宝 東京国立博物館のすべて』
第一部 東京国立博物館の国宝
長谷川等伯《松林図屏風》 日本の水墨画の最高傑作と言われる国宝がいきなり出迎える。 高精細コピーではなく本物は初めて。 近くで見ると荒々しい筆致に驚く。 大陸から渡ってきた山水図に日本の美意識が融合した作品。
狩野長信《花下遊楽図屏風》 華やかな花見の様子を描いた美しい屏風絵。 右双の一部が焼失しているのが残念。 左双には酒宴の様子を軒の上から眺めている人たちもいるが、 建物に立体感がないのが面白い。
平安時代《孔雀明王像》 3年前の『原三渓の美術』展では展示替えで観る事が叶わなかったが、 本物を目の前にして息が止まった。 優美な曲線で描かれた孔雀明王。絢爛豪華な截金細工。 極彩色なのに洗練された色調。そして隙のない見事な構図。 三渓はこの仏画を井上馨から当時一万円という破格の値で 購入したという逸話があるが、然もありなん。 数ある国宝の中でも一番好みだったので絵葉書を購入。
埴輪《挂甲の武人》 これがあの大魔神やはに丸のモデルか。 実物は均整の取れたプロポーションで顔も穏やか。
今回の目玉でもある刀剣の部屋は壮観な眺め。 ギラギラ光る抜き身がたくさん飾られている。 しかしながら自分は物騒な感じがしてあまり好みではないので 足早に鑑賞。刀剣キャラも理解不能。
第二部 東京国立博物館の150年
後半はトーハク150年を振り返る展示でこれもまた良かった。 その歴史は1872年に開催された湯島聖堂博覧会から始まる。 当時の錦絵には名古屋城の金鯱を始め、 国内外の珍品が所狭しと陳列されている様子が描かれていた。 翌年のウィーン万博参加への準備を兼ねた展示でもあったわけだが、 相当の観客が押し寄せたそうである。 この成功により1877年に上野寛永寺本坊跡地で 第1回内国勧業博覧会が開催され、1881年には第2回が開かれる。 それに合���せて同地にジョサイア・コンドル設計の展示館が完成し、 翌年から当博物館の本館として使用される事となった。
第1章『博物館の誕生』では 河鍋暁斎の《東京名所之内明治十年上野公園地内国勧業博覧会 開場之図》と暁斎に師事したコンドルの《上野博物館遠景の図》が、 三代広重の錦絵を挟んで並んでいるのにニヤリとしたり。
第2章『皇室と博物館』には 赤坂離宮(迎賓館)花鳥の間に飾られた濤川惣助による 七宝額の下絵が並ぶ。花鳥図の作者は渡辺省亭と荒木十畝。 当初は荒木十畝と並河靖之のコンビに製作を依頼していたが、 途中から渡辺と濤川のコンビに変更になったそうだ。
ここには明治時代に作られた生人形も展示されていた。 古の衣装を着せる為に作られた謂わばマネキンなのだが、 その美しさに見惚れてしまった。雨のそぼ降る薄暗い日に 人気のない展示室で対面したら一体どんな気分になるだろう。。。 作者は三代安本亀八で、思い返せば『あやしい絵展』に 飾られていた人形が初代安本亀八のものであった。 因みに戦前の百貨店にもオリジナル制作の生人形が 置かれていた様である。
第3章『新たな博物館へ』には お馴染みの尾形光琳《風神雷神図屏風》、岸田劉生《麗子微笑》、 《遮光器土偶》の他に大迫力の平安時代《金剛力士立像》が二体。 これは室戸台風でバラバラになった像を 果てしない労力と時間を掛けて修復したものらしい。 そして国宝展最後は菱川師宣《見返り美人図》がお見送り。
という訳で誕生日に国宝を愛でるという企ては大成功。 眼福を得た一日であった。
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tabilist · 3 months
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【大分】日田「味の珍さん」
【鶴瓶の家族に乾杯】名物 日田焼きそば『味の珍さん』#木村カエラ #笑福亭鶴瓶 大分県日田市へ 2024/6/17放送 大分県日田市三本松1-7-21 #鶴瓶の家族に乾杯 詳しく見る↓
日田駅「味の珍さん」 食べログでcheck! 地元の人々に愛される老舗の日田焼きそば店 創業以来、半世紀近く日田焼きそばの味を守り続けてきた、日田焼きそばの専門店 この店の日田焼きそばの特徴は、パリパリに焼き上げられた麺と、自家製ソースの深い味わい。 麺は中太のストレート麺を使用しており、強火で手早く焼き上げることで、表面はパリッと、中はモチモチとした食感に仕上げている。 ソースは、豚骨ベースに醤油や野菜などを加えてじっくりと煮込んだ自家製ソースで、甘辛く濃厚な味わいが特徴 日田焼きそば 950円 住所 大分県日田市三本松1-7-21 TEL 0973-22-2504 行く前に!見どころ&口コミをチェック 味の珍さん(日田/ラーメン) –…
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bearbench-tokaido · 6 months
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五篇 追加 その六
藤屋の亭主と上方者と一緒に、古市へやってきた弥次郎兵衛と北八。
仲居が、残された弥次郎兵衛に、 「さあさあ、お前様、ちとあちらへ。」 と、案内するので、 「どれ行きましょう。どこだどこだ。」 と、いいながら立ち行く。
この弥次郎兵衛いたって見栄っ張りなので、例の醤油で煮たように汚れているふんどしを締めているのが事のほか気にかかり、見られては恥の上塗りだと、ふところから手を入れてそっと外し格子の間から庭に放り出してしまう。 それを誰にも見られていないかと辺りを見回して確認すると、安心して仲居の後に付いてく。
その後夜も更けていき、奥の間の伊勢音頭もおのづからしずまり、旅客のいびきの声が響いてくるだけだ。 そこに鐘の音が七つなって鶏の声も歌い出し、しだいに夜も白みかける。
朝の日差しが窓から差し込んでいるのにおどろき起あがって、目をこすりながら上方者が、 「なんと、もう朝かいな。どれ、いのうわいな。」 と、北八の座敷にやってきて誘う。 北八も起きだしてくると、二人で弥次郎兵衛のところに来て、 「弥次さん日が出た。帰えらねえか。」 と、声をかける。 「やれやれちょっと寝すぎたか。」 と、弥次郎兵衛も起きだしてきた。 「これこれ、今日もいさんせ。」 と、側でおやまの初江が言う。 「とんでもない。今度は、本当に帰る。」 と、みな支度して出かける。
おやまどもも、送りに廊下に出てくると一人のおやまが、格子から何か見えるので覗いている。 「これこれ、あれ見さんせ。庭の松に浴衣がかかってあるわいなあ。」 弥次郎兵衛の相方の女郎、初江が、 「ほんに、取り除いておきなさい。いやじゃいな。誰じゃいな。」 というと、弥次郎兵衛は自分のふんどしがかかっているのかと思って、 「ははあ、こいつはおかしい。三保の松原の羽衣の松じゃあねえ。 ふんどしかけの松とは珍しい。」 と、言ってしまう。 それで北八がよく見てみると、確かにそれはふんどしだ。 「弥次さん。ありゃお前のじゃねえのか。」 初江が何か思い出しように、 「ほんにそれじゃ。お前さんのふんどしじゃないかいな。」 と、弥次郎兵衛の顔を見て笑う。
弥次郎兵衛はさっき、つい喋ってしまったのをしくじったと思いながらも、昨日格子から捨てたふんどしが松の枝に引っかかり、ぶら下がっているのがおかしいと思っていたが、さすがにそうだとも言えずに知らないそぶりで、 「なんて事をいうんだ。あんな汚ねえふんどしを俺がするものか。」 というと、初江が、 「いいや、そうおっしゃても、昨夜わしゃこのお客さんの着物を脱がそうとした時に、よう見たがあないな色のまわしじゃあったわいな。」 と、思い出しながら言う。 上方者も、 「おお、そうじゃあろぞい。」 と、あおる。 「ばかいうな。俺は、木綿のふんどしは嫌いだ。 いつでも、超高級な羽二重をしめている。」 と、弥次郎兵衛は下手な言い訳をする。 「おほほ、うそやの。あれじゃいな。」 初江はすっかりわかってしまったといわんばかりである。 「弥次さん。あれがどうして木綿だとわかる。 それにあんな汚いふんどしに俺も見覚えがある。たしかにあれだろう。 そうじゃないならお前今裸になって見せなせえ。 大名行列の先頭を歩くやり持ちのように、ぶらぶらしているに違いない。」 と、北八が詰め寄る。
初江はこの騒ぎに出てきた男に話しかける。 「そうじゃいな。おほほこれこれ、久助どん。そのまわしはお客さんのじゃ。 取ってくだんせ。」 久助と呼ばれた男は持っている竹ぼうきの先で、例のふんどしを起用に取ると初江のところまで持ってきて、 「さあ、ふんどしがやってまいりましたぞ。 それ、取らんせ。取らんせ。」 初江が、それを摘み上げると、 「おお、臭い。」 と、思わずそこにほっぽり出してしまう。 「ははは。弥次さん、ほれ、拾ったらどうだ。」 と、ふんどしを指差しながら言うと、 「ええ、情けないことという。俺のじゃないというに。」 と、弥次郎兵衛は、そっぽを向いてしまう。 北八が、 「そんなら、お前、前をまくって見せろ。」 と、弥次郎兵衛を捕まえると帯を解こうとする。 弥次郎兵衛はそんな北八から逃れると、そのままにげ出して行く。 皆々は、 「おほほほ。 「わははは。」 と、大笑いして送り出る。
三人とも、ここを立ち出ると、 「ええい、いまいましい。北八が俺に赤恥をかかしやがった。」 と、弥次郎兵衛が北八に言い、 「確かに、松にふんどしがぶら下がったのをみたのは初めてだ。」 と、一首詠む。
ふんどしを 忘れて帰る 浅間山 万金丹が 古市の町
さて妙見町に帰ってきた三人はいい天気なので、急いで内宮と外宮のお宮参りしようかと簡単に支度して、先程の古市の入り口に戻ってきた。 ここには、露天が店をだして、客を呼び込んでいる。
そこに有名なお杉とおたまのような女たちが、やや高い音調の三味線を弾いている。 「べんべら、ちゃんてん。」 しかし、弾き方が無茶苦茶で何の歌かわからない。
行き交う旅人の一人がこの女の顔にお金を投げつけると、うまい具合にそれぞれに顔をふりよける。 それを見ていた弥次郎兵衛が、 「あっちの若い方に、ぶつつけてやろう。」 と、金を二、三文投げるとさっとよけてしまってあたらない。 「べんべら、べんべら。」 と、女らは馬鹿にするように���たらと三味線を弾いている。 「どれ、俺が当ててやろう。」 と、今度は北八が投げるがやっぱりあたらない。 上方者が、 「いくらやっても、お前がたではどないに放りさんしても、相手は、当てさせるものではない。」 と、言う。
ちょっと考えて、弥次郎兵衛が、 「今度は見てろ。これでどうじゃ。」 「おやおや、あんなでかい物もあたらんか。」 と、弥次郎兵衛が銭をとめている紐ごと投げつけたのを見ていて北八は、 「こりゃ、あんまりしゃくにさわる。」 と、小さな石を拾って投げた。 例の女らはその石を器用にばちで受けるとひょいと投げ返す。 するとその石は弥次郎兵衛の顔にぴっしゃりと、あたってしまう。 「あいたたた。」 と、弥次郎兵衛が顔を抑えるのをみて、 「ははは、こいつは大わらいだ。」 と、北八は笑っている。 弥次郎兵衛は、 「ああ、痛え、痛え。」 といいながら、一首詠む。
とんだめに あいの山とや 打ちつけし 石返したる 事ぞおかしき
また、先に歩いて行くと中之町に着いた。 左の方には本誓寺という勝景の地がありまた、寒風という名所もあるそうだ。 五知の如来や中河原など書こうと思えば、枚挙にいとまがない。
それより牛谷坂道を通りかかると、女乞食が化粧して飾り立てていて行きかう旅人に錢を乞う。 又、他にも、十二、三の女子どもが紙にてはりたる色とりどりの笠をかぶっていて、 「銭おくれ。お江戸さんじゃないかいな。 そこの旦那様。頬かぶりした旦那様。銭おくれ。放うらんせ。」 と、掴みかかってくる。 「やかましい。つくなつくな。」 と、弥次郎兵衛が突き放すと、 「そういわんで、お江戸さんじゃろ。ちと、くだんせ。」 と、乞食が袖をひく。 仕方がないと、北八が、 「ええい、引っ張るな。それ、まくぞまくぞ。」 と、いい加減にばらばらと金をまくと乞食は、めいめいに拾って、 「よう、くだんしたや。」 と、ひとりひとりが礼を言う。
この先に又、七八才ばかりの男の子が白い鉢巻をして、そでのない羽織に膝のところでくくりつけた袴をはいて、手に扇を持って踊っている。 その後ろで編み笠をかぶっている男がささらという、竹を細かく裂いて擦ったり振ったりすることで音を出す物を振りながら歌っている。 「やれ、ふれふれ。 五十鈴川~、ふれやふれや、ちはやふる~。 神のお庭の~、あさ清め。 するやささらの~、えいさらさら、えいさらさ~。 それ、てんじょうじゃ。 ゆかしたじゃ。 やっていきなされ。やっていきなされ。」
北八はふところから金をだすと、 「そりゃやっていかんすぞ。しかも、四文錢だ。」 と、そこに放りだすと乞食が、 「四文ぜになら多すぎる。こりゃぜひ、釣りに三文くだんせ。」 と、いうので弥次郎兵衛が、 「こいつ自分勝手なことを言う。」 と、笑って行き過ぎる。
つづく。
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misasmemorandum · 6 months
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『悪魔が来りて笛を吹く』 横溝正史
1951年の作品だけど、事件自体は1947年、『黒猫亭事件』と『夜歩く』の間に起こったって設定。この頃は数え年が使われていた。そして、この年の途中から華族制が廃止された。
子どものときに古谷一行が金田一耕助を演じるTVドラマシリーズでこれを怖くて怯えながら見てたのを思い出した。フルートの音が不気味に聞こえたんだよな、このドラマ。今聴くと、フルートの曲、尺八のメロディーっぽい感じがした。
この作品のテーマは近親相姦。耕助に事件の依頼をした美禰子(19歳、満では17、8歳)の母、秌子(あきこ)は絶世の美女でニンフォマニアでsimpleton。こう言う女性が生まれ出たのは、歴史的に近親婚を繰り返してたりしてたからのようだ。
レコードの音楽やらでじわじわと人々を締め付けていくっての、クリスティの誰もいなくなった、やわぁと思った。横溝が好きな他の作家の作品を読んでないから似てても分からんのだろうけど。
作中、「ぼくと同姓の言語学者」ってのが出て来る!実際、金田一京助は、金田一という珍しい姓を、金田一耕助人気で正しく読んでもらえるようになったと言っていたそうだ。以上。
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stepout098 · 7 months
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🆕'24/03/30(sat)
『 STEPOUT 』
at cult bar FREAKS A GO-GO!
(那覇市松尾2-6-11-2F)
21:00~ ¥1500(1Drink付)
≡ LIVE  ≡
Clast Band
≡ GUEST DJ ≡
なるまパーク(ex.メロウ・イエロー・バナナムーン)
頓珍亭たこ助
SUKOYAKA PLAY LAND
≡ STEPOUT DJ ≡
しゅうHATE!!
あのね
FlyerDesign : ピンイン
Text/校正してくれたエリちゃんBigUp✨
≅п☞▣¢٩≅♨⚂▣◊▣¢◆в∴٩▣〥¢⚂◊п≅
Clast Band (一人DIYバンド)をお呼びしての、
音楽Partyです。宜しくございます(*-ω人)
ゲストのDJの方々も楽しみ✨✨✨押忍⚡
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hiromusic · 11 months
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『ひろムのポロロン珍道中🎸🚙💨』
その⑧ 〜 蕎麦うまし長野 の巻 〜
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(Date10/31) 静岡から長野へ!※ 途中、甲府で24時間身体休め。
長野で立ち寄る場所は二ヶ所あって、まず初日は「諏訪市」へ。
以前大阪で仲良くしてた 飲み友達・ミクを訪ねて。※ ミクは元々長野出身で今は地元に戻ってる。
そう言や僕、諏訪に滞在するのは人生初かも 🙄
で、この旅ではもはや当たり前になってる 突然居酒屋ライブ!
@ 焼き鳥やわり (近隣が民家なのでこの日は短めに静かめに…w)
大阪離れる前のミクは (大阪での生活に) 色々思い悩んでたけど、長野に帰って今は元気で素敵な笑顔になっててよかった。
こえて行け、24歳!
ひろム叔父さんは一安心です。笑
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翌日、長野の盟友・宮下卓央に会いに「伊那市」へ。
※ 写真はトップ画像ね。
↑ 卓央ちゃんはベーシスト🎸で、ダイニングBAR「D style」🍺 ってお店を経営してる。
弾き語り/小編成スタイルのライブするには丁度良いサイズの箱。 結構著名なアーティストさんもライブツアーでここに立ち寄るみたいです。
卓央ちゃんとはかれこれ7〜8年くらいの付き合いかな。
カメリアスのベーシストとしてレコーディング参加してもらったり、長野や東京でも何回か一緒にライブも演ったっけな。
心身ともに頼れるベーシスト!
何より僕と同じくいい歳こいて「チャラい」のが一番の推奨ポイントです。。w そう、僕はチャラい奴しか親友として認めない!!笑
今回わざわざライブ機材セッティングしてくれて、また彼が今演ってるバンドのキーボーディスト・ワコちゃんも来てくれて。お客さんも呼んでくれて至れり尽くせり。 ノープランだったけど三人でいい感じのセッションが出来ました 😉
せっかくなんで このノリ���曲書くぞー!!
って流れになって、お店閉めてから曲作り。
最速一時間で作詞作曲なんとなくアレンジして一曲ラフあがり!笑 ↑ 次回の投稿で動画アップしますね 🎥
で、なんと今回 長野滞在中、蕎麦屋4軒行きました!
もう毎食蕎麦って感じ 😙
そう僕は無類の蕎麦フェチです。昔「蕎麦ログ」なるブログも書いてた程です。w 今回タイミングよく新蕎麦のシーズンだったのでラッキー ✌️
ってな訳で、そんな中でもお勧めの蕎麦屋2軒…
・本格信州そば「紅さくら」2号店
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本店は昼営業のみ… に対してこちら2号店はナイト営業。いわゆる深夜蕎麦! 地元高遠産のそば粉を使い、本店で毎朝打つ香り豊かな信州そばが味わえます。
本店の娘さん・モエちゃんが一人で切り盛りしてます。
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元々キャバ嬢だった!? モエちゃん、、深夜蕎麦屋にピッタリのパーソナリティだと思います。近所の飲食店さんからも愛されてる伊那の繁盛店。酒もアテも全てが安い!!
ちなみ、モエちゃんとは卓央ちゃんのお店で知り合った。
・信州伊那そば処「名人亭」
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信州の鄙びた小高い丘にあり、南アルプスが一望できるロケーション。地元上伊那産100%の玄そば。
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こちらでは「おろし蕎麦」をいただきました。きのこ類など旬の山菜がたっぷり入って美味でした。
さてさて、 ポロロン珍道中、次の投稿で最終回です… 🚙💨
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anopero · 11 months
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★ライブレポート★ 2023.10.13(金) 静岡/三島 ぐらBAR亭 共演:犬ゾンビ/MIDORI 5月に三島でご一緒した犬ゾンビさんとぐらBAR亭で初ライブ。MIDORIさんはぐらBAR亭の看板娘。 ちゃんぽんをメインに、馬刺しやワニ肉など 珍しいものも食べられる居酒屋でありながら、 良い音でライブを楽しめるお店。 開演前に小腹が減ったため 初体験の「馬のモツ煮」をいただく。 コリコリとしていて美味! ライブ前は基本的に呑まないアノアですが、 流石に我慢できず、ビールを注文。 やっぱりコレやね〜。 ライブはMIDORIさんから。 初々しさと堂々さが混ざり合ったステージ。 そして、犬ゾンビさん。 MCを含め、彼の想いやエネルギー溢れるライブは、 見ていて胸が熱くなります。 お二人にすっかり温めていただいてのトリ。 お客様は皆とても温かく、ノリも良く、 最高にゴキゲンな時間を皆さんと作れました。 ぐらBAR亭の末永さん、MIDORIさん、犬ゾンビさん、お客さん、ありがとうございました!
#live
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tachimachida · 1 year
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母方の祖母
母方の祖母のことを思う。 母方の祖母は今も結婚し嫁いだ家に住んでいて、夫を(私の祖父を)ついこの間亡くした。まだ四十九日も済んでいない。 祖母と祖父は昔珍しい恋愛結婚だ。しかも5年も交際して結婚したという。二人とも戦前の田舎生まれで、そんな中珍しく高校を卒業して幼稚園教諭として働いていた祖母を、祖父は才女だ、と見初めたらしい。 ここからは祖父母の長女である私の母から聞いた話。祖父はとにかく亭主関白で、時代とは言え、妻を働きにだすことなど毛頭考えない人だった。祖母は専業主婦として3人の子を育て、それぞれの学校ではPTA役員もした。祖父は働き者で、田舎では裕福な暮らしができたが、小さいころからの貧乏も染みついていてお金のことで祖母とよく喧嘩した。祖母には、自由はなかったろうと思う。 祖父の葬式は盛大だった。子供たちは泣き、私たち孫はじいじの思い出を語りあった。生前祖父と関わりがあったという老若男女が大勢押し寄せた。その間祖母は、控室の端に寄せられ「疲れるだろうから、こちらを気にせず寝ていて」と気遣われ、その実、少し疎まれていた。 遺影の祖父の笑顔は明るく朗らかで、参列者は口々に「優しい笑顔ですね」「笑顔がよかね」と祖母に話しかけた。祖母はにこりともせず「50年間一度もこのような笑顔は見たことありません」とすべての人に繰り返していた。 人が死ぬということは、しかも愛憎あふれる配偶者が死ぬということは、特に時代と結婚に自由を奪われた気位の高い祖母にとって、いったいどんなことなのだろう。自由のはじまりなのか、それとも人生をささげた結婚生活のあっけない終わりなのか、妻という自分を守り自分を縛った役割と日常を喪失するできごとなのか。 火葬場についたとき、9人いる孫も3人いる子供も、そのそれぞれの配偶者も、祖母の近くには誰も寄らず、祖母は一人で横になっていた。 横になって目の上に私の貸した白いハンカチをのせ、誰にともなく繰り返した。「あの日は雨の降りよったけん、今日は働かんで温泉かなんかに行ったらって言ったと」祖父は一人で行った温泉の帰り、脳出血で倒れた。「働きすぎよお父さんって言ったと、そしたらね、おまえはおれのすること全てに反対したって言われた」と祖母は続ける。繰り返す。でも誰も聞いていない。 祖母の人生は祖父が決めた、祖母はわがままで自分中心といわれるし、実際そのようにふるまうけど、それは祖父と家族の許した範囲を、ただの一度もはみ出たことはなかったろうと思う。祖父は、立派に働き、遊び、気心の知れた田舎で、みんなに尊敬され、笑顔の遺影で見送られた。昔の男の、ひとつの理想の人生だったと思う。 祖父の尊厳と自由を実現させた祖母の人生は、祖母の気持ちは、祖母に対する私たちのまなざしは、どうだろう、どうしたらいいんだろう。 祖父の火葬も終わって、帰りごろ、祖母の遠くで子供たちが話していた。 「お母さんの時は家族葬でよかね」
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retepom · 1 year
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【だが】No.173【今は違う】
 ギュッ
読者が一様に考えたであろうネタにも関わらず我慢できませんでした。K2無料公開時に一気読みしたクチです。おもしろいよね。ちなみに私はドクターTETSU推しです。何だそのふざけた髪型は…!!
※この記事は今週のアンデラ本誌感想です※
「二人共本当にいいの?」
 秒速UNION入りの重野ファミリー!!!老舗料亭は…どうなったんだろう……アンデラにしては珍しく眼鏡が本体っぽい作画の父が地味に好き。お母さんカワイッッップリキュアのお母さんじゃんもう(???)
ん?まって??背後にいるビリー様の………あれ!!?!?ベロニカさんとベティちゃん!!?!!!?!あああぁ〜〜〜!!!!!!!!ご存命!!!!ご存命でいらっしゃった!!!!!!!!うわ~~~ッ!!!!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!!!!ベロニカさんのデザインと属性がとんでもなく性癖に突き刺ささっていたオタクの脳内は今祝福に包まれています。本当にありがとうございます………しかしながらこんなに可愛い妻子が待つ家があるというのに“ひとりインディペンデンス・デイ”を決行しようとしていたビリー=アルフレッドはちょっと校舎裏案件ですが学校潜入期間の幕間でファン=クーロンに子育てに関してガチ説教くらってるかもしれないし許してやろう(強めの幻覚)ベティちゃんはフィル君と同い年くらいかな〜 もう可愛い シェンはムイメイちゃん連れてくのねまぁ順当か…まってムイちゃん弟は!!?そしてジジイは?まだ校舎に刺さってるの??
「他の連中が行けってうるさくてな」
あぁ〜〜ラボメン ラボメン良い…メタ的に言えばボウとミコの出生時期調整なんでしょうけれども ところでバウの奥様は…?
「この時は一瞬だけなのだ!!」
春歌ちゃんと一心じいじ…そうだよな……いつかは次の『パス』を使うタイミングがあると思っていたし予想もしていたけれど………下手すると飛んでる間に不壊の代替わりがあるんだろうな…ワシの屍を超えてゆけ……ウ"ッ…嫌だ〜〜ッ!!一心じいじは新生UNIONのみんなも看取ってくれなきゃ嫌だ………回避できない『別れ』もあるんだってメッセージを伝えることも必要だよ……
三者三様の女性陣も可愛いなァ〜と思いつつも前ループで友才さんの伴侶となったであろうメンズの事を考えてしまうのは我だけか。アンディに恋をしたから次の恋が出来たと考えるとそもそもなかった事にされる可能性は高い。どうして。否定者以外の一般人にも人権を!!ジーナちゃん背のびた?
 公式から訂正があったので15年とんだということだけれど…15年……涼ちゃん三十路過ぎてんじゃん……成人式にも同窓会にもいないチカラくん…寂しいな………記憶残してもらってるのかな……
「いないよ」「絶対に」
『絶対』に という言葉をここで使ってくるのはぁ〜!!!となっちゃう。つまり次のターゲットは………ていうか背景でまたワチャワチャしよるのちょっと待ってアポに怯まないベティちゃん可愛いねぇ〜〜〜(満面の笑み)ビリーとテラーが座ってるってことは幕間で増えた席にはとりあえず二人が座ったということで良いかな。答え合わせでもビリーが「任務」って言ってるから課題に参加できていたのかもしれない。家族の団欒見守る周囲あったけぇ……クリード隊長がま〜〜た着こなし変えてきてるがぁ〜〜!?!アナタは誰も連れてこなかっ………え!!?部下たちは!!?!?15年も隊長に会えない部下の気持ち考えたことあんの!!!?!??!!!嫌どす!!!!!!!(限界夢部下)
フィルママとチカラママが挨拶しあってるのめちゃくちゃ良いのでベロニカさんもまざってお母さん会してください!!!!!見たい!!!!!!!!!!!(曇りなき眼)
出雲風子 信頼は 減るぞ……………………………………
「アタシじゃなきゃ会えるわけないじゃない!!」
はぁ…………………………………………………
……………………………………好き……(噛み締め)
 バイクで颯爽と現れるおフランスのラトラねーたま 眩し過ぎる もう髪を切ってしまっているのは勿体ないが 語彙がもう全部ちゃんと理想のラトラで泣いてしまう。21が出せる色気じゃない…ということはリップはハタチですか。軍人トリオと年齢が開くのもまた趣深い。いや、テラーとはむしろ近くなるのか?
「私がガキンチョの頃にアンタがムリヤリさせたヤツ!!」
事案か!!?!?誤解を招く台詞が過ぎる。ガキンチョという語彙すら好き。育ちはお嬢様のはずなのに口悪くあれ。出雲風子がま〜〜〜た見てないとこで仕事してるよォ!!アンディなにしてんの?????この2人の救済はお前がやるべきじゃねえのかよぉ〜〜〜ッ!!?!?!って言いながらもうリップに接触してたらどうしよう。手術の練習台になってくれるヤベー奴とか。不治が発現したリップの代理で執刀できるように医者になっている可能性も捨てきれない。ラトラちゃん美少女が過ぎる………
「ハイ」「ウソね」「ハイ」から一瞬でたんこぶ作るツッコミはもうナミさんの技量。ニコおに良かったねようやく心労が分散されるよ…
「私の占いの前に」「駆け引きは通じない」
前々からちょっと思っていたがラトラの占いは本当に占いなんだろうか 未来予知能力の方がしっくりきてしまう 唯一能力名開示が無いのも何かの伏線なのではと考えてしまう…風子、ラトラの勧誘には“教える”パターンを使うんだな。信じるか信じないかはアナタ次第………
「やっぱいい男なんだなって」
「リップはさ」
……………………………はぁ〜〜〜〜〜
もぉ〜〜〜〜〜〜〜………………………………
そういうとこやねんてェ〜〜〜〜〜ッ!!
「…リップさんが妹さんの為に全力だったのもありますけど…」
「なにより」
「ラトラさんは…」
「優しいから」
…………………………………っかぁ〜〜〜…………………
前ループのリップとラトラの関係性に対する
ひとつの“答え”
あまりにも あまりにもじゃん………………………
「…ああ」
「そういう事ね」
世界一いいオンナの返答だろ…………何……????………好き……………………………………………………
言葉で説明するのはもはや野暮かもしんないけどさ…双子の妹の“かわり”になること、ラトラがその気になればできないわけではなかったんだよな。リップの“痛み”を慰める選択肢も沢山あったんだよ。リップも盲目的にライラばっかり想い続けていたわけじゃなく、命を懸けてでも守りたいのはいつだって『二人』だったんだから。でもそれをしなかったのはさ……
………………はぁ〜〜〜〜〜!!(クソデカ溜息)
「風子」
「今回はどうなるの」
「私は何をすればいい?」
「どうすれば」
「妹は助かるの?」
好きです 結婚を前提に結婚してください…
[どんな形でもいい]
[笑ってもらうんだ]
[3人で…!!]
出雲風子ォ!!!ここ最近ちょっとパワー型の作戦と信頼感減少ムーブが目立ったから今回のラトラとの関わりも若干心配だったけれど再会に浮つかずに、色恋にシフトせずに、しっかり会話してくれたのは良かった。とても。ニコイチやシェンムイへのリアクションがたまに心配になるので…
「占わなくてもわかる」
ほぉ……リップそんなことになってんの フリーランスの医者とかしてる?失敗しないので??
「今のアイツは」「きっと」
「前のアイツより」
「凄いわよ」
………なん……………なんか………ドラクエの顔がいい悪役みてぇな顔してんな…………………………………鞄ぐらいちゃんと持てよ…………………………………………
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straycatboogie · 1 year
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2023/07/31
BGM: BarbWalters - Love
今日は休みだった。月に1度の通院日である。朝、総合病院に行きそこで先生と会い、そして自分の状態を話す。もらう薬の内容も変わらず、先生と話すこともこれといって前進も後退もなく、つつがなく終わる。その後薬局で薬をもらい、そしてイオンに行きそこで沢木耕太郎『246』を読み終える。沢木耕太郎の文からはいつもジャズが聞こえてくるかのような印象を受けるのだけれど、今日は何だかジャズの気分でもなかったのでSpotifyからテキトーに"Future Funk"と題されたプレイリストの曲を聴く。実に「音のおもちゃ箱」といった趣のサウンドに浸る。スクリッティ・ポリッティのサンプリングが施された曲があるのが気に入り、今年の盛夏はこれを聴いて過ごすことになるかなと思った。1度しかない48歳の夏も、こうしてバカンスとは無縁に読書や仕事で過ぎていく。今年はたぶんそれらに加えて日々コツコツ詩作を続けたりもするのだろうけれど、なんにせよ実に地味な夏なのは変わりがないのだった。せめて読む本の内容を変えたいと思ったりする。またあのマルカム・ラウリー『火山の下』のような「粘っこい」「しつこい」本を読むべきか。それともあっさりした「淡白な」本……例えばリチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』のような本を読むべきか。
昼食を摂り、その後朝に時間がなくて書けなかった昨日の日記を書く。それが終わった後、池澤夏樹『詩のなぐさめ』を読み始める。この本は彼が古今東西の詩集(シェイクスピアや谷川俊太郎、西脇順三郎や現代詩に至るまで)に触れて書いたエッセイ・批評で、読みながら彼が実に「アクティビスト」「行動派」の書き手であると唸らされる。いや、日本にはそうした書き手は珍しいものではないかもしれない。夏目漱石や森鴎外、二葉亭四迷の昔からそうして国境を超えて自在に移動する知識人は数多と居たはずだ。だが、彼の面白いところはそうして諸外国の文物を自在に取り込みながら劣等感・ルサンチマンを感じさせるネガティブなところが見当たらず、実にオープンマインドを保ち続けられているところだと思った。だからこそ、アメリカやヨーロッパといった国々の文化(敢えてイヤな言い方をしてしまうと「白人男性」が生み出したスマートな文化)のみならずもっとマイナーな国々の肥沃な文化にも目を向けられ、そこから謙虚に学べるのだろうと思う。彼の政治観・文学観には異論もあるが、その謙虚さとグルメなところは見習うべきだなとも思わされた。彼の作品『マシアス・ギリの失脚』『スティル・ライフ』を読み返すべきかもしれない。
その読書の後、詩を書き始める。書きながら、ぼくがやっているのは「詩作」というより「ポエムメイキング」だなと思った。たぶんぼくの書く詩は純金で作られたピュアなものではなく、プラスチック製というかチープなものだとも思う……そんなことを詩に書いてしまった。だが、そうしたチープな詩にはチープなりの味があると信じる。X(元Twitter)では『バービー』と『オッペンハイマー』の話題が喧しい。ぼくは深くその騒動について知らないのだけれど、深刻な出来事がミームという「やんちゃ」で「面白おかしい」表現技法に呑み込まれてしまう現象(むろん、ぼくはそうした一面的・暴力的な「面白さ」には懐疑的だが)について考えさせられる。ぼくの友だちも過去にヒトラーについてミームをぼくのDiscordのサーバに投稿したことがあって、ぼくは「いかがなものだろう」と異論を投げかけたことがあったのだけれど語弊を恐れずに言えばそうしてヒトラーをミーム化・ネタ化してしまうことはすなわちナチへの有効な批判につながりうるのか、ならないのか……政治を「ミーム」にすることが「面白さ」至上主義だけに終わらない有益なメッセージにつながる、そんな地点を目指せないかと思った。
夜になり、何もする気が起きない。だが早寝するにも昼寝をしてしまったせいか目が冴えて眠れない。それで松浦寿輝『青天有月』を拾い読みする。そこで松浦寿輝が、西脇順三郎の詩集を携帯することの至福について書いているのを知る。ぼくは本はボリュームがあれば得した気分になると考えてしまう非常に貧乏性な人間で、だから分厚いフェルナンド・ペソア『不安の書』を好んで読み耽るのだけれど確かにそうして「ポータブル」な詩やエッセイの文庫本をカバンやポケットに入れて持ち歩き、さまざまな場所で読み返すことは面白いなと思った。ここのところぼくは沢木耕太郎『246』を持ち歩いていたのだけれど、宮澤賢治や萩原朔太郎の詩集を持ち歩くのもいいのかな、と……前にも書いたけれど、自分にとっての「ソウルフード」「ホーム」になりうる本があればいいなと思った。そう考えていくとぼくにとってはリルケ『マルテの手記』がそうした本かなとも思う。いや、これから背伸びをしてディケンズやコンラッド、フォークナーを読んでみるのも一種の「生きがい」につながりうるのかなとも思うのだけれど……そんなこんなで今日が終わる。明日から8月。盛夏・猛暑が続くが、秋の到来もこれに応じて早まるのだろうか?
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kentarouchikoshi · 1 year
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 興味津々の展覧会です(๑˃̵ᴗ˂̵)
 日本人の食生活は,諸外国のものに比べて多様性に富んでいるということが言われます。街には色々な国・地方の料理を供するレストランが並び,家庭でも西洋や中国などの外国料理を普通に頂きますが,このような社会的に見るとむしろ少数派なのだそうですね。しかしながらその一方で食生活においてそれほど外国の料理を受容しているにも拘らず,日本には「日本料理」「和食」として括られる独自の食文化が確固として存在するというのが,日本における一般的な捉え方です。実際,我々は街の食堂に行けば日本料理(和食)を容易に賞味することが叶いますし,家庭においても「これは和食だ」と誰もが考えるような料理がごく普通に調理され賞味されています。
 ではその日本料理というのは歴史的にも一貫して同じようなものだったのかといえば,それは全く違います。現代の日本料理において不可欠な,そして日本料理を特徴づける調味料といえば醤油と味噌でしょう。しかし醤油が登場したのはどれほど遡っても応仁の乱の頃だとされています。一方の味噌のほうはといえばこちらは奈良時代には既に存在したようですが,それは今でいうと佃煮のような食べ方がされる食べ物であって,我々が日常飲んでいる味噌汁というのは中国から擂鉢が伝わった鎌倉時代��初めて登場したとされています。つまり長屋王や藤原道長,或いは平清盛といった人物が食べていたであろう料理というのも広い意味での「日本料理」であるには違いありませんが,我々が現代食べているものとは似ても似つかぬものだったに違いありません。いや,それよりも現代に近い江戸時代であっても特に初期の料理は現代の日本料理とはかなり違ったものだと言えるでしょう。その時代には既に醤油は存在したにも拘らず,たとえば刺身の調味料には「煎り酒」といって鰹節(場合によっては昆布)・梅干を入れて煮詰めた酒が使われるのが一般的でした。  ���れは調味料に限った話ではありません。我々が一般的に使っている食材も,たとえばカボチャや唐辛子というのはアメリカ大陸原産の作物ですから安土桃山時代より前には存在しませんでした。現代では日本料理に無くてはならぬ白菜に至っては「日本に紹介されたのは明治時代。国内で栽培されるようになったのは大正時代になってから」ということを以前にもお話致しましたね。これは極端な事例にしても「現代では日常的な素材が当時はそもそも存在しなかった」というのは珍しい話ではないし,逆に現代では食べられることの無い鶴なども古い時代には食膳に上っていたなどということもあるようです。  歴史を丁寧にひも解くと「現代の日本料理が確立したといえるのは明治以降,それよりもやや幅を広げて我々から見て違和感の無い日本料理が普及したのも江戸時代も半ばを過ぎてから」というのがどうやら正解だと言えそうです。
 では,現代の日本料理が確立する以前,日本人はどのような料理を食べていたのでしょうか。それを取り上げる展覧会「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」が2023(令和5)年10月28日〜2024(令和6)年2月25日の日程で,国立科学博物館で開催されます。食材の伝播や品種改良,そして「和食」そのものの変遷までも模型や資料で解説するという実に興味深い展示になるようですね。卑弥呼の時代・奈良時代・安土桃山時代・江戸時代の料理などの復元模型が飾られるということで,僕などはそのような話を聞いただけで「秋になったら上野に行かないと!(^^)!」という強い強い思いに囚われてしまいます。  ただ欲を言えば,本当は模型だけではなく実際に当時の料理を試食出来るとさらに理解が深まるのですが。現在ではもう一般に食べられることの無い食材は勿論のこと,今も食される食材であってもどのような下拵えや調味を行ったかでその味わいは全く異なります。それがどんなものかを知りたいと願うのは僕だけではないと思うのですが。昔,茨城県水戸市の「大塚屋」という割烹が徳川光圀(水戸黄門)の食べていた宴会料理を再現した「黄門料理」というコース料理で大評判を取りました。「大塚屋」は今はもう存在しませんが,商標とレシピとを買い取った水戸商工会議所に所属する割烹や料亭等で黄門料理が提供され続け,水戸市の観光名物の一つになっています。やはり「説明も聴きたいが,実際に食べてみたい」と望む人は少なくないのでしょうね。
 とはいえ,考証を経た解説を読むだけでも勉強になりある程度の理解を得られることは間違いありません。「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」是非訪ねてみたいし,とても楽しみにしているところです♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
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a2cg · 1 year
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instagram
ワイルドと私
Steppenwolfと言えば”Born To Be Wild”という楽曲が有名ですが、日本でワイルドと言ったらスギちゃんを思い浮かべますね。
ワイルドといえば “Wild Thing”映画メジャーリーグの主題歌でしたね。そしてアニメ「シティハンター」のエンディング曲と言えば”Get Wild”ですね。
カードゲームのUNOでワイルドと言えば、どんな色にも変えられるカードでしたね。同じようにどんな文字にもなれると言えば「々」ですね。
と言うわけで本日のランチは表の暖簾には「々」が使われているのに店内のメニューには「々」を使わない #珍珍亭 #珍々亭 です。
Instagramへ最初にこの店を投稿してから200円値上がりして、前回2021年からは150円値上がりしたので時の流れを感じます。
頼んだのは #油そば 大と味付ゆで玉子です。学生時代トッピングなどしたことが無かったのですが今では値上がりも気にせず注文できるようになったので大人になりました。
今回は「タレ多めで」とお願いしたので汁なし #ラーメン なのにヒタヒタな感じで油の元が入っているのは楽しみです。
まずはよく混ぜてそのままで頂きます。濃厚なタレの味わいはいまだに解明できませんが、後に引くワイルドな味わいです。
#チャーシュー を前回食べた時はしっとりに変わったなと思いましたが、昔からのパサっとしたお肉に戻っていたので、タイミングによる個体差があるんでしょうね。
初めて頼んだ #味玉 は半熟でトロリとする味わい。この後いつものルーティンで #ラー油 を2周半回しかけ、お酢も同じだけかけて頂きます。
ワイルドからマイルドな味わいに変わって #麺 のもっちり太い感じで永遠に食べ続けられます。 #なると もシンプルながらも美味しいですね。
タレを多めにしたので、余すところなく最後まで美味しく頂けました。そう言えば人手不足でチャーハンが注文出来なくなっていましたが、今後も頼むことは無さそうです。
#武蔵境グルメ #武蔵境ランチ #武蔵境らーめん #武蔵境ラーメン #武蔵境油そば #武蔵境中華 #武蔵境町中華 #麺スタグラム #とa2cg
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bearbench-tokaido · 6 months
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五篇 下 その四
東海道を離れ伊勢の参宮道に来ている弥次郎兵衛と北八。 雲津の旅館に泊まる。
旅館の亭主である胡麻汁が女中になにやら言って部屋を出て行くと、残った女中が側で給仕をしてくれている。 弥次郎兵衛が、 「まんざらじゃねえ。」 と言うと、北八が、 「いい女だ。しかしここじゃあ、お前が先生だし。おとなしくしておこう。」 と、自分の膳を見てみる。 膳の上には平たい椀がありそこには、コンニャクが盛ってある。 その手前には、みそが入った小皿がある。 さらに奥のほうに大福餅ぐらいの大きさの黒いものがのっている。
二人は箸を手に持ったまま顔を見合わせ、弥次郎兵衛が小声で、 「おい、北八。この皿にある、丸いものは何だろう。」 と、箸で指し示す。 「そうだな。なんだろう。」 と北八は、箸でつついてみる。 その感触ではどうやら硬そうで、とても箸でつかめるほどではない。 よくよく見ればどうも、ただの石のようだ。 二人は、びっくりして、 「こりゃ石だ。」 と、北八が言うと、 「な、なに。石なものか。のう、女中さん。」 と、弥次郎兵衛が、近くにいる女中に問いかける。 女中は当然のことのように、 「それは、石でございます。」 と言うと、北八が、 「それみろ。」 と、言って自分の前にある石を突いてみる。 いっこうに食べようとしない二人に手持ちぶさたの女中は、 「コンニャクのおかわりはどうですか。」 と、問いかけ、弥次郎兵衛が、 「ああ、そうだな。」 と、言うと、部屋を出て、台所の方に行ってしまう。
弥次郎兵衛は北八と二人きりになると、 「なんだこりゃ、ばかばかしい。どうやって、石を食うんだ。」 北八も、難しい顔をして、 「いやしかしそれでも、食べる方法があるんだろう。 でなきゃわざわざ、名物といって出さないだろう。 待てよ。さっきここの名物って言ったのは、この石のことか。」 弥次郎兵衛は、鼻で笑うと、 「そんな話、聞いたことがねえ。」 「いやまてよ。江戸で団子のことを『いし』と言うから、こりゃもしかすると団子じゃねえか。」 と、北八が、またまた箸で突いている。 弥次郎兵衛は、 「ははあ、なるほど。そういうこともあるかもしれない。 まさか、本物の石じゃ、あるまい。」 と弥次郎兵衛も、箸で突いてみる。 しかし���どうやってみても、やっぱり石だ。 これは、不思議だと、キセルを取り出し、その雁首で叩いてみた。 「かっちり、かっちり。」 と、乾いた音がする。 「どうでも、石だ。こりゃどうして、食うのかと聞くのもしゃくだが、どうもわからねえ。」 弥次郎兵衛は膳の前で腕組みしている。
そのうち胡麻汁が、台所からやってきて、 「これは何もござりません。よろしうめしあがりませ。」 と、おかわりのコンニャクを盛って来た女中を促す。 「いあ、石が冷めてはおりませんか。 こりゃこりゃ温い石と、替えてあげなさい。」 と胡麻汁が言うと、二人ともいよいよ、ぎょっとした。
しかし、この石の食い方が分からないと思われるのがいやで、弥次郎兵衛はこれを食べたという顔つきで、 「いや、もうおかまいなさるな。石は、もう十分だ。 なんとも、珍しいものを賞味いたしました。」 と、箸をおくと、 「江戸の方でも、よく、小砂判を唐辛子醤油で煮付けたのや、煮豆などのように焚いて食べることがございます。 それに、また、墓石なども嫁をいびる姑に食べさせろとか言いますし。」 「・・・」 「実は、私もずいぶん好物でございます。 このたび、駿河の府中に逗留いたしたとき、馬蹄石をすっぽん煮にして振舞われたのだが、その時あんまりうまいので、四つも五つも食べました。」 「・・・」 「ところが腹が、重たくなって立うとしたところがどうやっても立ち上がれない。 しかたがないので、両方の手を天秤棒に肩あてして縛り付けて、かついでもらってやっとのことで便所にいきました。 ここの石は格別、風味もいいですから又、食べ過ぎたらどんなにご厄介になるかと、お気の毒でございます。」
黙って聞いていた、胡麻汁は、 「いや、それは、とんでもないことだ。 石を食べられるというのは、たいそう、歯がお達者なのでございますね。 しかし、火傷などはなさいませんか。」 と、心配そうに言う。 「それは、また、どうして。」 と弥次郎兵衛が、問いかけると胡麻汁は、 「いやあの石は、焼け石でございます。 すべてコンニャクというものは、水気のとれぬものでございますから、あの焼け石にておたたきなさると、水気が取れてかくべつ風味がよござります。 そのための焼け石でございます。食べるのではございませんわいな。」 「ははあ、なるほど。わかりました。」 と、やっと理解できて、弥次郎兵衛は、北八を見る。
胡麻汁は、 「まあ、そうして、あがって御さんなされ。これ、おなべよ。 石が、熱くなったら持って来なさい。早く。」 と、女中に言うと、皿に焼けた石をのせて、女中が冷めた石と交換していく。 弥次郎兵衛と北八は胡麻汁の言ったとおりに、かのコンニャクをはさんで焼け石の上に置くと、じゅうという音がして水気がとれる。 それをみそにつけて食べると、格別うまい。 二人は、感心している。
「まことに珍しい料理。まったく、感心しました。 それにしてもよく、このように同じ大きさの石がそろいましたな。」 と弥次郎兵衛が、問いかけると、 「いやそれは、あちこちを探し回って、蓄えておくんです。 どれ、お目にかけましょう。」 と台所に立って行くと、なにやら箱を抱えて戻り、 「ご覧下さいませ。二十人分は所持いたしております。」 と、胡麻汁は、箱の中を示す。 二人は、感心しながらも、なんだかおかしくて笑い出す。 その箱の横には何か書いてあるので、読んでみると、 『コンニャクのたたき石、二十人前』と、書いてある。
そのうち、食事も済んだ。 それを待っていたかのように、近所の狂歌よみが、おいおいやってきた。 胡麻汁が、その連中の一人をみて、 「や、これは、横額禿揚(よこひたいはげあがり)さま。 さあさあ他の方も、こちらへどうぞ。」 と、その連中を座敷に通す。 「はい、これは、十返舎先生、初めてお目にかかります。 私は、冨田茶賀丸(とんだちゃがまる)と申します。 それから、次は、反歯日色(そりっぱひいろ)、水鼻垂増(みずばなたれます)、金玉過雪(きんたまかゆき)、いづれもお見しりおききださりませ。」 と、紹介する。
胡麻汁はそれが、済むと、 「ところで、先生。御面倒ではありましょうが、扇子か短冊に先生のご自慢の歌を是非、したためていただきたい。 お願いできますでしょうか。」 と、短冊を突きつけられた。 弥次郎兵衛はもっともらしくそれを受け取ると、何か頭の中に浮かんだことを書いてやろうと考えたのだが、どうも自分が道々詠んだつまらない歌しか思いつかない。 仕方がないのでこれまで、江戸で聞いたことがある人の歌を書くことにした。
さらさらと弥次郎兵衛が書いて胡麻汁に渡すと、 「これは、ありがとうございます。」 といただき見て、早速詠み始める。
「お歌は、 『ほととぎす 自由自在に きくさとは 酒屋へ三里 とうふやへ二里』 はあなるほど、どこかで聞いたことがあるような歌だ。」 と怪訝な顔で、もう一つの短冊を詠む。
「こちらの、お歌は、 『きぬぎぬの なさけをしらば 今ひとつ うそをもつけや 明六つのかね』 いやこれは、三陀羅大人のお歌ではございませんか。」 と胡麻汁は、びっくり。
弥次郎兵衛は、平気な顔で、 「なに私が昔、読んだ歌だ。しかも、江戸で大評判になったんだ。 誰も知らないものはない。」 とすましている。 胡麻汁は、困惑気味に、 「いやそう言われても、去年私がお江戸に行った時に、三陀羅大人、葱薬亭大人などお目にかかりましてそのとき、短冊もいただいて参りました。 それ、御覧なされ。そのびょうぶにはってあります。」 と、指差すので、弥次郎兵衛は、振り返ってみる。
すると、そこにあるびょうぶに三陀羅と署名して、弥次郎兵衛が書いたのとおなじ歌が書いてある。 北八は、おかしく思ったが、気の毒にも思ったので、 「いや、私の先生は、そそっかしくてがさつな性格。 人の歌だとか自分の歌だとかの区別は全然気にしない人でございます。」 と、言って、弥次郎兵衛に、 「おい弥次さん。いや先生、これまで道中で詠んだ歌を書けばいいものを。」 と、小さな声で言う。
弥次郎兵衛は失敗したかと思いながらも、根っから細かいことを気にしない男なのでいけしゃあしゃあとして、又、別の短冊に道々詠んだ歌を書きだした。
つづく。
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natsumida · 2 years
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【2018】 0106@ 十三FANDANGO バレーボウイズ/台風クラブ 0107@ 心斎橋JANUS tempalay/HAPPY/スカート 0109@ よしもと漫才劇場 buzzってミキ#5 トット/アイン/マユリカ/おいで/スパマ 0109@ よしもと漫才劇場 buzzってミキ#6 見取り/霜降り/さや香/笑い飯/蛙亭 0113@ サンケイホールブリーゼ 舞台 流山ブルーバード 0121@ 二条GROWLY スケボキッズ 0123@ 梅田クアトロ マックデマルコ OA.トリプルファイヤー 0125@ よしもと漫才劇場 翔:ミキ/霜降り/ヒガシ/爛々/キンニク 0131@ 祇園花月 ミキ 家でやりなはれ _GEST.もりやすバンバンビガロ 0201@ フェスティバルホール クリープハイプ なつかしい曲もやるからさ 0203@ 京音 昼の部 PAELLAS/Rei/HAPPY 0203@ 梅田クアトロ meiehara/bonobos/yogee (0203@ 京音 夜の部) スケボキッズ/ZOMBIE-CHANG 0204@ 京音 neco眠る/ラキテ/奇妙礼太郎/在日ファンク 0209@ 磔磔 シャムキャッツ/Homecomings/seuss 0214@ NGK 和牛/キンコン/笑い飯/中川家/トミーズ/桂小枝/ぼんち/阪巨 0214@ よしもと漫才劇場 翔:チャンプ/プードル/kento/エンペラ/霜降り/蛙亭/ミキ 0215@ 京都MUSE Age Factory MY WAR 2018_GEST.tricot 0219@ よしもと漫才劇場 翔:ジュリエ/エジソン/ちからこぶ/蛙/マユ/霜降り/ゆりやん/ミキ 0219@ よしもと漫才劇場 theNEXT:ミキ/霜降り/ゆりやん 0225@ 味園ユニバース SPICE!_neco/片想い/EMC/ドミコ/トルコ_CHAI/バレー/安部弾語 0226@ よしもと西梅田劇場 ミキ/霜降り/アキナ/ダイノジ/桂文珍 0228@ よしもと漫才劇場 翔:ミキ/霜降り/ヒガシ/マユ/エンペラ/蛙/からし/濱田 0228@ よしもと漫才劇場 もっと:プリマ/モンエン/ミルク/ヘンダー/ダブルアート/ロコディ 霜降り/ミキ/フースーヤ/爆 0302@ よしもと西梅田劇場 テンダラー/レイザー/ジャル/もりやす/和牛 0305@ よしもと漫才劇場 buzzミキ:ヘンダー/見取り/ラニー/爆/スマイル 0305@ よしもと漫才劇場 buzzミキ:アイン/大自然/ヒガシ/マユ/藤崎 0310@ FOLK 夏目知幸 弾き語り_原田晃行 0314@ なんばHatch ナルバリッチ ain't on the map yet 0316@ Loft PlusOne West ほろ酔いマシンガンマウス 天竺鼠川原/かまい濱家/タナイケ池田 0318@ あべのキューズモール 兄弟でんぱ 公開収録_ミキ/銀シャリ 0318@ 梅田Shangri-la PAELLAS Yours TOUR2018_GEST.Tempalay 0319@ よしもと漫才劇場 翔:ラニー/サンディエ/ゆりやん/86/ミキ/ヒガシ/男ブラ/霜降り 0319@ よしもと漫才劇場 theNEXT:ミキ/ゆりやん/霜降り 0319@ よしもと漫才劇場 ミキ/パーティ/ネイビーズ/さや香/学天即 0326@ JANUS HAJK/Tempalay/スカート 0327@ 梅田Shangri-la DYGL×beach fossils 0329@ 二条nano スケボキッズ 0408@ YES THEATER 天竺鼠 単独ライブ レベル2_GEST.藤崎マーケット 0412@ BIGCAT yogee new waves Bluemin' Days TOUR 2018 0414@ よしもと漫才劇場 フースー/なにスワ/見取り/天竺/やすとも/マユ/ツート/スマイル/トータル/シャンプー/ウーマン 0420@ なんばHatch never young beach April O'neal 0501@ よしもと漫才劇場 極:マユ/きんめ/コウテイ/なにスワ/ヘンダー/ラニー/セルスパ/ジュリ/ラフ次/ネイビー/濱田/天竺/クロスバー/祇園 0502@ よしもと漫才劇場 もっと:アイン/天竺/ミルク/ラフ次/デルマ/ニッ社/なにスワ/ダブヒガ/ヒュ中村/ゆりやん 0511@ よしもと西梅田劇場 アキナ/トータル/健康ボーイズ/トット 0520@ 堺市 海とのふれあい広場 雨パレ/creepy/サカナ/ネバヤン/レキシ/バニラズ 0526@ B-FLAT Lenny/shout it out/RotB 0528@ NGK ギャロ/とろ/スマイル/かまい/アキナ/トット/トレエン/ネイビ/ミキ 0601@ 三重県営サンアリーナ RADWIMPS Road to Catharsis Tour 2018 0602@ よしもと漫才劇場 藤崎/さや香/ヒュ中/ジュリ/ニッ社/プリマ/天竺/ウーマン/モンブラ/フースー/銀/笑い飯 0602@ よしもと漫才劇場 極:トット/祇園/吉田/プリマ/セルスパ/マルセ/ネイビ/さや香/からし/コウテイ/銀/天竺/ラニー/kento 0606@ よしもと漫才劇場 もっと:アイン/プランゴエ/タナイケ/ジソン/ツート/マルセ/マユ/ミキ/からし/コウテイ 0608@ よしもと西梅田劇場 テンダラー/ダイアン/アキナ/ニューヨーク 0623@ Loft PlusOne West ほろ酔いマシンガンマウス 天竺川原/山名/大須賀/今井 0624@ ロームシアター京都メインホール 相対性理論 presents 変数分離 0707@ よしもと漫才劇場 さや香/ヒュ中村/セルスパ/テンダラ/ペナル/たくろう/蛙/吉田/天竺/濱田/ミキ/アキナ 0707@ よしもと西梅田劇場 テンダラー/アキナ/天竺鼠/アイン/ミキ 0707@ よしもと漫才劇場 極:クロス/ジュリ/トット/吉田/セル/マルセ/霜降り/マユ/さや香/ミキ/コウテイ/濱田/アキナ/天竺 0722@ よしもと西梅田劇場 フースーヤ/アキナ/千鳥/ライス/矢野兵動 0725@
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