#棘のある花はお供えには本当はダメです
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★ ☆ ★ 今日は春彼岸でお墓参り 今回の花はこんな感じに…。 それにしても花の値段上がってて驚いた。 だいたい彼岸は値段が上がるのだけど、今回の場合…生花生産者の燃料高騰によるものだろうと。 それでも本当はもっと高くないと生産農家は利益が出ないのだろう��ぁ。 #rx100m5 #sonycybershot ⠀ #sonyrxmoments #rxtographer ⠀ #sony #sonyrx #rxmoments #春彼岸 #お供え花 #棘のある花はお供えには本当はダメです (東京) https://www.instagram.com/p/Cp9s9RRSMp2/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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白そびえる鎮魂町
秋の月末に町をあげての祭をやっていたのは、 鎮魂を謳う町。白がそびえる、死を隣にする町。
町の周りには、南瓜やぶどう畑が広がっている。 辛気臭いわけでは無いが、牧歌的とも言えない。 人が集まる忙しい場所という訳でもないのに。
今、空は赤味を残している。夜も近い。 ・・・さあ、行ってみようじゃないか。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。
それはただただ、白かった。 ぬっぺりとした、無機質な存在感がある。
特に美しい細工が施されているわけではない。 せいぜい、根元に飾りが施されている程度だ。 ヨルド : ……
それなのに、何故だろう。 つい、見てしまう。見上げてしまう・・・。 ヨルド (凝視している。) 【売り子くん】 鎮魂の町へようこそー!! お菓子やスナックはこちらで売ってるよ! 取引をしました。 15ルド失った。 [サラダ・ボウル] を手に入れた。 [レンガ・ブラウニー] を手に入れた。 [干しエノキ肉] を手に入れた。 ヨルド (色々買ってしまった。つい) ヨルドは、サラダ・ボウルを使った。 ぱりっぱりのヘルシーという概念。 ヨルドは4回復した。 ([1]+3) ヨルドは、干しエノキ肉を使った。 アゴが割れても当店は保証しかねます。 ヨルドは5回復した。 ([2]+3) 【売り子さん】 いらっしゃい、弔いにようこそ。 お腹を満たすものをお探しかしら? (視界の隅に、なにか)
少し先に、酒場が見えた。 腰を落ち着けて飲むのも、良いかもしれない。 ヨルド (ふらっと酒場に寄った)
酒場内は、流石に明るかった。 薄暗さに慣れた目には、強く思えるほどに。 ヨルド : うぐ ヨルド : まぶしい・・・ 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 ヨルド : ああ 【酒場の主人】 ウチの名物といやぁ、そうだな・・・。 揚げたカブと、ブラックエールくらいなもんだ。 ヨルド : それで 【酒場の主人】 じゃが芋揚げろっつぅんなら、そのくらいは出来る。 アイスは出せるが、パフェ?とかいうのも無理だ。 ヨルド : 構わん。 【酒場の主人】 ・・・んま、名物を聞くってこたぁさ、 なんか注文してくれんだよな? 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 【酒場の主人】 依頼?あんた冒険者か、賞金稼ぎか? こんな町に大きなモンは転がってないよ。 ヨルド : そうか…… 【酒場の主人】 妙な現象とも仲良くやってきてんだ。 除霊だの、物騒な事は考えないでくれよ。 ヨルド : わかった。 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 【酒場の主人】 ・・・嫌いだよ。大っ嫌いだ。 こんなに思い出の詰まった町はねえ。 ヨルド : そうか 【酒場の主人】 だからこそ、ここで酒場やってんのさ。 親も友人もツレも、みんなここで寝てるかんな・・・。 ヨルド : じゃあな
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。
人気のない道が続いている。 喧騒から外れた、この町の墓場への道だ。
目ぼしい灯りも無い、町の墓場。 この土地だけではない人々も、共に眠るという。 ヨルド : …… ヨルド (墓石には見慣れない名前が並んでいる。) 自動スクロールを解除しました。
広場へ戻る? 自動スクロールを有効にしました。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 自動スクロールを解除しました。
この先を行くと、町の通りに出るらしい。 少し毛色の違う店があると聞く。 自動スクロールを有効にしました。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。
桃色と蜂蜜色が混ざった、花のような龍のはく製。 さほど大きくはない。3mあるか程度の身体だ。 ヨルド : ・・・
片目は龍眼そのものが残っているが、もう片方は宝石だ。 出来るだけ同じ色であるようにと、苦心されたのが察せる。 ヨルド (目が合ったような気がした)
この死体は愛されている。 誰が最初に、愛し始めたのだろう。 【鎮魂の教会】 青を基調としたステンドグラス。 にじむ蝋燭のひかり・・・。 【盲目のシスター】 ・・・おや、お客さんでしょうか? わたくし共に出来る事は、少ないけれど。 どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。 ヨルド : ああ 【シスター】 静謐の教会へ、ようこそ。 ・・・男のわたしがシスター服は、まあ目立ちますよね。 ヨルド : ?そうか 【シスター】 この教会では、性別の垣根なくシスターなのですよ。 身は神に仕えし器。男も女も、色の違いでしかありません。 【シスター】 植物はとっても素直です。 この辺りに植えてあるのは、全て薔薇ですけれど。 【シスター】 広場の方から、花園にいけるのはご存知ですか? 我が教会も世話の一端を担っております。 ・・・是非、見ていってくださいね。 ヨルド : そうか 【シスター】 お祈りですか?それとも、呪い避けでしょうか。 怪我があるならば、微力ながらもお手伝いしましょう。 【シスター】 では、ささやかながら清めの祝詞を。 ・・・その後に、聖水に手をつけてくださいね。 ヨルド (じゃぽっ) 【シスター】 ・・・この辺りでは、あまり見ない方ですね。 落ち着かぬ事もありましょう。せめて肩の力を抜いてください。
���こからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【惡喰の蟒蛇】 あくじきのうわばみ、と読むらしい。 濃厚なスープの香りがする。 【惡喰の蟒蛇】 どうにも、特殊な食事処らしい。 (人を選ぶ内容です。ご注意ください) 【ア・ルヴィーシカ】 (店主の顔は非常に見づらい) (店主はただただ、灰汁を取っている・・・) 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・あん?ああ、すまんな。 喰いに来たのか?それとも提供か? ヨルド : 食いに来た 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 ヨルド : アリアヴィル? ヨルド : 頼もうか。
店主は黙ってキッチンに籠る。 ・・・しばらくして、あなたの前に食事が置かれた。
深皿に、沢山の野菜がはいったスープが盛られている。 ・・・あなたは、それが根野菜のみだと気づいただろうか? ヨルド : ん。
明るいところで見れば彩も悪くはない、そのスープの奥。 野菜に埋められるようにして出て来た、小さな骨つきの肉…。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 その日のスープ。それか、ステーキ。 どっちかだよ。そのどちらかしか、無いよ。 【ア・ルヴィーシカ】 材料を持ってきてくれるヤツ次第なんだよ。 そいつがどっちで喰いたいかで、メニューが決まるのさ。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・何の肉か、だって? 誰かが愛した血肉さ。愛しくてたまらない何かだ。 ヨルド : あ ヨルド (食べちゃったな。と思った) 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 最低限の灯りだけにしてるんだ。 当たり前だろ。・・・喰う時は静かにするもんだ。 【ア・ルヴィーシカ】 誰かの情と年月の詰まった肉を喰うんだ。 派手な灯りなんか必要ねーんだ。 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 死んだ動物を卸してくれる事さね。 一応、人間は避けてるよ。一応・・・ね。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・愛おしすぎて、離れがたくて、 自分じゃ燃やすことも埋める事も、出来ないヤツ。 そういう苦しみを、誰かの胃で片づけるとこだ。 【ア・ルヴィーシカ】 大事な者の死を、食べて受け止めるヤツもいる。 血肉とすることで前に進めるヤツも存在する。 そういう思いにすがるヤツだって・・・。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・気持ち悪いと思ったなら、向いてねーから。 主義が違っただけ。普通の店を紹介してやるよ。早く出な・・・。 ヨルド : そういう風習もあるか。 ヨルド : どうも。悪くなかった。たまには来る。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【ナイン・ソウルズ】 扉には鎖が交差していた。 鎖の中心に、絵筆がぶら下がっている。 言わんとすることは、分かる気がした。 【アトリエ・死生】 あなたを迎えたのは、画材の詰まった棚だった。 絵筆、彫刻刀、ノコギリ、にかわの元・・・。
小型のキャンバスや紙が詰まっている。 よく叩いた木の皮なども乱雑にまとめられていた。 ヨルド : 絵を ヨルド : 描くのか? 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 ヨルド : 走りはしない。無意味だろう 【シトー】 見ての通り、画材屋だよ。 大事なアトリエを兼ねている。 【シトー】 買うものがあるなら、そこらか��持ってこいよ。 値段はいちいち覚えてられない。その場でつける。 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 【シトー】 死んだ生物の絵を描いてる。 誰かの伴侶だったり、長年連れ添った犬だったり・・・。 【シトー】 想い出を描き留めてるんだよ。文字通り。 ・・・アンタも描いてやろうか?(ニヤリ) ヨルド : 俺はまだ止まっていないが。 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 【シトー】 いいよ。でっけえ火は使うなよ? そっちの棚の奥、青い階段を下りてくんな。 【シトー】 画材は持ちこむなり、ここの使うなりしてくれ。 でも、そこに入る時は絶対オレに話しかけろ。いいな? ヨルド : わかった。
階段を下りていくと、作業場に出た。 僅かながら、地下室らしい空気の重さがある。
換気はできるし、床は石造りだ。 しんと静かな空間・・・。 自動スクロールを解除しました。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:9([1,3,5]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:12([6,5,1]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:7([2,1,4]) ヨルド : 何故だ
想像していたよりも小さくまとまっている。 これではいけない。修正しなくては。 ヨルドは1のSPを失った
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:5([1,2,2]) ヨルド : 何故だ
違う。違う違う違う。 こうじゃない。これじゃない。どこで間違った? ヨルドに1のダメージ ヨルドは2のSPを失った
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:13([6,2,5]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:8([4,3,1]) ヨルド : 何故だ
イメージ通りに手が動かせない・・・。 あなたは産みの苦しみに浸った。 ヨルドは2のSPを失った ヨルド : ……!!!
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:10([5,2,3]) ヨルド : 何故だ
想像していたよりも小さくまとまっている。 これではいけない。修正しなくては。 ヨルドは1のSPを失った
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:12([2,4,6]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 ファンブル! 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:6([2,2,2]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:11([3,6,2]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:10([1,6,3]) ヨルド : 何故だ
冷たい水が出てくる。 道具を洗うもよし、水を飲むもよし。 ヨルドは5回復した。
冷たい水が出てくる。 道具を洗うもよし、水を飲むもよし。 ヨルドは5のSPを回復した。
階段を登れば、店に出る。 自動スクロールを有効にしました。 【アトリエ・死生】 あなたを迎えたのは、画材の詰まった棚だった。 絵筆、彫刻刀、ノコギリ、にかわの元・・・。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【納本堂】 扉の横に、看板がぶら下がっている。 開かれた本が描かれていた。 自動スクロールを解除しました。 【ガーディー】 ・・・納本しにきた訳ではなさそうだね。 何か、お求めの遺本でも? ヨルド : 気になっただけだ。何だここは 【ガーディー】 そのままの意味だよ。本を納めるのさ。 ここは、納骨堂ならぬ納本堂。故人の書物が集う。 ヨルド : ?理解しがたい 【ガーディー】 古い本から個人出版、手記まで。 値段がつけられないものに、値段をつけている。 【ガーディー】 ・・・つまり、ここにある紙束たちはね。 一度は死を記憶したもの、ってわけだよ。 ヨルド : そうか。 【ガーディー】 ・・・納本しにきた訳ではなさそうだね。 何か、お求めの遺本でも? 【ガーディー】 ボクかい?しがない活字中毒者だよ。 足をダメにするまでは、冒険者をやっていた。 あちこち駆け回ったもんさ。 【ガーディー】 今はこうして、隠居生活と本屋を営んでいるよ。 ああ、鑑定も多少はかじってるから、何かあったら持っておいで。 料金はもちろん頂くけれどね。 ヨルド : ああ 【ガーディー】 ん、ちょいと待つんだ。 この先は勝手に入られちゃ困るよ。 【ガーディー】 ・・・ああー、知ってるなら良いか。 通すのは構わないけど、奥の本は"強い"ぞ。 持ち出しは許可出来ないから、そのつもりで頼むよ。 自動スクロールを有効にしました。
扉が背中で閉められた。 ほんのりと照らされる本棚と、肌に刺さる魔の意思。 怨念じみたものも感じ取れるそこは、異空間。
随所に見られる封印や封鎖魔法には、苦労の痕がある。 どうかあなたが、この本達に魅入られませんように。
この棚の書籍は、装丁に皮が使われていた。 ネズミ、コボルト、オーク、ハーピィ、人間、獣人・・・。
顔の皮や手足の皮など、分かりやすい"アイコン"にされている。 内容もあまりよろしくないものばかりだ。強い薬草の匂いもする。
この棚にある書物は、大小バラバラで素材にも統一がない。 ただ、どれをめくっても中身は真っ白だった。
勘のいい冒険者ならば、それの一枚を光にかざすかもしれない。 極薄に掘られた文字共が、直接脳内に入って、く る 。
気になった一冊を広げてみると、錆びのような匂いがした。 呪文が書き連ねられているが・・・これは、インクではない。
体液だ。ありとあらゆる体液が混ぜられたインクだ。 血や涙だけではない。脳髄、骨髄、唾液、それから・・・。
知性あるもの、二足歩行をするもの、身近に存在するもの。 それらを捕らえて閉じ込め、育て、好みに太らせた時・・・。
訪れるのは、食事の時間である。 この棚にあるのは、飼育のススメ。調理指導。皮や骨の活用。 味の詳細や街の死角を細かに書いた手記ばかりだ。
鎖や魔封じの紐に巻かれた本…ではなく、 巻物や板、竹などに書きつけられた文章たちの群れ。
どこかの貴族の手紙だったり、王族の証明書だったり。 しかし、眉唾にも思える。疑心暗鬼と策略の山が、詰まっている。
宗教の本だろうか? なかには遠い昔に弾圧された教祖のものまである。
しかし、危険■無いと思いこんではいけない。 不用心に読めば読むほど、あ■■の思■は蝕まれ、■■■■. ■脳ト魅子が詰ね■まれな*&■■■■■。ああ!素晴らしき■
禁書の棚から抜け出しますか?
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【アトリエ・死生】 扉前の看板には、そう書かれていた。 混ぜ物をした蝋で作成された、精巧な面。 それらが並ぶガラ��窓。
小さめの薪釜だ。 奥で炎がごうごうと燃えている。
金属のマスクが焼かれている。 熱をあまり感じないのは、何故だろう・・・。
釜で焼く前のマスクだ。 ただの灰色じみた塊に見える。 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 ヨルド : っと、すまん。 【カプラキャスタ】 ・・・デスマスクって、知ってる? ひとが最後に残せる、数少ない面影よ。 ヨルド : 聞いたことはある。 【カプラキャスタ】 死人の顔を、石膏や金属葉で模るの。 出来るだけ差異の無い様に作り、遺す・・・。 何に使われるかは、知らないけど。 【カプラキャスタ】 ・・・いちおう、普通のマスクも受け付けてる。 生きてる人のためにも、仮面を遺したいしね。 ヨルド : そうか 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 【カプラキャスタ】 デスマスク職人。名前は、カプラキャスタ。 この仕事について・・・ようやく十何年?かな。 【カプラキャスタ】 ・・・ね、あなたの眼幅、測って良い? 結構好きかも。あなたの目元、ユニークだわ。 ヨルド : そう、か? 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 【カプラキャスタ】 ・・・ええと、普通の仮面がほしいの? それともデスマスク?詳しい話を聞かせて・・・。
蝋で作られた老人の顔がある。 しわくちゃだらけの表情は、穏やかな雰囲気だ。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。
沈香通りよりも、空気が重く沈んだ道。 沼の水のようによどんではいない。ああ、静寂。 【グリザイユ・キアロ】 黒い扉にかかる看板は、美しかった。 小粒の宝石が、キラキラしている・・・。 【グリザイユ・キアロ】 いわゆる宝石商なのだろう。 分厚いカーテンが閉じているところをみるに、店主は外出中らしい。
近日、引っ越します。 そう書かれた紙が貼ってあった。 【苔枕】 大きな宿屋が見える。 そこの扉だけは、白かった。 【苔枕】 なんてことはない、ただの宿屋だ。 値段も良心的だが・・・満室らしい。 【未亡人】 あら、見かけない人・・・。 どうしましたの?この先へ行きたいのかしら。 【未亡人】 ごめんなさいね、この先はちょっと閉鎖してて。 大掃除中なの・・・ええ、そうよ。葬儀場・・・。 【未亡人】 大掃除というより除霊に近い、なんてぼやいてたけど。 ・・・私?葬儀屋のいとこ。今は・・・お手伝い中。 ヨルド : そうか。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。
この町の扉は、黒塗りばかりだ。 ・・・広場に戻ろうか。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 (視界の隅に、なにか)
お菓子や蝋に混ざった香とは違う匂いがした。 道や柵に絡まるツルを見るに、花園への道だろうか。
咽そうなくらいの薔薇が咲いていた。 アーチや天蓋の輪、または高壁のように剪定されている。 ヨルド : う、
町の人々が丁寧に世話をしているのだろう。 花弁の膨らみも棘の鋭さも、美しい。
そういえば、青い薔薇がどこかにある��聞いたが。 一体どこに咲いているのだろう……。 自動スクロールを解除しました。 ヨルド (薔薇だ。本当にどこを見ても薔薇ばかりだ。) ヨルド (どうにも目が疲れてしまう。ゴーグルを降ろした。)
薔薇と蝋で根元が彩られた、白い塔だ。 薄明りの中にぬぼっと建つ姿は、不気味さすらある。 ヨルド (この部分だけ、浮いているようにも見えるが薔薇に突かれてしまった目には優しい) カサッ.... ガサッ ガサッ…… ヨルド (棘が、少しだけ指に当たった。)
蒼黒い月桂樹と骨で根元が埋まった、白い塔だ。 月桂樹の別名はローリエ。こんなに蒼黒い葉だったろうか? (何かの囁きが聞こえる……)
広場へ戻る? ヨルド (出よう) 自動スクロールを有効にしました。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 (今、誰かにぶつかったような)
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