#今日のムフロン
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第39回 『桐生が岡動物園』
都会の喧騒をはなれて
コンクリートジャングルの都会の喧騒を離れて、1時間と少し、高崎で乗り換えて桐生に向かう。支線電車の窓から眼下に流れる川をなにげなく見ると、清々しくきれいな水が気持ちよく目に飛び込んできて、爽やかな気分になる。関東平野のドまんなかは、青々と田園が広がり、のびのびと健康的に暮らせるのどかな街に移り住んでみたくなる。
JR線桐生駅を降りて10分ほど歩くと、小高い丘の上の桐生が岡動物園南門に着く。門には扉もなく係りの人もいない。入園は自由なのである。入って左手に行くと事務所があり、案内地図などが並べてあった。園内地図を頼りに歩きだすと、目のまえの深い溝に囲まれた区画にタヌキがいた。
タヌキはイヌ科でも?
目がクリッとしていて愛らしく、本州以南に広く生息してい���イヌの仲間である。ころっとしているが、有名な館林の茂林寺の狸のように大きな腹鼓が打てるようなお腹はしていない。体長は50~60センチで、一夫一妻制で睦まじく、オスも子育てをする。
イヌ科だけれども、イヌは穴掘りが得意だが、タヌキは苦手、逆に木登りは、タヌキはうまいが、イヌは登れない。また、イヌはトイレの場所を覚えさせてそこでフンをするようしつけるが、タヌキは自ら場所を決めてフンをする習性がある。複数のタヌキがするフンで山盛りになることがあり、これを「ためフン」と呼ぶ。というように、同じイヌ科でもこんなに違うという比較は、この動物園のブログの情報によった。
しばらくタヌキのかわいらしいようすをながめていると、となりのケージに自然と足が向いてしまう。というのは、数羽いるクジャクが大きく美しい羽根を広げて見せているからだ。なんどもなんども広げたり閉じたり繰り返している。めったにお目にかかれないから、急いでシャッターを切ってしまう。羽を広げるのはオスである。
インドクジャクのオスは2月から7月にかけて、メスにプロポーズするときに飾り羽を広げて気を引こうとのディスプレイをしていのだ。このきれいな飾り羽は上尾筒(じょうびとう)といい、恋の季節が終わる8月以降には、徐々に抜け落ちて尾羽だけになってしまうらしい。そしてまた11月頃から再び伸びはじめて、翌年の2月頃までには1メートルほどの美しい羽になって、春のプロポーズ季節に間に合う自然の流れになっている。
オスの首はきれいな青色だが、メスは首が緑色で、体全体地味な色をしている。これは外敵に見つかりにくい保護色なのである。動物園でクジャクを見ると、いつも羽を広げてきれいな姿を見せてくれるものと思ってしまうが、気に入ったメスがそばにいて、なおかつ恋の季節でなければ、きれいな羽を広げてはくれないのである。
今日はちょうど恋の季節なのであった。
気持ちよさそうなカピバラ
大きなネズミであるカピバラがいるコーナーに行ってみると、飼育員のお姉さんが無心にカピバラを横にして毛繕いしていた。サルなどは仲間同士で時たましているさまを見るが、すべての生きものはときどき健康管理のために汚れや虫などを取ってやらないと長生きしない。カピバラも慣れているようすで、眠っているのか目をつぶって、まるで母親にしてもらって甘えているように、じつに気持ちよさそうな表情をしていた。
浮かんだ丸太のうえに、カメが5~6匹集まってじっとして日向ぼっこしている小池があった。そのまわりをアヒルが連れだって泳いでいた。この池のあたりは高いところまで、クモザルの遊び場の鉄筋つくりのハウスになっていた。
樹上生活をしているクモザルのために、太い金属製の柱には何本も綱がさがっていて、長い手でぶらさがって遊んでいる。狭い休み場所も設置されている。
下からも上からも観察できるような作りになっていて、彼らクモザルの不思議なというか、おもしろいというか、その寝姿やロープにぶらさがって移動するさまが、いかにも楽しそうで見飽きることがない。
寝そべった姿はなんともいえない形で、ユーモラスだ。じっとしているクモザルの目をのぞき込んでみると、なにか考えことをしている哲学者のような目付きだった。
クモザルはおもに中南米に生息していて、果実や種子・若葉・花・蜜などの食糧を求めて、一日中樹から樹へと移動し続け、その距離5キロメートルに及ぶこともあるという。
たえず仲間を入れ替えて小さな集団をつくり、なわばりを作って生活し、オスもメスも体の大きさはさして変わらず、5~6歳で性成熟し、子供を産む。発情期には、オスはメスの尿を嗅ぎまわったりなめたりしてようすをさぐり、積極的にメスから働きかけることもあり、1日に3~4回も交尾することもある、との報告もある。
おしりに草を飾って歩くマントヒヒ
体が黄色い眼のクリっとした小さなサルがいた。絶えず動いていてなかなかカメラに収まりにくい。野生種はペルーからブラジル北部の川辺に20~50頭の集団で生息しているリスザルである。体の大きさは30センチほどなのに、尻尾は40センチほどと長い。
おもに果実や昆虫を食料としていて、1日のうちの70~80%を移動しながら採食している。なかなか野生で生きていくのはたいへんなことなのだ。
また、臭覚や聴覚がよく発達していて、敵つまり食肉獣や猛禽類の危険が迫ると、特徴ある大きな声を頻繁にあげて仲間とコミュニケーションをとって警戒するという。
となりにマントヒヒがいた。狭い場所をたえず動きまわっていて活動家だ。かれらの野生種は、果実・木の葉・種子・昆虫類をおもな食糧としている。オリのなかには食べ残した草が散らかっていて、その上にちょこんと座るから、お尻には飾りのように草の屑がついている。ピンクのお尻に青い草、なかなか彩り豊かで、これもお洒落なのか? と笑った。
ここでは一夫一妻制のようだが、アフリカ北部からアラビア半島南部に生息する野生種は一夫多妻である。オスのからだの大きさは80センチほどで、頭はいい。
かれらは夜に寝るとき、敵に襲われないよう岩山や崖の斜面にぴったり寄り添って休息するという。そして動物園で生まれたマントヒヒにも、同じような習性が見られ、壁に貼りつくような格好で休息する、との報告もある。
一見怖そうな顔をしているが、古代エジプト王朝では、聖なるものとして崇められ��おり、パピルスにも描かれているそうだ。
お昼寝中なのか、ニホンザル
ムフロンがいた。地中海のコルシカ島・サルジニア島原産で、大きな角が生えていて一見獰猛な格好をしているが、牛の仲間である。家畜のヒツジの祖先といわれていて、人にも慣れて結構おとなしい動物である。
動物園では飼育員さんが来ると集まったり、掃除をしていると親近感を持つのか後ろについて回ったりすることもあるという。その反面、なにか異変を感じると集団で走り回って驚きを表わし、警戒心も強いようだ。
繁殖期になるとオス同士で、この大きな角を突き合わせてメスの取り合いで争うこともある。まだ見たことがないが、さぞ壮観だろう。
サル山をのぞいてみると、壁ぎわで並んでみな横になっている。岩のうえでもごろんと横になってたむろって寝ている。なかには岩から転がり落ちそうになっているサルもいる。いつものニホンザルらしく嬉々としていない。急に暑さが増したからだろうか。昼間だというのに、こんなにみんなが同じような格好で寝ている姿はめずらしい。
ニホンザルの生息地は青森県下北半島が北限、南は屋久島までである。食べ物は雑食でおもに植物性だが昆虫も食べる。芋を海水に浸して齧っているサルの写真をみたこともある。
ただし戦後の森林伐採や奥地開発などでニホンザルの生息地域は徐々に狭まって、里に近づいて畑などを荒らさざるをえなくなり、有害獣として何千頭も駆除されたこともあり、絶滅する方向に向かっているらしい。
そういう話を聞いてみると、ここのサルさんはのんびり昼寝できて、彼らの欲するだろう自然がないけれども、エサは与えられるし仲間がいるし、ある意味では幸せなのだろうか。
ともあれヒトを含めてすべての生きものとは、すべからく何かしらの障壁を乗り越えなけれ��生きていけないのだ、なんてね。
ライオンの子どもが去年生まれたばかり
ところで、この桐生が岡動物園は昭和28年4月1日の開園である。
その主な業務は、1.動物の飼育・展示。2.動物愛護思想の普及。3.動物に関する調査研究および資料の収集。4.野生鳥獣の保護および救護、などである。
そして現在のところ、哺乳類20種174点、鳥類33種224点、ハ虫類10種19点をはじめ、計115種698点の動物が展示されている。ゆったりとした場所でとてもよい環境下にある動物園で、お近くの人は是非とも足を運んでいただきたい。
もうだいぶ大きくなってしまったがこの子ライオンは、生まれて10か月くらいである。父ライオンの名前はチャコ、母はライラ。子の名前はオスがオリト、メスがシルクとつむぎ。桐生は織物の名産地だから、ライオンの名前も因んでつけたという。
夫婦2頭だったスペースのところがいきなり5頭になったので、手狭に見える。
子供のライオンは子供どうしで戯れているが、飽きてくると、ときどき父ライオンに遊んでくれと戯れていく。けれども、なんどいっても父ライオンはめんどうくさそうに無視して、そこらを行ったり来たり絶えず歩きまわり、知らん顔だ。それでも子ライオンたちが寄ってくるといい加減にあしらって、まるで自分の子供ではないような顔をしている。
愉し気に遊ぶ子供ライオン兄姉妹と父母のライオンの様子をしばらくながめていたが、時間がいくら経っても見飽きない。見ていて気付いたのは、家族ならば父ライオンが無視していても、まったく違和感がなく感じられ、妙な可愛がり方をするより、それが本来の家族の姿なのだろう。ライオンに教わることもあるようだ。
フラミンゴもペンギンもいる広場
北門のてまえにはフラミンゴのケージがある。その前は広場だ。ゆったりくつろげる公園のようだ。ベンチに座ってお弁当を持参すれば、一日楽しく遊べる。
北門に向かって坂道を歩いていくと、途中にペンギンがいた。フンボルトペンギンだ。小さな池は自分たちが出したフンなどですぐに汚れて水中のようすが見えにくくなってしまう。週に2~3度入れ替えるけれど、ペンギンは飛び込むまえにしっかりのぞき込んで、敵や危険がないか確かめるほど警戒心に富んでいる。
よちよちと歩く姿を眺めているとユーモラスで愉しくなるが、泳ぎは達者で素晴らしく速い。目にもとまらぬほどのスピードで自由に泳ぎ回る。カメラにおさめようとすると、苦労するほどのスピードである。歩く姿と対照的だから、初めて泳ぎを見た時には驚いた。野生に生きるペンギンは、そうでなければエサも取れずに生きてはいけないことになる。
この動物園には先にも書いたように、現在115種の動物がいて、キリンもカンガルーもシカもヒツジもヤギもいる。ポニーもいるし、水族館もある。「こどもどうぶつコーナー」もあるが、今回は印象に残った動物たちを取り上げてみた。
休日なしで入場自由の動物園だから、親子でなんども足を運んで動物に接して楽しみながら、動物愛護の心を育てていただきたい。
(磯辺 太郎)
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今日も大牟田市動物園♪ 最近の娘のお気に入りは、ムフロン♪ ムフロンの前で、しばらく居座ります(^0^;) また、虎の『ここまで おしっこがとびます』の看板も気になっていますσ(^◇^;) (大牟田市動物園)
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She is WILDFRÄULEIN. 彼女はヴィルドゥホワイレンの名付け親 ウィーンの森で生まれて、日本で出逢った。 先日、彼女とブランドが初めてシューティングをした。 撮影時に、彼女が森へ還った。そのとき、彼女の素体と服が交差した。 私たちの全身には鳥肌が立ち、何か素晴しい世界をみた気分になった。 今でもその感覚を覚えている。 靴を泥だらけになり、服には枯れ草がたくさんくっついていた。 その野生の姿 忘れられない時間だった。 3年ほど前に 彼女が目をつむって、ハンモックに揺られながら、深い世界に入っていく光景をウィーンで目撃した。 小一時間経ち、彼女は口を開いた。 「WILDFRÄULEIN」 彼女の見たその世界にはヴィルドゥホワイレンがいたと言う。 深い森の中、前髪が目にかかったムフロンのような人のような姿 とても美しく気高い。 だけど、何故だか、立ち姿に少しだけ儚さを感じる。 今、思い出して文章を書いているだけなのに、鳥肌が立ち、涙が目を被う。 彼女はヴィルドゥホワイレンだ。 正真正銘のWILDFRÄULEINだ。 #history #wildfräulein71 #brand #collection #runway #maisonbrand #japanesebrand #world #fashion #hautecouture
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