#丸首ブーン
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2023.12.03The Cheserasera 秋の空想リクエストワンマンツアー(下北沢Shangri-La)
向かう道すがら、ずっとドキドキしていた。なんでこんなに何回も行ってるのにドキドキするんだろう。他のライブの時もこんな風にドキドキしてたのかな。いろいろ思い返してみて、家出る前からずっとドキドキしてることってあんまりないかもしれない。
夏よりは暑くない。絶対に後ろの方が音いいのに、割と前の方に来ちゃってちょっと後悔。 17時定刻に暗転する。ちょっと驚いたけどこれが普通の世界なんだった(笑) 私は今回リクエストを考えても考えても「これ!」というのを出せなくて、迷ってやめちゃったので、 なにが来るかもなんの予想もできないのでとても新鮮な気持ち。 ケ・セラ・セラのSEめいっぱい、ひしめく期待と緊張をやぶった1曲目はFLOWERで「みんなFLOWER好きすぎだろ」って宍戸さんのコメントを思い出した。 後ろから見れば良かった〜!この距離だとベースがドラムに掻き消されちゃう。私はFLOWERの歌詞にあんまり共感できないけど、「冬」って感じがするのは好き。まだ全然ドキドキしているので、空中を見ていたら終わってて集中力がほぼ皆無だった。 butterfly(in my stomach)、スラップとブーンてやるところ大好きなのにちょっとドラムがうるさくてかき消されているのはご愛敬。 ライブ終わった後に、お姉さんたちが「あんなに細いのにどうやってあんな音出してるの?」「おもいきり叩いてるのかな」と言ってました。美代さんは手の皮が破けたらしいので、もしかしたらそうなのかもしれない。だからグローブとかつける人いるんですかね。 すでにこの曲も懐かしい、初めて見た時にもやってた曲で、「Jさんのライブ見に行こう」と歌ってくれて我々は大いに盛���上がった。 7年経ってる。BLAZEも来年閉めちゃうし。 楽しい思い出が蘇る中、この曲で飛んだり跳ねたりしないのりきらないフロアにちょっとだけフラストレーションを感じたりする。 センターにせり出てきた宍戸さんの『最高にかっこいい』ギターのリフでLOVERS。はじけるドラムに、身体を折り曲げながらベースを弾いてるにしやん。 そんなに身体動かしてもうお腹痛くないですか…頭ももうくっついたんですか…って気持ちはあったはずなのに 「サヨナラ!」で、すべてを忘れてライブアレンジのベースに夢中でした、ベースフェチからしたらずっと目と耳が幸せ。 足し算と引き算のバランスが絶妙でやっぱりとてもかっこいい。リクエストしてくれた人ありがとう。 疾走感たっぷりのLOVELESSに懐かしさを覚える。それくらい久々かもしれない。 過去、ラバーズ/ラブレスの流れがクセになっちゃってた時期ありましたよね? 今もう飲み会で輪になって手を叩くことなんてないんだろうなぁ、哀愁すら感じる。 少なくとも私が見始めた2016年から、客層も変わっていて7年もあれば小学生だって大学生になってる。 友達とふざけながらお前も!お前も!と指差し合ってた頃がすでにかなり前の出来事になっていて、今日はひとりぼっちでさみしかった。 そりゃ循環はするよ、だけどさ、あんなに好きだって言ってた人たちはどこ行っちゃったんだ、と私でさえ思う。
「たのし~~~!!!な!!」と宍戸さん。後ろの方から野郎の叫び声が聞こえる。新鮮だ。 「来てくれてありがとう、リクエストワンマンです!」「楽しいな、なんか俺ずっとこんなだわ、浮かれてんなぁ」みたいな はじける笑顔でしゃべってた気がします(見てない)
「こんな夜は、ずっと浮かれてたらいいんです!!」 超速い曲。にしやんずっと頑張って弾いてる。この曲は必死にドコドコしてる美代さんを見なきゃ!と思って背伸びして目撃した。 白いシャツに裸足の美代さんが顔を赤くしながら叩いてました。ベースソロのところ聞こえないくらいドラム炸裂してた。 3人ともがんばれ!まだ序盤だぞ!と思いながら、自分の首も汗で濡れてるのを感じてやっぱり裏起毛着てくるんじゃなかったと激しく後悔。 退屈のイントロに喜び最高潮。そして、あぁ、にしやん忙しいねぇ、地獄だねぇ、と思ったらニヤニヤが止まらなくなった。 ちょっとこの辺で苦しそうに笑って、手プラプラしてた。苦しそうに笑うっていうのは、全速力で走った後にプハ~ッ!てなるみたいな顔です。 ���鳴りのあとのベースだいすき。音源で聴いても良い音なので、ぜひライブと聴き比べて欲しいですね(専門家の意見) そのあとのギブ・ミー・チョコレートで早くも2度目の最高潮。津波のオンパレード。 「私への感謝祭ですかね?」と眩暈よりも脳みそがぐらぐらする展開。リクエストしてくれた方ありがとうございます。 曲をリクエストできるっていうのはイントロが流れた瞬間に「私のリクエストやってくれた!」って思えるのが楽しいんだね、きっと。 オンベース!西田裕作!の曲しかほぼやってないので、宍戸さんはどこかで「オンベース!西田裕作!」って言ってた。多分LOVERS。 ギミチョコも割とやる方の曲だけど久々、と思ったけど活休してたから全部そうでした。 美代さんのこの曲も人気だ。白雪でちょっとだけペースダウンする。 美代さんはギターが好きって聞いたことあるんだけど、それがすごくわかるような気がする曲。 個人的には歌モノに入る曲。ギターなりベースなりでずっと雪が降ってる。 3人のバランスで成り立っていて「3人でやってんだな~」とそれぞれを見てた。 結構やってる曲なのでまったく隠れてはいないんだけど、TheCheseraseraの隠れた名曲と定義しても良いのかもしれない。
「体感5秒だわ」と8曲やって宍戸さん。でも本当に一瞬で、もう半分終わったのかとびっくりしていたら 「今日、俺ストラト!」とギターを見せて「調子よかったから」と。 8曲やって、半分すぎたところで、本人から申告されて気づく私って本当にギターに興味ないんだなとびっくりした。 むしろこれまで違和感がなかったから気づかなかった…の、かもしれない。 「半分すぎたけど、どう?」と誰に投げかけてるのかわからない問いに間が空き、『あ、ふたりに聞いてます』という空気を察した にしやんがマイクに近寄るよりも早く美代さんが「や、楽しいですね」とコメント。喋るのを諦めたにしやん。 残念そうなフロアの空気を察した宍戸さんが「にしやんは?しゃべらなくていい?」と名指しで聞いたけど「いい」と。 「みんなリクエストありがとう。自分の好きなのきたらヤァー(断末魔)とか声出していいからね!」 「じゃあ後半行くか!…あ、チューニングするわ」と。前に、美代さんが「そういうの直してほしい」とぼやいていたのを思い出す。 MCの間はちゃんとしゃべっちゃうからチューニングできなくなっちゃうんだよね。 ちなみに宍戸くんのチューニングに合わせてベース弾いてたよ。
三連の曲が好きなんだとハッキリ自覚したのはラストワルツがきっかけだったな、まさに名曲。 詳しいことはわからないんだけど、ドラムの間をすり抜けていくみたいなベースで 本人もこんなに自由にさせてもらえると思わなかった、と当時言ってたと思う。 にしやんベースめっちゃ弾いてる。なんでこの人はこういう弾き方するんだろ~って考えながら見てると一瞬で フロントとリアの間くらい���弾きましょうみたいな教科書があるとして、リアよりもネック側の弦を弾くのは柔らかい音になるからだそうです。 イントロで、「うわ~カサブランカひさびさだ~」とまだイントロドンできた。 このときだったか、やっぱり休符って良いなと思った記憶がある。ダ、ダダッ、ダ、ダッダ!のとこで音に空白ができる。その瞬間だけ白い光が漏れるような霧が晴れるような感覚。あとはにしやんが足元踏んでるのとか見てた。 すこし、ゆったりとした歌い出しで始まったLullaby。これは純粋に歌が好き。ショートムービーみたいでストーリーが好き。愛さえあればいいなんて、の「愛」って声大きくなる。力入りやすいらしい(笑)すごくTheCheseraseraっぽい気がする。 そのあとのgoodbye daysもやるんだ~!という衝撃で首折れそうなほど仰け反った。 いつかのアルバム丸ごとやりますライブのときに宍戸さんがすっ飛ばした曲だ~! にしやんすごい楽しそうだった。たぶん、このときに宍戸さん歌詞間違えてにしやんとアレ?ってなってたんだよね。 だいたいベースしか見てない私が、ちらって宍戸さんをみたら絞ったレモンみたいなギュってした顔して必死に歌ってた。 レモン絞ったみたいな顔じゃなくて、絞ったレモンみたいな顔。
最後のMCで何を話してたかもう忘れてしまったけど、 「もっとでかいところでやりたい」「クアトロ考えてたけど…」「Zeppとか?武道館とか?ドームとか?あげたらキリないよ」 「もっと現場を盛り上げたい!」「対バンツアーするつもり」「6月くらいかな。何か所か回るつもりで計画してます」 宍戸くんがとても良い顔だったのを覚えている。
そして「愛しておくれという曲です!」バイト面接きたー!!コーラスまでの間ベースを弾くことしかしないにしやんとコーラスが近づいてきたらマイクに歩み寄るにしやんを見てました。それ以外の記憶はありません。すき。 思い出してがとても好き。唯一リクエストするかどうか最後まで悩んだ。感情を揺さぶられる歌詞だけど、リズム隊は熱を帯びていて、表面は冷たいけど中は灼熱。 削いでいくと、きっと感傷が残る。おそらく、やってる方がめちゃくちゃ気持ちいいんじゃないかな。にしやんがステージの前に迫り出して弾いてたんだけど、フロアとステージに最もギャップがある気がする。見てないけど。 好きだな~。 最後のMCで「もっと現場を盛り上げたい!」といった宍戸さんの言葉を後押しするようなDrapeだった。いい曲だ。 どの曲かは忘れてしまったけど美代さん立ち上がってドラムを叩いてたな。 「最後の曲です」 After Party Lululu、年末感ある。去年の12月はワールドカップ見てたのにもう1年経っちゃったんか~…と感傷的にならざるを得ない。 昔メンバーが監督で撮影したMVを特典で配ってた���ど、それを思い出す。汗がキラキラしてる。 体感5秒!と言ってたけど、本当にあっという間に終わってしまった。
すかさずのアンコールで戻ってきた3人。にしやんグッズのスウェット着てた。 「ここまでで16曲やった」「あと何曲ききたい?」と聞くと、フロアから『30!』と声が上がり爆笑する3人。 「声でか(笑)」あと30曲は約3時間かかるね。 「よくさ、『ライブもう一回やってー!』て言われるけど、それやりたくて。やります!」と宍戸さん。 そして月と太陽の日々。今日はやらないのかな、と思ってたけど、あ、ここから始まるわけね? 手拍子したり、しなかったり。お客さんの入れ替わりを感じる瞬間。 新曲やります、とGUS TOKYOと踊れるMUSICという強いほうの2曲。踊れるMUSICを初めて聴いたのは名古屋だったかな。 そのときにわ~にしやんだな~!っておもったけど音源もそうだしやっぱりライブでもにしやんだった。 そしてラストシーン。いい意味で情緒不安定になりそう。ビックリしすぎて頭がついていかなかった。ここで聴けるとは、なんというサプライズ。 この2時間で、何度絶頂は訪れるのか。絶頂ってなんかいけない意味かな、まあいいか(笑) 人生で数えるほどしかのったことのないジェットコースターの、一番最初の頂点みたいな感覚。 君がギターを弾かないなんて。ルート弾きのベースラインで個人的には最も好き。その上でギターが踊るじゃん。 前に出てこずとも存在感を出せるっていうのが一番好き。かっこよくない? 全部の曲が何かしらのオマージュだっていう声も聞くし、実際そうなのかもしれないけどTheCheseraseraがやれば彼らの曲で たどっていけば、影響されていないものなんてどこにもないんだろうな。 「君がギターを弾かないならば 世界が端っこから崩れ落ちてそれで終わりさ」てところが結構お気に入り。 終わったと、やっぱりお姉さんたちが「ガストーキョーはニルヴァーナよね!」と言ってた。まあ、たぶんそう(笑) 名古屋でKAKASHIと対バンしたときに、私の目の前にマサがいて、マサの背中越しにみた景色はきっと一生忘れない。 宍戸さん「この曲に出てくるのはマサのアンプです」って言ってたはず。
見事に5曲もやって去っていった3人をまた呼び戻して、Wアンコール。さすがにちょっと気つかうんだけど(笑) 宍戸くんもスウェット着てきて、タオル忘れたらしく「ちょっと貸してくんない?」���最前列の子からタオルを借りて宣伝。 「最近男子増えたからさ!かっこいいのにしたくて」と、確かに野太い声も上がっていたし山脈ができつつある。 アンコール5曲もしたことについては「新曲も出したばっかりだしやりたくて」セットリスト組むの大変そうなことがよくわかる。 「こんな感じでいいかな?」と聞いてたけど、多くやってもらう分にはみんなウェルカムのはず。
「また会��ますように」、讃美歌。きっと、人生の中で一番どの曲をやったか、���聞かれたら讃美歌は結構上位なんじゃないかな。 もう、リハーサルなんかしなくても、彼らがそこにいるだけで讃美歌として成り立つんだろうな。 また会えますように、という言葉が、前までは「次もまた来てね、会えますように」だと捉えてたんだけど、個人的に最近は結構鬼気迫っていて「ちゃんと生きて、また会えますように」になってる。 お腹切ったり、顔面骨折したり、勘弁してほしい。本当に。怪我も病気もしないで、バランスの取れた食事と睡眠で生活してほしい。讃美歌に、祈りしかない。 「最後の曲です!」、ふり絞るように、でくの坊。この3人として最初の曲。愛をこめて、君たちは本当にでくの坊だ。生活が透けて見えるような、だけど許してしまう。 最後、3人で向き合って弾いてた瞬間が、本当に楽しそうに見えて、飛び散る汗がキラキラしてとても満たされた気持ちになった。 そして、去り際に「もう今日はこれでほんと終わりね!勘弁して!(笑)」そんな終わり方ある?(笑)しかし、終わってみると結構疲れていたので、3人とも本当におつかれさまでした。
わたしたちの楽しそうな笑顔が、明日からもあなたたちを生かしていますように。
■セットリスト FLOWER butterfly(in my stomach) LOVERS LOVELESS
ずっと浮かれてる 退屈 ギブ・ミー・チョコレート 白雪
ラストワルツ カサブランカの花束 Lullaby goodbye days
愛しておくれ 思い出して Drape After Party Lululu
en.1 月と太陽の日々 GUS TOKYO 踊れるMUSIC ラストシーン 君がギターを弾かないなんて
en.2 讃美歌 でくの坊
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【自由研究】ガネーシャとカルティケーヤのかけっこの話【訳】
https://twitter.com/elektrotal/status/1020068658943483904
このツイートで語られていたガネーシャとカルティケーヤ(スカンダ、ムルガン)のかけっこのお話が、とんでもなく可愛かったのです。英語だけどGoogle翻訳通してもとんでもなく可愛いぞ! 挿絵として添付されてる画像も可愛らしい。
投稿者のShivam Bhatt様に許可いただいて、日本語訳というかGoogle先生の訳をちょっと砕いてきました。よかったら見てください。
私は夕べ息子にお話をしました。 それは本当に楽しかったので、みなさんにも共有します。ガネーシャのお話��す。
より具体的には、パパであるシヴァ、ママであるパールヴァティー、お兄ちゃんのカルティケーヤ、ちっちゃいガネーシャという家族全員の話です。
ある日、シヴァと彼の家族は、ヒマラヤのカイラス山の頂上で、のんびり過ごしていました。シヴァはリラックスして、すべてのことの始まりと終わりを瞑想していました。
子供達はよその人には何やってるのか何喜んでるのかよくわからないことで、楽しんで笑っていました。兄弟にはよくあることです。
こののどかなシーンに、遠くからちらほらと鐘が鳴り、続いて「ナラヤン ナラヤン」の聖歌が続きました。これはもちろん、不滅の吟遊詩人ナラダ仙の登場でした。
(内緒話:ナラダ仙はヒンドゥー教の民間伝承の象徴的な語り手であり、神々のためのジャーナリスト、詩人、ミュージシャン、そして演説と文芸の達人だ)
ナラダはカイラス山に来て、シヴァとパールヴァティーに敬意を払い、世界のニュースや心配事を伝えました。しかし彼は、若い兄弟の神がどう成長しているのか見たかったのです。
シヴァとパールヴァティーは何か起きると感じていました。なぜならナラダが来るといつも何か起こっていたから。しかし彼は客だったし、夫妻は必ずしも「何が起きていたのか」知らなかったので、庵にナラダを招待しました。
皆が庵の居間で快適に過ごしているときに、パールヴァティーは客に水を持ってくるよう子供達に頼みました。 ガネーシャとカルティケーヤはスクランブル発進し、特別なときのための冷たい銅のコップを持ってくるため台所に駆け込みました。
大人達の話が弾んでいた頃、突然ナラダは立ち上がり鞄に手を伸ばしました。 「私の主よ、私がここに来た理由をすっかり忘れていました。私はあなたと同じくらいすばらしい捧げ物を探し、これに出会ったのです」
吟遊詩人は鞄から熟した金色のマンゴーを引き出しました。 「主よ、これは特別なマンゴーです。それは乳海の水から育ち、不死の蜜アムリタよりも甘いのです。それを食べる物は無限の知恵と知恵の贈り物を与えられます」
シヴァはナラダからマンゴーを受け取り、小さく切るためにベルトに下げていたナイフを取り出しました。が、ナラダはため息をもらして遮りました。 「いいえ、私の主よ、これを切ったら祝福は失われます。一人だけが食べることができます」
シヴァは立ち止まって賢者を見て、考え込みました。肩をすくめて、きびすを返して、そのマンゴーをパールヴァティーに渡しました。 「最愛のあなたよ、この果物を楽しんでください」 パールヴァティーは眉をひそめて躊躇し、最終的に首を横に振りました。
「愛するあなた、私は私の夫や家族と分かち合えない物を食べる気はありません。私はこの贈り物を拒否しなければならないと思��ます」 ナラダはがっかりしました。そして、マンゴーを取り戻そうと手を出した瞬間、居間を駆け抜けて全速力で竜巻のように子供達が転がり込んできました。
「おーみーずーもってきーたーよー、ママーー!!」 カルティケーヤが叫び、ガネーシャが走ってきます。子供達の危なっかしい持ち方で、お盆の上でコップはがっちゃがちゃゆれてます。
その瞬間、パールヴァティー���ナラダの手にマンゴーを返していました。 「すみません、受け取れません」 「何でだめなのママ?それ何?うちにもらったんじゃないの?それほしい」 子供達が問い詰めてる間に、水はあちこちにこぼれました。
パールヴァティーは、笑いをこらえて真顔を保つために努力してる人を、ちぇっ、といらだたせました。 ナラダは子供達に微笑んで、素晴らしく輝くマンゴーを掲げました。 「これのこと?」
ガネーシャはマンゴーを見つめて目を真ん丸くしました。おやつの時間がもうすぐだったのです。そしてマンゴーは山の上の何よりもよく見えました。 カルティケーヤははらぺこで、その上マンゴーが超大好きでした。彼はマンゴーに手を手を伸ばそうと、無意識のうちに近寄ります。
パールヴァティーは首を振りました。 「いいえ、子供達。賢者はマンゴーは一人だけのためのものと言っているので、私達はこの贈り物を返しているところです」 ナラダは手を上げました。 「おおお、あなたから返されるのは私には不幸なことです。子供達のうち一人に渡してください」
二人の子供達は、自分が絶対このマンゴーが欲しいと騒ぎ出したので本当にその場は不幸になりました。
シヴァは激怒してソファから立ち上がりました。 「あんたがしたことをよく見ろ、間抜け!」 喧嘩に巻き込まれないように数歩動いたナラダは、力なく肩をすくめました。 「彼らが喧嘩するなんて、私が事前にわかるわけがありません」
シヴァは歯軋りしました。 「一個だけで分けられないマンゴーを二人の子供達に与えたら喧嘩するって、わからなかった、だと?」
パールヴァティーは夫の前に歩み寄りました。彼女には、厄介でいたずら者の詩人が抹殺されて灰になって永遠に宙を漂う未来がちらちら見えていたのです。
彼女は子供達の耳をつかんで引き離しました。 「坊や達やめなさい!お客さんがいるのに獣みたいに暴れて。私が頼んだお水も持ってこれないっていうのに」
子供達はおとなしくなりましたが、ぶーぶー文句を垂れています。 パールヴァティーは、ナイフのような視線でナラダを見つめました。 「さあ賢い人、なんて提案してくれます?」 ナラダはちょっと考えて、手をたたきました。 「競争はどうでしょう」
彼は子供達の前にひざまずきました。 「世界を三回、早く回ってきた方が、マンゴーを手に入れます。いいかな?」 ガネーシャとカルティケーヤはお互いを見て、にやーっと笑いました。彼らはお互い背を向け、体をゆすりました。二人とも競争が大好きだったのです。
子供達はシヴァとパールヴァティーを振り返り、シヴァはうなずきました。その動作が終わる前にカルティケーヤは彼の孔雀に飛び乗って、吹っ飛んでいきました。二人のうち、彼は間違いなく活動的なほうでした。
一方、ガネーシャには大問題がありました。私達の大好きな象は、どん��くて、素早さより賢さがずっと上。その上、神軍で飛ぶように出世していた兄弟と違って、ガネーシャは本当に飛ぶことが出来ませんでした。
親愛なる障害の除去者、問題の解決者、最高の神であるおでぶちゃんの象さんの乗るネズミは、カルティケーヤの孔雀ほど早くありません。
その間にカルティケーヤは、みんなの頭のはるか上で、最初の一周を夢中で終わらせました。
ガネーシャは座って考えました。どんな競争だっけ?世界を三回回る?さて世界って何だっけ。「ぼくの人生で最も重要なことは、ぼくの両親、パパとママが世界のすべてってこと」
彼は指ぱっちんします。 「パパとママがぼくの世界のすべてなら、何でぼくは彼らの周りを回らないんだろう」
ゆっくりと、ガネーシャは彼のネズミに歩み寄り、慎重にまたがり、シヴァとパールヴァティーが座っているクッションに鼻先を向けました。
ナラダは笑います。 「坊や、何をしているんだい?」 ガネーシャは彼を無視し、両親の周りを三回回りました。
その頃カルティケーヤは、大喜びの鳥の群れと二回目にブーンと飛んできました。
ガネーシャがマウスをとめたところで、シヴァとパールヴァティーが彼に目を向けました。 「可愛い坊や」 パールヴァティーはたずねます。 「何をしたの?」 「ママ、ママとパパはぼくの世界の全部です。パパとママを三回回ったからぼくは世界を三回回ったんだ、だから、競争はぼくの勝ちだよ」
大人達は喜んで笑いました。偉大なる物語の王である神々は、よい子に恵まれました。シヴァは小さな少年に笑いかけました。 「さて私の息子は兄弟との競争に勝つ方法を見つけたようだね」
シヴァがマンゴーをガネーシャに渡すのとほぼ同時に、部屋の隅のクッションに汗だくだくのカルティケーヤと孔雀がつっこみました。 「パパ、ママ、やったよ、誰よりも早く三回回ってきたよ!」
すぐ、カルティケーヤの勝利の声は、ガネーシャがマンゴーをもらったのを見て、嘆きに変わりました。
「ずるいよ、一度もできてないじゃないか」 すると、パールヴァティーは泣いている子供を抱きしめました。 「可愛い坊や、ガネーシャはこの試練を克服するために、もう一つの方法を見つけたのですよ」
「あなたは弟が最速でも最強でもないことを知っているでしょう?でも、ガネーシャは完全に負け試合だった競争に勝てたんですよ。弟を誇りに思いなさい。何も悲しいことではありませんよ」
これは、この部屋で最速で最強のカルティケーヤには寒々しい慰めでした。 彼は、槍を引っつかみ、どん、と、床を踏み鳴らします。 「まあ待て、カルティケーヤ」シヴァは彼に声をかけました。
彼は坊やを膝に抱き取りました。 「何をそんなに怒ってる」 「パパ、ぼくは一番早く世界を三回も回ってきたのに、何でマンゴーをもらえないの」 「カルティケーヤは、世界最強で最速で一番元気だ、それがお前の一番すごいところだ」
シヴァはカルティケーヤの目を覗き込みました。 「普通の競争では、お前は簡単に勝ってた、お前も私も、ガネーシャは百万年たっても、もしかしたら百万時代たってもお前についていけるなんて考えもしなかった」
「彼は自分の得意なことで、乗り越える方法を見つけたんだ。お前が勝ったときはお前を祝うだろう?おんなじように、ガネーシャのことも祝ってあげ���うね」
カルティケーヤは目をそらしました。 「はい���パパ。ぼくは、ガネーシャがぼくを抜いたと思います」 シヴァは彼を抱きしめて、そーっと槍を取り上げて脇に置きました。 「ありがとう、カル。じゃ、おめでとうって言っておいで」
カルティケーヤはガネーシャのところに行き、ぼそっと言いました。 「よくやったね、ガネーシャ。やっとぼくを倒す方法を見つけたみたいで」 ガネーシャは、後ろで手を組んで、汚れた床を蹴飛ばしました。 「おめでとう、か、なんなのか」 ガネーシャの笑顔はスーッと消えました。
「ごめんね、カルティケーヤ。ぼくは絶対勝てないから、一回だけ勝つ方法を見つけてすごく嬉しかった。お兄ちゃんはぼくよりずっとすごい」
ガネーシャは兄弟に抱きつきました。 「マンゴーはお兄ちゃんのものだ」
カルティケーヤはガネーシャを見つめました。彼は微笑んでいました。 「ううん、ガネーシャ、君はきちんと公平にぼくに勝ったよ。勝つ方法を考えてその通りにして勝ったから、マンゴーを全部かじれる」
「次は、抜け道がないか『先に』探しとくから」 みんなが笑いました。ぴりぴりした緊張は部屋から逃げていきました。 ナラダは彼らをハグしてハイタッチして、それから歌いながら踊りだしました。
彼が庵を出かけたところで、がっと肩をつかまれ引き戻されました。 「ちょっと待とうか相棒。結局何しに来たのかな?」 もぞもぞしているナラダを、シヴァはやさしーく捕まえます。 「私の主よ、私はただ、誰が最も賢いのかを知りたかったのです」
「ですが私達は、賢さ以上にあなたの二人の息子が、思いやりがあってお互いとても愛し合ってることを発見できました。なんと嬉しいことか。 シヴァは笑ってナラダをはなしてやりました。 「なあ賢者よ。次に、お前が私の家族を混乱させようと決める前に、私に相談しよう。な?」
そして、ガネーシャは知恵と機知の魂を持つものとして、カルティケーヤは全ての戦の神として、今日まで伝えられているのです。
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下訳:Google翻訳 清書:LR
ほとんどそのまま訳しました。お水ばっちゃばっちゃこぼして走りこんでくるのもクッション吹っ飛ばして着地するのもパールヴァティーが「あ、これはほうっておいたらナラダさん燃やされるわ」と止めに入るところも。 台詞のところをちょっといじってます。あと明らかな間違いはGoogle先生のせい。
この話、何パターンかあります。 取り合うのがマンゴー(その他分割できない果物。知恵の実)。シッディとブッディというお嫁さん達。ACKの漫画では、一番先に礼拝される順番でした。 ガネーシャが勝つのは変わらないけれど、結末はマンゴー食べて終わり、カルティケーヤが怒って南のパラニに家出してしまう(そして両親が、あなたが世界の宝物の宝石ですよ、と慰めに行く)
今回のお話は、息子さんになさったお話ということで面白おかしく書かれてるのはもちろんなのですが、最後仲直りしてみんなで笑っておしまいなんですよね。そこが大好きで、忘れたくなくて、今回��介させていただきました。
Mr. Shivam Bhatt,Thank you for permitting it.Arigatou gozaimasita
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第38回 『野生の王国 群馬サファリパーク』
●ダチョウとカメラ
あっという間でした。手にしたカメラをひったくられたのは。いや、その瞬間は何がおこったのか、皆目わかりませんでした。
それは、ダチョウを撮影していたときのことでした。人慣れしているのか、あるいはエサをくれると思ったのでしょうか。柵の中で1羽だけ展示されているダチョウが歩み寄ってきて、柵の上から長い首を折り曲げ、ギョロリとした目をむきだしにしたまま私に顔を近づけてきたのです。
「これはいいチャンスだ、ダチョウの顔の大アップ写真を撮ってやろう」
少しでも間近な顔を撮影しようと両手を前に突き出してカメラを構えました。そのときです、突然、ダチョウがカメラにぶらさがっていた20cmほどのストラップを大きなくちばしで咥えてカメラごとひったくり、そのまま後ろ向きにブーンと振ったのです。そして数回大きく首を回すと、咥えていたカメラを放り投げました。
ガシャ、カラッ、カラッン
無情にもカメラは地面を転がっていきました。柵の中です。
「ああっ、カメラが」、近くにいたお子さん連れの若いお母さんが悲痛な声をあげました。私は、あっと言う間のできごとにあっけにとられ、声もでません。
やっと我にかえった私は近くにあったホウキでカメラを柵の中から掻き出しました。慌てて液晶モニターを見ると、「SDメモリーカードが損傷しました」と、埃と傷だらけになった画面に表示が出ています。
「今朝から撮影した写真が全部だめになったか、今からの撮影もできないのか」と、目の前が真っ暗になりました。
「壊れちゃったんですか」、若いお母さんものぞき込みながら心配してくれています。
「……はぁー、どうもそうらしいです」
しかし、奇跡的にカメラは大丈夫でした。「念のため」といったん電源をオフにして再起動し、撮影データを再生してみると、すぐ目の前に迫ったダチョウの大きな顔は映っていませんが、それまでのデータは無事でした。自動的に閉まるレンズキャップが痛んでいてきちんと作動しませんが、新たな撮影もできます。そのまま取材が続けられます。
改めてダチョウに目をやると、柵のすぐ側に「ダチョウは好奇心が強く、なんでもエサと思ってくわえる習性がありますので、手にもったタオルや小物、ヘア用品など、物を取られないようにご注意下さい」と注意書きが掲げられていました。
この直後に私のカメラを奪い取ったダチョウ
●群馬サファリパーク
富岡製糸場といえば、多くの人が中学校や高等学校の歴史で教わった記憶があるでしょう。明治のはじめ、西洋諸国に追いつこうと時の政府が殖産興業の一環として建設した国営の製糸工場です。2014年に世界遺産に登録されたことは記憶に新しいと思います。その製糸場のある群馬県富岡市の郊外の山に36万平方メートルもの広大な面積を占めて1979年に開園したのが、民営の群馬サファリパークです。全国で5番目、東日本では初めての開園でした。
群馬サファリパークは大きく二つのエリアに分かれます。いうまでもなく一つは動物園の「サファリ・エリア」、もう一つは「アミューズメント・エリア」と名付けられた子供用の遊園地です。ミニのジェットコースター、「サファリ列車」と名付けられたミニ鉄道、メリーゴーランド、大観覧車などがあります。今回の取材目的は動物園ですので、ここでは紹介だけにとどめておきます。
サファリ・エリアでは山の起伏や傾斜を利用して、約100種の哺乳動物や鳥類が1000頭羽も飼われています。その全てではありませんが、たくさんの哺乳動物や鳥類が自然のままに放し飼いにされているのが特色です。このエリアは、アジアゾーン・アフリカゾーン・アメリカゾーンなどのように大陸・地域別に動物が展示されている区域のほかに、おそらく当園の最大の目玉である、トラゾーン・ライオンゾーンが独立して設けられています。
訪れた日にちは5月26日、初夏の快晴の土曜日でした。そのためか、動物園入口前にある第一駐車場にはたくさんの乗用車がおかれ、大型観光バスもひっきりなしに到着します。駐車場は第三まであります。サファリパークの入園料金は大人一人(高校生以上)2,700円、子ども一人(3歳から中学生)1,400円ですが、それに見学コースによって異なる乗車料金が加わります。園の運行するコースのうち、シマウマの柄を施した大型バスに乗って定められた道から見学する「サファリバス」コースは一人500円、トラやライオンなどの形をした中型のバスに乗って草食・肉食動物にエサを与える「エサバス」コースはエサ付きで一人1,300円、オフロードカーで時には道から外れて動物に大接近する「レンジャーツアー」は、草食動物用のエサも付いて一人1,300円となっています。
エサバスコースのライオンバス
これらのコース以外に自分の乗ってきた自動車でそのまま園内に入って見学するマイカーコースもあり、その場合、「ガイドラジオ料金」として1台につき500円が加算されます。もちろん、オープンカーやトラックなど、安全でない車は園内に入れませんし、園内で車の窓を開けたり、車外に出ることは禁止されています。以前、車外に出て動物に襲われたケースもあります。これらは絶対に守らなくてはならないルールであることは言うまでもありません。「群馬サファリパーク入園のご案内」には、こうした注意事項のほかに「如何なる場合も動物による車の被害には、当園は一切の責任を負いません」とも明記されています。あとで飼育員さんに聞いた話では、こうした実例は「動物のほうが慣れていて」めったにないそうですが、相手は野性をもつ動物であることを忘れてはならないでしょう。
●オフロードカーに乗って見学
どのコースにするか、一思案後、私は「レンジャーツアー」で見学することにしました。このコースは、土・日・祝日のみの運行です。他のコースはおよそ20分ごとに運行されていますが、この「レンジャーツアー」は、30分あるいは時間帯によっては60分ごとの出発で、コースを90分ほどかけて一回りします。
オフロードカーには5,6人の見学者が乗り込めますが、10時30分発には、ご夫婦の二人連れ、私のつごう3人が乗車し、運転手兼ガイド役として若い女性の大槻さんが乗り込んできました。
「サファリーバス」や「エサバス」のコースは山の起伏をくねくねと縫うように舗装された道に沿って運行されます。一方、「レンジャーツアー」のコースは、オフロードカーで舗装された道から外れ、動物の放し飼いにされたエリアにも入り込んで行き、上下左右に激しく揺れることもあります。しかし、すぐ目の前でみる迫力のある動物の姿態は格別でしょう。
入園ゲートをくぐると、すぐにキリン、エランド(ウシの一種)などの草食動物がいます。車が近づくと、彼らは慣れていて、一直線に駆け寄ってきて車の窓にはられた金網の隙間から口を差し込んできます。金網の幅は数センチ四方なので口といっても唇だけですが。彼らは見学者の持つエサが目当てです。「レンジャーツアー」にも2束の草がエサとして付いてくるのです。エサを隙間から差し出すとすぐに食いちぎります。金網があるとはいえ、人の顔と動物の顔がくっつくほどの至近距離です。ものすごい鼻息と唾が私の顔に飛んできます。
オフロードカーに近づいてくるエランド
しきりにエサをねだって車に近づいてくる彼らを見送り、お尻の縞柄色の薄いチャップマンシマウマや2.5トンも体重があるシロサイを間近に眺めながら、オフロードカーはつぎのエリアへと進みます。左側の急な崖のような斜面の端にバイソンの群れがいます。かつてよく観たアメリカの西部劇映画(最近はすっかり制作されなくなりました)には、草原を馬で疾駆するカウボーイの背景によく映っていましたから、バイソンには見覚えがあります。間近でみると、その大きさに圧倒されます。大槻さんの説明によると1トンくらいにもなるとか。でも映画とは違い、ここのバイソン、どれもがよれよれに破れかかった衣服を着ているかのように、体の半分ほどは長い毛が抜け始めてボロボロに垂れ下がった情けない格好です。
「ちょうど今、毛が冬用から夏用に生え代わるときなんです。今日は快晴でまだいいんですが、梅雨の時期になると、抜け切らない毛が雨と泥に濡れて体にへばりつき、もっとみすぼらしくなります」
「彼らは繁殖期になるとオスを中心にハーレムをつくり、オスの周りにメスを侍らせます。しかし、子育て中はメスが強くなります。『あなたはあっちに行ってて』と。人間とおなじですよ」
と大槻さん。
エサに釣られてきた毛の生え代わり最中のアメリカバイソン、鼻息が私の顔にかかる距離
●ニホンゾーン
次の日本ゾーンへと入っていくと、ニホンジカが数頭ゆったりとエサや草を食んでいます。シカそのものはそんなに珍しくはありません。そのすぐ側にあるニホンザルのゾーンに目が行きます。岩の上や樹下にサルたちが思い思いに毛繕いし、追いかけっこしてはしゃぎ合っております。でも、得意なはずの木登りをするサルは見当たりません。よく見ると、植えられている樹木のそれぞれの根元にはなにやらコードが巻き付けられています。
「あのコードには電気が流れています。放し飼いにしてあるので、冬に食料が不足すると木の皮を食べてしまうので、その防止のためです。もっとも今はたんなる脅しで電気は流れていません。彼らは学習能力が高いので同じような痛い目には二度とあわないのです」
この案内役兼運転手の大槻さん、説明する動物たちのあたかも姉か母親のような口ぶりで、「彼ら」とか「あの子たち」などと丁寧にわかりやすく、しかも人さまの在りようを例えにしてユーモアをもって説明してくれます。その口ぶりの後ろには動物に対する深い愛情や尊敬さえも持ち合わせているのだと感じます。本当に動物たちが好きなのでしょう。
なお、ニホンザルの放たれている周囲には高い板囲いが作られています。ただ高いだけではありません。なんせ��の軽いサル君たちですので、彼らが勝手に園外に遊びにいけないようにと、その一番高いところには彼らでも手がかりのないツルツルのブリキやアクリル板が内側に向けて斜めに取り付けられています。
ニホンザルの反対側にはツキノワグマが2頭、岩の上に寝そべっています。その一画は針金の柵で囲まれていますが、柵はわずか2,3本の針金で張られており、高いものではなく、その間隔も広く、しかも簡単です。とてもクマを囲い込んでいる柵とは思えません。これには都会人は気づかず、あるいは気にもとめないでしょう。実はこれは電気柵なのです。この電気柵、昨今の農山村では秋に普通に見られます。農山村では、人口減少にともない、人の住む領域と山の領域を併せ持っていた里山が消滅した結果、本来は山深く棲息していたイノシシやシカなどが人間の領域まで侵入し、畑や水田を荒らすようになってきました。その防御のために、各地の農山村で山と田畑の境目に設置されているのです。このサファリパークでは、2年ほど前にツキノワグマによって従業員が不慮の事故に遭っていますので、念を入れて設置されたのでしょう。
●ウォーキングサファリゾーン
ニホンゾーンを過ぎると、10m以上はある高い鉄の柵で囲まれた一画に出ます。その出入り口には、バスも通れる高さの大きな鉄柵のドアがあり、それも二重になっています。見学者はこの前で車から降り、係員の指示に従って中に入ります。車の中から放し飼いの動物を観察するサファリですが、このゾーンだけは普通の動物園のように檻に入った動物を見て回ります。
ウォーキングサファリゾーンでの動物とのふれあいコーナー
このゾーンには、チリーフラミンゴなど鳥類、ミーアキャットなどの小動物、アカテタマリンなどサルの仲間、ラマ・シカ・ヤギなどの草食動物がたくさん展示されています。テンジクネズミなどの愛玩動物と子どもたちが触れあえるコーナーもあります。
しかし、何と言っても、子どもたちの人気が高いのは、ライオンやホワイトタイガーのエサやりでしょう。3cmほどの大きさにカットした肉片が5,6個入ったエサが販売されており、それを長い鉄製の火ばさみのような器具に挟んで檻に設けられた専用の窓から中に差し入れるしくみです。窓は1mほどの高さにありますので、ライオンたちは二本足で立って窓に取り付きます。エサをやる人のすぐ目の前に、大きな鋭い牙をもつライオンやホワイトタイガーの口が迫り、グォッ、ヴォーッと鼻を鳴らし唾を飛ばしながら肉に齧りつく迫力は相当なものです。大勢の子どもたちが火ばさみを持って、「ライオンさーん」「トラさーん」と黄色い声で呼びかけたり、「怖ーい」とお母さんの後ろに隠れいったりしています。
そうそう、冒頭に紹介した、カメラをダチョウに奪われた話もこのゾーンでのことでした。
エサに齧りつくホワイトタイガー(ウォーキングサファリゾーン)
●アジアゾーン
ウォーキングサファリゾーンで30分ほどを過ごして、再び車に乗り込み、アジアゾーンへと向かいます。そこにも、ニホンジカが群れている一画があります。シカたちは勝手にテンでバラバラにいるように見えますが、よく観察すると、数頭で小さなグループをつくっており、グループごとに一定の方向に頭をそろえて並んだり円陣を組んだりしています。あるグループはずらりとこちらにお尻を向けて、同じリズムでしきりに尻尾を振っていました。
「オスのニホンジカにある角は年に一度生え代わります。この角は堅くて鋭く危険なので、奈良公園では人為的に年に一度切り落としています。角のある間のオスは気が強く、時にツキノワグマさえ攻撃します。でも角が落ちると、とたんに落ち込んでしまい、しょんぼりとして気の毒です。今のシーズンには赤ちゃんジカがたくさんいるんですが、見当たりませんね。実は、シカには赤ちゃんを藪の中などに隠す習性があります。ここでもあのU字抗や岩陰にいますので、よく見て下さい」
と、ガイドさん。
人工的な木のほこらにジッと座っている赤ちゃんジカ
なるほど、岩の隙間やU字抗などの薄暗い中に小さなシカたちがじっと座っています。「藪などに潜んだ赤ちゃんジカはお母さんが呼びにこなければ絶対に出てきません。そのため、お母さんが事故にあって来られないときなど、潜んだまま餓死したり、雨に濡れて体温を奪われて命を落としたりする赤ちゃんもいます」。赤ちゃんがそれほどまでに産んでくれた母親を頼りとし、母親がそれに必死で応えるのは動物の本能であろう。が、顧みる人間世界では、自己の欲望やわがままのために我が子でさえも虐待し、時には死に至らしめるニュースのなんと多いことか。自然のなかで培われてきた"動物としての本性"を捨て去って、己の欲望だけに生きようとする"人間の不条理"を嘆かわしく思う。動物園は動物の姿に仮託した己自身を見つめ直す場所でもあるのです。
ヒトコブラクダやスリランカゾウを見やりながら、「ラクダのコブには水が入っているわけではありません。脂肪の塊で、この栄養分を使って砂漠でも一ヶ月は生き��れます。そんなに知られてはいませんが、足の裏もぷにょぷにょしていて柔らかいんです。ゾウの妊娠期間は二十二ヶ月です」などと、相変わらずサービス精神旺盛な大槻さんのガイドに耳をかたむけながら、車は進みます。車の左方にたくさんのバイソンがいます。先ほどは崖の上の方から見たアメリカゾーンを今度は下方から見上げるのです。バイソンたちは、先日の雨でぬかるんだ泥を気にもせず、そこかしこにたたずみ、寝転び、思い思いに過ごしています。その中に今年春に生まれた赤ちゃんが2頭ほど親の陰に見え隠れしていました。
群れ集うアメリカバイソンたち
●猛獣ゾーン
車は猛獣のトラゾーン・ライオンゾーンへと進んで行きます。トラゾーンでは、大岩の上に夫婦でしょうか、2頭のホワイトタイガーが大きな肢体を投げ出したまま首だけをもたげてこちらに鋭い視線を向けてきます。ホワイトといっても真っ白ではなく、薄い墨茶色のトラ模様があります。
放し飼いのホワイトタイガー
車が左方向にハンドルを切ります。すると、木の下に、岩陰に、木組みの台の上にと、あちこちにライオンがたむろしています。そのほとんどが立派なたてがみを持つオスライオンです。
「自然界では、普通、ライオンは一頭のオスライオンと数頭から十数頭にもなるメスライオンたちとで一つの家族を構成しています。これをプライドといいます。狩りをするのはメスライオンの仕事です。でも、ここでは狩りの必要がないので縄張りを争うこともなく、ああして複数のオスライオンが一緒にいます。あっ、ちょうど今、エサバスがこちらに来ましたので、エサをたべるシーンが見られると思います」
と、ガイド兼運転手の大槻さん、ガタンと舗装道路を外れて、木の下や岩陰、台上のライオンにと車を急接近させます。窓ガラスに自分のたてがみが触れるほどに車に近づかれても、ライオンは意に介しません。
オフロードカーの窓に体毛がくっつくほどの距離
樹下にくつろぐオスライオンたち
やがてエサバスが停車します。もちろん舗装された道路上です。するとライオンたちが一斉にバスに向かいます。
「わーっ」
「きゃぁー」
バスの乗客から興奮に満ちた歓声があがります。窓に付けられた金網の間からエサの肉片を挟んだ金ばさみが突き出されていて、ライオン��、オスもメスもが折り重なってそれに食らいついているのです。グヴォー、ヴォーッと腹に響くような低く力強い唸り声をあげながら、バスのエサやり用の小窓に群がり集うライオンたちの迫力の凄まじさ、これがサファリパーク形式の動物園の真骨頂でしょう。
ガイドの大槻さん、巧みにハンドルを操ってオフロードカーをライオンの鼻先にくっつけるようにして、ライオンの行き先もコントロールしています。「運転が上手くないと彼らにばかにされるのです」。こうした運転技術は、ライオンの群れ全体を管理するうえで必須で、新入社員の研修、訓練でも義務づけられているそうです。
ところで、放し飼いのトラとライオンを分ける柵らしきものは見当たりません。
「実はトラもライオンも水がにがてなのです。わざわざ水に入ることはしないそうです。そこで水たまりを設け、それで区分けできるのです」
●アフリカゾーン
起伏では上下に大きく揺れ、急カーブでは左右に激しく振られて、車は最後のアフリカゾーンに入って行きます。ここには、アフリカ水牛、チャップマンシマウマ、エランドなどの草食動物が水辺や小高い岩山などにかたまりになって飼育されています。
アフリカゾーンにいるアフリカ水牛
そのなかに数羽のダチョウが頭をツンツンと小刻みに動かして群れています。その大半が、お尻の羽が抜け落ちて地肌が丸出しです。
「気の毒ですが、ダチョウの羽は根元から抜けるとすぐに新しい羽が生えてくるんですが、途中から折れたようになって根元が残ると、すぐ生えてこず、ああした姿のようにお尻丸出しの恥ずかしい格好になるんです。他の鳥のように番で子どもを産み育てるのではなく、メスは何匹もが同じ巣に卵を産みます。で、あとは知らんぷり、オスが卵を温めるのです」
このようにガイドの大槻さんの動物への愛情たっぷりの、そしてユーモアのある解説と巧みな運転に魅せられて、レンジャーツアーのコースはあっという間に終了したのでした。
このサファリパークで観察できた動物たちは、どれもがその魅力と愛らしさを振りまいていました。四季それぞれに異なった姿もみせてくれることでしょう。とてもそのすべてをここで語り尽くすことはできません。あなたも足を運んでみてはいかがでしょうか。
(緒方三郎)
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「マリンエクスプレス」悪役組の撮影後打ち上げ
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