#リーリー・ソビエスキー
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roomofsdc · 3 years ago
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SDC映画の部屋「ディープ・インパクト(1998)」
アメリカ、バージニア州リッチモンド、天文学部の観測会に来ている高校生リオ・ビーダーマン(イライジャ・ウッド)はクラスメートのサラ(リーリー・ソビエスキー)と並んで夜空を眺めながらも、サラのことが気になって仕方がない。望遠鏡を覗いていたリオは星と星の間に未知の光点を偶然に発見する。教師も首をかしげ、彼の観測結果を天文台のマーカス・ウルフ博士(チャールズ・マーティン・スミス)に送付する。ウルフ博士はピザを食わえながらその天体の座標を調べ、長い軌道を持つ新天体であることを確認すると、軌道の分析を始めるが、突然慌ててデータをディスクに落としながらメールで他の天文学者に連絡をとろうとする。ところがサーバーの不具合でなかなかアクセスができず、止むを得ずディスクを持ってジープに飛び乗る。しかし移動中の山道で不幸にもトラックと衝突し、ジープは炎に包まれる。一年後、ニューヨークのテレビ局でアシスタントを努めるジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)は財務長官の突然の辞任に関して特ダネをつかみ、局内でのキャリアアップを狙っている。田舎にリタイアする財務長官(ジェームズ・クロムウェル)にアポ無し取材を試みたジェニーは長官から「君には誰か大切な人はいないのか」と言われるが、何のことか見当もつかない。その直後、ジェニーは政府機関に突然拉致され、驚愕の事実を知ることになるのだが… 「外宇宙の天体が地球に衝突し、人類の危機が訪れる」というテーマはかなり古くから物語や小説の題材となっており、定期的に映像化もされている。20世紀前半���「地球最後の日」(ワイリー&パーマー)というSFを映画とした「地球最後の日(1951)」は小さな子供の頃にテレビ放映をドキドキして見ていた記憶がある。日本の「妖星ゴラス(1962)」はそのジャンルの特撮映画の傑作(怪作?)であり、藤子・F・不二雄の「箱舟はいっぱい(1974)」は短編ながら印象に深く残るコミックだ。「メテオ(1979)」はパニック映画の傑作「ポセイドン・アドベンチャー(1972)」のロナルド・ニーム監督、ショーン・コネリーやナタリー・ウッド、マーティン・ランドーなどが出演した特撮SF大作でもあったので、当時少年だった私は喜んで劇場に観に行ったものの、敵役のマーティン・ランドーの印象しか残っていない凡作であった。
さて、本作品と同時期に「アルマゲドン(1998)」も公開されており、おそらく向こうの方が有名なのだろうが、SF作品の質としては、比べるのも申し訳ないくらい本作品の方が優れている。 監督のミミ・レダーは超人気テレビシリーズの「ER 救急救命室(1994〜2009)」の初期シリーズで多くの演出を担当し、スピルバーグの後押しで「ピースメイカー(1997)」の監督に抜擢、これが長編劇映画第二作になる。「ER」でもスピードと緊張感あふれる画面作りに定評があったが、そのスピードの中で、細やかな感情の機微を描く、人間ドラマの名手であることも証明していた。本作品はついつい特撮の圧倒的な迫力(とは言え、その後のCGの進化を思うとプリミティブだし、2011以降、津波の描写はすべてが作り物じみて感じられるが)に目が奪われがちではあるが、登場する人物たちの造形がしっかりされていることで、それぞれの人間ドラマに深みが与えられている。加えてロバート・デュヴァル、マクシミリアン・シェル、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、モーガン・フリーマンたちヴェテラン陣の熟練の演技と、イライジャ・ウッド(高校生の瑞々しさに溢れている)やティア・レオーニら若手俳優の熱演、「ER」でレダー監督と息が合っていたローラ・イネスやロン・エルダードら脇役たちの好演が、有機的に作用して、「英雄たちの自己犠牲による救済」が前面に押し出された類似作と違って、「英雄になれない一般市民たち」のそれぞれの運命が胸に迫ってくる作品だ。 ジェームズ・ホーナーによる美しいテーマ曲も秀逸。当時のホーナーは「タイタニック(1997)」でオスカーを獲った絶頂期にあり、2015年��61歳で早逝したことはつくづく悔やまれる。
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