#リミッターを外す
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『食洗機』って水をパシャパシャかけてるだけで本当に汚れ落ちるの? と思って調べてみたら一緒に入れる「食洗機用洗剤」が重要らしいです。この洗剤がアルカリ性だからすごく汚れが落ちる。 でも人間が使うとめちゃくちゃ手が荒れるらしい。洗剤って人間に配慮しなければリミッター外せるんだ……
Xユーザーの安心院バクさん
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パイロットの話
https://goo.gl/jbcg4v https://goo.gl/JVEbYM ------------------------ 三菱重工MHI名古屋航空宇宙システム製作所のテストパイロットの読み物です。 圧倒的な非日常の世界を仕事場にする選ばれた男たちの世界の話です。 マッハの世界なので、大戦期のレシプロ機のエースたちの手記とはまた違った凄み、つまり怖さがあります。 MHIのサイトで閲覧できなくなっていて一部のみのログが残っているのみなので、消えてしまう前に原文まま転載します。 おそらく今後読むのことが難しい作品を、このような形ではあれ広く読めるようにしていくことは、ささやかではありますが意味のあることではないかと思っています。ですから「関係各位」も大目にみてくださったら、ありがたいなあ(敬具)と思っています。
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コックピットから その1 「超音速飛行 GO GATE」 「BINGO」
【超音速飛行 GO GATE】
高度40000フィート速度0.95マッハこれが音速への入り口です。 この付近は遷音速域と言われ、機体の一部分ではすでに音速を超える部分も出てきています。このため飛行機によってはやや不安定な動きをする場合があります。当然パイロットにはそれに対応するために、特別な操舵が必要となります。
例えば、F-4では縦の静安定が逆転します。
飛行機は通常、加速をすれば機首が上がってきます。逆に減速すれば機首が下がってきます。これを縦の静安定が有ると言います。
F-4も音速以下もしくは音速以上では同じ特性があります。しかし遷音速域ではこれが逆転します。加速すれば、機首が下がろうとして、減速すれば、機首が上がろうとします。
具体的イメージが湧かないと思いますが、例えば、超音速飛行で右の5G旋回をします。旋回をすると抵抗が増えますので飛行機は徐々に減速します。減速してくると普通は、機首が下がろうとしますので、パイロットはさらに操縦桿を引きます。しかし、音速を切った瞬間、その特性が逆転します。
同じ力で操縦桿を引いているとパイロットの入力+飛行機の機首上げ特性で飛行機には、突然、パイロットが予想もしていない大きなGがかかってしまいます。G制限ぎりぎりで運動しているような場合はこれだけで飛行機が壊れてしまいます。ですから、超音速状態で敵に遭遇して空中戦に入った場合は、自分の速度に注意しながらの操縦をしなくてはいけないのです。
お話を音速飛行に戻しましょう。
左手のところにあるレバー(スロットル)���最大パワー位置にします。
戦闘機の場合、最大パワーは2種類あります。(謎笑)
1つは、エンジンの最大回転数を得られる位置です。民間機などでは離陸の時などに使われます。戦闘機乗りは、「BUSTER」と呼びます。技術屋さんは、MIL(ミリタリー)位置と呼びます。
しかし、戦闘機のエンジンにはさらにその上があります。(笑)
この位置は、エンジンの回転数はそのままで、エンジン排気口にさらに燃料を流し込みます。これによって、燃料流量は2倍になり推力が1.5倍ほどになります。これを「GATE」と呼びます。もしくは、MAX(マックス)と言います。
スロットルをこの位置にします。エンジンの排気口には、大量の燃料が再投入され、エンジンノズルが段階的に開いて、アフターバーナーが正常に着火したことを知らせます。
これに伴い、飛行機は急激に加速を始めパイロットを座席に押し付けます。燃料流量計が読み取れない速さで増加していきます。昇降計が小刻みに上下に震え始め、高度計も何を示そうか迷い始めます。
次の瞬間、突然高度計が激しく回り始めて大気の状態をモニターしている、エアーデーターコンピューターが計算が追いつきませんと警報を出します。しかし、目を速度計に移すと機体が音速を超えたことを何も無かったかのごとく平然と示しています。
これが超音速への第1歩です。
50年ほど前まではここまでが人間に許された最大速度でした。多くの勇敢なパイロットたちは壁の向こうを覗いても帰らぬ人になっています。そして、チャック・イエガー氏が最初にこの壁の向こうから帰ってきた男なのです。
しかし、現在はスロットルさえ前に出せば誰でも簡単に訪問できる世界になりました。知識も経験も勇気も必要ありません。玄関ドアを開ける程度の力があれば、音速を超えられるのです。これが、技術者の努力の結果なのでしょう。
音速を超えた飛行機は益々元気になって加速を続けます。後ろを振り返ると、濃紺の空に自分が引いてきた飛行機雲が白い1本の線としてくっきりと見えます。コックピット内もちょっと静かな気がします。何しろ、音より速く飛んでいるのですから!(笑)
機体近傍に目を向けると、自分の横に衝撃波が立っているのが観察できます。それでも、飛行機はさらに加速します。
1.2マッハ付近では飛行機はとても安定しています。あたかも硬い氷の上を滑っている感じです。振動も騒音もありません。対象物が無いので、速度感もありません。ただ青い空が広がるだけです。 多くの飛行機は1.5マッハ付近から、機体を守るために各種リミッターが作動し始めます。
これによってペダルや操縦桿が重くなったりエンジン回転数が変化したり機体全体の特性が著しく変化します。
また、この付近で機首を30度ぐらい引き上げれば、減速しながらも80000フィートぐらいまでは簡単に上昇してしまいます。そこはもう濃紺の宇宙空間です。
高高度のお話は別の機会にまわして今回は、そのまま加速します。
1.8マッハ付近になると、機体が「ギシギシ」ときしみはじめます。機体の色々な場所から短い金属音が出始めます。
この辺の燃料流量は、F-15などでは80000lbsPPH。消防車で、水を撒く程度の燃料を燃やします。
さらに加速していくと金属の焼ける臭いがしてきます。
「いやーこれはやっぱ限界だねーこれ以上行ったら分解?」
こんな思いが脳裏をかすめます。その頃には、すでに音速の2倍以上で飛んでいます。
特別な戦闘機を除き速度限界は2.2マッハです。時速2600キロメートルぐらいでしょうか。
この速度は名古屋~東京間を約8分で通過しますが、これ以上に加速するとアルミ合金が熱によって強度を失います。言い換えれば熱によって機体が融けてしまうのです。ちなみに、飛行機は車と違って最大パワーのままにしておくと、機体が分解するまで加速してしまいます。
【BINGO】
加速開始から、約3分飛行機は「BINGO」と叫びます。「燃料がありましぇーん!」と言っているのです。
そこで、スロットルをアフターバーナーレンジから通常レンジへ引き戻します。しかし、飛行機はこれを無視するかのように超音速飛行を続けます。エンジン回転数もスロットルをIDLEにしているにもかかわらず最大回転数を維持しています。燃料計はみるみる下がっていきます。
「このままでは飛行場まで帰れなくなる!なんとかしなくてはー」
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コックピットから その2 「BINGO」 「ZOOM UP」 「BLACK OUT」 【BINGO】
さて、今回は超音速からの帰還のお話です。 超音速飛行でスロットルをIDLEにしてもエンジン回転数は100パーセントです。車で言えばアクセルから足を離してもフルスロットルでエンジンが回り続けているようなものです。飛行機は「BINGO」を叫んでいます。
【ZOOM UP】
しかし、このままでは本当に燃料が尽きてしまいます。そこでなんとか機体を減速させなくてはいけません。 まず、頭に浮かぶのはスピードブレーキです。F-15の場合は機体上面に畳1畳ほどの板を立ち上げて空気ブレーキを使います。しかし時速2,000キロメートル以上の向かい風で畳を立てるのには、かなりの力と強度が必要です。 そこでF-15の場合は高速では僅かしか開きません。このため効果はそれなりです。次に別の方法を考えます。飛行機は3次元を運動しています。そこで今度は速度のエネルギーを高度に変更します。坂道を自転車で登るときに坂道の手前で加速してからかけ上がるのと同じです。飛行機の場合は操縦桿を手前に引いて自分の前に上り坂を作って減速させるのです。
ここで、高度のお話をしてみましょう。 このあたりの高度では水分はすでにありません。ですから雲もありません。生��活動もありません。ただ無限に広がる濃紺の孤独で静寂な空間です。頭上を見ると単にギラギラ輝��太陽、眼下を見ると水色の丸い地球とそれを包む薄い大気と白い雲が見えるだけです。一言で4万フィートと言いますが、約12キロメートルです。この高度はもうどんなに頑張っても人間が生活できる環境ではありません。-56℃1/7気圧、すでに飛行機はこんな中を飛んでいます。 ここで機外に放り出されると「ちょっと寒いじゃん」って思っているうちに血液が沸騰して体の中は泡だらけになっています。これはかなりきついかもしれませんね!でもご安心を!酸素も無いので有効意識時間は5秒程度ですから「あれー?なんか変」と感じる時にはすでに黄泉の国に旅立っています。ですからパイロットにとってこの場所で一番怖いのはキャビン圧の漏れなのです。急激に減圧されればだれでも気がつきますがちょろちょろ漏れると知らず知らずのうちに意識がなくなっています。世界的には、今でも減圧もしくは酸素欠乏に起因するであろう高高度事故が時々報告されています。 半宇宙旅行を楽しんでいると、飛行機は音速を切ってくれます。そこで降下に移ります。飛行機は上昇するより、降下するほうが何倍も大変なのです。スピードブレーキを開いて、パワーを最少にして降下を始めます。ここで降下角を大きく取るとまた音速を超えてしまうので速度計を見ながらの降下になります。先ほど実施したズームアップは弾道飛行で、空気のほとんど無い所を飛んでいますから操縦は思うようにはできません。操縦桿はスカスカ状態です。だましだまし降下を続け、3万フィートを切ると、飛行機は俄然元気になります。エンジンパワーも操縦感覚もグライダーから戦闘機に劇的に変わります。
ついでに衝撃波のお話もしてみましょう。空気は音速よりも速く圧力変動を伝えることが出来ません。このため音速よりも速い物体が空気中にいるとエネルギーが溜まった壁が出来あがります。これが衝撃波です。何らかの原因でこの衝撃波が減衰前に地上に伝わるとドカーンドカーンと2回音がして窓ガラスが割れるような現象を発生させかねません。ですから超音速飛行試験は小松から北へ200キロメートルも沖合に出て細心の注意を払いながら実施されています。
【BLACK OUT】
さて、ここで元気になった飛行機の操縦特性を見てみようかとGをかけてみます。90度バンクに入れてスティックを手前に引いて、2G、3G、4G「うん、すごっく調子いいじゃん」さらに5じー6じー…ん? 「あれー?目が、目が見えなーぃ!まっくらだー!」
さて、今後の運命やいかに!次回に続く!
------------------------ コックピットから その3 「BLACK OUT」 「VERTIGO」 【BLACK OUT】
戦闘機の命は機動性です。 いかに相手よりも素早く動くかで勝負が決まります。この機動性を決定するための大きな要素の1つがG(ジー��です。Gとは地球の重力加速度をあらわす単位です。それではG変化はどのように感じるのでしょうか。私の体験からご説明しましょう。 皆様が日常体験できるG変化ではエレベーターがありますが、多分これで0.1G程度の変化だと思います。もし興味があるならば、体重計をエレベーターに持ち込んで測定してみてください。0.1Gの変化でも体重が1割増減する筈です。 飛行機に話を戻しましょう。民間の飛行機に乗って旋回時に感じるGは最大でも1.2G程度です。しかし戦闘機ではちょっと操縦桿に触るだけで1.5Gぐらい簡単にかかってしまいます。2GになるとGスーツが膨らんできてGがかかり始めたかなという感じでなかなか心地よい雰囲気です。ジェットコースターなどでは最大2~3G程度かかるようですので普通の人でもこれぐらいまでは許容されるのだと思います。3Gは戦闘機が上空で動くときの基本Gです。
2Gから膨らむGスーツはパイロットの下半身を圧搾空気によって締め付けるためのものです。Gがかかると血液は下に下がって脳に血が行かなくなります。これを物理的に防止するために下半身をしめつけて血液の降下を防止しています。Gスーツは1.5グラム程度の耐G能力を上げると言われています。
さて次は4Gです。これ以上はやはり戦闘機でなくては体験できません。通常の飛行機はこの辺で翼が折れてしまいます。 4Gは簡単なアクロバットなどをする場合にかかります。下腹にぐっと力を入れていれば特に問題はありません。さらに5G宙返りなどのアクロバットにはこの程度のGを使います。体全身に力を込めて頑張ればそれなりに耐える事ができます。そして6Gこの辺からやはり人間の構造的限界が自覚できます。ちょっと気を抜くと視野が狭くなって景色が白黒になってきます。これは目に十分な血液が供給されなくなっていることを示しています。「グレイアウト」と呼びます。
そして7G。ここからは根性との勝負です。 Gスーツはギリギリ下半身を締め付けます。体の力を抜くとブラックアウトと言って目が全く見えなくなります。そこを根性で頑張ります。操縦桿を持つ右手の二の腕でピシピシと音がして毛細血管が切れるのが分かります。何しろ自分の体重の7倍が体中にかかっているのです。 さらに8G。この辺の1Gの変化は劇的です。まず息が出来ません。まぶたも重くてあけているのがやっとです。 そして9Gもう本当に限界です。生きているのがやっとです。あと0.5G増やしたら心臓もお休みしてしまいそうです。9Gはすでに拷問です。「なんでもするから許してー」と叫びたくなります。まあ息はしていないので唸り声しか出ませんがね!(笑)
現在ここが戦闘機の限界です。 いや戦闘機の限界ではなく人間の限界です。戦闘訓練を終えて降りてくると腰は痛いし首は動かないし肩にはくっきりとハーネス痕が残り、足の裏・ふくらはぎ・二の腕など軟らかい部分は内出血しています。いやーまと��な商売ではないなーと感じる時です。
しかしここで一番危険なのは意識喪失です。急激にGが立ち上がると人間の体はついてきません。こうなると脳に血液が突然行かなくなるので意識を失う感覚も無く、瞬時に意識を失います。戦闘機乗りが一番恐れている現象です。
マイナスGはさらに愉快です。 この状況を作るにはスティックをちょっと前に押します。普通の人は+0.5G程度で降参します。0Gで目の前で鉛筆が浮かんでいます。体の中身も浮き上がるので食後には気分のいいものではありません。 スティックをもうちょっと押します-1Gです。逆立ちをしているのと同じですごみなどの固定していないものはすべて頭上のキャノピーに張り付きます。そして-2G。これはもう限界です。頭に血が集まるためにひどい頭痛がしてきます。さらに-3G。飛行機はここが限界です。人間は限界を過ぎています。数十秒間この状態が続くとレッドアウトといって景色が真っ赤になって目から血が噴出します。ですからパイロットはこの状態をあまり好みません。 多くの飛行機の戦闘ゲームがありますが、これで実機と一番違うところは押し舵を操縦者が多用することです。もしこの種のゲームを愛されておられる方がおられましたら一度押し舵を使わないで戦闘してみてください。そうすればより実戦的なゲームが楽しめると思います。
【VERTIGO】
さーって、飛行機の調子も良いし帰ろうかなーん?なんかいつもと景色が違う?なんで姿勢指示器が裏返しなの?飛行機壊れた?いーえ、あなたが壊れています。
さて、今後の運命やいかに!次回に続く!
------------------------ コックピットから その4 「VERTIGO」 「Fingertip」 【VERTIGO】
バーティゴは空間識失調と言われています。 パイロットはこの現象から逃れることはできません。どんなベテランでも必ず陥ります。上と下が分からなくなるのです。いや分からなくなるというより間違って認識してしまうのです。 今あなたにとって下はどっちですか?足元が下ですよね!なぜかと言えば地球があなたを引っ張っているからそう思っているのです。この感覚が飛行機を操縦する上では大きな障害となってきます。飛行機は3次元を自由に運動します。運動するとそれと反対側に遠心力が働きます。人間はこの力と重力との合成を重力として感じてしまいます。そこで運動の外側が下だと勘違いするのです。 大型民間機の中央の座席に座って離陸時に「すっごーい急上昇!」と思ったことはありませんか?これも一種の勘違いです。前進する加速度をお客様は背中で感じます。するとその加速度と重力の合成が腰の付近に感じるのであたかも急角度で上昇しているように思ってしまうのです。ここで窓の外をちらっと見ると自分が思っているほど急角度で上がっていないのがすぐに分かります。
私の実体験では雲がポツポツある日、空中戦訓練を終了して帰る時に何か景色が記憶と違うのです。確か雲は下だったのに今は自分の頭の上にあります。お天気が変わったのかなーと思いながら姿勢指示器を見ると背面姿勢です。「そうかぼくは上と下を間違えてたのねーぇ!」この場合、飛行機は地上に向かって背面で2G降下をしていたのです。 これだとちゃんと床方向に1Gかかっていますので感覚的に全く違和感はないのです。水平飛行と2Gの背面との区別がつかないのです。このとき私は海と空をも見間違えているのです。地上では海の方が空よりも青いのですが上空では空の方がはるかに青いのです。人間一旦信じ込むとなんでもそれが真実だと感じてしまうのです。
ちなみにこの写真を見て違和感を感じますか?背面飛行しながらOKサインを出しているように見えませんか?もしそう見えたらあなたはすでにバーティゴです。 ではこの勘違いを防止するためにはどうしたら良いのでしょう。それは常に計器を信じる事です。しかし計器も機械ですので壊れているときもあります。「そんじゃーどうするのー?」それでも計器を信じます。
飛行中、自分の姿勢を知るためには姿勢指示器が一番簡単です。外界が見えようと見えまいとこの計器は常に飛行姿勢を示しています。しかしパイロットはすぐには信じません。次に高度計を見て高度変化を確認して次に高度計を確かめるために昇降計をチェックします。そこで何か疑いがあれば次に速度計エンジン計器などもチェックします。 飛行機には沢山の計器がついています。そして各々は別々の情報を指示しますが何らかの関連をもっています。速度計と高度計は別物ですがパワーをいじらずに上昇姿勢にして高度を上げれば必ず速度は減ります。それなのに速度に変化がなければ必ず何かがおかしいのです。 このようにして飛行中は常に多くの計器から1つの真実をいつも探り出そうとしています。そしてその結果が自分の感覚と違っていても計器を信じて自分を否定しなくてはならないのです。
命がかかっている時に自分の感覚や信念を曲げて機械を信じて行動することは至難の業です。それも数秒のうちに判断しなくてはいけません。10秒も悩んでいたら飛行機はすでに取り返しのつかない領域に入っています。飛行機に許されている余裕時間は2秒です。何かが発生して2秒以内に正しい手順を実施すれば故障で飛行機が落ちないようには設計されています。
車で、ここでは感じとしては右に曲がらなくてはいけないんだけどカーナビは左に行けと言っています。この場合あなたはどちらに曲がりますか?まあ、車ならどちらを選んでも「なーんだやっぱ違うじゃん!」って思った時に止まってやり直せますが、飛行機ではそうはいきません。「なーんだ、やっぱ違うじゃん!」って思った時には全てが終わっています。 空間識失調は訓練では克服できません。どんな訓練をいくらやっても結局上下は分かりません。そこでパイロットはいかなるときにも計器を信じるように訓練します。先ずは机上で教育を受け次にシミュレーターで訓練しそして実機で外界の景色を遮断して徹底的に訓練します。だからこそ計器の誤差や故障は許されないのです。 フライトを終わって「この飛行機ここが変だったよ!」と報告しているときに「あーそれは単に計器の故障ですよ!」ってなことを言われるとパイロットが血相を変えて怒るのはこのためなのです。(笑)
【Fingertip】
Fingertipは戦闘機の基本隊形です。手の指をくっつけた時の親指以外のつめの位置が各機の位置です。この隊形で離陸をしてアクロバットもこなし雲の中も飛んで着陸までします。この間ウイングマン(2番機)はリーダー機しか見ません。特に若いパイロットは他を見る余裕などは全くありません。 「このリーダー超へったくっそーいつまで旋回するの?疲れちゃうよー!」こんな思いが頭に浮かびます。 しっかーっし!これもあなたがまたまたバーティゴです。
さて今後の運命やいかに!次回に続く!
------------------------ コックピットから その5 「IN Popeye」 「HOME BINGO」 【IN Popeye】
ポップアイ?出目金のお話ではありません。セーラーマンのお話です。 雲の中を飛行していることを「インポパイ」と言います。雲の中では何も見��ません、多分牛乳のプールの中に潜ってる感じだと思います。(私はそんなプールに潜ったことないので正確に比較はできませんが…笑)
ここで雲のお話をしましょう。 雲は雲があるのではなくて空気の乱れがあるから雲に見えると言ったほうが良いかもしれません。川でいえば瀬に白波が立ちます。これは白波があるのではなくて、流れが乱されて白波に見えるのです。空気の場合も同じで、流れが乱されると雲ができます。 このため雲の中は気流が乱れているので回りとは性質が全く異なります。それでは頑張って雲の中を飛んでみましょう!
目の前に雲が迫ってきます。キムタクはドラマの中で「雲の頂点が左に流れているから風上側の右に迂回する」と言っていましたが、超正解です。 しかし状況によって避けられない場合もあります。そこで仕方なく雲に突入することになります。先ず前方に山とか障害物が無いことが第一条件です。「あったりまえでしょうー」と、思われる方も多いと思いますが、雲に入ってそのまま山に激突する事故は毎月のように発生しているのが現実です。 次に準備することはシートベルトをしっかり締め直すことです。そして計器飛行に移る準備をします。雲の中では景色が全く見えませんから計器飛行以外に無事に飛ぶ方法はありません。
そして覚悟を決めてズボッ!と雲に入ります。 案の定、回りは真っ白です。そして揺れが始まります。揺れは心地よい軽い揺れから飛行機が分解するような揺れまで様々です。この揺れを正確に前もって予想することはできません。 まぁ90パーセントはそれなりに安全ですので適当に心配しておけば問題ありません。
揺れが始まって数十秒たつと風防が白くなってきます。これはアイシングといわれる現象で、雲の中にある過冷却の水が機体にぶつかって瞬時に凍り、どんどん成長していくために発生します。外が見えない程度なら、それほど大きな問題ではないのですが、氷は機体全体に付着します。翼についた氷は翼の形状を変化させ飛行機の特性を変えてしまいます。エンジン付近についた氷は、大きくなってはがれ落ち、エンジンに吸い込まれて大きなダメージを与えます。そして何よりも機体自体が、氷でだんだん重くなります。 こうなってくるともう飛ぶことはできません。このため飛行機には、いろいろな防氷装置があります。あるものは氷をヒーターで融かし、あるものは風船を膨らませて氷を壊します。 機体へ���アイシングは外気温が-3~-10度程度で発生します。また気温は高度を1000フィート上げる毎に2度下がります。ですからこの高度帯を避ければアイシングは発生しません。しかしアイシングを避けようとして、安易に高度を上下すると、もっとひどい目にあうこともありますので、注意が必要です。
雲にはいろいろな種類がありますが、パイロットにとって一番怖いのが入道雲です。入道雲に入ってしまったことはすぐに分かります。先ず、上下左右に大きく振られます。飛行機が木の葉のように舞い踊ります。その次に来るのは、激しい音です。最初は「大粒の雨かな?」なんて思っていますが、実際は氷の塊です。 地上に落ちてくるとヒョウとかアラレと呼ばれるものです。時によっては拳大の氷も浮かんでいます。「ひょえーひどい所にきちゃったなー」なんて思っていると、回りがだんだん暗くなって、雲が緑色に見えてきます。「あれーなんかいる!」「長い蛍?」「光るミミズ?」。そうこうしていると、前方の風防が青白く光り始めます。その中を細長い光が飛び交います。良く見ると機体全体が青く光り始めています。これが「セントエルモの火」と呼ばれるものです。 帆船時代の船乗りは、この光は嵐を知らせる兆候としていたようです。飛行機でも同じです。この光を楽しんでいると「ピシッパシッ」というラップ音が聞こえてきます。そして腕や足の毛が逆立ってきます。こうなってくると、もう近いです!「こりゃーくるぞー!」テレビなどではここでVTRが終わって、結局「霊」は出てこないのですが(笑)、現実は違います。来ちゃうんですねートラのパンツをはいた鬼が! 目の前でそれまで見た事もないような閃光が走ったかと思った瞬間ドッカーンと、大きな音がして自分の体から電気が抜けていくのがわかります。飛行機は比較的雷には強く設計されています。上空で飛行機に雷が落ちても通常この程度です。ただし、着陸後機体を点検すると何か部品がなくなっています。ですから、何があっても入道雲に入るのは避けたほうが良いと思いますよーっ!
【HOME BINGO】
本当に燃料がなくなっていることを飛行機が叫び始めました。燃料の余裕はもうありません。直ちに帰るように言っています。 「でもまだやることあるんだけどなー」
さて今後の運命やいかに!次回に続く!
------------------------ コックピットから その6 「Cockpit」 「Control」 【Cockpit】
今回は我々の職場紹介です。 戦闘機の操縦席はコックピットと呼ばれています。日本語で言えば鳥小屋です。中に鶏のようなやつがいるからではなくて、多分極端に狭いのでこのように呼ばれているのだと思います。ほとんどのスイッチやレバーには、そのままの姿勢で届くようになっています。座ったままでなんでも出来る!横着者にはピッタリの職場です(笑)。
コックピット中央にはいざという時に機外に脱出するための射出座席が鎮座しています。正面下には多くの計器、操縦席左右のパネルには無数のスイッチがついています。そして右手用にスティック(操縦桿)、左手用にスロットル(加減速器)、足用にはラダ-ペダルがついています。 またスティックとスロットルにも、やたらとスイッチがついています。これら全てを迷い無く使っていかなくては、戦闘機は動かせません。可能ならパイロットに手がもう1本あって、かつ親指が2本づつあれば理想的です。
このコックピットへは、車などとは違ってキャノピーを開けて、上から乗り込みます。 まず座席に足を置いて、スイッチなどを蹴飛ばさないように注意しながらゆっくり座り込みます。座ったら座席下にあるサバイバルキットと自分を左右つなぎます。そして今度は自分をシートベルトで固定します。この際同時にGスーツを機体ともつなげます。最後にパラシュートと自分を連結させます。飛行機によっては足にも固定装置を付ける場合もあります。もう、がんじがらめ状態です。これにヘルメットをかぶって無線コード1本と2本の酸素ホースをつなげれば、やっと準備完了です。 夏場などはこれだけでダイエット効果が望めます。
座って正面を見ると、HUD(Head Up Display)があります。これは飛行中、パイロットが必要であろう情報を常に表示しています。その上焦点は無限遠点になっているので、あたかも文字や絵が空中に描かれているように見えます。これによって、発見した目標から目を離さずに、自分や相手の状況を知ることができます。 最近のゲームでは、HUD表示がほとんどですから、見慣れている方も多いと思いますが、本物とはかなり違います。
コックピットは冷暖房完備です。フルオートエアコンがついています。夏場地上では35度、そこでキャノピーを閉めれば灼熱地獄、上空にあがれば外気温はマイナス52度、この環境範囲をカバーするように設計されています。また皆様が戦闘機で一番気になるのが騒音だと思います。 エンジンはものすごい音を出しています。しかしコックピット内で聞こえる音は、エンジン音ではなくて意外にもエアコンの噴出音なのです。それも、かなりの音圧です。まあ、パイロットは完全閉鎖型のヘルメットを常時装着しているのでその騒音もほとんど聞こえません。しかし、コックピットには、超おしゃべりなお姉さんが1人住んでいます。エンジンスタートからしゃべり始めます。やれエンジンが調子悪いだとか、はたまた、敵にロックオンされたとか、もう燃料が無いから帰れとか。分かってるって言うのに、しゃべリ続けます。昔は男性の声でしたが、最近はどの飛行機も女性になっています。この方が、パイロットが素直に従ってくれるからでしょうか(笑)。 他に、いろいろな音色の音が出ます。それも連続音であったり、断続音であったり、それらの混合であったりします。「ピッ」と音がしただけで、パイロットは飛行機が何を言いたいのか直ぐに分からなくてはいけません。ですから、我々はやたらと単音の電子音には敏感になっています。
さて話は変わって、コックピットからの景色のお話です。 一言、「それは最高でーす!」何しろ自分の腰より上は全部透明なのですから、民間機に乗って小さな窓から覗くのとは大違いです。景色360度見放題です。そのままでは、さすがに床があるので真下は見られませんが、飛行機を裏返しにすれば下も丸見えになります。昼間は大パノラマ、夕方には燃えるような夕焼け、夜間には全天溢れんばかりの星空が楽しめます。
しかし、この職場の最大の欠点は、孤独なことです。常に1人の世界です。喜びも、感動も、驚きも、恐怖も、すべて1人で受け止めなくてはいけません。何があっても、1人で判断して1人で対処します。地上には存在しないこんな職場が、そこにはあるのです。
【Control】
それでは次回は、飛行機の操縦についてのお話です。お楽しみにーぃ。
------------------------ コックピットから その7 「Control」「Instrument」「Flying Quality」 【Control】
今回は、操縦のお話です。あまり詳しくお話すると、だれでも飛行機の操縦が出来てしまって我々の仕事が奪われる可能性があるので、今回はほどほどに!(笑)
さて飛行機の操縦は、車とさほど変わりません。行きたい方向に操縦桿を傾ければ良いのです。右に行きたければ操縦桿を右に、上に行きたければ操縦桿を手前に!加速したければスロットルを前に進めます。しかし、車と決定的に違うのは、三次元的に変化してしまうことでしょうか。例えば、旋回すると高度は自然に落ちて、速度も変わってしまいます。ひとつを変えると、全部が変わってしまうのです。この現象を防ぐために具体的には、旋回に入るときには、操縦桿を適量倒すと同時に、機首を僅かに上げて、パワーを少々変更しておくことが必要です。すでにお気付きの方もおられると思いますが、今の文章でのキーポイントは、適量、僅かに、少々、ここにあります。この量が会得できればあなたはもうパイロットです。ちなみに 車の免許は18歳からですが、飛行機の免許は16歳から取得可能です。私自身も、車の免許よりも飛行機の免許の方が先でした。
ご自分が、ケッタ(名古屋弁で自転車)に乗れるようになったときを思い出してください。理由は分からないのですが、ある日突然乗れるようになりませんでしたか?飛行機も同じ感覚です。ある日突然着陸が出来るのです。とても不思議な感覚です。それまでは、悩んで勉強して練習して、試行錯誤を繰り返すのですが、いくらやっても着陸はできません。しかし、ある時突然着陸が見えるのです!
ご存知の方は少ないと思いますが、80年代の映画でスピルバーグ監督の「オールウェイズ」というのがあります。この映画で、若いパイロットが、ある日突然操縦が出来るようになります。私は「あー!ぼくもそうだったのかー」と感動したのを覚えています。しかし、友人に話すと「ん?あれってただのラブストーリーじゃん」全く観点がちがいましたー(汗)。いずれにせよ、飛行機の操縦は、ある日突然出来るようになるのです。
1つの飛行機を完全に手に入れると、後はどんな飛行機でも同じです。慣れるまでは上手な操縦はできませんが、安全に飛ぶ程度でしたら機種が変わってもさほど影響はありません。車で言えば、ミニカの運転が完璧にできれば、プラウディアの運転も出来るのと同じです。まあ飛行機は基本的には、機種毎に免許がありますから、法的にはちょっと問題はありますが…。
【Instrument】
飛行機には、無数の計器があります。「あんなに沢山の計器を見るのは大変でしょう?」と質問を受けます。しかし実際は、全部は見ないのでそれほど大変でもないのです(笑)。全ての計器を常にチェックしていたら操縦など出来ません。計器はあ���までも、飛行の参考とするものです。むしろ自分のやった操舵の結果を見るための物です。必要なときに 必要なものだけを見る。これも操縦の極意です。車でも同じですよね!いつもメーターを見ているのではなくて、パトカーを見つけたら、速度計!灰皿が一杯になったら燃料計!おなかがすいたら時計!この程度ですよね?
それでは、飛行機の計器の中で、何が一番大事だと思いますか?高度計?速度計?姿勢指示器?エンジン計器?航法計器? 私は昔から、それは速度計だと思っています。速度だけは、人間にはわからないのです。特に上空には、対象物がありませんから、速��は全くわかりません。お天気が良ければ、高度は、地上の物の大きさで分かります。例えば人間の形が見えれば1,000フィート、車の形が分かれば2,000フィート、家の形が分かれば5,000フィート…。また、速度計がなければ、着陸はできません。飛行機には失速があります。失速とは飛行機がただの金属の塊になることを意味しています。色々な理由で着陸は、出来るだけ低速でしなくてはいけません。そして何があっても 失速速度以下にしてはいけません。このために 速度計は不可欠な計器なのです。
【Flying Quality】
失速の話が出てきたので、次回はちょっと知的に飛行機の特性のお話をしてみたいと思います。簡単に言えば、飛行機の癖?特徴?性質?みたいなものです。皆様が「へー」とうなるような、トリビアを!お楽しみにぃ!
------------------------ コックピットから その8 「Air Speed」「ALTITUDE」「STALL」 【Air Speed】
「飛行機の速度計は…速度を示していない!」「へーへーへぇーっ…!」(笑)
飛行機の速度計と車の速度計には、大きな違いがあるのをご存知でしょうか?まあ機構的にも全く違いますが、それよりも大きな違いは、示している速度が違うことなのです。車の場合は、地面に対する速さを示していますよね!時速100キロメートルで走っている場合、目的地まで100キロメートルなら、到着は1時間後となります。飛行機はピトー管(写真○印)という機械で速度を感じます。自転車に乗って、ゆっくり走る時と、全速で走る時では、体で感じる空気の抵抗は違いますよね?この圧力変化を飛行機は速度に換算しています。また高原では、空気密度が低くなるのは経験上ご存知だと思います。これらの組み合わせで飛行機の速度計は、その高度の空気の密度に対する速度を示しています。
うーん、ちょっと難しいかな?それでは、超具体的にお話しましょう。車で速度計が時速100キロメートルを示しています。この場合走っている場所が、海沿いの道路であっても、山の上のスカイラインであっても、時速100キロメートルですよね!しかし飛行機の場合は違うのです。同じ速度を示していても、高度が違うと、実際の速度も違ってくるのです。飛行機が地上付近で200キロメートルを指示して飛んでいるときは、時速200キロメートルですが、高度が約10キロメートルだと、同じ200キロメートルの指示でも実際の速度は時速350キロメートルぐらいなのです。
ですから目的地までの飛行時間を計算する場合は、先ず計器を見て速度を読んで、計器の誤差補正をして、それに高度補正のために温度補正と密度補正をして、対地速度を求めてから、飛行時間を算出しなくてはいけません。風がある場合はさらにその補正もしなくてはいけません。「それなら今はコンピューターが発達してるんだから、最初から対地速度計にして表示すればいいじゃん!」っと思われる方も多いと思います。でもこれも大きな間違��なのです。
パイロットが最も必要な速度は、コックピット内にある計器の速度で、対地速度ではありません。その理由は飛行機の特性が、この計器に表示される速度で決まるからです。地上付近で、計器時速200キロメートルで失速する飛行機は、高度10キロメートルでも計器時速200キロメートルで失速します。ですから操縦する上においては、対地速度はあまり必要ではなくて、あくまでも計器が示す、空気の密度に対する速度が必要なのです。
一般の乗客の方は飛行機の速度は車と同じだと思って話を聞いているし、パイロットは、特性を示す計器速度だと思っているし、技術者は性能計算用の等価対気速度だと思って話をします。ですから、この3者で話が全く通じないのは当然です(笑)。
「速度計、ガッテンしていただけました?」「ガッテン ガッテン ガッテン!」おっといつのまにか番組が違っていますぅ。
【ALTITUDE】
今度は、高度計のお話です。飛行機は、毎日同じ高度を飛んでいるのではありません。それは、飛行機の高度計が気圧高度を使っているため、気圧の高い日は、同じ高度計指示でも高い高度を、そして低い気圧の日は、低い高度を飛んでしまいます。この結果、飛行機の飛行高度は実際の高度とは違うのです。「ん?なんか危険な香りがしますよねー」。富士山の高さが3,776メートルだからといって、高度計で3,800メートルだから絶対ぶつからない!と思うのは危険です。地球上の気圧変化を考えれば、最低でも500メートルぐらいの違いはあると思って飛んだほうが無難です。しかし飛行機同士の場合は、同じ理論の高度計を使っている筈なので、同じ場所で、違う高度指示ならば衝突することはまずないでしょう。将来、実高度や対地高度で飛行する機体が出てきたときには、高度計も考え直さなくてはいけないかも知れません。
【STALL】
次回は、飛行機で避けて通れない失速のお話です。本格的飛行機の特性のお話です。かなり専門的用語の多発が予想されます(笑)。事前に是非とも航空工学書の1冊でも読破しておいてくださいねー!それではー。
------------------------ コックピットから その9 「STALL」 【STALL】
今回は、お約束どおり失速のお話です。通常の会話で「失速しちゃったよー」というのは、それまでのペースが急に落ちた時や、なんかやる気が無くなった時などに使いますが、飛行機の失速はそんなに甘いものではありません。イメージとしては、高速道路を車で快適に走っていて、ある速度を切ると、突然道路がぬかるみになってしまうような感じです。
飛行機は、皆さんが想像されているよりも、空気にしっかりと支えられています。普通に飛んでいる限り、飛行機を支えている空気と、車が走っている道路と感覚的違いはありません。むしろ空気の方が安定していて揺れもありません。あたかも 平らな氷の上を滑っているような感じです。しかし一旦ある速度を切ると、それまでしっかりと飛行機を支えていた空気が、突然普通の空気になってしまうのです。こうなると飛行機はただの金属の塊です。地球に向けて一直線に落ちていきます。
それでは実際に、飛行機を失速させてみましょう。基本的には速度を減らしていけば良いのですが、失速後のことを考えると、飛行機の形態、エンジンの推力、補助翼などの中立位置、失速した瞬間の姿勢、残燃料量など、多くの条件を我々に有利にしておかなくてはいけません。これを間違えると取り返しがつかなくなる可能性があります。それと当然十分な高度が必要です。
予想失速速度の1.3倍ぐらいの速度からスタート��ます。通常はエンジンを絞っていけば徐々に減速していきます。先ず現れる現象は、バフェットと呼ばれる現象です。主翼で剥がれた空気が、胴体や水平尾翼に当たって、機体全体を振動させます。この大きさは、飛行機によって異なっていて、心地よい振動から、飛行機の構造物を壊してしまうような振動まで様々です。一般的には失速速度の1割程度前から発生して失速まで継続します。
「おーこれがバフェットね!おもしろいじゃん!」ってなことを考えていると、失速は突然やってきます。失速そのものの現象は、単に機首が真っ直ぐ下に落ちるものから、機首が横に流れて激しい回転運動を始めるものまで、千差万別です。いずれにせよ一番の問題点は、突然来ることです。「ありゃー」などと思っている時間的余裕はありません、直ぐに定められた手順で回復操舵をしないといけません。5秒も迷っていれば東京タワーの高さぐらいは簡単に落ちてしまいます。
もし、ここで高度に余裕があって、さらに探究心があるならば、さらに操縦桿を引き続けます。おまけで操縦桿を左右どちらかに最大操舵して、反対側のラダ-を踏み込みます。すると「ゴー」という音と共に激しく揺られて、上下左右何がなんだかわからないような運動に入ります。そこで手足を緩めても、同じ激しい運動が続くようなら、スピンモードに入っています。通常スピンは、自然現象として安定しています。木の葉がゆらゆらと揺れながら落ちて行くのと同じです。違いは木の葉が数グラムなのに対して、飛行機は数十トンなだけです(笑)。スピンは、何も対応しなければそのまま継続します。このとき計器類を見ると、姿勢指示器はぐるぐる回り、高度計は読み取れない速度で減少し、速度計だけは極めて低い速度で安定しています。運動が激しい場合は飛行機の構造を破壊しまので適当な所で止めるのが得策です。
スピンモードからの回復操舵は、飛行機によって全く異なります。そのため十分な予習が必要です。スピンを抜け出すと、自動回転運動というのに入ります。これもスピンだと思って、さらに回復操舵をしてしまうと、好ましくないモードに入りますので、正確な状況判定が必要です。自動回転運動に入ると、速度が増加してきて、失速領域から自然に抜け出すことができます。
失速自体は、それほど危険なモードではありませんが、離陸直後や着陸前などは、失速速度の2~3割程度の余裕速度しかありません。ここで何らかの原因で、ちょっとでも減速してしまうと失速してしまいます。ですから、パイロットは離陸後3分、着陸前5分は最高に緊張しています。うーん 今回はちょっと難しかったかな?先月号の予告どおり予習していました?(笑)
次回は、その離着陸の緊張をお伝えしたいと思っています。ご期待ください。
------------------------ コックピットから その10 「Take Off」 【Take Off】
今回は大空への第1歩である離陸についてのお話です。
離陸は飛行機を操縦する上では、比較的やさしいい操舵になります。しかし、その代わりにパイロットには多くの即断が要求されます。それでは実際に、戦闘機を使って離陸してみましょう。
滑走路進入許可をもらって、ゆっくり滑走路に進入します。この時には着陸しようとしている飛行機がいないか、そして滑走路上に障害物などはないかを、自分の目で確認します。またここで大切なのは、出来るだけ滑走路を長く使えるように���無意味に前進しないことです。通常軽装備の戦闘機は4~500メートルで離陸してしまいます。大型民間機でも2,000メートルもあれば離陸します。しかし普通滑走路は3,000メートルもあります。それなのに何故、滑走路は長く使える様に、進入するのでしょう?それは、離陸を断念して、停止するための滑走路長を確保するためで、飛行機は離陸するのに必要な長さの倍以上の距離が停止するためには必要になるからです。
滑走路に進入して停止したら、しっかりブレーキを踏んで、針路計や磁気コンパスを確認します。次に、エンジンチェックを実施します。先ずは、手順書に示されているパワーまでスロットルを進めます。エンジンの計器を素早く読み取って、正常に動いているかどうか確認します。エンジンチェック中に、電気系統、エアコン系統なども確認します。さーって 飛行機はOKなようです。そして管制塔から離陸許可が来ました。離陸です。
再度前方に障害物などがないか確認します。指定されたパワーにして、ブレーキを離します。ゆっくり飛行機は動き始めます。動き始めたのを確認したら、100パーセントパワーにします。このときにも、エンジン計器を確認するのを忘れてはいけません。100パーセントパワーにすると、急に飛行機は加速し始めます。そして必要ならば、スロットルをアフターバーナ領域へ進めます。急激な加速感と、エンジンノズル計器の開きが、アフターバーナへの正常点火を教えてくれます。ブレーキを離してから約5秒後、すでに飛行機は、時速100キロメートルを軽く超えています。空中まであと数秒。
しかしこの付近で飛行機は一番不安定なのです。滑走中は3輪車、そして空中へ飛び出せば飛行機、その変化点なのです。ここで最も影響するのが、風です。特に横風は地上を離れようとしている飛行機にとっては、「嫌がらせ」以外の何ものでもありません。僅か数メートルの横風でも、この場所ではパイロットを真剣にさせるのに十分です。
また、戦闘機にとってはこの地点が大きな決心ポイントです。これまでに機体に異常があれば、離陸を中止して、残滑走路上で止まることを決心し、この点を過ぎてしまえば、何があっても飛び上がらなくてはいけません。(厳密には、もうちょっと複雑な計算が必要ですが…)
さて 離陸速度が近づきました。ゆっくりと機首を引き上げて、離陸姿勢にします。この操作を急激にしたり、過度にすると、思いもかけない事態が発生しますので、細心の注意が必要です。離陸姿勢を維持していると、自然に飛行機は浮きあがります。浮揚を確認して、脚とフラップを格納します。その間も、飛行機はどんどん加速していきます。そのままの姿勢では、滑走路エンド上空で、音速を超えてしまいます。(笑)そこで、決められた上昇速度になるように、機首をさらに上げて速度を維持するようにします。しかしながら今の戦闘機は、膨大な推力があります。速度を維持しようとすると、機首がどんどん上がって、最終的には垂直になってしまいます。搭載物の無いF-2などは真上を向いても加速していきます。そこで適当なところで、アフターバーナをキャンセルして 音速の0.9倍ぐらいの速度で上昇するのが良いでしょう。
これが一連の離陸になりますが、ブレーキを離してから15秒程で、全ての離陸操作が終わります。この間に、パイロットは環境の変化を素早く感じ取って、状況に応じた操舵をしなくてはいけません。そして、この間一瞬も気を緩めることができないのです。ある程度高度が取れれば、やっと、ちょっとひと安心です。
次回は、さらに難しい着陸についてです。飛び上がってしまった飛行機は、何が何でも降ろさなくてはいけません。さて、どのような事態が発生するのでしょう。お楽しみに!
------------------------ コックピットから その11 「Landing」「Final」 【Landing】
着陸は飛行の最終段階です。そして、飛行中一番天候の影響を受け、また飛行機の速度が極めて低く且つ地上に近いために、瞬時の判断の遅れなどが航空事故を引き起こす可能性が最も高い部分でもあるのです。これらの理由から、着陸はパイロットに瞬時の正確な判断が要求されます。
実は、パイロットは離陸する時から、着陸のことは考えています。なぜなら、一度飛び上がってしまえば、何があっても必ず着陸はセットになっているからです。他のミッションは飛行機の状況などで中止が可能ですが、着陸だけはパスできませんからー(笑)。
滑走路の手前約2キロメートル程度からが勝負になります。ここまでは、飛行機の種類や、飛行方法によって様々ですが、この先は、どんな飛行機でもほとんど同じです。それでは実際に着陸してみましょう。接地まで30秒前の地点からです。
ここまでに、自分の飛行機が、着陸できる形態になっているかを確認します。次に飛行場の状況を確認します。特に、気象状況、他機の状況は大切な事項です。これら全てを確認し終えて、着陸操作に専念します。
着陸のための滑走路への接近でやるべきことは、滑走路延長線上を、決められた降下角度で、決められた速度で飛行することです。ですから、この3つの条件さえ満足できれば、着陸は簡単です。しかし「そうは問屋が許しません」(かなり古い表現?)。それは、これら全てが関連しているからです。1つがズレたので直そうとすると、必ず他の2つが乱れるのです。その上、地上付近の風は複雑なので、常に飛行を邪魔しようと狙っています。
1例を見てみましょう。正面に滑走路が見えます、風が右前方から吹いています。飛行機はだんだん左に流されます。そこで右に飛行機を戻すために、浅い右傾斜で飛行機を右に持っていきます。しかしそれと同時に飛行機の向きも右を向いてしまいます。この修正に今度は左ラダーを踏んで飛行機を滑走路方向に向けます。すると今度は揚力の減少と向かい風成分のために、思っていたよりも多くの高度低下を招きます。それを修正しようとして、機首を上げると今度は速度が減ってしまいます。そこでパワーを足します。このように着陸は、修正操舵の繰り返しになります。修正が遅れると、修正量が多くなって、失速ぎりぎりの速度で飛んでいる飛行機にとっては、より危険な状況に近づく可能性があります。
そうこうしていると、滑走路は目の前に迫ってきます、このままでは、かなり激しく滑走路に接地してしまうので、徐々に降下率を小さくして、できるだけソフトに接地させるように操舵します。この辺の操舵は、ほとんどパイロットの経験と勘です。自分のタイヤと滑走路の距離があとどれぐらい残っているかを肌で感じるのが大切で、その許される誤差は数センチメートル程度だと思います。10センチメートルも勘違いしていると、「ドシャン」と接地してしまいます。まあこれでも特に問題はないのですが、プロ意識が許しません(笑)。
接地したからといって安心してはいけません、飛行機はまだ時速300キロメートルぐらいありますので、不意に横風を受けたり、ちょっと操縦桿を引いたりするとまた飛び上がってしまいます。時速150キロメートル以下になるまでは飛行機です。そこで、早急に減速する必要があります。減速方法は色々ありますが、一番簡単なのが、車と同じブレーキです、しかし20トンの��さで時速300キロメートルの機体を止めるのはかなりのテクニックが必要です。残りの滑走路の長さを確認しながら、自分の飛行機の速度を徐々に減らしていきます。時速100キロメートルを切ればひと安心です。ちなみにブレーキは、左右別々です。右ペダルは右ブレーキ、左ペダルは左ブレーキです。このためパイロットは、飛行機を滑走路上で直進させるために、左右のブレーキをちょうどいい具合に加減しています。すごいでしょ?(笑)。
着陸で、着陸操舵よりも大事なことがあります。それは着陸復行です。着陸をやめて、再度着陸進入するための操作です。この決心は早ければ早いほど安全です。着陸に何らかの疑問や不安を感じたら、直ちに着陸復行して着陸をやり直すべきです。ここで迷うのが一番危険です、着陸しようかどうしようか迷ったら着陸中止!こうパイロットは決めています。これが、安全への第一歩です。
【Final】
すでにこの連載も、あと1回を残すだけとなりました。次回は最終回!さーって、何をお伝えしましょうか?ご期待下さーい。
------------------------ コックピットから その12 「EMERGENCY」「Knock It Off」 【EMERGENCY】
緊急状態は、通常状態でないときです。あたりまえの話ですが…。飛行機にとっては、日常茶飯事です。機体の故障ばかりではありません。天候の悪化や、パイロットの体調不良、地上支援施設の故障など様々な状況が考えられます。
緊急事態が、発生したときの原則は、 (1)飛行機の操縦を続けなさい (2)状況を正確に判断して、適切な手段をとりなさい (3)出来るだけ早く、着陸しなさい 先ずはこの3つがあります。
あなたは、今空を飛んでいます。突然、何らかの警報灯が点灯します。同時に警報音や、機体に変化が生じます。これはかなりラッキーです。なぜならば、警報灯が点灯するということは、設計段階から予想されていた故障だからです。このため妥当であろう手順が、すでに作られています。しかし一番厄介なのは、警報等などが点灯しないけど、「なんか変だなー」と、感じるときです。機体後方から「コツン」と音がしました。車ならその場に止まって、後方を確認しに行けばいいのですが、飛行機では不可能です。ここからは、パイロットの知識量と経験に基づく判断が、その後を左右します。
原則(1)は、極めてあたりまえのように感じますが、原因追求に頭がいってしまうと、つい忘れがちになります。実際に脚の警報灯の球切れで、それに全員が集中して落ちてしまった機体もあります。ですから、何が起こっても、先ずは飛行機の操縦に意識を向けていることが大切になります。
原則(2)は、簡単に書いてありますが、かなり難しい原則です。「コツン」と音がしたのを考えても、その原因は、山ほど考えられます。そしてその状況判断を間違えると、間違った対処手順を実施してしまいます。私の恥ずかしい経験では、射撃終了で目標から離脱したときに、発電機の警報灯が点灯しました。「ありゃー 電源故障だー」「発電機リセット!」「あれー?リセットできない」「完全に発電機壊れちゃった?」「もーやっぱ○○製品はだめだね!」なんて思っていると。「ん?なんでエンジン温度が低いの?」「あれぇーエンジン止まってるジャン!」「エンジン止まった警報等をつけて欲しいよねー」。
原則(3)は、状況はその後どうなるかわからない���で、出来るだけ早く降りるのが得策です。���のためパイロットは常に、ここで何か起こったら、どこに降りようかを考えています。言い換えれば自分がその日に飛ぶコース近くにある飛行場については事前に調べてあるのです。そして、何かあれば直ぐにそちらに機首を向けながら、状況の判断を始めます。
飛行機を操縦する上で大切なのは、あらゆる面で余裕を持つことです。知識・技量はもちろん、心も体も、そして時間にも余裕を持つことが、安全への第1歩です。ぎりぎりでやっていると、何か発生したときに直ぐに限界がきてしまいます。そして、状況を判断するときには、1つの原因に限定せずに可能性があるものは、全て念頭に置くべきです。
【Knock It Off】
さて、今回で私の連載も終了になります。1年間、中年パイロットのたわごとに、お付き合いしていただきましたことを心から感謝いたします。
自由に大空を飛びまわる、この憧れは人類の永遠のテーマです。ライト兄弟が初めて飛んでから約100年、そして今、私たちはその一部分を手に入れました。しかし、まだまだ大空は限られた人々だけの特別な世界です。飛ぶためには、特殊な機械と、それを操る特別な技術が必要です。このために、多くの人々がこれを支えています。そしてあなたもその大事な1人なのです。
それでは、またの日まで…「R.T.B.」(Return To Base)
------------------------ コックピットから その13 「ENGINE START」 以前の連載から約10年、思うところあって連載を続けることになりました。よろしくお願いいたします。今回は開始ということで、スタートから!
【ENGINE START】
一世代前の戦闘機のエンジンスタートには、それなりの装置と知識と技量が必要でした。たとえば、F-4とかF-1にはスターターが搭載されていません。ですから、何らかの理由で、その飛行機を運用していない飛行場に着陸してしまうと、エンジン始動ができないので、飛び上がるには、かなりの時間と努力が必要となります。また、それ以前の戦闘機では、エンジンスタート中、常にエンジン温度をモニターして燃料量をパイロットがコントロールしなくてはいけないので、素人さんにはちょっと無理でした。
しかし、最近の機体のエンジンスタートには、特別な装置や技量・知識は全く必要ありません。だれにでも簡単に、エンジンスタートが楽しめます。それでは実際に、エンジンを始動してみましょう。でも、キーを入れて回すだけでは動きませんけどね!
その前に、確認すべきことがあります。まずは自分の機体内の状況です。戦闘機は、エンジンが動くまでは単なる高価な金属の塊です。操縦桿を動かしても、引き金を引いても、脚ハンドルを上げても、何も起こりません。動いているのはゼンマイ仕掛けの時計ぐらいです。特にF-15などは、バッテリーも搭載していないので、どこのスイッチを操作しても、電気的には何も起こりません。
しかし、エンジンが回ると、電気と油圧が供給されて、戦闘機は生き返ります。この瞬間が結構やばいんです。仮に、何かのスイッチが入ってたりすると、即座に作動して好ましくない状況が発生する可能性があります。もしかすると、皆様も時々やってしまっている、車のエンジンキーを回したらワイパーが動いてしまったとか・・・・ウインカーがカチカチ作動してしまったとか・・・この手の事象です。
まあ、設計者も操縦者を信じていないので、簡単には作動しないようには作ってあります。しかし、その安全装置がもし壊れていたりすると、とんでもないことが起こってしまいます。エンジンをかけたら、脚をたたんでしまったとか、ミサイルが出てしまったとか・・・・車のような笑い話では済まなくなってしまいます。これを防ぐには、やはり真面目なスタート前点検が必要となります。
次に確認すべきことは、飛行機の周りに固定されていない物が無いかどうかです。仮に、空気取り入れ口付近に、小石や工具などがあれば、必ず吸い込みますし、機体後方に車や人がいれば、必ず吹き飛ばします。このようにして、まずは、飛行機の内側と外側の安全を確認してからのスタートになります。それでは、待ちに待ったエンジン始動です。
どんな戦闘機でも同じですが、前方に「START」と書いてあるスイッチがあると思います。その形状は色々あって、倒す場合もあれば、押す場合もあれば、ハンドルを引く場合もあります。いずれにしても「START」と書かれていると思います。これをそれなりに操作します。
すると、「ぷしゅ~っ」と音がして、圧縮空気が流れて、軽く振動が伝わってきます。これは、エンジンを動かすための小型ジェットエンジン(JFSと呼ばれます)が作���したことを意味しています。JFSがスタートして数秒で、電気が流れ始めます。これでやっと、飛行機は目覚めて、計器や警報等が使える状態になります。
言い換えれば、ここまでは機体のどこかが壊れていても、油が漏れていても、火災になっても、何の警報も出てくれないのです。
その上この瞬間に、全ての電子機器に電気が流れるので、各機材が自己診断を始め、多種の警報や音が無意味に発生するのです。まあ慣れてしまえば、心地よいBGMに聞こえてきますがね!「ぴ~~うおーにんぐ!ヒャラヒャラこ~しょんぴろぴろふぁいや~ぽろんぽろんぴんぽ~んロック!びんご~・・・・etc」これに対しては適当に「は~い」と答えておけば良いでしょう(笑)。
JFSが安定したら、この力をエンジンに送る操作をします。すると、エンジン回転計が動き始め、ゴトゴト音がして、エンジンが動き始めたのが分かります。ジェットエンジンの回転数は、車などのレシプロエンジンと違って、最低回転数でも毎分数万回転です。安定するまで1分ほどかかります。
IDLEで、エンジンが安定してしまえば、もう心配はいりません。戦闘機のエンジンは、燃料がある限り、何があっても回り続けます。最近の機械では少しでもなにか変だと、自分自身を守るために勝手に止まってしまう機材がありますが、戦闘機のエンジンは違います。、自分がぼろぼろになるまで最高出力を出し続ける努力をします。
ですから、戦闘機でエンジンが止まってしまったら、それはもう何をしても動かないと思えば良いでしょう。それなのに、空中再始動手順ってあるんですよね~(笑)。まあ、何らかの理由でパイロットが故意に止めてしまった場合は、この手順に従って、再始動しなくてはいけません。
また、車のような、押しがけも可能です。皆で力をあわせて時速400kmぐらいまで加速して、上記の再始動手順をすれば、問題なくエンジンは始動するはずです。
これでエンジンスタートは完了です。エンジンをかけるだけならほんの数分ですが、飛ぶまでには機能チェックや各種点検など、やるべき事がたくさんあります。通常戦闘機は、乗り込んでから離陸開始までに30分~40分かかります。ですから、近所のコンビニにお菓子を買いに行くには、ちょっと不向きかもしれません���。
こんなに時間がかかるのに、5分以内に離陸するスクランブルにはどうしているのでしょう? この疑問には次回お答えしましょう。
------------------------ コックピットから その14 「SCRAMBLE」 【SCRAMBLE】
それは、「じゃ~~~ん」という、けたたましい非常ベルの音から始まります。 とりあえず、パイロット、整備員、武器員の全員が、飛行機に向かって全力で走り出します。 「何をやっていても、ベルが鳴ったら、向こう側の扉に向かって走る!」これだけを体に覚えこませています。
皆、走りながら、次にやることを考えています。 パイロットは、装具をつける順番、エンジンスタート手順などを思い出しています。 整備員は、発進手順や武器のアーミング方法などを思い出しています。
10秒後には全ての人間が決められた位置に到着して、息を整えながら、エンジンスタートのために動き始めます。この辺からやっと、脳みそが動きはじめます。ここまでは単なる条件反射です。ワンちゃんが、ピンポンが鳴ると、とりあえず吠えながら、玄関に走っていくのと同じです。
アラート勤務についていた頃は、大きな音がするだけで、体が反応して、いつもビクンビクンしていました。普通の日でも、飛行隊の中で金属製のお盆でも落とそうものなら、パイロット全員が瞬時にその場に立ち上がります。しかし、その後、そいつは先輩の方々からボコボコにされてしまいますがね!
さて、スクランブルに話を戻しましょう。エンジンスタートは通常手順とほとんど同じです。但し、F-4だけは両エンジンほぼ同時にスタートできるので、時間は通常の半分になります。エンジンを始動しながら、ハーネスなどの装具を着けていきます。この順番を間違えると、全部外して、最初からやり直しになります。ヘルメット、股帯、胸帯、シートベルト、脚帯、Gホースなど、これらを全てつなぎます。つなぎ終えた頃、エンジンはIDLEで安定します。ここまでで約2分、残された時間は3分です。
ほとんどの電子機器は、最初からONにしてありますが、ある種の電子機器は、色々な理由で、エンジンスタート後に電源を入れなくてはいけません。その代表がINS(慣性航法装置)です。ここで少し、INSについてご説明いたします。この装置は常に飛行機にかかる加速度を感じています。それを積分して、速度にして、さらにそれを積分して、距離にしています。まあ理論的にはわかるような気もしますが・・・・(笑)。
このINSの自立が一番時間がかかります。普通にINSを立ち上げると、7~8分かかります。それはジャイロの回転が安定して、地球の自転を感知して真北を探し出すのに、これぐらい時間が必要だからです。これでは5分以内の発進には間に合いませんので、事前に北の方向だけは、INSに覚えこませておきます。これだと2分程で、立ち上げることができます。その上、現在はジャイロも機械的なものから光学的なものに変わっているので、さらに立ち上がりは早くなっています。
このように、スクランブル用に準備された機体は、すでに全てのチェックが終了している状態でスタンバイしているので、エンジンをかけさえすれば、飛行可能状態になります。
エンジンも安定し、アビオニクス関係の自動チェックが終了すれば、発進可能です。飛行機OKのサインを整備員に送ります。すると今度は、武器員の出番になります。アラートは実任務です。本物の武器を搭載しています。ミサイル、ガンなどを発射可能な状態にします。こ���をパイロットが確認をして、発進準備完了となります。
発進は通常最優先で許可されます。アラートハンガーを出て滑走路に入って、スロットを最大位置にします。そしてエアボーン。1番機が地上を離れた瞬間が、5分以内でなければいけません。
飛行機が飛び上がっても、アラートハンガーに静寂は戻りません。すぐに、次に発進させるべき飛行機の準備にとりかかります。10分ほどで次の飛行機の待機が完了して、全く同じ待機が始まります。このため、アラートハンガーには常に4機の戦闘機が準備されています。
スクランブルは訓練ではありません。実任務です。世界的には、戦闘時間に計算されます。私の飛行履歴書には戦闘時間92時間と記載されています。このため、米国へ行ったときなど「どこで戦ったの?」とか聞かれて、答えに困ったことがあります。
また、実任務のゆえに、天候が極めて悪くても決行されます。通常飛行機は、着陸時の天候を判断して飛行します。しかし、スクランブルは着陸可能な飛行場がなくても、離陸命令が出ます。民間機の場合、いくら日本が小さくても、国内の全ての空港が天候などのために閉鎖になっている事は考えられません。福岡に降りようとしたけど、お天気が悪いから、羽田にしようとか、千歳にもどろうかな~とか変更可能です。しかし、戦闘機は足が短いので、名古屋に降りようと思っていたのにお天気が悪いと言っても、変更できる飛行場は、浜松か岐阜ぐらいに限られてしまいます。こうなると、降りられる飛行場が全く無いのと同じになります。それでもスクランブルは命令されます。
離陸上昇フェーズが終わって、通常の管制機関から離れて防空管制に移行すると、任務開始です。飛行機を最短会合点まで進めます。離陸から十数分で、自分のレーダーに相手が映ります。徐々に距離を縮めて接近します。そして最終的に、相手機の真横の日本領土側に位置します。2番機は相手機の後方で、かつ、やや上方に位置して、いつでもミサイルを発射できる位置に占位します。もしかすると、第3次世界大戦の始まりが、今なのかもしれません。かなりの緊張です。
ここで大事なのは本気であることです。向こうも本気です。冗談とか遊びではないことです。2番機は、1番機が落とされたら、必ず相手機を落とさなくてはいけません。
幸いなことに、わが国にはスクランブルから戦闘行為が始まった歴史はありませんが、世界的には戦争の始まりが、スクランブルからの場合も多いのです。
(今回の写真は、デュラム氏のご協力を頂きました。)
次回は、戦闘機に搭載されている機銃は当たるのか? この永遠のテーマに挑戦です。
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コックピットから その15 「AIR to AIR GUN」 【AIR to AIR GUN】
今回は、GUNによる空中戦についてお話しましょう。
第2次世界大戦までは、飛行機同士の戦いは鉄砲だけでしたが、それ以降はミサイルが加わり、今ではミサイル戦が主流になりました。このように、搭載武器は時代とともに変化しています。さて、30年ほど前のお話ですが、私が米国でF-4に搭乗したときの出来事です。
写真:GUN 1対1の空中戦訓練でした。相手とヘッドオン(正面同士)で交戦に入りました。相手が私から見て、右に急旋回したのが見えました(相手としては左急旋回)。��こで私も、右に上昇急旋回。上昇すると速度が減り、 旋回半径が小さくなって、 相手の後ろに入りやすくなります。180度回ると、 また相手とヘッドオンですれ違います。この瞬間に旋回を切り返して、お互いに逆の旋回に入ります。これを繰り返して、S字を描きながら絡み合うのがシザースです。
この結果、僅かでも相手の後ろに入れれば、GUNを撃つことができます。運よく私は、相手の後ろ2000フィートに位置できました。「そこでGUNを選択!FOX-III!」とCALLしようとすると、後席の米軍のパイロットが大笑いするのです。「ちみは何をするの?」
私が日頃乗っていたのはF-4EJ、米国で乗ったのはF-4D、ほとんど同機体ですが、決定的に違ったのは、F-4DにはGUNが装備されていないのです…(大汗)。ですから、近接戦で使う武器を持っていないのです。
飛行後のブリーフィングで、飛行隊内は大爆笑!「さすが日本人はすごい!空中で飛行機から出てナイフで戦うのかと思った」と…。
写真:GUN ベトナム戦争での教訓から、F-4E以降の戦闘機には、20ミリメートルの機関砲を搭載するようになりました。その多くは、油圧もしくは電動モーターで作動する回転式機関砲です。砲身は6門あり、これが回転しながら弾を発射します。
発射速度は毎分6000発程度となっています。弾自体は、マッハ3~4ぐらいで飛んでいきます。毎分6000発ですから、1秒間に100発撃ちます。射撃感覚は「バン・バン・バン」という感じではなく、「ブーン」という振動と音になります。また、1回の射撃は1秒間ほどになります。
戦闘機のGUNの照準は、先ずは相手をレーダーでロックオンして距離を測ります。 次に自分の機体にかかっている荷重から、相手の運動を推測します(相手を追い続けていると仮定して計算)。その状態で、着弾時間を計算して、その時間で移動するであろう相手の予想位置に重力落下分を加えて、HUD(ヘッドアップディスプレー)に 照準点として表示します。パイロットはその照準点を、実際の目標の飛行機の上に乗せることで、銃の方向は相手の将来位置に着弾するようになります。
戦闘用計算機は正確なデータさえ与えれば、確実に正解を出します。第2次大戦中に戦った戦闘機はレーダも積んでないので、曳光弾を見ながらの射撃でしたが、通常弾と曳光弾では、その重さも空力特性も違っているので、弾道が違ってきます。実際は参考程度にしかなりませんでした。結局、空中での射撃は100パーセントパイロットの勘で撃っていましたので、まさに神業です。
このように考えて行くと、計算機制御の機関砲って、なんか当たりそうですが、そうは問屋が許してくれないのです。
音速の3倍で飛んでいる弾は、1秒間で100発撃っても、その弾の間隔は約1000メートルに100発ですから、10メートルおきに1発存在している計算になります。これは直線飛行をしているときの計算ですが、実際は急旋回して戦闘するので、角速度がこれに入ります。戦闘加重時は50メートルに1発程度の密度になります。戦闘機の大きさはせいぜい20メートルほどですから、戦闘機から見���ば、弾はかなりまばらな感じで撃たれている感覚になります。
写真:GUN その上、計算機で行��照準は、その計算と表示に4秒ほどかかります。相手が4秒間安定した機動をしてくれた時は正確ですが、そうでない場合は、最初から照準点は 不正確となります。ですから、4秒に1回何らかの回避機動をすれば、 照準は定まりませんので、 ��の当たる確率はほとんど0パーセントとなります。強いて言えば、もし運悪く相手の弾に当たってしまった時は、日頃の行いのせいかもしれません。
これらをまとめて考えると、ほぼ同性能の戦闘機同士の戦いで、相手をGUNで落とすことは、ほとんど不可能になります。ですから、対空武器としては、GUNはお守り程度の効果があると思えば良いでしょう。
但し、相手が動かないものとなると話は違ってきて、GUNは極めて有効です。相手がトラックならば、100発撃てば50発は当たるでしょうし、全速で走っている戦車でも 30発は当たると思います。相手が駆逐艦程度の船ならば、90発は命中するでしょう。その上、20ミリメートル弾は鉛の塊ではなく、中に火薬が装填されていて、命中後、爆発するので、その威力はかなりなものです。
このように対戦闘機戦闘では、GUNはそれほど有効な装置ではありません。最も有効なのは、ご存知のようにミサイルになります。
(今回の写真はMasato氏のご協力を頂きました。)
次回は、このミサイルについてお話しましょう。
------------------------ コックピットから その16 「MISSILE」 【MISSILE】
今回はミサイルのお話をしましょう。
まずはイメージを作りましょう。
あなたは学校の校庭の真ん中に立っています。 校庭の端には野良犬が1匹います。 何故か、あなたは野良犬と目が合ってしまいます。すると、野良犬が突然うなりながら、あなたに向かって走りだしました。 あなたなら、どうします? これがミサイル戦の始まりです。
対戦闘機戦で、最も有効であろう武器がAAM(空対空ミサイル)です。 F-15世代の戦闘機のほとんどは、8本のAAMを搭載することができます。4本のMRM(中距離ミサイル)と4本のSRM(短距離ミサイル)です。
また目標1つに対して、2本のミサイルを発射するのが基本ですから、1機の戦闘機は4回のミサイル射撃が可能となります。何故2本撃つかと言うと、1本のミサイルの撃墜確立が80パーセントだとすると、2本目は1本目で外した20パーセントの80パーセントを落とせるので16パーセントとなります。こうなると、2本で96パーセントの確立で相手を撃墜することができるので、かなり有効な手段となります。仮にもう1本撃ったとしても、残りの4パーセントの80パーセントが落とせるので、さらに3.2パーセント増となりますが、1本目と2本目に比べて大変少ない数字になるので、あまり意味を持たなくなります。そこで通常は、1目標に2発撃つのが妥当とされています。これは撃つほうの理論です。
ここで、先ほどの野良犬に話を戻しましょう。あなたは犬に追われています。さてどうします?先ずは反対側に走り出します。時間稼ぎです。走りながら考えます。どうしたらいいか…。 ポケットを探ると、お菓子が入っていました。犬に向かって投げてみます。ラッキーだと、犬はお菓子を食べ始めて、あなたを追うのをやめるでしょう。これがフレアー(火の玉)でしょう。ミサイルが赤外線追尾式だったら、これで逃れられます。 しかし運悪く、この犬が満腹だったら…。 次にあなたは上着を脱いで、それを放り投げます。犬がそれに向かって走ってくれれば、またまたラッキーです。これがチャフ(銀紙)です。これで電波誘導式ミサイルは向かってこないでしょう。
��のような方法でミサイルをだますのが、撃たれるほうの理論になります。それともう一つ、ミサイルの最大の欠点は惰性で飛んでいることです。ミサイルは数秒しか燃料がありません。長くても5秒程度です。このため通常は、慣性力だけで飛んでいます。 その結果、何回も飛行方向を大きく変えての飛行はできません。もしミサイルを1度、自分からそらすことができれば大成功です。なぜなら、そのミサイルが180度方向転換して追ってくるのは、映画の世界だけの話ですから。
しかし、これで安心してはいけません。ミサイルには近接信管というものがついていて、相手に直接当たって爆発するのではなく、近くに来たなとミサイルが感じた時に、勝手に爆発するのです。この爆発で小さな金属の破片が四方八方に飛び散って、その1つでも飛行機に当たれば、あなたはまともには飛べなくなります。
今回は空対空ミサイルの話でしたが、実際は地対空、水対空ミサイル等の多種のミサイルが、戦闘機に向かって飛んできます。パイロットはこれらに対して、有効であろう多種の方法を使って回避しなくてはいけません。
また、その回避行動は技術的に立証されているわけでもなく、パイロット間で伝説のように言い伝えられているものです。たとえば、「SA-3(地対空ミサイルの一種)が撃たれたら、白煙が見えてその先にミサイルがたぶん見えるから、その大きさがタバコの大きさになったらキャノピーの右端に置くようにして、最大Gで右降下旋回しなさい。」と言うような手順です。この手順で回避できたパイロットがいるのも事実ですが、帰って来れなかったパイロットもいるでしょう…。しかし、後者は証言できませんので、この手順が正解となってしまいます。
あんなこんなで、色々な攻撃から無事回避して任務を終了し、基地に帰ってきます。しかし、ここで安心してはいけません。それは味方の基地防空用のミサイルです。1人で操作可能で、肩に担いで発射するタイプの携行対空ミサイルです。これらの発射の最終責任者は携行者自身です。特に戦時となれば、情報も混乱するでしょう。目の前に突然戦闘機が現れたら、あなたならどうします?翼に日の丸が無いのを確認してから撃ってくれますか?
古来より矛盾という単語があります。現代に言い換えると、誘導弾と戦闘機になるのでしょうか。お互いの技術者は常に自分たちの技術の方が優秀だと思っています。でも現実はやってみないとわかりません。
パイロットの私としては、常に戦闘機のほうが優秀だと信じていますがね!(笑)。
次回は「そこまでしてダイエットするの?」 戦闘機の重さについてお話しましょう。
------------------------ コックピットから その17 「DIET」 飛行機は空中に浮かばなくては意味がありません。このため、1グラムでも軽く作らなくてはいけないのです。特に戦闘機にとっては、この1グラムで勝敗が決するといっても過言ではありません。
今回は軽量化への努力の中でも、超オタッキーな話題である脚のダイエットについてお話したいと思います。
飛行機にとって、飛んでいるときに全く必要の無いものは脚なのです。飛行中の脚は単なる無駄な重量物なのです。ですから、いかに脚を軽く作るかが飛行機の大きな課題の1つとなります。
軽量化の究極の答えは、離陸と同時に脚を捨ててしまう手段です。持って飛ばないのですから、めちゃ合理的です。ライト兄弟の「ライトフライヤー号」���第2次大戦中の「秋水」などが、この方法を取り入れました。脚は離陸と同時に、機体から外れて地上に捨てられます。これで身軽になり飛行を続けます。すごいアイデアです。着陸は、胴体下に取り付けられているソリによってなされます。かなり革新的な方法ですが問題が1つ…。
次の離陸に際しては何らかの方法で、再度脚を取り付けなくてはいけません。また、その装置と脚が準備された飛行場にしか降りることができません。ですから、極めて特殊な使い方の飛行機だけに許される手段となります。
そこで次に思いついたのが、脚をできるだけキャシャにして軽量化することです。通常の運航では、脚にかかる最大の荷重は着陸の時です。この際には、自分の重さの1.5倍程度の荷重が接地と同時にかかります。ですから、基本的にはかなり頑丈に作らなくてはいけません。
ここで技術者は考えました。 「そうだ!かなり軽くなってからじゃないと、着陸はしちゃいけないことにしよう!」
これなら、そこそこの強度があればOKです。たとえば、自重が10トンの戦闘機で、残燃料量が3トンの場合、重さは13トンです。この機体が着陸するときには、約20トンぐらいの荷重が脚にかかります。この重さに耐えれれば、飛行機としては着陸できるので、設計者はこの数字を目標に設計すればいいのです。
皆様も経験したことはあると思いますが、民間機などで離陸直後に何か問題が起こって、着陸しなくてはいけない状況でも、着陸するまでにかなりの時間がかかったという記憶がおありと思います。これは、離陸した直後の重量では重過ぎるので着陸できません。そのため、燃料をある程度使ってからの着陸になりますので、時間が必要となります。これほどまでにして、脚は軽く作ってあります。
さて、戦闘機の一般論を…。通常、自重10トンの戦闘機には、8トンぐらいの燃料が積めます。これとは別に、ミサイルとか爆弾とかも8トンぐらい搭載できます。全部合計すると26トンになります。
ここで 「それって、おかしくない?」 「さっき、10トンの飛行機が耐えれる重さは、着陸時の最大20トンだって説明したジャン!」 「それなのに全備重量が26トンって、すごい矛盾!」…っと思われた方は、このコーナーを熟読していて、かなりの戦闘機通と言えます。(笑)
これまではプロローグです。ここからが本日のメインテーマとなります。
20トンまでしか耐えられない脚を持った戦闘機に、合計26トンのものを乗せる。これが技術者に与えられた命題です。このままだと、地上で燃料と武器を搭載しただけで、脚が折れてしまいますので、絶対何らかの方法が必要となります。
簡単な答えは、「脚を強くしよう!」ですが、これでは今までの努力が無駄になりますし、だれにも「すごーいい!」って、言われません。飛行機を軽く作ろうという目標からもずれてしまいます。そこで技術者が次に考えるのは、最大離陸重量を脚の強度限界の20トンにすることです。
「燃料とか武器とかの合計を10トンにしちゃおう!」 「そうだそうだ。それがいいよ!」 「それじゃ、どうやって積む?」 「燃料を乗せるのやめちゃおう!」 「そうなると、搭載物を8トンにして残りの2トンを燃料に割り当てるようにしよう。」 「これで、みんな丸く収まるねー!」
ここで初めて、パイロット君登場。
「あのね。君らは知らないと思うけど、飛行機は燃料がないと飛べないんだよ!」 「えー そうなんですか?知らなかった…。」 「そんじゃ、武器とか下ろします?」 「それだと、何のために飛んでるか、わからないじゃん。」
まあ、この会話は100パーセント嘘ですが。(笑)このような矛盾が生まれてきます。
(撮影:謎の黄色さん)
そして、答えは…。
すでに上の写真でお気づきと思いますが、本当に武装関係は全部積んで、燃料はちょっとしか搭載しないで離陸します。離陸後は、脚の強度制限は関係なくなります。その状態で、空中で燃料を満載にします。この方法だと、機体の重量の最大設計限界の26トンまで重くすることができます。空中給油は、単に戦闘機などの行動半径を伸ばすためのものではなくて、燃料満載で且つ完全武装をした戦闘機を任務へ向かわせるために、絶対的に必要な装備なのです。
蛇足ながら、わが国ではフォーメーション飛行ができない人は戦闘機乗りには不適ですが、米軍では空中給油ができない人が、先ずエリミネートされます。だって、戦闘機が飛び上がって最初の仕事が、空中給油なのですから!
【EPILOGUE】
急ではございますが、長い間、老パイロットのたわごとにお付き合いいただきありがとうございました。 今回をもちまして、このシリーズを終了いたします。いままでお付き合いいただいた方々に深く感謝するとともに、さらなる航空技術の発展と飛行の安全を祈りつつ、ペンを置きたいと思います。
それでは Knock It Off! 、 RTB 、 Pigeon to Mama? (作戦は終了!、帰ろう、ところでおうちはどっち?)
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ワークライフバランスという言葉とは相性の悪い、自分のリミッターを外して集中すべき生き方が厳然とあるということ。研究者、アスリートのみならず、芸術家や起業家もそうだろうし、危機管理にあたる公務員や政治家もそうなのだろう。
さすらうものさんはTwitterを使っています
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暴風林さめざめ
ここ数日日記を書く気力がわかない日が続いた。日記を書かない日はたいてい「日記を書く」という発想自体がなく、つまり忘れていることが多いのだが、そうではなく「日記でも書いて寝ようかな、いや、無理だな、日記を書く体力はない」という感じで、失意のもとに「書けなかった」という有様だった。「書くことが思い浮かばない」と思った日は自動的に(無意識的にかつ意図的に)日記の存在を忘れているのだと思う。書くとなると、まあその日に起こったことを書けばいいわけだから、何かしらは書ける。ちなみに今は5:26で、0時に寝てから中途覚醒でこの時間である。疲れてぐったり0時に寝れる日もあれば、不穏なことに4時や5時まで眠れない日も出てきている。今日は眠れたほうなのでよかった。
睡眠に関してはよかったのだが、食欲が止まらない。爆食をする、というのではなく、暴食が習慣になってしまっている感じだ。常に何かを食べていたい。何かを食べて数時間経つと、まだお腹がすいていないのに、もう次のものを食べたくなっている。異常だ。クエチアピン服用期間のような状態にセルフでなっている。体重は減らず、体脂肪率も落ちず、トレーナーさんをがっかりさせる日々。今日もまた1日5食くらい食べてしまった。何がどうしてそうなっているのか?疲れているのか?ストレスか?不眠がぶり返していることから、なんらかのバランスが崩れていると感じる。
そんな中、昨日は「ヒートショックプロテイン」という、熱いドームのなかに入って汗をビシャビシャにかいて代謝をあげるという、ジムの付属コースのようなものに行ったのだが(そのあとトレーニング)、4時間睡眠だったのと、夜からの吐き気とで、ドームに入って20分経つ頃に、吐き気が限界���迎えた。吐いてはいないのだが、体中がじんわり「嫌な感じ」を発し、「死ぬ……?」と��ぜか唐突に思った。そういう場合は枕元のナースコールみたいなのを押してスタッフさんに告げなければならないのだが、もうどうせそろそろ終わるし、と思い我慢してしまった。それがかなり良くなかった。スタッフのとても優しいかた(好きなお姉さん)にすごく心配をかけてしまったし、昨日はそのあとのトレーニングのトレーナーさんも珍しく女性で(この方も素敵なかただ)、さんざん気遣いをさせながらなんとか50分のトレーニングを終えた。びっくりするほど弱ってしまった。(しかも夕方頃、ドーム担当のお姉さんから無事帰宅できたかどうか心配なのでこちらのメールに返信してほしい、という謝罪込みの安全確認メールまで頂いてしまい、反省&恐縮した。)吐き気はおそらく食べ過ぎ、かつ、体力不足による消化機能の停止のせいだと思う。夏にアルバイトに行けなくなった時も(その時は暴食はしていなかったが)このような感じがずっと続いていた。吐き気くらいでいちいち行動不能になるな、という感じだが、数時間でおさまらず、24時間続く吐き気というのは結構消耗する。この吐き気はなんなのだろうと思いながら、病院で貰った吐き気止めを飲みながら、なんとか出勤するが、レジの仕事中になんどもえづいてしまい、かなりきつかった。別に吐くわけではないのだが、ただ胃が気持ち悪く、喉が詰まっている感じがし、吐き気止めは特に効かなかった(消化の問題ではなかったのかも?)。とにかく色んな方に心配されながらジムを出、そのまま帰ればいいのにベローチェで勉強していこうという初志を貫徹してしまい、しかし結局あまり進まず帰った。最初から帰れ。一昨日は疲れているのになぜか外出して化粧品を爆買いしてしまったし(しかも爆買いの結果を1時間弱の動画に撮った)、リミッターがもろもろ壊れている。
今日は東京にやって来た友人を出迎えるためKITTEのタリーズで勉強しながら待ち、をしていたのだが、英文を読みながら途中から寝ていた。たぶん根本的に疲れているのだと思う。ただ、自分が疲れているのかどうかの判断ができない。そして食べすぎる。体重が減らず自己嫌悪。負の循環。友人とKITTEのラグジュアリ〜な(というと少し違うのだが言い回しが思いつかない)雑貨店などを回りながら、最終的に文房具と本の店でわれわれは足止めを食らい、これ!とかあれ!とか、わあわあ言いつつ、何もかも「最高じゃん」というテンションで、私は久しぶりに万年筆とカートリッジを買った。なんでやねん。カヴェコの2500円。人気モデルの復刻版らしいのだが、軸が16角形でキャップが八角形で、色が最高にALKALOIDという感じでもう誰にも止められなかった。カートリッジもミッドナイトブルーというインク色が一箱残っているのを友人が見つけ、言われるがままにそれを買った。友人はいつも私にいろんな「もの」をレコメンドしてくれるのだが、これ、生で(対面で)やられるとやばいな、かなり買ってしまうな、と、友人の推薦能力に舌を巻いた。
その後友人と別れ、勉強の続きをするか、と思いいつものエクセルシオールに行ったが、写真のごとく万年筆で遊ぶだけに終わった。ノートに適当な文を書き付けているうちに、最近こうして文房具で遊ぶことも��く、そういうストレスが蓄積していたのかもなとも思った。文房具に触れている時間をとれなくなると私の精神は死ぬ。文房具と私が真っ向から向かい合い、ともに青空をはしゃぎ回る時間が必要なのだ(きもい言い回しだ)。
帰宅して即布団に入ったが、まったく眠れず(9時間睡眠をしていたため?)、2時間ほど経ち、かなり迷った末、ケンタッキーをウーバーイーツした。かなり高価だった。それでも、ケンタッキーを食べればなんとか動き出せるような気がしたのだった。本当は冷蔵庫の中のしいたけを焼いて塩をかけて醤油をかけて食べたかった。しかしその気力はぎりぎりなかった。チキン1とポテトSの半分、そしてチキンポットパイ(デミグラス)を食べたため(夜にそんなに食べてはいけないし、一日のカロリー摂取量を大幅に超過している)、満足感はすごかった。満腹のはずなのに満腹感はなかった。もくりを立てていたら友人達が来てくれ、話しながら英語をやっているうちに23時になった。転職関連の話題で、前澤友作の資産管理の会社の求人が出ていることにかなり盛り上がった(最初に「このみるからにアブネーー求人なんだ?」となり、友人がインターネット力を駆使して調べたところ、かの人の資産管理会社だと突き止めていた)。英語をかろうじて毎日少しは読むようにしているが、かなり記憶力も集中力も落ちているのを感じる。何より、社会学の教科書を進められていない。「家族」の章に入って、こここそ私がやるべき各論なのだが、なんだかぐったりしていて、重くて分厚い教科書をひらく元気がずっと出ていない。そもそも重くて持ち歩くことを諦めている(いつもは持ち歩いている、アンソニー・ギデンズの『社会学 第5版』)。
元気が出るまで一日でも二日でも寝るべきなのかもしれないが、ジムの予約をばんばん入れてしまっている、少しペースダウンすべきなのかもしれない。そして気温の下がり。体の冷え。暑がりではあるが、その分冷える時は急激に冷える(汗と共に)。げぼ吐きそう。正直げぼ吐きそう。しかしそれは思うだけで、実際に吐くわけではない。試験がちかづいてナーバスになっているのだろうか。私はよくナーバスという語とナイーヴという語を混同しがちで、今も最初はナイーヴと書いていて、あれ?違うような…と思って意味を調べて書き直した。ナーヴァス。神経質な。ナイーヴ。純朴な。だいぶ違う。なんでナイーヴという石鹸はそんなに「緊張状態」みたいな名前をつけたのだ、と思ったが、それはナーバスのほうだった。
消化が進んでお腹が空いてくるような錯覚を覚えるが、全然そんなまやかしの感覚を信じてはいけない。お腹はすいていないし、食べても結局吐き気に襲われるだけで、一回、胃の中を空っぽにしてみるべきなのかもしれない。では、二度寝というか、これにて中途覚醒を終える。
2023.11.15
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ついこの間まで色々な理由で絶望真っ只中だったんだけどなんとか回復してきた。悪いことは重なるもので、全然関係ない要素なのに同じタイミングで降りかかってくるんだよなあ。でもしんどくなった時はいつも考えてることがあって、俺の人生を映画にするとしたら今ってめっちゃ熱いシーンの前フリじゃね? 的なことを考える。そうすると悩みとか苦しいことを違う角度から解釈できて突き放す気もなくなる。そもそも今の悩みなんてものはきっと5年後には忘れてる。だって5年前何で悩んでたか覚えてないもん。仮に死ぬほど苦しいことがあっても頑張って生きてきたら今めっちゃ楽しい。生きてみるもんだと思った。要は考え方変えるだけで日々の生活の満足度は変わってくるってことだね。
最近暇な時間も多かったので本を買った。大人になって色々な思考ができるようになってからの読書は趣がある。子供の頃は苦手だった読書。今はスマホの使い過ぎでその行為が新鮮にすらなり、あっという間に読み切ってしまう。こうやって人は孤独になっていく。だけど男の特権とは孤独を楽しめることだと思っているから悪いことじゃないんだ。
考え方をとにかく変えている。まずは私物を整理した。持ち過ぎている服を断捨離した。この先も長いファッション人生。来年もその先も着ていきたい服はなんだろう。そうやって手放したたくさんの服たち。一瞬後悔もしたが引きずってはいられない。より成長する為の行動であり、階段だからだ。
そして我慢をやめた。発言のリミッターも外した。「今これを言ったらだめだ」 「納得いかないけどぐっと抑えよう」そんな経験を何度もしてきた。だがその我慢で得られるものはストレスだけだった。自分の気持ちを表明して、意見を言って、自分の為に生きる。これはわがままじゃない。権利でもない。義務なのだ。なぜなら自分がハッピーな方が周りもきっとハッピーになるからだ。自分の納得する選択をするべきだ。そういう人の場所に運や人はやってくる気がするのだ。他人の比べる癖もやっと治ってきた。何を言われても俺は俺。そういう考え方ができるまで24年かかった。やっと成長できてきている。
間違いなく今は人生のターニングポイント。はっきり言ってフェーズ1が終わった。生まれ変わらないといけない。住む場所も働く場所も変えた。人生の第二章が始まる。
淘汰すべきことがたくさんある。
本当の意味で自分らしく伸び伸びと生きられる人生。
俺は俺の人生を生きる。
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2023年2月17日(金) 『メモ』
・早く年取ってスマホの使い方がわからんくなりたい
・本当に心の通じる人に会えてしまうと、それ以外の世界でその人は疲れる。でも本当の意味で人生が始まる。
・動作音が大きい人は、中を見てみると残念ながら大したことない。
・カカオ80%以上のチョコ3ピース胸ポケットに入れておく
・葬式で人々が話すのはその人が”何を成し遂げたか”ではない。葬式をしている間、人々が話すのは、その人がそれを成し遂げている間”どういう人柄であったか”。
・結局目標達成は、未来の目標から現在に至るまでのタスクの細分化でしかない。
・適度に人生を追い求めつつ、毎日を祝う。
・人は死ぬことを実感できれば、しっかり生きられる。ある種の執着を一切捨てて、地上ですぽーんといて、肩の力がスッと抜けて。存在そのものが人が見たときに、はっと息を呑むような人間になりたい。それは形に出てくるものではなくて心の器量で。(何かのメモ)
・彼の語ることが説得力を持って私たちに迫るのは、どこかにふらついている借り物の言葉はひとつもないからです。一つ一つの言葉が彼の生き方そのものであったから。本人は意識しなくとも警句や名言の山を築いてしまう。(何かの本)
・東出昌大の浮気して養育費払わず、田舎で自分の好きな暮らしをするのに憧れてる若手俳優は頭の中くり抜いて中でぬか漬けでも作ってください。
・ハカは人間のリミッターを外す理に適っている
・センス。っていう言葉。センスって潜在的に備わってるものという定義のもとで話してた。でもセンスとは知識であって、『センスないよね。』とか『まあセンスだね。』とか言う人ってすごく浅はかで言語化することをやめていたりする。
センスって言う言葉を使うことで如何にもセンスのすべてが潜在的に備わっていて、『センスないね』って相手に投げかけることで、その人の潜在意識にマウントとって、且つ、その人の中に住むセンスへの勇者を見捨てさせるような言葉でもある。相手の潜在意識に”センス”っていう言葉でマウントを取る人はセンスも言語化能力も事実より真実を優先する能力も低い。
センスとは知識のことである。
無意識的に積み上げてきたのかもしれないね〜。
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お気持ちだけじゃん、データ出せって言われるだろうけどお気持ちってわりと大切な気がするので…上海に◯◯年住んで今年日本に帰国した。帰国理由は、コロナ禍のあれこれを通して「この国やばくね?」と思ったから。それが徐々に確信に変わって帰国。ぶっちゃけ昔は「日本のメディアって中国のこと悪くいいすぎじゃね?ひどくね?」って思ってた。中国に来てからは人間らしく生きててあたたかい人たちと良くも悪くもスピードがある街、めっちゃいいじゃん、俺に合うわーと思って終の住処にするつもりだった。なんなら中国の発展に比べて日本もう終わりだなと思ってた。なのに、ここ数年で「なんかやばい空気」が膨らんできて、それに耐えられなくなってきた。ご存知の通り、中国って怪レいミッキーやドラえもん作ったりするじゃん。あれってもちろんアウトだけど、コロナ前は「他国のいいところを取り入れよう」みたいな姿勢がかなりあったんだよ。なのにそういうのもマジで減った。他国をリスペクトするどころか、とにかく他国を下げて自分の国を上げるようになった。中国を批判されたらなりふり構わず反論する大きな赤ちゃんみたいな大人が増えた。日本相手にも酷いもんで・「日本人が中国や中国人を絶賛する、負けを認め悔しがる」動画をわざわざ発注してSNSに載せる日本も日本スゴイポルノにハマる人いるけどマジでその比じゃないよ。まもともと中国人は愛国心強いから余計。・日本のニュースに偽字幕を付けて日本下げを行う(ひでえと思ったのは、岸田が真面目に話してる動画に「うちの妻が不倫しまくるから離婚します」という偽字幕つけてそれを信じる奴が多数いたという…)日本もやってんじゃんって言ってくる人いそうだけど、マジでその比じゃないのよ。もちろん対アメリカはさらにやばい。ほんと空気変わったと思う。最近リアルで起こったのは、中国に行ってきた人が「日本より街頭がチカチカしてなくてよかった、無駄な電気が少ない気がした」みたいなことを言ったら、中国人がガチギレした、みたいな…なんか知らんけど日本より劣ってると言われたと思ったらしい。意味がわからん。反射的に批判された!!ってなるんだろうけど…なんか書くの疲れたからやめるけど、こんなこと書くと反中プロパガンダだとか願望だとか言われそうだけどこれからの中国は暗い気がする。いやまじで…なんつーか、早いこと日中関係良くなって助け合わねえかなあ。まあ今の様子じゃありえないけど…でも一般的な(ゴミネチズンじゃないという意味で)若者同士は昔の10倍くらい仲良い気がする。それは救い。(追記)独裁国家怖いなっていうのは違うかな。むしろ俺は中国が独裁国家じゃなくなったらリミッター外れてさらにやばいことになると思う。というか、関係ないけど日本こそガチガチの独裁国家にしたほうがまだ衰退を食い止められる気がする。日本人全体が温室育ちすぎて。それが良さでもあるけど。街頭のく���り、Twitterで同じことあったみたいでわろた。電気はなんか地雷なのかな。あと、日本にいる中国人とどう接すればいいの?については、「中国は凄いよね。日本は全然敵わないよ。中国に見習いたいことがたくさんある」みたいなこと言えばいいと思うよ。それをポーズでも否定してくる人とはうまく付き合えるけど、全く否定してこない人は怖いかもしれない。個人的には。日本人だって、「日本すごいよね!」って言われて「いや、ゴミなとこもいっぱいあるけど」って言う人の方がまともでしょ。「そうなんですよ、日本は素晴らしいんです」って言う人怖いでしょ。アメリカ人じゃあるまいし。ほとんどはいい人だけど、「中国は日本みたいに他国を批判することはないですからね」と返されて宇宙猫になった時がある。あと、これを見た大陸の人がまためちゃくちゃ怒りそうだけど、批判したいわけじゃないから。俺が好きな中国をまた見たいけどそれが叶わないかもしれないことが悲しいだけ。アメリカは悪!中国ロシアは光!みたいな人も噛み付いてきそうだけど、アメリカの酷さと中国ロシアの良さをごっちゃにしない方がいいよ。それぞれの国に良さがあり地獄があるんだから。妄信的に何かを肯定することと妄信的に何かを批判することは同じくらい愚か。それに、本当にプーチンやプーサンが世界を救う光の戦士だとしても、あなたはネットに一生懸命はりついてる凡人以下の可哀想な人だから散歩でもしたほうがいいよ。(追記2)中国はずっとそう、中国語が分かるようになって解像度が上が��ただけじゃない?という意見があり、確かにそうかもと思った。中国スゲー!だったのが、中国のおっさんのフルスロットル痰吐きの音で目が覚めたのかもしれない。まあ今も全然中国嫌いじゃないし凄いところはマジで凄いと尊敬してるけど。
(追記2)中国がわりとやばい件について
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「ランドグリーズ」
レギンレイヴと同じくヴィランサイドのキャラクターです。
性格は天真爛漫な童女のようですが、それ故の残酷さのようなものがあり、良心の呵責と言ったものは欠落しています。
いたずら好きのリミッターが外れたみたいな…。
レギンレイヴもそうですが、個体戦闘力は異常に高く、多対一を得意としています。
ちなみに肌テクスチャーもレギンレイヴと同じです。
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230216 STRETCH
今は情けない自分を見つめ直す為のフェイズなんだろう。自分がズルくてダサいやつだと十分認めて内省した上で、気高い誰かの真似事して外向けの自分をデザインしてゆく。
それだけだ。
内省だけしてても誰も褒めちゃくれない。告解ばかりしてても応援はされないしテンションも上がらん。
覚醒��した事ないし今後もしないだろう。地道な気づきが怖気を少しずつ解体し元々自分に備わっていた力を引き出してくれるだけ。リミッターが少しずつ解除されるだけ。
我々の年齢になってから爆発的成長や覚醒はあり得ない。
夢想は夢想、ロマンはロマン、現実は現実。
独りで自分を鼓舞し続ける事には意味があったな。自分が何の誇張もなしに無能な底辺だって事痛感できてるもの。
他人からの評価なんてどうでもいい。自分で感じる自分こそが自分にとっての真実なんだ。
幸い、他者評価より自己評価の方が低いみたいなので社会的にアレな事にはならない。逆だとただの誇大妄想になっちまう。
「自虐」は客観的データに基づくアレじゃあない。自分が犯した「いまだバレてない罪やズル」に基づく負い目が 煮えたヘドロのようにぐつぐつと 悪臭放って喉奥から湧き上がってくるのだ。
どの年齢でもその年齢ごとの「最適な自虐」が湧いてくる。だから今の自分の経験値を持って過去に戻ったところでまた別の自虐が湧くに決まってる。
常に今の最新の自虐とどうにかして折り合いつける以外どうしようもないんだ。 フラッシュバックの対処法といっしょだ。
底辺で暮らす敗北者には「酷い自分の姿を認識しすぎない為のテクニック」ってもんがある。自分だってそれを知っている。
なのに今、ン十年ぶりにその補正を剥がしているから苦しいのだ。
急に全部剥がしすぎだバカ。皮膚と癒着してんだから簡単には取れないっつの。
独りはよい。独りで自分の醜さと弱さと向き合う時間はよい。苦しいが何かがデトックスできているのを感じる。
これは「嘘剥がし」だ。醜い生き方にフィットした自己洗脳を解除し、少しでも自分を誇れる生き方にシフトする上での通過儀礼だ。
認める。僕は友達には勝てない。勝てる道理がない。彼らの肉なんか喰えないし喰う資格も才能も権利もない。
ましてや自分より若い人間を喰うなんてとんでもない。
自分にできる事はなんだ。素の自分を裏で誰かに認めてもらいつつ 表舞台で理想の自分を演じることか。この数年ちゃんとやれてたじゃないか。ああ、この数年間まさにちゃんとやれていたよそれを。
もっと巧く演じられるだろうか 理想を。
予約日記が今の自分の心理状態より明らかにバージョンが下だ。
過去を忘れる努力、弱さ棄てる努力すればするほど、嫌な過去や自分の弱さと向き合う羽目になる。向き合わずに忘れたフリしたらそれは「巨大な違和感」となって死ぬまで自分を縛るだろう。
逃げちゃダメ、か。自分がモブでしかないという事実から。
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アルバムの曲は載せてくれるのに誕生日メッセージはまだなん?ってイチャモ…………ンン゛!え〜〜〜、ここにはラブレターをね、綴っていこうかなと思っております。はあい。センラさんとはかれこれもう数ヶ月で3年目の仲になるんですかね。時の流れはっや!と常々思ってますが本当に早い。今年はなんやかんや一緒にゲームしたりお話したり、最近はあまりないですが俺の夜遅い帰り道に通話したりと色んなことに付き合ってもらいました。ほぼ俺からしか誘ってないのが問題ですが!まあいいでしょう。付き合いの長い友人はそれなりにいるほうとは思うけど、付き合いが長いとそれなりに嫌なとことかも見えてくるもので。うわ、もうこの人に着いていけねえよ俺!とか思ったりすることも多々あるんですが、センラさんに関してはもう最初からどんな人か分かりきっていたといいますか。よく言えば優しい、悪く言えば気弱。よく言えば慎重、悪く言えば優柔不断すぎる。というのが印象で、全く真逆な俺からしたらな��でそんなことにうじうじ悩んでんの!?ってめちゃくちゃ疑問飛ばしたりしてたなあ、と。まあそれは今年に関わらず、去年も一昨年もそうだったんですが。俺、わかります。ここまで読んだセンラさんに「ラブレターって称してんのに悪口書かんでもええやん!」と言われること。まあまあ、聞いてくださいよ。その気弱で優柔不断で誰にも嫌われたくないって無理なことを思ってそうなところが嫌という感情は不思議となくて、それはきっと普段俺がセンラさんにお世話になりすぎているくらいなりすぎているからこそ、真逆で受け入れ難いであろう俺の意見も度外視するだけじゃなくてそういう考えもあるかってどっかで区切ってくれるからこそ、あれこれ口出ししつつも嫌とは思ってないんすよね。よくないところやなあと思うこともあるにはあるけど、逆にいいところだとも思うし。俺にはないものを持ってるってだけで是非とも誇らしく生きていただきたい。なにか周りで変化が起きたり、自分のなかで消化しきれない出来事が起きた時、今の俺が真っ先に話に行くのはセンラさんなんすよね。他の誰も知らない俺のことを知ってる可能性も高いです、全然。それはきっと住処にしている界隈が違うから話しやすいっていうのもあるんですけど、それとは関係なく普通に話しやすいんですよね。否定するわけでも肯定するわけでもなくただ聞いてくれてるってだけの感じが。まあたま〜にお叱りを受けることもあるんですけど!この2024年色々ありつつも心身健康に生きてこれたのは6割センラさん、4割俺のメンタルの強靭さのおかげだと思ってます。きっと俺らは来年も仲良く過ごしてるだろうし、その次の年も仲良く過ごしてるんだろうなって目処も立ってます。だって俺ら!まだオフコラボしてないんで!それが叶うまでは、というか叶っても一緒にいてもらう気満々ですけど、美味しいご飯一緒に食べて(ご飯というか甘いものが食べたい)一緒にカラオケに行ったり、あれこれ色々語り明かしたりしたいですね。絶対楽しいが確約されてることには乗り気です。任せてください。あとはそうだなあ、なにか嫌なことがあって話したくなった時は適当にあちこちで話しておいてください。優しいから怒るというより自分のここが悪くてあそこが悪くてって一生言い出しそうだし思い出しそうなんで、それをリセットさせるためにも俺が代わりに相手に見えないところで相手に怒っておきます。友達だから贔屓しているとかではなく、何においても今まで全面的にセンラさんが悪いと思ったことは1度たりともないし、恐らく全面的に悪いことあなたはできないと思ってるので安心して吐き出すように!そりゃあ間違ってたら間違ってるよって友人として言いますけどね。いつだって味方であることをお忘れなきように。じゃあそういうことで、これはラブレターなのかラブレターじゃないのか分かりませんが俺はラブレターだと思ってるんで!今年も健やかに、素敵な1年をお過ごしください。誕生日おめでとうございました!(追伸:アルバムの曲はまだ全曲フルで聴けてませんが、個人的には秘密リミッターが1番お気にり入りになる気がしてます。)
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シンセ開発ログ 2024-08-25: シンセカイリアルSP3で音出し/Hamamatsu Micro Maker Faire 2024に出展/ラズパイPico用フリーシンセPRA32-U v2.4.0をリリース
■シンセカイリアルSP3で音出し
6/14(金)に、プラムソニックのYasushi.Kさん主催の「シンセカイリアルSP3」が、池袋LIVE INN ROSAで開催されました。 今回は、コルグ「SQ-1」を使って、自作のラズパイPico用フリーシンセ「PRA32-U」(v2.3.1)のコントロールパネル統合版「PRA32-U with Panel」の音を出しました。 「単体でフルエディット」のデモのためにイニシャルから音作りしましたが、操作にモタついたのは反省点です(メロディーが、ずっとド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドのまま……)。 しかし、「シンセカイリアルSP3」も本当に楽しかったです。ありがとうございました! 今回も、シンセ開発者の方ともお話しできました。
10/11(金)開催の「シンセカイリアル エキシビション」にもエントリーします。
■Hamamatsu Micro Maker Faire 2024に出展
7/7(日) に浜松科学館で開催された「Hamamatsu Micro Maker Faire 2024」に、ラズパイPico用フリーシンセサイザー「PRA32-U」(v2.3.1)を出展しました。 ブースでは、来場者の方に主に「PWMオーディオ版」の音を出していただきました。(MIDIキーボードは、MIDIPLUS「X2 mini」。ノブが4つ付いていて、頑丈なのでMaker Faire向き) ミニライブでは、5分くらい「PRA32-U with Panel」のデモ演奏(コルグ「nanoKEY Studio」のアルペジエーターを使って音を出しながら、音色をエディット)しました。とても緊張しましたが、何とかやり切れて良かったです。一応、「Ogaki Mini Maker Faire 2020」でのパフォーマンス配信や「シンセカイリアルSP」での音出しは経験がありますが、ステージでのシンセ演奏は初めてだったと思います。 たくさんの皆様にISGK Instrumentsブースにお越しいただき、たくさんの方にミニライブをご観覧いただき、ありがとうございました! 浜松でのMicro Maker Faire開催は4回目ですが、去年よりもさらに多くの方が来場されていたと思います。来年もぜひ参加したいです。
Make: Japanのブログ記事にミニライブの写真が載っています。嬉しいです。 Make: Japan | ミニライブも初開催! おなじみの自作楽器から子どもの心をつかむガジェット���で約40組の多様なプロジェクトが集まった「Hamamatsu Micro Maker Faire 2024」会場レポート
■ラズパイPico用フリーシンセPRA32-U v2.4.0をリリース
本日、「PRA32-U」v2.4.0をリリースしました。 https://github.com/risgk/digital-synth-pra32-u/releases/tag/v2.4.0
v2.3.1からサウンドエンジン本体の目立った更新はありませんが、出力の音圧が2倍になりました(音圧レベルが約6dB増加しました)。これは、なかなか嬉しい変更ではないかと思います。 今回の主な変更は、「PRA32-U with Panel」のためのものです。ページ構成の変更でより操作しやすくなり、新たにステップシーケンサー(8ステップ)が搭載されました。受信したMIDIクロックに同期することもできます。そろそろ、「PRA32-U with Panel」は実験的機能から正式機能に格上げできそうです。 シーケンサーを作るのは初めてでしたが、サウンドエンジンを作るのとはまた違う面白さがあると思いました。特に「Seq Act Steps」パラメーター(値は0-127)でステップ0以外がア���ティブかどうかを設定する機能(7ビットに割り当て)が良い感じに動いていると思います(Maker Faire等の展示会で、この機能を来場者に触ってもらうのは現実的でしょうか?)。 現状、「PRA32-U with Panel」のドキュメントが不足気味ですみません。また、どこかでデモ動画を作成したいと考えています。
変更内容: ・追加アンプとリミッターを使用して、出力レベルを増加 ・安全のため、PWMオーディオ出力ピンのモードを OUTPUT_12MA に変更 ・「PRA32-U with Panel」をプロトタイプ2に更新(実験的機能) ・ページ構成の変更 (ページグループA、B、C、Dを追加) ・「Panel Scale」の仕様を変更 ・「Panel MIDI Ch」(ベーシックチャンネル)パラメータの追加 ・「Panel Play Mode」にステップシーケンサーモード(「Seq」)を追加 ・PRA32_U_KEY_INPUT_PIN_MODE オプションを追加 (デフォルト:INPUT_PULLDOWN) ・「Write Panel Prms」、「Read Panel Prms」、「Init Panel Prms」機能を追加。 ・PRA32-U CTRL:ノートオンベロシティを64に変更 ・その他の変更 ・Arduino-Picoバージョン3.9.5でテスト
「PRA32-U」のPWMオーディオ版と「PRA32-U with Panel」は、8/29-30「SWEST26」、9/7-8「NT東京2024」(DIYシンセG)、9/21-22「Maker Faire Tokyo 2024」、11/23-24「Ogaki Mini Maker Faire 2024」に出展予定です。
以下の写真は、「PRA32-U with Panel」のブレッドボードによる製作例です。I2S DACボードに「GY-PCM5102」を使用しています。可変抵抗をボンドでとめているのが微妙です……。ファーム開発が一段落したら、「KiCad」に手を出したいと考えています(サウンドエンジンへの機能追加など、やりたいことは他にも色々あります)。
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【山羊座♑︎8月】新境地へ 真の愛の選択をする それはもう決めてきた事 リミッターを外した心の声に応えて太陽の季節を楽しもう!
この場所を見つけていただき ありがとうございます 毎日を より豊かにする 素敵な創造というリーディングの旅を お届けしています⭐︎ Creator Capricorn crew navigator AOA 【MONTHLY READING】 2024年8月の総体的なリーディングになります 色々な山羊座の乗組員の方に向けて♑︎ ご自身に当てはまるところや 気になるメッセージだけ お持ち帰り頂けると嬉しいです よろしければチャンネル登録お願い致します (素敵な世界をみせてくれたカードデッキ🙏✨) Superlunaris tarot you are here oracle Lusid minds tarot color message ♫ YouTube オーディオ ライブラリ #運勢 #山羊座 #8月#2024年 #タロット #タロットリーディング…
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#ご褒美
よく2人してもう無理…って萎んでる事が多いんだけど。そういう時に「頑張ったらご褒美あげるから!」「なんかご褒美ちょーだい。」って言って。お強請りする事が多々ある。頑張る基準が低いんじゃないか、とか言われそうだけど。俺らにとったらまじで世界救うくらい頑張ってるからご褒美は大事。という事で。何がご褒美になるか分かんないけど。今週もたくさん頑張った岩本くんへ。勝手にアンサー、2個くらい。俺に大きい愛を届けてくれる岩本くんが好き。俺がもうこれでもか!ってくらい大きいの渡しても、それ以上に返ってきて。俺はただ渡したいから渡してるのに、嬉しいなあってなってる。心配するのも任務の一貫みたいなものだから、たくさん頼ってください。頼られないと凹むと思う。いっぱいいっぱいになる前に、もう、助けてって言えるから。そこは心配しなくても大丈夫。その時は岩本くんの大きい愛で包み込んでね。最近は毎朝、水分補給!が口癖になってる気がする。それプラス呼吸して、も加えた方が良さそう。俺も、同じことしてるなあ。ちょっと下向いた時、ちょうど見えるから。このままじゃダメだ、って頑張る原動力になってる。昨日よりも今日、今日よりも明日が好きって確定してるくらいには好き。ただ、明日の自分とも勝負してるから、今日が今までで一番好きな自信はある。己との戦い的な…?ちなみに岩本くん。1000文字どころじゃなかったよ。愛が溢れてて可愛いね。ほんとは毎朝返事書きたいけど、話しすぎになっちゃうかと思って我慢してる。今日はリミッター外して返事してみようと思う。きなこがいい、って前も聞いた気がする。まじで記憶力無さすぎて自分のこと殴った。メモるってことすら忘れてる。どうしよう。岩本くんが可愛かったエピソードすら寝たら忘れるからホントに、寝る前の頭の中を文字で書いてくれる機能欲しいかも。俺はくろみつを付けてるから、お揃いになれるよ。話が右往左往してる気がする���どまあいっか。いつもコロコロしてるし。岩本くんはたまにスプラする人だったなあって今懐古してる。フェスのたびに選んだの一緒だ!違う!とか。お神輿乗れた!ずるい!とか。でもなんかたまにさ。俺が返事返す!って気合い入れた時と、岩本くんが返事返す!って気合い入れた時。被る時なかった?その時から始まってたりして。しかも1回じゃなくて何回もあった記憶ある。みんながどうとか知らないけどさ。好きになったきっかけってあやふやな事多いと思ってて。世間一般的にね。だけど岩本くんのことを好きになった瞬間、絶対忘れないだろうなって思ってる。全然語れる。…恥ずかしいから割愛します。ちなみに負けず嫌いはあってる。し、お風呂は同じ時間に入った方が寂しくないし、トイレも同じ原理。1秒たりとも離れたくないから。昨日ひっつき虫だーって言われた気もする。否定しません。ヤバい、俺のご褒美読み返してたらまためちゃくちゃニコニコしてる。岩本くんの言葉、やばい成分入ってそう。一つ一つの言葉、全部が好き。あったかい。むしろ熱いくらい。好きだなあって思う。俺が岩本くんといて、幸せなのと同じくらい。もしくはそれ以上に、幸せになって欲しいし、幸せにする。絶対。俺が甘やかしたいから甘やかしてるし、早起きして会いたいからしてるし、だからどんどん甘えて。頼って。俺の生きがい。岩本くんがいなくなったらって考えるのも嫌なくらい。いなくなったら生きてけないし、その逆もそうだと思う。これからの人生、俺にください。一生かけて守る。今日は何する?明日は?って未来のことを一緒に考えてる時間が好き。夜、仕事行きたくない。寂しい。って言ってる時間も好き。結局頑張れてる俺らが世界一えらいと思う。世界一の寂しがり屋のくせに。決意表明なのかなんなのか、よく分かんなくなった。2回くらい言ってることありそうだし。そのくらい好きなんだなあって思ってて。今日も頑張ってえらいね、よしよし。岩本くん、大好きだよ。
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12ヶ月連続コンセプトワンマン「東京十ニ心中」 【六月心中】-マザレナイ-ラブレター-死んじゃったポチの話-@原宿RUIDO
今日の箱初めて来たけど上下に死角ができる創りで
零夜さんと亞んちゃん(亞んちゃんは高さ的に)見えなかったので体感と雰囲気でw
ステージ前のスクリーンが上がって一番に目に飛び込んできたのはトイレットペーパーだけどwステージ後方に赤い電飾で「東京十二心中」
LEDモニターがある
SE無し無音でリズム隊からステージへ
今日足された色が何かもうわからない(笑)水色かな
一葵さんの手に2枚の白い紙
神様 神様…
!!!!!!!!!
ザアザア曲の中で一二を争う好きな曲 人間界からの手紙
赤緑…信号機みたいな照明の中事故現場
朗読はキオク
後ろのスクリーンに雪が降ってるみたいな映像が映ってて綺麗すぎて寂しすぎた
キオクが終わると春さんがギターをアコギに持ち替えて 聴き慣れないベースから どこかのあなたへ
フルコーラス初めて聴いたし 今日はこれを聴くために来たと言っても過言でない
度々金属っぽいアコースティックの音が入るのがアナログで 少年時代を思わせてかなり良かった
ポチ~私の名前をちゃんと呼んでよ とても冷静に見ていられない迫真のストーリー展開に引き込まれて疲れた
いつもすごいけど今日は何かのリミッターが外れたのかと思うような迫力の舞台を観てるみたいだ ハラハラして寿命縮まりそ
ゴミ捨ては何曜日でも(初)
なんて新鮮 スピード感あるし盛り上がるしもっとライブでやってほしい想像以上にかっこいいし高速手扇子楽し
蜘蛛の糸~左寄せ~ フロアの一葵さん どこで歌ってるかわかんないw
拡声器無しの感電、前後左右に加えてサークルモッシュと座れ が追加(笑)
サークルモッシュは何ターンか連続で使わないとできないなwでも上手くできるようになったら楽しいと思う
アンコールはラブレターから 今日の心中一番のリード曲をやらないのかと思ったw
ぐちゃぐちゃの時のモニターに流れる赤と緑のVJも気持ち悪くて良かったな
聴き慣れない同期の音がしたり度々ハウリングが響いたりもしてた
あと本編もアンコールも零夜さんの捌ける速度がいつになくスピーディーで気になった 体調大丈夫かな
最後に春さん
やっぱ最近のザアザアが一番かっこいいよなぁー!????
これからも老害バンドを夜露死苦
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僕くん:「マイフェアレディ」はどこまで夢物語か?
僕は折につけ少し思い知らされるというのか… i(仮にここではそう呼ぶ)の、外観について。それはkという人物との比較という形になって意識化されてしまうことが多い。たった二例を比べても詮無いことなんだけど…
iが自分のことを「粗野、粗暴、がさつ、品がない」と自負する理由が、iの内面的な歪みに起因することについて、幾分かはそういう面もあるかと思う。 ただ、やはりiの中には深層に暴力衝動のようなものが常に隠れ潜んでいる。
ゴミを捨てるとき、彼はただ手間を省きたくて放り投げるんじゃない、勢いをつけてゴミ箱の中に叩き込むように投げ入れる。そういう細かい所作の一つずつを見ていくとね。もう捨ててよくなった乱暴に扱っても許される物に、かこつけて正当化し八つ当たりしているような。 彼の所作は細かな端々からそういう「堪えきれない鬱憤、苛立ち、腹立たしさ、持て余したエネルギー、行き場をなくした憤り、そういうものからくる抑えがたい暴力衝動」を、出してもいい形で小出しにすることで大規模爆発を防いでいるようなニュアンスを受ける。 つまり彼は、本人的にはあまり自覚的ではないにしろ、丁寧に、生真面目なほどにあらゆるものと真正面から対峙し、しっかり生きて傷ついてここまでの年月をその身に重ねたんだろうと思う。それが姿形と無意識の衝動性に反映されている。kの場合はそれがしっかり自身に経験として堆積されない性質とでもいうのか、だからどれだけ表面的には傷だらけになり果てていても、傷痕を剥がしてしまえばそこには歪みのない健康的に成長した美しい身体が現れる。それはifの物語内でもしっかりと証明されている。 (但し、kについて、表面的にはそういう身体に育ったという外側の結果のみから、彼の内側になにも堆積していないと結論づけるのは危険すぎるし、現実的ではない。前提として、これはkの話ではなく、kについては、ここではiとの多少の生育歴の類似を持つ一例としてだけ比較のために用いる。いうまでもなくこれは非常に危険かつ非倫理の領域の、内緒話だ) i、彼の全身痩せてどこか歪んだような身体。生き延びるための手段として殊更描画に特化し、描画に酷使されてきた身体。全身を使って描くようなスタイルであっても、やはり筆を持つ彼の利き手は右手、キャンバスを前に歩き回る軸足は左脚。いかに大きな絵を全身を使って描いていても、描画は純粋な運動とは異なる、ある種歪な行為だ。その行為のみに偏った人生で生存が可能になるのは人間くらいのものだ。それが彼の外見を悲壮なものに育てあげた。 kと比べると残酷なまでにiは見劣りする。似合う服が限られていて、正装させるとどこかちぐはぐに不恰好で分不相応な惨めさをその身から滲ませる。まるで拾ってきた野良猫に豪勢な首輪でも誂えたような印象だ。では彼は全身裸でいる姿こそがもっとも美しく映えるかというと、それもまた違う。もしも一糸纏わぬ姿でもっとも相応しく美しければ、彼を例えば誇り高い野生動物のようだというふうにも美化できよう。そのような美しさを見出すことも可能だろう。けれど彼は、そうではない。彼の裸体は利き手を軸に重心がズレて、過度に痩せており、筆を持つことでかかる圧力に指は曲がり、手はまるで窶れ果てて疲れ切った老人のようだ。この姿をどのように美化できるだろう。 彼のもっとも相応しくかつ美しい姿は、飾り気なくいくらでも使い回して傷んでも着れる質素な服を、動作を邪魔せぬよう薄く身に纏っている、つまりは描画の作業に適した姿であり、そのような服を纏っている姿である。過酷な労働者の姿に近いかもしれないが、それとも違う。 野良猫のよう、というのはそういうことだ。服も纏わず自然の中で裸一貫で生きていく野性の人生ではなかった、しかし服を着こなし社会に人間としてうまく参加することもできず、ボロを着て社会からのおこぼれを必死に見つけてそれをびくつきながら周囲を警戒しつつ人目を忍んで泥だまりから水を舐めるようにして生き延びる、彼の人生とはそういうものだった。 常に周りを警戒し、注意深く見渡す見開かれた目。弛緩することを極端に恐れる緊張した筋肉。危機に備えた速い脈拍。本来不可能なほどの、生死の境でのみ脳がリミッターを外して行使できる「火事場の馬鹿力」を日常的に発揮する肉体。彼の身体は生死の境で留まり続けることに適応してしまった。 彼が優雅で気品ある姿と振る舞いを自分のものにできる日はこないだろう。 (彼の実父は生死の境でなお優雅さと気品を損なわず振る舞うが、それは生死の境の中にのみ人生とその愉しみを見出した者だからこそであり、それは狂気である) けれど生き物は否応なしに絶え間なく変化していく。 果たして『マイフェアレディ』はどこまで夢物語か?
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