#モクモク仕事して 人の2倍仕事して…
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I FEEL FINE, YEAH
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リハビリのことだけを考える
新・PT先生は林遣都似のイケメン、新・OT先生はミルクボーイの大きい方の人似のイケメン
散歩しすぎ
くたびれアラート(頭痛)と戦う一週間
浅草寺のおみくじは霊験あらたかなのかもしれない
入院してから約1か���、手術してから2週間強、退院してから1週間。 転院先のリハビリ病院で初診してもらい、翌週からは早速、週2回のリハビリが始まった。
最初は、水・木でどうですかと言われたのだが、くたびれそうだから一日開いてるといいなぁ…というわがままと、水曜は社内の進捗会議が入る日なのでリモート参加したいと思ったので、病院に相談したところ、会議に出るのは社会復帰に良い効果があるからと、火曜の8時半、木曜の11時、に変更してくれることになった。朝早い…と一瞬思ったが、早起きは体に良さそうだし、中途半端な時間に予定が入ると1日がそれで終わってしまいそうだし、むしろ良さそうである。
リハビリ初日とは言え、1度行った場所なのでかなり「勝手知ったる」感がある。途中までバス、終点からは歩き、という前回と同じルートで行ってみたが、遅刻しないようにしなくちゃな…と緊張しすぎたか30分も早く着いてしまった。下町の早朝にはちょっと一休みする公園もドトールコーヒーもない。 少し先の方に歩いたら店内に休憩スペースがあるコンビニエンスストアを発見したので、そこでコーヒーを買って休憩がてらの時間調整をする。狭い休憩スペースだしコロナなご時世だしで緊張は解けないわけだが、まぁ、誰も他のお客さんは来なかったのは幸いだった。
時間調整してリハビリ病院に向かう。こちらの病院での新・PT先生とはじめまして、とごあいさつをする。 優しそうな若い男性の先生である。何か見たことがあるタイプの顔だなぁ誰かに似てるのかなぁとしばしグルグルと脳内検索したら俳優の林遣都だ。
新しい病院はとてもコミュニケーションフルな病院で、どの方もとても話を聞いてくれる。というかリハビリ病院とはそういうものなのかもしれない。私たち患者はそれぞれ全く異なる「毎日」を持っている。病人が出来るだけ「毎日」を取り戻せるように、病気で失われた「毎日」がどんなものだったのかを確認する必要があるようだった。
新・PT先生からはまず、今困っていることが無いかと聞かれた。とにかく何をするにもくたびれます、と答える。先週は退院筋肉痛らしきものになりましたと言うと、当然ですよね…今は大丈夫ですか?と言われる。聞いてくれる上に受け止めてくれる。「受け止める力」は入院中にも、医師の皆さんからも看護師の皆さんからも感じたもので、臨床現場の必須スキルなのかもしれない。私の仕事は「受け止めずに面白いことを考えつく」みたいなことをすることが多いし、私個人がそもそも天邪鬼かつ受け止めないタイプなので反省することばかり。
あとは、料理をちょっとしてみたけれど左手が少し力が入りにくいことや、少し長い時間を歩くと踏ん張れなくなる、とかまぁ、細々と答える。それから新・PT先生が「取りあえず何をすることが目標ですか」と聞くので、このあたりは元気だった時に散歩でよく来ていたので、そのぐらい散歩できるようになりたいです、上野の美術館に行きたい、木場の現代美術館に行きたい、と答えた。じゃあ美術館に行けるのを目標にしましょう、当面はゆっくりと体力の回復に合わせて少しずつトレーニングしていきましょう、ということになった。 まずは、医科歯科大病院のOT先生ともやった色んな測定を、もう一度やってみた。運動機能については回復傾向、筋力はまだ落ちている状態ということらしい。医科歯科で教えてもらった自主トレメニューに加えて少し負荷が強い自主トレも教えてもらった。
木曜は作業療法である。新・OT先生も男性。鍛えてそうな体格の方で、ミルクボーイの大きい方の人に似ている。 OTについても同じように現状の回復状況を確認する。筋力はやはり落ちているらしい。元々上半身に筋肉があった記憶がないわけで、ヘロヘロなのも納得である。こちらもいくつかの身体機能のテストと少しトレーニングをして1回目はおしまい。
実は、会社には退院したこと自体をまだ報告していなかった。実際問題として家にいてもぐったりしてたし、そもそも本来の予定では今週が退院ぐらいのスケジュールだったわけで、セルフお目こぼしである。 まぁでも、退院後の生活も少し一段落してリハビリを1ターンできたことだしと上司に退院の報告をする。当面はリハビリがあると言うと、12月中は出社しなくて全然いいよ、ということになった。年内はリハビリしかやることがなくなった。これは良い。 リハビリを1ターン出来て、新・PT先生、OT先生に沢山話を聞いてもらったこともあってか、少し前向きな気持ちになってきた。そこで朝散歩しようと思い立った。通院が無い時も体を動かした方が生活リズムも出来そうだし。 まずは短い距離から、最寄りじゃないスーパーに買い物ついで、川向うの気になってたコーヒーショップに、橋を2つ分、あのお寺まで、と毎日少しずつ距離を伸ばしていく。元々散歩が好きなので楽しくて、スピードは上がらないけど少しずつ遠くに行けるようになってきた。のだが、今度は頭痛が強く出るようになった。どうやら歩きすぎているようで、私の���機能、くたびれアラートが出たようだった。馬鹿である。
リハビリ2ターン目に、新・PT先生に先週はどうでしたか?と聞かれて、散歩しすぎているのか頭痛が強く出るようになりました、と相談する。PT先生からは、散歩自体はとても良いこと、距離を伸ばそうというのも凄く良い。転ぶのは怖いから脚に痺れを感じたり疲れたと思ったら早めに休憩してくださいね、と言われた。やはりすごく受け入れてくれるのである。受け入れてくれた上で改善のアドバイスを貰える。すごくありがたい。
新・PT先生から、筋肉痛にはなってないですか?と聞かれた。全然なっていない。退院直後は筋肉痛になったのに、体力がついてきたってことですかねぇと喜んだが、一方では筋肉の疲労蓄積に体力全般が追い付いていない、ということでもある。まだまだなのである。
木曜、新・OT先生からは、力が入らなくなってる腕の自主トレを教えてもらう。ペーパーテストをやったが「文字拾い」という、沢山のランダムな文字列から指定された文字をマークしていくというテストだけ点数が低いらしい。文字校正が下手なのでひょっとしてこれは機能低下ではなくて生まれつきかもしれない…と思ったが、一応それは一回秘密にしてみることにした。恥ずかしいから。
リハビリ2ターン目が終わった後は、新・PT先生が良いことと言ってくれたことに気を良くし、頭は痛いけど寝れば治ることだし、散歩距離を更に伸ばしてみる。金、土、と少しずつ距離を伸ばして、いよいよ日曜は浅草まで行ってみることにしたのだった。浅草は、川に沿って遊歩道を歩いていくとちょうどいい散歩コースで、コロナ自粛期間中のお気に入り定番散歩コースだった。
散歩好きなのと熱中しがちな性格が災いして、私の散歩には「折り返し地点」が必要だ。じゃないと日光街道を日光まで歩きかねない。帰り道を省みずずんずん歩きたくなってしまうのだ。 一方で、浅草は折り返し地点として素晴らしいランドマーク性がある。景色もいいし観光気分が盛り上がる。そして、川、うんこビル(アサヒグループ本社ビル、フィリップ・スタルクのデザイン)、買い物スポット、公園、六区、浅草寺とか色んな折り返し地点が選べて飽きない。 浅草は人出が多いかもなぁと思ったので早朝に自宅を出発して、1.5時間ぐらいゆっくりとしたペースで休み休み散歩して浅草に着いた。手術後、初めての遠出だし、あまり無理せず駒形橋でうんこビルを眺めたらすぐ引き返そうと思っていたのだが、天気もいいし朝早くて人も少ないしで、調子に乗った。調子に乗って、浅草寺まで少し足を延ばすことにした。
コロナが怖いから初詣になんてきっと行けないだろうと思ったので、初詣の前借をしよう。線香がモクモクしてる例のやつに近づき、右後頭部の手術跡に山ほどお線香のご利益を振りかける、ほんの少しのお賽銭でお願いをたくさんして、それで、少し悩んだけどおみくじを引いてみた。少し悩んだ理由は、私の心は変にうかつだからだ。変に気にしぃで変にくよくよする。今はただでさえ病人だし、凶が多いという噂もある浅草寺で悲しいおみくじが出ると嫌だなぁ、と思ったからだった。 おみくじ引いたら吉、それもほとんどの項目が良い感じ、書いてあるご託宣も今のシチュエーションに比較的合っていた。ね、変に信じちゃうんだ。うかつなんだよ。
でも、やっぱりおみくじが良かったりするのは嬉しいじゃないですか。そして今までで一番散歩しがいのある散歩ができたし、天気は良いし人は少ないし。 吉のおみくじは大事に財布にしまって、人が増えないうちにと散歩を折り返すことにした。やっぱり帰宅してからはひどい頭痛がする。頭痛はこわい。脳の中で何かが良くないことが起こっているんじゃないかと思ってしまう。でもおみくじは吉だったし、早く寝ちゃおう。寝て起きたらきっと落ち着くはず。
翌日、月曜はさすがに疲れていたが、毎日外に出ると自分で決めたことだし、川を渡ってすぐの図書館に行ってみた。隣の区なので借りて帰れないけど建物が古くていい雰囲気なので好きな場所だ。距離も近いし、借りないまでも文字をまとめて読めるといいなぁと思ったのだ。実は退院してから本を読むのが面倒だなと感じていた。筋肉痛やら頭痛やらが出ていたせいもあるが、入院中は退院近くなるごとに読めていたので、ちょっと心配になっていたのだった。 書架をぼさーっと眺めていたら、マンガコーナーを発見した。「銀の匙」があったから手に取ったらそのまま読み進められそうだったので最後の巻まで読み切ってしまった。読めた!マンガだけど。銀の匙おもしろい!
リハビリ3ターン目の朝、何ていうかとても気分が爽快なのだった。爽快というか「すごくげんき!」という感じ。手術後には全くなかった感覚である。浅草寺のおみくじ吉効果なのか…。ちょうど早く起きられたこともあり、通院は、思い切ってバスを使わず歩き通してみることにした。浅草までの散歩よりも距離は短いし。途中でくたびれてしまったらタクシーにでも乗ってしまえばいいんだし。
浅草までは1.5時間かかったから、同じぐらい見ておけばいいかと逆算して家を出た。一本道を間違えたので1.5時間ほぼキッチリかかった。過去の散歩記録の約倍ぐらいの時間だ。だが歩き通せた。新・PT先生に週末の冒険の話をして、何だか気分がすごく良いです!と、ドヤっと報告する。
木曜の新・OT先生の回も歩き通して通院した。歩いてきましたと言ったら、カルテを見直してから、えっ?あっほんとだ。すごいっすねと笑っている。どうも回復ペースが少しおかしいらしい。相変わらず文字拾いの点数は低いのだが、他の色んなテストは問題はないらしい。新・OT先生に「実は私、手術前から注意力が低いことで定評はあるタイプなんです…校正が一番の苦手な仕事だったし…」と白状してみたら新・OT先生が爽やかにゲラゲラ笑って受け止めてくれた。
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