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#パラセル諸島
ari0921 · 4 years
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パラセル諸島、中越関係の火薬庫か 双方とも「解決」は望まぬ?
ベトナム・ダナン(CNN) 「パラセル諸島は」と教師が叫ぶと、30人ほどの生徒たちがさらに大きな声で「ベトナムの領土だ!」と答える。彼らの声は、ベトナム・ダナン市内のパラセル諸島博物館の館内に響き渡る。
同博物館は、ベトナム政府が総工費180万ドル(約1億9000万円)かけて建設し、2018年にオープンした。その目的はただ一つ、パラセル諸島は中国ではなく、ベトナムの領土であることを明確にするためだ。
南シナ海北西に位置するパラセル諸島は、130の小さなサンゴ島とサンゴ礁で構成され、多くの海洋生物が生息している。さらに、同諸島周辺の海底にはエネルギー資源が眠っているとの憶測もある。
米中央情報局(CIA)の年次刊行物「CIAワールドファクトブック」によると、同諸島にこれと言った先住民はおらず、いるのは1400人からなる中国の駐留軍だけだ。
しかし、この諸島がどの国の領土かは定かではなく、領有権を最も強く主張しているのはベトナムと答える専門家もいれば、中国と答える専門家もいる。1つ確かなことは、パラセル諸島は過去45年間、中国が実効支配しているということだ。
中国政府が次第に南シナ海のほぼ全域の領有権を主張するようになり、さらに南シナ海やその周辺の資源やアクセスに対する最上級の影響力を追求する中国政府に対し、ベトナム政府は辟易(へきえき)しつつある。
歴史に深く根差している紛争
南シナ海の専門家であるトラン・ドゥック・アインサン氏は、パラセル諸島はかつて、現在のベトナムの国土の大半を支配していたグエン朝(阮朝)の統治下にあったと主張する。
アインサン氏によると、17世紀末にグエン朝は漁船隊を派遣してパラセル諸島を占領し、そこで収穫した食用の鳥の巣や魚介類を権力者たちに持ち帰ったという。
漁師らは、この諸島にベトナム語で「ホアンサ諸島」と名付けた。1816年にグエン朝初代皇帝、嘉隆帝(かりゅうてい)がパラセル諸島を正式に併合し、ベトナムの領有権が確立した、とアインサン氏は言う。
しかし、中国外交部は2014年に作成された文書の中で、南シナ海における中国の活動は2000年以上前にさかのぼるとし、中国はパラセル諸島の発見、命名、調査、資源開発を最初に行い、さらに最初に同諸島を継続的に統治したのも中国だとしている。
中国はパラセル諸島を「西沙諸島(せいさしょとう)」と呼んでいる。
ロンドン大学の国際研究・外交センター(CISD)の研究者、マーク・ホスキン氏によると、1823年の記録には、パラセル諸島の中国の船や漁師に関する記載があるという。
また、ベトナムは1958年に当時の北ベトナム首相が、ベトナム政府は中国政府による南シナ海とその領域に対する領有権の主張を認め、承認するという内容の書簡を中国政府に送っており、法的に見るとその時点でパラセル諸島の領有権を放棄した可能性がある、とホスキン氏は指摘する。
その一方で、領有権はベトナムにあると主張する人もいる。米国海軍大学の元教授(国際法学)ラウル・ペドロサ氏もその1人だ。
ペドロサ氏によると、非営利調査組織CNAの2014年の分析では、ベトナムは1700年代はじめ以降、パラセル諸島の領有権に対する明確な関心を示しており、20世紀前半のフランス植民地時代、1954年の南北分断、さらに1975年の南北ベトナム統一の間、一貫して領有権への関心を維持していたという。
それに対し、中国は1909年に査察などの目的でパラセル諸島のいくつかの島々に小艦隊を派遣するまで領有権に対する明確な関心は示さなかった、とペドロサ氏は指摘する。
また、中国は1956年にパラセル諸島最大の島、ウッディ島(永興島)を占領し、さらに1974年に当時の南ベトナム軍との交戦後に残りの島々を占拠したが、その時まで、同諸島に中国人は住んでいなかった。しかし、この2つの事例における中国の行動は、他国の領土的一体性を脅かす武力の行使を禁じる国連憲章に違反しており、領有権を主張するための正当な手段ではない、とペドロサ氏は主張する。
2016年4月に撮影されたウッディ島(永興島)/
一方、中国政府は中国の領土を取り戻したにすぎないというのが中国側の主張だ。
1974年にパラセル諸島から最後のベトナム軍を追放して以来、中国は、同諸島に軍の駐屯地を設置し、ウッディ島(永興島)に飛行場や人工港を建設するなど、着実に同諸島の領有権の主張を強めている。
領土問題が消えていない数々の証拠
パラセル諸島博物館の外には、ベトナム漁船90152TS号が展示されている。この漁船は、2014年にパラセル諸島近くで中国の海洋監視船と争っている最中に沈没した。
同博物館の広報担当者は、「90152TS号は、中国の常軌を逸した行動を裏付ける証拠だ」とし、さらにパラセル諸島の領有権を守るというベトナム人の「決意」の象徴でもある、と付け加えた。
しかし、90152TS号沈没事件に関する中国政府の主張は異なる。
中国国営新華社通信によると、90152TS号がパラセル諸島近くの海域で中国の漁船に迷惑行為を行ったという。新華社は当時、90152TS号は中国の漁船にぶつかった後に転覆したと報じた。
南シナ海では、今年の夏にもベトナム、中国間の紛争が発生した。中国の調査船とその護衛船が、南沙諸島内のベトナムの排他的経済水域に侵入したのだ。
この海域には、かなりの量の天然ガスや石油が存在すると見られており、ベトナムはそれらの資源の開発を目指している。
ベトナム政府の指導者らは不満をあらわにし、ベトナム外務省は7月にベトナム領海からのすべての中国船舶の退去を求めた。
中国のこうした行為に対し、アナリストらは懸念を示している。
オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のシニアアナリスト、フォン・レ・トゥー氏は、「中国政府は、ベトナムだけでなく、米国をはじめ国際コミュニティー全体を試している」とし、さらに、南シナ海における中国の武力侵略は、各国が「ルールに基づく秩序」をどこまで支持するのかを見るためのテストだ、と指摘した。
とはいえ、中国とベトナムはどちらも戦争は望んでいない、と語るのは、英国王立国際問題研究所のアジア太平洋プログラム担当アソシエイトフェロー、ビル・ヘイトン氏だ。
「(中国とベトナムの)どちらも戦争のリスクを冒してまで領土問題を強引に解決したいとは考えていない。領有権の主張はまさに終わりなき旅だ」とヘイトン氏は言う。
南シナ海の専門家のアインサン氏も同意見だ。
アインサン氏は「中国とは戦争はできない。そんなことをすればベトナム国民に壊滅的な被害が出る」とし、「中国も簡単には折れないだろうが、現時点では国際法廷に訴えるのが唯一の解決策だ」と指摘した。
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xf-2 · 3 years
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【ワシントン=黒瀬悦成】米海軍第7艦隊は12日、同艦隊所属のミサイル駆逐艦「ベンフォールド」が南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で現地時間の同日、「航行の自由作戦」を実施したと発表した。米海軍は2月にも同諸島周辺で、バイデン政権発足後初となる南シナ海で航行の自由作戦を実施している。
第7艦隊報道官は「中国による南シナ海全域での不法な権益の主張は、航行や飛行の自由、自由貿易や円滑な商取引、南シナ海の沿海国の経済機会の自由を含む、海洋の自由に対する深刻な脅威だ」と指摘した上で「米国は航行の自由を根本原則として支持していく」と訴え、中国への対抗姿勢を鮮明にした。
報道官はまた、今回の航行に関し中国人民解放軍が「米艦が中国政府の許可を得ずに諸島の近海を航行し、中国の主権を損ねた」とする主張は「虚偽だ」と反論した。
パラセル諸島は、1974年に中国が当時の南ベトナム(現・ベトナム)軍との戦いを経て支配下に置き、現在も中国に加えベトナムと台湾が領有権を主張している。
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jaguarmen99 · 6 years
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中国空軍は18日、南シナ海(South China Sea)の島に初めて爆撃機数機を着陸させた。同軍が声明で明らかにした。領有権を争う同海の海域の周辺諸国間で新たに緊張が高まることが懸念される。  中国空軍の発表によると、長距離核攻撃が可能なH-6K爆撃機を含む複数の爆撃機が、海上の標的を想定した攻撃訓練を行った後、ある島の飛行場で離着陸訓練を行ったという。  米戦略国際問題研究所(CSIS)の中国の専門家は「爆撃機が南シナ海(の島)に着陸したのは初めてだと思う」とツイートした。  CSISのウェブサイトに掲載された分析によると、中国軍が離着陸訓練を行った滑走路は、ベトナムと台湾も領有権を主張している西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)のウッディー島(Woody Island、永興島)に建設されたものとみられる。  発表の中で引用された防衛関連の専門家によると、南シナ海の複数の島々での離着陸訓練は、同海における安全保障上の脅威に対処する際の空軍の戦闘力を強化するためのものだという。  米経済専門局CNBCは数週間前に、米情報機関に近い情報筋の話として、中国軍が対艦および空対空防衛システムを、ベトナムやフィリピンも領有権を主張している南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)に配備したと報じ、米政府は中国政府に対し、南シナ海の軍事化に対する何らかの報復を受けると警告した。(c)AFP
中国空軍の爆撃機が初めて南シナ海の島に着陸 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
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chikuri · 7 years
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■1.尖閣奪取は「中国の夢」の最初のステップ  2016年春、ワシントンの民間軍事問題研究機関「国際評価戦略センター」は、シナの東シナ海戦略についての調査報告書を公表した。そこではシナが尖閣諸島の奪取のための軍拡を急速に進めている様子が報告されていた。  例えば、尖閣諸島から約360キロの浙江省の南ジ列島でヘリコプター発着を目的とする新軍事基地の建設を始めた。同じく約320キロの地点にある同省温州市で、日本の海上保安庁にあたる「海警」の新しい基地の建設を始める事を明らかにした。  高速大型のホバークラフトを配備し、新鋭の重量級ヘリの開発にも着手した。さらに軍用航空機と軍艦の拠点として機能する「洋上基地」の東シナ海での配備を決めた。  この報告書は、シナが尖閣だけでなく、沖縄を含む琉球諸島全体の奪取を目論んでいると結論づけている。それが成功した暁には米軍はグアム以東に駆逐され、西太平洋は「シナの海」となり、わが国はそこに浮かぶ孤島列島となってしまうだろう。  この「国際評価戦略センター」のリチャード・フィッシャー主任研究員は、シナの究極の目的を次のように説明している。 __________  中国共産党は究極的には、日本という国をほぼ完全に屈服させることを目指しているといえます。アメリカとの同盟はなくす。自衛能力もきわめて制限される。もちろん核兵器など持たない。そして少しずつ中国の国家発展長期計画に日本という国を組みこんでいく。そんな目標です。つまりは日本を中華帝国の隷属国家にすることです。[1, 464]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  尖閣奪取は、この「中国の夢」の最初のステップに過ぎないのである。 ■2.シナの3度の南シナ海侵略  シナの侵出にどう対応すべきか。それを考えるのに南シナ海でのシナの動きが参考となる。  シナは1974(昭和49)年1月、パラセル諸島(シナ名、西沙諸島)の南ベトナム軍を襲って、同諸島を我がものとした。この時、アメリカ軍が南ベトナムを離れてすでに10か月近く経っていた。さらに時のニクソン政権は、ウォーターゲート事件で苦境に追い込まれており、再び南ベトナムに米軍を送ることなど、まったく望めない状況にあった。  そこをシナ軍が襲いかかって、双方の軍艦と戦闘要員が2日間激闘を続けた。結果は兵力の優勢なシナ側の圧勝で、ベトナム側戦死者53名、シナ側18名という結果だった。南ベトナム政府は詳細を公表し、国連に提訴したが、当然のことながら、国連安保理常任理事国であるシナに握りつぶされた。  その後、ベトナム共産党政権が全土を統一したが、その共産主義政権が支配するスプラトリー諸島(シナ名、南沙諸島)のジョンソン南礁他に対しても、1988(昭和63)年にシナは攻撃して奪取した。ベトナム側は70人以上の戦死者と、輸送艦2隻の沈没、強襲揚陸艦1隻大破の被害を受けた。  1994(平成6)年秋には、スプラトリー諸島の要に位置するミスチーフ環礁を支配するフィリピン軍に攻撃をしかけた。当時、米軍はフィリピンから撤退しつつあり、フィリピン国内で長年使ってきたスービック海軍基地とクラーク空軍基地を1992年までに返還していた。シナ軍は、その米軍の抑止力のなくなった好機を見逃さなかったのである。  この3つの事例から、シナの攻め方の特徴が明らかに見てとれる。第一にシナは米軍がいる間は手を出さない。第二に相手の戦力を見て、弱いと分かれば、ためらいなく軍事力を行使する。「軟土深掘」(柔らかい土は深く掘れ)」という諺がシナにはあるそうな。それを地で行くシナの侵略パターンである。 ■3.尖閣に関する虚々実々の駆け引き  南シナ海に関しては、この3回の軍事侵攻で制圧を完了し、現在は島の埋め立てなど軍事基地化を進めている。これに比べれば、東シナ海の尖閣侵略は、これからの段階だろう。  これまでの侵攻パターンを見れば、シナを抑止するためには、米軍の存在と、当該国自身の防衛力を充実させて、尖閣侵攻にはシナにとって相当のリスクがあることを見せつけることが必要であることが見てとれる。  シナが尖閣海域では海警船は出しても、海軍の軍艦を出さないのは、海警は正規の軍隊ではないため、もし日本側と衝突があっても、米軍の出動条件にはならないからである。  また、日米安保条約が適用されるのは、「日本の施政権下にある領域」だが、シナは海警の艦船を週7日、一日24時間パトロールできるという実績を示して、「尖閣海域の施政権は中国が保有している、少なくとも日本と共有している」と宣言できる状態に近づけようとしている。  この出方は、アメリカも読んでいて、オバマ政権では「米軍が尖閣を防衛する」とは明言しなかった「曖昧さ」を変更して、トランプ大統領、ティラーソン国務長官、マティス国防長官がそれぞれ個別に「尖閣諸島は日米安保条約により共同防衛の対象になる」と明言して、シナを牽制している。尖閣に関しては、米中で虚々実々の駆け引きが続いているのである。 ■4.日米同盟を弱体化させるシナの工作  米軍が沖縄にいては尖閣侵攻もできないので、シナは日米同盟をなんとか突き崩そうとしている。アメリカ議会の政策諮問機関である「米中経済安保調査委員会」が2016(平成28)年3月に公表した報告書は、次のように指摘している。 __________  中国の政治工作員は沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動することに努める。そのために中国側関係者が沖縄の米軍基地反対の集会やデモに実際に参加することもよくある。  その結果、沖縄住民の反米感情をあおり、日米同盟への懐疑を強め、日米間の安保協力をこじれさせることを企図している。  中国はまた沖縄の独立運動を、地元の親中国勢力をあおって支援するだけでなく、中国側工作員自身が運動に参加し、推進している。[1, 1653]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  沖縄の米軍基地反対活動には本土から渡った左翼活動家が多く、かつシナ企業から資金が出ていると国内でも指摘されていたが[a]、シナの関与が米国議会でも公言されたのである。  また、翁長沖縄県知事は、スイス・ジュネーブの国連人権理事会に出向いて「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」というシナのプロパガンダそのままのスピーチをした。  幸い、この翌日、沖縄女性の我那覇真子さんが「我々沖縄県民は少数民族ではありません」と断言し、シナの脅威に対する米軍基地の役割を指摘した。我那覇さんの活躍で、翁長氏のスピーチは不発に終わった。[b]  翁長氏の娘さんは北京大学に留学後、シナ共産党・太子党幹部の子息と結婚したそうな。いかにもシナらしい工作だが、シナの手は国内の左翼のみならず、県知事にまで及んでいるのである。 ■5.「従軍慰安婦」問題は日米韓連携へのシナのくさび 「従軍慰安婦」問題に関して、なぜ韓国があれほど執拗なのか、という疑問も、シナの日米同盟��壊工作という視点から謎が解ける。アメリカの軍事ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏はこう指摘する。 __________ (慰安婦像を設置した)グレンデールで起きた裁判の訴状を見ると、グローバル・アライアンス(世界抗日戦争史実維護連合会)が姿を見せています。この組織は在米中国人を中心とし、中国政府との協力も密接です。慰安婦問題ではこの中国の動きこそが核心なのです。[2,p41]  ・・・中国がさまざまな手段を用いて日本、韓国、そしてアメリカのあいだを切り裂こうとしている、ということです。三カ国の間に亀裂が入れば、中国の南シナ海での勢力拡張や尖閣諸島の獲得が有利になるからです。慰安婦問題が拡大して最も利益を得るのが中国であることはいまや明らかです。[2,p39]  慰安婦問題を地政学的、政治的問題の道具として利用しているのは中国です。いわば韓国は中国の操り人形として利用されているだけなのです。[2, p40]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  日韓に基地を持つ米軍と、自衛隊、韓国軍が連携すれば、極東の対シナ防衛力がフルに発揮できる。「従軍慰安婦」問題は、その三国の連携にくさびを打ち込もうとするシナの工作なのである。  2015(平成27)年末の日韓慰安婦合意の陰には、アメリカから韓国への圧力があった。その二か月前のホワイトハウスでの米韓首脳会談では、オバマ大統領が日韓友好を求めて朴槿恵大統領を叱責し、会談後の会見でも「(日韓の)困難な歴史問題が解決されることを望む」と厳しい表情で語った。[2]  韓国がシナの慰安婦工作に踊らされていることが、極東の平和にいかに障害になっているのか、防衛問題に消極的だったオバマ政権ですら、重大な懸念を抱いていた事が窺われる。 ■6.国内左翼による安全保障体制強化への反対  シナの対日工作で最大の脅威をもたらしているのは、国内左翼による安全保障体制強化への抵抗だろう。平成27(2015)年の平和安全法制、今年5月の「テロ等準備罪」をそれぞれ「戦争法」、「現代の治安維持法」などと呼んで、左翼勢力は激烈な反対運動を展開した。尖閣防衛に威力を発するオスプレイ配備にも抵抗した。  シナや北朝鮮からの危機には口を閉ざし、国内の「軍国主義化」のみをあげつらう左翼の主張は、シナの対日批判の受け売りである。国内左翼の唯一の「オリジナリティ」は、「森友・加計問題」で安倍政権の足を引っ張ろうとした点のみである。  左翼勢力の本家である日本共産党がソ連やシナの下部組織として活動してきたこと[c]、また朝日新聞も長年、ソ連やシナの代弁者としてプロパガンダ報道を続けてきた前科[d]から考えれば、これら左翼勢力のなかにシナの指示を受けて、その代理人となって活動している人々がいるのは間違いないだろう。  日本の安全保障体制強化の最大の山場は憲法9条の改正であるが、シナの工作を受けて、左翼勢力の反対活動はますます激烈になるだろう。 ■7.「日本国民はソニーのテレビを見ていればよいのです」  実は現在の日米同盟への非難はアメリカからも来ている。アメリカは日本の防衛に貢献するが、日本はアメリカの防衛に義務を負わないという「片務性」が、アメリカ国内で深刻な議論を呼んでいるからである。 __________  日本は、憲法上の制約を口実に、アメリカの安全保障のためにほとんど何もしない。それなのに、アメリカが膨大な費用と人命とをかけて、日本側の無人島の防衛を引き受けるのは理屈に合いません。日本側はこの種の不均衡をいつも自国の憲法のせいにします。かといって、『では憲法を変えよう』とは誰もいわないのです。[1, 1866]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  本年2月、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会の公聴会で下院の民主党ベテランメンバー、ブラッド・シャーマン議員の発言である。これに対して、共和党古参のデーナ・ローラバッカー議員は、こう日本を弁護した。 __________  確かに日本の憲法が日米同盟を一方的なものにし、公正に機能することを阻んではいます。しかし安倍晋三首相は憲法改正をも含めて日本の防衛を強化し、同盟をより均等にしようと努めています。それにアジアでは中国に軍事的に対抗する際に、真に頼りになるのはまず日本なのです。[1, 1866]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  弁護しつつも「日本の憲法が日米同盟を一方的なもの」にしているという問題認識は同じである。そして、それは極めて合理的な、事実にも基づいた正確な認識であることは否めない。  トランプ大統領も選挙キャンペーン中に、「アメリカが攻撃されても、日本は何をする義務もない。日本国民は家にいて、ソニーのテレビでもみていればよいのです」と度々指摘していた。そして「こんな状態を、みなさんはよい取り決めだと思いますか」と聞くと、聴衆からは「ノー」という声がどっと湧き起こった。  アメリカの一般国民は、日本の憲法問題など関心も知識もないし、たとえ憲法上の問題があるにしても、「自国の憲法なんだから、自分たちで憲法を変えれば済む話ではないか」と思っている。これは国際常識そのものである。  この片務性の問題は、まだ議論の段階だから今の程度で済んでいるが、実際に米艦船が攻撃を受けた際に、近くにいる自衛隊の艦船が法的制約で何もできなかったというような事態が実際に起こったら、米国民は怒り狂って、日米同盟は存亡の危機に瀕するだろう。 ■8.『戦争がイヤなら 憲法を変えなさい』  尖閣諸島や沖縄をシナの侵略から守り、ひいては日本国自体がシナの隷属国家になることを防ぐには、抑止力として自衛隊と日米同盟の維持強化が不可欠である。  その最大の障害となっているのが、憲法9条なのである。『戦争がイヤなら 憲法を変えなさい』という古森義久氏の著書のタイトルはここから来ている。  我々の子孫をチベット、ウイグル、モンゴルの民のような目に遭わせたくなかったら、シナの工作に従って蠢(うごめ)いている国内左翼勢力を克服して、改憲を実現しなければならない。我々が自国の憲法を自分で変えられない、というような愚かな国民でいては先人にも子孫にも申し訳が立たない。 (文責 伊勢雅臣)
No.1029 憲法9条が招く国難 国際派日本人養成講座/ウェブリブログ
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savechina · 4 years
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RT @Sankei_news: 越漁船に中国船体当たりか 西沙諸島、船長が暴行被害 https://t.co/rUDzPR6xBB ベトナムメディアは南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で16人乗りのベトナム漁船が中国船に体当たりされ、船の機材や漁獲物などを奪われたと報じた。 漁船は大きく損傷し、船長が中国側に暴行を受けたという。
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yfx-35 · 5 years
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【南シナ海】ベトナムが石油掘削を強行 中国と領有権を争う海域 BBC放送
1:ばーど ★2017/07/05(水) 20:30:07.30 ID:CAP_USER9.net 中国とベトナムが領有権を主張して対立する南シナ海のパラセル(西沙)諸島 http://www.sankei.com/images/news/170705/wor1707050038-p1.jpg 【シンガポール=吉村英輝】英BBC放送(電子版)は5日、中国も領有権を主張する南シナ海海域で、ベトナムが石油探査に向けた海底掘削に着手した、と報じた。 この探査をめぐっては、中国人民解放軍首脳が激高し、訪越日程を切り上げた経緯がある。報道が事実であれば、ベトナム政府は、中国側の猛抗議を無視して掘削を強行したことになり、中国による報復も予想される。…
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hoory · 6 years
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RT @shounantk: 1973年 米軍がベトナムから撤退 ↓ 1974年 中国がパラセル諸島を占領 1991年 米軍基地がフィリピンから撤退 ↓ 1992年 中国が南沙諸島の実効支配開始 2009年 鳩山総理が「最低でも県外」 ↓ 2010年 尖閣漁船衝突事件 平和主義者の人達は この現実を知らないのかな? 沖縄の基地減少を喜ぶのは中国 https://t.co/gbAIS7SOUp
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tamejirou · 7 years
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フィリピンの暴れん坊ドゥテルテ大統領が、中国に「敗北宣言」しました。 南シナ海問題、「中国を止められない」ドゥテルテ比大統領 AFP=時事 3/19(日)21:43配信   【AFP=時事】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は19日、中国はあまりに強大であり、フィリピンや中国が領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)で中国が進めている構造物建設を止めることはできないと述べた。 どうしてこういう発言になったのでしょうか? 2012年から中国が実効支配するスカボロー礁に関しては、西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)の永興(Yongxing)島(英語名:ウッディー島、Woody Island)に中国が設立した三沙(Sansha)市の市長が、環境モニタリング基地を建設すると語ったと伝えられている。(同上) 三沙市というのは、2012年にできた新しい「市」です。その市長が、「環境モニタリング基地を建設する」と語った。記者会見でこの発言について質問されたドゥテルテさんは、こういいました。 われわれは中国を止めることはできない。 私にどうしろというのか。中国に宣戦布告をしろとでも。それはできない。(中国と交戦すれば)わが国は明日にも全ての軍隊と警察を失い、破壊された国となるだろう。
南シナ海で中国に事実上の敗北宣言。フィリピン大統領に何が起きたか - まぐまぐニュース!
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yotchan-blog · 4 years
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Yahoo!ニュース( August 27, 2020 at 10:56AM)
【米当局 中国のミサイルは4発】 https://t.co/e718sskZ4H 米国防当局者は、中国軍が中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイル4発を発射したと明らかにした。南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島と海南島に挟まれた航行禁止海域に着弾したという。
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caumo · 4 years
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中国は、東シナ海および南シナ海を「中国の海」とするため、自国から遠く離れた島や岩礁を一方的に自国のものと主張し、その虚構(うそ)を国内で定説化する。  そして、中国は、力の空白を突いて、あるいは力の弱い相手に対して実力を行使するのである。  中国は1974年、ベトナム戦争が終結し米国が立ち去ったためにできた力の空白を突いて、ベトナムから西沙(パラセル)諸島全体を奪取した。  1989年には、ソ連の支援を失ったベトナムと戦い南沙(スプラトリー)諸島のヒューズ礁やジョンソン南礁など6つの岩礁を奪い取った。  また、1992年にフィリピンから米軍が撤退すると、中国は1995年初めまでフィリピンが実効支配していたミスチーフ礁を占拠した。  2000年代に入り、中国の海洋進出は、背後から海軍を支援させつつ、漁民を装った海上民兵や海警をもって島や岩礁の実効支配を固め、その周辺海域の管轄権を主張し、国土化を図って行くという手法を採ってきた。  改めて、南シナ海における九段線の設定や南沙(スプラトリー)諸島の岩礁埋め立て・人工島化・軍事基地化の経緯、そして東シナ海における沖縄トラフまでの大陸棚主張と尖閣諸島への継続的な威圧行動を見れば、「李承晩ライン」設定と中国の侵略的アプローチがオーバーラップするのである。
中国の尖閣奪取作戦が始動、手本は韓国の李承晩 ベトナム、フィリピンから領土を掠め取った手法に自信(3/5) | JBpress(Japan Business Press)
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ari0921 · 6 years
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南沙・西沙、FBで「中国領」=ベトナム政府が修正要請 時事通信社 南シナ海の南沙・西沙両諸島を中国領であるかのように表示(海上の青い点)した地図(ベトナムのメディア「ザンチー」のサイトより)  【ハノイ時事】ベトナムのタインニエン紙(電子版)は2日、中越などが領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)、西沙(パラセル)両諸島について、インターネット交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(FB)の地図が中国領のように表示しているため、ベトナム政府が修正を文書で申し入れたと伝えた。(2018/07/02-18:18)
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xf-2 · 4 years
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トランプ米政権が覇権拡大を図る中国への対抗措置を強める中、中国が領有権を主張し軍事拠点を構築する南シナ海をめぐって米中の軍事的緊張が高まっている。今月上旬、中国が同海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で軍事演習を実施すると、米海軍は空母2隻を同海に派遣し中国の主張を認めない姿勢を誇示した。ポンペオ米国務長官は23日の演説で自由主義国と連携して中国の脅威に対���する姿勢を強く打ち出しており、同盟国の日豪なども対応を迫られている。
■米国防長官「中国に国際水域変える権利ない」
 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、南シナ海における中国の過剰な海洋権益の主張を否定し、その覇権的行動を封じ込めるため、歴代米政権���りもはるかに積極的に対抗措置を講じている。
 エスパー国防長官が21日、英政策研究機関「国際戦略研究所」(IISS)の講演で明らかにしたところでは、米政権は中国が南シナ海を軍事拠点化して一帯の領有権を主張するのを容認しない立場を明確にするため、南シナ海に艦船を派遣する「航行の自由」作戦を昨年、過去40年間で最多となる頻度で実施した。
 エスパー氏は米政権の南シナ海政策の目的について「地域の全ての国々の繁栄に向けて自由で開かれたインド太平洋(の理念)を擁護し、中国に対し国際水域を自国の海洋帝国に変える権利はないことを明確にするためだ」と強調した。
 同���はその上で、「今年も前年と同じ頻度で航行の自由作戦を実施していく」と表明し中国を牽制(けんせい)した。
 米政権は13日、南シナ海をめぐる中国の主張は「根拠がない」とした2016年7月のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断を支持すると発表し、中国による南シナ海の実効支配の強化を拒絶する立場を公式に打ち出した。
さらに米海軍は今月、原子力空母2隻を南シナ海に展開し、演習を繰り返し実施するという異例の措置をとった。空軍のB1戦略爆撃機2機も21日、グアムから南シナ海上空への長距離飛行を行った。
 米政権がここへきて南シナ海への関与姿勢を強めているのは、米国を含む各国が新型コロナウイルス危機への対応に追われる中、中国がその隙を突いて南シナ海での挑発行動を強化しているためでもある。
 米政権は、米軍の積極展開を通じ、中国と領有権を争う東南アジア諸国に対して米軍の関与が揺るぎないことを明示する一方、外交でも圧力を強める構えだ。専門家の間では、米国が同海の軍事拠点化に関与した中国企業に制裁を科す可能性が取り沙汰されている。
 スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は「全ての選択肢を排除しない」と述べ、制裁実施に含みを残している。
■中国、防空識別圏設定へ下準備か
 【北京=西見由章】中国人民解放軍で南シナ海を管轄する南部戦区は、25日から8月2日まで、広東省雷州半島沖の北部湾で実弾演習を実施する。詳細は不明だが、米海軍が今月から南シナ海で活発化させている軍事演習に対抗する狙いもありそうだ。
 米中間の全面的な対立構造が深まる中、南シナ海は軍事衝突の発生リスクが最も高い地域となっている。海域全体を自国の管轄下に置き米海軍の影響力を排除しようとする中国側の長期目標と、米国の国益が真っ向から対立するためだ。
 両軍はこれまでも南シナ海でつばぜり合いを演じてきた。2001年には上空で両軍機が衝突、中国人パイロットが死亡し、米偵察機が海南島に不時着する事件が発生。13年には公海上で中国軍艦が米巡洋艦に異常接近し、16年には中国側が米海軍の無人潜水機を奪取する事態も起きた。
 12年の習近平指導部発足後、中国世論の愛国主義と大国意識は肥大化した。米国と摩擦が生じても当局のメンツ上、明白な譲歩は困難だ。米中間で偶発的な衝突が起これば、双方が制御不能の事態に発展する危険性もある。
 今後は中国が南シナ海で防空識別圏の設定に踏み切るかが焦点となる。人工島埋め立てによる軍事拠点化は、防空識別圏設定の下準備という側面がある。ただ、中国が強行すれば米国や同海周辺国との対立激化は不可避だ。中国政府系機関の研究者は7月に発表した文書で「中国政府が近く防空圏の設定を宣言することを示す証拠は全くない」と火消しを図っている。
■豪、対中警戒へ転換…インドネシアも
 【シンガポール=森浩】南シナ海などインド太平洋地域で影響力を拡大する中国に対し、近隣諸国は警戒感を強め、米国との連携を進めるなどして対応強化に乗り出している。
 オーストラリアは今月発表した新国防戦略で、中国の海洋進出を念頭に今後10年間で国防分野に2700億豪ドル(約20兆円)を投じる計画を明らかにした。当初計画の40%増となる。米国から長距離対艦ミサイルを購入するなど海上防衛に重点を置くもので、「国防戦略において、ここ数十年で最大の転換」(英紙ガーディアン)とされる。
 豪州は南シナ海への関与も強めており、23日には、南シナ海での中国の権益に対する主張を否定する文書を国連に提出した。
 インドネシアも今月に入って、南シナ海で2千人が参加する大規模な軍事演習を実施。「自国の領土に対する主権を主張する決意の表れ」と地元紙は報じた。
 ベトナムも南シナ海での中国の伸長に繰り返し懸念を表明しており、22日には米国と漁船の安全な操業を確保するために連携することで合意した。ベトナム近海では、中国船による衝突で、ベトナム漁船が沈没する事故が相次いでいる。
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jaguarmen99 · 7 years
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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は19日、中国はあまりに強大であり、フィリピンや中国が領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)で中国が進めている構造物建設を止めることはできないと述べた。  2012年から中国が実効支配するスカボロー礁に関しては、西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)の永興(Yongxing)島(英語名:ウッディー島、Woody Island)に中国が設立した三沙(Sansha)市の市長が、環境モニタリング基地を建設すると語ったと伝えられている。  この報道についてミャンマー訪問を前に記者会見で尋ねられたドゥテルテ大統領は「われわれは中国を止めることはできない」と述べた。  さらに同大統領は「私にどうしろというのか。中国に宣戦布告をしろとでも。それはできない。(中国と交戦すれば)わが国は明日にも全ての軍隊と警察を失い、破壊された国となるだろう」と語り、中国に対しては「(問題の)海域を封鎖せず、わが国の沿岸警備隊に干渉しないよう」求めると語った。  またドゥテルテ大統領は、明白なフィリピン領だと国連(UN)が認めている、ルソン(Luzon)島東部沖のベンハム隆起(Benham Rise)近辺で中国の調査船が目撃され懸念が生じていることについてもこれを一蹴し、中国への不満は「とるに足らないことだ」と表現した。(c)AFP
南シナ海問題、「中国を止められない」ドゥテルテ比大統領 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
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bchan123 · 4 years
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美国海軍のミサイル巡洋艦バンカーヒルが同日、支那が人工島を造成して軍事拠点化を進める南シナ海のスプラトリー(支那名・南沙)諸島の付近を通航する「航行の自由」作戦を実施したことを明らかにした。また、28日には同作戦の一環として米海軍のミサイル駆逐艦バリーが支那の実効支配下にある南シナ海のパラセル(西沙)諸島の付近を通航したとしている。
【ワシントン
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ttynk · 4 years
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米海軍のミサイル駆逐艦バリーが「航行の自由」作戦を実施…中国が実効支配する南シナ海のパラセル諸島付近を通航!
米海軍のミサイル駆逐艦バリーが「航行の自由」作戦を実施…中国が実効支配する南シナ海のパラセル諸島付近を通航! Source: ねらーアンテナ
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